(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】中通し式振出釣り竿
(51)【国際特許分類】
A01K 87/00 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
A01K87/00 610B
A01K87/00 620G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535311
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 FR2019053124
(87)【国際公開番号】W WO2020128306
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521266734
【氏名又は名称】シーティエフイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107375
【氏名又は名称】武田 明広
(72)【発明者】
【氏名】デュピュイ,ジャン-フランソワ
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA02
2B019AA10
2B019AB51
2B019BA07
(57)【要約】
本発明は、互いに伸縮自在にフィットさせることができる少なくとも3つのセクション(11~14)を有する釣り竿に関し、セクションN0と呼ばれる第1セクション(11)、チップと呼ばれる最終セクション(14)、及び、第1セクションとチップの間の中間セクション(12,13)のサブセットを含み、第1セクションには、その外周面に、ライン導入通路(15)が形成される。この釣り竿は、完全収納位置から展開位置まで移行できるように、更に、ライン導入位置と呼ばれる半収納位置を採用できるようにアレンジされる。半収納位置においては、セクションN0+i(iは1以上)は、セクションN0に対して展開され、また、チップは、セクションN0+iの中に受け入れられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに伸縮自在にフィットさせることができる少なくとも3つのセクション(11~14)のアセンブリを含み、
前記アセンブリは、セクションN0と呼ばれる第1セクション(11)、チップと呼ばれる最終セクション(14)、及び、第1セクションとチップの間の中間セクション(12,13)のサブセットを含み、
前記サブセットは、少なくとも1つの中間セクションを含み、
前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最大の直径を有する、セクションN0+1と呼ばれる中間セクション(12)は、セクションN0の中にフィットさせることができ、また、
前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最小の直径を有する中間セクション(13)は、チップを受け入れることができ、
第1セクションの外周面には、ラインの横方向への挿入のために、半径方向成分を有する方向へ延在するライン導入通路(15)が形成され、
前記アセンブリのすべてのセクションが互いに伸縮自在にフィットする完全収納位置から、前記アセンブリのすべてのセクションが相互に展開された展開位置まで移行できるように、更に、iが1以上であるセクションN0+iが、セクションN0に対して展開され、また、チップが、セクションN0+iの内側に受け入れられる、ライン導入位置と呼ばれる半収納位置を採用できるようにアレンジされ、
更に、半収納位置においてチップがセクションN0の方へ向かって押された際に、セクションN0+iに対してチップを保持するとともに、チップがライン導入通路に到達しないような方法で、チップに当接するようにアレンジされた第1保持手段(107,110A~E,106,105A~E,16)を含み、
チップをセクションN0から遠ざける方向へ作用する10N未満の力を受けた場合に、第1保持手段との当接点に対応する位置で、又は、第1保持手段と当接する位置から30センチメートル未満の位置で、チップを半収納位置に保持する第2保持手段(200,17,105A~105E,106,110A~110E,107)を含むことを特徴とする釣り竿。
【請求項2】
少なくとも1つの円錐台形状の中間セクション(12,13)の中に配置された、少なくとも1つの要素からなる可動ラインガイド要素(105A~105E,110A~110E)のセットを更に含み、
前記セットの各要素が、前記中間セクションの内径の範囲内の外径を有し、ラインのための通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の釣り竿。
【請求項3】
第2保持手段が、少なくとも一組の前記少なくとも1つの要素からなる可動ラインガイド要素(105A~105E,110A~110E)のセットを含み、少なくとも1つの中間セクション(12,13)に関し、半収納位置において、
前記中間セクションの中に受け入れられた少なくとも2つの可動ラインガイド要素を含む前記セット、前記中間セクションの中に受け入れられたすべての可動ラインガイド要素(105A~105E,110A~110E)が、相互に取り外し可能に係合するように、
より直径が小さい可動ラインガイド要素(105E,110E)が、次のセクション(13,14)に係合するように、かつ、
より直径が大きい可動ラインガイド要素(105A,110A)が、前記中間セクションに取り外し可能に係合するようにアレンジされていることを特徴とする、請求項2に記載の釣り竿。
【請求項4】
少なくとも1つの中間セクション(12,13;109)が円錐台形状であり、少なくとも3つのガイド要素(105A~105E,106,110A~110E,107;110A~110F)が、前記円錐台形状の中間セクションの中に受け入れられ、そのうちの少なくとも2つ(105A~105E,110A-110E;110A~110E)が前記円錐台形状のセクション内で移動可能であり、前記少なくとも3つのガイド要素が、前記円錐台形状のセクションの大径側の端部から挿入されるときに、外径が増加するように順序付けられ、また、各ラインガイド要素は、ラインの通路(108)を形成する本体を含み、
また、各ラインガイド要素は、
- 外径が前記ガイド要素の外径である、剛性を有する第1本体部分(111A~111F)と、
- 第1本体部分よりも柔軟な第2本体部分(112A-112F)を含み、
各可動ラインガイド要素(105A~105E,110A~110E;110A~110E)が第3本体部分を更に含み、対応する第2本体部分が、対応する第1本体部分と第3本体部分の間に配置され、
ラインガイド要素のセットは、より直径が大きいガイド要素を除く各ガイド要素について、
- このガイド要素の第1部分が、より直径が大きい隣接するガイド要素の第2部分を受け入れることができ、この第2部分の外壁及びこの第1部分の内壁が互いに協働するようにアレンジされ、
- このガイド要素の第2部分が、より直径が大きい隣接するガイド要素の第3部分を、遊びなしで受け入れることができるように形成されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の釣り竿。
【請求項5】
第2保持手段が、チップ(14)の自由端のための、また、チップとセクションN0+iまでのセクション(12~14)を、第1セクション(11)とは独立して一緒に保つようにアレンジされたプラグデバイス(200)を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の釣り竿。
【請求項6】
プラグデバイス(200)は、釣り竿が収納位置にあるときに、チップ(14)と、中間セクション(12,13)のサブセットと、第1セクション(11)とを一緒に保持できるように、更にアレンジされていることを特徴とする、請求項5に記載の釣り竿。
【請求項7】
プラグデバイス(200)は、ライン出口端部に取り付けられているとき、釣り竿の長手軸線周りに互いに回転可能で、ラインを通過させるためのスルーホール(205,206)が形成された、2つの可動プラグ要素を含み、
ラインを巻き取り、又は、放出できるように、前記スルーホールが少なくとも部分的に重なる第1の構成に従って、また、2つのスルーホールのそれぞれの位置が異なる第2の構成に従ってプラグ要素を配置できるように、プラグデバイスがアレンジされていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の釣り竿。
【請求項8】
