(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】ブレスレットの長さを微調整する装置並びに少なくとも1つのこのような装置を備えたブレスレット
(51)【国際特許分類】
A44C 5/24 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
A44C5/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532984
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(85)【翻訳文提出日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 IB2019060611
(87)【国際公開番号】W WO2020121191
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501099611
【氏名又は名称】パテック フィリップ ソシエテ アノニム ジュネーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ル ギャル エリク
(57)【要約】
ブレスレットの長さを微調整するための装置は、ブレスレットの2つの要素の間に挿入されることを意図し、2つの要素の一方に取り付けられるように配置された外部分と、他の要素に取り付けられ、ブレスレットの長手方向に平行に外部分においてスライドさせてブレスレットの長さを変化させるように配置された内部分と、
外部分に対して内部分の移動を制限し、ブレスレットが最大長さを超えて延伸できないように配置された停止手段(33a、35a、33b、35b)と、を備え、
外部分は更に、その内側に固定孔(37)を有する壁(29)を含み、内部分は、第1の端部(27)を有する枢動レバー(23)を含み、該第1の端部は、外部分の壁(29)の方向にバネによって付勢されて、レバー(23)の第1の端部(27)が固定孔(37)に係合して、相対位置にて外部分に対して内部分を固定し最大長さよりも短い特定の長さをブレスレットに与えるように配置され、内部分はまた、レバー(23)を手動で制御して、折り畳み端部(27)を固定孔(37)から移動させて内部分を外部分から取り外すように配置される。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレスレット(1)の長さの微調整装置(15、17)であって、前記ブレスレットの2つの要素の間に挿入されることを意図しており、
前記2つの要素のうちの一方に取り付けられるように配置された外部分(5)と、
前記ブレスレットの他方の要素に取り付けられ、前記ブレスレット(1)の長手方向に平行に前記外部分内でスライドして、前記ブレスレットの長さを変化させるように配置された内部分と、
前記外部分(5)に対して前記内部分の移動を制限し、前記ブレスレットが最大長さを超えて延伸できないように配置された停止手段(33a、35a、33b、35b;135b)と、
を備えた、微調整装置において、
前記外部分は更に、その内側に少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)を有する壁(29)を含み、
前記内部分は、前記少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)と協働して、少なくとも1つの相対位置にて前記内部分を前記外部分に対して固定して前記ブレスレットに特定の長さを与えるように配置されたフック手段(23、27;123、127)を含み、
前記フック手段は、前記少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)と協働して、前記内部分と前記外部分を共に固定的に取り付けるように配置された第1の端部(27;127)を備え、
前記内部分は、前記内部分を前記外部分から取り外すために手動で作動させることができる制御部材(53;153)を含む、
ことを特徴とする、微調整装置。
【請求項2】
前記制御部材は、指からの圧力によって作動するように配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の微調整装置。
【請求項3】
前記外部分(5)の壁は、前記少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)が形成される上面(29;129)を含み、
前記フック手段は、前記上面に垂直であり且つブレスレット(1)の長手方向軸を含む平面内で枢動するように配置されたレバー(23;123)と、前記外部分(5)の壁(29;129)の方向に前記レバーの第1の端部を付勢し、前記レバー(23;123)を前記少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)と協働させるように配置されたバネ(25)と、を備え、前記レバーの前記第1の端部は、前記フック手段の第1の端部を形成する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の微調整装置。
【請求項4】
前記制御部材は、前記第1の端部(27;127)の反対側の前記レバー(23;123)の第2の端部(53;153)によって形成される、ことを特徴とする請求項3に記載の微調整装置。
【請求項5】
