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▶ ジンマー バイオメット シーエムエフ アンド ソラシック,リミティド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】骨固定・修復システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
A61B17/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534182
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 US2019066314
(87)【国際公開番号】W WO2020123996
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】62/779,747
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516277727
【氏名又は名称】ジンマー バイオメット シーエムエフ アンド ソラシック,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー チャールズ デイビソン
(72)【発明者】
【氏名】ケネス カールトン クレマー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
4C160LL25
4C160LL33
4C160LL44
(57)【要約】
骨折のための骨固定・修復システム10は、少なくとも1つの開口を有する骨板を含む。システムは、少なくとも1つの細長可撓性要素と、少なくとも1つの開口内に嵌合するように構成された締結具組立体120と、を含む。締結具組立体は、a)締結具と、b)締結具のシャフトに係合するように構成されたロックキャップと、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手中心軸線に沿って細長い骨板であって、前記骨板が、第1端と、前記長手中心軸線に沿って前記第1端から離間する第2端と、前記長手中心軸線の対向する両側の第1及び第2側面部材と、前記長手中心軸線に対して直角を成す深さに沿って前記骨板を通過して延びる細長スロットと、を有し、前記第1側面部材及び第2側面部材が、各々、底面、前記深さに沿って前記底面から離間する上面及び前記底面から前記長手中心軸線へ向かって延びる内部係合面を形成する、骨板、
を備える、骨のための骨固定・修復システム。
【請求項2】
前記内部係合面が湾曲する、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項3】
前記内部係合面が平坦である、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項4】
前記骨板が前記長手中心軸線に沿って湾曲する、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項5】
前記内部係合面が、a)前記深さに対して非直交であり、かつb)部分的に前記細長スロットを形成するために相互に対向する、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項6】
前記内部係合面が、前記第1側面部材及び第2側面部材の全体に沿って延びる、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項7】
前記骨板が、a)前記第1端から前記第2端まで延びる長さであって、前記長さが前記深さに対して直角を成す、長さ、及びb)前記第1側面部材から前記第2側面部材まで延びる幅であって、前記幅が前記長さ及び前記深さに対して直角を成す、幅、を形成し、前記細長スロットが前記長さ全体に沿って延びる、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項8】
前記第1側面部材及び前記第2側面部材の上面が、骨区分の湾曲面を受け入れるために湾曲する、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項9】
前記第1側面部材及び前記第2側面部材が、それぞれ前記第1側面部材及び前記第2側面部材の前記上面に沿って第1及び第2リッジを含む、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項10】
前記細長スロットが第1細長スロットであり、前記骨板が、更に第2細長スロットを備える、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項11】
前記細長スロットが複数の細長スロットの1つであり、前記複数の細長スロットが、相互に異なるサイズ及び向きを持つ、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項12】
骨板が、更に、前記深さに沿って前記骨板を通過して延びる少なくとも2つの開口を備える、請求項11に記載の骨固定・修復システム。
【請求項13】
骨板が、更に、前記深さに沿って前記骨板を通過して延びる少なくとも2つの開口を備える、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項14】
前記細長スロットが第1細長スロットであり、前記骨板が、
前記第1側面部材と、前記第2側面部材と、前記第1細長スロットと、を含む第1区分と、
第1側面部材と、第2側面部材と、第2細長スロットと、を含む第2区分であって、前記第2区分の前記第1側面部材及び前記第2側面部材が、前記第1区分の前記第1側面部材及び前記第2側面部材と実質的に同様である、第2区分と、
前記第1区分を前記第2区分に結合するブリッジ区分であって、前記ブリッジ区分が、前記第1及び第2細長スロットに通じるブリッジスロットを形成するので、繋索締結具組立体が前記第1細長スロット、前記第2細長スロット及び前記ブリッジスロットの任意の部分に沿って移動可能である、ブリッジ区分と、
を備える、
請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項15】
更に、
前記細長スロットの任意の部分内に同時に嵌合して任意の部分に沿って滑動するように構成された複数の繋索締結具組立体であって、各繋索締結具組立体が、1)頭部と、前記頭部から締結具中心軸に沿って延びるシャフトと、前記シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素と、を有する締結具と、2)前記細長可撓性要素に沿って滑動して前記シャフトと係合するように構成されたロックキャップと、を有し、前記繋索締結具組立体が一体化ユニットであるように、前記頭部が前記繋索締結具組立体の遠位端を形成し、前記細長可撓性要素が前記繋索締結具組立体の近位端を形成する、複数の繋索締結具組立体、
を備える、請求項1に記載の骨固定・修復システム。
【請求項16】
前記頭部が、前記骨板の前記内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、前記頭部の前記円滑な外面が前記骨板の前記内部係合面に当接するとき前記締結具が複数軸線の周りで回転可能である、請求項15に記載の骨固定・修復システム。
【請求項17】
前記頭部の前記円滑な外面が締結具中心軸線に対して湾曲する、請求項16に記載の骨固定・修復システム。
【請求項18】
前記頭部の前記円滑な外面が線形であり、締結具中心軸線に対して角度を成す、請求項16に記載の骨固定・修復システム。
【請求項19】
骨に当接して配置されるように構成された骨板であって、前記骨板が少なくとも1つの開口を含む、骨板と、
前記骨板を前記骨に固定するように構成された複数の繋索締結具組立体であって、各繋索締結具組立体が、
a)頭部と、前記頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、前記シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素と、を有する締結具であって、前記シャフトが雄型ラチェット歯を形成し、前記繋索締結具組立体が一体化ユニットであるように、前記頭部が前記繋索締結具組立体の遠位端を形成し、前記細長可撓性要素が前記各繋索締結具組立体の近位端を形成する、締結具と、
b)前記締結具に取り付けられるように構成されたロックキャップであって、前記ロックキャップが、頂部と、底部と、内面と、前記内面によって形成された内部開口と、を含み、前記内面が雌型ラチェット歯を形成し、前記雌型ラチェット歯が、前記ロックキャップを前記締結具にロックするために前記シャフトの前記雄型ラチェット歯に係合するように構成される、ロックキャップと、
を有する、複数の繋索締結具組立体と、
を備える、骨のための骨固定・修復システム。
【請求項20】
骨に当接して配置されるように構成された骨板であって、前記骨板が少なくとも1つの開口を含む、骨板と、
前記少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成された少なくとも1つの繋索締結具組立体であって、前記少なくとも1つの繋索締結具組立体が、
a)頭部と、前記頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、前記シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素と、を有する締結具であって、前記シャフトが、1)前記頭部に隣接し少なくとも1つの係合形体を有する遠位部分と、2)前記遠位部分が前記頭部から近位部分まで延びるように前記遠位部分に隣接する近位部分と、を有する、締結具と、
b)前記シャフトの前記近位部分に係合するが前記シャフトの前記遠位部分には係合しないように構成されたロックキャップと、
を有する、少なくとも1つの繋索締結具組立体と、
を備える、骨のための骨固定・修復システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年12月14日提出の米国仮特許出願第62/779747号の利益を主張する。その優先権の利益は本明細書によって主張され、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、骨固定・修復システム、特に肋骨骨折のための骨固定・修復システムに関する。
【背景技術】
【0003】
肋骨骨折は、治癒が困難である。従来の修復処置は、侵襲的であり、典型的に骨折部位にアクセスして所望の骨板を埋植するために胸腔に大きな切開部を必要とする。このような処置は治癒を遅らせる。米国特許第8728133号及び米国特許出願公開第2014/0277175号に記載されるものなど、より侵襲性の少ない肋骨固定のために開発がなされてきた。肋骨骨折のためにできる限り小さい侵襲性の骨固定・修復システムに改良するための作業が続いている。
【発明の概要】
【0004】
肋骨固定・修復のための臨床的成果を改良する必要がある。本開示の実施形態は、肋骨などの骨の骨折のための骨固定・修復システムである。システムは、細長スロット又はその他のタイプの開口など少なくとも1つの開口を有する骨板を含む。システムは、少なくとも1つの細長可撓性要素及び少なくとも1つの開口内に嵌合するように構成された締結具組立体を含む。細長可撓性要素は、いくつかの実施形態において、繋索締結具組立体を形成するために締結具と一体化できる。特定の実施形態において、締結具組立体は、締結具と、締結具に係合するように構成されたロックキャップと、を有する。
【0005】
以上の要約及び本出願の例示的実施形態の下記の詳細な説明は、添付図面を参照することによってより良く理解できる。本出願の例示のために、図面において本開示の例示的実施形態を示す。但し、本出願は、図示される明確な配列及び計装に限定されないことが分かるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本開示の1つの実施形態に従った骨固定・修復システムの斜視図である。
図2図2は、図1の線2-2に沿って見た骨固定・修復システムの断面図である。
図3A図3Aは、図1及び2に示すシステムの骨板の上面斜視図である。
図3B図3Bは、図3Aに示す骨板の上面図である。
図3C図3Cは、図3Bの線3-3に沿って見た骨板の断面図である。
図4A図4Aは、本開示の別の実施形態に従った骨板の斜視図である。
図4B図4Bは、図4Aに示す骨板の側面図である。
図5A図5Aは、本開示の別の実施形態に従った骨板の上面図である。
