(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】プラノコッカス及びそれによる減塩魚醤の発酵品質の向上方法
(51)【国際特許分類】
C12N 1/20 20060101AFI20220202BHJP
A23L 33/135 20160101ALN20220202BHJP
【FI】
C12N1/20 A
A23L33/135
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021513414
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2021-03-10
(86)【国際出願番号】 CN2020092490
(87)【国際公開番号】W WO2021143006
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】202010076088.0
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010025134.4
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517405840
【氏名又は名称】江▲蘇▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 瑞昌
(72)【発明者】
【氏名】周 晶
(72)【発明者】
【氏名】袁 ▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】周 越
【テーマコード(参考)】
4B018
4B065
【Fターム(参考)】
4B018LB05
4B018LB09
4B018LE05
4B018MD85
4B018ME14
4B018MF13
4B065AA01X
4B065AC12
4B065AC14
4B065AC20
4B065BA22
4B065BB23
4B065CA33
4B065CA42
(57)【要約】
本発明は、プラノコッカス及びそれによる減塩魚醤の発酵品質の向上方法を開示し、食品微生物技術の応用分野に関する。プラノコッカスはCGMCC NO.17057、CGMCC NO.17058、CGMCC NO.17059、CGMCC NO.17060の番号で、中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託される。プラノコッカスで魚醤を発酵される場合は、生産サイクルが大幅に短縮され、発酵の温度が低下する。この方法で得られた魚醤は、透明な赤褐色で、水産物に特有な香りがあり、懸濁または綿状などの不純物がないお。完成品の魚醤は、塩の含有量が低く、アミノ酸態窒素の含有量が高く(中国での魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される)、揮発性の塩基態窒素とヒスタミンの含有量が中国の標準よりも低い。調製された魚醤は、美味しくて上質で、魚醤の発酵のために、より安定、安全、適切なスターターカルチャーを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄託番号は、CGMCC NO.17057であるプラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)。
【請求項2】
寄託番号は、CGMCC NO.17058であるプラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)。
【請求項3】
寄託番号は、CGMCC NO.17059であるプラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)。
【請求項4】
寄託番号は、CGMCC NO.17060であるプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)。
【請求項5】
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5~15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく、
(2)スターターカルチャーの調製:4種のプラノコッカス菌株を活性化して3回インキュベートし、活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を10
5~10
7CFU/mLに調節しておく、
(3)スターターカルチャーの添加:菌株を最終添加量が(10
5~10
9CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする、
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15~30℃の温度で5~30日間保温して発酵させる、
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10~30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く、
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15~30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る、
という工程に従って行われることを特徴とする、請求項1から4に記載のプラノコッカスによる魚醤の発酵方法。
【請求項6】
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5~15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく、
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートし、活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を10
5~10
7CFU/mLに調節しておく、
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を(1~3):(1~3):(1~3):(1~3)の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が(10
5~10
9CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする、
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15~30℃の温度で5~30日間保温して発酵させる、
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10~30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く、
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15~30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る、
という工程に従って行われることを特徴とする、プラノコッカスの混合菌株による減塩魚醤の発酵品質の向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品微生物技術応用の分野、特にプラノコッカス及びそれによる減塩魚醤の発酵品質の向上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中国は、漁業国であり、淡水養殖が中国の漁業の重要な柱となっている。2017年での中国の淡水養殖は、その総生産量がおよそ2905万トンであるが、加工・利用率が15%未満で、資源の浪費、環境汚染などの問題を引き起こした。従って、淡水魚の総合利用の問題をいかに解決するかが、中国の水産物加工業が直面している大きな課題である。魚醤(fish sauce)は、魚醤油とも呼ばれる伝統的な水産発酵調味料で、東南アジアで最も人気のある調味料の一つであり、該魚醤が透明な赤褐色で、水産物に特有な風味と香りがあり、人々の日常の食生活の一部となっている。従来の魚醤の製造は、一般に価値の低い魚やエビ、または水産加工の廃棄物(魚の頭、内臓など)を原料として使用し、それ自身の酵素または微生物により発酵させる。魚醤は、栄養素が豊富で、様々な必須アミノ酸と、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などの人体に有益な鉱物元素が含まれており、低脂肪、高タンパク質の発酵調味料の一つである。そして、魚醤は、価値の低い魚を高価値化して利用する製品でもあり、淡水魚産業の発展を促すために重要な実用的意味を持っている。魚醤の発酵中では、主にプロテアーゼによりタンパク質の加水分解を触媒し、該プロテアーゼは、プロテアーゼの活性や安定性に対する温度の影響に応じて、低温プロテアーゼ、中温プロテアーゼ、及び高温プロテアーゼに分類される。低温プロテアーゼは、低温細菌が低温で産生する低温適応性のプロテアーゼである。低温プロテアーゼは、低温で高い触媒効率があり、一般に最適反応温度が20~40℃である。低温プロテアーゼは、低温または室温で反応できるため、加熱や冷却の必要がなく、コストを削減できる。従って、工業生産では、低温プロテアーゼは、中温プロテアーゼにかけがえのない優位性があり、洗浄産業、食品加工、生物製薬、バイオレメディエーションなどの分野で幅広い用途が見込まれる。プラノコッカス属は、低温プロテアーゼを産生する低温適応細菌として同定されており、その安全性が高い。本発明では、低温且つ減塩の条件下で、プラノコッカスにより魚醤を発酵させ、発酵サイクルが短く、塩分が低く、風味や栄養価が高い魚醤製品を得ることにより、プラノコッカスの食品微生物発酵への応用に理論的基礎と方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来のエビペーストから減塩魚醤の発酵品質を向上できるプラノコッカスを選別し、プラノコッカスの成長特性及び酵素特性と組み合わせて魚醤を発酵させるものである。この方法は、発酵サイクルを効果的に短縮し、塩の含有量を減らし、魚醤の風味や栄養価を向上できるため、魚醤の発酵にとってより安定、安全、適切なスターターカルチャーを提供することができる。
本発明は、前記したプラノコッカス菌株の、魚醤の発酵風味や品質を向上するための使用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスによる魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5~15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス菌株を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:菌株を最終添加量が(105~109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15~30℃の温度で5~30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10~30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15~30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
