(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】シフト可能な収束面を有するマルチビューディスプレイ、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 30/33 20200101AFI20220202BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220202BHJP
H04N 13/351 20180101ALI20220202BHJP
H04N 13/32 20180101ALI20220202BHJP
H04N 13/366 20180101ALI20220202BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
G02B30/33
F21S2/00 480
H04N13/351
H04N13/32
H04N13/366
G09F9/00 360N
G09F9/00 336D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535521
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 US2018066952
(87)【国際公開番号】W WO2020131087
(87)【国際公開日】2020-06-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイヴィッド エー.
【テーマコード(参考)】
2H199
3K244
5C061
5G435
【Fターム(参考)】
2H199BA12
2H199BA47
2H199BA49
2H199BB17
2H199BB22
2H199BB29
2H199BB52
3K244AA01
3K244BA01
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA02
3K244DA03
3K244GA08
5C061AA06
5C061AB14
5C061AB16
5C061AB17
5G435AA01
5G435BB12
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5G435BB17
5G435CC09
5G435DD04
5G435DD09
5G435EE27
5G435FF08
5G435LL07
(57)【要約】
マルチビューディスプレイは、収束面内の点に収束するように構成された指向性光ビームを放射するように構成されたマルチビューバックライトと、収束面で指向性光ビームを変調するように構成されたライトバルブのアレイとを含む。マルチビューバックライトとライトバルブアレイとの間の距離は、マルチビューディスプレイに対して収束面の対応する位置をシフトするように調整可能に構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチビューディスプレイであって、
マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームとして光を放射するように構成されたマルチビューバックライトであって、前記指向性光ビームが、前記マルチビュー画像の異なるビューの位置に対応する収束面内の点で収束するように構成される、マルチビューバックライトと、
前記収束面における前記マルチビュー画像の前記異なるビューとして前記指向性光ビームを変調するように構成されるライトバルブのアレイとを備え、
前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の距離は、前記マルチビューディスプレイに対して前記収束面の対応する位置をシフトするように調整可能に構成される、マルチビューディスプレイ。
【請求項2】
前記マルチビュー画像の前記異なるビュー間のビュー間間隔が、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前記調整可能な距離及び前記収束面の前記対応する位置の関数として一定になるように構成される、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項3】
前記収束面における前記ビュー間間隔が、前記マルチビューディスプレイのユーザの眼間距離に見合ったものである、請求項2に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項4】
前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前記距離が、前記ライトバルブアレイに対する前記マルチビューバックライトの機械的な動きを含んで調整可能である、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項5】
前記マルチビューバックライトが第1のマルチビューバックライトであり、前記収束面が前記マルチビューディスプレイの第1の収束面であり、前記マルチビューディスプレイが、第2の収束面で前記マルチビュー画像の前記異なるビューの位置に対応する点で、前記第2の収束面内に収束する指向性光ビームを提供するように構成された第2のマルチビューバックライトをさらに備え、前記マルチビューディスプレイに対する前記第2の収束面の位置が、前記第1の収束面の位置とは異なる、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項6】
前記第1のマルチビューバックライトは、前記第2のマルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間に配置され、前記第1のマルチビューバックライトは、前記第2のマルチビューバックライトによって提供される前記指向性光ビームを透過させ、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前記調整可能な距離は、前記第1のマルチビューバックライト及び前記第2のマルチビューバックライトのうちの1つを選択的にアクティブにして、前記第1及び第2の収束面のそれぞれの内部で前記マルチビュー画像を提供することを含む、請求項5に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項7】
前記マルチビューバックライトが、
ライトガイドの長さに沿った伝播方向に光を導くように構成されたライトガイドと、
前記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、前記複数のマルチビーム要素のうちの1つのマルチビーム要素は、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当するサイズを有し、前記導波光の一部を前記指向性光ビームとして前記ライトガイドから散乱させるように構成された複数のマルチビーム要素とを備える、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項8】
前記マルチビーム要素が、前記ライトガイドに光学的に接続された回折格子、マイクロ反射要素、及びマイクロ屈折要素のうちの1つ又はそれ以上を含み、前記回折格子が、前記導波光の前記一部を回折的に散乱させるように構成され、前記マイクロ反射要素が、前記導波光の前記一部を反射的に散乱させるように構成され、前記マイクロ屈折要素が、前記導波光の前記一部を屈折的に散乱させるように構成される、請求項7に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項9】
請求項1に記載のマルチビューディスプレイを備えるマルチビューディスプレイシステムであって、前記マルチビューディスプレイとユーザとの間の距離を決定するように構成されたヘッドトラッカをさらに備え、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の距離が、前記マルチビューディスプレイと前記ユーザとの間の前記決定された距離に従って調整され、前記マルチビューディスプレイに対する前記ユーザの位置に対応するように前記収束面位置をシフトするように構成される、マルチビューディスプレイシステム。
【請求項10】
マルチビューディスプレイシステムであって、
マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームを提供するように構成されたマルチビューバックライトと、
前記指向性光ビームを変調して、前記マルチビューディスプレイシステムの収束面で前記マルチビュー画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイと、
前記マルチビューディスプレイシステムからのユーザの距離を決定するように構成されたヘッドトラッカとを備え、
前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の距離は、前記決定されたユーザ距離に対応するように前記収束面の位置をシフトするために、前記決定されたユーザ距離に従って調整可能であるように構成される、マルチビューディスプレイシステム。
【請求項11】
前記収束面における前記異なるビューのビュー間間隔は、前記収束面がシフトされるときに一定のままであるように構成され、前記収束面内の前記ビュー間間隔は、前記ユーザの眼間距離に見合ったものである、請求項10に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項12】
前記マルチビューバックライトが、前記ライトバルブアレイから第1の距離にある前記マルチビューディスプレイシステムの第1のマルチビューバックライトであり、前記マルチビューディスプレイシステムが、前記ライトバルブアレイから第2の距離にある第2のマルチビューバックライトをさらに備え、前記第1の距離が前記第2の距離とは異なり、前記収束面位置が、前記第1のマルチビューバックライト及び前記第2のマルチビューバックライトのうちの一方を選択的にアクティブにすることによってシフトされるように構成される、請求項10に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項13】
前記マルチビューバックライトが、
ライトガイドの長さに沿った伝播方向に光を導くように構成されたライトガイドと、
前記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、前記複数のマルチビーム要素のうちの1つのマルチビーム要素は、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当するサイズを有し、前記導波光の一部を前記指向性光ビームとして前記ライトガイドから散乱させるように構成された複数のマルチビーム要素とを備える、請求項10に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項14】
前記ヘッドトラッカは、視差推定を使用してユーザ距離を決定するように構成された複数のカメラのうちの1つ又はそれ以上と、前記ユーザによって反射された信号の伝播時間を使用して距離を決定するように構成された飛行時間センサとを備える、請求項10に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項15】
