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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(54)【発明の名称】磁力発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/09 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
H02K7/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517869
(86)(22)【出願日】2019-04-22
(85)【翻訳文提出日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 US2019028496
(87)【国際公開番号】W WO2020013900
(87)【国際公開日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】16/032,277
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521126139
【氏名又は名称】フアレス、マイケル、エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】フアレス、マイケル、エー.
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607BB02
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC01
5H607GG01
5H607GG19
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】 自家動力式磁力発電機(10)は、N極を有する複数の固定浮上磁石部材(24、25)を有する第1および第2の端部固定ケースアセンブリを含む。前記発電機は、前記ケースアセンブリと動作可能に連通する回転アセンブリ(40)を含む。前記回転アセンブリ(40)の対向する端部は複数の回転浮上磁石部材(45)を含み、回転浮上磁石部材の各々がN極を有することで同一の磁極による浮上が起こる。前記発電機(10)は、前記回転アセンブリ(40)の第1および第2の端部の間において当該回転アセンブリの外面から離れる方向に延長する複数の回転磁石(48)を含む。中央部固定ケース(50)アセンブリは、前記回転アセンブリ(40)が延長する貫通孔を画成する環状形状を含む。複数の中央磁石(51)は前記回転アセンブリ(40)の前記複数の回転磁石(48)と整列され、各中央磁石は、前記複数の回転磁石(48)の各回転磁石の磁極と一致する磁極を有し、前記回転アセンブリ(40)は、反発力によって軸方向に回転する。前記回転アセンブリの回転により、対応する発電用磁石は電気を発生させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自家動力式磁力発電機(self-powered magnetic generator)であって、
第1端部固定ケースアセンブリであって、
入口通路を画成する第1のハウジングと、
前記入口通路の周上に配置された第1の複数の固定浮上磁石部材と
を有し、
前記第1の複数の固定浮上磁石部材の各々はN極を有するものである、
前記第1端部固定ケースアセンブリと、
回転アセンブリであって、
前記第1端部固定ケースアセンブリの前記第1のハウジングにおける前記入口通路と動作可能に連通する第1の端部と、当該第1の端部の反対側にある第2の端部とを有するケーシングを有し、
この回転アセンブリの前記第1の端部は、前記ケーシング内に配置された第1の複数の回転浮上磁石部材を有し、当該第1の複数の回転浮上磁石部材の各々はN極を有するものであり、
前記第1の複数の回転浮上磁石部材の各々は、対応する前記第1の複数の固定浮上磁石部材と整列されているとともに近接して配置されており、これにより当該回転アセンブリの前記第1の端部は前記第1のハウジングの前記入口通路に対して磁気的に誘導された浮上位置に保持されるものである、
前記回転アセンブリと、
前記回転アセンブリの前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置され、前記回転アセンブリの外面から離れる方向に延長する複数の回転磁石であって、前記ケーシングを回転させるようになっているものである、前記複数の回転磁石と、
中央部ケースハウジングを有する中央部固定ケースアセンブリであって、この中央部ケースハウジングは、
内部領域を画成する環状形状と、
軸方向の貫通孔を画成する内面であって、当該貫通孔を通って前記回転アセンブリの前記ケーシングが延長するものであり、当該内面には離間して配置された複数の窓部が形成されているものである、前記内面と
を有する、前記中央部固定ケースアセンブリと、
前記内面に沿って離間して配置されるとともに、前記窓部の各々に近接して配置された複数の中央磁石であって、
前記回転アセンブリの前記複数の回転磁石と整列されるものであり、
各中央磁石は、前記複数の回転磁石の各回転磁石の磁極と一致する磁極を有し、前記回転アセンブリは、前記複数の回転磁石および当該複数の中央磁石が近接して接触することで発生する反発力によって軸方向に回転するものである、
前記複数の中央磁石と、
を有する、自家動力式磁力発電機。
【請求項2】
請求項1記載の自家動力式磁力発電機において、さらに、
第2端部固定ケースアセンブリであって、
前記回転アセンブリの前記第2の端部を受け入れる入口通路を画成する第2のハウジングと、
前記第2のハウジングの前記入口通路の周上に配置された第2の複数の固定浮上磁石部材と
を有し、
前記第2の複数の固定浮上磁石部材の各々はN極を有するものである、
前記第2端部固定ケースアセンブリを有し、
前記回転アセンブリの前記第2の端部は、前記ケーシング内に配置された第2の複数の回転浮上磁石部材を有し、当該第2の複数の回転浮上磁石部材の各々はN極を有するものであり、
前記第2の複数の回転浮上磁石部材の各々は、対応する前記第2の複数の固定浮上磁石部材と整列されているとともに近接して配置されており、これにより前記回転アセンブリの前記第2の端部は前記第2のハウジングの前記入口通路に対して磁気的に誘導された浮上位置に保持されるものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項3】
