(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】噴流サクションボックスおよび噴流サクション法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/492 20120101AFI20220202BHJP
【FI】
D04H1/492
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533707
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(85)【翻訳文提出日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 EP2019084271
(87)【国際公開番号】W WO2020120412
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】202018107163.7
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516301996
【氏名又は名称】アウテファ ソリューションズ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Autefa Solutions Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Paul-Lenz-Str. 1b, D-86316 Friedberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン リヒター
【テーマコード(参考)】
4L047
【Fターム(参考)】
4L047BA04
4L047EA19
(57)【要約】
本発明は、噴流サクション法および繊維材料ウェブ(2)を水噴流交絡するための装置(1)の吸引装置(6)用の噴流サクションボックス(14)に関する。中空の噴流サクションボックス(14)は、水噴流交絡するための装置(1)から放出されて繊維材料ウェブ(2)から再び流出した液体噴流(4)を吸い込み、噴流サクションボックス(14)のボックス周壁(18)に、噴流サクションボックス(14)のボックス内室(17)に通じる少なくとも1つのスリット状の周壁開口(20)が配置されている。噴流サクションボックス(14)はそのボックス周壁(18)に、スリット状のサクション開口(25)を備える、周壁開口(20)の上方に配置された少なくとも1つのノズルアタッチメント(24)を有し、サクション開口(25)の幅は、ボックス内室(17)および周壁開口(20)に向かって連続的に増大しており、周壁開口(20)の幅は、サクション開口(25)の出口側の幅に等しいかまたは出口側の幅よりも大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維材料ウェブ(2)、特に不織布フリースを水噴流交絡するための装置(1)の吸引装置(6)用の噴流サクションボックスであって、前記噴流サクションボックス(14)は、前記水噴流交絡するための装置(1)から放出されて前記繊維材料ウェブ(2)から再び流出した液体噴流(4)を吸い込むように設けられていると共に形成されており、中空の前記噴流サクションボックス(14)はそのボックス周壁(18)に、前記噴流サクションボックス(14)のボックス内室(17)に通じる少なくとも1つのスリット状の周壁開口(20)を有し、前記噴流サクションボックス(14)はそのボックス周壁(18)に、スリット状のサクション開口(25)を備える少なくとも1つのサクションノズル(23)を有し、前記サクション開口(25)の幅は、前記ボックス内室(17)および前記周壁開口(20)に向かって連続的に増大しており、前記サクションノズル(23)は、ノズルアタッチメント(24)として形成されていて、前記周壁開口(20)の上方に配置されており、前記周壁開口(20)の幅は、前記サクション開口(25)の出口側の幅に等しいかまたは出口側の幅よりも大きい、噴流サクションボックス。
【請求項2】
前記サクション開口(25)は、円錐形の横断面を有する、請求項1記載の噴流サクションボックス。
【請求項3】
前記サクションノズル(23)は、液体噴流(4)、特に水噴流を圧力下で放出するインジェクタ(3)に放出方向で向かい合っている、請求項1または2記載の噴流サクションボックス。
【請求項4】
前記サクションノズル(23)と前記スリット状のサクション開口(25)とは、サクションボックス軸線(16)に沿って方向付けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項5】
前記サクションノズル(23)と前記スリット状のサクション開口(25)とは、好ましくは前記繊維材料ウェブ(2)の全幅にわたって延在している、請求項1から4までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項6】
前記噴流サクションボックス(14)はそのボックス周壁(18)に、周方向に分配されて配置された複数のサクションノズル(23)を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項7】
前記噴流サクションボックス(14)は、真っ直ぐな噴流サクション管(15)として形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項8】
