(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】着用可能な手術用ロボットアーム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/37 20160101AFI20220131BHJP
B25J 17/02 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
A61B34/37
B25J17/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548484
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(85)【翻訳文提出日】2021-06-22
(86)【国際出願番号】 KR2019009569
(87)【国際公開番号】W WO2020085624
(87)【国際公開日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0129218
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521177614
【氏名又は名称】ユン, サム ユル
【氏名又は名称原語表記】YOON, Sam Youl
【住所又は居所原語表記】112-2603, 435, Olympic-ro, Songpa-gu, Seoul 05507, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン, ソ チン
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707BS10
3C707CY21
3C707CY40
3C707ES03
3C707HS27
3C707HT22
3C707JT04
(57)【要約】
本発明は、着用可能な手術用ロボットアームに関するものであって、本発明に係る着用可能な手術用ロボットアームは、施術者の腕と共に動くことができるベースと、手術器具が装着される収容孔が多数形成され、多数の収容孔のうちのいずれか一つの収容孔が第1位置に位置することができるように前記ベースに移動可能に設置される移動部と、前記移動部の後方で前記第1位置に位置した収容孔を選択的に貫通するように前後進可能に配置されるシャフトと、多数の収容孔に装着された手術器具のうちから選択されたいずれか一つの手術器具が第1位置に移動するように前記移動部を移動させる第1駆動部と、前記第1位置の手術器具を第1位置の前方に位置した第2位置に移動させるように前記シャフトを移動させる第2駆動部、及び前記第2位置に移動する手術器具に動力を提供する第3駆動部を含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施術者の腕と共に動くことができるベースと、
手術器具が装着される収容孔が多数形成され、多数の収容孔のうちのいずれか一つの収容孔が第1位置に位置することができるように前記ベースに移動可能に設置される移動部と、
前記移動部の後方で前記第1位置に位置した収容孔を選択的に貫通するように前後進可能に配置されるシャフトと、
多数の収容孔に装着された手術器具のうちから選択されたいずれか一つの手術器具が第1位置に移動するように前記移動部を移動させる第1駆動部と、
前記第1位置に位置した手術器具を第1位置の前方に位置した第2位置に移動させるように前記シャフトを移動させる第2駆動部と、
前記第2位置に移動した手術器具に動力を提供する第3駆動部と、を含む着用可能な手術用ロボットアーム。
【請求項2】
前記移動部は、前記ベースに回転可能な形態に配置されることを特徴とする請求項1に記載の着用可能な手術用ロボットアーム。
【請求項3】
前記第3駆動部は、シャフトに備えられることを特徴とする請求項1に記載の着用可能な手術用ロボットアーム。
【請求項4】
前記シャフトの先端には、前記第3駆動部から提供される動力を伝達することができる駆動ホイールが備えられ、前記手術器具の後端には、前記駆動ホイールに対応する位置に備えられて、駆動ホイールとかみ合う従動ホイールが備えられることを特徴とする請求項3に記載の着用可能な手術用ロボットアーム。
【請求項5】
前記ベースには、施術者が制御信号を入力することができる入力部が備えられることを特徴とする請求項1に記載の着用可能な手術用ロボットアーム。
【請求項6】
前記入力部は、手術器具の動作制御のための制御信号を入力することができる第1入力部を含むことを特徴とする請求項5に記載の着用可能な手術用ロボットアーム。
【請求項7】
前記入力部は、第1駆動部及び第2駆動部の駆動のための制御信号を入力することができる第2入力部を含むことを特徴とする請求項5に記載の着用可能な手術用ロボットアーム。
【請求項8】
前記第2入力部は、施術者の音声を認識する音声入力部と、前記音声入力部を介して入力された音声に応じて、第1駆動部及び第2駆動部の駆動のための制御信号を生成する音声認識部を含むことを特徴とする請求項7に記載の着用可能な手術用ロボットアーム。
【請求項9】