請求項2記載の自家動力式磁力発電機において、
前記第1の複数の固定浮上磁石部材の各々は環状形状を有し、さらに閉鎖面を備える磁石と、前記磁石の閉鎖面に動作可能に連結されたコイルと、前記コイルの周囲を包囲するトロイダル変圧器とを有するものであり、
前記第1の複数の回転浮上磁石部材の各々は、磁石と、前記磁石に動作可能に連結されたコイルと、前記コイルの周囲を包囲するトロイダル変圧器とを有し、
前記第2の複数の固定浮上磁石部材の各々は、磁石と、前記磁石の1面に動作可能に連結されたコイルと、前記コイルの周囲を包囲するトロイダル変圧器とを有し、
前記第2の複数の回転浮上磁石部材の各々は、磁石と、前記磁石の外側環状面に動作可能に連結されたコイルと、前記コイルの周囲を包囲するトロイダル変圧器とを有するものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項4】
請求項2記載の自家動力式磁力発電機において、
前記第1端部固定ケースアセンブリは、前記入口通路の周りに放射状に配置されるとともに、前記複数の固定浮上磁石部材に近接して配置された第1の複数の補助的固定浮上磁石部材を有し、当該第1の複数の補助的固定浮上磁石部材の各々はN極を有するものであり、
前記第1の複数の補助的固定浮上磁石部材の各々は、環状形状を有する磁石と、前記磁石の外面に動作可能に連結されたコイルと、前記コイルの周囲を包囲するトロイダル変圧器とを有し、
前記回転アセンブリの前記第1の端部は、前記ケーシング内に配置された第1の複数の補助的回転浮上磁石部材を有し、当該第1の複数の補助的回転浮上磁石部材の各々はN極を有するものであり、
前記第1の複数の補助的回転浮上磁石部材の各々は、対応する前記第1の複数の補助的固定浮上磁石部材と整列されているとともに近接して配置されており、これにより前記回転アセンブリの前記第1の端部は前記第1のハウジングの前記入口通路に対して磁気的に誘導された浮上位置に保持されるものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項5】
請求項4記載の自家動力式磁力発電機において、
前記第2端部固定ケースアセンブリは、前記入口通路の周りに放射状に配置されるとともに、前記複数の固定浮上磁石部材に近接して配置された第2の複数の補助的固定浮上磁石部材を有し、当該第2の複数の補助的固定浮上磁石部材の各々はN極を有するものであり、
前記第2の複数の補助的固定浮上磁石部材の各々は、環状形状を有する磁石と、前記磁石の外面に動作可能に連結されたコイルと、前記コイルの周囲を包囲するトロイダル変圧器とを有し、
前記回転アセンブリの前記第2の端部は、前記ケーシング内に配置された第2の複数の補助的回転浮上磁石部材を有し、当該第2の複数の補助的回転浮上磁石部材の各々はN極を有するものであり、
前記第2の複数の補助的回転浮上磁石部材の各々は、対応する前記第2の複数の補助的固定浮上磁石部材と整列されるとともに近接して配置されているが、対応する前記第2の複数の補助的固定浮上磁石部材から所定の距離だけ離れた位置に配置されているものであり、これにより前記回転アセンブリの前記第2の端部は前記第2のハウジングの前記入口通路に対して磁気的に誘導された浮上位置に保持されるものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項6】
請求項1記載の自家動力式磁力発電機において、
前記第1端部固定ケースアセンブリは、前記第1のハウジングに組み込まれ、前記第1のハウジングの前記入口通路の周りに離間して放射状に配置された第1の複数の固定強力磁石を有し、当該第1の複数の固定強力磁石の各々はN極を有するものであり、
前記回転アセンブリは、前記ケーシング内において前記第1の複数の補助的回転浮上磁石部材に近接して配置された第1の複数の発電用磁石を有し、当該第1の複数の発電用磁石の各々は、対応する前記第1の複数の固定強力磁石と整列されているが、対応する前記第1の複数の固定強力磁石から所定の距離だけ離れた位置に配置されているものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項7】
請求項2記載の自家動力式磁力発電機において、
前記第2端部固定ケースアセンブリは、前記第2のハウジングに組み込まれ、前記第2のハウジングの前記入口通路の周りに離間して放射状に配置された第2の複数の固定強力磁石を有し、当該第2の複数の固定強力磁石の各々はN極を有するものであり、
前記回転アセンブリは、前記ケーシング内において前記第2の複数の補助的回転浮上磁石部材に近接して配置された第2の複数の発電用磁石を有し、当該第2の複数の発電用磁石の各々は、対応する前記第2の複数の固定強力磁石と整列されているものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項8】
請求項1記載の自家動力式磁力発電機において、前記回転アセンブリは、さらに、
前記回転アセンブリの前記ケーシング内において軸方向かつ前記複数の回転磁石に近接して取り付けられた第1の複数の補助的回転磁石と、
前記回転アセンブリの前記ケーシング内において軸方向かつ前記第1の複数の補助的回転磁石の各々に隣接して取り付けられた第2の複数の補助的回転磁石と
を有し。
前記第1の複数の補助的回転磁石の各々はコイルと関連しており、さらに、当該第1の複数の補助的回転磁石において1つおきに配置された磁石と同じ磁極を有するものであり、
前記第2の複数の補助的回転磁石の各々は、隣接する第2の複数の補助的回転磁石のそれぞれと反対の磁極を有するものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項9】
請求項1記載の自家動力式磁力発電機において、前記中央部固定ケースアセンブリは、
前記内側領域において前記中央部固定ケースアセンブリの外面および内面の中間位置に配置されるとともに当該外面および内面と同心に配置される内輪であって、複数のスロットが形成され、作動形態(run configuration)と停止形態(stop configuration)との間で回転自在なものである、前記内輪と、
前記内輪において前記複数のスロットの各々に近接した位置から外側に向かって延長する複数の作動磁石であって、複数の対の作動磁石として構成されるものであり、当該作動磁石の各対の第1の磁石はN極を有し、当該作動磁石の各対の第2の磁石はS極を有するものである、前記複数の作動磁石と、
