(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】バックホールネットワークに用いられる電子機器、方法、及び媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 92/14 20090101AFI20220202BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20220202BHJP
【FI】
H04W92/14
H04W92/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533214
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2019124021
(87)【国際公開番号】W WO2020119637
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】201811502642.6
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周鄭頤
(72)【発明者】
【氏名】王昭誠
(72)【発明者】
【氏名】葛寧
(72)【発明者】
【氏名】曹建飛
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD11
5K067EE10
5K067EE16
5K067GG01
(57)【要約】
本開示は、バックホールネットワークに用いられる電子機器、方法、及び媒体に関する。コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、処理回路を含み、前記処理回路は、前記電子機器を含む第1の通信装置が、プライマリドナーとして動作し、前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択し、選択された少なくとも1つの第2の通信装置に、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を送信し、選択されなかった第2の通信装置に、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を送信するように制御を実行するように配置されている、電子機器を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、
処理回路を含み、前記処理回路は、
前記電子機器を含む第1の通信装置が、
プライマリドナーとして動作し、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択し、
選択された少なくとも1つの第2の通信装置に、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を送信し、
選択されなかった第2の通信装置に、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を送信するように制御を実行するように配置されており、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、電子機器。
【請求項2】
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することは、前記複数の第2の通信装置を少なくとも1つのグループに分け、各グループの中で1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することを含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数の第2の通信装置を少なくとも1つのグループに分けることは、
位置的に隣接する第2の通信装置を同じグループに分けることと、
前記複数の第2の通信装置のチャネル情報に対して、クラスタリングアルゴリズム又は二重再帰アルゴリズムを適用して、前記複数の第2の通信装置を少なくとも1つのグループに分けることとのうちの1つを含む、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
各グループの中で1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することは、
当該グループの中で最大受信電力利得を有する第2の通信装置を、セカンダリドナーとして選択することと、
当該グループ内の平均チャネル状態に最も近いチャネル状態を有する第2の通信装置を、セカンダリドナーとして選択することとのうちの1つを含む、請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することは、
選択された第2の通信装置のうちの各第2の通信装置の受信電力利得が、選択されなかった第2の通信装置のうちの各第2の通信装置の受信電力利得よりも高くなるように、所定数の第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することを含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、
セカンダリドナーに第1プリセット識別子集合における識別子を割り当て、セカンダリドナーに割り当てられた識別子を第1の指示信号に含め、
メンバーノードに第2プリセット識別子集合における識別子を割り当て、メンバーノードに割り当てられた識別子を第2の指示信号に含めるように制御を実行するように配置されており、
ただし、第1プリセット識別子集合及び第2プリセット識別子集合は、プライマリドナーに用いられるデフォルト識別子を含まず、かつ、共通の識別子を含まない、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、デフォルト識別子に対応する同期信号をブロードキャストするように制御を実行するように配置されている、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、
前記バックホールネットワークに新たに加入した通信装置に第2の指示信号を送信し、
新たに加入した通信装置に第3の指示信号を送信するように制御を実行するように配置されており、
ただし、前記第3の指示信号は、新たに加入した通信装置に接続推薦されるセカンダリドナーの識別子を含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、メンバーノードからのセカンダリドナーを切り替える要求を受信したことに応答して、当該要求を送信したメンバーノードから新たなセカンダリドナーを選択し、かつ、セカンダリドナーを切り替えた旨の確認を送信するように制御を実行するように配置されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、メンバーノードからのダイレクトノードに切り替える旨の要求を受信したことに応答して、当該要求を送信したメンバーノードに、ダイレクトノードに切り替えた旨の確認を送信するように制御を実行するように配置されており、
ただし、ダイレクトノードが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、メンバーノードとのRRC_INACTIVE状態の接続を維持するように制御を実行するように配置されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記第1の通信装置及び前記複数の第2の通信装置は基地局である、請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、
処理回路を含み、前記処理回路は、
前記複数の第2の通信装置のうち前記電子機器を含む第2の通信装置が、
プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を受信し、
第1の指示信号を受信したことに応答して、セカンダリドナーとして動作し、
前記複数の第2の通信装置のうちメンバーノードとして動作する第2の通信装置からの接続を許可するように制御を実行するように配置されており、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、電子機器。
【請求項14】
プライマリドナーから受信した第1の指示信号は、セカンダリドナーに割り当てられた識別子をさらに含み、前記セカンダリドナーに割り当てられた識別子は、第1プリセット識別子集合に含まれ、第1プリセット識別子集合は、プライマリドナーに用いられるデフォルト識別子を含まなく、
前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、セカンダリドナーに割り当てられた識別子に対応する同期信号をブロードキャストするように制御を実行するように配置されている、請求項13に記載の電子機器。
【請求項15】
前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
バックホールリンクの品質劣化が検出された場合、前記セカンダリドナーに接続されたメンバーノードに、セカンダリドナーを切り替える旨の要求を送信し、
プライマリドナーからのセカンダリドナーを切り替えた旨の確認を受信したことに応答して、セカンダリドナーからメンバーノードに切り替えるように制御を実行するように配置されている、請求項13に記載の電子機器。
【請求項16】
セカンダリドナーからメンバーノードに切り替えることは、新たなセカンダリドナーとして選択されたメンバーノードとの間で識別子を交換することを含む、請求項15に記載の電子機器。
【請求項17】
前記第1の通信装置及び前記複数の第2の通信装置は基地局である、請求項13に記載の電子機器。
【請求項18】
コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、
処理回路を含み、前記処理回路は、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を受信し、
第2の指示信号を受信したことに応答して、メンバーノードとして動作すると共に、前記複数の第2の通信装置のうちセカンダリドナーとして動作する第2の通信装置に接続するように制御を実行するように配置されており、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、電子機器。
【請求項19】
プライマリドナーから受信した第2の指示信号は、前記メンバーノードが接続すべきセカンダリドナーの識別子を含み、かつ、
前記識別子を有するセカンダリドナーに接続する、請求項18に記載の電子機器。
【請求項20】
処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
第1プリセット識別子集合における識別子に対応する同期信号を検出し、
当該同期信号を送信したセカンダリドナーに接続するように制御を実行するように配置されている、請求項18に記載の電子機器。
【請求項21】
プライマリドナーから受信した第2の指示信号は、メンバーノードに割り当てられた識別子をさらに含み、前記メンバーノードに割り当てられた識別子は、第2プリセット識別子集合に含まれ、第2プリセット識別子集合は、プライマリドナーに用いられるデフォルト識別子を含まなく、かつ、セカンダリドナーに用いられる第1プリセット識別子集合と共通の識別子を含まなく、
前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、メンバーノードに割り当てられた識別子に対応する同期信号をブロードキャストするように制御を実行するように配置されている、請求項18に記載の電子機器。
【請求項22】
前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
前記メンバーノードが接続されたセカンダリドナーからの、セカンダリドナーを切り替える旨の要求を受信したことに応答して、プライマリドナーにセカンダリドナーを切り替える旨の要求を送信し、
プライマリドナーからのセカンダリドナーを切り替えた旨の確認を受信したことに応答して、接続されたセカンダリドナーとの間で識別子を交換すると共に、メンバーノードから新たなセカンダリドナーに切り替える動作と、新たなセカンダリドナーに接続する動作とのうちの1つを実行するように制御を実行するように配置されている、請求項18に記載の電子機器。
【請求項23】
前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
バックホールリンクの品質劣化が検出された場合、プライマリドナーにダイレクトノードに切り替える旨の要求を送信し、
プライマリドナーからのダイレクトノードに切り替えた旨の確認を受信したことに応答して、メンバーノードからダイレクトノードに切り替えるように制御を実行するように配置されており、
ただし、ダイレクトノードが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、請求項18に記載の電子機器。
【請求項24】
前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、メンバーノードとして動作する場合、プライマリドナーとのRRC_INACTIVE状態の接続を維持するように制御を実行するように配置されている、請求項18に記載の電子機器。
【請求項25】
前記第1の通信装置及び前記複数の第2の通信装置は基地局である、請求項18に記載の電子機器。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか1つに記載の電子機器を有する基地局。
【請求項27】
コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、
第1の通信装置が、
プライマリドナーとして動作し、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択し、
選択された少なくとも1つの第2の通信装置に、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を送信し、
選択されなかった第2の通信装置に、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を送信することを含み、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、方法。
【請求項28】
コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置が、
プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を受信し、
第1の指示信号を受信したことに応答して、セカンダリドナーとして動作し、
前記複数の第2の通信装置のうちメンバーノードとして動作する第2の通信装置からの接続を許可することを含み、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、方法。
【請求項29】
コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置が、
プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を受信し、
第2の指示信号を受信したことに応答して、メンバーノードとして動作すると共に、前記複数の第2の通信装置のうちセカンダリドナーとして動作する第2の通信装置に接続することを含み、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、方法。
【請求項30】
コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、
第1の通信装置に請求項27に記載の方法を実行させ、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置に、請求項28に記載の方法を実行させ、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの他の第2通信装置に、請求項29に記載の方法を実行させることを含む、方法。
【請求項31】
プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに請求項27~29のいずれか1つに記載の方法を実行させる命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2018年12月10日に提出された、出願番号が201811502642.6であり、発明の名称が「バックホールネットワークに用いられる電子機器、方法、及び媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、バックホールネットワークに用いられる電子機器、方法、及び媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
バックホールネットワーク(Backhaul Network)は、通信ネットワークの全体的なアーキテクチャにおいて、コアネットワーク(Core Network)とアクセスネットワーク(Access Network)との接続を担当する。
図1は、4G LTEシステムにおける典型的なネットワークアーキテクチャを示す。ユーザ機器がアクセスネットワークにアクセスした後、その上りデータ及び下りデータは、いずれもバックホールネットワークを介してコアネットワークとインタラクティブすることができる。このため、バックホールネットワークは通信ネットワークの性能に重要な影響を及ぼす。
【0004】
