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特表2022-513629ガラスカバーシートのフレームへの接着
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】ガラスカバーシートのフレームへの接着
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/04 20060101AFI20220202BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220202BHJP
   C03B 23/033 20060101ALI20220202BHJP
   G02B 5/00 20060101ALN20220202BHJP
【FI】
C03C27/04 D
G09F9/00 302
C03B23/033
G02B5/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529300
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 US2019062120
(87)【国際公開番号】W WO2020112430
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】62/772,776
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ミトラ,アーピータ
(72)【発明者】
【氏名】プライス,マイケル ウィリアム
【テーマコード(参考)】
2H042
4G015
4G061
5G435
【Fターム(参考)】
2H042AA26
4G015AA11
4G061AA01
4G061AA20
4G061BA02
4G061CA05
4G061CB04
4G061CB05
4G061CB16
4G061CB20
4G061CD03
4G061DA23
4G061DA29
4G061DA30
4G061DA36
5G435AA09
5G435AA14
5G435AA17
5G435EE03
5G435EE13
5G435GG43
5G435HH05
(57)【要約】
本明細書で開示されるのは、ガラスカバーシート及びフレームを有するガラス物品を成形する方法の実施形態である。上記ガラスカバーシートは第1の大面及び第2の大面を含み、ここで上記第2の大面は上記第1の大面の反対側である。上記フレームは支持面を有する。上記方法では、感圧接着テープを、上記ガラスカバーシートの、又は上記フレームの、第1の領域に貼付する。液体接着剤を、上記ガラスカバーシートの、又は上記フレームの、第2の領域に塗布する。圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加することによって、上記感圧接着テープに、上記ガラスカバーシートを上記フレームに第1の接着強度で接着させる。上記液体接着剤を硬化させることにより、上記ガラスカバーシートを上記フレームに、上記第1の接着強度より高い第2の接着強度で接着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス物品を成形する方法であって、
前記ガラス物品は、ガラスカバーシート及びフレームを備え、前記ガラスカバーシートは第1の大面及び第2の大面を含み、前記第2の大面は前記第1の大面の反対側であり、前記フレームは支持面を備え、
前記方法は:
感圧接着テープを、前記ガラスカバーシートの前記第1の大面の、又は前記フレームの前記支持面の、第1の領域に貼付するステップ;
液体接着剤を、前記ガラスカバーシートの前記第1の大面の、又は前記フレームの前記支持面の、第2の領域に塗布するステップ;
前記ガラスカバーシートの前記第1の大面が前記フレームの前記支持面に面するように、前記ガラスカバーシートを前記フレームに対して位置決めするステップ;
圧力を前記ガラスカバーシート及び前記フレームに印加することによって、前記感圧接着テープに、前記ガラスカバーシートを前記フレームに第1の接着強度で接着させるステップ;並びに
前記液体接着剤を硬化させることにより、前記ガラスカバーシートを前記フレームに第2の接着強度で接着するステップであって、前記第2の接着強度は前記第1の接着強度より高い、ステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の接着強度は、室温で測定した場合に0.05MPa~5MPaである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記感圧接着テープを貼付する前記ステップは、前記ガラスカバーシート又は前記フレームの周の付近に、前記感圧接着テープを貼付するステップを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記フレームは前記支持面上に湾曲面を備え、
圧力を前記ガラスカバーシート及び前記フレームに印加する前記ステップの前には、前記ガラスカバーシートは略平面であり、圧力を前記ガラスカバーシート及び前記フレームに印加する前記ステップの後、前記ガラスカバーシートは、前記湾曲面と形状一致するように曲げられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ガラス物品であって、
前記ガラス物品は:
第1の大面及び第2の大面を有するガラスカバーシートであって、前記第2の大面は、少なくとも1つの第1のカーブを備える、ガラスカバーシート;
少なくとも1つの第1の相補的カーブを備えた支持面を備える、フレームであって、前記カバーガラスシートの前記第2の大面は、前記フレームの前記支持面に面し、前記第1の相補的カーブは、前記第1のカーブに対して相補的である、フレーム;
前記フレームの前記第1の大面と前記ガラスカバーシートの前記第2の大面との間の、少なくとも1つの第1の領域に配置される、感圧接着テープ;並びに
前記フレームの前記第1の大面と前記ガラスカバーシートの前記第2の大面との間の、少なくとも1つの第2の領域に配置される、硬化済みの液体接着剤
を備える、ガラス物品。
【請求項6】
前記感圧接着テープは、室温で測定した場合に0.05MPa~5MPaの接着強度で、前記ガラスカバーシートを前記フレームに接着する、請求項5に記載のガラス物品。
【請求項7】
硬化した前記液体接着剤は、室温で測定した場合に0.5MPa~25MPaの接着強度で、前記ガラスカバーシートを前記フレームに接着する、請求項5又は6に記載のガラス物品。
【請求項8】
光学的に透明な接着剤を用いて前記支持面又は前記第2の大面に接着されたディスプレイを更に備え、
前記感圧接着テープは、硬化した前記液体接着剤が前記光学的に透明な接着剤と接触しないように、前記光学的に透明な接着剤を取り囲む、請求項5~7のいずれか1項に記載のガラス物品。
【請求項9】
前記第1の大面及び前記第2の大面はそれぞれ、約60mm~約10,000mmの曲率半径を有する少なくとも1つの場所を備える、請求項5~8のいずれか1項に記載のガラス物品。
【請求項10】
前記第1の領域によって覆われる表面積と、前記第2の領域によって覆われる表面積との比率は、1:150~1:1である、請求項5~9のいずれか1項に記載のガラス物品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2018年11月29日出願の米国仮特許出願第62/772,776号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、参照によりその全体が本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、湾曲ガラス物品及びその形成方法に関し、より詳細には、冷間成形又は冷間曲げ加工されたカバーガラスを備えたガラス物品を含む車両内装システム、及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
車両内装は湾曲面を含み、このような湾曲面にディスプレイを組み込むことができる。このような湾曲面の形成に使用される材料は典型的にはポリマーに限られているが、これは、ガラスのような耐久性及び光学的性能を示さない。従って、特にディスプレイ用のカバーとして使用する場合には、湾曲ガラス基板が望ましい。このような湾曲ガラス基板を形成する既存の方法、例えば熱間成形は、高コスト、光学歪み、及び表面の痕跡を含む欠点を有している。従って、出願人は、コスト効率が高い方法で、またガラスの熱間成形プロセスに通常関連する問題を伴わずに、湾曲ガラス基板を組み込むことができる車両内装システムの必要を認識している。
【発明の概要】
【0004】
ある態様によると、本開示の実施形態は、ガラスカバーシート及びフレームを有するガラス物品を成形する方法に関する。上記ガラスカバーシートは第1の大面及び第2の大面を含み、ここで上記第2の大面は上記第1の大面の反対側である。上記フレームは支持面を有する。上記方法では、感圧接着テープを、上記ガラスカバーシートの上記第1の大面の、又は上記フレームの上記支持面の、第1の領域に貼付する。液体接着剤を、上記ガラスカバーシートの上記第1の大面の、又は上記フレームの上記支持面の、第2の領域に塗布する。上記ガラスカバーシートの上記第1の大面が上記フレームの上記支持面に面するように、上記ガラスカバーシートを上記フレームに対して位置決めする。圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加することによって、上記感圧接着テープに、上記ガラスカバーシートを上記フレームに第1の接着強度で接着させる。上記液体接着剤を硬化させることにより、上記ガラスカバーシートを上記フレームに第2の接着強度で接着し、ここで上記第2の接着強度は上記第1の接着強度より高い。
【0005】
別の態様によると、本開示の実施形態はガラス物品に関する。上記ガラス物品は、第1の大面及び第2の大面を有するガラスカバーシートを含む。上記第2の大面は、少なくとも1つの第1のカーブを有する。上記ガラス物品はまた、少なくとも1つの第1の相補的カーブを備えた支持面を有する、フレームを含む。上記カバーガラスシートの上記第2の大面は、上記フレームの上記支持面に面し、上記第1の相補的カーブは、上記第1のカーブに対して相補的である。感圧接着テープを、上記フレームの上記第1の大面と上記ガラスカバーシートの上記第2の大面との間の、少なくとも1つの第1の領域に配置する。更に、硬化済みの液体接着剤を、上記フレームの上記第1の大面と上記ガラスカバーシートの上記第2の大面との間の、少なくとも1つの第2の領域に配置する。
【0006】
更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、またその一部は、「発明を実施するための形態」から当業者には容易に明らかになるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載されているような実施形態を実践することにより、当業者には容易に理解されるだろう。
【0007】
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」は単なる例示であり、請求項の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。
【0008】
添付の図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を図示し、本記載と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的実施形態による、車両内装システムを有する車両内装の斜視図
図2】ある例示的実施形態による、冷間曲げ加工及び湾曲フレームへの取り付け後のガラス基板の断面図
図3】ある例示的実施形態による、ガラス基板をフレームに積層するための圧延プロセスのある段階
図4A】ある例示的実施形態による、フレームに適用されたままの状態の接着層の構成
図4B】ある例示的実施形態による、フレームに適用されたままの状態の接着層の構成
図5】ある例示的実施形態による、フレームに適用されたままの状態の接着層の別の構成
図6】ある例示的実施形態による、フレームに適用されたままの状態の接着層の更に別の構成
図7】ある例示的実施形態による、湾曲フレームに適用されたままの状態の感圧接着層の構成
図8】ある例示的実施形態による、湾曲フレームに適用されたままの状態の感圧接着層の別の構成
図9】ある例示的実施形態による、湾曲フレームに適用されたままの状態の感圧接着層の更なる構成
図10】ある例示的実施形態による、湾曲フレームに積層されたガラス基板の部分上面図上の、限定的な反射歪みを示す図
図11】ある例示的実施形態による、環境試験を経た後の湾曲フレームに積層されたガラス基板の側面図を示す図