マルチビューディスプレイ動作の方法であって、
マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームとしてマルチビューバックライトを使用して光を放射するステップであって、前記指向性光ビームが、前記マルチビュー画像の異なるビューの位置に対応する収束面内の点で収束する、ステップと、
前記収束面で前記マルチビュー画像の前記異なるビューを提供するために、前記ライトバルブのアレイを使用して前記指向性光ビームを変調するステップと、
前記マルチビューディスプレイに対する前記収束面の位置をシフトするために、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の距離を調整するステップとを含む、マルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項16】
マルチビューバックライトを使用して光を放射するステップは、
導波光としてライトガイド内で光を導くステップと、
マルチビーム要素のアレイを使用して前記導波光の一部を前記指向性光ビームとして前記ライトガイドから散乱させるステップであって、前記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素のサイズが、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当する、ステップとを含む、請求項15に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項17】
前記マルチビーム要素は、前記ライトガイドに光学的に接続された回折格子、マイクロ反射要素、及びマイクロ屈折要素のうちの1つ又はそれ以上を含み、前記回折格子は、前記導波光の前記一部を回折的に散乱させ、前記マイクロ反射要素は、前記導波光の前記一部を反射的に散乱させ、前記マイクロ屈折要素は、前記導波光の前記一部を屈折的に散乱させる、請求項16に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項18】
前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前記距離を調整するステップが、前記ライトバルブアレイに対して前記マルチビューバックライトを機械的に移動させるステップを含む、請求項15に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項19】
ヘッドトラッカを使用して前記マルチビューディスプレイからのユーザの距離を決定するステップと、前記決定されたユーザ距離に対応するように前記収束面位置をシフトするために、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前記距離を調整するステップとをさらに含む、請求項15に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項20】
ヘッドトラッカを使用して前記マルチビューディスプレイからの前記ユーザの前記距離を決定するステップは、
複数のカメラを使用して前記ユーザの画像を取り込み、視差推定を使用して前記マルチビューディスプレイからの前記ユーザの前記距離を決定するステップと、
飛行時間センサを使用して、前記飛行時間センサによって放射され、前記ユーザによって反射された信号の伝播時間から、前記マルチビューディスプレイからの前記ユーザの前記距離を決定するステップと
のうちの1つ又はそれ以上を含む、請求項19に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
該当なし
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載
該当なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、多種多様なデバイス及び製品のユーザに情報を伝達するための、ほぼ至るところにある媒体である。最も一般的に使用されている電子ディスプレイには、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、電子発光ディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)及びアクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)、並びに電気機械的又は電気流体的光変調(例えば、デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイ等)を使用する様々なディスプレイが含まれる。一般に、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(すなわち、光を発するディスプレイ)又はパッシブディスプレイ(すなわち、別の光源によって提供される光を変調するディスプレイ)のいずれかに分類され得る。アクティブディスプレイの最も明らかな例は、CRT、PDP及びOLED/AMOLEDである。放射光を考慮したときに、典型的にパッシブとして分類されるディスプレイは、LCD及びEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、多くの場合、本質的に消費電力が低いことを含めて、これだけに限らず魅力的な性能特性を呈するが、発光能力がないことを考慮すると、多くの実用的な用途においては幾分使用が制限される場合がある。
【0004】
放射される光に関連するパッシブディスプレイの限界を克服するために、多くのパッシブディスプレイは外部光源に連結される。連結された光源は、これらの通常ならばパッシブディスプレイが光を放射し、実質的にアクティブディスプレイとして機能することを可能にし得る。このような連結された光源の例は、バックライトである。バックライトは、通常ならばパッシブ型のディスプレイの裏側にこのパッシブディスプレイを照射するように配置された光源(多くの場合、パネルバックライト)である。例えば、バックライトは、LCD又はEPディスプレイに連結されてもよい。バックライトは光を放射し、この光がLCD又はEPディスプレイを通過する。放射された光は、LCD又はEPディスプレイにより変調され、変調された光はその後、LCD又はEPディスプレイから放射される。多くの場合、バックライトは白色光を放射するように構成される。その場合、白色光を、ディスプレイに用いられる様々な色に変換するために、カラーフィルタが用いられる。カラーフィルタは、例えば、LCDもしくはEPディスプレイの出力部に配置されてもよく(あまり一般的ではない)、又はバックライトと、LCDもしくはEPディスプレイとの間に配置されてもよい。あるいは、様々な色は、原色などの異なる色を使用するディスプレイの面順次照明によって実現できる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載の原理による例及び実施形態の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解することができ、図面では同様の参照番号は同様の構造要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの斜視図を示す。
【0007】
【
図1B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する特定の主角度方向を有する光ビームの角度成分のグラフ表示を示す。
【0008】
【
図2A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの側面図を示す。
【
図2B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの側面図を示す。
【0009】
【
図3A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における2つのマルチビューバックライトを備えるマルチビューディスプレイを示す。
【
図3B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における2つのマルチビューバックライトを備えるマルチビューディスプレイを示す。
【0010】
【
図4】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるライトガイドを備えるマルチビューバックライトを備えるマルチビューディスプレイを示す。
【0011】
【
図5】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイシステムのブロック図を示す。
【0012】
【
図6】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ動作の方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
いくつかの例及び実施形態は、上記で参照した図に示される特徴に対する追加及び代替のうちの1つである他の特徴を有してもよい。これら及び他の特徴は、上記で参照された図を参照して以下に詳述される。
【0014】
本明細書に記載の原理による例及び実施形態は、電子ディスプレイへの適用とともに調整可能な収束面を使用するマルチビューディスプレイを提供する。本明細書の原理と一致する様々な実施形態では、マルチビューディスプレイが提供される。マルチビューディスプレイは、マルチビュー画像の異なるビューに対応する収束面内の一点で収束するように構成された指向性光ビームを放射するように構成されている。マルチビューバックライトとマルチビューディスプレイのライトバルブアレイとの間の距離は、マルチビューディスプレイに対して収束場所の対応する位置をシフトするように調整可能に構成されている。
【0015】
本明細書において、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向でマルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成された電子ディスプレイ又はディスプレイシステムとして定義される。
図1Aは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ10の斜視図を示す。
図1Aに示すように、マルチビューディスプレイ10は、視聴すべきマルチビュー画像を表示するためのスクリーン12を備えている。マルチビューディスプレイ10は、スクリーン12に対して異なるビュー方向16にマルチビュー画像の異なるビュー14を提供する。ビュー方向16は、スクリーン12から様々な異なる主角度方向に延びる矢印として示されている。異なるビュー14は、矢印(すなわち、ビュー方向16を示す)の終端に、陰影付きの多角形ボックスとして図示されている。4つのビュー14及び4つのビュー方向16のみが図示されているが、これらは全て例示であって限定されるものではない。
図1Aでは異なるビュー14がスクリーン上にあるように示されているが、マルチビュー画像がマルチビューディスプレイ10に表示されると、ビュー14は実際にはスクリーン12上又はその近傍に現れることに留意されたい。スクリーン12の上にビュー14を描いているのは、単に説明を簡単にするためであり、特定のビュー14に対応するビュー方向16のそれぞれの1つからマルチビューディスプレイ10を視聴することを表すことを意味する。
