(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(54)【発明の名称】個人の色素異常症を特徴付けるための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20220203BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A61B10/00 Q
A61B5/00 M
A61B10/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534736
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2019085162
(87)【国際公開番号】W WO2020126932
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(71)【出願人】
【識別番号】510255060
【氏名又は名称】シスピア
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベレシェ イオン
(72)【発明者】
【氏名】ベルギンク ジェラール
(72)【発明者】
【氏名】ベレシェ ステファン
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB09
4C117XB17
4C117XD05
4C117XE43
4C117XJ13
(57)【要約】
本発明は、それぞれの色素異常症について、日付tkmにおいて、色素異常症の2D画像を複数の角度から取得し、少なくとも1つの3D画像を再構築するステップと、前述の画像を第1のフォルダ内に記憶するステップと、前述の画像に基づいて色素異常症のパラメータを計算し、第2のフォルダ内に記憶するステップと、前述のパラメータを評価し、第3のフォルダ内に記憶するステップと、先の4つのステップの少なくとも1つを複数の日に反復し、それぞれの反復について、少なくとも1つの期間のデータを比較し、変化を明らかにするステップと、期間ごとに第4のフォルダ内に記憶するステップと、第4のフォルダごとに、色素異常症のスナップショットを定める第5のフォルダへとフォルダをグループ化するステップと、色素異常症の動的プロファイルを定める第6のフォルダへと第5のフォルダを集約するステップと、先のステップを反復してそれぞれの更なる色素異常症に関する第6のフォルダを得るステップと、第6のフォルダを集約する、個人の色素異常症のナレッジベースを個人について生成するステップとを含む、個人の皮膚の色素異常症を特徴付けるための方法に関する。
【選択図】
図2b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-それぞれの色素異常症(60,#k)について、
●日付tkmにおいて、
・色素異常症の2D画像(S1)を日付tkmにおいて及び複数の視角(θ)から取得し、処理済みの2D画像(S2)から少なくとも1つの3D画像(S3)を再構築するステップと、
・前記2D画像及び3D画像を個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtkmに関連する第1のフォルダ(Donnees_2Dθ3D(λ,#k,tkm))内に記憶するステップと、
・前記2D画像及び3D画像から前記色素異常症の既定のパラメータを第1の計算手段(MOD1)によって計算し、前記パラメータを前記個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtkmに関連する第2のフォルダ(Donnees_ParaCalcul(λ,#k,tkm))内に記憶するステップと、
・前記パラメータを専門家に評価させ、前記評価を前記個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtknに関連する第3のフォルダ(Donnees_ParaExpert(λ,#k,tkm))内に記憶するステップと、
●先の4つの前記ステップの少なくとも1つをtkmからtkn(tkn>tkm)までの複数の日に反復し、それぞれの反復について、
・前記日付tknと日付tkmとの間の少なくとも1つの期間内の前記第1のフォルダ、第2のフォルダ、及び第3のフォルダのデータを比較し、第2の計算手段(MOD2)によって前記データの変化を明らかにするステップと、
・期間ごとに1つの第4のフォルダを用いて、前記変化を前記個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtknに関連する少なくとも1つの第4のフォルダ(Donnees_EvoCalcul(λ,#k,tkn))内に記憶するステップと、
