IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ムラタ バイオス インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-513874プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム
<>
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図1
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図2
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図3
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図4
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図5
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図6
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図7A
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図7B
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図7C
  • 特表-プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム 図7D
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】プラットフォーム非依存のリアルタイム医療データ表示システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20220202BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534187
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 US2019067650
(87)【国際公開番号】W WO2020132351
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/782,455
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519422371
【氏名又は名称】ムラタ バイオス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアム、ガネーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス、エビス ベルシン
(72)【発明者】
【氏名】ベンカタ、ラーマクリシュナ ラオ カピラ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
クライアント装置のプラットフォームのタイプは無関係に、クライアント装置にリアルタイム医療データを提供するためのシステムが提供される。システムは、クライアント装置とシステムとの間の接続を確立し、クライアント装置とシステムとの間でリアルタイム医療データを転送するために、異なるタイプの接続を使用する。例えば、クライアント装置とシステムとの間で接続を確立するためにハイパーテキスト転送プロトコル接続が使用され得、クライアント装置とシステムとの間でリアルタイム医療データを転送するためにウェブソケット接続が使用され得る。HTTP接続を使用することにより、システムは、まず、システムと、HTTP接続との互換性を有するクライアント装置との間で接続を確立することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスブローカにより、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)接続を通してクライアント装置からウェブページの第1要求を受け取るステップであって、前記第1要求は特定の患者の患者情報を含む、ステップと、
前記第1要求に応答して、前記サービスブローカにより、前記特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定するステップであって、前記特定のウェブページは第1ユーザインターフェイスを表示する、ステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、前記HTTP接続を通して前記特定のウェブページを前記クライアント装置に提供するステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップと、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第1リアルタイム医療データの第2要求を受け取るステップであって、前記第2要求は前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性を規定する医療データプロトコルを識別する、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数のデータソースから、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の属性のそれぞれの値を含むリアルタイム医療データサンプルの第1組を取得するステップと、
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記第1リアルタイム医療データを提示するために、前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して第2ユーザインターフェイスを前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して、前記特定のウェブページは、前記クライアント装置と前記サービスブローカとの間で前記ウェブソケット接続を確立するために前記クライアント装置を起動するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップは、
前記サービスブローカにより、前記クライアント装置から、前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して起動されるウェブソケット接続要求を受け取るステップと、
前記ウェブソケット接続要求に応答して、前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、ウェブソケット接続応答を前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して非同期的に医療データを前記クライアント装置に転送するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記医療データプロトコルで規定された1つ又は複数の前記データ属性は、識別、サンプルレート、プロット時間、及びバッファ情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップは、
前記サービスブローカにより、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性のそれぞれの値を含む前記第2要求からの識別、サンプルレート、プロット時間及びバッファ情報のそれぞれの値を識別するステップと、
前記識別の値に基づいて、リアルタイムで監視装置によって監視される1つ又は複数の波形の特定の波形を決定するステップと、
前記サービスブローカにより、前記プロット時間、前記サンプルレート及び前記バッファ情報のそれぞれの値に基づいて、前記プロット時間の前記サンプリングレートを使用してバッファ内に前記特定の波形を書き込むステップと、
前記バッファ内に書き込まれた前記特定の波形に基づいて、前記サービスブローカにより、前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、を含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1リアルタイム医療データを提供するステップは、
前記サービスブローカにより、前記データベース内に保存された前記第1リアルタイム医療データを読み取るステップと、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記第1リアルタイム医療データを前記クライアント装置に提供するステップと、を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記クライアント装置は、医療データのための前記サービスブローカに対するサブスクライバである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェブソケット接続は、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)に基づく通信を使用して前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で確立される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記特定のウェブページは、(i)前記HTTP接続を通して前記サービスブローカから前記クライアント装置に提供される前記第1ユーザインターフェイスと、(ii)前記サービスブローカから前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置に提供される前記第1リアルタイム医療データを提示する前記第2ユーザインターフェイスとを同時に表示する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第2リアルタイム医療データの第3要求を受け取るステップであって、前記第3要求は前記第2リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性のそれぞれの値を含む、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数の前記データソースからリアルタイム医療データサンプルの第2組を受け取るステップと、
前記第2リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて、リアルタイム医療データサンプルの前記第2組から前記第2リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記サービスブローカにより、前記第1ユーザインターフェイスを維持しつつ、前記第1リアルタイム医療データの代わりに前記第2リアルタイム医療データを提示するために前記第2ユーザインターフェイスを更新するステップと、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
1つ又は複数のコンピュータと、1つ又は複数の前記コンピュータによって実行されたときに、1つ又は複数の前記コンピュータに動作を実行させるように動作可能な命令が保存される1つ又は複数のストレージ装置と、を備え、前記動作は、
サービスブローカにより、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)接続を通してクライアント装置からウェブページの第1要求を受け取るステップであって、前記第1要求は特定の患者の患者情報を含む、ステップと、
前記第1要求に応答して、前記サービスブローカにより、前記特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定するステップであって、前記特定のウェブページは第1ユーザインターフェイスを表示する、ステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、前記HTTP接続を通して前記特定のウェブページを前記クライアント装置に提供するステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップと、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第1リアルタイム医療データの第2要求を受け取るステップであって、前記第2要求は前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性を規定する医療データプロトコルを識別する、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数のデータソースから、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の属性のそれぞれの値を含むリアルタイム医療データサンプルの第1組を取得するステップと、
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記第1リアルタイム医療データを提示するために、前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して第2ユーザインターフェイスを前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、システム。
【請求項13】
前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して、前記特定のウェブページは、前記クライアント装置と前記サービスブローカとの間で前記ウェブソケット接続を確立するために前記クライアント装置を起動するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップは、
前記サービスブローカにより、前記クライアント装置から、前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して起動されるウェブソケット接続要求を受け取るステップと、
前記ウェブソケット接続要求に応答して、前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、ウェブソケット接続応答を前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記医療データプロトコルで規定された1つ又は複数の前記データ属性は、識別、サンプルレート、プロット時間、及びバッファ情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップは、
前記サービスブローカにより、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性のそれぞれの値を含む前記第2要求からの識別、サンプルレート、プロット時間及びバッファ情報のそれぞれの値を識別するステップと、
前記識別の値に基づいて、リアルタイムで監視装置によって監視される1つ又は複数の波形の特定の波形を決定するステップと、
前記サービスブローカにより、前記プロット時間、前記サンプルレート及び前記バッファ情報のそれぞれの値に基づいて、前記プロット時間の前記サンプリングレートを使用してバッファ内に前記特定の波形を書き込むステップと、
前記バッファ内に書き込まれた前記特定の波形に基づいて、前記サービスブローカにより、前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、を含む請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記特定のウェブページは、(i)前記HTTP接続を通して前記サービスブローカから前記クライアント装置に提供される前記第1ユーザインターフェイスと、(ii)前記サービスブローカから前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置に提供される前記第1リアルタイム医療データを提示する前記第2ユーザインターフェイスとを同時に表示する、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記動作は、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第2リアルタイム医療データの第3要求を受け取るステップであって、前記第3要求は前記第2リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性のそれぞれの値を含む、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数の前記データソースからリアルタイム医療データサンプルの第2組を受け取るステップと、
前記第2リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて、リアルタイム医療データサンプルの前記第2組から前記第2リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記サービスブローカにより、前記第1ユーザインターフェイスを維持しつつ、前記第1リアルタイム医療データの代わりに前記第2リアルタイム医療データを提示するために前記第2ユーザインターフェイスを更新するステップと、を更に含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
1つ又は複数のコンピュータによって実行されたときに、1つ又は複数の前記コンピュータに動作を実行させるように動作可能な命令を保存する1つ又は複数の非一時的ストレージ装置であって、前記動作は、
サービスブローカにより、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)接続を通してクライアント装置からウェブページの第1要求を受け取るステップであって、前記第1要求は特定の患者の患者情報を含む、ステップと、
前記第1要求に応答して、前記サービスブローカにより、前記特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定するステップであって、前記特定のウェブページは第1ユーザインターフェイスを表示する、ステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、HTTP接続を通して前記特定のウェブページを前記クライアント装置に提供するステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップと、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第1リアルタイム医療データの第2要求を受け取るステップであって、前記第2要求は前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性を規定する医療データプロトコルを識別する、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数のデータソースから、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の属性のそれぞれの値を含むリアルタイム医療データサンプルの第1組を取得するステップと、
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記第1リアルタイム医療データを提示するために、前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して第2ユーザインターフェイスを前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、1つ又は複数の非一時的ストレージ装置。
【請求項20】
前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して、前記特定のウェブページは、前記クライアント装置と前記サービスブローカとの間で前記ウェブソケット接続を確立するために前記クライアント装置を起動するように構成される、請求項19に記載の1つ又は複数の非一時的ストレージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイム医療データを提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院及び他の医療施設における患者の治療経験は、患者と介護者との間の最初のやり取り、診断、治療の進捗、施設内における患者の物理的移動、滞在の長さ、回復及びリハビリテーションにおける相違点を含む多くの点で変化し得る。例えば、いくつかの場合、患者は、(負傷、心不全、突然の痛み又は他の突然の健康上の緊急事態などの)病院スタッフによって対処される即座のニーズを有する状態で救急処置室に到着することにより、病院とのやり取りを開始する。そこから、患者は、直ちに手術を受けるか、後の時点での手術のためにスケジューリングされるか、1つ又は複数の薬剤が投与されるか、後の診断コンサルテーションのためにスケジューリングされるか、治療されて解放されるか、集中治療室に搬送されるか、回復病棟に移動され得るか、又は他の多数のアクションが患者との関係において取られ得る。別の例として、いくつかの場合、患者は、手術手順をスケジューリングすることにより、病院とのやり取りを開始する。このようなシナリオでは、患者は、例えば、病院に到着し、手術のための準備作業が施され、手術手順を経験し、回復病棟で所定の時間量を費やし、次いで一般病院病棟に移動された後、病院から解放され、自宅に送り返され得る。
【0003】
多くの場合、1つ又は複数の手術手順が患者の治療計画の一部分を構成する。患者が手術手順後に移行し得る複数の環境が存在する。手術手順の直後に、患者は、徐々に安定状態に戻り始め、その後、患者は、自宅又は長期医療環境に送り出される。初期回復プロセスは、24/7の臨床医による監督を必要とする患者の場合、集中治療室(ICU)内で始まる。ICUは、患者状態を監視するのに必要な機器と、患者の回復を支援するための高いスタッフ比率とを有する。この環境は、多くの場合、病院内におけるすべての部屋の中でも、一日当たりの費用が最も高価であることから、患者にとって非常に大きい費用となり得、従って、この環境を可能な限り即座に離脱することは、全体費用を極小化する観点から有益である。救命救急を目的とした病院の場合、ICUの患者スループットは、その全体的な運営のための高度に精査されたメトリック(metric)であり、即ち、ICUは、スタッフ及びリソースの観点で病院にとって最も高価な環境であり、従ってここに必要以上に患者を留め置いた場合、別の患者が、治療を受ける前にベッドが空くのを待たなければならないことを意味する。従って、ICUから外部への患者の移動は、病院及び患者の両方にとって好ましいものであるが、時期尚早の送り出しに関連するリスクは、多くの場合、患者の早期の解放を妨げる。
【0004】
患者がICU内にいる間、患者の安定性を判定するために必要とされる基本的なバイタルサインデータは、計測、記録、追跡及び傾向分析され、これは、多くの場合、臨床スタッフに依存したものであり得、及び(例えば、患者に接続されたセンサを利用するベッドサイドECGディスプレイを観察することにより)臨床医が患者を監視し得、バイタルサイン及び他のデータを直接検討し得る特定の物理的場所に臨床医を制限し得るプロセスである。収集される患者のバイタルサインは、血圧、体温、呼吸数、血液酸素化(blood oxygenation)、(ECGを介した)心臓リズム及び心拍数を含み得る。これと共に、患者の応答性及び視覚的評価などのソフトなメトリックも存在し且つ使用される。
【0005】
いくつかの場合、回復プロセスは、手術の直後又はICU内で所定の期間が費やされた後に患者を回復室に移動させるステップを含み得る。ICUにおけるものと同様に、回復室の環境における患者の監視も、生成される任意のデータの臨床医による解釈への高い依存性を含み、このデータは、患者の回復を監督するオリジナルの医師にとって容易に入手可能である場合も又はそうでない場合もある。
【0006】
ICU又は回復室から、患者は、多くの場合、一般病棟に移され得る。一般病棟は、多くの場合、より低い介護者対患者のスタッフ比率と、より少ないバイタルサイン監視とを含むか、又はバイタルサイン監視がない。多くの場合、バイタルサインは、往々にして、ほぼ常時監視されるのではなく、むしろ看護師が主要なバイタルサインを計測するために巡回することになる。加えて、このようなバイタルサインの計測は、多くの場合、体温及び血圧などのいくつかの基本的パラメータに制限され得る。一般病棟後、患者の回復進捗における次のフェーズは、多くの場合、患者の退院である。患者が自宅に到着し、可能な限り早期により快適な環境で回復することは、一般に最良であると見なされる。自宅で回復を継続するために病院から解放されることは、無関係の病院内合併症を患うリスクを極小化し得、患者にとってより低費用で家族が回復を支援することをよりよく可能にする。
【0007】
複数の病院内及び病院外環境における患者の管理において、様々な利害関係者(人間及び非人間)は、患者の状態及び施される医療に関連するリアルタイム医療データの消費に関心がある。これらのリアルタイム医療データは、多くの場合、個別の人間的且つ非人間的ソース内に存在し、様々なモードを通して利害関係者に伝達される。更に、多くの利害関係者が継続的に変化することから、患者中心の方式における医療の調整は、困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、監視装置から取得されるリアルタイム医療データをクライアント装置に提供するための方法、システム及びコンピュータ可読媒体について記述する。具体的には、システムは、クライアント装置のプラットフォームのタイプとは無関係に、リアルタイム医療データをクライアント装置に提供することができる。システムは、クライアント装置とシステムとの間で接続を確立するため、及びリアルタイム医療データをクライアント装置とシステムとの間で転送するために異なるタイプの接続を使用する。例えば、クライアント装置とシステムとの間で接続を確立するためにハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP:Hypertext Transfer Protocol)接続が使用され得、クライアント装置とシステムとの間でリアルタイム医療データを転送するためにウェブソケット接続が使用され得る。HTTP接続を使用することにより、システムは、まず、システムと、HTTP接続との互換性を有するクライアント装置との間で接続を確立することができる。
【0009】
