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特表2022-513931AC駆動型の発光ダイオードシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】AC駆動型の発光ダイオードシステム
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/48 20200101AFI20220202BHJP
   H05B 45/31 20200101ALI20220202BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20220202BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20220202BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20220202BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20220202BHJP
【FI】
H05B45/48
H05B45/31
H05B45/10
H05B45/325
H05B47/165
H05B47/105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021534638
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 US2019067004
(87)【国際公開番号】W WO2020131977
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/791,014
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/780,377
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521148739
【氏名又は名称】インテレソール エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】テレフス,マーク,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ガーバー,スティーブン,シー.
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA09
3K273BA03
3K273BA24
3K273BA27
3K273CA02
3K273CA12
3K273CA23
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA12
3K273EA14
3K273EA18
3K273EA22
3K273EA36
3K273FA03
3K273FA06
3K273FA14
3K273FA23
3K273FA26
3K273FA41
3K273GA02
3K273GA25
(57)【要約】
AC電源を使用してLEDデバイス(例えば、LED照明)を駆動するための、AC駆動型の発光ダイオードシステム及び方法が提供される。例えば、集積回路は、AC電源に対して接続するように構成された第1電源ライン及び第2電源ラインと、複数のLEDステージであり、各LEDステージが、直列接続された複数のLEDデバイスを含む複数のLEDステージと、LEDステージの入力及び出力に対して接続されたスイッチと、を含む。集積回路は、スイッチを制御することにより、1つまたは複数のLEDステージを、第1電源ライン及び第2電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、LEDステージにAC電源を供給するように構成された、スイッチ制御回路を、さらに含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路であって、
交流(AC)電源に対して接続するように構成された第1電源ライン及び第2電源ラインと、
複数の発光ダイオード(LED)ステージであり、各LEDステージが、前記LEDステージの入力ノードと出力ノードとの間で直列接続された複数のLEDデバイスを含む、複数のLEDステージと、
前記LEDステージの前記入力ノードおよび前記出力ノード、ならびに前記第1電源ラインおよび前記第2電源ラインに対して接続された複数のスイッチであって、前記複数のLEDステージの各LEDステージについて、(i)前記LEDステージの前記入力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第1スイッチを介して前記第1電源ラインに接続され、(ii)前記LEDステージの前記入力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第2スイッチを介して前記第2電源ラインに接続され、(iii)前記LEDステージの前記出力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第3スイッチを介して前記第1電源ラインに接続され、(iv)前記LEDステージの前記出力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第4スイッチを介して前記第2電源ラインに接続される、複数のスイッチと、
前記複数のスイッチを制御することにより、1つまたは複数の前記LEDステージを、前記第1電源ライン及び第2電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、1つまたは複数の前記LEDステージに対して前記AC電源を選択的に供給するように構成された、スイッチ制御回路と、を含み、
前記複数のスイッチを制御する際に、前記スイッチ制御回路は、
(i)前記第1電源ラインおよび前記第2電源ラインに印加されるAC電源の第1半周期の間に、前記複数のLEDステージの所与のLEDステージの前記入力ノードをそれぞれの前記第1スイッチの起動を介して前記第1電源ラインに選択的に接続し、前記所与のLEDステージの前記出力ノードをそれぞれの前記第4スイッチの起動を介して前記第2電源ラインに選択的に接続し、
(ii)前記印加されるAC電源の第2半周期の間に、前記所与のLEDステージの前記入力ノードをそれぞれの前記第2スイッチの起動を介して前記第2電源ラインに選択的に接続し、前記所与のLEDステージの前記出力ノードをそれぞれの前記第3スイッチの起動を介して前記第1電源ラインに接続する、集積回路。
【請求項2】
前記スイッチ制御回路は、前記第1電源ライン及び第2電源ラインの間において直列であるようにして少なくとも2つの前記LEDステージを選択的に接続するように、前記複数のスイッチを制御する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記スイッチ制御回路は、前記第1電源ライン及び第2電源ラインの間において並列であるようにして少なくとも2つの前記LEDステージを選択的に接続するように、前記複数のスイッチを制御する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記スイッチ制御回路は、前記AC電源のAC電圧波形の電圧レベルに基づいて1つまたは複数の前記LEDステージに対して電力を供給するために、前記複数のスイッチの起動を同期させるためのスイッチタイミング制御プログラムを実行するように構成されたハードウェアプロセッサを含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記第1電源ライン上へと及び前記第2電源ライン上へと印加されるAC電圧波形のゼロ電圧交差を検出するように構成されるとともに、ゼロ交差事象を示す検出信号と、前記AC電圧波形の極性遷移方向を示す検出信号と、を出力するように構成された、ゼロ交差検出回路をさらに含み、前記スイッチ制御回路は、前記出力された前記検出信号を利用することにより、前記AC電圧波形の電圧レベルに基づいて1つ又は複数の前記LEDステージに対して電力を供給するように前記複数のスイッチの起動を同期させる、請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
各LEDステージは、直列接続された同数のLEDデバイスを含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
各LEDステージは、直列接続された10個のLEDデバイスを含み、各LEDデバイスは、約2.8V~約4.2Vという動作範囲を有している、請求項6に記載の集積回路。
【請求項8】
少なくとも2つの前記LEDステージは、直列接続された異なる数のLEDデバイスを有している、請求項1に記載の集積回路。
【請求項9】
請求項1に記載の集積回路を含むLED照明システム。
【請求項10】
方法であって、
光生成デバイスの第1電源ライン及び第2電源ラインに対して、交流(AC)電力を印加することであって、
前記光生成デバイスは、複数の発光ダイオード(LED)ステージと複数のスイッチとを含み、
各LEDステージが、前記LEDステージの入力ノードと出力ノードとの間で直列接続された複数のLEDデバイスを含み、
