(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-08
(54)【発明の名称】固体含有液体のための分配器装置
(51)【国際特許分類】
A01C 23/00 20060101AFI20220201BHJP
【FI】
A01C23/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021534729
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-08-11
(86)【国際出願番号】 EP2019085708
(87)【国際公開番号】W WO2020127310
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】202018107208.0
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518285555
【氏名又は名称】フォーゲルザンク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Vogelsang GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】クランペ,パウル
(72)【発明者】
【氏名】ルックス,カーステン
(72)【発明者】
【氏名】ペテルセン,ティース
【テーマコード(参考)】
2B052
【Fターム(参考)】
2B052EC09
(57)【要約】
本発明は、固体含有液体のため分配器装置(1)に関し、分配チャンバのチャンバ内部空間に通じており、入口開口(90)を備えた分配チャンバ(11)を備え、分配チャンバは、複数の接続ポート(60a,b,65a,b)および端壁に対して横方向に配置された第1側壁(16)を備えた第1端壁(12)を有する。本発明は、分配器装置が、ロータおよびブレード駆動シャフトを接続する接続部を備え、その接続部は、ロータ及び/又はブレード駆動シャフトに取り外し可能に接続され、ロータの動きが、第1有孔ブレードディスクに対して接続部によって案内され、分配チャンバは、第1側壁に設置された少なくとも1つの閉鎖可能な開口を有し、開口は、ロータが開口を経由して分配チャンバから取り外し可能であるように少なくとも大きく設計される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体含有液体のための分配器装置(1)であって、
入口開口(90)を備えた分配チャンバ(11)であって、入口開口(90)は、分配チャンバのチャンバ内部空間に通じており、複数の接続ポート(60a,b,65a,b)を備えた第1端壁(12)および、端壁に対して横方向に配置された第1側壁(16)を有する分配チャンバ(11)と、
チャンバ内部空間を複数の接続ポートに接続する複数の出口開口を備えた第1有孔ブレードディスクと、
ドライブシャフト軸の周りに回転可能に搭載されたブレードドライブシャフトと、
ブレードドライブシャフトの周りのトルクを伝達するためにブレードドライブシャフトに連結されたロータと、
ロータに接続され、第1有孔ブレードディスクに支えられ、ロータによって第1有孔ブレードディスクに対して移動可能である少なくとも1つの切断エッジを有する第1切断ブレードと、
第1切断ブレードと第1有孔ブレードディスクとの間の接触力をもたらすように設計され、好ましくは、ロータに取り外し可能に接続されるクランプ装置と、を備え、
分配器装置は、ロータおよびブレード駆動シャフトを接続する接続部を備え、この接続部は、ロータ及び/又はブレード駆動シャフトに取り外し可能に接続され、
ロータの動きは、第1有孔ブレードディスクに対して接続部によって案内され、
分配チャンバは、第1側壁に設置された少なくとも1つの閉鎖可能な開口を有し、該開口は、ロータが該開口を経由して分配チャンバから取り外し可能であるように少なくとも大きく設計されている、分配器装置。
【請求項2】
クランプ装置は、クランプ状態とリリース状態との間で調整可能であり、
クランプ状態では、切断ブレードと有孔ブレードディスクとの間に第1接触力があり、リリース状態では、有孔ブレードディスクと切断ブレードとの間に第2接触力があり、第2接触力は、第1接触力より小さく、特にゼロである、請求項1に記載の分配器装置。
【請求項3】
リリース状態の圧力エレメントは、好ましくはロック爪または割りピンとして設計されたロックエレメントに形状嵌め式で接続され、リリース状態に保持される、請求項2に記載の分配器装置。
【請求項4】
圧力エレメントは、回転可能なシャフトに連結され、
シャフトは、ブラケットに接続され、シャフトを回転させるためのインタフェースを有する、請求項3に記載の分配器装置。
【請求項5】
チャンバ内部空間を複数の第2接続ポートに接続する複数の出口開口を備えた第2有孔ブレードディスクと、
ロータに接続され、第2有孔ブレードディスクに支えられ、ロータによって該有孔ブレードディスクに対して移動可能である少なくとも1つの切断エッジを有する第2切断ブレードと、を備え、
ロータは、第1有孔ブレードディスクと第2有孔ブレードディスクとの間に配置され、
分配チャンバは、複数の第2接続ポートが配置された第2端壁を有する、請求項1~4のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項6】
ロータは、第1切断ブレードが移動経路上で、好ましくはドライブシャフト軸の周りで回転して移動可能であるように搭載される、請求項1~5のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項7】
ロータおよび切断ブレードは、切断ブレードの回転運動が移動経路上のロータの運動に重なるように搭載される、請求項1~6のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項8】
