IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソルツ ヘルスケア リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図1
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図2
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図3
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図4
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図5
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図6
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図7A
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図7B
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図8
  • 特表-人工膀胱器具用のバルブ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】人工膀胱器具用のバルブ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/44 20060101AFI20220131BHJP
【FI】
A61F5/44 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534792
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-08-11
(86)【国際出願番号】 GB2019053593
(87)【国際公開番号】W WO2020128456
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】1820596.3
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1902714.3
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510174727
【氏名又は名称】ソルツ ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】アレン、 マーカス
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC18
4C098CC26
4C098CD01
4C098CE14
(57)【要約】
人工膀胱器具用のバルブは、人工膀胱器具に接続され、かつ入口と出口とを有するハウジングであって、入口と出口との間に延びるハウジング通路を含むハウジングと、ハウジング通路内に収容され、出口に液体が流れることを可能にする開放位置と、出口に液体が流れることを実質的に防止する閉鎖位置との間で軸回りに回転可能な本体とを備え、本体は、ハウジング内の開口内に収容され、本体入口から本体出口に延びる本体通路を有し、本体が開放位置にあるとき、本体出口は、少なくとも部分的にハウジング出口と整列し、液体が本体出口を通過してハウジング出口を流れることを可能にし、バルブは、本体とハウジング通路との間の本体の周囲に延び、かつ本体出口の周りに延びる密封装置を含み、密封装置は、本体が閉鎖位置にあるときに、本体とハウジング通路との間に液体が浸入するのを防止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工膀胱器具用のバルブであって、
前記人工膀胱器具に接続され、かつ入口と出口とを有するハウジングであって、前記入口と出口との間に延びるハウジング通路を含むハウジングと、
前記ハウジング通路内に収容され、前記出口に液体が流れることを可能にする開放位置と、前記出口に液体が流れることを実質的に防止する閉鎖位置との間で軸回りに回転可能な本体と
を備え、
前記本体は、前記ハウジング内の開口内に収容され、本体入口から本体出口に延びる本体通路を有し、前記本体が開放位置にあるとき、前記本体出口は、少なくとも部分的に前記ハウジングの出口と整列し、液体が前記本体出口を通過して前記ハウジングの出口を流れることを可能にし、
前記バルブは、前記本体と前記ハウジング通路との間の前記本体の周囲に延び、かつ前記本体出口の周りに延びる密封装置を含み、前記密封装置は、前記本体が閉鎖位置にあるときに、前記本体と前記ハウジング通路との間に液体が浸入するのを防止する、バルブ。
