特表 2022-513638 スライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2022-02-09

(54)【発明の名称】スライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構

(51)【国際特許分類】

   B60N 2/90 20180101AFI20220202BHJP

   B60N 2/06 20060101ALI20220202BHJP

【ＦＩ】

B60N2/90

B60N2/06

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2021529750

(86)(22)【出願日】2019-11-29

(85)【翻訳文提出日】2021-05-24

(86)【国際出願番号】 CN2019121825

(87)【国際公開番号】W WO2020140659

(87)【国際公開日】2020-07-09

(31)【優先権主張番号】201910000469.8

(32)【優先日】2019-01-02

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】521225236

【氏名又は名称】延鋒安道拓座椅有限公司

(74)【代理人】

【識別番号】100082418

【弁理士】

【氏名又は名称】山口 朔生

(74)【代理人】

【識別番号】100167601

【弁理士】

【氏名又は名称】大島 信之

(74)【代理人】

【識別番号】100201329

【弁理士】

【氏名又は名称】山口 真二郎

(74)【代理人】

【識別番号】100220917

【弁理士】

【氏名又は名称】松本 忠大

(72)【発明者】

【氏名】龍勇

(72)【発明者】

【氏名】石晶晶

(72)【発明者】

【氏名】張邱威

(72)【発明者】

【氏名】張輝

(72)【発明者】

【氏名】王定宇

【テーマコード（参考）】

3B087

【Ｆターム（参考）】

3B087BA01

3B087BB02

3B087BB08

3B087DE10

(57)【要約】

本発明は、ワイヤーハーネスが貫設されるドラッグチェーンと、上部スライドレールに接続され、上部スライドレールに伴って下部スライドレールの滑り溝内を摺動するドラッグチェーン牽引サポートであって、ドラッグチェーンポート、ワイヤーハーネス出口及びドラッグチェーンポートとワイヤーハーネス出口とを連通する第１チャネルが設けられ、ドラッグチェーンの一端がドラッグチェーンポートに接続されるドラッグチェーン牽引サポートと、ワイヤーハーネス導入口、ワイヤーハーネス導出口及びワイヤーハーネス導入口とワイヤーハーネス導出口とを連通する第２チャネルが設けられているワイヤーハーネスガイドサポートであって、ワイヤーハーネス導入口がワイヤーハーネス出口に回転可能に連通し、ワイヤーハーネス導出口にレール固定部が設けられ、レール固定部が上部スライドレールに取り外し可能に接続されるワイヤーハーネスガイドサポートとを含むスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構を開示する。本発明は、ワイヤーハーネス及びレールの迅速な取付を実現することができ、ワイヤーハーネスがレールに設けられ、上部スライドレールとともに移動し、ロングストロークスライドレールのワイヤーハーネスへの需要を実現し、ワイヤーハーネスがドラッグチェーン牽引サポート及びワイヤーハーネスガイドサポートの中を通し、ワイヤーハーネスの方向を制御可能にする。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

相対的に摺動可能な上部スライドレール及び下部スライドレールを有し、前記下部スライドレールに、前記上部スライドレールが摺動する滑り溝が設けられているスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構において、
ワイヤーハーネスが貫設されるドラッグチェーンと、
前記上部スライドレールに接続され、前記上部スライドレールに伴って前記下部スライドレールの滑り溝内を摺動するドラッグチェーン牽引サポートであって、ドラッグチェーンポート、ワイヤーハーネス出口及び前記ドラッグチェーンポートと前記ワイヤーハーネス出口とを連通する第１チャネルが設けられ、前記ドラッグチェーンの一端が前記ドラッグチェーンポートに接続されるドラッグチェーン牽引サポートと、
ワイヤーハーネス導入口、ワイヤーハーネス導出口及び前記ワイヤーハーネス導入口と前記ワイヤーハーネス導出口とを連通する第２チャネルが設けられているワイヤーハーネスガイドサポートであって、前記ワイヤーハーネス導入口が前記ワイヤーハーネス出口に回転可能に連通し、前記ワイヤーハーネス導出口にレール固定部が設けられ、前記レール固定部が前記上部スライドレールに取り外し可能に接続されるワイヤーハーネスガイドサポートと、を含むことを特徴とする、
スライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【請求項2】

