(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-08
(54)【発明の名称】炎症疾病の処置における使用の為のキノリン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07H 17/02 20060101AFI20220201BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220201BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220201BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20220201BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220201BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20220201BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20220201BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220201BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20220201BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20220201BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220201BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220201BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20220201BHJP
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A61P 17/02 20060101ALI20220201BHJP
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A61P 9/10 20060101ALI20220201BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20220201BHJP
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A61P 21/00 20060101ALI20220201BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20220201BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220201BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20220201BHJP
A61P 5/16 20060101ALI20220201BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20220201BHJP
A61P 15/08 20060101ALI20220201BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220201BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20220201BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20220201BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220201BHJP
A61K 31/47 20060101ALI20220201BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20220201BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20220201BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20220201BHJP
A61K 31/706 20060101ALI20220201BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20220201BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20220201BHJP
C07D 215/38 20060101ALI20220201BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20220201BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20220201BHJP
C07D 215/46 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
C07H17/02 CSP
A61P29/00
A61P3/10
A61P1/18
A61P13/12
A61P37/06
A61P3/06
A61P1/16
A61P11/00
A61P9/12
A61P9/00
A61P17/00
A61P37/08
A61P17/14
A61P17/04
A61P17/10
A61P17/02
A61P31/04
A61P9/10 101
A61P9/10
A61P27/02
A61P25/00
A61P25/24
A61P25/04
A61P25/16
A61P21/00
A61P25/02
A61P43/00 111
A61P21/04
A61P5/16
A61P7/06
A61P15/08
A61P19/02
A61P1/02
A61P19/08
A61P35/00
A61K31/47
A61K31/4709
A61K31/5377
A61K31/675
A61K31/706
A61K31/497
A61K31/506
C07D215/38
C07D401/12
A61K31/496
C07D215/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535248
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2019086477
(87)【国際公開番号】W WO2020127843
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515048803
【氏名又は名称】アビバックス
(71)【出願人】
【識別番号】506413937
【氏名又は名称】アンスティテュート キュリー
(71)【出願人】
【識別番号】515085211
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ド モンペリエ
(71)【出願人】
【識別番号】500531141
【氏名又は名称】セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(72)【発明者】
【氏名】ポレッティ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】エールリッヒ,ハルトムート
(72)【発明者】
【氏名】シェラー,ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】タツィ,ジャマル
【テーマコード(参考)】
4C057
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C057BB02
4C057DD01
4C057KK01
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC14
4C063CC29
4C063CC34
4C063DD12
4C063DD14
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC28
4C086BC42
4C086BC48
4C086BC50
4C086BC73
4C086DA38
4C086EA11
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA20
4C086ZA22
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA45
4C086ZA55
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA67
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA92
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB26
4C086ZB35
4C086ZC06
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する使用の為の、下記の式(I)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つに関する。
【化1】
ここで、各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり;各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、-NH-SO
2-N(CH
3)
2基、又は他の基である。
本発明は更に、炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する使用の為の、下記の式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
【化2】
ここで、V、Z、R、R’、n及びn’は、上記で定義された通りである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する使用の為の、下記の式(I)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ
【化1】
ここで、
ZはC又はNであり、
VはC又はNであり、
【化2】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、下記の式(IIa)の基
【化3】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化4】
によって、一又は二置換されていてもよい、
QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R”は存在しない、
R
1及びR
2の各々は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキルであり、
R
3及びR
4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
nは、1、2又は3であり、
n’は、1、2又は3であり、
各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、-NH-SO
2-N(CH
3)
2基、下記の式(IIa)の基
【化5】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化6】
であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル若しくは(C
3~C
6)シクロアルキルであり、又は、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成し、ここで、該複素環は任意的に、N、O、Sのうちから選択される更なるヘテロ原子を有していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が前記(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる、並びに、
R”は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル又は、上記で定義された式(IIa)の基であり、
前記炎症性の疾病、障害又は状態が、下記から選択される:
(a)1型糖尿病、2型糖尿病、急性膵炎及び慢性膵炎から選択される、膵臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(b)糸球体硬化症、糸球体腎炎、腎炎、急性腎障害、ベルガー病、グッドパスチャー症候群、ヴェグナー肉芽腫症、及び腎移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、腎臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(c)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾病(NAFLD)、胆汁うっ滞性肝疾病、硬化性胆管炎、及び肝移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、肝臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(d)慢性閉塞性肺疾病(COPD)、肺線維症、肺高血圧症、サルコイドーシス、心筋炎、心膜炎、及び肺又は心臓の移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、肺又は心臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(e)接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、にきび、ケロイド瘢痕、及び他の皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態から選択される、皮膚における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(f)ベーチェット病、血管炎、敗血症、腫瘍血管新生、アテローム性動脈硬化症、増殖性血管疾病、及び再狭窄から選択される、血管/血液における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(g)結膜炎、強膜炎、上強膜炎、全ブドウ膜炎、脈絡膜炎、脈絡網膜炎、神経網膜炎、ブドウ膜炎、眼窩炎症性疾病、及び視神経炎から選択される、眼における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(h)非ウイルス性及びウイルス性脳炎及び髄膜炎、うつ病、慢性疼痛を包含する神経障害性疼痛、脳卒中を包含する外傷性脳損傷、パーキンソン病、脊髄炎、シャルコー・マリー・トゥース病1型(CMT1A及びCMT1Bを包含する)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、クロイツフェルト・ヤコブ病、脱髄性多発神経障害、及び末梢神経障害から選択される、中枢神経系又は末梢神経系における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(i)皮膚及び腎臓における狼瘡を包含する狼瘡、ギランバレー症候群、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、特発性紫斑病、再生不良性貧血、グレーブス病、及び心筋炎から選択される、自己免疫の疾病、障害又は状態;
(k)子宮内膜症、子宮筋腫、前立腺異形成又は成長、及び子宮頚部異形成から選択される、生殖システムにおける、炎症性の疾病、障害又は状態;並びに
(l)若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、歯周炎、及び、手、足、足首、膝、腰、肩、肘又は脊柱の関節炎及び/又は脱ミネラル化から選択される、骨及び/又は関節における、炎症性の疾病、障害又は状態。
【請求項2】
前記化合物が、下記の式(Ib)の化合物である、
【化7】
ここで、R、R’及びR’’は、請求項1で定義された通りである、
請求項1に記載の使用の為の、式(Ib)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ化合物。
【請求項3】
前記化合物が、下記の式(Ib’)の化合物である、
【化8】
ここで、R、R’及びR’’は、請求項1で定義された通りである、
請求項1又は2に記載の使用する為の、式(Ib)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ化合物。
【請求項4】
Rは独立して、ハロゲン原子又は、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ基、-NR
1R
2基、(C
1~C
4)アルコキシ基、-O-P(=O)(O
R3)(OR
4)基、(C
1~C
3)アルキル基、NO
2基、-A-(CH
2)
m-B-NRaRb基(式IIa)及び-(O-CH
2-CH
2)
p-O-Ra基(式IIIa)のうちから選択される基を表し、
nは、1又は2であり、
R’は、水素原子、ハロゲン原子又は、-NR
1R
2基、-O-P(=O)(OR
3)(OR
4)基、-NH-SO
2-N(CH
3)
2基及び-A-(CH
2)
m-B-NRaRb基(IIa)のうちから選択される基を表し、
R’’は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル基又は-A-(CH
2)
m-B-NRaRb基(式IIa)であり、
R
1及びR
2は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキル基であり、
R
3及びR
4は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは共有結合であり、
mは、2、3又は4であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbは独立して、水素原子又は(C
1~C
5)アルキル基を表し、Ra及びRbはさらに、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、前記複素環は任意的に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を有していてもよく、前記複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよい、
請求項3に記載の使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ。
【請求項5】
Rは独立して、F、Cl、-NH
2、-N(CH
3)
2、-OCH
3、-O-(CH
2)
3-CH
3、-OCF
3、-CH
3、-O-(CH
2)
2-OH、-O-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-OCH
3、-NO
2基、-O-P(=O)(OH)(OH)基、-O-(CH
2)
2-モルホリノ基又は-O-(CH
2)
2-ピペリジノ基を表し、
nは、1又は2であり、
R’は、水素原子、Cl、-CH
2-CH
2-CH
3、-O-(CH
2)
2-モルホリノ基、-O-(CH
2)
2-ピペリジノ基、-O(CH
2)
3-ピペリジノ基、-N-(CH
2)
3-モルホリノ基、-NH-SO
2-N(CH
3)
2基、NH
2、又は-O-P(=O)(OH)(OH)基を表し、
R’’は、水素原子、-CH
3、-(CH
2)
3-ピペリジノ基、-(CH
2)
2-モルホリノ基、-(CH
2)
4-モルホリノ基又は-(CH
2)
2-ピロリジノ基である、
請求項3又は4に記載の使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ。
【請求項6】
下記の化合物から選択される、請求項3~5のいずれか1項に記載の使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ。
【請求項7】
【化9】
【請求項8】
前記化合物が8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンである、請求項3~6のいずれか1項に記載の使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ。
【請求項9】
請求項1に記載の炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する使用の為の、下記の式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩
【化10】
ここで、V、Z、R、R’、n及びn’は、請求項1で定義された通りである。
【請求項10】
前記化合物が、下記の式(IVb)のものである、
【化11】
ここで、R、n、R’、n’は、請求項1で定義された通りである、
請求項1に記載の炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する使用の為の、請求項8に記載の式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
前記化合物が、下記の式(IVb’)のものである、
【化12】
ここで、R、n、R’、n’は、請求項1で定義された通りである、
請求項1に記載の炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する使用の為の、請求項8に記載の式(IVb)の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
前記化合物が下記のものである、
【化13】
請求項1に記載の炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する使用の為の、請求項10に記載の式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
前記炎症性の疾病、障害又は状態が、肝臓における、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾病(NAFLD)、胆汁うっ滞性肝疾病、硬化性胆管炎、及び肝移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、
請求項1~7又は請求項8~11のいずれか1項に記載の使用の為の化合物。
【請求項14】
前記炎症性の疾病、障害又は状態が、肺又は心臓における、慢性閉塞性肺疾病(COPD)、肺線維症、肺高血圧症、サルコイドーシス、心筋炎、心膜炎、及び肺又は心臓の移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、
請求項1~7又は請求項8~11のいずれか1項に記載の使用の為の化合物。
【請求項15】
患者を処置する為の請求項1~7又は請求項8~11のいずれか1項に記載の使用の為の化合物、
ここで、請求項1~7のいずれか1項に定義された式(I)の化合物又は請求項8~11のいずれか1項に定義された式(IV)の化合物の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルが前記使用の間に測定される。
【請求項16】
患者を処置する為の請求項1~7又は請求項8~11のいずれか1項に記載の使用の為の化合物若しくはその医薬的に許容される塩
ここで、患者の血液及び/又は組織のサンプルにおけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルが、前記使用の前及び/又は間に測定される。
【請求項17】
請求項1~7又は請求項8~11のいずれか1項に記載の使用の為の化合物
ここで、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは請求項1~7のいずれか1項に定義された式(I)の化合物或いは請求項8~11のいずれか1項に定義された式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムが使用されて、疾病、障害又は状態の重症度を監視する及び/又は前記使用の有効性を監視する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
炎症は、組織の損傷及び感染に対する免疫系による防御反応である。しかしながら、炎症反応は、幾つかの状況において、身体に損傷を与える可能性がある。急性期において、炎症は、痛み、熱、発赤、腫れ、及び機能の喪失によって特徴付けられる。
【0002】
炎症疾病は、自己免疫疾病に関連付けられた炎症性疾病、中枢神経系(CNS:central nervous system)炎症性疾病、関節炎症性疾病、炎症性消化管疾病、及び炎症性皮膚を包含する幅広い範囲を含む。
【0003】
幾つかのキノリン誘導体が、国際公開第2010/143169号パンフレット、国際公開第2012/080953号パンフレット、国際公開第2016/009065号パンフレット及び国際公開第2016/009066号パンフレットに記載されており、それらパンフレットの内容は、それらの全体が参照により本明細書内に取り込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の化合物及びその医薬的に許容される組成物が、様々な、炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する為に有用であることが今見出された。1つの観点において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式(I)の化合物又はそれらの医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【化1】
ここで、各変数は、本明細書において定義され且つ記載された通りである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、非アルコール性脂肪性肝炎のSTAMモデル(NASH研究)におけるNAFLD活性スコアを示す。
【
図2】
図2は、ABX464及びそのグルクロニド代謝物において実行された非アルコール性脂肪性肝炎のSTAMモデル(NASH研究)における脂肪症スコアを示す(実施例2)。
【
図3】
図3は、ABX464及びそのグルクロニド代謝物において実行された非アルコール性脂肪性肝炎のSTAMモデル(NASH研究)における炎症スコアを示す(実施例2)。
【
図4】
図4は、ABX464及びそのグルクロニド代謝物において実行された非アルコール性脂肪性肝炎のSTAMモデル(NASH研究)におけるバルーニングスコアを示す(実施例2)。
【
図5】
図5は、ABX464及びそのグルクロニド代謝物において実行された非アルコール性脂肪性肝炎のSTAMモデル(NASH研究)における組織学的分析における線維症領域を示す(実施例2)。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施形態の一般的な説明:
【0007】
本発明の化合物、及びその医薬組成物は、炎症性の疾病、障害又は状態、例えば本明細書に記載されているそれら、を処置する為に有用である。
【0008】
1つの観点において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式(I)の化合物又はそれらの医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【化2】
ここで、
ZはC又はNであり、
VはC又はNであり、
【化3】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、下記の式(IIa)の基
【化4】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化5】
によって、一又は二置換されていてもよい、
QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R”は存在しない、
R
1及びR
2の各々は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキルであり、
R
3及びR
4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
nは、1、2又は3であり、
n’は、1、2又は3であり、
各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、下記の式(IIa)の基、
【化6】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化7】
であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル若しくは(C
3~C
6)シクロアルキルであり、又は、
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が該(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる、並びに、
