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特表2022-513760液体と粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】液体と粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B03B 5/18 20060101AFI20220202BHJP
   B03B 13/00 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
B03B5/18
B03B13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021532907
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 DK2019050386
(87)【国際公開番号】W WO2020119873
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】PA201870817
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201900998
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521248361
【氏名又は名称】トレボ エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベッコフ,アンドレアス レト
(72)【発明者】
【氏名】トレビアン,トーマス
【テーマコード(参考)】
4D071
【Fターム(参考)】
4D071AA18
4D071AB06
4D071AB13
4D071AB14
4D071AB23
4D071BA02
4D071BB01
4D071DA15
(57)【要約】
液体と粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムであって、粉粒体が、最小粒径以上であり、かつ異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、異なる粉粒体のうちの少なくとも2つが、液体の密度よりも大きい密度を有する、システムが提供される。このシステムは、液体と粉粒体との組み合わせを保持するための成層または選別チャンバーを有する成層機を備えており、この成層または選別チャンバーは、1つ以上の側壁を有する。成層機はまた、成層または選別チャンバー内に配置された可動プレートを保持しており、この可動プレートは、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで粉粒体を可動プレートの上方または上部に維持する。成層機はさらに、可動プレートを成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体中の粉粒体を運動させるまたは処理するための駆動システムを保持している。液体と粉粒体との組み合わせを処理するための方法も提供される。粉粒体は、ポリマー粉粒体を含み得るか、またはこれからなり得る。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムであって、前記粉粒体が、最小粒径以上であり、かつ異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、前記2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、前記液体の前記密度よりも大きい密度を有し、前記システムが、
液体と粉粒体との前記組み合わせを保持するための成層または選別チャンバーであって、1つ以上の側壁を有する前記成層または選別チャンバーと、
前記成層または選別チャンバー内に配置された可動プレートであって、前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、前記外縁と前記1つ以上の側壁との間の任意の距離が、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さく、また前記可動プレートが、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで前記粉粒体を前記可動プレートの上方または上部に維持するプレートふるいである、前記可動プレートと、
前記可動プレートを前記成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、前記液体中の前記粉粒体を運動させるまたは処理するための駆動システムと、を備える成層機を備える、システム。
【請求項2】
前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記側壁の下の底部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、前記底部の上面と前記可動プレートの下面との間に下部チャンバー部分が画定され、前記下部チャンバー部分が、前記成層または選別チャンバー内の前記可動プレートの上向きまたは下向きの動きによって体積が変化し、
前記成層機が、前記下部チャンバー部分に流体接続され、かつ前記下部チャンバー部分への液体の送達および前記下部チャンバー部分からの液体の受け取りを行うように構成されており、それによって、前記下部チャンバー部分の体積が増加すると、液体を前記下部チャンバー部分に供給することができ、前記下部チャンバー部分の体積が減少すると、液体を前記下部チャンバー部分から受け取ることができる、流体補償システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
液体と、粉粒体、特にポリマー粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムであって、前記粉粒体が、最小粒径以上であり、かつ異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、前記2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、前記液体の前記密度よりも大きい密度を有し、前記システムが、
液体と粉粒体との前記組み合わせを保持するための成層または選別チャンバーであって、1つ以上の側壁を有する前記成層または選別チャンバーと、
前記成層または選別チャンバー内に配置された可動プレートであって、前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、前記外縁と前記1つ以上の側壁との間の任意の距離が、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さく、また前記可動プレートが、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで前記粉粒体を前記可動プレートの上方または上部に維持するプレートふるいであり、前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記側壁の下の底部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、前記底部の上面と前記可動プレートの下面との間に下部チャンバー部分が画定される、前記可動プレートと、
前記可動プレートを前記成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、前記下部チャンバー部分の体積を変化させるための駆動システムと、
前記下部チャンバー部分に流体接続され、かつ前記下部チャンバー部分への液体の送達および前記下部チャンバー部分からの液体の受け取りを行うように構成されており、それによって、前記下部チャンバー部分の体積が増加すると、液体を前記下部チャンバー部分に供給することができ、前記下部チャンバー部分の体積が減少すると、前記下部チャンバー部分から液体を受け取ることができる、流体補償システムと、を備える成層機を備える、システム。
【請求項4】
前記成層または選別チャンバーの上側部分または上部が、空気が自由に入るように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記駆動システムが、前記成層または選別チャンバー内での前記液体を通る一連の垂直のアップストロークおよび垂直のダウンストロークを含む成層動作または選別動作に従って前記可動プレートを動かすように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間に、前記可動プレートの前記動きを一時停止するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間に、少なくとも0.5秒、例えば少なくとも1秒または例えば少なくとも1.5秒の一時停止を保持するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間の一時停止の長さを調整するように構成可能である、請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
前記駆動システムが、前記可動プレートの上向きの動きの加速度を調整するように構成可能であり、および/または
前記駆動システムが、前記可動プレートの上向きの動きの速度を調整するように構成可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きの加速度を調整するように構成可能であり、および/または
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きの速度を調整するように構成可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記駆動システムが、前記成層または選別チャンバー内の前記液体の体積に対する選別すべき前記粉粒体の体積の比率に従って前記可動プレートの前記動きの振幅を調整するように構成可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記駆動システムが、下方位置または休止位置と第1の最大上方位置との間の前記可動プレートの前記動きの前記振幅を制御するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の最大上方位置が、前記成層チャンバー内の液体および粉粒体の量に基づいて決定され、それによって、前記可動プレートが前記第1の最大上方位置に達すると、前記粉粒体が全て前記液体によって覆われることが確実になる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記駆動システムが、前記可動プレートの前記動きの前記振幅を制御するように再構成可能である、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記液体の前記密度よりも大きい密度を有する前記少なくとも2種類の粉粒体が、前記最小粒径と前記最大粒径との間の比率の定義された範囲内の粒径を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
比率の前記定義された範囲が、前記最小粒径と前記最大粒径との間で、1:1の比率~1:100の比率である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記駆動システムが、前記可動プレートを排出高さまで上向きに持ち上げるように構成可能であり、この高さでは、前記粉粒体の少なくとも一部または全てが、前記成層チャンバー内の前記液体の表面の上方に持ち上げられる、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムが、前記成層チャンバー内の前記液体から前記粉粒体を排出するための排出システムをさらに備える、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記排出システムが、前記成層チャンバー内の前記液体の前記表面の上方に持ち上げられた前記粉粒体の最上層を排出するように構成されている、請求項17および18に記載のシステム。
【請求項20】
前記排出システムが、前記粉粒体の前記最上層を繰り返し排出するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記システムが、異なる密度の粉粒体を識別するための密度識別システムをさらに備える、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記密度識別システムが、前記排出システムから出される粉粒体の画分間の密度の変化を識別するように構成されている、請求項21および請求項18~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記粉粒体がポリマー粉粒体を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
液体と粉粒体との組み合わせを処理するための方法であって、前記粉粒体が、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、前記方法が、
1つ以上の側壁を有する成層または選別チャンバーを設けることと、
前記組み合わせに使用すべき、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体と液体とを供給することであって、前記2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、前記液体の前記密度よりも大きい密度を有することと、
供給された粉粒体と供給された液体とを前記成層または選別チャンバー内で組み合わせることと、
前記液体中で前記粉粒体の一連の上向きおよび下向きの動きをもたらすことであって、前記下向きの動きの少なくとも一部について、前記液体中で前記粉粒体が沈降するための前記下向きの動きを終了してから前記液体中での前記粉粒体の新たな上向きの動きを開始するまで、休止期間があることと、を含む、方法。
【請求項25】
前記休止期間が、前記成層チャンバー内の前記液体の前記密度と最も高い密度を有する前記粉粒体の前記密度との前記比率に従って決定される最小の長さを有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記液体中の前記粉粒体の新たな上向きの動きを開始する前の前記休止期間が、少なくとも0.5秒、例えば少なくとも1秒、例えば少なくとも1.5秒である、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記液体中の前記粉粒体の前記一連の上向きおよび下向きの動きが、少なくとも第1および第2の一連の上向きおよび下向きの動きに分けられ、
前記第1および第2の一連の前記動きの両方の前記下向きの動きの少なくとも一部について、前記液体中で前記粉粒体が沈降するための前記下向きの動きを終了してから前記液体中の前記粉粒体の新たな上向きの動きを開始するまで、休止期間があり、
前記休止期間が、前記第1の一連の動きから前記第2の一連の動きで異なり、および/または
前記第1の一連の動きが、前記第2の一連の動きの前記上向きの動きの振幅とは異なる前記上向きの動きの前記振幅を有する、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の一連の動きが、前記第2の一連の動きの前に実施され、前記第1の一連の動きの前記休止期間が、前記第2の一連の動きの前記休止期間よりも長い、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の一連の動きが、前記第2の一連の動きの前に実施され、前記第1の一連の動きの前記上向きの動きの前記振幅が、前記第2の一連の動きの前記上向きの動きの前記振幅よりも大きい、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の一連の動きが、前記第2の一連の動きの前に実施され、前記第1の一連の動きによる前記液体と粉粒体との前記組み合わせの処理の総時間が、前記第2の一連の動きによる前記液体と粉粒体との前記組み合わせの処理の前記総時間以下である、請求項27~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記提供される少なくとも2種類の粉粒体が最小粒径以上である、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記液体の前記密度よりも大きい密度を有する提供される少なくとも2種類の粉粒体が、前記最小粒径と最大粒径との間の比率の定義された範囲内の粒径を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
可動プレートが前記成層または選別チャンバー内に設けられて配置されており、前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、前記外縁と前記1つ以上の側壁との間の任意の距離が、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さく、前記可動プレートが、前記粉粒体を前記可動プレートの上方または上部に維持するように構成されており、前記方法が、
前記可動プレートを前記成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、前記液体中の前記粉粒体の前記一連の上向きおよび下向きの動きをもたらすこと、をさらに含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記可動プレートが、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さいふるい開口部を有するプレートふるいであり、それによって、前記可動プレートが、前記粉粒体を前記可動プレートの上方または上部に維持しながら前記液体中で上下に動くことができる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記側壁の下の底部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、前記底部の上面と前記可動プレートの下面との間に下部チャンバー部分が画定され、前記下部チャンバー部分が、前記成層チャンバー内の前記可動プレートの上向きまたは下向きの動きによって体積が変化し、
前記下部チャンバー部分に流体接続され、かつ前記下部チャンバー部分への液体の送達および前記下部チャンバー部分からの液体の受け取りを行うように構成されており、それによって、前記可動プレートの前記上向きの動きによって前記下部チャンバー部分の体積が増加すると、液体を前記下部チャンバー部分に供給することができ、前記可動プレートの前記下向きの動きによって前記下部チャンバー部分の体積が減少すると、液体を前記下部チャンバー部分から受け取ることができる、流体補償システムが提供される、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記可動プレートの前記動きが、下方位置または休止位置と所定の第1の最大上方位置との間にあるように制御され、
