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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】環状ジヌクレオチドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07H 19/16 20060101AFI20220202BHJP
   C07F 9/6587 20060101ALI20220202BHJP
   C07F 9/6578 20060101ALI20220202BHJP
   C07F 9/6561 20060101ALI20220202BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20220202BHJP
   A61K 31/7076 20060101ALN20220202BHJP
【FI】
C07H19/16 CSP
C07F9/6587
C07F9/6578
C07F9/6561 Z
A61P43/00 111
A61K31/7076
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531734
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 US2019064137
(87)【国際公開番号】W WO2020117739
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】62/775,094
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,マイケル アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ジェン,ビン
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,ベンジャミン エム
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ,アマンダ ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ユエン,チャンシア
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,ジェイソン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハン,チャオ
(72)【発明者】
【氏名】トライトラー,ダニエル エス
(72)【発明者】
【氏名】フライターグ,アダム ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】パーダム,ジェフリー ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ミャオ
(72)【発明者】
【氏名】セゼン エドモンズ,メルダ
(72)【発明者】
【氏名】グオ,シーウェイ
【テーマコード(参考)】
4C057
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C057AA18
4C057AA19
4C057CC03
4C057DD03
4C057LL31
4C086AA03
4C086AA04
4C086EA18
4C086NA20
4C086ZC42
4H050AA01
4H050AA02
4H050AB84
4H050AC80
(57)【要約】
本発明は、一般に、化合物AおよびBの使用を含め、次式(I)のSTINGアゴニストとして有用である、環状ジヌクレオチドの改善された製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】
で示される化合物Iの製造方法であって、
a)化合物1をTBSClおよびEtNと反応させて化合物2を得る工程;
【化2】
b)化合物2を化合物Aと反応させて化合物3を得る工程;
【化3】
c)化合物3と化合物9とを反応させて化合物4を得る工程;
【化4】
d)化合物4を溶媒中で反応させ、次に塩基を加え、つづいて化合物Bを添加して、式にて示される化合物5を得る工程;
【化5】
e)化合物5を選択的に脱保護し、式で示される化合物6を得る工程;
【化6】
f)それを塩基性条件下にて適切な溶媒中で環化し、式にて示される化合物7を得る工程;
【化7】
g)それをその後で適切な塩基中で混合し、撹拌し、濃縮して式:
【化8】
にて示される化合物8を得、その後で脱保護に付し、化合物Iを得る工程
を含む、製造方法。
【請求項2】
工程b)での塩基が、イミダゾール、DBU、ジイソプロピルエチルアミン、トリアゾール、テトラゾールまたは金属アルコキシド塩基、あるいはリチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたは他のアミド塩基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