トルクを伝達するための接続部は、少なくとも1つのねじ接続を用いてブレード駆動シャフト及び/又はロータに接続される、請求項1~7のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項9】
ブレード駆動シャフトは、シャフトハブ接続を用いて駆動シャフト軸に対して耐トルク式で接続部に接続され、
接続部は、ロータに接続される、請求項1~8のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項10】
駆動シャフト軸の方向での開口の幅は、ロータの長さと第1切断ブレードの長さと、好ましくは、駆動シャフト軸の方向での第2切断ブレードの長さとの合計と少なくとも同じ大きさであり、
駆動シャフト軸に垂直な方向での開口の高さは、開口の断面エリアに垂直に投影されたロータの最小高さと少なくとも同じ大きさ、好ましくは、駆動シャフト軸の周りの有孔ブレードディスクの直径と少なくとも同じ大きさである、請求項1~9のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項11】
分配チャンバ、好ましくは側壁、特に開口のエッジに、少なくとも1点でに取り外し可能に接続可能であるマウント装置を備え、
マウント装置は、ロータをマウント装置に固定するためにロータに解放可能に接続された保持装置、好ましくはチャンバ内部空間へのマウント開口を含む、請求項1~10のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項12】
接続部は、マウント開口を経由して分配チャンバから取り外し可能である、請求項11に記載の分配器装置。
【請求項13】
保持装置は、移動経路の位置にロータを取り付けるためにロータと固定可能である、請求項11~12のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項14】
分配チャンバの第1端壁は、材料結合によって、特に溶接継手によって、または形状嵌め及び/又は圧力嵌めによって、側壁に接続される、請求項1~13のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項15】
分配チャンバの第1端壁は、複数のねじ接続で側壁に固定される、請求項1~14のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項16】
分配チャンバを封止するためのOリングが、第1端壁と側壁との間に配置される、請求項1~15のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項17】
第1切断ブレードは、複数の、好ましくは3つの丸い角部を備えた形状を有し、
切断ブレードの外側輪郭上の少なくとも1つの点と切断ブレードの中心との間の距離は、有孔ブレードディスクの中心と出口開口の1つの外側エッジとの間の距離と少なくとも同じ大きさであり、
切断ブレードの外側輪郭上の少なくとも1つの点と切断ブレードの中心との間の距離は、有孔ブレードディスクの中心と出口開口の1つの内側エッジとの間の距離と少なくとも同じ小ささである、請求項1~16のいずれか1つに記載の分配器装置。
【請求項18】
固体含有液体のための分配器装置、好ましくは請求項1に記載の分配器装置を保守し製造するための方法であって、
トルクを伝達するために分配チャンバ内で連結されているロータと駆動シャフトとの間の接続を切断し、ロータが分配チャンバ内で移動可能になるステップと、
分配チャンバの側壁に設置された開口を経由して分配チャンバからロータを半径方向に取り外すステップと、を含む方法。
【請求項19】
有孔ブレードディスクとチャンバ内部空間との間の接続を緩めるステップと、
開口を経由して分配チャンバから有孔ブレードディスクを取り外すステップと、を含む請求項18に記載の保守製造方法。
【請求項20】
製造補助具を分配チャンバに接続するステップを含み、製造補助具は、端壁を搭載するためのストッパを有する、請求項18または19に記載の保守製造方法。
【請求項21】
端壁を分配チャンバに取り付けて、端壁が製造補助具に接触し、駆動シャフト軸に対して垂直に配置された面内に整列されるようにするステップを含む、請求項18~20のいずれか1つに記載の保守製造方法。
【請求項22】
複数のねじ接続を締め付けて、分配チャンバを閉止するステップを含み、
好ましくは適切なツール、例えば、トルクレンチなどを使用することによって、所定のトルクまたは定所定の回転角がねじ接続の各々に印加される、請求項18~21のいずれか1つに記載の保守製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体含有液体のための分配器装置に関するものであり、入口開口を備えた分配チャンバであって、入口開口は、分配チャンバのチャンバ内部空間に通じており、複数の接続ポートを備えた第1端壁および、端壁に対して横方向に配置された第1側壁を有する分配チャンバと、チャンバ内部空間を複数の接続ポートに接続する複数の出口開口を備えた第1有孔ブレードディスクと、ドライブシャフト軸の周りに回転可能に搭載されたブレードドライブシャフトと、ブレードドライブシャフトの周りのトルクを伝達するためにブレードドライブシャフトに連結されたロータと、ロータに接続され、有孔ブレードディスクに支えられ、ロータによって第1有孔ブレードディスクに対して移動可能である1つの切断エッジを有する第1切断ブレードと、第1切断ブレードと第1有孔ブレードディスクとの間の接触力をもたらすように設計され、好ましくは、ロータに取り外し可能に接続されるクランプ装置と、を備える。さらに本発明は、固体含有液体のための分配器装置を保守するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
