IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウルセラ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-513577超音波処置の効能を増強させるためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】超音波処置の効能を増強させるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/02 20060101AFI20220202BHJP
   A61B 17/00 20060101ALN20220202BHJP
【FI】
A61N7/02
A61B17/00 700
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520412
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(85)【翻訳文提出日】2021-04-13
(86)【国際出願番号】 US2019063095
(87)【国際公開番号】W WO2020112688
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】62/773,948
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】510320564
【氏名又は名称】ウルセラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エメリー,チャールズ,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ウォシン,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】アダムソン,ロバート,ビー.エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ビフベリン,ピーター,ヒューゴ
(72)【発明者】
【氏名】ザエンカー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル,ニコラス,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ライト,マシュー,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】レッドベター,ジェフリー,アール.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジェレミー,エイ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ25
(57)【要約】
例えば、1つ以上の焦点式超音波トランスデューサを駆動するように構成された制御システム無線周波数(RE)ドライバを有する、高効率、信号測定、較正、および保証システムによって、超音波の効能を増強させる実施形態が提供される。このREドライバは、1つ以上のIII-V族半導体(例えば、窒化ガリウムGaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、および/またはAlGaN)電界効果トランジスタを含む1つ以上の電力増幅器を含み、広い周波数領域にわたって、異なる狭帯域RE信号を用いて高電力を効率的に提供することができる。このREドライバは、電力増幅器から出力されたRE信号の振幅および位相を監視し、超音波トランスデューサに送達されるRE電力の量を評価するための電力測定および/または較正システムを含むことができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波処置システムであって、
超音波治療を組織に適用するように適合された超音波治療トランスデューサを含む超音波プローブと、
前記超音波治療トランスデューサに電力を供給するように構成された電力システムであって、前記電力システムが、電力増幅器デバイスおよび回路を含む、電力システムと、を含み、
前記電力増幅器デバイスが、少なくとも1つの半導体トランジスタを含み、
前記少なくとも1つの半導体トランジスタが、電界効果トランジスタであり、
前記電界効果トランジスタが、200kHz~20MHzの範囲の無線周波数(RF)において、少なくとも75%の効率で動作するように構成されている、超音波処置システム。
【請求項2】
半導体トランジスタが、III-V族化合物を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
半導体トランジスタが、窒化ガリウム(GaN)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記電力増幅器デバイスが、
前記電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、
圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、前記電界効果トランスデューサの複数のゲートを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含み、
前記回路が、Hブリッジ構成において構成された4つのトランジスタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電力増幅器デバイスが、
少なくとも1つの電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、
圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、前記電界効果トランスデューサの複数のゲートを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含み、
前記電界効果トランジスタを駆動する信号が、正弦波直接デジタル合成回路の出力をDC電圧と比較することによって生成され、
出力電力が、30W~100Wの範囲にあり、
前記回路が、Hブリッジ構成において構成された4つのトランジスタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記半導体が、窒化ガリウムであり、
電力増幅器デバイスが、
少なくとも1つの窒化ガリウム電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計であって、各窒化ガリウム電界効果トランジスタが、複数のゲートを含む、スイッチモード増幅器設計と、
圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、前記窒化ガリウム電界効果トランスデューサの前記複数のゲートを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含み、
前記電界効果トランジスタを駆動する信号が、正弦波直接デジタル合成回路の出力をDC電圧と比較することによって生成され、
出力電力が、30W~100Wの範囲にあり、
前記回路が、Hブリッジ構成において構成された4つの窒化ガリウムトランジスタを含み、
ゲート駆動信号が、前記出力信号の高調波含有率および電力を制御するために使用される可変デューティサイクルを有し、
電力増幅器コンバータが、75%超の効率で無線周波数出力信号電力に電力を供給し、
前記電力増幅器への供給電圧が、一定の高電圧入力をより低い供給電圧に低減するスイッチモードDC-DCコンバータを使用して変調され、
2つ以上の電力増幅器を含み、単一の電力増幅器が、高強度焦点式超音波トランスデューサの単一の圧電式変換素子において駆動するように構成されており、
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる振幅で出力を駆動するように構成されており、
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる位相で出力を駆動するように構成されており、
位相および周波数が、直接デジタル合成器によって制御され、
前記システムが、20オーム~120オームの範囲のインピーダンス、および+45度~-45度の位相角でトランスデューサを駆動するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
電力増幅器デバイスが、
少なくとも1つの半導体を含むスイッチモード増幅器設計と、
前記超音波治療トランスデューサを駆動するように、前記半導体を駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電界効果トランジスタを駆動する信号が、正弦波直接デジタル合成回路の出力をDC電圧と比較することによって生成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
出力電力が、30W~100Wの範囲にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
出力電力が、5W~50Wの範囲にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記回路が、Hブリッジ構成において構成された4つのトランジスタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記回路が、ハーフブリッジ構成において構成された2つのトランジスタを含む、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
ゲート駆動信号が、出力信号の高調波含有率および電力を制御するために使用される可変デューティサイクルを有する、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
電力増幅器コンバータが、75%超の効率で電力を無線周波数出力信号電力に供給する、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記電力増幅器への供給電圧が、固定された高電圧入力をより低い供給電圧に低減するスイッチモードDC-DCコンバータを使用して変調される、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
2つ以上の電力増幅器を含み、単一の電力増幅器が、高強度焦点式超音波トランスデューサの単一の圧電式変換素子において駆動するように構成されている、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記高強度焦点式超音波トランスデューサが、別個の電力増幅器によって駆動するように構成されている、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる振幅の出力を駆動するように構成されている、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる位相の出力を駆動するように構成されている、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記増幅器が、2つ以上の異なる周波数の出力を駆動するように構成されている、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
位相および周波数が、直接デジタル合成器によって制御されている、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
20オーム~120オームの範囲のインピーダンス、および+45度~-45度の位相角でトランスデューサを駆動するように構成されている、請求項1~3、および7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイスであって、
少なくとも1つの電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む、電力増幅器デバイス。
【請求項24】
高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイスであって、
少なくとも1つの窒化ガリウム電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計であって、各窒化ガリウム電界効果トランジスタが、複数のゲートを含む、スイッチモード増幅器設計と、
圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、前記窒化ガリウム電界効果トランスデューサの前記複数のゲートを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む、電力増幅器デバイス。
【請求項25】
以下の特徴、
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる振幅の出力を駆動するように構成されている、
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる位相の出力を駆動するように構成されている、のうちの1つ以上を含む、請求項24に記載の電力増幅器デバイス。
【請求項26】
超音波トランスデューサによって所望の量の焦点式音響出力を送達するための、超音波システムの電力を制御する方法であって、前記方法が、
制御システムマイクロプロセッサを含む回路と、制御システム参照テーブル(LUT)と、を含む電力制御システムを提供することと、
トランスデューサコントローラ、トランスデューサマイクロプロセッサ、およびトランスデューサLUTを含む超音波トランスデューサを提供することと、
前記トランスデューサマイクロプロセッサを用いて、前記トランスデューサLUTから、前記超音波トランスデューサによって組織に送達された所望の量の音響出力と等価である、負荷に送達された電力の量を判定することと、
前記制御システムマイクロプロセッサを用いて、前記制御システムLUTから、前記負荷に送達された電力の等価量を送達するであろう、前記電力システムの電力増幅器からの電気信号出力の振幅を判定することと、
前記電気信号出力の前記判定された振幅を、前記電力システム出力の少なくとも1つのパラメータに設定することと、を含む、方法。
【請求項27】
前記負荷が、50オームである、請求項26に記載の、電力システムを構成する方法。
【請求項28】
超音波処置システムであって、
組織内の焦点ゾーン内の、ハウジングからの深度に、音響超音波波動を集束させるように適合された圧電駆動式超音波治療トランスデューサを収容する前記ハウジングを含む超音波プローブと、
前記超音波治療トランスデューサに電力を供給するように構成された電力システムであって、前記電力システムが、電力増幅器を含む、電力システムと、
前記電力増幅器からの出力信号から電気出力電力を監視するように構成された電力測定システムと、を含み、
前記電力測定システムが、
前記電力増幅器から出力される電流を監視するように構成された抵抗性電流検知回路と、
前記電力増幅器から出力される電圧を監視するように構成された抵抗性電圧検知回路と、を含み、
前記電力測定システムが、前記超音波治療トランスデューサの少なくとも2オクターブにわたる周波数範囲において、前記電力増幅器からの電気出力電力を監視するように構成されている、超音波処置システム。
【請求項29】
高強度焦点式超音波システムの駆動回路の無線周波数(RF)電流および電圧を測定するためのシステムであって、
負荷と直列の電流検知抵抗器と、
前記負荷と並列のシャント電圧検知抵抗器ネットワークと、
電力増幅器を駆動する信号の位相および周波数に同期され、出力信号を超音波駆動周波数よりも低いキャリア周波数に復調させるように構成された局部発振器クロックを有する電力出力電圧および電流監視回路(IQ復調回路)と、を含む、システム。
【請求項30】
前記測定システムが、前記局部発振器と前記電力増幅器との間の異なる相対位相シフトで複数の測定値を取得するように構成されている、請求項28~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記局部発振器クロックが、独立して制御される直接デジタル合成器から生成される、請求項28~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
位相測定値の数が、6つである、請求項28~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記測定システムが、局部発振器周波数において、複数の測定値を取得するように構成されている、請求項28~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記出力信号内において所望の高調波含有率を達成するように、ゲート駆動信号を修正するための、請求項28~29のいずれか一項に記載の測定システムを使用するシステム。
【請求項35】
システムノイズフロアを超過する前記通過帯域内の最低周波数のいくつかの高調波を評価することによって前記高調波を適切に測定するための、請求項30に記載のタイプの測定値の数を判定するための方法。
【請求項36】
請求項27に記載の前記複数の測定値の線形結合を形成することによって、前記電圧および電流波形の前記複素高調波成分を計算するための方法。
【請求項37】
高強度超音波トランスデューサを較正するための方法であって、
ドライバによって送達された電力に対応するドライバ構成のトランスデューサにより送達された音響出力電力を、較正情報が前記トランスデューサを使って格納されている前記ドライバ構成の1つ以上の基準負荷に照らして較正することと、
前記電気ドライバ構成を、前記較正情報が前記ドライバを使って格納されている1つ以上の基準負荷に送達された前記電力に対して較正することと、
所望の音響電力設定のための、1つ以上の基準負荷への電力レベルを判定するように前記トランスデューサ較正情報を使用し、かつ前記基準負荷への前記所望の音響出力電力レベルのためのドライバ構成を判定するように前記ドライバ較正情報を使用する、所望の音響出力電力を達成するように、ドライバ構成のプロセッサを使って較正することと、を含む、方法。
【請求項38】
前記トランスデューサ較正情報がまた、各音響出力レベルにおいて前記トランスデューサに送達された前記電力も含み、前記格納された電力情報が、複素電力成分または実数電力成分を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ドライバから送達された電力の動的な測定が、組織の超音波照射中に行われ、前記所望の音響出力レベルの前記トランスデューサ較正で格納された電力に対して検証される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記トランスデューサ較正情報がまた、各音響出力レベルにおいて前記トランスデューサに送達された前記電力も含み、前記格納された電力情報が、複素電力成分または実数電力成分を含み、
前記ドライバから送達された電力の動的な測定が、組織の超音波照射中に行われ、前記所望の音響出力レベルの前記トランスデューサ較正で格納された電力に対して検証される、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記トランスデューサ較正情報がまた、各音響出力レベルにおいて前記トランスデューサに送達された前記電力も含み、前記保存された電力情報が、複素電力成分または実電力成分を含み、
前記ドライバから送達された電力の動的な測定が、組織の超音波照射中に行われ、前記所望の音響出力レベルの前記トランスデューサ較正で格納された電力に対して検証され、
前記音響出力電力が、力平衡を使用して測定を実行することによって生成され、
前記トランスデューサ較正が、前記トランスデューサ内部の不揮発性メモリチップに参照テーブルとして格納され、
前記ドライバにおいて測定された前記電圧または電流のうちの少なくとも1つが、前記治療駆動回路出力と前記トランスデューサとの間の前記2端子対ネットワークで表される伝達行列を使用して調整され、
前記較正情報が、参照テーブル(LUT)に格納され、
目標電圧が、前記較正情報と、1つ以上の参照テーブル内の前記値を補間することによって診療所で設定された所望の音響出力と、から計算される、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記音響出力電力が、力平衡を使用して測定を実行することによって生成される、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記トランスデューサ較正が、前記トランスデューサ内の不揮発性メモリチップに参照テーブルとして格納される、請求項37および38のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記ドライバにおいて測定された前記電圧または電流のうちの少なくとも1つが、前記治療駆動回路出力と前記トランスデューサとの間の前記2端子対ネットワークで表される伝達行列を使用して調整される、請求項37、38、および39のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記較正情報が、参照テーブル(LUT)に格納されている、請求項37および38のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記目標電圧が、前記較正情報と、1つ以上の参照テーブル内の前記値を補間することによって診療所で設定された所望の音響出力と、から計算される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
請求項37に記載の音響出力電力の許容可能な範囲を達成するように、電気駆動電力の許容可能な範囲を画定する、各音響電力レベルにおける電力閾値の前記トランスデューサ較正情報内の記憶装置。
【請求項48】
動的に測定された電力が、前記ドライバによって送達された前記電力を動的に測定し、かつ前記トランスデューサ内に格納された前記閾値に対して該電力を比較することを含む、請求項46に指定された前記範囲内にあることを確認するためのシステム。
【請求項49】
トランスデューサとドライバとの間で交換することができるハンドピースおよびケーブルアセンブリの前記伝達行列が、前記ハンドピースおよびケーブルアセンブリ内の不揮発性メモリチップに格納されている、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
電力を動的に調整するための方法であって、
前記ドライバから送達された前記電力を測定することと、
前記測定された電力を、請求項37に記載の前記較正情報から判定されたときに、前記所望の電力と比較することと、
前記所望の電力と前記測定された電力との間の誤差を低減するように、前記ドライバ構成を調整することと、を含む、方法。
【請求項51】
電力を動的に調整するための方法であって、
前記負荷の前記電気インピーダンスを測定し、他のシステムコンポーネントの既知のインピーダンスに基づいて、前記トランスデューサインピーダンスを計算することと、
前記実数トランスデューサインピーダンスの両端における同じ量の損失電力を維持するように、前記ドライバからの必要とされる電力を計算することと、
前記所望の電力と、前記測定された電力との間の前記誤差を低減するように必要とされる前記電力を満たす前記ドライバ構成を調整することと、を含む、方法。
【請求項52】
前記電力は、治療が実施されるときはいつでも、動的に調整される、請求項49~51のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
ドライバにおける電圧定在波比を測定しながら周波数を掃引し、動作周波数として前記電圧定在波比を最小にする該周波数を選択することによって、高強度焦点式超音波トランスデューサをチューニングするための方法。
【請求項54】
高強度焦点式超音波トランスデューサを較正するための方法であって、
周波数に依存するソース電圧およびソースインピーダンスを有するテブナン等価ソースとしてドライバをモデル化し、前記ドライバを使って前記ソース電圧およびソースインピーダンスを含む較正情報を格納することと、
前記トランスデューサ上の較正情報の前記トランスデューサインピーダンスを測定および格納することと、
前記ドライバ較正に格納された前記ソース電圧およびソースインピーダンスを、前記トランスデューサ較正に格納された前記負荷インピーダンスに使用する前記ドライバによって、トランスデューサに送達されるであろう前記電力を計算し、前記組み合わされたシステムを電圧分割器ネットワークとして取り扱うことと、を含む、方法。
【請求項55】
トランスデューサインピーダンスを測定するための方法であって、
1つ以上の既知の基準インピーダンスを使用して前記ドライバを較正することと、
1つ以上の周波数、および1つ以上の振幅における前記トランスデューサインピーダンスを測定することと、
固定静電容量、結合係数、および放射抵抗などのトランスデューサパラメータを計算するように、前記測定されたトランスデューサを共振回路に適合させることと、
トランスデューサ寿命、動作の合否、ならびに必要とされる振幅および位相を判定するように、前記特徴付けを使用することと、を含む、方法。
【請求項56】
固定された距離が、前記トランスデューサと、意図された処置領域との間にある、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記治療ビームが、差分法を使用して前記処置領域からの後方散乱の量を判定するように、未処置領域に一時的に移動される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記トランスデューサインピーダンスが、組織または前記トランスデューサ界面からの後方散乱または反射を除去するための短時間励起パルスを使用することによって測定される、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
