IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティドの特許一覧

特表2022-514418燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法
<>
  • 特表-燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法 図1
  • 特表-燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法 図2
  • 特表-燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法 図3
  • 特表-燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法 図4
  • 特表-燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法 図5
  • 特表-燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法 図6
  • 特表-燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(54)【発明の名称】燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/24 20190101AFI20220203BHJP
   F02M 37/26 20190101ALI20220203BHJP
【FI】
F02M37/24
F02M37/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535774
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(85)【翻訳文提出日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 US2018067194
(87)【国際公開番号】W WO2020131107
(87)【国際公開日】2020-06-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ラッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ネイピア
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ブラウス
(72)【発明者】
【氏名】ケビン クレスウェル
(57)【要約】
本明細書に記載されているのは、燃料タンク及び他の容器の液相分離のためのシステム及び方法である。特に、本開示の態様は、背圧調整器の上流の混合物の圧力が所定の設定値を超えたときに開くように構成された背圧調整器、及び、前記背圧調整器の上流及び第一の導管の下流にある疎水性膜に関する。所定の設定値は、少なくとも疎水性膜のバブル点圧力によって決定することができる。さらに、背圧調整器は、第一の導管にその下流に流体的に接続され、そして、第一の導管にその上流に動作可能に接続されている少なくとも1つのポンプに流体的に接続され、疎水性膜は、第二の導管にその上流に流体的に接続されることができる。背圧調整器は、第三の導管にその上流に流体的に接続され、そして第三の導管は第一の導管の下流にあることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背圧調整器、及び、
前記背圧調整器の上流にありそして第一の導管の下流にある疎水性膜、
を含む、アセンブリであって、
前記背圧調整器は、背圧調整器の上流の混合物の圧力が所定の設定値を超えると、開くように構成されており、
前記混合物は有機相液体及び水相を含み、
前記所定の設定値は、少なくとも前記疎水性膜のバブル点圧力によって決定され、
前記背圧調整器は、前記第一の導管にその下流に流体的に接続され、そして前記第一の導管にその上流に動作可能に接続されている少なくとも1つのポンプに流体的に接続されるように構成されており、
前記疎水性膜は、第二の導管にその上流に流体的に接続されるように構成され、そして前記第二の導管は、前記有機相液体を前記疎水性膜の下流に輸送するように構成されており、そして、
前記背圧調整器は、第三の導管にその上流に流体的に接続されるように構成され、前記第三の導管は、前記第一の導管の下流に構成されており、前記第三の導管は、水を前記背圧調整器の下流に輸送するように構成されている、アセンブリ。
【請求項2】
前記所定の設定値は、前記疎水性膜のバブル点圧力と前記疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記疎水性膜の決定気流は0.92フレイジャー~40フレイジャーである、請求項2記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記疎水性膜の決定バブル点圧力は20.9psi~500psiである、先行の請求項のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第二の導管は、清浄燃料収集容器に流体的に接続されている、先行の請求項のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第二の導管は前記混合物のための容器に流体的に接続され、それによってろ過された燃料が前記容器に戻される、請求項1~4のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記容器は、燃料タンク、燃料フィルタハウジング及び燃料供給システムからなる群より選ばれる、請求項6記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記有機相液体は燃料、バイオ燃料及び絶縁油からなる群より選ばれる、先行の請求項のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記背圧調整デバイスは逆止弁を含む、先行の請求項のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記背圧調整デバイスはダイヤフラム弁を含む、先行の請求項のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成されている、先行の請求項のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記膜はePTFEから形成されている、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記背圧調整器は、タンク、ポンプ又はハウジングのうちの1つに統合されている、先行の請求項のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記水相は非溶解水である、先行の請求項のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項15】
有機相液体及び水相を含む混合物を受け入れるように構成された容器、
前記容器を疎水性膜に流体的に接続する第一の導管、
前記第一の導管にその上流に動作可能に接続されている少なくとも1つのポンプ、
前記疎水性膜にその下流に流体的に接続された第二の導管、
前記第一の導管の下流にありそして前記疎水性膜の上流にある第三の導管、
前記第三の導管にその上流に流体的に接続され、そして前記第一の導管にその下流に流体的に接続された背圧調整器、
を含む、システムであって、
前記少なくとも1つのポンプは、混合物を前記容器から前記第一の導管を介して前記疎水性膜に輸送するように構成されており、
前記背圧調整器は、背圧調整器の上流の混合物の圧力が所定の設定値を超えると開くように構成されており、
前記所定の設定値は、少なくとも前記疎水性膜のバブル点圧力によって決定される、システム。
【請求項16】