前記第1の最大上方位置が、前記成層チャンバー内の液体および粉粒体の量に基づいて決定され、それによって、前記可動プレートが前記第1の最大上方位置に達すると、前記粉粒体が全て前記液体によって覆われることが確実になる、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記下方位置と前記第1の最大上方位置との間の前記距離が、前記成層チャンバー内の前記液体の体積に対する前記粉粒体の体積の前記比率に従って決定される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
比率の前記定義された範囲が、前記最小粒径と前記最大粒径との間で、1:1の比率~1:100の比率である、請求項32~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記方法が、前記処理された粉粒体の少なくとも一部または全てが前記液体から分離される排出プロセスをさらに含む、請求項24~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記粉粒体が、ある高さまで上向きに持ち上げられ、この高さでは、前記粉粒体の少なくとも一部または全てが、前記成層チャンバー内の前記液体の表面の上方に持ち上げられる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記粉粒体を前記液体から分離するために、前記可動プレートが、排出高さまで上向きに動かされ、この高さでは、前記粉粒体の全てが、前記成層チャンバー内の前記液体の前記表面の上方に持ち上げられる、請求項33および請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記排出プロセスが、前記成層チャンバーから、前記液体の前記表面の上方に持ち上げられた前記粉粒体の最上層を除去することを含む、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記排出プロセスが、前記成層チャンバーから前記粉粒体の最上層を繰り返し除去することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記方法が、異なる密度の粉粒体を識別するための密度識別プロセスをさらに含む、請求項39~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
密度プロセスが、前記排出プロセス中に前記成層チャンバーから除去される粉粒体の画分間の密度の変化を識別することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記粉粒体がポリマー粉粒体を含む、請求項24~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
界面活性剤が、前記組み合わせに使用するために供給される前記液体に添加されるか、またはその一部である、請求項24~46のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体と粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムおよび方法であって、粉粒体が、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、該異なる種類の粉粒体のうちの少なくとも2つが、液体の密度よりも大きい密度を有する、システムおよび方法に関する。処理すべき粉粒体の種類は、ポリマー粉粒体の種類であり得るが、他の種類の混合粉粒体も、開示されている方法およびシステムに従って処理され得る。
【背景技術】
【0002】
プラスチック汚染は、環境に深刻な影響を与える可能性があるため、世界的に広く議論されている問題である。毎年、数百万トンのプラスチックが環境に放出されており、人および自然環境の両方に害を及ぼすリスクがあり得る。さらに、バージンプラスチックの製造は、製造に使用される原材料が化石燃料に基づいていることが多いため、かなりの炭素面での影響を及ぼす。プラスチックのリサイクルは、典型的には、単一種類のプラスチックの製品に限定されている。というのも、いくつかの異なる種類のプラスチックの製品を溶融して再利用すると、構造的な脆弱性を呈するポリマーブレンドが生成される傾向があるからである。結果として、プラスチックおよびその製造は、地球の資源および環境に多大な負担をかける。この理由および他の理由から、プラスチックの選別およびそのリサイクルを改善する必要がある。
【0003】
プラスチック、特に粉粒体を選別する方法では、典型的には、分離すべき物質よりも高いまたは低い密度を有する媒体(典型的には液体)に粉粒体が沈められて、それによって、この物質が媒体の上部に浮くまたは底部に沈む、浮沈技術が利用される。次いで、この物質は媒体から除去され得る。選別すべき物質に応じて、媒体の密度は、物質の2つの明確な画分が分離されて、一方が媒体の底部に沈み、もう一方が上部に浮き、それによって、両方の画分が除去され得るような密度であり得る。同様に、鉱業では、粉粒体を媒体のカラムのグリッドまたはふるいに配置し、別個のデバイスで媒体のカラムを撹拌して、物質の異なる画分の分離を補助して、粉粒体を液体中で移動させ、より密度の高い物質をグリッドまたはふるいに沈降させる、ジギングと呼ばれるプロセスが使用される。ふるいまたはグリッドが使用される場合、より重い物質は、ふるいまたはグリッドを通してふるい分けされてその下に沈降し得て、より軽い物質は、ふるいの上方に沈降するであろう。
【0004】
これらの方法には、達成される粉粒体の分離が不十分であるという問題があり得る。さらに、異なる密度を有する材料のいくつかの異なる画分からなる粒状材料の混合物を分離することは、難しい場合がある。
【0005】
したがって、異なる密度を有する材料のいくつかの異なる画分からなる粉粒体の混合物を処理して、それによって、粉粒体の改善された分離を達成するための改善されたシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の対象は、異なる密度を有する材料の画分を含む粉粒体の混合物を処理して、それによって、粉粒体の改善された分離を達成するための改善されたシステムおよび方法を提供することである。
【0007】
この対象は、第1の態様に従って、液体と粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムであって、該粉粒体が、最小粒径以上であり、かつ異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、該2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、液体の密度よりも大きい密度を有し、このシステムが、
液体と粉粒体との組み合わせを保持するための成層または選別チャンバーであって、1つ以上の側壁を有する該成層または選別チャンバーと、
成層または選別チャンバー内に配置された可動プレートであって、可動プレートが、成層または選別チャンバーの1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、外縁と1つ以上の側壁との間の任意の距離が、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さく、また可動プレートが、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで粉粒体を可動プレートの上方または上部に維持するプレートふるいである、可動プレートと、
可動プレートを成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体中の粉粒体を運動させるまたは処理するための駆動システムと、を備える成層機を備える、システムを提供することによって達成される。
【0008】
処理される粉粒体の種類は、ポリマー粉粒体の種類であり得るが、他の種類の混合粉粒体も処理され得る。
【0009】
少なくとも2種類の処理すべき粉粒体は、粉粒体が液体中に沈むことができるように、液体よりも密度が大きくなければならない。
【0010】
成層または選別チャンバーにおいて液体中で可動プレートを垂直の上向きおよび下向きの動きで動かすことによって、粉粒体は、上向きの動きの間は液体中で上向きに押され、下向きの動きの間およびその後は沈降し、それによって、液体中の粉粒体の成層を密度差に基づいて達成することができる。
【0011】
第1の態様の可能な実装形態では、可動プレートは、成層または選別チャンバーの側壁の下の底部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、該底部の上面と可動プレートの下面との間に下部チャンバー部分が画定され、該下部チャンバー部分は、成層または選別チャンバー内の可動プレートの上向きまたは下向きの動きによって体積が変化する。成層機は、下部チャンバー部分に流体接続され、かつ該下部チャンバー部分への液体の送達および該下部チャンバー部分からの液体の受け取りを行うように構成されており、それによって、下部チャンバー部分の体積が増加すると、液体を下部チャンバー部分に供給することができ、下部チャンバー部分の体積が減少すると、液体を下部チャンバー部分から受け取ることができる、流体補償システムをさらに備え得る。
【0012】
したがって、第1の態様の可能な実装形態では、液体と粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムであって、該粉粒体が、最小粒径以上であり、かつ異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、該2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、液体の密度よりも大きい密度を有し、このシステムが、
液体と粉粒体との組み合わせを保持するための成層または選別チャンバーであって、1つ以上の側壁を有する該成層または選別チャンバーと、
成層または選別チャンバー内に配置された可動プレートであって、可動プレートが、成層または選別チャンバーの1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、外縁と1つ以上の側壁との間の任意の距離が、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さく、また可動プレートが、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで粉粒体を可動プレートの上方または上部に維持するプレートふるいであり、該可動プレートが、成層または選別チャンバーの側壁の下の底部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、該底部の上面と可動プレートの下面との間に下部チャンバー部分が画定される、可動プレートと、
可動プレートを成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、下部チャンバー部分の体積を変化させるための駆動システムと、
下部チャンバー部分に流体接続され、かつ該下部チャンバー部分への液体の送達および該下部チャンバー部分からの液体の受け取りを行うように構成されており、それによって、下部チャンバー部分の体積が増加すると、液体を下部チャンバー部分に供給することができ、下部チャンバー部分の体積が減少すると、液体を下部チャンバー部分から受け取ることができる、流体補償システムと、を備える成層機を備える、システムが提供される。処理される粉粒体は、ポリマー粉粒体であり得るか、またはこれを含み得る。
【0013】
第1の態様の可能な実装形態では、成層または選別チャンバーの上側部分または上部は、空気が自由に入るように構成されている。好ましい実施形態では、成層または選別チャンバーは、上部が開いている。
【0014】
可動プレートにふるい開口部を設けることによって、可動プレートは、粉粒体を運動させる際に、液体中で上下に動くことができる。しかしながら、粉粒体の一部が可動プレートの上部に載って、ふるい開口部の一部を通る液体の流れを妨げる可能性があり、それによって、可動プレートが上向きに動かされるときに、真空または負圧が下部チャンバー部分で生じ得る。そのような圧力低下を補償するために、液体を流体補償システムから供給して、下部チャンバー部分内の圧力を安定させる。可動プレートを下向きに動かすと、下部チャンバー部分に過圧が生じる可能性があり、下部チャンバー部分から流体補償システムに液体が供給される。
【0015】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、成層または選別チャンバー内での液体を通る一連の垂直のアップストロークおよび垂直のダウンストロークを含む成層動作または選別動作に従って可動プレートを動かすように構成されている。
【0016】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、成層または選別チャンバー内での所定の選別動作に従って可動プレートを動かすように構成されている。
【0017】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、可動プレートの下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間に、可動プレートの動きを一時停止するように構成されている。
【0018】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、可動プレートの下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間に、少なくとも0.5秒、例えば少なくとも1秒または例えば少なくとも1.5秒の一時停止を保持するように構成されている。
【0019】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、可動プレートの下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間の一時停止の長さを調整するように構成可能である。
【0020】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、可動プレートの上向きの動きの加速度を調整するように構成可能であり、および/または
駆動システムは、可動プレートの上向きの動きの速度を調整するように構成可能である。
【0021】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、可動プレートの下向きの動きの加速度を調整するように構成可能であり、および/または
駆動システムは、可動プレートの下向きの動きの速度を調整するように構成可能である。
【0022】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、成層または選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に従って可動プレートの動きの振幅を調整するように構成可能である。
【0023】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、下方位置または休止位置と第1の最大上方位置との間の可動プレートの動きの振幅を制御するように構成されている。
【0024】
第1の態様の可能な実装形態では、第1の最大上方位置は、成層チャンバー内の液体および粉粒体の量に基づいて決定され、それによって、可動プレートが第1の最大上方位置に達すると、粉粒体が全て液体によって覆われることが確実になる。
【0025】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、可動プレートの動きの振幅を制御するように再構成可能である。
【0026】
第1の態様の可能な実装形態では、液体の密度よりも大きい密度を有する少なくとも2種類の粉粒体は、最小粒径と最大粒径との間の比率の定義された範囲内の粒径を有する。
【0027】
第1の態様の可能な実装形態では、比率の定義された範囲は、最小粒径と最大粒径との間で、1:1の比率~1:100の比率である。
【0028】
第1の態様の可能な実装形態では、駆動システムは、可動プレートを排出高さまで上向きに持ち上げるように構成可能であり、この高さでは、粉粒体の少なくとも一部または全てが、成層チャンバー内の液体の表面の上方に持ち上げられる。
【0029】
第1の態様の可能な実装形態では、システムは、成層チャンバー内の液体から粉粒体を排出するための排出システムをさらに備える。
【0030】
第1の態様の可能な実装形態では、排出システムは、成層チャンバー内の液体の表面の上方に持ち上げられた粉粒体の最上層を排出するように構成されている。
【0031】
第1の態様の可能な実装形態では、排出システムは、粉粒体の最上層を繰り返し排出するように構成されている。
【0032】
第1の態様の可能な実装形態では、システムは、異なる密度の粉粒体を識別するための密度識別システムをさらに備える。
【0033】
第1の態様の可能な実装形態では、密度識別システムは、排出システムから出される粉粒体の画分間の密度の変化を識別するように構成されている。
【0034】
第2の態様によると、液体と粉粒体との組み合わせを処理するための方法であって、該粉粒体が、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、この方法が、
1つ以上の側壁を有する成層または選別チャンバーを設けることと、
この組み合わせに使用すべき、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体と液体とを供給することであって、該2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、液体の密度よりも大きい密度を有することと、
供給された粉粒体と供給された液体とを成層または選別チャンバー内で組み合わせることと、
液体中で粉粒体の一連の上向きおよび下向きの動きをもたらすことであって、該下向きの動きの少なくとも一部について、液体中で粉粒体が沈降するための下向きの動きを終了してから液体中の粉粒体の新たな上向きの動きを開始するまで、休止期間があることと、を含む、方法が提供される。処理される粉粒体の種類は、ポリマー粉粒体の種類であり得るが、他の種類の混合粉粒体も処理され得る。
【0035】
第2の態様の可能な実装形態では、液体中の粉粒体の一連の上向きおよび下向きの動きは、成層または選別チャンバー内での所定の選別動作に従う。
【0036】
第2の態様の可能な実装形態では、休止期間は、成層チャンバー内の液体の密度と最も高い密度を有する粉粒体の密度との比率に従って決定される最小の長さを有する。
【0037】
第2の態様の可能な実装形態では、液体中の粉粒体の新たな上向きの動きを開始する前の休止期間は、少なくとも0.5秒、例えば少なくとも1秒または例えば少なくとも1.5秒である。
【0038】
第2の態様の可能な実装形態では、液体中の粉粒体の一連の上向きおよび下向きの動きは、少なくとも第1および第2の一連の上向きおよび下向きの動きに分けることができ、
第1および第2の一連の該動きの両方の下向きの動きの少なくとも一部について、液体中で粉粒体が沈降するための下向きの動きを終了してから液体中の粉粒体の新たな上向きの動きを開始するまで、休止期間がある。
【0039】
第2の態様の可能な実装形態では、休止期間は、第1の一連の動きから第2の一連の動きで異なる。
【0040】