セクションN0又はセクションN0の前のセクションと、jが1以上であるセクションN0+j(12)のいずれか一方と一体であり、半径方向及び長手方向へ延在する、少なくとも1つの第1回転防止コンポーネント(18)と、
セクションN0又はセクションN0の前のセクションと、セクションN0+jのいずれか他方と一体であり、釣り竿が完全収納位置にあるときに、第1回転防止コンポーネントに当接可能な、少なくとも1つの第2回転防止コンポーネント(19)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の釣り竿。
【請求項9】
第1回転防止コンポーネントが、セクションN0(11)又はセクションN0の前のセクションの内壁に沿って、その全長にわたって延在するタブ(18)であり、
第2回転防止コンポーネントが、両側において外側につながり、セクションN0+j(12)の大径側の端部において環状要素(16)に形成され、また、タブの一部を受け入れることができるように半径方向へ十分な深さを有する溝(19)であることを特徴とする、請求項8に記載の釣り竿。
【請求項10】
長手方向及び半径方向へ延在し、一方のエッジによって、セクションN0(11)又は前のセクションと、kが1と3の間で変化するセクションN0+k(12)のいずれか一方に係合し、また、完全収納位置にあるとき、長手方向へのラインの移動を許容しつつ、セクションN0+kをセクションN0の外側へ引っ張る方向へ作用する閾値未満の力に抵抗するように、この係合するエッジとは反対側にある長手方向へ延在するエッジが、セクションN0又は前のセクションと、セクションN0+kのいずれか他方に直接、又は、いずれか他方に取り付けられた要素(31)に対して、ウェッジされるような形状で配置された、少なくとも1つのリブ(32)を更に含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の釣り竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りの分野、特に、インターラインタイプ(中通し式)の伸縮自在の釣り竿(振出竿)に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的に、振出竿は、ライン(釣り糸)を通してガイドするための外部リングを備えている。
【0003】
フランス特許第2666721号には、互いにフィットする円錐台形状のセクションと、いくつかのセクションの内側にフィットし、直径が順々に大きくなる可動ラインガイド要素とを備えた振出竿が記載されている。これらの可動ラインガイド要素は、セクションが互いに収納されるときに協働し、ユーザが釣り竿を展開させると、可動ラインガイド要素が移動して、セクション内で順々にウェッジされる。
【0004】
本願では、「セクションの直径」は、セクションの(円形又は非円形の)断面の寸法範囲を指すために、大雑把に使用されることがある。例えば、セクションA及びセクションBが、セクションBの長さの少なくとも30%(有利には70%以上)をセクションAが受け入れることができるような数値範囲内の断面寸法を有している場合、セクションAは、セクションBと比較してより大きい直径を有する、と言うことができる。
【0005】
デバイスのユーザの快適性、及び、コンパクトさの観点から、半径方向成分を有する方向へ延在する開口部を介して横方向へのラインの挿入を実行する一方で、この開口部が形成されるセクションが他のセクションを受け入れることを可能にすることが有利である。欧州特許第0711499号公報には、そのような釣り竿が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】フランス特許第2666721号公報
【特許文献2】欧州特許第0711499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、中通し式で、横方向へのラインの挿入が可能で、ライン導入通路が形成されたセクションの中に収納可能なセクションを備え、より容易なライン挿入が可能な振出竿が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
互いにフィットさせることができる少なくとも3つのセクションの(有利には円錐台形状の)アセンブリを含む釣り竿が提供される。前記アセンブリは、セクションN0と呼ばれる第1セクション、チップと呼ばれる最終セクション、及び、第1セクションとチップの間の中間セクションのサブセットを含む。前記サブセットは、少なくとも1つの中間セクションを含み、前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最大の直径を有する中間セクションは、セクションN0+1と呼ばれ、セクションN0の中にフィットさせることができ、また、前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最小の直径を有する中間セクションは、チップを受け入れることができる。
【0009】
有利かつ非限定的に、第1セクションには、その外周面に沿って、半径方向成分を有する方向へ延在するライン導入通路を形成することができる。
【0010】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は、前記アセンブリのすべてのセクションが互いにフィットする完全収納位置から、前記アセンブリのすべてのセクションが相互に展開された展開位置まで移行できるように、更に、ライン導入位置と呼ばれる半収納位置を採用できるようにアレンジされる。半収納位置においては、セクションN0+i(iは1以上)はセクションN0に対して展開され、また、チップはセクションN0+iの内側に位置する。
【0011】
半収納位置では、セクションN0~N0+iが相互に展開され、セクションN0+i+1~チップまでがセクションN0+iの中に収納される。
【0012】
セクションN0とセクションN0+iの間に、1つ以上のセクションが存在する、つまり「i=2」、「i=3」、又は、それ以上となる場合がある。
【0013】
或いは、「i=1」となる、つまりセクションN0+1が、半収納位置において、直径が小さい他のすべてのセクションを受け入れる場合がある。
【0014】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は、更に以下を含み得る。
- 半収納位置においてチップがセクションN0の方へ向かって(例えば10N未満の力で)押された際に、セクションN0+iに対してチップを保持するとともに、チップがライン導入通路に到達しないようにチップに当接する第1保持手段、及び、
- チップをセクションN0から遠ざける方向へ作用する10N未満の力を受けた場合に、第1保持手段とチップとの当接点に対応する位置で、又は、第1保持手段とチップが当接する位置から30センチメートル未満、有利には20センチメートル未満、有利には10センチメートル未満(又は、セクションN0+1の長さの30%未満、有利には20%未満、有利には10%未満)の位置で、チップを半収納位置に保持する第2保持手段。
【0015】
これは次のことを意味する。
- 第1の保持手段は、例えば半収納位置において、チップをセクションN0の方へ押す方向へ作用する力が10N未満である限り、セクションN0+iに対してチップを保持し、チップがライン導入通路に到達するのを防ぐように、チップと当接するようにアレンジすることができ、特にこの保持は、上述の力が、ある制限値よりも小さい場合に実行され、その第1の制限値は、10N以上、例えば15N又は20Nとすることができ、この制限値を超える力を受けたときに、ライン導入通路に到達するようにチップを設計することができ、また、
- 第2保持手段は、チップをセクションN0から遠ざける方向へ作用する力が10N未満である限り、第1保持手段とチップとの当接点に対応する位置で、又は、第1保持手段とチップが当接する位置から30センチメートル未満、有利には20センチメートル未満、有利には10センチメートル未満(又は、セクションN0+1の長さの30%未満、有利には20%未満、有利には10%未満)の位置で、チップを半収納位置に保持するようにアレンジされる。特にこの保持は、上述の力が、第2の制限値よりも小さい場合に実行され、上述の力がこの第2の制限値を超えると、チップは保持されない可能性がある。その第2の制限値は、10N以上、例えば15N、20N、又は、30Nとすることができる。
【0016】
本発明は、第1保持手段の特定の実施形態には限定されない。
【0017】
例えば、第1保持手段は、以下を含み得る。
