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2022-514145てんかんおよび関連する障害を治療するための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(54)【発明の名称】てんかんおよび関連する障害を治療するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/741 20150101AFI20220203BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20220203BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220203BHJP
   A61K 9/52 20060101ALI20220203BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220203BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220203BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20220203BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20220203BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220203BHJP
   A61K 9/50 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A61K35/741
A61P25/08
A61K9/48
A61K9/52
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K9/10
A61K9/19
A61K9/14
A61K9/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517454
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(85)【翻訳文提出日】2021-05-17
(86)【国際出願番号】 US2019053400
(87)【国際公開番号】W WO2020069280
(87)【国際公開日】2020-04-02
(31)【優先権主張番号】62/737,477
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517396180
【氏名又は名称】フィンチ セラピューティクス ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジェイ・ボロディー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4C076AA16
4C076AA29
4C076AA53
4C076AA61
4C076BB01
4C076CC01
4C076FF70
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA16
4C084MA37
4C084MA38
4C084MA43
4C084MA44
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZA06
4C084ZB35
4C084ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC32
4C087MA02
4C087MA16
4C087MA37
4C087MA38
4C087MA43
4C087MA44
4C087MA52
4C087NA14
4C087ZA06
4C087ZB35
4C087ZC75
(57)【要約】
本開示は、哺乳動物における疾患の治療のために好適な医薬組成物の分野におけるものである。本開示は、てんかん、てんかん発作および関連疾患を治療するための非病原性糞便微生物を含む新規の組成物を提供する。本開示はまた、本明細書に開示される組成物を用いて対象を治療する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非培養糞便細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に経口的に投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記発作が、焦点または全般性発作からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記焦点発作が、単純焦点発作、複雑焦点発作、および二次性全般性発作からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記全般性発作が、欠神、強直、脱力、間代、ミオクローヌス、または強直間代発作からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
発作の全体的な頻度を低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
発作の再発を予防する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
4、8、または12週の治療後に前記頻度を少なくとも10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、または90%低減する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記投与が日毎または週毎に為される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物がカプセル中にある、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、液体、凍結、フリーズドライ、噴霧乾燥、泡乾燥、凍結乾燥、または粉末形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記カプセルが、腸溶性コーティングカプセル、酸耐性の腸溶性コーティングカプセル、または腸溶性コーティングマイクロカプセルである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記対象が、前記組成物の投与の前に抗生物質を用いて事前治療される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記投与が誘導治療および維持治療を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記誘導期間が、前記維持治療よりも多くの数の1日当たりのカプセルを投与することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記それを必要とする対象が、てんかんを有しない対象と比べてアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の1つまたはより多くが欠乏している、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記それを必要とする対象が、ケトン生成食(KD)療法に対して非応答性である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、前記対象の腸中の1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を決定することおよび前記1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の前記相対的な存在量が閾値レベルより低い場合に非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に経口的に投与することを含む、方法。
【請求項18】
それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非培養糞便細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に投与することを含み、前記対象が、前記治療の直前に腸ディスバイオシスを有しない、方法。
【請求項19】
前記組成物がカプセル中にある、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、液体、凍結、フリーズドライ、噴霧乾燥、泡乾燥、凍結乾燥、または粉末形態である、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月27日に出願された米国仮出願第62/737,477号に対する優先権を主張する。該米国仮出願は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、てんかんを治療するために好適な医薬組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
哺乳動物は、胃腸(gastrointestinal;GI)管中に多様な微生物種を宿す。これらの微生物の間ならびに微生物および宿主、例えば、宿主免疫系の間の相互作用はマイクロバイオータを形作る。健常なマイクロバイオータは宿主に複数の利益を提供し、該利益としては、広域の病原体に対する定着抵抗性、必須栄養分の生合成および吸収、ならびに健常な腸上皮および適切に制御された全身免疫を維持する免疫刺激が挙げられる。均衡の取れていないマイクロバイオータ(「ディスバイオシス」または崩壊した共生とも呼ばれる)は、その機能を喪失させて、病原体に対する感受性の増加、代謝プロファイルの変更、または局所もしくは全身性の炎症もしくは自己免疫に繋がり得る炎症促進性シグナルの誘導を結果としてもたらすことがある。追加的に、そのような崩壊したマイクロバイオータは、入ってくる1つまたはより多くの病原体により感染されることがあり、それにより、他の症状の中でも疼痛、下痢、ガス、および便秘が引き起こされ得る。それゆえ、腸マイクロバイオータは、腸の病原性感染症などの多くの障害の病理発生において重大な役割を果たす。
【0004】
病気の患者の腸へのヒト結腸マイクロバイオータの移植または投与は糞便マイクロバイオータ移植(Fecal Microbiota Transplantation;FMT)と呼ばれ、これは糞便細菌療法としても一般的に公知である。FMTは、鍵となる病原体をそれらの増殖および生存にとって不利な生態学的環境を作出することにより制御する微生物の多様なアレイを腸に再生息させると考えられる。それは、正常な組成的および機能的な腸内微生物コミュニティの迅速な再構成を可能とする治療プロトコールを表す。
【0005】
FMTは、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)を治療するために使用されてきた。FMTはまた、E.コリ(E. coli)およびバンコマイシン耐性エンテロコッカス(Vancomycin resistant Enterococci;VRE)などの他の腸感染性因子の治療においても示唆されている。それは、コロノスコープ、浣腸を通じてまたは経鼻空腸もしくは経鼻胃チューブを介して、ホモジナイズされた糞便、またはクロストリジウム(Clostridia)などの培養された糞便成分のいずれかの形態のヒトマイクロバイオータを注入して結腸中に移植し、それにより病原性細菌、例えば、C.ディフィシル(C. difficile)を置換または根絶することを必然的に伴う。
【0006】
いかなる理論によっても縛られないが、てんかんは、脳における神経細胞活動が妨害されて発作を引き起こす中枢神経系障害として一部の者により考えられている。発作の間に、人は異常な行動、症状、および感覚を経験する。人はまた、発作の間および後に意識を喪失することがある。てんかんは、遺伝的障害、または外傷、脳腫瘍、中枢神経系感染症、もしくは卒中を含む獲得された脳傷害の結果として起こることがある。人々は、2回またはより多くの発作を経験した場合にてんかんを有すると診断される。発作は、全般性および焦点発作の2つの群に分類される。全般性発作は脳の両側に影響し、欠神、強直、脱力、間代、ミオクローヌス、または強直間代発作として特徴付けることができる。小発作としても公知の欠神発作は、急速な瞬目または唇鳴らし、および数秒の空間の凝視を引き起こし得る。強直発作は筋肉の硬直を引き起こし、通常、背中、腕および脚の筋肉に影響する。転倒発作としても公知の脱力発作は、筋肉制御の喪失を引き起こす。間代発作は、頸部、顔、および腕に影響する繰返しの痙攣性筋肉運動と関連付けられる。ミオクローヌス発作は、腕および脚の突然の短い痙攣または単収縮として現れる。大発作としても公知の強直間代発作により、人は叫び、意識を喪失し、地面に倒れまたは筋肉痙攣もしくは攣縮を起こす。焦点発作は、恐らく脳の単一の区画に位置するので、部分発作とも呼ばれる。焦点発作は、単純焦点発作、複雑焦点発作、および二次性全般性発作の3種類の発作からなる。単純焦点発作は脳の小部分に影響し、単収縮、または匂いもしくは味における変化を含む感覚における変化を引き起こし得る。複雑焦点発作は錯乱を引き起こし、または人をぼうっとさせる。複雑焦点発作はまた、人を質問または指示に数分間応答できなくさせることがある。二次性全般性発作は、脳の片側に位置する焦点発作として始まり、全般性発作(脳の両側)に進展する。
【0007】
てんかんの診断は、神経学的検査および血液検査を含むことができる。脳異常は、脳波(EEG)、高密度EEG、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)スキャン、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ならびに思考、記憶および発話能力を評価するための神経心理学的試験により検出される。解析技術としては、統計的パラメトリックマッピング(SPM)、カリー(curry)解析、および脳磁気図検査(MEG)が挙げられる。
【0008】
医薬(抗てんかん剤もしくは抗痙攣剤としても公知)または時に手術を用いる治療は、てんかんを有する人々の大部分について発作を制御することができる。一部の人々は、発作を制御するために生涯にわたる治療を要求する。てんかんに対する既存の治療は、発作を減少または減弱できる医薬を伴う。
【0009】
全国で約340万の人々がてんかんを患っており、これには300万人の成人および470,000人の子供が含まれる。(Zack MM, et al., National and state estimates of the numbers of adults and children with active epilepsy ‐United States, 2015. MMWR. 2017;66:821‐825を参照)。2015年に、米国の全集団の1.2%がてんかんを患っていた。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、てんかん患者においててんかんまたは発作を治療するための組成物、方法、および投薬レジメンを提供する。
【0011】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを治療する方法であって、生きた非病原性糞便細菌または無菌糞便濾液を含むまたはそれに由来する治療用組成物の薬学的活性用量を対象に投与することを含む、方法を提供する。一態様では、無菌糞便濾液は、ドナー糞便を起源とする。別の態様では、無菌糞便濾液は、培養された微生物を起源とする。
【0012】
別の態様では、本開示は、てんかんの治療用の医薬の製造における、生きた非病原性非培養糞便細菌を含む組成物の使用を提供する。
【0013】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを治療する方法であって、生きた非病原性の合成の細菌混合物または生きた非病原性の精製もしくは抽出された糞便マイクロバイオータを含むまたはそれに由来する治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含み、用量が、少なくとも3、8、10、または20の連続する週にわたる1日に少なくとも1回もしくは2回または週に少なくとも1回もしくは2回の投薬スケジュールで投与される、方法を提供する。さらなる態様では、用量は、少なくとも4、5、6、7、11、12、13、14、15、16、17、18、または19の連続する週にわたる1日に少なくとも1回もしくは2回または週に少なくとも1回もしくは2回の投薬スケジュールで投与される。
【0014】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを治療する方法であって、液体の、凍結された、凍結乾燥された、または被包された無菌糞便濾液を含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含み、用量が、少なくとも3、8、10、または20の連続する週にわたる1日に少なくとも1回もしくは2回または週に少なくとも1回もしくは2回の投薬スケジュールで投与される、方法を提供する。
【0015】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、生きた非病原性糞便細菌または非細胞性糞便濾液を含む治療用組成物の薬学的活性用量を含む経口カプセルを前記対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0016】
一態様では、方法は、少なくとも約10%のてんかんの軽快、治癒、応答、または解決率を達成する。
【0017】
一態様では、治療用組成物中の糞便マイクロバイオータは、ドナーの実質的に全体の非選択の糞便マイクロバイオータ、再構成糞便材料、または合成糞便材料を含む。
【0018】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を含む経口カプセルを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0019】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非培養糞便細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を含む経口カプセルを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0020】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。
【0021】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、対象の腸中の1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を決定することおよび1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量が閾値レベルより低い場合に非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。
【0022】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、1つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量について対象を試験することならびに非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む方法を提供する。
【0023】
本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、1つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量について対象を試験することならびに非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。
【0024】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含み、投与することが少なくとも10個のカプセルを含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書において他に定義されなければ、用語は、関連技術分野における当業者による従来の用法にしたがって理解される。
【0026】
本開示および添付の特許請求の範囲の記載において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に他に指し示さなければ、複数形も含むことが意図される。
【0027】
本明細書において使用される場合、「および/または」は、関連付けられて列記された項目の1つまたはより多くの任意および全ての可能な組合せの他に、選択肢(「または」)として解釈された場合に組合せの欠如を指し、それを包含する。
【0028】
「約」および「おおよそ」という用語は、本明細書において使用される場合、パーセンテージ、密度、および体積などの測定可能な値を指す場合、指定される量の20%、10%、5%、1%、0.5%、またはさらには0.1%の変動を包含することが意味される。
【0029】
本明細書において使用される場合、「実質的に」という用語は、質を修飾するために使用される場合、一般に、その質が喪失されることなくある特定の程度の変動を許容する。例えば、ある特定の態様では、変動のそのような程度は、0.1%未満、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、1~2%、2~3%、3~4%、4~5%、または5%より大きいものであることができる。
【0030】
本明細書において使用される場合、「治療する」という用語は、(i)疾患、障害もしくは状態を完全もしくは部分的に阻害し、例えば、その発症を停止させ、(ii)疾患、障害もしくは状態を完全もしくは部分的に緩和し、例えば、疾患、障害および/もしくは状態の退縮を引き起こし、または(iii)疾患、障害および/もしくは状態の素因を持ち得るが、それを有すると未だ診断されていない患者において疾患、障害もしくは状態が起こることを完全もしくは部分的に予防することを指す。同様に、「治療」は、治療的処置および予防的(prophylactic)または予防的(preventative)手段の両方を指す。
【0031】
本明細書において使用される場合、「治療有効量」または「薬学的活性用量」は、指定された疾患、障害または状態の治療において有効な組成物の量を指す。
【0032】
本明細書において使用される場合、「マイクロバイオータ」、および「フローラ」は、持続可能および一過的の両方で、対象の身体中またはそれ上に生きる微生物のコミュニティを指し、該微生物としては、真核生物、古細菌、細菌、およびウイルス(細菌ウイルス(即ち、ファージ)を含む)が挙げられる。非選択の糞便マイクロバイオータは、選択無しの、ドナーの糞便試料中に見出される微生物構成要素および集団構造に実質的に似た、ドナーの糞便試料に由来する糞便微生物のコミュニティまたは混合物を指す。
【0033】
本明細書において使用される場合、「無菌糞便濾液」または「非細胞性糞便濾液」は、糞便材料の液体成分であって、液体成分が、細胞ベースの生きた生物(例えば、細菌、真菌、またはそれらの胞子)を含まないまたは実質的に含まないが、バクテリオファージおよび非細胞性生物学的材料を保持するものを指す。好ましくは、非細胞性または無菌糞便濾液はまた、真核宿主細胞のウイルスを含まない。
【0034】
本明細書において使用される場合、「軽快、治癒、または解決率」は、所与の治療に応答して治癒されるまたは状態の軽快もしくは完全な解決を得る患者のパーセンテージを指す。定量的には、日当たり、週当たり、月当たり、または年当たりの発作の頻度における少なくとも10%の低減により明白なように患者のてんかんが低減される場合に、患者は治療に正に応答する。てんかんの軽快、治癒、または解決は、発作の徴候または発作が起こるであろうという前兆(warnings)の低減または非存在を指す。
【0035】