前記ベースを移動可能な状態で支持する多関節支持アームをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の着用可能な手術用ロボットアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用可能な手術用ロボットアームに関する。より詳細には、施術者の腕にロボットアームが固定された状態で、施術者の操作によって制御される手術器具を介して手術を行うことができる着用可能な手術用ロボットアームに関する。
【背景技術】
【0002】
医学的に手術とは、皮膚や粘膜、その他の組織に、手術器具を使用して切ったり裂いたりするような操作を加えて、病気を治すことをいう。特に、手術部位の皮膚を切開して開き、その内部にある器官などを治療、成形したり除去する開腹手術及び腹腔鏡手術などは、出血、副作用、患者の苦痛、傷跡及び手術の精密度などの問題によって、最近ではロボットを使用する手術が代案として脚光を浴びている。
【0003】
従来の手術用ロボットは、米国のインテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)社が開発したダビンチロボット(Da Vinci Surgical System)のように、医師の操作によって必要な信号を生成して転送するマスター(master)ロボットと、マスターロボットから信号を受けて、直接手術に必要な操作を加えるスレーブ(slave)ロボットからなり、通常、スレーブロボットは手術室に、マスターロボットは手術室と分離した操作室にそれぞれ設置し、マスターロボットとスレーブロボットを有線・無線方式で連結して遠隔で手術を行うことになる。
【0004】
しかし、従来の手術用ロボットは、その大きさが非常に大きいため、設置に相当な空間が必要であり、装置の構成が複雑で製造、設置及び熟練過程で多くの時間と費用がかかるという問題がある。特に、簡単な手術の場合にも、従来の手術用ロボットを使用する場合、かかる時間及び費用によって、ロボット手術がむしろ非効率的な方式となり得るという問題がある。
【0005】
また、手術中に他の手術器具を利用する必要性がある場合に、現在使用中の手術用ロボットのロボットアームを位置移動し、手術補助者によって手術器具を交換して、元の位置に再び移動する方法などが使用されている。しかし、このような場合に、手術補助者が手術器具を交換することができる空間にロボットアームを移動させなければならないので、ロボットアームの不必要な動線を引き起こし得る。これはできるだけ早い時間内に施術を完了しなければならない手術の特性上、不必要な時間を無駄にするという問題がある。また、手術器具を交換する単純な作業のための別途の人員(手術室の補助看護師1~2名、器具伝達看護師1名)が追加で要求される問題がある。
【0006】
また、ロボットを利用した手術過程において、患者に予測できなかった緊急事態が発生した場合、手術室と分離した遠隔地でマスターロボットを利用して手術を行っていた医師が手術に直接参加するためには、準備時間が必要であるため、手術時間が遅延するしかなく、これによって緊急事態に対する即時対応が不可能であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、このような従来の問題点を解決するためのものであって、施術者の腕にロボットアームが固定された状態で、施術者の操作によって制御される手術器具を介して手術が行われるので、予測できなかった緊急事態が発生しても施術者の即時対応が可能な着用可能な手術用ロボットアームを提供することにある。
【0008】
また、施術者の腕に装着されるベースに多数の手術器具が装着された移動部を備え、施術者によって入力される信号に応じて手術器具の交換が行われることによって、手術時間を短縮することができるだけでなく、手術器具の交換のための別途の人員が要求されない着用可能な手術用ロボットアームを提供することにある。
【0009】
また、施術者の腕に装着されるベースが多関節支持アームによって構造体に支持されるので、ロボットアームの自重によって施術者の腕の疲労度が増加することを防止することができる着用可能な手術用ロボットアームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、本発明によって、施術者の腕と共に動くことができるベースと、手術器具が装着される収容孔が多数形成され、多数の収容孔のうちのいずれか一つの収容孔が第1位置に位置することができるように前記ベースに移動可能に設置される移動部と、前記移動部の後方で前記第1位置に位置した収容孔を選択的に貫通するように前後進可能に配置されるシャフトと、多数の収容孔に装着された手術器具のうちから選択されたいずれか一つの手術器具が第1位置に移動するように前記移動部を移動させる第1駆動部と、前記第1位置に位置した手術器具を第1位置の前方に位置した第2位置に移動させるように前記シャフトを移動させる第2駆動部、及び前記第2位置に移動した手術器具に動力を提供する第3駆動部を含む着用可能な手術用ロボットアームによって達成される。
【0011】
ここで、前記移動部は、前記ベースに回転可能な形態に配置されることが好ましい。
【0012】
また、前記第3駆動部は、シャフトに備えられることが好ましい。
【0013】
また、前記シャフトの先端には、前記第3駆動部から提供される動力を伝達することができる駆動ホイールが備えられ、前記手術器具の後端には、前記駆動ホイールに対応する位置に備えられて、駆動ホイールとかみ合う従動ホイールが備えられることが好ましい。