【請求項2】
前記密封装置は、前記本体の周りに延在し、かつ前記回転軸に対して実質的に直角の平面に置かれる部分を含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記密封装置は、1つ以上の支持部を含む、請求項1又は2に記載のバルブ。
【請求項4】
前記密封装置は、2つの実質的に平行な環状部を含み、それぞれが前記本体の周縁の周りに延在し、各環状部が前記本体出口のそれぞれの軸方向側に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のバルブ。
【請求項5】
前記環状部は、前記環状部と共に前記本体出口を完全に囲む一対の結合部によって互いに接続される、請求項5に記載のバルブ。
【請求項6】
前記密封装置を適切な位置に保持する保持装置を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のバルブ。
【請求項7】
前記保持装置は、前記本体内の少なくとも1つの凹部と、前記密封装置上の少なくとも1つの突出部とを含むか、又はその逆である、請求項7に記載のバルブ。
【請求項8】
前記密封装置は、前記本体にオーバーモールディングされている、請求項1~7のいずれか1項に記載のバルブ。
【請求項9】
内部排泄物収集キャビティを画定するように、実質的に互いの周縁に沿って接続された第1の壁及び第2の壁と、
前記第1の壁に配置され、かつ前記排泄物収集キャビティと連通するストーマ受容開口と、
請求項1~8のいずれか1項に記載のバルブと
を含む、人工膀胱器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工膀胱器具用のバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
人工膀胱器具はこの分野では周知である。これらは、典型的には、接着剤を用いて患者のストーマの周りに延在する接着性ウェハによって患者に取り付けられ、ストーマから排出される排泄物を収集するための収集チャンバを提供する。多くの場合、収集チャンバを排出するための機構が提供され、典型的には、これらは、患者が人工膀胱器具からの出口を開き、例えば、トイレに内容物を排出することを可能にするタップ又は栓の形態である。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、人工膀胱器具用のバルブが提供され、前記バルブは、前記人工膀胱器具に接続され、かつ入口と出口とを有するハウジングであって、前記入口と出口との間に延びるハウジング通路を含むハウジングと、前記ハウジング通路内に収容され、前記出口に液体が流れることを可能にする開放位置と、前記出口に液体が流れることを実質的に防止する閉鎖位置との間で軸回りに回転可能な本体とを備え、前記本体は、前記ハウジング内の開口内に収容され、本体入口から本体出口に延びる本体通路を有し、前記本体が開放位置にあるとき、前記本体出口は、少なくとも部分的に前記ハウジングの出口と整列し、液体が前記本体出口を通過して前記ハウジングの出口を流れることを可能にし、前記バルブは、前記本体と前記ハウジング通路との間の前記本体の周囲に延び、かつ前記本体出口の周りに延びる密封装置を含み、前記密封装置は、前記本体が閉鎖位置にあるときに、前記本体と前記ハウジング通路との間に液体が浸入するのを防止する。
【0004】
本発明のさらなる態様は、添付の請求項2~9において提供されている。
【0005】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】人工膀胱器具を示す。
図2図1の人工膀胱器具の側面図を示す。
図3】バルブの一実施形態の斜視図を示す。
図4】バルブの一実施形態の別の斜視図を示す。
図5】バルブの一実施形態の別の斜視図を示す。
図6】バルブの一実施形態の展開図を示す。
図7A】閉開放位置におけるバルブの一実施形態の内部構成を示す。
図7B】閉開放位置におけるバルブの一実施形態の内部構成を示す。
図8】バルブの一実施形態の本体の展開図を示す。
図9】バルブの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1及び2を参照すると、特に、人工膀胱器具1が示されている。人工膀胱器具1は、第1の壁2a及び第2の壁2bを含み、これらは、排泄物収集キャビティ4を形成するように、(例えば、熱溶接によって)互いに接続されている。第1の壁2bは、接着性ウェハ6に取り付けられる。(ストーマ受容開口8として知られている)開口部が、排泄物収集キャビティ4への入口を提供するように、第1の壁2aと接着性ウェハ6の両方を貫通している。
【0008】
