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特表2022-513551切断するストリップの送り距離を補正するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】切断するストリップの送り距離を補正するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/46 20060101AFI20220202BHJP
   B26D 5/34 20060101ALI20220202BHJP
   B26D 3/02 20060101ALI20220202BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20220202BHJP
   B26D 3/00 20060101ALN20220202BHJP
【FI】
B29D30/46
B26D5/34 B
B26D3/02
B65H7/14
B26D3/00 601E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021503035
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(85)【翻訳文提出日】2021-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2020076747
(87)【国際公開番号】W WO2021073850
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】2024050
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ハンス デ ボーア
【テーマコード(参考)】
3C024
3F048
4F215
【Fターム(参考)】
3C024GG00
3F048AA00
3F048AB00
3F048AC02
3F048BB02
3F048CC05
3F048DA06
3F048DC11
4F215AH20
4F215AP06
4F215AQ01
4F215AR19
4F215VA11
4F215VD07
4F215VL02
4F215VP28
4F215VQ03
4F215VR03
(57)【要約】
本発明は、切断するストリップの送り距離を補正するための方法および装置に関し、該方法は、
-斜め切断角度にて当該送り方向に延在する切断線に向かって、送り方向で送り距離にわたりストリップを送る工程と、
-送り方向に垂直な横方向でストリップの第1の長手方向縁の横位置を検知する工程と
を含み、
検知された横位置が、計測線にて第1の長手方向縁のための基準位置に対して横方向にオフセット距離にわたりオフセットする場合、該方法は、
-切断角度によって画定された比率にて、オフセット距離に関連づけられている補正距離を用いて、送り距離を調整する工程を更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断するストリップの送り距離を補正するための方法であって、
前記ストリップが、長手方向に延在しているストリップ本体と、前記ストリップ本体の第1の側に延在している第1の長手方向縁と、前記第1の側に対向する前記ストリップ本体の第2の側に延在している第2の長手方向縁を有し、
前記方法が、
-斜め切断角度にて送り方向に延在する切断線に向かって、前記送り方向で前記送り距離にわたり前記ストリップを送る工程と、
-計測線に沿って前記第1の長手方向縁の横位置を検知する工程とを含み、
検知された前記横位置が、前記計測線において前記第1の長手方向縁にとっての基準位置に対して、前記送り方向に垂直である横方向でオフセット距離にわたりオフセットする場合、
前記方法が、
-前記切断角度によって画定された比率にて、前記オフセット距離に関連づけられている補正距離を用いて前記送り距離を調整する工程を更に含む
方法。
【請求項2】
前記第1の長手方向縁の前記横位置が、前記送り方向に対して、前記切断線の上流の前記計測線にて検知される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準位置が、前記送り方向で前記切断線からの基準距離にて、前記計測線に位置付けられ、検知された前記横位置が、前記オフセット距離にわたりオフセットする場合、前記基準距離よりも、前記送り方向で前記切断線からのより大きな距離、またはより小さな距離のいずれかにて存在し、前記送り距離は、前記より大きな距離の場合には前記補正距離を前記基準距離に加えることで、前記より小さな距離の場合には前記補正距離を前記基準距離から差し引くことで調整される
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、
-検知された前記横位置と前記基準位置を比較して、前記オフセット距離を算出する工程と、
-パラメータとして、前記切断角度を表示する第1のパラメータおよび前記オフセット距離を表示する第2のパラメータを有する三角関数を用いることで、前記送り方向で前記補正距離を計算する工程と、
-計算された前記補正距離に基づき、前記送り距離を調整する工程とを含む
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記三角関数が正接関数である
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記三角関数が、
【数1】
であり、Aが前記切断角度である
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記三角関数が
【数2】
であり、Aが、90°から前記切断角度を引いた角度と同等である
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
横位置の範囲と関連する前記補正距離を表示する値の範囲がデータベースに保存され、前記方法が、
-前記第1の長手方向縁の検知された前記横位置に一致または実質的に一致する横位置の前記範囲の横位置と関連する値の前記範囲から1つの値を抽出する工程と、前記補正距離と同等の値を用いて前記送り距離を調整する工程と、を含む
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基準位置が固定位置である
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、
-前記切断線にて前記ストリップを切断し、前記送り方向に対し、前縁を形成する工程と、
-前記送り距離にわたり前記送り方向で前記ストリップを送る工程と、
-前記切断線にて前記ストリップを切断し、前記送り方向に対する後縁を形成する工程とを含み、
前記第1の長手方向縁が、前記前縁と前記後縁の間に前記送り方向で縁長を有し、
前記第1の長手方向縁の前記横位置が、前記前縁に対して、前記後縁にて前記横方向にオフセットしている場合、前記送り距離が、前記オフセットに関わらず前記縁長が不変であるか、または実質的に不変であるように、前記補正距離によって調整される
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の長手方向縁の前記横位置が、前記縁長に沿って少なくとも2回検知され、前記少なくとも2つの検知された横位置のうち検知された第1の横位置が、前記少なくとも2つの検知された横位置のうち、検知された第2の横位置のための前記オフセット距離を算出する基準位置として使用される