一般に、本明細書に記述される主題の1つの革新的な態様は、例えば、1つ又は複数の非一時的コンピュータストレージ装置上に保存されたコンピュータ命令を実行する1つ又は複数のコンピュータを有する演算システムによって実行される方法で実装され得る。方法は、サービスブローカにより、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)接続を通してクライアント装置からウェブページの第1要求を受け取るステップであって、第1要求は特定の患者の患者情報を含む、ステップと、第1要求に応答して、サービスブローカにより、特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定するステップであって、特定のウェブページは第1ユーザインターフェイスを表示する、ステップと、サービスブローカとクライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するために、サービスブローカにより、HTTP接続を通して特定のウェブページをクライアント装置に提供するステップと、サービスブローカとクライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するステップと、サービスブローカにより、ウェブソケット接続を通してクライアント装置から第1リアルタイム医療データの第2要求を受け取るステップであって、第2要求は第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性を規定する医療データプロトコルを識別(特定)する、ステップと、サービスブローカにより、1つ又は複数のデータソースから、第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の属性のそれぞれの値を含むリアルタイム医療データサンプルの第1組を取得するステップと、第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性の値に基づいて第1リアルタイム医療データを生成するステップと、第1リアルタイム医療データを提示するために、サービスブローカにより、ウェブソケット接続を通して第2ユーザインターフェイスをクライアント装置に提供するステップとを含み得る。
【0010】
方法は、任意選択により、以下の特徴の1つ又は複数を含むことができる。クライアント装置上で特定のウェブページを読み込むことに応答して、特定のウェブページは、クライアント装置とサービスブローカとの間でウェブソケット接続を確立するためにクライアント装置を起動するように構成され得る。サービスブローカとクライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するステップは、サービスブローカにより、クライアント装置から、クライアント装置上で特定のウェブページを読み込むことに応答して起動されるウェブソケット接続要求を受け取るステップと、ウェブソケット接続要求に応答して、サービスブローカとクライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するために、サービスブローカにより、ウェブソケット接続応答をクライアント装置に提供するステップとを含むことができる。方法は、サービスブローカにより、ウェブソケット接続を通して非同期的に医療データをクライアント装置に転送するステップを更に含むことができる。
【0011】
第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性の値に基づいて第1リアルタイム医療データを生成するステップは、サービスブローカにより、第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性のそれぞれの値を含む第2要求からの識別、サンプルレート、プロット時間及びバッファ情報のそれぞれの値を識別(特定)するステップと、識別の値に基づいて、リアルタイムで監視装置によって監視される1つ又は複数の波形の特定の波形を決定するステップと、サービスブローカにより、プロット時間、サンプルレート及びバッファ情報のそれぞれの値に基づいて、プロット時間のサンプリングレートを使用してバッファ内に特定の波形を書き込むステップと、バッファ内に書き込まれた特定の波形に基づいて、サービスブローカにより、第1リアルタイム医療データを生成するステップとを含むことができる。
【0012】
方法は、生成された第1リアルタイム医療データをデータベースに保存するステップを更に含むことができる。第1リアルタイム医療データを提供するステップは、サービスブローカにより、データベース内に保存された第1リアルタイム医療データを読み取るステップと、サービスブローカにより、ウェブソケット接続を通して第1リアルタイム医療データをクライアント装置に提供するステップとを含むことができる。クライアント装置は、医療データのためのサービスブローカに対するサブスクライバであり得る。ウェブソケット接続は、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML:Hypertext Markup Language)に基づく通信を使用してサービスブローカとクライアント装置との間で確立され得る。
【0013】
特定のウェブページは、(i)HTTP接続を通してサービスブローカからクライアント装置に提供される第1ユーザインターフェイスと、(ii)サービスブローカからウェブソケット接続を通してクライアント装置に提供される第1リアルタイム医療データを提示する第2ユーザインターフェイスとを同時に表示することができる。方法は、サービスブローカにより、ウェブソケット接続を通してクライアント装置から第2リアルタイム医療データの第3要求を受け取るステップであって、第3要求は第2リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性のそれぞれの値を含む、ステップと、サービスブローカにより、1つ又は複数のデータソースからリアルタイム医療データサンプルの第2組を受け取るステップと、第2リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性の値に基づいて、リアルタイム医療データサンプルの第2組から第2リアルタイム医療データを生成するステップと、サービスブローカにより、第1ユーザインターフェイスを維持しつつ、第1リアルタイム医療データの代わりに第2リアルタイム医療データを提示するために第2ユーザインターフェイスを更新するステップとを更に含むことができる。
【0014】
本明細書に記述される主題は、特定の実装形態で実装され得、以下の利点の1つ又は複数をもたらすことができる。従来のシステムは、クライアント装置と従来のシステムとの間で接続を確立するため、及びクライアント装置と従来のシステムとの間でリアルタイム医療データを転送するために同一のタイプの接続を使用する。これと比較して、本明細書に記述されるシステムは、クライアント装置とシステムとの間で接続を確立するため、及びクライアント装置とシステムとの間でリアルタイム医療データを転送するために異なるタイプの接続を使用する。具体的には、クライアント装置とシステムとの間で接続を確立するために多様なタイプの接続、例えばHTTP接続を使用することにより、システムは、クライアント装置のプラットフォームとは無関係に、接続タイプとの互換性を有する任意のクライアント装置へのデータ接続を確立することができる。従って、システムは、介護者及び他の利害関係者が、リモート演算装置上で標準的なインターフェイス(例えば、ウェブブラウザ)を使用して、患者から収集されたリアルタイム医療データを検討することを可能にすることにより、リアルタイム医療データを管理するための互換性及び柔軟性を改善する。システムは、専門的なアプリケーションを必要とすることなくデータの完全性を提供する。
【0015】
更に、システムは、クライアント装置とシステムとの間で接続を確立するために追加的なブローカを必要としない。これは、ネットワークの全体におけるネットワーク装置の数を低減し、それにより、システムとクライアント装置との間で同じデータを転送するためにより少ないネットワークリソースが使用され得る。従って、ネットワークリソースが効率的に使用され得る。
【0016】
更に、従来のシステムは、リアルタイム医療データを転送する際には常に、クライアント装置と従来のシステムとの間の新しい接続を必要とする。従って、接続が以前に確立された場合にも、新しいリアルタイム医療データを転送するために新しい接続を確立する必要がある。これと比較して、本明細書に記述されるシステムは、リアルタイム医療データを転送するための接続がシステムとクライアント装置との間で確立されると、リアルタイムデータを転送するためのいかなる後続の接続プロセスも必要としない。従って、システムは、従来のシステムと比較してより少ないネットワークリソースを使用する。
【0017】
本明細書に記述される主題は、以下の利点の1つ又は複数を実現するように実装され得る。従来のシステムと比較して、開示される技法は、より効率的である。開示されるシステムは、配備システム内に配備される現行の配備マニフェストが古いものであるかどうかを判定し、現行の配備マニフェストが古いものであるかどうかを示す通知をクライアント装置に提供する。通知に応答して、現行の配備マニフェストがアップグレードされるべきであるかどうか又は現行の配備マニフェストがアップグレードされる時点に関する判定が行われ得る。この結果、システムは、システムが他のタスクを実行しないか又はシステムがビジー状態でない間にサービス実装形態をアップグレードすることにより、ダウンタイムを回避することができる。従って、システムは、サービス実装形態に対するアップグレードを効率的に実行することができる。
【0018】
本明細書に記述される主題の1つ又は複数の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明に記述される。主題の他の特徴、態様及び利点は、説明、図面及び請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】患者に関連する情報を追跡及び監視する例示的なシステムを示す図である。
図2】患者から取得された波形を監視し、リアルタイム医療データをクライアント装置に提供するための例示的なシステムを示す図である。
図3】リアルタイム医療データをクライアント装置に提供する例示的な動作を示すシーケンス図である。
図4】リアルタイム医療データをクライアント装置に提供する例示的な動作を示すフローチャートである。
図5】リアルタイム医療データを生成する例示的な動作を示すフローチャートである。
図6】リアルタイム医療情報のためのパブリッシャ/サブスクライバシステムを促進するネットワークを示す図である。
図7A】リアルタイム医療データを提供するためにクライアント装置上で表示される例示的なインターフェイスを示す図である。
図7B】リアルタイム医療データを提供するためにクライアント装置上で表示される例示的なインターフェイスを示す図である。
図7C】リアルタイム医療データを提供するためにクライアント装置上で表示される例示的なインターフェイスを示す図である。
図7D】リアルタイム医療データを提供するためにクライアント装置上で表示される例示的なインターフェイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
様々な図面における同様の参照符号及び表記は、同様の要素を示す。
図1は、患者に関連する情報を追跡及び監視する例示的なシステム100を示す図である。システム100は、患者のバイタルサインを監視し、患者の活動を追跡し、患者の運動を追跡し、患者に関連する情報を記録し、患者の医療を調整し、最新の情報を医療提供者に提供するために使用することができる。システム100は、例えば、監視装置102,106,107,108などの1つ又は複数の監視装置と、例えばサービスブローカ113などのサービスブローカと、例えばクライアント装置114などのクライアント装置とを含む。
【0021】
監視装置は、患者の医療データを検出及び記録する。例えば、監視装置は、患者の様々なバイタルサイン及び他の情報を検出及び記録することができる。いくつかの実装形態において、監視装置は、患者によって着用されたセンサを含む。例えば、患者によって着用されたセンサは、患者104の様々なバイタルサインを追跡するために、患者104の胸に付着された胸部センサ102を含むことができる。患者によって着用されたセンサは、加えて、手首センサ106を含み得、これは、図示の例では、患者の右手首に付着されるが、実際には患者104のいずれかの手首に付着され得るであろう。患者によって着用されたセンサは、患者104のアラーム状態を識別するためにシステム100の他のコンポーネントとやり取りすることができる。アラーム状態は、1人又は複数の介護者による介入を必要とし得る患者又は必要としなくてもよい患者の様々な医療状態又は医療緊急事態を含み得る。いくつかの実装形態において、アラーム状態は、患者104の1つ又は複数のバイタルサイン又は他のメトリックの許容可能な範囲からの逸脱に基づいて識別することができる。注意を必要とする、患者104又はシステム100のコンポーネントに関連するアラーム状態又は他の課題の検出は、システムの1つ又は複数のコンポーネントがアラートを発行することをもたらし得る。アラートは、演算装置によって表示されるアラーム状態又は他の課題に関する情報、1人又は複数の介護者に送信される通知、オーディオアラーム、視覚的アラーム、(振動のような)触覚的アラーム又は別のインジケータの形態を有することができる。
【0022】
胸部センサ102は、(ECGを介した)心臓リズム及び心拍数を含む患者の様々なバイタルサインを記録するために患者104の皮膚に接触するいくつかの接着性の電極を含み得る。胸部センサ102は、例えば、I、II、III、aVL、aVR及びaVFリードを有する6リードECGセンサであり得る。胸部センサ102又は胸部センサ102と手首センサ106との組合せによって監視され得る他のバイタルサインは、血圧、体温、呼吸数、血液酸素化、血中グルコースレベル、水和レベル及び発汗を含み得る。いくつかの実装形態において、胸部センサ102は、再使用可能又は恒久的な部分のみならず、廃棄可能な部分も含むことができる。例えば、胸部センサ102は、患者から受信し、患者に関連して検出された信号を処理し、情報を他の装置に送信するために、電気コンポーネントを保存するための恒久的なハウジングを含み得る。胸部センサ102は、患者104の胸に付着するように設計された廃棄可能な接着性の電極パッドを更に含み得る。廃棄可能な接着性の電極パッドの一部として含まれる電極は、患者104から胸部センサ102内の電気コンポーネントに信号を搬送するために、恒久的ハウジングの電気リードに接触するように構成することができる。いくつかの実装形態において、恒久的ハウジングは、廃棄可能な接着性の電極パッドの電極に係合し、廃棄可能な接着性の電極パッドを恒久的ハウジングに固定するためにスナップコネクタを含み得る。廃棄可能な接着性の電極パッドは、胸部センサ102のコンポーネントの多くが継続的に再使用されることを可能にしつつ、定期的に除去することができ、フレッシュな廃棄可能である接着性の電極パッドによって交換することができる。
【0023】
胸部センサ102は、患者104の水和レベル、体脂肪レベル又は他の流体レベルを監視するために生体インピーダンスを検出するセンサも含むことができる。いくつかの実装形態において、胸部センサ102は、患者104から収集されたバイタルサイン情報及び他の情報を処理及び分析する電子回路を含み得る。いくつかの実装形態において、胸部センサ102及び/又は患者によって着用された他のセンサは、未加工の事前処理された情報を収集し、これは、次いで、更なる処理及び分析のためにシステム100の他の部分に送信される。
【0024】
いくつかの実装形態において、胸部センサ102は、患者104の体温を監視、追跡及び記録するために、胸部センサ102の本体から患者104の脇の下の下方まで延在する温度センサを含む。温度センサは、再使用可能な部分と、一時的な/廃棄可能な部分との両方を含み得る。例えば、温度センサは、患者104の脇の下の下方で患者104の皮膚に付着するための廃棄可能な接点を含み得る。温度センサは、例えば、温度検知部分を含む恒久的部分、患者から受け取られた温度データを解釈及び処理する回路及び患者104の胸の周りの胸部センサ102の本体から患者104の脇の下まで延在するケーブルを更に含み得る。いくつかの実装形態では、患者104から収集された温度データを解釈するための機能を含むのではなく、温度センサは、胸部センサ102のメインハウジング又はシステム100の他の部分内に収容される回路によって処理される未加工データを収集することができる。
【0025】
いくつかの実装形態において、胸部センサ102は、患者の運動、活動、位置及び姿勢を検出及び記録する1つ又は複数の加速度計を含む。例えば、胸部センサ102内に含まれる加速度計は、介護者が、患者104が十分なレベルの日々の運動を実行しているかどうか、又は患者104が患者104の現在の物理的状態に鑑みて過剰な活動を行っているかどうかを判定することを可能にするために患者の活動を追跡することができる。加速度計は、患者104が転倒したかどうか、又は患者104が、規定された期間にわたって動いていないかどうかを判定するために使用することもできる。例えば、加速度計は、患者が、規定された期間を超えて特定の姿勢にあることを判定し得、この結果、システム100は、患者のアラーム状態を識別し、患者のアラーム状態に対する介護者の応答を引き出すために1つ又は複数のアラートを送出することができるようにし得る。加速度計は、患者の睡眠パターンを追跡するために、又は患者104の姿勢を追跡するために使用することもでき、これにより、着座、横臥、直立などをする際に患者104がより良好な姿勢をどのようにとり得るかの助言を介護者が提供することを可能にする。加えて、加速度計は、患者104が、再負傷又は合併症の発症のリスクを増大させ得る活動又は習慣を実行しているかどうかを判定するために使用され得る情報を介護者に提供することもできるであろう。
【0026】
胸部センサ102は、患者104の物理的場所を識別する回路及びコンポーネントを含むこともできる。例えば、胸部センサ102は、GPSユニット又は無線信号三角測量に基づく場所判定装置を含み得る。胸部センサ102内に含まれるGPSユニット又は他の場所判定回路は、例えば、患者が、規定された時点で存在するべき場所にいない場合に患者の場所を識別するために使用することができる。GPSユニットは、徘徊し且つ行方不明になる傾向を有する痴呆又は他の精神疾病を患っている患者を見出すために使用することができる。別の例として、胸部センサ102内の加速度計が、患者104が転倒したと判定した場合、胸部センサ102は、介護者が、患者104が転倒した場所をより容易に判定し、患者104のニーズに迅速且つ有効に応えることを可能にするために、患者104の場所を含むアラートを1人又は複数の介護者に送信することができる。
【0027】
胸部センサ102の一部分として含まれ得る他のコンポーネントは、電源、ボタン又はユーザ入力を受け取るための他の入力メカニズム、1つ又は複数の可聴アラーム又はスピーカ及び表示ライト又は表示画面を含む。胸部センサ102のための電源は、標準的な廃棄可能な電池を受け入れる電池パック、充電式電池、又はフル充電された電池パックによって交換され得る着脱可能の電池パックの形態を有することができる。胸部センサ102は、例えば、ボタン、キー又はタッチスクリーンなどの入力機構を更に含み得る。入力機構は、患者104又は介護者が胸部センサ102の設定を調節するか、(センサ試験、電池パワーレベル試験などのような)様々な試験を実行するか、又は胸部センサ102のための1つ若しくは複数のアラームをリセットすることを可能にし得る。例えば、患者104又は介護者は、胸部センサ102上のボタンを押下することにより、胸部センサ102の可聴アラームを消音すること、又は胸部センサ102のフラッシュライトアラームを停止することができる。
【0028】
胸部センサ102は、1つ又は複数の可聴アラーム又はスピーカも含むことができる。胸部センサ102の一部分として含まれたスピーカ又は他のノイズ放出ユニットは、特定の患者イベントが発生した際に可聴アラームを提供することができる。いくつかの実装形態において、異なるタイプの可聴アラームは、異なる患者イベントを示すことができる。例えば、第1アラームサウンドは、心停止を示し得る一方、第2アラームサウンドは、患者104が転倒したことを示し得、第3アラームは、患者104の不規則な呼吸を示し得る。いくつかの実装形態において、胸部センサ102のボタン又は他の入力装置は、可聴又は視覚アラームを休止又はリセットするために使用することができる。胸部センサ102は、表示ライト、表示画面又は他の表示機構も含むことができる。例えば、1つ又は複数のLEDライトは、患者104の1つ若しくは複数のバイタルサインの現在の状態又は胸部センサ102の1つ若しくは複数のコンポーネントの現在の状態を示すことができる。例えば、LEDは、胸部センサ102の電池が低残量であると示し得る一方、別のLEDは、通信ユニット(例えば、無線ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))通信回路)が誤動作していることを示し得る。更に別の例として、胸部センサ102の一部分として含まれる表示画面は、胸部センサ102によって収集された1つ又は複数のバイタルサイン又は他の情報の表示を提供することができる。例えば、表示画面は、患者104の1つ又は複数のECG読取りを示すことができる。
【0029】
いくつかの実装形態において、胸部センサのボタン又は他の入力装置は、患者104が患者救助呼出しを起動することを可能にし得る。例えば、患者104は、胸部センサ102が無線通信を使用することにより及び/又はネットワーク112を通して通信することにより、救助信号をベッドサイドモニタ108又は別の演算装置に伝達するようにできる胸部センサ102上のボタンを選択することができる。例えば、患者104がボタンを押下した際、胸部センサ102は、ナースステーションに配置されたコンピュータに救助信号を送信することができる。次いで、ナースステーションは、患者104が救助呼出しを起動したことを介護者に示すことができる。加えて、救助呼出しに関係する情報を、救助呼出しが行われた時刻の表示及び救助呼出しの時点における患者のバイタルサイン並びに他の情報と共に記録及び保存することができる。
【0030】
いくつかの実装形態において、胸部センサ102の1つ又は複数の入力装置は、胸部センサ102のマイクロフォン機能を起動することができる。例えば、患者104は、胸部センサ102内に含まれるマイクロフォンを起動するために胸部センサ102上のボタンを選択することができる。マイクロフォンは、例えば、患者104によって現在経験されているか又は最近経験された症状を示すために患者104がオーディオ記録を実施することを可能にし得る。オーディオ記録は、記録が実施された際のタイムスタンプと共に記録することができ、胸部センサ102のコンピュータメモリ及び/又は胸部センサ102と通信する別の演算装置内に保存することができる。オーディオ記録(例えば、患者104が症状を説明するステップを含む)は、患者104の診断の際に1人又は複数の介護者によって使用することができる。
【0031】
いくつかの実装形態において、胸部センサ102のマイクロフォン機能は、患者と、異なる場所に配置された介護者との間の一方向又は双方向オーディオ通信を促進するために使用することができる。例えば、患者104は、胸部センサ102のボタンを選択することにより、胸部センサ102のマイクロフォンを起動し、患者104及び胸部センサ102と異なる物理的場所における演算装置に配置された介護者との双方向オーディオ通信セッションを開始することができる。例えば、患者104は、問題、症状又は他の情報を看護師に伝達するために、患者104と同一の病院のフロア上のナースステーションにいる看護師に話しかけることができる。看護師は、患者104に答えることができる。例えば、胸部センサ102は、看護師が指示又は快適さを患者104に提供することを可能にするか、又は支援が途上にあることを患者104に通知するために、ナースステーションによって送信された音声を出すためのスピーカを含むことができる。
【0032】
上述のように、システム100の一部分として含まれる、患者によって着用されたセンサは、手首センサ106を含むことができる。手首センサ106は、患者104の血圧及び血液酸素化(SpO2)を追跡及び記録するために使用することができる。胸部センサ102におけるものと同様に、手首センサ106も再使用可能な部分及び廃棄可能な部分の両方を含み得る。例えば、手首センサ106は、再使用可能なハウジング及び患者104から受け取られた信号を処理するための回路と、患者104の皮膚に接触する廃棄可能な部分とを含み得る。
【0033】
いくつかの実装形態において、患者によって着用されたセンサは、手首センサ106から延在し、患者104の1つ又は複数の指に係合する指センサ107を含む。指センサ107は、例えば、患者104の血液酸素化(SpO2)を計測するために使用することができる。いくつかの実装形態において、患者104の手首に配置されるのではなく、手首センサ106は、患者104の上腕(ひじの上部)に配置される上腕センサの形態を有することができる。上腕センサは、例えば、患者104の血圧を計測するために使用することができる。
【0034】
いくつかの実装形態において、監視装置は、ベッドサイドモニタ108を含むことができる。胸部センサ102は、胸部センサ102及び/又は患者によって着用された他のセンサによって収集された情報(例えば、患者のバイタルサイン、患者の活動、患者の場所)をベッドサイドモニタ108に伝達するためにベッドサイドモニタ108と通信することができる。例えば、胸部センサ102は、ブルートゥース(Bluetooth)技術を使用することにより、ベッドサイドモニタ108と無線通信することができる。別の例として、胸部センサ102は、WiFiプロトコル又はセルラープロトコルを使用することにより、ベッドサイドモニタ108と通信することができる。更に別の例として、胸部センサ102は、ベッドサイドモニタ108と通信するために有線接続を使用することができる。胸部センサ102とベッドサイドモニタ108との間の通信接続は、ベッドサイドモニタ108から胸部センサ102への情報の中継のためにも使用することができる。例えば、ベッドサイドモニタ108は、胸部センサ102及び/又は患者によって着用された他のセンサによって監視される心拍数、呼吸数、血液酸素化又は他のバイタルサインの許容可能な範囲など、胸部センサ102の設定を変更するために使用することができる。別の例として、ベッドサイドモニタ108は、患者104の特定のバイタルサインが胸部センサ102及び/又は手首センサ106によってキャプチャ及び送信される周波数を変更するために使用することができる。更に別の例として、ベッドサイドモニタ108は、胸部センサ102及び/又は手首センサ106の1つ又は複数のバイタルサイン読取コンポーネントの感度レベルを変更するために使用することができる。
【0035】
いくつかの実装形態において、手首センサ106も、(例えば、ブルートゥース(Bluetooth)接続、他の無線接続又は有線接続を通して)ベッドサイドモニタ108と通信する。いくつかの実装形態において、手首センサ106は、ベッドサイドモニタ108と直接通信せず、むしろ(例えば、無線又は有線接続を通して)情報を胸部センサ102に転送し、次いで、胸部センサ102は、手首センサ106によって収集された情報をベッドサイドモニタ108に転送し、ベッドサイドモニタ108によって示された設定情報及び他の情報を手首センサ106に送信する。
