(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】操作可能制御システム及びそれを備えたロボット支援手術装置
(51)【国際特許分類】
A61B 34/10 20160101AFI20220202BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20220202BHJP
G05B 9/02 20060101ALN20220202BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B34/30
G05B9/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533727
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(85)【翻訳文提出日】2021-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2019128986
(87)【国際公開番号】W WO2020135665
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】201811610863.5
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519069305
【氏名又は名称】北京▲術▼▲鋭▼技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Surgerii Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 106,Building 2,Tiandilinfeng,1 Yong Tai Zhuang North Road,Haidian Beijing China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】徐 凱
(72)【発明者】
【氏名】唐 奥林
【テーマコード(参考)】
5H209
【Fターム(参考)】
5H209BB13
5H209CC11
5H209GG13
5H209HH02
5H209HH04
5H209HH12
(57)【要約】
操作可能制御システム及び操作可能制御システムを備えたロボット支援手術装置に関し、操作可能制御システムは、制御装置と、スイッチング素子と、論理AND回路とを備え、制御装置は、入力端と出力端とを備え、制御装置の入力端は、ロボット支援手術システムに接続されるために用いられ、スイッチング素子の一端は、外部給電システムに接続されるために用いられ、スイッチング素子の他端は、ロボット支援手術システムの自動化駆動システムに接続されるために用いられ、論理AND回路は、第1の入力端と第2の入力端とを備え、論理AND回路の第1の入力端は、ロボット支援手術システムのセンサ状態を取得するために用いられ、論理AND回路の第2の入力端は、制御装置の出力端に接続され、論理AND回路の出力端は、スイッチング素子の制御端に接続され、論理AND回路は、第1の入力端と第2の入力端とが受信した信号に対して論理ANDの演算を行い、演算の結果を出力してスイッチング素子のオン及びオフを制御する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と、スイッチング素子と、論理AND回路とを備え、
前記制御装置は、入力端と出力端とを備え、前記制御装置の入力端は、操作指令を取得するようにロボット支援手術システムに接続されるために用いられ、
前記スイッチング素子の一端は、外部給電システムに接続されるために用いられ、前記スイッチング素子の他端は、ロボット支援手術システムの自動化駆動システムに接続されるために用いられ、
前記論理AND回路は、第1の入力端と第2の入力端とを備え、前記論理AND回路の第1の入力端は、ロボット支援手術システムのセンサ状態を取得するために用いられ、前記論理AND回路の第2の入力端は、前記制御装置の出力端に接続され、前記論理AND回路の出力端は、前記スイッチング素子の制御端に接続され、前記論理AND回路は、前記第1の入力端と第2の入力端とが受信した信号に対して論理ANDの演算を行い、演算の結果を出力して前記スイッチング素子のオン及びオフを制御することを特徴とする操作可能制御システム。
【請求項2】
前記スイッチング素子と前記制御装置との間には、前記スイッチング素子の給電電圧の有無を検出するためのフィードバック回路がさらに設置されていることを特徴とする請求項1に記載の操作可能制御システム。
【請求項3】
