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特表2022-513285套管針カテーテル組立体及び関連する製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】套管針カテーテル組立体及び関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20220131BHJP
   A61M 39/06 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M25/06 512
A61M39/06 110
A61M39/06 122
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534896
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 EP2019085732
(87)【国際公開番号】W WO2020127328
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/780,830
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/866,765
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/882,141
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201922254020.2
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591002131
【氏名又は名称】ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーア,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,チー ムン
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C267AA02
4C267AA24
4C267BB24
4C267BB33
4C267BB40
4C267CC01
4C267GG02
4C267GG21
4C267HH08
4C267HH09
(57)【要約】
バルブ(120)を標準直径サイズのカテーテルハブ(102)内に固定する機能を提供する構成要素(124)を有する針装置(100)であって、バルブ(120)及び/又は構成要素(124)が、雄型ルアー(200)がカテーテルハブ(102)から切り離されたときに、バルブオープナー(122)をカテーテルハブ(102)内の遠位位置からカテーテルハブ(102)内の近位位置に戻すための近位方向の軸方向の力を提供する、針装置。流体の流れを制限し、作動を可能にして流体の流れを可能にし、針刺しの損傷を防止すること、及びこれらの組み合わせができる単一のハブ本体カテーテルハブ(102)の内部に様々な構成要素を配置することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル組立体(100)であって、
内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブ(102)の遠位端に取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブ(104)であって、カテーテルハブ(102)は、外面、及び少なくとも1つの肩部(173)を有する内部空洞(123)を形成する内面を有するカテーテル本体(126)を備える、カテーテルチューブと、
遠位端に針先端(114)を有し、針ハブ(106)に取り付けられた近位端を有する針(108)であって、カテーテルハブ(102)及びカテーテルチューブ(104)を通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端(114)を有する針(108)と、
カテーテルハブ(102)の内部空洞(123)に配置されたバルブディスク(121)を有するバルブ(120)であって、バルブディスク(121)が、少なくとも1つのスリット(234)及び少なくとも2つのフラップ(194)、近位側表面、遠位側表面を備え、遠位側表面が、少なくとも1つの肩部(173)と接触している、バルブと、
バルブディスク(121)から延びるスカート区画(250)であって、スカート区画(250)が、外面及びスカート内部を形成する内面を有する壁、及びスカート近位端面(290)を含み、カテーテルハブ(102)の内面と接触しているスカート区画(250)と、
カテーテルハブ(102)の内部空洞(123)に配置されたバルブアクチュエータ(122)であって、該バルブアクチュエータ(122)は、遠位端にあるノーズ区画(150)、及びノーズ区画(150)の近位に近位区画(157)を有し、ノーズ区画(150)は、ノーズ区画(150)の最遠位端に流体の流れのためのボア及び作動端(180)を含み、近位区画(157)は、それを通る又はそれを横切る流体の流れのための少なくとも1つの空隙を有し、当該バルブアクチュエータ(122)は、内部空胴(123)内の近位位置に配置され、医療器具によって押されたときに内部空胴(123)内の遠位位置へ摺動可能であり、ここで、ノーズ区画(150)は、使用準備済位置にあるスカート内部の少なくとも一部に位置する、バルブアクチュエータ(122)と、
を備え、
ここで、2つの離間した当接面(295、298)は、使用準備済位置において、バルブオープナー(122)の作動端(180)の近位に、及び、スカート近位端面(290)の近位に位置し、当該当接面(295、298)は、バルブアクチュエータ(122)が遠位位置にあるときにスカート近位端面(290)に当接するような寸法及び形状である、
カテーテル組立体。
【請求項2】
使用準備済位置において針(108)の側面に配置され、不注意な針刺しから針先端(114)を覆うために保護位置において針先端(114)の遠位の位置に移行する保護表面を有する針ガード(130)をさらに備える、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項3】
スカート区画が、斜面形状の断面を備え、スカート近位端面(290)が、斜面形状の断面の近位端に位置する、請求項1又は2に記載のカテーテル組立体。
【請求項4】
バルブアクチュエータ(122)のノーズ区画(150)は、移行区画(296)へ延びる第1の勾配を有し、移行区画(296)は、第2の勾配を有し、第2の勾配及び第1の勾配は、異なる勾配値を有する、請求項1から3のいずれかに記載のカテーテル組立体。
【請求項5】
バルブディスク(121)は、第1の厚さを有する第1の部分(168)と、第2の厚さを有する第2の部分(170)とを有し、第1の厚さは、第2の厚さよりも大きい、請求項1から4のいずれかに記載のカテーテル組立体。
【請求項6】
少なくとも1つのスリット(234)は、バルブ(120)の第2の部分(170)を貫通して形成されている、請求項5に記載のカテーテル組立体。
【請求項7】
少なくとも1つの安定化要素(158)は、バルブアクチュエータ(122)の第1のプランジャ要素(152)に接続された第1の端部と、バルブアクチュエータ(122)の第2のプランジャ要素(152)に接続された第2の端部とを備え、安定化要素(158)は、遠位縁部(158a)及び近位縁部(158b)をさらに備える、請求項2に記載のカテーテル組立体。
【請求項8】
針ガード(130)は、開口部を形成する周縁(192)を備える近位壁(140)と、近位壁(140)の遠位に延びる少なくとも1つのアーム(188、190)とを備え、少なくとも1つのアーム(188、190)は、細長いアーム部分(188c、190c)と、遠位壁(188b、190b)と、細長いアーム部分と遠位壁との間に配置されたエルボー(188a、190a)とを備え、ここで、単一の屈曲部が細長いアーム部分と遠位壁との間に配置されて、針ガードが遠位縁部と接触するエルボーにおいて滑らか又は平坦な外形を形成している、請求項7に記載のカテーテル組立体。
【請求項9】
カテーテルハブ(102)は、ボア(364)を有する細長い本体(362)を有するサイドポート(360)を備え、細長い本体(362)は、カテーテル本体(126)に対してある角度で延在する、請求項8に記載のカテーテル組立体。
【請求項10】
針(108)によって形成された軸の横方向に延在する本体を有するグリップパドル(372)をさらに備える、請求項1から9のいずれかに記載のカテーテル組立体。
【請求項11】
安定化要素(158)の遠位縁部(158a)は、安定化要素(158)の外面近くから始まり、安定化要素(158)の内面に向かって傾斜するテーパ状縁部(392)を備える、請求項7に記載のカテーテル組立体。
【請求項12】
カテーテル組立体(100)の製造方法であって、
内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブ(102)の遠位端に取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブ(104)を取り付けること、ここでカテーテルハブ(102)は、外面、及び少なくとも1つの肩部(173)を有する内部空洞(123)を形成した内面を有するカテーテル本体(126)を備える、
遠位端で針先端(114)を有し、及び近位端を有する針(108)を針ハブ(106)へ取り付けること、ここで針(108)は、カテーテルハブ(102)及びカテーテルチューブ(104)を通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端(114)を有する、
カテーテルハブ(102)の内部空洞(123)にバルブディスク(121)を有するバルブ(120)を配置すること、ここでバルブディスク(121)は、少なくとも1つのスリット(234)及び少なくとも2つのフラップ(194)と、近位側表面と、遠位側表面とを備え、遠位側表面は、少なくとも1つの肩部(173)と接触している、
バルブディスク(121)からスカート区画(250)を延在すること、ここでスカート区画(250)は、外面及びスカート内部を形成する内面を有する壁と、スカート近位端面(290)とを含み、スカート区画(250)は、カテーテルハブ(102)の内面と接触している、
カテーテルハブ(102)の内部空洞(123)にバルブアクチュエータ(122)を配置すること、ここでバルブアクチュエータ(122)は、遠位端にあるノーズ区画(150)、及びノーズ区画(150)の近位に近位区画(157)を有し、ノーズ区画(150)は、流体の流れのためのボアと、ノーズ区画(150)の最遠位端に作動端(180)とを備え、近位区画(157)は、それを通る又はそれを横切る流体の流れのための少なくとも1つの空隙を有し、バルブアクチュエータ(122)は、内部空胴(123)内の近位位置に配置され、医療器具によって押されたときに内部空胴(123)内の遠位位置へ摺動可能であり、ここでノーズ区画(150)は、使用準備済位置においてスカート内部の少なくとも一部に配置される、
を備え、
ここで、2つの離間した当接面(295、298)は、使用準備済位置において、バルブオープナー(122)の作動端(180)の近位に、及びスカート近位端面(290)の近位に配置され、当接面(295、298)は、バルブアクチュエータ(122)が遠位位置にあるときにスカート近位端面(290)に当接するような寸法及び形状である、
製造方法。
【請求項13】
カテーテルハブ(102)の内部空洞(123)に針ガード(130)を配置することをさらに含み、この針ガードは、使用準備済位置において針(108)の側面に位置し、保護位置において針先端(114)の遠位の位置に移行して針先端(114)を不用意な針刺しから覆う保護表面を有する、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
カテーテル本体(126)に対してある角度で、ボア(364)を有する細長い本体(362)を有するサイドポート(360)を延在することをさらに含む、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
針ガード(130)は、開口部を形成する周縁(192)を備える近位壁(140)と、近位壁(140)の遠位に延びる少なくとも1つのアーム(188、190)とを備え、少なくとも1つのアーム(188、190)は、細長いアーム部分(188c、190c)と、遠位壁(188b、190b)と、細長いアーム部分と遠位壁との間に配置されたエルボー(188a、190a)とを備え、ここで、単一の屈曲部が細長いアーム部分と遠位壁との間に配置されて、針ガードが遠位縁部と接触するエルボーにおいて滑らか又は平坦な外形を形成する、請求項13又は14に記載の製造方法。
【請求項16】
カテーテル組立体(100)であって、
針ハブ(106)に取り付けられた針(108)と、
カテーテルハブ(102)に取り付けられたカテーテルチューブ(104)と、
カテーテルハブ(102)の内部(123)の内側に配置されたバルブ(120)及びバルブアクチュエータ(122)と、ここでバルブ(120)は、複数のバルブフラップ(194)を有する、
スカート内部を形成するバルブスカート(250)と
を備え、
バルブアクチュエータ(122)は、複数のバルブフラップ(194)を開バルブ位置に偏向させるようにバルブ(120)へ移動可能であり、バルブフラップ(194)が閉バルブ位置に戻ることを可能にするようにバルブ(120)から離れるように移動可能であり、
針(108)は、使用準備済位置において、バルブ(120)、バルブアクチュエータ(122)、カテーテルハブ(102)、及びカテーテルチューブ(104)を通って突出する、カテーテル組立体。
【請求項17】
カテーテル組立体(100)であって、
針ハブ(106)に取り付けられた針(108)と、
カテーテルハブ(102)に取り付けられたカテーテルチューブ(104)と、
カテーテルハブ(102)の内部(123)の内側に配置されたバルブ(120)及びバルブアクチュエータ(122)と、ここでバルブ(120)は、複数のバルブフラップ(194)を有するバルブディスク(121)を備える、
バルブ(120)を内部(123)の内側に保持する固定装置(124)と、
を備え、
バルブアクチュエータ(122)は、複数のバルブフラップ(194)を開バルブ位置に偏向させるようにバルブ(120)へ移動可能であり、バルブフラップ(194)が閉バルブ位置に戻ることを可能にするようにバルブ(120)から離れるように移動可能であり、
針(108)は、使用準備済位置において、バルブ(120)、バルブアクチュエータ(122)、カテーテルハブ(102)、及びカテーテルチューブ(104)を通って突出する、カテーテル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、末梢静脈内カテーテル組立体、ルアー作動装置に関する特定の議論を伴う套管針カテーテル組立体、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静脈内(IV)カテーテル組立体の挿入手順は、以下の4つの基本的なステップを含む。(1)医療従事者が針及びカテーテルを一緒に患者の静脈に挿入する;(2)針先で静脈内に挿入した後、医療従事者が指でカテーテルを押すことにより、患者の静脈内にカテーテルを進める;(3)医療従事者は、ハブ端部(先端部とは反対側)を把持して針を抜去しながら、挿入部位の患者の皮膚に自由な手で圧力を加えてカテーテル内の血流を止める;(4)次いで、医療従事者は、カテーテル(カテーテルハブ)の露出端を患者の皮膚にテープで留め、患者の静脈内に投与される流体の供給源に接続する。
【0003】
1つの問題は、患者の静脈から針を引き抜いた直後に、この時点で少なくとも2つの緊急処置に関与している医療従事者が、露出した針先を近くの場所に配置し、針の引き抜きを達成するために必要な作業に対処しなければならないことである。この繋がりで、露出した針先が偶発的な針刺しの危険性をもたらし、この状況下では、医療従事者をAIDS及び肝炎を含む様々な危険な血液媒介病原体の伝染に対して脆弱にする。
【0004】
別の問題は、針が取り外されたとき及び取り外された後に、カテーテルを通る血液の流れを止めるために正しい位置で指の圧力を加えることである。これ自体は、針が取り外されているときに施術者の肘が誤って当たった場合、又は施術者が指の圧力を加えながらカテーテルに針を再挿入しようとする場合に、針刺しに関する傷害のリスクをもたらす。
【0005】
これらの套管針カテーテル組立体は、病院の放射線科で診断目的の高圧注射に使用されることがある。組立体は、3バール以上の圧力に耐えなければならない。これは、そのような高圧適用後であっても、隔壁が複数回開閉できるように隔壁を定位置に保持することを含む。
【発明の概要】
【0006】
標準的な直径サイズのルアーテーパカテーテルハブにバルブを固定する機能を提供する構成要素を有する針装置が開示される。固定のための構成要素は、固定装置と呼ぶことができ、雄ルアーがカテーテルハブから切り離されたときにバルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すための近位方向の軸方向の力を提供することができる。様々な構成要素は、単一ピースのハブ本体カテーテルハブの内側に配置することができる。様々な構成要素は、流体の流れを制限し、流体の流れを可能にする作動を可能にし、針の損傷を防止する構成要素、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0007】
固定装置は、ボアを形成する表面を有する構造を含むことができ、バルブオープナーの少なくとも一部は、ボアに配置される。固定装置のボアに位置するバルブオープナーの部分は、使用準備済位置及び作動位置の両方にて、そのように位置することができる。
【0008】
固定装置は、カテーテルハブの内部にバルブを固定することができる。バルブは、バルブディスクとすることができる。バルブを固定することに加えて、固定装置は、任意選択的に、バルブの1つ又は複数のバルブフラップを開くために遠位方向に前進したバルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために近位方向の力を加えるように構成することができる。
【0009】
固定装置は、1つ又は複数の板ばねを組み込むことができ、それ自体が傾斜コイルばねなどのコイルばねであってもよく、O-リングであってもよく、又は、バルブオープナーの柔軟な部分に対して力を加えることができ、その結果、柔軟な部分は、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させるための近位方向の力を提供する。
【0010】
固定装置は、外面、内面、近位端、及び遠位端を有する本体を有することができる。
【0011】
本発明の態様は、カテーテル組立体を対象とし、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、カテーテルハブの内部空洞に配置された、少なくとも1つのスリット、近位側表面、遠位側表面を含むバルブ本体を有するバルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、ボアを有するノーズ区画、及び流体の流れが通って又はそれを横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、雄ルアーによって押されたときに、内部空洞の内側の近位位置と遠位位置との間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、カテーテルハブの内部空洞内にバルブを保持するための、バルブ本体の近位側表面でバルブと接触するか又は一体である固定装置であって、ボアを形成する内面を有し、流体経路、遠位端、及び近位端を含むリテーナ本体を備える固定装置と、使用準備済位置で針の側面に配置され、不注意な針刺しから針先を覆うために保護位置で針先の遠位の位置に移行可能な保護面を有する針ガードと、を備える。
【0012】
リテーナ本体の遠位端は、第1の寸法の内径(ID)と、第1の寸法よりも大きい第2の寸法のIDを有する近位端とを有することができる。
【0013】
リテーナ本体の遠位端は、第1の寸法の内径(ID)と、第1の寸法よりも小さい第2の寸法のIDを有する近位端とを有することができる。
【0014】
固定装置は、リテーナ、保持リング、保持スカート、O-リング、又は傾斜コイルばねであってもよい。
【0015】
本発明の更なる態様は、カテーテル組立体であり、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、カテーテルハブの内部空洞に配置された、少なくとも1つのスリット及び少なくとも2つのフラップ、近位側表面、遠位側表面を含むバルブ本体を有するバルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、ボアを有するノーズ区画、流体の流れが通って又はそれを横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、医療器具によって押されたときに、内部空洞の内側の近位位置と遠位位置との間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、ボアを形成する内面を有し、流体経路、遠位端、及び近位端を含むリテーナ本体を含む固定装置であって、リテーナ本体の前記遠位端が、カテーテルハブの内部空洞内にバルブを保持するために、バルブ本体の近位側表面でバルブと接触しているか又は一体であり、リテーナ本体の前記近位端が、カテーテル本体の少なくとも1つの肩部の遠位に位置し、少なくとも1つの肩部によって近位方向に変位することが制限されているか、又は、前記固定装置が、カテーテルハブの内部空洞内にバルブを保持するために、カテーテルハブと締まりばめになっている、固定装置と、使用準備済位置で針の側面に配置され、不注意な針刺しから針先を覆うために保護位置で針先の遠位の位置に移行可能な保護面を有する針ガードと、を備える。
【0016】
バルブオープナーのノーズ区画は、半径方向に連続した表面を有することができる。ノーズ区画は、本体が全周に沿って連続しないようにスリップ又は空隙を有することができる。近位区画は、ノーズ区画の近位に配置することができる。バルブアクチュエータの近位区画は、空隙又は流体経路を有することができる。近位区画は、2つの離間したプランジャ要素を有することができる。
【0017】
本発明の別の態様は、カテーテル組立体であり、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブの遠位端に取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、ディスク形状のバルブ本体を有するバルブであって、このディスク形状のバルブ本体が、カテーテルハブの内部空洞に配置された、少なくとも1つのスリット及び少なくとも2つのフラップ、近位側表面、並びに遠位側表面を含むバルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、ボアを有するノーズ区画、及び、流体の流れが通って又はそれを横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、医療器具によって押されたときに、内部空洞の内側の近位位置と遠位位置との間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、流体経路、遠位端、及び近位端を含む金属製のリテーナ本体を含む固定装置であって、リテーナ本体の前記遠位端が、ディスク形状のバルブ本体の近位側表面と接触して、カテーテルハブの遠位端とカテーテルハブの内部空洞内の固定装置との間にバルブを保持する、固定装置と、使用準備済位置で針の側面に配置され、不注意な針刺しから針先を覆うために保護位置で針先の遠位の位置に移行可能な保護面を有する針ガードと、を備える。
【0018】
バルブアクチュエータのノーズ区画は、少なくとも2つのフラップをカテーテルハブの内部に対して圧縮するか、又は少なくともバルブフラップを遠位方向に偏向させ、カテーテルハブの肩部に対してバルブを軸方向に圧縮するように、表面を有する輪郭形成されたノーズ区画であり得る。
【0019】
より一般的に見ると、本明細書に開示されるバルブアクチュエータのノーズ区画は、バルブに蓄積エネルギーを与えるようにバルブを変形させることができる。本明細書に開示されるバルブアクチュエータのノーズ区画は、バルブを偏向させるか、又はバルブを付勢して、蓄積エネルギーをバルブに与えることができる。
【0020】
本発明のまたさらなる態様は、カテーテル組立体であり、このカテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、カテーテルハブの内部空洞に配置された、少なくとも1つのスリット、近位側表面、及び遠位側表面を含むバルブ本体を有するバルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、ボアを有する遠位ノーズ区画、及び、流体の流れが通って又はそれを横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、医療器具の雄ルアー先端によって押されたときに、内部空洞の内側の近位位置と遠位位置の間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、バルブの近位側表面の側面に配置され、バルブアクチュエータが雄ルアーによって遠位位置に押されたときにバルブアクチュエータによって圧縮され、拡張してバルブアクチュエータを近位位置に戻すように構成された複数のコイルを含む傾斜コイルばねと、を備える。
【0021】
カテーテル組立体は、保護表面を有する針ガードであって、使用準備済位置において針の側面に配置され、不注意な針刺しから針先端を覆うために保護位置において針先端の遠位の位置に移行することができる針ガードを備えることができる。
【0022】
本発明の別の態様は、カテーテル組立体であり、このカテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、カテーテルハブの内部空洞に配置された、少なくとも1つのスリット及び少なくとも2つのフラップ、近位側表面、並びに遠位側表面を含むバルブ本体を有するバルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、ボアを有する遠位ノーズ区画、流体の流れが通って又はそれを横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、医療器具によって押されたときに、内部空洞の内側の近位位置と遠位位置との間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、バルブで形成された保持スカート区画であって、カテーテルハブの内面に直接面する外面、及びバルブアクチュエータのノーズ区画に直接面する内面を有する、保持スカート区画と、を備え、ここで保持スカート区画は、バルブアクチュエータが医療器具の雄ルアー先端によって遠位位置に押されたときに、カテーテルハブの内面とバルブアクチュエータのノーズ区画との間で圧縮され、及び、医療器具の雄ルアー先端が外れたときに、バルブアクチュエータを近位位置に戻すために拡張するようなサイズ及び形状である。
【0023】
スカート区画は、バルブアクチュエータが医療器具の雄ルアー先端によって遠位位置に押されたときに、バルブアクチュエータのノーズ区画によって変形又は付勢されるようなサイズ及び形状にすることができ、及び、スカート区画は、医療器具の雄ルアー先端が非接続にされたときに、バルブアクチュエータを近位位置に戻すように拡張する。スカート区画は、バルブアクチュエータが医療器具の雄ルアー先端によって遠位位置に押されたときにバルブアクチュエータのノーズ区画によって第1のサイズから、第1のサイズよりも小さい第2のサイズに変化するようなサイズ及び形状にすることができ、スカート区画は、医療器具の雄ルアー先端が非接続にされたときに、バルブアクチュエータを近位位置に戻すように拡張する。変化するサイズは、物理的変換を受けるスカート区画の任意の寸法とすることができる。
【0024】
バルブディスクは、3つのバルブフラップなどの、2つ以上のバルブフラップを有することができ、2つ以上のバルブフラップは、バルブアクチュエータが医療器具の雄ルアー先端によって遠位位置に押されたときに、バルブアクチュエータのノーズ区画によって変形、付勢、又は偏向されるようなサイズ及び形状であり、2つ以上のバルブフラップは、医療器具の雄ルアー先端が非接続にされたときに、バルブアクチュエータを近位位置に戻すように拡張又は非付勢する。バルブフラップは、バルブアクチュエータが医療器具の雄ルアー先端によって遠位位置に押されたときにバルブアクチュエータのノーズ区画によって第1のサイズから、第1のサイズよりも小さい第2のサイズに変化するようなサイズ及び形状にすることができ、バルブフラップは、医療器具の雄ルアー先端が非接続にされたときに、バルブアクチュエータを近位位置に戻すように拡張又は付勢する。変化するサイズは、曲げられるまでまっすぐであり、より小さい物理的外形をとるなど、物理的変形を受けるバルブフラップの任意の寸法にすることができる。
【0025】
本発明のまたさらなる態様は、カテーテル組立体であり、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、ディスク形状のバルブ本体を有するバルブであって、ディスク形状のバルブ本体が、カテーテルハブの内部空洞に配置された、少なくとも1つのスリット、少なくとも2つのフラップ、近位側表面、及び遠位側表面を備えるバルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、ノーズ区画、流体の流れが通って又はそれを横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、医療器具によって押されたときに、内部空洞の内側の近位位置と遠位位置との間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、金属製のリテーナ本体を備えた固定装置であって、リテーナ本体が、流体経路、遠位端、近位端、及び近位に向けられた軸方向の力ベクトルをバルブアクチュエータのノーズ区画に与えるように構成された1つ又は複数の板ばねを備える、固定装置と、を備える。
【0026】
本発明によるカテーテルハブのカテーテル本体は、ルアーねじ山よりも実質的に小さい外径面を有する単一のハブ本体から作製することができる。
【0027】
単一のハブ本体は、そこから延びるカテーテルチューブを有する遠位端と、雌型ルアーを有する近位端とを有することができる。単一のハブ本体は、単独で形成することができる。
【0028】
指先で押すための突起を組み込むことができ、ルアーねじ山の外径を超えてカテーテルハブの上部から延在することができる。
【0029】
本発明の別の特徴は、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させるために、固定装置、バルブ、又は固定装置とバルブとの両方によってバルブオープナーに対して近位方向の軸方向力が付与されるカテーテル組立体である。
【0030】
本発明は、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させるために、固定装置、バルブ、又は固定装置とバルブとの両方によってバルブオープナーに対して近位方向の軸方向力が付与されるカテーテル組立体を作製又は使用する方法を含むことができる。
【0031】
本発明は、本明細書で提供されるカテーテル組立体を形成し使用するための方法をさらに含むことができる。
【0032】
本発明のさらに別の特徴は、カテーテル組立体であり、該カテーテル組立体は、針ハブに取り付けられた針と、カテーテルハブに取り付けられたカテーテルチューブと、カテーテルハブの内部の内側に配置されたバルブ及びバルブアクチュエータで、前記バルブが、スプリットディスクバルブ部を備える、バルブ及びバルブアクチュエータと、バルブを内部の内側に保持する固定装置と、を備え、ここで、バルブアクチュエータは、スプリットディスクバルブ部を開バルブ位置において開くように前記バルブへ移動可能であり、スプリットディスクバルブ部が閉バルブ位置に何度も戻ることを可能にするようにバルブから離れるように移動可能であり、針は、使用準備済位置において、バルブ、バルブアクチュエータ、カテーテルハブ、及びカテーテルチューブを通って突出する。
【0033】
本明細書に開示される固定装置は、バルブをカテーテルハブ内に保持するために、バルブに近位に隣接して、又はバルブと近位に一体に配置することができる。
【0034】
本発明の保持リング又は固定装置は、1つ又は複数の板ばねを備えることができる。
【0035】
本発明の保持リング又は固定装置は、フランジと、フランジから延びる2つ以上の板ばねとを備えることができる。
【0036】
固定装置の少なくとも1つの板ばねは、フランジの内径から近位方向に、内径の半径方向外側の位置から近位方向に、又は内径の半径方向内側の位置から近位方向に延びることができる。
【0037】
少なくとも1つの板ばねの近位端は、固定装置を通って長手方向に延びる中心線から離れるように、半径方向外側に広がるか又は屈曲することができる。
【0038】
カテーテル組立体は、外面及びボアを形成する内面を有する壁と、近位ルアー開口部にルアーねじ山又はルアーラグと、を含むカテーテルハブを有することができる。
【0039】
カテーテルハブの外面の外周は、ルアーねじ山又はルアーラグの外形よりも小さくすることができる。
【0040】
本明細書に記載のバルブアクチュエータは、雄ルアー先端がカテーテルハブに接続されているときにバルブ内に移動可能であり、雄ルアー先端がカテーテルハブから切り離されている、非接続のときにバルブから離れるように移動可能であり得る。バルブアクチュエータは、バルブによって生成された力ベクトル、固定装置によって生成された力ベクトル、又はバルブと固定装置の両方によって、遠位位置から近位位置に移動することができる。
【0041】
バルブは、少なくとも3つの作動サイクルを受けることができ、各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブオープナーのバルブへの移動、及びバルブが閉じるときにバルブから離れる移動を含む。
【0042】
本発明のさらなる態様は、カテーテル組立体であり、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、バルブ本体を有するバルブであって、バルブ本体がカテーテルハブの内部空洞に位置し、少なくとも1つのスリット、近位側表面、及びバルブの遠位側表面で第1の肩部に当接する遠位側表面を備える、バルブと、カテーテルハブの内部空洞内にバルブを保持するために、バルブ本体の近位側表面及びカテーテルハブの内部空洞に対して当接して接触する固定装置であって、変形されたときにエネルギーを蓄える弾性特性を有するエラストマー材料を備える固定装置と、カテーテルハブの内部空洞に配置されるバルブアクチュエータであって、流体の流れのためのボアを有するノーズ区画、及び、それを通る又はそれを横切る流体の流れのための少なくとも1つの空隙を有する構造を有する近位区画を有し、雄ルアーによって押されたとき内部空洞内の近位位置と遠位位置との間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、を備え、前記バルブアクチュエータは、バルブアクチュエータの近位方向の移動を制限するために第2の肩部に当接するための突起を備え、バルブアクチュエータは、ノーズ区画の近位に配置された移行区画、及び、移行区画の近位に配置された少なくとも1つの作動要素を備える。
【0043】
固定装置は、当接する内側肩部がない状態で、カテーテルハブの内径との干渉によってカテーテルハブの内部空洞に当接することができる。
【0044】
固定装置は、内側肩部に当接することによって、カテーテルハブの内部空洞に当接することができる。
【0045】
固定装置は、円形断面、楕円形断面、又は多角形断面を含むO-リングとすることができる。特定の多角形断面は、4つの辺を有する正方形断面又は長方形断面を含むことができる。
【0046】
バルブアクチュエータの構造は、2つの離間した作動要素を備えることができる。
【0047】
安定化要素は、2つの作動要素を互いに接続することができ、安定化要素の遠位に貫通開口部が形成される。いくつかの例では、第2の安定化要素は、2つの作動要素を互いに接続して第2の貫通開口部を形成することができる。
【0048】
針ガードは、バルブアクチュエータの貫通開口部内に少なくとも部分的に配置することができる。針ガードは、バルブアクチュエータの第2の貫通開口部内に少なくとも部分的に配置することができる。
【0049】
バルブオープナー又はアクチュエータのノーズ区画は、雄ルアー先端によってバルブアクチュエータを前進させる前にO-リングから離間させることができる。
【0050】
バルブオープナー又はアクチュエータのノーズ区画は、雄ルアー先端によってバルブアクチュエータを前進させる前に、固定装置から離間することができる。
【0051】
バルブは、複数のバルブフラップを備えることができ、複数のバルブフラップ及び固定装置は、バルブアクチュエータによって変形されたときに蓄えられたエネルギー(蓄積エネルギー)を有することができる。
【0052】
複数のバルブフラップ及び固定装置の両方の蓄積エネルギーは、バルブアクチュエータを遠位位置から近位位置に移動させるために、バルブアクチュエータに近位方向の力を加えることができる。
【0053】
本発明のさらなる態様は、カテーテル組立体であり、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面及び内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、バルブ本体を有するバルブであって、バルブ本体がカテーテルハブの内部空洞に位置し、少なくとも1つのスリット及び少なくとも2つのフラップ、近位側表面、及びバルブの遠位側表面で第1の肩部に当接する遠位側表面を備える、バルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されるバルブアクチュエータであって、流体の流れのためのボアを有するノーズ区画、及びそれを通る又は横切る流体の流れのための少なくとも1つの空隙を有する構造を有する近位区画を有し、医療器具によって押されたときに、内部空洞内の近位位置と遠位位置との間で摺動可能であるバルブアクチュエータと、外径、内径、近位側表面と遠位側表面との間の厚さを有するフランジ、フランジの内径に近接して延在し近位方向に延在する少なくとも1つの板ばねを有するリング本体を備えた固定装置と、を備え、ここで前記フランジは、バルブの近位側表面及びカテーテルハブの内部空洞と接触し、前記板ばねは、バルブアクチュエータの近位位置において、前記内面及び前記ノーズ区画から離間され、少なくとも1つの板ばねは、長さ、幅、及び厚さを有し、ばねの厚さは、フランジの厚さにほぼ等しい。
【0054】
固定装置は、フランジと、フランジから延びる少なくとも2つの板ばねとを備えるアイレットであってもよい。3つの板ばね、4つの板ばね、5つの板ばね、又はそれ以上であってもよい。
【0055】
少なくとも1つの板ばねは、アイレットのフランジの内径から近位方向に、内径の半径方向外側の位置から近位方向に、又は内径の半径方向内側の位置から近位方向に延びることができる。
【0056】
固定装置のフランジは、遠位側表面が凸面を有し、近位側表面が凹面を有するように、円弧状の断面を有することができる。
【0057】
固定装置は、円弧断面を有するフランジの内径に近接して延在する少なくとも1つの板ばねを有することができる。
【0058】
固定装置は、カテーテルハブの内面との干渉によってカテーテルハブの内部空洞の内側に留まることができる。任意選択的に、固定装置は、カテーテルハブの内部に留まるように、カテーテルハブの内側肩部に当接することができる。
【0059】
フランジ及び板ばねは、同じ金属シートから形成することができる。フランジ及び板ばねは、一体的に形成することができる。フランジは、厚さを有することができ、各板ばねは、厚さを有することができ、フランジの厚さ及び各板ばねの厚さは、金属シートの製造公差の厚さ内で、同じ又はほぼ同じである。
【0060】
バルブアクチュエータの2つの作動要素の間に配置された針ガードがある。針ガードは、少なくとも1つのアームと、開口部を形成する周縁を有する近位壁とを有することができる。
【0061】
針の外形の変化は、針ガードの近位壁の周縁に係合することができる。
【0062】
1対のスリット又は切欠きは、アイレットの少なくとも1つの板ばねの両側に位置することができる。
【0063】
切欠きは、アイレットのフランジの外側円弧の少なくとも2つの個所にわたって延在することができる。
【0064】
切欠きは、少なくとも1つの板ばねとは異なる半径に沿って整列させることができる。
【0065】
固定装置は、近位方向にフランジの内径に近接して延在する3つの離間した板ばねを備えることができる。
【0066】
アイレットのフランジの外径に少なくとも2つの切欠きを設けることができ、3つの離間した板ばねを有し、各切欠きはフランジの外側円弧の少なくとも2つの個所にわたって延在する。
【0067】
固定装置に備わる板ばねの長さは、ノーズ区画の長さよりも短くすることができる。板ばねは、バルブアクチュエータによって押されたときにのみノーズ区画に接触することができ、バルブアクチュエータの他の部分又は部分には接触しない。
【0068】
本発明のなおさらなる態様は、カテーテル組立体を含むことができ、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブの遠位端に取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、前記カテーテルハブ及び前記カテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において前記遠位端開口部の遠位に突出する前記針先端を有する針と、バルブディスク及びバルブディスクから延びるスカート区画を有するバルブであって、バルブディスクが少なくとも1つのスリット及び少なくとも2つのフラップ、近位側表面、及び遠位側表面を備え、前記スカート区画は、外面及びスカート内部を形成する内面を有する壁と、スカート近位端面とを備え、当該バルブは、前記遠位側表面が第1の肩部に接触し、前記スカート区画が前記内部空洞に接触した状態でカテーテルハブの内部空洞に配置される、バルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、最遠位端に作動端及び流体の流れのためのボアを有するノーズ区画、作動端の近位に位置する2つの離間した肩部で、当該バルブアクチュエータのそれぞれの当該肩部が当接縁部を備える、肩部、及び、流体の流れがそれを通って又は横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、医療器具によって押されたときに内部空洞内の近位位置と遠位位置との間で摺動可能であり、前記ノーズ区画が使用準備済位置においてスカート内部の少なくとも部分的に配置される、バルブアクチュエータと、を備え、ここでバルブアクチュエータの前記2つの離間した肩部の前記当接縁部は、前記バルブアクチュエータが雄ルアー先端によって前進されるときに前記スカート区画を押すため使用準備済位置でスカート近位端面の近位に位置する。
【0069】
保護表面を有する針ガードは、使用準備済位置において針の側面に配置され、不注意な針刺しから針先端を覆うために保護位置において針先端の遠位の位置に移行することができる。
【0070】
スカート区画は、斜面形状の断面を有する略円筒形状を有することができ、近位端面は、斜面形状の断面の近位端に位置することができる。
【0071】
バルブのスカート区画は、カテーテルハブの内部空洞の内側の第2の肩部に当接することができる。
【0072】
スカート区画の壁は、厚さを有することができ、スカート近位端面は、第2の肩部の半径方向内側に露出することができる。
【0073】
バルブアクチュエータのノーズ区画は、移行区画内に延びる第1の勾配を有することができ、移行区画は、第2の勾配を有することができ、第2の勾配及び第1の勾配は、異なる勾配値を有する。
【0074】
バルブアクチュエータのノーズ区画は、移行区画内に延びる第1の勾配を有することができ、移行区画は、勾配のない一定の直径区画を有することができる。
【0075】
バルブディスクは、第1の厚さを有する第1の部分と、第2の厚さを有する第2の部分とを有することができ、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい。
【0076】
2つ以上のバルブフラップを形成するための1つ以上のスリットは、バルブディスクの第2の厚さを有する第2の部分を貫通して形成することができる。
【0077】
本発明のまた別の態様は、カテーテル組立体であり、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブが、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、ディスク形状のバルブ本体を有するバルブであって、ディスク形状のバルブ本体がカテーテルハブの内部空洞に配置されて、少なくとも1つのスリット及び少なくとも2つのフラップ、近位側表面、並びに、遠位側表面を備える、バルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、ノーズ区画、及び流体の流れがそこを通って又はそれを横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、医療器具によって押されたときに、内部空洞の内側の近位位置と遠位位置との間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、バルブの近位に配置された固定装置と、を備え、固定装置は、流体経路、遠位端、近位端、及び少なくとも1つの板ばねを備えた金属リング本体を備え、少なくとも1つの板ばねは、金属リング本体に形成され、近位湾曲リップの近位内側に延在する。
【0078】
固定装置のリング本体は、近位縁部を有することができ、少なくとも1つの板ばねを形成するために、近位縁部を通して少なくとも2つの切れ目が形成される。
【0079】
固定装置は、3つの離間した板ばねを備えることができる。
【0080】
少なくとも1つの板ばねは、固定装置又はフランジの金属リング本体の周りにヒンジ結合又は枢動可能であり得る。
【0081】
少なくとも1つの板ばねは、少なくとも1つのスリット又は切欠部によって金属リング本体から分離される。
【0082】
固定装置は、2つの隣接する板ばねの間に離間した近位区画を有することができ、近位区画は、板ばねのいずれかの幅よりも大きい幅を有することができる。
【0083】
少なくとも1つの板ばねは、固定装置がカテーテルハブの内側に配置されてバルブを支持又は固定するときに、カテーテルハブの内面から離間することができる。
【0084】
