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特表2022-513673回転作動ユニバーサルコネクタキャップ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】回転作動ユニバーサルコネクタキャップ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/20 20060101AFI20220202BHJP
   A61M 5/00 20060101ALN20220202BHJP
【FI】
A61M39/20
A61M5/00 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530962
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(85)【翻訳文提出日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 US2019063243
(87)【国際公開番号】W WO2020112767
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】62/773,539
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーン コイル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066CC01
4C066NN01
(57)【要約】
ユニバーサルタイプの消毒用コネクタ、コネクタ、キャップは、雄、雌、雌型止めコック、雌型の血液透析用ねじ継手と連結することができるため、消毒用コネクタの全領域を網羅している。消毒用コネクタ又はキャップは、回転作動インターフェースを備えたユニバーサルな回転キャップを提供する構造要素の構成と、対応するタイプの雄型又は雌型のコネクタ又はルアーと係合、結合、又はキャッピングするために、複数の接続タイプ又はインターフェースのいずれか1つを選択的に提示するようにキャップを構成することができる設計上の特徴を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップであって、
雌型コネクタを受け入れるために、ハウジング内の第1の空洞に通じる第1の開口部を有する開放された第1の端部を備えたハウジングであって、前記開放された第1の端部は、前記雌型コネクタと係合するように構成された内面を有するハウジングと、
前記ハウジングに対して軸方向に固定され、前記ハウジングに対して回転可能なベースと、
前記ハウジング内に構成され、雄型コネクタのハブを受け入れるように構成された第2の空洞への第2の開口部と、前記雄型コネクタと係合するように構成された外面とを有するスライドと、を備え、
前記ハウジングに対して前記ベースを第1の方向に第1の回転をさせると、前記スライドが前記第1の空洞を通って、前記第1の開口部を介して、前記ハウジングから突出し、前記雄型コネクタを受け入れて係合し、かつ、
前記ハウジングに対して前記ベースを前記第1の方向とは反対の第2の方向に第2の回転をさせると、前記スライドが前記ハウジング内に収納され、前記雌型コネクタを受け入れて係合するための前記第1の空洞へのアクセスを可能にするように、
前記スライドが、前記ベースと連結する、キャップ。
【請求項2】
前記第2の空洞から突出又は収納されるように構成されたロッドをさらに備え、
前記ロッドが、前記第2の回転の後に、前記第1の空洞内に突出し、受け入れて係合された前記雌型コネクタと相互作用するように、前記ベースと連結する、請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記ベースをさらに前記第2の方向に第3の回転をさせると、前記ロッドが前記ハウジング内に収納されるとともに、前記第1の空洞から移動され、前記ロッドと、前記受け入れて係合された雌型コネクタとの相互作用を回避するように、前記ロッドが、前記ベースと連結する、請求項2のキャップ。
【請求項4】
前記ハウジングは、
前記ハウジングの上部に設けられた前記第1の開口部を画定する本質的に円筒形の内部側壁と、
前記ハウジングの底部に設けられた第3の開口部を画定する本質的に円筒形の外部側壁と、を備える、請求項1、2、又は3のいずれか一項に記載のキャップ。
【請求項5】
前記ベースは、
本質的に円筒形の側壁と、
前記円筒形の側壁に接続された底壁と、
前記底壁の内面に設けられた突出部と、を備え、
前記スライドは、
上部及び下部を含む本質的に円筒形の構造体、及び、前記円筒形の構造体を通って軸方向に延びる前記第2の空洞を備え、