【0014】
また、前記ベースには、施術者が制御信号を入力することができる入力部が備えられることが好ましい。
【0015】
また、前記入力部は、手術器具の動作制御のための制御信号を入力することができる第1入力部を含むことが好ましい。
【0016】
また、前記入力部は、第1駆動部及び第2駆動部の駆動のための制御信号を入力することができる第2入力部を含むことが好ましい。
【0017】
また、前記第2入力部は、施術者の音声を認識する音声入力部と、前記音声入力部を介して入力された音声に応じて、第1駆動部及び第2駆動部の駆動のための制御信号を生成する音声認識部を含むことが好ましい。
【0018】
また、前記ベースを移動可能な状態で支持する多関節支持アームをさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、施術者の腕にロボットアームが固定された状態で施術者の操作によって制御される手術器具を介して手術が行われるので、予測できなかった緊急事態が発生しても、施術者の即時対応が可能な着用可能な手術用ロボットアームが提供される。
【0020】
また、施術者の腕に装着されるベースに多数の手術器具が装着された移動部を備え、施術者によって入力される信号に応じて手術器具の交換が行われることによって、手術時間を短縮することができるだけでなく、手術器具の交換のための別途の人員が要求されない着用可能な手術用ロボットアームが提供される。
【0021】
また、施術者の腕に装着されるベースが多関節支持アームによって構造体に支持されるので、ロボットアームの自重によって施術者の腕の疲労度が増加することを防止することができる着用可能な手術用ロボットアームが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームに係る移動部の動作を示す作用図である。
【
図4】
図4は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームに係るシャフトの動作を示す作用図である。
【
図5】
図5は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームに係るシャフトと手術器具の結合部位を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームに係る移動部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
説明に先立ち、様々な実施形態において、同一の構成を有する構成要素については、同一の符号を使用して代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態においては、第1実施形態と異なる構成について説明することにする。
【0024】
以下、添付した図面を参照して本発明の第1実施形態に係る着用可能な手術用ロボットアームについて詳細に説明する。
【0025】
添付図面のうち、
図1は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームの概略図であり、
図2は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームの斜視図であり、
図3は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームに係る移動部の動作を示す作用図であり、
図4は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームに係るシャフトの動作を示す作用図であり、
図5は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームに係るシャフトと手術器具の結合部位を示す斜視図であり、
図6は、本発明の着用可能な手術用ロボットアームに係る移動部の変形例を示す図である。
【0026】
前記図面で示すように、本発明の着用可能な手術用ロボットアームは、ベース110、移動部120、シャフト130、第1駆動部140、第2駆動部150、第3駆動部160、入力部170、手術器具180及び多関節支持アーム190を含む。
【0027】
一方、複雑な機械構成が手術室内で外部に露出することを防止するために、前記ベース110、移動部120、第1駆動部140、第2駆動部150などを収容するハウジング(H)を備えることが好ましい。
【0028】
前記ベース110は、外科医師のような施術者の腕に装着されて腕と共に動くものであって、腕を固定するためのバンドやベルトなどが備えられることができ、腕を入れる形態で構成されることも可能である。
【0029】
前記移動部120は、前記ベース110に回転可能に設置されるものであって、弧形の断面からなり、回転の中心を基準として同一半径内に手術器具180が装着されることができる収容孔121が多数形成され、回転位置に応じて多数の収容孔121のうちのいずれか一つの収容孔121が第1位置(P1)に位置するようにすることができる。一方、図面には示していないが、前記移動部120には、移動部120の移動方向に沿って弧形のレールが備えられ、前記ベース110には、前記レールに結合されるブロックが備えられて、前記移動部120の回転が案内されるようにすることができる。一方、本実施形態では、前記移動部120が回転しながら多数の収容孔121のうちのいずれか一つの収容孔121が第1位置(P1)に移動するものとして例を挙げて説明したが、