前記フィードバック回路には、レベル検出回路が用いられることを特徴とする請求項2に記載の操作可能制御システム。
【請求項4】
コンソールと、自動化手術装置とを備え、
前記コンソールは、オペレータによる操作の準備が整ったかどうかを検出するための複数のセンサの組み合わせを備え、
前記自動化手術装置は、手術装置給電ユニットと、手術制御ユニットと、操作可能制御システムと、自動化駆動システムとを備え、前記操作可能制御システムは、制御装置と、スイッチング素子と、論理AND回路とを備え、前記操作可能制御システムは、前記手術給電ユニットと前記自動化駆動システムとの間に設置され、
前記制御装置の入力端は、前記手術制御ユニットに接続され、前記スイッチング素子の一端は、前記手術装置給電ユニットに接続され、前記スイッチング素子の他端は、前記自動化駆動システムに接続されるために用いられ、前記論理AND回路の第1の入力端は、複数のセンサの状態を取得するために用いられ、前記論理AND回路の第2の入力端は、前記制御装置の出力端に接続され、前記論理AND回路の出力端は、前記スイッチング素子の制御端に接続されることを特徴とするロボット支援手術装置。
【請求項5】
前記論理AND回路の第1の入力端は、前記複数のセンサの組み合わせにおける各センサに接続されることを特徴とする請求項4に記載のロボット支援手術装置。
【請求項6】
前記コンソールは、入力端が前記複数のセンサの組合せにおける各センサに接続され、出力端が前記論理AND回路の第1の入力端に接続された別の論理AND回路をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のロボット支援手術装置。
【請求項7】
前記スイッチング素子と前記制御装置との間には、前記スイッチング素子の給電電圧の有無を検出するためのフィードバック回路がさらに設置されていることを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載のロボット支援手術装置。
【請求項8】
前記コンソールは、操作台給電ユニットと、スイッチと、ボタンと、マニピュレータと、コンソール制御ユニットと、ディスプレイと、マイクロフォンと、スピーカとをさらに備え、
前記自動化手術装置は、スイッチと、ボタンと、ディスプレイと、マイクロフォンと、スピーカと、対応する手術器具とをさらに備え、
前記操作台給電ユニットは、外部給電網に接続され、前記コンソール制御ユニットの入力端は、前記複数のセンサの組み合わせにおける各センサ、スイッチ、ボタン、マニピュレータ及びマイクロフォンのそれぞれに接続され、前記コンソール制御ユニットの出力端は、対応するディスプレイ及びスピーカに接続され、オペレータと前記操作台とのやり取りを支援し、
前記手術制御ユニットは、前記コンソール制御ユニット、制御装置、及び自動化駆動システムと双方向に接続されて相互通信を実現し、前記手術制御ユニットは、前記自動化駆動システムを通じて対応する電機子運動を制御することで、終端の手術器具を動かし、前記手術制御ユニットの入力端は、対応するスイッチ、ボタン、及びマイクロフォンのそれぞれに接続され、前記手術制御ユニットの出力端は、対応するディスプレイ及びスピーカに接続され、オペレータと前記自動化駆動システムとのやり取りを支援することを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載のロボット支援手術装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作可能制御システム及びそれを備えたロボット支援手術装置に関し、医療機器の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動化技術の発展に伴い、手術は、もはや医師が手術台の近くに立って実行する必要がなく、執刀医が1つのコンソールに座って、遠位操作によって手術台付近の自動化装置を制御して対応する作業を行うことがますます多くなる。この遠位操作手術の手法は、医師の作業強度及びストレスを低減するだけでなく、先進技術(例えば、ロボット技術、人工知能技術)の支援を通じて、医師の作業能力及び作業効率も大幅に向上させる。しかし、この先進的な手術手法は、医師に福祉をもたらすと同時に、医師にリスクをもたらす。1つの重大なリスクは、オペレータの不注意又はソフトウェアの故障に起因して、遠位の自動化手術装置に予期しない動作を引き起こし、患者又は手術補助者に傷害を与える可能性があることである。
【0003】