前記複数のスイッチは、前記LEDステージの前記入力ノードおよび前記出力ノード、ならびに前記第1電源ラインおよび前記第2電源ラインに対して接続された複数のスイッチであって、前記複数のLEDステージの各LEDステージについて、(i)前記LEDステージの前記入力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第1スイッチを介して前記第1電源ラインに接続され、(ii)前記LEDステージの前記入力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第2スイッチを介して前記第2電源ラインに接続され、(iii)前記LEDステージの前記出力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第3スイッチを介して前記第1電源ラインに接続され、(iv)前記LEDステージの前記出力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第4スイッチを介して前記第2電源ラインに接続されることと、
複数のスイッチを制御することにより、前記複数のLEDステージのうちの、1つまたはは複数のLEDステージを、前記第1電源ライン及び前記第2電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、前記1つまたは複数のLEDステージに対して前記AC電源を選択的に供給することと、を含む方法であって、
前記複数のスイッチを制御することは、
(i)前記印加されるAC電源の第1半周期の間に、前記複数のLEDステージの所与のLEDステージの前記入力ノードをそれぞれの前記第1スイッチの起動を介して前記第1電源ラインに選択的に接続し、前記所与のLEDステージの前記出力ノードをそれぞれの前記第4スイッチの起動を介して前記第2電源ラインに選択的に接続することと、
(ii)前記印加されるAC電源の第2半周期の間に、前記所与のLEDステージの前記入力ノードをそれぞれの前記第2スイッチの起動を介して前記第2電源ラインに選択的に接続し、前記所与のLEDステージの前記出力ノードをそれぞれの前記第3スイッチの起動を介して前記第1電源ラインに接続すること、を含む方法。
【請求項11】
前記複数のスイッチを制御することは、前記第1電源ラインと前記第2電源ラインとの間に少なくとも2つのLEDステージを直列に選択的に接続することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のスイッチを制御することは、前記第1電源ラインと前記第2電源ラインとの間に少なくとも2つのLEDステージを並列に選択的に接続することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のスイッチを制御することは、前記複数のスイッチの起動を同期させて、AC電圧波形の電圧レベルに基づいて1つまたは複数のLEDステージに電力を供給することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
光生成デバイスであって、
モノリシック集積回路を含む半導体ウェハを含み、前記モノリシック集積回路は、
交流(AC)電源に対して接続するように構成されたAC電源入力端子、並びに、前記AC電源入力端子のうちのそれぞれ対応する端子に対して接続された第1電源ライン及び第2電源ラインと、
複数の発光ダイオード(LED)ステージであり、各LEDステージが、前記LEDステージの入力ノードと出力ノードとの間で直列接続された複数のLEDデバイスを含むLEDステージと、
前記LEDステージの前記入力ノードおよび前記出力ノード、ならびに前記第1電源ラインおよび前記第2電源ラインに対して接続された複数のスイッチを含むスイッチ回路であって、前記複数のLEDステージの各LEDステージについて、
(i)前記LEDステージの前記入力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第1スイッチを介して前記第1電源ラインに接続され、(ii)前記LEDステージの前記入力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第2スイッチを介して前記第2電源ラインに接続され、(iii)前記LEDステージの前記出力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第3スイッチを介して前記第1電源ラインに接続され、(iv)前記LEDステージの前記出力ノードが、前記複数のスイッチのそれぞれの第4スイッチを介して前記第2電源ラインに接続される、スイッチ回路と、
前記複数のスイッチを制御することにより、1つまたは複数の前記LEDステージを、前記第1電源ライン及び第2電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、1つまたは複数の前記LEDステージに対して前記AC電源を供給するように構成された、スイッチ制御回路と、を含み、
前記複数のスイッチを制御する際に、前記スイッチ制御回路は、
(i)前記第1電源ラインおよび前記第2電源ラインに印加されるAC電源の第1半周期の間に、前記複数のLEDステージの所与のLEDステージの前記入力ノードをそれぞれの前記第1スイッチの起動を介して前記第1電源ラインに選択的に接続し、前記所与のLEDステージの前記出力ノードをそれぞれの前記第4スイッチの起動を介して前記第2電源ラインに選択的に接続し、
(ii)前記印加されるAC電源の第2半周期の間に、前記所与のLEDステージの前記入力ノードをそれぞれの前記第2スイッチの起動を介して前記第2電源ラインに選択的に接続し、前記所与のLEDステージの前記出力ノードをそれぞれの前記第3スイッチの起動を介して前記第1電源ラインに接続する、光生成デバイス。
【請求項15】
前記スイッチ制御回路は、(i)前記第1電源ライン及び第2電源ラインの間において直列であるようにして少なくとも2つの前記LEDステージを選択的に接続する、及び、(ii)前記第1電源ライン及び第2電源ラインの間において並列であるようにして少なくとも2つの前記LEDステージを選択的に接続する、のうちの少なくとも1つの態様で、前記複数のスイッチを制御する、請求項14に記載の光生成デバイス。
【請求項16】
前記スイッチ制御回路は、AC電圧波形の電圧レベルに基づいて1つまたは複数の前記LEDステージに対して電力を供給するために、前記複数のスイッチの起動を同期させるためのスイッチタイミング制御プログラムを実行するように構成されたハードウェアプロセッサを含む、請求項14に記載の光生成デバイス。
【請求項17】
各LEDステージは、直列接続された同数のLEDデバイスを含む、請求項14に記載の光生成デバイス。
【請求項18】
(i)各LEDデバイス上に配置された光学フィルタと、(ii)各LEDデバイス上に配置されたレンズと、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項14に記載の光生成デバイス。
【請求項19】
前記スイッチ制御回路は、前記印加されたAC電源の電圧レベルに基づいて前記複数のスイッチの起動を同期させて前記1つまたは複数のLEDステージに電力を供給し、前記電力供給された1つまたは複数のLEDステージの活性化されたLEDデバイスによって放射される光の実質的に一定の輝度レベルを維持するように構成されるハードウェアプロセッサを備え、前記印加されたAC電源の前記電圧レベルが前記印加されたAC電源の前記第1半周期および前記第2半周期の間に増加すると、活性化されたLEDデバイスの数が減少して前記実質的に一定の輝度レベルを維持し、前記印加されたAC電源の前記第1半周期および前記第2半周期の間に前記印加されたAC電源の前記電圧レベルが減少すると、前記活性化されたLEDデバイスの前記数が増加して、前記実施的に一定の輝度レベルを維持する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項20】
前記複数のスイッチを制御することは、前記印加されたAC電源の電圧レベルに基づいて前記複数のスイッチの起動を同期させて前記1つまたは複数のLEDステージに電力を供給し、前記電力供給された1つまたは複数のLEDステージの活性化されたLEDデバイスによって放射される光の実施的に一定の輝度レベルを維持することであって、前記印加されたAC電源の電圧レベルが前記印加されたAC電源の前記第1半周期および前記第2半周期の間に増加すると、活性化されたLEDデバイスの数が減少して前記実質的に一定の輝度レベルを維持し、前記印加されたAC電源の前記第1半周期および前記第2半周期の間に前記印加されたAC電源の前記電圧レベルが減少すると、前記活性化されたLEDデバイスの前記数が増加して、前記実施的に一定の輝度レベルを維持する、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
集積回路であって、
交流(AC)電源に対して接続するように構成された第1電源ライン及び第2電源ラインと、
複数の発光ダイオード(LED)ステージであり、各LEDステージが、前記LEDステージの入力端子と出力端子との間で直列接続された複数のLEDデバイスを含む、複数のLEDステージと、
前記LEDステージの前記入力端子および前記出力端子、ならびに前記第1電源ラインおよび前記第2電源ラインに対して接続されたスイッチ回路と、
前記スイッチ回路を制御することにより、1つまたは複数の前記LEDステージを、前記第1電源ライン及び第2電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、1つまたは複数の前記LEDステージに対して前記AC電源を選択的に供給するスイッチ制御回路と、を含み、
