(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】道路の表面上の対象体を検出してモデル化する方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20220202BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20220202BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220202BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
G06T7/00 C
G06T7/00 650A
G06T1/00 330A
G08G1/09 F
G08G1/04 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533712
(86)(22)【出願日】2018-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2018120886
(87)【国際公開番号】W WO2020118619
(87)【国際公開日】2020-06-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
【住所又は居所原語表記】Vahrenwalder Strasse 9, D-30165 Hannover, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】519154405
【氏名又は名称】コンチネンタル ホールディング チャイナ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Continental Holding China Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】#538, Dalian Road, Yangpu, Shanghai 200082, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハイタオ シュエ
(72)【発明者】
【氏名】ドンビン チュアン
(72)【発明者】
【氏名】チャンホン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ハーブスト
【テーマコード(参考)】
5B057
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
5B057AA16
5B057CA08
5B057CA13
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CD14
5B057CF05
5B057CH16
5B057CH20
5B057DA16
5B057DB03
5B057DB09
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181MC16
5H181MC19
5H181MC22
5L096AA09
5L096BA04
5L096CA05
5L096EA31
5L096FA26
(57)【要約】
道路(40)の表面上の対象体(60)を検出してモデル化する方法は、道路(40)をスキャンするステップと、スキャンされた道路(40)の3次元モデルを生成するステップとを有する。スキャンされた道路の3次元モデルには、道路(40)の3次元表面の記述が含まれている。次のステップでは、道路(40)の上面視画像を作成する。道路(40)の上面視画像を評価することによって道路(40)の表面上の対象体(60)を検出する。スキャンされた道路(40)の3次元モデルにおいて、道路(40)の表面上に検出された対象体(60)を投影する。スキャンされた道路(40)の3次元モデルにおいて、道路(40)の表面上に投影された対象体(60)をモデル化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の表面上の対象体を検出してモデル化する方法であって、
前記道路(40)をスキャンし、
スキャンされた前記道路(40)の3次元モデルであって、前記道路(40)の3次元表面の記述を含む3次元モデルを生成し、
前記道路(40)の上面視画像を作成し、
前記道路(40)の前記上面視画像を評価することによって前記道路(40)の表面上の前記対象体(60)を検出し、
スキャンされた前記道路(40)の前記3次元モデルにおいて、前記道路(40)の前記表面上に、検出された前記対象体(60)を投影し、
スキャンされた前記道路(40)の前記3次元モデルにおいて、前記道路(40)の前記表面上に投影された前記対象体(60)をモデル化する、
ことを含む、方法。
【請求項2】
