(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】人の関節用の医療器具、および医療器具を操作するための方法
(51)【国際特許分類】
A61F 5/05 20060101AFI20220131BHJP
A61F 5/01 20060101ALI20220131BHJP
A61F 5/02 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
A61F5/05
A61F5/01 Z
A61F5/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534802
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 EP2019079838
(87)【国際公開番号】W WO2020126181
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510266354
【氏名又は名称】メディ・ゲーエムベーハー・アンド・コンパニー・カーゲー
【氏名又は名称原語表記】MEDI GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ナウマン
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ピーター・レーナー
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA01
4C098BB02
4C098BB09
4C098BB11
4C098BC12
4C098BC17
4C098BC43
4C098BD13
(57)【要約】
人(10)の関節(1)用の医療器具(9、9a、9b、9c)であって、関節(1)上に載置され、関節(1)によって互いに対して可動することができる少なくとも2つの部品(11)と、部品(11)の相対的な動きを検出するための少なくとも1つの検出装置(13)とを有し、医療器具(9、9a、9b、9c)は、
検出装置(13)の検出データから、医療器具(9、9a、9b、9c)が装着されたときに実際に使用される関節(1)の可動域(5)を決定するための決定ユニット(17)と、
使用される可動域(5)を所望の可動域(6)と比較するための比較ユニット(18)と、
人(10)を所望の可動域(6)の可能な限り最も広範囲の使用に導くサポート情報を決定するためのサポートユニット(19)であって、前記サポート情報は、比較の結果に依存しているサポートユニット(19)と
を有する評価装置(16)を備える。
医療器具(9、9a、9b、9c)は、サポート情報を人(10)に出力するための出力装置(20)をさらに有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人(10)の関節(1)用の医療器具(9、9a、9b、9c)であって、前記関節(1)上に載置され、前記関節(1)によって互いに対して可動することができる少なくとも2つの部品(11)と、前記部品(11)の相対的な動きを検出するための少なくとも1つの検出装置(13)とを有し、
前記検出装置(13)の検出データから、前記医療器具(9、9a、9b、9c)が装着されたときに実際に使用される前記関節(1)の可動域(5)を決定するための決定ユニット(17)と、
使用される前記可動域(5)を所望の可動域(6)と比較するための比較ユニット(18)と、
前記人(10)を前記所望の可動域(6)の可能な限り最も広範囲の使用に導くサポート情報を決定するためのサポートユニット(19)であって、前記サポート情報は、前記比較の結果に依存しているサポートユニット(19)と
を有する評価装置(16)を特徴とし、
前記医療器具(9、9a、9b、9c)は、前記サポート情報を前記人(10)に出力するための出力装置(20)をさらに有する、
医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項2】
前記医療器具(9、9a、9b、9c)は、前記関節(1)の上に引っ張られる、および/もしくは包帯として前記関節(1)に巻き付けられる、ならびに/または衣服として、および/もしくはベルトシステム(44)として、および/もしくは少なくとも1つの関節式ガイド要素(25)、特に少なくとも2つのヒンジ式の剛性関節式ガイド要素(25)として設計される、少なくとも1つのストッキング状のエンクロージャセクションを有することを特徴とする、請求項1に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項3】
前記検出装置(13)は、少なくとも1つの部品(11)に統合された、または少なくとも1つの部品(11)および/もしくは部品(11)と共に動く身体領域に取り外し可能または取り外し不可能に取り付けられた、または取り付け可能な少なくとも1つのセンサ(14)を備え、かつ/または2つのセンサ(14)および/もしくはセンサ部品間の距離および/もしくは関節角度および/もしくは関節運動の少なくとも1つの動的変数、特に角速度および/もしくは角加速度を測定するように設計され、かつ/または前記少なくとも1つのセンサ(14)は、磁気および/または誘導を使用する測定原理を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項4】
前記器具(9、9a、9b、9c)は、前記器具(9、9a、9b、9c)を装着するときに前記人(10)が使用する前記関節(1)の前記所望の可動域(6)を設定するための設定装置(21)を有することを特徴とする、上記請求項のいずれか1項に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項5】
前記設定装置(21)は、電子的および/または機械的設定手段、特に前記部品(11)によって形成される治療装置(22)、特にハンドヘルドモバイルデバイス(36)とは独立して存在するものを有することを特徴とする、請求項4に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項6】
前記モバイルデバイス(36)は、前記評価装置(16)の少なくとも一部として設計されたコンピューティングデバイス(38)をさらに備え、そのコンピューティングデバイス(38)上に、設定手段として、および前記評価装置(16)の一部として前記モバイルデバイス(36)を構成するアプリケーション(39)が存在することを特徴とする、請求項5に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項7】
前記設定装置(21)は、前記検出装置(13)で検出されたユーザ定義のデフォルトデータおよび/または履歴データを評価し、前の期間における前記人(10)の前記関節(1)の前記関節運動を記述することによって、前記所望の可動域(6)を少なくとも部分的に自動的に決定するように設計されていることを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項8】
運動段階、特に極端な位置への運動状態の接近、および/または前記関節(1)の運動履歴は、前記サポート情報および/または前記サポート情報の出力時間を決定するために、前記サポートユニット(19)によって考慮に入れることができることを特徴とする、上記請求項のいずれか1項に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項9】
前記評価装置(16)は、評価された動きの間および/または後に、前記少なくとも1つのサポート情報を出力するための前記出力装置(20)を制御するように設計されていることを特徴とする、上記請求項のいずれか1項に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項10】
前記サポートユニット(19)は、少なくとも1つの出力パラメータ、特に音および/または光信号の繰り返しの強度および/またはボリュームおよび/または周波数、比較結果から決定された、前記所望の可動域(6)の使用測定値のおよび/または前記所望の可動域(6)の限界(7)への接近測定値の関数としての前記少なくとも1つのサポート情報の少なくとも1つを選択するように設計されていることを特徴とする、上記請求項のいずれか1項に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項11】