本明細書において使用される場合、「応答率」は、所与の治療に対して正に応答(例えば、1つまたはより多くの症状の重症度または頻度の低減)する患者のパーセンテージを指す。てんかん患者は、症状の低減または非存在を示す場合に、治療に対して正に応答する。患者はまた、発作の低減または非存在を示す場合に、治療に対して正に応答する。
【0036】
本明細書において使用される場合、「てんかん発作が起ころうとしているという前兆」、「てんかん発作の前兆」、または「てんかん発作の徴候」は、発作を先取りする知覚的乱れを指す。例えば、発作の前兆または徴候は、匂い、音、もしくは視覚に対する感受性、不安、吐き気、めまい、または視覚的変化を含むことができる。
【0037】
本明細書において使用される場合、「真核性」は、核および膜結合細胞小器官を含有する細胞に属することを指す。
【0038】
本明細書において使用される場合、「細菌」(bacteria)、「細菌」(bacterium)、および「古細菌」は、膜に結合した核を欠き、かつ細胞小器官を欠いた単細胞の原核生物を指す。
【0039】
本明細書において使用される場合、「コロニー形成単位」(colony forming units;cfu)は、所与の試料中の生存微生物細胞の数の推定値を指す。
【0040】
本明細書において使用される場合、「生存(した)」(viable)は、倍加する能力を持つことを意味する。
【0041】
本明細書において使用される場合、「糞便細菌」は、糞便物中に見出され得る細菌を指す。
【0042】
本明細書において使用される場合、「単離された」または「精製された」は、(1)(天然もしくは実験的状況のいずれにおいてであれ)最初に製造された時に一緒に存在した成分の少なくとも一部から分離されており、かつ/または(2)人の手により製造、調製、精製、および/もしくは生産された、細菌または他の実体もしくは物質を指す。単離または精製された細菌は、それらが最初に一緒に存在した他の成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、またはより多くから分離され得る。
【0043】
本明細書において使用される場合、「細胞傷害性」の活性または細菌は、病原性細菌細胞などの細菌細胞を殺傷する能力を含む。「細胞分裂抑制性」の活性または細菌は、病原性細菌細胞などの細菌細胞の成長、代謝、および/または増殖を部分的または全体的に阻害する能力を含む。
【0044】
本明細書において使用される場合、細菌または任意の他の生物もしくは実体に関する「病原体」および「病原性」という用語は、生物または実体を含有する宿主生物の疾患、障害または状態を引き起こすことまたはそれに影響することができる任意のそのような生物または実体を含む。
【0045】
本明細書において使用される場合、「胞子」または「胞子」の集団は、全般的に生存しており、同じ細菌の栄養形態よりも熱および殺菌剤などの環境上の影響に対して耐性であり、かつ典型的には発芽および成長が可能な細菌(または他の単細胞生物)を含む。「胞子形成体」または「胞子を形成することができる」細菌は、好適な環境条件下で胞子を産生するための遺伝子および他の必要な能力を含有する細菌である。
【0046】
本明細書において使用される場合、2つまたはより多くの細菌の「組合せ」は、同じ材料もしくは製造物中または物理的に接続された製造物中のいずれかでの、2つの細菌の物理的共存の他に、2つの細菌の時間的な併用投与または共局在性を含む。
【0047】
本明細書において使用される場合、「対象」は、ヒト、実験動物(例えば、霊長動物、ラット、マウス)、家畜類(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シチメンチョウ、ニワトリ)、および家庭の愛玩動物(例えば、イヌ、ネコ、齧歯動物など)を含む任意の動物対象を指す。対象または患者は、健常であってもよく、または胃腸病原体に起因して感染症を患っていてもよく、または胃腸病原体に起因して感染症を発症するもしくはそれを他者に伝染させるリスクがあってもよい。
【0048】
本明細書において使用される場合、「シャノン多様性指数」は、式:
【数1】
(式中、Hはシャノン多様性指数であり、Rはコミュニティ中の種の総数であり、pは、i番目の種から構成されるRの割合である)を使用して所与のコミュニティ中に存在する種の存在量および均等度を計算する多様性指数を指す。より高い値は、多様かつ等しく分布したコミュニティを指し示し、0の値は、1種のみが所与のコミュニティ中に存在することを指し示す。さらなる参考文献について、Shannon and Weaver, (1949) The mathematical theory of communication. The University of Illinois Press, Urbana. 117ppを参照。
【0049】
本明細書において使用される場合、「抗生物質」は、細菌を殺傷し、細菌の成長を阻害し、または細菌の生存能を低減することにより細菌感染症を治療および/または予防するために使用される物質を指す。
【0050】
本明細書において使用される場合、「間欠的投薬スケジュール」は、治療用組成物がある時間的期間にわたり投与され、続いてそのような治療用組成物を用いる治療が保留される時間的期間(治療期間)(休息期間)があることを意味する。間欠的投薬レジメンは、日または週での治療期間/日または週での休息期間として表すことができる。例えば、4/1の間欠的投薬スケジュールは、治療期間が4週/日であり、かつ休息期間が1週/日である間欠的投薬スケジュールを指す。
【0051】
本明細書において使用される場合、「連続的投薬スケジュール」は、治療用組成物が休息期間無しで治療期間の間に投与される投薬スケジュールを指す。連続的投薬スケジュールの治療期間の全体を通じて、治療用組成物は、例えば、1日毎に、または1日おきに、または3日毎に投与され得る。治療用組成物が投与される日に、それは単回用量で、または1日の全体を通じて複数回用量で投与され得る。
【0052】
本明細書において使用される場合、「投薬頻度」は、所与の時間内に治療用組成物の用量を投与する頻度を指す。投薬頻度は、所与の時間当たりの用量の数、例えば、1日当たり1回、週に1回、または2週に1回として指し示すことができる。
【0053】
本明細書において使用される場合、「投薬間隔」は、対象に投与されている複数回用量の間に経過する時間の量を指す。
【0054】
本明細書において使用される場合、「閾値レベル」は、予め決定されたレベルを指す。閾値レベルは、てんかんを有しない人々において見出されるレベルを含むことができる。閾値レベルは、治療の結果としての軽快と相関するように定義されたレベルであることができる。
【0055】
一態様では、本開示は、全般性および焦点発作からなる群から選択される発作の形態を有するそれを必要とする対象を治療する方法を提供する。別の態様では、本明細書において提供される方法は、欠神(小)、強直、脱力、間代、ミオクローヌス、および強直間代(大)発作からなる群から選択される全般性発作を有する対象を治療するためのものである。さらなる態様では、本明細書において提供される方法は、単純焦点発作、複雑焦点発作、および二次性全般性発作からなる群から選択される焦点発作を治療するためのものである。別の態様では、本明細書において提供される方法は、全般性および焦点発作を有するそれを必要とする対象を治療するためのものである。
【0056】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを治療する方法であって、生きた非病原性糞便細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に投与することを含む、方法を提供する。別の態様では、本開示は、てんかんの治療用の医薬の製造における、生きた非病原性糞便細菌を含む組成物の使用を提供する。一態様では、治療用組成物は、生きた非病原性糞便細菌の単離または精製された集団を含む。一態様では、治療用組成物は、非選択の糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、治療用組成物は、非選択かつ実質的に完全な糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、治療用組成物は、全域(full-spectrum)の糞便マイクロバイオータを含む。
【0057】
本開示の一態様では、薬学的活性用量は、非培養糞便細菌を含む細菌混合物、例えば、非選択の糞便細菌または実質的に完全な糞便マイクロバイオータ(例えば、健常ヒトドナーから回収されたもの)を含む医薬組成物を含む。本開示の別の態様では、薬学的活性用量は、糞便細菌の非培養収集物を含む細菌混合物、例えば、非選択の糞便細菌または実質的に完全な糞便マイクロバイオータ(例えば、健常ヒトドナーから回収されたもの)を含む医薬組成物を含む。一態様では、細菌混合物は、1つまたはより多くの細菌分離株をさらに含む。一態様では、細菌混合物は細菌分離株を含まない。
【0058】
一態様では、非培養糞便細菌は、ドナーの糞便試料からの全体のまたは実質的に完全な糞便マイクロバイオータを含む。一態様では、非培養糞便細菌は、非選択的な糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、非培養糞便細菌は、生きた非病原性糞便細菌の単離または精製された集団を含む。さらなる態様では、非培養糞便細菌は、単一のドナーからの非選択的かつ実質的に完全な糞便マイクロバイオータ調製物を含む。さらに別の態様では、糞便細菌の非培養集団は、単一のドナーからの非選択的かつ実質的に完全な糞便マイクロバイオータ調製物を含む。別の態様では、糞便細菌の非培養収集物は、単一のドナーからの非選択的かつ実質的に完全な糞便マイクロバイオータ調製物を含む。別の態様では、本明細書において使用される医薬組成物は、生きた非病原性の細菌分離株および生きた非病原性の精製または抽出された非培養糞便細菌の混合物を含む。
【0059】
一態様では、非培養糞便細菌の調製は、エタノール処理、洗浄剤処理、熱処理、照射、および音波処理からなる群から選択される処理を伴う。別の態様では、非培養糞便細菌の調製は、エタノール処理、洗浄剤処理、熱処理、照射、および音波処理からなる群から選択される処理を伴わない。一態様では、非培養糞便細菌の調製は、密度勾配、濾過(例えば、篩、ナイロンメッシュ)、およびクロマトグラフィーからなる群から選択される分離ステップを伴う。別の態様では、非培養糞便細菌の調製は、密度勾配、濾過(例えば、篩、ナイロンメッシュ)、およびクロマトグラフィーからなる群から選択される分離ステップを伴わない。別の態様では、非培養糞便細菌は、対象の糞便試料からの全体のまたは実質的に全体の糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、本明細書において投与される医薬組成物は、ドナー真核細胞を実質的に含まない糞便マイクロバイオータを含む。
【0060】
一態様では、本明細書に記載の非培養糞便細菌の調製物は、ドナーに由来する糞便細菌混合物に100%類似した混合物を含む精製または再構成された糞便細菌混合物を含む。一態様では、本明細書に記載の非培養糞便細菌の調製物は、ドナーに由来する糞便細菌混合物に99.9%類似した混合物を含む精製または再構成された糞便細菌混合物を含む。別の態様では、本明細書に記載の非培養糞便細菌の調製物は、ドナーに由来する糞便細菌混合物に98%類似した混合物を含む精製または再構成された糞便細菌混合物を含む。別の態様では、本明細書に記載の非培養糞便細菌の調製物は、ドナーに由来する糞便細菌混合物に97%類似した混合物を含む精製または再構成された糞便細菌混合物を含む。さらなる態様では、本明細書に記載の非培養糞便細菌の調製物は、ドナーに由来する糞便細菌混合物に96%類似した混合物を含む精製または再構成された糞便細菌混合物を含む。さらに別の態様では、本明細書に記載の非培養糞便細菌の調製物は、ドナーに由来する糞便細菌混合物に95、94、93、92、91、90、89、88、87、85、84、83、82、81、80、75、70、65、60、55、50、45、または40%類似した混合物を含む精製または再構成された糞便細菌混合物を含む。別の態様では、本明細書に記載の非培養糞便細菌の調製物は、ドナーに由来する糞便細菌混合物に100~95、95~90、90~85、85~80、80~75、75~70、70~65、および65~60%類似した混合物を含む精製または再構成された糞便細菌混合物を含む。
【0061】
一態様では、本明細書において提供または投与される薬学的活性用量は、0.3より高いもしくはそれに等しい、0.4より高いもしくはそれに等しい、0.5より高いもしくはそれに等しい、0.6より高いもしくはそれに等しい、0.7より高いもしくはそれに等しい、0.8より高いもしくはそれに等しい、0.9より高いもしくはそれに等しい、1.0より高いもしくはそれに等しい、1.1より高いもしくはそれに等しい、1.2より高いもしくはそれに等しい、1.3より高いもしくはそれに等しい、1.4より高いもしくはそれに等しい、1.5より高いもしくはそれに等しい、1.6より高いもしくはそれに等しい、1.7より高いもしくはそれに等しい、1.8より高いもしくはそれに等しい、1.9より高いもしくはそれに等しい、2.0より高いもしくはそれに等しい、2.1より高いもしくはそれに等しい、2.2より高いもしくはそれに等しい、2.3より高いもしくはそれに等しい、2.4より高いもしくはそれに等しい、2.5より高いもしくはそれに等しい、3.0より高いもしくはそれに等しい、3.1より高いもしくはそれに等しい、3.2より高いもしくはそれに等しい、3.3より高いもしくはそれに等しい、3.4より高いもしくはそれに等しい、3.5より高いもしくはそれに等しい、3.6より高いもしくはそれに等しい、3.7より高いもしくはそれに等しい、3.8より高いもしくはそれに等しい、3.9より高いもしくはそれに等しい、4.0より高いもしくはそれに等しい、4.1より高いもしくはそれに等しい、4.2より高いもしくはそれに等しい、4.3より高いもしくはそれに等しい、4.4より高いもしくはそれに等しい、4.5より高いもしくはそれに等しい、または5.0より高いもしくはそれに等しいシャノン多様性指数を含む非培養糞便細菌を含む医薬組成物を含む。別の態様では、医薬組成物は、0.1~3.0、0.1~2.5、0.1~2.4、0.1~2.3、0.1~2.2、0.1~2.1、0.1~2.0、0.4~2.5、0.4~3.0、0.5~5.0、0.7~5.0、0.9~5.0、1.1~5.0、1.3~5.0、1.5~5.0、1.7~5.0、1.9~5.0、2.1~5.0、2.3~5.0、2.5~5.0、2.7~5.0、2.9~5.0、3.1~5.0、3.3~5.0、3.5~5.0、3.7~5.0、31.9~5.0、または4.1~5.0のシャノン多様性指数を含む糞便マイクロバイオータを含む。一態様では、シャノン多様性指数は、門レベルで算出される。別の態様では、シャノン多様性指数は、科レベルで算出される。一態様では、シャノン多様性指数は、属レベルで算出される。別の態様では、シャノン多様性指数は、種レベルで算出される。さらなる態様では、医薬組成物は、正常な健常なヒト糞便フローラに似た比例的含有量のフローラの調製物を含む。
【0062】
本開示の態様では、薬学的活性用量は、非培養糞便細菌を含む細菌混合物、例えば、非選択の糞便細菌を含む医薬組成物を含む。一態様では、細菌混合物は、単一の細菌分離株または複数の細菌分離株(例えば、細菌カクテルの形態)を含む。一態様では、医薬組成物は、(i)糞便細菌の非培養集団、および(ii)少なくとも1つの細菌分離株を含む細菌混合物を含む。別の態様では、医薬組成物は、(i)非培養糞便細菌、および(ii)少なくとも1つの細菌分離株を含む細菌混合物を含む。そのような細菌混合物は、1つまたはより多くの細菌分離株を用いて富化、補充または「スパイク」された非培養糞便細菌と称され得る。1つまたはより多くの非病原性細菌分離株を用いて健常ドナーの糞便試料に由来する非培養細菌の集団(例えば、糞便マイクロバイオータ)を富化またはスパイクすることにより、1つまたは複数の特定の細菌株(即ち、スパイクイン細菌分離株)の量が計算および精密に制御され得る組成物を製造することができる。理論により縛られないが、これは例えば、非培養糞便細菌にスパイクされた少なくとも1つの細菌分離株が、対象(例えば、てんかんの1つまたはより多くの症状を有するまたはそれを獲得しやすい)の治療のために重要またはそれに関与するが、それ自体では対象において増進したまたは最適な治療応答を生成するために不十分である場合に有利である。プロバイオティクス(probiotics)は、単一の細菌分離株または少数の細菌分離株の投与と関連付けられる効果のために依拠される。プロバイオティクスとは異なり、非培養糞便細菌(即ち、健常ドナーに由来する)と共に1つまたはより多くの細菌分離株のてんかん対象への投与は、非培養集団中に存在する追加の糞便細菌株により付与される多要因の利益と組み合わさった投与された細菌分離株の利点を対象に提供する。これらの追加の糞便細菌株は、例えば、細菌分離株が対象において最適な応答を誘導することを可能にするために必要な文脈もしくは相互作用(例えば、1つもしくはより多くの放出された因子を介する)を提供するために組み合わさってもよく、または対象を治療するために細菌分離株により誘導される応答と組み合わさるかつ/もしくは協同する対象における応答を直接的に誘導してもよい。よって、ある特定の態様では、1つまたはより多くの細菌分離株および非培養糞便細菌の混合物を含む医薬組成物は、単独で細菌分離株を含む組成物よりも対象(例えば、てんかんの1つまたはより多くの症状を有するまたはそれを獲得しやすい)の治療においてより有効であることができる。
【0063】
一態様では、方法は、狭域抗てんかん医薬を投与することをさらに含む。狭域抗てんかん医薬は、発作が脳の特有の部分に単離される場合に利用される。別の態様では、狭域抗てんかん医薬は、カルバマゼピン、ベンゾジアゼピン、例えば、クロバザム、ジアゼパム、ジバルプロエクス、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、ガバペンチン、ラコサミド、メトスクシミド、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、ルフィナミド(refinamide)、チアガビン塩酸塩、ビガバトリン(vigabatril)、およびこれらの組合せからなる群から選択される。別の態様では、方法は、広域抗てんかん医薬を投与することをさらに含む。広域抗てんかん医薬は、脳の複数のセクションに影響する発作を治療するために利用される。別の態様では、広域抗てんかん医薬は、クロナゼパム、クロラゼペート、エゾガビン、フェルバメート、ラモトリギン、レベチラセタム、ロラゼパム、プリミドン、トピラマート、バルプロ酸、ゾニサミドおよびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0064】
別の態様では、方法は、ベンゾジアゼピンを投与することをさらに含む。さらに別の態様では、方法はまた、ジアゼパム、クロナゼパムまたはロラゼパムを投与することを含む。さらなる態様では、方法はまた、アセタゾラミド、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、エトスクシミド、ホスフェニトイン、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、ロラゼパム、メトスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、パラアルデヒド、フェノバルビタール、フェノバルブ、フェノバルビタールナトリウム、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、トピラマート、バルプロ酸、ビガバトリン、フェルバメート、チアガビン塩酸塩、およびゾニサミドからなる群から選択される医薬を投与することを含む。
【0065】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを治療する方法であって、生きた非病原性細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に投与することを含む、方法を提供する。別の態様では、対象は、狭域抗てんかん医薬を併用投与されない。別の態様では、対象は、広域抗てんかん医薬を併用投与されない。さらに別の態様では、対象は、生きた非病原性細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量の投与前の少なくとも1、2、3、4、5、6、10、15、20、25、30、35、40、45、または50週に抗てんかん医薬を投与されない。さらなる態様では、対象は、生きた非病原性細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量の投与前の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、7、9、または10年に抗てんかん医薬を投与されない。別の態様では、対象は、生きた非病原性細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量の投与の前に抗てんかん医薬を投与されていない。
【0066】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを治療する方法であって、生きた非病原性細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に投与することを含む、方法を提供する。一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを治療する方法であって、生きた非病原性糞便細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を1日毎に対象に投与することを含む、方法を提供する。一態様では、治療用組成物は、それを必要とするてんかん患者に日または週に少なくとも1回で少なくとも2つの連続する日または週にわたり投与される。一態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも1回で少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の連続する日または週にわたり投与される。別の態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも1回で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する日または週にわたり投与される。一態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも1回で最長で4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の連続する日または週にわたり投与される。別の態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも1回で最長で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する週または月にわたり投与される。さらなる態様では、治療用組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12の連続する月もしくは年にわたり、対象の寿命全体、または不定の時間的期間にわたり慢性的に少なくとも1回投与される。
【0067】
一態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも2回で少なくとも2つの連続する日または週にわたりそれを必要とするてんかん患者に投与される。一態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも2回で少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の連続する日または週にわたり投与される。別の態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも2回で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する日または週にわたり投与される。一態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも2回で最長で4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の連続する日または週にわたり投与される。別の態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも2回で最長で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する週または月にわたり投与される。さらなる態様では、治療用組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12の連続する月もしくは年にわたり、対象の寿命全体、または不定の時間的期間にわたり慢性的に少なくとも2回投与される。