図5B図5Bは、本開示の別の実施形態に従った骨板の上面図である。
図5C図5Cは、本開示の別の実施形態に従った骨板の上面図である。
図5D図5Dは、本開示の別の実施形態に従った骨板の上面図である。
図5E図5Eは、本開示の別の実施形態に従った骨板の上面図である。
図6図6は、本開示の別の実施形態に従った骨固定・修復システムの斜視図である。
図7図7は、図6の線7-7に沿って見た骨固定・修復システムの断面図である。
図8図8は、図6の線8-8に沿って見た骨固定・修復システムの断面図である。
図9図9は、図1~8に示す骨固定システムの繋索締結具組立体の斜視図である。
図10A図10Aは、図9に示す繋索締結具組立体の締結具の側面図である。
図10B図10Bは、図9に示す締結具の断面図である。
図11A図11Aは、本開示の1つの実施形態に従った器具組立体及び繋索締結具組立体の斜視図である。
図11B図11Bは、図11Aに示す繋索締結具組立体の締結具の斜視図である。
図11C図11Cは、図11Aに示す器具組立体及び繋索締結具組立体の分解斜視図である。
図11D図11Dは、図11A及び11Cに示す駆動組立体の外側駆動器具の端面図である。
図11E図11Eは、図11A及び11Cに示す駆動組立体の内側駆動器具の端面図である。
図12A図12Aは、図11A~11Cに示す繋索締結具組立体の締結具の側面図である。
図12B図12Bは、図12Aに示す締結具の端面図である。
図13A図13Aは、本開示の別の実施形態に従った骨固定・修復システムの斜視図である。
図13B図13Bは、図13Aの線13-13に沿って見た骨固定・修復システムの断面図である。
図14A図14Aは、図13A及び13Bに示すシステムの締結具の斜視図である。
図14B図14Bは、図14Aに示すシステムの締結具の側面図である。
図14C図14Cは、図14A及び14Bに示す締結具の断面図である。
図15A図15Aは、本開示の別の実施形態に従った締結具の斜視図である。
図15B図15Bは、図15Aに示す締結具の側面図である。
図16A図16Aは、本開示の別の実施形態に従った締結具の斜視図である。
図16B図16Bは、図16Aに示す締結具の側面図である。
図17A図17Aは、本開示の別の実施形態に従った締結具の斜視図である。
図17B図17Bは、図17Aに示す締結具の側面図である。
図18A図18Aは、本開示の別の実施形態に従った締結具の斜視図である。
図18B図18Bは、図18Aに示す締結具の側面図である。
図19A図19Aは、本開示の別の実施形態に従った骨固定・修復システムの斜視図である。
図19B図19Bは、図19Aに示す骨固定・修復システムの底面図である。
図19C図19Cは、図19Bに示す骨固定・修復システムの拡大図である。
図20A図20Aは、本開示の別の実施形態に従った、図19A~19Cに示すシステムのための締結具の斜視図である。
図20B図20Bは、図20Aに示すシステムのための締結具の側面図である。
図21A図21Aは、本開示の別の実施形態に従った図19A~19Cに示すシステムのための締結具の斜視図である。
図21B図21Bは、図21Aに示すシステムのための締結具の側面図である。
図22図22は、本開示の別の実施形態に従った骨固定・修復システムの断面斜視図である。
図23図23は、図22に示す骨固定・修復システムの斜視断面図であり、カットされた縫合糸組立体の縫合糸尾部を示す。
図24図24は、図22に示す骨固定・修復システムの断面斜視図であり、ロックキャップを所定の位置に固定するために結束された縫合糸尾部を示す。
図25A図25Aは、図22に示す骨固定・修復システムのための締結具の斜視図である。
図25B図25Bは、図22に示す骨固定・修復システムのための締結具の斜視図である。
図26A図26Aは、図22に示す骨固定・修復システムのロックキャップの斜視図である。
図26B図26Bは、図26Aに示すロックキャップの側面図である。
図27図27は、本開示の別の実施形態に従った骨固定・修復システムの側面図である。
図28図28は、図27に示す骨固定・修復システムに使用される可動トグルの斜視図である。
図29A図29Aは、本開示の別の実施形態に従った骨固定・修復システムの駆動組立体の側面図である。
図29B図29Bは、図29Aに示す骨固定・修復システムの駆動組立体の別の側面図である。
図30A図30Aは、本開示の別の実施形態に従った骨固定・修復システムの斜視図である。
図30B図30Bは、図30Aの線30-30に沿って見た骨固定・修復システムの断面図である。
図30C図30Cは、図30Bに示す骨固定・修復システムの断面図の拡大図である。
図30D図30Dは、図30A-30Cに示す骨固定・修復システムのための締結具及び細長可撓性要素の斜視図である。
図31A図31Aは、本開示の別の実施形態に従った骨固定・修復システムの斜視図である。
図31B図31Bは、図31Aの線31-31に沿って見た骨固定・修復システムの断面図である。
図31C図31Cは、図31Bに示す骨固定・修復システムの断面図の拡大図である。
図31D図31Dは、図13A~31Cに示す骨固定・修復システムのための締結具及び細長可撓性要素の斜視図である。
図32A図32Aは、図30A~31Cに示す骨固定・修復システムのための締結具の側面図である。
図32B図32Bは、図32Aに示す締結具の断面図である。
図33図33は、本開示の1つの実施形態に従った、図1~32Bに示す骨固定システムに使用される器械の斜視図である。
図34図34は、図33に示す器械の側面図である。
図35図35は、図33に示す器械の分解斜視図である。
図36A図36Aは、図33に示すクランプ器具の斜視図である。
図36B図36Bは、図36Aに示すクランプ器具の側面図である。
図36C図36Cは、図36Aに示すクランプ器具の前面図である。
図36D図36Dは、図36Aに示すクランプ器具の後面図である。
図37図37は、図36Aに示すクランプ器具の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の実施形態は、骨の修復及び固定、特に肋骨骨折の骨の修復及び固定のためのシステム及び方法を含む。図1~4Bは、第1骨区分1と第2骨区分2とを有する骨Bの骨折を修復するためのシステム10の1つの実施形態を示す。システム10は、長手中心軸線に沿って細長い骨板20と、1つ又は複数の繋索締結具組立体120と、1つ又は複数の対応するロックキャップ160と、を含む。図示するように、骨板20は、第1端と、長手中心軸線に沿って第1端から離間する第2端と、長手中心軸線の対向する両側の第1及び第2側面部材と、長手中心軸線に対して直角を成す深さDに沿って骨板20を通過して延びる細長スロットと、を有する。骨板20は、a)第1端から第2端まで延びて深さDに対して直角を成す長さL、及びb)第1側面部材から第2側面部材まで延びて長さL及び深さDに対して直角を成す幅W、を形成する。図示するように、細長スロットは、実質的に骨板20の長さL全体に沿って延びる。
【0008】
図1~3Cに示すように、骨板20は、第1側面部材及び第2側面部材を含む。第1及び第2側面部材は、各々、底面、深さに沿って底面から離間する上面、及び底面から長手中心軸線へ向かって延びる内部係合面を形成する。第1側面部材及び第2側面部材の上面は、骨Bの湾曲面を受け入れるために湾曲できる。1つの実施例において、内部係合面は、a)深さに対して非直交であり、かつb)部分的に細長スロットを形成するために相互に対向する。内部係合面は、第1側面部材及び第2側面部材全体に沿って延びることができる。1つの実施例において、内部係合面は、深さDに対して湾曲する。別の1つの実施例において、内部係合面は平坦であり、深さDに対して角度を成す。別の実施形態(図示せず)において、第1及び第2側面部材は、第1及び第2側面部材の上面に沿ってそれぞれ第1及び第2リッジを含むことができる。リッジは、骨Bに係合して、骨との係合を容易にするのを助けるように構成される。
【0009】
本明細書において説明する骨固定システムは、広範囲の骨板構成を使用できる。例えば、骨板20は、図3A~3Cに示すように単一の細長スロットを持つことができる。図5Aに示す別の実施例において、骨板60aは、更に、深さに沿って骨板を通過して延びる少なくとも2つの開口及び少なくとも1つの細長スロットを備えることができる。図5Bに示す別の実施例において、骨板60bは、更に、骨板を通過して延びる1組の円形開口を備えることができる。但し、図5Cに示すように、骨板60cは、1つ又は複数の細長スロットを備えることができる。図5Dに示す別の実施例において、骨板60dは、相互に異なるサイズ及び向きを持つ複数の細長スロットを持つ。骨板60dは、更に、複数の細長スロットに加えて複数の開口を含むことができる。
【0010】
図5Eに示す別の実施例において、骨板60eは、第1側面部材と第2側面部材と第1細長スロットとを含む第1区分を含む。骨板60eは、又、第1側面部材と第2側面部材と第2細長スロットとを有する第2区分を含むことができ、第2区分の第1側面部材及び第2側面部材は、第1区分の第1側面部材及び第2側縁部材と実質的に同様である。骨板60eは、又、第1区分を第2区分に結合するブリッジ区分を含むことができる。ブリッジ区分は、第1及び第2細長スロットに通じるブリッジスロットを形成する。この実施例において、繋索締結具組立体120は、第1細長スロット、第2細長スロット及びブリッジスロットの任意の部分に沿って移動可能である。
【0011】
別の実施形態において、図4A、4Bに示すように、骨板80は、長手中心軸線に沿って湾曲できる。骨板80は、骨板80が湾曲することを除いて、上に説明し図1~3Cに示す骨板20と同様の形体を含む。
【0012】
図9~10Bを見ると、骨固定システム10は、本明細書において説明する骨板の細長スロットの任意の部分内に同時に嵌合してこれに沿って滑動するように構成された複数の繋索締結具組立体120を含む。図示するように、繋索締結具組立体は、締結具130と、締結具と一体化された細長可撓性要素150と、ロックキャップ160と、を有する。図示する実施形態によれば、繋索締結具組立体120が一体化ユニットであるように、締結具130の頭部は、組立体120の遠位端を形成し、細長可撓性要素150は、組立体120の近位端を形成する。
【0013】
締結具130は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素150と、を有する。頭部は、骨板20の内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、頭部の円滑な外面が骨板20の内部係合面と当接するとき、締結具130は複数軸線の周りで回転可能である(図2、7及び8)。1つの実施例において、頭部の円滑な外面は、締結具中心軸線に対して湾曲する。別の実施例において、頭部の円滑な外面は、線形であり、締結具中心軸線に対して角度を成す。骨板20の細長スロットは、シャフトの通過を許容するが、頭部の通過を防止するサイズを持つ。図9~10Bに示すように、シャフトの少なくとも一部分は、ネジ切りされる。
【0014】
図9~10Bを参照すると、細長可撓性要素150は、任意の長さの材料とすることができる。例えば、細長可撓性要素150は、ケーブル、縫合糸、縫合糸組立体、ワイヤ又は他の任意の長さの材料を含むことができるが、これらに限定されない。細長可撓性要素150は、締結具130に取り付けるか、又は締結具130と一体とすることができる。細長可撓性要素150は、0.5mm~10mmの直径を持つことができる。細長可撓性要素は、250mm~2250mmの長さ(シャフトの遠位先端から細長可撓性要素の端まで計測して)を持つことができる。1つの実施例において、細長可撓性要素150は、250mm~750mmである。1つの実施例において、細長可撓性要素は、500mm~1000mmである。1つの実施例において、細長可撓性要素は、750mm~1250mmである。1つの実施例において、細長可撓性要素は、1000mm~1500mmの長さを持つ。1つの実施例において、細長可撓性要素は、1250mm~1750mmの長さを持つ、別の実施例において、細長可撓性要素は、1500mm~2000mmの長さを持つ。別の実施例において、細長可撓性要素は、1750mm~2250mmの長さを持つ。いくつかの例において、細長可撓性要素は、ステンレス鋼、ニチノール又は人体に埋植するのに適するその他の医用材料とすることができる。又は、細長可撓性要素150は、重合体とすることができる。いくつかの例において、細長可撓性要素は生体吸収性である。
【0015】