塩基がイミダゾールである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程cでの溶媒が、THF、MeCNまたはDMFである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
溶媒がTHFである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程c)での塩基が、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたは他のアミド塩基、あるいはカリウムt-ブトキシド、DBUまたは他のアルコキシド塩基である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
工程c)での塩基が、ナトリウムtert-ペントキシドまたはナトリウムt-アミレートである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程d)での溶媒が、THF、2-MeTHF、MeCNまたはDMFである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程d)での溶媒が2-MeTHFである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
工程d)での塩基が、イミダゾール、DBU、トリアゾール、テトラゾール、ジイソプロピルエチルアミンまたは他のt-ブトキシドである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
工程d)での塩基がイミダゾールである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程f)での溶媒が、THF、MeCN、NMPまたはDMFあるいはそれらの混合液である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
工程f)での溶媒が、THFとNMPの混合液である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程f)での塩基が、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたは他のアミド塩基、またはカリウムt-ブトキシド、DBUまたは他のアルコキシド塩基、あるいはNaHMDSまたは他のアルキルシリルアミンである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
工程f)での塩基がリチウムt-ブトキシドである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程g)での塩基が、メチルアミン、アンモニウムまたは他のアルキルアミン塩基である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
工程g)での塩基がメチルアミンである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
下記の表:
【表1】
【表2】
で示される化合物、およびそのジアステレオマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年12月4日付け出願の、出典明示によりその内容を本明細書の一部とする、米国仮特許出願番号62/775094の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、STINGアゴニストとして有用である、環状ジヌクレオチドを製造する改善された方法に関する。
【背景技術】
【0003】
式:
【化1】
で示される化合物Iの改善された製法の開示がある。
【0004】
化合物I、化合物Iを含む組成物、および化合物Iを製造する別法が、2018年1月30日付け出願の、本願譲受人に譲渡され、出典明示によりその内容を本明細書の一部とする、米国出願番号15/748685に開示される。化合物Iは、STING活性に付随する症状を、単独で、および種々の型のがんの治療用の他の抗ガン剤と組み合わせて治療するのに有用であり得る。
【発明の概要】
【0005】
1の態様において、本発明は、式:
【化2】
で示される化合物Iの製造方法であって、
a)化合物IをDMF中でTBSClおよびEtNと反応させて化合物2を得る工程;
【化3】
b)化合物2を、THF、2-MeTHF、MeCNまたはDMFなどの溶媒中にて、イミダゾール、DBU、ジイソプロピルエチルアミン、トリアゾール、テトラゾールまたは金属アルコキシド塩基などの塩基と、ついで化合物Aと反応させて化合物3を得る工程;
【化4】
c)次に、化合物3および化合物9を、THF、MeCNまたはDMFなどの溶媒に溶かし、その後でカリウムt-ブトキシド、DBUまたは他の金属アルコキシド塩基などの塩基を添加し、つづいて酢酸などの適切な酸でクエンチさせ、化合物4を得る工程;
【化5】
d)その後で、化合物4を、THF、2-MeTHF、MeCNまたはDMFなどの溶媒中で反応させ、ついでイミダゾール、DBU、トリアゾール、テトラゾール、ジイソプロピルエチルアミンまたは金属アルコキシド塩基などの塩基を添加し、つづいて化合物Bを加えて、式で示される化合物5を得る工程;
【化6】