- チップがセクションN0の方へ向かって押されたときに、チップ又はチップに取り付けられた要素と当接するために十分に延在する端縁によって区切られた、ラインのための開口部が形成され、セクションN0+iの大径側の端部に取り付けられたラインガイド要素、
- セクションN0に近づける方向へ作用する力をチップが受けたときに、少なくとも他の1つのセクションの端部と当接し、係止された先端を保持する、欧州特許第0711499号公報に記載されているような、チップの狭い方の端部の隆起、及び/又は、
- その他。
【0018】
第2保持手段は、特に釣り竿が、小径側の端部が大径側の端部よりも低くなる向きで垂直に配置されている場合に、反対方向への動きを防止し又は制限する。
【0019】
従って、半収納位置におけるチップの可動範囲を(例えば、30cm、20cm、又は、10cmに)制限することができ、その結果、半収納位置にあるときに、ラインがチップの大径の入口に向かって好適にガイドされるように、釣り竿を設計することができる。従って、ラインの挿入が極めて容易となる。
【0020】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は更に以下を含み得る。
- 少なくとも1つの円錐台形状の中間セクションの中に配置され、当該中間セクションの内径の範囲内の外径を有し、ラインの開口部が形成された、少なくとも1つの要素からなる可動ラインガイド要素のセット。
【0021】
もちろん本発明は、特定のタイプの開口部には限定されない。円筒形の穴が、例えば円形又は正方形のベースを備えていてもよく、又は、例えばラインをガイドするために、断面が変化する穴を備えていてもよい。
【0022】
一実施形態では、中間セクションのサブセットを構成する各中間セクションが、少なくとも1つの要素からなる可動ラインガイド要素のセットを受け入れる。
【0023】
他の実施形態では、中間セクションのサブセットを構成する少なくとも1つの中間セクションには、可動ラインガイド要素が配置されない。
【0024】
特に、海釣り用の釣り竿の場合、例えば、チップの直前の中間セクションは、可動ラインガイド要素を含まなくともよい。可動ラインガイド要素を含まないこのセクションは、例えば、他のセクションよりも短くすることができる。これにより、釣り竿をより頑丈にすることができる。
【0025】
例えば、セクションN0+1は、可動ラインガイド要素を含まない構成とすることができる。
【0026】
他の実施形態では、釣り竿が、可動ラインガイド要素を含まない構成とすることができる。この場合、例えば、適切なプラグが提供され、及び/又は、セクションの大径側の端部(又は、セクションの端部に取り付けられた要素)が、半収納状態において互いにフィットするように設計され得る。従って、チップは両方向に保持される。
【0027】
一実施形態では、第1セクションの前に、1つ以上の他のセクションを配置することができる。
【0028】
例えば、セクションN0の前のセクションには、ラインのスプールを取り付けることができる。
【0029】
有利には、その1つ以上の他のセクションの位置を、セクションN0に対して調整可能なように、釣り竿をアレンジすることができる。
【0030】
有利には、弾性を有する環状のジョイントを、セクションN0と直前のセクションとの間に、また、該当する場合には、セクションN0の前の複数のセクションの間に設けることができ、従って、セクションN0の直前のセクション、又は、セクションN0の前のそれらのセクションの位置を調整することができる。
【0031】
或いは、第1セクションの大径側の端部は、釣り竿の一端に対応する。
【0032】
有利かつ非限定的に、第1保持手段は、半収納位置において、チップがセクションN0の方へ向かって押されたときに、ライン導入通路に到達するのを防ぐように、少なくとも一組の可動ラインガイド要素のセット(少なくとも1つの要素からなる)を更に保持するようにアレンジされ得る。
【0033】
その結果、半収納位置において、チップが第1セクションの方へ向かって押されたときに、釣り竿を構成する要素が互いに当接し、セクションN0+iよりも断面が小さいセクションが、このセクションN0+iを通過して、セクションN0内に進入することが防止される。
【0034】
有利かつ非限定的に、例えば、半収納位置においてチップを第1セクションから遠ざける方向へ作用する10N未満の力を受けた場合に、少なくとも1つの(好ましくはそれぞれの)可動ラインガイド要素が、他の可動ラインガイド要素又はセクションの入口から5cm未満、有利には2cm未満、有利には1cm未満となるように、釣り竿をアレンジすることができる。セクション及び可動ラインガイド要素の長さは、変更可能である。
【0035】
有利かつ非限定的に、例えば、半収納位置においてチップを第1セクションから遠ざける方向へ作用する10N未満の力を受けた場合に、少なくとも1つの中間セクションに受け入れられた一組の可動ラインガイド要素のセット(少なくとも1つの要素からなる)のうち、少なくとも1つの(好ましくはそれぞれの)可動ラインガイド要素が、直径が大きい他の可動ラインガイド要素又はセクションの入口と係合するように、釣り竿をアレンジすることができる。これにより、この中間セクションに受け入れられた一組の可動ラインガイド要素は、次のセクションに対して反対となる。従って、これらの可動ガイド要素に形成されている入口とセクションの入口とが互いに整列して、短いトンネルが形成されるため、ラインの通過は、特に容易である。
【0036】
有利かつ非限定的に、例えば、半収納位置においてチップを第1セクションから遠ざける方向へ作用する10N未満の力を受けた場合に、少なくとも1つの中間セクションに受け入れられた、より直径が小さい可動ラインガイド要素が、次のセクションに(取り外し可能、又は、取り外し不能なように)係合するように、釣り竿をアレンジすることができる。
【0037】
例えば、円錐台形状の中間セクションは、単一の可動ラインガイド要素を受け入れることができる。この要素は、釣り竿が半収納状態にあるとき、例えば取り外し可能な手段によって、次のセクションに有利に係合させることができ、また、有利にはその中間セクション自体にも、例えば、中間セクションの大径側の入口に取り付けられた入口要素によって係合させることができる。釣り竿が展開されると、この入口要素への係合が解除され、可動要素が、次のセクションによって、セクションの内壁に対してウェッジされる位置へ引き寄せられ、ウェッジされると、次のセクションとの係合が解除される。
【0038】
有利かつ非限定的に、少なくとも1つの中間セクションに受け入れられる可動ラインガイド要素のセットは、少なくとも2つの可動ラインガイド要素を含み得る。
【0039】
有利かつ非限定的に、この場合例えば、半収納位置においてチップを第1セクションから遠ざける方向へ作用する10N未満の力を受けた場合に、少なくとも1つの中間セクションに受け入れられたすべての可動ラインガイド要素が、取り外し可能に互いに係合するように、釣り竿をアレンジすることができる。
【0040】
その結果、展開位置から収縮させると、セクションN1+1は、セクションN1に受け入れられた可動ラインガイド要素が、順々にその端部に取り付けられるのを見る。従って、ラインを、セクションN1に受け入れられた可動ラインガイド要素のうち、より大きな直径の要素から、セクションN1+1に向かって挿入することは比較的容易であり、ガイド要素の通路がトンネルを形成する。
【0041】
有利には、これらの取り外し可能な係合が、10N未満の力に抵抗するように、釣り竿をアレンジすることができる。
【0042】
有利かつ非限定的に、例えば、半収納位置においてチップを第1セクションから遠ざける方向へ作用する10N未満の力を受けた場合に、少なくとも1つの中間セクションに受け入れられた可動ラインガイド要素のうち、より直径が大きい可動ラインガイド要素が、例えば、この中間セクションに(例えば、ネジ止めにより、又は、ウェッジされて)取り付けられた固定ラインガイド要素によって、又は、この中間セクションの大径側の入口と一体である固定ラインガイド要素によって、前記中間セクションに対して取り外し可能に係合するように、釣り竿をアレンジすることができる。
【0043】
この中間セクションに受け入れられる可動ラインガイド要素のうち、より直径が小さい可動ラインガイド要素が、次のセクションと更に係合する場合、半収納位置において、中間セクションと次のセクションは、ラインガイド要素によるこれらの係合によって一緒に保持される。
【0044】
中間セクションに可動ラインガイド要素が複数ある場合、それらを互いに係合させることができる。
【0045】