その中で、上記のプラノコッカスは、プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、またはプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)である。
【0005】
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による減塩魚醤の発酵品質の向上方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5~15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を(1~3):(1~3):(1~3):(1~3)の菌数割合で混合して、混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が(105~109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15~30℃の温度で5~30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10~30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15~30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
【0006】
プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17057で、提唱される分類名はPlanococcus maritimusである。
プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17058で、提唱される分類名はPlanococcus plakortidisである。
プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17059で、提唱される分類名はPlanococcus dechangensisである。
プラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17060で、提唱される分類名はPlanococcus rifietoensisである。
【発明の効果】
【0007】
上記したプラノコッカス菌株により魚醤を発酵させる場合には、発酵サイクルが幅広く短縮し、発酵の温度が低下する。この方法で得られた魚醤は、透明な赤褐色で、水産物に特有な香りがあり、懸濁または綿状などの不純物がない。完成品の魚醤は、塩の含有量が低く、アミノ酸態窒素の含有量が高く(中国での魚醤の業界標準によれば、一級の魚醤に分類される)、揮発性の塩基態窒素の含有量が低く、ヒスタミンの含有量が中国の標準よりも低く、調製された魚醤が美味しくて栄養価もたかいので、上記したスターターカルチャーは、環境に優しい且つ安全な発酵魚醤を作るために使用され得る。
要するに、本発明は、特許発明の特異性を有し、際立った実質的な特徴と顕著な進歩を有する進歩性と実用性を達成し、有益な効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
1. 菌株のスクリーニングと精製:
従来の低温発酵の新鮮なエビペースト(山東省威海市のあるアグリテインメントレストランで自家製のエビペースト)を原料として、低温プロテアーゼを産生するプラノコッカスをエビペーストから分離してスクリーニングする。新鮮なエビペーストを希釈して固形物の培地に塗布し、15℃で48時間インキュベートし、典型的な特徴を有するコロニーを選び、ストリーキングで複数回精製し、最後に低温プロテアーゼを生産するプラノコッカスの単一コロニーを得た。分離精製された単一コロニーを斜面に接種し、25℃で24時間インキュベートし、寄託して取っておく。
【0010】
2. 菌株の同定
2.1 形態学的同定
コロニーは、オレンジで、表面が滑らかで、縁が整い、不透明で、緻密である。グラム染色では、陽性である。菌糸は、球形で、単一またはパイルに配置されている。
2.2 生理的特徴
プラノコッカスの4つの菌株は、NaCl濃度が0~15%である場合に成長でき、pHが7~9である場合に成長が速く、温度の範囲が15℃~35℃である場合によく成長できる。
2.3 分子生物学的同定
スクリーニング・精製されたプラノコッカスに対して、16S rRNAシーケンスし、Planococcus maritimus、Planococcus plakortidis、Planococcus dechangensis、及びPlanococcus rifietoensisと同定され、生物学的進化のリレーショナルツリーが構築された。
【0011】
3.菌株の寄託
プラノコッカスの4つの菌株は、2019年01月02日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託している。
プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17057で、提唱される分類名はPlanococcus maritimusである。
プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17058で、提唱される分類名はPlanococcus plakortidisである。
プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17059で、提唱される分類名はPlanococcus dechangensisである。
プラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17060で、提唱される分類名はPlanococcus rifietoensisである。
【0012】
実施例1:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2による魚醤の発酵方法である。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を最終添加量が(105CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量の測定、方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.284g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が107mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が19mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0013】
実施例2:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2による魚醤の発酵方法である。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を最終添加量が(107CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で20min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.023g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が94mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が17mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0014】
実施例3:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2による魚醤の発酵方法である。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を最終添加量が(109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、0.97g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が85mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が11mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0015】
実施例4:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を最終添加量が(105CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・プラコルチディスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.117g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が112mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が20mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0016】
実施例5:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を最終添加量が(107CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で20min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・プラコルチディスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.103g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が99mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が18mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0017】
実施例6:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を最終添加量が(109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・プラコルチディスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.008g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が92mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が17mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0018】
