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特表2022-513525婦人科がんのマーカーとしてのMCM5の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-08
(54)【発明の名称】婦人科がんのマーカーとしてのMCM5の使用
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/574 20060101AFI20220201BHJP
   G01N 33/531 20060101ALI20220201BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20220201BHJP
【FI】
G01N33/574 A ZNA
G01N33/531 B
C12N15/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535576
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 GB2019053626
(87)【国際公開番号】W WO2020128485
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】1820867.8
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】517426786
【氏名又は名称】アーケア ダイアグノスティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ストックリー,ジャクリーン
(72)【発明者】
【氏名】ナイバーグ,シェリル
(57)【要約】
本発明は、(a)対象から単離された非侵襲的試料を得るステップ、及び(b)前記非侵襲的試料を処理して、前記非侵襲的試料中の細胞から少なくとも1つのバイオマーカーを放出させるステップを含む、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法に関する。本発明はまた、そのような方法に使用することができる溶解緩衝剤、モノクローナル抗体、及びキットに関する。本発明はまた、婦人科がん又は良性婦人科状態を有するとして対象を診断する方法に関する。本発明はまた、婦人科がんに関連する非侵襲的試料と、良性婦人科がんに関連する非侵襲的試料とを識別する方法に関する。本発明はさらに、対象を2つの処置群の1つへ分類する方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法であって、
前記対象から単離された非侵襲的試料を得るステップ、及び
少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記非侵襲的試料が、尿試料、タンポン試料、及び膣スワブ試料からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
決定された前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を参照と比較するステップをさらに含み、好ましくは、前記参照が、1以上の健康な個体から調製された1つ以上の試料について決定された前記少なくとも1つのバイオマーカーの平均濃度であり、必要に応じて、
(i)前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照と比較して異常である場合に、婦人科がんが存在する可能性があり、且つ/又は
(ii)前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より高い場合に、婦人科がんが存在する可能性がある、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定する前記ステップが、
ELISAアッセイを行って、前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定すること
を含み、必要に応じて、
(a)前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が、5pg/mL、6pg/mL、7pg/mL、8pg/mL、9pg/mL、10pg/mL、11pg/mL、12pg/mL、13pg/mL、14pg/mL、15pg/mL、16pg/mL、17pg/mL、18pg/mL、19pg/mL、20pg/mL、21pg/mL、22pg/mL、23pg/mL、24pg/mL、25pg/mL、26pg/mL、27pg/mL、28pg/mL、29pg/mL、30pg/mL、35pg/mL、45pg/mL、50pg/mL、55pg/mL、60pg/mL、65pg/mL、又は70pg/mLより高いと決定された場合に前記婦人科がんが存在する可能性があり、
(b)前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が、(i)約12pg/mL、(ii)約17pg/mL、又は(iii)約70pg/mL、好ましくは約12pg/mLより高いと決定された場合に前記婦人科がんが存在する可能性があり、且つ/又は
(c)12pg/mL、17pg/mL又は70pg/mL、好ましくは約12pg/mLのカットオフが適用される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、対象における婦人科がんを診断する方法であり、必要に応じて、前記方法が、
婦人科がんが存在する可能性がある場合に、婦人科がんを有するとして前記対象を診断するステップ
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
婦人科がん又は良性婦人科状態を有するとして対象を診断する方法であって、
前記対象から予め単離された非侵襲的試料を提供するステップ、
前記非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を参照と比較するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より高い場合に、婦人科がんを有するとして前記対象を診断し、又は前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より低い場合に、良性婦人科状態を有するとして前記対象を診断するステップ
を含む、方法。
【請求項7】
婦人科がんに関連する非侵襲的試料と、良性婦人科がんに関連する非侵襲的試料とを識別する方法であって、
対象から予め単離された非侵襲的試料を提供するステップ、
前記非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を参照と比較するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より高い場合に、前記非侵襲的試料は婦人科がんに関連することを決定し、又は前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より低い場合に、前記非侵襲的試料は良性婦人科状態に関連することを決定するステップ
を含む、方法。
【請求項8】
対象を第1又は第2の処置群に分類する方法であって、
前記対象から予め単離された非侵襲的試料を提供するステップ、
前記非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度に基づいて前記対象を2つの処置群の1つに割り当てるステップであって、第1の処置群が、婦人科がんの処置を受けることになり、且つ、第2の処置群が、処置を受けないか、又は良性婦人科状態の処置を受けることになる、前記ステップ
を含む、方法。
【請求項9】
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が参照より高い場合に、前記対象が前記第1の処置群に割り当てられ、又は前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より低い場合に前記対象が前記第2の処置群に割り当てられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(i)前記良性婦人科状態が、閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択され、
(ii)前記非侵襲的試料が尿試料であり、
(iii)前記少なくとも1つのバイオマーカーがMCMタンパク質、必要に応じてMCM5であり、
(iv)前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定する前記ステップが、ELISAアッセイ、必要に応じてMCM5 ELISAアッセイを行って、前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、若しくは前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定すること、且つ/又は
(v)前記参照が約12pg/mLである、
請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記非侵襲的試料が尿試料である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
in vitroの方法である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記非侵襲的試料を処理して、前記非侵襲的試料中の細胞から前記少なくとも1つのバイオマーカーを放出させるステップをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記非侵襲的試料を処理して前記少なくとも1つのバイオマーカーを放出させる前記ステップが、前記非侵襲的試料中の細胞から前記少なくとも1つのバイオマーカーを放出させることができる溶解緩衝液に前記非侵襲的試料を曝露することを含み、必要に応じて、前記非侵襲的試料を処理して前記少なくとも1つのバイオマーカーを放出させる前記ステップが、
細胞がフィルターに捕捉されるように、細胞を捕捉するための前記フィルターに前記非侵襲的試料を通過させること、
前記捕捉された細胞が溶解緩衝液に曝露されるように、前記溶解緩衝液を前記フィルターに通過させること、及び/又は
前記溶解緩衝液により前記細胞が少なくとも1つのバイオマーカーを放出するように、前記フィルターを所定時間インキュベートすること
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのバイオマーカーがMCMタンパク質を含むか又はそれからなり、必要に応じて前記MCMタンパク質がMCM5である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのバイオマーカーがMCMタンパク質、必要に応じてMCM5であり、且つ、前記溶解緩衝液が前記非侵襲的試料中の細胞からMCMタンパク質、必要に応じてMCM5を放出させることができる、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記溶解緩衝液が、前記非侵襲的試料中の細胞からMCM5を放出させることができ、且つ、MCM5タンパク質を実質的に変性させず、必要に応じて前記溶解緩衝液が抗体を変性させない、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
(a)前記溶解緩衝液が界面活性剤を含み、
(b)前記溶解緩衝液が、Triton X-100を含む界面活性剤を含み、
(c)前記溶解緩衝液が、0.01%~25%、0.01%~10%、0.05%~5%、0.1%~2%、0.5%~2%、0.75%~1.25%、又は約1%の濃度でTriton X-100を含む界面活性剤を含み、
(d)前記溶解緩衝液が、デオキシコール酸ナトリウムを含むか又はそれからなる界面活性剤を含み、
(e)前記溶解緩衝液が、0.1%~20%、0.1~10%、0.1~5%、0.5%~5%、0.5%~2.5%、0.75%~2.5%、0.75%~1.25%、又は約1%の濃度でデオキシコール酸ナトリウムを含むか又はそれからなる界面活性剤を含み、
(f)前記溶解緩衝液が、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むか又はそれからなる界面活性剤を含み、
(g)前記溶解緩衝液が、0.001%~10%、0.01%~5%、0.05%~5%、0.01%~1%、0.05%~1%、0.05%~0.5%、0.075%~0.25%、又は約0.1%の濃度でドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むか又はそれからなる界面活性剤を含み、
(h)前記溶解緩衝液が、Triton X-100、デオキシコール酸ナトリウム、及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)からなる界面活性剤を含み、
(i)前記溶解緩衝液が、0.5%~2%のTriton X-100、0.5%~2%のデオキシコール酸ナトリウム、及び0.05%~0.5%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)からなる界面活性剤を含み、
(j)前記溶解緩衝液が緩衝剤成分を含み、
(k)前記溶解緩衝液が、pH4~pH9、pH5~pH8.5、pH6~pH8、pH6.5~pH8、pH7~pH8、pH7.3~pH7.9、pH7.4~pH7.8、pH7.5~pH7.7、又は約pH7.6のpHを有し、且つ/又は前記溶解緩衝液のpHをpH4~pH9、pH5~pH8.5、pH6~pH8、pH6.5~pH8、pH7~pH8、pH7.3~pH7.9、pH7.4~pH7.8、pH7.5~pH7.7、又は約pH7.6に維持する緩衝剤成分を含み、
(l)前記溶解緩衝液が、Trisを含むか、又はそれからなる緩衝剤成分を含み、
(m)前記溶解緩衝液が、1mMより高い、1mM~350mM、5~200mM、5~100mM、5~50mM、5mM~40mM、5mM~35mM、10mM~35mM、15mM~35mM、15mM~30mM、20mM~30mM、又は約25mMの濃度でTrisを含むか、又はそれからなる緩衝剤成分を含み、
(n)前記溶解緩衝液が、15mM~35mMの濃度のTrisからなる緩衝剤成分を含み、
(o)前記溶解緩衝液が塩を含み、
(p)前記溶解緩衝液が塩化ナトリウムを含み、
(q)前記溶解緩衝液が、10mM~350mM、20mM~300mM、50mM~250mM、100mM~250、100mM~200mM、125mM~175mM、又は約150mMの濃度で塩化ナトリウムを含み、
(r)前記溶解緩衝液が100mM~200mMの濃度で塩化ナトリウムを含み、
(s)前記溶解緩衝液が、
(i)1mM~100mMのTris、
(ii)50mM~300mMの塩化ナトリウム、
(iii)0.1~5%のデオキシコール酸ナトリウム、
(iv)0.01~1%のドデシル硫酸ナトリウム、及び/又は
(v)0.1~5%のTriton-X100
を含み、
(t)前記溶解緩衝液が、
(i)10mM~40mMのTris、
(ii)100mM~200mMの塩化ナトリウム、
(iii)0.5~2%のデオキシコール酸ナトリウム、
(iv)0.05~0.5%のドデシル硫酸ナトリウム、及び/又は
(v)0.5~2%のTriton-X100
を含み、且つ/又は
(u)前記溶解緩衝液が、
(i)約25mMのTris、
(ii)約150mMの塩化ナトリウム、
(iii)約1%のデオキシコール酸ナトリウム、
(iv)約0.1%のドデシル硫酸ナトリウム、及び/又は
(v)約1%のTriton-X100
を含む、
請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定する前記ステップが、
前記非侵襲的試料を第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体に曝露すること、並びに
前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体に結合した前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体に結合した前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定すること
を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のモノクローナル抗体及び前記第2のモノクローナル抗体がMCM5に結合し、必要に応じて、前記第1のモノクローナル抗体が、
(i)配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合し、
(ii)(a)配列番号9の配列、又は配列番号9とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH1、
(b)配列番号11の配列、又は配列番号11とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH2、
(c)配列番号13の配列、又は配列番号13とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH3、
(d)配列番号3の配列、又は配列番号3とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL1、
(e)配列番号5の配列、又は配列番号5とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL2、及び
(f)配列番号7の配列、又は配列番号7とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL3
からなる群から選択される少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含み、
(iii)配列番号29に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含み、
(iv)配列番号27に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域配列を含み、又は
(v)(i)、(ii)、(iii)、又は(iv)の抗体と競合する
抗体であり、且つ/又は
前記第2のモノクローナル抗体が、
(i)配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合し、
(ii)(a)配列番号21の配列、又は配列番号21とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH1、
(b)配列番号23の配列、又は配列番号23とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH2、
(c)配列番号25の配列、又は配列番号25とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH3、
(d)配列番号15の配列、又は配列番号15とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL1、
(e)配列番号17の配列、又は配列番号17とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL2、及び
(f)配列番号19の配列、又は配列番号19とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL3
からなる群から選択される少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含み、
(iii)配列番号33に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含み、
(iv)配列番号31に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域配列を含み、又は
(v)(i)、(ii)、(iii)、又は(iv)の抗体と競合する
抗体である、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
(a)前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体が、0.001~1nMの範囲内のMCM5に対する親和性を有し、
(b)前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体が、Fab'2、F'(ab)2、Fv、単鎖抗体又はダイアボディであり、
(c)前記第1のモノクローナル抗体が、12A7 CDRH1、12A7 CDRH2、及び12A7 CDRH3を含み、
(d)前記第1のモノクローナル抗体が、12A7 CDRL1、12A7 CDRL2及び12A7 CDRL3を含み、
(e)前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号9の配列を有する12A7 CDRH1、配列番号11の配列を有する12A7 CDRH2、及び配列番号13の配列を有する12A7 CDRH3を含み、
(f)前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号3の配列を有する12A7 CDRL1、配列番号5の配列を有する12A7 CDRL2、及び配列番号7の配列を有する12A7 CDRL3を含み、
(g)前記第2のモノクローナル抗体が、4B4 CDRH1、4B4 CDRH2、及び4B4 CDRH3を含み、
(h)前記第2のモノクローナル抗体が、4B4 CDRL1、4B4 CDRL2及び4B4 CDRL3を含み、
(i)前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号21の配列を有する4B4 CDRH1、配列番号23の配列を有する4B4 CDRH2、及び配列番号25の配列を有する4B4 CDRH3を含み、
(j)前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号15の配列を有する4B4 CDRL1、配列番号17の配列を有する4B4 CDRL2、及び配列番号19の配列を有する4B4 CDRL3を有し、
(k)前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号29に対して少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含み、
(l)前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号29に対して少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域を含み、
(m)前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号27に対して少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含み、
(n)前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号27に対して少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含み、
(o)前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号33に対して少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含み、
(p)前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号33に対して少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域を含み、
(q)前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号31に対して少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含み、且つ/又は
(r)前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号31に対して少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む、
請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
(i)前記非侵襲的試料が尿試料であり、且つ、前記方法が、スワブ試料を使用して行われる同等の方法及び/若しくはタンポン試料を使用して行われる同等の方法より高い感度を有し、且つ/又は
(ii)前記非侵襲的試料が尿試料であり、且つ、前記方法が、スワブ試料を使用して行われる同等の方法及び/若しくはタンポン試料を使用して行われる同等の方法より高い特異度を有する、
請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
(a)少なくとも約20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、又は50%の前記婦人科がんに対する感度を有し、
(b)少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、又は61%の前記婦人科がんに対する感度を有し、
(c)少なくとも約75%、76%、77%、78%、79%、80%、又は81%の前記婦人科がんに対する感度を有し、
(d)少なくとも約90%、92%、93%、94%、95%、又は96%の前記婦人科がんに対する感度を有し、
(e)少なくとも約20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%、又は40%の前記婦人科がんに対する特異度を有し、
(f)少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、又は60%の前記婦人科がんに対する特異度を有し、
(g)少なくとも約60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、74%、又は75%の前記婦人科がんに対する特異度を有し、且つ/又は
(h)少なくとも約80%、82%、83%、84%、85%、又は86%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
(a)前記非侵襲的試料が尿試料であり、且つ、前記方法が少なくとも約75%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約55%の前記婦人科がんに対する特異度を有し、
(b)前記非侵襲的試料が膣スワブ試料であり、且つ、前記方法が少なくとも約55%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約70%の前記婦人科がんに対する特異度を有し、
(c)前記非侵襲的試料がタンポン試料であり、且つ、前記方法が少なくとも約90%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約35%の前記婦人科がんに対する特異度を有し、
(d)前記非侵襲的試料がタンポン試料であり、且つ、前記方法が少なくとも約45%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約80%の前記婦人科がんに対する特異度を有し、又は
(e)前記非侵襲的試料がタンポン試料であり、且つ、前記方法が少なくとも約90%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約80%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における請求項1から24のいずれか一項において定義される溶解緩衝液の使用。
【請求項26】
対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における請求項1から25のいずれか一項において定義される第1のモノクローナル抗体及び/又は請求項1から25のいずれか一項において定義される第2のモノクローナル抗体の使用。
【請求項27】
対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法におけるキットの使用であって、前記キットが、
(a)請求項1から26のいずれか一項において定義される溶解緩衝液、
(b)請求項1から26のいずれか一項において定義される第1のモノクローナル抗体、及び/又は
(c)請求項1から26のいずれか一項において定義される第2のモノクローナル抗体
を含む、使用。
【請求項28】
(a)請求項1から27のいずれか一項において定義される溶解緩衝液、
(b)請求項1から27のいずれか一項において定義される第1のモノクローナル抗体、及び/又は
(c)請求項1から27のいずれか一項において定義される第2のモノクローナル抗体、
並びに
(d)対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における前記溶解緩衝液及び/又は前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体の使用のための説明書
を含む、キット。
【請求項29】
(a)前記婦人科がんが婦人科悪性腫瘍であり、
(b)前記婦人科がんが、卵巣がん、子宮内膜がん(endometrial cancer)、子宮がん、子宮頸がん、外陰がん、膣がん、卵管腫瘍、上皮卵巣腫瘍、卵巣奇形腫、未成熟卵巣奇形腫、間質性腫瘍、胚細胞性卵巣腫瘍、未分化腫瘍、境界悪性卵巣腫瘍、子宮内膜癌(endometrial carcinoma)、子宮内膜腺癌、類内膜腺癌、子宮内膜扁平上皮癌、漿液性癌、漿液性子宮内膜上皮内癌、子宮内膜癌肉腫、明細胞癌、粘液性癌、未分化子宮内膜癌、混合性子宮内膜癌、粘液性腫瘍、悪性混合性ミュラー管腫瘍、子宮内膜明細胞肉腫、顆粒膜細胞腫、漿液性卵管上皮内癌、未成熟嚢胞性奇形腫、漿液性卵巣腫瘍、及び小細胞癌からなる群から選択され、
(c)前記婦人科がんが卵巣がん若しくは子宮内膜がんであり、
(d)前記婦人科がんが卵巣がんであり、必要に応じて、前記卵巣がんが、上皮卵巣腫瘍、卵巣奇形腫、未成熟卵巣奇形腫、間質性腫瘍、胚細胞性卵巣腫瘍、未分化腫瘍、境界悪性卵巣腫瘍、粘液性腫瘍、顆粒膜細胞腫、未成熟嚢胞性奇形腫、漿液性卵巣腫瘍、及び小細胞癌からなる群から選択され、
(e)前記婦人科がんが子宮内膜がんであり、必要に応じて、前記子宮内膜がんが、子宮内膜癌、子宮内膜腺癌、類内膜腺癌、子宮内膜扁平上皮癌、漿液性癌、漿液性子宮内膜上皮内癌、子宮内膜癌肉腫、明細胞癌、粘液性癌、未分化子宮内膜癌、混合性子宮内膜癌、悪性混合性ミュラー管腫瘍、及び子宮内膜明細胞肉腫からなる群から選択され、且つ/又は
(f)前記婦人科がんが、
(i)低悪性度がん、必要に応じてG1がん、若しくは
(ii)高悪性度がん、必要に応じてG2以上の悪性度のがん
であり、且つ/又は
(g)前記婦人科がんが、
(i)初期ステージがん、必要に応じてS1がん、若しくは
(ii)後期ステージがん、必要に応じてS2以上の悪性度のがん
である、
請求項1から24のいずれか一項に記載の方法、請求項25から27のいずれか一項に記載の使用又は請求項28に記載のキット。
【請求項30】
(a)前記婦人科がんが卵巣がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約25%の前記卵巣がんに対する特異度を有し、
(b)前記婦人科がんが卵巣がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約50%の前記卵巣がんに対する感度を有し、
(c)前記婦人科がんが卵巣がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約25%の前記卵巣がんに対する特異度及び少なくとも約50%の前記卵巣がんに対する感度を有し、