従って、第2保持手段は、可動ラインガイド要素、及び、セクションに統合することができる。これらの可逆的係合により、可動ラインガイド要素を受け入れる隣接する中間セクションを、一緒に保持できるからである。
【0046】
すべての中間セクションが、1つ以上の可動ライン要素を受け入れると、これらの係合により、セクションN0+iからチップまでのすべてのセクションを一緒に保持できる。
【0047】
その結果、有利な方法で、第2保持手段は、少なくとも一組の前記可動ラインガイド要素のセット(少なくとも1つの要素からなる)を含むことができる。
【0048】
可動ラインガイド要素を含まない中間セクションの場合、第2保持手段は、可動ラインガイド要素を含まない各中間セクションと、次のセクション又はチップとの間の協働手段を、更に含むことができる。
【0049】
有利かつ非限定的に、半収納位置においてチップをセクションN0から遠ざける方向へ作用する10N未満の力を受けた場合に、チップの自由端が、中間セクションの小径側の端部に対して(端部を超えて延在する)突起を形成するように、釣り竿をアレンジし、また、チップの長さを選択することができ、従って、釣り竿が使用される展開位置へ移行するための把持が容易となる。
【0050】
中間セクションのサブセットが、可動ラインガイド要素を受け入れるいくつかの中間セクションを含む場合、前記複数のラインガイド要素のセットは、より直径が大きい大径の可動ラインガイド要素、又は、他のアイテムに向かうトンネル、例えば、チップから(又は、チップの前の、可動ラインガイド要素を欠く中間セクションから)第1セクションに最も近い中間セクションの大径側の入口までのトンネルを形成することができる。
【0051】
一実施形態では、第2保持手段は、チップの自由端のための、また、チップとセクションN0+iまでのセクションを、第1セクションとは独立して一緒に保つようにアレンジされたプラグデバイスを含むことができる(つまり、プラグデバイスは、一緒に保持されるセクションN0+i、…、チップが、セクションN0に対して一緒に移動することを妨げない)。従って、このプラグデバイスは、チップが前のセクションに対して展開されることを防ぎ、該当する場合には、中間セクションが互いに展開されるのを防ぐことができる。
【0052】
このプラグデバイスは、例えば、チップの小径側の端部及び関与する中間セクションの小径側の端部の前方へ来るように意図された底部を備えることができ、また有利には、中間セクションN0+iの端部の内面又は外面と接触する、柔軟性を有する周壁を備えることができる。
【0053】
有利には、プラグデバイスは、釣り竿が収納位置にあるときに、チップと、中間セクションのサブセットと、第1セクションとを一緒に保持できるように、更にアレンジすることができる。
【0054】
従って、収納位置及び半収納ライン導入位置において、釣り竿の展開を防ぐために同じプラグ装置が使用される。
【0055】
本発明は、1つ以上の可動ラインガイド要素によってセクションN0+iをチップに係合させる手段を備えた第2保持手段には限定されない。例えば、プラグのみを含む第2保持手段の場合、より直径が大きい可動ラインガイド要素が、受け入れられる中間セクションと直接係合するように、釣り竿をアレンジすることができる。従って、プラグを外して釣り竿を逆さまにすると、このセクションN0+iに続く次のセクション(3セクションロッドの場合におけるチップ等)が出てきて、展開位置へ移行するためのユーザーによる把持が容易になる。
【0056】
以下を含む釣り竿も提供される。
- 互いに伸縮自在にフィットさせることができる少なくとも3つのセクションのアセンブリ。前記アセンブリは、セクションN0と呼ばれる第1セクション、チップと呼ばれる最終セクション、及び、第1セクションとチップの間の中間セクションのサブセットを含む。前記サブセットは、少なくとも1つの中間セクションを含み、前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最大の直径を有する中間セクションは、セクションN0+1と呼ばれ、セクションN0の中にフィットさせることができ、また、前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最小の直径を有する中間セクションは、チップを受け入れることができる。
【0057】
有利かつ非限定的に、チップの小径側の端部(ライン出口端部と呼ばれる)の開口部からラインが出てくるようにアレンジされた釣り竿の第1セクションに、半径方向成分を有する方向へ延在するライン導入通路を、その外周面に沿って形成することができる。
【0058】
有利かつ非限定的に、前記アセンブリのすべてのセクションが互いにフィットした完全収納位置から、前記アセンブリのすべてのセクションが展開した展開位置まで移行できるように、また更に、セクションN0+i(iは1以上)がセクションN0に対して展開され、チップがセクションN0+iの内側に位置する半収納位置(ライン導入位置と呼ばれる)を採用できるように、釣り竿がアレンジされる。
【0059】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は、以下を含むライン出口端部用のプラグデバイスを更に備え得る。
- セクションN0とは無関係に、セクションN0+iをチップまで係合させ、また、セクションN0に対するセクションN0+iの移動を許容しつつ、チップ及びセクションN0+iまでのセクションが相互に展開されるのを防ぐようにアレンジされた第1係合手段、及び、
- アセンブリのセクションが互いに展開されることを防ぐようにアレンジされた、アセンブリのすべてのセクションを係合させる第2係合手段。
【0060】
従って、このプラグデバイスは、特に釣り竿が半収納位置にあるときに、セクションN0+iからチップまでのすべてのセクションを一緒に保持することができる。可動ラインガイド要素を備えた釣り竿の場合、これらの係合手段は、半収納ロッドを逆さまにしたときに、チップがセクションN0に対して移動するのを防ぐため、前述の第2保持手段を含み、又は、その一部とすることができる。
【0061】
また、同じプラグデバイスは、釣り竿を完全収納位置に保つために使用することができる。
【0062】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は更に以下を含み得る。
- 少なくとも1つの円錐台形状の中間セクション内の一組の可動ラインガイド要素のセット(少なくとも1つの要素からなる)(各要素は、前記中間セクションの内径の範囲内の外径を有し、ライン開口部が形成されている)。
【0063】
或いは、釣り竿を、可動ラインガイド要素を欠いた構成とすることができる。
【0064】
有利には、展開位置から半収納位置へ移行するときに、可動ラインガイド要素を、他の(可動又は固定)ラインガイド要素に係合させることができ、従って、チップ保持への関与が可能になる。
【0065】
更に、可動ラインガイド要素がトンネルを形成するとき、ラインのガイドが容易となる。
【0066】
一実施形態では、プラグデバイスは以下を含み得る。
- セクションN0+iからチップまでのセクションの開口部をカバーするサイズの底部(中実又は中空)、
- 有利には柔軟性があり、底部から突き出ており、セクションN0+iの端部の内面又は外面と接触するサイズの第1周壁、及び、
- 有利には柔軟性があり、第1周壁よりも大きな直径を有し、セクションN0の端部の内面又は外面と接触するサイズの第2周壁。
【0067】
第1周壁及び第2周壁は、同心とすることができる。
【0068】
第2周壁は、底部から延在し、又は、延在していない場合がある。例えば、第1周壁からオフセットが存在し得る。
【0069】
有利かつ非限定的に、第1周壁は、底部から、第2周壁よりも長く延在させることができ、これにより、完全収納位置から半収納位置への移行が容易となる。
【0070】
以下を含む釣り竿も提供される。
- 互いに伸縮自在にフィットさせることができる少なくとも2つのセクションのアセンブリ。前記アセンブリは、セクションN0と呼ばれる第1ライン入口セクション、及び、チップと呼ばれる最終セクションを含む。
【0071】
セクションN0には、セクションのアセンブリ内において、ライン導入通路(例えば、セクションN0の一方の端部の直径が大きい開口部、又は、セクションN0に形成された半径方向の開口部)が形成される。また、チップの小径側の端部(ライン出口端部と呼ばれる)の開口部からラインが出てくるように、釣り竿がアレンジされる。
【0072】
この釣り竿は、収納位置において(アセンブリが少なくとも3つのセクションを含むときは、有利には半収納位置において)、少なくとも2つのセクションのアセンブリ内にセクションを維持するようにアレンジされたプラグデバイスを更に含む。
