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特表2022-513974卵に対する経口免疫療法のための製剤、製造方法、及び卵アレルギーの治療
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】卵に対する経口免疫療法のための製剤、製造方法、及び卵アレルギーの治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/57 20150101AFI20220202BHJP
   A61K 38/40 20060101ALI20220202BHJP
   A61K 38/38 20060101ALI20220202BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20220202BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20220202BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220202BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220202BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220202BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220202BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220202BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
A61K35/57
A61K38/40
A61K38/38
A61P37/06
A61P37/08
A61K9/48
A61K9/14
A61K47/02
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534720
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 US2019066922
(87)【国際公開番号】W WO2020131917
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/780,853
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/780,862
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515235986
【氏名又は名称】アイミューン セラピューティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】サイモン, レイナ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ビリンガー, ニコラス ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】サンダー, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】キャピュレ, クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, カリ ローズ
(72)【発明者】
【氏名】ディリー, スティーブン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】アデルマン, ダニエル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4C076AA29
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC03
4C076CC07
4C076DD29
4C076DD41
4C076EE31
4C076EE38
4C076FF04
4C076FF09
4C076GG04
4C076GG09
4C084AA02
4C084AA03
4C084CA41
4C084DA36
4C084DA40
4C084DC01
4C084MA37
4C084MA43
4C084MA52
4C084NA05
4C084ZB081
4C084ZB131
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB61
4C087MA05
4C087MA37
4C087MA43
4C087MA52
4C087NA05
4C087ZB08
4C087ZB13
(57)【要約】
卵白タンパク質製剤、卵白タンパク質製剤を含有する投与量容器、卵白タンパク質製剤及び投与量容器の作製方法、及び卵白タンパク質製剤の品質を制御する方法、卵白タンパク質製剤を製造するための材料(乾燥卵白タンパク質粉末など)、並びに投与量容器が本明細書に記載される。卵アレルギーを治療するための経口免疫療法が本明細書に更に記載される。本方法は、経口免疫療法スケジュールに従って、卵白タンパク質を含む医薬組成物の用量を、患者に経口投与することを含む。また、患者が用量の投与に関連する有害事象又は用量の投与に関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、経口免疫療法中の医薬組成物の投与量を調整する方法も本明細書に記載される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵白タンパク質製剤を作製する方法であって、
(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、
(b)前記第1の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、
(c)工程(a)及び(b)の後に、前記第1の混合物を前記第1の希釈剤の第2の量と混合して、第2の混合物を形成することと、
(d)前記第2の混合物を第2の希釈剤と混合して、第3の混合物を形成することと、
(e)工程(c)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で前記第3の混合物を混合することと、
(f)前記第3の混合物を滑沢剤と混合して、前記卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記卵白タンパク質製剤が、約0.05重量%~約2.5重量%の卵白タンパク質を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記卵白タンパク質製剤が、約0.1重量%~約0.7重量%の卵白タンパク質を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(b)が、前記第1の混合物と共に、前記第1の希釈剤の前記第2の量の少なくとも一部にメッシュスクリーンを通過させることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
工程(b)が、前記第1の混合物と共に、前記第1の希釈剤の前記第2の量にメッシュスクリーンを通過させることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程(c)が、複数のサブステップを含み、各サブステップが、(i)前記第1の希釈剤の前記第2の量の一部を前記第1の混合物に添加することと、(ii)前記第1の希釈剤の前記第2の量の前記一部及び前記第1の混合物を混合することと、を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程(c)が、3つ以上のサブステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(c)が、前記第1の希釈剤の前記第2の量を前記第1の混合物に添加するときに、前記第1の混合物と前記第1の希釈剤の前記第2の量とを連続的に混合することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の混合物が、タンブルブレンダー内で前記第1の希釈剤の前記第2の量と混合される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の混合物が、タンブルブレンダー内で前記第2の希釈剤と混合される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第3の混合物が、コニカルミルを使用して混合される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第3の混合物が、タンブルブレンダー内で前記滑沢剤と混合される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の希釈剤の第3の量が、前記第3の混合物と混合される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の希釈剤の前記第3の量及び前記滑沢剤が、前記第3の混合物と合わせて混合される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第3の混合物と混合する前に、前記滑沢剤を前記第1の希釈剤又は前記第2の希釈剤の追加の部分と混合することを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記滑沢剤と前記第1の希釈剤又は前記第2の希釈剤の前記追加の部分との混合物が、前記滑沢剤が前記第3の混合物と混合される前にメッシュスクリーンを通過する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
卵白タンパク質製剤を作製する方法であって、
(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、
(b)前記第1の混合物を前記第1の希釈剤の第2の部分と共に、メッシュスクリーンを通して合わせてふるい分けして、第2の混合物を形成することと、
(c)前記第1の希釈剤の1つ以上の追加の部分を用いて前記第2の混合物を連続希釈して、第3の混合物を形成することと、
(d)前記第3の混合物を第2の希釈剤と混合して、第4の混合物を形成することと、
(e)前記第1の希釈剤又は第2の希釈剤の追加の部分を滑沢剤と混合して、第5の混合物を形成することと、
(f)前記第4の混合物を前記第5の混合物と混合することと、を含む、方法。
【請求項18】
工程(c)の前に、前記第2の混合物を混合することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程(e)の前に、前記第3の混合物を前記第2の希釈剤と混合するために用いられるものよりも高い剪断力で前記第4の混合物を混合することを含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
工程(f)の前に、前記第5の混合物をふるい分けすることを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記卵白タンパク質製剤が、コロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記卵白タンパク質製剤が、約40重量%~約70重量%が前記第1の希釈剤である、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記卵白タンパク質製剤が、約30重量%~約50重量%が前記第2の希釈剤である、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記卵白タンパク質製剤が、約0.1重量%~約2重量%が前記滑沢剤である、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
卵白タンパク質製剤を作製する方法であって、
(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、
(b)前記第1の希釈剤の第2の量を前記第1の混合物と混合して、第2の混合物を形成することと、
(c)前記第2の混合物を第2の希釈剤と混合して、第3の混合物を形成することと、
(d)工程(b)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で前記第3の混合物を混合することと、
(e)前記第3の混合物を滑沢剤と混合して、前記卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、方法。
【請求項26】
前記乾燥卵白タンパク質粉末が、工程(b)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で、工程(a)において前記第1の希釈剤の前記第1の量と混合される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記卵白タンパク質製剤が、約1重量%~約70重量%の卵白タンパク質を有する、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記乾燥卵白タンパク質粉末が、コニカルミルを使用して、工程(a)において前記第1の希釈剤の前記第1の量と混合される、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
工程(b)が、2つの混合サブステップを含み、1つの混合サブステップが、他の混合サブステップよりも高い剪断力にある、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
工程(c)が、前記第2の希釈剤と混合して前記第3の混合物を形成する前に、前記第2の混合物を前記第1の希釈剤の追加量と混合することを更に含む、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
工程(c)が、前記第2の混合物を前記第1の希釈剤及び前記第2の希釈剤の追加量と合わせて混合して、前記第3の混合物を形成することを更に含む、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第3の混合物が、コニカルミルを使用して工程(d)で混合される、請求項25~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の希釈剤の前記第2の量及び前記第1の混合物が、タンブルブレンダー内で混合される、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の混合物が、タンブルブレンダー内で前記第2の希釈剤と混合される、請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の希釈剤の第3の量が、前記第3の混合物と混合される、請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の希釈剤の前記第3の量及び前記滑沢剤が、前記第3の混合物と合わせて混合される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
工程(e)が、(i)前記第3の混合物の一部を滑沢剤と混合することと、(ii)(i)の前記混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、(iii)(ii)の前記混合物を前記第3の混合物の追加の部分と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、請求項25~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第3の混合物が、タンブルブレンダー内で前記滑沢剤と混合される、請求項25~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記卵白タンパク質製剤が、約9重量%~約85重量%が前記第1の希釈剤である、請求項25~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記卵白タンパク質製剤が、約10重量%~約50重量%が前記第2の希釈剤である、請求項25~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記卵白タンパク質製剤が、約10重量%~約20重量%が前記第2の希釈剤である、請求項25~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記卵白タンパク質製剤が、約0.1重量%~約2重量%が前記滑沢剤である、請求項25~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記卵白タンパク質製剤が、滑剤を含む、請求項25~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記滑剤が、工程(a)の間又は前に、前記卵白タンパク質粉末及び前記第1の希釈剤の前記第1の量と混合される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記滑剤がコロイド状二酸化ケイ素である、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項46】
前記卵白タンパク質製剤が、約2重量%~約70重量%が卵白タンパク質である、請求項25~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記卵白タンパク質製剤が、コロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない、請求項25~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記卵白タンパク質製剤が、約1重量%~約5重量%が卵白タンパク質である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
卵白タンパク質製剤を作製する方法であって、
(a)乾燥卵白タンパク質粉末を、第1の希釈剤、及び滑剤と混合して第1の混合物を形成することと、
(b)工程(a)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第2の希釈剤及び前記第1の混合物を混合して第2の混合物を形成することと、
(c)前記第2の混合物及び滑沢剤を混合して、前記卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、方法。
【請求項50】
前記卵白タンパク質製剤が、約50重量%~約80重量%の卵白タンパク質を有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記乾燥卵白タンパク質粉末、前記第1の希釈剤、及び前記滑剤が、タンブルブレンダー内で混合される、請求項49又は50に記載の方法。
【請求項52】
前記第2の希釈剤及び前記第1の混合物が、コニカルミルを使用して工程(b)において混合される、請求項49~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記第2の混合物及び前記滑沢剤が、タンブルブレンダー内で混合される、請求項49~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の希釈剤の第2の量が、前記第2の混合物と混合される、請求項49~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の希釈剤の前記第2の量及び前記滑沢剤が、前記第2の混合物と合わせて混合される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記滑剤がコロイド状二酸化ケイ素を含む、請求項49~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
工程(c)が、(i)前記第2の混合物の一部と前記滑沢剤とを混合することと、(ii)前記第2の混合物の前記一部及び前記滑沢剤にメッシュスクリーンを通過させることと、(iii)(ii)を前記第2の混合物の追加の部分と混合して、前記卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、請求項49~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記卵白タンパク質製剤が、約5kg以上のロットサイズで作製される、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記卵白タンパク質製剤が、約5kg~約50kgのロットサイズで作製される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記卵白タンパク質製剤の卵白タンパク質ブレンド均一性を測定することを含む、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記卵白タンパク質製剤が、卵白タンパク質ブレンド均一性の相対標準偏差(RSD)が約15%以下である、請求項1~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記卵白タンパク質製剤を、複数の投与量容器にパッケージ化することを含む、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記投与量容器が、カプセル又はサッシェである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記複数の投与量容器の卵白タンパク質含有量均一性を測定することを含む、請求項62又は63に記載の方法。
【請求項65】
複数の投与量容器が、卵白タンパク質含有量均一性の相対標準偏差(RDS)が約15%以下である、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の希釈剤が、アルファ化デンプンである、請求項1~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記第2の希釈剤が、微結晶セルロースである、請求項1~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、請求項1~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記乾燥卵白タンパク質粉末が、約50重量%~約90重量%の卵白タンパク質を含む、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記乾燥卵白タンパク質粉末の形成が、液体卵白を噴霧乾燥させることを含む、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記卵白タンパク質粉末が、グルコースを除去されている、請求項1~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記乾燥卵白粉末が、低温殺菌されている、請求項1~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
乾燥卵白タンパク質粉末が、鶏卵に由来する、請求項1~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記乾燥卵白タンパク質粉末中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することを更に含む、請求項1~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することを更に含む、請求項1~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することが、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)プロファイルを得ることを含む、請求項74又は75に記載の方法。
【請求項77】
前記HPLCプロファイルが、逆相HPLC(RP-HPLC)プロファイルである、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記HPLCプロファイルが、サイズ排除クロマトグラフィーHPLC(SEC-HPLC)プロファイルである、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記得られたHPLCプロファイルを参照HPLCプロファイルと比較することを含む、請求項76~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することが、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を定量化することを含む、請求項74~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を定量化することが、前記卵白タンパク質粉末又は前記卵白タンパク質製剤中の総タンパク質と比較して、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を測定することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を定量化することが、前記卵白タンパク質粉末又は前記卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、及びリゾチームの総量と比較して、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を測定することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することが、前記卵白タンパク質粉末又は前記卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力を測定することを含む、請求項74~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記卵白タンパク質粉末又は前記卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの前記効力が、参照試料中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力と比較して測定される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの前記効力が、イムノアッセイを用いて測定される、請求項83又は84に記載の方法。
【請求項86】
前記イムノアッセイが、オボムコイドに特異的に結合する抗体、オボアルブミンに特異的に結合する抗体、オボトランスフェリンに特異的に結合する抗体、又はリゾチームに特異的に結合する抗体のうちの1種以上の使用を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記イムノアッセイが、オボムコイドに特異的に結合する抗体、オボアルブミンに特異的に結合する抗体、オボトランスフェリンに特異的に結合する抗体、又はリゾチームに特異的に結合する抗体からなる群から選択される2つ以上の抗体を含む抗体のプールの使用を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記抗体が、IgE抗体又はIgG抗体である、請求項86又は87に記載の方法。
【請求項89】
オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの前記効力が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて測定される、請求項84~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
請求項1~89のいずれか一項に記載の方法に従って作製された卵白タンパク質製剤。
【請求項91】
乾燥卵白タンパク質粉末、第1の希釈剤、第2の希釈剤、及び滑沢剤を含む卵白タンパク質製剤であって、コロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない、卵白タンパク質製剤。
【請求項92】
前記卵白タンパク質製剤が、約0.1重量%~約3.5重量%の卵白タンパク質を含む、請求項91に記載の卵白タンパク質製剤。
【請求項93】
前記第1の希釈剤がアルファ化デンプンである、請求項91又は92に記載の卵白タンパク質製剤。
【請求項94】
前記第2の希釈剤が、微結晶セルロースである、請求項91~93のいずれか一項に記載の卵白タンパク質製剤。
【請求項95】
前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、請求項91~94のいずれか一項に記載の卵白タンパク質製剤。
【請求項96】
前記卵白タンパク質製剤が、前記卵白タンパク質粉末、前記第1の希釈剤、前記第2の希釈剤、及び前記滑沢剤から本質的になる、請求項91~95のいずれか一項に記載の卵白タンパク質製剤。
【請求項97】
患者の卵アレルギーを治療する方法であって、
経口免疫療法スケジュールに従って、卵白タンパク質を含む医薬組成物の複数の用量を患者に経口投与することを含み、前記経口免疫療法スケジュールが、(a)約1mg~約300mgの卵白タンパク質の一連の漸増用量を前記患者に経口投与することを含む、用量増加期間であって、前記用量が漸増される前に、所与の用量が前記患者に少なくとも2週間投与され、前記用量増加期間が、約20週~約44週の長さである、用量増加期間と、
(b)前記患者に、卵白タンパク質を含む複数の維持用量を経口投与することを含む維持期間であって、維持期間が、約12週以上の長さである、維持期間と、を含む、方法。
【請求項98】
前記患者の卵白特異的IgE(ew-IgE)の血清レベルが、前記治療の開始時に約7kU/L以上である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記患者が、前記治療の開始時に約5kU/L以上の卵白特異的血清IgE(ew-IgE)レベルを有する、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
前記用量増加期間中に前記患者に投与される前記一連の漸増用量が、少なくとも1mgの用量の卵白タンパク質と、300mgの用量の卵白タンパク質とを含む、請求項97~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記用量増加期間中に前記患者に投与される前記一連の漸増用量が、少なくとも10通りの異なる用量の卵白タンパク質を含む、請求項97~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記用量増加期間中に前記患者に投与される前記一連の漸増用量が、約1mg、約3mg、約6mg、約12mg、約20mg、約40mg、約80mg、約120mg、約160mg、約200mg、約240mg、及び約300mgの用量の卵白タンパク質を含む、請求項97~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記用量増加期間中に投与される用量が、前記患者がそれまでの用量に耐容する場合にのみ漸増される、請求項97~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記用量増加期間中に前記患者に投与される最大用量が、約300mgの卵白タンパク質である、請求項97~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記維持期間中に前記患者に投与される維持用量が、約300mg以上の卵白タンパク質である、請求項97~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記維持期間中に前記患者に投与される維持用量が、約300mgの卵白タンパク質である、請求項97~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記患者が前記用量増加期間中に前記患者に投与された前記最大用量に耐容する場合にのみ、前記維持用量が前記患者に投与される、請求項97~106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記患者が、前記維持期間の終了時に約600mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する、請求項97~107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記患者が、前記維持期間の終了時に約1000mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する、請求項97~108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記患者が、前記維持期間の終了時に約2000mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する、請求項97~109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記患者が、前記維持期間の終了時に約2000mgの蓄積用量の調理済み卵白タンパク質に耐容する、請求項97~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記患者が、前記維持期間の終了時に約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容する、請求項97~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記患者が、前記治療の開始前には、約300mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容することができない、請求項97~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記患者が、前記治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の調理済み卵白タンパク質に耐容することができない、請求項97~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記患者が、前記治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容することができない、請求項97~114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記患者が、前記治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の調理済み卵白タンパク質に耐容する、請求項97~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記患者が、前記治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容する、請求項97~113及び116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記経口免疫療法スケジュールが、前記用量増加期間の前に初期漸増期を含み、前記初期漸増期が、1日に約0.2mg~約2mgの卵白タンパク質の一連の漸増用量を前記患者に経口投与することを含み、任意の所与の用量の単回投与が患者に投与され、前記用量が少なくとも15分間隔を空けられる、請求項97~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記患者が前記治療の初日に約1.0mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する場合にのみ、前記患者が前記経口免疫療法スケジュールに従って治療される、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記患者が、前記治療の開始前に約4歳以上である、請求項97~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記患者が、前記治療の開始前に約4歳~約26歳である、請求項97~120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
対象における卵アレルギーの経口免疫療法中に、卵白タンパク質を含む医薬組成物の投与量を調整する方法であって、前記経口免疫療法が、(i)卵白タンパク質の一連の漸増用量を前記患者に経口投与することを含む、用量増加期間と、(ii)前記卵白タンパク質を含む複数の維持用量を前記患者に経口投与することを含む維持期間と、を含み、
前記方法が、
前記医薬組成物の第1の用量を前記患者に経口投与することと、
前記医薬組成物の第2の用量を前記患者に経口投与することと、を含み、
前記患者が前記第1の用量の前記投与に関連する有害事象を経験する場合、前記第2の用量が低減されるか、スキップされるか、又は前記用量の少なくとも一部が遅延される、方法。
【請求項123】
前記第2の用量が、第1の部分及び第2の部分に分割され、前記第1の部分が、所定の投与スケジュールに従って投与され、前記患者が前記第1の用量の前記投与に関連する有害事象を経験する場合、前記第2の部分が、前記所定の投与スケジュールに比べて遅延される、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記第2の部分が、前記第1の部分が投与された後、約8時間~約12時間遅延される、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記患者が前記第1の用量の前記投与に関連する有害事象を経験する場合、前記第2の用量がスキップされる、請求項122に記載の方法。
【請求項126】
前記患者が前記第1の用量の前記投与に関連する有害事象を経験する場合、前記第2の用量が前記第1の用量に比べて低減される、請求項122に記載の方法。
【請求項127】
前記医薬組成物の後続用量が、前記後続用量を漸増させる前に、約1週間以上にわたって、前記第1の用量に比べて低減される、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記医薬組成物の後続用量が、前記後続用量を漸増させることを試みる前に、前記第1の用量に比べて約1週間~約2週間にわたって低減される、請求項126又は127に記載の方法。
【請求項129】
前記医薬組成物の後続用量が、前記後続用量を漸増させる前に、約1週間~約2週間にわたって、前記第1の用量に比べて低減される、請求項126~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記第1の用量の投与に関連する前記有害事象が、軽度のアレルゲン性有害事象である、請求項122~129のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記第1の用量の投与に関連する前記有害事象が、中等度のアレルゲン性有害事象又は重度のアレルゲン性有害事象である、請求項122~130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記第1の用量及び前記第2の用量が、前記経口免疫療法の前記用量増加期間中に前記患者に投与される、請求項122~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記第1の用量及び前記第2の用量が、前記経口免疫療法の前記維持期間中に前記患者に投与される、請求項122~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
対象における卵アレルギーの経口免疫療法中に、卵白タンパク質を含む医薬組成物の投与量を調整する方法であって、前記経口免疫療法が、(i)卵白タンパク質の一連の漸増用量を前記患者に経口投与することを含む、用量増加期間と、(ii)前記卵白タンパク質を含む複数の維持用量を前記患者に経口投与することを含む維持期間と、を含み、
前記方法が、
前記医薬組成物の第1の用量を前記患者に経口投与することと、
前記医薬組成物の第2の用量を前記患者に経口投与することと、を含み、
前記患者が前記第1の用量の投与に関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、前記第2の用量が低減されるか、又はスキップされる、方法。
【請求項135】
アレルゲンに対する感受性の増加に関連する前記同時因子が、アトピー性疾患の再燃、炎症、病気、又は月経である、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記患者が前記第1の用量の前記投与には関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する前記同時因子を経験する場合、前記第2の用量がスキップされる、請求項134又は135に記載の方法。
【請求項137】
前記第2の用量が、前記患者が前記第1の用量の前記投与に関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する前記同時因子を経験する場合、前記第1の用量に比べて低減される、請求項134又は135に記載の方法。
【請求項138】
前記医薬組成物の後続用量が、前記後続用量を漸増させることを試みる前に、前記第1の用量に比べて約1週間以上にわたって低減される、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記医薬組成物の後続用量が、前記後続用量を漸増させる前に、約1週間~約2週間にわたって、前記第1の用量に比べて低減される、請求項137又は138に記載の方法。
【請求項140】