前記道路(40)に沿って走行する複数の車両(10a、10b、10c)によって前記道路(40)をスキャンし、それぞれの車両(10a、10b、10c)は、それぞれのカメラユニット(11)を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
スキャンされた前記道路(40)のそれぞれ個別の3次元モデルを、それぞれの前記車両(10a、10b、10c)によって生成してリモートサーバ(20)に転送する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
それぞれの前記車両(10a、10b、10c)から受信された、スキャンされた前記道路(40)のそれぞれ個別の前記3次元モデルを評価して融合することにより、スキャンされた前記道路(40)の前記3次元モデルを前記リモートサーバ(20)によって生成する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
スキャンされる前記道路(40)の生成される前記3次元モデルは、点群と解される、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
スキャンされる前記道路(40)のそれぞれ個別の上面視画像を、それぞれの前記車両(10a、10b、10c)によって作成して前記リモートサーバ(20)に転送し、
スキャンされた前記道路(40)のそれぞれ個別の前記上面視画像を評価および融合することにより、スキャンされた前記道路(40)の前記上面視画像を前記リモートサーバ(20)によって作成する、
請求項2から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
それぞれの前記車両(10a、10b、10c)のそれぞれの前記カメラユニット(11)により、少なくともそれぞれ個別の第1画像(50a)とそれぞれ個別の第2画像(50b)とから成るシーケンスを取り込み、
それぞれの前記車両(10a、10b、10c)により、前記第1画像(50a)から、前記カメラユニット(11)の光学系によって最小の歪みが引き起こされる、前記第1画像(50a)のゾーンに配置されているそれぞれの第1領域(51)を選択し、
それぞれの前記車両(10a、10b、10c)により、前記第2画像(50b)から、前記カメラユニット(11)の光学系によって最小の歪みが引き起こされる、前記第2画像(50b)のゾーンに配置されているそれぞれの第2領域(52)を選択し、
それぞれの前記車両(10a、10b、10c)により、それぞれ選択された前記第1領域(51)をそれぞれの第1上面視図に変換し、それぞれの車両(10a、10b、10c)により、それぞれ選択された前記第2領域(52)をそれぞれの第2上面視図に変換し、
それぞれ個別の前記上面視画像を作成するために、それぞれの前記車両(10a、10b、10c)により、それぞれの前記第1上面視図と前記第2上面視図とを縫い合わせる、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
スキャンされた前記道路(40)の前記3次元モデルにおいて、前記道路(40)の表面上に、前記道路(40)の前記上面視画像において検出された前記対象体(60)を投影した後、前記対象体(60)についての3次元位置および論理情報を特定する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
スキャンされた前記道路(40)の前記3次元モデルにおいて、前記道路(40)の前記表面上に投影される前記対象体(60)を非一様有理Bスプライン曲線当てはめ技術によってモデル化する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
スキャンされた前記道路の前記3次元モデルにおいて、前記道路(40)の前記表面上に投影される前記対象体(60)は、道路ペイントである、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
道路の表面上の対象体を検出してモデル化するシステムであって、
前記道路(40)に沿って走行する複数の車両(10a、10b、10c)と、
複数の前記車両(10a、10b、10c)から空間的に遠方に離れて配置されたリモートサーバ(20)と、
を有し、
それぞれの前記車両(10a、10b、10c)は、前記道路(40)をスキャンするそれぞれのカメラユニット(11)を有し、
それぞれの前記車両(10a、10b、10c)は、スキャンされた前記道路(40)の3次元モデルであって、前記道路(40)の表面の記述を含む3次元モデルを生成するように実施されており、
それぞれの前記車両(10a、10b、10c)は、前記道路(40)のそれぞれ個別の上面視画像を作成し、前記リモートサーバ(20)にそれぞれ個別の前記上面視画像を転送するように実施されており、