前記ドラッグチェーン牽引サポートの前記ワイヤーハーネス出口には、第１スリーブが設けられ、前記ワイヤーハーネスガイドサポートの前記ワイヤーハーネス導入口には、第２スリーブが設けられ、前記第２スリーブは、第１スリーブに挿設されて回転することを特徴とする請求項１に記載のスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【請求項3】

前記ワイヤーハーネス出口は、前記ドラッグチェーン牽引サポートの頂部に設けられ、前記第１スリーブは、鉛直方向に上向きに設けられ、前記ワイヤーハーネスガイドサポートは、前記第２スリーブにより前記第１スリーブ上を水平方向に回転することを特徴とする請求項２に記載のスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【請求項4】

前記上部スライドレールには、スロットが設けられ、前記レール固定部は、弾性を有し、前記スロットに挿入固定されることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載のスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【請求項5】

前記スロットは、前記上部スライドレールにおける前記下部スライドレールの上側に位置する上半分の側面に設けられることを特徴とする請求項４に記載のスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【請求項6】

スライドレール取付部材をさらに含み、前記スライドレール取付部材は、前記上部スライドレールに取付、接続され、前記ドラッグチェーン牽引サポートは、前記スライドレール取付部材に取付、接続されることを特徴とする請求項１に記載のスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【請求項7】

前記スライドレール取付部材における対向する両端には、それぞれ第１取付溝及び第２取付溝が設けられ、前記上部スライドレールの一端の底部は、前記第１取付溝に係設され、前記ドラッグチェーン牽引サポートには、前記第２取付溝に取付、接続されるフック部材が設けられていることを特徴とする請求項６に記載のスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【請求項8】

前記ドラッグチェーンポート及び前記フック部材は、それぞれ前記ドラッグチェーン牽引サポートにおける対向する両端に設けられ、前記ドラッグチェーンポートには、ドラッグチェーン接続板が設けられ、前記ドラッグチェーンの端部は、前記ドラッグチェーン接続板に固定接続されることを特徴とする請求項７に記載のスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【請求項9】

前記ドラッグチェーンの内部には、ワイヤーハーネスが貫設されるワイヤーハーネスチャネルが設けられ、ワイヤーハーネスの一端は、前記ドラッグチェーンの端部から出て、前記第１チャネル及び前記第２チャネルの順に通過し、前記上部スライドレールに接続されることを特徴とする請求項１に記載のスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【請求項10】

スライドレールストッパーをさらに含み、前記下部スライドレールの端部には、縦方向スロットが設けられ、前記スライドレールストッパーは、前記縦方向スロットに挿設され、前記スライドレールストッパーの側部と前記滑り溝の側壁との間には、前記ドラッグチェーンが往復するドラッグチェーン通路があることを特徴とする請求項１に記載のスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、スライドレール内のワイヤーハーネス構造に係る技術分野に関し、特に、スライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構に関する。

【背景技術】

【0002】

現在、ワイヤーハーネスとシートとの接続においては、ワイヤーハーネスは、直接シートに接続されることが多い。ストロークが短いので、通常、ワイヤーハーネスは露出する問題がないが、ワイヤーハーネスが長くなると、経路が制御できなくなり、特に、ＭＰＶ／ＳＵＶシートの場合には、シートのストロークが長いことが一般的であり、直接シートに接続されると、外観が受け入れられず、ワイヤーハーネスが損傷されやすいなどの問題がある。
市販されている車種の一部は、ワイヤーハーネスが露出しないように、ワイヤーハーネスがシートスライドレール内部からシートに接続されるが、上部スライドレールは、シートの下部レールに取付られる前に、ワイヤーハーネスに接続される必要があり、自動車全体の組立のワイヤーハーネスの配索が不便になり、取付時間が長くなってしまう。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0003】

従来技術に存在又は潜在したいくつかの問題に鑑みて、本発明は、摺動シートに応用して、ワイヤーハーネスと摺動シートとの接続を実現し、ワイヤーハーネスが摺動シートとともに運動するように確保し、ロングストロークの給電及び信号伝達を実現することができ、ワイヤーハーネスの方向を制御可能にし、取付方式が簡単で便利になる、スライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構を提供する。

