(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】核燃料集合体のスペーサグリッド内に少なくとも1つの核燃料棒を挿入するための方法および組立てシステム
(51)【国際特許分類】
G21C 3/34 20060101AFI20220202BHJP
G21C 21/00 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
G21C3/34 500
G21C21/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534202
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2019084784
(87)【国際公開番号】W WO2020120648
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391045831
【氏名又は名称】フラマトム
【氏名又は名称原語表記】FRAMATOME
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】オスフォルト,エヴァルド
(57)【要約】
該方法は、スペーサグリッド(14)の1つを介する核燃料棒(4)の挿入の前に核燃料棒(4)が潤滑チャンバ(30)内を通過するような形でスペーサグリッド(14)と整列した潤滑チャンバ(30)内に核燃料棒(4)を通過させると共に、組立て軸(A)に沿って整列したスペーサグリッド(14)を介して核燃料棒(4)を挿入するステップと、潤滑チャンバ(30)内で気体と気相および/またはミスト形状の潤滑剤とを含有する潤滑流体を循環させるステップであって、潤滑流体が周囲温度よりも絶対的に高い温度で潤滑チャンバ(30)内に注入され、こうして潤滑剤が液相で被着または凝縮して、スペーサグリッド(14)のうちの前記1つを介して挿入されつつある核燃料棒(4)の外部表面上に潤滑剤フィルムを形成するようになるステップと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料集合体(2)のスペーサグリッド(14)を介する核燃料棒(4)の挿入方法において、前記スペーサグリッド(14)の1つを介する前記核燃料棒(4)の挿入の前に前記核燃料棒(4)が潤滑チャンバ(30)内を通過するような形で前記スペーサグリッド(14)と整列した潤滑チャンバ(30)内に前記核燃料棒(4)を通過させると共に、組立て軸(A)に沿って整列した前記スペーサグリッド(14)を介して核燃料棒(4)を挿入するステップと、前記潤滑チャンバ(30)内で気体と気相および/またはミスト形状の潤滑剤とを含有する潤滑流体を循環させるステップであって、前記潤滑流体が周囲温度よりも絶対的に高い温度で潤滑チャンバ(30)内に注入され、こうして潤滑剤が液相で被着または凝縮して、前記スペーサグリッド(14)のうちの前記1つを介して挿入されつつある前記核燃料棒(4)の外部表面上に潤滑剤フィルムを形成するようになるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記潤滑チャンバ(30)内に注入された前記潤滑流体中の前記潤滑剤が周囲温度よりも絶対的に高い露点を有する、請求項1に記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項3】
前記潤滑流体が、前記潤滑流体中の前記潤滑剤の露点よりも絶対的に高い温度で前記潤滑チャンバ(30)内に注入される、請求項1または2に記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項4】
前記気体中に前記潤滑剤を噴霧することによって前記潤滑流体を生成するステップを含む、請求項1から3のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項5】
前記潤滑チャンバ(30)内に前記潤滑流体を注入する前に前記潤滑流体を加熱するステップを含む、請求項1から4のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項6】
前記潤滑チャンバ(30)の出口で収集した潤滑流体を潤滑流体発生装置(38)に戻すステップを含む、請求項1から5のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項7】
前記潤滑チャンバ(30)の出口で収集した潤滑流体を凝縮器(58)内に通過させて、前記凝縮器(58)の液体出口(58C)において液相の潤滑剤を回収するステップを含む、請求項1から6のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項8】
前記凝縮器(58)の流体出口(58B)から潤滑剤の枯渇した潤滑流体を収集するステップと、前記潤滑剤の枯渇した潤滑流体と前記液相の潤滑剤とを別々に潤滑流体発生装置(38)まで戻すステップとを含む、請求項7に記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項9】
前記潤滑チャンバ(30)内で潤滑流体流に沿って循環する少なくとも1つの乾燥気体流を形成しながら、前記潤滑チャンバ内(30)に乾燥気体を注入するステップと、前記潤滑チャンバ(30)の出口で前記潤滑流体と共に前記乾燥気体流を収集するステップとを含む、請求項1から8のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項10】
前記潤滑チャンバ(30)内で前記潤滑流体流の両側に2つの乾燥気体流を形成するステップを含む、請求項9に記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項11】
前記潤滑流体の前記気体が空気または不活性気体であり、前記潤滑剤が水、アルコール、アセトンまたはそれらの混和物である、請求項1から10のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項12】
核燃料集合体(2)のスペーサグリッド(14)を介して核燃料棒(4)を挿入するための組立てシステムにおいて、前記組立てシステムが、それぞれのスペーサグリッド(14)を整列構成に保持するための保持用装置(24)を含む組立てステーション(22)と前記スペーサグリッド(14)を介して挿入されつつある少なくとも1つの核燃料棒(4)を潤滑するために構成された潤滑システム(26)とを含み、前記潤滑システム(26)が、前記スペーサグリッド(14)のうちの1つを介する各々の核燃料棒(4)の挿入の前に各々の核燃料棒(4)が潤滑チャンバ(30)内を通過するような形で前記スペーサグリッド(14)と整列した潤滑チャンバ(30)を含み、前記潤滑システム(26)が、気体と気相および/またはミスト形状の潤滑剤とを含有する潤滑流体を前記潤滑チャンバ(30)内に注入するために構成された潤滑回路(32)を含み、前記潤滑チャンバ(30)内の潤滑流体が、周囲温度よりも絶対的に高い温度にあり、こうして、前記潤滑チャンバ(30)を通る行程中に各々の核燃料棒(4)上に潤滑剤が液相で被着または凝縮して、前記核燃料棒(4)の外部表面上に潤滑剤フィルムを形成するようになっている、組立てシステム。
