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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】PSCA CAR-T細胞
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/17 20150101AFI20220204BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20220204BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220204BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20220204BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20220204BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220204BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20220204BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20220204BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220204BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALN20220204BHJP
【FI】
A61K35/17 Z
A61P13/08
A61P35/00
A61K31/4545
A61P1/18
A61P1/00
C12N15/62 Z ZNA
C12N15/12
C12N5/10
C12N5/0783
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532866
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 US2019065901
(87)【国際公開番号】W WO2020123766
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】62/779,394
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510274452
【氏名又は名称】ベリカム ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウッダード, ポール
(72)【発明者】
【氏名】フォスター, アーロン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー, デイビッド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー, オリビア
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】コリンソン-パウツ, マシュー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】モーズリー, アンマリー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA94X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA44
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC21
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA66
4C086ZA81
4C086ZB26
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087DA31
4C087MA02
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZA66
4C087ZA81
4C087ZB26
4C087ZC75
(57)【要約】
本技術は、一般に、免疫学の分野に関し、一部は、前立腺幹細胞抗原を発現する腫瘍細胞の存在に関連する疾患および障害を処置するためのT細胞組成物および方法に関する。一態様では、前立腺幹細胞抗原(PSCA)を発現する1つまたは複数の固形腫瘍の存在に関連する疾患と診断されたヒト対象を処置するための方法であって、対象に、(i)誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドおよび、(ii)前立腺幹細胞抗原キメラ抗原受容体(PSCA-CAR)ポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含む、0.3×10細胞/kg~約9×10細胞/kgの改変T細胞を投与するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前立腺幹細胞抗原(PSCA)を発現する1つまたは複数の固形腫瘍の存在に関連する疾患と診断されたヒト対象を処置するための方法であって、
前記対象に、
(i)誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、および
(ii)前立腺幹細胞抗原キメラ抗原受容体(PSCA-CAR)ポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド
を含む、0.3×10細胞/kg~約9×10細胞/kgの改変T細胞を投与するステップを含む方法。
【請求項2】
未改変ポリクローナルT細胞を0.1×10細胞/kg~30×10細胞/kgの間の量で投与するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象に前記改変および前記未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、前記T細胞の約20%~約90%が改変T細胞である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記対象に前記改変および前記未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、前記T細胞の約20%~約80%が改変T細胞である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記対象に前記改変および前記未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、前記T細胞の約20%~約70%が改変T細胞である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記対象に前記改変および前記未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、前記T細胞の約20%~約60%が改変T細胞である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記対象に前記改変および前記未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、前記T細胞の約20%~約50%が改変T細胞である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記T細胞が、1ミリリットル当たり約20×10~120×10の細胞を含む、前記対象への注入に適した希釈物として前記対象に投与される、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記対象に複数用量のリミドゥシドを投与するステップをさらに含む、請求項1から8のいずか一項に記載の方法。
【請求項10】
リミドゥシドが、前記対象に1日1回投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
リミドゥシドが、前記対象に週に3回投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
リミドゥシドが、前記対象に週に2回投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
リミドゥシドが、前記対象に週に1回投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
リミドゥシドが、前記対象に1週間おきに1回投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
リミドゥシドが、前記対象に月に2回投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記対象へのリミドゥシドの各投与が、約0.4mg/kg対象体重である、請求項9から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
リミドゥシドが、前記対象に週に1回投与され、前記対象へのリミドゥシドの各投与が、約0.4mg/kg対象体重である、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
リミドゥシドが、前記対象に1日1回投与され、前記対象へのリミドゥシドの各投与が、約0.4mg/kg対象体重である、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
リミドゥシドが、前記対象に週に3回投与され、前記対象へのリミドゥシドの各投与が、約0.4mg/kg対象体重である、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