【0068】
一態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも3回で少なくとも2つの連続する日または週にわたりそれを必要とするてんかん患者に投与される。一態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも3回で少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の連続する日または週にわたり投与される。別の態様では、治療用組成物は、日または週に少なくとも3回で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する日または週にわたり投与される。一態様では、治療用組成物は、日に少なくとも3回で最長で4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の連続する日または週にわたり投与される。別の態様では、治療用組成物は、日に少なくとも3回で最長で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する週または月にわたり投与される。さらなる態様では、治療用組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12の連続する月もしくは年にわたり、対象の寿命全体、または不定の時間的期間にわたり慢性的に少なくとも3回投与される。
【0069】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを治療する方法であって、生きた非病原性の合成の細菌混合物または生きた非病原性の精製もしくは抽出された糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含み、用量が、日または週に少なくとも1回または2回で少なくとも3つの連続する日または週にわたる投薬スケジュールで投与される、方法を提供する。別の態様では、用量は、日または週に少なくとも1回、2回、または3回で1~12週、2~12週、3~12週、4~12週、5~12週、6~12週、7~12週、8~12週、9~12週、10~12週、1~2週、2~3週、3~4週、4~5週、5~6週、6~7週、7~8週、8~9週、9~10週、または10~11週の期間にわたり投与される。
【0070】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを治療する方法であって、第1の投薬スケジュール、続いて第2の投薬スケジュールを含む、方法を提供する。一態様では、第1の投薬スケジュールは、治療または誘導用量を含む。一態様では、第1の投薬スケジュールは連続的投薬スケジュールを含む。別の態様では、第2の投薬スケジュールは、第1の投薬スケジュールの薬学的活性用量より低いまたはそれに等しい維持用量を含む。別の態様では、第2の投薬スケジュールは、少なくとも約2、4、6、8、10、12、18、24、36、48、72、または96か月にわたり続けられる。一態様では、第2の投薬スケジュールは、治療される対象の寿命全体、または不定の時間的期間にわたり永久的に続けられる。一態様では、第2の投薬スケジュールは連続的投薬スケジュールである。別の態様では、第2の投薬スケジュールは間欠的投薬スケジュールである。さらなる態様では、第2の投薬スケジュールは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日の治療期間、続いて少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日の休止期間を含む間欠的投薬スケジュールである。別の態様では、第2の投薬スケジュールは、1日おき、2日毎、または3、4、5、6、7、8日毎に第2の用量(例えば、維持用量)を投与することを含む。別の態様では、維持用量は、滴定(または他に投薬量もしくは投薬スケジュールを変化させること)有りまたは無しで延長された時間的期間にわたり投与される。一態様では、第1および第2の投薬スケジュールの間の間隔は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週である。別の態様では、第2の投薬スケジュール(例えば、維持用量)は、第1の投薬スケジュールにおいて使用される投薬量(例えば、初期治療用量)よりも約2、5、10、50、100、200、400、800、1000、5000倍またはより多くの倍数低い投薬量を含む。別の態様では、第2の投薬スケジュール(例えば、維持投薬スケジュール)は、第1の投薬スケジュール(例えば、初期治療投薬スケジュール)と等しいまたはそれより低い投薬頻度を有する。別の態様では、第2の投薬スケジュール(例えば、維持投薬スケジュール)は、第1の投薬スケジュール(例えば、初期治療投薬スケジュール)より長い投薬間隔を有する。
【0071】
一態様では、方法において使用される第1または第2の投薬スケジュールは、週1回、週2回、または週3回であることができる。「週1回」という用語は、用量が週に1回、好ましくは各週の同じ曜日に投与されることを意味する。「週2回」は、用量が週に2回、好ましくは各週期間の同じ2日に投与されることを意味する。「週3回」は、用量が週に3回、好ましくは各週期間の同じ3日に投与されることを意味する。
【0072】
一態様では、治療されている対象は、てんかんを既に有している対象である。てんかんに対して遺伝学的に素因を持つまたは易発性の臨床的に無症候性のヒト対象への開示される治療用組成物の投与はまた、てんかんの臨床症状の発病の予防において有用である。てんかんに対して遺伝学的に素因を持つまたは易発性のヒト対象は、てんかんを呈するまたは患った近い家族員または親族を有するヒト対象であることができる。別の態様では、治療されている対象は、てんかんが予防されるべき対象である。別の態様では、治療されている対象は、多発性硬化症(multiples sclerosis)に対して素因を持つまたは感受性である。別の態様では、治療されている対象は、てんかんを有すると診断された対象である。一態様では、治療されている対象は、それを必要とする患者である。別の態様では、治療されている患者は免疫不全である。別の態様では、患者は、てんかんを有するがそれ以外は健常な患者である。別の態様では、患者は健常な栄養の患者である。さらに別の態様では、患者は正常な成長を有する。別の態様では、患者は、健常な、均衡の取れたマイクロバイオータを有する。別の態様では、患者は、治療の時点においてディスバイオシス(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群など)を有しない。別の態様では、患者は、軽快状態のてんかん患者である。別の態様では、患者は、治療の結果として軽快状態のてんかん患者である。さらに別の態様では、患者は、発作またはてんかんの前歴を有しない。さらなる態様では、患者は、生涯において最大で1、2、または3回の発作を経験した者である。別の態様では、患者は、生涯において最大で5または10回の発作を経験した者である。別の態様では、患者は外傷後発作患者である。別の態様では、患者は、発作のリスクがある人である。さらに別の態様では、発作のリスクがある人は、頭部外傷を経験した人である。別の態様では、発作のリスクがある人は、脳の炎症を有するヒトである。別の態様では、発作のリスクがある人は、脳感染症を有する人である。別の態様では、発作のリスクがある人は、卒中を患った人である。別の態様では、発作のリスクがある人は、てんかんまたは発作を有する家族員を有する人である。
【0073】
一態様では、治療されている対象はヒト患者である。一態様では、患者は男性患者である。一態様では、患者は女性患者である。一態様では、患者は未熟新生児である。一態様では、患者は男性未熟新生児である。別の態様では、患者は女性未熟新生児である。一態様では、患者は満期新生児である。一態様では、患者は男性満期新生児である。別の態様では、患者は女性満期新生児である。一態様では、患者は新生児(neonate)である。一態様では、患者は乳児である。別の態様では、患者は男性乳児である。別の態様では、患者は女性乳児である。一態様では、患者は幼児である。別の態様では、患者は男性幼児である。別の態様では、患者は女性幼児である。一態様では、患者は若年児である。一態様では、患者は児童である。別の態様では、患者は男性児童である。別の態様では、患者は女性児童である。一態様では、患者は青年者(adolescent)である。一態様では、患者は小児患者である。別の態様では、患者は男性小児患者である。別の態様では、患者は女性小児患者である。一態様では、患者は老年患者である。別の態様では、患者は男性老年患者である。別の態様では、患者は女性老年患者である。一態様では、患者は成人男性である。別の態様では、患者は成人女性である。一態様では、ヒト患者は、約18、15、12、10、8、6、4、3、2、または1歳未満の小児患者である。別の態様では、ヒト患者は成人患者である。別の態様では、ヒト患者は高齢患者である。さらなる態様では、ヒト患者は、約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95歳より上の患者である。別の態様では、患者は、約1~5、2~10、3~18、21~50、21~40、21~30、50~90、60~90、70~90、60~80、または65~75歳である。一態様では、患者は前期高齢患者(65~74歳)である。一態様では、患者は中期高齢患者(75~84歳)である。一態様では、患者は高齢患者(>85歳)である。
【0074】
一態様では、治療されている対象は、制限された食事の患者である。別の態様では、治療されている対象は、制限されていない食事の患者である。別の態様では、治療されている対象は、動物タンパク質を含む食事の患者である。別の態様では、治療されている対象は、スパイス食品を含む食事の患者である。別の態様では、治療されている対象は、高脂肪食を含む食事の患者である。
【0075】
一態様では、方法は、経口的に、浣腸により、または直腸用坐剤を介して治療用組成物を投与することを含む。一態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、腸溶性コーティング(かつ/もしくは酸耐性)カプセルもしくはマイクロカプセルとして製剤化され、または食品、食品添加物、乳製品ベースの製品、ダイズベースの製品もしくはその誘導体、ゼリー、風味付き液体、氷塊、アイスクリーム、もしくはヨーグルトの部分として製剤化されもしくはそれと共に投与される。別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、酸耐性腸溶性コーティングカプセルとして製剤化される。治療用組成物は、食品または飲料品と組み合わせて販売するための粉末として提供され得る。食品または飲料品は、乳製品ベースの製品またはダイズベースの製品であることができる。別の態様では、食品または食品サプリメントは、治療用組成物を含有する腸溶性コーティングかつ/または酸耐性マイクロカプセルを含有する。
【0076】
一態様では、治療用組成物は液体培養物を含む。別の態様では、治療用組成物は、ホモジナイズ、凍結乾燥、粉砕および粉末化される。それは次に、浣腸として、注入、生理食塩水などに溶解されてもよい。代替的に、粉末は、経口投与用の腸溶性コーティングかつ/または酸耐性遅延放出カプセルとして被包されてもよい。一態様では、粉末は、経口投与のために酸耐性/遅延放出カプセルを用いて二重被包されてもよい。これらのカプセルは、腸溶性コーティングかつ/または酸耐性遅延放出マイクロカプセルの形態を取ってもよい。粉末は、好ましくは、飲料品用の再構成のためまたは食品添加物としての再構成のために美味な形態において提供され得る。さらなる態様では、食品はヨーグルトである。一態様では、粉末は、経鼻十二指腸注入を介して注入されるように再構成されてもよい。
【0077】
別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、液体、凍結、フリーズドライ、噴霧乾燥、泡乾燥(foam-dried)、凍結乾燥、または粉末形態である。さらなる態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、遅延または段階的腸溶性形態として製剤化される。別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、賦形剤、生理食塩水、緩衝液、緩衝剤、または流体-グルコース-セロビオース寒天(RGCA)媒体を含む。別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は凍結保護剤を含む。一態様では、凍結保護剤は、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、またはこれらの組合せを含む。
【0078】
一態様では、医薬組成物は、抗酸化剤をさらに含む凍結乾燥製剤を含む。別の態様では、医薬組成物は、抗酸化剤および還元剤をさらに含む凍結乾燥製剤を含む。さらに別の態様では、医薬組成物は、還元剤をさらに含む凍結乾燥製剤を含む。ある特定の実施形態では、還元剤は、D-システインおよびL-システインからなる群から選択されるシステインを含む。別の態様では、システインは少なくとも約0.025%の濃度である。一態様では、システインは約0.025%の濃度である。別の態様では、システインは0.025%の濃度である。別の態様では、システイン以外の別の還元剤がシステインの代わりに、またはそれと組み合わせて使用される。一態様では、別の還元剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、チオグリコール酸、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、グルタチオン、メチオニン、チオグリセロール、およびアルファトコフェロールを含む群から選択される。
【0079】
一態様では、システインは、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.015%、少なくとも約0.02%、少なくとも約0.025%、少なくとも約0.03%、少なくとも約0.035%、少なくとも約0.04%、少なくとも約0.045%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.055%、少なくとも約0.06%、少なくとも約0.065%、少なくとも約0.07%、少なくとも約0.075%、少なくとも約0.08%、少なくとも約0.085%、少なくとも約0.09%、少なくとも約0.095%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.12%、少なくとも約0.14%、少なくとも約0.16%、少なくとも約0.18%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.25%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約4%、少なくとも約6%、少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約14%、少なくとも約16%、少なくとも約18%、少なくとも約20%、少なくとも約22%、少なくとも約24%、または少なくとも約26%の濃度である。
【0080】
一態様では、治療用組成物は凍結保護剤を含む。本明細書において使用される場合、「凍結保護剤」は、凍結の間に活性原料成分を保護するために製剤に加えられる物質を指す。一態様では、凍結保護剤は、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、またはこれらの組合せを含む、から本質的になる、またはからなる。本開示の一態様では、凍結保護剤は、5%のスクロース;10%のスクロース;10%のスキムミルク;2.5%のスクロースと共に10%のトレハロース;2.5%のスクロースと共に5%のトレハロース;5%のマンニトール;0.1%のポリソルベート80と共に5%のマンニトール;10%のマンニトール;0.1%のポリソルベート80と共に10%のマンニトール;5%のトレハロース;0.1%のポリソルベート80と共に5%のトレハロース;10%のトレハロース;および0.1%のポリソルベート80と共に10%のトレハロース(Trehaolse)を含む群から選択することができる。
【0081】
別の態様では、治療用組成物は凍結乾燥保護剤を含む。本明細書において使用される場合、「凍結乾燥保護剤」は、凍結乾燥(フリーズドライとしても公知)処理の乾燥段階の間に活性原料成分を保護するために製剤に加えられる物質を指す。一態様では、同じ物質または同じ物質の組合せが凍結保護剤および凍結乾燥保護剤の両方として使用される。例示的な凍結乾燥保護剤としては、糖、例えば、スクロースまたはトレハロース;アミノ酸、例えば、グルタミン酸一ナトリウムまたはヒスチジン;メチルアミン、例えば、ベタイン;離液性塩、例えば、硫酸マグネシウム;ポリオール、例えば、3価またはより高い価数の糖アルコール、例えば、グリセリン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、およびマンニトール;プロピレングリコール;ポリエチレングリコール;プルロニック(登録商標);ならびにこれらの組合せが挙げられる。一態様では、凍結乾燥保護剤は非還元糖、例えば、トレハロースまたはスクロースである。一態様では、凍結保護剤または凍結乾燥保護剤は、この段落および上記の段落において言及される1つまたはより多くの物質から本質的になる、またはからなる。
【0082】
一態様では、凍結保護剤または凍結乾燥保護剤は、細胞の内側に透過して、膜の破裂を結果としてもたらし得る氷結晶の形成を予防する細胞内作用因子、例えば、DMSO、グリセロール、またはPEGを含む。別の態様では、凍結保護剤または凍結乾燥保護剤は、細胞膜に透過しないが、凍結の間に起こる浸透不均衡を向上させるように作用する細胞外作用因子、例えば、スクロース、トレハロース、またはデキストロースを含む。
【0083】
一態様では、本開示は、少なくとも約12.5%のトレハロースを含む凍結乾燥製剤を含む凍結乾燥糞便微生物調製物を含む医薬組成物を提供する。
【0084】
一態様では、凍結乾燥製剤は、少なくとも約5%、少なくとも約7.5%、少なくとも約10%、少なくとも約12.5%、少なくとも約13%、少なくとも約13.5%、少なくとも約14%、少なくとも約14.5%、少なくとも約15%、少なくとも約15.5%、少なくとも約16%、少なくとも約16.5%、少なくとも約17%、少なくとも約17.5%、少なくとも約18%、少なくとも約18.5%、少なくとも約19%、少なくとも約19.5%、少なくとも約20%、少なくとも約22.5%、少なくとも約25%、少なくとも約27.5%、少なくとも約30%、少なくとも約32.5%、少なくとも約35%、少なくとも約37.5%、少なくとも約40%、少なくとも約42.5%、少なくとも約45%、少なくとも約47.5%、少なくとも約50%、少なくとも約52.5%、少なくとも約55%、少なくとも約57.5%、または少なくとも約60%のトレハロースを含む。
【0085】
一態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、酸抑制剤、制酸剤、H2アンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤またはこれらの組合せをさらに含む。一態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、生きていない物(non-living matter)を実質的に含まない。別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、残留繊維、DNA、ウイルスコート材料、および非生存材料からなる群から選択される無細胞材料を実質的に含まない。別の態様では、投与される治療用組成物は、酸抑制剤、制酸剤、H2アンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤またはこれらの組合せのいずれも含まない。さらに別の態様では、投与される治療用組成物は酸抑制剤を含まない。別の態様では、投与される治療用組成物は制酸剤を含まない。別の態様では、投与される治療用組成物はH2アンタゴニストを含まない。別の態様では、投与される治療用組成物はプロトンポンプ阻害剤を含まない。別の態様では、投与される治療用組成物はメトクロプラミドを含まない。
【0086】
一態様では、治療用組成物はまた、ポリオール、フルクトオリゴ糖(FOS)、オリゴフルクトース、イヌリン、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ポリデキストロース、単糖、タガトース、および/またはマンノオリゴ糖からなる群から選択されるプレバイオティクス栄養分を含むまたはそれを補充されている。別の態様では、対象は、治療用組成物を用いる治療の前にプレバイオティクス栄養分を用いて事前治療されない。別の態様では、治療用組成物は、プレバイオティクス栄養分を補充されていない。
【0087】
一態様では、方法は、治療用細菌またはマイクロバイオータ組成物の投与の前に抗生物質組成物を用いて対象を事前治療することをさらに含む。一態様では、本明細書において投与される抗生物質組成物は、リファブチン、クラリスロマイシン、クロファジミン、バンコマイシン、リファンピシン、ニトロイミダゾール、クロラムフェニコール、およびこれらの組合せからなる群から選択される抗生物質を含む。別の態様では、本明細書において投与される抗生物質組成物は、リファキシミン、リファマイシン誘導体、リファンピシン、リファブチン、リファペンチン、リファラジル、ビコザマイシン、アミノグリコシド、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、パロモマイシン、ベルダマイシン(verdamicin)、ムタマイシン(mutamicin)、シソマイシン、ネチルマイシン、レチマイシン(retymicin)、カナマイシン、アズトレオナム、アズトレオナムマクロライド(aztreonam macrolide)、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、アジスロマイシン、次サリチル酸ビスマス、バンコマイシン、ストレプトマイシン、フィダキソマイシン、アミカシン、アルベカシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ロドストレプトマイシン、トブラマイシン、アプラマイシン、およびこれらの組合せからなる群から選択される抗生物質を含む。別の態様では、対象は、治療用細菌またはマイクロバイオータ組成物の投与の前に抗生物質組成物を用いて事前治療されない。別の態様では、治療用組成物は、抗生物質組成物を補充されていない。さらなる態様では、方法は、治療用細菌またはマイクロバイオータ組成物の投与の前に抗炎症性薬物を用いて対象を事前治療することをさらに含む。さらに別の態様では、対象は、治療用細菌またはマイクロバイオータ組成物の投与の前に抗炎症性薬物を用いて事前治療されない。別の態様では、治療用細菌またはマイクロバイオータ組成物は、抗炎症剤を補充されていない。
【0088】