特に前記出力装置(20)の一部として、前記関節(1)に割り当てられた前記人(10)の少なくとも1つの筋肉の前記比較結果の関数として前記評価装置(16)によって制御可能な少なくとも1つの刺激装置、および/または前記部品(11)の相対位置を変更するように設計され、前記比較結果の関数として前記評価装置(16)によって制御可能な少なくとも1つの電気的および/または機械的駆動手段(30)も備えることを特徴とする、上記請求項のいずれか1項に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項12】
前記評価装置(16)は、前記検出装置(13)の前記検出データに基づいて、現在の動きを動きのタイプのクラスにカテゴリ化する分類ユニット(45)を有し、前記サポート情報は、前記関連する動きのタイプに対応する動きのタイプのクラスが存在する場合にのみ出力されることを特徴とする、上記請求項のいずれか1項に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項13】
前記関節(1)の可動域(2)を許容可動域(4)に制限するための制限装置(31)を備えることを特徴とする、上記請求項のいずれか1項に記載の医療器具(9、9a、9b、9c)。
【請求項14】
前記関節(1)上に載置され、前記関節(1)によって互いに対して可動することができる少なくとも2つの部品(11)と、前記部品(11)の相対的な動きを検出するための少なくとも1つの検出装置(13)とを備える、人(10)の関節(1)用の医療器具(9、9a、9b、9c)を操作するための方法であって、
前記検出装置(13)の検出データから、前記治療装置(22)が装着されたときに実際に使用される前記関節(1)の可動域(5)を決定するステップと、
使用される前記可動域(5)を所望の可動域(6)と比較するステップと、
前記人(10)を前記所望の可動域(6)の可能な限り最も広範囲の使用に導くサポート情報を決定するステップであって、前記サポート情報は、前記比較の結果に依存しているステップと、
前記サポート情報を前記人(10)に出力するステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記器具(9、9a、9b、9c)を装着するときに前記人(10)が使用する前記所望の可動域(6)は、特にユーザ入力に基づいて、設定装置(21)で設定されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の関節用の医療器具に関し、器具は、関節上に載置され、関節によって互いに対して可動することができる少なくとも2つの部品と、部品の相対的な動きを検出するための少なくとも1つの検出装置とを有する。本発明は、そのような医療器具を操作するための方法にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
人の多種多様な関節用の医療器具は、従来技術において様々な方法ですでに提案されており、例えば、包帯、装具、ベルトシステム、ストッキング、および特に圧縮的に作用する他の衣服を備える。本説明の範囲内で、「医療」はまた、医学的考慮に基づく解剖学的構造および/または健康および/または性能に対する所望の正の効果を特徴とするスポーツ用途を意味すると理解されるべきである。したがって、関節用のこのタイプの医療器具には、例えば、スポーツ包帯なども含まれる。さらに、本説明の範囲内で、脊椎はまた、医療器具を適用することができる関節または関節のグループと見なされるべきである。
【0003】
医療器具はまた、前述の部品によって形成されるか、または部品を備えることができるそのような治療装置とは独立して存在することができる。例えば、医療器具は、部品の相対的な動きとして関節運動を検出するように明示的に設計することができ、したがって、特に装具、包帯、ストッキングなどの治療装置用の補助装置または付属品を形成することができる。医療製品、またはさらにより具体的には治療装置の場合、2つの部品は、例えば、剛性であり、関節式に互いに接続されている別々の構成要素によって形成することができる。しかし、ストッキングなど、単一の柔軟なオブジェクトのサブ領域として部品を形成することも可能である。
【0004】
治療的処置および/または関節の保護を目的とする医療器具を使用する人は、医療器具による治療中に不利な効果をもたらす可能性のある保護姿勢をとるか、または保護運動を行う傾向がある。器具が、例えば、膝などの関節の可動域を制限する装具を備える場合、人は通常、装具で許可されている全可動域を使用するのではなくかなり狭い可動域を使用するが、その範囲は、例えば、セラピストが望む可動域よりも大幅に小さくなる。これは、部品の相対的な動きを検出する器具の検出装置によって決定することができる。
【0005】
例えば、WO2016/176544A1は、装具およびプロテーゼ装置で使用するためのセンサおよびフィードバックプラットフォームを開示している。動きを記述することができるセンサによって測定されたパラメータは、アクションを評価および/または実施するために、データ処理および/またはデータ表現ユニットに供給される。具体的には、ベルト/ストリップに対する誘導センサの場所を示すセンサデータを生成するために、ベルトまたはストリップ内の導電性材料と相互作用する誘導センサをセンサメカニズムとして使用することが提案されている。
【0006】
しかし、不利なことに、使用される可動域が所望のまたは最大許容可動域にさえ対応しなかったことが、そのようなプラットフォームを介して後でのみ決定され得、その後、装具またはプロテーゼを使用している人に知らされる。ここでは、評価と以前に実施された人の動きとの間に直感的に理解可能な関係がないため、可動域の利用の改善は限られた範囲でしかもたらされない。しかし、保護姿勢または保護運動の使用は、医療器具が着用されたときの筋力および/または運動機能の欠陥につながり、これは望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、特に治療装置の既存の保護機能を省く必要なく、保護姿勢を回避する改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の医療器具、および請求項14に記載の医療器具を操作するための方法によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項から明らかとなる。
【0009】
したがって、本発明によれば、冒頭で述べたタイプの医療器具は、
検出装置の検出データから、医療器具が装着されたときに実際に使用される関節の可動域を決定するための決定ユニットと、
使用される可動域を所望の可動域と比較するための比較ユニットと、
人を所望の可動域の可能な限り最も広範囲の使用に導くサポート情報を決定するためのサポートユニットであって、前記サポート情報は、比較の結果に依存しているサポートユニットと
を備える評価装置を有し、
医療器具は、サポート情報を人に出力するための出力装置をさらに有する。
【0010】
本発明の文脈では、冒頭で述べたように、医学的指向のスポーツ補助器具も医療器具と見なされるべきである。器具はまた、関節のグループとして脊椎に提供することができるので、言い換えれば、それは関節または脊椎用の医療器具である。そのような医療器具を使用することができる他の関節は、例えば、膝関節および/または肘関節である。可動域もまた、それぞれの関節に関して各場合にパラメータ化する必要がある。膝などの単軸関節の場合、可動域は、動きが行われる、または行われる予定の角度によって定義することができる。例えば、所望の可動域はしたがって、少なくとも1つの運動方向における目標角度、例えば膝の屈曲および/または伸展によって定義することができる。
【0011】