【0036】
いくつかの実装形態において、様々な異なるバイタルサインは、異なるサンプリングレートで記録され、バッファ処理され、統合された一定のレートでベッドサイドモニタ(従ってベッドサイドモニタと直接的又は間接的に通信する他の演算装置)に送信される。例えば、ECG波形のための未加工データは、200サンプル/秒でサンプリングされ得る一方、血液酸素化及び生体インピーダンスは、33サンプル/秒でサンプリングされる。異なるレートでサンプリングされたこの様々な情報は、そのすべてが一定のレート(例えば、9回/秒)でベッドサイドモニタに転送されるように一緒にバッファ処理され得る。
【0037】
ベッドサイドモニタ108は、介護者110(例えば、看護師、医師、付添者、理学療法士又は他の介護者)が患者104のリアルタイムバイタルサイン、患者104の過去のバイタルサイン、胸部センサ102、手首センサ106及び/又は患者によって着用された他のセンサによって提供される他の情報並びに患者104に関連する他の情報を観察することを可能にし得る。例えば、ベッドサイドモニタ108は、患者104の現在の血液酸素化レベル、血圧、水和レベル、心拍数、呼吸レート及び体温を列挙しつつ、患者104のECG波形を表示することもできる。介護者110は、患者104の患者医療に関する注記を行うか、バイタルサイン情報若しくは他の患者情報のための注釈を実行するか、メッセージを他の介護者に送信するか、又は患者の活動を記録するためにベッドサイドモニタ108を使用することもできる。例えば、介護者110は、患者104がわずかな問題を有する呼吸を経験したか、又は患者104が四肢の痛みを経験しているという注記を行うためにベッドサイドモニタ108を使用することができる。別の例として、介護者110は、理学療法士であり得、患者104の療法活動を記録し、患者104の理学療法の進捗に関する注記を行うためにベッドサイドモニタ108を使用することができる。更に別の例として、介護者110は、患者104の1つ又は複数のバイタルサインの「正常」又は「安全」範囲と見なされるものの範囲を調節するためにベッドサイドモニタ108を使用することもできる。更に別の例として、介護者110は、病院の付添者であり得、患者104が食事を食べた時刻及び患者104が毎回の食事で食べた量を記録するためにベッドサイドモニタ108を使用することができる。本明細書では、ベッドサイドモニタとして記述されるが、ベッドサイドモニタ108の表示、通信、センサ制御及び他の機能のいくつか又はすべては、胸部センサ102から離れている1つ又は複数の装置によって実行され得ることを理解されたい。例えば、ベッドサイドモニタ108は、患者104及び胸部センサ102から離れて配置され、以下で更に詳述される技法を使用することによって胸部センサ102と情報を送受信するように、1つ又は複数のネットワーク接続を通して通信するコンピュータ又はタブレット装置であり得る。
【0038】
ベッドサイドモニタ108は、他の介護者によって残された患者104の患者医療に関する注記を検討するか、又は合併症の診断若しくは防止を支援するために所定の期間にわたって患者のバイタルサイン及び活動を追跡するために使用することもできる。ベッドサイドモニタ108は、胸部センサ102のアラーム状態に関連する情報を伝達することもできる。例えば、様々なバイタルサイン又は(患者の動き/場所などの)他の情報の任意のものが、規定される「安全」限度の外側に逸脱した場合、胸部センサ102、手首センサ106又はベッドサイドモニタ108は、アラーム状態を起動することができる。ベッドサイドモニタ108は、視覚的又はオーディオアラームの使用を通してアラーム状態について介護者110に警告することができる。いくつかのシナリオにおいて、異なる視覚的又はオーディオアラームは、アラーム状態の別個のタイプ又は異なるアラーム状態に関連する様々な緊急事態レベルについて使用することができる。いくつかの実装形態において、アラーム状態は、アラーム状態の深刻度に基づいてティア(階層)化され得、この場合、いくつかのアラームは、他のものよりも重要であると識別される(及び/又は必要とされるか若しくは介護者からのより即座の注意を必要とする)。例えば、胸部センサ102が心停止を検出した場合、これは、即座の注意を必要とするハイレベルな緊急事態であるとして分類され得る一方、手首センサ106が、わずかに上昇した血圧を検出した場合、これは、介護者が患者104を訪問する次回の時点まで対処される必要がない低レベルのアラーム状態として識別することができる。ベッドサイドモニタ108のディスプレイは、様々なアラーム状態のみならず、それぞれのアラーム状態の相対的な重要性又はレベルも介護者110に示すことができる。次いで、介護者110は、バイタルサインの変化又はアラーム状態の起動を引き起こした患者に関係する他の情報を含む、それぞれのアラーム状態に関連する追加情報を観察するためにベッドサイドモニタ108を使用することができる。
【0039】
いくつかの実装形態において、胸部センサ102、手首センサ106及び/又は患者によって着用された他のセンサは、1つ又は複数のアラーム状態が発生した時点を識別するために、センサによって記録されたバイタルサイン情報及び他の情報を処理する回路を含むことができる。いくつかの実装形態において、患者によって装着されたセンサは、患者104に関連して収集された未加工の事前処理されたバイタルサイン情報及び他の情報をベッドサイドモニタ108に送信し、及びベッドサイドモニタ108は、患者104の様々なバイタルサイン及び他の情報を判定するために未加工情報を分析し、(例えば、任意のバイタルサイン又は他の信号が許容可能な範囲から逸脱しているかどうか識別することにより)任意のアラーム状態が存在するかどうかを識別する。更に他の実装形態において、システム100の他の部分は、胸部センサ102及び手首センサ106によって収集されたバイタルサイン及び他の情報を分析し、患者104に関連するアラーム状態を識別するために使用することができる。
【0040】
いくつかの実装形態において、患者104のアラーム状態は、患者104について収集された1つ又は複数のバイタルサインを閾値と比較することにより識別することができる。例えば、患者104の心拍数は、閾値心拍数値と比較され得、患者104の心拍数が閾値未満に降下した場合、システム100の1つ又は複数のコンポーネントは、患者が心停止を経験していると自動的に判定することができる。次いで、システム100は、患者104の心停止アラーム状態を示すアラートを1人又は複数の介護者に送信し得る。例えば、アラートは、患者104の予め設定された近傍の範囲にいる1人又は複数の介護者、患者104が配置される病院病棟の監督看護師及び患者104の一般的な医療を担当する一般治療医師に送信することができる。アラートは、患者104が配置される医療施設において現在勤務中である心臓内科医に送信することもできる。
【0041】
いくつかの実装形態において、収集されたバイタルサインは、アラーム状態のタイプを判定するためだけでなく、アラーム状態の深刻度を識別するために閾値と比較することができる。例えば、患者のための好ましい範囲をわずかに上回る呼吸数を経験している患者は、ティア2レベルの呼吸アラーム状態を有するものとして識別され得る一方、好適な範囲から大幅に逸脱する呼吸レートを経験している患者は、ティア1レベルの呼吸アラーム状態(例えば、より高い緊急性レベル)を有するものとして識別することができる。先行する例に示されるように、アラーム状態は、異なるティアレベルに分割することができる。別の例として、胸部センサ102内に含まれる加速度計によって収集された情報は、患者104が転倒したことを示し得る。転倒の距離及び速度は、転倒の深刻度を識別し、転倒のアラーム状態のティアレベルを関連付けるために閾値と比較することができる。例えば、60.96センチメートル(2フィート)の高さからの低速の転倒は、ティア2の深刻度レベルを有し得る一方、152.4センチメートル(5フィート)の高さから高速の転倒には、ティア1の深刻度レベルを割り当てることができる。
【0042】
胸部センサ102、手首センサ106及び/又は患者によって着用された他のセンサとの通信に加えて、ベッドサイドモニタ108は、ネットワーク112を通して1つ又は複数のサービスブローカと通信することもできる。サービスブローカ113は、ベッドサイドモニタ108、他のベッドサイドモニタ、様々なセンサ及び他の演算端末を含む様々な監視装置によって提供される情報を収集することができる。
【0043】
サービスブローカ113は、システム100によって保存される情報のためのいわゆる「クラウド」ストレージを提供するために、同じ場所に配置された複数のサーバを含み得るか、又は別個の地理的場所に配置された複数のサーバを含み得る。サービスブローカ113には、様々な監視装置又はクライアント装置により、多くの異なる場所からネットワーク112を通してアクセスすることができる。例えば、サービスブローカ113は、ベッドサイドモニタ108、ベッドサイドモニタ108と同一の病院に配置される他のベッドサイドモニタ及び演算装置並びに他の物理的場所に配置される様々なベッドサイドモニタ及び他の演算装置(例えば、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、タブレット装置など)によってアクセスすることができる。
【0044】
システム100は、クライアント装置114を更に含む。例えば、クライアント装置114は、中央サーバステーション、モバイル装置又はラップトップであり得る。サービスブローカ113によって収集された情報には、クライアント装置114でアクセスすることができる。例えば、介護者116又は他の病院要員は、患者104、他の患者又は他の病院若しくは医療管理機能の情報にアクセスするためにクライアント装置114を使用することができる。ネットワーク112は、WiFiネットワークなどの病院内のローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)又はLAN及びWANネットワークの任意の組合せであり得る。ベッドサイドモニタ108は、WiFi又はセルラー通信プロトコルなどの無線プロトコルを使用することにより又は有線接続を通してネットワーク112に接続することができる。いくつかの実装形態において、クライアント装置114は、患者104及びベッドサイドモニタ108とは別個の施設に配置することができる。
【0045】
クライアント装置114は、介護者116が、離れた場所から患者104のバイタルサイン、活動及び他の情報を監視することを可能にし得る。加えて、クライアント装置114は、介護者116が医療施設内の複数の患者又はシステムのための情報を同時に観察することを可能にし得る。いくつかの実装形態において、患者によって着用されたセンサ(例えば、胸部センサ102及び手首センサ106)によって収集されたすべての情報並びにベッドサイドモニタ108を使用して入力されたすべての情報は、サービスブローカ113によって保存され、クライアント装置114を通してアクセス可能である。いくつかの実装形態において、介護者116は、クライアント装置114において、患者104に関連するアラーム又はアラートを受け取ることができ、アラーム状況に対処するために1人又は複数の介護者を派遣するための適切なアクションをとることができる。いくつかの実装形態において、システム100は、患者104のアラーム状態を自動的に認識することができ、状況に応答するために適切な介護者に警告することができる。例えば、ベッドサイドモニタ108は、患者が窒息していることを判定するために、胸部センサ102から受け取られた情報を分析することができる。ベッドサイドモニタ108は、それを緊急事態レベルのアラートとして認識することができ、この情報をサービスブローカ113に送信することができる。次いで、サービスブローカ113は、患者104の近傍の1人又は複数の介護者を識別することができ、患者104が窒息していると1人又は複数の介護者に警告することができる。
【0046】
アラートは、例えば、介護者が現在やり取りしているベッドサイドモニタ、サービスブローカ113と通信するコンピュータ端末、介護者によって携帯若しくは着用されるモバイル装置又は患者が配置される病院若しくは医療施設の全体を通して配置されたアラーム若しくはディスプレイを通して1人又は複数の介護者に送信することができる。また、サービスブローカ113は、介護者116に通知するための患者104に関するアラート情報を、クライアント装置114だけでなく、介護者110又は場合によりベッドサイドモニタ108の近傍の1人若しくは複数の他の介護者に警告するために(患者104によって着用された胸部センサ102に関連する)ベッドサイドモニタ108に送信することができる。患者104のアラーム状態のこの自動化された認識及び患者104の近傍の介護者へのアラームの送付は、緊急事態に応答し、それを解決するための所要時間を低減し、それにより患者104に対する悪影響を低減することができる。
【0047】
いくつかの実装形態において、(胸部センサ102、手首センサ106及び/又は患者によって着用された他のセンサなどの)患者によって着用された様々なセンサによって収集される情報に加えて、ベッドサイドモニタ108は、患者104に関係する情報を収集するための機能を含むことができる。例えば、ベッドサイドモニタ108は、患者104の運動、姿勢及び他の態様を監視するための1つ又は複数のカメラを含み得る。カメラは、ベッドサイドモニタ108に組み込まれ得るか、周辺装置としてベッドサイドモニタ108に装着され得るか、又はベッドサイドモニタと有線若しくは無線通信する別個の装置であり得る。ベッドサイドモニタ108のカメラは、患者104がベッド内に配置される間、患者104に対向し、患者104の運動を監視するように位置決めすることができる。この情報は、患者のアラーム状態を認識するために使用することができる。例えば、ベッドサイドモニタ108(又はサービスブローカ113などのシステム100の別の演算装置)は、患者104がベッドから転落したかどうかを識別するために、カメラによってキャプチャされたビデオ画像を分析することができる。別の例として、カメラは、患者104がベッド内にいることが予想される時点で患者がベッド内にいないことを識別するために使用することができる。ベッドサイドモニタ108が、患者が閾値期間よりも長い間にわたってベッドから出ていると検出した場合、ベッドサイドモニタ108は、それをアラーム状態として認識することができ、この状況について介護者に警告することができる。
【0048】
更に別の例として、ベッドサイドモニタ108のカメラは、患者104が目覚めていることを判定することができる。患者104の保存される情報は、患者が、現在、薬剤によって誘発された睡眠下にあるはずであることを示し得る。ベッドサイドモニタ108は、患者104が睡眠中であるはずの期間に患者が目覚めていることをアラーム状態として認識することができる。更に別の例として、カメラは、昏睡状態の患者が目覚めており且つ運動していることを認識するために使用することができる。ベッドサイドモニタ108は、それをアラーム状態として認識することができ、現在目覚めている患者をチェックするように介護者に警告することができる。
【0049】
ベッドサイドモニタ108は、ベッドサイドモニタ108の向きを判定するために1つ又は複数の加速度計を更に含むことができる。この向き情報は、ベッドサイドモニタ108のカメラによってキャプチャされた様々な画像の向きを判定するために更に使用することができる。例えば、ベッドサイドモニタ108は、ベッドサイドモニタ108が患者104との関係で位置決めされる方式に応じて、様々な異なる角度で位置決めされ得る。例えば、ベッドサイドモニタ108は、支持ポストに接続され得るか、患者104のベッドのレールに付着され得るか、壁に付着され得るか、又はテーブル若しくはベッドサイドスタンド上に配置され得る。加えて、ベッドサイドモニタ108は、ベッドサイドモニタ108を支持する表面と必ずしも完全に同一平面上に位置しなくてよい。ベッドサイドモニタ108の向きは、ベッドサイドモニタ108が支持される方式に応じて異なり得る。加速度計は、ベッドサイドモニタ108の向きを判定し、それによりベッドサイドモニタ108のカメラによってキャプチャされた画像の向きを判定するために使用することができる。
【0050】
いくつかの実装形態において、胸部センサ102は、胸部センサ102の運動及び胸部センサ102の向きを判定し得る1つ又は複数の加速度計も含む。
ベッドサイドモニタ108に組み込まれた又はそれと通信する1つ又は複数のセンサ又は装置によって収集され得る他の情報は、環境の温度、環境の湿度、ノイズレベル、光レベル、一酸化炭素の検出又は煙の検出を含み得る。例えば、ベッドサイドモニタ108は、患者104の近傍の環境温度が許容可能なレベル未満に降下したことを識別することができ、温度の変化について介護者又は保守要員に警告することができる。別の例として、ベッドサイドモニタ108は、環境湿度が閾値未満に降下したことを検出することができる。
【0051】
いくつかの実装形態において、患者104に関連する介護者は、異なる介護者カテゴリに分類することができる。例えば、第1ティア介護者は、患者104の直接的な又は日々の医療を担当する介護者として識別され得る一方、第2ティア介護者は、患者104の回復又は治療のより一般化された監督を担当する介護者として識別することができる。例えば、患者104が配置される病棟の主治医は、患者104のための第1ティア介護者として識別され得る一方、患者との面接を担当し、1回/週で発話スキルについて作業する言語療法士は、患者104のための第2ティア(又はいくつかの場合、場合により第3ティア)介護者として分類することができるであろう。別の例として、患者が自宅にいる際、患者104の医療を担当する患者104の直近家族は、患者104のための第3ティア介護者として識別することができる。同一の介護者は、異なる患者のための異なる介護者分類レベルを有することができる。例えば、理学療法士は、理学療法士が長期間にわたって数回/日で面会する患者のための第1ティア介護者であり得る一方、理学療法士は、理学療法士と1回/週のみ面接する患者の場合、第2ティア介護者であり得る。
【0052】
いくつかの実装形態において、(バイタルサイン情報に基づいて識別されたアラーム状態又は別の患者イベントなどの)患者イベントが患者104について発生した際、異なるアラートを異なる介護者に送信することができる。いくつかの実装形態において、介護者のための介護者分類に基づいて異なるアラートを介護者に送信することができる。例えば、患者104の特定のアラーム状態に関する詳細と、アラーム状態に応答する方式に関する指示とを含む詳細なアラートは、患者が配置される病棟における勤務中の主治医(第1ティア介護者)に送信され得る一方、アラーム状態及びアラーム状態が発生した時刻のみを示すより概略的なアラートは、患者104の一般的治療のかかりつけ医(患者104のための第2ティア介護者)に送信することができる。別の例として、システム100のコンポーネントは、胸部センサ102によって収集されたバイタルサイン情報に基づいて、患者104が窒息していると判定することができる。システム100は、患者が窒息していることを示し、且つ患者104の気道を確保するように看護師に指示する緊急アラートを、患者104の近傍にいる看護師に送信することができる。患者が窒息を経験している状況を示し、且つ場合により窒息状況が対処され、患者104がもはや危険な状態にないことを示す異なるアラートを、患者104の識別された緊急事態連絡先(例えば、親、配偶者、兄弟など)に送信することができる。
【0053】
いくつかの実装形態において、アラートは、患者が予想されていない場所にいるか、又は患者が規定された期間を超えて特定の場所にいるという検出に応答して生成することができる。例えば、患者は、手術後、回復室に配置することができる。患者は、特定の時間フレーム(例えば、8時間未満)内で病院の一般病棟内の部屋に移動されるようにスケジューリングすることができる。システム100の1つ又は複数の演算装置は、患者が8時間を超えて回復室内に配置されると識別することができ、患者が依然として回復室内に配置されることを示すアラートを1人又は複数の介護者に提供するために生成することができる。別の例として、システム100の1つ又は複数の演算装置は、患者が特定の時間ウィンドウ内で病院から退院するものと見なされるものと判定し得る。患者が、規定された時間ウィンドウが経過した後、病院内に依然としていると識別された場合、システム100は、アラートを生成することができ、患者が退院するものと見なされることを示すアラートを1人又は複数の介護者に提供することができる。更に別の例として、患者が規定された期間(例えば、1分)を超えて階段の吹き抜け内で不動状態にあるものとして識別された場合、アラートを生成して1人又は複数の介護者に提供することができる。
【0054】
いくつかの実装形態において、患者に関連するアラーム状態以外の状況に関するアラートを介護者又はシステム100の他のユーザに送信することもできる。例えば、ベッドサイドモニタ108が胸部センサ102との通信を喪失していることを示すアラートを介護者110に送信することができる。別の例として、胸部センサ102の電池が低残量であることを示すアラームを介護者110に送信することができる。更に別の例として、胸部センサ102が患者104の1つ又は複数のバイタルサインの判定のために必要とされる情報を適切に収集していないことを示すアラートを介護者110に送信することができる。この例において、介護者110は、患者104の皮膚に適切に接触するように胸部センサ102の接点を調節するか、又は適切に機能する胸部センサによって胸部センサ102を交換することにより問題に対処することができる。
【0055】
システム100のいくつかの実装形態において、胸部センサ102、手首センサ106及び/又は患者によって着用された他のセンサは、(例えば、WiFi又は他の無線プロトコルを使用することにより)バイタルサイン及び他の情報をサービスブローカ113に転送するためにネットワーク112に直接接続することにより、ベッドサイドモニタ108の要求を未然に防ぐことができる。この結果、ネットワークを通してサービスブローカ113に転送された情報には、ネットワーク112に接続されたクライアント装置114及び他の端末でアクセスすることができる。いくつかの実装形態において、ベッドサイドモニタ108は、胸部センサ102及び/又は患者によって着用された他のセンサから直接情報を受け取るのではなく、サービスブローカ113から情報を受け取り、サービスブローカ113によって制御されたグラフィカルユーザインターフェイスを表示するダミー端末として機能する。
【0056】
いくつかの実装形態において、(バイタルサイン、アラーム状態、治療情報、略歴情報などのような)患者104の情報には、サービスブローカ113及び/又はベッドサイドモニタ108と通信する他の装置を使用することによりアクセスすることができる。例えば、患者情報は、介護者110又は患者104に関連する別の介護者によって所有される(スマートフォン、タブレット又はラップトップなどの)モバイル装置に送信することができる。別の例として、介護者110は、(例えば、ベッドサイドモニタ108又は別の演算装置を使用することにより)サービスブローカ113にアクセスして、介護者110が患者104のための更新を受け取ることを所望していることを示し得る。この結果、(例えば、介護者110の介護者プロファイルを患者104の患者プロファイルにリンクすることにより)介護者110を患者104に関連付けることができる。(アラーム状態又は治療計画の大幅な変更などの)患者104に関する重要な情報がサービスブローカ113によって受け取られた際、サービスブローカ113は、この情報を介護者110の携帯電話機など、介護者110に関連する装置に自動的に送信することができる。
【0057】
いくつかの実装形態において、患者104に関連する介護者は、サービスブローカ113と通信し、患者104の情報にアクセスするために演算装置を使用することができる。例えば、介護者は、介護者が情報にアクセスするために適切な許可を有する場合、患者104の情報にアクセスすることができる。介護者は、アクセスコードを入力するか、又は患者104の患者プロファイルと予め関連付けられた介護者のプロファイルにアクセスすることにより、情報にアクセスするための許可を示すことができる。いくつかの実装形態において、患者104に関連する情報は、いくつかの異なるベッドサイドモニタ又はクライアント装置からアクセスすることができる。このような情報アクセス方式は、介護者及びシステム100の他のユーザが複数の患者の情報にアクセスすることを可能にし得る。例えば、医師は、いくつかの患者の状態を監視することを担当し得る。医師は、サービスブローカ113にアクセスし、複数の患者のそれぞれについてバイタルサイン情報、アラート情報及び他の情報を観察するためにPCを使用することができる。複数の患者の情報は、最も関連があるとはシステム100によって識別されないそれぞれの患者の追加情報に医師がアクセスする能力も提供しつつ、医師が最も適切な患者情報に容易にアクセスし、それを検討することを可能にするニュースフィードとして構成することができる。
【0058】
加えて、介護者110は、システム100に入力されたが、但し胸部センサ102又は患者によって着用された他のセンサによって提供されない、患者104に関連する情報にアクセスするためにベッドサイドモニタ108を使用することもできる。例えば、介護者110は、患者104の現在の場所ではない場所で発生した治療又は手順に関する患者104に関連する情報にアクセスするためにベッドサイドモニタ108を使用することができる。一例において、介護者110は、患者104の現在の状態を評価するために、患者104と救急処理室スタッフとの間のやり取りに関する、サービスブローカ113に保存される情報にアクセスし、それを検討するためにベッドサイドモニタ108を使用することができる。別の例として、介護者110は、患者104の規定された手術後の手順期間中に観察するために、患者104の特定のバイタルサイン又は他の振る舞いに関する、患者104のための異なるベッドサイドモニタで麻酔科医によって残された注記を検討することができる。
【0059】
いくつかの実装形態において、サービスブローカ113は、患者104の追加情報にアクセスするためにシステム100の外側の演算システムとインターフェイスすることができる。例えば、サービスブローカ113は、システム100に関連する医療施設に関連しても又はしなくてもよい患者104の過去の治療、手順、医療計画、診断又は他の医療に関係する情報に関する患者の医療情報を含む患者104の電子医療記録(EMR:electronic medical record)、電子健康記録(EHR:electronic health record)又は写真アーカイブ及び通信システム(PACS:picture archiving and communication system)情報にアクセスすることができる。
【0060】