少なくとも1つの板ばねは、バルブアクチュエータの近位位置においてバルブアクチュエータのノーズ区画から離間することができ、バルブアクチュエータの遠位位置においてバルブアクチュエータのノーズ区画に接触することができる。
【0085】
リング本体の近位縁部を通って少なくとも4つの切欠き又は切欠きを切断することによって形成された2つ以上の板ばねが存在することができる。リング本体の近位縁部が切断又は切り取られると、リング本体の近位端に近位区画を形成することができる。近位区画は、2つの隣接する板ばねの間に配置することができる。リング本体の1つ又は複数の近位区画は、固定装置をカテーテルハブ内に設置する間に、又はバルブアクチュエータのノーズ区画と接触したときに、リング本体の湾曲リップが屈曲することを可能にする。
【0086】
固定装置は、フランジと、フランジから延びる2つ以上の板ばねとを有するアイレットを具現化することができ、フランジは、外径及び内径を有し、少なくとも1つの切欠きを外径に作ることができ、切欠きは、外径の円弧に沿って2つの離間した点を通って延びる。
【0087】
固定装置は、フランジと、フランジから延びる2つ以上の板ばねとを有するアイレットを具現化することができ、フランジは、外径及び内径を有し、少なくとも1つの切欠きを内径に作ることができ、切欠きは、内径の円弧に沿って2つの離間した点を通って延びる。板ばねは、内径の円弧に沿って2つの離間した個所の間に配置することができる。
【0088】
本明細書に記載のカテーテル組立体は、針装置又は套管針カテーテル組立体とも呼ばれ得る。装置又は組立体は、カテーテルチューブを有するカテーテルハブと、針が取り付けられた針ハブと、カテーテルハブ及びカテーテルチューブの内腔を通って突出する針とを有することができる。
【0089】
ベントプラグは、針ハブの近位端に配置することができる。プラグは、針ハブの近位開口部に取り付けることができる。
【0090】
本発明のなおさらなる態様は、カテーテル組立体であり、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブの遠位端に取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブを備え、前記カテーテルハブは、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える。遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、該針は、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出することができ、使用準備済位置において針先端が遠位端開口部の遠位に突出する針である。カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブディスクを有するバルブであって、バルブディスクは、少なくとも1つのスリット及び少なくとも2つのフラップと、近位側表面と、遠位側表面とを備えることができ、前記遠位側表面は、少なくとも1つの肩部と接触している、バルブである。スカート区画は、バルブディスクから延在することができ、スカート区画は、外面及びスカート内部を形成する内面を有する壁と、スカート近位端面とを備え、前記スカート区画は、カテーテルハブの内面と接触することができる。あるいはまた、固定装置は、バルブディスクの近位に配置することができ、固定装置は、金属リング本体を備えることができ、金属リング本体は、流体経路と、遠位端と、近位端と、近位端の近位内側に延びる自由端を有する少なくとも1つの板ばねとを備え、固定装置は、近位変位からバルブを固定する。バルブアクチュエータは、カテーテルハブの内部空洞に配置することができ、バルブアクチュエータは、遠位端にノーズ区画と、ノーズ区画の近位に近位区画とを有することができる。ノーズ区画は、流体の流れのためのボアと、ノーズ区画の最遠位端に作動端とを備える。近位区画は、それを通る又はそれを横切る流体の流れのための少なくとも1つの空隙を有することができる。バルブアクチュエータは、内部空洞の近位位置に配置され、医療器具によって押されたときに内部空洞内の遠位位置に摺動可能であり得る。ここでスカート区画が存在するとき、ノーズ区画は、使用準備済位置においてスカート内部の内側に少なくとも部分的に配置される。又は、固定装置が存在するとき、ノーズ区画は、使用準備済位置において金属リング本体の内側に配置することができる。スカート区画が存在するとき、2つの離間した当接面が、使用準備済位置においてバルブオープナーの作動端の近位及びスカート近位端面の近位に配置され、当接面は、前記バルブアクチュエータが遠位位置にあるときにスカート近位端面に当接するようなサイズ及び形状であり、又は固定装置が存在するとき、少なくとも1つの板ばねは、バルブアクチュエータが遠位位置にあるときにノーズ区画から離間し、ノーズ区画に対して付勢する。
【0091】
針ガードは、使用準備済位置において針の側面に配置され、保護位置において針先端の遠位の位置に移行して、意図しない針刺しから針先端を覆う保護表面を有することができる。
【0092】
スカート区画は、斜面形状の断面を含むことができ、前記スカート近位端面は、斜面形状の断面の近位端に位置することができる。
【0093】
バルブアクチュエータのノーズ区画は、移行区画内に延びる第1の勾配を有することができ、移行区画は、第2の勾配を有することができ、第2の勾配及び第1の勾配は、異なる勾配値を有することができる。
【0094】
バルブディスクは、第1の厚さを有する第1の部分と、第2の厚さを有する第2の部分とを有することができ、第1の厚さは第2の厚さよりも大きくすることができる。
【0095】
少なくとも1つのスリットは、バルブの第2の部分を通して形成することができる。
【0096】
少なくとも1つの安定化要素は、バルブアクチュエータの第1のプランジャ要素に接続された第1の端部と、バルブアクチュエータの第2のプランジャ要素に接続された第2の端部とを備えることができ、前記安定化要素は、遠位縁部及び近位縁部をさらに備えることができる。
【0097】
遠位端は、テーパ状縁部を有することができる。テーパ状縁部は、内面よりも外面の近くから生じることができる。
【0098】
針ガードは、開口部を形成する周縁を備える近位壁と、近位壁の遠位に延びる少なくとも1つのアームとを備えることができ、前記少なくとも1つのアームは、細長いアーム部分と、遠位壁と、細長いアーム部分と遠位壁との間に配置されたエルボーとを備え、単一の屈曲部が、針ガードが遠位縁部と接触するエルボーにおいて滑らか又は平坦な外形を形成するように細長いアーム部分と遠位壁との間に配置されることができる。
【0099】
カテーテルハブは、ボアを有する細長い本体を有するサイドポートを備えることができ、前記細長い本体は、カテーテル本体に対してある角度で延びることができる。チューブは、チューブの第1の端部でサイドポートに接続することができる。流体コネクタは、チューブの第2の端部に接続することができる。流体コネクタは、無針バルブとすることができる。
【0100】
本体を有するグリップパドルは、針によって形成された軸の横方向に延びることができる。
【0101】
安定化要素の遠位縁部は、安定化要素の外面の近くから始まり、安定化要素の内面に向かって傾斜するテーパ状縁部を含むことができる。
【0102】
針ガードの一方又は両方のアームにおける単一の屈曲又は単一の方向変更を有する針ガードは、安定化要素を有するバルブオープナーで特に有用であり得る。針ガードの一方又は両方のアームに単一の屈曲又は単一の方向変更がある針ガードは、テーパ状縁部を有する遠位縁部を備えた安定化要素を有するバルブオープナーで特に有用であり得る。テーパ状縁部及び単一の屈曲又は方向変化部は、静脈穿刺の成功後、針ガードの後退中の針ガードとバルブオープナーとの間のキャッチポイント又はスナグポイントを最小限に抑えることができる。
【0103】
本発明は、カテーテル組立体の製造方法をさらに含む。この方法は、内腔、遠位端開口部、及び近位端を有するカテーテルチューブをカテーテルハブの遠位端に取り付けることを含むことができ、前記カテーテルハブは、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える。本方法は、遠位端に針先端を有し、近位端を有する針を針ハブに取り付けることをさらに含むことができ、前記針は、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する。本方法は、カテーテルハブの内部空洞にバルブディスクを有するバルブを配置することをさらに含むことができ、バルブディスクは、少なくとも1つのスリット及び少なくとも2つのフラップと、近位側表面と、遠位側表面とを備え、前記遠位側表面は、少なくとも1つの肩部と接触する。当該方法は、スカート区画をバルブディスクから延在させることをさらに含むことができ、スカート区画は、外面及びスカート内部を形成する内面を有する壁と、スカート近位端面とを備え、前記スカート区画は、カテーテルハブの内面と接触している、又は、固定装置をカテーテルハブの内部空洞内及びバルブディスクの近位に配置することをさらに含むことができ、前記固定装置は、流体経路と、遠位端と、近位端と、近位端の近位内側に延在する自由端を有する少なくとも1つの板ばねとを備える金属リング本体を備え、固定装置は、バルブを近位変位から固定する。当該方法は、バルブアクチュエータをカテーテルハブの内部空洞内に配置することをさらに含むことができ、前記バルブアクチュエータは、遠位端にノーズ区画を有し、ノーズ区画の近位に近位区画を有し、ノーズ区画が、流体の流れのためのボアと、ノーズ区画の最遠位端に作動端とを備え、近位区画が、それを通って又は横切る流体の流れのための少なくとも1つの空隙を有し、前記バルブアクチュエータは、内部空洞内で近位位置を有し、医療器具によって押されたときに内部空洞内の遠位位置まで摺動可能であり、スカート区画が存在するとき、ノーズ区画が、使用準備済位置においてスカート内部の内側に少なくとも部分的に配置される、又は固定装置が存在する場合、ノーズ区画が、使用準備済位置において金属のリング本体内部の内側に配置され、スカート区画が存在する場合、2つの離間した当接面が、使用準備済位置においてバルブオープナーの作動端の近位に配置され、スカート近位端面の近位に配置され、前記バルブアクチュエータが遠位位置にあるとき、当接面は、スカート近位端面に当接するようにサイズ及び形状が設定され、又は固定装置が存在するとき、少なくとも1つの板ばねが、ノーズ区画から離間され、バルブアクチュエータが遠位位置にあるときにノーズ区画に対して付勢する。
【0104】
針先端の針斜面は、使用準備済位置においてカテーテルチューブの遠位開口部又はカテーテルチューブ開口部の遠位に突出することができる。使用準備済位置は、組立体又は装置を使用して注射又は穿刺を行うことができる位置であり得る。針ハブは、雌ねじルアー又はルアースリップを有することができるカテーテルハブの近位開口部でカテーテルハブに結合することができる。
【0105】
カテーテルハブは、プッシュタブと、カテーテルを患者の静脈内及び針を越えて押し込むためのリブなどの1つ又は複数の表面特徴とを組み込んでもよい。針ハブは、静脈を穿刺してカテーテルから針を引き出すときに、より確実な把持のための表面特徴を同様に組み込むことができる。別段の指示がない限り、カテーテル装置又は組立体の様々な構成要素は、従来の技術を使用して従来の材料から作製されてもよい。
【0106】
例では、一対のウイングをカテーテルハブの本体に組み込むことができ、各ウイングは、カテーテルハブの底部で反対方向にカテーテルハブの長手方向軸の横方向に延在することができる。一対のウイングは、静脈穿刺の成功後にカテーテルハブを患者に固定するために、例えば、接着テープ又は接着包帯で、施術者によって使用されることができる。
【0107】
バルブ及びバルブオープナーは、カテーテルハブを通る流体の流れを制御するために、例えばカテーテルハブを通る注入又は吸引を制御するために、カテーテルハブに組み込むことができる。静脈穿刺の成功後に針がカテーテルチューブ及びカテーテルハブから取り外されるときに針先端との不用意な接触を防止するための表面又は壁を有することができる針ガード又は先端プロテクタを、カテーテル装置又は組立体に組み込むことができる。
【0108】
針ガード又は先端プロテクタは、針先端との不用意な接触を防止するための1つ又は複数の構成要素を有する構造を具現化することができる。例えば、針ガードは、針シャフト
の側面及び針先端の近位の位置から針先端の遠位の位置に移動して、針先端を不用意な接触から覆うか又は遮断する構造又は壁を有することができる。例では、針ガードは、米国特許第10,166,370号明細書に記載されているタイプのうちの1つであり得る。
【0109】
カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を有する。1つ又は複数の肩部又はリップは、ハブ(hu)の内部に組み込まれてもよく、バルブオープナー、バルブ、及び/又は針ガードを使用準備済位置に据え付けるために使用することができる。針ガードは、カテーテルハブの近位開口部内に突出することができる針ハブのノーズ区画によってカテーテルハブの内部に配置することができる。
【0110】
針組立体又はカテーテル組立体は、バルブ、バルブオープナー、及び使用準備済位置においてその中に配置された針ガードを有する内部を含むカテーテルハブを備えることができる。例では、針ガードは任意選択であり、省略することができる。さらに他の例では、針ガードは、カテーテルハブの実質的に外側に配置することができる。例えば、針ガードの指部又は指部の一部は、カテーテルハブの内側に配置することができ、一方で針ガードの残りの構造は、カテーテルハブの外側に配置することができる。
【0111】
本発明のカテーテル装置又は組立体は、カテーテルハブの内側にバルブを固定又は保持するための装置又は構造を含むことができ、これは一般に固定装置、固定リング、又は固定要素と呼ぶことができる。固定装置、リング又は要素は、とりわけ、円形、楕円形、正方形、長方形、又は傾斜コイルばねなどの様々な可能な断面のリテーナ、保持リング、保持スカート、O-リングを具体化する構造を有することができる。
【0112】
固定装置は、バルブとは別個に形成されてもよく、又はバルブと共に使用される、バルブと一体化される、又はバルブと一体的に形成されるなど、バルブの一部とされてもよい。文脈上別段の指示がない限り、固定装置という用語は、カテーテルハブの内側にバルブを固定するための上述の構造及びそれらの均等物のいずれかを意味することができ、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために力ベクトルと協働するか又は力ベクトルを生成するための特徴を任意に含むことができる。例では、固定装置は、バルブ、バルブオープナー、及び針ガードと一直線に配置される。
【0113】
特定の例では、固定装置は、針を受け入れるためのボア又は開口部を有し、内部内側のバルブの近位移動を制限し、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すのを支援し、又は以下でさらに説明するように両方の目的のために、バルブとカテーテルハブの内部の両方とに接触する。バルブオープナー又はバルブオープナーの一部は、以下でさらに説明するように、カテーテル組立体の使用準備済位置と、静脈穿刺の成功後などの使用位置との両方で、固定装置のボアの内側に配置することができる。
【0114】
針ガードは、ばね特性又は弾性特性を有する金属体と、近位壁と、近位壁の遠位に延びる少なくとも1つのアーム又は2つのアームとを備えることができる。外形の変化は、針先端の近位及び付近で針シャフトにおいて形成することができ、針ガードの針から外れる遠位移動を制限するために近位壁における開口部を形成する周縁に係合することができ、しかし先端部が針ガードに入ることを可能にする。外形の変化は、近位壁の開口部よりも大きいであろう、クリンプ、材料の積み重ね、スリーブ、又は直径における任意の他の増加を含むことができる。
【0115】
バルブ、バルブオープナー又はバルブアクチュエータ、固定装置、及び針ガードは、カテーテルハブの内部に収容されるようにサイズ及び形状が決められるなどして構成することができ、カテーテルハブは、一体形成された単一のハブ本体などの、ワンピースのハブ本体を有することができ、雌ルアーを有する近位開口部と、そこから延在するカテーテルチューブを有する遠位端とを有する。開口近位端は、任意選択的に、外ねじ又はラグを含むことができる。他の例では、カテーテルハブは、多数の部分のハブ本体から作製することができる。例えば、カテーテルハブは、カテーテルハブの本体を形成するために、接合又は溶着などによって第2のハブ本体に取り付けられた第1のハブ本体を有することができる。
【0116】
例では、バルブアクチュエータは、アクチュエータ本体の遠位端にノーズ区画を備えることができる。ノーズ区画は、細長い構造とすることができ、概ね円筒形とすることができ、又は以下でさらに説明するように、バルブのスリットを開くためにバルブに押し込むための作動端で終端する抜き勾配又はテーパを有することができる。ノーズ区画の作動端は、尖っていない遠位端面を有することができ、又は鋭い縁部を有することができる。流路は、流体の流れのためにノーズ区画を通って延びることができる。ノーズ区画は、内腔又は流路を形成する連続した円周又は連続した周縁区画を有する壁面を有することができる。ノーズ区画の壁は、連続した壁を有する円筒などの空隙又はスリットなしであり得る。ノーズ区画は、ボアを形成することができる。
【0117】
ノーズ区画の壁は、連続的であり得る。しかし、1つ又は複数の貫通孔は、フラッシングなどのために、流体がそれを通って又はそれを横切って流れるようにノーズ区画に組み込むことができる。ノーズ区画のボアは、一定のボア直径を有することができ、又はノーズ区画のテーパによって変化することができる。いくつかの例では、流れ又は流体の流出を可能にするために、複数の離間したスリット及び/又は開口部を、ノーズ区画の壁を通るなどして、ノーズ区画に設けることができる。
【0118】
2つの作動要素又はプランジャ要素は、ノーズ区画の近位に延在することができる。例えば、2つのプランジャ要素は、ノーズ区画と一体的に形成することができ、ノーズ区画から近位方向に延在することができる。2つのプランジャ要素の間に空隙又は空間を設けることができ、これは保持空間を形成することができる。
【0119】
針ガード又は先端プロテクタは、保持空間内に、又は2つのプランジャ要素の間に配置することができる。例では、2つのプランジャ要素は、それぞれ少なくとも2つの長手方向縁部を含むことができ、この縁部は、互いに離間することができる。プランジャ要素の長手方向縁部は、バルブオープナーの長手方向軸と整列することができる。2つのプランジャ要素の間に空隙又は空間を設けて、流体がカテーテルハブを通過するときに流体がそこを通って又はそこを横切って流れるための流路として機能することができる。
【0120】
他の例では、流体の流れのためにバルブオープナーによって形成された2つ以上の空隙又は流路が存在することができる。さらに他の例では、2つのプランジャ要素は、バルブオープナーの近位端が2つのプランジャ要素の一部及び2つのブリッジによって形成された連続壁構造であるように、2つのブリッジによって互いに接続することができる。いくつかの例では、単一のプランジャ要素がバルブオープナーと共に使用される。
【0121】
例では、突起は、一方又は両方のプランジャ要素の外面から外側に延びることができる。突起は、各プランジャ要素の外面から延びることができる。各突起は、カテーテルハブの内部に形成された肩部又はリップに当接するためのほぼ平坦な縁部を有するタブに類似することができる。突起のタブ面及び突起の方向は、以下でさらに説明するように、バルブアクチュエータをカテーテルハブの内部に挿入し、カテーテルハブ内に据え付け可能にすることができる。突起は、バルブオープナー又はアクチュエータの近位移動を制限するために、カテーテルハブ内の肩部に当接又は接触するようなサイズ及び形状にすることができる。
【0122】
例では、移行区画は、ノーズ区画から延在し、バルブオープナーの本体が近位方向に軸方向に延在するにつれて広がる。2つの作動要素は、移行区画から延びることができる。2つの作動要素は、代替的に、移行区画なしでノーズ区画から延在することができる。いくつかの実施形態は、直方体、長方形、円錐形、角錐形、面取り形状などの他の形状をノーズ区画に利用することができる。
【0123】
例では、バルブアクチュエータ又はバルブオープナーは、長手方向軸を有し、1つ又は複数の作動要素は、長手方向軸に軸方向又は平行に延在する。特定の例では、2つの作動要素は、長手方向軸に沿って互いに直径方向に対向している。他の例では、2つの作動要素は、それらが近位方向に延びるにつれて互いに分岐することができる。さらに他の例では、2つの作動要素は、近位方向に延びるにつれて互いに向かって収束することができる。
【0124】
2つのプランジャ要素間の間隔は、直線、収束、又は発散にかかわらず、それらの間の保持空間を形成することができる。図示のように、2つの作動要素は、ノーズ区画の直径よりも大きい寸法を有する外径を形成する。例えば、近位端の2つのアクチュエータ要素によって形成される直径は、突起を除くノーズ区画の任意の部分によって形成される直径よりも大きくすることができる。いくつかの例では、2つのアクチュエータ要素によって形成される直径は、ノーズ区画の作動端よりも大きいだけである。
【0125】
いくつかの例では、バルブアクチュエータのノーズ区画には、別個の輪郭線又は曲線を有するノーズ区画に凹部を形成することなどによって、別個の線又は曲線などを有する成形された輪郭が設けられる。次いで、輪郭形成されたノーズ区画の1つ又は複数の表面を使用して、バルブを押圧し、バルブを反発させて、輪郭形成されたノーズ区画を近位方向に押圧し、バルブアクチュエータを近位位置に戻すことができる。
【0126】
いくつかの例では、バルブアクチュエータ又はオープナーは、プラスチック又は金属などの剛性材料から作製され、バルブアクチュエータのノーズ区画は、バルブアクチュエータの残りの部分よりも柔軟であるとも理解される、より可撓性の区画を組み込む。例えば、可撓性の区画は、バルブアクチュエータを作製するために使用されるベース材料よりも柔らかい材料のストリップ又はバンドであり得る。可撓性部分は、エラストマーバンドのようにバルブアクチュエータに追加することができ、又はバルブアクチュエータと共に成形することができる。柔軟な可撓性部分は、バルブアクチュエータを遠位位置から近位位置に戻すのを助けることができる。
【0127】
例では、作動要素は可撓性であり、偏向可能であるため、シリンジ先端又は雄型ルアーチップアダプタなどの雄型ルアーチップによって押されると、アクチュエータ要素は欠損又は屈曲することができる。作動要素は、必要な弾性特性を有する材料を選択することによって偏向可能であり得る。他の例では、作動要素は、1つ又は複数の弱化区画を組み込むことによって、例えば、構造的に薄い区画を組み込むことによって、切欠きを組み込むことによって、同じ細長い作動要素の他の区画と比較して小さい断面を使用することによって、又はそれらの組み合わせによって、偏向可能であり得る。あるいは、作動要素は、必要な弾性特性を有する材料を選択することによって、及び1つ又は複数の弱化区画を組み込むことによって、可撓性及び偏向可能であり得る。
【0128】
さらに他の例では、各作動要素は、長さ区画に沿って2つ以上の異なる断面外形又は外形を有する。例えば、細長いプランジャ要素は、三日月形状の外形に隣接して配置された正方形の外形を有することができる。
【0129】
例では、作動要素は剛性があり、雄ルアー先端によって押されるときなど、負荷をかけられたときに偏向可能又は変形可能ではない。さらに、2つの作動要素の剛性を高めるために、1つ又は複数の安定化要素を組み込むことができる。2つのアクチュエータ要素はそれぞれ、以下でさらに説明するように、雄型先端がバルブアクチュエータをバルブ内に押し込むことができるように、雄型先端のプッシュ端に重なる少なくとも近位端に断面外形を含むことができる。安定化要素は、アクチュエータ要素の近位縁部の遠位に位置するか、又はアクチュエータ要素の近位縁部と同一平面にある近位縁部を有することができる。
【0130】
バルブアクチュエータのノーズ区画は、IV滴下ライン又は投与セットの雄ルアーコネクタの挿入中などに、軸方向の力が雄型先端によってアクチュエータ要素に加えられてバルブアクチュエータをバルブ内に移動させてバルブフラップを偏向させるときに、バルブフラップ及びそれらの間に形成されたスリットを開くようにバルブに係合するように構成することができる。
【0131】
一般に、バルブオープナーのノーズ区画は、より柔軟なバルブに対して剛性であり、それは、ノーズ区画、より具体的にはノーズ区画の作動端が、1つ又は複数のフラップを偏向させ、バルブにおける1つ又は複数のスリットを開くなど、バルブを作動させることを可能にする。ノーズ区画は、バルブを押圧して開くために、金属材料、剛性プラスチック、又は硬質エラストマーなどの非圧縮性材料で作製することができる。しかし、ノーズ区画は、より柔軟な区画をさらに含むことができる。例えば、弾性バンド、ストリップ又は区画は、ノーズ区画に、又はノーズ区画と共に組み込むことができる。
【0132】
ノーズ区画と作動要素の近位端との間にある作動要素の長さに沿った位置で2つの作動要素を接続する一対の対向するバンド又はスタビライザを組み込むことができる。いくつかの例では、スタビライザは、スタビライザの近位縁部が作動要素の近位端面とほぼ面一になるように、2つの作動要素の近位端に配置することができる。2つのスタビライザ要素又はバンドは、仰角方向で、第1又は上側スタビライザ要素及び第2又は下側スタビライザ要素と呼ぶことができる。
【0133】
一実施形態では、スタビライザ又はスタビライザ要素は、円弧状の壁面を有し、カテーテルハブの内部外形にほぼ追従する円弧を形成し、一方の作動要素を他方の作動要素に接続する。スタビライザ又はスタビライザ要素は、バルブアクチュエータの本体上に実質的に連続した円筒形部分を形成することができ、この本体は、2つのスタビライザ要素及び2つの作動要素によって形成され、バルブアクチュエータのノーズ区画から離間している。言い換えれば、バルブアクチュエータは、細長くすることができ、半径方向に沿って連続する区画と、半径方向に沿って連続しないアクチュエータの壁を通る逃がし通路又は貫通路を有する区画とを有することができる。
【0134】
例では、スタビライザは、同じく周囲又は半径方向に沿って連続しているノーズ区画の連続的な本体区画から離間している、バルブアクチュエータの周囲又は半径方向に沿った連続的な本体区画を形成する。バンドとも呼ばれる2つのスタビライザ又はスタビライザ要素は、2つのプランジャ要素と一緒に接合されてリング構造を形成することができる。
【0135】
任意選択的に、2つのスタビライザは、バルブアクチュエータの長さに沿って、軸方向に互いにわずかにオフセットされ、角度が付けられてもよい。いくつかの実施形態では、1つ、3つ、又は異なる数の作動要素又はスタビライザが存在してもよい。例えば、2つの作動要素が存在し得るが、1つのスタビライザ又はバンドのみが存在し得る。例では、スタビライザ又はスタビライザ要素及び突起を有するバルブアクチュエータは、プラスチック射出成形などによってプラスチックから作製される。
【0136】
スタビライザは、ノーズ区画がバルブのスリットを開くように雄ルアー先端によって押されるときなど、アクチュエータ又はアクチュエータ要素が移動する間、バルブアクチュエータがカテーテルハブ内の中心に留まるのを助けることができる。中心に留まることによって、ノーズ区画は、バルブディスクにおけるスリットなどのバルブディスクとより良好に位置合わせすることができ、バルブの円滑な作動を可能にする。スタビライザはまた、雄ルアー先端の除去後にアクチュエータが近位方向に摺動するのを防止するために、摩擦を介してカテーテルハブの内部との係合を提供することができる。しかし、上述したように、突起は、カテーテルハブ内の内側肩部又はリップと協働して、バルブアクチュエータをカテーテルハブ内に保持するために、バルブアクチュエータと組み込むことができる。
【0137】
一実施形態では、ノーズ区画は、バルブの作動後及び雄ルアー先端の取り外し後にバルブディスクに係合したままであるように構成される。例えば、ノーズ区画は、バルブディスクにおける1つ又は複数のスリットの間に割り込むことができ、そこで摩擦によって保持することができる。作動後及び雄ルアー先端の除去後にアクチュエータとバルブとの間の係合を維持するために、ノーズ区画などのバルブアクチュエータに凹凸、溝、又は返しなどの表面特徴を設けることができる。
【0138】
好ましくは、バルブアクチュエータは、雄ルアー先端の除去後にバルブと係合しない。好ましくは、バルブアクチュエータは、バルブに押し付けられた遠位位置から、バルブから離間した、又はバルブに最小限にのみ接触するがバルブフラップがスリットを戻す、あるいは閉じることを可能にする近位位置に、移動することができる。
【0139】
バルブオープナーが雄ルアー先端の除去後に近位位置に戻ると、バルブは閉じてバルブを横切る流体の流れを防止又は制限することができる。バルブは、シリンジ先端又は投与セットの先端などの雄型医療機器でバルブオープナーを遠位方向に変位させることによって再び開くことができる。バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、雄型ルアー先端が取り外されたとき近位位置に戻ることができ、スリットにおいてバルブフラップを緩ませ又は閉じることを可能にするので、バルブは複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも2つの作動サイクル、少なくとも3つの作動サイクル、少なくとも4つの作動サイクル、少なくとも5つの作動サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの、又は遠位位置への移動、及びバルブアクチュエータのバルブから離れる移動、又は近位位置への移動を含むことができる。
【0140】
バルブアクチュエータの移行区画とバルブアクチュエータの近位端との間に、少なくとも1つの逃がし通路、開口部、又は貫通路を設けることができる。移行区画は、作動遠位端の近位の区画、又はノーズ区画から2つのスタビライザまでの区画として理解することができる。例では、バルブアクチュエータの内部又は中央部分とカテーテルハブの内面とが開放連通することができるように、隙間を設けるために2つの逃がし通路又は貫通路が組み込まれる。言い換えれば、ノーズ区画の連続区画と、2つのスタビライザ及びプランジャ要素によって形成される連続した周縁区画との間には、安定化リングと呼ばれ、フラッシングなどの流体の流れのための1つ又は2つの逃がし通路、貫通路、又は開口部がある。貫通開口部又は逃がし通路はまた、以下にさらに論じられ、組み込まれる場合には、針ガードを保持するために利用することもできる。
【0141】
バルブアクチュエータの安定化リングは、2つのアームが使用準備済位置において針シャフトの側面によって外側に付勢されるときに針ガードの2つのアームの対角区画又はエルボーによって形成される直径よりも小さい内径を有することができる。したがって、針ガードをバルブアクチュエータの保持空間に設置する間、針ガードの対角区画又はエルボーは、偏向して安定化リングを通過し、逃がし通路又は貫通開口部によって形成された開口領域に入ることができる。
【0142】
先端プロテクタが2つのプランジャ要素の間に配置されると、針ガードの2つの遠位壁、より具体的には針ガードの2つの対角区画又はエルボーは、逃がし通路内に配置されて、カテーテルハブの内面のガード係合面に係合することができる。これにより、針ガードは、2つの逃がし通路を通ってバルブアクチュエータの保持空間から突出して、カテーテルハブのガード係合面と係合することができる。したがって、針ガードは、使用準備済位置において、かつ静脈穿刺の成功後の針の後退中に、針の先端が針ガードにおける2つの遠位壁の近位に移動するまでカテーテルハブの内部に保持することができ、その時点で、針ガードは、套管針先端を閉じることができ、針ガードの遠位端は、安定化リングでバルブオープナーの内径よりも直径が小さくなり、針と共に除去される。
【0143】
針ガードの2つの対角区画又はエルボーを収容するために、アンダーカット又は陥凹区画をカテーテルハブの内部空洞に設けることができる。したがって、針ガードは、陥凹区画の肩部によって、又はカテーテルハブの内部のガード係合面などのカテーテルハブの内部の何らかの他の表面特徴によって、静脈穿刺の成功後に針を引き込んでいる間に、近位方向に摺動することを防止することができる。任意選択的又は代替的に、一方又は両方のスタビライザの遠位縁部は、針先端が針ガードの2つの遠位壁の近位に移動する前に、針の後退中に針ガードが早期に作動するのを防止するための拘束面を設けることができる。遠位縁部に加えて、各スタビライザは近位縁部を有することができる。
【0144】
針ガードがスタビライザの一方又は両方の遠位縁部によって保持される場合、カテーテルハブの内面は、針ガードのエルボーを収容するための係合機構又は複数の機構を省略することができる。例では、針ガードは、2つのスタビライザの一方又は両方の遠位縁部と係合することができ、溝、リップ又は肩部などのカテーテルハブの内側に形成された1つ又は複数の係合機構と係合することができる。
【0145】
いくつかの例では、一方又は両方のスタビライザ要素は、スリット又はチャネルを有することができ、したがって、円弧状の安定化又はスタビライザ要素を2つのセグメントに分割する。一方又は両方のスタビライザ要素にスリットがある場合でも、リングを通して形成された1つ又は複数のスロットを有するリングと同様に、非連続的なリングであり得る安定化リングは、2つのエルボーと相互作用して、針先端が2つの遠位壁の近位に移動する前に、針の後退中に針ガードが早期に作動するのを防止するための保持構造を依然として提供することができる。
【0146】
遠位縁部などのスタビライザ要素の保持面は、制限点、チョーク(狭まった)空隙、又はチョークポイントと呼ぶことができ、これは、これらが、針ガードが最初に半径方向に作動して潰れてその半径方向に外形を低減させ、その後チョークポイントの近位に滑動しない限り、又はそれまで、針ガードがその近位に移動するのを防止する剛性構造を提供するためである。例では、針ガードの1つ又は2つのエルボーが偏向して針ガードの半径方向の外形を減少させるまで、針ガードの1つ又は2つのエルボーが近位方向に移動することをチョークポイントによって制限することができる。例では、針ガードの半径方向の外形が減少すると、針ガードは、安定化リングの遠位位置から安定化リングの近位位置まで、安定化リングによって形成されたボアを通って滑動することができる。
【0147】
バルブオープナーは、金属材料又はプラスチック材料から作製することができる。金属材料から作製される場合、バルブオープナーは、曲げ又は深絞り法によって形成することができ、作動要素の円弧形状断面は、雄型ルアーによって押されるときに追加の剛性を提供することができる。各作動要素は、少なくとも2つの長手方向縁部を含むことができ、構造的剛性をさらに付加するために、長手方向縁部の一方又は両方に沿ってリブを設けることができる。任意の2つの作動要素の間に1つ又は複数の空隙を設けることができる。空隙は、血液の洗浄又はIV注入中などに、隙間又は空間を通って流れる流体の流れのための空間を提供することができる。作動要素間の空隙は、先端プロテクタを収容するための保持空間を形成することができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、以下でさらに説明するように、先端プロテクタの全部ではないにしても大部分又は大半は、使用準備済位置において、2つのプランジャ要素の間でアクチュエータの本体によって形成された保持空間内に嵌合する。この構成は、バルブアクチュエータ及び先端プロテクタの両方を長手方向に直列に嵌合するためにハブ内に必要な長手方向空間がより少ないため、又は2つが軸方向に部分的にのみ重なる場合に、カテーテルハブをよりコンパクトにすることを可能にする。
【0149】
上述の固定装置及び様々な他の構成要素の使用を含む本発明の態様は、24ゲージ~14ゲージの針などの市販の針ゲージと共に、又は市販の針ゲージ上で使用することができる。
【0150】
先端プロテクタがアクチュエータ内の逃がし通路又は貫通路の遠位縁部とのみ係合する場合、カテーテルハブの内壁に、変形又は直径の変化は必要とされず、先端プロテクタは、円錐継手の国際ルアー規格に準拠しながら雌ルアーテーパ区画にてさらに近位に配置することができ、カテーテルハブの全長をさらに短縮することができる。
【0151】
本発明で使用可能なバルブは、第1の厚さを有する第1の部分と、バルブの直径を通過する内側平面に直交して測定された、第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有する第2の部分とを有することができる。第2の厚さを有する第2の部分は、実質的に一定の厚さを有することができるが、任意選択的に、第2の部分において、バルブの断面に沿って変化する厚さを含むことができる。
【0152】
例では、第2の部分は、バルブの遠位側表面、バルブの近位側表面、又は両方の表面を凹ませることによって形成され、一方で第1の部分は、近位側表面と遠位側表面との間にバルブの全幅又は厚さを実質的に保持する。例では、第2の部分の凹部は、バルブに形成されたアンダーカットを具現化することができる。
【0153】
第1の部分と第2の部分との間の表面の外観は、三葉クローバに似ていてもよい。三葉クローバは、バルブの遠位側表面、近位側表面、又は両方の表面に存在することができる。他の例では、近位側表面及び/又は遠位側表面の外観は、三葉クローバが様々な曲線、線、及び縁部の輪郭を有することができるように、様々な輪郭を有することができる。
【0154】
例では、隣接するバルブスリットの間にバルブフラップを形成するために、バルブのより薄い第2の部分を通してスリットが形成される。いくつかの例では、1つ以上のバルブフラップを形成する2つ以上のスリットが存在し得る。例えば、バルブの第1及び第2の部分は、4つのスリット及び4つのバルブフラップを有することができる4葉クローバを形成することができる。好ましくは、バルブは、3つのスリット及び3つのバルブフラップを有することができる。スリットは、バルブのほぼ中央位置から始まり、バルブの外周に向かって半径方向外側に延びるが、バルブの外周の手前まで延びることができる。各スリットの長さは、異なるサイズのバルブフラップを形成するように変化し得る。スリットの長さは、バルブオープナーの作動遠位端によって押されたときなど、バルブオープナーのノーズ区画によって押されたときに所望のバルブフラップ及びバルブフラップ偏向を提供するように選択することができる。
【0155】
バルブは、単一の材料から一体的に形成されてもよい。あるいは、バルブは、剛性又は可撓性の向上などの理由で、バルブの様々な部分において異なる材料で形成されてもよい。バルブは、医療グレードのエラストマー又は熱可塑性エラストマー(TPE)から作製することができる。バルブの態様は、PCT公開公報WO2018/033626(A1)として公開されている、PCT出願PCT/EP2017/070934号に開示されているバルブの例に従って作製することができる。その内容は、完全に記載されているかのように、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0156】
固定装置は、外面及びボアを形成する内面を有する環状壁構造を有することができる保持リングとすることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルハブの内側にバルブを固定するための固定装置は、保持スカート、O-リング、又はばねであってもよい。バルブ、バルブオープナー又はバルブアクチュエータ、及び固定装置は、形状、スタイル、及び特徴を変えることができるが、他の様態で本明細書に記載の記載された機能を実行することができる。
【0157】
バルブは、少なくとも2つのフラップを形成する少なくとも1つのスリットを有する上述のバルブディスクとすることができる。バルブディスクは、3つ以上のフラップを形成する3つ以上のスリット又はスプリットディスクバルブ部分を有することができ、ディスクの表面は、バルブディスクの断面に沿って変化する表面の特徴及び厚さを有することができる。他の例では、バルブは、バルブディスクと、バルブディスクの近位側表面の近位に延びるスカートとを有することができる。
【0158】
本明細書で提供されるカテーテルハブは、ハブ本体の内部空洞の内側に配置された、バルブ、バルブオープナー、固定装置、及び針ガードを有することができ、これは、そこから延在するカテーテルチューブを有する遠位端と、雌ルアーを有する近位開口部とを有する単一のハブ本体であり得る。バルブは、固定装置の遠位に配置することができ、バルブオープナーの一部は、固定装置のボア内に配置することができ、針ガードは、バルブオープナーの保持空間内に配置することができる。他の例では、針ガードは省略することができるか、又はカテーテルハブとは異なるか分離可能なハウジング内など、保持空間の外側に配置することができる。
【0159】
例では、カテーテルハブの内部には、内面の壁に形成された構造リップ又はストッパとして理解することができる1つ又は複数の肩部又はレッジが設けられる。1つ又は複数の肩部は、構成要素がカテーテルハブの内部から移動又は脱落するのを防止するために、内部空洞の内部に配置された構成要素のための係合点又は停止点を提供することができる。図示のように、バルブは、環状溝内に配置することができ、バルブの近位変位を防止するために肩部の1つに当接することができる。バルブはまた、バルブの外周の遠位変位を防止するために、バルブの遠位側でカテーテルハブの肩部に当接することができる。
【0160】
環状リングの形態の固定装置又は保持リングは、バルブに隣接して配置することができ、固定装置の近位端で、カテーテルハブの内部空洞の内側の別の肩部に当接して、固定装置の近位変位を防止又は制限する。
【0161】
例では、固定装置は、斜面の高い部分が遠位位置にあり、近位方向に延びるにつれて先細になる、斜面形状、三角形形状、又は傾斜面を有する断面を有する。固定装置は、プラスチック注入などによって医療グレードのプラスチック材料から作製されてもよい。他の例では、固定装置は、打ち抜き、次いで鍛造、プレス、又は機械加工などによって金属材料から作製されてもよい。他の例では、固定装置は、バルブオープナーのノーズ区画と遠位位置にあるカテーテルハブの内壁との間で圧縮されたときにバルブオープナーに近位方向の力を提供するために、O-リングなどのエラストマー材料から作製されてもよい。O-リングは、バルブオープナーによって偏向又は変形されて、O-リングに蓄積エネルギーを生成することができ、その後、蓄積エネルギーが放出されると、バルブオープナーに近位方向の力を加えることができる。
【0162】
固定装置の遠位端、斜面の高い部分は、バルブの近位側表面に当接することができ、固定装置の近位端、斜面の狭い部分は、内部空洞の肩部の1つに当接することができる。固定装置のこの配置は、カテーテルハブ内の近位変位からバルブを保持するのを助けることができる。いくつかの例では、バルブは、バルブの近位縁部に当接する別個の肩部にも頼ることなく、固定装置によってカテーテルハブの内側に固定又は支持することができる。
【0163】
例では、固定装置は、最初にカテーテルハブの近位開口端に入るときにわずかな干渉を有することができ、示されている最終据え付け位置でのカテーテルハブとのサイズ上の嵌合又はわずかな締まり嵌めを有することができる。さらに他の例では、固定装置は、カテーテルハブの内部に保持することができ、固定装置の近位端に当接する別個の肩部なしで、カテーテルハブとの締まり嵌めのみで近位変位からバルブを固定することができる。
【0164】
固定装置は、略三角形の断面を有する保持リングとすることができる。他の例では、断面は、複雑な形状などの異なる形状を有することができる。
【0165】
バルブをカテーテルハブ内に固定することに加えて、保持リング又は固定装置は、バルブオープナーが遠位位置から近位位置に戻る又は移動するのを助けるための戻り機構としても機能することができる。例えば、バルブオープナーが雄ルアー先端によって前進してバルブのスリットを開くとき、保持リングは、雄ルアー先端をカテーテルハブの近位開口部から取り外した後に、バルブオープナーを近位位置に戻すのを助けることができる。
【0166】
いくつかの例では、固定装置は、カテーテルハブの近位開口部から雄ルアー先端を取り外した後に、バルブの弾性がバルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻しながら、バルブを近位移動から固定するだけである。
【0167】
いくつかの例では、固定装置の断面は、三角形以外の形状になるように選択することができる。他の例では、保持リングの成形された断面は、保持スカートとして形成され、バルブの一部とすることができる。例えば、バルブは、一体化又は一体的に形成することなどによって、バルブディスクと保持スカートの両方で形成することができる。
【0168】
図示の例では、バルブオープナーの長さは、ノーズ区画の遠位端の作動端がバルブのバルブディスクにちょうど接触し、2つのプランジャ要素の近位端縁が使用準備済位置において針ハブのノーズ区画にちょうど接触するように選択される。他の例では、作動端は、バルブディスクからわずかに離間するか、又はバルブディスクにわずかに押し付けられ得るが、バルブフラップがバルブスリットを閉じることを可能にするためにバルブフラップを実質的に偏向させない。
【0169】
例では、バルブオープナーの保持空間は、針ガードを収容するようなサイズ及び形状にすることができる。針ガードは、バルブオープナーの2つのプランジャ要素の間に配置することができる。針ガードは、近位壁と、近位壁の遠位に配置された2つのアームとを有することができ、針ガードの2つのエルボーが2つの安定化要素の遠位に配置された状態で、バルブオープナーの保持空間内に配置することができる。したがって、針が近位方向に引き込まれる場合、2つのエルボーは、チョークポイントとして作用することができる2つの安定化要素の2つの遠位縁部を越えて、近位方向に移動することが停止される。
【0170】
2つのエルボーにおける針ガードの半径方向寸法は、安定化リングの内側寸法よりも大きくすることができ、したがって、2つのスタビライザ要素の遠位縁部によって物理的に停止させることができる。静脈穿刺が成功した後、針をカテーテルチューブ及びカテーテルハブから取り外すことができ、針先端は針ガードの2つの遠位壁の近位に移動し、これにより、次いで針ガードの2つのアームが内側に移動又は折り畳まれて、2つのエルボーの半径方向の寸法を減少させることが可能になる。ほぼ同時に、針先端付近の外形の変化は、針ガードの近位壁における開口部を形成する周縁に当接することができ、針をさらに後退させると、針ガードが針と共に取り外される。
【0171】
例では、針ガードがカテーテルハブの内側に位置するとき、カテーテルハブの内部は、2つのエルボーに近接した位置で拡大することができる。例えば、2つのエルボーにおけるカテーテルハブの内径は、カテーテルハブの近位壁におけるカテーテルハブの内径よりも大きくすることができる。この空間は、待機位置において針ガードのための逃がし通路又は追加の空間を提供するために組み込むことができる。すなわち、逃がし通路は、組み込まれたとき、逃がし通路が設けられていないときと比較して、2つのアームが使用準備済位置において2つのエルボーにおいて同じ程度まで圧縮又は内側に付勢されないように、2つのアームのための空間を提供する。これにより、針穿刺後の針の後退中に、針シャフトと2つの遠位壁の端部にある2つの湾曲した端部との間の抗力を低減することができる。