e)その後で、化合物5のTHF、MeTHFまたはMeCNなどの溶媒中の溶液を、TFA、MSA、p-TSAなどの酸で処理するか、またはフッ化物での脱保護(fluoride deprotection)を利用し、式で示される化合物6を得る工程;
【化7】
f)それをTHF、MeCN、NMPまたはDMFなどの適切な溶媒で可溶化させ、次にリチウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、DBU、LiHMDSまたは他のHMDS塩基あるいは他の金属アルコキシド塩基などの適切な塩基と混合し、つづいて氷酢酸/MeCNなどの適切なクエンチ溶液と一緒に撹拌してクエンチさせ、式で示される化合物7を得る工程;
【化8】
g)その後で該化合物を、メチルアミン、アンモニアまたは他のアルキルアミン塩基などの適切な塩基と混合し、撹拌し、濃縮して式で示される化合物8を得る工程;
【化9】
を含む、方法を提供する。
【0006】
本発明の第2の態様において、下記の表に示されるような新規な中間体の化合物およびそのジアステレオマーが提供される。化合物は特定の保護基を用いて、すなわちアミン保護基についてはBzを用いて、アルコール置換基についてはTBSを用いて示されるが、より広範な保護基が、あるいは全くなしで利用され得る。アミン保護基(X)では、保護基は、アミド、チオアミド、スルホンアミド、カルバメート、イミン、ホルムアミジン、アルキル(例えば、ベンジル、アリル)、ホスフェートおよびシリル化合物より選択され得る。アルコール保護基(Y)では、保護基は、シリル、アルキル(例えば、アリルまたはベンジル)、アルコキシメチルエーテル(例えば、TOM)、アルコキシエチルエーテル(例えば、シアノエチル)およびエステルより選択され得る。保護基のこれらの列挙は、限定するものとは考えられないが、当業者に既知のさらなる保護基も包含するであろう。化合物AおよびBの一部としての脱離基は、その内容が本明細書に組み込まれる、2019年4月12日出願の米国特許出願番号16/382692に示されるいずれかの試薬より選択され得る。
【0007】
【表1】
【表2】
これらの中間体が本発明の方法にて使用される。
【0008】
別法として、化合物8は、次の一連の工程から製造され得る。
【化10】
【化11】
【0009】
本発明の1の実施態様において、工程b)における塩基がイミダゾール、DBU、ジイソプロピルエチルアミン、トリアゾール、テトラゾールまたは金属アルコキシド塩基である、方法が開示される。
好ましい実施態様において、工程b)における塩基はイミダゾールである。
本発明の1の実施態様において、工程c)における溶媒がTHF、MeCNまたはDMFである、方法が開示される。
好ましい実施態様において、工程c)における溶媒はTHFである。
【0010】
本発明のもう一つ別の実施態様において、工程c)における塩基がカリウムt-ブトキシド、DBUまたは他のアルコキシド塩基である、方法が開示される。
好ましい実施態様において、工程c)における塩基はナトリウムtert-ペントキシドである。
【0011】
本発明のもう一つ別の実施態様において、工程d)における溶媒がTHF、2-MeTHF、MeCNまたはDMFである、方法が開示される。
好ましい実施態様において、工程d)における溶媒は2-MeTHFである。
本発明のもう一つ別の実施態様において、工程d)における塩基がイミダゾール、DBU、トリアゾール、テトラゾール、ジイソプロピルエチルアミン、または他のアルコキシドである、方法が開示される。
好ましい実施態様において、工程d)における塩基はイミダゾールである。
【0012】
本発明のもう一つ別の実施態様において、工程f)における溶媒が、THF、MeCN、NMPまたはその混合液あるいはDMFである、方法が開示される。
好ましい実施態様において、工程f)における溶媒はTHFとNMPの混合液である。
本発明のもう一つ別の実施態様において、工程f)における塩基が、カリウムt-ブトキシド、リチウムt-ブトキシド、DBUまたは他の金属アルコキシド塩基である、方法が開示される。
好ましい実施態様において、工程f)における塩基はリチウムt-ブトキシドである。
【0013】
本発明のもう一つ別の実施態様において、工程g)における塩基がメチルアミン、アンモニアまたはブチルアミンである、方法が開示される。
好ましい実施態様において、工程g)における塩基はメチルアミンである。
【0014】
開示される方法の有利な点として、合成の長さが大きく減少すること、ならびにHSおよびCClなどの有害な試薬の使用が減ることが挙げられる。
加えて、開示の方法は、ジアステレオ選択性が高く、結果的に、ジアステレオ選択性を欠く合成方法と比べて、収率および属性が改善された、単一の(好ましい)ジアステレオ異性体を製造する能力がもたらされる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施例
本発明は、この度、発明の好ましい実施態様である、次の実施例によってさらに詳しく説明されるであろう。特記されない限り、温度はすべて、摂氏度(℃)である。これらの実施例は、限定的であるよりもむしろ例示的であり、本明細書に添付の特許請求の範囲により規定される発明の精神および範囲内にある他の実施態様である可能性のあることを理解すべきである。