(d)前記婦人科がんが子宮内膜がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約40%の前記子宮内膜がんに対する特異度を有し、
(e)前記婦人科がんが子宮内膜がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約80%の前記子宮内膜がんに対する感度を有し、且つ/又は
(f)前記婦人科がんが子宮内膜がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約40%の前記子宮内膜がんに対する特異度及び少なくとも約80%の前記子宮内膜がんに対する感度を有する、
請求項1から29のいずれか一項に記載の方法、使用又はキット。
【請求項31】
(a)前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが卵巣がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約60%の前記卵巣がんに対する感度及び少なくとも約70%の前記卵巣がんに対する特異度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用されるか、又は
(b)前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが子宮内膜がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約80%の前記子宮内膜がんに対する感度及び少なくとも約70%の前記子宮内膜がんに対する特異度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される、
請求項1から29のいずれか一項に記載の方法、使用又はキット。
【請求項32】
(a)前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが低悪性度卵巣がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約70%の前記低悪性度卵巣がんに対する感度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用されるか、
(b)前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが初期ステージ卵巣がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約70%の前記初期ステージ卵巣がんに対する感度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用されるか、
(c)前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが低悪性度子宮内膜がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約80%の前記低悪性度子宮内膜がんに対する感度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用されるか、又は
(d)前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが初期ステージ子宮内膜がんであり、且つ、前記方法が少なくとも約85%の前記初期ステージ子宮内膜がんに対する感度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される、
請求項1から29のいずれか一項に記載の方法、使用又はキット。
【請求項33】
前記対象が良性婦人科状態を患っており、必要に応じて、前記良性婦人科状態が、閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択される、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法、使用又はキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法、及び前記方法における溶解緩衝剤の使用に関する。本発明はまた、婦人科がん又は良性婦人科状態を有するとして対象を診断する方法に関する。本発明はまた、婦人科がんに関連する非侵襲的試料と、良性婦人科がんに関連する非侵襲的試料とを識別する方法に関する。本発明はさらに、対象を2つの処置群の1つへ分類する方法に関する。本発明はまた、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体の使用に関する。本発明はさらに、溶解緩衝剤、第1のモノクローナル抗体、及び/又は第2のモノクローナル抗体を含むキット、並びに対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における前記キットの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
初期ステージにおいて婦人科がん、例えば、卵巣がん及び子宮内膜がんを診断する方法の未だ満たされていない医療ニーズがある。卵巣がんは、UKにおいて女性のがんによる死亡の主要原因の一つであり、毎年約4,300人の死亡がある。これは、ある程度、卵巣がんの症状が現れるのが遅いことによる。毎年7,000個の診断された卵巣がんのうち、その大部分は、その疾患に関連する非特異的症状による進行性疾患を示す。それゆえに、生存の見込みを増加させる可能性があるより早期の検出を可能にするスクリーニングプログラムの開発に関心がもたれている。現在、卵巣がんと診断された患者のたった40%が5年間生存する。
【0003】
過去最大の卵巣がんスクリーニング治験(UKCTOCS)が2016年に発表され、CA125血液検査及び経膣スキャンからなる現在のスクリーニング方法に関して、死亡率への有意な効果はないことが見出された。そのスクリーニングの低い特異度により、対照集団と比較して、良性疾患を有する多数の患者が複雑な手術を不必要にも受けるという結果を生じた(Lancet 2016、387: 945~56)。
【0004】
したがって、初期ステージ疾患を検出することができる卵巣がんについてのスクリーニングツールの現実の未だ満たされていないニーズがある。
【0005】
子宮内膜がんは、UKの女性において4番目に多く診断されるがんであり、毎年9000人の女性が診断されている。より特異的な症状の結果として、子宮内膜がんは相対的に早く診断されている。統計により、それの最も早いステージで診断された場合、子宮内膜がんを有する患者の95%が5年間以上生存し、それに対して、最も遅いステージで診断された患者のたった15%が5年間以上生存することが示されている。したがって、子宮内膜がんについてのスクリーニングツールの使用によるより早期の検出の増加が、生存率を増加させるのに役立ち得る。
【0006】
このように、婦人科がんを高い特異度及び感度で診断することができる非外科的方法についての現実の未だ満たされていないニーズが依然としてある。さらに、診療所において又は家においてでも容易に行うことができるそのような方法の現実の未だ満たされていないニーズが依然としてある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、侵襲性外科的手順を必要としない、婦人科がんの早期検出のための方法、使用、及びキットを提供する。本発明の方法は、非侵襲的試料を使用して行うことができ、それゆえに、臨床検査室における使用及び/又はポイントオブケア適用に適している。さらに、本発明の方法は、それらが複雑な処理ステップを必要としないため、実行するのが容易である。
【0008】
特に、本発明者らは、婦人科がんが、非侵襲的試料において直接的に高精度で容易に検出され得ることを実証している。特に、低悪性度及び初期ステージの婦人科がんについての高感度もまた、本発明の方法、使用、及びキットについて実証されている。さらに、本発明者らは、本発明の方法、使用、及びキットが、最も多く見られる良性婦人科状態を有する対象における婦人科がんを正確に検出できることを見出している。これらの結果は、非侵襲的試料における婦人科がんの検出が、症候性集団における診断検査としてと、無症候性集団において婦人科がんを同定するためのスクリーニングツールとしての両方の明らかな可能性をもつことを示す。最終的に、これは、婦人科がんにおける生存率を向上させることが知られている、より早期の診断及び処置を可能にする。
【0009】
したがって、第1の態様では、本発明は、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法であって、
対象から単離された非侵襲的試料を得るステップ、及び
少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ
を含む、方法を提供する。
【0010】
一実施形態では、非侵襲的試料は、尿試料、タンポン試料、及び膣スワブ試料からなる群から選択される。
【0011】
一実施形態では、方法は、非侵襲的試料を処理して、非侵襲的試料中の細胞から少なくとも1つのバイオマーカーを放出させるステップをさらに含む。一実施形態では、方法は、決定された少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を参照と比較するステップをさらに含む。この参照は、1以上の健康な個体から調製された1個以上の試料について決定された少なくとも1つのバイオマーカーの平均濃度であり得る。
【0012】
一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照と比較して異常である場合に、婦人科がんが存在する可能性が高い。一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照より高い場合に、婦人科がんが存在する可能性が高い。
【0013】
一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップは、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又はELISAアッセイを行って、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定することを含む。一実施形態では、婦人科がんは、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が5pg/mL、6pg/mL、7pg/mL、8pg/mL、9pg/mL、10pg/mL、11pg/mL、12pg/mL、13pg/mL、14pg/mL、15pg/mL、16pg/mL、17pg/mL、18pg/mL、19pg/mL、20pg/mL、21pg/mL、22pg/mL、23pg/mL、24pg/mL、25pg/mL、26pg/mL、27pg/mL、28pg/mL、29pg/mL、30pg/mL、35pg/mL、45pg/mL、50pg/mL、55pg/mL、60pg/mL、65pg/mL、又は70pg/mLより高いと決定される場合に、存在する可能性が高い。一実施形態では、婦人科がんは、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約12pg/mLより高いと決定される場合に、存在する可能性が高い。一実施形態では、婦人科がんは、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約17pg/mLより高いと決定される場合に、存在する可能性が高い。一実施形態では、婦人科がんは、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約70pg/mLより高いと決定される場合に、存在する可能性が高い。
【0014】
一実施形態では、12pg/mL、17pg/mL、又は70pg/mLのカットオフが適用される。一実施形態では、12pg/mLのカットオフが適用される。そのような場合、ユーザーは、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度がそのカットオフより上であるかどうかを決定し、もし上であるならば、婦人科がんが存在する可能性が高いと決定する。
【0015】
一実施形態では、非侵襲的試料は尿試料である。
【0016】
一実施形態では、方法は、対象における婦人科がんを診断する方法であり、必要に応じて、方法はさらに、婦人科がんが存在する可能性が高い場合に、婦人科がんを有するとして対象を診断するステップを含む。
【0017】
一実施形態では、非侵襲的試料を処理して、少なくとも1つのバイオマーカーを放出させるステップは、非侵襲的試料中の細胞から少なくとも1つのバイオマーカーを放出させる能力がある溶解緩衝剤に非侵襲的試料を曝露させることを含む。
【0018】
さらなる態様では、本発明は、以下のステップ、婦人科がん又は良性婦人科状態を有するとして対象を診断する方法であって、
対象から予め単離された非侵襲的試料を提供するステップ、
非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ、
非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を参照と比較するステップ、
非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照より高い場合に、婦人科がんを有するとして対象を診断し、又は非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照より低い場合に、良性婦人科状態を有するとして対象を診断するステップ
を含む方法を提供する。
【0019】
別の態様では、本発明は、婦人科がんに関連する非侵襲的試料と、良性婦人科がんに関連する非侵襲的試料とを識別する方法であって、
対象から予め単離された非侵襲的試料を提供するステップ、
非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ、
非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を参照と比較するステップ、
非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照より高い場合に、侵襲的試料は婦人科がんに関連することを決定し、又は非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照より低い場合に、侵襲的試料は良性婦人科状態に関連することを決定するステップ
を含む、方法を提供する。
【0020】
さらなる態様では、本発明は、対象を第1又は第2の処置群に割り当てる方法であって、
対象から予め単離された非侵襲的試料を提供するステップ、
非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ、
非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度に基づいて、対象を2つの処置群の1つに割り当てるステップであって、第1の処置群が婦人科がんの処置を受けることになり、第2の処置群が、処置を受けないか、又は良性婦人科状態の処置を受けることになる、ステップ
を含む、方法を提供する。
【0021】
一実施形態では、対象は、非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照より高い場合に、第1の処置群に割り当てられ、又は対象は、非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照より低い場合に、第2の処置群に割り当てられる。
【0022】
婦人科がん若しくは本明細書に記載された良性婦人科状態を有するとして対象を診断する方法、婦人科がんに関連する非侵襲的試料と、本明細書に記載された良性婦人科がんに関連する非侵襲的試料とを識別する方法、又は本明細書に記載された第1若しくは第2の処置群へ対象を分類(階層化)する方法の特定の実施形態において、
(i)良性婦人科状態が、閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択される、
(ii)非侵襲的試料が尿試料である、
(iii)少なくとも1つのバイオマーカーがMCMタンパク質、必要に応じてMCM5である、
(iv)少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップが、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又はELISAアッセイ、必要に応じてMCM5 ELISAアッセイを行って、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定することを含む、並びに/又は
(v)参照は約12pg/mLである。
【0023】
一実施形態では、非侵襲的試料を処理して、少なくとも1つのバイオマーカーを放出させるステップは、
非侵襲的試料を、細胞を捕捉するためのフィルターに通過させて、その結果、細胞がフィルター内に捕捉されること、
溶解緩衝剤をフィルターに通過させ、その結果、捕捉された細胞が溶解緩衝剤に曝露されること、及び/又は
溶解緩衝剤により細胞が少なくとも1つのバイオマーカーを放出するように、フィルターを所定時間インキュベートすること
を含む。
【0024】
一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーは、MCMタンパク質を含むか又はそれからなる。一実施形態では、MCMタンパク質はMCM5である。一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーはMCMタンパク質、必要に応じてMCM5であり、溶解緩衝剤は、MCMタンパク質、必要に応じてMCM5を非侵襲的試料中の細胞から遊離させる能力がある。
【0025】
一実施形態では、溶解緩衝剤は、非侵襲的試料中の細胞からMCM5を遊離させる能力があり、MCM5タンパク質を実質的に変性させることはない。一実施形態では、溶解緩衝剤は抗体を変性させない。
【0026】
一実施形態では、溶解緩衝剤は、界面活性剤を含む。界面活性剤は、Triton X-100を含んでいてもよいし、又はそれからなっていてもよい。界面活性剤は、Triton X-100を0.01%~25%、0.01%~10%、0.05%~5%、0.1%~2%、0.5%~2%、0.75%~1.25%、又は約1%の濃度で含み得る。界面活性剤は、デオキシコール酸ナトリウムを含み得る。界面活性剤は、デオキシコール酸ナトリウムを0.1%~20%、0.1~10%、0.1~5%、0.5%~5%、0.5%~2.5%、0.75%~2.5%、0.75%~1.25%、又は約1%の濃度で含み得る。界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含み得る。界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を0.001%~10%、0.01%~5%、0.05%~5%、0.01%~1%、0.05%~1%、0.05%~0.5%、0.075%~0.25%、又は約0.1%の濃度で含み得る。一実施形態では、界面活性剤は、Triton X-100、デオキシコール酸ナトリウム、及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)からなる。一実施形態では、界面活性剤は、0.5%~2%のTriton X-100、0.5%~2%のデオキシコール酸ナトリウム、及び0.05%~0.5%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)からなる。
【0027】
一実施形態では、溶解緩衝剤は緩衝剤成分を含む。緩衝剤成分は、pH4~pH9、pH5~pH8.5、pH6~pH8、pH6.5~pH8、pH7~pH8、pH7.3~pH7.9、pH7.4~pH7.8、pH7.5~pH7.7、又は約pH7.6のpHを有し得、及び/又は溶解緩衝剤のpHをpH4~pH9、pH5~pH8.5、pH6~pH8、pH6.5~pH8、pH7~pH8、pH7.3~pH7.9、pH7.4~pH7.8、pH7.5~pH7.7、又は約pH7.6に維持する。緩衝剤成分は、Trisを含んでいてもよいし、又はそれからなっていてもよい。緩衝剤成分は、1mMより高い濃度、1mM~350mM、5mM~200mM、5mM~100mM、5mM~50mM、5mM~40mM、5mM~35mM、10mM~35mM、15mM~35mM、15mM~30mM、20mM~30mM、又は約25mMの濃度でのTrisを含んでいてもよいし、又はそれからなっていてもよい。一実施形態では、緩衝剤成分は、15mM~35mMの濃度でのTrisからなる。
【0028】
一実施形態では、溶解緩衝剤は塩を含む。塩は塩化ナトリウムであり得る。一実施形態では、溶解緩衝剤は、10mM~350mM、20mM~300mM、50mM~250mM、100mM~250、100mM~200mM、125mM~175mM、又は約150mMの濃度での塩化ナトリウムを含む。
【0029】
一実施形態では、溶解緩衝剤は、
(i)1mM~100mMのTris、
(ii)50mM~300mMの塩化ナトリウム、
(iii)0.1%~5%のデオキシコール酸ナトリウム、
(iv)0.01%~1%のドデシル硫酸ナトリウム、及び/又は
(v)0.1%~5%のTriton-X100
を含む。
【0030】
一実施形態では、溶解緩衝剤は、
(i)10mM~40mMのTris、
(ii)100mM~200mMの塩化ナトリウム
(iii)0.5%~2%のデオキシコール酸ナトリウム、
(iv)0.05%~0.5%のドデシル硫酸ナトリウム、及び/又は
(v)0.5%~2%のTriton-X100
を含む。
【0031】
一実施形態では、溶解緩衝剤は、
(i)約25mMのTris、
(ii)約150mMの塩化ナトリウム、
(iii)約1%のデオキシコール酸ナトリウム、
(iv)約0.1%のドデシル硫酸ナトリウム、及び/又は
(v)約1%のTriton-X100
を含む。
【0032】
一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップは、
非侵襲的試料を第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体に曝露させること、並びに
第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体と結合した少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体と結合した少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定すること
を含む。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体及び第2のモノクローナル抗体はMCM5と結合する。
【0033】
一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、以下である抗体である:
(i)配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドと結合し、
(ii)(a)配列番号9の配列、又は配列番号9とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH1、
(b)配列番号11の配列、又は配列番号11とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH2、
(c)配列番号13の配列、又は配列番号13とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH3
(d)配列番号3の配列、又は配列番号3とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL1
(e)配列番号5の配列、又は配列番号5とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL2、及び
(f)配列番号7の配列、又は配列番号7とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL3
からなる群から選択される少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む、
(iii)配列番号29に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む、
(iv)配列番号27に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域配列を含む、又は
(v)(i)、(ii)、(iii)、若しくは(iv)の抗体と競合する。
【0034】
一実施形態では、第2のモノクローナル抗体は以下である抗体である:
(i)配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドと結合する
(ii)(a)配列番号21の配列、又は配列番号21とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH1、
(b)配列番号23の配列、又は配列番号23とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH2、
(c)配列番号25の配列、又は配列番号25とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH3
(d)配列番号15の配列、又は配列番号15とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL1
(e)配列番号17の配列、又は配列番号17とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL2、及び
(f)配列番号19の配列、又は配列番号19とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL3
からなる群から選択される少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む、
(iii)配列番号33に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む、
(iv)配列番号31に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域配列を含む、又は
(v)(i)、(ii)、(iii)、若しくは(iv)の抗体と競合する。
【0035】
一実施形態では、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、0.001~10nM、0.001~5nM、0.001~1nM、0.005~1nM、0.01~0.5nM、0.01~0.25nM、0.025~0.25nM、又は0.04~0.25nMの範囲内のMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1及び/又は第2のモノクローナル抗体は、約0.01nM、0.02nM、0.03nM、0.04nM、0.05nM、0.06nM、0.07nM、0.08nM、0.09nM、0.1nM、0.2nM、0.3nM、0.4nM、又は0.5nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、約0.05nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、約0.2nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、約0.233nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体が約0.05nMのMCM5に対する親和性を有し、第2のモノクローナル抗体が約0.2nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体が約0.05nMのMCM5に対する親和性を有し、第2のモノクローナル抗体が約0.233nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は12A7であり、かつ約0.05nMのMCM5に対する親和性を有し、第2のモノクローナル抗体は4B4であり、かつ約0.2nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は12A7であり、かつ約0.05nMのMCM5に対する親和性を有し、第2のモノクローナル抗体は4B4であり、かつ約0.233nMのMCM5に対する親和性を有する。
【0036】
一実施形態では、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、Fab'2、F'(ab)2、Fv、単鎖抗体、又はダイアボディである。
【0037】
一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、12A7 CDRH1、12A7 CDRH2、及び12A7 CDRH3を含む。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、12A7 CDRL1、12A7 CDRL2、及び12A7 CDRL3を含む。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号9の配列を有する12A7 CDRH1、配列番号11の配列を有する12A7 CDRH2、及び配列番号13の配列を有する12A7 CDRH3を含む。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号3の配列を有する12A7 CDRL1、配列番号5の配列を有する12A7 CDRL2、及び配列番号7の配列を有する12A7 CDRL3を含む。
【0038】
一実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、4B4 CDRH1、4B4 CDRH2、及び4B4 CDRH3を含む。一実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、4B4 CDRL1、4B4 CDRL2、及び4B4 CDRL3を含む。一実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号21の配列を有する4B4 CDRH1、配列番号23の配列を有する4B4 CDRH2、及び配列番号25の配列を有する4B4 CDRH3を含む。一実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号15の配列を有する4B4 CDRL1、配列番号17の配列を有する4B4 CDRL2、及び配列番号19の配列を有する4B4 CDRL3を有する。
【0039】
一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号29と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号29と少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号27と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号27と少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0040】
一実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号33と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。一実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号33と少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。一実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号31と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。一実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号31と少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0041】