本開示の一態様では、方法は、ステロイドを併用投与すること無く、治療用細菌またはマイクロバイオータ組成物をそれを必要とする対象に投与することをさらに含む。別の態様では、対象は、ディスバイオシスを治療するためにステロイドを用いて以前に治療されていない。さらに別の態様では、対象は、治療用組成物の投与前の少なくとも1、2、3、4、5、6、10、15、20、25、30、35、40、45、または50週にステロイドを投与されない。さらなる態様では、対象は、治療用組成物の投与前の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、7、9、または10年にステロイドを投与されない。さらに別の態様では、対象は、糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の投与の前または後の少なくとも1、2、3、または4週にわたりステロイドを用いて治療されない。別の態様では、対象は、ディスバイオシス(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸疾患など)の状態を治療するために薬物を用いて共治療されない。さらに別の態様では、対象は、チオプリンまたは5-アミノサリチレート(5-aminoscalicylate)(5-ASA)を用いて共治療されない。さらなる態様では、対象は、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、および過敏性腸疾患を治療するために処方されるコルチコステロイド、5-ASA製造物、免疫調節剤、抗TNFα剤、または他の医薬を用いて共治療されない。別の態様では、対象は、胃腸障害を治療するために使用される薬物を用いて共治療されない。
【0089】
本開示の一態様では、方法は、非ステロイド性抗炎症性薬物を併用投与すること無く、治療用細菌またはマイクロバイオータ組成物をそれを必要とする対象に投与することをさらに含む。別の態様では、対象は、潰瘍性大腸炎フレアアップを予防するために非ステロイド性抗炎症性薬物を用いて以前に治療されていない。さらに別の態様では、対象は、治療用組成物の投与前の少なくとも1、2、3、4、5、6、10、15、20、25、30、35、40、45、または50週に非ステロイド性抗炎症性薬物を投与されない。さらなる態様では、対象は、治療用組成物の投与前の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、7、9、または10年に非ステロイド性抗炎症性薬物を投与されない。さらに別の態様では、対象は、糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の投与の前または後の少なくとも1、2、3、または4週にわたり非ステロイド性抗炎症性薬物を用いて治療されない。別の態様では、対象は、糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の投与の前または後の少なくとも1、2、3、または4週にわたりメサラミンを用いて治療されない。
【0090】
一態様では、方法は、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または99%の発作の軽快、治癒、応答、または解決率を達成する。一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して4、8、または12週の治療後に発作の少なくとも10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、または90%の低減を達成する。一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して4、8、または12週の治療後に少なくとも10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、または90%の患者において発作の頻度の少なくとも10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、または90%の低減を達成する。一態様では、本開示は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の週または月の治療後に患者の発作の頻度の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の低減を達成する方法を提供する。別の態様では、方法は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の週または月の治療後に患者の発作の頻度の10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の低減を達成する。
【0091】
一態様では、方法は、約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%のてんかんの軽快、治癒、応答、または解決率を達成する。一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して4、8、または12週の治療後にてんかんの疾患症状の約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の低減を達成する。一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して4、8、または12週の治療後に約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の患者においててんかんの疾患症状の約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の低減を達成する。一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して2、4、6、8、10、12または14日の治療後にてんかんの疾患症状の約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の低減を達成する。一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して2、4、6、8、10、12または14日の治療後に約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の患者においててんかんの疾患症状の約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の低減を達成する。
【0092】
本開示の一態様では、てんかん患者は、発作が起ころうとしているという前兆を受け取ることができる。一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して4、8、または12週の治療後にてんかん発作が起ころうとしているという前兆または徴候の頻度の少なくとも10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、または90%の低減を達成する。一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して4、8、または12週の治療後に少なくとも10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、または90%の患者においててんかん発作が起ころうとしているという前兆または徴候の頻度の少なくとも10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、または90%の低減を達成する。
【0093】
一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して4、8、または12週の治療後にてんかん発作が起ころうとしているという前兆の頻度の約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の低減を達成する。一態様では、治療方法は、ベースライン(例えば、治療の直前)と比較して4、8、または12週の治療後に約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の患者においててんかん発作が起ころうとしているという前兆の頻度の約10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~99%の低減を達成する。
【0094】
一態様では、本開示は、発作の再発を予防する方法を提供する。一態様では、方法は、治療の開始から少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、または55の日または週にわたり治療の間に発作の再発を予防する。別の態様では、方法は、治療の開始から1~2、2~4、4~6、6~8、8~10、10~20、20~30、30~40、または40~50の日または週にわたり治療の間に発作の再発を予防する。別の態様では、方法は、最後の治療後の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、または55の日または週にわたり治療を中止した後に発作の再発を予防する。別の態様では、方法は、最後の治療後の1~2、2~4、4~6、6~8、8~10、10~20、20~30、30~40、または40~50の日または週にわたり治療を中止した後に発作の再発を予防する。
【0095】
一態様では 本開示は、生きた非病原性糞便細菌または非細胞性糞便濾液を含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。一態様では、対象は、てんかんを有しない対象と比べてアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の1つまたはより多くが欠乏している。別の態様では、それを必要とする対象は、ケトン生成食(KD)療法に対して非応答性である。別の態様では、それを必要とする対象は、前記組成物の投与の前にプロバイオティクスを用いて事前治療される。さらなる態様では、それを必要とする対象は、プロバイオティクスを用いて同時に治療される。いっそうさらなる態様では、プロバイオティクスは、アッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種からなる群から選択される。別の態様では、プロバイオティクスは、1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種である。
【0096】
一態様では、本開示は、1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量について対象を試験することおよび生きた非病原性糞便細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。
【0097】
一態様では、本開示は、1つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量について対象を試験することならびに生きた非病原性糞便細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。
【0098】
一態様では、本開示は、対象の腸中の1つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を決定することならびに生きた非病原性糞便細菌を含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。
【0099】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんを診断する方法であって、対象から糞便を収集することおよび糞便をHPLCに供することを含む、方法を提供する。
【0100】
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。別の態様では、方法は、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を含む経口カプセルを対象に投与することを含む。
【0101】
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、対象の腸中の1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を決定することおよび1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量が閾値レベルより低い場合に非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。別の態様では、方法は、2つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらに別の態様では、方法は、3つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、4つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらなる態様では、方法は、5つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、6つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、少なくとも1つのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらに別の態様では、方法は、少なくとも3つのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、少なくとも5つのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらなる態様では、方法は、少なくとも8つのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、6つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を試験することを含む。
【0102】
さらなる態様では、それを必要とする対象は、てんかんを有しない対象と比べてアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の1つまたはより多くが欠乏している。別の態様では、それを必要とする対象は、てんかんを有しない対象と比べてアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の2つまたはより多くが欠乏している。別の態様では、それを必要とする対象は、てんかんを有しない対象と比べてアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の3つまたはより多くが欠乏している。さらに別の態様では、それを必要とする対象は、てんかんを有しない対象と比べてアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の4つまたはより多くが欠乏している。さらなる態様では、それを必要とする対象は、てんかんを有しない対象と比べてアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の5つまたはより多くが欠乏している。別の態様では、それを必要とする対象は、てんかんを有しない対象と比べて1~3、3~5、または5~10のアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種が欠乏している。
【0103】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、1つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量について対象を試験することならびに非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。別の態様では、方法は、2つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらに別の態様では、方法は、3つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、4つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらなる態様では、方法は、5つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、6つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケ
ネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、少なくとも1つのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらに別の態様では、方法は、少なくとも3つのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、少なくとも5つのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらなる態様では、方法は、少なくとも8つのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、6つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を試験することを含む。
【0104】
一態様では、それを必要とする対象は、1つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種が欠乏している。別の態様では、それを必要とする対象は、2つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種が欠乏している。別の態様では、それを必要とする対象は、3つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種が欠乏している。さらに別の態様では、それを必要とする対象は、4つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種が欠乏している。さらなる態様では、それを必要とする対象は、5つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種が欠乏している。
【0105】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、1つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量について対象を試験することならびに非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含む、方法を提供する。別の態様では、方法は、2つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらに別の態様では、方法は、3つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、4つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらなる態様では、方法は、5つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、6つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、および
ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、少なくとも1つのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらに別の態様では、方法は、少なくとも3つのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、少なくとも5つのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。さらなる態様では、方法は、少なくとも8つのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。別の態様では、方法は、6つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を試験することを含む。
【0106】
一態様では、それを必要とする対象は、1つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種が欠乏している。別の態様では、それを必要とする対象は、2つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種が欠乏している。別の態様では、それを必要とする対象は、3つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種が欠乏している。さらに別の態様では、それを必要とする対象は、4つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種が欠乏している。さらなる態様では、それを必要とする対象は、5つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種が欠乏している。
【0107】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を対象に経口的に投与することを含み、投与することが少なくとも10個のカプセルを含む、方法を提供する。
【0108】
一態様では、本開示は、それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、カルバマゼピン、クロバザム、ジアゼパム、ジバルプロエクス、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、ガバペンチン、ラコサミド、メトスクシミド、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、ルフィナミド、チアガビン塩酸塩、ビガバトリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される1つまたはより多くの医薬を用いて対象に事前治療または併用投与を行うことを含む、方法を提供する。さらなる態様では、方法は、カルバマゼピン、クロバザム、ジアゼパム、ジバルプロエクス、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、ガバペンチン、ラコサミド、メトスクシミド、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、ルフィナミド、チアガビン塩酸塩、ビガバトリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される2つまたはより多くの医薬を用いて対象に事前治療または併用投与を行うことを含む。
【0109】
別の態様では、方法は、クロナゼパム、クロラゼペート、エゾガビン、フェルバメート、ラモトリギン、レベチラセタム、ロラゼパム、プリミドン、トピラマート、バルプロ酸、ゾニサミドおよびこれらの組合せからなる群から選択される1つまたはより多くの医薬で事前治療または併用投与を行うことを含む。さらに別の態様では、方法は、クロナゼパム、クロラゼペート、エゾガビン、フェルバメート、ラモトリギン、レベチラセタム、ロラゼパム、プリミドン、トピラマート、バルプロ酸、ゾニサミドおよびこれらの組合せからなる群から選択される2つまたはより多くの医薬で事前治療または併用投与を行うことを含む。
【0110】
一態様では、本開示は、本開示において提供される治療用組成物の薬学的活性用量の投与の前に1つまたはより多くの抗てんかん医薬を投与することを提供する。別の態様では、1つまたはより多くの抗てんかん医薬は、本開示において提供される治療用組成物の薬学的活性用量の投与の間に継続される。別の態様では、1つまたはより多くの抗てんかん医薬は、本開示において提供される治療用組成物の薬学的活性用量の投与の間に中止される。さらに別の態様では、1つまたはより多くの抗てんかん医薬は、本開示において提供される治療用組成物の薬学的活性用量の投与の完了前および後に投与される。さらなる態様では、1つまたはより多くの抗てんかん医薬の投与は、治療用組成物の薬学的活性用量の投与の前の用量と比較して、本開示において提供される治療用組成物の薬学的活性用量の投与の間に用量が減少される。さらに別の態様では、1つまたはより多くの抗てんかん医薬の用量は、治療用組成物の薬学的活性用量の投与の前の用量と比較して、本開示において提供される治療用組成物の薬学的活性用量の投与の後に減少される。さらに別の態様では、1つまたはより多くの抗てんかん医薬の用量は、治療用組成物の薬学的活性用量の投与の前の用量と比較して、本開示において提供される治療用組成物の薬学的活性用量の投与の後に増加される。さらなる態様では、1つまたはより多くの抗てんかん医薬の用量は、治療用組成物の薬学的活性用量の投与の間の1つまたはより多くの抗てんかん医薬の用量と比較して、本開示において提供される治療用組成物の薬学的活性用量の投与の後に用量が減少される。