医療器具は、独立型器具であり得るが、好ましくは、治療装置、特に部品によって形成されるか、または部品を備える治療装置に少なくとも割り当てられるか、または治療装置を備える。その場合、治療装置は、例えば、包帯、装具、衣服、特に圧縮衣服、ベルトシステム、および/または副子システムであり得る。したがって特に、器具が、いわば補助装置として少なくとも1つの治療装置に割り当てられることが考えられ、これについては、以下でより詳細に論じられる。
【0012】
したがって、本発明の基本的な考え方は、検出装置によって関節の現在の動きを追跡し、その動きを、例えば設定装置を介して指定された所望の可動域と可能な限り迅速に比較し、この比較から、必要に応じて、人に所望の可動域を最大限に活用させるためのサポート情報を出力することである。言い換えれば、本発明に従って提案された医療器具によって、人は、例えば意図しない保護姿勢をとったという情報を受け取るだけでなく、同時に所望の、特に目標を定められた、事前設定可能な可動域に導かれるという情報を受け取り、その結果、ある種の積極的な行動が与えられる。
【0013】
したがって、特に、サポート情報が常に出力されるとは限らない場合、少なくとも1つの情報基準がサポートユニットに提供され、サポートユニットが比較結果を少なくとも評価して情報基準が満たされると、サポート情報の一部またはサポート情報が出力されてもよい。ここでは、異なるサポート情報を異なる情報基準に割り当てることができ、および/または異なるサポート情報は、特定の情報基準が満たされたとき、特に比較結果をさらに評価することによって決定することができる。
【0014】
具体的には、情報基準は、少なくとも1つの使用度を閾値と比較することができ、例えば、所望の可動域がどの程度利用されるか、および/または関節の運動サイクルのどの部分について可動域が十分に利用されたか、どの目的のためにさらなる閾値が提供される可能性があるかとを比較することができる。
【0015】
言い換えれば、したがって、比較結果を評価することによって、サポートユニットは、使用度が低すぎるとき、人が所望の可動域に到達するためなどの運動可能性を使用するように導かれるように前記人に情報を提供すると言うことができる。好ましくは、使用の欠如の特定の性質を説明する使用情報の欠如は、この場合、比較結果から決定され、サポート情報、特に多くの場合に出力時間のパラメータ化でも考慮に入れられ得る。例えば、膝の場合に決定される使用の欠如は、所望の可動域を制限する屈曲目標角度からの距離が大きすぎるため、屈曲が小さすぎることである可能性がある。使用の欠如のタイプの関数としてのサポート情報のパラメータ化は、改善の可能性が存在する人に有利に伝達される。好ましい実施形態はまた、特にサポート情報の時間的調整のために、および/または所望の可動域をより良く利用するために運動状態を変更するように人に指示するために、現在の運動状態もまたサポート情報のパラメータ化において考慮に入れられるようにする。
【0016】
要約すると、比較結果に基づいて、サポート情報は、一般に、特に直感的に、かつ運動状況自体において、所望の可動域のより良い利用につながる情報を提供するように設計され、時系列に設定される。
【0017】
したがって、設定装置によって好ましくは設定または調整することができる所望の可動域は、最終的に、人、例えば患者または運動選手が、対応するサポート情報の設計によって導かれるかまたは案内される目標に対応する。したがって、特に、保護姿勢または保護運動に対応する現在使用されている可動域から、特にセラピストによって個別に事前定義され得る治療上有用な現在望ましい可動域に患者を導くことが可能である。
【0018】
すでに説明したように、医療器具は治療装置にのみ割り当てることができるが、医療器具は好ましくは治療装置を備え、したがって最終的には追加の機能を提供する。具体的には、器具が、特に治療装置として、および/もしくは部品を実装するように、関節の上に引っ張られる、および/もしくは包帯として関節に巻き付けられる、ならびに/または衣類の一部として、および/もしくはベルトシステムとして、および/もしくは少なくとも1つの関節式ガイド要素、特に少なくとも2つのヒンジ式の剛性関節式ガイド要素として設計される、少なくとも1つのストッキング状のエンクロージャセクションを備えるようにしてもよい。したがって、このように任意選択で形成される治療装置は、特に、包帯、装具、ストッキング、脊椎用の後部副子、衣服、および/またはベルトシステムであるか、またはそれらを備えることができる。
【0019】
この時点で、治療装置に割り当てられた場合、後者は恒久的または固定的である必要はないが、治療全体においてなど、例えば最初に治療装置として装具を用いて、次に治療装置として包帯を用いて、次に治療装置としてストッキングを用いて、最終的に治療装置としてベルトなどを用いて、特に治療装置に取り外し可能に接続することができる医療器具を例えば使用することも絶対に考えられることにも留意されたい。
【0020】
特定の場合において、検出装置は、少なくとも1つの部品に統合された、または少なくとも1つの部品および/もしくは部品と共に動く身体領域に取り外し可能または取り外し不可能に取り付けられた、または取り付け可能な少なくとも1つのセンサを備えてもよい。この時点で、互いに対して可動可能な部品は、必ずしも器具または治療装置の2つの別々の構成要素である必要はないが、柔軟な構成要素を使用することも絶対に考えられることに再度留意する必要があり、この場合、部品は構成要素のサブ領域によって形成される。そのような柔軟な構成要素は、例えば、前述のストッキング、圧縮材料で作られた包帯要素、柔軟な副子、ベルトなどを備え得る。特に、部品がエンクロージャセクションの一部として実装されるとき、検出装置のセンサもしくはセンサ部品を対応する構成要素、例えばエンクロージャセクションにすでに統合していること、または好ましくは対応する構成要素、具体的にはそれぞれの部品に取り外し可能に締結するための手段を意図的に提供することが好都合であり得る。例えば、面ファスナは取り外し可能な締結具に使用することができるが、スナップなどにも使用することができる。これは、検出装置のセンサの適切な位置が部品、より具体的には治療装置およびそれらが適用される方式によってすでに定義されている場合に特に好都合であり、最終的に、締結手段を介して対応する部品の定義された位置で取り付けることができる。
【0021】
さらに特定の実施形態では、検出装置は、2つのセンサおよび/もしくはセンサ部品間の距離および/もしくは関節角度および/もしくは関節運動の少なくとも1つの動的変数、特に角速度および/もしくは角加速度を測定するように設計することができる。例えば、一軸関節である場合、関節の動き、したがって互いに対する部品の動きは、この関節軸の周りのピボットとして発生する。2つのセンサまたはセンサの2つのセンサ部品は、センサまたはセンサ部品間の距離を測定し、それによって関節角度または時間の経過に伴う動的変数を推測することができる。もちろん、これは、例えばボールジョイントなどの複数の関節軸を有する関節でも使用することができる。脊椎における医療器具の適用に関して、特に複数の個々の椎骨関節の動きを共同でマッピングするような、より複雑な動き空間も定義され得る。
【0022】
好都合には、少なくとも1つのセンサは、磁気および/または誘導を使用する測定原理を有することができる。そのようなセンサは、例えば冒頭で述べたWO2016/176544A1に記載されているように、互いに対する部品の動きを十分に正確に測定するのに特に適しているが、容量性距離測定センサなどの他のセンサ原理ももちろん考えられる。
【0023】
医療器具の構成要素の少なくともいくつか、特に評価装置を関節から離れて、すなわち特に治療装置の外部で実現することが好都合である。検出装置の部品は、原則として、関節または治療装置から離れて提供することもできる。有線で医療器具のそのような空間的に別々に実現された構成要素間の通信を実現することが原則として考えられるが、本発明の範囲内では、人の妨害をできるだけ少なくするために、ワイヤレス通信、特に無線通信を使用することが好ましい。例えば、独自の、しかし標準化された通信方法を、ブルートゥース(登録商標)などのワイヤレス通信に使用することができる。そのようなワイヤレス通信は、例えば、評価装置と検出装置および/またはそのサブ構成要素との間で行うことができる。
【0024】
