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特表2022-513953電気エネルギー貯蔵装置用の衝撃力吸収ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】電気エネルギー貯蔵装置用の衝撃力吸収ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20220202BHJP
   B60R 19/42 20060101ALI20220202BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
B60K1/04
B60R19/42
F16F7/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534671
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(85)【翻訳文提出日】2021-08-11
(86)【国際出願番号】 FR2019052877
(87)【国際公開番号】W WO2020128193
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】1873070
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム、リパ
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ、ダ、コスタ、ピト
(72)【発明者】
【氏名】ステファヌ、アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル、エノン
【テーマコード(参考)】
3D235
3J066
【Fターム(参考)】
3D235BB07
3D235CC14
3D235DD21
3D235HH44
3J066AA22
3J066BA04
3J066BB01
3J066BD07
3J066BE05
3J066BE08
(57)【要約】
本発明は、自動車用の電気エネルギー貯蔵装置のための衝撃エネルギー吸収ユニット(30)に関し、ユニットは、第1の材料で作製された少なくとも1つのインサートと、インサート(31)が配置されるプラスチック本体とを備え、インサートとこの本体(33)とは、互いに接続され、インサートは、前記自動車の衝撃、特に前記自動車の横方向の衝撃、にさらされる領域に配置されるように設計されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の電気エネルギー貯蔵装置のための衝撃エネルギー吸収ユニット(30)であって、
このユニットは、第1の材料で作製された少なくとも1つのインサートと、このインサート(31)が配置されるプラスチック本体とを備え、
このインサートとこの本体(33)とは、互いに接続され、
このインサートは、前記自動車の衝撃、特に前記自動車の横方向の衝撃、にさらされる領域に配置されることが意図されている、ユニット。
【請求項2】
前記プラスチック本体内に配置されるとともに前記プラスチック本体に接続された2つの前記インサート(31,32)を有し、
これらのインサートは、特に前記プラスチック本体の2つの領域に配置され、
これらの領域は、特に互いに垂直であり、
前記領域の1つは、前記自動車の衝撃、特に前記自動車の横方向の衝撃、にさらされる領域である、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
1以上の前記インサート(31,32)は、ガラス繊維および/または炭素繊維を有する複合材料を含む、または、これらの1以上の前記インサートは、金属、特に鋼またはアルミニウム、で作製されている、請求項1または2に記載のユニット。
【請求項4】
第1のインサート(31)と呼ばれる前記自動車の衝撃にさらされる領域の前記インサートは、他の前記インサートから離れる方向に開いた形状を有し、
この第1のインサートは、断面において特にC字形状を有し、
好ましくは互いに平行な下側アームと上側アームを有する、請求項2または請求項2に従属する請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記第1のインサートが延在する前記さらされる領域の後方にある第2のインサート(32)は、断面においてS字またはC字形状を有する、請求項2または請求項2に従属する請求項3もしくは4に記載のユニット。
【請求項6】
前記プラスチック本体(33)は、複数のリブ(50)を有し、
前記プラスチック本体は、好ましくは、リブのネットワークを形成するリブの複数の列によって形成された有孔体であり、
これらのリブは、特に大部分が1以上の前記インサート上にある、請求項1~5のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項7】
前記リブ(50)は、各インサートの1つの面または複数の面にわたって延び、
これらのリブは、平行な列および他の、垂直な、列を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項8】
前記プラスチック本体は、繊維、特にガラス繊維または炭素繊維、で補強されたプラスチック材料で作製されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項9】