前記微調整装置は、下側を含み、前記レバー(23;123)は、前記レバー(23;123)の第1の端部(27;127)が前記少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)に係合しているときに、前記下側から突出するように、前記内部分のハウジング(21;121)内に配置されている、ことを特徴とする請求項4に記載の微調整装置。
【請求項6】
前記レバー(23;123)の第1の端部(27;127)は、負の逃げ角を有するように湾曲している、ことを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載の微調整装置。
【請求項7】
前記ブレスレット(1)は、少なくとも1つの開閉カバー(5、7)を含む折り畳み型クラスプ(3)を備えており、その間に微調整装置が挿入されることを意図された前記ブレスレット(1)の2つの要素(5、7)は、それぞれ、前記クラスプ(3)によって及び前記ブレスレット(1)のストラップ(11)の端部(63;163)によって形成されており、
前記微調整装置は、前記ストラップ(11)の端部(63;163)を前記内部分に取り付けるように配置された固定手段(60、61、65、67;161、165)を含み、前記微調整装置の前記外部分(5)は、前記クラスプ(3)の開閉カバーにより形成される、
ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の微調整装置。
【請求項8】
前記内部分は、前記外部分の縁部(59;159)と協働して、前記外部分に対して前記内部分の移動を制限し、前記ブレスレット(1)を最小長さより短くできないようにするよう配置された補助ストップ(55;155)を備える、ことを特徴とする、請求子う1~7の何れか1項に記載の微調整装置。
【請求項9】
前記内部分は、両側で互いに反対側に配置された2つのボア(41a、41b)を有し、前記補助ストップ(55;155)は、前記2つのボア(41a、41b)の間に同軸に配置された貫通孔を備えた少なくとも1つの固定アーム(57a、57b)を含み、前記補助ストップ(55;155)は、前記ブレスレット(1)の長さに垂直に配向され且つ前記貫通孔及び2つのボアに挿入されるピン(45;145)を用いて前記内部分に固定される、ことを特徴とする請求項8に記載の微調整装置。
【請求項10】
前記補助ストップ(55;155)が前記外部分の縁部(59;159)に当接しているときに、前記内部分と前記外部分との相対位置は、前記レバー(23;123)の第1の端部(27;127)が、前記少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)の1つと協働して、前記外部分に対して前記内部分を固定するようなものであり、前記相対位置は、前記ブレスレット(1)に最小長さに等しい特定の長さを与える、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の微調整装置。
【請求項11】
前記外部分の壁(29;129)の内側は、補助孔(39;139)を有し、前記停止手段(33a、35a、33b、35b;135b)が、前記ブレスレット(1)が更に延伸するのを防ぐように協働する位置にあるとき、前記内部分と前記外部分の相対位置は、前記レバー(23;123)の前記第1の端部(27;127)が、前記補助孔(39;139)と協働して前記外部分に対して前記内部分を固定するようなものであり、前記相対位置は、前記ブレスレット(1)に最大長さを与える、ことを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の微調整装置。
【請求項12】
前記外部分(5)は、逆「U」字型のプロファイルを有し、その断面は実質的に均一である、ことを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の微調整装置。
【請求項13】
前記外部分(5)の壁は、前記少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)が形成された上面(29;129)を含み、前記2つの対向する側面(31a、31b)、前記上面及び側面は、前記ブレスレット(1)の長手方向に平行な平面内に延びる、ことを特徴とする請求項12に記載の微調整装置。
【請求項14】
前記内部分には、両側に配置された2つの側面ランナー(35a、35b;135b)が設けられ、前記外部分(5)の壁の2つの側面(31a、31b)の内側に形成された2つのガイド溝(33a、33b)と協働できるようになっている、ことを特徴とする請求項13に記載の微調整装置。
【請求項15】
前記ブレスレット(1)が時計ブレスレットである、ことを特徴とする請求項1~14の何れか1項に記載の微調整装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)が止まり穴である、ことを特徴とする請求項1~15の何れか1項に記載の微調整装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの固定孔(37;137a、137b)及び前記レバー(23;123)の第1の端部(27;127)は、前記内部分が前記外部分(5)に対して長手方向の遊びなしで配置されるような形状にされる、ことを特徴とする請求項15に記載の微調整装置。
【請求項18】
前記ブレスレットは、リンク付きのブレスレットであり、前記微調整装置の寸法は、前記ブレスレットのリンクの寸法と実質的に同じであることを特徴とする、請求項1~17の何れか1項に記載の微調整装置。