バックホールネットワークは、伝送媒体によって、有線バックホールネットワークと無線バックホールネットワークとに分けることができる。従来の有線バックホールネットワークは、光ファイバを利用してバックホールリンクを構築する。光ファイババックホールリンクは、FTTC(Fibre To The Cell)リンクとも呼ばれる。従来の無線バックホールネットワークは、追加の指向性アンテナを用いて帯域外無線バックホールを実行することによりバックホールリンクを構築し、他の周波数帯域を利用して、アクセスサービスに対して帯域内干渉を齎さないという前提の下で行なわれ、固定位置のシーンに適する。
【0005】
5G NR技術では、セル半径が縮小されたことで、スモール基地局の数が大幅に増加し、光ファイバを敷設し又は専用の指向性アンテナを組み立てることにより、インフラコストが高くなってくる。さらに、スモール基地局を移動配置させる可能性があることを考慮すると、基地局が、同じ周波数リソースとインフラを利用して、バックホールリンク(Backhaul Link)とアクセスリンク(Access Link)を同時にサポートし、両者を統合する効果であるIAB(Integrated Access and Backhaul)を達成できるように、バックホールに関連する新しい技術を研究することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、上記の課題のうちの1つ又は複数を解決するための1つ又は複数の技術案を提供する。
【0007】
本開示は、コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、処理回路を含み、前記処理回路は、前記電子機器を含む第1の通信装置が、プライマリドナーとして動作し、前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択し、選択された少なくとも1つの第2の通信装置に、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を送信し、選択されなかった第2の通信装置に、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を送信するように制御を実行するように配置されており、ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、電子機器を提供する。
【0008】
本開示は、コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、処理回路を含み、前記処理回路は、前記複数の第2の通信装置のうち前記電子機器を含む第2の通信装置が、プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を受信し、第1の指示信号を受信したことに応答して、セカンダリドナーとして動作し、前記複数の第2の通信装置のうちメンバーノードとして動作する第2の通信装置からの接続を許可するように制御を実行するように配置されており、ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、電子機器を提供する。
【0009】
本開示は、コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、処理回路を含み、前記処理回路は、前記電子機器を含む第2の通信装置が、プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を受信し、第2の指示信号を受信したことに応答して、メンバーノードとして動作すると共に、前記複数の第2の通信装置のうちセカンダリドナーとして動作する第2の通信装置に接続するように制御を実行するように配置されており、ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、電子機器を提供する。
【0010】
本開示は、本開示の任意の電子機器を含む基地局を提供する。
【0011】
本開示は、コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、第1の通信装置が、プライマリドナーとして動作し、前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択し、選択された少なくとも1つの第2の通信装置に、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を送信し、選択されなかった第2の通信装置に、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を送信することを含み、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、方法を提供する。
【0012】
本開示は、コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置が、プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を受信し、第1の指示信号を受信したことに応答して、セカンダリドナーとして動作し、前記複数の第2の通信装置のうちメンバーノードとして動作する第2の通信装置からの接続を許可することを含み、ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、方法を提供する。
【0013】
本開示は、コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置が、プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を受信し、第2の指示信号を受信したことに応答して、メンバーノードとして動作すると共に、前記複数の第2の通信装置のうちセカンダリドナーとして動作する第2の通信装置に接続することを含み、ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、方法を提供する。
【0014】
本開示は、コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、第1の通信装置にプライマリドナーによって実行する方法を実行させ、前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置に、セカンダリドナーによって実行する方法を実行させ、前記複数の第2通信装置のうちの少なくとも1つの他の第2通信装置に、メンバーノードによって実行する方法を実行させる方法を提供する。
【0015】
本開示は、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに本開示の方法を実行させる命令を記憶した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面を結合して実施例に関する以下のような具体的な記載を参照すると、本開示をよりよく理解できる。なお、全ての図面において、同一又は類似する部品を同一又は類似する符号で示している。全ての図面は、以下の詳細説明と共に本明細書に含まれ、本明細書の一部として構成されており、例を挙げることにより、本開示の実施例を説明し、本発明の原理及びメリットを解釈する。ただし、
【0017】
【
図1】
図1は、4G LTEシステムにおける典型的なネットワークアーキテクチャを示す。
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークを示す。
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの実施例による基地局として動作する通信装置を示す。
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークのトポロジの初期化プロセスを示す。
【
図5A】
図5Aは、方位角に基づいて複数の他の基地局をグループ化する方法を例示的に示す。
【
図5B】
図5Bは、方位角に基づいて複数の他の基地局をグループ化する方法を例示的に示す。
【
図6】
図6は、メンバーノードとして動作する基地局と、プライマリドナーとして動作する基地局との間のリンク状態の切り替えを示す。
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの実施例における新規ノード加入プロセスを示す。
【
図8A】
図8Aは、本開示のいくつかの実施例におけるセカンダリドナーとメンバーノードとのリンク回復プロセスを示す。
【
図8B】
図8Bは、本開示のいくつかの実施例におけるセカンダリドナーとメンバーノードとのリンク回復プロセスを示す。
【
図9】
図9は、本開示のいくつかの実施例におけるセカンダリドナーのリンク回復プロセスを示す。
【
図10】
図10は、本開示のいくつかの実施例におけるメンバーノードのリンク回復プロセスを示す。
【
図11】
図11は、本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークのプライマリドナーによって実行される方法を示す。
【
図12】
図12は、本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークのセカンダリドナーによって実行される方法を示す。
【
図13】
図13は、本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークのメンバーノードによって実行される方法を示す。
【
図14】
図14は、従来の無線バックホールネットワーク及び本開示に提案される無線バックホールネットワークのシステム容量をシミュレーションした結果を示す。
【
図15】
図15は、本開示の技術を適用できる演算デバイスの概略的な構成の例を示すブロック図である。
【
図16】
図16は、本開示の技術を適用できるeNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、本開示の技術を適用できるeNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。
【
図18】
図18は、本開示の技術を適用できるスマートフォンの概略的な構成の例を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、本開示の技術を適用できるカーナビゲーション装置の概略的な構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の好しい実施例について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能及び構造を有する構成要素に同一の符号を付し、これらの構造要素についての重複説明を省略する。
以下の順で説明する。
1.システム概要
2.処理フロー
3.シミュレーション結果
4.適用例
【0019】
〔1.システム概要〕
まず、本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークの概略的なトポロジ、及びそのデータ配信及び集約プロセスについて説明する。
【0020】
(バックホールネットワークのトポロジ)
本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークでは、基地局は、論理的に、プライマリドナー(Primary Donor)、セカンダリドナー(Secondary Donor)、メンバーノード(Member Node)及びダイレクトノード(Direct Node)という4つのタイプに分類される。プライマリドナーは、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーは、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードは、セカンダリドナーとプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、ダイレクトノードは、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する。プライマリドナー、セカンダリドナー、メンバーノード、及びダイレクトノードは全てIAB機能を有し、同じ周波数リソース及びインフラを利用して、バックホールリンク及びユーザ機器のアクセスリンクを確立することができる。
【0021】
プライマリドナーは、一般にマクロ基地局(macro BS)によって担当され、従来のバックホール技術(例えば、光ファイバや指向性アンテナ)を用いてコアネットワークに直接アクセスする。また、プライマリドナーは、セカンダリドナー及びダイレクトノードに接続され、コアネットワークとそれに接続された各ノードとの間のバックホールデータの集約及び配信を司る。プライマリドナーは、他のノードが当該プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立することを許可する。
【0022】
セカンダリドナー、メンバーノード、及びダイレクトノードは、一般に、スモール基地局(例えば、マイクロ基地局(micro BS)、ピコ基地局(pico BS))によって担われ、一般に、光ファイバや指向性アンテナなどによるコアネットワークへの直接的なバックホールリンクを有しないか、又は無効とされる。セカンダリドナーは、プライマリドナー及びメンバーノードに接続され、プライマリドナーと接続されているメンバーノードとの間のバックホールデータの集約及び配信を司る。セカンダリドナーは、他のノードが当該セカンダリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立することを許可する。メンバーノードは、セカンダリドナーとして選択されず、セカンダリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立するノードである。ダイレクトノードは、セカンダリドナーとして選択されず、ネットワークの初期化中又はリンク回復終了後に何らかの特別な理由でプライマリドナーに直接的に接続されるノードである。メンバーノード及びダイレクトノードは、他のノードが当該メンバーノード及びダイレクトノードを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立することを許可しない。
【0023】
さらに、本開示のいくつかの実施例では、より多くのレベルのバックホールネットワークが構築され得る。例えば、各セカンダリドナーを、サブネットワークのプライマリドナーとし、当該サブネットワーク内でプライマリドナーとして機能するようにしてもよい。例えば、各メンバーノードを、サブネットワークのセカンダリドナーとし、当該サブネットワーク内でセカンダリドナーとして機能するようにしてもよい。これにより、より多くのレベルのバックホールネットワークが構築され得る。
【0024】
図2は本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークを示す。このバックホールネットワークは、基地局100と、基地局200A~200Iとを含む。基地局100は、プライマリドナーとして動作し、それとコアネットワークとの間には直接的なバックホールリンク(例えば、光ファイバや指向性アンテナ)が存在する。基地局200A、200D、200Gは、セカンダリドナーとして動作し、プライマリドナーとして動作する基地局100を介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する。基地局200B、200C、200E、200F、200Hは、メンバーノードとして動作し、それぞれが、セカンダリドナーとして動作する基地局200A、200D、200G及びプライマリドナーとして動作する基地局100を介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する。基地局200Iは、ダイレクトノードとして動作し、プライマリドナーとして動作する基地局100を介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する。
【0025】
基地局100及び基地局200A~200Iは、それぞれ、各セル内のユーザ機器に対してサービスを提供し、コアネットワークからのデータを各セル内のユーザ機器に送信し(下りデータ配信)、各セル内のユーザ機器からのデータをコアネットワークに送信する(上りデータ集約)。
【0026】
(下りデータ配信プロセス)
バックホールネットワークの下りデータ配信プロセスでは、プライマリドナーとして動作する基地局100は、コアネットワークからのデータを受信すると、その宛先に応じて、コアネットワークからのデータを、基地局100がサービングしているセル内のユーザ機器又はセカンダリドナーとして動作する基地局200A、200D、200Gに送信する。
【0027】
セカンダリドナーとして動作する基地局200Aは、基地局100からのデータを受信すると、その宛先に応じて、基地局100からのデータを、自身がサービングしているセル内のユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局200B、200Cに送信する。セカンダリドナーとして動作する基地局200Dは、基地局100からのデータを受信すると、その宛先に応じて、基地局100からのデータを、自身がサービングしているセル内のユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局200E、200Fに送信する。セカンダリドナーとして動作する基地局200Gは、基地局100からのデータを受信すると、その宛先に応じて、基地局100からのデータを、自身がサービングしているセル内のユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局200Hに送信する。