(以下、より詳細に説明する)バルブ10は、人工膀胱器具1の第2の壁2bに取り付けられている。バルブ10は、排泄物収集キャビティ4と連通し、開放位置及び閉鎖位置を有しており、そこではバルブ10を通って排泄物が流れるか(すなわち、排泄物収集キャビティ4から流出する)又は流れることが許容されない。
【0009】
使用に際して、患者は、ストーマの周囲に接着性ウェハ6を取り付ける。排泄液(例えば、尿及び/又は血液及び/又は他の体液)は、ストーマを介して体外に排出され、ストーマ受容開口8を流れて排泄物収集キャビティ4に収集される。バルブ10は、排泄物収集キャビティ4に収集された排泄物がバルブ10を通って器具1から流出するのを可能にするために選択的に使用される。
【0010】
バルブ10の特徴は、図3から図8に詳細に示されている。バルブ10は、人工膀胱器具1に接続されるハウジング12と、ハウジング12内に支持される本体14とを含む。ハウジング12は、入口20と、出口22と、ハウジング通路24とを有する。液体流路は、ハウジング通路24(特に7Bに示されている流路「B」を参照)の少なくとも一部を通って入口20と出口22との間に延びる。
【0011】
図示の実施形態(特に図3及び図4を参照)では、ハウジング12は、平面部材26及び円筒部分38も含む。平面部材26は、ハウジング12の第2の壁2bに接続する部分を形成する。入口20は、平面部材26に画定される。第2の壁2bの開口部(図示せず)は、ハウジング12の入口20に対応する(これは排泄物収集キャビティ4とバルブ10との間に排泄物の通路を提供する)。
【0012】
この例では、ハウジング12は、壁2bを平面部材26に密封する熱溶接によって第2の壁2bに取り付けられる。ハウジング12は、(通常の使用において)液体がバルブ10を使用しなければ器具1から出られないようにハウジング12が人工膀胱器具1に密封される限り、別の手段によって人工膀胱器具1に取り付けられてもよいことを理解されたい。
【0013】
この例では、円筒部分38は、ハウジング通路24を画定する。しかしながら、正確にこれと同じ構成は必須ではないことを理解されたい。
【0014】
本体14は、ハウジング通路24内に収容され、開放位置(図5及び7Bに示す)と閉鎖位置(図3及び7Aに示す)との間で回転可能である。開放位置では、液体はバルブ10を通って流れることができる。この例では、第2の壁2bの開口部及びバルブ10の入口20を介して収集キャビティ4から流出し、出口22から流出する排泄液を含む。閉鎖位置では、液体がバルブ10を流れるのを防止する(したがって、排泄物は、排泄物収集キャビティ4内に貯蔵される)。
【0015】
本体14は、遮断部分32を有し、本体入口及び本体出口30(及び本体入口から本体出口30まで延びる本体通路)を画定する。図示の例では、本体14は、実質的に円筒部36を形成する壁を有し、本体出口30は、円筒部36の壁を貫通して画定される。
【0016】
本体14はまた、本体の回転を行うためのユーザ操作可能部34を有する。円筒部36は、ハウジング12の円筒部分38/ハウジング通路24内に収容される。
【0017】
より詳細には、開放位置では、本体出口30は、出口22と少なくとも部分的に整列し、液体が出口22を通って流れることを可能にする。閉鎖位置では、遮断部分32が出口22と整列し、液体が出口22を通って流出することを実質的に防止/阻止する。換言すれば、本体出口30はバルブ10を通る流路を開放し、遮断部32はバルブ10を通る流路を閉鎖し、遮断部32及び本体出口30の位置はハウジング12に対する本体14の回転位置に依存する。
【0018】
本体14は、(図7Aの「A」を参照する線によって示される)回転軸を中心に、その開放位置と閉鎖位置との間で回転する。軸「A」は、本体14及びハウジング通路24(すなわち、ハウジング通路24を画定するハウジング12の円筒部分38)を実質的に中心に貫通して延びている。
【0019】
バルブ10はまた、本体14の回転中に本体14が通路24から取り外されることを防止するか、又は少なくとも阻止する係合装置を含む。係合装置は、第1の及び第2の形成部40、42を含む。第1の形成部40は、本体14の上に又は本体によって設けられ、本体の周囲に少なくとも部分的に延在する。第2の形成部42は、通路24への入口の外側に位置し、(バルブ10が組み立てられたときに)第1の形成部40と係合する。
【0020】
第1の形成部40は、軸に対して実質的に直角の平面に配置される。いくつかの実施形態において、第1の形成部40は、本体14の周囲の少なくとも半分にわたって延在する(一例では、本体14の周囲の周りに完全に延在する)。
【0021】
図示の実施形態では、第1の形成部40は、本体14の外面から突出する隆起又は周縁を含む。図から分かるように、この例の突出部は、本体14の外面の周囲に連続的に延びている。突出部/第1の形成部40は連続的に延在する必要がないことが理解されるべきであり、そのような実施形態は以下にさらに説明される。