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
検知された前記第1の横位置が、前記縁長にわたり前記送り方向で、検知された前記第2の横位置から離間されている
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
検知された前記第1の横位置が、前記前縁では前記第1の長手方向縁の前記横位置であり、検知された前記第2の横位置が、前記後縁では前記第1の長手方向縁の前記横位置である
請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、前記ストリップを切断して前記前縁を形成するのに先んじて、
-前記送り方向に対して、前記切断線の上流の前記計測線にて、前記第1の長手方向縁の第1の横位置を検知する工程と、
-前記送り距離の前記第1の部分にわたり前記ストリップを送った後、検知された前記第1の横位置が前記切断線上に位置付けられるように、前記補正距離を用いて補正される前記送り距離の第1の部分にわたり前記ストリップを送る工程とを含む
請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、前記ストリップを切断して前記前縁を形成した後に、および前記ストリップを切断して前記後縁を形成するのに先んじて、
-前記送り距離の前記第1の部分を引いた前記縁長に一致または実質的に一致する前記送り距離の第2の部分にわたり、前記ストリップを送る工程と、
-前記計測線にて前記第1の長手方向縁の第2の横位置を検知する工程と、
-前記補正距離を用いて補正される前記送り距離の第3の部分にわたり、前記ストリップを送る工程であって、前記送り距離の前記第3の部分にわたり前記ストリップを送った後、検知された前記第2の横位置が前記切断線上に位置付けられる工程とを含む
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の長手方向縁の前記横位置が、前記送り方向に対して前記切断線の上流の前記計測線にて検知され、前記切断線が、前記第1の長手方向縁と前記第2の長手方向縁のうち一方にて、前記計測線に向かって収束する
請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記切断線が、代替的な斜め切断角度にて前記送り方向へ延在するように調整可能であり、前記切断線が、前記第1の長手方向縁と前記第2の長手方向縁のうちもう一方にて、前記計測線に向かって収束し、前記方法の前記工程が、前記切断線が前記代替的な斜め切断角度にて延在する場合に、前記第1の長手方向縁の代わりに前記第2の長手方向縁に対して実施される
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記計測線が、前記送り方向に垂直な前記横方向に延在する
請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
切断するストリップの送り距離を補正するための装置であって、
前記ストリップが、長手方向に延在しているストリップ本体と、前記ストリップ本体の第1の側に延在している第1の長手方向縁と、前記第1の側に対向する前記ストリップ本体の第2の側に延在している第2の長手方向縁と、を有し、前記装置が、
-切断線に沿って前記ストリップを切断するカッターと、
-前記切断線に向かって、送り方向で前記送り距離にわたり前記ストリップを送り、前記切断線が斜め切断角度にて前記送り方向へと延在している、コンベアと、
-前記コンベアを制御するための駆動装置と、
-計測線に沿って前記第1の長手方向縁の横位置を検知するためのセンサデバイスと、
-前記センサデバイスおよび前記駆動装置に動作的に接続される制御ユニットであって、
検知された前記横位置が、前記計測線にて前記第1の長手方向縁のための基準位置に対して前記送り方向に垂直な横方向に、オフセット距離にわたりオフセットする場合に、前記送り距離を調整するために構成されており、前記送り距離が、前記切断角度によって画定された比率にて前記オフセット距離に関連づけられている補正距離を用いて調整される、制御ユニットと
を備える
装置。
【請求項20】
前記計測線が、前記送り方向に対し、前記切断線の上流に位置付けられる
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記計測線が、前記送り方向に垂直な前記横方向に延在する
請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記センサデバイスが、前記計測線に沿って、前記第1の長手方向縁の前記横位置を検知する第1のセンサを備える
請求項19~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記センサデバイスが、前記第2の長手方向縁の前記横位置を検知する第2のセンサを備え、前記切断線が、代替的な斜め切断角度にて前記送り方向へと延在するよう調整可能であり、前記制御ユニットが、前記切断線が前記代替的な斜め切断角度にて延在する場合に、前記第1の長手方向縁の代わりに前記第2の長手方向縁の検知された前記横位置に対する前記送り距離を調整するために配置される
請求項22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断するストリップの送り距離を補正するための方法および装置に関し、特にタイヤ構築するストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2014-218065号は、ベルト部材をある特定の長さで切断可能であるように、ベルトの切断位置を調整する方法を開示している。該方法では、ベルト部材がベルトカッターによって切断され、その後搬送手段によって搬送され、更に巻取体周辺で巻きとられる。搬送手段上に配置されたベルト部材の先端部は、ベルトカッターにより、長手方向に対するある特定の角度で斜めに切断される。次に、ベルト部材は、切断によって形成されたベルト部材の先端部が、幅検知センサの中央位置に達するまで搬送され、先端部の幅を計測する。この幅が基準値よりも幅広い場合、ベルト部材の後端側をベルトカッターまで搬送する搬送量は減らされる。この幅が基準値よりも小さい場合、ベルト部材の後端側をベルトカッターまで搬送する搬送量は増やされる。補正量はy=tan∝・xとして表され、式中、yはベルト部材の長手方向における補正量であり、xは幅方向における差分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-218065号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2014-218065号による公知の方法は、計測に先んじて先端部の作成を必要とする。換言すると、補正量は、ベルト部材の前端が既に切断され、先端部が幅検知センサを通過した時にだけ算出され得る。その後、ベルト部材の後端側をベルトカッターまで搬送する搬送量が調整される。ただし調整は、後端側が前端の先端部よりも異なる横位置にあり得ること、およびこれがベルト部材の長さに多大な影響も有するということを考慮しない。加えて、幅を計測するベルト部材の上流側および下流側に配置されている複数の光放出装置および光受信装置によって、特開2014-218065号の幅検知センサが形成される。かかる幅検知センサは、相対的に複雑かつ高額である。