前記噴流サクション管(15)は、前記周壁開口(20)の領域に平坦加工部(19)を備える、外側が多角形の周壁を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項9】
前記ノズルアタッチメント(24)は、前記ボックス周壁(18)から離れる方向に突出している、請求項1から8までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項10】
前記ノズルアタッチメント(24)は、前記繊維材料ウェブ(2)用の、液体透過性の、特にパーフォレーション孔を備える搬送手段(11)の近傍にまで、特に回転する搬送ドラム(12)の近傍にまで達している、請求項1から9までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項11】
前記スリット状の周壁開口(20)に複数の支持ステー(21)が、好ましくはトラス状に配置されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項12】
前記サクション開口(25)の幅は調整可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項13】
前記サクションノズル(23)、特に前記ノズルアタッチメント(24)は、互いに相対的に可動の側壁(28)と、前記側壁(28)を相互に調整するための調整装置(34)とを有する、請求項1から12までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項14】
前記調整装置(34)は、前記側壁(28)を相互に調整するための締付け手段(35)と、前記ボックス周壁(18)に前記側壁(28)を固定するためのノズルホルダ(38)とを有する、請求項1から13までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項15】
前記サクションノズル(23)の、特に前記ノズルアタッチメント(24)の前記側壁(28)は、それぞれ1つの斜めの内壁(29)を有する、請求項1から14までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項16】
前記サクションノズル(23)の、特に前記ノズルアタッチメント(24)の前記側壁(28)は、支台(33)を備えるそれぞれ1つの段付けられた外壁(30)を有する、請求項1から15までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項17】
前記サクションノズル(23)の、特に前記ノズルアタッチメント(24)の前記側壁(28)は、入口側(26)に、それぞれ1つの凸面状に湾曲したまたは面取りされた頂壁(31)を有する、請求項1から16までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項18】
前記サクションノズル(23)の、特に前記ノズルアタッチメント(24)の前記側壁(28)は、出口側(27)に、それぞれ1つの平らな底壁(32)を有する、請求項1から17までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項19】
前記サクションノズル(23)、特に前記ノズルアタッチメント(24)は、端面に閉鎖体(38)を有する、請求項1から18までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項20】
前記噴流サクションボックス(14)は、好ましくは軸線方向の吸引開口(43)を有する、請求項1から19までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項21】
前記噴流サクションボックス(14)の前記ボックス内室(17)内に、周囲に対して負圧が形成されている、請求項1から20までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項22】
前記噴流サクションボックス(14)は、負圧発生器(7)と、場合により回収装置(8)とに接続されている、請求項1から21までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項23】
前記噴流サクションボックス(14)は、前記繊維材料ウェブ(2)用の、パーフォレーション孔を備える回転する搬送ドラム(12)の内部に、特に相対的に位置固定に配置されている、請求項1から22までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項24】
前記噴流サクションボックス(14)は、前記搬送ドラム(12)用の支承面(41)を有する、請求項1から23までのいずれか1項記載の噴流サクションボックス。
【請求項25】
繊維材料ウェブ(2)、特に不織布フリースを水噴流交絡するための装置(1)用の吸引装置であって、中空の噴流サクションボックス(14)を有する吸引装置(6)において、前記噴流サクションボックス(14)は、請求項1から24までの少なくとも1項記載の噴流サクションボックスにより形成されていることを特徴とする、吸引装置。
【請求項26】
前記吸引装置(6)は、前記噴流サクションボックス(14)に流れ案内接続された負圧発生器(7)を有する、請求項25記載の吸引装置。
【請求項27】
前記吸引装置(6)は、吸引された流れに含まれた液体、特に含まれた水用の回収装置(8)を有する、請求項25または26記載の吸引装置。
【請求項28】
前記吸引装置(6)は、前記繊維材料ウェブ(2)用の液体透過性の、特にパーフォレーション孔を備える搬送手段(11)、特に回転駆動される搬送ドラム(12)を有する、請求項25から27までのいずれか1項記載の吸引装置。