前記所定の設定値は、前記疎水性膜のバブル点圧力と前記疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される、請求項13記載のシステム。
【請求項17】
前記疎水性膜の決定気流は0.92フレイジャー~40フレイジャーである、請求項14記載のシステム。
【請求項18】
前記疎水性膜の決定バブル点圧力は20.9psi~500psiである、請求項13、14又は15のいずれか1項記載のシステム。
【請求項19】
有機相液体及び水相を含む混合物を含む容器を排液するための方法であって、
背圧調整器及び前記背圧調整器の上流の疎水性膜を含むフィルタハウジングに前記混合物を輸送すること、
前記混合物の圧力が所定の設定値に達したときに、前記疎水性膜の下流で前記背圧調整器を開くこと、
前記水相を前記疎水性膜から離れて前記背圧調整器を通して輸送し、それによって前記水相を前記有機相液体から分離すること、
前前記疎水性膜を通して記有機相液体を前記フィルタハウジングの下流に輸送すること、及び、
前記フィルタハウジングの下流で前記有機相液体を収集すること、
を含む、方法。
【請求項20】
前記収集工程は、前記有機相液体を清浄燃料収集容器に輸送することを含む、請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記収集工程は、前記有機相液体を前記容器に戻すことを含む、請求項17記載の方法。
【請求項22】
前記背圧調整器の所定の設定値は、少なくとも前記疎水性膜のバブル点圧力によって決定される、請求項17記載の方法。
【請求項23】
前記所定の設定値は、前記疎水性膜のバブル点圧力と前記疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される、請求項20記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、一般に、液相分離の分野、より具体的には、燃料タンク及び他の容器のための液相分離システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
液体炭化水素燃料中の水の存在は幾つかの問題を引き起こす。低温において、水は凍結して燃料供給ラインを塞ぐことがある。水は金属部品を腐食させることがある。高圧コモンレール燃料供給システムにおいて、水は摩滅及び摩耗を引き起こすことがある。微生物の増殖は、遊離水が存在する際に起こり、燃料フィルタを閉塞し、酸性条件を作り出すことがあり、その酸性条件は金属部品を腐食させ、燃料タンク内にあるポンプ及び燃料計における電気接続を弱める。
【0003】
燃料中の水質汚染は3つの形態で起こりうる。遊離水は、密度が高いために、燃料タンク、燃料フィルタハウジング及び燃料供給ラインの底に溜まって沈降するバルク水である。乳化水は、燃料及び水が非混和であるために、バルク燃料に懸濁した小さな水滴であり、水滴が十分に大きいか、又は、十分な時間がない限り、燃料を含む容器の底に沈降することができない。溶解水は、燃料の溶解限度までバルク燃料に存在する分子水である。
【0004】
燃料は、幾つかの経路を通って水で汚染されるようになる。水は、充填ポート及びベントからタンクに入ることができる。タンク内の結露は、遊離水として蓄積することができる。溶解水は、温度が下がると溶液から出て、遊離水として溜まる低い点に沈降することができ、これは、温度が上昇しても溶液に戻らない。
【0005】
燃料から水汚染物を除去するために一般的に使用される幾つかの方法がある。沈降は重力及び時間を利用して、遊離水及び乳化水を、燃料を含む容器の底に溜め、次いでそれを排液することができる。遠心分離機は、資本集約的な機械的に複雑なシステムであり、遠心力によって水が外方に移動するように燃料を回転させることによって沈降を加速させ、そこで水を遊離水として収集し、それを分離することができる。コアレッサーは、典型的に、親水性の不織布ろ過媒体を使用して乳化液滴のサイズを大きくし、ろ過ハウジングの底に沈降させるのに十分な大きさになる。バリアセパレータは、疎水性のろ過媒体を使用して、遊離水及び乳化水をブロックし、その結果、液滴はろ過ハウジングの底に沈降する。吸着剤は、吸着剤が飽和するまで燃料流から水を除去する。
【0006】
液体炭化水素燃料を使用するすべての産業及び用途において、燃料の貯蔵及び燃料からの水汚染物の除去は、燃料閉じ込め容器の底部に遊離水の溜めを発現させる可能性をもたらし、その溜めは定期的に排液されなければならない。乗物載置又は静置のいずれの場合でも、燃料貯蔵タンク、燃料ろ過ハウジング及び燃料供給ラインはすべて、低い点に遊離水を蓄積する可能性がある。
【0007】
燃料システムの低い点から遊離水を除去するための一般に2つの方法が存在し、排液及びポリッシングである。排液において、燃料閉じ込め容器の底にあるポートを開き、水が完全になくなるまで水を容器から流出させ、次いで、ポートを閉じる。排液は手動で行うことができ、又は、電子センサ又はフロートセンサ及び電子的に作動するシャットオフバルブを使用して自動で行うことができる。ポリッシングにおいて、燃料閉じ込め容器の内容物は、主容器から水を除去し、二次容器又は吸着剤中に水を集めるポリッシングフィルタを含む外部ポンプシステムを介して再循環される。
【0008】
手動排液には3つの欠点がある。排出される液体が燃料であるか又は水であるかを評価する通常の方法は視覚検査であり、これらの液体は類似した外観を持つことがあるので、水が完全に排出された時を知ることが困難であり、一部の水が容器に残っている可能性、又は、一部の燃料が不必要に排出される可能性が生じることがある。排液が水か又は燃料かを継続的にチェックする必要があるために、このプロセスは労働集約的である可能性がある。また、排液は使用できない廃棄物であるため、排液中に存在する燃料はすべて失われる。自動化を追加することでこれらの問題に対処することができるが、センサ及びバルブの購入及び設置、ならびに継続的なメンテナンス及び校正のコストを追加する。さらに、電子センサは、濁度、導電率、静電容量などの代理特性を監視し、電気ノイズ又は漏電による干渉を受けやすく、信頼性の低いインジケータになる可能性がある。ポリッシングシステムにも同様の欠点がある。
【0009】
これらの欠点に苦しむ用途の1つの例は、航空機の燃料タンクからの水底の日常的な排液である。通常の手順は、航空機の燃料タンク底から1~4リットルの液体を手動で排液することであり、一般に、毎週行われる。幾つかの例において、オペレータは各タンクから1~4リットルを排液し、排液されたのが水か又は燃料かを確認しない。その他の例において、オペレータは各タンクから1~4リットルを排液し、食品着色料を添加することにより、排液が水か又は燃料かを確認する。排出された液体が水であるならば、燃料に到達するまで、追加の液体は排出される。いずれの例においても、排出された液体は廃棄物として廃棄され、燃料を回収しようとしない。世界中で20,000機を超える商用ジェット機が稼働していると評価されており、そのほとんどは、一般に毎週、少なくとも1~4リットルが排出される少なくとも3つのタンクを備えている。
【0010】
タンクの排液に関連する満たされていないニーズを有する用途の別の例は、空港の飛行機に燃料を供給するために使用される給油トラックの燃料フィルタハウジングである。吸着剤フィルタの代わりに水バリアフィルタを使用すると、それらのハウジングの底に水が集まる。ハウジングには排液ポートがあるが、水を保持する吸着剤と一緒に使用することが意図されているため、簡単に排液できるようには設計されていない。これらのハウジングは、通常毎日排液されるが、排液される液体が水であるか又は燃料であるかを視覚的に確認するだけである。吸着剤フィルタの代わりに水バリアフィルタを使用できるようにするには、これらのハウジングを容易に排液する方法が必要である。
【0011】
したがって、燃料タンクの排液及びポリッシングを改善する必要性が残っている。本発明の特性及び利点は、以下の開示を読むときに当業者に明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0012】
要約