【課題を解決するための手段】

【0004】

本発明が上記目的を実現するために採用する技術手段は、相対的に摺動可能な上部スライドレール及び下部スライドレールを有し、前記下部スライドレールに、前記上部スライドレールが摺動する滑り溝が設けられているスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構において、ワイヤーハーネスが貫設されるドラッグチェーンと、前記上部スライドレールに接続され、前記上部スライドレールに伴って前記下部スライドレールの滑り溝内を摺動するドラッグチェーン牽引サポートであって、ドラッグチェーンポート、ワイヤーハーネス出口及び前記ドラッグチェーンポートと前記ワイヤーハーネス出口とを連通する第１チャネルが設けられ、前記ドラッグチェーンの一端が前記ドラッグチェーンポートに接続されるドラッグチェーン牽引サポートと、ワイヤーハーネス導入口、ワイヤーハーネス導出口及び前記ワイヤーハーネス導入口と前記ワイヤーハーネス導出口とを連通する第２チャネルが設けられているワイヤーハーネスガイドサポートであって、前記ワイヤーハーネス導入口が前記ワイヤーハーネス出口に回転可能に連通し、前記ワイヤーハーネス導出口にレール固定部が設けられ、前記レール固定部が前記上部スライドレールに取り外し可能に接続されるワイヤーハーネスガイドサポートとを含むスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構である。

【0005】

本発明の有利な効果は以下のとおりである。
通電ワイヤーハーネスはドラッグチェーンに貫設され、ドラッグチェーンは、ドラッグチェーン牽引サポートに接続され、ドラッグチェーン牽引サポートによって、上部スライドレールの移動に伴って一緒に下部スライドレールにおける摺動を実現し、ワイヤーハーネスをスライドレール内に配索するように実現し、ワイヤーハーネスは、ドラッグチェーン牽引サポート及びワイヤーハーネスガイドサポートを通過した後に、上部スライドレールに接続されることができ、当該ドラッグチェーン牽引サポート及びワイヤーハーネスガイドサポートによって、ドラッグチェーンから出たワイヤーハーネスを保護し、ワイヤーハーネスガイドサポートは、ドラッグチェーン牽引サポートに回転可能に接続され、ワイヤーハーネスガイドサポートのワイヤーハーネス導出口に、レール固定部が設けられ、ワイヤーハーネスガイドサポートを回転させることで、レール固定部を上部スライドレール上に固定し、ワイヤーハーネスを上部スライドレールに迅速に接続することができ、ワイヤーハーネスが、ドラッグチェーン牽引サポート及びワイヤーハーネスガイドサポートの中を通し、ワイヤーハーネスの方向を制御可能にする。

【0006】

いくつかの実施例において、前記ドラッグチェーン牽引サポートの前記ワイヤーハーネス出口には、第１スリーブが設けられ、前記ワイヤーハーネスガイドサポートの前記ワイヤーハーネス導入口には、第２スリーブが設けられ、前記第２スリーブは、第１スリーブに挿設されて回転する。
いくつかの実施例において、前記ワイヤーハーネス出口は、前記ドラッグチェーン牽引サポートの頂部に設けられ、前記第１スリーブは、鉛直方向に上向きに設けられ、前記ワイヤーハーネスガイドサポートは、前記第２スリーブにより前記第１スリーブ上を水平方向に回転する。
いくつかの実施例において、前記上部スライドレールには、スロットが設けられ、前記レール固定部は、弾性を有し、前記スロットに挿入固定される。
いくつかの実施例において、前記スロットは、前記上部スライドレールにおける前記下部スライドレールの上側に位置する上半分の側面に設けられる。
いくつかの実施例において、前記機構は、スライドレール取付部材をさらに含み、前記スライドレール取付部材は、前記上部スライドレールに取付、接続され、前記ドラッグチェーン牽引サポートは、前記スライドレール取付部材に取付、接続される。
いくつかの実施例において、前記スライドレール取付部材における対向する両端には、それぞれ第１取付溝及び第２取付溝が設けられ、前記上部スライドレールの一端の底部は、前記第１取付溝に係設され、前記ドラッグチェーン牽引サポートには、前記第２取付溝に取付、接続されるフック部材が設けられている。
いくつかの実施例において、前記ドラッグチェーンポート及び前記フック部材は、それぞれ前記ドラッグチェーン牽引サポートにおける対向する両端に設けられ、前記ドラッグチェーンポートには、ドラッグチェーン接続板が設けられ、前記ドラッグチェーンの端部は、前記ドラッグチェーン接続板に固定接続される。
いくつかの実施例において、前記ドラッグチェーンの内部には、ワイヤーハーネスが貫設されるワイヤーハーネスチャネルが設けられ、ワイヤーハーネスの一端は、前記ドラッグチェーンの端部から出て、前記第１チャネル及び前記第２チャネルの順に通過し、前記上部スライドレールに接続されるようになる。
いくつかの実施例において、前記機構は、スライドレールストッパーをさらに含み、前記下部スライドレールの端部には、縦方向スロットが設けられ、前記スライドレールストッパーは、前記縦方向スロットに挿設され、前記スライドレールストッパーの側部と前記滑り溝の側壁との間には、前記ドラッグチェーンが往復するドラッグチェーン通路がある。