前記上部の前記第2の空洞は、前記雄型コネクタの前記ハブを受け入れるように構成され、
前記上部の外面は、前記雄型コネクタと係合するように構成され、
前記下部の内面は、前記スライドが前記ベースに対して軸方向及び半径方向に移動できるように、前記ベースの前記突出部と連結するように構成され、
前記下部の外面は、前記スライドが前記ハウジングに対して軸方向に移動することを可能にし、前記スライドを前記ハウジングに対して回転的に固定するために、前記ハウジングの前記本質的に円筒形の外部側壁の内部と連結するように構成されている、請求項4に記載のキャップ。
【請求項6】
前記円筒形の外部側壁、前記円筒形の内部側壁、前記第1の開口部、前記第2の開口部、前記第3の開口部、前記円筒形の側壁、及び前記突出部は、同軸上に位置している、請求項5に記載のキャップ。
【請求項7】
前記雌型コネクタと係合するように構成された前記内面の内ねじ部と、をさらに備え、
前記雌型コネクタの前記ハブが、前記第1の空洞内に受け入れられたとき、前記雌型コネクタの前記ハブは、前記内ねじ部の少なくとも一部を前記雌型コネクタの前記ハブ上の嵌合特徴部と連結させることにより、前記第1の空洞内に固定される、請求項1、2、3、4、5、又は6のいずれか一項に記載のキャップ。
【請求項8】
前記雄型コネクタと係合するように構成された前記外面の外ねじ部と、をさらに備え、
前記雄型コネクタの前記ハブが、前記第2の空洞内に受け入れられたとき、前記雄型コネクタの前記ハブは、前記外ねじ部の少なくとも一部を前記雄型コネクタの嵌合特徴部と連結させることにより、前記第2の空洞内に固定される、請求項1、2、3、4、5、6、又は7のいずれか一項に記載のキャップ。
【請求項9】
前記雄型コネクタの前記嵌合特徴部にはねじ部があり、前記外ねじ部は、前記雄型コネクタの前記嵌合特徴部の前記ねじ部に対応する完全なねじ部で構成されている、請求項8に記載のキャップ。
【請求項10】
前記ベースの前記突出部は、ねじ部で構成され、
前記スライドの前記下部の内面には、前記ねじ部に対応する溝が形成されている、請求項5に記載のキャップ。
【請求項11】
前記ハウジングと前記ベースは、前記ハウジングと前記ベースを互いに軸方向に本質的に固定し、前記ベースと前記ハウジングを互いに本質的に自由に回転させることができるスナップフィット接続によって係合される、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれか一項に記載のキャップ。
【請求項12】
前記第1の空洞を密閉する少なくとも1つの取り外し可能なカバーを備える、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11のいずれか一項に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2018年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/773,539号からの35USC§119(e)に基づく優先権を主張するものであり、その内容(提出されたすべての添付書類を含む)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
一般的に、本開示の例示的な実施形態は、医療用キャップ及び医療用消毒キャップを含むねじ継手の分野に関し、特に、雄、雌、雌の止めコック、及び雌型の血液透析用ねじ継手と一緒に使用するためのキャップ及び/又は消毒キャップに関するものである。
【背景技術】
【0003】
医療用途の例では、使用されていないときに、ニードルレスコネクタを閉鎖するための様々な従来のキャップが知られている。カテーテル関連血流感染(CRBSI)を減少させるために、米国特許公開第2007/011233号(米国特許第8,740,864号)に消毒キャップが開示され、市場に導入された(この両方の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。米国特許第8,740,864号に開示されているような消毒用キャップは、本明細書の図1A及び図1Bに示されており、キャップ1は消毒用パッド2と蓋3を含み、又、キャップ4は消毒用パッド5と蓋7を含むとともに、その内周8にはニードルレスコネクタハブと連動するためのねじ部6が設けられている。一方、他の従来のキャップは同様の機能を備えている場合があるが、消毒パッドは含まれていない。消毒キャップのさらに改良された設計は、2017年1月17日に出願された関連する米国特許出願第15/408,278号及び第15/408,187号に開示されている(その両方の開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる)。さらなる安全性の考慮を加えたキャップ設計のさらなる変更は、関連する米国特許出願第62/488,266号(2017年4月21日出願)、62/523,506(2017年6月22日出願)、及び62/623,858(2018年1月30日出願)に開示されている(その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0004】