実施例7:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を最終添加量が(105CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・デチャンエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.216g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が109mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が19mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0019】
実施例8:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を最終添加量が(107CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で20min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・デチャンエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.174g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が98mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が20mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0020】
実施例9:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を最終添加量が(109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・デチャンエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.089g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が92mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が14mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0021】
実施例10:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12により魚醤を発酵させる方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を最終添加量が(105CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・リフィエトエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.159g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が104mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が16mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0022】
実施例11:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12により魚醤を発酵させる方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を最終添加量が(107CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で20min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・リフィエトエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.207g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が109mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が21mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0023】
実施例12:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を最終添加量が(109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・リフィエトエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.012g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が98mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が14mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0024】
実施例13:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:1:1:1の菌数割合で混合して、混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が105CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、0.974g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が113mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が17mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0025】
実施例14:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:2:2:1の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が105CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.327g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が125mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が23mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0026】
実施例15:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、8%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:2:1:1の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が106CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で10日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で15min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.034g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が119mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が20mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0027】
実施例16:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:2:1:2の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が106CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で15min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.116g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が108mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が19mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0028】
実施例17:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を3:1:1:2の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が107CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を25℃の温度で20日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.124g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が110mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が21mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0029】
実施例18:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、12%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:1:2:1の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が108CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を25℃の温度で25日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.009g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が112mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が20mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0030】
実施例19:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:1:3:1の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が109CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で25min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、0.873g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が97mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が16mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0031】