第2の態様の可能な実装形態では、第1の一連の動きは、第2の一連の動きの上向きの動きの振幅とは異なる上向きの動きの振幅を有する。
【0041】
第2の態様の可能な実装形態では、第1の一連の動きは、第2の一連の動きの前に実施され、第1の一連の動きの休止期間は、第2の一連の動きの休止期間よりも長い。
【0042】
第2の態様の可能な実装形態では、第1の一連の動きは、第2の一連の動きの前に実施され、第1の一連の動きの上向きの動きの振幅は、第2の一連の動きの上向きの動きの振幅よりも大きい。
【0043】
第2の態様の可能な実装形態では、第1の一連の動きは、第2の一連の動きの前に実施され、第1の一連の動きによる液体と粉粒体との組み合わせの処理の総時間は、第2の一連の動きによる液体と粉粒体との組み合わせの処理の総時間以下である。
【0044】
第2の態様の可能な実装形態では、供給される粉粒体は、最小粒径以上である。
【0045】
第2の態様の可能な実装形態では、液体の密度よりも大きい密度を有する供給される少なくとも2種類の粉粒体は、最小粒径と最大粒径との間の比率の定義された範囲内の粒径を有する。
【0046】
第2の態様の可能な実装形態では、可動プレートが設けられて成層または選別チャンバー内に配置されており、可動プレートが、成層または選別チャンバーの1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、外縁と1つ以上の側壁との間の任意の距離が、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さく、該可動プレートが、粉粒体を可動プレートの上方または上部に維持するように構成されている。次いで、第2の態様による方法は、
可動プレートを成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体中の粉粒体の該一連の上向きおよび下向きの動きをもたらすこと、をさらに含み得る。
【0047】
第2の態様の可能な実装形態では、可動プレートは、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さいふるい開口部を有するプレートふるいであり、それによって、可動プレートは、粉粒体を可動プレートの上方または上部に維持しながら液体中で上下に動くことができる。
【0048】
第2の態様の可能な実装形態では、可動プレートは、成層または選別チャンバーの側壁の下の底部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、該底部の上面と可動プレートの下面との間に下部チャンバー部分が画定され、該下部チャンバー部分は、成層チャンバー内の可動プレートの上向きまたは下向きの動きによって体積が変化し、
下部チャンバー部分に流体接続され、かつ下部チャンバー部分への液体の送達および該下部チャンバー部分からの液体の受け取りを行うように構成されており、それによって、可動プレートの上向きの動きによって下部チャンバー部分の体積が増加すると、液体を下部チャンバー部分に供給することができ、可動プレートの下向きの動きによって下部チャンバー部分の体積が減少すると、液体を下部チャンバー部分から受け取ることができる、流体補償システムが提供される。
【0049】
第2の態様の可能な実装形態では、可動プレートの動きは、下方位置または休止位置と所定の第1の最大上方位置との間にあるように制御され、
第1の最大上方位置は、成層チャンバー内の液体および粉粒体の量に基づいて決定され、それによって、可動プレートが第1の最大上方位置に達すると、粉粒体が全て液体によって覆われることが確実になる。
【0050】
第2の態様の可能な実装形態では、下方位置と第1の最大上方位置との間の距離は、成層チャンバー内の液体の体積に対する粉粒体の体積の比率に従って決定される。
【0051】
第2の態様の可能な実装形態では、比率の定義された範囲は、最小粒径と最大粒径との間で、1:1の比率~1:100の比率である。
【0052】
第2の態様の可能な実装形態では、方法は、処理された粉粒体の少なくとも一部または全てが液体から分離される排出プロセスをさらに含む。
【0053】
第2の態様の可能な実装形態では、粉粒体は、ある高さまで上向きに持ち上げられ、この高さでは、粉粒体の少なくとも一部または全てが、成層チャンバー内の液体の表面の上方に持ち上げられる。
【0054】
第2の態様の可能な実装形態では、次いで、粉粒体を液体から分離するために、可動プレートは、排出高さまで上向きに動かされ、この高さでは、粉粒体の全てが、成層チャンバー内の液体の表面の上方に持ち上げられる。
【0055】
第2の態様の可能な実装形態では、排出プロセスは、成層チャンバーから、液体の表面の上方に持ち上げられた粉粒体の最上層を除去することを含む。
【0056】
第2の態様の可能な実装形態では、排出プロセスは、成層チャンバーから粉粒体の最上層を繰り返し除去することを含む。
【0057】
第2の態様の可能な実装形態では、方法は、異なる密度の粉粒体を識別するための密度識別プロセスをさらに含む。
【0058】
第2の態様の可能な実装形態では、密度プロセスは、該排出プロセス中に成層チャンバーから除去される粉粒体の画分間の密度の変化を識別することを含む。
【0059】
第2の態様の可能な実装形態では、界面活性剤が、液体と粉粒体との組み合わせに使用するために供給される液体に添加されるか、またはその一部である。
【0060】
第2の態様の方法による可能な実装形態は、第1の態様の1つ以上の実装形態から選択されるシステムを使用することによって実施され得ると理解されたい。
【0061】
第3の態様によると、異なる密度を有する2種類以上の物質を含む粉粒体を処理または選別するための方法であって、
-成層または選別チャンバーを画定する1つ以上の側壁を含む容器を設けるステップと、
-選別すべき粉粒体と液体とを該成層または選別チャンバー内で組み合わせるステップと、
-成層または選別チャンバーの1つ以上の側壁に対して実質的にシールし、かつ選別すべき粉粒体の最小粒径よりも小さい開口部を有する可動プレートを該成層または選別チャンバー内に設けるステップと、
-該成層または選別チャンバー内で所定の選別動作に従って可動プレートを動かすステップと、を含む、方法が提供される。処理または選別される粉粒体は、ポリマー粉粒体であり得るか、またはこれを含み得る。
【0062】
第3の態様の方法による可能な実装形態は、第1の態様の1つ以上の実装形態から選択されるシステムを使用することによって実施され得ると理解されたい。
【0063】
選別すべき粉粒体と液体とを該成層または選別チャンバー内で組み合わせるステップの前に、処理または選別すべき物質が、最小粒径と最大粒径との間の比率の定義された範囲内のサイズの粒に造粒されることが、第3の態様の実施形態内にある。
【0064】
「粉粒体」という用語は、個別の粒、粒子、顆粒、フレーク、ペレットなどの形態の固体材料であると理解され得る。粒状材料における粒のサイズの下限は、1μmであり得る。
【0065】
「~種類の物質」という用語は、材料の物質がさまざまな種類であることと理解され得る。これは、さまざまな種類のポリマーであり得て、例えば、ABS、PC、POM、PET、PVC、ならびにそれらの異なる種類および/または組み合わせであるが、これらに限定されることはない。
【0066】
「異なる密度」という用語は、少なくとも0.0001、好ましくは0.001、より好ましくは0.01g/cm異なる密度であると理解され得る。
【0067】
「最小粒径と最大粒径との間の比率の定義された範囲」という用語は、粉粒体の粒が示す最小粒径と最大粒径との間の比率の範囲、すなわち、選別すべき粉粒体の最小粒と最大粒との間のサイズ差を定義するものとして理解され得る。
【0068】
選別すべき物質の造粒は、選別すべき物質をポリマー造粒機のような造粒機内で造粒することによって達成され得る。
【0069】
選別すべき造粒物の少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%は、最小粒径と最大粒径との間の比率の定義された範囲内にあり得る。
【0070】
選別すべき物質を最小粒径と最大粒径との間の比率の定義された範囲内のサイズの粒に造粒することには、選別すべき粉粒体の粒のサイズ差の影響が低減されることから、選別すべき粉粒体の成層を改善する効果があり得る。異なる材料の最小粒径と最大粒径との間のサイズ比率が選択可能であることには、成層プロセスを最適化して最適な効率を確実にすることができるという効果があり得る。
【0071】
選別すべき粉粒体は、成層または選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に応じた粒径に造粒され得る。これには、粒の密度に従った液体中での各層における選別すべき粉粒体の粒の沈降を改善する効果があり得る。追加的または代替的に、選別すべき物質は、造粒の前および/または後に洗浄され得る。
【0072】
「粒」という用語は、「粒子」とも表され得る。「粒径」という用語は、「粒子径」とも表され得て、個々の粒または粒子の直径であると理解され得る。
【0073】
「成層」という用語は、異なる密度の粉粒体の粒を選別チャンバー内のそれらの各密度に従って分離して層にすることと理解され得る。「成層プロセス」という用語は、異なる密度の粉粒体の粒をそれらの各密度に従って成層して層にするプロセスであり、すなわち、所定の選別動作を実行するプロセスを含むと理解され得る。
【0074】
追加的または代替的に、選別すべきポリマー物質または選別すべき造粒されたポリマー物質は、ペレット化され得る。「ペレット化」という用語は、材料をペレットの形状に圧縮または成形するプロセスであると理解され得る。「ペレット」という用語は、小さな、丸みを帯びた、圧縮された物質塊であると理解され得る。追加的または代替的に、選別すべき物質は、選別すべき物質の粒が実質的に同じ形状であるようにペレット化され得る。これには、選別すべき物質の粒の形状の影響が低減されることから、成層プロセスをさらに改善する効果があり得る。
【0075】
追加的または代替的に、液体の表面張力を低下させるための物質が、成層または選別チャンバー内の液体に添加され得る。表面張力の低下には、選別すべき粉粒体の成層プロセスを改善する効果があり得る。
【0076】
追加的または代替的に、成層または選別選別チャンバー内の液体は、選別すべき異なる種類の物質の密度に基づいて選択される密度を有し得る。液体の密度は、この密度が選別すべき物質の異なる密度の平均であるように選択され得る。追加的または代替的に、液体の密度は、添加剤および/または磁力によって操作され得る。追加的または代替的に、異なる密度の液体が使用され得る。追加的または代替的に、異なる粘度の液体が使用され得る。
【0077】
容器の1つ以上の側壁は、円筒形、長方形、正方形、円形または多角形の成層または選別チャンバーを画定し得る。
【0078】
追加的または代替的に、成層または選別チャンバーは、第2のチャンバーと液体連通していてもよい。
【0079】
成層または選別チャンバーの1つ以上の側壁に対して実質的にシールし、かつ選別すべき粉粒体の最小粒径よりも小さい開口部を有する可動プレートを該成層または選別チャンバー内に設けることには、選別すべき粉粒体を可動プレートの上方に保つという効果があり得る。これには、実質的に全ての粉粒体が可動プレートと同じ動作で動き得て、粉粒体のいずれも可動プレートを迂回しないことから、選別すべき粉粒体がより効果的に動かされるという効果があり得る。これによって、選別すべき粉粒体がより効率的に成層され得る。
【0080】
可動プレートは、成層または選別チャンバー内で所定の選別動作に従って動かされ得る。所定の選別動作に従って可動プレートを動かすことには、選別すべき粉粒体の成層を改善する効果がある。
【0081】
所定の選別動作のパラメータは、選別すべき物質の種類に基づいて調整され得る。所定の選別動作のパラメータは、成層または選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に基づいて調整され得る。これには、選別すべき物質の種類に基づいた、および/または選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に基づいた最適な効率のために成層プロセスを最適化する効果があり得る。所定の選別動作のパラメータはまた、選別プロセス中に調整され得る。例えば、選別サイクルの終了に向かう。
【0082】
成層プロセスの時間は、アップストロークおよびダウンストロークの量に従って調整され得る。成層プロセスの時間は、サイクル時間、すなわち、成層を開始してから成層プロセスを完了するまでの時間に従って調整され得る。
【0083】
選別すべき粉粒体が成層または選別チャンバー内で液体と組み合わされる場合、選別すべき粉粒体または液体が、まず成層または選別チャンバー内に供給され得る。液体および選別すべき粉粒体はまた、実質的に同時に供給されてもよい。
【0084】
本発明の一実施形態では、該所定の選別動作は、成層または選別チャンバー内での液体を通る一連の垂直のアップストロークおよび垂直のダウンストロークを含む。アップストロークおよびダウンストロークの振幅は、異なり得る。アップストロークおよび/またはダウンストロークの振幅は、経時的に調整され得る。アップストロークおよび/またはダウンストロークの速度は、異なり得る。アップストロークおよび/またはダウンストロークの速度は、経時的に調整され得る。アップストロークおよび/またはダウンストロークの加速度は、異なり得る。アップストロークおよび/またはダウンストロークの加速度は、経時的に調整され得る。同様に、連続的なアップストロークは、互いに異なり得る。連続的なダウンストロークは、互いに異なり得る。これによって、アップストロークおよびダウンストロークの動作パラメータが、所定の種類の物質または成層の状態にとって最適な効率のために選択され得ることから、成層プロセスが改善され得る。
【0085】
「アップストロークおよびダウンストロークは異なり得る」という用語は、アップストロークが1種類の垂直動作を呈し、ダウンストロークが異なる種類の垂直動作を呈すること、すなわち、振幅、速度、加速度、ならびに/またはアップストロークおよびダウンストロークのストロークの終了時または開始時の一時停止のような動作パラメータが異なり得ることと理解され得る。「経時的に調整される」という用語は、経時的に変化すること、例えば、時間の経過とともに選別プロセス中に変化することと理解され得る。
【0086】
後者の実施形態の発展形態では、アップストロークおよびダウンストロークの振幅は、成層または選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に従って調整可能である。これには、アップストロークおよびダウンストロークの異なる振幅が、特に選別すべき粉粒体の体積に対する成層の効率に、より具体的には、選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に影響を与える可能性があることから、選別すべき粉粒体の成層プロセスを改善する効果があり得る。実験結果は、サイクル時間および粒子の沈降の観点から、最も効果的なストローク振幅が、成層または選別チャンバー内における流体の体積に対する粒状材料の体積に依存しているように思われることを示した。選別すべき粉粒体の体積が大きいほど、固体体積分率が高くなり、これには、粒の平均沈降速度を低下させ(沈降が妨げられる)、したがって、成層効率を低下させる効果があり得る。
【0087】
追加的または代替的に、ダウンストロークの加速度は、成層または選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に従って調整可能である。これには、ダウンストロークの加速度が成層プロセスに重大な影響を与えることが分かっていることから、成層プロセスの効率をさらに改善する効果があり得る。成層または選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に従ってダウンストロークの加速度が調整可能であることには、所定の負荷シナリオにとって最適な効率のために成層プロセスを最適化することが可能になるという効果があり得る。同様に、アップストロークの加速度が調整可能である。
【0088】
同様に、ダウンストロークの速度が、成層または選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に従って調整可能であり得る。アップストロークの速度が、成層または選別チャンバー内の液体の体積に対する選別すべき粉粒体の体積の比率に従って調整可能であり得る。これには、成層プロセスをさらに最適化することが可能になり、したがって、選別方法の効率が改善される効果があり得る。
【0089】
「負荷」という用語は、選別すべき粉粒体の体積および成層または選別チャンバー内の液体の体積であると理解され得る。
【0090】
追加的または代替的に、下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間に、一時停止がある。これには、成層プロセスの効率を改善する効果があり得る。ダウンストロークを完了してからアップストロークを開始するまでの間の一時停止は、粒の密度に従った液体中での各層への選別すべき粉粒体の粒の沈降を改善すること、したがって、成層プロセスを改善することに関連している。実験結果は、ダウンストロークとアップストロークとの間の一時停止が粉粒体の効率的な成層にとって非常に重要であることを示す。後者の発展形態では、ダウンストロークを完了してからアップストロークを開始するまでの一時停止は、少なくとも0.5秒である。一時停止によって、液体中の粒がそれらの各密度に従って沈降する時間がもたらされることから、これによって、成層プロセスが改善され得る。
【0091】
追加的または代替的に、上向きの動きまたはアップストロークを完了してから下向きの動きまたはダウンストロークを開始するまでの間に、一時停止がある。これには、粒の密度に従った液体中での選別すべき粉粒体の粒の沈降が改善され得ることから、成層プロセスの効率を改善する効果があり得る。
【0092】
ダウンストロークを完了してからアップストロークを開始するまでの間の一時停止は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140または150秒であり得る。同様に、アップストロークを完了してからダウンストロークを開始するまでの間の一時停止は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140または150秒であり得る。
【0093】
追加的または代替的に、比率の定義された範囲は、最小粒径と最大粒径との間で、1:1の比率~1:100の比率である。これには、成層プロセスに対する粒のサイズ差の影響が制限内に保たれることから、最適な成層効率を確実にする効果があり得る。比率の定義された範囲は、最小粒径と最大粒径との間で、1:1の比率~1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90または1:100の比率であり得る。
【0094】
追加的または代替的に、選別された粉粒体画分は、成層または選別チャンバーの上部から底部で層ごとに排出される。これには、層が同じ開口部を通して排出され得て、かつ別個の排出開口部を設ける必要がないことから、排出プロセスを単純化する効果があり得る。これには、排出される層の排出順序の維持を可能にするさらなる効果があり得る。また、これによって、例えば、洗浄、乾燥、包装、貯蔵および/または輸送のような後続のプロセスにおいて、排出される層をより効率的に取り扱うことが可能になり得る。