網羅される実施形態は、この要約ではなく、特許請求の範囲によって規定される。この要約は、様々な態様の高レベルの概要であり、以下の「詳細な説明」セクションでさらに記載される幾つかの概念を紹介する。この要約は、特許請求された主題の重要な又は本質的な特徴を特定することが意図されておらず、また、特許請求された主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図されていない。主題は、明細書全体、ありとあらゆる図面及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0013】
本開示の例示的な実施形態は、背圧調整器を含むアセンブリに関する。背圧調整器は、背圧調整器の上流の混合物の圧力が所定の設定値を超えると開くように構成されている。アセンブリはまた、背圧調整器の上流及び第一の導管の下流に疎水性膜を含み、ここで、混合物は有機相液体及び水相を含み、所定の設定値は少なくとも疎水性膜のバブル点圧力によって決定される。背圧調整器は、第一の導管にその下流に流体的に接続され、そして第一の導管にその上流に動作可能に結合された少なくとも1つのポンプに流体的に接続されるように構成されている。疎水性膜は、第二の導管にその上流に流体的に接続されるように構成されている。第二の導管は、疎水性膜の下流に有機相液体を輸送するように構成されている。背圧調整器は、第三の導管にその上流に流体的に接続されるように構成されており、第三の導管は、第一の導管の下流にあるように構成されている。第三の導管は、背圧調整器の下流に水を輸送するように構成されている。
【0014】
1つの実施形態において、所定の設定値は、疎水性膜のバブル点圧力と疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される。
【0015】
1つの実施形態において、疎水性膜の決定気流は0.92フレイジャー~40フレイジャーである。
【0016】
1つの実施形態において、疎水性膜の決定バブル点圧力は20.9psi~500psiである。
【0017】
1つの実施形態において、第二の導管は、清浄な燃料収集容器に流体的に接続されている。
【0018】
1つの実施形態において、第二の導管は、混合物用の容器に流体的に接続され、それによって、ろ過された燃料は容器に戻される。
【0019】
1つの実施形態において、容器は、燃料タンク、燃料フィルタハウジング及び燃料供給システムからなる群より選ばれる。
【0020】
1つの実施形態において、有機相液体は、燃料、バイオ燃料及び絶縁油からなる群より選ばれる。
【0021】
1つの実施形態において、背圧調整デバイスは逆止弁を含む。
【0022】
1つの実施形態において、背圧調整デバイスはダイヤフラム弁を含む。
【0023】
1つの実施形態において、膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成されている。
【0024】
1つの実施形態において、膜はePTFEから形成されている。
【0025】
1つの実施形態において、背圧調整器は、タンク、ポンプ又はハウジングのうちの1つに統合されている。
【0026】
1つの実施形態において、水相は非溶解水である。
【0027】
本開示の別の例示的な実施形態は、有機相液体及び水相を含む混合物を受け入れるように構成された容器を含むシステムに関する。このシステムはまた、容器を疎水性膜に流体的に接続する第一の導管を含む。システムはさらに、第一の導管に動作可能に接続され、その上流にある少なくとも1つのポンプを含む。少なくとも1つのポンプは、混合物を容器から第一の導管を通って疎水性膜に輸送するように構成されている。このシステムは、疎水性膜にその下流に流体的に接続された第二の導管をさらに含む。このシステムは、第一の導管の下流にありそして疎水性膜の上流にある第三の導管をさらに含む。システムはさらに、第三の導管にその上流に流体的に接続され、そして第一の導管にその下流に流体的に接続された背圧調整器を含む。背圧調整器は、背圧調整器の上流の混合物の圧力が、少なくとも疎水性膜のバブル点圧力によって決定される所定の設定値を超えると開くように構成されている。
【0028】
1つの実施形態において、所定の設定値は、疎水性膜のバブル点圧力と疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される。
【0029】
1つの実施形態において、疎水性膜の決定気流は0.92フレイジャー~40フレイジャーである。
【0030】
1つの実施形態において、疎水性膜の決定バブル点圧力は、20.9psi~500psiである。
【0031】
本開示の別の例示的な実施形態は、有機相液体及び水相を含む混合物を含む容器を排液するための方法に関する。この方法は、背圧調整器及び前記背圧調整器の上流の疎水性膜を含むフィルタハウジングに混合物を輸送することを含む。この方法はまた、混合物の圧力が所定の設定値に達したときに、疎水性膜の下流で背圧調整器を開くことを含む。この方法はさらに、水相を疎水性膜から離れて背圧調整器を通して輸送することを含み、それによって水相は有機相液体から分離される。この方法はさらに、有機相液体を疎水性膜を通してフィルタハウジングから下流に輸送することを含む。この方法は、フィルタハウジングの下流で有機相液体を収集することをさらに含む。
【0032】
1つの実施形態において、収集工程は、有機相液体を清浄燃料収集容器に輸送することを含む。
【0033】
1つの実施形態において、収集工程は、有機相液体を容器に戻して輸送することを含む。
【0034】
1つの実施形態において、背圧調整器の所定の設定値は、少なくとも疎水性膜のバブル点圧力によって決定される。
【0035】
1つの実施形態において、所定の設定値は、疎水性膜のバブル点圧力と疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に取り込まれ、その一部を構成し、実施形態を例示している。図面は、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されていることがあり、その点に関して、図面は限定として解釈されるべきではない。
【0037】
図1図1は、本明細書に開示される実施形態による、燃料タンクの排液及びポリッシングシステムの概略図である。
【0038】
図2図2は、実施例で論じられているように、燃料タンクの排液及びポリッシングシステムの概略図である。
【0039】
図3図3は、実施例で論じられているように、様々な燃料流速での疎水性膜の水汚染性能データのグラフである。
【0040】
図4図4は、実施例で論じられているように、様々な差圧レベルでの疎水性膜の水汚染性能データのグラフである。
【0041】
図5図5は、実施例で論じられているように、幾つかのバブル点での疎水性膜の様々な差圧レベルでの水汚染のグラフである。
【0042】
図6図6は、実施例で論じられているように、様々な燃料透過性での疎水性膜のフレイジャー気流データのグラフである。
【0043】
図7図7は、実施例で論じられているように、様々なバブル点での疎水性膜のフレイジャー気流データのグラフである。
【0044】
詳細な説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0045】
以下で詳細に論じられるように、本開示の燃料タンク排液及び/又はポリッシングシステム、アセンブリ及び方法は、燃料を無駄にすることなく、燃料タンク(又は燃料フィルタハウジング、燃料供給システム又は他の燃料含有容器/システム)の底部から水を完全に(又はほぼ完全に)排出し、水の除去が完了したときに明確な指標を提供し、設置、操作及び保守が単純でかつ安価であり、電気的誤動作の影響を受けにくい。
【0046】
本明細書に開示されるのは、疎水性膜及びそのような膜によって水の流れが遮断されたときに生じる圧力を利用する燃料タンク排液及び/又はポリッシングシステム及びアセンブリである。このシステムは、重力沈降よりも速く、コアレッサーで発生する可能性のあるブレークスルーのリスクがなく、燃料からの水の完全又はほぼ完全な除去を促進し、燃料の浪費及びオペレータの関与を最小限に抑える。このシステムは、燃料タンクの排液又はポリッシングのいずれかに使用できる。