超音波処置システムであって、
超音波治療を組織に適用するように適合された超音波治療トランスデューサを含む超音波プローブと、
前記超音波治療トランスデューサに電力を供給するように構成された電力システムであって、前記電力システムが、電力増幅器デバイスおよび回路を含む、電力システムと、を含み、
前記電力増幅器デバイスが、200kHz~20MHzの範囲の無線周波数(RF)において少なくとも75%の効率で動作するように構成された少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタを含む、超音波処置システム。
【請求項60】
前記少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタが、GaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、およびAlGaNからなる群から選択される、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタが、窒化ガリウムである、請求項59に記載のシステム。
【請求項62】
前記少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタが、GaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、およびAlGaNのうちの1つではない、請求項59に記載のシステム。
【請求項63】
電力増幅器デバイスが、
複数のIII-V族半導体パワートランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、
圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、前記複数のIII-V族半導体パワートランジスタを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む、請求項59に記載のシステム。
【請求項64】
前記パワートランジスタを駆動する信号が、正弦波直接デジタル合成回路の出力をDC電圧と比較することによって生成される、請求項59に記載のシステム。
【請求項65】
前記出力電力が、30W~100Wの範囲にある、請求項59に記載のシステム。
【請求項66】
前記出力電力が、5W~50Wの範囲にある、請求項59に記載のシステム。
【請求項67】
前記回路が、Hブリッジ構成において構成された4つのパワートランジスタを含む、請求項59~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
ゲート駆動信号が、前記出力信号の高調波含有率および電力を制御するために使用される可変デューティサイクルを有する、請求項59~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項69】
電力増幅器コンバータが、75%超の効率で無線周波数出力信号電力に電力を供給する、請求項59~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項70】
前記電力増幅器への供給電圧が、固定された高電圧入力をより低い供給電圧に低減するスイッチモードDC-DCコンバータを使用して変調される、請求項59~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項71】
2つ以上の電力増幅器を含み、単一の電力増幅器が、高強度焦点式超音波トランスデューサの単一の圧電式変換素子を駆動するように構成されている、請求項59~66のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項72】
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる振幅で出力を駆動するように構成されている、請求項59~66のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項73】
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる位相で出力を駆動するように構成されている、請求項59~66のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項74】
位相および周波数が、直接デジタル合成器によって制御される、請求項59~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項75】
20オーム~120オームの範囲のインピーダンス、および+45度~-45度の位相角でトランスデューサを駆動するように構成されている、請求項59~66のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項76】
高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイスであって、
少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、
前記少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む、電力増幅器デバイス。
【請求項77】
高強度超音波トランスデューサを駆動するための複数の電力増幅器を含むデバイスであって、前記複数の電力増幅器が、
複数のIII-V族半導体パワートランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、
圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、前記複数のIII-V族半導体パワートランジスタを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む、デバイス。
【請求項78】
前記III-V族半導体パワートランジスタが、窒化ガリウム電界効果トランジスタである、請求項77に記載のデバイス。
【請求項79】
以下の特徴、
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる振幅で出力を駆動するように構成されている、
前記電力増幅器が、2つ以上の異なる位相で出力を駆動するように構成されている、のうちの1つ以上を含む、請求項77または78に記載の電力増幅器デバイス。
【請求項80】
超音波トランスデューサによって所望の量の焦点式音響出力を送達するための超音波システムにおいて電力を制御する方法であって、前記方法が、
制御システムマイクロプロセッサを含む回路と、制御システム参照テーブル(LUT)と、を含む、電力制御システムを提供することと、
トランスデューサコントローラと、トランスデューサマイクロプロセッサと、トランスデューサLUTと、を含む、超音波トランスデューサを提供することと、
前記トランスデューサマイクロプロセッサを用いて、前記トランスデューサLUTから、前記超音波トランスデューサによって組織に送達された所望の量の音響出力と等価である、負荷に送達された電力の量を判定することと、
前記制御システムマイクロプロセッサを用いて、前記制御システムLUTから、前記負荷に送達された前記等価量の電力を送達するであろう、前記電力システムの電力増幅器からの電気信号出力の振幅を判定することと、
前記電気信号出力の前記判定された振幅を、前記電力システム出力の少なくとも1つのパラメータに設定することと、を含み、
前記負荷が、20~120オームの範囲にある、方法。前記負荷が、50オームである、請求項26に記載の、電力システムを構成する方法。
【請求項81】
超音波処置システムであって、
組織内の焦点ゾーン内の、ハウジングからの深度に音響超音波波動を集束させるように適合された圧電駆動式超音波治療トランスデューサを収容する前記ハウジングを含む超音波プローブと、
前記超音波治療トランスデューサに電力を供給するように構成された電力システムであって、前記電力システムが、電力増幅器を含む、電力システムと、
前記電力増幅器からの出力信号から電気出力電力を監視するように構成された電力測定システムと、を含み、
前記電力測定システムが、
前記電力増幅器から出力される電流を監視するように構成された抵抗性電流検知回路と、
前記電力増幅器から出力される電圧を監視するように構成された抵抗性電圧検知回路と、を含み、
前記電力測定システムが、前記超音波治療トランスデューサの少なくとも2オクターブにわたる周波数範囲において、前記電力増幅器からの電気出力電力を監視するように構成されている、超音波処置システム。
【請求項82】
高強度焦点式超音波システムの駆動回路の無線周波数(RF)電流および電圧を測定するためのシステムであって、
負荷と直列の電流検知抵抗器と、
前記負荷と並列のシャント電圧検知抵抗器ネットワークと、
電力増幅器を駆動する信号の位相および周波数に同期され、出力信号を超音波駆動周波数よりも低いキャリア周波数に復調させるように構成された局部発振器クロックを有する電力出力電圧および電流監視回路(IQ復調回路)と、を含む、システム。
【請求項83】
前記測定システムが、前記局部発振器と前記電力増幅器との間の異なる相対位相シフトで複数の測定値を取得するように構成されている、請求項81~82のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項84】
前記局部発振器クロックが、独立して制御される直接デジタル合成器から生成される、請求項81~82のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項85】
位相測定値の数が、6つである、請求項81~82のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項86】
前記出力信号において所望の高調波含有率を達成するように、ゲート駆動信号を修正するための、請求項81~82のいずれか一項に記載の測定システムを使用するシステム。
【請求項87】
システムノイズフロアを超過する通過帯域の最低周波数のいくつかの高調波を評価することによって、前記高調波を適切に測定するための、請求項81に記載のタイプの測定値の数を判定するための方法。
【請求項88】
請求項81~82に記載の複数の測定値の線形結合を形成することによって、電圧および電流波形の複素高調波成分を計算するための方法。
【請求項89】
前述の明細書に記載の特徴のうちの1つ以上を有する、超音波処置システム。
【請求項90】
前述の明細書に記載の特徴のうちの1つ以上を有する、高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイス。
【請求項91】
前述の明細書に記載の特徴のうちの1つ以上を有する、超音波システムにおける、電力を制御する方法。
【請求項92】
前述の明細書に記載の特徴のうちの1つ以上を有する、高強度焦点式超音波システムにおける、駆動回路の無線周波数(RF)電流および電圧を測定するためのシステム。
【請求項93】
前述の明細書に記載の特徴のうちの1つ以上を有する、高強度超音波トランスデューサを較正するための方法。
【請求項94】
前述の明細書に記載の特徴のうちの1つ以上を有する、皮膚表面を介した高強度焦点式超音波トランスデューサの音響結合の品質を検出するための方法の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
2019年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/773,948号は、本出願において、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載されているいくつかの実施形態は、超音波トランスデューサのための高出力、複素電圧、電流、および電力の測定のための高効率無線周波数(RF)設計、較正、ならびに保証のアセンブリおよび電気的相互接続に関する。本出願に記載されている様々な実施形態は、超音波エネルギーベースの非侵襲性処置に電力を供給するRF信号を生成、監視、および送達するように構成されている電気デバイスおよびシステムを対象とする。いくつかの実施形態は、例えば、皮膚科学(例えば、美容整形)の超音波処置の効能を増強させるためのエネルギーベースの非侵襲性処置に関する。
【0003】
関連技術の説明
超音波は、過去に診断および治療の両方の分野において、使用されてきた。超音波画像処理および治療は、皮膚科学を含む、様々な医療分野で説明されている。超音波を使った美容整形処置もまた、説明されている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載されているいくつかの実施形態は、例えば、過度な不一致、誤差の生成、ならびに処置の効率および有効性の低減を含む、治療目的に超音波を使用する際の特定の欠点を克服するシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサに入り込む、信号制御と干渉し得る信号高調波を低減するいくつかの強化策が記載されている。そのような低減(例えば、監視および較正技術を介する)は、異なる超音波周波数、出力、および/または深度を使用する場合、最終的に所望されない変動を低減し、したがって、超音波治療の全体的な効能、および有効性を増強することができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、本出願に記載されている超音波処置システム内に含まれる1つ以上のトランスデューサに電力、電圧、電流、およびRF信号を指向させるための高効率制御システムが提供される。このRFモジュールは、1つ以上のプリント回路基板アセンブリ上に統合された電子デバイス、サブシステム、および/またはアセンブリを含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、超音波治療ボードは、高強度焦点式超音波(HIFU)監視のための出力保証システムを含み、高強度焦点式超音波トランスデューサへの電気駆動電力の正確で位相に敏感な測定を行うための電力保証測定および較正システムを含む。いくつかの実施形態では、超音波治療ボードは、III-V族半導体(例えば、III族元素(例えば、Ga、In、Al)をV族元素(例えば、N、As、Sb、P)と組み合わせたIII-V族化合物半導体)、例えば、窒化ガリウム(GaN)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、燐化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)、砒化インジウムガリウム(InGaAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、砒化アルミニウムガリウム(AlGaAs)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)等の電界効果トランジスタ)などの1つ以上の高効率トランジスタを組み込むHIFUスイッチモード電力増幅器を含み、III-V族(例えば、窒化ガリウム(GaN)等の電界効果トランジスタ、および電力変圧器(例えば、グアネラ型変圧器、または他のタイプの変圧器)のいずれかを使用する無線周波数(RF)治療電力増幅器が、高出力RFエネルギーを高強度焦点式超音波トランスデューサに送達する。いくつかの実施形態では、GaNトランジスタが記載されているが、他の想定される実施形態では、GaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、および/またはAlGaNのトランジスタのうちのいずれか1つ、2つ、3つ、またはそれ以上が使用されてもよい。様々な実施形態では、1つ以上のIII-V族半導体が使用されず、例えば、除外される。いくつかの実施形態では、GaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、および/またはAlGaNのうちのいずれか1つ以上は、使用されない。いくつかの実施形態では、超音波治療ボードが、任意のHIFUトランスデューサ負荷への出力電力を予測するためのシステムおよび方法を含み、較正情報を使用するためのシステムは、治療の実施の前に増幅器によってトランスデューサに送達されるであろう出力電力を予測するために、電力増幅器を使って、かつトランスデューサを使って格納される。いくつかの実施形態では、超音波治療システムは、抵抗性電流検知および電圧検知コンポーネント、任意の周波数で動作することができる復調器、位相シフト高調波キャンセル方式、および/または自己較正2端子対補償方式を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、目標となる高精度の超音波を使用して、審美的な効果の安全性、有効性、および/または効率を首尾よく向上させて、様々な処置および/または画像処理手順を実行するための1つ以上の焦点ゾーンを生成する超音波治療を用いた熱経路を介して、視認可能で効果的な皮膚整形(例えば、美容整形)の結果をもたらすシステムおよび方法が提供される。超音波治療ボードの様々な実施形態は、手術中の患者の安全を確実にするように構成された種々の健康監視システムを含むことができる。さらに、超音波治療ボードから出力された電気信号の高調波を抑制および/または低減して、患者の安全を確実にすることができるシステムおよび方法もまた、本出願において想定されている。
【0008】
様々な実施形態では、本発明は、1つ以上の利点を提供し、それらは、例えば、処置時間および/または誤差を低減すること、固有の加熱パターンを作り出すこと、より高出力の複数のチャネル、同じまたは異なる出力レベルを使って2つ以上の深度における領域を治療する選択肢(例えば、熱凝固、アブレーション、瞬間的な壊死焦点ゾーン、および別の脱焦エネルギー、または他の組み合わせ)、異なる深度(熱凝固が同時に、または重複もしくは連続した期間に向けられる、皮膚表面下1.5mm、3mm、および/または4.5mmの深度など)における任意選択の同時もしくは連続処置、および/またはある領域下もしくは離間した異なる深度などで1つ、2つ、もしくはそれ以上の同時点、線形もしくは線焦点を使った処置を活用すること、である。本明細書に記載されているいくつかの実施形態は、皮膚科学または非皮膚科学の分野にかかわらず、以下の便益のうちの1つ、いくつか、またはすべてを含むため、特に有利であり、それらの便益は、より効率的な処置を用いた複数の深度での狭帯域幅周波数超音波処置であり、(i)より迅速な処置時間、(ii)処置中の痛みの軽減、(iii)処置後の痛みの軽減、(iv)回復時間の短縮、(v)より効率的な処置、(vi)顧客満足度の向上、(vii)処置完了までのエネルギーの軽減、および/または(viii)焦点領域によるより広い処置面積、のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、それらの利点には、直接デジタル合成回路の出力正弦波をDC電圧と比較することによって生成される、電界効果トランジスタを駆動する信号を用いて、トランスデューサを駆動する実効振幅の変調が含まれる。
【0009】
いくつかの実施形態では、RFモジュールの電子デバイス、サブシステム、および/またはアセンブリは、1MHz~20MHzの周波数の範囲にわたって(例えば、約1MHz、1.75MHz、1.75~12MHz、4~12MHz、4MHz、7MHz、10MHz、12MHz)、約0.1W~200W(例えば、約20~100W)のRF出力を高効率で生成し、そして1つ以上の超音波トランスデューサに送達するように構成することができる。特に、RFモジュールは、III-V族(例えば、窒化ガリウム(GaN)、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、および/またはAlGaN)電界効果トランジスタ(FET)を含み、高効率(例えば、75%、50%~90%、95%、99%、またはそれらのうちの任意の値)で周波数1.0MHz~12.0MHzの1つ以上の狭帯域RF信号を生成する電力増幅器を含むことができる。さらに、RFモジュールは、III-V族(例えば、GaN他)FETによって生成される1つ以上のRF信号の振幅および位相を監視するように構成されている電力測定システムを含むことができる。さらに、システムおよび方法は、III-V族(例えば、GaN他)FETを含む電力増幅器を含む駆動システムとペアにされたときに、1つ以上の超音波トランスデューサによって送達されるであろう電力量を評価する。いくつかの実施形態では、GaNトランジスタについて記載されているが、他の想定された実施形態では、GaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、および/またはAlGaNトランジスタのいずれかが使用されてもよい。
【0010】
様々な実施形態では、超音波処置システムは、超音波治療を組織に適用するように適合された超音波治療トランスデューサを含む超音波プローブと、電力を超音波治療トランスデューサに提供するように構成された電力システムであって、電力増幅器デバイスおよび回路を含む、電力システムと、を含み、その電力増幅器デバイスは、少なくとも1つの半導体トランジスタを含み、その半導体トランジスタは、電界効果トランジスタであり、その電界効果トランジスタは、200kHz~20MHzの範囲の無線周波数(RF)で少なくとも75%の効率で動作するように構成される。一実施形態では、半導体トランジスタは、III-V族化合物を含む。一実施形態では、半導体トランジスタは、窒化ガリウム(GaN)を含む。
【0011】
一実施形態では、電力増幅器デバイスは、少なくとも半導体を含むスイッチモード増幅器設計と、超音波治療トランスデューサを駆動するように、半導体を駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。一実施形態では、電力増幅器デバイスは、少なくとも1つの半導体を含むスイッチモード増幅器設計であって、一実施形態では、各半導体は、複数のゲートを含む(別の実施形態では、各窒化ガリウム電界効果トランジスタは、複数のゲートを含まない)、スイッチモード増幅器設計と、超音波治療トランスデューサを駆動するように、半導体を駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。一実施形態では、電力増幅器デバイスは、少なくとも1つの窒化ガリウム電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計であって、一実施形態では、各窒化ガリウム電界効果トランジスタは、複数のゲートを含む(別の実施形態では、各窒化ガリウム電界効果トランジスタは、複数のゲートを含まない)、スイッチモード増幅器設計と、一実施形態では、圧電式超音波治療トランスデューサである超音波治療トランスデューサを駆動するように、窒化ガリウム電界効果トランジスタの複数のゲートを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。一実施形態では、電界効果トランジスタを駆動する信号は、正弦波直接デジタル合成回路の出力をDC電圧と比較することによって生成される。一実施形態では、システムは、直接デジタル合成回路の出力正弦波をDC電圧と比較することによって生成され、トランスデューサを駆動する実効振幅の変調のために構成される、電界効果トランジスタを駆動する信号を含む。一実施形態では、出力電力は、5W~50W、または30W~100Wの範囲にある。一実施形態では、回路は、Hブリッジ構成において構成された4つのトランジスタを含む。一実施形態では、回路は、Hブリッジ構成において構成された4つの窒化ガリウムトランジスタを含む。一実施形態では、回路は、ハーフブリッジ構成において構成された2つのトランジスタを含む。一実施形態では、回路は、ハーフブリッジ構成において構成された2つの窒化ガリウムトランジスタを含む。一実施形態では、ゲート駆動信号は、出力信号の高調波含有率および電力を制御するために使用される可変デューティサイクルを有する。一実施形態では、電力増幅器コンバータは、75%を超える効率で、電力を無線周波数出力信号出力に供給する。一実施形態では、電力増幅器への供給電圧は、固定された高電圧入力を低供給電圧に低減するスイッチモードDC-DCコンバータを使用して変調される。一実施形態では、システムは、2つ以上の電力増幅器を含み、単一の電力増幅器は、高強度焦点式超音波トランスデューサの単一の圧電式変換素子で駆動するように構成される。一実施形態では、高強度焦点式超音波トランスデューサは、別個の電力増幅器によって駆動するように構成される。一実施形態では、高強度焦点式超音波トランスデューサは、複数の圧電式変換素子を含み、その複数の圧電式変換素子の各々は、別個の電力増幅器によって駆動するように構成される。一実施形態では、電力増幅器は、2つ以上の異なる振幅で出力を駆動するように構成される。一実施形態では、電力増幅器は、2つ以上の異なる位相で出力を駆動するように構成される。一実施形態では、増幅器は、2つ以上の異なる周波数で出力を駆動するように構成される。一実施形態では、位相および周波数は、直接デジタル合成器によって制御される。一実施形態では、システムは、20オーム~120オームのインピーダンス、および+45度~45度の位相角の範囲でトランスデューサを駆動するように構成される。
【0012】
一実施形態では、電力増幅器デバイスは、少なくとも1つの電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、電界効果トランスデューサの複数のゲートを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含み、その回路は、Hブリッジ構成において構成された4つのトランジスタを含む。
【0013】