【0005】
切断するストリップの送り距離を補正するための方法および装置を提供することが本発明の目的であり、補正距離の算出を向上することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本発明は切断するストリップの送り距離を補正するための方法を提供し、ストリップは、長手方向に延在しているストリップ本体、ストリップ本体の第1の側に延在している第1の長手方向縁、および第1の側に対向するストリップ本体の第2の側に延在している第2の長手方向縁を有し、該方法は、
-斜め切断角度にて当該送り方向に延在する切断線に向かって、送り方向で送り距離にわたりストリップを送る工程と、
-計測線に沿って第1の長手方向縁の横位置を検知する工程と
を含み、
-検知された横位置が、計測線において第1の長手方向縁にとっての基準位置に対し送り方向に垂直である横方向で、オフセット距離にわたりオフセットする場合、該方法は、
切断角度によって画定された比率にて、オフセット距離に関連づけられている補正距離を用いて送り距離を調整する工程を更に含む。
【0007】
切断線を基準とした第1の長手方向縁の横位置は、斜め切断角度にて延在している切断線が第1の長手方向縁を横切り、その結果これを切断する箇所を算出する。横方向オフセットは、予測したよりも早期または後期に第1の長手方向縁と交差している切断線をもたらし得る。このためこのオフセットは、予想したよりも短い、または予想したよりも長いストリップの長さを生じさせる。ストリップを2回切断する際、前縁および後縁の両方における第1の長手方向縁の横位置は、ストリップの全体の長さに大きな影響を有する。加えて、横方向オフセットは、後縁と比較すると前縁では異なっていてよく、それにより場合によってはその影響を増加させる。
【0008】
第1の長手方向縁の横位置を検知することで、切断線がどこで第1の長手方向縁を横切ることになるのか、およびこれにより任意の横方向オフセットによるストリップの全体の長さへの影響がどんなものであるかを予測または計算することができる。搬送量または送り距離は、これに応じて調整され、補正され得る。
【0009】
第1の長手方向縁の横位置は、前縁の形成に影響しないことから、搬送中いずれかの時点で検知可能である。検知は例えば、切断に先んじておよび/または切断線の上流にて実施され得る。したがって、前縁および後縁の両方についての搬送量は、当該前縁および後縁それぞれにおける、第1の長手方向縁の横位置に従って調整され得る。加えて、検知された横位置のオフセット距離に基づいて送り距離を調整することにより、操作者はストリップの全体幅を計測する必要がなくなる。例えば、相対的に小さな検知領域を有する単独のセンサは、第1の長手方向縁の横位置を検知するために使用され得る。したがって、補正距離の算出を大幅に簡略化することができ、これにより全体としてのシステムの複雑度および/またはその費用を低減する。
【0010】
好ましい実施形態では、第1の長手方向縁の横位置は、送り方向に対して切断線の上流の計測線にて検知される。したがって、前縁および後縁の両方についての送り距離および/または搬送量は、当該前縁および後縁それぞれの第1の長手方向縁の横位置に従って調整され得る。
【0011】
この更なる実施形態では、基準位置は送り方向で切断線からの基準距離にて計測線に位置付けられ、検知された横位置は、オフセット距離にわたりオフセットする場合、基準距離よりも送り方向で切断線からのより大きな距離、またはより小さな距離のいずれかにて存在する。送り距離は、より大きな距離の場合には補正距離を基準位置に加えることで、より小さな距離の場合には補正距離を基準距離から差し引くことで調整される。したがって、切断線が当該第1の長手方向縁上にて検知された横位置で交差するように、ストリップは、送り距離にわたり計測線から切断線まで前進されることが可能である。
【0012】
別の実施形態では、該方法は、
-検知された横位置と基準位置を比較してオフセット距離を算出する工程と、
-パラメータとして切断角度を表示する第1のパラメータおよびオフセット距離を表示する第2のパラメータによる三角関数を用いることで、送り方向で補正距離を計算する工程と、
-計算された補正距離に基づき送り距離を調整する工程と
を含む。
【0013】
切断角度およびオフセット距離が公知であるとすると、三角関数は、補正距離を算出する相対的に単純な方法を提供することができる。好ましくは、三角関数は正接である。より好ましくは、三角関数は
【数1】
であり、ここでAは切断角度である。代替的には、三角関数は
【数2】
であり、ここでAは90°から切断角度を引いた角度と同等である。どちらの関数も同様の結果を有し、パラメータAは、切断角度に基づいて画定された方法にてのみ異なっている。
【0014】
更に別の代替的な実施形態では、横位置の範囲と関連する補正距離を表示する値の範囲はデータベースに保存され、該方法は、
-第1の長手方向縁の検知された横位置に一致または実質的に一致する横位置の範囲の横位置と関連する値の範囲から1つの値を抽出する工程と、補正距離と同等の値を用いて送り距離を調整する工程と、を含む。
【0015】
補正距離と横位置との間の関係は、該方法中に直ちに要求され得る値の範囲を生成するため、上述の方法の工程に先んじて、実験の結果をもとにまたは数学的に算出されてよい。かかる予め定められた値は、適切な補正距離を算出する上で等しく有用であり得る。
【0016】
別の実施形態では、基準位置は固定位置である。基準位置は例えば、切断する第1の長手方向縁の最適な横位置であってよい。
【0017】
別の実施形態では、該方法は、
-切断線にてストリップを切断し、送り方向に対し、前縁を形成する工程と、
-送り距離にわたり送り方向でストリップを送る工程と、
-切断線にてストリップを切断し、送り方向に対する前縁を形成する工程と
を含み、
第1の長手方向縁が、前縁と後縁の間に送り方向で縁長を有し、
第1の長手方向縁の横位置が、前縁に対して、後縁にて横方向にオフセットしている場合、送り距離は、当該オフセットに関わらず縁長が一定であるか、または実質的に一定であるように、補正距離によって調整される。したがって、より均一なストリップ長を得ることができる。
【0018】
好ましくは、第1の長手方向縁の横位置は、縁長に沿って少なくとも2回検知され、少なくとも2つの検知された横位置のうち検知された第1の横位置は、少なくとも2つの検知された横位置のうち検知された第2の横位置のためのオフセット距離を算出する基準位置として使用される。固定基準位置を特徴とした実施形態と対照的に、現行の実施形態は、互いに2つの検知された横位置を比較する。
【0019】
より好ましくは、検知された第1の横位置は、縁長にわたり送り方向で、検知された第2の横位置から離間されている。換言すると、検知された第1の横位置は、前縁での第1の長手方向縁の横位置であり、検知された第2の横位置は、後縁での第1の長手方向縁の横位置である。したがって、横位置は、最終的には前縁および後縁が切断によって形成される位置にて、第1の長手方向縁に沿って検出されることができる。
【0020】
更なる実施形態では、ストリップを切断して前縁を形成するのに先んじて、該方法は、