前記医薬組成物の後続用量が、前記後続用量を漸増させる前に、約1週間~約2週間にわたって、前記第1の用量に比べて低減される、請求項137~139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記第1の用量及び前記第2の用量が、前記経口免疫療法の前記用量増加期間中に前記患者に投与される、請求項134~140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
前記第1の用量及び前記第2の用量が、前記経口免疫療法の前記維持期間中に前記患者に投与される、請求項134~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
アレルゲンに対する感受性の増加に関連する前記同時因子が、前記患者がアレルギーを示す食物への意図しない曝露である、請求項134~142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記医薬組成物中の前記卵白タンパク質が、未加工卵白タンパク質である、請求項97~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記医薬組成物が、投与前に、食物ビヒクルと混合される、請求項97~144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
請求項97~145のいずれか一項に記載の方法で使用するための医薬組成物。
【請求項147】
前記医薬組成物が、請求項1~96のいずれか一項に記載の方法により調製された前記卵白タンパク質製剤を含む、請求項146に記載の医薬組成物。
【請求項148】
請求項97~145のいずれか一項に記載の方法による、患者における卵アレルギーを治療する方法のための薬剤の製造に使用するための医薬組成物。
【請求項149】
前記医薬組成物が、請求項1~96のいずれか一項に記載の方法により調製された前記卵白タンパク質製剤を含む、請求項148に記載の医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2018年12月17日出願の米国仮出願第62/780,853号及び2018年12月17日出願の米国仮出願第62/780,862号に対する優先権を主張する。上記米国仮出願のそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、卵に対する経口免疫療法のための製剤及びそのような製剤を製造する方法、並びに患者における卵アレルギーの経口免疫療法の治療に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]IgE介在鶏卵アレルギーは、小児期の最も一般的な食物アレルギーのうちの1つであり、生命を脅かすアナフィラキシーなどの重度の即時型過敏症反応と関連付けることができる。卵アレルギーの有病率は、西洋諸国では約0.5%~2.5%であると推定される。ほとんどの小児は、典型的には時間とともに卵アレルギーを克服するが、横断的研究は、克服が10代までに発生しない場合があり、卵アレルギーが18歳の個人の約20%で残存することを示している。
【0004】
[0004]2つの主な卵アレルギー表現型が臨床において認識されており、(1)未加工卵白及び焼成した全卵の両方に対するアレルギー、及び(2)未加工卵白のみに対するアレルギーである。卵アレルギーの個人の約20%~30%は、未加工卵白及び焼成した全卵の両方に対してアレルギーであり、卵アレルギーの個人の70%~80%は、未加工卵白のみに対するアレルギーである。
【0005】
[0005]卵アレルギーの管理のための現在の標準治療は、食事での卵の回避、及びアレルギー症状の認識及び管理、並びに救急薬(例えば、エピネフリン自己注射薬(EAI)の適切な使用に関する、患者/家族の教育である。しかしながら、卵を回避することは、多くの食物製品中の成分として卵の普遍性、並びに小児期の栄養素としてのその重要性のため、卵アレルギー患者にとって非常に困難である。偶発的曝露を回避し、かつ常に恐れていることの負担は、卵アレルギーの個人及びその家族の健康関連の生活の質に悪影響を及ぼす可能性がある。医療上の必要性を強めているのは、アナフィラキシーの治療のためのEAIの毎日の携帯及び緊急使用が不十分であると考えられ、これが入院及び死亡を含む有害な帰結をもたらす可能性があるということである。
【0006】
[0006]一般に、概算した母集団閾値を有する研究に基づいて、ほんの1ミリグラム量の卵タンパク質の摂取がアレルギー反応を誘発させ得ると考えられている。卵アレルギーの母集団全体にわたって、アレルギー反応が誘発される閾値レベルは広く変化するが、ED10(特定の食物アレルギーを有する個人の10%において反応を引き起こすと予測される誘発用量)は、3.7mg~5.8mgの卵タンパク質の範囲に推定される。結果として、卵に対する偶発的アレルギー反応が一般的である。
【0007】
[0007]現在利用可能な療法は、アレルギー反応が起こったときに、アレルギー反応の症状のみを治療するように設計されている。したがって、治療法がない場合、偶発的曝露の事象における重度のアレルギー反応のリスクを低減する可能性を有する療法は、緊急の満たされていない医療上の必要性を表す。しかしながら、経口免疫療法によって卵アレルゲンを送達するための注意深く較正された投与形態の開発は、特に低用量形態について課題を残している。低投与量では、経口免疫療法投与におけるアレルゲン性材料の制御は、治療に関連する有害事象を制限するのに特に重要である。したがって、特に低投与量を製造する際のバルク製造プロセスは、混合製品全体にわたって十分な均一性を有するべきであり、パッケージ化された製品において十分な用量均一性が確保される。
【0008】
[0008]近年、卵アレルギーの経口免疫療法(OIT)が研究されており、これは、脱感作状態を得るために用量を増加させて患者にアレルゲン性タンパク質を経口投与することを含む。しかしながら、治療の安全性及び/又は有効性の更なる改善が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009]卵白タンパク質製剤、卵白タンパク質製剤を含有する剤形、並びにそのような卵白タンパク質製剤及び剤形を作製する方法が本明細書に記載される。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤を作製する方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、(c)工程(a)及び(b)の後に、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の量と混合して、第2の混合物を形成することと、(d)第2の混合物を第2の希釈剤と混合して、第3の混合物を形成することと、(e)工程(c)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第3の混合物を混合することと、(f)第3の混合物を滑沢剤と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.05重量%~約2.5重量%の卵白タンパク質を有する。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.1重量%~約0.7重量%の卵白タンパク質を有する。いくつかの実施形態では、工程(b)は、第1の混合物と共に、第1の希釈剤の第2の量の少なくとも一部にメッシュスクリーンを通過させることを含む。いくつかの実施形態では、工程(b)は、第1の混合物と共に、第1の希釈剤の第2の量にメッシュスクリーンを通過させることを含む。いくつかの実施形態では、工程(c)は複数のサブステップを含み、各サブステップは、(i)第1の希釈剤の第2の量の一部を第1の混合物に添加することと、(ii)第1の希釈剤の第2の量の一部及び第1の混合物を混合することと、を含む。いくつかの実施形態では、工程(c)は、3つ以上のサブステップを含む。いくつかの実施形態では、工程(c)は、第1の希釈剤の第2の量を第1の混合物に添加するときに、第1の混合物と第1の希釈剤の第2の量とを連続的に混合することを含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、タンブルブレンダー内で第1の希釈剤の第2の量と混合される。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、タンブルブレンダー内で第2の希釈剤と混合される。いくつかの実施形態では、第3の混合物は、コニカルミルを使用して混合される。いくつかの実施形態では、第3の混合物は、タンブルブレンダー内で滑沢剤と混合される。いくつかの実施形態では、第1の希釈剤の第3の量は、第3の混合物と混合される。いくつかの実施形態では、第1の希釈剤の第3の量及び滑沢剤は、第3の混合物と合わせて混合(co-mixed)される。いくつかの実施形態では、工程(f)は、(i)第3の混合物及び滑沢剤にメッシュスクリーンを一緒に通過させることと、(ii)第3の混合物と滑沢剤とを混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約40重量%~約70重量%が第1の希釈剤である。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約30重量%~約50重量%が第2の希釈剤である。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.1重量%~約2重量%が滑沢剤である。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤を作製する方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の希釈剤の第2の量を第1の混合物と混合して、第2の混合物を形成することと、(c)第2の混合物を第2の希釈剤と混合して、第3の混合物を形成することと、(d)工程(b)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第3の混合物を混合することと、(e)第3の混合物を滑沢剤と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末は、工程(b)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で、工程(a)において第1の希釈剤の第1の量と混合される。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約1重量%~約70重量%の卵白タンパク質を有する。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末は、コニカルミルを使用して、工程(a)において第1の希釈剤の第1の量と混合される。いくつかの実施形態では、工程(b)は、2つの混合サブステップを含み、1つの混合サブステップは、他の混合サブステップよりも高い剪断力にある。いくつかの実施形態では、工程(c)は、第2の希釈剤と混合して第3の混合物を形成する前に、第2の混合物を第1の希釈剤の追加量と混合することを含む。いくつかの実施形態では、工程(c)は、第2の混合物を第1の希釈剤及び第2の希釈剤の追加量と合わせて混合して、第3の混合物を形成することを更に含む。いくつかの実施形態では、第3の混合物は、コニカルミルを使用して工程(d)において混合される。いくつかの実施形態では、第1の希釈剤の第2の量及び第1の混合物が、タンブルブレンダー内で混合される。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、タンブルブレンダー内で第2の希釈剤と混合される。いくつかの実施形態では、第1の希釈剤の第3の量は、第3の混合物と混合される。いくつかの実施形態では、第1の希釈剤の第3の量及び滑沢剤は、第3の混合物と合わせて混合される。いくつかの実施形態では、工程(e)は、(i)第3の混合物の一部を滑沢剤と混合することと、(ii)(i)の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、(iii)(ii)の混合物を第3の混合物の追加の部分と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。いくつかの実施形態では、第3の混合物は、タンブルブレンダー内で滑沢剤と混合される。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約9重量%~約85重量%の第1の希釈剤である。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約10重量%~約50重量%の第2の希釈剤である。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤である。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.1重量%~約2重量%の滑沢剤である。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を含む。いくつかの実施形態では、滑剤は、工程(a)の間又は前に、卵白タンパク質粉末及び第1の希釈剤の第1の量と混合される。いくつかの実施形態では、滑剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約2重量%~約70重量%の卵白タンパク質である。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まず、約1重量%~約5重量%の卵白タンパク質を含んでもよい。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤を作製する方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を、第1の希釈剤、及び滑剤と混合して、第1の混合物を形成することと、(b)工程(a)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第2の希釈剤及び第1の混合物を混合して第2の混合物を形成することと、(c)第2の混合物及び滑沢剤を混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約50重量%~約80重量%の卵白タンパク質を有する。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質、第1の希釈剤、及び滑剤が、タンブルブレンダー内で混合される。いくつかの実施形態では、第2の希釈剤及び第1の混合物が、コニカルミルを使用して工程(b)において混合される。いくつかの実施形態では、第2の混合物及び滑沢剤が、タンブルブレンダー内で混合される。いくつかの実施形態では、第1の希釈剤の第2の量が、第2の混合物と混合される。いくつかの実施形態では、第1の希釈剤の第2の量及び滑沢剤が、第2の混合物と合わせて混合される。いくつかの実施形態では、滑剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、工程(c)は、(i)第2の混合物の一部及び滑沢剤を混合することと、(ii)第2の混合物の部分及び滑沢剤にメッシュスクリーンを通過させることと、(iii)(ii)の混合物を第2の混合物の追加の部分と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。
【0013】
[0013]上記の方法のいくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約5kg以上のロットサイズで作製される。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約5kg~約50kgのロットサイズで作製される。
【0014】
[0014]上記の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、卵白タンパク質製剤の卵白タンパク質ブレンド均一性を測定することを更に含む。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、卵白タンパク質ブレンド均一性の相対標準偏差(RSD)が約15%以下である。
【0015】
[0015]上記の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、卵白タンパク質製剤を、複数の投与量容器にパッケージ化することを更に含む。いくつかの実施形態では、投与量容器はカプセル又はサッシェである。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の投与量容器の卵白タンパク質含有量均一性を測定することを更に含む。いくつかの実施形態では、複数の投与量容器は、卵白タンパク質含有量均一性の相対標準偏差(RDS)が約15%以下である。
【0016】
[0016]上記の方法のいくつかの実施形態では、第1の希釈剤は、アルファ化(pregelatinized)デンプンである。
【0017】
[0017]上記の方法のいくつかの実施形態では、第2の希釈剤は、微結晶セルロースである。
【0018】
[0018]上記の方法のいくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0019】
[0019]上記の方法のいくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末は、約50重量%~約90重量%の卵白タンパク質を含む。
【0020】
[0020]上記の方法のいくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末の形成は、液体卵白を噴霧乾燥させることを含む。
【0021】
[0021]上記の方法のいくつかの実施形態では、卵白タンパク質粉末は、グルコースを除去されている。
【0022】
[0022]上記の方法のいくつかの実施形態では、乾燥卵白粉末は低温殺菌されている。
【0023】
[0023]上記の方法のいくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末は、鶏卵由来である。
【0024】
[0024]上記の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、乾燥卵白タンパク質粉末中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することを更に含む。
【0025】
[0025]上記の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することを更に含む。
【0026】
[0026]いくつかの実施形態では、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)プロファイルを得ることを含む。いくつかの実施形態では、HPLCプロファイルは、逆相HPLC(RP-HPLC)プロファイルである。いくつかの実施形態では、HPLCプロファイルは、サイズ排除クロマトグラフィーHPLC(SEC-HPLC)プロファイルである。いくつかの実施形態では、本方法は、得られたHPLCプロファイルを参照HPLCプロファイルと比較することを含む。
【0027】
[0027]いくつかの実施形態では、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することは、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を定量化することを含む。いくつかの実施形態では、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を定量化することは、卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中の総タンパク質と比較して、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を測定することを含む。いくつかの実施形態では、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を定量化することは、卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、及びリゾチームの総量と比較して、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を測定することを含む。
【0028】
[0028]いくつかの実施形態では、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することは、卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力を測定することを含む。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力は、参照試料中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力と比較して測定される。いくつかの実施形態では、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力は、イムノアッセイを用いて測定される。いくつかの実施形態では、イムノアッセイは、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームと特異的に結合する抗体の使用を含む。いくつかの実施形態では、イムノアッセイは、オボムコイドに特異的に結合する抗体、オボアルブミンに特異的に結合する抗体、オボトランスフェリンに特異的に結合する抗体、又はリゾチームに特異的に結合する抗体からなる群から選択される2つ以上の抗体を含む抗体のプールの使用を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、IgE抗体又はIgG抗体である。いくつかの実施形態では、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて測定される。
【0029】
[0029]本明細書では、上記の方法のいずれか1つに従って作製された卵白タンパク質製剤が更に記載される。
【0030】
[0030]いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、乾燥卵白タンパク質粉末、第1の希釈剤、第2の希釈剤、及び滑沢剤を含み、卵白タンパク質製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.1重量%~約3.5重量%の卵白タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、第1の希釈剤は、アルファ化デンプンである。いくつかの実施形態では、第2の希釈剤は、微結晶セルロースである。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、卵白タンパク質粉末、第1の希釈剤、第2の希釈剤、及び滑沢剤から本質的になる。
【0031】
[0031]更に、本明細書では、患者における卵アレルギーを治療する方法、及び卵アレルギーのための経口免疫療法中に、卵白タンパク質を含む医薬組成物の投与量を調整する方法が記載される。
【0032】
[0032]一実施形態では、患者の卵アレルギーを治療する方法は、経口免疫療法スケジュールに従って、卵白タンパク質を含む医薬組成物の複数の用量を患者に経口投与することを含み、この経口免疫療法スケジュールは、(a)約1mg~約300mgの卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含む、投与量増加(up-dosing)期であって、用量が漸増される前に、所与の用量が患者に少なくとも2週間投与され、用量増加期間は、約20週~約44週の長さである、用量増加期間と、(b)患者に、卵白タンパク質を含む複数の維持用量を経口投与することを含む維持期間であって、維持期間が、約12週以上の長さである、維持期間と、を含む。
【0033】
[0033]いくつかの実施形態では、患者の卵白特異的IgE(ew-IgE)の血清レベルは、治療の開始時に約7kU/L以上である。いくつかの実施形態では、患者の卵白特異的IgE(ew-IgE)の血清レベルは、治療の開始時に約5kU/L以上である。
【0034】
[0034]いくつかの実施形態では、用量増加期間中に患者に投与される一連の漸増用量は、少なくとも1mg用量の卵白タンパク質と、300mg用量の卵白タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、用量増加期間中に患者に投与される一連の漸増投与量は、少なくとも10通りの異なる用量の卵白タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、用量増加期間中に患者に投与される一連の漸増用量は、約1mg、約3mg、約6mg、約12mg、約20mg、約40mg、約80mg、約120mg、約160mg、約200mg、約240mg、及び約300mgの用量の卵白タンパク質を含む。
【0035】
[0035]いくつかの実施形態では、用量増加期間中に投与される用量は、患者がそれまでの用量に耐容する場合にのみ漸増される。
【0036】
[0036]いくつかの実施形態では、用量増加期間中に患者に投与される最大用量は、約300mgの卵白タンパク質である。
【0037】
[0037]いくつかの実施形態では、維持期間中に患者に投与される維持用量は、約300mg以上の卵白タンパク質である。いくつかの実施形態では、維持期間中に患者に投与される維持用量は、約300mgの卵白タンパク質である。
【0038】
[0038]いくつかの実施形態では、用量増加期間中に患者に投与された最大用量に患者が耐容する場合にのみ、維持用量が患者に投与される。
【0039】
[0039]いくつかの実施形態では、患者は、維持期間の終了時に約600mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する。いくつかの実施形態では、患者は、維持期間の終了時に約1000mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する。いくつかの実施形態では、患者は、維持期間の終了時に約2000mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する。いくつかの実施形態では、患者は、維持期間の終了時に約2000mgの蓄積用量の調理済み卵白タンパク質に耐容する。いくつかの実施形態では、患者は、維持期間の終了時に約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容する。
【0040】
[0040]いくつかの実施形態では、患者は、治療の開始前には、約300mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容することができない。いくつかの実施形態では、患者は、治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の調理済み卵白タンパク質に耐容することができない。いくつかの実施形態では、患者は、治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容する。いくつかの実施形態では、患者は、治療の開始前に、約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容することができない。いくつかの実施形態では、患者は、治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容する。
【0041】
[0041]いくつかの実施形態では、経口免疫療法スケジュールは、用量増加期間の前に初期漸増期を含み、初期漸増期が、1日に約0.2mg~約2mgの卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含み、任意の所与の用量の単回投与が患者に投与され、この用量は少なくとも15分間隔を空けられる。
【0042】
[0042]いくつかの実施形態では、患者が治療の初日に約1.2mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する場合にのみ、患者は経口免疫療法スケジュールに従って治療される。
【0043】
[0043]いくつかの実施形態では、患者は、治療の開始前に約4歳以上である。いくつかの実施形態では、患者は、治療の開始前に約4歳~約26歳である。
【0044】
[0044]また、本明細書では、対象における卵アレルギーの経口免疫療法中に、卵白タンパク質を含む医薬組成物の投与量を調整する方法が記載され、経口免疫療法が、(i)卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含む、用量増加期間と、(ii)卵白タンパク質を含む複数の維持用量を患者に経口投与することを含む維持期間と、を含み、この方法は、医薬組成物の第1の用量を患者に経口投与することと、医薬組成物の第2の用量を患者に経口投与することと、を含み、患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の用量が低減されるか、スキップされるか、又は用量の少なくとも一部が遅延される。いくつかの実施形態では、第2の用量は、第1の部分及び第2の部分に分割され、第1の部分は、所定の投与スケジュールに従って投与され、患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の部分は、所定の投与スケジュールに比べて遅延される。いくつかの実施形態では、第2の部分は、第1の部分が投与された後、約8時間~約12時間遅延される。いくつかの実施形態では、患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の用量はスキップされる。いくつかの実施形態では、患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の用量は第1の用量に比べて低減される。いくつかの実施形態では、医薬組成物の後続用量は、後続用量を漸増させる前に、約1週間以上にわたって、第1の用量に比べて低減される。いくつかの実施形態では、医薬組成物の後続用量は、後続用量を漸増させることを試みる前に、約1週間~約2週間、第1の用量に比べて低減される。いくつかの実施形態では、医薬組成物の後続用量は、後続用量を漸増させる前に、約1週間~約2週間、第1の用量に比べて低減される。いくつかの実施形態では、第1の用量の投与に関連する有害事象は、軽度のアレルゲン性有害事象である。いくつかの実施形態では、第1の用量の投与に関連する有害事象は、中等度のアレルゲン性有害事象又は重度のアレルゲン性有害事象である。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、経口免疫療法の用量増加期間中に患者に投与される。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、経口免疫療法の維持期間中に患者に投与される。
【0045】
[0045]また、本明細書では、対象における卵アレルギーの経口免疫療法中に、卵白タンパク質を含む医薬組成物の投与量を調整する方法が記載され、経口免疫療法が、(i)卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含む、用量増加期間と、(ii)卵白タンパク質を含む複数の維持用量を患者に経口投与することを含む維持期間と、を含み、この方法は、医薬組成物の第1の用量を患者に経口投与することと、医薬組成物の第2の用量を患者に経口投与することと、を含み、患者が第1の用量の投与には関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、第2の用量が低減されるか、又はスキップされる。いくつかの実施形態では、アレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子は、アトピー性疾患の再燃、炎症、病気、又は月経である。いくつかの実施形態では、第2の用量は、患者が、第1の用量の投与には関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、第2の用量はスキップされる。いくつかの実施形態では、患者が第1の用量の投与に関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、第2の用量は、第1の用量に比べて低減される。いくつかの実施形態では、医薬組成物の後続用量は、後続用量を漸増させる前に、約1週間以上、第1の用量に比べて低減される。いくつかの実施形態では、医薬組成物の後続用量は、後続用量を漸増させることを試みる前に、約1週間~約2週間、第1の用量に比べて低減される。いくつかの実施形態では、医薬組成物の後続用量は、後続用量を漸増させる前に、約1週間~約2週間、第1の用量に比べて低減される。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、経口免疫療法の用量増加期間中に患者に投与される。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、経口免疫療法の維持期間中に患者に投与される。いくつかの実施形態では、アレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子は、患者がアレルギーを示す食物への意図しない曝露である。
【0046】
[0046]上記の方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物中の卵白タンパク質は、未加工卵白タンパク質である。
【0047】
[0047]上記の方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物は、投与前に食物ビヒクルと混合される。
【0048】
[0048]更に、本明細書では、上記の卵アレルギーを治療する方法で使用するための医薬組成物が提供され、この医薬組成物は、卵白タンパク質製剤を作製する前述の方法に従って調製された卵白タンパク質製剤を含む。
【0049】
[0049]更に、本明細書では、上記の卵アレルギーを治療する方法に従って、患者における卵アレルギーを治療する方法のための薬剤の製造に使用するための医薬組成物が更に提供され、この医薬組成物は、卵白タンパク質製剤を作製する前述の方法に従って調製された卵白タンパク質製剤を含む。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】卵白タンパク質製剤を、特に低用量レベルで作製する例示的な方法を示す。
図2】卵白タンパク質製剤を、特に中間用量レベルで作製する例示的な方法を示す。
図3】卵白タンパク質製剤を、特に高用量レベルで作製する例示的な方法を示す。
図4】経口免疫療法中の卵白タンパク質の投与に関連する有害事象の重症度に応じて投与量を調整するための例示的な決定木を示す。
図5】オボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリン、及びリゾチームを同定した、乾燥卵白タンパク質粉末のサイズ排除クロマトグラフィーHPLCクロマトグラムを示す。
図6】オボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリン、及びリゾチームを同定した、乾燥卵白タンパク質粉末の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
図7】乾燥卵白タンパク質粉末(レーン3~5;ウェル当たり約2μgのタンパク質)及びタンパク質標準(オボムコイド、オボアルブミン、リゾチーム、及びオボトランスフェリン;レーン7~10)のSDS-PAGEゲルを示す。
図8】乾燥卵白タンパク質粉末(レーン3~5)及びタンパク質標準(オボムコイド、オボアルブミン、リゾチーム、及びオボトランスフェリン;レーン7~10)の免疫ブロットを示し、これはオボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリン、及びリゾチームを同定するために染色された。
図9】卵白タンパク質を含有する医薬組成物の臨床試験の概略図を示す。
図10】卵白タンパク質を含有する医薬組成物の臨床試験の概略図を示す。
図11】改善されたRP-HPLC法を使用した、乾燥卵白タンパク質粉末の逆相HPLCクロマトグラムを示し、オボムコイド、リゾチーム、オボトランスフェリン、及びオボアルブミンを同定した相対的保持時間ピークを示す。
図12A】卵白タンパク質製剤を、特に低用量レベルで作製する例示的な方法を示す。
図12B】卵白タンパク質製剤を、特に低用量レベルで作製する別の例示的な方法を示す。
図12C】卵白タンパク質製剤を、特に低用量レベルで作製する別の例示的な方法を示す。
図13A】卵白タンパク質製剤を、特に中間用量レベルで作製する例示的な方法を示す。
図13B】卵白タンパク質製剤を、特に中間用量レベルで作製する別の例示的な方法を示す。
図13C】卵白タンパク質製剤を、特に中間用量レベルで作製する別の例示的な方法を示す。
図14A】卵白タンパク質製剤を、特に高用量レベルで作製する例示的な方法を示す。
図14B】卵白タンパク質製剤を、特に高用量レベルで作製する別の例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
[0069]本明細書では、卵白タンパク質製剤、及びそのような卵白タンパク質製剤の作製方法が記載される。卵白タンパク質製剤は、1つ以上の希釈剤、滑沢剤、及び(いくつかの製剤では)滑剤と共に、乾燥卵白タンパク質粉末を含み、経口免疫療法を通して卵アレルギーを治療するのに有用であり得る。高アレルギー性患者は、製剤に含有されるアレルゲンの量のわずかな変動の影響を受けやすい可能性があるため、例えば、本明細書に記載の品質管理及び/又は製造プロセスを使用することによって、製剤内に含有される卵アレルゲンの量及び品質を慎重に較正することが望ましい。本明細書に記載の製造方法は、慎重に制御された量の卵アレルゲンを有する卵白タンパク質製剤の製造を可能にする。
【0052】
[0070]卵白タンパク質製剤の製造における重大な課題は、ロットサイズのスケールアップである。均一性がより小さい研究ベンチトップロットは、商業生産のための大規模製造よりも容易に入手可能である。十分に均質な製剤ブレンドを得ることは、低用量製剤にとって特に困難であり、かつ重要であり、このような投与量を摂取する患者は、卵白アレルゲンに対して特に敏感であり得る。本明細書に記載の製造方法は、5キログラムよりも大きいバッチを含む、卵白タンパク質製剤製造のスケールアップを提供する。
【0053】
[0071]卵白タンパク質製剤を作製するいくつかの方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、(c)工程(a)及び(b)の後に、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の量と混合して、第2の混合物を形成することと、(d)第2の混合物を第2の希釈剤と混合して、第3の混合物を形成することと、(e)工程(c)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第3の混合物を混合することと、(f)第3の混合物を滑沢剤と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。工程(e)では、第3の混合物を混合して粒子凝集体を解離させる。工程(c)は、混合物を第1の希釈剤の第2の量の2つ以上の異なる部分で連続希釈するために、複数のサブステップで生じ得る。この製剤の製造方法は、約0.1mg~約12mgの用量などの製剤を含有する低用量の投与量容器を製造するために使用される製剤に特に有用である。製剤は、例えば、約0.05重量%~約2.5重量%の卵白タンパク質を有し得る。滑剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)は、低用量製剤に含まれる必要はない。
【0054】
[0072]卵白タンパク質製剤を作製するいくつかの方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の希釈剤の第2の量を第1の混合物と混合して、第2の混合物を形成することと、(c)第2の混合物を第2の希釈剤と混合して、第3の混合物を形成することと、(d)工程(b)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第3の混合物を混合することと、(e)第3の混合物を滑沢剤と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。工程(d)では、第3の混合物を混合して、混合物中の粒子凝集体を解離させる。工程(a)はまた、工程(b)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で実施されてもよく、これにより、混合物中の粒子凝集体を解離させることができる。この製剤の製造方法は、約3mg~約240mgの用量などの製剤を含有する中用量の投与量容器を製造するために使用される製剤に特に有用である。製剤は、例えば、約1重量%~約70重量%の卵白タンパク質を有し得る。
【0055】
[0073]卵白タンパク質製剤を作製するいくつかの方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を、第1の希釈剤、及び滑剤と混合して第1の混合物を形成することと、(b)工程(a)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第2の希釈剤及び第1の混合物を混合して第2の混合物を形成することと、(c)第2の混合物及び滑沢剤を混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。工程(b)における混合は、混合が粒子凝集体を解離させるように実施される。この製剤の製造方法は、約200mg以上(例えば、最大600mg、又は最大300mg)の用量などの製剤を含有する高用量の投与量容器を製造するために使用される製剤に特に有用である。製剤は、例えば、約50重量%~約80重量%の卵白タンパク質を有し得る。本明細書に記載の卵白タンパク質製剤は、乾燥卵白タンパク質粉末、1つ以上の希釈剤(例えば、2つの希釈剤)、及び滑沢剤を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。任意に、卵白タンパク質製剤は、乾燥卵白タンパク質粉末、1つ以上の希釈剤(例えば、2つの希釈剤)、滑沢剤、及び滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0056】