【0095】
「画分」という用語は、実質的に同じ密度を有する粒状材料の粒の1つのグループであると理解され得る。
【0096】
選別された粉粒体の層ごとの排出は、抽出デバイスを使用して達成され得る。抽出デバイスは、真空デバイスであり得る。真空デバイスは、層を吸い上げてこれを他の場所に排出することによって、成層または選別チャンバーから層を排出することができる。抽出デバイスは、掻き取りデバイスであり得る。掻き取りデバイスは、層を掻き取ることによって、選別された粉粒体の層を成層または選別チャンバーから排出して、新しい場所の上にまたはその内部に送ることができる。
【0097】
追加的または代替的に、異なる密度を有する選別された粉粒体の画分間の遷移は、成層または選別チャネルからの選別された粉粒体の排出中またはその後に識別される。遷移の識別は、光学的に達成され得る。遷移の識別は、中赤外線(MIR)スキャンを使用して達成され得る。「遷移」という用語は、選別された粉粒体におけるある画分が終了し、選別された粉粒体の次の画分が始まる、後に排出される選別された粉粒体との間の点であると理解され得る。追加的または代替的に、物質が十分に選別されない可能性のある遷移域または層は、別に扱われて再選別されてもよい。追加的または代替的に、選別された粉粒体画分の層が成層または選別チャンバーから排出される順序は、少なくとも1つの後続のプロセスで維持される。これには、上記で強調したように、排出された粉粒体画分の貯蔵および包装のような後続のプロセスの効率を改善する効果があり得る。追加的または代替的に、選別された粉粒体画分の層は、成層または選別チャンバーからの排出の順序に従って包装される。
【0098】
第4の態様では、第3の態様による方法で使用するための装置であって、
-成層または選別チャンバーを画定する1つ以上の側壁を含む容器、
-該成層または選別チャンバー内に配置された可動プレートであって、成層または選別チャンバーの1つ以上の側壁に対して実質的にシールし、かつ選別すべき粉粒体の最小粒径よりも小さい開口部を有する、可動プレート、を備える、装置が提供される。
【0099】
1つ以上の側壁は、円筒形、円形、長方形、正方形または別の多角形の成層または選別チャンバーを画定し得る。成層または選別チャンバーは、土台をさらに含み得る。土台は、可動プレートの下に配置され得て、1つ以上の側壁に接続され得る。土台は、プレート状であり得る。土台は、開口部を含み得る。
【0100】
成層または選別チャンバーは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900または1000Lの体積を有し得る。
【0101】
可動プレートは、少なくとも1つのリップシールによって、成層または選別チャンバーの1つ以上の側壁に対してシールし得る。
【0102】
この装置は、可動プレートを駆動するための駆動ユニットをさらに含み得る。駆動ユニットは、リニア駆動または位置決め駆動の形態にあり得る。リニア駆動および/または位置決め駆動は、電気モーターおよび/またはリニアガイドを含み得る。駆動ユニットは、シャフトを介して可動プレートに接続され得る。
【0103】
この装置は、チャンバーシールをさらに含み得る。チャンバーシールは、円筒形であり得る。チャンバーシールは、上部ハウジング本体および下部ハウジング本体を含み得る。上部ハウジング本体および下部ハウジング本体は、ボルト、ねじ、接着剤、ねじ山および同様の相互接続手段によって取り外し可能に相互接続され得る。この目的のために、チャンバーシールは、1つ以上のねじ穴を含み得る。チャンバーシールは、1つ以上の貫通穴を含み得る。チャンバーシールは、1つ以上のシール要素を含み得る。1つ以上のシール要素は、ワイパーシール、ロッドシール、Oリングシールなどの形態にあり得る。
【0104】
「ワイパーシール」とは、シャフトが静止しているとき(静的、シャフトの往復動作がない)および動いているとき(動的、シャフトの往復動作がある)にシャフトとのシール接触を維持するシール要素であると理解され得る。「ロッドシール」とは、チャンバーシールとシャフトとの間の摺動動作においてシール接触を維持するシール要素であると理解され得る。ロッドシールは、潤滑膜をさらに含み得る。「Oリングシール」とは、丸い断面を有するリング状の機械的シール要素であると理解され得る。
【0105】
シール要素が、チャンバーシールに収容され得る。1つ以上のシール要素が、上部ハウジング本体に収容され得る。1つ以上のシール要素が、下部ハウジング本体に収容され得る。上部ハウジング本体は、1つ以上のシール要素を含み得て、下部ハウジング本体は、1つ以上のシール要素を含み得る。1つ以上のシール要素は、実質的に同一であってもよい。1つ以上のシール要素は、互いに異なっていてもよい。1つ以上のシール要素は、BR、NBR、HNBR、EPDM、SiRなどのような天然ゴムまたは合成ゴムから部分的に作製され得る。1つ以上のシール要素は、BR、NBR、HNBR、EPDM、SiRなどのような天然ゴムまたは合成ゴムから完全に作製され得る。シール要素は、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、銅などのような金属から部分的に作製され得る。シール要素は、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、銅などのような金属から完全に作製され得る。1つ以上のシール要素は、PTFE、PE、TPU、TPE、LDPE、HDPE、LLDPE、ULDPEなどのようなポリマーから部分的に作製され得る。1つ以上のシール要素は、PTFE、PE、TPU、TPE、LDPE、HDPE、LLDPE、ULDPEなどのようなポリマーから完全に作製され得る。
【0106】
チャンバーシールは、1つ以上のフランジを含み得る。チャンバーシールは、シャフトをガイドするための1つ以上のガイド要素をさらに含み得る。1つ以上のガイド要素は、ガイドリング、リニアボールベアリングのようなリニアガイド、摩擦ガイドなどの形態にあり得る。
【0107】
「ガイドリング」とは、シャフトをガイドするリング状のガイド要素であると理解され得る。ガイドリングは、シャフトとチャンバーシールとの接触を妨げ得る。
【0108】
チャンバーシールは、チャンバーシールと成層または選別チャンバーとの間をシールするための1つ以上のOリングを含み得る。追加的または代替的に、チャンバーシールは、チャンバーシールとシャフトとの間をシールするための1つ以上のワイパーシールを含み得る。追加的または代替的に、チャンバーシールは、チャンバーシールとシャフトとの間をシールするためのロッドシールを含み得る。追加的または代替的に、チャンバーシールは、シャフトをガイドするための1つ以上のガイド要素を含み得る。1つ以上のガイド要素は、ロッドガイドリングの形態であり得て、一対のリニアガイドは、リニアボールベアリングの形態にあり得る。追加的または代替的に、チャンバーシールは、シール要素および/またはガイド要素をチャンバーシール内に保持するための保持手段を含み得る。
【0109】
チャンバーシールは、成層チャンバーまたは選別チャンバーの内側に配置され得る。チャンバーシールは、成層チャンバーまたは選別チャンバーの外側に配置され得る。チャンバーシールは、成層または選別チャンバーの部分的に内側および/または外側に配置され得る。チャンバーシールの上部ハウジング本体は、成層または選別チャンバーの土台の上部に対してシールし得る。チャンバーシールの下部ハウジング本体は、成層または選別チャンバーの土台の底部に対してシールし得る。上部ハウジング本体は、成層または選別チャンバー内に配置され得る。下部ハウジング本体は、成層または選別チャンバーの外側に配置され得る。
【0110】
一実施形態では、シャフトと成層または選別チャンバーとの間をシールするためのチャンバーシールは、1つ以上のワイパーシール、1つ以上のガイドリング、1つ以上のロッドシールおよび1つ以上のリニアガイドを含む。
【0111】
システムまたは装置は、可動プレートの動作パラメータを制御および/または調整するための制御ユニットをさらに含み得る。制御ユニットは、可動プレートの所定の選別動作および選別プロセス中の可動プレートの動作の両方を制御および/または調整することができる。
【0112】
前述の対象および他の対象は、独立請求項の特徴によって達成される。さらなる実装形態は、従属請求項、明細書および図面から明らかである。本発明のこれらの態様および他の態様は、以下に記載されている実施形態から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0113】
本開示の以下の詳細な部分において、本発明を、図面に示されている例示的な実施形態を参照してより詳細に説明する。
【0114】
図1】例示的な実施形態による処理方法の概略図を示す。
図2】別の例示的な実施形態による処理方法の概略図を示す。
図3a-3d】例示的な実施形態による第1の種類の成層または選別システムを使用することによって液体と粉粒体との組み合わせを処理するステップを図示する概略図である。
図4a-4d】例示的な実施形態による第2の種類の成層または選別システムを使用することによって液体と粉粒体との組み合わせを処理するステップを図示する概略図である。
図5a-5d】例示的な実施形態による第3の種類の成層または選別システムを使用することによって液体と粉粒体との組み合わせを処理するステップを図示する概略図である。
図6a-6e】例示的な実施形態による成層または選別システムを使用することによって処理される粉粒体を排出および識別するステップを図示する概略図である。
図7】例示的な実施形態によって粉粒体を処理するステップを図示する概要ブロック図である。
図8】例示的な実施形態による成層または選別システムの概略図である。
図9】第1の例示的な実施形態による、図8の成層または選別システムで使用するためのチャンバーシールの縦断面図である。
図10】第2の例示的な実施形態による、図8の成層または選別システムで使用するためのチャンバーシールの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0115】
処理または選別すべき粉粒体は、工業用途からの廃棄された製品または物質に由来するものであり得る。通常、処理または選別すべき物質は、工業的製造からの廃棄物に由来し、異なる密度および粒径を有するいくつかの異なる種類の物質を含む。ここに記載されている例では、処理または選別すべき物質は、ポリマー含有製品の製造に由来するポリマー廃棄物である。このようなポリマー廃棄物は、多くの場合、さまざまな粒径および密度のいくつかの異なる種類のポリマーが混ざった組み合わせである。結果として、混合ポリマー廃棄物を溶融して再利用すると、多くの場合、さまざまな種類のポリマーが混合されていることから、低い粗悪な品質のポリマー製品が生じるため、ポリマー廃棄物がリサイクルされることはほぼない。結果的に、ポリマー廃棄物は、通常、地域の加熱プラントで焼却処理されるか、または埋め立て地で処分される。しかしながら、本明細書に記載されているシステムおよび方法によって、ポリマー廃棄物を、異なる種類のポリマー構成要素に、それらの各密度に従って選別および分離することができる。これは、廃棄ポリマーを収集して現場で処理することによって、または以下に詳細に説明するシステムおよび方法を使用して、廃棄ポリマーを別の場所にある異なる専用の処理システムもしくはプラントに輸送することによって達成することができる(図1および2に図示される)。
【0116】
例示的な実施形態では、ポリマー廃棄物は、異なる密度を有する2種類のポリマー物質を含む。粉粒体を選別する方法は、異なる密度を有する2種類の物質のみを含む粉粒体に限定されておらず、異なる密度を有する2種類より多くの物質、例えば、異なる密度を有する3、4、5種類以上の物質を含む粉粒体にも使用することができる。
【0117】
図1は、例示的な実施形態による処理方法の概略図を示す。処理すべきポリマー物質は、ポリマー物質の粒の粒径が比較的類似したサイズの粒の特定の範囲内に、すなわち、最小粒径と最大粒径との間の比率の定義された範囲内にあることを確実にするために、最初に造粒101され得る。これは、粒のサイズ差が処理プロセスに与え得る影響を低減するために、したがって、プロセスの効率を改善するために行われる。ここに記載されている第1の例では、ポリマー物質の造粒は、ポリマー物質を乾燥固体材料造粒機に供給することによって達成され得て、その際、物質は、最小粒径と最大粒径との間の比率の定義された範囲内の粒子に造粒および/または細断される。造粒はまた、湿式もしくは乾式シュレッダーまたは湿式造粒機のような他の適切なデバイスによっても達成され得る。次いで、造粒物は、成層または選別チャンバー102に供給されて、処理または選別され得る。造粒物の処理が成層チャンバー内で終了したら、選別された粉粒体は、成層チャンバーから排出103され得て、次いで、排出された物質は、乾燥プロセスに曝され得て、バッグ104に充填され得る。
【0118】
図2は、別の例示的な実施形態による処理方法の概略図を示す。ここで、処理すべきポリマー物質は、前処理201に曝され得て、この前処理201で、ポリマー物質は、まず造粒され、続いて洗浄プロセスが行われ、不所望な汚染物質が除去される。これは、廃棄ポリマーをターボウォッシャー内で処理することによって達成され得る。追加的または代替的には、ポリマー物質は、ペレット化されて、実質的に同じサイズおよび形状のペレットをもたらし得る。ここに記載されている第1の例では、処理すべきポリマーは、最小粒径と最大粒径との間で、実質的に1:1の比率の粒径に造粒される。比率の定義された範囲は、最小粒径と最大粒径との間で、1:1の比率~1:100の比率であり得る。
【0119】
前処理201における造粒および/またはペレット化の後に、処理すべき粒状ポリマー物質は供給され、次いで、造粒物は、成層または選別チャンバー202に供給されて、処理または選別され得る。造粒物の処理が成層チャンバー内で終了したら、選別された粉粒体は、成層チャンバーから排出され得て、次いで、排出された物質は、乾燥プロセス203に曝され得て、続いて、識別プロセス204が行われ、選別された粉粒体が確実に分離され、最後に、分離された粉粒体は、バッグ205に詰め込まれ得る。
【0120】
図3a~3dは、例示的な実施形態による第1の種類の成層または選別機300を使用することによって液体305と粉粒体304との組み合わせを処理するステップを図示する概略図である。粉粒体304は、最小粒径以上であり、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体304を含み、該2種類以上の粉粒体304のうちの少なくとも2つは、液体305の密度よりも大きい密度を有する。図3a~3dに図示されている実施形態では、異なる密度を有する3種類の粉粒体304があり、これらの3種類の粉粒体はそれぞれ、液体305の密度よりも大きい密度を有する。使用される液体は、好ましくは水である。密度を変える添加剤を有する水を含む他の適切な液体も使用することができる。
【0121】
図3a~3dは、液体305と粉粒体304との組み合わせを保持するための成層または選別チャンバー301を備える成層機300を示し、この成層チャンバー301は、1つ以上の側壁および底部を有する。可動プレート302は、成層チャンバー301内に配置されており、ここで、可動プレート302は、成層チャンバーの301の1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、外縁と1つ以上の側壁との間の任意の距離は、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さい。可動プレート302は、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで粉粒体を可動プレートの上方または上部に維持する、プレートふるいである。駆動システム303は、可動プレート302を成層チャンバー301内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体305中の粉粒体304を運動させるまたは処理するために設けられている。駆動システム303は、成層チャンバー301の底部の液密接続部を介して成層チャンバー301に移動可能に挿入されている。
【0122】
3種類の粉粒体は、液体305と一緒にチャンバー301に供給される。ここで、駆動システム303は、作動すると、プレート302を成層チャンバー301内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体305中の粉粒体304を運動させるまたは処理する。チャンバー301内の液体305の量は、粉粒体304を運動させるまたは処理するときに、粉粒体304がプレート302のこれらの上向きおよび下向きの動きの最中に液体によって完全に覆われることを確実にするのに十分な量でなければならない。
【0123】
粉粒体304は、液体305中での一連の上向きおよび下向きの動きによって処理され、下向きの動きの少なくとも一部について、液体305中で粉粒体304が沈降するための下向きの動きを終了してから液体305中での粉粒体304の新たな上向きの動きを開始するまで、休止期間があるものとする。
【0124】
図3aは、開始位置または休止位置にある成層機300を示しており、可動プレートふるい302は、チャンバー301の底部の上方に距離を空けて第1の下方位置にあり、液体は、底部とプレートふるい302との間に設けられており、その一方で、粉粒体304は、液体305中のプレートふるい302の上部かつ液体305の上面の下にある。図3bでは、プレートふるい302は、駆動システム303によって第2の上方位置に上向きに動かされ、それによって、液体305中で粉粒体304を上向きに押す。図3cでは、プレートふるい302は、駆動システム303によって、好ましくは、粉粒体304の少なくとも一部が液体305中で浮かんでからプレートふるい302の上部に沈降するほどの速度で、第1の下方位置に下向きに動かされる。
【0125】
下向きの動きのそれぞれまたは少なくとも一部に続く休止期間または沈降期間を伴うプレートふるい302の一連または数回の上向きおよび下向きの動きの後に、粉粒体304は、図3dに図示されているように、成層または選別された状態でプレートふるい302の上部に沈降し始める。最も高い密度を有する粉粒体304は、最も低い位置に沈降し、中程度の密度を有する粉粒体304は、中間位置に沈降し、最も低い密度を有する粉粒体304は、上方位置に沈降する。
【0126】
可動プレート302にふるい開口部を設けることによって、可動プレート302は、粉粒体304を運動させる際に、液体305中で上下に動くことができる。しかしながら、粉粒体304の一部は、可動プレート302の上部に位置して、ふるい開口部の一部を通る液体の流れを妨げる可能性があり、それによって、ふるいプレート302がチャンバー301内で動かされるときに液体305によって抵抗が及ぼされる。したがって、図3a~3dの成層機300の場合、動いている最中に液体305がふるい開口部を通過することができるように、液体305内のふるいプレート302の上向きおよび下向きの動きは、かなり遅くなり得る。
【0127】
図4a~4dは、例示的な実施形態による第2の種類の成層または選別機400を使用することによって液体405と粉粒体404との組み合わせを処理するステップを図示する概略図である。成層または選別機400は、機械400が流体補償システムをさらに備えるという点で、図3a~3dの成層機300とは異なる。
【0128】
