(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-08
(54)【発明の名称】エネルギー送達デバイス及び関連システム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20220201BHJP
【FI】
A61B18/18 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533577
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 IB2019060784
(87)【国際公開番号】W WO2020121279
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】512023166
【氏名又は名称】ニューウェーブ メディカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NEUWAVE MEDICAL,INC.
【住所又は居所原語表記】3529 Anderson Street,Madison,Wisconsin 53704,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ミンジョーネ・ルイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JK02
(57)【要約】
本発明は、医療処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血栓、心不整脈及びリズム障害の治療、電気手術、組織採取など)を含む多様な用途のために、組織にエネルギーを送達するための総合的システム、デバイス及び方法に関する。特定の実施形態では、生体適合性材料に封入された導電性の恒久的先端部を有するエネルギー送達デバイスを使用して、エネルギーを適用することにより組織領域(例えば、腫瘍)を治療するシステム、デバイス、及び方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー送達デバイスであって、
a)内部導体を備えるアンテナと、
b)前記アンテナの遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部であって、前記恒久的鋭利先端部が生体適合性材料に封入され、それにより前記エネルギー送達デバイスの前記遠位端部が鋭利でなくなり、生体適合性材料に封入された前記恒久的鋭利先端部の幅が前記アンテナの幅よりも大きくなく、前記生体適合性材料が、切除エネルギーに暴露されると、崩壊及び/又は溶融及び/又は溶解及び/又は昇華して、封入されていない導電性の恒久的先端部をもたらす任意の材料である、恒久的鋭利先端部と、
を備える、エネルギー送達デバイス。
【請求項2】
前記恒久的鋭利先端部が、導電性の恒久的鋭利先端部又は非導電性の恒久的鋭利先端部である、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項3】
前記生体適合性材料が、ドーム形状である、又は弾丸形状である、又は円筒形状である、又は前記アンテナの形状と一致している、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項4】
前記生体適合性材料が、氷、ワックス、二酸化炭素、低融点プラスチック、食品様物質から選択される、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項5】
前記導電性の恒久的先端部又は前記非導電性の恒久的先端部が、以下の特性:
円錐形である、
チタンベースである、
非粘着性の材料でコーティングされている、
フルオロポリマーベースである、
ベベルニードルである、
3ファセットである、
セラミックベースである、
高温プラスチックベースである、
ダイヤモンド様コーティングを有する、
マイクロセレーションを有する、
トロカールを備える、のうちの1つ以上を有する、請求項2に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項6】
前記ダイヤモンド様コーティングが誘電材料であり、
前記ダイヤモンド様コーティングが20μm(20ミクロン)未満である、
請求項5に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項7】
前記マイクロセレーションが、3ファセット設計又は4ファセット設計であり、
前記マイクロセレーションが、長さ50~100μmである、
請求項5に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項8】
前記導電性の恒久的先端部が、前記マイクロセレーションに隣接する複数のスケールを特徴とする、請求項5に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項9】
前記内部導体が、前記導電性の恒久的先端部又は前記非導電性の恒久的先端部に物理的に結合されていない、又は、
前記内部導体が、前記導電性の恒久的先端部又は前記非導電性の恒久的先端部に容量結合されている、
請求項2に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項10】
前記アンテナが、前記内部導体の少なくとも一部分を囲む導電性の外部導体を備え、
前記アンテナが、前記内部導体と前記外部導体との間に誘電材料を備える、
請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項11】
前記アンテナが、3軸アンテナである、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項12】
前記内部導体が、第2の領域の遠位にある第1の領域を備え、前記第2の領域は第3の領域の遠位にあり、前記第3の領域が、3軸アンテナに含まれ、前記第2の領域が、前記3軸アンテナの外部導体を欠いており、前記第1の領域が、前記3軸アンテナの外部導体及び誘電材料を欠いており、前記第1の領域が、金属フィッティングに接着されて前記金属フィッティングによって囲まれ、前記金属フィッティングが黄銅製の金属フィッティングであり、前記金属フィッティングが、前記内部導体の最遠位端部を超えて遠位に延び、前記金属フィッティングが、前記第2の領域において前記内部導体を囲む誘電材料に当接し、前記第2の領域が、前記3軸アンテナの誘電材料を含む近位部分と前記3軸アンテナの前記誘電材料を欠く遠位部分とを含み、前記第2の領域の前記遠位部分が、前記内部導体を囲む非導電性のスリーブを備え、前記非導電性のスリーブがPTFEを含む、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項13】
前記導電性の恒久的先端部又は前記非導電性の恒久的先端部が絶縁体に取り付けられ、前記絶縁体が前記金属フィッティングの遠位端部に取り付けられ、前記絶縁体がセラミック絶縁体を含む、請求項12に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項14】
前記金属フィッティング、前記絶縁体、及び前記導電性の先端部又は前記非導電性の先端部が、エネルギーが前記内部導体に供給されたときに、エネルギーを前記導電性の先端部又は前記非導電性の先端部に伝達するための低インピーダンスのオーバーラップを生成するように、位置付け及び寸法決めされている、請求項13に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項15】
前記金属フィッティングが、導電性の接着剤を介して前記内部導体に接着されている、請求項12に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項16】
システムであって、
請求項1に記載の前記エネルギー送達デバイスと、前記デバイスと流体連通する冷却剤供給部と、前記デバイスに電気的に接続された電源と、を備え、
前記電源が、マイクロ波エネルギーを生成し、
前記冷却剤供給部が二酸化炭素を含み、
前記アンテナが、前記アンテナの前記遠位端部に冷却剤が流れるのを防止するプラグを有する、
システム。
【請求項17】
前記電源から前記アンテナへのエネルギー送達及び前記アンテナへの冷却剤送達を調整する制御プロセッサを更に備え、
1つ以上の追加の請求項1に記載のエネルギー送達デバイスを更に備える、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
組織領域を切除する方法であって、
a)請求項1に記載のエネルギー送達デバイスを、シースを介して標的組織位置に案内することであって、前記エネルギー送達デバイスが、前記案内することにより前記シースを穿孔しない、案内することと、
b)前記エネルギー送達デバイスにエネルギーを提供することであって、前記生体適合性材料が、前記エネルギー送達デバイスからの前記エネルギーに暴露されると崩壊及び/又は溶融及び/又は溶解し、それによって前記導電性の恒久的先端部を前記標的組織位置に暴露する、エネルギーを提供することと、
c)前記標的組織位置に切除エネルギーを提供することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記組織領域が腫瘍を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
生体適合性材料内に封入された前記恒久的鋭利先端部が、二酸化炭素で更に封入される、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血栓、心不整脈及びリズム障害の治療、電気手術、組織採取など)を含む多様な用途のために、組織にエネルギーを送達するための総合的システム、デバイス及び方法に関する。特定の実施形態では、生体適合性材料に封入された恒久的鋭利先端部を有するエネルギー送達デバイスを使用して、エネルギーを適用することにより組織領域(例えば、腫瘍)を治療するシステム、デバイス、及び方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
切除は、良性及び悪性腫瘍などのある特定の組織、心不整脈、心リズム障害、及び頻脈を治療するための重要な治療戦略である。ほとんどの承認されている切除システムは、無線周波(RF)エネルギーを切除エネルギー源として利用する。したがって、現在、医師は、様々なRFベースのカテーテル及び電源を利用することができる。しかしながら、RFエネルギーは、浅い「火傷」をもたらす表面組織におけるエネルギーの急速な消散、及びより深い腫瘍又は不整脈組織にアクセスできないことを含む、いくつかの制限を有する。RF切除システムの別の制限は、電気エネルギーの更なる蓄積を制限する、エネルギー放出電極上に形成する焼痂及び凝塊形成の傾向である。
【0003】
マイクロ波エネルギーは、生体組織を加熱するための有効なエネルギー源であり、例えば、癌治療及び注入前の血液の予熱のような用途において使用される。したがって、伝統的な切除技法の欠点を考慮して、最近では、マイクロ波エネルギーを切除エネルギー源として使用することに多くの関心が寄せられている。RFを超えるマイクロ波エネルギーの利点は、組織へのより深い貫通、炭化に対する非感受性、接地の必要性の欠如、より信頼性のあるエネルギー蓄積、より速い組織加熱、及びRFよりはるかに大きい熱外傷を生成する能力であり、これらは実際の切除処置を大幅に簡略化する。したがって、切除エネルギー源としてマイクロ波周波数範囲内の電磁エネルギーを利用する、開発中の多くのデバイスがある(例えば、米国特許第4,641,649号、同第5,246,438号、同第5,405,346号、同第5,314,466号、同第5,800,494号、同第5,957,969号、同第6,471,696号、同第6,878,147号、及び同第6,962,586号を参照。これらの各々はその全体が参照により本明細書に援用される)。
【0004】
残念ながら、マイクロ波エネルギーを送達するように構成された現在のデバイスは、欠点を有している。例えば、エネルギー送達デバイスの先端部は、組織及び損傷を貫通するのに十分鋭利であるように、又は必要に応じて気道壁を貫通して穿孔するようにも設計されている。しかしながら、そのような鋭利な先端部は、内視鏡シース又は拡張作業チャネル(extended working channel、EWC)を通して配置したときに、狭いカーブ及び曲がり角を通過するのが困難になり得る。先端部は、時に、PTFEライナ、金属編組、又は埋め込まれたマーカバンドに引っかかることがあり、ライナを削ってプローブを挿入する力を強めるか、又は極端な場合にはシースの側壁を貫通して穿孔するかのいずれかで、シースを損傷することがある。これにより、意図しない気道の裂傷、擦過傷、穿刺、その他の患者への害が生じる可能性がある。このリスクは、現在、ユーザが標的位置に応じて選択できる複数の可撓性のあるプローブ先端部のバリエーションを提供することで軽減されている。より先端に近いか、又は狭い曲がり角を通るナビゲーションを必要とする場所には、より鈍い又はより短い先端部を使用する必要があり得る。それにより、シースに引っかかるリスクを低減することができる。しかし、短いプローブ先端部が標的位置に到達すると、標的組織/病変を貫通することがより困難になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、内視鏡シースを損傷するリスクなしに、内視鏡シースを通して配置することができる恒久的鋭利先端部を有する改良されたエネルギー送達デバイスが必要である。
【0006】
本発明は、このニーズに対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、医療処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血栓、心不整脈及びリズム障害の治療、電気手術、組織採取など)を含む多様な用途のために、組織にエネルギーを送達するための総合的システム、デバイス及び方法に関する。特定の実施形態では、生体適合性材料に封入された恒久的鋭利先端部を有するエネルギー送達デバイスを使用して、エネルギーを適用することにより組織領域(例えば、腫瘍)を治療するシステム、デバイス、及び方法が提供される。
【0008】
いくつかの実施形態では、本発明は、内部導体を含むアンテナと、アンテナの遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部とを備えるエネルギー送達デバイスを提供し、恒久的鋭利先端部は、生体適合性材料に封入され、それによりエネルギー送達デバイスの遠位端部は鋭利でなくなる。
【0009】
そのようなエネルギー送達デバイスは、恒久的鋭利先端部を封入する生体適合性材料の特定の形状又はサイズ寸法に限定されない。いくつかの実施形態では、生体適合性材料の幅は、アンテナの幅よりも大きくない。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は弾丸形状である。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、ドーム形状である。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、円筒形状である。いくつかの実施形態では、生体適合性材料の形状は、アンテナの形状と一致している。
【0010】
そのようなエネルギー送達デバイスは、恒久的鋭利先端部を封入する生体適合性材料の特定の材料に限定されない。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、切除エネルギーに暴露されると、崩壊及び/又は溶融及び/又は溶解及び/又は昇華する任意の材料である。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、切除エネルギーに暴露されると、崩壊及び/又は溶融及び/又は溶解及び/又は昇華して、封入されていない導電性の恒久的鋭利先端部をもたらす任意の材料である。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、氷又はワックスである。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、低融点プラスチックである。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、食品様物質(例えば、ゼラチン)(例えば、氷糖)である。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、二酸化炭素(例えば、ドライアイス)である。
【0011】
そのようなエネルギー送達デバイスは、恒久的鋭利先端部の特定のタイプ又は種類に限定されない。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、導電性の恒久的鋭利先端部である。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、非導電性の恒久的鋭利先端部である。
【0012】
そのようなエネルギー送達デバイスは、恒久的鋭利先端部の特定の材料又は形状に限定されない。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は円錐形である。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部はチタンベースである。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、非粘着性の材料でコーティングされている。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、フルオロポリマーベースである。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、ベベルニードルである。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、3ファセットである。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部はセラミックベースである。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、高温プラスチックベースである。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部はダイヤモンド様コーティングを有する。いくつかの実施形態では、ダイヤモンド様コーティングは、誘電材料である。いくつかの実施形態では、ダイヤモンド様コーティングは、20ミクロン未満である。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、複数のマイクロセレーションを有する。いくつかの実施形態では、マイクロセレーションは、3ファセット設計又は4ファセット設計である。いくつかの実施形態では、マイクロセレーションは、長さ50~100μmである。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、マイクロセレーションに隣接する複数のスケールを特徴とする。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は、トロカールを備える。
【0013】