[0074]卵白タンパク質製剤は、カプセル又はサッシェなどの投与量容器にパッケージ化することができる。投与量容器中の卵白タンパク質の用量は、容器内にパッケージ化された製剤の量、及び製剤中の卵白タンパク質の濃度に依存する。例えば、投与量容器中の卵白タンパク質の用量は、0.1mg~約1000mgの卵白タンパク質であり得る。
【0057】
[0075]製剤を製造するために使用される乾燥卵白タンパク質粉末、製造された卵白タンパク質製剤、及び卵白タンパク質製剤を含有する製造された投与量容器は、経口免疫療法によって卵アレルギーを治療される患者への卵白タンパク質用量の正確な投与を確実にするために注意深く制御されるべきである。本明細書に更に記載されるように、1つ以上の方法を使用して、乾燥卵白タンパク質粉末、卵白タンパク質製剤、又は投与量容器の品質を評価することができる。このような方法は、粉末又は製剤のタンパク質含有量を測定すること、粉末又は製剤中の1つ以上のアレルゲン性卵白タンパク質(例えば、オボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリン、及び/又はリゾチーム)を特性評価すること、製剤のブレンド均一性を測定すること、投与量容器のロットから送達可能な量の製剤を測定すること、又は投与量容器のロット内の含有量均一性を測定することを含む。
【0058】
[0076]更に本明細書では、患者の卵アレルギーを治療する方法が記載され、この方法は、経口免疫療法スケジュールに従って、卵白タンパク質を含む医薬組成物の複数の用量を患者に経口投与することを含み、この経口免疫療法スケジュールは、(a)約1mg~約300mgの卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含む、用量増加期間であって、用量が漸増される前に、所与の用量が患者に少なくとも2週間投与され、用量増加期間は、約20週~約44週の長さである、用量増加期間と、(b)患者に、卵白タンパク質を含む複数の維持用量を経口投与することを含む維持期間であって、維持期間が、約12週以上の長さである、維持期間と、を含む。
【0059】
[0077]患者に投与される医薬組成物の投与量は、医薬組成物の投与に関連する有害事象、又は医薬組成物の患者への投与には関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連するいくつかの他の同時因子(アトピー性疾患の再燃、炎症、病期、月経、又は患者がアレルギーを示す食物への意図しない曝露など)に応答して、調整されてもよい(例えば、投与量を減少させること、投与量としてスキップすること、投与量を遅延させること(全て若しくは一部)、又は投与量の増加を遅延させることによって)。
【0060】
[0078]本明細書に記載される経口免疫療法(OIT)治療スケジュールは、患者が中等度のアレルゲン性有害事象又は重度のアレルゲン性有害事象を伴わずに、偶発的曝露によって卵タンパク質を摂取することができるように、患者の卵タンパク質に対するアレルギーを安全に脱感作するように設計される。患者は、個々の患者の治療結果に応じて、治療後の調理済み卵回避食を維持することができる。
【0061】
定義
[0079]本明細書で使用するとき、単数形「1つの」(「a」、「an」及び「the」)には、文脈により明確に別途記載のない限り、複数の参照物も含む。
【0062】
[0080]本明細書における値又はパラメータの「約」への言及は、その値又はパラメータ自体を対象とする変動を含む(及び説明する)。例えば、「約X」に言及する説明は、「X」の説明を含む。
【0063】
[0081]「有害事象」は、経口免疫療法に関連しているか否かに関わらず、経口免疫療法に一時的に関連する、任意の望ましくない、かつ意図しない徴候(異常な実験室所見を含む)、症状、又は疾患、又はその悪化である。
【0064】
[0082]列挙した材料「から本質的になる」組成物は、組成物の少なくとも99.95重量%の材料のみを含む。添加剤、不純物、又は他の成分は、組成物の0.05重量%未満を構成し得る。
【0065】
[0083]用語「調理済み」は、組成物を焼くことなく組成物の熱処理を指し、組成物中の1つ以上のタンパク質の少なくとも部分的な改変又は変性をもたらす。用語「焼成した」は、組成物を焼くことなく少なくとも176℃の温度で少なくとも20分間、組成物の熱処理を指す。
【0066】
[0084]用語「脱感作される」は、本明細書では、食物アレルゲンに対する経口免疫療法の結果として、対象による食物アレルゲンに対するアレルギー反応閾値の増加を指すために使用される。食物アレルゲンへの脱感作は、経口食物負荷を含む当該技術分野において既知の方法を使用して試験することができる。脱感作は部分的であってもよく、対象は、治療前と比較して増加した量の食物アレルゲンに耐容するが、依然として食物アレルゲンの高用量に反応し、又は脱感作が完了されてもよく、患者は、全ての試験された投与量の食物アレルゲンに耐容する。
【0067】
[0085]用語「有効(effective)」、「有効性(efficacy)」又は「効力(effectiveness)」は、別途記載のない限り、脱感作などの免疫調節を誘発するか、又は脱感作状態などの所望の免疫状態を維持する治療の能力を指すために本明細書で使用される。
【0068】
[0086]「漸増用量」は、経口免疫療法の過程で患者に投与される直前投与量よりも高い、患者に投与される第1の用量である。
【0069】
[0087]本明細書で使用するとき、「維持期間」とは、卵白タンパク質(すなわち、維持用量)の患者への投与を含み、用量増加期間の完了後に生じる、卵タンパク質経口免疫療法の段階を指す。
【0070】
[0088]本明細書で使用するとき、「軽度のアレルギー性有害事象」とは、一時的な不快感に関連する観察された又は経験されたOIT治療関連アレルギー性有害事象を指すが、入院又はエピネフリンなどの即時の医療介入を必要とせず、かつ毎日の活動を実質的に妨害しない。
【0071】
[0089]本明細書で使用するとき、「中等度のアレルギー性有害事象」とは、毎日の活動を妨害するのに十分な程度の不快感に関連し、医療介入及び/又は更なる観察を促し得る、観察された又は経験されたOIT治療関連アレルギー性有害事象を指す。
【0072】
[0090]本明細書で使用するとき、語句「重度のアレルギー性有害事象」は、入院及び/又はエピネフリンの投与若しくは他の救命医療介入を必要とする、観察された又は経験されたOIT治療関連アレルギー性有害事象を指す。
【0073】
[0091]用語「対象」又は「患者」は、任意の年齢のヒトを説明するために本明細書において同義的に使用される。
【0074】
[0092]組成物が、その材料の0.005重量%未満を含有するか、又はその材料を含まない場合、組成物は、材料を「実質的に含まない」。
【0075】
[0093]患者は、用量が患者に投与され、用量に応答していかなる中等度又は重度のアレルギー性有害事象も伴わずに、患者によって完全に摂取されたときの用量に「耐容する」。患者は、軽度のアレルギー性有害事象が観察された又は経験された場合であっても、用量に耐容すると考えられる。「最大耐容用量」は、いかなる中等度又は重度のアレルギー性有害事象も伴わずに患者によって耐容される経口食物負荷中に患者に投与される最大用量である。「蓄積耐容用量」は、いかなる中等度又は重度のアレルギー性有害事象も伴わずに、最大耐容用量を含むそれ以下の経口食物負荷中に患者に投与される用量の合計である。
【0076】
[0094]用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、及び「治療(treatment)」という用語は、少なくとも1つの症状の軽減、阻害、抑制、又は排除を通じた条件の改善、疾患の進行の遅延、疾患の再発の遅延、疾患の阻害、又はアレルゲンに対する応答若しくは反応を部分的に又は完全に低減することと、を含む、疾患状態又は条件に罹患した対象に利益を提供する任意の作用を指すために本明細書において同義的に使用される。
【0077】
[0095]「用量増加期間」とは、経口免疫療法中に患者に投与される最大用量よりも低い食物アレルゲンの用量の投与で始まり、経口免疫療法中に患者に投与される最大用量が達成されるときに終了する、一連の増加する食物アレルゲン用量を特徴とする、経口免疫療法の段階を指す。
【0078】
[0096]用語「重量百分率」、「重量パーセント」、及び「重量%」は、本明細書において同義的に使用され、組成物の列挙された成分の割合を、組成物の総重量と比較して指す。
【0079】
[0097]本明細書に記載される本発明の態様及び変形例は、態様及び変形例「からなる」及び/又は「から本質的になる」を含むことが理解される。
【0080】
[0098]値の範囲が提供される場合、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値、及びその規定の範囲内の任意の他の記載又は介在値が、本開示の範囲内に包含されることを理解されたい。記載された範囲が上限又は下限を含む場合、含まれる限界のいずれかを除外する範囲も本開示に含まれる。
【0081】
[0099]本明細書に記載される様々な実施形態の特性のうちの1つ、いくつか、又は全てを組み合わせて、本発明の他の実施形態を形成してもよいことを理解されたい。本明細書で使用されるセクション見出しは、構成目的のみのためであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0082】
[0100]「実施形態」に関連して上述した特徴及び優先度は、異なる優先度であり、その特定の実施形態にのみ限定されるものではない。それらは、技術的に実行可能な他の実施形態からの特徴と自由に組み合わされてもよく、特徴の好ましい組み合わせを形成してもよい。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを可能にするために提示され、特許出願及びその要件に関連して提供される。説明される実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書の一般的原理は、他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載される原理及び特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。
【0083】
[0101]本明細書で参照される全ての刊行物、特許、及び特許出願の開示は、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれた任意の参照が本開示と矛盾する限り、本開示は制御するものとする。
【0084】
卵白タンパク質製剤
[0102]本明細書に記載の卵白タンパク質製剤は、乾燥卵白(DEW)タンパク質粉末を含み、1つ以上の賦形剤と共に製剤化することができる。典型的には、この製剤は、1つ以上の異なる希釈剤(好ましくは、2つの異なる希釈剤)及び滑沢剤を含む。いくつかの卵白タンパク質製剤は、滑剤を更に含むが、滑剤は、特定の製剤では省略されてもよい。例えば、滑剤は、一般に、低用量製剤(例えば、約2.5重量%未満の卵白タンパク質を有する製剤)において省略される。したがって、いくつかの製剤では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。賦形剤及び賦形剤の割合は、投与量容器内にパッケージ化されたときの卵白タンパク質の用量に応じて選択されてもよい。
【0085】
[0103]乾燥卵白タンパク質粉末は、典型的には、家禽(好ましくは、ニワトリ(Gallus domesticus))卵白に由来する。乾燥卵白タンパク質粉末は、食物成分として頻繁に使用されるが、卵アレルギーを治療するための経口免疫療法製剤として使用するために製剤化することができる。経口免疫療法を治療するための非製剤化された乾燥卵白タンパク質粉末を使用することは進められないが、これは、安全な治療が特に低用量で注意深い用量の投与を必要とするからであり、製剤なしで一貫して得ることは困難である。乾燥卵白タンパク質粉末は、一般に、約80%~約85%のタンパク質含有量を有するが、製剤ロットに添加される乾燥卵白タンパク質粉末の量は、乾燥卵白タンパク質粉末の実際のタンパク質含有量に基づいて調整することができ、所望の用量レベルを得るために、1つ以上の賦形剤(アルファ化デンプンなどの希釈剤のうちの1つなど)の量に対する付随的な調整を伴う。例えば、乾燥卵白タンパク質粉末のタンパク質含有量は、約50重量%~約90重量%(約70重量%~約90重量%、約75重量%~約90重量%、又は約70重量%~約85重量%など)であり得る。乾燥卵白タンパク質粉末の残りの重量は、少量の脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、又は卵白中に天然に存在する他の成分を含んでもよい。乾燥卵白タンパク質粉末は、残留水を更に含んでもよい。
【0086】
[0104]乾燥卵白タンパク質粉末は、一般に乾燥卵白を噴霧乾燥することによって、液体卵白に由来する。好ましくは、乾燥卵白タンパク質粉末は低温殺菌されるか、又は滅菌される(例えば、照射によって)が、製造プロセス中にアレルゲン性タンパク質が変性しないように注意すべきである。噴霧乾燥及び低温殺菌は、タンパク質を変性させることは予想されないが、品質管理プロセス(オボアルブミン、オボトランスフェリンン、オボムコイド、及び/若しくはリゾチームなどの1つ以上のアレルゲン性タンパク質の効力又は相対的効力を測定するなど)を使用して乾燥卵白タンパク質粉末及び/又は製造された卵白タンパク質製剤を評価することができる。ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、例えばSDS-PAGE、又は免疫ブロットを使用して、リゾチーム又はオボトランスフェリンの分解を検出することもでき、これは分解されたときにゲルから消失するか、又は弱まるようになる。
【0087】
[0105]乾燥卵白タンパク質粉末は、割れた卵から液体卵白と卵黄とを分離することによって製造することができる。卵白のpHは、必要に応じて、当該技術分野において既知の好適な酸又は塩基を使用して調整することができる。グルコースは、液体卵白から除去することができ、これは、メイラード(Maillard)反応を介して生じ得る乾燥卵白タンパク質粉末の褐色化を減少させることができる。グルコースは、例えば、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ、及び過酸化水素溶液を液体卵白に添加することによって、又は発酵によって(例えば、卵白に酵母を添加することによって)除去することができる。
【0088】
[0106]液体卵白を乾燥させるために、液体卵白を噴霧乾燥機に通過させることができる。液体卵白は、噴霧乾燥機のノズルを通してチャンバ内に噴霧され、加熱された空気流を使用して乾燥される。熱の量及び曝露の長さは、液体卵白を粉末に乾燥させるが、卵白内のアレルゲン性タンパク質(例えば、リゾチーム、オボアルブミン、オボムコイド、及びオボトランスフェリン)を変性させないように設定される。
【0089】
[0107]乾燥卵白タンパク質粉末は、乾燥プロセス後に低温殺菌することができる。低温殺菌は、サルモネラ(Salmonella)などの有害な細菌を死滅させるが、乾燥卵白タンパク質粉末中のアレルゲン性タンパク質を変性させない。乾燥卵白タンパク質粉末を低温殺菌するために、粉末を約50℃~約60℃(好ましくは、約54℃~約60℃)で約7日間以上保持することができる。低温殺菌プロセスは、少なくとも、乾燥卵白粉末が、生サルモネラ族種(Salmonella spp.)及び/又は大腸菌(E.coli)に対して陰性になるまで持続する(これらのいずれかは、例えば、分離培養又は他の好適な手段によって評価することができる)。
【0090】
[0108]乾燥卵白タンパク質粉末は、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ、過酸化水素、pHを調整するために使用される酸若しくは塩基、又は構成成分のいずれかのためのビヒクル(例えば、塩、緩衝剤、安定剤等)などの、粉末を加工する過程中に添加される材料を含んでもよい。しかしながら、これらの添加剤は比較的小さいものであり、乾燥卵白タンパク質粉末が、卵白タンパク質製剤の製造前に添加剤を実質的に含まないことが一般的に好ましく、製剤の賦形剤は、乾燥卵白タンパク質粉末と混合される。
【0091】
[0109]卵白タンパク質製剤は、粉末を組み合わせてブレンドすることによって製造されるため、乾燥卵白タンパク質粉末の粒径は、特に最低投与量強度において、バッチ生成製剤のブレンド均一性及び/又は投与量容器のバッチの含有量均一性に影響を及ぼし得る潜在因子として特定された。粉末粒径は、ブレンドプロセス、担体賦形剤若しくは加工装置表面への粒子の付着、又はブレンドプロセス後の分離に影響を及ぼし得る。本明細書に記載の製剤で使用される乾燥卵白タンパク質粉末中の粒子の中央粒径(d50)は、一般に、約30μm~約150μm(約30μm~約50μm、約50μm~約80μm、約80μm~約120μm、又は約120μm~約150μmなど)である。D10は、典型的には約3μm以上(かつ中央粒径未満)である。D90は、典型的には約250μm以下(かつ中央粒径よりも大きい)であり、例えば約200μm以下、又は約175μm以下である。粒径分布メトリック(d50、d90、d10)は、蓄積質量(又は均一に高密度の粒子の質量に相当する蓄積体積)又は蓄積数によって、参照パーセンタイル(すなわち、50番目、90番目、又は10番目)での粒径を指す。粒径は、標準的なレーザー回折技術(例えば、動的レーザ散乱法)を使用して測定することができ、粒子は、粒子を溶解しない溶媒(メタノール、エタノール、又は他の好適な溶媒など)中に懸濁される。
【0092】
[0110]卵白タンパク質製剤に含まれる賦形剤は、製剤を、卵白タンパク質の正確かつ一貫した含有量で(例えば、カプセル、サッシェ、又は他の好適なパッケージングに)パッケージ化することができるように選択した。製剤の賦形剤は、1つ以上の(好ましくは2つの)異なる希釈剤、及び滑沢剤を含む。いくつかの製剤では、滑剤が含まれる。しかしながら、いくつかの実施形態では、滑剤は製剤から省略される。例えば、一部の製剤(約5重量%未満の卵白タンパク質を有する低用量製剤など)では、卵白タンパク質製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含まないか、又は実質的に含まない。製剤に含まれる代表的な希釈剤としては、アルファ化デンプン及び微結晶セルロース、又はこれらの組み合わせが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムは、好適な滑沢剤であることが見出され、一般に製剤に含まれる。滑剤は、製剤中に含まれる場合、好ましくはコロイド状二酸化ケイ素である。
【0093】
[0111]卵白タンパク質製剤は、投与量容器にパッケージ化され、製剤中の卵白タンパク質製剤の量及び卵白タンパク質の濃度は、投与量容器中の卵白タンパク質の用量を決定する。投与量容器は全体が摂取されないが、その代わりに内容物は摂取前に取り出される。卵白タンパク質製剤は、いったん取り出されると、摂取を補助するために食物ビヒクル(ヨーグルト、オートミール、プディング、リンゴソース、又は他の好適な食物ビヒクルなど)と混合することができる。経口免疫療法を施す際に用量精度が特に重要であるため、卵白タンパク質製剤は、容器の内容物の適切な部分が取り出され、摂取されることを確実にするために、良好な流動特性を有するべきである。本明細書に記載の製剤は、容器内の卵白タンパク質製剤が摂取前に容器から適切に流出することを可能にする。
【0094】
[0112]アルファ化デンプン及び微結晶セルロースは、卵白タンパク質粉末と混合する自由流動性粉末であるため、特に有用な希釈剤である。より高い割合の微結晶セルロースが、より低い卵白タンパク質用量製剤(例えば、約10mg以下の用量)に含まれるが、これは、カプセル内のパッケージ化及びカプセルからの取り出しなどの、容器内にパッケージ化及び容器から取り出すための卵白タンパク質製剤の良好な流動性及び嵩密度を確保するためである。例えば、低用量(例えば、約10mg以下)の卵白タンパク質製剤は、約25重量%~約60重量%(約25重量%~約30重量%、約30重量%~約40重量%、約40重量%~約50重量%、又は約50重量%~約60重量%など)の微結晶セルロースを含んでもよいが、一方高用量の(例えば、約10mgを超える)卵白タンパク質製剤は、約5重量%~約25重量%(約5重量%~約10重量%、約10重量%~約15重量%、約15重量%~約20重量%、又は約20重量%~約25重量%など)の微結晶セルロースを含んでもよい。
【0095】
[0113]ステアリン酸マグネシウムは、製造プロセス中に、卵白タンパク質の装置表面への付着を防止するために有用な滑沢剤であることが見出された。一般に、卵白タンパク質製剤は、約0.2重量%~約2重量%、例えば、約0.2重量%~約0.4重量%、約0.4重量%~約0.6重量%、約0.6重量%~約1重量%、約1重量%~約1.5重量%、又は約1.5重量%~約2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0096】
[0114]コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤は、高用量の卵白タンパク質製剤(例えば、約6mgを超える用量の卵白タンパク質又は約12mgを超える用量の卵白タンパク質)に含まれ得る。より大きな用量からの滑剤の省略は、卵白タンパク質製剤の一部が容器内に残っていることをもたらすことが見出され、これは患者の投与不足をもたらす。しかしながら、卵白製剤中に滑剤を含めることは、注ぎ出したときに、実質的に全ての卵白タンパク質製剤を容器から送達できるようにした。コロイド状二酸化ケイ素の添加は、軟質低密度凝集体を形成することが見出された。高剪断混合工程(コニカルミルなど)は、コロイド状二酸化ケイ素を含有する製剤の含有量均一性を改善することが発見された1つの解決策であった。好ましくは、これらの低密度凝集体を破壊する高剪断混合工程は、いかなるブレンド成分の一次粒径も変化させない。したがって、コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤は、例えば、約0.2重量%~約2重量%(約0.2重量%~約0.4重量%、約0.4重量%~約0.6重量%、約0.6重量%~約1重量%、約1重量%~約1.5重量%、又は約1.5重量%~約2重量%など)の量で卵白タンパク質製剤中に含まれ得る。滑剤を含めることにより、容器からの卵白タンパク質粉末の送達性をより高い用量で増加させることができる。いくつかの実施形態では、容器内の卵白タンパク質製剤の約95重量%以上(約96重量%以上、約97重量%以上、約98重量%以上、約99重量%以上、又は約99.5重量%以上など)は、容器から送達可能である。更に、卵白タンパク質製剤は、容器から確実に送達することができる。例えば、いくつかの実施形態では、投与量容器は、複数の投与量容器を含むバッチから選択され、平均送達可能な卵白タンパク質製剤は、約95重量%以上(約96重量%以上、約97重量%以上、約98重量%以上、約99重量%以上、又は約99.5重量%以上など)である。
【0097】
[0115]低用量の(例えば、約6mg以下の卵白タンパク質)卵白タンパク質製剤については、二酸化ケイ素が品質管理分析、特にタンパク質濃度の定量化で妨害することが見出された。前述したように、投与量容器に含まれる卵白タンパク質の量は、特に低用量が対象に投与される場合、偶発的過剰投与のリスクを最小限に抑えるために正確であるべきである。更に、投与量容器からの十分な送達性を確保するために高投与量の卵白タンパク質製剤中に含まれる滑剤が、低投与量で使用される卵白タンパク質製剤では、容器から十分な送達性を維持しながら、省略することができるが更に発見された。いくつかの実施形態では、6mg以下の卵白タンパク質(約0.1mg~約6mgの卵白タンパク質など)を含む投与量容器内の卵白タンパク質製剤の約95重量%以上(約96重量%以上、約97重量%以上、約98重量%以上、約99重量%以上、又は約99.5重量%以上など)は、卵白タンパク質製剤がコロイド状二酸化ケイ素を含まない場合であっても、容器から送達可能である。更に、卵白タンパク質製剤は、容器から確実に送達することができる。例えば、いくつかの実施形態では、投与量容器は、複数の投与量容器を含むバッチから選択され、平均送達可能な卵白タンパク質製剤は、約95重量%以上(約96重量%以上、約97重量%以上、約98重量%以上、約99重量%以上、又は約99.5重量%以上など)である。
【0098】
卵白タンパク質製剤の用量
[0116]本明細書に記載される卵白タンパク質製剤は、カプセル又はサッシェなどの投与量容器にパッケージ化される。経口免疫療法の過程で、卵アレルギーを有する患者に異なる用量の卵白タンパク質が投与され、この用量は、卵白タンパク質の処理期及び/又は耐容性に基づいて選択される。簡潔に言えば、患者は、用量増加期間中に増加量の卵白タンパク質を経口摂取し(通常、卵白タンパク質製剤を毎日投与することによって、周期的な用量増加(例えば、2週間毎に用量が増加))、これは、より高い用量レベルで維持期間に続く。例示的な経口免疫療法投与スケジュールの更なる説明は、本明細書で提供される。投与のために、卵白タンパク質製剤は、投与量容器から取り出され、経口摂取される。例えば、卵白タンパク質製剤を含有するカプセル全体を摂取しないが、代わりに、卵白タンパク質製剤は、患者への経口投与の前にカプセルから取り出される。好ましくは、卵白タンパク質製剤は、摂取前に食物ビヒクルと混合される。
【0099】
[0117]投与量容器内にパッケージ化された所与の卵白タンパク質濃度を有する卵白タンパク質製剤の量は、その投与量容器中の卵白タンパク質(すなわち、用量)の量を設定する。したがって、容器の用量は、製剤中の卵白タンパク質濃度及び容器に添加される製剤の量の関数である。投与量容器中の卵白タンパク質の意図される用量(すなわち、ラベルクレーム)は、例えば、約0.1mg~約600mgの卵白タンパク質、又はこの範囲内の任意の量の範囲であり得る。例として、投与量容器の用量(ラベルクレーム)は、0.2mg、1mg、3mg、6、mg、12mg、20mg、40mg、80mg、120mg、160mg、200mg、240mg、又は300mgの卵白タンパク質であり得る。
【0100】
[0118]容器中の卵白タンパク質製剤の量は、容器のサイズによって制限されるが、一般に、約100mg~約1000mg、例えば、約100mg~約250mg、約250mg~約400mg、約400mg~約600mg、又は約600mg~約1000mgの範囲である。例として、いくつかの実施形態では、約180mgの卵白タンパク質製剤が、容器(カプセルなど)に含まれる。いくつかの実施形態では、約500mgの卵白タンパク質製剤が、容器(カプセル又はサッシェなど)に含まれる。より小さい容器は、より小さい用量サイズにより好適であり得る。例えば、約0.1mg~約10mg(又は約0.2mg~約6mg)の卵白タンパク質の用量を得るための卵白タンパク質製剤は、約180mg(例えば、2カプセルサイズ)の容量を有する容器に含めることができる。より大きな用量の卵白タンパク質製剤は、より大きな容器サイズに含めることができ、例えば約12mg~約300mgの用量を、約500mgの容量(例えば、00のカプセルサイズ)を有する容器に含めることができる。例示的なカプセルサイズは、000、00、0、1、2、又は3であり得る。
【0101】
[0119]投与量容器はそれ自体が摂取されていないため(容器の内容物が摂取されるため)、容器の材料は可食性である必要はない。とはいえ、容器の不注意による摂取の場合には、可食性容器を有することが有用であり得る。容器は、好ましくは内容物の水分又は空気への曝露を制限する。例示的な容器は、ヒプロメロース系容器(カプセルなど)、又はホイルで裏打ちされたサッシェであってもよい。容器内の卵白タンパク質製剤が容器から流れ出ることができるように、容器は容易に開放可能でなければならない。
【0102】
[0120]一実施例では、卵白タンパク質製剤は、約0.1重量%~約0.3重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約50重量%~約70重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約35重量%~約45重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.08重量%~約0.24重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、0.2mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ2カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約170mg~約190mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約0.15mg~約0.25mg(約0.17mg~約0.23mg、約0.18mg~約0.22mg、又は約0.19mg~約0.21mgなど)であってもよい。
【0103】
[0121]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約0.1重量%~約0.3重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約50重量%~約70重量%のアルファ化デンプン、約35重量%~約45重量%の微結晶セルロース、及び約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.08重量%~約0.24重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、0.2mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ2カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約170mg~約190mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約0.15mg~約0.25mg(約0.17mg~約0.23mg、約0.18mg~約0.22mg、又は約0.19mg~約0.21mgなど)であってもよい。
【0104】
[0122]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約0.5重量%~約0.8重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約50重量%~約70重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約35重量%~約45重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.4重量%~約0.64重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、1mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ2カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約170mg~約190mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約0.75mg~約1.25mg(約0.85mg~約1.15mg、約0.9mg~約1.1mg、又は約0.95mg~約1.05mgなど)であってもよい。
【0105】
[0123]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約0.5重量%~約0.8重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約50重量%~約70重量%のアルファ化デンプン、約35重量%~約45重量%の微結晶セルロース、及び約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約0.4重量%~約0.64重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、1mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ2カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約170mg~約190mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約0.75mg~約1.25mg(約0.85mg~約1.15mg、約0.9mg~約1.1mg、又は約0.95mg~約1.05mgなど)であってもよい。
【0106】
[0124]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約1.8重量%~約2.4重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約50重量%~約70重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約35重量%~約45重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約1.44重量%~約1.92重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、3mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ2カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約170mg~約190mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約2.25mg~約3.75mg(約2.55mg~約3.45mg、約2.7mg~約3.3mg、又は約2.85mg~約3.15mgなど)であってもよい。
【0107】
[0125]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約1.8重量%~約2.4重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約50重量%~約70重量%のアルファ化デンプン、約35重量%~約45重量%の微結晶セルロース、及び約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約1.44重量%~約1.92重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、3mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ2カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約170mg~約190mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約2.25mg~約3.75mg(約2.55mg~約3.45mg、約2.7mg~約3.3mg、又は約2.85mg~約3.15mgなど)であってもよい。
【0108】
[0126]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約4重量%~約4.5重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約45重量%~約65重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約35重量%~約45重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約1.44重量%~約1.92重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、6mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ2カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約170mg~約190mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約4.5mg~約7.5mg(約5.1mg~約6.9mg、約5.4mg~約6.6mg、約5.7mg~約6.3mg、又は約5.8mg~約6.2mgなど)であってもよい。
【0109】
[0127]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約4重量%~約4.5重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約45重量%~約65重量%のアルファ化デンプン、約35重量%~約45重量%の微結晶セルロース、及び約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウムを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、滑剤を実質的に含まないか、又はコロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約1.44重量%~約1.92重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、6mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ2カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約170mg~約190mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約4.5mg~約7.5mg(約5.1mg~約6.9mg、約5.4mg~約6.6mg、約5.7mg~約6.3mg、又は約5.8mg~約6.2mgなど)であってもよい。
【0110】
[0128]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約2.5重量%~約3.5重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約70重量%~約85重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約2重量%~約2.8重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、12mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約9mg~約15mg(約10.2mg~約13.8mg、約10.8mg~約13.2mg、約11.4mg~約12.6mg、又は約11.7mg~約12.3mgなど)であってもよい。
【0111】
[0129]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約2.5重量%~約3.5重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約70重量%~約85重量%のアルファ化デンプン、約10重量%~約20重量%の微結晶セルロース、約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム、及び約0.25重量%~約0.75重量%のコロイド状に酸化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約2重量%~約2.8重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、12mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約9mg~約15mg(約10.2mg~約13.8mg、約10.8mg~約13.2mg、約11.4mg~約12.6mg、又は約11.7mg~約12.3mgなど)であってもよい。
【0112】
[0130]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約4.5重量%~約5.5重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約70重量%~約85重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約3.6重量%~約4.4重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、20mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約15mg~約25mg(約17mg~約23mg、約18mg~約22mg、約19mg~約21mg、又は約19.5mg~約20.5mgなど)であってもよい。
【0113】