しかし、もちろん、本発明の範囲内で、医療器具全体、すなわち、特に検出装置と評価装置および出力装置の両方を、関節自体に、特に治療装置上に、またはその一部として配置することも可能である。特に、コンパクトな実施形態も可能であり、それは好ましくは、触覚および/または音響出力装置を有する。
【0025】
器具は、好ましくは、器具を着用するときに人が使用する関節の所望の可動域を設定するための設定装置を有することができる。原則として、本発明の範囲内で、例えばセラピストまたは他のユーザによって、任意選択で人自身によって所望の可動域の手動設定を可能にすることが好ましいが、多くの実施形態において、好ましくは追加的にまたは代替的に、設定装置による所望の可動域の自動設定を可能にすることもまた好都合であり得る。例えば、治療の進行および/または所定の治療計画をここで使用することができ、任意選択で、検出装置自体によっても決定可能である。
【0026】
本発明の実施形態では、設定装置は、電子的および/または機械的設定手段、特に部品によって形成される治療装置、特にハンドヘルドモバイルデバイスとは独立して存在するものを有することができる。これは、設定装置が本発明の範囲内で多くの異なる方法で設計され得ることを意味する。特に、設定装置の対応する設定手段が関節の近く、特に治療装置上に提供されるとき、設定プロセスはまた、例えば少なくとも1つの関節または少なくとも設定装置が、所望の可動域を区切る位置にもたらされ、その位置がそれに応じて記憶され得るという点で、機械的構成要素を含み得る。しかし、特に所望の可動域の手動および/または自動設定のために電子設定手段を提供することも特に有利であり、その設定手段はまた、ハンドヘルドモバイルデバイスによって少なくとも部分的に実施することができる。ハンドヘルドモバイルデバイス、例えば携帯電話は、例えば、それらの自動決定のための所望の可動域および/または基準を入力することができるユーザインターフェースを有することができる。この目的のために、スマートフォンおよび/またはタブレットの場合、対応するコンピュータプログラム、すなわちアプリケーション(アプリ)は、例えば、ハンドヘルドモバイルデバイスとして提供され得る。
【0027】
特にそのような実施形態に関して、本発明の特に好ましい開発は、モバイルデバイスが評価装置の少なくとも一部として設計されたコンピューティングデバイスをさらに備えることを可能にし、そのコンピューティングデバイス上に、設定手段として、および評価装置の一部としてモバイルデバイスを形成するアプリケーションが存在する。1つの例示的な実施形態では、したがって、ハンドヘルドモバイルデバイスは、好ましくはワイヤレスで検出装置と通信し、コンピューティングデバイスによって検出装置の検出データを評価することで、特に使用される可動域を所望の可動域と比較し、サポート情報を出力するかどうか、および/またはサポート情報をどのようにパラメータ化する必要があるかを決定し、人に所望の可動域を最大限に活用させることができるようになる。この文脈において、ハンドヘルドモバイルデバイスの出力手段は、出力装置としても機能することができ、例えばサポート情報の音響出力用のスピーカおよび/または特にタッチスクリーンとして設計されたディスプレイもまた、サポート情報の光学出力に使用することができる。したがって、このようにして、ハンドヘルドモバイルデバイスの機器および/または計算能力は、関節自体に医療器具の少数の構成要素のみを提供するために最適に利用される。例えば、これは、検出装置および場合によっては治療装置のみが関節自体に配置される場合に有利である。
【0028】
ハンドヘルドモバイルデバイスに加えて設定手段として任意選択で使用することができる別の実施形態は、治療装置上に、または治療装置の一部として実装され、および/または検出装置の検出データを評価し、現在の関節位置を所望の可動域の限界、例えば最大または最小として決定するように設計される、特に所望の可動域の限界、例えば最大または最小として現在の関節位置を採用する少なくとも1つの設定ボタンを備える設定装置を提供する。したがって、特定の開発において、例えば、治療装置は、現在の関節位置を使用して所望の可動域を定義するために、設定ボタン、例えばセットボタンを有することが考えられる。特に、検出装置の検出データは、現在の関節位置を識別できるようにするためにここで使用することができ、他の実施形態もまた、もちろん考えられる。セットボタンに対応する制御要素は、もちろん、ハンドヘルドモバイルデバイスのユーザインターフェースにも実装することができることに留意されたい。両方の実施形態において、すなわち、設定ボタンが治療装置または少なくとも1つの部品に提供されるとき、および/または設定ボタンがモバイルデバイスのユーザインターフェースを介して実現されるときの両方において、リセットボタンがまたそのようなセットボタンに加えて提供されてもよく、これは、例えば、すべての設定をリセットするため、および/または例えば、検出装置を較正するための基本的な位置を表示するために、患者に対する医療器具、特に少なくとも部品の再位置決め中に使用されてもよい。
【0029】
この時点で、特に設定装置を介した手動設定に関しても、もちろん対応する実施形態の設定装置、特にサポート情報に関するサポートパラメータの設定を介して、さらなる調整を行うこともできることに留意されたい。例えば、所望の可動域を指定することに加えて、説明した設定装置を使用して、サポートが実際に行われる範囲(上述の情報基準も参照)、サポートが行われる(相対的な)時点、考えられるサポート情報の一般的な強度など、所望の可動域の部分を定義することもできる。さらに、所望の可動域に関連する少なくとも1つのさらなる範囲パラメータ、特に比較が評価される期間および/または所望の可動域が使用される動きのタイプを説明する時間パラメータもまた、設定装置を介して設定することができる。
【0030】
すでに述べたように、設定装置は、(排他的に)所望の可動域を手動で設定するのに適している必要はないが、所望の可動域の少なくとも部分的な自動の決定を実施することもできる。したがって、本発明の好ましい開発は、検出装置で検出されたユーザ定義のデフォルトデータおよび/または履歴データを評価し、前の期間における人の関節の関節運動を記述することによって、所望の可動域を少なくとも部分的に自動的に決定するように設計される設定装置を提供する。ユーザ定義のデフォルトデータは、例えば、健康状態および/または治療の進行および/または所望のタイプおよび/または治療速度を記述することができる。特に、デフォルトのデータはまた、異なる所望の可動域が異なる期間に割り当てられている治療計画を含むことができる。例えば検出装置の検出データを評価することによって、治療の進行も追跡することができれば、期間を絶対的に定義する必要はない。例えば、検出装置によって検出データとして検出された、前の期間における人の関節の関節運動を記述する履歴データが、これまでに提供された所望の可動域が十分に利用されていることを示す場合、 所望の可動域を拡張して、新しい期間に移動することが可能である。言い換えれば、現在使用されている所望の可動域は、人の行動および/またはその治療の進行に応じて自動的に適応させることができると言うことができる。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、サポートユニットは、出力されるサポート情報を決定するとき、検出装置の検出データおよび/または関節の直前の運動履歴によって記述される現在の運動状態を使用するように設計することもできる。別の言い方をすれば、そして部分的により具体的には、運動段階、特に極端な位置への運動状態の接近、および/または関節の運動履歴は、サポート情報および/またはサポート情報の出力時間を決定するために、サポートユニットによって考慮に入れることができる。所望の可動域のより良い利用につながるはずのサポート情報の場合、出力の時点または出力時の現在の運動状態が比較的重要であると評価されるべきである。例えば、膝の動きを考えると、脚が現在伸ばされている場合は、脚をさらに伸ばすように人に勧めるのがとにかく好都合である。したがって、屈曲の場合、対応する変曲点への屈曲プロセスの減速中にサポート情報が発生する場合、異なる識別可能なサポートが特に好都合であり、人が容易に帰することができる。
【0032】