【0016】
ビュー方向、又は同等にマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する光ビームは、一般に、本明細書の定義により、角度成分{θ、φ}によって与えられる主角度方向を有する。角度成分θは、本明細書では光ビームの「仰角成分」又は「仰角」と呼ばれる。角度成分φは、光ビームの「方位角成分」又は「方位角」と呼ばれる。定義により、仰角θは、(例えば、マルチビューディスプレイスクリーンの平面に垂直な)垂直面における角度であり、方位角φは、(例えば、マルチビューディスプレイスクリーンの平面に平行な)水平面における角度である。
【0017】
図1Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向(例えば、
図1Aのビュー方向16)に対応する特定の主角度方向を有する光ビーム20の角度成分{θ、φ}のグラフ表示を示す。さらに、光ビーム20は、本明細書の定義により、特定の点から放射又は発出される。すなわち、定義により、光ビーム20は、マルチビューディスプレイ内の特定の原点に関連する中心放射線を有する。
図1Bは、光ビーム(又はビュー方向)の原点Oも示している。
【0018】
さらに本明細書では、「マルチビュー画像」及び「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」という用語は、異なる視点を表す、又はその複数のビューのビュー間の角度視差を含む複数のビューとして定義される。さらに、本明細書では、「マルチビュー」という用語は、本明細書の定義により、2つより多い異なるビュー(すなわち最低3つのビューであり、一般的には3つより多いビュー)を明示的に含む。したがって、本明細書で使用される「マルチビューディスプレイ」は、シーン又は画像を表すために2つの異なるビューのみを含む立体視ディスプレイとは明示的に区別される。しかしながら、マルチビュー画像及びマルチビューディスプレイは、本明細書の定義により、2つより多いビューを含むが、マルチビュー画像は、それらのマルチビューのうちの2つのみ(例えば、1つの眼につき1つのビュー)を一度に見るように選択することによって、画像の立体視対として(例えば、マルチビューディスプレイ上で)見ることができることに留意されたい。
【0019】
本明細書の定義により、「マルチビーム要素」は、複数の指向性光ビームを含む光を生成するバックライト又はディスプレイの構造又は要素である。マルチビーム要素によって生成された複数の指向性光ビーム(the plurality of directional light beams)(又は「複数の指向性光ビーム(directional light beam plurality)」)のうちの指向性光ビームは、本明細書の定義により、互いに異なる主角度方向を有する。特に、定義により、複数の指向性光ビームのうちの指向性光ビームは、複数の指向性光ビームのうちの別の指向性光ビームとは異なる所定の主角度方向を有する。いくつかの実施形態によれば、マルチビーム要素のサイズは、マルチビーム要素に関連するディスプレイ(例えば、マルチビューディスプレイ)で使用されるライトバルブのサイズに相当し得る。特に、いくつかの実施形態では、マルチビーム要素のサイズは、ライトバルブのサイズの約2分の1から約2倍であり得る。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素は、偏光選択性散乱を提供することができる。
【0020】
様々な実施形態によれば、複数の指向性光ビームは、光照射野を表すことができる。例えば、複数の指向性光ビームは、実質的に円錐形の空間領域に制限されることがある、又は複数の光ビームにおける光ビームの異なる主角度方向を含む所定の角度広がりを有することがある。したがって、組み合わされた指向性光ビームの所定の角度広がり(すなわち、複数の指向性光ビーム)は、光照射野を表すことができる。
【0021】
様々な実施形態によれば、複数の指向性光ビームにおける様々な指向性光ビームの異なる主角度方向は、他の特性とともにマルチビーム要素のサイズ(例えば、長さ、幅、面積などのうちの1つ又はそれ以上)を含むがこれらに限定されない特性によって決定される。例えば、回折マルチビーム要素では、回折マルチビーム要素内の「格子ピッチ」又は回折機能部間隔及び回折格子の向きは、様々な指向性光ビームの異なる主角度方向を少なくとも部分的に決定する特性であり得る。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素は、本明細書の定義により、「拡張された点光源」、すなわちマルチビーム要素の範囲にわたって分布する複数の点光源と考えることができる。さらに、マルチビーム要素によって生成された指向性光ビームは、
図1Bに関して以下に説明するように、角度成分{θ、φ}によって与えられる主角度方向を有することができる。
【0022】
本明細書では、「ライトガイド」は、内部全反射を使用して構造内の光を導く構造として定義される。特に、ライトガイドは、ライトガイドの動作波長で実質的に透明なコアを含み得る。「ライトガイド」という用語は、一般に、ライトガイドの誘電体材料とそのライトガイドを取り囲む材料又は媒体との間の界面で光を導くように内部全反射を使用する誘電体光導波路を指す。定義により、内部全反射の条件は、ライトガイドの屈折率がライトガイド材料の表面に隣接する周囲の媒体の屈折率よりも大きいことである。いくつかの実施形態では、ライトガイドは、内部全反射をさらに促進するために、前述の屈折率差に加えて、又はその代わりにコーティングを含むことができる。コーティングは、例えば、反射コーティングであってもよい。ライトガイドは、平板又はスラブガイド及びストリップガイドのうちの一方又は両方を含むがこれらに限定されない、いくつかのライトガイドのいずれであってもよい。
【0023】
さらに本明細書では、「平板ライトガイド」のようにライトガイドに適用される場合の「平板」という用語は、「スラブ」ガイドと呼ばれることもある区分的又は差動的に平面状の層又はシートとして定義される。特に、平板ライトガイドは、ライトガイドの上面及び底面(すなわち、対向面)によって境界を定められた実質的に直交する2方向に光を導くように構成されたライトガイドとして定義される。さらに、本明細書の定義により、上面及び底面は両方とも互いに分離されており、少なくとも差動的な意味で互いに実質的に平行であってもよい。すなわち、平板ライトガイドの任意の差動的な小さな区画内で、上面及び底面は実質的に平行又は同一平面上にある。
【0024】
いくつかの実施形態では、平板ライトガイドは実質的に平坦(すなわち、平面に限定される)であってもよく、したがって、平板ライトガイドは平面ライトガイドである。他の実施形態では、平板ライトガイドは、1つ又は2つの直交する次元で湾曲していてもよい。例えば、平板ライトガイドは、円柱状の平板ライトガイドを形成するために1次元で湾曲していてもよい。しかしながら、いかなる曲率も、光を導くために内部全反射が平板ライトガイド内で維持されることを保証するのに十分に大きい曲率半径を有する。
【0025】
さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1つ又はそれ以上」を有することを意図している。例えば、「ライトバルブ(a light valve)」は、1つ又はそれ以上のライトバルブを意味し、したがって、「ライトバルブ(the light valve)」は、本明細書では「ライトバルブ(複数可)(light valve(s))」を意味する。また、本明細書における「上(top)」、「底(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「上へ(up)」、「下へ(down)」、「前」、「後」、「第1」、「第2」、「左」又は「右」への言及はいずれも、本明細書における限定を意図するものではない。本明細書では、「約」という用語は、値に適用される場合、一般に、値を生成するために使用される機器の許容範囲内を意味するか、又は特に明記しない限り、プラスマイナス10%、又はプラスマイナス5%、又はプラスマイナス1%を意味する場合がある。さらに、本明細書で使用される「実質的に」という用語は、大部分、又はほぼ全て、又は全て、又は約51%~約100%の範囲内の量を意味する。さらに、本明細書の例は、例示のみを目的としたものであり、説明の目的で提示されており、限定するためではない。
【0026】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイが提供される。
図2A及び
図2Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ100の側面図を示す。マルチビューディスプレイ100は、マルチビューバックライト110を備える。マルチビューバックライト110は、異なる主角度方向を有する指向性光ビーム102として光を放射するように構成されている。指向性光ビーム102の異なる主角度方向は、マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する。
図2A及び
図2Bは、指向性光ビーム102を、マルチビューバックライト110の第2の(又は底)面110’’から離れるように方向付けて描かれた複数の放射状に拡がる矢印として示している。特に、指向性光ビームは、マルチビュー画像の異なるビューの位置に対応する収束面120内の点で収束するように構成されている。収束面120は、ユーザにとって最適な視聴位置を表す。特に、収束面120は、マルチビュー画像の最適なビューを得るためにユーザの目線が配置されるべき平面を表す。
図2A及び
図2Bに示すように、収束面120は、マルチビューバックライト110の第1の(又は上)面110’に平行な平面である。
【0027】
マルチビューディスプレイ100は、ライトバルブ140のアレイをさらに備える。様々な実施形態では、異なる種類のライトバルブが、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、及びエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つ又はそれ以上を含むがこれらに限定されないライトバルブアレイのライトバルブ140として使用されてもよい。ライトバルブ140のアレイは、収束面120におけるマルチビュー画像の異なるビューとして、指向性光ビーム102を変調するように構成されている。
【0028】
マルチビューバックライト110とライトバルブ140のアレイとの間の距離dは、マルチビューディスプレイ100に対して収束面120の対応する位置をシフトするように調整可能に構成されている。
図2Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における
図2Aに対してシフトされた収束面120を有するマルチビューディスプレイ100の側面図を示す。例示された図では、距離dは、指向性光ビーム102を放射するマルチビューバックライト110の底面110’’とライトバルブ140との間の距離を表す。他の実施形態では、距離dは、マルチビューバックライト110の上面110’とライトバルブ140のアレイとの間の距離を表すことができる。