ロックキャップ160は、a)骨板20が骨に当接し、かつb)ロックキャップ160がシャフトと係合して骨に当接するとき、骨板20の細長スロットの中に締結具130を固定するように構成される。更に、ロックキャップ160は、可撓性細長要素150に沿って滑動してシャフトと係合するように構成される。ロックキャップ160は、内部チャンネルと、締結具130のネジ切りシャフトとネジ式に係合するように構成される雌ネジ部と、を含む。
【0016】
図6~8に戻ると、本開示の1つの実施形態は、湾曲板80と、上に説明するように骨板80を骨Bの所定の場所にロックする複数組の繋索締結具組立体120と、を含む骨固定システム70を含む。
【0017】
図11~12Bに示すように、本開示の別の実施形態において、繋索締結具組立体230は、駆動器具組立体210と係合するように構成される。繋索締結具組立体230は、本開示において説明する骨板のいずれとでも使用できる。締結具組立体230は、締結具232と細長可撓性要素270とを含む。図示するように、締結具230のシャフトは、頭部からシャフト先端まで延び、シャフト先端は、トルクを受けるように構成された先端係合形体を形成する。この実施形態の1つの実施例において、シャフトはネジ切りされる。但し、シャフトは、ラチェット歯など他の係合形体を持つことができる。
【0018】
図11~12Bを参照すると、駆動器具組立体210は、外側駆動器具240と内側駆動器具260とを含むことができる。外側駆動器具240は、近位端及び近位端の反対側の遠位端、及び近位端から遠位端まで延びる内部チャンネルを形成する。遠位端は、ロックキャップの上面に係合して、ロックキャップを締結具のシャフトと係合させるように構成された係合部材を形成する。
【0019】
続けて図11~12Bを参照すると、内側駆動器具260は、後部端、駆動端及び外面を有する。内側駆動器具260の外面は、外側駆動器具240の内部チャンネル内で滑動可能である。駆動端は、更に、器具係合形体が先端係合形体と噛み合ったとき内側駆動器具260が締結具のシャフト先端にトルクを与えるように構成されるように、先端係合形体と噛み合う器具係合形体を形成する。
【0020】
骨固定・修復システム310の別の実施形態を、図13A~14Cに示す。図示するシステム310は、骨Bに当接して配置されるように構成された骨板320を含む。図13A~14Cに示す実施形態において、骨板320は、骨板320を通過して延びる少なくとも1つの開口を含む。開口は、円形開口とするか、又は骨板20、60a~60e及び80に関して上で説明し図1~5Dに示すように、1つ又は複数の細長スロットとすることができる。
【0021】
図13A~14Cに示すシステム310は、骨板320を骨に固定するように構成された複数の繋索締結具組立体420を含む。繋索締結具組立体420は、締結具430と、細長可撓性要素450と、ロックキャップ460と、を有する。締結具430の頭部は、上述のように繋索締結具組立体430が一体化ユニットであるように、組立体の遠位端を形成し、細長可撓性要素450は、組立体の近位端を形成する。
【0022】
図13A~14Cに示す実施形態において、締結具430は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素450と、を有する。この実施形態において、締結具のシャフトは雄型ラチェット歯を形成する。
【0023】
図13A~14Cを参照すると、ロックキャップ460は、締結具430に取り付けられるように構成される。図示するように、ロックキャップ460は、頂部と、底部と、内面と、内面によって形成される内側開口と、を有する。内面は、ロックキャップを締結具430にロックするためにシャフトの雄型ラチェット歯に係合するように構成される雌型ラチェット歯を形成する。
【0024】
図15A~15Bに示すように、本開示の実施形態は、本明細書において説明するように骨に当接して配置されるように構成された骨板を有する骨固定・修復システムを含む。この特定のシステムについては図示しない。本開示において説明する骨板のいずれでも、図15A~15Bに示す締結具組立体620と使用できる。例えば、骨板は、骨板を通過して延びる少なくとも1つの開口を含むことができる。開口は、1つ又は複数のスロットとすることができる。又は、開口は、1つ又は複数の円形開口とすることができる。システムは、骨板の少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成された少なくとも1つの繋索締結具組立体620を含むことができる。繋索締結具組立体620は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素650と、を有する締結具630aを含む。締結具630aのシャフトは、1)頭部に隣接し少なくとも1つの係合形体を有する遠位部分と2)遠位部分が頭部から近位部分まで延びるように遠位部分に隣接する近位部分と、を有する。ロックキャップ660(図示せず)は、締結具630aのシャフトの近位部分に係合するがシャフトの遠位部分には係合しないように構成される。ロックキャップ660は、本開示において説明する他のロックキャップと同様とすることができる。
【0025】
図15A~18Bに示す実施形態によれば、シャフトの近位部分は、雄ネジ部を形成し、ロックキャップは、シャフトの近位部分の雄ネジ部とネジ式に係合するように構成される。遠位部分は、多様な係合形体構成を含むことができる。図15A~15Bに示すように、締結具630aは、図示するように単一キールとして構成された係合形体を含む。キールは、シャフトの締結具中心軸線に対して直角を成す半径方向に沿ってシャフトから外向きに延びる。キールは、骨に係合して締結具を所定の位置に固定するのを助けるように構成される。図18A~18Bに示す実施例において、締結具603dは、複数のキールを含み、各キールは、中央軸線に対して直角を成す半径方向に沿ってシャフトから外向きに延びる。
【0026】
図16A~16Bに示すように、締結具630bは、複数の別個の離散突出部として構成された係合形体を含む。離散突出部は、シャフトの締結具中心軸線に対して直角を成す半径方向に沿ってシャフトから外向きに延びる。突出部は、骨に係合するように構成される。図示するように、突出部は、シャフトの面から頭部へ向かって傾斜する。突出部の下面は実質的に頭部の端面に対して平行である。言い換えれば、下面は、締結具中心軸線に対して直角を成す。
【0027】
図17A~17Bに示すように、締結具630cは、複数のラチェット歯をとして構成された係合形体を含む。ラチェット歯は、シャフトの締結具中心軸線に対して直角を成す半径方向に沿ってシャフトから外向きに延びる。ラチェット歯は、シャフトを取り囲むようにシャフトに外接する。ラチェット歯は、骨に係合するように構成される。
【0028】
図15A~18Bに示す実施形態において、締結具の近位部分は、雄ネジ部を含むことができる。このような実施形態において、ロックキャップは、締結具に取り付けられるように構成され、ロックキャップは、頂部と、底部と、内面と、内面によって形成された内側開口とを含む。内面は、ロックキャップを締結具にロックするためにシャフトの雄ネジ部と係合するように構成される雌ネジ部を形成する。但し、別の実施形態において、締結具の近位部分は、雄型ラチェット歯を含み、ロックキャップは、雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成される雌型ラチェット歯を含むことができる。
【0029】
本開示の別の実施形態は、下でさらに説明するように締結具頭部及び/又は骨板に回転防止形態を持つ骨固定システム710を含む。図19A~19Cに示すように、システム710は、骨Bに当接して配置されるように構成された骨板720を含む。骨板720は、骨に面するように構成された上面と、上面の反対側の底面と、底面から上面まで延びる少なくとも1つの開口と、少なくとも1つの開口に隣接して底面に沿って配置された第1回転防止要素と、を含む。図19C及び19Dに示すように、第1回転防止要素は、骨板720の底面に沿って配置された複数の離間する溝とすることができる。又は、第1回転防止要素は、複数の離間する突出部とすることができる。
【0030】
システム710は、骨板720の少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成された少なくとも1つの繋索締結具組立体820を含む。繋索締結具組立体820は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素850とを有する締結具830を有する。本明細書において説明するように、ロックキャップ(図示せず)は、締結具830に係合できる。図示するように、頭部は、繋索締結具組立体が一体化ユニットであるように、組立体の近位端を形成し、細長可撓性要素850は、組立体の近位端を形成する。頭部は、骨板720の第1回転防止要素に係合するように構成された第2回転防止要素を有する。締結具が骨板20の開口の中に完全に着座したとき、第1及び第2回転防止要素は、骨板720に対する締結具830の回転を防止するように、相互ロックする。図20A及び20Bに示すように、締結具830aの第2回転防止要素は、頭部の近位面からシャフトへ向かって頭部から外向きに延びる複数の線形リッジであり、各リッジは、骨板720の各溝に係合するサイズを持つ。図21A及び21Bに示すように、締結具830bの第2回転防止要素は、頭部の近位面からシャフトへ向かって頭部から外向きに延びる複数の線形リッジであり、各リッジは、骨板720の各溝に係合するサイズを持つ。
【0031】
更に、図20A~21Bの締結具は、ネジ切りでき、ロックキャップは、シャフトにネジ式に係合するように構成される。又は、シャフトは、雄型ラチェット歯を形成し、ロックキャップは、雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成された雌型ラチェット歯を形成する。それに加えて又はその代わりに、締結具は、シャフトの遠位部分に骨係合形体を含むことができる。このような係合形体は、a)骨に係合するように構成されたキール、b)複数のキール、c)シャフトから外向きに延びる複数の離散突出部、又はd)ラチェット歯、の1つを含むことができる。
【0032】
図示する実施形態によれば、細長可撓性要素150は、任意の長さの材料とすることができる。例えば、細長可撓性要素150は、ケーブル、縫合糸、縫合糸組立体、ワイヤ又はその他の任意の長さの材料を含むことができるが、これらに限定されない。1つの実施例において、細長可撓性要素は、縫合糸組立体である。縫合糸組立体は、締結具組立体の頭部に対して所定の位置にロックキャップを固定するように構成された1対の縫合糸尾部を含むことができる。
【0033】
本開示の別の実施形態(図示せず)において、骨固定・修復システムは、骨に面するように構成された上面と、上面の反対側の底面と、底面から上面まで延びる少なくとも1つの開口と、少なくとも1つの開口に隣接して底面に沿って配置された回転防止要素と、を有する骨板を含む。システムは、又、少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成された少なくとも1つの繋索締結具組立体を含む。繋索締結具組立体は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素とを有する締結具を有する。締結具が少なくとも1つの開口の中に完全に着座したとき、頭部と回転防止要素は、骨板に対する締結具の回転を防止するように係合する。図示する実施形態によれば、骨板の回転防止要素は、骨板の底面に沿って配置された複数の離間する溝とすることができる。別の実施例において、回転防止要素は、骨板の底面に沿って配置された複数の離間するリッジを含むことができる。又は、回転防止要素は、骨板の底面に沿って配置された複数の離間する突出部である。ロックキャップは、シャフトに係合するように構成される。
【0034】
本開示の別の実施形態(図示せず)において、骨固定・修復システムは、骨に面するように構成された上面と、上面の反対側の底面と、底面から上面まで延びる少なくとも1つの開口と、を有する骨板を含む。この実施形態の骨板は、上述のような明確な回転防止要素を含まない。但し、システムは、少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成された少なくとも1つの繋索締結具組立体を含む。繋索締結具組立体は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素と、を有する締結具を有する。更に、頭部は、骨板の底面に係合するように構成された回転防止要素を含み、締結具が少なくとも1つの開口の中に完全に着座したとき、回転防止要素と骨板の底面が相互ロックして、骨板に対する締結具の回転を防止する。他の実施形態と同様、シャフトに係合するためにロックキャップを使用できる。上に説明するいずれの実施形態においても、回転防止要素は、リッジ、突出部、溝又は締り嵌めを与える任意の面とすることができる。