したがって、本発明の文脈では、現在の運動状態および/または関節の直前の運動履歴を評価し、動きの変曲点および/または停止点の達成を決定または予測することが特に好都合である。最終的に、一般に、現在の運動状態、特に現在の運動段階に合わせたサポートが行われ、それにより、人は直感的に理解することができると言うことができる。膝および/または関節としての別の単軸関節の場合、特にこの目的のために角速度も考慮することができ、したがって角速度に応じてサポート情報を決定することができる。したがって、すでに説明したように、 動きは、向きを変える直前、すなわち変曲点の直前で遅くなり、これは変曲点に接近していることを示している。そうして次に、例えば、さらにピボットするためのサポート情報を提供することができる。もちろん、例えば膝関節の場合のような他の運動段階、例えばスイング段階および/またはプッシュオフ段階もまた、サポートの範囲内で決定されて考慮に入れられ得る。
【0033】
所定のおよび/または予め決定可能な期間にわたって、特に設定装置によって入力された時間パラメータによって記述された期間にわたって、特に関節の運動サイクルの数として定義された期間にわたって比較結果を評価することによってサポート情報を決定するように設計されるサポートユニットが提供され得る。本発明の範囲内で、 したがって、そのような期間にわたる所望の可動域の利用を評価するためにユーザによって設定され得る期間を考慮し、そのような評価に基づいて、どのタイプのサポートが最も好都合であるかを決定することが可能である。例えば、 したがって分析は、所望の可動域の平均使用度および/または繰り返し発生する「使用エラー」/使用欠陥などを決定し、したがってサポート情報を健全な根拠で提供するために、数サイクルにわたって行うことができる。ここでは、特にローリング期間を考慮することは有利であり、したがって評価結果を継続的に最新に保つことができる。したがって、必要なサポートの堅牢で健全な決定と、それに対応するサポート情報の信頼できる設計が、合理的な適時性を先取りすることなく可能になる。
【0034】
一般に、本発明の文脈では 特に好ましい実施形態では、評価装置は、評価された動きの間および/または後に、少なくとも1つのサポート情報を出力するための出力装置を制御するように設計され得る。評価された動きの後のサポート情報の出力は、その直後に特に有利に実施される。評価は前述の期間に関する可能性があり、したがって、最近の変化、特に進行に常に迅速に対応できるようにするために、前述の「ローリング期間」を実現することが特に好都合である。このように人が関節を使用している間、人は少なくとも比較的直接、所望の可動域の利用に関するフィードバックを受け取り、運動中、特にサポート情報の形態で、所望の可動域をより良く利用することができる方法に関する直接実装可能な情報を受け取る。膝の動きの例では、評価は、例えば、いくつかの運動サイクル、例えば1~4回の運動サイクルにわたって実行している間に行うことができるが、 対応する結果は、進行中の運動中、特に運動サイクル中の適切な時点で出力することができる。例えば、評価された期間中、屈曲時よりも伸展時の方が所望の可動域の利用が著しく不十分であることが判明した場合、 膝の完全な伸展に接近すると現在のサポート情報を出力することができ、これにより人はさらに脚を伸ばすことができるが、最大屈曲に接近するとサポート情報の強度が低くなる可能性があり、これは、ここではまだ改善の余地があるものの偏差が小さいことを示しており、それにより人は、屈曲に関しても改善の余地はあるものの、伸展が例えば、サポート情報で強調された時点で人が特に焦点を当てる重要な問題であることを直感的に理解することができる。
【0035】
しかし、そのような目標を定められたサポートは、評価が必ずしも一定期間にわたって行われるとは限らない場合でも行うことができる。例えば、屈曲中、例えば角速度の低下の発生に基づいて屈曲が発生する場所まで予測することができ、次に、この予測された角度が所望の可動域の限界にどれだけ近いかをチェックし、したがって、所望の可動域の制限に特に関連する違いがある場合に、人がさらなる屈曲を実施するように導くサポート情報を積極的に出力する。したがって、そのような実施形態は、運動段階に合わせて調整され、より専用的であるが、関節の複数の運動サイクルの期間にわたる評価よりも堅牢性が低いか、またはより強い変動を受ける可能性があるサポートをもたらす。
【0036】
出力装置は、触覚および/または音響および/または光学出力手段を有することができる。しかし、適切な場合、他の出力の可能性、例えば嗅覚出力手段なども考えられる。好ましい実施形態は、サポート情報の出力を、光学的および/もしくは音響的なパラメータ化可能な出力信号として、ならびに/または触覚信号としても使用し、これについては、以下でより詳細に説明する。
【0037】
本発明の特定の、特に有利な実施形態は、少なくとも1つの出力パラメータ、特に音および/または光信号の繰り返しの強度および/またはボリュームおよび/または周波数、比較結果から決定された、所望の可動域の使用測定値のおよび/または所望の可動域の限界への接近測定値の関数としての少なくとも1つのサポート情報の少なくとも1つを選択するように設計されるサポートユニットを提供する。サポート情報の一部は、特に脈動または基本的に周期的な信号として出力することができ、例えば、周期および/または強度は、比較結果の関数として調整することができる。音響信号の場合、例えば、パーキングアシスタントなどと同様に、所望の可動域の限界に接近すると音の繰り返し周波数が増加すること、および/または限界に到達することを連続音で確認することが可能である。逆の設計(所望の可動域の限界へのより大きな接近の場合の繰り返し周波数の低減)もまた、これが特定の人々のグループに対してより直感的な効果を有する場合、本発明の範囲内で考えられる。追加的にまたは代替的に、強度、例えばボリュームも増加する可能性があり、所望の可動域がより不十分に利用される。例えば、本発明の別の特定の実施形態はまた、例えば関節の近く、特に部品および/または治療装置の少なくとも1つに、光学出力手段としてスケールの形態で複数の個々の光源を提供することができる。所望の可動域がより良く利用されるほど、例えば、スケールのより多くの光源を明るくすることができる。これに関連して、振動によってサポート情報を出力する関節上の出力手段をますますオンまたはオフに切り替えることも考えられる。
【0038】
サポート情報の光学および/または音響出力に特に追加的にまたは代替的に使用され得る特に有利な実施形態は、特に出力装置の一部として、関節に割り当てられた人の少なくとも1つの筋肉の比較結果の関数として評価装置によって制御可能な少なくとも1つの刺激装置、および/または部品の相対位置を変更するように設計され、比較結果の関数として評価装置によって制御可能な少なくとも1つの電気的および/または機械的駆動手段も備える医療器具を提供する。そのような刺激装置は、例えば、特に治療装置に統合することができる振動パッドを備えることができる。そのような振動パッドは、関連する筋肉群を特異的に刺激するように位置決めされ、そのアクティブ化は、現在の運動状態における所望の可動域の利用を改善する結果となる。例えば、運動サイクルの極端な位置への接近があまりにも早く減速する場合、刺激装置に筋肉を刺激させることによって、運動の継続を目標とする方式で達成または促すことができる。したがって、非常に目標を定められた触覚サポート情報を生成することができる。
【0039】
しかし、電気的および/または機械的駆動手段を選択的に使用することも考えられる。このようにして、例えば駆動手段を操作することによって角速度をわずかに増加させ、それに応じて部品の相対位置に影響を与えることによって、特に十分に広い動きが「課せられる」のではなく、少なくとも主に参照機能が果たされるように制限内に保つことによって、例えば、当初の計画よりもさらに運動段階を継続するために、明確な触覚サポート情報を与えることもできる。例えば、そのような触覚サポート情報の効果は、ピボット運動中に最大1~3°に低減することができる。さらに、触覚サポート情報を出力するために純粋に機械的な駆動手段を使用することも可能である。この場合、例えば、特定の運動方向をサポートするばねの解放を考慮することができ、これは、駆動手段が、運動方向を機械的にサポートするばねを有することができることを意味する。サポート情報を出力するために、サポートユニットは、例えば、ばねを解放および/またはロックすることができる。