現在、ISO594-2タイプの雌型のねじ式流体ルアーコネクタを消毒するための雄型の消毒キャップデバイスがあり、又、ISO594-2タイプの雄型のねじ式流体ルアーコネクタを消毒するための雌型の消毒キャップデバイスがある。特定の雄型及び/又は雌型のねじ式ルアーコネクタにキャップをすることができる二重目的のキャップがあるが、そのようなキャップは、単一のキャップでコネクタの全範囲をカバーすることはできない。
【0005】
現在のキャップの範囲は、ISO594-2タイプの雄型のねじ式コネクタを消毒するためのキャップ又は消毒用キャップデバイス、ISO594-2タイプの雌型のねじ式コネクタを消毒するためのキャップ又は消毒用キャップデバイス、ISO594-2タイプの雌型のねじ式血液透析コネクタを消毒するためのキャップ又は消毒用キャップデバイス、及び、止めコックのISO594-2タイプの開放雌型の接続ねじ式コネクタを消毒するためのキャップ又は消毒用キャップデバイスで、止めコック内の圧力を維持するように設計されているものがある。
【0006】
しかしながら、ISO594-2コネクタの4つの雄型又は雌型の全てを含むコネクタの全範囲を包含するように、雄、雌、雌の止めコック、及び雌型の血液透析用ねじ継手と連結するように設計された単一のユニバーサルキャップ、又は消毒用キャップは存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本説明で例示される事項は、本開示の例示的な実施形態の包括的な理解を助けるために提供されるものである。したがって、当業者であれば、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態の様々な変更及び修正を行うことができることを認識することであろう。また、よく知られている機能と構造の説明は、明確さと簡潔さのために省略される。
【0008】
関連技術の当業者であれば容易に理解できるように、「結合」、「穴」、「先端」、「ハブ」、「ねじ部」、「スポンジ」、「突出部」、「タブ」、「傾斜」、「壁」、「上部」、「側部」、「底部」、「下の」、「上の」、「器具」、「止めコック」やその他の説明的な用語は、本明細書において理解を容易にするために使用されるが、本開示の実施形態の種々の態様を実施するために組み合わせてまた個別に用いることができる構成要素に限定することを意図したものではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の例示的な実施形態は、雄、雌、雌の止めコック、及び雌の血液透析ねじ付き器具と連結することできる単一のユニバーサル消毒用コネクタ、コネクタ、又はキャップの構造を提供し、したがって、消毒用コネクタの全範囲を包含する。例えば、臨床の観点から、本開示による消毒コネクタ又はキャップは、有利なことに、病院環境で現在必要とされるデバイスの種類と物流の数を4から1に減らすことができる。
【0010】
本開示の実施形態の例示的な実装において、コネクタ、キャップ、コネクタキャップ、又は消毒キャップは、例えばISO594-2流体ルアーコネクタに関連した器具などの医療用途、及び、一般的な非医療関連のねじ込み継手用途に使用のための用途を有することができる。
【0011】
本開示の例示的な実施形態によれば、構造要素の構成することにより、回転作動インターフェースと、対応するタイプの雄又は雌のコネクタ又はルアーと係合、結合、又はキャッピングするための複数の接続タイプ又はインターフェースのいずれか1つを選択的に提示するようにキャップを構成することができる設計上の特徴と、を備えたユニバーサル回転キャップが提供される。
【0012】
本開示の実施形態の例示的な実装によれば、コネクタ又はキャップ構造は、回転ベース、又は下部ケーシングと、回転ベースに対して軸方向に固定され、雌型のねじ式コネクタ、雌型のねじ式血液透析コネクタ、及び/又は開放雌型の接続ねじ式コネクタと連結又は接続するように設計された開放端を有する、ハウジング、又は上部ケーシングと、回転ベースに対してハウジング内に配置され、キャップと雌型及び/又は雄型コネクタとの接続又は連結を容易にするように設計されたスライドとを含む特徴の組み合わせを備える。
【0013】