【0035】
骨固定システム1010の別の実施形態を図22~26Bに示す。システム1010は、骨板を通過して延びる少なくとも1つの開口を有する骨板1020を含む。システム1010は、又、少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成された少なくとも1つの繋索締結具組立体1120を含む。少なくとも1つの繋索締結具組立体1120は、頭部を有する締結具1130と、頭部に対して延びる縫合糸組立体1150と、を含む。縫合糸組立体1150は、1対の縫合糸尾部を含む。別の実施形態によれば、締結具1130は、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトを含む。縫合糸組立体1150は、シャフトに取り付けられ、頭部から直接延びるのではなくシャフトから延びる。システム1010は、又、対の縫合糸尾部が通過して延びるのを許容するサイズの開口を有するロックキャップ1160を含む。縫合糸尾部は、骨板1020に対して所定の位置にロックキャップ1160を固定するように構成される。縫合糸は、フィラメント又は編組縫合糸とすることができる。更に、縫合糸は生体吸収性とすることができる。
【0036】
締結具1130は、本開示において説明する他の締結具と同様に多様な構成を持つことができる。例えば、シャフトは、1)頭部に隣接し少なくとも1つの係合形体を有する遠位部分と、2)遠位部分が頭部から近位部分まで延びるように遠位部分に隣接する近位部分と、を含むことができる。このような構成において、ロックキャップは、シャフトの近位部分に係合するがシャフトの遠位部分には係合しないように構成される。この実施例において、少なくとも1つの係合形体は、a)骨に係合するように構成されたキール、b)複数のキール、c)複数の離散突出部、又はd)複数のラチェット歯、の1つである。近位部分は、雄ネジ部を形成でき、ロックキャップは、シャフトの近位部分の雄ネジ部にネジ式に係合するように構成される。別の実施例において、近位部分は、雄型ラチェット歯を形成し、ロックキャップは、雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成された雌型ラチェット歯を含む。システム1010は、骨板、締結具又は骨板及び締結具に回転防止要素を含むことができる。
【0037】
図30A~32Bは、細長可撓性要素が締結具を通過して一方向のみに移動可能であるように締結具組立体が構成される実施形態を示す。図30A~30C、32A及び32Bに示すように、本開示の実施形態は、骨に当接して配置されるように構成された骨板2020を有する骨固定・修復システム2010を含む。骨板2020は、骨板を通過して延びる少なくとも1つの開口を含む。システム2010は、又、近位端と遠位端と雄型ラチェット歯とを有する細長可撓性要素を含む。システム2010は、複数の締結具組立体2120を含む。締結具組立体2120は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、内面と、締結具中心軸線に対して直角を成す半径方向に内面から離間する外面と、内面によって形成された内部チャンネルと、内面によって形成された雌型ラチェット歯と、を有する締結具2130を有する。内部チャンネルは、細長可撓性要素2150を受け入れるサイズを持つ。システムム2010は、また、シャフトの外面に係合するように構成されたロックキャップ2160を含む。別の実施例において、締結具2130の雌型ラチェット歯は、細長可撓性要素2150が内部チャンネルを通過して一方向のみに移動可能であるように、細長可撓性要素2150の雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成される。図31A~31Cに示す別の実施例において、細長可撓性要素2150’は円滑な外面を有する。図31A~31Dに示すシステムは、他の全ての点に関して、図30A~30Dと同じである。
【0038】
図27は、骨固定・修復システム1210の別の実施形態を示す。図示するように、システム1210は、第1開口と第2開口とを有する骨板1220を含む。システム1210は、また、第1開口に配置された第1締結具組立体1320aも含む。第1締結具組立体1320aは、第1内部チャンネルを形成する第1締結具1330aと、第1締結具1330aに結合されるように構成された第1ロックキャップ1360aと、を含む。システム1210は、又、第2開口に配置された第2締結具組立体1320bも含む。第2締結具組立体1320bは、第2内部チャンネルを形成する第2締結具1330bと、第2締結具1330bに結合されるように構成された第2ロックキャップ1360bと、を含む。第1ロックキャップ1360a及び第2ロックキャップ1360bは、図示しない。システム1210は、又、近位端と、第1締結具組立体1330aと関連付けられる第1可動トグル1370aと、第2締結具組立体1330bと関連付けられる第2可動トグル1370bと、を有する単一の細長可撓性要素1350を含む。トグル1370a、1370bは、細長可撓性要素1350に沿って個別に移動可能であり、細長可撓性要素1350に沿って所定の位置に固定されるように構成される。使用時に、細長可撓性要素1350の近位端及び遠位端に加えられた張力は、トグルが所定の位置に固定され骨板1220に当接すると、骨板1220が細長可撓性要素1350に沿って滑動するのを防止する。
【0039】
図27に示す実施形態の1つの実施例において、第1及び第2締結具は、ネジ切りされ、第1及び第2ロックキャップは、第1及び第2締結具にネジ式に係合するように構成される。別の実施例において、第1及び第2締結具は、各々雄型ラチェット歯を含み、第1及び第2ロックキャップは、それぞれ第1及び第2締結具の雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成される雌型ラチェット歯を含む。図示する実施形態において、単一の細長可撓性要素は、ケーブル、ワイヤ又は縫合糸組立体とすることができる。
【0040】
本開示の1つの実施形態は、骨折の両側に第1骨区分と第2骨区分を有する肋骨の骨折を固定し修復する方法を含む。方法は、上に説明し図27Aに示す固定システム1210を使用できる。方法は、患者胸腔において骨折を含む肋骨と整列する場所に第1及び第2上部切開部を切開することを含む。方法は、又、患者の胸腔において、肋骨の骨折の下の場所に第3下部切開部を切開することも含む。
【0041】
方法は、肋骨の第1骨区分において第1上部切開部を介して第1孔を穿孔することを含む。方法は、肋骨の第2骨区分において第2上部切開部を介して第2孔を穿孔することを含む。
【0042】
方法は、肋骨の骨折に近接する場所まで第3下部切開部を介して単一の細長可撓性要素に移動可能に結合された骨板を挿入することを含む。使用者は、肋骨に対して後前の方向に第1骨区分の第1孔を通過してかつ第1上部切開部を通過して外へ単一の細長可撓性要素の第1端を挿入できる。使用者は、又、肋骨に対して後前方向に第2骨区分の第1孔を通過してかつ第2上部切開部を通過して外へ単一の細長可撓性要素の第2端を挿入できる。
【0043】
方法は、又、1)骨折を横切って肋骨の前側に隣接して骨板を配置し、2)それぞれ第1及び第2孔を通過して第1及び第2締結具を位置付けるため、に後前方向に単一の細長可撓性要素の第1端及び第2端を引っ張ることを含む。方法は、又、それぞれ第1及び第2締結具に第1及び第2ロックキャップを固定することを含む。
【0044】
方法は、又、第1及び第2締結具組立体から細長可撓性要素を取り外すために後前方向の反対の前後方向に単一の細長可撓性要素を引っ張ることを含む。
【0045】
図29A及び29Bは、細長可撓性要素1450に一体化された駆動組立体1420を含む別の骨固定・修正システム1410を示す。図示する実施形態によれば、システムは、第1開口と第2開口とを有する骨板を含む。骨板は、図29A及び29Bには示さない。骨板は、本開示において説明する他のいずれの骨板にも同様に構成できる。例えば、骨板は、2つの開口、単一の細長スロット又は数個の細長スロットを持つことができる。
【0046】
引き続き図29A及び29Bを見ると、システムは、骨板の第1開口の中に配置される第1締結具組立体を含む。第1締結具組立体は、第1内部チャンネルを形成する第1締結具と、第1締結具に結合されるように構成された第1ロックキャップ1460aと、を含む。システムは、又、骨板の第2開口の中に配置される第2締結具組立体を含む。第2締結具組立体は、第2内部チャンネルを形成する第2締結具と、第2締結具に結合されるように構成された第2ロックキャップ1460bと、を含む。
【0047】
引き続き図29A及び29Bを見ると、システムは、更に駆動組立体1420を含む。駆動組立体1420は、単一の駆動器具とするか、または、図示するように第1及び第2駆動器具1430a及び1430bを含むことができる。図示するように、駆動組立体1420は、第1駆動端と、第1駆動端から離間する第2駆動端と、第1駆動端から第2駆動端まで延びる内部チャンネルと、を有する。第1駆動端は、第1ロックキャップ1460aと噛み合うように構成された第1係合形体を含み、第2駆動端は、第2ロックキャップ1460bと噛み合うように構成された第2係合形体を含む。システムは、第1終端と第2終端とを有する単一の細長可撓性要素1450を含む。細長可撓性要素は、駆動組立体1420が第1終端と第2終端との間で単一の細長可撓性要素1450に沿って移動可能であるように、内部チャンネルを通過して駆動組立体1420の第1駆動端及び第2駆動端から外へ延びる。第1及び第2終端は、1)それぞれ、骨の第1孔および第2孔、及び2)骨板の少なくとも1つの開口、を通過するように構成される。
【0048】
図29A及び29Bに示す実施形態によれば、駆動組立体1420は、第1駆動器具1430aと第2駆動器具1430bとを備える。第1駆動器具1430aは、第1駆動端と、第1駆動端と反対側の第1近位端とを含む。システムは、第2駆動器具も含む。第2駆動器具1430bは、第2駆動端と、第2駆動端と反対側の第2近位端とを含む。図示する実施形態において、第1駆動器具1430a及び第2駆動器具1430bは、それぞれ第1ロックキャップ1460a及び第2ロックキャップ1460bに係合するために細長可撓性要素1450に沿って個別に移動可能である。
【0049】
図33~37に示すように、本開示の実施形態は、骨固定・修復システム1510と、本明細書において説明するように骨板、締結具及びロックキャップの埋植を容易にするための器具を含む。システム1510は、長手方向に沿って細長いクランプ器具1520を含むことができる。クランプ器具1520は、可動ホルダが長手方向に整列する挿入構成と可動ホルダが長手方向に対してオフセットする関節構成との間で移行するように構成された可動ホルダ1530を含む関節端を有する。クランプ器具1520は、又、長手方向に沿って関節端から離間する作動端を含む。作動端は、チャンネルを持つ支持部材と、可動ホルダ1530を挿入構成と関節構成との間で移行するように構成されたアクチュエータと、を含む。更に、支持部材は、チャンネルに沿ってネジ切りされ、ドリルガイド1560の近位端は支持部材にネジ式に係合するためにネジ切りされる。更に、クランプ器具1520は、長手部材と、長手部材に対して滑動可能なスライド部材と、を含む。図示するように、可動ホルダ1530は、長手部材及び滑動可能部材に回動可能に結合される。アクチュエータは、更に、長手部材に沿った滑動部材の移動を許容するように構成されたトリガを含み、それによって、可動ホルダを関節構成に回動できる。
【0050】
システムは、更に、チャンネルに嵌入するサイズのドリルガイド1560を含み、ドリルガイドは、遠位端と、近位端と、遠位端から近位端まで延びるルーメンと、を有する。ドリルガイド1560は、1)ドリルガイドがクランプ器具の支持部材の中に完全に着座し、かつ2)可動ホルダ1530が関節構成のとき、ドリルガイドの遠位端と可動ホルダがその中に骨を保持するためのサイズを持つ空間を形成するように、構成される。システムは、更に、ドリルガイド1560内に嵌合して、クランプ器具1520の可動ホルダによって固定された骨に孔を穿孔するように構成されたドリルを備えることができる。
【0051】