[0131]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約4.5重量%~約5.5重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約70重量%~約85重量%のアルファ化デンプン、約10重量%~約20重量%の微結晶セルロース、約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム、及び約0.25重量%~約0.75重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約3.6重量%~約4.4重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、20mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約15mg~約25mg(約17mg~約23mg、約18mg~約22mg、約19mg~約21mg、又は約19.5mg~約20.5mgなど)であってもよい。
【0114】
[0132]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約8重量%~約12重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約65重量%~約85重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約6.4重量%~約9.6重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、40mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約30mg~約50mg(約34mg~約46mg、約36mg~約44mg、約38mg~約42mg、又は約39mg~約41mgなど)であってもよい。
【0115】
[0133]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約8重量%~約12重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約65重量%~約85重量%のアルファ化デンプン、約10重量%~約20重量%の微結晶セルロース、約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム、及び約0.25重量%~約0.75重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約6.4重量%~約9.6重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、40mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約30mg~約50mg(約34mg~約46mg、約36mg~約44mg、約38mg~約42mg、又は約39mg~約41mgなど)であってもよい。
【0116】
[0134]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約16重量%~約24重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約55重量%~約75重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約12.8重量%~約19.2重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、80mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約60mg~約100mg(約68mg~約92mg、約72mg~約88mg、約76mg~約84mg、又は約78mg~約82mgなど)であってもよい。
【0117】
[0135]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約16重量%~約24重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約55重量%~約75重量%のアルファ化デンプン、約10重量%~約20重量%の微結晶セルロース、約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム、及び約0.25重量%~約0.75重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約12.8重量%~約19.2重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、80mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約60mg~約100mg(約68mg~約92mg、約72mg~約88mg、約76mg~約84mg、又は約78mg~約82mgなど)であってもよい。
【0118】
[0136]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約24重量%~約36重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約45重量%~約65重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約19.2重量%~約28.8重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、120mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約90mg~約150mg(約102mg~約138mg、約108mg~約132mg、約114mg~約126mg、又は約117mg~約123mgなど)であってもよい。
【0119】
[0137]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約24重量%~約36重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約45重量%~約65重量%のアルファ化デンプン、約10重量%~約20重量%の微結晶セルロース、約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム、及び約0.25重量%~約0.75重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約19.2重量%~約28.8重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、120mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約90mg~約150mg(約102mg~約138mg、約108mg~約132mg、約114mg~約126mg、又は約117mg~約123mgなど)であってもよい。
【0120】
[0138]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約32重量%~約38重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約35重量%~約55重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約25.6重量%~約30.4重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、160mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約120mg~約200mg(約136mg~約184mg、約144mg~約176mg、約152mg~約168mg、又は約156mg~約154mgなど)であってもよい。
【0121】
[0139]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約32重量%~約38重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約35重量%~約55重量%のアルファ化デンプン、約10重量%~約20重量%の微結晶セルロース、約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム、及び約0.25重量%~約0.75重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約25.6重量%~約30.4重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、160mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約120mg~約200mg(約136mg~約184mg、約144mg~約176mg、約152mg~約168mg、又は約156mg~約154mgなど)であってもよい。
【0122】
[0140]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約40重量%~約60重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約25重量%~約45重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約32重量%~約48重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、200mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約150mg~約250mg(約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、又は約195mg~約205mgなど)であってもよい。
【0123】
[0141]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約40重量%~約60重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約25重量%~約45重量%のアルファ化デンプン、約10重量%~約20重量%の微結晶セルロース、約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム、及び約0.25重量%~約0.75重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約32重量%~約48重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、200mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約150mg~約250mg(約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、又は約195mg~約205mgなど)であってもよい。
【0124】
[0142]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約50重量%~約70重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約15重量%~約35重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約40重量%~約56重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、240mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約180mg~約300mg(約204mg~約276mg、約216mg~約264mg、約228mg~約252mg、又は約234mg~約246mgなど)であってもよい。
【0125】
[0143]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約50重量%~約70重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約15重量%~約35重量%のアルファ化デンプン、約10重量%~約20重量%の微結晶セルロース、約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム、及び約0.25重量%~約0.75重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約40重量%~約56重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、240mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセルなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約180mg~約300mg(約204mg~約276mg、約216mg~約264mg、約228mg~約252mg、又は約234mg~約246mgなど)であってもよい。
【0126】
[0144]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約60重量%~約85重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約5重量%~約25重量%の第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、約10重量%~約20重量%の第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)、約0.25重量%~約0.75重量%の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び約0.25重量%~約0.75重量%の滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約48重量%~約68重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、300mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセル、又はサッシェなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約225mg~約375mg(約255mg~約345mg、約270mg~約330mg、約285mg~約315mg、又は約292mg~約308mgなど)であってもよい。
【0127】
[0145]別の実施例では、卵白タンパク質製剤は、約60重量%~約85重量%の乾燥卵白タンパク質粉末、約5重量%~約25重量%のアルファ化デンプン、約10重量%~約20重量%の微結晶セルロース、約0.25重量%~約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム、及び約0.25重量%~約0.75重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約48重量%~約68重量%の卵白タンパク質を含む。卵白タンパク質製剤は、300mgの意図された卵白タンパク質用量(すなわち、ラベルクレーム)を有する投与量容器(カプセル、例えば、サイズ00カプセル、又はサッシェなど)にパッケージ化されてもよい。投与量容器は、約480mg~約520mgの製剤を含有してもよい。製剤の実際の充填量は変動し得るため、投与量容器中の卵白タンパク質の実際の用量は、約225mg~約375mg(約255mg~約345mg、約270mg~約330mg、約285mg~約315mg、又は約292mg~約308mgなど)であってもよい。
【0128】
[0146]卵白タンパク質製剤は、一態様では、主卵白アレルゲンGal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4を含む。各個々のアレルゲンの量は、卵白タンパク質製剤中の総タンパク質のパーセント値で表すことができる。一実施例では、300mgのラベルクレームを有する卵白タンパク質製剤の用量は、約300mgの卵白タンパク質と78%のGal d2とを含み、これは用量が約234mgのGal d2を含むことを意味する。当該技術分野において、卵白タンパク質は、重度にグリコシル化され得ることが理解される。したがって、卵白アレルゲンの質量は、単離されたタンパク質の質量を意味し、これは炭水化物の実質的な部分を含み得る。卵白タンパク質製剤が、主卵白アレルゲンの一貫しかつ既知の量を有することを確実にすることは、卵アレルギーの経口免疫療法で使用するための組成物の適合性を確実にするために重要である。
【0129】
[0147]一部の実施形態では、卵白タンパク質製剤は、卵白タンパク質の総質量と比較して、約5%~約20%のGal d1、例えば、約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約5%~約15%、又は約10%~約20%のGal d1のいずれかを含む。
【0130】
[0148]いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、卵白タンパク質の総質量と比較して、約45%~約90%のGal d2、例えば、約45%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、約45%~約60%、約60%~約80%、又は約70%~約90%のGal d2のいずれかを含む。
【0131】
[0149]いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、卵白タンパク質の総質量と比較して、約1%~約20%のGal d3、例えば、約1%~約5%、約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約5%~約15%のGal d3のいずれかを含む。
【0132】
[0150]いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、卵白タンパク質の総質量と比較して、約0.1%~約10%のGal d4、例えば、約0.1%~約3%、約3%~約6%、約6%~約9%、約7%~約10%のGal d4のいずれかを含む。
【0133】
卵白タンパク質製剤の作製方法
[0151]卵白タンパク質製剤の製造方法は、製造された製剤のロットのバッチ均一性、投与量容器のバッチの含有量均一性、又は容器からの卵白タンパク質製剤の送達性に影響を及ぼし得る。経口免疫療法の過程で投与される卵白タンパク質の用量は、幅広い範囲を有することができ(例えば、約0.2mg~約300mg)、投薬一貫性は、治療に関連する有害反応を低減するために重要であり、異なる用量の製剤製造方法は、一貫した用量を有する投与量容器を製造するように設計された。
【0134】
[0152]一貫した用量を生成するために、製剤を作製する特定の方法は、用量間で異なり得る。ブレンド均一性及び含有量均一性を最適化するためのプロセス開発努力を、低用量(例えば、約3mgより少ない用量)に集中させ、適切な製剤流動性を確保するためのプロセス開発努力を、高用量(例えば、約300mg)に集中させた。最終製品の望ましい特性を適切にバランスさせるために、中間用量強度のためのプロセスも開発された。
【0135】
[0153]本明細書に記載される方法はまた、スケールアップ製造プロセスで提示される課題を克服する。より大きな製剤量でバッチ均一性を確保することは困難であり得、本明細書に記載される方法は、これらの課題を克服する。この製造方法は、約5kg以上(例えば、約5kg~約100km、例えば、約5kg~約7kg、約7kg~約10kg、約10kg~約15kg、約15kg~約25kg、約25kg~約50kg、又は約50kg~約100kg)の卵白タンパク質製剤ロットを製造する場合であっても使用することができる。
【0136】
[0154]混合(例えば、タンブルブレンダー又はコニカルミルを使用する)、1つ以上の粉末又は混合物にメッシュスクリーンを通過させること、及び/又は希釈剤を混合物に添加するときの連続希釈などの製造工程が製造プロセス中に使用される。使用される特定の工程は、製剤中の卵白タンパク質濃度、又は剤形のラベルクレーム(すなわち、剤形のための卵白タンパク質製剤の意図された量)に依存し得る。一般に、1つ以上の高剪断力混合工程(製造プロセスにおける他の工程と比較してより高い剪断力)が製造プロセスシーケンスに組み込まれて、乾燥卵白タンパク質粉末を混合物中に均一に分散させる。より高い剪断力混合はまた、コロイド状二酸化ケイ素原材料中に典型的に観察される、コロイド状二酸化ケイ素の軟質低密度凝集体が製剤中に存在する場合、それも分散する。より高い力の混合の使用は、任意の混合物成分の一次粒径を低減することを意図するものではない。
【0137】
[0155]製剤が製造された後、製剤中のアレルゲン性卵白タンパク質(例えば、オボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリン、及び/又はリゾチーム)のうちの1つ以上の品質及び/又は製剤のブレンド均一性を評価することができる。1つ以上のアレルゲン性タンパク質の品質は、例えば、オボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリン、及び/又はリゾチームのうちの1つ以上を特性評価することによって(例えば、タンパク質の1つ以上の量若しくは相対量、又はタンパク質の1つ以上の効力若しくは相対的効力を測定することによって)評価することができる。製剤のブレンド均一性は、製剤の意図されるタンパク質含有量(例えば、ラベルクレーム又は意図される濃度)と比較することができる製剤のタンパク質含有量を測定することによって評価することができる。例えば、製剤のブレンド均一性を測定することは、製剤に関連する意図されたタンパク質含有量を特定することと、製剤からの試料中のタンパク質含有量を測定することと、測定されたタンパク質含有量を意図されたタンパク質含有量と比較することと、を含み得る。ブレンド均一性は、製剤からの複数の試料(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個以上の試料)を使用して測定することができ、平均ブレンド均一性及び/又は相対標準偏差(RSD)を測定することができる。本明細書に記載の製造方法を使用することにより、卵白タンパク質製剤からの複数の試料のブレンド均一性RSDは、約15%以下(例えば、約0.5%~約15%、又は約1%~約10%)、又は約5%以下(例えば、約1%~約5%、又は約2%~約5%)である。
【0138】
[0156]製造された製剤は、カプセル又はサッシェなどの投与量容器内に所定量でパッケージ化することができる。各投与量容器に添加される製剤の量は、投与量容器のラベルクレームに等しい卵白タンパク質の量を提供することを意図する。製造及びパッケージング中に生じる実世界の変動により、ラベルクレームからの一部の偏差及び個々の投与量容器内の卵白タンパク質の実際の量が存在し得る。したがって、投与量容器の製造されたロットの含有量均一性を測定することができる。含有量均一性は、投与量容器からの製剤の送達可能なタンパク質含有量に基づく。投与量容器は、投与量容器内の意図された量の卵白タンパク質と関連付けられる。したがって、複数の投与量容器の含有量均一性を測定することは、複数の投与量容器と関連付けられた意図されたタンパク質含有量を特定することと、複数の投与量容器から(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個以上の投与量容器)採取された試料からの送達可能なタンパク質含有量を測定することと、測定されたタンパク質含有量を意図されたタンパク質含有量と比較することと、を含む。複数の投与量容器試料が複数から採取される場合、平均含有量均一性及び/又は含有量均一性RSDを測定することができる。本明細書に記載の製造方法を使用することにより、複数の投与量容器の含有量均一性RSDは、約12%以下(例えば、約4%~約12%、又は約5%~約12%)である。
【0139】
低用量製造プロセス
[0157]ブレンド均一性及び含有量均一性は、一般に、ブレンド中の低い薬物物質の割合に対応する低用量強度に対するより大きなリスクであると考えられる。これらの低用量は、一般に、投与量容器内で約12mgの卵白タンパク質以下であるが、同様の方法論を使用してより大きな用量を生成することができる。製剤製造プロセスは、一般に、約0.05重量%~約4重量%の卵白タンパク質(約0.1重量%~約0.7重量%、約0.7重量%~約1.5重量%、約1.5重量%~約2.5重量%、又は約2.5重量%~約4重量%の卵白タンパク質)を有する製剤を生成する。
【0140】
[0158]製造された卵白タンパク質製剤は、一般に、2つの希釈剤(例えば、アルファ化デンプン及び微結晶セルロース)を含む。希釈剤のうちの1つ以上を、卵白タンパク質粉末と段階的に混合し(すなわち、卵白タンパク質粉末の連続希釈)、ここでは卵白タンパク質粉末及び希釈剤の一部(ただし全てではない)が、希釈剤の追加量を混合物に添加する前に混合される。更に連続希釈する前に、卵白タンパク質粉末を含有する第1の混合物及び希釈剤の第1の部分にメッシュスクリーンを通過させることにより、完全に製造された卵白タンパク質製剤のブレンド均一性が向上する。
【0141】
[0159]図1に示すように、工程102で、乾燥卵白タンパク質粉末が、第1の希釈剤(例えば、アルファ化デンプン)の第1の量と組み合わされる。乾燥卵白タンパク質粉末及び第1の希釈剤の第1の量は、ビン又はバッグなどの任意の好適な容器に添加することができ、次の工程に進む前に一緒に混合することができる。混合は、例えば、容器を振盪することによって、又はインペラー、ブレンダー(タンブルブレンダーなど)、若しくは任意の他の好適な装置を使用することによって実施することができる。
【0142】
[0160]乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と組み合わせて第1の混合物を形成すると、第1の混合物にメッシュスクリーンを通過させる(図1の工程104を参照)。メッシュスクリーンのサイズは、一般に約250μm~約850μm(例えば、約300μm~約710μm、又は約425μm~約600μm)である。メッシュスクリーンのサイズは、メッシュスクリーン内の開口部の平均サイズを指す。
【0143】
[0161]第1の混合物がメッシュスクリーンを通過すると、図1の工程106に示すように、第1の混合物を第1の希釈剤の追加量と混合して第2の混合物を形成することによって、混合物を更に希釈することができる。あるいは、第1の混合物及び第1の希釈剤の追加量の一部は、図1の工程104に対応するメッシュスクリーンを通して合わせてふるい分け(co-sieved)され得る。第1の混合物及び第1の希釈剤の追加量は、組み合わされた構成成分を振盪することによって、又はインペラー、ブレンダー(タンブルブレンダーなど)、若しくは任意の他の好適な装置を使用することによって混合することができる。第1の希釈剤の追加量は、図1の矢印108によって示されるように、混合物を連続希釈するために段階的に添加することができる。例えば、第1の混合物は、複数の反復サブステップにおいて、第1の希釈剤の第2の量と混合することができる。サブステップは、第1の希釈剤の第2の量の一部を第1の混合物に添加することと、第1の希釈剤の第2の量の一部及び第1の混合物を混合することと、を含むことができる。次いで、第1の希釈剤の第2の量の別の部分を添加することができ、これを更に混合する。これらの希釈サブステップは、第1の希釈剤の所望の量が乾燥卵白タンパク質粉末と混合されるまで、1、2、3、4、5回以上実施することができる。任意に、混合物は、第1の希釈剤の第2の量の追加の部分を添加する前に、メッシュスクリーンを通過させることができる。
【0144】
[0162]あるいは、第1の希釈剤の第2の量が混合物に添加されている間に第1の混合物を連続的に混合することによって、第1の混合物と第1の希釈剤の第2の量とを一緒に混合することができる。すなわち、第1の希釈剤の第2の量を第1の混合物に段階的に添加して第2の混合物を形成する代わりに、混合物は、第1の希釈剤の第2の量が添加されると同時に混合される。
【0145】
[0163]第2の混合物が形成されると、図1の工程110に示すように、第2の混合物を第2の希釈剤(例えば微結晶セルロース)と混合して、第3の混合物を形成することができる。第2の混合物及び第2の希釈剤は、組み合わされた構成成分を振盪することによって、又はインペラー、ブレンダー(タンブルブレンダーなど)、若しくは任意の他の好適な装置を使用することによって混合することができる。混合物はまた、工程112に示されるように、前の混合物を形成するために使用されたよりも高い剪断力での混合に供される。高剪断力混合は、第2の混合物を第2の希釈剤と最初に混合した後に生じてもよく、又は第2の混合物を第2の希釈剤と混合するための混合力であってもよい。これは、例えば、コニカルミル(例えば、丸いミルインペラー又は正方形のミルインペラーを使用して装備され得る)又は他の好適な装置を使用して実施することができる。いくつかの実施形態では、第2の混合物及び第2の希釈剤は、第3の混合物を最初に形成するために、より高い剪断力混合を使用して混合され、いくつかの実施形態では、第2の混合物及び第2の希釈剤は予混合されて、第3の混合物を形成し、その後、第3の混合物が高剪断力混合に供される。高剪断力混合は、製剤中の乾燥卵白タンパク質粉末の均一な分散を増加させ、形成され得る軟質の低密度凝集体を分散させる。より高い剪断力混合の使用は、任意の混合物成分の一次粒径を低減することを意図するものではなく、粒子の凝集体を解離することだけを意図するものである。
【0146】
[0164]工程114に示すように、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を混合物に添加して、卵白タンパク質製剤を形成する。滑沢剤は、製造プロセス中に混合物のいずれかに添加することができるが、一部の点では、乾燥卵白タンパク質粉末、第1の希釈剤及び第2の希釈剤を含有する混合物と混合される。例えば、滑沢剤は、高剪断力混合工程前、工程後、又は工程中に、第3の混合物と混合することができる。1つ以上の希釈剤(例えば、アルファ化デンプンなどの第1の希釈剤)の更なる量を、滑沢剤と共に混合物に共添加してもよい。加えて、第3の混合物を滑沢剤(及び任意に第1の希釈剤の追加量)と混合し、次いで、第3の混合物の追加量と混合してもよい。例示的な実施形態では、第3の混合物、第1の希釈剤の追加量、及び滑沢剤を混合し、メッシュスクリーンを通過させ、次いで第3の混合物の追加量と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。いくつかの実施形態では、滑沢剤及び第1の希釈剤の追加量は、卵白タンパク質を含有する混合物と混合される前に混合される(及び任意に、混合物にメッシュスクリーンを通過させる)。
【0147】
[0165]任意に、卵白タンパク質製剤にメッシュスクリーンを通過させることができる。メッシュスクリーンのサイズは、一般に約250μm~約850μm(例えば、約300μm~約710μm、又は約425μm~約600μm)である。
【0148】
[0166]これらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤のバッチを、本明細書に更に記載されるようなブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。いくつかの実施形態では、方法は、卵白タンパク質製剤のブレンド均一性及び/又は品質特性をアッセイする工程を更に含む。
【0149】
[0167]卵白タンパク質製剤を作製する例示的な方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と共に、メッシュスクリーンを通して合わせてふるい分けすることと、(c)工程(a)及び(b)の後に、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と混合して、第2の混合物を形成することと、(d)第2の混合物を第1の希釈剤の第3の部分と混合して、第3の混合物を形成することと、(e)第3の混合物を第1の希釈剤の第4の部分と混合して、第4の混合物を形成することと、(f)第4の混合物を第1の希釈剤の第5の部分と混合して、第5の混合物を形成することと、(g)第5の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第6の混合物を形成することと、(h)第6の混合物の第1の部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、及び任意に第1の希釈剤の第6の部分と混合して、第7の混合物を形成することと、(j)第7の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、及び(k)(j)のスクリーニングした混合物を第6の混合物の第2の部分と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。工程(g)は、2つの混合サブステップを含んでもよく、1つの混合サブステップは、他の混合サブステップよりも高い剪断力にある。例示的な実施形態では、工程(g)は、任意に2つのサブステップを含み、第1のサブステップは、第2のサブステップ(タンブルブレンダーを用いるなど)よりも低い剪断力にあり、第2のサブステップは、第1のサブステップ(コニカルミルを用いるなど)よりも高い剪断力にある。この製剤の製造方法は、約0.1mg~約12mgの用量(例えば、約0.2mg、約1mg、約3mg、約6mg、又は約12mgの投与量容器、又はこれらの間の任意の投与量)などの製剤を含有する低用量の投与量容器を製造するために使用される製剤に特に有用である。製剤は、例えば、約0.05重量%~約2.5重量%の卵白タンパク質を有し得る。いくつかの実施形態では、製剤は、滑剤を含まないか、又は実質的に含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含まないか、又は実質的に含まない)。これらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤のバッチを、本明細書に更に記載されるようなブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。いくつかの実施形態では、方法は、卵白タンパク質製剤のブレンド均一性及び/又は品質特性をアッセイする工程を更に含む。
【0150】
[0168]卵白タンパク質の低用量製剤を製造する例示的な方法を図12Aに示す。工程402では、乾燥卵白タンパク質粉末(好ましくは総タンパク質レベル及び特定のアレルゲンレベルを確実にすることを特徴とする)を、第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の量と混合して、第1の混合物を形成する。いくつかの実施形態では、工程402は、第1の希釈剤の第1の量と混合する前に、乾燥卵白タンパク質粉末を特性評価することを更に含む。工程404では、第1の混合物は、第1の希釈剤の第2の量と合わせてふるい分けされる。工程406では、合わせてふるい分けされた第1の混合物及び第1の希釈剤の第2の量を混合して、第2の混合物を形成する。工程408により、第1の希釈剤の追加量を第2の混合物に段階的に添加することを可能にする。工程408は、第1の希釈剤の追加量を添加し、混合する、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のサブステップを含んでもよい。これらの工程を連続で実行することにより、より高い含有量均一性を可能にする。工程410では、第2の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第3の混合物を形成する。工程412では、第3の混合物を、高剪断混合(例えば、コニカルミルによる)によって混合して、粒子凝集体を分散させる。工程414では、分散した第3の混合物の一部を滑沢剤と混合して、第4の混合物を形成する。工程414はまた、分散した第3の混合物の一部を、第1の希釈剤の追加量と混合することを含んでもよい。工程416では、第4の混合物にメッシュスクリーンを通過させる。工程418では、スクリーニングされた第4の混合物及び分散された第3の混合物の追加の部分を組み合わせ、次いで工程420で混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。これらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤のバッチを、本明細書に更に記載されるようなブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。いくつかの実施形態では、方法は、卵白タンパク質製剤のブレンド均一性及び/又は品質特性をアッセイする工程を更に含む。
【0151】
[0169]卵白タンパク質製剤を作製する別の例示的な方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と共に、メッシュスクリーンを通して合わせてふるい分けすることと、(c)第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と混合して、第2の混合物を形成することと、(d)第2の混合物を第1の希釈剤の第3の部分と混合して、第3の混合物を形成することと、(e)第3の混合物を第1の希釈剤の第4の部分と混合して、第4の混合物を形成することと、(f)第4の混合物を第1の希釈剤の第5の部分と混合して、第5の混合物を形成することと、(g)第5の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第6の混合物を形成することと、(h)工程(g)において、第5の混合物を第2の希釈剤と混合するために使用された剪断力よりも高い剪断力を任意に使用して、第6の混合物を混合することと、(i)滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)及び第1の希釈剤の第6の部分を混合して第7の混合物を形成し、任意に、第7の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、(k)第7の混合物を第6の混合物と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。この製剤の製造方法は、約0.1mg~約12mgの用量(例えば、約0.2mg、約1mg、約3mg、約6mg、又は約12mgの投与量容器、又はこれらの間の任意の投与量)などの製剤を含有する低用量の投与量容器を製造するために使用される製剤に特に有用である。製剤は、例えば、約0.05重量%~約2.5重量%の卵白タンパク質を有し得る。いくつかの実施形態では、製剤は、滑剤を含まないか、又は実質的に含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含まないか、又は実質的に含まない)。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末(すなわち、製剤化される前)及び/又はこれらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤(すなわち、製剤化された後)を、HPLCアッセイ(例えば、RP-HPLC)又はELISAアッセイを使用して、オボアルブミン、オボムコイド、リゾチーム、及び/又はオボトランスフェリンのうちの1つ以上の濃度若しくはプロファイル、又は組成物の総タンパク質含有量を測定するなど、本明細書に更に記載されるブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。製剤化組成物は、例えばカプセル又はサッシェにパッケージ化されてもよい。
【0152】
[0170]卵白タンパク質の低用量製剤を製造する例示的な方法を図12Bに示す。工程422では、乾燥卵白タンパク質粉末を、第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の部分と混合して、第1の混合物を形成する。工程424では、第1の混合物を、第1の希釈剤の第2の部分と共にメッシュスクリーンを通して合わせてふるい分けさせ、組み合わされた第1の混合物と第1の希釈剤の第2の部分とを、工程426で混合して、第2の混合物を形成する。工程428では、第2の混合物を、第1の希釈剤の第3の部分と混合して(例えば、タンブルブレンダーなどのブレンダーを使用する)、第3の混合物を形成する。工程430では、第3の混合物を、第1の希釈剤の第4の部分と混合して(例えば、タンブルブレンダーなどのブレンダーを使用する)、第4の混合物を形成する。工程432では、第4の混合物を、第1の希釈剤の第5の部分と混合して(例えば、タンブルブレンダーなどのブレンダーを使用する)、第5の混合物を形成する。工程434では、第5の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第6の混合物を形成する。任意に、第6の混合物は、例えば、コニカルミルを使用して、工程434で使用されたよりも高い剪断力を用い混合される。工程436では、第1の希釈剤の第6の部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して第7の混合物を形成し、これを工程438で第6の混合物と混合して、8つの混合物(例えば、製剤化組成物)を形成する。
【0153】