【請求項19】
請求項1から18の何れか1項に記載の少なくとも1つの微調整装置を含むブレスレット。
【請求項20】
前記微調整装置を2つ含む、ことを特徴とする請求項19に記載のブレスレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、ブレスレットの長さを微調整する装置であって、上記装置は、ブレスレットの2つの要素の間に挿入されることを意図しており、2つの要素のうちの一方の要素に取り付けられるように配置された外部分と、ブレスレットの他方の要素に取り付けられ、ブレスレットの長手方向に平行に上記外部分においてスライドして、ブレスレットの長さを変化させるように配置された内部分と、外部分に対して内部分の移動を制限し、ブレスレットが最大長さを超えて延伸できないように配置された停止手段と、を備え、外部分は更に、その内側に少なくとも1つの固定孔を有する壁を備え、内部分は、フック手段と、フック手段を上記少なくとも1つの固定孔にて係合させるように配置されたバネとを備え、少なくとも1つの相対位置にて内部分を外部分に対して固定可能にして特定の長さをブレスレットに与えるようにする。本発明は、詳細には、時計用ブレスレットの2つの要素の間に挿入されることを意図したこのような微調整装置に関し、特に、少なくとも1つの開閉カバーを含む折り畳みタイプのクラスプを備えたブレスレットの一部を形成することを意図したこのような微調整装置に関する。
【0002】
第2の態様によれば、本発明は、その長さを微調整する少なくとも1つの装置を含むブレスレットに関する。
【背景技術】
【0003】
上記で与えられた定義に対応するブレスレットの長さを微調整するための装置は既知である。特に、スイス特許第699067号では、上面と互いに対して対称で且つ2つのボアを各々が有する2つの側面とを含む少なくとも1つの開閉カバーを含む折り畳みタイプのクラスプを備えたブレスレット用微調整装置が記載されている。クラスプの開閉カバーは、クラスプと微調整装置の一部を同時に形成し、微調整装置はまた、開閉カバーの内側にスライド方式で収納されるように配置されたベースサポートを備える。ベースサポートは、側面の各々に2つのボアのうちの1つと選択的に協働するように配置された固定手段を備える。各側面は2つの孔を含むので、微調整装置により、2つの異なるブレスレットの長さから選択することを可能にすることは理解されるであろう。固定手段は、ブレスレットのストラップをベースサポートに取り付けるのに役立つバーを含み、その両端には更に、ボールキャッチを備えている。バーは、ベースサポートに装着されて、2つのボールが、サポートの側部に設けられた開口部を通って両側に突出しているようになる。ベースサポートは、2つの側面の間をスライドするように開閉カバーに収納されるので、2つのキャッチのボールは、それぞれのバネによってカバーの2つの側面の内側の方向に恒久的に押しつけられることは理解されるであろう。カバー内のベースサポートの位置が、2つのボールがボアの両側に各々配置されるようなものである場合、ベースサポートがカバーに対して固定されるように、これらのボールはこれらのボアに部分的に係合される。ボールがブレスレットの最短長さに関連付けられたボアのペアにて係合されている場合、ボールが係合しているボアを離れてカバーの側面の内側に接して転動し、ボアの他のペアにて係合状態になるようにするためには、ブレスレットのストラップの1つを引っ張るので十分である。この既知の微調整装置の利点の1つは、ブレスレットの着用者がブレスレットを外さずに片手でブレスレットの長さを伸ばすことができることである。しかしながら、ここで説明した機能が必ずしも有利であるとは限らないことは理解されるであろう。実際に、この既知の微調整装置が取り付けられたブレスレットの着用者は、衝撃を受けた結果として、又は単に手首を曲げることによってもブレスレットの延伸を意図せずに開始するというリスクがある。
【0004】
欧州特許出願公開第2875747号は、この問題を克服する方法を提案している。欧州特許出願公開第2875747号は、プレアンブルの定義に従って、ブレスレットの長さを微調整する装置について記載している。この装置の外部分は、上面の内側に配置されたラックを含み、内部分は、キャッチの形態のフック手段と、並びにキャッチをラックに対して付勢するように配置されたバネとを含む。ラックの歯の配置は非対称である。ブレスレットの着用者が、この内部分を外部分に更に深く押し込むように内部分に固定取り付けされたブレスレットストラップに力を加えると、バネに抗して枢動させることによりラックの歯の1つがキャッチをはじき、キャッチがラックから係合解除されるようになる。従って、内部分は、ブレスレットの短縮に対応する方向に自在にスライドできる。逆に、ブレスレットの着用者が、ブレスレットの延伸に対応する方向にブレスレットストラップに力を加えた場合、この力は効果をもたらさない。実際に、キャッチは、ラックの非対称歯の1つの歯の他方の側と協働することにより、内部分と外部分の間のロックを確実にする。ここで説明した特徴は必ずしも有利であるとは限らないことは、理解されるであろう。実際に、この微調整装置が取り付けられたブレスレットの着用者は、ブレスレットの取り扱いが十分に正確ではない場合、ブレスレットを過度に短くして、緩めるためにクラスプを開かなければならない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】スイス特許第699067号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2875747号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第3162241号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、ここで説明した従来技術の欠点を克服することである。本発明は、添付の請求項1によるブレスレットの長さを微調整するための装置を提供することによって、この目的並びに他の目的を達成する。