【0172】
バルブオープナーは、カテーテルハブの内部空洞内に保持され、内部空洞内の肩部の1つと相互作用するようにバルブオープナーに少なくとも1つの側面突起を設けることによって、近位開口部からの変位を制限することができる。少なくとも1つの突起におけるバルブオープナーの断面寸法は、カテーテルハブの肩部における断面の寸法よりも大きくすることができ、それにより、カテーテルハブの近位開口部からのバルブオープナーの近位変位を防止するための物理的停止を提示する。
【0173】
針の後退中であるが、針先端が2つの遠位壁の近位に移動する前に、針ガードのエルボーが2つの安定化要素の遠位縁部に対して近位方向に押すことなどにより、バルブオープナーが近位方向に移動する場合には、突起がカテーテルハブの肩部の1つに当たることによって、総合的な近位移動を制限することができる。例では、環状構成とすることができる肩部と相互作用するように、各作動要素に1つずつ、バルブオープナーに2つの突起を設けることができる。
【0174】
針の除去に続いて、複数のバルブフラップは、反跳又は弛緩(緩んだ)状態に戻り、スリットを閉じ、バルブを通る近位方向及び遠位方向の流れを制限することができる。バルブアクチュエータのノーズ区画の作動端は、作動前に、固定装置によって形成されたボア内に配置することができるが、固定装置から離間するか、又は固定装置に接触しない。ノーズ区画のテーパ面はまた、固定装置から離間することができる。この空間又は空隙は、固定装置に衝突又は接触する前に、雄ルアー先端によって押されたときに、バルブ作動要素が遠位方向に前方に移動することを可能にすることができる。
【0175】
いくつかの例では、雄ルアー先端は、カテーテルハブの雌ルアーに当接し、バルブアクチュエータのノーズ区画が固定装置の内側に接触又は押圧する前に、雄ルアー先端のカテーテルハブ内へのさらなる遠位前進を停止する。
【0176】
バルブアクチュエータの作動端は、針の取り外し後にバルブの近位側表面と接触することができる。他の例では、作動端は、針の取り外し後にバルブの近位側表面からわずかに離間することができる。
【0177】
図示のように、バルブオープナーのノーズ区画は、固定装置の斜面断面のテーパ面から離間することができる、近位方向に増加するテーパを有することができる。ノーズ区画のサイズ及び形状は、固定装置の斜面断面に接触するように、又は斜面断面から離間するように整えることができる。代替的に又はそれに加えて、固定装置のサイズ及び形状は、バルブアクチュエータがバルブ内に前進してバルブフラップを偏向させるときに、バルブアクチュエータのノーズ区画に接触するように構成することができる。
【0178】
例では、ノーズ区画は、弾性バンド、ストリップ、又はストリップなどの弾性区画又はバンドを組み込むことができ、バルブオープナーが遠位方向に前進してバルブを開き、ノーズ区画が固定装置に当接するときに、わずかな干渉を生成することができる。
【0179】
カテーテルハブの長手方向軸がX軸とみなされ、Y軸がX軸に直交する場合、ノーズ区画の形状は、バルブフラップを遠位方向に偏向させるとともに、X成分とY成分の両方を有する力ベクトルを生成するように選択することができる。X方向に作用する力ベクトル、X成分の力ベクトル又は近位方向の力ベクトルは、作動端がバルブ内に押し込まれてバルブフラップを偏向させる遠位位置から、示されるような近位位置へのバルブオープナーの戻りを容易にするために利用することができる。
【0180】
バルブのバルブフラップ、又はバルブのバルブフラップ及び固定装置の両方は、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、バルブオープナーのノーズ区画に対して力ベクトルを生成することができる。さらに他の例では、バルブフラップ以外のバルブの他の部分は、バルブを遠位位置から近位位置に移動させるために近位方向の力を加えることができる。
【0181】
例では、開口近位端に隣接するカテーテルハブ内の領域又は部分は、雌ルアーであってもよく、雌ルアーのISO規格に従って形成された構造を有すると理解される。バルブオープナーの2つのプランジャ要素の近位縁は、カテーテルハブの近位開口端から陥凹することができるが、雌型ルアー内に位置することができる。したがって、雄型ルアー先端が雌型ルアー内に挿入されると、雄型ルアー先端は、2つのプランジャ要素を遠位方向に押して、バルブオープナーにバルブ内に押し込ませてバルブを開き、例えばバルブフラップを遠位方向に偏向させ、1つ又は複数のスリットを開くことができる。
【0182】
雄ルアー先端をカテーテルハブの開口近位端に挿入し、バルブオープナーをバルブ内に前進させてバルブフラップを開き、雄ルアー先端とカテーテルチューブの内腔との間の流体連通を開くことができる。実際には、雄ルアー先端は、IVバッグに取り付けられたIV点滴ライン又は投与セットのシリンジ先端又は雄先端であり得る。
【0183】
流体は、近位方向にカテーテルハブから引き抜かれ、又は吸引され、又は遠位方向にカテーテルチューブを通して注入され得る。雄ルアー先端は、バルブアクチュエータを遠位位置にさらに維持してバルブを開くために、カテーテルハブにおいてラグ又は雄ねじに係合するためのねじ付きカラーを有することができる。
【0184】
例では、バルブオープナーは、雄ルアー先端によって前進すると遠位に移動するように構成される。バルブオープナーが遠位方向に移動する量又は距離は、作動端及びノーズ区画がバルブフラップを遠位方向に偏向させてバルブのスリットを開き、次いで雄ルアー先端とカテーテルチューブとの間の流体連通を開くことを可能にするのに十分であるべきである。図示の例では、バルブオープナーの作動端は、バルブフラップの遠位に移動し、バルブフラップは、カテーテルハブの内部とノーズ区画のテーパ面との間で圧縮されるか、又は少なくともノーズ区画によって遠位に偏向される。バルブフラップは、ノーズ区画のテーパ面によって変形することができる。他の例では、作動端は、バルブフラップの端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前の距離だけ移動し、それでもバルブフラップを開いて、近位方向及び遠位方向の両方の自由な流れを可能にする。
【0185】
雄ルアー先端に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄ルアー先端を引き抜くと、雄ルアー先端によって2つのプランジャ要素の近位縁部に作用する遠位方向の力が除去又は停止され、雌ルアーは、いかなる外部物体によっても占有されない。これにより、バルブオープナーは、その近位位置に戻ることができ、今や雄ルアー先端によって退去される(vacated)。
【0186】
例では、バルブの弾性により、バルブフラップがより弛緩した状態に跳ね返る(反動する)ことが可能になる。バルブフラップのこの反発作用及びバルブオープナーのノーズ区画の形状は、バルブフラップが、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させるようにノーズ区画に力ベクトルを付与することを可能にする。
【0187】
バルブフラップが跳ね返るときにバルブオープナーのノーズ区画におけるバルブフラップのそれぞれによって生成される力ベクトルは、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行な力成分を含み、本明細書ではX成分の力ベクトル又は近位方向の力ベクトルとも呼ばれる。したがって、バルブフラップによって生成されたX成分の力ベクトルは、バルブオープナーを、作動端及びノーズ区画がバルブを開くためにバルブのバルブフラップを遠位方向に偏向させる遠位位置から、作動端及びノーズ区画がもはやバルブフラップを偏向させない近位位置に、移動させることができる。
【0188】
いくつかの例では、バルブアクチュエータのノーズ区画には、別個の輪郭線又は曲線を有するノーズ区画に凹部を形成することなどによって、別個の線又は曲線などを有する成形された輪郭が設けられる。次いで、輪郭形成されたノーズ区画の1つ又は複数の表面を使用して、バルブを押圧することができる。バルブを押圧して、複数の圧縮点を生成することができる。例えば、輪郭形成されたノーズ区画は、バルブフラップを圧縮するか、又はバルブフラップを遠位方向に偏向させるように構造化することができ、その結果、バルブフラップは、雄ルアー先端が取り外され、バルブフラップがそれらの弛緩状態に戻ることができるときに、ノーズ区画に対して力ベクトルを生成することができる。
【0189】
輪郭形成されたノーズ区画はまた、バルブの一部又は複数の部分を遠位肩部に対して軸方向に圧縮することができ、それにより、バルブは、雄ルアー先端が取り外されたときに反対の軸方向の戻り力を付与する。したがって、バルブ単独は、バルブが輪郭形成されたノーズ区画単独又は輪郭形成されたノーズ区画の複数の点区画によって圧縮されて跳ね返るときに、雄ルアー先端の除去時にバルブオープナーを近位方向に押すことができる。
【0190】
例では、バルブオープナーは、バルブフラップ及びバルブディスクから延びるスカート区画などのバルブの他の部分又は複数の部分を偏向、変形、又は付勢するなど、バルブを偏向、変形、又は付勢することができる。バルブフラップ及びスカート区画などの他の1つ又は複数の部分がそれらの弛緩状態又は非付勢状態に戻ると、それらはバルブオープナーに近位方向の力を与えて、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させる。
【0191】
いくつかの例では、固定装置の斜面断面とノーズ区画との間の干渉は、X成分の力ベクトルを含む、バルブオープナーのノーズ区画に力ベクトルを生成する。例えば、バルブオープナーは、ノーズ区画が雄ルアー先端によって固定装置内に前進して蓄積エネルギーを与えるときに、固定装置によって圧縮、変形、又は付勢される弾性バンド又は1つ又は複数の弾性ストリップを組み込むことができる。したがって、バルブオープナーのノーズ区画におけるバルブのバルブフラップによって生成される戻り力に加えて、固定装置とバルブオープナーのノーズ区画との間の干渉は、戻り力を生成し、作動端及びノーズ区画がバルブのバルブフラップを遠位方向に偏向させる遠位位置から、作動端及びノーズ区画がもはやバルブフラップを偏向させない近位位置への、バルブオープナーの近位移動に寄与する。
【0192】
近位位置では、バルブオープナーは、カテーテルハブの内側に位置し、バルブフラップは一般にスリットを閉鎖して、近位方向及び/又は遠位方向への流体の流れを停止又は制限する。いくつかの例では、ノーズ区画に凹部を設けることができ、弾性ストリップ又はバンドが凹部内に配置されて、剛性区画及びより柔軟な区画を有するバルブオープナーを形成する。他の例では、ノーズ区画は、エラストマーストリップ又はバンドと共成形又はインサート成形される。ノーズ区画に組み込まれた弾性ストリップ又はバンドは、バルブアクチュエータが固定装置の剛性部分又は構成要素に押し付けられて、雄ルアー先端の除去後に戻り力を生成することを可能にすることができる。
【0193】
したがって、本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブを備えるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解され、前記カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備える。バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、ボアを形成する本体を有する固定装置が、バルブの近位に配置される。バルブのバルブフラップは、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために近位方向の戻り力を付与することができる。
【0194】
追加的又は代替的に、バルブは、遠位肩部に対して軸方向に圧縮、変形、又は付勢することができ、バルブは、雄ルアー先端の取り外し時に、バルブオープナーを戻すためにノーズ区画に対して軸方向に向けられた力を提供する。例では、固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進してバルブのバルブフラップを開くときに、バルブオープナーのエラストマー部分などのバルブオープナーとの干渉を提供することができ、干渉は、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延在する力ベクトルを含む力ベクトルを提供することができる。
【0195】
バルブ、バルブのバルブフラップ又はスカート区画は、バルブオープナーなどの、第2の構造を第1の構造の反対側に配置する必要なくバルブ内に移動する第1の構造によって偏向、付勢、又は変形されることができる。ただし任意選択的に第2の構造を組み込むことができる。例えば、バルブフラップは、偏向を停止するためにバルブフラップの反対側に位置する肩部又は剛性表面なしで、バルブオープナーによって偏向されることができる。バルブオープナーのノーズ区画によって偏向、付勢、又は変形される板ばね、又はノーズ区画のテーパ区画の挿入によって拡張されるばねリングなど、他の物体は、対向する構造なしに偏向、付勢、又は変形されることができる。
【0196】
いくつかの例では、ノーズ区画は、固定装置から離間しているか、又は固定装置に当接せず、戻り力は、バルブのみによって提供される。固定装置は、バルブをカテーテルハブ内に固定し、バルブがカテーテルハブから外れるように不用意に近位に変位するのを防止するための固定機能をさらに提供することができる。カテーテルハブは、カテーテルハブ、バルブ、バルブオープナー、固定装置、及びカテーテルチューブを通って突出する針を含むことができる。針は、針の近位端で針ハブに取り付けることができる。
【0197】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、スリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にするために雄型ルアー先端が取り外されたときに、近位位置に戻ることができるので、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも2サイクル、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。
【0198】
例では、バルブの近位側表面に環状スリット又は環状チャネルを設けることができる。環状スリットは、バルブの外周から凹むことができる。環状スリットは、バルブの第2の部分よりも厚いバルブの厚い部分である、バルブの第1の部分に設けることができる。環状スリットは、固定装置の遠位端を受け入れるために設けることができる。
【0199】
固定装置は、環状スリットへ突出する遠位端を有する保持リングとすることができる。例では、固定装置の遠位端は、環状スリットに押し込まれ、圧縮又は干渉によってその中に保持され得る。他の例では、固定装置は、接着剤又は接合を使用して環状スリット内に保持することができる。さらに他の例では、環状スリットは、環状チャネルであり、固定装置の内面及び外面の両方において固定装置を把持しない。例えば、固定装置の外面は、環状チャネルに対して押圧することができるが、固定装置の内面において環状チャネルから離間している。この代替的な構成により、固定装置は、固定装置の遠位端の内面及び外面の両方を把持するために環状スリットも必要とせずに、バルブをカテーテルハブに対して外側に押すことができる。
【0200】
保持リングは、保持本体の近位端と遠位端との間の長さを有し、保持リングの近位端にほぼ一定の壁厚の湾曲した本体部分を有する壁を有することができる。壁は、バルブオープナーのノーズ区画を収容し、フラッシングなどの流体の流れを可能にするためのボアを形成する内側を有することができる。
【0201】
固定装置の壁は、近位端を除いて略円筒形であることができる。例では、保持リングの近位端は、保持リングをカテーテルハブの内側肩部に対して固定するために外側に湾曲したリップを有することができる。内側肩部に対して配置されると、固定装置は、バルブが近位方向に変位するのを固定するのを助けることができる。バルブは、バルブの遠位側表面にカテーテルハブの肩部に対して配置されることによって、遠位方向の動きから固定又は支持することができる。
【0202】
固定装置及びバルブオープナーのノーズ区画は、バルブオープナー近位位置において互いに離間することができる。2つの間の空隙又は間隔は、固定装置に接触又はぶつかる前に、バルブフラップを偏向させるなどのために、バルブオープナーが遠位方向に移動してバルブを開くための隙間を提供する。バルブアクチュエータのノーズ区画の作動端は、固定装置によって形成されたボア内に配置することができるが、固定装置から離間するか、又は固定装置に接触しない。ノーズ区画のテーパ面はまた、固定装置から離間することができる。この空間又は空隙は、固定装置に衝突又は接触する前に、バルブ作動要素が遠位方向に前方に移動することを可能にする。作動端は、バルブの近位側表面と接触することができる。他の例では、作動端は、バルブの近位側表面からわずかに離間することができる。
【0203】
雄ルアー先端を開口近位端に挿入し、バルブオープナーをバルブに前進させてバルブフラップを開き、雄ルアー先端とカテーテルチューブの内腔との間の流体連通を開くことができる。雄ルアー先端は、バルブアクチュエータを遠位位置にさらに維持してバルブを開くために、カテーテルハブにおけるラグ又は雄ねじに係合するためのねじ付きカラーを有することができる。
【0204】
例では、バルブオープナーは、雄ルアー先端が前進したとき遠位に移動するように構成される。バルブオープナーが遠位方向に移動する量又は距離は、作動端及びノーズ区画がバルブフラップを遠位方向に偏向させてスリットを開き、次いで雄ルアー先端とカテーテルチューブとの間の流体連通を開くことを可能にするのに十分であるべきである。バルブオープナーの作動端は、バルブフラップの遠位に移動することができ、バルブフラップは、ノーズ区画のテーパ面によって圧縮又は変形することができ、又はバルブフラップは、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位方向に少なくとも偏向又は変形される。作動端は、バルブフラップの端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前であるが、両方向の自由な流れのために十分にバルブを開く距離を移動することができる。
【0205】
固定装置における湾曲リップは、付勢部材のように作用することができる。したがって、バルブアクチュエータ又はオープナのノーズ区画が固定装置の近位端で湾曲リップに押し付けられると、湾曲リップは、ノーズ区画に組み込まれたエラストマーバンド、ストリップ又は区画などに対してノーズ区画を押圧し、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に作用する力を含む一対の分力又は力ベクトルをバルブオープナーのノーズ区画に付与する。他の例では、ノーズ区画は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接すると、固定装置から離間する。その状況下のバルブは、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すのに必要な戻し力を提供することができ、バルブオープナーは、ノーズ区画の柔軟な区画を省くことができる。
【0206】
雄ルアー先端に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄ルアー先端を引き抜くと、雄ルアー先端によって2つのプランジャ要素の近位縁部に作用する遠位方向の力が除去又は停止されて、雌ルアーは、いかなる外部物体によっても占有されない。これにより、バルブオープナーは、その近位位置に戻ることができ、雄ルアー先端によって退かされる。
【0207】
例では、近位位置に移動するなど、バルブの弾性により、バルブフラップがより弛緩した状態に跳ね返る(反動する)ことが可能になる。バルブフラップのこの反発作用及びバルブオープナーのノーズ区画の形状は、バルブフラップがノーズ区画に力ベクトルを与えて、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させることを可能にする。
【0208】
したがって、本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブを備えるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解されて、前記カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備える。バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、ボアを形成する本体を有する固定装置が、バルブの近位に配置され、カテーテルハブの内側にバルブを固定する。
【0209】
例では、固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進するときにバルブオープナーとの干渉を提供する。別の例では、バルブオープナーのノーズ区画が固定装置に接触する前に、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接する。バルブオープナーは、バルブのバルブフラップを開くように構成される。
【0210】
例では、バルブオープナーによるバルブフラップへの干渉、偏向、付勢、又は圧縮は、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延びる力ベクトルを含む力ベクトルを提供する。
【0211】
固定装置はまた、追加の近位方向の戻り力を提供するために、バルブオープナーの柔軟なインサート、弾性バンド又は材料を有するノーズ区画の領域などの、ノーズ区画に戻り力を与えることができる。いくつかの例では、固定装置は、バルブオープナーによって付勢、変形、又は偏向されたときにエネルギーを蓄え、次いで、蓄えたエネルギーを放出して、バルブオープナーに近位方向の力を発生させて、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させる弾性特性を有する構造を組み込むことができる。
【0212】
本明細書で説明するように、遠位位置から近位位置への移動、又はその逆の移動は、物理的に測定可能な移動を必要とする。
【0213】
固定装置は、バルブをカテーテルハブ内に固定し、バルブがカテーテルハブから外れるように不用意に近位に変位するのを防止するための固定機能をさらに提供することができる。カテーテルハブは、カテーテルハブ、バルブ、バルブオープナー、固定装置、及びカテーテルチューブを通って突出する針を含むことができる。針は、針の近位端で針ハブに取り付けることができる。
【0214】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、雄型ルアー先端が取り外されてスリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にするときに、バルブオープナーは近位位置に戻ることができるので、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも2つの作動サイクル、少なくとも作動の3サイクル、少なくとも4つの作動サイクル、少なくとも5つの作動サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの移動、及びバルブから離れる移動として定義されることができる。
【0215】
さらなる例では、固定装置は、バルブの近位に面する表面に当接又は接触するためのフランジを形成する外向き湾曲リップを有する遠位端と、近位方向に第1の寸法から第2のより大きい寸法まで先細りになる壁又は本体とを有する保持リングであり得る。したがって、本実施形態の壁は、遠位位置に斜面の高い部分を有し、近位方向に延びるにつれて先細りになる斜面に似ていてもよい。
【0216】
固定装置の近位端は、カテーテルハブの内側肩部に当接又は押圧するような寸法にすることができる近位縁部を備えることができる。内側肩部に対して配置されると、固定装置は、バルブが近位方向に変位するのを固定するのを助けることができる。あるいは、固定装置の近位端及び/又は遠位端とカテーテルハブの内径との間にわずかな締まり嵌めがある場合には、固定装置を内部に固定するための肩部は必要ない。バルブは、バルブの遠位側表面の肩部に対して配置されることによって、遠位方向の動きから固定又は支持することができる。
【0217】
固定装置とバルブオープナーのノーズ区画とは、バルブオープナー近位位置において互いに離間することができる。2つの間の空隙又は間隔は、隙間を閉じ、固定装置に接触又は衝突する前に、バルブフラップを偏向させるなどのために、バルブオープナーが遠位方向に移動してバルブを開くための隙間を提供する。
【0218】
バルブアクチュエータの近位位置では、バルブアクチュエータのノーズ区画の作動端は、固定装置によって形成されたボア内に配置することができるが、固定装置から離間するか、又は固定装置に接触しない。ノーズ区画のテーパ面はまた、固定装置から離間することができる。この空間又は空隙は、固定装置に衝突又は接触する前に、バルブ作動要素が遠位方向に前方に移動することを可能にする。バルブアクチュエータの作動端は、バルブの近位側表面と接触することができる。他の例では、作動端は、バルブの近位側表面からわずかに離間することができる。
【0219】
雄ルアー先端を開口近位端に挿入し、バルブオープナーをバルブ内に前進させてバルブフラップを開き、雄ルアー先端とカテーテルチューブの内腔との間の流体連通を開くことができる。
【0220】
例では、バルブオープナーは、雄ルアー先端によって前進すると遠位に移動するように構成される。バルブオープナーが遠位方向に移動する量又は距離は、作動端及びノーズ区画がバルブフラップを遠位方向に偏向させてスリットを開き、次いで雄ルアー先端とカテーテルチューブとの間の流体連通を開くことを可能にするのに十分であるべきである。例では、バルブオープナーの作動端は、バルブフラップの遠位に移動し、バルブフラップは、カテーテルハブの内部とノーズ区画のテーパ面との間で圧縮又は変形されるか、又はバルブフラップは、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位方向に偏向される。
【0221】
いくつかの例では、バルブアクチュエータのノーズ区画には、別個の輪郭線又は曲線を有するノーズ区画に凹部を形成することなどによって、別個の線又は曲線などを有する成形された輪郭が設けられる。次いで、輪郭形成されたノーズ区画の1つ又は複数の表面を使用して、バルブを押圧し、バルブを反発させて、輪郭形成されたノーズ区画を近位方向に押圧し、バルブアクチュエータを近位位置に戻すことができる。例えば、1つ又は複数の輪郭形成された表面は、バルブが雄ルアー先端の除去時に軸方向に向けられた戻り力を提供するように、バルブを遠位肩部に対して軸方向に圧縮、変形、又は付勢して蓄積エネルギーを生成することができる。いくつかの例では、作動端は、バルブフラップの端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前であるが、両方向の自由な流れのために十分にバルブを開く距離を移動する。
【0222】
例では、固定装置の斜面は、付勢部材のように作用する。例えば、ノーズ区画が雄ルアー先端によって固定装置の斜面構造に対して押されると、固定装置は、ノーズ区画に位置する柔軟な区画に対してなど、アクチュエータのノーズ区画に対して反対の付勢力を及ぼす。したがって、ノーズ区画が干渉において斜面に押し付けられると、固定装置の斜面は、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に作用する力を含む一対の分力又は力ベクトルをノーズ区画に付与する。いくつかの例では、ノーズ区画は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接したときに固定装置から離間している。
【0223】
雄ルアー先端に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄ルアー先端を引き抜くと、雄ルアー先端によって2つのプランジャ要素の近位縁部に作用する遠位方向の力が除去又は停止され、雌ルアーは、いかなる外部物体によっても占有されない。これにより、バルブオープナーは、その近位位置に戻ることができ、雄ルアー先端によって退去される。例では、バルブの弾性により、バルブフラップがより弛緩した状態に反動することが可能になる。
【0224】
バルブフラップのこの反発作用及びバルブオープナーのノーズ区画の形状は、バルブフラップがノーズ区画に力ベクトルを与えて、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させることを可能にする。さらに、固定装置の斜面構造は、近位方向にバルブオープナーを移動させてバルブオープナーを近位位置に戻すために、ノーズ区画に配置された柔軟な区画などに、ノーズ区画に対して戻し力を加えることができる。
【0225】
したがって、本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブと、針ハブに取り付けられた針とを備え、針がカテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って延びるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解される。カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備える。
【0226】
バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、ボアを形成する本体を有する固定装置が、バルブの近位に配置され、バルブをカテーテルハブ内に固定する。固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進してバルブのバルブフラップを開くときに、バルブオープナーとの干渉を提供することができ、この干渉は、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延在する力ベクトルを含むベクトルを適合させる。
【0227】
固定装置は、バルブをカテーテルハブ内に固定し、バルブがカテーテルハブから外れてバルブオープナーに戻り力を提供しないように、バルブが不用意に近位に変位するのを防止するための固定機能をさらに提供することができる。
【0228】
例では、保持リングは、第1の端部又は遠位端と、第2の端部又は近位端とを有するリング本体を有する。リング本体は、リング本体の長さに沿ってほぼ一定の外形寸法を有することができ、これはほぼ円筒形とすることができる。内部に、リング本体は、近位端の内径よりも遠位端の内径が小さく、遠位端から近位端までの寸法が減少する壁厚を有することができる。
【0229】
リング本体の内面は、ボアを形成することができ、ボアは、バルブオープナーを収容するように構成される。流体の流れは、ボアを通って流れることができる。固定装置のボアは、前述のように、バルブオープナーのノーズ区画を圧縮又は付勢して、一対の分力を付与することができる。別の例では、固定装置は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接したときにノーズ区画から離間するようなサイズ及び形状である。例では、固定装置は、医療グレードのプラスチック材料から形成される。他の例では、固定装置は、医療グレードのエラストマー材料又は熱可塑性エラストマー材料(TPE)から形成することができる。あるいは、固定装置は、打ち抜き及び曲げ又は機械加工などによって金属材料から作製されてもよい。
【0230】
リング本体の断面は、リング本体の内面に斜面形状又は傾斜面を有することができる。さらに、傾斜面は一定の傾斜を有することができる。他の例では、傾斜面の傾斜は一定ではない。例えば、直線ではない輪郭を生成するために、1つ又は複数の凹凸又は変曲点が存在し得る。一定の勾配を有するか否かにかかわらず、輪郭は、バルブオープナーが固定装置に押し付けられたときに、ノーズ区画の柔軟な区画などに、バルブオープナーのノーズ区画との圧縮、付勢又は干渉を生成するように選択することができる。バルブオープナーとの圧縮、付勢又は干渉は、バルブオープナーの長手方向軸にほぼ平行な力を含む力ベクトルを生成するように構成することができる。これは、ひいてはバルブオープナーが遠位位置から近位位置に移動するのを助ける。
【0231】
例では、本明細書で提供されるバルブの近位側表面は、固定装置の遠位端を受け入れるための環状スリット又は環状スロットを有することができる。いくつかの例では、環状スロットは、固定装置の遠位端の内面及び外面の両方を把持しない空隙を有する環状チャネルとすることができる。固定装置は、金属材料又はプラスチック材料などの薄肉シリンダから作製することができ、近位端は、丸みを帯びた角と同様に、湾曲リップで終端するように外側に湾曲することができる。
【0232】
固定装置のリング本体の内面は、ボアを形成することができ、ボアは、バルブオープナーを収容し、前述したように、一対の分力を付与するために、ノーズ区画の柔軟な区画などに、バルブオープナーのノーズ区画を圧縮又は付勢するように構成される。湾曲リップの丸みを帯びた角部は、アクチュエータのノーズ区画を圧縮し、一対の分力を付与するように構成することができる。別の例では、固定装置は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接したときにノーズ区画から離間するようなサイズ及び形状である。
【0233】
固定装置の湾曲リップは、外径を有することができ、湾曲リップの外径は、バルブの外径よりも小さい。カテーテルハブの内部の構造に応じて、湾曲リップのサイズは、カテーテルハブの内側に設置されたときに、湾曲リップがカテーテルハブの内側の肩部に当接又は接触して、保持リングをカテーテルハブの内部空洞内に固定するように調整することができる。
【0234】
例では、固定装置のリング本体は、バルブの近位側表面に当接するなど、バルブの表面に当接するためのほぼ平坦な壁面を有するフランジを形成する湾曲リップを有する遠位端を有する。固定装置のリング本体は、フランジのすぐ近位の遠位端の第1の直径から、近位端の第2のより大きい直径まで外向きに先細になるほぼ一定の壁厚を有することができ、これは、固定装置をカテーテルハブ内に保持するためにカテーテルハブの内側の肩部に当接又は接触するための近位縁部を有する。
【0235】
壁面は、斜面のような傾斜面を有することができる。固定装置のリング本体の内面は、ボアを形成し、ボアは、バルブオープナーを収容するように構成される。ボアは、バルブオープナーに一対の分力を付与するために、弾性ストリップ、バンド又は材料を組み込むノーズ区画の区画など、バルブオープナーのノーズ区画を圧縮又は付勢することができる。別の例では、固定装置は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接したときに、ノーズ区画から離間するようなサイズ及び形状である。
【0236】
傾斜コイルばねは、本カテーテル組立体又は装置と共に使用することができる。傾斜コイルばねは、すべてほぼ同じ方向に沿って傾斜した複数の相互接続されたコイルを有する。ばねは、金属材料から作製することができる。傾斜コイルばねは、2つの自由端を有する長さの構成を有することができる。傾斜コイルばねは、ばね長さの2つの端部が接続されたリング構成にすることもできる。傾斜コイルばねは、ばねの技術分野において周知であり、傾斜コイルばねのコイルは、リング中心線に対して半径方向に偏向可能又は圧縮可能であると理解される。
【0237】
固定装置として、ばねリング構成の傾斜コイルばねを組み込むことができる。固定装置としての傾斜コイルばねは、バルブの近位側表面に当接することができ、カテーテルハブの内部の内側の肩部に当接して、ばねリングをハブの内部に固定することができる。
【0238】
バルブの近位側表面は、傾斜コイルばねの遠位円弧と嵌合又は支持するための嵌合凹部を有することができる。バルブオープナーの近位位置では、傾斜コイルばねのコイルは、カテーテルハブ及び/又はバルブの内面とバルブオープナーのノーズ区画との両方に接触する。他の例では、コイルは、バルブオープナーの近位位置において、ノーズ区画に接触しないなど、ノーズ区画の表面から離間することができる。
【0239】
医療器具の雄ルアー先端がカテーテルハブ内に挿入されてバルブのバルブフラップを開放又は偏向させると、傾斜コイルばねは、バルブオープナーのノーズ区画によって圧縮される。傾斜コイルばねの複数のコイルの各コイルは、ばねリング中心線の半径方向に圧迫されると、傾斜コイルばねのコイルが圧縮されるので、バルブオープナーのノーズ区画によって圧縮されることができる。
【0240】
コイルは、非圧縮又は反跳する傾向があるため、コイルの圧縮は、ノーズ区画に力ベクトルを生成する。ノーズ区画に対して生成される力ベクトルは、バルブオープナーの長手方向軸にほぼ平行な力を含む。コイルがバルブによって一方の側に沿って圧縮される場合、又はコイルがカテーテルハブによって一方の側に沿って圧縮される場合には、遠位方向の軸方向力ベクトルは、バルブの近位バルブ表面に対抗し、近位方向の力ベクトルは、バルブオープナーに対抗する。
【0241】
雄型先端が取り外されると、ばねのコイルが拡張してノーズ区画を押圧し、近位方向の軸方向の力ベクトルを含む一対の分力を付与する。これは、次に、バルブオープナーを近位方向に押して、バルブオープナーをその近位位置に戻し、バルブをその閉位置に戻すことを可能にするのを助けることができる。雄型ルアー先端の除去後にバルブオープナーを移動させるためにばねリング244によって生成される力は、雄型ルアー先端の除去後にバルブスリットを閉じるために弛緩状態又は閉鎖状態に戻るバルブのバルブフラップによって生成される力に追加することができる。近位方向の力は、雄型医療機器がカテーテルハブから切り離された後に、バルブオープナーを遠位位置からカテーテルハブ内の近位位置に戻すことができる。
【0242】
別の例では、バルブには、一体型又は一体的に形成された固定装置を設けることができる。一体型又は一体的に形成された固定装置は、三角形の断面を有する保持スカート区画とすることができる。スカート区画の外面の追加の表面積、又は固定装置は、針が取り外されるとき、及びバルブオープナーが雄ルアー先端によって押されてバルブを開くときに、バルブをカテーテルハブ内にさらに保持するのを助けることができる。
【0243】
スカート区画は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に押されたとき、スカートの三角形断面がテーパ状ノーズ区画及びカテーテルハブの内部によって圧縮、変形、又は付勢され得るようなサイズにすることができる。したがって、シリンジの雄ルアー又は投与セットの先端などの雄型先端が取り外されると、三角形のスカートは、拡張して、近位方向の軸方向力ベクトルを含む一対の分力をノーズ区画に付与することができる。これは、次に、バルブオープナーを近位方向に押して、バルブオープナーを遠位位置からその近位位置に戻し、バルブをその閉位置に戻すことを可能にするのを助ける。
【0244】
さらに別の例では、本発明の態様による固定装置は、バルブの表面に当接するための略平坦な壁面を有するフランジを形成する湾曲リップを有する遠位端を有するリング本体を有する。リング本体は、フランジのすぐ近位の遠位端の第1の直径から、近位端の第2のより大きい直径まで外向きに先細になるほぼ一定の壁厚を有し、これは、固定装置をカテーテルハブ内に保持するためにカテーテルハブの内側の肩部に当接又は接触し得る近位縁部を有する。あるいはまた、肩部は、なくすことができ、近位縁部は、カテーテルハブの内側縁部と締まり嵌めを形成することができる。
【0245】
リング本体の壁面は、斜面のような傾斜面を有することができる。固定装置のリング本体の内面は、ボアを形成し、ボアは、バルブオープナーを収容し、バルブオープナーのノーズ区画を圧縮又は付勢して、前述のように一対の分力を付与するように構成される。
【0246】
本実施形態では、バルブを保持するための保持リングの一部として、2つ以上、例えば3~8つの板ばねを設けることができる。別の例では、1つの板ばねのみが組み込まれ得る。板ばねは、リング本体に対称な三面の切欠きを形成し、切欠きを内側に曲げて板ばねを形成することによって形成することができる。しかし、切欠きは、部分的な円形の切欠きなどの三面の切欠き以外であってもよく、切欠きは非対称であってもよく、又は三面のより大きい多面切欠きであってもよい。固定装置に板ばねを形成するために、三面切欠きが好ましい状態で、任意の数の切欠きが利用でき、バルブオープナーに力ベクトルを生成することができる。1つ又は複数の切欠きを形成した後、板ばねを形成するための切欠きの曲げの方向は、1つ又は複数の板ばねがバルブアクチュエータのノーズ区画に接触することを可能にする方向である。
【0247】
板ばねは、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に押されると、板ばねがバルブオープナーのテーパ状のノーズ区画によって変形、偏向、又は付勢されるようなサイズにすることができる。その結果、雄型先端が除去されると、板ばねは、拡張又は非付勢して、近位方向の軸方向の力ベクトルを含む一対の分力をノーズ区画に付与する。
【0248】
板ばねの付勢力は、バルブオープナーを近位方向に押して、バルブオープナーを遠位位置からその近位位置に戻し、バルブをその閉位置に戻すことを可能にするのを助ける。板ばねの力は、雄ルアー先端部の除去後にバルブスリットを閉じるために、それらの弛緩位置又は閉鎖位置に戻るバルブのバルブフラップによって生成される力に加えることができる。1つ又は複数の板ばねを有する実施形態では、ノーズ区画は、任意選択的に含まれ得るいずれの柔軟な1つ又は複数の区画を有することなく、剛性であり得る。
【0249】
実施形態では、固定装置は、保持リングとすることができ、保持リングは、一体化された又は一体的に形成された可撓性フラップ又は板ばねを備えることができる。固定装置は、1つ又は複数の板ばねがフランジから延びるアイレットを具現化することができる。
【0250】
アイレット構成を有する固定装置は、本明細書に記載のカテーテル組立体と共に使用することができる。固定装置は、開口部を形成する外径(OD)及び内径(ID)を有するリング本体用のフランジを有する。フランジは、アイレットを形成するために使用される金属シートの厚さであり得る厚さを有することができる。フランジの厚さ及び板ばねの厚さは、同じ又はほぼ同じであってもよい。フランジ及び板ばねが単一の金属シートから一体的に形成される場合、フランジの厚さ及び各板ばねの厚さは、金属シートの厚さの製造公差内で同じにすることができる。
【0251】
アイレットの実施形態では、フランジから円筒形又は細長い中空体は、延びていない。代わりに、2つ以上の板ばね、例えば3~8つの板ばね又は少なくとも1つの板ばねが、フランジから直接延在することができる。図面は、フランジに組み込まれた4つの板ばねを示し、各板ばねは、隣接する板ばねから約90度にある。しかし、3つの板ばね又は異なる数が存在してもよい。板ばねは、フランジの輪郭に沿って等間隔に配置することができる。板ばねは、バルブ内のスリットに対してバルブアクチュエータをセンタリングするのを助けることができる。
【0252】
板ばねは、フランジIDから近位方向に延在することができ、各板ばねは、近位端縁部で終端することができる。各板ばねの近位端縁は、平坦又は丸みを帯びていてもよい。
【0253】
板ばねは、フランジIDに沿って等間隔又はほぼ等間隔に配置することができる。板ばねは、例として、板ばねを形成するための曲げに起因して、又はフランジIDから各板ばねを作製及び陥凹させるために使用されるスリット又は切欠きからなど、フランジIDの境界において又は境界から離れるよう延伸することができる。
【0254】
各板ばねは、バルブオープナーのノーズ区画に分力を生成するのに十分な幅及び長さを有することができ、集合的にすべての板ばねは、雄ルアー先端部の除去後にバルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させることができる近位方向の力を生成することができる。
【0255】
各板ばねがフランジIDから凹んだ曲げ半径を有する屈曲部を有することを可能にするために、一対の内部ノッチ又はスリットをフランジID及び各板ばねの両側縁部に設けることができる。他の例では、一対の内部ノッチをフランジIDから省くことができ、各屈曲部における近位方向の屈曲部は、角張った形(正方形)又は直角とすることができる。あるいは、内部ノッチ又は不十分な内部ノッチが組み込まれていない場合には、曲げ半径は、フランジIDのいくらか内側に延びることができる。
【0256】
アイレットの実施形態の固定リングは、本明細書の他の箇所で論じられている他の固定リングのように、カテーテルハブの内部にバルブを固定するように構成することができる。バルブは、内側肩部によって遠位側表面に支持され、フランジの近位側の内側肩部によって支持され得る固定リングのフランジによって近位側表面に支持され得る。したがって、バルブは、固定装置のフランジなどの固定装置によって、遠位側で肩部によって、及び近位側でカテーテルハブの内部の内側に固定又は支持することができる。
【0257】
バルブオープナーの近位位置では、バルブオープナーの作動端は、バルブの近位側表面に接触することができ、又はバルブの近位側表面から比較的小さい間隔だけ離間することができる。バルブオープナー近位位置でバルブオープナーとバルブとの間に接触があるかないかにかかわらず、ノーズ区画は、板ばねによって形成された境界内に配置することができるが、板ばねには接触しない。例えば、バルブオープナーの近位位置では、ノーズ区画は、板ばね及びフランジの両方から離間することができる。間隔は、ノーズ区画が板ばねに接触する前に、バルブオープナーがバルブフラップを開くためにバルブ内に遠位方向に移動することを可能にする。
【0258】
例では、固定装置のフランジは、フランジOD上に1つ又は複数の逃がし通路又は切欠きを組み込むことができる。逃がし通路は、固定装置をカテーテルハブ内に設置する間に、フランジODとカテーテルハブの内部ボアとの間の干渉を減少させることができる。例えば、ODの逃がし通路は、フランジODがより可撓性であり、切欠きによって形成された部分が必要に応じて独立して屈曲することを可能にする。
【0259】
フランジODにおける各切欠きは、フランジODの円弧上の2点を横切る直線として形成することができる。いくつかの例では、各切欠きは、曲線形状、曲線及び少なくとも1つの直線のカット、又は複雑な曲線のカットを有することができる。例では、フランジODにおける各板ばねに切欠きを設けることができる。他の例では、切欠きは、板ばねと同じID位置のOD部分に直接配置されないなど、板ばねの位置と整列しないように配置することができる。さらに他の例では、板ばねの数よりも多くの切欠き又はより少ない切欠きが存在してもよい。
【0260】