図12】ある例示的実施形態による、ガラス基板の正面斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
これより、様々な実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例は、添付の図面に図示されている。一般に、車両内装システムは、透明となるように設計された多様な異なる湾曲面、例えば湾曲ディスプレイ表面及び湾曲非ディスプレイガラスカバーを含んでよく、本開示は、これらの湾曲面をガラス材料から形成するための物品及び方法に関する。湾曲した車両の表面をガラス材料から形成すると、従来の車両の内装に見られる典型的な湾曲プラスチックパネルに比べて多数の利点が提供される。例えば、ガラスは典型的には、ディスプレイ用途及びタッチスクリーン用途といった多数の湾曲カバー材料の用途に関して、プラスチックカバー材料に比べて改善された機能性及びユーザ体験を提供すると考えられる。
【0011】
従って以下で詳述するように、本出願人は、冷間曲げ加工されたガラス基板の片を利用した車両内装システム用のディスプレイといった物品を形成するための効率的でコスト効率の高い方法を提供する、ガラス物品及び関連する製造プロセスを開発した。
【0012】
特定の実施形態では、ガラス基板は、ローラーを用いてフレームの湾曲形状へと曲げられる。本明細書で開示されるように、上記湾曲形状は初め、ローラーによって活性化される感圧接着剤を用いて維持され、上記感圧接着剤は、ガラス基板の湾曲形状を保持するために、初期粘着強度(即ち、最終的な接着強度よりも低い、加工及び取り扱いを可能とする強度のレベル)を提供する。その後、液体接着剤を長期間にわたって硬化させて、ガラス基板とフレームとの間の完全な構造的結合を提供する。本明細書で開示されるこのような二重接着剤システムを用いて形成されたガラス物品は、より経済的な製造プロセスを可能にする。
【0013】
図1は、車両内装システムの3つの異なる実施形態100、200、300を含む例示的な車両内装1000を示す。車両内装システム100は、湾曲ディスプレイ130を含む湾曲面120を有する中央コンソールベース110として示されているフレームを含む。車両内装システム200は、湾曲ディスプレイ230を含む湾曲面220を有するダッシュボードベース210として示されているフレームを含む。ダッシュボードベース210は典型的には機器パネル215を含み、これもまた湾曲ディスプレイを含んでよい。車両内装システム300は、湾曲面320と湾曲ディスプレイ330と有するステアリングホイールベース310として示されているフレームを含む。1つ以上の実施形態では、車両内装システムは、アームレスト、ピラー、背もたれ、床板、ヘッドレスト、ドアパネル、又は湾曲面を含む車両の内装のいずれの部分である、フレームを含む。他の実施形態では、フレームは、自立型ディスプレイ(即ち車両の一部分に常に接続されているものではないディスプレイ)のためのハウジングの一部分である。
【0014】
本明細書に記載のガラス物品の実施形態は、車両内装システム100、200、及び300それぞれにおいて使用できる。更に、本明細書に記載のガラス物品は、車両内装システム100、200、及び/又は300で使用するためのものを含む、本明細書に記載の湾曲ディスプレイの実施形態のうちのいずれのための湾曲カバーガラスとして使用できる。更に、様々な実施形態において、車両内装システム100、200、及び300のディスプレイでない様々な構成部品を、本明細書に記載のガラス物品から形成してよい。いくつかのこのような実施形態では、本明細書に記載のガラス物品を、ダッシュボード、センターコンソール、ドアパネル等のための、非ディスプレイカバー面として使用してよい。このような実施形態では、ガラス材料は、その重量、美的外観等に基づいて選択でき、また上記ガラス材料には、ガラス製部品の見た目を、隣接する非ガラス製部品と一致させるための、パターン(ヘアライン仕上げの金属の外観、木目状の外観、レザー状の外観、着色された外観等)を有する又は有しない、装飾コーティング(例えばインク又は顔料コーティング)を設けてもよい。具体的実施形態では、このようなインク又は顔料コーティングは、デッドフロント機能を提供する透明度レベルを有してよい。
【0015】
図2は、例示的実施形態による、(図1に示されているような)湾曲ディスプレイ130用のカバーガラス等のガラス物品10の断面図を示す。図2を湾曲ディスプレイ130の成形に関して説明するが、図2のガラス物品10は、図1の車両内装システムのうちのいずれの、いずれの湾曲又は非湾曲ガラス製部品を含む、いずれの好適な湾曲ガラス用途に使用してよいことを理解されたい。このようなガラス製部品は、ディスプレイ又は非ディスプレイ領域、例えばフラットディスプレイエリア及び湾曲した非ディスプレイエリア、湾曲ディスプレイ、並びに湾曲ディスプレイ及び湾曲した非ディスプレイエリアであってよい。更に、湾曲ガラス物品は、凹状の湾曲、凸状の湾曲、又は凸状の湾曲と凹状の湾曲との両方を有する、湾曲ガラス物品を含んでよい。
【0016】
図2では、フレーム12は、湾曲を有する支持面14を含む。ガラス物品10はガラス基板16を含む。ガラス基板16は、第1の大面18と、第1の大面18の反対側の第2の大面20とを含む。小面22は第1の大面18と第2の大面20とを接続し、また具体的実施形態では、小面22はガラス基板16の外周を画定する。ガラス基板16は、接着層24を介してフレーム12に取り付けられる。実施形態では、接着層24は少なくとも2つの接着剤を含む。このような実施形態では、第1の接着剤は、ガラス基板16をフレーム12に付着させて粘着強度を提供する感圧接着剤であり、第2の液体接着剤は、経時的に硬化して、長期間にわたる強度を提供する。実施形態では、上記感圧接着剤は、0.05~5MPaである第1の接着強度又は粘着強度を提供し、液体接着剤は、0.5MPa超かつ25MPaまでの第2の接着強度を提供する。実施形態では、「接着強度(bond strength)」は、室温における接着剤の引張強度、せん断強度、剥離強度、及び割裂強度のうちの少なくとも1つを指す。
【0017】
ガラス基板16は湾曲形状を有するため、第1の大面18及び第2の大面20のそれぞれが、ある曲率半径を有する少なくとも1つの湾曲セクションを含む。図示されている具体的実施形態では、フレーム12の支持面14は凸状湾曲面である。このような実施形態では、ガラス基板16は、第1の大面18が、支持面14の凸状湾曲形状に概ね形状一致する凹状の形状を画定し、また第2の大面20が、支持面14の凸状湾曲形状に概ね形状一致する、又はその鏡像となる、凸状形状を画定するように、曲げられる。このような実施形態では、面18、20の両方が、フレーム12の支持面14の曲率半径に概ね一致する第1の曲率半径R1を画定する。
【0018】
実施形態では、R1は30mm~5mである。更に、実施形態では、ガラス基板16は、図2に示されている厚さT1(例えば面18、20の間で測定された平均厚さ)を有し、これは0.05mm~2mmである。具体的実施形態では、T1は1.5mm以下であり、更に具体的な実施形態では、T1は0.4mm~1.3mmである。出願人は、圧延を利用して、多様な車両内装用途のための高品質のカバー層を提供しながら同時に破壊を引き起こすことなく、このような薄いガラス基板を(本明細書に記載の湾曲の比較的高い曲率半径を含む)多様な湾曲形状に冷間成形できることを発見した。更に、このような薄いガラス基板16は比較的容易に変形させることができ、これにより、支持面14及び/又はフレーム12に対して存在し得る形状の不一致及び間隙を補償できる可能性がある。
【0019】
図3は、ガラス基板16をフレーム12に取り付けるための圧延プロセスの開始を示す。図面から確認できるように、ガラス基板16をフレーム12の第1の端部26と整列させ、第1の端部26をローラー28a、28bの間に挿入して、圧延を開始する。ローラー28a、28bは、ローラーの間隙を通るようにフレーム12及びガラス基板16を引き込み、これによってガラス基板16及びフレーム12に圧力を印加して、接着層24を介してガラス基板をフレーム12に付着させる。第1の端部26から第2の端部27までがローラー28a、28bを通過した後、接着層の感圧接着剤の粘着強度によって、ガラス基板16が、圧延後の湾曲形状に保持される。
【0020】
様々な実施形態では、ガラス基板16の第1の大面18及び/又は第2の大面20は、1つ以上の表面処理又は層を含む。この表面処理は、第1の大面18及び/又は第2の大面20の少なくとも一部分をカバーしてよい。例示的な表面処理としては、防眩表面/コーティング、反射防止表面/コーティング、及び清掃容易化(easy‐to‐clean)表面コーティング/処理が挙げられる。1つ以上の実施形態では、第1の大面18及び/又は第2の大面20の少なくとも一部分は、防眩表面、反射防止表面、及び清掃容易化コーティング/処理のうちのいずれの1つ、いずれの2つ、又は3つ全てを含んでよい。例えば、第1の大面18は防眩表面を含んでよく、第2の大面20は反射防止表面を含んでよい。別の例では、第1の大面18は反射防止表面を含み、第2の大面20は防眩表面を含む。更に別の例では、第1の大面18は、防眩表面及び反射防止表面のうちの一方又は両方を備え、第2の大面20は清掃容易化コーティングを含む。
【0021】
更に、多くのガラス表面処理(例えば防眩コーティング、反射防止コーティング、清掃容易化コーティング等)を、典型的には湾曲ガラス物品のコーティングに適していない、スパッタリングプロセス等の堆積プロセスによって適用する。更に、多くの表面処理(例えば防眩コーティング、反射防止コーティング、清掃容易化コーティング等)は、熱間曲げプロセスに関連する高温に耐えることもできない。よって、本明細書に記載の特定の実施形態では、1つ以上の表面処理を圧延の前にガラス基板16の第1の大面18及び/又は第2の大面20に適用し、表面処理を含むガラス基板16を、本明細書に記載されているように、湾曲形状へと曲げる。よって出願人は、本明細書に記載のプロセス及びシステムによって、典型的な熱間成形プロセスとは対照的に、1つ以上のコーティング材料をガラスに適用した後でガラスを曲げることができると考えている。
【0022】
実施形態では、ガラス基板16はまた、第1の大面18及び/又は第2の大面20上に装飾コーティングを含んでよい。装飾コーティングは、染料、顔料、又は染料と顔料との組み合わせ(例えばインク、塗料等)によって形成されたいずれの美的デザインを含んでよく、木目状のデザイン、ヘアライン仕上げの金属のデザイン、グラフィックのデザイン、ポートレート、又はロゴを含むことができる。装飾コーティングは、ガラス基板上に印刷してもよい。1つ以上の実施形態では、防眩表面は、エッチングされた表面を含む。1つ以上の実施形態では、反射防止表面は、多層コーティングを含む。
【0023】
有利なことに、出願人は、圧延によって、ガラス基板16上に配置された様々なコーティング(これらは従来のガラス曲げプロセスに典型的に関連する高温において損傷又は破壊され得る)を保存したまま、ガラス物品10を成形できると考えている。
【0024】
図4A~4B、5、6、及び7を参照すると、接着層24の様々な構成が示されている。
【0025】
まず図4Aを参照すると、感圧接着剤30の境界線が、フレーム12に適用されている。即ち、感圧接着剤30が、フレーム12の周を画定する縁部の付近に配置されている。しかしながら、他の実施形態では、感圧接着剤30を、フレーム12に加えて、又はフレーム12の代わりに、ガラス基板16の周を画定する縁部の付近に適用してもよい。実施形態では、「付近(proximal)」は、ガラス基板16及び/又はフレームの縁部又はその付近、例えば縁部の5cm以内、2cm以内、又は1cm以内に適用されることを意味する。更に、実施形態では、感圧接着剤30は周を巡るように連続的に適用され、即ち感圧接着剤30に中断が存在しない。フレーム12の周を巡るように連続的に感圧接着剤30を配置することにより、液体接着剤32を、図4Bに示されているように、感圧接着剤30によって画定される境界線の内側に塗布できる。このようにすると、感圧接着剤30は、圧延中に液体接着剤32がガラス物品10の縁部から絞り出されるのを防ぐダムとして機能する。しかしながら他の実施形態では、感圧接着剤30をガラス基板16及び/又はフレーム12の周を巡るように非連続的に適用してもよく、即ち、感圧接着剤30の複数のストリップの間に中断が存在するように適用してもよい。更に、実施形態では、感圧接着剤32と同様に、液体接着剤30を、フレーム12に加えて、又はフレーム12の代わりに、ガラス基板16に塗布できる。
【0026】
実施形態では、感圧接着剤30は、幅0.05インチ~1.5インチのストリップとして適用される。実施形態では、感圧接着剤30のストリップの厚さは0.025mm~3.5mmである。ある実施形態では、感圧接着剤30は:3M(商標)VHB(商標)、例えば#8412BLACK、#5909、#4611、#4930、#5952(3M(ミネソタ州セントポール)から入手可能);Tesa(登録商標)、例えば#7805、#61057、(tesa SE(ドイツ、ノルダーシュテット)から入手可能);又はDAITAC STA400若しくはTRYCK(DIC株式会社(日本、東京)から入手可能)である。