【0073】
プラグデバイスは、ライン出口端部に取り付けられているとき、釣り竿の長手軸線周りに互いに回転可能で、ラインを通過させるためのスルーホールが形成された、2つの可動プラグ要素を含む。
【0074】
ラインを巻き取り、又は、放出できるように、前記スルーホールが少なくとも部分的に重なる第1の構成に従って、また、2つのスルーホールのそれぞれの位置が異なる第2の構成に従ってプラグ要素を配置できるように、プラグデバイスがアレンジされる。
【0075】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は、第1セクションとチップの間の中間セクションのサブセットを更に含むことができる。前記サブセットは、少なくとも1つの中間セクションを含み、前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最大の直径を有する中間セクションは、セクションN0+1と呼ばれ、セクションN0の中にフィットさせることができ、また、前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最小の直径を有する中間セクションは、チップを受け入れることができる。
【0076】
一実施形態では、第2の構成におけるスルーホールの重なりは、ラインがその直線方向へ移動すること(例えば、巻き取り)を防ぐのに十分に小さい。
【0077】
このようにして、簡単な回転動作でラインをロックすることができる。
【0078】
一実施形態では、2つのスルーホールは、対応するプラグ要素の端縁までそれぞれ延在する。その結果、1つの構成では、スルーホールの重なりを、これらの要素の端縁まで拡張できるため、ラインの有無に関係なく、単純な横方向の動作により、プラグをセクションから取り外す(又は、装着する)ことができる。
【0079】
或いは、一方の要素が他方の要素に対して相対的に回転することにより、ラインの移動(特に、ユーザーがラインを巻き取るときの)が許容される構成から、及び、ラインがロックされている構成から、単純に移行できるように、端縁に達しない長方形の穴を設けることができる。
【0080】
変形として、一方の要素を他の要素に対して相対回転させることによって、プラグデバイスの取り外しを可能にする構成から、巻き取りの場合にラインの通過のみを許容する構成への移行が簡単に達成されるように、端縁まで延在し、中間点を通過する穴を備えることができる。
【0081】
以下を含む釣り竿も提供される。
- 互いに伸縮自在にフィットさせることができる少なくとも2つのセクションのアセンブリ。前記アセンブリは、セクションN0と呼ばれる第1ライン入口セクション、及び、チップと呼ばれる最終セクションを含む。
【0082】
セクションN0には、半径方向ライン導入通路が形成され、また、チップの小径側の端部(ライン出口端部と呼ばれる)の開口部からラインが出てくるように、釣り竿がアレンジされる。
【0083】
前記アセンブリのすべてのセクションが互いに伸縮自在にフィットした完全収納位置から、前記アセンブリのすべてのセクションが互いに展開した展開位置まで移行できるように、釣り竿がアレンジされる。
【0084】
この釣り竿は、更に以下を含む。
- セクションN0(又はセクションN0の前のセクション)、及び、セクションN0+j(jは1以上)のいずれか一方と一体であり、半径方向及び長手方向へ延在する、少なくとも1つの第1回転防止コンポーネント、
- セクションN0(又はセクションN0の前のセクション)とセクションN0+jのいずれか他方と一体であり、釣り竿が完全収納位置にあるときに、第1回転防止コンポーネントに当接可能な、少なくとも1つの第2回転防止コンポーネント。
【0085】
その結果、釣り竿を収縮させると、セクションN0(又は前のセクション)に対するセクションN0+jの回転が制限され、ラインの絡まりが防止される。
【0086】
有利には、第2回転防止コンポーネントのいずれかの側に配置された2つの第1回転防止コンポーネントを、その移動を制限するために備え得る。
【0087】
第1及び第2回転防止コンポーネントは、20°未満の範囲にわたって、有利には10°未満の範囲にわたって、第1回転防止コンポーネントが第2回転防止コンポーネントの接線移動を制限するようなサイズでアレンジされる。
【0088】
第1及び/又は第2回転防止コンポーネントは、複数装備することができる。
【0089】
回転防止コンポーネントは、例えば、互いに噛み合う歯、溝、スタッドアンドホールシステム、又は、他のアイテムを含み得る。
【0090】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は、セクションN0と呼ばれる第1セクション及びチップと呼ばれる最終セクションに加え、第1セクションとチップの間の中間セクションのサブセットを含み得る。前記サブセットは、少なくとも1つの中間セクションを含み、前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最大の直径を有する中間セクションは、セクションN0+1と呼ばれ、セクションN0の中にフィットさせることができ、また、前記サブセットの前記少なくとも1つの中間セクションの中で最小の直径を有する中間セクションは、チップを受け入れることができる。
【0091】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は、ライン導入位置と呼ばれる半収納位置を採用できるようにアレンジされる。半収納位置においては、セクションN0+i(iは1以上)は、セクションN0に対して展開され、また、チップは、セクションN0+iの内側に位置する。
【0092】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は、更に以下を含み得る。
- 円錐台形状のセクションN0及び/又は少なくとも1つの円錐台形状の中間セクションの中に配置され、少なくとも1つの要素からなる可動ラインガイド要素のセット。前記セットの各要素は、前記セクションの内径の範囲内の外径を有し、ラインのための開口部が形成されている。
【0093】
非限定的な実施形態では、第1要素(及び/又は第2要素)は、それが(それらが)一体であるセクションの長さの少なくとも75%にわたって(有利には、当該セクションの全長にわたって)長手方向へ延在する。従って、半収納位置から完全収納位置へ移行するときに回転が防止される。
【0094】
従って、2つの第1要素が第2要素のいずれかの側にある場合、例えば鳩尾形アセンブリなどのスライド接続によって回転を防止できる。
【0095】
iが厳密に1より大きい場合、つまり、セクションN0とセクションN0+iとの間に1つ以上のセクションが存在する場合、この第1要素(又は第2要素)は、セクションN0の長さの少なくとも75%にわたって長手方向へ延在させることができるだけではなく、セクションN0とセクションN0+iとの間のセクションの少なくとも一部分にわたって延在させることもできる。
【0096】
第1要素が、それが一体であるセクションの長さの少なくとも75%にわたって長手方向へ延在する場合、第2要素は、有利には、非常に短い長さで(例えば、セクションの長さの10%未満にわたって)長手方向へ延在させることができ、及び、その反対とすることができる。これにより製造が容易となる。
【0097】
この短い長さは、3センチメートル未満、有利には約1センチメートルとすることができる。
【0098】
短い長さで延在する第2要素、又は、第1要素(該当する場合)は、(ネジ止め、又は、ウェッジさせることにより)取り付けられた環状要素、又は、セクションN0+jの大径側の入口の一体部分に、取り付けられ、又は、その一体部分とすることができる。
【0099】
このようにして、特に、環状要素が機械加工又はモールディングによって製作されている場合、回転防止コンポーネントをより簡単に製造することができる。
【0100】
第1要素が長手方向に延在し、円錐台形状のセクションの一体部分である場合、その半径方向の厚さ(又は深さ)は、セクションの円錐台形状の特質に適応させるために、長手方向の位置によって変化させることができる。
【0101】
可動ラインガイド要素を含む釣り竿の場合、この環状要素は、このセクションN0+iの大径側の入口に取り付けられた(ネジ止め、又は、ウェッジさせることにより)、又は、一体的な、固定ラインガイド要素を含み得る。この固定ラインガイド要素は、このセクションN0+iの中に受け入れられた(又は、受け入れられない)、より直径が大きい可動ラインガイド要素と協働するようにアレンジすることができる。