バルブオープナーの遠位位置では、ノーズ区画は、バルブスリットを通って突出してバルブフラップを遠位方向に偏向させ、ノーズ区画とカテーテルハブの内面との間でバルブフラップを圧縮することができ、又はバルブフラップは、内面に対して圧縮することなく、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位に偏向又は変形することができる。
【0261】
バルブオープナーの作動端は、遠位方向に偏向されたバルブフラップの遠位にあり得る。他の例では、作動端は、偏向されたバルブフラップ又はバルブフラップの近位とほぼ同じ軸方向位置に配置することができるが、それでも流体がバルブを横切って近位方向又は遠位方向に流れることを可能にする。
【0262】
板ばねは、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に押されると、板ばねがバルブオープナーのテーパ状のノーズ区画によって半径方向外側に偏向されるように、フランジに配置することができる。例では、各板ばねの近位縁部は、バルブオープナーのノーズ区画によって偏向されたときにカテーテルハブの内部から離間している。別の例では、近位縁部は、カテーテルハブの内面に接触することができる。
【0263】
偏向された板ばね及び偏向されたバルブフラップは、貯蔵されるエネルギーを生じさせ、このエネルギーは、その後、貯蔵されたエネルギーを放出するために、雄ルアー先端が除去されると、バルブオープナーを近位方向に移動させるためにバルブオープナーのノーズ区画を押すことができる。
【0264】
雄型先端がカテーテルハブから取り外されると、板ばねは、収縮又は非付勢されて、近位方向の軸方向力ベクトルを含む一対の分力をノーズ区画に付与することができる。板ばねの付勢力は、バルブオープナーを近位方向に押し、バルブオープナーを遠位位置からその近位位置に戻し、バルブをその閉位置に戻すことを助けるのを可能にすることができる。
【0265】
バルブオープナーの固定装置の板ばねによって生成される力は、バルブフラップが雄ルアー先端部の除去後にバルブスリットを閉じるためにそれらの弛緩位置又は閉鎖位置に戻るときに、バルブオープナーにおけるバルブのバルブフラップによって生成される力に加えてもよい。固定装置に1つ又は複数の板ばねを有する実施形態では、バルブオープナーのノーズ区画は、任意選択的に含まれ得るいずれの柔軟な1つ又は複数の区画なしで剛性であることができる。
【0266】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、雄型ルアー先端が取り外されてバルブフラップがスリットを弛緩又は閉鎖することを可能にするときに、近位位置に戻ることができるので、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブオープナーによるバルブへの移動及びバルブから離れる移動を含むことができる。
【0267】
代替的なアイレットの実施形態では、ID、OD、及び厚さを有することができる固定装置又はリングのフランジは、円弧又は湾曲した断面を有するように成形することができる。すなわち、フランジの遠位側表面及び近位側表面は、円弧状又は湾曲している。例では、フランジの遠位側表面は凸形状を有し、フランジの近位側表面は凹形状を有する。断面に沿った固定装置及び円弧状フランジの挿入方向は、フランジODが設置中に内面に対して滑らかに進むことを可能にするので、成形フランジは、設置を容易にすることができる。湾曲した断面はまた、設置中の変形に対してフランジを強化することができる。
【0268】
アイレットのフランジODにおける逃がし通路又は切欠きは、板ばねと整列していなくてもよい。参照のために時計の時針を使用して、板ばねをフランジIDに沿って2、4、8、及び10時の位置に配置することができるが、切抜きをフランジODに沿って3、6、9、及び12時の位置に配置することができる。他の例では、フランジIDに沿った板ばねの位置及びフランジODに沿った切欠きの位置は変化し得る。また、2つの板ばね及び3つの切欠き、又は3つの板ばね及び2つの切欠きを有するなど、板ばね及び切欠きの数は変化し得る。
【0269】
代替的なアイレット実施形態の湾曲した又は円弧状の断面に起因して、板ばねは、フランジIDに沿った切欠き又はスリットを含む必要なしに、近位方向に自由端を有する板ばねを形成するように曲げることができる。しかし、スリット又は切欠きは、板ばねを形成するためにタブの曲げを補助又は容易にするために組み込まれてもよい。
【0270】
さらに別の例では、カテーテル組立体は、エラストマー材料から作られた保持リングを具体化する固定装置を利用することができる。例えば、固定装置は、付勢又は変形されたときに蓄積エネルギーを有することができるO-リングなどのエラストマー材料から作製されてもよい。したがって、エラストマー材料がその蓄積エネルギーを放出すると、バルブオープナーに近位方向の力を与えて、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させることができる。
【0271】
例では、O-リングとすることができるエラストマー材料は、バルブオープナーの遠位位置においてバルブオープナーのノーズ区画とカテーテルハブの内壁との間で圧縮されることができる。固定装置は、円形、楕円形、又は正方形、長方形、もしくは三角形などの多角形などの、様々な可能な断面のO-リングを具現化する構造を有することができる。固定装置は、円形の断面を有するエラストマーリングとすることができる。固定装置は、バルブとは別個に形成され、バルブと共に使用されて、カテーテルハブの内部の内側にバルブを固定することができる。
【0272】
カテーテルハブと共に使用されるバルブは、カテーテルハブの内側の内側肩部によって遠位側に固定又は支持することができ、これによりバルブの外周の軸方向の遠位の変位を防止又は制限することができるが、バルブオープナーによって押されたときにバルブフラップが遠位方向に撓むことを依然として可能にする。バルブは、本実施形態の固定リング又はエラストマーリングによって近位側に固定又は支持することができる。弾性リングは、カテーテルハブの内側の内側肩部に当接して、弾性リング、したがってバルブが近位方向に変位しないように固定することができる。
【0273】
固定装置及びバルブオープナーのノーズ区画は、バルブオープナー近位位置において互いに離間することができる。2つの間の空隙又は間隔は、隙間を閉じ、固定装置をバルブオープナーに接触又は衝突する前に、バルブフラップを偏向させるなどのために、バルブオープナーが遠位方向に移動してバルブを開くための隙間を提供する。
【0274】
バルブアクチュエータのノーズ区画の作動端は、固定装置によって形成されたボア内に配置することができるが、固定装置から離間するか、又は固定装置に接触しない。ノーズ区画のテーパ面はまた、固定装置から離間することができる。この空間又は空隙は、固定装置に衝突又は接触する前に、バルブ作動要素が遠位方向に前方に移動することを可能にする。バルブアクチュエータの作動端は、バルブの近位側表面と接触することができる。他の例では、作動端は、バルブの近位側表面からわずかに離間することができる。
【0275】
本明細書で使用可能な雄ルアー先端は、バルブアクチュエータを遠位位置に維持してバルブを開くために、カテーテルハブにおけるラグ又は雄ねじに係合するためのねじ付きカラーを有することができる。
【0276】
例では、バルブオープナーは、雄ルアー先端によって前進すると遠位に移動するように構成される。バルブオープナーが遠位方向に移動する量又は距離は、作動端及びノーズ区画がバルブフラップを遠位方向に偏向させてスリットを開き、次いで雄ルアー先端とカテーテルチューブとの間の流体連通を開くことを可能にするのに十分であるべきである。
【0277】
例では、バルブオープナーの作動端は、バルブフラップの遠位に移動し、バルブフラップは、カテーテルハブの内部とノーズ区画のテーパ面との間で圧縮することができ、又はバルブフラップは、圧縮されることなく、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位方向に偏向又は変形される。いくつかの例では、作動端は、バルブフラップの端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前の距離を移動することができるが、両方向の自由な流れのために十分にバルブを開くことができる。
【0278】
例では、固定装置の弾性リングは、付勢部材のように作用する。例えば、ノーズ区画が固定装置に押し付けられ、ノーズ区画とカテーテルハブの内面との間で固定装置を圧縮又は付勢すると、貯蔵されたエネルギーがエラストマー材料に与えられ、このエラストマー材料はO-リングを具現化することができ、アクチュエータのノーズ区画に対して反対に付勢する力を及ぼすことができる。したがって、ノーズ区画がエラストマーリングに押し付けられると、エラストマーリングは、近位方向においてカテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に作用する力を含むことができる一対の分力又は力ベクトルをノーズ区画に与えることができる。
【0279】
雄ルアー先端に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄ルアー先端を引き抜くと、雄ルアー先端によって2つのプランジャ要素の近位縁部に作用する遠位方向の力が除去又は停止され、雌ルアーは、いかなる外部物体によっても占有されない。これにより、バルブオープナーは、その近位位置に戻ることができ、今や雄ルアー先端によって退かされる。
【0280】
例では、バルブの弾性により、バルブフラップは、スリットを閉じる又はバルブディスクを閉じるように移動するなど、より弛緩した状態に跳ね返る(反動する)ことが可能になる。バルブフラップのこの反発作用及びバルブオープナーのノーズ区画の形状は、バルブフラップがノーズ区画に力ベクトルを与えて、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させることを可能にする。さらに、上述したように、固定装置の弾性は、近位方向にバルブオープナーを移動させるためにノーズ区画に対して戻り力を及ぼすことができる。
【0281】
したがって、本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブと、針ハブに取り付けられた針とを備え、針がカテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って延びるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解される。カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備えることができる。バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、ボアを形成する本体を有する固定装置は、バルブの近位に配置することができ、バルブをカテーテルハブ内に固定する。
【0282】
固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進してバルブのバルブフラップを開くときに、バルブオープナーに干渉を提供することができるか、又はバルブオープナーを付勢することができるか、又は逆であることができ、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、干渉は、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、近位方向にカテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延在するベクトルを含む力ベクトルを提供する。
【0283】
固定装置は、バルブをカテーテルハブ内に固定し、バルブがカテーテルハブから外れるように不用意に近位に変位するのを防止するための固定機能をさらに提供することができる。そうでなければ、バルブがカテーテルハブの内部から変位すると、バルブは適切に閉じることができず、血液を漏出させる可能性がある。固定装置は、エラストマー材料とすることができる。材料は、好ましくは、30ショアA硬度と70ショアA硬度との間の範囲である。また、30未満又は70を超えるショアA硬度を有することもできる。例では、エラストマー材料はO-リングである。特定の例では、O-リングは円形断面を有することができる。
【0284】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、雄型ルアー先端が取り外されてバルブフラップがスリットを弛緩又は閉鎖することを可能にするときに、近位位置に戻ることができるので、バルブは複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブオープナーのバルブへの移動と、フラップが閉じることを可能にするためのバルブから離れる移動とを含むことができる。
【0285】
さらなるカテーテル組立体の実施形態では、O-リングとすることができるエラストマー材料は、略正方形又は多角形の断面を有することができる。
【0286】
本発明の態様によるさらなる実施形態では、バルブには、一体型又は一体的に形成された固定装置が設けられる。例では、一体型又は一体的に形成された固定装置は、バルブディスクと共に形成された保持スカート区画とすることができる。スカート区画は、ほぼ一定の厚さ及び近位端面を有することができ、近位端面は、近位移動からカテーテルハブ内のバルブを固定するためにカテーテルハブの内側肩部に当接又は接触するようなサイズにすることができる。スカート区画の近位端面は、スカート区画の一部が内側肩部の半径方向に露出するように十分な厚さを有することができる。スカート区画のこの露出部分は、バルブオープナーがスカート区画を圧縮、変形、又は付勢するために押し付けるターゲットを可能にするか、又は提供することができる。
【0287】
バルブは、バルブディスク及び一体型スカートを有することができる。例では、バルブディスク及びスカート区画は一体的に形成される。スカート区画は、開いた近位端を有する略円筒形の長さとして見ることができる。バルブディスクは、複数のバルブフラップを形成する複数のスリット又はバルブディスクスリット部分を有することができる。例では、バルブディスクの軸方向の壁厚は、この説明の他の箇所に示されているような別個の第1の部分及び第2の部分なしで、ほぼ一定であり得る。しかし、別個の第1の部分及び第2の部分は、バルブディスク及びスカート区画を有するバルブに組み込むことができる。
【0288】
実施形態では、スカート区画の長さに沿ってほぼ一定の厚さを組み込むのではなく、スカート区画は、断面に沿って斜面状の面を組み込むことができる。例えば、バルブディスクを有するバルブは、別個の第1及び第2の部分を有することができ、斜面した断面を有するスカート区画を有することができる。
【0289】
代替的な実施形態では、バルブオープナーは、本明細書の他の箇所に記載されている他のバルブオープナーのように、ノーズ区画、2つのプランジャ要素、2つの突起、及び2つの安定化要素を含む本体を有することができる。本代替実施形態では、ノーズ区画の近位に移行区画が設けられる。移行区画は、一対のオープナ肩部を含むことができ、各オープナ肩部は、当接縁部を有する。2つのオープナ肩部は、互いに離間することができ、2つの当接縁部は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって前進するのとほぼ同時にバルブに押し込まれるように、ノーズ区画の異なる側で、バルブオープナーにおけるほぼ同じ軸方向の個所又は位置に配置することができる。
【0290】
各オープナ肩部は、当接縁部の近位に延在する傾斜面又はスロープ面を含むことができる。各傾斜面は、一定の傾斜又は複雑な傾斜を有することができる。2つのオープナ肩部は、バルブオープナーの移行区画で踊り場(ランディング)区画に近接して配置することができる。隆起したリップ又はリブは、安定性及び/又は強度を高めるために、バルブオープナーの本体に慎重に十分に設けることができる。
【0291】
踊り場区画の外径(OD)は、ほぼ一定であり得る。例では、踊り場区画の長さは、その長さに沿って同じODを有することができる。さらに他の例では、わずかに増加する傾斜又はわずかに減少する傾斜があり得る。踊り場区画における傾斜面は、踊り場区画がスカート区画に当接又は干渉せず、かつ/又は移行区画を弱めず、したがってバルブオープナーとして動作可能にする限り、実現することができる。ノーズ区画及び踊り場区画のボアは、ほぼ一定の内径(ID)を有することができる。
【0292】
踊り場区画の遠位、外部では、ノーズ区画は、ほぼ円錐台形状の構造を有することができる。ノーズ区画のテーパ面は、バルブフラップが、雄型ルアー先端の除去後にバルブオープナーをその近位位置に戻すために、近位方向の力を含むことができる一対の分力を付与することを可能にすることができる。
【0293】
2つのオープナ肩部の2つの当接縁部は、雄ルアー先端がバルブオープナーを遠位方向にバルブ内に押し込むことにより、バルブのスカート区画の近位面を押すことができる。スカート区画及びオープナ肩部の重なり合う表面は、カテーテルハブの遠位肩部とバルブオープナーの当接縁部との間のスカート区画の干渉又は圧縮を示すことができる。したがって、バルブオープナーによってバルブが開かれると、バルブフラップは、バルブオープナーのノーズ区画とカテーテルハブの内面との間で圧縮されるか、又はバルブフラップは、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位方向に偏向又は変形され、スカート区画は、カテーテルハブの遠位肩部とバルブオープナーの2つの当接縁部との間で圧縮又は変形される。
【0294】
いくつかの例では、テーパ面及び当接縁部を有する2つのオープナ肩部は、省略又は変更されてもよい。例えば、ノーズ区画は、テーパ状肩部なしで移行区画の段付き肩部まで直接延在することができる。テーパ状肩部がないと、段付き肩部の当接面がスカート区画を圧縮する可能性がある。他の例では、テーパ状肩部は、略正方形であるか、又は当接縁部が肩部自体とほぼ同じ高さになるようにテーパ面のない正方形表面を有するなど、異なる形状を有することができる。言い換えれば、当接縁部には、テーパ状の肩部なしで、ノーズ区画の両側にバルブアクチュエータを設けることができる。
【0295】
当接縁部及びテーパ面を有する肩部が省略されている場合、2つの段付き肩部の端面は、スカート区画を圧縮することができる。段付き肩部及びノーズ区画のサイズ及び形状は、テーパ状肩部が省略されたときにスカート区画を圧縮するように調整することができる。テーパ状肩部を有さない代替的なバルブオープナーを使用する際に、2つの段付き肩部の当接縁部は、バルブの近位端面を直接押すことができる。
【0296】
バルブオープナーによって作動されたときのバルブの様々な表面又は部分の圧縮、偏向、変形又は付勢は、バルブ内に蓄積エネルギーを生成することができる。雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーから取り外されると、蓄積されたエネルギーは、バルブフラップ及びスカート区画がより弛緩した状態に戻る形態で放出されることができる。その結果、バルブフラップは、ノーズ区画に対して近位方向の力を加えることができ、スカート区画は、2つの当接する縁部に対して近位方向の力を加えて、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させることができる。
【0297】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブの2つ以上のバルブフラップを開くためにバルブ内を遠位位置に移動することができ、バルブオープナーは、雄型ルアー先端が取り外されてバルブフラップ及びスカート区画がスリットを弛緩又は閉鎖することを可能にするときに近位位置に戻ることができるので、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの移動及びバルブから離れる移動を含むことができる。
【0298】
バルブのバルブフラップ又はスカート区画のような、バルブは、バルブオープナーなどの第1の構造が、第1の構造の反対側に第2の構造を配置する必要なくバルブに移動することによって、偏向、付勢、又は変形することができるが、ただし任意選択的に第2の構造を組み込むことができる。例えば、バルブフラップは、バルブオープナーが遠位方向に移動するにつれて、バルブオープナーによって偏向することができる。したがって、バルブフラップは、バルブフラップの遠位側に位置する肩部又は何らかの剛性表面の有無にかかわらず、バルブオープナーによって遠位方向に偏向する。肩部又は剛性表面がある場合、バルブフラップは依然としてバルブアクチュエータによって遠位方向に撓むことができ、ノーズ区画と肩部又は剛性表面との間で圧縮することができる。バルブオープナーのノーズ区画によって偏向、付勢、又は変形される板ばね、又はノーズ区画のテーパ区画の挿入によって拡張されるC形リング又は螺旋状のばねなど、他の物体は、対向する構造なしに偏向、付勢、又は変形することができる。
【0299】
本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブを備えるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解され得て、前記カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備える。バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、固定装置は、カテーテルハブの内側かつバルブの近位に位置するボアを形成する本体を有することができる。例では、固定装置は、バルブと一体的に形成することができ、スカート区画とすることができる。例えば、バルブディスクは、バルブスカート又はスカート区画と一体的に形成することができ、バルブスカートは、バルブディスクをカテーテルハブの内部に保持するための固定装置として機能することができる。
【0300】
バルブのバルブフラップは、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために近位方向の戻り力を付与することができる。さらに、バルブオープナーは、スカート区画をカテーテルハブの遠位肩部に対して軸方向に圧縮、変形、又は付勢するための1つ又は複数の当接縁部を含むことができる。言い換えれば、バルブスカート又はスカート区画は、長さを有することができ、バルブオープナーは、バルブオープナーの遠位位置への作動中にバルブスカートを圧縮又は変形させてバルブを開き、バルブスカートの長さを第1の長さからより短い第2の長さに減少させることができる。スカート区画がバルブアクチュエータによって長さが減少すると、スカート区画は、蓄積エネルギーを受け取る。したがって、スカート区画は、貯蔵されたエネルギーが、バルブオープナーの1つ又は複数の当接縁部などに放出されるときに、バルブオープナーに対して近位の軸方向に向けられた力を提供して、雄ルアー先端の除去時に、バルブオープナーを近位位置に戻すことができる。
【0301】
例では、固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進してバルブのバルブフラップを開くときに、例えばノーズ区画によって遠位方向にバルブフラップを偏向させるときに、バルブオープナーのエラストマー部分などのバルブオープナーとの干渉を提供することができ、偏向は、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、近位方向にカテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延在する力ベクトルを含む力ベクトルを提供することができる。例では、干渉、付勢、偏向、又は圧縮は、蓄積エネルギーをバルブのスカート区画に提供する。蓄積されたエネルギーは、近位軸方向にバルブオープナーの1つ又は複数の当接面を押すように放出することができる。
【0302】
バルブオープナーは、バルブの複数の別個の位置でバルブを変形させて、蓄積エネルギーをバルブに供給するために、ノーズ区画及び1つ又は複数の当接縁部などの複数の表面を有することができる。バルブの変形した表面は、バルブフラップ及びバルブフラップとは異なるバルブの他の表面を含むことができる。例えば、バルブフラップに加えて、スカート区画は、バルブオープナーによって軸方向に圧縮することができる。
【0303】
カテーテルハブは、カテーテルハブ、バルブ、バルブオープナー、固定装置、及びカテーテルチューブを通って突出する針を含むことができる。針は、針の近位端で針ハブに取り付けることができる。
【0304】
さらに別の針組立体又はカテーテル組立体の実施形態では、カテーテルハブ、カテーテルチューブ、バルブ、バルブオープナー、及び固定装置は、いくつかの例外を除いて、他の場所で図示及び説明したものと同様であり得る。本実施形態では、固定装置の遠位端を受け入れるために、拡大された空隙を有する環状スリット又は環状チャネルをバルブの近位側表面に設けることができる。すなわち、本実施形態の環状チャネルの拡大された空隙は、拡大された空隙に起因して、固定リングのリング本体の外面に接触することができるが、リング本体の内面に接触することはできない。リング本体はまた、リング本体に対する環状チャネルの深さを制御又は設定するために、環状チャネルの端面又は遠位面に接触することができる。この構成は、リング本体の内面が環状チャネルによって把持される必要がないため、環状チャネルを形成又は作製するための公差を緩和し、又は製造要件を単純化しながら、固定装置がカテーテルハブの内部にバルブを保持することを可能にする。チャネル(流路)はまた、バルブディスクに部分的に切り込みを入れるよりも標準的な成形技術によって形成するのが容易である。
【0305】
保持リングのリング本体は、ほぼ一定の壁厚を有する近位端と遠位端との間の長さを有する壁と、保持リングの近位端に湾曲した本体部分とを有することができる。リング本体の壁は、バルブオープナーのノーズ区画を収容するためのボアを形成する内面を有することができる。
【0306】
固定装置の壁は、近位端の湾曲した本体部分を除いて、ほぼ円筒形であり得る。例では、保持リングの近位端は、保持リングをカテーテルハブの任意選択の内側肩部に対して固定するための外側に湾曲したリップを有することができる。内側肩部に対して配置されると、固定装置は、バルブが近位方向に変位するのを固定するのを助けることができる。バルブは、バルブの遠位側表面におけるカテーテルハブの肩部に対して配置されることによって、遠位方向の動きから固定又は支持することができる。いくつかの例では、保持リングの湾曲リップは、肩部のないカテーテルハブの内部との締まり嵌めを有する。
【0307】
固定装置には、1つ又は複数の板ばねを設けることができる。4つの板ばねに固定装置を設け、約2、6、8、及び10時の位置で互いに等間隔に配置することができる。しかし、板ばねは、リング本体の異なる円弧位置に配置することができる。例では、板ばねは、リング本体の近位縁部に少なくとも2つの切り込みを入れることによって形成することができる。図示のように、板ばねは、金属を曲げて板ばねを形成し、リング本体の近位端に板ばねの2つの側縁部を形成することを可能にするために、2つのほぼ平行な切断部から形成される。
【0308】
一例では、本固定装置に組み込まれたすべての板ばねは、2つのほぼ平行な切断部を利用することなどによって、同じ方法で形成することができる。他の例では、切断部は非平行であり得る。さらに他の例では、異なる板ばねの組み合わせを実施することができる。例えば、リング本体は、リング本体の近位端を貫通して形成された切断部を有する2つの近位に位置する板ばねと、リング本体の遠位端と近位端との間に形成された2つの板ばねとを有することができる。
【0309】
例では、板ばねを形成するための切断部は、リング本体の近位縁部を通して作られてもよく、又はリング本体の近位縁部の近くであるが遠位に作られてもよい。
【0310】
さらに他の例では、3つ、2つ、又は1つなどの4つ未満の板ばね、又は5つ、6つ、又は7つなどの4つを超える板ばねを実施することができる。さらに、切断部間の間隔は、板ばねの幅又はサイズを変更するように変化することができ、板ばねによって生成されるばねの力又は付勢力を変更することができる。
【0311】
板ばねを形成するための近位端を通る切断部は、2つの隣接する板ばねの間に近位区画を形成するという利点を有することができる。近位区画は、バルブを固定するために固定装置をカテーテルハブ内に摺動させるときに偏向又は屈曲することができる。近位区画が偏向又は屈曲する能力は、固定装置を設置するための挿入の力を減少させることができる。上記又は他の実施形態と同様に、板ばねとリング本体の近位端との間にスリットの代わりに切欠きがあってもよい。これにより、板ばねとリング本体の近位端部との両方の可撓性を高めることができる。
【0312】
固定装置及びバルブオープナーのノーズ区画は、バルブオープナー近位位置において互いに離間することができる。2つの間の空隙又は間隔は、固定装置に接触又はぶつかる前に、バルブフラップを偏向させるなどのために、バルブオープナーが遠位方向に移動してバルブを開くための隙間を提供することができる。図示の状態では、バルブアクチュエータのノーズ区画の作動端は、固定装置によって形成されたボア内に配置することができるが、固定装置から離間するか、又は固定装置に接触しないことができる。
【0313】
作動端及びノーズ区画は、複数の板ばねによって形成されたシリンダから離間することができる。この空間又は空隙は、板ばねに当たる前など、固定装置に衝突又は接触する前に、バルブ作動要素が遠位方向に前方に移動することを可能にすることができる。作動端は、使用準備済位置においてバルブの近位側表面に接触することができる。他の例では、作動端は、バルブの近位側表面からわずかに離間することができる。
【0314】
例で、バルブオープナーは、雄ルアー先端によって前進すると遠位に移動するように構成される。バルブオープナーが遠位方向に移動する量又は距離は、作動端及びノーズ区画がバルブフラップを遠位方向に偏向させてスリットを開き、次いで雄ルアー先端とカテーテルチューブとの間の流体連通を開くことを可能にするのに十分であるべきである。図示の例では、バルブオープナーの作動端は、バルブフラップの遠位に移動し、バルブフラップは、カテーテルハブの内部とノーズ区画のテーパ面との間で圧縮することができ、又はバルブフラップは、圧縮の有無にかかわらず、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位に偏向又は変形することができる。図示のように、作動端は、バルブフラップの端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前であるが、両方向の自由な流れのために十分にバルブを開く距離だけ移動する。
【0315】
例では、ノーズ区画のテーパ面は、複数の板ばねを半径方向外側に偏向又は付勢して、板ばねに蓄積エネルギーを提供する。湾曲リップは、付勢部材のように作用することができる。したがって、板ばねの解放時に、板ばねは、バルブオープナーのノーズ区画に一対の分力又は力ベクトルを付与し、これは、近位方向にカテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に作用する力を含むことができる。
【0316】
雄ルアー先端に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄ルアー先端を引き抜くと、雄ルアー先端によって2つのプランジャ要素の近位縁部に作用する遠位方向の力が除去又は停止され、雌ルアーは、外部物体によって占有されない。これにより、バルブオープナーは、その近位位置に戻ることが可能となり、雄ルアー先端によって退かされる。例では、バルブの弾性により、バルブフラップは、その蓄積エネルギーを放出することによって、より弛緩した状態に跳ね返る(反動する)ことが可能になる。バルブフラップのこの反発作用及びバルブオープナーのノーズ区画の形状は、バルブフラップがノーズ区画に力ベクトルを与えて、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に移動させることを可能にし得る。さらに、ノーズ区画に作用する1つ又は複数の板ばねはまた、近位方向の力を加えて、バルブオープナーをその近位位置に戻すのをさらに助けることができる。
【0317】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、バルブオープナーは、雄型ルアー先端が取り外されてスリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にするときに、近位位置に戻ることができるので、バルブは複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの移動と、バルブフラップが閉じることを可能にするためのバルブから離れる移動とを含むことができる。
【0318】
本発明のさらなる態様は、近位方向を向くサイドポートを有するカテーテルハブのハブ本体を備え、ハブ本体の長手方向軸に対して鋭角に形成された細長い本体を有するカテーテル組立体である。サイドポートは、カテーテルハブのハブ本体と一体的に形成することができる。サイドポートを有するカテーテルハブは、以下でさらに説明するように、一体型カテーテルと呼ばれるか、又は一体型カテーテルと呼ばれることがある。
【0319】
サイドポートを有する一体型カテーテルは、本明細書の他の箇所に記載されている他のカテーテルハブと同様の構成要素をカテーテルハブの内側に配置することができる。例えば、一体型カテーテル組立体のカテーテルハブは、カテーテルハブの内側に配置されたバルブ、バルブオープナー、固定装置、及び針ガードを有することができる。任意選択的に、固定装置は、バルブと一体的に形成することができる。任意選択的に、針ガードは、カテーテルハブ及び針ハブとは別個の第3のハブ内など、カテーテルハブの外側に配置することができる。
【0320】
サイドポートは、入口開口部を有するボアを有することができる。サイドポートのボアは、カテーテルハブの内部空洞及びカテーテルチューブの内腔と流体連通することができる。例では、サイドポートのボアは、バルブ及びカテーテル内腔の遠位の内部チャンバ又は内部空洞と流体連通することができる。
【0321】
静脈穿刺が成功した後に、カテーテルハブから針及び針ハブを除去した後、バルブの1つ又は複数のフラップは閉じることができ、内部空洞をバルブの遠位の遠位チャンバ及びバルブの近位の近位チャンバに隔離する。サイドポートは、バルブによって内部空洞の近位チャンバから隔離することができる。しかし、針がカテーテルチューブ内に配置され、針がバルブフラップの1つ又は複数を偏向させると、近位チャンバと流体連通することができる。
【0322】
チューブは、サイドポートに接続することができ、流体コネクタは、チューブの反対側の端部に接続することができる。
【0323】
ベントプラグは、本明細書に記載の他のベントプラグと同様に、針ハブの近位開口部に接続することができる。任意選択のパドルグリップを針ハブに組み込むことができ、針ハブはカテーテルハブと共に使用可能である。組み込まれる場合、パドルグリップは、静脈内への針の挿入中に穿刺個所により近いグリップを提供することができる。一般に、穿刺個所に近いほど正確に穿刺することができる。組み込まれる場合、パドルグリップは、針ハブと一体的に形成することができる。
【0324】
パドルグリップは、針ハブの側面まで延在するほぼ平坦な構造を具現化することができ、遠位方向に延在する長さを有することができる。パドルグリップは、丸みを帯びた外縁を有するこぶ状又は湾曲状の外側輪郭を有することができ、又は他の形状を有することができる。把持を容易にするために、表面凹凸又は把持機構をパドルグリップに組み込むことができる。
【0325】
パドルグリップは、針の長手方向軸の周りで針ハブを回転させることによって、左利きのユーザ又は右利きのユーザのために調整可能であり得る。いくつかの例では、パドルグリップは、クリップリングで形成することができ、クリップリングは、針ハブ上に摺動することができる。クリップリングは、パドルグリップの位置が施術者の所望に応じて変更できるように、針ハブの周りで調整可能又は回転可能であり得る。例示的な調整可能なパドルグリップは、米国特許出願公開第2017/0173304(A1)号明細書に開示されており、その内容は参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0326】
バルブ及びバルブオープナーは、一体型カテーテルのカテーテルハブの内側に配置することができる。バルブは、図13に示すバルブを具現化することができ、遠位肩部と近位肩部との間に保持することができる。バルブは、2つ以上のスリット及び2つ以上のフラップ、例えば3つのスリット及び3つのフラップ又は4つのスリット及び4つのフラップを有することができる。バルブは、一定の厚さ又は様々な厚さを有するバルブディスクを有することができる。
【0327】
バルブオープナーは、バルブの近位に配置することができ、バルブディスクの1つ又は複数のスリットを開いて2つ以上のフラップを偏向させるためにバルブに押し込むための作動端を有するノーズ区画を含むことができる。バルブオープナーは、少なくとも1つのプランジャ要素を含むことができ、2つの離間したプランジャ要素がより好ましく、流体の流れのためにそれらの間に1つ又は複数の空隙を有することができる。
【0328】
安定化要素は、2つのプランジャ要素に接続又は取り付けることができる。2つの安定化要素は、プランジャ要素の対向する側縁部で2つのプランジャ要素に接続することができる。2つの安定化要素及び2つのプランジャ要素は、前述のように、針によって付勢されたときに2つのエルボーにおける針ガードの寸法と比較して小さい内側開口部を形成することができる。したがって、針が針ガードの2つのアームを離して付勢するとき、針ガードは、サイズの差に起因して、2つの安定化要素の近位に移動することが防止される。
【0329】
例では、針ガードのエルボーは、2つの安定化要素の遠位に、カテーテルハブ内の内側肩部の遠位に配置される。したがって、前述したように、2つの安定化要素に加えて、針ガードは、使用準備済位置において、及び針先端が2つのアームの2つの遠位壁の近位に移動するまで針の後退中に、近位肩部によってカテーテルハブの内側に保持することができる。
【0330】
チューブ又はチューブの長さは、チューブの第1の端部のサイドポート及びチューブの第2の端部の流体コネクタに取り付けることができる。流体コネクタは、プラグ隔壁又は無針バルブなどの多数の異なる装置を具現化することができる。例では、流体コネクタは、内部に配置された可動ピストンを有するハウジングを備える無針バルブである。ハウジングは、シリンジ先端などの雄ルアー先端を受け入れるための雌ルアーを有する入口開口部を有することができる。シリンジは、ピストンを圧縮することによって針なしで流体コネクタを開くために使用することができる。
【0331】
流体コネクタの入口開口部に挿入されると、シリンジの雄ルアー先端は、ピストンを圧縮して、ハウジングの入口と出口との間の流体経路を開くことができる。ハウジングの出口は、チューブに接続されている。したがって、雄ルアー先端を介してシリンジから分配された薬剤、サプリメント又は薬剤などの流体は、無針バルブ又は流体コネクタを通ってハウジングの出口からチューブ内に流れ、次いでサイドポートを通って流れ、次いでカテーテルハブの遠位チャンバに入り、次いでカテーテルチューブの内腔に入り、患者の体内に入ることができる。
【0332】
使用では、一体型カテーテル組立体のサイドポートを有するカテーテル組立体は、組み込まれている場合には、パドルグリップを使用して把持され、次いで、針先端及びカテーテルチューブの先端部により静脈内に挿入され得る。パドルグリップがない場合、施術者は針ハブ、場合によってはカテーテルハブを一緒に把持することができる。一次血液フラッシュバックは、血液が針を通って針ハブに流入するときに見ることができる。一次フラッシュバックが確認された状態で、施術者は、次いで針を近位方向に引っ張り、針とカテーテルチューブとの間で血液を流して二次的な血液フラッシュバックをチェックすることができる。
【0333】
二次的な血液フラッシュバックが確認された場合、ユーザは、血管へのアクセスのためにカテーテルチューブを静脈内にさらに押し込むことによって、カテーテル組立体を静脈内にさらに挿入することができる。次いで、針及び針ハブをカテーテルチューブ及びカテーテルハブから完全に取り外すことができる。針を後退させると、針先端は、針ガードの2つの遠位壁の近位に移動し、これにより、針ガードの2つのアームが一緒に移動し、安定化要素から解放することが可能になる。外形の変化部が針ガードの近位壁における開口部と係合すると、さらなる針の後退は、針ガードをカテーテルハブから取り外す。針がカテーテルハブから真っ直ぐに引き抜かれる場合、外形の変化部は、針ガードの近位壁における開口部と係合しない可能性がある。
【0334】
一体型カテーテルから針を取り外した後、バルブの複数のバルブフラップは、それらの弛緩状態に反跳又は戻り、スリットを閉じ、バルブを通る近位方向及び遠位方向の流れを制限することができる。例では、バルブアクチュエータ又はオープナのノーズ区画の作動端は、バルブオープナー近位位置においてバルブの近位にあり、バルブの近位に面する表面から離間し、組み込まれている場合には固定装置から離間することができる。
【0335】
ノーズ区画のテーパ面はまた、組み込まれる場合、固定装置から離間される。ノーズ区画と固定装置との間のこの間隔又は空隙は、組み込まれている場合、固定装置に衝突又は接触する前に、雄ルアー先端によって押されたときに、バルブ作動要素が遠位方向に前方に移動することを可能にする。この配置は、バルブオープナーがバルブを開くために遠位方向に変位する余地を提供する。例では、本明細書の他の箇所で説明するように、雄ルアー先端がルアーフィットでカテーテルハブの雌ルアーに当接すると、バルブオープナーの遠位前進を停止することができる。ノーズ区画の作動端は、使用準備済位置においてバルブの近位側表面から離間することができ、針先端は、カテーテルチューブの遠位開口部の遠位に延び、バルブオープナーの近位位置にある。他の例では、作動端は、雄ルアー先端によって遠位方向に前進する前に、バルブの近位側表面に接触することができる。
【0336】
例では、IV投与セットのIV点滴ラインは、カテーテルハブの近位開口部を介して一体型カテーテルのカテーテルハブに接続することができる。IV投与セットによって占有されたカテーテルハブでは、チューブ及びサイドポートを介してカテーテルハブに接続された流体コネクタを使用して、シリンジなどを介して患者に薬剤を注入することができる。あるいは、IV投与セットのIV点滴ラインを流体コネクタに接続することができ、カテーテルハブの近位開口部を使用して、シリンジなどを介して薬剤を注入することができる。
【0337】
本発明のさらなる態様によるバルブオープナーは、いくつかの傾斜したセグメントで形成されたテーパを有する移行区画を含むことができる。他の例では、移行区画は、近位方向にノーズ区画から増加する滑らかな曲線又は単一の傾斜テーパを具現化することができる。移行区画の遠位のバルブオープナーのノーズ区画は、ほぼ円錐台形の形状とすることができ、流体の流れのための貫通開口部を有する。ノーズ区画のテーパ面は、バルブのバルブフラップが、雄型ルアー先端の除去後にバルブオープナーをその近位位置に戻すために、近位方向の力を含むことができる一対の分力を付与することを可能にすることができる。
【0338】
例では、2つの安定化要素がバルブオープナーに組み込まれる。各安定化要素は、2つのプランジャ要素に接続することができる。図33の安定化要素と比較して、代替的なバルブオープナーの安定化要素の少なくとも一方は、安定化要素を形成するブリッジの長さに沿って幅が変化し得る、遠位縁部と近位縁部との間に形成された幅を、有することができる。例えば、安定化要素は、第1の端部と第2の端部との間、又は2つのプランジャ要素に取り付けられた2つの端部の間の幅を有することができ、幅は、2つの端部の近くでは狭く、長さの中央付近では広くすることができる。
【0339】
安定化要素のより広い部分は、安定化要素の長さの25%~75%の範囲であり得る。しかし、図33のバルブオープナーのように、一方又は両方の安定化要素は、図33の安定化要素を形成するブリッジと同様に、その全長に沿って同じ幅を有することができる。例では、より広い部分は、安定化要素の2つの端部の間の中央に配置することができる。いくつかの例では、一方又は両方の安定化要素の近位縁部に切欠き又は凹部を組み込むことができる。
【0340】
例では、安定化要素のより広い部分の遠位縁部は、テーパ状縁部を有することができる。テーパ状縁部のテーパは、安定化要素の外面又はその近傍から始まり、安定化要素の内面に向かって傾斜しているべきである。言い換えれば、テーパ状縁部の先端は、安定化要素の内面よりも安定化要素の外面に近くにあるべきである。テーパ状縁部を有する構成は、針ガードを外すのを容易にすることができる。2つの安定化要素が組み込まれる場合、2つの安定化要素の両方の遠位縁部は、テーパ状縁部を組み込むことができる。
【0341】
いくつかの例では、バルブオープナーの2つの安定化要素の各々は、その長さに沿って同じ幅を有することができ、一定の幅を有する両方の安定化要素は、テーパを有する遠位縁部を有することができる。例えば、2つの安定化要素の遠位縁部は、テーパ状縁部を有することができる。いくつかの例では、バルブオープナーは、2つの安定化要素を有することができ、1つはその長さに沿って同じ幅を有し、1つはその長さに沿って中央の位置に広い部分を有する。安定化要素の一方又は他方、又は両方は、テーパを有する遠位縁部を有することができる。他の例では、2つの異なる安定化要素の一方又は両方の遠位縁部は、典型的な正方形又は真っ直ぐな上下の縁部を有することができ、これは針ガードの解放も可能にすることができる。
【0342】
2つのプランジャ要素は、安定化要素の近位縁部の近位に延びる部分を有することができる。いくつかの例では、2つのプランジャ要素の近位縁部及び安定化要素の近位縁部、又は両方の安定化要素の近位縁部は、ほぼ同じ垂直面に沿って終端することができる。近位縁部がほぼ同じ平面に沿って終端する実施形態では、安定化要素の遠位縁部は、安定化要素の幅を増加させることなどによって、遠位方向に延びることができる。遠位縁部の位置の変化を利用して、針ガードと安定化要素との間の相互作用を制御することができる。
【0343】
本発明のさらなる態様による針ガードは、針を収容し、針と共に形成された外形の変化部と係合するための開口部を形成する周縁を有する近位壁を備える。2つのアームは、近位壁の遠位に延びることができる。各アームは、遠位壁と、遠位壁とアームの細長いアーム部分との間に位置するエルボーとを有することができる。
【0344】
リブ又はタブを針ガードの様々な部分に組み込んで、追加の剛性又は堅さを提供することができる。タブ又はリブは、近位壁の縁部、2つの細長いアーム部分の各々、及び遠位壁に設けることができる。好ましい実施形態では、各遠位壁には、針が2つのアームの間に位置するときに湾曲リップが針の側面に当接するように湾曲リップが設けられている。湾曲リップは、針が遠位壁の縁部に当接しないように針ガードと共に組み込むことができ、それは、針をこすることを可能にするが、湾曲リップの代わりに平坦な外面を有することもできる。いくつかの例では、タブ又はリブは、第1のアーム又はより長いアームの湾曲リップなどの遠位壁から省略することができる。