前記スイッチ制御回路は、前記スイッチ回路を制御して(i)前記第1電源ラインおよび前記第2電源ラインに印加されるAC電源の第1半周期の間に、少なくとも1つのLEDステージの前記LED入力端子を前記第1電源ラインに選択的に接続し、(ii)前記第1電源ラインおよび前記第2電源ラインに印加される前記AC電源の第2半周期の間に、前記少なくとも1つのLEDステージの前記入力端子を前記第2電源ラインに選択的に接続し、前記AC電源の前記第1半周期および前記第2半周期において、前記少なくとも1つのLEDステージの前記複数のLEDデバイスが順方向バイアスされる、集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年12月17日付けで出願された「AC-Direct LED Driver」と題する米国仮特許出願シリアル番号第62/780,377号明細書、及び、2019年1月10日付けで出願された「Monolithically Processed Light Generator」と題する米国仮特許出願シリアル番号第62/791,014号明細書、の優先権を主張するものであり、これらの開示内容は、参照により本明細書に完全に援用される。
【0002】
本開示は、一般に、発光ダイオード(LED)照明システムに関し、特に、LED照明システムの複数のLEDを駆動するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
LED照明システムは、効率の悪い白熱灯照明システム及び蛍光灯照明システムに代わる次世代の照明ソリューションとして、ビル及び家庭においてますます普及しつつある。しかしながら、LED照明は、エネルギー変換効率が悪く、調光器と一緒に使用した時には、ちらつきが気になるという問題がある。加えて、従来のLED照明では、直流(DC)電源を使用して給電しているため、高価で嵩高く電磁ノイズの多い、AC主電源からDC電源への変圧器ベースの電力変換を使用する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、AC電源を使用してLEDデバイス(例えば、LED照明)を駆動するための、AC駆動型のLEDシステム及び方法を含む。
【0005】
例えば、本開示の一実施形態は、AC電源に対して接続するように構成された第1電源ライン及び第2電源ラインと、複数のLEDステージであり、各LEDステージが、直列接続された複数のLEDデバイスを含む、複数のLEDステージと、LEDステージの入力及び出力に対して接続された複数のスイッチと、複数のスイッチを制御することにより、1つまたは複数のLEDステージを、第1電源ライン及び第2電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、LEDステージに対してAC電源を供給するように構成された、スイッチ制御回路と、を含む、集積回路を含む。
【0006】
本開示の別の実施形態は、AC電力を使用して複数のLEDを駆動するための方法を含む。この方法は、第1電源ライン及び第2電源ラインに対して、AC電力を印加することと、複数のスイッチを制御することにより、直列接続された複数のLEDデバイスをそれぞれのLEDステージが含んでいる複数のLEDステージのうちの、1つ又は複数のLEDステージを、第1電源ライン及び第2電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、LEDステージに対してAC電力を供給することと、を含む。
【0007】
別の実施形態は、光生成デバイスを含む。光生成デバイスは、モノリシック集積回路を含む半導体ウェハを含む。モノリシック集積回路は、AC電源に対して接続するように構成されたAC電源入力端子、並びに、AC電源入力端子のうちのそれぞれ対応する端子に対して接続された第1電源ライン及び第2電源ラインと、複数のLEDステージであり、各LEDステージが、直列接続された複数のLEDデバイスを含む、複数のLEDステージと、LEDステージの入力及び出力に対して接続された複数のスイッチを含むスイッチング回路と、複数のスイッチを制御することにより、少なくとも2つのLEDステージを、第1電源ライン及び第2電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、LEDステージに対してAC電源からのAC電力を供給するように構成された、スイッチ制御回路と、を含む。
【0008】
他の実施形態は、添付図面と併せて読まれることとなる以下の実施形態に関する詳細な説明において、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、LED照明の駆動のために使用される商用供給電力に関する例示的なAC波形を概略的に示している。
図2A図2Aは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2B図2Bは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2C図2Cは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2D図2Dは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2E図2Eは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2F図2Fは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2G図2Gは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2H図2Hは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2I図2Iは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2J図2Jは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図2K図2Kは、本開示の例示的な実施形態によるLED回路と、LED回路のスイッチに関する様々なスイッチング状態と、を概略的に示している。
図3A図3Aは、図2A図2KのLED回路に対して印加される例示的なAC電圧波形を示しており、AC電圧波形は、本開示の例示的な実施形態に従って、AC波形の正の半周期及び負の半周期において複数のゾーンへと分割されて図示されている。
図3B図3Bは、図2A図2KのLED回路の整流された電流波形を概略的に示しており、整流された電流波形は、本発明の例示的な実施形態に従って、図3Aに示す複数のゾーンへと分割されて図示されている。
図3C図3Cは、図3Bに示す電流の大きさに反比例する態様で、各ゾーン内の複数のLEDを活性化することによって、一定の明るさを達成するための例示的なプロセスを概略的に示している。
図4図4は、本開示の例示的な実施形態によるLED回路を概略的に示している。
図5A図5Aは、本開示の例示的な実施形態による、LED回路を駆動するために使用されるAC電圧波形の14個の異なるオーバーラップするゾーンにわたっての、図4のLED回路内のスイッチに関する様々なスイッチング状態を示す表である。
図5B図5Bは、図5Aの表に示すようなオーバーラップするゾーンによって図4のLED回路を駆動するために使用される例示的なAC電圧波形に関する1つの全周期を示している。
図6図6は、本開示の例示的な実施形態による、図2A及び図4のLED回路に示すスイッチを実装するために使用し得るソリッドステート双方向スイッチを概略的に示している。
図7図7は、本開示の例示的な実施形態による光生成回路を概略的に示している。
図8図8は、本開示の例示的な実施形態による、モノリシックウェハの形態で実装された光生成デバイスを概略的に示している。
図9図9は、本開示の別の例示的な実施形態による、モノリシックウェハの形態で実装された光生成デバイスを概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下においては、本開示の実施形態について、AC電源を使用してLEDデバイス(例えば、LED照明)を駆動するためのAC駆動型のLEDシステム及び方法に関して、さらに詳細に説明する。複数の図面にわたって、同一の又は同様の特徴点又は構成要素又は構造を示すために、同一の又は同様の参照符号が使用されていること、そのため、同一の又は同様の特徴点又は構成要素又は構造に関する詳細な説明を、図面のそれぞれに関して繰り返さないことは、理解されよう。加えて、パーセンテージや範囲等に関して本明細書で使用する際には、「約」又は「実質的に」という用語は、近いこと又は近似していることを示すことを意味しており、厳密に同一ということではない。例えば、本明細書で使用する際には、「約」又は「実質的に」という用語は、記載された量と比較して、例えば1%以下などの、わずかな誤差範囲が存在することを意味する。本明細書で使用する際には、「例示的」という用語は、「例又は実例又は例示として機能する」ことを意味する。本明細書において「例示的」なものとして説明する任意の実施形態又は設計は、他の実施形態又は設計と比較して、より好ましいもの又はより有利なものであるとして解釈されるべきではない。
【0011】
図1は、LED照明を駆動するために使用される商用供給電力(本明細書では、AC主電源と称す)に関する例示的なAC波形100を概略的に示している。AC波形100は、正の半周期101及び負の半周期102を有した正弦波を含む。AC波形は、正の半周期101内に正のピーク電圧VP+を有し、負の半周期内負のピーク電圧VP-を有し、さらに、電圧ゼロ交差(0V)を有している。例えば、120Vrmsの商用電源の場合、正のピーク電圧VP+は、約170Vであり、負のピーク電圧VP-は、約-170Vである。例示的なAC波形100は、例示的に、約16.66ミリ秒という周期を有した60Hzの信号であり、各半周期101及び102は、約8.33ミリ秒という持続時間を有している。
【0012】