こうした分配器装置の典型的な応用分野は、農業工学に見られ、多くの用途では、固体を運ぶ液体を1つのラインから複数のラインに分配することを要求し、例えば、ドリブルバー(dribble bar)を介して田畑上の栄養貯蔵源としてスラリーを散布する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした分配器装置で生じる基本的な課題は、システムに起因して、固体を含む液体を、大きな断面を備えた供給ラインから、それぞれ小さな断面を備えた複数の供給ラインに分配する必要があるという事実に起因する。液体中の固体に起因して、このシステム関連プロセスでは小さな断面が詰まるリスクがある。この課題を解決するために、固体を含む液体のための分配器装置に切断装置を組み込むことが原理上知られている。こうした切断装置を用いて、液体中の固体が破砕され、分配器装置内またはその下流の小さな通路断面で詰まるリスクが低減される。欧州公開第2850 928 B1号から、分配器装置に組み込まれた切断装置が知られている。これは、有孔ディスクと連携して、有孔ディスクの出口開口を通過する際に固体に剪断動作を作用する切断ブレードを有する。ここで、切断ブレードは、有孔ディスクに対して移動し、この剪断動作を生成する。有孔ディスクの出口開口は、ここでは分配器装置の出口開口に対応し、これらの出口開口と流体連通している。ドイツ公開第297 15 481 U1号は、農地に不均一な液体を分配するための装置を記載しており、スラリータンカーのタンクに接続された1つ以上の分配器と、それらに接続された複数の排出ラインとで構成される。
【0004】
上記タイプの分配器装置で生じ他の課題は、切断ブレードの切断エッジの摩耗である。使用期間の増加に伴って発生する切断エッジの摩耗により、エッジの切断能力が低下し、固体が意図したとおりに破砕できなくなり、分配チャンバ内および出口開口またはホースの閉塞に導く可能性がある。その結果、分配器装置の機能が制限され、あるいは分配器装置が全く機能しなくなり、切断エッジまたは切断ブレードの定期的な更新が必要になる。欧州公開第2850 928 B1号から、分配チャンバ内にあるコンポーネントの交換が可能な分配器装置が知られている。ここで、切断ナイフは、ロータに2つの軸方向端面に装着され、切断動作では、端壁に装着された有孔ブレードプレートに支えられる。ブレード駆動シャフトからロータを取り外すためには、端壁を取り外して、ロータをブレード駆動シャフトに沿って軸方向に引き抜くことができる。そして切断ブレードが装着されたロータをブレード駆動シャフトから取り外し、ブレード駆動シャフトに沿って軸方向に分配チャンバから取り外しできる。この設計の短所は、切断ブレードが装着されたロータは、分配チャンバからしか取り外しできず、適用領域での取り扱いが難しい。接続されたホースの数が多いため、端壁の可動性も厳しく制限されており、端壁を取り外し、ロータを分配チャンバから取り外すには、多大な力と時間が必要になる。
【0005】
さらに、スラリーなどの肥料の正確な施用に対する要求が高まっているため、分配器装置上の追加エレメントの数が増加している。正確な管理(「精密農業」)を可能にし、たとえば、部分幅制御システムを用いて施肥幅に関して可変的に制御可能な肥料の施用を正確に保証するために、多数の空気弁および電気センサが出口開口の領域で必要になる。良好なアクセス性を備えたこれらの弁の中央配置の利点は、窮屈な設置スペース条件をもたらし、保守または修理作業をより困難にし、またはかなりの労力を伴うという短所によって反論される。
【0006】
従って、より少ない力および時間の労力で切断ブレードを交換することが可能であるように分配器装置を設計するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、これらの課題は、請求項1の特徴を備えた分配器装置によって解決される。装置は、ロータおよびブレード駆動シャフトを接続する接続部を備え、この接続部は、ロータ及び/又はブレード駆動シャフトに取り外し可能に接続され、ロータの動きは、第1有孔ブレードディスクに対して接続部によって案内され、分配チャンバは、分配器装置の側壁に設置された少なくとも1つの閉鎖可能な開口を有し、該開口は、ロータが該開口を経由して分配チャンバから取り外し可能であるように少なくとも大きく設計されている。
【0008】
それによって、入口開口は、好ましくは接続されたホースを用いて、固体含有液体が分配チャンバの中に導入される分配チャンバ内の開口を指定する。固体含有液体は、接続ポートを介して、好ましくはそれに接続されたホースを用いて、分配チャンバから排出される。駆動シャフト軸は、ブレード駆動シャフトの回転軸に沿って延びて、ブレードド駆動シャフトの回転軸を表す仮想線として定義される。本発明によれば、ロータは、一方の端面で切断ブレードに接続されるコンポーネントと理解される。ロータが動き始め、その結果、ロータに接続された切断ブレードが移動経路に沿って移動する。接続部は、ロータのこの動きを案内する。この案内は、例えば、ロータを駆動シャフトに固定する接続部によって実施できる。本発明によれば、移動経路とは、例えば、円形経路または偏心経路を意味する。切断ブレードは、少なくとも1つの切断エッジを有し、これは第1有孔ブレードディスクに支えられる。有孔ブレードディスクは、好ましくは、ロータに面する側で平面状のプレートであり、これは、流体が分配チャンバから接続ポートに流通できる複数の開口を有する。これらの開口は、切断ブレードに面する側のエッジによって開口の切断エッジを形成する。本発明によれば、切断ブレードは、有孔ブレードディスクに対して移動し、それによって有孔ブレードディスクの開口の開口切断エッジで切断ブレードの切断エッジを剪断することによって切断作用を生じさせる。クランプ装置は、切断ブレードと有孔ブレードディスクとの間に圧力が形成されるように設計され、特にこの圧力はクランプ装置を用いて調整できる。
【0009】