【0028】
メンバーノードとして動作する基地局200B、200Cは、基地局200Aからのデータを受信すると、その宛先に応じて、基地局200Aからのデータを、自身がサービングしているセル内のユーザ機器に送信する。メンバーノードとして動作する基地局200E、200Fは、基地局200Dからのデータを受信すると、その宛先に応じて、基地局200Dからのデータを、自身がサービングしているセル内のユーザ機器に送信する。メンバーノードとして動作する基地局200Hは、基地局200Gからのデータを受信すると、その宛先に応じて、基地局200Gからのデータを、自身がサービングしているセル内のユーザ機器に送信する。
【0029】
ダイレクトノードとして動作する基地局200Iは、基地局100からのデータを受信すると、その宛先に応じて、基地局100からのデータを、自身がサービングしているセル内のユーザ機器に送信する。
【0030】
(上りデータ集約プロセス)
バックホールネットワークの上りデータ集約プロセスでは、メンバーノードとして動作する基地局200B、200Cは、自身がサービングしているセル内のユーザ機器からのデータを受信すると、ユーザ機器からのデータを、セカンダリドナーとして動作する基地局200Aに送信する。メンバーノードとして動作する基地局200E、200Fは、自身がサービングしているセル内のユーザ機器からのデータを受信すると、ユーザ機器からのデータを、セカンダリドナーとして動作する基地局200Dに送信する。メンバーノードとして動作する基地局200Hは、自身がサービングしているセル内のユーザ機器からのデータを受信すると、ユーザ機器からのデータを、セカンダリドナーとして動作する基地局200Gに送信する。
【0031】
ダイレクトノードとして動作する基地局200Iは、ユーザ機器からのデータを受信すると、ユーザ機器からのデータを、プライマリドナーとして動作する基地局100に送信する。
【0032】
セカンダリドナーとして動作する基地局200Aは、自身がサービングしているユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局200B、200Cからのデータを受信すると、ユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局200B、200Cからのデータを、プライマリドナーとして動作する基地局100に送信する。セカンダリドナーとして動作する基地局200Dは、自身がサービングしているセル内のユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局200E、200Fからのデータを受信すると、自身がサービングしているセル内のユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局200E、200Fからのデータを、プライマリドナーとして動作する基地局100に送信する。セカンダリドナーとして動作する基地局200Gは、自身がサービングしているセル内のユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局200Hからのデータを受信すると、自身がサービングしているセル内のユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局200Hからのデータを、プライマリドナーとして動作する基地局100に送信する。
【0033】
プライマリドナーとして動作する基地局100は、自身がサービングしているセル内のユーザ機器又はセカンダリドナーとして動作する基地局200A、200D、200Gからのデータを受信すると、自身がサービングしているセル内のユーザ機器又はセカンダリドナーとして動作する基地局200A、200D、200Gからのデータをコアネットワークに送信する。
【0034】
本開示の実施例によるバックホールネットワークのトポロジは、従来の無線バックホールネットワークと比較して、少なくとも以下の利点を有する。
【0035】
(a.スペクトル効率の向上)
セカンダリドナーは選択によって得られたものであり、それに接続されるメンバーノードよりも、プライマリドナーとの間でバックホールリンクを確立するのに適したチャネル条件を有し、リンクのスペクトル効率が向上する。
【0036】
(b.干渉に対する耐性が高い)
従来の無線バックホールでは、アクセスリンクとバックホールリンクとの間のリンク間干渉(Cross-link Interference,CLI)や隣接ノード間のノード間干渉(Cross-node Interference,CNI)に対して、いずれも、時間や周波数リソースをスケジューリングすることのみで対応できるので、システム性能を低下させる。本開示の実施例によるバックホールネットワークにおいて、そのトポロジを十分に利用し、CLI及びCNIをビーム上で柔軟に回避し、システムの干渉に対する耐性を向上させることができる。
【0037】
(c.遮断に対するロバスト性が高い)
スモール基地局の機動的な配置及びアンテナの高さが低いため、バックホールリンクのビームが遮断されて失効するおそれがある。したがって、従来の無線バックホールネットワークでは、ビームスイッチングによってビーム失効の回復を行うしかなく、一般的にスイッチングして得られるのが利得の低い非直射パスであり、バックホールリンクの受信信号対雑音比に多大な影響を与える。本開示の実施例によるバックホールネットワークにおいて、パケットマルチホップのトポロジを利用して、ノード切り替えの方式でリンク回復を行うことができ、これにより、バックホールリンクが常に直射パスビームの高利得を利用することを確保でき、バックホール品質を向上させることができる。
【0038】
さらに、本開示が提案しているバックホールネットワークにおける基地局間では、アクセスネットワークと同じ周波数リソース及びインフラを用いてバックホールリンクを構築することができ、バックホールリンク及びアクセスリンクを同時にサポートし、両者を統合することができる。
【0039】
(ノード識別子)
本開示のいくつかの実施例において、異なるタイプのノードをより容易に区別し、ネットワークの初期化及びネットワークトポロジ変化中の同期プロセスを簡略化するために、プライマリドナーとして動作する基地局に、デフォルト識別子集合における識別子を割り当て、セカンダリドナーとして動作する基地局に、第1プリセット識別子集合におけるデフォルト識別子を割り当て、メンバーノードとして動作する基地局に、第2プリセット識別子集合における識別子を割り当てる。デフォルト識別子集合、第1プリセット識別子集合、及び第2プリセット識別子集合は、共通の識別子を含まない。
【0040】
識別子によってダイレクトノードとメンバーノードとを区別する必要がない場合、ダイレクトノードとして動作する基地局に、第2プリセット識別子集合における識別子を割り当てることができる。識別子によってダイレクトノードとメンバーノードとを区別する必要がある場合、ダイレクトノードとして動作する基地局に、第3プリセット識別子集合における識別子を割り当てることができる。デフォルト識別子集合、第1プリセット識別子集合、第2プリセット識別子集合及び第3プリセット識別子集合は、共通の識別子を含まない。
【0041】
各識別子が1つの同期シーケンスに対応できるので、通信システムにおいて、同期信号が各基地局を区別する役割を果たすことができる。また、受信した同期信号に含まれる同期シーケンスを検出することで、当該同期信号をブロードキャストする基地局に割り当てられた識別子を識別することにより、当該基地局のノードタイプを識別することができる。
【0042】
本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局に、デフォルト識別子集合におけるデフォルト識別子が割り当てられる。他の基地局は、デフォルト識別子に対応する同期シーケンスを含む同期信号をブロードキャストしたものを検出することで、プライマリドナーとして動作する基地局にアクセスする。本開示のいくつかの実施例において、セカンダリドナーとして動作する基地局に、第1プリセット識別子集合における識別子が割り当てられる。したがって、メンバーノードとして動作する基地局は、第1プリセット識別子集合における識別子に対応する同期シーケンスを含む同期信号をブロードキャストしたものを検出することで、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスする。
【0043】
【0044】
【0045】
本開示のいくつかの実施例において、ユーザ機器は、各基地局から受信した各同期信号を検出、比較して、チャネル状態が最も良い基地局を選択することで、同期及びアクセスを実行する。
【0046】
本開示のいくつかの実施例において、ユーザ機器が基地局にアクセスするとき、チャネル状態に加えて、当該基地局からコアネットワークまでのホップ数(一定の遅延に対応する)が考慮されてよい。本開示のいくつかの実施例において、それぞれのタイプのノードとして動作する基地局からコアネットワークまでのリンクホップ数は、それぞれ、プライマリドナーが1ホップ、セカンダリドナーが2ホップ、ダイレクトノードが2ホップ、メンバーノードが3ホップである。異なるタイプのノードとして動作する基地局に異なる同期信号を送信させることによって、ユーザ機器は、同期時にノードタイプを区別することができるので、自身の遅延需要に応じて、異なるタイプのノードとして動作する基地局にアクセスする。したがって、本開示の実施例において、ユーザ機器は、基地局にアクセスする際に、各基地局のチャネル状態だけでなく、当該基地局からコアネットワークまでのリンクホップ数も考慮することができる。
【0047】
(基地局の構成)
次に、本開示のいくつかの実施例による基地局の構成について説明する。
図3は本開示のいくつかの実施例による基地局として動作する通信装置300を示す。
図3を参照すると、通信装置300は、アンテナユニット110と、無線通信ユニット120と、ネットワーク通信ユニット130と、記憶ユニット140と、処理ユニット150とを備える。
アンテナユニット110は、無線信号を受信し、受信した無線信号を無線通信ユニット120へ出力する。また、アンテナユニット110は、無線通信ユニット120から出力された送信信号をも送信する。
【0048】
無線通信ユニット120は、ユーザ機器又は他の基地局と無線で通信する。ネットワーク通信ユニット130は、コアネットワークノードと通信する。記憶ユニット140は、基地局100を動作させるためのプログラムやデータを記憶する。
【0049】
処理ユニット150は、基地局100の各種の機能を提供する。本発明の幾つかの実施例において、処理ユニット150は、チャネル測定ユニット151と、同期ユニット152と、シグナリングユニット153とを含む。チャネル測定ユニット151はチャネル測定機能を実行し、同期ユニット152は機器間の同期を実行し、シグナリングユニット153はシグナリングのインタラクティブ機能を実行する。チャネル測定ユニット151、同期ユニット152、及びシグナリングユニット153は、ハードウェア回路であってもよいし、ソフトウェアモジュールであってもよい。
【0050】
通信装置300の1つ又は複数の機能は、処理回路によって実現されてよい。当該処理回路は、通信装置300の機能を直接実行するか、又は通信装置300の他の部材及び/又は外部部材を制御して通信装置300の機能を実行するように構成されてよい。本開示のいくつかの実施例において、処理回路は、汎用プロセッサの形態であるか、又はASICなどの専用処理回路である。いくつかの実施例において、処理回路は、回路(ハードウェア)又は中央処理装置(例えば、中央処理ユニット(CPU))によって構成されてよい。
【0051】
処理回路の一部又は全部は、通信装置300の内部の電子機器に設けられてもよい。処理回路の一部又は全部は、通信装置300の外部の電子機器に設けられてもよく、当該電子機器は、通信装置300に対して遠隔に配置されてもよい。例えば、処理回路の一部は、通信装置300の遠隔制御端又は遠隔制御端の部材として実現されてもよい。
【0052】
当該電子機器は、チップ(例えば、単一チップを含む集積回路モジュール)、ハードウェアコンポーネント、又は完全な製品として構成されてよい。当該電子機器は、通信装置300の1つ又は複数の他の部材を含むように構成されよい。例えば、当該電子機器は、1つ又は複数のアンテナを含むように構成されてよい。いくつかの実施例において、当該電子機器は、通信装置300自体として構成されてよい。
【0053】
〔2.処理フロー〕
以上は、本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークのトポロジを説明した。次に、本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークのトポロジを構築、調整するための処理フローについて説明する。当該処理フローは、初期化プロセス、新規ノード加入プロセス、リンク回復プロセスを含む。
【0054】
(初期化プロセス)
図4は本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークのトポロジの初期化プロセス400を示す。ある地域に新規ネットワークを配置する場合、各基地局はまだプライマリドナーとして動作する基地局にアクセスしておらず、且つ、互いに接続を確立していない。このとき、各基地局は、各々のノードタイプを決定し、互いの接続関係を確立する必要がある。
【0055】
ステップ402において、従来のバックホール技術(例えば、光ファイバや指向性アンテナ)を用いてコアネットワークに直接アクセスする基地局100が、自局がプライマリドナーとして動作できるようにプライマリドナーに関する配置を行う。例えば、基地局100は、プライマリドナーとする各機能を有効にし、セカンダリドナー、メンバーノード及びダイレクトノードのみが有する機能を無効とする。例えば、基地局100は、それとコアネットワークとの間のバックホールリンクを有効にし、当該バックホールリンクにより、下りデータの配信及び上りデータの集約を行う。例えば、基地局100は、他の基地局が基地局100にアクセスし、基地局100を介してバックホールリンクを確立することを許可する。例えば、基地局100は、他の基地局が送信された同期信号に対する捜索及び他の基地局へのアクセスを停止する。本開示のいくつかの実施例において、基地局100は、配置情報での該当フィールドの値を変更することにより、プライマリドナーに関する配置を完成させることができる。
【0056】
ステップ404において、基地局100は、同期信号をブロードキャストする。これにより、ユーザ機器又は他の基地局が、当該同期信号を捜索して基地局100にアクセスすることができる。本開示のいくつかの実施例において、基地局100がブロードキャストされた同期信号には、デフォルト識別子集合におけるデフォルト識別子に対応する同期シーケンスを含む。これにより、他の基地局は、基地局100がプライマリドナーとして動作する基地局であることを識別することができる。
【0057】
ステップ406において、基地局100以外の複数の他の基地局(基地局200A、200Bを含む)は初期アクセスを行う。例えば、他の基地局は、基地局100から送信された同期信号を捕捉した場合、基地局100と同期して基地局100にアクセスする。
ステップ410において、基地局100は、基地局100にアクセスした複数の他の基地局から1つ又は複数の基地局を選択して、セカンダリドナーとして動作させる。
【0058】
本開示のいくつかの実施例において、基地局100は、複数の他の基地局を少なくとも1つのグループに分け、各グループの中で1つの基地局を選択して、セカンダリドナーとして動作させる。グループ化は、他の基地局の地理的位置又はチャネル情報に基づいて行われてよい。
【0059】
本開示のいくつかの実施例において、地理的位置に基づいて他の基地局をグループ化して、位置的に隣接する基地局を同一グループに分ける。例えば、プライマリドナーとして動作する基地局に対する他の基地局の方位角に基づいて、他の基地局をグループ化することができる。
図5A及び
図5Bは、方位角に基づいて複数の他の基地局をグループ化する方法を例示的に示す。各セクタが120度であると仮定すると、基地局100に対する他の基地局の方位角は0度から120度の間にある。0度から120度までの方位角をG個の角度区間に分け、同一角度区間に入る基地局を同一グループに分けてもよい。例えば、以下のように判決してもよい。
【0060】
【0061】
ただし、Sgが、第gグループに含まれる基地局の番号集合を示す。地理的位置に基づいて複数の他の基地局をグループ化する方式では、クラスタリングアルゴリズムを用いることもできる。例えば、他の基地局の地理座標に対して典型的なクラスタリングアルゴリズム(例えば、K-means)を適用することにより、各々他の基地局をGクラスに分類し、各クラスが1つのグループを構成する。
【0062】
本開示のいくつかの実施例において、チャネル情報に基づいて複数の他の基地局をグループ化する。Hkは、プライマリドナーとして動作する基地局100と、k番目の他の基地局との間の下りチャネル行列であると仮定する。例えば、他の基地局のチャネル情報に対して典型的なクラスタリングアルゴリズム(例えば、K-means)を適用することにより、各々他の基地局をGクラスに分類し、各クラスが1つのグループを構成することができる。また、他の基地局のチャネル情報に対して二重再帰グルーピング方法を適用して、他の基地局をグループ化してもよい。二重再帰グルーピング方法では、1番目の他の基地局に対する 番目の他の基地局の類似因子が、
【0063】
【0064】
と定義される。
【0065】
【0066】
【0067】
ようにする。
【0068】
【0069】
グループ化が終了した後、プライマリドナーとして動作する基地局100は、各グループの中で1つの基地局を選択してセカンダリドナーとして動作させ、グループの中の残りの基地局をメンバーノードとして動作させる。