そのような実施形態は、内部導体を有するアンテナの特定の態様に限定されない。いくつかの実施形態では、内部導体は、恒久的鋭利先端部(例えば、導電性の恒久的鋭利先端部)に物理的に結合されていない。いくつかの実施形態では、内部導体は、恒久的鋭利先端部に容量結合されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、アンテナは、内部導体の少なくとも一部分を囲む導電性の外部導体を備える。いくつかの実施形態では、アンテナは、内部導体と外部導体との間に誘電材料を備える。いくつかの実施形態では、アンテナは3軸アンテナである。いくつかの実施形態では、内部導体は、第2の領域の遠位にある第1の領域を備え、第2の領域は第3の領域の遠位にあり、第3の領域は、3軸アンテナに含まれ、第2の領域は、3軸アンテナの外部導体を欠いており、第1の領域は、3軸アンテナの外部導体及び誘電材料を欠いている。いくつかの実施形態では、第1の領域は、金属フィッティングに接着されて金属フィッティングによって囲まれる。いくつかの実施形態では、金属フィッティングは黄銅製の金属フィッティングである。いくつかの実施形態では、金属フィッティングは、内部導体の最遠位端部を超えて遠位に延びる。いくつかの実施形態では、金属フィッティングは、第2の領域において内部導体を囲む誘電材料に当接する。いくつかの実施形態では、第2の領域は、3軸アンテナの誘電材料を含む近位部分と3軸アンテナの誘電材料を欠く遠位部分とを含む。いくつかの実施形態では、第2の領域の遠位部分は、内部導体を囲む非導電性のスリーブを備える。いくつかの実施形態では、非導電性のスリーブはPTFEを含む。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部は絶縁体に取り付けられ、絶縁体は、金属フィッティングの遠位端部に取り付けられる。いくつかの実施形態では、絶縁体はセラミック絶縁体を含む。いくつかの実施形態では、金属フィッティング、絶縁体、及び導電性の先端部は、エネルギーが内部導体に供給されたときに、エネルギーを導電性の先端部に伝達するための低インピーダンスのオーバーラップを生成するように、位置付け及び寸法決めされている。いくつかの実施形態では、金属フィッティングは、導電性の接着剤を介して内部導体に接着されている。
【0015】
特定の実施形態では、本発明は、そのようなエネルギー送達デバイスと、デバイスに電気的に接続された電源とを備えるシステムを提供する。いくつかの実施形態では、電源は、マイクロ波エネルギーを生成する。いくつかの実施形態では、システムは、デバイスと流体連通する冷却剤供給部を更に備える。いくつかの実施形態では、冷却剤供給部は二酸化炭素を含む。いくつかの実施形態では、アンテナは、アンテナの遠位端部に冷却剤が流れるのを防止するプラグを有する。いくつかの実施形態では、システムは、電源からアンテナへのエネルギー送達及びアンテナへの冷却剤送達を調整する制御プロセッサを更に備える。
【0016】
特定の実施形態では、本発明は、組織領域を切除する方法を提供し、方法は、そのようなエネルギー送達デバイスを、シースを介して標的組織位置に案内することであって、エネルギー送達デバイスが、案内することによりシースを穿孔しない、案内することと、エネルギー送達デバイスにエネルギーを提供することであって、生体適合性材料が、エネルギー送達デバイスからのエネルギーに暴露されると崩壊し、それによって恒久的鋭利先端部を標的組織位置に暴露する、エネルギーを提供することと、標的組織位置に切除エネルギーを提供することと、を含む。いくつかの実施形態では、組織領域は腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、組織領域は生体内にある。いくつかの実施形態では、組織領域はヒト生体内にある。
【0017】
追加の実施形態を本明細書に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】アンテナと、生体適合性封入で封入された恒久的鋭利先端部とを有する例示的なエネルギー送達デバイスを示す図である。
【
図2】アンテナと、生体適合性封入で封入された恒久的鋭利先端部と、恒久的鋭利先端部の生体適合性材料による封入を容易にするための恒久的鋭利先端部の表面上の構造的特徴部としての環状の溝又はアンダーカットリングと、を有する例示的なエネルギー送達デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
現在のエネルギー送達デバイスを用いた組織領域への挿入は、高い挿入力を必要とし、結果的に望まない効果をもたらすことがある。例えば、そのような高い挿入力は、組織領域を引き裂く及び/又はデバイスを望ましくない位置に偏向させる(例えば、デバイスの誤配置)場合がある。したがって、先端部を有するエネルギー送達デバイスが必要とされる。しかしながら、そのようなエネルギー送達デバイスは欠点を有する。実際、鋭利な先端部を有するそのようなデバイスは、内視鏡シース又は拡張作業チャネル(EWC)を通して配置されるときに、狭いカーブ及び曲がり角を通過するのが困難になり得る。先端部は、時に、PTFEライナ、金属編組、又は埋め込まれたマーカバンドに引っかかることがあり、これが、ライナを削ってプローブを挿入する力を強めるか、又は極端な場合にはシースの側壁を貫通して穿孔するかのいずれかで、シースを損傷することがある。これにより、意図しない気道の裂傷、擦過傷、穿刺、その他の患者への害が生じる可能性がある。このリスクは、現在、ユーザが標的位置に応じて選択できる複数の可撓性のあるプローブ先端部のバリエーションを提供することで軽減されている。より先端に近いか、又は狭い曲がり角を通るナビゲーションを必要とする場所には、より鈍い又はより短い先端部を使用する必要があり得る。それにより、シースに引っかかるリスクを低減することができる。しかし、短いプローブ先端部が標的位置に到達すると、標的組織/病変を貫通することがより困難になる可能性がある。
【0020】
本発明は、そのような内視鏡シースを損傷するリスクなしに、内視鏡シースを介して配置することができる恒久的鋭利先端部を有する改良されたエネルギー送達デバイスを提供することによって、この制限に対処する。
【0021】
したがって、本明細書では、アンテナと、アンテナの遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部(例えば、導電性の恒久的鋭利先端部)とを備えるエネルギー送達デバイス(例えば、切除処置で使用するための)であって、先端部が生体適合性材料に封入され、それによりデバイスの遠位端部が非鋭利になっている、エネルギー送達デバイスが提供される。いくつかの実施形態では、そのようなエネルギー送達デバイスにより、ユーザは、シースを損傷する(例えば、引っかかる、穿孔する)リスクなしに、内視鏡シースを通してデバイスを配置することができる。いくつかの実施形態では、そのようなデバイスは、本明細書及び米国特許第9,192,438号に説明されるシステムに組み込まれる。
【0022】
本発明は、医療処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血栓、中空の臓器の腔内切除、心不整脈の治療のための心切除、電気手術、組織採取、整形手術、眼内使用など)を含む、多様な適用のためにエネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー、高周波エネルギー)を組織に送達するための包括的なシステム、デバイス、及び方法に関する。具体的には、本発明は、電源、電力を指向、制御及び送達する手段(例えば、電力分割器)、プロセッサ、エネルギー放出デバイス、冷却システム、撮像システム、温度監視システム、及び/又は追跡システムを備える、エネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー)の送達のためのシステムを提供する。特定の実施形態では、本発明のエネルギー送達システムの使用によって、組織領域(例えば、腫瘍)を治療するためのシステム、デバイス、及び方法が提供される。特定の実施形態では、アンテナと、アンテナの遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部とを備える切除ツールを用いて、エネルギーを適用することにより組織領域(例えば、腫瘍)を治療するシステム、デバイス、及び方法が提供され、恒久的鋭利先端部は、生体適合性材料に封入され、それによりデバイスの遠位端部が非鋭利になる。
【0023】
本明細書のシステムは、様々なシステム/キットの実施形態内で組み合わされてもよい。例えば、本発明は、発生器、配電システム、電力を指向、制御、及び送達するための手段(例えば、電力分割器)、エネルギーアプリケータのうちの1つ以上を、いずれか1つ以上の補助コンポーネント(例えば、手術器具、処置を支援するためのソフトウェア、プロセッサ、温度監視デバイスなど)と共に備える、システムを提供する。本発明は、任意の特定の補助コンポーネントに限定されない。
【0024】
本発明のシステムは、組織領域へのエネルギー(例えば、高周波エネルギー、マイクロ波エネルギー、レーザー、集束超音波など)の送達を伴う任意の医学的処置(例えば、経皮又は手術)において使用することができる。システムは、特定のタイプ又は種類の組織領域(例えば、脳、肝臓、心臓、血管、足、肺、骨など)の治療に限定されない。例えば、本発明のシステムは、腫瘍領域を切除する際に用途を見出す。追加の治療としては、心不整脈の治療、腫瘍切除(良性及び悪性)、手術中、外傷後、出血の任意の他の制御のための出血の制御、軟組織の除去、組織摘出及び採取、静脈瘤の治療、腔内組織切除(例えば、バレット食道及び食道腺癌などの食道病理を治療する)、骨性腫瘍、正常な骨、及び良性骨性病態の治療、眼内用途、整形手術における用途、脳腫瘍及び電気的じょう乱を含む中枢神経系の病理の治療、避妊手術(例えば、卵管の切除)、並びに任意の目的のための血管又は組織の焼灼が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、外科的用途は、切除療法(例えば、凝固壊死を達成する)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、例えば、原発性若しくは転移性腫瘍を標的とする腫瘍切除を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、出血の制御(例えば、電気焼灼)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、組織の切断又は除去を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、脳、首、胸、腹、骨盤、及び四肢が挙げられるが、これらに限定されない任意の所望の場所において、組織又は器官に対する損傷を最小限に抑えて移動及び位置決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば、CT、超音波、磁気共鳴撮像、蛍光透視などによる誘導送達のために構成されている。
【0025】
以下に提供される図示の実施形態は、アンテナと、アンテナの遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部(例えば、導電性の恒久的鋭利先端部)とを有するシステム及びエネルギー送達デバイスを説明しており、恒久的鋭利先端部が生体適合性材料に封入されることにより、医療用途(例えば、マイクロ波エネルギーの送達による組織の切除)の観点から、デバイスの遠位端部が非鋭利になっている。しかしながら、本発明のそのようなシステム及びデバイスは、医療用途に限定されないことを理解されたい。そのようなデバイス及びシステムは、負荷(例えば、農業環境、製造環境、研究環境など)へのエネルギーの送達を必要とする任意の環境で使用され得る。例示される実施形態は、マイクロ波エネルギーに関して本発明のデバイス及びシステムを説明する。本発明のデバイス及びシステムは、特定のタイプのエネルギー(例えば、高周波エネルギー、マイクロ波エネルギー、集束超音波エネルギー、レーザー、プラズマ)に限定されないことを理解されたい。本明細書で使用するとき、用語「エネルギー送達デバイス」、「アンテナを有するエネルギー送達デバイス」、及び「アンテナと、アンテナの遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部とを有するエネルギー送達デバイスであって、恒久的鋭利先端部送達デバイスは生体適合性材料に封入され、それによりデバイスの遠位端部が非鋭利になっているエネルギー送達デバイス」は、互換的に使用される。
【0026】
本発明のシステムは、任意の特定のコンポーネント又はコンポーネントの数に限定されない。いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、電源、電力を指向、制御、送達する手段(例えば、電力分割器)、プロセッサ、本明細書に記載のエネルギー送達デバイス、冷却システム、撮像システム、及び/又は追跡システムを含むが、これらに限定されない。複数のアンテナが使用中であるとき、システムは、各アンテナを別個に個々に制御するために使用され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、アンテナと、アンテナの遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部(例えば、導電性の恒久的鋭利先端部)とを有するエネルギー送達デバイスであって、恒久的鋭利先端部が生体適合性材料に封入され、それによりデバイスの遠位端部が非鋭利になっているエネルギー送達デバイスが、本明細書に記載のデバイス、電源、伝送線、配電コンポーネント(例えば、電力分割器)、プロセッサ、撮像グシステム、及び温度監視システムを備えるエネルギー送達システムの一部として提供される。いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムのコンポーネントは、伝送線、ケーブルなどを介して接続される。いくつかの実施形態では、エネルギー送達は、電源、電力を指向、制御及び送達する手段(例えば、電力分割器)、プロセッサ、撮像システム、滅菌野バリアにわたる温度監視システムから分離される。
【0028】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、改善された鋭さ及び貫通性を有する先端部を有する。そのようなデバイスは、低減された挿入力及び改善された使い易さを呈する。
【0029】
いくつかの実施形態では、本発明は、内部導体を備えるアンテナと、アンテナの遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部とを備えるエネルギー送達デバイスを提供し、その導電性の先端部は、生体適合性材料に封入され、それによりエネルギー送達デバイスの遠位端部は非鋭利になる。
【0030】
図1は、アンテナ2と、アンテナ2の遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部3とを有するエネルギー送達デバイス1を示し、恒久的鋭利先端部3は、生体適合性封入材4で封入されている。
【0031】
更に、
図1を参照すると、生体適合性封入部4は、特定の形状又はサイズ寸法に限定されない。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の形状及びサイズ寸法は、各々がシース(例えば、内視鏡シース)を介したエネルギー送達デバイス1の配置を妨げないようなものである。
【0032】
いくつかの実施形態では、
図1に示すように、生体適合性封入部4の形状は弾丸形状である。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の形状はドーム形状である。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の形状は円筒状である。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の形状は、シース(例えば、内視鏡シース)を介したエネルギー送達デバイス1の配置を妨げないようなものである。
【0033】
いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の長さは、エネルギー送達デバイス1の遠位端部を非鋭利にし得るようなものである。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の長さは、恒久的鋭利先端部3の少なくとも鋭利な部分(例えば、導電性の恒久鋭利先端部3の1%、2%、3.5%、10%、15%、20%、23%、25%、28%、33%、40%、50%、65%、70%、80%、82%、83%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9999%))を封入するようなものである。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の長さは、恒久的鋭利先端部3全体を封入するようなものである。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の長さは、シース(例えば、内視鏡シース)を介したエネルギー送達デバイス1の配置を妨げないようなものである。
【0034】
いくつかの実施形態では、生体適合性封止4の幅は、アンテナ2の幅以下である。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の幅は、シース(例えば、内視鏡シース)を介したエネルギー送達デバイス1の配置を妨げないようなものである。
【0035】
更に、
図1を参照すると、そのようなエネルギー送達デバイス1は、生体適合性封入部4の特定の組成物に限定されない。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の組成物は、シースを捕捉又は穿孔することなく、エネルギー送達デバイス1がシース(例えば、内視鏡シース)を通して配置され得るように、恒久的鋭利先端部3を封入することができるようなものである。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の組成物は、エネルギー送達デバイス1が組織領域と接触すると生体適合性封入材4を除去(例えば、崩壊及び/又は溶融及び/又は溶解及び/又は昇華)することができるように、恒久的鋭利先端部3を封入することができるようなものである。いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の組成物は、エネルギー送達デバイス1が、切除エネルギーへの暴露時に生体適合性封入部4を除去(例えば、崩壊及び/又は溶融及び/又は溶解及び/又は昇華)することができ、それによって恒久的鋭利先端部3を露出させることができるように、恒久的鋭利先端部3を封入することができるようなものである。
【0036】
いくつかの実施形態では、生体適合性封入部4の組成物は、生体適合性材料である。そのような実施形態は、特定の生体適合性材料に限定されない。
【0037】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料は氷である。例えば、いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、氷ベースの生体適合性封入部4内に封入される。
【0038】
そのような実施形態は、氷ベースの生体適合性封入部4内に恒久的鋭利先端部3を封入する特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、水(例えば、滅菌水)が、少なくとも鋭利先端部を含む恒久的鋭利先端部3の一部分(例えば、1%、2%、3.5%、10%、15%、20%、23%、25%、28%、33%、40%、50%、65%、70%、80%、82%、83%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9999%)にわたって凍結され、それにより生体適合性封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、水は恒久的鋭利先端部3の全体にわたって凍結され、それにより生体適合性封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、型(例えば、プラスチック型、セラミック型、鋳鉄型、シリコン型など)を使用して、生体適合性封入部4の任意の所望の形状(例えば、弾丸形状、円筒状、ドーム形状)を確保する。
【0039】
いくつかの実施形態では、氷ベースの生体適合性封入部4を提供する目的で、外部凍結温度が水及び導電性の恒久的鋭利先端部3に適用される。このような実施形態では、氷ベースの生体適合性封入部4は、ある時間期間にわたって、又は非凍結温度に暴露されると、自然に溶融する。
【0040】