現在、世界中最も広く普及しているダ・ヴィンチ手術ロボットは、3D接眼レンズホルダに検出センサを取り付けることで、医師が装置を操作しているか否かを検出するように構成されている。医師の頭部が3D接眼レンズホルダから離れる場合(センサにより検出できない場合)、システムは、医師が遠位の自動化手術装置を制御することを(ソフトウェアによって)禁止する。また、国内の同種の装置は、誤作動を防止するために類似の設計を採用しており、例えば、蘇州康多機器人有限会社が設計した腹腔鏡手術ロボットシステムの医師コンソールは、使用中の装置の安全性を確保するために、kinectセンサ、全通ビーム光電センサ、及び操作ハンドルに取り付けられた容量センサを使用している。kinectセンサは、オペレータの顔部がずれているか否かをリアルタイムで監視するとともに、オペレータの視界範囲がディスプレイから離れているか否かを監視し、全通ビーム光電センサは、オペレータの足部がフットペダル装置から離れているか否かを監視し、操作ハンドル上の容量センサは、オペレータの手がグリッパから離れているか否かを監視し、上記のような三重機構により誤操作の発生を防止する。従来のロボット支援手術システムは、何れも、オペレータに操作意図があるか否かをセンサで検出することで、意図しない誤操作が発生することを防止する。しかし、この方法では、他の1回の故障(例えば、ソフトウェアの故障)による誤動作を防止することはできない。オペレータは、自動化手術装置の予期しない動作を防止するために、緊急停止スイッチを押すしかないが、このステップは、より多くの応答時間が必要であり、この期間に危害が発生する可能性がある。
【0004】
図1に示すように、従来のロボット支援手術装置は、一般的に、コンソールと自動化手術装置との2つの部分(両者が一体に取り付けられて1つの装置になってもよい。)を備える。執刀医は、コンソール上のマニピュレータによって、様々な自動化手術装置を制御して対応する作業を行う。コンソール上の複数のセンサの組み合わせは、オペレータによる遠位操作の準備が整ったかどうかを検出するために使用される(医療機器の基準における一回の故障検出に対する要求、すなわち、ある部材が故障した場合に検出可能であり、且つ当該故障によりオペレータ又は患者に対して危険を引き起こさないことを満たすように、2つ又はより多くのセンサが使用されるのが一般的である。)。全てのセンサがオペレータの着座を検出すると、制御システムは、対応するソフトウェア制御命令を自動化駆動システムに送信し、自動化駆動システムを電機子運動可能状態にすることで、コンソール上でオペレータによって入力された対応するマニピュレータ指令に随時に応答するようになる。これから分かるように、ワークフローにおいて、マスタースレーブ遠位操作制御システムは、非常に重要な核心位置にあり、マスタースレーブ遠位操作制御システムに誤動作が発生すると、自動化手術装置全体が制御不能になるリスクがある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ソフトウェア制御とハードウェア信号との2つの独立した制御ループにより、対応する自動化装置の動作可能状態をアクティブにすることができる操作可能制御システム及び当該操作システムを備えたロボット支援手術装置を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
【0007】
第1の態様において、本発明は、制御装置とスイッチング素子と論理AND回路とを備える操作可能制御システムを提供する。
前記制御装置は、入力端と出力端とを備え、前記制御装置の入力端は、操作指令を取得するようにロボット支援手術システムに接続されるために用いられる。
前記スイッチング素子の一端は、外部給電システムに接続されるために用いられ、前記スイッチング素子の他端は、ロボット支援手術システムの自動化駆動システムに接続されるために用いられる。
【0008】
前記論理AND回路は、第1の入力端と第2の入力端とを備え、前記論理AND回路の第1の入力端は、ロボット支援手術システムのセンサ状態を取得するために用いられ、前記論理AND回路の第2の入力端は、前記制御装置の出力端に接続され、前記論理AND回路の出力端は、前記スイッチング素子の制御端に接続され、前記論理AND回路は、前記第1の入力端と第2の入力端とが受信した信号に対して論理ANDの演算を行い、演算の結果を出力して前記スイッチング素子のオン及びオフを制御する。
【0009】
また、前記スイッチング素子と前記制御装置との間には、前記スイッチング素子の給電電圧の有無を検出するためのフィードバック回路がさらに設置されている。
【0010】
また、前記フィードバック回路には、レベル検出回路が用いられる。
【0011】