【請求項29】
前記吸引装置(6)は、液体噴流(4)、特に水噴流を圧力下で放出するインジェクタ(3)に配置されている、請求項25から28までのいずれか1項記載の吸引装置。
【請求項30】
前記噴流サクションボックス(14)は、前記液体噴流(4)、特に前記水噴流の放出方向で前記繊維材料ウェブ(2)用の前記搬送手段(11)の下方、特に前記回転駆動される搬送ドラム(12)の内部に配置されている、請求項25から29までのいずれか1項記載の吸引装置。
【請求項31】
繊維材料ウェブ(2)、特に不織布フリースを水噴流交絡するための装置であって、液体噴流(4)、特に水噴流を圧力下で放出する少なくとも1つのインジェクタ(3)と、噴流サクションボックス(14)を有する吸引装置(6)とを備える、水噴流交絡するための装置において、前記噴流サクションボックス(14)は、請求項1から24までの少なくとも1項記載の噴流サクションボックスにより形成されていることを特徴とする、水噴流交絡するための装置。
【請求項32】
前記吸引装置(6)は、請求項25から30までの少なくとも1項記載の吸引装置により形成されている、請求項31記載の水噴流交絡するための装置。
【請求項33】
前記インジェクタ(3)は、放出された液体噴流(4)、特に水噴流を前記噴流サクションボックス(14)の、放出方向で向かい合ったサクションノズル(23)に向けている、請求項31または32記載の水噴流交絡するための装置。
【請求項34】
前記水噴流交絡するための装置(1)は、前記繊維材料ウェブ(2)の走行方向に相並んで配置された複数のインジェクタ(3)を有し、該インジェクタ(3)に、前記噴流サクションボックス(14)のそれぞれ1つのサクションノズル(23)が、放出方向で向かい合っている、請求項31から33までのいずれか1項記載の水噴流交絡するための装置。
【請求項35】
前記水噴流交絡するための装置(1)は、前記繊維材料ウェブ(2)用の搬送手段(5)を有する、請求項31から34までのいずれか1項記載の水噴流交絡するための装置。
【請求項36】
液体噴流(4)を吸引するための方法であって、前記液体噴流(4)を、水噴流交絡するための装置(1)から繊維材料ウェブ(2)、特に不織布フリースに放出し、前記繊維材料ウェブ(2)から再び流出させ、流出した前記液体噴流(4)を吸引装置(6)の中空の噴流サクションボックス(14)によって吸引し、前記噴流サクションボックス(14)はそのボックス周壁(18)に、前記噴流サクションボックス(14)のボックス内室(17)に通じる少なくとも1つのスリット状の周壁開口(20)と、スリット状のサクション開口(25)を備える少なくとも1つのサクションノズル(23)とを有し、前記サクション開口(25)の幅は、前記ボックス内室(17)および前記周壁開口(20)に向かって連続的に増大しており、前記サクションノズル(23)は、ノズルアタッチメント(24)として形成され、前記周壁開口(20)の上方に配置されており、前記周壁開口(20)の幅は、前記サクション開口(25)の出口側の幅に等しいかまたは出口側の幅よりも大きい、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ独立請求項に記載の特徴を有する、繊維材料ウェブを水噴流交絡するための装置の吸引装置用の噴流サクションボックスと、噴流サクション法とに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5718022号明細書に基づいて公知の、吸引装置の噴流サクションボックスは、水噴流交絡装置のために設けられており、この水噴流交絡装置を用いて、不織布フリースの形態の繊維材料ウェブが、衝突する水噴流によって交絡される。噴流サクションボックスによって、水噴流交絡装置の複数のインジェクタから高圧で放出された水噴流は、材料ウェブの通過後に吸い込まれる。中空の噴流サクションボックスは、そのボックス周壁に、噴流サクションボックスのボックス内室に通じる複数のスリット状の周壁開口を有している。噴流サクションボックスは圧力下にあり、周壁開口を通して、周壁噴流以外に空気も周囲から中空のボックス内室内に吸い込まれる。
【0003】
国際公開第01/79598号には、サクションノズルを備えた吸引装置の噴流サクションボックスが示されており、サクションノズルのサクション開口は、一定の開口幅を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、改善された噴流サクション技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、この課題を独立請求項に記載の特徴によって解決する。
【0006】
請求された噴流サクション技術、すなわち、噴流サクションボックスと、噴流サクション法と、吸引装置と、この吸引装置を備えた水噴流交絡するための装置とは、種々様々な利点を有している。
【0007】
噴流サクション技術は、ほとんどエネルギコストおよび構造コストを必要としない。噴流サクション技術は、資金を節約し、効果的であり、かつ僅かしか騒音を発しない。僅かな構造コストおよびエネルギコストによって、請求された噴流サクション技術は、従来技術よりも経済的である。最後に付言すると、より良好でかつより一定の交絡結果も高圧液体噴流、特に高圧水噴流によって繊維材料ウェブを交絡する場合に得られる。
【0008】
請求された噴流サクションボックスは、吸引装置と、この吸引装置を備えた水噴流交絡するための装置との、独立した構成要素であってよい。噴流サクションボックスは、既存の吸引装置に後付けするかまたは組み換えることができる。噴流サクションボックスは、初期設備として新規の吸引装置に実装することもできる。