いくつかの実施形態では、氷ベースの生体適合性封入部4を提供する目的で、エネルギー送達デバイスを介して凍結温度が水及び恒久的鋭利先端部3に適用される。いくつかの実施形態では、二酸化炭素ガスは、エネルギー送達デバイス1のアンテナ2を介して、水及び恒久的鋭利先端部3に供給される。そのような実施形態では、生体適合性封入部4が溶解することが望まれるまで、エネルギー送達デバイス1を介して供給される凍結温度を維持することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料はワックスである。例えば、いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、ワックスベースの生体適合性封入部4に封入されている。そのような実施形態は、ワックスの特定のタイプ又は種類に限定されない。
【0042】
更に
図1を参照すると、そのような実施形態は、ワックスベースの生体適合性封入部4に恒久的鋭利先端部3を封入する特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、ワックスは、少なくとも鋭利先端部を含む恒久的鋭利先端部3の一部分(例えば、1%、2%、3.5%、10%、15%、20%、23%、25%、28%、33%、40%、50%、65%、70%、80%、82%、83%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9999%)にわたって接着され、それにより生体適合性封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、ワックスが恒久的鋭利先端部3の全体にわたって接着され、それにより生体適合性の封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、型(例えば、プラスチック型、セラミック型、鋳鉄型など)を使用して、生体適合性封入部4の所望の形状(例えば、弾丸形状、円筒状、ドーム形状)を確保する。そのような実施形態では、ワックスベースの生体適合性封止材4は、ある時間期間にわたって暴露されるか、又は通常の体温より高い温度に暴露されると、自然に溶融する。そのような実施形態では、ワックスベースの生体適合性封入部4は、ある時間期間にわたって暴露されるか、又は通常の体温よりも高いが、組織の損傷を引き起こさない程度に低い温度(例えば、約45℃)に暴露されると、自然に融解する。
【0043】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、低融点プラスチックである。例えば、いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、低融点プラスチックベースの生体適合性封入部4に封入されている。そのような実施形態は、低融点プラスチックの特定のタイプ又は種類に限定されない。
【0044】
更に
図1を参照すると、そのような実施形態は、恒久的鋭利先端部3を低融点プラスチックベースの生体適合性封入部4に封入する特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、低融点プラスチックは、少なくとも鋭利先端部を含む恒久的鋭利先端部3の一部分(例えば、1%、2%、3.5%、10%、15%、20%、23%、25%、28%、33%、40%、50%、65%、70%、80%、82%、83%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9999%)の上に接着され、それにより生体適合性封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、低融点プラスチックが恒久的鋭利先端部3の全体にわたって接着され、それにより生体適合性封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、型(例えば、プラスチック型、セラミック型、鋳鉄型など)を使用して、生体適合性封入部4の所望の形状(例えば、弾丸形状、円筒状、ドーム形状)を確保する。そのような実施形態では、低融点プラスチックベースの生体適合性封入部4は、ある時間期間にわたって曝露されるか、又は通常の体温よりも高い温度に暴露されると、自然に溶融する。そのような実施形態では、低融点プラスチックベースの生体適合性封入部4は、ある時間期間にわたって暴露されるか、又は通常の体温よりも高いが、組織の損傷を引き起こさない程度に十分低い温度(例えば、約45℃)に曝露されると、自然に溶融する。
【0045】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料は食品様物質である。例えば、いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、食品様物質ベースの生体適合性封入部4に封入されている。そのような実施形態は、食品様物質の特定のタイプ又は種類に限定されない。いくつかの実施形態では、食品様物質はゼラチンベースである。いくつかの実施形態では、食品様物質は、氷糖ベースである。
【0046】
更に
図1を参照すると、そのような実施形態は、食品様物質ベースの生体適合性封入部4に恒久的鋭利先端部3を封入する特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、食品様物質は、少なくとも鋭利先端部を含む恒久的鋭利先端部3の一部分(例えば、1%、2%、3.5%、10%、15%、20%、23%、25%、28%、33%、40%、50%、65%、70%、80%、82%、83%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9999%)の上に接着され、それにより生体適合性封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、食品様物質は恒久的鋭利先端部3の全体にわたって接着され、それにより生体適合性封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、型(例えば、プラスチック型、セラミック型、鋳鉄型など)を使用して、生体適合性封入部4の所望の形状(例えば、弾丸形状、円筒状、ドーム形状)を確保する。そのような実施形態では、食品様物質ベースの生体適合性封入部4は、ある時間期間にわたって暴露されるか、又は通常の体温よりも高い温度に暴露されると、自然に溶融/融解する。そのような実施形態では、食品様物質ベースの生体適合性封入部4は、ある時間期間にわたって暴露されるか、又は通常の体温よりも高いが、組織の損傷を引き起こさない程度に十分低い温度(例えば、約45℃)に暴露されると、自然に融解する。
【0047】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、二酸化炭素(例えば、ドライアイス)である。例えば、いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、ドライアイスベースの生体適合性封入部4内に封入される。
【0048】
そのような実施形態は、ドライアイスベースの生体適合性封入部4内に恒久的鋭利先端部3を封入する特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、二酸化炭素は、少なくとも鋭利先端部を含む恒久的鋭利先端部3の一部分(例えば、1%、2%、3.5%、10%、15%、20%、23%、25%、28%、33%、40%、50%、65%、70%、80%、82%、83%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9999%)にわたって凍結され、それにより生体適合性封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、二酸化炭素が恒久的鋭利先端部3の全体にわたって凍結され、それにより生体適合性封入部4が得られる。いくつかの実施形態では、型(例えば、プラスチック型、セラミック型、鋳鉄型、シリコン型など)を使用して、生体適合性封入部4の任意の所望の形状(例えば、弾丸形状、円筒状、ドーム形状)を確保する。
【0049】
いくつかの実施形態では、ドライアイスベースの生体適合性封入部4を提供する目的で、ドライアイス及び導電性の恒久的鋭利先端部3に外部凍結温度が適用される。そのような実施形態では、ドライアイスベースの生体適合性封入部4は、ある時間期間にわたって、又は非凍結温度に暴露されると、自然に昇華する。
【0050】
いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3の表面はその上に、恒久的鋭利先端部3の生体適合性材料による封入を容易にするための1つ以上の構造的特徴部を有する。例えば、いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3はその上に表面形状を有し、生体適合性材料がそのような表面形状に流入することが容易になり、それにより生体適合性材料が恒久的鋭利先端部3を封入することができるベースを提供する。いくつかの実施形態では、表面形状によって、そのような特徴部の周りに生体適合性材料が流れやすくなり、それにより生体適合性材料が恒久的鋭利先端部3に固定される(その結果、封入部の機械的保持及び接着的保持が得られる)。
【0051】
そのようなデバイスは、生体適合性材料による恒久的鋭利先端部3の封入を容易にするための恒久的鋭利先端部3の表面上の特定のタイプ又は種類の構造的特徴部に限定されない。いくつかの実施形態では、永久鋭利先端部3の表面は、その上に表面粗化(例えば、生体適合性材料が流入することができる表面上の山と谷)を有する。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、その上にローレット加工された表面を有する。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3の表面は、その上に環状の溝又はアンダーカットリングを有する。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3の表面は、その上に環状の突出部を有する。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3の表面は、角度のついたリブ及び/又はアンダーカットを有し、そのような特徴部の周りに生体適合性材料が流れやすくなり、それにより恒久的鋭利先端部3上に固定することができる。
【0052】
図2は、生体適合性材料による恒久的鋭利先端部3の封入を容易にするために恒久的鋭利先端部3の表面上に構造的特徴部5として環状の溝又はアンダーカットリングを有する、恒久的鋭利先端部を示す。
【0053】
生体適合剤として二酸化炭素が使用されないいくつかの実施形態では、二酸化炭素は、封入される恒久的鋭利先端部3を封入するために使用される。いくつかの実施形態では、二酸化炭素は、生体適合性材料による恒久的鋭利先端部3の封入の後に適用される。いくつかの実施形態では、生体適合性材料及び二酸化炭素は同時に適用され、その結果、生体適合性材料による恒久的鋭利先端部の封入、及び二酸化炭素によるそのような封入部の封入をもたらす。いくつかの実施形態では、二酸化炭素は、生体適合性材料による恒久的鋭利先端部3の封入を促進するために、1つ以上の構造的特徴部上に、又はその中に接着することによって、恒久的鋭利先端部3に接着する。いくつかの実施形態では、二酸化炭素は、封入された恒久的鋭利先端部3への暴露を介して恒久的鋭利先端部3と接着する。
【0054】
いくつかの実施形態では、氷ベースの生体適合性封入部4を提供する目的で、エネルギー送達デバイスを介して凍結温度が水及び恒久的鋭利先端部3に適用される。いくつかの実施形態では、二酸化炭素ガスは、エネルギー送達デバイス1のアンテナ2を介して、水及び恒久的鋭利先端部3に供給される。そのような実施形態では、生体適合性封入部4が溶解することが望まれるまで、エネルギー送達デバイス1を介して供給される凍結温度を維持することができる。
【0055】
更に
図1を参照すると、エネルギー送達デバイス1は、特定のタイプ又は種類の恒久的鋭利先端部3に限定されない。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、生体(例えば、ヒト、サル、ブタ、ヤギ、イヌ、ネコなど)内の任意の所望の組織(例えば、腫瘍、骨、気道壁、筋肉組織、など)を貫通することができる任意の鋭利先端部である。
【0056】
そのような実施形態では、恒久的鋭利先端部3の特定の形状に限定されない。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3の形状は、生体内の任意の所望の組織(例えば、腫瘍、骨、気道壁、筋肉組織、など)を貫通することができるようなものである。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3の形状は、シース(例えば、内視鏡シース)を介したエネルギー送達デバイス1の配置を妨げないようなものである。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、円錐形である。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、弾丸形状である。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、円錐形である。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3はニードル形状である。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、円錐形である。いくつかの実施形態では、恒久的な鋭利な先端部3はトロカール形状である。
【0057】
そのような実施形態では、特定のタイプの恒久的鋭利先端部3に限定されない。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、導電性の恒久的鋭利先端部である。いくつかの実施形態では、恒久的鋭利先端部3は、非導電性の恒久的鋭利先端部である。
【0058】
いくつかの実施形態では、導電性の恒久的先端部3は、トロカールである。いくつかの実施形態では、導電性の恒久的先端部3は、チタンベースである。いくつかの実施形態では、導電性の恒久的先端部3は、非粘着性の材料ベース(例えば、フルオロポリマー)である。いくつかの実施形態では、導電性の恒久的先端部3は、耐熱性材料ベース(例えば、セラミック)(例えば、耐熱性プラスチック)である。
【0059】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイス1は、ダイヤモンド様コーティングが施された導電性の恒久的先端部3を有する(米国仮特許出願第62/631,150号を参照)。いくつかの実施形態では、ダイヤモンド様コーティングは、誘電材料である。いくつかの実施形態では、ダイヤモンド様コーティングは、20ミクロン未満(例えば、10ミクロン未満又は5ミクロン未満)である。いくつかの実施形態では、先端部は、コーティング前に、熱処理されるか又は電解研磨予備洗浄に供される。いくつかの実施形態では、コーティングは、物理蒸着によって適用される。いくつかの実施形態では、コーティングは、酸化アルミニウム又はアルミナである。いくつかの実施形態では、ダイヤモンド様コーティングは、導電性の恒久的先端部3の全体を覆う。いくつかの実施形態では、ダイヤモンド様コーティングは、導電性の恒久的先端部のほぼ全体(例えば、65%、70%、75%、78%、79%、80%、85%、88%、90%、91%、92%、95%、97.5%、98%、99%、99.5%、99.999%)を覆う。
【0060】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイス1は、複数のマイクロセレーションを有する導電性の恒久的先端部3を有する(米国仮特許出願第62/631,150号を参照)。いくつかの実施形態では、マイクロセレーションは、3ファセット設計又は4ファセット設計である。いくつかの実施形態では、マイクロセレーションは、長さ50~100μmである。いくつかの実施形態では、デバイスは、マイクロセレーションに隣接する複数のスケールを特徴とする。
【0061】
本発明のこのような実施形態は、エネルギーを送達する(例えば、放出する)ための内部導体を有する任意のタイプのアンテナ(例えば、切除デバイス、外科用デバイス、など)の使用を企図する。適用可能なアンテナの例としては、米国特許第7,101,369号、同第7,033,352号、同第6,893,436号、同第6,878,147号、同第6,823,218号、同第6,817,999号、同第6,635,055号、同第6,471,696号、同第6,383,182号、同第6,312,427号、同第6,287,302号、同第6,277,113号、同第6,251,128号、同第6,245,062号、同第6,026,331号、同第6,016,811号、同第5,810,803号、同第5,800,494号、同第5,788,692号、同第5,405,346号、同第4,494,539号、米国特許出願第11/728,460号、同第11/728,457号、同第11/728,428号、同第11/237,136号、同第11/236,985号、同第10/980,699号、同第10/961,994号、同第10/961,761号、同第10/834,802号、同第10/370,179号、同第09/847,181号;米国仮特許出願第62/631,150号;英国特許公開第2,406,521号、同第2,388,039号、欧州特許第1395190号;及び国際公開第06/008481号、同第06/002943号、同第05/034783号、同第04/112628号、同第04/033039号、同第04/026122号、同第03/088858号、同第03/039385号、同第95/04385号に記載のアンテナのうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。そのようなアンテナは、エネルギー放出のために構成されたありとあらゆる医療用、獣医学、及び研究用のアプリケーションデバイス、並びに農業環境、製造環境、機械的環境又はエネルギーが送達されるその他の任意の用途で使用されるデバイスを含む。
【0062】
上述のように、システムは、エネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー、無線周波数エネルギー、放射線エネルギー)を放出するように構成された内部導体を有するアンテナを内部に有するエネルギー送達デバイスを利用する。システムは、特定のタイプ又は設計のアンテナ(例えば、切除デバイス、外科用デバイスなど)に限定されない。いくつかの実施形態では、システムは、直線形状のアンテナを有するエネルギー送達デバイスを利用する(例えば、米国特許第6,878,147号、同第4,494,539号、米国特許出願第11/728,460号、同第11/728,457号、同第11/728,428号、同第10/961,994号、同第10/961,761号、及び国際公開第03/039385号を参照)。いくつかの実施形態では、システムは、非直線形状のアンテナを有するエネルギー送達デバイスを利用する(例えば、米国特許第6,251,128号、同第6,016,811号、及び同第5,800,494号、米国特許出願第09/847,181号、並びに国際公開第03/088858号を参照)。いくつかの実施形態では、アンテナは、ホーン反射コンポーネント(例えば、米国特許第6,527,768号、同第6,287,302号を参照)を有する。いくつかの実施形態では、アンテナは、指向性反射シールド(例えば、米国特許第6,312,427号を参照)を有する。いくつかの実施形態では、アンテナは、その中に、特定の組織領域内にエネルギー送達デバイスを固定するように固定コンポーネントを有する(例えば、米国特許第6,364,876号、及び同第5,741,249号を参照)。
【0063】
一般的に、エネルギーを放出するように構成されたアンテナは、同軸伝送線を備える。デバイスは、特定の構成同軸伝送線に限定されない。同軸伝送線の例としては、Pasternack、Micro-coax、及びSRC Cablesによって開発された同軸伝送線が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、同軸伝送線は、中心導体、誘電体素子、及び外部導体(例えば、外側シールド)を有する。いくつかの実施形態では、アンテナは、可撓性の同軸伝送線を有する(例えば、肺静脈の周り又は管状構造を通して、例えば、位置決定する目的で)(例えば、米国特許第7,033,352号、同第6,893,436号、同第6,817,999号、同第6,251,128号、同第5,810,803号、同第5,800,494号を参照)。いくつかの実施形態では、アンテナは、剛性の同軸伝送線を有する(例えば、米国特許第6,878,147号、米国特許出願第10/961,994号、同第10/961,761号、及び国際公開第03/039385号を参照)。