【0016】
本願に含まれる化合物は、特定の立体化学で示されるが、本願にて開示される方法はいずれのジアステレオマーを提供するのにも用いることができる。
【0017】
容易に参照できるように、本明細書では以下の略語を使用してもよい。
【表3】
【表4】
【0018】
実施例1
化合物2の製造
【化12】
【0019】
化合物1(25.0g)をDMF(180mL)に溶かした。TBSCl(26.9g、3.35当量)およびEtN(29mL、4.0当量)を該溶液に加えた後、その濃厚な懸濁液を室温で一夜撹拌した。UPLCは完全に変換したことを示した。その後で粗製物をMTBEで希釈し、5%HPO溶液(100mL)、5%KHPO(100mL)およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、粗油状物にまで濃縮した。該粗製物をシリカクロマトグラフィーに付して精製した。単離した生成物は黄色の非晶質の固体であった(25.1g、81.2%)。2のLCMS:m/z(M+H):599
【0020】
実施例2
化合物3の製造(実験室規模)
【化13】
【0021】
イミダゾール(2.37g、8当量、34.9ミリモル)および化合物2(2.90g、4.36ミリモル、90質量%)の混合物に、MeCN(42mL)を外界温度で、つづいて(R)-SO P(V)(化合物A)(3.25g、1.8当量、7.84ミリモル)を添加した。Nを1分間にわたってフラッシュすることで反応器を不活性な状態にした。
2時間後、反応混合物を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、DCM中0-20%EtOAcで精製し、2.82gの白色固体を化合物3(d.r. 98:2)として収率77%で得た。3のLCMS:m/z(M+H):813
【0022】
化合物3の製造(大規模)
化合物2(1kg、1.0当量)、イミダゾール(0.81kg、7.2当量)および2-MeTHFを反応器に充填する。反応混合物を溶解が完了するまで撹拌する。反応混合物を0℃に冷却し、化合物A(1.25kg、1.8当量)を該反応器に充填する。反応物を0℃で6時間ほども長きにわたって(NLT)なじませる。該反応物を酢酸(0.72kg、7.2当量)でクエンチさせ、次に2-MeTHF(4L/kg)およびn-ヘキサン(3L/kg)で希釈する。得られた混合物を水(6L/kg)およびDMF(4L/kg)で洗浄し、水層を分離して破棄する。次に有機層を2-MeTHF(1L/kg)で希釈し、ついで水性KHPO(6L/kgの水中2kg/kg)およびDMF(4L/kg)で洗浄する。再び層を分離し、水層を破棄する。有機層を水性KHPO(6L/kgの水中1.2kg/kg)およびDMF(4L/kg)で洗浄する。再び該層を分離し、水層を破棄する。有機層を水性NaCl(1w/w、5.5L/kg)で洗浄し;水層を分離し、破棄する。得られた混合物をメタノール(6L/kg)で希釈し、バッチを総容量が6L/kgになるまで濃縮する。得られた混合物をメタノール(6L/kg)で希釈する。水(0.75L/kg)を反応器に充填し、化合物3の結晶性種子を添加する。該バッチを20℃で1時間なじませ、水(2.75L/kg)を添加する。該バッチをなじませ、得られたスラリーを濾過する。ケーキを1:1 MeOH:水(4L/kg)で洗浄し、減圧下の40℃で乾燥させる。その乾燥ケーキをトルエン(5L/kg)に溶かし、40℃に加熱する。該バッチを90分間にわたって20℃に冷却する。化合物3の結晶性種子を充填し、20℃で2時間なじませる。n-ヘプタン(15L/kg)を2時間にわたって該反応器に充填し、20℃で1時間なじませる。得られたスラリーを濾過し、3:1 n-ヘプタン:トルエン(4L/kg)で洗浄する。固体を減圧下の50℃で乾燥させて、1.05kgの白色固体を化合物3として収率77%で得る。
【0023】
実施例3
化合物4の製造(実験室規模)
【化14】
【0024】
中間体の化合物9(0.408g、1.35当量、0.830ミリモル、95重量%)および化合物3(0.500g、0.615ミリモル)をTHF(5.0mL)に45℃で溶かし、反応器に窒素を流すことで溶媒を除去した。THF(7.5mL)を残渣に加え、得られた混合物を45℃での加温に供し、大部分の固体を溶かし、その後で外界温度に冷却した。THF中カリウムtert-ブトキシド(1モル/L)(1.84mL、3.0当量、1.84ミリモル)を5分間にわたってゆっくりと添加した。1.5時間後、さらなるTHF中カリウムtert-ブトキシド(1モル/L)(0.31mL、0.5当量、0.31ミリモル)を該反応混合物に添加し、該混合物を0.5時間混合した。次に該反応混合物を酢酸(0.15mL、4当量)を添加することでクエンチさせた。該混合物を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、DCM中0-10%MeOHを用いて精製し、0.46gの白色の固体を化合物4として収率65%で得た。化合物4のLCMS:m/z(M+H):1143
【0025】
化合物4の製造(大規模)