-送り方向に対して切断線の上流の計測線にて、第1の長手方向縁の第1の横位置を検知する工程と、
-送り距離の第1の部分にわたりストリップを送った後、検知された第1の横位置が切断線上に位置付けられるように、補正距離を用いて補正される送り距離の第1の部分にわたりストリップを送る工程と
を含む。
【0021】
結果として、ストリップは、切断線が検知された第1の横位置にて第1の長手方向縁で交差する位置、すなわち、第1の長手方向縁の横位置が計測線にて検知された箇所と一致する位置にて、送り距離の第1の部分の後に位置付けられる。
【0022】
好ましくは、ストリップを切断して前縁を形成した後に、およびストリップを切断して後縁を形成するのに先んじて、該方法は、
-送り距離の第1の部分を引いた縁長に一致または実質的に一致する送り距離の第2の部分にわたり、ストリップを送る工程と、
-計測線にて第1の長手方向縁の第2の横位置を検知する工程と、
-送り距離の第3の部分にわたりストリップを送った後、検知された第2の横位置が切断線上に位置付けられるように、補正距離を用いて補正される送り距離の第3の部分にわたり、ストリップを送る工程と
を含む。
【0023】
ストリップが送り距離の第2の部分にわたり送られた後、計測線における検知された第2の横位置は、切断線が第1の長手方向縁で交差するであろう横位置を表す。検知された第2の横位置に基づき、その後送り距離の第3の部分を算出し、これを補正することで、切断後、第1の横位置と第2の横位置の間の縁長を、ストリップにとって所望の縁長と確実に一致させることができる。
【0024】
別の実施形態では、第1の長手方向縁の横位置は、送り方向に対し、切断線の上流の計測線にて検知される。切断線は、第1の長手方向縁と第2の長手方向縁のうち一方にて、計測線に向かって収束する。
【0025】
好ましくは、切断線は代替的な斜め切断角度にて送り方向へ延在するように調整可能である。切断線は、第1の長手方向縁と第2の長手方向縁のうちもう一方にて、計測線に向かって収束する。該方法の工程は、切断線が代替的な斜め切断角度にて延在する場合、第1の長手方向縁の代わりに、第2の長手方向縁に対して実施した。調整可能な切断線により、異なってまたは反対方向に傾斜する角度でストリップを切断することが可能である。横位置は、第1の長手方向縁と第2の長手方向縁のうちいずれか一方にて計測されてよい。これは、どちらの長手方向縁が補正距離を算出する最も適切な情報をもたらすかによって変化する。
【0026】
別の実施形態では、計測線は、送り方向に垂直な横方向に延在する。計測線はしたがって、送り方向に対して中間の角度、または直角に位置付けられる。この位置付けにより、計測線の任意の斜め角度および測定へのその影響を考慮する必要がなくなるため、補正距離の計算は大幅に簡略化される。
【0027】
第2の態様によれば、本発明は切断するストリップの送り距離を補正するための装置を提供し、ストリップは、長手方向に延在しているストリップ本体と、ストリップ本体の第1の側に延在している第1の長手方向縁と、第1の側に対向するストリップ本体の第2の側に延在している第2の長手方向縁と、を有し、該装置は、
-切断線に沿ってストリップを切断するカッターと、
-切断線に向かって、送り方向で送り距離にわたりストリップを送り、当該切断線は斜め切断角度にて当該送り方向へと延在している、コンベアと、
-コンベアを制御するための駆動装置と、
-計測線に沿って第1の長手方向縁の横位置を検知するためのセンサデバイスと、
-該センサデバイスおよび該駆動装置に、動作的に接続される制御ユニットであって、
検知された横位置が、計測線において第1の長手方向縁にとっての基準位置に対し送り方向に垂直である横方向でオフセット距離にわたりオフセットする場合に、送り距離を調整するために構成されており、送り距離は、切断角度によって画定された比率にてオフセット距離に関連づけられている補正距離を用いて調整される、制御ユニットと
を備える。
【0028】
該装置の制御ユニットは、本発明の第1の態様にしたがって、送り距離が該方法を用いるのと実質的に同様の方法であるように、該装置を制御するために配置されている。したがって、装置は該方法と同様の技術的利点を有するが、これは以降にて繰り返されることはない。装置は、以降に言及されている実施形態に加えて、該方法の実施形態のうちいずれか1つと組み合わされ、制御ユニットはここに記載の方法の工程を制御および/または実行するために構成されることが明らかとなるであろう。
【0029】
好ましい実施形態では、計測線は送り方向に対して切断線の上流に位置付けられる。したがって、前縁および後縁の両方についての送り距離および/または搬送量は、当該前縁および後縁それぞれの第1の長手方向縁の横位置に従って調整され得る。
【0030】
別の実施形態では、計測線は、送り方向に垂直な横方向に延在する。計測線はしたがって、送り方向に対して中間の角度、または直角に位置付けられる。この位置付けにより、計測線の任意の斜め角度および測定へのその影響を考慮する必要がなくなるため、補正距離の計算は大幅に簡略化される。
【0031】
別の好ましい実施形態では、センサデバイスは、計測線に沿って第1の長手方向縁の横位置を検知する第1のセンサを備える。当該第1のセンサは、相対的に小さな検知領域を有することができ、構成については比較的単純である。したがって、全装置の複雑度および/またはその費用を低減する。
【0032】
好ましくは、センサデバイスは第2の長手方向縁の横位置を検知する第2のセンサを備える。切断線は、代替的な斜め切断角度にて送り方向へと延在するよう調整可能であり、制御ユニットは、切断線が代替的な斜め切断角度にて延在する場合に、第1の長手方向縁の代わりに第2の長手方向縁の検知された横位置に対する送り距離を調整するために配置される。第2のセンサは、第1のセンサと同様の技術的利点を有する。加えて、第2のセンサを備えることで、横位置を第1の長手方向縁と第2の長手方向縁のうちいずれか一方にて算出することが可能となる。これは、どちらの長手方向縁が、補正距離を算出する最も適切な情報をもたらすかによって変化する。
【0033】
補正距離を算出する目的のためには、両方のセンサを同時に使用する必要がないことに留意されたい。
【0034】
明細書に記載および示された種々の態様および特徴は、可能な箇所で個別に適用され得る。こうした個別の態様であって、特に付属の従属請求項に記載された態様および特徴は、分割特許出願の対象となり得る。
【0035】
本発明は、付属の概略図に示された代表的な実施形態に基づいて説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明による、切断するストリップの送り距離を補正するための装置の側面図を示す。
図2図1による装置の投影図を示す。
図3A】切断線にて正確に位置合わせされ、かつそこで切断されるストリップを示す。
図3B図3Aの正確な位置合わせに対する位置ずらしの結果として、ストリップおよび切断線における当該ストリップの考えられる長さ差分の上面図を示す。
図3C図3Aの正確な位置合わせに対する位置ずらしの結果として、ストリップおよび切断線における当該ストリップの考えられる長さ差分の上面図を示す。
図4図3Bにおいて円IVによる長さ差分の詳細を示す。
図5図3Cにおいて円Vによる長さ差分の詳細を示す。
図6A図1および図2による装置を用いた、ストリップの送り距離を補正する方法の工程を示す。