【0064】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、アンテナ内部に位置付けられた同軸伝送線、及びアンテナと接続している同軸伝送線を有する。いくつかの実施形態では、アンテナ内部の同軸伝送線のサイズは、アンテナと接続された同軸伝送線より大きい。アンテナ内部の同軸伝送線及びアンテナと接続している同軸伝送線は、特定のサイズに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、アンテナと接続された同軸伝送線は、約0.032インチであるのに対し、アンテナ内部の同軸伝送線のサイズは、0.032インチより大きい(例えば、0.05インチ、0.075インチ、0.1インチ、0.5インチ)。いくつかの実施形態では、アンテナ内部の同軸伝送線は、硬く、厚い内部導体を有する。いくつかの実施形態では、アンテナ内部の同軸伝送線の末端部は、経皮使用のために鋭利である。いくつかの実施形態では、アンテナ内部の同軸伝送線の誘電体コーティングは、PTFEである(例えば、カニューレから内部導体(例えば、細く、鋭利な内部導体)への移行の円滑化のため)。
【0065】
そのような実施形態は、特定の同軸伝送線形状に限定されない。実際、いくつかの実施形態では、同軸伝送線及び/又は誘電体素子の形状は、特定のニーズに適合するように選択される、及び/又は調節可能である。
【0066】
いくつかの実施形態では、外部導体は、20ゲージのニードル又は20ゲージのニードルと同様の直径のコンポーネントである。好ましくは、経皮使用の場合、外部導体は、17ゲージ以下のニードル(例えば、16ゲージ以下のニードル)である。いくつかの実施形態では、外部導体は、17ゲージのニードルである。しかしながら、いくつかの実施形態では、所望に応じて、より大きいデバイスが使用される。例えば、いくつかの実施形態では、12ゲージの直径が使用される。本発明は、外部導体のサイズによって限定されない。いくつかの実施形態では、外部導体は、医療処置を支援する(例えば、組織生検を支援する)目的で、一連のより大きいニードル内に適合するように構成される(例えば、米国特許第6,652,520号、同第6,582,486号、同第6,355,033号、同第6,306,132号を参照)。いくつかの実施形態では、中心導体は、所望される場所にエネルギーを送達する目的で、外部導体を越えて延びるように構成される。いくつかの実施形態では、供給線特性インピーダンスの一部又は全ては、その遠位端部で終端するアンテナのタイプに関係なく、最小電力散逸のために最適化される。
【0067】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスに近位部分及び遠位部分が提供され、遠位部分は取り外し可能であり、コア近位部分に取り付けることができる様々な異なる構成で提供される。例えば、いくつかの実施形態では、近位部分は、ハンドルと、システムの他のコンポーネント(例えば、電源)に対するインターフェースとを備え、遠位部分は、所望の特性を有する取り外し可能なアンテナを備える。異なる用途のために構成された複数の異なるアンテナが提供されてよく、適切な指示のためにハンドルユニットに取り付けられ得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、複数(例えば、1つよりも多い)(例えば、2、3、4、5、10、20個、など)の同軸伝送線及び/又は3軸伝送線は、長期間にわたって大量のエネルギーを送達する目的で、各エネルギー送達デバイス内に位置付けられる。
【0069】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、最適化された調整能力を有する3軸マイクロ波プローブを備える(例えば、米国特許第7,101,369号を参照、また、米国特許出願第10/834,802号、同第11/236,985号、同第11/237,136号、同第11,237,430号、同第11/440,331号、同第11/452,637号、同第11/502,783号、同第11/514,628号、及び国際出願PCT/US05/14534号を参照)。3軸マイクロ波プローブは、特定の最適化された調整能力に限定されない。いくつかの実施形態では、3軸マイクロ波プローブは、特定の組織タイプに固有の事前定義された最適化された調整能力を有する。いくつかの実施形態では、3軸マイクロ波プローブは、より小さい組織領域を切除する(例えば、臓器の縁のみを切除する、小さい腫瘍を切除するなど)ように構成されている。そのような実施形態では、第1の導体の長さは、短縮される(例えば、ワイヤが先端部に接触して小さい切除領域を保持するように)。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、取り外し可能なハンドルを取り付けるように構成されている。本発明は、特定のタイプの取り外し可能なハンドルに限定されない。いくつかの実施形態では、取り外し可能なハンドルは、複数のデバイス(例えば、1、2、3、4、5、10、20、50個...)と、そのようなデバイスによってエネルギー送達を制御する目的で接続するように構成されている。いくつかの実施形態では、ハンドルは、電力をエネルギー送達デバイスに提供するための電力増幅器を有して設計される。
【0071】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料内に封入された内部導体及び導電性の恒久的先端部を有するアンテナを有するエネルギー送達デバイスは、可撓性領域及び非可撓性領域の両方を有する本体を有するように構成される。エネルギー送達デバイスは、可撓性領域及び非可撓性領域の両方を有する本体の特定の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性領域は、プラスチック(例えば、PEEK)を含む。いくつかの実施形態では、非可撓性領域は、セラミックを含む。可撓性領域及び非可撓性領域は、エネルギー送達デバイスの本体内の特定の位置に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性領域は、より少ない量のマイクロ波場放射を受ける領域に位置付けられる。いくつかの実施形態では、非可撓性領域は、多量のマイクロ波場放射を受ける(例えば、アンテナの近位部分の上に位置して、誘電強度及び機械的剛性を提供する)領域内に位置付けられる。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、追加の耐久性を提供するために、遠位部分(例えば、アンテナ)の上に熱収縮を有する。いくつかの実施形態では、上記のように、エネルギー送達デバイスは、更なる鋭さを提供するために、遠位部分(例えば、アンテナ)の上にダイヤモンド様コーティングを有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、アンテナの材料は、耐久性を有し、高誘電率を提供する。いくつかの実施形態では、アンテナの材料は、ジルコニウム及び/又はジルコニウムの機能的等価物である。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、同じ又は異なる電源に取り付けられた2つ以上の別々のアンテナとして提供される。いくつかの実施形態では、異なるアンテナが同じハンドルに取り付けられ、他の実施形態では、異なるハンドルが各アンテナに提供される。いくつかの実施形態では、複数のアンテナが同時に、又は連続して(例えば、切り替えて)患者内で使用され、患者内で所望される強度及び幾何学的形状のエネルギーを送達する。いくつかの実施形態では、アンテナは、個々に制御可能である。いくつかの実施形態では、複数のアンテナは、単一のユーザによって、コンピュータによって、又は複数のユーザによって操作され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料に封入された内部導体と導電性の恒久的先端部を有するアンテナを有するエネルギー送達デバイスは、滅菌野内で動作するように設計される。本発明は、特定の滅菌野環境に限定されない。いくつかの実施形態では、滅菌野は、被験体を取り囲む領域(例えば、手術テーブル)を含む。いくつかの実施形態では、滅菌野は、滅菌された物品(例えば、滅菌されたデバイス、滅菌された補助剤、滅菌された身体部位)のみへのアクセスを可能にする任意の領域を含む。いくつかの実施形態では、滅菌野は、病原体感染に対して脆弱な任意の領域を含む。いくつかの実施形態では、滅菌野は、その中に、滅菌野と非滅菌野との間にバリアを確立する滅菌野バリアを有する。本発明は、特定の滅菌野バリアに限定されない。いくつかの実施形態では、滅菌野バリアは、本発明のエネルギー送達デバイス(例えば、組織切除)の使用を伴う処置を受ける被験体を取り囲むドレープである。いくつかの実施形態では、部屋は、無菌状態であり、滅菌野を提供する。いくつかの実施形態では、滅菌野バリアは、本発明のシステムのユーザ(例えば、医師)によって確立される。いくつかの実施形態では、滅菌野バリアは、非滅菌物品の滅菌野への進入を妨げる。いくつかの実施形態では、エネルギー送達は滅菌野内に提供され、一方、システムの1つ以上の他のコンポーネント(例えば、電源)は滅菌野に収容されない。
【0074】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、その中に、エネルギー送達デバイスの望ましくない使用を防止するように設計された保護センサを有する。エネルギー送達デバイスは、特定のタイプ又は種類の保護センサに限定されない。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、その中に、例えば、エネルギー送達デバイス及び/又はそのエネルギー送達デバイスに接触する組織の温度を測定するように設計された温度センサを有する。いくつかの実施形態では、温度がある特定のレベルに到達すると、センサは、例えば、プロセッサを介してユーザに警告を通信する。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、その中に、エネルギー送達デバイスと皮膚(例えば、皮膚の外表面)との接触を検出するように指定された皮膚接触センサを有する。いくつかの実施形態では、望ましくない皮膚と接触したときに、皮膚接触センサは、例えば、プロセッサを介してユーザに警告を通信する。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、その中に、エネルギー送達デバイスと周囲空気の接触を検出する(例えば、デバイスを通過する電気の反射電力の測定によって検出する)ように指定された空気接触センサを有する。いくつかの実施形態では、望ましくない空気と接触したときに、皮膚接触センサは、例えば、プロセッサを介してユーザに警告を通信する。いくつかの実施形態では、センサは、望ましくない事象(例えば、皮膚との接触、空気との接触、望ましくない温度の上昇/低下)を検出したときに、(例えば、電力送達を自動的に低減又は防止することによって)エネルギー送達デバイスの使用を防止するように設計される。いくつかの実施形態では、センサは、望ましくない発生がなければプロセッサが通知(例えば、緑色ライト)を表示するように、プロセッサと通信する。いくつかの実施形態では、センサは、望ましくない発生があればプロセッサが通知(例えば、赤色ライト)を表示するように、プロセッサと通信し、望ましくない発生を識別する。
【0075】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料に封入された内部導体と導電性の恒久的先端部を有するアンテナを有するエネルギー送達デバイスは、メーカーの推奨電力定格を超えて使用することができる。いくつかの実施形態では、その中に冷却技術を有するエネルギー送達デバイスは、より高い電力送達が可能なデバイスを提供する。本発明は、特定の量の電力増加に限定されない。いくつかの実施形態では、電力定格は、製造者の推奨の5倍又はそれ以上(例えば、5倍、6倍、10倍、15倍、20倍など)を超える。
【0076】
加えて、本発明のデバイスは、異なる時間(例えば、ユーザによって制御される)、及び異なるエネルギー強度(例えば、ユーザによって制御される)で、デバイスの異なる領域(例えば、外部導体セグメントの間隙)からエネルギーを送達するように構成される。デバイス上のそのような制御は、特定の組織領域での建設的位相干渉、又は特定の組織領域での破壊的位相干渉を達成する目的で、エネルギー送達場の位相合わせを可能にする。例えば、ユーザは、組み合わせられたエネルギー強度(例えば、建設的位相干渉)を達成するように、2つ(又は2つ以上)の近接して位置付けられた外部導体セグメントによるエネルギー送達を用いてもよい。そのような組み合わせられたエネルギー強度は、特に、深い又は高密度の組織領域で有用であり得る。加えて、そのような組み合わせられたエネルギー強度は、2つ(又は2つ以上)のデバイスの利用によって達成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス間の位相干渉(例えば、建設的位相干渉、破壊的位相干渉)は、プロセッサ、調整素子、ユーザ、及び/又は電力分割器によって制御される。したがって、ユーザは、デバイスの異なる領域を通してエネルギーの放出を制御し、切除区域を精密に彫り込む目的で、デバイスの各領域を通して送達されるエネルギー量を制御することができる。
【0077】
本発明は、デバイスを冷却するための多種多様な方法を提供する。いくつかの実施形態は、溶融すると、吸熱反応を実行する化学物質の接触を可能にする溶融可能バリアを用いる。
【0078】
いくつかの実施形態では、デバイスは、アンテナを特定の組織領域において固定するための係留素子を更に備える。デバイスは、特定のタイプの係留素子に限定されない。いくつかの実施形態では、係留素子は、膨張可能なバルーンである(例えば、バルーンの膨張がアンテナを特定の組織領域において固定する)。膨張可能なバルーンを係留素子として利用する追加の利点は、バルーンの膨張時に特定の領域への血流又は気流を阻害することである。そのような気流又は血流阻害は、例えば、心切除処置及び肺組織、血管組織、及び胃腸組織が関与する切除処置において特に有用である。いくつかの実施形態では、係留素子は、特定の組織領域に係合する(例えば、その上にラッチする)ように設計されたアンテナの拡張である。更なる例としては、米国特許第6,364,876号及び同第5,741,249号に記載される係留素子が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、係留素子は、循環剤(例えば、その臨界点又はその近くで送達されるガス、CO2)を有し、これはアンテナと組織との間の境界面を凍結させ、それによりアンテナを所定の位置に固着させる。そのような実施形態では、組織が溶解するときに、アンテナは、組織解離(tissue desiccation)に起因して組織領域に固定されたままである。
【0079】
したがって、いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、多量の気流及び/又は血流を有する組織領域(例えば、肺組織、心組織、胃腸組織、血管組織)の切除に使用される。多量の気流及び/又は血流を有する組織領域の切除を伴ういくつかの実施形態では、素子が、その組織領域への気流及び/又は血流を阻害するために更に利用される。本発明は、特定の気流及び/又は血流阻害素子に限定されない。いくつかの実施形態では、デバイスは、気管内/気管支内管と組み合わされる。いくつかの実施形態では、デバイスに取り付けられたバルーンは、所望の組織領域内にデバイスを固定し、所望の組織領域への血流及び/又は気流を阻害する目的で、組織領域において膨張させることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、その中に、例えば、他の部分の冷却又は加熱を可能にしながら、デバイスの一部分又は複数の部分の冷却又は加熱を防止するように、エネルギー送達デバイスの内部部分を分離するように設計されたプラグ領域を有する。プラグ領域は、任意の他のエネルギー送達デバイスの任意の所望される領域を隔離するように構成され得る。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、エネルギー送達デバイスの1つ以上の領域の冷却を防止するように設計される。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、切除エネルギーを送達するように構成されたエネルギー送達デバイスの一部分の冷却を防止するように設計される。プラグ領域は、装置の一部分の冷却を防止する特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、低温(例えば、循環される冷却剤を有するエネルギー送達デバイスの領域)を有する領域と接触するように設計される。いくつかの実施形態では、プラグ領域の材料は、その温度を著しく低下させずに低温を有する材料又は領域(例えば、絶縁材料)と接触することができるようなものである。プラグ領域は、特定のタイプの絶縁材料(例えば、合成ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリイシネン、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート)、エアロゲル、繊維ガラス、コルク)に限定されない。プラグ領域は、特定のサイズ寸法に限定されない。いくつかの実施形態では、プラグ領域のサイズは、循環冷却剤の冷却効果がエネルギー送達デバイスの他の領域の温度を低下させることを防止することができるようなものである。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、エネルギー送達デバイスのカニューレ部分全体に沿って位置付けられる。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、エネルギー送達デバイスのカニューレ部分の遠位部分に位置付けられる。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、エネルギー送達デバイスのカニューレ部分の外部部分を包み込む。
【0081】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、その中に、エネルギー送達デバイスを組織領域に固設するように設計された「固着」領域を有する。固着領域は、エネルギー送達デバイスの組織領域への関連付けを容易にする特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、固着領域は、組織領域と接触すると、組織領域が固着領域に接着し、それによって、組織領域を有するエネルギー送達デバイスの取り付けを結果的にもたらすように、低温を達成及び維持するように構成される。固着領域は、特定の材料組成に限定されない。いくつかの実施形態では、固着領域は、例えば、金属材料、セラミック材料、プラスチック材料、及び/又はそのような物質の任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、固着領域は、組織領域と接触すると、固着領域上への組織領域の接着を誘発するように、温度を達成及び維持することができる任意の種類の材料を含む。固着領域は、特定のサイズ寸法に限定されない。いくつかの実施形態では、固着領域のサイズは、同時組織切除及び/又はエネルギー送達デバイスの同時運動(位置決定)中に組織領域の接着を維持することができるようなものである。いくつかの実施形態では、2つ以上の固着領域が提供される。いくつかの実施形態では、固着領域は、シールを用いてデバイスの遠位領域に露出することを防止される。いくつかの実施形態では、シールは、デバイスの固着領域と遠位領域との間に位置決定され、それによって、遠位領域への固着領域の露出を防止する。いくつかの実施形態では、シールは、気密/ガス密様式で構成される。いくつかの実施形態では、シールは、デバイス(例えば、同軸領域)上にレーザー溶接される。いくつかの実施形態では、シールは、デバイス(例えば、同軸領域)に誘導はんだ付けされる。いくつかの実施形態では、シールは、部分的(例えば、60%/40%、55%/45%、50%/50%)レーザー溶接及び誘導はんだ付けである。