[0171]卵白タンパク質製剤を作製する別の例示的な方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と共に、メッシュスクリーンを通して合わせてふるい分けして、任意に合わせてふるい分けした組成物を混合することと、(c)合わせてふるい分けした組成物を、第1の希釈剤の1つ以上の追加の部分(例えば、1、2、3、4、5又はそれ以上の追加の部分)を用いて連続希釈し、各部分を添加した後に組成物を混合して第3の混合物を形成することと、(d)第3の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第4の混合物を形成することと、(e)第1の希釈剤の更なる追加部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して第5の混合物を形成することと、(f)第4の混合物を第5の混合物と混合して、製剤化組成物を形成することと、を含む。この製剤の製造方法は、約0.1mg~約12mgの用量(例えば、約0.2mg、約1mg、約3mg、約6mg、又は約12mgの投与量容器、又はこれらの間の任意の投与量)などの製剤を含有する低用量の投与量容器を製造するために使用される製剤に特に有用である。製剤は、例えば、約0.05重量%~約2.5重量%の卵白タンパク質を有し得る。いくつかの実施形態では、製剤は、滑剤を含まないか、又は実質的に含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含まないか、又は実質的に含まない)。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末(すなわち、製剤化される前)及び/又はこれらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤(すなわち、製剤化された後)を、HPLCアッセイ(例えば、RP-HPLC)又はELISAアッセイを使用して、オボアルブミン、オボムコイド、リゾチーム、及び/又はオボトランスフェリンのうちの1つ以上の濃度若しくはプロファイル、又は組成物の総タンパク質含有量を測定するなど、本明細書に更に記載されるブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。製剤化組成物は、例えばカプセル又はサッシェにパッケージ化されてもよい。
【0154】
[0172]卵白タンパク質の低用量製剤を製造する例示的な方法を図12Cに示す。工程440では、乾燥卵白タンパク質粉末を、第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の部分と混合して、第1の混合物を形成する。工程442では、第1の混合物は、第1の希釈剤の第2の部分とメッシュスクリーンを通して合わせてふるい分けされる。工程444では、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の量と混合して、第2の混合物を形成する。工程446では、第2の混合物を第1の希釈剤の1つ以上の追加の部分と混合することによって、第2の混合物を連続希釈して、第3の混合物を形成する。連続希釈は、例えば、1、2、3、4、5、又はそれ以上のサブステップで実施されてもよく、第1の希釈剤の一部は、第1の希釈剤の追加の部分を添加する前に、各サブステップで組成物と混合される。工程448では、第3の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第4の混合物を形成する。工程450では、第1の希釈剤の別の部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して第5の混合物を形成し、これを工程452で第4の混合物と混合して、製剤化組成物を形成する。
【0155】
[0173]次いで、卵白タンパク質製剤を、例えば、カプセル又はサッシェ内のパッケージングにパッケージ化して、投与量容器中の卵白タンパク質の所望の投与量を得ることができる。約100mg~約1000mg(例えば、約100mg~約250mg、約250mg~約400mg、約400mg~約600mg、又は約600mg~約1000mg)の卵白タンパク質製剤を投与量容器に含めることができる。例として、いくつかの実施形態では、約180mgの卵白タンパク質製剤が容器(カプセルなど)に含まれて、投与量容器内の所望の量の卵白タンパク質製剤を得る。
【0156】
[0174]卵白タンパク質製剤が投与量容器にパッケージ化されると、投与量容器は、含有量均一性についてアッセイすることができる。
【0157】
中間用量製造プロセス
[0175]ある特定の用量(投与量容器内の約3mg~約300mgなどであるが、同様の方法論を使用してより大きな用量を生成することができる)に対して製剤を製造するとき、ブレンド均一性及び含有量均一性は、卵白タンパク質製剤の流動性とバランスが取られる。製剤製造プロセスは、一般に、約1.5重量%~約60重量%の卵白タンパク質(例えば、約1.5重量%~約3重量%、約3重量%~約8重量%、約8重量%~約15重量%、約15重量%~約30重量%、又は約30重量%~約60重量%の卵白タンパク質)を有する製剤を生成する。
【0158】
[0176]製造された卵白タンパク質製剤は、一般に、2つの希釈剤(例えば、アルファ化デンプン及び微結晶セルロース)、滑沢剤、及び任意に滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を含む。しかしながら、いくつかの中間強度剤形については、コロイド状二酸化ケイ素は製剤中に含まれない。
【0159】
[0177]図2に示すように、工程202で乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤(例えば、アルファ化デンプン)の第1の量と混合して、第1の混合物を形成する。任意に、滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)もまた、この工程で乾燥卵白タンパク質粉末と混合することができる。混合は、好ましくは、粒子凝集体を分散させるために、より高い剪断力を用いて行われる。これは、例えば、コニカルミルミキサー(丸いミルインペラー又は正方形のミルインペラーを有するよう構成され得る)を使用して行うことができる。
【0160】
[0178]図2の工程204に示されるように、第1の混合物を第1の希釈剤の追加量と混合することによって第1の混合物を更に希釈して、第2の混合物を形成することができる。第1の混合物及び第1の希釈剤の追加量は、組み合わされた構成成分を振盪することによって、又はインペラー、ブレンダー(タンブルブレンダーなど)、若しくは任意の他の好適な装置を使用することによって混合することができる。
【0161】
[0179]図2の工程206に示すように、第2の混合物を第2の希釈剤(例えば微結晶セルロース)と混合して、第3の混合物を形成することができる。任意に、第1の希釈剤の追加量を第2の混合物又は第3の混合物に添加する。第1の希釈剤の追加量は、第2の希釈剤と混合する前に、第2の混合物と混合されてもよい。あるいは、第1の希釈剤の追加量は、第2の混合物及び第2の希釈剤と合わせて混合されてもよい。第2の混合物及び第2の希釈剤(並びに任意に第1の希釈剤の更なる量)は、組み合わされた構成成分を振盪することによって、又はインペラー、ブレンダー(タンブルブレンダーなど)、若しくは任意の他の好適な装置を使用することによって混合することができる。
【0162】
[0180]第3の混合物はまた、工程208に示されるように、第2混合物を形成するために使用されたよりも高い剪断力での混合に供され、これが混合物中の粒子凝集体を分散させる。高剪断力混合は、第2の混合物を第2の希釈剤と最初に混合した後に生じてもよく、又は第2の混合物を第2の希釈剤と混合するための混合力であってもよい。これは、例えば、コニカルミル(例えば、丸いミルインペラー又は正方形のミルインペラーを使用して装備され得る)又は他の好適な装置を使用して行うことができる。いくつかの実施形態では、第2の混合物及び第2の希釈剤は、第3の混合物を最初に形成するために、より高い剪断力混合を使用して混合され、いくつかの実施形態では、第2の混合物及び第2の希釈剤は予混合されて、第3の混合物を形成し、その後、第3の混合物が高剪断力混合に供される。高剪断力混合は、製剤中の乾燥卵白タンパク質粉末の均一な分散を増加させ、形成され得る軟質の低密度凝集体を分散させる。より高い剪断力混合の使用は、任意の混合物成分の一次粒径を低減することを意図するものではなく、粒子の凝集体を解離することだけを意図するものである。
【0163】
[0181]工程210に示すように、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を混合物に添加して、卵白タンパク質製剤を形成する。滑沢剤は、製造プロセス中に混合物のいずれかに添加することができるが、一部の点では、乾燥卵白タンパク質粉末、第1の希釈剤及び第2の希釈剤を含有する混合物と混合される。例えば、滑沢剤は、高剪断力混合工程前、工程後、又は工程中に、第3の混合物と混合することができる。1つ以上の希釈剤(例えば、アルファ化デンプンなどの第1の希釈剤)の更なる量を、滑沢剤と共に混合物に共添加してもよい。いくつかの実施形態では、第3の混合物を滑沢剤(及び任意に第1の希釈剤の追加量)と混合し、次いで、第3の混合物の追加量と混合してもよい。例示的な実施形態では、第3の混合物、第1の希釈剤の追加量、及び滑沢剤を混合し、メッシュスクリーンを通過させ、次いで第3の混合物の追加量と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0164】
[0182]任意に、卵白タンパク質製剤にメッシュスクリーンを通過させることができる。メッシュスクリーンのサイズは、一般に約250μm~約850μm(例えば、約300μm~約710μm、又は約425μm~約600μm)である。
【0165】
[0183]卵白タンパク質の中間用量製剤を製造する例示的な方法を図13Aに示す。工程502では、乾燥卵白タンパク質粉末(好ましくは総タンパク質レベル及び特定のアレルゲンレベルを確実にすることを特徴とする)を、第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の量と混合して、第1の混合物を形成する。工程502はまた、流動性を改善するために、滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)と混合することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、工程502は、第1の希釈剤の第1の量と混合する前に、乾燥卵白タンパク質粉末を特性評価することを更に含む。工程504では、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の量と混合して、第2の混合物を形成する。504の混合工程は、2つのサブステップを含んでもよく、1つのサブステップは、他のサブステップよりも高い剪断力にある。本方法の例示的な実施形態では、工程504は、任意に2つのサブステップを含み、第1のサブステップは、第2のサブステップ(コニカルミルを用いるなど)よりも高い剪断力にあり、第2のサブステップは、より低い剪断力にある(タンブルブレンダーを用いるなど)。工程506は任意であり、第1の希釈剤の追加量を添加することを可能にする。例示的な実施形態では、工程506は、第2の混合物を第1の希釈剤の追加量と混合することを含む。別の例示的な実施形態では、工程506はスキップされる。工程508では、第2の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第3の混合物を形成する。工程508はまた、第2の混合物を、第1の希釈剤の追加量と混合することを含んでもよい。工程510では、第3の混合物を、高剪断混合工程(例えば、コニカルミル)によって混合して、粒子凝集体を分散させる。工程512では、分散した第3の混合物の一部を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して、第4の混合物を形成する。工程512は、任意に、第3の混合物を、第1の希釈剤の追加量と混合することを含む。工程514では、第4の混合物にメッシュスクリーンを通過させる。工程516では、スクリーニングされた第4の混合物を、分散された第3の混合物の追加量と組み合わせ、次いで工程518で混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0166】
[0184]これらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤のバッチを、本明細書に更に記載されるようなブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。いくつかの実施形態では、方法は、卵白タンパク質製剤のブレンド均一性及び/又は品質特性をアッセイする工程を更に含む。
【0167】
[0185]卵白タンパク質製剤を作製するいくつかの方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と混合して、第2の混合物を形成することと、(c)第2の混合物を第1の希釈剤の第3の部分と混合して、第3の混合物を形成することと、(d)第3の混合物を第2の希釈剤と混合して、第4の混合物を形成することと、(e)第4の混合物を第1の希釈剤の第4の部分及び滑沢剤と混合して、第5の混合物を形成することと、(f)第5の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、(g)(f)のスクリーニングされた混合物を、第4の混合物の追加量と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む。工程(b)では、混合工程は2つのサブステップを含んでもよく、1つのサブステップは、他のサブステップよりも高い剪断力にある。例示的な実施形態では、工程(b)は2つのサブステップを含み、第1のサブステップは、第2のサブステップ(コニカルミルを用いるなど)よりも高い剪断力で混合することを含み、第2のサブステップは、ブレンダーで混合すること(タンブルブレンダーを用いるなど)を含む。工程(d)では、混合工程は、2つのサブステップを含んでもよく、1つのサブステップは、他のサブステップよりも高い剪断力にある。例示的な実施形態では、工程(d)は2つのサブステップを含み、第1のサブステップは、第2のサブステップよりも低い剪断力で混合することを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、滑剤を含まないか、又は実質的に含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含まないか、又は実質的に含まない。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末(すなわち、製剤化される前)及び/又はこれらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤(すなわち、製剤化された後)を、HPLCアッセイ(例えば、RP-HPLC)又はELISAアッセイを使用して、オボアルブミン、オボムコイド、リゾチーム、及び/又はオボトランスフェリンのうちの1つ以上の濃度若しくはプロファイル、又は組成物の総タンパク質含有量を測定するなど、本明細書に更に記載されるブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。製剤化組成物は、例えばカプセル又はサッシェにパッケージ化されてもよい。
【0168】
[0186]卵白タンパク質製剤を作製する別の方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と混合して第2の混合物を形成し、任意に、第2の混合物を、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と混合するために使用される剪断力よりも低い剪断力で混合することと、(c)第2の混合物を第1の希釈剤の第3の部分と混合して、第3の混合物を形成することと、(d)第3の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して第4の混合物を形成し、任意に、第4の混合物を、第3の混合物を第2の希釈剤と混合するために使用された剪断力よりも高い剪断力を用いて混合することと、(e)第1の希釈剤の第4の部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して、第5の混合物を形成し、任意に、第5の混合物にメッシュスクリーンを通過させる工程と、(f)第4の混合物を第5の混合物と混合する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、滑剤を含まないか、又は実質的に含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含まないか、又は実質的に含まない。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末(すなわち、製剤化される前)及び/又はこれらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤(すなわち、製剤化された後)を、HPLCアッセイ(例えば、RP-HPLC)又はELISAアッセイを使用して、オボアルブミン、オボムコイド、リゾチーム、及び/又はオボトランスフェリンのうちの1つ以上の濃度若しくはプロファイル、又は組成物の総タンパク質含有量を測定するなど、本明細書に更に記載されるブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。製剤化組成物は、例えばカプセル又はサッシェにパッケージ化されてもよい。
【0169】
[0187]図13Bは、卵白タンパク質製剤を作製する別の例示的な方法を示す。工程520では、乾燥卵白タンパク質粉末を、第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の部分と混合して、第1の混合物を形成することを含む。工程522では、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と混合して、第2の混合物を形成する。この工程は、異なる混合剪断力を有する2つ以上のサブステップを含み得る。例えば、第1の混合物を、第1の混合剪断力を使用して(例えば、コニカルミルを使用する)、第1の希釈剤の第2の部分と混合して第2の混合物を形成してもよく、第2の混合物は、第1の剪断力よりも低い第2の剪断力を使用して(例えば、タンブルブレンダーなどのブレンダーを使用する)更に混合されてもよい。工程524では、第2の混合物を第1の希釈剤の第3の部分と混合して、第3の混合物を形成する。工程526では、第3の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第4の混合物を形成する。この工程は、異なる混合剪断力を有する2つ以上のサブステップを含み得る。例えば、第3の混合物を、第1の混合剪断力を使用して(例えば、タンブルブレンダーなどのブレンダーを使用する)、第2の希釈剤と混合して第4の混合物を形成してもよく、第4の混合物は、第1の剪断力よりも高い第2の剪断力を使用して(例えば、コニカルミルを使用する)更に混合されてもよい。工程528では、第1の希釈剤の第4の部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して、第5の混合物を形成し、これに、任意にメッシュスクリーンを通過させる。工程530では、第4の混合物を第5の混合物と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0170】
[0188]卵白タンパク質製剤を作製する別の方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の量及び滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)と混合して第1の混合物を形成することと、(b)第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と混合して第2の混合物を形成し、任意に、第2の混合物を、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と混合するために使用される剪断力よりも低い剪断力で混合することと、(c)第2の混合物を第1の希釈剤の第3の部分と混合して、第3の混合物を形成することと、(d)第3の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)及び第1の希釈剤の第4の部分と混合して第4の混合物を形成し、任意に、第4の混合物を、第3の混合物を第2の希釈剤と混合するために使用された剪断力よりも高い剪断力を用いて混合することと、(e)第1の希釈剤の第5の部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して、第5の混合物を形成し、任意に、第5の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、(f)第4の混合物を第5の混合物と混合することと、を含む。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末(すなわち、製剤化される前)及び/又はこれらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤(すなわち、製剤化された後)を、HPLCアッセイ(例えば、RP-HPLC)又はELISAアッセイを使用して、オボアルブミン、オボムコイド、リゾチーム、及び/又はオボトランスフェリンのうちの1つ以上の濃度若しくはプロファイル、又は組成物の総タンパク質含有量を測定するなど、本明細書に更に記載されるブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。製剤化組成物は、例えばカプセル又はサッシェにパッケージ化されてもよい。
【0171】
[0189]図13Cは、卵白タンパク質製剤を作製する別の例示的な方法を示す。工程532は、乾燥卵白タンパク質粉末を、第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の部分及び滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)と混合して、第1の混合物を形成することを含む。工程534では、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と混合して、第2の混合物を形成する。この工程は、異なる混合剪断力を有する2つ以上のサブステップを含み得る。例えば、第1の混合物を、第1の混合剪断力を使用して(例えば、コニカルミルを使用する)、第1の希釈剤の第2の部分と混合して第2の混合物を形成してもよく、第2の混合物は、第1の剪断力よりも低い第2の剪断力を使用して(例えば、タンブルブレンダーなどのブレンダーを使用する)更に混合されてもよい。工程536では、第2の混合物を第1の希釈剤の第3の部分及び第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第3の混合物を形成する。この工程は、異なる混合剪断力を有する2つ以上のサブステップを含み得る。例えば、第3の混合物を、第1の混合剪断力を使用して(例えば、タンブルブレンダーなどのブレンダーを使用する)、第1の希釈剤と混合して第4の混合物を形成してもよく、第4の混合物は、第1の剪断力よりも高い第2の剪断力を使用して(例えば、コニカルミルを使用する)更に混合されてもよい。工程538では、第1の希釈剤の第4の部分は、第1の部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して、第5の混合物を形成し、これを、任意にメッシュスクリーンを通過させる。工程540では、第5の混合物を第4の混合物と混合する。
【0172】
[0190]次いで、卵白タンパク質製剤を、例えば、カプセル又はサッシェ内のパッケージングにパッケージ化して、投与量容器中の卵白タンパク質の所望の投与量を得ることができる。約100mg~約1000mg(例えば、約100mg~約250mg、約250mg~約400mg、約400mg~約600mg、又は約600mg~約1000mg)の卵白タンパク質製剤を投与量容器に含めることができる。例として、いくつかの実施形態では、約180mgの卵白タンパク質製剤が容器(カプセルなど)に含まれて、投与量容器中の所望の量の卵白タンパク質製剤を得る。いくつかの実施形態では、約500mgの卵白タンパク質製剤が容器(カプセルなど)に含まれて、投与量容器中の所望の量の卵白タンパク質製剤を得る。
【0173】
[0191]卵白タンパク質製剤が投与量容器にパッケージ化されると、投与量容器は、含有量均一性についてアッセイすることができる。
【0174】
高用量製造プロセス
[0192]特定の強度用量(約100mg以上など)で使用するための卵白タンパク質製剤の製造は、製剤の流動性を優先するように設計される。卵白タンパク質粉末は、パッケージング材料に付着する場合があり、容器からの製剤の送達性を制限し得る。流動性を増加させるために、製剤は、一般に、1つ以上の希釈剤(アルファ化デンプン及び/又は微結晶セルロースなど)及び滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)に加えて、滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を用いて製造される。いくつかの実施形態では、卵白タンパク質製剤は、約50重量%~約80重量%(例えば、約50重量%~約60重量%、約60重量%~約70重量%、又は約70重量%~約80重量%)の卵白タンパク質を有する。
【0175】
[0193]卵白タンパク質製剤を製造するために、乾燥卵白タンパク質粉末、第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)、及び滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)を、図3の工程302に示すように一緒に混合する。構成成分は、組み合わされた構成成分を振盪することによって、又はインペラー、ブレンダー(タンブルブレンダーなど)、若しくは任意の他の好適な装置を使用することによって混合することができる。
【0176】
[0194]次いで、工程304に示すように、第1の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第2の混合物を形成する。第1の混合物及び第2の希釈剤は、卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤及び滑剤と混合するために使用されたよりも高い剪断力を用い混合することができる。高剪断力は、混合物内の粒子凝集体を解離させることができる。
【0177】
[0195]第2の混合物はまた、工程306に示すように、滑沢剤と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。任意に、滑沢剤が第2の混合物と混合される前、混合後、又はそれと同時に第1の希釈剤の追加量を第2の混合物と混合することもできる。いくつかの実施形態では、第2の混合物を滑沢剤(及び任意に第1の希釈剤の追加量)と混合し、次いで、第2の混合物の追加量と混合してもよい。例示的な実施形態では、第2の混合物、第1の希釈剤の追加量、及び滑沢剤を混合し、メッシュスクリーンを通過させ、次いで第2の混合物の追加量と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0178】
[0196]任意に、卵白タンパク質製剤にメッシュスクリーンを通過させることができる。メッシュスクリーンのサイズは、一般に約250μm~約850μm(例えば、約300μm~約710μm、又は約425μm~約600μm)である。
【0179】
[0197]卵白タンパク質の高用量製剤を製造する例示的な方法を図14Aに示す。工程602では、乾燥卵白タンパク質粉末(好ましくは総タンパク質レベル及び特定のアレルゲンレベルを確実にすることを特徴とする)を、第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の量及び滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)と混合して、第1の混合物を形成する。いくつかの実施形態では、工程602は、第1の希釈剤の第1の量と混合する前に、乾燥卵白タンパク質粉末を特性評価することを更に含む。工程604では、次いで、第1の混合物を第2の希釈剤と混合して第2の混合物を形成し、次いで、高剪断混合工程(コニカルミルなど)を用いて混合して粒子凝集体を分散させる。工程606では、分散した第2の混合物の一部を滑沢剤と混合して、第3の混合物を形成する。工程606はまた、第2の混合物を、第1の希釈剤の追加量と混合することを含んでもよい。工程608では、第3の混合物にメッシュスクリーンを通過させる。工程610では、スクリーニングされた第3の混合物及び分散された第2の混合物の第2の量を組み合わせ、次いで工程612で混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0180】
[0198]卵白タンパク質製剤を作製するいくつかの方法では、方法は、(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、(b)任意に工程(a)で第1の混合物を形成するために使用されたよりも高い剪断力で、第1の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合することと、(c)第1の希釈剤の第2の部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して、第3の混合物を形成し、任意に、第3の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、(d)第2の混合物を第3の混合物と混合することと、を含む。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末(すなわち、製剤化される前)及び/又はこれらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤(すなわち、製剤化された後)を、HPLCアッセイ(例えば、RP-HPLC)又はELISAアッセイを使用して、オボアルブミン、オボムコイド、リゾチーム、及び/又はオボトランスフェリンのうちの1つ以上の濃度若しくはプロファイル、又は組成物の総タンパク質含有量を測定するなど、本明細書に更に記載されるブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。製剤化組成物は、例えばカプセル又はサッシェにパッケージ化されてもよい。
【0181】
[0199]卵白タンパク質の高用量製剤を製造する別の例示的な方法を図14Bに示す。工程614では、乾燥卵白タンパク質粉末を、第1の希釈剤(アルファ化デンプンなど)の第1の部分及び滑剤(コロイド状二酸化ケイ素など)と混合して、第1の混合物を形成する。工程616では、第1の混合物を第2の希釈剤(微結晶セルロースなど)と混合して、第2の混合物を形成する。いくつかの実施形態では、工程614で乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の部分及び滑剤と混合して、第1の混合物を形成した、より高い剪断力で(例えば、コニカルミルを使用する)、第1の混合物を第2の希釈剤と混合し、第1の混合物が、例えばタンブルブレンダーなどのブレンダーを使用して混合されている。工程618では、第1の希釈剤の第2の部分を滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)と混合して、第3の混合物を形成し、これに、任意にメッシュスクリーンを通過させる。工程620では、第2の混合物を第3の混合物と混合する。
【0182】
[0200]これらの方法を使用して生成された卵白タンパク質製剤のバッチを、本明細書に更に記載されるようなブレンド均一性又は品質特性についてアッセイすることができる。いくつかの実施形態では、方法は、卵白タンパク質製剤のブレンド均一性及び/又は品質特性をアッセイする工程を更に含む。
【0183】
[0201]次いで、卵白タンパク質製剤を、例えば、カプセル又はサッシェ内のパッケージングにパッケージ化して、投与量容器中の卵白タンパク質の所望の投与量を得ることができる。約100mg~約1000mg(例えば、約100mg~約250mg、約250mg~約400mg、約400mg~約600mg、又は約600mg~約1000mg)の卵白タンパク質製剤を投与量容器に含めることができる。例として、いくつかの実施形態では、約500mgの卵白タンパク質製剤が容器(カプセルなど)に含まれて、投与量容器内の所望の量の卵白タンパク質製剤を得る。
【0184】
[0202]卵白タンパク質製剤が投与量容器にパッケージ化されると、投与量容器は、含有量均一性についてアッセイすることができる。
【0185】
品質管理プロセス
[0203]本明細書に記載される剤形及び卵白タンパク質製剤は、経口免疫療法に使用することができ、投与量の増加は、患者をそれらのタンパク質に対して脱感作するために1つ以上の卵タンパク質に対してアレルギー性の患者に投与される。アレルゲン性タンパク質に対するアレルギー反応は重度であり、生命を脅かす場合があるため、投与される用量は、定量的及び定性的に十分に制御されることが望ましい。患者に投与される製品の品質管理を確実にするために、乾燥卵白タンパク質粉末、卵白タンパク質製剤、及び卵白タンパク質製剤を含有する投与量容器(及び投与量容器ロット)の様々なパラメータを監視することができる。このような品質管理プロセスは、1つ以上のアレルゲン性の卵白タンパク質(オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、及び/又はリゾチーム)を特性評価すること、タンパク質含有量を測定すること、卵白タンパク質製剤のブレンド均一性を測定すること、卵白タンパク質製剤を含有する投与量容器のロットの含有量均一性又は送達可能な質量を測定すること、又は乾燥卵白タンパク質粉末若しくは卵白タンパク質製剤の水分活性を測定することを含み得る。品質管理方法は、卵白タンパク質製剤又は投与量容器の一貫した製造を確実にするために製造プロセスに含まれ得る。
【0186】
[0204]卵白中のアレルゲン性タンパク質としては、Gal d1(オボムコイド)、Gal d2(オボアルブミン)、Gal d3(オボトランスフェリン)、及びGal d4(リゾチーム)が挙げられる。卵白タンパク質製剤又は乾燥卵白タンパク質粉末中のこれらのタンパク質の1つ以上(又は全て)は、本明細書に記載の方法を使用して特性評価することができる。1つ以上のアレルゲン性卵白タンパク質の特性評価は、1つ以上のタンパク質の存在、1つ以上の免疫支配的な卵白タンパク質の量若しくは相対量、又は1つ以上の免疫支配的な卵白タンパク質の効力若しくは相対的効力を測定することを含み得る。
【0187】
[0205]オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームを特性評価する1つの方法は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、乾燥卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤を分析することを含む。HPLC技術の例としては、サイズ排除クロマトグラフ(SEC-HPLC)及び逆相HPLC(RP-HPLC)が挙げられる。RP-HPLCは、例えば、分析のために全ての4つのアレルゲン性卵白タンパク質を定性的に又は定量的に十分に分離する。HPLCプロファイルを得ることができ、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームを表すピークを同定するか、又は定性的評価のための参照標準と比較することができる。
【0188】
[0206]オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームを特性評価することは、乾燥卵白タンパク質粉末(薬物物質)及び/又は卵白タンパク質製剤(医薬品)中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームのうちの1つ以上の存在を測定することを含み得る。これは、例えば、SDS-PAGEなどのポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、免疫ブロット、又はHPLC(SEC-HPLC若しくはRP-HPLCなど)によって行うことができる。アレルゲン性タンパク質は、一般に、一貫した時点でHPLCカラムから溶出し、ピークは、参照標準(精製された市販のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームなど)を使用して同定することができる。乾燥卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中のアレルゲン性タンパク質は、例えば保持時間に基づいて、HPLCプロファイルを使用して同定することができる。HPLCプロファイルはまた、試験した乾燥卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤の一貫性を測定するために、参照標準と定性的に比較することもできる。
【0189】
[0207]オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームを特性評価することは、卵白タンパク質製剤又は乾燥卵白タンパク質粉末中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームの量を定量化することを含むことができる。HPLC(例えば、SEC-HPLC又はRP-HPLC)方法を使用して、例えばHPLCプロファイルにおけるピークの面積を測定することによって、タンパク質を適切に定量化することができる。卵白タンパク質製剤又は乾燥卵白粉末中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームの濃度は、例えば、タンパク質ピークをオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームに関連するタンパク質ピークを参照とを比較することによって、この方法を使用して測定することができる。タンパク質を特性評価する別の例としては、HPLCプロファイルを使用して、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームの相対量を測定することを含む。相対量は、卵白タンパク質製剤又は乾燥卵白タンパク質製剤中の総タンパク質と比較することができる(例えば、全タンパク質ピークの総面積と比較することによって)か、又はオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームの総量と比較することができる。HPLCプロファイルは、タンパク質がカラムから溶出すると、約210nm~約280nmの光波長などの光の吸光度を測定することによって確立される。HPLCプロファイルにおけるタンパク質によるピーク面積は、アッセイされた試料中のタンパク質の量と相関する。しかしながら、異なるタンパク質間のピーク面積の比は、タンパク質の吸光度の差のために、異なるタンパク質の重量比を必ずしも反映しない場合がある。異なるタンパク質の重量比は、調査されたタンパク質のピーク面積を質量に較正することによって確立することができる。したがって、タンパク質の相対量は、例えば、HPLCプロファイルからの相対ピーク面積又はタンパク質の相対重量であってもよい。アレルゲン性タンパク質の相対量の任意の基準を、品質管理プロセスとして使用して、ロット間の一貫性を確保することができる。
【0190】
[0208]オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン及び/又はリゾチームのうちの1つ以上はまた、乾燥卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中のアレルゲン性卵白タンパク質の効力又は相対的効力(参照試料中のタンパク質の効力に対する)を決定することを特徴とすることもできる。アレルゲン性タンパク質の効力又は相対的効力は、アレルゲン性タンパク質の変性に起因して変化する場合があり、乾燥卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中のアレルゲン性タンパク質の効力又は相対的効力を測定することは、粉末及び/又は製剤の品質若しくは一貫性を監視するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、乾燥卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中の1つ以上の卵白タンパク質の効力は、インビトロで測定される。いくつかの実施形態では、単一のアレルゲン性タンパク質(例えば、オボムコイド)は、粉末又は製剤の効力又は相対的効力を表すために使用される。有効性は、例えば、効力アッセイによって測定されたEC50又はEC50の比(すなわち、相対的効力)として報告され得る。1つ以上のアレルゲン性卵白タンパク質の効力を測定するために使用することができる例示的なイムノアッセイ技術としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫ブロット、表面プラズモン共鳴(SPR)、又は多重化イムノアッセイが挙げられる。卵白タンパク質製剤中のオボアルブミン、オボトランスフェリン、オボムコイド、又はリゾチームの効力を測定する別の方法としては、細胞ベースのアッセイ(例えば、好塩基球ヒスタミン放出アッセイ)を挙げることができる。例えば、Santos et al.,Basophil activation test:food challenge in a test tube or specialist research tool?,Clinical and Translational Allergy,vol.6,no.10,pp.1-9(2016)を参照されたい。
【0191】