さらに、図1は、AC波形100の正の半周期101及び負の半周期102におけるピーク部分101-1及び102-1に関してのAC-DC変換を使用してLEDデバイスを駆動するための従来的方法を概略的に示している。より具体的には、従来のLED照明システムでは、AC-DC LEDドライバを使用して、AC主電源信号100のピーク部分から得られるDC電圧によって、LEDデバイスを駆動する。その結果、見えるか見えないかの長く暗い期間が発生する。このため、従来的なLED照明は、信頼性がなく高価で重い磁気部品及び変圧器及び嵩高くて信頼性がないコンデンサを使用して、高電圧のAC主電源から、DCへと、非効率的に変換しており、これにより、結果として、AC主電源周期の使用可能な部分は、比較的長く暗い期間によって制限され、ちらつきのない低レベルの調光を提供することがさらに困難となる。
【0013】
LEDは、DC電流源駆動のデバイスであり、120Vrms及び240Vrmsの商用電源などの高電圧ACとは互換性がないように思われる。しかしながら、本開示の実施形態によれば、直列及び並列の、相応して変化する様々な長さのゼロ交差スイッチングされたLEDストリングからの電圧レベル又は時間を、高電圧AC電源に対して直接的に互換性なものとすることができる。低電圧集積回路及びダイオードなどのDCデバイスは、動作可能な入力電圧範囲を有しており、許容可能な入力電圧範囲に対応した電圧ウィンドウの際には、高電圧AC電源に対しての接続に耐えることができる。例えば、照明に使用される典型的なLEDの公称動作電圧は、3.5ボルトであり、許容可能な動作範囲は、2.8ボルト~4.2ボルトである。一例として、10個のLEDからなるストリングは、AC電源の28ボルト~42ボルトのレベルで動作することができる。継続的に直列に追加された複数のLEDからなるストリングは、相応的により高い電圧を漸次的に支持する。これに代えて、スイッチング回路は、各ゾーン時にエネルギーを放出するように構成することができ、これにより、電流が一定であるように、そして、電圧の変化が、LEDに負担をかけずに、スイッチング電流源によって消費されるものとする。
【0014】
図2Aは、複数のLEDステージであるステージ1~ステージ10と、複数のスイッチS1~S22と、LED回路200のLEDデバイスを駆動するために使用されるAC電力(例えば、図1の商用供給電力がなすAC波形100)に対して接続された、第1電源ライン110(「ラインホット」として示す)及び第2電源ライン112(「ラインニュートラル」として示す)と、を含むLED回路200を概略的に示している。図2Aに示すように、各LEDステージ、すなわちステージ1~ステージ10は、直列接続された複数のLEDデバイスからなる各ブロック201~210を含む。例示の目的のために、図2Aには、10個のステージだけが図示されているけれども、いくつかの実施形態では、LED回路200は、10個よりも多数のステージを有することとなる。いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、各LEDステージであるステージ1~ステージ10は、10個の直列接続されたLEDデバイスのブロック204を含む、LEDステージ4の分解図に示すように、例えば10個のLEDデバイスなどの、直列接続された同数のLEDデバイスを含む。
【0015】
スイッチS1~S22は、図2Aに示すように、LEDステージ201~210に関するそれぞれ対応する入力及び出力に対して接続されている。各LEDステージ201~210は、(i)第1スイッチ及び第2スイッチが、スイッチ制御回路の制御下で、LEDステージの入力を第1電源ライン110及び第2電源ライン112のそれぞれに対して選択的に接続するように構成されたものである場合に、そのような第1スイッチ及びそのような第2スイッチに対して接続された入力と、(ii)第3スイッチ及び第4スイッチが、LEDステージの出力を第1電源ライン110及び第2電源ライン112のそれぞれに対して選択的に接続するように構成されたものである場合に、そのような第3スイッチ及びそのような第4スイッチに対して接続された出力と、を含む。例えば、ステージ1内の、複数のLEDからなる第1ブロック201は、スイッチS1及びS2に対して接続された入力と、スイッチS3及びS4に対して接続された出力と、を有している。その上、複数のLEDからなる第2ブロック202は、スイッチS3及びS4に対して、さらに、複数のLEDからなる第1ブロック201の出力に対して、接続された入力を有している、等々である。
【0016】
LED回路200の構成により、AC電源100の電圧レベル及び位相に同期したスイッチングプロトコルに従ってスイッチS1~S22を選択的に作動させることにより、第1電源ライン110及び第2電源ライン112に対して印加されたAC電源100から、LEDデバイスを直接的に駆動することができる。スイッチング方式は、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201~210のうちの1つまたは複数のブロックを、第1電源ライン110及び第2電源ライン112に対して選択的に接続して、LEDステージを(DC電力とは対照的に)AC電力によって駆動するように、構成されている。例えば、以下でさらに詳細に説明するように、図2B図2Kは、図2AのLED回路200に関する異なるスイッチング状態を示しており、直列接続されたLEDデバイスからなる2つ以上のブロック201~210が、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において直列に及び/又は並列に接続される。
【0017】
例示の目的のために、図2B図2Kは、図3Aの文脈で説明され、図3Aは、LED回路200に対して印加される例示的なAC電圧波形100を示し、AC電圧波形100は、AC波形100の正の半周期において、複数のゾーン300(例えば、ゾーン0、ゾーン1、ゾーン2、ゾーン4、ゾーン5)へと分割されて図示されているとともに、AC波形100の負の半周期において、複数のゾーン310(例えば、ゾーン0、ゾーン6、ゾーン7、ゾーン8、ゾーン9、ゾーン10)へと分割されて図示されている。図3Aは、AC電圧波形100の正の半周期及び負の半周期の際の様々な時間に複数のLEDデバイスからなるブロック201~210を駆動して、AC電圧波形100の正の周期及び/又は負の周期の一部の際にLEDデバイスを発光させるための方法を示しており、AC電圧波形100のうちの、複数のLEDデバイスからなるブロック201~210のいずれかを駆動するだけの充分な電圧レベルが存在しないゼロ電圧交差の直前及び直後のゾーン0を除いて、暗い期間は存在しない。
【0018】
例えば、図2Aは、AC電圧波形100のゾーン0に関して、すべてのLEDステージであるステージ1~ステージ10が活性化されないように、LED回路200についての、すべてのスイッチS1~S22が開放されている(すなわち、作動させない)スイッチング状態を示している。特に、このスイッチング状態では、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201~210のいずれもが、第1電源ライン110及び第2電源ライン112に対して接続されていない。図3Aに示すように、ゾーン0は、AC電圧波形100の正の半周期及び負の半周期のうちの、電圧が30V未満である部分を表す。この実例では、30Vが、直列制御された10個のLEDデバイスからなる各ブロック201~210のいずれかを適切に駆動するには不充分な電圧であること、そして、直列接続されていてそれぞれが3.5Vという公称順方向バイアス電圧を有した10個のLEDデバイスからなる所与のブロックを活性化するためには、少なくとも35Vが必要であることを、仮定している。
【0019】
図2Bは、AC電圧波形100の正のゾーン1に関して、LED回路200についての、スイッチS1、S4、S5、S8、S9、S12、S13、S16、S17、及びS20を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1、ステージ3、ステージ5、ステージ7、及びステージ9が、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201、203、205、207、及び209が並列に接続されるようにして、活性化される。この状態では、AC電圧波形100の正の半周期におけるゾーン1に関して、直列接続された10個のLEDデバイスからなるそれぞれのブロックを駆動するための充分な電圧(例えば、30Vより大きい)が存在する。
【0020】
図2Cは、AC電圧波形100の正の半周期におけるゾーン2に関して、LED回路200についての、スイッチS1、S6、S7、S12、S13、及びS18を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1、ステージ2、ステージ4、ステージ5、ステージ7、及びステージ8が活性化され、これにより、(i)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201及び202が連結されることにより、直列接続された20個のLEDデバイスからなるブロック第1連結ブロックが形成され、(ii)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック204及び205が連結されることにより、直列接続された20個のLEDデバイスからなる第2連結ブロックが形成され、(iii)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック207及び208が連結されることにより、直列接続された20個のLEDデバイスからなる第3連結ブロックが形成される。図2Cにさらに示すように、複数のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック、第2連結ブロック、及び第3連結ブロックは、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において、並列に接続されている。この状態では、AC電圧波形100の正の半周期におけるゾーン2に関して、直列接続された20個のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック、第2連結ブロック、及び第3連結ブロック、のそれぞれを駆動するための充分な電圧(60Vより大きい)が存在する。