一実施形態では、電力増幅器デバイスは、少なくとも1つの電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、電界効果トランスデューサの複数のゲートを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含み、電界効果トランジスタを駆動する信号は、正弦波直接デジタル合成回路の出力をDC電圧と比較することによって生成され、出力電力は、30W~100Wの範囲であり、回路は、Hブリッジ構成において構成された4つのトランジスタを含む。
【0014】
一実施形態では、半導体は、窒化ガリウムであり、電力増幅器デバイスは、少なくとも1つの窒化ガリウム電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計であって、各窒化ガリウム電界効果トランジスタは、複数のゲートを含む、スイッチモード増幅器設計と、圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、窒化ガリウム電界効果トランスデューサの複数のゲートを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含み、電界効果トランジスタを駆動する信号は、正弦波直接デジタル合成回路の出力をDC電圧と比較することによって生成され、出力電力は、30W~100Wの範囲にあり、回路は、Hブリッジ構成において構成された4つの窒化ガリウムトランジスタを含み、ゲート駆動信号は、出力信号の高調波含有率および出力を制御するために使用される可変デューティサイクルを有し、電力増幅器コンバータは、75%を超える効率で電力を無線周波数出力信号出力に供給し、電力増幅器への供給電圧は、固定された高電圧入力を低供給電圧に低減するスイッチモードDC-DCコンバータを使用して変調され、2つ以上の電力増幅器を含むとともに、単一の電力増幅器は、高強度焦点式超音波トランスデューサの単一の圧電式変換素子で駆動するように構成され、電力増幅器は、2つ以上の異なる振幅で出力を駆動するように構成され、電力増幅器は、2つ以上の異なる位相で出力を駆動するように構成され、位相および周波数は、直接デジタル合成器によって制御され、システムは、20オーム~120オームの範囲のインピーダンス、および+45度~-45度の位相角でトランスデューサを駆動するように構成される。
【0015】
様々な実施形態では、高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイスは、少なくとも1つの電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、少なくとも1つの電界効果トランジスタを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。様々な実施形態では、高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイスは、少なくとも1つの窒化ガリウム電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、少なくとも1つの窒化ガリウム電界効果トランジスタを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。
【0016】
様々な実施形態では、高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイスは、少なくとも1つの窒化ガリウム電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計であって、各窒化ガリウム電界効果トランジスタは、複数のゲートを含む、スイッチモード増幅器設計と、圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、窒化ガリウム電界効果トランスデューサの複数のゲートを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。一実施形態では、高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイスは、複数の窒化ガリウム電界効果トランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、複数の窒化ガリウム電界効果トランスデューサを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。
【0017】
様々な実施形態では、電力増幅器デバイスは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み、すなわち、電力増幅器は、2つ以上の異なる振幅で出力を駆動するように構成され、電力増幅器は、2つ以上の異なる位相で出力を駆動するように構成される。一実施形態では、電力増幅器は、2つ以上の異なる周波数で出力を駆動するように構成される。
【0018】
様々な実施形態では、超音波トランスデューサによって所望の量の焦点式音響出力を送達するように、超音波システムの電力を制御するための方法は、制御システムマイクロプロセッサおよび制御システム参照テーブル(LUT)を含む回路、を含む電力制御システムを提供することと、トランスデューサコントローラ、トランスデューサマイクロプロセッサ、およびトランスデューサLUTを含む超音波トランスデューサを提供することと、トランスデューサマイクロプロセッサを使って、トランスデューサLUTから、超音波トランスデューサによって組織に送達される所望の量の音響出力と等価である、負荷に送達される電力の量を判定することと、制御システムマイクロプロセッサを使って、制御システムLUTから、負荷の送達された電力の等価量を送達するであろう、電力システムの電力増幅器から出力される電気信号の振幅を判定することと、電気信号出力の判定された振幅を、電力システム出力の少なくとも1つのパラメータに設定することと、を含む。様々な実施形態では、負荷は、10~100オーム、または20~120オームの範囲(例えば、10~40、40~80、80~120、およびそれらの中の重複する範囲)にあり、それらは、トランスデューサの位相調整/集束中に起こり得るトランスデューサインピーダンスの広域化を可能にする。一実施形態では、その負荷は、50オームである。
【0019】
様々な実施形態では、超音波処置システムは、組織内の焦点ゾーン内のハウジングからの深度に音響超音波波動を集束させるように適合された圧電駆動式超音波治療トランスデューサを収容するハウジングを含む超音波プローブと、超音波治療トランスデューサに電力を供給するように構成された電力システムであって、その電力システムは、電力増幅器を含む、電力システムと、電力増幅器からの出力信号からの電気出力を監視するように構成された電力測定システムと、を含んでおり、その電力測定システムは、電力増幅器からの電流出力を監視するように構成された抵抗性電流検知回路と、電力増幅器からの電圧出力を監視するように構成された抵抗性電圧検知回路と、を含み、電力測定システムは、超音波治療トランスデューサのための少なくとも2オクターブにわたる周波数範囲で、電力増幅器からの電気出力電力を監視するように構成される。
【0020】
様々な実施形態では、高強度焦点式超音波システム内の駆動回路の無線周波数(RF)電流および電圧を測定するためのシステムは、負荷と直列の電流検知抵抗器と、負荷と並列のシャント電圧検知抵抗器ネットワークと、電力増幅器を駆動する信号に位相および周波数で同期され、出力信号を超音波駆動周波数よりも低いキャリア周波数に復調させるように構成された局部発振器クロックを有する電力出力電圧および電流監視回路(IQ復調回路)と、を含む。
【0021】
一実施形態では、測定システムは、局部発振器と電力増幅器との間の異なる相対位相シフトで複数の測定値を取得するように構成される。一実施形態では、局部発振器クロックは、独立して制御される直接デジタル合成器から生成される。一実施形態では、測定システムは、局部発振器周波数において、複数の測定値を取得するように構成される。一実施形態では、位相測定値の数は、6つである。一実施形態では、システムは、測定システムを使用してゲート駆動信号を修正し、出力信号に所望の高調波含有率を達成する。
【0022】
様々な実施形態では、いくつかの測定値を判定するための方法は、システムノイズフロアを超過する、通過帯域内の最低周波数のいくつかの高調波を評価することによって高調波を適切に測定する。一実施形態では、方法は、複数の測定値の線形結合を形成することによって、電圧および電流波形の複素高調波成分を計算する。
【0023】
様々な実施形態では、高強度超音波トランスデューサを較正するための方法は、ドライバによって送達される電力に対応するドライバ構成のトランスデューサによって送達される音響出力電力を、較正情報がトランスデューサを使って格納されるドライバ構成の1つ以上の基準負荷に照らして較正することと、電気ドライバ構成を、較正情報がドライバを使って格納される1つ以上の基準負荷に送達される電力に対して較正することと、所望の音響出力設定のための、1つ以上の基準負荷への電力レベルを判定するようにトランスデューサ較正情報を使用し、かつ基準負荷への所望の音響出力電力レベルのためのドライバ構成を判定するようにドライバ較正情報を使用する、所望の音響出力電力を達成するための、ドライバ構成のプロセッサを使って計算することと、を含む。
【0024】
一実施形態では、トランスデューサ較正情報はまた、各音響出力レベルでトランスデューサに送達される電力も含み、格納された電力情報は、複素電力成分または実数電力成分を含む。一実施形態では、ドライバから送達された電力の動的な測定は、組織の超音波照射中に行われ、所望の音響出力レベルについてトランスデューサ較正で蓄積された電力に対して検証される。
【0025】
様々な実施形態では、方法は、ドライバにおける電圧定在波比を測定しながら周波数を掃引し、電圧定在波比を最小にする該周波数を動作周波数として選択することによって、高強度焦点式超音波トランスデューサをチューニングする。
【0026】
一実施形態では、音響出力電力は、力平衡を使用して測定を実行することによって生成される。一実施形態では、トランスデューサ較正は、トランスデューサ内の不揮発性メモリチップに参照テーブルとして格納される。一実施形態では、ドライバにおいて測定された電圧または電流のうちの少なくとも1つは、治療駆動回路出力とトランスデューサとの間の2端子対ネットワークで表される伝達行列を使用して調整される。一実施形態では、較正情報は、参照テーブル(LUT)に格納される。一実施形態では、目標電圧は、較正情報と、1つ以上の参照テーブル内の値を補間することによって診療所で設定される所望の音響出力と、から計算される。一実施形態では、各音響出力レベルにおける電力閾値のトランスデューサ較正情報内の記憶装置は、音響出力電力の許容可能範囲を達成するように、電気駆動電力の許容可能範囲を画定する。
【0027】
様々な実施形態では、システムは、動的に測定された電力が、ドライバによって送達された電力を動的に測定し、かつトランスデューサ内に格納された閾値に対して該電力を比較することを含む指定された範囲内にあることを確認する。一実施形態では、トランスデューサとドライバとの間で交換することができるハンドピースおよびケーブルアセンブリの伝達行列は、ハンドピースおよびケーブルアセンブリ内の不揮発性メモリチップ上に格納される。
【0028】
様々な実施形態では、方法は、ドライバから送達された電力を測定することと、測定された電力を、較正情報から判定された所望の電力と比較することと、所望の電力と測定された電力との間の誤差を低減するように、ドライバ構成を調整することと、によって、電力を動的に調整する。
【0029】
様々な実施形態では、方法は、負荷の電気インピーダンスを測定し、他のシステムコンポーネントの既知のインピーダンスに基づいてトランスデューサインピーダンスを計算することと、実数トランスデューサインピーダンスの両端における同じ量の損失電力を維持するように、ドライバからの必要とされる電力を計算することと、所望の電力と、測定された電力との間の誤差を低減するように必要とされる電力を満たすドライバ構成を調整することと、によって、電力を動的に調整する。一実施形態では、電力は、治療が実施されるときはいつでも、動的に調整される。
【0030】
一実施形態では、トランスデューサ較正情報はまた、各音響出力レベルにおいてトランスデューサに送達される電力も含み、格納された電力情報は、複素電力成分または実数電力成分を含み、ドライバから送達される電力の動的な測定は、組織の超音波照射中に行われ、所望の音響出力レベルのトランスデューサ較正で格納された電力に対して検証される。
【0031】
一実施形態では、トランスデューサ較正情報はまた、各音響出力レベルにおいてトランスデューサに送達される電力も含み、格納された電力情報は、複素電力成分または実数電力成分を含み、ドライバから送達される電力の動的な測定は、組織の超音波照射中に行われ、所望の音響出力レベルのトランスデューサ較正で格納された電力に対して検証され、音響出力電力は、力平衡を使用して測定を実行することによって生成され、トランスデューサ較正は、トランスデューサ内部の不揮発性メモリチップに参照テーブルとして格納され、ドライバにおいて測定された電圧または電流のうちの少なくとも1つは、治療駆動回路出力とトランスデューサとの間の2端子対ネットワークで表される伝達行列を使用して調整され、較正情報は、参照テーブル(LUT)に格納され、目標電圧は、較正情報と、1つ以上の参照テーブル内の値を補間することによって診療所で設定される所望の音響出力と、から計算される。
【0032】
様々な実施形態では、後方反射エネルギーの量を測定することによって、皮膚表面を介した高強度焦点式超音波トランスデューサの音響結合の品質を検出するための方法は、治療トランスデューサセンサを使用して後方反射エネルギーの量を測定することと、圧電式治療変換ボウルと結合面との間の距離を判定することと、反射が結合面から生じる前に、第1の出力測定値を測定することと、反射が該結合面から生じた後に第2の出力測定値を測定することと、後方反射出力の量を判定するための差分計算を計算することと、を含む。
【0033】
一実施形態では、後方反射エネルギーの量は、治療に使用されない二次トランスデューサによって測定される。一実施形態では、出力の変化(順方向マイナス逆方向)を計算すると、治療は、十分な時間が経過して二次トランスデューサかまたは治療トランスデューサのどちらかにより検出される結合面からの反射が解消するまで、一時的に停止する。一実施形態では、治療ドライバは、反射エネルギーが閾値未満に弱まると、治療トランスデューサを再係合および励起する。一実施形態では、高強度超音波トランスデューサは、複数素子アレイトランスデューサを含み、較正情報は、アレイ内の各素子について格納される。
【0034】
一実施形態では、ドライバは、システムコンソール内に収容され、トランスデューサは、システムコンソール間で交換可能である。一実施形態では、トランスデューサは、ハンドピース間で交換可能であり、ハンドピースは、コンソール間で交換可能である。
【0035】
様々な実施形態では、高強度焦点式超音波トランスデューサを較正するための方法は、周波数に依存するソース電圧およびソースインピーダンスを有するテブナン等価ソースとしてドライバをモデル化し、ドライバを用いてソース電圧およびソースインピーダンスを含む較正情報を格納することと、トランスデューサインピーダンスを測定し、トランスデューサインピーダンスをトランスデューサ上の較正情報に格納することと、ドライバ較正に格納されたソース電圧およびソースインピーダンスを、トランスデューサ較正に格納された負荷インピーダンスに使用するドライバによってトランスデューサに送達されるであろう電力を計算し、組み合わされたシステムを電圧分割器ネットワークとして取り扱うことと、を含む。
【0036】
様々な実施形態では、トランスデューサインピーダンスを測定するための方法は、1つ以上の既知の基準インピーダンスを使用してドライバを較正することと、1つ以上の周波数、および1つ以上の振幅でトランスデューサインピーダンスを測定することと、固定静電容量、結合係数、および放射抵抗などのトランスデューサパラメータを計算するように、測定されたトランスデューサを共振回路に適合させることと、トランスデューサ寿命、動作の合否、ならびに必要とされる振幅および位相を判定するように、特性評価を使用することと、を含む。
【0037】
一実施形態では、トランスデューサと、所定の処置領域との間に、固定された距離がある。一実施形態では、治療ビームは、差分法を使用して処置領域からの後方散乱の量を判定するために、一時的に未処置領域に移動される。
【0038】
様々な実施形態では、超音波処置システムは、超音波治療を組織に適用するように適合された超音波治療トランスデューサを含む超音波プローブと、超音波治療トランスデューサに電力を供給するように構成された電力システムであって、その電力システムは、電力増幅器デバイスおよび回路を含む、電力システムと、を含み、電力増幅器デバイスは、200kHz~20MHzの範囲の無線周波数(RF)において少なくとも75%の効率で動作するように構成された少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタを含む。
【0039】
一実施形態では、少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタは、GaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、およびAlGaNからなる群から選択される。一実施形態では、少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタは、窒化ガリウムである。一実施形態では、少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタは、GaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、およびAlGaNのうちの1つではない。一実施形態では、電力増幅器デバイスは、複数のIII-V族半導体パワートランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、複数のIII-V族半導体パワートランジスタを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。一実施形態では、パワートランジスタを駆動する信号は、正弦波直接デジタル合成回路の出力をDC電圧と比較することによって生成される。一実施形態では、出力電力は、30W~100Wの範囲にある。一実施形態では、出力電力は、5W~50Wの範囲にある。一実施形態では、回路は、Hブリッジ構成において構成された4つのパワートランジスタを含む。一実施形態では、ゲート駆動信号は、出力信号の高調波含有率および電力を制御するために使用される可変デューティサイクルを有する。一実施形態では、電力増幅器コンバータは、75%を超える効率で、電力を無線周波数出力信号出力に供給する。一実施形態では、電力増幅器への供給電圧は、固定された高電圧入力を低供給電圧に低減するスイッチモードDC-DCコンバータを使用して変調される。一実施形態では、システムは、2つ以上の電力増幅器を含み、単一の電力増幅器は、高強度焦点式超音波トランスデューサの単一の圧電式変換素子を駆動するように構成される。一実施形態では、電力増幅器は、2つ以上の異なる振幅で出力を駆動するように構成される。一実施形態では、電力増幅器は、2つ以上の異なる位相で出力を駆動するように構成される。一実施形態では、位相および周波数は、直接デジタル合成器によって制御される。一実施形態では、システムは、20オーム~120オームのインピーダンス、および+45度~-45度の位相角の範囲でトランスデューサを駆動するように構成される。
【0040】
様々な実施形態では、高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイスは、少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、少なくとも1つのIII-V族半導体パワートランジスタを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。
【0041】
様々な実施形態では、高強度超音波トランスデューサを駆動するための複数の電力増幅器を含むデバイスは、複数のIII-V族半導体パワートランジスタを含むスイッチモード増幅器設計と、圧電式超音波トランスデューサを駆動するように、複数のIII-V族半導体パワートランジスタを駆動するためのデジタル波形を生成するように構成された回路と、を含む。
【0042】
一実施形態では、III-V族半導体パワートランジスタは、窒化ガリウム電界効果トランジスタである。一実施形態では、電力増幅器は、2つ以上の異なる振幅で出力を駆動するように構成され、かつ/または電力増幅器は、2つ以上の異なる位相で出力を駆動するように構成される。
【0043】
様々な実施形態では、超音波トランスデューサによって所望の量の焦点式音響出力を送達するための、超音波システムの電力を制御する方法は、制御システムマイクロプロセッサを含む回路と、制御システム参照テーブル(LUT)と、を含む電力制御システムを提供することと、トランスデューサコントローラ、トランスデューサマイクロプロセッサ、およびトランスデューサLUTを含む超音波トランスデューサを提供することと、トランスデューサマイクロプロセッサを用いて、トランスデューサLUTから、超音波トランスデューサによって組織に送達された音響出力の所望の量と等価である、負荷に送達される電力の量を判定することと、制御システムマイクロプロセッサを用いて、制御システムLUTから、負荷の送達される電力の等価量を送達するであろう、電力システムの電力増幅器から出力される電気信号の振幅を判定することと、電気信号出力の判定された振幅を、電力システム出力の少なくとも1つのパラメータに設定することと、を含み、その負荷は、20~120オームの範囲にある。一実施形態では、その負荷は、50オームである。
【0044】
様々な実施形態では、超音波処置システムは、組織内の焦点ゾーン内の、ハウジングからの深度に音響超音波波動を集束させるように適合された圧電駆動式超音波治療トランスデューサを収容するハウジングを含む超音波プローブと、超音波治療トランスデューサに電力を供給するように構成された電力システムであって、その電力システムは、電力増幅器を含む、電力システムと、電力増幅器からの出力信号からの電気出力電力を監視するように構成された電力測定システムと、を含み、電力測定システムは、電力増幅器からの電流出力を監視するように構成された抵抗性電流検知回路と、電力増幅器からの電圧出力を監視するように構成された抵抗性電圧検知回路と、を含み、電力測定システムは、超音波治療トランスデューサのために少なくとも2オクターブにわたる周波数範囲において、電力増幅器からの電気出力電力を監視するように構成される。
【0045】
様々な実施形態では、高強度焦点式超音波システムの駆動回路の無線周波数(RF)電流および電圧を測定するためのシステムは、負荷と直列の電流検知抵抗器と、負荷と並列のシャント電圧検知抵抗ネットワークと、電力増幅器を駆動する信号の位相および周波数に同期され、出力信号を超音波駆動周波数よりも低いキャリア周波数に復調させるように構成された局部発振器クロックを有する電力出力電圧および電流監視回路(IQ復調回路)と、を含む。
【0046】
一実施形態では、測定システムは、局部発振器と電力増幅器との間の異なる相対位相シフトで複数の測定値を取得するように構成される。一実施形態では、局部発振器クロックは、独立して制御される直接デジタル合成器から生成される。一実施形態では、位相測定値の数は、6つである。一実施形態では、測定システムは、出力信号において所望の高調波含有率を達成するように、ゲート駆動信号を修正するように構成される。一実施形態では、測定値の数を判定するための方法は、システムノイズフロアを超過する、通過帯域内の最低周波数のいくつかの高調波を評価することによって高調波を適切に測定するように構成される。
【0047】
様々な実施形態では、超音波処置システムは、本明細書に記載された特徴のうちの1つ以上を有する。様々な実施形態では、高強度超音波トランスデューサを駆動するための電力増幅器デバイスは、本明細書に記載された特徴のうちの1つ以上を有する。様々な実施形態では、超音波システムの電力を制御する方法は、本明細書に記載された特徴のうちの1つ以上を有する。様々な実施形態では、高強度焦点式超音波システムにおける駆動回路の無線周波数(RF)電流および電圧を測定するためのシステムは、本明細書に記載された特徴のうちの1つ以上を有する。様々な実施形態では、高強度超音波トランスデューサを較正するための方法は、本明細書に記載された特徴のうちの1つ以上を有する。様々な実施形態では、皮膚表面を介した高強度焦点式超音波トランスデューサの音響結合の品質を検出するための方法は、本明細書に記載された特徴のうちの1つ以上を有する。
【0048】
さらに、適用可能性のある領域は、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。説明および特定の実施例は、例示のみを目的としており、本明細書に開示された実施形態の範囲を限定するものではないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、システムは、(複数の特徴とは対照的に)単一の特徴として存在する様々な特徴を含む。例えば、複数の特徴またはコンポーネントは、代替の実施形態で提供される。様々な実施形態では、システムは、本明細書で開示される任意の特徴またはコンポーネントの1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の実施形態を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、特徴またはコンポーネントは含まれず、特定の請求項から否定的に放棄することができ、システムはそのような特徴またはコンポーネントを有しない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本明細書に記載されている図面は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを決して意図されるものではない。本発明の実施形態は、詳細な説明および添付図面からより完全に理解されるであろう。
