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特表2022-513783レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械
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  • 特表-レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械 図1
  • 特表-レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械 図2
  • 特表-レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械 図3
  • 特表-レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械 図4
  • 特表-レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/38 20140101AFI20220202BHJP
   B23K 26/046 20140101ALI20220202BHJP
【FI】
B23K26/38 B
B23K26/046
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533221
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(85)【翻訳文提出日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2019080822
(87)【国際公開番号】W WO2020120047
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】102018131781.6
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502300646
【氏名又は名称】トルンプフ ヴェルクツォイクマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Werkzeugmaschinen GmbH + Co. KG
【住所又は居所原語表記】Johann-Maus-Strasse 2,D-71254 Ditzingen,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カーステン リュッツ
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ヤーシュ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ マット
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168CB03
4E168CB07
4E168CB12
(57)【要約】
レーザユニットにより生ぜしめられたレーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械であって、機械ベッドを備えており、機械ベッドには、加工しようとするパイプまたは成形材をX軸に沿って送る送りステーションが設けられており、さらに、パイプまたは成形材が切断ヘッドに向かって押し込まれる押込みチャックを備えており、切断ヘッドは、X軸に対して垂直に延在するY軸と、Y軸に対して垂直に延在するZ軸とに沿って移動可能に配置されており、機械ベッドには、軸方向支持体が配置されており、軸方向支持体には、切断ヘッドが移動可能に支持されておりかつ押込みチャックが配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械(10,50)であって、機械ベッド(12)を備えており、該機械ベッド(12)には、加工しようとするパイプまたは成形材をX軸(16)に沿って送る送りステーション(14)が設けられており、さらに、前記パイプまたは前記成形材が切断ヘッド(22)に向かって押し込まれる押込みチャック(28)を備えており、前記切断ヘッドは、前記X軸(16)に対して垂直に延在するY軸(24)と、該Y軸(24)に対して垂直に延在するZ軸(26)とに沿って移動可能に配置されている、パイプ加工機械(10,50)において、
前記機械ベッド(12)に軸方向支持体(20)が配置されており、該軸方向支持体(20)に、前記切断ヘッド(22)が移動可能に支持されておりかつ前記押込みチャック(28)が配置されていることを特徴とする、パイプ加工機械(10,50)。
【請求項2】
前記機械ベッド(12)は、前記軸方向支持体(20)と一体に形成されている、請求項1に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項3】
前記機械ベッド(12)は、前記軸方向支持体(20)と解離不能に結合されている、請求項1または2に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項4】
前記機械ベッド(12)と前記軸方向支持体(20)とは、溶接またはねじ締結により接合されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項5】
前記軸方向支持体(20)は、Y方向(24)において前記機械ベッド(12)よりも大きな延在長さを有している、請求項1から4までのいずれか一項に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項6】