【0021】
図2Dは、AC電圧波形100の正の半周期におけるゾーン3に関して、LED回路200についての、スイッチS1、S8、S9、及びS16を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1、ステージ2、ステージ3、ステージ5、ステージ6、及びステージ7が活性化され、これにより、(i)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201、202、及び203が連結されることにより、直列接続された30個のLEDデバイスからなる第1連結ブロックが形成され、(ii)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック205、206、及び207が連結されることにより、直列接続された30個のLEDデバイスからなる第2連結ブロックが形成される。図2Dにさらに示すように、複数のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック及び第2連結ブロックは、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において、並列に接続されている。この状態では、AC電圧波形100の正の半周期におけるゾーン3に関して、直列接続された30個のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック及び第2連結ブロックのそれぞれを駆動するための充分な電圧(90Vより大きい)が存在する。
【0022】
図2Eは、AC電圧波形100の正の半周期におけるゾーン4に関して、LED回路200についての、スイッチS1、S10、S11、及びS20を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1~ステージ4、及びステージ6~ステージ9が活性化され、これにより、(i)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201、202、203、及び204が連結されることにより、直列接続された40個のLEDデバイスからなる第1連結ブロックが形成され、(ii)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック206、207、208、及び209が連結されることにより、直列接続された40個のLEDデバイスからなる第2連結ブロックが形成される。図2Eにさらに示すように、複数のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック及び第2連結ブロックは、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において、並列に接続されている。この状態では、AC電圧波形100の正の半周期におけるゾーン4内に、直列接続された40個のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック及び第2連結ブロックのそれぞれを駆動するための充分な電圧(120Vより大きい)が存在する。
【0023】
図2Fは、AC電圧波形100の正の半周期におけるゾーン5に関して、LED回路200についての、スイッチS1及びS12を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1~ステージ5が活性化され、これにより、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201、202、203、204、及び205が連結されることにより、直列接続された50個のLEDデバイスからなる第1連結ブロックが形成され、この第1連結ブロックは、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において接続されている。この状態では、AC電圧波形100の正の半周期におけるゾーン5内に、直列接続された50個のLEDデバイスからなる第1連結ブロックを駆動するための充分な電圧(150Vより大きい)が存在する。
【0024】
図3Aに示すように、正の半周期における立ち下がり部分では、ゾーンシーケンスZ4、Z3、Z3、Z1、及びZ0は、図2A図2Eに示すスイッチング状態の繰り返し逆シーケンスをもたらす。図3Aにさらに示すように、AC電圧波形100の負の半周期では、波形は、ゾーン0、ゾーン6、ゾーン7、ゾーン8、ゾーン9、ゾーン10、ゾーン9、ゾーン8、ゾーン7、ゾーン6、及びゾーン0からなるゾーンシーケンス内で移行する。図2G図2Kは、ゾーン6からゾーン10までのシーケンスにおいて、LED回路200の異なるスイッチング状態を示している。図2G図2Kは、図2B図2Fに図示したものと同様のLEDステージ活性化構成を示していけれども、LEDステージへの入力が、AC電圧波形100の負の半周期内において第2電源ライン112に対して接続されていて、LEDデバイスを順方向ベースの状態としている。
【0025】
特に、図2Gは、AC電圧波形100の負の半周期におけるゾーン6に関して、LED回路200についての、スイッチS2、S3、S6、S7、S10、S11、S14、S15、S18、及びS19を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1、ステージ3、ステージ5、ステージ7、及びステージ9が、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201、203、205、207、及び209が並列に接続されるようにして、活性化される。この状態では、AC電圧波形のゾーン6に関して、直列接続された10個のLEDデバイスからなるブロックを駆動するための充分な電圧(例えば、30Vより大きい)が存在する。この構成では、図2Gに示すように、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201、203、205、207、及び209の入力端子が、第2電源ライン112に対して接続され、直列接続されたLEDデバイス201、203、205、207、209のブロックの出力端子は、第1電源ライン110に接続されており、これにより、AC電圧波形100の負の半周期の際に、LEDデバイスを順方向バイアス状態としている。
【0026】
図2Hは、AC電圧波形100の負の半周期におけるゾーン7に関して、LED回路200についての、スイッチS2、S5、S8、S11、S14、及びS17を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1、ステージ2、ステージ4、ステージ5、ステージ7、及びステージ8が活性化され、これにより、(i)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201及び202が連結されることにより、直列接続された20個のLEDデバイスからなる第1連結ブロックが形成され、(ii)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック204及び205が連結されることにより、直列接続された20個のLEDデバイスからなる第2連結ブロックが形成され、(iii)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック207及び208が連結されることにより、直列接続された20個のLEDデバイスからなる第3連結ブロックが形成される。図2Hにさらに示すように、複数のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック、第2連結ブロック、及び第3連結ブロックは、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において、並列に接続されている。この状態では、AC電圧波形100の負の半周期におけるゾーン7内に、直列接続された20個のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック、第2連結ブロック、及び第3連結ブロック、のそれぞれを駆動するための充分な電圧(60Vより大きい)が存在する。
【0027】
図2Iは、AC電圧波形100の負の半周期におけるゾーン8に関して、LED回路200についての、スイッチS2、S7、S10、及びS15を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1、ステージ2、ステージ3、ステージ5、ステージ6、及びステージ7が活性化され、これにより、(i)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201、202、及び203が連結されることにより、直列接続された30個のLEDデバイスからなる第1連結ブロックが形成され、(ii)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック205、206、及び207が連結されることにより、直列接続された30個のLEDデバイスからなる第2連結ブロックが形成される。図2Iにさらに示すように、複数のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック及び第2連結ブロックは、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において、並列に接続されている。この状態では、AC電圧波形100の負の半周期におけるゾーン8内に、直列接続された30個のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック及び第2連結ブロックのそれぞれを駆動するための充分な電圧(90Vより大きい)が存在する。