【0345】
針ガードの2つのアームは、後退位置又は針露出位置、及び針ガード位置又は保護位置の両方で示される側面図に沿って互いに交差する。他の例では、2つのアームは、針シャフトのそれぞれの側面において近位壁の遠位に延在することができるが、針軸と交差しない。
【0346】
針がもはや針ガードの2つのアームを付勢せず、2つのアームが互いに接近することが可能になると、2つのアームが針によって付勢されたときの2つのエルボーにおける寸法と比較して、2つのエルボー間で測定される寸法が減少する。針は、外形の変化部が近位壁における開口部を形成する周縁部に当接するまで近位方向に後退することができる。近位壁の周囲は、外形の変化の最大断面寸法よりも小さい寸法を有することができる。これは、針が近位方向に移動することを可能にし、針ガードを針と共に取り外すために周囲と係合する。
【0347】
針ガードの2つのアームは、2つの異なる長さを有することができる。したがって、保護位置では、針の軸を見下ろしたときに2つの遠位壁が重なり合うことができる。例では、遠位壁と第1のアームの細長いアーム部分との間の角度は、遠位壁と第2のアームの細長いアーム部分との間の角度よりも大きくすることができる。
【0348】
例では、2つのアームの各細長いアーム部分は、ほぼ直線状又は直線状であってもよく、針によって付勢されると、場合によってはそれぞれのエルボーまでわずかに屈曲する、又は撓む。次いで、それぞれのエルボー及びそれぞれの遠位壁を形成するために単一の半径屈曲部が設けられる。それぞれの湾曲リップを形成するために、別の単一半径屈曲部を設けることができる。エルボーでは、単一の半径屈曲部は、単純な曲線又は複雑な曲線を有することができる。しかし、図4及び図5の針ガードは、アームの細長いアーム部分と各アームの遠位壁との間に少なくとも2つの屈曲部及び2つの方向の変化部を有するが、それらと異なり、本針ガードは、細長いアーム部分と各アームの遠位壁との間に単一の屈曲部及び単一の方向の変化部を有することができる。
【0349】
単一の屈曲部及び方向の単一の変化部は、細長いアーム部分とエルボーとの間に滑らか又は平坦な外形を生じる。アームにおける平坦な外形は、吊るされたり詰まったりするなど、バルブオープナーの安定化要素の縁部との干渉が最小化又は低減されるように配置されるべきである。したがって、エルボーを形成するための細長いアーム部分と第1の屈曲部との間の移行が、取り外している間に針が配向される典型的な角度範囲に対して、粘着又は結合を引き起こす可能性がある潜在的な引っ掛かり点を排除するために、略平坦又は滑らかであるという条件であれば、エルボーを形成する第1の屈曲部の下流の各アームに、追加の屈曲又は方向の変化があり得る。一般に、使用時には、針は、同じ軸に沿ってカテーテルハブから真っ直ぐに引き出される。極端な場合、針は、針がカテーテルハブの上部近位開口部に接触するまで、ある角度で引き抜くことができる。針が単にカテーテルハブの近位開口部に接触するよりも高い角度で引き抜かれる場合、これは乱用的使用であり、針の屈曲をもたらす可能性がある。
【0350】
針ガードのアームは、細長いアーム部分とエルボーとの間に滑らか又は平坦な外形を有することができ、単一の屈曲部又は方向の変化部のみを有する。図示のように、第1のアーム及び第2のアームの各細長いアーム区画は、異なるアームの幅を有する区画を有することができる。各アームはまた、フックに似たリップを有する切欠きを含むことができる。2つのアームの切欠きは、針先端が露出した使用準備済位置から針先端が保護された保護位置に針が移行するときに、2つのアームが針を跨いで横方向の安定性を提供することを可能にする。
【0351】
本明細書に記載の針ガードはそれぞれ、打ち抜きステンレス鋼シートなどの打ち抜き金属シートから、打ち抜き及び曲げ方法を使用して図示の形状の針ガードを形成することができる。
【0352】
静脈穿刺の成功後に針先端が針ガードの2つの遠位壁の近位に後退すると、2つのアームの針による付勢が除去され、したがって2つのアームが互いに接近するか又は互いに接触することが可能になる。これにより、2つのエルボーで測定される寸法が減少し、したがってこれにより、針ガードが2つの安定化要素及び2つのプランジャ要素によって形成される開口部を通って近位に移動することが可能になる。しかし、開口部を通って針及び針ガードを後退させる間、施術者は、近位後退中に針を不注意に傾けることがある。これが起こると、針ガードは、後退中に一方又は両方の安定化要素の遠位縁部に接触し、それによって針ガードと安定化要素との間の接触を捉え、場合によっては引っ掛かることがある。これは、次に、開口部を通る針ガードを取り外すのを妨げる。
【0353】
針ガードのアームが、細長いアーム部分とエルボーとの間の移行で2つ以上の屈曲部又は方向の変化部を有する場合、方向の複数の変化は、針の除去間に開口部を通って針ガードを引き込む間に、1つの安定化要素の遠位縁部を捉えることができることが知られている。これにより、ユーザは、針ガードが引っ掛かって後退を妨げることを回避するために、カテーテルハブの長手方向軸に対する針の角度を、針の後退中に最大角度A未満の値に再配置する必要がある。対照的に、針ガードが1つ又は2つの安定化要素を有するバルブオープナーと共に使用される場合、細長いアーム部分とエルボーとの間の単一の屈曲部又は方向の変化部は、針の後退中に一方又は両方の安定化要素の遠位縁部に容易に引っかからない滑らか又は平坦な外形を生じる。
【0354】
したがって、開口部を通る後退は、単一の屈曲部又は方向の変化部を有するアームを有する針ガードを利用して、遠位縁部に容易に引っかからない滑らか又は平坦な外形を生成することによって容易にすることができる。したがって、ユーザは、引っかかって後退を妨げることを回避するために、後退中にカテーテルハブの長手方向軸に対する針の角度を最大角度Bに位置決めすることができる。これは、論考の目的で、図47及び図48に視覚的に示されている。同様のサイズの構成要素を有するが異なる針ガードを有する2つの同様のサイズのカテーテル組立体の場合、一方は1つの屈曲部又は方向の変化を有し、他方は2つ以上の屈曲又は方向の変化部を有するため、角度Bは角度Aよりも大きい。
【0355】
近位方向への後退中に針ガードが当接又は接触する安定化要素がテーパ状縁部を組み込む場合、針ガードの細長いアーム部分を有するエルボー間の移行がテーパ状遠位縁部を捉える可能性が低減される。したがって、針ガードがエルボーに2つ以上の屈曲部を有し、カテーテル組立体がテーパ状縁部を有する安定化要素を有する場合でも、同じサイズのカテーテル組立体を保持するユーザは、角度Aよりも高いより大きい角度A’で針を保持することができる。同様に、針ガードが遠位縁部に容易に引っかからない滑らか又は平坦な外形を生成するために1つの屈曲部又は方向の1つの変化部のみを有する場合、同じサイズのカテーテル組立体を保持するユーザは、角度Aよりも高いより大きい角度B’で針を保持することができる。一般的に言えば、単一の屈曲部又は方向の変化部を有する針ガードと、テーパ状縁部を有する安定化要素を有するバルブオープナーとに関する角度B’は、2つ以上の屈曲部又は方向の変化部を有する針ガードと、テーパ状縁部を有する安定化要素を有するバルブオープナーとに関する角度A’よりも大きい。
【0356】
本発明の態様は、下記を備えたカテーテル組立体を含むことがさらに理解され、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブは、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、カテーテルハブの内部空洞に配置された、少なくとも1つのスリット、近位側表面、及び遠位側表面を含むバルブ本体を有するバルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、ボアを有するノーズ区画、及び、流体の流れが通って又はそれを横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、雄ルアーによって押されたときに、内部空洞の内側の近位位置と遠位位置との間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、使用準備済位置で針の側面に配置され、不注意な針刺しから針先端を覆うために保護位置で針先端の遠位の位置に移行可能な保護面を有する針ガードと、を備え、前記針ガードは、細長いアーム部分と遠位壁との間にエルボーを備えたアームを有し、エルボーは、針の動きを捕らえたり、妨害したり、及び/又は停止したりすることなく、針ガードの後退中にバルブアクチュエータの安定化要素に接触できる位置で一方向の変化部を有する。
【0357】
固定装置は、カテーテルハブの内部空洞の内側にバルブを保持するために、バルブ本体の近位側表面でバルブと接触又は一体化することができ、前記固定装置は、ボアを形成する内面を有し流体経路、遠位端、及び近位端を含むリテーナ本体を備えることができる。
【0358】
カテーテルハブは、チューブの第1の端部でチューブに取り付けられたサイドポートを有することができる。流体コネクタは、チューブの第2の端部へのコネクタにすることができる。流体コネクタは、無針コネクタを備えることができる。カテーテル組立体は、一体型カテーテル組立体と呼ぶことができる。
【0359】
バルブオープナー又はアクチュエータの安定化要素は、遠位縁部を有することができる。遠位縁部は、テーパ状縁部を有することができる。テーパ状縁部のテーパは、安定化要素の外面又はその近傍から始まり、安定化要素の内面に向かって傾斜しているべきである。言い換えれば、テーパ状縁部の先端は、安定化要素の内面よりも安定化要素の外面に近くにあるべきである。
【0360】
針ガードは、細長いアーム部分とアームの遠位壁との間の方向の単一の変化部を有するアームを有することができ、細長いアーム部分と遠位壁との間のエルボーに、バルブアクチュエータの安定化要素の遠位縁部に容易に引っ掛からない滑らか又は平坦な外形を生成する。
【0361】
カテーテル組立体及びその構成要素を作製及び使用する方法は、本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0362】
本装置、システム、及び方法のこれら及び他の特徴及び利点は、本明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面を参照してよりよく理解されるにつれて理解されるであろう。
図1】本発明の態様によるカテーテル組立体又は針装置の概略的な斜視図である。
図2図1の組立体の部分的な断面斜視図である。
図3図1の針装置又はカテーテル組立体の分解図である。
図4図1の組立体の拡大させた部分的な断面側面図である。
図5】90度回転させた図4の組立体の断面の側面図である。
図6】静脈穿刺の成功後などで、針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、図1図5の組立体の断面の側面図である。
図7】バルブオープナーが遠位位置にありバルブを開いている状態の、図6の組立体の断面側面図である。
図8】静脈穿刺の成功後などで針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、カテーテル組立体又は針装置の実施形態の断面側面図である。
図9】バルブオープナーが遠位位置にあり、バルブを開いている状態の、図8の組立体の断面側面図である。
図10】静脈穿刺の成功後などで針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、カテーテル組立体又は針装置の別の実施形態の断面側面図である。
図11】バルブオープナーが遠位位置にあり、バルブを開いている状態の、図10の組立体の断面側面図である。
図12】本発明の態様による固定装置の断面側面図、正面図、及び正面斜視図を示す。
図13】本発明の態様によるバルブ及び固定装置の断面側面図、正面図、及び正面斜視図を示す。
図14】本発明の態様による別の固定装置の断面側面図、正面図、及び正面斜視図を示す。
図15】ばねの形態の固定装置の異なる図を示す。
図16】針及び針ハブが取り外され、図15の固定装置を有するカテーテル組立体又は針デバイスの別の実施形態の断面側面図である。
図17】バルブオープナーが遠位位置にありバルブを開いている状態の、図16の組立体の断面側面図である。
図18】静脈穿刺の成功後などで針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、カテーテル組立体又は針装置の別の実施形態の断面側面図である。
図19】バルブオープナーが遠位位置にありバルブを開いている状態の、図18の組立体の断面側面図である。
図20】静脈穿刺の成功後などで針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、カテーテル組立体又は針装置の別の実施形態の断面側面図である。
図21】バルブオープナーが遠位位置にありバルブを開いている状態の、図20の組立体の断面側面図である。
図22】本発明の態様による別の固定装置の断面側面図、正面図、及び正面斜視図を示す。
図23】静脈穿刺の成功後などで針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、カテーテル組立体又は針装置の別の実施形態の断面側面図である。
図24】バルブオープナーが遠位位置にありバルブを開いている状態の、図23の組立体の断面側面図である。
図25】アイレットを具体化可能な固定装置の斜視図である。
図26】本発明のさらなる態様による、アイレットを具体化可能な固定装置の斜視図である。
図27】静脈穿刺の成功後などで針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、カテーテル組立体又は針装置の別の実施形態の断面側面図である。
図28】バルブオープナーが遠位位置にありバルブを開いている状態の、図27の組立体の断面側面図である。
図29】静脈穿刺の成功後などで針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、カテーテル組立体又は針装置の別の実施形態の断面側面図である。
図30】バルブオープナーが遠位位置にありバルブを開いている状態の、図29の組立体の断面側面図である。
図31】静脈穿刺の成功後などで針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、カテーテル組立体又は針装置の別の実施形態の断面側面図である。
図32A】バルブオープナーが遠位位置にありバルブを開いている状態の、図31の組立体の断面側面図である。
図32B図32Aと同じ図で90度回転した図である。
図33】本発明の態様に従って提供されるバルブオープナーの斜視図である。
図34】バルブディスク及びスカート区画を備えるバルブの斜視図である。
図35】本発明のさらなる態様に従って提供されるバルブディスク及びスカート区画を備えるバルブの斜視図である。
図36】静脈穿刺の成功後などで針及び針ハブが取り外され、バルブオープナーがその近位位置にある状態の、カテーテル組立体又は針装置の別の実施形態の断面側面図である。
図37】バルブオープナーが遠位位置にありバルブを開いている状態の、図36の組立体の断面側面図である。
図38a】複数の板ばねを備える固定装置の斜視図である。
図38b】複数の板ばねを備える固定装置の正面図である。
図39】サイドポートを備えることができる、本発明のさらなる態様に従って提供される代替的なカテーテル組立体の断面図である。
図40】サイドポートを備えることができる、本発明のさらなる態様に従って提供される代替的なカテーテル組立体の断面図である。
図41】サイドポートを備えることができる、本発明のさらなる態様に従って提供される代替的なカテーテル組立体の断面図である。
図42】流体コネクタにさらに接続されたチューブに接続されたサイドポートを含む一体型カテーテル組立体の斜視図である。
図43】本発明のさらなる態様に従って提供されるバルブオープナー又はアクチュエータの斜視図である。
図44】テーパ状の遠位縁部を備える安定化要素の拡大断面図である。
図45A】針に取り付けられた針ガードを示し、針ガードは、単一の屈曲部又は単一の方向の変化部を有するアームを有する。
図45B】針に取り付けられた針ガードを示し、針ガードは、単一の屈曲部又は単一の方向の変化部を有するアームを有する。
図46A】あたかも針(明確にするために図示せず)がアームを開いて針ガードの特徴を示すかのように、開いた状態の針ガードの異なる斜視図を示す。
図46B】あたかも針(明確にするために図示せず)がアームを開いて針ガードの特徴を示すかのように、開いた状態の針ガードの異なる斜視図を示す。
図47】カテーテルハブからの針の引き抜き状態を示す。カテーテルチューブは、簡単にするために、カテーテルハブの遠位端から突出して示されていない。
図48図47の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0363】
本開示は、一般に、針装置に関し、より詳細には、改善されたバルブシステム及び関連する改善された方法を有するカテーテル組立体に関する。改良は、多数の個々の構成要素及び構成要素の組み合わせを含む。例では、改良は、標準直径サイズのカテーテルハブ内にバルブを固定する構造及び機能と、雄ルアーがカテーテルハブから切り離されたときに、バルブアクチュエータとも呼ばれるバルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すための近位方向の軸方向の力を提供することと、流体の流れを制限することができる単一本体カテーテルハブ内に1つ又は複数の構成要素を組み込むことと、流体の流れを可能にする作動を可能にすることと、針の損傷を防止することと、それらの組み合わせとを含む。単一本体カテーテルハブは、ハブの遠位端から延在するカテーテルチューブと、雄ルアー先端などの雄型医療器具を受け入れるための近位端の近位開口部とを有する一体型カテーテルハブとして理解される。
【0364】
図1は、針装置又は套管針カテーテル組立体とも呼ばれるカテーテル組立体100を示し、カテーテルチューブ104を有するカテーテルハブ102と、針108が取り付けられた針ハブ106と、カテーテルハブ102及びカテーテルチューブ104の内腔を通って突出する針とを有する。ベントプラグ112は、針ハブ106の近位端に配置され、より詳細には、針ハブ106の近位開口部に取り付けられる。針先端114の針斜面は、図1の使用準備済位置において、カテーテルチューブ104の遠位開口部又はカテーテルチューブ開口部116の遠位に突出する。針ハブ106は、雌ねじルアー又はルアースリップを有することができるカテーテルハブの近位開口部でカテーテルハブ102に結合される。カテーテルハブ102は、プッシュタブと、患者の静脈内へカテーテルチューブ104及び套管針108を押し込むためのリブなどの、1つ又は複数の表面特徴とを組み込むことができる。針ハブ106は、静脈を穿刺し、カテーテルチューブ104から針108を引き出すときに、より確実な把持のための表面特徴を同様に組み込むことができる。別段の指示がない限り、様々な構成要素は、従来の技術を使用して従来の材料から作製されてもよい。
【0365】
例では、一対のウイングをカテーテルハブ102の本体126に組み込むことがあり、各ウイングは、カテーテルハブの底部で反対方向にカテーテルハブの長手方向軸の横方向に延在することができる。一対のウイングは、静脈穿刺の成功後にカテーテルハブを患者に固定するために、例えば、接着テープ又は接着包帯で、施術者によって使用され得る。
【0366】
図2は、カテーテルハブ102の内部又は内部空洞123の内側に配置されたバルブ120及びバルブオープナー122を示すために、カテーテルハブ102が長手方向に沿って露出している図1の針組立体100の部分断面斜視図である。バルブ及びバルブオープナーは、以下でさらに説明するように、カテーテルハブを通る流体の流れを制御するために、例えばカテーテルハブを通る注入又は吸引を制御するために、組み込むことができる。また、内部空洞123の内側に位置する針ガード又は先端プロテクタ130が示されており、これは、静脈穿刺の成功後に針がカテーテルチューブ及びカテーテルハブから取り外されるときに針先端との不注意による接触を防止するための表面又は壁を有することができる。
【0367】
針ガード又は先端プロテクタ130は、針先端との不用意な接触を防止するための1つ又は複数の構成要素を有する構造を具現化することができる。例えば、針ガード130は、針シャフトの側面及び針先端の近位の位置から針先端の遠位の位置に移動して、針先端を不用意な接触から覆うか又は遮断する構造又は壁を有することができる。例では、針ガード130は、米国特許第10,166,370号に記載されている種類の1つであってよく、その内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。例示的な針ガードの態様は、以下でさらに説明される。
【0368】
カテーテルハブ102は、外面、及び内部空洞123を形成する内面を有する本体126を有する。1つ又は複数の肩部又はリップ176a、176b、176c(図4)を内部123に組み込むことができ、バルブオープナー122、バルブ120、及び/又は針ガード130を使用準備済位置に据え付けるために使用することができる。針ガード130は、カテーテルハブ102の近位開口部136内に突出する針ハブ106のノーズ区画132によってカテーテルハブ102の内部に配置することができる。図示のように、図2の針組立体又はカテーテル組立体100は、バルブ120、バルブオープナー122、及び使用準備済位置においてその中に配置された針ガード130を有する内部123を備えるカテーテルハブ102を備えることができる。例では、針ガード130は任意選択であり、省略することができる。さらに他の例では、針ガード130は、カテーテルハブの実質的に外側に配置することができる。例えば、針ガードの指部又は指部の一部は、カテーテルハブの内側に配置することができ、一方で針ガードの残りの構造は、カテーテルハブの外側に配置することができる。
【0369】
また、図2のカテーテルハブ102の内部123の内側に配置されて示されているのは、カテーテルハブ102の内側にバルブ120を固定又は保持するための装置又は構造124であり、概して固定装置、固定リング、又は要素124と呼ぶことがある。固定装置、リング又は要素124は、とりわけ、円形、楕円形、正方形、長方形、又は傾斜コイルばねなどの様々な可能な断面のリテーナ、保持リング、保持スカート、O-リングを具体化する構造を有することができる。固定装置124は、バルブ120とは別個に形成することができ、又はバルブと共に使用される、バルブと一体化される、又はバルブと一体的に形成されるなど、バルブの一部とすることができる。文脈上別段の指示がない限り、固定装置124という用語は、記載された構造及びそれらの均等物のいずれかを意味することができる。例では、固定装置124は、バルブ120、バルブオープナー122、及び針ガード130と一直線に配置される。特定の例では、固定装置124は、針108を受け入れるためのボア又は開口部を有し、バルブとカテーテルハブ102の内部の両方と接触して、内部123の内側のバルブ120の近位移動を制限し、バルブオープナー122を遠位位置から近位位置に戻すのを支援し、又は以下でさらに説明するように、両方の目的のために接触する。バルブオープナー又はバルブオープナー122の一部は、図1に示すように、カテーテル組立体の使用準備済位置と、以下でさらに説明するように、静脈穿刺の成功後などの使用位置の両方で、固定装置124のボア内に配置することができる。
【0370】
図示のように、針ガード130は、ばね特性又は弾性特性を有する金属体と、近位壁140と、近位壁140の遠位に延びる少なくとも1つのアーム又は2つのアーム(図示のように)とを備えることができる。外形142の変化は、針先端114の近位及び付近で針シャフトに形成することができ、針ガードの針から外れる遠位移動を制限するために、近位壁140における開口部を形成する周縁に係合することができ、しかし先端部114が針ガード130に入ることを可能にする。外形の変化部142は、近位壁140の開口部よりも大きい、クリンプ、材料の積み重ね、スリーブ、又は直径の任意の他の増加を含むことができる。
【0371】
図2は、バルブ120、バルブオープナー又はバルブアクチュエータ122、固定装置124、及び針ガード130が、カテーテルハブ102の内部123に収容されるようにサイズ及び形状が設定されるなどして構成されていることを示しており、これは、単一に形成された単一のハブ本体などの一体のハブ本体を有することができ、雌ルアーを有する近位開口部と、そこから延在するカテーテルチューブを有する遠位端とを有し、任意選択的に外部ねじ又はラグ(図示のように)を有する。他の例では、カテーテルハブ102は、多数の部分のハブ本体から作製することができる。例えば、カテーテルハブ102は、カテーテルハブ102の本体を形成するために、接着又は溶着などによって第2のハブ本体に取り付けられた第1のハブ本体を有することができる。
【0372】
図3は、図1のカテーテル組立体又は針装置100の分解斜視図であり、例示的なバルブ120、例示的なバルブオープナー122、及び例示的な固定装置124と共に示されている。また、図3には、カテーテルハブ102、カテーテルチューブ104、針108、針ガード130、針ハブ106、及びベントプラグ112も示されており、これらは、組み合わされるか又は組み立てられると、図1及び図2の針装置100を形成することができる。金属ブッシュ又は金具146も示されており、これは従来のものであり、カテーテルチューブ104の近位端をカテーテルハブ102の内部に固定するために使用することができる。他の例では、以下でさらに説明するように、バルブ120、バルブオープナー122、及び/又は固定装置124は、異なる特定の構造的特徴を有するなど、図示の実施形態から変更することができる。いくつかの例では、針ガードは、カテーテルハブの内部の外側、又はカテーテルハブの実質的に外側に配置することができ、指部又はタブのみがカテーテルハブの内側に部分的に延在する。
【0373】
例では、バルブアクチュエータ122は、アクチュエータ本体の遠位端にノーズ区画150を備える。ノーズ区画150は、細長い構造とすることができ、略円筒形とすることができ、又は以下でさらに説明するように、バルブのスリットを開くためにバルブ120に押し込むための作動端180(図7)で終端する抜き勾配又はテーパを有することができる。ノーズ区画150の作動端は、鈍い遠位端面を有することができ、又は鋭い縁部を有する。流路は、流体の流れのためにノーズ区画150を通って延びることができる。ノーズ区画150は、内腔又は流路を形成する連続した円周又は連続した周縁区画を有する壁面を有することができる。ノーズ区画の壁は、連続した壁を有する円筒などの空隙又はスリットなしであり得る。ノーズ区画150は、ボアを形成することができる。ボアは、一定のボア直径を有することができ、又はノーズ区画のテーパによって変化することができる。いくつかの例では、流れ又は流体の流出を可能にするために、複数の離間したスリット及び/又は開口部を、ノーズ区画の壁を通るなどして、ノーズ区画に設けることができる。
【0374】
2つの作動要素又はプランジャ要素152は、ノーズ区画150の近位に延びることができる。例えば、2つのプランジャ要素152は、ノーズ区画150と一体的に形成することができ、ノーズ区画から近位方向に延びることができる。保持空間を形成することができる空隙又は空間を、2つのプランジャ要素152の間に設けることができる。針ガード又は先端プロテクタ130は、保持空間内に、又は2つのプランジャ要素152の間に配置することができる。例では、2つのプランジャ要素152はそれぞれ少なくとも2つの長手方向縁部を含むことができ、縁部は互いに離間している。プランジャ要素152の長手方向縁部は、バルブオープナー122の長手方向軸と整列することができる。2つのプランジャ要素の間に空隙又は空間を設けて、流体がカテーテルハブを通過するときに流体がそこを通って又はそこを横切って流れるための流路として機能することができる。他の例では、流体の流れのためにバルブオープナーによって形成された2つ以上の空隙又は流路が存在することができる。さらに他の例では、2つのプランジャ要素は、バルブオープナーの近位端が2つのプランジャ要素の一部及び2つのブリッジによって形成された連続壁構造であるように、2つのブリッジによって互いに接続することができる。いくつかの例では、単一のプランジャ要素がバルブオープナーと共に使用される。
【0375】
例では、突起154は、一方又は両方のプランジャ要素152の外面から外側に延在する。図示のように、突起154が各プランジャ要素152の外面から延在する。各突起154は、カテーテルハブ102の内部に形成された肩部又はリップに当接するためのほぼ平坦な縁部を有するタブに似ている。突起154のタブ面及び突起の方向は、以下でさらに説明するように、バルブアクチュエータ122をカテーテルハブ102の内部123に挿入し、カテーテルハブ内に据え付けることを可能にする。突起154は、バルブオープナー又はアクチュエータ122の近位移動を制限するために、カテーテルハブ内の肩部176cに当接又は接触するようなサイズ及び形状にすることができる。
【0376】
例では、移行区画は、ノーズ区画150から延在し、バルブオープナーの本体が近位方向に軸方向に延在するにつれて広がる。2つの作動要素152は、移行区画から延在することができる。あるいは、2つの作動要素152は、移行区画なしでノーズ区画150から延在することができる。いくつかの実施形態は、直方体、長方形、円錐形、角錐形、面取り形状などの他の形状をノーズ区画150に利用することができる。
【0377】
例では、バルブアクチュエータ又はバルブオープナー122は、長手方向軸を有し、1つ又は複数の作動要素152は、長手方向軸に軸方向又は平行に延在する。特定の例では、2つの作動要素152は、長手方向軸に沿って互いに直径方向に対向している。他の例では、2つの作動要素は、それらが近位方向に延在するにつれて互いに分岐することができる。さらに他の例では、2つの作動要素は、近位方向に延在するにつれて互いに向かって収束することができる。2つのプランジャ要素間の間隔は、直線、収束、又は発散にかかわらず、それらの間の保持空間を形成することができる。図示のように、2つの作動要素152は、ノーズ区画150の直径よりも大きい寸法を有する外径を形成する。例えば、近位端の2つのアクチュエータ要素152によって形成される直径は、突起154を除くノーズ区画150の任意の区画によって形成される直径よりも大きい。いくつかの例では、2つのアクチュエータ要素152によって形成される直径は、ノーズ区画の作動端よりも大きいだけである。いくつかの例では、バルブアクチュエータのノーズ区画には、別個の輪郭線又は曲線を有するノーズ区画に凹部を形成することによって、別個の線などを有する成形された輪郭が設けられる。次に、下記にてさらに論じるように、輪郭形成されたノーズ区画の1つ又は複数の表面を使用して、バルブを押圧し、バルブを反発させて、輪郭形成されたノーズ区画を近位方向に押圧して、バルブアクチュエータを近位位置に戻すことができる。
【0378】
例では、作動要素152は可撓性であり、偏向可能であるため、シリンジ先端又は雄ルアーチップアダプタなどの雄ルアーチップによって押されると、アクチュエータ要素152は欠損又は屈曲することができる。作動要素152は、必要な弾性特性を有する材料を選択することによって偏向可能であり得る。他の例では、作動要素152は、1つ又は複数の弱化区画を組み込むことによって、例えば、構造的に薄い区画を組み込むことによって、切欠きを組み込むことによって、同じ細長い作動要素の他の区画と比較して小さい断面を使用することによって、又はそれらの組み合わせによって、偏向可能であり得る。あるいは、作動要素152は、必要な弾性特性を有する材料を選択することによって、及び1つ又は複数の弱化区画を組み込むことによって、可撓性及び偏向可能であり得る。
【0379】
さらに他の例では、各作動要素152は、長さ区画に沿って複数の異なる断面外形又は外形を有する。例えば、細長いプランジャ要素は、三日月形状の外形に隣接して配置された正方形の外形を有することができる。
【0380】
例では、作動要素152は剛性であり、雄ルアー先端によって押されるときなど、負荷されたときに偏向可能又は変形可能ではない。さらに、2つの作動要素152の剛性を高めるために、1つ又は複数の安定化要素158を組み込むことができる。以下でさらに説明するように、2つのアクチュエータ要素152はそれぞれ、雄型先端がバルブアクチュエータをバルブ内に押し込むことができるように、雄型先端のプッシュ端に重なる断面外形を少なくとも近位端に含むことができる。安定化要素158は、アクチュエータ要素152の近位縁部182(図4)の遠位に位置するか、又はアクチュエータ要素の近位縁部と同一平面にある近位縁部を有することができる。
【0381】
バルブアクチュエータ122のノーズ区画150は、IV滴下ライン又は投与セットの雄ルアーコネクタの挿入中などに、軸方向の力が雄型先端によってプランジャ要素又はアクチュエータ要素152に加えられてバルブアクチュエータ122をバルブ内に移動させてバルブフラップを偏向させるときに、バルブフラップ及びそれらの間に形成されたスリットを開くようにバルブ120に係合するように構成することができる。一般に、バルブオープナーのノーズ区画150は、より柔軟なバルブ120に対して剛性であり、これにより、ノーズ区画150、より具体的にはノーズ区画の作動端180(図7)が、バルブ120を作動させて、例えば、1つ又は複数のフラップを偏向させ、バルブ120における1つ又は複数のスリットを開くことを可能にする。ノーズ区画150は、バルブを押圧して開くために、金属材料、剛性プラスチック、又は硬質エラストマーなどの非圧縮性材料で作ることができる。
【0382】
図示のバルブアクチュエータ実施形態122は、ノーズ区画150と作動要素の近位端との間にある作動要素の長さに沿った位置で2つの作動要素152を接続する一対の対向するバンド又はスタビライザ158を含む。いくつかの例では、スタビライザ158は、スタビライザ158の近位縁部が作動要素152の近位端面とほぼ面一になるように、2つの作動要素152の近位端に配置することができる。2つのスタビライザ要素又はバンド158は、仰角方向において、第1又は上側スタビライザ要素及び第2又は下側スタビライザ要素と呼ぶことができる。
【0383】
一実施形態では、スタビライザ又はスタビライザ要素158は、円弧状の壁面を有し、カテーテルハブ102の内部外形にほぼ追従する円弧を形成し、一方の作動要素152を他方の作動要素152に接続する。スタビライザ又はスタビライザ要素158は、バルブアクチュエータの本体上に実質的に連続した円筒形部分を形成することができ、この本体は、2つのスタビライザ要素及び2つの作動要素によって形成され、バルブアクチュエータ122のノーズ区画150から離間している。言い換えれば、バルブアクチュエータ122は、細長くすることができ、半径方向に沿って連続する区画と、半径方向に沿って連続しないアクチュエータの壁を通る逃がし通路又は貫通路を有する区画とを有することができる。
【0384】
例では、スタビライザ158は、同じく周囲又は半径方向に沿って連続しているノーズ区画150の連続的な本体区画から離間している、バルブアクチュエータの周囲又は半径方向に沿った連続的な本体区画を形成する。バンドとも呼ばれる2つのスタビライザ又はスタビライザ要素158は、2つのプランジャ要素152と一緒に接合されてリング構造を形成することができる。任意選択的に、2つのスタビライザ158は、バルブアクチュエータ122の長さに沿って、軸方向に互いにわずかにオフセットされ、角度が付けられてもよい。いくつかの実施形態では、1つ、3つ、又は異なる数の作動要素152又はスタビライザ158が存在してもよい。例えば、作動要素152は2つであるが、スタビライザ又はバンド158は1つだけであってもよい。例では、スタビライザ又はスタビライザ要素158及び突起154を有するバルブアクチュエータ122は、プラスチック射出成形などによってプラスチックから作製される。
【0385】
スタビライザ158は、バルブのスリットを開くために雄ルアー先端によって押されるときなど、アクチュエータ122が移動する間、バルブアクチュエータ122がカテーテルハブ102内の中心に留まるのを助けることができる。中心に留まることによって、ノーズ区画150は、バルブディスクにおけるスリットなど、バルブのバルブディスク121とより良好に位置合わせすることができ、バルブ120の円滑な作動を可能にする。スタビライザ158はまた、雄ルアー先端の除去後にアクチュエータ122が近位方向に摺動するのを防止するために、摩擦を介してカテーテルハブ102の内部との係合を提供することができる。しかし、上述したように、突起154は、カテーテルハブ102の内側の内側肩部又はリップ176cと協働して、バルブアクチュエータ122をカテーテルハブの内側に保持するために、バルブアクチュエータ122と組み込むことができる。
【0386】
一実施形態では、ノーズ区画150は、バルブの作動後及び雄ルアー先端の取り外し後に、バルブ120のバルブディスク121に係合したままであるように構成される。例えば、ノーズ区画150は、バルブディスクにおける1つ又は複数のスリットの間に割り込むことができ、そこで摩擦によって保持することができる。作動後及び雄ルアー先端の除去後にアクチュエータ122とバルブ120との間の係合を維持するために、ノーズ区画150などのバルブアクチュエータ122に、凹凸、溝、又は返しなどの表面特徴を設けることができる。好ましくは、バルブアクチュエータ122は、雄ルアー先端の除去後にバルブ120と係合しない。好ましくは、バルブアクチュエータは、バルブに押し付けられた遠位位置から、バルブから離間した、又はバルブに最小限にのみ接触するが、バルブフラップがスリットを戻す、又は閉じることを可能にする近位位置に移動することができる。バルブオープナーが雄ルアー先端の除去後に近位位置に戻ると、バルブは閉じてバルブを横切る流体の流れを防止又は制限することができる。バルブは、シリンジ先端又は投与セットの先端などの雄型医療機器でバルブオープナー122を遠位方向に変位させることによって再び開くことができる。
【0387】
バルブアクチュエータ122の移行区画とバルブアクチュエータの近位端との間には、少なくとも1つの逃がし通路、開口部、又は貫通路160が設けられる。移行区画は、作動遠位端の近位の区画、又はノーズ区画から2つのスタビライザまでの区画として理解することができる。例では、バルブアクチュエータ122の内部又は中央部分とカテーテルハブ102の内面とが開放連通することができるように、隙間を提供するために2つの逃がし通路又は貫通路160が組み込まれる。言い換えれば、ノーズ区画の連続区画と、2つのスタビライザ158及びプランジャ要素152によって形成される連続した周縁区画との間には、安定化リング162と呼ばれ、フラッシングのような流体の流れのための1つ又は2つの逃がし通路、貫通路、又は開口部160がある。貫通開口部又は逃がし通路は、以下でさらに説明するように、針ガードを保持するために利用することもできる。
【0388】
バルブアクチュエータ122の安定化リング162は、使用準備済位置において2つのアームが針シャフトの側面によって外側に付勢されるときに針ガード130の2つのアームの対角区画又はエルボーによって形成される直径よりも小さい内径を有することができる。したがって、針ガード130をバルブアクチュエータの保持空間に設置する間、針ガード130の対角区画又はエルボーは、偏向して安定化リング158を通過し、逃がし通路又は貫通開口部160によって形成された開口領域に入ることができる。
【0389】
先端プロテクタ130が2つのプランジャ要素152の間に配置されると、針ガード130の2つの遠位壁、より具体的には針ガードの2つの対角区画又はエルボーは、上述したように逃がし通路160内に配置されて、カテーテルハブの内面のガード係合面に係合することができる。これにより、針ガード130は、2つの逃がし通路160を通ってバルブアクチュエータ122の保持空間から突出し、カテーテルハブのガード係合面と係合することができる。したがって、針ガードは、使用準備済位置において、かつ静脈穿刺の成功後の針の後退中に、針の先端が針ガードにおける2つの遠位壁の近位に移動するまでカテーテルハブの内部に保持することができ、その時点で、針ガードは、套管針先端を閉じることができ、針ガード130の遠位端は、安定化リング162でバルブオープナーの内径よりも直径が小さくなり、針と共に除去可能である。
【0390】
針ガードの2つの対角区画又はエルボーを収容するために、アンダーカット又は陥凹区画をカテーテルハブ102の内部空洞に設けることができる。したがって、針ガード130は、陥凹区画の肩部によって、又はカテーテルハブの内部のガード係合面などのカテーテルハブの内部の何らかの他の表面特徴によって、静脈穿刺の成功後に針を引き込んでいる間に、近位方向に摺動することを防止することができる。任意選択的又は代替的に、一方又は両方のスタビライザ158の遠位縁部は、針先端が針ガードの2つの遠位壁の近位に移動する前に、針の後退中に針ガード130が早期に作動するのを防止するための拘束面を設けることができる。遠位縁部に加えて、各スタビライザ158は、近位縁部を有することができる。針ガード130がスタビライザ158の一方又は両方の遠位縁部によって保持されると、カテーテルハブ102の内面は、針ガードのエルボーを収容するための係合機構又は複数の機構を省略することができる。例では、針ガード130は、2つのスタビライザ158の一方又は両方の遠位縁部と係合することができ、溝、リップ又は肩部などのカテーテルハブの内側に形成された係合特徴と係合することができる。
【0391】
いくつかの例では、一方又は両方のスタビライザ要素158は、スリット又はチャネルを有することができ、したがって、円弧状の安定化又はスタビライザ要素を2つのセグメントに分割する。一方又は両方のスタビライザ要素158にスリットがある場合でも、リングを通して形成された1つ又は複数のスロットを有するリングと同様に、非連続的なリングであり得る安定化リング162は、2つのエルボーと相互作用して、針先端が2つの遠位壁の近位に移動する前に、針の後退中に針ガード130が早期に作動するのを防止するための保持構造を依然として提供することができる。
【0392】
遠位縁部などのスタビライザ要素の保持面は、制限点、チョーク空隙、又はチョークポイントと呼ぶことができ、これは、これらが、針ガードが最初に半径方向に作動して潰れてその半径方向に外形を低減させ、その後チョークポイントの近位にスリップしない限り、又はそれまで、針ガードがその近位に移動するのを防止する剛性構造を提供するためである。例では、針ガードの1つ又は2つのエルボーが偏向して針ガードの半径方向の外形を減少させるまで、針ガードの1つ又は2つのエルボーが近位方向に移動することをチョークポイントによって制限することができる。例では、針ガードの半径方向の外形が減少すると、針ガードは、安定化リングの遠位位置から安定化リングの近位位置まで、安定化リング162によって形成されたボアを通ってスリップすることができる。
【0393】
バルブオープナー122は、金属材料又はプラスチック材料から作製することができる。金属材料から作製される場合、バルブオープナー122は、曲げ又は深絞り法によって形成することができ、作動要素152の円弧形状断面は、雄型ルアーによって押されるときに追加の剛性を提供することができる。各作動要素152は、少なくとも2つの長手方向縁部を含むことができ、構造的剛性をさらに付加するために長手方向縁部の一方又は両方に沿ってリブを設けることができる。任意の2つの作動要素152の間に1つ以上の空隙を設けることができる。空隙は、血液の洗浄又はIV注入中などに、隙間又は空間を通って流れる流体の流れのための空間を提供することができる。作動要素152間の空隙は、先端プロテクタ122を収容するための保持空間を形成することができる。
【0394】
いくつかの実施形態では、以下でさらに説明するように、先端プロテクタ130の全部ではないにしても大部分又は大半は、使用準備済位置において、2つのプランジャ要素152の間でアクチュエータ122の本体によって形成された保持空間内に嵌合する。このことは、バルブアクチュエータ122及び先端プロテクタ130の両方を長手方向に直列に嵌合するために、又は2つが軸方向に部分的にのみ重なるときに、ハブ内に必要な長手方向空間が少なくなるので、カテーテルハブ102をよりコンパクトにすることを可能にする。
【0395】
先端プロテクタ130がアクチュエータ122内の逃がし通路又は貫通路160の遠位縁部とのみ係合する場合、カテーテルハブの内壁に変形又は直径の変化は必要とされず、先端プロテクタ130は、円錐継手の国際ルアー規格に準拠しながら、雌ルアーテーパ区画内にさらに近位に配置することができ、カテーテルハブ102の全長をさらに短縮することができる。
【0396】
本開示の態様により示される例示的なバルブ120は、本明細書に記載の雌ルアーを有するカテーテル組立体及びハブと共に使用可能である。図3を参照し、さらに図4を参照すると、図4は、図1図3のカテーテル組立体又は針組立体100を示し、長手方向断面に沿って、本バルブ120は、第1の厚さを有する第1の部分168と、バルブの直径を通過する中間面に直交して測定された、第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有する第2の部分170とを有することができる。第2の厚さを有する第2の部分170は、実質的に一定の厚さを有することができるが、任意選択的に、第2の部分において、バルブの断面に沿って変化する厚さを含むことができる。
【0397】
例では、第2の部分170は、バルブの遠位側表面、バルブの近位側表面、又は両方の表面を凹ませることによって形成され、一方で第1の部分168は、近位側表面と遠位側表面との間にバルブの全幅又は厚さを実質的に保持する。例では、第2の部分170の凹部は、バルブに形成されたアンダーカットを具現化することができる。図3に示すように、第1の部分と第2の部分168、170との間の表面外観は、三葉クローバに似ていてもよい。三葉クローバは、バルブ120の遠位側表面、近位側表面、又は両方の表面に存在することができる。他の例では、近位側表面及び/又は遠位側表面の外観は、三葉クローバが様々な曲線、線、及び縁部の輪郭を有することができるように、様々な輪郭を有することができる。例では、隣接するバルブスリットの間にバルブフラップを形成するために、バルブのより薄い第2の部分170を通してスリットが形成される。いくつかの例では、1つ以上のバルブフラップを形成する2つ以上のスリットが存在し得る。例えば、バルブ120の第1及び第2の部分168、170は、4つのスリット及び4つのバルブフラップを有することができる四つ葉クローバを形成することができる。好ましくは、バルブは、3つのスリット及び3つのバルブフラップを有することができる。スリットは、バルブのほぼ中央位置から始まり、バルブの外周に向かって半径方向外側に延びるが、バルブの外周の手前まで延びることができる。各スリットの長さは、異なるサイズのバルブフラップを形成するように変化し得る。スリットの長さは、バルブオープナー122の作動遠位端によって押されるときなど、バルブオープナー122のノーズ区画150によって押されるときに所望のバルブフラップ及びバルブフラップ偏向を提供するように選択することができる。
【0398】