前記リモートサーバ(20)は、スキャンされた前記道路(40)のそれぞれ個別の前記上面視画像を評価して融合することにより、スキャンされた前記道路(40)の上面視画像を作成するように実施されており、
前記リモートサーバ(20)は、前記道路(40)の前記上面視画像を評価することにより、前記道路(40)の前記表面上の前記対象体(60)を検出するように実施されており、
前記リモートサーバ(20)は、スキャンされた前記道路(40)の前記3次元モデルにおいて、前記道路(40)の前記表面上に、検出された前記対象体(60)を投影するように実施されており、
前記リモートサーバ(20)は、スキャンされた前記道路(40)の前記3次元モデルにおいて、前記道路(40)の前記表面上に投影された前記対象体(60)をモデル化するように実施されている、
システム。
【請求項12】
前記リモートサーバ(20)は、非一様有理Bスプライン曲線当てはめ技術によって前記対象体(60)をモデル化するように実施されている、請求項11記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、道路の表面上の対象体を検出してモデル化する方法に関する。さらに、本開示は、道路の表面上の対象体を検出してモデル化するシステムに関する。
【0002】
背景技術
先進運転車支援者システムおよび自動運転車には、道路および車両が走行可能な他の領域の高精細地図が必要である。数センチメートルの精度で道路における車両位置の特定、またはさらに道路の車線内での車両位置の特定は、例えばGPS、Galileo、GLONASSのような従来の衛星ナビゲーションシステム、または三角測量などの別の公知の位置決め技術を使用して達成することはできない。しかしながら、特にセルフドライビング車両が複数の車線を有する道路上を移動する場合、車線内でのその横方向および長手方向位置を正確に特定する必要がある。
【0003】
車両の位置を高精度で特定する公知の1つの手法には、1つ以上のカメラによって路面標示/道路ペイントの画像を取り込むことと、取り込まれた画像において道路に沿う路面標示/道路ペイントまたは対象体の一意の特徴と、データベースから取得される、対応する参照画像とを比較することとが含まれ、これらの参照画像では、路面標示/ペイントまたは対象体のそれぞれの位置が設定されている。このような手法での位置の特定によって十分な精度の結果が得られるのは、データベースにより、画像と共に高精度位置データが提供される場合であり、かつこの高精度位置データが定期的または適切な間隔で更新される場合だけである。
【0004】
路面標示は、走行中に道路の画像を取り込む専用車両によって取り込んで記録可能であるか、または空中写真または衛星画像からは抽出可能である。垂直方向視または上面視画像には、路面標示/ペイントおよび実質的に平坦な表面上の他の特徴が少ない歪みで現れるため、後者の変形形態が、有利であると考えられる。
【0005】
しかしながら空中写真および衛星画像は、路面標示/ペイントまたは他の道路特徴の高精度マップを生成するための十分な詳細を提供することができない。また、空中写真および衛星画像は、地表から見た場合に最もよく見える対象体および道路特徴についての詳細を提供するのにあまり適していない。
【0006】
道路の表面上の対象体の正確な3次元位置を特定できるようにする、道路の表面上の対象体を検出してモデル化する方法を提供することが望まれている。また、道路の表面上の対象体の正確な3次元位置を提供できるようにする、道路の表面上の対象体を検出してモデル化するシステムを提供することも望まれている。
【0007】
発明の概要
道路の表面上の対象体を検出してモデル化する方法の一実施形態は、請求項1に記載されている。
【0008】
道路の表面上の対象体を検出してモデル化する方法によれば、第1ステップにおいて道路をスキャンする。次の第2ステップでは、スキャンされた道路の3次元モデルを生成する。この3次元モデルには、道路の3次元表面の記述が含まれている。次の第3ステップでは、道路の上面視画像を作成する。
【0009】
この方法の第4ステップでは、道路の上面視画像を評価することによって道路の表面上の対象体を検出する。この方法の第5ステップでは、スキャンされた道路の3次元モデルにおいて道路の表面上に、検出された対象体を投影する。この方法の最後の第6ステップでは、スキャンされた道路の3次元モデルにおいて道路の表面に投影された対象体をモデル化する。
【0010】
道路の表面上に配置されている対象体/道路ペイントを検出して、検出された対象体/道路ペイントをモデル化する従来の方法では、道路ペイントまたは対象体の不正確な3次元位置が形成されてしてしまうことも、また道路ペイントまたは道路の表面上の対象体の誤った論理情報が形成されてしまうことも多い。特に、塗装の斑点は、カメラシステムによって取り込まれるそれぞれのフレームから1回検出されるため、異なるフレームから検出される結果の間の連結性を得ることは極めて困難である。さらに、道路の表面上に検出される対象体または検出される塗装は、実世界において任意の形状していることがあり、これにより、ペイント検出およびモデル化のための従来の方法では、これが大きな誤りで表されてしまう。