【0028】
図2Jは、AC電圧波形100の負の半周期におけるゾーン9に関して、LED回路200についての、スイッチS2、S9、S12、及びS19を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1~ステージ4、及びステージ6~ステージ9が活性化され、これにより、(i)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201、202、203、及び204が連結されることにより、直列接続された40個のLEDデバイスからなる第1連結ブロックが形成され、(ii)直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック206、207、208、及び209が連結されることにより、直列接続された40個のLEDデバイスからなる第2連結ブロックが形成される。図2Jにさらに示すように、複数のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック及び第2連結ブロックは、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において、並列に接続されている。この状態では、AC電圧波形100の負の半周期におけるゾーン9内に、直列接続された40個のLEDデバイスからなる、第1連結ブロック及び第2連結ブロックのそれぞれを駆動するための充分な電圧(120Vより大きい)が存在する。
【0029】
図2Kは、AC電圧波形100の負の半周期におけるゾーン10に関して、LED回路200についての、スイッチS2及びS11を作動させたスイッチング状態を示している。この状態では、LEDステージのうち、ステージ1~ステージ5が活性化され、これにより、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201、202、203、204、205が連結されることにより、直列接続された50個のLEDデバイスからなる第1連結ブロックが形成され、この第1連結ブロックは、第1電源ライン110及び第2電源ライン112の間において接続されている。この状態では、AC電圧波形100の負の半周期におけるゾーン10内に、直列接続された50個のLEDデバイスからなる第1連結ブロックを駆動するための充分な電圧(150Vより大きい)が存在する。
【0030】
再び図3Aを参照すると、AC電圧波形100の負の半周期の立ち上がり部分では、ゾーンシーケンスZ9、Z8、Z7、Z6、及びZ0は、図2G図2Jに示すスイッチング状態の繰り返し逆シーケンスをもたらす。上記に示すように、図2A図2K及び図3Aは、約2.8V~4.2Vという動作範囲を有したLEDデバイスを含む直列接続された10個のLEDデバイスからなるLEDブロックが、LEDブロックどうしを連結することによって、約30V~約40V及びそれ以上の電圧という動作範囲を支持することができ、これにより、AC主電源の正の半周期及び負の半周期の大部分において、LEDデバイスによって比較的安定したレベルの光を生成し得る、本開示の例示的な実施形態をまとめて示している。図2A図2Kに示すようにして様々なスイッチS1~S22を作動させるタイミングは、例えば電圧レベル及び/又は位相及び/又は時間の検出に基づいて、例えばライン周波数に基づいて、及び/又は、1つまたは複数のゼロ交差検出器回路を使用したゼロ交差事象の検出に基づいて、あるいは、以下においてさらに詳細に説明する他の方式に基づいて、実装することができる。
【0031】
図3Bは、AC電圧波形100の正の半周期及び負の半周期の両方の際に、図2B図2KのLED回路200における活性化されたLEDステージに関して直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201~210を通して正の電流が流れることを示すための、電流波形320を概略的に示している。このため、上述したように、LED回路200、及び関連するスイッチ構造、及びスイッチング構成は、AC電圧波形100の負の半周期の際には、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック201~210の正の端子を、第2電源ライン112(例えば、ラインニュートラル)に対して接続することの結果として、AC電圧波形100の負の半周期を仮想的に整流することを可能とする。図6と関連して以下に説明するように、いくつかの実施形態では、各スイッチS1~S22は、AC主電源波形100の負の半周期が、AC主電源波形100の正の半周期と実質的に同じ照明能力を有するように、一方向の電流の流れによって双方向に制御し得る双方向ソリッドステートスイッチとして実装される。
【0032】
本開示のいくつかの実施形態では、図2A図2Kの例示的な実施形態を非限定的に参照すると、ゾーン1~10のそれぞれに関するLEDステージのスイッチングシーケンス及び活性化は、AC電圧波形100の正の半周期及び負の半周期における様々なゾーン1~5及び6~10において、比較的一定の照明レベルを提供するように構成される。例えば、図3Cは、電流の大きさに反比例する態様で、各ゾーンにおいてN個という数のLEDを活性化することによって、一定の明るさを達成するための例示的なプロセスを概略的に示している。特に、図3Cは、(図3Bの)電流波形320に対して、第1曲線330及び第2曲線340を重ね合わせて示している。
【0033】
第1曲線330は、LEDの数(N)を、以下の関数として表している。
【数1】
(AC電圧波形100の、例えば60Hzなどの周波数に基づく)。第2曲線340は、経験的に決定された明るさLを表するものあり、これは、経験的に次のようにして決定される。
【数2】
ここで、Iは、電流波形320の大きさを示し、Nは、活性化されるLEDの数を示し、kは、経験的に決定された定数を示す。第1曲線330及び第2曲線340は、電流Iの大きさに基づいて、所与のゾーンに関して、所与の数であるN個のLEDを活性化させるようにLED回路のスイッチングを制御するために、プロセッサによって利用される関数を表している。この制御プロセスでは、AC電力が、正の半周期内のゾーン300及び負の半周期内のゾーン310を通して遷移する際に、電流Iが増加するにつれて、活性化されるLEDの数Nが減少することとなり、その逆もまた成立する。
【0034】
図3Cに概略的に示すように、所望の明るさ波形340は、すべてのゾーン1~10において一定のDC明るさレベルLを提供するとともに、AC電力の正の半周期及び負の半周期における各ゾーン0に対して、短く暗い期間を提供する。しかしながら、L=0である暗い期間が、非常に短い(例えば、AC波形の全周期における10%未満)ことのために、そのような短く暗い期間に起因するちらつきは、人間の目には見えないであろう。
【0035】
例示的で非限定的な実施形態では、図2B図2Kに示すLED回路200の様々なスイッチング状態は、ゾーン1~10のそれぞれにおいて活性化される複数のLEDによって比較的一定の明るさを達成するために、図3Cの原理に従ったスイッチング機能を実装することができる。例えば、図2Bでは、電圧が30Vへと到達するゾーン1に関して、直列接続された10個のLEDからなるブロックがなす15ステージを、並列に活性化することができ、これにより、150個のLEDを点灯することができる。図2Cでは、電圧が約60Vまで上昇するゾーン2に関して、活性化されるLEDの総数Nは、約100個となることとなる。図2Dでは、電圧が約90まで上昇するゾーン3に関して、活性化されるLEDの総数Nは、約90個となることとなる。図2Eでは、電圧が約120Vまで上昇するゾーン4に関して、活性化されるLEDの総数Nは、約80個となることとなる。図2Fでは、電圧が約150Vまで上昇するゾーン5に関して、活性化されるLEDの総数Nは、約50個となることとなる。ゾーン6~10のそれぞれに関しては、LEDの数は、ゾーン1~5と同数となることとなる。このようにして、順次的なゾーンにおいて電圧が上昇する(よって、電流Iが増加する、図3B)につれて、活性化されるLEDの数Nが減少することで、複数のゾーンにわたって一定の明るさレベルが維持されることとなり、他方、順次的なゾーンにおいて電圧が下降すると、活性化されるLEDの数Nが増加するで、複数のゾーンにわたって一定の明るさレベルが維持されることとなる。
【0036】
図4は、本開示の別の実施形態によるLED回路400を概略的に示している。LED回路400は、複数のLEDステージであるステージ1~ステージ7と、複数のスイッチS1~S16と、LED回路400の複数のLEDのステージを駆動するために使用されるAC電力(例えば、図1の商用供給電力のAC波形100)に対して接続された第1電源ライン110(「ラインホット」として示す)及び第2電源ライン112(「ラインニュートラル」として示す)と、を含む。図4に示すように、各LEDステージは、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック401~207のそれぞれを含む。例示の目的のために、図4には7個のステージのみが図示されているけれども、いくつかの実施形態では、LED回路400は、7個以上のLEDステージを有することとなる。
【0037】