【0007】

本発明の実施例における技術手段をより明確に説明するため、以下、実施例を説明するために必要な図面を簡単に説明する。当然ながら、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩性のある労働を費やすことなく、これらの図面により他の図面を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】本発明の一実施例に係るスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構の全体構造模式図である。

【図2】本発明の一実施例に係るスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構の主部の部分構造の拡大模式図である。

【図3】本発明の一実施例に係るスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構の構造分解模式図である。

【図4】本発明の一実施例におけるドラッグチェーン牽引サポートの構造模式図である。

【図5】本発明の一実施例におけるワイヤーハーネスガイドサポートの構造模式図である。

【図6】本発明の一実施例におけるワイヤーハーネスの方向の模式図である。

【図7】本発明の一実施例におけるワイヤーハーネスの方向の断面模式図である。

【図8】本発明の一実施例におけるスライドレール取付部材とドラッグチェーン牽引サポートの取付前の構造模式図である。

【図9】本発明の一実施例におけるスライドレール取付部材とドラッグチェーン牽引サポートの取付後の構造模式図である。

【図10】本発明の一実施例におけるワイヤーハーネスガイドサポート及び上部スライドレールの取付プロセスの模式図である。

【図11】本発明の一実施例におけるスライドレールストッパーと下部スライドレールの取付構造模式図である。

【図12】図１１の実施例におけるＡ－Ａでの断面模式図である。

【図13】本発明の一実施例におけるスライドレールストッパーの構造模式図である。

【図14】本発明の一実施例におけるスライドレールストッパーとドラッグチェーン牽引サポートとが接触する場合の模式図である。

【図15】本発明の一実施例におけるスライドレールのエンドカバーと下部スライドレールの取付構造模式図である。

【図16】本発明の一実施例におけるスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構の取付プロセスの模式図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、特定の具体的なケースにより本発明の実施形態を説明する。当業者は、本明細書の開示内容により、本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。本発明は、さらに他の異なる具体的な実施形態により実施又は応用することができる。本明細書における各項の細部は、異なる観点と応用に基づいて、本発明の精神から逸脱することなく、様々な修飾又は変更を行うこともできる。

【0010】

以下、図面及び具体的な実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。
図１～７を参照する。図１は、本発明の一実施例に係るスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構の全体構造模式図を示し、図２は、本発明の一実施例に係るスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構の主部の部分構造の拡大模式図を示し、図３は、本発明の一実施例に係るスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構の構造分解模式図を示し、図４は、本発明の一実施例におけるドラッグチェーン牽引サポートの構造模式図を示し、図５は、本発明の一実施例におけるワイヤーハーネスガイドサポートの構造模式図を示し、図６は、本発明の一実施例におけるワイヤーハーネスの方向の模式図を示し、図７は、本発明の一実施例におけるワイヤーハーネスの方向の断面模式図を示す。