前記内側領域において前記複数の中央磁石、前記複数の窓部、および前記複数の作動磁石のそれぞれに近接して配置された複数の磁石カバーであって、当該複数の磁石カバーの各々はN極を有するものである、前記複数の磁石カバーと
を有し、
前記複数の磁石カバーは、前記停止形態において、前記複数の作動磁石のうち対応する磁石を遮蔽するために、対応する前記窓部を通ってスライド自在であり、前記作動形態において、前記複数の作動磁石のうち対応する磁石から離れた位置に移動されるものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項10】
請求項9記載の自家動力式磁力発電機において、前記中央部固定ケースアセンブリは、前記内輪に動作可能に連結された制御部材を有し、当該制御部材は前記内輪を前記停止形態と前記作動形態との間で回転作動させるものである、自家動力式磁力発電機。
【請求項11】
請求項10記載の自家動力式磁力発電機において、
前記内輪は複数のギア歯を有し、
前記制御部材は、リンク機構によって前記ギア歯に動作可能に連結された制御ノブであり、当該制御ノブが回転すると前記内輪の回転運動が生じるものである、自家動力式磁力発電機。
【請求項12】
請求項11記載の自家動力式磁力発電機において、
前記作動形態では、前記スロットの各々は、対応する前記磁石カバーおよび前記作動磁石の各対の対応する第2の磁石と整列し、前記磁石カバーの各々は、磁力により前記作動磁石の各対の対応する第2の磁石に吸引されるものであり、それにより前記複数の中央磁石は前記回転アセンブリの前記複数の回転磁石に対して反発することが可能となるものであり、
前記停止形態では、前記スロットの各々は、対応する前記磁石カバーおよび前記作動磁石の各対の対応する第1の磁石と整列し、前記磁石カバーの各々は、磁力により前記作動磁石の各対の対応する第1の磁石から離れる方向に反発されるものであり、それにより前記複数の中央磁石は遮蔽されて前記回転アセンブリの前記複数の回転磁石を反発することができなくなるものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項13】
請求項9記載の自家動力式磁力発電機において、
前記作動形態では、前記スロットの各々は、対応する前記磁石カバーおよび前記作動磁石の各対の対応する第2の磁石と整列し、前記磁石カバーの各々は、磁力により前記作動磁石の各対の対応する第2の磁石に吸引されるものであり、それにより前記複数の中央磁石は前記回転アセンブリの前記複数の回転磁石に対して反発することが可能となるものであり、
前記停止形態では、前記スロットの各々は、対応する前記磁石カバーおよび前記作動磁石の各対の対応する第1の磁石と整列し、前記磁石カバーの各々は、磁力により前記作動磁石の各対の対応する第1の磁石から離れる方向に反発されるものであり、それにより前記複数の中央磁石は遮蔽されて前記回転アセンブリの前記複数の回転磁石を反発することができなくなるものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項14】
請求項1記載の自家動力式磁力発電機において、前記中央部固定ケースアセンブリは、前記内側領域に配置された複数の磁石カバーを有し、当該複数の磁石カバーは、(1)前記内側領域内であって前記複数の中央磁石と離れた位置に配置される作動形態と、(2)対応する前記複数の窓部から延長して対応する前記複数の中央磁石を対応する前記複数の回転磁石との磁気相互作用から遮蔽することで回転アセンブリの回転を停止する停止形態との間でスライド自在に移動するように構成されているものである、自家動力式磁力発電機。
【請求項15】
請求項1記載の自家動力式磁力発電機において、さらに、
第2端部固定ケースアセンブリであって、
前記回転アセンブリの前記第2の端部を受け入れる入口通路を画成する第2のハウジングと、
前記第2のハウジングの前記入口通路の周上に配置された第2の複数の固定浮上磁石部材と
を有し、
前記第2の複数の固定浮上磁石部材の各々はN極を有するものである、
前記第2端部固定ケースアセンブリを有し、
前記回転アセンブリの前記第2の端部は、前記ケーシング内に配置された第2の複数の回転浮上磁石部材を有し、当該第2の複数の回転浮上磁石部材の各々はN極を有するものであり、
前記第2の複数の回転浮上磁石部材の各々は、対応する前記第2の複数の固定浮上磁石部材と整列されているとともに近接して配置されており、これにより前記回転アセンブリの前記第2の端部は前記第2のハウジングの前記入口通路に対して磁気的に誘導された浮上位置に保持されるものであり、
前記中央部固定ケースアセンブリは、前記内側領域に配置された複数の磁石カバーを有し、当該複数の磁石カバーは、(1)前記内側領域内であって前記複数の中央磁石と離れた位置に配置される作動形態と、(2)対応する前記複数の窓部から延長して対応する前記複数の中央磁石を対応する前記複数の回転磁石との磁気相互作用から遮蔽することで回転アセンブリの回転を停止する停止形態との間でスライド自在に移動するように構成されているものである、
自家動力式磁力発電機。
【請求項16】
請求項1記載の自家動力式磁力発電機において、さらに、
第2端部固定ケースアセンブリであって、
前記回転アセンブリの前記第2の端部を受け入れる入口通路を画成する第2のハウジングと、
前記第2のハウジングの前記入口通路の周上に配置された第2の複数の固定浮上磁石部材と
を有し、
前記第2の複数の固定浮上磁石部材の各々はN極を有するものである、
前記第2端部固定ケースアセンブリを有し、
前記回転アセンブリの前記第2の端部は、前記ケーシング内に配置された第2の複数の回転浮上磁石部材を有し、当該第2の複数の回転浮上磁石部材の各々はN極を有するものであり、
前記第2の複数の回転浮上磁石部材の各々は、対応する前記第2の複数の固定浮上磁石部材と整列されているとともに近接して配置されており、これにより前記回転アセンブリの前記第2の端部は前記第2のハウジングの前記入口通路に対して磁気的に誘導された浮上位置に保持されるものであり、
前記中央部固定ケースアセンブリは、
前記内側領域において前記中央部固定ケースアセンブリの外面および内面の中間位置に配置されるとともに当該外面および内面と同心に配置される内輪であって、複数のスロットが形成され、作動形態と停止形態との間で回転自在なものである、前記内輪と、
前記内輪において前記複数のスロットの各々に近接した位置から外側に向かって延長する複数の作動磁石であって、複数の対の作動磁石として構成され、当該作動磁石の各対の第1の磁石はN極を有し、当該作動磁石の各対の第2の磁石はS極を有するものである、前記複数の作動磁石と、