第2の態様において、本発明は、さらに、コンソールと自動化手術装置とを備えるロボット支援手術装置を提供し、前記コンソールは、オペレータによる操作の準備が整ったかどうかを検出するための複数のセンサの組み合わせを備え、前記自動化手術装置は、手術装置給電ユニットと、手術制御ユニットと、操作可能制御システムと、自動化駆動システムとを備え、前記操作可能制御システムは、制御装置と、スイッチング素子と、論理AND回路とを備え、前記操作可能制御システムは、前記手術給電ユニットと前記自動化駆動システムとの間に配置され、前記制御装置の入力端は、前記手術制御ユニットに接続され、前記スイッチング素子の一端は、前記手術装置給電ユニットに接続され、前記スイッチング素子の他端は、前記自動化駆動システムに接続されるために用いられ、前記論理AND回路の第1の入力端は、複数のセンサの状態を取得するために用いられ、前記論理AND回路の第2の入力端は、前記制御装置の出力端に接続され、前記論理AND回路の出力端は、前記スイッチング素子の制御端に接続される。
【0012】
また、前記論理AND回路の第1の入力端は、前記複数のセンサの組み合わせにおける各センサに接続される。
【0013】
また、前記コンソールは、入力端が前記複数のセンサの組み合わせにおける各センサに接続され、出力端が前記論理AND回路の第1の入力端に接続された別の論理AND回路をさらに備える。
【0014】
また、前記スイッチング素子と前記制御装置との間には、前記スイッチング素子の給電電圧の有無を検出するためのフィードバック回路がさらに設置されている。
【0015】
また、前記コンソールは、操作台給電ユニットと、スイッチと、ボタンと、マニピュレータと、コンソール制御ユニットと、ディスプレイと、マイクロフォンと、スピーカとをさらに備え、前記自動化手術装置は、スイッチと、ボタンと、ディスプレイと、マイクロフォンと、スピーカと、対応する手術器具とをさらに備え、前記操作台給電ユニットは、外部給電網に接続され、前記コンソール制御ユニットの入力端は、前記複数のセンサの組み合わせにおける各センサ、スイッチ、ボタン、マニピュレータ及びマイクロフォンのそれぞれに接続され、前記コンソール制御ユニットの出力端は、対応するディスプレイ及びスピーカに接続され、オペレータと前記操作台とのやり取りを支援し、前記手術制御ユニットは、前記コンソール制御ユニット、制御装置、及び自動化駆動システムと双方向に接続されて相互通信を実現し、前記手術制御ユニットは、前記自動化駆動システムを通じて対応する電機子運動を制御することで、終端の手術器具を動かし、前記手術制御ユニットの入力端は、対応するスイッチ、ボタン、及びマイクロフォンのそれぞれに接続され、前記手術制御ユニットの出力端は、対応するディスプレイ及びスピーカに接続され、オペレータと前記自動化駆動システムとのやり取りを支援する。
【0016】
本発明は、上記の技術案を採用することにより、以下の利点を有する。
【0017】
1.本発明の操作可能制御システムは、自動化手術装置の駆動給電管理を引き継ぎ、駆動給電は、元の直接給電から制御給電に変更されるので、システムがまだ動作可能状態に入っていないとき(すなわち、オペレータが制御を開始するつもりがないとき)、自動化駆動システム全体の駆動給電が完全に遮断されることを確保でき、フィードバック検出によって駆動給電の遮断の信頼性を確保できる。
【0018】
2.本発明は、従来のロボット支援手術システムと比べて、操作可能制御システムを採用したロボット支援手術装置が、自動化手術装置の動力給電をより確実に且つ迅速に遮断することができるので、予期しない誤動作をより迅速に停止させることができ、システム運転の信頼性をさらに向上させ、システムの故障による予期しない動作の確率を低下させ、自動化手術装置の誤動作による怪我のリスクを低下させる。
【0019】
以上のように、本発明は、ロボット支援手術システムに広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】従来のロボット支援手術システムのワークフローの概略図である。
【
図2】本発明の操作可能制御システムを用いるロボット支援手術システムのワークフローの概略図である。
【
図3】本発明の操作可能制御システムを用いるロボット支援手術システムの構造の概略図である。
【
図4】本発明の操作可能制御システムを用いるロボット支援手術システムの別の実施態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例における図面に基づいて、本発明の実施例における技術案を明確且つ詳細に説明するが、勿論、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、実施例の全体ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を付かずに達成する他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0022】