【0022】
第2の形成部42は、本体14の回転軸に対して直角に延びている。第2の形成部42は、実質的に細長状であり、本例では、凹部/溝又は開口部を含む。
【0023】
第2の形成部42(この例では、細長い開口部)は、ハウジング12の平面部材26に(通路24の入口に隣接して)形成されている。第1の形成部40(図の例では、突出部)は、本体14がハウジング12の通路内で作動位置にあるときに(すなわち、バルブ10が閉じられたときに、液体がバルブ10を通って流出することが阻止される構成において)第2の形成部で受容される。
【0024】
いくつかの実施形態において、第1の形成部40は、本体14の外面の周りに互いに間隔を置いて配置された複数の突出部を含み得る。本体14が回転したときに本体14がハウジング12から取り外されることを阻止するその機能を係合装置が確実に果たすために、突出部は、1つの突出部が第2の形成部42の凹部又は開口部の端部から出るとき(本体14が回転したとき)、別の突出部が反対側の端部で凹部に入るように、適切な距離で間隔を置いて配置される。換言すれば、少なくとも1つの突出部が、常時/全ての本体位置において常に凹部内に収容される。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1の形成部40が配置される平面は、ユーザ操作可能部34も通過する(例えば、図を参照)。第1の形成部40は、ユーザ操作可能部34によって占有される周辺空間を除いて、本体14の周囲に完全に延在し得る。換言すれば、第1の形成部40は、本体14の周囲の周りに完全に延びており、その第1の端部がユーザ操作可能部34の一方の側に接続され、反対側の第2の端部がユーザ操作可能部34の第2の側に接続されている。
【0026】
バルブ10は、本体14をハウジング12の通路24に挿入することにより組み立てられる。本体14は、第1の形成部40がハウジング12上の第2の形成部42に配置され/係合するまで、ハウジング12内に押し込まれる。一旦、第1の形成部40が第2の形成部42に保持されると、バルブ10は「作動位置」にあり、すなわち、本体14は、ハウジング12の出口22を通って液体が流出することを可能にするか又は阻止するために、上記の開放位置と閉鎖位置との間でハウジング12内で回転されてもよく、係合装置は、本体14がハウジング12から分離することを防止する。
【0027】
バルブ10の組み立てを支援するために、単独で又は互いに組み合わせて提供され得る複数の特徴がある。いくつかの実施形態において、平面部材26は、第2の形成部42に通じるカム面を含み、本体14が通路24に挿入されるときに第1の形成部40に係合する。換言すれば、第1の形成部40がカム面に沿って移動するにつれて徐々に増加する力を本体14が受けるので、カム面によって組み立てが支援される。いくつかの実施形態において、カム面は、平面部材26の周縁に又はその付近に(及び平面部材26の縁部と第2の形成部42との間に)配置される。
【0028】
いくつかの実施形態において、平面部材26は、ハウジング12/本体14の他の部分よりも比較的可撓性のある材料で作られる。これにより、本体14が所定の位置(例えば、第1の形成部40が第2の形成部42と係合する動作可能位置)に移動する際に、ある程度の「屈曲」が可能となる。この場合、本体14が第2の形成部40内のその位置に向かって移動するにつれて、平面部材26は第1の形成部42から「離れる」ように屈曲する。換言すれば、平面部材26は、一時的に、その上面においてより凸状になり、本体14(及び第1の形成部40)の所定の位置への移動を支援し、第1の形成部40が第2の形成部42によって受け入れられる(かつ本体14がハウジング12に対して所定の位置に保持される)と、その正常な形状(すなわち、より平坦な形状)に戻る。
【0029】
図9に示す実施形態では、バルブ10は、他の図に関連して説明される特徴を有する(そのいくつかは、以下に含まれる説明を補助するために明示的にラベル付けされている)。任意の実施形態では、説明した1つ以上の任意の特徴の任意の組み合わせが含まれ得ることを理解されたい。
【0030】
図9のバルブ10の場合、平面部材26は、2つのスリット28を含み、その1つは、第2の形成部42のそれぞれの反対の側に位置する(すなわち、各スリット28は、第2の形成部42に隣接して配置される)。換言すれば、平面部材26の一部は、平面部材26の周縁から内側に延びる細長い開口によって分離された3つの部分から形成され、第2の形成部42は、2つの開口部の間の(3つの部分の)中央部分に位置する。
【0031】