図2Bに戻ると、マルチビューバックライト110とライトバルブ140のアレイとの間の距離dは、
図2Aに示す、より小さい距離d
1から、
図2Bに示す、より大きい距離d
2に調整されている。これに対応して、マルチビューディスプレイ100に対する収束面120の位置d’は、マルチビューディスプレイ100からの距離d
1’から、マルチビューディスプレイ100からの距離d
2’にシフトしている。したがって、収束面120とマルチビューディスプレイ100との間の距離d’は、収束面120をマルチビューディスプレイ100からさらに遠ざけるために増加されてもよく、収束面120をマルチビューディスプレイ100に近づけるために減少されてもよい。
【0029】
収束面120が任意の構成におけるマルチビュー画像の最適な視聴位置を表すので、
図2A及び
図2Bに示すように、収束面120をマルチビューディスプレイ100から上下にシフトさせると、収束面120の異なる位置間のマルチビュー画像の属性が維持される。特に、マルチビュー画像の異なるビュー間のビュー間間隔iは、マルチビューバックライト110とライトバルブアレイのライトバルブ140との間の調整可能な距離dの関数として一定になるように構成されている。同様に、ビュー間距離iもまた、マルチビューディスプレイ100に対する収束面120の対応する位置d’(例えば、d
1’及びd
2’)の関数として一定になるように構成される。したがって、
図2A及び
図2Bに示すように、マルチビュー画像のビュー間の距離iは、マルチビューディスプレイ100から距離d
2’に位置する
図2Bの収束面120においても、マルチビューディスプレイ100から距離d
1’に位置する
図2Aの収束面120においても同じである。
【0030】
収束面120におけるビュー間間隔iは、マルチビューディスプレイ100のユーザの眼間距離に見合ったものである。この特徴は、収束面120をユーザにとって最適な視距離にする。収束面120が前述したように移動されると、ビュー間の距離iは、ユーザの眼の間の距離に見合ったままで、ユーザが収束面120の各位置で2つの異なるビュー(各眼に1つずつ)の組み合わせによって提供される3次元画像を見続けることができることを保証する。
【0031】
マルチビューバックライト110とライトバルブ140のアレイとの間の距離dは、様々な方法で調整することができる。いくつかの実施形態では、調整は、ライトバルブ140のアレイに対するマルチビューバックライト110の機械的な動きを含み得る。機械的な動きは、マルチビューバックライト110をライトバルブアレイから遠ざけるように、又はライトバルブアレイに近づけるように構成された機械的、電気的、電気機械的、又は他の種類のアクチュエータによって生み出すことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、マルチビューディスプレイのマルチビューバックライトとライトバルブ140のアレイとの間の距離は、複数のマルチビューバックライトを使用して調整することができる。
図3A及び
図3Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における一対のマルチビューバックライトを含むマルチビューディスプレイ100を示す。特に、
図3A~
図3Bに示すように、マルチビューバックライト110は、マルチビューバックライト対の第1のマルチビューバックライト110である。第1のマルチビューバックライト110は、図示のように、ライトバルブ140のアレイに隣接して配置されている。
図3A~
図3Bに示すマルチビューディスプレイ100は、一対のマルチビューバックライトのうちの第2のマルチビューバックライト115をさらに備える。第2のマルチビューバックライト115は、ライトバルブ140に隣接する第1のマルチビューバックライト110の側とは反対側の第1のマルチビューバックライト110の側に位置している。したがって、第1のマルチビューバックライト110は、第2のマルチビューバックライト115とマルチビューディスプレイ100のライトバルブ140のアレイとの間に位置する。さらに、第1及び第2のマルチビューバックライト110、115は、図示のように、ライトバルブアレイに対して異なる位置を有する。
【0033】
様々な実施形態によれば、第2のマルチビューバックライト115は、上述のマルチビューバックライト110と実質的に同様であってもよい。特に、第2のマルチビューバックライト115は、第2の収束面120’’におけるマルチビューの異なるビューの位置に対応する点で、第2の収束面120’’内に収束する指向性光ビーム116を提供するように構成される。さらに、第1のマルチビューバックライト110は、第2のマルチビューバックライト115によって提供される指向性光ビーム116を透過させる。したがって、第2のマルチビューバックライト115によって提供される指向性光ビーム116は、第1のマルチビューバックライト110の厚みを通って放射され、ライトバルブ140のアレイによって指向性放射光として変調される。
【0034】
図3A及び
図3Bのマルチビューディスプレイ100のマルチビューバックライトは、マルチビュー画像を提供するために選択的に(一度に1つずつ)アクティブにされてもよい。第1及び第2のマルチビューバックライト110、115は、ライトバルブ140のアレイから異なる距離d
1及びd
2に配置されているため、第1及び第2のマルチビューバックライト110、115のそれぞれの選択的なアクティブ化は、マルチビューバックライトとライトバルブアレイのライトバルブ140との間の距離dを変化させる。前述したように、ライトバルブアレイとマルチビューディスプレイ100のバックライトとの間の距離dを調整すると、収束面120のライトバルブアレイからの距離d’がシフトするため、第1及び第2のマルチビューバックライト110、115の選択的なアクティブ化は、収束面120の距離d’をシフトさせる。
【0035】
図3A及び
図3Bは、マルチビューディスプレイ100の第1及び第2のマルチビューバックライト110、115の選択的なアクティブ化と、その結果として生じるマルチビューディスプレイ100の収束面120の距離d
1’から距離d
2’へのシフトとを示す。両方の図において、アクティブなバックライトは実線で示され、非アクティブなバックライトは破線で示されている。したがって、再び
図3Aを参照すると、図示のように、第1のマルチビューバックライト110はアクティブであるが、第2のマルチビューバックライト115は非アクティブである。したがって、アクティブな第1のマルチビューバックライト110とライトバルブ140との距離はd
1であり、これに対応して、マルチビューディスプレイの収束面120は、アクティブな第1のマルチビューバックライト110に対応する第1の収束面120’となる。さらに、第1の収束面120’は、
図3Aのライトバルブ140からの距離d
1’に位置している。
【0036】
図3Bでは、第1のマルチビューバックライト110は非アクティブにされているのに対し、第2のマルチビューバックライト115はアクティブである。したがって、アクティブな第2のマルチビューバックライト115とライトバルブアレイとの間の距離はd
2である。次に、マルチビューディスプレイ100の収束面120は、アクティブな第2のマルチビューバックライト115とライトバルブアレイとの間の距離d
2から生じる第2の収束面120’’にシフトしている。さらに、図示のように、様々な実施形態によれば、マルチビューディスプレイ100に対する第2の収束面120’’の位置は、第1の収束面120’の位置とは異なる。すなわち、距離d
2’は、第1のマルチビューバックライト110又は第2のマルチビューバックライト115のいずれかを選択的にアクティブにすることによって、距離d
1’とは異なる。
【0037】
いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト110は、ライトガイド111を含む。
図4は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるライトガイド111を備えるマルチビューバックライト110を備えたマルチビューディスプレイ100を示す。ライトガイド111は、ライトガイドの長さに沿って、導波光104(すなわち、導波光ビーム104)として光を導くように構成される。例えば、ライトガイド111は、光導波路として構成された誘電体材料を含むことができる。誘電体材料は、誘電体光導波路を取り囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有することができる。屈折率の差は、例えば、ライトガイド111の1つ又はそれ以上の導波モードに従って、導波光104の内部全反射を促進するように構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、ライトガイド111は、光学的に透明な誘電体材料の延伸された実質的に平面状のシートを含む光導波路(すなわち、平板ライトガイド)のスラブ又は平板であってもよい。誘電体材料の実質的に平面状のシートは、内部全反射を使用して導波光104を導くように構成されている。様々な例によれば、ライトガイド111の光学的に透明な材料は、様々な種類のガラス(例えば、シリカガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラスなど)及び実質的に光学的に透明なプラスチック又はポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)又は「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)のうちの1つ又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、様々な誘電体材料のいずれかを含んでいてもよいし、又はそれらから構成されていてもよい。いくつかの例では、ライトガイド111は、ライトガイド111の面の少なくとも一部(例えば、第1の面及び第2の面の一方又は両方)上にクラッド層(図示せず)をさらに含んでいてもよい。いくつかの例によれば、クラッド層は、内部全反射をさらに促進するために使用されてもよい。
【0039】
さらに、いくつかの実施形態によれば、ライトガイド111は、ライトガイド111の第1の面111’(例えば、前面又は上面又は側面)と第2の面111’’(例えば、背面又は底面又は側面)との間の非ゼロ伝播角度での内部全反射によって導波光104を導くように構成されている。特に、導波光104は、非ゼロ伝播角度でライトガイド111の第1の面111’と第2の面111’’との間で反射又は「跳ね返ること(bouncing)」によって伝播する。いくつかの実施形態では、導波光104は、異なる色の光を有する複数の導波光ビームを含むことができる。異なる色の光を有する複数の導波光ビームのうちの導波光ビームは、異なる色固有の非ゼロ伝播角度のそれぞれで、ライトガイド111によって導かれ得る。説明を簡単にするために、非ゼロ伝播角度は
図4には示されていないことに留意されたい。しかしながら、伝播方向103を示す太い矢印は、
図4のライトガイドの長さに沿った導波光104の一般的な伝播方向を示している。
【0040】