R”は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル又は、上記で定義された式(IIa)の基である。
【0009】
更なる態様に従うと、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する使用の為の、下記の式(I)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つに関する。
【化8】
ここで、
ZはC又はNであり、
VはC又はNであり、
【化9】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、下記の式(IIa)の基
【化10】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化11】
によって、一又は二置換されていてもよい、
QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R”は存在しない、
R
1及びR
2の各々は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキルであり、
R
3及びR
4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
nは、1、2又は3であり、
n’は、1、2又は3であり、
各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、-NH-SO
2-N(CH
3)
2基、下記の式(IIa)の基
【化12】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化13】
であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル若しくは(C
3~C
6)シクロアルキルであり、又は、
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、N、O、Sのうちから選択される更なるヘテロ原子を有していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が前記(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる、並びに、
R”は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル又は、上記で定義された式(IIa)の基であり、
上記炎症性の疾病、障害又は状態が、下記から選択される:
(a)1型糖尿病、2型糖尿病、急性膵炎及び慢性膵炎から選択される、膵臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(b)糸球体硬化症、糸球体腎炎、腎炎、急性腎障害、ベルガー病(Berger’s disease)、グッドパスチャー症候群(Goodpasture’s syndrome)、ヴェグナー肉芽腫症(Wegener’s granulomatosis)、及び腎移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、腎臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(c)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:nonalcoholic steatohepatitis)、非アルコール性脂肪性肝疾病(NAFLD:non-alcoholic fatty liverdisease)、胆汁うっ滞性肝疾病、硬化性胆管炎、及び肝移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、肝臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(d)慢性閉塞性肺疾病(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)、肺線維症、肺高血圧症、サルコイドーシス、心筋炎、心膜炎、及び肺又は心臓の移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、肺又は心臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(e)接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、にきび、ケロイド瘢痕、及び他の皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態から選択される、皮膚における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(f)ベーチェット病、血管炎、敗血症、腫瘍血管新生、増殖性血管疾病、及び再狭窄から選択される、血管/血液における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(g)結膜炎、強膜炎、上強膜炎、全ブドウ膜炎、脈絡膜炎、脈絡網膜炎、神経網膜炎、ブドウ膜炎、眼窩炎症性疾病、及び視神経炎から選択される、眼における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(h)非ウイルス性及びウイルス性脳炎及び髄膜炎、うつ病、慢性疼痛を包含する神経障害性疼痛、脳卒中を包含する外傷性脳損傷、パーキンソン病、脊髄炎、シャルコー・マリー・トゥース病1型(CMT1A及びCMT1Bを包含する)、筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic lateral sclerosis)、クロイツフェルト・ヤコブ病、脱髄性多発神経障害、及び末梢神経障害から選択される、中枢神経系又は末梢神経系における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(i)皮膚及び腎臓における狼瘡を包含する狼瘡、ギランバレー症候群、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、特発性紫斑病、再生不良性貧血、グレーブス病、及び心筋炎から選択される、自己免疫の疾病、障害又は状態;
(k)子宮内膜症、子宮筋腫、前立腺異形成又は成長、及び子宮頚部異形成から選択される、生殖システムにおける、炎症性の疾病、障害又は状態;並びに、
(l)若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、歯周炎、及び、手、足、足首、膝、腰、肩、肘又は脊柱の関節炎及び/又は脱ミネラル化から選択される、骨及び/又は関節における、炎症性の疾病、障害又は状態。
【0010】
その上、本発明は、上記で定義された上記炎症性の疾病を予防、阻止又は処置する方法であって、それから患う患者に、下記の式(I)、式(Ib)、式(Ib’)、式(IV)、(IVb)若しくは式(IVb’)において定義された化合物又はそれらの医薬的に許容される塩の有効量を投与することからなる少なくとも1つの工程を含む。
上記方法に関する。
【0011】
化合物及び定義
【0012】
本発明の枠組みにおいて、下記の定義が与えられうる:
有効量:処置される腫瘍に対して効果をもたらす医薬化合物の量、及び/又は本明細書に記載された疾病及び状態の症状を予防する、軽減する、除去する、処置する又は制御することにおいて有効である本発明の化合物の量。語「有効量」は、「予防有効量」並びに「処置有効量」を包含する。語「予防有効量」は、炎症性疾病の可能性を抑制する、予防する、減少させることにおいて有効である本発明の化合物の濃度を云う。
【0013】
本明細書において使用される場合に、語「患者」は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト、を意味する。
【0014】
本発明の文脈において、語「処置する」又は「処置」は、本明細書において使用される場合に、炎症性疾病の進行を逆転する、緩和する、阻止する、又は炎症性疾病を予防することを意味する。
【0015】
語「制御する」は、本明細書に記載された疾病及び状態の進行を遅らせうる、中断しうる、阻止しうる、又は停止しうる全てのプロセスを云うことが意図されているが、必ずしも全ての疾病及び状態の症状が完全になくなることを示すわけではなく、予防的処置を包含することが意図されている。
【0016】
語「予防する」は、本明細書において使用される場合に、所与の現象、すなわち本発明における所与の現象、である炎症性疾病、の発症のリスクを軽減すること又はその発生を遅らせることを意味する。本明細書において使用される場合に、「予防する」はまた、「発生の可能性を減らす」又は「再発の可能性を減らす」ことを包含する。
【0017】
本発明の化合物は、遊離塩基の形態で又は、医薬的に許容される酸との付加塩の形態で存在しうる。本発明の化合物の好適な生理学的に許容される酸付加塩は、硫酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アスコルビン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、トリフラート、マレイン酸塩、メシル酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、フマル酸塩及びスルホン酸塩、特にアルキルスルホン酸塩又はアリールスルホン酸塩、より特には、メシレート、トリフラート、エジシレート、ベシレート及びトシレートを包含する。
【0018】
本発明の化合物及び/又はその塩は、溶媒和物又は水和物を形成し得、且つ本発明は、そのような全ての溶媒和物及び水和物を包含する。語「水和物」及び「溶媒和物」は、本発明に従う化合物が、水和物又は溶媒和物の形態、すなわち1以上の水又は溶媒分子と一緒にされた又は会合された水和物又は溶媒和物の形態であることができることを単に意味する。これは、そのような化合物の化学的特性に過ぎず、それはこのタイプの全ての有機化合物に適用されることができる。
【0019】
本発明の化合物は、1以上の不斉炭素原子を含むことができる。従って、それらはエナンチオマーの形態又はジアステレオ異性体の形態で存在することができる。これらのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、及び、それらの混合物、例えばラセミ混合物を含むそれらの混合物、は、本発明の範囲内に包含される。
【0020】
本発明の文脈において、以下の語は下記の通りである:
- 「ハロゲン原子」は、塩素原子、フッ素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味し、特に塩素原子、フッ素原子又は臭素原子、を示すと理解される、
- 「(C1~C5)アルキル」はそれぞれ、本明細書において使用される場合に、C1~C5の直鎖、第2級又は第3級の飽和炭化水素を云う。例が、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、ブチル、ペンチルであるがこれらに限定されるものでない、
- 「(C3~C6)シクロアルキル」はそれぞれ、本明細書において使用される場合に、環状飽和炭化水素を云う。例が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルであるがこれらに限定されるものでない、
- 「(C1~C4)アルコキシ」はそれぞれ、本明細書において使用される場合に、O-(C1~C4)アルキル残基を云い、ここで、アルキルは上記に定義された通りである。例が、メトキシ、エトキシ、1-プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシであるがこれらに限定されるものでない、
- 「フルオロアルキル基」及び「フルオロアルコキシ基」はそれぞれ、上記に定義された通りのアルキル基及びアルコキシ基を云い、ここで、該基は少なくとも1つのフッ素原子によって置換されている。例が、ペルフルオロアルキル基、例えばトリフルオロメチル又はペルフルオロプロピル、である、
- 「飽和5員又は6員の複素環」はそれぞれ、本明細書において使用される場合に、少なくとも1つのヘテロ原子を含む飽和環を云う。例が、モルホリン、ピペラジン、チオモルホリン、ピペリジン、及びピロリジンであるがこれらに限定されるものでない。
【0021】
本明細書において使用される場合に、語「医薬的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等無しにヒト及び下等動物の組織と接触して使用する為に適しており且つ合理的な利益/リスク比に見合った塩を云う。医薬的に許容される塩は当技術分野において周知である。例えば、S.M.Berge等は、参照により本明細書に取り込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において詳述されている医薬的に許容される塩を記載する。本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、好適な無機及び有機の酸及び塩基に由来するそれらを包含する。
【0022】
本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、好適な無機及び有機の酸及び塩基に由来するものを包含する。医薬的に許容される、非毒性の酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸で形成されたアミノ基の塩、又は有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸で形成されるアミノ基の塩、或いは当技術分野で使用される他の方法、例えばイオン交換、を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の医薬的に許容される塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等を包含する。
【0023】
適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN+(C1~4アルキル)4塩を包含する。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を包含する。さらに、医薬的に許容される塩は、好適な場合には、無毒の、アンモニウム、第四級アンモニウム、並びに、対イオン、例えばハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩、を使用して形成されるアミンカチオンを包含する。
【0024】
特に言及されない限り、本明細書に示されている構造はまた、外構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何学的(又は立体配座))の形態、例えば、各不斉中心のR及びS配置、Z及びE二重結合異性体、並びに、Z及びE配座異性体、を包含することを意味する。それ故に、単一の立体化学異性体、並びに本発明の化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー及び幾何学的(又は立体配座的)混合物は、本発明の範囲内にある。特に言及されない限り、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内にある。追加的に、特に言及されない限り、本明細書に示されている構造はまた、1以上の同位体に富む原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素若しくはトリチウムによる水素原子の置換、又は13C-又は14C-に富む炭素による炭素の置換を包含する本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。そのような化合物は例えば、分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、又は本発明に従う治療剤として有用である。
【0025】
例示的な実施形態の説明:
【0026】
1つの観点において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【化14】
ここで、
ZはC又はNであり、
VはC又はNであり、
【化15】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、下記の式(IIa)の基、又は下記式の基
【化16】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化17】
によって、一又は二置換されていてもよい、
QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R”は存在しない、
R
1及びR
2の各々は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキルであり、
R
3及びR
4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
nは、1、2又は3であり、
n’は、1、2又は3であり、
各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、下記の式(IIa)の基
【化18】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化19】
であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル若しくは(C
3~C
6)シクロアルキルであり、又は、
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が前記(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる、並びに、
R”は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル、上記で定義された式(IIa)の基である。
【0027】
上部で一般的に定義されている通り、ZはC又はNである。
【0028】
幾つかの実施態様において、ZはCである。幾つかの実施態様において、ZはNである。
【0029】
幾つかの実施態様において、Zは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0030】
上部で一般的に定義されている通り、VはC又はNである。
【0031】
幾つかの実施態様において、VはCである。幾つかの実施態様において、VはNである。
【0032】
幾つかの実施態様において、Vは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0033】
上部で一般的に定義されている通り、
【化20】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にある。
【0034】
幾つかの実施態様において、
【化21】
は芳香環を意味し、ここで、VはCである。
【0035】
幾つかの実施態様において、
【化22】
は芳香環を意味し、ここで、VはNであり、及びVは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にある。
【0036】
幾つかの実施態様において、VはNであり、及びVはZに対してオルト位にある。幾つかの実施態様において、VはNであり、及びVはZに対してメタ位にある。幾つかの実施態様において、VはNであり、及びVはZに対してパラ位にある。
【0037】
幾つかの実施態様において、
【化23】
はフェニルである。
【0038】
幾つかの実施態様において、
【化24】
は、ピリジンである。
【0039】
幾つかの実施態様において、
【化25】
は、ピリダジンである。
【0040】
幾つかの実施態様において、
【化26】
は、ピリミジンである。
【0041】
幾つかの実施態様において、
【化27】
は、ピラジンである。
【0042】
幾つかの実施態様において、
【化28】
は、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0043】
上記で一般的に説明されている通り、各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、又は(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、又は下記の式(IIa)の基
【化29】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化30】
によって、一又は二置換されていてもよい。
【0044】
幾つかの実施態様において、Rは水素原子である。幾つかの実施態様において、Rはハロゲン原子である。幾つかの実施態様において、Rは-CNである。幾つかの実施態様において、Rはヒドロキシルである。幾つかの実施態様において、Rは(C1~C3)フルオロアルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシルによって、一又は二置換されていてもよい。幾つかの実施態様において、Rは(C1~C3)フルオロアルコキシである。幾つかの実施態様において、Rは(C3~C6)シクロアルキルである。幾つかの実施態様において、Rは-NO2である。幾つかの実施態様において、Rは-NR1R2である。幾つかの実施態様において、Rは(C1~C4)アルコキシである。幾つかの実施態様において、Rはフェノキシである。幾つかの実施態様において、Rは-NR1-SO2-NR1R2である。幾つかの実施態様において、Rは-NR1-SO2-R1である。幾つかの実施態様において、Rは-NR1-C(=O)-R1である。幾つかの実施態様において、Rは-NR1-C(=O)-NR1R2である。幾つかの実施態様において、Rは-SO2-NR1R2である。幾つかの実施態様において、Rは-SO3Hである。幾つかの実施態様において、Rは-O-SO2-OR3である。幾つかの実施態様において、Rは-O-P(=O)-(OR3)(OR4)である。幾つかの実施態様において、Rは-O-CH2-COOR3である。幾つかの実施態様において、Rは(C1~C3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、トリフルオロメトキシ、アミノ、ハロゲン原子又は、-O-P(=O)-(OR3)(OR4)である。幾つかの実施態様において、Rはメチルである。幾つかの実施態様において、Rはメトキシである。幾つかの実施態様において、Rはトリフルオロメチルである。幾つかの実施態様において、Rはトリフルオロメトキシである。幾つかの実施態様において、Rはアミノである。幾つかの実施態様において、Rは-O-P(=O)-(OR3)(OR4)である。
【0045】
幾つかの実施態様において、各Rは独立して、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ、又はアミノである。
【0046】
幾つかの実施態様において、Rは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0047】
上記で一般的に説明されている通り、QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R″は存在しない。
【0048】
幾つかの実施態様において、QはNである。幾つかの実施態様において、QがOであり、且つR″が存在しない。
【0049】
幾つかの実施態様において、Qは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0050】
上記で一般的に説明されている通り、R1及びR2の各々は独立して、水素原子又は(C1~C3)アルキルである。
【0051】
幾つかの実施態様において、R1は水素原子である。幾つかの実施態様において、R1は(C1~C3)アルキルである。幾つかの実施態様において、R2は水素原子である。幾つかの実施態様において、R2は(C1~C3)アルキルである。
【0052】
幾つかの実施態様において、R1及びR2の各々は独立して、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0053】
上記で一般的に説明されている通り、R3及びR4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)4又はベンジルである。
【0054】
幾つかの実施態様において、R3は水素原子である。幾つかの実施態様において、R3はLi+である。幾つかの実施態様において、R3はNa+である。幾つかの実施態様において、R3はK+である。幾つかの実施態様において、R3はN+(Ra)4である。幾つかの実施態様において、R3はベンジルである。幾つかの実施態様において、R4は水素原子である。幾つかの実施態様において、R4はLi+である。幾つかの実施態様において、R4はNa+である。幾つかの実施態様において、R4はK+である。幾つかの実施態様において、R4はN+(Ra)4である。幾つかの実施態様において、R4はベンジルである。
【0055】
幾つかの実施態様において、R3及びR4の各々は独立して、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0056】
上記で一般的に説明されている通り、nは、1、2又は3である。
【0057】
幾つかの実施態様において、nは、1又は2である。幾つかの実施態様において、nは1である。幾つかの実施態様において、nは2である。幾つかの実施態様において、nは3である。
【0058】
幾つかの実施態様において、nは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0059】
上記で一般的に説明されている通り、n’は、1、2又は3である。
【0060】
幾つかの実施態様において、n’は1又は2である。幾つかの実施態様において、n’は1である。幾つかの実施態様において、n’は2である。幾つかの実施態様において、n’は3である。
【0061】
幾つかの実施態様において、n’は、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0062】
上記で一般的に説明されている通り、各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、下記の式(IIa)の基
【化31】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化32】
である。
【0063】
幾つかの実施態様において、R’は水素原子である。幾つかの実施態様において、R’は(C1~C3)アルキルである。幾つかの実施態様において、R’はヒドロキシルである。幾つかの実施態様において、R’はハロゲン原子である。幾つかの実施態様において、R’は-NO2である。幾つかの実施態様において、R’は-NR1R2である。幾つかの実施態様において、R’はモルホリニルである。幾つかの実施態様において、R’はモルホリノである。幾つかの実施態様において、R’はN-メチルピペラジニルである。幾つかの実施態様において、R’は(C1~C3)フルオロアルキルである。幾つかの実施態様において、R’は(C1~C4)アルコキシである。幾つかの実施態様において、R’は-O-P(=O)-(OR3)(OR4)である。幾つかの実施態様において、R’は-CNである。
【0064】
幾つかの実施態様において、R’は下記の式(IIa)の基である。
【化33】
【0065】
幾つかの実施態様において、R’は下記の式(IIIa)の基である。
【化34】
【0066】
幾つかの実施態様において、R’はアミノである。幾つかの実施態様において、R’はメチルである。幾つかの実施態様において、R’は下記の式の基である。
【化35】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0067】
幾つかの実施態様において、R’は下記の式の基である。
【化36】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0068】
幾つかの実施態様において、R’は下記の式の基である。
【化37】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0069】
幾つかの実施態様において、各R’は独立して、水素原子、ハロゲン原子、アミノ、メチル、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、又は下記の式の基である。
【化38】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0070】
幾つかの実施態様において、各R’は独立して、水素原子、ハロゲン原子、メチル、又は下記の式の基である。
【化39】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0071】
幾つかの実施態様において、各R’は独立して、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル、ヒドロキシル、-NR1R2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C1~C3)フルオロアルキル、(C1~C4)アルコキシ、又は本明細書に記載された式(IIa)若しくは式(IIIa)の基である。
【0072】
幾つかの実施態様において、R’は、ハロゲン原子又はメチルである。
【0073】
幾つかの実施態様において、各R’は独立して、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0074】