【0011】

図１～３に示すように、スライドレールは、相対的に摺動可能な上部スライドレール２１及び下部スライドレール２２を有する。下部スライドレール２２に、上部スライドレール２１が摺動する滑り溝が設けられている。スライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構は、主に、ワイヤーハーネスが貫設されるドラッグチェーン１１、ドラッグチェーン牽引サポート１２及びワイヤーハーネスガイドサポート１３の３つの部分を含む。ここで、ドラッグチェーン１１の内部には、ワイヤーハーネスが貫設されるワイヤーハーネスチャネルが設けられ、ワイヤーハーネスが当該ドラッグチェーン１１に貫設され、ドラッグチェーンワイヤーハーネスを構成する。
図４、図６及び図７に示すように、ドラッグチェーン牽引サポート１２は、上部スライドレール２１に接続され、上部スライドレール２１に伴って下部スライドレール２２の滑り溝内を摺動する。ドラッグチェーン牽引サポート１２には、ドラッグチェーンポート１２１及びワイヤーハーネス出口１２２が設けられ、当該ドラッグチェーン牽引サポート１２の内部には、両端が当該ドラッグチェーンポート１２１及び当該ワイヤーハーネス出口１２２に連通する第１チャネル１２０が形成されている。ドラッグチェーン１１の一端の端部は、当該ドラッグチェーンポート１２１に固定接続される。好適には、当該ドラッグチェーンポート１２１は、形状、サイズがいずれもドラッグチェーン１１に合わせられた方形ポートであり、当該方形ポートの上縁及び下縁には、それぞれドラッグチェーン接続板１２１１が設けられ、ドラッグチェーン１１の端部は、二枚のドラッグチェーン接続板１２１１の間に挿設され、ボルトでドラッグチェーン接続板と固定されることができる。ドラッグチェーン１１内のワイヤーハーネスチャネルは、方形ポートを介してドラッグチェーン牽引サポート１２内の第１チャネル１２０に連通する。

【0012】

図５、図６、図７及び図１０に示すように、図１０は、本発明の一実施例におけるワイヤーハーネスガイドサポート及び上部スライドレールの取付プロセスの模式図を示す。図示したように、ワイヤーハーネスガイドサポート１３には、ワイヤーハーネス導入口１３１及びワイヤーハーネス導出口１３２が設けられている。当該ワイヤーハーネスガイドサポート１３の内部には、両端が当該ワイヤーハーネス導入口１３１及び当該ワイヤーハーネス導出口１３２に連通する第２チャネル１３０が形成されている。当該ワイヤーハーネス導入口１３１は、ドラッグチェーン牽引サポート１２のワイヤーハーネス出口１２２に回転可能に連通し、当該ワイヤーハーネス導出口１３２には、レール固定部１３３が設けられている。当該レール固定部１３３は、上部スライドレール２１に取り外し可能に接続され、好適には、上部スライドレール２１には、スロット２１１が設けられ、当該レール固定部１３３は、弾性を有し、スロット２１１に挿入固定される。それによってワイヤーハーネス導入口１３１と上部スライドレール２１との間の取付接続を完成し、スロット２１１は、図２に示すように、上部スライドレール２１における下部スライドレール２２の上側に位置する上半分の側面に設けられる。

【0013】

図５に示すように、ワイヤーハーネス導入口１３１上のレール固定部１３３にＵ字形金属シートを用いてもよく、Ｕ字形金属シートの開口端の外縁には、突起部が設けられる。当該Ｕ字形金属シートは、金属特徴により弾性を有し（金属の代わりに、弾性特性を有する他の材料を用いてもよく、金属シートの形状も、Ｕ字形に限らず、一端が閉鎖し、他端が開口し、弾性があればよい）、当該Ｕ字形金属シートは、水平に設置され、底部側がワイヤーハーネスガイドサポート１３のワイヤーハーネス導出口１３２の上部に固定される。当該Ｕ字形金属シートは、ワイヤーハーネスガイドサポート１３が適切な位置に回転する際に、上部スライドレール２１におけるスロット２１１に位置合わせされることができ、Ｕ字形金属シートの開口端は、スロット２１１に挿入される。スロット２１１の口部は、Ｕ字形金属シートの開口端よりも幅が僅かに小さく、Ｕ字形金属シートは、スロット２１１に挿入された後に、弾性の作用でスロット２１１の内壁に押し付けられ、レール固定部１３３と上部スライドレール２１との固定を完成することができる。固定を解除する必要がある場合に、Ｕ字形金属シートを外へ引き抜けるように力を加えればよい。