【0040】
この時点で、好ましくは関節の運動中に出力されるサポート情報は、いずれの場合でも、運動シーケンスが中断および/または妨害されないが、最善の状態でサポートされるように設計されることが好ましいことに留意されたい。
【0041】
本発明の特に有利な開発は、検出装置の検出データに基づいて、現在の動きを動きのタイプのクラスにカテゴリ化する分類ユニットを有する評価装置を提供し、サポート情報は、関連する動きのタイプに対応する動きのタイプのクラスが存在する場合にのみ出力される。例えば、特に最後の運動サイクルの履歴データを評価して、例えば膝または脊椎に関する動きのタイプを1つまたは複数の関節として認識し、人が現在自動車を運転しているか、階段を上っているか、平らな面を歩いているかなどを認識することができるようになる。特に、サポート情報は、例えば特定のクラスの動きのタイプに限定することができるが、もちろん、例えば、異なるクラスの動きのタイプが異なる所望の可動域および/またはサポート情報および/または異なるサポート情報の異なるタイプの決定に関連付けられるように、動きのタイプのクラスを区別することも可能である。例えば、設定装置によって、動きのタイプに関連する少なくとも1つの所望の可動域が選択された場合、評価装置は、特に分類ユニットによって、関連する動きのタイプに対応する動きのタイプのクラスが存在する場合にのみ、比較のために所望の可動域を使用するように設計されてもよい。したがって、特に異なるクラスの動きのタイプを区別する際、特に治療段階中に治療結果を達成するために最適に取り組むことができるように、特定のタイプの動きにサポート情報を具体的に適合させることが可能である。
【0042】
本発明の開発は、関節の可動域を許容可動域に制限するための制限装置を有する医療器具をさらに提供する。したがって、例えば、装具において医療器具または治療装置としてしばしば提供されるそのような制限装置は、所望の可動域だけでなく、最大許容可動域、すなわち許容可動域も定義することを可能にする。これに関連して、設定装置が、制限装置によって設定された許容可動域を所望の可動域として採用するように設計されている場合、特に有利である。したがって、所望の可動域は、それが最大限に利用される場合、許容可動域として特に容易に定義することができる。
【0043】
医療器具に加えて、本発明はまた、人の関節用の、関節に取り付けられ、関節によって互いに対して可動可能である少なくとも2つの部品と、部品の相対的な動きを検出するための少なくとも1つの検出装置とを備える医療器具、特に本発明によるタイプの医療器具を操作するための方法に関し、方法は、
検出装置の検出データから、治療装置が装着されたときに実際に使用される関節の可動域を決定するステップと、
使用される可動域を所望の可動域と比較するステップと、
人を所望の可動域の可能な限り最も広範囲の使用に導くサポート情報を決定するステップであって、前記サポート情報は、比較の結果に依存しているステップと、
サポート情報を人に出力するステップと
を含む。
【0044】
本発明による医療器具に関するすべての陳述は、前述の利点を得るために、本発明による方法に同様に適用することができる。
【0045】
特に、本発明の方法によれば、器具を装着するときに人が使用する所望の可動域が、特にユーザ入力に基づいて、設定装置に設定されることも可能である。
【0046】
本発明のさらなる利点および詳細は、以下に説明する例示的な実施形態から、および図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の根底にある問題およびアプローチを説明するための図である。
【
図2】本発明による医療器具の構成要素の概略図である。
【
図3】本発明による医療器具の例示的な実施形態としての装具を示す図である。
【
図4】包帯における本発明の医療器具の適用を示す図である。
【
図5】ハンドヘルドモバイルデバイスを示す図である。
【
図6】後部装具における本発明の適用を示す図である。
【
図7】本発明による方法の第1の例示的な実施形態のフローチャートである。
【
図8】本発明による方法の第2の例示的な実施形態のフローチャートである。
【
図9】使用度に対する信号の繰り返し周波数の依存性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、中心点で示されるように、膝関節などの人の関節1の様々な可動域(ROM)に基づく本発明の根底にある考え方を説明している。この場合、破線で示される関節1の最大可動域2は、使用される治療装置の制限装置、特に装具によって制限されるので、線3で区切られる許容可動域4が生じる。治療段階中の保護姿勢および保護運動のために、患者または一般に、前述の治療装置を使用する人は、治療装置を装着したときに実際に使用される可動域5としてここに示される、許容可動域4のごく一部のみを使用する。
【0049】
しかし、治療上有用であり、限界7によって説明することができる所望の可動域6もさらに存在する。本発明の基本的な考え方は、矢印8で表されるサポート情報に基づいて、現在使用されている可動域5から開始して、患者が所望の可動域6のより大きな部分を使用するように特に導かれるように前記治療装置に割り当てられるかまたはそれを備えることができる医療器具を設計することである。
【0050】
図2は、単に示されている人10の関節1、ここでは例えば膝関節または他の単軸関節についての本発明によるそのような医療器具9の概略図を示す。部品11は、明らかに、関節1に隣接する人10の身体に提供され、矢印によって示される関節1の動きによって互いに対して動かされる。本明細書にのみ示される検出装置13は、例えば、それらの間の相対位置および/または相対配向を測定するように設計された2つのセンサ14またはセンサ14の一部を備え得、実際に行われる関節1の動きを測定する。その検出データは、ここに示されているだけの通信リンク15を介して評価装置16に転送することができる。評価装置16は、まず、検出装置13の検出データから、単軸関節の場合、例えばここに示すように、特に関節角度を追跡し、最大角度を決定することによって、医療器具9を装着したときに実際に使用される関節1の可動域5を決定する決定ユニット17を備える。すでにこの時点で、検出装置13は、その検出データ内の動的パラメータ、すなわち本例では角速度も記述することにも留意されたい。
【0051】
評価装置16の比較ユニット18は、実際に使用される可動域5と所望の可動域6とを比較する。例えば、使用される可動域5を説明する対応する、特に最大関節角度は、限界7を説明する最大および最小関節角度と比較することができる。最終的に、特に各個々の限界7に関連して、所望の可動域6が実際に使用されている程度を示す少なくとも1つの使用測定値結果が得られる。
【0052】
最終的に、評価装置16はまた、比較結果の関数としてサポート情報を決定するサポートユニット19を有する。それにより、サポート情報は、特定の例示的な実施形態に関して以下でより詳細に説明される、人10を所望の可動域6の可能な限り最も広範囲の使用に導くまたは案内するような方法で決定される。
【0053】
少なくとも1つの情報基準をサポートユニット内に提供することができ、少なくとも比較結果を評価して情報基準が満たされると、多くの場合適切なパラメータ化の後にサポート情報の一部またはサポート情報が出力されるため、サポート情報を各時点または各状況で出力する必要はない。さらに、一般に、人10を所望の可動域6の可能な限り最も広範囲の使用に導くことになると、サポート情報の設計においても、特にその特定のパラメータ化中、現在の運動状態および少なくとも先行する運動履歴を考慮に入れることが好都合であると言うことができ、そのため、サポート情報は、人10が直感的に理解することができる指示、すなわち所望の可動域6のより広い使用を達成する方法を含む。
【0054】
サポートユニット19によって決定されたサポート情報は、対応する出力装置20を介して出力することができる。それは、例えば、特定の例でより詳細に説明されるように、サポート情報の光学および/または音響および/または触覚出力のための対応する出力手段を備え得る。
【0055】