【0009】
請求された噴流サクションボックスは、そのボックス周壁に、スリット状のサクション開口を備えた少なくとも1つのサクションノズルを有しており、サクション開口の幅が、ボックス内室に向かって好ましくは連続的に増大している。サクション開口は、特に円錐形に拡大する横断面を有していてよい。サクション開口は、出口側で周壁開口に開口している。サクション開口は、入口側の開口幅よりも大きい出口側の開口幅を有している。
【0010】
噴流方向または吸込み方向におけるノズル幅の増大によって、ノズル出口側での圧力損失を小さく保つことができる。一定のまたは減少するノズル幅を備えたサクションノズルに比べて、圧力損失は著しく僅かである。請求された噴流サクション技術のプラスの効果は、ノズル出口における流速が高ければ高いほど、また、中空のボックス内室からの空気/液体混合物の吸引速度が高ければ高いほど、より強く作用する。
【0011】
僅かな圧力損失のおかげで、ボックス内室での適度な負圧および小型の負圧発生器でも、サクションノズルの入口側に所望の負圧を発生させ、かつサクションノズルおよび噴流サクションボックスの吸引開口に所望の流速を発生させるためには十分である。このような負圧は、例えば15,000Paであってよく、流速は、例えば25m/sであってよい。
【0012】
1つまたは複数のサクションノズルを噴流サクションボックスに適切に配置することができる。これらのサクションノズルは、サクションボックス軸線に沿って、さらには、繊維材料ウェブに対して横方向に延在していてよい。サクションノズルの数および配置形態は、水噴流交絡装置のインジェクタまたはノズル条片の数および配置形態に適合させることができる。サクションノズルは、放出される液体噴流、特に水噴流の放出方向で、これらのインジェクタのそれぞれ1つのインジェクタに向かい合っていてよい。放出された液体および噴流によって連行された周囲空気は、次第に増大する請求されたスリット状のサクション開口内に、特に良好にかつ効果的に受け入れられ、排出することができる。これによって、貫流された繊維材料ウェブは可能な限り僅かしか湿分を帯びない。ゆえに、繊維材料ウェブのための後続の乾燥コストが僅かになり、これによって、同様に資金消費が低減し、効果または経済性が高まる。
【0013】
噴流サクションボックスは、そのボックス周壁に、周方向に分配されて配置された複数のサクションノズルを有していてよい。これらのサクションノズルは、相応に厚いボックス周壁内に組み込むことができる。これらのサクションノズルは、代替的にまたは追加的に、ノズルアタッチメントとして形成されて、ボックス周壁の周壁開口の上方に配置されていてよい。ノズルアタッチメントは、ボックス周壁から外方に向かって突出していてよい。ノズルアタッチメントは、繊維材料ウェブのための液体透過性の、特にパーフォレーション孔を備えた搬送手段の近傍にまで突出していてよい。代替的にまたは追加的に、ノズルアタッチメントはボックス周壁においてボックス内室に内向きに突入していてよい。
【0014】
ノズルアタッチメントを備えた構成には、複数の利点がある。新空気の吸込みを低減するかまたは回避することができる。局所的に噴流サクションボックスから外方に向かって突出している1つまたは複数のノズルアタッチメントによって、ボックス周壁と液体透過性の搬送手段との間の中間室を得ることができ、この中間室は、ドラム状の搬送手段を支持するための所望スペースに相当することができる。ボックス周壁から内向きにボックス内室に突入しているノズルアタッチメントは、サクションボックスの最大の延在長さと最大の内室容積とを可能にし、このことは、サクション作用およびサクション出力の最適化のために有利である。
【0015】
請求された噴流サクションボックスは、任意の適宜な形状を有していてよい。この噴流サクションボックスは、上述した搬送手段に適合されていてもよい。1つの実施形態では、噴流サクションボックスは、立方体のまたは直方体の形状を有していてよく、このとき、搬送手段は、例えばコンベヤベルトの真っ直ぐな区分として形成されていてよい。
【0016】
好適な実施形態では、噴流サクションボックスは真っ直ぐな噴流サクション管として形成されている。この噴流サクション管は、1つまたは複数の周壁開口の領域に平坦加工部を備えた、外側が多角形の周壁を有していてよい。周壁は、内側が円筒形に形成されていてよい。平坦加工部によって、ノズルアタッチメントを特に好適に噴流サクション管に配置することができる。1つの噴流サクション管では、液体透過性の搬送手段は、例えば回転駆動される搬送ドラムとして形成され、定置の噴流サクション管に対して同軸に配置されていてよい。噴流サクション管は、搬送ドラムのための支承面を有していてもよい。
【0017】
噴流サクションボックスの、特に噴流サクション管の機械的な安定性のためには、1つまたは複数のスリット状の周壁開口に複数の支持ステーが配置されていると好適である。これらの支持ステーは、互いに斜めに方向付けられ、トラス状に配置されていてよい。周壁開口は、ノズルアタッチメントにおいてその出口側の端部に続いている。周壁開口幅は、出口側のサクション開口幅に等しいかまたは出口側のサクション開口幅よりも大きくてよい。
【0018】
サクション開口の幅は調整可能であってよい。これによって、サクション開口は、種々様々な使用要求、特に水噴流交絡装置の変化する運転モードにも適合することができる。繊維材料ウェブの搬送路にわたって分配されて配置された複数のサクションノズルでは、これらのサクションノズルのサクション開口の幅は、互いに等しくてもよいし、必要に応じて互いに異なるように調整されてもよい。