【0050】
図1A】本発明の様々な実施形態による超音波システムの概略図である。
図1B】本発明の様々な実施形態による超音波システムの概略図である。
図1C】本発明の様々な実施形態による超音波システムの概略図である。
図2】本発明の様々な実施形態による、関心領域に結合された超音波システムの概略図である。
図3-1】所望のRF電力で、かつ所望の周波数範囲にわたって、RF信号を生成して超音波トランスデューサを駆動するように構成された駆動サブシステムを含む無線周波数(RF)治療(TH)モジュールの実施形態のブロック図を示す。
図3-2】同上。
図4】平衡Hブリッジ出力を接地基準ソースに変換し、低インピーダンスGaN FETから、1つ以上の超音波トランスデューサによって提示されるインピーダンスへのインピーダンスマッチング段として機能するように構成された伝送線路変成器の実施形態を図示する。一実施形態では、伝送線路変成器は、GaN FETによって、1つ以上の超音波トランスデューサにより提示されるインピーダンスに駆動されたときに、超音波トランスデューサから見えるソースインピーダンスを増加させるように構成される。
図5A図5Aは、Hブリッジ設計トポロジーの一実施形態を例示する。図5Bおよび5Cは、2つの異なる構成におけるHブリッジの動作を例示する。
図5B】同上。
図5C】同上。
図6】本発明の様々な実施形態による、波形の正の部分および波形の負の部分のデューティサイクルが0.3に設定された場合の、Hブリッジによって生成される駆動信号を示す。
図7】本発明の様々な実施形態による、波形の正の部分および波形の負の部分の異なるデューティサイクルに対する、より高い奇数次高調波の振幅の変化を示す。
図8A】本発明の様々な実施形態による、それぞれ、2.0MHz、4.0MHz、7.0MHz、および12.0MHzでのHブリッジ設計を採用した電力増幅器の実施態様からの信号出力を示す。
図8B】同上。
図8C】同上。
図8D】同上。
図9】本発明の様々な実施形態による、互いに180度位相がずれた2つの駆動波形を生成するために使用される比較器回路の簡略図を示す。
図10図9の回路によって生成された2つの駆動波形を図式的に例示する。
図11A】本発明の様々な実施形態による、1:9グアネラ伝送線路変成器の平衡側を駆動する4つのGaN FETによって形成されるHブリッジを含むスイッチモード電力増幅器の簡略化された回路図を例示する。
図11B】本発明の様々な実施形態による、スイッチモード電力増幅器の様々な実施態様に含まれる保護回路の実施態様を図示する。
図11C-1】本発明の様々な実施形態による電圧制御型バックコンバータの実施態様を例示する。
図11C-2】同上。
図12】本発明の様々な実施形態による広帯域小信号RF変成器を含む差動測定方式を例示する。
図13】本発明の様々な実施形態による、電力増幅器の実施態様から出力されたRF信号を測定するように構成された電力測定回路の実施態様を示す。
図14】本発明の様々な実施形態によるIQ復調器のブロック図を示す。
図15】IQ復調器の実施形態によって生成される2つの内部クロックを示す。
図16】本発明の様々な実施形態による、RF信号に最大値1および最小値-1を有する矩形波を乗算する回路動作を例示する。
図17】本発明の様々な実施形態による正弦波信号のIおよびQ復調を示す。
図18A図18Aは、約12.0MHzの動作周波数で動作する、電力増幅器の実施態様から50オーム負荷への出力のスコープトレースを示す。図18Bは、本発明の様々な実施形態による、約1.75MHzの動作周波数で動作する、電力増幅器の実施態様から50オーム負荷への出力のスコープトレースを示す。様々な実施形態において、オンボード較正により、システムが、工場較正を必要とせずに、デバイスの動作条件(温度)または経年変化に基づいて、駆動回路を変更することが可能になる。
図18B】同上。
図19A】通過帯域の低周波数端部(基本周波数を1として規格化された)におけるRF信号の高速フーリエ変換(FFT)の大きさと、本発明の様々な実施形態による矩形波の高速フーリエ変換(FFT)の大きさと、を示す。
図19B】同上。
図20】本発明の様々な実施形態による、位相シフトされたクロックを使用する高調波キャンセル方式を示す。
図21】本発明の様々な実施形態による復調器の実施態様からの出力信号を示す。
図22A】本発明の様々な実施形態による、電力増幅器から出力された3つの異なる周波数でRF信号を再構築する例を示す。
図22B】同上。
図22C】同上。
図23A図23Aは、超音波トランスデューサに送達される電力増幅器の実施態様からRF信号伝播を引き起こす様々なメカニズム(例えば、RF信号出力の電力を低減させ得るRF信号損失、位相変化等)を概略的に例示する。図23Bは、本発明の様々な実施形態による、RF信号伝播の様々なメカニズム(例えば、損失、位相変化等)を考慮に入れた等価2端子対ネットワークを示す。
図23B】同上。
図24】本発明の様々な実施形態による、RF信号伝播の様々なメカニズム(例えば、損失、位相変化等)を考慮に入れた等価2端子対ネットワークを含む電力測定システムの実施態様を示す。一実施形態では、2端子対ネットワークは、必ずしも「損失」である必要はなく、例えば、一部のコンポーネントは、単に位相変化を導入する場合もあり得る。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下の説明は、実施形態の例を述べており、本発明もしくはその教示、適用分野、またはそれらの用途を限定することを意図するものではない。図面を通して、対応する参照符号は、同様のまたは対応する部分および特徴を示すことが理解されるべきである。本発明の様々な実施形態で示される特定の例の説明は、説明のみを意図しており、本明細書に開示される本発明の範囲を限定するものではない。さらに、記載された特徴を有する複数の実施形態の列挙は、追加の特徴を有する他の実施形態または記載された特徴の異なる組み合わせを組み込んだ他の実施形態を排除することを意図しない。さらに、(ある図のような)一実施形態の特徴は、他の実施形態の説明(および図)と組み合わせることができる。
【0052】
新規性および/または進歩性のあるシステムおよび方法のためのいくつかの実施形態が、本明細書に記載されており、それらのシステムおよび方法は、1つ以上の焦点式エネルギーベースシステムに電力、電圧、電流、および無線周波数(RF)信号を向かわせるための高効率制御を提供する。様々な実施形態では、制御システムは、1つ以上のプリント回路基板アセンブリ上に統合される電子デバイス、サブシステム、および/またはアセンブリを含む。システムアーキテクチャ、回路、モデル化、設計、実装、および検証は、高効率の電力、電圧、および電流を提供して超音波処置システムを対象とするための改善に向けられる。様々な実施形態では、エネルギーベースのシステムは、効率的に、効果的に動作し、かつ互いに通信して所望の処置結果を提供するように較正される、互換性のあるコンポーネント(例えば、コンソール、ハンドピース、トランスデューサプローブモジュール等)を含む。超音波トランスデューサからの特定の距離における超音波の効率的で、効果的な集束性能は、最適な性能を妨げる可能性がある偏差、誤差、および高調波を低減することによって改善される。いくつかの実施形態では、皮膚科学分野(例えば、美容整形および非美容整形の分野を含む)が提供される。他の実施形態では、非皮膚科学分野(例えば、整形外科、神経学、心臓等)が提供される。
【0053】
超音波処置システムの概要
図1A、1B、および1Cの説明図を参照すると、超音波処置システム20の様々な実施形態が、ハンドワンド(例えば、ハンドピース)100、モジュール(例えば、トランスデューサモジュール、カートリッジ、プローブ)200、およびコントローラ(例えば、コンソール)300を含む。いくつかの実施形態では、カート301は、システム20の移動性および/または位置を提供し、車輪、書き物をする表面またはコンポーネントを置く表面、および/または例えばコンポーネントを格納または整理するためのコンパートメント302(例えば、引き出し、コンテナ、棚など)を含むことができる。様々な実施形態では、コントローラ300は、ハンドワンド100およびモジュール200、ならびに超音波システム20の全体的な機能を使って動作するように適合および/または構成することができる。様々な実施形態では、複数のコントローラ300、300’、300’’等は、複数のハンドワンド100、100’、100’’等および/または複数のモジュール200、200’、200’’等を使って動作するように適合および/または構成することができる。様々な実施形態では、コントローラ300は、システムプロセッサと、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、コンピュータボード、および関連するコンポーネントのうちの1つ以上などの様々なアナログおよび/またはデジタル制御ロジックと、を含むことができ、その関連するコンポーネントには、ファームウェアおよび制御ソフトウェアが含まれ、ユーザ制御およびインターフェース回路、ならびに通信、ディスプレイ、インターフェース、記憶装置、文書類、ならびに他の有用な機能のための入力/出力回路およびシステムを使ってインターフェース接続することが可能であり得る。システムプロセス上で動作するシステムソフトウェアは、ユーザ定義の治療目的を達成するための初期設定、タイミング、レベル設定、監視、安全監視、および他のすべての超音波システム機能を制御するように構成させることができ、および/または構成することができる。さらに、コントローラ300は、超音波システム20の動作を制御するように好適に構成することができ、および/または構成することができる、スイッチ、ボタンなどの様々な入力/出力モジュールを含むことができる。図2は、対象500(皮膚表面501、表皮層502、真皮層503、皮下脂肪層505、表層筋無力症システム507(以下、「SMAS507」と称する)、および筋肉層509)の関心領域10(図示せず)に結合された超音波システム20の概略図である。
【0054】
超音波コントローラの概要
本明細書で考察されるように、様々な実施形態では、コントローラ300は、例えば、ソフトウェアおよび入力/出力デバイスを有するマイクロプロセッサ、電子的および/もしくは機械的走査、ならびに/またはトランスデューサの多重化および/もしくはトランスデューサモジュールの多重化のためのシステムおよびデバイス、電力送達のためのシステム、監視のためのシステム、プローブおよび/もしくはトランスデューサの空間位置を検知し、かつ/もしくはトランスデューサモジュールを多重化するためのシステム、ならびに/またはとりわけ、ユーザ入力を処理して処置結果を記録するためのシステムを含むように適合および/または構成することができる。様々な実施形態では、コントローラ300は、無線周波数(RF)電力を供給して1つ以上の超音波トランスデューサを駆動するように構成することができる。様々な実施形態では、コントローラ300は、1つ以上の超音波トランスデューサを駆動することができる所望の範囲のRF電力で、かつ所望の範囲の周波数にわたって、RF電力を生成するように構成されている電子デバイスおよび/または電子サブシステムを含むRF治療(RFTH)モジュールを含むことができる。このRFTHモジュールは、1つ以上の超音波トランスデューサを駆動するRF信号を送達および監視するためのサブシステムを含むプリント回路基板(PCB)アセンブリを含むことができる。このPCBアセンブリは、1つもしくは複数のRF信号生成器、1つもしくは複数のRF電力増幅器、1つもしくは複数の発振器、1つもしくは複数の温度モニタ、1つもしくは複数の電力モニタ、1つもしくは複数の電源、1つもしくは複数のタイミング回路、および/もしくは所望の電力範囲で、かつ所望の周波数範囲にわたってRF信号を生成するように構成されている他の電子コンポーネント、RF信号電力を測定することができるシステム、ならびに/または1つ以上の超音波トランスデューサに送達されるであろうRF電力を予測することができる較正システムを含むことができる。
【0055】
図3は、所望のRF電力で、かつ所望の周波数範囲にわたってRF信号を生成して、超音波トランスデューサを駆動するように構成された駆動サブシステム3000を含むRFTHモジュールの実装実施形態のブロック図を例示する。一実施形態では、RFTHモジュールは、所望のRF電力で、かつ所望の周波数範囲にわたって8つのRF信号を生成して、8つの超音波トランスデューサを駆動するように構成されている8つの駆動サブシステムを含むことができる。他の実施形態では、RFTHモジュールの駆動サブシステムの数は、8未満(例えば、7、6、5、4、3、2、1)、または9以上(例えば、9、10、11、12、13、15、20、またはそれ以上)とすることができる。
【0056】
駆動サブシステム3000は、所望の周波数および位相で、かつ所望のRF電力量を有するRF出力信号を生成する電力増幅器(PA)3001を含む。駆動サブシステム3000は、電力を電力増幅器3001に供給するように構成された電力供給システム3011をさらに含むことができる。生成されたRF信号は、診断および較正のために、オンボード50Ω負荷3003か、またはハンドワンド100および/もしくはモジュール200の超音波トランスデューサに接続された出力コネクタ3005に向けることができる。駆動サブシステム3000は、電力増幅器から超音波トランスデューサへの電気出力電力を監視する電力測定システム3007をさらに含む。電力測定システム3007は、出力コネクタ3005の両端の複素電圧、およびそこを通る電流をサンプリングするように構成することができる。様々な実施形態では、IQ復調器が、電力出力電圧および電流監視回路である。電力測定システム3007は、同期クロックを使用してRF信号をベースバンドに復調するIQ復調器を含む。これは、出力コネクタ3005からのRF電力の位相のリアルタイムの高分解能監視に役立ち、かつ/または患者に送達される熱線量の評価に役立つことができる。
【0057】
複数の駆動サブシステム3000を含むRFTHモジュールのいくつかの実施形態は、制御可能な周波数および位相を有する位相ロック駆動信号を複数の駆動サブシステム3000に提供するように構成することができる。例えば、3つの4チャネル動的デジタル合成器(DDS)集積回路(IC)を含むクロック分配回路3010を使用して、制御可能な周波数および位相を有する位相ロック駆動信号を提供することができる。3つのDDSのうちの2つは、複数の駆動サブシステム3000の電力増幅器3001に駆動信号を提供することができ、一方で、第3のDDSは、同期復調のために電力測定システム3007内の復調器ICに基準クロック信号を提供する。
【0058】
RFTHモジュールの正確な動作は、患者の安全にとって重要であるため、RFTHモジュールは、RFTHモジュールの正確な動作を確実にするように構成された様々な健康監視システムを含むことができる。例えば、RFTHモジュールは、RFTHモジュールの様々な部分での温度を監視する1つ以上の温度モニタ3009を含むことができる。RFTHモジュールの一実施態様では、1つ以上の温度モニタは、RFTHモジュールの周りの32カ所の異なる場所で温度を監視するように構成することができる。様々な実施形態では、1つ以上の温度モニタ3009は、RFTHモジュールの様々な場所に配設された1つ以上のセンサから温度測定値を受信するように構成することができる。RFTHモジュールは、電力供給システム3011によって電力増幅器3001に提供される電圧および/または電流を監視するための1つ以上の電力供給モニタ3013を含むことができる。いくつかの実施形態では、RFTHモジュールは、電力増幅器3001に供給される最大電流供給を制御する制御型電流制限(ICTRL)デバイス3015を含むことができる。RFTHモジュールは、様々なリレー(例えば、リレー3018)が、切り替わるように命令されたときに、切り替わることを確実にするように構成されているリレーモニタ3017を含むことができる。モニタは、様々な低電圧源の電流および/または電圧を監視し、ならびに制御および放電回路を有効/無効にするように提供することができる。
【0059】
RFTHモジュールは、ボードモジュールコントローラ(BMC)3019を含むことができ、そのボードモジュールコントローラは、システムリアルタイムコントローラ(RTC)との通信インターフェースを提供し、電力測定システム3007、オンボード健康監視システム、および電力供給監視システムからデータを受信する。BMC3019は、それが健康監視システムから誤った読み取り値を検出したときはいつでも異常であることを生成するように構成することができる。これらの異常は、RTCに報告され、オンボードEEPROMデバイスに記録することができる。BMC3019は、JTAGヘッダ3021を介して、またはRTCへのJTAGインターフェースによって、プログラムされることができる。
【0060】
RFTHモジュールは、PCIeコネクタを通ってコントローラ300のバックプレーンに接続するように構成することができる。電力増幅器3001の制御は、このPCIeコネクタを介してRTCを通じて直接実行することができる。RTCは、各チャネルの振幅を制御し、DDSの制御を介して、周波数および位相を制御する。ボード上のICは、24VDCマスター電源で動作するバックコンバータDC-DC電源、および低ドロップアウトレギュレータによって電力供給される。様々な実施形態では、別個の39VDC電源が、電力増幅器に電力を供給するように含まれることができる。この別個の電源は、様々な実施形態において、別個に有効化/無効化とすることができる。RFTHモジュールの異なるコンポーネント、回路、および/またはサブシステムの様々な革新的な態様については、以下において詳細に説明される。
【0061】
電力増幅器
本出願で想定される電力増幅器の様々な実施形態は、1.0MHz~12.0MHzの周波数の範囲にわたって高効率で100WのRF電力まで提供することが可能であり得る。例えば、RFTHモジュール内に含まれる電力増幅器の様々な実施形態は、約1W~約10W、約5W~約15W、約10W~約20W、約25W~約35W、約30W~約40W、約35W~約45W、約40W~約50W、約45W~約55W、約50W~約60W、約55W~約65W、約60W~約70W、約65W~約75W、約70W~約80W、約75W~約85W、約80W~約90W、約85W~約95W、約90W~約100Wの範囲のRF電力、または周波数1.0MHz~12.0MHzの範囲にわたるこれらの値のいずれかによって定義される任意の範囲/サブ範囲での任意のRF出力電力を供給するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電力増幅器は、約100Wを超えるRF出力電力を供給するように構成することができる。
【0062】
RFTHモジュール内に含まれる電力増幅器3001の様々な実施形態は、広い周波数調整範囲にわたって動作するように構成することができる。例えば、電力増幅器の様々な実施形態は、少なくとも2オクターブに及ぶ周波数範囲にわたって100WまでのRF出力電力を供給するように構成することができる。例えば、電力増幅器は、周波数約1.0MHz~約5MHz、約2.5MHz(例えば、2.0MHz、2.2MHz、2.4MHz、2.6MHz、2.8MHz、3.0MHz)~約7.5MHz(例えば、7.0MHz、7.2MHz、7.4MHz、7.6MHz、7.8MHz、8.0MHz)、約3.0MHz(例えば、2.5MHz、2.7MHz、2.9MHz、3.1MHz、3.3MHz、3.5MHz)~約9.0MHz(例えば、8.0MHz、8.2MHz、8.4MHz、8.6MHz、8.8MHz、9.0MHz)、約3.5MHz~約10.5MHz、約4.0MHz~約8.0MHz、約5.0MHz~約10.0MHz、約4.0MHz~約12.0MHz、約6.0MHz~約12.0MHz、またはこれらの周波数値のいずれかによって定義される任意の周波数範囲/サブ範囲の広い範囲にわたって、約1W~約100Wの値によって定義される任意の範囲/サブ範囲のRF出力電力を供給するように構成することができる。様々な実施形態では、電力増幅器は、約1.0MHz~約12.0MHzの値によって定義される周波数範囲/サブ範囲の様々な周波数において少なくとも75%の効率で動作するように構成することができる。
【0063】
RFTHモジュール内に含まれる電力増幅器3001の様々な実施形態は、短絡回路状態および開放回路状態を防止することによって、信頼性のある動作を提供するように構成することができる。RFTHモジュール内に含まれる電力増幅器の様々な実施形態は、50Ω負荷を駆動するように最適化することができる。RFTHモジュール内に含まれる電力増幅器の様々な実施形態は、約20Ω~約200Ωの大きさ、および約-60度~約60度の位相を有するインピーダンスで負荷を駆動するように構成することができる。例えば、電力増幅器の様々な実施形態は、20Ω~120Ωの範囲のインピーダンス、および+45度~-45度の位相角でトランスデューサを駆動するように構成することができる。
【0064】
半導体材料(例えば、窒化ガリウム)電界効果トランジスタ
電力増幅器3001は、1.0MHz~12.0MHzの動作周波数の範囲で約75%を超える電力効率を達成することが望ましい。したがって、電力増幅器3001の様々な実施形態は、スイッチモード設計を有することができる。スイッチモード増幅器は、ゼロ電圧切り替えを有する共振デバイス(例えば、クラスE)か、またはゼロ電圧切り替えを有さないデバイス(例えば、クラスD)のいずれかに分類することができる。1.0MHz~12.0MHzの周波数範囲で動作するように構成され、本出願に記載されている電力増幅器3001の多くの実施形態は、非共振スイッチモード増幅器設計を採用する。スイッチモード増幅器の一実施態様は、切り替え回路および低域通過フィルタを含む。スイッチモード増幅器の出力は、矩形波である。低域通過フィルタを通過した後、矩形波は、低域通過フィルタのカットオフ周波数を超える高調波が除去されたときに、より正弦波状となる。シリコンを含むほとんどの従来の金属酸化物半導体(MOS)電界効果トランジスタ(FET)デバイスは、1.0MHz~12.0MHzの所望の動作周波数範囲で75%を超える電力効率を達成することができない場合がある。しかしながら、III-V族半導体材料(例えば、窒化ガリウム(GaN)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、燐化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)、砒化インジウムガリウム(InGaAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、砒化アルミニウムガリウム(AlGaAs)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)などの、III族元素(例えば、Al、Ga、In)をV族元素(例えば、N、P、As、Sb)と組み合わせることによって得られるIII-V族化合物半導体)などの高効率トランジスタを含む電子デバイス(例えば、トランジスタおよび/またはFET)は、シリコンMOSFETの出力静電容量よりも約一桁小さい、所与の動作電圧での出力静電容量および切り替え時間を有する。いくつかの実施形態では、GaNトランジスタについて記載されているが、他の想定された実施形態では、GaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、InGaAs、AlSb、AlGaAs、および/またはAlGaNトランジスタのいずれかが使用されてもよい。一実施形態では、1つの半導体のみが使用される。したがって、GaN FETは、約1.0MHz~12.0MHzの周波数範囲で約75%を超える電力効率を達成することができる。GaN FETは、シリコンウェーハ上に成長したGaNの薄層を含む。GaN FETには、いくつかの利点があり、それらの利点は、(i)ワイドバンドギャップ半導体であるGaNに起因し得る高絶縁耐力、(ii)ワイドバンドギャップ半導体であり、高電位障壁を有するGaNに起因し得る高動作温度、(iii)高電子移動度に起因し得る高電流密度、(iv)高電界飽和速度および高電子移動度に起因し得る高速切り替え、(v)高電子移動度に起因し得る、従来のシリコン(Si)デバイスと比較して小さいオン抵抗、および(vi)高電子移動度に起因し得る、従来のSiデバイスと比較して小さい出力静電容量、を含むが、これらに限定されない。例えば、GaNで作製されたFETは、シリコンFETと同じ電流処理能力に対して、約10倍小さい入力および出力静電容量を提示することができる。この特徴により、GaN FETがシリコンFETよりもはるかに高い周波数において効率的に動作することを可能にすることができる。したがって、GaN FETは、1.0MHz~12.0MHzの所望の動作周波数範囲にわたって、スイッチモードRF増幅器で約75%を超える電力効率を達成することを可能にすることができる。
【0065】
伝送線路変成器