【0047】
以下でさらに論じられるように、排液/ポリッシングシステムの1つ以上の構成要素を含むフィルタハウジングも本明細書に開示される。
【0048】
本明細書に開示される排液/ポリッシングシステム、アセンブリ及びフィルタハウジングは、疎水性膜又は疎水性膜から作られたフィルタ、ならびに背圧調整器として機能する、例えば、ばね式ボール逆止弁又はダイヤフラム弁などの圧力レリーフバルブを取り込む。
【0049】
幾つかの実施形態において、システム/アセンブリは、燃料閉じ込め容器から分離されている。他の実施形態において、システム/アセンブリは、燃料閉じ込め容器に取り込まれている。
【0050】
圧力は、ポンピング又はポンピング/重力組み合わせのいずれかによって、システム又はアセンブリ内に生成される。幾つかの実施形態において、ポンプは、排液/ポリッシングシステム又はアセンブリの一部である。ポンプは、圧力レリーフバルブを作動させるのに十分な圧力を提供することができる任意の流体適合性ポンプであることができる。このようなポンプの1つの例は、Great Plains Industries(GPI)のGP8ポータブル12ボルト燃料移送ポンプ(部品番号147000-01、流速8gpm、動作圧力10psi)であろう。他の実施形態において、ポンプ圧は、燃料供給システムによって提供されうる。
【0051】
疎水性膜は、以下でさらに議論されるように、システム又はアセンブリの流速及び燃料品質要求を満たすのに適した任意の細孔サイズの任意の疎水性材料から作製されうる。
【0052】
本明細書に開示されるシステム、アセンブリ及びフィルタハウジングは、容器(例えば、燃料タンク)からの混合物又は溶液がバルブ/調整器の上流にライン圧力を蓄積したときに開いて水を除去し、疎水性膜を介した燃料の透過によりライン圧力が低下したときに閉じることによって水相の流れをオン及びオフにするために使用される圧力レリーフバルブ(例えば、背圧調整器)を含む。
【0053】
本開示のシステム、アセンブリ及びフィルタハウジングの例示的な実施形態は図1に示されている。システム10は、例えば、燃料タンク、燃料フィルタハウジング又は燃料供給システムなどの容器12を含む。容器12は、非溶解水と、例えば、燃料、バイオ燃料又は絶縁油などの有機相液体とを含む混合物14を含む。燃料の例としては、限定するわけではないが、ジェットA、ジェットA1、JP8、ASTMD1655又はASTMD7566、ASTMD975、ASTMD6751を満たす炭化水素燃料が挙げられる。
【0054】
図1に示される実施形態において、容器12は、非溶解水及び有機相液体を含む混合物14を含む。容器12は排液ポート16を含む。第一の導管又はインレットライン18は、容器の排液ポート16から延在し、ポンプ20は、第一の導管18に動作可能に接続される。第一の導管18は、フィルタハウジング22にそのインレット24で流体的に接続する。ポンプ20は、混合物14を第一の導管18を通ってフィルタハウジング22のインレット24に輸送する。他の実施形態において、1つより多くのポンプを利用することができる。
【0055】
フィルタハウジング22は疎水性膜26を含み、前記疎水性膜26は、水の流れを遮断するが、フィルタハウジング22から疎水性膜26の下流に延在する第二の導管又はアウトレットライン28への燃料の通過を可能にする。幾つかの実施形態において、第二の導管28は、清浄燃料受容容器(図示せず)に流体的に接続されている。幾つかの実施形態において、第二の導管28は、ろ過された燃料が容器12に戻されるように、容器12に流体的に接続されている。
【0056】
幾つかの実施形態において、疎水性膜26は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜である。幾つかの実施形態において、疎水性膜26は延伸PTFE(ePTFE)膜である。適切なePTFE膜としては、米国特許第7,306,729号及び同第4,902,423号明細書に記載されたプロセスによって製造されたもの、ならびに米国特許第9,480,953号又は米国特許出願第2013/0092639A1号明細書に記載及び/又は利用されたePTFE膜が挙げられ、これらはすべて参照によりその全体が本明細書に取り込まれる。
【0057】
幾つかの実施形態において、疎水性膜26は、20.9psiを超え、500psi以下のバブル点圧力を有する。1つの実施形態において、膜26は、40psi~400psiのバブル点圧力を有する。別の実施形態において、バブル点圧力は、50psi~300psiである。別の実施形態において、バブル点圧力は、60psi~200psiである。別の実施形態において、バブル点圧力は100~150psiである。別の実施形態において、バブル点圧力は、200~300psiである。別の実施形態において、バブル点圧力は300~450psiである。幾つかの実施形態において、疎水性膜26は、0.92フレイジャーを超えて40フレイジャー以下の気流を有する。1つの実施形態において、疎水性膜26は、5~35フレイジャーの気流を有する。別の実施形態において、気流は10~30フレイジャーである。別の実施形態において、気流は15~25フレイジャーである。別の実施形態において、気流は20~30フレイジャーである。疎水性膜26のこれらの特性は、以下の実施例においてさらに議論される。
【0058】
システム10は、疎水性膜26の上流及び第一の導管18の下流に、第三の導管又はベントポート30をさらに含む。フィルタハウジング22はまた、第三の導管30にその上流に流体的に接続された背圧調整器32を含む。第三の導管30及び背圧調整器32は、図1に示されるように、フィルタハウジングインレット24及び疎水性膜26の中間に配置されている。幾つかの実施形態において、第三の導管30は、廃水レセプタクル(図示せず)に通じている。以下でさらに議論されるように、第一の導管18と第三の導管30との間の差圧は背圧調整器32を開く。
【0059】
背圧調整器32は圧力レリーフバルブを含む。幾つかの実施形態において、背圧調整器32は、図1に示されるように、例えば、ボールアンドスプリングアセンブリなどの逆止弁を含む。例えば、背圧調整器は、EmersonのFisher MR98シリーズ背圧調整器、部品番号MR98L(2~38psi設定値)であることができる。他の実施形態において、背圧調整器32はダイヤフラム弁を含む。例えば、背圧調整器は、EquilibarのGSD2 一般サービス背圧調整器(0~10psi設定値)であることができる。背圧調整器32は、第一の導管18と第三の導管30との間の圧力差が、例えば5psi~150psiの所定の設定値を超えると開くように構成されている。幾つかの実施形態において、この圧力差は、ポンプ20及び背圧調整器32によって作成される。具体的には、1つの例において、ポンプ20の速度及び背圧調整器32の圧力は、第一の導管18と第三の導管30との間に十分な圧力となって、背圧調整器32を開くように設定される。さらに別の実施形態において、圧力差が上記で特定された範囲内にあるので、ポンプは必要とされない。むしろ、第一の導管18と第三の導管30との間の十分な圧力は、限定するわけではないが、背圧調整器32に対する容器12の高さ、第一の導管及び第二の導管18、30の直径及び混合物の流速14などのある数の他の要因により形成されうる。
【0060】
次に、例示的なシステム10の動作について説明する。幾つかの実施形態において、ポンプ20の速度及び背圧調整器32の圧力は、第一の導管18及びフィルタハウジングインレット24が水16で満たされたときに、十分な圧力(例えば、第一の導管18と第三の導管30との間に)が存在して背圧調整器32を開くように設定される。上記のように、背圧調整器は、第一の導管18と第三の導管30との間のシステム圧力が、例えば5psi~150psiの所定の設定値を超えると開くように構成されている。1つの実施形態において、所定の設定値は10~125psiである。別の実施形態において、所定の設定値は20~100psiである。別の実施形態において、所定の設定値は30~75psiである。別の実施形態において、所定の設定値は40~50psiである。別の実施形態において、所定の設定値は50~100psiである。別の実施形態において、所定の設定値は75~150psiである。別の実施形態において、所定の設定値は100~140psiである。別の実施形態において、所定の設定値は125~145psiである。