一実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、スワブ試料を使用して行われる同等の方法及び/又はタンポン試料を使用して行われる同等の方法より高い感度を有する。一実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、スワブ試料を使用して行われる同等の方法及び/又はタンポン試料を使用して行われる同等の方法より高い特異度を有する。
【0042】
一実施形態では、方法は、少なくとも約40%、42%、44%、46%、48%、又は50%の婦人科がんについての感度を有する。一実施形態では、方法は、少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、又は61%の婦人科がんについての感度を有する。一実施形態では、方法は、少なくとも約75%、76%、77%、78%、79%、80%、又は81%の婦人科がんについての感度を有する。一実施形態では、方法は、少なくとも約90%、92%、93%、94%、95%、又は96%の婦人科がんについての感度を有する。一実施形態では、方法は、少なくとも約40%、41%、42%、又は43%の婦人科がんについての特異度を有する。一実施形態では、方法は、少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、又は60%の婦人科がんについての特異度を有する。一実施形態では、方法は、少なくとも約60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、74%、又は75%の婦人科がんについての特異度を有する。一実施形態では、方法は、少なくとも約80%、82%、83%、84%、85%、又は86%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0043】
一実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、少なくとも約75%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約55%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0044】
一実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は、少なくとも約55%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約70%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0045】
一実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約90%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約35%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0046】
一実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約45%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約80%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0047】
一実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約90%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約80%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0048】
別の態様では、本発明は、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における、本明細書に記載される溶解緩衝剤の使用を提供する。
【0049】
さらなる態様では、本発明は、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における、本明細書に記載される第1のモノクローナル抗体及び/又は本明細書に記載される第2のモノクローナル抗体の使用を提供する。
【0050】
さらなる態様では、本発明は、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法におけるキットの使用を提供し、キットは、
(a)本明細書に記載される溶解緩衝剤、
(b)本明細書に記載される第1のモノクローナル抗体、及び/又は
(c)本明細書に記載される第2のモノクローナル抗体
を含む。
【0051】
さらなる態様では、本発明は、
(a)本明細書に記載される溶解緩衝剤、
(b)本明細書に記載される第1のモノクローナル抗体、及び/又は
(c)本明細書に記載される第2のモノクローナル抗体、並びに
(d)対象における婦人科がんの存在若しくは非存在を検出する方法における、溶解緩衝剤及び/若しくは第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体の使用についての使用説明書
を含むキットを提供する。
【0052】
本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは婦人科悪性腫瘍である。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは、卵巣がん、子宮内膜がん、子宮がん、子宮頚がん、外陰がん、膣がん、卵管腫瘍、上皮性卵巣腫瘍、卵巣奇形腫、未成熟卵巣奇形腫、間質性腫瘍、胚細胞性卵巣腫瘍、未分化腫瘍、境界悪性卵巣腫瘍、子宮内膜癌、子宮内膜腺癌、類内膜腺癌、子宮内膜扁平上皮癌、漿液性癌、漿液性子宮内膜上皮内癌、子宮内膜癌肉腫、明細胞癌、粘液性癌、未分化子宮内膜癌、混合性子宮内膜癌、粘液性腫瘍、悪性混合性ミュラー管腫瘍、子宮内膜明細胞肉腫、顆粒膜細胞腫、漿液性卵管上皮内癌、未成熟嚢胞性奇形腫、漿液性卵巣腫瘍、及び小細胞癌からなる群から選択される婦人科がんである。
【0053】
本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは卵巣がん又は子宮内膜がんである。
【0054】
本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは卵巣がんである。卵巣がんは、上皮性卵巣腫瘍、卵巣奇形腫、未成熟卵巣奇形腫、間質性腫瘍、胚細胞性卵巣腫瘍、未分化腫瘍、境界悪性卵巣腫瘍、粘液性腫瘍、顆粒膜細胞腫、及び未成熟嚢胞性奇形腫、漿液性卵巣腫瘍、及び小細胞癌からなる群から選択され得る。
【0055】
本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは子宮内膜がんである。子宮内膜がんは、子宮内膜癌、子宮内膜腺癌、類内膜腺癌、子宮内膜扁平上皮癌、漿液性癌、漿液性子宮内膜上皮内癌、子宮内膜癌肉腫、明細胞癌、粘液性癌、未分化子宮内膜癌、混合性子宮内膜癌、悪性混合性ミュラー管腫瘍、及び子宮内膜明細胞肉腫からなる群から選択され得る。
【0056】
本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは低悪性度がんである。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんはG1がんである。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは高悪性度がんである。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんはG2以上のがんである。
【0057】
本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは初期ステージがんである。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんはS1がんである。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは後期ステージがんである。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんはS2以上のがんである。
【0058】
本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは卵巣がんであり、方法は少なくとも約25%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは卵巣がんであり、方法は少なくとも約50%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは卵巣がんであり、方法は少なくとも約25%の卵巣がんについての特異度及び少なくとも約50%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは子宮内膜がんであり、方法は少なくとも約40%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは子宮内膜がんであり、方法は少なくとも約80%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、婦人科がんは子宮内膜がんであり、方法は少なくとも約40%の子宮内膜がんについての特異度及び少なくとも約80%の子宮内膜がんについての感度を有する。
【0059】
本発明の方法の特定の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、婦人科がんは卵巣がんであり、方法は少なくとも約60%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約70%の卵巣がんについての特異度を有し、必要に応じて、12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される。
【0060】
本発明の方法の特定の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、婦人科がんは子宮内膜がんであり、方法は少なくとも約80%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約70%の子宮内膜がんについての特異度を有し、必要に応じて、12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される。
【0061】
本発明の方法の特定の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、婦人科がんは低悪性度卵巣がんであり、方法は少なくとも約70%の低悪性度卵巣がんについての感度を有し、必要に応じて、約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される。
【0062】
本発明の方法の特定の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、婦人科がんは初期ステージ卵巣がんであり、方法は少なくとも約70%の初期ステージ卵巣がんについての感度を有し、必要に応じて、約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される。
【0063】
本発明の方法の特定の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、婦人科がんは低悪性度子宮内膜がんであり、方法は少なくとも約80%の低悪性度子宮内膜がんについての感度を有し、必要に応じて、約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される。
【0064】
本発明の方法の特定の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、婦人科がんは初期ステージ子宮内膜がんであり、方法は少なくとも約85%の初期ステージ子宮内膜がんについての感度を有し、必要に応じて、約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される。
【0065】
本発明の方法、使用、及びキットの特定の実施形態では、対象は良性婦人科状態を患っている対象である。良性婦人科状態は、閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択され得る。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】子宮内膜がんを有する患者の尿及び健康な個体由来の尿におけるMCM5レベルを比較するグラフである。
図2】子宮内膜がんを有する患者及び健康な個体由来の腟スワブ試料におけるMCM5レベルを比較するグラフである。
図3】子宮内膜がんを有する患者及び健康な個体由来の腟タンポン試料におけるMCM5レベルを比較するグラフである。
図4】卵巣がんを有する患者の尿及び健康な個体由来の尿におけるMCM5レベルを比較するグラフである。
図5】卵巣がんを有する患者及び健康な個体由来の腟スワブ試料におけるMCM5レベルを比較するグラフである。
図6】卵巣がんを有する患者及び健康な個体由来の腟タンポン試料におけるMCM5レベルを比較するグラフである。
図7】婦人科がんを有する患者由来の尿試料(A)、膣スワブ試料(B)、及び膣タンポン試料(C)並びに健康な個体由来の等価の試料におけるMCM5レベルを比較するグラフである。
図8】患者尿試料におけるMCM5レベルを比較するグラフである(水平の「カットオフ」線は12pg/mLを示す)。(A)子宮内膜がん患者及び良性婦人科状態を有する患者由来の尿試料におけるMCM5レベル。(B)良性婦人科状態を有する患者並びにグレード1(G1)及びグレード2(G2)以上の子宮内膜がん患者由来の尿試料におけるMCM5レベル。(C)良性婦人科状態を有する患者並びにステージ1(S1)及びステージ2(S2)以上の子宮内膜がん患者由来の尿試料におけるMCM5レベル(注意:未知のステージの3つのがんに関するデータを図8Cに含めなかった)。
図9】卵巣がん患者及び良性婦人科状態を有する患者由来の尿試料においてMCM5レベルを測定するためのMCM5 ELISAの結果を表すグラフである(水平の「カットオフ」線は12pg/mLを示す)。
図10】良性婦人科状態、すなわち、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮筋腫、及び閉経後出血を有する患者並びに子宮内膜がんを有する患者由来の尿におけるMCM5レベルを比較するグラフである(水平の「カットオフ」線は12pg/mLを示す)。
【発明を実施するための形態】
【0067】
定義
用語「含む(comprises)」(含む(comprise)、含むこと(comprising))は、当技術分野におけるそれの通常の意味をもつ、すなわち、その述べられた特徴又は特徴群が含まれるが、その用語は、いかなる他の述べられた特徴又は特徴群も、同様に存在するものから排除しないと理解されるべきである。例えば、界面活性剤を含む溶解緩衝剤は他の成分を含有し得る。
【0068】
用語「からなる(consists of)」もまた、当技術分野におけるそれの通常の意味をもつ、すなわち、その述べられた特徴又は特徴群が含まれ、さらなる特徴を除外すると理解されるべきである。例えば、界面活性剤からなる溶解緩衝剤は界面活性剤を含有し、かつ他の成分を含有しない。ポリソルベート80からなる界面活性剤を含む溶解緩衝剤は、界面活性剤以外の成分を含み得るが、溶解緩衝剤における唯一の界面活性剤がポリソルベート80である。
【0069】
「含む(comprises)」又は「含むこと(comprising)」が使用されるあらゆる実施形態について、本発明者らは、「からなる(consists of)」又は「からなること(consisting of)」が使用されるさらなる実施形態を見込む。したがって、「含む(comprises)」のあらゆる開示は「からなる(consists of)」の開示であると見なされるべきである。
【0070】
配列相同性/同一性
配列相同性はまた機能の類似性(すなわち、類似した化学的性質/機能を有するアミノ酸残基)の観点から考慮され得るが、本文書の関連において、配列同一性の観点から相同性を表現することが好ましい。
【0071】
配列比較は、目により、又はより通常には容易に利用できる配列比較プログラムの助けを借りて行うことができる。これらの公的及び商業的に利用可能なコンピュータプログラムは2つ以上の配列間のパーセント相同性(例えば、パーセント同一性)を計算することができる。
【0072】
パーセント同一性は連続する配列に対して計算され得、すなわち、一方の配列が他方の配列と整列され、一方の配列における各アミノ酸が他方の配列における対応するアミノ酸と、1残基ずつ直接比較される。これは「ギャップなし(ungapped)」アラインメントと呼ばれている。典型的には、そのようなギャップなしアラインメントは相対的に少ない数の残基(例えば、50個未満の連続するアミノ酸)に対してのみ行われる。より長い配列に対する比較について、ギャップスコアリングが、お互いに対して挿入(複数可)又は欠失(複数可)を有する関連配列における同一性レベルを正確に反映するように最適なアラインメントを生じるために使用される。そのようなアラインメントを実行するための適切なコンピュータプログラムはGCG Wisconsin Bestfitパッケージ(University of Wisconsin、U.S.A; Devereuxら、1984、Nucleic Acids Research 12:387)である。配列比較を行うことができる他のソフトウェアの例には、BLASTパッケージ、FASTA(Altschulら、1990、J. Mol. Biol. 215:403~410)及びGENEWORKS比較ツール一式が挙げられるが、それらに限定されない。
【0073】
典型的には、配列比較は参照配列の長さに対して実行される。例えば、ユーザーが、所定の配列が配列番号27と95%同一であるかどうかを決定したい場合に、配列番号27が参照配列になる。例えば、配列が配列番号27(参照配列の例)と少なくとも80%同一であるかどうかを評価するために、当業者は、配列番号27の長さに対してアラインメントを実行し、試験配列におけるいくつの位置が配列番号27のそれらと同一であるかを同定する。位置の少なくとも80%が同一である場合に、試験配列は配列番号27と少なくとも80%同一である。配列が配列番号27より短い場合に、ギャップ又は欠けている位置は非同一位置であると見なされるべきである。
【0074】
当業者は、2つの配列間の相同性又は同一性を決定するために利用できる種々のコンピュータプログラムを知っている。例として、配列の比較及び2つの配列間のパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。ある実施形態では、2つのアミノ酸又は核酸配列間のパーセント同一性は、Blosum 62マトリックス又はPAM250マトリックスのいずれか、並びに16、14、12、10、8、6、又は4のギャップ重み及び1、2、3、4、5、又は6の長さ重みを使用する、Accelrys GCGソフトウェアパッケージ(http://www.accelrys.com/products/gcg/で入手可能)内のGAPプログラムへ組み込まれているNeedleman及びWunsch(1970)アルゴリズムを使用して決定される。
【0075】
本発明を目的として、用語「断片」は、参照配列の連続する部分を指す。例えば、50ヌクレオチド長の配列番号28の断片は、配列番号28の50個の連続するヌクレオチドを指す。別の例において、50アミノ酸長の配列番号27の断片は、配列番号27の50個の連続するアミノ酸を指す。
【0076】
本文書の関連において、相同アミノ酸配列は、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、又は90%であるアミノ酸配列を含むと解釈される。最も適切には、目的のバイオマーカーと少なくとも90%配列同一性を有するポリペプチドがそのバイオマーカーの存在を示すと解釈され、より適切には、そのアミノ酸レベルで95%又はより適切には98%同一であるポリペプチドがそのバイオマーカーの存在を示すと解釈される。適切には、前記比較は、目的のバイオマーカーの存在又は非存在を決定するためにアッセイされることになっているポリペプチド又は断片の少なくともその長さに対してなされる。最も適切には、比較は目的のポリペプチドの全長にわたってなされる。
【0077】
参照/健康な個体
一部の実施形態では、本発明の方法は、非侵襲的試料中の細胞から遊離された少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップを含む。方法が少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップを含む場合、方法は、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を参照と比較するステップをさらに含み得る。
【0078】
一部の実施形態では、方法が少なくとも1つのバイオマーカーを検出するステップを含む場合、少なくとも1つのバイオマーカーを検出するステップは定性的ステップである。本発明の関連において、少なくとも1つのバイオマーカーを検出する定性的ステップは、非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度についての数値を決定することなく、及び/又は参照として少なくとも1つのバイオマーカーの濃度についての数値を決定することなく、若しくは予め決定されたその数値を使用することなく、行われるステップである。例えば、ユーザーは、少なくとも1つのバイオマーカーの量又は濃度についての実際の値を決定し得ないが、単に、少なくとも1つのバイオマーカーの量又は濃度が参照と比較して異なるかどうかだけを決定し得る。必要に応じて、少なくとも1つのバイオマーカーを検出するステップは、少なくとも1つのバイオマーカーの量又は濃度が参照より高いかどうかを決定することを含む。
【0079】
一部の実施形態では、本発明が少なくとも1つのバイオマーカーを検出するステップを含む場合、少なくとも1つのバイオマーカーを検出するステップは、非侵襲的試料中の細胞から遊離された少なくとも1つのバイオマーカーの量又は濃度の参照との定性的比較を行うことを含む。
【0080】
適切には、参照は、1以上の健康な個体から得られた試料について決定された少なくとも1つのバイオマーカーの濃度であり得る。健康な個体は、婦人科がんを現在患っていない個体である。例えば、健康な個体は、婦人科がんを患ったことがない個体であり得る。
【0081】
本発明の方法に使用される参照が、1以上の健康な個体から調製された試料について決定された少なくとも1つのバイオマーカーの濃度である場合、参照は、単一の健康な個体から得られた複数の試料について決定された少なくとも1つのバイオマーカーの平均濃度であり得る。あるいは、参照は、複数の健康な個体から調製された複数の試料について決定された少なくとも1つのバイオマーカーの平均濃度であり得る。この関連において、「1個以上の試料」は、少なくとも10個、100個、500個、1000個、10000個、100000個、又は1000000個の試料であり得る。
【0082】
一実施形態では、参照は、本発明の方法において得られた非侵襲的試料、例えば、婦人科がんの存在又は非存在を検出する本発明の方法に曝されることになっている非侵襲的試料から遊離された少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップと並行して、1以上の健康な個体から調製された1個以上の試料から決定された少なくとも1つのバイオマーカーの平均濃度であり得る。
【0083】
別の実施形態では、参照は、健康な個体から調製された1個以上の試料について以前決定された少なくとも1つのバイオマーカーの平均濃度であり得る。そのような実施形態では、数的比較は、本発明において得られた非侵襲的試料について決定された少なくとも1つのバイオマーカーの濃度をその参照と比較することによりなされ得る。この利点は、対象由来の非侵襲的試料が分析されるたびに並行して参照を決定することによって分析を重複させる必要がないことである。
【0084】
適切には、参照は、分析されることになっている対象と、例えば性別により、例えば年齢により、例えば民族的背景又は当技術分野においてよく知られている他のそのような参照により、マッチングされ得る。例えば、参照は適切には、特定の患者サブグループ、例えば高齢者対象、又は関連既往歴、例えば婦人科がんの素因を有する対象とマッチングされ得る。
【0085】
適切には、参照は、分析されることになっている試料型とマッチングされ得る。例えば、対象から得られた非侵襲的試料におけるバイオマーカーの濃度は、試料の型又は性質によって異なり得る。したがって、一部の実施形態では、参照を決定するために使用される試料の型と非侵襲的試料の型は同じであることが望ましい。例えば、非侵襲的試料が尿試料である場合、参照は、1以上の健康な個体から調製された1個以上の尿試料から決定され得る。
【0086】
一部の実施形態では、決定された少なくとも1つのバイオマーカーの濃度は、同じ対象から得られた非侵襲的試料から以前決定された少なくとも1つのバイオマーカーの濃度と比較され得る。これらの実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの以前決定された濃度は参照として使用される。これは、対象における再発の可能性をモニターすることにおいて有益であり得、その再発の可能性は、次には、対象の処置の経過及び/又は有効性をモニターすることにおいて有益であり得る。
【0087】
バイオマーカー検出
当業者は、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するために当技術分野において知られた任意の適切な技術を使用し得る。例えば、少なくとも1つのバイオマーカーは、リガンド(複数可)との相互作用、1-D若しくは2-Dゲルに基づいた分析システム、液体クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーとMSMS、ICAT(登録商標)若しくはiTRAQ(登録商標)を含む任意の質量分析技術との組合せ、凝集テスト、薄層クロマトグラフィー、NMR分光法、サンドイッチイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RAI)、酵素イムノアッセイ(EIA)、ラテラルフロー/イムノクロマトグラフィストリップテスト、ウェスタンブロッティング、免疫沈降法、金粒子、銀粒子、若しくはラテックス粒子、及び磁性粒子、若しくはQ-dotを使用することを含む粒子に基づいたイムノアッセイ、又は当技術分野において知られた任意の他の適切な技術により決定され得る。
【0088】
本発明の方法の一部の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップは、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又はELISAアッセイを行って、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定することを含む。さらなる実施形態では、ELISAアッセイはサンドイッチELISAアッセイである。サンドイッチELISAアッセイは、検出されるべき又はその濃度が決定されることになっている少なくとも1つのバイオマーカーを、プレートにすでに結合した「捕捉抗体」を使用して捕捉するステップ、及び少なくとも1つのバイオマーカーのどれくらいが捕捉されているかを「検出抗体」を使用して検出するステップを含む。検出抗体は、標識、例えば、酵素HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)と予めコンジュゲートされ得る。その後、ELISAプレートは、標識検出抗体が、捕捉された少なくとも1つのバイオマーカーと結合するように、標識検出抗体に曝露され得る。標識検出抗体への曝露後、ELISAプレートは、いかなる過剰の結合していない標識検出抗体も除去するために洗浄されるべきである。その後、洗浄されたプレートは、性質が標識によって測定可能な様式で変化する作用物質に曝露することができる。その後、検出抗体の濃度が決定され得る。例えば、検出抗体が、例えばHRPとのコンジュゲーションにより、標識されている場合に、ELISAプレートは、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)基質に曝露され得る。その後、検出抗体の濃度、及びしたがって、最初の非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度は、TMBの有色生成物への変換に対応する色変化の定量化により決定され得る。
【0089】
一部の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーを検出するステップが、ELISAアッセイを行って、少なくとも1つのバイオマーカーを検出することを含む場合、ELISAアッセイは、定性的ELISAアッセイであり得る。本発明の関連において、定性的ELISAアッセイは、非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度についての数値を決定することなく、及び/又は参照として少なくとも1つのバイオマーカーの濃度についての数値を決定することなく、若しくは予め決定されたその数値を使用することなく、行われるアッセイである。例えば、定性的ELISAアッセイにおいて、有色生成物(例えば、検出抗体と連結した酵素により生成される有色生成物)が参照と比較され得る。この実施形態では、有色生成物の強度は、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度についての数値を決定する必要なしに、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を示している。この型の定性的ELISAに使用される参照は、有色生成物の以前決定された閾値強度であり得る。
【0090】
一部の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約5pg/mL、6pg/mL、7pg/mL、8pg/mL、9pg/mL、10pg/mL、11pg/mL、12pg/mL、13pg/mL、14pg/mL、15pg/mL、16pg/mL、17pg/mL、18pg/mL、19pg/mL、20pg/mL、25pg/mL、30pg/mL、35pg/mL、45pg/mL、50pg/mL、55pg/mL、60pg/mL、65pg/mL、又は70pg/mL、必要に応じて約12pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約12pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約17pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約70pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。
【0091】