【0007】
本明細書において、(ブレスレットの長さを微調整するための装置の)「長手方向軸」という表現は、ブレスレットの2つの要素の間に装置が挿入されたときにブレスレットの長手方向軸と一致する上記装置の軸を示す。同様に、上記装置の特定の部分は、ブレスレットの外側及び内側をそれぞれ基準として、「上部」及び「下部」としてみなすことができる。
【0008】
本発明によれば、内部分は、スライドと、スライドのハウジング内で枢動方式で配置されたレバーとを含み、レバーは、フック手段の一部を形成し、外部分の壁の方向でバネによって付勢されるように配置された第1の端部を有して、レバーが少なくとも1つの固定孔と協働可能にして、外部分に対して少なくとも1つの位置で内部分を固定的に取り付け、最大長さよりも短い特定の長さをブレスレットに与え、内部分は、レバーが挿入されている固定孔から第1の端部を遠ざけるためにレバーの手動制御を可能にするよう配置された制御部材を含み、内部分を外部分から係脱する。
【0009】
従って、本発明によれば、外部分は、少なくとも1つの固定孔を含むが、ラックが取り付けられていないことは特に理解される。更に、レバーが固定孔と協働している限り、内部分と外部分は互いに固定的に取り付けられる。内部分を外部分から係脱するためには、手動で制御部材を作動させて、レバーの折り畳み端部を固定孔から離れて移動させる必要がある。従って、本発明の第1の利点は、偶発的な衝撃又は手首の激しい屈曲により、ブレスレットの偶発的な延伸が引き起こされるリスクがないことである。第2の利点は、時計の着用者がブレスレットを閉じた時点で、ブレスレットの長さを変更できないことである。従って、過度に締め付けすぎて、再度開放しなければならないリスクはない。
【0010】
本発明の1つの特定の実施形態によれば、外部分の壁は、上記少なくとも1つの固定孔が形成される上面を含む。更に、レバーは、上面に垂直で且つブレスレットの長手方向軸を含む平面内で枢動するように配置される。
【0011】
本発明の別の特定の実施形態によれば、内部分は、外部分に対する内部分の移動を制限してブレスレットの長さが最小長よりも短くできないように外部分の縁部と協働するように配置された補助ストップを備え、この後者の実施形態の有利な変形形態によれば、最小長は特定の長さに等しい。従って、この有利な変形形態によれば、補助ストップは、レバー及び固定孔と協調して作用し、相対位置の外部分に関して内部分を固定して、ブレスレットに最小の長さを与えることが理解されるであろう。本実施形態の利点の1つは、固定孔とレバーとの整合の最適化を提供して、内部分が外部分に対して長手方向の遊びなしで配置される可能性をもたらすことである。
【0012】
上記の実施形態の別の有利な変形形態によれば、スライドは、片側及び互いに反対側に配置された2つのボアを有し、補助ストップは、2つのボアの間に同軸に配置された貫通孔を備えた少なくとも1つの固定アームを備える。最後に、補助ストップは、ブレスレットの長さに垂直に配向され且つ貫通孔及び2つの孔に挿入されるピンの助けを借りてスライドに固定される。補助ストップが内部分の残りの部分から分離されて、微調整装置を分解できるようにしなければならないことは理解されるであろう。上記の変形形態に関連する利点は、補助ストップ及びスライドの組み立て及び分解が特に容易であることである。最後に、ピンは、レバーの枢動軸の機能も果たすことが好ましい。この後者の変形形態の利点の1つは、微調整装置の組み立て又は分解の作業が、更に簡素化されることである。この変形形態によれば、レバーは、ブレスレットの長手方向軸に垂直な軸の周りを回転するように配置されていることが更に理解されるであろう。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、単に非限定的な実施例として与えられ、添付図面を参照しながら以下の説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】ブレスレットの短い構成の微調整装置を示す、本発明の第1の実施形態による、展開型バタフライバックルクラスプ及び微調整装置のペアが取り付けられたブレスレットの外側の斜視図である。
【
図1B】ブレスレットの長い構成の微調整装置を示す、本発明の第1の実施形態による、展開型バタフライバックルクラスプ及び微調整装置のペアが取り付けられたブレスレットの外側の斜視図である。
【
図2A】展開構成のブレスレットのクラスプのバックルを示した
図1A及び1Bのブレスレットの内側の斜視図であり、ブレスレットの短い構成の微調整装置を示している。
【
図2B】展開構成のブレスレットのクラスプのバックルを示した
図1A及び1Bのブレスレットの内側の斜視図であり、ブレスレットの長い構成の微調整装置を示している。
【
図3A】1A、1B、2A及び2Bの微調整装置のうちの1つの装置のカバーを示す下からの斜視図である。
【
図3B】
図1A、1B、2A及び2Bの微調整装置のうちの1つの装置のスライドを示す下からの斜視図である。