【0082】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料に封入された内部導体及び導電性の恒久的先端部を有するアンテナを有するエネルギー送達デバイスは、最適化された特性インピーダンスでマイクロ波エネルギーを送達するように構成される(例えば、米国特許出願第11/728,428号を参照)。そのようなデバイスは、50Ωを超える特性インピーダンスで動作するように構成される。(例えば、50~90Ωの間で、例えば、50、...、55、56、57、58、59、60、61、62、...、90Ωを超える、好ましくは77Ωで。)。
【0083】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料に封入された内部導体及び導電性の恒久的先端部を有するアンテナを有するエネルギー送達デバイスは、冷却剤通過チャネルを更に有する(例えば、米国特許第6,461,351号、及び米国特許出願第11/728,460号を参照)。具体的には、本発明のエネルギー送達システムは、同軸伝送線を有するデバイスを利用し、同軸伝送線は、同軸コンポーネントの誘電体及び/又は内部若しくは外部導体を通って冷却材料を流すことによって冷却することを可能にする。いくつかの実施形態では、デバイスは、冷却剤の通過を可能にしながら、デバイスの直径を最小化するように構成される。これは、いくつかの実施形態では、内部若しくは外部導体及び/又は固体誘電材料の剥離片をチャネルと置換することによって達成され、チャネルを通って冷却剤が移送される。いくつかの実施形態では、チャネルは、1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ)の区域から同軸ケーブルの長さに沿って、外部若しくは内部導体及び/又は固体誘電材料を剥離することによって生成される。冷却剤の移送のためのチャネルを形成する、外部若しくは内部導体及び/又は固体誘電材料の除去された部分によると、剥離されたコンポーネントは、外部若しくは内部導体及び/又は固体誘電材料の除去前よりも小さい外部導体内に適合する。これは、より小さいデバイスを提供し、それらから得られる利点の全てを含む。複数のチャネルが用いられるいくつかの実施形態では、冷却剤移送は、チャネルのうちの1つ以上を通る交互方向であってもよい。そのようなデバイスの利点は、同軸ケーブルの直径が冷却剤を収容するために増大される必要がないことである。これは、低侵襲性である冷却されたデバイスの使用を可能にし、さもなければアクセス不能であるか又は望ましくない危険性を伴ってのみアクセス可能である身体の領域へのアクセスを可能にする。冷却剤の使用はまた、より大きいエネルギー送達及び/又は長期間にわたるエネルギー送達を可能にする。
【0084】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料に封入された内部導体と導電性の恒久的先端部を有するアンテナを有するエネルギー送達デバイスは、センターフィードダイポールコンポーネントを採用している(例えば、米国特許出願第11/728,457号を参照)。このデバイスは、特定の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、デバイスは、エネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー)を適用することにより組織領域を加熱するための中心供給ダイポールを中に有する。いくつかの実施形態では、そのようなデバイスは、中空管(例えば、内径が外径の少なくとも50%である、例えば、内径が外径と実質的に同様である)に接続された同軸ケーブルを有する。同軸ケーブルは、標準的な同軸ケーブルであってもよく、又は内部に導電性がほぼゼロの誘電体コンポーネント(例えば、空気)を有する同軸ケーブルであってもよい。中空管は、特定の設計構成に限定されない。いくつかの実施形態では、中空管は、例えば、20ゲージのニードルの形状(例えば、直径)を想定する。好ましくは、中空管は、固体の硬質導電性材料(例えば、任意の数の金属、導体コーティングされたセラミック、又はポリマーなど)で作製される。いくつかの実施形態では、中空管は、例えば、カニューレを使用することなく、組織領域へのデバイスの直接挿入を可能にするために、その遠位端部での鋭利にされた点又はスタイレットの追加を伴って構成される。中空管は、特定の組成物(例えば、金属、プラスチック、セラミック)に限定されない。いくつかの実施形態では、中空管は、例えば、銅又は他の硬化金属との銅合金、銀又は他の硬化金属との銀合金、金めっき銅、金属めっきMacor(機械加工可能なセラミック)、金属めっき硬化ポリマー、及び/又はこれらの組み合わせを含む。スタイレット先端部は、任意の材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、先端部は、硬化樹脂から作製される。いくつかの実施形態では、先端部は、金属である。いくつかの実施形態では、スタイレット先端部は、チタン又はチタンの等価物から作製される。いくつかの実施形態では、スタイレット先端部は、ジルコニア又はジルコニアの等価物にろう付け(braised)される。いくつかのそのような実施形態では、金属先端部は、アンテナの金属部分の延長部であり、電気的に活性である。
【0085】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料に封入された内部導体と導電性の恒久的先端部を有するアンテナを有するエネルギー送達デバイスは、アンテナコンポーネントの線形アレイを更に有する(例えば、米国仮特許出願第60/831,055号を参照)。このデバイスは、特定の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、アンテナコンポーネントの直線状配列を有するエネルギー送達デバイスは、その中に、内部導体及び外部導体を含むアンテナを有し、外部導体は、間隙によって分離された2つ以上の直線状セグメント内に提供され、それにより、セグメントの長さ及び位置は、アンテナの遠位端部でのエネルギーの最適化された送達のために構成される。例えば、いくつかの実施形態では、アンテナは、アンテナの近位端部から遠位端部の近傍の領域にまたがる外部導体の第1のセグメント、及び第1のセグメントの遠位にある外部導体の第2のセグメントを含み、間隙が、第1のセグメントと第2のセグメントとを分離又は部分的に分離する。間隙は、外部導体に完全に外接してもよく、又は外部導体に部分的にのみ外接してもよい。いくつかの実施形態では、第2のセグメントの長さは、λ/2、λ/4などであるが、本発明は、そのように限定されない。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の(例えば、第3、第4、第5の)セグメントが、第2のセグメントの遠位に設けられ、これらのセグメントの各々は、間隙によって他のセグメントから分離される。いくつかの実施形態では、アンテナは、内部導体と電子通信する導電性末端で終端される。いくつかの実施形態では、導電性末端は、外部導体の直径と実質的に同一の直径を有するディスクを含む。そのようなアンテナは、アンテナの遠位端部の長さに沿ったエネルギー送達の複数のピークを提供し、エネルギー送達のより広い領域を提供して、組織のより広い領域を標的化する。ピークの場所及び位置は、外部導体セグメントの長さを選択することによって、かつ送達されるエネルギー量を制御することによって、制御される。
【0086】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、既存のアンテナと結合するための精密アンテナ又は精密プローブを有する。
【0087】
精密プローブは、特定のタイプのアンテナとの結合に限定されない。いくつかの実施形態では、アンテナは、内部導体を有する。いくつかの実施形態では、アンテナは、3軸アンテナである(例えば、米国特許第7,101,369号を参照、また、米国特許出願第10/834,802号、同第11/236,985号、同第11/237,136号、同第11/237,430号、同第11/440,331号、同第11/452,637号、同第11/502,783号、同第11/514,628号、及び国際出願PCT/US05/14534号を参照)。いくつかの実施形態では、アンテナは、同軸アンテナである。いくつかの実施形態では、アンテナは、エネルギーを送達する(例えば、放出する)ように構成された任意のタイプのデバイスである(例えば、切除デバイス、外科用デバイス、など)(例えば、米国特許第7,101,369号、同第7,033,352号、同第6,893,436号、同第6,878,147号、同第6,823,218号、同第6,817,999号、同第6,635,055号、同第6,471,696号、同第6,383,182号、同第6,312,427号、同第6,287,302号、同第6,277,113号、同第6,251,128号、同第6,245,062号、同第6,026,331号、同第6,016,811号、同第5,810,803号、同第5,800,494号、同第5,788,692号、同第5,405,346号、同第4,494,539号、米国特許出願第11/728,460号、同第11/728,457号、同第11/728,428号、同第11/237,136号、同第11/236,985号、同第10/980,699号、同第10/961,994号、同第10/961,761号、同第10/834,802号、同第10/370,179号、同第09/847,181号;英国特許出願第2,406,521号、同第2,388,039号;欧州特許第1395190号;及び国際公開第06/008481号、同第06/002943号、同第05/034783号、同第04/112628号、同第04/033039号、同第04/026122号、同第03/088858号、同第03/039385号、同第95/04385号を参照)。
【0088】
精密プローブは、特定の形状及び/又は設計に限定されない。いくつかの実施形態では、精密プローブの形状は、アンテナの内部導体を覆って適合されることができるようなものである。いくつかの実施形態では、精密プローブの形状及び/又は設計は、円筒状である。いくつかの実施形態では、精密プローブの形状及び/又は設計は管状である。
【0089】
精密プローブは、アンテナ内の特定の位置決定に限定されない。いくつかの実施形態では、精密プローブに対応するように、アンテナの外部導体及び誘電体は、精密プローブが位置付けられることになる、内部導体に沿った一部分を生成するように除去される(例えば、それによって、露出した内部導体領域を生成する)。いくつかのそのような実施形態では、精密プローブは、露出した内部導体領域全体に沿って位置付けられる。いくつかのそのような実施形態では、アンテナスリーブ(例えば、ポリフルオロエチレン又はPTFEアンテナスリーブ)は、露出した内部導体の一部分に沿って位置決定され、精密プローブは、露出した内部導体の残りの部分に沿って位置付けられる。
【0090】
精密プローブの導電性フィッティングは、アンテナの内部導体との特定の様式の結合に限定されない。いくつかの実施形態では、フィッティングは、内部導体にはんだ付けされる。いくつかの実施形態では、フィッティングは、内部導体にろう付けされる。いくつかの実施形態では、フィッティングは、内部導体に圧着される。いくつかの実施形態では、フィッティングは、内部導体に溶接される。いくつかの実施形態では、精密プローブと内部導体との間の取り付けは、導電性である。
【0091】
精密プローブは、特定のサイズ寸法に限定されない。いくつかの実施形態では、精密プローブのサイズ寸法は、任意のタイプ又はサイズのアンテナ(例えば、内部導体又はアンテナ)に対応するように構成される。いくつかの実施形態では、精密プローブの直径サイズは、外側トロカールキャップ内に形成されるインピーダンスを最小化するために可能な限り大きい。
【0092】
いくつかの実施形態では、1つ以上のエネルギー送達デバイス、並びにシステムの1つ以上のコンポーネントに関する監視及び/又は制御及び/又はフィードバックの提供を行うプロセッサと、含むシステムが提供される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、コンピュータモジュール内に設けられる。コンピュータモジュールはまた、その機能のうちの1つ以上を実行するためにプロセッサによって用いられるソフトウェアも含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、標的組織のサイズ及び形状、組織領域の温度などが挙げられるがこれらに限定されない組織領域の1つ以上の特徴部を監視することを通して(例えば、フィードバックシステムを通して)、組織領域に提供されるマイクロ波エネルギーの量を調節するためのソフトウェアを提供する(例えば、米国特許出願第11/728,460号、同第11/728,457号、及び同第11/728,428号を参照)。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、リアルタイムで情報(例えば、監視情報)を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、本発明のエネルギー送達システムと相互作用するように構成されており、それにより組織領域に送達されるエネルギーの量を増減する(例えば、調整する)ことができる。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、エネルギー送達デバイスの使用前に冷却剤が所望の温度であるように、例えば、エネルギー送達デバイスへの分配のために冷却剤をプライムするように設計される。いくつかの実施形態では、治療される組織のタイプ(例えば、肝臓)は、その特定のタイプの組織領域のために事前に較正された方法に基づいて、プロセッサに組織領域へのマイクロ波エネルギーの送達を調節(例えば、調整)させる目的で、ソフトウェアに入力される。他の実施形態では、プロセッサは、特定のタイプの組織領域に基づいて、システムのユーザに有用な特徴を表示するチャート又は図を生成する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、高温によって引き起こされる急速なガス放出に起因する組織の亀裂を回避するために電力をゆっくり上昇させる目的で、エネルギー送達アルゴリズムを提供する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ユーザが電力、治療期間、異なる組織タイプに対する異なる治療アルゴリズム、複数のアンテナモードにおけるアンテナへの電力の同時印加、アンテナ間で切り替えられた電力送達、可干渉性及び非干渉性位相整合などを選択することを可能にする。いくつかの実施形態では、プロセッサは、類似の又は異なる患者特性での以前の治療に基づいて、特定の組織領域に対する切除治療に関する情報のデータベース(例えば、特定の患者特徴に基づいて、必要とされるエネルギーレベル、組織領域の治療期間)の形成のために構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、遠隔制御によって操作される。
【0093】
いくつかの実施形態では、プロセッサを使用して、例えば、組織特徴(例えば、腫瘍タイプ、腫瘍サイズ、腫瘍位置、周囲血管情報、血流情報など)の入力に基づいて切除チャートを生成する。そのような実施形態では、プロセッサは、切除チャートに基づいて所望の切除を達成するように、エネルギー送達デバイスの配置を指示し得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアパッケージは、プロセッサと相互作用するために提供され、ユーザが治療される組織のパラメータ(例えば、切除される腫瘍又は組織断片のタイプ、サイズ、それが位置する場所、血管又は脆弱構造の場所、及び血流情報)を入力することを可能にし、次いでCT又は他の画像上に所望の切除区域を描き、所望の結果を提供する。プローブは、組織の中に配置されてよく、コンピュータは、提供される情報に基づいて予想される切除区域を生成する。そのような適用は、フィードバックを組み込むことができる。例えば、CT、MRI、又は超音波撮像又は検温を、切除中に用いることができる。このデータは、コンピュータにフィードバックされ、パラメータを再調整して所望の結果をもたらす。
【0095】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、エネルギー送達システムのコンポーネントを監視及び/又は操作するために提供される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、タッチスクリーンインターフェースによって操作される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、無菌環境(例えば、処置室)内又は非無菌環境内で実行及び操作されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、処置デバイスハブ内で(例えば、プロセッサを介して)実行及び操作される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、処置カート内で(例えば、プロセッサを介して)実行及び操作される。ユーザインターフェースソフトウェアは、特定の機能に限定されない。ユーザインターフェースソフトウェアと関連付けられた機能の例としては、エネルギー送達システム内のコンポーネント毎の使用数を追跡すること(例えば、エネルギー送達デバイスの使用回数を追跡すること)、各コンポーネント又は各コンポーネント部品のリアルタイム温度を提供及び追跡すること(例えば、エネルギー送達デバイスに沿った異なる場所(例えば、ハンドルにて、スティックにて、先端部にて)でのリアルタイム温度を提供すること)(例えば、エネルギー送達システムと関連付けられたケーブルのリアルタイム温度を提供すること)、治療される組織のリアルタイム温度を提供及び追跡すること、エネルギー送達システムの一部又は全部を自動停止すること(例えば、緊急停止)、例えば処置の前、処置中、及び処置の後に蓄積されたデータに基づいてレポートを生成すること、ユーザに可聴及び/又は視覚的アラートを提供すること(例えば、処置が開始及び/又は終了したことを示すアラート、温度が異常レベルに達したことを示すアラート、処置の長さがデフォルトを超えていることを示すアラートなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
本明細書において使用される場合、「コンピュータメモリ」及び「コンピュータメモリデバイス」という用語は、コンピュータプロセッサによって読み取り可能な任意の記憶媒体を指す。コンピュータメモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、コンピュータチップ、光学ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)など))、磁気ディスク(例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスク、ZIP.RTM.ディスクなど)、磁気テープ、及び固体記憶デバイス(例えば、メモリカード、「フラッシュ」媒体など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
本明細書において使用される場合、「コンピュータ可読媒体」という用語は、情報(例えば、データ及び指示)をコンピュータプロセッサに記憶及び提供するための任意のデバイス又はシステムを指す。コンピュータ可読媒体の例としては、光学ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、固体媒体、及びネットワーク上の媒体をストリーミングするためのサーバが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において使用される場合、「プロセッサ」及び「中央演算処理装置」又は「CPU」は、互換的に用いられ、コンピュータメモリデバイス(例えば、ROM又は他のコンピュータメモリ)からプログラムを読み取り、プログラムに従って一連の工程を実施することができるデバイスを指す。