【0061】
排液プロセスを開始するために、容器排液ポート16を開き、ポンプ20をオンにし、その結果、容器12(すなわち、燃料タンク、燃料フィルタハウジング又は燃料供給システム)の底部からの混合物14は、第一の導管18を通ってフィルタハウジング22に排液され始める。代替の実施形態において、重力を使用して、混合物14を容器12から排液し始める。別の代替の実施形態において、重力及びポンプ20を一緒に使用して、容器12から混合物14を排液する。1つの実施形態において、混合物14内の水は容器12の底部まで完全に沈降し、その結果、混合物14内の燃料が第一の導管18に入る前に水が排液される。別の実施形態において、水は燃料中に乳化され、その結果、混合物14内の水及び燃料は、同時に第一の導管18に入る。
【0062】
容器12タンクからの混合物14が疎水性膜26に到達すると、したがって、水成分が遮断されると、ライン圧力は第一の導管18内に蓄積する。この圧力は、背圧調整器32の弁を開き、背圧調整器32を通して第三の導管30内に水を流すことができる。幾つかの実施形態において、水は、第三の導管30を通って流れ、廃水レセプタクル(図示せず)に流出する。
【0063】
混合物14内の水が第三の導管30を通って(そして廃水レセプタクルに)流れる間に、混合物14内の燃料は疎水性膜26を通って第二の導管28内に流れる。第一の導管18内のライン圧力は低下する。それは、そこを通ってポンプ送りされる混合物14のすべてが疎水性膜26によって遮断されるわけではないからである。ライン圧力が低下すると、背圧調整器32のバルブは閉じ、水が廃水レセプタクルに流れなくなり、燃料は疎水性膜26を通して流れ続ける。この燃料は本質的に清浄ろ過燃料であり、それは収集容器に捕捉され(そして最終的に使用される)か、又は、元の送られてきた容器12に直接ポンプで戻すことができる。燃料が疎水性膜26を通って流れ始めた後に、水が第一の導管18に再び蓄積すると、サイクルを繰り返し、その結果、第一の導管18の圧力が高まり、背圧調整器32の弁を開き、燃料が再び疎水性膜26に到達するまで、水を再び廃水レセプタクルに流れさせる。水の廃水レセプタクルへの流入が停止すると、これは、(i)実質的にほとんどの水が容器12から排出され、ここで、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%以上の遊離水が除去されたこと、(ii)ほとんどの燃料が容器12に残っていること、及び、(iii)ポンプ20を停止することができることの正の信号である。ポンプ20が作動し続けるならば、容器12内のすべての燃料は、システム10(疎水性膜26を含む)を通して再循環され、ポリッシングされうる。
【実施例
【0064】

以下の実施例は、本発明の様々な非限定的な実施形態及び特性を提供する。特定の方法及び装置を以下に記載するが、当業者によって適切であると決定される他の方法又は装置を代替的に利用することができる。
【0065】
実験を図2に概略的に示されるように設定した。すべてのタンクは、大気圧を維持するために大気にベントされた。ジェット‐A燃料を、燃料タンクからマイクロポンプモデル415A磁気駆動ギアポンプ及びコントローラシステムに重力供給した。ColeParmerモデルMMR1-010023シリンジポンプを使用して水を注入し、これにより、ギアポンプ内に微細な燃料中水型エマルジョンが生成された。抵抗率18.3MΩ-cmまで脱イオン化した水を使用した。このエマルジョンを、ミリポアモデルYY3000900 90mmステンレス鋼フィルタのインレットポートに供給した。アウトレット#1は膜の下流にあった。Orange Research Inc.のモデル1201-S1018差圧センサを使用して、フィルタを横切る圧力差をモニターした。定期的に、サンプルポートのバルブを開いてサンプルを採取した。流量は、ColeParmerモデルMMR1-090023流量計を使用して測定した。アウトレット#1からの流体を受け入れタンクに集めた。アウトレット#2は膜の上流にあった。Emerson Cashバルブタイプ10-K 15~75psi背圧調整器をアウトレット#2に接続した。背圧調整器は、フィルタの上流に集められた水のレリーフベントとして機能した。クラッキング圧力は、背圧調整器が開く圧力として定義される。アウトレット#2からの流体を受け入れタンクに集めた。
【0066】
研究されたすべての膜は、面積当たりの質量が56g/m、通気率が44フレイジャー、厚さが0.004インチ、機械方向引張強度が25lbf及びクロスウェブ引張強度が13lbfであるスパンボンドポリエステルの2つの層の上に膜を配置することによってフィルタハウジング内で支持された。
【0067】
材料
4つのePTFE膜を研究しそして比較した。それらの特性を表1に示す。
【表1】
【0068】
方法
燃料中の水汚染の程度は、図2に示されるサンプリングポートからのGammon Technology Products, Inc.のAqua-GlowシリーズV水検出器サンプリングを使用して決定した。検出器を、Gammonの公開された方法に従って較正しそして操作した。簡単に説明すると、検出器は灯油タイプのジェット燃料中の非溶解水の量を測定するために使用される。測定された燃料のサンプルは、処理された検出器パッドを通過する。燃料中の非溶解水は、検出器パッドと反応する。次いで、パッドを紫外線で照らすと、遊離水が接触したコーティングは明るい黄色に蛍光を発し、燃料サンプル中の遊離水の量が増えると明るさが増す。水分含有量は、検出器によって体積百万分率(ppm)で読み取られる。500mLのサンプルサイズで、計器は1~12ppmの水を測定できる。高度に汚染されたサンプルの場合に、計器はサンプルサイズを500mLから100mLに減らし、読み取り値を5倍することで、最大60ppmの水を測定できる。
【0069】
膜試験の直前に、ジェット燃料を、水を注入せずにシステムを通して加圧し、水汚染は<1ppmと測定された。背圧調整器を50psiで割れて開くように設定した。次に、LFHB膜をフィルタホルダに取り付けた。各試験において、ジェット燃料はシステムを通して30秒間流れ、オペレータは流速を記録した。次に、1mL/分の速度で水を注入した。オペレータはさらに30秒間待った。この時点で、オペレータは膜を横切る圧力差を記録し(dP開始)、そしてサンプリングバルブを開いた。適切なサンプル体積を収集したときに、オペレータは差圧を記録し(dP終了)、サンプリングバルブを閉じた。水汚染をすぐに測定した。次に、フィルタホルダを燃料で洗い流して、膜の上流にあるバルク水をすべて除去した。次に、この試験をジェット燃料の新しい流速に対して繰り返した。次に、この手順をHFHB1膜に使用した。このデータを表2に示す。これらの試験は、差圧が背圧調整器を割って開くのに必要な50psiに達する前に完了した。
【表2】
【0070】
HFHB1膜はより透過性であるため、膜を横切る圧力差は、同じ流速に対してより低かった。HFHB1のLFHBに対する別の比較を行うために、以下の実験を行った。背圧調整器を50psiで割れて開くように設定した。次に、HFHB1膜をフィルタホルダに取り付けた。各試験において、ジェット燃料がシステムに30秒間流れ、オペレータは流速を記録した。次に、1mL/分の速度で水を注入した。所与の流速に対して、オペレータは「dP開始」圧力がLFHB膜の対応する「dP開始」圧力と一致するまで待った。この時点で、オペレータは膜を横切る圧力差を記録し(dP開始)、サンプリングバルブを開いた。適切なサンプル体積を収集したときに、オペレータは圧力差(dP開始)を記録し、サンプリングバルブを閉じた。水汚染をすぐに測定した。次に、フィルタホルダを燃料で洗い流して、膜の上流にあるバルク水をすべて除去した。次に、この試験をジェット燃料の新しい流速に対して繰り返した。このデータを表3に示す。これらの試験は、圧力差が背圧調整器を割って開くのに必要な50psiに達する前に完了した。