システムは、本開示において説明する任意の骨板及び締結具組立体と使用できる。例えば、システムは、少なくとも1つの開口を有する骨板と、少なくとも1つの細長可撓性要素と、骨板の少なくとも1つの開口内に嵌合するように構成された少なくとも1つの締結具組立体と、を含む。他の実施形態と同様、締結具組立体は、a)締結具と、b)締結具のシャフトに係合するように構成されたロックキャップと、を有する。締結具は、少なくとも1つの細長可撓性要素を受け入れるチャンネルを含むことができる。
【0052】
本開示の実施形態は、少なくとも1つの開口を有する骨板を備える骨固定・修復システムを含む。システムは、少なくとも1つの細長可撓性要素と、少なくとも1つの開口内にに嵌合するように構成された締結具組立体と、を含む。締結具組立体は、a)締結具と、b)締結具のシャフトに係合するように構成されたロックキャップと、を有する。この実施形態において、1)締結具、2)少なくとも1つの細長可撓性要素、及び3)ロックキャップ、の少なくとも1つは生体吸収性である。
【実施例
【0053】
本明細書において開示するシステム及び方法をより良く例証するために、非限定的実施例を下に提示する。
【0054】
実施例1において、長手中心軸線に沿って細長い骨板を含む骨のための骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、第1端と、長手中心軸線に沿って第1端から離間する第2端と、長手中心軸線の対向する両側の第1及び第2側面部材と、長手中心軸線に対して直角を成す深さに沿って骨板を通過して延びる細長スロットと、を有し、第1側面部材及び第2側面部材は、各々、底面、深さに沿って底面から離間する上面、底面から長手中心軸線へ向かって延びる内部係合面を形成する。
【0055】
実施例2において、実施例1の骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が湾曲するように構成できる。
【0056】
実施例3において、実施例1の骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が平坦であるように構成できる。
【0057】
実施例4において、実施例1~3のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、骨板が長手中心軸線に沿って湾曲するように構成できる。
【0058】
実施例5において、実施例1~4のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、a)深さに対して非直交であり、かつb)部分的に細長スロットを形成するために相互に対向する、ように構成できる。
【0059】
実施例6において、実施例1~5のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が第1側面部材及び第2側面部材の全体に沿って延びるように構成できる。
【0060】
実施例7において、実施例1~6のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、骨板が、a)第1端から第2端まで延びる長さであって、長さが深さに対して直角を成す、長さ、及びb)第1側面部材から第2側面部材まで延びる幅であって、幅が長さ及び深さに対して直角を成す、幅、を形成するように構成でき、細長スロットは長さ全体に沿って延びる。
【0061】
実施例8において、実施例1~7のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、第1側面部材及び第2側面部材の上面が骨区分の湾曲面を受け入れるために湾曲するように構成できる。
【0062】
実施例9において、実施例1~8のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、第1及び第2側面部材がそれぞれ第1側面部材及び第2側面部材の上面に沿って第1及び第2リッジを含むように構成できる。
【0063】
実施例10において、実施例1~9のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、細長スロットが第1細長スロットであり、骨板が更に第2細長スロットを含むように構成できる。
【0064】
実施例11において、実施例1~10のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、細長スロットが複数の細長スロットの1つであるように構成でき、複数の細長スロットは相互に異なるサイズ及び向きを持つ。
【0065】
実施例12において、実施例11の骨固定・修復システムは、任意に、骨板が、更に、深さに沿って骨板を通過して延びる少なくとも2つの開口を含む、ように構成できる。
【0066】
実施例13において、実施例1~10のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、骨板が、更に深さに沿って骨板を通過して延びる少なくとも2つの開口を含むように構成できる。
【0067】
実施例14において、実施例1~13のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、細長スロットが第1細長スロットであり、骨板が、第1側面部材と第2側面部材と第1細長スロットとを含む第1区分と、第1側面部材と第2側面部材と第2細長スロットとを含む第2区分とを含む第2区分であって、第2区分の第1側面部材及び第2側面部材が第1区分の第1側面部材及び第2側面部材と実質的に同様である、第2区分と、第1区分を第2区分に結合するブリッジ区分であって、ブリッジ区分が、第1細長スロット及び第2細長スロットに通じるブリッジスロットを形成して、繋索締結具組立体が第1細長スロット、第2細長スロット及びブリッジスロットの任意の部分に沿って移動可能である、ブリッジ区分と、を備える、ように構成できる。
【0068】
実施例15において、実施例1~14のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、システムが、更に、細長スロット内に同時に嵌合してその任意の部分に沿って滑動するように構成された複数の繋索締結組立体を備え、各繋索締結組立体が、1)頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素と、を有する締結具と、2)細長可撓性要素に沿って滑動してシャフトと係合するように構成されたロックキャップと、を持つように構成でき、繋索締結具組立体が一体化ユニットであるように、頭部は繋索締結具組立体の遠位端を形成し、細長可撓性要素は組立体の近位端を形成する。
【0069】
実施例16において、実施例15の骨固定・修復システムは、任意に、頭部が、骨板の内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、頭部の円滑な外面が骨板の内部係合面に当接するとき締結具が複数軸線の周りで回転可能である、ように構成できる。
【0070】
実施例17において、実施例16の骨固定・修復システムは、任意に、頭部の円滑な外面が締結具中心軸線に対して湾曲するように構成できる。
【0071】
実施例18において、実施例16の骨固定・修復システムは、任意に、頭部の円滑な外面が線形であり、締結具中心軸線に対して角度を成すように構成できる。
【0072】
実施例19において、実施例15~18のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、複数の繋索締結具組立体が、細長スロット内に同時に嵌合してその任意の部分に沿って滑動するサイズ及び構成を持つように構成できる。
【0073】
実施例20において、実施例15~19のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、細長スロットがシャフトの通過を許容するが頭部の通過を防止するサイズを持つように構成できる。
【0074】
実施例21において、実施例15~20のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、ロックキャップが、a)骨板が骨に当接し、かつb)ロックキャップがシャフトと係合して骨に当接するとき、骨板の細長スロットの中に締結具を固定するように構成される、ように構成できる。
【0075】
実施例22において、実施例15~21のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、シャフトの少なくとも一部分がネジ切りされるように構成できる。
【0076】
実施例23において、実施例22の骨固定・修復システムは、任意に、ロックキャップが内部チャンネル及びシャフトとネジ式係合するように構成された雌ネジ部を含むように構成できる。
【0077】
実施例24において、実施例15~23のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、細長可撓性要素がケーブルであるように構成できる。
【0078】
実施例25において、実施例15~23のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、細長可撓性要素が縫合糸であるように構成できる。
【0079】
実施例26において、実施例15~23のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、細長可撓性要素がワイヤであるように構成できる。
【0080】
実施例27において、実施例15の骨固定・修復システムは、任意に、シャフトが、頭部からシャフト先端まで延びるように構成でき、シャフト先端はトルクを受けるように構成された先端係合形体を形成する。
【0081】
実施例28において、実施例27の骨固定・修復システムは、任意に、シャフトがネジ切りされるように構成できる。
【0082】
実施例29において、実施例27又は28の骨固定・修復システムは、任意に、システムが、更に、近位端及び近位端の反対側の遠位端、及び近位端から遠位端まで延びる内部チャンネルを形成する外側駆動器具であって、遠位端がロックキャップを駆動して締結具のシャフトと係合させるようにロックキャップの上面に係合するように構成された係合部材を形成する、外側駆動器具と、後端と駆動端と外面とを有する内部駆動器具であって、外面が外側駆動器具の内部チャンネル内で滑動可能であり、駆動端が、器具係合形体が先端係合形体と噛み合ったとき内部駆動器具が締結具のシャフト先端にトルクを与えるように構成されるように先端係合形体と噛み合う器具係合形体を形成する、内部駆動器具と、を備えるように構成できる。
【0083】
実施例30において、骨板と複数の繋索締結具組立体とを含む骨のための骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、骨に当接して配置されるように構成でき、骨板は、少なくとも1つの開口を含む。複数の繋索締結具組立体は、骨板を骨に固定するように構成でき、各繋索締結具組立体は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素とを有する締結具であって、シャフトが、雄型ラチェット歯を形成し、繋索締結具組立体が一体化ユニットであるように、頭部が組立体の遠位端を形成し、細長可撓性要素が組立体の近位端を形成する、締結具と、締結具に取り付けられるように構成されたロックキャップであって、ロックキャップが、頂部と底部と内面と内面によって形成された内側開口とを含み、内面が、雌型ラチェット歯を形成する、ロックキャップと、を有し、雌型ラチェット歯は、ロックキャップを締結具にロックするためにシャフトの雄型ラチェット歯と係合するように構成される。
【0084】
実施例31において、実施例30の骨固定・修復システムは、任意に、ロックキャップが、a)骨板が骨と当接し、かつb)ロックキャップがシャフトと係合して骨と当接するとき、骨板の少なくとも1つの開口の中に締結具を固定するように構成される、ように構成できる。
【0085】
実施例32において、実施例30又は実施例31の骨固定・修復システムは、任意に、シャフトが、1)頭部に隣接し少なくとも1つの係合形体を有する遠位部分と、2)雄型ラチェット歯を形成する近位部分と、を持つように構成できる。
【0086】
実施例33において、実施例32の骨固定・修復システムは、少なくとも1つの係合形体が、a)骨に係合するように構成されたキール、b)複数のキール、又はc)シャフトから外向きに延びる複数の離散突出部であって、各突出部が他の突出部から離間し分離する、複数の突出部、の1つである、ように構成できる。
【0087】