THF(12.7L、カール・フィッシャー値(KF)<100ppm)および化合物9(0.786kg、95重量%、1.1当量)のスラリーを40-55℃で加熱し、真空下で3-4Lのバッチ容量に濃縮した。乾燥THF(KF<100ppm)を最初のバッチ容量(12.7L)にまで添加した。次に混合物を0℃に冷却し、中間体3(1.27kg、93重量%、1.0当量)を添加した。ついで、ナトリウムt-ペントキシドのTHF中溶液(2.3L、2.3M、4.0当量)を30分間にわたって5℃で充填した。反応が完了するまで、該混合物を0-5℃でなじませた。酢酸(469g、5.0当量)を加え、反応物を10℃でクエンチさせた。得られた混合物を一塩基性リン酸ナトリウムの溶液(10重量%、12.7L)で処理した。層を分け、有機層を一塩基性リン酸ナトリウムの溶液(10重量%、7.6L)で洗浄した。層を分け、得られた有機層を、バッチ温度を10-20℃に維持しながら、真空下で10Lに蒸留した。アセトニトリル(3.8L)を加えた。定容量蒸留を約12.7Lのバッチ容量で真空下の10-20℃で行った。THF/アセトニトリルの溶媒割合が10%v/vに達した時に、蒸留を終えた。バッチを20℃までの加温に供し、バッチのKFが35-50%の範囲内にあるまで、水を30分間にわたって充填した。濾過する前にスラリーを1時間なじませた。ケーキをアセトニトリル/水の混合液(75/25 v/v、2.54Lx2)、アセトニトリル(2.54Lx2)で洗浄し、真空下の25℃で乾燥させ、1.16kg(92重量%)の生成物を収率65%にて得た。
【0026】
実施例4
化合物5の製造(実験室規模)
【化15】
【0027】
化合物4(0.150g、0.131ミリモル)のTHF(3.3mL、22v)中溶液に、イミダゾール(71mg、8当量、1.05ミリモル)を外界温度で加え、その直後に(S)-SO P(V)(136mg、2.5当量、0.328ミリモル)を添加した。ついで反応器をNを1分間にわたってフラッシュさせることで不活性にした。1時間後、イミダゾール(50mg)および(S)-SO P(V)(50mg)を加えた。最後に充填してから4時間経過した後、(S)-SO P(V)(50mg)を加え、混合物を1時間かき混ぜ、ついで濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、DCM中0-20%MeOHで精製し、化合物5を白色の固体として得た(148mg、収率81%)。化合物5のLCMS:m/z(M+H):1357
【0028】
実施例4a
化合物6の製造(実験室規模)
【化16】
【0029】
水(0.15mL)を、5(0.15g、0.11ミリモル)のDCM(3mL、20v)中溶液に、つづいてトリフルオロ酢酸(0.30mL、4.0ミリモル)を添加した。混合物を外界温度で2時間撹拌し、ついでDCM(2mL)で希釈し、得られた混合物をKHPOの水溶液(10%、3mLx2)で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥させ、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、DCM中0-20%MeOHで精製し、6(66mg、収率48%)を白色の固体として得た。6のLCMS:m/z(M+H):1243
【0030】
化合物6の製造(大規模)
【化17】
【0031】
化合物6の製造(大規模)
化合物4(1.0当量)の2-MeTHF(5L/kg)+イミダゾール(8.0当量)中の無水溶液を製造する。該溶液を0℃に冷却し、固体の化合物Bを該反応物に一度に加えて撹拌する。該溶液を16時間、または化合物4が消費されるまでなじませる。反応物の流れをさらなるMeTHF(4L/kg)で希釈し、ついでMSA(11.0当量)を、内部温度を0℃より下に維持しながら、2-MeTHF中溶液(5L/kg)として加えて撹拌する。該溶液を-5℃で5時間、または化合物5が消費されるまでなじませる。反応物をpH4.5のリン酸ナトリウムの水性バッファー(4L/kg)でクエンチさせ、次に水層を分離する。有機層をさらなるpH4.5のリン酸ナトリウム水性バッファーでさらに2回洗浄し(2x4L/kg)、ついで塩化ナトリウム飽和水溶液(4L/kg)で洗浄する。洗浄した有機層を減圧下で濃縮して5L/kgの最終容量とし、次に該流れの水分含量を2-MeTHFとの共蒸留またはモレキュラーシーブを用いてわずか(NMT)0.7重量%まで減少させる。MTBE(15L/kg)を1時間にわたって滴下して撹拌させ、得られたスラリーを20℃で1時間ほども長きにわたり(NLT)なじませる。該スラリーを濾過し、ケーキをMTBE(2x4L/kg)で洗浄し、次に得られた固体をNのゆっくりした流れの減圧下にて約30℃で乾燥させる。
【0032】
化合物6の大規模生産は、上記の実験室規模と異なり、化合物5の単離を含まない。
【0033】
実施例5
化合物7の製造(実験室規模)
【化18】
【0034】
化合物6(5.0mg、0.0040ミリモル)のTHF(1.0mL)(別の溶媒:MeCN、DMF)中溶液に、THF中のカリウムtert-ブトキシド(1モル/L)(0.012mL、3.0当量、0.012ミリモル)を外界温度でゆっくりと添加した。混合物を温度で17時間撹拌した。次に反応混合物をHOAcのMeCN中溶液(5%v/v、0.3mL)でクエンチさせた。HPLC分析は、主たるピークが所望の生成物7として形成されることを示した。7のLCMS:m/z(M+H):1107;得られた流れをさらに精製することなくその後の工程7に用いた。