【0011】
道路の表面上の対象体を検出してモデル化するここで提示される方法により、道路表面推定および道路ペイント/対象体検出を調整して詳細化するために、異なる時点に道路に沿って走行する分散された車両から、3次元道路表面および道路の表面上に検出される対象体または道路ペイントについての情報がマージされる。道路の表面上の対象体を検出してモデル化するこの方法のフレームワークは、基本的な4つの部分に分割可能である。
【0012】
この方法の第1部分では、道路に沿って走行するそれぞれの車両によって道路表面を推定する。それぞれの車両は、それぞれ検出された道路表面をリモートサーバに報告する。リモートサーバでは、道路に沿って走行する複数の車両から取得される異なる情報を融合する。結果的に、より正確な道路表面モデルが、リモートサーバにおいて計算される。
【0013】
この方法の第2部分では、車両の前方を向いているカメラユニットによって取り込まれた道路のコースをフロントカメラ視図から鳥瞰視図に変換する。特に、カメラユニットに取り込まれるフレーム毎に、画像の部分を抽出して道路の全体的なコースの大きな画像に合成する前に、まず逆透視変換を行う。道路の表面上の対象体または道路塗装は、スキャンされた道路の上面視/鳥瞰視画像において検出される。
【0014】
この方法の第3部分では、2次元上面視/鳥瞰視画像から道路表面の3次元モデルへの3次元対象体/ペイント投影を行う。2次元上面視/鳥瞰視画像から道路表面の3次モデルに、検出された対象体/道路ペイントを投影した後、対象体/道路ペイントの3次元位置と、対象体/道路ペイントの論理情報とを取得するために道路の3次元モデルを評価する。
【0015】
この方法の最後の第4部分では、道路の表面上に検出された対象体/道路ペイントを3次元的にモデル化する。道路の表面上の対象体/道路ペイントは任意の形状を有し得るため、検出された対象体/道路ペイントの3次元モデル化には、非一様有理Bスプライン(NURBS:Non-Uniform Rational B-Spline)技術を使用可能である。NURBS曲線当てはめアルゴリズムは、有利には曲線の任意の形状を表すことができ、これにより、NURBSアルゴリズムにより、道路の表面上の任意の対象体/道路ペイントを正確に表すことが可能になる。ここで提案されるNURBS曲線当てはめアルゴリズム(NURBS curve-fitting algorithm)による対象体/道路ペイントの3次元モデル化と比較して、道路の表面上の対象体/道路ペイントをモデル化する従来の方法では、一般に、大量のメモリ容量を消費するポリラインによって、検出された対象体/道路ペイントが表される。しかしながらNURBSアルゴリズムにより、データが極端に圧縮される。
【0016】
請求項11には道路の表面上の対象体を検出してモデル化するシステムが記載されている。
【0017】
考えられる一実施形態によれば、システムは、道路に沿って走行する複数の車両と、これらの複数の車両から空間的に遠方に離れて配置されたリモートサーバとを有する。それぞれの車両は、道路をスキャンするそれぞれのカメラユニットを有する。さらに、それぞれの車両は、スキャンされた道路の3次元モデルを生成するように実施されている。3次元モデルには、道路の表面の記述が含まれている。それぞれの車両は、道路のそれぞれ個別の上面視図を作成し、リモートサーバに道路のそれぞれ個別の上面視図を転送するように実施されている。
【0018】
リモートサーバは、スキャンされた道路のそれぞれ個別の上面視画像を評価して融合する(conflat)ことにより、スキャンされた道路の上面視画像を作成するように実施されている。リモートサーバはさらに、道路の上面視画像を評価することにより、道路の表面上の対象体を検出するように実施されている。さらにリモートサーバは、スキャンされた道路の3次元モデルにおいて、道路の表面上に、検出された対象体を投影するように実施されている。リモートサーバはさらに、スキャンされた道路の3次元モデルにおいて、道路の表面上に投影された対象体をモデル化するように実施されている。
【0019】
付加的な特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載されている。上述の一般的な説明および以下の詳細な説明は共に単に例示的なものであり、特許請求の範囲の本質および特徴を理解するための概観またはフレームワークを提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれており、またこの明細書に組み込まれており、その一部を構成している。したがって、添付の図面と合わせて取り上げられれば、本開示は、以下の詳細な説明からより完全に理解されよう。
【