1以上の前記インサートは、前記プラスチック本体のオーバーモールド中に、溶着されるおよび/または機械的に接続される、請求項1~8のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項10】
複数のバッテリーセルと、請求項1~9のいずれか一項に記載のユニットとを備えた、自動車用の電気エネルギー貯蔵装置(10)であって、
前記セルは、特にハウジング内に配置され、
前記吸収ユニットは、前記車両の横方向の衝撃からこのハウジングを保護するように、このハウジングの1つの側面に配置され、
特に請求項1~9のいずれか一項に記載の2つの吸収ユニット(30)が設けられ、
それぞれが、前記バッテリーセルを受容する前記ハウジングの1つの横側面に配置され、
これらの2つの横側面は特に互いに平行である、電気エネルギー貯蔵装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用電気エネルギー貯蔵装置のための衝撃エネルギー吸収ユニットの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、バッテリーハウジングは、主に、剛性及び強度の両方を有する、金属、スチールおよび/またはアルミニウムで作製されている。バッテリーハウジングの主な機能の1つは、バッテリーのセルを、衝突の状況、特に致命的となりうる横方向の衝突、から保護することである。
【0003】
アルミニウムの発泡体を有する衝撃吸収要素を備えたバッテリー装置が、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1274470号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明は、衝撃、特に横方向の衝撃、の際のバッテリー要素の保護を改善すると同時に、車両へのより良好な組み込みを可能にすることを目的とする。
【0006】
この目的のために、本発明の1つの主題は、自動車用の電気エネルギー貯蔵装置のための衝撃エネルギー吸収ユニットであって、このユニットは、第1の材料で作製された少なくとも1つのインサートと、このインサートが配置されるプラスチック本体とを備え、このインサートとこの本体とは、互いに接続され、このインサートは、前記自動車の衝撃、特に前記自動車の横方向の衝撃、にさらされる領域に配置されることが意図されている、ユニット、である。
【0007】
本発明は、重いままの既存の全金属製ソリューションよりも軽量な吸収ユニットを可能にするという点で注目に値する。また、本発明は、プラスチックを使用することで、より多くの組み込み機会を可能にする。さらに、本発明は、1以上のインサートにより、本発明によるユニットの十分な剛性と硬さを維持することが可能である。
【0008】
本発明の一態様によれば、前記プラスチック本体内に配置されるとともに前記プラスチック本体に接続された2つの前記インサートを有し、これらのインサートは、特に前記プラスチック本体の2つの領域に配置され、これらの領域は、特に互いに垂直であり、前記領域の1つは、前記自動車の衝撃、特に前記自動車の横方向の衝撃、にさらされる領域である。
【0009】
本発明の一態様によれば、1以上の前記インサートは、ガラス繊維および/または炭素繊維を有する複合材料を含む、または、これらの1以上の前記インサートは、金属、特に鋼またはアルミニウム、で作製されている。
【0010】
本発明の一態様によれば、第1のインサートと呼ばれる前記自動車の衝撃にさらされる領域の前記インサートは、他の前記インサートから離れる方向に開いた形状を有し、この第1のインサートは、特に断面においてC字形状を有し、好ましくは互いに平行な下側アームと上側アームを有する。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記第1のインサートが延在する前記さらされる領域の後方にある第2のインサートは、断面においてS字またはC字形状を有する。
【0012】
本発明の一態様によれば、第1及び第2のインサートは、プラスチック本体の少なくとも1つの端縁と実質的に同じ範囲に延びており、特に、第1及び第2のインサートは、インサートの表面積の少なくとも80%、さらには90%にわたってプラスチック本体と重なっている。このように、インサートはプラスチック本体の大きな面積を占めており、言い換えれば、プラスチック本体の中でインサートと接続していない部分は、ほとんどない。
【0013】
本発明の一態様によれば、単独で、または組み合わせて、以下を提供することが可能になる。
a.前記プラスチック本体は、2つの垂直な領域を有し、各インサートはこれらの領域の1つに配置され、前記本体は好ましくは一部品に形成される;
b.前記プラスチック本体は、複数のリブを有し、前記プラスチック本体は、好ましくは、リブのネットワークを形成するリブの複数の列によって形成された有孔体であり、これらのリブは、特に大部分が前記インサート上にある;
c.前記リブは、各インサートの1つの面または複数の面にわたって延び、これらのリブは、平行な列および他の垂直な列を形成する;
d.前記プラスチック本体は、繊維、特にガラス繊維または炭素繊維、で補強されたプラスチック材料で作製されている;
e.2つの前記インサートは、前記インサートの形状の複雑さに応じて、事前に形成されるか、またはオーバーモールド中に形成される。
f.前記インサートは、好ましくは、前記プラスチック本体のオーバーモールド中に、溶着されるおよび/または機械的に接続される。
【0014】