したがって、図4a~4dは、液体405と粉粒体404との組み合わせを保持するための側壁を有する成層または選別チャンバー401を有する成層機400を示す。ここでも、可動プレート402は、成層チャンバー401内に配置されており、ここで、可動プレート402は、成層チャンバーの401の1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、外縁と1つ以上の側壁との間の任意の距離は、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さい。可動プレート402は、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで粉粒体を可動プレートの上方または上部に維持する、プレートふるいである。駆動システム403は、可動プレート402を成層チャンバー401内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体405中の粉粒体404を運動させるまたは処理するために設けられている。
【0129】
機械400はまた、側壁および底部406を有する外側チャンバー408によって少なくとも部分的に形成された流体補償システムを保持する。成層チャンバー401は、外側チャンバー408内に確実に配置されているが、成層チャンバー401の底部は、少なくとも部分的に開いており、それによって、成層チャンバー401の下部と外側チャンバー408との間の流体接続が可能になる。可動プレート402は、外側チャンバー408の底部406の上方に距離を空けて、かつ成層チャンバー401の側壁の底部または下部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、外側チャンバー408の底部406の上面と可動プレート402の下面との間に、下部チャンバー部分407が画定される。この下部チャンバー部分407は、成層チャンバー401内の可動プレート402の上向きまたは下向きの動きによって体積が変化する。駆動システム403は、外側チャンバー408の底部406の流体密接続部を介して成層チャンバー401に移動可能に挿入されている。
【0130】
したがって、成層チャンバー401およびふるいプレート402を外側チャンバー408内に配置することによって、流体補償システムが形成され、それによって、下部チャンバー部分407の体積が増加すると、液体405を外側チャンバー408から下部チャンバー部分407に供給することができ、下部チャンバー部分407の体積が減少すると、外側チャンバー408によって液体を下部チャンバー部分407から受け取ることができる。
【0131】
成層機400が液体405と粉粒体404との組み合わせを処理するために使用されている場合、流体補償システムが設けられていることから、図3a~3dの成層機300と比較して、ふるいプレート402をより高速で上向きおよび下向きに動かすことができ、それによって、液体405をふるい開口部に通過させて、液体405中でふるいプレート402の上向きおよび下向きの動きを可能にする必要はもはやない。
【0132】
図4a~4dの成層機400によって実施される処理ステップは、ふるいプレート402をより高速で動かして、それによって、成層または選別プロセスの効率を改善することができることを除いて、図3a~3dの成層機300によって実施されるステップと同様である。したがって、異なる密度を有する3種類の粉粒体404があり、これらの3種類の粉粒体はそれぞれ、液体405の密度よりも大きい密度を有し、ここで、使用される液体は水である。密度を変える添加剤を有する水を含む他の適切な液体も使用することができる。また、図4a~4dに図示されている処理プロセスでは、3種類の粉粒体は、液体405と一緒に成層チャンバー401に供給され、ここで、液体は、成層チャンバー401および外側チャンバー408の両方において設けられている。ここで、駆動システム403は、作動すると、ふるいプレート402を成層チャンバー401内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体405中の粉粒体404を運動させるまたは処理する。チャンバー401および408内の液体405の量は、粉粒体404を運動させるまたは処理するときに、粉粒体404がプレート402のこれらの上向きおよび下向きの動きの最中に液体によって完全に覆われることを確実にするのに十分な量でなければならない。
【0133】
図4aは、開始位置または休止位置にある成層機400を示しており、可動プレートふるい402は、外側チャンバー408の底部406の上方に距離を空けて第1の下方位置にあり、液体は、外側チャンバー408の底部406とプレートふるい402との間の下部チャンバー部分407に設けられており、その一方で、粉粒体404は、液体405中のプレートふるい402の上部かつ液体405の上面の下にある。この休止位置では、液体405の上面は、チャンバー401および408の両方で同じレベルに到達する。
【0134】
図4bでは、プレートふるい402は、駆動システム403によって比較的高い速度で第2の上方位置に上向きに動かされ、それによって、液体405中で粉粒体404を上向きに押す。この上向きの動きの最中に、プレート402のふるい開口部を通る液体405の通過は、粉粒体404によって部分的に妨げられ、液体405は、外側チャンバー408から下部チャンバー部分407に供給されて、下部チャンバー部分407内の圧力変化を安定させる。ここで、ふるいプレート402の上向きの動きがちょうど終了したとき、液体405の上面は、成層チャンバー401ではより高いレベルに到達し、その一方で、外側チャンバー408ではより低いレベルに到達する。
【0135】
図4cでは、プレートふるい402は、駆動システム403によって、比較的速い速度で、好ましくは、粉粒体404の少なくとも一部が液体405中で浮かんでからプレートふるい402の上部に沈降するほどの速度で、第1の下方位置に下向きに動かされる。この下向きの動きの最中に、液体405が下部チャンバー部分407から外側チャンバー408に供給されて、下部チャンバー部分407内の圧力変化を安定させる。ここで、ふるいプレート402の下向きの動きがちょうど終了したとき、液体405の上面は、成層チャンバー401ではより低いレベルに到達し、その一方で、外側チャンバー408ではより高いレベルに到達する。
【0136】
下向きの動きのそれぞれまたは少なくとも一部に続く休止期間または沈降期間を伴うプレートふるい402の一連または数回の上向きおよび下向きの動きの後に、粉粒体404は、図4dに図示されているように、成層または選別された状態でプレートふるい402の上部に沈降し始める。最も高い密度を有する粉粒体404は、最も低い位置に沈降し、中程度の密度を有する粉粒体404は、中間位置に沈降し、最も低い密度を有する粉粒体404は、上方位置に沈降する。図4dでは、成層機400は休止位置にあり、液体405の上面は、チャンバー401および408の両方で同じレベルに到達する。
【0137】
図5a~5dは、例示的な実施形態による第3の種類の成層または選別システムを使用することによって液体と粉粒体との組み合わせを処理するステップを図示する概略図である。
【0138】
図5a~5dは、例示的な実施形態による第3の種類の成層または選別機500を使用することによって液体505と粉粒体504との組み合わせを処理するステップを図示する概略図である。成層または選別機500は、機械500が成層機400の流体補償システムとは少し異なる流体補償システムを保持するという点で、図4a~4dの成層機400とは異なる。
【0139】
したがって、図5a~5dは、液体505と粉粒体504との組み合わせを保持するための側壁および底部506を有する成層または選別チャンバー501を有する成層機500を示す。ここでも、可動プレート502は、成層チャンバー501内に配置されており、ここで、可動プレート502は、成層チャンバーの501の1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、外縁と1つ以上の側壁との間の任意の距離は、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さい。可動プレート502は、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで粉粒体を可動プレートの上方または上部に維持する、プレートふるいである。駆動システム503は、可動プレート502を成層チャンバー501内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体505中の粉粒体504を運動させるまたは処理するために設けられている。駆動システム503は、成層チャンバー501の底部506の液密接続部を介して成層チャンバー501に移動可能に挿入されている。
【0140】
機械500は、ふるいプレート502の下面の下にある成層チャンバー501の側壁の下部に流体接続された、開放された上端部分および下端部分を有する1つ以上の外側流体パイプ508によって少なくとも部分的に形成された流体補償システムを保持している。可動プレート502は、チャンバー501の底部506の上方に距離を空けて配置されており、それによって、チャンバー501の底部506の上面と可動プレート502の下面との間に、下部チャンバー部分507が画定される。この下部チャンバー部分507は、成層チャンバー501内の可動プレート502の上向きまたは下向きの動きによって体積が変化する。
【0141】
したがって、成層チャンバー501、ふるいプレート502および外側流体パイプ508を配置することによって、流体補償システムが形成され、それによって、下部チャンバー部分507の体積が増加すると、液体505を外側流体パイプ508から下部チャンバー部分507に供給することができ、下部チャンバー部分507の体積が減少すると、外部流体パイプ508によって液体を下部チャンバー部分507から受け取ることができる。
【0142】
図5a~5dの成層機500によって実施される処理ステップは、図4a~4dの成層機400によって実施されるステップと同様である。したがって、異なる密度を有する3種類の粉粒体504があり、これらの3種類の粉粒体はそれぞれ、液体505の密度よりも大きい密度を有し、ここで、使用される液体は水である。密度を変える添加剤を有する水を含む他の適切な液体も使用することができる。また、図5a~5dに図示されている処理プロセスでは、3種類の粉粒体は、液体505と一緒に成層チャンバー501に供給され、ここで、液体は、成層チャンバー501および外側流体パイプ508の両方において設けられている。ここで、駆動システム503は、作動すると、ふるいプレート502を成層チャンバー501内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体505中の粉粒体504を運動させるまたは処理する。チャンバー501および流体パイプ508内の液体505の量は、粉粒体504を運動させるまたは処理するときに、粉粒体504がプレート502のこれらの上向きおよび下向きの動きの最中に液体によって完全に覆われることを確実にするのに十分な量でなければならない。
【0143】
図5aは、開始位置または休止位置にある成層機500を示しており、可動プレートふるい502は、成層チャンバー508の底部506の上方に距離を空けて第1の下方位置にあり、液体は、底部506とプレートふるい502との間の下部チャンバー507に設けられており、その一方で、粉粒体504は、液体505中のプレートふるい502の上部かつ液体505の上面の下にある。この休止位置では、液体505の上面は、チャンバー501および流体パイプ508で同じレベルに到達する。
【0144】
図5bでは、プレートふるい502は、駆動システム503によって比較的高い速度で第2の上方位置に上向きに動かされ、それによって、液体505中で粉粒体504を上向きに押す。この上向きの動きの最中に、プレート502のふるい開口部を通る液体505の通過は、粉粒体504によって部分的に妨げられ、液体505は、外側流体パイプ508から下部チャンバー部分507に供給されて、下部チャンバー部分507内の圧力変化を安定させる。ここで、ふるいプレート502の上向きの動きがちょうど終了したとき、液体505の上面は、成層チャンバー501ではより高いレベルに到達し、その一方で、外側流体パイプ508ではより低いレベルに到達する。
【0145】
図5cでは、プレートふるい502は、駆動システム503によって、比較的速い速度で、好ましくは、粉粒体504の少なくとも一部が液体505中で浮かんでからプレートふるい502の上部に沈降するほどの速度で、第1の下方位置に下向きに動かされる。この下向きの動きの最中に、液体505が下部チャンバー部分507から外側流体パイプ508に供給されて、下部チャンバー部分507内の圧力変化を安定させる。ここで、ふるいプレート502の下向きの動きがちょうど終了したとき、液体505の上面は、成層チャンバー501ではより低いレベルに到達し、その一方で、外側流体パイプ508ではより高いレベルに到達する。
【0146】
下向きの動きのそれぞれまたは少なくとも一部に続く休止期間または沈降期間を伴うプレートふるい502の一連または数回の上向きおよび下向きの動きの後に、粉粒体504は、図5dに図示されているように、成層または選別された状態でプレートふるい502の上部に沈降し始める。最も高い密度を有する粉粒体504は、最も低い位置に沈降し、中程度の密度を有する粉粒体504は、中間位置に沈降し、最も低い密度を有する粉粒体504は、上方位置に沈降する。図5dでは、成層機500は休止位置にあり、液体505の上面は、成層チャンバー501および流体パイプ508の両方で同じレベルに到達する。
【0147】
上記のように、液体305、405、505と粉粒体304、404、504との組み合わせを処理して粉粒体を成層して層にする場合、下向きの動きを終了してから液体305、405、505中での粉粒体304、404、504の新しい上向きの動きを開始するまで、休止期間または沈降期間があるものとする。この休止期間は、成層チャンバー301、401、501内の液体305、405、505の密度と最も高い密度を有する粉粒体304、404、504の密度との比率に従って決定される最小の長さを有し得る。iの前の休止期間は、少なくとも0.5秒であることが好ましい。
【0148】
処理または成層プロセス中に、可動プレート302、402、502の動きは、下方位置または休止位置と所定の第1の最大上方位置との間になるように制御され得て、第1の最大上方位置は、成層機300、400、500内の液体305、405、505および粉粒体304、404、504の量に基づいて決定され、それによって、可動プレート302、402、502が第1の最大上方位置に達すると、粉粒体304、404、504が全て液体305、405、505によって覆われることが確実になる。下方位置と第1の最大上方位置との間の距離は、成層機300、400、500内の液体305、405、505の総体積に対する粉粒体304、404、504の体積の比率に従って決定され得る。
【0149】
上向きの動きおよび下向きの動きの加速度および速度は、処理または成層の結果の効率に影響を与え得ることが見出された。ここで、上向きの動きおよび/または下向きの動きの加速度は、成層機300、400、500内の液体305、405、505の総体積に対する粉粒体304、404、504の体積の比率に従って決定され得る。また、上向きの動きおよび/または下向きの動きの速度は、成層機300、400、500内の液体305、405、505の総体積に対する粉粒体304、404、504の体積の比率に従って決定され得る。
【0150】
選別すべき粉粒体304、404、504が、図3~5に関連して記載されているプロセスのうちの1つに従って、対応する数の別個の層に成層されたら、選別された粉粒体304、404、504は、成層チャンバー301、401、501から排出される必要がある。次いで、排出された物質は、乾燥プロセスに曝され(図2の203を参照)、続いて、識別プロセスが行われ(図2の204)、選別された粉粒体が確実に分離され、最後に、分離された粉粒体は、詰め込みされ得る(図2の205)。
【0151】
図6a~6eは、例示的な実施形態による成層または選別機600システムを使用することによって処理される3つの異なる密度の粉粒体604a、b、cを排出および識別するステップを図示する概略図である。
【0152】
図6a~6cは、液体605と粉粒体604a、b、cとの組み合わせを保持するための成層チャンバー601を備える成層機600を示し、この成層チャンバー601は、側壁および底部606を有する。可動プレート602は、成層チャンバー601内に配置されており、ここで、可動プレート602は、成層チャンバーの601の1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、外縁と1つ以上の側壁との間の任意の距離は、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さい。可動プレート602は、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで粉粒体を可動プレートの上方または上部に維持する、プレートふるいである。駆動システム603は、可動プレート602を成層チャンバー601内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、液体605中の粉粒体604a、b、cを運動させるまたは処理するために設けられている。駆動システム603は、成層チャンバー601の底部の液密接続部を介して成層チャンバー601に移動可能に挿入されている。
【0153】
ふるいプレート602および駆動システム603は、図6aに図示されている排出システムの一部として機能する。図6aでは、粉粒体604a、b、cは、成層されて、3つの別個の層604a、604bおよび604cになった。最も高い密度を有する粉粒体604cは、最下層に沈降し、中程度の密度を有する粉粒体604bは、中間層に沈降し、最も低い密度を有する粉粒体604aは、上層に沈降する。
【0154】
排出プロセスの第1のステップは、駆動システム603を使用することによって、図6aに示されている位置までふるいプレート602を上昇させることであり、ここで、粉粒体604a、b、cを運ぶふるいプレート602は、液体の605表面よりも完全に上にある。ふるいプレート602は、粉粒体604a、b、cから液体を滴下させるために、この位置にしばらく保持され得る。
【0155】
排出プロセスの次のステップが図6bに示されており、このステップでは、ふるいプレート602は、矢印609によって示されているように、粉粒体604aの上層が成層チャンバー601の側壁よりも上にきて排出されるレベルまで上昇する。ここで、粉粒体604a、b、cは層ごとに排出され、ふるいプレート602がそれに応じて上昇する(図6cを参照)。排出された粉粒体604a、b、cを、コンベヤーベルト610上に動かすことができ、そこで、排出された粉粒体604a、b、cを、適切な密度識別システム611によって走査することができる。密度識別システム611は、中赤外線(MIR)タイプのデバイスを備え得る。
【0156】
ここには示されていないが、排出された粉粒体604a、b、cは、排出後に乾燥され得る。この目的のために、排出された粉粒体604a、b、cは、コンベヤーベルト610上で前方に動かされるときに、乾燥デバイスの下方に通され得る。
【0157】