【請求項13】
前記気体中に潤滑剤を噴霧することにより潤滑剤流体を生成するために構成された潤滑流体発生装置(38)および/または、前記潤滑チャンバ(30)内への潤滑流体の注入の前に前記潤滑流体を加熱するために構成されたフィードライン加熱器(52)を含む、請求項12に記載の組立てシステム。
【請求項14】
前記潤滑チャンバ(30)の前記出口で収集した潤滑流体を収容するために前記潤滑チャンバ(30)の出口に流体連結された入口(58A)を有する凝縮器(58)を含み、前記凝縮器(58)が、前記気体中に潤滑剤を噴霧することにより潤滑剤流体を生成するために構成された潤滑流体発生装置(38)に別々に流体連結されている流体出口(58B)および液体出口(58C)を有する、請求項12または13に記載の組立てシステム。
【請求項15】
前記潤滑チャンバ(30)内で潤滑流体流に沿って流れる少なくとも1つの乾燥気体流、好ましくは前記潤滑流体流の両側で2つの乾燥気体流を生成するために構成された気体注入回路(74)を含む、請求項12から14のいずれか一つに記載の組立てシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核燃料集合体のスペーサグリッド内に少なくとも1つの核燃料棒を挿入するための方法および組立てシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉は、並んで配設された複数の核燃料集合体で構成されている炉心を含む。
【0003】
各々の燃料集合体は、燃料集合体軸に沿って延在する平行な核燃料棒の束および燃料棒を支持する補強材を含む。
【0004】
各々の燃料棒が概して、核分裂性物質を完全に包む管状燃料棒被覆材を含み、核分裂性物質は、例えば管状被覆材内に積重ねられた燃料ペレットの形で提供される。
【0005】
補強材は、とりわけ、燃料棒束に沿って分布した複数のスペーサグリッドを含み、各々のスペーサグリッドは、集合体軸に沿ってかつ集合体軸に対して横断方向に、離隔した関係で燃料棒を支持するために構成されている。
【0006】
各々のスペーサグリッドは、管セルと燃料棒セルを含むセル格子を含み、各々の燃料棒セルは、燃料棒束のそれぞれの燃料棒を収容している。スペーサグリッドの各々の燃料棒セルには、例えば燃料棒セルの単数または複数の側壁の上に位置付けられた支持用特徴部、例えば単数または複数の可撓性ばねおよび/または単数または複数の剛性ディンプルが具備されている。
【0007】
補強材内への燃料棒の組付けの見地から、スペーサグリッドは、挿入方向に整列させられており、各々のスペーサグリッドは挿入方向に直交して延在し、組立てベンチまたはステーション上に補強材をしっかりと取付けること、そして挿入方向に沿ってスペーサグリッドを介して各々の燃料棒を挿入することが可能である。
【0008】
しかしながら、スペーサグリッドを介する燃料棒の挿入は、燃料棒を収容する燃料棒セルの支持用特徴部との接触による燃料棒被覆材の擦過、および燃料棒とスペーサグリッドの支持用特徴部との間の接触部域内への擦過傷の蓄積によりバリが発生する可能性がある。
【0009】
摩擦力を制限し擦過傷の形成を防止する見地から、スペーサグリッドを介する燃料棒の挿入のために燃料棒を潤滑することが可能である。
【0010】
潤滑剤が水でない場合、原子炉の一次回路内で使用される材料にとって有害であり得るいかなる化学反応も回避するために、炉心内への核燃料集合体の挿入前に、潤滑剤を除去しなければならない。このような除去は、非常に困難であり得、いかなる汚染も存在しないこと、すなわち燃料集合体上、特に燃料棒とスペーサグリッドとの間の接触部域内にいかなる残留潤滑剤も存在しないことが実証されなければならない。同様に、水でない潤滑剤は、結果的に燃料棒被覆材上の腐食の問題に至る可能性もある。
【0011】
米国特許第3757403号明細書は、スペーサグリッドアセンブリ内に挿入される前に核燃料棒集合体に白霜様の被着物(すなわち「半多孔質ドライフロスト状白霜」)を適用することを教示している。このために、燃料棒は、湿潤雰囲気内で約0℃に冷却されるか、または代替的に、燃料棒は、0℃を下回る温度まで冷却されて、湿潤雰囲気中で約-10℃~0℃の温度まで温められ得る。燃料棒は、ドライアイスを用いて、例えばドライアイスの上方のラック上に燃料棒を置くことによって、冷却される。
【0012】
しかしながら、燃料棒を低温まで冷却することおよび/または燃料棒を冷却するためにアイスを使用することには、スペーサグリッドを介する燃料棒の挿入の時点で、ばねなどのスペーサグリッドの支持用特徴部を損傷し得る制御できない氷の形成のリスクがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的の1つは、実装が容易でかつ燃料集合体の汚染のリスクを制限すると同時に、燃料棒を損傷するリスクを制限する核燃料集合体補強材またはスペーサグリッド内への核燃料棒の挿入方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このために、本発明は核燃料集合体のスペーサグリッドを介する燃料棒の挿入方法において、スペーサグリッドの1つを介する燃料棒の挿入の前に燃料棒が潤滑チャンバ内を通過するような形でスペーサグリッドと整列した潤滑チャンバ内に燃料棒を通過させると共に、組立て軸に沿って整列したスペーサグリッドを介して燃料棒を挿入するステップと、潤滑チャンバ内で気体と気相および/またはミスト形状の潤滑剤とを含有する潤滑流体を循環させるステップであって、潤滑流体が周囲温度よりも絶対的に高い温度で潤滑チャンバ内に注入され、こうして潤滑剤が液相で被着または凝縮して、スペーサグリッドのうちの前記1つを介して挿入されつつある燃料棒の外部表面上に潤滑剤フィルムを形成するようになるステップと、を含む方法を提案している。
【0016】
液相の潤滑剤が燃料棒上に被着または凝縮した状態でスペーサグリッドを介して燃料棒を挿入することで、燃料棒および/またはスペーサグリッドを損傷するリスクを制限しながら、燃料棒の効率の良い潤滑を得ることが可能になる。潤滑は、少量の潤滑剤で容易にかつ効率良く実装可能である。潤滑剤は、例えば水であり、したがって、化学的なリスクは制限され、燃料棒の挿入後に潤滑剤を除去する必要性は回避される。
【0017】
具体的な実施形態において、燃料棒を挿入する方法は、個別にまたは任意の技術的に実現可能な組合せの形で単数または複数の以下の任意の特徴を含むことができる:
- 潤滑チャンバ内に注入された潤滑流体中の潤滑剤は、周囲温度よりも絶対的に高い露点を有する;
- 潤滑流体は、潤滑流体中の潤滑剤の露点よりも絶対的に高い温度で潤滑チャンバ内に注入される。
- 該方法は、気体中に潤滑剤を噴霧することによって潤滑流体を生成するステップを含む;