【
図4A】ブレスレットの短い構成の微調整装置を示す、カバーの上面の外層が省略された
図1A、1B、2A及び2Bの微調整装置のうちの1つの装置の切り欠き斜視図である。
【
図4B】ブレスレットの長い構成の微調整装置を示す、カバーの上面の外層が省略され
図1A、1B、2A及び2Bの微調整装置のうちの1つの装置の切り欠き斜視図である。
【
図5A】固定孔にそれぞれ係合してそこから離れて移動するレバーの第1の端部を示す、断面はレバーが枢動する平面で取られた、
図1A、1B、2A及び2Bのブレスレットの2つの微調整装置のうちの1つの装置の2つの断面図である。
【
図5B】固定孔にそれぞれ係合してそこから離れて移動するレバーの第1の端部を示す、断面はレバーが枢動する平面で取られた、
図1A、1B、2A及び2Bのブレスレットの2つの微調整装置のうちの1つの装置の2つの断面図である。
【
図5C】補助孔に係合したレバーの第1の端部を示す、
図5A及び5Bのものと同様の断面図である。
【
図8A】ブレスレットの短い構成における微調整装置を示す、
図6の平面B-Bにおける2つの断面図である。
【
図8B】ブレスレットの長い構成における微調整装置を示す、
図6の平面B-Bにおける2つの断面図である。
【
図9A】ブレスレットの短い構成の微調整装置を示す、レバーが枢動する平面で断面が取られた、本発明の第2の実施形態による微調整装置の断面図である。
【
図9B】ブレスレットの中間の構成の微調整装置を示す、レバーが枢動する平面で断面が取られた、本発明の第2の実施形態による微調整装置の断面図である。
【
図9C】ブレスレットの長い構成の微調整装置を示す、レバーが枢動する平面で断面が取られた、本発明の第2の実施形態による微調整装置の断面図である。
【
図10A】2つの微調整装置が本発明の第1の実施形態の変形形態による、ブレスレットは異なるモデルのものであり、ブレスレットの外側の
図1A及び1Bのものと同様の斜視図である。
【
図10B】2つの微調整装置が本発明の第1の実施形態の変形形態による、ブレスレットは異なるモデルのものであり、ブレスレットの外側の
図1A及び1Bのものと同様の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1A、1B、2A及び2Bは、展開型バタフライバックルクラスプ3が取り付けられたブレスレット1の斜視図である。クラスプ3は、
図1A及び1Bでは閉位置で示され、
図2A及び2Bでは開位置で示されている。従来の方法では、クラスプ3は、ベースストリップに連接された2つの対称枢動ストリップと、2つの枢動ストリップの端部に枢動方式で取り付けられた2つの開閉ハーフカバー(それぞれ5と7を参照)と、2つの押しボタン(9を参照)を使用して作動できる安全装置と、を備える。全体的に従来の方法では、2つのハーフカバー5、7は、ブレスレットが閉じているときに、互いに対面して位置するように配置されている。「閉鎖エッジ」19a(又は19b)は、以下では、
図1A及び1Bにおいて他方のハーフカバーの閉鎖エッジに面するハーフカバーの一方又は他方のエッジを指すものとする。折り畳みタイプのクラスプは、当業者にはよく知られている。このことが、本発明の実施例のクラスプ3について詳細に説明しない理由である。安全折り畳みクラスプの例は、欧州特許出願公開第3162241号に記載されている。この文献は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0016】
図示の例では、2つのハーフカバー5及び7はまた、本発明の第1の実施形態による第1及び第2の微調整装置(それぞれ15及び17を参照)を介してブレスレットの2つのストラップ11、13にそれぞれ取り付けられている。2つの微調整装置は、同一にすることができ、以下でより詳細に説明する内容に従って、これらの存在により、ブレスレット1の長さを(短い)基本長と(長い)快適長との間で調整することが可能になる。
図1A及び2Aは、ブレスレットの基本長に関連付けられた構成の2つの微調整装置15、17を備えたブレスレットを示しており、
図1B及び2Bは、快適長に関連付けられた構成の2つの装置を備えたブレスレットを示している。図を考慮することで分かるように、微調整装置15及び17の寸法は、ブレスレット1のリンクの寸法と実質的に同じである。この寸法の均一性により、均質な要素から形成されたブレスレット、ひいては均質なブレスレットを製造することが可能になる。
【0017】
図3A~8Bは、
図1A、1B、2A及び2Bのブレスレット1の2つの微調整装置15及び17のうちの1つをより詳細に示す図である。本発明によれば、微調整装置は、外部分と、ブレスレットの長手方向に平行に外部分にてスライドするように配置された内部分と、を備える。本実施例に係る実施形態によれば、クラスプ3の2つの開閉ハーフカバー5、7は各々、ハーフカバーが関連付けられる微調整装置(それぞれ15及び17)の外部分の機能を果たしている。本発明によれば、図示の微調整装置の内部分は、ハウジング21を含むスライド20を備え、更にハウジング21内に配置される、レバー23(
図5A、5B及び5Cに示す)及びバネ25(
図6及び7に示す)を備え、レバーは、以下でより詳細に見られるように、内部分が外部分に対して固定化されることを可能にするように配置された第1の端部27を有する。
【0018】