実施例34において、実施例33の骨固定・修復システムは、任意に、シャフトが、中心軸線に沿って延びるように構成でき、各キールは、中心軸線に対して直角を成す半径方向に沿ってシャフトから外向きに延びる。
【0088】
実施例35において、実施例30~34のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、少なくとも1つの開口が細長スロットであるように構成でき、骨板は、長手中心軸線沿って細長く、骨板は、第1端と、長手中心軸線に沿って第1端から離間する第2端と、長手中心軸線の対向する両側の第1及び第2側面部材と、中央軸線対して直角を成す深さに沿って骨板を通過して延びる細長スロットとを有し、第1側面部材及び第2側面部材は、各々、底面、深さに沿って底面から離間する上面及び底面から長手中心軸線へ向かって延びる内部係合面を形成する。
【0089】
実施例36において、実施例35の骨固定・修復システムは、任意に、頭部が、骨板の内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、円滑な外面が内部係合面に当接するとき締結具が複数軸線の周りで回転可能である、ように構成できる。
【0090】
実施例37において、実施例35又は実施例36の骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が,a)深さに対して非直交であり、かつb)部分的に細長スロットを形成するために相互に対向する、ように構成できる。
【0091】
実施例38において、実施例35~37のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、第1側面部材及び第2側面部材の全体に沿って延びるように構成できる。
【0092】
実施例39において、実施例35~38のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、骨板が、長手中心軸線に沿って湾曲するように構成できる。
【0093】
実施例40において、実施例35~38のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、骨板が長手中心軸線に沿って実質的に平坦であるように構成できる。
【0094】
実施例41において、骨板と少なくとも1つの繋索締結具組立体とを含む骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、骨に当接して配置されるように構成でき、骨板は、少なくとも1つの開口を含むことができる。少なくとも1つの繋索締結具組立体は、少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成でき、少なくとも1つの繋索締結具組立体は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素とを有する締結具であって、シャフトが1)頭部に隣接し少なくとも1つの係合形体を有する遠位部分と、2)遠位部分が頭部から近位部分まで延びるように遠位部分に隣接する近位部分と、を有する、締結具と、シャフトの近位部分に係合するがシャフトの遠位部分には係合しないように構成されたロックキャップと、を有する。
【0095】
実施例42において、実施例41の骨固定・修復システムは、任意に、近位部分が雄ネジ部を形成するように構成でき、ロックキャップはシャフトの近位部分の雄ネジ部にネジ式に係合するように構成される。
【0096】
実施例43において、実施例41の骨固定・修復システムは、任意に、近位部分が雄型ラチェット歯を形成するように構成でき、ロックキャップは雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成される雌型ラチェット歯を含む。
【0097】
実施例44において、実施例41、42又は43のいずれか1つの骨固定・修復システムは、少なくとも1つの係合形体が骨に係合するように構成されたキールであるように構成できる。
【0098】
実施例45において、実施例44の骨固定・修復システムは、任意に、シャフトが締結具中心軸線に沿って延びように構成でき、キールは締結具中心軸線に対して直角を成す半径方向に沿ってシャフトから延びる。
【0099】
実施例46において、実施例41、42又は43のいずれか1つの骨固定・修復システムは、任意に、少なくとも1つの係合形体が複数のキールであるように構成できる。
【0100】
実施例47において、実施例41、42又は43のいずれか1つの骨固定・修復システムは、任意に、シャフトが中心軸線に沿って延びるように構成でき、各キールは、中心軸線に対して直角を成す半径方向に沿ってシャフトから外向きに延びる。
【0101】
実施例48において、実施例41、42又は43のいずれか1つの骨固定・修復システムは、任意に、少なくとも1つの係合形体が、シャフトから外向きに延びる複数の離散突出部であり、各突出部が他の突出部から離間し分離するように構成できる。
【0102】
実施例49において、実施例41、42又は43のいずれか1つの骨固定・修復システムは、任意に、システムが、更に締結具に取り付けられるように構成されたロックキャップを備え、ロックキャップが、頂部と、底部と、内面と、内面によって形成された内側開口とを含み、内面が、ロックキャップを締結具にロックするためにシャフトの雄ネジ部に係合するように構成される雌ネジ部を形成する、ように構成できる。
【0103】
実施例50において、実施例41、42又は43のいずれか1つの骨固定・修復システムは、任意に、少なくとも1つの開口が細長スロットであるように構成でき、骨板は、長手中心軸線に沿って細長く、骨板は、第1端と、長手中心軸線に沿って第1端から離間する第2端と、長手中心軸線の対向する両側の第1及び第2側面部材と、長手中心軸線に対して直角を成す深さに沿って骨板を通過して延びる細長スロットと、を有し、第1及び第2側面部材は、各々、底面、深さに沿って底面から離間する上面及び底面から長手中心軸線へ向かって延びる内部係合面を形成する。
【0104】
実施例51において、実施例50の骨固定・修復システムは、任意に、頭部が、骨板の内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、円滑な外面が内部係合面に当接するとき締結具が複数軸線の周りで回転可能である、ように構成できる。
【0105】
実施例52において、実施例50又は51の骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、a)深さに対して非直交であり、かつb)部分的に細長スロットを形成するために相互に対向する、ように構成できる。
【0106】
実施例53において、実施例50又は実施例51の骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、第1側面部材及び第2側面部材の全体に沿って延びるように構成できる。
【0107】
実施例54において、骨板と少なくとも1つの繋索締結具組立体とを含む骨のための骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、骨に当接して配置するように構成でき、骨板は、骨に面するように構成された上面と、上面の反対側の底面と、底面から上面まで延びる少なくとも1つの開口と、底面に沿って少なくとも1つの開口に隣接して配置された第1回転防止要素と、を含む。少なくとも1つの繋索締結具組立体は、少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成でき、少なくとも1つの繋索締結具組立体は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素とを有する締結具であって、繋索締結具組立体が一体化ユニットであるように、頭部が組立体の遠位端を形成し細長可撓性要素が組立体の近位端を形成し、頭部が、締結具が少なくとも1つの開口の中に完全に着座したとき第1回転防止要素に係合するように構成された第2回転防止要素を有し、締結具の骨板に対する回転が防止されるように第1回転防止要素と第2回転防止要素が相互ロックする、締結具と、シャフトに係合するように構成されたロックキャップと、を有する。
【0108】
実施例55において、実施例54の骨固定・修復システムは、任意に、第1回転防止要素が骨板の底面に沿って配置された複数の離間する溝であり、第2回転防止要素が、頭部の近位端からシャフトへ向かって外向きに延びる複数の線形リッジであるように構成でき、各突出部は各溝に係合するサイズを持つ。
【0109】
実施例56において、実施例55の骨固定・修復システムは、任意に、第2回転防止要素が頭部から外向きに延びる複数の離散突出部であるように構成でき、複数の離散突出部の1つ又はそれ以上は、溝の各々に係合するように構成される。
【0110】
実施例57において、実施例54~56のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、シャフトがネジ切りされ、ロックキャップがシャフトにネジ式に係合するように構成される、ように構成できる。
【0111】
実施例58において、実施例54~56のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、シャフトが雄型ラチェット歯を形成し、ロックキャップが、雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成された雌型ラチェット歯を形成するように構成できる。
【0112】
実施例59において、実施例54~58のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、細長可撓性要素が縫合糸組立体であり、縫合糸組立体が繋索締結具組立体の頭部に対して所定の場所にロックキャップを固定するように構成された対の縫合糸尾部を含むように構成できる。
【0113】
実施例60において、実施例54~59のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、少なくとも1つの開口が細長スロットであるように構成でき、骨板は長手中心軸線に沿って細長く、骨板は、第1端と、長手中心軸線に沿って第1端から離間する第2端と、長手中心軸線の対向する両側の第1及び第2側面部材と、長手中心軸線に対して直角を成す深さに沿って骨板を通過して延びる細長スロットと、を有し、第1側面部材及び第2側面部材は、各々、底面、深さに沿って底面から離間する上面及び底面から長手中心軸線へ向かって延びる内部係合面を形成する。
【0114】
実施例61において、実施例60の骨固定・修復システムは、任意に、頭部が、骨板の内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、円滑な外面が内部係合面に当接するとき締結具が複数軸線の周りで回転可能である、ように構成できる。
【0115】
実施例62において、実施例60又は61の骨固定・修復システムは、任意に、骨板が長手中心軸線に沿って湾曲するように構成できる。
【0116】
実施例63において、実施例60又は61の骨固定・修復システムは、任意に、骨板が長手中心軸線に沿って実質的に平坦であるように構成できる。
【0117】
実施例64において、実施例60~63のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、a)深さに対して非直交であり、かつb)部分的に細長スロットを形成するために相互に対向する、ように構成できる。
【0118】
実施例65において、実施例60~64のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が第1側面部材及び第2側面部材の全体に沿って延びるように構成できる。
【0119】
実施例66において、骨板と少なくとも1つの繋索締結具組立体とを含む骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、骨に当接して配置されるように構成でき、骨板は、骨に面するように構成された上面と、上面と反対側の底面と、底面から上面まで延びる少なくとも1つの開口と、少なくとも1つの開口に隣接して底面に沿って配置された回転防止要素とを含む。少なくとも1つの繋索締結具組立体は、少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成できる。少なくとも1つの繋索締結具組立体は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素とを有する締結具であって、締結具が少なくとも1つの開口の中に完全に着座したとき締結具が骨板に対する回転を防止されるように頭部と回転防止要素が係合する、締結具と、シャフトに係合するように構成されたロックキャップと、を有する。