- 該方法は、潤滑チャンバ内に潤滑流体を注入する前に潤滑流体を加熱するステップを含む;
- 該方法は、潤滑チャンバの出口で収集した潤滑流体を潤滑流体発生装置に戻すステップを含む;
- 該方法は、潤滑チャンバの出口で収集した潤滑流体を凝縮器に通過させて、凝縮器の液体出口において液相の潤滑剤を回収するステップを含む;
- 該方法は、凝縮器の流体出口から潤滑剤の枯渇した潤滑流体を収集するステップと、潤滑剤の枯渇した潤滑流体と液相の潤滑剤とを別々に潤滑流体発生装置まで戻すステップとを含む;
- 該方法は、潤滑チャンバ内で潤滑流体流に沿って循環する少なくとも1つの乾燥気体流を形成しながら、潤滑チャンバ内に乾燥気体を注入するステップと、潤滑チャンバの出口で潤滑流体と共に乾燥気体流を収集するステップと、を含む;
- 該方法は、潤滑チャンバ内で潤滑流体流の両側に2つの乾燥気体流を形成するステップを含む;
- 潤滑流体の気体は空気または不活性気体であり、潤滑剤は水、アルコール、アセトンまたはそれらの混和物である。
【0018】
本発明は同様に、核燃料集合体のスペーサグリッドを介して核燃料棒を挿入するための組立てシステムにおいて、該組立システムは、それぞれのスペーサグリッドを整列構成に保持するための保持用装置を含む組立てステーションとスペーサグリッドを介して挿入されつつある少なくとも1つの燃料棒を潤滑するために構成された潤滑システムとを含み、該潤滑システムは、スペーサグリッドのうちの1つを介する各々の燃料棒の挿入の前に各々の燃料棒が潤滑チャンバ内を通過するような形でスペーサグリッドと整列した潤滑チャンバを含み、該潤滑システムは、気体と気相および/またはミスト形状の潤滑剤とを含有する潤滑流体を潤滑チャンバ内に注入するために構成された潤滑回路を含み、潤滑チャンバ内の潤滑流体が、周囲温度よりも絶対的に高い温度にあり、こうして、潤滑チャンバを通る行程中に各々の燃料棒上に潤滑剤が液相で被着または凝縮して、燃料棒の外部表面上に潤滑剤フィルムを形成するようになっている、組立てシステムにも関する。
【0019】
具体的実施形態において、組立てシステムは、個別にまたは任意の技術的に実現可能な組合せの形で単数または複数の以下の任意の特徴を含むことができる:
- 該組立てシステムは、気体中に潤滑剤を噴霧することにより潤滑剤流体を生成するために構成された潤滑流体発生装置および/または、潤滑チャンバ内への潤滑流体の注入の前に潤滑流体を加熱するために構成されたフィードライン加熱器を含む;
- 該組立てシステムは、潤滑チャンバの出口で収集した潤滑流体を収容するために潤滑チャンバの出口に流体連結された入口を有する凝縮器を含み、凝縮器は、気体中に潤滑剤を噴霧することにより潤滑剤流体を生成するために構成された潤滑流体発生装置に別々に流体連結されている流体出口および液体出口を有する;
- 該組立てシステムは、潤滑チャンバ内で潤滑流体流に沿って流れる少なくとも1つの乾燥気体流、好ましくは潤滑流体流の両側で2つの乾燥気体流を生成するために構成された気体注入回路を含む。
【0020】
本発明およびその利点は、単に非限定的な例として示されている以下の説明を読み、添付図面を参照することによって、より良く理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】組立てシステムの潤滑システムの潤滑チャンバを例示する、核燃料集合体を組立てるための組立てシステムの縦断面概略図である。
【
図3】潤滑システムの潤滑回路を例示する、
図2のIII-IIIに沿って切り取った組立てシステムの横断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1の核燃料集合体2は、核燃料棒4の束と燃料棒4を支持するためのスケルトン6とを含む。
【0023】
燃料棒4は、互いにそして燃料集合体軸Lに対して平行に延在する。燃料集合体2は、燃料集合体軸Lに沿って細長い。燃料集合体軸Lは、燃料集合体2が原子炉の内部に配置されているとき垂直に延在する。
【0024】
スケルトン6は、下部ノズル8、上部ノズル10および、複数のガイド管12および複数のスペーサグリッド14を含む補強材11を含む。補強材11はさらに、図には表されていない計装管を含み得る。
【0025】
ガイド管12は、集合体軸Lに平行に延在し、集合体軸Lに沿って下部ノズル8と上部ノズル10との間に所定の間隔を維持しながら、下部ノズル8を上部ノズル10に連結する。燃料棒4は、燃料集合体2内で下部ノズル8と上部ノズル10との間に位置付けられるように、補強材11内に収容される。
【0026】
各々のガイド管12は、ガイド管12内への制御棒の挿入を可能にするために上部ノズル10を通して上向きに開放している。
【0027】
スペーサグリッド14は、燃料集合体2の下部ノズル8と上部ノズル10との間でガイド管12に沿って分布している。スペーサグリッド14は互いに間隔が空けられている。各々のスペーサグリッド14は、スペーサグリッド14を通って延在するガイド管12に固定的に取付けられている。
【0028】
各々のスペーサグリッド14は、離隔した関係で燃料棒4を支持するために構成されている。各々のスペーサグリッド14は、集合体軸Lに沿っておよび集合体軸Lに対して横断方向に燃料棒4を支持するために構成されている。
【0029】
各々のスペーサグリッド14は、個別の燃料棒セル16(
図2)を含み、各々の燃料棒セル16は、それぞれの燃料棒4を収容するために構成されている。
【0030】
各々の燃料棒セル16には、対応する燃料棒4と接触しこれを支持するために構成された支持用特徴部が具備されている。支持用特徴部は、例えば、単数または複数の弾性ばねおよび/または単数または複数の剛性ディンプルを含む。
【0031】
図2および3は、組立て軸Aに沿って整列した状態で、補強材11のスペーサグリッド14を介して燃料棒4を挿入することによって燃料集合体2を組立てるために構成された組立てシステム20を例示する。
【0032】
組立てシステム20は、複数の整列したスペーサグリッド保持用装置24を含む組立てステーション22を含み、各々の保持用装置24は補強材11のそれぞれのスペーサグリッド14を保持または支持するために構成されている。保持用装置24により保持されたスペーサグリッド14は、燃料集合体2の集合体軸Lに対応する組立て軸Aに沿って整列している。
【0033】
保持用装置24によって保持された各々のスペーサグリッド14は、組立て軸Aに直交する平面内に延在する。スペーサグリッド14の燃料棒セル16は、組立て軸A内に延在する。
【0034】
各々の保持用装置24は例えば、対応するスペーサグリッド14を既定の組立て位置に固定するために構成された保持用クランプである。
【0035】
スペーサグリッド14が組立て軸A内に整列した状態で補強材11が組立てステーション22内に収容されたとき、各々の燃料棒4は、
図2に例示された挿入方向Fで、組立て軸Aに沿ってスペーサグリッド14を通して挿入され得る。
【0036】
組立てシステム20は、スペーサグリッド14を介する燃料棒4の挿入時に燃料棒4を潤滑するために構成された潤滑システム26を含む。