接続部は、ロータ及び/又は駆動シャフトに接続され、駆動シャフトに対して駆動シャフト軸の周りでロータを案内するようになり、その結果、接続部が搭載された場合、駆動シャフト軸に対してブレード駆動シャフトから半径方向に離れて移動できない。接続部を緩めて部分的または完全に分解した後、駆動シャフト軸周りのこの案内は、本発明に従ってキャンセルされ、そのためロータは、駆動シャフト軸に対して半径方向に移動できる。本発明によれば、接続部がロータ及び/又はブレード駆動シャフトに接続されていない場合、ロータは、半径方向の動きによって分配チャンバから除去できる。これは、これに必要なロータの軸方向運動なしで発生することが好ましい。しかしながら、駆動シャフト軸に沿った軸方向運動はまた、短い距離だけで生じ、そのような短い距離は、駆動シャフト軸に沿って、または有孔ブレードディスクに対して垂直な分配チャンバの軸方向長さの10%未満、特に5%未満の距離と理解される。絶対値では、好ましくは5cm未満、2.5cm未満、特に1cm未満または0.5cm未満である。これによって本発明によれば、ロータの取り付けおよび取り外しが可能になり、その結果、一方では、接続部が搭載された場合にブレード駆動シャフト上で確実に案内されるように、他方では、接続部が取り外され/分解された場合に半径方向に移動可能に、横方向に取り外し可能になる。こうしてロータは、この目的のために分配チャンバの側壁に設けられた開口から取り外し可能である。この開口は、好ましくは、分配チャンバに取り外し可能に接続されたカバーを用いて閉鎖可能である。
【0010】
本発明は、接続されたホースを備えた端壁を分配チャンバから取り外す必要がなく、切断ブレードがより容易にアクセス可能であり、既存の分配器装置と比較して力および時間、労力はかなり少ないという利点を提供する。この目的のために、側壁の開口が使用できる。取り外し可能な接続部に起因して、ロータとブレード駆動シャフトとの間の接続は簡単であり、開口を経由してロータを半径方向除去が可能であるように取り外し可能である。
【0011】
さらに、本発明は、その全耐用年数の間は端壁を分配チャンバから取り外す必要がないという点で、既知のデバイスと比較してさらなる利点を提供する。こうして端壁を搭載する場合、充分に良好な平面平行度を、端壁の間で有孔ブレードディスクと切断ブレードとの間でも確立できる。同時に、端壁の分解および再組み立てが不要であり、最初の組み立て時に制御された条件下で、特にきれいな表面、新しいシールおよび適切なツールで1回限りの組み立てが実行されるため、平面平行度は全耐用年数に渡って維持される。こうして有孔ブレードディスクと切断ブレードとの間の詰まり、そして切断ブレードおよび有孔ブレードディスクの不均一な摩耗の両方が回避される。
【0012】
さらに、本発明により、端壁およびホースも移動する必要がないため、ホースの曲げ応力が減少する。そしてより低い応力に起因して、分配器装置に接続されたホースの耐用年数が増加する。
【0013】
さらに、保守の際、特に切断ブレードを交換する場合に追加の時間節約が、端壁に直接配置された追加の付属品、例えば、全ての電気センサおよび空気弁接続など(端壁が取り外されたときは解放する必要がある)が、最初の組立て後に端壁に接続された状態で永久的に残るという事実によって達成される。これはある利点を提供するものであり、特に、こうした接続の数が過去に急激に増加しており、このタイプの分配器装置ではこうした接続の数の更なる増加が将来予想され、これらの接続の緩みおよび接続が、大きい数に起因して相当な努力と関連しているためである。
【0014】
第1の好ましい実施形態では、クランプ装置は、クランプ状態とリリース状態との間で調整可能であり、クランプ状態では、切断ブレードと有孔ブレードディスクとの間に第1接触力があり、リリース状態では、有孔ブレードディスクと切断ブレードとの間に第2接触力があり、第2接触力は、第1接触力より小さく、特にゼロである。
【0015】
この実施形態では、クランプ装置は、手動でまたはツールを用いてクランプ状態またはリリース状態に設定することができる。これによりクランプ状態では、切断ブレードが有孔ブレードディスクに押し付けられ、有孔ブレードディスクと切断ブレードとの間に力が発生する。リリース状態では、有孔ブレードディスクと切断ブレードとの間の力が減少して、有孔ブレードディスクと切断ブレードとの間でクランプ状態よりも著しく低い力となり、または力が皆無となる。それにより、クランプ装置は、少なくとも1つの螺旋ばね、特にねじりばねを有し、螺旋ばねは、少なくとも1つの、好ましくは回転可能で、特に偏心して回転可能に取り付けられた圧力エレメント、およびモーメントを伝達するためのホルダに接続されることが特に好ましく、圧力エレメントは、クランプ状態で切断ブレードに接続される。圧力エレメントの偏心回転軸を用いて、もし切断ブレードが摩耗し、摩耗に起因してロータに対する位置がシフトした場合でもクランプ状態での接触力は一定に維持されることが達成される。
【0016】
さらに好ましい実施形態によれば、圧力エレメントは、好ましくはロック爪または割りピンとして設計されたロックエレメントに形状嵌め式で接続され、リリース状態に保持されることが提供される。
【0017】
ロックエレメントをリリース状態に固定することによって、切断ブレードと有孔ブレードディスクとの間に力が殆ど無くまたは皆無になることが達成される。そして接続部またはブレード駆動シャフトとの接続が解放されると、ロータは、半径方向に移動可能になり、分配チャンバから取り外し可能になる。それによりロック爪は、圧力エレメントに直接に、特にこの目的のために設けられた位置、好ましくはノッチとして形成される位置、あるいは、圧力エレメントに接続されたエレメントのいずれかに係合する。割りピンを使用して圧力エレメントをリリース状態に保持する場合、好ましくは、この目的のために圧力エレメントに少なくとも1つの孔があり、好ましくは、ホルダなどの更なるエレメントにも少なくとも1つの孔がある。こうして割りピンは1つまたは複数の孔に挿入して、圧力エレメントを回転方向に阻止できる。