【0035】
化合物7の製造(大規模)
窒素保護下にある反応器に、THF(15L、15L/kg)を充填し、温度を20℃に調整する。BMT-433600(1.0kg、1.0当量、LR)を連続して該反応器に充填する。該溶液を、混合物のKFがわずか600ppmとなるまで、20-25℃の真空(150-200トール)下で5L/kgまで蒸留させる。KFを到達させることができないならば、さらにTHF(10L、10L/kg)を加え、蒸留を繰り返す。該溶液に、NMP(7.5L、7.5L/kg)を、つづいてLiOtBu(3.0L、3.0当量、THF中1M)を、内部温度を20-30℃に維持しながら、反応器に数回に分けて添加する。1時間後、酢酸(241g、5.0当量)を加え、反応をクエンチさせる。15分後、該混合物を水(5L、5L/kg)、シクロヘキサン(10L、10L/kg)で処理し、20-30℃で0.5時間なじませる。層を分け、水層に2-MeTHF(10L、10L/kg)および20重量%のNaCl水溶液(3.0L、3.0L/kg)を添加する。得られた混合物を20-30℃で0.5時間なじませる。層を分け、水層を2-MeTHF(10L、10L/kg)で逆抽出する。有機層を合わせ、次に20-30℃、および100トールで2-3L/kgに濃縮する。得られた流れをさらに精製することなく次の工程に使用する。
【0036】
実施例6
化合物8の製造
【化19】
【0037】
工程6からの上記した溶液に、メチルアミンのEtOH中溶液(33重量%、0.5mL)を添加した。該混合物を外界温度で0.5時間撹拌し、ついで濃縮した。得られた残渣を分取用TLCに付し、DCM中15%MeOHで精製し、化合物8を白色の固体として得た(1.0mg、工程6および7の2工程にわたって収率27%)。化合物8のLCMS:m/z(M+H):933
【0038】
化合物8の製造(大規模)
化合物7のNMP中溶液(2-3L/kg)に、エタノール中33重量%MeNH(1L/kg、10当量 MeNH)を充填する。反応混合物を20℃で5時間または化合物7が完全に消費されるまでなじませる。反応物を6N水性HCl(6当量)および水中クエン酸(1当量)(1.5L/kg)を該反応混合物に充填する。得られたスラリーを20℃で2時間なじませる。スラリーを濾過し、ケーキをテトラヒドロフラン(3L/kg)で、つづいて水(3L/kg)で洗浄する。該ケーキを55℃の減圧下にて窒素のゆっくりした流れで乾燥させる。乾燥ケーキをTHF(4L/kg)、水(4L/kg)およびNHOH(3当量)に溶かし、次に20℃で1時間なじませる。水中クエン酸(3当量)(2L/kg)を該反応器に充填し、得られたスラリーを20℃で2時間なじませる。該スラリーを濾過し、該ケーキをTHF(2x3L/kg)で洗浄する。該ケーキを減圧下の55℃で窒素のゆっくりした流れで乾燥させる。
【0039】
実施例7
化合物I(実験室規模)
【化20】
【0040】
中間体8(0.25g、0.25ミリモル)を外界温度でTHF(1.25mL、5v)に懸濁させる。トリエチルアミン・三フッ化水素(0.41mL、10当量、2.51ミリモル)を該懸濁液に添加し、均一溶液を得た。次にトリエチルアミン(0.18mL、5当量、1.26ミリモル)を添加し、該溶液を40℃に加熱した。反応混合物を40℃で6時間なじませ、工程中収率が>90%の化合物Iを得た。
【0041】
化合物Iの製造(大規模)
反応器に、中間体8および3当量のTBAF三水和物を、つづいてアセトニトリルを充填し;バッチを50℃に加熱し、該温度で18時間ほども保持した。反応の終わりに、バッチを室温に冷却し、粗生成物を精製し、化合物(I)を収率75-80%で得た。
【0042】
スペクトルデータ:
化合物2:H NMR(400MHz,CDCl) δ 9.12(s,1H)、8.80(s,1H)、8.56(s,1H)、8.02(d,J=7.5Hz,2H)、7.62-7.49(m,3H)、6.11(s,1H)、4.40(d,J=4.3Hz,1H)、4.11(dd,J=11.5、2.1Hz,1H)、3.98-3.89(m,2H)、3.61(dd,J=8.3、4.6Hz,1H)、1.60(brs,2H)、0.95(s,18H)、0.79(s,1H)、0.22(s,3H)、0.15(s,3H)、0.14(s,3H)、0.13(s,3H);13C NMR(100MHz,CDCl) δ 164.6、152.6、151.0、149.3、141.6、133.9、132.7、128.8、127.8、123.2、90.0、85.1、77.9、61.9、52.2、26.1、25.8、18.6、18.1、-4.4、-4.9、-5.3、-5.4
m/z(M+H) 600
【0043】