本発明はまた、複数のバッテリーセルと、上述のユニットとを備えた、自動車用の電気エネルギー貯蔵装置に関し、前記セルは、特にハウジング内に配置され、前記吸収ユニットは、前記車両の横方向の衝撃からこのハウジングを保護するように、このハウジングの1つの側面に配置され、特に2つの上述の吸収ユニットが設けられ、それぞれが、前記バッテリーセルを受容する前記ハウジングの1つの横側面に配置され、これらの2つの横側面は特に互いに平行である。
【0015】
本発明のさらなる特徴および利点は、例示的かつ非限定的な例によって与えられる以下の説明、および添付の図面を読むことによって、より明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一例によるバッテリーセル装置の図である。
図2図2は、本発明の一例による異なる吸収ユニット要素を示す。
図3図3は、本発明の一例による異なる吸収ユニット要素を示す。
図4図4は、本発明の一例による異なる吸収ユニット要素を示す。
図5図5は、本発明の他の例による異なる吸収ユニット要素を示す。
図6図6は、本発明の他の例による異なる吸収ユニット要素を示す。
図7図7は、本発明の他の例による異なる吸収ユニット要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、自動車用の電気エネルギー貯蔵装置10を示す。自動車は、特に、自動車、トラック、バスであり得る。電気エネルギー貯蔵装置10は、ハウジング12と、電気エネルギーを貯蔵するためのセル14とを有する。セル14は、例えば、直列に電気的に接続されている。ハウジング12は、下部コンパートメント16と、セル14を保護するようにハウジング12を閉鎖することを意図された付属部品18とで形成されている。この場合、付属部品18は、コンパートメント16によって画定される凹部20を覆うカバーである。コンパートメント16は、底壁26及び側壁28を有するボウル形状を有している。これらの側壁28は、自動車の横方向の衝撃のリスクにさらされており、これらの壁は、特に自動車のフェンダーに平行に延びている。
【0018】
このコンパートメント16及びカバー18は、それぞれ、例えば、熱可塑性樹脂を予め含浸させた、特にガラス繊維あるいは様々な炭素繊維または他の繊維を含む複合材料のシートから作製される。
【0019】
電気エネルギー貯蔵装置10には、側壁20のそれぞれに配置された2つの衝撃エネルギー吸収ユニット30が設けられている。
【0020】
図2図3および図4に示された例では、各ユニット30は、第1の材料で作られた2つのインサート31および32と、インサートが配置されるプラスチック本体33とを有している。
【0021】
これらのインサート31および32とこの本体33とは、互いに接続されている。
【0022】
これらの2つのインサート31および32は、プラスチック本体33内で、プラスチック本体33の2つの領域36および37に配置され、これらの領域は互いに垂直であり、1つの領域36は、自動車の衝撃、特に自動車の横方向の衝撃、にさらされる領域である。
【0023】
インサート31および32は、ガラス繊維および/または炭素繊維を有する複合材料を含む、または、これらの1以上の前記インサート31および32は、金属、特に鋼またはアルミニウム、で作製されている。
【0024】
第1のインサートと呼ばれる自動車の衝撃にさらされる領域のインサート31は、他のインサートから離れる方向に開いた形状を有し、この第1のインサートは、断面において特にC字形状を有し、互いに平行であり丸められた屈曲部40によって互いに接続された下側アーム38と上側アーム39を有する。
【0025】
第1のインサート31が延在するさらされる領域36の後方にある第2のインサート32は、断面においてC字形状を有する。
【0026】
あるいは、図5図6および図7に図示されているように、インサート32は、反対方向に向けられた凹部を有し、その高さの一部にわたって直線状である屈曲部42を有する、S字形状を有することができる。第1のインサート31は、上述の例のものと同一である。
【0027】
第1のインサート31及び第2のインサート32は、プラスチック本体33の複数の端縁45と実質的に同じ範囲に延びており、特に、第1のインサート31及び第2のインサート32は、インサートの表面積の少なくとも80%、さらには90%にわたってプラスチック本体と重なっている。このように、インサートはプラスチック本体の大きな面積を占めており、言い換えれば、プラスチック本体の中でインサートと接続していない部分は、ほとんどない。
【0028】
プラスチック本体33は、2つの垂直な領域36および37を有し、各インサート31,32は、これらの領域の1つに配置されており、本体33は一部品に形成されている。
【0029】
プラスチック本体33は、複数のリブ50を有し、プラスチック本体は、好ましくは、リブ50のネットワークを形成するリブの複数の列によって形成された有孔体であり、これらのリブは、特に大部分がインサート31および32上にある。
【0030】
特に、リブ50は、インサート31および32の凹部51内に延びている。
【0031】
リブ50は、各インサート32および32の複数の面53にわたって延びており、これらのリブは、平行な列57および他の、垂直な、列を形成している。
【0032】
プラスチック本体33は、好ましくは繊維、特にガラス繊維または炭素繊維、で補強されたプラスチック材料で作製されている。
【0033】
インサート31,32は、好ましくは、本体33を形成するためのプラスチック本体のオーバーモールド中に、溶着されるおよび/または機械的に接続される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】