[0209]効力アッセイで使用されるレポーター分子は、高い特異性を有するアッセイされたアレルゲン性タンパク質に結合し、一般に抗体である。抗体は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であってもよい。いくつかの実施形態では、抗体は、IgG抗体又はIgE抗体である。効力又は相対的効力を測定するために使用される抗体は、アッセイされたタンパク質(例えば、オボアルブミン、オボトランスフェリン、オボムコイド、又はリゾチーム)に特異的に結合する。2つ以上の異なるタンパク質に特異的に結合する抗体を含む抗体プールを使用して、2つ以上のアッセイタンパク質の効力又は相対的効力を同時に測定することもできる。例えば、プールは、オボアルブミンに特異的に結合する抗体、オボトランスフェリンと特異的に結合する抗体、オボムコイドと特異的に結合する抗体、及び/又はリゾチームに特異的に結合する抗体のうちの2つ以上を含み得る。抗体のプールは、一緒に混合された別個に精製された抗体のプールであってもよく、又は全卵タンパク質又は卵白タンパク質で免疫された動物から誘導することができる。同じ抗体又は抗体のプールを、相対的効力を測定する際に試験及び参照試料に使用するべきである。
【0192】
[0210]乾燥卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤のタンパク質含有量は、剤形でパッケージ化する前又は後のいずれかで、製造プロセス中の品質を監視するために測定することができる。タンパク質含有量は、濃度(例えば、組成物の重量百分率)として、又は目標(すなわち、意図される)量のタンパク質(例えば、目標用量のX%)を参照して報告することができる。乾燥卵白タンパク質粉末のタンパク質含有量は、一般に、製造プロセス中に乾燥卵白タンパク質粉末をどれくらい含まれるべきかを測定して、製造された卵白タンパク質製剤中の意図される卵白タンパク質濃度を得るために測定される。タンパク質含有量はまた、卵白タンパク質製剤中のブレンド均一性、又は卵白タンパク質製剤を含有する製造された投与量容器のロットにおける含有量均一性を測定するために使用することもできる。タンパク質含有量を測定する例示的な方法としては、光吸光度、Lowryアッセイ、Bradfordアッセイ、燃焼アッセイ、ビシンコニン酸(BCA)アッセイ、HPLC(SEC-HPLC、RP-HPLC、又はタンパク質の量を定量的に測定することができる任意の他のクロマトグラフィー法など)、又は任意の他の好適な定量的タンパク質アッセイが挙げられる。
【0193】
[0211]投与量容器からの卵白タンパク質製剤の送達可能な質量は、個々の投与量容器基準で、又は製造されたロットから採取された投与量容器の試料として測定することができる。投与量容器のロットの送達可能な質量は、ロットから選択される複数の投与量容器(例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上の投与量容器)をサンプリングすることによって決定することができる。組成物は、組成物を容器から注ぐこと、容器を振盪すること、又は容器を叩くことによって組成物を容器から回収することができるとき、容器から送達可能である。送達可能な質量は、通常の使用下で投与量容器から送達可能な剤形の内容物を秤量することによって決定することができる。機械的装置を容器に挿入することによって、又は容器内に流体(圧縮ガス又は液体など)を添加することによってだけ容器から取り出すことができる組成物は、容器から送達可能ではない。
【0194】
[0212]乾燥卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤の水分活性を測定することができる。水分活性は、AQUALAB 4TEVなどの水分活性計の使用によって測定することができる。乾燥卵タンパク質製剤は、アレルゲン性卵白タンパク質の微生物の増殖及び/又は劣化を回避するために、比較的乾燥しているべきである。
【0195】
経口免疫療法の方法
[0213]本明細書に記載の経口免疫療法の方法を使用して治療される患者は、卵アレルギー(好ましくは鶏卵アレルギー)を有するヒトの個体である。卵アレルギーは、未加工卵白タンパク質に対するアレルギー、又は調理済み卵タンパク質に対するアレルギー(調理済み卵白タンパク質又は調理済み全卵タンパク質のいずれか)であり得る。調理済み卵タンパク質を焼成してもよい。
【0196】
[0214]本明細書に記載される卵白タンパク質製剤及び剤形は、経口免疫療法を使用して、卵(好ましくは鶏卵)にアレルギーを示すヒト患者を治療することができる。卵アレルギーは、未加工卵白タンパク質に対するアレルギー、又は調理済み卵タンパク質に対するアレルギー(焼成卵白タンパク質若しくは焼成全卵タンパク質などの調理済み卵白タンパク質又は調理済み全卵タンパク質のいずれか)に対するアレルギーであり得る。卵白に見られる最も豊富なアレルゲン性タンパク質は、オボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリン、及びリゾチームであり、患者は、これらのアレルゲン性タンパク質のうちの1つ以上にアレルギー性であり得る。
【0197】
[0215]卵アレルギーを診断するための方法は、当該技術分野において既知である。例えば、患者は、皮膚プリック試験(SPT)、卵白タンパク質特異的IgE(ew-IgE)レベル、経口食物負荷、又は卵タンパク質摂取との1つ以上のアレルギー反応の関連性を用いて診断され得る。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、約0.35kU/L以上、約0.7kU/L、約3.5kU/L以上、約5kU/L以上、又は約7kU/L以上の血清ew-IgEレベルを有する。血清ew-IgEレベルは、定量的イムノアッセイを使用して測定することができる。定量的イムノアッセイは当該技術分野において既知であり、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、IMMULITE(登録商標)システム(Siemens Healthcare Diagnostics,Erlangen,Germany)などのアルカリホスファターゼイムノアッセイ自動分析器、ImmunoCAP(登録商標)システム(Thermo Fisher Scientific/Phadia,Uppsala,Sweden)などの、放射性アレルゲン吸着試験(RAST)、又は蛍光酵素イムノアッセイ自動分析器を挙げることができるが、これらに限定されない。蛍光酵素イムノアッセイ自動分析器は、好ましい方法である。
【0198】
[0216]患者は、一般に約4歳以上、例えば、約4歳~26歳である。
【0199】
[0217]未加工卵白タンパク質又は調理済み卵タンパク質(焼成卵白タンパク質若しくは焼成全卵タンパク質などの、調理済み卵白タンパク質又は調理済み全卵タンパク質のいずれか)のベースライン最大耐容用量又はベースライン蓄積耐容用量は、経口食物負荷による治療の開始前に患者について決定することができる。経口食物負荷は、投与された卵白タンパク質に関連する中等度又は重度の有害反応が誘発されるまで、アレルゲン性組成物(例えば、卵白タンパク質、又は焼成卵白タンパク質若しくは焼成全卵タンパク質などの調理済み卵タンパク質)の一連の用量の経口投与を伴う。投与される各用量は、一定時間(例えば、約20分~約30分)間隔を空け、患者は有害事象について監視される。例示的な食物負荷は、Sampson et al.,Standardizing double blind,placebo controlled oral food challenges:American Academy of Allergy,Asthma & Immunology European Academy of Allergy and Clinical Immunology PRACTALL consensus report,J.Allergy Clin.Immunol.,vol.130,no.6,pp.1260-74(2012)に記載される、二重盲検プラセボ対照食物負荷(DBPCFC)である。
【0200】
[0218]未加工卵白タンパク質の最大耐容用量又は蓄積耐容用量を決定するための、未加工卵白タンパク質に対する経口食物負荷は、一連の漸増量の未加工卵白タンパク質の経口投与を含み得る。用量は、例えば、約1mg~約2000mg、又は約1mg~約300mgの範囲であり得る。患者が中等度又は重度のアレルゲン性有害事象を患った後に、経口食物負荷が一般に終了されるので、患者は、経口食物負荷の全ての用量を摂取する必要はない。経口食物負荷のための、未加工卵白用量の例示的なセットを表1に示す。表1に示される例示的な経口食物負荷用量では、患者によって耐容される卵白タンパク質の最大用量が30mg(最大耐容用量)である場合、蓄積耐容用量は、44mgの卵白タンパク質である。
【0201】
【表1】
【0202】
[0219]いくつかの実施形態では、治療の開始時に患者によって耐容される未加工卵白タンパク質の最大用量(すなわち、最大耐容用量)は、約2000mg以下、約1000mg以下、約600mg以下、約300mg以下、約100mg以下、約30mg以下、約10mg以下、又は約3mg以下である。いくつかの実施形態では、治療の開始時に患者によって耐容される未加工卵白タンパク質の最大蓄積用量(すなわち、最大耐容用量)は、約444mg以下、約144mg以下、約44mg以下、約14mg以下、又は約4mg以下である。一部の患者が未加工卵白タンパク質に対して高感受性であるため、治療の過程で重度の有害事象のリスクを低下させるために、いくつかの実施形態では、最大耐容用量は、約0.2mg以上の未加工卵白タンパク質、約0.4mg以上の未加工卵白タンパク質、約0.8mg以上の未加工卵白タンパク質、約1.0mg以上の未加工卵白タンパク質、約1.2mg以上の未加工卵白タンパク質、又は約2mg以上の未加工卵白タンパク質である。いくつかの実施形態では、蓄積耐容用量は、約0.2mg以上の未加工卵白タンパク質、約0.6mg以上の未加工卵白タンパク質、約1.4mg以上の未加工卵白タンパク質、約2.4mg以上の未加工卵白タンパク質、約2.6mg以上の未加工卵白タンパク質、約4.4mg以上の未加工卵白タンパク質、又は約4.6mg以上の未加工卵白タンパク質である。
【0203】
[0220]調理済み又は焼成卵タンパク質についての経口食物負荷を使用して、調理済み卵タンパク質又は焼成卵タンパク質の最大耐容用量を決定することもできる。調理済み卵タンパク質又は焼成卵タンパク質は、調理済み若しくは焼成卵白、又は調理済み若しくは焼成全卵(すなわち、卵白及び卵黄)からのものであり得る。経口食物負荷では、一連の用量の調理済み卵タンパク質(例えば、パン、マフィン、クッキー、又はケーキなどの焼成食物製品で調理され得る、又は揚げられ得る)がある。経口食物負荷のための調理済み若しくは焼成卵用量の例示的なセットを表2に示し、表2は、焼成マフィン中の調理済み全卵タンパク質の用量を有する。いくつかの実施形態では、焼成卵タンパク質又は焼成卵白タンパク質は、約176℃~約260℃(例えば、約176℃~約232℃、約176℃~約220℃、又は約176℃~約205℃)で、約20分~約60分(例えば、約20分~約45分、約20分~約35分、又は約20分~約30分)加熱される。
【0204】
【表2】
【0205】
[0221]本明細書に記載の経口免疫療法で治療された一部の患者は、調理済み卵タンパク質に耐容することができるが、一部の患者は、任意の又は大量の調理済み若しくは焼成卵タンパク質に耐容することができない。いくつかの実施形態では、治療の開始時に患者によって耐容される調理済み卵タンパク質又は焼成卵タンパク質の最大用量(すなわち、最大耐容用量)は、約625mg以下、約500mg以下、約250mg以下、又は約125mg以下である。いくつかの実施形態では、治療の開始時に患者によって耐容される調理済み卵タンパク質又は焼成卵タンパク質の最大蓄積用量(すなわち、最大耐容用量)は、約2000mg以下、約1375mg以下、約875mg以下、約375mg以下、又は約125mg以下である。
【0206】
経口免疫療法治療スケジュール
[0222]経口免疫療法(OIT)スケジュールに従って、卵白タンパク質を含む医薬組成物の複数の用量を患者に経口投与することによって、患者を卵アレルギーに対して治療する。OITスケジュールは、典型的には、用量増加期間を含み、用量増加期間は、維持期間に続く。任意に、OITスケジュールは、用量増加期間の開始前に生じる初期漸増期を更に含む。
【0207】
[0223]用量は、医薬組成物(本明細書では「卵白タンパク質製剤」とも呼ばれる)を含有する1つ以上の投与量容器(例えば、カプセル又はサッシェ)内に提供され得る。投与量容器は、典型的には、全体的に摂取されないが、一般に投与前に開封され、その中に含有される医薬組成物は経口摂取される。医薬組成物は、患者によって摂食される食物ビヒクルと混合することができる。例示的な食物ビヒクルとしては、アップルソース、プディング、オートミール、飲料(例えば、シェーク)、又は医薬組成物と混合する任意の他の好適な食物製品が挙げられる。
【0208】
用量増加期間
[0224]OITスケジュールの用量増加期間は、卵白タンパク質の一連の漸増する毎日の用量を、患者に経口投与することを含む。卵白タンパク質は、一般的には未加工であるが、タンパク質エピトープの提示に影響を及ぼさない方法で低温殺菌されるか、ないしは別の方法で処理されてもよい。卵白タンパク質は、例えば、本明細書に記載の方法に従って製造することができる卵白タンパク質製剤内に含まれる。卵白タンパク質の用量は、好ましくは毎日患者に投与されるが、患者が卵白タンパク質の投与に関連する1つ以上の有害事象、又は卵白タンパク質の投与には関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子(アトピー性疾患の再燃、炎症、病気、月経、又は患者がアレルギーを示す食物への意図しない曝露など)を経験する場合、用量はスキップされ、遅延され、又は用量の一部が遅延されてもよい。
【0209】
[0225]卵白タンパク質の一連の漸増用量は、一般に約1mg~約300mgの範囲である。用量がより高い用量に漸増する前の少なくとも2週間にわたって、所与の用量を毎日(調整が行われない限り)患者に投与する。より高い用量への漸増は、例えば、卵白タンパク質に関連する有害事象、又は卵白タンパク質に関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する何らかの他の同時因子に起因して、2週間よりも長くなる場合があり、これは用量の増加における遅延を正当化する。用量増加期間中に投与される用量は、患者がそれまでの用量に耐容する場合にのみ、漸増される。したがって、場合によっては、同じ用量が、3週間以上、又は4週間以上など、2週間超にわたって患者に投与されてもよい。投与量があまり急激に漸増されないことを確実にするために、用量増加期間は、一般に約20週間以上、例えば約20週間~約44週間持続する。
【0210】
[0226]用量増加期間は、対象に投与される4、5、6、7、8、9、又は10以上の異なる用量を含んでもよく、これは約1mg~約300mgの範囲であり得る。異なる用量は、この用量範囲内で間隔を空けられるが、均等に間隔を空けられる必要はない。対象に投与される例示的な用量としては、約1mg、約3mg、約6mg、約12mg、約20mg、約40mg、約80mg、約120mg、約160mg、約200mg、約240mg、及び約300mgの卵白タンパク質を挙げることができる。いくつかの実施形態では、用量増加期間は、少なくとも1mg及び300mgの卵白タンパク質の投与を含む。いくつかの実施形態では、用量増加期間中に患者に投与される最大用量は、300mgの卵白タンパク質である。
【0211】
[0227]漸増用量は、好ましくは、臨床現場(例えば、診察室、病院、又は中等度若しくは重度のアレルギー性有害事象が発生した場合に即時の医療応答を可能にする他の施設)で投与される。例えば、患者が、80mgの用量の卵白タンパク質の毎日の投与の2週間の期間を完了した場合、120mgの用量の卵白タンパク質を臨床現場で投与することができる。患者が漸増用量に耐容する場合、その投与量での次の投与量は、患者が自宅で自己投与されるなど、臨床現場の外で対象に投与され得る。
【0212】
維持期間
[0228]用量増加期間に続いて、OITスケジュールは維持期間を含む。維持期間は、一定期間、卵白タンパク質の用量を患者に投与することを含み、治療の完了後に、脱感作の状態を維持することが意図される。一般に、維持期間は、約12週間以上の長さであるが、確定したエンドポイントを有する必要はない。いくつかの実施形態では、維持用量は毎日投与されるが、本明細書に記載されるように投与量投与の調整を行うことができる。
【0213】
[0229]維持期間中に投与される卵白タンパク質用量(すなわち、「維持用量」)は、通常、用量増加期間中に患者によって得られる最大耐容用量であるが、特定の状況下で用量は低減され得る。例えば、患者が300mgの卵白タンパク質を投与することを含む用量増加期間を成功裏に完了させる場合、維持用量は、典型的には300mgの卵白タンパク質であるが、低下されてもよい。例えば、患者が卵白タンパク質の投与に関連する1つ以上の有害事象、又は卵白タンパク質の投与には関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子(アトピー性疾患の再燃、炎症、病気、又は月経など)を経験する場合、維持用量は低減され、スキップされ、遅延され、又は部分的に遅延されてもよい。
【0214】
初期漸増期
[0230]任意に、初期漸増期は、OITスケジュールにおける用量増加期間に先行する。初期漸増期は、1日に卵白タンパク質の一連の漸増用量として患者に経口投与することを含む。用量は、一定時間、一般に約20分以上(例えば、約20分~約60分、又は約20分~約30分)間隔を空けられる。時間的分離により、患者は、次の用量が投与される前に、卵白タンパク質に関連する有害事象について監視されることを可能にする。一般に、初期漸増期は、臨床現場において行われる。
【0215】
[0231]対象に投与される卵白タンパク質用量は、例えば、約0.2mgの卵白タンパク質~約2mgの卵白タンパク質であり得る。初期漸増期は、2、3、4、5、6つ以上の用量を含むことができる。対象に投与される例示的な用量としては、約0.2mg、約0.4mg、約0.8mg、約1.2mg、及び約2mgの卵白タンパク質を挙げることができる。追加の例示的な実施形態では、対象に投与される用量としては、約0.2mg、約0.4mg、約0.8mg、約1.0mg、及び約2mgの卵白タンパク質を挙げることができる。
【0216】
投与量調整
[0232]経口免疫療法スケジュールは、患者が、卵白タンパク質の用量の投与に関連する有害事象(すなわち、その容量に対するアレルギー反応)、又は卵白タンパク質の用量の投与には関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、わずかに調整することができる。卵白タンパク質の投与に関連する有害事象は、軽度のアレルゲン性有害事象、中等度のアレルゲン性有害事象、又は重度のアレルゲン性有害事象であり得る。この投与量調整は、OITスケジュールの用量増加期間又はOITスケジュールの維持期間中に行われ得る。用量調整は、用量の低減、予定された用量投与をスキップすること、用量の一部を遅延させること、又は用量の漸増を遅延させることであり得る。投与量スケジュールを調整することにより、より重度の有害事象を経験するリスク(卵白タンパク質の投与に関連する有害事象に応答して投与量が調整される場合)、又は有害事象又は有害事象の重症度を経験するリスク(卵白タンパク質の投与には関連しない有害事象に応答して投与量が調整される場合)が減少する。
【0217】
[0233]投与量調整をもたらし得る卵白タンパク質の投与に関連する有害事象は、例えば、過敏症、アナフィラキシー(例えば、アナフィラキシショック)、又は胃腸症状(腹痛若しくは嘔吐など)であってもよい。図4は、卵白タンパク質の投与に関連する有害事象の重症度に応じて投与量を調整するための例示的な決定木を示す。
【0218】
[0234]投与量調整をもたらし得るアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子は、医薬組成物の投与と同時に発生するアレルゲンに対する患者の感受性を高める任意の事象又は患者の状態であり得る。これは、例えば、アレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子から生じる免疫学的変化に起因し得る。アレルゲンに対する感受性の増加に関連する例示的な同時因子としては、アトピー性疾患の再燃(例えば、湿疹、喘息、又は鼻結膜炎)、卵白タンパク質以外のアレルゲンに対するアレルギー反応、炎症(例えば、手術又は外傷性傷害による)、病気(感染症など)、及び月経が挙げられる。同時因子はまた、患者がアレルギーを示す食物への意図しない曝露(例えば、摂取)であってもよい。患者がアレルギーを示す食物は卵であってもよく、又は、乳、ピーナッツ、種実類、小麦、甲殻類、若しくは大豆などの、患者がアレルギーを示す他の何らかの食物であってもよい。
【0219】
[0235]医薬組成物の用量は、医薬組成物の用量を低減することによって調整することができる。用量減少は一時的であり、例えば、有害事象又はアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子の通過後の、一定時間後に増加させることができる。用量は、以前に投与された用量に対して、最大で約50%、又は50%より低い次の利用可能な用量まで低減されてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、以前に投与された用量よりも1用量レベル又は2用量レベル低減される。いくつかの実施形態では、1つ以上の(例えば、第1の)低減された用量が、臨床現場で投与される。用量が低減すると、低減された用量は、後続の用量を漸増させる前に、約1週間以上(例えば、2週間以上、約1週間~約4週間、又は約1週間~約2週間)患者に投与することができる。漸増された用量は、好ましくは、患者が医薬組成物の投与に関連する有害事象について監視され得るように、臨床現場で投与される。漸増された用量の投与を試みなければならないが、アレルギー反応がもたらされる場合、低減された用量を患者に投与することを継続することができる。
【0220】
[0236]いくつかの実施形態では、用量は、1つ以上の予定された用量投与をスキップすることによって調整される。例えば、用量が毎日投与されるように予定されている場合、医薬組成物の投与を再開する前に1回、2回、3回、又はそれ以上の毎日用量をスキップすることができる。医薬組成物の投与は、以前に投与されたものと同じ用量で、又は低減された用量で再開してもよい。1回を超える用量がスキップされる場合、患者に投与される次の用量が臨床現場で投与されることが一般には好ましい。
【0221】
[0237]医薬組成物の投与量を調整することは、医薬組成物の一部の投与を遅延させることを含み得る。例えば、第1の部分は、予定されたとおりに患者に投与することができ、第2の部分は、次の予定された用量投与の前の時間に患者に投与される。いくつかの実施形態では、用量は、2つのほぼ等しい部分に分割される。第2の部分は、第1の部分の投与後、約8時間~約16時間、又は約8時間~約12時間患者に投与されてもよい。
【0222】
[0238]投与量投与はまた、患者に投与される用量の予定された漸増を遅延させることによって、投与量を増加期中調整することもできる。OITスケジュールは、一般に、2週間毎など、事前設定された漸増時間を有する。しかしながら、患者が有害事象又はアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験している場合、用量レベルを漸増させることが、有害事象又はより重度な有害事象のリスクを増加させ得る。したがって、漸増は、例えば、有害事象又は同時因子が治まるまで遅延させることができる。いくつかの実施形態では、漸増は、約1週間以上、約2週間以上、又は約3週間以上遅延される。
【0223】
[0239]一実施例では、対象における卵アレルギーに対する経口免疫療法中に、卵白タンパク質を含む医薬組成物の投与量を調整する方法は、医薬組成物の第1の用量を患者に経口投与することと、医薬組成物の第2の用量を患者に経口投与することと、を含み、患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の用量が低減されるか、スキップされるか、又は用量の少なくとも一部が遅延され、経口免疫療法が、(i)卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含む、用量増加期間と、(ii)卵白タンパク質を含む複数の維持用量を患者に経口投与することを含む維持期間と、を含み、本方法は、第2の用量を遅延させることを含み、遅延させることが、第2の用量を、第1の部分及び第2の部分に分割させることを含み得、第1の部分が、所定の投与スケジュールに従って投与され、患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の部分が、所定の投与スケジュールに比べて(例えば、約8時間~約16時間又は約8時間~約12時間)遅延される。いくつかの実施形態では、第1の用量の投与に関連する有害事象は、軽度のアレルゲン性有害事象、中等度のアレルゲン性有害事象、又は重度のアレルゲン性有害事象である。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、用量増加期間中に患者に投与され、いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、維持期間中に患者に投与される。
【0224】
[0240]別の実施例では、対象における卵アレルギーに対する経口免疫療法中に、卵白タンパク質を含む医薬組成物の投与量を調整する方法は、医薬組成物の第1の用量を患者に経口投与することと、医薬組成物の第2の用量を患者に経口投与することと、を含み、患者が、第1の用量の投与に関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、第2の用量が低減又はスキップされ、経口免疫療法が、(i)卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含む、用量増加期間と、(ii)卵白タンパク質を含む複数の維持用量を患者に経口投与することを含む維持期間と、を含み、本方法は、アレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子は、例えば、アトピー性疾患の再燃、炎症、病気、又は月経である。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、経口免疫療法の用量増加期間中に患者に投与され、いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、経口免疫療法の維持期間中に患者に投与される。
【0225】
経口免疫療法治療エンドポイント
[0241]本明細書に記載の経口免疫療法は、卵白タンパク質への偶発的曝露による有害なアレルギー事象のリスクを低下させるために、患者を卵アレルゲンに対して脱感作させることを意図する。未加工卵白タンパク質及び/又は調理済み卵タンパク質(焼成卵白タンパク質又は焼成全卵タンパク質などの調理済み卵白タンパク質又は全卵タンパク質のいずれか)に対する脱感作の程度は、患者のベースライン特性を参照して上述したように、食物負荷を使用して測定することができる。治療の成功は、治療の開始時と比較して、治療後に、未加工卵白タンパク質又は調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質に対する最大耐容用量の増加、又は蓄積耐容用量の増加によって示され得る。
【0226】
[0242]いくつかの実施形態では、患者は、用量増加期間の終わり後に、約300mgの未加工卵白タンパク質、約600mgの未加工卵白タンパク質、約1000mgの未加工卵白タンパク質、又は約2000mgの未加工卵白タンパク質の用量に耐容することができる。いくつかの実施形態では、患者は、維持期間の終わり後に、約300mgの未加工卵白タンパク質、約600mgの未加工卵白タンパク質、約1000mgの未加工卵白タンパク質、又は約2000mgの未加工卵白タンパク質の用量に耐容することができる。いくつかの実施形態では、患者は、用量増加期間の終わりに、約444mgの未加工卵白タンパク質、約1044mgの未加工卵白タンパク質、約2044mgの未加工卵白タンパク質、又は約4044mgの未加工卵白タンパク質の蓄積用量に耐容することができる。いくつかの実施形態では、患者は、維持期間の終わりに、約444mgの未加工卵白タンパク質、約1044mgの未加工卵白タンパク質、約2044mgの未加工卵白タンパク質、又は約4044mgの未加工卵白タンパク質の蓄積用量に耐容することができる。
【0227】
[0243]いくつかの実施形態では、患者が、治療の開始時に、約625mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約500mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約250mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、又は約125mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質の用量に耐容することができなかった場合、患者は、用量増加期間の終わりに、約625mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質の用量に耐容することができる。いくつかの実施形態では、患者が、治療の開始時に、約625mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約500mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約250mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、又は約125mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質の用量に耐容することができなかった場合、患者は、維持期間の終わりに、約625mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質の用量に耐容することができる。いくつかの実施形態では、患者が、治療の開始時に、約2000mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約1375mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約875mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約375mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、又は約125mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質の蓄積用量に耐容することができなかった場合、患者は、用量増加期間の終わりに、約2000mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質の蓄積用量に耐容することができる。いくつかの実施形態では、患者が、治療の開始時に、約2000mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約1375mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約875mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、約375mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質、又は約125mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質の蓄積用量に耐容することができなかった場合、患者は、維持期間の終わりに、約2000mgの調理済み(若しくは焼成)卵タンパク質の蓄積用量に耐容することができる。
【0228】
例示的な実施形態
[0244]以下の実施形態は例示的なものであり、本明細書に記載される発明に限定されるものと見なされるべきではない。
【0229】
[0245]実施形態1.卵白タンパク質製剤を作製する方法であって、
(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、
(b)第1の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、
(c)工程(a)及び(b)の後に、第1の混合物を第1の希釈剤の第2の量と混合して、第2の混合物を形成することと、
(d)第2の混合物を第2の希釈剤と混合して、第3の混合物を形成することと、
(e)工程(c)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第3の混合物を混合することと、
(f)第3の混合物を滑沢剤と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、方法。
【0230】
[0246]実施形態2.卵白タンパク質製剤が、約0.05重量%~約2.5重量%の卵白タンパク質を有する、実施形態1に記載の方法。
【0231】
[0247]実施形態3.卵白タンパク質製剤が、約0.1重量%~約0.7重量%の卵白タンパク質を有する、実施形態1又は2に記載の方法。
【0232】
[0248]実施形態4.工程(b)が、第1の混合物と共に、第1の希釈剤の第2の量の少なくとも一部にメッシュスクリーンを通過させることを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
[0249]実施形態5.工程(b)が、第1の混合物と共に、第1の希釈剤の第2の量にメッシュスクリーンを通過させることを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0234】
[0250]実施形態6.工程(c)が、複数のサブステップを含み、各サブステップが、(i)第1の希釈剤の第2の量の一部を第1の混合物に添加することと、(ii)第1の希釈剤の第2の量の一部及び第1の混合物を混合することと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0235】
[0251]実施形態7.工程(c)が、3つ以上のサブステップを含む、実施形態6に記載の方法。
【0236】
[0252]実施形態8.工程(c)が、第1の希釈剤の第2の量を第1の混合物に添加するときに、第1の混合物と第1の希釈剤の第2の量とを連続的に混合することを含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
[0253]実施形態9.第1の混合物が、タンブルブレンダー内で第1の希釈剤の第2の量と混合される、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
[0254]実施形態10.第2の混合物が、タンブルブレンダー内で第2の希釈剤と混合される、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
[0255]実施形態11.第3の混合物が、コニカルミルを使用して混合される、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
[0256]実施形態12.第3の混合物が、タンブルブレンダー内で滑沢剤と混合される、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0241】
[0257]実施形態13.第1の希釈剤の第3の量が、第3の混合物と混合される、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0242】
[0258]実施形態14.第1の希釈剤の第3の量及び滑沢剤が、第3の混合物と合わせて混合される、実施形態13に記載の方法。
【0243】
[0259]実施形態15.第3の混合物と混合する前に、滑沢剤を第1の希釈剤又は第2の希釈剤の追加の部分と混合することを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
[0260]実施形態16.滑沢剤と第1の希釈剤又は第2の希釈剤の追加の部分との混合物が、滑沢剤が第3の混合物と混合される前にメッシュスクリーンを通過する、実施形態15に記載の方法。
【0245】
[0261]実施形態17.卵白タンパク質製剤を作製する方法であって、
(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、
(b)第1の混合物を第1の希釈剤の第2の部分と共に、メッシュスクリーンを通して合わせてふるい分けして、第2の混合物を形成することと、
(c)第1の希釈剤の1つ以上の追加の部分を用いて第2の混合物を連続希釈して、第3の混合物を形成することと、
(d)第3の混合物を第2の希釈剤と混合して、第4の混合物を形成することと、
(e)第1の希釈剤又は第2の希釈剤の追加の部分を滑沢剤と混合して、第5の混合物を形成することと、
(f)第4の混合物を第5の混合物と混合することと、を含む、方法。
【0246】
[0262]実施形態18.工程(c)の前に、第2の混合物を混合することを含む、実施形態17に記載の方法。
【0247】
[0263]実施形態19.工程(e)の前に、第3の混合物を第2の希釈剤と混合するために用いられるものよりも高い剪断力で第4の混合物を混合することを含む、実施形態17又は18に記載の方法。
【0248】
[0264]実施形態20.工程(f)の前に、第5の混合物をふるい分けすることを含む、実施形態17~19のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
[0265]実施形態21.卵白タンパク質製剤が、コロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
[0266]実施形態22.卵白タンパク質製剤が、約40重量%~約70重量%が第1の希釈剤である、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
[0267]実施形態23.卵白タンパク質製剤が、約30重量%~約50重量%が第2の希釈剤である、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
【0252】
[0268]実施形態24.卵白タンパク質製剤が、約0.1重量%~約2重量%が滑沢剤である、実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
[0269]実施形態25.卵白タンパク質製剤を作製する方法であって、
(a)乾燥卵白タンパク質粉末を第1の希釈剤の第1の量と混合して第1の混合物を形成することと、
(b)第1の希釈剤の第2の量を第1の混合物と混合して、第2の混合物を形成することと、
(c)第2の混合物を第2の希釈剤と混合して、第3の混合物を形成することと、
(d)工程(b)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第3の混合物を混合することと、
(e)第3の混合物を滑沢剤と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、方法。
【0254】
[0270]実施形態26.乾燥卵白タンパク質粉末が、工程(b)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で、工程(a)において第1の希釈剤の第1の量と混合される、実施形態25に記載の方法。
【0255】
[0271]実施形態27.卵白タンパク質製剤が、約1重量%~約70重量%の卵白タンパク質を有する、実施形態25又は26に記載の方法。
【0256】
[0272]実施形態28.乾燥卵白タンパク質粉末が、コニカルミルを使用して、工程(a)において第1の希釈剤の第1の量と混合される、実施形態25~27のいずれか1つに記載の方法。
【0257】
[0273]実施形態29.工程(b)が、2つの混合サブステップを含み、1つの混合サブステップが、他の混合サブステップよりも高い剪断力にある、実施形態25~28のいずれか1つに記載の方法。
【0258】
[0274]実施形態30.工程(c)が、第2の希釈剤と混合して第3の混合物を形成する前に、第2の混合物を第1の希釈剤の追加量と混合することを更に含む、実施形態25~29のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
[0275]実施形態31.工程(c)が、第2の混合物を第1の希釈剤及び第2の希釈剤の追加量と合わせて混合して、第3の混合物を形成することを更に含む、実施形態25~29のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
[0276]実施形態32.第3の混合物が、コニカルミルを使用して工程(d)で混合される、実施形態25~31のいずれか1つに記載の方法。
【0261】
[0277]実施形態33.第1の希釈剤の第2の量及び第1の混合物が、タンブルブレンダー内で混合される、実施形態25~32のいずれか1つに記載の方法。
【0262】
[0278]実施形態34.第2の混合物が、タンブルブレンダー内で第2の希釈剤と混合される、実施形態25~33のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
[0279]実施形態35.第1の希釈剤の第3の量が、第3の混合物と混合される、実施形態25~33のいずれか1つに記載の方法。
【0264】
[0280]実施形態36.第1の希釈剤の第3の量及び滑沢剤が、第3の混合物と合わせて混合される、実施形態35に記載の方法。
【0265】
[0281]実施形態37.工程(e)が、(i)第3の混合物の一部を滑沢剤と混合することと、(ii)(i)の混合物にメッシュスクリーンを通過させることと、(iii)(ii)の混合物を第3の混合物の追加の部分と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、実施形態25~36のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