【0037】
潤滑システム26は、スペーサグリッド14を介して挿入すべき燃料棒4の潤滑を目的として、スペーサグリッド14を介する燃料棒4の挿入方向Fを考慮した場合にスペーサグリッド14の上流側に設置されるように構成されている少なくとも1つの潤滑チャンバ30を含む。
【0038】
図2に例示されているように、潤滑チャンバ30は、好ましくは2つの連続するスペーサグリッド14の間に位置付けられている。
【0039】
他の場所も可能である。例えば、代替的には、潤滑チャンバ30は組立てステーション22の第1の保持用装置24の上流側に位置付けられる。
【0040】
さらに、潤滑システム26は、効率を上げるために組立て軸Aに沿って分布した複数の潤滑チャンバ30あるいは1つの潤滑チャンバ30を含むことができる。
【0041】
実施例において、潤滑チャンバ30は、少なくとも燃料棒4の束(
図3)のものに対応する内側横断面を有し、こうして潤滑チャンバ30を、束の全ての燃料棒4の挿入について同じ位置に保つことが可能となっている。
【0042】
潤滑チャンバ30は、潤滑チャンバ30の横断面を画定する側壁31を有する。
【0043】
潤滑チャンバ30の側壁31は、この実施例において潤滑流体がこれらの側壁31を通って流れて潤滑チャンバ30に進入し潤滑チャンバ30から退出し得ることを例示するために、
図2および3に破線で示されている。
【0044】
図3に例示される通り、潤滑システム26は、潤滑チャンバ30を通って潤滑流体流を循環させるための潤滑回路32を含む。
【0045】
潤滑流体は例えば、潤滑流体中に懸濁した状態の液体微細液滴の形態および/または気相の潤滑剤を含有する気体である。潤滑流体中に懸濁した状態の液体微細液滴は、「ミスト」と呼ばれる。
【0046】
潤滑回路32は、潤滑チャンバ30内に潤滑流体を注入するための流体分配器34、および潤滑チャンバ30を通って循環した潤滑流体を収集するための流体収集器36を含む。
【0047】
図2および3に例示された実施例において、分配器34は、第1の側壁31を通って潤滑チャンバ30内に潤滑流体を注入するように構成されており、収集器36は、第1の側壁31とは反対側の第2の側壁31を通って潤滑流体を収集するように構成されている。
【0048】
動作中、潤滑流体は、潤滑チャンバ30を通って分配器34から収集器36まで流れる。
【0049】
分配器34および収集器36は、動作中、潤滑流体流が組立て軸Aに本質的に直交して潤滑チャンバ30内を流れるような形で構成されている。
【0050】
図3の例示された実施例において、潤滑チャンバ30は、組立て軸Aに沿って見た場合に四角形の横断面を有し、分配器34および収集器36は、四角形の横断面の辺に沿って延在している。
【0051】
潤滑チャンバ30は、潤滑チャンバ30の四角形の横断面を画定する4つの側壁31を有する。
【0052】
分配器34はここでは、2つの隣接する側壁31を通って潤滑流体を注入するように構成され、収集器36は他の2つの隣接する側壁31を通って潤滑流体を収集するように配設されている。
【0053】
分配器34は例えば、それぞれの側壁31に沿って各々延在する2つの注入傾斜路34Aを伴うL字形をしており、収集器36も同様に、それぞれの側壁31に沿って各々延在する2つの収集傾斜路36Aを伴うL字形をしている。
【0054】
分配器34および収集器36の他の配設も可能である。例えば、分配器34は、潤滑チャンバ30の1個、2個または3個の側壁31を通って潤滑流体を注入するために構成され得る。さらに、収集器36は、潤滑チャンバ30の1個、2個または3個の側壁31を通って流体を収集するために構成され得る。
【0055】
潤滑チャンバ30は、四角形の横断面とは異なる横断面、例えば4辺より少ないかまたは4辺より多い辺を有する多角形の横断面、詳細には六角形の横断面を有し得る。
【0056】
例示されていない1つの具体的な実施形態において、分配器34は多角形の横断面の単一の辺に沿って潤滑流体を注入するように構成されており、収集器36は、分配器34により潤滑流体が注入される辺とは反対側の、多角形横断面の単一の辺に沿って潤滑流体を収集するように構成されている。
【0057】
別の具体的実施形態において、分配器34および収集器36は、多角形断面の単数または複数の辺、詳細には下部の辺に沿って位置付けられている。この実施形態においては、潤滑流体は、この(これらの)辺から分配器34によって注入され、降下物が同じ辺から収集器36によって収集される。分配器34および収集器36は例えば、同じ分配/収集ユニット内にある。
【0058】
潤滑回路32は、気体と気相および/またはミスト形状の潤滑剤とを含有する潤滑流体を生成するために構成された潤滑流体発生装置38を含む。
【0059】
潤滑流体発生装置38は、タンク40の底部部分40Aに液相の潤滑剤、および上部部分40Bに潤滑流体(気相および/またはミスト形状)を格納するタンク40を含む。
【0060】
潤滑流体発生装置38は、タンク40の上部部分40B内に潤滑剤を噴霧するために構成された噴霧装置42を含む。噴霧装置42は、タンク40の底部部分40Aから、タンク40の上部部分40B内に潤滑剤を注入するために配設された少なくとも1つの噴霧ノズル46まで延在するダクト44を含む。
【0061】
噴霧装置42は例えば、タンク40の下部部分40Aから少なくとも1つの噴霧ノズル46までダクト44内を流れるように液相の潤滑剤を強制するための噴霧用ポンプ48を含む。
【0062】
任意には、噴霧装置42は、液体潤滑剤を加熱するように構成された加熱器(図示せず)を含み、および/またはタンク40が、潤滑剤の温度をより良く調整するために加熱器を内蔵している。
【0063】
好ましくは潤滑剤の温度が制御されている状態でタンク40の上部部分40B内に液体潤滑剤を噴霧することによって、タンク40の上部部分40B内において制御された露点で潤滑流体を気相および/またはミスト形状に維持することが可能になる。
【0064】
潤滑流体発生装置38は、潤滑チャンバ30内への潤滑流体の注入のため潤滑チャンバ30に流体連結される。
【0065】
潤滑回路32は例えば、潤滑流体発生装置38が生成した潤滑流体を分配器34に補給するために、潤滑流体発生装置38、より具体的には潤滑流体発生装置38のタンク40の上部部分40Bを分配器34に流体連結するフィードライン50を含む。
【0066】
潤滑回路32は任意には、分配器34に補給する潤滑流体を加熱するためのフィードライン50上に配設されたフィードライン加熱器52を含む。フィードライン加熱器52は、フィードライン50に沿って潤滑流体発生装置38と分配器34との間に位置付けられている。
【0067】
フィードライン加熱器52は例えば電気加熱器、すなわち潤滑流体を過熱させるために使用される熱エネルギへと電気エネルギを変換するために構成された加熱器である。
【0068】
潤滑回路32は例えば、潤滑流体を潤滑流体発生装置38、詳細には潤滑流体発生装置38のタンク40まで戻すため、および/または好ましくは潤滑流体から潤滑剤の少なくとも一部を抽出した後に潤滑流体を放出するために構成されている。