【0014】

図６及び図７に示すように、ワイヤーハーネス１０の一端は、ドラッグチェーン１１の端部から出た後に、ドラッグチェーン牽引サポート１２中の第１チャネル１２０及びワイヤーハーネスガイドサポート１３中の第２チャネル１３０の順に通過し、上部スライドレール２１に接続されるようになり、ワイヤーハーネス１０と上部スライドレールとの接続を実現することができる。
本発明に係るスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構において、通電ワイヤーハーネス１０はドラッグチェーン１１に貫設され、ドラッグチェーン１１は、ドラッグチェーン牽引サポート１２に接続される。ドラッグチェーン牽引サポート１２によって、上部スライドレール２１の移動に伴って一緒に下部スライドレール２２における摺動を実現する。ワイヤーハーネス１０をスライドレール内に配索するように実現し、ワイヤーハーネス１０は、ドラッグチェーン牽引サポート１２及びワイヤーハーネスガイドサポート１３を通過した後に、上部スライドレール２１に接続されることができ、当該ドラッグチェーン牽引サポート１２及び当該ワイヤーハーネスガイドサポート１３によって、ドラッグチェーン１１から出たワイヤーハーネス１０を保護する。ワイヤーハーネスガイドサポート１３は、ドラッグチェーン牽引サポート１２に回転可能に接続され、ワイヤーハーネスガイドサポート１３のワイヤーハーネス導出口１３２に、レール固定部１３３が設けられ、ワイヤーハーネスガイドサポート１３を回転させることで、レール固定部１３３を上部スライドレール２１に固定し、ワイヤーハーネス１０を上部スライドレール２１に迅速に接続することができる（上部スライドレールには、ワイヤーハーネスを接続するための専用の電気コネクター、又はワイヤーハーネスが通過した後にシートに接続されるための貫通孔が設けられている）。ワイヤーハーネス１０は、ドラッグチェーン牽引サポート１２及びワイヤーハーネスガイドサポート１３の中を通し、ワイヤーハーネスの方向を制御可能にする。

【0015】

好適には、図３に示すように、ドラッグチェーンは、折り曲げられた後にワイヤーハーネス収納ボックス３１に収容されてもよく、当該ワイヤーハーネス収納ボックス３１の端部には、ドラッグチェーンアダプタ３２が設けられ、ドラッグチェーンアダプタ３２の内部には、当該ワイヤーハーネス収納ボックスの内部及び下部スライドレール２２の滑り溝に連通するドラッグチェーンチャネルが形成され、ドラッグチェーンは、当該ドラッグチェーンアダプタ３２によりワイヤーハーネス収納ボックス３１と下部スライドレール２２との間を往復することができる。ドラッグチェーンの一端は、ワイヤーハーネス収納ボックス３１又はドラッグチェーンアダプタ３２に固定接続され、ドラッグチェーンの他端は、ドラッグチェーンアダプタ３２から出て、下部スライドレール２２の滑り溝内に伸び込み、ドラッグチェーン牽引サポート１２のドラッグチェーンポートに接続される。したがって、上部スライドレール２１の移動により、ドラッグチェーン牽引サポート１２及びドラッグチェーンを下部スライドレールの滑り溝に沿って共に移動させ、ロングストロークスライドレールのワイヤーハーネスの配索の需要を実現することができる。

【0016】

さらに、図４～７を組み合わせて参照する。ドラッグチェーン牽引サポート１２におけるワイヤーハーネス出口１２２には、第１スリーブ１２４が設けられ、ワイヤーハーネスガイドサポート１３のワイヤーハーネス導入口１３１には、第２スリーブ１３４が設けられ、当該第２スリーブ１３４は、当該第１スリーブ１２４に挿設されて回転し、それによってワイヤーハーネスガイドサポート１３とドラッグチェーン牽引サポート１２との間の回転を実現する。さらに、当該第１スリーブ１２４と当該第２スリーブ１３４との間に切り欠き及びバンプなどの特徴を設けることで、ワイヤーハーネスガイドサポート１３の回転方向及び回転範囲を規制するという作用を達成することができる。
ドラッグチェーン牽引サポート１２の幅及び高さは、いずれも下部スライドレール２２中の滑り溝の幅及び高さに合わせられるので、ドラッグチェーン牽引サポート１２と下部スライドレール２２との間の摺動をよりスムーズにし、下部スライドレールにおけるワイヤーハーネスの摺動も、よりスムーズになり、良好な牽引効果を果たすことができる。当該ドラッグチェーン牽引サポート１２におけるワイヤーハーネス出口１２２は、ドラッグチェーン牽引サポートの頂部に設けられ、ワイヤーハーネス出口１２２における第１スリーブ１２４は、鉛直方向に上向きに設けられ、ワイヤーハーネスガイドサポート１３は、そのワイヤーハーネス導入口１３１における第２スリーブ１３４により第１スリーブ上を水平方向に回転する。