[0282]実施形態38.第3の混合物が、タンブルブレンダー内で滑沢剤と混合される、実施形態25~37のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
[0283]実施形態39.卵白タンパク質製剤が、約9重量%~約85重量%が第1の希釈剤である、実施形態25~38のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
[0284]実施形態40.卵白タンパク質製剤が、約10重量%~約50重量%が第2の希釈剤である、実施形態25~39のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
[0285]実施形態41.卵白タンパク質製剤が、約10重量%~約20重量%が第2の希釈剤である、実施形態25~40のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
[0286]実施形態42.卵白タンパク質製剤が、約0.1重量%~約2重量%が滑沢剤である、実施形態25~41のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
[0287]実施形態43.卵白タンパク質製剤が、滑剤を含む、実施形態25~42のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
[0288]実施形態44.滑剤は、工程(a)の間又は前に、卵白タンパク質粉末及び第1の希釈剤の第1の量と混合される、実施形態43に記載の方法。
【0273】
[0289]実施形態45.滑剤がコロイド状二酸化ケイ素である、実施形態43又は44に記載の方法。
【0274】
[0290]実施形態46.卵白タンパク質製剤が、約2重量%~約70重量%が卵白タンパク質である、実施形態25~45のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
[0291]実施形態47.卵白タンパク質製剤が、コロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない、実施形態25~44のいずれか1つに記載の方法。
【0276】
[0292]実施形態48.卵白タンパク質製剤が、約1重量%~約5重量%が卵白タンパク質である、実施形態47に記載の方法。
【0277】
[0293]実施形態49.卵白タンパク質製剤を作製する方法であって、
(a)乾燥卵白タンパク質粉末を、第1の希釈剤、及び滑剤と混合して第1の混合物を形成することと、
(b)工程(a)における混合に用いられるものよりも高い剪断力で第2の希釈剤及び第1の混合物を混合して第2の混合物を形成することと、
(c)第2の混合物及び滑沢剤を混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、方法。
【0278】
[0294]実施形態50.卵白タンパク質製剤が、約50重量%~約80重量%の卵白タンパク質を有する、実施形態49に記載の方法。
【0279】
[0295]実施形態51.乾燥卵白タンパク質粉末、第1の希釈剤、及び滑剤が、タンブルブレンダー内で混合される、実施形態49又は50に記載の方法。
【0280】
[0296]実施形態52.第2の希釈剤及び第1の混合物が、コニカルミルを使用して工程(b)において混合される、実施形態49~51のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
[0297]実施形態53.第2の混合物及び滑沢剤が、タンブルブレンダー内で混合される、実施形態49~52のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
[0298]実施形態54.第1の希釈剤の第2の量が、第2の混合物と混合される、実施形態49~53のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
[0299]実施形態55.第1の希釈剤の第2の量及び滑沢剤が、第2の混合物と合わせて混合される、実施形態54に記載の方法。
【0284】
[0300]実施形態56.滑剤がコロイド状二酸化ケイ素を含む、実施形態49~55のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
[0301]実施形態57.工程(c)が、(i)第2の混合物の一部と滑沢剤とを混合することと、(ii)第2の混合物の一部及び滑沢剤にメッシュスクリーンを通過させることと、(iii)(ii)を第2の混合物の追加の部分と混合して、卵白タンパク質製剤を形成することと、を含む、実施形態49~56のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
[0302]実施形態58.卵白タンパク質製剤が、約5kg以上のロットサイズで作製される、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
[0303]実施形態59.卵白タンパク質製剤が、約5kg~約50kgのロットサイズで作製される、実施形態58に記載の方法。
【0288】
[0304]実施形態60.卵白タンパク質製剤の卵白タンパク質ブレンド均一性を測定することを含む、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
[0305]実施形態61.卵白タンパク質製剤が、卵白タンパク質ブレンド均一性の相対標準偏差(RSD)が約15%以下である、実施形態1~60のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
[0306]実施形態62.卵白タンパク質製剤を、複数の投与量容器にパッケージ化することを含む、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
[0307]実施形態63.投与量容器が、カプセル又はサッシェである、実施形態62に記載の方法。
【0292】
[0308]実施形態64.複数の投与量容器の卵白タンパク質含有量均一性を測定することを含む、実施形態62又は63に記載の方法。
【0293】
[0309]実施形態65.複数の投与量容器が、卵白タンパク質含有量均一性の相対標準偏差(RDS)が約15%以下である、実施形態62~64のいずれか1つに記載の方法。
【0294】
[0310]実施形態66.第1の希釈剤が、アルファ化デンプンである、実施形態1~65のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
[0311]実施形態67.第2の希釈剤が、微結晶セルロースである、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
[0312]実施形態68.滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態1~67のいずれか1つに記載の方法。
【0297】
[0313]実施形態69.乾燥卵白タンパク質粉末が、約50重量%~約90重量%の卵白タンパク質を含む、実施形態1~68のいずれか1つに記載の方法。
【0298】
[0314]実施形態70.乾燥卵白タンパク質粉末の形成が、液体卵白を噴霧乾燥させることを含む、実施形態1~69のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
[0315]実施形態71.卵白タンパク質粉末が、グルコースを除去されている、実施形態1~70のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
[0316]実施形態72.乾燥卵白粉末が低温殺菌されている、実施形態1~71のいずれか1つに記載の方法。
【0301】
[0317]実施形態73.乾燥卵白タンパク質粉末が、鶏卵に由来する、実施形態1~72のいずれか1つに記載の方法。
【0302】
[0318]実施形態74.乾燥卵白タンパク質粉末中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することを更に含む、実施形態1~73のいずれか1つに記載の方法。
【0303】
[0319]実施形態75.卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することを更に含む、実施形態1~74のいずれか1つに記載の方法。
【0304】
[0320]実施形態76.オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することが、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)プロファイルを得ることを含む、実施形態74又は75に記載の方法。
【0305】
[0321]実施形態77.HPLCプロファイルが、逆相HPLC(RP-HPLC)プロファイルである、実施形態76に記載の方法。
【0306】
[0322]実施形態78.HPLCプロファイルが、サイズ排除クロマトグラフィーHPLC(SEC-HPLC)プロファイルである、実施形態76に記載の方法。
【0307】
[0323]実施形態79.得られたHPLCプロファイルを参照HPLCプロファイルと比較することを含む、実施形態76~78のいずれか1つに記載の方法。
【0308】
[0324]実施形態80.オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することが、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を定量化することを含む、実施形態74~79のいずれか1つに記載の方法。
【0309】
[0325]実施形態81.オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を定量化することが、卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中の総タンパク質と比較して、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を測定することを含む、実施形態80に記載の方法。
【0310】
[0326]実施形態82.オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を定量化することが、卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、及びリゾチームの総量と比較して、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの量を測定することを含む、実施形態80に記載の方法。
【0311】
[0327]実施形態83.オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームを特性評価することが、卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力を測定することを含む、実施形態74~82のいずれか1つに記載の方法。
【0312】
[0328]実施形態84.卵白タンパク質粉末又は卵白タンパク質製剤中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力が、参照試料中のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力と比較して測定される、実施形態83に記載の方法。
【0313】
[0329]実施形態85.オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力が、イムノアッセイを用いて測定される、実施形態83又は84に記載の方法。
【0314】
[0330]実施形態86.イムノアッセイが、オボムコイドに特異的に結合する抗体、オボアルブミンに特異的に結合する抗体、オボトランスフェリンに特異的に結合する抗体、又はリゾチームに特異的に結合する抗体のうちの1種以上の使用を含む、実施形態85に記載の方法。
【0315】
[0331]実施形態87.イムノアッセイが、オボムコイドに特異的に結合する抗体、オボアルブミンに特異的に結合する抗体、オボトランスフェリンに特異的に結合する抗体、及びリゾチームに特異的に結合する抗体からなる群から選択される2つ以上の抗体を含む抗体のプールの使用を含む、実施形態85に記載の方法。
【0316】
[0332]実施形態88.抗体が、IgE抗体又はIgG抗体である、実施形態86及び87に記載の方法。
【0317】
[0333]実施形態89.オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、又はリゾチームの効力が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて測定される、実施形態84~88のいずれか1つに記載の方法。
【0318】
[0334]実施形態90.実施形態1~89のいずれか1つに記載の方法に従って作製された卵白タンパク質製剤。
【0319】
[0335]実施形態91.乾燥卵白タンパク質粉末、第1の希釈剤、第2の希釈剤、及び滑沢剤を含む卵白タンパク質製剤であって、コロイド状二酸化ケイ素を実質的に含まない、卵白タンパク質製剤。
【0320】
[0336]実施形態92.卵白タンパク質製剤が、約0.1重量%~約3.5重量%の卵白タンパク質を含む、実施形態91に記載の卵白タンパク質製剤。
【0321】
[0337]実施形態93.第1の希釈剤がアルファ化デンプンである、実施形態91又は92に記載の卵白タンパク質製剤。
【0322】
[0338]実施形態94.第2の希釈剤が、微結晶セルロースである、実施形態91~93のいずれか1つに記載の卵白タンパク質製剤。
【0323】
[0339]実施形態95.滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態91~94のいずれか1つに記載の卵白タンパク質製剤。
【0324】
[0340]実施形態96.卵白タンパク質製剤が、卵白タンパク質粉末、第1の希釈剤、第2の希釈剤、及び滑沢剤から本質的になる、実施形態91~95のいずれか1つに記載の卵白タンパク質製剤。
【0325】
[0341]実施形態97.患者における卵アレルギーを治療する方法であって、
経口免疫療法スケジュールに従って、卵白タンパク質を含む医薬組成物の複数の用量を患者に経口投与することを含み、経口免疫療法スケジュールが、
(a)約1mg~約300mgの卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含む、用量増加期間であって、用量が漸増される前に、所与の用量が患者に少なくとも2週間投与され、用量増加期間は、約20週~約44週の長さである、用量増加期間と、
(b)患者に、卵白タンパク質を含む複数の維持用量を経口投与することを含む維持期間であって、維持期間が、約12週以上の長さである、維持期間と、を含む、方法。
【0326】
[0342]実施形態98.患者の卵白特異的IgE(ew-IgE)の血清レベルが、治療の開始時に約7kUA/L以上である、実施形態97に記載の方法。
【0327】
[0343]実施形態99.患者の卵白特異的IgE(ew-IgE)の血清レベルが、治療の開始時に約5kUA/L以上である、実施形態97に記載の方法。
【0328】
[0344]実施形態100.用量増加期間中に患者に投与される一連の漸増用量が、少なくとも1mgの用量の卵白タンパク質と、300mgの用量の卵白タンパク質とを含む、実施形態97~99のいずれか1つに記載の方法。
【0329】
[0345]実施形態101.用量増加期間中に患者に投与される一連の漸増用量が、少なくとも10通りの異なる用量の卵白タンパク質を含む、実施形態97~100のいずれか1つに記載の方法。
【0330】
[0346]実施形態102.用量増加期間中に患者に投与される一連の漸増用量が、約1mg、約3mg、約6mg、約12mg、約20mg、約40mg、約80mg、約120mg、約160mg、約200mg、約240mg、及び約300mgの用量の卵白タンパク質を含む、実施形態97~101のいずれか1つに記載の方法。
【0331】
[0347]実施形態103.用量増加期間中に投与される用量が、患者がそれまでの用量に耐容する場合にのみ漸増される、実施形態97~102のいずれか1つに記載の方法。
【0332】
[0348]実施形態104.用量増加期間中に患者に投与される最大用量が、約300mgの卵白タンパク質である、実施形態97~103のいずれか1つに記載の方法。
【0333】
[0349]実施形態105.維持期間中に患者に投与される維持用量が、約300mg以上の卵白タンパク質である、実施形態97~104のいずれか1つに記載の方法。
【0334】
[0350]実施形態106.維持期間中に患者に投与される維持用量が、約300mgの卵白タンパク質である、実施形態97~105のいずれか1つに記載の方法。
【0335】
[0351]実施形態107.患者が用量増加期間中に患者に投与された最大用量に耐容する場合にのみ、維持用量が患者に投与される、実施形態97~106のいずれか1つに記載の方法。
【0336】
[0352]実施形態108.患者が、維持期間の終了時に約600mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する、実施形態97~107のいずれか1つに記載の方法。
【0337】
[0353]実施形態109.患者が、維持期間の終了時に約1000mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する、実施形態97~108のいずれか1つに記載の方法。
【0338】
[0354]実施形態110.患者が、維持期間の終了時に約2000mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する、実施形態97~109のいずれか1つに記載の方法。
【0339】
[0355]実施形態111.患者が、維持期間の終了時に約2000mgの蓄積用量の調理済み卵白タンパク質に耐容する、実施形態97~110のいずれか1つに記載の方法。
【0340】
[0356]実施形態112.患者が、維持期間の終了時に約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容する、実施形態97~111のいずれか1つに記載の方法。
【0341】
[0357]実施形態113.患者が、治療の開始前には、約300mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容することができない、実施形態97~112のいずれか1つに記載の方法。
【0342】
[0358]実施形態114.患者が、治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の調理済み卵白タンパク質に耐容することができない、実施形態97~113のいずれか1つに記載の方法。
【0343】
[0359]実施形態115.患者が、治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容することができない、実施形態97~114のいずれか1つに記載の方法。
【0344】
[0360]実施形態116.患者が、治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の調理済み卵白タンパク質に耐容する、実施形態97~113のいずれか1つに記載の方法。
【0345】
[0361]実施形態117.患者が、治療の開始前には、約2000mgの蓄積用量の焼成卵白タンパク質に耐容する、実施形態97~113及び116のいずれか1つに記載の方法。
【0346】
[0362]実施形態118.経口免疫療法スケジュールが、用量増加期間の前に初期漸増期を含み、初期漸増期が、1日に約0.2mg~約2mgの卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含み、任意の所与の用量の単回投与が患者に投与され、この用量が少なくとも15分間隔を空けられる、実施形態97~117のいずれか1つに記載の方法。
【0347】
[0363]実施形態119.患者が治療の初日に約1.0mgの用量の未加工卵白タンパク質に耐容する場合にのみ、患者が経口免疫療法スケジュールに従って治療される、実施形態118に記載の方法。
【0348】
[0364]実施形態120.患者が治療の開始前に約4歳以上である、実施形態97~119のいずれか1つに記載の方法。
【0349】
[0365]実施形態121.患者が治療の開始前に約4歳~約26歳である、実施形態97~120のいずれか1つに記載の方法。
【0350】
[0366]実施形態122.対象における卵アレルギーの経口免疫療法中に、卵白タンパク質を含む医薬組成物の投与量を調整する方法であって、経口免疫療法が、(i)卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含む、用量増加期間と、(ii)卵白タンパク質を含む複数の維持用量を患者に経口投与することを含む維持期間と、を含み、本方法が、
医薬組成物の第1の用量を患者に経口投与することと、
医薬組成物の第2の用量を患者に経口投与することと、を含み、患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の用量が低減されるか、スキップされるか、又は用量の少なくとも一部が遅延される、方法。
【0351】
[0367]実施形態123.第2の用量が、第1の部分及び第2の部分に分割され、第1の部分が、所定の投与スケジュールに従って投与され、患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の部分は、所定の投与スケジュールに比べて遅延される、実施形態122に記載の方法。
【0352】
[0368]実施形態124.第2の部分が、第1の部分が投与された後、約8時間~約12時間遅延される、実施形態123に記載の方法。
【0353】
[0369]実施形態125.患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の用量がスキップされる、実施形態122に記載の方法。
【0354】
[0370]実施形態126.患者が第1の用量の投与に関連する有害事象を経験する場合、第2の用量が第1の用量に比べて低減される、実施形態122に記載の方法。
【0355】
[0371]実施形態127.医薬組成物の後続用量が、後続用量を漸増させる前に、約1週間以上にわたって第1の用量に比べて低減される、実施形態126に記載の方法。
【0356】
[0372]実施形態128.医薬組成物の後続用量が、後続用量を漸増させることを試みる前に、約1週間~約2週間にわたって、第1の用量に比べて低減される、実施形態126又は127に記載の方法。
【0357】
[0373]実施形態129.医薬組成物の後続用量が、後続用量を漸増させる前に、約1週間~約2週間にわたって第1の用量に比べて低減される、実施形態126~128のいずれか1つに記載の方法。
【0358】
[0374]実施形態130.第1の用量の投与に関連する有害事象が、軽度のアレルゲン性有害事象である、実施形態122~129のいずれか1つに記載の方法。
【0359】
[0375]実施形態131.第1の用量の投与に関連する有害事象が、中等度のアレルゲン性有害事象又は重度のアレルゲン性有害事象である、実施形態122~130のいずれか1つに記載の方法。
【0360】
[0376]実施形態132.第1の用量及び第2の用量が、経口免疫療法の用量増加期間中に患者に投与される、実施形態122~131のいずれか1つに記載の方法。
【0361】
[0377]実施形態133.第1の用量及び第2の用量が、経口免疫療法の維持期間中に患者に投与される、実施形態122~131のいずれか1つに記載の方法。
[0378]実施形態134.対象における卵アレルギーの経口免疫療法中に、卵白タンパク質を含む医薬組成物の投与量を調整する方法であって、経口免疫療法が、(i)卵白タンパク質の一連の漸増用量を患者に経口投与することを含む、用量増加期間と、(ii)卵白タンパク質を含む複数の維持用量を患者に経口投与することを含む維持期間と、を含み、本方法が、
医薬組成物の第1の用量を患者に経口投与することと、
医薬組成物の第2の用量を患者に経口投与することと、を含み、患者が第1の用量の投与には関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、第2の用量が低減されるか、又はスキップされる、方法。
【0362】
[0379]実施形態135.アレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子が、アトピー性疾患の再燃、炎症、病気、又は月経である、実施形態134に記載の方法。
【0363】
[0380]実施形態136.患者が第1の用量の投与には関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、第2の用量がスキップされる、実施形態134又は135に記載の方法。
【0364】
[0381]実施形態137.第2の用量が、患者が第1の用量の投与に関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合、第1の用量に比べて低減される、実施形態134又は135に記載の方法。
【0365】
[0382]実施形態138.医薬組成物の後続用量が、後続用量を漸増させる前に、約1週間以上にわたって、第1の用量に比べて低減される、実施形態137に記載の方法。
【0366】
[0383]実施形態139.医薬組成物の後続用量が、後続用量を漸増させることを試みる前に、約1週間~約2週間にわたって、第1の用量に比べて低減される、実施形態137又は138に記載の方法。
【0367】
[0384]実施形態140.医薬組成物の後続用量が、後続用量を漸増させる前に、約1週間~約2週間にわたって、第1の用量に比べて低減される、実施形態137~139のいずれか1つに記載の方法。
【0368】
[0385]実施形態141.第1の用量及び第2の用量が、経口免疫療法の用量増加期間中に患者に投与される、実施形態134~140のいずれか1つに記載の方法。
【0369】
[0386]実施形態142.第1の用量及び第2の用量が、経口免疫療法の維持期間中に患者に投与される、実施形態134~141のいずれか1つに記載の方法。
【0370】
[0387]実施形態143.アレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子が、患者がアレルギーを示す食物への意図しない曝露である、実施形態134~142のいずれか1つに記載の方法。
【0371】
[0388]実施形態144.医薬組成物中の卵白タンパク質が、未加工卵白タンパク質である、実施形態97~143のいずれか1つに記載の方法。
【0372】
[0389]実施形態145.医薬組成物が、投与前に、食物ビヒクルと混合される、実施形態97~144のいずれか1つに記載の方法。
【0373】
[0390]実施形態146.実施形態97~145のいずれか1つに記載の方法で使用するための医薬組成物。
【0374】
[0391]実施形態147.医薬組成物が、実施形態1~96のいずれか1つに記載の方法に従って調製された卵白タンパク質製剤を含む、実施形態146に記載の医薬組成物。
【0375】
[0392]実施形態148.実施形態97~145のいずれか1つに記載の方法による、患者における卵アレルギーを治療する方法のための薬剤の製造に使用するための医薬組成物。
【0376】
[0393]実施形態149.医薬組成物が、実施形態1~96のいずれか1つに記載の方法に従って調製された卵白タンパク質製剤を含む、実施形態148に記載の医薬組成物。
【実施例
【0377】
[0394]本出願は、以下の非限定的な実施例を参照することによってよりよく理解され得、これは、本出願の例示的な実施形態として提供される。以下の実施例は、実施形態をより完全に説明するために提示され、いかなる方法でも解釈されるべきではないが、適用の広範な範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本出願の特定の実施形態が本明細書に示され、記載されているが、そのような実施形態は単なる例として提供されることは明白であろう。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び置換が当業者に生じ得る。本明細書に記載される実施形態の様々な代替物が、本明細書に記載される方法を実施する際に使用され得ることを理解されたい。
【0378】
実施例1:乾燥卵白タンパク質粉末の特性評価
[0395]乾燥卵白タンパク質粉末のロットを市販の供給業者から入手し、卵白タンパク質製剤の製造に使用するための粉末の品質を評価するために分析した。特定の特性評価方法は、乾燥卵白タンパク質粉末の1つ以上のロットからの試料を参照標準と比較することを含む。参照標準は、経時的に監視され、安定した特性を有することが見出された乾燥卵白タンパク質粉末の試料である。
【0379】
[0396]乾燥卵白タンパク質粉末中のタンパク質含有量を、ビシンコニン酸(BCA)アッセイ、総タンパク質定量法によって測定した。試料を水中で調製し、遠心分離し、上清を濾過した。次いで、上清を96ウェルマイクロプレートに添加し、BCA試薬を各ウェルに添加した。試料のアリコートを含有するプレート、及び参照標準のいくつかの希釈液を37℃で発色させた。吸光度を562nmで測定し、試料吸光度を参照標準曲線に対して評価して、乾燥卵白タンパク質粉末試料中のタンパク質濃度を測定した。乾燥卵白タンパク質の総重量と比較した、乾燥卵白タンパク質粉末中のタンパク質の重量百分率で報告されたタンパク質含有量を、表3に報告する。
【0380】
【表3】
【0381】
[0397]サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC)を、アレルゲン性タンパク質についてのHPLCプロファイルを確立するための1つの方法として、並びに乾燥卵白タンパク質粉末のタンパク質含有量を測定するための直交法として使用した。移動相は、乾燥卵白粉末試料を可溶化するためにも使用されたリン酸緩衝生理食塩水溶液(pH6.8)であった。カラム溶出の吸光度を220nmで測定した。ピークの同一性は、4つの卵白アレルゲン性タンパク質:オボアルブミン(OVA)、オボムコイド(OVM)、オボトランスフェリン(OVT)、及びリゾチーム(LYS)の市販の精製基準生成物の注入によって予め決定されていた。SEC-HPLCクロマトグラムが図5に示されており、オボトランスフェリン、オボムコイド、オボアルブミン、及びリゾチームピークが同定されている。残りのピークは同定されていない。表4は、2ロットの乾燥卵白タンパク質粉末について、4つの卵白のアレルゲンピークのピーク面積パーセントを示す。オボムコイド及びオボアルブミンは、それらのアミノ酸配列から決定される異なる分子量を有するが、これらは、このSEC-HPLC法を使用して共溶出する。これは、タンパク質グリコシル化及びタンパク質構造に起因して、同様の見かけの分子量及び保持時間をもたらすことができる。
【0382】
【表4】
【0383】
[0398]解像度を向上させ、卵白のアレルゲンの物理的分離を可能にするために、逆相HPLC(RP-HPLC)法を開発した。RP-HPLC法は、広い孔200ÅのC4カラムを使用して逆相分離に基づくものであった。二成分移動相勾配(移動相A:水中0.05%のTFA;移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA及び5%の水)を用いて、乾燥卵白タンパク質粉末中のアレルゲン性タンパク質のベースライン分離を達成した。210nmでの波長でUV検出器を用いてデータを収集した。乾燥卵白タンパク質粉末試料からのクロマトグラフィピークを、市販の精製オボトランスフェリン、オボアルブミン、オボムコイド及びリゾチームタンパク質標準と比較することによって、クロマトグラフィピークを同定した。図6に示すように、RP-HPLCは、オボトランスフェリン、オボアルブミン、オボムコイド、及びリゾチームのクロマトグラフィピークに分解した。クロマトグラフィピーク面積によって測定された、乾燥卵白タンパク質粉末参照標準中のオボムコイド、リゾチーム、オボトランスフェリン、及びオボアルブミンのそれぞれの(総タンパク質量と比較して)の相対量と共に、乾燥卵白タンパク質粉末のロットA及びロットB中のオボムコイド、リゾチーム、オボトランスフェリン、及びオボアルブミンのそれぞれの(総タンパク質量と比較して)の相対量を表5に示す。
【0384】
【表5】
【0385】
[0399]アレルゲン性卵白タンパク質は、SDS-PAGEにより更に特性評価された。乾燥卵白タンパク質粉末中のタンパク質を水で抽出し、ジチオスレイトールを使用して還元し、トリス-グリシンゲル(4~20%勾配)を用いて分離した。クマシーブルー染色を用いてタンパク質バンドを検出した。精製卵白タンパク質アレルゲン(オボムコイド、オボアルブミン、リゾチーム、及びオボトランスフェリン)を市販の供給源から入手し、分析の比較標準として使用した。SDS-PAGEデータ(図7)は、分析された試料中の4つの卵白タンパク質アレルゲン成分の存在を確認し、SEC-HPLC及びRP-HPLCデータに追加のタンパク質プロファイルデータを提供する。加えて、全てのバンドの染色パターン及び強度は、ロット間で一貫していた。図7に示すSDS-PAGEゲルの試料充填量を表6に列挙する。
【0386】
【表6】
【0387】
[0400]乾燥卵白タンパク質粉末の免疫ブロット分析も実施して、乾燥卵白タンパク質粉末中のアレルゲン性卵白タンパク質を更に特性評価した。SDS-PAGEゲルを上述のように形成した(表6を参照)。分離したタンパク質バンドをゲルからPVDF膜に移し、膜を5%のスキムミルクブロッキング緩衝液で遮断した。次いで、膜をオボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリン、又はリゾチームのうちの1つで免疫されたウサギからプールした血清で処理した。乾燥卵白タンパク質粉末の3ロットについて図8に見られるように、タンパク質バンド分布及び強度は、ロット間で一貫しており、予想される分子量にバンドを有し、卵白タンパク質アレルゲンについて同様の免疫反応パターンを有する。
【0388】
[0401]ELISAを使用して、参照標準に対するロットA及びロットBからの乾燥卵白タンパク質粉末中のオボムコイドの相対的効力を測定した。乾燥卵白タンパク質粉末試料中のタンパク質を、室温でリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で抽出し、ボルテックスし、遠心分離して、濾過し、その後、連続希釈し、ELISAプレートに吸着させた。次いで、プレートを5%のスキムミルクでブロッキングし、洗浄し、一次抗体(ウサギ抗オボムコイドIgG)と共にインキュベートした。順次に、プレートを再度洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートした二次抗体を誘導し、続いてTMB基質を添加した。試料中のオボムコイドへの抗オボムコイド結合の程度を、比色反応によって測定した。データは、ロジスティック曲線の当てはめ方程式、例えば、4-パラメータ曲線当てはめと適合し、EC50値を決定した。EC50値は、乾燥タンパク質粉末ロット中のオボムコイドの効力を反映しており、乾燥卵白タンパク質粉末の相対的効力を、EC50値の比に基づいて計算した(表7)。具体的には、使用される4-パラメータ曲線当てはめ方程式は、y=(A-D)/(1+(X/C))+Dであり、式中、Aは最小漸近線であり、Bは曲線の傾きの変化であり、Cは曲線の変曲点であり(Cは、下漸近線と上方漸近線との間の応答中間に対応する50%最大効果濃度(EC50)を表す)、Dは最大漸近線である。試料の相対的効力は、参照標準のEC50を試料のEC50で除算することによって見出される。参照標準は、例えば、以前に確認された乾燥卵白タンパク質粉末のロット又は医薬組成物の以前に確認されたロットであってもよい。
【0389】
【表7】
【0390】
[0402]乾燥卵白タンパク質粉末ロットの粒径分布をレーザー回折を使用して測定した。乾燥卵白タンパク質粉末をメタノール中に分散させ、フローセルを通してポンプ注入し、レーザー回折により分析した。D50(粒子容積による中央粒径)、D10(粒子容積の10パーセンタイルでの粒径)、及びD90(粒子容積の90パーセンタイルでの粒径)を決定し、表8に表す。
【0391】
【表8】
【0392】
[0403]乾燥卵白タンパク質粉末の水分活性を、試料カップ内に5gの乾燥卵白タンパク質粉末を入れ、それを水分活性器具(AquaLab 4TEV)に入れることによって測定した。器具の密閉チャンバ内で、試料中の液相及び水の気相を平衡化して、25℃で、ヘッドスペースのa、相対湿度を与える。このアッセイの結果を表9に示す。
【0393】
【表9】
【0394】
実施例2:卵白タンパク質製剤のための賦形剤の評価
[0404]製剤及びプロセスの開発中、5ロットの卵白タンパク質製剤を製造し、カプセル剤形でカプセル化した。製剤を製造して、0又は00のサイズのカプセル内に200mg又は300mgの投与量を生成した。各製剤の内容物及び測定された特性を表10に示す。カプセルのサンプリングからの卵白タンパク質製剤の送達可能な質量パーセント。
【0395】
【表10】
【0396】
[0405]含有量均一性試験のために乾燥卵白タンパク質製剤の内容物を送達するためにカプセルを再開封する場合、コロイド状二酸化ケイ素が製剤(ロット1~3)に含まれなかったときに、平均で約6重量%~9重量%の製剤が、再開封されたカプセルの内部に付着したままである。加えて、アトライン観察は、これらのロットのカプセル化中に、カプセルを再開封及び振って、粉末内容物の送達をシミュレートする際に、再開封されたカプセルシェルの両端内に乾燥卵白タンパク質製剤が付着したままであったことを記録した。
【0397】
[0406]続いて、コロイド状二酸化ケイ素を、投与中にカプセルシェルからの粉末の流れ及び送達可能な質量を改善するために、滑剤として300mgの投与量強度のブレンド製剤に添加した。コロイド状二酸化ケイ素の添加は、引き離したカプセルシェルから粉末を送達することができる容易さの有意な改善をもたらした。平均送達可能質量は、その後の製剤及び300mgの投与量強度のプロセス開発ロット(ロット4~6)について、99重量%~100重量%の範囲であった。再開封されたカプセルからの送達された粉末は、いくらかの軟質凝集体(封入中のタンピングから)を伴って自由流動し、2本の指の間に穏やかに挟み付けられると粉末になる。
【0398】
実施例3:卵白タンパク質製剤の製造
[0407]0.2mg、1mg、6mg、12mg、及び300mgのラベルクレームを有する剤形の乾燥卵白タンパク質製剤を製造し、3mg、20mg、40mg、80mg、120mg、160mg、200mg、及び240mgのラベルクレームを有する剤形の乾燥卵白タンパク質製剤を7kgのロットで製造する。乾燥卵白タンパク質製剤の公称タンパク質含有量は、80重量%であり、乾燥卵白タンパク質製剤のタンパク質含有量の変化のためにアルファ化デンプンの量に対して調整を行った。
【0399】
[0408]製造プロセスの妥当性を評価するために、7kgスケールで製造された代表的なロットの最終混合工程後にブレンド均一性を評価した。試料採取器を使用して、10の異なる位置で製造された製剤から1~3カプセルに相当する製剤試料を採取した。セットからの各試料のタンパク質含有量は、ビシンコニン酸(BCA)アッセイを使用して測定した。結果を表11にまとめる。
【0400】
【表11】
【0401】
[0409]0.2mg、1mg、6mg、12mg、及び300mgのラベルクレームの卵白タンパク質製剤を、個々の測定された用量を供給するために、引き離したヒプロメロース系カプセルシェルに充填した。180mgの目標の粉末充填重量を有するサイズ#2の引き離したカプセルシェルを、0.2mg~6mgの用量強度に対して選択した。500mgの目標充填重量を有するサイズ#00のカプセルシェルを、より高い用量強度に対して十分な希釈剤、滑沢剤、及び滑剤と共に最大300mgの卵白タンパク質を収容して、頑強な加工及び送達可能な質量を可能とするために選択した。Bosch GKF701カプセル化装置を使用して、最大700カプセル/分の生産速度でカプセル内に卵白タンパク質製剤をカプセル化した。製剤は、カプセル化装置に供給され、一連のタンピングピンを使用して分注ディスクに詰めた。分注ディスクの厚さ及びタンピングピンの位置は、カプセル充填重量を調節するために調整され得る。空のカプセルシェルをカプセル化装置によって開封し、各開封されたカプセルシェルの本体内に粉末の突き固められたスラグを挿入した後、カプセルシェルを閉じた。
【0402】
[0410]カプセルの送達可能な質量パーセントは、0.2mg、1mg、6mg、12mg、及び300mgの用量クレームで、10個の製造されたカプセルのセットをサンプリングすることによって測定した。カプセルを秤量し、開封し、カプセル内に含有された製剤を注ぎ出した。カプセルから送達可能な製剤の質量を測定した。次いで、圧縮空気をカプセル内に吹き込んで残留製剤を除去し、空のカプセルを秤量した。各用量クレームについての送達された質量及びRSDのパーセントを表12にまとめる。
【0403】
【表12】
【0404】
[0411]カプセルの含有量均一性はまた、送達可能な質量中のタンパク質含有量を公称用量(すなわち、ラベルクレーム)と比較することによっても測定した。BCAアッセイを用いてタンパク質含有量を測定した。様々な用量における投与量容器のロットの含有量均一性を表13にまとめる。
【0405】
【表13】
【0406】
実施例4:卵アレルギーの治療のための経口免疫療法試験
[0412]経口免疫療法レジメン中の鶏卵に由来する未加工の乾燥卵白タンパク質粉末、及び賦形剤を含有する医薬組成物の有効性及び安全性の無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験が行われる。非活性化合物及び対応する賦形剤を含む製剤化されたプラセボは、試験のプラセボ群に使用される。試験の概要を図9に提供する。
【0407】