上記で一般的に説明されている通り、Aは、共有結合、酸素原子又はNHである。
【0075】
幾つかの実施態様において、Aは共有結合である。幾つかの実施態様において、Aは酸素原子である。幾つかの実施態様において、AはNHである。
【0076】
幾つかの実施態様において、Aは下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0077】
上記で一般的に説明されている通り、Bは、共有結合又はNHである。
【0078】
幾つかの実施態様において、Bは共有結合である。幾つかの実施態様において、BはNHである。
【0079】
幾つかの実施態様において、Bは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0080】
上記で一般的に説明されている通り、mは、1、2、3、4又は5である。
【0081】
幾つかの実施態様において、mは1である。幾つかの実施態様において、mは2である。幾つかの実施態様において、mは3である。幾つかの実施態様において、mは4である。幾つかの実施態様において、mは5である。
【0082】
幾つかの実施態様において、mは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0083】
上記で一般的に説明されている通り、pは、1、2又は3である。
【0084】
幾つかの実施態様において、pは1である。幾つかの実施態様において、pは2である。幾つかの実施態様において、pは3である。幾つかの実施態様において、pは4である。幾つかの実施態様において、pは5である。
【0085】
幾つかの実施態様において、pは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0086】
上記で一般的に説明されている通り、Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C1~C5)アルキル若しくは(C3~C6)シクロアルキルであり、又は、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が該(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。
【0087】
幾つかの実施態様において、Raは水素原子である。幾つかの実施態様において、Raは(C1~C5)アルキルである。幾つかの実施態様において、Raは(C3~C6)シクロアルキルである。幾つかの実施態様において、Rbは水素原子である。幾つかの実施態様において、Rbは(C1~C5)アルキルである。幾つかの実施態様において、Rbは(C3~C6)シクロアルキルである。
【0088】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成し、ここで、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が式(IIa)又は式(IIIa)の基である場合、他のR’基が式(IIa)又は式(IIIa)の基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。幾つかの実施態様において、上記された通り、Ra及びRbが結合されている窒素原子と一緒になってRa及びRbによって形成された飽和した5員又は6員の複素環は任意的に、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有していてもよい。
【0089】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環を形成し、該複素環は、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が式(IIa)又は式(IIIa)の基である場合、他のR’基が該式(IIa)又は式(IIIa)の基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。
【0090】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成し、但し、R’が式(IIa)又は式(IIIa)の基である場合、他のR’基が該式(IIa)又は式(IIIa)の基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。
【0091】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した6員の複素環を形成し、但し、R’が式(IIa)又は式(IIIa)の基である場合、他のR’基が該式(IIa)又は式(IIIa)の基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。
【0092】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環を形成し、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が該(IIa)基又は式(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2でありうる。
【0093】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbの各々が独立して、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0094】
上記で一般的に説明されている通り、R”は、水素原子、(C1~C4)アルキル、又は上記で定義された式(IIa)の基である。
【0095】
幾つかの実施態様において、R”は、水素原子又は(C1~C4)アルキルである。幾つかの実施態様において、R”は水素原子である。幾つかの実施態様において、R”は(C1~C4)アルキルである。幾つかの実施態様において、R”は、上記で定義された式(IIa)の基である。
【0096】
幾つかの実施態様において、R”は、下記の式の基である。
【化40】
ここで、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0097】
幾つかの実施態様において、R”は、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0098】
幾つかの実施態様において、nは1であり、n’は1又は2であり、R”はHであり、Rは、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ、及びアミノから選択され、並びに、各R’は独立して、ハロゲン原子、メチル、又は下記の基である。
【化41】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、n’が2である場合に、他のR’基は、上記基と異なる。
【0099】
幾つかの実施態様において、nは1であり、n’は1であり、R”はHであり、Rは、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、及びトリフルオロメトキシから選択され、並びに、R’は、ハロゲン原子又はメチルである。
【0100】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式(Ia)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【化42】
ここで、変数R、R’、R”、n及びn’は独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0101】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式(Ib)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つを投与することを含む上記方法を提供する。
【化43】
ここで、変数R、R’、R”、n及びn’は独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0102】
幾つかの実施態様において、本発明は、上記で定義された使用の為の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つを提供する。
ここで、該化合物は、下記の式(Ib)のものである。
【化44】
ここで、R、R’及びR’’は、上記で定義された通りである。
【0103】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式(Ic)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【化45】
ここで、変数R、R’、R”、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0104】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式(Id)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【化46】
ここで、R及びR’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りであり、及びR’’’は、水素原子又は下記の基である。
【化47】
ここで、AはO又はNHであり、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0105】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、式(Id)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
ここで、Rは、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ、又はアミノであり、R’は、ハロゲン原子又はメチルであり;及びR’’’は、水素原子又は下記の基である。
【化48】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0106】
幾つかの実施態様において、R’’’は水素原子である。
【0107】
幾つかの実施態様において、R’’’は、下記の基である。
【化49】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0108】
幾つかの実施態様において、R’’’は、下記の基である。
【化50】
ここで、AはOであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0109】
幾つかの実施態様において、R’’’は、下記の基である。
【化51】
ここで、AはNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0110】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式(Ib’)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【化52】
ここで、変数R、R’、R”、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0111】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供し、
ここで、
各Rは独立して、ハロゲン原子、(C1~C3)フルオロアルキル、(C1~C3)フルオロアルコキシ、-NR1R2、(C1~C4)アルコキシ、又は(C1~C3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基によって一又は二置換されていてもよい、
nは、1又は2であり、
n’は、1又は2であり、
R1及びR2の各々は独立して、水素原子又は(C1~C3)アルキルであり、
R’の各々は独立して、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル、ヒドロキシル、-NR1R2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C1~C3)フルオロアルキル、(C1~C4)アルコキシ、又は本明細書において記載された式(IIa)若しくは式(IIIa)であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C1~C5)アルキル若しくは(C3~C6)シクロアルキルであり、又は
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が該(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2でありうる、及び
R”は、水素原子又は(C1~C4)アルキルである。
【0112】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供し、
ここで、
各R’は独立して、水素原子、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル又は(C1~C4)アルコキシ基であり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基によって、一又は二置換されていてもよい、
R”は、水素原子又は(C1~C4)アルキルであり、
nは、1又は2であり、
n’は、1又は2であり、
nが1である場合、Rは、(C1~C3)フルオロアルコキシ、NR1R2、又はフェノキシであり、
ここで、R1及びR2の各々は独立して、(C1~C3)アルキルであり、並びに、nが2である場合、2つのR基のうちの1つは(C1~C3)フルオロアルコキシであり、及び他のR基は(C1~C3)アルキルである。
【0113】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供し、
ここで、
各Rは独立して、(C1~C3)フルオロアルコキシであり、各R’は独立して、水素原子、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル又は(C1~C4)アルコキシであり、R”は、水素原子又は(C1~C4)アルキルであり、nは1であり、及び、n’は1又は2である。
【0114】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、式(Ib’)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供し、
ここで、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル、-NR1R2、(C1~C3)フルオロアルコキシ、-NO2、フェノキシ、又は(C1~C4)アルコキシであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基によって一又は二置換されていてもよい、R1及びR2の各々は独立して、水素原子又は(C1~C3)アルキルであり、R’は、水素原子、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル又は(C1~C4)アルコキシであり、但し、R’は、キノリン基の4位でメチル基と異なり、R”は、水素原子又は(C1~C4)アルキルであり、nは1、2又は3であり、並びに、n’は1又は2である。
【0115】
幾つかの実施態様において、本発明は、上記で定義された使用の為の化合物を提供し、ここで、該化合物は、下記の式(Ib’)の化合物のものである、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つである。
【化53】
ここで、変数R、R’、R”は、上記で定義された通りである。
【0116】
幾つかの実施態様において、本発明は、上記で定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つを提供し、
ここで、
Rは独立して、ハロゲン原子又は、(C1~C3)フルオロアルコキシ基、-NR1R2基、(C1~C4)アルコキシ基、-O-P(=O)(OR3)(OR4)基、(C1~C3)アルキル基、NO2基、-A-(CH2)m-B-NRaRb基(式IIa)、及び-(O-CH2-CH2)p-O-Ra基(式IIIa)のうちから選択される基を表し、
nは、1又は2であり、
R’は、水素原子、ハロゲン原子又は、-NR1R2基、-O-P(=O)(OR3)(OR4)基、-NH-SO2-N(CH3)2基、及び-A-(CH2)m-B-NRaRb基IIa)のうちから選択される基を表し、
R’’は、水素原子、(C1~C4)アルキル基、又は-A-(CH2)m-B-NRaRb基(式IIa)であり、
R1及びR2は独立して、水素原子又は(C1~C3)アルキル基であり、
R3及びR4は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)4又はベンジルであり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは共有結合であり、
mは、2、3又は4であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbは独立して、水素原子又は(C1~C5)アルキル基を表し、Ra及びRbはさらに、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を有していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよい。
【0117】
さらにより特定の実施態様に従うと、本発明は、上記で定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つを提供し、
ここで、
Rは独立して、F、Cl、-NH2、-N(CH3)2、-OCH3、-O-(CH2)3-CH3、-OCF3、-CH3、-O-(CH2)2-OH、-O-(CH2)2-O-(CH2)2-OCH3、-NO2基、-O-P(=O)(OH)(OH)基、-O-(CH2)2-モルホリノ基、又は-O-(CH2)2-ピペリジノ基を表し、
nは、1又は2であり、
R’は、水素原子、Cl、-CH2-CH2-CH3、-O-CH2)2-モルホリノ基、-O-(CH2)2-ピペリジノ基、-O-(CH2)3-ピペリジノ基、-N-(CH2)3-モルホリノ基、-NH-SO2-N(CH3)2基、NH2、又は-O-P(=O)(OH)(OH)基を表し、並びに、
R’’は、水素原子、-CH3、-(CH2)3-ピペリジノ基、-(CH2)2-モルホリノ基、-(CH2)4-モルホリノ基、又は-(CH2)2-ピロリジノ基を表す。
【0118】
一つの実施態様において、本発明は、上記で定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つを提供し、ここで、該化合物が、本明細書の下記にリストされた化合物96、98、108、109、111、115、122、125、128、129、130、132、133、135、138~141、143、及び145~164のうちから選択される。
【0119】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式の化合物(ABX464)又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【化54】
【0120】
幾つかの実施態様において、本発明は、上記で定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つを提供し、ここで、該化合物は、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンである。
【0121】
幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩は、非晶質形態である。幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩は、結晶化形態である。幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩の結晶化形態は、120.5℃(±2℃)で融点を有する。
【0122】
幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩の結晶化形態は、x線粉末回折図(XRPD:x-ray powder diffractogram)において、角度7.3、14.6、18.4及び24.9でピークを示す。幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩の結晶化形態は、1以上のXRDピークを、18.0、24.2、28.3及び29.5から選択される角度で示す。幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩の結晶化形態は、1以上のXRDピークを、18.6、22.3、23.0及び23.5から選択される角度で示す。
【0123】
特定の実施態様において、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンの結晶多形は、XRPDによって次数2-XRPD分析によるシータ角度として表される下記のメインピークによって特徴付けられ:7.3、14.6、23.5及び28.4(各時間±0.2)、且つさらに、次数2-シータ角度として表される下記の追加のピークを示し得:12.1、17.3、18.4、23.0;24.2、24.9、27.4及び29.1(各時間±0.2)、さらに任意的に、次数2-シータ角度として表される下記の追加のピークを示しうる:13.7、16.3、16.9、18.1、22.4及び29.6(各時間±0.2)。
【0124】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の表1から選択される化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【0125】
【0126】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の表2から選択される化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【0127】
【0128】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の表3から選択される化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【0129】
【0130】
幾つかの実施態様において、本明細書に記載されている化合物は、硫酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アスコルビン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、トリフラート、マレイン酸塩、メシル酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、及びスルホン酸塩から選択される塩の形態である。幾つかの実施態様において、本明細書に記載されている化合物は、アルキルスルホン酸塩又はアリールスルホン酸塩としての塩の形態である。幾つかの実施態様において、本明細書に記載されている化合物は、メシレート、トリフラート、エジシレート、ベシレート及びトシレートとしての塩の形態である。
【0131】
1つの観点において、本発明は、本明細書に記載されている化合物の代謝物を提供する。幾つかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載されている化合物のN-グルクロニド代謝物を提供する。幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載されている化合物のN-グルクロニド代謝物を投与することを含む上記方法を提供する。
【0132】
幾つかの実施態様において、本発明は、下記の式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【化55】
ここで、変数V、Z、R、R’、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りであり、但し、該化合物は下記の化合物でない。
【化56】
【0133】
幾つかの実施態様において、本発明は、下記の式(IVa)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【化57】
ここで、変数R、R’、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りであり、但し、該化合物は下記の化合物でない。
【0134】
幾つかの実施態様において、本発明は、下記の式(IVb)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【化58】
ここで、変数R、R’、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りであり、但し、該化合物は下記の化合物でない。
【化59】
【0135】
幾つかの実施態様において、本発明は、下記の式(IVc)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【化60】
ここで、変数R、R’、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0136】
幾つかの実施態様において、本発明は、下記の式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【化61】
ここで、変数R、R’及びnのそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りであり、但し、該化合物は下記の化合物でない。
【化62】
【0137】
幾つかの実施態様において、本発明は、下記の式(IVd)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【化63】
ここで、変数R、R’及びR”のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りであり、但し、該化合物は下記の化合物でない。
【化64】
【0138】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVc)、式(IVb’)及び式(IVd)のいずれか1つの化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【0139】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、下記の式の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【化65】
【0140】
幾つかの実施態様において、本発明は、上記で定義された、炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する為の使用の為の、下記の式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【化66】
ここで、V、Z、R、R’、n及びn’は、上記で定義された通りである。
【0141】
本発明は、上記で定義された、炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する為の使用の為の、下記の式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩をさらに提供する。ここで、該化合物は、下記の式(IVb)の化合物である。
【化67】
ここで、R、n、R’及びn’は、上記で定義された通りである。
【0142】
上記で定義された、炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する為の使用の為の、下記の式(IVb)の化合物又はその医薬的に許容される塩がさらに本明細書において提供される。ここで、該化合物が、式(IVb’)の化合物である。
【化68】
ここで、R、n、R’及びn’は、上記で定義された通りである。
【0143】
上記で定義された、炎症性の疾病、障害又は状態を処置及び/又は予防する為の使用の為の、下記の式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩がさらに本明細書において提供される。ここで、該化合物が、下記の化合物である。
【化69】
【0144】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、本明細書において記載された化合物若しくはその医薬的に許容される塩又はその代謝物のレベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、本明細書において記載された化合物若しくはその医薬的に許容される塩又はその代謝物のレベルは、患者の生物学的サンプルにおいて測定される。幾つかの実施態様において、患者の生物学的サンプルは、血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプルである。
【0145】