【0102】
セクションN0(又は、セクションN0の前のセクション)と、セクションN0+jのいずれか一方には、例えば、半径方向及び長手方向に延在する平面内の2つのガイド面を有する溝(例えば、直角又はV字形の溝)を形成することができる。
【0103】
セクションN0(又は、セクションN0の前のセクション)と、セクションN0+jのいずれか他方のセクションには、例えば、溝にフィットするほぞを形成することができる。
【0104】
例えば、セクションN0(又は、セクションN0の前のセクション)の内壁に、長手方向の溝を形成することができ、また、セクションN0+jに取り付けられた環状要素には、この溝に受け入れられる数センチメートル以下の長さの突起を形成することができる。
【0105】
他の例によれば、セクションN0(又は、セクションN0の前のセクション)の内壁に、長手方向へ(例えば、セクションN0、又は、セクションN0の前のセクションの全長にわたって)延在するタブを形成することができる。
【0106】
例えば、セクションN0+1に取り付けられた環状要素に、タブの一部を受け入れ、両側において長手方向へ開き、タブとともにスライド接続を形成するのに十分な半径方向深さを有し、数センチメートル以下の長さを有する溝を形成することができる。
【0107】
円錐台形状のセクションN0(又は、前のセクション)の場合、タブの厚さ(半径方向)を、円錐台形状に適合するように、セクションN0又は前のセクションに沿って変化させることができる。このように、セクションN0+jが、この円錐台形状のセクションN0又は前のセクションに対して移動したとき、タブと環状要素に形成された溝との間の協調は、ほとんど影響を受けない。
【0108】
以下を含む釣り竿も提供される。
- 互いに伸縮自在にフィットさせることができる少なくとも2つのセクションのアセンブリ。前記アセンブリは、セクションN0と呼ばれる第1ライン入口セクション、及び、チップと呼ばれる最終セクションを含む。
【0109】
セクションN0には、半径方向ライン導入通路が形成され、また、チップの小径側の端部(ライン出口端部と呼ばれる)の開口部からラインが出てくるように、釣り竿がアレンジされる。
【0110】
前記アセンブリのすべてのセクションが互いに伸縮自在にフィットした完全収納位置から、前記アセンブリのすべてのセクションが互いに展開した展開位置まで移行できるように、釣り竿がアレンジされる。
【0111】
この釣り竿は更に、セクションN0+k(kは1から3まで変化する)のための保持デバイスをセクションN0内に含む。前記デバイスは、完全収納位置において、長手方向へのラインの移動を許容しつつ、セクションN0+kをセクションから引き出す方向へ作用する閾値未満の力に抵抗するようにアレンジされている。
【0112】
この閾値は、10N以下とすることができる。
【0113】
この保持デバイスは、例えば、長手方向及び半径方向へ延在する少なくとも1つのリブを含み得る。このリブは、一方のエッジによって、セクションN0(又は、前のセクション)とセクションN0+kのいずれか一方に係合する。また、完全収納位置にあるとき、前記係合する一方のエッジとは反対側のエッジ(長手方向へ延在する)が、セクションN0(又は、前のセクション)とセクションN0+kのいずれか他方に取り付けられた要素に対して(又は、当該他方に対して直接)ウェッジされるような形状にアレンジされる。
【0114】
このウェッジにより、セクションN0+kはセクションN0(又は、前のセクション)の中に保持されるが、これらのリブは、ラインの通路を区切ることができる。
【0115】
一実施形態では、これらのリブを、セクションN0+kの外壁とセクションN0(又は、前のセクション)の内壁との間において、半径方向へ延在させることができる。
【0116】
例えば、セクションN0は、その大径側の端部の近傍に、これらのリブを装備することができる。これらのリブは、接着剤による接着などによって、セクションN0(又は、前のセクション)の内壁に取り付けられ、セクションN0+kがセクションN0(又は、前のセクション)の中に受け入れられると、これらのリブの内側のエッジが、セクションN0+kの外壁と擦れあう。ラインは、セクションN0及びN0+kによって形成され、また、リブによって互いに分離された通路を通過できる。
【0117】
他の例によれば、リブは、接着結合又はネスティングなどによって、セクションN0+kの外壁に取り付けることができる。このセクションN0+kがセクションN0(又は、前のセクション)に受け入れられると、これらのリブの外側のエッジが、セクションN0(又は、前のセクション)にウェッジされる。この例では、完全収納位置から半収納位置へ移行するときに、ウェッジング継続するが、これは、セクションN0+kの位置をセクションN0に対して調整できるという点で有利である。これにより、セクションN0+kを展開するときに、長さを調整できる可能性があるため、セクションN0の前への1つ以上のセクションの配置を回避できる場合がある。
【0118】
一実施形態では、これらのリブを、セクションN0+kの内壁と、セクションN0+kの中に受け入れられ、セクションN0(又は、前のセクション)に取り付けられた要素の外壁との間において、半径方向へ延在させることができる。
【0119】
例えば、リブは、セクションN0+kに取り付けられ、セクションN0+kの内壁から釣り竿の内側まで延在させることができる。従って、セクションN0(又は、前のセクション)に取り付けられた中央スタッドに対してウェッジングさせることができる。
【0120】
有利な実施形態では、少なくとも1つのリブがウェッジされるコンポーネントは、端部要素(セクションN0に取り付けられ、釣り竿を閉じる)に取り付けられた、又は、一体である中央スタッドを含み得る。
【0121】
リブは、セクションN0+kの大径側の入口に(ネジ止め、又は、ウェッジされることにより)取り付けられた、又は、一体である環状要素に取り付けることができる。
【0122】
完全収納位置においては、この環状要素の中にこのスタッドを受け入れることができる。そして、スタッド、環状要素の内壁、及び、リブによって、通路が形成される。
【0123】
他の例によれば、リブをスタッドに取り付けて、セクションN0+kの内壁にウェッジさせることができる。
【0124】
有利かつ非限定的に、この釣り竿は更に次を含み得る。
- 少なくとも1つの円錐台形状の中間セクション内の一組の可動ラインガイド要素のセット(少なくとも1つの要素からなる)(各要素が、前記中間セクションの内径の範囲内の外径を有し、ライン開口部が形成される)。
【0125】
可動ラインガイド要素を含む釣り竿の場合、この環状要素は、セクションN0+kの大径側の入口に取り付けられた(ネジ止め、又は、ウェッジさせることにより)、又は、一体的な、固定ラインガイド要素を含み得る。前記固定ラインガイド要素は、このセクションN0+kの中に受け入れられた、より直径が大きい可動ラインガイド要素と協働するようにアレンジすることができる。
【0126】
以下を含む釣り竿が提供される。
- 互いに伸縮自在にフィットさせることができる少なくとも2つのセクションのアセンブリ。前記アセンブリは、セクションN0と呼ばれる第1ライン入口セクション、及び、チップと呼ばれる最終セクションを含む。
- 少なくとも2つの要素が、前記アセンブリの少なくとも1つの円錐台形状のセクション内において可動である、一組のラインガイド要素のセット(少なくとも3つの要素からなる)。各ラインガイド要素は、この円錐台形状のセクションの内径の範囲内のそれぞれの外径に対応し、ガイド要素のセット(少なくとも3つの要素からなる)は、前記円錐台形状のセクションの大径側の端部から挿入されるときに、外径が増加するように順序付けられ、また、各ラインガイド要素は、ラインの通路を形成する本体を含み、また、以下を含む。
- 外径が前記ガイド要素の外径である、剛性を有する第1本体部分、
- 第1本体部分よりも柔軟な第2本体部分。
【0127】
各可動ラインガイド要素は、更に以下を含む。
- 第3本体部分。
【0128】
第2本体部分は、第1本体部分と第3本体部分の間に配置される。
【0129】
セットは、より直径が大きいガイド要素を除く各ガイド要素について、次のように形成される。
- このガイド要素の第1部分は、より直径が大きい隣接するガイド要素の第2部分を受け入れることができ、この第2部分の外壁及びこの第1部分の内壁が互いに協働するようにアレンジされ、
- このガイド要素の第2部分は、より直径が大きい隣接するガイド要素の第3部分を、遊びなしで受け入れることができる。
【0130】