マルチビューバックライト110は、複数のマルチビーム要素112をさらに備える。複数のマルチビーム要素112は、ライトガイドの長さに沿って互いに離間している。複数のマルチビーム要素112は、ライトガイド111の第1の(又は「上」)面111’に又はそれに隣接して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のマルチビーム要素112は、例えば、
図4に示すように、ライトガイド111の第2の(又は「底」)面111’’上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のマルチビーム要素112は、第1の面111’と第2の面111’’との間のライトガイド111の内部に配置されてもよい。
【0041】
マルチビューバックライト110のマルチビーム要素112は、マルチビュー画像のビュー方向に対応する主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして、ライトガイド111から光を散乱させるように構成される。様々な実施形態によれば、マルチビーム要素112は、導波光104の一部を散乱させるように構成されたいくつかの異なる構造のいずれかを含むことができる。例えば、異なる構造は、回折格子、マイクロ反射要素、マイクロ屈折要素、又はそれらの様々な組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、回折格子を含むマルチビーム要素112は、異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして、導波光部分を回折的に散乱させるように構成される。他の実施形態では、マイクロ反射要素を含むマルチビーム要素112は、複数の指向性光ビームとして導波光部分を反射的に散乱させるように構成されるか、又はマイクロ屈折要素を含むマルチビーム要素112は、屈折によって又は屈折を使用して複数の指向性光ビームとして導波光部分を散乱させる(すなわち、導波光部分を屈折的に散乱させる)ように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、マルチビーム要素112のサイズは、マルチビューディスプレイ100のライトバルブ140のサイズに相当する。本明細書では、「サイズ」は、長さ、幅、又は面積を含むがこれらに限定されないような様々な方法のいずれかで定義することができる。例えば、ライトバルブ140のサイズは、ライトバルブ140の長さであってもよく、マルチビーム要素112の相当するサイズもまた、マルチビーム要素112の長さであってもよい。別の例では、サイズは、マルチビーム要素112の面積がライトバルブ140の面積に相当し得るような面積を指してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、ヘッドトラッカは、マルチビューディスプレイシステムの一部として、マルチビューディスプレイ100とともに使用されてもよい。ヘッドトラッカは、マルチビューディスプレイ100とユーザとの間の距離を決定するように構成される。例えば、ヘッドトラッカは、マルチビューディスプレイ100とユーザの頭部との間の距離、より具体的には、マルチビューディスプレイ100とユーザの片眼又は両眼との間の距離を決定するように構成されてもよい。マルチビューディスプレイ100とユーザとの間の決定された距離を使用して、マルチビューディスプレイシステムは、マルチビューバックライト110とライトバルブ140のアレイとの間の距離を調整して、本明細書に記載の原理に従って収束面をユーザの目線の高さにシフトすることができる。したがって、マルチビューディスプレイシステムは、ユーザの目線に従うようにユーザの動きに基づいて収束面を調整して、最適な視聴体験を保証することができる。
【0044】
様々な実施形態によれば、ヘッドトラッキング(又は同等にユーザの位置のトラッキング)を提供する様々なデバイス、システム、及び回路のうちのいずれも、マルチビューディスプレイシステムのヘッドトラッカとして使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ヘッドトラッカは、マルチビューディスプレイ100のスクリーンに対してユーザの画像を取り込むように構成されたカメラを備えることができる。さらに、ヘッドトラッカは、マルチビューディスプレイ100のスクリーンに対して取り込まれた画像内のユーザの位置を決定するように構成された画像プロセッサ(又は画像プロセッサとしてプログラムされた汎用コンピュータ)を備えることができる。マルチビューディスプレイ100のスクリーンに対するユーザの位置は、例えば、画像認識又はパターンマッチングを含むがこれらに限定されない様々な技術を使用して、取り込まれた画像から画像プロセッサによって決定することができる。ヘッドトラッカの出力を使用して、マルチビューディスプレイシステムの動作を修正することができる。例えば、ユーザの決定された位置は、
図2A及び
図2Bのマルチビューディスプレイ100のマルチビューバックライト110とライトバルブ140のアレイとの間の距離dを調整するためにアクチュエータに提供されてもよい。別の例では、ユーザの決定された位置は、第1のマルチビューバックライト110及び第2のマルチビューバックライト115のうちの1つを選択的にアクティブ及び/又は非アクティブにするために、
図3A及び
図3Bのマルチビューディスプレイ100に提供されてもよい。ヘッドトラッカの実施態様のその他の例は、様々な2次元(2D)及び3次元(3D)オブジェクトトラッキングシステムのうち任意のものを含んでいてもよい。
【0045】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイシステム200が提供される。
図5は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイシステム200のブロック図を示す。マルチビューディスプレイシステム200は、マルチビューバックライト210を備える。マルチビューバックライト210は、前述のマルチビューディスプレイ100のマルチビューバックライト110と実質的に同様である。したがって、マルチビューバックライト210は、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビーム202を提供するように構成される。マルチビューバックライト210は、実質的に2つの平行かつ対向する平面(すなわち、上面及び底面)を含む基板の「スラブ」又は実質的に平坦なブロックとして形成することができる。
【0046】
マルチビューディスプレイシステム200は、ライトバルブ240のアレイをさらに備える。ライトバルブ240のアレイは、前述のマルチビューディスプレイ100のライトバルブ140のアレイと実質的に同様である。したがって、異なる種類のライトバルブが、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、及びエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つ又はそれ以上を含むがこれらに限定されないライトバルブアレイのライトバルブとして使用されてもよい。ライトバルブ240のアレイは、指向性光ビームを変調して、マルチビューディスプレイシステムの収束面220でマルチビュー画像を提供するように構成される。収束面220は、ライトバルブアレイに平行な平面であり、ユーザにとって最適な視聴位置を表す。特に、収束面220は、マルチビュー画像の最適なビューを得るためにユーザの目線が配置されるべき平面を表す。
【0047】
マルチビューディスプレイシステム200は、ヘッドトラッカ250をさらに備える。ヘッドトラッカ250は、前述のマルチビューディスプレイ100で使用されるヘッドトラッカと実質的に同様である。したがって、ヘッドトラッカ250は、マルチビューディスプレイシステム200からのユーザの距離を決定するように構成される。様々な2次元(2D)及び3次元(3D)ヘッドトラッキングシステムのいずれかを含む、ヘッドトラッキングを提供する様々なデバイス、システム、及び回路のうちのいずれも、マルチビューディスプレイシステム200のヘッドトラッカとして使用することができる。例えば、ヘッドトラッカ250は、視差推定を使用してユーザ距離を決定するように構成された複数のカメラと、ユーザによって反射された信号の伝播時間を使用して距離を決定するように構成された飛行時間センサとの一方又は両方を備えることができる。飛行時間センサによって放射される信号は、音響信号(例えば、音響距離計)及び光信号(例えば、レーザによって放射される)を含み得るが、これらに限定されない。別の例では、ヘッドトラッカ250は、走査される領域内の1つ又はそれ以上の物体から反射されたレーザ光を使用して複数の点までの距離を測定するように構成された光学センサを備えていてもよい。例えば、ヘッドトラッカ250は、2Dカメラ、第2の赤外線カメラ、及び赤外線レーザプロジェクタを組み合わせたIntel RealSense(登録商標)3Dカメラを備えていてもよい。2Dカメラは、走査領域の2D画像を取り込むように構成され、赤外線レーザプロジェクタ及び第2の赤外線カメラは、走査領域内の距離情報を収集するために距離センサとして協働する。Intel RealSense(登録商標)及びIntel(登録商標)は、米国カリフォルニア州サンタクララのインテル社の登録商標である。
【0048】
マルチビューバックライト210とライトバルブアレイ240との間の距離は、決定されたユーザ距離に対応するように収束面220の位置をシフトするために、決定されたユーザ距離に従って調整可能であるように構成される。マルチビューバックライト210からのユーザの距離に基づく収束面220のシフトは、実質的に、マルチビューディスプレイ100に関連して
図2A及び
図2Bに示されて説明されたように動作する。特に、収束面220とライトバルブアレイとの間の距離を増加させるために、マルチビューバックライト210とライトバルブ240のアレイとの間の距離が増加される。同様に、収束面220とライトバルブのアレイとの間の距離を減少させるために、マルチビューバックライト210とライトバルブアレイとの間の距離が減少される。
【0049】
収束面220が任意の構成におけるマルチビュー画像の最適な視聴位置を表すため、
図2A及び
図2Bに示すように、マルチビューディスプレイ100から収束面220を上下にシフトさせると、収束面220の異なる位置の間でマルチビュー画像の属性が保持される。特に、収束面220における異なるビューのビュー間間隔は、収束面220がシフトされるときに一定になるように構成される。さらに、収束面220内のビュー間間隔は、ユーザの眼間距離に見合ったものである。その結果、収束面220が位置を変更しても目線が収束面220上に維持されるマルチビューディスプレイシステム200のユーザは、収束面220の様々な位置にわたって実質的に同様の視聴体験をすることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、マルチビューディスプレイシステム200は、複数のマルチビューバックライトを備える。複数のマルチビューバックライトを備えるマルチビューディスプレイシステムは、
図3A及び