前記内側領域において前記複数の中央磁石、前記複数の窓部、および前記複数の作動磁石のそれぞれに近接して配置された複数の磁石カバーであって、当該複数の磁石カバーの各々はN極を有するものである、前記複数の磁石カバーと
を有し、
前記複数の磁石カバーは、前記停止形態において、前記複数の作動磁石のうち対応する磁石を遮蔽するために、対応する前記窓部を通ってスライド自在であり、前記作動形態において、前記複数の作動磁石のうち対応する磁石から離れた位置に移動されるものである、
自家動力式磁力発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電機に関し、より具体的には、磁石を利用することで効率的な発電機の作動を行うとともに、外部動力源を殆ど、または全く必要としない発電機に関する。すなわち、極性配置により、摩擦を生じることなく回転力および電力が発生する。
【背景技術】
【0002】
携帯用発電機は、荒天による停電など通常のAC電力が遮断された場合に、家屋または事業体に対して電力を供給するために利用されることが多い。病院、銀行、およびその他不可欠なサービスの供給業者など、数時間以上電力を損失した場合、危害が生じると考えられる小規模事業体にとって発電機は重要である。また、発電機は、極寒または極暑の地域など厳しい気候条件下の居住者にとっても重要である。通常の発電機では、ガソリンまたは太陽エネルギーを動力源として利用し、導線と磁石を相互作用させて電力を発生させる。発電機では、磁極間で銅線コイルを回転させることによって安定した電流が生成されれ、流水の自然運動、タービンによる風流などを利用した手動のクランク運動を通して、磁石に対する銅線の回転が行われる。
【0003】
従来の発電機および考案されている発電機は、その意図する用途において効果的であるとは考えられるが、このような発電機では依然として最大限の発電を低減させる摩擦が発生し、(例えば、風などの)信頼性の低い動力源が利用され、若しくは(例えば、水などの)資源の流用が必要とされる。
【0004】
したがって、磁石の磁極を利用することにより、摩擦による効率低下を排除するとともに回転軸を回転させ、電気装置に電力を提供するために利用可能な電源としての電気を生成する磁力発電機を有することが望ましい。さらに、回転アセンブリが同一の磁極を有する複数の磁石と整列保持され、当該複数の磁石によって回転されることにより回転によって生じる摩擦を排除できる磁力発電機を有することが望ましい。追加的に、磁石カバーまたは遮蔽体を利用する制御部材を含む磁力発電機を有することが望ましく、このような当該磁石カバーまたは遮蔽体が作動されると、磁力発電機が開始または停止される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による自家動力式磁力発電機(self-powered magnetic generator)は、第1端部固定ケースアセンブリを有し、当該第1端部固定ケースアセンブリは入口通路を画成する第1のハウジングと、前記入口通路の周上に配置された第1の複数の固定浮上磁石部材とを有し、前記第1の複数の固定浮上磁石部材の各々はN極を有する。前記発電機は回転アセンブリを有し、当該回転アセンブリは、前記第1端部固定ケースアセンブリの前記第1のハウジングにおける前記入口通路と動作可能に連通する第1の端部と、当該第1の端部の反対側にある第2の端部とを有するケーシングを有する。この回転アセンブリの前記第1の端部は、前記ケーシング内に配置された第1の複数の回転浮上磁石部材を有し、当該第1の複数の回転浮上磁石部材の各々はN極を有する。前記第1の複数の回転浮上磁石部材の各々は、対応する前記第1の複数の固定浮上磁石部材と整列されているとともに近接して配置されており、これにより当該回転アセンブリの前記第1の端部は前記第1のハウジングの前記入口通路に対して磁気的に誘導された浮上位置に保持される。前記発電機は、前記回転アセンブリの前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置され、前記回転アセンブリの外面から離れる方向に延長する複数の回転磁石を有する。
【0006】
前記発電機は、中央部ケースハウジングを有する中央部固定ケースアセンブリを有し、の中央部ケースハウジングは、内部領域を画成する環状形状と、軸方向の貫通孔を画成する内面を有し、当該貫通孔を通って前記回転アセンブリの前記ケーシングが延長し、当該内面には離間して配置された複数の窓部が形成されている。前記内面に沿って離間して配置されるとともに、前記窓部の各々に近接して複数の中央磁石が配置されおり、この複数の中央磁石は前記回転アセンブリの前記複数の回転磁石と整列されている。各中央磁石は、前記複数の回転磁石の各回転磁石の磁極と一致する磁極を有し、前記回転アセンブリは、前記複数の回転磁石および前記複数の中央磁石が近接して接触することで発生する反発力によって軸方向に回転する。
【0007】
したがって、本発明の全般的な目的は、磁力により作動する自家動力式の発電機を提供すること、および電力効率を殆どまたは全く損失することなく、また継続的な費用を殆どまたは全く必要とせずに飛躍的な発電量を生成することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、回転軸として作用し、同一の磁極を有する磁石の反発力によって浮上位置に保持される回転アセンブリを有する、磁力により作動する自家動力式の発電機を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的および利点は、添付の図面とともに以下の説明を参照することにより明確となると考えられるが、以下の記載は、本発明の例示的に、実施形態によって説明したものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の好ましい実施形態による、磁石駆動発電機の作動状態における構成の斜視図である。
図2図2は、図1の発電機の分解立体図である。
図3図3は、明瞭さのために発電機から切り離された、端部固定ケース斜視図である。
図4a図4aは、図3の端部固定ケースの端面図である。
図4b図4bは、図4aの切り取り線4b-4bに沿って見た断面図である。
図5a図5aは、外筒を除いた状態にある、図4aの端部固定ケースの斜視図である。
図5b図5bは、図5aの端部固定ケースの側面図である。
図5c図5cは、図5aの端部固定ケースの端面図である。