バルブ120は、単一の材料から一体的に形成されてもよい。あるいは、バルブ120は、剛性又は可撓性の向上などの理由で、バルブ120の様々な部分において異なる材料で形成されてもよい。バルブは、医療グレードのエラストマー又は熱可塑性エラストマー(TPE)から作製することができる。バルブ120のこれら及び他の態様は、PCT公開公報WO2018/033626(A1)として公開されている、PCT出願番号PCT/EP2017/070934号に開示されているバルブの例に従って作製することができる。その内容は、あたかも完全に記載されているかのように、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0399】
本実施形態では、固定装置124は、外面及びボアを形成する内面を有する環状壁構造を有する保持リングである。他の実施形態では、カテーテルハブの内側にバルブを固定するための固定装置は、保持スカート、O-リング、又はばねであってもよい。バルブ120、バルブオープナー又はバルブアクチュエータ122、及び固定装置124は、形状、スタイル、及び特徴を変えることができるが、その他の点では本明細書に記載の記載された機能を実行することができる。バルブ120は、少なくとも2つのフラップを形成する少なくとも1つのスリットを有する上述のバルブディスクとすることができる。図示のように、バルブディスクは、3つ以上のフラップを形成する3つ(図示のように)以上のスリットを有することができ、ディスクの表面は、バルブディスクの断面に沿って変化する表面特徴及び厚さを有することができる。他の例では、バルブは、バルブディスクと、バルブディスクの近位側表面の近位に延びるスカートとを有することができる。
【0400】
図4は、組み立てられた状態の図3のカテーテル組立体を具現化することができるカテーテル組立体又は針装置100の部分的な断面図を示す。カテーテル組立体100は、針108、カテーテルチューブ104、及び針ハブ106の一部がなく、通常は針ハブの近位開口部に位置するベントプラグがない状態で示されている。カテーテルハブ102は、ハブ本体126の内部空洞123の内側に配置された、バルブ120、バルブオープナー122、固定装置124、及び針ガード130を有することが示され、これは、そこから延在するカテーテルチューブを有する遠位端と、雌ルアーを有する近位開口部とを有する単一のハブ本体であり得る。図示のように、バルブ120は、固定装置124の遠位に配置され、バルブオープナー122の一部は、固定装置124のボア内に配置され、針ガード130は、バルブオープナー122の保持空間174内に配置される。
【0401】
例では、カテーテルハブ102の内部には、内面の壁に形成された構造リップ又はストッパとして理解することができる、1つ又は複数の肩部又はレッジ176a、176b、176cが設けられる。概して肩部176と呼ばれる、1つ又は複数の肩部は、構成要素がカテーテルハブの内部から移動又は脱落するのを防止するために、内部空洞123の内部に配置された構成要素のための係合点又は停止点を提供することができる。図示のように、バルブ120は、環状溝に配置することができ、バルブ120の近位変位を防止するために肩部176aの一方に当接することができる。図示のように、バルブ120はまた、バルブの遠位側でカテーテルハブ102の肩部173(図5)に当接して、バルブの外周の遠位の変位を防止する。
【0402】
環状リングの形態の固定装置又は保持リング124は、バルブ120に隣接して配置され、固定装置の近位端で、カテーテルハブの内部空洞123内の別の肩部176bに当接して、固定装置124の近位変位を防止する。図示されているように、固定装置124は、斜面の高い部分が遠位位置にあり、近位方向に延びるにつれて先細になる斜面形状、三角形形状、又は傾斜面を有する断面を有する。固定装置124は、プラスチック注入などによって医療グレードのプラスチック材料から作製されてもよい。他の例では、固定装置は、打ち抜き、次いで鍛造、プレス、又は機械加工などによって金属材料から作製されてもよい。他の例では、固定装置124は、バルブオープナーのノーズ区画150と遠位位置にあるカテーテルハブの内壁との間で圧縮される、変形される、又は付勢したときにバルブオープナーに近位方向の力を提供するために、O-リングなどのエラストマー材料から作製されてもよい。
【0403】
固定装置124の遠位端、斜面の高い部分は、バルブ120の近位側表面に当接し、固定装置124の近位端、斜面の狭い部分は、内部空洞123の肩部176bの一方に当接する。固定装置124のこの配置は、カテーテルハブ内の近位変位からバルブ120を保持するのを助けることができる。いくつかの例では、バルブ124は、バルブの近位縁部に当接する別個の肩部176にも頼ることなく、固定装置によってカテーテルハブの内部に固定又は支持することができる。例では、固定装置124は、最初にカテーテルハブの近位開口端に入るときにわずかな干渉を有することができ、示されている最終据え付け位置でのカテーテルハブとのサイズ上の嵌合又はわずかな締まり嵌めを有することができる。さらに他の例では、固定装置124は、カテーテルハブの内部に保持することができ、固定装置の近位端に当接する別個の肩部なしで、カテーテルハブとの締まり嵌めのみで近位変位からバルブ120を固定することができる。
【0404】
固定装置は、図示のように略三角形の断面を有する保持リング124とすることができる。他の例では、断面は異なる形状を有することができる。以下でさらに説明するように、保持リング124又は固定装置は、バルブオープナー122が遠位位置から近位位置に戻る又は移動するのを助けるための戻り機構としても機能することができる。例えば、バルブオープナー122が雄ルアー先端によって前進してバルブ120のスリットを開くとき、保持リング124は、雄ルアー先端をカテーテルハブの近位開口部から取り外した後に、バルブオープナーを近位位置に戻すのを助けることができる。いくつかの例では、固定装置124は、バルブの弾性がバルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻しながら、バルブを近位移動から固定するだけである。いくつかの例では、固定装置の断面は、三角形以外の形状になるように選択することができる。他の例では、保持リング124の成形された断面は、保持スカートとして形成され、バルブの一部とすることができる。例えば、バルブ120は、一体化又は一体的に形成することなどによって、バルブディスクと保持スカートの両方で形成することができる。
【0405】
図示の例では、バルブオープナー122の長さは、ノーズ区画150の遠位端の作動端180がバルブのバルブディスクにちょうど接触し、2つのプランジャ要素152の近位端縁182が針ハブ106のノーズ区画184にちょうど接触するように選択される。他の例では、作動端180は、バルブディスクからわずかに離間するか、又はバルブディスクにわずかに押し付けられ得るが、バルブフラップがバルブスリットを閉じることを可能にするためにバルブフラップを実質的に偏向させない。バルブのバルブフラップは、針の存在に起因して遠位方向にわずかに撓むことに留意されたい。
【0406】
例では、バルブオープナー122の保持空間174は、針ガード130を収容するようなサイズ及び形状である。図4及び図5の両方を参照すると、図5は90度回転された図4の針装置100を示しており、針ガード130は、バルブオープナー122の2つのプランジャ要素152の間に配置されている。近位壁140と、近位壁140の遠位に配置された2つのアーム188、190とを有する針ガード130は、バルブオープナー122の保持空間174内に配置され、針ガード130の2つのエルボー188a、190aは、2つの安定化要素158の遠位に配置される。エルボーは、遠位壁188b、190bとアームの細長いアーム部分との間に位置する。針108が近位方向に後退すると、2つのエルボー188a、190aは、チョークポイントとして機能する2つの安定化要素158の2つの遠位縁部158a、158aを越えて近位方向に移動するのを停止される。前述のように、2つのエルボー188a、190aにおける針ガードの半径方向の寸法は、安定化リング162の内側の寸法よりも大きく、したがって、2つのスタビライザ要素158の遠位縁部によって物理的に停止される。静脈穿刺が成功した後、針はカテーテルチューブから取り外され、カテーテルハブ及び針先端は、針ガードの2つの遠位壁188b、190bの近位に移動し、これにより、針ガードの2つのアーム188、190が内側に移動するか又は折り畳まれて、2つのエルボーにおける半径方向の寸法を減少させることが可能になる。ほぼ同時に、針先端付近の外形の変化部142(図2)は、針ガードの近位壁140における開口部192を形成する周縁に当接し、針をさらに後退させると、針ガード130が針108と共に取り外される。
【0407】
例では、カテーテルハブ102の内部は、2つのエルボー188a、190aに近接する位置で拡大される。例えば、2つのエルボーにおけるカテーテルハブの内径は、カテーテルハブの近位壁140におけるカテーテルハブの内径よりも大きい。この空間は、待機位置において針ガードのための逃がし通路又は追加の空間を提供するために組み込むことができる。すなわち、逃がし通路は、組み込まれたとき、逃がし通路が設けられていないときと比較して、2つのアーム188、190が使用準備済位置において2つのエルボー188a、190aにおいて同じ程度まで圧縮又は内側に付勢されないように、2つのアームのための空間を提供する。これにより、針穿刺後の針の後退時に、針シャフトと2つの先端壁188b、190bの端部の2つの湾曲した端部との間の抗力を低減することができる。
【0408】
再び図4を参照すると、バルブオープナー122は、カテーテルハブ102の内部空洞123内に保持され、内部空洞123内の肩部176のうちの1つと相互作用するようにバルブオープナーに少なくとも1つの側部突起154を設けることによって、近位開口部136からの変位を制限することができる。少なくとも1つの突起154におけるバルブオープナーの断面寸法は、カテーテルハブ102の肩部における断面の寸法よりも大きく、それにより、カテーテルハブの近位開口部136からのバルブオープナー122の近位変位を防止するための物理的停止を呈する。図示のように、針の後退中であるが、針先端が2つの遠位壁の近位に移動する前に、針ガードのエルボー188a、190aが2つの安定化要素158の遠位縁部158aに対して近位方向に押すことなどにより、バルブオープナー122が近位方向に移動する場合、突起154が肩部176cに当たることによって総合的な近位移動を制限することができる。例では、環状構成とすることができる肩部176cと相互作用するように、各作動要素158に1つずつ、バルブオープナー122に2つの突起154を設けることができる。
【0409】
図6は、図4及び図5の針組立体100の断面側面図であり、静脈穿刺の成功及びカテーテルチューブ104が患者の静脈内に配置された後などに、針108、針ガード130及び針ハブ106が、カテーテルチューブ104及びカテーテルハブ102から取り外された状態である。図示のように、針ガード130は、上述した方法で針108と共に取り外されている。針108の取り外し後、複数のバルブフラップ194は、反跳又は弛緩状態に戻り、スリット196を閉じ、バルブ120を通る近位方向及び遠位方向の流れを制限することができる。図示の状態では、バルブアクチュエータ122のノーズ区画150の作動端180は、固定装置124によって形成されたボア内に配置されているが、固定装置124から離間しているか、又は接触していない。ノーズ区画150のテーパ面もまた、固定装置124から離間している。この空間又は空隙は、固定装置124に衝突又は接触する前に、雄ルアー先端によって押されたときに、バルブ作動要素122が遠位方向に前方に移動することを可能にする。いくつかの例では、雄ルアー先端は、カテーテルハブの雌ルアーに当接し、バルブアクチュエータのノーズ区画150が固定装置124の内側に接触又は押圧する前に、雄ルアー先端のカテーテルハブ内へのさらなる遠位前進を停止する。作動端180は、バルブ120の近位側表面と接触して示されている。他の例では、作動端180は、バルブ120の近位側表面から離間することができる。作動端180は、バルブオープナー122における突起154とカテーテルハブ102の内側の肩部との間の空隙とほぼ同じ距離だけバルブから離間することができる。
【0410】
図示のように、バルブオープナー102のノーズ区画150は、固定装置124の斜面断面198のテーパ面から離間された近位方向に増加するテーパを有する。ノーズ区画150のサイズ及び形状は、固定装置124の斜面断面198に接触するように、又は斜面断面から離間するように整えることができる。例では、ノーズ区画150は、弾性バンド、ストリップ、又はストリップなどの弾性区画又はバンドを組み込むことができ、図7を参照して以下でさらに説明するように、バルブオープナー122が遠位方向に前進してバルブ120を開き、ノーズ区画が固定装置に当接するときに、わずかな干渉を生成することができる。カテーテルハブ102の長手方向軸がX軸とみなされ、Y軸がX軸に直交する場合、ノーズ区画150の形状は、バルブフラップ194を遠位方向に偏向させるとともに、X成分とY成分の両方を有する力ベクトルを生成するように選択される。X方向に作用する力ベクトル、X成分の力ベクトル又は近位方向の力ベクトルは、作動端180がバルブ120内に押し込まれてバルブフラップ194を偏向させる遠位位置から、示されるような近位位置へのバルブオープナー102の戻りを容易にするために利用することができる。以下でさらに論じるように、バルブ120のバルブフラップ、又はバルブのバルブフラップと固定装置124との両方は、バルブオープナー122のノーズ区画150に対して力ベクトルを生成して、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すことができる。さらに他の例では、バルブフラップ以外のバルブの他の部分は、バルブを遠位位置から近位位置に移動させるために近位方向の力を加えることができる。
【0411】
例では、開口近位端136に隣接するカテーテルハブ102内の領域又は区画は、雌ルアー204であり、これは雌ルアーのISO規格に従って形成された構造を有すると理解される。バルブオープナー122の2つのプランジャ要素152、152の近位縁182は、カテーテルハブ102の近位開口端136から凹んで示されているが、雌型ルアー204内に配置されている。したがって、雄型ルアー先端が雌型ルアー内に挿入されると、雄型ルアー先端は、遠位方向に2つのプランジャ要素152を押して、バルブオープナー122をバルブ120内に押し込んでバルブを開く。
【0412】
図7は、開口近位端136に挿入され、バルブオープナー122をバルブ120内に前進させてバルブフラップ194を開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104の内腔との間の流体連通を開く、雄ルアー先端200を有する図6の組立体の断面側面図である。実際には、雄ルアー先端200は、IVバッグに取り付けられたIV点滴ライン又は投与セットのシリンジ先端又は雄先端であり得る。図7の構成では、流体は、近位方向にカテーテルハブ102から引き抜かれるか、又は吸引されるか、又は遠位方向にカテーテルチューブを通して注入され得る。図示されていないが、雄ルアー先端200は、バルブアクチュエータ122を遠位位置にさらに維持してバルブ120を開くために、カテーテルハブ102におけるラグ又は雄ねじ202と係合するためのねじ付きカラーを有することができる。
【0413】
例では、バルブオープナー122は、雄ルアー先端200によって前進すると遠位に移動するように構成される。バルブオープナー122が遠位方向に移動する量又は距離は、作動端180及びノーズ区画150がバルブフラップ194を遠位方向に偏向させてバルブ120のスリットを開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104との間の流体連通を開くのに十分なものであるべきである。図示の例では、バルブオープナー122の作動端180は、バルブフラップの遠位に移動し、バルブフラップは、カテーテルハブ102の内部とノーズ区画150のテーパ面との間で圧縮されるか、又はバルブフラップは、圧縮の有無にかかわらず、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位方向に偏向又は変形される。他の例では、作動端180は、バルブフラップ194の端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前の距離だけ移動し、それでもバルブフラップを開いて、近位方向及び遠位方向の両方の自由な流れを可能にする。
【0414】
雄型ルアー先端200に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄型ルアー先端200を引き抜くと、雄型ルアー先端200によって2つのプランジャ要素152の近位縁部182に作用する遠位方向の力が除去又は停止され、雌型ルアー204は、いかなる外部物体によっても占有されない。これにより、バルブオープナー122は、その近位位置に戻ることができ、今や雄ルアー先端によって退去される。例では、バルブ120の弾性により、バルブフラップ194は、図6に示す位置に移動するなど、より弛緩した状態に戻ることができる。バルブフラップ194のこの反発作用及びバルブオープナー122のノーズ区画150の形状は、バルブフラップが、図6に示すように、バルブオープナー122を図7に示す遠位位置から近位位置に移動させるように、ノーズ区画150に力ベクトルを与えることを可能にする。バルブフラップが跳ね返るときにバルブオープナー122のノーズ区画150におけるバルブフラップ194のそれぞれによって生成される力ベクトルは、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行な力成分を含み、本明細書ではX成分の力ベクトル又は近位方向の力ベクトルとも呼ばれる。したがって、バルブフラップによって生成されたX成分の力ベクトルは、バルブオープナー122を、作動端180及びノーズ区画150がバルブを開くためにバルブのバルブフラップを遠位方向に偏向させる遠位位置から、作動端及びノーズ区画がもはやバルブフラップを偏向させない近位位置に移動させることができる。いくつかの例では、バルブアクチュエータ122のノーズ区画150には、別個の輪郭線又は曲線を有するノーズ区画に凹部を形成することによって、別個の線又は曲線などを有する成形輪郭が設けられる。次いで、輪郭形成されたノーズ区画の1つ又は複数の表面を使用して、バルブ120を押圧することができる。バルブは、複数の圧縮点又は付勢点を生成するために押圧することができる。例えば、輪郭形成されたノーズ区画は、バルブフラップを圧縮するか、又はバルブオープナーは、バルブフラップを遠位方向に偏向させるように構造化することができ、その結果、バルブフラップは、雄ルアー先端が取り外され、バルブフラップがそれらの弛緩状態に戻ることができるときに、ノーズ区画に対して力ベクトルを生成することができる。輪郭形成されたノーズ区画はまた、バルブの一部又は複数の部分を遠位肩部に対して軸方向に圧縮、変形、又は付勢することができ、その結果、図31図32Bを参照して以下にさらに説明するように、バルブは、雄ルアー先端が取り外されたときに反対の軸方向戻り力を付与する。したがって、輪郭形成されたノーズ区画単独によって、又は輪郭形成されたノーズ区画の複数の点区画によって、バルブが圧縮、変形、付勢、又は偏向されて跳ね返るときに、バルブは単独で、雄ルアー先端の除去時にバルブオープナーを近位方向に押すことができる。
【0415】
いくつかの例では、固定装置124の斜面断面198とノーズ区画150との間の干渉は、バルブオープナー122のノーズ区画150に、X成分の力ベクトルを含む力ベクトルを生成する。例えば、バルブオープナーは、ノーズ区画が雄ルアー先端によって固定装置内に前進するときに、固定装置によって圧縮、又は付勢される弾性バンド又は1つ又は複数の弾性ストリップを組み込むことができる。したがって、バルブオープナー122のノーズ区画150におけるバルブ120のバルブフラップによって生成される戻り力に加えて、固定装置124とバルブオープナーのノーズ区画150との間の干渉は、戻り力を生成し、作動端及びノーズ区画がバルブのバルブフラップを遠位方向に偏向させる遠位位置から、作動端及びノーズ区画がもはやバルブフラップを偏向させない近位位置へのバルブオープナー122の近位移動に寄与する。近位位置では、バルブオープナー122は、図6によって一般的に表される方法で、カテーテルハブの内側に位置し、この図は近位方向及び/又は遠位方向の流体の流れを停止又は制限するようにスリットを一般的に閉鎖するバルブフラップを示す。いくつかの例では、ノーズ区画に凹部を設けることができ、弾性ストリップ又はバンドが凹部内に配置されて、剛性区画及びより柔軟な区画を有するバルブオープナーを形成する。他の例では、ノーズ区画は、エラストマーストリップ又はバンドと共に共成形又はインサート成形される。ノーズ区画に組み込まれた弾性ストリップ又はバンドは、バルブアクチュエータが固定装置の剛性部分又は構成要素に押し付けられて、雄ルアー先端の除去後に戻り力を生成することを可能にすることができる。
【0416】
したがって、本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブを備えるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解され、前記カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備える。バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、ボアを形成する本体を有する固定装置が、バルブの近位に配置される。バルブのバルブフラップは、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために近位方向の戻り力を付与することができる。追加的又は代替的に、バルブは、遠位肩部に対して軸方向に圧縮又は付勢することができ、バルブは、雄ルアー先端の除去時に、バルブオープナーを戻すためにノーズ区画に対して軸方向に向けられた力を提供する。例では、固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進してバルブのバルブフラップを開くときに、バルブオープナーのエラストマー部分などのバルブオープナーとの干渉を提供することができ、干渉は、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延在する力ベクトルを含む力ベクトルを提供することができる。他の例では、ノーズ区画は、固定装置から離間しているか、又は固定装置に当接せず、戻り力は、バルブのみによって提供される。固定装置は、バルブをカテーテルハブ内に固定し、バルブがカテーテルハブから外れるように不用意に近位に変位するのを防止するための固定機能をさらに提供することができる。カテーテルハブは、カテーテルハブ、バルブ、バルブオープナー、固定装置、及びカテーテルチューブを通って突出する針を含むことができる。針は、針の近位端で針ハブに取り付けることができる。
【0417】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブへ遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、スリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にするために雄型ルアー先端が取り外されたときに、近位位置に戻ることができるので、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブオープナーのバルブへの移動、及びバルブから離れる移動を備えることができる。
【0418】
これより図8及び図9を参照すると、本発明のさらなる態様に従って提供されるカテーテル組立体又は針組立体100が示されており、針及び針ハブが取り外されて示されているが、本明細書の他の箇所に記載されるのと同じ針及び針ハブを有することができる。針組立体100はまた、本明細書の他の箇所に記載されているように針ガードを組み込むことができる。
【0419】
本実施形態では、カテーテルハブ102、カテーテルチューブ104、バルブ120、バルブオープナー122、及び固定装置124は、いくつかの例外を除いて、図6及び図7を参照して示されたものと同様であり得る。本実施形態では、バルブ120の近位側表面に環状スリット又は環状チャネル206が設けられている。図示のように、環状スリット206は、バルブの外周から凹んでいる。環状スリット206は、バルブの第2の部分170よりも厚いバルブの厚い部分であるバルブの第1の部分168(図3)に設けることができる。以下でさらに説明するように、環状スリット206は、固定装置124の遠位端を受け入れるために設けることができる。
【0420】
本実施形態では、固定装置124は、環状スリット206内に突出する遠位端210を有する保持リングである。例では、固定装置124の遠位端210は、環状スリット206内に押し込まれ、圧縮又は干渉によってその中に保持される。他の例では、固定装置は、接着剤又は接合を使用して環状スリット206内に保持することができる。さらに他の例では、環状スリット206は、環状チャネルであり、固定装置の内面及び外面の両方で固定装置を把持しない。例えば、固定装置124の外面は、環状チャネルを押圧することができるが、固定装置の内面で環状チャネルから離間している。この代替的な構成により、固定装置124は、固定装置の遠位端の内面及び外面の両方を把持するための環状スリットも必要とせずに、バルブ120をカテーテルハブに対して外側に押すことができる。
【0421】
本実施形態の保持リング124は、近位端と遠位端との間の長さを有し、保持リングの近位端にほぼ一定の壁厚の湾曲した本体部分を有する壁を有することができる。壁は、バルブオープナー122のノーズ区画150を収容するためのボアを形成する内部を有する。固定装置124の壁は、近位端を除いて略円筒形であり得る。例では、保持リング124の近位端212は、保持リング124をカテーテルハブ102の内側肩部176bに対して固定するための外側に湾曲したリップ214を有することができる。内側肩部176bに対して配置されると、固定装置124は、バルブ120が近位方向に変位しないように固定するのを助けることができる。バルブ120は、バルブの遠位側表面におけるカテーテルハブ102の肩部173(図5)に対して配置されることによって、遠位方向の動きから固定又は支持される。
【0422】
固定装置124及びバルブオープナー122のノーズ区画150は、図8のバルブオープナー近位位置において互いに離間している。2つの間の間隙又は空間は、固定装置124に接触又はぶつかる前に、バルブオープナー122が遠位方向に移動してバルブを開き、例えばバルブフラップを偏向させるための空隙を提供する。図示の状態では、バルブアクチュエータ122のノーズ区画150の作動端180は、固定装置124によって形成されたボア内に配置されているが、固定装置から離間している、又は固定装置に接触していない。ノーズ区画のテーパ面もまた、固定装置から離間している。この空間又は空隙は、固定装置に衝突又は接触する前に、バルブ作動要素が遠位方向に前方に移動することを可能にする。作動端180は、バルブ120の近位側表面と接触して示されている。他の例では、作動端は、バルブの近位側表面からわずかに離間することができる。
【0423】
図9は、図7の実施形態と類似して、開口近位端136に挿入され、バルブオープナー122をバルブ120内に前進させてバルブフラップ194を開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104の内腔との間の流体連通を開く、雄ルアー先端200を有する図8の組立体の断面側面図である。図示されていないが、雄ルアー先端200は、バルブアクチュエータ122を遠位位置にさらに維持してバルブ120を開くために、カテーテルハブ102におけるラグ又は雄ねじ202と係合するためのねじ付きカラーを有することができる。
【0424】
例では、バルブオープナー122は、雄ルアー先端200によって前進すると遠位に移動するように構成される。バルブオープナーが遠位方向に移動する量又は距離は、作動端180及びノーズ区画150がバルブフラップ194を遠位方向に偏向させてスリットを開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104との間の流体連通を開くのに十分なものであるべきである。図示の例では、バルブオープナー122の作動端180は、バルブフラップの遠位に移動し、バルブフラップは、カテーテルハブ102の内部とノーズ区画150のテーパ面との間で圧縮されるか、又はバルブフラップは、圧縮の有無にかかわらず、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位方向に偏向又は変形される。図示のように、作動端180は、バルブフラップ194の端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前であるが、両方向の自由な流れのために十分にバルブを開く距離だけ移動する。
【0425】
図示の例では、湾曲リップ214は付勢部材のように作用する。したがって、ノーズ区画150が固定装置の近位端で湾曲リップ214に対して押圧されると、湾曲リップ214は、ノーズ区画に組み込まれたエラストマーバンド、ストリップ又は区画に対するなど、ノーズ区画に対して押圧し、カテーテルハブ102の長手方向軸にほぼ平行に作用する力を含む一対の分力又は力ベクトルを、バルブオープナーのノーズ区画150に与える。他の例では、ノーズ区画は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接すると、固定装置から離間する。その状況下のバルブは、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すのに必要な戻り力を提供することができる。
【0426】
雄型ルアー先端200に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄型ルアー先端200を引き抜くと、雄型ルアー先端200によって2つのプランジャ要素152の近位縁部182に作用する遠位方向の力が除去又は停止され、雌型ルアー204は、外部物体によって占有されない。これにより、バルブオープナー122は、その近位位置に戻ることができ、雄ルアー先端によって退去される。例では、バルブ120の弾性により、バルブフラップ194は、図8に示す位置に移動するなど、より弛緩した状態に戻ることができる。バルブフラップ194のこの反発作用及びバルブオープナーのノーズ区画150の形状は、バルブフラップが、図8に一般的に示すように、バルブオープナー122を図9に示す遠位位置から近位位置に移動させるように、ノーズ区画150に力ベクトルを与えることを可能にする。
【0427】
したがって、本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブを備えるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解されて、前記カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備える。バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、ボアを形成する本体を有する固定装置が、バルブの近位に配置され、カテーテルハブの内側にバルブを固定する。例では、固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進するときにバルブオープナーとの干渉を提供する。別の例では、バルブオープナーのノーズ区画が固定装置に接触する前に、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接する。バルブオープナーは、バルブのバルブフラップを開くように構成される。例では、バルブオープナーによるバルブフラップへの干渉、偏向、付勢、又は圧縮は、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延びる力ベクトルを含む力ベクトルを提供する蓄積エネルギーを生成する。固定装置はまた、追加の近位方向の戻り力を提供するために、バルブオープナーの柔軟なインサート、弾性バンド又は材料を有するノーズ区画の領域など、ノーズ区画に戻り力を与えることができる。固定装置は、バルブをカテーテルハブ内に固定し、バルブがカテーテルハブから外れるように不用意に近位に変位するのを防止するための固定機能をさらに提供することができる。カテーテルハブは、カテーテルハブ、バルブ、バルブオープナー、固定装置、及びカテーテルチューブを通って突出する針を含むことができる。針は、針の近位端で針ハブに取り付けることができる。
【0428】
雄型ルアー先端によって押されたときなど、バルブオープナーがバルブへ遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、及び、雄型ルアー先端が取り外されて、スリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にすることから、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの移動及びバルブから離れる移動を含むことができる。
【0429】
これより図10及び図11を参照すると、本発明のさらなる態様に従って提供されるカテーテル組立体又は針組立体100は、針及び針ハブが取り外されて示されているけれども、本明細書の他の箇所に記載されるのと同じ針及び針ハブを有することができる。針組立体100はまた、本明細書の他の箇所で説明するように、針ガード130を組み込むことができる。
【0430】
本実施形態では、カテーテルハブ102、カテーテルチューブ104、バルブ120、バルブオープナー122、及び固定装置124は、いくつかの例外を除いて、図6図9を参照して示されたものと同様であり得る。本実施形態では、固定装置124は、バルブ120の近位に面する表面に当接又は接触するためのフランジ216を形成する外向き湾曲リップを有する遠位端210と、近位方向において第1の寸法から第2のより大きな寸法まで先細になる壁又は本体とを有する保持リングである。したがって、本実施形態の壁は、遠位位置に斜面の高い部分を有し、近位方向に延びるにつれて先細になる斜面に似ている。本固定装置124は、図6及び図7と同様の斜面状の面又は傾斜面を有するが、同じ中実断面を有しない。
【0431】
固定装置の近位端212は、カテーテルハブ102の内側肩部176bに当接又は押圧するような寸法にすることができる近位縁部218を備える。内側肩部176bに対して配置されると、固定装置124は、バルブが近位方向に変位しないように固定するのを助けることができる。あるいは、固定装置の近位端212及び/又は遠位端とカテーテルハブ102の内径との間にわずかな締まり嵌めがある場合には、固定装置124を内部に固定するための肩部は必要ない。バルブ120は、バルブの遠位側表面の肩部173(図5)に対して配置されることによって、遠位方向の動きから固定又は支持される。
【0432】
固定装置124と、バルブオープナー122のノーズ区画150とは、図10のバルブオープナー近位位置において互いに離間している。2つの間の空隙又は間隔は、隙間を閉じ、固定装置124に接触又は衝突する前に、バルブフラップを偏向させるなどのために、バルブオープナー122が遠位方向に移動してバルブを開くための隙間を提供する。図示の状態では、バルブアクチュエータ122のノーズ区画150の作動端180は、固定装置124によって形成されたボア内に配置されているが、固定装置から離間しているか、又は固定装置に接触していない。ノーズ区画のテーパ面もまた、固定装置から離間している。この間隔又は空隙は、固定装置124に衝突又は接触する前に、バルブ作動要素122が遠位方向に前方に移動することを可能にする。バルブアクチュエータの作動端180は、バルブ120の近位側表面と接触して示されている。他の例では、作動端は、バルブの近位側表面からわずかに離間することができる。
【0433】
図11は、図7及び図9の実施形態と類似して、開口近位端136に挿入され、バルブオープナー122をバルブ120内に前進させてバルブフラップ194を開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104の内腔との間の流体連通を開く、雄ルアー先端200を有する図10の組立体の断面側面図である。図示されていないが、雄ルアー先端200は、バルブアクチュエータを遠位位置に維持してバルブを開くために、カテーテルハブにおけるラグ又は雄ねじ202と係合するためのねじ付きカラーを有することができる。
【0434】
例では、バルブオープナー122は、雄ルアー先端200によって前進すると遠位に移動するように構成される。バルブオープナーが遠位方向に移動する量又は距離は、作動端180及びノーズ区画がバルブフラップ194を遠位方向に偏向させてスリットを開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104との間の流体連通を開くのに十分なものであるべきである。図示の例では、バルブオープナー122の作動端180は、バルブフラップの遠位に移動し、バルブフラップは、カテーテルハブの内部とノーズ区画150のテーパ面との間で圧縮されるか、又はバルブフラップは、圧縮の有無にかかわらず、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位方向に偏向又は変形される。いくつかの例では、バルブアクチュエータのノーズ区画には、別個の輪郭線又は曲線を有するノーズ区画に凹部を形成することによって、別個の線などを有する成形された輪郭が設けられる。次いで、輪郭形成されたノーズ区画の1つ又は複数の表面を使用して、バルブを押圧し、バルブを反発させて、輪郭形成されたノーズ区画を近位方向に押圧し、バルブアクチュエータを近位位置に戻すことができる。例えば、1つ又は複数の輪郭形成された表面は、バルブが雄ルアー先端の除去時に軸方向に向けられた戻り力を提供するように、バルブを遠位肩部に対して軸方向に圧縮、変形、又は付勢することができる。いくつかの例では、作動端180は、バルブフラップ194の端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前であるが、両方向の自由な流れのために十分にバルブを開く距離を移動する。
【0435】
図示の例では、斜面は、付勢部材のように作用する。例えば、ノーズ区画150が雄ルアー先端によって固定装置124の斜面構造に対して押されると、固定装置は、ノーズ区画に位置する柔軟な区画に対してなど、アクチュエータのノーズ区画150に対して反対の付勢力を及ぼす。したがって、ノーズ区画150が干渉において斜面に押し付けられると、固定装置124の斜面は、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に作用する力を含む一対の分力又は力ベクトルをノーズ区画に付与する。いくつかの例では、ノーズ区画は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接したときに固定装置から離間している。
【0436】
雄型ルアー先端200に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄型ルアー先端200を引き抜くと、雄型ルアー先端200によって2つのプランジャ要素152の近位縁部182に作用する遠位方向の力が除去又は停止され、雌型ルアー204は、いかなる外部物体によっても占有されない。これにより、バルブオープナー122は、その近位位置に戻ることができ、今や雄ルアー先端によって退かされる。例では、バルブ120の弾性により、バルブフラップ194は、図10に示す位置に移動するなど、より弛緩した状態に戻ることができる。バルブフラップ194のこの反発作用及びバルブオープナーのノーズ区画150の形状は、バルブフラップが、図10に一般的に示すように、バルブオープナー122を図11に示す遠位位置から近位位置に移動させるようにノーズ区画150に力ベクトルを与えることを可能にする。さらに、上述したように、固定装置124の斜面構造は、ノーズ区画に位置する柔軟な区画などに、ノーズ区画に対して戻り力を及ぼして、バルブオープナー122を近位方向に移動させて、バルブオープナーを、本質的に図10に示す位置に戻す。
【0437】
したがって、本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブと、針ハブに取り付けられた針とを備え、針がカテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って延びるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解される。カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備える。バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、ボアを形成する本体を有する固定装置が、バルブの近位に配置され、バルブをカテーテルハブ内に固定する。固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進してバルブのバルブフラップを開くときに、バルブオープナーとの干渉を提供することができ、干渉は、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延在する力ベクトルを含むベクトルを適合させる。固定装置は、バルブをカテーテルハブ内に固定し、バルブがカテーテルハブから外れてバルブオープナーに戻り力を提供しないように、バルブが不用意に近位に変位するのを防止するための固定機能をさらに提供することができる。
【0438】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、雄型ルアー先端が取り外されてスリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にするときに、近位位置に戻ることができるので、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの移動及びバルブから離れる移動を含むことができる。
【0439】
図12図13、及び図14は、保持リングを具現化することができる3つの異なる固定装置124の断面の側面図、正面図、及び等角図を示している。これらの保持リング124は、本明細書の他の箇所に記載されているカテーテル組立体と共に使用することができる。図13はまた、保持リング124を有するバルブ120を示す。最初に図12の保持リング又は固定装置124を参照すると、保持リングは、第1の端部又は遠位端210及び第2の端部又は近位端212を有するリング本体220を有する。リング本体220は、略円筒形であるリング本体の長さに沿って概ね一定の外形寸法を有する。内側において、リング本体220は、近位端の内径よりも遠位端の内径が小さく、遠位端から近位端に向かって寸法が減少する壁厚を有する。リング本体220の内面は、ボアを形成し、ボアは、バルブオープナーを収容し、バルブオープナーのノーズ区画を圧縮又は付勢して、前述のように一対の分力を付与するように構成される。別の例では、固定装置は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接したときにノーズ区画から離間するようなサイズ及び形状である。例では、固定装置124は、医療グレードのプラスチック材料から形成される。他の例では、固定装置は、医療グレードのエラストマー材料又は熱可塑性エラストマー材料(TPE)から形成することができる。あるいは、固定装置は、打ち抜き及び曲げ又は機械加工などによって金属材料から作製されてもよい。
【0440】
図12に示すように、リング本体220の断面は、リング本体の内面に斜面形状又は傾斜面を有する。さらに、傾斜面は、一定の傾斜を有する。他の例では、傾斜面の傾斜は、一定ではない。例えば、直線ではない輪郭を生成するために、1つ又は複数の凹凸又は変曲点が存在し得る。一定の勾配を有するか否かにかかわらず、輪郭は、バルブオープナーが固定装置124に押し付けられたときに、ノーズ区画の柔軟な区画などに、バルブオープナー122のノーズ区画との圧縮、付勢又は干渉を生成するように選択することができる。バルブオープナー122との圧縮、付勢又は干渉は、バルブオープナーの長手方向軸にほぼ平行な力を含む力ベクトルを生成するように構成される。これは、ひいてはバルブオープナーが遠位位置から近位位置に移動するのを助ける。図12の固定装置124は、図4図7に示す固定装置124と同様である。
【0441】
図13は、バルブ120及び固定装置124を示す。固定装置124は、図8及び図9を参照して説明した固定装置と同様とすることができ、バルブ120は、図3図7に参照されているものなど、本明細書の他の箇所に記載されているバルブと同様とすることができる。図13における異なる図に示すように、バルブ120は、外周226、近位側表面228、及び遠位側表面230を有するバルブ本体224を有する。近位側表面228、遠位側表面230、又は両方の表面228、230は、前述のように、第1のバルブ部168及び第2のバルブ部170を有する。
【0442】
第1及び第2のバルブ部168、170は、異なる厚さの領域又は区画を形成する。さらに、2つの領域は、バルブフラップ194を形成するためにスリット234を組み込む場所の輪郭を形成するように成形することができる。図示のように、バルブ120は、中心点に収束し、外周226に向かって外向きに延在するが、外周よりも短い3つのスリット234を有する。例では、スリット234は、バルブ本体224のより薄い第2の部分170のみを貫通して形成される。いくつかの例では、3つより多い又は少ないバルブフラップを形成する3つより多い又は少ないスリットが存在し得る。
【0443】
前述したように、近位側表面228は、固定装置214の遠位端210を受け入れるための環状スリット又は環状スロット206を有する。いくつかの例では、環状スロットは、固定装置の遠位端の内面及び外面の両方を把持しない空隙を有する環状チャネルである。固定装置124は、金属材料又はプラスチック材料などの薄肉シリンダから作製することができ、近位端212は、丸みを帯びた角と同様に、湾曲リップ214で終端するように外側に湾曲している。固定装置124のリング本体220の内面は、ボアを形成し、ボアは、バルブオープナーを収容し、上述したように、一対の分力を付与するために、ノーズ区画の柔軟な区画などのために、バルブオープナー122のノーズ区画150を圧縮又は付勢するように構成される。より具体的には、湾曲リップ214の丸みを帯びた角部は、アクチュエータのノーズ区画を圧縮又は付勢し、一対の分力を付与するように構成される。別の例では、固定装置は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接したときにノーズ区画から離間するようなサイズ及び形状である。図示のように、湾曲リップ214は外径を有し、湾曲リップの外径はバルブ120の外径よりも小さい。カテーテルハブの内部の構造に応じて、湾曲リップ214のサイズは、カテーテルハブの内側に設置されたときに、湾曲リップが肩部に当接又は接触して、保持リングをカテーテルハブの内部空洞内に固定するように調整することができる。