化合物3:H NMR:H NMR(400MHz,CDCl) δ 9.12(s,1H)、8.63(s,1H)、8.38(s,1H)、7.89(d,J=7.6Hz,2H)、7.46(t,J=7.2Hz,1H)、7.38(t,J=7.2Hz,2H)、7.22(brs,5H)、6.02(d,J=2.0Hz,1H)、5.10-4.87(brm,1H)、4.55-4.36(brm,3H)、4.12(q,J=9.7Hz,1H)、4.07-4.00(brm,2H)、3.98(brd,J=11.9Hz,1H)、3.80(dd,J=11.9、2.8Hz,1H)、0.80(s,9H)、0.80(s,9H)、0.00(s,12H);13C NMR(100MHz,CDCl) δ 164.7、152.7、151.2、149.6、141.5、134.7、134.6、133.8、132.8、129.3、129.2、128.9、127.9、127.7、123.3、89.8、84.9、84.8、76.6、76.5、74.2、74.1、61.9、57.0、56.9、54.1、26.2、25.8、18.6、18.0、-4.7、-4.8、-5.1、-5.4;31P NMR(160MHz,CDCl) δ 95.9
m/z(M+H) 813
【0044】
化合物4:H NMR:(500MHz,DMSO-d) δ 12.24-11.76(m,2H)、11.13(s,1H)、8.74-8.35(m,4H)、8.25-8.19(m,1H)、7.99-7.89(m,2H)、7.65-7.52(m,1H)、7.51-7.41(m,2H)、6.09-5.99(m,1H)、5.77-5.67(m,1H)、5.14-5.05(m,1H)、4.55-4.44(m,1H)、4.32-4.21(m,1H)、4.20-4.06(m,3H)、3.98-3.71(m,4H)、3.30-3.25(m,2H)、2.87-2.73(m,1H)、1.09-0.99(m,6H)、0.80(s,9H)、0.74(s,9H)、0.68(s,9H)、0.00(s,6H)、-0.01(s,3H)、-0.06--0.12(m,6H)、-0.29--0.34(m,3H);13C NMR:(126MHz,DMSO-d) δ 180.3、165.6、154.8、151.8、151.7、150.4、148.5、148.0、141.6、138.8、133.3、132.4、128.5、128.4、125.6、120.8、88.6、88.1、85.0、84.9、80.5、80.5、76.0、76.0、73.1、64.4、64.4、63.1、53.4、52.9、34.6、25.9、25.6、18.9、18.8、18.1、17.7、17.5、-5.0、-5.1、-5.2、-5.3、-5.5;31P NMR(202MHz,DMSO-d) δ 59.9
m/z(M+H) 1143
【0045】
化合物5:H NMR(500MHz,DMSO-d) δ 12.32-12.06(m,1H)、11.41-11.10(m,1H)、8.71(s,1H)、8.53-8.42(m,1H)、8.23-8.19(m,1H)、8.06(brd,J=7.6Hz,2H)、7.66-7.62(m,1H)、7.57-7.47(m,5H)、7.31(s,2H)、7.31(d,J=4.8Hz,2H)、6.21(brt,J=11.4Hz,1H)、6.11(d,J=3.5Hz,1H)、5.89(d,J=5.5Hz,1H)、5.23(brt,J=7.8Hz,1H)、5.04-4.92(m,1H)、4.62-4.57(m,1H)、4.48-4.40(m,1H)、4.38-4.20(m,4H)、4.19-4.14(m,1H)、3.87-3.69(m,3H)、2.92-2.83(m,1H)、1.96-1.89(m,1H)、1.84-1.76(m,2H)、1.36-1.26(m,2H)、1.07-1.04(m,3H)、0.86(s,9H)、0.82-0.79(m,9H)、0.75(s,9H)、0.10-0.03(m,9H)、-0.01(d,J=4.9Hz,6H)、-0.17(s,3H);31P NMR(202MHz,DMSO-d) δ 95.2、57.8
m/z(M+H) 1357
【0046】
化合物6:H NMR(500MHz,DMSO-d):δ 12.14(s,1H)、11.58(brs,1H)、11.22(brs,1H)、8.73(d,J=6.4Hz,2H)、8.22(s,1H)、8.04(d,J=7.3Hz,2H)、7.63(m,1H)、7.59-7.52(m,4H)、7.43-7.32(m,3H)、6.48(dd,J=13.0、10.5Hz,1H)、6.10(d,J=3.0Hz,1H)、5.87(d,J=5.1Hz,1H)、5.30(dd,J=8.4、5.7Hz,1H)、4.71(t,J=6.0Hz,1H)、4.65-4.52(m,3H)、4.37(q,J=9.5Hz,1H)、4.33-4.15(m,6H)、4.10-3.91(m,3H)、3.71(m,1H)、3.59(m,1H)、2.79(quin,J=6.8Hz,1H)、1.09(appt,6 H)、(m,18H)、0.80(s,9H)、0.75(s,9H)、0.06(s,3H)、0.02(s,3H)、0.00(s,3H)、-0.15(s,3H);13C NMR(125MHz,DMSO-d):δ 180.1、165.6、151.6、151.5、150.4、148.8、148.2、142.2、137.7、135.2(2C)、133.4、132.4、128.8(2C)、128.7、128.5(2C)、128.4(3C)、128.2(2C)、125.6、120.3、88.9、87.5、84.5、82.1、75.5、73.9、73.6、65.6、60.3、55.9、55.1、52.8、34.6、25.8、25.6(6C)、18.8、17.7、-4.7、-4.9、-5.1、-5.2