図3Bのマルチビューディスプレイ100と実質的に同様である。したがって、第1のマルチビューバックライトは、ライトバルブ240のアレイから第1の距離に配置され、第2のマルチビューバックライトは、ライトバルブアレイから第2の距離に配置され、第2の距離は、第1の距離とは異なっている。特に、第1のマルチビューバックライトは、ライトバルブアレイと第2のマルチビューバックライトとの間に配置される。各マルチビューバックライトはライトバルブ240のアレイから異なる距離に配置されるため、マルチビューディスプレイシステム200の収束面220は、どのマルチビューバックライトがアクティブであるかに応じた位置を有する。したがって、収束面220の位置をシフトするために、第1及び第2のマルチビューバックライトのうちの一方が選択的にアクティブにされる。
【0051】
いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト210は、ライトガイド211を含む。ライトガイド211は、導波光としてライトガイドの長さに沿った伝播方向に光を導くように構成される。ライトガイド211は、前述のマルチビューディスプレイ100のライトガイド111と実質的に同様であってもよい。様々な実施形態によれば、ライトガイド211は、内部全反射を使用して導波光を導くように構成されてもよい。さらに、導波光は、ライトガイド211によって、又はライトガイド内で非ゼロ伝播角度で導かれてもよい。いくつかの実施形態では、導波光はコリメートされてもよく、又はコリメート光ビームであってもよい。特に、様々な実施形態において、導波光は、コリメーション係数σに従って、又はコリメーション係数σを有するようにコリメートされてもよい。
【0052】
マルチビューバックライト210は、ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素212をさらに備える。複数のマルチビーム要素212は、前述のマルチビューディスプレイ100のマルチビーム要素112と実質的に同様である。複数のマルチビーム要素212は、マルチビューディスプレイシステム200に関連する指向性放射光として導波光の一部を散乱させるように構成される。指向性放射光は、マルチビューディスプレイシステム200のそれぞれの異なるビュー方向に対応する主角度方向を有する複数の指向性光ビーム202を含む。複数のマルチビーム要素212は、ライトガイド211の表面上又はその内部に配置されてもよい。
【0053】
複数のマルチビーム要素のうちの1つ又はそれ以上のマルチビーム要素のサイズは、ライトバルブアレイのライトバルブ240のサイズに相当する。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素212のサイズは、マルチビーム要素のサイズがライトバルブのサイズの約50パーセント(50%)~約200パーセント(200%)の間になるように、ライトバルブのサイズに相当する。
【0054】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイ動作の方法300が開示されている。
図6は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ動作の方法300のフローチャートを示す。方法300は、マルチビューバックライトを使用して、マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームとして、光を放射するステップ310を含む。マルチビューバックライトは、前述のマルチビューディスプレイ100のマルチビューバックライト110と実質的に同様である。指向性光ビームは、マルチビュー画像の異なるビューの位置に対応する収束面内の点で収束する。収束面は、マルチビューバックライトに平行な平面であり、ユーザにとって最適な視聴位置を表す。具体的には、収束面は、マルチビュー画像の最適なビューを得るためにユーザの目線が配置されるべき平面を表す。
【0055】
方法300は、収束面でマルチビュー画像の異なるビューを提供するために、ライトバルブのアレイを使用して指向性光ビームを変調するステップ320をさらに含む。ライトバルブのアレイは、前述のマルチビューディスプレイ100のライトバルブ140のアレイと実質的に同様である。したがって、異なる種類のライトバルブが、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、及びエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つ又はそれ以上を含むがこれらに限定されないライトバルブアレイのライトバルブとして使用されてもよい。異なる主角度方向を有する指向性光ビームのうちの異なるものは、ライトバルブアレイ内のライトバルブのうちの異なるものを通過し、これらによって変調されるように構成されている。
【0056】
方法300は、マルチビューディスプレイに対して収束面の位置をシフトするために、マルチビューバックライトとライトバルブアレイとの間の距離を調整するステップ330をさらに含む。マルチビューバックライトとライトバルブアレイとの間の距離の調整に基づく収束面の位置のシフトは、実質的に、マルチビューディスプレイ100に関連して
図2A及び
図2Bに示されて説明されたように動作する。特に、収束面とマルチビューディスプレイとの間の距離を増加させるために、マルチビューバックライトとライトバルブアレイとの間の距離が増加される。同様に、収束面とマルチビューディスプレイとの間の距離を減少させるために、マルチビューバックライトとライトバルブアレイとの間の距離が減少される。
【0057】
いくつかの実施形態では、マルチビューバックライトを使用して光を放射するステップ310は、導波光としてライトガイド内で光を導くステップを含む。光は、ライトガイドの対向する内面間の非ゼロ伝播角度で導かれてもよい。マルチビューバックライトを使用して光を放射するステップ310は、マルチビーム要素のアレイを使用して、導波光の一部を指向性光ビームとしてライトガイドから散乱させるステップをさらに含む。アレイのマルチビーム要素は、マルチビューディスプレイ100のマルチビーム要素122と実質的に同様であってもよい。したがって、マルチビーム要素は、導波光の一部を回折的に散乱させるように構成された回折格子、導波光の一部を反射的に散乱させるように構成されたマイクロ反射構造、及び導波光の一部を屈折的に散乱させるように構成されたマイクロ屈折構造のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。さらに、マルチビーム要素は、ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当するサイズを有することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、マルチビューバックライトとライトバルブアレイとの間の距離を調整するステップは、ライトバルブアレイに対してマルチビューバックライトを機械的に移動させるステップを含む。機械的な動きは、マルチビューバックライトをライトバルブアレイから遠ざけるように、又はライトバルブアレイに近づけるように構成された機械的、電気的、電気機械的、又は他の種類のアクチュエータによって生み出すことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、方法300は、ヘッドトラッカを使用してマルチビューディスプレイからユーザの距離を決定するステップと、決定されたユーザ距離に対応するように収束面位置をシフトするためにマルチビューバックライトとライトバルブアレイとの間の距離を調整するステップとをさらに含む。ヘッドトラッカは、前述のマルチビューディスプレイ100のヘッドトラッカと実質的に同様であってもよい。したがって、様々な2次元及び3次元ヘッドトラッキングシステムのいずれかを含む、ヘッドトラッキングを提供する様々なデバイス、システム、及び回路のうちのいずれも、マルチビューディスプレイのヘッドトラッカとして使用することができる。さらに、ヘッドトラッカの出力を使用して、マルチビューディスプレイの動作を修正することができる。例えば、決定されたユーザの位置は、マルチビューバックライトとマルチビューディスプレイのライトバルブアレイとの間の距離を調整するために(又はマルチビューディスプレイ内の1つ又は複数のマルチビューバックライトを選択的にアクティブにするために)アクチュエータに提供され、収束面をシフトさせることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、ヘッドトラッカを使用してマルチビューディスプレイからのユーザの距離を決定するステップは、複数のカメラを使用してユーザの画像を取り込み、視差推定を使用してマルチビューディスプレイからのユーザの距離を決定するステップ、及び、飛行時間センサを使用して飛行時間センサによって放射され、ユーザによって反射された信号の伝播時間から、マルチビューディスプレイからのユーザの距離を決定するステップのうちの一方又は両方を含むことができる。飛行時間センサによって放射される信号は、音響信号及び光信号(例えば、レーザによって放射される)を含み得るが、これらに限定されない。
【0061】
したがって、調整可能な収束面を有するマルチビューディスプレイ及びマルチビューディスプレイ動作の方法の例及び実施形態を説明した。上述の例は、本明細書に記載の原理を表す多くの特定の例のいくつかの単なる例示にすぎないことを理解されたい。当分野の技術者なら、以下の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、多数のその他の構成を容易に考案することができることは明らかである。
【符号の説明】
【0062】
10,100 マルチビューディスプレイ
12 スクリーン
14 ビュー
16 ビュー方向
20 光ビーム
102,116,202 指向性光ビーム
103 伝播方向
104 導波光
110,115,210 マルチビューバックライト
110’ 第1の(又は上)面
110” 第2の(又は底)面
111,211 ライトガイド
111’ 第1の面
111” 第2の面
112,212 マルチビーム要素
120 収束面
120’ 第1の収束面
120” 第2の収束面
140,240 ライトバルブ
200 マルチビューディスプレイシステム
250 ヘッドトラッカ
300 方法
310 光を放射するステップ
320 指向性光ビームを変調するステップ
330 距離を調整するステップ
d,d1,d2,d’,d1’,d2’ 距離
O 原点
i ビュー間間隔
ビュー間距離
θ,φ 角度成分
θ 仰角
φ 方位角
σ コリメーション係数
【手続補正書】
【提出日】2021-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチビューディスプレイであって、
マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームとして光を放射するように構成されたマルチビューバックライトであって、前記指向性光ビームが、前記マルチビュー画像の異なるビューの位置に対応する収束面内の点で収束するように構成される、マルチビューバックライトと、
前記収束面における前記マルチビュー画像の前記異なるビューとして前記指向性光ビームを変調するように構成されるライトバルブのアレイとを備え、
前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の距離は、前記マルチビューディスプレイに対して前記収束面の対応する位置をシフトするように調整可能に構成される、マルチビューディスプレイ。