【0069】
潤滑回路32は、潤滑流体発生装置38、ここでは潤滑流体発生装置38のタンク40まで潤滑流体を戻すための戻りライン56を含む。戻りライン56は、収集器36から潤滑流体発生装置38、ここでは潤滑流体発生装置38のタンク40まで延在する。
【0070】
潤滑回路32は、収集器36によって収集された潤滑流体内に含まれる潤滑剤を凝縮させるための凝縮器58を含む。
【0071】
凝縮器58は例えば、潤滑剤を凝縮させるため、潤滑流体と別の流体との間、例えば周囲空気との間の熱交換のために構成されている。
【0072】
凝縮器58は、収集器36によって収集された潤滑流体を収容するための入口58Aを含む。入口58Aは、戻りライン56を介して収集器36に流体連結されている。
【0073】
凝縮器58は、潤滑剤の枯渇した潤滑流体のための流体出口58B、および凝縮器58内で凝縮された液相の潤滑剤のための液体出口58Cを含む。流体出口58Bおよび液体出口58Cは、潤滑流体発生装置38、ここではタンク40に、別々に、それぞれのラインを介して流体連結されている。
【0074】
流体出口58Bは、例えば流体戻りライン60を介して、タンク40の上部部分40Bに流体連結され、液体出口58Cは、液体戻りライン62を介して、タンク40の底部部分40Aに流体連結されている。
【0075】
任意には、潤滑回路32は、凝縮器58を迂回させるためのバイパスライン64を含む。例えば、バイパスライン64は、戻りライン56を流体戻りライン60に連結する。
【0076】
潤滑回路32は好ましくは、選択的に凝縮器58を通してかまたはバイパスライン64を通して潤滑流体の流れを制御するために構成された流れ制御装置を含む。流れ制御装置は例えば、バイパスライン64を選択的に開放または閉鎖するためのバイパスライン64上に配設されたバルブ66である。
【0077】
潤滑回路32は任意には、潤滑回路32から気体を吐出するための気体ベント68を含む。気体ベント68はここでは、流体戻りライン60上に具備されている。
【0078】
潤滑回路32は、気体ベント68を選択的に閉鎖および開放するための気体ベント制御装置70を含む。気体ベント制御装置70は例えば、気体ベント68に具備されたバルブである。
【0079】
潤滑回路32は、潤滑回路32内で潤滑流体を循環させるための循環ポンプ72を含む。循環ポンプ72は例えば、流体戻りライン60上に配設される。
【0080】
任意には、潤滑回路32は、乾燥気体を潤滑回路32内に注入するために構成された気体注入回路74を含む。
【0081】
「乾燥気体」とはここでは、潤滑剤のための輸送用気体として潤滑流体中で使用されるが、潤滑剤を全く含まないかまたは潤滑チャンバ30内に注入される潤滑流体と比べて少ない潤滑剤しか含まない気体を意味する。
【0082】
気体注入回路74は、潤滑チャンバ30内に乾燥気体を注入するために構成されている。これにより、潤滑チャンバ30およびすでに挿入された燃料棒4を、次の燃料棒挿入ステップ前の乾燥モード段階の間に乾燥させることが可能になる。
【0083】
潤滑チャンバ30内に注入された乾燥気体は、例えば潤滑流体と共に収集器36によって収集される。
【0084】
図2に例示されているように、気体注入回路74は、潤滑チャンバ30内で乾燥気体流を生成するための少なくとも1つの注入器76、78を含む。
【0085】
気体注入回路74は有利には、挿入方向Fで潤滑チャンバ30の内部で乾燥気体および潤滑流体の層状流を生成するために構成されている。
【0086】
スペーサグリッド14を介して挿入され上流側潤滑チャンバ30内を通過している燃料棒4が、潤滑流体流および乾燥気体流を順次通過することになる。
【0087】
各々の乾燥気体流は、エアロックとして作用し、潤滑剤を含有する潤滑流体流を導いて、潤滑流体が潤滑回路32内に留まり、こうして潤滑剤の喪失または漏出を回避することを保証できるようにする。
【0088】
各々の乾燥気体流は、組立て軸Aに直交する潤滑流体流を維持する傾向を有し組立て軸Aに沿って軸方向に潤滑流体流がそれるのを防止する気体カーテンを形成するように構成されている。
【0089】
気体注入回路74は例えば、スペーサグリッド14を介する燃料棒4の挿入方向Fを考慮するとき、潤滑流体流の前に潤滑チャンバ30内に上流側乾燥気体流を、かつ/または潤滑流体流の後に下流側乾燥気体流を生成するために構成されている。
【0090】
したがって、燃料棒4は、潤滑流体流の中を通過する前に上流側乾燥気体流の中を通過し、かつ/または潤滑流体流の中を通過した後に下流側乾燥気体流の中を通過することになる。
【0091】
例示された実施例において、気体注入回路74は、スペーサグリッド14を介する燃料棒4の挿入方向Fを考慮するとき、潤滑流体流の前に潤滑チャンバ30内に上流側乾燥気体流を、そして潤滑流体流の後に下流側乾燥気体流を生成するために構成されている。
【0092】
気体注入回路74はここでは、潤滑流体流の上流側で潤滑チャンバ30内に上流側乾燥気体流を生成するための上流側注入器76および潤滑流体流の下流側で潤滑チャンバ30内に乾燥気体流を生成するための下流側注入器78を含む。
【0093】
乾燥気体流は、潤滑流体流の両側で流れ、潤滑流体を流体収集器36を介して強制的に潤滑チャンバ30から退出させる。
【0094】
図3に例示されているように、任意には、気体注入回路74は、潤滑回路32内で凝縮器58を介して通過する潤滑流体との熱交換のため、潤滑チャンバ30に補給される乾燥気体を、凝縮器58を介して強制的に通過するように構成されている。
【0095】
好ましくは、気体注入回路74は、凝縮器58を迂回するためのバイパスライン80を含む。
【0096】
このような場合、気体注入回路74は好ましくは、乾燥気体を、凝縮器58を介してかまたはバイパスライン80を介して選択的に流れさせるための気体流れ制御装置82を含む。気体流れ制御装置82は例えば、バイパスライン80を選択的に開放または閉鎖するためにバイパスライン80上に配設されたバルブである。
【0097】
任意には、気体注入回路74は、潤滑チャンバ30への補給の前に乾燥気体を加熱するための気体加熱器84を含む。気体加熱器84は例えば、電気加熱器、すなわち、乾燥気体に伝達される熱を生成する目的で電気エネルギを使用するために構成された加熱器である。
【0098】
これにより、潤滑チャンバ30およびすでに挿入された燃料棒4を、次の燃料棒挿入ステップの前の乾燥モード段階中に加熱することが可能になる。
【0099】
図2に例示されているように、有利には、潤滑チャンバ30は、2つの連続するスペーサグリッド14の間で潤滑を提供するために、燃料棒4の挿入方向Fを考慮するとき、2つの連続する保持用装置24の間すなわち保持用装置24とスペーサグリッド14の列にある次の保持用装置との間で、組立てステーション22内に設置される。
【0100】