【0027】
液体接着剤32は、例えば18℃~80℃の温度で約15分~8日間にわたる硬化の後に、長期間にわたる強度を提供するように選択される。実施形態では、液体接着剤32のための例示的な接着剤としては、エポキシ、アクリル、ポリウレタン、ポリウレタンホットメルト、シラン変性ポリマー、及び/又はシリコーンが挙げられる。具体的実施形態では、液体接着剤32としては、1つ以上の強化エポキシ、例えばEP21TDCHT‐LO(Masterbond(登録商標)(ニュージャージー州ハッケンサック)から入手可能)、3M Scotch‐Weld(商標)Epoxy DP460 Off‐White(3M(ミネソタ州セントポール)から入手可能)が挙げられる。他の実施形態では、液体接着剤32としては、1つ以上の可撓性エポキシ、例えばMasterbond EP21TDC‐2LO (Masterbond(ニュージャージー州ハッケンサック)から入手可能)、3M Scotch‐Weld Epoxy 2216 B/A Gray(3M(ミネソタ州セントポール)から入手可能)、及び3M Scotch‐Weld Epoxy DP125(3M(ミネソタ州セントポール)から入手可能)が挙げられる。
【0028】
更に他の実施形態では、液体接着剤32としては、1つ以上のアクリル、例えばLORD(登録商標)Adhesive 410/Accelerator 19 w/ LORD AP 134 primer、LORD Adhesive 852/LORD(登録商標)Accelerator 25GB(いずれもLORD Corporation(ノースカロライナ州ケーリー)から入手可能)、DELO PUR SJ9356(DELO Industrial Adhesives(ドイツ、ヴィンダッハ)から入手可能)、Loctite(登録商標)AA4800、Loctite HF8000が挙げられる。更に他の実施形態では、液体接着剤としては特に:シラン変性ポリマー、例えばTEROSON(登録商標)MS 9399、及びTEROSON MS 647‐2C(直前の4つはHenkel AG & Co. KGaA(ドイツ、デュッセルドルフ)から入手可能);又は1つ以上のシリコーン、例えばDow Corning(登録商標)995、Dow Corning 7091(Dow Corning Corporation(ミシガン州ミッドランド)から入手可能)が挙げられる。
【0029】
更に他の実施形態では、液体接着剤32としては、1つ以上のポリウレタンホットメルト、例えばLoctite HHD 3542(Henkel AG & Co. KGaA(ドイツ、デュッセルドルフ)から入手可能)が挙げられる。他の実施形態では、液体接着剤32としては、1つ以上のポリウレタン、例えば3M Scotch‐Weld Urethane DP640 Brown、3M Scotch‐Weld Urethane DP604(いずれも3M(ミネソタ州セントポール)から入手可能)、Betamate(商標)73100、Betaseal(商標)X2500、及びBetalink(商標)K2(直前の3つはThe Dow Chemical Company(ミシガン州ミッドランド)から入手可能)が挙げられる。
【0030】
実施形態では、特に金属製の又は金属表面を含むフレーム12、及びガラス基板16のガラス表面に関して、ガラス基板16及びフレーム12の表面を、感圧接着剤30及び/又は液体接着剤32への良好な接着のために準備するために、プライマーを塗布できる。更に、実施形態では、金属及びガラス表面のためのプライマーに加えて、インクプライマーを用いてよい。インクプライマーは、液体接着剤32とインク被覆面(例えばデッドフロント化用途に関して上述した装飾コーティング)との間のより良好な接着の提供を補助する。プライマーの例は、3M Scotch‐Weld Metal Primer 3901(3M(ミネソタ州セントポール)から入手可能)であり、他の市販のプライマーも本開示での使用に好適であり、接着に関与する表面、及び接着を形成するために使用される接着剤に基づいて選択できる。
【0031】
上述のように、感圧接着剤30及び液体接着剤32を含む接着層24の適用後、ガラス基板16をフレーム12と整列させる。圧延中、ガラス基板16をフレーム12に積層する。更に、(図2、3、及び8~10に示されているように)フレーム12が湾曲している場合、ガラス基板16も、フレーム12の湾曲に形状一致するように曲げる。実施形態では、圧延プロセスは室温(例えば約20℃)で実施されるか、又はローラー28a、28bを昇温下、例えば150℃以下、100℃以下、若しくは50℃以下の温度としてもよい。実施形態では、ガラス基板16を室温で圧延した後、接着層24を長期間にわたって硬化させる。圧延中、感圧接着剤30は、ガラス基板16及びフレーム12を数十分程度の長期間にわたって昇温下で硬化させる必要がある従来のプロセスに比べて迅速に、ガラス基板16をフレーム12上の所定の位置に固定する。このようにして、感圧接着剤30は、特に湾曲ガラス物品を形成する際に、ガラス基板16をフレーム12に形状一致させた状態に維持するための粘着強度を提供する。有利なことに、このようにしてガラス物品10を硬化させるのは、従来の冷間成形法に比べてはるかに経済的である。というのは、ガラス物品10を、成形プロセス全体にわたって昇温下及び/又は真空下に保持する必要がないためである。
【0032】
図5で確認できるように、感圧接着剤30及び液体接着剤32は、接着層24内に、様々な構成で配設できる。図5では、感圧接着剤30はフレーム12の周の付近に配置される。更に、感圧接着剤30のストリップ36は、フレーム12を横断するように配置され、第1の端部26から第2の端部27まで延在する。ストリップ36は圧延方向(矢印38)に対して平行である。図5に示されているように、液体接着剤32は、感圧接着剤30のストリップ36の間に堆積させられる。図5の特定の実施形態では、感圧接着剤30のストリップ36が内側に3個存在する。他の実施形態では、感圧接着剤30の1つのストリップ36、2つのストリップ36、又は4つ以上のストリップ36を、フレーム12及び/又はガラス基板16上に設けてよい。実施形態では、フレーム12及び/又はガラス基板16の幅によって、フレーム12及び/又はガラス基板16上に設けられる内側のストリップ36の個数が規定され得る。
【0033】
図6は、感圧接着剤30の周の内側に配置された、感圧接着剤30の複数の片37で構成された感圧接着剤30の非連続的なストリップ36を示す。これらの片37は、感圧接着剤30の周の内側の液体接着剤32によって取り囲まれる。図示されている実施形態では、片37は長方形であり、略規則的な間隔を有する。しかしながら他の実施形態では、片37は他の多角形又は湾曲形状、例えば正方形、三角形、ひし形、円形、楕円形等であってよく、規則的な又は不規則な間隔で離間していてよい。
【0034】
図7~9は、ディスプレイ用の開口38を備えた湾曲フレーム12の実施形態を示す。図7に示されている実施形態では、フレーム12は、第1の凹状カーブ40及び第2の凸状カーブ42を含み、これらは平坦なセクション44で隔てられている。よって側方から見ると、フレーム12はややS字型のカーブを有する。図示されている実施形態では、ディスプレイ用の開口38は、フレーム12の平坦なセクション44に配置される。更に、実施形態では、第1の凹状カーブ40の曲率半径は第2の凸状カーブ42の曲率半径と同一であり、他の実施形態では、第1の凹状カーブ40の曲率半径は第2の凸状カーブ42の曲率半径と異なる。図7では、感圧接着剤30は、フレーム12の周の付近に、及び開口38の周をめぐるように、配置される。また図8では、感圧接着剤30のストリップ36は、圧延方向38に対して平行に、フレーム12に沿って延在するように設けられる。図8で確認できるように、ストリップ36は、フレーム12の第1の端部26から第2の端部27まで連続している。しかしながら、図9に示されているように、ストリップ36は、フレームの第1の端部26から第2の端部27まで、非連続的である。即ち、感圧接着剤30の複数の片37が、フレーム12の表面上に配置される。図6の実施形態に示されている片37と同様に、図9の実施形態の片37は、多角形又は湾曲形状、例えば長方形、正方形、三角形、ひし形、円形、楕円形等であってよく、規則的な又は不規則な間隔で離間していてよい。液体接着剤(図示せず)は、感圧接着剤30のストリップ36又は片37の間の空間を満たす。有利には、図7~9に示されている実施形態に関して、開口38の周りに感圧接着剤を設けることにより、感圧接着剤30は、液体接着剤32と、開口38のエリアにおいてガラス基板16にディスプレイを取り付けるために使用される光学的に透明な接着剤との間の接触を防止できる。
【0035】
実施形態では、感圧接着剤30及び液体接着剤32は、感圧接着剤30がフレーム12及び/又はガラス基板16の第1の領域を覆い、液体接着剤32がフレーム12及び/又はガラス基板16の第2の領域を覆うように、配設される。第1の領域と第2の領域との比率は、フレーム12に対するガラス基板16の初期粘着のために十分な粘着強度、及び硬化後にガラス基板16をフレーム12に固定するために十分な構造接着強度を提供するように選択してよい。更に、上記比率は、ガラス基板16及びフレーム12全体にわたる様々な位置において、応力緩和を提供するように選択してよい。例えば、比較的高い接着応力を有する領域が、液体接着剤32が配置された場所に発生し得る。このような高接着応力領域は、比較的低い接着応力を有することになる感圧接着剤30を、周囲の領域に配置することによって、上記周囲の領域において応力緩和され得る。実施形態では、第1の領域と第2の領域との比率は1:150~1:1であってよい。例えば、曲率半径が10000mm以上である場合、第1の領域と第2の領域との比率は1:10~1:150であってよい。更に、10000mm未満(<10000mm)の半径に関して、第1の領域と第2の領域との比率は1:80~1:2であってよい。また更に、5000mm未満の半径に関して、第1の領域と第2の領域との比率は1:50~1:1であってよい。
【0036】
図10は、感圧接着剤及び液体接着剤を含む接着層を用いた圧延によってフレーム12に積層されたガラス基板16から形成されたガラス物品10の、内部反射歪みの図を示す。図10で確認できるように、上記接着層の2つの接着剤は、反射した画像の有意な歪みを引き起こさない。即ち、反射した画像の行及び列は、有意に波打つことはなく、その代わりに、ガラス物品10のガラス基板16の幅にわたって、及び長さに沿って、比較的均一である。この点に関して歪みが存在しないことは、2つの異なるタイプの接着剤を使用しているにもかかわらず、接着層の厚さが比較的均一であることを示している。
【0037】
図11は、修正されたGMW3172試験に従った環境試験を経た後のガラス基板の側面図を示す。ガラス物品10を形成するために、感圧接着剤及び液体接着剤を含む接着層を用いた圧延によって、ガラス基板16をフレーム12に積層した。試験は、ガラス物品10を修正されたGMW3172環境/耐久性試験に供するステップを含んでいた。修正されたGMW3172は:240時間にわたる85℃/85%RHでの連続試験;これに続く、氷点下で240時間、その後95℃で500時間の湿熱サイクル;これに続く、-40℃(0.5時間)から95℃(0.5時間)への熱衝撃500サイクルによって印加される累積応力を含む。また、修正されたGMW3172は:具体的な周波数が定義されていない(システム駆動型)、全軸(6つの3次元直交座標方向)の、2GRMSでのランダムな振動を伴う、-40℃から95℃への熱サイクルを用いた振動試験;及び合計800回のZ方向の衝突を伴う持続時間10msにわたるピーク25Gの半正弦衝撃パルスによる、機械的衝撃(ポットホール(pothole))を含む。図11で確認できるように、ガラス物品10は、フレーム12からのガラス基板16の剥離を一切示さない。
【0038】
様々な実施形態では、ガラス基板16は、強化ガラスシート(例えば熱強化ガラス材料、化学強化ガラスシート等)から形成される。このような実施形態では、ガラス基板16が強化ガラス材料から形成されている場合、第1の大面18及び第2の大面20は圧縮応力下にあり、従って第2の大面20は、凸形状への曲げ加工中に、破断のリスクなしに、比較的高い引張応力を受けることができる。これにより、強化ガラス基板16を、比較的きつく湾曲した面に形状一致させることができる。
【0039】