前記押込みチャック(28)は、前記X軸(16)の方向において移動不能に、前記軸方向支持体(20)に配置されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項7】
前記軸方向支持体(20)はYガイド(30)を有しており、該Yガイド(30)は、前記切断ヘッド(22)を前記Y軸(24)に沿って移動させることができるように前記Yガイド(30)に沿って移動可能なYキャリッジ(32)を備えており、該Yキャリッジ(32)にはZガイド(34)が設けられており、該Zガイド(34)は、前記切断ヘッド(22)を前記Z軸(26)に沿って移動させることができるように前記Zガイド(34)に沿って移動可能なZキャリッジ(36)を備えており、該Zキャリッジ(36)に前記切断ヘッド(22)が配置されている、請求項1から6までのいずれか一項に記載のパイプ加工機械(10)。
【請求項8】
前記切断ヘッド(22)は、追加X軸(52)に沿って移動可能である、請求項1から6までのいずれか一項に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項9】
前記追加X軸(52)は、斜め切断に際して前記切断ヘッドもしくはツールセンターポイント(TCP)が前記押込みチャック(28)に対して一定の距離に保たれるように調整されている、請求項8に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項10】
前記追加X軸(52)は、前記X軸(16)を用いた移動に重ねるための高動的軸として調整されている、請求項8または9に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項11】
前記軸方向支持体(20)はYガイド(30)を有しており、該Yガイド(30)は、前記切断ヘッド(22)を前記Y軸(24)に沿って移動させることができるように前記Yガイド(30)に沿って移動可能なYキャリッジ(32)を備えており、該Yキャリッジ(32)には追加Xガイド(54)が設けられており、該追加Xガイド(54)は、前記切断ヘッド(22)を前記追加X軸(52)に沿って移動させることができるように前記追加Xガイド(54)に沿って移動可能な追加Xキャリッジ(56)を備えており、該追加Xキャリッジ(56)にはZガイド(34)が設けられており、該Zガイド(34)は、前記切断ヘッド(22)を前記Z軸(26)に沿って移動させることができるように前記Zガイド(34)に沿って移動可能なZキャリッジ(36)を備えており、該Zキャリッジ(36)に前記切断ヘッド(22)が配置されている、請求項8、9または10に記載のパイプ加工機械(50)。
【請求項12】
前記切断ヘッド(22)は、前記Y軸(24)を中心として旋回可能(B軸)に配置されている、請求項1から11までのいずれか一項に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項13】
前記軸方向支持体(20)は、別の機能構成部材を配置するための別のインタフェースを有している、請求項1から12までのいずれか一項に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【請求項14】
前記機械ベッド(12)と一体に形成された制御装置キャビネットが設けられている、請求項1から13までのいずれか一項に記載のパイプ加工機械(10,50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械であって、機械ベッドを備えており、機械ベッドには、加工しようとするパイプまたは成形材をX軸に沿って送る送りステーションが設けられている、パイプ加工機械に関する。パイプ加工機械はさらに、パイプまたは成形材が切断ヘッドに向かって押し込まれる押込みチャックを有している。この場合、切断ヘッドは、X軸に対して垂直に延在し、通常水平方向に延在するY軸と、Y軸に対して垂直に延在し、通常鉛直方向に延在するZ軸とに沿って移動可能に配置されている。
【0002】
このようなパイプ加工機械は、例えば独国特許出願公開第102016106067号明細書または欧州特許第2017023号明細書から公知である。このようなパイプ加工機械では、機械ベッドとは別個に形成された加工ステーションが設けられており、加工ステーションには、切断ヘッドがY軸およびZ軸に沿って移動可能に配置されている。つまり、公知の機械は2つの構成群を有している。すなわち、一方は、送りステーションと押込みチャックとを備えた機械ベッドであり、他方は、切断ヘッドと、切断ヘッドを軸に沿って案内するガイドとを備えた加工ステーションである。別個の構成は、各構成群を互いに別個に製造しかつ運搬することができる、という利点を有している。しかしながら、実地では、機械の設置に比較的手間がかかる、ということが判った。それというのも、2つの構成群は、最終的にパイプまたは成形材の精密な切断を保証するために、互いに正確に位置調整されねばならないからである。さらに、機械動力学に関して複数の欠点が生じる場合がある。それというのも、概ね静止している加工ステーションに対して機械ベッドの振動が生じる場合があり、これにより、不正確な加工が生じる恐れがあるからである。
【0003】
本発明の根底を成す課題は、前記欠点を解消する、冒頭で述べた形式のパイプ加工機械を提供することにある。
【0004】
この課題は、特許請求項1記載の特徴を有するパイプ加工機械により解決される。
【0005】