一実施形態では、非侵襲的試料が尿試料であり、かつ少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約12pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。一実施形態では、非侵襲的試料が尿試料であり、かつ少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約70pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。
【0092】
一実施形態では、非侵襲的試料がスワブ試料又はタンポン試料であり、かつ少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約12pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。一実施形態では、非侵襲的試料がスワブ試料又はタンポン試料であり、かつ少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約17pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。一実施形態では、非侵襲的試料がスワブ試料又はタンポン試料であり、かつ少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約70pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。一実施形態では、非侵襲的試料がタンポン試料であり、かつ少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約17pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。一実施形態では、非侵襲的試料がタンポン試料であり、かつ少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を測定するためにELISAアッセイが使用される場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が約70pg/mLより高いならば、婦人科がんが存在する可能性が高い。
【0093】
少なくとも1つのバイオマーカーがMCMタンパク質(例えば、MCM5)であり、及び/又は非侵襲的試料が尿試料であり、及び/又は少なくとも1つのバイオマーカーを検出するためのアッセイがELISAアッセイである場合、約12pg/mLの参照を使用することが特に好ましい。12pg/mL参照を使用することが、婦人科がん(又は婦人科がんに関連する試料)を高い特異度及び感度で検出するのを可能にすることは見出されている。さらに、下記の実施例5に論じられているように、本発明者らは、良性婦人科状態を有する患者由来の尿試料が、婦人科がんを有する患者由来の尿試料におけるMCM5レベルと比較して、統計的に有意により低いMCM5レベルを有することを観察している。特に、本発明者らは、良性婦人科状態を有する対象から得られた尿試料のほとんど全部が12pg/mL未満のMCM5の濃度を有したことを見出している。図8及び10(12pg/mLにおける水平のカットオフ線)参照。しかしながら、対照的に、子宮内膜がん患者から得られた尿試料のかなり大部分は、12pg/mLより高いMCM5濃度を有した。図8及び10参照。したがって、12pg/mL参照を使用することは、婦人科がん(又は婦人科がんに関連する試料)を良性婦人科状態(又は良性婦人科状態に関連する試料)、例えば、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮筋腫、閉経後出血(PMB)から正確に識別することを可能にする。
【0094】
一部の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーはMCMタンパク質であり、MCMタンパク質の濃度を決定するステップがELISAアッセイを行うことを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーはMCMタンパク質であり、MCMタンパク質の濃度を決定するステップがサンドイッチELISAアッセイを行うことを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーはMCM5タンパク質であり、MCM5タンパク質の濃度を決定するステップがELISAアッセイを行うことを含む。一部の実施形態では、バイオマーカーはMCM5タンパク質であり、MCM5タンパク質の濃度を決定するステップがサンドイッチELISAアッセイを行うことを含む。
【0095】
一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイは、本明細書に記載されたモノクローナル抗体の1つ以上の使用を含む。一実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイは、本明細書に記載された第1のモノクローナル抗体へ非侵襲的試料を曝露することを含む。一実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイは、本明細書に記載された第2のモノクローナル抗体へ非侵襲的試料を曝露することを含む。一実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイは、本明細書に記載された第1のモノクローナル抗体及び/又は本明細書に記載された第2のモノクローナル抗体へ非侵襲的試料を曝露することを含む。一実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイは、本明細書に記載された第1のモノクローナル抗体及び本明細書に記載された第2のモノクローナル抗体へ非侵襲的試料を曝露することを含む。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体及び第2のモノクローナル抗体は、MCM5と特異的に結合する。
【0096】
一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は、配列番号1と結合する。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は、配列番号2と結合する。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は配列番号1と結合し、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は配列番号2と結合する。
【0097】
一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は、本明細書に記載された12A7のCDRの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は、本明細書に記載された4B4のCDRの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は本明細書に記載された12A7のCDRの少なくとも1つを含み、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は本明細書に記載された4B4のCDRの少なくとも1つを含む。
【0098】
一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は、12A7のCDRの少なくとも1つを含む本明細書に記載されたモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は、4B4のCDRの少なくとも1つを含む本明細書に記載されたモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は12A7のCDRの少なくとも1つを含む本明細書に記載されたモノクローナル抗体であり、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は4B4のCDRの少なくとも1つを含む本明細書に記載されたモノクローナル抗体である。
【0099】
一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は、12A7のCDRの少なくとも1つを含み、かつ配列番号1と結合する本明細書に記載されたモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は、4B4のCDRの少なくとも1つを含み、かつ配列番号2と結合する本明細書に記載されたモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は、12A7のCDRの少なくとも1つを含み、かつ配列番号1と結合する本明細書に記載されたモノクローナル抗体であり、及びELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は、4B4のCDRの少なくとも1つを含み、かつ配列番号2と結合する本明細書に記載されたモノクローナル抗体である。
【0100】
一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は、12A7である。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は、4B4である。一部の実施形態では、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第1のモノクローナル抗体は12A7であり、ELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される第2のモノクローナル抗体は4B4である。
【0101】
婦人科がんの検出
本方法は、「対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する」ためである。一実施形態では、対象は女性ヒトである。一実施形態では、対象は、女性生殖器系の1つ以上の構成要素を有するヒトである。例えば、一実施形態では、対象は、1つ以上の卵巣、1つ以上の卵管、子宮内膜、子宮、子宮頚部、外陰部、膣、及び/又は胎盤を有するヒトである。
【0102】
一部の実施形態では、対象は、18歳未満、17歳未満、16歳未満、15歳未満、14歳未満、13歳未満、12歳未満、11歳未満、10歳未満、9歳未満、8歳未満、7歳未満、6歳未満、5歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、又は1歳未満である。一部の実施形態では、対象は思春期前である。一部の実施形態では、対象は成体である。一部の実施形態では、対象は閉経期である。一部の実施形態では、対象は閉経後である。一部の実施形態では、対象は高齢者、例えば、少なくとも65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、又は90歳である。
【0103】
一部の実施形態では、対象は婦人科がんを患っている。一部の実施形態では、対象は婦人科がんからの寛解期にある。一部の実施形態では、対象は、婦人科がんを有するのではないかと疑われる。一部の実施形態では、対象は健康である。一部の実施形態では、対象は、婦人科がんを発症するリスクがある。一部の実施形態では、対象は、婦人科がんを発症するリスクの増加を有する。対象が婦人科がんを発症するリスクの増加を示す遺伝子マーカーを有すると以前同定されている場合、対象は婦人科がんを発症するリスクがあり得、又はそのリスクの増加を有し得る。対象が婦人科がんの家族歴を有する場合、対象は婦人科がんを発症するリスクがあり得、又はそのリスクの増加を有し得る。対象が、がん、例えば非婦人科がんを患っており、又はがんと以前診断されたことがある場合、対象は婦人科がんを発症するリスクがあり得、又はそのリスクの増加を有し得る。
【0104】
一部の実施形態では、対象は、閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される疾患を患っている。一部の実施形態では、対象は、閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される疾患と以前診断されたことがある。
【0105】
本発明の方法、使用、又はキットのいずれかにおいて、対象は閉経後出血(PMB)を患っている可能性がある。本発明の方法、使用、又はキットのいずれかにおいて、対象は子宮内膜症を患っている可能性がある。本発明の方法、使用、又はキットのいずれかにおいて、対象は子宮筋腫を患っている可能性がある。本発明の方法、使用、又はキットのいずれかにおいて、対象は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を患っている可能性がある。
【0106】
一部の実施形態では、対象は、閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される疾患を発症するリスクがある。一部の実施形態では、対象は、閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される疾患を発症するリスクの増加を有する。対象が閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、又は多嚢胞性卵巣症候群を発症するリスクの増加を示す遺伝子マーカーを有すると以前同定されている場合、対象は、それぞれ、閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群を発症するリスクがあり得、又はそのリスクの増加を有し得る。対象が閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群、それぞれの家族歴を有する場合、対象は閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、又は多嚢胞性卵巣症候群を発症するリスクがあり得、又はそのリスクの増加を有し得る。対象が閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群、それぞれに関連する疾患又は状態を患っており、又はそれと以前診断されたことがある場合、対象は、それぞれ、閉経後出血、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群を発症するリスクがあり得、又はそのリスクの増加を有し得る。
【0107】
閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫(筋腫:fibroids)、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)はまとめて、良性婦人科状態(症状)と呼ばれ得る。そのような状態は、それらが医学的に重症であり得るとしても、前記状態が他の組織へ広がり又は浸潤する能力をもたないという理由により、その状態は悪性ではないので、良性と呼ばれる。したがって、本明細書に記載された方法及び使用のいずれかにおいて、対象は、必要に応じて閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択される、良性婦人科状態を患っている可能性がある。対象は、必要に応じて閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択される、良性婦人科状態と以前診断されたことがある可能性がある。対象は、必要に応じて閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択される、良性婦人科状態を発症するリスクがあり得、又はそのリスクの増加を有し得る。対象が良性婦人科状態を発症するリスクの増加を示す遺伝子マーカーを有すると以前同定されている場合、及び/又は対象が良性婦人科状態の家族歴を有する場合、及び/又は対象が良性婦人科状態に関連する疾患若しくは状態を患っており、若しくはそれであると以前診断されたことがある場合に、対象は、必要に応じて閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択される、良性婦人科状態を発症するリスクがあり得、又はそのリスクの増加を有し得る。
【0108】
他の実施形態では、対象は、雌の非ヒト哺乳動物、又は前記非ヒト哺乳動物に共通した雌生殖器系の1つ以上の構成要素を有する非ヒト哺乳動物である。非ヒト哺乳動物は、霊長類、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、マウス、ヒツジ、又はブタであり得る。
【0109】
典型的には、診断方法が、がんが対象に存在するかどうかを100%精度で予測することは不可能である。したがって、表現「対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出すること」は、婦人科がんが対象に存在する可能性が高いか又は存在しない可能性が高いかを決定することを指すと理解することができる。
【0110】
一部の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照と比較して異常である場合に、婦人科がんが存在する可能性が高い。少なくとも1つのバイオマーカーの濃度と参照との間に統計的有意差がある場合に、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度は参照と比較して異常であると言われ得る。例えば、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度は、それが参照より有意に低い場合に、異常である。あるいは、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度は、それが参照より有意に高い場合に、異常である。したがって、本発明の一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照より高い場合に、婦人科がんは存在する可能性が高い。例えば、参照が少なくとも1つのバイオマーカーの平均濃度である場合、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が、少なくとも1標準偏差、少なくとも2標準偏差、少なくとも3標準偏差、又は少なくとも4標準偏差だけ参照より高い場合、婦人科がんが存在する可能性が高い。
【0111】
一実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照の少なくとも1.05倍、少なくとも1.10倍、少なくとも1.15倍、少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも75倍、又は少なくとも100倍である場合に、婦人科がんが存在する可能性が高い。
【0112】
一部の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が参照と比較して正常である場合に、婦人科がんは存在しない可能性が高い。少なくとも1つのバイオマーカーの濃度と参照との間に統計的有意差がない場合に、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度は参照と比較して正常であると言われ得る。例えば、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度と参照との間の差が2標準偏差未満又は1標準偏差未満である場合に、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度は参照と比較して正常であると言われ得る。
【0113】
一部の実施形態では、本発明の方法は、対象における婦人科がんを診断する方法である。そのような実施形態では、非侵襲的試料について決定された少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が健康な個体について決定された平均値より有意に高い場合に、対象は婦人科がんを有すると診断され得る。そのような実施形態では、「健康な個体について決定された平均値」は、本明細書で定義されているような「参照」の一種である。本明細書で定義されているような「参照」の様々な実施形態及び特性がまた、「健康な個体について決定された平均値」に適用され得ることは理解されるべきである。一部の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度は、それが、健康な個体について決定された平均値プラス健康な個体について決定された平均値の標準偏差の倍数より高い、例えば、健康な個体について決定された平均値プラスその平均値の1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、又は5標準偏差より高い場合に、健康な個体について決定された平均値より高い。あるいは、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度が健康な個体について決定された平均値と有意には異ならない場合に、対象は婦人科がんを有しないと診断され得る。
【0114】
感度及び特異度
本発明の方法は、婦人科がんを高特異度及び高感度で検出することを可能にする。医療診断の分野において、及び本明細書で使用される場合、用語「感度」(真陽性率とも呼ばれる)は、陽性として正しく同定されている、実際の陽性者に占める割合の尺度を指す。換言すれば、診断検査の感度は、真陽性者、すなわち、疾患を有すると正しく同定された個体の数を、検査集団におけるその疾患を有する全ての個体(すなわち、真陽性結果と偽陰性結果の合計)に占める割合として表現され得る。したがって、高感度診断検査は、その疾患を有する個体をめったに誤認しないため、望ましい。これは、高感度検査により得られた陰性結果が、その疾患を除外する見込みが高いことを意味する。
【0115】
医療診断の分野において、及び本明細書で使用される場合、用語「特異度」(真陰性率とも呼ばれる)は、陰性として正しく同定されている、実際の陰性者に占める割合の尺度を指す。換言すれば、診断検査の特異度は、真陰性者(すなわち、疾患を有しないと正しく同定された健康な個体)の数を、検査集団における全ての健康な個体(すなわち、真陰性結果と偽陽性結果の合計)に占める割合として表現され得る。したがって、高特異度診断検査は、健康な個体をめったに誤認しないため、望ましい。これは、高特異度検査により得られた陽性結果が、その疾患を確定する見込みが高いことを意味する。
【0116】
医療診断の分野において、及び本明細書で使用される場合、用語「陽性適中率(PPV)」は、真陽性結果である、診断検査により生じた全ての陽性結果に占める割合を指す。言い換えれば、PPVは、真陽性結果と偽陽性結果の合計で割った真陽性結果の数として定義することができる。医療診断の分野において、及び本明細書で使用される場合、用語「陰性適中率(NPV)」は、真陰性結果である、診断検査により生じた全ての陰性結果に占める割合を指す。言い換えれば、NPVは、真陰性結果と偽陰性結果の合計で割った真陰性結果の数として定義することができる。
【0117】
医療診断の分野において、及び本明細書で使用される場合、「受診者動作特性(ROC)曲線」は、全ての可能なカットオフ値についての、偽陽性率(1-特異度)に対して真陽性率(感度)のプロットを指す。医療診断の分野において、及び本明細書で使用される場合、「ヨーデン指標」は、ROC曲線と偶然(chance)の線(45度線)との間の距離が最も高いカットオフポイントを指す。これらの用語は当技術分野において及び当業者にとってよく知られている。方法の特異度及び/又は感度は、陽性試料であることがわかっている試料(例えば、婦人科がんを有する患者由来の試料)及び/又は陰性試料であることがわかっている試料(健康な個体由来の試料)に前記方法を行うことにより決定され得る。このように、その方法が既知の陽性試料を正しく同定する程度(すなわち、その方法の感度/真陽性率)及び/又は既知の陰性試料を正しく同定する程度(すなわち、その方法の特異度/真陰性率)を決定することができる。
【0118】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約40%、42%、44%、46%、48%、又は50%の婦人科がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約40%、42%、44%、46%、48%、50%の婦人科がんについての感度を有する。
【0119】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、又は61%の婦人科がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、又は61%の婦人科がんについての感度を有する。
【0120】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約75%、76%、77%、78%、79%、80%、又は81%の婦人科がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約75%、76%、77%、78%、79%、80%、又は81%の婦人科がんについての感度を有する。
【0121】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約90%、92%、93%、94%、95%、又は96%の婦人科がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約90%、92%、93%、94%、95%、又は96%の婦人科がんについての感度を有する。
【0122】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約40%、41%、42%、又は43%の婦人科がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約40%、41%、42%、又は43%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0123】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、又は60%の婦人科がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、又は60%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0124】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、74%、又は75%の婦人科がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は少なくとも約60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、74%、又は75%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0125】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約80%、82%、83%、84%、85%、又は86%の婦人科がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約80%、82%、83%、84%、85%、又は86%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0126】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約60%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約60%の卵巣がんについての感度を有する。
【0127】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約65%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約65%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0128】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、少なくとも約60%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約65%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約60%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約65%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0129】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、少なくとも約60%の卵巣がんについての感度、少なくとも約65%の卵巣がんについての特異度、少なくとも約15%の陽性適中率(PPV)、及び少なくとも約90%の陰性適中率(NPV)を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約60%の卵巣がんについての感度、少なくとも約65%の卵巣がんについての特異度、少なくとも約15%の陽性適中率(PPV)、及び少なくとも約90%の陰性適中率(NPV)を有する。
【0130】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約80%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約80%の子宮内膜がんについての感度を有する。
【0131】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約65%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約65%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0132】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、少なくとも約80%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約65%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約80%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約65%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0133】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、少なくとも約80%の子宮内膜がんについての感度、少なくとも約65%の子宮内膜がんについての特異度、少なくとも約35%の陽性適中率(PPV)、及び少なくとも約90%の陰性適中率(NPV)を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約80%の子宮内膜がんについての感度、少なくとも約65%の子宮内膜がんについての特異度、少なくとも約35%の陽性適中率(PPV)、及び少なくとも約90%の陰性適中率(NPV)を有する。