図4の例示的な実施形態では、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック401~407は、直列接続された異なる数のLEDデバイスを有している。例えば、第1LEDステージ(ステージ1)では、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック401は、10個のLEDデバイスを含む。第2LEDステージ(ステージ2)では、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック402は、3個のLEDデバイスを含む。第3LEDステージ(ステージ3)では、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック403は、4個のLEDデバイスを含む。第4LEDステージ(ステージ4)では、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック404は、5個のLEDデバイスを含む。第5LEDステージ(ステージ5)では、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック405は、7個のLEDデバイスを含む。第6LEDステージ(ステージ6)では、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック406は、9個のLEDデバイスを含む。第7LEDステージ(ステージ7)では、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロック407は、12個のLEDデバイスを含む。この構成では、各LEDステージにおける異なる数のLEDデバイスが、多数のゾーンにおける電圧の小さな増減に基づいて、異なるゾーンのAC電力周期時に活性化又は非活性化されるLEDデバイスの数をより精細に調整することを提供する。
【0038】
例えば、図5Aは、14個の異なるオーバーラップするゾーンにわたって、図4のLED回路400におけるスイッチS1~S16の様々なスイッチング状態を示す表である。図5Aでは、図4のLEDデバイスが3.5Vという公称動作電圧を有すること、及び、AC電圧波形100が120Vrmsの波形を含むことを、仮定している。図5Aに示すように、ゾーン1~7及びゾーン8~14に関して、活性化されたLEDデバイスの数は、10個のLEDデバイス、13個のLEDデバイス、17個のLEDデバイス、22個のLEDデバイス、29個のLEDデバイス、38個のLEDデバイス、50個のLEDデバイスとしてそれぞれ示されており、ゾーンどうしは、ゾーンどうしの間における潜在的な短く暗い期間を排除するために、オーバーラップするように構成されている。この構成では、LED回路400は、(図2A図2Kに示す10個のLEDステージに関しての)30Vではなく、9Vで活性化されるLEDステージを有することができる。特に、図4の例示的な実施形態では、以下のLEDステージを、以下の電圧レベルで活性化することができる、すなわち、(i)LEDが3個のステージ402は、9V~12Vで、AC主電源によって有効とすることができ、(ii)LEDが4個のステージ403は、12V~15Vで、AC主電源によって有効とすることができ、(iii)LEDが5個のステージ404は、15V~20Vで、AC主電源によって有効とすることができ、(iv)LEDが7個のステージ405は、21V~27V(又はそれより大きい)で、AC主電源によって有効とすることができ、(v)LEDが9個のステージ406のゾーンは、27V~30V(又はそれより大きい)で、AC主電源によって有効とすることができ、(vi)LEDが10個のステージは、35V(又はそれより大きい)程度で、AC主電源によって有効とすることができる、等である。
【0039】
図5Bは、AC電圧波形100の正の半周期500内においてゾーン1~7がオーバーラップしている状態で、及び、AC電圧波形100の負の半周期510内においてゾーン8~14がオーバーラップしている状態で、AC電圧波形100の1つの全周期を示している。図5Bは、様々なゾーンにおいて状態をスイッチングする際にオーバーラップする時間を提供するための例示的な実施形態を示しており、これにより、隣り合うゾーンどうしの間の潜在的な短く暗い期間を排除することができる。
【0040】
図6は、図2AのLED回路200及び図4のLED回路400に示すスイッチを実装するために使用し得るソリッドステート双方向スイッチ600を概略的に示している。ソリッドステート双方向スイッチ600は、第1入力/出力端子601と、第2入力/出力端子602と、制御端子603と、を含む。ソリッドステート双方向スイッチ600は、制御端子603に対して印加された制御信号の操作により、ソリッドステート双方向スイッチ600が「スイッチオン状態」にある時には、電流の双方向の流れを可能とするように構成されている。
【0041】
ソリッドステート双方向スイッチ600は、背中合わせで直列接続された第1MOSFETスイッチ610及び第2MOSFETスイッチ620を含む。いくつかの実施形態では、第1MOSFETスイッチ610及び第2MOSFETスイッチ620は、図示のようにゲート端子(G)とドレイン端子(D)とソース端子(S)とを有した、パワーMOSFETデバイスを含み、特にN型エンハンスメントMOSFETデバイスを含む。図6の例示的な実施形態では、ソリッドステート双方向スイッチ600は、ソース端子どうしが共通して接続された2つのNチャネル型MOSFETスイッチ610及び620を使用して実装される。第1MOSFETスイッチ610及び第2MOSFETスイッチ620は、それぞれ固有のボディダイオード610-1及び620-1を含み、これらは、MOSFETデバイスのP型基板ボディとN型ドーピングドレイン領域との間のP-N接合を表す。ボディダイオード610-1及び620-1は、MOSFETスイッチ610及び620の固有要素であり(すなわち、離散的な要素ではない)、よって、破線の接続によって図示されている。なお、MOSFETスイッチ610及び620の固有ボディ・ソース間ダイオードは、ソース領域と基板ボディとの間の接続によって短絡される(例えば、N+型ソースとP型ボディとの接合部は、ソースのメタライゼーションにより短絡される)ため、図示されていないことに留意されたい。ソリッドステート双方向スイッチ600の動作は、当業者には周知である。
【0042】
図7は、本開示の例示的な実施形態による光生成回路700を概略的に示している。光生成回路700は、本明細書において説明する技法を使用してLEDデバイスを駆動するために、光生成回路700によって利用される商用AC電源100に対して接続される。光生成回路700は、AC主電源100のホット相110(「ラインホット」と称す)と、AC主電源100のニュートラル相112(「ラインニュートラル」と称す)と、に対して接続される。図7にさらに示すように、ラインニュートラル112は、アースグランド114(GND)に対して結合されて図示されており、このことは、当該技術分野で公知なように追加的な保護を提供する。
【0043】
光生成回路700は、AC-DCコンバータ回路710と、ゼロ交差検出回路720と、スイッチ制御回路730と、LED回路ステージ及びスイッチからなる構成740と、を含む。いくつかの実施形態では、LED回路ステージ及びスイッチ740の配置は、図2Aに示すLED回路200又は図4に示すLED回路400と同一の又は同様のLED回路を実装する。スイッチ制御回路730は、LED回路ステージ及びスイッチ740からなるブロック内のスイッチを選択的に作動させることにより、直列接続された複数のLEDデバイスからなる個々のブロック及び/又は連結されたブロックを、AC電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、AC電力を使用してLEDスイッチを駆動するためのスイッチングプロトコルを実装する。スイッチ制御回路730は、LEDステージ740内の直列接続された複数のLEDデバイスからなる個々の及び/又は連結されたブロックをAC電源ラインに対して選択的に接続するために利用されるスイッチング構造内の対応するスイッチの制御端子に対して接続される複数の(n個の)スイッチ制御ラインSCL1、SCL2、SCLn上にスイッチ制御信号を生成して出力する。
【0044】
AC-DCコンバータ回路710は、ゼロ交差検出回路720及びスイッチ制御回路730を含む光生成回路700における様々な回路及び様々な構成要素に対してDC供給電力を提供するように構成される。しかしながら、AC-DCコンバータ回路710は、LEDデバイスを駆動するためのDC供給電圧を提供するようには構成されていない。いくつかの実施形態では、AC-DCコンバータ回路710は、以下の同時係属出願に開示されているものと同一の又は同様のDC電力変換技法を使用して実装することができる、すなわち、(1)2018年10月9日付けで出願された「High-Efficiency AC to DC Converter and Methods」と題する米国特許出願番号第16/092,263号明細書(米国特許出願公開第2019/0165691号明細書)、及び、(2)2019年4月9日付けで出願された「High-Efficiency AC Direct to DC Extraction Converter and Methods」と題する米国特許出願番号第16/340,672号明細書(米国特許出願公開第2019/0238060号明細書)であり、これらの開示内容のすべては、参照により本明細書に完全に援用される。
【0045】