【0120】
実施例67において、実施例66の骨固定・修復システムは、任意に、回転防止要素が、骨板の底面に沿って配置された複数の離間する溝であるように構成できる。
【0121】
実施例68において、実施例66の骨固定・修復システムは、任意に、回転防止要素が、骨板の底面に沿って配置された複数の離間した突出部であるように構成できる。
【0122】
実施例69において、骨板と少なくとも1つの繋索締結具組立体とを含む骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、骨に当接して配置されるように構成でき、骨板は、骨に面するように構成された上面と、上面の反対側の底面と、底面から上面まで延びる少なくとも1つの開口と、を含む。少なくとも1つの繋索締結具組立体は、少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成でき、少なくとも1つの繋索締結具組立体は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、シャフトに取り付けられこれから延びる細長可撓性要素と、を有する締結具であって、頭部が、締結具が少なくとも1つの開口の中に完全に着座したとき締結具の骨板に対する回転が防止されるために回転防止要素と骨板の底面が相互ロックするように骨板の底面に係合するように構成された回転防止要素を有する、締結具と、シャフトと係合するように構成されたロックキャップと、を有する。
【0123】
実施例70において、実施例69の骨固定・修復システムは、任意に、回転防止要素が、頭部から外向きに延びる複数の離散突出物であるように構成できる。
【0124】
実施例71において、実施例69の骨固定・修復システムは、任意に、回転防止要素が、頭部から外向きに延びる複数の離散リッジであるように構成できる。
【0125】
実施例72において、実施例69又は70の骨固定・修復システムは、任意に、シャフトがネジ切りされ、ロックキャップが、シャフトにネジ式に係合するように構成される、ように構成できる。
【0126】
実施例73において、実施例69又は70の骨固定・修復システムは、任意に、シャフトが、雄型ラチェット歯を形成し、ロックキャップが、雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成された雌型ラチェット歯を形成する、ように構成できる。
【0127】
実施例74において、実施例69~73のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、細長可撓性要素が縫合糸組立体であり、縫合糸組立体が、繋索締結具組立体の頭部に対して所定の位置にロックキャップを固定するように構成される対の縫合糸尾部を含む、ように構成できる。
【0128】
実施例75において、実施例69~74のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、少なくとも1つの開口が細長スロットであるように構成でき、骨板は、長手中心軸線に沿って細長い。骨板は、第1端と、長手中心軸線に沿って第1端から離間する第2端と、長手中心軸線の対向する両側の第1及び第2側面部材と、長手中心軸線に対して直角を成す深さに沿って骨板を通過して延びる細長スロットと、を有し、第1側面部材及び第2側面部材は、各々、底面、深さに沿って底面から離間する上面、及び底面から長手中心軸線へ向かって延びる内部係合面を形成する。
【0129】
実施例76において、実施例75の骨固定・修復システムは、任意に、頭部が、骨板の内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、円滑な外面が内部係合面に当接するとき締結具が複数軸線の周りで回転可能である、ように構成できる。
【0130】
実施例77において、実施例69~76のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、骨板が長手中心軸線に沿って湾曲するように構成できる。
【0131】
実施例78において、実施例69~76のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、骨板が、長手中心軸線に沿って実質的に平坦であるように構成できる。
【0132】
実施例79において、実施例75~78のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、a)深さに対して非直交であり、かつb)部分的に細長スロットを形成するために相互に対向する、ように構成できる。
【0133】
実施例80において、実施例75~79のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が第1側面部材及び第2側縁部材の全体に沿って延びるように構成できる。
【0134】
実施例81において、骨板と少なくとも1つの繋索締結具組立体とを含む骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、骨に当接して配置されるように構成でき、骨板は、少なくとも1つの開口を含む。少なくとも1つの繋索締結具組立体は、少なくとも1つの開口を通過して延びるように構成できる。少なくとも1つの繋索締結具組立体は、頭部と、頭部に対して延び、1対の縫合糸尾部を含む縫合糸組立体と、を有する締結具と、対の縫合糸尾部が通過できるようにするサイズの開口を有するロックキャップと、を有し、対の縫合糸尾部は、骨板に対して所定の位置にロックキャップを固定するように構成される。
【0135】
実施例82において、実施例81の骨固定・修復システムは、任意に、締結具が頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトを含み、縫合糸組立体がシャフトに取り付けられこれから延びるように構成できる。
【0136】
実施例83において、実施例82の骨固定修復システムは、任意に、シャフトが、1)頭部に隣接し少なくとも1つの係合形体を有する遠位部分と、2)遠位部分が頭部から近位部分まで延びるように遠位部分に隣接する近位部分と、を持つように構成でき、ロックキャップは、シャフトの近位部分に係合するがシャフトの遠位部分には係合しないように構成される。
【0137】
実施例84において、実施例83の骨固定・修復システムは、任意に、近位部分が雄ネジ部を形成するように構成でき、ロックキャップは、シャフトの近位部分の雄ネジ部にネジ式に係合するように構成される。
【0138】
実施例85において、実施例83の骨固定・修復システムは、任意に、近位部分が雄型ラチェット歯を形成するように構成でき、ロックキャップは、雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成される雌型ラチェット歯を含む。
【0139】
実施例86において、実施例83~85のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、少なくとも1つの係合形体が、1)骨に係合するように構成されたキール、b)複数のキール、又はc)シャフトから外向きに延びる複数の離散突出物であって各突出部が他の突出部から離間し分離する、複数の突出部、の1つである、ように構成される。
【0140】
実施例87において、実施例86の骨固定・修復システムは、任意に、シャフトが中心軸線に沿って延びるように構成でき、各キールは、中心軸線に対して直角を成す半径方向に沿ってシャフトから外向きに延びる。
【0141】
実施例88において、実施例81~87のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、縫合糸尾部がフィラメント又は編組縫合糸を含むように構成できる。
【0142】
実施例89において、実施例81~87のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、a)骨板、b)締結具組立体、及びc)縫合糸組立体、の少なくとも1つが生体吸収性であるように構成できる。
【0143】
実施例90において、実施例81~89のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、少なくとも1つの開口が細長スロットであるように構成でき、骨板は、長手中心軸線に沿って細長く、骨板は、第1端と、長手中心軸線に沿って第1端から離間する第2端と、長手中心軸線の対向する両側の第1及び第2側面部材と、長手中心軸線に対して直角を成す深さに沿って骨板を通過して延びる細長スロットと、を有し、第1側面部材及び第2側面部材は、各々、底面、深さに沿って底面から離間する上面及び底面から長手中心軸線へ向かって延びる内部係合面を形成する。
【0144】
実施例91において、実施例90の骨固定・修復システムは、任意に、頭部が、骨板の内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、円滑な外面が内部係合面に当接するとき締結具が複数軸線の周りで回転可能である、ように構成できる。
【0145】
実施例92において、実施例90又は実施例91の骨固定・修復システムは、任意に、骨板が、長手中心軸線に沿って湾曲するように構成できる。
【0146】
実施例93において、実施例90又は91の骨固定・修復システムは、任意に、骨板が長手中心軸線に沿って実質的に平坦であるように構成できる。
【0147】
実施例94において、実施例90~93のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、a)深さに対して非直交であり、かつb)部分的に細長スロットを形成するために相互に対向する、ように構成できる。
【0148】
実施例95において、実施例90~94のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、第1側面部材及び第2側面部材の全体に沿って延びるように構成できる。
【0149】
実施例96において、実施例81~95のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、骨板が回転防止要素を含むように構成できる。
【0150】
実施例97において、実施例81~96のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、締結具が回転防止要素を含むように構成できる。
【0151】
実施例98において、骨のための骨固定・修復システムは、骨板と、細長可撓性要素と、複数の締結具組立体と、を含むことができる。骨板は、骨に当接して配置されるように構成でき、骨板は少なくとも1つの開口を含む。細長可撓性要素は、近位端と、遠位端と、雄型ラチェット歯と、を持つことができる。複数の締結具組立体の各々は、頭部と、頭部から締結具中心軸線に沿って延びるシャフトと、内面と、締結具中心軸線に対して直角を成す半径方向に内面から離間する外面と、内面によって形成される内部チャンネルと、内面によって形成される雌型ラチェット歯と、を有する締結具であって、内部チャンネルが細長可撓性要素を受け入れるサイズを持つ、締結具と、シャフトの外面に係合するように構成されたロックキャップと、を持つことができ、細長可撓性要素が内部チャンネルを通過して一方向のみに移動可能であるように、締結具の雌型ラチェット歯は、細長可撓性要素の雄型ラチェット歯と相互ロックするように構成される。
【0152】
実施例99において、実施例98の骨固定・修復システムは、任意に、頭部が、骨板の内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、円滑な外面が内部係合面に当接するとき締結具が複数軸線の周りで回転可能である、ように構成できる。
【0153】
実施例100において、実施例98又は実施例99の骨固定・修復システムは、任意に、ロックキャップが、a)骨板が骨に当接し、かつb)ロックキャップがシャフトと係合して骨に当接するとき、骨板の少なくとも1つの開口の中に締結具を固定するように構成される、ように構成できる。
【0154】
実施例101において、実施例98~100のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、少なくとも1つの開口が細長スロットであるように構成でき、骨板は、長手中心軸線に沿って細長く、骨板は、第1端と、長手中心軸線に沿って第1端から離間する第2端と、長手中心軸線の対向する両側の第1及び第2側面部材と、長手中心軸線に対して直角を成す深さに沿って骨板を通過して延びる細長スロットと、を有し、第1側面部材及び第2側面部材は、各々、底面、深さに沿って底面から離間する上面及び底面から長手中心軸線へ向かって延びる内部係合面を形成する。