【0134】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約55%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、70pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約55%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約75%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、70pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約75%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約55%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約75%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、70pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約55%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約75%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0135】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約80%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約80%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約20%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約20%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約80%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約20%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、12pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約80%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約20%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0136】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約45%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、70pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約45%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約75%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、70pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約75%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約45%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約75%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、70pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約45%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約75%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0137】
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約95%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、17pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約95%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約20%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、17pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約20%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約95%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約20%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、17pg/mLのカットオフが適用される場合、少なくとも約95%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約20%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0138】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約81%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約60%の婦人科がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、少なくとも約81%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約60%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0139】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約61%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約75%の婦人科がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は、少なくとも約61%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約75%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0140】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約96%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約43%の婦人科がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約96%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約43%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0141】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約50%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約86%の婦人科がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約50%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約86%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0142】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約96%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約86%の婦人科がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約96%の婦人科がんについての感度及び少なくとも約86%の婦人科がんについての特異度を有する。
【0143】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約40%、42%、44%、46%、48%、又は50%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約40%、42%、44%、46%、48%、50%の子宮内膜がんについての感度を有する。
【0144】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約60%、65%、70%、71%、72%、73%、又は74%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は、少なくとも約60%、65%、70%、71%、72%、73%、又は74%の子宮内膜がんについての感度を有する。
【0145】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約78%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、又は87%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、少なくとも約78%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、又は87%の子宮内膜がんについての感度を有する。
【0146】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約90%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の子宮内膜がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約90%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の子宮内膜がんについての感度を有する。
【0147】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約40%、41%、42%、又は43%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約40%、41%、42%、又は43%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0148】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、又は74%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は、少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、又は60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、又は74%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0149】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、74%、又は75%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は、少なくとも約60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、74%、又は75%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0150】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約80%、82%、83%、84%、85%、86%、又は87%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は、少なくとも約80%、82%、83%、84%、85%、86%、又は87%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0151】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約87%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約60%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約87%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約60%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0152】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約85%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約70%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約85%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約70%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0153】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約74%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約75%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は少なくとも約74%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約75%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0154】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約100%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約43%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約100%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約43%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0155】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約50%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約86%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約50%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約86%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0156】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約100%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約86%の子宮内膜がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約100%の子宮内膜がんについての感度及び少なくとも約86%の子宮内膜がんについての特異度を有する。
【0157】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約40%、42%、44%、46%、47%、48%、49%、又は50%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約40%、42%、44%、46%、47%、48%、49%、又は50%の卵巣がんについての感度を有する。
【0158】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、又は85%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は少なくとも約70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、又は85%の卵巣がんについての感度を有する。
【0159】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約55%、56%、57%、58%、59%、60%、60%、61%、62%、63%、64%、又は65%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約55%、56%、57%、58%、59%、60%、60%、61%、62%、63%、64%、又は65%の卵巣がんについての感度を有する。
【0160】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約80%、82%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%の卵巣がんについての感度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約80%、82%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%の卵巣がんについての感度を有する。
【0161】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約35%、38%、40%、41%、42%、又は43%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約35%、38%、40%、41%、42%、又は43%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0162】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約50%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、又は74%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約50%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、又は74%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0163】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約15%、18%、20%、21%、22%、23%、24%、又は25%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は少なくとも約15%、18%、20%、21%、22%、23%、24%、又は25%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0164】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は、少なくとも約75%、80%、82%、83%、84%、85%、86%、又は87%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約75%、80%、82%、83%、84%、85%、86%、又は87%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0165】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約65%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約60%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約65%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約60%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0166】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約60%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約70%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は尿試料であり、方法は少なくとも約60%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約70%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0167】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約85%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約25%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は膣スワブ試料であり、方法は少なくとも約85%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約25%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0168】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約90%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約43%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約90%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約43%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0169】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約50%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約86%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約50%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約86%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0170】
本発明の方法の一部の実施形態では、方法は少なくとも約90%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約86%の卵巣がんについての特異度を有する。本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料はタンポン試料であり、方法は少なくとも約90%の卵巣がんについての感度及び少なくとも約86%の卵巣がんについての特異度を有する。
【0171】
婦人科がん
本発明は、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法を提供する。婦人科がんは、女性生殖器系に関連するがん、例えば、卵巣、卵管、子宮内膜、子宮、子宮頚部、外陰部、膣、及び胎盤の1つ以上を冒すがんである。
【0172】
一部の実施形態では、婦人科がんは卵巣がんである。卵巣がんは、上皮性卵巣腫瘍、卵巣奇形腫、未成熟卵巣奇形腫、間質性腫瘍、胚細胞性卵巣腫瘍、未分化腫瘍、境界悪性卵巣腫瘍、粘液性腫瘍、顆粒膜細胞腫、未成熟嚢胞性奇形腫、漿液性卵巣腫瘍、及び小細胞癌からなる群から選択され得る。
【0173】
一部の実施形態では、婦人科がんは子宮内膜がん(endometrial cancer)である。子宮内膜がんは、子宮内膜癌(endometrial carcinoma)、子宮内膜腺癌、類内膜腺癌、子宮内膜扁平上皮癌、漿液性癌、漿液性子宮内膜上皮内癌、子宮内膜癌肉腫、明細胞癌、粘液性癌、未分化子宮内膜癌、混合性子宮内膜癌、悪性混合性ミュラー管腫瘍、及び子宮内膜明細胞肉腫からなる群から選択され得る。
【0174】
一部の実施形態では、婦人科がんは、卵巣がん、子宮内膜がん、子宮がん、子宮頚がん、外陰がん、膣がん、卵管腫瘍、上皮性卵巣腫瘍、卵巣奇形腫、未成熟卵巣奇形腫、間質性腫瘍、胚細胞性卵巣腫瘍、未分化腫瘍、境界悪性卵巣腫瘍、子宮内膜癌、子宮内膜腺癌、類内膜腺癌、子宮内膜扁平上皮癌、漿液性癌、漿液性子宮内膜上皮内癌、子宮内膜癌肉腫、明細胞癌、粘液性癌、未分化子宮内膜癌、混合性子宮内膜癌、粘液性腫瘍、悪性混合性ミュラー管腫瘍、子宮内膜明細胞肉腫、顆粒膜細胞腫、漿液性卵管上皮内癌、未成熟嚢胞性奇形腫、漿液性卵巣腫瘍、及び小細胞癌からなる群から選択され得る。
【0175】
一部の実施形態では、婦人科がんは婦人科悪性腫瘍である。婦人科悪性腫瘍の細胞は、退形成(例えば、細胞の低分化及び/又は健康な細胞に関連する形態学的特性の欠如)、浸潤性(すなわち、健康な組織の中へ広がる能力)、転移(すなわち、最初の部位から異なる二次部位へ広がる能力)、及び/又はゲノム不安定性によって特徴づけられ得る。
【0176】
一部の実施形態では、本発明の方法は、低悪性度婦人科がんを検出するために使用され得る。一部の実施形態では、本発明の方法は、高悪性度婦人科がんを検出するために使用され得る。高悪性度婦人科がんは、過剰な細胞増殖速度、典型的にはより長い細胞寿命、及び細胞低分化を伴い得る。がん生物学及び医学に使用される評点システムは、がん細胞をそれらの細胞分化の欠如に関して分類する。これは、がん細胞がそのがん細胞の起源であった組織に見出される健康な細胞と形態が異なる程度を反映する。評点システムは、特定のがんがどれくらい速く成長するかを予想され得る指標を提供するために使用することができる。典型的に使用されるがんのグレードは、グレード(G)X及び1~4である。GXは、そのがんのグレードを評価することができないことを示す。G1(低悪性度)がん細胞は、正常な健康な細胞(すなわち、それらは高分化型である)と類似した形態を有し、ゆっくり成長すると予想され、広がる可能性はあまり高くない。G2(中悪性度)がん細胞は、中程度に分化しており、すなわち、それらはG1細胞より異常であるように思われ、G1細胞よりわずかに速く成長すると予想される。G3(高悪性度)がん細胞は、正常細胞と比較して非常に異なる形態を有し(すなわち、それらは低分化型である)、G1及びG2細胞より速く成長すると予想される。G4(高悪性度)がん細胞は、未分化型(退形成とも呼ばれる)であり、増殖の最高能力を有すると予想される。このように、一部の実施形態では、本発明の方法は、G1、G2、G3、及び/又はG4婦人科がんを検出するために使用され得る。一部の実施形態では、本発明の方法はG3及び/又はG4がんを検出するのに特に有用であり得る。
【0177】
がんグレード分類は、がんがどれくらい広がり得るかの指標を与えるがんステージ分類とは異なる。一般的ながんステージ分類系は5つのステージ、すなわち、ステージ0:上皮内でのがん細胞(すなわち、正常組織に位置する);ステージI:がんが身体の1つの部分に局在している;ステージII:がんが局所的に進行している;ステージIII:がんが同様に局所的に進行している(がんがステージIIに指定されるのかステージIIIに指定されるのかは、がんの特定の型に依存し得る);及びステージIV:がんは他の臓器又は全身に転移し、又は広がっている場合が多い。
【0178】
FIGO(Federation Internationale de Gynecologie et d'Obstetrique)系は卵巣がん及び子宮内膜がんのグレード分類及び/又はステージ分類に一般的に使用される。FIGO系もまた、5つのステージ、すなわち、ステージ0:上皮内での癌腫(子宮頚部がん、膣がん、及び外陰がんによく見られる);ステージI:起源の臓器に限局している;ステージII:周囲の臓器又は組織の浸潤;ステージIII:骨盤内の遠隔のリンパ節又は組織へ広がっている;及びステージIV:遠隔転移(複数可)を有する。
【0179】
非侵襲的試料
本発明の方法は、「対象から非侵襲的試料を得る」ステップを含み得る。本明細書で使用される場合、用語「非侵襲的」は、外科的処置、例えば、生検を行うために組織試料を得るのに必要とされることを必要としないステップを指す。本発明に使用することができる例示的な非侵襲的試料には、尿試料、タンポン試料、及び膣スワブ試料が挙げられるが、それらに限定されない。
【0180】
一部の実施形態では、本発明の方法に使用される非侵襲的試料は尿試料である。尿試料は、当業者が知っている、当技術分野において知られた任意の技術を使用して得ることができる。例えば、尿試料は、対象に収集容器、例えば滅菌した入れ物へ排尿するように求めることにより、対象から得られ得る。本明細書で使用される場合、用語「尿試料」は、対象から最初に得られた尿試料に由来した任意の試料を包含する。例えば、尿試料は、例えば細胞を含む尿沈降物を含むペレットを、得るための遠心分離により処理され得る。上清は捨てられ得、尿沈降物細胞ペレットは適切な緩衝剤、例えば本発明による又は本明細書の他の所に記載された溶解緩衝剤中に再懸濁され得る。
【0181】
他の実施形態では、本発明の方法に使用される非侵襲的試料は膣スワブ試料である。膣スワブ試料は、当業者が知っている、当技術分野において知られた任意の技術を使用して得ることができる。例えば、膣スワブ試料は、適切に訓練された医療専門家が柔らかい子宮頚管内収集ブラシ(「スワブ」と呼ばれる)を対象の膣内へ挿入し、それを回転させることにより対象から得られ得る。スワブは、膣内へ3~5cm挿入され、4回(左の方へ2回及び右の方へ2回)、回転され得る。本明細書で使用される場合、用語「膣スワブ試料」は、対象から最初に得られた膣スワブ試料に由来した任意の試料を包含する。例えば、膣スワブ試料は、細胞をスワブから緩衝剤へ移行させるように適切な緩衝剤、例えばPBSを含有する容器へスワブを入れることにより処理され得る。スワブを容器から取り除いた後、スワブ由来の細胞を含む緩衝剤を、遠心分離により処理して、例えば細胞を含む尿沈降物を含むペレットを得ることができる。上清は捨てられ得、尿沈降物細胞ペレットは適切な緩衝剤、例えば本発明による又は本明細書の他の所に記載された溶解緩衝剤中に再懸濁され得る。
【0182】
さらに他の実施形態では、本発明の方法に使用される非侵襲的試料はタンポン試料である。タンポン試料は、当業者が知っている、当技術分野において知られた任意の方法を使用して得ることができる。例えば、タンポン試料は、対象にタンポンを装着するように求めることにより得られ得る。タンポンは、膣分泌物、例えば月経血を吸収するために定められた一定期間、膣へ挿入することができる吸収材料の適切に成形された塊である。本明細書で使用される場合、用語「タンポン試料」は、対象により最初に装着されたタンポンに由来した任意の試料を包含する。一部の実施形態では、タンポン試料は、2~14時間、4~12時間、又は6~8時間の間、対象により装着されたタンポンに由来し得る。一部の実施形態では、タンポン試料は、約4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、又は10時間の間、対象により装着されたタンポンに由来し得る。タンポン試料は、タンポンを対象の膣から取り出して、それを適切な緩衝剤、例えばPBSを含有する容器へ、そのタンポンがその緩衝剤中に浸漬するように入れることにより得られ得る。あるいは、緩衝剤は、容器内のその場でのタンポンに加えられ得る。その後、浸漬されたタンポンを、例えば大きなシリンジを使用して、圧縮して、タンポンから細胞を含む緩衝剤を放出させ、それを新しい容器へ収集し得る。その後、細胞を含む緩衝剤を、遠心分離により処理して、例えば細胞を含む尿沈降物を含むペレットを得ることができる。上清は捨てられ得、尿沈降物細胞ペレットは適切な緩衝剤、例えば本発明による又は本明細書の他の所に記載された溶解緩衝剤中に再懸濁され得る。