【0019】
このような幅調整のためには、サクションノズルがノズルアタッチメントとして形成されていることが特に有利である。サクションノズル、特にノズルアタッチメントは、互いに相対的に可動の側壁と、側壁を相互に調整するための調整装置とを有していてよい。噴流サクション管では、多角形の外側輪郭と1つまたは複数の平坦加工部とが、サクションノズル調整のために特に有利である。
【0020】
請求された噴流サクションボックスを備えた吸引装置は、特に効果的かつ経済的である。付属の負圧発生器は、上述したように、比較的弱く、ひいては、資金およびコストに関して好適に構成することができる。回収装置によって、吸い込まれた水/空気混合物から水を特に有利に分離することができ、必要な場合には、水噴流交絡するための装置に再び供給することができる。噴流交絡プロセスに使用される水は有効に使用することができ、高いレベルで回収することができる。繊維材料ウェブによる水搬出は、僅かに保つことができる。
【0021】
請求された水噴流交絡するための装置は、吸引装置と、特に請求された形態の噴流サクションボックスとを有していてよい。繊維材料ウェブに向かって高圧下で放出されかつ繊維材料ウェブを貫通する液体噴流は、水から成っていてもよいし、任意の他の適切な液体から成っていてもよい。したがって、水噴流交絡装置というのは、任意の液体から成るこのような高圧液体噴流を使用するあらゆる形態の交絡装置のことを意味している。
【0022】
従属請求項には、本発明の別の好適な構成が記載されている。
【0023】
本発明は、図面に例としてかつ概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】吸引装置および噴流サクションボックスならびに繊維材料ウェブを備えた水噴流交絡装置を概略的に示す図である。
【
図2】回転する搬送ドラムによって取り囲まれた、噴流サクション管として形成された噴流サクションボックスの配置形態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示された、軸線方向に方向付けられた3つのサクションノズルを備えた噴流サクション管を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示された、軸線方向に方向付けられた3つのサクションノズルを備えた噴流サクション管を示す斜視図である。
【
図5】
図4の前側のサクション管領域の一部を拡大して示す詳細図である。
【
図6】
図1および
図2の噴流サクション管および搬送ドラムを示す横断面図である。
【
図7】ノズルアタッチメントとして形成された2つのサクションノズルを備えた噴流サクション管の一部を拡大しかつ切断して示す詳細図である。
【
図8】ノズルアタッチメントの一部を拡大しかつ切断して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、噴流サクションボックス(14)と、水噴流交絡するための装置(1)の高圧液体噴流の噴流サクション法とに関する。本発明は、また、このような噴流サクションボックス(14)を備えた吸引装置(6)にも関する。さらに、本発明は、このような噴流サクションボックス(14)と吸引装置(6)とを備えた水噴流交絡するための装置(1)を含んでいる。本発明には、さらに、水噴流交絡法および吸引法も含まれている。
【0026】
図1には、繊維材料ウェブ(2)を水噴流交絡するための3つの装置(1)を備えた設備が示してある。繊維材料ウェブ(2)はテキスタイル繊維、特に合成繊維から成っている。繊維材料ウェブ(2)は、例えば不織布フリースとして形成されている。繊維材料ウェブ(2)は、図示しない製造装置から、例えばカード、紡績フリースタワー、またはスパンボンドタワーから、搬送手段(5)における空気層またはこれに類したものに供給される。必要な場合には、例えばフリースレイヤである別の機械が介在されていてよい。搬送手段(5)は、エンドレスに循環する噴流透過性の搬送ベルトを有していてよい。繊維材料ウェブ(2)は、3つの水噴流交絡するための装置(1)を連続的に通走することができる。
【0027】
3つの装置(1)は、互いに同形に形成されていてよい。これらの装置(1)は、それぞれ1つまたは複数のインジェクタ(3)を有している。好ましくは複数のインジェクタ(3)が有利であり、繊維材料ウェブ(2)の搬送方向で相前後して搬送路に沿って配置されている。
【0028】
繊維材料ウェブ(2)は、列を成してまたはマトリックスの形態で配置された薄層の高圧液体噴流(4)、特に水噴流によって交絡され、このような高圧液体噴流(4)は、それぞれインジェクタ(3)から繊維材料ウェブ(2)に放出されて繊維材料ウェブ(2)を貫通する。それぞれのインジェクタ(3)は、例えばノズルビームとして形成されていてよい。このノズルビームは、繊維材料ウェブ(2)および繊維材料ウェブ(2)の搬送路に対して横方向に方向付けられていて、繊維材料ウェブ(2)の幅を大部分、好ましくは完全に覆っている。
【0029】
放出された液体噴流(4)は、吸引装置(6)によって受け入れられ、吸い込まれ、搬出される。吸引装置(6)は、
図1、
図2および
図6によれば、噴流サクションボックス(14)と、繊維材料ウェブ(2)を搬送するための搬送手段(11)とを1つまたは複数のインジェクタ(3)の領域に有している。搬送手段(11)は、繊維材料ウェブ(2)を衝突する液体噴流(4)に対して支持している。
【0030】