【0444】
図14は、図10及び図11を参照して説明した固定装置と同様の固定装置124を示す。図示のように、リング本体220は、バルブの表面に当接するためのほぼ平坦な壁面を有するフランジ216を形成する湾曲リップを有する遠位端210を有する。固定装置のリング本体220は、フランジ216のすぐ近位の遠位端の第1の直径から、近位端212の第2のより大きい直径まで外向きに先細になるほぼ一定の壁厚を有し、これは、固定装置214をカテーテルハブ内に保持するためにカテーテルハブ102の内側の肩部に当接又は接触するための近位縁部218を有する。壁面は、斜面のような傾斜面を有する。固定装置124のリング本体220の内面は、ボアを形成し、ボアは、バルブオープナーを収容し、バルブオープナーのノーズ区画、例えば、エラストマーストリップ、バンド又は材料を組み込むノーズ区画の区画を圧縮又は付勢して、前述のように、一対の分力を付与するように構成される。別の例では、固定装置は、雄ルアー先端がカテーテルハブの雌ルアーに当接したときにノーズ区画から離間するようなサイズ及び形状である。
【0445】
図15は、すべてがほぼ同じ方向に沿って傾斜している複数の相互接続されたコイル240を有する傾斜コイルばね238の異なる図を示す。ばね238は、金属材料から作製することができる。図15は、長さ242の構成の傾斜コイルばね238と、ばねの長さの両端が接続されたリング244の構成の傾斜コイルばねと、略楕円形である単一の傾斜コイル240の側面図とを示す。傾斜コイルばねは、ばねの技術分野において周知であり、傾斜コイルばねのコイルは、リング中心線に対して半径方向に偏向可能又は圧縮可能であると理解され、これは、ばねリング244の中心でページの内外に突出すると理解される。
【0446】
図15に加えて図16を参照すると、いくつかの例外を除いて、図4図11のカテーテル組立体と同様の本実施形態のカテーテル組立体100が示されている。本実施形態では、固定装置124として、ばねリング244構成の傾斜コイルばね238が組み込まれている。固定装置124としての傾斜コイルばね238は、バルブ120の近位側表面228に当接し、カテーテルハブ102の内部123の内側の肩部176に当接して、ハブの内部にばねリングを固定することができる。バルブ120の近位側表面228は、傾斜コイルばねの遠位円弧と嵌合又は支持するための嵌合凹部を有することができる。図16のバルブオープナー近位位置では、傾斜コイルばね238のコイル240は、カテーテルハブ102及び/又はバルブ120の内面と、バルブオープナー122のノーズ区画150との両方に接触する。他の例では、コイルは、バルブオープナーの近位位置において、ノーズ区画150に接触しないなど、ノーズ区画150の表面から離間することができる。
【0447】
図17は、図7図9、及び図11と同様に、バルブ120のバルブフラップを開放又は偏向させるために医療器具の雄ルアー先端200によって遠位方向に押されたバルブオープナー又はアクチュエータ122を示す。傾斜コイルばね238は、バルブオープナー122のノーズ区画150によって圧縮されて示されている。より具体的には、傾斜コイルばね238の複数のコイルの各コイル240は、傾斜コイルばねのコイルがばねリング中心線の半径方向に圧迫されると圧縮するため、バルブオープナー122のノーズ区画150によって圧縮される。コイルは非圧縮又は反跳する傾向があるため、コイルの圧縮は、ノーズ区画150上に力ベクトルを生成する。ノーズ区画に対して生成される力ベクトルは、バルブオープナーの長手方向軸にほぼ平行な力を含む。コイルがバルブによって一方の側に沿って圧縮される場合、又はコイルがカテーテルハブ102によって一方の側に沿って圧縮される場合、遠位方向の軸方向力ベクトルは、バルブ120の近位バルブ表面に対抗し、近位方向の力ベクトルは、バルブオープナー122に対抗する。
【0448】
雄型先端200が取り外されると、ばね238のコイル240が拡張してノーズ区画150を押圧し、近位方向の軸方向の力ベクトルを含む一対の分力を付与する。これは、次に、図16に示すように、バルブオープナー122を近位方向に押してバルブオープナー122をその近位位置に戻し、バルブ120をその閉位置に戻すことを可能にするのを助ける。雄型ルアー先端200の除去後にバルブオープナー122を移動させるためにばねリング244によって生成される力は、雄型ルアー先端の除去後にバルブスリットを閉じるために弛緩状態又は閉鎖状態に戻るバルブ120のバルブフラップによって生成される力に加えられる。近位方向の力は、雄型医療機器がカテーテルハブ123から切り離された後に、バルブオープナー122を遠位位置からカテーテルハブ102内の近位位置に戻すことができる。
【0449】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、雄型ルアー先端が取り外されて、スリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にするときに、近位位置に戻ることができるので、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの移動及びバルブから離れる移動を含むことができる。
【0450】
図18及び図19は、いくつかの例外を除いて、図4図11及び図16図17のカテーテル組立体100と同様のカテーテル組立体のさらに別の実施形態を示す。本実施形態では、バルブ120には、一体的又は一体的に形成された固定装置124が設けられている。本実施形態では、一体型又は一体的に形成された固定装置124は、図4図7の固定装置124の三角形の断面と同様に、三角形の断面を有する開口近位端を有する略円筒形の長さを有する保持スカート区画250とすることができる。スカート区画250の外面の追加の表面積、又は固定装置は、針が取り外され、バルブオープナー122が雄ルアー先端200(図19)によって押されてバルブ120を開くときに、バルブ120をカテーテルハブ102内にさらに保持するのを助ける。
【0451】
スカート区画250は、バルブオープナー122が雄ルアー先端200によって遠位方向に押されると、スカートの三角形の断面がテーパ状のノーズ区画150及びカテーテルハブ102の内部によって圧縮、変形、又は付勢されて、蓄積エネルギーを生成することができるようなサイズにされる。その結果、シリンジの雄ルアー又は投与セットの先端などの雄型先端200が取り外されると、三角形のスカート250は拡張して、近位方向の軸方向の力ベクトルを含む一対の分力をノーズ区画150に付与する。これは、次に、図18に示すように、バルブオープナー122を近位方向に押して、バルブオープナー122を遠位位置からその近位位置に戻し、バルブ120をその閉位置に戻すのを助ける。
【0452】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、雄型ルアー先端が取り外されて、スリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にするときに、近位位置に戻ることができるので、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの移動及びバルブから離れる移動を含むことができる。
【0453】
図20及び図21は、いくつかの例外を除いて、図4図11及び図16図19のカテーテル組立体100と同様のカテーテル組立体のさらに別の実施形態を示す。本実施形態では、固定装置124は保持リングであり、保持リングには、一体化された又は一体的に形成された可撓性フラップ又は板ばね256が設けられる。図22を参照すると、固定装置124は、図10図11及び図14を参照して説明した固定装置と同様である。図示のように、固定装置は、バルブの表面に当接するためのほぼ平坦な壁面を有するフランジ216を形成する湾曲リップを有する遠位端210を有するリング本体220を有する。リング本体220は、フランジ216のすぐ近位の遠位端の第1の直径から、近位端212の第2のより大きい直径まで外向きに先細になるほぼ一定の壁厚を有し、これは、固定装置214をカテーテルハブ内に保持するために、カテーテルハブの内側の肩部に当接又は接触することができる近位縁部218を有する。あるいはまた、肩部は、なくすことができ、近位縁部218は、カテーテルハブの内側縁部と締まり嵌めを形成することができる。壁面は、斜面のような傾斜面を有する。固定装置124のリング本体220の内面は、ボアを形成し、ボアは、バルブオープナーを収容し、バルブオープナーのノーズ区画を圧縮又は付勢して、前述したように、一対の分力を付与するように構成される。
【0454】
本実施形態では、バルブ120を保持するための保持リング124の一部として、2つ以上の板ばね256、例えば3~8つの板ばね256を設けることができる。別の例では、1つの板ばねのみが組み込まれ得る。板ばね256は、リング本体220に対称な三面の切欠きを形成し、切欠きを内側に曲げて板ばねを形成することによって形成することができる。しかし、切欠きは、部分的な円形切欠き又は三面を超える多面切欠きなど、三面切欠き以外であってもよい。三面切欠きが好ましい状態において、任意の数の切欠きを利用して、固定装置上に板ばねを形成して、バルブオープナーに力ベクトルを生成することができる。1つ又は複数の切欠きを形成した後、板ばねを形成するための切欠きの曲げの方向は、1つ又は複数の板ばねがバルブアクチュエータのノーズ区画に接触することを可能にする方向である。
【0455】
板ばね256は、バルブオープナー122が雄ルアー先端200によって遠位方向に押されると、図21に示すように、板ばね256がバルブオープナー122のテーパ状のノーズ区画150によって保持リングの中心線から外側に拡張され、外側に偏向され、又は外側に付勢されるようなサイズにすることができる。その結果、雄型先端200が取り外されると、板ばね256は、近位方向の軸方向の力ベクトルを含む一対の分力をノーズ区画150に付与するために、それらの非付勢状態に戻るなど、圧縮又は非付勢になる。板ばねの付勢の力は、バルブオープナー122を近位方向に押して、バルブオープナー122を遠位位置からその近位位置に戻し、図20に示すように、バルブ120をその閉位置に戻すことを可能にするのを助ける。板ばね256の力は、雄ルアー先端部200の除去後にバルブスリットを閉じるためにそれらの弛緩位置又は閉鎖位置に戻るバルブのバルブフラップによって生成される力に加えられている。1つ又は複数の板ばねを有する実施形態では、ノーズ区画は、任意選択的に含まれ得るいずれの柔軟な1つ又は複数の区画なしで剛性であり得る。
【0456】
バルブオープナーは、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブ内の遠位位置に移動して2つ以上のバルブフラップを開くことができ、雄型ルアー先端が取り外されて、スリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にするときに、近位位置に戻ることができるので、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブへの移動及びバルブから離れる移動を含むことができる。
【0457】
図23及び図24は、いくつかの例外を除いて、図4図11及び図16図21のカテーテル組立体100と同様のカテーテル組立体のさらに別の実施形態を示す。例えば、本カテーテル組立体は、取り外された針及び針ハブを有することができるが、本明細書の他の箇所に記載されているものと同じであり得る。図23のカテーテルハブ102はまた、カテーテルハブの底部でカテーテルハブ102の長手方向軸の横方向において反対方向に延在する一対のウイング260を有することができる。図23は、上面断面図として示されている。一対のウイング260は、静脈穿刺の成功後にカテーテルハブを患者に固定するために、例えば、接着テープ又は接着包帯で、施術者によって使用されることができる。図24は、ウイングを有さない図23のカテーテル組立体を示す。針組立体100はまた、本明細書の他の箇所に記載されているように、針ガード130(図5)を組み込むことができる。
【0458】
本実施形態では、図20図22の実施形態と同様に、固定装置124は、保持リングであり、保持リングには、一体化された又は一体的に形成された可撓性フラップ又は板ばね256が設けられる。しかし、以下でさらに説明するように、固定装置124は、フランジから1又は複数の板ばね256が延びるアイレットである。
【0459】
図25を参照すると、固定装置124は、アイレット構成を有し、図23及び図24のカテーテルの実施形態で使用することができる。図示のように、固定装置124は、開口部を形成する外径(OD)及び内径(ID)を有するリング本体220用のフランジ216を有する。フランジ216は、アイレットを形成するために使用される金属シートの厚さとすることができる厚さを有することができる。フランジの厚さ及び板ばねの厚さは、同じ又はほぼ同じであってもよい。フランジ及び板ばねが単一の金属シートから一体的に形成される場合、フランジの厚さ及び各板ばねの厚さは、金属シートの厚さの製造公差内で同じにすることができる。
【0460】
図示の例では、フランジ216から円筒形又は細長い中空体は延在していない。代わりに、2つ以上の板ばね256、例えば、3つ~8つの板ばね256又は少なくとも1つの板ばねが、フランジ216から直接、延在することができる。図示のように、4つの板ばね256がフランジ216に組み込まれ、各板ばねは、隣接する板ばねから約90度にある。板ばねは、フランジの輪郭に沿って等間隔に配置することができる。板ばね256は、フランジIDから近位方向に延在することができ、近位端縁部270で終端することができる。板ばね256の近位端縁は、平坦又は丸みを帯びていてもよい。板ばね256は、フランジIDに沿って等間隔又はほぼ等間隔に配置することができる。各板ばねは、バルブオープナー122のノーズ区画150に分力を生成するのに十分な幅及び長さを有することができ、以下でさらに説明するように、すべての板ばね256は、雄ルアー先端部の除去後にバルブオープナー122を遠位位置から近位位置に移動させることができる近位方向の力を集合的に生成することができる。
【0461】
図示の実施形態では、一対の内部ノッチ又はスリット262がフランジID及び各板ばね256の両側縁部に設けられて、各板ばねがフランジIDから凹んだ屈曲半径を有する屈曲部266を有することを可能にする。他の例では、一対の内部ノッチ262を省略することができ、各屈曲部266における近位方向の屈曲部は、角張った形(正方形)又は直角とすることができる。あるいは、内部ノッチ又は不十分な内部ノッチが組み込まれていないときには、曲げ半径は、フランジIDのいくらか内側に延びることができる。
【0462】
再び図23を参照すると、固定リング124は、本明細書の他の箇所で説明する他の固定リングのように、バルブ120をカテーテルハブの内部123内に固定するように構成することができる。本実施形態では、バルブ120は、内側肩部173によって遠位側表面に支持され、固定リング124のフランジ216によって近位側表面に支持され、フランジ176bの近位側の内側肩部216によって支持され得る(図5)。したがって、図示の位置では、バルブ120は、カテーテルハブの内部の内側に固定又は支持される。
【0463】
図示のバルブオープナー近位位置では、バルブオープナー122の作動端180は、バルブ120の近位側表面に接触することができ、又はバルブの近位側表面から離間することができる。バルブオープナー近位位置でバルブオープナー122とバルブ120との間に接触があるかないかにかかわらず、ノーズ区画150は、板ばね256によって形成された境界内に配置されるが、板ばね256には接触しない。例えば、バルブオープナー122の近位位置では、ノーズ区画150は、板ばね256及びフランジ216の両方から離間している。この間隔は、ノーズ区画150が板ばね256に接触する前に、バルブオープナー122がバルブ120内に遠位方向に移動してバルブフラップ194を開くことを可能にする。
【0464】
例では、フランジ216は、フランジOD上に1つ又は複数の逃がし通路又は切欠き268を組み込む。逃がし通路は、固定装置124をカテーテルハブ内に設置する間に、フランジODとカテーテルハブの内部ボアとの間の干渉を減少させることができる。各切欠き268は、フランジODの円弧上の2点を横切る直線として形成することができる。いくつかの例では、各切欠きは、曲線形状、曲線及び少なくとも1つの直線のカット、又は複雑な曲線のカットを有することができる。例では、フランジODにおける各板ばね256に切欠き268を設けることができる。他の例では、切欠きは、板ばねと同じID位置のOD部分に直接位置しないなど、板ばね256の位置と整列しないように配置することができる。さらに他の例では、板ばねの数よりも多くの切欠き又はより少ない切欠きが存在してもよい。
【0465】
図24は、IV点滴ライン又は投与セットの雄ルアーコネクタの挿入中などに、バルブオープナー122を図23の近位位置から遠位位置に押してバルブ120のバルブフラップ194及びそれらの間に形成されたスリットを開くために、カテーテルハブの内部において遠位方向に前進した雄ルアーチップ200を示す。遠位位置では、ノーズ区画150は、バルブスリットを通って突出してバルブフラップ194を遠位方向に偏向させ、ノーズ区画とカテーテルハブの内面との間でバルブフラップを圧縮することができ、又はバルブフラップは、圧縮の有無にかかわらず、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位に偏向又は変形することができる。
【0466】
作動端180は、遠位方向に偏向されたバルブフラップ194の遠位に示されている。他の例では、作動端は、偏向されたバルブフラップ又はバルブフラップの近位とほぼ同じ軸方向位置に配置することができるが、それでも流体がバルブ120を横切って近位方向又は遠位方向に流れることを可能にする。
【0467】
板ばね256は、バルブオープナー122が雄ルアー先端200によって遠位方向に押されたとき、図24に示すように、板ばね256がバルブオープナー122のテーパ状のノーズ区画150によって半径方向外側に偏向されるように、フランジ216に配置することができる。例では、各板ばね256の近位縁部270は、バルブオープナー122のノーズ区画150によって偏向されたとき、カテーテルハブの内部から離間している。別の例では、近位縁部270は、カテーテルハブの内面に接触することができる。偏向された板ばね256及び偏向されたバルブフラップ194は、貯蔵されるエネルギーを生じさせ、このエネルギーは、その後、雄ルアー先端部の除去時に、バルブオープナーのノーズ区画150を押圧して、バルブオープナーを近位方向に移動させることができる。
【0468】
その結果、雄型先端200が除去されると、板ばね256は、収縮又は非付勢で、近位方向の軸方向の力ベクトルを含む一対の分力をノーズ区画150に付与する。板ばねの付勢力は、バルブオープナー122を近位方向に押して、バルブオープナー122を遠位位置からその近位位置に戻し、図23に示すように、バルブ120をその閉位置に戻すことを可能にするのを助ける。板ばね256の力は、雄ルアー先端部200の除去後にバルブスリットを閉じるためにそれらの弛緩位置又は閉鎖位置に戻るバルブ120のバルブフラップ194によって生成される力に加えられる。1つ又は複数の板ばねを有する実施形態では、ノーズ区画150は、任意選択的に含まれ得るいずれの柔軟な1つ又は複数の区画なしで剛性であり得る。
【0469】
バルブオープナー122は、雄型ルアー先端200によって押されたときなどに、バルブ120内の遠位位置に移動して、2つ以上のバルブフラップ194を開くことができ、雄型ルアー先端200が取り外されてバルブフラップがスリットを弛緩又は閉鎖することを可能にするときに、近位位置に戻ることができるため、バルブ120は、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブ120は、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブオープナーによるバルブへの移動及びバルブから離れる移動を含むことができる。
【0470】
これより図26を参照すると、本発明のさらなる態様による固定装置、リング又は要素124が示されている。本固定装置124は、図25の固定装置124と同様にアイレットを具現化することができ、図25の固定装置と同様にカテーテル組立体と共に同様に使用することができる。したがって、本アイレットは、フランジ216と、4つが示されている少なくとも1つの板ばね256と、4つが示されているフランジODの1つ又は複数の逃がし通路268とを有する。
【0471】
本アイレット実施形態では、フランジ216は、円弧又は湾曲した断面を有するように成形することができる。すなわち、フランジ216の遠位側表面及び近位側表面は、円弧状又は湾曲している。例では、フランジ216の遠位側表面は、凸形状を有し、フランジ216の近位側表面は、凹形状を有する。成形されたフランジ216は、断面に沿った固定装置124及び円弧状フランジ216の挿入方向が、フランジODが設置中に内面に対して滑らかに進むことを可能にするので、設置を容易にすることができる。湾曲した断面はまた、取り付け中の変形に対してフランジを強化する。
【0472】
本アイレットのフランジODにおける逃がし通路又は切欠き268は、板ばね256と整列していない。時計の時針を使用すると、板ばね256をフランジIDに沿って2、4、8、及び10時の位置に配置することができ、切欠き268をフランジODに沿って3、6、9、及び12時の位置に配置することができる。他の例では、フランジIDに沿った板ばね256の位置及びフランジODに沿った切欠き268の位置は、変化し得る。また、2つの板ばね及び3つの切欠き、又は3つの板ばね及び2つの切欠きを有するなど、板ばね及び切欠きの数は変化し得る。
【0473】
図示されているように、また湾曲した又は円弧状の断面に起因して、図26の板ばね256は、図25の実施形態で示されているように、切欠き又はスリット262を含む必要なく曲げることができる。しかし、タブを曲げて板ばねを形成することを可能にするために、スリット又は切欠きを組み込むことができる。
【0474】
次に図27及び図28を参照すると、本発明のさらなる態様に従って提供されるカテーテル組立体又は針組立体100が、針及び針ハブが取り外されて示されているが、本明細書の他の箇所に記載されるのと同じ針及び針ハブを有することができる。針組立体100はまた、本明細書の他の箇所で説明するように、針ガード130を組み込むことができる。
【0475】
本実施形態では、カテーテルハブ102、カテーテルチューブ104、バルブ120、バルブオープナー122、及び固定装置124は、いくつかの例外を除いて、図18図19を参照して示されたものと同様であり得る。本実施形態では、固定装置124は、エラストマー材料で作られた保持リングである。例えば、固定装置124は、バルブオープナーのノーズ区画150とバルブオープナーの遠位位置にあるカテーテルハブ102の内壁との間で圧縮される、又は変形されるきにバルブオープナーに近位方向の力を提供するために、O-リングなどのエラストマー材料から作製されてもよい。固定装置124は、円形、楕円形、正方形、長方形などの様々な可能な断面のO-リングを具現化する構造を有することができる。図示のように、固定装置124は、円形断面を有するエラストマーリングである。固定装置124は、バルブ120とは別個に形成され、バルブ120と共に使用されて、カテーテルハブの内部の内側にバルブを固定することができる。
【0476】
図示のように、バルブ120は、内側肩部173によって遠位側に固定又は支持され、該内側肩部173は、バルブの外周の軸方向の遠位変位を防止又は制限するが、バルブオープナー122によって押されたときにバルブフラップ194が遠位方向に撓むことを依然として可能にする。バルブ120は、本実施形態の固定リング124又はエラストマーリングによって近位側に固定又は支持される。弾性リングは、弾性リングよってバルブが近位方向に変位しないように固定するために、内側肩部176bに当接することができる。
【0477】
固定装置124及びバルブオープナー122のノーズ区画150は、図27のバルブオープナー近位位置において互いに離間している。2つの間の空隙又は間隔は、隙間を閉じ、固定装置124をバルブオープナー122に接触又は衝突する前に、バルブフラップ194を偏向させるなどのために、バルブオープナーが遠位方向に移動してバルブを開くための隙間を提供する。図27の状態では、バルブアクチュエータ122のノーズ区画150の作動端180は、固定装置124によって形成されたボア内に配置されているが、固定装置から離間しているか、又は固定装置に接触していない。ノーズ区画のテーパ面もまた、固定装置から離間している。この間隔又は空隙は、固定装置124に衝突又は接触する前に、バルブ作動要素122が遠位方向に前方に移動することを可能にする。バルブアクチュエータの作動端180は、バルブ120の近位側表面と接触して示されている。他の例では、作動端180は、バルブの近位側表面からわずかに離間することができる。
【0478】
図28は、本明細書の他の箇所で説明した実施形態と類似して、開口近位端136に挿入され、バルブオープナー122をバルブ120内に前進させてバルブフラップ194を開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104の内腔との間の流体連通を開く、雄ルアー先端200を有する図27の組立体の断面側面図である。図示されていないが、雄ルアー先端200は、バルブアクチュエータを遠位位置に維持してバルブを開くために、カテーテルハブにおけるラグ又は雄ねじ202と係合するためのねじ付きカラーを有することができる。
【0479】
例では、バルブオープナー122は、雄ルアー先端200によって前進すると遠位に移動するように構成される。バルブオープナーが遠位方向に移動する量又は距離は、作動端180及びノーズ区画150がバルブフラップ194を遠位方向に偏向させてスリットを開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104との間の流体連通を開くのに十分なものであるべきである。図示の例では、バルブオープナー122の作動端180は、バルブフラップの遠位に移動し、バルブフラップは、カテーテルハブ102の内部とノーズ区画150のテーパ面との間で圧縮されるか、又はバルブフラップは、圧縮の有無にかかわらず、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位方向に偏向又は変形される。いくつかの例では、作動端180は、バルブフラップ194の端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前であるが、両方向の自由な流れのために十分にバルブを開く距離を移動する。
【0480】
図示の例では、固定装置124の弾性リングは、付勢部材のように作用する。例えば、ノーズ区画150が固定装置124に押し付けられ、ノーズ区画とカテーテルハブの内面との間で固定装置を圧縮又は付勢すると、蓄積されたエネルギーがエラストマー材料に付与され、エラストマー材料がアクチュエータのノーズ区画150に対して反対の付勢力を及ぼすことを可能にする。したがって、ノーズ区画150がエラストマーリングに押し付けられると、エラストマーリングは、近位方向においてカテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に作用する力を含む一対の分力又は力ベクトルをノーズ区画150に付与する。
【0481】
雄型ルアー先端200に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄型ルアー先端200を引き抜くと、雄型ルアー先端200によって2つのプランジャ要素152の近位縁部182に作用する遠位方向の力が除去又は停止され、雌型ルアー204は、いかなる外部物体によっても占有されない。このことは、バルブオープナー122が図27のその近位位置に戻ることを可能にし、今や雄ルアー先端によって退去されている。例では、バルブ120の弾性により、バルブフラップ194は、図27に示す位置に移動するなど、より弛緩した状態に戻ることができる。バルブフラップ194のこの反発作用及びバルブオープナーのノーズ区画150の形状は、バルブフラップが、図10に一般的に示すように、バルブオープナー122を図11に示す遠位位置から近位位置に移動させるようにノーズ区画150に力ベクトルを与えることを可能にする。さらに、上述したように、固定装置124の弾性は、ノーズ区画150に対して戻り力を及ぼして、バルブオープナー122を近位方向に移動させ、バルブオープナーを本質的に図27に示す位置に戻す。
【0482】
したがって、本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブと、針ハブに取り付けられた針とを備え、針がカテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って延びるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解される。カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備える。バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、ボアを形成する本体を有する固定装置が、バルブの近位に配置され、バルブをカテーテルハブ内に固定する。固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進してバルブのバルブフラップを開くときに、バルブオープナーとの干渉を提供することができ、干渉は、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延在する力ベクトルを含むベクトルを適合させる。固定装置は、バルブをカテーテルハブ内に固定し、バルブがカテーテルハブから外れてバルブオープナーに戻り力を提供しないように、バルブが不用意に近位に変位するのを防止するための固定機能をさらに提供することができる。固定装置は、エラストマー材料とすることができる。材料は、好ましくは、30ショアA硬度と70ショアA硬度との間の範囲である。また、30未満又は70を超えるショアA硬度を有することもできる。例では、エラストマー材料はO-リングである。特定の例では、O-リングは円形断面を有することができる。
【0483】
2つ以上のバルブフラップを開くために、雄型ルアー先端によって押されたときなどに、バルブオープナーがバルブへ遠位位置に移動することができ、及び、スリットにおける閉鎖までバルブフラップを弛緩又は閉じることを可能にするように、雄型ルアー先端が取り外されたときに、バルブオープナーが近位位置に戻ることができることから、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブオープナーのバルブへの移動と、フラップが閉じることを可能にするためのバルブから離れる移動とを含むことができる。
【0484】
これより図29及び図30を参照すると、本発明のまたさらなる態様に従って提供されるカテーテル組立体又は針組立体100が、針及び針ハブが取り外されて示されているが、本明細書の他の箇所に記載されるのと同じ針及び針ハブを有することができる。針組立体100はまた、本明細書の他の箇所で説明するように、針ガード130を組み込むことができる。本カテーテル組立体は、直前に記載した、特に図27及び図28のカテーテル組立体と同様である。例えば、本固定装置124は、図27及び図28の実施形態と同様に、エラストマー材料を具現化することができる。しかし、本実施形態では、O-リングとすることができるエラストマー材料は、略正方形又は多角形の断面を有することができる。
【0485】
図31図32A及び図32Bを参照すると、カテーテル組立体又は針組立体100のさらに別の実施形態が示されており、これはいくつかの例外を除いて、図4図11及び図16図21のカテーテル組立体と同様である。図31は、針及び針ハブが取り外されたカテーテル組立体を示すが、本明細書の他の箇所に記載されているのと同じ針及び針ハブを有することができる。針組立体100はまた、本明細書の他の箇所で説明するように、針ガード130を組み込むことができる。図32Aは、以下でさらに論じるように、雌型ルアー204(図31)に挿入され、バルブオープナー122を前進させてバルブ120を開く雄型ルアー先端200を示す。図32Bは、図32Aと同じ図を示すが、カテーテルハブの長手方向軸に沿って90度回転している。本実施形態では、バルブ120には、一体的又は一体的に形成された固定装置124が設けられている。本実施形態では、一体型又は一体的に形成された固定装置124は、バルブディスク121と共に形成された保持スカート区画250とすることができる(図34及び図35)。スカート区画250は、ほぼ一定の厚さと、近位端面290とを有することができ、近位端面は、近位移動からカテーテルハブ102の内部にバルブ120を固定するために、カテーテルハブの内側肩部176bに当接又は接触するようなサイズである。スカート区画250の近位端面290は、スカート区画の一部が内側肩部176bの半径方向に露出されるように十分な厚さを有する。スカート区画のこの露出部分は、以下でさらに説明するように、バルブオープナー122がスカート区画250を圧縮、変形、又は付勢するために押し付けるターゲットを可能にするか、又は提供する。
【0486】
図31に加えて図34を参照すると、本実施形態のバルブ120は、バルブディスク121及び一体型スカート250を有することができる。図示の例では、バルブディスク121及びスカート区画250は一体的に形成されている。スカート区画250は、開いた近位端を有する略円筒形の長さとして見ることができる。バルブディスク121は、複数のバルブフラップ194を形成する複数のスリット又はバルブディスクスリット部分234と共に示されている。本実施形態では、バルブディスク121の軸方向の壁厚は、図13及び本明細書の他の箇所に示すように、別個の第1の部分168及び第2の部分170がなく、ほぼ一定である。しかし、別個の第1の部分168及び第2の部分170は、図35に示すように、バルブディスク121及びスカート区画250を有するバルブに組み込むことができる。
【0487】
実施形態では、図18及び図19に示されているものと類似して、スカート区画250の長さに沿ってほぼ一定の厚さを組み込むのではなく、スカート区画は、断面に沿って斜面状の面を組み込むことができる。例えば、図35に示すように、別個の第1及び第2の部分168、170を有するバルブディスク121を有するバルブ120は、斜面状の断面を有するスカート区画250を有することができる。図35のバルブ120は、図34のバルブ120と同様に、図31図32A及び図32Bのカテーテル組立体と共に使用可能であると理解される。
【0488】
本実施形態では、バルブオープナー122は、本明細書の他の箇所に記載されている他のバルブオープナーと同様に、ノーズ区画150と、近位区画157とを備える本体を有し、近位区画は、2つのプランジャ要素152、2つの突起154、及び2つの安定化要素158を備える。プランジャ要素152は、互いに離間され、それらの間に配置された少なくとも1つの流路を有することができる。各プランジャ要素は、プランジャ要素の剛性を制御するために、リブ、凹凸、突起、又は様々な厚さの区画を含むことができる。リブ又は凹凸はまた、流体がプランジャ要素間を通過するときにフラッシングの目的で流れを撹拌するのに役立つことができる。本実施形態のバルブオープナー122は、図33の斜視図で、図31図32A及び図32Bの断面図で示されている。いくつかの例では、図33のバルブオープナー122は、一体的に形成することができる。他の例では、バルブオープナーは、1つ又は複数の異なる材料又は構成要素と共成形又はインサート成形することができる。例えば、2つの安定化要素158は、バルブオープナー122の残りの部分と共に成形することができる金属材料から作製することができる。
【0489】
いくつかの例では、安定化要素158の遠位縁部及び近位縁部は、互いに平行であり得る。安定化要素158の遠位縁部は、バルブオープナー122の長手方向軸に対してほぼ直交することができ、又は長手方向軸に対して傾斜することができる。2つの安定化要素158の各々は、2つが利用される場合、長さ、及び長さに沿った一定の幅を有することができる。しかし、幅は、図43に示すように、安定化要素158の長さに沿って変化することができる。さらに他の例では、一方又は両方の安定化要素は、空隙を有するなど、不連続であってもよい。
【0490】
本実施形態では、ノーズ区画150の近位に、移行区画296が設けられている。図33に示すように、移行区画296は、一対のオープナ肩部294を含み、それぞれが当接縁部298を有する。2つのオープナ肩部294は、互いに離間することができ、2つの当接縁部298は、バルブオープナーが雄ルアー先端200によって前進されるのとほぼ同時にバルブ120に押し込まれるために、ノーズ区画150の異なる側で、バルブオープナーにおけるほぼ同じ軸方向の個所又は位置に配置することができる。各オープナ肩部294は、当接縁部298の近位に延在する傾斜面又はスロープ面を含むことができる。2つのオープナ肩部294は、バルブオープナーの移行区画296で踊り場区画300に近接して配置される。隆起したリップ又はリブは、安定性及び/又は強度を高めるために、バルブオープナーの本体に慎重に十分に設けることができる。
【0491】
いくつかの例では、テーパ面及び当接縁部298を有する2つのオープナ肩部294は、図示の形状から省略又は変更することができる。例えば、ノーズ区画150は、テーパ状の肩部294なしで、移行区画296において段付き肩部293まで直接延びることができる。テーパ状肩部294なしでは、段付き肩部293における当接面295は、スカート区画を圧縮することができる。他の例では、テーパ状肩部294は、略正方形であるか、又は当接縁部298が肩部294自体とほぼ同じ高さになるようにテーパ面のない正方形表面を有するなど、異なる形状を有することができる。言い換えれば、当接縁部298は、テーパ状肩部294なしで、ノーズ区画150の両側においてバルブアクチュエータを設けることができる。テーパ状肩部294のない代替的なバルブオープナー122を使用する際に、2つの段付き肩部293の当接縁部295は、バルブ120の近位端面290を直接押すことができる。
【0492】
図33に示すように、踊り場区画300における外径(OD)は、概ね一定である。例では、踊り場区画300の長さは、その長さに沿って同じODを有する。さらに他の例では、わずかに増加する傾斜又はわずかに減少する傾斜があり得る。踊り場区画300における傾斜面は、図32A及び図32Bに示すように、踊り場区画がスカート区画250に当接又は干渉せず、かつ/又は移行区画を弱めず、したがってバルブオープナーとして動作可能にする限り、実施することができる。図示のように、ノーズ区画150及び踊り場区画250のボアは、ほぼ一定の内径(ID)を有する。
【0493】
外側における、踊り場区画300の遠位では、ノーズ区画150は、ほぼ円錐台形状の構造として説明することができる。ノーズ区画150のテーパ面は、バルブフラップ194が、雄型ルアー先端の除去後にバルブオープナー122をその近位位置に戻すために、近位方向の力を含む一対の分力を付与することを可能にする。
【0494】
図32Aは、雄型ルアー先端200が遠位方向においてバルブオープナー122をバルブへ押すことに起因して、バルブ120のスカート区画250の近位面290を押す、2つのオープナ肩部294(図33)の2つの当接縁部298を示す。スカート区画250及びオープナ肩部294の重なり合う表面は、遠位肩部173とバルブオープナーの当接縁部298との間のスカート区画250の干渉又は圧縮を示す。したがって、バルブ120がバルブオープナー122によって開かれると、バルブフラップ194は、バルブオープナーのノーズ区画150とカテーテルハブの内面との間で圧縮されるか、又はバルブフラップは、バルブオープナーのノーズ区画によって遠位方向に偏向又は変形され、スカート区画250は、遠位肩部173とバルブオープナーの2つの当接縁部298との間で圧縮又は変形される。当接縁部298及びテーパ面を有する肩部294が省略されている場合、2つの段付き肩部293の端面295(図33)は、スカート区画250を圧縮することができる。段付き肩部293及びノーズ区画150のサイズ及び形状は、テーパ状肩部294が省略されたときにスカート区画250を圧縮するように調整することができる。
【0495】
バルブオープナー122によって作動されたときのバルブ120の様々な表面又は部分の圧縮、偏向、変形又は付勢は、バルブ内に蓄積エネルギーを生成する。雄ルアー先端200がカテーテルハブ102の雌ルアー204から取り外されると、蓄積されたエネルギーは、バルブフラップ194及びスカート区画250がより弛緩した状態に戻る形態で放出される。その結果、バルブフラップ194は、ノーズ区画150に対して近位方向の力を加え、スカート区画250は、2つの当接する縁部298に対して近位方向の力を加えて、バルブオープナー122を図32A及び図32Bに示す遠位位置から図31に示す近位位置に移動させる。
【0496】
バルブオープナー122は、雄型ルアー先端200によって押されたときなどに、バルブの2つ以上のバルブフラップ194を開くために、遠位位置においてバルブ120へ移動することができ、また、バルブオープナーは、雄型ルアー先端が取り外されてバルブフラップ194及びスカート区画250がスリット234(図34及び図35)を弛緩又は閉じることを可能にするときに近位位置に戻ることができることから、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブ120は、複数の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの移動及びバルブから離れる移動を含むことができる。
【0497】
バルブのバルブフラップ又はスカート区画のようなバルブは、バルブオープナーなどの第1の構造が、第2の構造を第1の構造の遠位側に配置する必要なくバルブへ移動することによって、偏向、付勢、又は変形することができるが、ただし任意選択的に第2の構造を組み込むことができる。例えば、バルブフラップは、バルブオープナーが遠位方向に移動するにつれて、バルブオープナーによって遠位に偏向することができる。バルブフラップの遠位方向への撓みは、バルブフラップの遠位側に位置する肩部又は剛性表面の存在の有無にかかわらず起こり得る。しかし、バルブフラップの遠位側に肩部又は剛性表面がある場合、バルブフラップは、両方とも遠位に撓むことができ、バルブオープナーと遠位側の肩部又は剛性構造との間で圧縮することができる。バルブオープナーのノーズ区画によって偏向、付勢、又は変形される板ばね、又はノーズ区画のテーパ区画の挿入によって拡張されるC形リング又は螺旋状のばねなど、他の物体は、対向する構造なしに偏向、付勢、又は変形することができる。
【0498】
したがって、本発明の態様は、遠位方向に延びるカテーテルチューブを有するカテーテルハブを備えるカテーテル組立体又は針装置を含むと理解され、前記カテーテルハブは、外面、及び内部空洞を形成する内面を有する本体を備える。バルブ及びバルブオープナーは、内部空洞の内側に配置することができる。例では、ボアを形成する本体を有する固定装置が、バルブの近位に配置される。例では、固定装置は、バルブと一体的に形成することができ、スカート区画とすることができる。例えば、バルブディスクは、バルブスカート又はスカート区画と一体的に形成することができ、バルブスカートは、バルブディスクをカテーテルハブの内部に保持するための固定装置として機能することができる。
【0499】
バルブのバルブフラップは、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために近位方向の戻り力を付与することができる。さらに、バルブオープナーは、スカート区画をカテーテルハブの遠位肩部に対して軸方向に圧縮、変形、又は付勢するための1つ又は複数の当接縁部を含むことができる。言い換えれば、バルブスカート又はスカート区画は、長さを有することができ、バルブオープナーは、バルブオープナーの遠位位置への作動中にバルブスカートを圧縮又は変形させてバルブを開き、バルブスカートの長さを第1の長さからより短い第2の長さに減少させることができる。スカート区画がバルブアクチュエータによって長さを減少すると、スカート区画は、蓄積エネルギーを受け取る。したがって、スカート区画は、貯蔵されたエネルギーが、バルブオープナーの1つ又は複数の当接縁部などに放出されるときに、バルブオープナーに対して軸方向に向けられた力を提供して、雄ルアー先端の除去時に、バルブオープナーを近位位置に戻すことができる。
【0500】
例では、固定装置は、バルブオープナーが雄ルアー先端によって遠位方向に前進してバルブのバルブフラップを開くときに、例えばノーズ区画によって遠位方向にバルブフラップを偏向させるときに、バルブオープナーのエラストマー部分などのバルブオープナーとの干渉を提供することができ、偏向は、雄ルアー先端がカテーテルハブから取り外されたときに、バルブオープナーを遠位位置から近位位置に戻すために、カテーテルハブの長手方向軸にほぼ平行に延在する力ベクトルを含む力ベクトルを提供することができる。例では、干渉、付勢、偏向、又は圧縮は、蓄積エネルギーをバルブのスカート区画に提供する。蓄積されたエネルギーは、近位軸方向にバルブオープナーの1つ又は複数の当接面を押すように放出することができる。
【0501】
したがって、バルブオープナーは、バルブの複数の別個の位置でバルブを変形させて、蓄積エネルギーをバルブに供給するために、ノーズ区画及び1つ又は複数の当接縁部などの複数の表面を有することができる。バルブの変形した表面は、バルブフラップ及びバルブフラップとは異なるバルブの他の表面を含むことができる。例えば、バルブフラップに加えて、スカート区画は、バルブオープナーによって軸方向に圧縮することができる。カテーテルハブは、カテーテルハブ、バルブ、バルブオープナー、固定装置、及びカテーテルチューブを通って突出する針を含むことができる。針は、針の近位端で針ハブに取り付けることができる。
【0502】
図36及び図37を参照すると、本発明の態様によるさらに別のカテーテル組立体又は針組立体100が示されている。カテーテル組立体100は、針及び針ハブが取り外された状態で示されているが、本明細書の他の箇所に記載されているのと同じ針及び針ハブを有することができる。針組立体100はまた、本明細書の他の箇所に記載されているように針ガードを組み込むことができる。
【0503】