図6に示すように移動部120が左右(または上下)に移動しながら、多数の収容孔121のうちのいずれか一つが第1位置(P1)に移動することができるように構成することも可能である。
【0030】
前記シャフト130は、前記移動部120の後方で前記第1位置(P1)の収容孔121と同一軸線上に配置され、前記ベース110に軸方向に前後進可能な状態に支持される。一方、図面には示していないが、前記シャフト130の先端には、グリッパー(gripper)のように手術器具180の後端を選択的に固定または固定解除できる結合器具が備えられることができる。
【0031】
前記第1駆動部140は、多数の収容孔121に装着された手術器具180のうちから選択されたいずれか一つの手術器具180が第1位置(P1)に移動することができるように前記移動部120を回転させるものであって、前記ベース110に備えられるサーボモーター(図示せず)と前記サーボモーターの駆動軸に固定されるピニオン141及び前記移動部120に備えられて、前記ピニオン141とかみ合う弧形のラック142を含むことができる。一方、本実施形態においては、ピニオン141とラック142を利用して移動部120を回転させるものとして例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、移動部120の回転位置を制御することができる様々な形態の駆動手段と動力伝達機構が適用されることができる。
【0032】
前記第2駆動部150は、前記シャフト130を軸方向に前後進移動させるものであって、油圧または空圧シリンダーの形態で構成されることができ、前記シャフト130の移動方向は、前記移動部120の回転中心軸と並んだ方向に設定される。このような第2駆動部150の駆動によって、シャフト130が前進する場合には、第1位置(P1)の収容孔121内に配置された手術器具180が収容孔121から離脱して、第1位置(P1)の前方に位置する第2位置(P2)に移動するようになり、第2駆動部150の駆動によってシャフト130が後進する場合には、第2位置(P2)に配置された手術器具180が第1位置(P1)に移動して、移動部120の収容孔121内に挿入される。一方、前記第2駆動部150は、シャフト130の前・後進過程で、前記シャフト130の先端と手術器具180の後端の円滑な結合または結合解除のために、第1位置(P1)で一時停止してから移動することが好ましい。
【0033】
前記第3駆動部160は、シャフト130の先端に結合されて、第2位置(P2)に移動した手術器具180に動力を提供するためのものであって、サーボモーター161と、前記シャフト130の先端部に配置されて前記サーボモーター161から提供される動力によって回転する駆動ホイール162を含むことができ、手術器具180の様々な動作のために複数備えられることができる。なお、図面には示していないが、前記シャフト130と手術器具180との結合面には、電源や信号を伝達するために互いに電気的に接続する端子が追加で備えられることができる。
【0034】
前記入力部170は、施術者が手術器具180の動作や交換のための制御信号を入力することができるように、ベース110上に備えられるものであって、第3駆動部160の駆動のための制御信号を生成することができる第1入力部171と、第1駆動部140及び第2駆動部150の駆動のための制御信号を生成することができる第2入力部172を含む。
【0035】
前記第1入力部171は、施術者の操作に応じて、第3駆動部160の駆動のための制御信号を生成することができるジョイスティック(joystick)、グローブ(glove)、トリガー-ガン(trigger-gun)、手動式コントローラーなどのような様々な入力装置のうちの一つ以上を含むことができる。
【0036】
前記第2入力部172は、施術者の音声を認識することができる音声入力部170と、前記音声入力部170を介して入力された音声に基づいて、前記第1駆動部140及び第2駆動部150の駆動のための制御信号を生成する音声認識部を含むことができる。一方、本実施形態においては、施術者の音声を認識して第1駆動部140及び第2駆動部150を制御するものとして例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、前記第1入力部171のように、施術者が直接操作することができるボタンや施術者の動作を感知することができるセンサーなどによって制御信号を生成することも可能である。
【0037】
前記手術器具180は、胴部と、前記胴部の先端に備えられるエンドエフェクタと、前記胴部の後端に備えられる従動ホイール181及び前記胴部の内部に備えられ従動ホイール181とエンドエフェクタを連結する動力伝達機構を含むことができ、前記胴部には関節が備えられることができる。このような手術器具180は、エンドエフェクタの形態に応じてピンセット、電気焼灼器具、縫合器具、超音波切断器具、洗浄及び排液器具などに区分されることができ、種類別に前記移動部120の収容孔121にそれぞれ収容される。前記従動ホイール181は、前記手術器具180の後端部で前記第3駆動部160の駆動ホイール162に対応する位置に備えられ、前記駆動ホイール162とかみ合って第3駆動部160から提供される動力の伝達を受けることができるように構成される。