【0155】
実施例102において、実施例101の骨固定・修復システムは、任意に、頭部が、骨板の内部係合面に移動可能に係合するように構成された円滑な外面を形成するので、円滑な外面が内部係合面に当接するとき締結具が複数軸線の周りで回転可能である、ように構成できる。
【0156】
実施例103において、実施例101又は実施例102の骨固定・修復システムは、任意に、骨板が長手中心軸線に沿って湾曲するように構成できる。
【0157】
実施例104において、実施例101又は実施例102の骨固定・修復システムは、任意に、骨板が長手中心軸線に沿って実質的に平坦であるように構成できる。
【0158】
実施例105において、実施例101~104のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、a)深さに対して非直交であり、かつb)部分的に細長スロットを形成するために相互に対向する、ように構成できる。
【0159】
実施例106において、実施例101~105のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、内部係合面が、第1側面部材及び第2側面部材の全体に沿って延びるように構成できる。
【0160】
実施例107において、骨板と、第1締結具組立体と、第2締結具組立体と、単一の細長可撓性要素と、を含む骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、第1開口と第2開口とを持つことができる。第1締結具組立体は、第1開口の中に配置でき、第1締結具組立体は、第1内部チャンネルを形成する第1締結具と、第1締結具に結合されるように構成された第1ロックキャプと、を含む。第2締結具組立体は、第2開口の中に配置でき、第2締結具組立体は、第2内部チャンネルを形成する第2締結具と、第2締結具に結合されるように構成された第2ロックキャップとを含む。単一の細長可撓性要素は、近位端と、第1締結具組立体と関連付けられる第1可動トグルと、第2締結具組立体と関連付けられる第2可動トグルと、を持つことができ、各トグルは、単一の細長可撓性要素に沿って独立して移動可能であり、細長可撓性要素に沿って所定の位置に固定されるように構成される。細長可撓性要素の近位端及び遠位端に加えられた張力は、トグルが所定の位置に固定され骨板と当接するとき、骨板が細長可撓性要素に沿って滑動するのを防止する。
【0161】
実施例108において、骨板と、第1締結具組立体と、第2締結具組立体と、駆動組立体と、単一の細長可撓性要素と、を含む骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、第1開口と第2開口とを持つことができる。第1締結具組立体は、第1開口の中に配置でき、第1締結具組立体は、第1内部チャンネルを形成する第1締結具と、第1締結具に結合されるように構成された第1ロックキャップと、を含む。第2締結具組立体は、第2開口の中に配置でき、第2締結具組立体は、第2内部チャンネルを形成する第2締結具と、第2締結具に結合されるように構成された第2ロックキャップと、を含む。駆動組立体は、第1駆動端と、第1駆動端から離間する第2駆動端と、第1駆動端から第2駆動端まで延びる内部チャンネルと、を持つことができ、第1駆動端は、第1ロックキャップと噛み合うように構成された第1係合形体を含み、第2駆動端は、第2ロックキャップと噛み合うように構成された第2係合形体を含む。単一の細長可撓性要素は、第1終端と第2終端とを持つことができ、単一の細長可撓性要素は、内部チャンネルを通過して延びて駆動組立体の第1駆動端及び第2駆動端から出るので、駆動組立体は、第1終端と第2終端との間で単一の細長可撓性要素に沿って移動可能である。
【0162】
実施例109において、実施例108の骨固定・修復システムは、任意に、駆動組立体が、第1駆動器具であって、第1駆動器具が第1駆動端と第1駆動端と反対の第1近位端とを含む第1駆動器具と、第2駆動器具であって、第2駆動器具が第2駆動端と第2駆動端と反対の第2近位端とを含む第2駆動器具と、を備える、ように構成でき、第1及び第2駆動器具は、それぞれ第1及び第2ロックキャップに係合するために単一の細長可撓性要素に沿って独立して移動可能であり、第1近位端と第2近位端は、単一の細長可撓性要素に沿って相互に面するように位置付けられる。
【0163】
実施例110において、実施例108又は実施例109の骨固定・修復システムは、任意に、細長可撓性要素が、第1締結具組立体と関連付けられる第1可動トグルと第2締結具組立体と関連付けられる第2可動トグルとを備え、各トグルが、単一の細長可撓性要素に沿って独立して移動可能であり、単一の細長可撓性要素に沿って所定の位置に固定されるように構成される、ように構成できる。
【0164】
実施例111において、実施例110の骨固定・修復システムは、任意に、骨板が第1及び第2可動トグルと駆動組立体との間に位置付けられるように構成できる。
【0165】
実施例112において、実施例110又は実施例111の骨固定・修復システムは、任意に、細長可撓性要素の終端に加えられた張力が、トグルが所定の位置に固定され骨板と当接するとき骨板が単一の細長可撓性要素に沿って滑動するのを防止する、ように構成できる。
【0166】
実施例113において、実施例108~112のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、第1及び第2締結具がネジ切りされ、第1及び第2ロックキャップが、第1及び第2締結具にネジ式に係合するように構成される、ように構成できる。
【0167】
実施例114において、実施例108~112のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、第1及び第2締結具が、各々雄型ラチェット歯を含み、第1及び第2ロックキャップが、それぞれ第1及び第2締結具の雄型ラチェット歯に相互ロックするように構成される雌型ラチェット歯を含む、ように構成できる。
【0168】
実施例115において、実施例108~114のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、単一の細長可撓性要素がケーブル、ワイヤ又は縫合糸組立体であるように構成できる。
【0169】
実施例116において、実施例108~115のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、第1及び第2終端が、1)それぞれ骨の第1及び第2孔及び2)骨板の少なくとも1つの開口を通過するように構成される、ように構成できる。
【0170】
実施例117において、骨折の両側に第1骨区分と第2骨区分とを有する肋骨の骨折を固定し修復する方法は、患者の胸腔において骨折を含む肋骨と整列する場所に第1及び第2上部切開部を切開することと、患者の胸腔において肋骨の骨折の下方の場所に第3下部切開部を切開することと、第1上部切開部を介して肋骨の第1骨区分において第1孔を穿孔することと、第2上部切開部を介して肋骨の第2骨区分において第2孔を穿孔することと、単一の細長可撓性要素に移動可能に結合された骨板を第3下部切開部を介して肋骨の骨折に隣接する場所まで挿入することと、肋骨に対して後前方向に第1骨区分の第1孔を通過してかつ第1上部切開部を通過して外へ単一の細長可撓性要素の第1端を挿入することと、肋骨に対して後前方向に第2骨区分の第1孔を通過してかつ第2上部切開部を通過して外へ単一の細長可撓性要素の第2端を挿入することと、1)骨折を横切って肋骨の前側に隣接して骨板を配置し、2)それぞれ第1及び第2孔を通過して第1及び第2締結具を位置付ける、ために、後前方向に単一の細長可撓性要素の第1端及び第2端を引っ張ることと、それぞれ第1及び第2締結具に第1及び第2ロックキャップを固定することと、第1締結具及び第2締結具から細長可撓性要素を取り外すために後前方向と反対の前後方向に単一の細長可撓性要素を引っ張ることと、を含むことができる。
【0171】
実施例118において、クランプ器具とドリルガイドを含む骨固定・修復システムを提供できる。クランプ器具は、長手方向に沿って細長くすることができ、可動ホルダが長手方向に整列する挿入構成と可動ホルダが長手方向に対してオフセットする関節構成との間で移行するように構成された可動ホルダを含む関節端と、長手方向に沿って関節端から離間する作動端であって、作動端がチャンネルを持つ支持部材と挿入構成と関節構成との間で可動ホルダを移行させるように構成されたアクチュエータと、を含む、作動端と、を持つことができる。ドリルガイドは、チャンネルに嵌入するサイズを持つことができ、遠位端と、近位端と、遠位端から近位端まで延びるルーメンと、を持つことができ、1)ドリルガイドがクランプ器具の支持部材の中に完全に着座し、かつ2)可動ホルダが関節構成のとき、ドリルガイドの遠位端及び可動ホルダは、骨をその中に保持するためのサイズの空間を形成する。
【0172】
実施例119において、実施例118の骨固定・修復システムは、任意に、クランプ器具が、長手部材と長手部材に対して滑動可能な滑動部材とを含む、ように構成でき、可動ホルダは、長手部材及び滑動可能部材に回動可能に結合される。
【0173】
実施例120において、実施例118又は実施例119の骨固定・修復システムは、任意に、作動端が、滑動部材が長手部材に沿って移動できるようにし、それによって可動部材を回動して関節構成にするように構成されたトリガを含む、ように構成できる。
【0174】
実施例121において、実施例118~120のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、支持部材が、チャンネルに沿ってネジ切りされ、ドリルガイドの近位端が、支持部材にネジ式に係合するようにネジ切りされる、ように構成できる。
【0175】
実施例122において、実施例118~121のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、更に、ドリルガイド内に嵌合して、クランプ器具の可動ホルダによって留められた骨に孔を穿孔するように構成されたドリルを含むように構成できる。
【0176】
実施例123において、実施例118~122のいずれか1つ又はその任意の組合せの骨固定・修復システムは、任意に、更に、少なくとも1つの開口を有する骨板であって、骨板が生体吸収性である、骨板と、少なくとも1つの細長可撓性要素と、少なくとも1つの開口内に嵌合するように構成された締結具組立体であって、締結具組立体が、a)締結具と、b)締結具に係合するように構成されたロックキャップと、を含み、締結具が少なくとも1つの細長可撓性要素を受け入れるチャンネルを含む、締結具組立体と、を含むように構成できる。
【0177】
実施例124において、骨板と、少なくとも1つの細長可撓性要素と、締結具組立体と、を含む骨固定・修復システムを提供できる。骨板は、少なくとも1つの開口を持つことができ、骨板は生体吸収性とすることができる。締結具組立体は、少なくとも1つの開口内に嵌合するように構成でき、締結具組立体は、a)締結具と、b)締結具のシャフトに係合するように構成されたロックキャップと、を有し、1)締結具、2)少なくとも1つの細長可撓性要素、及び3)ロックキャップ、の少なくとも1つは生体吸収性である。
【0178】
実施例125において、実施例1~124のいずれか1つ又はその任意の組合せのシステムまたは方法は、任意に、記載する全ての要素又は選択肢が使用又は選択のために利用可能であるように構成される。
【0179】
本開示は、本明細書において、限定された数の実施形態を使用して説明するが、これらの具体的な実施形態は、本明細書において説明し主張する通り、本開示の範囲を限定することを意図しない。本明細書において説明する様々な要素の明確な配列及び項目及び方法のステップの順番は、限定的とはみなさないものとする。例えば、方法のステップは、図面の参照符号及びブロックの進行の順序を参考にして説明するが、方法は、特定の順番で所望の通りに実現できる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26A
図26B
図27
図28
図29A
図29B
図30A
図30B
図30C
図30D
図31A
図31B
図31C
図31D
図32A
図32B
図33
図34
図35
図36A
図36B
図36C
図36D
図37
【国際調査報告】