上述のように、システム100の様々なコンポーネントは、介護者(介護者110,116を含む)が患者の医療をより効率的に調整し、患者をよりシームレスに1つの場所から別の場所に、1つの環境から別の環境に、又は介護者の1つの組から別の組に移動させることを可能にし得る。例えば、介護者は、患者のバイタルサイン及び他の情報と共に保存され得る患者医療に関する注記を行うためにシステム100を使用することができる。例えば、介護者110は、患者104の食事の習慣に関する注記を行うことができる。別の例として、介護者116は、例えば、ベッドサイドモニタ108及び他のソースから受け取られ、サービスブローカ113に保存される、情報の検討及び評価に基づく患者104のための注記を入力するためにクライアント装置114を使用することができる。次いで、注記は、他の介護者が患者104の治療計画の1つ又は複数の態様を調節することを可能にするために、(例えば、クライアント装置114、ベッドサイドモニタ108、別のベッドサイドモニタ、モバイル装置又はネットワーク112と通信する別の演算装置を使用することにより)介護者が患者104に関する情報にアクセスした際に他の介護者によって観察され得る。いくつかの実装形態において、注記又はメッセージは、1人又は複数の他の介護者の注意を喚起することができる。例えば、介護者110は、患者104が薬剤を摂取した後に特定の反応を示したという注記を行い、注記を患者の医療を担当する薬剤師の注意を喚起するように設定することができる。薬剤師は、新しい注記が自身の注意を喚起するように設定されるというアラートを(例えば、薬剤師の携帯電話機を介して)受け取り、注記を検討することができ、患者104の投薬スケジュールに対する変更の実施が必要とされるかどうかを最良に判定するために、患者104に関連する他の情報を検討することができる。
【0061】
いくつかの実装形態において、サービスブローカ113は、患者の医療に直接関係する情報以外の情報を含むことができる。例えば、サービスブローカ113は、(例えば、医療用品、医療装置、薬剤又は電球及び電池などの日常品のための)医療施設の保守及び在庫に関係する情報を保存することができる。この情報は、ネットワーク112と通信する、システム100内に含まれる演算装置からアクセスすることができる。システムは、保守のスケジューリング、保守の進捗の追跡、用品が枯渇するのに伴う新しい在庫の発注、供給者の追跡、販売業者及びサービスプロバイダ情報並びに保守及び在庫予算の追跡を含む、保守及び在庫を追跡するための機能を更に含むことができる。サービスブローカ113は、患者の保険情報、患者の支払情報又は患者の医療の周辺の関係する他の患者情報を保存することもできる。サービスブローカ113又はシステム100の他のコンポーネントによって提供され得る更なる機能は、従業員の給与及びスタッフのスケジューリングを含む。
【0062】
システム100のいくつかの実装形態において、複数の患者によって着用されたセンサは、複数の個々の患者に関連付けられ、患者によって着用されたセンサのそれぞれは、(例えば、ブルートゥース(Bluetooth)又は別の無線通信プロトコルを使用することにより)1つ又は複数のベッドサイドモニタ又は仲介装置と同期化されるように構成される。いくつかの実装形態において、患者によって着用されたセンサは、有線接続を使用することにより、ベッドサイドモニタ又は他の装置と通信することができる。いくつかの実装形態において、患者によって着用されたセンサのいくつか又はすべては、(例えば、WiFi又は別の無線通信プロトコルを使用することにより)ネットワーク112と直接通信するように構成される。複数の患者によって着用されたセンサによって収集される情報は、ネットワークを通してサービスブローカ113に送付し、保存することができる。この結果、情報は、システム100のコンポーネントによってアクセスすることができる。例えば、介護者116は、複数の患者によって着用されたセンサに関連する患者の状態を監視するために、クライアント装置114で複数の患者によって着用されたセンサによって収集された情報にアクセスすることができる。
【0063】
いくつかの実装形態において、システム100内に含まれる複数のベッドサイドモニタは、ネットワークの冗長性を生成するために互いに直接通信することができる。例えば、ネットワーク112は、所定の期間にわたってダウンし得るか、又はベッドサイドモニタ108及びシステムの他のベッドサイドモニタは、所定の期間にわたってネットワーク112と通信できないことがあり得る。ベッドサイドモニタ108は、例えば、LANを通してサービスブローカ113及びシステム100の他の演算装置と通信することができる。LANは、所定の期間にわたって故障を経験する場合があり、利用不能状態となる場合がある。システム100のベッドサイドモニタは、故障を検出することができ、それぞれのベッドサイドモニタは、ベッドサイドモニタ及びシステム100の他の演算装置間で患者情報及び他の情報を伝達するために、アドホックバックアップ(ad hoc backup)ネットワークを形成するように1つ又は複数の他のベッドサイドモニタ(又はシステム100の他の演算装置)と直接的な通信を確立することができる。例えば、ベッドサイドモニタのそれぞれは、範囲内の他のベッドサイドモニタと通信するために無線通信能力(例えば、ブルートゥース(Bluetooth)又はWiFi通信能力)を使用することができる。
【0064】
多くの使用の場合、ベッドサイドモニタは、病院又は他の医療環境の全体を通してある程度規則的に位置決めされることになる。例えば、一般的に、それぞれの患者の部屋内に配置される1つ又は複数のベッドサイドモニタのみならず、ナースステーション及び病院の全体にわたる他のエリアに位置決めされた無線通信能力を有するシステム100の演算装置が存在することになるであろう。ベッドサイドモニタの空間的な配置は、ベッドサイドモニタが、標準的な近距離無線通信プロトコルによって正常にカバーされ得るものよりも相互に更に物理的に離れている装置間で情報が送信されることを可能にするために、一連のベッドサイドモニタ(及び他の演算装置)を通して情報を中継することを可能にし得る。
【0065】
使用時、(胸部センサ102及び手首センサ106などの)患者によって着用された1つ又は複数のセンサは、医療施設への患者104の進入時又は医療施設への患者104の進入の直後に患者104に関連付けることができる。いくつかの実装形態において、患者104が緊急事態状況(例えば、心停止、深刻な自動車事故など)で医療施設に進入した場合、患者によって着用されたセンサは、緊急事態状況に対処され且つ患者104が安定化した後に患者104に対して発行することができる。いくつかの実装形態において、患者104は、一意の患者識別子(「ID」)に関連付けることができる。患者IDは、患者104の名前、患者104に割り当てられた一意の番号、一意の番号の組合せ、文字及び他の記号又は患者104に関連する任意の他の一意の識別子と同程度に単純なものであり得る。患者104が医療施設、システム100又は関係するシステムと予めやり取りする場合、介護者110は、例えば、ベッドサイドモニタ108で患者104の名前を入力することにより、患者104の一意の識別子を調べることができる。この結果、介護者110は、患者104の患者情報にアクセスすることができる。患者情報は、名前、年齢、体重、身長、住所、連絡先情報、家族、緊急事態連絡先などのみならず、患者104の過去の(又は現在若しくは将来の)医療ベント、治療、手順、医療計画などに関する医療情報のような略歴情報を含むことができる。いくつかの実装形態において、介護者110は、(例えば、患者104の患者IDを使用することにより)患者104の患者プロファイルにアクセスすることができる。患者プロファイルは、患者104の、以上で列挙された情報の任意のものを含み得る。患者プロファイルは、患者104に対して手術を実施した医師、患者に対して将来手術を実行するようにスケジューリングされる医師、患者104の一次医療を担当する1人又は複数の介護者、患者104の初期緊急事態医療を取り扱った救急処置室の医師又は関係者及び患者104に関連する他の介護者など、患者104に関連する介護者を示すこともできる。
【0066】
患者104がシステム100又は関係するシステムと予めやり取りしていない場合、新しい一意のIDをシステム100の1つ又は複数のコンポーネント(例えば、ベッドサイドモニタ108又はサービスブローカ11)によって患者104に割り当てることができる。次いで、(例えば、ベッドサイドモニタ108又はクライアント装置114を使用することにより)患者104の略歴、医療及び他の情報を入力し、サービスブローカ113に保存することができる。
【0067】
(胸部センサ102及び手首センサ106などの)患者によって着用されたモニタが最初に患者104に提供された際、患者によって着用されたセンサを患者104の一意のIDに関連付けることにより、患者によって着用されたセンサを患者104に関連付けることができる。例えば、胸部センサ102は、ベッドサイドモニタ108と同期化させることができる。次いで、介護者110は、胸部センサ102を患者104に関連付けるためにベッドサイドモニタ108を使用することができる。胸部センサ102が患者104に関連付けられた後、胸部センサ102は、他のベッドサイドモニタ又は他のモニタステーションなど、システム100の他のコンポーネントに対して患者104を識別することができる。
【0068】
ベッドサイドモニタ108は、例えば、ベッドサイドモニタ108の規定された距離内の装置について調査し、(胸部センサ102、手首センサ106、他の近傍の患者によって着用された1つ又は複数の他の患者着用センサなどの)近傍の装置のリストを表示し、介護者110が表示された装置のリストから胸部センサ102を選択することを可能にすることにより、胸部センサ102と同期化させることができる。同期化された後、介護者110は、胸部センサ102を患者104の一意の患者IDに関連付けることができる。別の例として、介護者110は、ベッドサイドモニタ108で胸部センサ102の一意のセンサIDを入力することにより、ベッドサイドモニタ108を胸部センサ102と同期化させることができる。一意のセンサIDは、例えば、胸部センサ102の表面上に印刷することができる。いくつかの実装形態において、ベッドサイドモニタ108は、ベッドサイドモニタ108と通信する特別なスキャニング装置を使用することにより、胸部センサ102と同期化される。介護者110は、(例えば、信号が胸部センサ102のコンポーネントによって送信されたことを検出するか、RFIDタグをスキャニングするか、又は胸部センサ102上に印刷されたバーコードを読み取ることにより)胸部センサ102をスキャニングするためにスキャニング装置を使用することができる。ベッドサイドモニタ108は、胸部センサ102を識別し、胸部センサ102と同期化させるためにスキャニング装置からの情報を使用することができる。いくつかの実装形態において、ベッドサイドモニタ108は、ベッドサイドモニタ108の構造に内蔵されたスキャニング装置を含むことができる。例えば、ベッドサイドモニタは、胸部センサ102をスキャニングするために使用され得る1つ又は複数の組込み型のカメラを有するタブレット装置であり得る。
【0069】
いくつかの実装形態において、ベッドサイドモニタ108は、患者によって着用されたセンサ又は他の装置がベッドサイドモニタ108の通信範囲内にある際には常に、ベッドサイドモニタ108が予め同期化される患者によって着用されたセンサ又は他の装置を自動的に同期化させることができる。例えば、胸部センサ102は、上述の技法又は別の技法の1つを使用することにより、ベッドサイドモニタ108と同期化させることができる。この結果、患者104は、例えば、昼食をとるために病院のカフェテリアに移動するか、又は医療施設の理学療法エリアに移動することにより、ベッドサイドモニタ108の通信範囲から離脱し得る。次いで、患者104は、ベッドサイドモニタ108の通信範囲に戻り得る。ベッドサイドモニタ108は、胸部センサ102がベッドサイドモニタ108の通信範囲に再進入したこと及びベッドサイドモニタ108と胸部センサ102とが予め同期化されていたことを自動的に検出することができ、その結果、胸部センサ102と同期化され得る。いくつかの実装形態において、ベッドサイドモニタ108は、ベッドサイドモニタ108と通信する能力を有する、規定された通信範囲内のすべての患者によって着用されたセンサと自動的に同期化する。例えば、ベッドサイドモニタ108は、同一の部屋内に配置される複数の患者のための、患者によって着用されたセンサと同期化することができ、センサのそれぞれから受け取られた情報を表示することができる。
【0070】
いくつかの実装形態において、患者によって着用されたセンサは、(ベッドサイドモニタなどの)規定された通信距離内の任意のモニタと同期化することができる。いくつかの実装形態において、患者によって着用されたセンサは、(例えば、通信信号の強度により)いくつかのモニタのうち、最も近接したモニタを識別することができ、識別された最も近接したモニタと自動的に同期化することができる。いくつかの実装形態において、患者によって着用されたセンサは、複数のモニタと同時に同期化する能力を有する。いくつかの実装形態において、患者によって着用されたセンサの活動の同期化は、患者の運動を追跡するために使用することができる。例えば、それぞれのモニタは、特定の物理的場所に関連付けることができる。この例では、ベッドサイドモニタ108は、医療施設の部屋309に関連付けられ得るであろう。いくつかの実装形態において、モニタが移動した際、それらは、新しい物理的場所に関連付けられた状態となる。この例を継続すれば、患者104は、ベッドサイドモニタ108が配置される部屋(即ち部屋309)から離脱し得る。
【0071】
図2は、患者から又は患者に関連して得られた波形及び/又は他のリアルタイム情報を監視するための例示的なシステム200を示す図である。システム200は、1つ又は複数のコンピュータ上に実装される。いくつかの実装形態において、システム200は、図1のシステム100であり得るか、又はそのコンポーネントを含み得る。システム200は、クライアント装置210、サービスブローカ230及び1つ又は複数の監視装置250を含む。いくつかの実装形態において、クライアント装置210は、図1のクライアント装置114であり得、サービスブローカ230は、図1のサービスブローカ113であり得、監視装置250は、図1の監視装置102,106,107,108であり得る。サービスブローカ230は、ウェブサーバ232と、ウェブアプリケーションサーバ234と、ウェブソケットハンドラ236と、データベース238とを含む。
【0072】
クライアント装置210は、ウェブページの要求をサービスブローカ230に提供する。いくつかの実装形態において、要求は、特定の患者の患者情報を含む。例えば、患者情報は、患者の名前、誕生日、社会保障番号及び物理的住所など、特定の患者を識別するための情報を含むことができる。いくつかの実装形態において、要求は、患者の患者識別子(例えば、一意のID番号)を含むことができる。いくつかの実装形態において、要求は、複数の患者の患者情報を含むことができる。
【0073】
サービスブローカ230は、クライアント装置210からウェブページの要求を受け取る。具体的には、サービスブローカ230のウェブサーバ232は、クライアント装置210からウェブページの要求を受け取る。いくつかの実装形態において、サービスブローカ230は、HTTP接続を通して要求を受け取ることができる。但し、クライアント装置210とサービスブローカ230との間の接続のタイプは、HTTP接続に限定されない。様々な実装形態において、任意の適切なタイプの接続をクライアント装置210とサービスブローカ230との間で確立することができる。要求に応答して、サービスブローカ230は、要求内に含まれる患者情報に基づいてウェブページを決定し、ウェブページを、HTTP接続を通してクライアント装置に提供する。ウェブページの決定及びウェブページの提供のプロセスについて、図3を参照して更に詳細に後述する。
【0074】
サービスブローカ230は、リアルタイム医療データを処理するか又は取り扱うオンデマンドサービスブローカであり得る。いくつかの実装形態において、サービスブローカ230は、患者を監視する監視装置250からリアルタイム医療データを取得し、患者からリアルタイム医療データを取得する。サービスブローカ230は、クライアント装置210が、監視装置250から得られた未加工の波形データに基づいてサービスブローカ230によって生成されたリアルタイム医療データにアクセスすることを可能にする。いくつかの実装形態において、サービスブローカ230は、サービスブローカ230とクライアント装置210との間でHTTP接続を確立するためのHTTPサーバとして構成された1つ又は複数のコンピュータとして実装することができる。いくつかの実装形態において、サービスブローカ230は、クラウド演算プラットフォーム上に実装することができる。クラウド演算プラットフォームは、例えば、クライアント装置210などのクライアント装置のためのエンドポイントを提供する。また、クラウド演算プラットフォームは、例えば、データベース238などのリアルタイム医療データのデータベースを維持及び保存する。クライアント装置210などのクライアント装置は、クラウド演算プラットフォームを使用することにより、サービスブローカ230にアクセスすることができる。
【0075】
ウェブページの要求に応答して、ウェブサーバ232は、要求をウェブアプリケーションサーバ236に割り当てる。ウェブアプリケーションサーバ236は、特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定する。いくつかの実装形態において、ウェブページは、要求内に含まれる患者情報に対応する特定の患者を識別するデータを提示するためのインターフェイスを含む。いくつかの実装形態において、インターフェイスは、コマンドラインインターフェイス(CLI:command line interface)、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI:graphical user interface)又はこれらの2つの様々な組合せであり得る。ウェブアプリケーションサーバ236は、クライアント装置210に対するインターフェイスを含むウェブページを提供する。ウェブページ内に含まれるインターフェイスについて、図6A及び図6Bを参照して更に詳細に説明する。いくつかの実装形態において、ウェブページは、HTTP接続を通してサービスブローカ230からクライアント装置210に提供することができる。但し、クライアント装置210とサービスブローカ230との間の接続のタイプは、HTTP接続に限定されない。様々な実装形態において、任意の適切なタイプの接続をクライアント装置210とサービスブローカ230との間で使用することができる。
【0076】
サービスブローカ230からウェブページを受け取った際、ウェブソケット接続がクライアント装置210とサービスブローカ230との間で確立される。いくつかの実装形態において、要求されたウェブページがクライアント装置210のウェブブラウザによって読み込まれた際、ウェブページは、クライアント装置210とサービスブローカ230との間でウェブソケット接続を起動する。この例において、ウェブページは、コマンドがクライアント装置210とサービスブローカ230との間でウェブソケット接続を起動し得るように、例えばジャバスクリプト(JavaScript(登録商標))においてプログラミングされたコマンドなどの特定のコマンドを含むことができる。
【0077】
具体的には、クライアント装置210とサービスブローカ230との間でウェブソケット接続を確立するために、クライアント装置210は、ウェブソケット要求をサービスブローカ230に提供する。例えば、ウェブソケット接続要求は、クライアント装置上におけるウェブページの読込みに応答して起動することができる。この例において、サービスブローカ230のウェブソケットハンドラ236は、ウェブソケット接続要求を受け取る。ウェブソケット接続要求の受取りに応答して、サービスブローカ230のウェブソケットハンドラ236は、サービスブローカ230とクライアント装置210との間でウェブソケット接続を確立するためにウェブソケット接続応答をクライアント装置に提供する。クライアント装置210がウェブソケット接続応答を受け取った際、ウェブソケット接続がクライアント装置210とサービスブローカ230との間で確立される。
【0078】
ウェブソケット接続が確立されると、クライアント装置210は、クライアント装置210とサービスブローカ230との間で確立されたウェブソケット接続を通してリアルタイム医療データの要求をサービスブローカ230に提供する。いくつかの実装形態において、クライアント装置210は、上述の患者情報内で識別される特定の患者のリアルタイム医療データを要求することができる。いくつかの実装形態において、リアルタイム医療データの要求は、リアルタイム医療データの1つ又は複数の属性を規定する医療データプロトコルを識別することができる。
【0079】
いくつかの実装形態において、属性は、識別、サンプリングレート、プロット時間又はバッファ情報の少なくとも1つを含む。例えば、識別は、特定の患者のリアルタイム医療データの識別を表すことができる。サンプリングレートは、監視装置250から得られた未加工波形データをサンプリングするサンプリングレートを表すことができる。プロット時間は、未加工の波形データをバッファに書き込むための期間を表すことができる。バッファ情報は、未加工波形データによって充填されるために使用されることになるバッファを表すことができる。
【0080】
リアルタイム医療データの要求に応答して、サービスブローカ230は、リアルタイム医療データサンプルの組を取得する。いくつかの実装形態において、リアルタイム医療データサンプルの組は、要求されたリアルタイム医療データの属性のそれぞれの値を含む。例えば、クライアント装置210が、特定の患者に関連するリアルタイム医療データの要求を提供した場合、サービスブローカ230のウェブソケットハンドラ238は、データベース238を含む1つ又は複数のデータベースからリアルタイム医療データサンプルの組を取得する。この例において、リアルタイム医療データサンプルの組は、要求されたリアルタイム医療データの属性のそれぞれの値を含むことができる。即ち、リアルタイム医療データサンプルの組は、識別、サンプリングレート、プロット時間、要求されたリアルタイム医療データのバッファ情報の値を含むことができる。いくつかの実装形態において、サービスブローカ230は、1つ又は複数の監視装置からリアルタイム医療データサンプルの組を直接取得する。例えば、図1を参照すると、サービスブローカ230は、胸部センサ104、手首センサ106及び指センサ107など、患者によって着用されたセンサからリアルタイム医療データサンプルの組を取得することができる。
【0081】
取得されたリアルタイム医療データサンプルの組に基づいて、サービスブローカ230は、特定の患者のリアルタイム医療データを生成する。例えば、要求されたリアルタイム医療データの属性のそれぞれの値に基づいて、サービスブローカ230は、特定の患者のリアルタイム医療データを生成する。具体的には、属性が識別、サンプリングレート、プロット時間及びバッファ情報を含む場合、サービスブローカ230は、識別の値に基づいて、1つ又は複数の監視装置から得られた未加工波形データから特定の波形を決定することができる。バッファ情報に基づいて、サービスブローカ230は、未加工波形データによって充填されるために使用されるバッファを決定することができる。サンプリングレートに基づいて、サービスブローカ230は、特定の波形のサンプリングレートを決定することができる。プロット時間に基づいて、サービスブローカは、サービスブローカ230が特定のバッファ内に特定の波形を書き込む期間を決定することができる。
【0082】
サービスブローカ230がプロット時間のためのサンプリングレートに基づいてバッファ内に特定の波形を書き込んだら、サービスブローカ230は、バッファ内に書き込まれる波形データに基づいてリアルタイム医療データを生成する。サービスブローカ230は、ウェブソケット接続を通して生成されたリアルタイム医療データをクライアント装置210に提供する。いくつかの実装形態において、サービスブローカ230は、生成されたリアルタイム医療データをデータベース238内に保存する。
【0083】
クライアント装置210は、サービスブローカ230からリアルタイム医療データを受け取り、リアルタイム医療データをクライアント装置210のユーザに提供する。例えば、クライアント装置210は、例えば、インターフェイスを通して介護者又は他の病院要員などのユーザにリアルタイム医療データを提供することができる。インターフェイスは、CLI、GUI又はこれらの2つの様々な組合せであり得る。インターフェイスの例について、図7A及び図7Bを参照して更に詳述する。
【0084】
図3は、リアルタイム医療データをクライアント装置に提供する例示的な動作を示すシーケンス図である。いくつかの実装形態において、図3のクライアント装置310、ウェブサーバ332、ウェブアプリケーションサーバ334、ウェブソケットハンドラ336及びデータベース338は、それぞれ図2のクライアント装置210、ウェブサーバ232、ウェブアプリケーションサーバ234、ウェブソケットハンドラ236及びデータベース238であり得る。図3において、システム300は、クライアント装置310及びサービスブローカ330を含み、サービスブローカ330は、ウェブサーバ332、ウェブアプリケーションサーバ334並びにウェブソケットハンドラ336及びデータベース338を含む。
【0085】
クライアント装置310は、ウェブページの要求をサービスブローカ330のウェブサーバ332に提供する(ステップ312)。いくつかの実装形態において、要求は、特定の患者の患者情報を含む。例えば、患者情報は、患者の名前、誕生日、社会保障番号及び物理的住所などの特定の患者を識別するための情報を含むことができる。いくつかの実装形態において、患者情報は、患者ID番号又は患者IDコードなどの患者の一意の識別子を含むことができる。いくつかの実装形態において、要求は、複数の患者の患者情報を含むことができる。いくつかの実装形態において、要求は、HTTP接続を通して提供することができる。
【0086】
ウェブサーバ332がクライアント装置310からウェブページの要求を受け取ると、ウェブサーバ332は、ウェブアプリケーションサーバ334に対して要求を割り当てる(ステップ314)。いくつかの実装形態において、ウェブサーバ332は、特定の患者に専用であるか又は関連する特定のウェブアプリケーションサーバに対して要求を割り当てる。例えば、それぞれのウェブアプリケーションサーバは、患者IDの特定の組に割り当てることができる。例えば、ウェブアプリケーションサーバ334が上述の特定の患者に専用であるか又はそれに関連する場合、サービスブローカ330は、要求をウェブアプリケーションサーバ334に割り当てることができる。
【0087】