これにより、燃料棒4が単数または複数のスペーサグリッド14内に挿入された後、この燃料棒4を潤滑することが可能になる。実際、燃料棒4上に被着した潤滑剤は、単数または複数のスペーサグリッド14を介して燃料棒4を挿入した後、少なくとも部分的に除去され得る。2つの保持用装置24の間に位置付けられた潤滑チャンバ30は、単数または複数の後続するスペーサグリッド14のために再び燃料棒4を潤滑することを可能にする。
【0101】
すでに示した通り、任意にまたは代替的には、例えば第1のスペーサグリッド14を介する燃料棒4の挿入の前に潤滑を提供するために、潤滑チャンバ30が第1のスペーサグリッド14の前に設置される。
【0102】
図2および3には、唯一の潤滑チャンバ30が例示されている。概して、潤滑システム26は、組立てシステム20に沿って異なる場所に位置付けられた単数または複数の潤滑チャンバ30を含み得る。潤滑システム26は、第1の保持用装置24の前の潤滑チャンバ30、そして連続する保持用装置24の間で組立てシステム20に沿って分布した単数または複数の潤滑チャンバ30を含み得る。
【0103】
好ましくは、潤滑システム26は、2つの異なる動作モード、すなわち第1のモードつまり「乾燥」モードおよび第2のモードつまり「湿潤」モードで動作するように構成されている。
【0104】
乾燥モードでは、潤滑チャンバ30には高温乾燥気体のみが補給される。乾燥モードは、燃料集合体2の補強材11内にすでに挿入され潤滑チャンバ30を通って延在する燃料棒4の区分を加熱して、これらの燃料棒を湿潤モード中凝縮物のない高温の状態に保つために使用される。
【0105】
湿潤モードでは、潤滑チャンバ30に、気相および/またはミスト形状の潤滑剤を含有する気体が補給される。この湿潤モードは、スペーサグリッド14または一連のスペーサグリッド14を介する挿入の直前に潤滑チャンバ30を通る行程中の燃料棒4を潤滑するために必要とされる。
【0106】
湿潤モードでは、補強材11内にすでに挿入された燃料棒4は乾燥モード段階中に加熱されていることから、潤滑流体の潤滑剤は、現在挿入中の低温燃料棒4上にのみ凝縮および/または被着する。
【0107】
乾燥モードと湿潤モードの間の切換えは、例えば潤滑流体発生装置38を制御することによって行うことができる。
【0108】
組立てシステム20を用いて実装可能である核燃料集合体2のスペーサグリッド14を介して少なくとも1つの燃料棒4を挿入する方法について、ここで説明する。
【0109】
該方法について、1つの潤滑チャンバ30を具備した1つの燃料棒4の挿入に関する
図2および3を参照して説明する。
【0110】
しかしながら、実際には、1つの燃料棒4を個別に挿入することもできるし、あるいは挿入中の各々の燃料棒4の経路に沿って単数または複数の潤滑チャンバ30を具備して複数の燃料棒4を同時に挿入することもできる、ということを理解すべきである。
【0111】
該方法は、スペーサグリッド14と整列した潤滑チャンバ30内に燃料棒4を通過させると共に、スペーサグリッド14を介して周囲温度で燃料棒4を挿入するステップであって、ここで潤滑チャンバ30がスペーサグリッド14のうちの1つのスペーサグリッドの上流側に位置付けられているステップと、潤滑チャンバ30内で気体と気相および/またはミスト形状の潤滑剤とを含有する潤滑流体を循環させるステップであって、潤滑流体が周囲温度よりも絶対的に高い温度で潤滑チャンバ30内に注入され、こうして潤滑剤が燃料棒4上に液相で被着または凝縮して、燃料棒4の外部表面上に潤滑剤フィルムを形成するようになるステップと、を含む。
【0112】
「周囲温度」とはここでは、組立てシステム20が位置付けられている部域内の空気の実際の温度を意味する。
【0113】
好ましくは、潤滑流体は、周囲温度よりも絶対的に高い潤滑剤露点を伴って生成される。
【0114】
好ましくは、潤滑流体は、周囲温度よりも少なくとも5℃高い、より好ましくは周囲温度よりも少なくとも10℃高い、より好ましくは周囲温度よりも20℃高い露点を有する。
【0115】
好ましくは、潤滑流体は、潤滑流体中の潤滑剤の露点よりも絶対的に高い温度で潤滑チャンバ30内に注入される。
【0116】
好ましくは、潤滑流体は、潤滑剤の露点よりも少なくとも5℃高い、より好ましくは潤滑剤の露点よりも少なくとも10℃高い温度で潤滑チャンバ30内に注入される。
【0117】
任意には、該方法は、潤滑流体を加熱するステップを含む。ここで加熱は、フィードライン加熱器52内で行われる。
【0118】
潤滑流体発生装置38内の潤滑剤の露点は、潤滑流体中に含まれた気相の潤滑剤の百分率および潤滑流体の温度の関数である。
【0119】
好ましくは、潤滑流体は、フィードライン50の壁および潤滑システム26の潤滑チャンバ30の側壁31上の凝縮を回避するために、数度だけ過熱される。潤滑システム26内で、フィードライン加熱器52は、潤滑流体の温度をその露点より高く保つように制御される。加熱温度は、潤滑流体発生装置38によって生成される流体中の気相の潤滑剤の含有量の関数である。
【0120】
潤滑チャンバ30内に挿入中の燃料棒4は、潤滑流体中の潤滑剤の露点よりも絶対的に低い周囲温度にある。
【0121】
燃料棒4の外部表面と接触した時点で、潤滑流体中に含まれる気相および/またはミスト形状の潤滑剤は、燃料棒の外部表面上に凝縮して、こうして薄い潤滑剤フィルムを形成する。
【0122】
このような潤滑剤露点で潤滑チャンバ30内に潤滑流体を注入することによって、潤滑チャンバ30を通る行程中に燃料棒4上に凝縮して、こうして薄い潤滑剤フィルムを形成することのできる、気相および/またはミスト形状の潤滑剤を含む潤滑流体を潤滑チャンバ30に補給することが可能になる。
【0123】
したがって、燃料棒4の損傷リスクおよび/またはスペーサグリッド14の制御できないバリが発生するリスクを制限しながら、燃料棒4を単数または複数の後続するスペーサグリッド14の中に挿入することが可能である。
【0124】
該方法は、気体内に潤滑剤を噴霧することによって潤滑流体を生成するステップを含み得る。これは、潤滑流体発生装置38により潤滑回路32内で行われる。
【0125】
任意には、該方法は、潤滑回路32内において潤滑流体を閉ループで循環させるステップを含む。これにより、潤滑剤の消費量を制限することが可能となる。例示された実施例において、潤滑回路32は閉ループである。詳細には、潤滑チャンバ30から退出する潤滑流体は、ここでは戻りライン56を介して、潤滑流体発生装置38に戻される。
【0126】
任意には、動作モードで、例えば乾燥モード段階に先立ち、該方法は、凝縮器58内に潤滑チャンバ30から収集した潤滑流体を通過させて、潤滑剤の枯渇した潤滑流体および液相の潤滑剤を別々に得るステップと、潤滑剤の枯渇した潤滑流体および液相の潤滑剤を別々に潤滑流体発生装置38に戻すステップとを含む。
【0127】
これにより、潤滑流体発生装置38を用いて、液相および/またはミスト形状で潤滑流体中に存在する潤滑剤の量を制御することが可能になる。潤滑流体中の潤滑剤の量は、凝縮器58によって低下させられ、潤滑流体発生装置38は、例えば潤滑チャンバ30内に注入される潤滑流体の温度と併せて適切な露点を得るために、この量を所望の値まで増大させることを可能にする。