冷間成形されたガラス基板の特徴は、ガラス基板を湾曲形状へと曲げた後の、第1の大面18と第2の大面20との間の非対称な表面圧縮応力である。このような実施形態では、冷間成形プロセスの前又は冷間成形の前、ガラス基板16の第1の大面18及び第2の大面20それぞれの圧縮応力は略等しい。冷間成形後、凹状の第1の大面18上の圧縮応力は増大し、これにより、凹状の第1の大面18上の圧縮応力は、冷間成形前よりも冷間成形後の方が大きくなる。対照的に、凸状第2の大面20は曲げ加工中に引張応力を受け、これにより第2の大面20上の表面圧縮応力の正味量は低下するため、曲げ加工後の第2の大面20の圧縮応力は、ガラスシートが平坦であるときの第2の大面20の圧縮応力より小さくなる。
【0040】
上述のように、高価な及び/又は時間がかかる加熱ステップの排除といった加工上の利点の提供に加えて、本明細書に記載の冷間成形プロセスは、特に車両内装又はディスプレイカバーガラス用途のために、熱間成形ガラス物品よりも優れた様々な特性を有するガラス物品を生成すると考えられる。例えば出願人は、少なくともいくつかのガラス材料について、熱間成形プロセス中の加熱によって湾曲ガラスシートの光学的特性が低下するため、本明細書に記載の冷間曲げプロセス/システムを利用して成形された湾曲ガラス基板は、湾曲ガラス形状を、熱間曲げプロセスでは達成できないと考えられる改善された光学的品質と共に提供できると考えている。
【0041】
様々な実施形態では、ガラス基板16は、主半径及び交差曲率を含む複合湾曲を有してよい。複雑に湾曲したガラス基板16は、2つの独立した方向において別個の曲率半径を有し得る。よって、1つ以上の実施形態によると、複雑に湾曲したガラス基板16は、「交差曲率(cross curvature)」を有するものとして特性決定でき、ここで、ガラス基板16は、所与の寸法に対して平行な軸(即ち第1の軸)に沿って湾曲し、また該寸法に対して垂直な軸(即ち第2の軸)に沿っても湾曲する。ガラス基板の曲率は、かなりの最小半径がかなりの交差曲率及び/又は曲げの深さと組み合わされた場合に、更に複雑になり得る。様々な実施形態では、ガラス基板16は、同一の又は異なる湾曲形状を有する、3つ以上の湾曲領域を有することができる。いくつかの実施形態では、ガラス基板16は、可変曲率半径を備えた湾曲形状を有する、1つ以上の領域を有することができる。
【0042】
図12を参照すると、ガラス基板16の更なる構造的詳細が図示及び説明されている。上述のように、ガラス基板16は略一定の厚さT1を有し、これは第1の大面18と第2の大面20との間の距離として定義される。様々な実施形態では、T1は、ガラス基板の平均厚さ又は最大厚さを指すことができる。更に、ガラス基板16は、第1の大面18及び第2の大面20のうちの一方の、厚さT1に対して垂直な第1の最大寸法として定義される幅W1と、第1の大面18及び第2の大面20のうちの一方の、厚さ及び幅の両方に対して垂直な第2の最大寸法として定義される長さL1とを含む。他の実施形態では、W1及びL1はそれぞれ、ガラス基板16の平均幅及び平均長さであってよい。
【0043】
様々な実施形態では、厚さT1は2mm以下であり、具体的には0.3mm~1.1mmである。例えば厚さT1は、約0.1mm~約1.5mm、約0.15mm~約1.5mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.25mm~約1.5mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.35mm~約1.5mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.45mm~約1.5mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.55mm~約1.5mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.65mm~約1.5mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.1mm~約1.4mm、約0.1mm~約1.3mm、約0.1mm~約1.2mm、約0.1mm~約1.1mm、約0.1mm~約1.05mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約0.95mm、約0.1mm~約0.9mm、約0.1mm~約0.85mm、約0.1mm~約0.8mm、約0.1mm~約0.75mm、約0.1mm~約0.7mm、約0.1mm~約0.65mm、約0.1mm~約0.6mm、約0.1mm~約0.55mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約0.4mm、又は約0.3mm~約0.7mmであってよい。他の実施形態では、T1は、本段落に記載の正確な数値範囲のうちのいずれか1つに収まる。
【0044】
様々な実施形態では、幅W1は、5cm~250cm、約10cm~約250cm、約15cm~約250cm、約20cm~約250cm、約25cm~約250cm、約30cm~約250cm、約35cm~約250cm、約40cm~約250cm、約45cm~約250cm、約50cm~約250cm、約55cm~約250cm、約60cm~約250cm、約65cm~約250cm、約70cm~約250cm、約75cm~約250cm、約80cm~約250cm、約85cm~約250cm、約90cm~約250cm、約95cm~約250cm、約100cm~約250cm、約110cm~約250cm、約120cm~約250cm、約130cm~約250cm、約140cm~約250cm、約150cm~約250cm、約5cm~約240cm、約5cm~約230cm、約5cm~約220cm、約5cm~約210cm、約5cm~約200cm、約5cm~約190cm、約5cm~約180cm、約5cm~約170cm、約5cm~約160cm、約5cm~約150cm、約5cm~約140cm、約5cm~約130cm、約5cm~約120cm、約5cm~約110cm、約5cm~約110cm、約5cm~約100cm、約5cm~約90cm、約5cm~約80cm、又は約5cm~約75cmである。他の実施形態では、W1は、本段落に記載の正確な数値範囲のうちのいずれか1つに収まる。
【0045】
様々な実施形態では、長さL1は、約5cm~約1500cm、約50cm~約1500cm、約100cm~約1500cm、約150cm~約1500cm、約200cm~約1500cm、約250cm~約1500cm、約300cm~約1500cm、約350cm~約1500cm、約400cm~約1500cm、約450cm~約1500cm、約500cm~約1500cm、約550cm~約1500cm、約600cm~約1500cm、約650cm~約1500cm、約650cm~約1500cm、約700cm~約1500cm、約750cm~約1500cm、約800cm~約1500cm、約850cm~約1500cm、約900cm~約1500cm、約950cm~約1500cm、約1000cm~約1500cm、約1050cm~約1500cm、約1100cm~約1500cm、約1150cm~約1500cm、約1200cm~約1500cm、約1250cm~約1500cm、約1300cm~約1500cm、約1350cm~約1500cm、約1400cm~約1500cm、又は約1450cm~約1500cmである。他の実施形態では、L1は、本段落に記載の正確な数値範囲のうちのいずれか1つに収まる。
【0046】
様々な実施形態では、ガラス基板16の1つ以上の曲率半径(例えば図2に示されているR1)は、約60mm以上である。例えば、R1は、約60mm~約10,000mm、約70mm~約10,000mm、約80mm~約10,000mm、約90mm~約10000mm、約100mm~約10000mm、約120mm~約10000mm、約140mm~約10000mm、約150mm~約10000mm、約160mm~約10000mm、約180mm~約10000mm、約200mm~約10000mm、約220mm~約10000mm、約240mm~約10000mm、約250mm~約10000mm、約260mm~約10000mm、約270mm~約10000mm、約280mm~約10000mm、約290mm~約10000mm、約300mm~約10000mm、約350mm~約10000mm、約400mm~約10000mm、約450mm~約10000mm、約500mm~約10000mm、約550mm~約10000mm、約600mm~約10000mm、約650mm~約10000mm、約700mm~約10000mm、約750mm~約10000mm、約800mm~約10000mm、約900mm~約10000mm、約950mm~約10000mm、約1000mm~約10000mm、約1250mm~約10000mm、約60mm~約9000mm、約60mm~約8000mm、約60mm~約720000mm、約60mm~約6000mm、約60mm~約5000mm、約60mm~約4000mm、約60mm~約3000mm、約60mm~約2500mm、約60mm~約2000mm、約60mm~約1800mm、約60mm~約1600mm、約60mm~約1500mm、約60mm~約1400mm、約60mm~約1300mm、約60mm~約1200mm、約60mm~約1100mm、約60mm~約1000mm、約60mm~約950mm、約60mm~約900mm、約60mm~約850mm、約60mm~約800mm、約60mm~約750mm、約60mm~約700mm、約60mm~約650mm、約60mm~約600mm、約60mm~約550mm、約60mm~約500mm、約60mm~約450mm、約60mm~約400mm、約60mm~約350mm、約60mm~約300mm、又は約60mm~約250mmであってよい。他の実施形態では、R1は、本段落に記載の正確な数値範囲のうちのいずれか1つに収まる。
【0047】
車両内装システムの様々な実施形態は、列車、自動車(例えば乗用車、トラック、バス等)、船舶(ボート、船、潜水艦等)、及び航空機(例えばドローン、飛行機、ジェット機、ヘリコプター等)といった車両に組み込むことができる。
【0048】
強化ガラスの特性
上述のように、ガラス基板16は強化されていてよい。1つ以上の実施形態では、ガラス基板16は、表面からある圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力を含むように強化してよい。圧縮応力領域は、引張応力を呈する中央部分によってバランスが取られている。DOCでは、応力が正の(圧縮)応力から負の(引張)応力へと移行する。
【0049】
様々な実施形態では、ガラス基板16は、物品の複数の部分間の熱膨張係数の不一致を利用して機械的に強化でき、これにより圧縮応力領域と、引張応力を呈する中央領域とを生成する。いくつかの実施形態では、ガラス基板は、ガラス転移温度を超える温度までガラスを加熱した後急速に冷却することによって、熱的に強化できる。
【0050】
様々な実施形態では、ガラス基板16は、イオン交換によって化学強化できる。イオン交換プロセスでは、ガラス基板の表面又はその付近のイオンを、価数又は酸化状態が同一の、比較的大きなイオンで置換(即ち交換)する。ガラス基板がアルカリアルミノシリケートガラスを含む実施形態では、物品の表面層のイオン、及び比較的大きなイオンは、1価のアルカリ金属陽イオン、例えばLi、Na、K、Rb、及びCsである。あるいは、表面層の1価陽イオンを、Ag等の、アルカリ金属陽イオン以外の1価陽イオンで置換してよい。このような実施形態では、交換によってガラス基板内に入る1価イオン(又は陽イオン)が応力を生成する。
【0051】
イオン交換プロセスは典型的には、ガラス基板中の比較的小さなイオンと交換されることになる比較的大きなイオンを含有する溶融塩浴(又は2つ以上の溶融塩浴)中にガラス基板を浸漬することによって実施される。なお、水性溶融塩浴も利用してよい。更に、1つ以上の浴の組成は、2つ以上のタイプの比較的大きなイオン(例えばNa及びK)を含んでいても、又は単一の比較的大きなイオンを含んでいてもよい。浴の組成及び温度、浸漬時間、1つ以上の塩浴中に浸漬するガラス基板の個数、複数の塩浴の使用、アニーリングや洗浄等の追加のステップを含むがこれらに限定されない、イオン交換プロセスに関するパラメータは、一般に、デッドフロント構造体のガラス基板の組成(上記物品及び存在するいずれの結晶相の構造を含む)、並びに強化によって得られるガラス基板の所望のDOC及びCSによって決定されることは、当業者には理解されるだろう。例示的な溶融塩浴の組成は、比較的大きなアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、及び塩酸塩を含んでよい。典型的な硝酸塩としては、KNO、NaNO、LiNO、NaSO、及びこれらの組み合わせが挙げられる。溶融塩浴の温度は、典型的には約380℃~約450℃であり、浸漬時間は、ガラス基板の厚さ、浴の温度、及びガラス(又は1価イオン)の拡散性に応じて約15分~約100時間である。しかしながら、上述のものとは異なる温度及び浸漬時間も使用可能である。