従って、セットのガイド要素が互いにネストすると、セットのすべてのガイド要素の第2部分(最初のもの(直径が大きい)と最後のもの(直径が小さい)を除く)が、
- 一方では、直径が小さい隣接するガイド要素の第1部分によって、協働手段を介して保持され、
- 他方では、直径が大きい隣接するガイド要素の第3部分によって、遊びなしで保持される。
【0131】
有利には、最後のガイド要素を、隣接するラインガイド要素間におけるこのネスティングよりも強い接続によって、例えば、50Nを超える力に抵抗する接続(例えば、ネジ止め、又は、接着剤による接着による)によって、この円錐台形状のセクションの中に受け入れられるセクションに取り付けることができる。
【0132】
ガイド要素が、受け入れられる円錐台形状のセクションに対し、その周囲に沿ってウェッジされるとき、この配置によって、この要素を、他の相互にネストされた要素(他の要素ではなく)から切り離すことが可能になることがわかる。
【0133】
理論に拘束されることを望むことなく、ある要素の柔軟な第2部分、及び、それに隣接する要素の剛性を有する第1部分との間の接続が、隣接する要素がもう1つ存在する場合に、当該要素の第3部分に対する第2部分の遊び無しの接続によって強化される可能性があり、また、ネストされた要素のセットにおける大径の要素の第2部分と、これに隣接する要素の第1部分との間の接続が補強されない場合(隣接するもう1つの要素の第3部分が存在しない場合)、その接続は他の接続よりも弱くなり、その結果、他の要素から分離するのは、この大径の要素である、ということになる。
【0134】
ガイド要素のセットにおける小径側の端部において、最小の可動要素の第2部分及び第3部分と協働する第1部分及び第2部分を有する端部要素(例えば、隣接するセクションに更に取り付けられ、又は、一体である)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
以下、非限定的な添付図面を参照しながら本発明について説明する。
【
図1A】
図1Aは、完全収納位置にある、本発明の一実施形態による釣り竿の一例を示している。
【
図1B】
図1Bは、半収納位置にある、本発明のこの実施形態による釣り竿の一例を示している。
【
図2A】
図2Aは、収納位置にある、この釣り竿の大径側の端部の図である。
【
図2B】
図2Bは、収納位置にある、この釣り竿の大径側の端部の一部の図である。
【
図3】
図3は、半収納位置にある、この釣り竿の一部の図である。
【
図4】
図4は、収納位置にある、この釣り竿の小径側の端部の図である。
【
図5】
図5は、この釣り竿のプラグデバイスの一例の斜視図である。
【
図6】
図6は、この釣り竿のプラグデバイスの一例の斜視図である。
【
図7】
図7は、収納位置にある、この釣り竿の大径側の端部の図である。
【
図8】
図8は、この釣り竿のセクションN0+1の端部要素の斜視図である。
【
図9】
図9は、この釣り竿の端部要素の斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による釣り竿の円錐台形状セクション内に受け入れられた一組のラインガイド要素のセットの非常に概略的な図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態による4つのガイド要素のセットの一例の分解図である。
【
図12】
図12は、ネストされた一組のガイド要素のセットの例の斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態による、順番に並べられたガイド要素を示し、その半分のみが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0136】
同一又は類似の部品を参照するために、ある図から次の図に、同一の参照符号が使用される。
【0137】
図1Aを参照すると、釣り竿10は、複数のセクション(ここでは伸縮自在に互いにフィットする4つのセクション11,12,13,14)のアセンブリを含む。
【0138】
より直径が大きいセクション11は、第1セクション又はライン入口セクションと呼ばれ、セクション12を受け入れることができる。
【0139】
より直径が小さいセクション14は、チップと呼ばれ、セクション13内に受け入れられる。
【0140】
セクション12,13は、中間セクションと呼ばれ、円錐台形状である。つまりこれらは、断面の直径が、大径側の入口から小径側の出口へ向かって連続的に変化する。
【0141】
セクション11,14は、円錐台形状である場合と、そうでない場合がある。
【0142】
チップ14には、図示しない内部ラインガイド要素が形成されている。これらの要素は固定されている。
【0143】
中間セクション12,13には、外径が順々に小さくなり、釣り竿が展開されると中間セクション12,13の内壁に対して順々にウェッジされる可動ラインガイド要素105A~105E,110A~110Eが受け入れられる。
【0144】
これらの図には、釣り竿の完全展開位置は示されていないが、すべてのセクションが相互に展開され、ガイド要素105A~105E,110A~110Eが、セクション12,13に沿って分散されることは、容易に理解できる。
【0145】
プラグデバイス200は、
図1Aに示すように、セクション11~14を収納位置に維持し、また
図1Bに示すように、セクション12~14を半収納位置に維持する。
【0146】
半収納位置にある場合、
図1B及び
図3に示すように、チップ14が、第1セクション11に形成されたライン導入通路15の方へ向かって、10N以下の想定される力で押された場合でも、ライン導入通路15に到達しないように、第1保持手段107,110A~E,106,105A~E,16によって保持される。
【0147】
このライン導入通路15は、セクション11の壁部に形成されている。つまりラインは、セクション11の端部においてではなく、横方向に挿入される。これにより、セクション11の壁部、又は、ハンドルとして機能する前のセクション(図示せず)にスプール(図示せず)を取り付けることができるため、ユーザにおける快適さを向上させることができる。
【0148】
セクション11の締まりばめ部分150は、セクション11の他の部分よりも断面が狭く、内壁がセクション12の外壁に対してわずかに擦れ、セクション12~14のアセンブリ(セクション11に対し伸縮自在にフィットする)を収納する方向へ作用する10N未満の力に対し十分に抵抗する。この締まりばめ部分150は、半展開状態において、互いに伸縮自在にフィットするセクション12~14が、セクション11の内側へ更に進入すること(これは、ライン導入通路15へのラインの挿入を妨げる)を防止する。
【0149】
第1保持手段は、セクション13,14が、セクション12を通過してライン導入通路15をブロックすることを防止する。
【0150】
第1保持手段は、互いに入れ子となり、セクション14をセクション12に係合させる要素107,110A~E,106,105A~E,16を含む。
【0151】
その結果、半収納状態の釣り竿を、プラグデバイスが上側となる向きで垂直に配置した場合において、セクション12~14のアセンブリが重力によってセクション11内に落下したり、セクション13~14がセクション11内に落下することはない。
【0152】
更に、第2保持手段200,17,105A~105E,106,110A~110E,107は、釣り竿を180°回転させた(つまり、プラグデバイスが下側となる向きで、重力ベクトルの方向に従って垂直にした)ときに、チップ14、及び、セクション13が、小径側の端部を通ってセクション12から飛び出さないように維持する。
【0153】
これらの第2保持手段は以下を含む。
- セクション12~14を一緒に保持するように配置されたプラグデバイス200。
- 要素17,105A~105E,106,110A~110E,107のアセンブリ。これらの要素は、半収納状態において協働し、端部要素17,106,107は、セクション12,13、及び、チップ14にそれぞれ取り付けられている(又は、統合されている)。従って、これらの要素17,105A~105D,106,110A~110F,107のアセンブリは、チップ14をセクション12内に維持する。
【0154】
更に、完全収納状態に関する
図2A,2Bを参照すると、セクション11は、タブ18を含む。このタブ18は、セクション11の全長にわたって延在し、セクション11のチューブに取り付けられ、又は、一体である
。このタブは、半径方向へ数ミリメートル延在し、環状要素16に形成された溝と協働する。
【0155】