m/z(M+H) 1243
【0047】
化合物7:H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 12.13(brs,1H)、11.76-11.49(m,1H)、11.17(brs,1H)、9.10(s,1H)、8.73(s,1H)、8.10(brs,1H)、8.04(d,J=10.0Hz,2H)、7.65-7.59(m,1H)、7.62(t,J=10.0Hz,1H)、7.53(t,J=10.0Hz,2H)、6.17(s,1H)、5.83(s,1H)、4.59(brs,1H)、4.22-4.07(m,4H)、4.07-3.94(m,4H)、3.87(brdd,J=10.9、3.1Hz,1H)、2.82(dt,J=13.7、6.8Hz,1H)、1.90(s,1H)、1.05(d,J=10.0Hz,6H)、0.99(s,9H)、0.94(s,9H)、0.33(s,3H)、0.25(s,3H)、0.23(s,3H)、0.16(s,3H);
13C NMR:(101MHz,DMSO-d) δ 180.7、172.5、166.0、155.4、151.8、150.6、148.5、148.4、142.7、134.0、132.8、129.0、128.9、125.9、90.0、81.4、77.5、76.0、62.3、53.6、51.2、34.8、26.5、26.4、26.3、23.0、21.6、19.2、18.3、18.2、-2.7、-3.7、-4.1、-4.2、-4.3;
31P NMR(202MHz,DMSO-d) δ 55.8、52.4
m/z(M+H) 1107
【0048】
化合物8:H NMR(500MHz,DMSO-d) δ 8.88(s,1H)、8.34(s,1H)、7.87(s,1H)、6.01(s,1H)、5.75(s,1H)、4.50(brs,1H)、4.10-3.86(m,9H)、0.93(s,9H)、0.90(s,9H)、0.23(s,3H)、0.21(s,6H)、0.16(s,3H);13C NMR:(126MHz,DMSO-d) δ 157.2、154.0、152.0、150.7、148.3、147.2、141.1、134.9、119.0、116.3、90.1、89.2、81.0、79.9、77.2、75.7、62.8、61.0、52.6、51.0、26.3、26.3、18.2、18.1、-4.3、-3.8-4.4、-4.4;31P NMR(202MHz,DMSO-d) δ 57.1、53.9
m/z(M+H) 933
【0049】
化合物I:H NMR(500MHz,DMSO-d):δ 10.76(brs,1H)、8.73(s,1H)、8.31(s,1H)、7.80(s,1H)、6.54(brs,2H)、6.06(s,1H)、5.79(s,1H)、4.36(brd,J=4.2Hz,1H)、4.25(brd,J=10.5Hz,1H)、4.19(brd,J=10.5Hz,1H)、4.10(重複,3H)、4.02(brdd,J=10.2、3.6Hz,1H)、3.95(v brm,1H)、3.90(重複,2H);13C NMR(126MHz,DMSO-d、25℃):δ 156.8、153.9、153.2、150.5、149.0、148.1、139.9、134.3、118.7、116.3、89.9、88.6、80.4、79.2、74.7、73.3、62.3、61.2、52.2、50.8;31P NMR(206MHz,DMSO-d、25℃):δ 62.8. m/z(M+H) 705
【0050】
化合物8に至る別の経路(工程1および2)
【化21】
【0051】
工程1:
イミダゾール(1.93g、8当量、28.3ミリモル)および中間体A(2.04g、1.0当量、3.51ミリモル)の混合物に、MeCN(25mL)を外界温度で添加した。混合物を濃縮した。得られた残渣にMeCN(15mL)を加え、つづいて(S)-SO P(V)(化合物B)(2.85g、2.0当量、7.02ミリモル)を窒素雰囲気下で添加した。2時間後、反応混合物を濃縮し、得られた残渣をDCM中0-25%EtOAcでのカラムクロマトグラフィーに付して精製し、1.80gの白色の固体を化合物9(d.r. 97:3)として収率65%;m/z(M+H):795で得た。
【0052】
工程2:
化合物9(0.600g、1.0当量、0.755ミリモル)および化合物1(0.345g、1.2当量、0.906ミリモル)をTHF(10.0mL)に溶かし、溶媒を真空下で濃縮して除去した。THF(12mL)を得られた残渣に加え、混合物を0℃に冷却した。THF中のカリウムtert-ブトキシド(1モル/L)(2.3mL、3.0当量、2.3ミリモル)を5分間にわたってゆっくりと添加した。反応混合物を0℃で16時間撹拌した後、酢酸(0.173mL、4.0当量)を添加した。該反応混合物を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、DCM中0-10%MeOHを用いて精製し、0.50gの白色の固体を化合物10として収率56%;化合物10のLCMS(M+H):1143で得た。
【国際調査報告】