GaN FETは、低出力インピーダンス(例えば、100mΩ未満)を有する場合がある。GaN FETを含むRFTHモジュールは、RFTHモジュールに対する20Ω~200Ωの大きさを有するインピーダンス(例えば、50Ωインピーダンス)を示す1つ以上の超音波トランスデューサを駆動するように構成されている。RFTHモジュールの様々な実施形態では、伝送線路変成器を使用して、1つ以上の超音波トランスデューサによって示されるインピーダンスに対して、GaN FETの入力インピーダンスをマッチングさせる。図4は、1つ以上の超音波トランスデューサによって示されるインピーダンスに対してGaN FETのインピーダンスをマッチングさせるために使用することができる伝送線路変成器の実施態様を図示する。図4に示す伝送線路変成器の実施態様は、4:1のインピーダンス比を有するグアネラ型伝送線路である。この伝送線路変成器は、低インピーダンス側(例えば、GaN FETデバイス4005に面する側)で並列に接続され、かつ高インピーダンス側(例えば、負荷4003に面する側)で直列に接続されている一組の共通モードチョーク4001a、4001b、4001c、および4001dを含む。この共通モードチョーク4001a~4001dは、フェライトコア上に巻かれたワイヤを含むことができる。出力電圧Vを有する電力増幅器3001から流れ出る正の電流2Iは、共通モードチョーク4001dを通る電流I、および共通モードチョーク4001bを通る電流Iに分岐する。共通モードチョークは、差動信号のみが通過することができるように構成されている。したがって、共通モードチョーク4001bの正の電流は、共通モードチョーク4001dの電流を戻す、共通モードチョーク4001aの負の電流を作り出す。電流2Iが、伝送線路変成器の左側に流れ出し、電流Iが、負荷4003を通って流れるため、エネルギーの保存によって、負荷4003の両端の電圧は、2Vでなければならない。これは、グアネラ伝送線路変成器の動作の基本原理である。
【0066】
図4に図示してあるグアネラ伝送線路変成器の実施態様は、2:1巻数比を提供し、結果として4:1のインピーダンス比になる。インピーダンス比が高いほど、左側に並列に、かつ右側に直列に、共通モードチョークをより多く追加することによって、達成することができる。さらに、共通モードチョークが異なるコア上にある必要はない。異なる巻線ペアからの共通モード磁界がキャンセルしないことを確実にするように巻線方向に適切な注意が払われている限り、巻線は、すべて同じコア上に巻くことができる。電力増幅器3001の様々な実施形態は、単一のアミドンFT-87A-43フェライトコア上に3つのペアの巻線を有するグアネラ伝送線路変成器を含む。この3つのペアの巻線は、寄生静電容量を有利に最小化または低減することができるバイファイラ巻を含むことができる。さらに、バイファイラ巻の各ペアは、大きな共通モードインピーダンスおよび小さい差動モードインピーダンスを示すことができる。そのようなグアネラ伝送線路変成器の実施形態は、各トランジスタにおいて、50Ω出力インピーダンスを5.6Ωインピーダンスに変換する9:1のインピーダンス比を提供することができる。GaN FETに面する側において公称50Ωである負荷インピーダンスを5.6Ωに変換することによって、グアネラ伝送線路変成器の実施形態は、GaN FETが50Ω負荷を直接駆動するよりも効率的に駆動することができる負荷を提供することができる。これは、電圧増加に伴って経験する出力静電容量の充電損失の二次増加に起因する場合がある。さらに、出力電圧を高めることによって、グアネラ伝送線路変成器の実施形態は、200Vppを超える大きな出力電圧が低電圧電源(例えば、公称39VDC)から生成されることを可能にすることができる。
【0067】
さらに、平衡の不平衡への変換を提供することによって、グアネラ伝送線路変成器は、平衡Hブリッジドライバを使用し、接地基準信号を用いて超音波トランスデューサを駆動することを可能にすることができる。平衡Hブリッジ設計により、駆動電圧の効果的な倍増がもたらされ、ブリッジの左右対称性に起因して、出力波形から偶数次高調波を除去する。平衡Hブリッジドライバ設計については、以下で詳細に考察される。
【0068】
Hブリッジドライバ
GaN FETを含む電力増幅器3001の様々な実施形態は、Hブリッジドライバによって駆動することができる。Hブリッジ設計トポロジーは、図5Aに例示されている。Hブリッジは、FET5001aおよび5001bの第1のペアと、FET5001cおよび5001dの第2のペアとの間の中間点に負荷5003を配置することによって動作する。ブリッジ上の対角線状にあるFET(例えば、5001aおよび5001d、または5001bおよび5001c)は、同じ状態に切り替わるように構成されている。図3Bに示すように、第1の切り替え構成では、FET5001aおよび5001dは、閉構成となるように構成され、これに対して、FET5001bおよび5001cは、開構成となるように構成されている。第1の切り替え構成では、電流は、左から右に、負荷5003を通って駆動される。図3Cに示すように、第2の切り替え構成では、FET5001bおよび5001cは、閉構成となるように構成され、これに対して、FET5001aおよび5001dは、開構成となるように構成されている。第2の切り替え構成では、電流は、右から左に、負荷5003を通って駆動される。Hブリッジ設計の左右対称性に起因して、信号の立ち下がり部分は、信号の立ち上がり部分と実質的に同じ形状を有することができるこの特性は、都合よく、信号中の偶数次高調波を抑制し、奇数次高調波のみを残すことができる。
【0069】
Hブリッジドライバ設計を最適化して、約1.0MHz~12.0MHzの周波数範囲で約75%を超える平均電力効率を達成する。例えば、GaN FETを含む電力増幅器3001の様々な実施形態によって達成される平均電力効率は、約1.0MHz~12.0MHzの周波数範囲で約80%超、約85%超、約90%超、約95%超、および/または約100%未満とすることができる。最適化されたHブリッジ設計は、約1.0MHz~12.0MHzの周波数範囲で約85%を超えるピーク電力効率を達成するように構成することができる。例えば、GaN FETを含む電力増幅器3001の様々な実施形態によって達成される平均電力効率は、約1.0MHz~12.0MHzの周波数範囲で約90%超、約95%超、および/または約100%未満とすることができる。
【0070】
本明細書に記載されている超音波処置システム20の機能要件は、瞬時に狭帯域であるが、少なくとも2オクターブに及ぶ(例えば、少なくとも3~4オクターブに及ぶ)広い範囲内の任意の周波数で動作することができる、出力信号を生成することである。例えば、本明細書に記載されている超音波処置システム20は、1.0MHz~12.0MHzの周波数範囲の値を有し、かつ出力信号の帯域幅(例えば、3dB帯域幅)を有する基本周波数fで出力信号を生成するように構成することができる。いかなる特定の理論に依存することなく、Hブリッジドライバからの出力は、基本周波数fでの信号成分、および高次高調波での成分を含むフィルタ処理された矩形波である。高次高調波は、電力増幅器3001から出力されたRF信号を歪ませる可能性があり、かつ/または出力RF信号のRF電力の測定精度に影響を及ぼす可能性もある。さらに、1つ以上の超音波トランスデューサが、高調波を含む信号で駆動された場合、音響放射もまた、高調波を含む可能性がある。組織内の超音波吸収の周波数依存性によって、このことは、結果として、意図された焦点の近位を加熱することになり、場合によっては、患者に危険をもたらす可能性がある。さらに、30MHzを超える周波数での高調波は、医療機器の基本的な安全および性能によって規定されている限界を超過して放射性放出を発生させるリスクをもたらす可能性がある。
【0071】
したがって、Hブリッジドライバから出力される信号における高次高調波の振幅を閾値未満に低減することが望ましい。Hブリッジドライバから出力される信号における高次高調波の振幅を低減するための1つのアプローチとしては、高次高調波を除去するための低域通過フィルタを提供することが含まれ得る。ただし、周波数fのより低い値(例えば、1.0MHz~約6.0MHz)の高次高調波をフィルタ除去処理する低域通過フィルタを提供すると、結果として、低域通過フィルタのカットオフ周波数よりも大きい基本周波数fを有する出力RF信号の振幅の低減をもたらし得る。したがって、1.0MHz~12.0MHzの全周波数範囲にわたって電力増幅器3001の効率的な動作を可能にするために、低域通過フィルタのカットオフ周波数は、例えば、16.0MHzなどの約12.0MHzよりも大きくなければならない。ただし、約12.0MHzを超えるカットオフ周波数を有する低域通過フィルタは、周波数fのより低い値(例えば、1.0MHz~約6.0MHz)の高次高調波の振幅を減衰させることはできない。したがって、電力増幅器3001が約1.0MHzと約6.0MHzとの間の値を有する基本周波数fで動作するように構成されている場合、複数の高次高調波が、通過帯域内に存在する場合がある。
【0072】
上で考察されるように、Hブリッジ設計は、反転した対称形である波形-波形の負の部分が、波形の正の部分と同様に見える-を使用してより高い偶数次高調波(例えば、2f、4f、6f、または他のより高い偶数次高調波の信号)を除去する。より高い奇数次高調波(例えば、3f、5f、7f、または他のより高い奇数次高調波の信号)を抑制するために、Hブリッジ設計は、波形の正の部分と、波形の負の部分とのデューティサイクルがより高い奇数次高調波を抑制するように選択される固有の駆動信号方式を使用する。図6は、波形の正の部分と、波形の負の部分とのデューティサイクルが0.3に設定された場合の、Hブリッジによって生成される駆動信号を示す。図7は、波形の正の部分と、波形の負の部分との異なるデューティサイクルの場合の、より高い奇数次高調波の振幅の変化を示す。図7から、基本電力は、デューティサイクルが増加するにつれて増加し、50%のデューティサイクルでそのピーク値に到達することがわかる。したがって、デューティサイクルを使用して、基本周波数で出力電力を変調することができる。さらに図7から、様々な高調波が様々なデューティサイクル値でそれらの最小値に到達することがわかる。したがって、特定の高調波の抑制が所望される場合、その高調波が大幅に抑制される1つ以上のデューティサイクル値が存在する。さらに、0.333のデューティサイクルでは、第3次および第9次の高調波が両方とも抑制されている。これは、第3次高調波が最低周波数の非ゼロ高調波であり、したがって低域通過フィルタによって最も少なく抑制される可能性があることから、有用である。したがって、約0.3のデューティサイクルを選択することにより、駆動信号の第3次高調波を有利に抑制することができる。いかなる一般性も失わずに、波形の正および負のデューティサイクルは、同じ値を有するように選択されて、偶数次高調波を抑制する。さらに図7から、最小の全高調波含有率が0.386のデューティサイクルで生じることがわかる。波形の正の部分と、Hブリッジから出力される波形の負の部分とのデューティサイクルを制御して、より高い奇数次高調波を抑制することに加えて、電力増幅器の動作の最大周波数の約80%以上のカットオフ周波数を有する低域通過フィルタを提供して、より高い奇数次高調波を抑制することができる。例えば、12.0MHzの最大周波数で動作するように構成されている超音波処置システムの様々な実施形態では、約12.0MHz以上(例えば、約10MHz~約16.0MHz)のカットオフ周波数を有する低域通過フィルタを使用して、カットオフ周波数を超える周波数を有する、より高い奇数次高調波を除去することができる。
【0073】
約1.0MHzから約12.0MHzまでの周波数範囲で動作するように構成されている超音波処置システムの実施態様を検討せよ。さらに、このような超音波処置システムの実施態様に含まれる電力増幅器のGaN FETが、波形の正の部分と、波形の負の部分とのデューティサイクルを選択して(例えば、約0.33のデューティサイクル)、第3次高調波を抑制するHブリッジドライバによって駆動されることを検討せよ。さらに、電力増幅器が、約16MHzのカットオフ周波数を有する低域通過フィルタ(例えば、0.1dBリップルを有する第5次チェビシェフフィルタ)を含むことを検討せよ。図8A~8Dは、2.0MHz、4.0MHz、7.0MHz、および12.0MHzでの電力増幅器のそのような実施態様から出力された信号を示す。図8A~8Dにおいて、参照数字8001a、8003a、8005a、および8007aは、低域通過フィルタ前の出力信号を指し、参照数字8001b、8003b、8005b、および8007bは、低域通過フィルタ後の出力信号を指す。図8Aの低域通過フィルタ後の出力信号は、低域通過フィルタが2.0MHzの周波数で通過帯域にいくらかのより高い奇数次高調波を許容することを示す、正弦波形状から歪んでいることがわかる。図8Bの低域通過フィルタ後のほぼ正弦波に近い信号出力からわかるように、4.0MHzの周波数において、より高い奇数次高調波の寄与は、大幅に低減している。7.0MHzおよび12.0MHzの周波数において、低域通過フィルタ後の信号出力の正弦波性からわかるように、より高い奇数次高調波は、ほぼ除去されている。
【0074】
したがって、電力増幅器3001のGaN FETを駆動するように構成されたHブリッジドライバの様々な実施形態は、第3次高調波を抑制し、かつ約12.0MHzを超える周波数を有するより高い奇数次高調波を抑制するように設計されたカットオフ周波数を持つ低域通過フィルタを有するデューティサイクルで動作するように構成されている。
【0075】
Hブリッジ駆動信号は、デジタルアナログコンバータ(DAC)により設定されたDC信号と、直接デジタル合成器(DDS)の平衡差動出力段からの一対の位相のずれた正弦波信号との間のアナログ比較から生成される。図9は、2つの駆動波形を生成するために使用される比較器回路の簡略図を示す。図9において、バッテリー9001は、DC電圧源を表し、変成器9003は、平衡信号を提供する。
【0076】
図10は、同位相の正弦波により生成された波形を示す波形10001a、および位相がずれた正弦波により生成された波形を示す波形10001bを伴う、同じグラフ上にプロットされたHブリッジ駆動信号を図式的に示す。波形10001aおよび10001bによって表された2つの駆動信号は、180度だけ遅延している。
【0077】
図9の回路によって表されたHブリッジ設計の利点は、この設計が、バッテリー9001からの出力に対応するDC信号の値を変化させることによって、ゲート駆動デューティサイクルを変調するための便利なメカニズムを提供することができることである。RFTHモジュールにおいて、このDC信号は、12ビットDACによって制御され、デューティサイクルを0%から50%に変調することができる。上で考察されるように、デューティサイクルの制御により、基本周波数の電力レベルを調整し、高次高調波の振幅を抑制することを含む多くの利点をもたらすが、これらに限定されない。さらに、ゲート駆動デューティサイクルを0%または100%に設定することにより、VSWR感度を測定するためのTCP中の、HブリッジFETのスイッチオフを防止するための便利な方法が提供され得る。さらに、ゲート駆動デューティサイクルを0%または100%に設定することにより、試験中に未使用のチャネルを無効にするためのメカニズムを提供することができる。
【0078】
保護回路
図11Aは、1:9のグアネラ伝送線路変成器11003の平衡側を駆動する4つのGaN FET11001a、11001b、11001c、および11001dによって形成されたHブリッジを含むスイッチモード電力増幅器3001の簡略化された回路図を示す。GaN FETは、それらの比較的デリケートなゲートチャネル絶縁層、および降伏電圧の小さい範囲に起因する誘導性スパイクからの損傷を受けやすい傾向があり得る。したがって、Hブリッジ高圧側FETゲート11001cおよび11001dに並列の5.6Vツェナーダイオード11005および高速ショットキーダイオード11007を含む保護回路は、閾値ターンオン電圧Vが正の側で5.6Vを超えないこと、およびゲートが負の側で電源未満の0.3Vを超えないことを確実にすることができる。そのような保護回路の実施態様が、図11Bに示されている。そのような保護回路は、誘導性スパイクに対してGaN FETを保護することができ、20Aを超える短絡サージ(または放電)は、1ms以上(例えば、2ms、5ms、10ms、またはそれ以上)の間、許容することができる。例えば、ショットキーダイオード11007は、負のVGSを生成する誘導性スパイクが起きた場合に、ゲート電圧が電源電圧に抑止された状態を確実にすることができる。いくつかの実施形態では、ショットキーダイオード11007が存在しない場合、(短絡事象で遭遇することがあり得るように)8Aを超える電流サージが、GaN FETを故障させる可能性がある。
【0079】
振幅制御
電力増幅器3001の様々な実施形態は、振幅制御を提供するための電圧制御バックコンバータを含むことができる。電圧制御バックコンバータの実施態様が、図11Cに示されている。電圧制御バックコンバータはまた、フィードバック制御バックコンバータとも称され得る。振幅は、電圧制御バックコンバータの出力で段階的かつ/または低帯域幅の変調(例えば、約3kHz以下)を与える、電圧制御バックコンバータの加算ノードに電流を注入することによって制御することができる。一実施形態では、展開されたシステムが、離散的な振幅変化を使用する。一実施形態では、離散的な振幅変化は、任意の治療モード-画像処理モードシナリオの電力を制御するためには重要である。電圧制御バックコンバータからの低帯域幅変調出力は、電力増幅器から出力されたRF電力出力に低帯域幅変調を持たせるHブリッジに提供される。いかなる一般性も失わずに、電圧制御バックコンバータからの低帯域幅変調出力は、ハイサイドFETがオンであるときに負荷に印可される電圧を変化させることができる、FETに提供される駆動電圧を変化させることができる。これについては、以下にさらに詳細に説明される。
【0080】
一実施形態では、Hブリッジ出力は、ハイサイドFETのドレインに供給される電圧を変化させることによって変調され、その電圧は、ハイサイドFETがオンであるときに、負荷に加えられる。一実施形態では、Hブリッジ出力は、ハイサイドFETのドレインに供給される電圧を変化させることによって変調され、その電圧は、ハイサイドFETが閉じているときに、負荷に加えられる。いくつかの実施形態では、この電圧は、高電圧電源からの電圧を効率的に、ステップ状に降圧することができるステップ降圧DC-DCバックコンバータからの出力として生成される。バックコンバータの出力電圧は、切り替え事象のデューティサイクルおよび周波数によって制御される。基本的なコンバータ回路のいくつかの実施形態は、出力が測定され、閾値に対して比較されるフィードバックループを含む。出力が閾値未満に降下すると、バックコンバータは、その切り替え動作を変更して、より多くの電力を負荷に送達する。バックコンバータを使用して出力振幅を設定する電力増幅器のいくつかの実施形態では、バックコンバータの出力は、フィードバックループの加算入力に電流を注入することによって制御される。より多くの電流が加算ノードに送達されると、より少ない電流が、バックコンバータの出力によって提供され、そのバックコンバータは、出力電圧を降下させる。逆に、より少ない電流が加算ノードに送達されると、より多くの電流が、バックコンバータの出力によって提供され、そのより多くの電流は、出力電圧を上昇させる。バックコンバータの出力の電圧は、加算ノードでの電圧が閾値を超えるまで上昇することができる。
【0081】
電力測定システム
上で考察されるように、本明細書に記載されているRFTHモジュールの様々な実施形態は、電力増幅器3001から1つ以上の超音波トランスデューサへの電力出力を監視するように構成されている電力測定システム3007を含む。様々な実施形態では、この電力測定システム3007は、RFTHモジュールの異なる駆動サブシステム3000の電力増幅器から出力されるRF信号の電力を測定するように構成することができる。さらに、電力測定システム3007はまた、異なる駆動サブシステム3000の電力増幅器3001から出力されるRF信号間の相対的な位相を測定するように構成することもできる。
【0082】
電力測定システム3007は、高密度プリント回路基板(PCB)設計として実装することができる。このPCB設計は、小型サイズおよび/または低熱放散を有するように構成することができる。電力測定システム3007の様々な実施形態は、20Ω~200Ωの大きさ|Z|、および-60°~60°の位相角∠を有する広範囲のインピーダンスZに送達される電力増幅器3001から出力されるRF信号を測定するように構成することができる。例えば、電力測定システム3007の様々な実施形態は、20Ω~120Ωの大きさ|Z|、および-45°~45°の位相∠を有する広範囲のインピーダンスZに送達される電力増幅器3001から出力されるRF信号を測定するように構成することができる。電力測定システム3007の様々な実施形態は、約±0.5dBの精度で、異なる駆動サブシステム3000の電力増幅器から出力されるRF信号の電力を測定するように構成することができる。電力測定システム3007の様々な実施形態は、高次高調波から出力されるRF信号への有意な寄与があっても、約±0.5dBの精度で様々な駆動サブシステム3000の電力増幅器から出力されるRF信号の電力を測定するように構成することができる。電力測定システム3007の様々な実施形態は、広い周波数範囲にわたって動作するように構成することができる。例えば、電力測定システム3007は、電力増幅器3001と少なくとも同じ周波数範囲にわたって動作するように構成することができる。例えば、電力測定システム3007は、約1.0MHz~約12.0MHzの広い範囲の周波数で動作するように構成することができる。
【0083】
電力測定システム3007の様々な実施形態は、抵抗性電流検知および電圧検知コンポーネントを含むことができる。例えば、電力測定システム3007の様々な実施形態は、共通モード阻止のための小信号変成器を使用することができる。抵抗性電流検知および電圧検知コンポーネントの使用は、以下に限定されないが、より小さい回路サイズ、より安いコスト、より小さな熱放散、および/または改善された干渉耐性を含む、RF電力を監視するためにより一般的に使用される磁気デバイス(例えば、RF方向性結合器、RFサーキュレータ、および他の磁気デバイス)と比較して、いくつかの利点を有することができる。
【0084】
抵抗性電流検知および電圧検知コンポーネントでは、寄生リアクタンス効果が重要である場合があるが、ほとんどの寄生リアクタンス効果は、較正され、測定値から除去することができる。電力測定システム3007は、図12に示すように、広帯域小信号RF変成器を含む差動測定方式を含むことができる。この差動測定方式は、信号から大きな共通モード成分を除去することができ、電流検知抵抗器12001から測定回路を有利に分離することができる。この差動測定方式は、電力測定システム3007のコンポーネントと、電力増幅器3001のコンポーネントとの間の容量性結合および磁気結合から生じる干渉に対する耐性を提供することができる。特に、電力変圧器から放射される磁場、ならびにPCB上の寄生相互静電容量およびインダクタンスは、増幅器入力に結合する可能性がある。この干渉は、共通モードであり、差動増幅器の2つの入力でほぼ同じ結合を生成することになる。したがって、差動増幅器を使用すると、差動電流または電圧信号を増強しながら、差動増幅器の2つの入力での共通モード結合を有利に削減/除去することができる。
【0085】
電力測定システム3007は、ヘテロダインIQ復調器(例えば、アナログデバイセズ社から市販されている復調器AD8333)を含むことができる。RFTHモジュールの様々な実施形態では、各駆動サブシステム3000は、その駆動サブシステム3000内に含まれる電力増幅器から出力されるRF信号の一部のサンプリング電流および電圧の波形を受け入れるように構成されたヘテロダインIQ復調器を含むことができる。
【0086】
図13は、電力測定システム3007の一実施態様を示す。図13に示すように、電力増幅器3001からの出力の一部は、ブロック13003に示された差動測定方式で配置された抵抗性電流検知および電圧検知コンポーネントによって測定される。ブロック13003内の抵抗性電流検知および電圧検知コンポーネントからの出力は、ヘテロダインIQ復調器13000に入力される。ヘテロダインIQ復調器13000は、局部発振器(LO)クロック13001、電流復調器素子13005aおよび13005b、電圧復調器素子13005cおよび13005d、フィルタリング素子13007a、13007b、13007c、および13007d、ならびにアナログデジタルコンバータ(ADC)13009a、13009b、13009c、および13009dを含む。ヘテロダインIQ復調器13000は、任意の周波数で動作するように構成されている。
【0087】
ヘテロダインIQ復調器13000は、電力増幅器3001から出力されたRF信号の大きさおよび位相測定を提供することができる。ヘテロダインIQ復調器13000は、測定が干渉に影響され得ないベースバンドで測定を行うように構成することができる。ヘテロダインIQ復調器13000は、潜在的に、コストを削減し、精度を高め、様々なRFチャネルの多重化を可能にすることができる高ビット深度、およびゆっくりしたサンプリングレートADCを含むことができる。IQ復調器13000の低域通過フィルタは、広い周波数範囲に及ぶことができるRF信号の周波数に無関係であり得る狭帯域フィルタ処理を可能にすることができる。
【0088】
図14は、アナログデバイセズ社から市販されているAD8333IQ復調器のブロック図を示す。IQ復調器13000は、サンプリングされた電流および電圧波形を混合してベースバンドに落とすように構成され、その結果、それらの波形は、高解像度のアナログデジタルコンバータ(例えば、ADC13009a~13009d)を使ってデジタル化することができる。IQ復調器は、位相に敏感な方法で入力信号を復調するように構成され得、その結果、基準クロックに対するRF信号の位相は、実数成分および虚数成分が狭帯域限界内でのIQ復調器の2つの出力である分析信号の位相として忠実に再現することができる。
【0089】
IQ復調器13000は、2つの入力RF信号、および局部発振器(LO)クロック13001からの入力を受け入れる2チャネルデバイスである。ベースバンドへの復調の場合、LO13001の周波数は、RF信号の周波数の4倍である。例えば、電力増幅器3001が1.0MHz~12.0MHzの値を有する周波数
【数1】
で動作している場合、LO13001の周波数は、4
【数2】
である。
【0090】
IQ復調器13000は、LOクロック13001からの入力を使用して、
【数3】