【0018】
それにより圧力エレメントが回転可能なシャフトに連結され、シャフトはブラケットに接続され、シャフトを回転させるためのインタフェースを有することが特に好ましい。
【0019】
それにより圧力エレメントは、回転可能なシャフトに連結され、シャフトの回転が圧力エレメントの回転を導くようになる。シャフトは、好ましくは、ブラケットにこの目的のために設けられたベアリングの両端に位置決めされ、その結果、シャフトは本質的に回転可能に移動可能である。例えば、内部六角形の形態で設計されたインタフェースは、シャフトが所望の回転方向に回転可能になり、特に既存のばねを介して作用するトルクと反対の方向に、特に圧力エレメントをリリース状態に移動するために回転可能になるように機能する。
【0020】
分配器装置のさらに好ましい実施形態が、チャンバ内部空間を複数の第2接続ポートに接続する複数の出口開口を備えた第2有孔ブレードディスクと、ロータに接続され、第2有孔ブレードディスクに支えられ、ロータによって該有孔ブレードディスクに対して移動可能である少なくとも1つの切断エッジを有する第2切断ブレードと、を備え、ロータは、第1有孔ブレードディスクと第2有孔ブレードディスクとの間に配置され、分配チャンバは、複数の第2接続ポートが配置された第2端壁を有する、ことによって特徴付けられる。
【0021】
この実施形態では、チャンバ内部空間は、2つの有孔ブレードディスクによって軸方向に制限され、これらは、好ましくは互いに対向して配置され、これらの間のチャンバ内部空間を包囲する。この設計により、ホースが取り付けられる接続ポートを備えた2つの端壁が存在するため、出口開口の数、そして分配チャンバに接続されるホースの数を相当に増加させることが可能になり、特に2倍にできる。それにより、分配チャンバは、例えば、円筒形状に設計でき、有孔ブレードディスクはそれぞれ、円筒形状の分配チャンバの端面上に配置される。ここでは、第1有孔ブレードディスクおよび第2有孔ブレードディスクが同一設計であることが好ましい。それにより第1切断ブレードおよび第2切断ブレードも同一設計であることが好ましい。
【0022】
この実施形態では、2つの切断ブレードを備えたロータは、半径方向に取り外し可能であり、そのためロータ取り外しで保守作業を行うために端壁の分解は必要ない。1つの切断ブレードを備えた前述の実施形態と同様に、ロータの小さな軸方向移動が提供でき必要であるが、これは5cm未満、特に2.5cm未満または1cm未満である。その結果、軸方向移動は、軸方向ロータ長さ全体またはロータ長さの相当な部分に渡って延びるシャフトからロータを軸方向に引き離すためにもここでは使用されない。代わりに、必要に応じて、半径方向取り出しを可能にするために、小さい軸方向オフセットだけが実現される。さらに軸方向オフセットの上流では、切断ブレードの互いに向かう軸方向変位が起こることがあり、それによってロータ上に配置された2つの対向する切断ブレードの間の軸方向距離が減少する。これにより、ハウジング内でのロータの圧力嵌めまたは形状嵌めを防止し、ハウジングからのロータの実質的に力なしの半径方向取り外しが可能になる。
【0023】
さらに、ロータは、第1切断ブレードが、移動経路に沿って、好ましくは駆動シャフト軸の周りで回転して移動可能であるように搭載されることが好ましい。
【0024】
これにより、ロータの運動は切断ブレードを移動させ、そのため切断エッジが有孔ブレードディスクの出口開口に沿って移動するようになり、切断ブレードと有孔ブレードディスクとの間に剪断作用が生じ、それによって液体中の固体を破砕する。これにより、ロータは、好ましくは接続部に接続され、これはブレード駆動シャフトに接続される。
【0025】
それにより、ロータおよび切断ブレードは、切断ブレードの回転運動が移動経路上のロータの運動に重なるように搭載されることが特に好ましい。
【0026】
この実施形態では、切断ブレードは、ロータに対して移動可能に、好ましくは回転可能に接続され、そのため切断ブレードは、ロータから逸脱する運動を行うことができる。特に、切断ブレードは、切断ブレードに作用する負荷に基づいて適応する受動的運動を行うことができる。こうして切断エッジへの負荷、そして切断エッジへの摩耗が低減できる。
【0027】
更なる実施形態が、トルクを伝達するための接続部は、少なくとも1つのねじ接続を用いてブレード駆動シャフト及び/又はロータに接続されることを提供する。
【0028】
これによりブレード駆動シャフトと接続部との間のシャフトハブ接続に加えて、またはその代わりに、ブレード駆動シャフトと接続部との間の接続のためにねじ接続が提供できる。さらに、接続部からロータにトルクを伝達するために、接続部は、ねじ接続を用いて、好ましくは3本以上のねじを用いてロータに接続されることが好ましい。
【0029】
ブレード駆動シャフトは、シャフトハブ接続を用いて駆動シャフト軸に対して耐トルク式で接続部に接続され、接続部は、ロータに接続されることが好ましい。
【0030】
これによりブレード駆動シャフトと駆動シャフト軸との間の接続は、トルクがロータに伝達できるように設計される。この場合、ブレード駆動シャフトは、好ましくは接続部にトルクを伝達し、ブレード駆動シャフトと接続部との間の接続は、好ましくはシャフトハブ接続として設計され、特に好ましくは形状嵌め接続として設計される。
【0031】
好ましい実施形態が、駆動シャフト軸の方向での開口の幅は、ロータの長さと第1切断ブレードの長さと、好ましくは、駆動シャフト軸の方向での第2切断ブレードの長さとの合計と少なくとも同じ大きさであり、駆動シャフト軸に垂直な方向での開口の高さは、開口の断面エリアに垂直に投影されたロータの最小高さと少なくとも同じ大きさ、好ましくは、駆動シャフト軸の周りの有孔ブレードディスクの直径と少なくとも同じ大きさであることを提供する。
【0032】