図6a-6b】図6aは、第一固定浮上磁石部材の前面図である。図6bは、図6aに示される固定浮上磁石部材の側面図である。
図7a-7b】図7aは、補助的固定浮上磁石部材の前面図である。図7bは、図7aに示される補助的固定浮上磁石部材の側面図である。
図8図8は、端部固定ケースに関連付けられた、発電アセンブリのコイルの側面図である。
図9図9は、図8に示されるコイルの端面図である。
図10a-10c】図10aは、端部固定ケースに関連付けられた、発電アセンブリ関連の複数のトロイダル変圧器の端面図である。図10bは、図10aに示される複数のトロイダル変圧器の側面図である。図10cは、図10cの切り取り線10c-10cに沿って見た断面図である。
図11a-11b】図11aは、端部固定ケースに関連付けられた、別の発電アセンブリの端面図である。図11bは、図11aに示される別の発電アセンブリの側面図である。
図11c-11d】図11cは、図11bの切り取り線11c-11cに沿って見た断面図である。図11dは、図11cから得られる、分離状態の拡大図である。
図12a図12aは、図2から得られる、中央部固定ケースアセンブリの分離状態における斜視図であり、配備された状態の複数の磁石カバーが示されている。
図12b図12bは、図2から得られる中央部固定ケースアセンブリの分離状態における斜視図であり、引っ込められた状態の複数の磁石カバーが示されている。
図13a図13aは、中央部固定ケースアセンブリにおける、磁石と磁石カバーとの組み合わせの平面図である。
図13b図13bは、図13aに示された磁石と磁石カバーとの組み合わせの側面図であり、カバーされていない状態の構成を示している。
図13c図13cは、13bにおける組み合わせを別の角度から見た側面図である。
図14a-14c】図14aは、図2における中央部固定ケースアセンブリの上面図であり、明瞭さのため外部ケーシングが除かれた状態を示している。図14bは、複数の中央磁石および磁石カバーの操作における作動状態の構成を示す固定ケースアセンブリの側面図であり、明瞭さのため、ケーシングの内面および外面は破線で示してある。図14cは、別の角度から見た中央部固定ケースアセンブリの図であり、作動状態の構成を示している。
図15a-15c】図15aは、図2における中央部固定ケースアセンブリの上面図であり、明瞭さのため外部ケーシングが除かれた状態を示している。図15bは、複数の中央磁石および磁石カバーの操作における停止状態の構成を示す固定ケースアセンブリの側面図であり、明瞭さのため、ケーシングの内面および外面は破線で示してある。図15cは、別の角度から見た中央部固定ケースアセンブリの図であり、停止状態の構成を示している。
図16a-16c】図16aは、図2における中央部固定ケースアセンブリの別の上面図であり、明瞭さのため外部ケーシング、コイル、および磁石カバーは除かれている。図16bは、16aのアセンブリの前面図であり、明瞭さのため、ケーシングの内面および外面は破線で示してある。図16cは、図16bのアセンブリの端面図である
図17図17は、中央部固定ケースアセンブリの内側リングの斜視図であり、当該リングの回転により作動構成および停止構成間のトグルが可能になるのを示す目的で、ハウジングおよび全ての磁石が除かれた状態を示している。
図18図18は、図2における回転アセンブリの斜視図である。
図19a-19b】図19aは、図18に示される回転アセンブリの端面図である。図19bは、19aの切り取り線19b-19bに沿って見た断面図である。
図20図20は、図18に示される回転アセンブリの斜視図であり、明瞭さのため外部ケーシングは除かれている。
図21図21は、図20に示される回転アセンブリの斜視図であり、明瞭さのため右部分と左部分が分離された状態を示している。
図22a-22b】図22aは、図21に示される回転アセンブリの端面図であり、明瞭さのため、第一の複数の回転浮上磁石のうちの1つを示している。図22bは、図22aに示される回転浮上磁石の側面図である。
図23a-23b】図23aは、図21に示される回転アセンブリの一部であり、第2の複数の回転浮上磁石を示している。図23bは、図23aに示される第2の複数の回転浮上磁石の側面図である。
図24a-24b】図24aは、図20に示される回転アセンブリにおける、複数の回転磁石の分離状態の上面図である。図24bは、図24aに示される複数の回転磁石の側面図である。
図25a-25c】図25aは、図20に示される回転アセンブリから得られる、複数の発電用磁石の分離状態における上面図である。図25bは、図24aに示される複数の発電用磁石の分離状態における上面図である。図25cは、図25bの切り取り線25c-25cに沿って見た断面図である。
図26a-26b】図26aは、図20の回転アセンブリから得られる複数のコイルの分離状態における上面図である。図26bは、図26a示されるコイルの側面図である。
図27a-27b】図27aは、図1に示される磁石駆動発電機の端面図である。図27bは、図27aの切り取り線27b-27bに沿って見た断面図である。
図27c-27d】図27cは、図27bの切り取り線27c-27cに沿って見た断面図である。図27dは、図27bの切り取り線27d-27dに沿って見た断面図である。
図27e-27f】図27eは、図27bの切り取り線27e-27eに沿って見た断面図である。図27fは、図27bの切り取り線27f-27fに沿って見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の好ましい実施形態による自家動力式磁力発電機(self-powered magnetic generator)を、添付図面の図1~27fを参照して以下に詳細に説明する。自家動力式磁力発電機10は、第1端部固定ケースアセンブリ20と、第2端部固定ケースアセンブリ26と、対向する端部が第1端部固定ケースアセンブリ20および第2端部固定ケースアセンブリ26にそれぞれ動作可能に連結された回転アセンブリ40と、中央部固定ケースアセンブリ50とを含む。
【0012】
図1は、固定構成要素が作動用に連結された自家動力式磁力発電機10を示している。具体的には、以下に述べるように、中央部固定ケースアセンブリ50が第1および第2端部固定ケースアセンブリ20、26によって挟まれており、それによって画成される共通の内部領域内に回転アセンブリ40が配置されている。各端部固定ケースアセンブリ20、26および回転アセンブリ40は真空封止されているので、大気中での回転によって生じる摩擦損失が大幅に低減、または排除されることを理解されたい。