更なる実施態様において、本発明は、患者を処置する為の上記で定義された使用の為の、化合物(I)、(Ib)、(Ib’)、(IV)、(IVb)又は(IVb’)を提供し、ここで、上記で定義された式(I)、式(Ib)、式(Ib’)、式(IV)、式(IVb)若しくは式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、該患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルが上記使用の間に測定される。
【0146】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ib’)、式(Ic)及び式(Id)の化合物又はその医薬的に許容される塩のレベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVb’)、式(IVc)及び式(IVd)の化合物又はその医薬的に許容される塩のレベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、式(I)及び式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、式(I)及び式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、式(Ia)及び式(IVa)の化合物又はその医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、式(Ib)及び式(IVb)の化合物又はその医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、式(Ib’)及び式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、式(Ic)及び式(IVc)の化合物又はその医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者における、式(Id)及び式(IVd)の化合物又はその医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。
【0147】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者におけるバイオマーカーの存在及び/又はレベルを測定すること及び/又は監視することを含む。幾つかの実施態様において、バイオマーカーの存在及び/又はレベルが、患者の生物学的サンプルにおいて測定される。幾つかの実施態様において、患者の生物学的サンプルが血液サンプルである。幾つかの実施態様において、患者の生物学的サンプルが組織サンプルである。幾つかの実施態様において、本発明の方法において測定された及び/又は監視されたバイオマーカーが、国際公開第2014/111892号パンフレットに記載されたmiR-124であり、該パンフレットの全内容が参照により本明細書内に取り込まれる。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物を投与する前に、患者におけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置の過程の間に、患者におけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者におけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することによって、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置の為の患者を選択することを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者におけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することによって、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置から患者を除くことを含む。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法はさらに、患者におけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することによって、患者に投与されるべき、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物の投与レジメン(例えば、投与量及び/又は投与スケジュール)を調整すること(例えば、増量すること又は減量すること)を含む。
【0148】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の本発明の方法は、患者におけるmiR-124の測定された発現レベルを対照参照値と比較することを含む。患者におけるmiR-124の測定された発現レベルを比較する為に使用されるべき対照参照値は、対照サンプルから得られる。対照サンプルは、様々な起源から取得されることができる。幾つかの実施態様において、対照サンプルは、処置の前に又は疾病の存在の前に、患者から採取される(例えば、保存血液サンプル又は組織サンプル)。幾つかの実施態様において、対照サンプルは、集団の正常な、非疾病のメンバーの組から採取される。幾つかの実施態様において、対照サンプルは、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置前に、患者から採取される。幾つかの実施態様において、細胞アッセイが、生物学的サンプルにおいて実行されることができる。
【0149】
幾つかの実施態様において、対照参照値と比較して患者におけるmiR-124の調節された存在及び/又は発現レベルは、炎症性の疾病、障害又は状態を示す。幾つかの実施態様において、対照参照値と比較して患者におけるmiR-124の調節された存在及び/又は発現レベルは、患者に投与される本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置の有効性を示す。語「調節」又は「調節された存在及び/又は発現レベル」は、バイオマーカーの存在又は発現レベルが誘発されるか若しくは増加されるか、又は、代替的に、抑制されるか若しくは減少されるかのいずれかであることを意味する。
【0150】
幾つかの実施態様において、対照参照値に相対的なmiR-124の、測定された、減少された若しくは抑制された存在又は減少された発現レベルは、炎症性の疾病、障害又は状態を示す。幾つかの実施態様において、対照参照値に相対的なmiR-124の、測定された、誘発された又は増加された存在又は増加された発現レベルは、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物の有効性を示す。幾つかの実施態様において、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物で処置された患者におけるmiR-124の測定された発現レベルは、対照参照値に相対的に、2倍、4倍、6倍、8倍、又は10倍の増加である。
【0151】
従って、特定の実施態様において、本発明はさらに、患者を処置する為の、上記で定義された使用の為の、式(I)、式(Ib)、式(Ib’)、式(IV)、式(IVb)若しくは式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供し、ここで、該患者の血液及び/又は組織のサンプルにおけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルが、上記使用の前及び/又は間に測定される。
【0152】
幾つかの実施態様において、本発明は、疾病、障害若しくは状態の重症度を監視する為に及び/又は処置、例えば本明細書に記載された処置であるがこれらに限定されない処置を包含する処置、の有効性を監視する為に、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは式(I)若しくは式(IV)の化合物若しくはその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムを提供する。幾つかの実施態様において、本明細書に記載された処置方法は、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは式(I)若しくは式(IV)の化合物若しくはその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムを使用して、疾病、障害若しくは状態の重症度を監視すること及び/又は処置の有効性を監視することを含む。
【0153】
本発明に従う使用の為の化合物であって、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは本明細書の上記で定義された式(I)若しくは式(IV)の化合物若しくはその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムが疾病、障害若しくは状態の重症度を監視する為に及び/又は処置の有効性を監視する為に使用されるところの上記使用の為の化合物が本明細書においてさらに提供される。
【0154】
本発明に従う使用の為の化合物であって、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは本明細書の上記で定義された式(I)若しくは式(IV)の化合物若しくはその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムが上記使用又は処置の為の患者を選択する為に使用されるところの上記使用の為の化合物が本明細書においてさらに提供される。
【0155】
疾病、障害若しくは状態の重症度を監視する為に及び/又は処置の有効性を監視する為に、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは本明細書の上記で定義された式(I)若しくは式(IV)の化合物若しくはその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムが本明細書においてさらに提供される。
【0156】
従って、特定の実施態様において、本発明はさらに、上記に定義された使用の為の、式(I)、(Ib)、(Ib’)、(IV)、(IVb)又は(IVb’)の化合物であって、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは本明細書の上記で定義された式(I)若しくは式(IV)の化合物若しくはその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムが障害若しくは状態の重症度を監視する為に及び/又は処置の有効性を監視する為に使用されるところの上記化合物が本明細書においてさらに提供される。
【0157】
使用、処方及び投与
【0158】
医薬的に許容される組成物
【0159】
他の実施態様に従うと、本発明は、本発明の化合物又はその医薬的に許容される誘導体、及び医薬的に許容される担体、助剤又はビヒクルを含む組成物を提供する。或る実施態様において、本発明の組成物は、そのような組成物を必要とする患者に投与する為に製剤化される。幾つかの実施態様において、本発明の組成物は、患者への経口投与の為に製剤化される。
【0160】
本明細書において使用される場合に、語「患者」は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト、を意味する。
【0161】
語「医薬的に許容される担体、助剤又はビヒクル」は、製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない、無毒の、担体、助剤又はビヒクルを云う。本発明の組成物において使用されうることができる医薬的に許容される担体、助剤又はビヒクルは、下記を包含するが、これらに限定されるものでない:イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルローナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂。
【0162】
「医薬的に許容される誘導体」は、レシピエントに投与することに応じて、直接的又は間接的にのいずれかで本発明の化合物又はその活性代謝物若しくは残基を提供することができる、本発明の化合物の任意の、非毒性の、塩、エステル、エステルの塩、又はその他の誘導体を意味する。
【0163】
本発明に好適な「生物学的サンプル」は、生体液、例えば血液、血漿若しくは血清、唾液、間質液、又は尿サンプル;細胞サンプル、例えば細胞培養物、細胞株、又はPBMCサンプル、組織生検、例えば口腔組織、胃腸組織、皮膚、口腔粘膜のサンプル、又は臨床試験からの複数のサンプルであることができる。
【0164】
生物学的サンプルは、粗サンプルであることができ、又は、保管、処理若しくは測定の前に様々な程度に精製されることができる。幾つかの実施態様において、生物学的サンプルは、生物学的組織サンプル、全血サンプル、綿棒サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、唾液サンプル、膣液サンプル、精子サンプル、咽頭液サンプル、滑液サンプル、気管支又は胸膜液サンプル、糞便液サンプル、脳脊髄液サンプル、涙液サンプル、及び組織培養上清サンプルからなる群から選択される。
【0165】
本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、局所的に、直腸的に、鼻腔的に、頬側に、膣内に、又は移植されたリザーバーを介して投与されうる。語「非経口」は、本明細書において使用される場合に、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内及び頭蓋内の注射又は注入技術を包含する。好ましくは、該組成物は、経口的に、腹腔内に又は静脈内に投与される。本発明の組成物の無菌注射形態は、水性又は油性の懸濁物でありうる。これらの懸濁物は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、当技術分野において知られている技術に従って製剤化されることができる。無菌の注射可能な調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能な溶液又は懸濁物でありうる。使用されうる許容可能なビヒクル及び溶媒のうち、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油は慣用的に、溶媒又は懸濁媒体として使用される。
【0166】
この目的の為に、合成のモノグリセリド又はジグリセリドを包含する任意の刺激の少ない不揮発性油が使用されうる。脂肪酸、例えばオレイン酸、及びそのグリセリド誘導体は、特にポリオキシエチル化されたバージョンにおいて、天然の医薬的に許容される油、例えばオリーブ油又はヒマシ油、として、注射剤の調製において有用である。これらの油性溶液又は懸濁物はまた、乳濁液及び懸濁物を含む医薬的に許容される投与形態の製剤で一般的に使用される、長鎖アルコール希釈剤又は分散剤、例えばカルボキシメチルセルロース又は同様の分散剤、を含みうる。一般的に使用される界面活性剤、例えばツイン(Tweens)、スパン(Spans)、及び他の乳化剤又は、医薬的に許容される固形、液体若しくは他の投与形態の製造においても一般的に使用されるバイオアベイラビリティエンハンサー、がまた、製剤化の目的の為に使用されうる。
【0167】
本発明の医薬的に許容される組成物は、任意の経口的に許容される投与形態、例えばカプセル、錠剤、水性懸濁物又は溶液を含むがこれらに限定されない投与形態、で経口的に投与されうる。経口使用の為の錠剤の場合、一般的に使用される担体は、ラクトース及びコーンスターチを包含する。滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、がまた、典型的に添加される。カプセル形態における経口投与の場合、有用な希釈剤は、ラクトース及び乾燥されたコーンスターチを包含する。水性懸濁物が経口使用の為に必要である場合、活性成分は乳化剤及び懸濁剤と組み合わされる。必要に応じて、或る甘味料、香料又は着色剤がまた、添加されうる。
【0168】
代替的には、本発明の医薬的に許容される組成物は、直腸投与の為の坐剤の形態において投与されうる。これらは、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、それ故に直腸において溶融して薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することによって調製されることができる。そのような材料は、カカオバター、蜜蝋、及びポリエチレングリコールを包含する。
【0169】
本発明の医薬的に許容される組成物はまた、特に、処置の対象が、局所適用、例えば眼、皮膚又は下部腸管の疾患を包含する局所適用、によって容易にアクセス可能な領域又は器官を包含する場合、局所的に投与されうる。好適な局所製剤が、これらの領域又は器官のそれぞれの為に容易に調製される。
【0170】
下部腸管の為の局所施与は、直腸坐剤製剤(上記を参照)において又は好適な浣腸製剤において行われることができる。局所的に経皮パッチがまた使用されうる。
【0171】
局所施与の為に、用意された医薬的に許容される組成物は、1以上の担体中に懸濁された又は溶解された有効成分を含む好適な軟膏において製剤化されうる。本発明の化合物の局所施与の為の担体は、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス及び水を包含するが、これらに限定されない。代替的には、用意された医薬的に許容される組成物は、1以上の医薬的に許容される担体中に懸濁された又は溶解された活性成分を含む好適なローション又はクリームにおいて製剤化されることができる。
【0172】
好適な担体は、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水を包含するが、これらに限定されない。
【0173】
眼科での使用の為に、用意された医薬的に許容される組成物は、等張のpH調整された滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁物として、又は好ましくは等張のpH調整された滅菌生理食塩水中の溶液として、防腐剤、例えばベンジルアルコニウムクロリド、の有り又は無しのいずれかで製剤化されうる。代替的には、眼科での使用の為に、該医薬的に許容される組成物は、軟膏、例えばワセリン、において製剤化されうる。
【0174】
本発明の医薬的に許容される組成物はまた、鼻エアロゾル又は吸入によって投与されうる。そのような組成物は、医薬製剤の分野で周知の技術に従って調製され、且つベンジルアルコール又は他の好適な防腐剤、バイオアベイラビリティを高める吸収促進剤、フルオロカーボン及び/又は他の慣用的な可溶化剤若しくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製されうる。最も好ましくは、本発明の医薬的に許容される組成物は、経口投与の為に製剤化される。そのような製剤は、食物と共に又は食物無しで投与されうる。
【0175】
幾つかの実施態様において、本発明の医薬的に許容される組成物は、食物無しで投与される。他の実施態様において、本発明の医薬的に許容される組成物は、食物と共に投与される。
【0176】
単一の剤形において組成物を生成する為に担体材料と一緒にされうる本発明の化合物の量は、処置される宿主、投与の特定の様式に依存して変化するであろう。好ましくは、用意される組成物は、0.01~100mg/kg体重/日の投与量の阻害剤がこれらの組成物を受け取る患者に投与されることができるように製剤化されるべきである。
【0177】
任意の患者についての特定の投与量及び処置計画は、様々な要因、例えば使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与の時間、排泄率、薬物の組み合わせ、及び処置を行う医師の判断、並びに処置される特定の疾患の重症度を包含する様々な要因、に依存するであろうことがまた理解されるべきである。該組成物中の本発明の化合物の量はまた、該組成物中の特定の化合物に依存するだろう。
【0178】
化合物及び医薬的に許容される組成物の使用
【0179】
本明細書に記載された化合物及び組成物は一般に、炎症性の疾病、障害又は状態に有用である。
【0180】
本明細書において使用される場合に、語「処置」、「処置する」及び「処置している」は、本明細書に記載された疾病若しくは障害又は1以上のそれらの症状の発症を逆転する、緩和する、遅延する、又はそれらの進展を阻止することを云う。幾つかの実施態様において、処置は、1以上の症状が展開された後に施されることができる。他の実施態様において、処置は症状がない場合に施されることができる。例えば、処置は、症状の発症前に、感受性の高い個体に施されうる(例えば、症状の病歴に照らして及び/又は遺伝的若しくは他の感受性因子に照らして)。処置はまた、症状が解消した後、例えばそれらの再発を予防し又は遅延させる為に継続されうる。
【0181】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物又は組成物を投与することを含む上記方法を提供する。
【0182】
炎症の疾病、障害又は状態
【0183】
本明細書に記載された化合物は、炎症性又は閉塞性気道疾病の処置において有用であり、例えば、組織損傷、気道炎症、気管支過敏性、リモデリング又は疾病患進行の減少を結果として生じる。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、炎症性又は閉塞性気道疾病、例えば内因性(非アレルギー性)喘息及び外因性(アレルギー性)喘息の両方を含むあらゆる種類又は起源の喘息、軽度の喘息、中庸度の喘息、重度の喘息、気管支喘息、運動誘発性喘息、職業性喘息、及び細菌感染後に誘発される喘息を包含する炎症性又は閉塞性気道疾病、である。喘息の処置はまた、喘鳴症状を示し且つ「喘鳴乳幼児」(主要な医学的懸念の確立された患者カテゴリーであり、且つ現在、初期又は初期段階の喘息患者としてしばしば識別されている)と診断され又は診断可能な、対象者、例えば4歳又は5歳未満の対象者、の処置を包含するものとして理解されるべきである。
【0184】
本明細書に記載された化合物は、異種免疫疾病の治療に有用である。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、異種免疫疾病、例えば移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー(例えば、植物花粉、ラテックス、薬物、食品、昆虫毒、動物の毛、動物の鱗屑、ダニのほこり又はゴキブリの萼に対するアレルギー)、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、及びアトピー性皮膚炎を包含するが、それらに限定されない異種免疫疾病、である。
【0185】
喘息の処置における予防効果は、症候性発作の低下された頻度又は重症度、例えば、急性喘息若しくは気管支収縮薬の発作の低下された頻度若しくは重症度、肺機能における改善、又は改善された気道過敏性、によって証明されるだろう。それはさらに、他の対症療法、症候性発作が生じた場合に、症候性発作を制限若しくは中止する為の治療又は該制限若しくは中止を意図された治療、例えば抗炎症薬又は気管支拡張薬、についての低下された必要性によって証明されうる。喘息における予防効果は特に、「モーニングディップ」(morning dipping)を起こしやすい対象に見られうる。「モーニングディップ」は、約午前4時~約午前6時の間、すなわち、以前に投与された症候性喘息療法から通常は実質的に離れた時間で、喘息のかなりの割合に共通し、且つ喘息発作によって特徴付けられる、認識されている喘息症候群である。
【0186】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、急性肺損傷(ALI:acute lung injury)、成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS:adult/acute respiratory distress syndrome)、慢性閉塞性肺、気道又は肺の疾病(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)、COAD(chronic obstructive airways disease)若しくは慢性気管支炎若しくはそれに関連付けられた呼吸困難を包含するCOLD(chronic obstructive lung disease)、肺気腫、並びに他の薬物療法、特に他の吸入薬物療法、に起因する気道過敏性から選択される。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は気管支炎であり、ここで、該気管支炎は、あらゆる種類又は起源の気管支炎、例えば急性気管支炎、アラキジン酸気管支炎、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、慢性気管支炎又は結核性気管支炎を包含するが、これらに限定されない気管支炎、である。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、あらゆる種類又は起源の塵肺症(炎症性の、一般的には職業性の、肺の疾病、慢性であろうと急性であろうと、気道閉塞を頻繁に伴い、且つ粉塵の繰り返し吸入によって引き起こされる)、例えばアルミニウム症、炭粉症、アスベスト症(asbestosis)、石粉症(chalicosis)、睫毛脱落症(ptilosis)、鉄沈着症、珪肺症、タバコ中毒症及び綿肺症を包含する塵肺症、である。
【0187】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は好酸球関連障害、例えば好酸球増加症、である。幾つかの実施態様において、好酸球関連障害は、気道の好酸球関連障害(例えば、肺組織の病的な好酸球浸潤を包含する)、例えば気道及び/又は肺に影響を与える高好酸球増加症を包含する好酸球関連障害、並びに、例えばレフラー症候群に起因又は付随する気道の好酸球関連障害、好酸球性肺炎、寄生虫(特に後生動物)の蔓延(熱帯好酸球増加症を包含する)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎(チャーグシュトラウス症候群を包含する)、好酸球性肉芽腫、及び薬物反応によって引き起こされる気道に影響を与える好酸球関連障害である。
【0188】
本明細書に記載された化合物はまた、皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態の処置において有用である。皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態は、乾癬、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、紅斑性狼瘡、全身性エリテマトーデス、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、尋常性ざ瘡、及び他の皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態から選択される。
【0189】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、炎症性の要素を有する疾病又は状態、例えば、眼の疾病及び状態、例えば眼のアレルギー、結膜炎、乾性角結膜炎、ブドウ膜炎及び春季カタル(uveitis and vernal conjunctivitis)、鼻に影響を与える疾病及び状態(アレルギー性鼻炎を包含する)、自己免疫反応が関与している又は自己免疫成分若しくは病因を有する炎症性疾患(自己免疫性血液疾患(例えば、溶血性貧血、再生不良性貧血、真正赤血球性貧血、及び特発性血小板減少症)を包含する)、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、多発性軟骨炎、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性肝炎、重症筋無力症、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー(idiopathic sprue)、自己免疫炎症性腸疾病(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病)、過敏性腸症候群、セリアック病、歯周炎、肺硝子膜症、腎疾患、糸球体疾患、アルコール性肝疾患、多発性硬化症、内分泌性眼障害、グレーブス病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎(前部及び後部)、シェーグレン症候群、乾性角結膜炎、ブドウ膜炎、及び春季カタル(vernal keratoconjunctivitis)、間質性肺線維症、乾癬性関節炎、全身性若年性特発性関節炎、クリオピリン関連周期性症候群、マックル・ウェルズ症候群、腎炎、血管炎、憩室炎、間質性膀胱炎、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群の有り又は無し、例えば特発性のネフローゼ症候群又はマイナーチェンジ腎症を包含する)、慢性肉芽腫症、子宮内膜症、レプトスピラ症腎疾患、緑内障、網膜症、加齢、頭痛、痛み、複合性局所疼痛症候群、心肥大、筋消耗、異下障害、肥満、胎児発育遅延、腸不全、高コレステロール血症、心臓病、慢性心不全、中皮腫、無汗性外胚葉性異形成、ベーチェット病、色素失調症、パジェット病、急性又は慢性膵臓炎、遺伝性周期性発熱症候群、喘息(アレルギー性及び非アレルギー性、軽度、中等度、重度、気管支炎、及び運動誘発性)、急性肺損傷、急性呼吸促迫症候群、好酸球増加症、過敏症、アナフィラキシー、鼻の副鼻腔炎、眼のアレルギー、シリカ誘発された疾病(silica induced diseases)、COPD(損傷の軽減、気道炎症、気管支過敏性、リモデリング、又は疾病進行)、肺疾患、嚢胞性繊維症、酸誘発された肺損傷、肺高血圧症、多発ニューロパチー、白内障、全身性硬化症に関連する筋肉の炎症、封入体筋炎、重症筋無力症、甲状腺炎、アディソン病、扁平苔癬、1型糖尿病又は2型糖尿病、虫垂炎、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頸管炎、胆管炎、胆嚢炎、慢性移植片拒絶反応、大腸炎、結膜炎、クローン病、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合織炎、胃炎、胃腸炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、肝炎、化膿性汗腺炎、イムノグロブリンA腎症、間質性肺疾患、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵臓炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、間質性肺炎、肺炎、多発性筋炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、又は外陰炎である。