開口は、ロータが取り外し可能であり、開口を経由して挿入可能であるように設計される。このことは、切断ブレードを備えたロータが、端壁を分配チャンバから取り外す必要なしで、分配チャンバから半径方向に取り外し可能であるという利点を提供する。
【0033】
他の好ましい実施形態が、分配チャンバに、好ましくは側壁、特に開口のエッジに、少なくとも1点で取り外し可能に接続可能なマウント装置によって特徴付けられ、マウント装置は、ロータをマウント装置に固定するためにロータに解放可能に接続された保持装置、好ましくはチャンバ内部空間へのマウント開口を含む。
【0034】
それにより、マウント装置は、分配チャンバに、例えば、ねじ接続を用いて分配チャンバに、特に側壁に取り外し可能に接続可能である。それによりマウント装置は、多種多様な方法で分配チャンバに接続できる。これらは、例えば、フックインを用いた接続またはスナップファスナを用いた接続を含む。マウント装置は、分配チャンバに装着でき、それによりロータの受け入れを可能にする。この場合、ロータは、好ましくは、マウント装置の保持装置に取り外し可能に接続できる。そして切断ブレードが接続されたロータは、マウント装置を用いて分配チャンバから取り外しでき、そして分配チャンバの中に再挿入できる。保持装置は、ロータが分配チャンバから取り外しできるように、ロータに接続するように構成される。
【0035】
接続部は、マウント開口を経由して分配チャンバから取り外し可能であることが特に好ましい。
【0036】
これにより、マウント装置のマウント開口は、接続部がこのマウント開口を経由して取り外しできるように設計される。さらに、マウント開口は、接続部を解放するためのツールが、マウント開口を経由して分配チャンバの中に挿入されて接続部を解放できるように設計される。好ましくは、マウント装置は、このプロセスの間、分配チャンバに接続された状態のままにできる。
【0037】
さらに、保持装置は、移動経路の位置にロータを取り付けるためにロータと固定可能であることが好ましい。
【0038】
これにより、保持装置は、マウント装置が分配チャンバに装着された場合、ロータが接続部に接続できロータがインストール位置となるような位置に、ロータを保持するように構成される。
【0039】
更なる実施形態によれば、分配チャンバの第1端壁は、材料結合によって、特に溶接継手によって、または形状嵌めによって、側壁に接続されることが好ましい。
【0040】
この実施形態の1つの利点は、端壁がねじ接続を用いて分配チャンバに接続される実施形態と比較して、剛性が著しく増加することである。好ましくは、材料結合接続、特に溶接接続は、端壁と分配チャンバとの間に存在する。さらに好ましい実施形態では、形状嵌めが、端壁と側壁との間に存在する。
【0041】
他の実施形態では、分配チャンバの第1端壁は、複数のねじ接続で側壁に装着されることが好ましい。
【0042】
それにより、複数の、特に3~20個、特に好ましくは5~12個のねじが、端壁を分配チャンバに取り外し可能に接続するために使用される。
【0043】
他の好ましい実施形態では、分配チャンバを封止するためのOリングが、第1端壁と側壁との間に配置される。
【0044】
それによりOリングは、分配チャンバ及び/又は端壁にこの目的のために設けられた溝に設置される。Oリングを用いて、分配チャンバと端壁の間の接続が封止でき、分配チャンバと端壁の間で液体が漏出しなくなる。
【0045】
他の好ましい実施形態では、第1切断ブレードは、複数の、好ましくは3つの丸い角部を備えた形状を有し、切断ブレードの外側輪郭上の少なくとも1つの点と切断ブレードの中心との間の距離は、有孔ブレードディスクの中心と出口開口の1つの外側エッジとの間の距離と少なくとも同じ大きさであり、切断ブレードの外側輪郭上の少なくとも1つの点と切断ブレードの中心との間の距離は、有孔ブレードディスクの中心と出口開口の1つの内側エッジとの間の距離と少なくとも同じ小ささである。
【0046】
それにより切断ブレードは、好ましくは、切断ブレードが、切断ブレードの各位置で有孔ブレードディスクと接触している場合、有孔ブレードディスクの幾つかの出口開口が切断ブレードによって覆われるように設計される。特にアプリケーションの意味でこれらの出口開口を経由して液体が漏出できないように覆われる。さらに、切断ブレードは、好ましくは、切断ブレードが切断ブレードの任意の位置で有孔ブレードディスクに支えられる場合、有孔ブレードディスクの幾つかの出口開口が切断ブレードによって少なくとも完全に覆われないように設計され、そのため有孔ブレードディスクの出口開口は分配チャンバに接続され、液体はこれらの出口開口を経由して漏出できる。
【0047】
本発明の他の態様によれば、前述した課題は、固体含有液体用の分配器装置を保守するための方法によって解決される。保守方法は、トルクを伝達するために分配チャンバ内で連結されているロータと駆動シャフトとの間の接続を切断し、ロータが分配チャンバ内で移動可能になるステップと、分配チャンバの側壁に設置された開口を経由して分配チャンバからロータを半径方向に取り外すステップと、を含む。
【0048】
この方法では、1つのステップにおいて、好ましくは、接続部と駆動シャフトとの間の接続、およびこの接続部とロータとの間の接続を切断することによって、ロータと駆動シャフトとの間の接続が切断される。ロータとブレード駆動シャフトの間の接続が切断された場合、ロータは、分配チャンバ内で半径方向に移動できる。更なるステップにおいて、ロータは、分配チャンバから取り外し可能であり、ロータは開口を経由して案内でき、分配チャンバから半径方向に移動できる。
【0049】
それにより、好ましくは、特に有孔ブレードディスクとチャンバ内部空間との間の接続を緩めるステップと、開口を経由して分配チャンバから有孔ブレードディスクを取り外すステップと、を含む。
【0050】
ここで、有孔ブレードディスクと分配チャンバとの間の接続は、分配チャンバ内で解放でき、有孔ブレードディスクは、好ましくは側壁に配置される開口を経由して分配チャンバから取り外し可能である。