【0128】
任意には、動作モードで、例えば湿潤モード段階中、潤滑流体を潤滑流体発生装置38に戻す前に潤滑流体中の潤滑剤の量を低下させることが諸条件により求められない場合、該方法は、バイパスライン64を介して凝縮器58を迂回するステップを含む。このような場合においては、潤滑流体は、凝縮器58を迂回しながら、潤滑チャンバ30から直接潤滑流体発生装置38まで戻される。
【0129】
任意には、該方法は、気体注入回路74を介して潤滑チャンバ30内に乾燥気体を注入するステップを含む。潤滑チャンバ30内に注入された乾燥気体は、潤滑流体と共に潤滑チャンバ30の出口において収集される。余剰の乾燥気体は、凝縮器58を使用している間に、気体ベント68を介して放出されてよい。
【0130】
乾燥気体は、潤滑流体に混合され、潤滑流体中の潤滑剤の割合との関係において気体の割合を増大させる。潤滑流体および乾燥気体は、収集器36によって収集される。
【0131】
好ましくは、少なくとも1つの乾燥気体流が潤滑チャンバ30内で生成され、この乾燥気体流は潤滑流体流を導く。潤滑流体流の両側でより多くの、好ましくは2つの乾燥気体流が生成され、これらの2つの乾燥気体流は、それらの間で潤滑流体流を導く。
【0132】
任意には、乾燥気体は、潤滑チャンバ30内への注入の前に加熱される。乾燥気体はここでは、凝縮器58内で加熱され、この乾燥気体は、凝縮器58のための低温源として、および/または気体加熱器84内で使用される。
【0133】
任意には、該方法は、凝縮器58から退出する潤滑流体、すなわち内部の潤滑剤の量が低下した「乾燥させられた」潤滑流体を放出するステップを含む。潤滑剤の枯渇した潤滑流体はここでは、気体ベント68を介して放出される。
【0134】
潤滑回路32からの潤滑流体の放出は、潤滑回路32内の気体および潤滑剤の割合を維持することおよび/または気体注入回路74を介して潤滑回路32内に注入される乾燥気体を考慮に入れることを可能にする。
【0135】
燃料棒4がひとたび補強材11の全てのスペーサグリッド14を介して挿入される時点で、燃料棒4の一区分は潤滑システム26の潤滑チャンバ30を通って延在する。しかしながら、潤滑チャンバ30内にある燃料棒4のこの区分は、実質的に、潤滑チャンバ30に入る潤滑流体の温度まで加熱される。したがって、潤滑流体中に含まれる潤滑剤は、とりわけ後続する単数または複数の他の燃料棒4の挿入中、燃料棒4のこの区分の外部表面上に被着または凝縮しない。
【0136】
いかなる燃料棒4も挿入されていない場合、潤滑システム26は、乾燥モード条件下で、すなわち乾燥気体雰囲気または潤滑剤の枯渇した潤滑流体が加熱されている状態で動作させられて、すでに燃料集合体2内に挿入された燃料棒4および潤滑チャンバ30を潤滑流体の露点よりも高い温度に保つ。したがって、潤滑流体中の潤滑剤は、潤滑チャンバ30内に挿入されつつある周囲温度の燃料棒4が利用できる状態にとどまる。
【0137】
好ましい実施形態において、気体は空気であり、潤滑剤は水である。したがって、潤滑流体は湿潤空気であり、乾燥気体は乾燥空気である。潤滑流体発生装置38は例えば、空気加湿器である。
【0138】
一実施形態において、潤滑チャンバ30中に注入された湿潤空気は、露点が40℃以上、好ましくは60℃以上となるような水分含有量を有する。
【0139】
露点が40℃以上である場合、潤滑流体加熱器は、湿潤空気を45℃、好ましくは50℃まで加熱するために構成されている。露点が60℃以上である場合、潤滑流体加熱器は湿潤空気を65℃、好ましくは70℃まで加熱するために構成される。
【0140】
変形形態において、輸送気体は空気ではなく、例えば窒素(N2)などの不活性気体であり得、かつ/または、潤滑剤は、水ではなくアルコールまたはアセトンまたは混和物などの揮発性潤滑剤であり得る。
【0141】
本発明によると、スペーサグリッド14を介する燃料棒4の挿入中、少量の潤滑剤で効率良く、かつ燃料棒4および/またはスペーサグリッド14の損傷または化学的汚染のリスクを制限しながら、燃料棒4を潤滑することが可能である。
【0142】
詳細には、潤滑剤としての水および潤滑剤の輸送気体としての空気または窒素の使用は、いかなる汚染も回避する。代替的には、アルコールまたはアセトンなどの揮発性潤滑剤の使用は、汚染のリスクを制限する。
【0143】
補強材11内への燃料棒4の挿入中に少なくとも1つの潤滑チャンバ30内を燃料棒4が通過することは、挿入に対してちょうどよいときに燃料棒4を潤滑するのに極めて効率的である。これにより、潤滑剤の量を制限することが可能である。
【0144】
潤滑剤は、スペーサグリッド14内に挿入されつつある周囲温度の未処理の燃料棒4の区分の上のみに、または少なくとも好ましくはこの区分上に被着または凝縮し、一方、前記スペーサグリッド14内にすでに挿入され潤滑チャンバ30内に位置付けられている各々の静止した燃料棒4の区分は、この区分上の潤滑剤の被着または凝縮を促進しないよう高い温度にある。
【0145】
潤滑システム26は、閉ループで潤滑チャンバ30を通って潤滑剤を循環させ、こうして燃料棒4上に被着せず凝縮しなかった潤滑剤を回収することを可能にする。
【0146】
本発明は、以上で説明した実施例に限定されず、本発明から逸脱することなく修正することが可能である。
【0147】
その上、特定の潤滑とは無関係に有利である態様によると、燃料棒、より具体的には、燃料棒の一区分は、補強材のスペーサグリッドを介する燃料棒の挿入中に、そして補強材の2つのスペーサグリッドの間で潤滑される。
【0148】
したがって、本発明は概して、組立て軸に沿って整列した複数のスペーサグリッドを介して燃料棒の束を挿入するステップ、および燃料棒の挿入中に2つの連続するスペーサグリッドの間で燃料棒、より具体的には燃料棒の一区分を潤滑するステップを含む、核燃料集合体の組立て方法に関する。
【0149】
本発明は同様に概して、核燃料集合体の補強材のスペーサグリッドを保持するための保持用装置であって、保持用装置とスペーサグリッドが組立て軸に沿って整列している保持用装置と、補強材のスペーサグリッドを介して挿入された燃料棒が潤滑チャンバ内を通過するような形で保持用装置により保持された2つの連続するスペーサグリッドの間に間置されるように構成された潤滑チャンバを含む潤滑システムであって、潤滑チャンバ内に位置付けられている間に燃料棒の一区分の上に潤滑剤が被着または凝縮する形で潤滑チャンバ内に潤滑剤を含有する潤滑流体を注入するために構成されている潤滑システムと、を含む組立てシステムにも関する。
【0150】
さらに、
図3で例示されているように、潤滑システム26は単数または複数の分離した潤滑チャンバ30を含むことができ、各々の潤滑チャンバ30は、スペーサグリッド14を介する挿入の前に燃料棒4を潤滑するためにスペーサグリッド14を保持するそれぞれの保持用装置24の上流側に設置されている。
【0151】