【0070】
本開示のいくつかの実施例において、各グループの中で最大受信電力利得を有する基地局を選択してセカンダリドナーとして動作させる。第gグループにおいてセカンダリドナーとして動作するように選択される基地局の番号をngと記すと、選択プロセスを、
【0071】
【0072】
と表すことができる。
【0073】
【0074】
【0075】
ただし、yとxが、それぞれ送信側及び受信側で用いられるビームであり、YとXが、それぞれ送信側及び受信側で用いられるコードブックである。この選択方式では、ある所定の基地局について考察する時に、他の基地局に関するチャネル情報を考慮する必要がないので、比較的簡単である。
【0076】
本開示のいくつかの実施例において、グループ内の平均チャネル状態に最も近いチャネル状態を有する基地局を選択してセカンダリドナーとして動作させる。すなわち、各基地局のうち、相対的に最も「バランスの取れた」チャネル状態を有する基地局を選択してセカンダリドナーとして動作させる。第gグループにおいてセカンダリドナーとして動作するように選択される基地局の番号をngと記すと、選択プロセスを、
【0077】
【0078】
と表すことができる。
【0079】
【0080】
【0081】
この選択方式では、ある所定の基地局について考察する時に、他の基地局に関するチャネル情報を考慮する必要があるので、比較的複雑である。
【0082】
以上、他の基地局をグループ化した上で、セカンダリドナーとして動作する基地局を選択する方式について説明した。本開示のいくつかの実施例において、グループ化することなく、セカンダリドナーとして動作する基地局を選択することができる。例えば、プライマリドナーとして動作する基地局100は、選択された基地局のうちの各基地局の受信電力利得が、選択されなかった基地局のうちの各基地局の受信電力利得よりも高くなるように、所定数の他の基地局を選択してセカンダリドナーとして動作させることができる。すなわち、G個の基地局を選択してセカンダリドナーとして動作させる必要がある場合、プライマリドナーとして動作する基地局100は、他の基地局の中から最大受信電力利得を有するG個の基地局を選択してセカンダリドナーとして動作させる。
【0083】
本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、アクセスしている他の基地局に対してノード識別子を割り当てる。例えば、プライマリドナーとして動作する基地局100は、セカンダリドナーとして動作する基地局を選択した後、セカンダリドナーとして動作するように選択された基地局に対して第1プリセット識別子集合における識別子を割り当て、セカンダリドナーとして動作するように選択されなかった基地局に対して第2プリセット識別子集合における識別子を割り当てることで、基地局のノードタイプをノード識別子で簡単に区分することができる。
【0084】
ステップ412において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、セカンダリドナーとして動作するように選択された基地局200Aに対して、セカンダリドナーとして動作するように選択された旨を通知する指示信号を送信する。ステップ412で送信する指示信号は、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含んでも良い。ステップ414において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、セカンダリドナーとして動作するように選択されなかった基地局200Bに対して、メンバーノードとして動作する旨を通知する指示信号を送信する。ステップ414で送信する指示信号は、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含んでも良い。
【0085】
本発明のいくつかの実施例において、指示信号は、ノードタイプフィールドを含み、ノードタイプフィールドに異なる値を割り当てることにより、当該指示信号を受信した基地局が動作すべきノードタイプを示す。例えば、ノードタイプフィールドの値が0であれば、当該指示信号を受信した基地局がセカンダリドナーとして動作すべきであることを示し、ノードタイプフィールドの値が1であれば、当該指示信号を受信した基地局がメンバーノードとして動作すべきであることを示し、ノードタイプフィールドの値が2であれば、当該指示信号を受信した基地局がメンバーノードとして動作すべきであることを示す。
【0086】
本開示のいくつかの実施例において、ステップ412、414で送信される指示信号は、ノード識別子フィールドを含み、プライマリドナーとして動作する基地局100が他の基地局に割り当てるノード識別子は、ノード識別子フィールドに含まれる。例えば、ステップ412で基地局200Aに送信された指示信号のノード識別子フィールドには、第1プリセット識別子集合から選択された識別子が含まれ、ステップ414で基地局200Bに送信された指示信号のノード識別子フィールドには、第2プリセット識別子集合から選択された識別子が含まれる。
【0087】
本開示のいくつかの実施例において、指示信号を受信した基地局は、指示信号におけるノード識別子によってどのタイプのノードとして動作するかを判断することができる。例えば、基地局は、デフォルト識別子集合及び第1、第2プリセット識別子集合をメモリに記憶する。基地局は、指示信号におけるノード識別子がどの識別子集合に含まれるかを判断することにより、自身がどのタイプのノードとして動作すべきかを判断することができる。
【0088】
ステップ416において、基地局200Aは、自局がセカンダリドナーとして動作できるようにセカンダリドナーの配置を行う。例えば、基地局200Aは、セカンダリドナーの各機能を有効にし、プライマリドナー、メンバーノード、及びダイレクトノードのみが有する機能を無効とする。例えば、基地局200Aは、コアネットワークへの直接的なバックホールリンクを無効とし、プライマリドナーとして動作する基地局100を介して自局とコアネットワークとの間のバックホールリンクを確立し、当該バックホールリンクにより、下りデータの配信及び上りデータの集約を行う。例えば、基地局200Aは、他の基地局が基地局200Aにアクセスして基地局200Aを介してバックホールリンクを確立することを許可する。例えば、基地局200Aは、ステップ412で受信した指示信号におけるノード識別子を、自局のメモリにおけるノード識別子フィールドに格納する。本開示のいくつかの実施例において、基地局200Aは、配置情報における該当フィールドの値を変更することにより、セカンダリドナーの配置を完成させることができる。
【0089】
ステップ418において、基地局200Bは、自局がメンバーノードとして動作できるようにメンバーノードの配置を行う。例えば、基地局200Bは、メンバーノードの各機能を有効にし、プライマリドナー、セカンダリドナー、及びダイレクトノードのみが有する機能を無効とする。例えば、基地局200Bは、コアネットワークへの直接的なバックホールリンクを無効とし、セカンダリドナーとして動作する基地局を介して自局とコアネットワークとの間のバックホールリンクを確立し、当該バックホールリンクにより、下りデータの配信及び上りデータの集約を行う。例えば、基地局200Bは、他の基地局が基地局200Bにアクセスして基地局200Bを介してバックホールリンクを確立することを許可しない。例えば、基地局200Bは、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスするように、グループ内のアクセスプロセスを起動する。例えば、基地局200Bは、ステップ414で受信した指示信号におけるノード識別子を自局のメモリにおけるノード識別子フィールドに格納する。さらに、メンバーノードとして動作する基地局200Bは、そのノード識別子に対応する同期信号をブロードキャストしてよい。これにより、ユーザ機器が基地局200Bにアクセスさせることができる。本開示のいくつかの実施例において、基地局200Bは、配置情報における該当フィールドの値を変更することにより、メンバーノードの配置を完成させることができる。
【0090】
ステップ420において、セカンダリドナーとして動作する基地局200Aは、そのノード識別子に対応する同期信号をブロードキャストする。これにより、ユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局は、当該同期信号を捜索して基地局200Aにアクセスすることができる。本開示のいくつかの実施例において、基地局200Aがブロードキャストする同期信号は、そのノード識別子に対応する同期シーケンスを含む。これにより、他の基地局は、基地局200Aがセカンダリドナーとして動作する基地局であることを識別することができる。
【0091】
ステップ422において、メンバーノードとして動作する基地局200Bは、グループ内のアクセスプロセスを実行する。例えば、基地局200Bは、ブロードキャストされたセカンダリドナーのノード識別子に対応する同期シーケンスを含む同期信号を捜索し、当該同期信号をブロードキャストした基地局にアクセスする。基地局200Bは、複数のセカンダリドナーとして動作する基地局からの同期信号を受信すると、これら複数のセカンダリドナーとして動作する基地局から1つの基地局を選択して同期をとり、当該基地局にアクセスする。例えば、メンバーノードとして動作する基地局200Bがセカンダリドナーとして動作する基地局200Aにアクセスした場合、メンバーノードとして動作する基地局200Bは、セカンダリドナーとして動作する基地局200A及びプライマリドナーとして動作する基地局100を介して、バックホールネットワークへのバックホールリンクを確立し、このバックホールリンクによって上りデータの集約と下りデータの配信を行う。
【0092】
本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、メンバーノードとして動作する基地局に、アクセスすべきセカンダリドナーを推薦する。例えば、基地局100がアクセスした他の基地局をグループ化した場合、基地局100は、メンバーノードとして動作する基地局に、その基地局が属するグループにおけるセカンドドナーを推薦する。また、基地局100は、地理的位置やチャネル情報に基づいて、メンバーノードとして動作する基地局に、アクセスすべきセカンダリドナーを推薦することができる。例えば、基地局100は、メンバーノードとして動作する基地局に、地理的位置が当該基地局に近いセカンダリドナーを推薦する。例えば、基地局100は、メンバーノードとして動作する基地局に、基地局100との間のバックホールリンクのチャネル品質が最も良い1つ又は複数のセカンダリドナーを推薦する。基地局100は、推薦されたセカンダリドナーのノード識別子を、ステップ414で送信された指示信号に含めることができる。例えば、ステップ414で送信される指示信号は、推薦セカンダリドナー識別子フィールドを含め、当該推薦カンダリドナー識別子フィールドには、基地局100がメンバーノードとして動作する基地局200Bに推薦したアクセスすべきセカンダリドナーのノード識別子を含む。
【0093】
本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、メンバーノードとして動作する基地局に対してアクセスすべきセカンダリドナーを推薦しない。従って、メンバーノードとして動作する基地局は、アクセスするセカンダリドナーを自ら選択する必要がある。メンバーノードとして動作する基地局が、1つのセカンダリドナーからの同期信号のみを捕捉した場合には、当該基地局は、直接当該セカンダリドナーにアクセスすることができる。メンバーノードとして動作する基地局が、複数のセカンダリドナーから送信された同期信号を捕捉した場合には、当該基地局は、自局とこれら複数のセカンダリドナーとの間のチャネル品質を比較し、チャネル品質の最も良いセカンダリドナーにアクセスすることができる。
【0094】
本開示のいくつかの実施例において、メンバーノードとして動作する基地局は、セカンダリドナーにアクセスするか、又はセカンダリドナーにアクセスしないかを選択することができる。例えば、メンバーノードとして動作する基地局200Bは、自局とプライマリドナーとして動作する基地局100との間のチャネル品質と、自局とセカンダリドナーとして動作する基地局との間のチャネル品質とを比較することができる。基地局200Bは、自局とセカンダリドナーとして動作する基地局との間のチャネル品質が通信要求を満たさない場合には、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスしない。また、メンバーノードとして動作する基地局200Bが、バックホールリンクの遅延が小さいことを要求する場合や、セカンダリドナーとして動作する基地局からコアネットワークへのバックホールリンクの遅延が許容できる最大遅延よりも大きい場合には、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスしないと選択することができる。
【0095】
本開示のいくつかの実施例において、メンバーノードとして動作する基地局が、セカンダリドナーにアクセスしないと選択した場合、当該基地局は、プライマリドナーとして動作する基地局に対して、自局をダイレクトノードに切り替えることを要求することができる。例えば、メンバーノードとして動作する基地局200Bは、プライマリドナーとして動作する基地局100に、ダイレクトノードに切り替える旨の要求を送信することができる。プライマリドナーとして動作する基地局100は、ダイレクトノードに切り替える旨の要求を受信すると、当該要求を送信した基地局に対してノード識別子を再割当することができる。例えば、プライマリドナーとして動作する基地局100は、第3プリセット識別子集合における識別子を、当該要求を送信した基地局に割り当てる。プライマリドナーとして動作する基地局100は、当該要求を送信した基地局へ、ダイレクトノードに切り替えた旨の確認を送信することができる。ダイレクトノードに切り替えた旨の確認には、新たに割り当てられたノード識別子が含まれてもよい。
【0096】
本開示のいくつかの実施例において、メンバーノードとして動作する基地局は、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスした後に、プライマリドナーとのリンクをRRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態に切り替える。RRC_INACTIVE状態では、メンバーノードとして動作する基地局が非アクティブ状態で、プライマリドナーとして動作する基地局との間である基本的なシグナリングや情報をインタラクティブすることを可能にする。これにより、可能な限り小さなシグナリング及び電力オーバーヘッドで、プライマリドナーとして動作する基地局との接続を維持する。メンバーノードとして動作する基地局は、RRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に再び移行することができる。これにより、プライマリドナーとして動作する基地局との間の通常の通信を再開する。
【0097】
図6は、メンバーノードとして動作する基地局と、プライマリドナーとして動作する基地局との間のリンク状態の切り替えを示す。
【0098】
ブロック602において、メンバーノードとして動作する基地局は、まだプライマリドナーとして動作する基地局にアクセスしていない(すなわち、初期アクセスを完了していない)ので、これら2つの基地局間の接続がRRC_IDLE状態にある。メンバーノードとして動作する基地局が、プライマリドナーとして動作する基地局にアクセスした後、ブロック604に示すように、これら2つの基地局間の接続がRRC_CONNECTED状態になる。RRC_CONNECTED状態では、プライマリドナーとして動作する基地局は、メンバーノードとして動作する基地局に対して、ノードタイプの割り当てやノードタイプの切り替え、ノード識別子の割り当て、上りデータの集約、下りデータの配信を行うことができる。メンバーノードとして動作する基地局が、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスした後(すなわち、グループ内のアクセスを完了した後)、ブロック606に示すように、これら2つの基地局間の接続がRRC_INACTIVE状態になる。RRC_IDLE状態と、RRC_CONNECTED状態と、RRC_INACTIVE状態との間の切り替えが、5G NR技術におけるUEと基地局との間のリンク状態遷移と同じでよい。
【0099】
(新規ノード加入プロセス)
初期化プロセスが終了すると、バックホールネットワークにおける各基地局は自局のノードタイプを決定し、且つ、各基地局間の接続関係も確立された。新規基地局がこのバックホールネットワークに加入する場合、ノードタイプが未決定であり、且つ他の基地局との接続関係も確立していないため、当該新規基地局のノードタイプ及び他の基地局との接続関係を決定する必要がある。
【0100】
図7は本開示のいくつかの実施例における新規ノード加入プロセス770を示す。ステップ772に示すように、プライマリドナーとして動作する基地局100は、同期信号を周期的にブロードキャストする。ステップ774に示すように、新規基地局200Cは、基地局100によってブロードキャストされた同期信号を検出した後、基地局100と同期して基地局100にアクセスする。
【0101】