<実施例1>
図2に示すように、本実施例は、自動化手術装置の駆動給電を管理するための操作可能制御システムを提供し、本実施例の操作可能制御システムは、駆動給電を元の直接給電から制御給電に変更することができ、本実施例による操作可能制御システムは、論理AND回路と、制御装置と、スイッチング素子とを備える。
【0023】
論理AND回路は、第1の入力端と第2の入力端とを備え、論理AND回路の第1の入力端は、複数のセンサの組み合わせにおける全てのセンサの操作状態を収集するために、ロボット支援手術システムのコンソール上の複数のセンサの組み合わせにおける全てのセンサと電気コネクタを介して接続可能である。制御装置は、入力端と出力端とを備え、制御装置の入力端は、ロボット支援手術システムのマスタースレーブ遠位操作制御システムに接続され、マスタースレーブ遠位操作制御システムから指令情報を受信し、論理AND回路の第2の入力端は、制御装置から送信された制御信号を受信するために、制御装置の出力端に接続されている。論理AND回路の出力端は、スイッチング素子の制御端に接続され、論理AND回路は、第1の入力端と第2の入力端とが受信した信号に対して論理ANDの演算を行い、演算の結果を出力してスイッチング素子のオン及びオフを制御する。スイッチング素子の一端(
図2に示すような前端接続端)は、外部給電システムに接続され、スイッチング素子の他端(
図2に示すような後端接続端)は、自動化駆動システムの動力給電モジュールに接続され、スイッチング素子は、自動化手術装置の駆動給電回路に接続されて駆動給電のオンオフを行う役割を果たす。
【0024】
好ましくは、スイッチング素子と制御装置との間には、スイッチング素子の後端接続端に給電電圧があるか否かを検出するために、フィードバック回路がさらに設けられてもよく、前記フィードバック回路は、レベル検出回路であり、例えば、光カップリング又は電圧比較器により検出フィードバックを行うことができ、これは、従来技術であるため、繰り返し述べない。
【0025】
以上のように、本実施例の操作可能制御システムには、マスタースレーブ遠位操作制御システムと独立する制御装置が設置されており、当該制御装置は、フィードバック信号により駆動給電の状態を検出することで、スイッチング素子の動作の信頼性を確保することができる。即ち、マスタースレーブ遠位操作制御システムが駆動給電を遮断すべきであることを前記制御装置に通知したが、制御装置にて駆動給電がまだ続くことを検出した場合、制御装置は、信号を送信して、操作可能制御システムに故障があり、自動化駆動システムがすでに受電され、潜在的なリスクがあり、これ以上作業を続けることができないことを、マスタースレーブ遠位操作制御システムに通知する。同じく、マスタースレーブ遠位操作システムが駆動給電すべきであることを前記制御装置に通知したが、制御装置にて駆動給電されていないことを検出した場合、対応する警告を送信してもよい。そして、ロボット補助手術システムの他のシステムによりシステムの故障を検出し、且つ当該故障により怪我を招く恐れがある場合、前記制御装置により駆動給電を迅速に且つ強制的に遮断して、人の安全を確保することができる。
【0026】
<実施例2>
図3に示すように、本発明は、コンソールと自動化手術装置とを備える実施例1の操作可能制御システムを有するロボット支援手術装置をさらに提供する。コンソールは、操作台給電ユニットと、複数のセンサの組み合わせと、スイッチと、ボタンと、マニピュレータと、コンソール制御ユニットと、ディスプレイと、マイクロフォンと、スピーカとを備える。
【0027】
自動化手術装置は、手術装置給電ユニットと、手術制御ユニットと、スイッチと、ボタンと、ディスプレイと、マイクロフォンと、スピーカと、高周波電気ナイフなどの他の手術装置と、操作可能制御システムと、自動化駆動システムと、対応する手術器具とを備える。
【0028】
操作台給電ユニットは、外部給電電源に接続され、コンソールの各電気機器に給電するために、交流電力をコンソールの各機器に必要な動作電圧に変換する。複数のセンサの組み合わせは、オペレータによる操作の準備が整ったかどうかを検出する(例えば、人の手や足が所定位置にあるか否か、人の目がスクリーンに向っているか否かを検出する。これは、実際に応じて設置すればよいので、繰り返し述べない。)ために使用される。コンソールの制御ユニットの入力端は、複数のセンサの組み合わせにおける各センサ、スイッチ、ボタン、マニピュレータ及びマイクロフォンのそれぞれに接続され、コンソールの制御ユニットの出力端は、ディスプレイ及びスピーカに接続され、オペレータは、上記器具を介して操作台とやり取りする。