つまり本発明では、機械ベッドに軸方向支持体が配置されており、軸方向支持体に、切断ヘッドが移動可能に支持されておりかつ押込みチャックが配置されている、ということが想定されている。一方では、切断ヘッドが軸方向支持体に移動可能に設けられており、かつ他方では、押込みチャックも軸方向支持体に配置されていることにより、個々の機能コンポーネントが互いに永続的に正確に位置調整されている機械が実現され得る。機械の組立てに際して、機械の手間のかかる設置が省かれる。機械ベッドを備えて形成される軸方向支持体は、個々の構成部材相互の正確な位置決めが生じるように、機械ベッドを備えて製造され得る。
【0006】
機械ベッドは、特に軸方向支持体と一体に形成されていてよく、この場合、機械ベッドは軸方向支持体と解離不能に結合されていてよい。
【0007】
この場合、有利には、機械ベッドと軸方向支持体とは溶接により接合されている。接合後に、好適にはただ1回の張設で、機械ベッドと共に軸方向支持体の、特に切削加工が行われる。これにより、機械ベッドと軸方向支持体の両構成部材が接合後に一緒に加工されるため、正確な位置調整が永続的に保たれ続ける、ということが保証され得る。
【0008】
ただし、機械ベッドと軸方向支持体とは、ねじにより互いに接合されている、ということも考えられる。
【0009】
軸方向支持体の、X軸を中心として生じ得るねじれを回避するためには、軸方向支持体が、Y方向において、つまり水平方向において、機械ベッドよりも大きな延在長さを有していると有利である。これにより、より大きな設置面ひいてはより高いねじれ剛性が生じることにより、全体として機械の頑丈な構成が生じることになる。
【0010】
さらに、押込みチャックが、X軸の方向において移動不能に、軸方向支持体に固定されて配置されていると有利である。このことも、各構成部材を永続的に正しい位置に位置調整することに寄与する。さらに、レーザカットにおけるより高い精度も達成され得る。それというのも、この場合は加工時のツールセンターポイント(TCP)が、押込みチャックに対して一定の距離を有しているからである。この場合、この距離は比較的小さくてよいので、機械および/または加工しようとするパイプまたは成形材における不都合な振動が最小化され得る。切断ヘッドと押込みチャックとが同一構成群内で実現されているため、押込みチャックにより案内されたパイプまたは成形材と切断ヘッドとの間の望ましくない振動が、十分に阻止され得る。
【0011】
本発明の1つの別の形態では、軸方向支持体にYガイドが設けられており、Yガイドは、切断ヘッドをY軸に沿って移動させることができるようにYガイドに沿って移動可能なキャリッジを備えている、ということが想定されている。さらにYキャリッジには、切断ヘッドをZ軸に沿って移動させることができるようにZガイドに沿って移動可能なキャリッジを備えたZガイドが設けられている。この場合、切断ヘッドはZキャリッジに配置されている。説明した配置により比較的簡単に、切断ヘッドをY軸に沿ってかつこれとは関係なくZ軸に沿って移動させることができるようになっている。
【0012】
本発明の1つのさらに別の実施形態では、切断ヘッドは、追加X軸に沿って移動可能である、ということが想定されている。この構成により、切断ヘッドを追加的に、追加X軸に沿って移動させることができ、これにより、切断ヘッドと押込みチャックとの間に、より大きな自由空間が生じることになる。このことは、押込みチャックが固定されているにもかかわらず、長い輪郭の切断を可能にすると共に、衝突の危険を低下させる。
【0013】
本発明ではさらに、軸方向支持体はYガイドを有しており、Yガイドは、切断ヘッドをY軸に沿って移動させることができるようにYガイドに沿って移動可能なYキャリッジを備えており、Yキャリッジには追加Xガイドが設けられており、追加Xガイドは、切断ヘッドを追加X軸に沿って移動させることができるように追加Xガイドに沿って移動可能な追加Xキャリッジを備えている、ということが想定されていてよい。この場合、この形態では、追加XキャリッジにZガイドが設けられており、Zガイドは、切断ヘッドをZ軸に沿って移動させることができるようにZガイドに沿って移動可能なZキャリッジを備えており、この場合、切断ヘッドはZキャリッジに配置されている。
【0014】
好適にはさらに、切断ヘッドは、Y軸を中心としてB軸に沿って旋回可能に配置されている、ということが想定されている。この場合、切断ヘッドがZキャリッジに設けられている場合には、これによりZキャリッジに、Y軸を中心としてB軸に沿って切断ヘッドを旋回させる旋回ガイドが設けられていてよい。
【0015】
切断ヘッドの、押込みチャックからより離れた位置において、切断ヘッドは押込みチャックと衝突すること無しに、B軸を中心として押込みチャックに向かう方向または押込みチャックから離れる方向に旋回させられてよい。これにより、特に斜め切断、すなわちパイプ表面に対して垂直でないレーザ切断が実現され得る。
【0016】
今日のパイプ切断機械では、斜め切断用に、押込みチャックはX方向に沿って切断ヘッドから離され、これにより、切断ヘッドの回転が可能になる。この場合、B軸はX方向において定置であり続ける。この場合、切断ヘッドが回転すると、TCPと押込みチャックとの間に異なる距離が生じる。このことは、精度の損失につながる。
【0017】
追加X軸を備えた本発明による一つの形態では、追加X軸は、斜め切断に際してTCPを押込みチャックに対して常に一定の距離に保つために利用され得、この距離において追加X軸は、B軸に対して補償運動を実施する。このことは、斜め切断加工の精度に利点をもたらす。
【0018】
一つの別の形態では、追加X軸は、高動的軸として形成されかつX軸に重ねられてよい。これにより、小さな輪郭の製造における生産性の利点を生ぜしめることができる。それというのも、追加X軸は、パイプを移動させるX軸よりも大幅に動的に形成されていてよいからである。