図6B図1および図2による装置を用いた、ストリップの送り距離を補正する方法の工程を示す。
図6C図1および図2による装置を用いた、ストリップの送り距離を補正する方法の工程を示す。
図6D図1および図2による装置を用いた、ストリップの送り距離を補正する方法の工程を示す。
図7図1および図2による装置を用いた、ストリップの送り距離を補正する代替方法の工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1および図2は、切断するストリップ9の搬送量または送り距離F1、F2、F3を補正する装置1を示す。
【0038】
図6Aに示されているように、ストリップ9は、長手方向Yに延在しているストリップ本体90と、ストリップ本体90の第1の側に延在している第1の長手方向縁91と、第1の側に対向するストリップ本体90の第2の側に延在している第2の長手方向縁92と、を有する。長手方向縁91、92は、常に長手方向Yと平行に延在するわけではない。代わりとして、これらの長手方向縁91,92は、図6Aにて強調された方式に示されているように、長手方向Yに垂直な横方向Xにわずかに逸れてよい。
【0039】
ストリップ9は好ましくは、生タイヤまたは非加硫タイヤを製造するためのタイヤ構成要素である。この特定の例においては、ストリップ9はコード強化ブレーカプライを製造するために使用されている。当該コード強化ブレーカプライは通常、連続ストリップに埋め込まれた強化コードの方向に平行なまたは実質的に平行な斜め切断角度にて当該連続ストリップから切断される。得られるストリップ9は、図6Dに示されているように実質的に偏菱形の輪郭を有する。これはブレーカプライに特徴的である。切断後、ストリップ9は、送り方向Fに対し前縁93および後縁94を有するタイヤ構成要素を形成する。第1の長手方向縁91は、送り方向Fにて前縁93と後縁94の間に縁長Lを更に有する。好ましくは、当該縁長Lは、タイヤ構成要素のバッチにわたり一様の状態で維持されている。
【0040】
図1は、この代表的な実施形態において、装置1が、後方コンベア11と前方コンベア12の間にて、切断線Cにわたり送り方向Fでストリップ9を送る、後方コンベア11および前方コンベア12を備えることを概略的に示している。代替的には、切断線Cにわたり延在する単独コンベア(図示せず)が使用されてよく、本質的に知られている切断バーは、単独コンベアの連続面上でストリップSを切断するために単独コンベア上に設けられてよい。装置1は、後方コンベア11を駆動するための駆動装置10を更に備える。同様の駆動装置(図示せず)は、前方コンベア12にて配置されている。
【0041】
図3A図3Bおよび図3Cに示されているように、切断線Cは、送り方向Fに対し斜め切断角度Hにて配置されている。後方コンベア11および前方コンベア12は送り方向Fでは離間し、当該切断線Cに沿って切断する斜線を推進させる。装置1は、当該切断線Cに沿ってストリップ9を切断するカッター2、すなわちディスクカッターを更に備える。ディスクカッターは、正確な切断を得るため、本質的に知られているように対向部材(図示せず)、すなわち別のディスクカッターまたは切断バーと協働することができる。
【0042】
好ましくは切断角度Hは調整可能である。これはすなわち、本質的に知られているように後方コンベア11を基準としたカッター2を支持する切断フレーム(図示せず)の向きを調整することによって、切断線Cの向きを変更する。特に、切断角度Hは送り方向Fに対して10~40°の範囲内にて調整可能であるか、またはこれは90°以上にわたり更に移動され、図3Aに示されているように切断角度Hに対向する切断角度を得ることができる。
【0043】
図1に示されているように、装置1は、後方コンベア11上のストリップ9の挿入地点に、またはその近傍に配置されているセンサデバイス3を更に備える。センサデバイス3は、図2に示されているように、横方向Xに延在している計測線Mに沿って、第1の長手方向縁91および/または第2の長手方向縁92の横位置を算出するために用いられる。代替的には、計測線Mは以下に記載するように、補正をわずかにより複雑にするものの、これは送り方向Fに対して斜め角度または直角ではない角にて延在してよい。
【0044】
好ましくは、センサデバイス3は光学センサデバイスである。センサデバイス3は例えば、1つまたは複数の画像センサおよび/またはカメラを備えてよい。センサデバイス3は、ストリップ9上へとレーザ線を投射するためのレーザ(図示せず)を任意選択的には備える。代替的には、機械的手段は直接接触によって、ストリップ9の長手方向縁91、92の横位置を「感知する」ために使用されてよい。センサデバイス3は、送り方向Fに対し切断線Cの上流に位置付けられる。この場合、センサデバイス3は後方コンベア11上方に位置付けられる。ただし、センサデバイス3は後方コンベア11の下方、当該後方コンベア11の部分的に上方および下方、または後方コンベア11の上流に位置付けられてもよい。
【0045】
この代表的な実施形態においては、図2に最も良好に見られるように、センサデバイス3は、それぞれ第1の長手方向縁91および第2の長手方向縁92の横位置を検知する、第1のセンサ31と第2のセンサ32を備える。本発明は、動作するためにセンサ31、32のうち一方のみを必要とすることに留意されたい。とは言え、もう一方のセンサ31、32は追加の情報を提供するために使用されるか、または少なくとも動作の一部の間、停止状態を維持していてよい。特に、装置1は、以下にてより詳細に記載されるように、補正するための入力として使用される、長手方向縁91、92の横位置に応じて、横方向第1のセンサ31と第2のセンサ32の間を交互することができる。
【0046】
装置1は、第1の長手方向縁91および/または第2の長手方向縁92の横位置を表示する検知シグナルに一致して、駆動装置10および後方コンベア11の操作を制御する、センサデバイス3および駆動装置10に動作的に接続される制御ユニット4を更に備える。特に、ストリップ9は切断部前方、切断部間、および/もしくは切断部後方に、送り距離にわたり搬送または前進されるが、これを調整するために制御ユニット4が配置されている。
【0047】
切断するストリップ9の送り距離F1、F2、F3を補正する方法は、図1図7を参照してここで説明されるであろう。
【0048】
図3A図3Bおよび図3Cは、ストリップ9の長さに関して、第1の長手方向縁91の横方向オフセット距離による考えられる影響を示す。特に図3Aは、切断線Cにて、または切断線Cに沿って正確に位置合わせおよび切断されているストリップ9を示す。更に特別には、ストリップ9の第1の長手方向縁91は、当該第1の長手方向縁91に対する横方向基準位置R上に位置付けられるか、またはその横方向基準位置Rと同一直線上にある。当該横方向基準位置Rでは、計測線Mは基準距離L1にわたり切断線Cから離間されている。換言すると、第1の長手方向縁91が横方向基準位置Rに沿って位置合わせされ、ストリップ9が送り方向Fにて、基準距離L1と等しい送り距離にわたり計測線Mから搬送、前進または送られる場合、計測線Mと切断線Cの間の第1の長手方向縁91の長さは、当該基準距離L1と等しいものになり得る。
【0049】