・第4のフォルダごとに、前記色素異常症のスナップショットを定める、前記個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtknを有する第5のフォルダ(IDDP(λ,#k,tkn))へとtknに関連する前記第1のフォルダ、第2のフォルダ、第3のフォルダ、及び第4のフォルダをグループ化するステップと、
・前記色素異常症の動的プロファイルを定める、前記個人(λ)及び前記色素異常症(#k)を有する第6のフォルダ(PDDP(λ,#k))へと前記第5のフォルダを集約するステップと、
-先の前記ステップを反復して前記個人(λ)の他のそれぞれの色素異常症(#k)に関する第6のフォルダ(PDDP(λ,#k))を得るステップと、
-前記第6のフォルダを集約する、前記個人(λ)の色素異常症のナレッジベース(BCDP(λ))を前記個人(λ)について生成するステップと
を含む、個人(λ)の皮膚の色素異常症を特徴付けるための方法。
【請求項2】
前記パラメータが前記2D画像から計算され、少なくとも非対称性、境界、色、直径であることを特徴とする、請求項1に記載の個人(λ)の皮膚の色素異常症を特徴付けるための方法。
【請求項3】
前記パラメータが前記再構築済み3D画像から計算され、3Dアイソデンシティ、ボリューム直径、皮表上の厚さ、深さ、ルートの数、前記深さの不規則さ、前記皮膚上の領域、前記3Dアイソデンシティ内に含まれるボクセルのボリュームを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の個人(λ)の皮膚の色素異常症を特徴付けるための方法。
【請求項4】
-それぞれの色素異常症(60,#k)について、
●日付tkmにおいて、
・色素異常症の2D画像(S1)を日付tkmにおいて及び複数の視角(θ)から取得し、処理済みの2D画像(S2)から少なくとも1つの3D画像(S3)を再構築するステップと、
・前記2D画像及び3D画像を個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtkmに関連する第1のフォルダ(Donnees_2Dθ3D(λ,#k,tkm))内に記憶するステップと、
・前記2D画像及び3D画像から前記色素異常症の既定のパラメータをシステムの第1の計算手段(MOD1)によって計算し、前記パラメータを前記個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtkmに関連する第2のフォルダ(Donnees_ParaCalcul(λ,#k,tkm))内に記憶するステップと、
・前記パラメータの評価を取得し、前記評価を前記個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtknに関連する第3のフォルダ(Donnees_ParaExpert(λ,#k,tkm))内に記憶するステップと、
●先の4つの前記ステップの少なくとも1つをtkmからtkn(tkn>tkm)までの複数の日に反復し、それぞれの反復について、
・前記日付tknと日付tkmとの間の少なくとも1つの期間内の前記第1のフォルダ、第2のフォルダ、及び第3のフォルダのデータを比較し、前記システムの第2の計算手段(MOD2)によって前記データの変化を明らかにするステップと、
・期間ごとに1つの第4のフォルダを用いて、前記変化を前記個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtknに関連する少なくとも1つの第4のフォルダ(Donnees_EvoCalcul(λ,#k,tkn))内に記憶するステップと、
・第4のフォルダごとに、前記色素異常症のスナップショットを定める、前記個人(λ)、前記色素異常症(#k)、及びtknを有する第5のフォルダ(IDDP(λ,#k,tkn))へとtknに関連する前記第1のフォルダ、第2のフォルダ、第3のフォルダ、及び第4のフォルダをグループ化するステップと、
・前記色素異常症の動的プロファイルを定める、前記個人(λ)及び前記色素異常症(#k)を有する第6のフォルダ(PDDP(λ,#k))へと前記第5のフォルダを集約するステップと、
-先の前記ステップを反復して前記個人(λ)の他のそれぞれの色素異常症(#k)に関する第6のフォルダ(PDDP(λ,#k))を得るステップと、
-前記第6のフォルダを集約する、前記個人(λ)の色素異常症のナレッジベース(BCDP(λ))を前記個人(λ)について生成するステップと