ウェブアプリケーションサーバ334は、要求内に含まれる患者情報に基づいてウェブページを決定し、ウェブページを、HTTP接続を通してクライアント装置に提供する(ステップ316)。ウェブアプリケーションサーバ334は、特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定する。例えば、ウェブアプリケーションサーバ334は、患者の写真、患者の名前、患者の医療データ又は患者の個人情報の少なくとも1つを含むデータを識別するウェブページを決定する。いくつかの実装形態において、ウェブページは、データを提示するためのインターフェイスを含む。いくつかの実装形態において、インターフェイスは、CLI、GUI又はこれらの2つの様々な組合せであり得る。ウェブアプリケーションサーバ336は、インターフェイスを含むウェブページをクライアント装置310に提供する。いくつかの実装形態において、ウェブページは、HTTP接続を通してサービスブローカ330からクライアント装置310に提供することができる。
【0088】
サービスブローカ330からウェブページを受け取った際、クライアント装置310は、クライアント装置310とサービスブローカ330との間で接続を確立するためにウェブソケット接続要求をウェブソケットハンドラ336に提供する(ステップ342)。例えば、要求されたウェブページがクライアント装置310のウェブブラウザによって読み込まれる際、ウェブソケット接続がクライアント装置310とサービスブローカ330との間で確立される。この例において、ウェブページは、例えばジャバスクリプト(JavaScript)でプログラミングされたコマンドなどの特定のコマンドを含むことができ、これにより、クライアント装置310上のコマンドを含むウェブページを読み込むことに応答して、コマンドがウェブソケット接続要求をウェブソケットハンドラ330に提供するようにクライアント装置310を起動し得る。
【0089】
ウェブソケット接続要求の受取りに応答して、ウェブソケットハンドラ336は、ウェブソケット接続応答をクライアント装置310に提供する(ステップ344)。クライアント装置310がウェブソケット接続応答を受け取った際、ウェブソケット接続がクライアント装置310とサービスブローカ330との間で確立される。
【0090】
ウェブソケット接続が確立されると、クライアント装置310は、クライアント装置310とサービスブローカ330との間で確立されたウェブソケット接続を通してリアルタイム医療データの要求をサービスブローカ330に提供する(ステップ352)。いくつかの実装形態において、クライアント装置310は、特定の患者のリアルタイム医療データを要求することができる。ウェブソケットハンドラ336は、図2を参照して上述したように、リアルタイム医療データを生成する。ウェブソケットハンドラ336は、生成されたリアルタイム医療データをクライアント装置310に提供する(ステップ354)。
【0091】
ウェブソケットハンドラ336は、データベースにアクセスし、データベース338をオープンする(ステップ356)。ウェブソケットハンドラ336がリアルタイム医療データをクライアント装置310に提供することを開始した後、ウェブソケットハンドラ336は、リアルタイム医療データが、クライアント装置310とサービスブローカ330との間の更なる接続の確立を伴うことなしにクライアント装置310に提供され得るように、データベース338をオープンする。従って、クライアント装置310が後続のリアルタイム医療データの要求を提供する際(ステップ362)、サービスブローカ330は、クライアント装置310とサービスブローカ330との間の更なるウェブソケット接続を確立する必要がない。なぜなら、リアルタイム医療データは、ステップ342,344によって確立された既存のウェブソケット接続を通してクライアント装置310に提供され得るからである。この技術は、ネットワーク効率を改善する。なぜなら、これは、リアルタイム医療データをサービスブローカに要求する際に常にウェブソケット接続を確立する従来のシステムと比較してより少ないリソースのみを使用するからである。
【0092】
クライアント装置310からの後続の要求に応答して、ウェブソケットハンドラ336は、データベース338からリアルタイム医療データの属性の値を読み取る(ステップ364)。ウェブソケットハンドラ336は、データベース338から読み取られた属性の値に基づいてリアルタイム医療データを生成する。ウェブソケットハンドラ336は、生成されたリアルタイム医療データをクライアント装置310に提供する(ステップ366)。
【0093】
いくつかの実装形態において、1つ又は複数の監視装置は、監視対象の未加工波形データをサービスブローカ330に非同期的に転送する。これらの実装形態において、サービスブローカ330は、未加工波形データをデータベース338内に保存する。この結果、サービスブローカ330がクライアント装置から要求を受け取った際、サービスブローカ330は、リアルタイム医療データを生成するためにデータベース338から適切な波形データを読み取る。
【0094】
図4は、リアルタイム医療データをクライアント装置に提供する例示的な方法400を示すフローチャートである。便宜上、方法400について、1つ又は複数の場所に配置された1つ又は複数のコンピュータを含むシステムによって実行されるものとして説明する。本明細書に従って適切にプログラミングされた例えば図2のシステム200などのシステムが方法400を実行することができる。
【0095】
クライアント装置は、ウェブページの要求をシステムに提供する(ステップ402)。いくつかの実装形態において、要求は、特定の患者の患者情報を含む。例えば、患者情報は、患者の名前、誕生日、社会保障番号及び/又は物理的住所など、特定の患者を識別するための情報を含むことができる。別の例として、患者情報は、一意の患者識別子を含むことができる。いくつかの実装形態において、要求は、複数の患者の患者情報を含むことができる。いくつかの実装形態において、要求は、HTTP接続を通して提供することができる。
【0096】
システムがクライアント装置からウェブページの要求を受け取ると、システムは、要求内に含まれる患者情報に基づいて特定のウェブページを決定する(ステップ404)。例えば、システムは、患者の写真、患者の名前、患者の医療データ又は患者の個人情報の少なくとも1つを含むデータを識別するウェブページを決定する。いくつかの実装形態において、ウェブページは、データを提示するためのインターフェイスを含む。いくつかの実装形態において、インターフェイスは、CLI、GUI又はこれらの2つの様々な組合せであり得る。
【0097】
システムは、データをクライアント装置に提示するためのインターフェイスを含むウェブページを提供する(ステップ406)。いくつかの実装形態において、ウェブページは、HTTP接続を通してシステムからクライアント装置に提供することができる。
【0098】
システムからウェブページを受け取った際、システムは、システムとクライアント装置との間でウェブソケット接続を確立する(ステップ408)。例えば、要求されたウェブページがクライアント装置のウェブブラウザによって読み込まれた際、クライアント装置は、ウェブソケット接続要求をシステムに提供し、システムは、ウェブソケット接続がクライアント装置とシステムとの間で確立されるように、ウェブソケット接続応答をクライアント装置に提供する。この例において、ウェブページは、例えば、ジャバスクリプト(JavaScript)でプログラミングされたコマンドなどの特定のコマンドを含むことができる。コマンドは、クライアント装置上のコマンドを含むウェブページの読取りに応答して、ウェブソケット接続要求をシステムに提供するようにクライアント装置を起動することができる。
【0099】
ウェブソケット接続が確立されると、クライアント装置は、クライアント装置とシステム300との間で確立されたウェブソケット接続を通してリアルタイム医療データの要求をシステムに提供する(ステップ410)。いくつかの実装形態において、クライアント装置は、上述の患者情報内で識別される特定の患者のリアルタイム医療データを要求することができる。リアルタイム医療データの要求は、(ECGを介した)心臓リズム、心拍数、血圧、体温、呼吸数、血液酸素化、血中グルコースレベル、患者の向き、患者の運動、患者の睡眠状態、水和レベル及び/又は発汗レベルの1つ又は複数のものの要求を含むことができる。いくつかの実装形態において、リアルタイム医療データの要求は、要求されたリアルタイム医療データのタイプを示していないが、システム330は、データの予め規定された若しくは標準的な組を提供することができるか、又はシステム330は、現在利用可能であるすべてのリアルタイム医療データを提供することもできる。
【0100】
本システムは、パブリッシャ(publisher)/サブスクライバ(subscriber)の関係を許容する。例えば、緩く結合されたパブリッシュ(publish)/サブスクライブ(subscribe)パターンは、様々なサブシステム間の通信のために使用される。データを送信するシステムコンポーネント(例えば、患者によって着用されたセンサ又は他の患者センサと通信する演算装置)は、特定のトピックについて、リアルタイムデータを含むメッセージをブローカシステム(例えば、システム330)にパブリッシュすることになる。特定のトピックに関連するデータの受取りを所望するシステムコンポーネント(例えば、1人又は複数の介護者によって使用される演算装置)は、特定のトピックチャネルをサブスクライブする。通信アーキテクチャのコアに位置するのは、特定のトピックにパブリッシュされたメッセージを集計し、それらのトピックのサブスクライバに送付するブローカである。トピックは、例えば、波形データ、バイタル、アラーム、センサ機能情報などのようなリアルタイム(時間依存性)テレメトリデータを含むことができる。
【0101】
例えば、システム330は、複数のチャネルをパブリッシュし得、それぞれのチャネルは、異なる患者に関する情報及び/又は患者の情報の1つ若しくは複数の異なる組を含む。クライアント装置310などのクライアント装置は、特定の情報を受け取るために、システム330によってパブリッシュされた1つ又は複数のチャネルをサブスクライブすることができる。例えば、特定の患者の場合、システム330は、複数のチャネルをパブリッシュし得、この場合、それぞれのチャネルは、患者及び/又は患者に関連する1つ又は複数の装置に関する情報の異なる組を含む。例えば、1つのチャネルは、患者のECG波形及び心拍数情報のみを含むことができる。別のチャネルは、患者の現在の血液酸素化レベル、血圧、水和レベル、心拍数、呼吸数及び体温と共に、ECG波形及び心拍数情報を含む患者の多数のバイタルサインを含むことができる。別のチャネルは、患者の血中グルコースレベル情報のみを含むことができる。更に別の例として、システム330は、電池レベル、ネットワーク接続状態又はセンサ/医療装置の機能に関する情報(例えば、IT技術者又は病院技術者にとって関心があるであろう情報)など、患者に関連する胸部センサ及び/又は1つ又は複数の他のセンサ又は医療装置の動作情報のみを含むチャネルをパブリッシュすることができる。この例において、(IT技術者などの)関係者は、特定の医療施設内のすべての患者、特定の都市又は地域内にいるすべての患者又は患者によって着用されたセンサによって現在装備されるすべての患者など、特定の分類内のすべての患者の動作情報を含む、システム330によってパブリッシュされるチャネルをサブスクライブすることができる。様々な関係者は、ログイン資格を使用することにより、システム330によってパブリッシュされる様々なチャネルをサブスクライブすることができる。いくつかの実装形態において、システム330は、ユーザが特定のチャネルにアクセスすることを許容されるかどうかを判定するために、(クライアント装置310などの)クライアント装置にログインした特定のユーザのログイン資格をチェックすることになる。ユーザが、要求されたチャネルにアクセスすることを許容される場合、システム330は、要求されたチャネルを通して患者の関連する情報を提供することができる。いくつかの実装形態において、様々なクライアント装置が、患者の望ましい医療データの1つ又は複数の特定の組を有する特定のチャネルをサブスクライブする形態において、又は特定の情報のタイプの要求をシステム330に送信することにより、様々なタイプのリアルタイム医療データの要求を提供することができる。具体的には、様々なクライアント装置は、様々な監視装置から得られた特定のタイプのリアルタイム医療データを要求することができる。例えば、クライアント装置がナースステーションである場合、ナースステーションは、様々な監視装置から得られたすべてのリアルタイム医療データを要求することができる。例えば、クライアント装置は、患者によって着用された1つ又は複数のセンサによって収集されたすべての情報がナースステーションで表示されることを要すると識別することができる。別の例として、ナースステーションは、規定された病棟内又は病院の規定されたフロア上のすべての患者などの規定された患者の集合体の、患者によって着用されたセンサによって収集されたすべての情報を含むパブリッシュされたチャネルに対するアクセスを要求することができる。
【0102】
別の例として、クライアント装置がナースステーションデスクトップである場合、ナースステーションデスクトップは、特定の監視装置から得られた特定のタイプのリアルタイム医療データを要求することができる。この例において、ナースステーションデスクトップは、例えば、心拍数、血圧、体温、呼吸数、血液酸素化又は対応する監視装置からの特定のアラームなど、その特性が重要であるリアルタイム医療データのみを要求することができる。例えば、ナースステーションを監視する1人又は複数の看護師は、即座に対処する必要がある患者状態を示す情報のみに関心を有する場合がある。別の例として、クライアント装置が、IT要員によって操作されるラップトップである場合、ラップトップは、電池によって動作するすべての監視装置から電池寿命情報などのリアルタイム医療データを要求することができる。この例において、ラップトップは、心拍数、血圧、体温、呼吸数及び血液酸素化などのリアルタイム医療データを必要としない。実際に、この例では、IT要員は、データのセキュリティを目的として、このような患者データにアクセスするための許可を有しない場合がある。別の例として、クライアント装置が患者の家族のモバイル装置である場合、モバイル装置は、患者の向き情報などのリアルタイム医療データの特定のサブセットを要求することができる。この例では、モバイル装置は、電池によって動作する監視装置の電池寿命情報などのリアルタイム医療データを要求しない場合がある。クライアント装置とサービスブローカとの間で確立されたウェブソケット接続を使用することにより、クライアント装置は、要求されたリアルタイム医療データを容易に取得し得る。なぜなら、サービスブローカは、リアルタイム医療データをクライアント装置に非同期的に転送し得るからである。
【0103】
システムは、リアルタイム医療データを生成し(ステップ412)、生成されたリアルタイム医療データをクライアント装置に提供する(ステップ414)。ウェブソケット接続を介して提供されたこのリアルタイム医療データは、HTTP接続を介して予め提供される周囲ウェブページ情報(例えば、患者に関する情報を含む)と共に同時に表示される。リアルタイム医療データを生成するプロセスについて、図5を参照して更に詳述する。
【0104】
図5は、リアルタイム医療データを生成する例示的な方法500を示すフローチャートである。便宜上、方法500は、1つ又は複数の場所に配置される1つ又は複数のコンピュータを含むシステムによって実行されるものとして説明する。例えば、本明細書に従って適切にプログラミングされた図2のシステム200などのシステムが方法500を実行することができる。
【0105】
クライアント装置が、クライアント装置とシステムとの間で確立されたウェブソケット接続を通してリアルタイム医療データの要求をシステムに提供する場合、リアルタイム医療データの要求は、リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性を規定する医療データプロトコルを識別することができる。いくつかの実装形態において、データ属性は、識別、サンプリングレート、プロット時間及びバッファ情報の少なくとも1つを含む。
【0106】
リアルタイム医療データを生成するために、システムは、要求されたリアルタイム医療データの属性の値を取得する(ステップ502)。例えば、クライアント装置が特定の患者に関連するリアルタイム医療データの要求を提供した際、システムは、要求されたリアルタイム医療データの属性のそれぞれの値を1つ又は複数のデータベースから取得する。即ち、システムは、識別、サンプリングレート、プロット時間、要求されたリアルタイム医療データのバッファ情報のそれぞれの値を取得する。この例において、リアルタイム医療データは、波形データを含み、属性は、識別、サンプリングレート、プロット時間及びバッファ情報を含む。
【0107】
システムは、1つ又は複数の監視装置によって監視される1つ又は複数の波形から特定の波形を決定する(ステップ504)。例えば、複数の波形の未加工波形データがデータベース内に保存され、それぞれの波形が特定の患者の個々の識別に関連付けられる場合、システムは、識別の値に基づいて特定の波形を決定することができる。
【0108】
システムは、波形データによって充填されるために使用されることになる特定のバッファを決定する(ステップ506)。例えば、バッファ情報に基づいて、システムは、データベースから取得された波形データによって充填されるために使用されることになるバッファを決定することができる。いくつかの実装形態において、波形データをレンダリングするためにダブルバッファ処理技法を使用することができる。例えば、クライアント装置は、2つのバッファ、即ち第1バッファ及び第2バッファを含むことができる。第1バッファは、波形データによって充填されるように使用され得る。第1バッファは、波形データによって充填される一方、第2バッファ内に保存される波形データは、レンダリングされ得る。第1バッファが波形データによって(例えば、事前に規定されたレベルに)充填された際、第2バッファが波形データを受け取る間に第1バッファからの情報がレンダリングされるように、2つのバッファの機能が逆転される。従って、2つのバッファを使用することにより、クライアント装置は、リアルタイムで波形データを効率的に処理することができる。
【0109】
システムは、特定の波形のサンプリングレートを決定する(ステップ508)。例えば、サンプリングレートの値に基づいて、システムは、リアルタイム医療データが、データベース内に保存される未加工波形データに基づいてサンプリングされることになるサンプリングレートを決定することができる。いくつかの実装形態において、リアルタイム医療データの異なるタイプについて異なるサンプリングレートを使用することができる。例えば、血圧は、9回/秒で監視装置からクライアント装置にサンプリングすることができる。別の例として、例えば、胸部センサから取得されたECGなどの未加工波形データは、200回/秒でサンプリングすることができる。別の例として、指センサから取得された血液酸素化は、33回/秒でサンプリングすることができる。別の例として、生体インピーダンスは、33回/秒でサンプリングすることができる。複数の異なるサンプリングレートが使用される際、リアルタイム医療データをバッファ処理するためにバッファを使用することができる。特定の量のデータがバッファでバッファ処理されると、リアルタイム医療データをクライアント装置に一緒に送信することができる。
【0110】
システムは、特定の波形のプロット時間を決定する(ステップ510)。例えば、プロット時間の値に基づいて、システムは、システムがバッファ情報に基づいて決定されたバッファ内に特定の波形を書き込む期間を決定することができる。
【0111】
システムは、リアルタイム医療データを生成する(ステップ512)。決定に基づいて(ステップ504~510)、システムは、プロット時間のためのサンプリングレートに基づいてバッファ内に特定の波形を書き込む。この例において、書き込まれた波形データは、要求された波形データである。いくつかの実装形態において、システムは、生成されたリアルタイム医療データをデータベース内に保存する。
【0112】
図6は、クライアント装置がリアルタイム患者情報を受け取るために様々なチャネルをサブスクライブすることを可能にするパブリッシャ/サブスクライバプロトコルを実装する例示的なシステム600を示す図である。システム600は、例えば、図3のシステム330、図2のサービスブローカ230又は図1のサービスブローカ113であり得る中央通信ブローカ602を含む。中央通信ブローカ602は、例えば、ベッドサイドモニタ604a~604cなどのいくつかの患者側装置からリアルタイム患者情報を受け取る。この例において、ベッドサイドモニタ604a~604cは、それぞれバイタルサイン、向き、睡眠状態などのような患者のリアルタイム又は準リアルタイムデータを提供し得る、患者によって着用された1つ若しくは複数のセンサ及び/又は他のセンサと通信する。ベッドサイドモニタ604a~604cは、例えば、図1のベッドサイドモニタ108又は図2の監視装置250として実装することができる。ベッドサイドモニタ604a~604cは、1つ又は複数のセンサからリアルタイム患者データを受け取り、リアルタイム患者データを、ネットワークを通して中央通信ブローカ602に提供する。患者モバイル装置606は、中央通信ブローカ602のためのリアルタイム患者情報のソースとしても機能する。患者モバイル装置606は、例えば、病院などの医療施設から患者の自宅又は親戚の自宅に移動した患者に属するか又は関連する携帯電話機又はタブレットであり得る。患者モバイル装置606は、患者によって着用された1つ又は複数のセンサと無線通信し、患者によって着用されたセンサから受け取られたデータを集計するとともに、インターネットなどのネットワーク上でデータを中央通信ブローカ602に送信するように機能する。
【0113】
中央通信ブローカ602は、ベッドサイドモニタ604a~604c及び患者モバイル装置606から受け取られた情報をいくつかのサブスクライバチャネルにパブリッシュし、他の装置がリアルタイム患者データを受け取り且つ提示するためにチャネルをサブスクライブすることを可能にすることができる。例えば、中央ステーションモニタ608は、中央通信ブローカ602と通信することができ、中央通信ブローカ602によってパブリッシュされた1つ又は複数のチャネルをサブスクライブすることができる。中央ステーションモニタ608は、例えば、図1のクライアント装置114、図2のクライアント装置210又は図3のクライアント装置310の機能を実行する。他のクライアント装置は、医師の端末610及び看護師のモバイルビューア612(例えば、看護師又は他の介護者に属するか又はそれに割り当てられた携帯電話機)を含むことができる。医師の端末610及び看護師のモバイルビューア612は、例えば、図2のクライアント装置210又は図3のクライアント装置310の機能を実行するように実装することができる。
【0114】
システム600は、様々なサブシステム間の通信のために使用される緩く結合されたパブリッシュ/サブスクライブパターンを実装する。データを送信するシステムコンポーネント(例えば、ベッドサイドモニタ604a~604c及び患者モバイル装置606)は、リアルタイムデータを含むメッセージを特定のトピックに関して中央通信ブローカ602にパブリッシュすることになる。特定のトピックに関連するデータの受取りを所望するシステムコンポーネント(例えば、中央ステーションモニタ608、医師の端末610及び看護師のモバイルビューア612)は、1つ又は複数の特定のトピックチャネルをサブスクライブする。通信アーキテクチャのコアに位置するのは、特定のトピックにパブリッシュされたメッセージを集計し、それらのトピックのサブスクライバに送付する中央通信ブローカ602である。トピックは、例えば、波形データ、バイタル、アラーム、センサ機能情報などのようなリアルタイム(時間依存性)テレメトリデータを含むことができる。
【0115】
引き続き図6を参照して、中央通信ブローカ602は、異なる患者又は異なる患者の組のリアルタイム患者情報及び他の患者情報を含む別個のチャネルをパブリッシュすることができる。例えば、第1チャネルは、病院の特定のフロア上又は特定の病棟内などの医療施設の特定のエリア内にいるすべての患者の関連するリアルタイム患者情報を含むことができる。第2チャネルは、現在、特定の心臓内科医の治療下にあるすべての患者のリアルタイム患者情報を含むことができる。これは、心臓内科医(並びに心臓内科医を支援する他の介護者)が、関心のあるすべての患者の情報を心臓内科医に提供することになるチャネルをサブスクライブすることを可能にし得る。第3チャネルは、特定の分類又はカテゴリの治療を受けている、システム内のすべての患者のリアルタイム患者情報を含むことができる。例えば、腎臓透析治療を受けているすべての患者のリアルタイム患者情報を特定のチャネル上でパブリッシュすることができる。加えて、中央通信ブローカ602は、システム内のそれぞれの個々の患者の1つ又は複数のチャネルを自動的にパブリッシュすることができる。
【0116】
上述のように、中央通信ブローカ602は、患者によって着用されたセンサと通信する演算装置(例えば、ベッドサイドモニタ604a~604c及び患者モバイル装置606)からこのリアルタイム患者情報を受け取る。これらの演算装置は、例えば、患者によって装着された1つ又は複数のセンサと通信する、ベッドサイドモニタ若しくはスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ又はこれらに類似したものなどの携帯型演算装置であり得る。これらの演算装置は、例えば、図2の監視装置250であり得る。リアルタイム患者情報は、情報に関連する患者を識別するための患者識別子と共に、これらの監視装置により中央通信ブローカ602に提供される。具体的には、ベッドサイドモニタ604aは、患者の1つ又は複数のバイタルサインを監視する、患者によって着用された1つ又は複数のセンサと通信する。ベッドサイドモニタ604aは、患者によって着用されたセンサによって検出された(例えば、情報の事前処理後の)情報を通信ネットワーク上で中央通信ブローカ602に提供する。情報は、介護者に対する提示のためにエンドユーザ装置(例えば、医師の端末610)に提供される際、情報が患者にリンクされ得るように患者の一意の患者識別子と共に提供される。次いで、中央通信ブローカ602は、1つ又は複数のチャネル上でベッドサイドモニタ604aから受け取られたこのリアルタイム患者情報をパブリッシュする。この結果、エンドユーザは、関連するリアルタイム患者情報を閲覧するためにチャネルの1つ又は複数をサブスクライブすることができる。例えば、看護師のモバイルビューア612は、中央通信ブローカ602とのウェブソケット接続を確立し、ベッドサイドモニタ604aに関連する患者の患者識別子を使用して情報を要求することにより、ベッドサイドモニタ604aに関連する患者のすべての情報を含むチャネルをサブスクライブすることができる。この結果、(図2のクライアント装置210、図2のクライアント装置310及び図3のクライアント装置144などの)エンドユーザ装置は、患者によって着用されたセンサ又は患者によって着用されたセンサとの直接通信する演算装置と直接通信することなく、患者によって着用されたセンサによって提供されるリアルタイム患者情報を受け取ることができる。加えて、複数のサブスクライブ装置が同一の患者からの情報を同時に監視することができる。例えば、看護師のモバイルビューア612及び医師の端末610の両方は、波形情報を同時に監視するために、ベッドサイドモニタ604bに関連する患者の波形情報を含む中央通信ブローカ602によってパブリッシュされたチャネルをサブスクライブすることができる。