ステップ776において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、新規基地局200Cのノードタイプを決定する。本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、初期化プロセスの完了後に加入する全ての新規基地局をメンバーノードとして決定する。本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、新規基地局及び既存の基地局の事前情報(例えば、地理的位置、セカンダリドナーのチャネル状態、及び負荷状態)に基づいて新規基地局のノードタイプを決定する。例えば、当該新規基地局の近傍に適切なセカンダリドナーがある場合には、基地局100は、当該新規基地局をメンバーノードとして決定する。例えば、当該新規基地局の近傍に適切なセカンダリドナーがない場合には、基地局100は、当該新規基地局をセカンダリドナー又はダイレクトノードとして決定する。本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、初期化プロセスの完了後に加入する新規基地局のチャネル状態に基づいて、新規基地局のノードタイプを決定する。例えば、新規基地局と既存のセカンダリドナーとの間の空間的な干渉が強い場合、基地局100は、当該新規基地局をメンバーノードとして決定する。これにより、当該新規基地局によるバックホールネットワークにおける既存のバックホールリンクへの干渉を低減する。例えば、当該新規基地局と既存のセカンダリドナーとの空間的な干渉が弱い場合には、基地局100は、当該新規基地局をセカンダリドナー又はダイレクトノードとして決定する。新規基地局がバックホールネットワークのトポロジに与える影響を低減するように、新規基地局をメンバーノードとして決定することが好ましい。以降のステップで、このような場合について説明する。
【0102】
ステップ778において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、新規基地局200Cに指示信号を送信することにより、ノードタイプを通知する。ステップ778で送信される指示信号は、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含んでも良い。ステップ778で送信される指示信号は、ノード識別子フィールドを更に含んでもよく、プライマリドナーとして動作する基地局100によって新規基地局200Cに割り当てたノード識別子が、ノード識別子フィールドに含まれる。例えば、ステップ778で基地局200Cに送信された指示信号のノード識別子フィールドには、第2プリセット識別子集合から選択された識別子が含まれ、新規基地局100がメンバーノードとして動作することを示す。
【0103】
ステップ780において、新規基地局200Cは、自局がメンバーノードとして動作できるようにメンバーノードの配置を行う。例えば、新規基地局200Cは、メンバーノードの各機能を有効にし、プライマリドナー、セカンダリドナー、及びダイレクトノードのみが有する機能を無効とする。例えば、新規基地局200Cは、コアネットワークへの直接的なバックホールリンクを無効とし、セカンダリドナーとして動作する基地局を介してコアネットワークとの間のバックホールリンクを確立し、当該バックホールリンクにより、下りデータの配信及び上りデータの集約を行う。例えば、新規基地局200Cは、他の基地局が新規基地局200Cにアクセスして新規基地局200Cを介してバックホールリンクを確立することを許可しない。例えば、新規基地局200Cは、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスするように、グループ内のアクセスプロセスを起動する。例えば、新規基地局200Cは、ステップ778で受信した指示信号におけるノード識別子を自局のメモリにおけるノード識別子フィールドに格納する。本開示のいくつかの実施例において、基地局200Cは、配置情報における該当フィールドの値を変更することにより、メンバーノードの配置を完成させることができる。
【0104】
ステップ782に示すように、セカンダリドナーとして動作する基地局200Aは、ユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局が当該同期信号を捜索して基地局200Aにアクセスすることができるように、同期信号を周期的にブロードキャストする。本開示のいくつかの実施例において、基地局200Aによってブロードキャストされた同期信号は、そのノード識別子に対応する同期シーケンスを含む。これにより、他の基地局は、基地局200Aがセカンダリドナーとして動作する基地局であることを識別することができる。
【0105】
ステップ784において、メンバーノードとして動作する基地局200Cは、グループ内のアクセスプロセスを実行する。例えば、基地局200Cは、ブロードキャストされたセカンダリドナーのノード識別子に対応する同期シーケンスを含む同期信号を捜索し、当該同期信号をブロードキャストした基地局にアクセスする。基地局200Cは、複数のセカンダリドナーとして動作する基地局からの同期信号を受信すると、これら複数のセカンダリドナーとして動作する基地局から1つの基地局を選択して同期をとり、当該基地局にアクセスする。例えば、メンバーノードとして動作する基地局200Cが、セカンダリドナーとして動作する基地局200Aにアクセスする場合、メンバーノードとして動作する基地局200Cは、セカンダリドナーとして動作する基地局200A及びプライマリドナーとして動作する基地局100を介して、バックホールネットワークへのバックホールリンクを確立し、このバックホールリンクによって上りデータの集約と下りデータの配信を行う。
【0106】
本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、アクセスすべきセカンダリドナーを新規基地局200Cに推薦する。基地局100は、新規基地局及び既存の基地局の事前情報(例えば、地理的位置、セカンダリドナーのチャネル状態、及び負荷状態)に基づいて、アクセスすべきセカンダリドナーを新規基地局200Cに推薦することができる。例えば、基地局100は、新規基地局200Cに、当該基地局と地理的位置が近いセカンダリドナーを推薦する。例えば、基地局100は、新規基地局200Cに、基地局100との間のバックホールリンクのチャネル品質が最も良い、又は負荷が最も少ない1つ又は複数のセカンダリドナーを推薦する。基地局100は、推薦されたセカンダリドナーのノード識別子を、ステップ778で送信された指示信号に含めることができる。例えば、ステップ778で送信される指示信号は、推薦カンダリドナー識別子フィールドを含み得、当該推薦カンダリドナー識別子フィールドには、基地局100が新規基地局200Cに推薦したアクセスすべきセカンダリドナーのノード識別子を含む。
【0107】
本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、アクセスすべきセカンダリドナーを新規基地局200Cに推薦しない。従って、新規基地局200Cは、アクセスするセカンダリドナーを自ら選択する必要がある。新規基地局200Cが、1つのセカンダリドナーから送信された同期信号のみを捕捉した場合には、当該基地局は、直接に当該セカンダリドナーにアクセスすることができる。新規基地局200Cが、複数のセカンダリドナーから送信された同期信号を捕捉した場合には、当該基地局は、これら複数のセカンダリドナーとの間のチャネル品質を比較し、チャネル品質の最も良いセカンダリドナーにアクセスすることができる。
【0108】
本開示のいくつかの実施例において、新規基地局200Cは、セカンダリドナーにアクセスするか、又はセカンダリドナーにアクセスしないかを選択することができる。例えば、新規基地局200Cは、プライマリドナーとして動作する基地局100との間のチャネル品質と、セカンダリドナーとして動作する基地局との間のチャネル品質とを比較することができる。新規基地局200Cは、セカンダリドナーとして動作する基地局との間のチャネル品質が通信要求を満たさない場合には、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスしない。また、新規基地局200Cが、バックホールリンクの遅延が小さいことを要求する場合や、セカンダリドナーとして動作する基地局からコアネットワークへのバックホールリンクの遅延が許容できる最大遅延よりも大きい場合には、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスしないと選択することができる。
【0109】
本開示のいくつかの実施例において、新規基地局200Cがセカンダリドナーにアクセスしないと選択した場合、当該新規基地局200Cは、プライマリドナーとして動作する基地局に対して、自局をダイレクトノードに切り替えるよう要求することができる。例えば、新規基地局200Cは、プライマリドナーとして動作する基地局100に対して、ダイレクトノードに切り替える旨の要求を送信することができる。プライマリドナーとして動作する基地局100は、ダイレクトノードに切り替える旨の要求を受信すると、当該要求を送信した基地局に対してノード識別子を再割当することができる。例えば、プライマリドナーとして動作する基地局100は、第3プリセット識別子集合における識別子を当該要求を送信した基地局に割り当てることで、メンバーノードとして動作させることを示す。プライマリドナーとして動作する基地局100は、当該要求を送信した基地局へ、ダイレクトノードに切り替えた旨の確認を送信することができる。ダイレクトノードに切り替えた旨の確認には、新たに割り当てられたノード識別子が含まれてもよい。
【0110】
本開示のいくつかの実施例において、新規基地局200Cは、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスした後に、プライマリドナーとのリンクがRRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態に切り替えされる。RRC_INACTIVE状態では、新規基地局200Cが、非アクティブ状態で、プライマリドナーとして動作する基地局との間である基本的なシグナリング及び情報をインタラクティブすることを可能にする。これにより、可能な限り小さなシグナリング及び電力オーバーヘッドで、プライマリドナーとして動作する基地局との接続を維持する。必要に応じて(例えば、メンバーノードからセカンダリドナー又はダイレクトノードに切り替えられた場合に)、新規基地局200Cは、RRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に再び移行することができる。これにより、プライマリドナーとして動作する基地局との間の通常の通信を再開する。
【0111】
(リンク回復プロセス)
無線バックホールネットワークでは、基地局と基地局の間は無線リンクで接続される。基地局の移動配置やスモール基地局のアンテナ高さが低いなどの要因を考慮すると、基地局と基地局間のビームが遮られてリンク障害やリンク品質の劣化を招く場合が多い。本開示のいくつかの実施例において、リンク回復プロセスによってビーム遮断に対処される。
【0112】
従来のリンク回復方法は、ビームスイッチングに基づく。直射パスビームが失効した場合には、反射パスビームに切り替えて無線バックホールを行う。しかし、反射パスは直射パスに比べて利得が低く、バックホールリンクの受信信号対雑音比を低下させる。
【0113】
本開示のいくつかの実施例において、ビーム遮断などによるリンク障害やリンク品質の劣化に対処するために、ノードタイプを切り替えることによってバックホールネットワークのトポロジを変更する。
図8A及び
図8Bは、それぞれ、本開示のいくつかの実施例におけるセカンダリドナーとメンバーノードとのリンク回復プロセスを示す。
【0114】
図8Aに示すように、セカンダリドナーとして動作する基地局200Aにはリンク障害やリンク品質の劣化が発生し、例えば、セカンダリドナーとして動作する基地局200Aとプライマリドナーとして動作する基地局100との間のビームがそれらの間に介在する建物によって遮られる。このような場合、遮られていない基地局200Bをメンバーノードからセカンダリドナーに切り替え、遮られた基地局200Aをセカンダリドナーからメンバーノードに切り替えると共に、元のセカンダリドナーとして動作した基地局200Aと、基地局200Aに接続された残りのメンバーノードとして動作する基地局とを、新たなセカンダリドナーとして動作する基地局200Bに接続させることができる。
【0115】
図8Bに示すように、メンバーノードとして動作する基地局200Bにはリンク障害やリンク品質の劣化が発生し、例えば、メンバーノードとして動作する基地局200Bとセカンダリドナーとして動作する基地局200Aとの間のビームがそれらの間に介在する建物によって遮られる。このような場合、遮られた基地局200Bをメンバーノードからダイレクトノードに切り替えると共に、基地局200Bに、プライマリドナーとして動作する基地局100との接続を回復させることができる。
【0116】
図9は、本開示のいくつかの実施例におけるセカンダリドナーのリンク回復プロセス950を示す。
【0117】
ステップ952において、セカンダリドナーとして動作する基地局200Aは、リンク障害やリンク品質の劣化を検出し、例えば、セカンダリドナーとして動作する基地局200Aとプライマリドナーとして動作する基地局100との間のビームがそれらの間にある建物によって遮られる。
【0118】
ステップ954において、セカンダリドナーとして動作する基地局200Aは、基地局200Aにアクセスしたメンバーノードとして動作する基地局に対して、セカンダリドナーを切り替える旨の要求をブロードキャストする。これにより、基地局200Aにアクセスしたメンバーノードとして動作する基地局のうちのいずれか1個の基地局を、新たなセカンダリドナーに切り替えることができる。
【0119】
ステップ956において、基地局200Aにアクセスしたメンバーノードとして動作する基地局200Bは、セカンダリドナーを切り替える旨の要求を受信すると、プライマリドナーとして動作する基地局100へ、セカンダリドナーを切り替える旨の要求を送信する。ステップ958において、基地局200Aにアクセスしたメンバーノードとして動作する基地局200Cは、セカンダリドナーを切り替える旨の要求を受信すると、プライマリドナーとして動作する基地局100へ、セカンダリドナーを切り替える旨の要求を送信する。基地局200B、200Cは、自局とプライマリドナーとして動作する基地局100との間のリンク品質や、自局の機器処理能力に応じて、基地局100へセカンダリドナーを切り替える旨の要求を送信するか否かを決定することができる。例えば、基地局200B、200Cのいずれかが、自局と基地局100との間のリンク品質が低い、又は自局の機器処理能力が低いと判断した場合に、基地局100へセカンダリドナーを切り替える旨の要求を送信しないように決定してもよい。
【0120】
ステップ960において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、メンバーノードからのセカンダリドナーを切り替える旨の要求を受信すると、その要求を送信したメンバーノードとして動作する基地局の中から1つを選択して、新たなセカンダリドナーとすることができる。例えば、プライマリドナーとして動作する基地局100は、当該要求を送信したメンバーノードとして動作する基地局の中から、基地局100との間のリンク品質が最も良い基地局を選択して、新たなセカンダリドナーとすることができる。
【0121】
ステップ962において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、元のセカンダリドナーとして動作した基地局200Aと、新たなセカンダリドナーとして動作するように選択された基地局200Bに対して、基地局200Bが新セカンダリドナーとして動作するように選択された旨の指示信号を送信する。本開示のいくつかの実施例において、ステップ962におけるセカンダリドナーを切り替えた旨の確認は、ブロードキャストによって送信されてよい。これによって、元のセカンダリドナーにアクセスしたメンバーノードは、セカンダリドナーの切り替えが生じたことを知ることができ、新たなセカンダリドナーとの同期を取り、新たなセカンダリドナーにアクセスする。
【0122】
ステップ964において、基地局200Bは、自局がセカンダリドナーとして動作できるようにセカンダリドナーの配置を行う。例えば、基地局200Bは、セカンダリドナーの各機能を有効にし、プライマリドナー、メンバーノード、及びダイレクトノードのみが有する機能を無効とする。例えば、基地局200Bは、プライマリドナーとして動作する基地局100を介してコアネットワークとの間のバックホールリンクを確立し、当該バックホールリンクにより、下りデータの配信及び上りデータの集約を行う。例えば、基地局200Bは、他の基地局が基地局200Bにアクセスして基地局200Bを介してバックホールリンクを確立することを許可する。本開示のいくつかの実施例において、基地局200Bは、配置情報における該当フィールドの値を変更することにより、セカンダリドナーの配置を完成させることができる。
【0123】
ステップ966において、基地局200Aは、自局がセカンダリドナーとして動作できるようにメンバーノードの配置を行う。例えば、基地局200Aは、メンバーノードの各機能を有効にし、プライマリドナー、セカンダリドナー、及びダイレクトノードのみが有する機能を無効とする。例えば、基地局200Aは、セカンダリドナーとして動作する基地局を介してコアネットワークとの間のバックホールリンクを確立し、当該バックホールリンクにより、下りデータの配信及び上りデータの集約を行う。例えば、基地局200Aは、他の基地局が基地局200Aにアクセスして基地局200Aを介してバックホールリンクを確立することを許可しない。例えば、基地局200Aは、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスするように、グループ内のアクセスプロセスを起動する。本開示のいくつかの実施例において、基地局200Aは、配置情報における該当フィールドの値を変更することにより、メンバーノードの配置を完成させることができる。