リミドゥシドが、前記対象に週に2回投与され、前記対象へのリミドゥシドの各投与が、約0.4mg/kg対象体重である、請求項9に記載の方法。
【請求項21】
リミドゥシドが、前記対象に1週間おきに1回投与され、前記対象へのリミドゥシドの各投与が、約0.4mg/kg対象体重である、請求項9に記載の方法。
【請求項22】
前記固形腫瘍が、膵臓がん、胃がんまたは前立腺がんである、前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項23】
前記誘導性MyD88/CD40ポリペプチドが、
i)2つの多量体リガンド結合性領域、
ii)MyD88ポリペプチド、またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド、および
iii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域
を含む、前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項24】
各多量体リガンド結合性領域が、FKBP12バリアントポリペプチドを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
各FKBP12バリアントポリペプチドが、36位にアミノ酸置換を含み、前記多量体リガンドに野生型FKBP12ポリペプチドより高い親和性で結合する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
36位における前記アミノ酸置換が、バリン、イソロイシン、ロイシンおよびアラニンからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
各多量体リガンド結合性領域が、FKB12v36領域である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記切断型MyD88ポリペプチドが、配列番号21のアミノ酸配列またはその機能的断片を有する、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記CD40細胞質ポリペプチドが、配列番号23のアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記PSCA-CARポリペプチドが、抗原認識部分、膜貫通領域、およびT細胞活性化分子を含む、前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項31】
前記抗原認識部分が、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、4A10、およびA11からなる群から選択されるPSCA抗体に由来し、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、および4A10が、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託されているHB-12612、HB-12613、HB-12614、HB-12616、HB-12618、HB-12615、およびHB-12617と称するハイブリドーマによりそれぞれ産生される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記抗原認識部分が、配列番号65、67、69および71からなる群から選択されるアミノ酸配列の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記抗原認識部分が、配列番号51および49、配列番号55および53、配列番号57および59、ならびに配列番号61および63からなる群から選択される、重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記抗原認識部分が、配列番号49の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号51の重鎖可変アミノ酸配列を含む単鎖可変(scFV)である、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記抗原認識部分が、配列番号53の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号55の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記抗原認識部分が、配列番号57の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号59の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記抗原認識部分が、配列番号61の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号63の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記抗原認識部分が、配列番号65の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号67の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
前記抗原認識部分が、配列番号69の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号71の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
改変および未改変T細胞を含む不均一T細胞集団であって、前記改変T細胞が、a)誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、およびb)PSCA-CARポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含む、不均一T細胞集団。
【請求項41】
前記T細胞の約20%~約90%が、改変T細胞である、請求項40に記載のT細胞集団。
【請求項42】
前記T細胞の約20%~約80%が、改変T細胞である、請求項40に記載のT細胞集団。
【請求項43】
前記T細胞の約20%~約70%が、改変T細胞である、請求項40に記載のT細胞集団。
【請求項44】
前記T細胞の約20%~約60%が、改変T細胞である、請求項40に記載のT細胞集団。
【請求項45】
前記T細胞の約20%~約50%が、改変T細胞である、請求項40に記載のT細胞集団。
【請求項46】
凍結用培地に浮遊している、請求項40から45のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項47】
請求項40から45のいずれか一項に記載の凍結保存T細胞集団。
【請求項48】
対象への注入に適した希釈物において1ミリリットル当たり約20×10~150×10の細胞を含む、請求項40から47のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項49】
対象への注入に適した希釈物において1ミリリットル当たり約20×10~120×10の細胞を含む、請求項40から47のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項50】
前記誘導性MyD88/CD40ポリペプチドが、
i)2つの多量体リガンド結合性領域、
ii)MyD88ポリペプチド、またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド、および
iii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域
を含む、請求項40から49のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項51】
各多量体リガンド結合性領域が、FKBP12バリアントポリペプチドを含む、請求項50に記載のT細胞集団。
【請求項52】
各FKBP12バリアントポリペプチドが、前記多量体リガンドに野生型FKBP12ポリペプチドより高い親和性で結合する、請求項51に記載のT細胞集団。
【請求項53】
各FKBP12バリアントポリペプチドが、36位にアミノ酸置換を含み、前記多量体リガンドに前記野生型FKBP12ポリペプチドより高い親和性で結合する、請求項51または52に記載のT細胞集団。
【請求項54】
36位における前記アミノ酸置換が、バリン、イソロイシン、ロイシンおよびアラニンからなる群から選択される、請求項53に記載のT細胞集団。
【請求項55】
各多量体リガンド結合性領域が、FKB12v36領域である、請求項54に記載のT細胞集団。
【請求項56】
前記切断型MyD88ポリペプチドが、配列番号21のアミノ酸配列またはその機能的断片を有する、請求項40から55のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項57】
前記切断型MyD88ポリペプチドが、配列番号21のアミノ酸配列からなる、請求項40から56のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項58】
前記CD40細胞質ポリペプチドが、配列番号23のアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、請求項40から57のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項59】
前記CD40細胞質ポリペプチドが、配列番号23のアミノ酸配列またはその機能的断片からなる、請求項40から57のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項60】
前記PSCA-CARポリペプチドが、抗原認識部分、膜貫通領域、およびT細胞活性化分子を含む、請求項40から59のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項61】