【0029】
手術制御ユニットは、コンソールの制御ユニット、操作可能制御システムの制御装置、自動化駆動システム、及び他の手術装置と双方向に接続されて相互通信を実現し、手術制御ユニットは、自動化駆動システムを通じて、対応する電機子運動を制御することで、終端の手術器具を動かす。手術制御ユニットの入力端は、スイッチ、ボタン及びマイクロフォンのそれぞれに接続され、手術制御ユニットの出力端は、ディスプレイ及びスピーカに接続され、オペレータが上記器具を介して自動化駆動システムとやり取りするのを支援する。
【0030】
手術給電ユニットは、外部の給電網に接続され、自動化手術装置の各電気機器に給電するために、交流電力を自動化手術装置の各部分に必要な動作電圧に変換し、手術給電ユニットと自動化駆動システムとの間には、操作可能制御システムが配置され、操作可能制御システムの論理AND回路の第1の入力端は、複数のセンサの組み合わせに並列的に接続され、操作可能制御システムは、手術給電ユニットを元の直接給電から制御給電に変更することができる。手術制御ユニットは、操作可能制御システムの制御装置によって、スイッチング素子を制御する。
【0031】
以上のように、オペレータによる操作の準備が整ったとき(すなわち、オペレータが複数のセンサの組み合わせにおける全ての検出センサをトリガしたとき)、手術制御ユニットは、全てのセンサがトリガされたことを検出し、ソフトウェア制御回路により、動作可能状態に入ることを自動化駆動システムに通知して、電機子運動を開始しようとする。これと同時に、手術制御ユニットは、論理AND回路へ有効制御信号を出力することを操作可能制御システムの制御装置に通知する。この制御信号と、複数のセンサの組み合わせにおける全てのセンサのハードウェア出力信号とは、操作可能制御システムに収集され、純粋なハードウェアによる論理AND演算を行い、論理AND演算による出力信号は、そのまま、操作可能制御システムにおけるスイッチング素子のオン及びオフの制御に使用される。全てのセンサがトリガされた場合のみに、自動化駆動システムに駆動給電され、これより、オペレータが操作するつもりがないときに、自動化手術装置に予期しない動作が発生しないことを確保できる。一方、操作中、いずれかのセンサがトリガされないと(例えば、オペレータが複数のセンサの組み合わせにおけるいずれかの検出センサをトリガさせることを放棄する。)、自動化駆動システムの給電は、すぐに遮断され、全ての電機子運動が迅速に停止することになる。オペレータが危険な状況を発見した場合、いずれかのセンサをオフにすることで自動手術装置を迅速に停止できるので、勿論、緊急停止スイッチを押すよりも速く、危険を低減ないし防止することができる。
【0032】
<実施例3>
図4に示すように、本実施例は、コンソールと自動化手術装置とを備え上述の操作可能制御システムを有するロボット支援手術装置をさらに提供する。コンソール及び自動化手術装置の構造は、実施例2とほぼ同じであるが、以下の点で異なる。本実施例の操作台は、論理AND回路をさらに備え、操作台上の論理AND回路は、その入力端が複数のセンサの組み合わせに並列に接続され、その出力端が自動化手術装置内の操作可能制御システムの論理AND回路に接続され、コンソールの論理AND回路は、複数のセンサの組み合わせのハードウェア出力信号に対して論理AND演算を行い、演算の結果は、自動化手術装置の論理AND回路に送信され、操作可能制御システム内の制御装置の出力信号と論理AND演算をさらに行い、その演算結果は、スイッチング素子を制御するために使用される。このような実施の利点は、操作台と自動化手術装置との間の接続ケーブルが簡易化になり、全てのセンサの信号を自動化手術装置に接続する必要がなくなり、その論理AND演算による出力信号を自動化手術装置内の操作可能制御システムの論理AND回路に送信すればよいことにある。
【0033】
上記の明細書の記載及び教示に基づいて、当業者は、上記の実施形態を適宜変更及び修正することも可能である。したがって、本発明は、上記に開示・説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明に対するいくつかの修正及び変更も、本発明の特許請求の範囲内に入るものである。また、本明細書では特定の用語を用いたが、これらの用語は説明の便宜上のものであり、本発明を限定するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子と、論理AND回路とを備え、
前記スイッチング素子の一端は、