図3Bおよび図3Cは、図3Aの正確な位置合わせに対する位置ずらしの結果としての、当該ストリップの考えられる切断線における長さ差分を示す。特に、図3Bにおいては、第1の長手方向縁91は横方向基準位置Rに対する横方向Xにて、第1の横方向オフセット距離D1にわたりオフセットされる。ストリップ9が図3Aのように送り方向Fにて同じ距離にわたり前進される場合、計測線Mと切断線C間の第1の長手方向縁91の長さは、基準距離L1よりも大きな長さL2へと事実上増加していく。図3Cは、第1の長手方向縁91が、第2の横方向オフセット距離D2にわたり対向する方向でオフセットされる場合、計測線Mと切断線C間の第1の長手方向縁91の長さは、基準距離L1よりも短い長さL3へと事実上減少していくことを示す。
【0050】
本発明による方法は、横方向オフセット距離D1、D2に基づき、図4および図5により詳細に示されるように、補正距離E1、E2を算出し、およびストリップSが送り方向Fにて搬送される送り距離F1、F2、F3にわたり、図6A図6Dに示されているように、この送り距離から当該正確な距離E1、E2を付加するまたは差し引くことにより、こうした長さ差分に対して補正しようとするものである。
【0051】
補正距離E1、E2を算出するために、本発明による方法は以下の工程:
-斜め切断角度Hにて送り方向Fへと延在する切断線Cに向かって、送り方向Fにて送り距離F1、F2、F3にわたりストリップ9を送る工程と、
-送っている間のある時点にて、計測線Mに沿って第1の長手方向縁91の横位置P1、P2を検知する工程と
を含む。
【0052】
図6A図6Dに示されているように、検知された横位置P1、P2は、計測線Mにおいて第1の長手方向縁91に対する基準位置Rに対し、横方向Xでオフセット距離D1、D2、D3にわたりオフセットしており、該方法は、
-切断角度Hによって画定された比率にてオフセット距離D1、D2に関連づけられている補正距離E1、E2、E3を用いて、送り距離F1、F2、F3の少なくとも一部を調整する工程を更に含む。
【0053】
オフセット距離D1、D2、D3は、検知された横位置P1、P2と、基準位置Rとを比較することで算出され得る。当該決定されたオフセット距離D1、D2、D3に基づき、パラメータとして切断角度Hを表示する第1のパラメータ、およびオフセット距離D1、D2、D3を表示する第2のパラメータを有する三角関数、好ましくは正接を用いることで、操作者は送り方向Fにて補正距離E1、E2、E3を計算することが可能である。切断角度Hは、操作者によって手動入力されることで装置1へと入力されてよい。または切断角度Hは、自動的に、すなわち好適なセンサ手段を用いて算出されてよい。
正接の三角関数は、
【数3】
として表されることが可能であり、このうちAは切断角度Hである。
代替的には、正接の三角関数は、
【数4】
として表されてもよく、このうちAは角度にして90°-切断角度Hと同等である。
【0054】
より更に代替的な実施形態では、横位置P1、P2の範囲と関連する補正距離E1、E2、E3を表示する値の範囲が、データベースに保存される。データベースは制御ユニット4の一部であってよく、または異なる位置に位置付けられてよい。データベースから所定のデータを用いる場合、補正距離E1、E2、E3と切断角度Hとの間の関係は、積極的には計算されない。代わりに、この関係は、横位置P1、P2の範囲の位置P1、P2と関連する値の範囲から、ある1つの値を単純に抽出することで算出されてよい。この横位置P1、P2の範囲は、第1の長手方向縁91の検知された横位置P1、P2と一致または実質的に一致する。
【0055】
図6A図6Dは、送り距離F1、F2、F3のどの部分が、どの時点にておよび検知された横位置P1、P2のどちらかに基づいて補正されるかをより詳細に示す。
【0056】
特に、図6Aは依然として連続している、すなわち切断されていないストリップ本体90の区域を有するストリップ9を示す。ある特定の時点にて、前縁93の切断に先んじて、第1の長手方向縁91の第1の横位置P1は、送り方向Fに対し、切断線Cの上流の計測線Mにて検知される。検知は図2に示されているように、第1のセンサ31によって行われる。第2のセンサ32は必要とされず、停止状態にあってよい。制御ユニット4は、センサデバイス3から、第1の横位置P1を表示する検知シグナルを受信し、第1の横位置P1と切断角度Hとの間の上述の関係に基づき、第1の補正距離E1を算出する。
【0057】
図6Bに示されているように、ストリップ9はその後送り距離F1、F2、F3の第1の部分F1にわたり送られ、第1の横位置P1の検知中に、切断線Cに向かって、計測線M上に位置付けられたストリップ9の一部を動かす。送り距離F1、F2、F3の第1の部分F1は、送った後に検知された第1の横位置P1が切断線C上に位置付けられるように、補正距離E1を用いて補正される。より具体的には、送り距離F1、F2、F3の第1の部分F1は、第1の補正距離E1を用いて補正された基準長Lと同等である。換言すると、送り距離F1、F2、F3の第1の部分F1を越える供給後、切断線Cは第1の横位置P1で第1の長手方向縁91で交差する。したがって、当該第1の横位置P1にてストリップ9へと切り込む際、タイヤ構成要素の全体長における当該第1の横位置P1の影響は公知であり、補正のために適切な動作がとられる/とられ得る。
【0058】
図6Bにおけるストリップ9の斜線がかかった部分は、仮に補正距離E1が送り距離F1、F2、F3の第1の部分F1へと適用されなかった場合には切断することになるストリップ9の一部であることに留意されたい。
【0059】
図6Cは、ストリップ9が切断されて前縁93を形成する後の状況、およびストリップ9を切断して後縁94を形成する前の状況を示す。後縁94が切断される前には、操作者はパラメータを入力してタイヤ構成要素の長さを設定する。通常、当該パラメータは、第1の長手方向縁91または第2の長手方向縁92に対する縁長Lである。この場合では、第1の長手方向縁91に対する予め画定された縁長Lが与えられる。図6Cに示されているように、ストリップ9は、送り距離F1、F2、F3の第1の部分F1を引いた、予め画定された縁長Lに一致または実質的に一致する送り距離F1、F2、F3の第2の部分F2にわたり送られている。結果として、ストリップ9はここで、ストリップ9を切断し予め画定された縁長Lに基づき後縁94を作成することになる箇所の計測線Mにて、ストリップ本体90の切断面を伴って位置付けられる。
【0060】
予め画定された縁長Lにてカッター2がストリップ9へと実際に切り込むのを確実に行うため、第1の長手方向縁91の第2の横位置P2は、図6Cに示されているような状況で、計測線Mにて検知される。検知は図2に示されているように、第1のセンサ31によって単独で再び行われ得る。制御ユニット4はセンサデバイス3から、第2の横位置P2を表示する検知シグナルを受信し、検知された第2の横位置P2と基準位置Rとを比較することで、第2の横方向オフセット距離D2を決定する。制御ユニット4はその後、第2の横方向オフセット距離D2と切断角度Hとの間の上述の関係に基づき、第2の補正距離E2を算出することができる。
【0061】
代替的には、制御ユニット4は検知された第2の横位置P2と、検知された第1の横位置P1とを比較し、当該2つの横位置P1、P2の間の差分に基づき、第3の距離またはオフセット距離D3を算出してよい。制御ユニット4はその後、第3の横方向オフセット距離または全体の横方向オフセット距離D3と切断角度Hの間の上述の関係に基づき、第3の補正距離E3または全体の補正距離E3を算出してよい。
【0062】