噴流サクションボックス(14)は、繊維材料ウェブ(2)から再び流出した液体噴流(4)を吸い込む。さらに、周囲空気を吸い込みことができる。噴流サクションボックス(14)は、液体噴流(4)の、
図1~
図6に示した放出方向で、搬送手段(11)の下方に配置されている。噴流サクションボックス(14)は、運動する搬送手段(11)に対して位置固定に配置されている。
【0031】
図示の実施例では、噴流サクションボックス(14)は長い真っ直ぐな噴流サクション管(15)として形成されている。代替的に、例えば直方体のボックス形状である別の構成が可能である。以下に噴流サクション管(15)に対して記載する特徴は、他の形式の噴流サクションボックス(14)に対しても言える。
【0032】
搬送手段(11)は、図示の実施例では、回転駆動される搬送ドラム(12)として形成されている。この搬送ドラム(12)内には、噴流サクションボックス(14)または噴流サクション管(15)が相対的に位置固定に配置されている。搬送ドラム(12)は、噴流サクション管(15)の中心軸線(16)に対して同心に配置されており、この軸線(16)を中心として回転する。搬送ドラム(12)は、任意に適切に回転駆動することができる。そのために、駆動装置(13)が設けられている。この駆動装置(13)のうち、
図2には例えばリングギヤが示してあり、このリングギヤは搬送ドラム(12)の一方の端面端部に配置されている。駆動装置(13)の他の部材、例えば伝動装置および被動ピニオンなどを備えたモータは図示しない。
【0033】
搬送手段(11)は、流体透過性に形成されている。この搬送手段(11)は、液体噴流(4)および空気をも通過させることができる。そのために、搬送手段(11)は、例えば穿孔されたまたはパーフォレーション孔を備えた搬送要素を有していてよい。搬送ドラム(12)としての図示の構成では、ドラム周壁が液体透過性である。
【0034】
他の図示しない変化形態では、搬送手段(11)は他の形態で、例えば循環するベルトコンベヤとして形成されていてよい。このようなベルトコンベヤは、同様に流体透過性であってよく、例えば穿孔されたまたはパーフォレーション孔を備えたコンベヤベルトを有していてよい。
【0035】
図示の実施例では、搬送ドラム(12)は、穿孔された、特にパーフォレーション孔を備えた円筒形の周壁を有しており、この周壁の開口を通って液体噴流(4)は、噴流サクションボックス(14)または噴流サクション管(15)に達することができる。噴流サクション管(15)内において負圧を発生させることができ、この負圧によって、放出された液体噴流(4)を効果的にかつ所望のように中空のボックス内室(17)内に吸い込むことができる。噴流サクション管(15)は、一方の端面端部で閉鎖され、他方の端面端部に吸引開口(43)を有している。この吸引開口(43)を通して、吸い込まれた液体/空気混合物はボックス内室(17)から再び流出することができる。
【0036】
繊維材料ウェブ(2)は、搬送ドラム(12)の全周の大部分に巻き付いている。繊維材料ウェブ(2)は、ドラム回転によって搬送され、後続の搬送ドラム(12)に引き渡され、最後の水噴流交絡するための装置(1)の通過後に、再びコンベヤベルトまたは他の手段に搬出のために引き渡すことができる。繊維材料ウェブ(2)はドラム材料上に直接載置されていてよい。代替的に、運動させられるコンベヤベルトがその間に配置されていてよい。
【0037】
搬送手段(5)の下で、第1の吸引装置(6)への繊維材料ウェブ(2)の引渡し箇所には、インジェクタ(3)が配置されている。このインジェクタ(3)から放出された液体噴流(4)は、搬送ベルトを貫通する。液体噴流(4)は、追加的に、第1の搬送ドラム(12)への繊維材料ウェブ(2)の連行および引渡しを行う。
図1には、このような配置形態が示してある。
【0038】
図2、
図3および
図4には、吸引装置(6)の別の構成要素が概略的に示してある。搬送ドラム(12)は、噴流サクション管(15)に回転可能に支持されている。そのために、噴流サクション管(15)は、端面側の端部に、
図3および
図4で明らかな支承面(41)を有していてよい。噴流サクション管(15)と搬送ドラム(12)との間には、中間室(22)が存在していてよく、この中間室(22)は、ドラムを支持するための半径方向の所要スペースに相当していてよい。
図6には、このような配置形態が示してある。閉鎖された端面端部に、噴流サクション管(15)は支持ピンを有しており、他方の開放した(43)端面端部に、位置固定の取付けのための管フランジ(42)を有している。
【0039】
吸引装置(6)は、負圧発生器(7)を有しており、この負圧発生器(7)によって液体/空気混合物は、噴流サクション管(15)から開口(43)と、この開口(43)に接続する管とを通して吸引される。吸引装置(6)は、さらに、回収装置(8)を有しており、この回収装置(8)によって、液体を空気から分離し、戻し路(9)を介して、かつ場合によりクリーニング装置をも介して、再び1つまたは複数のインジェクタ(3)に供給することができる。空気は、出口(10)を介して放出することができる。負圧発生器(7)および回収装置(8)は、
図2には単に概略的に示してある。負圧発生器(7)および回収装置(8)は、任意に適切に形成されかつ配置されていてよい。回収装置(8)は、例えばサイクロンとして構成されていてよい。
【0040】
図3~
図8から、噴流サクションボックス(14)または噴流サクション管(15)の構成が明らかである。中空の噴流サクション管(15)は、ボックス周壁(18)または管周壁を有しており、このボックス周壁(18)または管周壁は、横断面で見て内側が円筒形に形成されており、外側が、複数の平坦加工部(19)を備えた多角形状を有している。