【0111】
一態様では、本開示は、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の投与の前にプロバイオティクスを投与することを提供する。別の態様では、本開示は、プロバイオティクスおよび非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物を併用投与することを提供する。別の態様では、プロバイオティクスは、1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種からなる群から選択される。別の態様では、プロバイオティクスは、2つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種からなる群から選択される。別の態様では、プロバイオティクスは、3つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種からなる群から選択される。別の態様では、プロバイオティクスは、4つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種からなる群から選択される。別の態様では、プロバイオティクスは、5つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種からなる群から選択される。別の態様では、プロバイオティクスは、6つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種からなる群から選択される。別の態様では、プロバイオティクスは、1~3、3~5、5~8、または8~10のアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種からなる群から選択される。プロバイオティクスは、単回用量または複数回用量で提供されてもよい。単一の組成物として提供される場合、単一の組成物は、単一のプロバイオティクスまたはプロバイオティクスの混合物を含んでもよい。複数の組成物で提供される場合、各組成物は、単一のプロバイオティクスまたはプロバイオティクスの混合物を含んでもよい。
【0112】
本発明の組成物および方法は、1つまたはより多くのプレバイオティクスをさらに含んでもよい。
【0113】
プレバイオティクス(prebiotic)は、対象において健康利益を生じさせるために宿主微生物により選択的に使用される基質である。理論により縛られることを望まないが、プレバイオティクスは、例えば、有益な細菌の1つまたはより多くの株の成長または活性を刺激するために、マイクロバイオームおよび/または微生物組成物中の細菌への栄養学的補充のために加えられる。追加的に、プレバイオティクスは、細菌株の単離または精製、凍結、フリーズドライ、噴霧乾燥、および溶液中での再構成などの後の細菌株への「ショック」を予防するために加えられてもよい。
【0114】
プレバイオティクスの例としては、アミノ酸、硝酸アンモニウム、アミロース、オオムギマルチ、ビオチン、炭酸塩、セルロース、キチン、コリン、フルクトオリゴ糖(FOS)、フルクトース、ガラクトオリゴ糖(GOS)、グルコース、グリセロール、ヘテロ多糖、ヒスチジン、ホモ多糖、ヒドロキシアパタイト、イヌリン、イソマルツロース、ラクトース、ラクツロース、マルトデキストリン、マルトース、マンノオリゴ糖、タガトース、窒素、オリゴデキストロース、オリゴフルクトース、オリゴフルクトース富化イヌリン、オリゴ糖、ペクチン、リン酸塩、リン、ポリデキストロース、ポリオール、カリ、カリウム、硝酸ナトリウム、デンプン、スクロース、硫黄、サンファイバー(sun fiber)、タガトース、チアミン、トランス-ガラクトオリゴ糖、トレハロース、ビタミン、水溶性炭水化物、および/またはキシロオリゴ糖(XOS)が挙げられる。
【0115】
実施形態では、プレバイオティクスは、本発明の微生物組成物に(例えば、乾燥または液体形態で)加えることができる。
【0116】
代替的、または追加的に、プレバイオティクスは、本発明の微生物組成物を欠いた別個の医薬組成物中に(例えば、乾燥または液体形態で)含めることができる。
【0117】
プレバイオティクスは、本発明の微生物組成物を含む医薬組成物が投与される前、それと同期間、および/またはその後に、微生物組成物を含む医薬組成物中または微生物組成物を欠いた医薬組成物中のいずれかで対象に提供されてもよい。
【0118】
プレバイオティクスは、単回用量または複数回用量で提供されてもよい。単一の組成物として提供される場合、単一の組成物は、単一のプレバイオティクスまたはプレバイオティクスの混合物を含んでもよい。複数の組成物で提供される場合、各組成物は、単一のプレバイオティクスまたはプレバイオティクスの混合物を含んでもよい。
【0119】
例として、複数回用量が提供される場合、プレバイオティクスを含む第1の組成物は、1つの特有のプレバイオティクス、例えば、イヌリンを含んでもよく、第2の組成物は、第2の特有のプレバイオティクス、例えば、ペクチンを含んでもよい。代替的に、第1の組成物は、プレバイオティクスの混合物、例えば、イヌリンおよびペクチンを含んでもよく、第2の組成物は、プレバイオティクスの異なる混合物、例えば、イヌリンおよびFOSを含んでもよい。第1の組成物は、プレバイオティクスの混合物を含んでもよく、第2の組成物は、1つの特有のプレバイオティクスを含んでもよい。
【0120】
対象/患者に提供されるかつ/または組成物中に含まれるプレバイオティクスの量は、特有のプレバイオティクス、有益な細菌の特有の細菌株、および/または対象の疾患状態に依存する。
【0121】
一態様では、本開示は、脳波(EEG)、高密度EEG、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)スキャン、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ならびに思考、記憶および発話能力を評価するための神経心理学的試験からなる群から選択される1つまたはより多くの試験を使用して対象のてんかんを決定することを提供する。別の態様では、一態様では、本開示は、脳波(EEG)、高密度EEG、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)スキャン、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ならびに思考、記憶および発話能力を評価するための神経心理学的試験からなる群から選択される2つまたはより多くの試験を提供する。一態様では、上述の試験は、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の投与の前に施される。一態様では、上述の試験は、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の投与の後に施される。
【0122】
本開示の一態様では、それを必要とする対象は、ケトン生成食(KD)療法に対して非応答性である。別の態様では、それを必要とする対象は、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物を投与されながらケトン生成食(KD)療法を受けている。
【0123】
一態様では、約200mg毎の医薬組成物は薬理学的活性用量を含む。一態様では、約75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、750、1000、1500、または2000mg毎の医薬組成物は薬理学的活性用量を含む。
【0124】
一態様では、薬学的活性または治療有効用量は、少なくとも約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、1013、1014、または1015cfuを含む。別の態様では、薬学的に活性の治療有効用量は、最大で約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、1013、1014、または1015cfuを含む。さらなる態様では、薬理学的に活性の治療有効用量は、10cfu~1014cfu、10cfu~1013cfu、1010cfu~1012cfu、10cfu~1014cfu、10cfu~1012cfu、10cfu~1011cfu、10cfu~1010cfu、1010cfu~1014cfu、1010cfu~1013cfu、1011cfu~1014cfu、1011cfu~1013cfu、1012cfu~1014cfu、および1013cfu~1014cfuからなる群から選択される。一態様では、医薬組成物は、約0.2、0.4、0.6、0.8もしくは1.0グラムの単位重量、または約0.2、0.4、0.6、0.8もしくは1.0ミリリットルの単位体積中に以上の薬学的活性または治療有効用量を含む。
【0125】
一態様では、薬学的活性または治療有効用量は、少なくとも約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、1013、1014、または1015個の細胞または胞子を含む。別の態様では、薬学的活性または治療有効用量は、最大で約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、1013、1014、または1015個の総細胞または胞子を含む。さらなる態様では、薬理学的活性または治療有効用量は、10~1014、10~1013、1010~1012、10~1014、10~1012、10~1011、10~1010、1010~1014、1010~1013、1011~1014、1011~1013、1012~1014、および1013~1014個の細胞または胞子からなる群から選択される。一態様では、薬学的活性または治療有効用量の細胞数は、生きた細胞を対象とする。一態様では、医薬組成物は、約0.2、0.4、0.6、0.8もしくは1.0グラムの単位重量、または約0.2、0.4、0.6、0.8もしくは1.0ミリリットルの単位体積中に以上の薬学的活性または治療有効用量を含む。一態様では、薬学的活性または治療有効用量は、1010~1012個の細胞を含む。別の態様では、薬学的活性または治療有効用量は、カプセル当たり1010~1012個の細胞を含む。別の態様では、薬学的活性または治療有効用量は、カプセル当たり1011~1012個の細胞を含む。さらなる態様では、薬学的活性または治療有効用量は、カプセル当たり10~1012個の細胞を含む。
【0126】
一態様では、本明細書において投与される治療用組成物は糞便細菌を含む。一態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、クロストリジウム(Clostridium)、バシラス(Bacillus)、コリンセラ(Collinsella)、バクテロイデス(Bacteroides)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、ラクトバシラス(Lactobacillus)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、ゲンミゲル(Gemmiger)、デスルフォモナス(Desulfomonas)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、コプロコッカス(Coprococcus)、ドレア(Dorea)、およびモニリア(Monilia)からなる群から選択される1つもしくはより多く、2つもしくはより多く、3つもしくはより多く、4つもしくはより多く、または5つもしくはより多くの単離、精製、または培養された微生物を含む。
【0127】
一態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種ブルガタス(vulgatus)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種テタイオタオミクロン(thetaiotaomicron)、ペプトストレプトコッカス・プロダクタス(Peptostreptococcus productus)II、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)、フソバクテリウム・プラウスニッツイ(Fusobacterium prausnitzii)、コプロコッカス・ユウタクタス(Coprococcus eutactus)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)III、ペプトストレプトコッカス・プロダクタス(Peptostreptococcus productus)I、ルミノコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンチス(Bifidobacterium adolescentis)、ゲンミゲル・フォルミシリス(Gemmiger formicilis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ユーバクテリウム・シラエウム(Eubacterium siraeum)、ルミノコッカス・トルキース(Ruminococcus torques)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ユーバクテリウム・エリゲンス(Eubacterium eligens)、バクテロイデス・エガーシイ(Bacteroides eggerthii)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種A、ユーバクテリウム・ビフォルメ(Eubacterium biforme)、ビフィドバクテリウム・インファンチス(Bifidobacterium infantis)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)III-F、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、シュードフラボニフラクトル・カピロサス(Pseudoflavonifractor capillosus)、ルミノコッカス・アルバス(Ruminococcus albus)、ドレア・フォルミシゲネランス(Dorea formicigenerans)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ベントリオサム(Eubacterium ventriosum)I、フソバクテリウム・ルッシ(Fusobacterium russi)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、クロストリジウム・ラモサム(Clostridium ramosum)、ラクトバシラス・ライヒマンニー(Lactobacillus leichmannii)、ルミノコッカス・カリダス(Ruminococcus callidus)、ブチリビブリオ・クロッソタス(Butyrivibrio crossotus)、アシドアミノコッカス・フェルメンタンス(Acidaminococcus fermentans)、ユーバクテリウム・ベントリオサム(Eubacterium ventriosum)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種フラジリス(fragilis)、バクテロイデス(Bacteroides)AR、コプロコッカス・カタス(Coprococcus catus)、アナエロスティペス・ハドラス(Aerostipes hadrus)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、ユーバクテリウム(Eubacterium)CH-1、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)BL、ユーバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)、ティッシエレラ・プラエアクタ(Tissirella praeacuta)、バクテロイデス(Bacteroides)L、フソバクテリウム・モルティフェラム(Fusobacterium mortiferum)I、フソバクテリウム・ナビフォルメ(Fusobacterium naviforme)、クロストリジウム・イノキューム(Clostridium innocuum)、クロストリジウム・ラモサム(Clostridium ramosum)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ルミノコッカス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefaciens)、ルミノコッカス(Ruminococcus)AT、ペプトコッカス(Peptococcus)AU-1、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種オバタス(ovatus)、亜種d、亜種f;バクテロイデス(Bacteroides)L-1、L-5;フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、フソバクテリウム・モルティフェラム(Fusobacterium mortiferum)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、ゲメラ・モルビロラム(Gemella morbillorum)、フィネゴルディア・マグナス(Finegoldia magnus)、ペプトコッカス(Peptococcus)G、-AU-2;ストレプトコッカス・インテルメジウス(Streptococcus intermedius)、ルミノコッカス・ラクタリス(Ruminococcus lactaris)、ルミノコッカス(Ruminococcus)CO ゲンミゲル(Gemmiger)X、コプロコッカス(Coprococcus)BH、-CC;ユーバクテリウム・テヌエ(Eubacterium tenue)、ユーバクテリウム・ラムラス(Eubacterium ramulus)、バクテロイデス・クロストリディフォルミス(Bacteroides clostridiiformis)亜種クロストリディフォルミス(clostridliformis)、バクテロイデス・コアグランス(Bacteroides coagulans)、プレボテラ・オラリス(Prevotella oralis)、プレボテラ・ルミニコラ(Prevotella ruminicola)、オドリバクター・スプランクニカス(Odoribacter splanchnicus)、デスルフォモナス・ピグラ(Desuifomonas pigra)、ラクトバシラス(Lactobacillus)G、スクシニビブリオ(Succinivibrio)A、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、または少なくとも7つの糞便微生物を含む。
【0128】
一態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、生存したバクテロイデス(Bacteroides)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、ラクトバシラス(Lactobacillus)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、ゲンミゲル(Gemmiger)、デスルフォモナス(Desulfomonas)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、モニリア(Monilia)、またはこれらの任意の組合せのいずれも含まない。別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、生存したバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種ブルガタス(vulgatus)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種テタイオタオミクロン(thetaiotaomicron)、ペプトストレプトコッカス・プロダクタス(Peptostreptococcus productus)II、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)、フソバクテリウム・プラウスニッツイ(Fusobacterium prausnitzii)、コプロコッカス・ユウタクタス(Coprococcus eutactus)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)III、ペプトストレプトコッカス・プロダクタス(Peptostreptococcus productus)I、ルミノコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンチス(Bifidobacterium adolescentis)、ゲンミゲル・フォルミシリス(Gemmiger formicilis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ユーバクテリウム・シラエウム(Eubacterium siraeum)、ルミノコッカス・トルキース(Ruminococcus torques)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ユーバクテリウム・エリゲンス(Eubacterium eligens)、バクテロイデス・エガーシイ(Bacteroides eggerthii)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種A、ユーバクテリウム・ビフォルメ(Eubacterium biforme)、ビフィドバクテリウム・インファンチス(Bifidobacterium infantis)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)III-F、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、シュードフラボニフラクトル・カピロサス(Pseudoflavonifractor capillosus)、ルミノコッカス・アルバス(Ruminococcus albus)、ドレア・フォルミシゲネランス(Dorea formicigenerans)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ベントリオサム(Eubacterium ventriosum)I、フソバクテリウム・ルッシ(Fusobacterium russi)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、クロストリジウム・ラモサム(Clostridium ramosum)、ラクトバシラス・ライヒマンニー(Lactobacillus leichmannii)、ルミノコッカス・カリダス(Ruminococcus callidus)、ブチリビブリオ・クロッソタス(Butyrivibrio crossotus)、アシドアミノコッカス・フェルメンタンス(Acidaminococcus fermentans)、ユーバクテリウム・ベントリオサム(Eubacterium ventriosum)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種フラジリス(fragilis)、バクテロイデス(Bacteroides)AR、コプロコッカス・カタス(Coprococcus catus)、アナエロスティペス・ハドラス(Aerostipes hadrus)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、ユーバクテリウム(Eubacterium)CH-1、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)BL、ユーバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)、ティッシエレラ・プラエアクタ(Tissirella praeacuta)、バクテロイデス(Bacteroides)L、フソバクテリウム・モルティフェラム(Fusobacterium mortiferum)I、フソバクテリウム・ナビフォルメ(Fusobacterium naviforme)、クロストリジウム・イノキューム(Clostridium innocuum)、クロストリジウム・ラモサム(Clostridium ramosum)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ルミノコッカス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefaciens)、ルミノコッカス(Ruminococcus)AT、ペプトコッカス(Peptococcus)AU-1、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種オバタス(ovatus)、亜種d、亜種f;バクテロイデス(Bacteroides)L-1、L-5;フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、フソバクテリウム・モルティフェラム(Fusobacterium mortiferum)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、ゲメラ・モルビロラム(Gemella morbillorum)、フィネゴルディア・マグナス(Finegoldia magnus)、ペプトコッカス(Peptococcus)G、-AU-2;ストレプトコッカス・インテルメジウス(Streptococcus intermedius)、ルミノコッカス・ラクタリス(Ruminococcus lactaris)、ルミノコッカス(Ruminococcus)CO ゲンミゲル(Gemmiger)X、コプロコッカス(Coprococcus)BH、-CC;ユーバクテリウム・テヌエ(Eubacterium tenue)、ユーバクテリウム・ラムラス(Eubacterium ramulus)、バクテロイデス・クロストリディフォルミス(Bacteroides clostridiiformis)亜種クロストリディフォルミス(clostridliformis)、バクテロイデス・コアグランス(Bacteroides coagulans)、プレボテラ・オラリス(Prevotella oralis)、プレボテラ・ルミニコラ(Prevotella ruminicola)、オドリバクター・スプランクニカス(Odoribacter splanchnicus)、デスルフォモナス・ピグラ(Desuifomonas pigra)、ラクトバシラス(Lactobacillus)G、スクシニビブリオ(Succinivibrio)A、またはこれらの組合せのいずれも含まない。