前記抗原認識部分が、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、4A10、およびA11からなる群から選択されるPSCA抗体に由来し、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、および4A10が、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託されているHB-12612、HB-12613、HB-12614、HB-12616、HB-12618、HB-12615、およびHB-12617と称するハイブリドーマによりそれぞれ産生される、請求項60に記載のT細胞集団。
【請求項62】
前記抗原認識部分が、配列番号65、67、69および71からなる群から選択されるアミノ酸配列の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項60または61のいずれか一項に記載のT細胞集団。
【請求項63】
前記抗原認識部分が、配列番号51および49、配列番号55および53、配列番号57および59、ならびに配列番号61および63からなる群から選択される、重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列を含む、請求項60に記載のT細胞集団。
【請求項64】
前記抗原認識部分が、配列番号49の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号51の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項60に記載のT細胞集団。
【請求項65】
前記抗原認識部分が、配列番号53の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号55の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項60に記載のT細胞集団。
【請求項66】
前記抗原認識部分が、配列番号57の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号59の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項60に記載のT細胞集団。
【請求項67】
前記抗原認識部分が、配列番号61の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号63の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項60に記載のT細胞集団。
【請求項68】
前記抗原認識部分が、配列番号65の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号67の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項60に記載のT細胞集団。
【請求項69】
前記抗原認識部分が、配列番号69の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号71の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである、請求項60に記載のT細胞集団。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2018年12月13日に出願した米国特許仮出願第62/779,394号の優先権を主張するものであり、前記仮出願は、それら全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
【0002】
本出願は、ASCII形式で電子的に提出した配列表を含み、この配列表は、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。2019年12月4日に作成した前記ASCIIコピーは、14562-068-228_SL.txtという名であり、サイズは61,765バイトである。
技術分野
【0003】
本技術は、一般に、免疫学の分野に関し、一部は、前立腺幹細胞抗原を発現する腫瘍細胞の存在に関連する疾患および障害を処置するためのT細胞組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
前立腺幹細胞抗原(PSCA)は、アミノ酸123個を有するグリコシルホスファチジルイノシトール(glycosylphosphatidylinosital)アンカー型細胞表面タンパク質である。PSCAは、前立腺、膀胱、腎臓、皮膚、食道、胃、眼および胎盤の正常上皮細胞では発現が少ないが、PSCAは、膵臓、前立腺、胃、卵巣および膀胱のがんでは上方調節される(Abate-Daga D 2014 Hum Gene Ther 25: 1003-1012)。PSCAの発現は、前立腺がんの進行臨床病期および転移と正に相関する(Saeki N 2010 Cancer Res 16: 3533-3538)。
【0005】
PSCAは、抗がん免疫療法の潜在的標的を表す。PSCAに対するモノクローナル抗体(AGS-1C4D4またはAGS-PSCA)の安全性および臨床活性は、進行膵臓がん(Wolpin BM 2013 Ann Oncol 24: 1792)および前立腺がん(Antonarakis ES 2012 Cancer Chemother Pharmacol 69: 763-771, Morris MJ 2012 Ann Oncol 23: 2714-2719)の処置について第IおよびII相臨床試験で評価された。約200名の対象において、抗PSCA抗体での処置は、48mg/kg以下の用量で低い毒性を示し、中等度の有効性を示した。この好適な安全性プロファイルは、正常組織上でのPSCAの限られた発現に起因するとされており(Abate-Daga D 2014 Hum Gene Ther 25: 1003-1012)、オンターゲット、オフ腫瘍副作用を軽減させるのに役立ち得る。まとめると、これらのデータは、PSCAが治療介入の興味深い妥当な標的であるという臨床的証拠となる。
【0006】
誘導性PSCA CAR-T細胞は、PSCA発現固形腫瘍悪性病変の処置に有用なタイプの免疫療法であり得る。臨床データは、旧来のCAR-T療法と比較して増強されたT細胞増殖、持続性およびin vivo抗がん活性を示す(Foster AE 2017 Mol Ther 25: 2176-2188, Mata M 2017 Cancer Discov 7: 1306-1319)。これまでのところ、旧来のCAR-T細胞免疫療法の有意義な臨床活性は、血液悪性疾患に限られているが、固形腫瘍の適応における有効性は、一般的に、CAR-T細胞持続性が低く、したがって持続的抗腫瘍活性が時間とともに欠如することにより制限され得る。抗PSCA CAR-T細胞に誘導性「オン」スイッチを加えることにより、活性化および増殖シグナルが制御され、それによって、改変T細胞の持続性が改善されるだけでなく、潜在的な抗腫瘍有効性が延長される。
【0007】
ある特定の実施形態は、下記の説明、実施例、特許請求の範囲および図面でさらに説明される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Abate-Daga D 2014 Hum Gene Ther 25: 1003-1012
【非特許文献2】Saeki N 2010 Cancer Res 16: 3533-3538
【非特許文献3】Wolpin BM 2013 Ann Oncol 24: 1792
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、前立腺幹細胞抗原(PSCA)を発現する1つまたは複数の固形腫瘍の存在に関連する疾患と診断されたヒト対象を処置するための方法であって、対象に、(i)誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドおよび、(ii)前立腺幹細胞抗原キメラ抗原受容体(PSCA-CAR)ポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含む、0.3×10細胞/kg~約9×10細胞/kgの改変T細胞を投与するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
【0010】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるヒト対象を処置するための方法は、未改変ポリクローナルT細胞を0.1×10細胞/kg~30×10細胞/kgの間の量で投与するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、対象に改変および未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、T細胞の約20%~約90%は、改変T細胞である。一部の実施形態では、対象に改変および未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、T細胞の約20%~約80%は、改変T細胞である。一部の実施形態では、対象に改変および未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、T細胞の約20%~約70%は、改変T細胞である。一部の実施形態では、対象に改変および未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、T細胞の約20%~約60%は、改変T細胞である。一部の実施形態では、対象に改変および未改変T細胞を含む不均一T細胞集団の注入が施され、T細胞の約20%~約50%は、改変T細胞である。
【0011】
ある特定の実施形態では、T細胞は、1ミリリットル当たり約20×10~120×10の細胞を含む、対象への注入に適した希釈物として対象に投与される。