【請求項2】
前記マルチビュー画像の前記異なるビュー間のビュー間間隔が、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前記調整可能な距離及び前記収束面の前記対応する位置の関数として一定になるように構成される、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項3】
前記収束面における前記ビュー間間隔が、前記マルチビューディスプレイのユーザの眼間距離に見合ったものである、請求項2に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項4】
前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前記距離
の調整が、前記ライトバルブアレイに対する前記マルチビューバックライトの機械的な動きを含
む、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項5】
前記マルチビューバックライトが第1のマルチビューバックライトであり、前記収束面が前記マルチビューディスプレイの第1の収束面であり、前記マルチビューディスプレイが、第2の収束面で前記マルチビュー画像の前記異なるビューの位置に対応する点で、前記第2の収束面内に収束する指向性光ビームを提供するように構成された第2のマルチビューバックライトをさらに備え、前記マルチビューディスプレイに対する前記第2の収束面の位置が、前記第1の収束面の位置とは異なる、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項6】
前記第1のマルチビューバックライトは、前記第2のマルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間に配置され、前記第1のマルチビューバックライトは、前記第2のマルチビューバックライトによって提供される前記指向性光ビームを透過させ、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前
記距離
の調整は、
選択的にアクティブにした前記第1のマルチビューバックライト及び前記第2のマルチビューバックライトのうちの1つ
が、前記第1及び第2の収束面のそれぞれの内部で前記マルチビュー画像を提供することを含む、請求項5に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項7】
前記マルチビューバックライトが、
ライトガイドの長さに沿った伝播方向に光を導くように構成されたライトガイドと、
前記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、前記複数のマルチビーム要素のうちの1つのマルチビーム要素は、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当するサイズを有し、前記導波光の一部を前記指向性光ビームとして前記ライトガイドから散乱させるように構成された複数のマルチビーム要素とを備える、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項8】
前記マルチビーム要素が、前記ライトガイドに光学的に接続された回折格子、マイクロ反射要素、及びマイクロ屈折要素のうちの1つ又はそれ以上を含み、前記回折格子が、前記導波光の前記一部を回折的に散乱させるように構成され、前記マイクロ反射要素が、前記導波光の前記一部を反射的に散乱させるように構成され、前記マイクロ屈折要素が、前記導波光の前記一部を屈折的に散乱させるように構成される、請求項7に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項9】
請求項1に記載のマルチビューディスプレイを備えるマルチビューディスプレイシステムであって、前記マルチビューディスプレイとユーザとの間の距離を決定するように構成されたヘッドトラッカをさらに備え、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の距離が、前記マルチビューディスプレイと前記ユーザとの間の前記決定された距離に従って調整され、前記マルチビューディスプレイに対する前記ユーザの位置に対応するように前記収束面位置をシフトするように構成される、マルチビューディスプレイシステム。
【請求項10】
マルチビューディスプレイシステムであって、
マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームを提供するように構成されたマルチビューバックライトと、
前記指向性光ビームを変調して、前記マルチビューディスプレイシステムの収束面で前記マルチビュー画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイと、
前記マルチビューディスプレイシステムからのユーザの距離を決定するように構成されたヘッドトラッカとを備え、
前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の距離は、前記決定されたユーザ距離に対応するように前記収束面の位置をシフトするために、前記決定されたユーザ距離に従って調整可能であるように構成される、マルチビューディスプレイシステム。
【請求項11】
前記収束面における前記異なるビューのビュー間間隔は、前記収束面がシフトされるときに一定のままであるように構成され、前記収束面内の前記ビュー間間隔は、前記ユーザの眼間距離に見合ったものである、請求項10に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項12】
前記マルチビューバックライトが、前記ライトバルブアレイから第1の距離にある前記マルチビューディスプレイシステムの第1のマルチビューバックライトであり、前記マルチビューディスプレイシステムが、前記ライトバルブアレイから第2の距離にある第2のマルチビューバックライトをさらに備え、前記第1の距離が前記第2の距離とは異なり、前記収束面位置が、前記第1のマルチビューバックライト及び前記第2のマルチビューバックライトのうちの一方を選択的にアクティブにすることによってシフトされるように構成される、請求項10に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項13】
前記マルチビューバックライトが、
ライトガイドの長さに沿った伝播方向に光を導くように構成されたライトガイドと、
前記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、前記複数のマルチビーム要素のうちの1つのマルチビーム要素は、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当するサイズを有し、前記導波光の一部を前記指向性光ビームとして前記ライトガイドから散乱させるように構成された複数のマルチビーム要素とを備える、請求項10に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項14】
前記ヘッドトラッカは、視差推定を使用してユーザ距離を決定するように構成された複数のカメラのうちの1つ又はそれ以上と、前記ユーザによって反射された信号の伝播時間を使用して
ユーザ距離を決定するように構成された飛行時間センサとを備える、請求項10に記載のマルチビューディスプレイシステム。
【請求項15】
マルチビューディスプレイ動作の方法であって、
マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームとしてマルチビューバックライトを使用して光を放射するステップであって、前記指向性光ビームが、前記マルチビュー画像の異なるビューの位置に対応する収束面内の点で収束する、ステップと、
前記収束面で前記マルチビュー画像の前記異なるビューを提供するために、前記ライトバルブのアレイを使用して前記指向性光ビームを変調するステップと、
前記マルチビューディスプレイに対する前記収束面の位置をシフトするために、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の距離を調整するステップとを含む、マルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項16】
マルチビューバックライトを使用して光を放射するステップは、
導波光としてライトガイド内で光を導くステップと、
マルチビーム要素のアレイを使用して前記導波光の一部を前記指向性光ビームとして前記ライトガイドから散乱させるステップであって、前記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素のサイズが、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当する、ステップとを含む、請求項15に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項17】
前記マルチビーム要素は、前記ライトガイドに光学的に接続された回折格子、マイクロ反射要素、及びマイクロ屈折要素のうちの1つ又はそれ以上を含み、前記回折格子は、前記導波光の前記一部を回折的に散乱させ、前記マイクロ反射要素は、前記導波光の前記一部を反射的に散乱させ、前記マイクロ屈折要素は、前記導波光の前記一部を屈折的に散乱させる、請求項16に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項18】
前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前記距離を調整するステップが、前記ライトバルブアレイに対して前記マルチビューバックライトを機械的に移動させるステップを含む、請求項15に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項19】
ヘッドトラッカを使用して前記マルチビューディスプレイからのユーザの距離を決定するステップと、前記決定されたユーザ距離に対応するように前記収束面位置をシフトするために、前記マルチビューバックライトと前記ライトバルブアレイとの間の前記距離を調整するステップとをさらに含む、請求項15に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項20】
ヘッドトラッカを使用して前記マルチビューディスプレイからの前記ユーザの前記距離を決定するステップは、
複数のカメラを使用して前記ユーザの画像を取り込み、視差推定を使用して前記マルチビューディスプレイからの前記ユーザの前記距離を決定するステップと、
飛行時間センサを使用して、前記飛行時間センサによって放射され、前記ユーザによって反射された信号の伝播時間から、前記マルチビューディスプレイからの前記ユーザの前記距離を決定するステップと
のうちの1つ又はそれ以上を含む、請求項19に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は以下の[1]から[20]を含む。
[1]マルチビューディスプレイであって、
マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームとして光を放射するように構成されたマルチビューバックライトであって、上記指向性光ビームが、上記マルチビュー画像の異なるビューの位置に対応する収束面内の点で収束するように構成される、マルチビューバックライトと、
上記収束面における上記マルチビュー画像の上記異なるビューとして上記指向性光ビームを変調するように構成されるライトバルブのアレイとを備え、
上記マルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間の距離は、上記マルチビューディスプレイに対して上記収束面の対応する位置をシフトするように調整可能に構成される、マルチビューディスプレイ。
[2]上記マルチビュー画像の上記異なるビュー間のビュー間間隔が、上記マルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間の上記調整可能な距離及び上記収束面の上記対応する位置の関数として一定になるように構成される、上記[1]に記載のマルチビューディスプレイ。
[3]上記収束面における上記ビュー間間隔が、上記マルチビューディスプレイのユーザの眼間距離に見合ったものである、上記[2]に記載のマルチビューディスプレイ。
[4]上記マルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間の上記距離の調整が、上記ライトバルブアレイに対する上記マルチビューバックライトの機械的な動きを含む、上記[1]に記載のマルチビューディスプレイ。
[5]上記マルチビューバックライトが第1のマルチビューバックライトであり、上記収束面が上記マルチビューディスプレイの第1の収束面であり、上記マルチビューディスプレイが、第2の収束面で上記マルチビュー画像の上記異なるビューの位置に対応する点で、上記第2の収束面内に収束する指向性光ビームを提供するように構成された第2のマルチビューバックライトをさらに備え、上記マルチビューディスプレイに対する上記第2の収束面の位置が、上記第1の収束面の位置とは異なる、上記[1]に記載のマルチビューディスプレイ。
[6]上記第1のマルチビューバックライトは、上記第2のマルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間に配置され、上記第1のマルチビューバックライトは、上記第2のマルチビューバックライトによって提供される上記指向性光ビームを透過させ、上記マルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間の上記距離の調整は、選択的にアクティブにした上記第1のマルチビューバックライト及び上記第2のマルチビューバックライトのうちの1つが、上記第1及び第2の収束面のそれぞれの内部で上記マルチビュー画像を提供することを含む、上記[5]に記載のマルチビューディスプレイ。
[7]上記マルチビューバックライトが、
ライトガイドの長さに沿った伝播方向に光を導くように構成されたライトガイドと、
上記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、上記複数のマルチビーム要素のうちの1つのマルチビーム要素は、上記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当するサイズを有し、上記導波光の一部を上記指向性光ビームとして上記ライトガイドから散乱させるように構成された複数のマルチビーム要素とを備える、上記[1]に記載のマルチビューディスプレイ。
[8]上記マルチビーム要素が、上記ライトガイドに光学的に接続された回折格子、マイクロ反射要素、及びマイクロ屈折要素のうちの1つ又はそれ以上を含み、上記回折格子が、上記導波光の上記一部を回折的に散乱させるように構成され、上記マイクロ反射要素が、上記導波光の上記一部を反射的に散乱させるように構成され、上記マイクロ屈折要素が、上記導波光の上記一部を屈折的に散乱させるように構成される、上記[7]に記載のマルチビューディスプレイ。
[9]上記[1]に記載のマルチビューディスプレイを備えるマルチビューディスプレイシステムであって、上記マルチビューディスプレイとユーザとの間の距離を決定するように構成されたヘッドトラッカをさらに備え、上記マルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間の距離が、上記マルチビューディスプレイと上記ユーザとの間の上記決定された距離に従って調整され、上記マルチビューディスプレイに対する上記ユーザの位置に対応するように上記収束面位置をシフトするように構成される、マルチビューディスプレイシステム。
[10]マルチビューディスプレイシステムであって、
マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームを提供するように構成されたマルチビューバックライトと、
上記指向性光ビームを変調して、上記マルチビューディスプレイシステムの収束面で上記マルチビュー画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイと、
上記マルチビューディスプレイシステムからのユーザの距離を決定するように構成されたヘッドトラッカとを備え、
上記マルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間の距離は、上記決定されたユーザ距離に対応するように上記収束面の位置をシフトするために、上記決定されたユーザ距離に従って調整可能であるように構成される、マルチビューディスプレイシステム。
[11]上記収束面における上記異なるビューのビュー間間隔は、上記収束面がシフトされるときに一定のままであるように構成され、上記収束面内の上記ビュー間間隔は、上記ユーザの眼間距離に見合ったものである、上記[10]に記載のマルチビューディスプレイシステム。
[12]上記マルチビューバックライトが、上記ライトバルブアレイから第1の距離にある上記マルチビューディスプレイシステムの第1のマルチビューバックライトであり、上記マルチビューディスプレイシステムが、上記ライトバルブアレイから第2の距離にある第2のマルチビューバックライトをさらに備え、上記第1の距離が上記第2の距離とは異なり、上記収束面位置が、上記第1のマルチビューバックライト及び上記第2のマルチビューバックライトのうちの一方を選択的にアクティブにすることによってシフトされるように構成される、上記[10]に記載のマルチビューディスプレイシステム。
[13]上記マルチビューバックライトが、
ライトガイドの長さに沿った伝播方向に光を導くように構成されたライトガイドと、
上記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、上記複数のマルチビーム要素のうちの1つのマルチビーム要素は、上記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当するサイズを有し、上記導波光の一部を上記指向性光ビームとして上記ライトガイドから散乱させるように構成された複数のマルチビーム要素とを備える、上記[10]に記載のマルチビューディスプレイシステム。
[14]上記ヘッドトラッカは、視差推定を使用してユーザ距離を決定するように構成された複数のカメラのうちの1つ又はそれ以上と、上記ユーザによって反射された信号の伝播時間を使用してユーザ距離を決定するように構成された飛行時間センサとを備える、上記[10]に記載のマルチビューディスプレイシステム。
[15]マルチビューディスプレイ動作の方法であって、
マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームとしてマルチビューバックライトを使用して光を放射するステップであって、上記指向性光ビームが、上記マルチビュー画像の異なるビューの位置に対応する収束面内の点で収束する、ステップと、
上記収束面で上記マルチビュー画像の上記異なるビューを提供するために、上記ライトバルブのアレイを使用して上記指向性光ビームを変調するステップと、
上記マルチビューディスプレイに対する上記収束面の位置をシフトするために、上記マルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間の距離を調整するステップとを含む、マルチビューディスプレイ動作の方法。
[16]マルチビューバックライトを使用して光を放射するステップは、
導波光としてライトガイド内で光を導くステップと、
マルチビーム要素のアレイを使用して上記導波光の一部を上記指向性光ビームとして上記ライトガイドから散乱させるステップであって、上記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素のサイズが、上記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当する、ステップとを含む、上記[15]に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
[17]上記マルチビーム要素は、上記ライトガイドに光学的に接続された回折格子、マイクロ反射要素、及びマイクロ屈折要素のうちの1つ又はそれ以上を含み、上記回折格子は、上記導波光の上記一部を回折的に散乱させ、上記マイクロ反射要素は、上記導波光の上記一部を反射的に散乱させ、上記マイクロ屈折要素は、上記導波光の上記一部を屈折的に散乱させる、上記[16]に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
[18]上記マルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間の上記距離を調整するステップが、上記ライトバルブアレイに対して上記マルチビューバックライトを機械的に移動させるステップを含む、上記[15]に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
[19]ヘッドトラッカを使用して上記マルチビューディスプレイからのユーザの距離を決定するステップと、上記決定されたユーザ距離に対応するように上記収束面位置をシフトするために、上記マルチビューバックライトと上記ライトバルブアレイとの間の上記距離を調整するステップとをさらに含む、上記[15]に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
[20]ヘッドトラッカを使用して上記マルチビューディスプレイからの上記ユーザの上記距離を決定するステップは、
複数のカメラを使用して上記ユーザの画像を取り込み、視差推定を使用して上記マルチビューディスプレイからの上記ユーザの上記距離を決定するステップと、
飛行時間センサを使用して、上記飛行時間センサによって放射され、上記ユーザによって反射された信号の伝播時間から、上記マルチビューディスプレイからの上記ユーザの上記距離を決定するステップと
のうちの1つ又はそれ以上を含む、上記[19]に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
本明細書に記載の原理による例及び実施形態の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解することができ、図面では同様の参照番号は同様の構造要素を示す。
【国際調査報告】