【表3】
【0071】
高流量、低バブル点の膜に対しての比較も行った。この試験は、差圧が時間の経過とともに増加するときに、水汚染を調べた。膜試験の直前に、ジェット燃料を、水を注入せずにシステムを通して加圧し、水汚染は<1ppm未満と測定された。背圧調整器を50psiで割れて開くように設定した。次に、HFLB膜をフィルタホルダに取り付けた。ジェット燃料をシステムに30秒間流し、オペレータは流速を記録した。次に、1mL/分の速度で水を注入した。オペレータはさらに30秒待った。この時点で、オペレータは膜を横切る圧力差を記録し(dP開始)、サンプリングバルブを開いた。適切なサンプル体積を収集したときに、オペレータは圧力差を記録し(dP終了)、サンプリングバルブを閉じた。水汚染を直ちに測定し、新しい試験パッドを設置した。その間、燃料流及び水注入を続けた。差圧が数psiだけ増加したときに、上記の手順に従って新しいサンプルを収集した。次に、この手順をHFHB2膜に使用した。このデータを表4に示す。
【表4】
【0072】
討論
水汚染性能を、図3において、燃料流速に対してグラフ化した。「HFHB1、高dP」データは表3から取得した。このデータは、HFHB1膜がすべての流速で無視できる水汚染を示すことを表している。LFHB膜は非常に低い流速で許容できる性能を示しているが、乳化した水は高い流速で膜を通過した。HFHB1は、LFHB膜と同様に、高dPで開始したときにも、高流速で良好な水分除去を示す。
【0073】
図3に示されるように、LFHB膜は、高流速で低い水汚染性能を示す。HFHB1膜は、すべての条件で良好な水汚染性能を示す。
【0074】
水汚染性能を、図4において「dP開始」に対して(対数目盛で)グラフ化した。HFLB膜は良好な初期性能を示した。しかしながら、膜の上流に水が蓄積すると差圧が大きくなり、水汚染が発生した。差圧は20psiで最大に達した。この時点での水汚染は>60ppmであり、AquaGlo水検出器で測定できる最大値である。さらに、膜のバブル点及び水/燃料の界面表面張力を使用すると、20psiは、バルク水が膜を通過する圧力とほぼ同じである。したがって、20psiの圧力差に達したときに、ろ過は発生せず、フィルタに入る水はHFLB膜を通過している傾向がある。図4において、AquaGloが>60ppmの水を読み取ったポイントで、システムに入る水の計算値をグラフ化する:0.13gal/minの流速で2,035ppmであり、0.22gal/minの流速で1,203ppmである。約5psi~15psiに、高い水汚染が発生する性能の崖があるようである。圧力が20psiを超えて上昇しないので、背圧調整器は水をベントしなかった。HFHB2膜は、試験したすべての点で低い水汚染を示し、差圧が50psiに達したときに、背圧調整器は水をベントした。
【0075】
図4に示されるように、HFLB及びLFHB膜は、高圧での水汚染に対して堅牢ではなく、約5psiを超える性能の崖を示している。HFHB1及びHFHB2膜は、試験したすべての圧力で水汚染に対して堅牢であった。
【0076】
有利には、このデータはまた、背圧調整器が、システムを通して燃料を流すのに必要な圧力よりも有意に高い圧力で開くように設定できることを示している。例えば、HFLB膜では、背圧調整器は、低い水汚染を確保するために、約5~15psi未満のクラッキング圧力に制限される。HFHB1及びHFHB2膜は、50psiのクラッキング圧力での水除去のために堅牢に動作する。クラッキング圧力は、背圧調整器が5~150psiで開く圧力として定義される。このクラッキング圧力は、第一の導管18と第三の導管30との間の差圧である。このクラッキング圧力は、幾つかの理由で有利である。(1)背圧調整器の高いクラッキング圧力により、堅牢なシステムが可能になる。このシステムは、背の高い燃料タンクによって生成される高圧ヘッドに対して堅牢である。このシステムはまた、ポンプ又はその他の機器からのプロセス不調に対して堅牢である。(2)水はフィルタハウジングの底に集まり、膜を通る燃料流をブラインドし、クラッキング圧力に達するまで差圧を増加させる。高いクラッキング圧力は、膜を概してブラインドする必要があり、その結果、システム内に比較的に大量の水が生じる。これは、調整器が割れて開くたびに、燃料が水とともにシステムから飛び出す可能性があるため、有利である。システム内の大量の水はこの可能性を最小限に抑える。(3)比較的に大量の水が蓄積されて、調整器が割れて開くたびにベントされるので、所与の体積の水に対してベントする場合が少なくなる。これにより、乳化水が分離する時間が長くなり、燃料と水の分離性能を向上させることができる。
【0077】
燃料タンクとともに使用される多くの既存のポンプは、最大15psiまでの差圧で流れを提供するように設計されている。したがって、膜は、しっかりした水除去を確保するために、少なくとも15psiの差圧で水汚染から保護すべきである。航空機にポンプで送られる燃料のEI基準によれば、汚染が15ppm未満であれば、水は除去されたと考えられる。すべての実験からのデータを図5にグラフ化されている。バブル点が37.4psiのePTFE膜は、15psiの差圧で水除去を確保することがわかる。(11.2psi BP、6.5psi dP)及び(37.4psi BP、29.5psi dP)でのしっかりとした水除去を内挿すると、20.9psiを超えるバブル点を有する膜は15psidPでしっかりと水除去すると予想される。
【0078】
図5は、すべてのデータのグラフである。縦軸は「dP開始」及び「dP終了」の平均である。これは、サンプルがその差圧の範囲で収集されたためである。水汚染が15ppmを超えるサンプルは赤で表示されている。
【0079】
典型的な燃料タンクは10,000ガロンであることができ、そのような燃料タンクを60分で排液することが望ましいことがある。典型的な長さ10インチ、直径2インチのプリーツ付きePTFEフィルタ要素では、10個の要素を有するハウジングの膜表面積が10mであるように、膜表面積は1mである。この排液を実現するに、システムは16.67GPMm-2で流れる必要がある。15psiの差圧では、最小膜ジェット燃料透過度は1.11GPM psi-1-2である。これは、以下に示すように、0.92フレイジャーの膜気流と相関している。
【0080】
ジェット燃料の透過度を、以下の方法によってフレイジャー気流と相関させた。表2の燃料流速及び「dP開始」値に対して線形回帰を行った。63.6cmの膜面積を使用して、LFHB及びHFHB1膜について、図6に示すように膜燃料透過度を計算した。表4の各流速の開始時の「dP開始」の値について同様の線形回帰を行った。63.6cmの膜面積を使用して、HFLB及びHFHB2膜について、図6に示すように、膜燃料透過度を計算した。
【0081】
図6に示されるように、各膜のフレイジャー気流は、ジェット燃料透過度計算値と相関している。1.11GPM psi-1-2のジェット燃料透過度は、0.92フレイジャーの気流と相関する。
【0082】
概要
図7は、試験したすべての膜の流れ及びバブル点を示すグラフである。青でシェード付けされた領域は、本明細書に開示されたシステムで使用される膜の流れ及びバブル点の下限/範囲を表す。多くのポンプは、15psiの圧力までの流れを提供する。15psiの差圧で水が15ppm未満に除去されるように確保するには、膜はバブル点が少なくとも20.9psi(垂直線)であるべきである。タンクを合理的な時間で排液できることを確保するには、膜はまた、気流が少なくとも0.92フレイジャー(水平線)であるべきである。
【0083】
高流速/高バブル膜の高流速の性質は低い開始差圧を可能にする。高流速/高バブル膜の高バブル点の性質は、例えば5psi~150psiなどの背圧調整器に対する高いクラッキング圧力が可能にする。1つの実施形態において、クラッキング圧力は、10psi~125psiである。別の実施形態において、クラッキング圧力は、20~100psiである。別の実施形態において、クラッキング圧力は、30~75psiである。別の実施形態において、クラッキング圧力は、40~50psiである。別の実施形態において、クラッキング圧力は、50~100psiである。別の実施形態において、クラッキング圧力は、75~150psiである。別の実施形態において、クラッキング圧力は100~140psiである。別の実施形態において、クラッキング圧力は、125~145psiである。この組み合わせにより、しっかりした燃料ろ過及び水抜きを維持しながら、差圧の大きな変化が可能になる。