【0124】
本開示のいくつかの実施例において、基地局200A及び基地局200Bはノード識別子を交換する。例えば、ステップ962で送信される指示信号は、元のカンダリドナーのノード識別子と、新たなカンダリドナーとして動作すべき元のメンバーノードのノード識別子とを含んでもよい。基地局200Aは、ステップ962で送信された指示信号を受信すると、自局のメモリにおけるノード識別子フィールドのノード識別子を、元のメンバーノードのノード識別子に置き換えることができる。基地局200Bは、ステップ962で送信された指示信号を受信すると、自局のメモリにおけるノード識別子フィールドのノード識別子を、元のセカンダリドナーのノード識別子に置き換えることができる。基地局200A及び基地局200Bのノード識別子を交換することにより、もともと基地局200Aにアクセスした基地局200Cが、新たなセカンダリドナーとして動作する基地局200Bとの同期を容易に取得し、新たなセカンダリドナーとして動作する基地局200Bにアクセスすることができる。
【0125】
ステップ968において、新たなセカンダリドナーとして動作する基地局200Bは同期信号をブロードキャストする。これにより、ユーザ機器又はメンバーノードとして動作する基地局は、当該同期信号を捜索して基地局200Bにアクセスすることができる。
【0126】
ステップ970において、メンバーノードとして動作する基地局200Aは、グループ内のアクセスプロセスを実行する。例えば、基地局200Aは、基地局200Bによってブロードキャストされた同期信号を捜索して、基地局200Bにアクセスしてもよい。あるいは、基地局200Aは、ブロードキャストされたセカンダリドナーのノード識別子に対応する同期シーケンスを含む任意の同期信号を捜索し、当該同期信号をブロードキャストした基地局にアクセスすることができる。例えば、基地局200Aは、複数のセカンダリドナーとして動作する基地局からの同期信号を受信すると、これら複数のセカンダリドナーとして動作する基地局から1つの基地局を選択して同期を取り、当該基地局にアクセスする。例えば、メンバーノードとして動作する基地局200Aが、セカンダリドナーとして動作する基地局200Bにアクセスした場合、メンバーノードとして動作する基地局200Aは、セカンダリドナーとして動作する基地局200B及びプライマリドナーとして動作する基地局100を介して、バックホールネットワークへのバックホールリンクを確立し、このバックホールリンクによって上りデータの集約と下りデータの配信を行う。
【0127】
図10は、本開示のいくつかの実施例におけるメンバーノードのリンク回復プロセス1000を示す。
【0128】
ステップ1002において、メンバーノードとして動作する基地局200Bは、リンク障害やリンク品質の劣化を検出し、例えば、メンバーノードとして動作する基地局200Bとセカンダリドナーとして動作する基地局200Aとの間のビームがそれらの間に介在する建物によって遮られることを検出する。
【0129】
ステップ1004において、メンバーノードとして動作する基地局200Bは、プライマリドナーとして動作する基地局100へ、ダイレクトノードに切り替える旨の要求を送信する。
【0130】
ステップ1006において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、メンバーノードとして動作する基地局200Bへ、ダイレクトノードに切り替えた旨の確認を送信する。
【0131】
ステップ1008において、基地局200Bは、自局がダイレクトノードとして動作できるようにダイレクトノードの配置を行う。例えば、基地局200Bは、ダイレクトノードの各機能を有効にし、プライマリドナー、セカンダリドナー、及びメンバーノードのみが有する機能を無効とする。例えば、基地局200Bは、プライマリドナーとして動作する基地局100を介してコアネットワークとの間のバックホールリンクを確立し、当該バックホールリンクにより、下りデータの配信及び上りデータの集約を行う。本開示のいくつかの実施例において、基地局200Bは、配置情報における該当フィールドの値を変更することにより、ダイレクトノードの配置を完成させることができる。
【0132】
本開示のいくつかの実施例において、プライマリドナーとして動作する基地局100は、ダイレクトノードに切り替える旨の要求を受信すると、その要求を送信した基地局に対して第3プリセット識別子集合におけるノード識別子を割り当てる。例えば、ステップ1006で送信された指示信号は、割り当てられた第3プリセット識別子集合におけるノード識別子を含んでよく、当該要求を送信した基地局がダイレクトノードとして動作することを示す。基地局200Bは、ステップ1006で送信された指示信号を受信すると、自局のメモリにおけるノード識別子フィールドのノード識別子を、割り当てられた第3プリセット識別子集合におけるノード識別子に置き換えることができる。
【0133】
本開示が提案するリンク回復方法は、ビームスイッチングによりバックホールリンクの回復を行う従来の方法とは異なる。本開示が提案するリンク回復方法は、ノード間のネットワーク関係を利用し、チャンネルの状況に応じてリンク中のノードを切り替えることによって、送受信端が、高い利得を有する直射パスビームを長時間使用することができ、システムの性能を向上させる。
【0134】
(バックホールネットワークに用いられる方法)
次に、バックホールネットワークにおけるプライマリドナー、セカンダリドナー、メンバーノードによって実行される方法について説明する。
【0135】
図11は本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークのプライマリドナーによって実行される方法1100を示す。ステップ1102において、バックホールネットワークにおいてコアネットワークへの直接的なバックホールリンクを有する基地局(例えば、マクロ基地局)によってプライマリドナーの配置を行う。これにより、当該基地局はプライマリドナーとして動作することができる。ステップ1104において、少なくとも1つの他の基地局をセカンダリドナーとして選択する。ステップ1106において、選択された基地局に対して、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む指示信号を送信する。ステップ1108において、選択されなかった基地局に対して、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む指示信号を送信する。ステップ1102~1108は、本開示のバックホールネットワークの初期化プロセスにおけるステップである。また、バックホールネットワークのプライマリドナーは、更に本開示の新規ノード加入プロセス及びリンク回復プロセスにおけるステップを実行してもよい。以上のステップの具体的な実現方式は、既に詳細に説明されたので、ここでは説明を省略する。
【0136】
図12は本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークにおけるセカンダリドナーによって実行される方法1200を示す。ステップ1202において、バックホールネットワークにおいてコアネットワークへの直接的なバックホールリンクを有しないか、又はコアネットワークへの直接的なバックホールリンクを無効とする基地局(例えば、スモール基地局)は、プライマリドナーとして動作する基地局から、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む指示信号を受信する。ステップ1204において、当該基地局は、当該基地局がセカンダリドナーとして動作できるように、セカンダリドナーの配置を行う。ステップ1206において、メンバーノードとして動作する基地局からのアクセスを許可する。ステップ1202~1206は、本開示のバックホールネットワークの初期化プロセスにおけるステップである。また、バックホールネットワークのセカンダリドナーは、更に本開示の新規ノード加入プロセス及びリンク回復プロセスにおけるステップを実行してもよい。以上のステップの具体的な実現方式は、既に詳細に説明されたので、ここでは説明を省略する。
【0137】
図13は本開示のいくつかの実施例によるバックホールネットワークにおけるメンバーノードによって実行される方法1300を示す。ステップ1302で、バックホールネットワークにおいてコアネットワークへの直接的なバックホールリンクを有しないか、又はコアネットワークへの直接的なバックホールリンクを無効とする基地局(例えば、スモール基地局)は、プライマリドナーとして動作する基地局から、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む指示信号を受信する。ステップ1304で、当該基地局は、当該基地局がメンバーノードとして動作できるように、メンバーノードの配置を行う。ステップ1306で、セカンダリドナーとして動作する基地局にアクセスする。ステップ1302~1306は、本開示のバックホールネットワークの初期化プロセスにおけるステップである。また、バックホールネットワークのメンバーノードは、更に本開示の新規ノード加入プロセス及びリンク回復プロセスにおけるステップを実行してもよい。以上のステップの具体的な実現方式は、既に詳細に説明されたので、ここでは説明を省略する。
【0138】
〔3.シミュレーションの結果〕
本開示は、シミュレーションによって、従来の無線バックホールネットワークのシステム容量と、本開示によって提案された無線バックホールネットワークのシステム容量とを比較する。シミュレーションパラメータは次の表に示される通りである。
【0139】
【0140】
シミュレーションにおいて、セカンダリドナーを選択する基準は、
【0141】
【0142】
と設定される。
ただし、yとxは、それぞれ送信側及び受信側で用いられるビームであり、Y及びXは、それぞれ送信側及び受信側で用いられるコードブックであり、Hiは、第i個のノードとプライマリドナーとの間のチャネルである。すると、従来の無線バックホールネットワークの正規化容量は、
【0143】
【0144】
と表されることができる。
【0145】
ただし、Kはシステムにおけるマイクロセル数であり、Pはプライマリドナーの送信電力であり、δ2は受信側の雑音電力である。一方、本開示が提案する無線バックホールネットワークの正規化容量は、
【0146】
【0147】
と表されることができる。
【0148】
ただし、Gはシステムのグループ数である。
【0149】
シーン設定は
図5Aに示す通りである。汎用的な3セクタモデルを用いてシミュレーションを行い、各セクタは3つの40°のサブセクタに分けられ、各サブセクタに5つのマイクロ基地局がランダムに配置された。即ち、K=15、G=3。
【0150】
図14は、従来の無線バックホールネットワーク及び本開示が提案する無線バックホールネットワークのシステム容量をシミュレーションした結果を示す。
図14に示すように、帯域内全二重を許容する場合に、本開示が提案するバックホールネットワークは、システム容量上の利得を得ることができる。
【0151】
〔4.適用例〕
本開示の技術は各種の製品に適用することができる。例えば、通信装置300は、様々なタイプの演算デバイスとして実現することができる。
【0152】
例えば、通信装置300は、例えばマクロeNB/gNBや小eNB/gNBなどの任意のタイプの進化型ノードB(eNB)、gNB、又はTRP(Transmit Receive Point)として実現することができる。スモールeNB/gNBは、カバーがマクロセルより小さいeNB/gNBであり、例えば、ピコeNB/gNB、マイクロeNB/gNB及び家庭(フェムト)eNB/gNBなどである。その代わりに、基地局100は、例えばNodeBや基地局トランシーバ(BTS)のような任意の他のタイプの基地局として実現してもよい。通信装置300は、無線通信を制御するように配置される主体(基地局装置とも呼ばれる)と、主体と異なる箇所に設けられる1つ又は複数のリモート無線ヘッド(RRH)とを含んでもよい。また、後述する様々なタイプの端末は、いずれも基地局機能を一時的又は半永久的に実行することによって、通信装置300として動作できる。
【0153】
例えば、通信装置300は、携帯端末(例えば、スマートフォン、タブレットパーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯ゲーム端末、携帯/ドングルモバイルルーター、及びデジタル撮像装置)又は車載端末(例えば、カーナビゲーション装置)として実現することができる。通信装置300はマシンツーマシン(M2M)通信を実行する端末(マシンタイプ通信(MTC)端末とも呼ばれる)として実現することもできる。なお、通信装置300は、上記端末のそれぞれに搭載された無線通信モジュール(例えば単一チップを含む集積回路モジュール)であってもよい。
【0154】
[4-1.演算デバイスの適用例]
図15は、本開示の技術を適用できる演算デバイス700の概略的な構成の例を示すブロック図である。演算デバイス700は、プロセッサ701、メモリ702、記憶装置703、ネットワークインターフェース704、及びバス706を含む。
【0155】
プロセッサ701は、例えば、中央処理装置(CPU)又はデジタルシグナルプロセッサ(DSP)であってもよく、且つ、サーバ700の機能を制御する。メモリ702は、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びリードオンリーメモリ(ROM)を含み、かつ、データ及びプロセッサ701によって実行されるプログラムが記憶される。記憶装置703は例えば半導体メモリやハードディスクのような記憶媒体を含んでよい。
【0156】
ネットワークインターフェース704は、サーバ700を有線通信ネットワーク705に接続するための有線通信インターフェースである。有線通信ネットワーク705は、進化パケットコアネットワーク(EPC)などのコアネットワーク、又はインターネットなどのパケットデータネットワーク(PDN)であってもよい。
【0157】
バス706は、プロセッサ701、メモリ702、記憶装置703、及びネットワークインターフェース704を互いに接続する。バス706は、互いに異なる速度を有する2つ又はそれ以上のバス(例えば、高速バス、低速バス)を含んでもよい。
【0158】
[4-2.基地局の適用例]
(第1の適用例)
図16は、本開示の技術を適用できるeNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。eNB800は、1つ又は複数のアンテナ810及び基地局装置820を含む。基地局装置820と各アンテナ810はRFケーブルを介して互いに接続されてよい。
アンテナ810のそれぞれは単一又は複数のアンテナ素子(例えば多入力多出力(MIMO)アンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、基地局装置820における無線信号の送受信に使用される。
図16に示すように、eNB800は複数のアンテナ810を含んでもよい。例えば、複数のアンテナ810はeNB800に使用される複数の周波数帯域とコンパチブルである。
図16に、eNB800に複数のアンテナ810が含まれる例を示したが、eNB800が単一のアンテナ810を含んでもよい。
【0159】
基地局装置820は、コントローラ821、メモリ822、ネットワークインターフェース823及び無線通信インターフェース825を含む。
【0160】
コントローラ821は、例えばCPUやDSPであって、且つ、基地局装置820の上位層の各種機能を動作させることができる。例えば、コントローラ821は、無線通信インターフェース825で処理された信号に含まれているデータに基づいてデータパケットを生成し、ネットワークインターフェース823を介して、生成したパケットを伝送する。コントローラ821は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバインディングして、バインディングパケットを生成し、生成されたバインディングパケットを伝送することができる。コントローラ821は以下のような制御を実行する論理機能を有してもよく、例えば、当該制御が無線リソース制御、無線ベアラ制御、モビリティ管理、受付制御、及びスケジューリングなどである。当該制御は、近くのeNB又はコアネットワークノードと結合して実行されることができる。メモリ822はRAMとROMを含み、コントローラ821によって実行されるプログラムや各種制御データ(例えば、端末リスト、送信パワーデータ及びスケジューリングデータ)が記憶される。
【0161】
ネットワークインターフェース823は、基地局装置820をコアネットワーク824の通信インターフェースに接続するためのものである。コントローラ821はネットワークインターフェース823を介してコアネットワークノード又は別のeNBと通信することができる。この場合、eNB800とコアネットワークノード又は他のeNBとは論理インターフェース(例えば、S1インターフェースやX2インターフェース)によって互いに接続することができる。ネットワークインターフェース823は有線通信インターフェース又は無線バックホール回線用の無線通信インターフェースであってもよい。ネットワークインターフェース823が無線通信インターフェースであれば、無線通信インターフェース825によって使用される周波数帯域と比べると、ネットワークインターフェース823はより高い周波数帯域を無線通信に使用することができる。
【0162】