本開示の実施形態の例示的な実装によれば、コネクタ又はキャップの回転ベースは、例えば、スライドがハウジングに対して軸方向に移動できるようにすることで、キャップの雄型接続又は雌型接続を容易にするキャップ設計の特徴を作動させるために、ハウジングに対して回転可能に構成することができる。例示的な実施形態では、回転ベースは、ハウジングに対する回転ベースの相対的な回転により、ハウジングに対するスライドの移動(例えば、突出部の上下移動)を促進又は引き起こすように、スライドと連結するように設計された突出部(例えば、ねじ付き突出部)を含む。例示的な実施形態では、スライドはハウジングに対して回転可能に固定されているが、ハウジングに対して軸方向に移動することができる。
【0014】
本開示の実施形態の別の例示的な実装によれば、コネクタ又はキャップは、開放状態の雌型接続を容易にするために、ロッド又は圧力ロッドなどの追加の設計特徴を備える。
【0015】
本開示の実施形態のさらなる例示的な実装によれば、ハウジングの開放端は、雌型コネクタの外側の突出部、又はねじ部と係合するように設計された内側の突出部、又はねじ部を有するように構成することができる。
【0016】
さらに別の例示的な実施形態では、スライドは、ハウジングから選択的に延出して、キャップと雄型のねじ式コネクタとの接続又は連結を容易にすることができる。例えば、ハウジングから外に延在するスライドの端部は、雄型コネクタの鍔部に配置された突出部又はねじ部と係合するように設計された外側突出部又はねじ部で構成することができる。
【0017】
本開示の実施形態のさらなる例示的な実装によれば、コネクタ又はキャップ構造は、例えば、キャップ構造のハウジングの開放端に洗浄液を提供することによって、雌雄の接続を消毒するように設計された特徴を含む。
【0018】
本開示の実施形態のさらなる例示的な実装によれば、コネクタ又はキャップ構造の開放端は、接続インターフェースの無菌性を維持するため、及び/又は含まれる場合は洗浄液を保存するために、剥離シールフィルムを備えることができる。
【0019】
このような例示的な実装の任意の組み合わせは、本開示のコネクタ又はキャップ構造に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
次に、図面を参照すると、同様の参照数字がいくつかの図を通して同一又は対応する部分を示しており、本開示の実施形態が以下のように説明される。
【0021】
図1A】ニードルレスコネクタ用の従来のキャップの断面図である。
図1B】ニードルレスコネクタ用の従来のキャップの断面図である。
図2】本開示の例示的な実施形態によるキャップ構造の等角図又は透視図である。
図3】本開示の例示的な実施形態によるキャップ構造のハウジング構成要素を示す等角図又は透視図である。
図4】本開示の例示的な実施形態によるキャップ構造のベース構成要素の等角図又は透視図である。
図5】本開示の例示的な実施形態によるキャップ構造のスライド構成要素の等角図又は透視図である。
図6A】本開示の例示的な実施形態によるキャップのスライド構成要素を備えたベース構成要素の等角分割図(断面図)である。
図6B】本開示の例示的な実施形態による、キャップ設計の特徴又は接続の様々な段階でのキャップの等角分割又は断面図を概略的に示す。
図6C】本開示の例示的な実施形態による、キャップ設計の特徴又は接続の様々な段階でのキャップの等角分割又は断面図を概略的に示す。
図6D】本開示の例示的な実施形態による、キャップ設計の特徴又は接続の様々な段階でのキャップの等角分割又は断面図を概略的に示す。
図7】本開示の他の例示的な実施形態によるキャップ構造の等角図又は透視図である。
図8A】本開示の例示的な実施形態によるキャップ構造のロッド構成要素を示す等角図又は透視図である。
図8B】本開示の例示的な実施形態によるキャップ構造の等角分割図又は断面図である。
図9A】本開示の例示的な実施形態による、キャップ設計の特徴又は接続の様々な段階でのキャップの等角分割図又は断面図を図式的に示す。
図9B】本開示の例示的な実施形態による、キャップ設計の特徴又は接続の様々な段階でのキャップの等角分割図又は断面図を図式的に示す。
図9C】本開示の例示的な実施形態による、キャップ設計の特徴又は接続の様々な段階でのキャップの等角分割図又は断面図を図式的に示す。
図10A図2及び図7のようなキャップ構造が、雌型コネクタ又はルアーを覆っている状態を示す断面図である。
図10B図2及び図7のようなキャップ構造が、雄型コネクタ又はルアーを覆っている状態を示す断面図である。