この溝19は、タブの一部を受け入れることができるように(半径方向に)十分に深くすることができる。溝19は、タブ18上をスライド可能なように、両側が長手方向に開いている。
【0156】
環状要素16は、溝19がタブ18の一部を受け入れた場合にのみ、セクション12をセクション11に挿入できるようなサイズになっている。角度が相違している場合には、セクション12をセクション11に挿入することはできない。
【0157】
適切な位置決めの後、セクション12がセクション11に対して移動する場合、この溝19とタブ18の協働は継続し、従って、セクション11に対するセクション12の回転が防止される。これは、ラインが入口15及びセクション12の端部開口部を介して挿入されている場合に特に有用である。実際、回転すると、ラインがもつれる可能性がある。
【0158】
タブ18と溝19のシステムは、収納位置から半収納位置、又は、展開位置へ、及び、その逆へ移行するときに、ガイドとして機能し、従って、セクション11に対するセクション12の相対的な回転を防止する。
【0159】
また、収納状態においては、このタブ18と溝19のシステムは、セクション11に対するセクション12の相対的な回転を更に防止する。
【0160】
図4、
図5、及び、
図6を参照すると、プラグデバイス200は、セクション12~14を係合させる第1係合手段201と、セクション11~14を係合させる第2係合手段202とを含む。
【0161】
より具体的には、プラグデバイス200は、セクション11の端部を覆うのに十分な大きさの直径を有する円形の底部203を含む。
【0162】
第1係合手段は、底部203から突出し、断面が円形となるほぼ円筒形で、セクション12の端部の外径又は内径に等しい(又は近似した)内径又は外径を有し、柔軟性を有する第1周壁201を含む。
【0163】
第2係合手段は、底部203から突出し、断面が円形となるほぼ円筒形で、セクション11の端部の外径に等しい(又は近似した)内径を有する、第2周壁202(有利には柔軟性を有する)を含む。
【0164】
これらの2つの周壁201,202は、同心である。
【0165】
周壁201は、周壁202を超えて延在するため、収納位置から半収納位置へ移行するとき、セクション12~14が周壁201によって保持された状態のまま、セクション11をプラグデバイス200から容易に取り外すことができる。
【0166】
この実施形態では、底部203は二重底部である。つまり底部203は、第1底部204、及び、その上の図示しない第2底部(周壁201,202の基端となる)を含む。
【0167】
より具体的には、プラグデバイスは、底部203を含む第1プラグ要素と、図示しない底部、及び、周壁201,202を含む第2プラグ要素とを備える。
【0168】
各プラグ要素は、単一の部品とすることができる。
【0169】
各プラグ要素には、ラインを挿入するためのスルーホール205,206がそれぞれ形成される。
【0170】
プラグ要素は、2つのホール205,206が重なる特定の角度偏差にあるときに、ラインを巻き込むことが可能となるように、互いに対して回転可能なように取り付けられている。
【0171】
第1プラグ要素を、他の角度偏差の値に達するまで回転させると、ホールが重なり合う領域をゼロとすることができる。つまり、ラインがロックされる。
【0172】
これらのホール205,206は、プラグデバイスの端縁まで延在している。これらのホールが揃うと、ホールが重なり合う領域がこれらの端縁に到達し、ラインの存在にかかわらず、単純な横方向の動きによって、プラグデバイスを比較的簡単に着脱することができる。
【0173】
図7、
図8、及び、
図9を参照すると、この釣り竿は、セクション11内でセクション12を保持するための保持デバイス16,30(釣り竿の完全収納状態において、ラインが巻き取られるときに誘発される力に対抗することができる)を更に備える
。実際、ラインは、セクション12がセクション11の外側へ排出される方向に作用する力を発揮する。
【0174】
セクション11に取り付けられた(例えば、釣り竿の端部にウェッジされ、又は、ネジ止めされた)端部要素30は、この目的のため、チップに向かって長手方向に延在するスタッド31を備える。
【0175】
セクション12に取り付けられた(例えば、セクション12の端部にウェッジされ、又は、ネジ止めされた)環状要素16には、ラインを通すための開口部20が形成され、半径方向に延在する内部リブ32が形成されている。
【0176】
スタッド31がこの開口部内に進入すると、これらのリブ32は、スタッド31の外壁に押し付けられ、ラインによって作用する力に対し十分に対抗し得る。
【0177】
リブ32、スタッド31、及び、環状要素16の円筒状壁部の間には、リブ32によってチャンネル33が形成され、ここに通したラインを自由に流すことができる。
【0178】
図10は、本発明の一実施形態による、釣り竿の円錐台形状セクション内に受け入れられた一組のラインガイド要素のセットの概略図を示す。
【0179】
この非常に概略的な図では、円錐台形状が誇張されており、また、要素のパーツ間の接続が二重矢印で示されている。
【0180】
互いに入れ子となる一組のラインガイド要素110A~110Fのセットが、円錐台形状セクション109の中に受け入れられている。
【0181】
各ラインガイド要素110A~110Fには、図示しないラインを通過させるための開口部が形成されている。これらのラインガイド要素が互いに嵌まり込んだ状態にあるとき、これらの開口部は互いに整列し、ラインのためのトンネルを形成する。
【0182】
各ラインガイド要素110A~110Fは、以下を含む本体を備えている。
- 剛性を有する第1部分111A~111F(チューブ109の内壁に対しウェッジされる)、
- より柔軟性を有する第2部分112A~112F(可動ラインガイド要素110A~110Eにおいては、次の要素の第1部分111B~111Fの中に受け入れられ、また、固定ラインガイド要素110Fにおいては、より直径が小さい次のセクション109’に、ネジなどによって取り付けられる)。
【0183】
可動ラインガイド要素110A~110Eは、第3部分113A~113E(次の要素の第2部分112B~112Fの中に受け入れられる)を更に備える。
【0184】
これらの要素は、それらの挿入によって、互いに入れ子となっている要素を結合させる方向に作用する力が発生するような形状となっている。
【0185】
より具体的には、各第3部分113A~113Eは、次の要素の第2部分112B~112Fの中に遊びなしで受け入れられる。
【0186】
「遊びなし」とは、ぴったりとした寸法、又は、わずかなネガティブな遊びを意味し、要素の第3部分は、次の要素の第2部分の中に埋め込まれるように、圧入される必要がある。
【0187】
そして、各第2部分112A~112Eは、例えば、クリップ、ウェッジング、又は、他の手段によって、次の要素の第1部分111B~111Fと協働する。
【0188】
これらの接続は、図の二重矢印で示されている。
【0189】
第2部分は柔軟性を有しているため、第3部分の存在は、対応する第1部分への第2部分の接続を強化する。
【0190】
くさび部分114A~114Fは、対応する第1部分111A~111Fに取り付けられ、又は、一体化されている。
【0191】
このくさび部分114A~114Fは、対応するラインガイド要素110A~110Fの外径を規定する
。例えばこれは、パッド、スカート、又は、第1部分自体であり得る(特に、
図10の要素110Fなどの小径要素の場合)。
【0192】
有利な実施形態では、第1部分、第2部分、及び/又は、第3部分は、1つの要素から次の要素まで同じ寸法を有し、これらの要素は、それらのくさび部分が異なる。
【0193】
図11から
図13は、あまり概略的でないガイド要素105A~105Dの例を示している。
【0194】
各ガイド要素105A~105Dは、第1部分151A~151D、より柔軟な第2部分152A~152D(クリッピング手段160A~160Dなどが形成されている)、及び、第3部分153A~153Dを備える。
【0195】
この例では、第2部分152A~152Dの柔軟性は、この第2部分のオープンワークによって得られる。第2部分152A~152Dに形成された開口部161A~161Dは、それらの壁をより柔軟にする。
【0196】
この例では、クリッピング手段は、第1部分の内壁に形成された溝と協働する隆起160A~160Dを備える。ここで、溝163B~163Dは、対応する隆起160A~160Cを受け入れる。溝163A、及び、隆起160Dは、対応する2つの固定されたラインガイド要素(図示せず)と協働する。
【0197】
くさび部分162A~162Dは、本体と一体である。
【国際調査報告】