無線通信インターフェース825は、任意のセルラー通信方式(例えば、Long Term Evolution(LTE)やLTE-Advanced)をサポートし、アンテナ810を介してeNB800のセルに位置する端末への無線接続を提供する。通常、無線通信インターフェース825は、例えばベースバンド(BB)プロセッサ826及びRF回路827を含むことができる。BBプロセッサ826は、例えば、符号化/復号化、変調/復調、マルチプレク/デマルチプレクを実行するとともに、レイヤー(例えばL1、メディアアクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、Packet Data Convergence Protocol(PDCP))に関する各タイプの信号処理を実行することができる。コントローラ821の代わりに、BBプロセッサ826は上記した論理機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ826は通信制御プログラムが記憶されるメモリであってもよく、或いは、プログラムを実行するように配置されるプロセッサと関連回路とを含むモジュールであってもよい。プログラムを更新することによって、BBプロセッサ826の機能を変更させることができる。当該モジュールは、基地局装置820のスロットに挿入されるカードやブレッドであってもよい。その代わりに、当該モジュールはカードやブレッドに搭載されるチップであってもよい。同時に、RF回路827は、例えばミキサ、フィルタ、アンプを含んで、アンテナ810を介して無線信号を送受信することができる。
【0163】
図16に示すように、無線通信インターフェース825は複数のBBプロセッサ826を含んでよい。例えば、複数のBBプロセッサ826はeNB800に使用される複数の周波数帯域とコンパチブルである。
図16に示すように、無線通信インターフェース825は複数のRF回路827を含んでもよい。例えば、複数のRF回路827は複数のアンテナ素子とコンパチブルである。
図16に、無線通信インターフェース825が複数のBBプロセッサ826と複数のRF回路827を含む例を示したが、無線通信インターフェース825は単一のBBプロセッサ826又は単一のRF回路827を含んでもよい。
【0164】
(第2の適用例)
図17は、本開示の技術を適用できるeNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。eNB830は1つ又は複数のアンテナ840と、基地局装置850と、RRH860とを含む。基地局装置860と各アンテナ840はRFケーブルを介して互いに接続してよい。基地局装置850とRRH860は光ファイバケーブルのような高速回線を介して互いに接続してよい。
【0165】
アンテナ840のそれぞれは単一又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナに含まれた複数のアンテナ素子)を含んで、RRH860の無線信号の送受信に使用される。
図17に示すように、eNB830は複数のアンテナ840を含んでもよい。例えば、複数のアンテナ840はeNB830によって使用される複数の周波数帯域とコンパチブルである。
図17にeNB830は複数のアンテナ840が含まれる例を示したが、eNB830は単一のアンテナ840を含んでもよい。
【0166】
基地局装置850は、コントローラ851と、メモリ852と、ネットワークインターフェース853と、無線通信インターフェース855と、接続インターフェース857とを含む。コントローラ851、メモリ852、ネットワークインターフェース853は、
図16を参照して説明したコントローラ821、メモリ822、ネットワークインターフェース823と同様である。
【0167】
無線通信インターフェース855は任意のセルラー通信方式(例えばLTEとLTE-Advanced)をサポートし、RRH860及びアンテナ840を介してRRH860に対応するセクタに位置する端末への無線通信を提供する。通常、無線通信インターフェース855は、例えばBBプロセッサ856を含んでもよい。BBプロセッサ856が接続インターフェース857を介してRRH860のRF回路864に接続される以外、BBプロセッサ856は
図16を参照して説明したBBプロセッサ826と同様である。
図17に示すように、無線通信インターフェース855は複数のBBプロセッサ856を含んでもよい。例えば、複数のBBプロセッサ856はeNB830に使用される複数の周波数帯域とコンパチブルである。
図17に、無線通信インターフェース855は複数のBBプロセッサ856が含まれる例を示したが、無線通信インターフェース855は単一のBBプロセッサ856を含んでもよい。
【0168】
接続インターフェース857は、基地局装置850(無線通信インターフェース855)をRRH860に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース857は基地局装置850(無線通信インターフェース855)をRRH860に接続する上述した高速回線における通信用の通信モジュールであってもよい。
【0169】
RRH860は、接続インターフェース861及び無線通信インターフェース863を含む。
【0170】
接続インターフェース861は、RRH860(無線通信インターフェース863)を基地局装置850に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース861は上述した高速回線における通信用の通信モジュールであってもよい。
【0171】
無線通信インターフェース863は、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。通常、無線通信インターフェース863は、例えばRF回路864を含んでもよい。例えば、RF回路864はミキサ、フィルタ、アンプを含んで、アンテナ840を介して無線信号を送受信してもよい。
図17に示すように、無線通信インターフェース863は複数のRF回路864を含んでもよい。例えば、複数のRF回路864は複数のアンテナ素子をサポートすることができる。
図17に無線通信インターフェース863は複数のRF回路864が含まれる例を示すが、無線通信インターフェース863は単一のRF回路864を含んでもよい。
【0172】
[4-3.端末機器の適用例]
(第1の適用例)
図18は、本開示の技術を適用できるスマートフォン900の概略的な構成の例を示すブロック図である。スマートフォン900はプロセッサ901、メモリ902、記憶装置903、外部接続インターフェース904、撮像装置906、センサ907、マイク908、入力装置909、表示装置910、スピーカ911、無線通信インターフェース912、1つ又は複数のアンテナスイッチ915、1つ又は複数のアンテナ916、バス917、電池918及び補助コントローラ919を含む。
【0173】
プロセッサ901は、例えばCPU又はシステムオンチップ(SoC)であり、スマートフォン900のアプリケーションレイヤー及び他のレイヤーの機能を制御することができる。メモリ902はRAM及びROMを含み、データ及びプロセッサ901によって実行されるプログラムが記憶される。記憶装置903は例えば半導体メモリ及びハードディスクのような記憶媒体を含んでよい。外部接続インターフェース94は外部装置(例えばメモリカードやUniversal Serial Bus(USB)装置)をスマートフォン900に接続するためのインターフェースである。
【0174】
撮像装置906はイメージセンサ(例えば電荷結合デバイス(CCD)と相補型金属酸化物半導体(CMOS))を含み、撮影画像を生成する。センサ907は例えば測定センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサのような1組のセンサを含んでもよい。マイク908はスマートフォン900に入力された音をオーディオ信号に変換する。入力装置909は例えば表示装置910のスクリーンへのタッチを検出するように構成されるタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチを含み、ユーザから入力された操作又は情報を受け取る。表示装置910はスクリーン(例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ)を含み、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911はスマートフォン900から出力したオーディオ信号を音に変換する。
【0175】
無線通信インターフェース912は、任意のセルラー通信方式(例えば、LTEとLTE-Advanced)をサポートし、無線通信を実行する。通常、無線通信インターフェース912は、例えばBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでよい。BBプロセッサ913は例えば、符号化/復号化、変調/復調、マルチプレク/デマルチプレクを実行するとともに、無線通信のための各種のタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路914は例えばミキサ、フィルタ、アンプを含んで、アンテナ916を介して無線信号を送受信することができる。無線通信インターフェース912はその上にBBプロセッサ913及びRF回路914が集積化される一つのチップモジュールであってもよい。
図18に示すように、無線通信インターフェース912は複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含んでもよい。
図18に、無線通信インターフェース912は複数のBBプロセッサ913と複数のRF回路914が含まれる例を示したが、無線通信インターフェース912は単一のBBプロセッサ913又は単一のRF回路914を含んでもよい。
【0176】
なお、セルラー通信方式の以外、無線通信インターフェース912は、例えば短距離無線通信方式、近接通信方式や無線ローカルネットワーク(LAN)方式などの別タイプの無線通信方式をサポートすることができる。この場合、無線通信インターフェース912は各無線通信方式に対するBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでもよい。
アンテナスイッチ915のそれぞれは、無線通信インターフェース912に含まれる複数の回路(例えば異なる無線通信方式に使用される回路)間でアンテナ916の接続先を切り替える。
【0177】
アンテナ916のそれぞれは単一又は複数のアンテナ素子(例えばMIMOアンテナに含まれた複数のアンテナ素子)を含んで、無線通信インターフェース912の無線信号の送受信に使用される。
図18に示すように、スマートフォン900は複数のアンテナ916を含んでもよい。
図18に、スマートフォン900は複数のアンテナ916が含まれる例を示したが、スマートフォン900は単一のアンテナ916を含んでもよい。
【0178】
なお、スマートフォン900は各無線通信方式に対するアンテナ916を含んでもよい。この場合に、アンテナスイッチ915はスマートフォン900の配置から省略されてもよい。
【0179】
バス917はプロセッサ901、メモリ902、記憶装置903、外部接続インターフェース904、撮像装置906、センサ907、マイク908、入力装置909、表示装置910、スピーカ911、無線通信インターフェース912及び補助コントローラ919を互いに接続する。電池918はフィーダーによって
図18に示すスマートフォン900の各ブロックに電力を提供し、図面において、フィーダーは部分的に点線によって示される。補助コントローラ919は、例えば睡眠モードでスマートフォン900の最小限の必要な機能を操作する。
【0180】
(第2の適用例)
図19は、本開示の技術を適用できるカーナビゲーション装置920の概略的な構成の例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、Global Positioning System(GPS)モジュール924、センサ925、データインターフェース926、コンテンツプレーヤー927、記憶媒体インターフェース928、入力装置929、表示装置930、スピーカ931、無線通信インターフェース933、1つ又は複数のアンテナスイッチ936、1つ又は複数のアンテナ937及び電池938を含む。
【0181】
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであって、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及び他の機能を制御することができる。メモリ922はRAM及びROMを含み、データ及びプロセッサ921によって実行されるプログラムを記憶する。
【0182】
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信したGPS信号を使用してカーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度、高度)を測定する。センサ925は例えばジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどの1組のセンサを含んでもよい。データインターフェース926は図示しない端末を介して例えば車載ネットワーク941に接続し、車両によって生成されたデータ(例えば、車速データ)を取得する。
【0183】
コンテンツプレーヤー927は、記憶媒体(例えば、CDやDVD)に記憶されたコンテンツを再生して、当該記憶媒体は記憶媒体インターフェース928に挿入される。入力装置929は、例えば表示装置930のスクリーンへのタッチを検出するように配置されるタッチセンサ、ボタン又はスイッチを含み、ユーザから入力された操作又は情報を受け取る。表示装置930は例えばLCDやOLEDディスプレイのスクリーンを含み、ナビゲーション機能による画像又は再生されたコンテンツを表示する。スピーカ931はナビゲーション機能による音又は再生されたコンテンツを出力する。
【0184】
無線通信インターフェース933は任意のセルラー通信方式(例えば、LTEとLTE-Advanced)をサポートし、無線通信を実行することができる。通常、無線通信インターフェース933は、例えばBBプロセッサ934及びRF回路935を含むことができる。BBプロセッサ934は例えば、符号化/復号化、変調/復調、マルチプレク/デマルチプレクを実行するとともに、無線通信のための各種のタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路935は例えばミキサ、フィルタ、アンプを含んで、アンテナ937を介して無線信号を送受信することができる。無線通信インターフェース933はその上にBBプロセッサ934及びRF回路935が集積化される一つのチップモジュールであってもよい。
図19に示すように、無線通信インターフェース933は複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含んでもよい。
図19に、無線通信インターフェース933は複数のBBプロセッサ934と複数のRF回路935が含まれる例を示したが、無線通信インターフェース933は単一のBBプロセッサ934又は単一のRF回路935を含んでもよい。
【0185】
なお、セルラー通信方式の以外、無線通信インターフェース933は、例えば短距離無線通信方式、近接通信方式と無線LAN方式などの別タイプの無線通信方式をサポートすることができる。この場合、無線通信インターフェース933は各無線通信方式に対するBBプロセッサ934及びRF回路935を含んでもよい。
【0186】
アンテナスイッチ936のそれぞれは無線通信インターフェース933に含まれる複数の回路(例えば異なる無線通信方式に使用される回路)間でアンテナ937の接続先を切り替える。
【0187】
アンテナ937のそれぞれは単一又は複数のアンテナ素子(例えばMIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、無線通信インターフェース933の無線信号の送受信に使用される。
図19に示すように、カーナビゲーション装置920は複数のアンテナ937を含んでもよい。
図19に、カーナビゲーション装置920は複数のアンテナ937が含まれる例を示したが、カーナビゲーション装置920は単一のアンテナ937を含んでもよい。
【0188】
なお、カーナビゲーション装置920は各無線通信方式に対するアンテナ937を含んでもよい。この場合、アンテナスイッチ936はカーナビゲーション装置920の配置から省略されてもよい。
【0189】
電池938は、フィーダーによって
図19に示すカーナビゲーション装置920の各ブロックに電力を提供し、図面において、フィーダーは部分的に点線によって示される。電池938は車両から提供した電力を蓄積する。
【0190】
本開示の技術は、カーナビゲーション装置920、車載ネットワーク941及び車両モジュール942のうち1つ又は複数のブロックが含まれた車載システム(又は車両)940として実現することができる。車両モジュール942は車両データ(例えば車速、エンジン速度、故障情報)を生成して、生成されたデータを車載ネットワーク941に出力する。
【0191】
本開示に関連して記載された種々の例示的なブロック及び構成要素は、本明細書に記載の機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA又は他のプログラマブルな論理デバイス、離散なゲート又はトランジスタ論理回路、離散なハードウェア部品又はそれらの任意の組み合わせによって実施又は実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよい。その代わりに、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、及び/又はステートマシーンでもよい。プロセッサは、演算デバイスの組み合わせとして実施されてもよい。例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと連結した一又は複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、及び/又はこのような任意の他の構成であるとして実施されてもよい。