図3Aは、外部分5の下から見た斜視図である。この図を詳細に参照すると、外部分は一般に、逆「U」字型のプロファイルを有し、その断面が実質的に均一であることが分かる。逆U字の基部は、ハーフカバーの上面29により形成され、2つの直立部は、2つの対向する側面31a及び31bにより形成される。ハーフカバー5の上面29の内側は、複数の中空構造が形成された肥厚部を有することが分かる。これらの中でもとりわけ、ブレスレットの長手方向に細長い形状を有するアパーチャ33aを最初に見ることができる。アパーチャ33aの細長い端部の1つは、ベースを形成する閉鎖端部であり、一方、反対側の端部は開いており、閉鎖縁部19aを通って外側に出ている。アパーチャ部33aは、ハーフカバーの側面31aの内側に隣接しており、側面の下に短い距離でも延びて、この面の基部にて側方誘導溝を形成することが分かる。本実施例によれば、ハーフカバー5は対称である。従って、上面29の内側はまた、側面31bに隣接する細長い形状の第2のアパーチャ33b(特に
図4A及び4Bで見ることができる)を有し、従って
図3Aでは見ることができないことが理解される。
図3Aはまた、本明細書で「固定孔37」と呼ぶ第1の止まり孔37と、以下で「補助孔39」と呼ばれるより小さい第2の止まり孔39とを示しており、これらは、上面29の側面に形成され、孔37及び39は、ブレスレットの長手方向に対して横方向に細長い形状を有する。更に、カバー5の上面はまた、閉鎖縁部19aとは反対の縁部に設けられた矩形の窪み59を有することが分かる。
【0019】
図3Bは、微調整装置の内部分のスライド20の下からの斜視図である。スライドは、外部分の2つの側面31a、31bの間に挿入できるように寸法が決められた主要部と、より狭い接続部(参照60)とを含むことが分かる。また、スライド20は、ブレスレットの長手方向軸に平行な対称面に対して対称であり、スライドの中央に配置されたハウジング21が、スライドの下側から開いていることが分かる。依然として同じ図を参照すると、スライド20の主要部の縁部はまた、ハウジング21の延伸部として配置された中央ノッチ51を含むことが分かる。スライド20の対称面は、ノッチ51の中央を通過していることが理解されるであろう。以下でより詳細に分かるように、ノッチ51は、レバー23の第1の端部27の通過を可能にすることを意図した開口部を構成する。更に、スライドの主要部は、ハウジング21の両側に同軸に配置された2つのボア41a、41bを含み、接続部60は、ボア41a及び41bの共通軸に平行に延びる横ボア61を有することが分かる。最後に、スライド20はまた、外部分のアパーチャ33a及び33bの内側をスライドするようにそれぞれ配置された2つの横方向ランナー35a及び35bを有する。特に、微調整装置の組み立て中に、内部分を外部分5に入れるために、横方向ランナー35a、35bは、これらの丸みのある端部によってアパーチャ33a、33bの開放端部に導入されることは理解されるであろう。横方向のランナー35a、35bがアパーチャに挿入されると、スライド20は、アパーチャによって外部分の内側に横方向及び垂直方向に保持される。しかしながら、スライドは、ブレスレットの長手方向と平行に自在にスライドできる。
図3A及び3Bを同時に参照すると、ランナー35a及び35bの丸みのある端部の形状が、アパーチャ33a、33bの基部の形状と相補的であり、従って、各アパーチャの基部が、スライド20を停止するために設けられるストップを構成する。従って、本実施例に関連する実施形態によれば、スライド20を停止するために設けられるストップは、取り付けられた部品ではなく、対照的に、ハーフカバー5と一体的に形成されることに留意することが重要である。同様に、ランナー35a、35bは、取り付けられた部品ではない。これらは、実際には、スライド20と一体的に形成されている。これらの特徴は、装置の堅牢性の向上に貢献し、装置をより堅固にすることは理解される。
【0020】
図4A及び4Bは、本実施例の微調整装置の斜視図である。これらの図は、ブレスレットの基本長及び快適長にそれぞれ関連付けられた2つの構成の装置を示している。
図4A及び4Bの図は切り欠き図である点に留意されたい。実際に、装置の動作の理解を容易にすることを目的として、カバーの上面29の外側は図示されていない。この省略により、上面の内側に形成された中空構造を表示することができる。
【0021】
図5A、5B及び5Cは、
図1A、1B、2A及び2Bのブレスレットの2つの微調整装置のうちの1つの装置の3つの断面図であり、断面は、
図4A及び4Bの平面A~Aで取られている。本実施例が関連する実施形態によれば、レバー23の第1端部27は湾曲しており、固定孔37又は補助孔39と選択的に協働するように配置されて、それぞれブレスレットの基本長及びその快適長に関連する2つの相対位置の何れかに微調整装置の内部分をその外部分に対して固定することを可能にすることが分かる。これに関連して、
図5A及び5Bは、固定孔37にそれぞれ係合して、これから離れて配置されたレバー23の湾曲端部27を示していることが分かる。
図5Cについては、補助孔39にて係合されたレバーの第1の端部を示している。本発明によれば、内部分は更に、レバー23の手動制御を可能にして、第1端部27を固定孔から離れて移動させ、微調整装置の内部分を外部分から切り離すことができるように配置された制御部材を備える。本実施例が関連する実施形態によれば、レバー23は、互いに対向する2つの端部を備える。これらの端部の第1の端部は湾曲端部27であり、これらの端部の第2の端部は、平面端部53である。この第2の端部は、手動操作可能な制御部材として機能して、ユーザーが平面端部53を押すことによりレバー23を枢動させ、バネ25に張力を加え(