給電システムに接続されるために用いられ、前記スイッチング素子の他端は、ロボット支援手術システムの自動化駆動システムに接続されるために用いられ、
前記論理AND回路は、第1の入力端と第2の入力端とを備え、前記論理AND回路の第1の入力端は、ロボット支援手術システムのセンサ状態を取得するために用いられ、前記論理AND回路の第2の入力端は、
制御信号の取得するために用いられ、前記論理AND回路の出力端は、前記スイッチング素子の制御端に接続さ
れることを特徴とする操作可能制御システム。
【請求項2】
制御装置をさらに備え、前記制御装置は、入力端と出力端とを備え、前記制御装置の入力端は、操作指令を取得するようにロボット支援手術システムに接続されるために用いられ、前記制御装置の出力端は、前記論理AND回路の第2の入力端に接続して制御信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の操作可能制御システム。
【請求項3】
前記スイッチング素子と前記制御装置との間には、前記スイッチング素子の給電電圧の有無を検出するためのフィードバック回路がさらに設置されていることを特徴とする請求項
2に記載の操作可能制御システム。
【請求項4】
前記フィードバック回
路は、レベル検出回路
を備えることを特徴とする請求項
3に記載の操作可能制御システム。
【請求項5】
コンソールと、自動化手術装置とを備え、
前記コンソールは、オペレータによる操作の準備が整ったかどうかを検出するための複数のセンサの組み合わせを備え、
前記自動化手術装置は、
手術制御ユニットと、操作可能制御システムと、自動化駆動システムとを備え、前記操作可能制御システムは、
スイッチング素子と、論理AND回路とを備え、前記操作可能制御システムは、
給電
システムと前記自動化駆動システムとの間に設置され、
前記スイッチング素子の一端は、前記
給電システムに接続され、前記スイッチング素子の他端は、前記自動化駆動システムに接続されるために用いられ、前記論理AND回路の第1の入力端は、複数のセンサの状態を取得するために用いられ、前記論理AND回路の第2の入力端は、
制御信号を取得するために用いられ、前記論理AND回路の出力端は、前記スイッチング素子の制御端に接続されることを特徴とするロボット支援手術装置。
【請求項6】
前記操作可能制御システムは、制御装置をさらに備え、前記制御装置の入力端は、前記手術制御ユニットに接続され、前記制御装置の出力端は、前記論理AND回路の第2の入力端に接続されることを特徴とする請求項5に記載のロボット支援手術装置。
【請求項7】
前記論理AND回路の第1の入力端は、前記複数のセンサの組み合わせにおける各センサに接続されることを特徴とする請求項
5に記載のロボット支援手術装置。
【請求項8】
前記コンソールは、入力端が前記複数のセンサの組合せにおける各センサに接続され、出力端が前記論理AND回路の第1の入力端に接続された別の論理AND回路をさらに備えることを特徴とする請求項
5に記載のロボット支援手術装置。
【請求項9】
前記スイッチング素子と前記制御装置との間には、前記スイッチング素子の給電電圧の有無を検出するためのフィードバック回路がさらに設置されていることを特徴とする請求項
6に記載のロボット支援手術装置。
【請求項10】
前記コンソールは、操作台給電ユニットと、スイッチと、ボタンと、マニピュレータと、コンソール制御ユニットと、ディスプレイと、マイクロフォンと、スピーカとをさらに備え、
前記操作台給電ユニットは、外部給電網に接続され、前記コンソール制御ユニットの入力端は、前記複数のセンサの組み合わせにおける各センサ、スイッチ、ボタン、マニピュレータ及びマイクロフォンのそれぞれに接続され、前記コンソール制御ユニットの出力端は、対応するディスプレイ及びスピーカに接続され、オペレータと前記操作台とのやり取りを支
援することを特徴とする請求項
5~9のいずれか一項に記載のロボット支援手術装置。
【請求項11】
前記自動化手術装置は、スイッチと、ボタンと、ディスプレイと、マイクロフォンと、スピーカと、対応する手術器具とをさらに備え、前記手術制御ユニットは、前記コンソール制御ユニット、制御装置、及び自動化駆動システムと双方向に接続されて相互通信を実現し、前記手術制御ユニットは、前記自動化駆動システムを通じて対応する電機子運動を制御することで、終端の手術器具を動かし、前記手術制御ユニットの入力端は、対応するスイッチ、ボタン、及びマイクロフォンのそれぞれに接続され、前記手術制御ユニットの出力端は、対応するディスプレイ及びスピーカに接続され、オペレータと前記自動化駆動システムとのやり取りを支援することを特徴とする請求項10に記載のロボット支援手術装置。
【国際調査報告】