好ましい例示的な実施形態では、本発明による医療器具9は、所望の可動域6を手動および/または自動で定義することができる少なくとも1つの入力手段を備えた入力装置21をさらに有し、ユーザ入力を基礎としてとることが好ましい。入力手段は、特に、部品11および/または治療装置22に機械的形態で提供することができ、これは、
図2に示され、また機械的入力手段として、例えば
図1に関してすでに対処された制限装置の場合、それを介して所望の可動域6を機械的に定義することができる、医療器具9に属し得る。自動決定に関して、例えば、動的または定義された治療計画は、ユーザとしてのセラピストによって人10に対して事前設定され得、これは例えば、異なる治療の進行に対して連続する期間で所望の可動域6を拡張する。治療の進行は、定義された時系列に従うことができるが、特に、比較ユニット18によって決定された前述の使用測定値は、所望の可動域6がすでに使用されている程度を示すので優れた指標を提供するため、検出データを介して治療の進行を追跡することが好ましく、そのためこれは次の治療レベルに、したがって拡張された所望の可動域6に進行することができるようにするために任意選択で考慮され得る。
【0056】
加えて、そのような治療計画はまた、例えば、最初に装具、次に包帯、そして最終的にベルトシステムなどが使用され得るので、異なる治療装置22の使用を伴うことができる。部品および/または少なくとも1つのセンサは、好ましくは、治療装置22に解放可能に取り付け可能であり、これは、例えば医療器具9の他の構成要素にも適用され得る面ファスナを介して部品11を含み得るので、したがって、医療器具9はまた、特定の実施形態では異なる治療装置22と共に使用され得る。
【0057】
一般に、この時点で、部品11は、治療装置22に属することができるが、属する必要はないことにも留意されたい。治療装置22が例えば装具である場合、部品11は、関節式に結合された剛性の関節式ガイド要素であり得るが、部品11が、例えば包帯の場合の圧縮材料で作られた、治療装置22または医療器具9の柔軟な構成要素のサブ領域によって形成されることも可能である。
【0058】
さらに、最初に、評価装置16、出力装置20、および設定装置21が、治療装置22上に少なくとも部分的に、すなわち関節の近くに、および/または少なくとも部分的に治療装置22の外部に、特に関節1から離れて実装され得ることも一般に適用され、通信リンク15は、好ましくはワイヤレス通信リンクである。特定の実施形態は、以下でより詳細に説明される。
【0059】
説明したように、センサ14は、好ましくは、他のセンサ14、または特に、他の部品11上の受動センサ構成要素に対する相対的な位置および配向を測定する。特に好ましくは、磁気的および/または誘導的測定原理を使用することができ、例えば、一方の部品に磁性材料を提供し、他方の部品11に対応する磁場センサを提供する。他の考えられる実施形態は、一方の部品11に導電性材料を提供し、他方の部品11に誘導センサを提供することを含む。
【0060】
図3は、治療装置22として装具23を備える、本発明による医療器具9aの第1の特定の例示的な実施形態を示し、関節1、ここでは膝関節に提供される医療器具9aの構成要素のみが、この場合では示されている。この場合、装具は、関節24を介して結合された2つの剛性の関節式ガイド要素25を有し、これは、ベルト26によって人10の上肢または下肢に保持することができる。この場合、センサ14またはセンサ14のセンサ構成要素は、膝関節に対して内側ベルト26上に配置されるが、関節式ガイド要素25上に提供されてもよい。検出装置13を形成するセンサ要素14は、例えば、ベルト26に組み込まれ得る。
【0061】
図3はまた、出力装置20の出力手段の様々な可能な実施形態を示す。一方で、光学出力要素を有することがあまり好ましくなく、好ましくは触覚出力要素を有するスケール状の出力手段27が示されており、その出力要素は、例えば、所望の可動域6の完全な使用の接近が増加するにつれて連続してオンに切り替え、人10に示すことができる。さらに好ましい音響出力手段として、
図3による出力装置20はまた、装具23上に配置されたスピーカ28を有し、ここでは、剛性の関節式ガイド要素25の1つの上に、音、場合によっては音声出力もサポート情報として出力することができる。繰り返される音を伴う実施形態が好ましく、その繰り返し周波数および/またはボリュームおよび/またはピッチは、所望の可動域6が人10によって実際にどれだけうまく使用されているかに応じて変更することができる。
【0062】
自動車のパーキングアシスタントに基づく設計は、特に直感的に考えられる実施形態であることが証明されており、例えば、より高い繰り返し周波数は、所望の可動域6の限界7へのより強い接近を示す。ピッチは、人10に、例えば限界7、すなわち、例えば、屈曲方向または伸展方向について通知するために使用することができる。この場合、ピッチは、出力を現在の運動段階または現在の運動状態に依存させるために、例えば伸展中に運動の変曲点に接近するときの屈曲に関するサポート情報を出力するために、したがって屈曲のために、すでに好都合に提供されている。
【0063】
さらに好ましい任意選択の触覚出力手段は、例えば運動方向をより長く維持するための触覚情報として、関連する筋肉群を刺激することができる、この場合では上肢に提供される振動パッド29の形態で、および特定のスコープ(好ましくは情報としてのみ)が、例えば減速するときに、ここでは所望の動きの余地がまだあるという情報を人10に出力するために、一方向への動きをいくらか強制することができる、この場合では関節部24に提供される電気的駆動手段30の形態で
図3に示されている。
【0064】
図3は、関節部24上の制限装置31をさらに示しており、これを介して許容可動域4を設定することができる。すでに説明したように、制限装置31は、設定装置21の機械的設定手段として理解することもでき、この場合、設定ボタン32、例えば、SETボタンによって補足することができる。例えば、最初にSETボタン32を使用することによって、制限装置31を介して所望の可動域6を設定することができ、その後、制限装置31のその後の調整によって、所望の可動域6に対して許容可動域4を拡張することが依然として可能である。さらに提供されるRESETボタン33もまた、存在し得る。これは、例えば、装具23を再適用するときに使用することができる。
【0065】
図4は、治療装置22としての包帯34における医療器具9bの使用を示しており、包帯34は、必ずしもここで医療器具9bに属する必要はない。この場合において、そして明確にするために、部品11を形成する締結手段35、ここでは面手段の少なくとも1つのセンサ14およびセンサ側構成要素のみが示されている。したがって、締結手段35によって、少なくとも1つのセンサ14および部品11は、特定の所定の位置で包帯34に解放可能に締結することができ、関節の外部に提供される器具9bのさらなる構成要素(評価装置16、出力装置20、および入力装置21)は示されていない。
【0066】
これに関して、
図5は、ハンドヘルドモバイルデバイス36、ここではスマートフォン37またはタブレットが、評価装置16、出力装置20、および設定装置21として少なくとも部分的に使用される可能な実施形態を示す。この目的のために、モバイルデバイス36は、特に少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピューティングデバイス38を有し、その上に医療器具9、9a、9bの対応する部品または構成要素を実装するアプリケーション39(アプリ)、すなわちコンピュータプログラムが提供される。
【0067】
例えば、タッチスクリーン40が、アプリケーション39を介して入力装置21の入力手段として使用され、所望の可動域6またはそれを自動的に決定するために使用されるデフォルトデータを入力することができる。さらに、タッチスクリーン40のディスプレイは、スピーカ41と同様に、出力装置20の出力手段としても使用することができる。コンピューティングデバイス38は、決定ユニット17、比較ユニット18、および/またはサポートユニット19を少なくとも部分的に実装することができる。
【0068】