図1】道路の表面上の対象体を検出してモデル化する方法のフローチャートである。
【
図2】道路の表面上の対象体を検出してモデル化するシステムの例示的な簡略化されたブロック図である。
【
図3A】カメラユニットによって取り込まれた簡略化された第1シーンと、後続の処理のための、道路の取り込まれた画像の領域の選択とを示す図である。
【
図3B】カメラユニットによって取り込まれた簡略化された第2シーンと、後続の処理のための、道路の取り込まれた画像の領域の選択とを示す図である。
【0021】
詳細な説明
以下では、道路の表面上の対象体を検出してモデル化する方法の異なるステップのシーケンスを示す
図1を参照し、また道路の表面上の対象体を検出してモデル化するシステムのコンポーネントを示す
図2を参照して、道路の表面上の対象体を検出してモデル化する方法を説明する。
【0022】
この方法のステップS1では、車両が走行する道路40を車両によってスキャンする。
図2に示されたシステムの考えられる一実施形態によれば、複数の車両10a、10bおよび10cは、道路40に沿って走行し、走行プロセス中に道路のコースをスキャンする。このためにそれぞれの車両には、それぞれのカメラユニット11が含まれている。カメラユニット11は、車両取り付け型の、前方を向いているカメラとして実施されていてよい。それぞれのカメラユニット11は、CCDセンサアレイを有していてよい。好ましくは、簡単なモノカメラを設けることができる。択一的には、互いに離れて取り付けられている2つのイメージングセンサを有し得るステレオカメラが使用可能である。
図3Aおよび
図3Bには、カメラユニット11によって取り込まれた連続する2つの画像50a、50bが示されている。
【0023】
この方法のステップS2では、スキャンされた道路40の3次元モデルを生成する。3次元モデルには、道路40の3次元表面の記述が含まれている。カメラユニット11としてモノカメラが設けられている場合であっても、道路に沿って車両が移動することにより、スキャンされる道路40の3次元モデルが生成可能である。スキャンされた道路40の生成される3次元モデルは、点群と解する(construe)ことが可能である。特に、道路に沿って走行する間にそれぞれの車両10a、10bおよび10cのそれぞれのプロセッサユニット12によって、取り込まれた画像を評価することにより、密または準密の点群が生成可能である。
【0024】
この方法の考えられる一実施形態によれば、スキャンされた道路40のそれぞれ個別の3次元モデルは、それぞれの車両10a、10bおよび10cによって生成可能である。それぞれ個別の3次元モデルは、それぞれの車両10a、10bおよび10cにより、複数の車両10a、10bおよび10cから空間的に遠方に離れて配置されているリモートサーバ20に転送可能である。スキャンされた道路40のそれぞれ生成された個別の3次元モデルをリモートサーバ20に送信するために、それぞれの車両10a、10bおよび10cは通信システム13を有する。
【0025】
リモートサーバ20は、車両10a、10bおよび10cから受信された、スキャンされた道路40のそれぞれ個別の3次元モデルを評価して融合することにより、スキャンされた道路40の3次元モデルを生成する。車両10a、10bおよび10cから受信されたそれぞれの個別の3次元モデルは、リモートサーバ20の記憶ユニット22に記憶される。特に、道路に沿って走行する間にそれぞれの車両によって生成された異なる点群は、道路40の3次元モデルを形成するために、リモートサーバ20のプロセッサユニット21によってマッチングされる。3次元モデルには、道路表面についての情報が含まれており、これにより、リモートサーバ20によって道路表面推定を行うことができる。スキャンされた道路の正確な道路表面モデルは、それぞれの車両10a、10bおよび10cによって生成される異なる個別の3次元モデルを融合およびマッチングすることにより、プロセッサユニット21によって構成可能である。
【0026】
この方法のステップS3では、道路40の上面視/鳥瞰視画像を作成する。特に、スキャンされた道路40のそれぞれ個別の上面視/鳥瞰視画像をそれぞれの車両10a、10bおよび10cによって作成する。車両10a、10bおよび10cのそれぞれの通信システム13により、それぞれ個別の上面視/鳥瞰視画像をリモートサーバ20に転送する。リモートサーバ20は、スキャンされた道路40のそれぞれ個別の上面視画像を評価および融合することにより、スキャンされた道路40の上面視画像を作成可能である。道路の表面上に配置されている対象体、例えば道路ペイントは、スキャンされた道路40の3次元モデルと、スキャンされた道路40の上面視画像とを評価することにより、プロセッサユニット21によって検出可能である。
【0027】
以下では
図3Aおよび
図3Bを参照して、スキャンされた道路40のそれぞれ個別の上面視画像の、それぞれの車両10a、10bおよび10cによる作成を説明する。