[0413]適格な対象は、(1)年齢4歳~26歳であり、(2)卵又は卵を含有する食物への既知の経口曝露の2時間以内にアレルゲン性反応を発症する、医師が診断したIgE介在鶏卵アレルギーを有し、(3)≧7kU/Lの血清卵白特異的IgEレベルを有し、(4)スクリーニング二重盲検プラセボ対照食物負荷(DBPCFC)において、≦300mgの乾燥卵白タンパク質を単回用量を摂取した後に、用量制限アレルギー症状を発症させ、(5)妊娠の可能性の女性個体については、信頼性のある避妊法を使用しており、及び(6)その他が除外基準に従って除外されない、ヒト個体である。
【0408】
[0414]排除基準としては、(1)スクリーニング前60日以内に、重度の又は生命を脅かすアナフィラキシー又はアナフィラキシショックの病歴があること、(2)好酸球性食道炎(EoE)又は他の好酸球性GI疾患、慢性、再発性、又は重度の胃食道逆流症(GERD)、嚥下困難の症状、任意の病因の再発性GI症状の病歴があること、(3)肥満細胞障害(例えば、全身性肥満細胞症、色素性蕁麻疹、単純な皮膚描記症を超える慢性突発性又は慢性的な物理的蕁麻疹[例えば、寒冷紅斑症、コリン性蕁麻疹]、又は遺伝性若しくは突発性血管浮腫)の病歴があること、(4)制御されていない又は制御が困難である軽度又は中等度の喘息、又は重度の持続性喘息を有すること、(5)高用量コルチコステロイド薬の(例えば、プレドニゾン又は同等物の、1mg/kg~2mg/kgでの、3日より多い)使用履歴があること、(6)心血管疾患(制御されていない又は不十分に制御された高血圧症を含む)の病歴があること、(7)スクリーニング前5年以内の悪性疾患及び自己免疫疾患を含む、不安定になるか、又は慢性治療レジメンにおける変化を必要とする重大なリスクであるか、又はリスクにさらされている慢性疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、又はアレルギー性鼻炎を除く)の病歴があること、(8)制御されていない又は不十分に制御された高血圧症を含む心血管疾患の病歴があること、(9)β遮断薬(経口)、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、又は三環式抗うつ薬の使用があること、(10)スクリーニング及び終了時の皮膚ブリック試験(SPT)及び食物負荷の前並びに用量漸増の初日の前に、薬剤の5半減期に対するアレルギー反応の評価を妨げる可能性のある抗ヒスタミン剤及び他の薬剤を中断することができないこと、(11)対象がアレルギーを示さない利用可能な嗜好性のある食物ビヒクルが欠如していること、(12)小麦又はオート麦に対する過敏症があること、(13)エピネフリン又はエピネフリン自己注射薬内の賦形剤のいずれかに対する過敏症があること、(14)任意の治療用抗体又は任意の免疫調節療法(免疫抑制薬を含む)を使用していること(スクリーニング前6ヶ月以内に維持期間に使用されるエアロアレルゲン又は毒物免疫療法を除く)、(15)任意の種類の卵又は他の食物アレルゲン免疫療法を、現在受けているか、又はスクリーニング前5年以内に受けていたこと、(16)スクリーニング前の、30日以内、又は5半減期の治験製品のいずれか長い方で別の臨床試験に参加したこと、(17)任意の非卵アレルゲンに対する免疫療法の蓄積/用量増加期間にあること、及び(18)妊娠又は現在授乳中であること、が挙げられる。
【0409】
[0415]初期スクリーニングには、乾燥卵白二重盲検プラセボ対照食物負荷(DBPCFC)及びオープン焼成全卵食物負荷が挙げられる。DBPCFCは、測定した乾燥卵白及びプラセボを供給し、負荷日の無作為化順序に盲検化された対象、親/介護人、及び試験現場スタッフにより2日目に用量を増加させることによって、医療監視下で実施される手順である。試験現場担当者は、DBPCFCの両方の日の完了後まで、負荷の順序に盲検化されない。食物負荷材料は、DBPCFCの投与、監視、又は結果の評価に関与しない指定された非盲検の人によって調製される。本試験で実施されるDBPCFCは、安全性、評価、及びスコアリングのためのPractical Allergy(PRACTALL)ガイドライン(Sampson et al.,J.Allergy Clin.Immunol.,vol.130,pp.1260-1274(2012))と一致する手順に従うであろう。DBPCFC手順は、スクリーニング中に実行され、また試験終了時に行われる。スクリーニング及び終了時DBPCFC投与スケジュールの概要を、以下の表14に提供する。
【0410】
【表14】
【0411】
[0416]オープン焼成全卵食物負荷は、測定された用量を増加させて、試験食物製品(卵を有する焼成食物製品)を供給することによって、医療監視下で実施される手順である。この試験下で行われる負荷は、安全性、評価、及びスコアに関する、PRACTALLガイドラインと一致する手順に従う。オープン焼成全卵食物負荷は、スクリーニング中、また試験終了時にも実施される。負荷の間、対象は、投与スケジュールに従って1つの完全なマフィンを摂取しようとし、1つのマフィンは約2000mgの卵タンパク質に相当する1つの全卵の約3分の1を含む。スクリーニング及び終了時のオープン焼成全卵食物負荷の投与スケジュールの概要を、以下の表15に提供する。
【0412】
【表15】
【0413】
[0417]適格個体は、医薬組成物又はプラセボによる盲検治療に無作為に2:1に割り当てられる。無作為化は、スクリーニング時にオープン焼成全卵食物負荷における焼成卵に対するベースライン反応性によって階層化される。約2000mgの蓄積焼成卵タンパク質(1つの全卵の約3分の1を含有する1つのマフィン)を耐容する対象は、試験の過程で焼成卵製品を摂取することが可能となる。オープン焼成全卵食物負荷中に用量制限アレルギー症状を有する対象は、焼成卵に耐容できないと考えられ、試験中に全ての形態の鶏卵を回避するように指示される。
【0414】
[0418]対象は、耐容されるとき、20分から30分の間隔で投与される試験製品の段階的用量漸増(最大0.2mg、0.4mg、0.8mg、1.2mg、及び2mgの5単回用量)を用いて、試験現場で1日目に医療用監視下で初期用量漸増を開始する。1日目に少なくとも1.2mgの単回用量に耐容する対象は、2日目に単回の確認用の1mg用量に戻ることになる。用量制限ではない軽度のアレルギー症状を有さない、確認用の1mg用量に耐容する対象は、用量増加期間間を開始する。1日目に1.2mgの用量に耐容しなかったか、又は2日目に1mgの用量に耐容しなかった対象は、試験から早期に中断する。
【0415】
[0419]投与量増加は、約6ヶ月(22~40週間)であり、用量漸増は約2週間毎に行われる。投与量増加中の試験製品の毎日の用量は、1mg、3mg、6mg、12mg、20mg、40mg、80mg、120mg、160mg、200mg、240mg、及び300mgとなる。各新たな用量レベルでの試験製品の最初の用量は、試験現場での医療監視の下で投与される。各用量レベルでの残りの用量は、耐容されるとき、自宅で毎日投与される。
【0416】
[0420]40週以内に300mg/日の用量に達し、かつ用量制限ではない軽度のアレルギー症状を有するに過ぎない、最初の300mgの用量に耐容する対象は、維持期間間を開始する。1日目から40週間以内に300mg/日の用量に達しない対象は、試験を早期に中断する。
【0417】
[0421]維持治療を開始した対象は、300mg/日で約12週間にわたって試験製品による毎日の投与を継続し、これは、維持の最後の2週間の用量調整に適応するために、最大で更に4週間まで延長されてもよい。試験現場への訪問は、約4週間毎に行われる。試験製品は、維持訪問中に、試験現場での医療監視下で投与されることになる。その後の維持用量は、耐容されると、自宅で毎日投与される。
【0418】
[0422]有害事象又は他の同時因子を経験している対象に応じて、治験責任医師によって承認されたように、用量増加期間又は維持期間の間の用量調整が可能となる。用量増加期間又は維持期間のいずれかの間、用量は、以下のうちの1つに従って用量に関連するアレルギー反応に応答して調整され得る:(1)医療監視下の試験現場において試験製品の次の用量を投与すること、(2)試験製品の用量漸増を更に1~2週間遅延させること、(3)試験製品用量レベルを1又は2用量レベルまで低減させること、(4)試験製品を一時的に保留すること、又は(5)試験製品の投与を停止し、対象を試験から早期に中断させること。症状の重症度は、急性及び慢性又は再発性症状の両方について研究製品用量減少を誘導するであろう。
【0419】
[0423]用量はまた、喘息又は他のアトピー性疾患の再燃、病気、又は月経などの、医薬組成物によって引き起こされるアレルギー反応以外の理由で調整されてもよい。用量減少量は、治験責任医師の裁量において、1用量レベル(すなわち、以前の用量レベル)から約50%(最も近い実行可能な全用量に切り下げられる)までの範囲であってもよい。最低用量レベルは1mgである。用量が、医薬組成物に対するアレルギー反応以外の理由で低減される場合、低減された用量は2週間にわたって与えられ、対象は、試験現場において用量再漸増を試みる前に、治験責任医師の評価に従って病気の重症度に応じて、少なくとも3日間、完全に回復される(すなわち、ベースラインの状態になる)必要がある。投与を停止し、用量調整のために以下の条件のいずれかが満たされた場合には、対象は早期に中断することになる:各漸増試行の間で少なくとも2週間、3回の連続した失敗した試行後に用量レベルを漸増させることができないか、又は用量減少が、用量レベルを低減するための3回の試みの後に耐容され得ない。
【0420】
[0424]維持の終了時に、対象は、2000mgの乾燥卵白タンパク質(4043又は4044mg蓄積)の1回の最高負荷用量までの終了時DBPCFCを受けることになり、その後、終了時DBPCFCの2日後7日以内に、オープン焼成全卵食物負荷が続く。全ての対象は、終了時DBPCFCを受ける前に、少なくとも2週間連続して、300mgの1日用量の試験製品に耐容しなければならない。
【0421】
[0425]終了時DBPCFC及びオープン焼成全卵食物負荷を完了した対象は、試験を終了する(完了する)であろう。試験治療の割り当ては、試験終了時後、及び対象に対する全ての主要データクエリが解決された後に、対象に対して非盲検化される。試験を早期に中断した対象については、試験が完了した後、試験治療の割り当ては非盲検化されない。
【0422】
[0426]試験の試験されたエンドポイントとしては、(1)プラセボと比較して、終了時DBPCFCにおいて軽度のアレルギー症状を有するに過ぎない、少なくとも300mgの未加工卵白タンパク質、少なくとも600mgの未加工卵白タンパク質、少なくとも1000mgの未加工卵白タンパク質、又は少なくとも2000mgの未加工卵白タンパク質の単回最高用量に耐容する医薬組成物で治療された対象の割合、(2)スクリーニング時に約2000mgの焼成卵タンパク質の蓄積用量に耐容することができず、その後、試験終了時で約2000mgの焼成卵タンパク質の蓄積用量に耐容することができた対象の割合、及び(3)治療の安全管理要領が挙げられる。
【0423】
実施例5:卵アレルギーの治療のための経口免疫療法試験
[0427]経口免疫療法レジメン中の鶏卵に由来する未加工の乾燥卵白タンパク質粉末、及び賦形剤を含有する医薬組成物の有効性及び安全性の無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験が行われる。非活性化合物及び対応する賦形剤を含む製剤化されたプラセボは、試験のプラセボ群に使用される。試験の概要を、図10に提供する。
【0424】
[0428]適格な対象は、(1)年齢4歳~26歳であり、(2)卵又は卵を含有する食物への既知の経口曝露の2時間以内にアレルゲン性反応を発症する、医師が診断したIgE介在鶏卵アレルギーを有し、(3)≧5kU/Lの血清卵白特異的IgEレベルを有し、(4)スクリーニング二重盲検プラセボ対照食物負荷(DBPCFC)において、≦300mgの乾燥卵白タンパク質を単回用量を摂取した後に、用量制限アレルギー症状を発症させ、(5)妊娠の可能性の女性個体については、信頼性のある避妊法を使用しており、及び(6)その他が除外基準に従って除外されない、ヒト個体である。
【0425】
[0429]排除基準としては、(1)スクリーニング前60日以内に、重度の又は生命を脅かすアナフィラキシー又はアナフィラキシショックの病歴があること、(2)好酸球性食道炎(EoE)又は他の好酸球性GI疾患、慢性、再発性、又は重度の胃食道逆流症(GERD)、嚥下困難の症状、任意の病因の再発性GI症状の病歴があること、(3)肥満細胞障害(例えば、全身性肥満細胞症、色素性蕁麻疹、単純な皮膚描記症を超える慢性突発性又は慢性的な物理的蕁麻疹[例えば、寒冷紅斑症、コリン性蕁麻疹]、又は遺伝性若しくは突発性血管浮腫)の病歴があること、(4)制御されていない又は制御が困難である軽度又は中等度の喘息、又は重度の持続性喘息を有すること、(5)高用量コルチコステロイド薬の(例えば、プレドニゾン又は同等物の、1mg/kg~2mg/kgでの、3日より多い)使用履歴があること、(6)心血管疾患(制御されていない又は不十分に制御された高血圧症を含む)の病歴があること、(7)スクリーニング前5年以内の悪性疾患及び自己免疫疾患を含む、不安定になるか、又は慢性治療レジメンにおける変化を必要とする重大なリスクであるか、又はリスクにさらされている慢性疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、又はアレルギー性鼻炎を除く)の病歴があること、(8)制御されていない又は不十分に制御された高血圧症を含む心血管疾患の病歴があること、(9)β遮断薬(経口)、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、又は三環式抗うつ薬の使用があること、(10)スクリーニング及び終了時の皮膚ブリック試験(SPT)及び食物負荷の前並びに用量漸増の初日の前に、薬剤の5半減期に対するアレルギー反応の評価を妨げる可能性のある抗ヒスタミン剤及び他の薬剤を中断することができないこと、(11)対象がアレルギーを示さない利用可能な嗜好性のある食物ビヒクルが欠如していること、(12)小麦又はオート麦に対する過敏症があること、(13)エピネフリン又はエピネフリン自己注射薬内の賦形剤のいずれかに対する過敏症があること、(14)任意の治療用抗体又は任意の免疫調節療法(免疫抑制薬を含む)を使用していること(スクリーニング前6ヶ月以内に維持期間に使用されるエアロアレルゲン又は毒物免疫療法を除く)、(15)任意の種類の卵又は他の食物アレルゲン免疫療法を、現在受けているか、又はスクリーニング前5年以内に受けていたこと、(16)スクリーニング前の、30日以内、又は5半減期の治験製品のいずれか長い方で別の臨床試験に参加したこと、(17)任意の非卵アレルゲンに対する免疫療法の蓄積/用量増加期間にあること、及び(18)妊娠又は現在授乳中であること、が挙げられる。
【0426】
[0430]初期スクリーニングには、乾燥卵白二重盲検プラセボ対照食物負荷(DBPCFC)及びオープン焼成全卵食物負荷が挙げられる。DBPCFCは、測定した乾燥卵白及びプラセボを供給し、負荷日の無作為化順序に盲検化された対象、親/介護人、及び試験現場スタッフにより2日目に用量を増加させることによって、医療監視下で実施される手順である。試験現場担当者は、DBPCFCの両方の日の完了後まで、負荷の順序に盲検化されない。食物負荷材料は、DBPCFCの投与、監視、又は結果の評価に関与しない指定された非盲検の人によって調製される。本試験で実施されるDBPCFCは、安全性、評価、及びスコアリングのためのPractical Allergy(PRACTALL)ガイドライン(Sampson et al.,J.Allergy Clin.Immunol.,vol.130,pp.1260-1274(2012))と一致する手順に従うであろう。DBPCFC手順は、スクリーニング中に実行され、また試験終了時に行われる。スクリーニング及び終了時DBPCFC投与スケジュールの概要を、以下の表に提供する。
【0427】
【表16】
【0428】
[0431]オープン焼成全卵食物負荷は、測定された用量を増加させて、試験食物製品(卵を有する焼成食物製品)を供給することによって、医療監視下で実施される手順である。この試験下で行われる負荷は、安全性、評価、及びスコアに関する、PRACTALLガイドラインと一致する手順に従う。オープン焼成全卵食物負荷は、スクリーニング中、また試験終了時にも行われる。負荷の間、対象は、投与スケジュールに従って1つの完全なマフィンを摂取しようとし、1つのマフィンは約2000mgの卵タンパク質に相当する1つの全卵の約3分の1を含む。スクリーニング及び終了時のオープン焼成全卵食物負荷の投与スケジュールの概要を、以下の表に提供する。
【0429】
【表17】
【0430】
[0432]適格個体は、医薬組成物又はプラセボによる盲検治療に無作為に2:1に割り当てられる。無作為化は、スクリーニング時にオープン焼成全卵食物負荷における焼成卵に対するベースライン反応性によって階層化される。約2000mgの蓄積焼成卵タンパク質(1つの全卵の約3分の1を含有する1つのマフィン)を耐容する対象は、試験の過程で焼成卵製品を摂取することが可能となる。オープン焼成全卵食物負荷中に用量制限アレルギー症状を有する対象は、焼成卵に耐容できないと考えられ、試験中に全ての形態の鶏卵を回避するように指示される。
【0431】
[0433]対象は、耐容されるとき、20分から30分の間隔で投与される試験製品の段階的用量漸増(最大0.2mg、0.4mg、0.8mg、1.0mg、及び2mgの5単回用量)を用いて、試験現場で1日目に医療用監視下で初期用量漸増を開始する。1日目に少なくとも1.0mgの単回用量に耐容する対象は、2日目に単回の確認用の1.0mg用量に戻ることになる。用量制限ではない軽度のアレルギー症状を有さない、確認用の1.0mg用量に耐容する対象は、用量増加期間間を開始する。1日目に1.0mgの用量に耐容しなかったか、又は2日目に1mgの用量に耐容しなかった対象は、試験から早期に中断する。
【0432】
[0434]投与量増加は、約6ヶ月(22~40週間)であり、用量漸増は約2週間毎に行われる。投与量増加中の試験製品の毎日の用量は、1mg、3mg、6mg、12mg、20mg、40mg、80mg、120mg、160mg、200mg、240mg、及び300mgとなる。各新たな用量レベルでの試験製品の最初の用量は、試験現場での医療監視の下で投与される。各用量レベルでの残りの用量は、耐容されるとき、自宅で毎日投与される。
【0433】
[0435]40週以内に300mg/日の用量に達し、かつ用量制限ではない軽度のアレルギー症状を有するに過ぎない、最初の300mgの用量に耐容する対象は、維持期間間を開始する。1日目から40週間以内に300mg/日の用量に達しない対象は、試験を早期に中断する。
【0434】
[0436]維持治療を開始した対象は、300mg/日で約12週間にわたって試験製品による毎日の投与を継続し、これは、維持の最後の2週間の用量調整に適応するために、最大で更に4週間まで延長されてもよい。試験現場への訪問は、約4週間毎に行われる。試験製品は、維持訪問中に、試験現場での医療監視下で投与されることになる。その後の維持用量は、耐容されると、自宅で毎日投与される。
【0435】
[0437]有害事象又は他の同時因子を経験している対象に応じて、治験責任医師によって承認されたように、用量増加期間又は維持期間の間の用量調整が可能となる。用量増加期間又は維持期間のいずれかの間、用量は、以下のうちの1つに従って用量に関連するアレルギー反応に応答して調整され得る:(1)医療監視下の試験現場において試験製品の次の用量を投与すること、(2)試験製品の用量漸増を更に1~2週間遅延させること、(3)試験製品用量レベルを1又は2用量レベルまで低減させること、(4)試験製品を一時的に保留すること、又は(5)試験製品の投与を停止し、対象を試験から早期に中断させること。症状の重症度は、急性及び慢性又は再発性症状の両方について研究製品用量減少を誘導するであろう。
【0436】
[0438]用量はまた、喘息又は他のアトピー性疾患の再燃、病気、又は月経などの、医薬組成物によって引き起こされるアレルギー反応以外の理由で調整されてもよい。用量減少量は、治験責任医師の裁量において、1用量レベル(すなわち、以前の用量レベル)から約50%(最も近い実行可能な全用量に切り下げられる)までの範囲であってもよい。最低用量レベルは1mgである。用量が、医薬組成物に対するアレルギー反応以外の理由で低減される場合、低減された用量は2週間にわたって与えられ、対象は、試験現場において用量再漸増を試みる前に、治験責任医師の評価に従って病気の重症度に応じて、少なくとも3日間、完全に回復される(すなわち、ベースラインの状態になる)必要がある。投与を停止し、用量調整のために以下の条件のいずれかが満たされた場合には、対象は早期に中断することになる:各漸増試行の間で少なくとも2週間、3回の連続した失敗した試行後に用量レベルを漸増させることができないか、又は用量減少が、用量レベルを低減するための3回の試みの後に耐容され得ない。
【0437】
[0439]維持の終了時に、対象は、2000mgの乾燥卵白タンパク質(4043又は4044mg蓄積)の1回の最高負荷用量までの終了時DBPCFCを受けることになり、その後、終了時DBPCFCの2日後7日以内に、オープン焼成全卵食物負荷が続く。全ての対象は、終了時DBPCFCを受ける前に、少なくとも2週間連続して、300mgの1日用量の試験製品に耐容しなければならない。
【0438】
[0440]終了時DBPCFC及びオープン焼成全卵食物負荷を完了した対象は、試験を終了する(完了する)であろう。試験治療の割り当ては、試験終了時後、及び対象に対する全ての主要データクエリが解決された後に、対象に対して非盲検化される。試験を早期に中断した対象については、試験が完了した後、試験治療の割り当ては非盲検化されない。
【0439】
[0441]試験の試験されたエンドポイントとしては、(1)プラセボと比較して、終了時DBPCFCにおいて軽度のアレルギー症状を有するに過ぎない、少なくとも300mgの未加工卵白タンパク質、少なくとも600mgの未加工卵白タンパク質、少なくとも1000mgの未加工卵白タンパク質、又は少なくとも2000mgの未加工卵白タンパク質の単回最高用量に耐容する医薬組成物で治療された対象の割合、(2)スクリーニング時に約2000mgの焼成卵タンパク質の蓄積用量に耐容することができず、その後、試験終了時で約2000mgの焼成卵タンパク質の蓄積用量に耐容することができた対象の割合、及び(3)治療の安全管理要領が挙げられる。
【0440】
実施例6:RP-HPLCアッセイ
[0442]乾燥卵白粉末(薬物物質)及び卵白タンパク質の医薬組成物(医薬品)のより高解像度の同定及びタンパク質プロファイルのためにRP-HPLC法を開発した。
【0441】
[0443]アッセイ用薬物物質を調製するために、50mgの薬物物質(約40mgの卵白タンパク質に対応する)を1000mlのフラスコに量り入れ、800mlの水で希釈する。次いで、試料をオービタルシェーカー上で30分間振盪した後、水で0.04mg/mlの卵白タンパク質濃度に希釈する。次いで、希釈した試料を0.45ミクロンのシリンジフィルターを通して濾過し、最初の2mlを廃棄する。
【0442】
[0444]アッセイのための医薬組成物(すなわち、医薬品)を調製するために、希釈剤の体積は、試験される試料の投与量強度に依存する。特定の用量レベルからの10カプセルを一緒にブレンドし、水で約0.05mg/mlの卵白タンパク質濃度に希釈することができる。次いで、希釈された医薬品試料を、オービタルシェーカー上で30分間振盪し、約0.038mg/ml~約0.042mg/mlの卵白タンパク質濃度の作業濃度に希釈することができる。次いで、試料を15mlの円錐形遠心管に移し、3,200rpmで30分間遠心分離することができる。次いで、清澄化された上清を0.45ミクロンのシリンジフィルターを通して濾過し、最初の2mlを廃棄することができる。
【0443】
[0445]改善されたRP-HPLC法を使用して、主な卵白タンパク質成分を、約15.5分(ミオグロビン)、16.1分(炭酸脱水酵素)、7.8分(オボムコイド)、12.2分(リゾチーム)、14.4分(オボトランスフェリン)、及び18.1分(オボアルブミン)の典型的な保持時間で十分に分解した。改善されたRP-HPLC法を使用した薬学的製剤の試料RP-HPLCクロマトグラムを図11に示す。薬物物質又は医薬品の分析試料は、個々のタンパク質(すなわち、精製されたアレルゲン又は他の卵白タンパク質)及び/又は薬物物質若しくは医薬品の以前に検証された試料の参照標準と比較することができる。薬学的製剤の希釈剤は、22分後に最大振幅を有する広範な保持プロファイルを示した。各個々のタンパク質のピーク面積は、希釈剤の参照標準と比較することによって、任意に他のいかなる賦形剤のみと比較することによって、希釈剤に寄与する面積を差し引くことによって計算することができる。
【0444】
実施例7:安定性試験
[0446]安定性試験は、卵白タンパク質の薬学的製剤の試料を用いて行った。試料は、通常、加速され、ストレス安定性条件、例えば25℃~40℃の保管条件下で試験した。
【0445】
[0447]1つの実験では、0.2mgのカプセルを、1gの乾燥剤パウチを有する高密度ポリエチレンボトルに保管した。ボトルを、5±3℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、又は40℃/75%RHで保管した。
【0446】
[0448]様々な時点で、試料を、外観、送達可能な質量、タンパク質プロファイル(RP-HPLCによる)、BCAによる総タンパク質、及びELISAによる相対的効力について分析した。個々のカプセルを開き、少量の製品を清浄な時計皿上に配置することによって外観を評価した。材料を白色背景に対して、異物の存在について観察した。損なわれていないカプセルを秤量し、風袋計量済みの容器へとカプセルを空け、圧縮空気を使用して、カプセルシェルから残りの内容物を吹き飛ばし、空のカプセルを秤量し、次いでカプセルから除去された質量のどの割合が風袋計量済みの容器に送達されたかを測定することによって、送達可能な質量を評価した。タンパク質プロファイルは、Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4に寄与するRP-HPLCピーク面積の割合を測定することによって評価した。先の時点(1~6ヶ月間)について、実施例1に記載の第1のRP-HPLC法を使用した。後の時点で、実施例6に記載の改善されたRP-HPLC法を使用した。RP-HPLC法の両方を6ヶ月の時点で使用した。ELISAによる相対的効力及びBCAによる総タンパク質を、実施例1に記載のように評価した。BCAは、総卵白タンパク質のラベルクレームのパーセントとして報告される。
【0447】
[0449]2℃~8℃で保管後の0.2mgのカプセルの結果を以下の表にまとめる。6ヶ月の時点で、実施例1のより古いRP-HPLC法及び実施例6の改善されたRP-HPLCの両方を使用した。6ヶ月の時点における第1の値は、第1のRP-HPLC法に対応し、6ヶ月の時点における第2の値は、改善されたRP-HPLC法に対応する。
【0448】
【表18】
【0449】
[0450]薬学的製剤の主要なアレルゲン濃度及び相対的効力は、2℃~8℃で保管した後、0~12ヶ月間安定であった。
【0450】
[0451]25℃/60%RH加速安定性保管条件後の0.2mgのカプセルの結果を以下の表にまとめる。6ヶ月の時点で、より古いRP-HPLC法及び記載した改善されたRP-HPLCを使用した。6ヶ月の時点における第1の値は、第1のRP-HPLC法に対応し、6ヶ月の時点における第2の値は、改善されたRP-HPLC法に対応する。
【0451】
【表19】
【0452】
[0452]薬学的製剤の主要なアレルゲンレベル及び相対的効力は、25℃/60%RHで保管した後、0~12ヶ月間安定であった。
【0453】
[0453]30℃/65%RH加速安定性保管条件後の0.2mgのカプセルの結果を以下の表にまとめる。6ヶ月の時点では、前の実施例に記載されているより古いRP-HPLC法及び改善されたRP-HPLC法の両方を用いたが、より古いRP-HPLC値のみが、T=0時点を比較するために報告される。
【0454】
【表20】
【0455】
[0454]薬学的製剤の主要なアレルゲンレベル及び相対的効力は、30℃/65%RHの加速安定性条件での保管後、0~6ヶ月間安定であった。
【0456】
[0455]40℃/75%RHストレス安定性保管条件後の0.2mgのカプセルの結果を以下の表にまとめる。6ヶ月の時点では、前の実施例に記載されているより古いRP-HPLC法及び改善されたRP-HPLC法の両方を用いたが、より古いRP-HPLC法値のみが、T=0、1、及び3ヶ月の時点を比較するために報告される。
【0457】
【表21】
【0458】
[0456]薬学的製剤の主要なアレルゲンレベル及び相対的効力は、40℃/75%RHのストレス安定性保管条件下であっても、0~6ヶ月間安定であった。
【0459】
[0457]1mg、6mg、12mg、及び300mgの医薬品の用量を含むカプセルのロットで安定性試験を完了した。結果は、薬学的製剤が投与量レベルにわたって異なる保管条件下で安定であることを実証した。
【0460】
実施例8:卵アレルギーに対する患者の経口免疫療法
[0458]患者は、卵白タンパク質の医薬組成物を用いて、診断された卵アレルギーのために治療される。患者は、経口免疫療法スケジュールに従って初期用量漸増、用量増加期間、及び維持期間を受ける。用量増加期間又は維持期間のいずれかの間の示された用量は、対象がそれまでの用量に対して有害なアレルギー反応を経験する場合、及び/又は薬学的製剤の用量の投与に関連しないアレルゲンに対する感受性の増加に関連する同時因子を経験する場合に調整され得る。
【0461】
[0459]患者の血清総IgE、卵白特異的IgE、総IgG4、及び卵白特異的IgG4レベルは、医薬組成物の初回投与前、経口免疫療法中、及び/又は経口免疫療法後に評価され得る。未加工卵白及び/又は焼成卵白の用量に対する患者の反応性は、経口免疫療法の前、療法中及び/又は療法後に評価され得る。
【0462】
実施例9:卵白タンパク質製剤の低用量製造
[0460]経口免疫療法のために、0.2mg及び1mgの用量を含む低用量の製造に使用される製剤化された医薬組成物は、以下のように作製することができる。出発薬物物質は、乾燥卵白タンパク質粉末である。乾燥卵白タンパク質粉末は、参照標準又は既定の受容基準と比較することにより、Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなどの一貫した総タンパク質レベル、及びアレルゲンレベルを確実にするよう特性評価される。卵白タンパク質粉末の相対的効力は、オボムコイドに対するELISAなどにより確認され、既定の受容基準と比較される。
【0463】
[0461]乾燥卵白タンパク質粉末を、アルファ化デンプンの第1の部分と手動で混合して、第1の混合物を形成する。次いで、第1の混合物を、アルファ化デンプンの第2の部分と、メッシュスクリーンを通して合わせてふるい分けし、次いで、合わせてふるい分けされた材料を手動で混合して、第2の混合物を形成する。次いで、第2の混合物をブレンダー(例えば、タンブルブレンダー)によってアルファ化デンプンの第3の部分と混合して、第3の混合物を形成する。次いで、第3の混合物をブレンダー(例えば、タンブルブレンダー)によってアルファ化デンプンの第4の部分と混合して、第4の混合物を形成する。次いで、第4の混合物をブレンダー(例えば、タンブルブレンダー)によってアルファ化デンプンの第5の部分と混合して、第5の混合物を形成する。次いで、第5の混合物をブレンダー(例えば、タンブルブレンダー)によって微結晶セルロースと混合し、次いで、高剪断混合(例えば、コニカルミル)によって更に混合して、第6の混合物を形成する。別個に、アルファ化デンプンの第6の部分及びステアリン酸マグネシウムを一緒に混合して第7の混合物を形成し、次いでこれにメッシュスクリーンを通過させて第7の混合物をふるい分けする。次いで、第7の混合物をブレンダー(例えば、タンブルブレンダー)中で第6の混合物と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0464】
[0462]製剤化されると、バルク製剤は、総タンパク質、含有量均一性、個々のアレルゲンレベル(Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなど)、オボムコイドに対するELISAによるなどのアレルゲンの相対的効力、及び水分活性の評価によって特性評価される。各評価は、既定の受容基準に対して判断される。バルク製剤が検証されると、カプセル又はサッシェなどの容器に分配される。同じ製造バッチからの容器は、ロットを形成する。個々の容器、又は同じロットからの複数の容器もまた評価される。次いで、複数の容器を含む検証されたロットは、卵アレルギーの経口免疫療法に使用するために分配される。
【0465】
実施例10:卵白タンパク質製剤の低用量製造
[0463]経口免疫療法のために、3mg及び6mgの用量を含む低用量の製造に使用される製剤化された医薬組成物は、以下のように作製することができる。出発薬物物質は、乾燥卵白タンパク質粉末である。乾燥卵白タンパク質粉末は、参照標準又は既定の受容基準と比較することにより、Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなどの一貫した総タンパク質レベル、及びアレルゲンレベルを確実にするよう特性評価される。卵白タンパク質粉末の相対的効力は、オボムコイドに対するELISAなどにより確認され、既定の受容基準と比較される。
【0466】
[0464]乾燥卵白タンパク質粉末を、アルファ化デンプンの第1の部分と混合して、第1の混合物を形成する。第1の混合物を、高剪断混合(例えば、コニカルミル)によってアルファ化デンプンの第2の部分と混合し、次いでブレンダー(タンブルブレンダーなど)中で更に混合して、第2の混合物を形成する。次いで、第2の混合物をアルファ化デンプンの第3の部分と混合して、第3の混合物を形成する。次いで、第3の混合物をブレンダー(例えば、タンブルブレンダー)中で微結晶セルロースと混合して第4の混合物を形成し、次いで、高剪断混合(例えば、コニカルミルで)によって更に混合する。別個に、アルファ化デンプンの第4の部分及びステアリン酸マグネシウムを一緒に混合して第5の混合物を形成し、これにメッシュスクリーンを通過させる。次いで、ふるい分けした第5の混合物を第4の混合物と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0467】
[0465]製剤化されると、バルク製剤は、総タンパク質、含有量均一性、個々のアレルゲンレベル(Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなど)、オボムコイドに対するELISAによるなどのアレルゲンの相対的効力、及び水分活性の評価によって特性評価される。各評価は、既定の受容基準に対して判断される。バルク製剤が検証されると、カプセル又はサッシェなどの容器に分配される。同じ製造バッチからの容器は、ロットを形成する。個々の容器、又は同じロットからの複数の容器もまた評価される。次いで、複数の容器を含む検証されたロットは、卵アレルギーの経口免疫療法に使用するために分配される。
【0468】
実施例11:卵白タンパク質製剤の中間用量製造
[0466]経口免疫療法のために、12mgの用量を含む中間用量の製造に使用される製剤化された医薬組成物は、以下のように作製することができる。出発薬物物質は、乾燥卵白タンパク質粉末である。乾燥卵白タンパク質粉末は、参照標準又は既定の受容基準と比較することにより、Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなどの一貫した総タンパク質レベル、及びアレルゲンレベルを確実にするよう特性評価される。卵白タンパク質粉末の相対的効力は、オボムコイドに対するELISAなどにより確認され、既定の受容基準と比較される。
【0469】
[0467]乾燥卵白タンパク質粉末を、アルファ化デンプンの第1の部分及びコロイド状二酸化ケイ素と手動で混合して、第1の混合物を形成する。次いで、第1の混合物を、高剪断混合(例えば、コニカルミルで)を使用してアルファ化デンプンの第2の部分と混合して第2の混合物を形成し、次いで、第2の混合物をブレンダー(例えば、タンブルブレンダー)中でより低い剪断力で更に混合する。次いで、第2の混合物を、アルファ化デンプンの第3の部分と混合して(例えば、タンブルブレンダーなどのブレンダーを使用する)、第3の混合物を形成する。次いで、第3の混合物をアルファ化デンプンの第4の部分及び微結晶セルロースと、ブレンダー(タンブルブレンダーなど)中で混合して第4の混合物を形成し、これを、高剪断混合(例えば、コニカルミルを使用する)によって更に混合する。別個に、アルファ化デンプンの第5の部分を、ステアリン酸マグネシウムと混合して第5の混合物を形成し、これにメッシュスクリーンを通過させる。次いで、ふるい分けした第5の混合物を第4の混合物と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0470】
[0468]製剤化されると、バルク製剤は、総タンパク質、含有量均一性、個々のアレルゲンレベル(Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなど)、オボムコイドに対するELISAによるなどのアレルゲンの相対的効力、及び水分活性の評価によって特性評価される。各評価は、既定の受容基準に対して判断される。バルク製剤が検証されると、カプセル又はサッシェなどの容器に分配される。同じ製造バッチからの容器は、ロットを形成する。個々の容器、又は同じロットからの複数の容器もまた評価される。次いで、複数の容器を含む検証されたロットは、卵アレルギーの経口免疫療法に使用するために分配される。
【0471】
実施例12:卵タンパク質製剤の中間用量製造
[0469]経口免疫療法のために、20mg及び40mgの用量を含む中間用量の製造に使用される製剤化された医薬組成物は、以下のように作製することができる。出発薬物物質は、乾燥卵白タンパク質粉末である。乾燥卵白タンパク質粉末は、参照標準又は既定の受容基準と比較することにより、Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなどの一貫した総タンパク質レベル、及びアレルゲンレベルを確実にするよう特性評価される。卵白タンパク質粉末の相対的効力は、オボムコイドに対するELISAなどにより確認され、既定の受容基準と比較される。
【0472】
[0470]乾燥卵白タンパク質粉末を、アルファ化デンプンの第1の部分及びコロイド状二酸化ケイ素と手動で混合して、第1の混合物を形成する。次いで、第1の混合物を、高剪断混合(例えば、コニカルミルで)によってアルファ化デンプンの第2の部分と混合して第2の混合物を形成し、次いで、これをブレンダー(例えば、タンブルブレンダー)中で更に混合する。次いで、第2の混合物をアルファ化デンプンの第3の部分及び微結晶セルロースと、ブレンダー(タンブルブレンダーなど)中で混合し、次いでこれを、高剪断混合(例えば、コニカルミルで)によって更に混合する。別個に、アルファ化デンプンの第4の部分及びステアリン酸マグネシウムを混合して、第4の混合物を形成し、次いでこれにメッシュスクリーンを通過させる。次いで、ふるい分けされた第4の混合物を第3の混合物と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0473】
[0471]製剤化されると、バルク製剤は、総タンパク質、含有量均一性、個々のアレルゲンレベル(Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなど)、オボムコイドに対するELISAによるなどのアレルゲンの相対的効力、及び水分活性の評価によって特性評価される。各評価は、既定の受容基準に対して判断される。バルク製剤が検証されると、カプセル又はサッシェなどの容器に分配される。同じ製造バッチからの容器は、ロットを形成する。個々の容器、又は同じロットからの複数の容器もまた評価される。次いで、複数の容器を含む検証されたロットは、卵アレルギーの経口免疫療法に使用するために分配される。
【0474】
実施例13:卵白タンパク質製剤の高用量製造
[0472]経口免疫療法のために、120mg、160mg、200mg、240mg、及び300mgの用量を含む高用量の製造に使用される製剤された医薬組成物は、以下のように作製することができる。乾燥卵白タンパク質粉末は、参照標準又は既定の受容基準と比較することにより、Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなどの一貫した総タンパク質レベル、及びアレルゲンレベルを確実にするよう特性評価される。卵白タンパク質粉末の相対的効力は、オボムコイドに対するELISAなどにより確認され、既定の受容基準と比較される。
【0475】
[0473]乾燥卵白タンパク質粉末を、アルファ化デンプンの第1の部分及びコロイド状二酸化ケイ素と手動で混合して、第1の混合物を形成する。次いで、第1の混合物を、高剪断混合(例えば、コニカルミルで)によって微結晶セルロースと混合して第2の混合物を形成し、次いで、これをブレンダー(タンブルブレンダーなど)中で更に混合する。別個に、アルファ化デンプンの第2の部分をステアリン酸マグネシウムと混合して第3の混合物を形成し、次いでこれにメッシュスクリーンを通過させる。次いで、ふるい分けされた第3の混合物をブレンダー(タンブルブレンダーなど)中で第2の混合物と混合して、卵白タンパク質製剤を形成する。
【0476】
[0474]製剤化されると、バルク製剤は、総タンパク質、含有量均一性、個々のアレルゲンレベル(Gal d1、Gal d2、Gal d3、及びGal d4のレベルなど)、オボムコイドに対するELISAによるなどのアレルゲンの相対的効力、及び水分活性の評価によって特性評価される。各評価は、既定の受容基準に対して判断される。バルク製剤が検証されると、カプセル又はサッシェなどの容器に分配される。同じ製造バッチからの容器は、ロットを形成する。個々の容器、又は同じロットからの複数の容器もまた評価される。次いで、複数の容器を含む検証されたロットは、卵アレルギーの経口免疫療法に使用するために分配される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
【国際調査報告】