【0012】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるヒト対象を処置するための方法は、リミドゥシド(rimiducid)の複数の用量を対象に投与するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、リミドゥシドは、対象に1日1回投与される。他の実施形態では、リミドゥシドは、対象に週に3回投与される。さらに他の実施形態では、リミドゥシドは、対象に週に2回投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドは、対象に週に1回投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドは、対象に1週間おきに1回投与される。他の実施形態では、リミドゥシドは、対象に月に2回投与される。
【0013】
ある特定の実施形態では、対象へのリミドゥシドの各投与は、約0.4mg/kg対象体重である。特定の実施形態では、リミドゥシドは、対象に週に1回投与され、対象へのリミドゥシドの各投与は、約0.4mg/kg対象体重である。他の実施形態では、リミドゥシドは、対象に1日1回投与され、対象へのリミドゥシドの各投与は、約0.4mg/kg対象体重である。さらに他の実施形態では、リミドゥシドは、対象に週に3回投与され、対象へのリミドゥシドの各投与は、約0.4mg/kg対象体重である。一部の実施形態では、リミドゥシドは、対象に週に2回投与され、対象へのリミドゥシドの各投与は、約0.4mg/kg対象体重である。一部の実施形態では、リミドゥシドは、対象に1週間おきに1回投与され、対象へのリミドゥシドの各投与は、約0.4mg/kg対象体重である。
【0014】
本明細書で提供されるヒト対象を処置するための方法のいずれか1つについての一部の実施形態では、固形腫瘍は、膵臓がん、胃がんまたは前立腺がんである。
【0015】
本明細書で提供されるヒト対象を処置するための方法のいずれか1つについての一部の実施形態では、誘導性MyD88/CD40ポリペプチドは、
i)2つの多量体リガンド結合性領域、
ii)MyD88ポリペプチド、またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド、および
iii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域
を含む。ある特定の実施形態では、各多量体リガンド結合性領域は、FKBP12バリアントポリペプチドを含む。一部の実施形態では、各FKBP12バリアントポリペプチドは、36位にアミノ酸置換を含み、多量体リガンドに野生型FKBP12ポリペプチドより高い親和性で結合する。特定の実施形態では、36位におけるアミノ酸置換は、バリン、イソロイシン、ロイシンおよびアラニンからなる群から選択される。一部の実施形態では、各多量体リガンド結合性領域は、FKB12v36領域である。
【0016】
一部の実施形態では、切断型MyD88ポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列、またはその機能的断片を有する。
【0017】
ある特定の実施形態では、CD40細胞質ポリペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列、またはその機能的断片を含む。
【0018】
本明細書で提供される方法のいずれか1つについての一部の実施形態では、PSCA-CARポリペプチドは、抗原認識部分、膜貫通領域、およびT細胞活性化分子を含む。ある特定の実施形態では、抗原認識部分は、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、4A10、およびA11からなる群から選択されるPSCA抗体に由来し、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、および4A10は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託されているHB-12612、HB-12613、HB-12614、HB-12616、HB-12618、HB-12615、およびHB-12617と称するハイブリドーマによりそれぞれ産生される。
【0019】
一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号65、67、69および71からなる群から選択されるアミノ酸配列の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの相補性決定領域(CDR)を含む。
【0020】
他の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号51および49、配列番号55および53、配列番号57および59、ならびに配列番号61および63からなる群から選択される、重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列を含む。
【0021】
さらに他の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号49の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号51の重鎖可変アミノ酸配列を含む単鎖可変(scFV)である。
【0022】
一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号53の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号55の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。
【0023】
他の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号57の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号59の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。
【0024】
さらに他の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号61の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号63の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。
【0025】
一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号65の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号67の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。
【0026】
他の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号69の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号71の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。
【0027】
別の態様では、改変および未改変T細胞を含む不均一T細胞集団であって、改変T細胞が、a)誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、およびb)PSCA-CARポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含む、不均一T細胞集団が本明細書において提供される。
【0028】
一部の実施形態では、T細胞の約20%~約90%は、改変T細胞である。一部の実施形態では、T細胞の約20%~約80%は、改変T細胞である。一部の実施形態では、T細胞の約20%~約70%は、改変T細胞である。ある特定の実施形態では、T細胞の約20%~約60%は、改変T細胞である。一部の実施形態では、T細胞の約20%~約50%は、改変T細胞である。
【0029】
一部の実施形態では、T細胞集団は、凍結用培地に浮遊している。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるT細胞集団は、凍結保存T細胞集団である。
【0030】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるT細胞集団は、対象への注入に適した希釈物において1ミリリットル当たり約20×10~150×10の細胞を含む。他の実施形態では、本明細書で提供されるT細胞集団は、対象への注入に適した希釈物において1ミリリットル当たり約20×10~120×10の細胞を含む。
【0031】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるT細胞集団は、誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含む改変T細胞であって、誘導性MyD88/CD40ポリペプチドが、
i)2つの多量体リガンド結合性領域、
ii)MyD88ポリペプチド、またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド、および
iii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域
を含む、改変T細胞を含む。
【0032】
一部の実施形態では、各多量体リガンド結合性領域は、FKBP12バリアントポリペプチドを含む。他の実施形態では、各FKBP12バリアントポリペプチドは、多量体リガンドに野生型FKBP12ポリペプチドより高い親和性で結合する。ある特定の実施形態では、各FKBP12バリアントポリペプチドは、36位にアミノ酸置換を含み、多量体リガンドに野生型FKBP12ポリペプチドより高い親和性で結合する。一部の実施形態では、36位におけるアミノ酸置換は、バリン、イソロイシン、ロイシンおよびアラニンからなる群から選択される。一部の実施形態では、各多量体リガンド結合性領域は、FKB12v36領域である。