【0051】
さらに好ましいのは、製造補助具を分配チャンバに接続するステップを含み、製造補助具は、端壁を搭載するためのストッパを有する。製造補助具は、分配チャンバに端壁を搭載するための補助エレメントとして機能する。
【0052】
それにより、製造補助具は、製造補助具が端壁の改善された組み立てを可能にするように、分配チャンバに接続される。製造補助具は、分配チャンバ内に配置され固定される。
【0053】
端壁を分配チャンバに取り付けて、端壁が製造補助具に接触し、駆動シャフト軸に対して垂直に配置された面内に配置されるようにすることがさらに好ましい。
【0054】
それにより、組み立てプロセスの間に、製造補助具のストッパは、好ましくは、端壁が所望の配向で分配チャンバに固定されるように、端壁と接触している。こうして製造補助具は、端壁の正しい位置決めを容易にする。さらに、製造補助具を使用することによって端壁の不都合な傾斜が防止できる。
【0055】
複数のねじ接続を締め付けて、分配チャンバを閉止するステップを含み、好ましくは適切なツール、例えば、トルクレンチなどを使用することによって、所定のトルクまたは定所定の回転角がねじ接続の各々に印加される。
【0056】
それにより、ねじは、好ましくは特定の順序で締められ、そのため分配チャンバと端壁との間の封止が損傷せず、さらに、接続状態にある場合に端壁は所望の位置にある。アセンブリでは、好ましくは、特定のトルクがねじに印加されるべきであり、ねじは特定の角度で回転すべきである。この目的のために、好ましくはこの目的に適したツールを使用する必要がある。
【0057】
ねじ接続のこの制御された締め付けにより、ねじ接続のねじは、本質的に等しいトルクを受けることを確保し、その結果、相応に等しいトルクで緩めることもできる。このプロセスに起因して、さらに、端壁と分配チャンバとの間に円周方向に一定のギャップ(シールが配置できる)が達成される。さらに、分配チャンバと端壁との間のシールは、シールに沿って均一に装填され、従って、端壁と分配チャンバとの間の接触面全体に渡って均一な圧力が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。それが下記を示す。
【0059】
【
図1】本発明に係る分配器装置の好ましい実施形態の長手方向切断側面図
【
図2a】接続部が取り外され、ロータが半分延長している分配器装置の3次元図
【
図2b】接続部が取り外され、ロータが取り外され、有孔ブレードディスクが取り外された分配器装置の3次元図
【
図3】
図1の線III-IIIに沿った、保持装置を示す第1の好ましい実施形態の断面図
【
図4a】リリース状態で設置されたクランプ装置の詳細図
【
図4c】接触力が概略的に示されているクランプ装置の詳細図
【
図4d】割りピンの機能を備えたクランプ装置の断面図
【
図4e】割りピンの機能を備えたクランプ装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1には、実質的に円筒形状を有する分配器装置1が示され、第1端壁12および第2端壁13、そして側壁での開口15(特に
図2bでも見える)を有する分配チャンバ11を有する。端壁は、側壁に対して横方向に配置される。開口のエッジには、マウント装置(不図示)を取り付けるため、または開口を閉じるためのカバー(不図示)を取り付けるためのマウント孔14がある。分配チャンバ11には、入口開口90を有する入口ポート80が取り付けられ、これを経由して固体含有液体が分配チャンバ11に導入される。
【0061】
ブレード駆動シャフト220は、ねじ72を用いて駆動モータ200に接続され、そのためシャフトハブ接続を介してトルクが駆動モータからブレード駆動シャフトに伝達される。ねじ72は、ロータをその軸位置に固定する。ブレード駆動シャフトは、駆動シャフト軸100の周りの回転を実行し、ベアリング210によって支持される。接続部70は、ねじ72を介してブレード駆動シャフトに接続される。ブレード駆動シャフトからのトルクは、シャフトハブ接続、好ましくは、例えば、スプライン230として設計された形状嵌め接続を用いて接続部に伝達される。接続部は、トルクをロータ20に伝達し、3つのねじ71a,b,cによってロータに接続される。
【0062】
こうしてロータ20は、駆動シャフト軸100の周りで回転運動を実行する。この場合、駆動シャフト軸は、分配チャンバの中央に配置されないが、少しだけ上昇して位置決めされ、その結果、例えば、石などのより大きい固体部品が、分配チャンバの下部にあるロータの下に収集され蓄積できる。ロータは、切断エッジ40を備えた第1切断ブレード30に接続され、切断エッジは、第1有孔ブレードディスク50に支えられ、その中に出口開口51が設置される。切断エッジと有孔ブレードディスクとの間の剪断動作により、固形物を破壊する。そして固体含有液体は、分配チャンバ11から有孔ブレードディスク51の出口開口を通って、複数の接続ポート61a,b,…,62a、…を通過する。接続ポートは、第1端壁12上に円形状に配置され、接続ポートの長さは、接続ポートへのホースの接続を容易にするために、交互により短くそしてより長く設計される。
【0063】
ロータの反対側では、ロータは、切断エッジ41を備えた第2切断ブレード31に接続され、切断エッジは、第2有孔刃ディスク52に支えられ、その中に出口開口53が設置される。この場合も切断エッジと有孔ブレードディスクの間の剪断動作により、固形物を破壊する。そして固体含有液体は、分配チャンバ11から有孔ブレードディスクの出口開口53を通って、複数の接続ポート63a,b,…,64a、…を通過する。接続ポートは、第2端壁13上の円形状に配置され、ここでも接続ポートの長さは、接続ポートへのホースの接続を容易にするために、交互により短くそしてより長く設計される。
【0064】