【0028】
図3Aには、道路40に沿って走行する車両10a、10bおよび10cのうちの1つのカメラユニット11によって取り込まれた簡略化されたシーンの第1画像50aが示されている。
図3Bには、第1画像よりも短時間の後に、車両10a、10bおよび10cのうちの同じ車両のカメラユニット11によって取り込まれた簡略化されたシーンの第2画像50bが示されている。取り込まれたそれぞれの画像50a、50bの破線により、カメラユニット11のカメラ光学系によって最小の歪みが引き起こされる、それぞれの画像50a、50bのゾーンが囲まれている。
【0029】
車両が前方に移動すると、シーンにおける特徴は、車両に向かって移動し、最終的には車両を通過して、カメラユニット11にシーンを取り込ませる。
図3Bでは、車両は、
図3Aに示されたシーンと比べて、特定の距離だけ前方に移動しており、これにより、道路40の表面上に配置されている対象体/道路ペイント60、例えば方向指示矢印は、最前面に移動しており、
図3Aにおいて背景領域に示されていた交通標識30は、取り込まれた画像50bの中央領域に移動している。最小の歪みがカメラ光学系によって引き起こされるゾーンは、それぞれ取り込まれた画像50a、50bの中央領域に配置されている。
【0030】
図3Aおよび
図3Bに示されているように、それぞれの車両10a、10bおよび10cのそれぞれのカメラユニット11により、少なくともそれぞれ個別の第1の画像50aとそれぞれ個別の第2画像50bとから成るシーケンスを時間的に遅延して取り込む。それぞれの第1領域51は、それぞれの車両10a、10bおよび10cにより、第1画像50aから選択される。それぞれの第1領域51は、カメラユニット11の光学系によって最小の歪みが引き起こされる、第1画像50aのゾーンに配置されている。さらに、それぞれの第2領域52は、それぞれの車両10a、10bおよび10cにより、第2画像50bから選択される。それぞれの第2領域52は、カメラユニット11の光学系によって最小の歪みが引き起こされる、第2画像50bのゾーンに配置されている。
【0031】
選択されたそれぞれの第1領域51は、それぞれの車両10a、10bおよび10cにより、それぞれの第1上面視図に変換される。さらに、選択されたそれぞれの第2領域52は、それぞれの車両10a、10bおよび10cにより、それぞれの第2上面視図に変換される。それぞれ個別の上面視/鳥瞰視画像を作成するために、それぞれの車両10a、10bおよび10cにより、それぞれの第1上面視図と第2上面視図とを縫い合わせる(stitch)。
【0032】
選択されたそれぞれの領域の上面視図を取得するための変換と、複数の上面視図を一緒に縫い合わせるステップとは、それぞれの車両10a、10bおよび10cのそれぞれプロセッサユニット12によって実行可能である。この変換は、カメラユニット11の視野図から鳥瞰視図にそれぞれの領域51、52を変換する逆透視変換であってよい。
【0033】
この方法のステップS4では、道路40の上面視画像を評価することにより、道路40の表面上の対象体/道路ペイント60、例えば、
図3Aおよび
図3Bに示された方向指示矢印を検出する。このステップにより、道路ペイントまたは他の対象体、例えば排水溝の蓋のような道路40の表面上に配置された対象体が検出可能になる。
【0034】
この方法のステップS5では、スキャンされた道路40の3次元モデルにおいて、検出された対象体60を道路40の表面上に投影する。投影ステップを実行するために、カメラユニット11によって取り込まれた道路の画像50a、50bと、道路の上面視画像と、スキャンされた道路の3次元モデルの点群とをリモートサーバ20のプロセッサユニット21によって比較してマッチングする。
【0035】
マッチングプロセスにより、スキャンされた道路40の3次元モデルにおいて、検出された対象体60が投影可能である。考えられる一実施形態によれば、スキャンされた道路の3次元モデルにおいて、道路40の表面上に、道路40の上面視画像において検出された対象体60を投影した後、対象体60についての3次元位置および論理情報を特定する。
【0036】
この方法のステップS6では、スキャンされた道路の3次元モデルにおいて、道路40の表面に投影された対象体60をモデル化する。このために、数学的な曲線当てはめアルゴリズムを使用可能である。特に、曲線当てはめの実行のためには、非一様有理Bスプライン技術を使用可能である。いわゆるNURBS技術は、任意の形状の曲線を表すことができ、これにより、NURBS技術は、検出された対象体/道路ペイントを正確に表すことができる。
【符号の説明】
【0037】
10 車両
11 カメラユニット
12 プロセッサユニット
13 通信ユニット
20 リモートサーバ
21 プロセッサユニット
22 記憶ユニット
30 交通標識
40 道路
50 取り込まれた画像
51、52 選択された領域
60 道路ペイント
【国際調査報告】