【0190】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、腎臓、肝臓、心臓、肺の移植における急性若しくは慢性の移植片拒絶反応、又は骨髄移植における移植片対宿主病である。
【0191】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、皮膚の炎症性の疾病、障害又は状態である。幾つかの実施態様において、皮膚の炎症性の疾病、障害又は状態は、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、及び他の皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態から選択される。
【0192】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、急性及び慢性の痛風、慢性痛風性関節炎、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、若年性リウマチ性関節炎、全身性若年性特発性関節炎(SJIA:Systemic jubenile idiopathic arthritis)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS:Cryopyrin Associated Periodic Syndrome)、マックル・ウェルズ症候群、及び骨関節炎から選択される。
【0193】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、TH17を介在した疾病である。幾つかの実施態様において、TH17を介在した疾病は、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、及び炎症性腸疾病(クローン病又は潰瘍性大腸炎を包含する)から選択される。
【0194】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、シェーグレン症候群、アレルギー性障害、骨関節炎、眼の状態、例えば眼のアレルギー、結膜炎、乾性角結膜炎及び春季カタル、並びに鼻に影響を与える疾病、例えばアレルギー性鼻炎、から選択される。
【0195】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、移植に関連付けられる。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、臓器移植、臓器移植拒絶反応及び/又は移植片対宿主病に関連付けられる。
【0196】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、自己免疫障害である。幾つかの実施態様において、自己免疫障害は、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬、ベーチェット病、POEMS症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、軸性脊椎関節炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、又は炎症性腸疾病である。
【0197】
幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、炎症性障害である。幾つかの実施態様において、炎症性障害は、リウマチ性関節炎、喘息、慢性閉塞性肺疾病、乾癬、肝腫大、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、軸性脊椎関節炎、原発性胆汁性肝硬変、リウマチ性多発筋痛症、巨細胞性動脈炎、又は炎症性腸疾病である。
【0198】
幾つかの実施態様において、本発明は、膵臓における、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、膵臓における、炎症性の疾病、障害又は状態は、1型糖尿病、2型糖尿病、急性膵炎、及び慢性膵炎から選択される。
【0199】
幾つかの実施態様において、本発明は、腎臓における、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、腎臓における、炎症性の疾病、障害又は状態は、糸球体硬化症、糸球体腎炎、腎炎、急性腎障害、ベルガー病(Berger’s disease)、グッドパスチャー症候群(Goodpasture’s syndrome)、ヴェグナー肉芽腫症(Wegener’s granulomatosis)、及び腎移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される。
【0200】
幾つかの実施態様において、本発明は、肝臓における、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、炎症性の疾病、障害又は状態は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾病(NAFLD)、胆汁うっ滞性肝疾病、硬化性胆管炎、及び肝移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される。
【0201】
上記で定義された使用の為の、上記で定義された式(I)、式(Ib)又は式(Ib’)の化合物が本明細書においてさらに提供され、ここで、上記炎症性の疾病、障害又は状態が、肝臓における、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾病(NAFLD)、胆汁うっ滞性肝疾病、硬化性胆管炎、及び肝移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される。
【0202】
非アルコール性脂肪性肝疾病(NAFLD)は実際には、非アルコール性脂肪性肝(NAFL)から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に至るまでの様々な病気を網羅する。最近の上記疾病の診断は、侵襲性である肝生検を意味する。加えて、適切な処置を受ける必要がある。
【0203】
NAFLDは、主に大滴性脂肪変性によって特徴付けられ、及び肝細胞の5%超の目に見える脂肪症の存在は、脂肪肝の実用的な定義として一般的に受け入れられている。NAFLD活性スコア(NAS:NAFLD activity score)は一般的に、肝生検において観察された進行中の肝損傷の重症度の評価から、疾病活性を定義及び定量化するために使用される。従って、NASはNASHの活性を評価する為の臨床エンドポイントの1つである(Sanyal AJ.Et al.,Hepatology,2011;54:344)。スコアリングは、脂肪症(0-3)、炎症(0-3)、及び肝細胞性のバルーニング(0-2)の重症度の評価に基づく。
【0204】
本明細書の下記の実施例2から明らかである通り、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン及びその下記の式の代謝物が、非アルコール性脂肪性肝炎のSTAMモデル、すなわちNASHの処置における化合物の活性を評価する為の十分に確立されたモデル、で試験された。
【化70】
上記化合物は両方とも、胆汁うっ滞性肝疾病、硬化性胆管炎及びNAFLD、例えばNAFL及びNASHを包含するNAFLD、の処置においてそれらの使用を予測して、ビヒクル集団と比較して、NASにおける減少傾向を示した。
【0205】
その上、なお実施例2、下記の項目4.3及び4.4、で示されている通り、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンは、アルファー-SMAを減少させ、且つ肝臓におけるF4/80-陽性領域を減少させる。
【0206】
幾つかの実施態様において、本発明は、肺又は心臓における炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、肺における、炎症性の疾病、障害又は状態は、慢性閉塞性肺疾病(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)、喘息、肺線維症、肺高血圧症、サルコイドーシス、心筋炎、心膜炎、及び肺又は心臓の移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される。
【0207】
上記で定義された使用の為の、上記で定義された式(I)、式(Ib)又は式(Ib’)についての化合物が本明細書においてさらに提供され、ここで、上記炎症性の疾病、障害又は状態が、慢性閉塞性肺疾病(COPD)、喘息、肺線維症、肺高血圧症、サルコイドーシス、心筋炎、心膜炎、及び肺又は心臓の移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される。
【0208】
下記の実施例3から明らかである通り、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンが、スーゲン低酸素モデル(Sugen hypoxia model)において試験された場合、70mg/kgで平均肺動脈圧を低下させる傾向を示した。
【0209】
下記の実施例4から明らかである通り、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンが、肺高血圧症のラットモノクロタリンモデルにおいてモノクロタリンによって肺高血圧症が誘発されたメスラットの肺圧を有意に低下させる。
【0210】
上記の全ての結果は、肺線維症、肺高血圧症、サルコイドーシス、心筋炎及び心膜炎の処置におけるそれらの使用を予測するものである。
【0211】
幾つかの実施態様において、本発明は、皮膚における、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、皮膚における、炎症性の疾病、障害又は状態は、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、にきび、ケロイド瘢痕、及び他の皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態から選択される。
【0212】
幾つかの実施態様において、本発明は、血管/血液における、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、血管/血液における、炎症性の疾病、障害又は状態は、ベーチェット病、血管炎、敗血症、腫瘍血管新生、アテローム性動脈硬化症、増殖性血管疾病、及び再狭窄から選択される。
【0213】
幾つかの実施態様において、本発明は、眼における、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、眼における、炎症性の疾病、障害又は状態は、結膜炎、強膜炎、上強膜炎、全ブドウ膜炎、脈絡膜炎、脈絡網膜炎、神経網膜炎、ブドウ膜炎、眼窩炎症性疾病、及び視神経炎から選択される。
【0214】
幾つかの実施態様において、本発明は、中枢神経系又は末梢神経系における、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、中枢神経系又は末梢神経系における、炎症性の疾病、障害又は状態は、非ウイルス性及びウイルス性脳炎及び髄膜炎、うつ病、慢性疼痛を包含する神経障害性疼痛、脳卒中を包含する外傷性脳損傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、脊髄炎、シャルコー・マリー・トゥース病1型(CMT1A及びCMT1Bを包含する)、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、クロイツフェルト・ヤコブ病、脱髄性多発神経障害、及び末梢神経障害から選択される。
【0215】
幾つかの実施態様において、本発明は、自己免疫の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、自己免疫の疾病、障害又は状態は、皮膚及び腎臓における狼瘡を包含する狼瘡、ギランバレー症候群、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、特発性紫斑病、再生不良性貧血、レーブス病、及び心筋炎から選択される。
【0216】
幾つかの実施態様において、本発明は、腸における、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、腸における、炎症性の疾病、障害又は状態は、腸不全、潰瘍性大腸炎、及びクローン病から選択される。
【0217】
幾つかの実施態様において、本発明は、生殖システムにおける、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、生殖システムにおける、炎症性の疾病、障害又は状態は、子宮内膜症、子宮筋腫、前立腺異形成又は成長、及び子宮頚部異形成から選択される。
【0218】
幾つかの実施態様において、本発明は、骨及び/又は関節における、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法を提供する。幾つかの実施態様において、骨及び/又は関節における、炎症性の疾病、障害又は状態は、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、歯周炎、及び、手、足、足首、膝、腰、肩、肘又は脊柱の関節炎及び/又は脱ミネラル化から選択される。
【0219】
併用療法
【0220】
処置されるべき特定の状態又は疾病に依存して、その状態を処置する為に通常投与される追加の治療剤は、本明細書に記載された化合物及び組成物と組み合わられて投与されうる。本明細書において使用される場合に、特定の疾病又は状態を処置する為に通常投与される追加の治療剤は、「処置される、疾病又は状態の為に適切である」として知られている。
【0221】
或る実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物又は組成物を他の治療剤と組み合わせて投与することを含む上記方法を提供する。
【0222】
それらの追加の剤は、複数の投与レジメンの一部として、用意された併用療法とは別に投与されうる。代替的には、それらの剤は、単一の剤形の一部であり得、単一の組成物中において、本発明の化合物と一緒に混合されうる。複数の投与レジメンの一部として投与される場合、2つの活性剤は、同時に、逐次に、又は互いに一定期間内に、通常は互いに5時間以内に、与えられうる。
【0223】
本明細書において使用される場合に、語「組み合わせ」、語「組み合わせられた」及び関連する語は、本発明に従う剤の同時又は逐次の投与を云う。例えば、本発明の組み合わせは、別の治療剤と、個々の単位剤形で同時に若しくは逐次に、又は単一の単位剤形で一緒に、投与されうる。
【0224】
本発明の組成物中に存在する追加の治療剤の量は、その治療剤を唯一の活性剤として含む組成物において通常投与される量を超えないであろう。好ましくは、現在開示されている組成物中の追加の治療剤の量は、唯一の治療活性剤としてその剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%~約100%の範囲であるだろう。
【0225】
該組み合わせは、相加効果又は相乗効果を結果として生じ得、ここで、化合物の一方若しくは両方のより低い用量が使用されて、同様の有効性を得られうるか、又は同じ用量が有意に改善された有効性を結果として生じうる。
【0226】
幾つかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載された化合物と1以上の追加の治療剤とを含む組成物を提供する。該治療剤は、本明細書に記載された化合物と一緒に投与されうるか、又は本明細書に記載された化合物の投与の前に若しくはその後に投与されうる。好適な治療剤は、以下においてさらに詳細に記載されている。或る実施態様において、本明細書に記載された化合物は、治療剤の5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、又は18時間の前まで投与されうる。或る実施態様において、本明細書に記載された化合物は、治療剤の5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、又は18時間の後まで投与されうる。
【0227】
幾つかの実施態様において、本発明は、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物及び1以上の追加の治療剤を投与することによって、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する方法を提供する。そのような追加の治療剤は、小分子又は組換え生物学的薬剤であり得、且つ、例えば、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS:non-steroidal anti-inflammatory drugs)、例えばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(商標))及びセレコキシブ、コルヒチン(Colcrys(商標))、コルチコステロイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン等、プロベネシド、アロプリノール、フェブキソスタット(Uloric(商標))、スルファサラジン(Azulfidine(商標))、抗マラリア薬、例えばヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))及びクロロキン(Aralen(商標))、メトトレキサート(Rheumatrex(商標))、金塩、例えば金チオグルコース(Solganal(商標))、金チオマレート(Myochrysine(商標))及びオーラノフィン(Ridaura(商標))、D-ペニシラミン(Depen(商標)又はCuprimine(商標))、アザチオプリン(Imuran(商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(商標))、クロラムブシル(Leukeran(商標))、シクロスポリン(Sandimmune(商標)、Neoral(商標))、タクロリムス、シロリムス、ミコフェノレート、レフルノミド(Arava(商標))及び、「抗TNF」剤、例えばエタネルセプト(Enbrel(商標))、インフリキシマブ(Remicade(商標))、ゴリムマブ(Simponi(商標))、セルトリズマブペゴル(Cimzia(商標))及びアダリムマブ(Humira(商標))、「抗IL-1」剤、例えばアナキンラ(Kineret(商標))及びリロナセプト(Arcalyst(商標))、抗T細胞抗体、例えばサイモグロブリン、IVイムノグロブリン(IVIg:IV Immunoglobulins)、カナキヌマブ(Ilaris(商標))、抗ジャック阻害剤(anti-Jak 阻害剤)、例えばトファシチニブ、抗体、例えばリツキシマブ(Rituxan(商標))、「抗T-細胞」剤、例えばアバタセプト(Orencia(商標))、「抗-IL-6」剤、例えばトシリズマブ(Actemra(商標))、ジクロフェナク、コルチゾン、ヒアルロン酸(Synvisc(商標)又はHyalgan(商標))、モノクローナル抗体、例えばタネズマブ、抗凝血剤、例えばヘパリン(Calcinparine(商標)又はLiquaemin(商標))及びワルファリン(Coumadin(商標))、止痢薬、例えばジフェノキシレート(Lomotil(商標))及びロペラミド(Imodium(商標))、胆汁酸結合剤、例えばコレスチラミン、アロセトロン(Lotronex(商標))、ルビプロストン(Amitiza(商標))、便通促進剤、例えばマグネシアミルク、ポリエチレングリコール(MiraLax(商標))、Dulcolax(商標)、Correctol(商標)及びSenokot(商標)、抗コリン剤(anticholinergics)又は鎮痙薬、例えばジサイクロミン(Bentyl(商標))、Singulair(商標)、β2アゴニスト、例えばアルブテロール(Ventolin(商標) HFA、Proventil(商標) HFA)、レブアルブテロール(Xopenex(商標))、メタプロテレノール(Alupent(商標))、酢酸ピルブテロール(Maxair(商標))、硫酸テルブタリン(Brethaire(商標))、キシナホ酸サルメテロール(Serevent(商標))及びホルモテロール(Foradil(商標))、抗コリン作用薬(anticholinergic agents)、例えば臭化イプラトロピウム(Atrovent(商標))及びチオトロピウム(Spiriva(商標))、吸入コルチコステロイド、例えばジプロピオン酸ベクロメタゾン(Beclovent(商標)、Qvar(商標)及びVanceril(商標))、トリアムシノロンアセトニド(Azmacort(商標))、モメタゾン(Asthmanex(商標))、ブデソニド(Pulmocort(商標))及びフルニソリド(Aerobid(商標))、Afviar(商標)、Symbicort(商標)、Dulera(商標)、クロモグリク酸ナトリウム(Intal(商標))、メチルキサンチン、例えばテオフィリン(Theo-Dur(商標)、Theolair(商標)、Slo-bid(商標)、Uniphyl(商標)、Theo-24(商標))、及びアミノフィリン、IgE抗体、例えばオマリズマブ(Xolair(商標))、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、例えばジドブジン(Retrovir(商標))、アバカビル(Ziagen(商標))、アバカビル/ラミブジン(Epzicom(商標))、アバカビル/ラミブジン/ジドブジン(Trizivir(商標))、ジダノシン(Videx(商標))、エムトリシタビン(Emtriva(商標))、ラミブジン(Epivir(商標))、ラミブジン/ジドブジン(Combivir(商標))、スタブジン(Zerit(商標))及びザルシタビン(Hivid(商標))、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、例えばデラビルジン(Rescriptor(商標))、エファビレンツ(Sustiva(商標))、ネビラピン(nevairapine)(Viramune(商標))及びエトラビリン(Intelence(商標))、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、例えばテノホビル(Viread(商標))、プロテアーゼ阻害剤、例えばアンプレナビル(Agenerase(商標))、アタザナビル(Reyataz(商標))、ダルナビル(Prezista(商標))、ホスアンプレナビル(Lexiva(商標))、インジナビル(Crixivan(商標))、ロピナビル及びリトナビル(Kaletra(商標))、ネルフィナビル(Viracept(商標))、リトナビル(Norvir(商標))、サキナビル(Fortovase(商標)又はInvirase(商標))及びチプラナビル(Aptivus(商標))、侵入阻害剤、例えばエンフビルチド(Fuzeon(商標))及びマラビロック(Selzentry(商標))、インテグラーゼ阻害剤、例えばラルテグラビル(Isentress(商標))、ドキソルビシン(Hydrodaunorubicin(商標))、ビンクリスチン(Oncovin(商標))、ボルテゾミブ(Bortezomib) (Velcade(商標))及びレナリドミド(Revlimid(商標))と組み合わせられたデキサメタゾン(Decadron(商標))、抗IL36剤、例えばBI655130、ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤、例えばIMU-838、抗OX40剤、例えばKHK-4083、マイクロバイオーム剤、例えばRBX2660、SER-287、狭域キナーゼ阻害剤、例えばTOP-1288、抗CD40剤、例えばBI-655064及びFFP-104、グアニル酸シクラーゼアゴニスト、例えばドルカナチド、スフィンゴシンキナーゼ阻害剤、例えばオパガニブ、抗IL-12/IL-23剤、例えばAK-101、ユビキチン・タンパク質リガーゼ阻害剤、例えばBBT-401、スフィンゴシン受容体モジュレーター、例えばBMS-986166、P38MAPK/PDE4阻害剤、例えばCBS-3595、CCR9アンタゴニスト、例えばCCX-507、FimHアンタゴニスト、例えばEB-8018、HIF-PH阻害剤、例えばFG-6874、HIF-1α安定剤、例えばGB-004、MAP3K8タンパク質阻害剤、例えばGS-4875、LAG-3抗体、例えばGSK-2831781、RIP2キナーゼ阻害剤、例えばGSK-2983559、ファルネソイドX受容体アゴニスト、例えばMET-409、CCK2アンタゴニスト、例えばPNB-001、IL-23受容体アンタゴニスト、例えばPTG-200、プリン作動性のP2X7受容体アンタゴニスト、例えばSGM-1019、PDE4阻害剤、例えばアプレミラスト、ICAM-1阻害剤、例えばアリカホルセンナトリウム、抗IL23剤、例えばグセルクマブ、ブラジクマブ及びミルキズマブ、抗IL-15剤、例えばAMG-714、TYK-2阻害剤、例えばBMS-986165、NK細胞活性化剤、例えばCNDO-201、RIP-1キナーゼ阻害剤、例えばGSK-2982772、抗NKGD2剤、例えばJNJ-4500、CXCL-10抗体、例えばJT-02、IL-22受容体アゴニスト、例えばRG-7880、GATA-3アンタゴニスト、例えばSB-012及びコロニー刺激因子-1受容体阻害剤、例えばエディコチニブ、又はそれらの任意の1以上の組み合わせ、を包含する。
【0228】
他の実施態様において、本発明は、痛風を処置する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物と、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、例えばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(商標))、及びセレコキシブ、コルヒチン(Colcrys(商標))、コルチコステロイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン等、プロベネシド、アロプリノール、及びフェブキソスタット(Uloric(商標))から選択される1以上の追加の治療剤とを投与することを含む上記方法を提供する。
【0229】
他の実施態様において、本発明は、リウマチ性関節炎を処置する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物と、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、例えばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(商標))、及びセレコキシブ、コルチコステロイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン等、スルファサラジン(Azulfidine(商標))、抗マラリア薬、例えばヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))及びクロロキン(Aralen(商標))、メトトレキサート(Rheumatrex(商標))、金塩、例えば金チオグルコース(Solganal(商標))、金チオマレート(Myochrysine(商標))及びオーラノフィン(Ridaura(商標))、D-ペニシラミン(Depen(商標)又はCuprimine(商標))、アザチオプリン(Imuran(商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(商標))、クロラムブシル(Leukeran(商標))、シクロスポリン(Sandimmune(商標))、レフルノミド(Arava(商標))、及び「抗TNF」剤、例えばエタネルセプト(Enbrel(商標))、インフリキシマブ(Remicade(商標))、ゴリムマブ(Simponi(商標))、セルトリズマブペゴル(Cimzia(商標))及びアダリムマブ(Humira(商標))、「抗IL-1」剤、例えばアナキンラ(Kineret(商標))及びリロナセプト(Arcalyst(商標))、抗体、例えばリツキシマブ(Rituxan(商標))、「抗T-細胞」剤、例えばアバタセプト(Orencia(商標))、及び「抗-IL-6」剤、例えばトシリズマブ(Actemra(商標))、から選択される1以上の追加の治療剤とを投与することを含む上記方法を提供する。