を実装するようにプログラムされるプロセッサを含む、個人(λ)の皮膚の色素異常症を特徴付けるためのシステム。
【請求項5】
前記パラメータが前記2D画像から計算され、少なくとも非対称性、境界、色、及び直径であることを特徴とする、請求項4に記載の個人(λ)の皮膚の色素異常症を特徴付けるためのシステム。
【請求項6】
前記パラメータが前記再構築済み3D画像から計算され、3Dアイソデンシティ、ボリューム直径、皮表上の厚さ、深さ、ルートの数、前記深さの不規則さ、前記皮膚上の領域、前記3Dアイソデンシティ内に含まれるボクセルのボリュームを更に含むことを特徴とする、請求項4に記載の個人(λ)の皮膚の色素異常症を特徴付けるためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の色素異常症の外的進行及び内的進行を二次元(2D)及び三次元(3D)内で特徴付けし、評価するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の色素異常症(あざ、良性病変、悪性病変、癌腫、黒色腫等)を評価するために、皮膚科学的技法はABCDと呼ばれる基準に基づく。従って色素異常症は、
-その非対称性(A)、
-その境界(B)、
-その色(C)、
-その直径(D)
によって特徴付けられる。
【0003】
加えて、皮膚科医は可視イメージング分野における二次元イメージング技法を使用して色素異常症の厚さの不均一性を評価しようと試みる。
【0004】
皮膚科医にとっての課題は疑わしい「あざ」をできるだけ早期に識別し、新たな症候学を発展させることである。
【0005】
大規模なデータベースを構築し、専門家システムを用いた色素パッチの分類における更なる手段を取るために、主にオーストラリア、米国、及びドイツの幾つかの研究センタ及び病院が協力している。励まされる結果にもかかわらず、この手法は往々にして校正されていない二次元カラー画像に限定された取得に悩まされ、それに関する全てのことがこの手法を特異度及び感度に関して不十分であり続けると思わせる。
【0006】
(例えばYanal Wazaefi, Caroline Marqueste, Giovanni Pellacani, Luc Thomasによる刊行物“Evidence of a Limited Infra-Individual Diversity of Nevi: Intuitive Perception of Dominant Clusters Is a Crucial Step in the Analysis of Nevi by Dermatologists”, Journal of Investigative Dermatology, April 2013、又はRene-Jean Bensadoun, Jean Krutmann, Philippe G Humbert, Thomas Lugerによる“Algorithm for dermocosmetic use in the management of cutaneous sideeffects associated with targeted therapy in oncology”, Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology, February 2013に記載されているような)色素異常症の性状を予測評価するためのモデルは二次元パラメータに限定されており、予測解析を可能にする正確な三次元イメージングを必要とする、色素異常症の深さ、ボリューム、厚さ、及び表面粗度を反映する次元を取り入れない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的はこれらの欠点を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
より正確には、本発明の主題は、
-それぞれの色素異常症について、
〇日付tkmにおいて、
・色素異常症の2D画像を複数の角度から取得し、少なくとも1つの3D画像を再構築するステップと、
・前述の画像を第1のフォルダ内に記憶するステップと、
・前述の画像から色素異常症のパラメータを計算し、第2のフォルダ内に記憶するステップと、
・前述のパラメータを評価し、第3のフォルダ内に記憶するステップと、
〇先の4つのステップの少なくとも1つを複数の日に反復し、それぞれの反復について、
・少なくとも1つの期間内のデータを比較し、変化を明らかにするステップと、
・期間ごとに1つの第4のフォルダ内に記憶するステップと、
・第4のフォルダごとに、色素異常症のスナップショットを定める第5のフォルダへとフォルダをグループ化するステップと、