【0013】
端部固定アセンブリは実質的に同一の構造および構成を有しており、相互に鏡像関係にある。しかし、以下の記載により明確となるように、一方のアセンブリを他方のアセンブリと区別するために、本明細書および特許請求の範囲では、第1端部固定ケースアセンブリ20および第2端部固定ケースアセンブリ26と特定し、同様に「第1」および「第2」という用語を用いる。
【0014】
特に、第1端部固定ケースアセンブリ20は、閉鎖された外側端壁21と、当該外側端壁21の反対側にある内壁22と、外側端壁21と内壁22との間に延長し、内部領域を画成する連続側壁21aとを有する第1のハウジングを含む。以下説明するように、内壁22には回転アセンブリ40の各端部を収容する入口通路(entrance channel)23への開口部が画成されている。入口通路23は、略円筒状または管状の構成を有しており、その周りに種々の磁石アセンブリが配置されている。種々の磁石アセンブリを据え付けるための追加構造が何も示されていない場合、または記載されていない場合、斯かる構造またはアセンブリが第1のハウジング自体のプラスチック成型素材内に埋め込まれていることは理解されるであろう。入口通路23は、各端部固定ケースアセンブリによって画成される内部領域へのアクセスを提供する。
【0015】
第1の複数の固定浮上磁石部材(first plurality of stationary levitation magnet members)24が、入口通路23の周りに放射状に間隔を置いて配置されている(図5a)。第1の複数の固定浮上磁石部材の各磁石は、同じ磁極(例えば、「N」極)を有している。
【0016】
上述の構成要素に対応する構成要素を記載するため、回転アセンブリ40について言及すると、回転アセンブリ40は、図2に示されるように、第1端部固定ケースアセンブリ20の入口通路23に動作可能に収容される第1の端部41(簡単に、回転アセンブリの第1の端部とも呼ばれる)を持つケーシングを有している。回転アセンブリ40のケーシングは第1の端部41の反対側にある第2の端部44を有しており、第2の端部44は、第2端部固定ケースアセンブリ26の入口通路に収容される。回転アセンブリ40の第1の端部41は、回転アセンブリ40のケーシング内に配置された第1の複数の回転浮上磁石部材42を有しており、第1の複数の回転浮上磁石部材42は各々、第1の複数の固定浮上磁石部材24の各々と同一の極性(例えば、N極)を有している。
【0017】
図20において、回転アセンブリ40は、明瞭さのためケーシングを除かれた状態で描かれている。第1の複数の回転浮上磁石部材42は、各複数の磁石の磁極が反発し合うように、すなわち同極性の磁石は相互に反発し合うという物性に従って、第1の複数の固定浮上磁石部材24と整列して配置されるのが好ましい。実際の操作においては、回転アセンブリ40のケーシングの第1の端部41は、第1端部固定ケースアセンブリ20のハウジングの入口通路23に磁気浮上状態で保持される。
【0018】
回転アセンブリ40の第2の端部44と第2端部固定ケースアセンブリ26との間には、同一の構造および機能が存在する。すなわち、第2端部固定ケースアセンブリ26は、閉鎖された外側端壁27と、当該外側端壁27の反対側にある内壁と、外側端壁27と内壁との間に延在し、内部領域を画成する連続側壁28とを有する第2のハウジングを含む。以下説明するように、内壁には、回転アセンブリ40の各端部を収容する入口通路への開口部が画成されている。
【0019】
上述したように、第2端部固定ケースアセンブリ26は、第1端部固定ケースアセンブリ20の構造と鏡像関係にある構造を有しているので、本明細書では同一構造の全てを示しておらず、またそのような同一構造に符号を付記していない。より詳細に述べると、第2端部固定ケースアセンブリ26は、当該第2端部固定ケースアセンブリ26の入口通路の周りに放射状に間隔を置いて配置された第2の複数の固定浮上磁石部材25を有している。第2の複数の固定浮上磁石部材の各磁石は、同じ磁極(例えば、「N」極)を有している。第2の複数の固定浮上磁石部材25の特定の構成要素は、上述した第1の複数の固定浮上磁石部材24の対応する構成要素と同一である。
【0020】
上記に対応し、回転アセンブリ40の第2の端部44は、回転アセンブリ40のケーシング内でその第2の端部44に近接して配置された第2の複数の回転浮上磁石部材45を有しており、第2の複数の回転浮上磁石部材45は各々、第2の複数の固定浮上磁石部材25の各々と同一の極性(例えば、N極)を有している。
【0021】
第2の複数の回転浮上磁石部材45は、各複数の磁石の磁極が反発し合うように、すなわち同極性の磁石は相互に反発し合うという物性に従って、第2の複数の固定浮上磁石部材25と整列して配置されるのが好ましい。実際の操作においては、回転アセンブリ40のケーシングの第2の端部44は、第2端部固定ケースアセンブリ26のハウジングの入口通路に磁気浮上状態で保持される。
【0022】
第1の複数の固定浮上磁石部材24は、回転アセンブリ40の第1の端部41の軸方向整列を制御するように構成されている。より詳細に述べると、第1の複数の固定浮上磁石部材24は、環状形状を有する磁石と、閉鎖面24aと、閉鎖面24aに動作可能に連結されたコイル24bとを有し、さらに、コイルの周りにトロイダル変圧器24cを有している。これに対応して、第1の複数の回転浮上磁石部材42の各々は、磁石と、磁石に動作可能に連結されたコイル43と、コイルの周りのトロイダル変圧器とを有する。ここで重要な点は、閉鎖面24aへのコイルの取付けと回転アセンブリ40の第1の端部41の対応する構造との組み合わせにより、望ましい軸方向の整列が達成されることである。
【0023】
第2の複数の固定浮上磁石部材25(図27b)および対応する第2の複数の回転浮上磁石部材45(図27b)は、上述された第1の複数の固定浮上磁石部材24(下部構成要素24a、24b、および24cを含む)および対応する第1の複数の回転浮上磁石部材42と同一の構造を有するが、明確化のため符号は付記しない。
【0024】