【0098】
いくつかの実施形態では、1つ以上のエネルギー送達デバイス、及び撮像デバイスを備える撮像システムを含むシステムが提供される。エネルギー送達システムは、特定のタイプの撮像デバイスに限定されない(例えば、内視鏡デバイス、定位的コンピュータ支援神経外科的ナビゲーションデバイス、熱センサ位置決定システム、運動速度センサ、操縦ワイヤシステム、術中超音波、介在性超音波、マイクロ波撮像、音響トモグラフィー、二重エネルギー撮像、蛍光法、CT磁気共鳴撮像、核医学撮像デバイス三角測量撮像、熱音響撮像、赤外線及び/又はレーザー撮像、電磁気撮像)(例えば、米国特許第6,817,976号、同第6,577,903号、及び同第5,697,949号、同第5,603,697号、並びに国際公開第06/005,579号を参照)。いくつかの実施形態では、システムは、本発明のエネルギーシステムと共に用いられるアイテムのうちのいずれかの配置、位置決定、及び/又は監視を可能にする又は支援する、内視鏡カメラ、撮像コンポーネント、及び/又はナビゲーションシステムを利用する。
【0099】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムは、撮像装置(例えば、CT、MRI、超音波)の使用のために構成されたソフトウェアを提供する。いくつかの実施形態では、撮像装置ソフトウェアは、組織、脈管系、及びアンテナの場所の既知の熱力学的かつ電気的特性に基づいて、ユーザが予測を行うことを可能にする。いくつかの実施形態では、撮像ソフトウェアは、組織領域(例えば、腫瘍、不整脈)の場所、アンテナの場所の3次元マップの生成、及び切除区域の予測マップの生成を可能にする。
【0100】
いくつかの実施形態では、本発明の撮像システムを使用して、切除処置(例えば、マイクロ波熱切除処置、無線周波熱切除処置)を監視する。本発明は、特定のタイプの監視に限定されない。いくつかの実施形態では、撮像システムを使用して、熱切除処置を受ける特定の組織領域内で発生する切除の量を監視する。いくつかの実施形態では、監視は、切除デバイス(例えば、エネルギー送達デバイス)と共に動作し、それにより特定の組織領域に送達されたエネルギーの量は、組織領域の撮像に依存する。撮像システムは、特定のタイプの監視に限定されない。本発明は、撮像デバイスで監視されるものに限定されない。いくつかの実施形態では、監視は、例えば、熱切除処置前、処置中、及び処置後に領域内の変化を検出するように、特定の領域の血液潅流を撮像する。いくつかの実施形態では、監視としては、MRI撮像、CT撮像、超音波撮像、核医学撮像、及び蛍光撮像が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、熱切除処置の前に、造影剤(例えば、ヨード又は他の好適なCT造影剤、ガドリニウムキレート又は他の好適なMRI造影剤、微小気泡、又は他の好適な超音波造影剤など)が、被験体(例えば、患者)に供給され、切除処置を受ける特定の組織領域を通して潅流する造影剤は、血液潅流の変化について監視される。いくつかの実施形態では、監視は、切除区域特性(例えば、直径、長さ、断面積、体積)に関する定性的情報である。撮像システムは、定性的情報を監視するための特定の技法に限定されない。いくつかの実施形態では、定性的情報を監視するために用いられる技法としては、非撮像技法(例えば、1つの介在性デバイス単独に基づく又は他の介在性デバイス若しくは外部デバイスと協働した、時間領域反射率測定、飛行時間パルス検出、周波数調節された距離検出、固有モード又は共振周波数検出又は任意の周波数での反射及び伝送)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、介在性デバイスは、撮像のためのシグナル及び/又は検出を提供する(例えば、電気音響撮像、電磁波撮像、電気インピーダンストモグラフィー)。いくつかの実施形態では、非撮像技法を使用して、アンテナを取り囲む媒体の誘電特性を監視し、共振周波数検出、反射光測定、又は距離測定技法、電力反射/介在性アンテナ又は外部アンテナからの伝送などを含むいくつかの手段を通して切除された領域と正常な組織との間の境界面を検出する。いくつかの実施形態では、定性的情報は、切除状態の推定、電力送達状態、及び/又は電力が印加されていることを確認するための単純な実行/中止チェックである。
【0101】
いくつかの実施形態では、撮像システムは、任意の所望の周波数で特定の組織領域を自動的に監視するように設計される(例えば、秒間隔で、1分間隔で、10分間隔で、1時間間隔で、など)。いくつかの実施形態では、本発明は、組織領域の画像(例えば、MRI撮像、CT撮像、超音波撮像、核医学撮像、蛍光撮像)を自動的に入手し、組織領域におけるなんらかの変化(例えば、血液潅流、温度、壊死組織の量など)を自動的に検出し、その検出に基づいて、エネルギー送達デバイスを通して組織領域に送達されるエネルギーの量を自動的に調節するように設計されたソフトウェアを提供する。同様に、アルゴリズムを適用して、切除される組織領域(例えば、腫瘍形状)の形状及びサイズを予測することができ、それによりシステムは、その領域を効果的に治療するために切除プローブのタイプ、数、及び場所を推奨する。いくつかの実施形態では、システムは、ナビゲーション又はガイダンスシステムと共に構成され(例えば、三角測量又は他の位置決定ルーチンを用いる)、プローブ及びそれらの使用の配置を支援するか又は指示する。
【0102】
例えば、そのような処置は、造影材料ボーラスの強化を使用して又は強化なしに、切除又は他の治療処置の進行を追跡することができる。サブトラクション方法(例えば、デジタルサブトラクション血管撮影に用いられるものと同様)を使用することもできる。例えば、第1の画像は、第1の時点で撮影され得る。後続の画像は、組織内の変化がより容易に観察されるように、第1の画像から情報の一部又は全てを差し引く。同様に、「アンダーサンプリング」技法を適用する(Nyquistサンプリングと対照的に)加速性撮像技法を使用することができる。そのような技法は、経時的に入手される複数の低解像度画像を用いて優れた信号対雑音比を提供することが企図される。例えば、本発明のシステムの実施形態に適用され得るHYPER(高度に制約された投影再構成)と呼ばれるアルゴリズムは、MRIに使用可能である。
【0103】
熱に基づく治療は、組織温度が、例えば、50℃を超えると血管を凝固させ、この凝固は、完全に凝固した領域への血流供給を減少させる。凝固される組織領域は、造影剤の投与後に増大しない。いくつかの実施形態では、本発明は、撮像システムを利用して、例えば、造影剤の少量試験注入を行うことによって切除処置の進行を自動的に追跡して、問題の組織領域における造影剤の到達時間を判定し、ベースライン強化を確立する。いくつかの実施形態では、次に一連の少量造影剤注入を、切除処置の開始後に行い(例えば、CTの場合、一連の最大15回の10mLボーラスの300mgI/mL水溶性造影剤が注入される)、所望の適切な注入後時間(試験注入から判定される)において走査を行い、標的領域のコントラスト増強を、例えば、関心領域(ROI)を用いて判定して、CTの場合の減衰(Hounsfield Units[HU])、シグナル(MRI)、エコー輝度(超音波)などが挙げられるが、これらに限定されない多くのパラメータのうちのいずれか1つを追跡する。撮像されたデータは、特定の提示様式に限定されない。いくつかの実施形態では、撮像データは、カラーコード又はグレースケールマップ、又は減衰/シグナル/エコー輝度の変化、標的組織と非標的組織との間の差、治療中の造影剤ボーラスの到達時間の差、組織潅流の変化、及び造影材料の注入前及び注入後に測定され得る任意の他の組織特性のオーバレイとして提示される。本発明の方法は、選択されたROIに限定されないが、任意の画像内の全ての画素に一般化され得る。画素は、組織変化が発生した、及び発生している場所を明示するために用いられるカラーコード又はオーバレイであり得る。画素は、組織特性が変化すると、色(又は他の特性)を変化させることができるため、治療の進行のほぼリアルタイムの表示を付与する。この方法は、画像表示の3d/4d方法に一般化することもできる。
【0104】
いくつかの実施形態では、治療される領域は、コンピュータオーバレイ上に提示され、異なる色又は陰影の第2のオーバレイは、治療の進行のほぼリアルタイム表示をもたらす。いくつかの実施形態では、この提示及び撮像は、自動化され、それにより治療技術(RF、MW、HIFU、レーザー、低温など)に対するフィードバックループが存在して、撮像所見に基づいて電力(又は他の制御パラメータ)を調節する。例えば、標的領域に対する潅流が標的レベルに減少される場合、電力は減少又は停止され得る。例えば、そのような実施形態は、電力/時間/周波数/デューティーサイクルなどが、位相同期されたアレイシステムにおける各個々のアプリケータ又は素子に対して調節され、組織治療の精密な彫刻区域を形成するため、複数のアプリケータシステムに適用可能である。反対に、いくつかの実施形態では、方法を使用して、治療されない領域(例えば、胆管、腸などの回避される必要がある脆弱構造)を選択する。そのような実施形態では、方法は、回避される領域内の組織変化を監視し、保存される構造が損傷の危機にあるというアラーム(例えば、可視及び/又は可聴アラーム)を用いてユーザ(例えば、治療医師)を警告する。いくつかの実施形態では、フィードバックループを使用して、治療されないことが選択された組織領域に対する連続した損傷を回避するために、電力又は任意の他のパラメータを修正する。いくつかの実施形態では、組織領域の切除からの保護は、脆弱領域内の標的ROIなどの閾値を設定するか、又はコンピュータオーバレイを用いて、ユーザにより所望される「無治療」区域を定義することによって達成される。
【0105】
いくつかの実施形態では、1つ以上のエネルギー送達デバイスと、組織領域に送達されるエネルギー量を調整するための調整要素とを含むシステムが提供される。いくつかの実施形態では、調整素子は、システムのユーザによって手動で調節される。いくつかの実施形態では、調整システムは、ユーザがデバイスのエネルギー送達を所望するとおりに調節できるように、エネルギー送達デバイスに組み込まれる(例えば、米国特許第5,957,969号、同第5,405,346号を参照)。いくつかの実施形態では、デバイスは、所望の組織に対して事前調整され、処置全体を通して固定される。いくつかの実施形態では、調整システムは、発生器とエネルギー送達デバイスとの間のインピーダンスを一致させるように設計される(例えば、米国特許第5,364,392号を参照)。いくつかの実施形態では、調整素子は、本発明のプロセッサによって自動的に調節及び制御される(例えば、米国特許第5,693,082号を参照)。いくつかの実施形態では、プロセッサは、熱、標的組織の性質及び/又は場所、所望される外傷のサイズ、治療時間の長さ、敏感な器官領域又は血管に対する近接性などが挙げられるが、これらに限定されない任意の数の所望の因子を考慮して、エネルギー送達を経時的に調節して、処置全体を通して一定のエネルギーを提供する。いくつかの実施形態では、システムは、デバイスの機能を継続的に又は時点で監視するユーザ又はプロセッサにフィードバックを提供するセンサを備える。センサは、システムのコンポーネントの1つ以上の位置における熱、組織における熱、組織の特性などが挙げられるが、これらに限定されない任意の数の特性を記録及び/又は報告することができる。センサは、CT、超音波、磁気共鳴撮像、又は任意の他の撮像デバイスなどの撮像デバイスの形態であり得る。いくつかの実施形態では、特に研究用途の場合、システムは、一般にシステムの今後の最適化及び/又は特定の条件(例えば、患者のタイプ、組織のタイプ、標的領域のサイズ及び形状、標的領域の場所など)でのエネルギー送達の最適化における使用のために情報を記録及び保管する。
【0106】
いくつかの実施形態では、1つ以上のエネルギー送達デバイスと、エネルギー送達デバイス(例えば、組織切除カテーテル)内及びそれに沿った望ましくない加熱を低減するための冷却剤システム(coolant system)とを含むシステムが提供される。本発明のシステムは、特定の冷却システム機構に限定されない。いくつかの実施形態では、システムは、同軸伝送線及びアンテナの温度が低下されるように、エネルギー送達デバイス全体に冷却剤(例えば、空気、液体など)を循環させるように設計される。いくつかの実施形態では、システムは、内部に冷却剤循環に対応するように設計されたチャネルを有するエネルギー送達デバイスを利用する。いくつかの実施形態では、システムは、アンテナを外部から冷却する目的でアンテナ又はアンテナの部分の周囲に巻かれた冷却剤シースを提供する(例えば、米国特許出願第11/053,987号を参照)。いくつかの実施形態では、システムは、取り囲む組織に対する熱の消散を制限する目的で、アンテナの周囲に導電性の被覆を有するエネルギー送達デバイスを利用する(例えば、米国特許第5,358,515号を参照)。いくつかの実施形態では、冷却剤の循環時に、冷却剤は、例えば、廃棄物容器内にエクスポートされる。いくつかの実施形態では、冷却剤の循環時に、冷却剤は、再循環される。いくつかの実施形態では、冷却剤は、その臨界点又はその近傍で循環されるガスである。いくつかの実施形態では、その臨界点又はその近傍で送達されるガスは、二酸化炭素ガスである。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、輸送された冷却剤(例えば、その臨界点又はその近傍の二酸化炭素ガス)を所望の圧力で圧縮し、冷却剤を臨界点又はその臨界点近傍で保持するように構成される。
【0107】
いくつかの実施形態では、システムは、アンテナの表面から離れるように組織を付勢する目的で、エネルギー送達デバイスと併せて、拡張可能なバルーンを利用する(例えば、米国特許出願第11/053,987号を参照)。
【0108】
いくつかの実施形態では、システムは、エネルギー送達デバイス内の及びそれに沿った望ましくない加熱を低減する目的で、エネルギー送達デバイス上に取り付けられるように構成されたデバイスを利用する(例えば、米国特許出願第11/237,430号を参照)。
【0109】
いくつかの実施形態では、1つ以上のエネルギー送達デバイス、及びシステムの1つ以上のコンポーネントに関連付けられた識別要素(例えば、RFID要素、識別リング(例えば、基準点)、バーコード、など)、を含むシステムが提供される。いくつかの実施形態では、識別素子は、システムの特定のコンポーネントに関する情報を伝達する。本発明は、伝達される情報によって制限されない。いくつかの実施形態では、伝達される情報としては、コンポーネントのタイプ(例えば、製造業者、サイズ、エネルギー定格、組織構成など)、コンポーネントが以前に使用されたかどうか(例えば、滅菌されていないコンポーネントが使用されないことを確実にするため)、コンポーネントの場所、患者固有の情報などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、情報は、本発明のプロセッサによって読み取られる。いくつかのそのような実施形態では、プロセッサは、識別素子を含むコンポーネントと共に使用するため、又はそれと共に最適に使用するためのシステムの他のコンポーネントを構成する。
【0110】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、特定のエネルギー送達デバイスの識別を改善する(例えば、同様の外観を有する他のデバイスの近位に位置する特定のデバイスの識別を改善する)ように、その上に1つ以上のマーキング(例えば、スクラッチ、色スキーム、エッチング(例えば、レーザーエッチング)、ペイントされた造影剤マーキング、識別リング(例えば、基準点)、及び/又は隆起部)を有する。マーキングは、複数のデバイスが患者に挿入される場合に特定の用途を見出す。そのような場合、特にデバイスが様々な角度で互いに交差し得る場合、治療医師にとって、患者の体外に位置するデバイスのどの近位端部が、患者の体内に位置するデバイスのどの遠位端部に対応するかを関連付けることは困難である。いくつかの実施形態では、マーキング(例えば、番号)は、医師の目に見えるようにデバイスの近位端部に存在し、第2のマーキング(例えば、番号に対応するもの)は、体内に存在するときに撮像デバイスによって見ることができるようにデバイスの遠位端部に存在する。いくつかの実施形態では、アンテナのセットが用いられる場合、そのセットの個々のメンバーは、近位端部及び遠位端部の両方に番号が付けられる(例えば、1、2、3、4、など)。いくつかの実施形態では、ハンドルに番号を付け、一致する番号のついた取り外し可能な(例えば、使い捨て)アンテナが、使用前にハンドルに接続される。いくつかの実施形態では、システムのプロセッサは、ハンドルとアンテナとが適切に一致することを(例えば、RFIDタグ又は他の手段によって)確実にする。いくつかの実施形態では、アンテナが使い捨てである場合、システムは、使い捨てコンポーネントが再利用されそうになった時に、それがいつ廃棄されるべきであったかを警告する。いくつかの実施形態では、マーキングは、MRI、CT、及び超音波検出が挙げられるが、これらに限定されない検出システムの任意のタイプの識別を改善する。
【0111】
本発明のエネルギー送達システムは、特定のタイプの追跡デバイスに限定されない。いくつかの実施形態では、GPS及びGPS関連デバイスが使用される。いくつかの実施形態では、RFID及びRFID関連デバイスが使用される。いくつかの実施形態では、バーコードが使用される。
【0112】
そのような実施形態では、識別素子によるデバイスの使用前の認証(例えば、コードの入力、バーコードの走査)は、そのようなデバイスの使用前に必要である。いくつかの実施形態では、情報素子は、コンポーネントが前に使用されたことを識別し、プロセッサに情報を送信して、新たな滅菌コンポーネントが提供されるまで、システムの利用をロックする(例えば、遮断する)。
【0113】
いくつかの実施形態では、1つ以上のエネルギー送達デバイスと、温度監視システムをと含むシステムが提供される。いくつかの実施形態では、温度監視システムを使用して、(例えば、温度センサにより)エネルギー送達デバイスの温度を監視する。いくつかの実施形態では、温度監視システムを使用して、組織領域(例えば、治療される組織、周囲組織)の温度を監視する。いくつかの実施形態では、温度監視システムは、温度情報をユーザ又はプロセッサに提供して、プロセッサがシステムを適切に調節することを可能にする目的で、プロセッサと通信するように設計される。いくつかの実施形態では、温度は、アンテナに沿っていくつかの点で監視され、切除状態、冷却状態、又は安全性チェックを推定する。いくつかの実施形態では、アンテナに沿っていくつかの点で監視された温度を用いて、例えば、切除区域の地理的特徴(例えば、直径、深さ、長さ、密度、幅など)を(例えば、組織タイプ、及びエネルギー送達デバイスにおいて用いられる電力の量に基づいて)判定する。いくつかの実施形態では、アンテナに沿っていくつかの点で監視される温度を用いて、例えば、処置の状態(例えば、処置の終了)を判定する。いくつかの実施形態では、温度は、介在性アンテナを通して熱電対又は電磁手段を用いて監視される。
【0114】
本発明のシステム(生体適合性材料に封入された内部導体及び導電性の恒久的先端部を有するアンテナを有する1つ以上のエネルギー送達デバイスを有する)は、本発明の特徴を直接的に又は間接的にのいずれかで利用又は支援する1つ以上の追加コンポーネントを更に使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の監視デバイスを用いて、システムの任意の1つ以上のコンポーネントの機能を監視及び/又は報告する。更に、本発明のデバイスと併せて直接的又は間接的に用いられ得る任意の医療デバイス又はシステムが、本システムと共に含まれてもよい。そのようなコンポーネントとしては、滅菌システム、デバイス、及びコンポーネント、その他の外科的、診断的、若しくは監視デバイス又はシステム、コンピュータ機器、手引書、説明書、ラベル、並びにガイドライン、ロボット機器などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