【0017】

図８及び図９を組み合わせて参照する。図８は、本発明の一実施例におけるスライドレール取付部材とドラッグチェーン牽引サポートの取付前の構造模式図を示し、図９は、本発明の一実施例におけるスライドレール取付部材とドラッグチェーン牽引サポートの取付後の構造模式図を示す。
図示したように、ドラッグチェーン牽引サポート１２におけるドラッグチェーンポート１２１は、上部スライドレール２１から離れる側に位置し、ドラッグチェーン牽引サポート１２の上部スライドレール２１に面する側における頂部及び底部には、それぞれフック部材１２３が設けられ、上部スライドレール２１の底部には、スライドレール取付部材１４がさらに取付、接続され、ドラッグチェーン牽引サポート１２は、さらに当該スライドレール取付部材上１４に取付、接続される。ここで、当該スライドレール取付部材１４の底部は、下部スライドレール２２の滑り溝の底面に密接され、スライドレール取付部材１４は、上部スライドレール２１とともに下部スライドレール２２に沿って摺動でき、当該スライドレール取付部材１４の両側は、下部スライドレール２２の滑り溝の側面に密接される。当該スライドレール取付部材１４における対向する両端には、それぞれ第１取付溝１４１及び第２取付溝１４２が設けられ、上部スライドレール２１の一端の底部は、第１取付溝１４１に係設され、ドラッグチェーン牽引サポート１２におけるフック部材１２３は、当該第２取付溝１４２に引っ掛かり接続されることによって、ドラッグチェーン牽引サポート１２、スライドレール取付部材１４及び上部スライドレール２１は、接続して一つの摺動アセンブリになる。

【0018】

さらに、図１１～１４を組み合わせて参照する。図１１は、本発明の一実施例におけるスライドレールストッパーと下部スライドレールの取付構造模式図を示し、図１２は、図１１の実施例におけるＡ－Ａでの断面模式図を示し、図１３は、本発明の一実施例におけるスライドレールストッパーの構造模式図を示し、図１４は、本発明の一実施例におけるスライドレールストッパーとドラッグチェーン牽引サポートとが接触する場合の模式図を示す。
図示したように、下部スライドレール２２の端部には、上部スライドレール２１のストローク止め点、即ち、上部スライドレール２１の摺動範囲を規制し、下部スライドレール２２から外れることを防止するものとして、スライドレールストッパー１５がさらに設けられてもよい。当該スライドレールストッパー１５の設置位置は、端部位置に限らず、実際の需要に応じて設定されてもよい。下部スライドレール２２には、縦方向スロット２２１が設けられ、スライドレールストッパー１５が挿設して装着されるために、当該縦方向スロット２２１の形状及びサイズは、いずれもスライドレールストッパー１５に合わせられる。ドラッグチェーン１１が順調に取り付けられてスムーズに通行できるように、当該スライドレールストッパー１５は、縦方向スロット２２１に挿入された後、下部スライドレール２２の滑り溝の側壁との間に、ドラッグチェーン１１が往復するドラッグチェーン通路がある。

【0019】

好適には、図１４に示すように、ドラッグチェーン牽引サポート１２及びスライドレールストッパー１５に、インサート構造が設けられ、当該インサート構造は、金属インサートを用いてもよく、上部スライドレールが最先端位置まで摺動すると、インサート構造により、ドラッグチェーン牽引サポート１２を衝撃損傷から保護し、さらに、その中のワイヤーハーネスを損傷から保護することができる。ここで、ドラッグチェーン牽引サポート１２における金属インサートは、その頂部位置に設けられてもよく、スライドレールストッパー１５における金属インサート１７は、図１２～１４に示すように、Ｖ字形を呈しスライドレールストッパー１５の中部に設けられる。