【0192】
本明細書に記載の機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されたソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせで実施されてもよい。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実施される場合、機能は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるか、又は非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体における1つ又は複数の命令又はコードとして伝送されてよい。他の例及び実施は、本開示及び添付の特許請求の範囲及び趣旨にある。例えば、ソフトウェアの性質を考慮して、上述した機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤ又はそれらの任意の組み合せで実行されてもよい。機能を実現する特徴も、様々な位置に物理的に配置されてもよく、分散して機能の一部が異なる物理的位置で実施されることも含む。
【0193】
さらに、他の構成要素に含まれる又は他の構成要素から分離した構成要素の開示は例示的なものであり、潜在的に様々な他のアーキテクチャと実施されて同じ機能を達成できるため、全部、大部、及び/又は一部の要素を1つ又は複数の単一の構造又は分離な構造の一部として組み込むことを含む。
【0194】
非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータによってアクセスできる任意な利用可能な非一時的な媒体でもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVDもしくは他の光ディスクストレージデバイス、磁気ディスクストレージデバイスもしくは他の磁気ストレージデバイス、又は命令もしくはデータ構造形態の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用され得る構成要素、汎用もしくは専用コンピュータ又は汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含んでよいが、これらに限定されない。
【0195】
本開示の以上の説明は、当業者が本開示を作成又は使用できるように提供された。本開示に対する様々な修正は、当業者には明らかである。当業者にとって、本開示の範囲から逸脱することがなく、本明細書で定義される一般的な原理は、他の変形に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に記載された例及び設計に限定されるものではなく、開示された原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲に対応する。
【0196】
本開示のいくつかの実施例は、以下のように構成されてもよい。
項目1.コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、
処理回路を含み、前記処理回路は、
前記電子機器を含む第1の通信装置が、
プライマリドナーとして動作し、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択し、
選択された少なくとも1つの第2の通信装置に、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を送信し、
選択されなかった第2の通信装置に、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を送信するように制御を実行するように配置されており、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、電子機器。
項目2.前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することは、前記複数の第2の通信装置を少なくとも1つのグループに分け、各グループの中で1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することを含む、項目1に記載の電子機器。
項目3.前記複数の第2の通信装置を少なくとも1つのグループに分けることは、
位置的に隣接する第2の通信装置を同じグループに分けることと、
前記複数の第2の通信装置のチャネル情報に対して、クラスタリングアルゴリズム又は二重再帰アルゴリズムを適用して、前記複数の第2の通信装置を少なくとも1つのグループに分けることとのうちの1つを含む、項目2に記載の電子機器。
項目4.各グループの中で1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することは、
当該グループの中で最大受信電力利得を有する第2の通信装置を、セカンダリドナーとして選択することと、
当該グループ内の平均チャネル状態に最も近いチャネル状態を有する第2の通信装置を、セカンダリドナーとして選択することとのうちの1つを含む、項目2に記載の電子機器。
項目5.前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することは、
選択された第2の通信装置のうちの各第2の通信装置の受信電力利得が、選択されなかった第2の通信装置のうちの各第2の通信装置の受信電力利得よりも高くなるように、所定数の第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択することを含む、項目1に記載の電子機器。
項目6.前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、
セカンダリドナーに第1プリセット識別子集合における識別子を割り当て、セカンダリドナーに割り当てられた識別子を第1の指示信号に含め、
メンバーノードに第2プリセット識別子集合における識別子を割り当て、メンバーノードに割り当てられた識別子を第2の指示信号に含めるように制御を実行するように配置されており、
ただし、第1プリセット識別子集合及び第2プリセット識別子集合は、プライマリドナーに用いられるデフォルト識別子を含まず、かつ、共通の識別子を含まない、項目1に記載の電子機器。
項目7.前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、デフォルト識別子に対応する同期信号をブロードキャストするように制御を実行するように配置されている、項目6に記載の電子機器。
項目8.前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、
前記バックホールネットワークに新たに加入した通信装置に第2の指示信号を送信し、
新たに加入した通信装置に第3の指示信号を送信するように制御を実行するように配置されており、
ただし、前記第3の指示信号は、新たに加入した通信装置に接続推薦されるセカンダリドナーの識別子を含む、項目1に記載の電子機器。
項目9.前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、メンバーノードからのセカンダリドナーを切り替える旨の要求を受信したことに応答して、当該要求を送信したメンバーノードから新たなセカンダリドナーを選択し、かつ、セカンダリドナーを切り替えた旨の確認を送信するように制御を実行するように配置されている、項目1に記載の電子機器。
項目10.前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、メンバーノードからのダイレクトノードに切り替える旨の要求を受信したことに応答して、当該要求を送信したメンバーノードに、ダイレクトノードに切り替えた旨の確認を送信するように制御を実行するように配置されており、
ただし、ダイレクトノードが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、項目1に記載の電子機器。
項目11.前記処理回路は、更に、
第1の通信装置が、メンバーノードとのRRC_INACTIVE状態の接続を維持する
ように制御を実行するように配置されている、項目1に記載の電子機器。
項目12.前記第1の通信装置と前記複数の第2の通信装置は基地局である、項目1に記載の電子機器。
項目13.コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、
処理回路を含み、前記処理回路は、
前記複数の第2の通信装置のうち前記電子機器を含む第2の通信装置が、
プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を受信し、
第1の指示信号を受信したことに応答してセカンダリドナーとして動作し、
前記複数の第2の通信装置のうちメンバーノードとして動作する第2の通信装置からの接続を許可するように制御を実行するように配置されており、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、電子機器。
項目14.プライマリドナーから受信した第1の指示信号は、セカンダリドナーに割り当てられた識別子をさらに含み、前記セカンダリドナーに割り当てられた識別子は、第1プリセット識別子集合に含まれ、第1プリセット識別子集合は、プライマリドナーに用いられるデフォルト識別子を含まなく、
前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、セカンダリドナーに割り当てられた識別子に対応する同期信号をブロードキャストするように制御を実行するように配置されている、項目13に記載の電子機器。
項目15.前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
バックホールリンクの品質劣化が検出された場合、前記セカンダリドナーに接続されたメンバーノードに、セカンダリドナーを切り替える旨の要求を送信し、
プライマリドナーからのセカンダリドナーを切り替えた旨の確認を受信したことに応答して、セカンダリドナーからメンバーノードに切り替えるように制御を実行するように配置されている、項目13に記載の電子機器。
項目16.セカンダリドナーからメンバーノードに切り替えることは、新たなセカンダリドナーとして選択されたメンバーノードとの間で識別子を交換することを含む、項目15に記載の電子機器。
項目17.前記第1の通信装置と前記複数の第2の通信装置は基地局である、項目13に記載の電子機器。
項目18.コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる電子機器であって、
処理回路を含み、前記処理回路は、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を受信し、
第2の指示信号を受信したことに応答して、メンバーノードとして動作すると共に、前記複数の第2の通信装置のうちセカンダリドナーとして動作する第2の通信装置に接続するように制御を実行するように配置されており、
プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーg、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、電子機器。
項目19.プライマリドナーから受信した第2の指示信号は、前記メンバーノードが接続すべきセカンダリドナーの識別子を含み、かつ、
前記識別子を有するセカンダリドナーに接続する、項目18に記載の電子機器。
項目20.処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
第1プリセット識別子集合における識別子に対応する同期信号を検出し、
当該同期信号を送信したセカンダリドナーに接続するように制御を実行するように配置されている、項目18に記載の電子機器。
項目21.プライマリドナーから受信した第2の指示信号は、メンバーノードに割り当てられた識別子をさらに含み、前記メンバーノードに割り当てられた識別子は、第2プリセット識別子集合に含まれ、第2プリセット識別子集合は、プライマリドナーに用いられるデフォルト識別子を含まなく、かつ、セカンダリドナーに用いられる第1プリセット識別子集合と共通の識別子を含まなく、
前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、メンバーノードに割り当てられた識別子に対応する同期信号をブロードキャストするように制御を実行するように配置されている、項目18に記載の電子機器。
項目22.前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
前記メンバーノードが接続されたセカンダリドナーからの、セカンダリドナーを切り替える旨の要求を受信したことに応答して、プライマリドナーにセカンダリドナーを切り替える旨の要求を送信し、
プライマリドナーからのセカンダリドナーを切り替えた旨の確認を受信したことに応答して、接続されたセカンダリドナーとの間で識別子を交換すると共に、メンバーノードから新たなセカンダリドナーに切り替える動作と、新たなセカンダリドナーに接続する動作とのうちの1つを実行するように制御を実行するように配置されている、項目18に記載の電子機器。
項目23.前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、
バックホールリンクの品質劣化が検出された場合、プライマリドナーにダイレクトノードに切り替える旨の要求を送信し、
プライマリドナーからのダイレクトノードに切り替えた旨の確認を受信したことに応答して、メンバーノードからダイレクトノードに切り替えるように制御を実行するように配置されており、
ただし、ダイレクトノードが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、項目18に記載の電子機器。
項目24.前記処理回路は、更に、
前記電子機器を含む第2の通信装置が、メンバーノードとして動作する場合、プライマリドナーとのRRC_INACTIVE状態の接続を維持するように制御を実行するように配置されている、項目18に記載の電子機器。
項目25.前記第1の通信装置及び前記複数の第2の通信装置は基地局である、項目18に記載の電子機器。
項目26.項目1~25のいずれか1つに記載の電子機器を有する基地局。
項目27.コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、
第1の通信装置が、
プライマリドナーとして動作し、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置をセカンダリドナーとして選択し、
選択された少なくとも1つの第2の通信装置に、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を送信し、
選択されなかった第2の通信装置に、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を送信することを含み、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、方法。
項目28.コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置が、
プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、セカンダリドナーのノードタイプを示す情報を含む第1の指示信号を受信し、
第1の指示信号を受信したことに応答して、セカンダリドナーとして動作し、
前記複数の第2の通信装置のうちメンバーノードとして動作する第2の通信装置からの接続を許可することを含み、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、方法。
項目29.コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置が、
プライマリドナーとして動作する第1の通信装置から、メンバーノードのノードタイプを示す情報を含む第2の指示信号を受信し、
第2の指示信号を受信したことに応答して、メンバーノードとして動作すると共に、前記複数の第2の通信装置のうちセカンダリドナーとして動作する第2の通信装置に接続することを含み、
ただし、プライマリドナーが、コアネットワークとの直接的なバックホールリンクを確立し、セカンダリドナーが、プライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立し、メンバーノードが、セカンダリドナー及びプライマリドナーを介してコアネットワークへのバックホールリンクを確立する、方法。
項目30.コアネットワークに接続された第1の通信装置と、第1の通信装置と無線通信する複数の第2の通信装置とを含むバックホールネットワークに用いられる方法であって、
第1の通信装置に項目27に記載の方法を実行させ、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの第2の通信装置に、項目28に記載の方法を実行させ、
前記複数の第2の通信装置のうちの少なくとも1つの他の第2通信装置に、項目29に記載の方法を実行させる、ことを含む方法。
項目31.プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに項目27~29のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
また、本開示のいくつかの例によれば、項目1~30のいずれか1つ又は複数項の技術案は、組み合わせて使用されてもよい。
【国際調査報告】