接続ポートに加えて、空気入口ポート95a,b,…が、第1端壁12の上に円形状に配置される。空気入口ポートの空気入口開口96a,b,…は、ロータ20と第1端壁12との間に位置する空気伝導空間97に周囲空気が進入できるようにする。こうして周囲空気は、空気入口ポートを通って空気伝導空間に向けられ、そして第1有孔ブレードディスク51の出口開口を通って、接続ポート61a,b,…62a,…をさらに通過する。さらに、空気は、ロータ98の空洞を通って反対側に向けられ、そのため、周囲空気が空気伝導空間99から第2有孔ブレードディスク53の出口開口を通過し、さらに接続ポート63a,b,…,64a,b,…を通過する。空気伝導チャンバ99は、シールキャリア19およびシールキャリアと第2端壁13との間のシール18を用いてチャンバ内部空間から封止され、そのため分配チャンバ内に位置する液体は空気伝導空間に進入できない。
【0065】
図2aには、接続部70が取り外され、ロータ20が半分延長している分配器装置を示す。ロータを取り外すには、最初に接続部をブレード駆動シャフトに接続しているねじ72を緩める。そして接続部をロータに接続しているねじ71a,b,cを緩める。そしてねじ72,71a,b,cおよび接続部70は、側壁の開口15を通って分配チャンバ11から移動できる。続いてクランプ装置がリリース状態に設定された後、ロータは半径方向に移動でき、こうして側壁の開口を経由して半径方向に案内できる。
図2bでは、切断ブレードを備えたロータはすでに取り外されており、有孔ブレードディスク50,52も側壁の開口15を経由して分配チャンバから半径方向に取り外し可能である。
【0066】
図3では、分配器装置の断面図を示し、保持装置410が側壁16に接続されている。保持装置410は、ロータ20を保持し、その上に切断ブレード30が設置され、接続部がロータおよびブレード駆動シャフトとともに取り付けまたは取り外しできる位置にある。ロータ20は、例えば、保持装置410と共に、側壁の開口15を経由して分配チャンバに400を挿入することによって、所望の位置に運ぶことができ、その結果、切断エッジが有孔ブレードディスク50に支えられる。それにより、保持装置410は、ねじ接続311bを用いて分配チャンバ11の側壁16に接続される。さらに、保持装置は、ねじ接続321a,bによって、第2側壁17の第2開口を閉じるカバー320に接続される。保持装置によってロータが所望の位置に保持されると、接続部70は、ロータおよびブレード駆動シャフトに接続でき、ねじ72によってブレード駆動シャフトに接続でき、ねじ71a,…によってロータに接続できる。接続部がロータおよびブレード駆動シャフトに接続された後、保持装置は、分配チャンバから開口15を経由して取り外し可能である。開口は、カバー(不図示)を用いて閉止でき、これは、ねじ接続311a,bによって分配チャンバの側壁16に固定される。
【0067】
側壁17の開口を閉止する既存のカバー320と同様に、カバーは、ねじ321a,321bで固定され、側壁16の開口15もこうしたカバーで閉止でき、カバーはねじ311a,311bで固定される。従って、この例示的な実施形態では、開口が両方の側壁に存在し、それぞれがカバーによって閉止可能である。
【0068】
図4a~eには、クランプ装置500のいくつかの図を示す。
図4aにおいて、クランプ装置は、リリース状態のロータ20に設置された状態で示す。それによりクランプ装置は、ブラケット501の孔535に設置された固定ねじ530,531を備える。こうして固定ねじは、クランプ装置をロータに接続する。それによりクランプ装置は、圧力エレメント520,521を有し、各々は、軸600,601の周りにシャフト上で回転可能に連結される。それによりシャフトはそれぞれ、ブラケット501,502によって接続され、これらは別個のコンポーネントまたは一体化コンポーネントでもよい。シャフトはそれぞれ、内側六角形として設計されたインタフェース510,511を有し、これによりシャフトおよび圧力エレメントは、例えば、六角形ソケットレンチを用いて、所望の位置に回転できる。クランプ装置は、複数のねじりばね540,541,542,543を有し、ねじりばねは、偏心して回転可能に搭載された圧力エレメント520,521およびトルクを伝達するためのホルダ501,502にそれぞれ接続される。クランプ状態では、圧力エレメント520,521は、切断ブレード30,31に接続され、それらに力を作用する。その結果、切断エッジ40,41と有孔ブレードディスク50,52との間に接触力が生じる。圧力エレメントの偏心回転可能な可動性によって、切断ブレードが摩耗し、切断エッジ40,41が摩耗により小さくなった場合でも、接触力がクランプ状態で一定に維持されることが達成できる。
【0069】
リリース状態では、圧力エレメント520,521は、圧力エレメント520の孔525およびホルダ501の孔をそれぞれ経由して割り(cotter)ピン590,591を案内することによって、所定の位置に保持される。割りピンがクランプ装置から取り外されると、圧力エレメントは、印加されたトルクM1に起因して、圧力エレメントとそれに接触している切断ブレード30との間に接触力を生じさせる。そしてこの既存のクランプ状態を
図4cに示す。
図4dは、ツールによってモーメントM2を印加することによるシャフトおよび圧力エレメントの巻き戻しを概略的に示す。こうして圧力エレメントは、リリース状態が優勢である位置に回転でき、続いてこの位置は割りピン590で固定できる。リリース状態では、切断エッジと有孔ブレードディスクとの間に接触力がなく、そのため切断ブレードが接続されたロータは、もし接続部が緩んで取り外されれば、半径方向に移動できる。クランプ状態では、切断エッジと有孔ブレードディスクとの間に接触力があるため、ロータおよび切断ナイフが回転すると、切断エッジと有孔ブレードディスクとの間に剪断運動が作用する。剪断運動に起因して、液体に含まれる固体が破砕され、大きすぎる固体に起因してホースを詰まらせることなく、固体含有液体を分配器装置に接続されたホースを介して排出できる。
【国際調査報告】