【0117】
換言すれば、本システムは、ベッドサイドモニタ604a~604cなどの患者側の演算装置との直接的な接続を確立するために看護師のモバイルビューア612などのエンドユーザ装置を必要としない。むしろ、エンドユーザ装置は、中央通信ブローカ602によってパブリッシュされる1つ又複数のチャネルをサブスクライブすることにより、ベッドサイドモニタ604a~604cによって生成されたリアルタイムデータを受け取ることができ、このリアルタイム情報を介護者に提示することができる。この結果、介護者のエンドユーザ装置(例えば、中央ステーションモニタ608、医師の端末610及び看護師のモバイルビューア612)は、ベッドサイドモニタ604a~604cのネットワーク識別子を知る必要がなく、むしろ望ましいリアルタイム患者情報を含むチャネルを単に識別することができ、中央通信ブローカ602は、介護者のエンドユーザ装置に対してリアルタイム情報を提供するための集計器として機能する。具体的には、中央通信ブローカ602は、例えば、ベッドサイドモニタ604aによって生成されたリアルタイム情報を受け取り、リアルタイム情報をベッドサイドモニタ604aに関連する患者の一意の識別子に関連付け、次いで1つ又は複数のチャネル上でリアルタイム情報をパブリッシュする。次いで、介護者のエンドユーザ装置は、ベッドサイドモニタ604aと直接接続することなく又はベッドサイドモニタ604aのネットワーク識別子を知る必要を伴うことなく、リアルタイム情報を観察するために1つ又は複数のチャネルの1つ又は複数をサブスクライブすることができる。
【0118】
いくつかの実装形態において、特定の介護者に関連する1つ又は複数の演算装置は、介護者の介護者識別子(ID)を使用することにより、中央通信ブローカ602によってパブリッシュされた1つ又は複数のリアルタイム患者情報チャネルをサブスクライブすることができる。例えば、中央ステーションモニタ608は、患者モバイル装置606に関連する患者の情報を含む1つ又は複数のチャネルをサブスクライブするために介護者識別子を使用することができる。介護者識別子は、例えば、介護者に関連する一意の英数コードであり得る。いくつかの実装形態において、介護者識別子は、患者情報を観察すべく装置にログインするために、介護者よってログイン資格として使用することができる。いくつかの実装形態において、介護者の介護者識別子は、例えば、介護者が部分的に医療を担当する患者(例えば、ベッドサイドモニタ604a~604cに関連する患者)の1つ又は複数の患者識別子に関連付けることができる。例えば、特定の外科医によって実行された手術を経験したか、又は外科医によって実行される手術を受けるようにスケジューリングされた患者の患者識別子を外科医の介護者識別子にリンクすることができる。介護者の演算装置(例えば、医師の端末610)は、介護者の一意の識別子を中央通信ブローカ602に送信することができる。次いで、中央通信ブローカ602は、介護者が関心を有する1つ又は複数のチャネルを識別するために、受け取られた一意の識別子を使用することができる。例えば、中央通信ブローカ602は、介護者識別子に関連する患者識別子を有する患者のためのチャネルを(例えば、医療グループの一部分として)識別することができ、それらのパブリッシュされたチャネルを医師の端末610に提供することができる。この結果、介護者が、自身が観察を所望することになる情報を手動で入力することが不要である。むしろ、関連する患者情報は、介護者の介護者識別子に基づいて介護者装置に自動的に提供される。
【0119】
別の例として、IT技術者は、一意の介護者識別子を有することができる。装置にログインした際、技術者の装置は、一意の介護者IDを中央通信ブローカ602に提供することができる。次いで、中央通信ブローカ602は、電池レベル、ネットワーク接続状態、1つ若しくは複数センサの取り外し又は患者に関連するセンサ/医療装置の機能に関する情報(例えば、IT技術者若しくは病院技術者が関心を有することになる情報)など、いくつかの患者(例えば、特定の施設又は特定の病棟内のすべての患者)のための動作情報を含むチャネルを識別することができる。この結果、中央通信ブローカ602は、特定の患者センサが保守又は他の注意を必要とし得るときを示す情報を技術者が観察し得るように、技術者装置により、これらのチャネルを自動的にサブスクライブさせる。
【0120】
別の例として、心臓内科医は、心臓医療グループ内のすべての患者のバイタルサイン情報を含む、中央通信ブローカ602によってパブリッシュされたチャネルをサブスクライブすることができる。この結果、医師は、医師の装置がそれぞれの患者のための個々のチャネルをサブスクライブする必要を伴うことなく、医療グループ内のすべての患者の患者情報を監視することができる。
【0121】
いくつかの実装形態において、中央通信ブローカ602は、介護者IDに基づいてサブスクライブ装置に提供するための情報を判定するために規則の組を実装することになる。例えば、中央通信ブローカ602は、医師に関連する介護者IDの場合、(例えば、病棟又は医療施設内のすべての患者の情報ではなく)医師と直接関連する患者の患者データのみが提供されることになると判定することができる。特定の監督看護師(例えば、中央ステーションモニタ608などの中央ナースステーションを機能させ得る看護師)に関連する介護者IDの場合、特定の病棟又は医療施設内のすべての患者の情報が提供される。IT技術者の介護者IDには、実際の患者のバイタルサインデータではなく、センサ機能に関する情報のみが提供されることになる。患者又は患者の親戚には、他の患者ではなく、その患者の情報のみが提供されることになる(親戚の介護者IDは、親戚が、親戚が関係する患者に関連する1つ又は複数のチャネルのみをサブスクライブすることを可能にする)。
【0122】
例示的な一実装形態として、中央通信ブローカ602は、サブスクライブ装置が、特定のサブスクリプションパターンなどを使用することにより、特定のフォーマットでチャネルサブスクリプション情報を規定することを要求し得る。1つの例示的なフォーマットは、サブスクライブ装置が、階層構造方式により、関連するチャネル情報を識別することを要求し得る。例えば、看護師のモバイルビューア612は、サブスクライブ装置が、特定のシステム又はネットワーク、特定の患者又は患者のグループ並びに識別された患者の情報の1つ又は複数の組を識別することを要求する階層構造に従い、チャネル情報を識別することができる。例えば、階層構造的な要求は、以下の表現を使用することにより、特定のチャネルを識別することができる。
【0123】
/システム-識別子/患者-識別子/情報-タイプ
例えば、この例示的なチャネル識別表現を使用することにより、看護師のモバイルビューア612は、以下のチャネル識別フォーマットを使用することにより、患者の波形データを示す3202の患者IDを有する患者のためのチャネルをサブスクライブすることができる。
【0124】
/病棟17/3202/波形
波形データ以外の要求され得る情報の他のタイプは、バイタルサインデータ、アラーム状態データ、動作データ、向きデータ又は呼吸数、心拍数、血液酸素化レベルなどのような特定のバイタルサインを含むことができる。静的な患者情報(例えば、患者治療履歴)もこの表現を使用することにより提供することができる。中央通信ブローカ602は、サブスクライブ装置に提供するための情報の適切な1つ又は複数のチャネルを識別するために、階層構造的表現に含まれる情報を使用する。いくつかの実装形態において、中央通信ブローカ602は、ワイルドカード文字を許容することができる。例えば、システムは、マルチレベルワイルドカード文字としてシンボル「#」を使用することができ、単一レベルワイルドカード文字としてシンボル「+」を使用することができる。マルチレベルワイルドカード文字は、階層構造及びすべての後続のレベルにおける示されたレベルで利用可能であるすべての情報を要求する一方、単一レベルワイルドカード文字は、ユーザがより低い階層構造レベルを規定することを要求することになるであろう。例えば、以下の指示記号は、患者3202のすべての患者情報の要求となるであろう。
【0125】
/病棟l7/3202/#
以下の指示記号は、病棟17内のすべての患者のすべての患者情報の要求となるであろう。
【0126】
/病棟17/#
この例を継続すれば、以下の指示記号は、病棟17内のすべての患者の電池レベル情報の要求となるであろう。
【0127】
/病棟17/+/電池-レベル
この表現に基づく他の組合せについて、上述の例から容易に明らかになるであろう。サブスクライバ装置上で稼働するデータ閲覧アプリケーション(例えば、ウェブソケット接続を確立するウェブブラウザ)は、関心のあるパブリッシャチャネルトピックを選択し得、チャネルトピックからのデータを望ましく且つ存在するデータとして使い得る。サブスクリプションパターンは、この接続のために適用される通信ブローカに送信されるフィルタである。患者ID及び識別された情報タイプに基づくこのようなサブスクリプションサービスは、サブスクライバ装置が、(患者の携帯電話機又はベッドサイドモニタなどの)患者の場所又は患者側における演算装置の識別子を知る必要性を伴うことなく、患者が、手術後の即座の回復から理学療法に又は自宅になどの異なる環境に移動するのに伴い、サブスクライバが患者を容易にフォローすることを可能にする。
【0128】
いくつかの実装形態において、リアルタイム患者情報の提供に加えて、ベッドサイドモニタ604a~604c及び患者モバイル装置606は、サブスクライブ装置として機能することができる。例えば、患者モバイル装置606のユーザは、中央通信ブローカ602によってパブリッシュされた1つ又は複数のチャネルをサブスクライブすることができる。いくつかの実装形態において、リアルタイム患者情報を提供する装置(ベッドサイドモニタ604a~604c及び患者モバイル装置606)は、中央通信ブローカ602によってパブリッシュされた1つ又は複数のチャネルを自動的にサブスクライブすることになる。例えば、ベッドサイドモニタ604a~604c及び患者モバイル装置606が、アラームの確認応答を示すチャネルを自動的にサブスクライブするようにできる。例えば、ベッドサイドモニタ604aは、ベッドサイドモニタ604aに関連する患者のアラーム状態(例えば、心停止)を示す情報を中央通信ブローカ602に提供することができる。アラームを受け取った介護者は、他の介護者が自ら患者アラーム状態に付き添うことを知るようにするために、(例えば、ボタン又はコントロールを選択することにより)アラームが受け取られたことを確認応答することができる。介護者によるアラーム状態の確認応答は、介護者の装置から中央通信ブローカ602に戻るように提供することができ、次いでパブリッシュされたチャネル上でベッドサイドモニタ604aに提供することができる。
【0129】
いくつかの実装形態では、モニタ装置のそれぞれの特定のグループについて中央通信ブローカ602の別個のインスタンス(instance)が存在する。例えば、システム600は、病院内のそれぞれの病棟について中央通信ブローカ602の別個のインスタンスを実装することができる。別の例として、医療システム内のそれぞれの医療施設は、中央通信ブローカ602の別個のインスタンスを有することができる。いくつかの実装形態において、監視装置がシステム600に接続した際、監視装置は、その内部でグループ化されるように特定の病棟を他のグループに対して規定することができる。例えば、ベッドサイドモニタ604aのユーザは、ベッドサイドモニタ604aが、ベッドサイドモニタ604aの初期化の際に関連付けられる特定の病棟を規定することができる。その後、ベッドサイドモニタ604aが他の物理的場所に移動された際にも、ベッドサイドモニタ604aは、元々規定された病棟に関連付けられることを継続することができ、従って中央通信ブローカの同一のインスタンスに関連付けられること(及びリアルタイム患者情報をそれに提供すること)を継続することになる。
【0130】
いくつかの実装形態において、介護者は、中央通信ブローカ602に対して履歴情報を要求することができる。例えば、医師は、ベッドサイドモニタ604aに関連する患者の過去のデータストリームを再生するために医師の端末601を使用することができる。医師は、中央通信ブローカ602から以前のリアルタイム患者情報を取得するために日付及び時刻を指定することができる。この履歴データは、例えば、医師の端末610と中央通信ブローカ602との間のウェブソケット接続を介して提供することができる。いくつかの実装形態において、医師の端末610などのユーザ装置が大量のデータを即座に処理することができない場合があり、従って、中央通信ブローカ602は、医師に対する表示のためにこの情報を医師の端末610に提供する前に、要求された履歴情報を情報のより小さいセグメントに分解することができる。
【0131】
図7A図7Dは、リアルタイム医療データを提供するためにクライアント装置上で表示される例示的なインターフェイスを示す図である。図7Aは、例えば、ラップトップ又はデスクトップ装置などのクライアント装置上で表示される例示的なインターフェイス710を示す図である。インターフェイスは、1人又は複数の特定の患者のリアルタイム医療データを提供する。例えば、インターフェイス710は、第1患者のリアルタイム医療データを提供するための第1セクション711を含み、第2患者のリアルタイム医療データを提供するための第2セクション712を含み、第3患者のリアルタイム医療データを提供するための第3セクション713を含む。第1セクション711は、患者に関連する画像714、患者を識別するための識別コード715、患者のリアルタイム医療データの数値データ716及び患者のリアルタイム医療データのグラフィカルデータ717を含む。
【0132】
図7Bは、クライアント装置上で表示された例示的なインターフェイス720を示す図である。具体的には、インターフェイス720は、図2の監視装置250及び/又は図2のクライアント装置210などの監視装置内に提供される同一の又は実質的に類似したインターフェイスを提供する。ユーザインターフェイス720は、特定の患者の様々なリアルタイム医療データを提供する。ユーザインターフェイス720は、現在、監視装置と同期化される複数のセンサの電池情報を示すアイコン726を含む。アイコン726のそれぞれは、センサのそれぞれの電池電荷レベルを示す。また、いくつかの実装形態において、アイコン726は、ユーザが特定のアイコンに関連するセンサを示し得るようにセンサの名称又は識別子を示すことができる。この例において、アイコン726は、アイコン726が、患者に関連し及び/又は患者に付着されている血液酸素化センサの電池パワーレベルを示すことを示すためにインジケータ’’Oを含む。これらの実装形態において、アイコンを表示するためのリアルタイム医療データの要求は、クライアント装置からHTTP接続を通してサービスブローカに提供することができる。アイコンが表示される方式の情報は、HTTP接続を使用することにより、システム(例えば、システム330)によって提供され得る一方、アイコン726のためのリアルタイム医療データは、ウェブソケット接続を通してサービスブローカからクライアント装置に提供することができる。この結果、変化する可能性が低いより静的なデータは、HTTP接続を通して提供される一方、リアルタイム医療データは、ウェブソケット接続を通して提供される。この特定の例において、HTTP接続を介して提供される情報は、電池アイコンの位置決め及び形状を指定し得る一方、ウェブソケット接続は、1つ又は複数の電池の電荷レベルに関する情報を提供する。次いで、この情報(HTTP接続からの静的表示情報及びウェブソケット接続からのリアルタイム値情報)は、それぞれのセンサ装置ごとの現在の電荷レベルを示す電池アイコンを表示するためにクライアント装置でブラウザによって組み合わされる。
【0133】
ユーザインターフェイス720は、加えて、様々なバイタルサイン波及び数値レベルを示す。例えば、ユーザインターフェイス720は、患者の心拍数波形728のみならず、患者の数値的な心拍数値741も示す。図示の例において、患者の心拍数値741は、80鼓動/分である。ユーザインターフェイス720は、742において、60~100鼓動/分に含まれるものとして、患者の許容可能な心拍数レベルを示す。80鼓動/分の患者の現在の心拍数が、示される許容可能な範囲内に含まれることに伴い、現在、患者の心拍数のアラーム状態が存在しない。これは、アイコン744によって示される。アイコン744は、患者の現在の心拍数が許容可能な範囲内にあるかどうかを示す。患者の心拍数が許容可能なレベル内にない状況では、アイコン744は、アラーム状態を示すために変化することができる。例えば、色が赤に変化することができる。加えて、ベッドサイドモニタは、患者のアラーム状態について近傍の介護者に警告するために可聴アラームを出すこともできる。いくつかの実装形態において、ユーザインターフェイス720の他の部分は、点滅することができるか、又は他の方式でアラーム状態を示すことができる。例えば、表示される心拍数値741は、患者の心拍数が許容可能なレベルの外にある際に点滅することができる。いくつかの実装形態において、アイコン744は、特定のアラーム状態の深刻度を示すために様々な速度で点滅することができる。例えば、アイコン744は、患者の心拍数が許容可能な範囲から離れるのに伴い、より高速で点滅することができる。
【0134】
これらの実装形態において、心拍数波形728、数値的な心拍数値741、許容可能な心拍数レベル742を表示するためのリアルタイム医療データの要求は、クライアント装置からHTTP接続を通してサービスブローカに提供することができる。例えば、クライアント装置のユーザは、ユーザインターフェイス720上に提示された情報のすべてを含むパブリッシュされたチャネルをサブスクライブするためにクライアント装置を使用することができる。次いで、クライアント装置は、リアルタイム情報が表示される方式を規定した情報を、HTTP接続を介して受け取る。例えば、2つの装置間のHTTP接続を介したユーザインターフェイス720を表示する、システム(例えば、システム330)によってクライアント装置(例えば、クライアント装置310)に提供される情報は、表示される情報(例えば、ECG及び他の波形データ728,746,754、心拍数値741、アラーム状態744など)の特定のタイプの画面上における場所を指定することができる。また、HTTPデータは、様々な波形の色、値、背景及び境界線、様々な値のサイズ(例えば、数値及びアイコンのサイズ)、アラーム状態アイコン744などのアイコンの外観、数値及び文字のフォント及び他の表示態様を含む、データが表示される方式を開示することができる。この表示フォーマットは、変化する可能性が低いか、又は時機を限って(例えば、クライアント装置が患者情報の異なる組を要求し、及び/又は異なる情報チャネルをサブスクライブした際に)変化することになる静的情報と見なすことができる。従って、患者情報の表示コンテキストを制御するこの静的な又はほぼ静的な情報は、HTTP接続を介して送信される。
【0135】
対照的に、例えば、心拍数波形728、数値的な心拍数値741及びアラーム状態744を含む、表示される情報のそれぞれの断片ごとの値を示すリアルタイムデータは、ウェブソケット接続を通してサービスブローカからクライアント装置に提供される。この情報は、新しい情報が、患者によって着用されたセンサから収集されるのに伴って変化する点で動的である。ウェブソケット接続は、HTTP接続を介して受け取られる情報によって規定された表示パラメータに従い、ユーザインターフェイス720上に表示される、このリアルタイムの動的に変化するデータの迅速な転送を促進する。
【0136】
ユーザインターフェイス720は、患者の血液酸素化波形746及び数値的な血液酸素化値748も示す。波形及び数値は、ウェブソケット接続を介してサービスブローカによってパブリッシュされた、患者によって着用されたセンサなどの患者監視装置で収集された動的データを表す。上述のように、血液酸素化波形746及び数値的な血液酸素化値748の表示特性は、HTTP接続を介してシステムによってクライアント装置に提供されるデータによって規定される。ユーザインターフェイス720は、750において、患者の許容可能な血液酸素化範囲も示す。ユーザインターフェイス720は、患者の血液酸素化レベルが許容可能な範囲内であることを示すアラーム状態アイコン752を更に含む。上述のように、このアラーム状態アイコン752を表示する方式に関する情報は、HTTP接続によって提供される一方、アラーム状態アイコン752の状態(例えば、アラーム状態又は非アラーム状態の指示)は、ウェブソケット接続を介して受け取られる動的情報に基づく。
【0137】
加えて、ユーザインターフェイス720はまた、呼吸数波形754と、患者によって実行された呼吸の数/分を示す数値を示す数値的な呼吸数値756とを含む。上述の患者データにおけるものと同様に、波形及び数値は、患者によって着用されたセンサなどの患者監視装置で収集された動的データを表す。この動的データは、クライアント装置とのウェブソケット接続を介してサービスブローカによってパブリッシュされる。上述のように、呼吸数波形754及び数値的な呼吸数値756の表示特性は、HTTP接続を介してシステムによってクライアント装置に提供されるデータによって規定される。図示の例において、患者は、呼吸数値756によって示されるように、15呼吸/分の呼吸数を有する。ユーザインターフェイス720は、758において、患者の許容可能な呼吸数範囲も示す。図示の例において、許容可能な呼吸数範囲は、8呼吸/分~40呼吸/分である。ユーザインターフェイス720は、患者の呼吸数が許容可能な範囲内にあることを示すアラーム状態アイコン760を更に含む。上述のように、このアラーム状態アイコン760を表示する方式に関する情報は、HTTP接続によって提供される一方、アラーム状態アイコン760の状態(例えば、アラーム状態又は非アラーム状態の指示)は、ウェブソケット接続を介して受け取られた動的情報に基づく。
【0138】
ユーザインターフェイス720は、患者の血圧値762を更に含む。図示の例において、血圧値762は、患者の現在の血圧が128/78であることを示す。ユーザインターフェイス720は、764において、患者の許容可能な血圧範囲を更に含む。上述のように、血圧値762が表示される方式の特性を制御する情報は、システムとクライアント装置との間のHTTP接続を介して提供される。この情報は、表示される血圧値762の例えばサイズ、フォント、位置決め及び色を含む。血圧値762の値は、サービスブローカからウェブソケット接続を介してクライアント装置に提供される動的情報である。
【0139】
ユーザインターフェイス720は、患者の血圧が許容可能な範囲内にあることを示すアラーム状態アイコン766を更に含む。この場合にも、アラーム状態アイコン766の様々な表示特性は、HTTP接続を介して受け取られた情報により規定することができる。例えば、HTTP接続を介して受け取られる情報は、様々なアラーム状態を示すいくつかの可能なアラーム状態アイコン766を示すことができる。表示するアラーム状態アイコン766を示す情報は、ウェブソケット接続を介して受け取られる動的情報である。
【0140】
ユーザインターフェイス720は、患者の現在の向きを示す向きインジケータ767と、患者が現在の向きで留まる長さを示す時間インジケータ768とを更に含む。向きインジケータ768は、介護者が、患者が現在の向きで好ましい時間の長さを超えて留まるかどうかを識別することを支援することができる。向きインジケータ768は、(例えば、アラームが「オフ」であることを示す可聴又は視覚アラームの使用を通して)患者が転倒し、支援を必要とすることを示すために使用することもできる。クライアント装置は、いくつかの向きインジケータ767を、HTTP接続を介して受け取ることができ、この場合、向きインジケータ767のそれぞれのバリエーションは、患者の異なる向き(例えば、あおむけ、うつ伏せ、一方の側を下にして又は他方の側を下にして横になる、少し傾いている、直立状態で着座する、直立するなど)を示す。クライアント装置は、ウェブソケット接続を介して、患者の向きを示す動的情報を受け取ることができ、次いで、クライアント装置は、表示する、HTTP接続を介して受け取られた向きインジケータを決定するために、ウェブソケット接続を介して受け取られたその動的情報を使用することができる。換言すれば、HTTP接続を介して受け取られる情報は、特定の向きを示す情報が表示される方式を規定する一方、ウェブソケット接続を介して受け取られる情報は、患者の向きを示し、従って表示される予め受け取られた向きインジケータ767を決定する。
【0141】
ユーザインターフェイス720は、患者の数値的な体温値770を更に含む。図示の例において、体温値770は、患者の温度が現在華氏102.0度(摂氏約38.9度)であることを示す。また、ユーザインターフェイス720は、772において、患者の許容可能な温度範囲と、患者の体温が許容可能な範囲内にあるかどうかを示すアラーム状態アイコン774とを含む。上述のように、体温値770が表示される方式を制御する情報は、システムとクライアント装置との間のHTTP接続を介して提供される。この情報は、例えば、表示される体温値770のサイズ、フォント、位置決め及び色を含むことができる。体温値770の値は、ウェブソケット接続を介してサービスブローカによってクライアント装置に提供される動的情報である。この場合にも、アラーム状態アイコン774の様々な表示特性は、HTTP接続を介して受け取られる情報によって規定することができる。例えば、HTTP接続を介して受け取られた情報は、様々なアラーム状態を示すいくつかの可能なアラーム状態アイコン774を示すことができる。表示するアラーム状態アイコン774を示す情報は、ウェブソケット接続を介して受け取られる動的情報である。
【0142】
ユーザインターフェイス720は、制御ボタン782,784,776を更に含む。制御ボタン782は、1つ又は複数の他の監視装置のための様々なコントロール又は他の表示画面にアクセスするために使用される。例えば、制御ボタン782は、システム、監視装置(例えば、患者によって着用されたセンサ若しくはベッドサイドモニタ)又は患者に関する更なる情報にアクセスするために使用することができる。別の例として、制御ボタン782は、設定メニューにアクセスするために使用することができる。設定メニューは、例えば、監視装置の表示の輝度を変更するために使用することができる。音量制御ボタン784は、ユーザが可聴アラームの音量を変更することを可能にする。制御ボタン786は、ユーザが、上記で記載されたすべてのアラームをミュートすることを可能にする。いくつかの実装形態において、制御ボタン786は、ユーザ設定に基づいて特定のアラームをミュートすることができる。表示特性と、制御ボタン782,784,776との間のユーザのやり取りに応答して実行されるアクションは、制御ボタン782,784,776に従って実行される機能が一般に特性において静的であり、且つ1つ又は複数の患者センサから受け取られるリアルタイムデータに直接関係付けられてないことから、HTTP接続を介して受け取られる情報によって規定することができる。
【0143】