【0020】

さらに図１５に示すように、下部スライドレール２２の端部に、スライドレールエンドカバー１６がさらに設けられ、当該スライドレールエンドカバー１６は、スライドレールストッパー１５の上方に覆設され、下部スライドレール２２の頂部の平面に密接され、外観美化の作用を果たすことができ、スライドレールストッパー１５とともに位置制限の作用を果たすこともできる。当該スライドレールエンドカバー１６は、先に説明されたドラッグチェーンアダプタ３２の上部にさらに接続され、ドラッグチェーンアダプタ３２と下部スライドレール２２との接続をさらに強固にするという作用を果たすことができる。

【0021】

以下、図１６は、本発明の一実施例に係るスライドレール内のワイヤーハーネスの迅速な取付及び保護機構の取付プロセスの模式図を示す。図示したように、当該実施例のスライドレールは、自動車シートの底部のスライドレールであり、上部スライドレールは、シートの底部に固定して設けられ、ワイヤーハーネスは、ワイヤーハーネス収納ボックスからロングストロークスライドレールを通過して上部スライドレールに接続される必要がある。当該ロングストロークスライドレールの取付工程は、ワイヤーハーネス収納ボックス中のドラッグチェーン１１における、シートに接続される一端を、ドラッグチェーン牽引サポート１２のドラッグチェーンポートに接続し、ドラッグチェーン１１中のワイヤーハーネスを、ドラッグチェーン牽引サポート及びワイヤーハーネスガイドサポート１３内のチャネルに通すステップＳ１と、ドラッグチェーン牽引サポート１２とワイヤーハーネスガイドサポート１３の取付を完成した後に、ワイヤーハーネスガイドサポート１３のワイヤーハーネス導出口におけるワイヤーハーネス１０は、ワイヤーハーネスコネクターに接続され、ワイヤーハーネス１０の他端は、ワイヤーハーネス収納ボックスに収容され、給電体（例えば、自動車主制御システム又は外部電源）に接続され、給電アセンブリを形成するステップＳ２と、ワイヤーハーネス収納ボックスの端部のドラッグチェーンアダプタ３２と下部スライドレール２１とを接続するステップＳ３と、ドラッグチェーン牽引サポート１２及びワイヤーハーネスガイドサポート１３によって、ドラッグチェーンを下部スライドレール２２の滑り溝中に導入するステップＳ４と、ドラッグチェーン牽引サポート１２と上部スライドレール２１の底部のスライドレール取付部材１４とを接続するステップＳ５と、ワイヤーハーネスガイドサポート１３を約９０度回転させた後に、上部スライドレール２１と接続するステップＳ６と、下部スライドレール２２の端部にスライドレールストッパー１５を取り付けるステップＳ７と、下部スライドレール２２の端部にスライドレールエンドカバー１６を取り付けるステップＳ８とを含む。

【0022】

説明すべき点は、本明細書に添付されている図面に示された構造、比率、大きさなどは、すべて明細書の開示内容と組み合わせて、当業者に読んで理解されるためのものに過ぎず、本発明の実施可能な限定条件を限定するためのものではないので、技術的には、実質的な意義を有しておらず、いかなる構造の修飾、比率関係の変更又は大きさの調整も、本発明によって発生可能な効果及び達成可能な目的に影響を与えない限り、本発明に開示されている技術内容に含まれ得る範囲内に入るはずであることである。また、本明細書に表現されている「上」、「下」、「左」、「右」、「中間」及び「一」などのような用語も、明確に説明しやすくするためのものに過ぎず、本発明の実施可能な範囲を限定するためのものではない。その相対的関係の変更又は調整も、技術内容を実質的に変更しない限り、本発明の実施可能な範疇と見なされるはずである。

【0023】

以上に述べたのは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明をいかなる形式で制限することをも意図しない。本発明は、既に好ましい実施例により以上のように開示されたが、これらの好ましい実施例は本発明を限定するためのものではない。当業者であれば、本発明の技術手段から逸脱しない範囲内で、以上に開示された技術内容により少し変更又は修飾を加えて均等変化する等価実施例にすることができる。本発明の技術的実体により以上の実施例に対して行ういかなる簡単な変更、均等変化及び修飾は、本発明の技術手段の内容から逸脱しない限り、いずれも本発明の技術手段の範囲に属する。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【国際調査報告】