・色素異常症の動的プロファイルを定める第6のフォルダへと第5のフォルダを集約するステップと、
-先のステップを反復して他のそれぞれの色素異常症に関する第6のフォルダを得るステップと、
-第6のフォルダを集約する、個人の色素異常症のナレッジベースを個人について生成するステップと
を含む、個人の皮膚の色素異常症を特徴付けるための方法である。
【0009】
本発明による方法は、複数のデータフィールドを含む個人の色素異常症のナレッジベースBCDP(λ)を個人λについて生成できるようにする。
【0010】
本発明の別の主題は、
-それぞれの色素異常症について、
〇日付tkmにおいて、
・色素異常症の2D画像を日付tkmにおいて及び複数の視角から取得し、前述の処理済みの2D画像から少なくとも1つの3D画像を再構築するステップと、
・前述の2D画像及び3D画像を個人、色素異常症、及びtkmに関連する第1のフォルダ内に記憶するステップと、
・前述の2D画像及び3D画像から色素異常症の既定のパラメータをシステムの第1の計算手段によって計算し、前述のパラメータを個人、色素異常症、及びtkmに関連する第2のフォルダ内に記憶するステップと、
・前述のパラメータの評価を取得し、前述の評価を個人、色素異常症、及びtknに関連する第3のフォルダ内に記憶するステップと、
〇先の4つのステップの少なくとも1つをtkmからtkn(tkn>tkm)までの複数の日に反復し、それぞれの反復について、
・日付tknと日付tkmとの間の少なくとも1つの期間内の第1のフォルダ、第2のフォルダ、及び第3のフォルダのデータを比較し、システムの第2の計算手段によって前述のデータの変化を明らかにするステップと、
・期間ごとに1つの第4のフォルダを用いて、変化を個人、色素異常症、及びtknに関連する少なくとも1つの第4のフォルダ内に記憶するステップと、
・第4のフォルダごとに、色素異常症のスナップショットを定める、個人、色素異常症、及びtknを有する第5のフォルダへとtknに関連する第1のフォルダ、第2のフォルダ、第3のフォルダ、及び第4のフォルダをグループ化するステップと、
・色素異常症の動的プロファイルを定める、個人及び色素異常症を有する第6のフォルダへと第5のフォルダを集約するステップと、
-先のステップを反復して個人の他のそれぞれの色素異常症に関する第6のフォルダを得るステップと、
-第6のフォルダを集約する、個人の色素異常症のナレッジベースを個人について生成するステップと
を実装するようにプログラムされるプロセッサを含む、個人の皮膚の色素異常症を特徴付けるためのシステムである。
【0011】
非限定的な例として、及び添付図面を参照しながら示す以下の詳細な説明を読めば本発明の他の特徴及び利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1a】個人λの色素異常症のナレッジベースBCDP(λ)のコンテンツの概略的表現である。
【
図2a】皮膚の色素異常症をイメージングするためのシステムの概略的表現である。
【
図2b】このイメージングシステムの2D画像を取得するための装置の一例の縦断面図による概略的表現である。
【
図3】個人λの日付tknにおける色素異常症#kに関係するデータを含む第1のフォルダDonnees_2Dθ3D(λ,#k,tkn)のコンテンツを概略的に示す。
【
図4a】個人λの日付tknにおける色素異常症#kに関係するデータを含む第2のフォルダDonnees_ParaCalcul(λ,#k,tkn)のコンテンツを概略的に示す。
【
図4b】第1のフォルダDonnees_2Dθ3D(λ,#k,tkn)及び第2のフォルダDonnees_ParaCalcul(λ,#k,tkn)の生成を概略的に示す。
【
図5】個人λの日付tknにおける色素異常症#kに関係するデータを含む第3のフォルダDonnees_ParaExpertMetier(λ,#k,tkn)のコンテンツを概略的に示す。
【
図6a】個人λの日付tknにおける色素異常症#kに関係するデータを含む第4のフォルダDonnees_EvoCalcul(λ,#k,tkn)のコンテンツを概略的に示す。
【
図6b】データのこの第4のフォルダDonnees_EvoCalcul(λ,#k,tkn)の生成を概略的に示す。
【
図7】個人λの日付tknにおける色素異常症#kに関する色素異常症のスナップショットに対応する第5のフォルダIDDP(λ,#k,tkn)のコンテンツの概略的表現である。
【
図8】個人λの色素異常症#kに関する色素異常症の動的プロファイルに対応する第6のフォルダPDDP(λ,#k)のコンテンツの概略的表現である。
【