【0129】
一態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、本明細書において使用される糞便マイクロバイオータの調製は、エタノール処理、洗浄剤処理、熱処理、照射、および音波処理からなる群から選択される処理を伴う。別の態様では、本明細書において使用される糞便マイクロバイオータの調製は、エタノール処理、洗浄剤処理、熱処理、照射、および音波処理からなる群から選択される処理を伴わない。一態様では、本明細書において使用される糞便マイクロバイオータの調製は、密度勾配、濾過(例えば、篩、ナイロンメッシュ)、およびクロマトグラフィーからなる群から選択される分離ステップを伴う。別の態様では、本明細書において使用される糞便マイクロバイオータの調製は、密度勾配、濾過(例えば、篩、ナイロンメッシュ)、およびクロマトグラフィーからなる群から選択される分離ステップを伴わない。別の態様では、本明細書において使用される糞便マイクロバイオータは、ドナーの全体の糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、糞便マイクロバイオータのドナーからの真核細胞を実質的に含まない糞便マイクロバイオータを含む。
【0130】
別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、糞便微生物をさらに補充、スパイク、または増進された糞便マイクロバイオータを含む。一態様では、糞便マイクロバイオータは、クロストリジウム(Clostridium)、コリンセラ(Collinsella)、ドレア(Dorea)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、コプロコッカス(Coprococcus)、プレボテラ(Prevotella)、ベイロネラ(Veillonella)、バクテロイデス(Bacteroides)、バシラス(Baccillus)、またはこれらの組合せの非病原性(または弱毒化病原性)細菌を補充される。別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、ベイロネラセアエ(Veillonellaceae)、フィルミクテス(Firmicutes)、ガンマプロテオバクテリア(Gammaproteobacteria)、バクテロイデテス(Bacteroidetes)、またはこれらの組合せの種をさらに補充、スパイク、または増進された糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、本明細書において投与される治療用組成物は、糞便細菌胞子をさらに補充された糞便マイクロバイオータを含む。一態様では、糞便細菌胞子は、クロストリジウム(Clostridium)胞子、バシラス(Bacillus)胞子、または両方である。
【0131】
一態様では、治療用組成物は、ヒト、ウシ、乳用仔ウシ、反すう動物、ヒツジ、ヤギ、またはシカからなる群から選択される対象からの糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、治療用組成物は、ヒト、ウシ、乳用仔ウシ、反すう動物、ヒツジ、ヤギ、またはシカからなる群から選択される対象に投与することができる。一態様では、治療用組成物は、実質的にまたはほぼ無臭である。別の態様では、糞便細菌は糞便細菌の非培養集団である。別の態様では、糞便細菌は非培養糞便細菌である。さらに別の態様では、糞便細菌は糞便細菌の非培養収集物である。
【0132】
一態様では、本明細書において提供または投与される治療用組成物は、0.3より高いもしくはそれに等しい、0.4より高いもしくはそれに等しい、0.5より高いもしくはそれに等しい、0.6より高いもしくはそれに等しい、0.7より高いもしくはそれに等しい、0.8より高いもしくはそれに等しい、0.9より高いもしくはそれに等しい、1.0より高いもしくはそれに等しい、1.1より高いもしくはそれに等しい、1.2より高いもしくはそれに等しい、1.3より高いもしくはそれに等しい、1.4より高いもしくはそれに等しい、1.5より高いもしくはそれに等しい、1.6より高いもしくはそれに等しい、1.7より高いもしくはそれに等しい、1.8より高いもしくはそれに等しい、1.9より高いもしくはそれに等しい、2.0より高いもしくはそれに等しい、2.1より高いもしくはそれに等しい、2.2より高いもしくはそれに等しい、2.3より高いもしくはそれに等しい、2.4より高いもしくはそれに等しい、2.5より高いもしくはそれに等しい、3.0より高いもしくはそれに等しい、3.1より高いもしくはそれに等しい、3.2より高いもしくはそれに等しい、3.3より高いもしくはそれに等しい、3.4より高いもしくはそれに等しい、3.5より高いもしくはそれに等しい、3.6より高いもしくはそれに等しい、3.7より高いもしくはそれに等しい、3.8より高いもしくはそれに等しい、3.9より高いもしくはそれに等しい、4.0より高いもしくはそれに等しい、4.1より高いもしくはそれに等しい、4.2より高いもしくはそれに等しい、4.3より高いもしくはそれに等しい、4.4より高いもしくはそれに等しい、4.5より高いもしくはそれに等しい、または5.0より高いもしくはそれに等しいシャノン多様性指数を含む糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、治療用組成物は、0.1~3.0、0.1~2.5、0.1~2.4、0.1~2.3、0.1~2.2、0.1~2.1、0.1~2.0、0.4~2.5、0.4~3.0、0.5~5.0、0.7~5.0、0.9~5.0、1.1~5.0、1.3~5.0、1.5~5.0、1.7~5.0、1.9~5.0、2.1~5.0、2.3~5.0、2.5~5.0、2.7~5.0、2.9~5.0、3.1~5.0、3.3~5.0、3.5~5.0、3.7~5.0、31.9~5.0、または4.1~5.0のシャノン多様性指数を含む糞便マイクロバイオータを含む。一態様では、シャノン多様性指数は、門レベルで算出される。別の態様では、シャノン多様性指数は、科レベルで算出される。一態様では、シャノン多様性指数は、属レベルで算出される。別の態様では、シャノン多様性指数は、種レベルで算出される。さらなる態様では、治療用組成物は、正常な健常なヒト糞便フローラに似た比例的含有量のフローラの調製物を含む。
【0133】
さらなる態様では、治療用組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の異なる科からの糞便細菌を含む。別の態様では、治療用組成物は、少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の異なる科からの糞便細菌を含む。さらに別の態様では、治療用組成物は、少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30の異なる科からの糞便細菌を含む。さらなる態様では、治療用組成物は、少なくとも31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40の異なる科からの糞便細菌を含む。別の態様では、治療用組成物は、少なくとも41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50の異なる科からの糞便細菌を含む。別の態様では、治療用組成物は、1~10、10~20、20~30、30~40、40~50の異なる科からの糞便細菌を含む。一態様では、本明細書において提供または投与される治療用組成物は、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%以下の生きていない材料の重量/生物学的材料の重量を含む糞便マイクロバイオータを含む。別の態様では、本明細書において提供または投与される治療用組成物は、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%以下の生きていない材料の重量/生物学的材料の重量を含む糞便マイクロバイオータを含む。一態様では、本明細書において提供または投与される医薬組成物は、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%以下の生きていない材料の重量/生物学的材料の重量を含む非培養糞便細菌を含む。別の態様では、本明細書において提供または投与される医薬組成物は、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%以下の生きていない材料の重量/生物学的材料の重量を含む非培養糞便細菌を含む。別の態様では、本明細書において提供または投与される治療用組成物は、2.0mm、1.0mm、0.5mm、0.33mm、0.25mm、0.212mm、0.180mm、0.150mm、0.125mm、0.106mm、0.090mm、0.075mm、0.063mm、0.053mm、0.045mm、0.038mm、0.032mm、0.025mm、0.020mm、0.01mm、または0.002mmの篩、除外、または粒子フィルターサイズを有する篩、カラム、または類似した濾過デバイスを通過する生きていない材料の粒子および/または糞便試料の生物学的材料の粒子を含む、からなる、またはから本質的になる。「生きていない材料」は、加工される糞便材料に加えられる賦形剤、例えば、凍結保護剤などの薬学的に不活性の物質を含まない。「生物学的材料」は、糞便材料中の生きた材料を指し、原核細胞、例えば、細菌および古細菌(例えば、生きた原核細胞および胞子形成して生きた原核細胞になることができる胞子)、真核細胞、例えば、原生動物および真菌、ならびにウイルスを含む微生物を含む。一実施形態では、「生物学的材料」は、正常な健常なヒトの結腸中に存在する生きた材料、例えば、微生物、真核細胞、およびウイルスを指す。一態様では、本明細書において提供または投与される治療用組成物は、組成物が実質的に無臭となるヒト糞便の抽出物を含む。一態様では、本明細書において提供または投与される治療用組成物は、凍結乾燥、粗、半精製または精製された製剤中の糞便材料または糞便フローラ調製物を含む。
【0134】
一態様では、治療用組成物中の非培養糞便マイクロバイオータは、例えば、非フローラ糞便材料を実質的に含まない、高度に精密化または精製された糞便フローラを含む。一態様では、糞便マイクロバイオータは、篩分けの前、後、または前および後に、例えば、精密濾過を経るようにさらに加工することができる。別の態様では、高度に精製された糞便マイクロバイオータ生成物は、大きい分子を除去するが治療的なミクロフローラ、例えば、細菌を保持するように限外濾過される。
【0135】
別の態様では、本明細書において使用される治療用組成物中の非培養糞便マイクロバイオータは、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%もしくは99.9%の単離されたもしくは純粋な、もしくは約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1.0%もしくはより高い%以下の非糞便フローラ材料を有する糞便フローラの分離株である(もしくはそれを含む)実質的に単離もしくは精製された糞便フローラもしくは全体(もしくは実質的に全体)のマイクロバイオータ;または、Sadowsky et al.、WO2012/122478A1に記載されるような、もしくはBorody et al.、WO2012/016287A2に記載されるような、実質的に単離された、精製された、もしくは実質的に全体のマイクロバイオータを含むまたはそれから本質的になる。
【0136】
一態様では、治療用組成物中の非培養糞便マイクロバイオータは、ドナーの実質的に全体のまたは非選択の糞便マイクロバイオータ、再構成糞便材料、または合成糞便材料を含む。別の態様では、治療用組成物中の糞便マイクロバイオータは、抗生物質耐性集団を含まない。別の態様では、治療用組成物は、糞便マイクロバイオータを含み、かつ外来物(例えば、無細胞物、例えば、残留繊維、DNA、RNA、ウイルスコート材料、非生存材料を含む生きていない物;および糞便物のドナーからの真核細胞などの生きた物)を概ね含まない。
【0137】
一態様では、本明細書において使用される治療用組成物中の非培養糞便マイクロバイオータは、疾患スクリーニングされた新鮮な同種糞便または同等のフリーズドライおよび再構成された糞便に由来する。一態様では、新鮮な同種糞便は、抗生物質耐性集団を含まない。別の態様では、治療用組成物中の糞便マイクロバイオータは、合成糞便組成物に由来する。一態様では、合成糞便組成物は、好ましくは、比例的な含有量の、抗生物質耐性集団を含まない正常な健常なヒト糞便フローラに似た、生存したフローラの調製物を含む。好適な微生物は、以下:バクテロイデス(Bacteroides)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、ラクトバシラス(Lactobacillus)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、ゲンミゲル(Gemmiger)、クロストリジウム(Clostridium)、デスルフォモナス(Desulfomonas)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、コリンセラ(Collinsella)、コプロコッカス(Coprococcus)、ドレア(Dorea)、およびルミノコッカス(Ruminococcus)から選択されてもよい。
【0138】
一態様では、本明細書に開示される治療において使用される治療用組成物は、無菌糞便濾液または非細胞性糞便濾液を含む。一態様では、無菌糞便濾液は、ドナー糞便を起源とする。別の態様では、無菌糞便濾液は、培養された微生物を起源とする。別の態様では、無菌糞便濾液は、非細胞性の非粒子状の糞便成分を含む。一態様では、無菌糞便濾液は、2014年5月30日に公開されたWO2014/078911に記載されるように作られる。別の態様では、無菌糞便濾液は、Ott et al., Gastroenterology 152:799-911(2017)に記載されるように作られる。
【0139】
一態様では、糞便濾液は、分泌された、排出されたまたは他に液体の成分またはマイクロバイオータ、例えば、抗生物質または抗炎症性物質であり得る生物学的活性分子(BAM)を含み、これは、フローラ抽出物中に保存、保持または再構成される。
【0140】
一態様では、例示的な治療用組成物は、定義されたドナープールからのドナーからの出発材料を含み、このドナーは糞便に寄与し、該糞便は、遠心分離され、次に例えば、多くの場合に約5マイクロメートル未満の直径の、細菌起源の細胞のみが残留することを最終的に許容する、例えば、金属篩分けまたはMilliporeフィルター、または同等物のいずれかを使用して、非常に高いレベルの濾過を用いて濾過される。初期遠心分離の後に、固体材料は液体から分離され、固体は次に、例えば、Millipore濾過を使用して、および任意選択的にナノ膜濾過の使用も含む、次第にサイズを低減させたフィルターおよびタンジェンシャルフィルターにおいて濾過される。濾過はまた、WO2012/122478に記載されるような篩により行うことができるが、対照的に.0120mm~約.0110mmより小さい篩が使用され、これにより最終的に細菌細胞のみの存在が結果としてもたらされる。
【0141】
遠心分離の間に分離された上清がここで採取され、濾過、例えば、Millipore濾過または同等のシステムにおいて次第に濾過され、約0.22ミクロンフィルターを通じて微細に濾過される液体が最後にもたらされる。これは、細菌およびウイルスを含む、全ての生きた物を含む全ての粒子状物質を除去する。生成物はこの時に無菌であるが、目的は、細菌を除去するがそれらの分泌物を保つことであり、分泌物は、殊に、抗微生物バクテリオシン、細菌由来のサイトカイン様生成物および全ての付随する生物学的活性分子(BAM)であり、これには、ツリシン(thuricin)(ドナー糞便中の桿菌により分泌される)、バクテリオシン(コリシン、トロウドゥリキシン(troudulixine)またはプタインジシン(putaindicine)、またはミクロシンまたはサブチロシンAを含む)、ランチビオティクス(lanbiotics)(ナイシン、スブチリン、エピデルミン、ムタシン、メルサシジン、アクタガルジン、シンナマイシンを含む)、ラクチシンおよび他の抗微生物または抗炎症性化合物が含まれる。
【0142】
一態様では、本明細書において使用される治療用組成物は、精製された糞便マイクロバイオータおよび非細胞性糞便濾液の組合せから本質的になる再構成された糞便フローラを含む。別の態様では、本明細書において使用される治療用組成物は、1つまたはより多くの非細胞性の非粒子状の糞便成分を補充された精製された糞便マイクロバイオータを含む。一態様では、本明細書において使用される治療用組成物は、1つまたはより多くの非細胞性の非粒子状の糞便成分を含む。一態様では、1つまたはより多くの非細胞性の非粒子状の糞便成分は、合成分子、糞便微生物により産生される生物学的活性分子、または両方を含む。別の態様では、1つまたはより多くの非細胞性の非粒子状の糞便成分は、生物学的に活性のタンパク質またはペプチド、微量栄養素、脂肪、糖、小さい炭水化物、微量元素、鉱物塩、灰、粘液、アミノ酸、栄養分、ビタミン、鉱物、またはこれらの任意の組合せを含む。一態様では、1つまたはより多くの非細胞性の非粒子状の糞便成分は、バクテリオシン、ランチビオティクス、およびラクチシンからなる群から選択される1つまたはより多くの生物学的活性分子を含む。別の態様では、1つまたはより多くの非細胞性の非粒子状の糞便成分は、コリシン、トロウドゥリキシン、プタインジシン、ミクロシン、およびサブチロシンAからなる群から選択される1つまたはより多くのバクテリオシンを含む。一態様では、1つまたはより多くの非細胞性の非粒子状の糞便成分は、ツリシン、ナイシン、スブチリン、エピデルミン、ムタシン、メルサシジン、アクタガルジン、およびシンナマイシンからなる群から選択される1つまたはより多くのランチビオティクスを含む。別の態様では、1つまたはより多くの非細胞性の非粒子状の糞便成分は、抗胞子化合物、抗微生物化合物、抗炎症性化合物、またはこれらの任意の組合せを含む。さらなる態様では、1つまたはより多くの非細胞性の非粒子状の糞便成分は、インターロイキン、サイトカイン、ロイコトリエン、エイコサノイド、またはこれらの任意の組合せを含む。
【0143】
別の態様では、本明細書において提供される治療方法は、糞便細菌細胞、例えば、ヒトGIマイクロバイオータの部分的または完全な現れ、ならびにフローラ(マイクロバイオータ)の単離、加工、濾過、濃縮、再構成されたおよび/または人工的な液体成分(例えば、糞便濾液)の両方の使用を含み、後者は、他の原料成分の中でも、細菌分泌生成物、例えば、バクテリオシン(細菌により産生されるタンパク質性毒素であり、コリシン、トロウドゥリキシンまたはプタインジシン、またはミクロシンまたはサブチロシンAを含む)、ランチビオティクス(特徴的な多環式チオエーテルアミノ酸ランチオニンまたはメチルランチオニン、および不飽和アミノ酸デヒドロアラニンおよび2-アミノイソ酪酸を含有するペプチド抗生物質のクラスであり、ツリシン(ドナー糞便中の杆菌により分泌される)、ナイシン、スブチリン、エピデルミン、ムタシン、メルサシジン、アクタガルジン、シンナマイシンを含む)、ラクチシン(細孔形成性のペプチド性毒素のファミリー)ならびにマイクロバイオータの細菌もしくは他の微生物により産生され、かつ/またはマイクロバイオータの「液体成分」中に見出される他の抗微生物もしくは抗炎症性化合物および/または追加の生物学的活性分子(BAM)などを含む。
【0144】
一態様では、糞便細菌ベースの治療用組成物は、糞便非細胞性濾液ベースの治療用組成物と並行して使用される。別の態様では、患者は、第2の糞便細菌ベースの治療用組成物を与えられる前に第1の糞便非細胞性濾液ベースの治療用組成物を用いて治療され、またはその逆である。さらなる態様では、治療方法は、3つのステップ:第1に、感染性病原体を非選択的に除去するための抗生物質事前治療、第2に、選択される感染性病原体をさらに抑制するための糞便非細胞性濾液ベースの治療ステップ、および第3に、機能的な腸マイクロバイオームを再確立するために患者に糞便細菌ベースの治療用組成物を与えることを含む。
【0145】
一態様では、治療用組成物は、胃において細菌不活性化を減弱するための制酸剤などの他の佐剤(例えば、ミランタ、ムカイン、ガストロゲル)と組み合わせられる。別の態様では、胃における酸分泌はまた、H2-アンタゴニストまたはプロトンポンプ阻害剤を使用して薬理学的に抑制され得る。例となるH2-アンタゴニストはラニチジンである。例となるプロトンポンプ阻害剤はオメプラゾールである。一態様では、酸抑制剤は、治療用組成物の投与の前に、またはそれと併用投与で投与される。
【0146】