で動作する2つの内部LOクロックを生成する。第1の内部クロックは、Iクロックと称され得、第2の内部クロックは、Qクロックと称され得る。一実施態様では、2つの内部LOクロックは、LOクロックをデジタル化し、それを使って2つの4分周論理回路を実行することによって取得することができ、各々の論理回路は、入力LOクロックの第4の立ち上がりエッジ毎に起動するが、Qクロックは、Iクロックに対して、入力LOクロックの1サイクルだけ遅延する。
【0091】
図15は、復調器13000の一実施態様によって生成された2つの内部クロックを示す。図15において、波形15001は、電力増幅器3001から出力された信号を示し、波形15003は、LOクロック13001の出力を示し、波形15005は、Iクロックを示し、波形15007は、Qクロックを示す。以下で考察されるように、IクロックおよびQクロックを使用して、電力増幅器13000から出力された信号を復調および再構築することができる。
【0092】
復調器は、RF信号を増幅する電力増幅器3001が反転しているか否かをIおよびQクロックに制御させることによって機能する。この動作は、図16に示すように、電力増幅器3001から出力されたRF信号に、最大値が1および最小値が-1を有する矩形波を乗算することと等価である。
【0093】
この動作により、2つの出力信号が生成され、1つは、Iクロック用であり、もう1つは、Qクロック用である。Iクロックと同相である正弦波信号の場合、Iクロックと混合すると、正の平均値を有する信号が生成される。それに対して、Qクロックと混合すると、平均値がゼロの信号が生成される。図17は、正弦波信号のIおよびQ復調を示す。図17において、信号17001は、Iクロックと混合された正弦波信号の出力であり、信号17003は、Qクロックと混合された正弦波信号の出力である。
【0094】
混合された信号の平均値は、まさにそれらのベースバンド値であり、低域通過フィルタ処理によって取り出すことができる。正弦波のような狭帯域信号の場合、IおよびQ出力は、分析信号の実数部および虚数部であり、その位相
【数4】
は、RF入力信号と局部発振器との間の位相差であり、その大きさ
【数5】
は、RF信号の振幅に比例する。
【0095】
IQ復調器は、高次高調波の存在下で基本周波数成分の大きさおよび位相の測定を可能にする位相シフト高調波キャンセル方式を採用している。位相シフト高調波キャンセル方式において、ヘテロダインLOクロック13001は、電力増幅器3001から出力されるRF信号に対して離散的に位相シフトされて、一組のLO位相依存IQサンプルを生成する。それらのサンプルは、線形逆変換を用いて、基本波電力および高調波電力に再構築される。これについては、以下にさらに詳細に説明される。
【0096】
上で考察されるように、電力増幅器3001は、少なくとも2オクターブに及ぶ広い周波数範囲で動作するように構成されている。例えば、上で考察されるように、電力増幅器3001は、約1.0MHz~約12.0MHzの広い周波数範囲で動作するように構成されている。電力増幅器3001の広帯域動作を可能にするために、低域通過フィルタは、約16MHz以上のカットオフ周波数を有することができる。したがって、より低い動作周波数(例えば、約1.0MHz~約6MHzの動作周波数)の高次高調波は、低域通過フィルタの通過帯域内に存在することになり、したがって、フィルタ処理しても必ず電力増幅器3001の周波数帯域幅に影響を与えることになる。この一例として、図18Aは、約1.0MHzの動作周波数で動作する、電力増幅器3001から10~100オーム(例えば、25オーム、50オーム、75オーム)負荷への出力のオシロスコープトレースを示し、図18Bは、約12.0MHzの動作周波数で動作する、電力増幅器3001から50オーム負荷への出力のオシロスコープトレースを示す。トレース18001aおよび18001bは、2つの動作周波数における出力波形をそれぞれ示す。12.0MHzにおいて、低域通過フィルタのカットオフ周波数(例えば、16MHz)を超えるすべての高次高調波が除去され、したがって出力波形は、きれいな正弦波となる。しかしながら、1.0MHzでは、一部の高調波が、通過帯域内に存在し、したがって、波形は、非正弦波になる。高次高調波の存在は、以下で詳細に考察されるように、出力RF信号の振幅および位相が測定される精度に影響を及ぼす可能性がある。
【0097】
高調波の存在のため、電力増幅器3001からの出力は、狭帯域であるとみなすことができない。逆に、電力増幅器3001の出力は、高調波n×ωを中心とする周波数を有するいくつかの狭帯域信号の総和で構成されており、ここで、nは整数であり、ωは、基本周波数である。
【0098】
したがって、電力増幅器3001の出力におけるRF信号は、以下の式(1)により与えられるフーリエ展開として表すことができる。
【数6】
ここで、AnおよびBnは、信号の各高調波の同位相成分および同直交成分である。
【0099】
以下で詳細に考察されるように、電力増幅器から出力されるRF信号の振幅および位相を測定するように構成されている電力保証回路は、IQ復調器を含む。いかなる特定の理論に依存することなく、IQ復調器の動作は、電力増幅器3001からのRF電力に矩形波を乗算した後、低域通過フィルタ処理を行うと考えることができる。矩形波は、基本周波数における信号成分、および基本周波数の高調波における信号成分を含み、以下の式(2)により与えられるフーリエ展開として表すことができる。
【数7】
【0100】
電力増幅器3001のRF電力、および矩形波信号の両方が高調波成分を有するときはいつでも、乗算により、高調波成分がベースバンドに混合されることになり、すなわち、差分周波数は、0Hzになる。図19は、通過帯域の低周波数端部(1MHzの基本周波数で規格化されている)におけるRF信号の高速フーリエ変換(FFT)の大きさ、および矩形波の高速フーリエ変換(FFT)の大きさを示す。図19において、波形19001は、RF信号のFFTを示し、波形19003は、矩形波のFFTを示す。図19から、RF信号の基本波、第5次および第7次の高調波が示されていることがわかる。矩形波は、すべての奇数次高調波において、重要な成分を有する。矩形波およびRF信号の両方がFFTの非ゼロの大きさを有する高調波は、測定されるベースバンド信号に影響を与えることになる。
【0101】
電力保証回路のIQ復調器は、IおよびQ局部発振器を有するものとみなすことができる。IおよびQ局部発振器からの出力は、矩形波であるとみなすことができる。したがって、IおよびQ局部発振器からの出力は、式(3a)および(3b)に示すようにフーリエ展開することができる。
【数8】
【数9】
ここで、q(t)に対する式は、i(t)を1/4サイクルだけシフトすること、すなわち、
【数10】
式(3a)において、tを次のように置き換えることによって得られる。
【0102】
混合および低域通過フィルタ処理した後、IおよびQ局部発振器の両方、ならびにRF信号の高調波は、式(4a)~(4d)に示すように、IおよびQベースバンド信号に影響を与えることになる。
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【0103】
したがって、ベースバンド信号は、基本周波数におけるフーリエ振幅だけでなく、RF信号のすべての非ゼロ奇数次高調波にも依存する。
【0104】
このため、高調波が存在すると、測定されるIおよびQ値は、正しい位相または振幅を返さない場合がある。さらに、高調波が原因で、測定された信号振幅は、IおよびQ局部発振器と、RF信号との間の位相に依存する可能性がある。これにより、ビーム形成の遅延が変化するときに変化する可能性があるシステム誤差がもたらされる可能性がある。このビーム形成遅延は、マルチ素子トランスデューサから所望の集束効果を得るために、異なるチャネル間に導入される位相遅延を含む可能性がある。例えば、この効果に関連付けられる誤差は、電圧および電流の振幅の6%、および位相に対して±3度になる可能性がある。これにより、測定された電圧および/または位相において重大な不正確さをもたらす可能性がある。
【0105】
例えば、電力増幅器3001からの出力RF信号の測定された電圧および/または位相における不正確さを低減する1つの方法には、電力保証回路3007で受信された、電力増幅器3001から出力された一部のRF信号の振幅および位相を補正して、高調波の影響を除去することが含まれる。電力保証回路3007で受信された、電力増幅器3001から出力された一部のRF信号の振幅および位相は、出力保証回路3007で受信された、電力増幅器3001から出力される一部のRF信号に対して、IおよびQクロックの複数の位相シフトにおけるIおよびQデータを獲得することによって補正される。N個の異なる位相オフセットで測定されたIおよびQデータの収集は、第1のN個の高調波の影響を解消するのに十分であるが、より多くの測定値が、ノイズの存在下で高調波のより良好な評価値を得る際に有用であり得る。多くの実施形態では、高調波の影響は、6つの異なる位相オフセットが測定される場合に、システムノイズフロア未満のレベルに低減することができる。
【0106】
したがって、高調波の影響を低減する1つの方法は、電力保証回路3007で受信した、電力増幅器3001から出力されたRF信号の一部に対して、0°、15°、30°、45°、60°、および75°での内部IおよびQクロック位相のIおよびQデータを測定することを含む。いくつかの実施形態では、電力保証回路3007内に含まれる入力局部発振器(LO)クロックは、内部クロックよりも4倍高い周波数を有することができる。したがって、入力LOクロックの位相は、IおよびQクロックの位相よりも4倍大きい場合がある。例えば、IおよびQクロック位相が、電力保証回路3007で受信した、電力増幅器3001から出力されたRF信号の一部に対して、0°、15°、30°、45°、60°、および75°であるときに、入力LOクロックの位相は、電力保証回路3007で受信した、電力増幅器3001から出力されたRF信号の一部に対して、0°、60°、120°、180°、240°、および300°であり得る。
【0107】
図20は、上で考察される方法による、非正弦波駆動信号を復調するために使用されるIおよびQクロックの6つの位相シフトされた組を例示する。復調器出力を混合した後、図21に示すように、12個の信号を使用して、電力増幅器3001から出力されたRF信号を再構築することができる。
【0108】
これらの異なる位相で測定されたIおよびQ値と、各高調波での信号の正しいフーリエ振幅との間の関係は、線形であり、したがって、RF入力信号のフーリエ振幅は、行列乗算を介して6つの位相で測定されたIおよびQサンプルから取得することができる。
【0109】
IおよびQが直交成分であるため、Iサンプルが、0°~75°の範囲の15°ステップ(例えば、0°、15°、30°、45°、60°、75°)で均等に分布した一組の6個の位相で取得された場合、Qサンプルは、Iサンプルから90°だけ位相シフトすることになる。例えば、Qサンプルは、90°、105°、120°、135°、150°、165°になる。
【0110】
信号の反転対称性を利用すると、電力増幅器3001から出力された信号は、以下の式(5)によって表すことができる。
【数15】
ここで、
【数16】
は、周期である。信号の全周期は、IおよびQ位相シフト信号に関して、次のように表すことができる。
【数17】
ここで、Iは、n°の位相シフトでのIサンプルであり、Qは、n°の位相シフトでのQサンプルである。反転対称性により、Q180がQと等価であることに留意されたい。
【0111】
したがって、0°から180°までの範囲に及ぶ6つの位相は、電力増幅器3001から出力されたRF信号の再構築に対して適切である。
【0112】
反転対称性に従って、奇数フーリエ成分のみが非ゼロになる。したがって、第1、第3、第5、第7、第9、および第11の高調波は、非ゼロになる。したがって、電力増幅器3001から出力されたRF信号を再構築するために、非ゼロの奇数次高調波の離散フーリエ変換(DFT)係数が計算される。電力増幅器3001から出力されたRF信号を再構築する1つの方法では、12個の測定されたIおよびQサンプル値を、電力増幅器3001から出力されたRF信号のDFTの実数部および虚数部にマッピングする行列
【数18】
が、以下に示す式(6)を用いて判定される。
【数19】
【0113】
式(6)において、Aは、n次高調波の複素フーリエ係数である。
【0114】
行列
【数20】
の成分は、各位相値について式(3a)および(3b)を適用することによって得ることができる。したがって、行列
【数21】
の成分は、以下の式(7a)および(7b)から取得することができる。
【数22】
【数23】
ここで、添え字kは、値1、3、5、7、9、および11を有し、mは、値0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、および11を有する位相の添え字である。したがって、完全行列式(6)は、以下の式(8)に示すように書き換えることができる。
【数24】
【0115】
多くの実施形態では、行列
【数25】
は、選択された位相および高調波次数にのみ依存するため、予め計算され、ボードモジュールコントローラ(BMC)3019にハードコード化することができる。
【0116】
フーリエ成分Aが取得されると、それらを使用して、以下の式(9)に従って波形を再構築することができる。
【数26】
【0117】
図22A~22Cは、本明細書に記載されている高次高調波からの寄与を低減することによって、電力保証回路が、電力増幅器3001から出力される3つの異なる周波数でRF信号を再構築する例を示す。図22Aは、1.0MHzの周波数におけるRF信号の再構築を示す。図22Bは、2.0MHzの周波数におけるRF信号の再構築を示す。図22Cは、3.0MHzの周波数におけるRF信号の再構築を示す。図22Aを参照すると、波形22001aは、式(9)を用いた再構築波形であり、波形22003aは、復調器への信号入力を測定した差動オシロスコーププローブの出力である。図22Bを参照すると、波形22001bは、式(9)を用いた再構築波形であり、波形22003bは、復調器への信号入力を測定した差動オシロスコーププローブの出力である。図22Cを参照すると、波形22001cは、式(9)を用いた再構築波形であり、波形22003cは、復調器への信号入力を測定した差動オシロスコーププローブの出力である。図22A~22Cから、再構築された波形は、測定された波形と厳密に一致することがわかる。
【0118】
電力増幅器3001から出力されたRF信号を再構築するために電力保証回路が使用する複数位相シフトの方法に関する上述の実施形態は、LOクロック要件の動作周波数に関する要件を低減することができる。従来の方法では、伝統的な方法を使用したLOクロックの動作周波数は、第2、第3、第4、第5、第6、または他のより高い高調波周波数に対応する周波数で動作することができる。そのような従来の方法では、復調器のクロック周波数は、LOクロックが動作している高調波周波数の約4倍に設定される。この設定により、回路の複雑さ、ノイズ、および/またはコストを増加させる可能性がある。本明細書に記載されている多重位相シフト法は、LOクロック周波数の動作周波数を増加させることなく、かつ/または電子的ハードウェアにいかなる他の変化も与えることなく、より高次の高調波周波数に適用することができる。
【0119】
電力測定システムにより取得された測定値の誤差の補正
様々な実施形態では、超音波トランスデューサ200に送達されるRF電力は、電力測定システム3007が測定する、電力増幅器3001から出力されるRF電力とは異なる可能性がある。超音波トランスデューサ200に送達されるRF電力と、電力測定システム3007によって測定されるRF電力との差は、(i)RFTHモジュールの回路基板上の寄生リアクタンスに起因する誤差、(ii)電力測定システム3007で使用される電流および電圧検知抵抗器の寄生リアクタンスに起因する誤差、(iii)電力測定システム3007および/または電力増幅器3001のIQ復調器における公称利得からの偏差、(iv)電力測定システム3007で使用される変成器の挿入損失、(v)RFTHモジュールおよび超音波トランスデューサを接続するケーブルの望ましくないインピーダンス変換効果、および/または(vi)IQ復調器の電圧および電流測定間の位相誤差、のうちの1つ以上に帰する可能性がある。図23Aは、超音波トランスデューサ200に送達されたRF電力と、電力測定システム3007により測定されたRF電力との間の差を生じさせ得る誤差の様々な原因を例示している。図23Aにおいて、IQ復調器および増幅器の公称利得からの偏差が、ブロック23001に示され、電流検知抵抗器および電圧検知コンポーネント、ならびにPCBの寄生リアクタンスに起因する誤差が、ブロック23003および23005に示され、望ましくないケーブル効果に起因する誤差が、ブロック23007に示されている。異なる誤差の原因は、図23Bに示すように、電力増幅器3001と超音波トランスデューサ200との間に配設された等価2端子対ネットワーク23009によってモデル化することができる。
【0120】
超音波トランスデューサ200に送達されるRF電力と、電力測定システム3007により測定されるRF出力電力との間の差を低減するために、電力測定システム3007は、図24に示すような自己較正2端子対ネットワーク補償モジュール24001を含むことができ、このモジュールは、超音波トランスデューサ200に送達されるRF電力と、電力測定システム3007により測定されるRF電力との間の差を生じさせる、上で考察される異なる誤差の原因を捕捉する。
【0121】
様々な誤差を補正するために、2端子対ネットワーク補償モジュール24001の2端子対ネットワークパラメータは、以下のアプローチを用いて取得される。RF信号が、インピーダンス範囲内で、一組のN個の既知の負荷インピーダンスZL,Nに送達され、そのインピーダンス範囲は、20Ω~200Ωの大きさ|Z|、および-60°~60°の位相∠を有する。N個の既知の負荷インピーダンスは、2端子対ネットワークのポート2に取り付けられ、電力測定システム3007は、2端子対ネットワークのポート1に取り付けられている。ポート2における各負荷ZL,Nの両端間の電圧V2,Nが、測定され(例えば、オシロスコープを使用して)、同時に、電力測定システム3007を用いてポート1における電圧V1,Nおよび電流I1,Nを測定する。最小二乗フィッティングが実行されて、ポート1において電力測定システムによって測定された電圧V1,Nおよび電流I1,Nと、各負荷ZL,Nの両端間の電圧V2,Nと、N個の既知の負荷のV2,NおよびZL,Nの比により与えられる対応する電流I2,Nと、の各値からの2端子対ネットワークパラメータを取得する。一連の数学的操作が実行されて、電力測定システム3007によって取得された測定値と、既知のインピーダンスにわたって測定された電圧との間の差異を最小化する、一組の評価された複素数値化された2端子対ネットワークパラメータを判定する。
【0122】
2端子対ネットワークパラメータが、意図された動作インピーダンス範囲にわたる一組のN個の既知の負荷で取得される場合、結果として得られた2端子対ネットワークパラメータの値は、堅牢であり、かつ評価値を取得するために使用された一組のN個のインピーダンスには存在しないインピーダンスを予測する。2端子対ネットワークパラメータは、周波数依存量である可能性があるため、その計算は、補正を適用することができる各周波数で実行される。電圧およびインピーダンスの測定値が周波数内で高密度にサンプリングされている場合、2端子対ネットワークパラメータの線形補間を適用して、サンプリングされた周波数間における周波数での正確な評価値を取得することができる。例えば、1.0MHz~12.0MHzの動作周波数範囲にわたる32個~256個の多くの周波数で測定すると、正確な線形補間に好適な滑らかな関数を提供することができる。様々な実施形態では、RFTHモジュールは、2端子対ネットワークパラメータを格納することができる較正EEPROM集積回路(IC)を含むことができる。格納された2端子対ネットワークパラメータを使用して、電力測定システム3007によって取得された測定値を補正して、超音波トランスデューサ200に送達されたRF電力と、電力測定システム3007によって測定されたRF電力との間の差を低減することができる。様々な実施形態では、複数のN個の較正されたインピーダンスZは、4以上とすることができる。
【0123】
超音波トランスデューサによって送達される出力電力を予測するためのシステムおよび方法
様々な実施形態では、増幅器がスイッチオンする前に、どのくらいの音響出力が送達され得るかを予測することが有利であり得る。増幅器がスイッチオンする前に、どのくらいの音響出力が送達され得るかを予測することは、電力増幅器が特定のトランスデューサを用いた使用のために確保されていないシステムでは、困難であり得る。例えば、治療システムの多くの実施形態では、様々な電力増幅器が、様々なトランスデューサとともに区別なく使用される可能性がある。さらに、治療システムの多くの実施形態では、トランスデューサは、駆動サブシステムよりもさらに頻繁に交換される必要があり得る。そのような実施形態では、電力増幅器を使用して、それらが交換および/または更新されるときに、様々なトランスデューサを駆動することができる。
【0124】
したがって、出力電力を予測するためのシステムおよび方法についてのいくつかの望ましい要件には、(i)0.3dB未満の誤差を有する送達される電力の予測、(ii)任意のトランスデューサが、任意の電力増幅器とペアリングすることができ、トランスデューサによって送達される出力は、命令された出力の誤差のマージン以内であること、および(iii)トランスデューサによって送達される出力は、トランスデューサインピーダンスの広い範囲に対して命令された出力の誤差のマージン以内であること、が含まれる。
【0125】
電力を予測するための様々なシステムおよび方法では、個別の較正測定値は、トランスデューサとともに、また電力増幅器とともに格納することができる。電力増幅器および超音波トランスデューサに格納された較正測定値に基づいて、電力増幅器によって出力されたRF電力を選択して、超音波トランスデューサに提供されたときに所望の音響エネルギーを送達するであろう所望の出力電力でRF信号を出力することができる。この応用として、2つの異なる予測方法が考えられる。第1の方法は、電力増幅器出力インピーダンスの変動が小さいことを前提とする。第2の方法は、前提はないが、より複雑な較正ステップを必要とする。
【0126】
例示的方法1
第1の方法では、超音波トランスデューサは、超音波トランスデューサによって出力された音響出力と、同じ振幅設定値で50Ω負荷に送達された電力との間の相関性を格納する第1の参照テーブル(LUT)にアクセスするように構成されている。第1のLUTは、基準電力増幅器を用いた超音波トランスデューサの工場較正中に生成することができる。第1のLUTは、超音波トランスデューサ内に格納することができる。
【0127】
RFTHモジュールの駆動サブシステム3000内の電力増幅器は、第2のLUTにアクセスすることができ、その第2のLUTは、電力増幅器から出力されたRF信号の振幅と、電力増幅器の工場較正中に取得された、50Ω負荷への電力との間の相関性を格納する。第2のLUTは、電力増幅器、駆動サブシステム3000、またはRFTHモジュールに格納することができる。
【0128】
例示的方法2
第2の方法では、インピーダンスと、音響への電気の変換効率との間の相関性を含む第1の参照テーブル(LUT)が、超音波トランスデューサの工場較正中に生成される。第1のLUTは、超音波トランスデューサ内に格納することができる。
【0129】
振幅設定値の関数としての、電力増幅器出力インピーダンスおよびテブナン等価ソース電圧を含む第2のLUTが生成される。第2のLUTは、電力増幅器、駆動サブシステム3000、またはRFTHモジュールに格納することができる。
【0130】
電子処理システムが、所望の音響出力を生成するのに必要とされ得る、トランスデューサ負荷インピーダンスへの電力を計算するように構成することができる。この電子処理システムは、所望の音響出力を生成する電力を出力するであろう電力増幅器の振幅設定値を計算するようにさらに構成することができる。
【0131】
電力較正および保証システム
HIFUのために使用されるトランスデューサは、多くの場合、それらの共振周波数において許容誤差を示す。例えば、製造された大多数のトランスデューサにわたる共振周波数の許容誤差は、±7%であり得る。トランスデューサ共振周波数はまた、トランスデューサの経年変化および温度とともに変化する可能性もある。トランスデューサがその共振周波数で駆動されることを確実にするために、駆動信号の周波数は、トランスデューサの反射電力またはインピーダンスの測定が行われている間に、共振周波数を包含する周波数範囲にわたって掃引することができる。中心周波数への近接性は、インピーダンス位相のゼロからの偏差を低減/最小化させるか、インピーダンス振幅を低減/最小化もしくは増大/最大化させるか、電圧定在波比を低減/最小化させるか、反射電力を低減/最小化させるか、または反射係数を最小化させる周波数を見つけることによって、判定することができる。様々な実施形態では、周波数掃引の範囲は、各周波数での電圧定在波比を監視し、電圧定在波比が最低または最小になる周波数を選択しながら、公称共振周波数付近で±100KHzに設定することができる。
【0132】