【0183】
婦人科がんについての多くの重要なバイオマーカー、例えばMCMタンパク質、特にMCM5は、非侵襲的試料に存在する細胞の核内に見出され得る。したがって、適切には、非侵襲的試料は細胞を含む。より適切には、それらの細胞は、当技術分野において一般的な任意の公知の技術、例えば非侵襲的試料からの細胞の濾過又はより適切には、遠心収集により高濃度にされ得る。非侵襲的試料から細胞を濃縮することは、シグナルを増加させ得、検出を容易にし得る。例えば、非侵襲的試料が尿試料である場合、尿試料は、尿沈降物、例えば尿から収集された沈降細胞を含み得る。
【0184】
本発明の方法は、「非侵襲的試料を処理して、非侵襲的試料中の細胞から少なくとも1つのバイオマーカーを放出させる」ステップを含み得る。このステップは、非侵襲的試料中に含まれる細胞が1つ以上のバイオマーカーを放出する(又はこれらの細胞のかなりの割合が1つ以上のバイオマーカーを放出する)ように、非侵襲的試料を操作することを指すと考えることができる。一部の実施形態では、非侵襲的試料は、非侵襲的試料中の細胞から少なくとも1つのバイオマーカーを放出させる能力がある溶解緩衝剤、例えば本発明による又はそうでなければ本明細書に開示された溶解緩衝剤に非侵襲的試料を曝露することにより、少なくとも1つのバイオマーカーを放出させるように処理され得る。適切には、非侵襲的試料は、以下のステップにより少なくとも1つのバイオマーカーを放出させるように処理され得る:細胞を捕捉するためのフィルターに非侵襲的試料を通過させ、その結果、細胞がフィルターに捕捉されるステップ、溶解緩衝剤、例えば本発明による若しくはそうでなければ本明細書に記載された溶解緩衝剤をフィルターに通過させ、その結果、捕捉された細胞が溶解緩衝剤に曝露される、ステップ、及び/又は溶解緩衝剤により細胞が少なくとも1つのバイオマーカーを放出するように、フィルターを所定時間インキュベートするステップ。あるいは、非侵襲的試料を遠心分離して、試料ペレットを得て、上清を捨て、試料ペレットを溶解緩衝剤中に再懸濁し得る。あるいは、例えば、高濃度溶解緩衝剤成分を液体非侵襲的試料に加えて、溶解緩衝剤に曝露された非侵襲的試料を含む溶液を形成し得る。
【0185】
抗体
用語「抗体」は、天然に存在する形、又は組換え抗体、例えば単鎖抗体、キメラ抗体、若しくはヒト化抗体を指し得る。用語「抗体(antibody)」及び「抗体(antibodies)」はまた、標的タンパク質、例えばMCM5のようなMCMタンパク質と結合することができる抗体の断片を包含すると見なされ得る。そのような断片には、Fab'2、F'(ab)2、Fv、単鎖抗体、又はダイアボディが挙げられ得る。抗体は、(断片よりむしろ)天然に存在する完全長の抗体であり得る。さらなる実施形態では、抗体はヒト化抗体ではない。
【0186】
一般的に、抗体は2つの重鎖及び2つの軽鎖から形成される。各重鎖は重鎖定常領域(CH)及び重鎖可変領域(VH)で構成される。同様に、各軽鎖は軽鎖定常領域(CL)及び軽鎖可変領域(VL)から構成される。VH及びVL領域は相補性決定領域(CDR)を含む。CDRは主に、標的タンパク質と特異的に結合することを担う。
【0187】
一部の実施形態では、抗体は、MCM5のエピトープ(断片)と結合する。したがって、用語「MCM5と結合する抗体」は、MCM5の単一のエピトープのみと結合する抗体を指す。必要に応じて、MCM5と結合する抗体は、MCM5と「特異的に結合する」抗体である。用語「特異的に結合する」は、標的、例えばMCM5と、非標的分子に対するそれの結合親和性の少なくとも2倍、10倍、50倍、又は100倍である結合親和性で結合する抗体を指す。
【0188】
検出抗体、例えば本発明に使用されるELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイに使用される検出抗体は、標識(例えば、ユーロピウム2+又は西洋ワサビペルオキシダーゼ)とコンジュゲートされ得る。標識は、直接付着し得、又はリンカー(例えば、アジピン酸ジヒドラジド又はADH)を介して付着し得る。標識は化学的コンジュゲーションにより付着し得る。標識を抗体とコンジュゲートする方法は当技術分野において知られている。例えば、コンジュゲートされるカルボジイミド(Bauminger & Wilchek (1980) Methods Enzymol. 70、151~159)は、標識を抗体にコンジュゲートするために使用され得る。標識を抗体にコンジュゲートする他の方法もまた使用することができる。例えば、適切な反応物の過ヨウ素酸ナトリウム酸化、続いて還元的アルキル化又は還元アミド化を使用することができ、同様にグルタルアルデヒドが架橋結合することができる。しかしながら、本発明のコンジュゲートを生成するどの方法が選択されるかに関わらず、コンジュゲートされた抗体がそれのターゲティング能力を維持すること及びコンジュゲートされた標識がそれの機能を維持することの決定がなされなければならないことは認識されている。
【0189】
目的のバイオマーカータンパク質、例えばMCM5と結合する抗体を開発することは十分、当業者の能力の範囲内である。これは、哺乳動物、例えばマウス、ウサギ、又はモルモットをバイオマーカータンパク質、例えばMCM5で免疫することにより行われ得る。アジュバント、例えばフロインドの完全アジュバントを含むことは有益であり得る。免疫された哺乳動物の脾臓細胞を取り出し、骨髄腫細胞と融合させて、適切な条件を前提として不死であり、かつ抗体を分泌するハイブリドーマ株を形成する。ハイブリドーマは単一クローンへ分離され、各クローンにより分泌された抗体は、バイオマーカータンパク質(例えば、MCM5)とのそれらの結合能力について評価される。
【0190】
抗体標的
本発明の方法の一部の実施形態では、非侵襲的試料は、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体に曝露される。上記で論じられているように、そのような実施形態は、本明細書に記載された第1のモノクローナル抗体及び/又は本明細書に記載された第2のモノクローナル抗体に非侵襲的試料を曝露することを含むELISAアッセイ又はサンドイッチELISAアッセイを行うことを含み得る。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体はMCM5と特異的に結合する。好ましくは、第1のモノクローナル抗体は配列番号1と結合する。好ましくは、第2のモノクローナル抗体は配列番号2と結合する。
【0191】
一部の実施形態では、第1のモノクローナル抗体又は第2のモノクローナル抗体はMCM5のエピトープ(断片)(例えば、配列番号1又は配列番号2)と結合する。したがって、用語「MCM5と結合する抗体」は、MCM5の単一のエピトープ、例えば配列番号1又は配列番号2のみと結合する抗体を指す。
【0192】
本発明を目的として、用語「結合親和性」は、抗体のそれの標的と結合する能力を指す。本発明を目的として、用語「特異的に結合する」は、標的、例えばMCM5と、別の非標的分子との結合についてのそれの結合親和性の少なくとも2倍、10倍、50倍、又は100倍である結合親和性で結合する抗体を指す。ある実施形態では、非標的分子は、MCM5以外のMCMタンパク質、例えばMCM2である。好ましくは、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、MCMタンパク質、必要に応じてMCM5と、別の非標的分子との結合についてのそれの結合親和性の少なくとも2倍、10倍、50倍、又は100倍である結合親和性で結合する能力がある。さらにより好ましくは、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、配列番号1(例えば、第1のモノクローナル抗体に関して)又は配列番号2(例えば、第2のモノクローナル抗体に関して)と、別の非標的分子との結合についてのそれの結合親和性の少なくとも2倍、10倍、50倍、又は100倍である結合親和性で結合する能力がある。
【0193】
MCM5に対する結合親和性の評価のための好ましい方法はELISAによる。好ましくは、第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、2500ng/ml以下、1500ng/ml以下、1000ng/ml以下、600ng/ml以下、50ng/ml以下、30ng/ml以下、20ng/ml以下、又は10ng/ml以下のMCM5に対する親和性(実施例2に記載されているように、EC50又は50%最大結合濃度として測定される)を有する。EC50は典型的には、1ng/mlより高く、したがって、EC50は1ng/mlから前文に特定された上限のいずれかの間であり得る。リガンド、例えば抗体の標的への結合能力を評価するための他の標準アッセイは当技術分野において知られており、それには、例えば、ウェスタンブロット、RIA、及びフローサイトメトリー分析が挙げられる。抗体の結合動力学(例えば、結合親和性)もまた、当技術分野において知られた標準アッセイ、例えば表面プラズモン共鳴(SPR)(例えば、Biacore(商標)システム)分析により評価することができる。MCM5との結合についての親和定数(KD)は、好ましくは、0.01~10nM、0.01~5nM、0.01~1nM、0.01~0.5nM、0.01~0.25nM、0.025~0.25nM、又は0.04~0.25nMの範囲である。一実施形態では、ELISAに使用される第1及び/又は第2のモノクローナル抗体は、約0.01nM、0.02nM、0.03nM、0.04nM、0.05nM、0.06nM、0.07nM、0.08nM、0.09nM、0.1nM、0.2nM、0.3nM、0.4nM、又は0.5nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、ELISAに使用される第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は約0.05nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、ELISAに使用される第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は約0.2nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、ELISAに使用される第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は約0.233nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は約0.05MのMCM5に対する親和性を有し、第2のモノクローナル抗体は約0.2nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は約0.05nMのMCM5に対する親和性を有し、第2のモノクローナル抗体は約0.233nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は12A7であり、かつ約0.05nMのMCM5に対する親和性を有し、第2のモノクローナル抗体は4B4であり、かつ約0.2nMのMCM5に対する親和性を有する。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は12A7であり、かつ約0.05nMのMCM5に対する親和性を有し、第2のモノクローナル抗体は4B4であり、かつ約0.233nMのMCM5に対する親和性を有する。会合速度(ka)は好ましくは、0.4~3.4×106 1/Mの範囲である。解離速度(kd)は好ましくは、1~10×10-3 1/sの範囲である。これらの値は典型的にはSPR(表面プラズモン共鳴)により決定され得る。
【0194】
抗体相補性決定領域(CDR)
本発明の方法は、抗体12A7又は4B4のCDRの少なくとも1つ、すなわち、以下からなる群から選択されるCDRを含む第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体の使用を含み得る:
a. 配列番号9の配列、又は配列番号9とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH1、
b. 配列番号11の配列、又は配列番号11とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH2、
c. 配列番号13の配列、又は配列番号13とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH3、
d. 配列番号3の配列、又は配列番号3とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL1、
e. 配列番号5の配列、又は配列番号5とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL2、
f. 配列番号7の配列、又は配列番号7とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL3、
g. 配列番号21の配列、又は配列番号21とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH1、
h. 配列番号23の配列、又は配列番号23とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH2、
i. 配列番号25の配列、又は配列番号25とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH3、
j. 配列番号15の配列、又は配列番号15とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL1、
k. 配列番号17の配列、又は配列番号17とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL2、及び
l. 配列番号19の配列、又は配列番号19とは1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL3。
【0195】
4B4及び12A7抗体と同じCDRを有する抗体は、4B4及び12A7の配列とは他の領域において実質的に異なり得る。そのような抗体は、例えば抗体断片であり得る。
【0196】
句「配列番号3とは単一のアミノ酸置換により異なる配列」は、配列番号3に定義された1個のアミノ酸を異なるアミノ酸によって置き換える可能性を指す。好ましくは、そのような置き換えは保存的アミノ酸置換である。以下の8つの群それぞれは、典型的にはお互いに保存的置換であるアミノ酸を含有する:(1)アラニン、グリシン、(2)アスパラギン酸、グルタミン酸、(3)アスパラギン、グルタミン;(4)アルギニン、リシン、(5)イソロイシン、ロイシン、メチオニン、バリン、(6)フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、(7)セリン、スレオニン、及び(8)システイン、メチオニン。
【0197】
ある実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、12A7の重鎖由来の少なくとも1つのCDR(12A7 CDRH1、12A7 CDRH2、又は12A7 CDRH3)、加えて12A7の軽鎖由来の少なくとも1つのCDR(12A7 CDRL1、12A7 CDRL2、又は12A7 CDRL3)を含む。さらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体は12A7の重鎖由来の少なくとも2つのCDR及び12A7の軽鎖由来の少なくとも2つのCDRを含む。好ましい実施形態では、第1のモノクローナル抗体は12A7の重鎖由来の3つ全てのCDR及び/又は12A7の軽鎖由来の3つ全てのCDRを含む。ある実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、12A7 CDRL1及び12A7 CDRL2、12A7 CDRL1及び12A7 CDRL3、12A7 CDRL1及び12A7 CDRH1、12A7 CDRL1及び12A7 CDRH2、12A7 CDRL1及び12A7 CDRH3、12A7 CDRL2及び12A7 CDRL3、12A7 CDRL2及び12A7 CDRH1、12A7 CDRL2及び12A7 CDRH2、12A7 CDRL2及び12A7 CDRH3、12A7 CDRL3及び12A7 CDRH1、12A7 CDRL3及び12A7 CDRH2、12A7 CDRL3及び12A7 CDRH3、12A7 CDRH1及び12A7 CDRH2、12A7 CDRH1及び12A7 CDRH3、又は12A7 CDRH2及び12A7 CDRH3を含む。
【0198】
ある実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、4B4の重鎖由来の少なくとも1つのCDR(4B4 CDRH1、4B4 CDRH2、又は4B4 CDRH3)、加えて4B4の軽鎖由来の少なくとも1つのCDR(4B4 CDRL1、4B4 CDRL2、又は4B4 CDRL3)を含む。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体は4B4の重鎖由来の少なくとも2つのCDR及び4B4の軽鎖由来の少なくとも2つのCDRを含む。好ましい実施形態では、第2のモノクローナル抗体は4B4の重鎖由来の3つ全てのCDR及び/又は4B4の軽鎖由来の3つ全てのCDRを含む。ある実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、4B4 CDRL1及び4B4 CDRL2、4B4 CDRL1及び4B4 CDRL3、4B4 CDRL1及び4B4 CDRH1、4B4 CDRL1及び4B4 CDRH2、4B4 CDRL1及び4B4 CDRH3、4B4 CDRL2及び4B4 CDRL3、4B4 CDRL2及び4B4 CDRH1、4B4 CDRL2及び4B4 CDRH2、4B4 CDRL2及び4B4 CDRH3、4B4 CDRL3及び4B4 CDRH1、4B4 CDRL3及び4B4 CDRH2、4B4 CDRL3及び4B4 CDRH3、4B4 CDRH1及び4B4 CDRH2、4B4 CDRH1及び4B4 CDRH3、又は4B4 CDRH2及び4B4 CDRH3を含む。
【0199】
好ましい実施形態では、抗体は、配列番号3(12A7 CDRL1)、配列番号5(12A7 CDRL2)、配列番号7(12A7 CDRL3)、配列番号9(12A7 CDRH1)、配列番号11(12A7 CDRH2)、配列番号13(12A7 CDR H3)、配列番号15(4B4 CDRL1)、配列番号17(4B4 CDRL2)、配列番号19(4B4 CDRL3)、配列番号21(4B4 CDRH1)、配列番号23(4B4 CDRH2)又は配列番号25(4B4 CDRH3)のいずれか1つに記載された配列と同一の配列を有する少なくとも1つのCDRを含む。ある実施形態では、第1のモノクローナル抗体が12A7 CDRL2を含む場合、12A7 CDRL2は配列番号5に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体が12A7 CDRL1を含む場合、12A7 CDRL1は配列番号3に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体が12A7 CDRL3を含む場合、12A7 CDRL3は配列番号7に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体が12A7 CDRH1を含む場合、12A7 CDRH1は配列番号9に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体が12A7 CDRH2を含む場合、12A7 CDRH2は配列番号11に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体が12A7 CDRH3を含む場合、12A7 CDRH3は配列番号13に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体が4B4 CDRL1を含む場合、4B4 CDRL1は配列番号15に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体が4B4 CDRL2を含む場合、4B4 CDRL2は配列番号17に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体が4B4 CDRL3を含む場合、4B4 CDRL3は配列番号19に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体が4B4 CDRH1を含む場合、4B4 CDRH1は配列番号21に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体が4B4 CDRH2を含む場合、4B4 CDRH2は配列番号23に記載された配列を有する。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体が4B4 CDRH3を含む場合、4B4 CDRH3は配列番号25に記載された配列を有する。
【0200】
好ましくは、12A7又は4B4のCDRの少なくとも1つを含む第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、MCM5と結合する(必要に応じて、特異的に結合する)。さらにより好ましくは、12A7又は4B4のCDRの少なくとも1つを含む第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、配列番号1又は配列番号2と結合する(必要に応じて、特異的に結合する)。
【0201】
重鎖可変領域及び軽鎖可変領域
一部の実施形態では、本発明に使用される第1のモノクローナル抗体は、配列番号29と少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、本発明に使用される第1のモノクローナル抗体は、配列番号27と少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、本発明に使用される第2のモノクローナル抗体は、配列番号33と少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、本発明に使用される第2のモノクローナル抗体は、配列番号31と少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。そのような抗体は「バリアント抗体」と呼ばれ得る。
【0202】
ある実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号29と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。さらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号29と少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。一実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号27と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。さらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号27と少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。さらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号27と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号29と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。好ましい実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、配列番号29と少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域及び配列番号27と少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0203】
さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号33と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号33と少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号31と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号31と少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号33と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域及び配列番号31と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を有する。好ましい実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、配列番号33と少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域及び配列番号31と少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を有する。
【0204】
当業者に知られているように、抗体は、フレームワーク領域を含む複数の領域を含有する。フレームワーク領域におけるアミノ酸の欠失又は付加は、抗体のそれの標的と結合する能力に影響する可能性は低い。他方、CDRにおける変異は、抗体の標的と結合する能力に影響する可能性がかなりより高い。したがって、本発明のある特定の実施形態では、バリアント抗体は、12A7若しくは4B4抗体のCDRと同一であるCDRを有し、又は単一のアミノ酸置換(好ましくは、保存的アミノ酸置換)の点でのみ異なるCDRを有する。第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、配列が配列番号27、29、31、又は33に記載された配列とは極めて有意に異なるフレームワーク領域を有し得る。
【0205】
必要に応じて、第1のモノクローナル抗体が配列番号29と少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む場合、その抗体はさらに、12A7 CDRH1、12A7 CDRH2、又は12A7 CDRH3の少なくとも1つを含む。標的結合特異性はCDRによって決定されるため、12A7のCDRを含む抗体は、たとえその抗体配列の残りが極めて可変的であるとしても、それでもなおMCM5と結合し得ることは当業者によって理解されている。この理由により、第1のモノクローナル抗体が12A7 CDRH1、12A7 CDRH2、又は12A7 CDRH3の少なくとも1つを含む場合、第1のモノクローナル抗体は好ましくは、配列番号29と少なくとも90%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。より好ましい実施形態では、本発明の第1のモノクローナル抗体は、12A7 CDRH1、12A7 CDRH2、及び12A7 CDRH3を含み、かつ配列番号29と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0206】
必要に応じて、第2のモノクローナル抗体が配列番号33と少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む場合、第2のモノクローナル抗体はさらに、4B4 CDRH1、4B4 CDRH2、又は4B4 CDRH3の少なくとも1つを含む。標的結合特異性はCDRによって決定されるため、4B4のCDRを含む抗体は、たとえその抗体配列の残りが極めて可変的であるとしても、それでもなおMCM5と結合し得ることは当業者によって理解されている。この理由により、第2のモノクローナル抗体が4B4 CDRH1、4B4 CDRH2、又は4B4 CDRH3の少なくとも1つを含む場合、第2のモノクローナル抗体は好ましくは、配列番号33と少なくとも90%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。より好ましい実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、4B4 CDRH1、4B4 CDRH2、及び4B4 CDRH3を含み、かつ配列番号33と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0207】
必要に応じて、第1のモノクローナル抗体が配列番号27と少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む場合、第1のモノクローナル抗体はさらに、12A7 CDRL1、12A7 CDRL2、又は12A7 CDRL3の少なくとも1つを含む。標的結合特異性はCDRによって決定されるため、12A7のCDRを含む抗体は、たとえその抗体配列の残りが極めて可変的であるとしても、それでもなおMCM5と結合し得ることは当業者によって理解されている。この理由により、第1のモノクローナル抗体が12A7 CDRL1、12A7 CDRL2、又は12A7 CDRL3の少なくとも1つを含む場合、第1のモノクローナル抗体は好ましくは、配列番号27と少なくとも90%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。より好ましい実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、12A7 CDRL1、12A7 CDRL2、及び12A7 CDRL3を含み、かつ配列番号27と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0208】
必要に応じて、本発明の第2のモノクローナル抗体が配列番号31と少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む場合、第2のモノクローナル抗体はさらに、4B4 CDRL1、4B4 CDRL2、又は4B4 CDRL3の少なくとも1つを含む。標的結合特異性はCDRによって決定されるため、4B4のCDRを含む抗体は、たとえその抗体配列の残りが極めて可変的であるとしても、それでもなおMCM5と結合し得ることは当業者によって理解されている。この理由により、第2のモノクローナル抗体が4B4 CDRL1、4B4 CDRL2、又は4B4 CDRL3の少なくとも1つを含む場合、第2のモノクローナル抗体は好ましくは、配列番号31と少なくとも90%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。より好ましい実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、4B4 CDRL1、4B4 CDRL2、及び4B4 CDRL3を含み、かつ配列番号31と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0209】
本発明のさらなる実施形態では、第1のモノクローナル抗体は、
(i)12A7 CDRH1、12A7 CDRH2、及び12A7 CDRH3、