一態様では、治療用組成物は、適切な希釈剤を用いて再構成され得る浣腸組成物;腸溶性コーティングカプセル;腸溶性コーティングマイクロカプセル;酸耐性錠剤;酸耐性カプセル;酸耐性マイクロカプセル;経鼻経腸注入もしくはコロノスコープ注入のための適切な希釈剤を用いる再構成用の粉末;経口摂取のための適切な希釈剤、香味剤および胃酸抑制剤を用いる再構成用の粉末;食品もしくは飲用品を用いる再構成用の粉末;または組成物、粉末、ゼリー、もしくは液体の腸溶性コーティングかつ/もしくは酸耐性マイクロカプセルを含む食品もしくは食品サプリメントの形態である。
【0147】
一態様では、治療方法は、てんかんの治癒、その症状の低減、またはその症状のパーセンテージの低減をもたらす。フローラの変化は、好ましくは、可能な限り「完全に近い」ものであり、フローラは、任意の残留している元々のフローラを押し出す生存した生物により置き換えられる。典型的には、腸フローラにおける変化は、予め決定されたフローラのアレイの胃腸系への導入を含み、そのため、好ましい形態では、治療の方法は、そのような治療を要求する患者において病原性腸フローラを実質的にまたは完全に置換することを含む。
【0148】
別の態様では、治療用組成物は、薬学的に許容される担体と共に提供することができる。本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、患者への投与が可能な医薬組成物、例えば、投薬形態の形成を可能とするために生きた細菌と混合される非毒性の溶媒、分散剤、賦形剤、佐剤、または他の材料を指す。薬学的に許容される担体は、希釈剤、佐剤、賦形剤または酸耐性の被包された原料成分の液体(例えば、生理食塩水)、ゲルまたは固体形態であることができる。好適な希釈剤および賦形剤としては、薬学的グレードの生理食塩水、デキストロース、グリセロール、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、および炭酸マグネシウムなど、ならびにこれらの組合せが挙げられる。別の態様では、治療用組成物は、助剤物質、例えば、湿潤もしくは乳化剤、安定化もしくはpH緩衝剤を含有してもよい。一態様では、治療用組成物は、約1%~5%、5%~10%、10%~15%、15~20%、20%~25%、25~30%、30~35%、40~45%、50%~55%、1%~95%、2%~95%、5%~95%、10%~95%、15%~95%、20%~95%、25%~95%、30%~95%、35%~95%、40%~95%、45%~95%、50%~95%、55%~95%、60%~95%、65%~95%、70%~95%、45%~95%、80%~95%、または85%~95%の活性原料成分を含有する。一態様では、治療用組成物は、約2%~70%、5%~60%、10%~50%、15%~40%、20%~30%、25%~60%、30%~60%、または35%~60%の活性原料成分を含有する。
【0149】
一態様では、治療用組成物は、錠剤、水薬(drenches)、ボーラス、カプセルまたは予備混合物に組み込むことができる。これらの活性原料成分のそのような投薬形態への製剤化は、薬学的製剤の技術分野において周知の方法の手段により達成することができる。例えば、米国特許第4,394,377号明細書を参照。ゼラチンカプセルに活性原料成分の任意の所望の形態を充填することによりカプセルが容易に製造される。所望の場合、これらの材料は、カプセルに充填する簡便性のために体積を増加させるために不活性の粉末化希釈剤、例えば、糖、デンプン、粉乳、または精製された結晶性セルロースなどを用いて希釈することができる。
【0150】
一態様では、治療用組成物を含有する錠剤を調製するために従来の製剤方法を使用することができる。活性原料成分に加えて、錠剤は、基剤、崩壊剤、吸収剤、結合剤、および潤滑剤を含有してもよい。典型的な基剤としては、ラクトース、糖、塩化ナトリウム、デンプンおよびマンニトールが挙げられる。デンプンはまた、アルギン酸と同様に良好な崩壊剤である。ラウリル硫酸ナトリウムおよびジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの表面活性剤もまた使用されることがある。一般的に使用される吸収剤としては、デンプンおよびラクトースが挙げられる。炭酸マグネシウムはまた、油性物質のために有用である。結合剤として、例えば、ゼラチン、ガム、デンプン、デキストリン、ポリビニルピロリドンおよび様々なセルロース誘導体を使用することができる。一般的に使用される潤滑剤の中には、ステアリン酸マグネシウム、タルク、パラフィンワックス、様々な金属石鹸、およびポリエチレングリコールがある。
【0151】
一態様では、錠剤などの固体組成物を調製するために、活性原料成分は、薬学的担体、例えば、従来の錠剤化用原料成分、例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはガム、または他の薬学的希釈剤、例えば、水と混合されて、本発明の組成物の均質な混合物を含有する固体予備製剤化組成物が形成される。これらの予備製剤化組成物を均質であるとして言及する場合、活性原料成分が組成物の全体を通じて均等に分散しているため、組成物が錠剤、丸剤およびカプセルなどの等しく有効な単位投薬形態に容易にさらに分割され得ることが意味される。この固体予備製剤化組成物は次に、所望の量の活性原料成分(例えば、少なくとも約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、または1013cfu)を含有する上記の種類の単位投薬形態にさらに分割される。本明細書において使用される治療用組成物は、香味付けされ得る。
【0152】
一態様では、治療用組成物は、錠剤または丸剤であることができる。一態様では、錠剤または丸剤は、長期化された作用の利点をもたらす投薬形態を提供するためにコーティングまたは他に配合することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内部投薬および外部投薬成分を含むことができ、後者は、前者上のエンベロープの形態である。2つの成分は、胃において崩壊に抵抗するために役立ち、かつ内部の成分がインタクトなまま十二指腸に通過することまたは放出を遅延されることを可能とする腸溶性層により分離することができる。様々な材料をそのような腸溶性層またはコーティングのために使用することができ、そのような材料としては、多数のポリマー酸ならびにシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料とのポリマー酸の混合物が挙げられる。
【0153】
一態様では、治療用組成物は水薬であることができる。一態様では、水薬は、生理食塩水懸濁形態の治療用組成物を選択することにより調製される。1つの原料成分の水溶性形態を他の原料成分の水不溶性形態と組み合わせて使用することができ、これは、一方の懸濁液を他方の水性溶液と共に調製することにより為され得る。いずれかの活性原料成分の水不溶性形態は、懸濁液としてまたはポリエチレングリコールなどの何らかの生理学的に許容される溶媒中で調製されてもよい。いずれかの活性原料成分の水不溶性形態の懸濁液は、特定の活性原料成分の溶解性に依存して、油中、例えば、ピーナッツ、トウモロコシ、もしくはゴマ油中など;グリコール中、例えば、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコール中;または水中で調製することができる。活性原料成分を懸濁状態に保つために、好適な生理学的に許容される佐剤が必要なことがある。佐剤は、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアルギン酸塩などの増粘剤を含むことおよびその中から選択することができる。界面活性剤は、一般に、活性原料成分、特に、脂肪可溶性プロピオン酸増進性化合物を懸濁するために役立つ。アルキルフェノールポリエチレンオキシド付加体、ナフタレンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、およびポリオキシエチレンソルビタンエステルは、液体非溶媒中の懸濁液を作るために最も有用である。追加的に、液体の親水性、密度および表面張力に影響する多くの物質は、個々の場合において懸濁液の製造を補助することができる。例えば、シリコーン消泡剤、グリコール、ソルビトール、および糖は、有用な懸濁化剤であり得る。
【0154】
一態様では、治療用組成物は、クロストリジウム・アブソヌム(Clostridium absonum)、クロストリジウム・アルゲンチネンセ(Clostridium argentinense)、クロストリジウム・バラチイ(Clostridium baratii)、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・カダベリス(Clostridium cadaveris)、クロストリジウム・カルニス(Clostridium carnis)、クロストリジウム・セラタム(Clostridium celatum)、クロストリジウム・チャウボエイ(Clostridium chauvoei)、クロストリジウム・クロストリジオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、クロストリジウム・コクレアリウム(Clostridium cochlearium)、クロストリジウム・ファラクス(Clostridium fallax)、クロストリジウム・フェルシネウム(Clostridium felsineum)、クロストリジウム・ゴニイ(Clostridium ghonii)、クロストリジウム・グリコリカム(Clostridium glycolicum)、クロストリジウム・ヘモリチカム(Clostridium haemolyticum)、クロストリジウム・ハスチフォルメ(Clostridium hastiforme)、クロストリジウム・ヒストリチカム(Clostridium histolyticum)、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・イレグラレ(Clostridium irregulare)、クロストリジウム・リモサム(Clostridium limosum)、クロストリジウム・マレノミナタム(Clostridium malenominatum)、クロストリジウム・ノビイ(Clostridium novyi)、クロストリジウム・オロチカム(Clostridium oroticum)、クロストリジウム・パラプトリフィカム(Clostridium paraputrificum)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ピリフォルメ(Clostridium piliforme)、クロストリジウム・プトレファシエンス(Clostridium putrefaciens)、クロストリジウム・プトリフィカム(Clostridium putrificum)、クロストリジウム・サルジニエンセ(Clostridium sardiniense)、クロストリジウム・サルタゴフォルメ(Clostridium sartagoforme)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、クロストリジウム・セプチカム(Clostridium septicum)、クロストリジウム・ソルデリイ(Clostridium sordellii)、クロストリジウム・スフェノイデス(Clostridium sphenoides)、クロストリジウム・スピロフォルメ(Clostridium spiroforme)、クロストリジウム・スポロゲネス(Clostridium sporogenes)、クロストリジウム・スブテルミナレ(Clostridium subterminale)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・テルチウム(Clostridium tertium)、クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)、クロストリジウム・ウェルチイ(Clostridium welchii)、およびクロストリジウム・ビロサム(Clostridium villosum)からなる群から選択される1つもしくはより多く、2つもしくはより多く、3つもしくはより多く、または4つもしくはより多くのクロストリジウム(Clostridium)種の非病原性胞子を含む。
【0155】
一態様では、治療用組成物は、精製、単離、または培養された生存した非病原性クロストリジウム(Clostridium)ならびにコリンセラ(Collinsella)、コプロコッカス(Coprococcus)、ドレア(Dorea)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、およびルミノコッカス(Ruminococcus)からなる群から選択される1つまたはより多くの属からの複数の精製、単離、または培養された生存した非病原性微生物を含む。別の態様では、治療用組成物は、クロストリジウム(Clostridium)、コリンセラ(Collinsella)、コプロコッカス(Coprococcus)、ドレア(Dorea)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、およびルミノコッカス(Ruminococcus)からなる群から選択される1つまたはより多くの属からの複数の精製、単離、または培養された生存した非病原性微生物を含む。
【0156】
一態様では、治療用組成物は、コリンセラ(Collinsella)、コプロコッカス(Coprococcus)、ドレア(Dorea)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、およびルミノコッカス(Ruminococcus)からなる群から選択される2つまたはより多くの属を含む。別の態様では、治療用組成物は、コプロコッカス(Coprococcus)、ドレア(Dorea)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、およびルミノコッカス(Ruminococcus)からなる群から選択される2つまたはより多くの属を含む。さらなる態様では、治療用組成物は、コプロコッカス・カタス(Coprococcus catus)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、ドレア・ロンギカテナ(Dorea longicatena)、ユーバクテリウム・エリゲンス(Eubacterium eligens)、ユーバクテリウム・ハドラム(Eubacterium hadrum)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、およびルミノコッカス・トルキース(Ruminococcus torques)からなる群から選択される1つもしくはより多く、2つもしくはより多く、3つもしくはより多く、4つもしくはより多く、または5つもしくはより多くの種を含む。
【0157】
一態様では、治療用組成物は、少なくとも約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、または1013のcfuまたは総細胞数を含む。別の態様では、治療用組成物は、最大で約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、1013または1014のcfuまたは総細胞数を含む。
【0158】
別の態様では、治療用組成物は、少なくとも約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、または1013個の細胞または総細胞数を含む。別の態様では、治療用組成物は、最大で約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、1013または1014個の細胞または総細胞数を含む。
【0159】
一態様では、治療用組成物は、経口カプセル、マイクロカプセル、錠剤、または丸剤として製剤化される。別の態様では、カプセル、マイクロカプセル、錠剤、または丸剤は、腸送達のために適応される。さらなる態様では、カプセル、マイクロカプセル、錠剤、または丸剤は、腸溶性のカプセル、マイクロカプセル、錠剤、または丸剤である。別の態様では、カプセル、マイクロカプセル、錠剤、または丸剤は、腸溶性コーティングを含み、酸耐性であり、または両方である。
【0160】
一態様では、例示的な治療用組成物は、ドナーからの出発材料を含む。別の態様では、例示的な治療用組成物は、1またはより多くの健常ドナーからの材料を含む。さらに別の態様では、例示的な治療用組成物は、定義されたドナープールからの出発材料を含む。別の態様では、ドナーは、軽快状態のてんかん患者である。別の態様では、ドナーは成人男性である。さらなる態様では、ドナーは成人女性である。さらに別の態様では、ドナーは青年期(adolescent)男性である。別の態様では、ドナーは青年期女性である。別の態様では、ドナーは女性幼児である。別の態様では、ドナーは男性幼児である。別の態様では、ドナーは健常である。一態様では、ヒトドナーは、約18、15、12、10、8、6、4、3、2、または1歳未満の小児である。別の態様では、ヒトドナーは高齢個体である。さらなる態様では、ヒトドナーは、約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95歳より上の個体である。別の態様では、ドナーは、約1~5、2~10、3~18、21~50、21~40、21~30、50~90、60~90、70~90、60~80、または65~75歳である。一態様では、ドナーは前期高齢個体(65~74歳)である。一態様では、ドナーは中期高齢個体(75~84歳)である。一態様では、ドナーは高齢個体(>85歳)である。さらに別の態様では、ドナーは、慎重にスクリーニングされた健常な神経学的定型(neurotypical)のヒトである。
【0161】
一態様では、慎重にスクリーニングされたドナーは、完全な病歴および身体検査を受ける。感染性因子のリスクを有する場合にドナーは除外される。追加の除外基準としては、以下が挙げられる:
1.B型、C型肝炎またはHIVの既知のウイルス感染症。
2.任意の時点におけるHIVまたはウイルス性肝炎への既知の曝露。
3.薬物または金銭のための性交、過去12か月における男性、1人より多くの性的パートナーとの性交を有する男性、静脈内薬物または鼻腔内コカインの任意の過去の使用、投獄歴を含む、高リスクの行動。
4.12か月以内のタトゥーまたはボディピアッシング。
5.旅行者の下痢のリスクが米国より高い世界の地域への旅行。
6.現行の伝染性疾患、例えば、上気道ウイルス感染症。
7.過敏性腸症候群の経歴。特有の症状は、頻繁な腹部の痙攣、過度のガス、腹部膨満感、腹部膨張、糞便せっ追、下痢、便秘を含み得る。
8.クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎などの炎症性腸疾患の経歴。
9.慢性の下痢。
10.慢性の便秘または緩下剤の使用。
11.胃腸悪性腫瘍または既知の結腸ポリポーシスの経歴。
12.任意の腹部手術、例えば、胃バイパス、腸切除、虫垂切除、胆嚢切除などの経歴。
13.消化を調節する目的のために潜在的なドナーにより使用されるプロバイオティクスまたは任意の他の店頭販売補助物の使用。栄養サプリメントとしてではなく単に食品として摂取される場合にはヨーグルトおよびケフィア製品は許容される。
14.過去6か月以内の任意の適応症に対する抗生物質。
15.任意の処方された免疫抑制または抗新生物医薬。
16.確立されたまたは新興のメタボリックシンドローム。ここでの定義のために使用される基準は任意の確立された基準より厳格である。これらは、血圧増加の経歴、糖尿病またはグルコース不耐性の経歴を含む。
17.既知の全身性自己免疫、例えば、結合組織病、多発性硬化症。
18.喘息または湿疹を含む既知のアトピー疾患。
19.線維筋痛症、慢性疲労症候群を含む慢性疼痛症候群。
20.吸入剤または外用クリームおよび軟膏を含む任意の処方された医薬の継続中(間欠的であっても)の使用。
21.自閉症、パーキンソン病を含む、神経学的、神経発生、および神経変性障害。
22.一般。体型指数>26kg/m2、ウエスト:ヒップ比>0.85(男性)および>0.80(女性)により定義される中心性肥満。
23.血圧>135mmHg収縮期および>85mmHg拡張期。
24.皮膚 - 発疹、1年以内に設置されたタトゥーもしくはボディピアッシング、または黄疸の存在。
25.リンパ節腫脹。
26.聴診時の喘鳴音。
27.肝腫大または肝臓疾患の表徴。
28.腫大または圧痛関節。筋肉衰弱。
29.異常な神経学的検査。
30.PCRにより試験された陽性の糞便クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)毒素B。
31.サルモネラ(Salmonella)、シゲラ(Shigella)、エルシニア(Yersinia)、カンピロバクター(Campylobacter)、E.コリ(E. coli)0157:H7を含む日常的な任意の病原体についての陽性の糞便培養物。
32.異常な卵および寄生生物検査。
33.陽性のジアルジア(Giardia)、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)、またはヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)抗原。
34.HIV1および2、A型ウイルス性肝炎IgM、肝炎表面抗原およびコアAbを含む、任意のウイルス性の病気についての陽性のスクリーニング。
35.異常なRPR(梅毒についてのスクリーニング)。
36.アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスアミナーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼを含む任意の異常な肝臓機能試験。
37.上昇した血清トリグリセリド>150mg/Dl
38.HDLコレステロール<40mg/dL(男性)および<50mg/dL(女性)
39.高感受性CRP>2.4mg/L
40.上昇した空腹時血漿グルコース(>100mg/dL)
【0162】
一態様では、それを必要とする対象は、複数の慎重にスクリーニングされた健常ドナーの糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物を投与される。一態様では、対象は、第1の用量が、単一のドナーの糞便マイクロバイオータを含む少なくとも1つの治療用組成物を含み、かつ治療用組成物の第2の用量が、第1の用量のドナーとは異なる単一のドナーの糞便マイクロバイオータを含む、治療用組成物を投薬期間にわたり投与される。別の態様では、第1の用量は、単一のドナーの糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物を含み、かつ第2の用量は、ドナープールの糞便マイクロバイオータを含む。第1および第2の用量は、対象への投与の順序を指し示さず、むしろ別々のドナーからの糞便マイクロバイオータが非ブレンド形態において使用され得ることを指し示す。
【0163】
別の態様では、本開示は、単一のドナーからの糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物を含有するカプセルを用いてそれを必要とする対象を治療する方法を提供する。別の態様では、カプセルは、複数のドナーからの糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物を含む。一態様では、対象は、単一であるが異なるドナーからの糞便マイクロバイオータを含む2つまたはより多くの丸剤を投与される。
【0164】
一態様では、本開示は、経口的にまたはコロノスコープ、浣腸を通じたもしくは経鼻空腸チューブを介する注入により治療用組成物を投与することを含む、それを必要とする対象を治療する方法を提供する。別の態様では、各投与は、治療期間中の以前の投与に類似したまたはそれとは異なる単一のドナーの糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物を含む。別の態様では、治療期間は、単一のドナーの糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物を含む第1の用量(dost)の投与および複数のドナーの糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物を含む第2の用量の投与を含む。