図7および
図8でこの構成が明らかである。
【0041】
噴流サクション管(14)はそのボックス周壁(18)に、スリット状のサクション開口(25)を備えた少なくとも1つのサクションノズル(23)を有している。サクション開口(25)の幅は、ボックス内室(17)に向かって増大している。サクション開口(25)は、例えば
図6~
図8に示してあるように円錐形の横断面を有していてよい。階段状の横断面拡大も可能である。サクションノズル(23)およびそのスリット状のサクション開口(25)は、軸線(16)またはサクションボックス軸線に沿って延在している。サクションノズル(23)およびそのスリット状のサクション開口(25)は、さらに好ましくは、繊維材料ウェブ(2)の全幅にわたって延在している。
【0042】
サクションノズル(23)の数および配置形態は、1つまたは複数のインジェクタ(3)の数および配置形態に合わせられていてよい。図示の実施例では、
図1に示した水噴流交絡するための装置(1)では、例えば3つのインジェクタが、搬送ドラム(12)および噴流サクション管(15)を中心とした円弧に配置されている。円弧の配置形態および液体噴流(4)の放出方向は、軸線(16)に対して同心であってよい。
【0043】
サクションノズル(23)は、相応に分配されて噴流サクション管(15)のボックス周壁(18)に配置されている。サクションノズル(23)のサクション開口(25)は、それぞれ割り当てられたインジェクタ(3)に向いていて、それぞれのインジェクタ(3)に放出方向で向かい合っている。それぞれのインジェクタ(3)から放出された液体噴流(4)は、繊維材料ウェブ(2)および搬送手段(11,12)を貫通した後、直接サクション開口(25)内に達する。
図6には、この状況が矢印で示してある。
【0044】
放出方向およびサクション開口(25)の長手方向軸線は、軸線(16)に対して半径方向に方向付けられている。サクション開口(25)内へのそれぞれの液体噴流(4)の進入は、ボックス内室(17)内における負圧と吸込み作用とによって促進される。さらに、外側から空気がサクション開口(25)を通して吸い込まれて、液体噴流(4)と一緒に流される。
【0045】
図示の実施例では、周方向に分配されてボックス周壁(18)に配置された3つのサクションノズル(23)が、それぞれノズルアタッチメント(24)として形成されており、このノズルアタッチメント(24)は、ボックス周壁(18)に設けられた軸線方向の周壁開口(20)の上方に配置されている。ノズルアタッチメント(24)は、それぞれ半径方向でボックス周壁(18)から外側に向かって延びており、
図1および
図6によれば、搬送手段(11)、特に搬送ドラム(12)に密に達している。搬送手段(11)、特に搬送ドラム(12)におけるノズルアタッチメント(24)の密な接近または場合により接触によって、特に中間室(22)からの側方での誤入空気の吸込みが阻止される。
【0046】
好ましくはスリット状の周壁開口(20)は、ボックス周壁(18)内の軸線(16)に沿って延在している。周壁開口(20)は、材料ウェブ幅にわたって延びており、噴流サクション管(15)の端面側の縁部の前で終端している。スリット状の周壁開口(20)内には、それぞれ複数の支持ステー(21)が配置されている。これらの支持ステー(21)の配置形態は斜めの方向付けを有していてよく、トラス状に形成されていてよい。
【0047】
ノズルアタッチメント(24)は、軸線方向に向けられた側壁(28)を有している。これらの側壁(28)は、側方に互いに間隔を置いて配置されており、これらの側壁(28)の間には、サクション開口(25)が配置されている。サクション開口(25)は、ノズルアタッチメント(24)の入口側(26)または外側でかつ搬送手段(11,12)の近傍で開口している。出口側の端部(27)でサクション開口(25)は、周壁開口(20)において開口している。
【0048】
1つまたは複数のノズルアタッチメント(24)は、それぞれ端面端部で閉鎖体(40)によって密に閉鎖されている。ここでは、軸線方向での側壁(28)の支持も行われていてよい。側壁(28)は、一体に形成されていてもよいし、複数の部分から成っていてもよい。図示の実施例では、側壁(28)は複数のセグメントに分割されており、それぞれの側壁セグメントは、相補的に段付けられた端面によって互いに形状接続式に案内されている。
【0049】
サクション開口(25)は、好ましくは図示した円錐形の横断面形状を有している。サクション開口(25)の幅は、入口側(26)において出口側(27)におけるよりも小さい。ボックス周壁(18)における周壁開口(20)の幅は、サクション開口(25)の出口側の幅に等しいかまたは出口側の幅よりも大きくてよい。
【0050】
ノズルアタッチメント(24)の側壁(28)は、上述した幅の変化を生じさせるために、それぞれ斜めの内壁(29)を有していてよい。壁の傾斜は、軸線(16)から出発して半径方向に関して鏡面対称であってよい。代替的に、非対称の構成が可能である。サクション開口幅の増大は、図示の実施形態では、連続的であってよい。
【0051】
斜めの壁(29)と半径方向との間の傾斜角αは、例えば8°~15°であってよい。10°~13°の幅が好ましい。
図8には、このような状況が明らかに示してある。
【0052】
サクション開口(25)の幅は、調整可能であってよい。必要な場合には、傾斜角αも、図示しない実施形態では、代替的にまたは追加的に変化可能かつ調整可能である。
【0053】