本発明は、上述した軸方向整列用の構成要素と実質的に類似したやり方で、各端部固定ケースアセンブリに対して適切な縦方向または径方向へ、回転アセンブリ40の各端部を整列させるように制御する構造も有している。以下で説明するように、(軸方向の整列よりもむしろ)縦方向の整列を確立するため、補助的固定磁石部材の構成要素は、対応する補助的回転磁石部材に対して異なる位置に配置されている。より詳細に述べると、第1端部固定ケースアセンブリ20は、第1のハウジングの入口通路23の周りに配置された第1の複数の補助的固定浮上磁石部材30を有している。第1の複数の補助的固定浮上磁石部材30は、上述した第1の複数の固定浮上磁石部材24に直接近接している。第1の複数の補助的固定浮上磁石部材30は、上記同様、同一の極性(例えば、N極)を有していてもよい。さらに詳細に述べると、第1の複数の補助的固定浮上磁石部材30は、環状の磁石30aと、対応する磁石30aの外面に動作可能に連結されたコイル30bと、対応するコイル30bの周りのトロイダル変圧器30cとを有していてもよい(図4b)。
【0025】
上記に対応し、回転アセンブリ40のケーシングの第1の端部41は、ケーシング内に配置された第1の複数の補助的回転浮上磁石部材34を有している。第1の複数の補助的回転浮上磁石部材34の各々は、第1の複数の補助的固定浮上磁石部材30の各磁石と同一の磁極、すなわちN極を有している。第1の複数の補助的回転浮上磁石部材34は、アセンブリ後の本発明において、第1の複数の補助的固定浮上磁石部材30と整列し、横方向に近接するが、当該補助的固定浮上磁石部材30から僅かに離れたた位置に配置されており、これにより縦軸に沿ったそれぞれの磁石は相互に反発し合う、若しくは押し合うようになる。
【0026】
第2の複数の補助的固定浮上磁石部材30'および対応する第2の複数の補助的回転浮上磁石部材34'は、第2の固定ケースアセンブリ26および回転アセンブリ40の端部44に対応する状態で含まれているが、斯かる構造体は、関連する磁石、コイル、および変圧器を含め、上記段落で説明した第1の複数の補助的固定浮上磁石部材30および対応する第1の複数の補助的回転浮上磁石部材34と同一の構造を有している。従って、同一の構成要素である旨を示すため、本明細書および添付の各図面においては、プライム記号を有する符号が使用される。
【0027】
上記では端部固定ケースアセンブリ内での回転アセンブリ40の整列について説明したが、以下動力の発生、すなわち発電に関する本発明の設計態様を説明する。磁石/コイルの組み合わせの回転により発電することが周知であるので、回転アセンブリ40をまず回転させる必要がある。複数の回転磁石48が、径方向に間隔を置いて、回転アセンブリ40の外面から離れる方向に延長し、回転アセンブリ40のケーシングの第1の端部41と第2の端部44のほぼ中間位置に配置されている。回転磁石48は同一の磁極(例えば、N極)を有している。
【0028】
これに対応して、中央部固定ケースアセンブリ50は、内面と外側に向かう同心円状の外面55との間に延びる側壁56を備える環状形状を有する。内面、外面、および側壁56によって、内部領域が画成される。以下で説明するが(図11以下参照)、内面54は貫通孔を画成し、当該貫通孔を通って回転アセンブリ40のケーシングが延長するようになっており、それにより回転アセンブリ40の回転中に各磁気構成要素の相互作用が生じる。複数の中央磁石51が中央部ケースハウジング52の内面54に沿って間隔を置いて配置されており、中央磁石は各々同一の磁極を有し、しかも上述した複数の回転磁石の磁極と同じ(従ってそれらに反発する)磁極を有している。加えて、各中央磁石51は、上述した回転アセンブリ40の複数の回転磁石48に整列させるため、オフセット側を有していてもよく、それは一般的にV形状の構造を有している。複数の中央磁石51および複数の回転磁石48は、磁石同士が反発し合い、回転アセンブリ40が軸の性質上回転できるように適切に配置されている。以下詳細に説明するが、回転によって磁石およびコイルが所定の組み合わせで相互作用し、その結果、電気が発生する。
【0029】
中央部固定ケースアセンブリ50は、上述の内面54と同心円の外面55を有する中央部固定ケースハウジング52(ドーナツ状または環状の構造を持つ)を含む。中央部固定ケースハウジング52は、内面および外面とともに内部空間を画成する側壁56を有していてもよい。以下説明するように、中央部固定ケースアセンブリ50の内側領域内において内面と外面の中間位置に内輪60が配置され、この内輪60が回転アセンブリ40と相互作用することによって発電が行われる。また、内輪60は、動作(回転)モードと休止(停止)モードとの間の作動機構を有する。内輪60は、内面54および外面55と同心円を形成する。より詳細に述べると、中央部固定ケースアセンブリ50のハウジング52の内面54は、複数の窓部57を画成する。窓部57は相互に間隔を置いて配置されており、以下説明するように適切に内輪60を回転させたとき自ら磁力を有する各磁石カバー66が各窓部57に引き寄せられるような寸法になっている。
【0030】
複数の作動磁石64が内輪60の外側から外向きに延長しており、当該複数の作動磁石は対として配置されており、各対は相互に(異なる角度で)オフセットされている。作動磁石の各対のうち、1つはN極であり、もう1つはS極であることを理解されたい。以下に詳細に説明するように、各作動磁石によって各磁石カバー66のスライド移動が起こり、その結果、回転アセンブリ40の回転の開始または停止が行われる。
【0031】
複数の磁石カバー66は、中央部固定ケースハウジング52の内側領域のうち、内輪60の内面と中央部固定ケースアセンブリ50の内面54との中間に配置されている(図14a~16c)。各磁石カバー66は対応する作動磁石64に関連付けられており、相補的な作動磁石64によって反発されると、あるいはそれによって引き付けられると、内輪60の方向へ、あるいは内輪60から離れる方向へそれぞれスライドする。
【0032】
回転アセンブリ40の回転を開始するまたは停止するための、内輪60の回転を以下に説明する。内輪60は、その上縁部に沿ってギア歯68を有している(図17)。ギア歯68は、実際の歯車の構成要素であってもよいし、製造中に内輪60の縁に成型されたものであってもよい。内輪60は、中央部固定ケースアセンブリ50の中央ケースハウジング52によって画成される内部領域内に回転可能に取り付けられていてもよいことは理解されたい。さらに、中央部固定ケースアセンブリ50は、制御ノブ69など、リンク機構に連結した制御部材を有しており、当該リンク機構は、制御ノブ69の手動操作によって中央ケースハウジング52の内輪60が所定レベル回転するように、ギア歯68と動作可能に連動されている。磁気発電機10の回転動作が突然開始または急停止されることで損傷が起きるのをを回避するために、制御部材の操作は漸進的かつ徐々に増大させるのが好ましい。他の実施形態においては、制御ノブ69は垂直に動作され、リンク機構は、ギア歯68に係合し、ラックピニオン型ギア機構方式で内輪60を回転させるように構成されている。