【0165】
一態様では、本開示は、以下の実施形態を提供する:
【0166】
実施形態1.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を含む経口カプセルを前記対象に投与することを含む、方法。
【0167】
実施形態2.前記発作が焦点または全般性発作からなる群から選択される、実施形態1の方法。
【0168】
実施形態3.前記焦点発作が、単純焦点発作、複雑焦点発作、および二次性全般性発作からなる群から選択される、実施形態2の方法。
【0169】
実施形態4.前記全般性発作が、欠神、強直、脱力、間代、ミオクローヌス、または強直間代発作からなる群から選択される、実施形態2の方法。
【0170】
実施形態5.前記組成物が、前記生きた非病原性糞便細菌の単離または精製された集団を含む、実施形態1の方法。
【0171】
実施形態6.発作の全体的な頻度を低減する、実施形態1の方法。
【0172】
実施形態7.前記頻度が、日当たり、週当たり、月当たり、または年当たりで低減される、実施形態6の方法。
【0173】
実施形態8.発作の再発を予防する、実施形態1の方法。
【0174】
実施形態9.てんかん発作が起ころうとしているという前兆の頻度を低減する、実施形態1の方法。
【0175】
実施形態10.4、8、または12週の治療後に前記頻度を少なくとも10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、または90%低減する、実施形態7の方法。
【0176】
実施形態11.前記投与が日毎または週毎に為される、実施形態1の方法。
【0177】
実施形態12.前記投与が、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10週続けられる、実施形態1の方法。
【0178】
実施形態13.前記用量が、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の連続する日にわたり日または週に少なくとも1回投与される、実施形態1の方法。
【0179】
実施形態14.前記用量が、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する週にわたり日または週に少なくとも1回投与される、実施形態1の方法。
【0180】
実施形態15.前記用量が、最長で3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の連続する日にわたり日または週に少なくとも1回投与される、実施形態1の方法。
【0181】
実施形態16.前記用量が、最長で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する週にわたり日または週に少なくとも1回投与される、実施形態1の方法。
【0182】
実施形態17.前記用量が、少なくとも2つの連続する日にわたり日または週に少なくとも2回投与される、実施形態1の方法。
【0183】
実施形態18.前記用量が、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の連続する日にわたり日または週に少なくとも2回投与される、実施形態17の方法。
【0184】
実施形態19.前記用量が、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する週にわたり日または週に少なくとも2回投与される、実施形態17の方法。
【0185】
実施形態20.前記用量が、最長で3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の連続する日にわたり日または週に少なくとも2回投与される、実施形態17の方法。
【0186】
実施形態21.前記用量が、最長で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する週にわたり日または週に少なくとも2回投与される、実施形態17の方法。
【0187】
実施形態22.前記用量が、少なくとも1日にわたり日に少なくとも3回投与される、実施形態17の方法。
【0188】
実施形態23.前記カプセルが、腸溶性コーティングカプセル、酸耐性の腸溶性コーティングカプセル、または腸溶性コーティングマイクロカプセルである、実施形態1の方法。
【0189】
実施形態24.カルバマゼピン、クロバザム、ジアゼパム、ジバルプロエクス、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、ガバペンチン、ラコサミド、メトスクシミド、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、ルフィナミド、チアガビン塩酸塩、ビガバトリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される1つまたはより多くの医薬を投与することをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの方法。
【0190】
実施形態25.クロナゼパム、クロラゼペート、エゾガビン、フェルバメート、ラモトリギン、レベチラセタム、ロラゼパム、プリミドン、トピラマート、バルプロ酸、ゾニサミドおよびこれらの組合せからなる群から選択される1つまたはより多くの医薬を投与することをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの方法。
【0191】
実施形態26.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に経口的に投与することを含む、方法。
【0192】
実施形態27.前記組成物が、液体、凍結、フリーズドライ、噴霧乾燥、泡乾燥、凍結乾燥、または粉末形態である、実施形態26の方法。
【0193】
実施形態28.前記組成物がカプセル中にある、実施形態26の方法。
【0194】
実施形態29.前記対象が、前記組成物の投与の前に抗生物質を用いて事前治療される、実施形態26の方法。
【0195】
実施形態30.前記抗生物質が、リファブチン、クラリスロマイシン、クロファジミン、バンコマイシン、リファンピシン、ニトロイミダゾール、クロラムフェニコール、およびこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態29の方法。
【0196】
実施形態31.前記抗生物質が、リファキシミン、リファマイシン誘導体、リファンピシン、リファブチン、リファペンチン、リファラジル、ビコザマイシン、アミノグリコシド、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、パロモマイシン、ベルダマイシン、ムタマイシン、シソマイシン、ネチルマイシン、レチマイシン、カナマイシン、アズトレオナム、アズトレオナムマクロライド、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、アジスロマイシン、次サリチル酸ビスマス、バンコマイシン、ストレプトマイシン、フィダキソマイシン、アミカシン、アルベカシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ロドストレプトマイシン、トブラマイシン、アプラマイシン、およびこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態29の方法。
【0197】
実施形態32.前記投与が誘導治療および維持治療を含む、実施形態26の方法。
【0198】
実施形態33.前記誘導期間が、前記維持治療よりも多くの数の1日当たりのカプセルを投与することを含む、実施形態32の方法。
【0199】
実施形態34.前記それを必要とする対象が、てんかんを有しない対象と比べてアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の1つまたはより多くが欠乏している、実施形態26の方法。
【0200】
実施形態35.前記それを必要とする対象が、ケトン生成食(KD)療法に対して非応答性である、実施形態26の方法。
【0201】
実施形態36.前記それを必要とする対象が、前記組成物の投与の前にプロバイオティクスを用いて事前治療される、実施形態26の方法。
【0202】
実施形態37.前記投与することが、プロバイオティクスを併用投与することをさらに含む、実施形態26の方法。
【0203】
実施形態38.前記プロバイオティクスが、アッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種からなる群から選択される、実施形態36または37の方法。
【0204】
実施形態39.前記それを必要とする対象が、ケトン生成食(KD)療法も受けている、実施形態26の方法。
【0205】
実施形態40.前記投与することの前に前記それを必要とする対象を検査することをさらに含む、実施形態26の方法。
【0206】
実施形態41.前記検査することが、脳波(EEG)、高密度EEG、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)スキャン、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ならびに思考、記憶および発話能力を評価するための神経心理学的試験からなる群から選択される試験である、実施形態40の方法。
【0207】
実施形態42.前記投与が日毎または週毎に為される、実施形態1の方法。
【0208】
実施形態43.前記投与が、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10週続けられる、実施形態26の方法。
【0209】
実施形態44.前記用量が、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の連続する日にわたり日または週に少なくとも1回投与される、実施形態26の方法。
【0210】
実施形態45.前記用量が、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の連続する週にわたり日または週に少なくとも1回投与される、実施形態26の方法。
【0211】
実施形態46.前記用量が、最長で3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の連続する日にわたり日または週に少なくとも1回投与される、実施形態26の方法。
【0212】
実施形態47.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、対象の腸中の1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の相対的な存在量を決定することおよび前記1つまたはより多くのアッケルマンシア(Akkermansia)またはパラバクテロイデス(Parabacteroides)種の前記相対的な存在量が閾値レベルより低い場合に非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に経口的に投与することを含む、方法。
【0213】
実施形態48.前記試験することが、脳波(EEG)、高密度EEG、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)スキャン、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ならびに思考、記憶および発話能力を評価するための神経心理学的試験を用いて前記患者を検査することをさらに含む、実施形態47の方法。
【0214】
実施形態49.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、対象の腸中の1つまたはより多くのクロストリジアレス(Clostridiales)、ルミノコッカセアエ(Ruminococcaceae)、リケネラセアエ(Rikenellaceae)、ラクノスピラセアエ(Lachnospiraceae)、およびアリスティペス(Alistipes)種の相対的な存在量を決定することならびに非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に経口的に投与することを含む、方法。
【0215】
実施形態50.前記試験することが、脳波(EEG)、高密度EEG、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)スキャン、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ならびに思考、記憶および発話能力を評価するための神経心理学的試験を用いて前記患者を検査することをさらに含む、実施形態49の方法。
【0216】
実施形態51.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、対象の腸中の1つまたはより多くのプロテオバクテリア(Proteobacteria)、クロノバクター(Cronobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の相対的な存在量を決定することならびに非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に経口的に投与することを含む、方法。
【0217】
実施形態52.前記試験することが、脳波(EEG)、高密度EEG、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)スキャン、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ならびに思考、記憶および発話能力を評価するための神経心理学的試験を用いて前記患者を検査することをさらに含む、実施形態51の方法。
【0218】
実施形態53.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に経口的に投与することを含み、前記投与することが少なくとも10個のカプセルを含む、方法。
【0219】
実施形態54.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に投与することを含み、前記対象が、前記治療の直前に腸ディスバイオシスを有しない、方法。
【0220】
実施形態55.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に投与することを含み、前記対象が、栄養不良または成長遅延の徴候を呈しない、方法。
【0221】
実施形態56.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、抗生物質、および非選択の糞便マイクロバイオータを含む治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に投与することを含む、方法。
【0222】
実施形態57.前記抗生物質がバンコマイシン(Vancoymcin)またはリファキシミンである、実施形態56の方法。
【0223】
実施形態58.それを必要とする対象においててんかんまたは発作を治療する方法であって、第1および第2の治療用組成物の薬学的活性用量を前記対象に投与することを含み、前記第1および第2の治療用組成物のそれぞれが、非選択の糞便マイクロバイオータを含む、方法。
【0224】
実施形態59.前記第1および第2の治療用組成物の少なくとも1つが経口カプセルを含む、実施形態58の方法。
【0225】
実施形態60.前記第1の治療用組成物が第1のドナーからの非選択の糞便マイクロバイオータを含み、かつ前記第2の治療用組成物が第2のドナーからの非選択の糞便マイクロバイオータを含む、実施形態58の方法。
【0226】
実施形態61.前記第1および第2の治療用組成物が、異なる日に前記対象に投与される、実施形態60の方法。
【0227】
実施形態62.前記第1および第2の治療用組成物の少なくとも1つが、ドナープールからの非選択の糞便マイクロバイオータを含む、実施形態58の方法。
【0228】
本開示は、本開示の例示として提供される以下の非限定的な実施例を参照することによりより良好に理解され得る。以下の実施例は、本開示の好ましい態様をより十分に示すために提示されるものであり、本開示の広い範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。したがって、添付の請求項の範囲は、本明細書に含有される態様の記載に限定されるべきではない。
【実施例
【0229】
実施例1.糞便マイクロバイオータの調製。
【0230】
糞便マイクロバイオータは、本質的にUS2014/0147417またはWO2014/152484において公開されたプロトコールにしたがって調製される。例示的なプロトコールは以下に要約される。
【0231】
好適でないドナーを除外するために使用される基準のリストにしたがって潜在的な糞便マイクロバイオータドナーをスクリーニングする。潜在的な糞便マイクロバイオータドナーは、過去3か月のうちに抗生物質、緩下剤、ダイエット錠、免疫調節剤または化学療法を与えられた場合に除外される。潜在的な糞便マイクロバイオータドナーは、全ての既知の感染性疾患、病的肥満、糖尿病、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、慢性の下痢、便秘、結腸直腸ポリープもしくはがん、免疫系不全、メタボリックシンドローム、慢性疲労症候群、大きなGI手術、または糞便マイクロバイオータにおける特有の変化と潜在的に関連付けられる他の疾患もしくは状態を有する場合に除外される。潜在的な糞便マイクロバイオータドナーは、C反応性タンパク質、赤血球沈降速度、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトTリンパ球向性ウイルス、または梅毒についての陽性の実験室試験を呈する場合に除外される。潜在的な糞便マイクロバイオータドナーは、糞便の卵、寄生生物、および/またはウイルスについての陽性の試験を呈する場合に除外される。潜在的な糞便マイクロバイオータドナーは、過去3か月以内に疾患が蔓延した地域において高リスクの性的行動を行った、投獄された、または任意のタトゥーもしくボディピアッシングを与えられた場合に除外される。
【0232】
ドナー糞便材料(新鮮な糞便)を滅菌された容器に収集し、次にそれをブレンダーに移す。約500~1000mLの0.9%の生理食塩水溶液をブレンダーに加え、糞便試料と徹底的に混合する。結果としてもたらされた懸濁液を、最終懸濁液を収集する前に濾し器を通じて少なくとも4回濾過する。最終懸濁液を50mLのチューブ中1200×gで3分間遠心分離する。上清を廃棄し、ペレットを約50mLの無菌の0.9%の生理食塩水溶液に穏やかに再懸濁する。遠心分離および再懸濁ステップをさらに2~4回繰り返す。最終の遠心分離をしたら、上清を廃棄する。糞便マイクロバイオータが直ちに使用される場合、結果としてもたらされたペレットを、穏やかに混合することにより1.5体積の0.9%の生理食塩水溶液に再懸濁する。糞便マイクロバイオータが貯蔵される場合、結果としてもたらされたペレットを10%の無菌グリセロールに再懸濁し、-80℃で貯蔵する。糞便マイクロバイオータが凍結される場合、患者への投与の前にそれらを室温に温める。
【0233】
実施例2.てんかんの治療
発作および痙攣の長い経歴を有する31歳の男性患者を糞便マイクロバイオーム療法を用いて治療する。患者は、大発作に進行する二次性の全身化を伴う複雑部分発作を有すると最初に診断される。抗痙攣療法を小児期から処方され、糞便マイクロバイオーム療法の間にそれを続ける。患者は、発作の結果としてのいかなる成長遅延も栄養不良も経験しない。患者は回腸炎も患っており、痙攣を低減するバンコマイシンおよびリファキシミンの治療計画を利用した。糞便マイクロバイオーム療法の前に、患者は1日当たり約5回の発作を患っている。複数の1日当たりの発作は小児期から存在していた。発作からの回復時間は1時間を上回り得る。患者は、発作を先取りする前兆段階を経験する。糞便マイクロバイオーム療法を10回の注入として投与する。治療後に、発作の全体的な頻度は減少し、発作からの回復時間は30分またはそれ未満に低減する。発作を経験した1か月後に、患者は、1日当たり1カプセルでカプセル糞便マイクロバイオーム療法を投与される。患者は、カプセル療法の開始後1日目、34日目、および70日目に発作を経験する。そうでなければ、患者は、前兆段階を経験するが発作を経験しない。カプセル療法を受けている間に、前兆の持続期間および頻度は有意に減少する。治療の開始後78日目に患者は9回の前兆エピソードを経験する。患者は、異なるドナーからのカプセルの新たなバッチを開始する。前兆エピソードは、新たなバッチの開始の1、2、および3日後にそれぞれ6エピソード/日、3エピソード/日、および2エピソード/日に減少する。前兆エピソードは最終的に止む。患者のてんかん症状は、カプセル療法を受けている間に次第に改善する。
【0234】
実施例3.てんかんの治療
大発作の18年の経歴を有する32歳の男性患者を糞便マイクロバイオーム療法を用いて治療する。患者の発作は、ある特定の程度まで食事に依存して様々な重症度である。神経科医は、患者の発作の原因を決定することができない。患者は最初に下痢、痙攣およびクロストリジウム(clostridia)の存在を示し、バンコマイシン250 ii b.i.d.を用いて治療される。バンコマイシン治療は、対象がバンコマイシンを摂取している時にてんかんを逆転させる。てんかんは、バンコマイシン治療の間に低減される患者の腸マイクロバイオータの部分により少なくとも部分的に駆動されることをこれは示唆する。患者は次に、経口糞便マイクロバイオータ移植(FMT)の種類である凍結乾燥された糞便材料を含有する経口的に投与されるカプセルを用いて治療される。単一のカプセルは10~1012個の生存細胞を含有し、患者は最初に1日当たり朝食と共に4つおよび夕食と共に4つの8カプセルを摂取し、後に2カプセルを1日2回に低減される。十分な用量のカプセルの投与後に、患者のてんかんは多くの月にわたり完全に抑制される。2カプセル/日への投薬量の低減で、軽微な形態の発作が再び起こり始める。患者は次に、300mlのホモジナイズ、濾過された新鮮なドナー糞便を使用して液体糞便マイクロバイオーム移植を用いて治療される。患者は今や7か月にわたりてんかん性発作を示していない。
【0235】
実施例4.てんかんに対する経口カプセル治療プロトコール
患者を4つの群(群1~4)に分ける。群1の患者は、抗生物質(例えば、バンコマイシンおよびメトロニダゾール)の事前治療を投与される。群2は抗生物質を与えられない。群1および2の両方は、コロノスコピー前腸管処置、続いてカプセル糞便マイクロバイオーム療法を与えられる。群3および4は腸管処置を与えられず、群3は抗生物質事前治療も与えられるが群4はそれを与えられない。単一のカプセルは10~1012個の生存細胞を含有する。カプセルは以下のように18週間投与される:2カプセルを1日2回14日間、2カプセルを1日2回隔日で14日間、4カプセルを週2回14日間、および4カプセルを週1回(例えば、各月曜日)12週間。高用量カプセル(約1012の総細胞数)を初期の4週間負荷用量(治療用量とも呼ばれる)において使用する。より低用量のカプセル(約10の総細胞数)をその後の14週間維持用量において使用する。抗生物質事前治療を与えられる患者において、カプセルは抗生物質を止めた1日後に投与される。経口カプセル治療の前、間および後に患者の症状を観察し、臨床検査を行う。治療の前、間および後に患者糞便試料のDNAメタゲノム解析(2~4日、1週、6週、12週)も実行する。カプセル治療は患者の発作の症状を逆転させる。カプセル治療を与えられる患者はまた、臨床的に正常な切迫および排便を経験する。
【0236】
本明細書に記載され、示される構成および方法において様々な改変が本開示の範囲から離れることなく為され得るので、以上の記載に含有される全ての事項は、限定的ではなく実例的なものとして解釈されることが意図される。本開示の広がりおよび範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、本明細書に添付される以下の請求項およびそれらの均等物にしたがってのみ定義されるべきである。本明細書において参照される全ての特許および非特許文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】