【0230】
幾つかの実施態様において、本発明は、骨関節炎を処置する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物と、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、例えばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(商標))、及びセレコキシブ、ジクロフェナク、コルチゾン、ヒアルロン酸(Synvisc(商標)又はHyalgan(商標))及びモノクローナル抗体、例えばタネズマブ、から選択される1以上の追加の治療剤とを投与することを含む上記方法を提供する。
【0231】
幾つかの実施態様において、本発明は、狼瘡を処置する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物と、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、例えばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(商標))、及びセレコキシブ、コルチコステロイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン等、抗マラリア薬、例えばヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))及びクロロキン(Aralen(商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(商標))、メトトレキサート(Rheumatrex(商標))、アザチオプリン(Imuran(商標))、及び抗凝血剤、例えばヘパリン(Calcinparine(商標)又はLiquaemin(商標))及びワルファリン(Coumadin(商標))、から選択される1以上の追加の治療剤とを投与することを含む上記方法を提供する。
【0232】
幾つかの実施態様において、本発明は、クローン病、潰瘍性大腸炎又は炎症性腸疾病を処置する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物と、メサラミン(Asacol(商標))スルファサラジン(Azulfidine(商標))、止痢薬、例えばジフェノキシレート(Lomotil(商標))及びロペラミド(Imodium(商標))、胆汁酸結合剤、例えばコレスチラミン、アロセトロン(Lotronex(商標))、ルビプロストン(Amitiza(商標))、便通促進剤、例えばマグネシアミルク、ポリエチレングリコール(MiraLax(商標))、Dulcolax(商標)、Correctol(商標)及びSenokot(商標)、及び抗コリン剤又は鎮痙薬、例えばジサイクロミン(Bentyl(商標))、抗TNF療法、ステロイド、及び抗生物質、例えばフラジール又はシプロフロキサシン、から選択される1以上の追加の治療剤とを投与することを含む上記方法を提供する。
【0233】
幾つかの実施態様において、本発明は、喘息を処置する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物と、Singulair(商標)、β2アゴニスト、例えばアルブテロール(Ventolin(商標) HFA、Proventil(商標) HFA)、レブアルブテロール(Xopenex(商標))、メタプロテレノール(Alupent(商標))、酢酸ピルブテロール(Maxair(商標))、硫酸テルブタリン(Brethaire(商標))、キシナホ酸サルメテロール(Serevent(商標))及びホルモテロール(Foradil(商標))、抗コリン作用薬、例えば臭化イプラトロピウム(Atrovent(商標))及びチオトロピウム(Spiriva(商標))、吸入コルチコステロイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(Beclovent(商標)、Qvar(商標)、及びVanceril(商標))、トリアムシノロンアセトニド(Azmacort(商標))、モメタゾン(Asthmanex(商標))、ブデソニド(Pulmocort(商標))、フルニソリド(Aerobid(商標))、Afviar(商標)、Symbicort(商標)、及びDulera(商標)、クロモグリク酸ナトリウム(Intal(商標))、メチルキサンチン、例えばテオフィリン(Theo-Dur(商標)、Theolair(商標)、Slo-bid(商標)、Uniphyl(商標)、Theo-24(商標))、及びアミノフィリン、及びIgE抗体、例えばオマリズマブ(Xolair(商標))、から選択される1以上の追加の治療剤とを投与することを含む上記方法を提供する。
【0234】
幾つかの実施態様において、本発明は、COPDを処置する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物と、β2アゴニスト、例えばアルブテロール(Ventolin(商標) HFA、Proventil(商標) HFA)、レブアルブテロール(Xopenex(商標))、メタプロテレノール(Alupent(商標))、酢酸ピルブテロール(Maxair(商標))、硫酸テルブタリン(Brethaire(商標))、キシナホ酸サルメテロール(Serevent(商標))andホルモテロール(Foradil(商標))、抗コリン作用薬、例えば臭化イプラトロピウム(Atrovent(商標))及びチオトロピウム(Spiriva(商標))、メチルキサンチン、例えばテオフィリン(Theo-Dur(商標)、Theolair(商標)、Slo-bid(商標)、Uniphyl(商標)、Theo-24(商標))及びアミノフィリン、吸入コルチコステロイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(Beclovent(商標)、Qvar(商標)及びVanceril(商標))、トリアムシノロンアセトニド(Azmacort(商標))、モメタゾン(Asthmanex(商標))、ブデソニド(Pulmocort(商標))、フルニソリド(Aerobid(商標))、Afviar(商標)、Symbicort(商標)及びDulera(商標)から選択される1以上の追加の治療剤とを投与することを含む上記方法を提供する。
【0235】
幾つかの実施態様において、本発明は、HIVを処置する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物と、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、例えばジドブジン(Retrovir(商標))、アバカビル(Ziagen(商標))、アバカビル/ラミブジン(Epzicom(商標))、アバカビル/ラミブジン/ジドブジン(Trizivir(商標))、ジダノシン(Videx(商標))、エムトリシタビン(Emtriva(商標))、ラミブジン(Epivir(商標))、ラミブジン/ジドブジン(Combivir(商標))、スタブジン(Zerit(商標))及びザルシタビン(Hivid(商標))、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、例えばデラビルジン(Rescriptor(商標))、エファビレンツ(Sustiva(商標))、ネビラピン(nevairapine)(Viramune(商標))及びエトラビリン(Intelence(商標))、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、例えばテノホビル(Viread(商標))、プロテアーゼ阻害剤、例えばアンプレナビル(Agenerase(商標))、アタザナビル(Reyataz(商標))、ダルナビル(Prezista(商標))、ホスアンプレナビル(Lexiva(商標))、インジナビル(Crixivan(商標))、ロピナビル及びリトナビル(Kaletra(商標))、ネルフィナビル(Viracept(商標))、リトナビル(Norvir(商標))、サキナビル(Fortovase(商標)orInvirase(商標))、及びチプラナビル(Aptivus(商標))、侵入阻害剤、例えばエンフビルチド(Fuzeon(商標))及びマラビロック(Selzentry(商標))、インテグラーゼ阻害剤、例えばラルテグラビル(Isentress(商標))、並びにそれらの組み合わせから選択される1以上の追加の治療剤とを投与することを含む上記方法を提供する。
【0236】
幾つかの実施態様において、本発明は、臓器移植拒絶反応又は移植片対宿主病を処置する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載された化合物と、ステロイド、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、BTK阻害剤、JAK/pan-JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PI3K阻害剤、及びSYK阻害剤から選択される1以上の追加の治療剤とを投与することを含む上記方法を提供する。
【0237】
本発明の方法に従う化合物及び組成物は、炎症性の疾病、障害又は状態の重症度を処置又は軽減する為に有効な任意の量及び任意の投与の経路を使用して投与されうる。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢及び一般的な状態、疾病若しくは状態の重症度、特定の剤、その投与様式等に依存して、対象ごとに異なるであろう。本明細書に記載された化合物は好ましくは、投与の容易さ及び投与量の均一性の為に投薬単位形態で製剤化される。表現「投薬単位形態」は、本明細書において使用される場合に、処置されるべき患者の為に適切な剤の物理的に別個の単位を云う。しかしながら、本発明の化合物及び組成物の毎日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されるであろうことが理解されるであろう。任意の特定の患者又は生物の為の特定の有効用量レベルは、様々な要因、例えば処置されるべき障害、及び障害の重症度;使用されるべき特定の化合物の活性;使用された特定の組成物;患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食事;投与時間、投与の経路、及び使用される特定の化合物の排泄率;処置の期間;使用される特定の化合物との組み合わせて使用される薬物若しくは同時に使用される薬物;並びに、医学技術において周知の同様の要因を包含する様々な要因、に依存するだろう。本明細書において使用される場合に、語「患者」は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト、を意味する。
【0238】
本発明の医薬的に許容される組成物は、処置される感染症の重症度に依存して、経口的に、直腸的に、非経口的に、大槽内的に、膣内的に、腹腔内的に、局所的に(粉末、軟膏又は滴等)、頬側的に、経口若しくは経鼻のスプレー等として、ヒト及び他の動物に投与されることができる。或る実施態様において、本発明の該化合物は、所望の治療効果を得る為に、1日当たり対象の体重の、約0.01mg/kg~約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg~約25mg/kgの用量レベルで、1日1回又は複数回、経口的に又は非経口的に投与されうる。
【0239】
経口投与用の液体剤形は、医薬的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁物、シロップ及びエリキシルを包含するが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体投与形態は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル等、並びにそれらの混合物を包含しうる。不活性希釈剤に加えて、該経口組成物はまた、助剤、例えば湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味料、香味料及び芳香剤を包含することができる。
【0240】
注射可能な調製物、例えば無菌の注射可能な水性又は油性懸濁物は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術に従って製剤化されうる。無菌の、注射可能な調製物はまた、例えば1,3-ブタンジオールの溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の、注射可能な溶液、懸濁物又は乳濁液でありうる。使用されうる許容可能なビヒクル及び溶媒のうち、水、リンゲル液,米国薬局方(U.S.P.)及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油は、慣用的に、溶媒又は懸濁媒体として使用される。この目的の為に、合成モノグリセリド又はジグリセリドを包含するあらゆる刺激のない不揮発性油が使用されることができる。加えて、脂肪酸、例えばオレイン酸、が、注射剤の調製の為に使用される。
【0241】
注射可能な製剤は、例えば細菌保持フィルターを通じて濾過することによって又は、使用前に滅菌水若しくは他の滅菌注射可能媒体に溶解若しくは分散されることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を取り込むことによって、滅菌されることができる。
【0242】
本発明の化合物の効果を長くするために、皮下又は筋肉内の注射からの化合物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、低い水溶性を有する結晶性又はアモルファス性の物質の液体懸濁物の使用によって達成されうる。その上、化合物の吸収速度はその溶解速度に依存し、同様に、該溶解速度は結晶サイズ及び結晶形に依存しうる。代替的には、非経口的に投与される化合物形態の遅延された吸収は、該化合物を油ビヒクル中に溶解又は懸濁することによって達成される。注射可能なデポーフォーム(depot forms)は、生分解性ポリマー、例えばポリラクチド-ポリグリコリド、において該化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作られる。ポリマーに対する化合物の比及び使用される特定のポリマーの性質に依存して、化合物放出の速度が制御されることができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)を包含する。デポ注射可能な製剤(depot injectable formulations)はまた、体組織と適合性のあるリポソーム又はマイクロエマルジョン中に該化合物を封入することによって調製される。
【0243】
直腸又は膣投与の為の組成物は好ましくは、本明細書に記載された化合物を、周囲温度では固体であるが体温では液体であり、それ故に直腸又は膣腔において溶けて活性物質を放出する適切な非刺激性賦形剤又は担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール又は坐剤ワックス、と混合することによって調製されることができる坐剤である。
【0244】
経口投与の為の固形剤形は、カプセル、錠剤、ピル、粉末及び顆粒を包含する。そのような固体投与形態において、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な、医薬的に許容される賦形剤又は担体、例えばクエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム及び/又はa)充填剤若しくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、及びアカシア等、c)吸湿剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天-寒天(agar--agar)、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、e)溶液緩染剤(solution retarding agents)、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコール及びグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土、並びにi)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、並びにそれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤及びピルの場合、該剤形はまた、緩衝剤を含みうる。
【0245】
同様のタイプの固体組成物はまた、賦形剤、例えばラクトースすなわち乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコール等、を使用して、軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として使用されうる。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル及び顆粒の固形剤形は、コーティング、並びにシェル、例えば腸溶性コーティング、及び医薬製剤分野において周知の他のコーティングを用いて調製されることができる。それらは、任意的に、乳白剤を含み得、及び、それらが、好ましくは腸管の特定の部分において、任意的に遅延する様式において、1以上の有効成分のみをそれらが放出する組成物でありうる。使用されることができる包埋組成物の例は、高分子物質及びワックスを包含する。同様のタイプの固体組成物がまた、賦形剤、例えばラクトースすなわち乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコール等を使用して、軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用されうる。
【0246】
該活性化合物はまた、上記された通り、1以上の賦形剤を有するマイクロカプセル化された形態にありうる。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル及び顆粒の固形剤形は、コーティング、並びにシェル、例えば腸溶性コーティング、放出制御コーティング及び医薬製剤分野において周知の他のコーティングを用いて調製されることができる。そのような固体剤形において、該活性化合物は、少なくとも1つの不活性希釈剤、スクロース、ラクトース又はデンプンと混合されうる。
【0247】
そのような剤形はまた、通常の慣行として、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化潤滑剤及び、他の錠剤化助剤、例えばステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロース、を含みうる。カプセル、錠剤及びピルの場合、該剤形はまた、緩衝剤を含みうる。それらは、任意的に、乳白剤を含み得、及び、それらが、好ましくは腸管の特定の部分において、任意的に遅延する様式において、1以上の有効成分のみをそれらが放出する組成物でありうる。使用されることができる包埋組成物の例は、高分子物質及びワックスを包含する。
【0248】
本発明の化合物の局所又は経皮投与の為の剤形は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤又はパッチを包含する。
【0249】
活性成分は、滅菌条件下で、医薬的に許容される担体及び必要に応じて必要な防腐剤又は緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳薬及び点眼薬がまた、本発明の範囲内であると考えられる。加えて、本発明は、身体への化合物の制御された送達を提供するという追加された利点を有する経皮パッチの使用を企図している。そのような剤形は、該化合物を適切な媒体中に溶解又は分配することによって作られることができる。吸収促進剤がまた使用されて、皮膚を横切る化合物の流れを増加させることができる。速度は、速度制御膜を提供することによって、又は該化合物をポリマーマトリックス若しくはゲルに分散させることによってのいずれかで制御されることができる。
【0250】
本発明の化合物はまた、他の原体、特に閉塞性又は炎症性気道疾病の処置において、例えばそのような薬物の治療活性の増強剤として、又はそのような薬物の必要とされる投薬若しくは潜在的な副作用を低減する手段として、例えば抗炎症性原体、気管支拡張性原体又は抗ヒスタミン性原体、例えば本明細書で上述されたそれら、と組み合わせて使用する為の併用治療化合物として有用である。本発明の化合物は、固定された医薬組成物における他の原体と混合されうるか、又は他の原体の前、同時、又は後に別々に投与されうる。従って、本発明は、本明細書において上記された本発明の化合物と、抗炎症性原体、気管支拡張性原体、抗ヒスタミン性原体若しくは鎮咳性原体との組み合わせを包含し、ここで、本発明の上記化合物及び上記原体は、同じ又は異なる医薬組成物である。
【0251】
好適な抗炎症薬は、ステロイド、特にグルココルチコステロイド、例えばブデソニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸シクレソニド若しくはフロ酸モメタゾン;非ステロイド性糖質コルチコイド受容体アゴニスト;LTB4アンタゴニスト、例えばLY293111、CGS025019C、CP-195543、SC-53228、BIIL 284、ONO 4057、SB 209247;LTD4アンタゴニスト、例えばモンテルカスト及びザフィルルカスト;PDE4阻害剤、例えばシロミラスト(Ariflo(商標) GlaxoSmithKline)、ロフルミラスト(Byk Gulden)、V-11294A(Napp)、BAY19-8004(Bayer)、SCH-5 351591(Schering-Plough)、Arofylline(Almirall Prodesfarma)、PD189659/PD168787(ParkeDavis)、AWD-12-281(Asta Medica)、CDC-801(Celgene)、SeICID(商標) CC-10004(Celgene)、VM554/UM565(Vernalis)、T-440(Tanabe)、KW-4490(Kyowa Hakko Kogyo);A2aアゴニスト;A2bアンタゴニスト;及び、ベータ-2アドレナリン受容体アゴニスト、例えばアルブテロール(サルブタモール)、メタプロテレノール、テルブタリン、サルメテロール、フェノテロール、プロカテロール、特にホルモテロール、並びにそれらの医薬的に許容される塩を包含する。好適な気管支拡張薬には、抗コリン性化合物又は抗ムスカリン性化合物、特に臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム(oxitropium bromide)、チオトロピウム塩及びCHF 422(Chiesi)、並びにグリコピロレートを包含する。
【0252】
好適な抗ヒスタミン薬物質は、セチリジン塩酸塩、アセトアミノフェン、クレマスチンフマル酸塩、プロメタジン、ロラチジン(loratidine)、デスロラチジン(desloratidine)、ジフェンヒドラミン及びフェキソフェナジン塩酸塩、アクリバスチン(activastine)、アステミゾール、アゼラスチン、エバスチン、エピナスチン、ミゾラスチン及びテルフェナジン(tefenadine)を包含する。
【0253】
本発明の化合物と抗炎症薬との他の有用な組み合わせは、ケモカイン受容体のアンタゴニスト、例えばCCR-1、CCR-2、CCR-3、CCR-4、CCR-5、CCR-6、CCR-7、CCR-8、CCR-9及びCCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、特にCCR-5アンタゴニスト、例えばシェリング・プラウ(Schering-Plough)アンタゴニストSC-351125、SCH-55700及びSCH-D、並びにタケダ(Takeda)アンタゴニスト、例えばN-[[4-[[[6,7-ジヒドロ-2-(4-メチルフェニル)-5H-ベンゾ-シクロヘプテン-8-イル]カルボニル]アミノ]フェニル]-メチル]テトラヒドロ-N,N-ジメチル-2H-ピラン-4-アンモニウムクロリド(TAK-770)、との組み合わせを有するものである。
【0254】
コード番号、一般名又は商品名によって識別される活性化合物の構造は、標準大要「The Merck Index」の実際版から、又はデータベース、例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)から取得されうる。
【0255】
本発明の化合物は、単独で、又は1以上の他の治療化合物と組み合わせて投与されることができ、ここで、ありうる併用療法は、固定された組み合わせの形態を採る、又は本発明の化合物と1以上の他の治療化合物との投与は、ずらされるか若しくは互いに独立して与えられるか、或いは固定された組み合わせと1以上の他の治療用化合物との併用投与で与えられる。
【0256】
これらの追加の剤は、複数の投与レジメンの一部として、本発明の化合物含有組成物とは別に投与されうる。代替的には、それらの薬剤は、単一の剤形の一部であり得、単一の組成物中において、本発明の化合物と一緒に混合されうる。複数の投与レジメンの一部として投与される場合、2つの活性剤は、同時に、逐次に、又は互いに一定期間内に、通常は互いに5時間以内に、与えられうる。
【0257】
本明細書において使用される場合に、語「組み合わせ」、語「組み合わせられる」及び関連する語は、本発明に従う治療剤の同時又は逐次の投与を云う。例えば、本発明の組み合わせは、別の治療剤と、個々の単位剤形で同時に若しくは逐次に、又は単一の単位剤形で一緒に、投与されうる。従って、本発明は、本発明の化合物、追加の治療剤、及び医薬的に許容される担体、助剤又はビヒクルを含む単一の単位剤形を提供する。
【0258】
単一の剤形を生成する為に担体材料と組み合わせられうる、(上記された追加の治療剤を含むそれらの組成物中の)本明細書に記載された化合物及び追加の治療剤の両方の量は、処置される宿主及び特定の投与方法に依存して変化するだろう。好ましくは、本発明の組成物は、本発明の化合物の0.01~100mg/kg体重/日の投与量が投与されることができるように処方されるべきである。
【0259】
追加の治療剤を含むこれらの組成物において、その追加の治療剤及び本発明の化合物は相乗的に作用しうる。それ故に、そのような組成物中の該追加の治療剤の量は、その治療剤のみを利用する単剤療法において必要とされる量よりも少ないであろう。そのような組成物において、0.01~1,000μg/kg体重/日の該追加の治療剤の投与量が投与されることができる。
【0260】
本発明の組成物中に存在する追加の治療剤の量は、その治療剤を唯一の活性剤として含む組成物に通常投与される量を超えないであろう。好ましくは、現在開示されている組成物中の追加の治療剤の量は、唯一の治療活性剤としてその剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%~約100%の範囲であるだろう。
【0261】
本発明の化合物、又はその医薬組成物はまた、移植可能な医療機器、人工補綴、人工弁、血管移植片、ステント及びカテーテル、をコーティングする為の組成物中に組み込まれうる。血管ステントは例えば、再狭窄(損傷後の血管壁の再狭窄)を克服する為に使用されてきている。しかしながら、ステント又は他の埋め込み可能なデバイスを使用している患者は、血餅の形成又は血小板の活性化のリスクがある。これらの望ましくない影響は、キナーゼ阻害剤を含む医薬的に許容される組成物で該デバイスをプレコーティングすることによって防止又は軽減されうる。本発明の化合物でコーティングされた埋め込み可能なデバイスは、本発明の別の実施形態である。
【0262】
上記された予防及び/又は処置方法に加えて、本発明はまた、本明細書に記載された、疾病、障害又は状態を予防及び/又は処置する為の対応する使用を提供する。幾つかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載された、炎症性の疾病、障害又は状態を予防及び/又は処置する為の、本明細書に記載された、化合物又はその医薬的に許容される塩の使用方法を提供する。幾つかの実施態様において、本発明によって提供された、炎症性の疾病、障害又は状態を予防及び/又は処置する為の使用方法は、miR-124の存在及び/又は発現レベルが本明細書に記載された方法によって測定及び/又は監視される患者の為に意図されている。
【0263】
炎症性の疾病、障害又は状態を処置又は予防することを必要とする患者に、炎症性の疾病、障害又は状態を処置又は予防する為の、上記に定義された、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ib’)、式(Ic)、式(Id)、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVb’)、式(IVc)若しくは式(IVd)の化合物、又はその医薬的に許容される塩を本明細書はさらに提供する。
ここで、上記炎症性の疾病、障害又は状態が、下記から選択される:
(a)1型糖尿病、2型糖尿病、急性膵炎及び慢性膵炎から選択される、膵臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(b)糸球体硬化症、糸球体腎炎、腎炎、急性腎障害、ベルガー病、グッドパスチャー症候群、ヴェグナー肉芽腫症、及び腎移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、腎臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(c)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾病(NAFLD)、胆汁うっ滞性肝疾病、硬化性胆管炎、及び肝移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、肝臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(d)慢性閉塞性肺疾病(COPD)、喘息、肺線維症、肺高血圧症、サルコイドーシス、心筋炎、心膜炎、及び肺又は心臓の移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、肺又は心臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(e)接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、にきび、ケロイド瘢痕、及び他の皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態から選択される、皮膚における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(f)ベーチェット病、血管炎、敗血症、腫瘍血管新生、アテローム性動脈硬化症、増殖性血管疾病、及び再狭窄から選択される、血管/血液における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(g)結膜炎、強膜炎、上強膜炎、全ブドウ膜炎、脈絡膜炎、脈絡網膜炎、神経網膜炎、ブドウ膜炎、眼窩炎症性疾病、及び視神経炎から選択される、眼における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(h)非ウイルス性及びウイルス性脳炎及び髄膜炎、うつ病、慢性疼痛を包含する神経障害性疼痛、脳卒中を包含する外傷性脳損傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、脊髄炎、シャルコー・マリー・トゥース病1型(CMT1A及びCMT1Bを包含する)、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、クロイツフェルト・ヤコブ病、脱髄性多発神経障害、及び末梢神経障害から選択される、中枢神経系又は末梢神経系における、炎症性の疾病、障害又は状態;
(i)皮膚及び腎臓における狼瘡を包含する狼瘡、ギランバレー症候群、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、特発性紫斑病、再生不良性貧血、グレーブス病、及び心筋炎から選択される、自己免疫の疾病、障害又は状態;
(j)腸不全、潰瘍性大腸炎、及びクローン病から選択される、腸における、炎症性の疾病、障害又は状態
(k)子宮内膜症、子宮筋腫、前立腺異形成又は成長、及び子宮頚部異形成から選択される、生殖システムにおける、炎症性の疾病、障害又は状態;並びに
(l)若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、歯周炎、及び、手、足、足首、膝、腰、肩、肘又は脊柱の関節炎及び/又は脱ミネラル化から選択される、骨及び/又は関節における、炎症性の疾病、障害又は状態。
【0264】
miR-124の存在及び/又は発現レベルが抗炎症剤の使用の前及び/又は該使用の過程の間に、患者の血液及び/又は組織のサンプルにおいて監視されるところの該患者の為に意図された抗炎症剤としての使用の為の、上記で定義された、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ib’)、式(Ic)、式(Id)、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVb’)、式(IVc)若しくは式(IVd)の化合物又はその医薬的に許容される塩が本明細書においてさらに提供される。
【0265】
動物の前臨床モデルが使用されて、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン及び任意の形態下でのその代謝物又はその医薬的に許容される塩の1つの抗炎症活性を評価する為に使用されうる。
【0266】
実施例1
【0267】
例えば、マウスIMQ誘発された乾癬のモデル。乾癬は、例えば0~9日間の、IMQの毎日の投与によって誘発され得、及び処置は、例えば0日~9日まで、毎日投与されうる。抗炎症活性は、例えば乾癬スコアを測定することによって、評価されうる。
【0268】
例えば、パーキンソン病のMPTP誘発されたマウスモデルにおいて、マウスは、例えば0日目に2時間間隔で20mg/ml MPTPの腹腔内(IP:intraperitoneal)注射を4回受けうる。処置は、例えば0日目~7日目まで、毎日行われることができる。抗炎症活性は、例えば黒質緻密部(SNpc:Substantia Nigra pars compacta)のレベルでのTH免疫反応性分析によって評価されうる。
【0269】
例えば、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE:Experimental Autoimmune Encephalomyelitis)のMOG誘発されたマウスモデルにおいて、EAEは、例えば研究0日目に傍腰椎領域にMOG/CFA接種物を注射することによって誘発され得、ここで、血液脳関門(BBB:blood-brain barrier)の透過性を高める為に、全ての動物は、例えば研究0日目及び2日目における腹腔内注射を介した百日咳毒素(PT:Pertussis Toxin)による補足免疫刺激を受けることができる。処置は、例えば0日目、3日目又は10日目から、毎日投与され得、及び抗炎症活性は、臨床的スコアによって又は/及び、細胞の浸潤及び脱髄を評価する為にH&E染色を介して脊髄の組織学的評価によって、及び/又は中枢神経系/痛みパラーメータ評価によって、測定されることができる。例えば、マウスにおける糖尿病のNOD自発的モデルにおいて、処置は毎日実施されることができ、及び抗炎症活性は、例えば血糖値レベル及び/又は経口ブドウ糖負荷試験によって、評価されることができる。
【0270】
下記の実施例において、化合物Aは、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン、すなわちABX464、であり、及び化合物Bは、下記の式のその代謝物である。
【化71】
【0271】
実施例2:非アルコール性脂肪性肝炎(NASH研究)のSTAMモデルにおける化合物のイン・ビボ有効性研究
【0272】
A.材料及び方法
【0273】
1.試験物質
投薬溶液を調製する為に、化合物A及びBが秤量され、20%のビヒクル-A1及び80%のビヒクル-A2からなるビヒクル中に懸濁された。ビヒクル-A1は、0.5%(w/v)のカルボキシメチルセルロース(CMC),注射用水中400~800センチポアズ+2.5%(w/v)のTween 80で構成された。ビヒクル-A2は、0.5%(w/v)のカルボキシメチルセルロース(CMC),注射用水中400~800センチポアズで構成された。テルミサルタン(Micardis(商標))が、Boehringer Ingelheim GmbH(ドイツ)から購入され、そして純水中に溶解された。
【0274】
2.NASHの導入
NASHが、生後2日目に200µgのストレプトゾトシン(STZ,Sigma-Aldrich,米国)溶液を単回皮下注射され、そして4週齢後に、高脂肪食(HFD,57kcal%脂肪,Cat# HFD32,CLEA Japan,Inc.,日本)を与えることによって、48匹のオスのマウスに誘発された。
【0275】
3.薬物投与経路
化合物A及びB、並びにテルミサルタンが、10mL/kgの量で、経口的に投与された。
【0276】
4.処置用量
化合物Aは、6~9週齢まで、1日1回、10、20及び40mg/kgの3つの用量レベルで投与された。化合物Bは、6~9週齢まで、1日1回、40mg/kgの用量で投与された。テルミサルタンは、6~9週齢まで、1日1回、10mg/kgの用量で投与された。
【0277】
5.動物
C57BL/6マウス(妊娠14日目のメス)が、Japan SLC,Inc.(日本)から入手された。試験に使用された全ての動物は、日本薬理学会の動物使用ガイドラインに従って飼育され且つ世話された。
【0278】
動物は、温度(23±3℃)、湿度(50±20%)、照明(12時間の人工的な明暗サイクル;8:00~20:00までの光)及び空気交換の制御された条件下でSPF施設において維持された。施設の汚染を防ぐ為に、実験室において高圧が維持された。
【0279】
動物はTPXケージ(CLEA Japan)に収容され、1ケージあたり最大4匹のマウスが飼育された。滅菌されたPalmas-μ(Material Research Center,日本)が寝床の為に使用され、そして週に1回交換された。
【0280】
滅菌された固体HFDを自由に与えられ、該ケージの上部の金属製の蓋に置かれた。純水が、ゴム栓とシッパーチューブとを備えた水筒から自由に与えられた。ウォーターボトルは週に1回交換され、オートクレーブにおいて洗浄、そして滅菌され、そして再利用された。
【0281】
マウスはイヤーパンチによって識別された。各ケージには特定の識別コードでラベル付けされていた。
【0282】
6.血漿バイオケミストリの測定
血漿バイオケミストリの為に、空腹時以外の血液が、抗凝固剤(Novo-Heparin,持田製薬株式会社,日本)を入れたポリプロピレンチューブ内に採取され、そして1,000×g、15分間、4℃で遠心分離された。上澄みが回収され、そして使用まで-80℃で保存された。血漿ALTが、FUJI DRI-CHEM 7000(富士フイルム株式会社,日本)FUJIDRI-CHEM 7000(富士フイルム,日本)によって測定された。
【0283】
7.肝臓トリグリセリド含有量の測定
肝臓の総脂質抽出物が、Folchの方法(Folch J.et al.,J.Biol.Chem.1957;226:497)によって得られた。肝臓サンプルがクロロホルム-メタノール(2:1,v/v)でホモジナイズされ、一晩、室温でインキュベートされた。クロロホルム-メタノール-水(8:4:3,v/v/v)で洗浄後、抽出物が蒸発乾固され、イソプロパノールに溶解された。肝臓トリグリセリド含有量は、トリグリセリド E-テスト(富士フイルム和光純薬株式会社,日本)によって測定された。
【0284】
8.組織学的分析
HE染色の為に、ブアン溶液(Bouin’s solution)で予め固定された肝臓組織のパラフィンブロックから切片が切り取られ、そして、リリー・マイヤーのヘマトキシリン(Lillie-Mayer’s Hematoxylin)(武藤化学株式会社,日本)及びエオシン溶液(富士フイルム和光純薬株式会社)で染色された。NAFLD活性スコア(NAS)が、Kleiner(Kleiner DE.Et al.,Hepatology,2005;41:1313)の基準に従って計算された。コラーゲン沈着を視覚化する為に、ブアン固定された肝臓切片がピクロシリウスレッド(picro-Sirius red)溶液(Waldeck,ドイツ)を使用して染色された。線維症領域の定量分析の為に、シリウスレッドで染色された切片の明視野画像がデジタルカメラ(DFC295;Leica,ドイツ)を使用して200倍の倍率で中央静脈の周りに捕捉され、そして5つの視野/切片の陽性領域がImageJソフトウェア(National Institute of Health,米国)を使用して測定された。
【0285】
9.サンプル収集
血漿サンプルについて、空腹時以外の血液が、抗凝固剤(Novo-Heparin)を入れたポリプロピレンチューブ内に採取され、そして1,000×g、15分間、4℃で遠心分離された。20µLの上清が回収され、そしてバイオケミストリの為に-80℃で保存された残りの血漿が回収され、出荷の為に-80℃で保管された。
【0286】
凍結肝臓サンプルについて、左側葉が収集され、そして6つの部分に切断された。左側葉の2つの部分、左右内側葉及び尾状葉が液体窒素中で急速凍結され、そして出荷の為に-80℃で保管された左側葉の他の2つの部分は、ブアン溶液で固定され、そして次に、パラフィン中に包埋された。パラフィンブロックが、組織学の為に室温で保存された。左側葉の残りの部分はO.C.T化合物に埋め込まれ、そして液体窒素で急速冷凍された。サンプルが-80℃で保存された。右葉が液体窒素中で急速凍結され、肝臓バイオケミストリの為に-80℃で保存された。
【0287】
10.統計的検定
統計分析が、GraphPad Prism 6(GraphPad Software Inc.,米国)においてボンフェローニ多重比較検定(Bonferroni Multiple Comparison Test)を使用して実行された。0.05未満(<0.05)のP値は統計的に有意であると見なされた。片側t検定がP値<0.1を返したときに、趨勢(trend)又は傾向(tendency)が示された。結果は、平均±SDとして表された。
【0288】
B.実験計画及び処置
【0289】
1.試験グループ
グループ1:ビヒクル
6~9週齢の8匹のNASHマウスに、ビヒクル[20%のビヒクル-A1及び80%のビヒクル-A2]が1日1回10mL/kgの量で経口的に投与された。
【0290】
グループ2:化合物A(低)(low)
6~9週齢の8匹のNASHマウスに、化合物Aを補充されたビヒクルが1日1回10mg/kgの量で経口的に投与された。
【0291】
グループ3:化合物A(中)(middle)
6~9週齢の8匹のNASHマウスに、化合物Aを補充されたビヒクルが1日1回20mg/kgの量で経口的に投与された。
【0292】
グループ4:化合物A(高)(high)
6~9週齢の8匹のNASHマウスに、化合物Aを補充されたビヒクルが1日1回40mg/kgの量で経口的に投与された。
【0293】
グループ5:化合物B
6~9週齢の8匹のNASHマウスに、化合物Bを補充されたビヒクルが1日1回40mg/kgの量で経口的に投与された。
【0294】
グループ6:テルミサルタン
6~9週齢の8匹のNASHマウスに、テルミサルタンを補充された純水が1日1回10mg/kgの量で経口的に投与された。
【0295】
下記の表4は、処置スケジュールをまとめたものである。
【0296】
【0297】
2.動物の監視及び犠牲
生存率、臨床徴候及び行動が毎日監視された。体重が、処置前に記録された。マウスが、毒性、瀕死及び死亡の有意な臨床徴候について、各投与後約60分間観察された。該動物は、イソフルラン麻酔(Pfizer Inc.)下での直接心臓穿刺を通じての放血により、9週齢で犠牲にされた。
【0298】
C.結果
【0299】
1.体重変化及び一般的な状態
テルミサルタングループの平均体重は、9日目から21日目まで、ビヒクルグループの平均体重よりも有意に低かった。
ビヒクルグループと他の処置グループとの間で、処置期間中のどの日でも平均体重に有意な変化は無かった。
【0300】
処置期間中、全てのグループにおいて死んだ動物はなかった。本研究において、どの動物も全身状態の悪化を示さなかった。
【0301】
2.犠牲の日における体重と、肝臓重量
【0302】
2.1.犠牲の日における体重(表5)
テルミサルタングループは、ビヒクルグループと比較して、犠牲の日における平均体重の有意な減少を示した。ビヒクルグループと他の処置グループとの間で犠牲の日における平均体重に有意差は無かった。
【0303】
2.2.肝臓重量、及び肝臓対体重比(表5)
テルミサルタングループは、ビヒクルグループと比較して、平均肝臓重量における有意な減少を示した。化合物A(低)グループは、ビヒクルグループと比較して、平均肝臓重量における有意な増加を示した。化合物A(高)グループ及び化合物Bグループにおける平均肝臓重は、ビヒクルグループと比較して増加する傾向にあった。ビヒクルグループと化合物A(中)グループとの間に平均肝臓重量における有意な差はなかった。
【0304】
テルミサルタングループにおける平均肝臓対体重比は、ビヒクルグループと比較して、減少する傾向にあった。化合物A(低)グループ、化合物A(中)グループ及び化合物A(高)グループ並びに化合物Bグループにおける平均肝臓対体重比は、ビヒクルグループと比較して、増加する傾向にあった。
【0305】
【0306】
3.バイオケミストリ
【0307】
3.1.血漿ALT(図3.1及び表6)
化合物A(高)グループは、ビヒクルグループと比較して、血漿ALTレベルにおける有意な増加を示した。化合物A(低)グループ及び化合物A(中)グループ並びに化合物Bグループにおける血漿ALTレベルは、ビヒクルグループと比較して増加する傾向にあった。ビヒクルグループとテルミサルタングループとの間で血漿ALTレベルにおける有意差は無かった。
【0308】
3.2.肝臓トリグリセリド(図3.2及び表2)
テルミサルタングループにおける肝臓トリグリセリド含有量は、ビヒクルグループと比較して減少する傾向にあった。化合物Bグループにおける肝臓トリグリセリド含有量は、ビヒクルグループと比較して増加する傾向にあった。ビヒクルグループと他の処置グループとの間で肝臓トリグリセリドにおける有意な差はなかった。
【0309】
【0310】
4.組織学的分析
【0311】
4.1.HE染色及びNAFLD活性スコア(表7及び図1、図2、図3及び図4)
HE染色された肝臓切片の代表的な顕微鏡写真が解析された。
図1はNAFLD活性スコアを表し、
図2は脂肪症の脂肪症スコアを表し、
図3は炎症スコアを表し、
図4はバルーニングスコアを表す。
【0312】
ビヒクルグループの肝臓切片は、微小小胞及び大小胞の脂肪沈着、肝細胞バルーニング、及び炎症性細胞浸潤を示した。テルミサルタングループは、ビヒクルグループと比較してNASにおける有意な減少を示した。化合物A(低)グループ、化合物A(中)グループ及び化合物A(高)グループにおけるNASは、ビヒクルグループと比較して減少する傾向にあった。
【0313】
【0314】
4.2.シリウスレッド染色及び線維症領域(表8及び図5)
シリウスレッド染色された肝臓切片の代表的な顕微鏡写真が分析された。
図5は線維症領域を表す。
【0315】
ビヒクルグループからの肝臓切片は、肝小葉の中心周辺領域における増加されたコラーゲン沈着を示した。化合物A(中)グループにおける線維症領域(シリウスレッド陽性領域)は、ビヒクルグループと比較して減少する傾向にあった。化合物Bグループにおける線維症領域は、ビヒクルグループと比較して増加する傾向にあった。
【0316】
ビヒクルグループと他の処置グループとの間に線維症領域における有意差はなかった。
【0317】
【0318】
4.3.アルファーSMA免疫染色及びα-SMA陽性領域
ビヒクルグループからの肝臓切片のアルファーSMA免疫染色は、主にゾーン3におけるα-SMA陽性細胞の蓄積を示した。化合物A(高)グループ及びテルミサルタングループにおけるアルファーSMA陽性領域は、ビヒクルグループと比較して減少する傾向にあった(下記の表9)。
【0319】
4.4.F4/80免疫染色
ビヒクルグループからの肝臓切片のF4/80免疫染色は、主にF4/80陽性細胞の蓄積を示した
【0320】
化合物A(高)グループは、ビヒクルグループと比較してF4/80陽性領域における有意な減少を示した。化合物A(中)グループ及び化合物BグループにおけるF4/80-陽性領域は、ビヒクルグループと比較して減少する傾向にあった(表9)。
【0321】
【0322】
結論
【0323】
テルミサルタン
テルミサルタンでの処置は、ビヒクルグループと比較してNASにおける有意な減少を示し、該薬剤が本研究において陽性対照として成功裡に働いたことを示した。テルミサルタンでの処置は、ビヒクルグループと比較して、肝臓トリグリセリド含有量における減少傾向を示した。
【0324】
化合物A
低用量での化合物Aでの処置は、ビヒクルグループと比較してNASにおける減少傾向を示した。低用量での化合物Aでの処置は、ビヒクルグループと比較して血漿ALTレベルにおける増加傾向を示した。
【0325】
中用量での化合物Aでの処置は、ビヒクルグループと比較してNAS及び線維症領域における減少傾向を示した。中用量での化合物Aでの処置は、ビヒクルグループと比較して血漿ALTレベルにおける増加傾向を示した。高用量での化合物Aでの処置は、ビヒクルグループと比較して血漿ALTレベルにおける有意な増加を示した。高用量での化合物Aでの処置は、ビヒクルグループと比較してNASにおける減少傾向を示した。
【0326】
化合物B
化合物Bでの処置は、ビヒクルグループと比較してNASにおける減少傾向を示した。化合物Bでの処置は、ビヒクルグループと比較して、血漿ALTレベル、肝臓トリグリセリド含有量及び線維症領域における増加傾向を示した。
【0327】
本研究において、化合物A及び化合物Bは、ビヒクルグループと比較してNASにおける減少傾向を示した。加えて、化合物Aは、シリウスレッド染色によって示される通り、肝臓におけるコラーゲンの病理学的沈着における減少傾向を示した。まとめると、化合物Aは潜在的な抗NAS及び抗線維症効果を示し、及び化合物BはこのNASHモデルにおいて潜在的な抗NAS効果を示した。
【0328】
実施例3:肺動脈性肺高血圧症(PAH:pulmonary arterial hypertension)のラットスーゲン(Sugen)低酸素モデルにおける化合物のイン・ビボ有効性研究
【0329】
実験手順
【0330】
研究設計
【0331】
PAHの誘発
動物は、それらの体重及び研究責任者による経胸壁心エコー検査(21日目で)の結果に基づいて、処置グループ間でランダム化される。同じ処置グループ内の動物はペアで飼育される。
【0332】
グループ2~5(表10を参照)からの動物は、0日目にスゲン(sugen)(2mL/kg容量において20mg/kg)溶液(10mg/mL)の1回の皮下注射を受け、そしてそれらのケージに戻される。グループ1からの動物は、0日目に2mL/kg(スゲンの為のビヒクル)でDMSOの1回の皮下注射を受け、それらの個々のケージに戻される。
【0333】
グループ2~5は、換気ケージシステムによって制御される窒素と周囲空気との混合物を使用して、0.10(10%)に相当するFiO2を受け取るように制御された空気が調整されるケージに置かれた。それらは21日間これらの低酸素状態に保たれる。低酸素状態にある間、ケージは週に1回清掃及び交換され、該動物を10℃未満の周囲酸素レベルに暴露する。それらは22日目~56日目までの周囲酸素レベルに暴露される。グループ1の動物は、56日間、周囲の酸素(正常酸素)レベルに暴露されたケージ内に置かれる。該動物は、行動及び一般的な健康状態における変化について毎日観察される。
【0334】
処置
化合物A、シルデナフィル(sildenafil)又はビヒクルでの処置は、下記の表10にスケジュールされ且つ記載されている通り、22日目(グループ2~5)の時点で投与される。グループ2~4は1日1回投与される。参照グループ5は、シルデナフィルを1日2回投与される。食物と水は自由に与えられる。動物の行動及び一般的な健康状態の毎日の観察が行われる。毎週体重が測られる。
【0335】
心エコー図
疾病の進行の心エコー図モニタリングは、全ての動物について、0日目、21日目、及び手術日(56日目)に実施される。
【0336】
採血
静脈血(0.5ml,EDTAで抗凝固処理された)が、22日目及び56日目の初回投与直後の0日目に全ての動物(正常酸素対照を含む)から採取された。EDTAで抗凝固処理された全血が遠心分離されて、血漿を生成し、血漿が、動物番号、グループID及び時点で少なくともラベル付けされた清潔なチューブ内にデカントされ、そしてスポンサーに移すまで-80℃で凍結保存された。
【0337】
【表10】
* n=10のグループを有する為に、このモデルにおいて約10~20%である死亡率を補償する為に12匹の動物が開始される。
【0338】
有効性研究動物における血行力学的及び機能的パラメータの外科的器具及び測定
1.手術の選択された日に、ラットが酸素中の2~2.5%イソフルランUSP(Abbot Laboratories,モントリオール,カナダ)の混合物で麻酔され、そして体温を維持する為に加熱パッド上に置かれる。
2.ラットが、気管切開され、そして65~70ストローク/分の頻度で約10ml/kg体重に設定された陽圧齧歯類呼吸器によって直ちに換気される。
3.リードIIECG接触電極が、外科的処置中にECGを継続的に監視する為にラット上に配置される。
4.圧力変換器に接続されたカニューレが左大腿動脈に挿入されて、動脈血圧を測定する。
5.圧力変換器に接続されたカニューレが右頸静脈から右心房に挿入されて、右心房の圧力を測定する。
6.心臓が胸骨切開を通して暴露され、そしてInsyteにおいて20GA 1.16が右心室に導入され、そしてトランスデューサーに接続された生理食塩水で満たされたPE-50カテーテルに速やかに接続される。
7.数秒間の右心室圧の記録に続いて、該インサイトは肺動脈にさらに進められて、追加の60秒間のPAP記録を可能にする。
8.血行力学的パラメータが、該手順の期間中又はPAP信号が失われるまで継続的に記録される。
9.血行力学的モニタリングに続いて、胸腔がさらに開かれて、肺を露出する。気管の上の筋肉が解剖されて、肺及び心臓を取り除く。採取された組織がPBSでリンスされて余分な血液を取り除き、秤量される。
10.肺の組織学及びキャスティング(casting)の為に、該プロセスは下記の通りである。1)グループ当たり8匹のラットが取り置かれて、左肺の組織学を評価し、そして、それ故に、このセクション8.2の項12において記載されている通りに扱われる。2)グループ当たり2匹のラットが左肺の3次元血管構造の定量的特性評価を可能にするのに役立ち、そして、それ故に、左肺のキャスティングについて下記のセクション8.3において説明されている通りに扱われる。
11.組織学の為に、左葉が、鈍い先端の針組織学では、鈍い先端の針(23g)が取り付けられた固定液(10%NBF)で満たされた10mLシリンジを使用して膨らまされる。針先が気管に挿入されて、別の注射器が肺動脈に結び付けられながら、結ばれた縫合糸で所定の位置に保持される。肺は、全ての葉が完全に、均一に、そして一貫して拡張されるまで、生理学的圧力(20~25mmHg)で穏やかに膨張される(固定液が肺表面からにじみ出ることは許されない)。このことは、過度の組織破壊を引き起こすことなしに、最適な血管及び気道の拡張を提供する。次に、針が除かれて、気管の周りを縫合され、そして組織と固定液との比率が1:20での10%NBFに浸される。該組織は24~48時間ホルマリン中で保持される。次に、それらは3つの部位(上部、中部及び下部)にカットされる。切片がモントリオール(カナダ,ケベック州)の免疫学研究所(IRIC:Institute for Research in Immunology and cacner)に送られ、包埋され、スライスされ、そして内皮細胞染色の為にヘマトキシリン及びエオシン(H&E:Hematoxylin and Eosin)又はフォンウィルブランド因子(VWF:von Willebrand Factor)で染色される。
12.フルトン指数(Fulton index)の一部として、心臓が解剖されて、右心室を中隔で左心室から分離し、そして次に、別々に秤量される。
【0339】
肺動脈のキャスティング(casting)手順
1.血行力学的パラメータの記録に続いて、10匹のラットのうち2匹が肺及び心臓を採取され、そして左肺の肺動脈キャスティングのプロセスを行う。
2.長さ40cmにカットされ、一端が18-G針に接続され且つ他端が熱で鈍化されたポリエチレン(PE190)チューブが、右心室(RV:right ventricle)へのカテーテルとして使用される。該カテーテルは主肺動脈(MPA:main pulmonary artery)のレベルまで進められ、それはそこで固定される。右肺のキャスティングの為に、該カテーテルは右肺の肺動脈(PA:pulmonary artery)内に進められ、それは左肺の灌流を避ける為に所定の位置に固定される。
3.血液が、2m0/分に設定された連続シリンジポンプを使用して、2mlの希釈されたヘパリンナトリウム(5ユニット/ml)(APP Pharmaceuticals,Inc.,Schaumburg,IL,米国)をポンプで送ることによってPAから洗い流される。小さな切開が左心室の左心耳に行われて、溶液が肺動脈循環から流出することを許す。
4.特に下肺区域でにおける均一な充填を確実にする為に、肺が直立位置に保持される。
5.粘度25センチポアズ(cP;0.01グラム/センチメートル秒)を有するシリコーンポリマーキャスティングコンパウンド、MV-yellow Microfil、が、中粘度(MV:medium-viscosity)希釈剤と5:4(希釈剤:化合物)の体積比で混合され、そして5%(体積比)硬化剤に添加される。次に、この新たに混合されたシリコーンポリマーキャスティング材料は、ポリマーがRVに到達するまで、2ml/分でカテーテルを通じてポンプで送られる。該ポリマーが肺循環に入ると、流速が0.05ml/分に減らされた。
6.該ポリマーが肺の表面に均一に見える場合に、該ポンプが停止される。左肺を洗浄しているPAは、心肺ブロックから切除される前に結紮される。
7.次に、PAを結紮された左肺が小さな容器に移され、そして4℃で24時間保存されて、シリコーンポリマーの完全重合を許す。右肺キャスティングの場合、右PAが結紮される。
8.一旦重合すると、10%ホルマリンが容器に加えられて、左肺(又は右肺葉)をホルマリンに浸し、そして4℃でさらに48時間保存される。