(ii)配列番号29と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域、
(iii)12A7 CDRL1、12A7 CDRL2、及び12A7 CDRL3、並びに
(iv)配列番号27と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域
を含む。
【0210】
さらなる実施形態では、第2のモノクローナル抗体は、
(i)4B4 CDRH1、4B4 CDRH2、及び4B4 CDRH3、
(ii)配列番号33と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域、
(iii)4B4 CDRL1、4B4 CDRL2、及び4B4 CDRL3、並びに
(iv)配列番号31と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域
を含む。
【0211】
配列番号29と同一の重鎖可変配列及び配列番号27と同一の軽鎖可変配列を有する抗体は、抗体12A7と呼ばれ得る。配列番号33と同一の重鎖可変配列及び配列番号31と同一の軽鎖可変配列を有する抗体は、抗体4B4と呼ばれ得る。
【0212】
MCM5と結合するバリアント抗体を作製する方法は、十分、当業者の能力の範囲内である。そのようなバリアント抗体は、配列番号27、29、31、又は33と比較して1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、50個、又は100個の置換又は欠失変異を含み得る。「欠失」バリアント抗体は、1個、2個、3個、4個、5個、若しくはそれ以上のアミノ酸の欠失、又は場合によっては、配列番号27、29、31、若しくは33の全領域の欠失を含み得る。「置換」バリアントは、1個、2個、3個、4個、5個、又はそれ以上のアミノ酸の、同じ数の新しいアミノ酸での置き換えを含み得る。
【0213】
好ましくは、本明細書に記載されたバリアント抗体は、配列番号27、29、31、又は33とは保存的アミノ酸置換によって(必要に応じて、保存的アミノ酸置換によってのみ)異なる配列を含む。そのような保存的置換が抗体の結合性質を変化させる可能性が低いことを当業者はよく知っている。
【0214】
溶解緩衝剤
溶解緩衝剤は一般的に、細胞を溶解することができる緩衝剤である。細胞から1つ以上のバイオマーカーを放出させることに加えて、溶解緩衝剤は、その後の分析に使用される方法と適合性であり得る。例えば、分析方法が二重抗体サンドイッチELISAである場合、溶解緩衝剤はマイクロタイタープレートの表面と結合した捕捉抗体を分解しないことが望ましくあり得る。溶解緩衝剤は、排他的ではないが、一般的に、1つ以上の界面活性剤(表面活性物質とも呼ばれる)、1つ以上の塩、及び緩衝剤を含む。場合によっては、これらの成分の濃度は溶解緩衝剤の効力に影響し得る。
【0215】
一実施形態では、緩衝剤は、それが非侵襲的試料中の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は実質的全部を溶解する能力があるならば、「溶解緩衝剤」と言うことができる。一実施形態では、緩衝剤は、それが尿試料中の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は実質的全部を溶解する能力があるならば、「溶解緩衝剤」と言うことができる。
【0216】
一実施形態では、緩衝剤は、それが非侵襲的試料中の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は実質的全部を溶解する能力があるならば、「溶解緩衝剤」と言うことができ、ただし、非侵襲的試料中の細胞が溶解緩衝剤に少なくとも1分間、5分間、10分間、20分間、30分間、60分間、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、又は一晩、曝露される。一実施形態では、緩衝剤は、それが尿試料中の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は実質的全部を溶解する能力があるならば、「溶解緩衝剤」と言うことができ、ただし、尿中の細胞が溶解緩衝剤に少なくとも1分間、5分間、10分間、20分間、30分間、60分間、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、又は一晩、曝露される。
【0217】
一実施形態では、緩衝剤は、それが非侵襲的試料中の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は実質的全部を溶解する能力があるならば、「溶解緩衝剤」と言うことができ、ただし、非侵襲的試料中の細胞が溶解緩衝剤に少なくとも1分間、5分間、10分間、20分間、30分間、60分間、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、又は一晩、4℃、20℃、又は室温で曝露される。一実施形態では、緩衝剤は、それが尿試料中の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は実質的全部を溶解する能力があるならば、「溶解緩衝剤」と言うことができ、ただし、尿中の細胞が溶解緩衝剤に少なくとも1分間、5分間、10分間、20分間、30分間、60分間、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、又は一晩、4℃、20℃、又は室温で曝露される。
【0218】
一実施形態では、溶解緩衝剤は、少なくとも1つのバイオマーカー、例えばMCMタンパク質又はMCM5を非侵襲的試料中の細胞から遊離させる能力がある。溶解緩衝剤は、25mMTris pH7.6、150mM塩化ナトリウム、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、及び1% Triton-X100を含む緩衝剤が使用される場合、遊離されたバイオマーカー(例えば、MCM5)の量が細胞内の量の40%、50%、60%、70%、又は80%より多いならば、「バイオマーカーを非侵襲的試料中の細胞から遊離させる能力がある」と見なされる。遊離されるバイオマーカー、例えばMCM5の量は、ELISAアッセイ、例えば実施例1に記載されたアッセイを使用して測定され得る。アッセイに使用される抗体は、バイオマーカーと結合する抗体であるべきである。例えば、バイオマーカーがMCM5である場合、MCM5と結合する第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体が使用されるべきである。好ましくは、12A7及び4B4抗体が使用される。
【0219】
溶解緩衝剤は、溶解緩衝剤への曝露後の抗体の活性が溶解緩衝剤への曝露前の抗体の活性の40%、50%、60%、70%、又は80%であるならば、抗体を変性させないと見なすことができる。抗体の活性は、ELISAアッセイ、例えば実施例1に記載されたものを使用して試験され得る。
【0220】
一部の実施形態では、溶解緩衝剤は界面活性剤(表面活性物質とも呼ばれる)を含む。一般的に、界面活性剤は、細胞壁を破壊することが知られている化合物である。界面活性剤は、疎水性領域と親水性領域の両方を有する両親媒性である。適切な界面活性剤は当業者によく知られている。本発明による溶解緩衝剤に適切に使用され得る界面活性剤の例には、Triton X-100、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、デオキシコール酸ナトリウムが挙げられるが、それらに限定されない。
【0221】
一部の実施形態では、溶解緩衝剤は緩衝剤成分を含む。緩衝剤成分は、溶解緩衝剤のpHを、2.0pH単位未満、1.5pH単位未満、又は1.0pH単位未満だけ変動するpHに維持する任意の成分であると見なすことができる。この目的に適している緩衝剤は当業者によく知られている。本発明による溶解緩衝剤に適切に使用され得る緩衝剤の例はTrisである。
【0222】
一部の実施形態では、溶解緩衝剤は塩を含む。様々な塩が当業者によく知られている。一部の実施形態では、塩が、特定のレベルのイオン強度を与えるように溶解緩衝剤に加えられる。当業者は、塩濃度とイオン強度との関係を理解し、所望のイオン強度を有する溶解緩衝剤を供給するために適切な塩及び前記塩の適切な濃度を選択する能力がある。本発明による溶解緩衝剤に適切に使用することができる塩の例は塩化ナトリウムである。
【0223】
ミニ染色体維持(MCM)タンパク質
適切には、本発明による好ましいバイオマーカーはMCMタンパク質である。最も適切には、MCMタンパク質はMCM5である。
【0224】
MCMタンパク質2-7は、クロマチン上で形成し、かつその後のDNA複製のための必須の前提条件又はライセンシング因子である複製前複合体の部分を構成する。MCMタンパク質複合体は複製ヘリカーゼとして働き、したがって、DNA複製機構のコア構成要素である。MCMタンパク質は細胞周期のG0期からG1/S期への移行において上方制御され、細胞周期制御に活発に関与する。MCMタンパク質は、クロマチンの周囲に環状構造を形成する。
【0225】
ヒトMCM5遺伝子は22q13.1にマッピングされ、成熟MCM5タンパク質は、734個のアミノ酸からなる(配列番号35、UNIPROT P33992:ヒトDNA複製ライセンシング因子MCM5)。用語「MCM5」は、配列番号35のポリペプチド、配列番号35と85%、90%、95%、98%、又は100%同一のポリペプチドを指す。
【0226】
キット
本発明はまた、(a)本明細書で定義されているような溶解緩衝剤、(b)本明細書で定義されているような第1のモノクローナル抗体、及び/又は(c)本明細書で定義されているような第2のモノクローナル抗体、並びに(d)対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における溶解緩衝剤及び/又は第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体の使用についての使用説明書を含むキットを提供する。キットは、本発明の方法を行うために使用することができる。例えば、溶解緩衝剤は、非侵襲的試料中の細胞から少なくとも1つのバイオマーカータンパク質を遊離させるために使用することができる。第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体は、少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するためのイムノアッセイに使用することができる。一部の実施形態では、イムノアッセイはELISAアッセイ、必要に応じて、サンドイッチELISAアッセイである。そのような実施形態では、第1のモノクローナル抗体は捕捉抗体として使用され得、第2のモノクローナル抗体は検出抗体として使用され得、逆もまた同様である。
【0227】
使用
本発明のさらなる態様は、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における、本発明の又はそうでなければ本明細書に記載された溶解緩衝剤、モノクローナル抗体、及びキットの使用に関する。本発明の又はそうでなければ本明細書に記載された溶解緩衝剤、モノクローナル抗体、及びキットは、対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する任意の適切な方法に使用され得る。一部の実施形態では、本発明の又はそうでなければ本明細書に記載された溶解緩衝剤、モノクローナル抗体、及びキットは、本発明による対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法に使用される。本発明の使用及び方法はin vitro又はex-vivoの使用又は方法であり得る。
【0228】
[実施例]
[実施例1]
材料及び方法
試験集団
患者は、2017年3月から2018年1月の間、St Mary's Hospital、Manchesterにおける試験へ登録され、倫理審査の承認はSouth Central - Oxford B研究倫理委員会(16/SC/0643)から得られ、インフォームドコンセントは尿、タンポン、又はスワブ試料の収集前に全患者から得られた。卵巣がん又は子宮内膜がんの既知の又は強い疑いを有する全ての適格患者が登録された。患者は、処女である場合、膀胱がん若しくは腎がんと以前診断されたことがある場合、過去2週間において任意の泌尿器科的器具使用を受けたことがある場合、又は現在、化学療法若しくは放射線療法を受けている場合に、除外された。患者は、2つの試料、完全排尿試料、及び治験コーディネーター(research nurse)によって収集された膣スワブか又は予約の6~8時間前に装着された膣タンポンかのいずれかを提供するように求められた。
【0229】
試料処理 - 尿
最低25mLの尿を各患者から収集し、均一な混合物を保証するために尿を撹拌し、最高50mLをきれいな遠心チューブへ移した。試料を、室温、1500gで5分間、遠心分離した。細胞沈降物ペレットを乱さないように注意して上清を捨て、チューブを吸収紙上に逆さまに置いて、水気を切った。細胞沈降物ペレットを、25mM Tris pH7.6、150mM塩化ナトリウム、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、及び1%Triton-X100を含む溶解緩衝剤の適切な体積(尿1mLあたり10uL溶解緩衝剤)中に再懸濁し、-20℃未満で保存する前に1時間、室温でインキュベートした。
【0230】
試料処理 - 膣タンポン
患者は、市販のプラスチックアプリケータ膣タンポンを装着するように求められ、診療所での出席前の6~8時間、膣内にタンポンを入れておくように指示された。タンポンを取り出し、50mL遠心チューブに入れ、PBSを加えた。タンポンを大きなシリンジへ移し、圧縮して、タンポンからPBS/細胞を放出させた。タンポンからのPBS/細胞を、新しい50mL遠心チューブに収集した。シリンジから抽出されたPBS/細胞を含有するチューブを、室温、1500gで5分間、遠心分離した。細胞沈降物ペレットを乱さないように注意して上清を捨てた。チューブを吸収紙上に逆さまに置いて、水気を切り、細胞沈降物ペレットを、25mM Tris pH7.6、150mM塩化ナトリウム、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、及び1%Triton-X100を含む300μL溶解緩衝剤中に再懸濁し、-20℃未満で保存する前に1時間、室温でインキュベートした。
【0231】
試料処理 - 膣スワブ
膣スワブは、治験コーディネーターにより収集された。簡単に述べれば、柔らかい子宮頚管内収集ブラシを膣内へ3~5cm、挿入し、4回(左の方へ2回及び右の方へ2回)、回転させた。その後、スワブを5mLのPBS中へ入れた。膣スワブをチューブから取り出し、そのPBSを室温、1500gで5分間、遠心分離した。細胞沈降物ペレットを乱さないように注意して上清を捨てた。チューブを吸収紙上に逆さまに置いて、水気を切り、細胞沈降物ペレットを、25mM Tris pH7.6、150mM塩化ナトリウム、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、及び1%Triton-X100を含む300μL溶解緩衝剤中に再懸濁し、-20℃未満で保存する前に1時間、室温でインキュベートした。
【0232】
MCM5 ELISA
患者可溶化液を、MCM5 ELISAを用いて製造会社の使用説明書の通り、検査した。簡単に述べれば、100μLの可溶化液を、MCM5 ELISAマイクロタイタープレートの2個のウェルのそれぞれに加え(試料及び対照を二連で実行した)、プレート振盪機(700RPM)上、室温で60分間、インキュベートした。インキュベーション後、自動プレート洗浄機を使用して、ウェルを350μLの1×洗浄緩衝剤で6回、洗浄した。100μLのMCM5-HRPコンジュゲート型抗体を各ウェルに加え、上記のように350μLの1×洗浄緩衝剤で6回、洗浄する前に30分間、室温でインキュベートした。100μLのTMBを各ウェルに加え、停止溶液(0.5M H2SO4)の添加前に暗闇中30分間、インキュベートした。光学密度(OD)を450nm及び630nm(参照波長)において測定した。MCM5の濃度を、陰性対照(溶解緩衝剤)と共に、既知の組換えMCM5対照(1.3mg/mL)の段階希釈標準曲線を使用して計算した。
【0233】
[実施例2]
子宮内膜がんの検出
MCM5 ELISAは、子宮内膜がんを有する患者の尿、膣スワブ、及び膣タンポンにおいてMCM5陽性細胞を高感度で検出することができた。尿試料について、MCM5 ELISAはヨーデン指標によるカットオフにおいて60%の特異度と共に87%の感度を有した(表1)。加えて、MCM5のレベルは、正常尿に対して子宮内膜がんを有する患者由来の尿において有意に高かった(図1A、p=0.007)。さらに、正常に対してステージ1がんにおいて(図1B、p=0.02)及び正常に対してグレード3がんにおいて(図1C、p=0.02)、有意により高いレベルのMCM5発現があった。
【0234】
MCM5 ELISA検査は、腟スワブ試料に適用された場合の子宮内膜腫瘍の検出について、ヨーデン指標によるカットオフにおいて75%の特異度と共に74%感度を有した。しかしながら、腟タンポン試料について、そのヨーデン指標によるカットオフは、100%のMCM5 ELISAについての感度を与えたが、43%のより低い特異度を与え、ROC曲線上の第2のヨーデン指標ポイントは86%の特異度と共に50%の感度を与えた。MCM5レベルは、子宮内膜がんを有する患者由来の膣タンポン試料について良性疾患を有する患者より有意に高いことが見出された(図3A、p=0.03)。
【0235】
【表1】
【0236】
[実施例3]
卵巣がんの検出
MCM5 ELISAは、卵巣がんを有する患者由来の尿試料、膣スワブ試料、及び膣タンポン試料においてMCM5陽性細胞を極めて高感度で検出することができた。尿試料に適用された場合、MCM5 ELISAは、ヨーデン指標によるカットオフにおいて、60%の特異度と共に65%の感度を有した(表2)。加えて、MCM5のレベルは、正常尿に対して卵巣がんを有する患者由来の尿においてより高く(図4A)、正常に対してステージ2卵巣がんにおいて有意により高いレベルのMCM5発現があった(図4C、p=0.04)。
【0237】
MCM5 ELISA検査はまた、膣スワブ試料における卵巣がんの検出について85%感度を有したが、ヨーデン指標によるカットオフにおいて25%の低い特異度であった。膣タンポン試料について、ヨーデン指標によるカットオフは、90%のMCM5 ELISAについての感度を与えたが、特異度は43%とより低く、ROC曲線上の第2のヨーデン指標ポイントは86%の特異度と共に50%の感度を与えた。MCM5レベルは、良性疾患を有する個体と比較して、卵巣がんを有する患者由来の膣タンポン試料においてより高いこともまた見出された(図6A)。
【0238】
【表2】
【0239】
[実施例4]
婦人科がんの検出
MCM5 ELISAは、婦人科がんを有する患者由来の尿試料、膣スワブ試料、及び膣タンポン試料においてMCM5陽性細胞を非常に高い感度で検出することができた。尿試料に適用された場合、MCM5 ELISAは、ヨーデン指標によるカットオフにおいて60%の特異度と共に81%の感度を有した(表3)。さらに、MCM5のレベルは、正常個体と比較して婦人科がんを有する患者由来の尿において有意により高かった(図7A、p=0.02)。
【0240】
MCM5 ELISA検査は、膣スワブ試料に適用された場合の婦人科がんの検出について、ヨーデン指標によるカットオフにおいて75%の特異度と共に61%感度を有した。
【0241】
膣タンポン試料について、ヨーデン指標によるカットオフは、MCM5 ELISAについて43%の特異度と共に90%の感度を与え、ROC曲線上の第2のヨーデン指標ポイントは、86%の特異度と共に50%の感度を与えた。MCM5レベルは、婦人科腫瘍を有する患者由来の膣タンポンにおいて良性疾患を有する患者より有意に高いことが見出された(図7C、p=0.03)。
【0242】
【表3】
【0243】
要約すれば、これらの結果は、非侵襲的試料を使用する婦人科がんの検出が、無症候性集団における診断検査として又は無症候性集団においてこれらのがんを同定するためのスクリーニングツールとしての両方の潜在能力をもち、それにより、婦人科がんにおける生存率を向上させることが知られている、早期診断及び処置を可能にすることを実証している。
【0244】
[実施例5]
婦人科がんの検出についてのMCM5 ELISAの診断精度への良性婦人科状態の効果
試験集団
よく見られる良性状態の存在がMCM5 ELISA検査の特異度へ影響するかどうかを決定するためにデザインされた試験のために、集団においてよく見出される既知の良性婦人科状態、すなわち、子宮内膜症、子宮筋腫、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、及び閉経後出血(PMB)を有する患者を募集した。倫理審査の承認はSouth Central Oxford B研究倫理委員会(16/SC/0643-大幅な改正1)から得られ、患者の募集は、2018年9月から2019年7月の間、St Mary's Hospital、Manchesterで行われた。インフォームドコンセントは尿及び/又はタンポン試料の収集前に全患者から得られた。上記で列挙された既知の良性状態を有する全ての適格患者が登録された。患者は、処女である場合、膀胱がん若しくは腎がんと以前診断されたことがある場合、過去2週間において任意の泌尿器科的器具使用を受けたことがある場合、又は現在、化学療法若しくは放射線療法を受けている場合に、除外された。患者は、完全排尿試料を提供するように求められた。
【0245】
良性状態試料に加えて、追加の試料を、実施例1~4に記載されているような既知の卵巣がん又は子宮内膜がんを有する患者からも収集した。尿試料を上記の実施例1に記載されているように処理した。MCM5 ELISAを上記の実施例1に記載されているように行った。
【0246】
結果
子宮内膜がん
MCM5 ELISAは、子宮内膜がんを有する患者から得られた尿試料においてMCM5陽性細胞を高感度で検出することができた。MCM5 ELISAは、12pg/mLの同定されたカットオフにおいて74.6%(95% CI:61.6%~85.0%)の特異度と共に86.1%(95% CI:72.1%~94.7%)の感度を有した(下記表4参照)。
【0247】
【表4】
【0248】
加えて、MCM5のレベルは、良性婦人科状態を有する患者由来の尿と比較して子宮内膜がんを有する患者由来の尿において有意に高かった(p<0.0001、図8A)。重要なことには、低悪性度の子宮内膜がんと初期ステージの子宮内膜がんの両方が、MCM5検出のレベルの統計的に有意な増加を示した(それぞれ、図8B及び8C)。特に、MCM5 ELISAは、低悪性度の子宮内膜がんの尿においてMCM5陽性細胞を83.3%(95% CI:51.6%~97.9%)の感度で、及びステージ1のがんにおいて89.2%(95% CI:71.8%~97.7%)の感度で検出することができた。したがって、尿試料におけるMCM5の検出は、低悪性度(83.3%)及び初期ステージ(89.2%)の子宮内膜がんについて非常に高い感度を実証した。
【0249】
卵巣がん
MCM5 ELISAは、卵巣がんを有する患者由来の尿試料においてMCM5陽性細胞を高感度で検出することができた。MCM5 ELISAは、12pg/mLの同定されたカットオフにおいて74.6%(95% CI:61.6%~85.0%)の特異度と共に61.5%(95% CI:40.6%~79.8%)の感度を有した(下記表5参照)。加えて、MCM5のレベルは、よく見られる良性婦人科状態を有する患者と比較して卵巣がんを有する患者由来の尿試料において有意に高かった(p=0.02、図9)。
【0250】
【表5】
【0251】
MCM5 ELISAは、MCM5陽性細胞を低悪性度の卵巣がんの尿において71.4%(95% CI:29.0%~96.3%)の感度で、及びステージ1のがんにおいて70.0%(95% CI:34.8%~93.3%)の感度で検出することができた。したがって、尿試料におけるMCM5の検出は、低悪性度(71.4%)及び初期ステージ(70.0%)の卵巣がん腫瘍について非常に高い感度を実証した。
【0252】
良性婦人科状態
良性婦人科状態を有する患者由来の尿試料は、子宮内膜がんを有する患者由来の尿試料におけるMCM5レベルと比較した場合、統計的に有意により低いMCM5レベルを示した(図10)。したがって、最もよく見られる良性婦人科状態、すなわち、子宮内膜症、子宮筋腫、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、及び閉経後出血(PMB)は、尿試料に適用された場合のMCM5 ELISAの診断精度へ少しの有意な効果も生じていない:子宮内膜症(p<0.0001)、PCOS(p=0.03)、子宮筋腫(p=0.0005)、及びPMB(p=0.003))。
【0253】
本発明のさらなる態様:
1.対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法であって、
前記対象から単離された非侵襲的試料を得るステップ、及び
少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ
を含む、方法。
2.前記非侵襲的試料が、尿試料、タンポン試料、及び膣スワブ試料からなる群から選択される、態様1に記載の方法。
3.前記非侵襲的試料を処理して、前記非侵襲的試料中の細胞から前記少なくとも1つのバイオマーカーを放出させるステップをさらに含む、態様1又は2に記載の方法。
4.決定された前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を参照と比較するステップをさらに含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
5.前記参照が、1以上の健康な個体から調製された1つ以上の試料について決定された前記少なくとも1つのバイオマーカーの平均濃度である、態様4に記載の方法。
6.前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照と比較して異常である場合に、婦人科がんが存在する可能性がある、態様4又は5に記載の方法。
7.前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より高い場合に、婦人科がんが存在する可能性がある、態様4から6のいずれか1つに記載の方法。
8.前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定する前記ステップが、
ELISAアッセイを行って、前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定すること
を含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
9.前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が、5pg/mL、6pg/mL、7pg/mL、8pg/mL、9pg/mL、10pg/mL、11pg/mL、12pg/mL、13pg/mL、14pg/mL、15pg/mL、16pg/mL、17pg/mL、18pg/mL、19pg/mL、20pg/mL、21pg/mL、22pg/mL、23pg/mL、24pg/mL、25pg/mL、26pg/mL、27pg/mL、28pg/mL、29pg/mL、30pg/mL、35pg/mL、45pg/mL、50pg/mL、55pg/mL、60pg/mL、65pg/mL、又は70pg/mLより高いと決定された場合に前記婦人科がんが存在する可能性がある、態様8に記載の方法。
10.前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が、(i)約12pg/mL、(ii)約17pg/mL、又は(iii)約70pg/mL、好ましくは約12pg/mLより高いと決定された場合に前記婦人科がんが存在する可能性がある、態様8又は9に記載の方法。
11. 12pg/mL、17pg/mL又は70pg/mL、好ましくは12pg/mLのカットオフが適用される、態様8から10のいずれか1つに記載の方法。
12.前記非侵襲的試料が尿試料である、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
13.前記方法が、対象における婦人科がんを診断する方法であり、必要に応じて、前記方法が、
婦人科がんが存在する可能性がある場合に、婦人科がんを有するとして前記対象を診断するステップ
をさらに含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
14.婦人科がん又は良性婦人科状態を有するとして対象を診断する方法であって、
前記対象から予め単離された非侵襲的試料を提供するステップ、
前記非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を参照と比較するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より高い場合に、婦人科がんを有するとして前記対象を診断し、又は前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より低い場合に、良性婦人科状態を有するとして前記対象を診断するステップ
を含む、方法。
15.婦人科がんに関連する非侵襲的試料と、良性婦人科がんに関連する非侵襲的試料とを識別する方法であって、
対象から予め単離された非侵襲的試料を提供するステップ、
前記非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を参照と比較するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より高い場合に、前記非侵襲的試料は婦人科がんに関連することを決定し、又は前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より低い場合に、前記非侵襲的試料は良性婦人科状態に関連することを決定するステップ
を含む、方法。
16.対象を第1又は第2の処置群に分類する方法であって、
前記対象から予め単離された非侵襲的試料を提供するステップ、
前記非侵襲的試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度を決定するステップ、
前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度に基づいて前記対象を2つの処置群の1つに割り当てるステップであって、第1の処置群が、婦人科がんの処置を受けることになり、第2の処置群が、処置を受けないか、又は良性婦人科状態の処置を受けることになる、前記ステップ
を含む、方法。
17.前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が参照より高い場合に、前記対象が前記第1の処置群に分類され、又は前記非侵襲的試料中の前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度が前記参照より低い場合に前記対象が前記第2の処置群に分類される、態様16に記載の方法。
18.前記良性婦人科状態が、閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択される、態様14から17のいずれか1つに記載の方法。
19.前記非侵襲的試料が尿試料である、態様14から18のいずれか1つに記載の方法。
20.前記少なくとも1つのバイオマーカーがMCMタンパク質である、態様14から19のいずれか1つに記載の方法。
21.前記少なくとも1つのバイオマーカーがMCM5である、態様14から20のいずれか1つに記載の方法。
22.前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定する前記ステップが、ELISAアッセイを行って、前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定することを含む、態様14から21のいずれか1つに記載の方法。