スリット28は、互いに平行に延在し、平面部材26の周縁から内方に延在している(しかしながら、スリットは、互いに角度をなして延在しても、同様の機能を提供し得ることを理解されたい)。スリット28は、本体14が平面部材26の残りの部分に対してその動作可能な位置(第1の形成部40と第2の形成部42とが係合する場所)に移動されるときに、平面部材26の一部が屈曲/移動することを可能にする。換言すれば、平面部材26のスリット28間の部分は、所定の位置から外れて(かつ平面部材26の残りの部分との整列から外れて)変形することができ、その結果、本体14を作動位置に移動させることが容易になる。第1の及び第2の形成部40、42が係合すると、平面部材26は元の位置に戻る。スリット28は、必ずしも平面部材26の材料の全てを貫通して延在する必要はないことを理解されたい。或いは、平面部材がその静止位置から撓み/変形することを可能にする単一の又は一対以上の溝が設けられてもよく、それによりバルブ10の組み立てが支援される。
【0032】
いくつかの実施形態では、本体26がその作動位置に向かって移動されるときに平面部材14の一部が変形することを可能にするような位置に単一のスリットを配置してもよいことを理解されたい。
【0033】
さらに、上記の(複数の)スリットは、上記の他の特徴の1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。例えば、カム面は、平面部材及び/又は(複数の)スリット上に設けられてもよく、及び/又は、必要に応じて、比較的可撓性のある材料から任意の組み合わせで製造されてもよい。
【0034】
本体14は、本体14の周縁に、本体14とハウジング通路24との間に延在する密封装置50をさらに含んでおり、本体14が閉鎖位置にあるときに、密封装置50が本体14とハウジング12との間における液体の進入を防止するように、密封装置50は本体出口30の周囲にも延在する。「周り」という表現は、回転軸に対して略直角方向の平面に延びる密封装置50を定義することを意図している。
【0035】
いくつかの実施形態(例えば、図に示されているもの)において、密封装置50は、本体14上にある。換言すれば、本体14は、密封装置50を支持する。これは、密封装置50が本体出口30の周りに必要な密封を提供して、(本体14が異なる位置に回転された場合であっても)本体14とハウジング12との間における液体の進入を防止することを可能にするので有利である。
【0036】
密封装置50は、本体14の周りに延在し、本体出口30の対向する軸方向側で互いに間隔を置いて配置された、2つの略平行な環状部50aを含む。本体出口30の両側には、一方の環状部50aから他方の環状部に延びる2つの結合部50bがさらに設けられている。このようにして、本体14の周縁に2つの密封リングが設けられ、また、本体出口30を取り囲む密封が提供される。
【0037】
本体14から外側に面する密封装置50の表面は、実質的に凸状であっても湾曲していてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、密封装置50は、2つの支持部52(それぞれが比較的厚い材料部分を含む)を含む。各支持部52は、平行環状部50aの略中間に位置し、結合部50bの1つに接続している。各支持部52は、密封装置50の歪みを低減するのに役立つ。時間の経過と共に、バルブ10が使用され、本体14がハウジング12a内で繰り返し回転されると、歪み力が密封装置50の縁部(特に、本体出口30を囲む密封装置50の部分)に加えられ、これにより、密封装置50は形が崩れて及び/又は適切な位置から外れるように曲げられ得る。状況によっては、これにより密封装置50が故障し、本体14がその閉鎖位置にあるときでさえ、液体がバルブ10を通過可能になる。支持部52は、(相対的な厚みのため)密封装置50の他の部分よりも剛性が高く、密封装置50を補強する。密封装置50は、必要に応じて、より多くの又はより少ない支持部52を含み得ることを理解されたい。
【0039】
いくつかの実施形態では、密封装置50を本体14に対して適切な位置に保持するのを助ける保持装置が存在する。保持装置は、この例では、本体14に略円形に形成された6つの凹部54と、密封装置50の内面から内方に突出する6つの対応する突出部56とを含む(この場合、突出部もまた略円形である)。密封装置50が本体14上の所定位置にあるとき、突出部56は凹部54に係合する。これは、密封装置50を適切な位置に維持するのに役立つ固定具を提供する。
【0040】
図示の例では、6つの凹部54及び6つの突出部56があるが、必ずしもそうである必要はないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、同じ数の突出部に係合する1つ以上の凹部が存在してもよく、それらは異なる形状であってもよく、例えば、正方形、楕円形又は六角形であってもよい。換言すれば、少なくとも1つの凹部及び突出部は、それらが密封装置50を本体14に対して所定位置に固定するように機能することができるように、互いに対応している。