【0084】
高流速/高バブル点膜は、低流速/高バブル点膜と比較して有利である。高流速では、低流速/高バブル点膜は高い差圧を構築し、高い水汚染を有した。高流速/高バブル点膜は、同様の高い差圧でも、すべての流速で低い水汚染を有した。
【0085】
高流速/高バブル点膜はまた、高流速/低バブル点膜と比較して有利である。高流速/低バブル点の膜は、水が膜の上流に蓄積したときに水汚染を有した。また、システムから水をベントするのに十分な圧力が蓄積しできなかった。高流速/高バブル点膜は、膜の上流に水が蓄積しても低い水汚染を有し、50psiでシステムから水をベントすることができた。
【0086】
本明細書で使用されるときに、接続詞「及び」は包括的であることを意図しており、接続詞「又は」は特に明記しない限り排他的であることを意図していない。例えば、「又は、あるいは」という語句は、排他的であることを意図している。
【0087】
本発明を記載する関係(特に特許請求の範囲の関係)における「a」、「an」、「the」、又は同様の指示対象の用語の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。
【0088】
「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含む(containing)」という用語は、特に断りのない限り、非制限的な用語(すなわち、「含むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。
【0089】
本明細書で使用されるときに、「約」という用語は、例えば、実験誤差、測定誤差、近似誤差、計算誤差、平均値からの標準偏差、日常的な微調整などに基づく逸脱など、特定されるとおりの特定の特性、組成、量、値又はパラメータに典型的な逸脱の程度を指す。
【0090】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある各別個の値を個別に参照する略記法として役立つことを単に意図し、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されたかのように本明細書に組み込まれる。
【0091】
本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書に提供されるありとあらゆる例、又は例示的な言語(例えば、「など(such as)」、「例えば(for example)」)の使用は、単に本発明をよりよく例示することを意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲に制限を課さない。
【0092】
燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、変更及び変形を網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
燃料タンクの排液及びポリッシングのためのシステム及び方法は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、変更及び変形を網羅することが意図される。
(態様)
(態様1)
背圧調整器、及び、
前記背圧調整器の上流にありそして第一の導管の下流にある疎水性膜、
を含む、アセンブリであって、
前記背圧調整器は、背圧調整器の上流の混合物の圧力が所定の設定値を超えると、開くように構成されており、
前記混合物は有機相液体及び水相を含み、
前記所定の設定値は、少なくとも前記疎水性膜のバブル点圧力によって決定され、
前記背圧調整器は、前記第一の導管にその下流に流体的に接続され、そして前記第一の導管にその上流に動作可能に接続されている少なくとも1つのポンプに流体的に接続されるように構成されており、
前記疎水性膜は、第二の導管にその上流に流体的に接続されるように構成され、そして前記第二の導管は、前記有機相液体を前記疎水性膜の下流に輸送するように構成されており、そして、
前記背圧調整器は、第三の導管にその上流に流体的に接続されるように構成され、前記第三の導管は、前記第一の導管の下流に構成されており、前記第三の導管は、水を前記背圧調整器の下流に輸送するように構成されている、アセンブリ。
(態様2)
前記所定の設定値は、前記疎水性膜のバブル点圧力と前記疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される、態様1記載のアセンブリ。
(態様3)
前記疎水性膜の決定気流は0.92フレイジャー~40フレイジャーである、態様2記載のアセンブリ。
(態様4)
前記疎水性膜の決定バブル点圧力は20.9psi~500psiである、先行の態様のいずれか1項記載のアセンブリ。
(態様5)
前記第二の導管は、清浄燃料収集容器に流体的に接続されている、先行の態様のいずれか1項記載のアセンブリ。
(態様6)
前記第二の導管は前記混合物のための容器に流体的に接続され、それによってろ過された燃料が前記容器に戻される、態様1~4のいずれか1項記載のアセンブリ。
(態様7)
前記容器は、燃料タンク、燃料フィルタハウジング及び燃料供給システムからなる群より選ばれる、態様6記載のアセンブリ。
(態様8)
前記有機相液体は燃料、バイオ燃料及び絶縁油からなる群より選ばれる、先行の態様のいずれか1項記載のアセンブリ。
(態様9)
前記背圧調整デバイスは逆止弁を含む、先行の態様のいずれか1項記載のアセンブリ。
(態様10)
前記背圧調整デバイスはダイヤフラム弁を含む、先行の態様のいずれか1項記載のアセンブリ。
(態様11)
前記膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成されている、先行の態様のいずれか1項記載のアセンブリ。
(態様12)
前記膜はePTFEから形成されている、態様11記載のアセンブリ。
(態様13)
前記背圧調整器は、タンク、ポンプ又はハウジングのうちの1つに統合されている、先行の態様のいずれか1項記載のアセンブリ。
(態様14)
前記水相は非溶解水である、先行の態様のいずれか1項記載のアセンブリ。
(態様15)
有機相液体及び水相を含む混合物を受け入れるように構成された容器、
前記容器を疎水性膜に流体的に接続する第一の導管、
前記第一の導管にその上流に動作可能に接続されている少なくとも1つのポンプ、
前記疎水性膜にその下流に流体的に接続された第二の導管、
前記第一の導管の下流にありそして前記疎水性膜の上流にある第三の導管、
前記第三の導管にその上流に流体的に接続され、そして前記第一の導管にその下流に流体的に接続された背圧調整器、
を含む、システムであって、
前記少なくとも1つのポンプは、混合物を前記容器から前記第一の導管を介して前記疎水性膜に輸送するように構成されており、
前記背圧調整器は、背圧調整器の上流の混合物の圧力が所定の設定値を超えると開くように構成されており、
前記所定の設定値は、少なくとも前記疎水性膜のバブル点圧力によって決定される、システム。
(態様16)
前記所定の設定値は、前記疎水性膜のバブル点圧力と前記疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される、態様13記載のシステム。
(態様17)
前記疎水性膜の決定気流は0.92フレイジャー~40フレイジャーである、態様14記載のシステム。
(態様18)
前記疎水性膜の決定バブル点圧力は20.9psi~500psiである、態様13、14又は15のいずれか1項記載のシステム。
(態様19)
有機相液体及び水相を含む混合物を含む容器を排液するための方法であって、
背圧調整器及び前記背圧調整器の上流の疎水性膜を含むフィルタハウジングに前記混合物を輸送すること、