いくつかの実装形態において、ユーザインターフェイス720は、患者及び/又は患者に関連するセンサに関連する更なる静的及び/又は動的情報を含むことができる。例えば、ユーザインターフェイス720は、加えて、患者の名前又は他の識別子及び患者の写真を含むこともできる。ユーザインターフェイス720は、患者の最近の又はスケジューリングされる医療手順に関する情報を含むこともできる。ユーザインターフェイス720は、患者の医療履歴又は最近経験した医療状態に関する情報を含むこともできる。このような情報は、一般に、特性が静的又はより静的であると見なされ、従ってHTTP接続を介して提供され得る。いくつかの実装形態において、このような患者固有の情報は、情報が患者固有であり、且つ機密性を有するものとして見なされることから、ウェブソケット接続を介して提供することができる。
【0144】
(図示されていない)他の例において、ユーザインターフェイス720は、異なる表示特性を有することができる。これらの異なる表示特性は、HTTP接続を介して受け取られる情報によって規定することができる。ユーザインターフェイス720は、いくつかの理由から変更される場合がある。例えば、異なる情報アクセス許可を有する異なるユーザは、図7Bに示される情報のサブセットのみにアクセスすることができる場合がある。従って、ユーザインターフェイス720は、この特定のユーザがアクセスすることを許容される情報のみを表示するように変更することができる。別の例として、ユーザは、例えば、図7Bに示される情報のサブセットを要求することにより、及び/又は図7Bの例に示されるものよりも多い、少ない又はこれらと異なる情報を含む異なるチャネルをサブスクライブすることにより、表示される情報を選択的に変更することを所望する場合がある。例えば、理学療法士は、心拍数及び患者の向き情報のみに関心を有する場合がある。理学療法士は、患者のこの情報のみを提供する、パブリッシュされたチャネルをサブスクライブすることができる。
【0145】
チャネルをサブスクライブする際、クライアント装置は、システム(例えば、システム330)とのHTTP接続を確立する。クライアント装置は、HTTP接続を介して、要求される情報(又は要求されるチャネル)を指定することができる。次いで、システムは、HTTP接続を介して、その要求された情報を表示する方式の情報を提供することができる。次いで、サービスブローカは、ウェブソケット接続を介して望ましい情報のリアルタイム値を提供する。次いで、クライアント装置は、HTTP情報によって規定されるように、ウェブソケット情報によって規定される値を有する要求された情報タイプのみを表示することができる。この結果、異なるチャネルをサブスクライブする(又は患者情報の異なる組を要求する)ことにより、クライアント装置は、この情報の新しいサブセットがユーザインターフェイス720によって表示される方式を規定する更新済みの情報を、HTTP接続を介して受け取る。この例において、HTTP情報は、例えば、患者の心拍数情報が画面の上半分に沿って表示される一方、患者の向き情報は、画面の下部に沿って表示されるものと規定することができる。上述の情報の任意の組合せを要求及び表示することができ、異なる表示フォーマット/レイアウトが、HTTP接続を介して受け取られる情報によって規定される一方、表示される情報の値は、ウェブソケット接続を介して受け取られることを認識されたい。
【0146】
図7Cは、クライアント装置上に表示された例示的なインターフェイス730を示す図である。例えば、ユーザインターフェイス730は、スマートフォンなど、限られた表示画面エリアを有するモバイル装置のためのユーザインターフェイスであり得る一方、ユーザインターフェイス720は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、専門的なナースステーション又はタブレット装置など、より大きい表示画面を有する演算装置のためのユーザインターフェイスであり得る。インターフェイスは、1人又は複数の患者のリアルタイム医療データを提供する。例えば、インターフェイス730は、第1患者のリアルタイム医療データを提供するための第1セクションを含み、第2患者のリアルタイム医療データを提供するための第2セクション732を含み、第3患者のリアルタイム医療データを提供するための第3セクション733を含む。第1セクション731は、患者の医療状態を示すために、患者に関連する画像734、アイコン735,736などの1つ又は複数のアイコンを含む。例えば、アイコン735は、セクション731内に示される患者のニュースフィードに関するいくつかの新しい通知を示す。アイコン736は、例えば、患者が転倒するか、不規則な心拍を有するか、又はスケジューリングされた投薬を見逃す場合があるなど、セクション731内に示される患者のアラーム状態を示す。いくつかの実装形態において、アイコン737a~737dを表示するセクション737は、インターフェイス730内に表示することができる。アイコン737aの選択は、介護者が、ユーザインターフェイス730を使用することにより、セクション731内に示される患者にプライベートなメッセージを書き込むことを可能にし得る。アイコン737bの選択は、介護者が、ユーザインターフェイス730を使用することにより、患者の医療グループ内の他の介護者にメッセージを送信することを可能にし得る。アイコン737cの選択は、セクション731内に示される患者の医療グループ内の介護者のリスト又は他の視覚的表現が表示されるようにすることができる。アイコン737dの選択は、介護者が、ユーザインターフェイス730を使用することにより、患者の介護者のすべて又はサブセットによって観察され得る、セクション731内に示される患者の「壁(Wall)」にメッセージを掲示することを可能にし得る。
【0147】
いくつかの実装形態において、ユーザインターフェイス730は、加えて、セクション738を含む。セクション738は、モバイル装置のユーザが更なる情報及び制御メニューにアクセスすることを可能にするための制御ボタン738aを示す。例えば、制御ボタン738aは、ユーザがメニュー画面にアクセスすることを可能にする。メニュー画面は、ユーザが更なる情報にアクセスするか、設定を変更するか、又はアラート選好又は観察選好を示すことを可能にし得る。例えば、ユーザは、モバイル装置が設定画面又は他のメニュー画面を表示するようにするために制御ボタン738aを選択することができる。ユーザは、医療グループメンバのリストを観察するためにアイコン738bを選択することができる。例えば、アイコン738bの選択は、ユーザインターフェイス730が、ユーザが関連する介護者である患者のリストを表示するようにできる。別の例として、アイコン738bの選択は、ユーザインターフェイス730が、ユーザがメンバである1つ又は複数の特定の介護者グループの一部分である介護者のリスト(例えば、放射線科介護者グループ内のすべての介護者のリスト)を表示するようにできる。ユーザは、別の介護者又は患者など、アプリケーションの別のユーザにメッセージを書き込むためにアイコン738cを選択することができる。
【0148】
図7Dは、クライアント装置上に表示された例示的なインターフェイス740を示す図である。例えば、インターフェイス740は、スマートフォン又はタブレットなど、限られた表示画面エリアを有するモバイル装置上に表示することができる。いくつかの実装形態において、ユーザインターフェイス740は、図7Cを参照して上述したユーザインターフェイス730内のセクション733のユーザ選択に応答して提示されるユーザインターフェイス730であり得る。図7Dを再度参照すると、インターフェイス740は、特定の患者のリアルタイム医療データを提供する。
【0149】
ユーザインターフェイス740は、様々なリアルタイム医療データを提供するための複数のエリア792a~792gを有するセクション792を含む。エリア792aは、患者が医療施設の部屋2043のベッド8内にいることを示す。エリア792bは、患者の数値的な心拍数値を示す。図示の例において、心拍数値は、100鼓動/分である。エリア792cは、患者の数値的な血液酸素化値を示す。エリア792dは、患者の数値的な呼吸数値を示す。この例において、呼吸値は、100呼吸/分である。エリア792eは、患者の血圧値を示す。図示の例において、患者の現在の血圧は、122/80である。エリア792fは、患者の数値的な体温値を示す。図示の例において、患者の温度は、現在、華氏100.04度(摂氏37.8度)である。エリア792gは、様々なバイタルサイン波を示す。いくつかの実装形態において、エリア792gは、バイタルサイン波の1つのタイプを表示することができる。例えば、エリア792gは、心拍数波形を表示することができる。いくつかの実装形態において、エリア792gは、バイタルサイン波の複数のタイプを表示することができる。例えば、エリア792gは、心拍数波形のみならず、呼吸数波形も表示することができる。図7Bとの関係で上述したように、ユーザインターフェイス740内に示される情報は、HTTP接続及びウェブソケット接続を介して受け取られた情報の組合せであり得る。例えば、情報が表示される方式及び表示される情報の内容の特性は、HTTP接続を介して受け取られる情報によって規定することができる。この表示される情報の値は、ウェブソケット接続を介して受け取られる動的データによって規定される。
【0150】
ユーザインターフェイス740は、患者情報を表示するセクション793を含む。例えば、セクションは、患者を示す写真及び患者の名前を表示することができる。いくつかの実装形態において、セクション793は、患者の症状又は疾病に関する情報を更に示すことができる。いくつかの実装形態において、患者情報は、この情報が一般に静的データであることから、HTTP接続を通してクライアント装置とサービスブローカとの間で転送される。
【0151】
アイコン795aの選択は、ユーザインターフェイス740が患者の医療フィード及びアラーム履歴を表示するようにできる。医療フィードは、例えば、患者及び/又は患者に関連する介護者によって掲示されたメッセージ、患者の履歴医療情報(履歴バイタルサイン情報を含む)並びに患者の過去のアラーム状態、そのアラーム状態の特性及びそのアラーム状態に応答するために実行されたアクションを含むことができる。アイコン795bの選択は、アラームのリストを伴うことなく、医療フィードのみが表示されるようにすることができる。アイコン795cの選択は、他の医療フィード情報を伴うことなく、アラームのリストが表示されるようにすることができる。
【0152】
ユーザインターフェイス740は、患者の様々なリアルタイム医療データを表示するセクション794を含む。セクション794は、セクション792よりも詳細なリアルタイム医療データを提供する。いくつかの実装形態において、ユーザがセクション792の特定のエリアを選択した際、ユーザインターフェイス740は、セクション794内の特定のエリアに関係するリアルタイム医療データを表示する。例えば、ユーザが、心拍数値に関係するエリア792bを選択した際、セクション794は、患者の心拍数値に関係する詳細なリアルタイム医療データを提供する。具体的には、セクション794は、患者の心拍数値に関係する詳細なリアルタイム医療データを表示するための複数のエリア及びアイコン794a~794gを含む。エリア794aは、患者の現在の心拍数値を表示する。エリア794bは、患者の名前を表示する。アイコン794cは、介護者によって対処されていない患者の有効なアラームが現在存在することを示す。いくつかの実装形態において、アラーム794cの選択は、アラーム状態に関する更なる詳細が表示されるようにすることができる。いくつかの実装形態において、アイコン794cは、カラーコード化され得るか、又は患者のアラーム状態の相対的な深刻度を示すために、(特定のペースで点滅するなどの)別の視覚的インジケータを有し得る。エリア794dは、患者の許容可能な心拍数レベルを50~120鼓動/分に含まれるものとして表示する。130鼓動/分の患者の現在の心拍数が、示される許容可能な範囲に含まれないことに伴い、現在、患者の心拍数のアラーム状態が存在する。これは、アイコン794eによって示される。アイコン794eは、患者の現在の心拍数が許容可能な範囲にあるかどうかを示す。患者の心拍数が許容可能なレベルにない状況において、アイコン794eは、アラーム状態を示すために変化することができる。例えば、アイコン794eは、色を変化させることができる。別の例として、アイコン794eは、患者の心拍数が許容可能なレベル外にある際に点滅することができる。いくつかの実装形態において、アイコン794eは、特定のアラーム状態の深刻度を示すために様々な速度で点滅することができる。例えば、患者の心拍数が許容可能な範囲から離れるほど、アイコン744は、高速で点滅することができる。エリア794fは、高心拍数アラーム状態が最初に検出された時刻を表示する。上述のように、セクション794に示される情報は、HTTP接続及びウェブソケット接続を介して受け取られた情報の組合せであり得る。例えば、情報が表示される方式及び表示される情報の内容の特性は、HTTP接続を介して受け取られる情報によって規定することができる。この表示される情報の値は、ウェブソケット接続を介して受け取られる動的データによって規定される。
【0153】
セクション796は、患者の1つ又は複数の活動を提供する。いくつかの実装形態において、エリア796aは、患者の名前を提供する。エリア796bは、患者の最近の活動を表示する。例えば、患者が最近CTスキャンを経験した場合、エリア796bは、患者がCTスキャンを経験したことを示し得る。セクション796は、加えて、時刻情報も提供することができる。即ち、エリア796cは、患者の活動がシステムに報告された時刻又は患者が活動を実行した時刻を表示することができる。セクション796は、加えて、ユーザが、例えば、病院の要員、患者の家族又は介護者などの他のユーザと、患者の活動に関する情報を共有することを可能にするアイコン796dも含むことができる。これらの実装形態において、患者の名前を含む患者情報は、HTTP接続を通してクライアント装置とサービスブローカとの間で転送され得る一方、患者の活動及びタイムスタンプを含むリアルタイム医療データは、ウェブソケット接続を通してクライアント装置とサービスブローカとの間において非同期的に更新することができる。
【0154】
いくつかの実装形態において、セクション793,796に表示される患者情報は、静的なものがあり得る一方、セクション792,794,796に表示されるリアルタイム医療データは、サービスブローカによって継続的に更新することができる。例えば、セクション792,794に表示されるリアルタイム医療データ及びセクション796に表示される患者の活動及びタイムスタンプは、ウェブソケット接続を通してサービスブローカによって非同期的に更新することができる。一方、セクション793に表示される静的な患者情報及びセクション796に表示される患者の名前は、HTTP接続を通して提供することができる。サービスブローカは、この患者情報を非同期的に更新しない。従って、リアルタイム医療データは、ウェブソケット接続を使用することにより、効率的に更新することができる。2つの異なるタイプの接続を使用することにより、システムは、患者情報及びリアルタイム医療データを効率的に管理することができる。
【0155】
図7A図7Dに示されるユーザインターフェイスの1つ又は複数のものの一部分として表示され得る他の情報は、それぞれの患者ごとの瞬間的な健康状態スコア/インデックスを含むことができる。例えば、それぞれのバイタルパラメータについて、システムは、パラメータの臨床範囲を識別することができ、それぞれのバイタルサインについて、例えば1~10又は0~5などのスケールにおいて、臨床範囲内であることに患者がどの程度近接しているかを示すことができる。例えば、0の瞬間的な健康状態スコアは、患者の特定のバイタルサインが最適範囲内にある(健康である)ことを示し得、5は、バイタルサインが範囲を大幅に逸脱している(非常に不健康である)ことを示し得る。この健康状態スコアテンプレートは、それぞれの臨床設定について構成することができる。加えて、すべてのバイタルサインに基づく単一健康状態スコアを患者について算出することもできる。健康状態スコアは、パラメータ値及び対応するスコアを考慮することにより演算することができる。総合スコアは、健康状態インデックスを表すことができる(例えば、0~2は、良好を意味し、3~5は、不良を意味する)。所定の期間にわたって観察される健康状態スコアの傾向は、所与の期間にわたる患者の全体的な健康状態を介護者に示すことができる。
【0156】
本明細書に記述される主題及び機能的動作の実施形態は、デジタル電子回路、有形の方式で実施されたコンピュータソフトウェア若しくはファームウェア、本明細書に開示される構造及びその構造的均等物を含むコンピュータハードウェア又はこれらの1つ若しくは複数の組合せで実装することができる。本明細書に記述される主題の実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラム、即ちデータ処理装置による実行のため又はデータ処理装置の動作を制御するために、有形の非一時的プログラム担持体上でエンコーディングされたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールとして実装することができる。代わりに又は加えて、プログラム命令は、例えば、データ処理装置による実行のために適切なレシーバ装置に送信される情報をエンコーディングするために生成される機械生成された電子的、光学的又は電磁的信号など、人工的に生成された伝播信号上でエンコーディングすることもできる。コンピュータストレージ媒体は、機械可読ストレージ装置、機械可読ストレージサブストレート、ランダム若しくはシリアルアクセスメモリ装置又はこれらの1つ若しくは複数のものの組合せであり得る。
【0157】
「データ処理装置」という用語は、データ処理ハードウェアを意味し、例としてプログラム可能なプロセッサ、コンピュータ又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータを含む、データを処理するすべての種類の装置、機器及び機械を包含する。また、装置は、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートウェイアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)などの特殊目的論理回路であり得るか又はそれを更に含み得る。装置は、任意選択により、ハードウェアに加えて、例えばプロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム又はこれらの1つ若しくは複数のものの組合せを構成するコードなど、コンピュータプログラムのための実行環境を生成するコードを含むことができる。
【0158】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト又はコードとも呼称及び記述され得るコンピュータプログラムは、コンパイル型若しくはインタープリタ型言語又は宣言型若しくは手続型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、これは、スタンドアロンプログラムとして又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン若しくは演算環境内で使用されるのに適した他のユニットとしてなど、任意の形態で配備することができる。コンピュータプログラムは、必須ではないが、ファイルシステム内のファイルに対応し得る。プログラムは、マークアップ言語文書、対象のプログラムに専用の単一ファイル又は例えば1つ若しくは複数のモジュール、サブプログラム若しくはコードの一部分を保存するファイルなどの複数の調整されたファイル内において、保存された1つ又は複数のスクリプトなどの他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部分内に保存することができる。コンピュータプログラムは、1つのサイトに配置されるか又は複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された1つのコンピュータ又は複数のコンピュータ上で実行されるように配備することができる。
【0159】
本明細書に記述されるプロセス及びロジックフローは、入力データに対して動作すると共に出力を生成することにより、機能を実行するために1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラム可能なコンピュータによって実行することができる。プロセス及びロジックフローは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートウェイアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)などの特殊目的論理回路によって実行することもでき、装置もこれらとして実装することができる。
【0160】
コンピュータプログラムの実行に適したコンピュータは、例として、汎用若しくは特殊目的マイクロプロセッサ又はこれらの両方或いは任意の他の種類の中央処理ユニットに基づき得る。一般に、中央処理ユニットは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はこれらの両方から命令及びデータを受け取ることになる。コンピュータの基本的な要素は、命令を実行するか又は稼働させる中央処理ユニットと、命令及びデータを保存する1つ又は複数のメモリ装置とである。また、一般に、コンピュータは、例えば、磁気、磁気光ディスク若しくは光ディスクなど、データを保存する1つ若しくは複数のストレージ装置を含むことになるか、又はそれとデータを受信及び転送するか若しくはこれらの両方を実行するように動作可能に結合されることになる。但し、コンピュータがこのような装置を有することは、必須ではない。更に、コンピュータは、例えば、いくつかの例を挙げれば、携帯電話機、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:personal digital assistant)、モバイルオーディオ若しくはビデオプレーヤー、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)レシーバ又は例えばユニバーサルシリアルバス(USB:universal serial bus)フラッシュドライブなどの携帯型ストレージ装置などの別の装置内に埋め込むこともできる。
【0161】
コンピュータプログラム命令及びデータを保存するのに適したコンピュータ可読媒体は、例として、例えばEPROM、EEPROM及びフラッシュメモリ装置などの半導体メモリ装置、例えば内部ハードディスク又は着脱自在のディスクなどの磁気ディスク、磁気光ディスク及びCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含むすべての形態の不揮発性メモリ、媒体及びメモリ装置を含む。プロセッサ及びメモリは、特殊目的論理回路によって補完するか、又はその内部に内蔵することもできる。
【0162】
ユーザとのやり取りを提供するために、本明細書に記述される主題の実施形態は、例えば、情報をユーザに表示するためのCRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどの表示装置と、ユーザが入力をコンピュータに提供し得るキーボード並びに例えばマウス又はトラックボールなどのポインティング装置とを有するコンピュータ上で実装することができる。他の種類の装置も、同様に、ユーザとのやり取りを提供するために使用され得、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック又は触覚的フィードバックなどの任意の形態の感覚的フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響、発話又は触覚入力を含む任意の形態で受け取られ得る。加えて、コンピュータは、例えば、ウェブブラウザから受け取られた要求に応答してウェブページをユーザのクライアント装置上のウェブブラウザに送信することなどにより、ユーザによって使用される装置に文書を送信し、装置から文書を受け取ることにより、ユーザとやり取りすることができる。
【0163】
本明細書に記述される主題の実施形態は、例えば、データサーバとしてのものなどのバックエンドコンポーネントを含むか、又は例えばアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含むか、又は例えばユーザが本明細書に記述される主題の実装形態とやり取りし得る、グラフィカルユーザインターフェイス若しくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネント又はこのようなバックエンド、ミドルウェア若しくはフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含む演算システム内に実装することができる。システムのコンポーネントは、例えば、通信ネットワークなどの任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信によって相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、例えばインターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)とを含む。
【0164】
演算システムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般に相互に離れており、通常、通信ネットワークを通してやり取りする。クライアント及びサーバの関係は、個々のコンピュータ上で稼働し、相互にクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムに起因して発生する。
【0165】
本明細書は、多くの特定の実装形態の詳細を含むが、これらは、任意の発明の範囲又は特許請求され得る範囲に対する限定として解釈してはならず、むしろ特定の発明の特定の実施形態に固有のものであり得る特徴の説明として解釈することを要する。別個の実施形態に関連して本明細書に記述される特定の特徴は、単一の実施形態で組合せにおいて実装することもできる。逆に、単一の実施形態に関連して記述される様々な特徴も複数の実施形態で別個に又は任意の適切な部分組合せで実装することができる。更に、特徴が特定の組合せで機能するものとして上述されている場合もあり、場合によりそのように当初特許請求される場合もあるが、特許請求される組合せからの1つ又は複数の特徴は、いくつかの場合、組合せから削除することができ、特許請求された組合せは、部分組合せ又は部分組合せの変形形態を対象とすることができる。
【0166】
同様に、動作も特定の順序において図面に描かれているが、これは、望ましい結果を実現するために、このような動作が図示の特定の順序若しくはシーケンシャルな順序で実行されるか、又はすべての図示される動作が実行されることを必要とするものとして解釈してはならない。特定の状況において、マルチタスク化及び並行処理が有利であり得る。更に、上述の実施形態における様々なシステムモジュール及びコンポーネントの分離は、すべての実施形態において、このような分離を必要とするものとして理解してはならず、記述されるプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェアプロダクトで1つに統合され得るか、又は複数のソフトウェアプロダクトとしてパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0167】