実施例20:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を3:3:3:3混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が109CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で25min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、0.981g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が104mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が18mg/100mLであり、40mg/100mLという欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【手続補正書】
【提出日】2021-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品微生物技術応用の分野、特にプラノコッカス及びそれによる減塩魚醤の発酵品質の向上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中国は、漁業国であり、淡水養殖が中国の漁業の重要な柱となっている。2017年での中国の淡水養殖は、その総生産量がおよそ2905万トンであるが、加工・利用率が15%未満で、資源の浪費、環境汚染などの問題を引き起こした。従って、淡水魚の総合利用の問題をいかに解決するかが、中国の水産物加工業が直面している大きな課題である。魚醤(fish sauce)は、魚醤油とも呼ばれる伝統的な水産発酵調味料で、東南アジアで最も人気のある調味料の一つであり、該魚醤が透明な赤褐色で、水産物に特有な風味と香りがあり、人々の日常の食生活の一部となっている。従来の魚醤の製造は、一般に価値の低い魚やエビ、または水産加工の廃棄物(魚の頭、内臓など)を原料として使用し、それ自身の酵素または微生物により発酵させる。魚醤は、栄養素が豊富で、様々な必須アミノ酸と、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などの人体に有益な鉱物元素が含まれており、低脂肪、高タンパク質の発酵調味料の一つである。そして、魚醤は、価値の低い魚を高価値化して利用する製品でもあり、淡水魚産業の発展を促すために重要な実用的意味を持っている。魚醤の発酵中では、主にプロテアーゼによりタンパク質の加水分解を触媒し、該プロテアーゼは、プロテアーゼの活性や安定性に対する温度の影響に応じて、低温プロテアーゼ、中温プロテアーゼ、及び高温プロテアーゼに分類される。低温プロテアーゼは、低温細菌が低温で産生する低温適応性のプロテアーゼである。低温プロテアーゼは、低温で高い触媒効率があり、一般に最適反応温度が20~40℃である。低温プロテアーゼは、低温または室温で反応できるため、加熱や冷却の必要がなく、コストを削減できる。従って、工業生産では、低温プロテアーゼは、中温プロテアーゼにかけがえのない優位性があり、洗浄産業、食品加工、生物製薬、バイオレメディエーションなどの分野で幅広い用途が見込まれる。プラノコッカス属は、低温プロテアーゼを産生する低温適応細菌として同定されており、その安全性が高い。本発明では、低温且つ減塩の条件下で、プラノコッカスにより魚醤を発酵させ、発酵サイクルが短く、塩分が低く、風味や栄養価が高い魚醤製品を得ることにより、プラノコッカスの食品微生物発酵への応用に理論的基礎と方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来のエビペーストから減塩魚醤の発酵品質を向上できるプラノコッカスを選別し、プラノコッカスの成長特性及び酵素特性と組み合わせて魚醤を発酵させるものである。この方法は、発酵サイクルを効果的に短縮し、塩の含有量を減らし、魚醤の風味や栄養価を向上できるため、魚醤の発酵にとってより安定、安全、適切なスターターカルチャーを提供することができる。
本発明は、前記したプラノコッカス菌株の、魚醤の発酵風味や品質を向上するための使用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスによる魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5~15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス菌株を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:菌株を最終添加量が(105~109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15~30℃の温度で5~30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10~30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15~30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
その中で、上記のプラノコッカスは、プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、またはプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)である。
【0005】
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による減塩魚醤の発酵品質の向上方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5~15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を(1~3):(1~3):(1~3):(1~3)の菌数割合で混合して、混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が(105~109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15~30℃の温度で5~30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10~30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15~30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
【0006】
プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17057で、提唱される分類名はPlanococcus maritimusである。
プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17058で、提唱される分類名はPlanococcus plakortidisである。
プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17059で、提唱される分類名はPlanococcus dechangensisである。
プラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17060で、提唱される分類名はPlanococcus rifietoensisである。
【発明の効果】
【0007】
上記したプラノコッカス菌株により魚醤を発酵させる場合には、発酵サイクルが幅広く短縮し、発酵の温度が低下する。この方法で得られた魚醤は、透明な赤褐色で、水産物に特有な香りがあり、懸濁または綿状などの不純物がない。完成品の魚醤は、塩の含有量が低く、アミノ酸態窒素の含有量が高く(中国での魚醤の業界標準によれば、一級の魚醤に分類される)、揮発性の塩基態窒素の含有量が低く、ヒスタミンの含有量が中国の標準よりも低く、調製された魚醤が美味しくて栄養価もたかいので、上記したスターターカルチャーは、環境に優しい且つ安全な発酵魚醤を作るために使用され得る。
要するに、本発明は、特許発明の特異性を有し、際立った実質的な特徴と顕著な進歩を有する進歩性と実用性を達成し、有益な効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】プラノコッカスPlanococcus maritimus XJ2のコロニー形態及び菌糸形態である。
【
図2】プラノコッカスPlanococcus maritimus XJ2の16S rRNA配列から構築される系統樹である。
【
図3】プラノコッカスPlanococcus plakortidis XJ10のコロニー形態及び菌糸形態である。
【
図4】プラノコッカスPlanococcus plakortidis XJ10の16S rRNA配列から構築される系統樹である。
【
図5】プラノコッカスPlanococcus dechangensis XJ11のコロニー形態及び菌糸形態である。
【
図6】プラノコッカスPlanococcus dechangensis XJ11の16S rRNA配列から構築される系統樹である。
【
図7】プラノコッカスPlanococcus rifietoensis XJ12のコロニー形態及び菌糸形態である。
【
図8】プラノコッカスPlanococcus rifietoensis XJ12の16S rRNA配列から構築される系統樹である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1. 菌株のスクリーニングと精製:
従来の低温発酵の新鮮なエビペースト(山東省威海市のあるアグリテインメントレストランで自家製のエビペースト)を原料として、低温プロテアーゼを産生するプラノコッカスをエビペーストから分離してスクリーニングする。新鮮なエビペーストを希釈して固形物の培地に塗布し、15℃で48時間インキュベートし、典型的な特徴を有するコロニーを選び、ストリーキングで複数回精製し、最後に低温プロテアーゼを生産するプラノコッカスの単一コロニーを得た。分離精製された単一コロニーを斜面に接種し、25℃で24時間インキュベートし、寄託して取っておく。
【0010】
2. 菌株の同定
2.1 形態学的同定
コロニーは、オレンジで、表面が滑らかで、縁が整い、不透明で、緻密である。グラム染色では、陽性である。菌糸は、球形で、単一またはパイルに配置されている。
2.2 生理的特徴
プラノコッカスの4つの菌株は、NaCl濃度が0~15%である場合に成長でき、pHが7~9である場合に成長が速く、温度の範囲が15℃~35℃である場合によく成長できる。
2.3 分子生物学的同定
スクリーニング・精製されたプラノコッカスに対して、16S rRNAシーケンスし、Planococcus maritimus、Planococcus plakortidis、Planococcus dechangensis、及びPlanococcus rifietoensisと同定され、生物学的進化のリレーショナルツリーが構築された。
【0011】
3.菌株の寄託
プラノコッカスの4つの菌株は、2019年01月02日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託している。
プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17057で、提唱される分類名はPlanococcus maritimusである。
プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17058で、提唱される分類名はPlanococcus plakortidisである。
プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17059で、提唱される分類名はPlanococcus dechangensisである。
プラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)の菌株は、2019年1月2日に中国北京市朝陽区北辰西路1号院3号にある中国科学院微生物研究所の中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託しており、その寄託番号はCGMCC NO.17060で、提唱される分類名はPlanococcus rifietoensisである。
【0012】
実施例1:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2による魚醤の発酵方法である。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を最終添加量が(105CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量の測定、方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.284g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が107mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が19mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0013】
実施例2:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2による魚醤の発酵方法である。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を最終添加量が(107CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で20min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.023g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が94mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が17mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0014】
実施例3:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2による魚醤の発酵方法である。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマスPlanococcus maritimus XJ2(CGMCC NO.17057)を最終添加量が(109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、0.97g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が85mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が11mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0015】
実施例4:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を最終添加量が(105CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・プラコルチディスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.117g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が112mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が20mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0016】
実施例5:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を最終添加量が(107CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で20min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・プラコルチディスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.103g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が99mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が18mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0017】
実施例6:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・プラコルチディスPlanococcus plakortidis XJ10(CGMCC NO.17058)を最終添加量が(109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・プラコルチディスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.008g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が92mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が17mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0018】
実施例7:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を最終添加量が(105CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・デチャンエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.216g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が109mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が19mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0019】
実施例8:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を最終添加量が(107CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で20min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・デチャンエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.174g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が98mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が20mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0020】
実施例9:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・デチャンエンシスPlanococcus dechangensis XJ11(CGMCC NO.17059)を最終添加量が(109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・デチャンエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.089g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が92mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が14mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0021】
実施例10:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12により魚醤を発酵させる方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を最終添加量が(105CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・リフィエトエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.159g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が104mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が16mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0022】
実施例11:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12により魚醤を発酵させる方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を最終添加量が(107CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で20min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・リフィエトエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.207g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が109mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が21mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0023】