【0052】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板を、約370℃~約480℃の、100%のNaNO、100%のKNO、又はNaNOとKNOとの組み合わせの溶融塩浴に浸漬してよい。いくつかの実施形態では、ガラス基板を、約5%~約90%のKNO及び約10%~約95%のNaNOを含む溶融混合塩浴に浸漬してよい。1つ以上の実施形態では、ガラス基板を、第1の浴に浸漬した後で第2の浴に浸漬してよい。第1及び第2の浴は、互いに異なる組成及び/又は温度を有してよい。第1及び第2の塩浴中での浸漬時間は様々であってよい。例えば、第1の浴中での浸漬は、第2の浴中での浸漬より長くてよい。
【0053】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板を、温度が約420℃未満(例えば約400℃又は約380℃)の、NaNO及びKNO(例えば49%/51%、50%/50%、51%/49%)を含む溶融混合塩浴に、約5時間未満、又は約4時間以下にわたって浸漬してよい。
【0054】
イオン交換条件を調整することにより、結果として得られるガラス基板の表面又はその付近の応力プロファイルの「スパイク(spike)」を提供する、又は勾配を増大させることができる。スパイクは、より高いCS値をもたらすことができる。このスパイクは、本明細書に記載のガラス基板に使用されるガラス組成物の独特な特性により、単一の浴又は複数の浴によって達成でき、ここで上記1つ以上の浴は単一の組成又は混合組成を有する。
【0055】
ガラス基板内に2つ以上の1価イオンが交換によって入る1つ以上の実施形態では、異なる複数の1価イオンを、ガラス基板内の異なる複数の深さまで交換してよい(そして、ガラス基板内の異なる複数の深さにおいて異なる複数の大きさの応力を生成してよい)。その結果として、複数の応力生成イオンの相対的な深さを決定して、異なる複数の応力プロファイルの特徴を得ることができる。
【0056】
CSは、株式会社折原製作所(日本)製のFSM‐6000等の市販の機器を用いた表面応力測定(FSM)によるもの等の、当該技術分野で公知の手段を用いて測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する応力光係数(stress optical coefficient:SOC)の精密測定に依存する。SOCは、「ガラスの応力光係数の測定のための標準試験法(Standard Test Method for Measurement of Glass Stress‐Optical Coefficient)」というタイトルのASTM規格C770‐98(2013)(その内容は、参照によりその全体が本出願に援用される)に記載されるファイバ法及び4点曲げ法、並びにバルクシリンダ法によって測定される。本明細書中で使用される場合、CSは、圧縮応力層内で測定された最高圧縮応力値である「最大圧縮応力(maximum compressive stress)」であってよい。いくつかの実施形態では、最大圧縮応力は、ガラス基板の表面に位置する。他の実施形態では、最大圧縮応力は、表面下の深さにおいて発生してもよく、これにより圧縮応力は「埋没したピーク(buried peak)」のようになる。
【0057】
DOCは、強化方法及び条件に応じて、FSMで、又は散乱光偏向鏡(SCALP)(エストニアのタリンにあるGlasstress Ltdから入手可能なSCALP‐04散乱光偏光器等)で測定してよい。ガラス基板をイオン交換処理によって化学強化する場合、どのイオンが交換によってガラス基板内に入るかに応じて、FSM又はSCALPを用いてよい。ガラス基板内の応力が、ガラス基板内へのカリウムイオンの交換によって生成される場合は、FSMを用いてDOCを測定する。上記応力が、ガラス基板内へのナトリウムイオンの交換によって生成される場合は、SCALPを用いてDOCを測定する。ガラス基板品内の応力が、ガラス内へのカリウム及びナトリウム両方のイオンの交換によって生成される場合は、ナトリウムイオンの交換深さがDOCを示し、カリウムイオンの交換深さが圧縮応力の大きさの変化(ただし圧縮応力から引張応力への応力の変化ではない)を示すと考えられるため、DOCはSCALPで測定され、上記ガラス基板内でのカリウムイオンの交換深さはFSMで測定される。中心張力又はCTは最大引張応力であり、SCALPで測定される。
【0058】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、(本明細書に記載されているように)上記ガラス基板の厚さT1の小部分として記載されるDOCを呈するよう強化してよい。例えば、1つ以上の実施形態では、DOCは、約0.05T1以上、約0.1T1以上、約0.11T1以上、約0.12T1以上、約0.13T1以上、約0.14T1以上、約0.15T1以上、約0.16T1以上、約0.17T1以上、約0.18T1以上、約0.19T1以上、約0.2T1以上、約0.21T1以上であってよい。いくつかの実施形態では、DOCは、約0.08T1~約0.25T1、約0.09T1~約0.25T1、約0.18T1~約0.25T1、約0.11T1~約0.25T1、約0.12T1~約0.25T1、約0.13T1~約0.25T1、約0.14T1~約0.25T1、約0.15T1~約0.25T1、約0.08T1~約0.24T1、約0.08T1~約0.23T1、約0.08T1~約0.22T1、約0.08T1~約0.21T1、約0.08T1~約0.2T1、約0.08T1~約0.19T1、約0.08T1~約0.18T1、約0.08T1~約0.17T1、約0.08T1~約0.16T1、又は約0.08T1~約0.15T1であってよい。いくつかの例では、DOCは、約20μm以下であってよい。1つ以上の実施形態では、DOCは、約40μm以上(例えば約40μm~約300μm、約50μm~約300μm、約60μm~約300μm、約70μm~約300μm、約80μm~約300μm、約90μm~約300μm、約100μm~約300μm、約110μm~約300μm、約120μm~約300μm、約140μm~約300μm、約150μm~約300μm、約40μm~約290μm、約40μm~約280μm、約40μm~約260μm、約40μm~約250μm、約40μm~約240μm、約40μm~約230μm、約40μm~約220μm、約40μm~約210μm、約40μm~約200μm、約40μm~約180μm、約40μm~約160μm、約40μm~約150μm、約40μm~約140μm、約40μm~約130μm、約40μm~約120μm、約40μm~約110μm、又は約40μm~約100μm)であってよい。他の実施形態では、DOCは、本段落に記載の正確な数値範囲のうちのいずれか1つに収まる。
【0059】
1つ以上の実施形態では、強化ガラス基板は、200MPa以上、300MPa以上、400MPa以上、約500MPa以上、約600MPa以上、約700MPa以上、約800MPa以上、約900MPa以上、約930MPa以上、約1000MPa以上、又は約1050MPa以上のCS(これはガラス基板の表面又はある深さにおいて認められ得る)を有してよい。
【0060】
1つ以上の実施形態では、強化ガラス基板は、約20MPa以上、約30MPa以上、約40MPa以上、約45MPa以上、約50MPa以上、約60MPa以上、約70MPa以上、約75MPa以上、約80MPa以上、又は約85MPa以上の最大引張応力又は中心張力(CT)を有してよい。いくつかの実施形態では、上記最大引張応力又は中心張力(CT)は、約40MPa~約100MPaであってよい。他の実施形態では、CSは、本段落に記載の正確な数値範囲に収まる。
【0061】
ガラス組成物
ガラス基板16中での使用に好適なガラス組成物は、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、ボロアルミノシリケートガラス、アルカリ含有アルミノシリケートガラス、アルカリ含有ボロシリケートガラス、及びアルカリ含有ボロアルミノシリケートガラスを含む。
【0062】
特段の指定がない限り、本明細書で開示されているガラス組成物は、酸化物ベースで分析したモルパーセント(モル%)で記述される。
【0063】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約66モル%~約80モル%、約67モル%~約80モル%、約68モル%~約80モル%、約69モル%~約80モル%、約70モル%~約80モル%、約72モル%~約80モル%、約65モル%~約78モル%、約65モル%~約76モル%、約65モル%~約75モル%、約65モル%~約74モル%、約65モル%~約72モル%、又は約65モル%~約70モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のSiOを含んでよい。
【0064】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約4モル%超、又は約5モル%超のAlを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約7モル%超かつ約15モル%まで、約7モル%超かつ約14モル%まで、約7モル%~約13モル%、約4モル%~約12モル%、約7モル%~約11モル%、約8モル%~約15モル%、約9モル%~約15モル%、約10モル%~約15モル%、約11モル%~約15モル%、又は約12モル%~約15モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のAlを含む。1つ以上の実施形態では、Alの上限は約14モル%、14.2モル%、14.4モル%、14.6モル%、又は14.8モル%であってよい。
【0065】
1つ以上の実施形態では、ガラス物品は、アルミノシリケートガラス物品として、又はアルミノシリケートガラス組成物を含むものとして記載される。このような実施形態では、ガラス組成物又はガラス組成物から形成された物品は、SiO及びAlを含み、ソーダライムシリケートガラスではない。これに関して、ガラス組成物又はガラス組成物から形成された物品は、約2モル%以上、2.25モル%以上、2.5モル%以上、約2.75モル%以上、約3モル%以上のAlを含む。
【0066】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はB(例えば約0.01モル%以上)を含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0モル%~約5モル%、約0モル%~約4モル%、約0モル%~約3モル%、約0モル%~約2モル%、約0モル%~約1モル%、約0モル%~約0.5モル%、約0.1モル%~約5モル%、約0.1モル%~約4モル%、約0.1モル%~約3モル%、約0.1モル%~約2モル%、約0.1モル%~約1モル%、約0.1モル%~約0.5モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のBを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はBを略含まない。
【0067】
本明細書中で使用される場合、組成物の成分に関する句「略含まない(substantially free)」は、該成分が、初期バッチ生成中に能動的又は意図的に該組成物に添加されないものの、不純物として約0.001モル%未満の量で存在し得ることを意味する。
【0068】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は任意にP(例えば約0.01モル%以上)を含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、2モル%以下、1.5モル%以下、1モル%以下、又は0.5モル%以下の、ゼロでない量のPを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はPを略含まない。