図6dは、コンベヤーベルト610上で前方に動かされている粉粒体604aおよび604bの最初の2つの排出された層の上面図を示す。両方の密度の粉粒体604abの混合物がある遷移域が存在することから、最も低い密度の第1の粉粒体604aからより高い密度の次の粉粒体604bにおいて、急激な遷移はない。したがって、密度識別システム611は、排出された粉粒体604a、b、cのどの部分が第1の粉粒体604aのみを表すかを識別または特定することができ、次いで、この部分をコンベヤーベルト610から取り出して、第1の容器612に充填または詰め込みすることができる(図6eを参照)。密度識別システム611はまた、排出された粉粒体のどの部分が第1の粉粒体および第2の粉粒体604aおよび604bの混合物を表すかを識別または特定することができ、次いで、この混合物部分604abをコンベヤーベルト610から取り出して、再選別または再成層のために成層チャンバー601に返送することができる。次いで、混合部分604abを識別して取り出した後に、密度識別システム611は、排出された粉粒体604a、b、cのどの部分が第2の粉粒体604bのみを表すかを識別または特定することができ、次いで、この部分をコンベヤーベルト610から取り出して、第2の容器613に充填または詰め込みすることができる。
【0158】
このプロセスは、続く遷移域に対して繰り返され(図6eには図示せず)、この遷移域には、中程度の密度および最も高い密度の粉粒体の混合物部分604bcがあり、この混合物部分604bcも、コンベヤーベルト610から取り出して、再選別または再成層のために成層チャンバー601に返送される。次いで、最後に、密度識別システム611は、排出された粉粒体604a、b、cのどの部分が最も高い密度の第3の粉粒体604cのみを表すかを識別または特定することができ、次いで、この部分をコンベヤーベルト610から取り出して、第3の容器に充填または詰め込みすることができる。
【0159】
3つの異なる密度の成層された粉粒体604a、b、cが成層チャンバー601から完全に排出されたら、混合粉粒体604a、b、cの新しいバッチが、混合物部分604abおよび604bcと一緒に成層チャンバー601に充填されて、成層または選別、排出、識別および詰め込みのために処理され得る。
【0160】
図7は、例示的な実施形態によって粉粒体を処理するステップを図示する概要ブロック図である。第1のステップ701では、成層チャンバーを有する成層機械を保持するシステムが提供される。次いで、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体と、この粉粒体と組み合わせるべき液体とが供給され、ここで、異なる種類の粉粒体のうちの少なくとも2つは、液体の密度よりも大きい密度を有し、供給された粉粒体および液体は、成層チャンバーに充填される(ステップ702)。成層チャンバーを保持する成層機は、本明細書に記載されている機械300、400および500のうちの1つから選択され得て(図3、4および5を参照)、成層チャンバー401を保持する図4の成層機400が好ましい。
【0161】
ステップ703では、一連の上向きおよび下向きの成層動作が液体中の粉粒体にもたらされる。休止期間は、下向きの動きを終了してから液体中の粉粒体の新たな上向きの動きを開始するまで設けられ、この休止期間中に、粉粒体は液体中に沈降し得る。成層機400を使用する場合、上向きおよび下向きの動きは、プレートふるい402および駆動システム403によってもたらされる。休止期間または沈降期間を伴うプレートふるい402の一連の上向きおよび下向きの動きの後に、粉粒体は、成層または選別された状態でプレートふるい402の上部に沈降し始める。最も高い密度を有する粉粒体は、最も低い位置に沈降し、最も低い密度を有する粉粒体は、上方位置に沈降する。
【0162】
それから、ステップ703の結果である成層された粉粒体の層は、層ごとに成層チャンバーから排出される(ステップ704)。成層チャンバーから排出されるとき、粉粒体は、過剰な液体を取り除くために、任意選択的に乾燥プロセスに曝され得る(ステップ705)。次いで、粉粒体の異なる排出層が識別され(ステップ706)、続いて、密度差に従って粉粒体の包装が行われる(ステップ707)。排出、識別および包装は、図6a~6eに関連して本明細書に記載されているように実施され得る。
【0163】
第1の例では、廃棄ポリマー物質は、異なる密度を有する2種類のポリマーのみを含み、ポリマー物質は、PC-ABS(ポリカーボネート-アクリロニトリルブタジエンスチレン)とPOM(ポリメチレン)との組み合わせである。PC-ABSの密度は1.26g/cmであり、POMの密度は1.41g/cmである。図5a~5dに図示されている種類の成層機500が使用され、これについて、成層チャンバー501は、200Lまたは0.2mの容量を有していた。第1の例では、それぞれ11.25LのPC-ABSおよびPOMが成層または選別チャンバー501に供給され、続いて、150Lの水が供給される。
【0164】
成層プロセスは、成層または選別チャンバー501内の所定の選別動作に従って可動プレート502を動かすことを含む。所定の選別動作は、選別チャンバー501内での液体505を通る一連の垂直のアップストロークおよびダウンストロークを含む。垂直のアップストロークによって、選別すべき粉粒体504が上向きに押され、物質の粒504が液体505に対して動かされる。この相対的な動きによって、選別すべき粉粒体504の粒が、液体505および液体505中の選別すべき粉粒体504の他の粒に対するそれらの各密度(比重)に従って液体505中で動いて沈降する自然な傾向が補助される。選別すべき粉粒体504の粒において誘発される相対移動によって、液体505中の粒が通常は実質的に静的であったかもしれない領域に動きが生じるので、粒がそれらの比重に従って沈降するこの自然な傾向が補助される。同様に、ダウンストロークによって、液体505中での選別すべき粉粒体504の粒の動きが誘発され、それによって、粒の沈降、したがって、全体としての成層プロセスの効率にさらに影響が与えられる。
【0165】
実験によって、成層プロセスの効率に影響を与えるアップストロークおよびダウンストロークの振幅が示された。実験の結果はまた、アップストロークおよびダウンストロークの最適な振幅が、少なくとも部分的に、選別すべき粉粒体504の体積および成層または選別チャンバー501内の液体505の体積に依存することを示す。より重要なのは、アップストロークおよびダウンストロークの最適な振幅が、第1の選別チャンバー501内の液体505の体積に対する選別すべき粉粒体504の体積の比率に依存すると思われることである。これについての説明は、液体505の体積に対する選別すべき粉粒体504の体積の比率が大きいほど、選別すべき粉粒体504の粒がより密に詰め込まれることになり、個々の粒が、周囲の粒によってそれらの動きが制限されている(沈降が妨げられている)ことから、動いて沈降することがより困難であるということであろう。そのようなケースでは、アップストロークおよび/またはダウンストロークのより大きな振幅は、粒においてより多くの動きをもたらし、粒がそれらの密度に従って互いに動いて沈降し得ることから、成層プロセスにとって有益であり得る。しかしながら、選別すべき粉粒体504の体積が液体505の体積に比べて少ない場合、粒が、それほど密に詰まっておらず、かつ他の粒と比較してより容易に動いて、それらの密度に従って沈降することができ、したがって、粒が、液体505中で動いて沈降するためにわずかな刺激しか必要とされないことから、アップストロークおよび/またはダウンストロークのより小さな振幅が成層プロセスにとって最適であり得る。この場合、大きな振幅のアップストロークおよび/またはダウンストロークによって、粒がそれらの自然な沈降方向に逆らって動く可能性があり、異なる密度のすでに沈降した粒が再び混合されて成層プロセスに悪影響が与えられる可能性がある。したがって、成層または選別チャンバー501内の液体505の体積に対する選別すべき粉粒体504の体積の比率に従ってアップストロークおよび/またはダウンストロークの振幅が調整可能であることは、成層プロセスの最適な効率を達成するのに非常に有利であり得る。本明細書に記載されている第1の例では、アップストロークおよびダウンストロークの振幅は60mmである。
【0166】
本明細書に記載されている例のアップストロークおよびダウンストロークの振幅は等しいが、これは必須ではなく、アップストロークの振幅はダウンストロークの振幅とは異なっていてもよいことに留意されたい。さらに、例えば選別すべき粉粒体504が成層される程度に応じて、アップストロークおよび/またはダウンストロークの振幅が最適な成層効率のために選択され得ることから、後続のアップストロークおよび/またはダウンストロークは、先行するアップストロークおよび/またはダウンストロークとは異なる振幅を有し得て、成層プロセスの効率をさらに改善することができる。
【0167】
また、実験によって、ダウンストロークの速度および加速度が、選別すべき粉粒体504の粒の沈降に重大な影響を与え得ることから、特に重要であると示された。これは、ダウンストロークの速度および加速度が、生じる後流および可動プレート502を追う後流に対して、ならびに可動プレート502が液体505を通って下向きに動くときに可動プレート502の周りに生じ得る渦に対して影響を与える結果である可能性が最も高い。後流および渦の両方が粒の旋回を引き起こし、したがって、粒の自然な沈降に悪影響を与える可能性がある。したがって、可動プレート502のダウンストロークの加速度および速度が調整可能であることは、最適な効率のために成層プロセスが最適化可能であることについて重要である。同様に、アップストロークの速度および加速度を調整することができる。本明細書に記載されている第1の例では、アップストロークおよびダウンストロークの速度は60mm/sであり、アップストロークの加速度は800mm/sであり、ダウンストロークの加速度は650mm/sである。
【0168】
これに加えて、ダウンストロークを終了してからアップストローク(一時停止)を開始するまでの時間は、成層プロセスに対してその効率に大きな影響を与えることを示した。これは、一時停止によって、粒、特に成層または選別チャンバー501の上半分の粒が、下向きに動いて、それらの比重に従って沈降するための時間がもたらされ、それによって、成層プロセスの効率が改善されるためであると考えられる。したがって、これは、選別すべき粉粒体504の成層において重要な役割を果たす。同様に、アップストロークを完了してからダウンストロークを開始するまでの間の一時停止を調整することができると有利であり得る。本明細書に記載されている第1の例では、ダウンストロークを完了してからアップストロークを開始するまでの間に1秒の一時停止があり、アップストロークを完了してからダウンストロークを開始するまでの間に1秒の一時停止がある。
【0169】
上記のパラメータは全て、所定の選別動作の一部として調整および/または設定され得る。しかしながら、これらのパラメータは、成層プロセスの時間中に固定されていなくてもよく、例えば、成層プロセスの経過時間または経過サイクルに従って成層プロセスが進行するにつれて変化するように設定されていてもよい。このようにして、成層プロセスは、成層の状態に従ってさらに最適化され得る。
【0170】
成層プロセスの時間は、所定の選別動作の経過時間または経過サイクルに従って設定および調整され得る。本明細書に記載されている第1の例では、成層プロセスの時間は600秒である。
【0171】
成層プロセスが完了したら、選別すべき粉粒体504は、異なる密度の2つの異なる種類の物質、この場合はそれぞれPC-ABSおよびPOMに対応する選別すべき粉粒体504の2つの層に分離されるだろう。次いで、選別された粉粒体504の2つの層は、図6a~6eに関連して記載されているプロセスに従って、成層または選別チャンバー501から排出される。
【0172】
第2の例では、廃棄ポリマー物質は、異なる密度を有する2種類のポリマー物質を含む。ここで、ポリマーは、1.21g/cmの密度を有する30%の熱可塑性ポリウレタン(TPU)と、1.12g/cmの密度を有する70%のポリスチレン(PS)との組み合わせである。ポリマーは、薄いフレークから球形までの範囲の形状を有する2mm~30mmの範囲のサイズに造粒される。処理されるポリマー物質の総量は150kgである。図4a~4dに図示されている種類の成層機400が使用され、これについて、成層チャンバー401は、底部406から測定した場合、1000mmの内径および750mmの高さを有していた。可動プレート402は、直径1.5mmのふるい開口部を保持する999mmの直径を有していた。150kgのポリマー物質が成層チャンバーに充填され、650Lの水が成層チャンバー401および外側チャンバー408に充填された。
【0173】
第2の例は、2つの異なる処理プロセスを含み、これらは、可動プレート402の下向きの動きを終了してから可動プレート402の上向きの動きを開始するまでの休止期間または一時停止期間が異なるように、かつ可動プレート402の動きの振幅が異なるように実施された。
【0174】
第2の例の第1の処理プロセスは、2部に分けられ、第1部の可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
第1部の処理時間またはプロセス時間の総時間: 500秒
動きの振幅: 110mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 20mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 20mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:8秒
【0175】
第2の例の第1の処理プロセスの第2部について、可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
第2部の処理時間またはプロセス時間の総時間: 700秒
動きの振幅: 60mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 20mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 20mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:6秒
【0176】
したがって、第1の処理プロセスの総プロセス時間は、1200秒に等しい(500+700)秒であった。ここで、動きの振幅は、第1部から第2部で110mmから60mmに変化し、一時停止期間は、第1部から第2部で8秒から6秒に変化する。
【0177】
第2の例の第1の選別または処理プロセスの第1部および第2部の終了後に、より低い密度を有するポリスチレン(PS)の量およびより高い密度を有する熱可塑性ポリウレタン(TPU)の量を、成層または選別チャンバー内で、材料の最上層および材料の最下層について計算した。第1の処理プロセスの結果では、最上層に98.5%超のポリスチレン(PS)、最下層に98.5%超の熱可塑性ポリウレタン(TPU)が示された。これらの結果は、成功であると考えられる。
【0178】
第2の例の第2の処理プロセスについて、可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
処理時間またはプロセス時間の総時間: 1200秒
動きの振幅: 60mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 20mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 20mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:2秒
【0179】
第2の例の第2の処理プロセスの結果では、最上層に80%のポリスチレン(PS)、最下層に82%の熱可塑性ポリウレタン(TPU)が示された。この結果は、不十分であると考えられ、2秒の一時停止期間が、より重い粉粒体が成層または選別チャンバーの底部に完全に沈降するには小さ過ぎることを示す。
【0180】
第3の例では、廃棄ポリマー物質は、異なる密度を有する3種類のポリマー物質を含む。ここで、ポリマー物質は、1.41g/cmの密度を有する50%のポリオキシメチレン(POM)と、1.08g/cmの密度を有する25%のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)と、1.13g/cmの密度を有する25%のポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)との組み合わせである。ポリマーは、薄いフレークからチューブまでの範囲の形状を有する2mm~30mmの範囲のサイズに造粒される。処理されるポリマー物質の総量は150kgである。第2の例で使用されている成層機400は、第3の例でも使用されている。
【0181】
第3の例はまた、2つの異なる処理プロセスを含み、可動プレート402の下向きの動きを終了してから可動プレート402の上向きの動きを開始するまでの休止期間または一時停止期間が異なっており、可動プレート402の動きの振幅が異なっており、かつ可動プレート402の下向きの動きの速度が異なっている。
【0182】
第3の例の第1の処理プロセスも、2部に分けられ、第1部の可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
第1部の処理時間またはプロセス時間の総時間: 500秒
動きの振幅: 120mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 20mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 40mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:6秒
【0183】
第3の例の第1の処理プロセスの第2部について、可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
第2部の処理時間またはプロセス時間の総時間: 700秒
動きの振幅: 70mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 20mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 40mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:5秒
【0184】
したがって、第1の処理プロセスの総プロセス時間は、1200秒に等しい(500+700)秒であった。ここで、動きの振幅は、第1部から第2部で120mmから70mmに変化し、一時停止期間は、第1部から第2部で6秒から5秒に変化する。
【0185】
第3の例の第1の選別または処理プロセスの第1部および第2部の終了後に、より低い密度を有するアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)の量、中程度の密度を有するポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)の量、およびより高い密度を有するポリオキシメチレン(POM)の量を、成層または選別チャンバー内で、材料の最上層、材料の中間層、および材料の最下層について計算した。第1の処理プロセスの結果では、最上層に98.5%超のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、中間層に95.5%超のポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)、および最下層に98.5%超のポリオキシメチレン(POM)が示された。これらの結果は、成功であると考えられる。