ゼロ交差検出回路720は、複数のLEDを駆動するAC電圧波形のゼロ電圧公差を検出するように構成される。ゼロ交差検出回路720は、AC電源波形の電圧のゼロ交差を感知するように構成されるとともに、ゼロ交差事象を示す検出信号と、電圧波形のゼロ交差事象に関連した遷移方向(例えば、AC波形は、負から正へと遷移する(「正の遷移方向」と称す)、あるいは、AC波形は、正から負へと遷移する(「負の遷移方向」と称す))を示す検出信号と、を生成するように構成された、任意の適切なタイプの電圧ゼロ交差検出回路を使用して実装することができる。いくつかの実施形態では、ゼロ交差検出回路720は、ホットライン上のAC電圧を、ゼロ基準電圧(例えば、ラインニュートラル電圧)と比較することにより、ホットライン経路上のAC波形の極性を決定して、ゼロ交差事象を検出するとともに、AC波形のゼロ交差に関連した遷移方向を検出する。いくつかの実施形態では、比較は、ホットラインパスに対して接続された非反転入力と、基準電圧を受領する反転入力と、を有した電圧比較器コンパレータを使用して実行される。電圧比較器の出力は、(i)入力電圧が正から負へと遷移した時には、論理1から論理0へとスイッチングされ、(ii)入力電圧が負から正へと変位した時には、論理0から論理1へとスイッチングされる。この実例では、ゼロ交差検出回路720の出力は、AC電圧波形のゼロ交差が検出されるたびごとに、論理「1」出力と論理「0」出力との間で遷移することとなる。スイッチ制御回路730は、検出されたゼロ電圧交差のタイミング及び極性遷移方向を利用することにより、上述したように、LED回路ステージ及びスイッチからなるブロックでスイッチを作動させるタイミング及びシーケンスを制御することにより、LEDデバイスをAC電源ラインに対して接続し、これにより、LEDステージを駆動する。
【0046】
スイッチ制御回路730は、中央処理ユニット、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び他のタイプのプロセッサ、ならびに、これらプロセッサのうちの、ハードウェア制御やソフトウェア/ファームウェア制御やこれらの組合せを使用してスイッチ制御機能を実行し得る一部又は組合せ、を含んでもよい。
【0047】
他の実施形態では、スイッチ制御回路730は、本明細書において説明したACダイレクトLED駆動方法と完全に互換性があってちらつきがない調光を実装するために、パルス幅変調(PWM)などの変調方式を実装することにより、異なるゾーン内のLEDステージの活性化を変調してもよい。この変調は、複数のLEDデバイスからなるストリングが追加又は削除された時には、状態どうしの間の遷移を緩和するように構成することができる。また、CPUコア、マイクロコントローラ、又は他のデジタル/アナログデバイス、などのコンピューティングデバイスの実装は、例えば、製造時に及び/又は現場での運用使用時に、AC主電源の過渡現象を軽減するために、全体的な又は局所的なシステム再構成に関するサポートを容易とすることができる。
【0048】
LEDストリングどうしの様々な組合せ、LEDの数、直列であるか又は並列であるか、及び/又は、スイッチング構成及びLED動作電圧の変更が、様々な設計上の制約及び/又は様々なコスト的な制約に基づいて決定され得る線形及び/又は非線形の最適化問題であり得ることは、理解されよう。
【0049】
例えば、スイッチ制御回路730によって実装されるスイッチ制御方法は、上述したように、AC電圧波形を離散的なゾーンへと分割するために、AC電圧波形と時間的に同期させてもよい。スイッチ制御プロセスは、ゼロ交差検出回路720によって検出された際のゼロ電圧スイッチング及びゼロ交差事象から増分状態が始まるようにして、ライン周波数に同期させてもよい。LEDスイッチングゾーンは、初期電源投入時の0時間/0Vsから決定することができ、任意選択的に、スライド変動を伴う等しい持続時間によって複数のゾーン(例えば、5個のゾーン)へと均等に分割することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、各スイッチングゾーンは、ゾーンオーバーラップ時に各ゾーンで照明を均衡化させるために、及び調光制御のために、パルス幅変調(あるいは、他の変調技法)されてもよい。また、アルゴリズム制御の下で自動的に電流を制御するように操縦することにより、ゾーンごとの光出力を増加させるために、追加的なLEDを並列に追加してもよく、ゾーンの数は、設計により調整可能としてもよく、及び/又は、工場で初期的に構成してもよく、あるいは、現場で後から構成してもよい。
【0051】
他の実施形態では、LED間の各ゾーン内における例えば抵抗-キャパシタ時定数を使用して、状態変化を計時してもよい。さらに、AC主電源波形の立ち上がり部分及び立ち下がり部分の際に一定の照明レベルを維持するために、後続の各ゾーン(すなわち、最初のゾーンの後)は、前のゾーンを無効化する操作を可能とするPWM方式によって制御されてもよく、これにより、PWMは、前のゾーンが無効となるまでAC主電源波形の立ち上がり部分で増大するデューティサイクルによって開始され、AC主電源波形が上昇し続ける間に徐々に減少する。したがって、PWMは、AC主電源波形の下降勾配時にはデューティサイクルが徐々に増大し、電圧レベルが低下しても強度を維持し、このため、グランドに対しての中間接続によって実装される後続ゾーンでのPWMが可能となる。
【0052】
図8は、本開示の例示的な実施形態による、モノリシックウェハ形態で実装された光生成デバイス800を概略的に示している。光生成デバイス800は、モノリシック集積回路を含む半導体ウェハ基板802(例えば、シリコン基板)を含む。モノリシック集積回路は、LEDアレイ804と、スイッチ回路806と、AC電源入力端子808と、制御回路810と、を含む。いくつかの実施形態では、図8は、図7の光生成回路700に関してのモノリシックウェハ実装を示している。
【0053】
AC電源入力端子808は、AC電源に対して接続するように構成されている。AC電源入力端子808は、AC電源をウェハ802の様々な領域に対して分岐させて分配するために使用されるメタライゼーションを含む第1電源ライン及び第2電源ラインに対して結合される。LEDアレイ804は、複数のLEDステージを形成するように接続された複数のLEDデバイス820を含み、各LEDステージは、例えば図2A及び図4に概略的に示すように、直列接続された複数のLEDデバイス820を含む。スイッチ回路806は、配線ネットワークを使用してLEDアレイ804に対して結合された複数のスイッチ(例えば、ソリッドステート双方向スイッチ)を含み、これらスイッチを、LEDステージの入力及び出力に対して接続する。スイッチ制御回路810は、スイッチ回路806の複数のスイッチを制御することにより、LEDステージを、第1電源ライン及び第2電源ラインに対して選択的に接続し、これにより、AC入力端子808に対して接続されたAC電源からのAC電力によって、LEDステージに対して電力供給するように、構成されている。スイッチ回路806内のスイッチは、マイクロセル配列で、あるいは、明確に定義されたタブ位置を有した機能セル配列で、構成することができる。
【0054】
図8にさらに示すように、いくつかの実施形態では、各LEDデバイス820は、LEDデバイス820上に配置された光学フィルタ822と、LEDデバイス820上に配置されたレンズ部材824と、を含む。いくつかの実施形態では、光学フィルタ822は、LEDデバイス820によって放出される光をフィルタリングするための蛍光体層を含む。レンズ部材824は、LEDデバイス820によって放出される光を、方向付けたり、焦点合わせしたり、コリメートしたり、等を行うように、あるいは、所望の指向性を実現するように、構成されている。
【0055】
図8は、モノリシックウェハ形態で実装された光生成デバイス800が、異なるフォームファクタで再パッケージ化するためのウェハ分割を必要とすることなく、LED照明デバイス又はシステムを実装するために使用され得る例示的な実施形態を示している。ウェハ基板802は、所望の光出力レベルを達成するように、より大きな又はより小さなLEDアレイを収容するための様々な標準ウェハサイズを使用して実装することができる。より大きなウェハは、より小さなダイへと分割することができ、各ダイは、統合された光生成モノリシック回路を含む。
【0056】
図9は、本開示の別の例示的な実施形態による、モノリシックウェハ形態で実装された光生成デバイス900を概略的に示している。光生成デバイス900は、モノリシック集積回路を含む半導体ウェハ基板902(例えば、シリコン基板)を含む。モノリシック集積回路は、LEDアレイ904と、スイッチ回路906と、AC電源入力端子908と、制御回路910と、を含む。いくつかの実施形態では、図9は、図7の光生成回路700のモノリシックウェハ実装を示している。光生成デバイス900は、光生成デバイス900が、LEDアレイ904内においてLEDデバイスの異なる配置を有している点を除いては、図8の光生成デバイス800と同様のものであって、LEDアレイ904は、円形フットプリント領域に配置された複数のLEDデバイスを含み、各円形フットプリント領域は、スイッチ回路906によって囲まれており、このスイッチ回路906は、LEDデバイスを、あるいは、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロックを、電源ラインに対して接続するために利用されるスイッチ配列を含む、あるいはそうでなければ、直列接続された複数のLEDデバイスからなるブロックどうしを連結することにより、上述したような直列接続されたLEDデバイスからなるより大きなストリングを形成するために利用されるスイッチ配列を含む。
【0057】
本明細書では、添付図面を参照して例示的な実施形態について説明したけれども、本開示が、それらの厳密な実施形態に限定されるものではないこと、また、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、当業者であればそれらに様々な他の変更及び改変を行い得ることは、理解されよう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】