【0033】
内輪60には各作動磁石に近接した複数のスロット62が画成され、複数のスロット62の各々は、近接したスロットから横方向にオフセットされた状態で間隔を置いて配置されている(図17)。(制御ノブ69およびギア歯68の動作により)内輪60が回転されると、スロット62により、各作動磁石64の磁力が各磁石カバー66を引っ張る、若しくは押し出すことで、各中央磁石51を覆う、若しくは露出することが可能となる。
【0034】
使用時、各スロット62が複数の中央磁石51のうちの各中央磁石と整列するまで、内輪60を回転させてもよい。1の回転方向において、窓部があることで、磁力によって各磁石カバー66(例えば、S極を有するもの)が対応する吸引作動磁石64に向かって外側に引っ張られ、その結果、上述したように、回転アセンブリ40の回転が可能となる(図12aおよび15b)。反対に、平行な軌道上にあるスロット62が対応する中央磁石51と整列した場合、窓部があることで、磁力によって各磁石カバー(例えば、N極を有するもの)が下に向かって各中央磁石51上にスライドし、回転アセンブリ40の回転を停止させることが可能となる(図12bおよび14b)。上述したように、各磁石カバーは、内面54の各窓部57およびそのそばを通ってスライドし、各中央磁石51に吸引される。明確化のために述べると、中央磁石51が磁石カバー66によって覆われると、対応する回転アセンブリ40の回転磁石への反発磁力は阻止され、回転は妨げられる。
【0035】
要約すると、内輪60の回転によりオフセットスロット62が回転し、その結果、一方の磁極または他方の磁極の磁石が対応する磁石カバー66を引き寄せたり、それに反発したりすることにより、中央部固定ケースアセンブリ50の内面54の各窓部57を通して当該磁石カバーが延長し、その結果、回転アセンブリ40の回転が効果的に可能になったり、妨げられたりすることになる。制御ノブ69はオン/オフトグルとして機能する。図14a~図15cの比較は、斯かる機能を示したものである。
【0036】
端部固定ケースアセンブリ内での回転アセンブリ40の整列、および発電のための回転アセンブリ40の回転動作を上記で説明したが、次に、本発明の発電能力を以下に説明する。まず(そして上述されたように)、第1の複数の固定浮上磁石部材24、第2の複数の固定浮上磁石部材25、第1の複数の補助的固定浮上磁石部材30、第2の複数の補助的固定浮上磁石部材30'、および対応する整列された回転アセンブリ40の回転浮上磁石部材は全て、制御ノブ69および内輪60の動作により回転アセンブリ40が作動された場合に発電能力を有する磁石、コイル、およびトロイダル変圧器を含む。
【0037】
次に、各端部固定ケースは、少なくとも1つ(好ましくは2つ以上)の固定強化発電アセンブリ70を有していてもよく、その場合、当該アセンブリは、対応するコイルおよび変圧器を有する、間隔を置いて配置された複数の磁石を含んでいてもよい(図4bおよび5a~5c)。当該アセンブリの全部分(全体図、コイルの具体的な図、および変圧器の具体的な図)は、共通の符号70により全て適切に言及されていることは注目されたい(図4b、図5a~5c、図8図9、および図10a~10cを参照)。発電アセンブリ70のコイルの目的は上述の固定浮上磁石部材24および25に電気を供給することであり、この点は理解されるであろう。それに対して、回転アセンブリ40は、対応するコイルおよび変圧器を有する回転強化発電アセンブリ72を少なくとも1つ(好ましくは2つ以上)有していてもよい(図20図25a~25c、および図26a~26b)。回転強化発電アセンブリ72に関連付けられた複数の磁石は、回転時に電気を発生させるため、N極およびS極の交互パターンで配列されている。第2の固定ケースアセンブリ26および回転アセンブリ40の第2の端部44の近辺の対応構造は、それぞれプライム記号70'および72'で示される。実際、本発明は、回転アセンブリ40の回転時に発電するように配置された対応する複数の磁石、コイル、および変圧器を有していてもよい。
【0038】
さらに具体的に述べると、第1端部固定ケースアセンブリ20は、交互(N-S)磁極の複数の磁石を有する別の発電アセンブリ80をさらに有していてもよい(図4b、図11a~11d)。これと同一の構造が、図27bの第2の固定ケースアセンブリ26において、別の発電アセンブリ80'として言及されている。発電アセンブリ80は、以下記載の回転アセンブリの組立品用に交流を生み出すものである。言い換えると、この節で述べられる磁石は、性能を長期化および強化し、並びに本発明をさらに強力な機械とするため、回転アセンブリの組立品のコイルと相互作用させ、電気を発生させるものである。すなわち、回転アセンブリ40は、発電のため、発電アセンブリ80と相互作用する複数のコイル84、84'を有する。
【0039】
図27bは装置の構成全体を示すものであり、上述した構成要素の意図された整列を示すと言う意味で特に重要である。この図面は、回転アセンブリ40が第1端部固定ケースアセンブリ20と第2端部固定ケースアセンブリ26との間に延長し、その内部で回転するものであることを概略する点でも有用である。中央部固定ケースアセンブリ50は、第1端部固定ケースアセンブリ20と第2端部固定ケースアセンブリ26との間に挟まれた状態で固定されており、上述したように、制御ノブ69の操作に従って回転アセンブリ40を取り囲んでいる。上述の機器により発生する電気は電池に蓄えられたり、リアルタイムで直接利用されたりしてもよいことをは理解されたい。
【0040】
本発明の特定の形態が図示および記載されているが、以下の特許請求の範囲および機能的に妥当なその均等物によって限定されない限り、本発明は斯かる図示や記載によって限定されるものでないことは理解されたい。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図6a-6b】
図7a-7b】
図8
図9
図10a-10c】
図11a-11b】
図11c-11d】
図12a
図12b
図13a
図13b
図13c
図14a-14c】
図15a-15c】
図16a-16c】
図17
図18
図19a-19b】
図20
図21
図22a-22b】
図23a-23b】
図24a-24b】
図25a-25c】
図26a-26b】
図27a-27b】
図27c-27d】
図27e-27f】
【国際調査報告】