【0019】
一つの択一的な形態では、上述した軸のシーケンス、すなわちY軸、追加X軸、Z軸、B軸に代えて、以下の軸シーケンス、すなわち、追加X軸、Y軸、Z軸、B軸、またはY軸、Z軸、追加X軸、B軸が想定されていてもよい。
【0020】
機械ベッドと軸方向支持体とが、互いに正確な位置に永続的に配置されていることにより、軸方向支持体に、別の機能構成部材を配置するためのインタフェースが設けられていると有利である。このような構成部材は、特にカメラ、センサ、装置板、保護フード、コントロールパネル、シーム位置認識装置および/またはシーム位置調整装置であってよい。
【0021】
本発明の別の有利な形態および詳細は、本発明の2つの実施形態をより詳細に説明する以下の説明から看取され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるパイプ加工機械の側面図である。
図2図1に示した機械の正面図である。
図3図1に示した機械の一部を示す等角投影図である。
図4】本発明による第2の機械の正面図である。
図5図4に示した機械の一部を示す等角投影図である。
【0023】
図1図3には、レーザビームによりパイプまたは成形材を切断するパイプ加工機械10が示されている。機械10は、機械ベッド12を有しており、機械ベッド12には、加工しようとするパイプまたは成形材をX軸16に沿って送る送りステーション14が設けられている。パイプまたは成形材(図示せず)を支持するためには、機械ベッド12に複数のワーク支持体18が設けられている。
【0024】
機械10の正面側において、機械ベッド12の自由端部には、軸方向支持体20が設けられており、軸方向支持体20は、機械ベッド12と一体に、特に解離不能に結合されている。好適には、軸方向支持体20は機械ベッド12に溶接されている。この場合、機械ベッド12および軸方向支持体20の加工は、好適には機械ベッド12と軸方向支持体20とを接合してから行われる。これにより、各構成部材およびそれらの機能部分を、互いに正確な位置で永続的に対応するように配置することができる。
【0025】
ただし本発明では、機械ベッドと軸方向支持体とが、例えばねじ締結により互いに解離可能に接合されていることも考えられる。
【0026】
軸方向支持体20には切断ヘッド22が設けられており、切断ヘッド22は、X軸16に対して垂直にかつ水平方向に延在するY軸24と、X軸に対して垂直に、鉛直方向に延在するZ軸26とに沿って移動可能に配置されている。軸方向支持体20はさらに、押込みチャック28を有しており、押込みチャック28を介して、軸方向支持体20に加工しようとするパイプまたは成形材を通して案内し、かつ押込みチャック28により、パイプまたは成形材を加工中に緊締することができるようになっている。押込みチャック28は、X軸の方向において固定されて、軸方向支持体20に移動不能に配置されている。
【0027】
切断ヘッド22から出る、加工しようとするパイプまたは成形材を切断するレーザビームの供給用には、レーザ発生器(図示せず)が設けられており、レーザ発生器が発生させたレーザビームは、変向手段(やはり詳しくは図示せず)を介して切断ヘッド22に向かって変向させられる。
【0028】
特に図3から明らかになるように、軸方向支持体20は、Y軸24の方向において、機械ベッド12よりも大きな延在長さを有している。これにより、安定した頑丈な配置が生じることになる。特に、X軸16を中心としたねじれが確実に阻止され得る。
【0029】
さらに、特に図3から明らかになるように、軸方向支持体にはYガイド30が設けられており、Yガイド30内を、Yキャリッジ32がY軸24の方向に移動可能である。この場合、Yキャリッジ32はZガイド34を想定したものであり、Zガイド34に沿ってZキャリッジ36が移動可能に配置されている。Zキャリッジ36の終端には切断ヘッド22が配置されており、この場合、切断ヘッド22はY軸24を中心として、矢印38により示唆したB軸に沿って回動可能である。
【0030】
この場合、切断ヘッド22の、Y軸24、Z軸26およびB軸38に沿った制御は、機械制御装置を介して行われ、機械制御装置は、切断ヘッド22を移動させるように相応して配置されかつ構成された駆動ユニットを制御する。この場合、機械制御装置は、機械ベッド12と一体に形成され、特に機械ベッド12と解離不能に結合された制御装置キャビネット内に設けられていてよい。制御装置キャビネットは、特に機械ベッド12に溶接されていてよい。
【0031】
図4および図5には、本発明による別のパイプ加工機械50が示されており、その構成は実質的に、パイプ加工機械10の構成に相当する。対応する構成部材には、対応する符号が付されている。
【0032】
パイプ加工機械10とは異なり、パイプ加工機械50では、切断ヘッド22を追加的に、追加X軸52に沿って移動させることができるようになっている。このためには、Yキャリッジ32に追加Xガイド54が設けられており、追加Xガイド54に沿って追加Xキャリッジ56が移動可能である。この場合、キャリッジ56はZガイド34を有しており、Zガイド34に沿ってZキャリッジ36が移動可能である。パイプ加工機械10に相応して、パイプ加工機械50でも、Zキャリッジ36に設けられた切断ヘッドは、Y軸24を中心としてB軸38に沿って旋回可能である。
【0033】
機械10の場合と同様に、機械50にも、CNC制御される駆動装置が設けられており、駆動装置により切断ヘッド22は最終的に、Y軸24、Z軸26、追加X軸52およびB軸38に沿って移動可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】