固定された周波数で見られるトランスデューサインピーダンスは、共振周波数が、例えば、経年変化および/または温度に起因して変化するにつれて変化する可能性があるため、これらの変化を補償するために電力を動的に調節することが可能であることは、有益である。いくつかの実施形態では、電力保証測定値を使用して、トランスデューサに送達された電力を想定し、その電力を所望の電力と比較し、ドライバ振幅または駆動周波数を調整して、測定された電力と所望の電力との間の誤差を低減することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、電力保証システムを使用して、負荷インピーダンスを測定することができる。電力保証システムとトランスデューサとの間に配置された他のシステムコンポーネントのインピーダンスに関する以前の知識を使用して、システムを表す2端子対ネットワークを介して電力保証測定値を変換し、トランスデューサを見つけるインピーダンスを判定することができる。いくつかの実施形態では、この方法で得られたトランスデューサインピーダンスを使用して、トランスデューサから所望の音響出力を達成するのに必要とされる電力を判定することができる。いくつかの実施形態では、治療実施中に得られるトランスデューサインピーダンスの測定値を使用して、駆動振幅を調整し、トランスデューサへの所望の電力送達、したがって、トランスデューサからの所望の音響出力を達成することができる。
【0134】
HIFUの治療の効能は、トランスデューサと、治療される組織との間に音響学的に透明な結合を有するかどうかに依存する可能性がある。通常、この結合は、トランスデューサと皮膚との間に置かれたゲルを使用することによって、達成することができる。ただし、ゲル内でのトランスデューサの着座が不十分であるか、またはゲル内に気泡があると、結合が不十分になる可能性がある。それゆえに、治療の実施を開始する前に結合の品質を測定し、処置全体にわたって結合の品質を監視することが望ましい。十分結合された組織の特質は、組織と結合媒体との間の界面が超音波エネルギーのわずかな反射率を生み出すことである。例えば、十分に結合された超音波トランスデューサは、組織、すなわちゲル界面で入射電力の5%未満を反射することになる。
【0135】
いくつかの実施形態では、結合の品質は、反射された超音波エネルギーのレベルを監視することによって、治療の実施中に監視される。結合内の乱れの場所に軸方向の解像度を提供するために、反射されたエネルギーを観察するために使用される超音波は、性質上、連続的ではなく、パルス出力することができる。パルス波形を使用することにより、トランスデューサから反射表面までの距離が測定されることを可能にする。いくつかの実施形態では、治療トランスデューサは、結合の反射を検出するために、センサとしてパルスエコモードにおいて使用することができる。他の実施形態では、治療トランスデューサを使用して結合材料を励起することができ、二次トランスデューサを使用して反射された信号を測定することができる。いくつかの実施形態では、電力送達経路の基準面からの反射は、振幅基準として使用することができ、結合面からの反射は、それと比較されて、結合が許容可能であるかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、システムは、反射された電力が許容可能な閾値よりも低くなるまで、治療の実施を停止することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、較正された電力保証システムを使用して、トランスデューサのインピーダンスを測定することができる。測定されたインピーダンスは、トランスデューサインピーダンスのモデルに適合される。いくつかの実施形態では、トランスデューサインピーダンスのモデルは、例えば、バターワースファンダイクモデルと同様の回路モデルであり得る。いくつかの実施形態では、トランスデューサインピーダンスのモデルは、クリムホルツ、リーダム、およびマタイ(KLM)モデルと同様の伝送線路モデルであり得る。いくつかの実施形態では、トランスデューサインピーダンスのモデルは、パラメータとして、固定静電容量、結合係数、および放射抵抗を含むことができる。いくつかの実施形態では、モデルパラメータの変更は、経年変化に起因するトランスデューサ特性の変化を示し得る。したがって、モデルパラメータの変更を使用して、トランスデューサの経年変化または温度を時間の経過とともに追跡することができる。いくつかの実施形態では、モデルパラメータは、合格基準として使用することができる。いくつかの実施形態では、モデルパラメータの変更を使用して、所望の音響出力を得るために必要とされる駆動電力を評価することができる。
【0137】
追加のシステムの概要
いくつかの実施形態では、コンソール300は、別の当事者、製造業者、供給業者、サービスプロバイダ、インターネット、および/またはクラウドと通信するための通信システム(例えば、wifi、Bluetooth、モデム等)を含む。いくつかの実施形態では、カート301は、バッテリーへの電源接続などの電源、および/または電源、通信手段(例えば、イーサネット)をシステム20に接続するための1つ以上のコードを有する。いくつかの実施形態では、システム20はカート301を含む。いくつかの実施形態では、システム20はカート301を含んでいない。ハンドワンド100は、有線または無線インターフェースであり得るインターフェース130によってコントローラ300に結合され得る。インターフェース130は、コネクタ145によってハンドワンド100に結合することができる。インターフェース130の遠位端は、回路345(図示せず)上のコントローラコネクタに接続することができる。一実施形態では、インターフェース130は、制御可能な電力をコントローラ300からハンドワンド100に送信することができる。一実施形態では、システム20は、画像処理を改善するための皮下構造の超明瞭なHD(高解像度)視覚化のための複数の画像処理チャネル(例えば、8チャネル)を有する。一実施形態では、システム20は、複数の治療チャネル(例えば、8チャネル)、および速度を増大させながら(例えば、25%、40%、50%、60%、75%、100%、またはそれ以上)、処置精度を倍増させる精密リニア駆動モータを有する。これらの機能は、業界で最も汎用性の高いシステムプラットフォームの1つを確立し、かつてない未来の可能性の基盤を提供する。
【0138】
コントローラ300は、1つ以上の対話式画像ディスプレイ310への接続能力を含むことができ、その対話式画像ディスプレイは、タッチスクリーンモニタ、およびユーザが超音波システム20と対話することを可能にするグラフィックユーザインターフェース(GUI)を含むことができる。一実施形態では、ユーザが治療スクリーンをより容易に位置決めして見ることを可能にする、第2のより小型でより可動性のあるディスプレイである。一実施形態では、システムユーザが治療画面を見ることを可能にする第2のディスプレイ(例えば、壁面で、モバイルデバイスで、大画面で、遠隔スクリーン上で)。一実施形態では、グラフィックディスプレイ310は、タッチスクリーンインターフェース315(図示せず)を含む。様々な実施形態では、ディスプレイ310は、機器作動状態、治療パラメータ、システムメッセージおよびプロンプト、ならびに超音波画像処理を含む動作条件を設定および表示する。様々な実施形態では、コントローラ300は、とりわけ、例えば、ソフトウェアおよび入力/出力デバイスを含むマイクロプロセッサ、電子的および/または機械的スキャンおよび/またはトランスデューサの多重化および/またはトランスデューサモジュールの多重化を制御するためのシステムおよびデバイス、電力送達のためのシステム、監視のためのシステム、プローブの空間的位置を検出するシステム、および/またはトランスデューサのためのシステム、および/またはトランスデューサモジュールの多重化のためのシステム、および/またはユーザ入力を処理し、治療結果を記録するシステムを含むように構成することができるおよび/または構成することができる。
【0139】
一実施形態では、ハンドワンド100は、150および160などの1つ以上の指で作動するコントローラまたはスイッチを含む。様々な実施形態では、1つ以上の熱治療コントローラ160(例えば、スイッチ、ボタン)が治療を開始および/または停止する。様々な実施形態では、1つ以上の画像処理コントローラ150(例えば、スイッチ、ボタン)が画像処理を開始および/または停止する。一実施形態では、ハンドワンド100は、取り外し可能なモジュール200を含むことができる。他の実施形態では、モジュール200は取り外し不能であってもよい。様々な実施形態では、モジュール200は、ラッチまたはカプラ140を使用してハンドワンド100に機械的に結合することができる。様々な実施形態では、1つのインターフェースガイド235または複数のインターフェースガイド235を使用して、モジュール200をハンドワンド100に結合するのを支援することができる。モジュール200は、1つ以上の超音波トランスデューサ280を含むことができる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ280は、1つ以上の超音波素子を含む。モジュール200は、1つ以上の超音波素子を含むことができる。ハンドワンド100は、画像処理専用モジュール、治療専用モジュール、画像処理および治療モジュールなどを含むことができる。様々な実施形態では、超音波トランスデューサ280は、モジュール200内の1つ以上の方向290に移動可能である。トランスデューサ280は、動作機構400に接続されている。様々な実施形態では、動作機構は、0、1、またはそれ以上のベアリング、シャフト、ロッド、ねじ、親ねじ401、エンコーダ402(例えば、トランスデューサ280の位置を測定するための光学式エンコーダ)、モータ403(例えば、ステップモータ)を含んで、モジュール200内のトランスデューサ280の正確で反復可能な動きを確実とするのを助ける。様々な実施形態では、モジュール200は、音波透過性部材230を介してエネルギーを放出することができるトランスデューサ280を含むことができる。一実施形態では、制御モジュール300は、インターフェース130を介してハンドワンド100に結合することができ、グラフィックユーザインターフェース310は、モジュール200を制御するように構成することができ、および/または構成することができる。一実施形態では、制御モジュール300は、ハンドワンド100に電力を供給することができる。一実施形態では、ハンドワンド100は電源を含むことができる。一実施形態では、スイッチ150は、組織画像処理機能を制御するように構成することができ、および/または構成することができ、スイッチ160は、組織治療機能を制御するように構成することができ、および/または構成することができる。様々な実施形態では、好適な焦点深度、分布、タイミング、およびエネルギーレベルでの放出エネルギー50の送達は、トランスデューサ280の制御システム300による制御された操作を介してモジュール200によって提供され、熱凝固ゾーン550で所望の治療効果を達成する。
【0140】
一実施形態では、モジュール200は、ハンドワンド100に結合することができる。モジュール200は、超音波エネルギーなどのエネルギーを放出して受け取ることができる。モジュール200は、ハンドワンド100に電子的に結合することができ、このような結合は、コントローラ300と通信するインターフェースを含むことができる。一実施形態では、インターフェースガイド235は、モジュール200とハンドワンド100との間で電子通信を提供するように構成することができ、および/または構成することができる。モジュール200は、様々なプローブおよび/またはトランスデューサ構成を含むことができる。例えば、モジュール200は、デュアルモード画像処理/治療トランスデューサ、結合または共存画像処理/治療トランスデューサ、別個の治療および画像処理プローブなどに結合するように構成することができ、および/または構成することができる。一実施形態では、モジュール200がハンドワンド100に挿入されるかまたはハンドワンド100に接続されると、コントローラ300はそれを自動的に検出し、インタラクティブグラフィカルディスプレイ310を更新する。
【0141】
いくつかの実施形態では、アクセスキー320(例えば、安全なUSBドライブ、キー)が、システム20に取り外し可能に接続されて、システム20が機能することを可能にする。様々な実施形態では、アクセスキーは顧客固有であるようにプログラムされ、システムセキュリティ、治療ガイドラインおよび機能への国/地域特有のアクセス、ソフトウェアアップグレード、サポートログ転送および/またはクレジット転送および/または保存を含む複数の機能を果たす。様々な実施形態では、システム20は、インターネットおよび/またはデータ接続性を有する。一実施形態では、接続性は、データがシステム20プロバイダと顧客との間で転送される方法を提供する。様々な実施形態では、データは、クレジット、ソフトウェア更新およびサポートログを含む。接続性は、ユーザのコンソールがインターネットにどのように接続されているかに基づいて、異なるモデルの実施形態に分割される。一実施形態では、切断モデル接続は、インターネットから切断され、顧客がインターネットアクセスを有していないコンソールを含む。クレジット転送とソフトウェアアップグレードは、アクセスキー(USBドライブなど)を顧客に発送することによって行われる。一実施形態では、半接続モデル接続性は、インターネットから切断されているが顧客がインターネットアクセスを有するコンソールを含む。クレジット転送、ソフトウェアアップグレードおよびサポートログ転送は、顧客のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、または他のコンピューティングデバイスを、システムアクセスキーと組み合わせて使用してデータを転送する。一実施形態では、完全接続モデル接続は、wifi、セルラーモデム、Bluetooth、または他のプロトコルを使用してインターネットに無線で接続されたコンソールを含む。クレジット転送、ソフトウェアアップグレード、およびサポートログ転送は、コンソールとクラウド間で直接行われる。様々な実施形態では、システム20は、能率化した在庫管理、オンデマンド治療購入、およびビジネス分析インサイトのためにオンラインポータルに接続して、顧客審美的治療事業を次のレベルに推進する。
【0142】
図2は、関心領域10に結合された超音波システム20の概略図である。様々な実施形態では、表皮、真皮、皮下組織、筋膜、および表層筋無力症システム(「SMAS」)、ならびに/または筋肉などの、皮膚表面の下または同じ高さにある組織は、超音波エネルギーを使って非侵襲的に治療される。組織はまた、血管および/または神経も含み得る。超音波エネルギーは、焦点を当て、焦点が合っていないか、または焦点がずれている可能性があり、表皮、真皮、下皮、筋膜、およびSMASの少なくとも1つを含む対象領域に適用して、治療効果を達成することができる。様々な実施形態では、対象領域10の組織層は、対象の体の任意の部分にあり得る。一実施形態では、組織層は、対象の頭部および顔の領域にある。対象領域10の組織の断面部分は、皮膚表面501、表皮層502、真皮層503、脂肪層505、表層筋無力症システム507(以下、「SMAS 507」という)および筋肉層509を含む。組織はまた、真皮層503の下の任意の組織を含み得る下皮504を含み得る。これらの層の組み合わせは、まとめて皮下組織510として知られていてもよい。また、図2に示すように、処置ゾーン525が、表面501の下にある。一実施形態では、表面501は、対象500の皮膚の表面であり得る。組織層での治療を対象とする実施形態を、本明細書では例として使用することができるが、システムは体内の任意の組織に適用することができる。様々な実施形態では、本システムおよび/または方法は、組織(筋肉、筋膜、SMAS、真皮、表皮、脂肪、脂肪細胞、セリュライト(ガイノイドリポジストロフィー(例えば、非ディンプル型女性リポジストロフィ)と呼ばれることがある)、顔、首、頭、腕、脚、または身体の上もしくは中の任意の他の場所(身体の空洞を含む)のコラーゲン、皮膚、血管、のうちの1つまたは組み合わせを含むが、これらに限定されない)の上で使用することができる。様々な実施形態では、セルライト(例えば、非ディンプルタイプの女性ガイノイド脂肪症)の低減は、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、75%、80%、90%、95%、およびそれらの任意の範囲の量で達成される。
【0143】
図2の説明図を参照すると、超音波システム20の一実施形態は、ハンドワンド100、モジュール200、およびコントローラ300を含む。一実施形態では、モジュール200は、トランスデューサ280を含む。超音波システム20の様々な実施形態のトランスデューサ280は、トランスデューサ280と、処置のための標的組織との間の距離である焦点深度で組織を処置するように適合および/または構成することができる。様々な実施形態では、焦点深度は、所与のトランスデューサ280に対して、固定することができる。一実施形態では、焦点深度は、所与のトランスデューサ280に対して調節可能である。一実施形態では、トランスデューサ280は、皮膚表面の下の複数の深度(例えば、1.5mm、3.0mm、4.5mm、または他の深度)で同時に治療するように構成される。
【0144】
上で考察されるように、モジュール200は、音波透過性部材230を介してエネルギーを放出することができるトランスデューサを含むことができる。一実施形態では、トランスデューサ280は、オフセット距離を有することができ、そのオフセット距離は、トランスデューサ280と、音波透過性部材230の表面との間の距離である。一実施形態では、トランスデューサ280の焦点深度は、トランスデューサからの固定された距離である。一実施形態では、トランスデューサ280は、トランスデューサから音波透過性部材230までの固定されたオフセット距離を有することができる。一実施形態では、音波透過性部材230は、皮膚表面501に接触するためにモジュール200または超音波システム20上の位置に構成および/または構成されている。様々な実施形態では、焦点深度は、皮膚表面501下の組織深度に配置された標的領域での処置に対応する量だけオフセット距離を超過する。様々な実施形態では、超音波システム20が皮膚表面501と物理的に接触して配置されると、組織深度は、音波透過性部材230と、標的領域との間の距離であり、ハンドワンド100、または皮膚に接触するモジュール200表面の一部からの距離(音響結合ゲル、媒体などの有無にかかわらず)、およびその皮膚表面接点から標的領域までの組織内の深度として測定される。一実施形態では、焦点深度は、オフセット距離(結合媒体および/または皮膚501と接触する音波透過性部材230の表面に対して測定されるような)と、皮膚表面501下の標的領域までの組織深度との合計に対応し得る。様々な実施形態では、音波透過性部材230は使用されない。
【0145】
結合コンポーネントは、トランスデューサ280またはモジュール200を関心領域への結合を容易にするための様々な物質、材料、および/またはデバイスを含むことができる。例えば、結合コンポーネントは、超音波エネルギーおよび信号の音波結合に構成されたおよび/または構成された音波結合システムを含むことができる。対象領域に音を結合し、液体または流体で満たされたレンズ集束を提供するために、マニホルドのような可能な接続を有する音波結合システムを利用することができる。結合システムは、空気、気体、水、液体、流体、ゲル、固体、非ゲル、および/またはそれらの任意の組み合わせを含む1つ以上の結合媒体、またはトランスデューサ280と対象領域との間で伝送される信号を可能にする任意の他の媒体の使用を介してこのような結合を容易にすることができる。一実施形態では、トランスデューサの内部に1つ以上の結合媒体が設けられる。一実施形態では、流体充填モジュール200は、ハウジングの内部に1つ以上の結合媒体を含む。一実施形態では、流体充填モジュール200は、超音波デバイスの乾燥部分から分離可能な密封ハウジングの内部に1つ以上の結合媒体を含む。様々な実施形態では、結合効率が100%、99%以上、98%以上、95%以上、90%以上、80%以上、75%以上、60%以上、50%以上、40%以上、30%以上、25%以上、20%以上、10%以上、および/または5%以上の1つ以上のデバイスと組織との間で超音波エネルギーを伝達するために、結合媒体が使用される。
【0146】
様々な実施形態では、トランスデューサ280は、任意の好適な組織深度で関心領域を画像処理および処置することができる。一実施形態では、トランスデューサモジュール280は、約1W以下、約1W~約100W、約100W超の範囲、例えば、200W、300W、400W、500Wで、音響出力を提供することができる。一実施形態では、トランスデューサモジュール280は、約1MHz以下、約1MHz~約10MHz(例えば、3MHz、4MHz、4.5MHz、7MHz、10MHz、および約10MHz超)の周波数で、音響出力を提供することができる。一実施形態では、モジュール200は、皮膚表面501下の約4.5mmの組織深度で、処置のための焦点深度を有する。一実施形態では、モジュール200は、皮膚表面501下の約3mmの組織深度で、処置のための焦点深度を有する。一実施形態では、モジュール200は、皮膚表面501下の約1.5mmの組織深度で、処置のための焦点深度を有する。トランスデューサ280またはモジュール200のいくつかの非限定的な実施形態は、1.5mm、3mm、4.5mm、6mm、7mm、3mm未満、3mm~4.5mm、4.5mm~6mm、4.5mm超、6mm超等の組織深度で、および0~3mm、0~4.5mm、0~6mm、0~25mm、0~100mm等の範囲のどこかで、ならびにそれらの中の任意の深度で、超音波エネルギーを送達するように適合および/または構成することができる。一実施形態では、超音波システム20は、2つ以上のトランスデューサモジュール280が設け有れている。例えば、第1のトランスデューサモジュールは、第1の組織深度(例えば、約4.5mm)で治療を適用することができ、第2のトランスデューサモジュールは第2の組織深度(例えば、約3mm)で治療を適用することができ、第3の組織深度(例えば、約1.5~2mm)で治療を適用することができる。一実施形態では、少なくとも一部またはすべてのトランスデューサモジュールは、実質的に同じ深度で治療を適用するように構成、および/または構成することができる。
【0147】
様々な実施形態では、超音波処置のために焦点位置(例えば、組織深度を有するなど)の数を変更することは、トランスデューサ280の焦点深度が固定されている場合であっても、様々な組織深度で患者の処置を可能にするため、有利であり得る。これは、相乗的な結果をもたらし、単一の治療セッションの臨床結果を最大にすることができる。例えば、単一の表面領域の下の複数の深度での治療は、組織治療の全体的な体積を大きくすることができ、コラーゲンの形成および引き締めを促進する。加えて、異なる深度での治療は、異なるタイプの組織に影響を及ぼし、それにより、総合的な美容的結果を向上させる異なる臨床効果を生じる。例えば、表面治療は、しわを目立ちにくくさせ、さらに深い治療は、より多くのコラーゲン成長の形成を誘導し得る。同様に、同じ深度または異なる深度の様々な部位での治療により、治療を改善することができる。
【0148】
1つのセッションで異なる場所での対象の処置は、いくつかの実施形態では、有利である場合があるが、時間の経過とともに連続する処置は、他の実施形態では、有用である場合がある。例えば、対象は、時間1に1つの深度で、時間2に2つ目の深度などで、同じ表面領域下で治療することができる。様々な実施形態では、この時間は、ナノ秒、マイクロ秒、ミリ秒、秒、分、時間、日、週、月、または他の期間のオーダとすることができる。第1の治療によって生成された新しいコラーゲンは、その後の治療に対してより敏感であり得、これはいくつかの適応症に対して所望され得る。代替的に、単一のセッションにおける同じ表面領域の下の複数の深度での治療は、1つの深度での治療が、別の深度での治療を相乗的に増強または補足することができるので(例えば、血流の増強、成長因子の刺激、ホルモン刺激などによる)有利であり得る。いくつかの実施形態では、異なるトランスデューサモジュールは、異なる深度で治療を提供する。一実施形態では、単一のトランスデューサモジュールは、様々な深度に対して調整または制御することができる。間違った深度が選択されるリスクを最小限に抑える安全機能は、単一モジュールシステムと組み合わせて使用することができる。
【0149】
いくつかの実施形態では、顔の下面、および首の領域(例えば、顎の下の領域)を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態では、顎下唇溝を治療する(例えば、軟化させる)方法が提供される。他の実施形態では、目の領域(例えば、目の下のたるみ、眼窩下弛緩の治療)を治療する方法が提供される。上瞼の弛緩改善および眼窩周囲の小じわおよびきめの改善は、様々な深度で治療することによるいくつかの実施形態によって達成される。単一の治療セッション中に様々な部位で治療することにより、最適な臨床効果(例えば、軟化、引き締め)を達成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療方法は、非侵襲性の美容処置である。いくつかの実施形態では、本方法は、皮膚の引き締めが所望される外科的フェイスリフトまたは脂肪吸引などの侵襲的処置と組み合わせて使用することができる。様々な実施形態では、本方法は、身体の任意の部分に適用することができる。
【0150】