9.次に、左肺(又は右肺の葉)は、Bruker(Manning Park,MA,米国)のスカイスキャン(Skyscan)を使用したマイクロCTイメージングの為に、シャーブルック大学(University of Sherbrooke)(ケベック,カナダ)の工学部に送られる。次に、画像が、分析の為にFluidda inc.に送られる。
【0340】
結果:
【0341】
【0342】
【0343】
結論として、Sugen低酸素モデルにおける化合物Aでのラットの処置は、70mg/kgで平均肺動脈圧を低下させる傾向を示す。
【0344】
実施例4:肺動脈性肺高血圧症のラットモノクロタリンモデルにおける化合物のイン・ビボ有効性研究
【0345】
実験システム
【0346】
取得システム
Microsoft Windows XP Professional2007を実行しているネットワーク接続されたパーソナルコンピュータがデータ取得の為に使用される。取得ソフトウェアは、AxonInstrumentのインターフェイスDigidataを使用するAxoScope 10.2である。AxoScope 10.2は、それが使用される接続されたコンテキストにおいて完全に検証されている。
【0347】
分析システム
分析ソフトウェアは、Axon InstrumentsのClampfit 10.2.0.14であり、Microsoft Windows XP Professional 2016を実行しているネットワーク化されたパーソナルコンピューターにおいてインストールされている。のClampfit 10.2.0.14は、それが使用される接続コンテキストにおいて完全に検証されている。グラフの為の分析ソフトウェアは、Microsoft Windows 10 Familleを実行しているネットワーク化されたパーソナルコンピューターにおいてインストールされたMicrosoft Office Excel 2016である。
【0348】
実験データの編集
1.解析されるべき実験トレースがクランプフィットで開かれる。
2.右心房圧が1分間記録される。
3.少なくとも1分間、又は信号が失われるまで継続的に記録されたPAPは、平均、拡張期及び収縮期の肺動脈圧を抽出するために使用される。
4.継続的に記録された全身動脈圧(SAP:systemic arterial pressure)は、平均、拡張期及び収縮期の動脈圧を抽出するために使用される。
5.血行力学的パラメータ記録の最後に、中隔と肺葉とを含む左右の心室が切除されて、湿重量を測定する。
6.各パラメータは、グループごとにまとめられ、そして適切な統計分析とともに棒グラフで表される。
【0349】
【0350】
実験手順:
【0351】
モノクロタリン溶液の調製
適切な量のモノクロタリンが秤量され、そして正しい量の1.0N HClの1/3が加えられ、そして混合されて、モノクロタリンの可溶化を確実にする。次に、該溶液が正しい容量の1.0N NaOHの1/3で中和される。該溶液のpHは、pH指示紙/ストリップ又は電子pHメーターでチェックされ、そして必要に応じて中性に調整される;最終容量が、注射用水で仕上げられて、20mg/mLの溶液を得る。モノクロタリン溶液が、肩越しに、首の上の緩い皮膚に、各ラットに3mL/kg体重(用量は60mg/kgである)で皮下注射される。
【0352】
化合物A溶液の調製
化合物Aが、ビヒクル中の懸濁物として投与された。
必要な濃度に達成する為に、化合物Aが、乳鉢及び乳棒を使用して微粉末に粉砕され、そして次に、懸濁が達成されるまで20%(最終容量)のビヒクルA1と混合された。次に、80%のビヒクルA2が、マグネチックスターラーの攪拌下で、懸濁物に加えられた。
【0353】
ビヒクルA1:0.5%(w/v)のカルボキシメチルセルロース(CMC),注射用水中400~800センチポアズ+2.5%(w/v)のTween 80
【0354】
ビヒクルA2:0.5%の(w/v)のカルボキシメチルセルロース(CMC),注射用水中400~800センチポアズ
【0355】
投与のためのビヒクル:80%ビヒクルA2を伴う20%ビヒクルA1
【0356】
対照及び化合物A投与製剤は、投与前に少なくとも15分間で攪拌され、そして投与手順全体を通じて継続的な磁気攪拌下で維持された。
【0357】
【0358】
シルデナフィルの調製
適量のシルデナフィルが秤量され、そして適量の蒸留水が加えられて5mg/mLで懸濁物を得た。均一な懸濁物が得られるまで、該懸濁物が30~60分間攪拌棒で混合される。投与量が強制経口投与シリンジ内に吸引されている間、均一な懸濁物を維持するように注意が払われる(継続的に攪拌する)。一度に1つの強制経口投与シリンジが充填され、そして次のシリンジに充填する前に投与される。溶液は2~8℃で冷蔵保存され、且つ光から保護される。有効期限は調製後7日である。
【0359】
【0360】
実験手順
【0361】
研究設計
【0362】
PAHの誘発
動物は、それらの体重及び研究責任者による経胸壁心エコー検査(7日目で)の結果に基づいて、処置グループ間でランダム化される。同じ処置グループ内の動物はペアで飼育される。
【0363】
グループ2~5(表13を参照)からの動物は、0日目にモノクロタリン(monocrotaline)(60mg/kg)溶液の単回の皮下注射を受け、そしてそれらのケージに戻される。グループ1の動物は、0日目にMCTの為に1回の皮下注射を受け、それらの個々のケージに戻される。
【0364】
処置
化合物A、シルデナフィル(sildenafil)又はビヒクルでの処置は、下記の表13にスケジュールされ且つ記載されている通り、7日目(グループ2~5)の時点で投与される。グループ2~4は1日1回投与される。参照グループ5は、シルデナフィルを1日2回投与される。食物と水は自由に与えられる。動物の行動及び一般的な健康状態の毎日の観察が行われる。毎週体重が測られる。
【0365】
心エコー図
疾病の進行の心エコー図モニタリングは、全ての動物について、0日目、7日目、及び手術日(28日目)に実施される。
【0366】
採血
静脈血(0.5ml,EDTAで抗凝固処理された)が、7日目の初回投与直後の0日目に全ての動物(正常酸素対照を含む)から採取された。最終手術の日、すなわち28日目、血行力学的測定後、心臓穿刺がラットにおいて行われて、3mlの血液を採取した。EDTAで抗凝固処理された全血が遠心分離されて、血漿を生成し、血漿が、動物番号、グループID及び時点で少なくともラベル付けされた清潔なチューブ内にデカントされ、そしてスポンサーに移すまで-80℃で凍結保存された。
【0367】
【表16】
* n=10のグループを有する為に、このモデルにおいて約10~20%である死亡率を補償する為に12匹の動物が開始される。
【0368】
有効性研究動物における血行力学的及び機能的パラメータの外科的器具及び測定
1.手術の選択された日に、ラットが酸素中の2~2.5%イソフルランUSP(Abbot Laboratories,モントリオール,カナダ)の混合物で麻酔され、そして体温を維持する為に加熱パッド上に置かれる。
2.ラットが、気管切開され、そして65~70ストローク/分の頻度で約10ml/kg体重に設定された陽圧齧歯類呼吸器によって直ちに換気される。
3.リードIIECG接触電極が、外科的処置中にECGを継続的に監視する為にラット上に配置される。
4.圧力変換器に接続されたカニューレが左大腿動脈に挿入されて、動脈血圧を測定する。
5.圧力変換器に接続されたカニューレが右頸静脈から右心房に挿入されて、右心房の圧力を測定する。
6.心臓が胸骨切開を通して暴露され、そしてInsyteにおいて20GA 1.16が右心室に導入され、そしてトランスデューサーに接続された生理食塩水で満たされたPE-50カテーテルに速やかに接続される。
7.数秒間の右心室圧の記録に続いて、該インサイトは肺動脈にさらに進められて、追加の60秒間のPAP記録を可能にする。
8.血行力学的パラメータが、該手順の期間中又はPAP信号が失われるまで継続的に記録される。
9.血行力学的モニタリングに続いて、胸腔がさらに開かれて、肺を露出する。気管の上の筋肉が解剖されて、肺及び心臓を取り除く。採取された組織がPBSでリンスされて余分な血液を取り除き、秤量される。
10.胸腔がさらに開かれて、肺を露出する。気管の上の筋肉が解剖されて、肺及び心臓を取り除く。採取された組織がPBSでリンスされて余分な血液を取り除き、秤量される。
11.肺の組織学及びキャスティング(casting)の為に、該プロセスは下記の通りである。1)グループ当たり8匹のラットが取り置かれて、左肺の組織学を評価し、そして、それ故に、このセクション8.2の項12において記載されている通りに扱われる。2)グループ当たり2匹のラットが左肺の3次元血管構造の定量的特性評価を可能にするのに役立ち、そして、それ故に、左肺のキャスティングについて下記のセクション8.3において説明されている通りに扱われる。
12.組織学の為に、左葉が、鈍い先端の針組織学では、鈍い先端の針(23g)が取り付けられた固定液(10%NBF)で満たされた10mLシリンジを使用して膨らまされる。針先が気管に挿入されて、別の注射器が肺動脈に結び付けられながら、結ばれた縫合糸で所定の位置に保持される。肺は、全ての葉が完全に、均一に、そして一貫して拡張されるまで、生理学的圧力(20~25mmHg)で穏やかに膨張される(固定液が肺表面からにじみ出ることは許されない)。このことは、過度の組織破壊を引き起こすことなしに、最適な血管及び気道の拡張を提供する。次に、針が除かれて、気管の周りを縫合され、そして組織と固定液との比率が1:20での10%NBFに浸される。該組織は24~48時間ホルマリン中で保持される。次に、それらは3つの部位(上部、中部及び下部)にカットされる。切片がモントリオール(カナダ,ケベック州)の免疫学研究所(IRIC:Institute for Research in Immunology and cacner)に送られ、包埋され、スライスされ、そして内皮細胞染色の為にヘマトキシリン及びエオシン(H&E:Hematoxylin and Eosin)又はフォンウィルブランド因子(VWF:von Willebrand Factor)で染色される。
13.フルトン指数(Fulton’s index)の一部として、心臓が解剖されて、右心室を中隔で左心室から分離し、そして次に、別々に秤量される。
【0369】
肺動脈のキャスティング(casting)手順
1.血行力学的パラメータの記録に続いて、10匹のラットのうち2匹が肺及び心臓を採取され、そして左肺の肺動脈キャスティングのプロセスを行う。
2.長さ40cmにカットされ、一端が18-G針に接続され且つ他端が熱で鈍化されたポリエチレン(PE190)チューブが、右心室(RV:right ventricle)へのカテーテルとして使用される。該カテーテルは主肺動脈(MPA:main pulmonary artery)のレベルまで進められ、それはそこで固定される。右肺のキャスティングの為に、該カテーテルは右肺の肺動脈(PA:pulmonary artery)内に進められ、それは左肺の灌流を避ける為に所定の位置に固定される。
3.血液が、2m0/分に設定された連続シリンジポンプを使用して、2mlの希釈されたヘパリンナトリウム(5ユニット/ml)(APP Pharmaceuticals,Inc.,Schaumburg,IL,米国)をポンプで送ることによってPAから洗い流される。小さな切開が左心室の左心耳に行われて、溶液が肺動脈循環から流出することを許す。
4.特に下肺区域でにおける均一な充填を確実にする為に、肺が直立位置に保持される。
5.粘度25センチポアズ(cP;0.01グラム/センチメートル秒)を有するシリコーンポリマーキャスティングコンパウンド、MV-yellow Microfil、が、中粘度(MV:medium-viscosity)希釈剤と5:4(希釈剤:化合物)の体積比で混合され、そして5%(体積比)硬化剤に添加される。次に、この新たに混合されたシリコーンポリマーキャスティング材料は、ポリマーがRVに到達するまで、2ml/分でカテーテルを通じてポンプで送られる。該ポリマーが肺循環に入ると、流速が0.05ml/分に減らされた。
6.該ポリマーが肺の表面に均一に見える場合に、該ポンプが停止される。左肺を洗浄しているPAは、心肺ブロックから切除される前に結紮される。
7.次に、PAを結紮された左肺が小さな容器に移され、そして4℃で24時間保存されて、シリコーンポリマーの完全重合を許す。右肺キャスティングの場合、右PAが結紮される。
8.一旦重合すると、10%ホルマリンが容器に加えられて、左肺(又は右肺葉)をホルマリンに浸し、そして4℃でさらに48時間保存される。
9.次に、左肺(又は右肺の葉)は、Bruker(Manning Park,MA,米国)のスカイスキャン(Skyscan)を使用したマイクロCTイメージングの為に、シャーブルック大学(University of Sherbrooke)(ケベック,カナダ)の工学部に送られる。次に、画像が、分析の為にFluidda inc.に送られる。
【0370】
結果:
【0371】
【0372】
結論
本研究において、化合物Aでの処置は、肺高血圧症がモノクロタリンによって誘発されたがオスラットでは効果がない、メスラットにおける肺圧を有意に低下させる。
【0373】
更なる例示的な実施形態:
【0374】
1.必要とする患者において炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、該炎症性の疾病、障害又は状態が下記から選択される:
a.1型糖尿病、2型糖尿病、急性膵炎及び慢性膵炎から選択される、炎症性の疾病、障害又は状態;
b.糸球体硬化症、糸球体腎炎、腎炎、急性腎障害、ベルガー病、グッドパスチャー症候群、ヴェグナー肉芽腫症、及び腎移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、腎臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
c.非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾病(NAFLD)、胆汁うっ滞性肝疾病、硬化性胆管炎、及び肝移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、肝臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
d.慢性閉塞性肺疾病(COPD)、喘息、肺線維症、肺高血圧症、サルコイドーシス、心筋炎、心膜炎、及び肺又は心臓の移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、肺又は心臓における、炎症性の疾病、障害又は状態;
e.接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、にきび、ケロイド瘢痕、及び他の皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態から選択される、皮膚における、炎症性の疾病、障害又は状態;
f.ベーチェット病、血管炎、敗血症、腫瘍血管新生、アテローム性動脈硬化症、増殖性血管疾病、及び再狭窄から選択される、血管/血液における、炎症性の疾病、障害又は状態;
g.結膜炎、強膜炎、上強膜炎、全ブドウ膜炎、脈絡膜炎、脈絡網膜炎、神経網膜炎、ブドウ膜炎、眼窩炎症性疾病、及び視神経炎から選択される、眼における、炎症性の疾病、障害又は状態;
h.非ウイルス性及びウイルス性脳炎及び髄膜炎、うつ病、慢性疼痛を包含する神経障害性疼痛、脳卒中を包含する外傷性脳損傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、脊髄炎、シャルコー・マリー・トゥース病1型(CMT1A及びCMT1Bを包含する)、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、クロイツフェルト・ヤコブ病、脱髄性多発神経障害、及び末梢神経障害から選択される、中枢神経系又は末梢神経系における、炎症性の疾病、障害又は状態;
i.皮膚及び腎臓における狼瘡を包含する狼瘡、ギランバレー症候群、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、特発性紫斑病、再生不良性貧血、グレーブス病、及び心筋炎から選択される、自己免疫の疾病、障害又は状態;
j.腸不全、潰瘍性大腸炎及びクローン病から選択される、腸における、炎症性の疾病、障害又は状態;
k.子宮内膜症、子宮筋腫、前立腺異形成又は成長、及び子宮頚部異形成から選択される、生殖システムにおける、炎症性の疾病、障害又は状態;並びに、
l.若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、歯周炎、及び、手、足、足首、膝、腰、肩、肘又は脊柱の関節炎及び/又は脱ミネラル化から選択される、骨及び/又は関節における、炎症性の疾病、障害又は状態、
上記方法は、該患者に、下記の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することの工程を含み、
【化72】
ここで、
ZはC又はNであり、
VはC又はNであり、
【化73】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、下記の式(IIa)の基
【化74】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化75】
によって、一又は二置換されていてもよい、
QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R”は存在しない、
R
1及びR
2の各々は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキルであり、
R
3及びR
4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
nは、1、2又は3であり、
n’は、1、2又は3であり、
各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、下記の式(IIa)の基
【化76】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化77】
であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル若しくは(C
3~C
6)シクロアルキルであり、又は、
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が前記(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる、並びに、
R”は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル又は、上記で定義された式(IIa)の基である。
【0375】
2.上記化合物が、下記の式(Ia)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様1に記載の方法。
【化78】
【0376】
3.上記化合物が、下記の式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様1に記載の方法。
【化79】
【0377】
4.上記化合物が、下記の式(Ic)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様1に記載の方法。
【化80】
【0378】
5.上記化合物が、下記の式(Ib’)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様1に記載の方法。
【化81】
【0379】
6.上記化合物が、下記の式(Id)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様1に記載の方法。
【化82】
【0380】
7.式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩
【化83】
ここで、変数V、Z、R、R’、n及びn’のそれぞれは、実施態様1で記載された通りであり、但し、該化合物は下記の化合物でない。
【化84】
【0381】
8.上記化合物が、下記の式の化合物又はその医薬的に許容される塩である、
実施態様7に記載の化合物。
【化85】
【0382】
9.上記化合物が、下記の式(IVb)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様7に記載の化合物。
【化86】
【0383】
10.上記化合物が、下記の式(IVc)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様7に記載の化合物。
【化87】
【0384】
11.上記化合物が、下記の式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様7に記載の化合物。
【化88】
【0385】
12.上記化合物が、下記の式(IVd)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様7に記載の化合物。
【化89】
【0386】
13.実施態様7~12のいずれか1つに記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩、及び医薬的に許容される担体、助剤又はビヒクルを含む医薬組成物。
【0387】
14.炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、実施態様7~12のいずれか1つに記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又は実施態様12に記載の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、上記方法。
【0388】
15.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、膵臓における、1型糖尿病、2型糖尿病、急性膵炎及び慢性膵炎から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0389】
16.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、腎臓における、糸球体硬化症、糸球体腎炎、腎炎、急性腎障害、ベルガー病、グッドパスチャー症候群、ヴェグナー肉芽腫症、及び腎移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0390】
17.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、肝臓における、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾病(NAFLD)、胆汁うっ滞性肝疾病、硬化性胆管炎、及び肝移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0391】
18.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、肺又は心臓における、慢性閉塞性肺疾病(COPD)、喘息、肺線維症、肺高血圧症、サルコイドーシス、心筋炎、心膜炎、及び肺又は心臓の移植の急性又は慢性拒絶反応から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0392】
19.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、皮膚における、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、にきび、ケロイド瘢痕、及び他の皮膚の炎症性又はアレルギー性の状態から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0393】
20.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、血管/血液における、ベーチェット病、血管炎、敗血症、腫瘍血管新生、アテローム性動脈硬化症、増殖性血管疾病、及び再狭窄から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0394】
21.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、眼における、結膜炎、強膜炎、上強膜炎、全ブドウ膜炎、脈絡膜炎、脈絡網膜炎、神経網膜炎、ブドウ膜炎、眼窩炎症性疾病、及び視神経炎から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0395】
22.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、中枢神経系又は末梢神経系における、非ウイルス性及びウイルス性脳炎及び髄膜炎、うつ病、慢性疼痛を包含する神経障害性疼痛、脳卒中を包含する外傷性脳損傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、脊髄炎、シャルコー・マリー・トゥース病1型(CMT1A及びCMT1Bを包含する)、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、クロイツフェルト・ヤコブ病、脱髄性多発神経障害、及び末梢神経障害から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0396】
23.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、皮膚及び腎臓における狼瘡を包含する狼瘡、ギランバレー症候群、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、特発性紫斑病、再生不良性貧血、グレーブス病、及び心筋炎から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0397】
24.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、腸における、腸不全、潰瘍性大腸炎及びクローン病から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0398】
25.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、生殖システムにおける、子宮内膜症、子宮筋腫、前立腺異形成又は成長、及び子宮頚部異形成から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0399】
26.上記炎症性の疾病、障害又は状態が、骨及び/又は関節における、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、歯周炎、及び、手、足、足首、膝、腰、肩、肘又は脊柱の関節炎及び/又は脱ミネラル化から選択される、実施態様1~6及び14のいずれか1つに記載の方法。
【0400】
27.式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルを測定することをさらに含む、実施態様1~6及び14~26のいずれか1つに記載の方法。
【0401】
28.式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルを測定することをさらに含む、実施態様1~6及び14~27のいずれか1つに記載の方法。
【0402】
29.式(I)及び式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルを測定することをさらに含む、実施態様1~6及び14~28のいずれか1つに記載の方法。
【0403】
30.上記処置の前及びその間に、上記患者の血液及び/又は組織のサンプルにおけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定することをさらに含む、実施態様1~6及び14~29のいずれか1つに記載の方法。
【0404】
31.上記患者の血液及び/又は組織のサンプルにおけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定することによって患者を選択することをさらに含む、実施態様1~6及び14~30のいずれか1つに記載の方法。
【0405】
32.miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは式(I)若しくは式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムを使用して、疾病、障害又は状態の重症度を監視する及び/又は処置の有効性を監視することをさらに含む、実施態様1~6及び14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0406】
33.miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは式(I)若しくは式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムを使用して、処置の為の患者を選択することをさらに含む、実施態様1~6及び14~31のいずれか1つに記載の方法。
【0407】
34.疾病、障害又は状態の重症度を監視する為に及び/又は処置の有効性を監視する為に、iR-124レベルと、選択されたサイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは式(I)若しくは式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズム。
【国際調査報告】