【0038】
前記多関節支持アーム190は、一端部が前記ベース110に連結され、他端部が壁、天井、床のような構造体に連結されて前記ベース110を支持するものであって、ロボットアームなどの自重による重力を補償する重力補償機構を含むことができる。
【0039】
ここからは、前述した着用可能な手術用ロボットアームの第1実施形態の作動について説明する。
【0040】
ベース110は、施術者の腕に固定されて、腕と共に移動することができ、多関節支持アーム190によって、手術室の内部の天井、壁、床のような構造体に支持される。したがって、施術者は、手術室内で手術用ロボットアームを着用した状態で、ベース110に備えられた第1入力部171を手で操作して、ロボットアームに装着された手術器具180を制御することで手術を行うことができ、第2入力部172に音声を入力して、ロボットアームに装着された手術器具180を容易に交換することができる。特に、必要に応じて施術者がロボットアームの着用を解除した後、手術部位を手で直接処置することができるので、危険な状況が発生した場合、即時対応が可能となる。
【0041】
移動部120は、第1駆動部140によって回転することができるように前記ベース110に回転可能に設置され、移動部120に形成された多数の収容孔121には、互いに異なる種類の手術器具180がそれぞれ挿入される。施術者が手術途中に所望の手術器具180を使用するために音声で指示すると、第2駆動部150が後進駆動して、シャフト130を後進させることで使用中の第2位置(P2)の手術器具180を第1位置(P1)の収容孔121に位置させ、第1駆動部140が駆動して、該当の音声に対応する手術器具180が挿入された収容孔121を第1位置(P1)に移動させた後、第1駆動部140が前進駆動して、シャフト130を前進させることで第1位置(P1)に配置された手術器具180を第2位置(P2)に移動させる。
【0042】
このように、本実施形態によれば、施術者の音声のみで手術器具180の交換が行われるので、手術時間を短縮することができるだけでなく、手術器具180の交換のための別途の人員が要求されない。また、手術執刀医が予定された手術に必要な器具の組み合わせをあらかじめ構成し、使用順序により移動部120の収容孔121に順番どおり配置することができるので、手術器具180の交換にかかる時間を最小化することができる。
【0043】
前記のように第2位置(P2)に配置された手術器具180は、施術者が第1入力部171を操作することにより、第3駆動部160の駆動が制御されて、エンドエフェクタの動作制御が行われるので、手術器具180のエンドエフェクタを利用して手術を行うことができる。
【0044】
特に、前記第1入力部171を腹腔鏡手術器具の操作部と類似した形態で提供する場合、本実施形態のロボットアームを施術者の腕に装着した状態で、腹腔鏡手術と類似した形態で手術を行うことができるようになるので、腹腔鏡手術の経験がある施術者であれば、直観的に本実施形態のロボットアームを使用することができる。
【0045】
本発明の権利範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲内で様々な形態の実施形態で具現することができる。特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも変形可能な多様な範囲まで本発明の請求範囲の記載の範囲内にあるものとみなす。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
前記第2入力部172は、施術者の音声を認識することができる音声入力部と、前記音声入力部を介して入力された音声に基づいて、前記第1駆動部140及び第2駆動部150の駆動のための制御信号を生成する音声認識部を含むことができる。一方、本実施形態においては、施術者の音声を認識して第1駆動部140及び第2駆動部150を制御するものとして例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、前記第1入力部171のように、施術者が直接操作することができるボタンや施術者の動作を感知することができるセンサーなどによって制御信号を生成することも可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
移動部120は、第1駆動部140によって回転することができるように前記ベース110に回転可能に設置され、移動部120に形成された多数の収容孔121には、互いに異なる種類の手術器具180がそれぞれ挿入される。施術者が手術途中に所望の手術器具180を使用するために音声で指示すると、第2駆動部150が後進駆動して、シャフト130を後進させることで使用中の第2位置(P2)の手術器具180を第1位置(P1)の収容孔121に位置させ、第1駆動部140が駆動して、該当の音声に対応する手術器具180が挿入された収容孔121を第1位置(P1)に移動させた後、第2駆動部150が前進駆動して、シャフト130を前進させることで第1位置(P1)に配置された手術器具180を第2位置(P2)に移動させる。
【国際調査報告】