図11】本開示の例示的な実施形態による、剥離片などのカバーを含む、図2及び図7のようなキャップ構造の等角図又は透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書で例示したこの事項は、添付の図面図を参照して例示的な実施形態の包括的な理解を助けるために提供される。したがって、当業者であれば、本明細書に記載された例示的な実施形態の様々な変更及び修正が、その完全な範囲及び等価物から逸脱することなく、添付の請求項の範囲内で行うことができることを認識するであろう。また、よく知られている機能や構造の説明は、わかりやすく簡潔にするために省略される。同様に、本開示の文脈で使用される特定の命名規則、ラベル、及び用語は、非限定的であり、例示的な実施形態の理解を容易にするための例示目的でのみ提供される。
【0023】
図2から図6Dを参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ構造体10は、ハウジング20、ベース30、及び、スライド40を備える。
【0024】
例示的な実施形態によれば、ハウジング20は、その中にスライド40を収容するように構成された主要な空洞29へのハウジング20の底部の開口部26を画定する本質的に円筒形の外部側壁21と、コネクタ70を示す図10Aに図式的に示されるように、雌型のねじ式コネクタ、雌型のねじ式血液透析コネクタ、及び/又は開放雌型の接続ねじ式コネクタを受け入れる、又はそれらと連結するように構成された空洞27へのハウジング20の上部の開口部23を形成する本質的に円筒形の内部側壁22と、を含むように構成することができる。肩部、縁部、又は上壁24は、外部側壁21及び内部側壁22を接続することができる。例示的な実施形態では、ハウジング20は、外部側壁21、上壁24、及び内部側壁22によって形成されるユニット構造とすることができる。さらに別の例示的な実施形態では、内部側壁22の内面は、空洞27(図10A参照)に受け入れられた雌型コネクタ70の外面上のねじ部又は突出部74などの対応する構造に係合するように構成された突出部、ねじ部、又は部分的なねじ部25を含む。
【0025】
例示的な実施形態によれば、ベース又は回転ベース30は、側壁35及び底壁34を含み、例示的な実施形態では、底壁34がキャップ10の底部を形成する。さらなる例示的な実施形態によれば、突出部31は、底壁34の内面から底壁34に実質的に垂直に延在する。例示的な実施形態では、突出部31は片持ち式の突出部であり、ねじ部32を含むことができる。ベース30とハウジング20は、ハウジング20の外部側壁21とベース30の側壁35の係合、例えば、ベース30の側壁35の外面に設けられた相補的な突出部36とハウジング20の外部側壁21の内面に設けられた溝28を介したスナップフィット接続によって、ベース30とハウジング20が互いに本質的に軸方向に固定され、互いに本質的に自由に回転できるように、回転可能に係合する。
【0026】
例示的な実施形態によれば、スライド又はスライドコネクタインターフェース40は、本質的に円筒形の第1の部分又は上部41と、本質的に円筒形の第2の部分又は下部42と、を含む本質的に円筒形の構造からなる。本質的に円筒形の空洞46は、同軸上に、かつ第1の部分41及び第2の部分42を通って延在する。第2の部分42の内面は、空洞46の下部を形成し、例示的な実施形態において、第2の部分42の内面は、ベース30の突出部31のねじ部32と協働する1つ以上の突出部又はねじ部47を含み、突出部31に対するスライド40の回転により、スライド40が突出部31に対して軸方向に移動することを可能にし、例えば、スライド40がベース30の突出部31に沿って動き、スライド40の直線的な作動を可能にする。
【0027】
第1の部分41の外周は、第1の部分41が空洞27を通ってスライドし、ハウジング20の開口部23から延びることができるようになっている。第1の部分41の内面は、雄型コネクタ80の先端又はハブ82を受け入れ又は収容することができる空洞46の上部を形成する(図10B参照)。第1の部分41の外面は、コネクタ80の鍔部84上の内ねじ部又は突出部86などの対応する構造体と係合するように構成された突出部、ねじ部、又は部分ねじ部45を含むことができる。
【0028】
さらなる例示的な実施形態では、スライド40は、スライド40の外面、例えば、第2の部分42の外面に沿った1つ以上のガイドレール44を含み、このガイドレール44は、ハウジング20の内部、例えば、1つ以上のレール又は突出部290と整合して、スライド40の直線的な作動を容易にするとともに、雄型コネクタ80の先端又はハブ82などの雄型ルアーチップと整合する際に、スライド又はスライドコネクタインターフェース40を安定して保つことができる。
【0029】