いくつかの実施形態では、システムは、ポンプ、容器、管、配線、及び/又は本発明のシステムの様々なコンポーネントと接続する材料を提供する他のコンポーネントを用いる。例えば、任意のタイプのポンプを用いて、本発明のアンテナにガス又は液体冷却剤を供給することができる。冷却剤を収容するガス又は液体処理タンクがシステムにおいて用いられてもよい。いくつかの実施形態では、複数のタンク(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100個、など)が、同時に、連続して、又は必要に応じて使用される。いくつかの実施形態では、1つのタンクが空になったとき、処置の中断を防止するように追加のタンクが自動的に用いられるように、1つを超えるタンクが用いられる(例えば、1つのCO2タンクが空になったとき、第2のCO2タンクが自動的に用いられ、それにより処置の中断を防止する)。CO2が用いられるいくつかの実施形態では、標準的なEサイズのCO2シリンダが、CO2を供給するために使用される。
【0116】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の外部加熱デバイスを用いる。システムは、外部加熱デバイスの特定の使用に限定されない。いくつかの実施形態では、外部加熱デバイスは、特定の温度範囲内でシステムの特定の要素を保持するために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、外部加熱デバイスは、ガス又は液体処理タンク(例えば、CO2を含有するタンク)を保持するために使用され、特定の温度範囲内の1つ以上のデバイスに冷却剤を提供する。実際に、いくつかの実施形態では、外部加熱デバイスは、タンクがその内容物の放出時に温度の自然な低下を受けることを防止し、それによって、デバイスに提供される冷却剤が一定の温度又は温度範囲にあることを確保する。システムは、特定の外部加熱デバイスに限定されない。外部加熱デバイスは、特定の範囲内に温度を保持する特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、外部加熱デバイスは、ガス又は液体処理タンク(例えば、CO2を収容するタンク)内の圧力を特定の範囲内に保持する(例えば、CO2を収容するタンク(例えば、標準的なEサイズのCO2シリンダ)を1000ポンド/平方インチで加熱して、850ポンド/平方インチでCO2放出するように圧力を保持する。
【0117】
特定の実施形態では、エネルギー送達システム(例えば、エネルギー送達デバイス、プロセッサ、電源、撮像システム、温度調整システム、温度監視システム、及び/又は識別システム)及び全ての関連するエネルギー送達システム利用源(例えば、エネルギー、ガス、冷却剤、液体、圧力、及び通信アイテムを提供するケーブル、ワイヤ、コード、管、パイプ)は、望ましくない提示問題(例えば、未整理のエネルギー送達システム利用源に関連するもつれ、乱雑さ、及び滅菌性の悪化)を低減する様式で提供される。本発明は、望ましくない提示問題が低減されるように、エネルギー送達システム及びエネルギー送達システム利用源を提供する特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックス、輸送シース、及び処置デバイスポッドによって編成された、エネルギー送達システム及びエネルギー送達システム利用源は、いくつかの利益を提供する。そのような利益としては、限定されるものではないが、発生器(例えば、マイクロ波発生器)と患者との間を横断するコードの数を減少させること(例えば、床上のコードの数を減少させること)、滅菌環境及び処置室を整頓すること、エネルギー送達システムを患者と共に「移動」し、それによって、デバイスの離脱(例えば、アンテナの離脱)を防止することによって患者の安全性を高めること、エネルギー送達デバイス内のエネルギー移動距離を低減することによって電力送達効率を向上させること、並びに使い捨てケーブルの長さを短くすることによって使い捨てコストを低減することが挙げられる。
【0118】
本発明は、特定のタイプ又は種類のインポート/エクスポートボックスに限定されない。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、電源及び冷却剤供給源を含む。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、患者が治療される滅菌領域の外側に位置する。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、患者が治療される部屋の外側に位置する。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、患者が滅菌様式で治療及び維持される部屋の内側に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上のケーブルが、インポート/エクスポートボックスを処置デバイスポッドに接続する。いくつかの実施形態では、単一ケーブルが用いられる(例えば、輸送シース)。例えば、いくつかのそのような実施形態では、輸送シースは、エネルギー及び冷却剤の両方をインポート/エクスポートボックスへ及び/又はインポート/エクスポートボックスから送達するためのコンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、輸送シースは、医療実践者にとって物理的妨害を引き起こすことなく処置デバイスポッドに接続する(例えば、床下、頭上などを通る)。いくつかの実施形態では、ケーブルは、低損失ケーブル(例えば、処置デバイスハブに電源を取り付ける低損失ケーブル)である。いくつかの実施形態では、低損失ケーブルは、ケーブルを偶発的に引く事象における傷害を防止するように(例えば、処置デバイスハブに、処置テーブルに、天井に)固定される。いくつかの実施形態では、電力発生器(例えば、マイクロ波電力発生器)及び処置デバイスハブを接続するケーブルは、再利用可能な低損失ケーブルである。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブをエネルギー送達デバイスに接続するケーブルは、可撓性の使い捨てケーブルである。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブをエネルギー送達デバイスに接続するケーブルは、「メモリ」特性を有する高い可撓性を有する(例えば、ケーブルは、1つ以上の所望される位置を保持するように形状決定され得る)。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブをエネルギー送達デバイスに接続するケーブルは、シリコンで被覆されたガラス繊維ケーブルである。
【0119】
本発明は、特定のタイプ又は種類の処置デバイスポッドに限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、インポート/エクスポートボックス又は他の源から電力、冷却剤、又は他の要素を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、医療デバイスにエネルギーを送達すること、医療デバイスに冷却剤を循環させること、データ(例えば、画像データ、エネルギー送達データ、安全性監視データ、温度データなど)を収集及び処理すること、及び医療処置を円滑にする任意の他の機能を提供することのうちのいずれか1つ以上のために、患者の物理的に近傍に配置された制御センターを提供する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、関連したエネルギー送達システム利用源を受容するように、輸送シースに係合するように構成される。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、様々なエネルギー送達システム利用源を受容し、適用可能なデバイス(例えば、エネルギー送達デバイス、撮像システム、温度調節システム、温度監視システム、及び/又は識別システム)に分配するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、エネルギー送達システム利用源からマイクロ波エネルギー及び冷却剤を受容し、エネルギー送達デバイスにマイクロ波エネルギー及び冷却剤を分配するように構成される。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、必要に応じて特定のエネルギー送達システム利用源の量をオンオフし、較正し、調節する(例えば、自動的に又は手動で)ように構成される。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、必要に応じて特定のエネルギー送達システム利用源の量を調節する(例えば、手動で又は自動的にオンにする、オフにする、較正する)ために、電力分割器を中に有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、所望の様式でエネルギー送達システム利用源を提供するように設計されたソフトウェアを中に有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、各エネルギー送達システム利用源について関連した特徴(例えば、どのデバイスが現在用いられているか/用いられていないか、特定の身体領域の温度、特定のCO2タンク内に存在するガスの量など)を示す表示領域を有する。いくつかの実施形態では、表示領域は、タッチ能力(例えば、タッチスクリーン)を有する。いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムと関連したプロセッサは、処置デバイスポッド内に位置する。いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムと関連した電源は、処置デバイスポッド内に位置する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、望ましくない事象(例えば、望ましくない加熱、望ましくない漏出、望ましくない圧力変化など)の発生時に、1つ以上のエネルギー送達システム利用源を自動的に阻害するように構成されたセンサを有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブの重量は、患者に不快及び/又は危害を及ぼさずに患者の体上に配置され得るような重量である(例えば、15ポンド未満、10ポンド未満、5ポンド未満)。
【0120】
本発明の処置デバイスポッドは、特定の使用又は特定の環境内での使用に限定されない。実際に、処置デバイスポッドは、エネルギーの放出が適用可能である任意の環境での使用のために設計される。そのような使用としては、ありとあらゆる医学的、獣医学的、及び研究用途が挙げられる。加えて、処置デバイスポッドは、農業環境、製造環境、機械環境、又はエネルギーが送達されるべき任意のその他の用途において使用され得る。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、患者の移動性が制限されない医療処置に使用される(例えば、CTスキャン、超音波撮像など)。
【0121】
いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、滅菌環境内の場所に対して設計される。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、患者のベッド(例えば、ベッド上、ベッドの枠の上)、患者が上に載っているテーブル(例えば、CT撮像、超音波撮像、MRI撮像、などに使用されるテーブル)、又は患者の近くの他の構造体(例えば、CTガントリ)上に位置付けられる。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、別個のテーブルに位置付けられる。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、天井に取り付けられる。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、ユーザ(例えば、医師)がそれを所望の位置に移動させることができるように天井に取り付けられる(それにより、使用中に患者上又は近くにエネルギー送達システム利用源(例えば、エネルギー、ガス、冷却剤、液体、圧力、及び通信アイテムを提供するケーブル、ワイヤ、コード、管、パイプ)を位置付ける必要性をなくす)。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、患者に(例えば、患者の脚、太腿、腰部、胸部に)載るように位置付けられる。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、患者の頭部の上又は患者の足の下に位置付けられる。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、所望の領域(例えば、処置テーブル、患者のドレープ及び/又はガウン)上への取り付けを可能にするベルクロを有する。
【0122】
いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、医療処置に用いられる処置ストラップ(例えば、CT安全性ストラップ)への取り付けのために構成される。いくつかの実施形態では、処置ストラップを処置テーブルに(例えば、CTテーブル)に(例えば、処置テーブルの側面のスロットを通して、ベルクロを通して、接着剤を通して、吸引口を通して)取り付けて、それを用いて患者を処置テーブルに固定する(例えば、患者の周りに巻き付けること、例えばベルクロと接続することによって)。処置デバイスハブは、処置ストラップでの取り付けの特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置ストラップに取り付けられる。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置ストラップの置換を可能にする別個のストラップに取り付けられる。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置ストラップに取り付けるように構成された別個のストラップに取り付けられる。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置テーブルの任意の領域に取り付けるように構成された別個のストラップに取り付けられる。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、患者の快適性を確保するために絶縁及び/又はパッドを有する別個のストラップに取り付けられる。
【0123】
いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置リングへの取り付けのために構成される。本発明は、特定のタイプ又は種類の処置リングに限定されない。いくつかの実施形態では、処置リングは、患者の周りに(例えば、患者の胴体、頭部、足、腕などの周りに)配置するために構成される。いくつかの実施形態では、処置リングは、処置テーブル(例えば、CTテーブル)に取り付けるように構成される。処置デバイスリングは、特定の形状に限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスリングは、例えば、楕円形、円形、矩形、対角線などである。いくつかの実施形態では、処置デバイスリングは、円筒形状のおよそ半分である(例えば、円筒形状の25%、円筒形状の40%、円筒形状の45%、円筒形状の50%、円筒形状の55%、円筒形状の60%、円筒形状の75%)。いくつかの実施形態では、処置リングは、例えば、金属、プラスチック、黒鉛、木、セラミック、又はそれらの任意の組み合わせである。処置デバイスハブは、処置リングへの特定の取り付け様式に限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置リングの上に(例えば、ベルクロを用いて、スナップオンを用いて、接着剤を用いて)取り付けられる。低損失ケーブルを利用するいくつかの実施形態では、追加の低損失ケーブルが処置リングの上に取り付けられる。いくつかの実施形態では、処置リングのサイズは、患者のサイズに対応するように調節(例えば、格納、展延)され得る。いくつかの実施形態では、追加のアイテムを、処置リングに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、処置リングは、容易に患者に近づけ、患者から離すことができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、カスタム滅菌ドレープの上に取り付けるために構成される。本発明は、特定のタイプ又は種類のカスタム滅菌ドレープに限定されない。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、患者の体上(例えば、患者の胴体、頭部、足、腕、全身など)に配置するために構成される。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、処置テーブル(例えば、CTテーブル)に取り付けるように構成される。カスタム滅菌ドレープは、特定の形状に限定されない。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、例えば、楕円形、円形、矩形、対角線などである。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープの形状は、それが患者の特定の身体領域に対応するような形状である。いくつかの実施形態では、処置リングは、例えば、布、プラスチック、又は任意のそれらの組み合わせである。処置デバイスハブは、カスタム滅菌ドレープへの特定の取り付け様式に限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、カスタム滅菌ドレープの上に(例えば、ベルクロで、スナップオンで、接着剤で、クランプ(例えば、アリゲータクランプ)で)取り付ける。低損失ケーブルを利用するいくつかの実施形態では、追加の低損失ケーブルをカスタム滅菌ドレープの上に取り付ける。いくつかの実施形態では、追加のアイテムを、カスタム滅菌ドレープに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、容易に患者に近づけ、患者から離すことができる。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、医療処置を実施する目的でもう1つの開窓を有する。
【0125】
いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、ハブを患者の近傍に位置付けるために脚を有して構成される。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、調節可能な脚を有する(例えば、それにより処置デバイスハブを様々な位置に位置付けることを可能にする)。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは3本の調節可能な脚を有し、デバイスを様々な3ポッド位置に位置付けることを可能にする。いくつかの実施形態では、脚は、ベルクロを中に有し、所望の領域(例えば、処置テーブル、患者のドレープ及び/又はガウン)の上への取り付けを可能にする。いくつかの実施形態では、脚は、処置テーブル(例えば、CTテーブル)の上に弧を形成し、処置テーブルのレールを圧搾するように構成されたばね状材料から形成されている。いくつかの実施形態では、脚は、処置テーブルのレールの上に取り付けるように構成される。
【0126】
いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、プロセッサ(例えば、コンピュータ、インターネットで、セルラー電話で、PDAで)と(無線又は有線で)通信するように構成される。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、遠隔制御を介して操作され得る。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、1つ以上のライトを上に有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、電力が処置デバイスハブからエネルギー送達デバイスに流れるとき、検出可能なシグナル(例えば、聴覚、視覚(例えば、パルスライト))を提供する。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、聴覚入力(例えば、MP3プレーヤー)を有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、音(例えば、MP3プレーヤーからの音)を提供するためにスピーカーを有する。いくつかの実施形態では、措置デバイスハブは、外部スピーカーシステムに音を提供するために聴覚出力を有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドの使用は、より短いケーブル、ワイヤ、コード、管、及び/又はパイプの使用を可能にする(例えば、4フィート未満、3フィート未満、2フィート未満)。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッド及び/又はそれに接続されるもう1つのコンポーネント若しくはそれらの部分は、滅菌シースによって被覆される。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、電力を(例えば、エネルギー送達デバイスに)供給するための電力増幅器を有する。
【0127】
いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、例えば、冷却又は温度維持を改善するために、輸送された冷却剤(例えば、CO2)を、任意の所望の圧力で圧縮し、冷却剤を所望の圧力(例えば、ガスの臨界点)で保持するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、ガスは、デバイス、線、ケーブル、又は他のコンポーネントを一定の規定温度又はその近くで維持する目的で、その臨界点又はその近くで提供される。いくつかのそのような実施形態では、コンポーネントは、その温度が開始温度(例えば、室温)から低下しないという点で、それ自体は冷却されないが、代わりに本発明の場合、コンポーネントより低い一定温度で維持される。例えば、CO2はその臨界点又はその近く(例えば、78.21kPaで31.1℃)で用いられてもよく、システムのコンポーネントが組織を焼かないように十分に冷却される温度を維持するが、それらは、コンポーネントと接触した皮膚が凍結するか又は冷却によって損傷されるほどには、室温又は体温より著しく低く冷却又は維持されない。そのような構成を用いることは、人から又は周囲環境から遮断されなければならない「冷たい」コンポーネントがないため、使用する絶縁がより少なくて済む。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、エネルギー、ガス、冷却剤、液体、圧力、及び/又は通信アイテムを提供する、使用済み及び/又は未使用のケーブル、ワイヤ、コード、管、及びパイプを巻き戻すように設計された格納素子を有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、エネルギー送達デバイスの使用前に冷却剤が所望の温度であるように、例えば、エネルギー送達デバイスに分配するための冷却剤をプライムするように構成される。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、エネルギー送達デバイスの使用前にシステムが所望の温度であるように、例えば、エネルギー送達デバイスに分配するための冷却剤をプライムするように構成されたソフトウェアを中に有する。いくつかの実施形態では、臨界点又はその近くでの冷却剤の循環は、追加の冷却機構(例えば、ファン)を用いる必要なく、エネルギー送達デバイスの電子素子の冷却を可能にする。
【0128】
例示的な一実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、1つ以上のマイクロ波電源及び冷却剤供給源(例えば、加圧された二酸化炭素ガス)を含有する。このインポート/エクスポートボックスは、処置デバイスポッドにマイクロ波エネルギー及び冷却剤の両方を送達する、単一の輸送シースに接続される。輸送シース内の冷却剤線又はエネルギー線を互いの周りに巻き付けて、輸送シース自体の最大冷却を可能にすることができる。輸送シースは、患者を担当する医療チームの動きを干渉しない場所において床に沿って、処置が行われる滅菌領域に到達する。輸送シースは、患者が横たわる撮像テーブルの近くにあるテーブルに接続する。テーブルは、可搬型(例えば、車輪付き)であり、共に動くように撮像テーブルに接続可能である。テーブルはアームを含み、アームは、患者の上及び全体にわたってアームの位置付けを可能にするように、可撓性又は入れ子式であってもよい。輸送シース又は輸送シースに接続されるケーブルは、アームに沿って頭上位置に到達する。アームの末端には、処置デバイスポッドがある。いくつかの実施形態では、2つ以上のアームには、2つ以上の処置デバイスポッド又は単一処置デバイスポッドの2つ以上のサブコンポーネントが提供される。処置デバイスポッドは、小さく(例えば、1立方フィート未満、10立方cm未満など)、患者の上での容易な移動及び位置付けを可能にする。処置デバイスポッドは、システムの全ての演算側面を制御するためのプロセッサを含む。デバイスポッドは、エネルギー送達デバイスにつながるケーブルを接続するための1つ以上の接続ポートを含む。ケーブルは、ポートに接続される。ケーブルは、格納可能であり、3フィート未満の長さである。短いケーブルの使用は、費用を低減し、電力損失を防止する。使用していないときには、ケーブルは、患者の上の空中に、患者の身体と接触せずに吊下される。ポートは、使用していないときには(例えば、エネルギー送達デバイスが特定のポートに接続されていないとき)、ダミーロードで構成される。処置デバイスポッドは、治療する医師の手の届く範囲内にあり、それによりコンピュータ制御が調節され、表示された情報を、処置中にリアルタイムで見ることができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムは、システム要素を1つの領域内に維持するための処置カートを利用する。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、デバイス冷却目的の冷却供給源(例えば、本発明のデバイスにガス又は液体冷却剤を供給する複数のタンク)(例えば、標準的なEサイズのCO2シリンダ)、所望される圧力に冷却剤供給源を維持する外部加熱デバイス、1つ以上の電源、1つ以上の関連エネルギー送達システム利用源(例えば、エネルギー、ガス、冷却剤、液体、圧力、及び通信アイテムを提供するケーブル、ワイヤ、コード、管、パイプ)、並びに/又は処置デバイスハブを格納するように構成されている処置カートを提供する。実際に、処置カートは、特定の設計又は目的に限定されない。いくつかの実施形態では、処置カートは、滅菌環境(例えば、処置室)内で使用するように構成され、その中に、冷却タンク、関連外部加熱デバイス、及び処置デバイスポッド/ハブを有する。いくつかの実施形態では、処置カートは、非滅菌環境のみのために構成される。いくつかの実施形態では、処置カートは、容易な移動のために構成される(例えば、車輪付きで設計される)。処置カートは、本発明のエネルギー送達システムの任意のコンポーネント(例えば、インポート/エクスポートボックス、輸送シース、及び/又は処置デバイスハブ)と接続するように構成される。いくつかの実施形態では、処置カートは、エネルギー送達システム(例えば、ユーザインターフェースソフトウェア)のコンポーネントを操作及び/又は監視するための表示領域を内部に有する。いくつかの実施形態では、処置カートは、プロセッサ(例えば、コンピュータ、インターネットで、セルラー電話で、PDAで)と(無線又は有線で)通信するように構成される。いくつかの実施形態では、処置カートは、エネルギー送達システムに関連する情報(例えば、各コンポーネントの使用回数、どのデバイスが使用されているかなど)を(無線又は有線で)送信及び受信するように構成されている。
【0130】
生体適合性材料に封入された内部導体及び導電性の恒久的先端部を有するアンテナを有するエネルギー送達デバイスを含む本発明のシステムは、特定の用途に限定されない。実際に、本発明のエネルギー送達システムは、エネルギーの放出が適用できる任意の環境において使用するために設計される。そのような使用としては、ありとあらゆる医学的、獣医学的、及び研究用途が挙げられる。加えて、本発明のシステム及びデバイスは、農業設定、製造設定、機械的設定、又はエネルギーが送達される任意の他の用途において使用され得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、システムは、観血手術、経皮、血管内、心臓内、内視鏡、腔内、腹腔鏡、又は外科的エネルギー送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、カテーテルを通して、外科的に作られた開口部を介して、かつ/又は身体開口部(例えば、口、耳、鼻、眼、膣、陰茎、肛門)を通して、患者の体内に位置決定することができる(例えば、N.O.T.E.S.処置)。いくつかの実施形態では、システムは、標的組織又は領域へエネルギーを送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、本発明のエネルギー送達システムによる、経皮、血管内、心臓内、腹腔鏡、及び/又は外科的エネルギー送達を改善するように、位置決定プレートが提供される。本発明は、特定のタイプ及び/又は種類の位置決定プレートに限定されない。いくつかの実施形態では、位置決定プレートは、経皮、血管内、心臓内、腹腔鏡、及び/又は外科的エネルギー送達のために、1つ以上のエネルギー送達デバイスを所望の身体領域に固定するように設計される。いくつかの実施形態では、位置決定プレートの組成物は、それが、エネルギー送達システムからの望ましくない熱に身体領域が露出するのを防止することができるようなものである。いくつかの実施形態では、プレートは、エネルギー送達デバイスの支援された位置決定のためのガイドを提供する。本発明は、標的組織又は領域の性質によって限定されない。用途としては、心不整脈の治療、腫瘍切除(良性及び悪性)、手術中、外傷後、出血の任意の他の制御のための出血の制御、軟組織の除去、組織摘出及び採取、静脈瘤の治療、腔内組織切除(例えば、バレット食道及び食道腺癌などの食道病理を治療する)、骨性腫瘍、正常な骨、及び良性骨性病態の治療、眼内用途、整形手術における用途、脳腫瘍及び電気的じょう乱を含む中枢神経系の病理の治療、避妊手術(例えば、卵管の切除)、並びに任意の目的のための血管又は組織の焼灼が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、外科的用途は、切除療法(例えば、凝固壊死を達成する)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、例えば、転移性腫瘍を標的とする腫瘍切除を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、脳、首、胸、腹、及び骨盤が挙げられるがこれらに限定されない任意の所望の場所における、組織又は有機体に対する最小の損傷での移動及び位置決定のために構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、CT、超音波、磁気共鳴撮像、蛍光透視などによる誘導送達のために構成されている。
【0132】
特定の実施形態では、本発明は、組織領域を治療する方法を提供し、方法は、組織領域と、本明細書に記載のシステム(例えば、内部導体を有するアンテナと、生体適合性材料に封入された導電性の恒久的先端部と、以下のコンポーネント:プロセッサ、電源、温度モニタ、撮像器、調整システム、及び/又は温度低下システムのうちの少なくとも1つとを有するエネルギー送達デバイス)とを提供することと、生体適合性材料で封入された導電性の恒久的先端部が、シースを損傷(例えば、引っかく、穿孔する)しない、エネルギー送達デバイスをシース(例えば、内視鏡シース)を介して所望の組織領域に配置することと、導電性の恒久的先端部を封入している生体適合性材料を溶融/溶解することと、導電性の恒久的先端部を、エネルギー送達デバイスのアンテナに対して所望の角度及び/又は位置に調整することと、エネルギー送達デバイスの一部分を組織領域の近傍に位置付けることと、デバイスを用いて組織領域にある量のエネルギーを送達することと、を含む。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、エネルギー送達により、例えば、組織領域及び/若しくは血管の血栓症の切除、並びに/又は組織領域の電気穿孔法が行われる。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、組織領域は、心臓、肝臓、生殖器、胃、肺、大腸、小腸、脳、首、骨、腎臓、筋肉、腱、血管、前立腺、膀胱、及び脊髄のうちの1つ以上を含む。
【0133】
参照による援用
本明細書に参照される特許文献及び科学論文の各々の開示全体は、あらゆる目的のために参照により組み込まれる。
【0134】
等価物
本発明は、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。それゆえに、上記の実施形態は、本明細書に説明される本発明を制限するのではなく、あらゆる点で例示とみなされるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明によるのではなく、添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の等価物の意味及び範囲内に生じる全ての変更がその中に包含されるべきであることが意図される。
【0135】
〔実施の態様〕
(1) エネルギー送達デバイスであって、
a)内部導体を備えるアンテナと、
b)前記アンテナの遠位端部に位置付けられた恒久的鋭利先端部であって、前記恒久的鋭利先端部が生体適合性材料に封入され、それにより前記エネルギー送達デバイスの前記遠位端部が鋭利でなくなり、生体適合性材料に封入された前記恒久的鋭利先端部の幅が前記アンテナの幅よりも大きくなく、前記生体適合性材料が、切除エネルギーに暴露されると、崩壊及び/又は溶融及び/又は溶解及び/又は昇華して、封入されていない導電性の恒久的先端部をもたらす任意の材料である、恒久的鋭利先端部と、
を備える、エネルギー送達デバイス。
(2) 前記恒久的鋭利先端部が、導電性の恒久的鋭利先端部又は非導電性の恒久的鋭利先端部である、実施態様1に記載のエネルギー送達デバイス。
(3) 前記生体適合性材料が、ドーム形状である、又は弾丸形状である、又は円筒形状である、又は前記アンテナの形状と一致している、実施態様1に記載のエネルギー送達デバイス。
(4) 前記生体適合性材料が、氷、ワックス、二酸化炭素、低融点プラスチック、食品様物質から選択される、実施態様1に記載のエネルギー送達デバイス。
(5) 前記導電性の恒久的先端部又は前記非導電性の恒久的先端部が、以下の特性:
円錐形である、
チタンベースである、
非粘着性の材料でコーティングされている、
フルオロポリマーベースである、
ベベルニードルである、
3ファセットである(trifaceted)、
セラミックベースである、
高温プラスチックベースである、
ダイヤモンド様コーティングを有する、
マイクロセレーションを有する、
トロカールを備える、のうちの1つ以上を有する、実施態様2に記載のエネルギー送達デバイス。
【0136】
(6) 前記ダイヤモンド様コーティングが誘電材料であり、
前記ダイヤモンド様コーティングが20μm(20ミクロン)未満である、
実施態様5に記載のエネルギー送達デバイス。
(7) 前記マイクロセレーションが、3ファセット設計又は4ファセット設計であり、
前記マイクロセレーションが、長さ50~100μmである、
実施態様5に記載のエネルギー送達デバイス。
(8) 前記導電性の恒久的先端部が、前記マイクロセレーションに隣接する複数のスケールを特徴とする、実施態様5に記載のエネルギー送達デバイス。
(9) 前記内部導体が、前記導電性の恒久的先端部又は前記非導電性の恒久的先端部に物理的に結合されていない、又は、
前記内部導体が、前記導電性の恒久的先端部又は前記非導電性の恒久的先端部に容量結合されている、
実施態様2に記載のエネルギー送達デバイス。
(10) 前記アンテナが、前記内部導体の少なくとも一部分を囲む導電性の外部導体を備え、
前記アンテナが、前記内部導体と前記外部導体との間に誘電材料を備える、
実施態様1に記載のエネルギー送達デバイス。
【0137】
(11) 前記アンテナが、3軸アンテナである、実施態様1に記載のエネルギー送達デバイス。
(12) 前記内部導体が、第2の領域の遠位にある第1の領域を備え、前記第2の領域は第3の領域の遠位にあり、前記第3の領域が、3軸アンテナに含まれ、前記第2の領域が、前記3軸アンテナの外部導体を欠いており、前記第1の領域が、前記3軸アンテナの外部導体及び誘電材料を欠いており、前記第1の領域が、金属フィッティングに接着されて前記金属フィッティングによって囲まれ、前記金属フィッティングが黄銅製の金属フィッティングであり、前記金属フィッティングが、前記内部導体の最遠位端部を超えて遠位に延び、前記金属フィッティングが、前記第2の領域において前記内部導体を囲む誘電材料に当接し、前記第2の領域が、前記3軸アンテナの誘電材料を含む近位部分と前記3軸アンテナの前記誘電材料を欠く遠位部分とを含み、前記第2の領域の前記遠位部分が、前記内部導体を囲む非導電性のスリーブを備え、前記非導電性のスリーブがPTFEを含む、実施態様1に記載のエネルギー送達デバイス。
(13) 前記導電性の恒久的先端部又は前記非導電性の恒久的先端部が絶縁体に取り付けられ、前記絶縁体が前記金属フィッティングの遠位端部に取り付けられ、前記絶縁体がセラミック絶縁体を含む、実施態様12に記載のエネルギー送達デバイス。
(14) 前記金属フィッティング、前記絶縁体、及び前記導電性の先端部又は前記非導電性の先端部が、エネルギーが前記内部導体に供給されたときに、エネルギーを前記導電性の先端部又は前記非導電性の先端部に伝達するための低インピーダンスのオーバーラップを生成するように、位置付け及び寸法決めされている、実施態様13に記載のエネルギー送達デバイス。
(15) 前記金属フィッティングが、導電性の接着剤を介して前記内部導体に接着されている、実施態様12に記載のエネルギー送達デバイス。
【0138】
(16) システムであって、
実施態様1に記載の前記エネルギー送達デバイスと、前記デバイスと流体連通する冷却剤供給部と、前記デバイスに電気的に接続された電源と、を備え、
前記電源が、マイクロ波エネルギーを生成し、
前記冷却剤供給部が二酸化炭素を含み、
前記アンテナが、前記アンテナの前記遠位端部に冷却剤が流れるのを防止するプラグを有する、
システム。
(17) 前記電源から前記アンテナへのエネルギー送達及び前記アンテナへの冷却剤送達を調整する制御プロセッサを更に備え、
1つ以上の追加の実施態様1に記載のエネルギー送達デバイスを更に備える、
実施態様16に記載のシステム。
(18) 組織領域を切除する方法であって、
a)実施態様1に記載のエネルギー送達デバイスを、シースを介して標的組織位置に案内することであって、前記エネルギー送達デバイスが、前記案内することにより前記シースを穿孔しない、案内することと、
b)前記エネルギー送達デバイスにエネルギーを提供することであって、前記生体適合性材料が、前記エネルギー送達デバイスからの前記エネルギーに暴露されると崩壊及び/又は溶融及び/又は溶解し、それによって前記導電性の恒久的先端部を前記標的組織位置に暴露する、エネルギーを提供することと、
c)前記標的組織位置に切除エネルギーを提供することと、
を含む、方法。
(19) 前記組織領域が腫瘍を含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 生体適合性材料内に封入された前記恒久的鋭利先端部が、二酸化炭素で更に封入される、実施態様1に記載のエネルギー送達デバイス。
【国際調査報告】