【0069】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約8モル%以上、約10モル%以上、又は約12モル%以上のROの総量(これは、LiO、NaO、KO、RbO、及びCsOといったアルカリ金属酸化物の総量である)を含んでよい。いくつかの実施形態では、ガラス組成物は、約8モル%~約20モル%、約8モル%~約18モル%、約8モル%~約16モル%、約8モル%~約14モル%、約8モル%~約12モル%、約9モル%~約20モル%、約10モル%~約20モル%、約11モル%~約20モル%、約12モル%~約20モル%、約13モル%~約20モル%、約10モル%~約14モル%、又は11モル%~約13モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の、ROの総量を含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、RbO、CsO、又はRbO及びCsOの両方を略含まなくてよい。1つ以上の実施形態では、ROは、LiO、NaO、及びKOだけの総量を含んでよい。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、LiO、NaO、及びKOから選択された少なくとも1つのアルカリ金属酸化物を含んでよく、ここで該アルカリ金属酸化物は、約8モル%以上の量で存在する。
【0070】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約8モル%以上、約10モル%以上、又は約12モル%以上のNaOを含む。1つ以上の実施形態では、上記組成物は、約8モル%~約20モル%、約8モル%~約18モル%、約8モル%~約16モル%、約8モル%~約14モル%、約8モル%~約12モル%、約9モル%~約20モル%、約10モル%~約20モル%、約11モル%~約20モル%、約12モル%~約20モル%、約13モル%~約20モル%、約10モル%~約14モル%、又は11モル%~約16モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内のNaOを含む。
【0071】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約4モル%未満のKO、約3モル%未満のKO、又は約1モル%未満のKOを含む。いくつかの例では、ガラス組成物は、約0モル%~約4モル%、約0モル%~約3.5モル%、約0モル%~約3モル%、約0モル%~約2.5モル%、約0モル%~約2モル%、約0モル%~約1.5モル%、約0モル%~約1モル%、約0モル%~約0.5モル%、約0モル%~約0.2モル%、約0モル%~約0.1モル%、約0.5モル%~約4モル%、約0.5モル%~約3.5モル%、約0.5モル%~約3モル%、約0.5モル%~約2.5モル%、約0.5モル%~約2モル%、約0.5モル%~約1.5モル%、又は約0.5モル%~約1モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のKOを含んでよい。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はKOを略含まなくてよい。
【0072】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はLiOを略含まない。
【0073】
1つ以上の実施形態では、上記組成物中のNaOの量は、LiOの量より多くてよい。いくつかの例では、NaOの量は、LiO及びKOの合計量より多くてよい。1つ以上の代替実施形態では、上記組成物中のLiOの量は、NaOの量、又はNaO及びKOの合計量より多くてよい。
【0074】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0モル%~約2モル%の、ROの総量(これはCaO、MgO、BaO、ZnO、及びSrO等のアルカリ土類金属酸化物の総量である)を含んでよい。いくつかの実施形態では、ガラス組成物は、約2モル%以下のゼロではない量のROを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0モル%~約1.8モル%、約0モル%~約1.6モル%、約0モル%~約1.5モル%、約0モル%~約1.4モル%、約0モル%~約1.2モル%、約0モル%~約1モル%、約0モル%~約0.8モル%、約0モル%~約0.5モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のROを含む。
【0075】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約1モル%未満、約0.8モル%未満、又は約0.5モル%未満のCaOを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はCaOを略含まない。
【0076】
いくつかの実施形態では、ガラス組成物は、約0モル%~約7モル%、約0モル%~約6モル%、約0モル%~約5モル%、約0モル%~約4モル%、約0.1モル%~約7モル%、約0.1モル%~約6モル%、約0.1モル%~約5モル%、約0.1モル%~約4モル%、約1モル%~約7モル%、約2モル%~約6モル%、又は約3モル%~約6モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のMgOを含む。
【0077】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満のZrOを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.01モル%~約0.2モル%、約0.01モル%~約0.18モル%、約0.01モル%~約0.16モル%、約0.01モル%~約0.15モル%、約0.01モル%~約0.14モル%、約0.01モル%~約0.12モル%、又は約0.01モル%~約0.10モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内のZrOを含む。
【0078】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満のSnOを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.01モル%~約0.2モル%、約0.01モル%~約0.18モル%、約0.01モル%~約0.16モル%、約0.01モル%~約0.15モル%、約0.01モル%~約0.14モル%、約0.01モル%~約0.12モル%、又は約0.01モル%~約0.10モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内のSnOを含む。
【0079】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、ガラス物品に色又は色合いを付与する酸化物を含んでよい。いくつかの実施形態では、ガラス組成物は、ガラス物品を紫外線照射に暴露したときにガラス物品の脱色を防止する酸化物を含む。このような酸化物の例としては、限定するものではないが、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ce、W、及びMoの酸化物が挙げられる。
【0080】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、Feとして表されるFeを含み、ここでFeは、約1モル%以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、ガラス組成物はFeを略含まない。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満のFeを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.01モル%~約0.2モル%、約0.01モル%~約0.18モル%、約0.01モル%~約0.16モル%、約0.01モル%~約0.15モル%、約0.01モル%~約0.14モル%、約0.01モル%~約0.12モル%、又は約0.01モル%~約0.10モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内のFeを含む。
【0081】
ガラス組成物がTiOを含む場合、TiOは、約5モル%以下、約2.5モル%以下、約2モル%以下、又は約1モル%以下の量で存在してよい。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はTiOを略含まなくてよい。
【0082】
ある例示的なガラス組成物は、約65モル%~約75モル%のSiO、約8モル%~約14モル%のAl、約12モル%~約17モル%のNaO、約0モル%~約0.2モル%のKO、及び約1.5モル%~約6モル%のMgOを含む。任意に、SnOは、本明細書の他の箇所で開示されている量で含まれていてよい。上述のガラス組成物に関する段落はおおよその範囲を表したものであるが、他の実施形態では、ガラス基板16は上述の正確な数値範囲のうちのいずれか1つに収まるいずれのガラス組成物から作製され得ることを理解されたい。
【0083】
態様(1)は、ガラス物品を成形する方法に関し、上記ガラス物品は、ガラスカバーシート及びフレームを備え、上記ガラスカバーシートは第1の大面及び第2の大面を含み、上記第2の大面は上記第1の大面の反対側であり、上記フレームは支持面を備え、上記方法は:感圧接着テープを、上記ガラスカバーシートの上記第1の大面の、又は上記フレームの上記支持面の、第1の領域に貼付するステップ;液体接着剤を、上記ガラスカバーシートの上記第1の大面の、又は上記フレームの上記支持面の、第2の領域に塗布するステップ;上記ガラスカバーシートの上記第1の大面が上記フレームの上記支持面に面するように、上記ガラスカバーシートを上記フレームに対して位置決めするステップ;圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加することによって、上記感圧接着テープに、上記ガラスカバーシートを上記フレームに第1の接着強度で接着させるステップ;並びに上記液体接着剤を硬化させることにより、上記ガラスカバーシートを上記フレームに第2の接着強度で接着するステップであって、上記第2の接着強度は上記第1の接着強度より高い、ステップを含む。
【0084】
態様(2)は、上記液体接着剤が、エポキシ、アクリル、ポリウレタン、ポリウレタンホットメルト、シリコーン、及びシラン変性ポリマーのうちの少なくとも1つを含む、態様(1)に記載の方法に関する。
【0085】
態様(3)は、上記第1の接着強度が、室温で測定した場合に0.05MPa~5MPaである、態様(1)又は態様(2)に記載の方法に関する。
【0086】
態様(4)は、上記感圧接着テープを貼付する上記ステップが、上記ガラスカバーシート又は上記フレームの周の付近に、上記感圧接着テープを貼付するステップを更に含む、態様(1)~(3)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0087】
態様(5)は、上記ガラスカバーシート又は上記フレームの上記周の付近の上記感圧接着テープが、上記第2の領域を取り囲む、態様(4)に記載の方法に関する。
【0088】
態様(6)は:圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップが、上記ガラスカバーシート及び上記フレームを第1の端部から第2の端部まで横断する並進方向に並進する圧力を印加するステップを更に含み;上記感圧接着テープを貼付する上記ステップが、上記感圧接着テープの少なくとも1つのストリップを、上記並進方向に対して略平行に貼付するステップを更に含む、態様(1)~(5)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0089】
態様(7)は、上記少なくとも1つのストリップが、上記カバーガラスシート又は上記フレームの長さに沿った連続ストリップを含む、態様(6)に記載の方法に関する。
【0090】
態様(8)は、上記少なくとも1つのストリップが、上記カバーガラスシート又は上記フレームの長さに沿った非連続ストリップを含む、態様(6)又は態様(7)に記載の方法に関する。
【0091】
態様(9)は、上記感圧接着テープを貼付する上記ステップが、上記圧力が上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加される方向に対して垂直な長さを有するストリップとして上記感圧接着テープを貼付するステップを含まない、態様(6)~(8)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0092】
態様(10)は、圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップが、上記ガラスカバーシート及び上記フレームを、少なくとも1セットのローラーに通すステップを更に含む、態様(1)~(9)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0093】
態様(11)は、上記感圧接着テープを貼付する上記ステップが、上記感圧接着テープの少なくとも1つのストリップを、上記ガラスカバーシート及び上記フレームが上記少なくとも1セットのローラーを通過する方向に対して略平行に貼付するステップを更に含む、態様(10)に記載の方法に関する。