本開示の例示的な実施形態によるキャップ10の動作の一例を、図6B,6C及び6Dを参照して説明すると、ベース又は底部ケーシング30は、ハウジング20に対してねじれたり回転したりして、各接続を有効にすることができる。例えば、ベース30をハウジング20に対して右にひねると、図6Cの例で示されているように、スライド40の第1の部分41を、開口部23を介して、ハウジング20の上部から軸方向に移動させ、スライド40を所定の位置にロックすることで、雄型先端接続が作動する。一方、ベース30をハウジング20に対して左にひねると、図6Dの例に示されているように、スライド40の第1の部分41を、空洞27から外に出すことによって、スライド40をハウジング20内にさらに軸方向に移動させて、空洞27によって形成された雌型ポートを開くことで、雌型接続が作動する。
【0030】
図7から図9Cを参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ構造70は、ハウジング20と、ベース30と、スライド60と、ロッド50と、を備える。例示的な実施形態によれば、キャップ70のハウジング20及びベース30は、図2から図6Dの例を参照して、上述したキャップ10の構成と同じ構成を有することができる。
【0031】
キャップ70の実施形態の例示的な実装の追加の特徴は、スライド60に関して構成されたロッド又は圧力ロッド50を含む。
【0032】
圧力ロッド50は、圧力を維持するために、開放状態の雌型接続を作動させたときに、アセンブリ内、例えば、スライド60の空洞66内に、例えば、止めコック内にそのままにすることができる。一般的な雌型接続が必要な場合には、回転ベース30をさらにひねることにより、雄型スライド60を圧力ロッド50に接続して、圧力ロッド50をアセンブリ内にさらに引き込むことができ、その結果、ハウジング20の空洞27内に、一般的な雌型の接続又は雌型の血液透析用の接続に必要な空間を形成することができる。
【0033】
例示的な実施形態において、ロッド50は、本質的に円筒形の側壁51、上壁52、及び空洞54を含む。空洞54は本質的に円筒形であり、側壁51の内面と上壁52の内面によって形成される。空洞54は、ベース30の突出部31の少なくとも一部をその中に同軸的に収容するのに十分な直径と深さを有している。
【0034】
例示的な実施形態によれば、スライド又はスライドコネクタインターフェース60は、本質的に円筒形の第1の部分又は上部61と本質的に円筒形の第2の部分又は下部62を含む本質的に円筒形の構造からなる。本質的に円筒形の空洞66は、第1の部分61と第2の部分62を同軸的に貫通して延びている。第2の部分62の内面は、空洞66の下部を形成しており、例示的な実施形態では、第2の部分62の内面は、ベース30の突出部31のねじ部32と協働する、1つ又は複数の突出部又はねじ部67を含み、突出部31に対するスライド60の回転により、スライド60が突出部31に対して軸方向に移動できるようになっており、例えば、スライド60がベース30の突出部31に長く乗ってスライド60の直線的な作動を実現するようになっている。
【0035】
例示的な実施形態では、第1の部分61の外周は、第1の部分61が空洞27を通ってスライドし、ハウジング20の開口部23から延びることができるようになっている。第1の部分61の内面は、雄型コネクタ80の先端又はハブ82を受け入れ又は収容することができる空洞66の上部を形成する(図10B参照)。さらに、第1の部分61の内周は、ロッド50の側壁51が第1の部分61の内周面に対して軸方向に移動できるように、ロッド50をそこに収容することができる空洞66を形成している。第1の部分61の外面は、コネクタ80(図10B)の鍔部84上の内ねじ部又は突出部86などの対応する構造体と係合するように構成された突出部、ねじ部、又は部分ねじ部65を含むことができる。
【0036】
例示的な実施形態では、側壁51の外面は、突出部53を含み、第1の部分61の内面は、対応する突出部68を含む。例えば、突出部68は、空洞66の上部にある第1の部分61への開口部の近くに構成することができ、突出部53は、キャップ70の雌型接続のために、スライド60が軸方向にスライドして空洞66を開くときに、突出部53が突出部68に突き当たり、ロッド50がスライド60と一緒にスライドして空洞66を完全に開くように、上壁52に対して距離を置いて構成することができる。
【0037】
本開示の例示的な実施形態によるキャップ70の動作の一例を、図9A,9B,及び9Cを参照して説明すると、ベース又は底部ケーシング30は、各接続を有効にするために、ハウジング20に対してひねったり回転したりすることができる。例えば、ベース30をハウジング20に対して右にひねると、図9Aの例で示されているように、スライド60の第1の部分61を、開口部23を介して、ハウジング20の上部から軸方向に移動させ、スライド60を所定の位置にロックすることで、雄型先端接続が有効になる。ロッド50は、上壁52が空洞66の上部を雄型コネクタ80の先端又はハブ82を受け入れ又は収容することを妨げないように、空洞66内に構成することができる(図10B参照)。