サクション開口(25)の幅調整のために、サクションノズル(23)、特にノズルアタッチメント(24)は、互いに相対的に可動の側壁(28)と、側壁(28)を相互に調整するための調整装置(34)を有している。この調整装置(34)は、側壁(28)を相互に調整するための締付け手段(35)と、ボックス周壁(18)に側壁(28)を固定するためのそれぞれ1つのノズルホルダ(38)とを有していてよい。
【0054】
図7および
図8から明らかなように、側壁(28)は、それぞれ段付けられた外壁(30)を有している。この外壁(30)は、側方に突出する支台(33)を、軸線(16)に向けられた下端部に有していてよい。さらに、側壁(28)は、ノズルアタッチメント(24)の入口側(26)または外側に、それぞれ凸面状に湾曲したまたは面取りされた頂壁(31)を有している。これによって、搬送手段(11,12)と一緒に、中間室(22)に対するシール作用を生じさせることができる。
【0055】
外側(27)に側壁(28)はそれぞれ1つの平らな底壁(32)を有していてよい。底壁(32)は、ボックス周壁(18)の面取り部(19)に載置されていてよく、この平坦加工部(19)に沿って、上述した半径方向に対して横方向の調整時に滑動することができる。底壁(32)と面取り部(19)との間には、それぞれシール要素(39)が配置されていてよい。
【0056】
ノズルホルダ(38)は、ノズルアタッチメント(24)およびその側壁(28)をボックス周壁(18)に固持しており、同時にサクション開口幅を変化させるための側壁(28)の横方向調整を可能にする。ノズルホルダ(38)は、例えばそれぞれ締付け爪として形成されている。この締付け爪は、ボックス周壁(18)にねじまたは他の形式で固定されており、爪アームでそれぞれの支台(33)に上から係合して、支台(33)をボックス周壁(18)または平坦加工部(19)に固定している。ノズルホルダ(38)は、ノズルアタッチメント(24)の全長にわたってまたはノズルアタッチメント(24)の長さの一部にわたって延在していてよい。図示の実施例では、ボックス周壁(18)に沿って分配されて配置されたより短い複数のノズルホルダ(38)が設けられている。
【0057】
サクション開口(25)を幅調整するための締付け手段(35)は、それぞれのノズルアタッチメント(24)の互いに向かい合っている側壁(28)の間で作用する。締付け手段は、例えば軸線方向の締付け条片(36)を有している。これらの締付け条片(36)はそれぞれ、外壁(30)に接触し、支台(33)に支持されている。それぞれの側壁(28)に配置された締付け条片(36)は、一体に形成されていてよく、それぞれのノズルアタッチメント(24)の全長にわたって延在していてよい。締付け条片(36)は、代替的にセグメントに分割されていてよい。
【0058】
締付け手段(35)は、さらに、複数の締付けピン(37)を有している。これらの締付けピン(37)は、側壁(28)を横方向に貫通して延在し、締付け条片(36)に調整可能に固定されている。サクション開口幅は、締付けピン(37)の調整、特に回動によって変化させることができる。
【0059】
締付けピン(37)は、例えばねじピンとして形成されていてよい。このねじピンには、互いに間隔を置いて配置された締付け条片(36)が互いに螺合され、これらのねじピンによって、互いに間隔を置いて配置された締付け条片(36)を互いに緊締することができる。締付けピン(37)は、側壁(28)を貫通している。
図8によればサクション開口(25)の領域で、締付けスリーブがそれぞれの締付けピン(37)に被せ嵌められており、締付けスリーブは、それぞれ内壁(29)の盲孔内に収容され、ばねによって軸線方向で支持されている。締付けピン(37)の螺合時に、締付け条片(36)はそれぞれの側壁(28)を連行しながら、互いに接近させられるかまたは互いに離される。このとき、締付けスリーブは、ばねによって中央の反力を側壁(28)に加え、側壁(28)をそれぞれの締付け条片(36)との接触状態に保つ。代替的に、調整装置(34)および締付け手段(35)は、構造的に別の形式で形成されていてよい。
【0060】
液体噴流(4)によって1つまたは複数の水噴流交絡装置(1)において交絡された繊維材料ウェブ(2)は、図示しない後続の更なる処理のために搬送することができる。このような処理を行う装置は、例えば圧搾装置および/または乾燥炉を備えた乾燥装置であってよい。このような装置には、後続の処理装置、例えばフリースレイヤ、巻取り装置、切断装置またはこれに類した装置が接続されていてよい。
【0061】
図示されかつ記載された実施形態および上述した変化形態の変更が、種々様々な形式で可能である。特に上述した特徴は、任意に互いに組み合わせることができ、場合により入れ替えることもできる。
【符号の説明】
【0062】
1 水噴流交絡するための装置
2 繊維材料ウェブ
3 インジェクタ、ノズル条片
4 液体噴流、水噴流
5 搬送手段
6 吸引装置
7 負圧発生器
8 回収装置
9 戻し路 水
10 出口 空気
11 搬送手段
12 搬送ドラム
13 駆動装置
14 噴流サクションボックス
15 噴流サクション管
16 軸線、ボックス軸線
17 ボックス内室
18 ボックス周壁
19 平坦加工部
20 周壁開口
21 ステー
22 中間室
23 サクションノズル
24 ノズルアタッチメント
25 サクション開口
26 入口側
27 出口側
28 側壁
29 内壁 斜めの
30 外壁 段付けられた
31 頂壁 湾曲した
32 底壁 平らな
33 支台
34 調整装置
35 締付け手段
36 締付け条片
37 締付けピン
38 ノズルホルダ、爪
39 シール要素
40 閉鎖体
41 支承面
42 フランジ
43 吸引開口
【国際調査報告】