【0041】
いくつかの実施形態では、密封装置50は、オーバーモールディング工程を使用して、本体14に対して所定の位置に製造される。密封装置50は、熱可塑性エラストマー/熱可塑性ゴム材料で作られる(ただし、他の好適な材料も使用し得る)。材料は、本体14とハウジング12との間を押圧するときに必要な密封を提供できるように変形し得ることが重要である。
【0042】
ハウジング12は、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂から作られる。このような材料は、ハウジング12に靭性、剛性及び強度を与える。本体14は、ポリプロピレンホモポリマーから作られる(したがって、本体14は、室温での中程度の衝撃強度と組み合わせて、低い反り及び高い剛性を有する)。
【0043】
使用時、排泄物収集キャビティ4は、ストーマ開口8を介して人工膀胱器具1に入る排泄物(例えば、尿及び/又は他の体液)を収集する。このバルブ10は、利用者がいつ排泄物収集キャビティ4を空にするかを選択できるように、人工膀胱器具1の第2の壁2bに取り付けられる。
【0044】
バルブ10が閉鎖位置にある間、(図7Aに示すように)遮断部32はハウジング12の出口22への流路を密封する。バルブを開くために、ユーザは、ユーザ操作可能部34を使用して、(軸「A」を中心に)ハウジング12内で本体14を回転させる。
【0045】
バルブ10を開閉するために、本体14を第1の位置と第2の位置との間で回転させる(出口の相対的な整列については後述する)。この例では、本体14は、ハウジング12に対して単一の軸方向位置に保持及び/又は維持される(すなわち、本体14は、それ以上ハウジング12内に入らず、また、ハウジング12から外に全く移動しない)。図示の例では、第1の形成部40は、第2の形成部42によって単一の軸方向位置に保持される。換言すれば、本体14がハウジング12に対して(軸「A」に沿った)単一の軸方向位置に保持されるように、第1の形成部40は、第2の形成部42の中で/それを通って回転可能である。
【0046】
開放位置では、本体14は、本体出口30がハウジングの出口22と整列する位置にあるので、液体をバルブ10から外に流出させることが許可される(これを図7Bに示す)。図7Bには、バルブ10が開放位置にあるときに形成される流路「B」が示されている。
【0047】
閉鎖位置(図7Aに示す)では、本体14は、本体出口30がハウジング12の出口22と整列しない位置にある。この例では、ハウジング12の壁は、ハウジング出口22を遮断し、本体出口30(及びハウジング出口22)からの液体の流出を防止又は少なくとも阻止する遮断部32を提供する。換言すれば、本体出口30がハウジング出口22と整列していない間、バルブ10を通る流体の流れを遮断するように、本体14の壁がハウジング出口22と整列している。
【0048】
要約すると、本体14は、開放位置と閉鎖位置との間で回転され、開放位置では、本体出口30は、ハウジング出口22と整列し(かつ、遮断部分32は、ハウジング出口22と整列しておらず)、閉鎖位置では、本体出口30は、ハウジング出口22と整列していない(かつ、遮断部分32は、ハウジング出口22と整列している)。
【0049】
図示の実施形態では、バルブ10が完全閉鎖位置(すなわち、遮断部分32が出口22に通じる開口部の中心に配置され、液体の流れを「完全に」遮断する場合)と、完全開放位置(すなわち、本体出口30が出口22に通じる開口部と整列し、流路が「完全に」開放されている場合)にある状態の間の距離は、半回転又は約180度である。本体14がより小さい回転(例えば、約90度)を完了したとき、流路は依然として開いている可能性があるので、開放位置は完全開放位置ではない可能性があることを理解されたい。しかしながら、流路が狭くなるため、人工膀胱器具1からの液体の最大流量は低くなる。
【0050】
バルブ10は、ハウジング12に対する本体14の回転運動を介して閉じられ(かつ、バルブ10からの液体の流出を防止又は少なくとも阻止するように密封され)、密封装置50をハウジング12の内面に完全に接触させる(これにより、本体入口及び出口30とハウジング出口22との間の液体流路が遮断される)。上述のように、密封装置50は、本体出口30の周囲に配置され、液体の流れを防止する(又は少なくとも阻止する)ように、ハウジング12を密封する。
【0051】
バルブ10は、ハウジング12に対する本体14の回転運動によって開放され(これにより、バルブ10を通って液体が流れることが可能になり)、本体出口30を通る液体流路を開放する。
【0052】
ユーザ操作可能部34は、バルブ10のユーザにとってより容易な使用を可能にするが、バルブ10自体の機能にとって必須ではないことを理解されたい。