図7)、固定孔37又は補助孔39から湾曲端部27を解放することができるように配置される。レバー23が解放された状態で微調整装置が
図5Bに示す構成で配置されると、バネ25が、レバー23の端部27を突然に固定孔37に押し込み、可聴の「クリック」音が聞こえると、
図5Aに示すように、レバーが初期位置に戻ったことをユーザーに警報することができる。
【0022】
1つの有利な変形形態(図示せず)によれば、内部分に固定的に取り付けられたブレスレットストラップに作用する可能性のある力が、この内部分を外部分に更に深く押し込んで、これによりブレスレットが短くなるようにするときに、補助孔39の壁は、レバー23の端部27を補助孔39内に保持できるように傾斜されている。この変形形態による補助孔の形状により、偶発的な短縮化のリスクを回避することがでる。
【0023】
図6は、
図4Bの平面B-Bでの断面図である。
図6と
図5A、5B、及び5Cの何れかとを同時に参照すると、レバー23が枢動するようにその周りに配置される軸は、ノッチピン45と減速管47の組立によって形成されることが分かる。減速管は、スライド20のボア41bに打ち込まれ、ノッチピン45が、スライドを一方の側から他方の側に通過するように配置されている。従って、ノッチピン45は、ボア41a、ハウジング21、及びボア41bに打ち込まれる減速管47を通って横方向に延びる。ノッチピン45のヘッドは、ボア41a内に収容され、反対側ではピンの反対側の端部が減速管47の内側に保持される。更に、図示のように、ハウジング21の内部では、ピン45は、バネ25の2つの螺旋部分のうちの第1の部分を通り、次いでレバー23を通るボア43、及びバネ25の他の螺旋部分を連続して通過する。本実施例が関連する実施形態によれば、レバー23の湾曲端部27は、固定孔37又は補助孔39と選択的に協働して、ブレスレットの基本長及び快適長にそれぞれ関連付けられた2つの相対位置の何れかにて外部分に対して内部分を固定できるように配置されている。
【0024】
図7は、
図6の平面D-Dでの断面図である。
図6及び
図7は、微調整装置のバネ25を詳細に示している。既に述べたように、レバー23及びバネ25は、スライド20のハウジング内に配置されている。
図6をより詳細に参照すると、レバー23は、ノッチピン45によって形成される軸上に取り付けられており、また、レバー自体の両側に平行に配置された2つの横方向支持体49a、49bを有することが分かる。また、バネ25は、レバー23の中央部の幅に実質的に対応する距離だけ互いに離間して配置された2つの螺旋部分を有し、貫通するノッチピン45を有することは理解できる。バネ25の2つの螺旋部分は、「U」字形を形成する湾曲中間部分(見えない)によって互いに接続されている。更に、バネ25はまた、互いに平行に且つ螺旋部分の軸を横切って延びる2つの真っ直ぐな末端部分を含む。
図6及び
図7を依然として参照すると、バネ25は、レバー23と重なるように取り付けられて、その2つの末端部分は、それぞれ2つの横方向支持体49a、49bにくさび留めされることは理解できる。更に、バネ25がレバー23に取り付けられると、その「U字型」の中間部分は、スライド20の上面を構成する壁部分の内側に当接するように配置されることが理解されるであろう。バネ25のU字型部に壁部によって加わる反力は、バネの末端部分を介してレバー23に伝達され、レバーの湾曲端部27が、ハウジング51によって形成されたアパーチャを通って、外部分品5の上面29の方向に付勢されることが理解される。
【0025】
図8A及び8Bは、
図6の平面E-Eにおける2つの断面図であり、ブレスレットの基本長及び快適長にそれぞれ関連する2つの構成の微調整装置を示している。最初に、
図8A及び8Bには、ブレスレットストラップ11のエンドリンク63(
図1A、1B、2A、及び2B)も示していることが分かり、また、微調整装置のスライド20及びエンドリンク63が互いに連接されていることが分かる。図示の実施形態によれば、スライド20は、外部分の2つの側面31a、31bの間に挿入されるように配置された主要部と、より狭い接続部(参照60)とを備える。エンドリンク63とスライド20との間の連接運動は、スライドの接続部60の横方向ボア61に挿入されるピン65及び管体(図示せず)を使用して従来の方法で達成される。
【0026】
再び
図4A、4B、5A、5B、5C及び
図6を参照すると、内部分はまた補助ストップを含むことが分かる。補助ストップは、基本的に、外部分の上面29の厚みに近い厚さの矩形プレート55と、プレートに垂直に配置され且つ各々が貫通孔を有する2つの固定アーム57a、57b(
図6)とから構成されている。
図4A及び
図4Bに示すように、矩形プレート55は、スライド20の上面に配置され、2つの固定アーム57a、57bは、スライド20の上面の開口を介してハウジング21に入る。
図6では、固定アームの端部が各々、バネ25の螺旋部分の一方とハウジング21の2つの側壁の一方との間の空間に収容されるようになることが分かる。更に、ピン45が2つの貫通孔を通過し、ピン及び2つの固定アーム57a、57bによって補助ストップ55がスライド上の所定位置に保持されようになることが分かる。
図4A、
図4B又は