【0038】
他方、ベース30をハウジング20に対して左にひねると、ロッド50を空洞27内に維持して、図9Bの例に示されているように、開いた雌型接続のためのIV圧維持を行う一方で、スライド60をハウジング20内に軸方向にさらに移動させて、スライド60の第1の部分61を空洞27から移動させて、空洞27によって形成された雌型のポートを開くことにより、雌型接続を作動させることができる(図10Aに示されている図解例も参照)。
【0039】
さらなる例示的な実施形態によれば、ベース30をハウジング20に対してさらに左に、例えば、50度ほどひねると、スライド60が軸方向にスライドしてハウジング20の中に、また、空洞27から移動させて、空洞27をさらに開くことで、一般的な雌型接続を作動させることができる。このさらなる動作の間、ロッド50は、図9Cに示されるように、雌型接続ポートである空洞27を完全に開くために、近接する突出部53及び58の頭によってスライド60と接続する。
【0040】
図11を参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ10又はキャップ70は、例えば、ハウジング20の上壁24の外面に取り付けることによって、空洞27を封止する剥離シールフィルム110で構成することができる。例示的な実施形態では、剥離シールフィルム110は、雄型接続のために、スライド40又は60をハウジング20の外に展開することによって、貫通させることができ、又は、剥離シールフィルム110は、雌型接続のために、剥がすことによって、除去することができる。
【0041】
例示的な実施形態では、ねじ部45又は65は、雄型ルアー端の鍔部84の嵌合特徴部86、又はコネクタ80と連結して、キャップ10又は70とコネクタ80との漏れ防止シールを形成するのに十分な、雄型ルアー端のPosiFlushTM先端キャップデザインを使用した雌型ねじ部を構成することができる。このような例示的な実施形態は、キャップ10又は70によってキャップされたときに、IVシステムの圧力を維持するのを容易にするために、コネクタ80が止めコックデザインからなる場合に適用される。
【0042】
例示的な実施形態において、1つ以上のねじ部25は、例えば、2017年1月17日に出願された関連する米国特許出願第15/408,278号及び第15/408,187号に記載されているように、ニードルレスコネクタ70のハブ又は先端部72の嵌合特徴部74(1つ以上の突出部、ラグ及び/又はねじ部など)と連結するのに十分なものとすることができる。
【0043】
本開示の実施形態のさらに別の例示的な実施形態によれば、図2から図9Cを参照して上述したキャップ10又は70において、少なくとも雌型ルアーのキャッピング部分、すなわち空洞27は、米国特許出願第15/408,278号及び第15/408,187号に記載されている様々なベント機能及び設計で実施することができる。2017年1月17日に出願された米国特許出願第15/408,278号及び第15/408,187号では、例えば、ねじ部25の形状及び/又はサイズ及び/又は構成(ピッチ、間隔、厚さ、及び/又は他の構造的特徴など)を変更すること、及び/又は内部側壁22の内面の構成を変更することによって、実施することができる。
【0044】
本開示は、その特定の例示的な実施形態を参照して示され、説明されてきたが、本開示の実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更がその中でなされ得ることが、当業者には理解されるであろう。例えば、キャップ、ベース、スライド、ロッドの内側及び/又は外側のハウジングは、単一成形されるか、又は他の適切なプロセスによって作られる。さらに、本開示の実施形態の精神と範囲から逸脱することなく、上記で説明し、図面に図示した本開示の実施形態の任意の例示的な実装の特徴又は要素のいずれかを、個別に又は当業者が容易に理解できるような任意の組み合わせで実施することができる。
【0045】
さらに、添付の図面は、本開示の特定の例示的な実施形態の非限定的な例をさらに説明し、それに関連する技術の説明を助けるものである。上記以外の図面に記載されている特定の又は相対的な寸法又は測定値は、例示的なものであり、関連する開示分野の当業者が理解する本発明の設計又は方法の範囲又は内容を制限することを意図したものではない。
【0046】
本開示の他の目的、利点、及び、顕著な特徴は、添付の図面と併せて本開示の例示的な実施形態を開示する詳細から当業者に明らかになるであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
【国際調査報告】