【0053】
添付の特許請求の範囲に存在する1つ以上の特徴は、次の項目の1つ以上の特徴と組み合わせることができる。
【0054】
(項目1) 人工膀胱器具に接続するためのハウジングであって、入口と出口とを有しており、前記入口と出口との間に延びる通路を含むハウジングと、前記通路内に収容される本体であって、前記出口に液体が流れることを可能にする開放位置と、前記出口に液体が流れることを実質的に防止する閉鎖位置との間で軸回りに回転可能な本体と、前記本体の回転中に前記本体が前記通路から取り外されることを防止するか又は少なくとも阻止するための係合装置であって、前記本体上に又は前記本体によって設けられた第1の形成部を含み、前記第1の形成部は、前記本体の周りに少なくとも部分的に延在し、かつ前記通路への入口の外側に位置する第2の形成部と係合する係合装置とを含む、人工膀胱器具用のバルブ。
【0055】
(項目2) 前記第1の形成部は、前記軸に対して実質的に直角の平面に配置される、項目1に記載のバルブ。
【0056】
(項目3) 前記第1の形成部は、前記本体の周囲の少なくとも半分に延在する、項目2に記載のバルブ。
【0057】
(項目4) 前記第1の形成部は、前記本体の周囲の周りに完全に延在する、項目3に記載のバルブ。
【0058】
(項目5) 前記本体は略円筒形であり、前記通路は対応する円筒形である、項目1~4のいずれか1項に記載のバルブ。
【0059】
(項目6) 前記本体は、流体が前記入口と出口との間を通過することができる内部キャビティ又は空間を含む、項目1~5のいずれか1項に記載のバルブ。
【0060】
(項目7) 前記ハウジングは、前記人工膀胱器具に接続可能な平面部材を含み、前記第2の形成部は、前記平面部材上に又は前記平面部材によって設けられる、項目1~6のいずれか1項に記載のバルブ。
【0061】
(項目8) 前記平面部材は、前記本体が前記通路に挿入されるときに前記第1の形成部と係合するための前記第2の形成部に通じるカム面を含む、項目7に記載のバルブ。
【0062】
(項目9) 前記カム面は、前記平面部材の周縁又はその近傍に位置する、項目8に記載のバルブ。
【0063】
(項目10) 前記平面部材は、少なくとも1つのスリットを含み、前記少なくとも1つのスリットは、前記平面部材の周縁から内方に延び、かつ前記第2の形成部に実質的に隣接して配置される、項目7~9のいずれか1項に記載のバルブ。
【0064】
(項目11) 前記平面部材は、前記平面部材の周縁から内方に延びる2つのスリットを含み、前記第2の形成部のそれぞれの反対の側に1つのスリットが位置する、項目10に記載のバルブ。
【0065】
(項目12) 前記ハウジングは、使用時に、前記人工膀胱器具の排泄物収集キャビティと連通する入口を含む、項目1~11のいずれか1項に記載のバルブ。
【0066】
(項目13) 前記本体は、前記本体の回転を行うためのユーザ操作可能部を含み、前記ユーザ操作可能部は、前記第1の形成部が配置される平面が前記ユーザ操作可能部を通過するように配置される、項目1~12のいずれか1項に記載のバルブ。
【0067】
(項目14) 前記第1の形成部は、前記ユーザ操作可能部によって占有される周辺空間を除いて、前記本体の周囲の周りに完全に延在する、項目13に記載のバルブ。
【0068】
(項目15) 前記第1の形成部は、前記本体の周囲の周りに完全に延び、かつ前記ユーザ操作可能部の一方の側に接続される第1の端部と、前記ユーザ操作可能部の第2の側に接続される反対側の第2の端部とを有する、項目13に記載のバルブ。
【0069】
(項目16) 前記第1の形成部は、間隔を置いて配置される複数の突出部を含む、項目1~15のいずれか1項に記載のバルブ。
【0070】
(項目17) 前記第2の形成部は、実質的に細長状であり、前記軸に対して直角に延びる、項目1~16のいずれか1項に記載のバルブ。
【0071】
(項目18) 前記第2の形成部は、凹部又は開口部である、項目17に記載のバルブ。
【0072】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、「含む」及び「備える」及びそれらの変形の用語は、指定された特徴、ステップ又は整数が含まれることを意味する。用語は、他の特徴、ステップ又は構成要素の存在を除外するように解釈されるべきではない。
【0073】
上述の説明、又は以下の特許請求の範囲、又は添付の図面に開示され、それらの特定の形態で、又は開示された機能を実行するための手段として、又は開示された結果を達成するための方法若しくはプロセスとして表された特徴は、適宜、別々に、又はそのような特徴の任意の組み合わせで、その多様な形態で本発明を実現するために利用し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
【国際調査報告】