【0033】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるT細胞集団は、誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含む改変T細胞であって、誘導性MyD88/CD40ポリペプチドが、
i)2つの多量体リガンド結合性領域、
ii)MyD88ポリペプチド、またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド、および
iii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域
を含み、切断型MyD88ポリペプチドが、配列番号21のアミノ酸配列またはその機能的断片を有する、改変T細胞を含む。特定の実施形態では、切断型MyD88ポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列からなる。
【0034】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるT細胞集団は、誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含む改変T細胞であって、誘導性MyD88/CD40ポリペプチドが、
i)2つの多量体リガンド結合性領域、
ii)MyD88ポリペプチド、またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド、および
iii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域
を含み、CD40細胞質ポリペプチドが、配列番号23のアミノ酸配列、またはその機能的断片を含む、改変T細胞を含む。一部の実施形態では、CD40細胞質ポリペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列、またはその機能的断片からなる。
【0035】
一部の実施形態では、改変および未改変T細胞を含む不均一T細胞集団であって、改変T細胞が、a)誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、およびb)PSCA-CARポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含み、PSCA-CARポリペプチドが、抗原認識部分、膜貫通領域、およびT細胞活性化分子を含む、不均一T細胞集団が本明細書において提供される。ある特定の実施形態では、抗原認識部分は、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、4A10、およびA11からなる群から選択されるPSCA抗体に由来し、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、および4A10は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託されているHB-12612、HB-12613、HB-12614、HB-12616、HB-12618、HB-12615、およびHB-12617と称するハイブリドーマによりそれぞれ産生される。
【0036】
一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号65、67、69および71からなる群から選択されるアミノ酸配列の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの相補性決定領域(CDR)を含む。他の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号51および49、配列番号55および53、配列番号57および59、ならびに配列番号61および63からなる群から選択される、重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号49の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号51の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号53の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号55の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号57の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号59の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号61の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号63の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号65の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号67の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。一部の実施形態では、抗原認識部分は、配列番号69の軽鎖可変アミノ酸配列および配列番号71の重鎖可変アミノ酸配列を含むscFVである。
【0037】
図面は、本技術のある特定の実施形態の説明に役立つものであり、限定するものではない。説明を明確かつ容易にするために、図面は、正確な縮尺で作成されたものではなく、一部の事例では、様々な態様が、特定の実施形態の理解を助長するために、誇張または拡大して示されることもある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、腫瘍組織におけるPSCA発現を示す。
【0039】
図2図2は、誘導性MyD88/CD40成分および抗PSCA CAR成分を含むレトロウイルスベクター構築物を示す。Q、CD34。
【0040】
図3図3は、誘導性MyD88/CD40の説明図を示す。MyD88およびCD40シグナル伝達経路は、誘導性共刺激を生じさせるために利用される。IFN、インターフェロン;iMC、誘導性MyD88/CD40;TIR、Toll/インターロイキン-1受容体;TLR、Toll様受容体。
【0041】
図4図4は、誘導性共刺激で操作されたT細胞(すなわち、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞)の説明図を示す。細胞の特徴は、自己T細胞産物候補;PSCA-CD3ζ CARによる抗原特異的活性化;および誘導性MyD88/CD40ドメインによるリミドゥシド依存性共刺激を含む。CAR、キメラ抗原受容体;iMC、誘導性MyD88/CD40;PSCA、前立腺幹細胞抗原;Rim、リミドゥシド;TCR、T細胞受容体。
【0042】
図5-1】図5A~5Bは、HPAC担持NSGマウスにおける誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞による用量依存性腫瘍殺滅を示す。図5A:示されている用量での非形質導入細胞または誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の注射後に経時的に測定された腫瘍体積。赤色矢印は、適用可能な用量群のリミドゥシド注射を示す。図5B:示されている用量での非形質導入細胞または誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の注射後の生存率。CID=リミドゥシド;NT=非形質導入T細胞。
図5-2】同上。
【0043】
図6図6は、前立腺幹細胞抗原(PSCA)標的の理論的根拠を支持するデータを示す。GPI、グリコシルホスファチジルイノシトール;hACTB、ヒトベータアクチン;LoQ、定量限界。
【0044】
図7図7は、細胞投与研究計画(すなわち、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞を使用する)の説明図を示す。研究のパート1の目的は、パート2での使用についての安全性、耐容性、MTDおよび/またはRDEを含んだ。MTD、最大耐用量;PSCA、前立腺幹細胞抗原;RDE、推奨用量拡大。
【0045】
図8図8は、患者人口統計および臨床的特徴を示す表を提供する。-3日目にIV注入によりシトキサン 1g/m;† PSCA(hACTB 10コピー当たりのコピー数)をスクリーニング時に測定した。CTX、シクロホスファミド;hACTB、ヒトベータアクチン;LD、リンパ球枯渇;PSCA、前立腺幹細胞抗原;Rim、リミドゥシド。
【0046】
図9図9は、安全性の概要を示す。DLTも、神経毒性も、サイトカイン放出症候群の事象も、観察されなかった。発熱は、1名を超える患者(n=2)により報告された唯一の処置関連AE(誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の注入後0日目にグレード1~2)であった。どちらの事象も、支持療法を用いて24~36時間以内に解消した。AE=有害事象;DLT=用量制限毒性。
【0047】
図10図10は、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞拡大および持続性を示す。観察結果は以下の通りである:シクロホスファミド(CTX)のみのレジメンでのリンパ球枯渇(LD)のわずかな証拠(細胞の79%±25%が残存した);4日目までに急速な細胞拡大、しかしリミドゥシドなしでは持続しないこと;ならびに単回用量リミドゥシドを用いて、患者4名における7日以内の3倍~20倍の細胞拡大および患者3名における3週間を超える細胞持続。ベクターコピー数<定量限界。CTX、シクロホスファミド;LD、リンパ球枯渇;PSCA、前立腺幹細胞抗原;Rim、リミドゥシド。