【0186】
可動プレート402の動きの振幅が異なる2部に全処理プロセスを分けることによって、最終的な選別された製品について、改善された結果が得られ得ることが見出された。
【0187】
第3の例の第2の処理プロセスについて、可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
処理時間またはプロセス時間の総時間: 1200秒
動きの振幅: 80mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 20mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 20mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:6秒
【0188】
第3の例の第2のプロセスの結果では、最上層に77%のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、中間層に70%のポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)、および最下層に82%のポリオキシメチレン(POM)が示された。この結果は、不十分であると考えられ、休止期間が6秒であることを示し、これは、第3の例の第2のプロセスに使用される5秒よりも長いが、これは、40mm/sから20mm/sに下げられるダウンストロークの速度低下を補うのに十分ではない。第3の例の最も重い材料であるPOMの密度が1.41g/cmである一方で、第2の例の最も重い材料であるTPUの密度は1.21g/cmであることが分かり、これは、より重い材料の場合、ダウンストローク速度が、より軽い材料に比べて速くなるはずであることを示し得る。
【0189】
第4の例では、廃棄ポリマー物質は、異なる密度を有する3種類のポリマー物質を含む。ここで、ポリマーは、プロセスでの液体として使用される水の密度よりも低い0.93g/cmの密度を有する20%のポリエチレン(PE)と、1.38g/cmの密度を有する70%のポリエチレンテレフタレート(PET)と、1.52g/cmの密度を有する10%のゴムとの組み合わせである。PEおよびPETポリマーは、薄いフレークからチューブまでの範囲の形状を有する2mm~30mmの範囲のサイズに造粒される。ゴム片は、直径5mmおよび長さ1mm~20mmの範囲の中実円筒形を有する。処理されるポリマー物質の総量は150kgである。第2および第3の例で使用されている成層機400は、第4の例でも使用されている。150kgのポリマー物質が成層チャンバーに充填され、650Lの水が成層チャンバー401および外側チャンバー408に充填された。
【0190】
第4の例は、2部に分けられた1つの処理プロセスを含む。ポリエチレン(PE)は水よりも低い密度を有するので、PEは水において上部に浮き、その一方で、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびゴムは水中に落ちる。したがって、選別または処理プロセスの第1部では、PEと、PETと、ゴムとの混合物を水中で少し振って、全てのPEが最上層に浮くこと、およびゴムが最下層に落下したことを確認する必要がある。したがって、プロセスの第1部では、より大きな振幅およびより長い一時停止期間が必要とされる。第1部の可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
第1部の処理時間またはプロセス時間の総時間: 1000秒
動きの振幅: 120mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 30mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 40mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:5秒
【0191】
第4の例の処理プロセスの第2部について、可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
第2部の処理時間またはプロセス時間の総時間: 1000秒
動きの振幅: 55mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 30mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 40mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:1秒
【0192】
したがって、処理プロセスの総プロセス時間は、2000秒に等しい(1000+1000)秒であった。ここで、動きの振幅は、第1部から第2部で120mmから55mmに変化し、一時停止期間は、第1部から第2部で5秒から1秒に変化する。
【0193】
第4の例の選別または処理プロセスの第1部および第2部の終了後に、より低い密度を有するポリエチレン(PE)の量、中程度の密度を有するポリエチレンテレフタレート(PET)の量、およびより高い密度を有するゴムの量を、成層または選別チャンバー内で、材料の最上層、材料の中間層、および材料の最下層について計算した。処理プロセスの最終的な結果では、最上層に99%超のポリエチレン(PE)、中間層に98.5%超のポリエチレンテレフタレート(PET)、最下層に90%超のゴムが示された。これらの結果は、成功であると考えられる。
【0194】
第5の例では、廃棄ポリマー物質は、異なる密度を有する3種類のポリマー物質を含む。ここで、ポリマー物質は、1.04g/cmの密度を有する35%のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)と、1.2/cmの密度を有する35%のポリカーボネート(PC)と、1.4g/cmの密度を有する30%のポリオキシメチレン(POM)との組み合わせである。ポリマーは、薄いフレークからチューブまでの範囲の形状を有する2mm~30mmの範囲のサイズに造粒される。処理されるポリマー物質の総量は150kgである。第2、第3および第4の例で使用されている成層機400は、第5の例でも使用されている。150kgのポリマー物質が成層チャンバーに充填され、650Lの水が成層チャンバー401および外側チャンバー408に充填された。
【0195】
第5の例は、3部に分けられた1つの処理プロセスを含む。これらの3つの部は、液体中の粒状ポリマーの3つの一連の上向きおよび下向きの動きを保持し、これらの一連のものは、可動プレート402の下向きの動きを終了してから可動プレート402の上向きの動きを開始するまでの休止期間または一時停止期間が異なっており、可動プレート402の動きの振幅が異なっており、かつ可動プレート402の下向きの動きの速度が異なっている。
【0196】
第5の例の場合、第1部または第1の一連の動きについての可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
第1部の処理時間またはプロセス時間の総時間: 600秒
動きの振幅: 110mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 20mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 20mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:8秒
【0197】
第5の例の処理プロセスの第2部または第2の一連の動きについて、可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
第2部の処理時間またはプロセス時間の総時間: 600秒
動きの振幅: 90mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 20mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 30mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:6秒
【0198】
第5の例の処理プロセスの第3部または第3の一連の動きについて、可動プレート402の動きのデータは、以下の通りである。
第2部の処理時間またはプロセス時間の総時間: 1000秒
動きの振幅: 60mm
アップストロークまたは上向きの動きの速度: 40mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの速度: 40mm/s
アップストロークまたは上向きの動きの加速度: 1500mm/s
ダウンストロークまたは下向きの動きの加速度: 1500mm/s
下向きの動きと上向きの動きとの間の一時停止期間:3秒
【0199】
したがって、第5の例の処理プロセスの総プロセス時間は、2200秒に等しい(600+600+1000)秒であった。ここで、動きの振幅は、第1部から第2部および第3部で、110mmから90mmおよび60mmに変化および減少し、一時停止期間は、第1部から第2部および第3部で、8秒から6秒および3秒に変化および減少する。また、可動プレート402の下向きの動きの速度は、第1部から第2部および第3部で、20mm/sから30mm/sおよび40mm/sに増加することによって変化する。
【0200】
第5の例の選別または処理プロセスの第1部、第2部および第3部の終了後に、より低い密度を有するアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)の量、中程度の密度を有するポリカーボネート(PC)の量、およびより高い密度を有するポリオキシメチレン(POM)の量を、成層または選別チャンバー内で、材料の最上層、材料の中間層、および材料の最下層について計算した。処理プロセスの結果では、最上層に99.5%超のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、中間層に99.5%超のポリカーボネート(PC)、および最下層に99.5%超のポリオキシメチレン(POM)が示された。これらの結果は、成功であると考えられる。
【0201】
図8は、例示的な実施形態による成層機もしくは装置または選別機もしくは装置の概略図である。図8の成層機は、側壁801によって画定された長方形の形状であり、かつ0.2mの容量を有する、成層または選別チャンバー800を保持している。可動プレート802は、成層または選別チャンバー800の内側に配置されており、プレート802の外縁と側壁801との間の任意の距離は、処理すべき粉粒体の最小粒径よりも小さい。駆動シャフト805は、成層または選別チャンバー800の土台812の開口部を介して可動プレート802に接続されており、チャンバーシール900によってシールされている(図9を参照)。チャンバーシール900は、土台812の開口部に配置されており、成層または選別チャンバー800およびシャフト805の両方に対してシールして、液体が成層または選別チャンバー800から逃げるのを防止する。シャフト805は、シャフトコネクタ811を介してリニア駆動ユニット807に接続されている。これによって、可動プレート802を動かすことができ、可動プレート802の動作の制御および調整が可能になる。ここには示されていないが、成層または選別機の制御および操作の容易さを改善するために、ディスプレイを有する制御ユニットが設けられてもよい。
【0202】
成層機装置の底部は、4つの調整可能な脚部808を含み、これらの脚部によって機械を調整して、これが水平であることを確実にすることができる。機械の側面は、ユーザが成層または選別チャンバー800を検査および/または充填することを可能にする段809を有する乗降部810を備える。
【0203】
成層または選別チャンバー800に選別すべき粉粒体および液体が充填され、成層プロセスが開始されたら、リニア駆動ユニット807は、所定の選別動作に従って、シャフト805を駆動し、それから可動プレート802を駆動する。可動プレート802は、プレートふるいであり、選別すべき粉粒体の最小粒径よりも小さい開口部を含み、そのようにして液体のみを通過させる。結果として、可動プレート802は、アップストローク中に、選別すべき粉粒体を上向きに動かし、選別すべき物質の粒を、液体および選別すべき物質の他の粒に対して動かす。ダウンストローク時に、可動プレート802は、選別すべき粉粒体の粒において下向きの動きを生み出し、これによって、粒は、液体および選別すべき物質の他の粒に対して動かされる。選別すべき物質の粒のこの動きおよび相対的動作は、粒がそれらの各密度に従って沈降することを可能にし、そのようにして、密度に従った粒の成層および選別を生じさせる。
【0204】
図9は、第1の例示的な実施形態による、図8の成層システム機もしくは装置または選別システム機もしくは装置で使用するためのチャンバーシール900の縦断面図である。この実施形態のチャンバーシール900は、上部ハウジング本体900aおよび下部ハウジング本体900bの形態の2つの部品から作製されている。上部ハウジング本体900aは、設置時にシャフト805に対してシールするワイパーシール901を含み、成層または選別チャンバー800からの汚染物質が、シャフト805とチャンバーシール900との間でチャンバーシール900に入るのを防止する。成層または選別チャンバー800の土台812に対してシールし、チャンバーシール900と成層または選別チャンバー800との間で液体などが漏れるのを防止するために、上部ハウジング本体900aは、対応する溝内に配置された一対のOリング903を備える。上部ハウジング本体900aを固定するために、下部ハウジング本体900bの貫通穴907と一致する一連のねじ穴906が設けられている。下部ハウジング本体900bは、その上部に、成層または選別チャンバー800の土台812の底部に対してシールするためのOリング903を備える。これの下に、シャフト805に対してシールするように、かつ汚染物質が下部ハウジング本体900bに入るのをさらに防止するように、ワイパーシール901が配置されている。これの下に、シャフト805と下部ハウジング本体900bとの間をシールするロッドシール902が設けられている。シャフト805のガイドを補助するために、ロッドシール902の下方およびリニアボールベアリング(図示せず)の上方に、ガイドリング904が配置されている。リニアボールベアリングはまた、シャフト805をガイドすることを補助し、シャフト動作の効率を改善する。下部ハウジング本体905の底部、すなわち、リニアボールベアリング(図示せず)の下方には、下部ハウジング本体900b内にアセンブリを固定するために、保持リングの形態の保持要素905が配置されている。
【0205】
この実施形態では、チャンバーシール900は、上部ハウジング本体900aを土台812の開口部の上部と整列させ、次いで、下部ハウジング本体900bを土台812の開口部の底部と整列させ、それによって、上部および下部ハウジング本体900aおよび900bのねじ穴906および貫通穴907もそれぞれ整列し、次いで、ボルトを各貫通穴907に通し、これらを対応するねじ穴906に固定することによって、成層または選別チャンバー800に固定される。
【0206】
図10は、第2の例示的な実施形態による、図8の成層機もしくは装置または選別機もしくは装置で使用するためのチャンバーシール1000の縦断面図である。チャンバーシール1000は、1つのハウジング本体1000aのみを備える。これは、成層または選別チャンバー800の土台812の上部に対してシールするためのOリング1003を備える。チャンバーシール900と同様に、チャンバーシール1000は、ワイパーシール1001と、ロッドシール1002と、ガイドリング1004と、リニアボールベアリング(図示せず)と、ハウジング本体1000aの底部にある保持リングの形態の保持要素1005とを備えており、これらは全て、チャンバーシール900について先に説明したのと同じ機能を果たす。
【0207】
この実施形態では、チャンバーシール1000は、ハウジング本体1000aを土台812の開口部に通して上部から摺動させ、それによって、フランジ1010が土台812の上部に当接し、かつねじ穴1006が、土台812に延在する対応する穴と整列し、次いで、ボルトを土台812の対応する穴に通してねじ穴1006に固定することによって、成層または選別チャンバー800に固定される。
【0208】
本発明を本明細書の様々な実施形態と併せて説明してきた。しかしながら、本図面、本開示および添付の特許請求の範囲を調べることで、開示されている実施形態の他の変形形態が、特許請求されている発明を実践する当業者によって理解および実施され得る。請求項において、「含む」という単語は、他の要素またはステップを除外しておらず、不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外していない。
図1
図2
図3a-3d】
図4a-4b】
図4c-4d】
図5a-5b】
図5c-5d】
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2020-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムであって、前記粉粒体が、最小粒径以上であり、かつ異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、前記2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、前記液体の前記密度よりも大きい密度を有し、前記システムが、
液体と粉粒体との前記組み合わせを保持するための成層または選別チャンバーであって、1つ以上の側壁を有する前記成層または選別チャンバーと、
前記成層または選別チャンバー内に配置された可動プレートであって、前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、前記外縁と前記1つ以上の側壁との間の任意の距離が、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さく、また前記可動プレートが、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで前記粉粒体を前記可動プレートの上方または上部に維持するプレートふるいである、前記可動プレートと、
前記可動プレートを前記成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、前記液体中の前記粉粒体を運動させるまたは処理するための駆動システムであって、前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記側壁の下の底部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、前記底部の上面と前記可動プレートの下面との間に下部チャンバー部分が画定され、前記下部チャンバー部分が、前記成層または選別チャンバー内の前記可動プレートの上向きまたは下向きの動きによって体積が変化する、駆動システムと、を備える成層機を備える、システムにおいて、