前記混合物の圧力が所定の設定値に達したときに、前記疎水性膜の下流で前記背圧調整器を開くこと、
前記水相を前記疎水性膜から離れて前記背圧調整器を通して輸送し、それによって前記水相を前記有機相液体から分離すること、
前前記疎水性膜を通して記有機相液体を前記フィルタハウジングの下流に輸送すること、及び、
前記フィルタハウジングの下流で前記有機相液体を収集すること、
を含む、方法。
(態様20)
前記収集工程は、前記有機相液体を清浄燃料収集容器に輸送することを含む、態様17記載の方法。
(態様21)
前記収集工程は、前記有機相液体を前記容器に戻すことを含む、態様17記載の方法。
(態様22)
前記背圧調整器の所定の設定値は、少なくとも前記疎水性膜のバブル点圧力によって決定される、態様17記載の方法。
(態様23)
前記所定の設定値は、前記疎水性膜のバブル点圧力と前記疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される、態様20記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背圧調整器、
第一の導管、
前記背圧調整器の上流にありそして前記第一の導管の下流にある疎水性膜、
少なくとも1つのポンプ、
第二の導管、及び、
第三の導管、
を含む、アセンブリであって、
前記背圧調整器は、背圧調整器の上流の混合物の圧力が所定の設定値を超えると、開くように構成されており、
前記混合物は有機相液体及び水相を含み、
前記所定の設定値は、少なくとも前記疎水性膜のバブル点圧力によって決定され、
前記背圧調整器は、前記第一の導管にその下流に流体的に接続され、そして前記第一の導管にその上流に動作可能に接続されている前記少なくとも1つのポンプに流体的に接続されるように構成されており、
前記疎水性膜は、前記第二の導管にその上流に流体的に接続されるように構成され、そして前記第二の導管は、前記有機相液体を前記疎水性膜の下流に輸送するように構成されており、そして、
前記背圧調整器は、前記第三の導管にその上流に流体的に接続されるように構成され、前記第三の導管は、前記第一の導管の下流に構成されており、前記第三の導管は、水を前記背圧調整器の下流に輸送するように構成されている、アセンブリ。
【請求項2】
前記所定の設定値は、前記疎水性膜のバブル点圧力と前記疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記疎水性膜の気流は0.92フレイジャー~40フレイジャーである、請求項2記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記疎水性膜のバブル点圧力は144kPa(20.9psi3447kPa(500psiである、請求項記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第二の導管は、清浄燃料収集容器に流体的に接続されている、請求項1~4のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第二の導管は前記混合物のための容器に流体的に接続され、それによってろ過された燃料が前記容器に戻される、請求項1~4のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記容器は、燃料タンク、燃料フィルタハウジング及び燃料供給システムからなる群より選ばれる、請求項6記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記有機相液体は燃料、バイオ燃料及び絶縁油からなる群より選ばれる、請求項1~7のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記背圧調整は逆止弁を含む、請求項1~8のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記背圧調整はダイヤフラム弁を含む、請求項1~8のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項1~10のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記膜はePTFEを含む、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記背圧調整器は、燃料タンク、前記ポンプ又は燃料フィルタハウジングのうちの1つに統合されている、請求項1~12のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記水相は非溶解水である、請求項1~13のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項15】
有機相液体及び水相を含む混合物を受け入れるように構成された容器、
前記容器を疎水性膜に流体的に接続する第一の導管、
前記第一の導管にその上流に動作可能に接続されている少なくとも1つのポンプ、
前記疎水性膜にその下流に流体的に接続された第二の導管、
前記第一の導管の下流にありそして前記疎水性膜の上流にある第三の導管、
前記第三の導管にその上流に流体的に接続され、そして前記第一の導管にその下流に流体的に接続された背圧調整器、
を含む、システムであって、
前記少なくとも1つのポンプは、混合物を前記容器から前記第一の導管を介して前記疎水性膜に輸送するように構成されており、
前記背圧調整器は、背圧調整器の上流の混合物の圧力が所定の設定値を超えると開くように構成されており、
前記所定の設定値は、少なくとも前記疎水性膜のバブル点圧力によって決定される、システム。
【請求項16】
前記所定の設定値は、前記疎水性膜のバブル点圧力と前記疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記疎水性膜の気流は0.92フレイジャー~40フレイジャーである、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記疎水性膜のバブル点圧力は144kPa(20.9psi3447kPa(500psiである、請求項15記載のシステム。
【請求項19】
有機相液体及び水相を含む混合物を含む容器を排液するための方法であって、
背圧調整器及び前記背圧調整器の上流の疎水性膜を含むフィルタハウジングに前記混合物を輸送すること、
前記混合物の圧力が所定の設定値に達したときに、前記疎水性膜の下流で前記背圧調整器を開くこと、
前記水相を前記疎水性膜から離れて前記背圧調整器を通して輸送し、それによって前記水相を前記有機相液体から分離すること、
前前記疎水性膜を通して記有機相液体を前記フィルタハウジングの下流に輸送すること、及び、
前記フィルタハウジングの下流で前記有機相液体を収集すること、
を含む、方法。
【請求項20】
前記収集工程は、前記有機相液体を清浄燃料収集容器に輸送することを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記収集工程は、前記有機相液体を前記容器に戻すことを含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記背圧調整器の所定の設定値は、少なくとも前記疎水性膜のバブル点圧力によって決定される、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記所定の設定値は、前記疎水性膜のバブル点圧力と前記疎水性膜の気流との組み合わせによって決定される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記疎水性膜は、そこを通る水の流れを遮断するように構成されている、請求項19記載の方法。
【請求項25】
前記疎水性膜は、そこを通る水の流れを遮断するように構成されている、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項26】
疎水性膜をさらに含む、請求項15記載のシステムであって、前記疎水性膜は、そこを通る水の流れを遮断するように構成されている、システム。
【国際調査報告】