図6は、後部装具42として設計された治療装置22における医療器具9cの使用を示す。関節または関節式グループとして脊椎に関連付けられている後部装具42は、ベルトシステム44によって保持されている後部副子43を有する。この場合、脊椎の動きを可能な限り正確に測定するために、より多くのセンサ14が関節式ガイド要素として後部副子43に沿って配置されている。可動域4、5、および6は、例えば、局所的な動きの限界などによって説明することができる。
【0069】
明確にするために、医療器具9cのさらなる構成要素はここでも示されておらず、後部装具42は、治療装置22として医療器具9cに関連付けられてもよいが、関連付けられる必要はない。
【0070】
この時点で、ベルトシステム44、包帯34、およびベルト26は、治療装置22が対応する医療器具9、9a、9b、9cに属する場合、少なくとも領域において部品として機能し得るエンクロージャセクションを最終的に形成することにも留意されたい。包帯34と同様に、ストッキングまたは他の衣服もまた、治療装置22または器具9、9a、9b、9cの一部として使用され得ることに留意されたい。
【0071】
図2に戻ると、評価装置16はまた、検出装置13の検出データに基づいて、現在の動きを動きのタイプのクラスにカテゴリ化することができる分類ユニット45をさらに備えることができる。この場合、特に、少なくとも1つの特定の動きのタイプの場合にのみ、サポート情報が出力され、異なるタイプの動きなどに対して、異なるサポート情報または異なる所望の可動域6が定義され得る。例えば、階段を上って平らな面を普通に歩くとき、関節1としての膝関節のための他の所望の可動域6または他のサポート情報を提供することが望ましい場合がある。この場合、特に定義された以前の期間にわたる検出データは、どのクラスの動きのタイプが現在使用されているかを十分に明確に示すことができる。
【0072】
図7および
図8を参照して、記載された医療器具9、9a、9b、9cによって実施され得る本発明による方法の例示的な実施形態が、ここでより詳細に説明される。
【0073】
図7による例示的な実施形態では、検出データは、ステップS1において検出装置13によって記録される。
【0074】
ステップS2において、評価装置16の決定ユニット17は、検出データから、治療装置を装着したときに実際に使用される関節1の可動域5を決定するために使用され、検出データのさらなる分析も行われる。すなわち、
図7の例示的な実施形態の場合、現在の運動状態だけでなく、直前の運動履歴および/または動的パラメータ、例えば単軸または多軸関節の場合の角速度も考慮に入れられる。この場合、膝は周期的な動きの間により正確に考慮されるはずである。後者は通常、伸展プロセスと屈曲プロセスのシーケンスで構成され、これらの2つのプロセスは各々、実際に使用される可動域5の限界を表す変曲点で交互になる。運動状態が変曲点に接近すると、これは例えば、角速度の減少によって表される。しかし、これは、変曲点に到達する前に、前記変曲点、特にどの変曲点にも接近していることをすでに決定すること、および現在の運動プロセスが実施されると予想される場所まで、特にどの関節角度までを予測することも可能にする。
【0075】
ステップS2で決定された情報に基づいて、ステップS3において、関連する運動段階または関連する運動状態がどの程度存在するかどうかについてチェックが行われる。これは、直感的に検出可能であり、したがって現在の運動状態または現在の運動段階で合理的なサポート情報がどの程度可能であるかどうかが最終的にチェックされるため、最初の情報基準と見なすことができる。そうでない場合は、ステップS1に戻るか、ステップS4に進む。ステップS4において、評価装置16の比較ユニット18は、特定の例において、予測された変曲点が所望の可動域6の対応する限界7にどの程度到達するかをチェックする。単軸関節としての膝の例では、例えば、限界7と予測された変曲点との間の角距離を決定することができる。もちろん、他の例示的な実施形態では、より複雑な分析/使用も考えられる。
【0076】
ステップS5において、さらなる情報基準の一部として、ステップS4で決定された限界7からの偏差が場合によってはサポート情報を必要とするかどうかをチェックすることができる。これが当てはまらない場合、例えばいずれにせよ限界7に到達した(または超えた)などの理由の場合、ステップS1に戻る。しかし、可動域6を完全にまたはほぼ完全に使用した場合でも、肯定的なサポート情報を出力することも絶対に考えられることに留意されたい。
【0077】
次に、ステップS6において、サポート情報は、ステップS7で出力されるために、ステップS4の比較結果の関数として決定される。
【0078】
ステップS6において、サポート情報は、特に、検出データから収集された情報、特に比較結果の関数としてパラメータ化される。例えば、限界7からの角距離が遠いほど、限界7へのさらなる動きを直感的に促進するサポート情報の強度が増加する。例えば、振動パッド29などの刺激装置、および/または駆動手段30が使用される場合、人10が、例えば伸展または屈曲などの現在の運動プロセスのより長い継続を推奨される場合、より強い刺激/より強いサポート情報が発生し得る。同じことが音響および/または光学サポート情報にも当てはまる場合もあるが、より高い強度によって限界7への接近を直感的に伝えることもまた好都合であり得る。
【0079】
図8は、代替として、または
図7と組み合わせて使用することができる、本発明による方法の第2の例示的な実施形態を示す。
【0080】
ここでも、ステップS1において、検出データを記録することによって動きを測定する。しかし、ステップS2では、この場合、複数の運動サイクルにわたる考慮が決定ユニットで行われ、これは、現在の時点の直前の期間の運動履歴を記述する過去の検出データが使用されることを意味し、実際に使用される可動域5のより堅牢な記述が得られるようになる。例えば、平均(特に加重平均も)は、極端な位置などに対して形成することができる。ここでは、すべての新しい検出データを使用した継続的な更新が行われ、これは、変化、特に所望の可動域6に関する改善または悪化に可能な限り迅速に反応できるようにするために、ローリング期間が考慮されることを意味する。
【0081】
ステップS4’において、比較が比較ユニット18で行われるが、これは、この例示的な実施形態では、人を導くまたは案内するための連続的な情報がサポート情報によって少なくとも望まれるからである。
【0082】
それにもかかわらず、次に任意選択であるステップS5’において、サポート情報がどの程度必要であるかどうかに関して情報基準がチェックされ得る。特に、所望の可動域6の利用の改善に対する人10の最終的に望まれる継続的なガイダンスの場合において、十分に使用されている場合、もはやサポート情報を出力しないことが望まれる場合もある。
【0083】
ステップS6’において、
図7のステップS6と同様に、サポート情報が決定され、ステップS7で出力される。この例示的な実施形態では、トーンシーケンスを使用することが好ましく、その繰り返し周波数は、使用度、ここでは特に限界7の接近に依存する。
【0084】
図9は、使用度Nに対するトーンの繰り返し周波数fのそのような例示的な依存性を示す。ここでの値46は、所望の可動域6の実質的に完全な使用を示している。明らかに、最初は低い繰り返し周波数が存在し、これは領域47での使用が増加するにつれて著しく増加し、したがって「パーキングアシスタント」と同様に限界7への前記接近を直感的に伝える。値46以上では、領域48、例えば連続トーンを出力することができ、および/または可能な限り所望の可動域6の使用に到達したので、サポート情報を非アクティブ化することができる。
【0085】
最終的に、
図7および
図8による例示的な実施形態だけでなく、一般に本発明のすべての実施形態において、特に評価の直後に、運動自体の間の動きに割り当て可能な方式でサポート情報を直感的に出力することが好都合であることに留意されたい。これは、特に特定の運動段階または予測に反応するときの割り当てを改善し、したがって、所望の可動域6の利用を改善するための案内および先導効果も改善する。また、一般に、サポート情報は、好ましくは運動自体を妨害または中断しないが、直感的に運動シーケンスに流れ込み、したがってユーザを所望の可動域6の改善された利用に導くことにも留意されたい。
【国際調査報告】