前記成層機が、前記下部チャンバー部分に流体接続され、かつ前記下部チャンバー部分への液体の送達および前記下部チャンバー部分からの液体の受け取りを行うように構成されており、それによって、前記下部チャンバー部分の体積が増加すると、液体を前記下部チャンバー部分に供給することができ、前記下部チャンバー部分の体積が減少すると、液体を前記下部チャンバー部分から受け取ることができる、流体補償システムをさらに備える、ことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記駆動システムが、前記可動プレートを排出高さまで上向きに持ち上げるように構成可能であり、この高さでは、前記粉粒体の少なくとも一部または全てが、前記成層チャンバー内の前記液体の表面の上方に持ち上げられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
液体と粉粒体との組み合わせを処理するためのシステムであって、前記粉粒体が、最小粒径以上であり、かつ異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、前記2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、前記液体の前記密度よりも大きい密度を有し、前記システムが、
液体と粉粒体との前記組み合わせを保持するための成層または選別チャンバーであって、1つ以上の側壁を有する前記成層または選別チャンバーと、
前記成層または選別チャンバー内に配置された可動プレートであって、前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、前記外縁と前記1つ以上の側壁との間の任意の距離が、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さく、また前記可動プレートが、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さいふるい開口部を有することで前記粉粒体を前記可動プレートの上方または上部に維持するプレートふるいである、前記可動プレートと、
前記可動プレートを前記成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、前記液体中の前記粉粒体を運動させるまたは処理するための駆動システムと、を備える成層機を備える、システムにおいて、
前記駆動システムが、前記可動プレートを排出高さまで上向きに持ち上げるように構成可能であり、この高さでは、前記粉粒体の少なくとも一部または全てが、前記成層チャンバー内の前記液体の表面の上方に持ち上げられる、ことを特徴とする、システム。
【請求項4】
前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記側壁の下の底部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、前記底部の上面と前記可動プレートの下面との間に下部チャンバー部分が画定され、前記下部チャンバー部分が、前記成層または選別チャンバー内の前記可動プレートの上向きまたは下向きの動きによって体積が変化し、
前記成層機が、前記下部チャンバー部分に流体接続され、かつ前記下部チャンバー部分への液体の送達および前記下部チャンバー部分からの液体の受け取りを行うように構成されており、それによって、前記下部チャンバー部分の体積が増加すると、液体を前記下部チャンバー部分に供給することができ、前記下部チャンバー部分の体積が減少すると、液体を前記下部チャンバー部分から受け取ることができる、流体補償システムをさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記成層または選別チャンバーの上側部分または上部が、空気が自由に入るように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記駆動システムが、前記成層または選別チャンバー内での前記液体を通る一連の垂直のアップストロークおよび垂直のダウンストロークを含む成層動作または選別動作に従って前記可動プレートを動かすように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間に、前記可動プレートの前記動きを一時停止するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間に、少なくとも0.5秒、例えば少なくとも1秒または例えば少なくとも1.5秒の一時停止を保持するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きまたはダウンストロークを完了してから上向きの動きまたはアップストロークを開始するまでの間の一時停止の長さを調整するように構成可能である、請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記駆動システムが、前記可動プレートの上向きの動きの加速度を調整するように構成可能であり、および/または
前記駆動システムが、前記可動プレートの上向きの動きの速度を調整するように構成可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きの加速度を調整するように構成可能であり、および/または
前記駆動システムが、前記可動プレートの下向きの動きの速度を調整するように構成可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記駆動システムが、前記成層または選別チャンバー内の前記液体の体積に対する選別すべき前記粉粒体の体積の比率に従って前記可動プレートの前記動きの振幅を調整するように構成可能である、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記駆動システムが、下方位置または休止位置と第1の最大上方位置との間の前記可動プレートの前記動きの前記振幅を制御するように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の最大上方位置が、前記成層チャンバー内の液体および粉粒体の量に基づいて決定され、それによって、前記可動プレートが前記第1の最大上方位置に達すると、前記粉粒体が全て前記液体によって覆われることが確実になる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記駆動システムが、前記可動プレートの前記動きの前記振幅を制御するように再構成可能である、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記液体の前記密度よりも大きい密度を有する前記少なくとも2種類の粉粒体が、前記最小粒径と前記最大粒径との間の比率の定義された範囲内の粒径を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
比率の前記定義された範囲が、前記最小粒径と前記最大粒径との間で、1:1の比率~1:100の比率である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムが、前記成層チャンバー内の前記液体から前記粉粒体を排出するための排出システムをさらに備え、前記排出システムが、前記成層チャンバー内の前記液体の前記表面の上方に持ち上げられた前記粉粒体の最上層を排出するように構成されている、請求項2~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記排出システムが、前記粉粒体の前記最上層を繰り返し排出するように構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムが、異なる密度の粉粒体を識別するための密度識別システムをさらに備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記密度識別システムが、前記排出システムから出される粉粒体の画分間の密度の変化を識別するように構成されている、請求項20および請求項18または19に記載のシステム。
【請求項22】
前記粉粒体がポリマー粉粒体を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
液体と粉粒体との組み合わせを処理するための方法であって、前記粉粒体が、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、前記方法が、
1つ以上の側壁を有する成層または選別チャンバーを設けることと、
前記組み合わせに使用すべき、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体と液体とを供給することであって、前記2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、前記液体の前記密度よりも大きい密度を有することと、
供給された粉粒体と前記供給された液体とを前記成層または選別チャンバー内で組み合わせることと、
前記液体中で前記粉粒体の一連の上向きおよび下向きの動きをもたらすことであって、前記下向きの動きの少なくとも一部について、前記液体中で前記粉粒体が沈降するための前記下向きの動きを終了してから前記液体中での前記粉粒体の新たな上向きの動きを開始するまで、休止期間があることと、を含む、方法において、
前記液体中の前記粉粒体の前記一連の上向きおよび下向きの動きが、少なくとも第1および第2の一連の上向きおよび下向きの動きに分けられ、
前記第1および第2の一連の前記動きの両方の前記下向きの動きの少なくとも一部について、前記液体中で前記粉粒体が沈降するための前記下向きの動きを終了してから前記液体中の前記粉粒体の新たな上向きの動きを開始するまで、休止期間があり、
前記休止期間が、前記第1の一連の動きから前記第2の一連の動きで異なり、および/または
前記第1の一連の動きが、前記第2の一連の動きの前記上向きの動きの振幅とは異なる前記上向きの動きの前記振幅を有する、ことを特徴とする、方法。
【請求項24】
前記方法が、前記処理された粉粒体の少なくとも一部または全てが前記液体から分離される排出プロセスをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記粉粒体が、ある高さまで上向きに持ち上げられ、この高さでは、前記粉粒体の少なくとも一部または全てが、前記成層チャンバー内の前記液体の表面の上方に持ち上げられる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
液体と粉粒体との組み合わせを処理するための方法であって、前記粉粒体が、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体を含み、前記方法が、
1つ以上の側壁を有する成層または選別チャンバーを設けることと、
前記組み合わせに使用すべき、異なる密度を有する2種類以上の粉粒体と液体とを供給することであって、前記2種類以上の粉粒体のうちの少なくとも2つが、前記液体の前記密度よりも大きい密度を有することと、
前記供給された粉粒体と前記供給された液体とを前記成層または選別チャンバー内で組み合わせることと、
前記液体中で前記粉粒体の一連の上向きおよび下向きの動きをもたらすことであって、前記下向きの動きの少なくとも一部について、前記液体中で前記粉粒体が沈降するための前記下向きの動きを終了してから前記液体中での前記粉粒体の新たな上向きの動きを開始するまで、休止期間があることと、を含む、方法において、
前記方法が、前記処理された粉粒体の少なくとも一部または全てが前記液体から分離される排出プロセスをさらに含み、前記粉粒体が、ある高さまで上向きに持ち上げられ、この高さでは、前記粉粒体の少なくとも一部または全てが、前記成層チャンバー内の前記液体の表面の上方に持ち上げられる、ことを特徴とする、方法。
【請求項27】
前記液体中の前記粉粒体の前記一連の上向きおよび下向きの動きが、少なくとも第1および第2の一連の上向きおよび下向きの動きに分けられ、
前記第1および第2の一連の前記動きの両方の前記下向きの動きの少なくとも一部について、前記液体中で前記粉粒体が沈降するための前記下向きの動きを終了してから前記液体中の前記粉粒体の新たな上向きの動きを開始するまで、休止期間があり、
前記休止期間が、前記第1の一連の動きから前記第2の一連の動きで異なり、および/または
前記第1の一連の動きが、前記第2の一連の動きの前記上向きの動きの振幅とは異なる前記上向きの動きの前記振幅を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記休止期間が、前記成層チャンバー内の前記液体の前記密度と最も高い密度を有する前記粉粒体の前記密度との前記比率に従って決定される最小の長さを有する、請求項23~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記液体中の前記粉粒体の新たな上向きの動きを開始する前の前記休止期間が、少なくとも0.5秒、例えば少なくとも1秒、例えば少なくとも1.5秒である、請求項23~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の一連の動きが、前記第2の一連の動きの前に実施され、前記第1の一連の動きの前記休止期間が、前記第2の一連の動きの前記休止期間よりも長い、請求項23~25または請求項27~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の一連の動きが、前記第2の一連の動きの前に実施され、前記第1の一連の動きの前記上向きの動きの前記振幅が、前記第2の一連の動きの前記上向きの動きの前記振幅よりも大きい、請求項23~25または請求項27~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の一連の動きが、前記第2の一連の動きの前に実施され、前記第1の一連の動きによる前記液体と前記粉粒体との前記組み合わせの処理の総時間が、前記第2の一連の動きによる前記液体と前記粉粒体との前記組み合わせの処理の前記総時間以下である、請求項23~25または請求項27~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記提供される少なくとも2種類の粉粒体が最小粒径以上である、請求項23~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記液体の前記密度よりも大きい密度を有する前記提供される少なくとも2種類の粉粒体が、前記最小粒径と前記最大粒径との間の比率の定義された範囲内の粒径を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
可動プレートが前記成層または選別チャンバー内に設けられて配置されており、前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記1つ以上の側壁に近接して配置された外縁を有し、前記外縁と前記1つ以上の側壁との間の任意の距離が、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さく、前記可動プレートが、前記粉粒体を前記可動プレートの上方または上部に維持するように構成されており、前記方法が、
前記可動プレートを前記成層または選別チャンバー内で垂直の上向きおよび下向きの動きで動かし、それによって、前記液体中の前記粉粒体の前記一連の上向きおよび下向きの動きをもたらすこと、をさらに含む、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記可動プレートが、処理すべき前記粉粒体の前記最小粒径よりも小さいふるい開口部を有するプレートふるいであり、それによって、前記可動プレートが、前記粉粒体を前記可動プレートの上方または上部に維持しながら前記液体中で上下に動くことができる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記可動プレートが、前記成層または選別チャンバーの前記側壁の下の底部の上方に距離を空けて配置されており、それによって、前記底部の上面と前記可動プレートの下面との間に下部チャンバー部分が画定され、前記下部チャンバー部分が、前記成層チャンバー内の前記可動プレートの上向きまたは下向きの動きによって体積が変化し、
前記下部チャンバー部分に流体接続され、かつ前記下部チャンバー部分への液体の送達および前記下部チャンバー部分からの液体の受け取りを行うように構成されており、それによって、前記可動プレートの前記上向きの動きによって前記下部チャンバー部分の体積が増加すると、液体を前記下部チャンバー部分に供給することができ、前記可動プレートの前記下向きの動きによって前記下部チャンバー部分の体積が減少すると、液体を前記下部チャンバー部分から受け取ることができる、流体補償システムが提供される、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記可動プレートの前記動きが、下方位置または休止位置と所定の第1の最大上方位置との間にあるように制御され、
前記第1の最大上方位置が、前記成層チャンバー内の液体および粉粒体の量に基づいて決定され、それによって、前記可動プレートが前記第1の最大上方位置に達すると、前記粉粒体が全て前記液体によって覆われることが確実になる、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記下方位置と前記第1の最大上方位置との間の前記距離が、前記成層チャンバー内の前記液体の体積に対する前記粉粒体の体積の前記比率に従って決定される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
比率の前記定義された範囲が、前記最小粒径と前記最大粒径との間で、1:1の比率~1:100の比率である、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記粉粒体を前記液体から分離するために、前記可動プレートが、排出高さまで上向きに動かされ、この高さでは、前記粉粒体の全てが、前記成層チャンバー内の前記液体の前記表面の上方に持ち上げられる、請求項35および請求項25または26に記載の方法。
【請求項42】
前記排出プロセスが、前記成層チャンバーから、前記液体の前記表面の上方に持ち上げられた前記粉粒体の最上層を除去することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記排出プロセスが、前記成層チャンバーから前記粉粒体の最上層を繰り返し除去することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記方法が、異なる密度の粉粒体を識別するための密度識別プロセスをさらに含む、請求項249~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
密度プロセスが、前記排出プロセス中に前記成層チャンバーから除去される粉粒体の画分間の密度の変化を識別することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記粉粒体がポリマー粉粒体を含む、請求項23~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
界面活性剤が、前記組み合わせに使用するために供給される前記液体に添加されるか、またはその一部である、請求項23~46のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】