【0048】
図11図11は、末梢性サイトカインプロファイルを経時的に示す。Rim、リミドゥシド。
【0049】
図12図12は、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞で処置した患者における抗腫瘍活性の証拠を示す。スキャンを4週目(1カ月目)、8週目(2カ月目)、およびその後は進行するまで8週間ごと(2カ月ごと)に行った。CA19-9、がん抗原19-9;CR、完全奏効;PD、病勢進行;PR、部分奏効;PSCA、前立腺幹細胞抗原;SD、病勢安定。
【0050】
図13図13は、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞で処置した患者における抗腫瘍活性の証拠を示す。PSCA、前立腺幹細胞抗原。
【0051】
図14図14は、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の投与後の次の処置までの時間を示す。PD、病勢進行;偽PD、偽進行、病勢進行;SD、病勢安定。
【発明を実施するための形態】
【0052】
前立腺幹細胞抗原(PSCA)は、アミノ酸123個を有するグリコシルホスファチジルイノシトールアンカー型細胞表面タンパク質である。PSCAは、前立腺、膀胱、腎臓、皮膚、食道、胃、眼および胎盤の正常上皮細胞では発現が少ないが、PSCAは、膵臓、前立腺、胃、卵巣および膀胱のがんでは上方調節される(図1;Abate-Daga D 2014 Hum Gene Ther 25: 1003-1012)。PSCAの発現は、前立腺がんの進行臨床病期および転移と正に相関する(Saeki N 2010 Cancer Res 16: 3533-3538)。
重大な満たされていない医療ニーズがあるPSCA発現固形腫瘍
膵臓がん
【0053】
膵腺癌は、米国におけるがん関連死の4番目に多い原因である(Siegel RL 2017 CA Cancer J Clin 67: 7-30)。生存率が低いため、膵臓がんで死亡した人々の人口分布は、この疾患と診断された人々の人口分布に類似している。2018年には55,440名が膵腺癌と診断され、おおよそ44,330名が膵腺癌で死亡すると推定されている(2018年5月14日にアクセスしたhttps://seer.cancer.gov/statfacts/html/prost.htmlからのSEER Pancreatic Cancer 2018)。放射線イメージング、肝機能試験、および循環腫瘍バイオマーカー(CA 19-9)のレベルは、診断およびステージ分類に使用される主な手段である。
【0054】
外科的切除は、切除可能なおよび切除可能境界の膵臓がんを管理するための、唯一の潜在的に治癒的な治療法である。しかし、この疾患は、多くの場合、これらの早期に検出するのが困難であり、多くの患者は、疾患が切除不能な状態に既に進行し、局所進行してしまってまたは遠位転移があって初めて診断される。過去に処置を受けていない局所進行または転移性疾患を有し、一般状態良好である対象については、併用化学療法が、依然として標準ケアである。無作為化臨床試験は、一次療法としてのnab-パクリタキセルとの組合せでのFOLFIRINOXとゲムシタビンの両方について生存優位性を示しているが、全生存期間中央値は、依然として12カ月未満であり、処置に関連する重度の毒性(特に、骨髄抑制および末梢神経障害)がよく見られる。これらのデータは、単剤化学療法または緩和ケアに限定されている現行の標準ケアを超える安全で有効な二次療法を開発する必要性を強調している(Conroy T 2011 N Engl J Med 364: 1817-1825、Von Hoff DD 2013 N Engl J Med 369: 1691-1703)。
前立腺がん
【0055】
前立腺がんは、米国の男性に最もよく見られる非皮膚がんである(Litwin MS 2017 JAMA 317: 2532-2542)。2018年には、おおよそ165,000名の男性が、前立腺がんと診断され、前立腺がんは、男性のがんによる死亡の2番目に多い死因であり、推定年間死亡率は29,000である(Siegel RL 2017 CA Cancer J Clin 67: 7-30)。診断は、超音波ガイド下の針生検により概して行われる。組織学的パターンは、グリーソンシステムを使用してスコア化される。
【0056】
転移性前立腺がんを有する男性については、ドセタキセルを伴うまたは伴わないアンドロゲン遮断療法(ADT)が、一次治療である(Sweeney CJ 2015 N Engl J Med 373:737-746、James ND 2016 Lancet 387: 1163-1177、Litwin MS 2017 JAMA 317: 2532-2542)。転移性前立腺がんがADTに反応しなくなる患者の場合、アンドロゲン経路を遮断する他の薬剤(アビラテロン、エンザルタミド)が疾患進行を緩徐化し、生存率を向上させ、生活の質を向上させ得る(de Bono JS 2011 N Engl J Med 364: 1995-2005、Scher H 2012 N Engl J Med 367: 1187-1197、Ryan CJ 2013 N Engl J Med 368:138-148、Beer TM 2014 N Engl J Med 371: 424-433)。他の薬剤、例えば、シプロイセル-T、自家細胞療法(Kantoff PW2010, Schellhammer PF 2013 Urology 81: 1297-1302)、およびカバジタキセル(de Bono JS 2011 N Engl J Med 364: 1995-2005)、タキサンが、処置に組み込まれることがある。他の薬剤、例えば、デノスマブ、ゾレドロン酸、または223ラジウムが、骨への転移および骨関連事象からの保護に使用されることもある(Beer TM 2014 N Engl J Med 371: 424-433、Parker C 2013 N Engl J Med 369: 1659-1660)。これらの療法の出現で改善がなされてきたが、再発性転移性前立腺がんを有する患者の生存期間は限られている。再発性疾患を有する患者の化学療法後の全生存期間は、14.0~18.4カ月の範囲である。
胃がん
【0057】
胃がんは、世界中で、4番目に多いがんであり、がん関連死の2番目に多い原因である。年間新規患者数は、950,000である。2012年には、推定720,000名の患者が胃がんで死亡した(Ferlay J 2015 Int J Cancer 136: E359-E386)。胃がんは、胃腺癌と胃食道接合部腺癌に分けられる。組織学的には、胃がんは、びまん性と腸型という2つの主な種類に分けられる。H.pylori感染は、遠位胃がんの最も重要な原因である(Bornschein J 2010 Dig Dis 28: 609-614)。
【0058】
胃がんの治療選択肢は、処置の状況に依存し、外科手術、放射線療法、化学療法、もっと最近では、モノクローナル抗体での標的療法、および免疫療法を含む。転移性胃がんを有する患者については、併用化学療法、特に、5-フルオロウラシル+白金が、最先端の処置として確立されている(Kim NK 1993 Cancer 71: 3813-3818、Ohtsu S 2003 J Clin Oncol 21: 54-59、Van Cutsem E 2006 J Clin Oncol 24: 4991-4997)。主要治療目的は、生存期間の延長、症状の緩和、および生活の質の向上であるが、全ての患者は、臨床的に有意な処置関連毒性を伴うまたは伴わない疾患進行を最終的には経験する。二次治療以降を進めている患者については、アジアにおける臨床試験からの結果によって、最良の支持療法と比較して化学療法の生存利益が改善されることが実証されている(Takashima A 2014 Gastric Cancer 17: 522-528)。これらの有効性の利益があるにもかかわらず、一次治療後に化学療法を使用することは、一般状態が良好である患者に限定されることが多い。これにより、処置結果を向上させ生存を延長するだけでなく、進行胃がんを有する全ての患者の生活の質も維持する、追加の後続の治療選択肢を開発する重要性が強調される。
PSCA特異的CAR-T細胞
【0059】
PSCA特異的CAR-T細胞(例えば、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞)は、PSCA発現細胞に結合するPSCA指向性、遺伝子改変、T細胞である。
【0060】