23.前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定する前記ステップが、MCM5 ELISAアッセイを行って、MCM5を検出し、又はMCM5の濃度を決定することを含む、態様14から22のいずれか1つに記載の方法。
24.前記非侵襲的試料が尿試料である、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
25.前記非侵襲的試料を処理して、前記非侵襲的試料中の細胞から前記少なくとも1つのバイオマーカーを放出させるステップをさらに含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
26.in vitroの方法である、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
27.前記非侵襲的試料を処理して前記少なくとも1つのバイオマーカーを放出させる前記ステップが、前記非侵襲的試料中の細胞から前記少なくとも1つのバイオマーカーを放出させることができる溶解緩衝液に前記非侵襲的試料を曝露することを含む、態様3から26のいずれか1つに記載の方法。
28.前記非侵襲的試料を処理して前記少なくとも1つのバイオマーカーを放出させる前記ステップが、
細胞がフィルターに捕捉されるように、細胞を捕捉するための前記フィルターに前記非侵襲的試料を通過させること、
前記捕捉された細胞が溶解緩衝液に曝露されるように、前記溶解緩衝液を前記フィルターに通過させること、及び/又は
前記溶解緩衝液により前記細胞が少なくとも1つのバイオマーカーを放出するように、前記フィルターを所定時間インキュベートすること
を含む、態様3から27のいずれか1つに記載の方法。
29.前記少なくとも1つのバイオマーカーがMCMタンパク質を含むか又はそれからなる、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
30.前記MCMタンパク質がMCM5である、態様29に記載の方法。
31.前記少なくとも1つのバイオマーカーがMCMタンパク質、必要に応じてMCM5であり、前記溶解緩衝液が前記非侵襲的試料中の細胞からMCMタンパク質、必要に応じてMCM5を放出させることができる、態様3から30のいずれか1つに記載の方法。
32.前記溶解緩衝液が、前記非侵襲的試料中の細胞からMCM5を放出させることができ、MCM5タンパク質を実質的に変性させない、態様27から31のいずれか1つに記載の方法。
33.前記溶解緩衝液が抗体を変性させない、態様27から32のいずれか1つに記載の方法。
34.前記溶解緩衝液が界面活性剤を含む、態様27から33のいずれか1つに記載の方法。
35.前記界面活性剤がTriton X-100を含む、態様34に記載の方法。
36.前記界面活性剤が、0.01%~25%、0.01%~10%、0.05%~5%、0.1%~2%、0.5%~2%、0.75%~1.25%、又は約1%の濃度でTriton X-100を含む、態様35に記載の方法。
37.前記界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウムを含むか又はそれからなる、態様34から36のいずれか1つに記載の方法。
38.前記界面活性剤が、0.1%~20%、0.1~10%、0.1~5%、0.5%~5%、0.5%~2.5%、0.75%~2.5%、0.75%~1.25%、又は約1%の濃度でデオキシコール酸ナトリウムを含むか又はそれからなる、態様37に記載の方法。
39.前記界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むか又はそれからなる、態様34から38のいずれか1つに記載の方法。
40.前記界面活性剤が、0.001%~10%、0.01%~5%、0.05%~5%、0.01%~1%、0.05%~1%、0.05%~0.5%、0.075%~0.25%、又は約0.1%の濃度でドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むか又はそれからなる、態様39に記載の方法。
41.前記界面活性剤が、Triton X-100、デオキシコール酸ナトリウム、及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)からなる、態様34から40のいずれか1つに記載の方法。
42.前記界面活性剤が、0.5%~2%のTriton X-100、0.5%~2%のデオキシコール酸ナトリウム、及び0.05%~0.5%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)からなる、態様41に記載の方法。
43.前記溶解緩衝液が緩衝剤成分を含む、態様27から42のいずれか1つに記載の方法。
44.前記緩衝剤成分が、pH4~pH9、pH5~pH8.5、pH6~pH8、pH6.5~pH8、pH7~pH8、pH7.3~pH7.9、pH7.4~pH7.8、pH7.5~pH7.7、又は約pH7.6のpHを有し、且つ/又は前記溶解緩衝液のpHをpH4~pH9、pH5~pH8.5、pH6~pH8、pH6.5~pH8、pH7~pH8、pH7.3~pH7.9、pH7.4~pH7.8、pH7.5~pH7.7、又は約pH7.6に維持する、態様43に記載の方法。
45.前記緩衝剤成分がTrisを含むか又はそれからなる、態様43又は44に記載の方法。
46.前記緩衝剤成分が、1mMより高い、1mM~350mM、5~200mM、5~100mM、5~50mM、5mM~40mM、5mM~35mM、10mM~35mM、15mM~35mM、15mM~30mM、20mM~30mM、又は約25mMの濃度でTrisを含むか又はそれからなる、態様45に記載の方法。
47.前記緩衝剤成分が15mM~35mMの濃度のTrisからなる、態様43から46のいずれか1つに記載の方法。
48.前記溶解緩衝液が塩を含む、態様27から47のいずれか1つに記載の方法。
49.前記塩が塩化ナトリウムである、態様48に記載の方法。
50.前記溶解緩衝液が、10mM~350mM、20mM~300mM、50mM~250mM、100mM~250、100mM~200mM、125mM~175mM、又は約150mMの濃度で塩化ナトリウムを含む、態様49に記載の方法。
51.前記溶解緩衝液が100mM~200mMの濃度で塩化ナトリウムを含む、態様50に記載の方法。
52.前記溶解緩衝液が、
(i)1mM~100mMのTris、
(ii)50mM~300mMの塩化ナトリウム、
(iii)0.1~5%のデオキシコール酸ナトリウム、
(iv)0.01~1%のドデシル硫酸ナトリウム、及び/又は
(v)0.1~5%のTriton-X100
を含む、態様27から51のいずれか1つに記載の方法。
53.前記溶解緩衝液が、
(i)10mM~40mMのTris、
(ii)100mM~200mMの塩化ナトリウム、
(iii)0.5~2%のデオキシコール酸ナトリウム、
(iv)0.05~0.5%のドデシル硫酸ナトリウム、及び/又は
(v)0.5~2%のTriton-X100
を含む、態様52に記載の方法。
54.前記溶解緩衝液が、
(i)約25mMのTris、
(ii)約150mMの塩化ナトリウム、
(iii)約1%のデオキシコール酸ナトリウム、
(iv)約0.1%のドデシル硫酸ナトリウム、及び/又は
(v)約1%のTriton-X100
を含む、態様53に記載の方法。
55.前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定する前記ステップが、
前記非侵襲的試料を第1のモノクローナル抗体及び/又は第2のモノクローナル抗体に曝露すること、並びに
前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体に結合した前記少なくとも1つのバイオマーカーを検出し、又は前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体に結合した前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記濃度を決定すること
を含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
56.前記第1のモノクローナル抗体及び前記第2のモノクローナル抗体がMCM5に結合する、態様55に記載の方法。
57.前記第1のモノクローナル抗体が、
(i)配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合し、
(ii)(a)配列番号9の配列、又は配列番号9とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH1、
(b)配列番号11の配列、又は配列番号11とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH2、
(c)配列番号13の配列、又は配列番号13とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRH3、
(d)配列番号3の配列、又は配列番号3とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL1、
(e)配列番号5の配列、又は配列番号5とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL2、及び
(f)配列番号7の配列、又は配列番号7とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、12A7 CDRL3
からなる群から選択される少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含み、
(iii)配列番号29に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含み、
(iv)配列番号27に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域配列を含み、又は
(v)(i)、(ii)、(iii)、又は(iv)の抗体と競合する
抗体である、態様56に記載の方法。
58.前記第2のモノクローナル抗体が、
(i)配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合し、
(ii)(a)配列番号21の配列、又は配列番号21とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH1、
(b)配列番号23の配列、又は配列番号23とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH2、
(c)配列番号25の配列、又は配列番号25とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRH3、
(d)配列番号15の配列、又は配列番号15とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL1、
(e)配列番号17の配列、又は配列番号17とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL2、及び
(f)配列番号19の配列、又は配列番号19とは単一のアミノ酸置換により異なる配列を有する、4B4 CDRL3
からなる群から選択される少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含み、
(iii)配列番号33に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する重鎖可変領域を含み、
(iv)配列番号31に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、又は100%同一の配列を有する軽鎖可変領域配列を含み、又は
(v)(i)、(ii)、(iii)、又は(iv)の抗体と競合する
抗体である、態様56又は57に記載の方法。
59.前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体が、0.001~1nMの範囲内のMCM5に対する親和性を有する、態様55から58のいずれか1つに記載の方法。
60.前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体が、Fab'2、F'(ab)2、Fv、単鎖抗体又はダイアボディである、態様55から59のいずれか1つに記載の方法。
61.前記第1のモノクローナル抗体が、12A7 CDRH1、12A7 CDRH2、及び12A7 CDRH3を含む、態様55から60のいずれか1つに記載の方法。
62.前記第1のモノクローナル抗体が、12A7 CDRL1、12A7 CDRL2及び12A7 CDRL3を含む、態様55から61のいずれか1つに記載の方法。
63.前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号9の配列を有する12A7 CDRH1、配列番号11の配列を有する12A7 CDRH2、及び配列番号13の配列を有する12A7 CDRH3を含む、態様55から62のいずれか1つに記載の方法。
64.前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号3の配列を有する12A7 CDRL1、配列番号5の配列を有する12A7 CDRL2、及び配列番号7の配列を有する12A7 CDRL3を含む、態様55から63のいずれか1つに記載の方法。
65.前記第2のモノクローナル抗体が、4B4 CDRH1、4B4 CDRH2、及び4B4 CDRH3を含む、態様55から64のいずれか1つに記載の方法。
66.前記第2のモノクローナル抗体が、4B4 CDRL1、4B4 CDRL2及び4B4 CDRL3を含む、態様55から65のいずれか1つに記載の方法。
67.前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号21の配列を有する4B4 CDRH1、配列番号23の配列を有する4B4 CDRH2、及び配列番号25の配列を有する4B4 CDRH3を含む、態様55から66のいずれか1つに記載の方法。
68.前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号15の配列を有する4B4 CDRL1、配列番号17の配列を有する4B4 CDRL2、及び配列番号19の配列を有する4B4 CDRL3を有する、態様55から67のいずれか1つに記載の方法。
69.前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号29に対して少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む、態様55から68のいずれか1つに記載の方法。
70.前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号29に対して少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む、態様55から69のいずれか1つに記載の方法。
71.前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号27に対して少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む、態様55から70のいずれか1つに記載の方法。
72.前記第1のモノクローナル抗体が、配列番号27に対して少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む、態様55から71のいずれか1つに記載の方法。
73.前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号33に対して少なくとも95%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む、態様55から72のいずれか1つに記載の方法。
74.前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号33に対して少なくとも98%同一の配列を有する重鎖可変領域を含む、態様55から73のいずれか1つに記載の方法。
75.前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号31に対して少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む、態様55から74のいずれか1つに記載の方法。
76.前記第2のモノクローナル抗体が、配列番号31に対して少なくとも98%同一の配列を有する軽鎖可変領域を含む、態様55から75のいずれか1つに記載の方法。
77.前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記方法が、スワブ試料を使用して行われる同等の方法及び/又はタンポン試料を使用して行われる同等の方法より高い感度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
78.前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記方法が、スワブ試料を使用して行われる同等の方法及び/又はタンポン試料を使用して行われる同等の方法より高い特異度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
79.少なくとも約20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、又は50%の前記婦人科がんに対する感度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
80.少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、又は61%の前記婦人科がんに対する感度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
81.少なくとも約75%、76%、77%、78%、79%、80%、又は81%の前記婦人科がんに対する感度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
82.少なくとも約90%、92%、93%、94%、95%、又は96%の前記婦人科がんに対する感度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
83.少なくとも約20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%、又は40%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
84.少なくとも約50%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、又は60%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
85.少なくとも約60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、72%、73%、74%、又は75%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
86.少なくとも約80%、82%、83%、84%、85%、又は86%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
87.前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記方法が、少なくとも約75%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約55%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、態様1から78のいずれか1つに記載の方法。
88.前記非侵襲的試料が膣スワブ試料であり、前記方法が、少なくとも約55%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約70%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、態様1から76のいずれか1つに記載の方法。
89.前記非侵襲的試料がタンポン試料であり、前記方法が、少なくとも約90%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約35%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、態様1から76のいずれか1つに記載の方法。
90.前記非侵襲的試料がタンポン試料であり、前記方法が、少なくとも約45%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約80%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、態様1から76のいずれか1つに記載の方法。
91.前記非侵襲的試料がタンポン試料であり、前記方法が、少なくとも約90%の前記婦人科がんに対する感度及び少なくとも約80%の前記婦人科がんに対する特異度を有する、態様1から76のいずれか1つに記載の方法。
92.対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における先行する態様のいずれか1つにおいて定義される溶解緩衝液の使用。
93.対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における先行する態様のいずれか1つにおいて定義される第1のモノクローナル抗体及び/又は先行する態様のいずれか1つにおいて定義される第2のモノクローナル抗体の使用。
94.対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法におけるキットの使用であって、前記キットが、
(a)先行する態様のいずれか1つにおいて定義される溶解緩衝液、
(b)先行する態様のいずれか1つにおいて定義される第1のモノクローナル抗体、及び/又は
(c)先行する態様のいずれか1つにおいて定義される第2のモノクローナル抗体
を含む、使用。
95.(a)先行する態様のいずれか1つにおいて定義される溶解緩衝液、
(b)先行する態様のいずれか1つにおいて定義される第1のモノクローナル抗体、及び/又は
(c)先行する態様のいずれか1つにおいて定義される第2のモノクローナル抗体、並びに
(d)対象における婦人科がんの存在又は非存在を検出する方法における前記溶解緩衝液及び/又は前記第1のモノクローナル抗体及び/又は前記第2のモノクローナル抗体の使用のための説明書
を含む、キット。
96.前記婦人科がんが婦人科悪性腫瘍である、態様1から91のいずれか1つに記載の方法、態様92から94のいずれか1つに記載の使用又は態様95に記載のキット。
97.前記婦人科がんが、卵巣がん、子宮内膜がん、子宮がん、子宮頸がん、外陰部がん、膣がん、卵管腫瘍、上皮卵巣腫瘍、卵巣奇形腫、未成熟卵巣奇形腫、間質性腫瘍、生殖細胞卵巣腫瘍、未分化腫瘍、境界悪性卵巣腫瘍、子宮内膜癌、子宮内膜腺癌、類内膜腺癌、子宮内膜扁平上皮癌、漿液性癌、漿液性子宮内膜上皮内癌、子宮内膜癌肉腫、明細胞癌、粘液性癌、未分化子宮内膜癌、混合性子宮内膜癌、粘液性腫瘍、悪性混合性ミュラー管腫瘍、子宮内膜明細胞肉腫、顆粒膜細胞腫、漿液性卵管上皮内癌、未成熟嚢胞性奇形腫、漿液性卵巣腫瘍、及び小細胞癌からなる群から選択される、態様1から91のいずれか1つに記載の方法、態様92から94のいずれか1つに記載の使用又は態様95に記載のキット。
98.前記婦人科がんが卵巣がん又は子宮内膜がんである、態様1から91のいずれか1つに記載の方法、態様92から94のいずれか1つに記載の使用又は態様95に記載のキット。
99.前記婦人科がんが卵巣がんである、態様1から91のいずれか1つに記載の方法、態様92から94のいずれか1つに記載の使用又は態様95に記載のキット。
100.前記卵巣がんが、上皮卵巣腫瘍、卵巣奇形腫、未成熟卵巣奇形腫、間質性腫瘍、胚細胞性卵巣腫瘍、未分化腫瘍、境界悪性卵巣腫瘍、粘液性腫瘍、顆粒膜細胞腫、未成熟嚢胞性奇形腫、漿液性卵巣腫瘍、及び小細胞癌からなる群から選択される、態様99に記載の方法、使用又はキット。
101.前記婦人科がんが子宮内膜がんである、態様1から91のいずれか1つに記載の方法、態様92から94のいずれか1つに記載の使用又は態様95に記載のキット。
102.前記子宮内膜がんが、子宮内膜癌、子宮内膜腺癌、類内膜腺癌、子宮内膜扁平上皮癌、漿液性癌、漿液性子宮内膜上皮内癌、子宮内膜癌肉腫、明細胞癌、粘液性癌、未分化子宮内膜癌、混合性子宮内膜癌、悪性混合性ミュラー管腫瘍、及び子宮内膜明細胞肉腫からなる群から選択される、態様101に記載の方法、使用又はキット。
103.前記婦人科がんが低悪性度がんである、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
104.前記婦人科がんがG1がんである、態様103に記載の方法、使用又はキット。
105.前記婦人科がんが高悪性度がんである、態様1から102のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
106.前記婦人科がんがG2以上の悪性度のがんである、態様105に記載の方法、使用又はキット。
107.前記婦人科がん(gynaecological caner)が初期ステージがんである、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
108.前記がんがS1がんである、態様107に記載の方法、使用又はキット。
109.前記婦人科がんが後期ステージがんである、態様1から106のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
110.前記婦人科がんがS2以上の悪性度のがんである、態様109に記載の方法、使用又はキット。
111.前記婦人科がんが卵巣がんであり、前記方法が少なくとも約25%の前記卵巣がんに対する特異度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
112.前記婦人科がんが卵巣がんであり、前記方法が少なくとも約50%の前記卵巣がんに対する感度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
113.前記婦人科がんが卵巣がんであり、前記方法が少なくとも約25%の前記卵巣がんに対する特異度及び少なくとも約50%の前記卵巣がんに対する感度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
114.前記婦人科がんが子宮内膜がんであり、前記方法が少なくとも約40%の前記子宮内膜がんに対する特異度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
115.前記婦人科がんが子宮内膜がんであり、前記方法が少なくとも約80%の前記子宮内膜がんに対する感度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
116.前記婦人科がんが子宮内膜がんであり、前記方法が少なくとも約40%の前記子宮内膜がんに対する特異度及び少なくとも約80%の前記子宮内膜がんに対する感度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
117.前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが卵巣がんであり、前記方法が少なくとも約60%の前記卵巣がんに対する感度及び少なくとも約70%の前記卵巣がんに対する特異度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される、態様1から110のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
118.前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが子宮内膜がんであり、前記方法が少なくとも約80%の前記子宮内膜がんに対する感度及び少なくとも約70%の前記子宮内膜がんに対する特異度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCMS濃度参照が適用される、態様1から110のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
119.前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが低悪性度卵巣がんであり、前記方法が少なくとも約70%の前記低悪性度卵巣がんに対する感度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される、態様1から110のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
120.前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが初期ステージ卵巣がんであり、前記方法が少なくとも約70%の前記初期ステージ卵巣がんに対する感度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される、態様1から110のいずれか1つに記載の方法 使用又はキット。
121.前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが低悪性度子宮内膜がんであり、前記方法が少なくとも約80%の前記低悪性度子宮内膜がんに対する感度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される、態様1から110のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
122.前記非侵襲的試料が尿試料であり、前記婦人科がんが初期ステージ子宮内膜がんであり、前記方法が少なくとも約85%の前記初期ステージ子宮内膜がんに対する感度を有し、必要に応じて約12pg/mlのMCM5濃度参照が適用される、態様1から110のいずれか1つに記載の方法、使用又はキット。
123.前記対象が良性婦人科状態を患っている、態様1から91若しくは96から122のいずれか1つに記載の方法、又は態様92から94若しくは96から122のいずれか1つに記載の使用、又は態様95から122のいずれか1つに記載のキット。
124.前記良性婦人科状態が、閉経後出血(PMB)、子宮内膜症、子宮筋腫、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)から選択される、請求項123に記載の方法、使用又はキット。
【0254】
上記の明細書で言及された全ての刊行物は参照により本明細書に組み入れられている。本発明の記載された態様及び実施形態の様々な改変及びバリエーションは、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかであろう。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して記載されているが、主張されている本発明がそのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことは理解されるべきである。実際、当業者に明らかである、本発明を実行するための記載された様式の様々な改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることを意図される。
【0255】
【0256】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【配列表】
2022513525000001.app
【国際調査報告】