図1Bを詳細に参照すると、外部分の上面29の窪み59の幅は、補助ストップを形成する矩形プレート55を受け入れるのに適していることが分かる。これらの条件下では、内部分を外部分において閉鎖縁部19aの方向にスライドさせると、矩形プレート55が窪み59の中に更に深く挿入され、最終的には基部に当接して内部分が外部分から完全に出ることができないようになることが理解される。従って、本実施例が関連する実施形態によれば、内部分を外部分から分解するためには、最初にピン45を取り外し、補助ストップの2つの固定アーム57a、57bを解放する必要があることが理解される。固定アームが解放されると、矩形プレート55をスライド20から分離して、最終的に内部分を外部分から取り外すことができるようにすることが可能である。
【0027】
既に述べたように、微調整装置の外部分は、クラスプの枢動ストリップの1つに連接されており、一方、装置の内部分は、その接続部60によってブレスレットのストラップに取り付けられている。このように、
図8A及び8Bを詳細に参照すると、ブレスレット1の長さは、内部分を外部分で閉鎖縁部19aの方向にスライドさせると短くなり、逆に、微調整装置の内部分を反対方向にスライドさせると、ブレスレットの長さが長くなることが理解できる。更に、外部分の内側での内部分の移動は両方向で制限される。
図8Bに示すように、2つのランナー35a、35bの丸みのある端部がアパーチャ33a、33bの基部に当接するときの外部分に対して内部分により占められる位置は、ブレスレット1の長さが最大となる微調整装置の構成に対応する。逆に、矩形プレート55の縁部が窪み59の基部に当接するときの外部分に対して内部分により占められる位置(
図1A)は、ブレスレットの長さが最小となる微調整装置の構成に対応する。ここで
図5Aも参照すると、本実施例が関連する実施形態によれば、レバー23の湾曲端部27が固定孔37に係合されたときに、矩形プレート55は、窪み59の基部に当接した状態にあることが分かる。更に、
図4B及び5Cを同時に参照すると、レバー23の湾曲端部27が補助孔39に係合しているときには、2つのランナー35a及び35bがアパーチャ33a、33bの基部に当接した状態にあることは理解されるであろう。従って、本発明の第1の例示的な実施形態によれば、ブレスレットの基本長さは、その最小長さに対応し、快適長さは、ブレスレットの最大長さに対応することを理解できる。本実施例によれば、調整装置は、2つの異なるブレスレットの長さにそれぞれ関連付けられた2つの安定した構成のみを有する。
【0028】
図9A、9B及び9Cは、本発明の第2の実施形態による微調整装置の3つの断面図である。この第2の実施形態は、
図1A~8Bに関連して上述した第1の実施形態と共通の多くの特徴を備える。第1の実施形態の要素と同一又は類似した
図9A、9B及び9Cの調整装置の要素は、同じ参照番号で100増えた番号によって示される。
【0029】
図9A、9B及び9Cは、本発明の第2の実施形態による微調整装置の3つの断面図である。この第2の実施形態は、
図1A~8Bに関連して上述した第1の実施形態と共通の多くの特徴を備える。第1の実施形態の要素と同一又は類似した
図9A、9B及び9Cの調整装置の要素は、同じ参照番号で100増えた番号によって示される。
【0030】
本実施例の微調整装置を
図1A~8Bに関連して説明したものと区別する限られた数の特徴の中でもとりわけ、最も重要なものは、本実施例によれば、装置の外部分の上面129の内側には、(2つではなく)3つの止まり孔を有することであると考えることができる。従って、以下により詳細に見られるように、本実施例の微調整装置は、3つの異なるブレスレット長にそれぞれ関連付けられた3つの安定した構成を有することは理解できる。
図9A、9B、9Cを依然として参照すると、実質的に同じ深さの2つの第1止まり孔があり、以下、「第1固定孔137a」と「第2固定孔137b」と呼ぶ。更に、深さがより浅い第3の止まり孔があり、以下「補助孔139」と呼ばれることになる。
【0031】
第2の実施形態によれば、レバー123の第1の端部127は、2つの固定孔137a及び137bのうちの1つと、又は補助孔139と選択的に協働して、微調整装置の内部分が、ブレスレットの短い長さ、中間の長さ、及び長い長さにそれぞれ関連する3つの相対位置の何れかで外部分に対して固定できるようになる。ここで、
図9Aをより具体的に参照すると、本実施例が関係する実施形態によれば、レバー123の湾曲端部127が第1の固定孔137aに係合しているときに、矩形のプレート155は、窪み159の基部と当接状態にあることが分かる。更に、レバー123の湾曲端部127が補助孔139(
図9C)に係合しているときに、アパーチャ133a、133bの基部に当接しているのは2つのランナー135a、135bであることが理解されるであろう。従って、第2の実施形態によれば、レバー123が補助孔139と協働する微調整装置の構成は、ブレスレットの最大長に関連付けられ、レバーが第1の固定孔137aと協働する構成は、ブレスレットの最小長さに関連付けられる。最後に、レバーが第2の固定孔137bと協働する微調整装置の構成は、ブレスレットの中間長さに関連付けられる。
【0032】
図10A及び10Bは、ブレスレットの外側での
図1A及び1Bと同様の斜視図であり、ブレスレットは、
図1A及び1Bと同じモデルではないが、2つの微調整装置はまた、本発明の第1の実施形態によるものである。
図10A及び10Bは、最小限の修正を必要としながら、本発明の微調整装置をブレスレットの別のモデルにどのように適合できるかを示している。
【0033】
また、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には明らかな様々な修正及び/又は改善を本明細書に記載の実施形態に対して行うことができる点は理解されるであろう。
【国際調査報告】