腫瘍抗原特異的、単鎖可変断片(scFv)ドメインと、T細胞受容体(TCR)関連CD3ζ細胞内シグナル伝達分子とを含む、第一世代キメラ抗原受容体(CAR)を有するT細胞は、in vivoで持続することも拡大することもできない(Kershaw, M.H. et al. (2006) Clinical cancer research: an official journal of the American Association for Cancer Research 12: 6106-6115;Pule, M.A. et al. (2008) Nature Med. 14: 1264-1270;Till, B.G. et al. (2012) Blood 119: 3940-3950)。腫瘍細胞は、完全なT細胞活性化に必要な必須共刺激分子を欠くことが多いからである(Inman, B.A., et al. (2007) Current cancer drug targets 7: 15-30)。CD28または4-1BBのような強力な細胞内共刺激ドメインを組み込んだ第二世代CAR-T細胞(Carpenito, C. et al. (2009) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 106: 3360-3365;Song, D.G. et al. (2012) Blood 119: 696-706)は、養子移入後に改善された生存期間およびin vivo拡大を示す(Kalos, M. et al. (2011) Science translational medicine 3:95ra73;Porter, D.L., et al. (2011) The New Eng. J. Med. 365: 725-733;Brentjens, R.J. et al. (2013) Science translational medicine 5:177ra138;Kochenderfer, J.N. et al. (2015) J. Clin. Oncol. 33(6): 540-549)。CARを発現するT細胞は、一部の種類のがんに対する処置について長期有効性を示したが、サイトカイン放出症候群(CRS)などの、過剰なT細胞活性化に関連する毒性が、依然として懸念事項である。加えて、CAR-T細胞有効性は、腫瘍微小環境のより顕著な阻害効果に恐らく起因する不良なCAR-T細胞生存、活性化および増殖のため、固形腫瘍ではより制限される(Jena, B., et al. (2014) Current hematologic malignancy reports 9: 50- 56;Dotti, G., et al. (2014) Immunological reviews 257: 107-126)。したがって、腫瘍を標的とするT細胞の制御された拡大および生存を可能にする戦略は、治療の効力を最大にし、その上、毒性を最小限にするであろう。
【0061】
CAR-T細胞の抗腫瘍活性は、毒性(すなわち、重度のサイトカイン放出症候群および神経毒性)を伴うことが多い、注入後の確固たるCAR-T細胞拡大に関連しているが、CAR-Tの増殖および持続が不良である患者は、長期寛解率低下を示す。本明細書で提示される実施例では、誘導性キメラ刺激性ポリペプチド、例えば誘導性MyD88/CD40(iMC)からの制御可能なシグナル伝達は、CAR-T生存、増殖能および抗腫瘍活性を増強することができることが実証される。
【0062】
T細胞(Tリンパ球とも呼ばれる)は、リンパ球と呼ばれる、白血球の一群に属する。リンパ球は、一般に、細胞性免疫に関与する。「T細胞」の「T」は、胸腺に由来する細胞、または成熟が胸腺による影響を受ける細胞を指す。T細胞は、T細胞受容体として公知の細胞表面タンパク質の存在によって、B細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞などの他のリンパ球型と区別することができる。用語「活性化T細胞」は、本明細書で使用される場合、例えば、クラスII主要組織適合性(MHC)マーカーに関連して提示されるものなどの、抗原決定基の認識により、免疫応答(例えば、活性化T細胞のクローン拡大)を生じさせるように刺激された、T細胞を指す。T細胞は、抗原決定基、サイトカインおよび/またはリンホカインならびに分化抗原群細胞表面タンパク質(例えば、CD3、CD4、CD8など、およびこれらの組合せ)の存在により活性化される。分化抗原群のタンパク質を発現する細胞は、T細胞の細胞表面でのそのタンパク質の発現について「陽性」であると言われることが多い(例えば、CD3、CD4またはCD8発現について陽性の細胞は、CD3、CD4またはCD8と呼ばれる)。CD3およびCD4タンパク質は、T細胞におけるシグナル伝達に直接および/または間接的に関与し得る、細胞表面受容体または共受容体である。
【0063】
T細胞は、細胞の表面に提示される抗原を認識する受容体(すなわち、T細胞受容体)をそれらの表面に発現する。正常な免疫応答中に、MHC抗原提示に関連してこれらの抗原がT細胞受容体に結合することによって、T細胞活性化をもたらす細胞内変化が開始される。キメラ抗原受容体(CAR)は、MHC抗原提示を必要とせずに抗原特異性をT細胞に伝達するように設計された人工受容体である。CARは、抗原特異的成分、膜貫通成分、および細胞内成分を含み、これらは、T細胞を活性化するようにおよび特異的免疫をもたらすように選択される。キメラ抗原受容体発現T細胞は、がん治療をはじめとする様々な治療に使用され得る。
【0064】
「キメラ抗原受容体」または「CAR」とは、例えば、T細胞を活性化するようにおよび特異的免疫をもたらすように選択される膜貫通ポリペプチドおよび細胞内ドメインポリペプチドに連結された、標的抗原を認識するポリペプチド配列(抗原認識ドメイン、抗原認識領域、抗原認識部分、またはたは抗原結合領域)含む、キメラポリペプチドを意味する。抗原認識ドメインは、抗原に結合する、天然由来のあるいは合成の、任意のポリペプチドまたはその断片、例えば抗体断片可変ドメインなどであり得る。例えば、抗原認識部分には、例えば一本鎖可変断片(scFv)、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFv断片などの、抗体に由来するポリペプチド;例えばTCR可変ドメインなどの、T細胞受容体に由来するポリペプチド;パターン認識受容体に由来するポリペプチド;ならびに細胞外同族タンパク質に結合する任意のリガンドまたは受容体断片が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
「T細胞活性化分子」とは、キメラ抗原受容体を発現するT細胞に組み込まれたとき、T細胞の活性化を増強するポリペプチドを意味する。例としては、ITAM含有、Signal 1付与分子、例えばCD3ζ(CD3ゼータ;CD247)ポリペプチドなど、およびFc受容体ガンマ、例えばFcイプシロン受容体ガンマ(FcεR1γ)サブユニットなどが挙げられるが、これらに限定されない(Haynes, N.M., et al. J. Immunol. 166:182-7 (2001))。細胞内ドメインは、例えば、これに限定されないがCD3ζなどの、T細胞の活性化を引き起こす少なくとも1つのポリペプチドを含み得る。
【0066】
一部の実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)の基本成分は、以下のものを含む。腫瘍特異的モノクローナル抗体の可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)は、T細胞受容体複合体からのCD3ζ鎖(ζ)とインフレームで融合している。VHおよびVLは、一般に、柔軟なグリシン-セリンリンカーを使用して互いに連結され、次いで、scFvが腫瘍抗原と相互作用することができるようにscFvを細胞表面から遠くに伸長するために、スペーサー(例えば、CD8aストークまたはCHCH)によって膜貫通ドメインに結合される。
【0067】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、ヒト化PSCA抗体の単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0068】
一部の実施形態では、単鎖可変領域ドメイン(scFV)は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託されているHB-12612、HB-12613、HB-12614、HB-12616、HB-12618、HB-12615およびHB-12617と称するハイブリドーマによりそれぞれ産生される1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3および4A10、ならびに例えば、2003年6月19日に米国特許出願公開第2003/0113810A1号として公開された、2009年5月5日に発行されたReiter,R.E.らによる米国特許第7,527,786号において論じられているものからなる群から選択される、PSCA抗体に由来し得る(これらの参考特許文献は、全て、それら全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる)。
【0069】
一部の実施形態では、単鎖可変領域ドメイン(scFV)は、A11 VL(配列番号49)、A11 VH(配列番号51);bm2B3 VL(配列番号53)、bm2B3 VH(配列番号55);HA1-4.121 VH(配列番号57)、HLA1-4.121 VL(配列番号59);H1-1.10 VH(配列番号61)、H1-1.10 VL(配列番号63);1G8(2B3)(配列番号65)、1G8(2B3-C5)(配列番号67);1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)からなる群から選択される、PSCA抗体の可変重鎖および可変軽鎖に由来し得る。
【0070】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0071】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0072】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0073】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0074】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0075】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
共刺激
【0076】