一実施形態では、トランスデューサモジュール200は、皮膚表面にまたはその下に、固定された深度での処置シーケンスを可能にする。一実施形態では、トランスデューサモジュールは、真皮層の下の1つ、2つ、またはそれ以上の可変または固定の深度での治療シーケンスを可能にする。いくつかの実施形態では、トランスデューサモジュールは、固定された焦点深度で一連の個々の熱損傷(以下、「熱凝固点」または「TCP」)で超音波治療を向けるように構成および/または構成された動作機構を含む。一実施形態では、連続する個別のTCPのシーケンスは、約0.01mm~約25mmの範囲(例えば、1mm、1.5mm、2mm、2、5mm、3mm、5mm、10mm、20mm、およびその中の任意の範囲)の処置間隔を有し、間隔の変更は、1~50%(例えば、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、およびその中の任意の範囲)だけ変動する。例えば、その間隔は、1.1mm以下、1.5mm以上、約1.1mm~約1.5mm等とすることができる。一実施形態では、個別のTCPは、離散的である。一実施形態では、個々のTCPは重複している。一実施形態では、動作機構は、個々のTCP間に可変間隔を提供するようにプログラムされるように構成、および/または構成されている。一実施形態では、ディザリングは、個々のTCP間に可変の間隔を提供するように構成、および/または構成することができる。いくつかの実施形態では、トランスデューサモジュールは、TCPが治療距離によって分離された線状または実質的に線状のシーケンスで形成されるように、超音波治療をシーケンス内に向けるように構成、および/または構成された動作機構を含む。例えば、トランスデューサモジュールは、第1の線状シーケンスから治療距離だけ分離された第1の線状シーケンスおよび第2の線状シーケンスに沿ってTCPを形成するように構成および/または構成することができる。一実施形態では、個別のTCPの隣接する線状シーケンス間の処置する距離は、約0.01mm~約25mmの範囲にある。一実施形態では、個別のTCPの隣接する線状シーケンス間の処置する距離は、約0.01mm~約50mmの範囲にある。例えば、一実施形態では、その処置する距離は、約2mm以下、3mm以下、約2mm~約3mm等とすることができる。いくつかの実施形態では、トランスデューサモジュールは、超音波処置をあるシーケンスに向けるように適合および/または構成された1つ以上の移動機構400を含むことができ、その結果、TCPは、他の線状シーケンスからの処置する距離によって分離された個別の熱損傷の線状または実質的な線状のシーケンスで形成される。一実施形態では、治療が第1の方向290(例えば、押す)に適用される。一実施形態では、治療が第1の方向290の反対の方向(例えば、引く)に適用される。一実施形態では、治療が第1の方向290および第1の方向とは反対の方向の両方(例えば、押して引く)で適用される。一実施形態では、線状または実質的に線状のTCPシーケンスを分離する治療距離は、同じまたは実質的に同じである。一実施形態では、線状または実質的に線状TCPシーケンスを分離する治療距離は、線状TCPシーケンスの様々な隣接するペアに対して異なるかまたは実質的に異なる。
【0151】
一実施形態では、第1および第2の取り外し可能なトランスデューサモジュールが提供される。一実施形態では、第1および第2のトランスデューサモジュールのそれぞれは、超音波画像処理および超音波治療の両方に対して構成、および/または構成されている。一実施形態では、トランスデューサモジュールは、治療のみに構成、および/または構成される。一実施形態では、画像処理トランスデューサは、プローブまたはハンドワンドのハンドルに取り付けることができる。第1および第2のトランスデューサモジュールは、ハンドワンドに交換可能に結合されるように構成、および/または構成される。第1のトランスデューサモジュールは、組織の第1の層に超音波治療を適用するように構成、および/または構成され、第2のトランスデューサモジュールは、組織の第2の層に超音波治療を適用するように構成、および/または構成される。組織の第2の層は、組織の第1の層とは異なる深度にある。
【0152】
様々な実施形態では、好適な焦点深度、分布、タイミング、およびエネルギーレベルでの放出されたエネルギーの送達は、制御システム300による制御された動作を介してモジュール200によって提供されて、制御された熱損傷の所望の治療効果を達成し、表皮層502、真皮層503、脂肪層505、SMAS層507、筋肉層509、および/または皮下組織504のうちの少なくとも1つを治療する。様々な実施形態では、放出されたエネルギーは、筋肉を処置するための深度に対応する深度で集束されることができる。様々な実施形態では、深度は、任意の組織、組織層、皮膚、表皮、真皮、下皮、脂肪、SMAS、筋肉、血管、神経、または他の組織に対応することができる。動作中、拡張領域を治療するために、モジュール200および/またはトランスデューサ280を表面501に沿って機械的および/または電子的に走査することもできる。表皮層502、真皮層503、皮下504、脂肪層505、SMAS層507および/または筋肉層509のうちの少なくとも1つに超音波エネルギー50を送達する前、間、および後に、治療領域および周囲構造の監視が提供され、その結果を計画および評価し、および/またはグラフィカルインターフェース310を介してコントローラ300およびユーザにフィードバックを提供することができる。
【0153】
一実施形態では、超音波システム20は、表面501に向けられ、かつその下に集束される超音波エネルギーを生成する。この制御され集束された超音波エネルギー50は、熱凝固点またはゾーン(TCP)550を生成する。一実施形態では、超音波エネルギー50は、皮下組織510に空隙を形成する。様々な実施形態では、放出されたエネルギー50は、表面501下の組織を標的とし、特定の焦点深度で、表面501下の組織部分10においてTCP550を切断、切除、凝固、微小切除、操作、および/または惹起する。一実施形態では、処置シーケンス中に、トランスデューサ280は、特定の時間間隔で、矢印のマーク290で示された方向に移動して、1つ以上のTCP550を作り出すための放出されたエネルギー50をそれぞれ受け取る一連の処置ゾーンを作り出すことができる。一実施形態では、TCPは、トランスデューサ280の運動方向に対して直角に離間することができる。いくつかの実施形態では、離間したTCPの配向は、矢印290から0~180度の任意の角度で設定することができる。いくつかの実施形態では、離間したTCPの配向は、トランスデューサ280の分極領域の配向に基づいて、0~180度の任意の角度で設定することができる。
【0154】
様々な実施形態では、トランスデューサモジュールは、1つ以上の変換素子を含むことができる。変換素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電活性材料、または圧電セラミック、結晶、プラスチック、および/または複合材料のような任意の他の圧電活性材料、ならびにニオブ酸リチウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、および/またはメタニオブ酸鉛を含んでもよい。様々な実施形態では、圧電活性材料に加えて、または代わりに、トランスデューサモジュールは、放射線および/または音波エネルギーを生成するように構成および/または構成された任意の他の材料を含むことができる。様々な実施形態では、トランスデューサモジュールは、異なる周波数および治療深度で動作するように構成および/または構成することができる。トランスデューサの特性は、外径(「OD」)および焦点距離(F)によって定義することができる。一実施形態では、トランスデューサは、OD=19mmおよびF=15mmを有するように適合および/または構成することができる。他の実施形態では、ODおよびFの他の好適な値、例えば、約19mm未満、約19mm超等のOD、および約15mm未満、約15mm超等のFを使用することができる。トランスデューサモジュールは、様々な標的組織深度で超音波エネルギーを印加するように適合および/または構成することができる。上述したように、いくつかの実施形態では、トランスデューサモジュールは、個別のTCP間の処置間隔を使って個別のTCPの線状または実質的な線状のシーケンスに超音波処置を向かわせるように適合および/または構成された移動機構を含む。例えば、処置間隔は、約1.1mm、1.5mm等とすることができる。いくつかの実施形態では、トランスデューサモジュールは、あるシーケンスに超音波処置を向かわせるように適合および/または構成された移動機構をさらに含むことができ、その結果、TCPは、処置間隔によって分離された線状または実質的な線状のシーケンスで形成される。例えば、トランスデューサモジュールは、第1の線状シーケンスから約2mm~3mmの治療間隔だけ分離された第1の線状シーケンスおよび第2の線状シーケンスに沿ってTCPを形成するように構成および/または構成することができる。一実施形態では、ユーザは、隣接する線状シーケンスのTCPが生成されるように、トランスデューサモジュールを治療領域の表面にわたって手動で動かすことができる。一実施形態では、動作機構は、トランスデューサモジュールを治療領域の表面にわたって自動的に動かして、隣接する線状シーケンスのTCPを作成することができる。
【0155】
様々な実施形態は、標的領域(組織など)へのエネルギー送達を制御するデバイスまたは方法に関する。様々な実施形態では、様々な形態のエネルギーは、音波、超音波、光、レーザ、無線周波数(RF)、マイクロ波、電磁気、放射、熱、極低温、電子ビーム、光子ベース、磁気、磁気共鳴、および/または他のエネルギー形態を含んでもよい。様々な実施形態は、超音波エネルギービームを複数のビームに分割するデバイスまたは方法に関する。様々な実施形態では、デバイスまたは方法は、治療用超音波、診断用超音波、超音波溶接、機械波を対象物に結合することを含む任意の用途などの任意の手順、および他の手順における超音波音波エネルギーの送達を変更するために使用することができる。一般に、組織効果は、治療用超音波を用いて、アパーチャからの集束技術を使用して音波エネルギーを集中させることによって達成される。いくつかの例では、高強度集束超音波(HIFU)がこのように治療目的で使用される。一実施形態では、特定の深度で治療用超音波を適用することによって生成される組織効果は、熱凝固点(TCP)の生成と称され得る。いくつかの実施形態では、ゾーンは点を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゾーンは、線、平面、球面、楕円面、立方体、または他の1次元、2次元または3次元形状である。組織の熱的および/または機械的アブレーションが非侵襲的または遠隔的に起こり得る特定の位置でのTCPの生成による。いくつかの実施形態では、超音波治療は、キャビテーションおよび/または衝撃波を含まない。いくつかの実施形態では、超音波治療は、キャビテーションおよび/または衝撃波を含む。
【0156】
一実施形態では、TCPは、線状または実質的に線状の、湾曲したまたは実質的に湾曲したゾーンまたはシーケンスで作り出すことができ、各個別のTCPは、隣接したTCPから処置間隔によって分離される。一実施形態では、治療領域に複数のTCPシーケンスを生成することができる。例えば、TCPは、第1のシーケンスに沿って形成され、第2のシーケンスは、第1のシーケンスからの治療距離だけ分離され得る。治療用超音波による治療は、個々のTCPのシーケンスおよびシーケンス中に個々のTCPを生成することによって施すことができるが、治療時間および対応する患者が経験する痛みおよび/または不快感のリスクを低減することが望ましい場合がある。複数のTCPを同時に、ほぼ同時に、または順次形成することによって、治療時間を低減することができる。いくつかの実施形態では、治療時間は、複数のTCPを生成することによって、10%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%以上低減することができる。
【0157】
例えば、いくつかの非限定的な実施形態では、トランスデューサのための電力システムは、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2mm、3mm、4.5mm、6mm、3mm未満、0.5mm~5mm、1.5mm~4.5mm、4.5mm超、6mm超、および0.1mm~3mm、0.1mm~4.5mm、0.1mm~25mm、0.1mm~100mmの範囲のどこかの組織深度、ならびにその中の任意の深度(例えば、6mm、10mm、13mm、15mm)で、集束するように構成することができる。いくつかの実施形態では、組織は皮膚表面下の深度で治療され、皮膚表面は損なわれない。代わりに、皮膚表面下の深度で達成される治療効果は、皮膚表面の好ましい美容外観をもたらす。他の実施形態では、皮膚表面は超音波(例えば、0.5mm未満の深度)で治療される。
【0158】
運動機構の1つの利点は、それが、画像処理および/または治療の目的のために、超音波トランスデューサのより効率的で、的確で、かつ高精度の使用を提供することができることである。このタイプの動作機構の1つの利点は、ハウジング内の空間に固定された複数のトランスデューサの従来の固定アレイに対して、固定アレイが固定距離離れていることである。一実施形態では、トランスデューサモジュールは、約1W~約100W(例えば、3~30W、7~30W、21~33W)の範囲内の超音波治療の音波出力を提供し、約1MHz~約10MHzの周波数で熱的に組織を加熱して凝固させる。一実施形態では、トランスデューサモジュールは、ピークまたは平均エネルギーが約1W~約500W(例えば、3~30W、7~30W、21~33W、100W、220W、またはそれ以上)の範囲で、および凝固を引き起こすように組織を熱的に加熱するための約1MHz~約12MHzの周波数で、超音波治療の音響出力を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、瞬時エネルギーが送達される。いくつかの実施形態では、平均エネルギーが送達される。一実施形態では、音波出力は、約1MHz~約12MHz(例えば、1MHz、3MHz、4MHz、4.5MHz、7MHz、10MHz、2~12MHz)の周波数範囲で1W~約100Wの範囲であってもよく、または約3MHz~約8MHz(例えば、3MHz、4MHz、4.5MHz、7MHz)の周波数範囲で約10W~約50Wの範囲であってもよい。一実施形態では、音波出力は、約1MHz~約12MHz(例えば、1MHz、4MHz、7MHz、10MHz、2~12MHz)の周波数範囲で1W~約500Wの範囲であってもよく、または約3MHz~約8MHz、もしくは3MHz~10MHzの周波数範囲で約10W~約220Wの範囲であってもよい。一実施形態では、音響出力および周波数は、約4.3MHzで約40W、および約7.5MHzで約30Wである(例えば、7.0MHz、7.2MHz、7.4MHz、7.6MHz、7.8MHz、8.0MHz)。この音響出力によって生成される音響エネルギーは、約0.01ジュール(「J」)~約10J(例えば、0.25J、0.45J、0.5J、1.0J、1.05J、1.20J、1.25J、1.50J、4J、6J、8J、9J)または約2J~約5Jとすることができる。音響出力によって生成される音響エネルギーは、約0.01J~約60,000J(例えば、バルク加熱を介した、身体整形、顎下の脂肪、腹部および/または脇腹、腕、内側大腿部、外側大腿部、殿部、腹部の緩み、セリュライトの場合)、約10Jまたは約2J~約5Jとすることができる。一実施形態では、音響エネルギーは、約3J未満の範囲(例えば、0.25J、0.45J、0.5J、1.0J、1.05J、1.20J、1.25J、1.50J、2.0J、2.5J)である。様々な実施形態では、処置電力強度は、10kW/cm~100kW/cm、15kW/cm~70kW/cm、10kW/cm~15kW/cm、15kW/cm~20kW/cm、17kW/cm~40kW/cm、15kW/cm~50kW/cm、20kW/cm~40kW/cm、15kW/cm~35kW/cm、15kW/cm~25kW/cm、25kW/cm~70kW/cm、および/または40kW/cm~80kW/cmである。
【0159】
本明細書に記載されている実施形態のいくつかでは、本手順は、完全に美容的であり、医療的行為ではない。例えば、一実施形態では、本明細書に記載される方法は、医者によって行われる必要はなく、スパまたは他の美容施設で実施される。いくつかの実施形態では、システムは皮膚の非侵襲性美容治療のために使用することができる。いくつかの実施形態では、単一の超音波治療ビームを使った熱経路を介して、または様々な処置および/または画像処理手順を実行するために超音波治療ビームを2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の同時焦点ゾーンに分割することによって、標的化された高精度の超音波を使用するシステムおよび方法が提供される。いくつかの実施形態では、超音波は、医療分野における診断および/または治療を目的として使用され、その分野には、皮膚科学が含まれるが、これに限定されない。
【0160】
様々な実施形態では、超音波画像処理は、超音波治療処置の実施中に十分な音響結合を確実にするために使用される。様々な実施形態では、超音波画像処理は、骨またはインプラントなどの体内の所望されない領域での治療を防止するために使用される。光とは異なり、音は、伝播のための媒体が必要である。一実施形態では、超音波処置システムは、トランスデューサからの超音波エネルギーを、ゲルを使用して音響窓を通して体に聴覚的に結合する。この実施形態では、ゲルは、組織の音波インピーダンス特性を模倣する媒体であり、したがって、デバイスから組織へのエネルギーの効率的な伝達が存在する。残念なことに、トランスデューサと組織との間の任意の空気ポケットにより、いくつかの状況では、適切な結合が妨げられ、したがって、超音波治療エネルギーの不適切な伝達を引き起こす可能性がある。超音波画像処理はこの結合をチェックする。不十分な結合は、超音波画像内の影または垂直縞、あるいは完全に暗い画像として現れる可能性がある。十分な結合がある場合であっても、骨または移植物などの組織または物体は、これらの対象物が、柔組織(例えば、皮膚、筋肉)とは異なる音響インピーダンスおよび吸収特性を有するために、様々な問題を引き起こす可能性がある。このため、デバイスと意図された治療焦点との間の物体(骨またはインプラントなど)は、意図したよりも浅い深度で顕著な反射および外観加熱を引き起こす可能性がある。焦点をわずかに超えた物体(例えば、骨など)も、物体が軟組織からの超音波を反射して容易に吸収するので、問題を引き起こす可能性がある。反射されたエネルギーは、意図したよりも高い温度上昇を引き起こして、治療焦点にすでにあるエネルギーに不注意に追加する可能性がある。骨の吸収エネルギーは、骨の加熱または不快感を引き起こす可能性がある。
【0161】
様々な実施形態では、本発明は、安全特性を改善し、効能性能を改善し、バルク加熱デバイス(帯状処置、線状焦点処置ゾーン、円筒焦点線、平面および/または立体など)の安全性および効能のコンポーネントを提供し、身体整形、顎下の脂肪、腹部および/または脇腹、腕、内側大腿部、外側大腿部、殿部、弛緩、腹部弛緩等のために、結合の定性的および/または定量的な評価を提供し、高解像度画像(複数可)に結合画像(複数可)を混合することを提供し、焦点外の面外障害(例えば、骨、腸閉塞、移植物)を評価するために使用され、かつ/または超音波検査者と同等のスキルの必要性を低減するために使用することができる。
【0162】
本明細書に開示されたいくつかの実施形態では、非侵襲性超音波システムは、以下の有益で審美的および/または美容的改善効果のうちの1つ以上を達成する際に使用されるように適合され、その改善効果は、顔の持ち上げ、眉の持ち上げ、下顎の持ち上げ、眼治療(例えば、頬バッグ、眼窩下の弛緩を治療する)、しわの低減、脂肪の低減(例えば、脂肪および/またはセリュライトの治療)、セリュライト(ガイノイドリポジストロフィーと呼ばれることがある)治療(例えば、ディンプルまたは非ディンプル型の女性のガイノイドリポジストロフィー)、デコルタージュの改善(例えば、胸の上部)、殿部の持ち上げ(例えば、殿部の引き締め)、皮膚の引き締め(例えば、顔、首、胸、腕、太もも、腹、尻などの顔または身体上の引き締めを引き起こすために、弛緩を治療する)、傷跡の低減、火傷の治療、刺青の除去、静脈の除去、静脈の低減、汗腺の治療、多汗症の治療、そばかすの除去、にきびの治療、吹出物の低減である。一実施形態では、熱凝固ゾーンは、表層筋無力症システム(「SMAS」)などの皮膚下の組織に向けられ、皮膚の表面に別の脱焦エネルギーが提供される。様々な実施形態では、超音波システムは、組織の凝固、焼灼のための局部的な加熱か、および/または機械的な細胞膜破壊のための局部的な加熱かのいずれかを生み出すことを目的として、組織および細胞内の局部的な機械的運動を生み出すための超音波を集束するように構成されている。様々な実施形態では、超音波システムは、眉(例えば、眉毛)を持ち上げるように構成される。様々な実施形態では、超音波システムは、顎下(顎の下)および頸部組織のようなたるんだ組織を持ち上げるように構成される。様々な実施形態では、超音波システムは、襟首の線およびしわを改善するように構成される。様々な実施形態では、超音波システムは、脂肪を低減するように構成される。様々な実施形態では、超音波システムは、セルライトの出現を低減させるように構成される。様々な実施形態では、表皮、真皮、筋膜、筋肉、脂肪、および表層筋無力症システム(「SMAS」)のような皮膚表面下または皮膚表面の組織でさえも、超音波エネルギーで非侵襲的に治療される。超音波エネルギーは、1つ以上の治療点および/またはゾーンに集束され、焦点が合っていないか、および/または焦点がずれている可能性があり、表皮、真皮、下皮、筋膜、筋肉、脂肪、セルライト、およびSMASの少なくとも1つを含む対象領域に適用して、美容および/または治療効果を達成することができる。様々な実施形態では、システムおよび/または方法は、熱処理、凝固、アブレーションおよび/または引き締めによる組織への非侵襲性皮膚治療を提供する。一実施形態では、脂肪低減が達成される。様々な実施形態では、1つ以上の特質(ディンプル、小結節形成、「ゆず肌」出現など)のセリュライト(例えば、ディンプルまたは非ディンプル型のガイノイドリポジストロフィー)の低減または改善は、例えば、未処置組織と比較して、約10~20%、20~40%、40~60%、60~80%、またはそれよりも高い値(ならびに、その中の重複する範囲)まで達成される。一実施形態では、デコルタージュが処理される。いくつかの実施形態では、同じ治療期間中に2つ、3つまたはそれ以上の有益な効果が達成され、同時に達成され得る。
【0163】
本発明の様々な実施形態は、超音波治療の管理によって提起される潜在的な課題に対処する。様々な実施形態では、標的組織における所望の臨床的アプローチのための所望の美容および/または治療的処置のためのTCPの形成を達成するための時間が低減される。様々な実施形態では、標的組織は、皮膚、瞼、睫毛、眉毛、目尻のしわ、しわ、目、鼻、口(例えば、ほうれい線、口周囲のしわ)、舌、歯、歯茎、耳、脳、心臓、肺、肋骨、腹部(例えば、腹部の弛緩の場合)、胃、肝臓、腎臓、子宮、胸、膣、前立腺、精巣、腺、甲状腺、内臓、毛髪、筋肉、骨、靱帯、軟骨、脂肪、脂肪小葉、脂肪質組織、皮下組織、移植組織、移植臓器、リンパ球、腫瘍、嚢胞、膿瘍、もしくは神経の一部、またはその中の任意の組み合わせであるが、これらに限定されない。
【0164】
超音波処置および/または画像処理デバイスの様々な実施形態は、米国出願第12/996,616号に記載され、2011年5月12日に米国公報第2011-0112405A1号として公開され、2009年6月5日に出願され、かつ2009年12月10日に英語で公開された国際出願第PCT/US2009/046475号の米国特許法第371条の下での米国国内段階であり、2008年6月6日に出願された米国仮出願第61/059,477号に基づく優先権の利益を主張し、それらの各々は、その全体が参照により、本明細書に組み込まれる。超音波処置および/または画像処理デバイスの様々な実施形態は、米国出願第14/193,234号に記載され、2014年9月11日に米国公報第2014/0257145号として公開され、その全体が参照により、本明細書に組み込まれる。超音波治療および/または画像処理デバイスの様々な実施形態は、国際出願PCT/US15/25581に記載され、国内段階米国出願第15/302,436号とともに2015年10月22日にWO2015/160708として公開され、2017年2月2日に米国出願第2017/0028227号として公開され、それらの各々は、その全体が参照により、本明細書に組み込まれる。超音波治療および/または画像処理デバイスの様々な実施形態は、国際出願PCT/US17/046703に記載され、国内段階米国出願第15/562,384号とともに2018年2月22日にWO2018/035012として公開され、それらの各々は、その全体が参照により、本明細書に組み込まれる。
【0165】
本明細書に記載されているいくつかの実施形態および例は、事例であり、これらの実施形態のデバイス、システム、および方法の全範囲を説明する中に限定していることを意図するものではない。いくつかの実施形態、材料、組成物、および方法の同等の変更、修正、および変形は、本明細書に記載されている実施形態の範囲内で行うことが可能であり、実質的に同様の結果をもたらす。本明細書に記載されている様々な実施形態、および添付された特許請求の範囲の趣旨および範囲内に入る修正、等価物、および代替物は、本明細書に含まれる。
【0166】
本明細書に開示された任意の方法は、記載された順序で実施される必要はない。本明細書に開示された方法は、施術者がとる特定の行動を含むが、明示的にも含意によっても、第三者によるこれらの行動の指示を含むこともできる。例えば、「トランスデューサモジュールを超音波プローブと結合させること」などの行為は、「トランスデューサモジュールの、超音波プローブとの結合を指示すること」を含む。本明細書に開示された範囲はまた、任意およびすべての重複、サブ範囲、開示された値、ならびにそれらの組み合わせも包含する。「~まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「~の間」等のような文言は、列挙された数字を含む。「約」または「およそ」などの用語の前に付された数字には、記載された数字が含まれる。例えば、「約25mm」は、「25mm」を含む。本明細書の名称および見出しは、便宜上提供されており、特許請求の範囲に記載された主題を限定するものではない。
図1A
図1B
図1C
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11A
図11B
図11C-1】
図11C-2】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図24
【国際調査報告】