第1の長手方向縁91の第2の横位置P2は公知であり、第2の補正距離E2(または全体の補正距離E3)は算出されているので、ストリップ9は、図6Dに示されているように、送り距離F1、F2、F3の第3の部分F3にわたり更に送られることができる。送り距離F1、F2、F3の第3の部分F3は、検知された第2の横位置P2が切断線C上に位置付けられるように、第2の補正距離E2を用いて補正される。特に、送り距離F1、F2、F3の第3の部分F3は基準距離L1と等しく、図3Aに示されているように、第2の補正距離E2を用いて補正される。代替的には、送り距離F1、F2、F3の第3の部分F3は、全体の補正距離E3を用いて補正された送り距離F1の第1の部分と等しい。ストリップ9はここで切断線Cに沿って切断され、後縁94を作成してよい。切断線Cは、縁長Lにて正確に第1の長手方向縁91で交差することに留意されたい。したがって、横方向Xにおける第1の長手方向縁91のオフセットに関わらず不変であるか、または実質的に不変である縁長Lで、タイヤ構成要素を得ることが可能である。
【0063】
図6Dにおけるストリップ9の斜線がかかった部分は、仮に補正距離E2、E3が送り距離F1、F2、F3の第3の部分F3へと適用されなかった場合に、既に含まれているであろうストリップ9の一部であることを留意されたい。
【0064】
本方法の前述の工程中に作成されたタイヤ構成要素の後縁94は、当該タイヤ構成要素の直接上流であるストリップ9にて、元々は前縁93を作成することが理解されるであろう。当該前縁93の作成は、本方法の次のサイクルの先頭を形成する。図6Cにおける第2の横位置P2の検知は、したがって、本方法の次のサイクルといった第1の横位置P1の検知、すなわち連続ストリップ9以外の次のタイヤ構成要素を切断することと同時に起こってよい。換言すると、検知された第2の横位置P2は、現在のタイヤ構成要素の所望の縁長Lを得るために必要とされている補正距離E2を算出するために使用されてよい。一方、同様の補正距離E2は、次のタイヤ構成要素の前縁93を切断する補正距離E1としても使用される。
【0065】
図7は、第2の長手方向縁92が第1の長手方向縁91であるかのように、これに沿って、同様のまたは類似の検知および算出もまた実施され得ることを概略的に例示する。特に、図2の第2のセンサ32は、第2の長手方向縁92のための基準位置Rに対して、検知された第1の横位置P101の横方向オフセット距離D101、D102、および検知された第2の横位置P102を算出するために使用されてよい。図7の実施形態は、前縁93が、急勾配の前縁先端部から、第1の長手方向縁91に向かう第2の長手方向縁92と前縁93との間の交線で切断され得るという追加の利点を有する。これは、前先端部を作成する場合、更に際だった正確性を提供することができる。
【0066】
切断角度Hが、図6Aに示されているように、切断角度Hに対向する代替の切断角度に調整される場合、図7のように同様の方法にて、第1の長手方向縁91の代わりに第2の長手方向縁92に対して上述の方法の工程が実施され得ることが更に理解されるであろう。上記の説明は、好ましい実施形態の操作を例示するために含まれ、本発明の範囲の制限を意味するものではないということが理解されるべきであろう。上の説明から、本発明の範囲によって更に包含されるであろう多くの変更例が当業者には明らかになるであろう。
【0067】
要約すると、本発明は切断するストリップ9の送り距離F1、F2、F3を補正するための方法に関し、該方法は、
-斜め切断角度Hにて当該送り方向Fに延在する切断線Cに向かって、送り方向Fにて送り距離F1、F2、F3にわたりストリップ9を送る工程と、
-送り方向Fに垂直である横方向Xにて、ストリップ9の第1の長手方向縁91の横位置P1、P2を検知する工程と
を含み、
検知された横位置P1、P2が、計測線Mにて、第1の長手方向縁91についての基準位置Rに対する横方向Xにて、オフセット距離D1、D2、D3にわたりオフセットする場合、該方法は、
切断角度Hによって画定された比率にてオフセット距離D1、D2に関連づけられている補正距離E1、E2、E3を用いて、送り距離F1、F2、F3を調整する工程を更に含む。
【符号の説明】
【0068】
1 装置
10 駆動装置
11 後方コンベア
12 前方コンベア
2 カッター
3 測定デバイス
31 第1のセンサ
32 第2のセンサ
4 制御ユニット
9 ストリップ
90 ストリップ本体
91 第1の長手方向縁
92 第2の長手方向縁
93 前縁
94 後縁
C 切断線
D1 第1の横方向オフセット距離
D2 第2の横方向オフセット距離
D3 第3の横方向オフセット距離
E1 第1の補正距離
E2 第2の補正距離
E3 第3の補正距離
F 送り方向
F1 送り距離の第1の部分
F2 送り距離の第2の部分
F3 送り距離の第3の部分
H 切断角度
L(予め画定された)縁長
L1 基準距離
L2 より長い長さ
L3 より短い長さ
M 計測線
P1 第1の検知された横位置
P2 第2の検知された横位置
R 基準位置
X 横方向
Y 長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断するストリップの送り距離を補正するための方法であって、
前記ストリップが、長手方向に延在しているストリップ本体と、前記ストリップ本体の第1の側に延在している第1の長手方向縁と、前記第1の側に対向する前記ストリップ本体の第2の側に延在している第2の長手方向縁を有し、
前記方法が、
-斜め切断角度にて送り方向に延在する切断線に向かって、前記送り方向で前記送り距離にわたり前記ストリップを送る工程と、
-計測線に沿って前記第1の長手方向縁の横位置を検知する工程とを含み、
検知された前記横位置が、前記計測線において前記第1の長手方向縁にとっての基準位置に対して、前記送り方向に垂直である横方向でオフセット距離にわたりオフセットする場合、
前記方法が、
-前記切断角度によって画定された比率にて、前記オフセット距離に関連づけられている補正距離を用いて前記送り距離を調整する工程を更に含む
方法。
【請求項2】
前記第1の長手方向縁の前記横位置が、前記送り方向に対して、前記切断線の上流の前記計測線にて検知される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準位置が、前記送り方向で前記切断線からの基準距離にて、前記計測線に位置付けられ、検知された前記横位置が、前記オフセット距離にわたりオフセットする場合、前記基準距離よりも、前記送り方向で前記切断線からのより大きな距離、またはより小さな距離のいずれかにて存在し、前記送り距離は、前記より大きな距離の場合には前記補正距離を前記基準距離に加えることで、前記より小さな距離の場合には前記補正距離を前記基準距離から差し引くことで調整される
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、
-検知された前記横位置と前記基準位置を比較して、前記オフセット距離を算出する工程と、
-パラメータとして、前記切断角度を表示する第1のパラメータおよび前記オフセット距離を表示する第2のパラメータを有する三角関数を用いることで、前記送り方向で前記補正距離を計算する工程と、
-計算された前記補正距離に基づき、前記送り距離を調整する工程とを含む
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記三角関数が正接関数である