実施例12:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・リフィエトエンシスPlanococcus rifietoensis XJ12(CGMCC NO.17060)を最終添加量が(109CFU/g)になるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・リフィエトエンシスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.012g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が98mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が14mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0024】
実施例13:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:1:1:1の菌数割合で混合して、混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が105CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、0.974g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が113mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が17mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0025】
実施例14:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、5%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:2:2:1の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が105CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を15℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で10min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で30min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.327g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が125mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が23mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0026】
実施例15:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、8%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:2:1:1の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が106CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で10日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で15min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.034g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が119mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が20mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0027】
実施例16:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:2:1:2の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が106CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を20℃の温度で15日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で15min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.116g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が108mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が19mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0028】
実施例17:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、10%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を3:1:1:2の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が107CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を25℃の温度で20日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.124g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が110mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が21mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0029】
実施例18:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、12%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:1:2:1の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が108CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を25℃の温度で25日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で30min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で15min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、1.009g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が112mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が20mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0030】
実施例19:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を1:1:3:1の菌数割合で混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が109CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で5日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で25min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、0.873g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が97mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が16mg/100mLであり、40mg/100mLの欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【0031】
実施例20:
以下の工程(1)~(8)に従って行われる、プラノコッカスの混合菌株による魚醤の発酵方法。
(1)原料の処理:肉挽き機により魚肉トリミング(魚肉加工中に発生する廃棄物)をミンチにし、15%(w/w)で漬け海塩を加え、よく混ぜておく。
(2)混合スターターカルチャーの調製:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)をそれぞれ活性化して3回インキュベートする。活性化した菌液を4℃、10000r/minで10min遠心し、滅菌生理食塩水で2回洗浄し、少量の滅菌生理食塩水中に懸濁させ、最後に菌液の濃度を105~107CFU/mLに調節しておく。
(3)混合スターターカルチャーの添加:プラノコッカス・マリティマス(Planococcus maritimus XJ2)、プラノコッカス・プラコルチディス(Planococcus plakortidis XJ10)、プラノコッカス・デチャンエンシス(Planococcus dechangensis XJ11)、及びプラノコッカス・リフィエトエンシス(Planococcus rifietoensis XJ12)を3:3:3:3混合して混合スターターカルチャーに調製し、最終添加量が109CFU/gになるように前処理した原料魚肉トリミング中に混入し、最終菌数が添加要件を満たすことができるようにする。
(4)魚醤の発酵:工程(3)で得られた混合原料を30℃の温度で30日間保温して発酵させる。
(5)魚醤のろ過:工程(4)で得られた魚醤サンプルを120℃で20min滅菌し、室温まで冷却し、10000r/minで20min遠心し、上澄みを複数層のガーゼによりろ過して、固形物や不純物を取り除く。
(6)魚醤の滅菌:工程(5)で得られた魚醤を100℃で25min二次滅菌し、無菌状態で缶に充填して密封し、完成品の魚醤を得る。
(7)製品の物理化学的指標についての評価:アミノ酸態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.235-2016の比色法を参照し、揮発性の塩基態窒素の含有量についての評価や方法はGB5009.228-2016の微量拡散法を参照し、ヒスタミン含有量についての測定や方法はGB5009.208-2016の分光光度法を参照する。
(8)魚醤の物理化学的指標の結果:該プラノコッカス・マリティマスにより魚醤を発酵させた場合のアミノ酸態窒素の含有量は、0.981g/100mLとなり、中国の魚醤業界標準によれば、一級の魚醤に分類される。揮発性の塩基態窒素の含有量が104mg/100mLであり、ヒスタミンの含有量が18mg/100mLであり、40mg/100mLという欧州標準よりも低く。本魚醤は、原料本来の土臭さが大きく低減され、うま味がはっきりしており、菌株無添加で発酵させた魚醤に比べて風味が著しく向上した。
【国際調査報告】