本実施形態では、カテーテルハブ102、カテーテルチューブ104、バルブ120、バルブオープナー122、及び固定装置124は、いくつかの例外を除いて、図8及び図9を参照して示されたものと同様であり得る。本実施形態では、環状スリット又は環状チャネル206がバルブ120の近位側表面に設けられ、及び固定装置124の遠位端を受け入れるために拡大させている。すなわち、本実施形態の環状チャネル206の拡大された空隙は、拡大された空隙に起因して、固定リング124のリング本体の外面に接触することができるが、リング本体の内面に接触することはできない。リング本体はまた、リング本体に対する環状チャネル206の深さを制御又は設定するために、環状チャネルの端面又は遠位面に接触することができる。この構成は、図8及び図9を参照しながら記載したように、リング本体の内面が環状チャネルによって把持される必要がないため、環状チャネル206を形成又は作成するための公差を緩和し、又は製造要件を単純化しながら、固定装置124がカテーテルハブの内部にバルブ120を保持することを可能にする。またチャネル(流路)は、バルブディスクに部分的に切り込みを入れるよりも標準的な成形技術によって形成するのが容易である。
【0504】
図38aは、図36及び図37のカテーテル組立体100に関連して使用される保持リング124を示す。図示のように、本実施形態の保持リング124のリング本体220は、ほぼ一定の壁厚を有する、近位端212と遠位端210との間の長さを有する壁と、保持リングの近位端での湾曲した本体部分214とを有することができる。壁は、バルブオープナー122のノーズ区画150を収容するためのボアを形成する内部を有する。固定装置124の壁は、近位端212での湾曲した本体部分214を除いて、ほぼ円筒形であり得る。例では、保持リング124の近位端212は、保持リング124をカテーテルハブ102の任意選択の内側肩部176bに対して固定するための外側に湾曲したリップ214を有することができる。内側肩部176bに対して配置されると、固定装置124は、バルブ120が近位方向に変位しないように固定するのを助けることができる。バルブ120は、バルブの遠位側表面におけるカテーテルハブ102の肩部173に対して配置されることによって、遠位方向の動きから固定又は支持される。いくつかの例では、保持リング124の湾曲リップ214は、肩部のないカテーテルハブの内部との締まり嵌めを有する。
【0505】
本固定装置124には、1つ又は複数の板ばね256を設けることができる。図示のように、4つの板ばね256は、固定装置を備え、約2、6、8、及び10時の位置で互いに等間隔に配置することができる。しかし、板ばねは、リング本体220の異なる円弧位置に配置することができる。例では、板ばね256は、リング本体220の近位縁部312に少なくとも2つの切り込みを入れることによって形成することができる。図示のように、板ばね256は、金属が曲げられて板ばね256を形成することを可能にするように湾曲リップ214を通る2つのほぼ平行な切断部から形成され、切断部は各板ばね256の2つの側縁部を形成する。
【0506】
一例では、本固定装置124に組み込まれたすべての板ばね256は、各板ばねに対して2つのほぼ平行な切り込みを利用するなど、同じ方法で形成することができる。他の例では、切り込みは、非平行であり得る。さらに他の例では、異なる板ばねの組み合わせを実施することができる。例えば、リング本体220は、図38aに示すように近位縁部312を通り形成された切り込みを有する2つの近位に位置する板ばね256と、図22の板ばねと同様に、遠位端210と近位端212との間に形成された2つの板ばねとを有することができる。さらに他の例では、3つ、2つ、又は1つなどの4つ未満の板ばね、又は、5つ、6つ、又は7つなどの4つを超える板ばねを実施することができる。さらに、切り込み間の間隔は、板ばねの幅又はサイズを変更するように変化することができ、板ばねによって生成されるばねの力又は付勢の力を変更することができる。板ばね256を形成するための近位縁部312を通る切り込みは、2つの隣接する板ばね256の間に近位区画255を形成するという利点を有する。近位区画255は、バルブを固定するために固定装置124をカテーテルハブに摺動させるときに、偏向又は屈曲することができる。近位区画255が撓む又は屈曲する能力は、固定装置を設置するための挿入の力を減少させることができる。上述し図25に示す実施形態と同様に、板ばね256とリング本体220の近位縁部312との間にスリットの代わりに切欠きがあってもよい。これは、板ばね256と近位縁部312の両方の可撓性を高める。
【0507】
図38bは、図38aの固定装置124の端面図である。図示の図では、4つの板ばね256は、固定装置の近位端212に沿って等間隔に配置されている。さらに、固定装置は、4つの板ばねが3、6、9、及び12時の時刻位置に配置されるように配向される。
【0508】
図36に示すように、固定装置124及びバルブオープナー122のノーズ区画150は、バルブオープナー近位位置において互いに離間している。2つの間の空隙又は空間は、固定装置124に接触又はぶつかる前に、バルブオープナー122が遠位方向に移動してバルブを開き、例えばバルブフラップ194を偏向させるための隙間を提供する。図示の状態では、バルブアクチュエータ122のノーズ区画150の作動端180は、固定装置124によって形成されたボア内に配置されているが、固定装置から離間しているか、又は固定装置に接触していない。作動端180及びノーズ区画150はまた、複数の板ばね256によって形成された円筒から離間している。この空間又は空隙は、板ばねに当たる前など、固定装置に当たるか又は接触する前に、バルブ作動要素が遠位方向に前方に移動することを可能にする。作動端180は、バルブ120の近位側表面と接触して示されている。他の例では、作動端180は、バルブ120の近位側表面からわずかに離間することができる。
【0509】
図37は、図20及び図21の実施形態と類似して、開口近位端136に挿入され、バルブオープナー122をバルブ120へ前進させてバルブフラップ194を開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104の内腔との間の流体連通を開く、雄ルアー先端200を有する図36の組立体の断面側面図である。図示していないが、雄ルアー先端200は、バルブ120を開くためバルブアクチュエータ122を遠位位置にさらに維持するために、カテーテルハブ102におけるラグ又は雄ねじ202と係合するねじ付きカラーを有することができる。
【0510】
例では、バルブオープナー122は、雄ルアー先端200によって前進すると遠位に移動するように構成される。バルブオープナーが遠位方向に移動する量又は距離は、作動端180及びノーズ区画150がバルブフラップ194を遠位方向に偏向させてスリットを開き、雄ルアー先端200とカテーテルチューブ104との間の流体連通を開くのに十分なものであるべきである。図示の例では、バルブオープナー122の作動端180は、バルブフラップの遠位に移動し、バルブフラップは、カテーテルハブ102の内部とノーズ区画150のテーパ面との間で圧縮することができ、又はバルブフラップ194は、圧縮の有無にかかわらず、バルブオープナー122のノーズ区画150によって遠位に偏向又は変形することができる。図示のように、作動端180は、バルブフラップ194の端部に等しいか、又はバルブフラップの端部の手前であるが、両方向の自由な流れのために十分にバルブを開く距離だけ移動する。
【0511】
図示の例では、ノーズ区画150のテーパ面は、固定リング124の複数の板ばね256を半径方向外側に偏向又は付勢して、板ばねに蓄積エネルギーを提供する。湾曲リップ214は、付勢部材のように作用することができる。したがって、板ばね256の解放時に、板ばねは、バルブオープナー122のノーズ区画150に一対の分力又は力ベクトルを付与し、これは、近位方向においてカテーテルハブ102の長手方向軸にほぼ平行に作用する力を含む。
【0512】
雄型ルアー先端200に取り付けられたIV流体バッグを交換する場合などで、雄型ルアー先端200を引き抜くと、雄型ルアー先端200によって2つのプランジャ要素152の近位縁部182に作用する遠位方向の力が除去又は停止され、雌型ルアー204は、外部物体によって占有されない。これにより、バルブオープナー122は、その近位位置に戻ることができ、雄ルアー先端によって退かされる。例では、バルブ120の弾性により、バルブフラップ194は、その蓄積エネルギーを放出することによって、図36に示す位置に移動するなど、より弛緩した状態に戻ることができる。バルブフラップ194のこの反発作用及びバルブオープナーのノーズ区画150の形状は、バルブフラップ194が、図36に一般的に示すように、バルブオープナー122を図37に示す遠位位置から近位位置に移動させるようにノーズ区画150に力ベクトルを与えることを可能にする。さらに、ノーズ区画150に作用する板ばね256は、また、近位方向に力を加えて、バルブオープナーをその近位位置に戻すのをさらに助ける。
【0513】
雄型ルアー先端200によって押されたときなどに、バルブオープナー122が遠位位置にバルブ120へ移動することができて2つ以上のバルブフラップ194を開き、また、雄型ルアー先端が取り外され、スリットにおいてバルブフラップ194を弛緩又は閉じて閉鎖することを可能にするときに、バルブオープナーが近位位置に戻ることができることから、バルブは、複数の作動サイクルを受けることができる。例では、バルブは、2つ以上の作動サイクルを受けることができる。例えば、バルブは、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、又はそれ以上を受けることができる。各作動サイクルは、バルブフラップを偏向させるためのバルブアクチュエータのバルブへの移動と、バルブフラップが閉じることを可能にするためのバルブから離れる移動とを含むことができる。
【0514】
次に、本発明の態様によるカテーテル組立体及びその構成要素を作製及び使用する例示的な方法を、考えられる他のプロセスステップと共に説明する。本明細書に開示される固定装置124は、適切な熱可塑性樹脂から成形することができ、又はステンレス鋼などの板金から形成することができる。バルブ120自体は、弾性ポリマー、シリコーン、合成又は天然ゴムで形成することができる。したがって、固定装置124が、バルブ120と一体的に形成された保持又は保持スカート250(図18及び図19)である場合、保持スカート250は、弾性ポリマー、シリコーン、合成又は天然ゴムから作製することもできる。固定装置124を金属材料から形成する場合、金属は、最大5年とすることができる、デバイスの寿命中の弾性クリープを回避するという利点を有する。
【0515】
本発明の態様によるカテーテル組立体を組み立てる順序は、考えられる他のステップを有する以下のものであることができる。すなわち、カテーテルチューブを金属ブッシュに取り付けるステップ、金属ブッシュ/カテーテルチューブをカテーテルハブに取り付けるステップ、バルブ及び固定装置を、カテーテルハブの内面における遠位肩部と近位肩部との間の溝内に組み立てるステップとすることができる。固定装置は、固定装置の近位側又は端部で肩部に当接又は押圧することができる。固定装置は、一体的に形成されたスカート、O-リング、又はばねリングを含む、本明細書の他の箇所に記載された固定装置のいずれか1つであってもよい。
【0516】
次に、カテーテルハブ内にバルブオープナーを挿入し、針ガードを介して針の突合せ端部を挿入し、針の突合せ端部を針ハブに取り付け、及び、開口器具でバルブオープナーの近位端部を押すことによってバルブを開く。例では、開口器具は、雄ルアー先端に似ているが、針シャフトの周りに開口器具を配置することを可能にするため、又は針シャフトから開口器具を取り外すために、水平の分割線を有することができる。次に、最初に、開いたバルブを通して針先端を挿入し、カテーテルハブから開口器具を除去して開口器具の2つの半体を互いから離して移動させることによって、バルブオープナーに対する押圧力を解放し、針先端がカテーテルチューブから完全に延在し針ガードがその保護準備位置に配置されて針ハブの最遠位端がカテーテルハブ内に突出するまで、カテーテルチューブを通して針を完全に挿入するよう前進させ、ベントプラグを針ハブの近位端に取り付ける。例えば、ステップの順序を変更したり、ステップの1つ又は複数を削除したりするなど、上記のステップの他の変形が可能である。追加のハウジングが針ガードの一部として使用されるとき、針ガードをカテーテルハブに挿入する必要はないか、又は針ガードのごく一部のみをカテーテルハブに挿入することができる。
【0517】
使用では、針先端は、患者の皮膚及び静脈を貫通し、血液は、針を通って針ハブ内に逆流し、カテーテル先端部は、針先端を越えて静脈内に滑り込み、二次血液フラッシュバックがカテーテルチューブを上昇して見られ、カテーテルチューブの残りは、カテーテルハブが皮膚の挿入部位の近くになるまで針が取り外されるにつれて静脈内に挿入される。カテーテルハブから針を取り外すと、又は活性化ステップが行われると、針ガードが活性化して、ユーザを不用意な針刺しから保護する。針先端がバルブの近位に移動すると、バルブのバルブフラップは閉じる。したがって、ユーザは、不用意な針刺し損傷及びカテーテルハブから漏れる血液汚染の両方から保護される。バルブは、カテーテルハブの雌型ルアーに取り付けられた任意の雄型器具のその後の非接続時の血液汚染からユーザを保護し続ける。
【0518】
採血器具、延長ライン又は投与セットのいずれか、それら全てを有する雄ルアーコネクタを、カテーテルハブの雌ルアーに取り付けることができる。雄ルアーコネクタがカテーテルハブに挿入されると、先端がバルブオープナーを押してバルブを開き、血液の注入又は取り出しを可能にする。雄ルアーが非接続にされたとき、バルブは、上述のように閉じ、ユーザは、カテーテルハブからの血液漏れから保護され続ける。バルブオープナーは、本明細書の他の箇所に記載されている、バルブフラップ閉鎖からの及び固定リングからの近位方向の力を用いて、遠位位置から近位位置に移動することができる。接続及び非接続を繰り返すことができ、それでもなおカテーテルハブから血液が漏出することはない。通常、患者から血液を採取した後、洗浄流体で満たされた洗浄シリンジをカテーテルハブに取り付けて、カテーテルハブ及びカテーテルチューブから残留血液を洗い流すことができる。カテーテルハブ、バルブ、固定装置又は固定リング、及びバルブオープナーは、洗浄後のいずれかの残留血液を最小限に抑えるように構成される。2つのプランジャ要素152の間に開口部を追加することは、流路を追加することによって残留血液を最小限に抑えるのに役立つ。
【0519】
図39を参照すると、本発明のさらなる態様に従って提供されるカテーテル組立体100の概略断面の側面図が示されている。本カテーテル組立体100は、いくつかの例外を除いて、本明細書の他の箇所に記載されている他のカテーテル組立体と同様である。他の実施形態と同様に、カテーテル組立体100は、針108及び針ハブ106、バルブ120を有するカテーテルハブ102に取り付けられたカテーテルチューブ104、並びにハブ本体126の内部123の内側に配置されたバルブオープナー122を有することができる。図4図5図8図9図20図21及び図36図38などの実施形態と同様に、バルブ120をカテーテルハブの内側に固定するために固定装置を組み込むこともできる。
【0520】
任意選択的に、バルブ120は、一体型又は一体的に形成された固定装置を設けることができる。一体化された又は一体的に形成された固定装置は、図18図19図31図32A、及び図32Bに示すものと同様の三角形の断面又は他の形状のスカート断面を有する保持スカート区画とすることができる。さらに、静脈穿刺の成功後に針を引き込んだときに針先端を保護するために、図4及び図5などに示す針ガード130と同様に、針ガードを組み込むことができる。他の例では、図45A図46Bに示すような針ガードは、図39のカテーテル組立体と共に使用することができる。
【0521】
本実施形態では、カテーテルハブ102のハブ本体126は、近位方向を向き、ハブ本体126の長手方向軸に対して鋭角に形成された細長い本体362を有するサイドポート360を設けている。サイドポート360は、カテーテルハブのハブ本体126と一体的に形成することができる。サイドポート360は、チューブと共に使用することができ、このチューブは、次に、反対側の端部で流体コネクタと接続される。任意選択的に、針ハブ106に取り付けられたベントプラグ112などのベントプラグは、チューブなしで使用される場合には、サイドポート360の開口部に配置することができる。
【0522】
サイドポート360は、入口開口部を有するボア364を有することができる。サイドポート360のボア364は、カテーテルハブの内部空洞123及びカテーテルチューブ104の内腔と流体連通することができる。例では、サイドポートのボア364は、バルブ120及びカテーテル内腔の遠位の内部チャンバ又は内部空洞123と流体連通する。カテーテルハブからの静脈穿刺が成功した後に針108及び針ハブ106を取り外した後、バルブ120の1つ又は複数のフラップは、閉じることができ、内部空洞をバルブの遠位の遠位チャンバ368とバルブの近位の近位チャンバ370とに分離することができる(図41)。サイドポート360は、バルブ120により、内部空洞の近位チャンバ370(図40)から隔離されることができる。しかし、針がカテーテルチューブ内に配置され、針がバルブフラップのうちの1つ以上を偏向させると、近位チャンバ370と流体連通することができる。以下でさらに説明するように、チューブ376(図42)がサイドポート360に接続可能であり、流体コネクタ378(図42)がチューブの反対側の端部に接続可能である。サイドポート360及びチューブを有するカテーテルハブ102は、一体型カテーテル100aと呼ばれることもある。
【0523】
また、図39には、本明細書に記載の他のベントプラグと同様に、針ハブ106の近位開口部に接続されたベントプラグ112、及び任意選択のパドルグリップ372も示されている。組み込まれる場合、パドルグリップ372は、静脈内への針108の挿入中の穿刺個所に、より近いグリップを提供することができる。一般に、穿刺個所に近いほど正確に穿刺することができる。組み込まれる場合、パドルグリップ372は、針ハブ106と一体的に形成することができる。パドルグリップ372は、針ハブの側面まで延在するほぼ平坦な構造を具現化することができ、遠位方向に延在する長さを有することができる。パドルグリップ372は、丸みを帯びた外縁を有するこぶ状又は湾曲状の外側輪郭を有することができ、又は他の形状を有することができる。表面凹凸又は把持機構をパドルグリップに組み込むことができる。パドルグリップ372は、針ハブ102を針108の長手方向軸の周りに回転させることによって、左利きのユーザ又は右利きのユーザのために調整可能であり得る。いくつかの例では、パドルグリップ372は、クリップリングで形成することができ、クリップリングは、針ハブ上を滑動することができる。クリップリングは、パドルグリップ372の位置が施術者の所望に応じて変化することを可能にするために、針ハブ106の周りで調整可能又は回転可能であり得る。例示的な調整可能なパドルグリップは、米国特許出願公開第2017/0173304(A1)号明細書に開示されており、その内容は参、照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0524】
図40は、針の軸に沿って90度回転した図39のカテーテル組立体100の断面側面図を示す。バルブ120、バルブオープナー122、及び針ガード130を含む様々な構成要素がより明確に示されている。別個に形成された固定装置又は一体的に形成された固定装置は、示されていないが、それは、本明細書の他の箇所で前述したように、バルブ120をカテーテルハブ102の内部空洞123内に固定するために使用することができる。
【0525】
図41は、組立体に組み込まれた様々な構成要素をより明確に示すための、図40のカテーテル組立体の部分的な拡大図である。図示のように、バルブ120は、図13に示すバルブ120を具現化することができ、遠位肩部173と近位肩部176aとの間に保持することができる。バルブ120の近位に配置されたバルブオープナー122は、バルブ120に押し込んでバルブディスクの1つ又は複数のスリットを開き、3つのスリット及び3つのフラップ、又は4つのスリット及び4つのフラップなどの、2つ以上のフラップを偏向させるための作動端を有するノーズ区画150を含むことができる。バルブオープナー122は、少なくとも1つのプランジャ要素152を含むことができ、2つの離間したプランジャ要素152がより好ましく、流体の流れのためにそれらの間に1つ又は複数の空隙を有することができる。安定化要素158は、2つのプランジャ要素152に接続又は取り付けることができる。図示の例では、2つの安定化要素158は、プランジャ要素の対向する側縁部において、2つのプランジャ要素152に接続される。前述したように、2つの安定化要素158及び2つのプランジャ要素152は、2つのエルボー188a、190aでの針ガード130の寸法と比較して小さい内側開口部400(図47)を形成する。したがって、針108が針ガード130の2つのアーム188、190を離して付勢するとき、針ガードは、サイズ差に起因して2つの安定化要素158の近位に移動することが防止される。図示のように、エルボー188a、190aは、カテーテルハブ内の内側肩部176cの遠位で、2つの安定化要素158の遠位に配置される。したがって、前述したように、2つの安定化要素158に加えて、針ガード130は、使用準備済位置において、及び針の後退中に、針先端が2つのアームの2つの遠位壁の近位に移動して一緒に折り畳まれるまで、近位肩部176cによってカテーテルハブの内部に保持することができる。
【0526】
図42は、図39図41の一体型カテーテル組立体100aとも呼ばれるサイドポート360を有するカテーテル組立体100の斜視図である。前述のように、チューブ又はチューブの長さ376は、チューブの第1の端部でサイドポート160に、及びチューブ376の第2の端部で流体コネクタ378に取り付けることができる。流体コネクタ378は、プラグ隔壁又は無針バルブなどのいくつかの異なる装置を具現化することができる。図示のように、流体コネクタは、内部に配置された可動ピストン382を有するハウジング380を備える無針バルブ378である。ハウジング380は、シリンジ先端などの雄ルアー先端を受け入れるための雌ルアーを有する入口開口部384を有することができる。シリンジは、ピストン382を圧縮することによって針なしで流体コネクタ378を開くために使用することができる。
【0527】
入口開口部384に挿入されると、シリンジの雄ルアー先端は、ピストン382を圧縮して、ハウジング380の入口384と出口との間の流体経路を開く。ハウジング380の出口は、チューブ376に接続されている。したがって、雄ルアー先端を介してシリンジから分配された薬剤、サプリメント又は薬剤などの流体は、無針バルブ378を通ってハウジング380の出口からチューブ376内に流れ、次いでサイドポート360を通って流れ、次いでカテーテルハブ102の遠位チャンバ368内に流れ、次いでカテーテルチューブ104の内腔内に流れ、患者の体内に入ることができる。
【0528】
使用中、サイドポート360を有する本カテーテル組立体100は、組み込まれている場合には、パドルグリップ372を使用して把持することができ、次いで、針先端及びカテーテルチューブの先端部で静脈内に挿入することができる。一次血液フラッシュバックは、血液が針を通って針ハブに流入するときに見ることができる。一次フラッシュバックが確認された状態で、施術者は、次いで針を近位方向に引っ張り、針とカテーテルチューブとの間で血液を流して二次的な血液フラッシュバックをチェックすることができる。二次的な血液フラッシュバックが確認されたとき、ユーザは、血管へのアクセスのためにカテーテルチューブを静脈内にさらに押し込むことによって、カテーテル組立体を静脈内にさらに挿入することができる。次いで、針及び針ハブをカテーテルチューブ及びカテーテルハブから完全に取り外すことができる。針を後退させると、針先端は、針ガードの2つの遠位壁の近位に移動し、これにより、針ガードの2つのアームは、一緒に移動し、安定化要素から解放されることが可能になる。外形の変化部142が針ガード130の近位壁における開口部と係合すると、さらなる針の後退が、針ガードをカテーテルハブから取り外す。
【0529】
針108及び針ハブ106の取り外しに続いて、カテーテルチューブ104が患者の静脈内に配置された状態で、図39図42の組立体は、図6図8図10図16図18図20図27図29図31、及び図36に示されている装置のような状態である。針108の取り外しに続いて、バルブ120の複数のバルブフラップは、スリットを閉じてバルブ120を通る近位方向及び遠位方向の流れを制限するために、跳ね返されるか、それらの弛緩状態に戻る。例では、バルブアクチュエータ又はオープナ122のノーズ区画150の作動端180は、バルブオープナー近位位置においてバルブの近位にあり、バルブの近位に面する表面から離間し、組み込まれている場合には、固定装置から離間している。ノーズ区画150のテーパ面はまた、組み込まれている場合には、固定装置から離間される。ノーズ区画と固定装置との間のこの間隔又は空隙は、組み込まれている場合には、固定装置に衝突又は接触する前に、雄ルアー先端によって押されたときに、バルブ作動要素122が遠位方向に前方に移動することを可能にする。この配置は、バルブオープナーがバルブを開くために遠位方向に変位する余地を提供する。例では、本明細書の他の箇所で説明するように、雄ルアー先端がルアーフィットにおいてカテーテルハブ102の雌ルアーに当接すると、バルブオープナーの遠位前進を停止する。図41に示すように、ノーズ区画150の作動端180は、使用準備済位置においてバルブ120の近位側表面から離間することができ、針先端は、カテーテルチューブの遠位開口部の遠位に延在し、バルブオープナーの近位位置にある。他の例では、作動端180は、雄ルアー先端によって遠位方向に前進する前に、バルブ120の近位側表面に接触することができる。例では、図の31~図35のバルブ120及びバルブオープナー122は、本実施形態のカテーテルハブと共に用いてもよい。
【0530】
例では、IV投与セットのIV点滴ラインは、カテーテルハブの近位開口部136を介してカテーテルハブ102に接続することができる。IV投与セットによって占有されたカテーテルハブでは、チューブ及びサイドポートを介してカテーテルハブに接続された流体コネクタ378を使用して、シリンジなどを介して患者に薬剤を注入することができる。あるいはまた、IV投与セットのIV点滴ラインは、流体コネクタ378に接続することができ、カテーテルハブ102の近位開口部136を使用して、シリンジなどを介して薬剤を注入することができる。
【0531】
図43を参照すると、本発明のさらなる態様に従って提供されるバルブオープナー又はアクチュエータ122の斜視図が示されている。本バルブオープナー122は、いくつかの例外を除いて、図4図5図15図20、及び図33のバルブオープナーなど、本明細書に記載の他のバルブオープナーと同様である。図示のように、バルブオープナー122は、作動端180を有するノーズ区画150と、ノーズ区画150から近位方向のより大きな断面まで断面の寸法が増加する移行区画296とを備える。2つのプランジャ要素152は、移行区画296から近位方向に延びることができる。本バルブオープナー122は、固定装置を有するものなど、本明細書に記載のカテーテル組立体のいずれかと共に使用することができる。
【0532】
図示のように、移行区画296は、いくつかの傾斜したセグメントで先細になっている。他の例では、移行区画296は、ノーズ部150から近位方向に増加する滑らかな曲線又は単一の傾斜テーパを具現化することができる。移行区画296の遠位のノーズ区画150は、略円錐台形の形状であり、流体の流れのための貫通開口部を有する。ノーズ区画150のテーパ面は、バルブのバルブフラップ194が、雄型ルアー先端の除去後にバルブオープナー122をその近位位置に戻すために、近位方向の力を含む一対の分力を付与することを可能にする。
【0533】
図示の例では、2つの安定化要素158がバルブオープナー122に組み込まれている。各安定化要素158は、2つのプランジャ要素152に接続される。図33の安定化要素158と比較して、本バルブオープナー122の安定化要素158の少なくとも一方は、安定化要素を形成するブリッジの長さに沿って幅が変化し得る遠位縁部158aと近位縁部158bとの間に形成された幅を有する。例えば、安定化要素158は、第1の端部と第2の端部との間、又は2つのプランジャ要素に取り付けられた2つの端部の間の幅を有することができ、幅は、2つの端部の近くでは狭く、長さの中央付近では広くすることができる。安定化要素158のより広い部分388は、安定化要素158の長さの25%~75%の範囲とすることができる。しかし、図33のバルブオープナーのように、一方又は両方の安定化要素158は、図33の安定化要素を形成するブリッジと同様に、その全長に沿って同じ幅を有することができる。例では、より広い部分388は、安定化要素158の2つの端部の間の中央に配置することができる。いくつかの例では、一方又は両方の安定化要素158の近位縁部158bに切欠き又は凹部390を組み込むことができる。
【0534】
例では、また図44を参照すると、安定化要素158のより広い部分388の遠位縁部158aは、テーパ状縁部392を有することができる。テーパ状縁部392のテーパは、安定化要素158の外面又はその近傍から始まり、安定化要素158の内面に向かって傾斜しているべきである。言い換えれば、テーパ状縁部392の先端は、安定化要素158の内面よりも安定化要素158の外面に近くにあるべきである。以下でさらに説明するように、テーパ状縁部392を有する構成は、針ガードを外すのを容易にすることができる。2つの安定化要素158が組み込まれる場合、2つの安定化要素の両方の遠位縁部は、図44に示すテーパ状縁部392を組み込むことができる。
【0535】
いくつかの例では、バルブオープナー122の2つの安定化要素158の各々は、その長さに沿って同じ幅を有することができ、一定の幅を有する両方の安定化要素158は、図44に示すようにテーパ392を有する遠位縁部158aを有することができる。例えば、図33の2つの安定化要素158の遠位縁部は、図44に示すテーパ状縁部392を有することができる。いくつかの例では、バルブオープナー122は、2つの安定化要素158を有することができ、一方はその長さに沿って同じ幅を有し、一方はその長さに沿って中央位置に広い部分388を有する。安定化要素158の一方又は他方又は両方は、テーパ392を有する遠位縁部158aを有することができる。他の例では、2つの異なる安定化要素158の一方又は両方の遠位縁部は、典型的な正方形又は真っ直ぐな上下の縁部を有することができ、これはまた、以下でさらに説明するように、針ガードの解放を可能にすることができる。
【0536】
図示のように、2つのプランジャ要素152は、安定化要素158の近位縁部158bの近位に延びる部分を有することができる。いくつかの例では、2つのプランジャ要素152の近位縁部182及び安定化要素158の近位縁部158b、又は両方の安定化要素の近位縁部は、ほぼ同じ垂直面に沿って終端することができる。近位縁部がほぼ同じ平面に沿って終端する実施形態では、安定化要素の遠位縁部158aは、安定化要素158の幅を増加させることなどによって、遠位方向に延びることができる。遠位縁部158aの位置の変化は、針ガード130と安定化要素158との間の相互作用を制御するのに利用することができる。
【0537】
図45A及び図45Bを参照すると、本発明のさらなる態様に従って提供される針ガード130が示されており、針に取り付けられ、針先端をガードするように作動するものが、それぞれ示されている。針ガード130は、本明細書に記載の様々なカテーテル組立体と共に使用することができる。
【0538】
本針ガード130は、本明細書の他の箇所に記載されている他の針ガード130と同様であり、針108を収容するための、針と共に形成された外形の変化部142と係合するための開口部を形成する周囲192を有する近位壁140を備える。2つのアーム188、190は、近位壁140の遠位に延在する。各アームは、遠位壁188b,190b、及び、遠位壁とアームの細長いアーム部分188c,190cとの間に位置するエルボー188a、190aを有する。リブ又はタブ185は、針ガード130の様々な部分に組み込まれて、追加の剛性又は剛性を提供することができる。図示のように、近位壁140の縁部、2つの細長いアーム部分188c、190cのそれぞれ、及び遠位壁188b、190bにタブ又はリブを設けることができる。好ましい実施形態では、各遠位壁188b、190bには、図45Aに示すように、針が2つのアームの間に位置するときに湾曲リップが針の側面に当接するように、湾曲リップ188d、190d(図45B)が設けられている。湾曲リップは、針が遠位壁の縁部に当接しないように針ガードに組み込むことができ、それは、針をこすることが可能であるが、湾曲リップの代わりに平坦な外面を有することが可能である。いくつかの例では、タブ又はリブは、第1のアーム188の湾曲リップ188dなどの遠位壁188bから省くことができる。
【0539】
2つのアーム188、190は、図45Aの後退位置又は針露出位置及び図45Bの針ガード位置又は保護位置の両方に示される側面図に従って互いに交差する。他の例では、2つのアームは、針シャフトのそれぞれの側面において近位壁140の遠位に延在することができるが、針軸と交差しない。
【0540】
図45Bは、2つの遠位壁188b、190bの近位に移動するために近位方向に後退した針先端を示す。そのように動かされると、針は、もはや2つのアームを付勢せず、2つのアームは、互いに接近することができ、これにより、2つのアームが図45Aの針によって付勢される場合と比較して、2つのエルボー188a、190b間で測定される寸法を減少させることができる。針108は、外形の変化部142が近位壁140の開口部を形成する周縁部192に当接するまで近位方向に後退する。前述のように、周囲192は、外形の変化部142の最大断面寸法よりも小さい寸法を有する。これにより、前述したように、針108が近位方向に移動して、針と共に針ガード130を取り外すことができる。
【0541】
図45Bは、2つの異なる長さを有する針ガード130の2つのアーム188、190を示す。したがって、保護位置では、針の軸を見下ろしたとき、2つの遠位壁188b、190bは重なる。例では、遠位壁188bと第1のアーム188の細長いアーム部分188cとの間の角度は、遠位壁190bと第2のアーム190の細長いアーム部分190cとの間の角度よりも大きい。図45Aの針先露出位置から図45Bの保護位置まで、針ガードは、使用準備済位置において針の側方に位置し、保護位置において針先端の遠位位置に移行して、針先端を不用意な針刺しから覆う表面を有する。
【0542】
例では、2つのアーム188、190の各細長いアーム部分188c、190cは、ほぼ直線状又は直線状であり、針によって付勢されると、場合によってはそれぞれのエルボー188a、190aまでわずかに屈曲する、又は撓む。次に、単一の半径屈曲部が作られて、それぞれのエルボー188a、190a及びそれぞれの遠位壁188b、190bが形成される。それぞれの湾曲リップ188d、190dを形成するために、別の単一半径屈曲部が形成される。エルボーでは、単一の半径屈曲部は、単純な曲線又は複雑な曲線を有することができる。しかし、図4及び図5の針ガード130は、アームの細長いアーム部分と各アームの遠位壁との間に少なくとも2つの屈曲部及び2つの方向の変化部を有するが、それらと異なり、本針ガード130は、細長いアーム部分188c、190cと各アームの遠位壁188b、190bとの間に単一の屈曲部及び単一の方向の変化部を有する。
【0543】
単一の屈曲部及び方向の単一の変化部は、細長いアーム部分とエルボーとの間に滑らか又は平坦な外形を生じる。アームにおける平坦な外形は、以下でさらに説明するように、吊るされる又はスタックされるなど、安定化要素の縁部との干渉が最小限に抑えられるように配置されるべきである。したがって、以下でさらに説明するように、細長いアーム部分188c、190cとエルボー188a、190aを形成するための第1の屈曲部との間の移行を提供するエルボーを形成する第1の屈曲部の下流の各アームに追加の屈曲部又は方向の変化が存在することができ、針が取り外し中に配向される典型的な角度の範囲に対して粘着又は結合を引き起こす可能性がある潜在的なスナグ点を排除するために、図示のように略平坦又は滑らかである。一般に、使用時には、針は、同じ軸に沿ってカテーテルハブから真っ直ぐに引き出される。極端な場合、針は、針がカテーテルハブの上部近位開口部に接触するまで、ある角度で引き抜くことができる。針が単にカテーテルハブの近位開口部に接触するよりも高い角度で引き抜かれる場合、これは乱用的使用であり、針の屈曲をもたらす可能性がある。
【0544】
図46A及び図46Bを参照すると、針ガード130の2つの異なる斜視図が示されている。本実施形態の針ガードは、図45A及び図45Bに関して示された針ガードと同様で、本明細書に記載の様々なカテーテル組立体と共に使用することができる。以下でさらに説明するように、2つのアーム188、190は、遠位壁及び湾曲リップの特徴を示すため、アームを通常は離間して付勢する針なしで示されている。針ガードのアーム188、190は、細長いアーム部分188c、190cとエルボー188a、190aとの間で滑らか又は平坦な外形で示されており、単一の屈曲部又は方向の変化部のみを伴う。図示のように、第1のアーム188及び第2のアーム190の各細長いアーム区画188c、190cは、異なるアーム幅を有する区画を有する。各アーム188、190はまた、フックに似たリップ396aを有する切欠き396を含む。2つのアームにおける切欠き396は、針先端が露出した使用準備済位置から、針先端が保護された保護位置に針が移行するときに、2つのアーム188、190が針を跨いで横方向の安定性を提供することを可能にする。
【0545】
図46Aは、直線状の縁部398を有する第2のアーム190の湾曲リップ190dを示す。しかし、湾曲リップ190dは、図45Aに示すように、使用準備済位置にあるときに、縁部に隣接する平坦面で針に当接するように構成されている。図46Bは、円弧に似た切欠き402を有する第1のアームの湾曲リップ188aを示す。切欠き402は、図45Aに示すように、縁部ではなく湾曲リップの表面が針に接触する位置を変更するために利用することができる。いくつかの例では、切欠き402を省略することができる。
【0546】
図46A及び図46Bの針ガード130、ならびに本本明細書に記載の針ガードは、それぞれ、打ち抜きステンレス鋼シートなどの打ち抜き金属シートから、打ち抜き及び曲げ方法を使用して図示の形状の針ガードを形成することができる。
【0547】
図47図43及び図44と組み合わせて参照すると、静脈穿刺の成功後に中心線の上方に、ある角度で近位に後退した針108を示す概略図が示されている。例えば、図47のカテーテル組立体100は、図5及び図39図42のカテーテル組立体に類似させることができ、静脈穿刺が成功した後、針が近位方向に中心線の上方に、ある角度で後退してカテーテルハブ102から取り外されたとき、のものが示されている。図47には、バルブ120、バルブオープナー122、及び針108の先端を覆うように作動する針ガード130も示されている。バルブ及びバルブオープナーは、本明細書の他の箇所で説明したものと同様であり得る。バルブをカテーテルハブ内に固定するために、別個に形成された固定装置又は一体的に形成された装置が組み込まれてもよい。針ガード130は、図45A図46Bを参照して図示及び説明したのと同じ針ガードであってもよい。図47は、カテーテルチューブなしで示されているが、金属ブッシングを介してカテーテルハブ102と共に使用可能であると理解される。
【0548】
針先端が針ガード130の2つの遠位壁188b、190b、(図45A図46B)の近位に後退すると、2つのアーム188、190における針による付勢が除去され、したがって2つのアームが互いに接近するか又は互いに接触することが可能になる。これにより、2つのエルボー188a、190aで測定される寸法が減少し、よって、針ガード130は、2つの安定化要素158及び2つのプランジャ要素152によって形成される開口部400を通って近位に移動することが可能になる。しかし、開口部400を通る針108及び針ガード130の後退中に、施術者は、近位の後退中に針108を不注意に傾ける可能性がある。これが起こると、針ガード130は、後退中に一方又は両方の安定化要素158の遠位縁部158aに接触し、それによって針ガードと安定化要素との間の接触によって捕まえられ、場合によっては引っ掛かることがある。これは、次に、開口部400を通る針ガード130を取り外すのを妨げる。
【0549】
図5の針ガードなど、針ガード130のアームが複数の屈曲部、又は細長いアーム部分188c、190cとエルボー188a、190aとの間の移行で方向の変化部を有するとき、方向における複数の変化部は、針の除去中に開口部400を通って針ガードを引き込む間に安定化要素158の遠位縁部158aを捕まえることができる。このことは、針ガードが引っ掛かって後退を妨げることを回避するために、ユーザに対して、針の後退中に、カテーテルハブ102の長手方向軸に対する針108の角度を最大角度A未満の値に再配置することを要求する。対照的に、図45A図46Bの針ガードが、1つ又は2つの安定化要素158を有するバルブオープナー122と共に使用される場合には、細長いアーム部分とエルボーとの間の単一の屈曲部又は方向の変化部は、針の後退中に一方又は両方の安定化要素158の遠位縁部158aに容易に引っかからない滑らか又は平坦な外形を生じる。したがって、開口部400を通過する後退は、遠位縁部158aに対して容易に引っかからない滑らか又は平坦な外形を生成するように、単一の屈曲部又は方向の変化部を有するアームを有する針ガードを利用することによって容易になる。したがって、ユーザは、引っ掛かって後退を妨げることを回避するために、後退中にカテーテルハブ102の長手方向軸に対する針108の角度を最大角度Bに位置決めすることができる。同様のサイズの構成要素を有するが異なる針ガードを有する2つの同様のサイズのカテーテル組立体の場合、一方は、1つの屈曲部又は方向の変化を有し、他方は、2つ以上の屈曲又は方向の変化部を有しており、角度Bは、角度Aよりも大きい。
【0550】
図47に加えて図44を参照すると、針ガード130が近位方向に後退する間に当接又は接触する安定化要素158がテーパ状縁部392を組み込んでいる場合、針ガードの細長いアーム部分を有するエルボー間の移行がテーパ状遠位縁部392を捕らえる可能性は、低減される。したがって、針ガードがエルボーに2つ以上の屈曲部を有し、カテーテル組立体がテーパ状縁部392を有する安定化要素を有する場合でも、同じサイズのカテーテル組立体を保持するユーザは、角度Aよりも高いより高い角度A’で針を保持することができる。同様に、針ガードが遠位縁部158aに容易に引っかからない滑らか又は平坦な外形を生成するために1つの屈曲部又は方向の1つの変化部のみを有する場合、同じサイズのカテーテル組立体を保持するユーザは、角度Aよりも高いより高い角度B’で針を保持することができる。一般的に言えば、単一の屈曲部又は方向の変化部を有する針ガードと、テーパ状縁部を有する安定化要素を有するバルブオープナーとに関する角度B’は、2つ以上の屈曲部又は方向の変化部を有する針ガードと、テーパ状縁部を有する安定化要素を有するバルブオープナーとに関する角度A’よりも大きい。
【0551】
図48は、図47の組立体の拡大図である。
【0552】
本発明の態様は、下記のものを備えるカテーテル組立体を含むとさらに理解され、該カテーテル組立体は、内腔、遠位端開口部、及びカテーテルハブに取り付けられた近位端を有するカテーテルチューブであって、前記カテーテルハブは、外面、及び少なくとも1つの肩部を有する内部空洞を形成する内面を有するカテーテル本体を備える、カテーテルチューブと、遠位端に針先端を有し、針ハブに取り付けられた近位端を有する針であって、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通って突出し、使用準備済位置において遠位端開口部の遠位に突出する針先端を有する針と、カテーテルハブの内部空洞に配置された、少なくとも1つのスリット、近位側表面、及び遠位側表面を含むバルブ本体を有するバルブと、カテーテルハブの内部空洞に配置されたバルブアクチュエータであって、ボアを有するノーズ区画、流体の流れが通って又はそれを横切るための少なくとも1つの空隙を有する近位区画を有し、雄ルアーによって押されたときに、内部空洞の内側の近位位置と遠位位置の間で摺動可能である、バルブアクチュエータと、使用準備済位置で針の側面に配置され、不注意な針刺しから針先端を覆うために保護位置で針先端の遠位の位置に移行可能な保護面を有する針ガードと、を備え、ここで、前記針ガードは、細長いアーム部分と遠位壁との間にエルボーを備えたアームを有し、エルボーは、針の動きを捕らえたり、妨害したり、及び/又は停止したりすることなく、針ガードの後退中にバルブアクチュエータの安定化要素に接触できる位置で一方向の変化部を有する。
【0553】
固定装置は、カテーテルハブの内部空洞の内側にバルブを保持するために、バルブ本体の近位側表面でバルブと接触又は一体化することができ、前記固定装置は、ボアを形成する内面を有し流体経路、遠位端、及び近位端を含むリテーナ本体を備えることができる。
【0554】
カテーテルハブは、チューブの第1の端部でチューブに取り付けられたサイドポートを有することができる。流体コネクタは、チューブの第2の端部に接続することができる。流体コネクタは、無針コネクタを備えることができる。カテーテル組立体は、一体型カテーテル組立体と呼ぶことができる。
【0555】
バルブオープナー又はアクチュエータの安定化要素は、遠位縁部を有することができる。遠位縁部は、テーパ状縁部を有することができる。テーパ状縁部のテーパは、安定化要素の外面又はその近傍から始まり、安定化要素の内面に向かって傾斜しているべきである。言い換えれば、テーパ状縁部の先端は、安定化要素の内面よりも安定化要素の外面に近くにあるべきである。
【0556】
針ガードは、細長いアーム部分とアームの遠位壁との間の方向の単一の変化部を有するアームを有することができ、細長いアーム部分と遠位壁との間のエルボーに、バルブアクチュエータの安定化要素の遠位縁部に容易に引っ掛からない滑らか又は平坦な外形を生成する。
【0557】
カテーテル組立体及びその構成要素を作製及び使用する方法は、本発明の範囲内である。
【0558】
第1、第2、第3、左、右などの修飾語が類似の構成要素又は構造を区別するために使用される場合、それらは、類似の構成要素のみを追跡するための参照命名法として理解されるが、文脈がそうでないことを示さない限り、それらの間で構造的に区別しない。
【0559】
カテーテル組立体及びそれらの構成要素の限定された実施形態を本明細書で具体的に説明及び例示したが、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。例えば、ポート付き又は一体化された拡張ラインの静脈内カテーテルは、本発明から利益を得よう。したがって、開示された装置、システム、及び方法の原理に従って構成されたカテーテル組立体及びそれらの構成要素は、本明細書に具体的に記載されたもの以外で具現化され得ることを理解されたい。本開示は、以下の特許請求の範囲にも定義される。
図1
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図32B
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図41
図42
図43-44】
図45A
図45B
図46A
図46B
図47
図48
【国際調査報告】