【0094】
態様(12)は、上記フレームが上記支持面上に湾曲面を備え、圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップの前には、上記ガラスカバーシートが略平面であり、圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップの後、上記ガラスカバーシートが、上記湾曲面と形状一致するように曲げられる、態様(1)~(11)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0095】
態様(13)は、上記フレームが複雑に湾曲している、態様(12)に記載の方法に関する。
【0096】
態様(14)は、上記湾曲面が<10000mmの曲率半径を含み、上記第1の領域と上記第2の領域との比率が1:80~1:2である、態様(12)又は態様(13)に記載の方法に関する。
【0097】
態様(15)は:上記フレームがディスプレイデバイスの設置用の開口を備え;上記感圧接着テープを貼付する上記ステップが、上記感圧接着テープを上記開口の少なくとも一部分の周りに貼付するステップを更に含む、態様(1)~(14)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0098】
態様(16)は、上記第1の領域が、上記ガラスカバーシートと上記フレームとの間から上記第2の接着剤が漏れるのを上記第1の接着剤が防ぐように、上記第2の領域を取り囲むバリアを形成する、態様(1)~(15)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0099】
態様(17)は、上記ガラスカバーシートが、化学強化アルミノシリケートガラス組成物を含む、態様(1)~(16)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0100】
態様(18)は、上記ガラスカバーシートの厚さが0.4mm~2.0mmである、態様(1)~(17)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0101】
態様(19)は、硬化させる上記ステップが、昇温、赤外線照射、又は紫外線照射を用いて上記液体接着剤を硬化させるステップを更に含む、態様(1)~(18)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0102】
態様(20)は、硬化させる上記ステップが、上記液体接着剤を室温で硬化させるステップを更に含む、態様(1)~(18)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0103】
態様(21)は、硬化させる上記ステップが、上記液体接着剤を室温~150℃の温度範囲内で硬化させるステップを更に含む、態様(1)~(18)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0104】
態様(22)は、上記方法が、圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップの前に、上記ガラスカバーシートの上記第2の大面に表面処理を適用するステップを更に含む、態様(1)~(21)のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0105】
態様(23)は、上記表面処理が、防眩処理、反射防止コーティング、及び清掃容易化コーティングのうちの少なくとも1つである、態様(21)に記載の方法に関する。
【0106】
態様(24)は、ガラス物品に関し、上記ガラス物品は:第1の大面及び第2の大面を有するガラスカバーシートであって、上記第2の大面は、少なくとも1つの第1のカーブを備える、ガラスカバーシート;少なくとも1つの第1の相補的カーブを備えた支持面を備える、フレームであって、上記カバーガラスシートの上記第2の大面は、上記フレームの上記支持面に面し、上記第1の相補的カーブは、上記第1のカーブに対して相補的である、フレーム;上記フレームの上記第1の大面と上記ガラスカバーシートの上記第2の大面との間の、少なくとも1つの第1の領域に配置される、感圧接着テープ;並びに上記フレームの上記第1の大面と上記ガラスカバーシートの上記第2の大面との間の、少なくとも1つの第2の領域に配置される、硬化済みの液体接着剤を備える。
【0107】
態様(25)は、上記感圧接着テープが、室温で測定した場合に0.05MPa~5MPaの接着強度で、上記ガラスカバーシートを上記フレームに接着する、態様(24)に記載のガラス物品に関する。
【0108】
態様(26)は、硬化した上記液体接着剤が、室温で測定した場合に0.5MPa~25MPaの接着強度で、上記ガラスカバーシートを上記フレームに接着する、態様(24)又は態様(25)に記載のガラス物品に関する。
【0109】
態様(27)は、硬化した上記液体接着剤が、エポキシ、アクリル、ポリウレタン、ポリウレタンホットメルト、シリコーン、及びシラン変性ポリマーのうちの少なくとも1つを含む、態様(24)~(26)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0110】
態様(28)は、光学的に透明な接着剤を用いて上記フレームに接着されたディスプレイを更に備え、上記感圧接着テープが、硬化した上記液体接着剤が上記光学的に透明な接着剤と接触しないように、上記光学的に透明な接着剤を取り囲む、態様(24)~(27)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0111】
態様(29)は、上記第1の領域が上記ガラスカバーシートの周の付近にあり、上記ガラスカバーシートが、硬化した上記液体接着剤が上記カバーガラスシートの上記周を越えて上記ガラスカバーシートと上記フレームとの間から漏れるのを上記感圧接着テープが防止するように、上記第2の領域を取り囲む、態様(24)~(28)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0112】
態様(30)は、上記ガラスカバーシートが、化学強化アルミノシリケートガラス組成物を含む、態様(24)~(29)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0113】
態様(31)は、上記ガラスカバーシートの厚さが0.4mm~2.0mmである、態様(24)~(30)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0114】
態様(32)は、上記ガラスカバーシートの上記第1の大面上に表面処理を更に備える、態様(24)~(31)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0115】
態様(33)は、上記表面処理が、防眩処理、反射防止コーティング、及び清掃容易化コーティングのうちの少なくとも1つである、態様(24)~(32)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0116】
態様(34)は、上記第1のカーブ及び上記第2のカーブがそれぞれ、250mm以下の曲率半径を有する少なくとも1つの場所を備える、態様(24)~(33)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0117】
態様(35)は、上記ガラスカバーシートの上記第2の大面が第2のカーブを備え、上記フレームの上記支持面が、上記第2のカーブに対して相補的な第2の相補的カーブを備える、態様(24)~(34)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0118】
態様(36)は、上記第1のカーブが凹状であり、上記第2のカーブが凸状である、態様(35)に記載のガラス物品に関する。
【0119】
態様(37)は、上記感圧接着テープが連続ストリップを含む、態様(24)~(36)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0120】
態様(38)は、上記連続ストリップのうちの少なくとも1つが、上記第1のカーブの湾曲の方向に対して平行である、態様(37)に記載のガラス物品に関する。
【0121】
態様(39)は、全ての上記連続ストリップが、上記第1のカーブの湾曲の上記方向に対して平行である、態様(38)に記載のガラス物品に関する。
【0122】
態様(40)は、上記連続ストリップのうちの少なくとも1つが、上記第1のカーブの湾曲の上記方向に対して垂直である、態様(37)に記載のガラス物品に関する。
【0123】
態様(41)は、全ての上記連続ストリップが、上記第1のカーブの湾曲の上記方向に対して垂直である、態様(40)に記載のガラス物品に関する。
【0124】
態様(42)は、上記感圧接着テープが非連続ストリップを含む、態様(24)~(41)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0125】
態様(43)は、上記第1の領域によって覆われる表面積と、上記第2の領域によって覆われる表面積との比率が、1:150~1:1である、態様(24)~(42)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0126】
態様(44)は、修正されたGMW3172に従った環境耐久性試験を経た後に、上記ガラス物品が、上記フレームからの上記ガラスカバーシートの剥離を示さない、態様(24)~(43)のいずれか1つに記載のガラス物品に関する。
【0127】
態様(45)は、態様(24)~(44)のいずれか1つに記載のガラス物品を備える、車両内装に関する。
【0128】
そうでないことが言明されていない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、そのステップを特定の順序で実施することを必要とするものとして解釈されることは、全く意図されていない。従って、ある方法クレームが、そのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、又はステップをある特定の順序に限定するべきであることが、特許請求の範囲若しくは説明中で具体的に言明されていない場合、いずれの特定の順序が推定されることは全く意図されていない。更に、本明細書中で使用される場合、冠詞「a」は、1つ又は2つ以上の構成部品又は要素を含むことが意図されており、「1つのみ(only one)」を意味するものと解釈されることは意図されていない。
【0129】
本開示の実施形態の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変形を実施できることは、当業者には理解されるだろう。これらの実施形態の精神及び内容を組み込んだ、本開示の実施形態の修正、組み合わせ、部分的組み合わせ及び変形が、当業者には想起され得るため、本開示の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある全てを含むものとして解釈されるものとする。
【0130】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0131】
実施形態1
ガラス物品を成形する方法であって、
上記ガラス物品は、ガラスカバーシート及びフレームを備え、上記ガラスカバーシートは第1の大面及び第2の大面を含み、上記第2の大面は上記第1の大面の反対側であり、上記フレームは支持面を備え、
上記方法は:
感圧接着テープを、上記ガラスカバーシートの上記第1の大面の、又は上記フレームの上記支持面の、第1の領域に貼付するステップ;
液体接着剤を、上記ガラスカバーシートの上記第1の大面の、又は上記フレームの上記支持面の、第2の領域に塗布するステップ;
上記ガラスカバーシートの上記第1の大面が上記フレームの上記支持面に面するように、上記ガラスカバーシートを上記フレームに対して位置決めするステップ;
圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加することによって、上記感圧接着テープに、上記ガラスカバーシートを上記フレームに第1の接着強度で接着させるステップ;並びに
上記液体接着剤を硬化させることにより、上記ガラスカバーシートを上記フレームに第2の接着強度で接着するステップであって、上記第2の接着強度は上記第1の接着強度より高い、ステップ
を含む、方法。
【0132】
実施形態2
上記液体接着剤は、エポキシ、アクリル、ポリウレタン、ポリウレタンホットメルト、シリコーン、及びシラン変性ポリマーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1に記載の方法。