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記三角関数が、
【数1】
であり、Aが前記切断角度である
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記三角関数が
【数2】
であり、Aが、90°から前記切断角度を引いた角度と同等である
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
横位置の範囲と関連する前記補正距離を表示する値の範囲がデータベースに保存され、前記方法が、
-前記第1の長手方向縁の検知された前記横位置に一致する横位置の前記範囲の横位置と関連する値の前記範囲から1つの値を抽出する工程と、前記補正距離と同等の値を用いて前記送り距離を調整する工程と、を含む
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基準位置が固定位置である
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、
-前記切断線にて前記ストリップを切断し、前記送り方向に対し、前縁を形成する工程と、
-前記送り距離にわたり前記送り方向で前記ストリップを送る工程と、
-前記切断線にて前記ストリップを切断し、前記送り方向に対する後縁を形成する工程とを含み、
前記第1の長手方向縁が、前記前縁と前記後縁の間に前記送り方向で縁長を有し、
前記第1の長手方向縁の前記横位置が、前記前縁に対して、前記後縁にて前記横方向にオフセットしている場合、前記送り距離が、前記オフセットに関わらず前記縁長が不変であるように、前記補正距離によって調整される
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の長手方向縁の前記横位置が、前記縁長に沿って少なくとも2回検知され、前記少なくとも2つの検知された横位置のうち検知された第1の横位置が、前記少なくとも2つの検知された横位置のうち、検知された第2の横位置のための前記オフセット距離を算出する基準位置として使用される
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
検知された前記第1の横位置が、前記縁長にわたり前記送り方向で、検知された前記第2の横位置から離間されている
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
検知された前記第1の横位置が、前記前縁では前記第1の長手方向縁の前記横位置であり、検知された前記第2の横位置が、前記後縁では前記第1の長手方向縁の前記横位置である
請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、前記ストリップを切断して前記前縁を形成するのに先んじて、
-前記送り方向に対して、前記切断線の上流の前記計測線にて、前記第1の長手方向縁の第1の横位置を検知する工程と、
-前記送り距離の前記第1の部分にわたり前記ストリップを送った後、検知された前記第1の横位置が前記切断線上に位置付けられるように、前記補正距離を用いて補正される前記送り距離の第1の部分にわたり前記ストリップを送る工程とを含む
請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、前記ストリップを切断して前記前縁を形成した後に、および前記ストリップを切断して前記後縁を形成するのに先んじて、
-前記送り距離の前記第1の部分を引いた前記縁長に一致する前記送り距離の第2の部分にわたり、前記ストリップを送る工程と、
-前記計測線にて前記第1の長手方向縁の第2の横位置を検知する工程と、
-前記補正距離を用いて補正される前記送り距離の第3の部分にわたり、前記ストリップを送る工程であって、前記送り距離の前記第3の部分にわたり前記ストリップを送った後、検知された前記第2の横位置が前記切断線上に位置付けられる工程とを含む
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の長手方向縁の前記横位置が、前記送り方向に対して前記切断線の上流の前記計測線にて検知され、前記切断線が、前記第1の長手方向縁と前記第2の長手方向縁のうち一方にて、前記計測線に向かって収束する
請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記切断線が、代替的な斜め切断角度にて前記送り方向へ延在するように調整可能であり、前記切断線が、前記第1の長手方向縁と前記第2の長手方向縁のうちもう一方にて、前記計測線に向かって収束し、前記方法の前記工程が、前記切断線が前記代替的な斜め切断角度にて延在する場合に、前記第1の長手方向縁の代わりに前記第2の長手方向縁に対して実施される
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記計測線が、前記送り方向に垂直な前記横方向に延在する
請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
切断するストリップの送り距離を補正するための装置であって、
前記ストリップが、長手方向に延在しているストリップ本体と、前記ストリップ本体の第1の側に延在している第1の長手方向縁と、前記第1の側に対向する前記ストリップ本体の第2の側に延在している第2の長手方向縁と、を有し、前記装置が、
-切断線に沿って前記ストリップを切断するカッターと、
-前記切断線に向かって、送り方向で前記送り距離にわたり前記ストリップを送り、前記切断線が斜め切断角度にて前記送り方向へと延在している、コンベアと、
-前記コンベアを制御するための駆動装置と、
-計測線に沿って前記第1の長手方向縁の横位置を検知するためのセンサデバイスと、
-前記センサデバイスおよび前記駆動装置に動作的に接続される制御ユニットであって、
検知された前記横位置が、前記計測線にて前記第1の長手方向縁のための基準位置に対して前記送り方向に垂直な横方向に、オフセット距離にわたりオフセットする場合に、前記送り距離を調整するために構成されており、前記送り距離が、前記切断角度によって画定された比率にて前記オフセット距離に関連づけられている補正距離を用いて調整される、制御ユニットと
を備える
装置。
【請求項20】
前記計測線が、前記送り方向に対し、前記切断線の上流に位置付けられる
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記計測線が、前記送り方向に垂直な前記横方向に延在する
請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記センサデバイスが、前記計測線に沿って、前記第1の長手方向縁の前記横位置を検知する第1のセンサを備える
請求項19~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記センサデバイスが、前記第2の長手方向縁の前記横位置を検知する第2のセンサを備え、前記切断線が、代替的な斜め切断角度にて前記送り方向へと延在するよう調整可能であり、前記制御ユニットが、前記切断線が前記代替的な斜め切断角度にて延在する場合に、前記第1の長手方向縁の代わりに前記第2の長手方向縁の検知された前記横位置に対する前記送り距離を調整するために配置される
請求項22に記載の装置。
【国際調査報告】