図9】色素異常症のグローバルナレッジベースである(BCGDP)の概略的表現である(BCGDPはBase de Connaissances Globale des Desordres Pigmentaires[色素異常症のグローバルナレッジベース]というフランス語表現の頭字語である)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
全ての図面において同じ要素を同じ参照記号で示している。
【0014】
本発明による方法は、個人λの色素異常症のナレッジベースBCDP(λ)を個人λについて生成できるようにし、
図1a及び
図1bに示すようにこのベースは複数のデータフィールドを含み、各フィールドは個人λについて識別されている1つの色素異常症#kに充てられ、k={1,2,...,K}であり、Kは個人λの色素異常症の数である。
【0015】
より正確には、個人λの色素異常症を特徴付けるための方法は、色素異常症60(又は#k)ごとに以下のステップを含む。
【0016】
色素異常症の2D画像を日付tkmにおいて複数の視角θから取得し、逆ラドン変換に基づく反射トモグラフィー型のアルゴリズム的方法により、それらの取得済みの2D画像から少なくとも1つの3D画像を再構築するステップ。この画像の取得及び再構築のために、
図2a及び
図2bに関して記載する色素異常症をイメージングするためのシステムを好ましくは使用する。かかるシステムは、
-表皮及び真皮内に波が浸透することを可能にするために最適化される光源の少なくとも1つのエミッタであって、前述の異常症60を照らすように構成される、エミッタと、
-1組のレシーバであって、(この又は)これらのエミッタ及びレシーバは可視、赤外線(IR)、及び近IR線域内で及び/又は第1の治療範囲(0.65μm~0.95μm)及び第2の治療範囲(1μm~1.35μm)内で動作しており、
図2bに示すようにエミッタ及びレシーバはエミッタ-レシーバ3にまとめることができる、1組のレシーバと、
-視角ごとに少なくとも1つの画像を得るためにレシーバを少なくとも2つの視角θiに配置するための手段であって、それらのレシーバは半径rの球状キャップ上に分散され、それらの配置手段は
図2bに示すようなレール2とすることができ、レール2上にはエミッタ-レシーバ3(又は様々なPnの位置においてレール2上をスライドする1つのエミッタ-レシーバ3)が固定位置Pnに配置される、配置するための手段と、
-レセプタを色素異常症60に向けるためにレセプタを配置するための窓を含む、取得装置及びオペレータ50を保護するための構造1であって、皮膚上に配置されることを意図し、配置窓を除き不透明な外面を有し、
図2bに示すように窓は拡大鏡4を備え得る、構造1と
を含み、
図2aから見て取れるように、
-取得した2D画像S1を処理するためのユニットBであって、処理済みの2D画像S2から再構築済み3D画像S3を得るための反射的なラドン変換に基づく3D再構築モジュールを更に含む、ユニットBと、
-2D処理済み画像を表示するための手段D1及び再構築済み3D画像を表示するための手段D3を含む表示手段と
を更に含む、画像を取得するための装置Aを含む。
当然ながら、米国特許第8,836,762号明細書「Optronic system and method dedicated to identification for formulating three-dimensional Images」に記載されているような別の2D及び3Dイメージングシステム又は立体3D再構築システムを使用することができる。
それらの2D画像及び3D画像から、この方法は以下のステップを含む:
【0017】
個人λ、色素異常症#k、前述の視角θ、及び(例えば最後の視角を用いて取得された画像の日付である)日付tkmに関連する第1のフォルダ「Donnees_2Dθ3D(λ,#k,tkm)」内に2D(取得済み)及び3D(再構築済み)画像を記憶するステップ。従って、
図3に示すこの第1のフォルダは以下を含む:
-日付tkm且つ角度θki(i={1,2,...,I}、Iは取得された画像の数)において取得された色素異常症#kの2D画像、
-及び日付tkmの色素異常症#kのそれらの2D画像から再構築された3D画像(λ,#k,tkm)。
【0018】
2D画像及び/又は3D画像から色素異常症#kの既定のパラメータを本発明によるシステムの第1の計算手段MOD1によって計算し、そのパラメータを個人λ、色素異常症#k、及び日付tkmに関連する
図4a及び
図4bに示す第2のフォルダ「Donnees_ParaCalcul(λ,#k,tkm)」内に記憶するステップ。第2のファイルDonnees_ParaCalcul(λ,#k,tkn)のパラメータは、例えば下記のものである:
-非対称性(ParaCalculA):色素異常症の直角ビューの非対称性の程度であり、その情報源は色素異常症#kと直角に撮られる2D画像である。
-境界(ParaCalculB):直角ビューについて計算される平均輪郭に対する色素異常症の輪郭の不規則さ(ずれ)であり、その情報源は色素異常症#kと直角に撮られる画像である。
-色(ParaCalculC):直角ビューの有彩色解析から生じる色であり、その情報源は色素異常症#kと直角に撮られる2D画像である。
-平面直径(ParaCalculD):直角ビュー内の色素異常症を包含する円の直径であり、その情報源は色素異常症#kと直角に撮られる2D画像である。
-三次元表面によって描出されるボリュームを得ることを可能にする色素異常症の3Dアイソデンシティ(3D isodensity)であり、その情報源は日付tknにおける色素異常症#kの再構築済み3D画像である。
-ボリューム直径:色素異常症#kの3Dボリューム全体を包含する球の直径である。
-色素異常症#kの3D画像の主縦断面内で計算される色素異常症#kの皮表上の厚さ。
-色素異常症#kの3D画像の主縦断面内で計算される色素異常症の皮表からの深さ。
-色素異常症の皮表からの深さ方向のルート(root)の数であり、その情報源は色素異常症#kの3D画像である。
-色素異常症の皮表からの深さの不規則さであり、その情報源は色素異常症#kの3D画像である。
-色素異常症#kによって覆われる皮膚上の領域であり、その情報源は色素異常症#kの3D画像である。
-色素異常症の3Dアイソデンシティ内に含まれるボクセルのμm
3単位のボリューム。
ユーザは関心のある独自のパラメータを抽出するために色素異常症の3D画像内に独自の解析断面を定めることができる。
【0019】
計算されたパラメータを専門家に評価させ、評価済みのパラメータを
図5に示す関連する第3のフォルダ「Donnees_ParaExpert(λ,#k,tkm)」内に記憶するステップ。これらのパラメータを評価する専門家は医師又はこの分野で認識されているシステム専門家である。
【0020】
先の4つのステップの少なくとも1つをtkmからtkn(tkn>tkm)までの複数の日に反復し、こうして3つの(第1の、第2の、及び第3の)フォルダの少なくとも1つが反復の回数の分だけ得られる。概して4つのステップが反復され、3つの新たなフォルダが得られる。
【0021】
それぞれの反復について、本発明によるシステムの第2の計算手段MOD2により日付tknと日付tkmとの間の少なくとも1つの期間内の第1のフォルダ、第2のフォルダ、及び第3のフォルダのデータを比較し、第1のフォルダ、第2のフォルダ、及び第3のフォルダ内のそれらのデータ(2D画像、3D画像、現在の様々なパラメータ等のパラメータ、非対称性、境界、色等)の変化を明らかにするステップ、並びに
図6a及び
図6bに示す第4のフォルダ「Donnees_EvoCalcul(λ,#k,tkn)」内に前述のデータの変化を記憶するステップ。
【0022】
比較を計算し、色素異常症の変化を明らかにするための手段MOD2は、例えばユーザ(医師ではないオペレータ又は医師)が
-日付tkm及び日付tknにおける色素異常症#kの領域の寸法並びに表面及びボリュームの不規則さを3D画像によって比較すること、
-日付tkm及び日付tknにおける色素異常症#kの計算済みパラメータ、つまり非対称性、境界、色、(平面及びボリューム)直径、皮膚上の厚さ、皮表からの深さ、皮表からの深さ方向のルートの数、深さの厚さの不規則さ、及び覆われた皮膚上の領域を比較すること、
-その分野の専門家によって評価された、日付tkm及び日付tknにおける同じ色素異常症#kに関するパラメータA、B、C、及びDを比較すること、
-例えば同じ視角で撮影した2D画像の比較、又は3Dボリュームにおける断面の比較、又は他の任意の特定の比較要素等、異なる日付tkm及びtknにおける同じ色素異常症#kの他の特定の比較要素を定めること
を可能にする。
-進行の識別は、例えば「変化なし」又は「陽性進行」等である。
【0023】
次いで、
図7に示す個人λの日付tknにおける色素異常症#kのスナップショットを表す第5のフォルダ「IDDP(λ,#k,tkn)」へとtknに関連する4つのフォルダをグループ化するステップ。
【0024】
計算手段MOD2は対話型であり、即ちユーザ(医師ではないオペレータ又は医師)はMOD2と対話することができ、tkmとtknとの間で選択される進行期間(全期間又は部分的期間)に応じて様々な第4のフォルダを同じ色素異常症#kについて作成することが可能になる。とりわけ、日付tkmと日付tknとの間の同じ色素異常症#kの比較は下記に基づき得る:
1.n=m+1である場合は漸進的ユニタリ変化、及び/又は
2.n>m+1である場合は任意の変化、及び/又は
3.nが色素異常症の最後の日付に対応し、mが色素異常症の最初の日付に対応する場合は全体的な変化。
【0025】
その結果、一方で反復の数だけ、他方でtknとtkmとの間の様々な進行期間の数だけ第5の瞬時的フォルダ「IDDP(λ,#k,tkn)」が少なくともある。
【0026】
従って個人λ及び色素異常症#kについて、日付tknにおける色素異常症のスナップショットIDDP(λ,#k,tkn)に関して可能な状況は下記の通りであり得る:
-部分的な状況1:2D画像及び3D画像が日付tknに撮られる;この場合、第1のフォルダData_2Dθ3D(λ,#k,tkn)が自動で生成され、第2のフォルダDonnees_ParaCalcul(λ,#k,tkn)が色素異常症のパラメータを計算するための手段MOD1によって生成される。計算手段MOD2は、少なくとも1つの過去のフォルダDonnees_EvoCalcul(λ,#k,tkm)がある場合に第3のフォルダDonnees_EvoCalcul(λ,#k,tkn)の生成を可能にする。
-部分的な状況2:2D画像及び3D画像が日付tknに撮られず、従って第2のフォルダDonnees_ParaCalcul(λ,#k,tkn)と同様にDonnees_2Dθ3D(λ,#k,tkn)のフォルダは空だが、この日付tknにおいて色素異常症#kがこの分野の専門家によって評価される場合は第3のフォルダDonnees_ParaExpertMetier(λ,#k,tkn)が生成され、それを受けてモジュールMOD2は、少なくとも1つの過去の第3のフォルダDonnees_ParaExpertMetier(λ,#k,tkm)がある場合に第4のフォルダDonnees_EvoCalcul(λ,#k,tkn)を生成する。
-完璧な状況:2D画像及び3D画像が日付tknに撮られ、この日付tknにおいてこの分野の専門家によって評価が行われる。この場合、4つのフォルダの全てDonnees_2Dθ3D(λ,#k,tkn)、Donnees_ParaCalcul(λ,#k,tkn)、Donnees_ParaExpertMetier(λ,#k,tkn)、及びDonnees_EvoCalcul(λ,#k,tkn)が生成される。
【0027】
他の等価の状況もあり得る。
【0028】
図8に示す個人λの色素異常症#kの動的プロファイルを表す第6のフォルダ「PDDP(λ,#k)」へとこれらのIDDP(λ,#k,tkn)は集約される。
【0029】
先のステップは、個人の他のそれぞれの色素異常症に対して反復される。その後、他のそれぞれの色素異常症について個人λの色素異常症の動的プロファイルが得られる。
【0030】
次いで、
図1bに既に示しているように、第6のフォルダ、即ち個人λの色素異常症ごとの動的プロファイルを集約し、個人λの色素異常症のナレッジベース「BCDP(λ)」を個人λについて生成することができる。従来のベースに対するこのBCDP(λ)ベースの利点の1つは、MIP型(MIPは最大値投影:maximum intensity projectionの頭字語である)のスライス又は表現により色素異常症の3D画像を通して色素異常症の内部を見ることができることであり、そのことは以下で定める色素異常症のグローバルナレッジベースから確立される1組の予測方程式を使用して専門家が色素異常症の漸進的性状を定量化することを可能にし得る。
【0031】
図9に既に示しているように、色素異常症のグローバルナレッジベース(BCGDP)は複数の個人{λ1,λ2,...,λp}の色素異常症のナレッジベースBCDP(λ)を集約することによって作成することができ、pはベース内の個人の数である。
【0032】
非限定的な例として、複数の個人の色素異常症のナレッジを色素異常症のグローバルナレッジベースに集約することは、年齢層、性別、地理的位置等の選択基準に関連する。
【0033】
この色素異常症のグローバルナレッジベースは、例えば変化の二次元又は三次元パラメータ及び粗度パラメータに基づき、グローバル統計解析、(カプラン-マイヤ-型の単変量解析及びコックスモデル型の多変量解析から得られる代表的な記述子に基づく)予測方程式の確立に寄与し、例えば深層学習等の先端技術を用いて自動評価を行う目的で入力ベースとして使用することもできる。
【0034】
本発明による方法は、皮膚疾患又は皮下疾患を早期発見するために生物医学分野に主に適用される。
【0035】
別の応用例は、歯肉線及び歯根管の内的変化をモニタする必要がある歯列矯正である。
【国際調査報告】