【0133】
実施形態3
上記第1の接着強度は、室温で測定した場合に0.05MPa~5MPaである、実施形態1又は2に記載の方法。
【0134】
実施形態4
上記感圧接着テープを貼付する上記ステップは、上記ガラスカバーシート又は上記フレームの周の付近に、上記感圧接着テープを貼付するステップを更に含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
実施形態5
上記ガラスカバーシート又は上記フレームの上記周の付近の上記感圧接着テープは、上記第2の領域を取り囲む、実施形態4に記載の方法。
【0136】
実施形態6
圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップは、上記ガラスカバーシート及び上記フレームを第1の端部から第2の端部まで横断する並進方向に並進する圧力を印加するステップを更に含み;
上記感圧接着テープを貼付する上記ステップは、上記感圧接着テープの少なくとも1つのストリップを、上記並進方向に対して略平行に貼付するステップを更に含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
実施形態7
上記少なくとも1つのストリップは、上記カバーガラスシート又は上記フレームの長さに沿った連続ストリップを含む、実施形態6に記載の方法。
【0138】
実施形態8
上記少なくとも1つのストリップは、上記カバーガラスシート又は上記フレームの長さに沿った非連続ストリップを含む、実施形態6又は7に記載の方法。
【0139】
実施形態9
上記感圧接着テープを貼付する上記ステップは、上記圧力が上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加される方向に対して垂直な長さを有するストリップとして上記感圧接着テープを貼付するステップを含まない、実施形態6~8のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
実施形態10
圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップは、上記ガラスカバーシート及び上記フレームを、少なくとも1セットのローラーに通すステップを更に含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
実施形態11
上記感圧接着テープを貼付する上記ステップは、上記感圧接着テープの少なくとも1つのストリップを、上記ガラスカバーシート及び上記フレームが上記少なくとも1セットのローラーを通過する方向に対して略平行に貼付するステップを更に含む、実施形態10に記載の方法。
【0142】
実施形態12
上記フレームは上記支持面上に湾曲面を備え、
圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップの前には、上記ガラスカバーシートは略平面であり、圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップの後、上記ガラスカバーシートは、上記湾曲面と形状一致するように曲げられる、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
実施形態13
上記フレームは複雑に湾曲している、実施形態12に記載の方法。
【0144】
実施形態14
上記湾曲面は<10000mmの曲率半径を含み、上記第1の領域と上記第2の領域との比率は1:80~1:2である、実施形態12又は実施形態13に記載の方法。
【0145】
実施形態15
上記フレームはディスプレイデバイスの設置用の開口を備え;
上記感圧接着テープを貼付する上記ステップは、上記感圧接着テープを上記開口の少なくとも一部分の周りに貼付するステップを更に含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
実施形態16
上記第1の領域は、上記ガラスカバーシートと上記フレームとの間から上記第2の接着剤が漏れるのを上記第1の接着剤が防ぐように、上記第2の領域を取り囲むバリアを形成する、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
実施形態17
上記ガラスカバーシートは、化学強化アルミノシリケートガラス組成物を含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0148】
実施形態18
上記ガラスカバーシートの厚さは0.4mm~2.0mmである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
実施形態19
硬化させる上記ステップは、昇温、赤外線照射、又は紫外線照射を用いて上記液体接着剤を硬化させるステップを更に含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
実施形態20
硬化させる上記ステップは、上記液体接着剤を室温で硬化させるステップを更に含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
実施形態21
硬化させる上記ステップは、上記液体接着剤を室温~150℃の温度範囲内で硬化させるステップを更に含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
実施形態22
上記方法は、圧力を上記ガラスカバーシート及び上記フレームに印加する上記ステップの前に、上記ガラスカバーシートの上記第2の大面に表面処理を適用するステップを更に含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
実施形態23
上記表面処理は、防眩処理、反射防止コーティング、及び清掃容易化コーティングのうちの少なくとも1つである、実施形態21に記載の方法。
【0154】
実施形態24
ガラス物品であって、
上記ガラス物品は:
第1の大面及び第2の大面を有するガラスカバーシートであって、上記第2の大面は、少なくとも1つの第1のカーブを備える、ガラスカバーシート;
少なくとも1つの第1の相補的カーブを備えた支持面を備える、フレームであって、上記カバーガラスシートの上記第2の大面は、上記フレームの上記支持面に面し、上記第1の相補的カーブは、上記第1のカーブに対して相補的である、フレーム;
上記フレームの上記第1の大面と上記ガラスカバーシートの上記第2の大面との間の、少なくとも1つの第1の領域に配置される、感圧接着テープ;並びに
上記フレームの上記第1の大面と上記ガラスカバーシートの上記第2の大面との間の、少なくとも1つの第2の領域に配置される、硬化済みの液体接着剤
を備える、ガラス物品。
【0155】
実施形態25
上記感圧接着テープは、室温で測定した場合に0.05MPa~5MPaの接着強度で、上記ガラスカバーシートを上記フレームに接着する、実施形態24に記載のガラス物品。
【0156】
実施形態26
硬化した上記液体接着剤は、室温で測定した場合に0.5MPa~25MPaの接着強度で、上記ガラスカバーシートを上記フレームに接着する、実施形態24又は25に記載のガラス物品。
【0157】
実施形態27
硬化した上記液体接着剤は、エポキシ、アクリル、ポリウレタン、ポリウレタンホットメルト、シリコーン、及びシラン変性ポリマーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態24~26のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0158】
実施形態28
光学的に透明な接着剤を用いて上記フレームに接着されたディスプレイを更に備え、
上記感圧接着テープは、硬化した上記液体接着剤が上記光学的に透明な接着剤と接触しないように、上記光学的に透明な接着剤を取り囲む、実施形態24~27のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0159】
実施形態29
上記第1の領域は上記ガラスカバーシートの周の付近にあり、上記ガラスカバーシートは、硬化した上記液体接着剤が上記カバーガラスシートの上記周を越えて上記ガラスカバーシートと上記フレームとの間から漏れるのを上記感圧接着テープが防止するように、上記第2の領域を取り囲む、実施形態24~28のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0160】
実施形態30
上記ガラスカバーシートは、化学強化アルミノシリケートガラス組成物を含む、実施形態24~29のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0161】
実施形態31
上記ガラスカバーシートの厚さは0.4mm~2.0mmである、実施形態24~30のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0162】
実施形態32
上記ガラスカバーシートの上記第1の大面上に表面処理を更に備える、実施形態24~31のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0163】
実施形態33
上記表面処理は、防眩処理、反射防止コーティング、及び清掃容易化コーティングのうちの少なくとも1つである、実施形態24~32のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0164】
実施形態34
上記第1のカーブ及び上記第2のカーブはそれぞれ、250mm以下の曲率半径を有する少なくとも1つの場所を備える、実施形態24~33のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0165】
実施形態35
上記ガラスカバーシートの上記第2の大面は第2のカーブを備え、上記フレームの上記支持面は、上記第2のカーブに対して相補的な第2の相補的カーブを備える、実施形態24~34のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0166】
実施形態36
上記第1のカーブは凹状であり、上記第2のカーブは凸状である、実施形態35に記載のガラス物品。
【0167】
実施形態37
上記感圧接着テープは連続ストリップを含む、実施形態24~36のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0168】
実施形態38
上記連続ストリップのうちの少なくとも1つは、上記第1のカーブの湾曲の方向に対して平行である、実施形態37に記載のガラス物品。
【0169】
実施形態39
全ての上記連続ストリップは、上記第1のカーブの湾曲の上記方向に対して平行である、実施形態38に記載のガラス物品。
【0170】
実施形態40
上記連続ストリップのうちの少なくとも1つは、上記第1のカーブの湾曲の上記方向に対して垂直である、実施形態37に記載のガラス物品。
【0171】
実施形態41
全ての上記連続ストリップは、上記第1のカーブの湾曲の上記方向に対して垂直である、実施形態40に記載のガラス物品。
【0172】
実施形態42
上記感圧接着テープは非連続ストリップを含む、実施形態24~41のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0173】
実施形態43
上記第1の領域によって覆われる表面積と、上記第2の領域によって覆われる表面積との比率は、1:150~1:1である、実施形態24~42のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0174】
実施形態44
修正されたGMW3172に従った環境耐久性試験を経た後に、上記ガラス物品は、上記フレームからの上記ガラスカバーシートの剥離を示さない、実施形態24~43のいずれか1つに記載のガラス物品。
【0175】
実施形態45
実施形態24~44のいずれか1つに記載のガラス物品を備える、車両内装。
【符号の説明】
【0176】
10 ガラス物品
12 フレーム
14 支持面
16 ガラス基板
18 第1の大面
20 第2の大面
22 小面
24 接着層
26 第1の端部
27 第2の端部
28a、28b ローラー
30 感圧接着剤
32 液体接着剤
36 感圧接着剤30のストリップ
37 感圧接着剤30の片
38 圧延方向、開口
40 第1の凹状カーブ
42 第2の凸状カーブ
44 平坦なセクション
100、200、300 車両内装システム
110 中央コンソールベース
120、220、320 湾曲面
130、230、330 湾曲ディスプレイ
210 ダッシュボードベース
215 機器パネル
310 ステアリングホイールベース
1000 車両内装
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】