一変形実施形態において、潤滑システム26は、単数または複数の保持用装置24全体を跨越しかつ潤滑エンクロージャの内部に画定され挿入方向で互いに離隔された複数の潤滑チャンバ30を含む潤滑エンクロージャを含むことができ、各々の潤滑チャンバ30は、前記保持用装置24によって保持されたスペーサグリッド14を介する挿入の前に燃料棒4を潤滑するためにそれぞれの保持用装置24の前に位置付けらされている。
【符号の説明】
【0152】
2 核燃料集合体
4 核燃料棒
14 スペーサグリッド
22 組立てステーション
24 保持用装置
26 潤滑システム
30 潤滑チャンバ
32 潤滑回路
38 潤滑流体発生装置
52 フィードライン加熱器
58 凝縮器
74 気体注入回路
【手続補正書】
【提出日】2021-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料集合体(2)のスペーサグリッド(14)を介する核燃料棒(4)の挿入方法において、前記スペーサグリッド(14)の1つを介する前記核燃料棒(4)の挿入の前に前記核燃料棒(4)が潤滑チャンバ(30)内を通過するような形で前記スペーサグリッド(14)と整列した潤滑チャンバ(30)内に前記核燃料棒(4)を通過させると共に、組立て軸(A)に沿って整列した前記スペーサグリッド(14)を介して核燃料棒(4)を挿入するステップと、前記潤滑チャンバ(30)内で気体と気相および/またはミスト形状の潤滑剤とを含有する潤滑流体を循環させるステップであって、前記潤滑流体が周囲温度よりも絶対的に高い温度で潤滑チャンバ(30)内に注入され、こうして潤滑剤が液相で被着または凝縮して、前記スペーサグリッド(14)のうちの前記1つを介して挿入されつつある前記核燃料棒(4)の外部表面上に潤滑剤フィルムを形成するようになるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記潤滑チャンバ(30)内に注入された前記潤滑流体中の前記潤滑剤が周囲温度よりも絶対的に高い露点を有する、請求項1に記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項3】
前記潤滑流体が、前記潤滑流体中の前記潤滑剤の露点よりも絶対的に高い温度で前記潤滑チャンバ(30)内に注入される、請求項1または2に記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項4】
前記気体中に前記潤滑剤を噴霧することによって前記潤滑流体を生成するステップを含む、請求項1から3のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項5】
前記潤滑チャンバ(30)内に前記潤滑流体を注入する前に前記潤滑流体を加熱するステップを含む、請求項1から4のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項6】
前記潤滑チャンバ(30)の出口で収集した潤滑流体を潤滑流体発生装置(38)に戻すステップを含む、請求項1から5のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項7】
前記潤滑チャンバ(30)の出口で収集した潤滑流体を凝縮器(58)内に通過させて、前記凝縮器(58)の液体出口(58C)において液相の潤滑剤を回収するステップを含む、請求項1から6のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項8】
前記凝縮器(58)の流体出口(58B)から潤滑剤の枯渇した潤滑流体を収集するステップと、前記潤滑剤の枯渇した潤滑流体と前記液相の潤滑剤とを別々に潤滑流体発生装置(38)まで戻すステップとを含む、請求項7に記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項9】
前記潤滑チャンバ(30)内で潤滑流体流に沿って循環する少なくとも1つの乾燥気体流を形成しながら、前記潤滑チャンバ内(30)に乾燥気体を注入するステップと、前記潤滑チャンバ(30)の出口で前記潤滑流体と共に前記乾燥気体流を収集するステップとを含む、請求項1から8のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項10】
前記潤滑チャンバ(30)内で前記潤滑流体流の両側に2つの乾燥気体流を形成するステップを含む、請求項9に記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項11】
前記潤滑流体の前記気体が空気または不活性気体であり、前記潤滑剤が水、アルコール、アセトンまたはそれらの混和物である、請求項1から10のいずれか一つに記載の核燃料棒(4)の挿入方法。
【請求項12】
核燃料集合体(2)のスペーサグリッド(14)を介して核燃料棒(4)を挿入するための組立てシステムにおいて、前記組立てシステムが、それぞれのスペーサグリッド(14)を整列構成に保持するための保持用装置(24)を含む組立てステーション(22)と前記スペーサグリッド(14)を介して挿入されつつある少なくとも1つの核燃料棒(4)を潤滑するために構成された潤滑システム(26)とを含み、前記潤滑システム(26)が、前記スペーサグリッド(14)のうちの1つを介する各々の核燃料棒(4)の挿入の前に各々の核燃料棒(4)が潤滑チャンバ(30)内を通過するような形で前記スペーサグリッド(14)と整列した潤滑チャンバ(30)を含み、前記潤滑システム(26)が、気体と気相および/またはミスト形状の潤滑剤とを含有する潤滑流体を前記潤滑チャンバ(30)内に注入するために構成された潤滑回路(32)を含み、前記潤滑チャンバ(30)内の潤滑流体が、周囲温度よりも絶対的に高い温度にあり、こうして、前記潤滑チャンバ(30)を通る行程中に各々の核燃料棒(4)上に潤滑剤が液相で被着または凝縮して、前記核燃料棒(4)の外部表面上に潤滑剤フィルムを形成するようになっている、組立てシステム。
【請求項13】
前記気体中に潤滑剤を噴霧することにより潤滑剤流体を生成するために構成された潤滑流体発生装置(38)および/または、前記潤滑チャンバ(30)内への潤滑流体の注入の前に前記潤滑流体を加熱するために構成されたフィードライン加熱器(52)を含む、請求項12に記載の組立てシステム。
【請求項14】
前記潤滑チャンバ(30)の前記出口で収集した潤滑流体を収容するために前記潤滑チャンバ(30)の出口に流体連結された入口(58A)を有する凝縮器(58)を含み、前記凝縮器(58)が、前記気体中に潤滑剤を噴霧することにより潤滑剤流体を生成するために構成された潤滑流体発生装置(38)に別々に流体連結されている流体出口(58B)および液体出口(58C)を有する、請求項12または13に記載の組立てシステム。
【請求項15】
前記潤滑チャンバ(30)内で潤滑流体流に沿って流れる少なくとも1つの乾燥気体
流を生成するために構成された気体注入回路(74)を含む、請求項12から14のいずれか一つに記載の組立てシステム。
【請求項16】
前記気体注入回路(74)が、前記潤滑流体流の両側で2つの乾燥気体流を生成するために構成されている、請求項15に記載の組立てシステム。
【国際調査報告】