従って、以上では、主題の特定の実施形態について説明した。他の実施形態も添付の請求項の範囲に含まれる。例えば、主題は、科学論文に関連して記述される。主題は、調査に深さの側面を追加する他の索引付けされた研究にも適用することができる。いくつかの場合、請求項で記述されるアクションは、異なる順序で実行することができ、依然として望ましい結果を実現することができる。加えて、添付の図面に描かれるプロセスは、望ましい結果を実現するために必ずしも図示の特定の順序又はシーケンシャルな順序を必要としない。特定の実装形態では、マルチタスク化及び並列処理が有利であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
【手続補正書】
【提出日】2021-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスブローカにより、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)接続を通してクライアント装置からウェブページの第1要求を受け取るステップであって、前記第1要求は特定の患者の患者情報を含む、ステップと、
前記第1要求に応答して、前記サービスブローカにより、前記特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定するステップであって、前記特定のウェブページは第1ユーザインターフェイスを表示する、ステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、前記HTTP接続を通して前記特定のウェブページを前記クライアント装置に提供するステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップと、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第1リアルタイム医療データの第2要求を受け取るステップであって、前記第2要求は前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性を規定する医療データプロトコルを識別する、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数のデータソースから、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の属性のそれぞれの値を含むリアルタイム医療データサンプルの第1組を取得するステップと、
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記第1リアルタイム医療データを提示するために、前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して第2ユーザインターフェイスを前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、医療データ表示方法。
【請求項2】
前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して、前記特定のウェブページは、前記クライアント装置と前記サービスブローカとの間で前記ウェブソケット接続を確立するために前記クライアント装置を起動するように構成される、請求項1に記載の医療データ表示方法。
【請求項3】
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップは、
前記サービスブローカにより、前記クライアント装置から、前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して起動されるウェブソケット接続要求を受け取るステップと、
前記ウェブソケット接続要求に応答して、前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、ウェブソケット接続応答を前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、請求項1に記載の医療データ表示方法。
【請求項4】
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して非同期的に医療データを前記クライアント装置に転送するステップを更に含む、請求項1に記載の医療データ表示方法。
【請求項5】
前記医療データプロトコルで規定された1つ又は複数の前記データ属性は、識別、サンプルレート、プロット時間、及びバッファ情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医療データ表示方法。
【請求項6】
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップは、
前記サービスブローカにより、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性のそれぞれの値を含む前記第2要求からの識別、サンプルレート、プロット時間及びバッファ情報のそれぞれの値を識別するステップと、
前記識別の値に基づいて、リアルタイムで監視装置によって監視される1つ又は複数の波形の特定の波形を決定するステップと、
前記サービスブローカにより、前記プロット時間、前記サンプルレート及び前記バッファ情報のそれぞれの値に基づいて、前記プロット時間の前記サンプリングレートを使用してバッファ内に前記特定の波形を書き込むステップと、
前記バッファ内に書き込まれた前記特定の波形に基づいて、前記サービスブローカにより、前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、を含む請求項4に記載の医療データ表示方法。
【請求項7】
前記第1リアルタイム医療データを提供するステップは、
前記サービスブローカにより、前記データベース内に保存された前記第1リアルタイム医療データを読み取るステップと、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記第1リアルタイム医療データを前記クライアント装置に提供するステップと、を含む請求項6に記載の医療データ表示方法。
【請求項8】
前記クライアント装置は、医療データのための前記サービスブローカに対するサブスクライバである、請求項1に記載の医療データ表示方法。
【請求項9】
前記ウェブソケット接続は、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)に基づく通信を使用して前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で確立される、請求項1に記載の医療データ表示方法。
【請求項10】
前記特定のウェブページは、(i)前記HTTP接続を通して前記サービスブローカから前記クライアント装置に提供される前記第1ユーザインターフェイスと、(ii)前記サービスブローカから前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置に提供される前記第1リアルタイム医療データを提示する前記第2ユーザインターフェイスとを同時に表示する、請求項1に記載の医療データ表示方法。
【請求項11】
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第2リアルタイム医療データの第3要求を受け取るステップであって、前記第3要求は前記第2リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性のそれぞれの値を含む、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数の前記データソースからリアルタイム医療データサンプルの第2組を受け取るステップと、
前記第2リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて、リアルタイム医療データサンプルの前記第2組から前記第2リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記サービスブローカにより、前記第1ユーザインターフェイスを維持しつつ、前記第1リアルタイム医療データの代わりに前記第2リアルタイム医療データを提示するために前記第2ユーザインターフェイスを更新するステップと、を更に含む、請求項10に記載の医療データ表示方法。
【請求項12】
1つ又は複数のコンピュータと、1つ又は複数の前記コンピュータによって実行されたときに、1つ又は複数の前記コンピュータに動作を実行させるように動作可能な命令が保存される1つ又は複数のストレージ装置と、を備え、前記動作は、
サービスブローカにより、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)接続を通してクライアント装置からウェブページの第1要求を受け取るステップであって、前記第1要求は特定の患者の患者情報を含む、ステップと、
前記第1要求に応答して、前記サービスブローカにより、前記特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定するステップであって、前記特定のウェブページは第1ユーザインターフェイスを表示する、ステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、前記HTTP接続を通して前記特定のウェブページを前記クライアント装置に提供するステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップと、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第1リアルタイム医療データの第2要求を受け取るステップであって、前記第2要求は前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性を規定する医療データプロトコルを識別する、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数のデータソースから、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の属性のそれぞれの値を含むリアルタイム医療データサンプルの第1組を取得するステップと、
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記第1リアルタイム医療データを提示するために、前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して第2ユーザインターフェイスを前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、医療データ表示システム。
【請求項13】
前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して、前記特定のウェブページは、前記クライアント装置と前記サービスブローカとの間で前記ウェブソケット接続を確立するために前記クライアント装置を起動するように構成される、請求項12に記載の医療データ表示システム。
【請求項14】
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップは、
前記サービスブローカにより、前記クライアント装置から、前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して起動されるウェブソケット接続要求を受け取るステップと、
前記ウェブソケット接続要求に応答して、前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、ウェブソケット接続応答を前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、請求項12に記載の医療データ表示システム。
【請求項15】
前記医療データプロトコルで規定された1つ又は複数の前記データ属性は、識別、サンプルレート、プロット時間、及びバッファ情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の医療データ表示システム。
【請求項16】
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップは、
前記サービスブローカにより、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性のそれぞれの値を含む前記第2要求からの識別、サンプルレート、プロット時間及びバッファ情報のそれぞれの値を識別するステップと、
前記識別の値に基づいて、リアルタイムで監視装置によって監視される1つ又は複数の波形の特定の波形を決定するステップと、
前記サービスブローカにより、前記プロット時間、前記サンプルレート及び前記バッファ情報のそれぞれの値に基づいて、前記プロット時間の前記サンプリングレートを使用してバッファ内に前記特定の波形を書き込むステップと、
前記バッファ内に書き込まれた前記特定の波形に基づいて、前記サービスブローカにより、前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、を含む請求項15に記載の医療データ表示システム。
【請求項17】
前記特定のウェブページは、(i)前記HTTP接続を通して前記サービスブローカから前記クライアント装置に提供される前記第1ユーザインターフェイスと、(ii)前記サービスブローカから前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置に提供される前記第1リアルタイム医療データを提示する前記第2ユーザインターフェイスとを同時に表示する、請求項12に記載の医療データ表示システム。
【請求項18】
前記動作は、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第2リアルタイム医療データの第3要求を受け取るステップであって、前記第3要求は前記第2リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性のそれぞれの値を含む、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数の前記データソースからリアルタイム医療データサンプルの第2組を受け取るステップと、
前記第2リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて、リアルタイム医療データサンプルの前記第2組から前記第2リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記サービスブローカにより、前記第1ユーザインターフェイスを維持しつつ、前記第1リアルタイム医療データの代わりに前記第2リアルタイム医療データを提示するために前記第2ユーザインターフェイスを更新するステップと、を更に含む、請求項17に記載の医療データ表示システム。
【請求項19】
1つ又は複数のコンピュータによって実行されたときに、1つ又は複数の前記コンピュータに動作を実行させるように動作可能な命令を保存する1つ又は複数の非一時的ストレージ装置であって、前記動作は、
サービスブローカにより、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)接続を通してクライアント装置からウェブページの第1要求を受け取るステップであって、前記第1要求は特定の患者の患者情報を含む、ステップと、
前記第1要求に応答して、前記サービスブローカにより、前記特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定するステップであって、前記特定のウェブページは第1ユーザインターフェイスを表示する、ステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間でウェブソケット接続を確立するために、前記サービスブローカにより、HTTP接続を通して前記特定のウェブページを前記クライアント装置に提供するステップと、
前記サービスブローカと前記クライアント装置との間で前記ウェブソケット接続を確立するステップと、
前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して前記クライアント装置から第1リアルタイム医療データの第2要求を受け取るステップであって、前記第2要求は前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数のデータ属性を規定する医療データプロトコルを識別する、ステップと、
前記サービスブローカにより、1つ又は複数のデータソースから、前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の属性のそれぞれの値を含むリアルタイム医療データサンプルの第1組を取得するステップと、
前記第1リアルタイム医療データの1つ又は複数の前記データ属性の値に基づいて前記第1リアルタイム医療データを生成するステップと、
前記第1リアルタイム医療データを提示するために、前記サービスブローカにより、前記ウェブソケット接続を通して第2ユーザインターフェイスを前記クライアント装置に提供するステップと、を含む、1つ又は複数の非一時的ストレージ装置。
【請求項20】
前記クライアント装置上で前記特定のウェブページを読み込むことに応答して、前記特定のウェブページは、前記クライアント装置と前記サービスブローカとの間で前記ウェブソケット接続を確立するために前記クライアント装置を起動するように構成される、請求項19に記載の1つ又は複数の非一時的ストレージ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
ウェブページの要求に応答して、ウェブサーバ232は、要求をウェブアプリケーションサーバ23に割り当てる。ウェブアプリケーションサーバ23は、特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定する。いくつかの実装形態において、ウェブページは、要求内に含まれる患者情報に対応する特定の患者を識別するデータを提示するためのインターフェイスを含む。いくつかの実装形態において、インターフェイスは、コマンドラインインターフェイス(CLI:command line interface)、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI:graphical user interface)又はこれらの2つの様々な組合せであり得る。ウェブアプリケーションサーバ23は、クライアント装置210に対するインターフェイスを含むウェブページを提供する。ウェブページ内に含まれるインターフェイスについて、図6A及び図6Bを参照して更に詳細に説明する。いくつかの実装形態において、ウェブページは、HTTP接続を通してサービスブローカ230からクライアント装置210に提供することができる。但し、クライアント装置210とサービスブローカ230との間の接続のタイプは、HTTP接続に限定されない。様々な実装形態において、任意の適切なタイプの接続をクライアント装置210とサービスブローカ230との間で使用することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
リアルタイム医療データの要求に応答して、サービスブローカ230は、リアルタイム医療データサンプルの組を取得する。いくつかの実装形態において、リアルタイム医療データサンプルの組は、要求されたリアルタイム医療データの属性のそれぞれの値を含む。例えば、クライアント装置210が、特定の患者に関連するリアルタイム医療データの要求を提供した場合、サービスブローカ230のウェブソケットハンドラ23は、データベース238を含む1つ又は複数のデータベースからリアルタイム医療データサンプルの組を取得する。この例において、リアルタイム医療データサンプルの組は、要求されたリアルタイム医療データの属性のそれぞれの値を含むことができる。即ち、リアルタイム医療データサンプルの組は、識別、サンプリングレート、プロット時間、要求されたリアルタイム医療データのバッファ情報の値を含むことができる。いくつかの実装形態において、サービスブローカ230は、1つ又は複数の監視装置からリアルタイム医療データサンプルの組を直接取得する。例えば、図1を参照すると、サービスブローカ230は、胸部センサ10、手首センサ106及び指センサ107など、患者104によって着用されたセンサからリアルタイム医療データサンプルの組を取得することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
ウェブアプリケーションサーバ334は、要求内に含まれる患者情報に基づいてウェブページを決定し、ウェブページを、HTTP接続を通してクライアント装置に提供する(ステップ316)。ウェブアプリケーションサーバ334は、特定の患者の患者情報に基づいて特定のウェブページを決定する。例えば、ウェブアプリケーションサーバ334は、患者の写真、患者の名前、患者の医療データ又は患者の個人情報の少なくとも1つを含むデータを識別するウェブページを決定する。いくつかの実装形態において、ウェブページは、データを提示するためのインターフェイスを含む。いくつかの実装形態において、インターフェイスは、CLI、GUI又はこれらの2つの様々な組合せであり得る。ウェブアプリケーションサーバ33は、インターフェイスを含むウェブページをクライアント装置310に提供する。いくつかの実装形態において、ウェブページは、HTTP接続を通してサービスブローカ330からクライアント装置310に提供することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
サービスブローカ330からウェブページを受け取った際、クライアント装置310は、クライアント装置310とサービスブローカ330との間で接続を確立するためにウェブソケット接続要求をウェブソケットハンドラ336に提供する(ステップ342)。例えば、要求されたウェブページがクライアント装置310のウェブブラウザによって読み込まれる際、ウェブソケット接続がクライアント装置310とサービスブローカ330との間で確立される。この例において、ウェブページは、例えばジャバスクリプト(JavaScript)でプログラミングされたコマンドなどの特定のコマンドを含むことができ、これにより、クライアント装置310上のコマンドを含むウェブページを読み込むことに応答して、コマンドがウェブソケット接続要求をウェブソケットハンドラ33に提供するようにクライアント装置310を起動し得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0134】
これらの実装形態において、心拍数波形728、数値的な心拍数値741、許容可能な心拍数レベル742を表示するためのリアルタイム医療データの要求は、クライアント装置からHTTP接続を通してサービスブローカに提供することができる。例えば、クライアント装置のユーザは、ユーザインターフェイス720上に提示された情報のすべてを含むパブリッシュされたチャネルをサブスクライブするためにクライアント装置を使用することができる。次いで、クライアント装置は、リアルタイム情報が表示される方式を規定した情報を、HTTP接続を介して受け取る。例えば、2つの装置間のHTTP接続を介したユーザインターフェイス720を表示する、システム(例えば、システム330)によってクライアント装置(例えば、クライアント装置310)に提供される情報は、表示される情報(例えば、ECG及び他の波形データ728,746,754、心拍数値741、アラーム状態を示すアイコン744など)の特定のタイプの画面上における場所を指定することができる。また、HTTPデータは、様々な波形の色、値、背景及び境界線、様々な値のサイズ(例えば、数値及びアイコンのサイズ)、アラーム状態アイコン744などのアイコンの外観、数値及び文字のフォント及び他の表示態様を含む、データが表示される方式を開示することができる。この表示フォーマットは、変化する可能性が低いか、又は時機を限って(例えば、クライアント装置が患者情報の異なる組を要求し、及び/又は異なる情報チャネルをサブスクライブした際に)変化することになる静的情報と見なすことができる。従って、患者情報の表示コンテキストを制御するこの静的な又はほぼ静的な情報は、HTTP接続を介して送信される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0135】
対照的に、例えば、心拍数波形728、数値的な心拍数値741及びアラーム状態を示すアイコン744を含む、表示される情報のそれぞれの断片ごとの値を示すリアルタイムデータは、ウェブソケット接続を通してサービスブローカからクライアント装置に提供される。この情報は、新しい情報が、患者によって着用されたセンサから収集されるのに伴って変化する点で動的である。ウェブソケット接続は、HTTP接続を介して受け取られる情報によって規定された表示パラメータに従い、ユーザインターフェイス720上に表示される、このリアルタイムの動的に変化するデータの迅速な転送を促進する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
ユーザインターフェイス720は、患者の現在の向きを示す向きインジケータ767と、患者が現在の向きで留まる長さを示す時間インジケータ768とを更に含む。向きインジケータ76は、介護者が、患者が現在の向きで好ましい時間の長さを超えて留まるかどうかを識別することを支援することができる。向きインジケータ76は、(例えば、アラームが「オフ」であることを示す可聴又は視覚アラームの使用を通して)患者が転倒し、支援を必要とすることを示すために使用することもできる。クライアント装置は、いくつかの向きインジケータ767を、HTTP接続を介して受け取ることができ、この場合、向きインジケータ767のそれぞれのバリエーションは、患者の異なる向き(例えば、あおむけ、うつ伏せ、一方の側を下にして又は他方の側を下にして横になる、少し傾いている、直立状態で着座する、直立するなど)を示す。クライアント装置は、ウェブソケット接続を介して、患者の向きを示す動的情報を受け取ることができ、次いで、クライアント装置は、表示する、HTTP接続を介して受け取られた向きインジケータを決定するために、ウェブソケット接続を介して受け取られたその動的情報を使用することができる。換言すれば、HTTP接続を介して受け取られる情報は、特定の向きを示す情報が表示される方式を規定する一方、ウェブソケット接続を介して受け取られる情報は、患者の向きを示し、従って表示される予め受け取られた向きインジケータ767を決定する。
【国際調査報告】