一部の実施形態では、誘導性キメラ刺激ポリペプチドを含むCAR-T細胞集団を含む組成物および方法が、本明細書で提供される。誘導性キメラ刺激ポリペプチドは、1つまたは複数の共刺激シグナル伝達領域、例えば、CD27、ICOS、RANK、TRANCE、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、MyD88もしくはCD40、または例えば、その細胞質領域を含み得る。誘導性キメラ刺激ポリペプチドは、CD27、ICOS、RANK、TRANCE、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、MyD88またはCD40により活性化されるシグナル伝達経路を活性化する1つまたは複数の適する共刺激性シグナル伝達領域を含み得る。誘導性キメラ刺激ポリペプチドは、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)ファミリー(すなわち、CD40、RANK/TRANCE-R、OX40、4-1BB)およびCD28ファミリーメンバー(CD28、ICOS)のNF-κB経路、Akt経路および/またはp38経路を活性化する任意のポリペプチドを含み得る。1つより多くの共刺激ポリペプチドまたは共刺激ポリペプチド細胞質領域が、本明細書で論じられる改変T細胞において発現され得る。
MyD88およびCD40により提供される共刺激
【0077】
一部の実施形態では、本明細書に記載のCAR-T細胞集団は、誘導性キメラ刺激ポリペプチドを含む。誘導性キメラ刺激ポリペプチドは、CD27、ICOS、RANK、TRANCE、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、MyD88またはCD40により活性化されるシグナル伝達経路を活性化する1つまたは複数の共刺激性シグナル伝達領域を含むことができる。
【0078】
第二世代CARの主要機能の1つは、CD3ζ(シグナル1)による活性化T細胞核内因子(NFAT)転写因子のおよびCD28または4-1BB.32によるNF-κB(シグナル2)の活性化によってT細胞生存および成長を支持する、IL-2を産生する能力である。NF-κBを同様に活性化する他の分子もCAR分子内のCD3ζ鎖と対合させることができる。1つの手法は、元々は樹状細胞(DC)ワクチンのアジュバントとして開発されたT細胞共刺激分子を利用する(Narayanan et al.(2011) J Clin Invest 121:1524-1534;Kemnade et al.(2012) Mol Ther 20(7):1462-1471)。DCの完全活性化またはライセンスのために、Toll様受容体(TLR)シグナル伝達が通常は必要とされる。TLRシグナル伝達では、TLRの細胞質TLR/IL-1ドメイン(TIRドメインと呼ばれる)が二量体化し、この二量体化によって、例えば、骨髄分化一次応答タンパク質(MyD88;完全長アミノ酸配列については配列番号29または47、およびそれをコードするヌクレオチド配列については配列番号30または配列番号48を参照されたい)などの、細胞質アダプタータンパク質が、動員され、会合する。
【0079】
一部の実施形態では、本明細書に記載のCAR T細胞集団は、MyD88ポリペプチド、CD40ポリペプチドおよび/またはMyD88-CD40融合キメラポリペプチドより活性化されるシグナル伝達経路を活性化する1つまたは複数の共刺激シグナル伝達領域を含む、誘導性キメラ刺激ポリペプチドを含む。
【0080】
MyD88は、異物の侵入に対する警告を誘発し、免疫細胞の動員および活性化をプライミングする、自然免疫系のTLRおよび重要なシグナル伝達成分に対するユニバーサルアダプター分子である。MyD88は、自然および適応免疫応答において中心的な役割を果たす細胞質アダプタータンパク質である。このタンパク質は、インターロイキン-1およびToll様受容体シグナル伝達経路において必須のシグナル伝達物質として機能する。これらの経路は、非常に多くの炎症性遺伝子についてのその活性化を調節する。コードされるタンパク質は、N末端デスドメインおよびC末端Toll-インターロイキン1受容体ドメインからなる。MyD88 TIRドメインは、TLRとヘテロ二量体化および他のMyD88タンパク質とホモ二量体化することができる。そしてまた、この二量体化は、MyD88のアミノ末端のデスドメイン(DD)とIRAKキナーゼの相互作用によってIRAKファミリーキナーゼを動員し、活性化をもたらし、それによって、JNK、p38 MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)およびNF-κB(サイトカインコード遺伝子およびケモカインコード遺伝子(ならびに他の遺伝子)の発現を誘導する転写因子)の活性化に至るシグナル伝達経路が開始される。MyD88は、IRAK1、IRAK2、IRF7およびTRAF6を介して作用し(acts acts)、NF-κB活性化、サイトカイン分泌および炎症応答をもたらす。MyD88はまた、IRF1を活性化し、その結果、核内へと急速に移動して、IFN-ベータ、NOS2/INOS、およびIL12A遺伝子の効率的導入を媒介することになる。腸上皮細胞におけるMyD88媒介シグナル伝達は、消化管恒常性の維持に極めて重要であり、小腸における抗菌性レクチンREG3Gの発現を制御する。TLRシグナル伝達はまた、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)ファミリーのメンバーであり、抗原感作CD4T細胞上のCD40リガンド(CD154またはCD40L)と相互作用する、CD40の発現を上方調節する。
【0081】
CD40は、その同族CD40Lとの会合によってAPCの活性化を補助し、その結果としてより強いCTL応答を偏向させる、適応免疫応答の重要な部分である。CD40/CD154シグナル伝達系は、T細胞機能およびB細胞-T細胞相互作用における重要な成分である。CD40シグナル伝達は、CD40ホモ二量体の形成およびTNFR関連因子(TRAF)との相互作用によって進行し、CD40の細胞質ドメインへのTRAFの動員によって実行され、NF-κB、JNKおよびAKT経路などのいくつかの二次シグナルが関与してT細胞活性化に至る。
【0082】
生存および成長優位性の他に、MyD88またはMyD88-CD40融合キメラポリペプチドに基づく共刺激は、CAR改変T細胞に追加の機能をもたらすこともできる。MyD88シグナル伝達は、Th1応答とTh17応答の両方に必要不可欠であり、IL-1を介して、CD4T細胞を調節性T細胞(Treg)駆動阻害に対して抵抗性にするように作用する(例えば、Schenten et al.(2014) Immunity 40:78-90を参照されたい)。加えて、CD8T細胞におけるRas、PI3KおよびプロテインキナーゼCによるCD40シグナル伝達は、CD4CD25Treg細胞を溶解する細胞傷害性メディエーターであるグランザイムおよびパーフォリンのNF-κB依存性導入をもたらす(Martin et al.(2010) J Immunol 184:5510-5518)。したがって、MyD88およびCD40共活性化は、CAR-T細胞をTreg細胞の免疫抑制効果に対して耐性にすることができ、これは、固形腫瘍および他の種類のがんの処置において非常に重要であり得る機能である。
【0083】
T細胞をはじめとする免疫細胞において、MyD88およびCD40は一緒に転写因子の下流に作用して、炎症性サイトカインであるI型IFNを上方調節することならびに増殖および生存を促進することができる。CARからのCD3ζからのシグナル伝達入力に加えて、MyD88/CD40は、強力で多面発現性の共刺激分子になる。一部の実施形態では、本明細書に記載の技術は、MyD88、CD40および/またはMyD88-CD40融合キメラポリペプチドより活性化されるシグナル伝達経路を活性化する1つまたは複数の共刺激シグナル伝達領域を含む、誘導性キメラ刺激ポリペプチドを含むCAR T細胞を提供する。適する共刺激シグナル伝達領域の例としては、IRAK-4、IRAK-1、TRAF6、TRAF2、TRAF3、TRAF5、Act、JAK3、またはその任意の機能的断片が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
CAR-T細胞の共刺激のための1つの手法は、MyD88のシグナル伝達エレメントの融合タンパク質(MCと呼ばれる)を発現させることである。そのような細胞の生存および成長は、キメラ抗原受容体の一部であるCD3ζのNFAT転写因子(シグナル1)によるNFAT活性化因子のならびにMyD88およびCD40によるNF-κB(シグナル2)の活性化によって増強される。MCを発現するCAR-T細胞の活性化は、膜標的化領域を欠く細胞質MyD88/CD40キメラ融合タンパク質で、およびMyD88/CD40と例えばミリストイル化領域などの膜標的化領域とを含むキメラ融合タンパク質で、観察される。CAR-T細胞は、例えばFKBP12v36などの多量体リガンド結合性領域を含む誘導性キメラシグナル伝達ポリペプチドと、MyD88ポリペプチドもしくは切断型MyD8ポリペプチド、またはMyD88-CD40もしくは切断型MyD88-CD40ポリペプチド(iMC)とを共発現することができる。iMCと第一世代CARの両方を発現する細胞は、CARによるiMCおよび腫瘍両方の認識を必要とする完全なT細胞活性化を可能にし、その結果、IL-2が産生され、CD25受容体が上方調節され、T細胞が拡大され、治療有効性は、in vivoでAP1903により制御された。一部の実施形態では、CAR-T細胞は、誘導性キメラシグナル伝達ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドとCARをコードする第2のポリヌクレオチドとをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第2のポリヌクレオチドの5’に位置する。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第2のポリヌクレオチドの3’に位置する。一部の実施形態では、リンカーポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドが、第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドの間に位置する。一部の実施形態では、リンカーポリペプチドは、翻訳中または後に第1および第2のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを隔てることができる、2Aポリペプチドである。
【0085】
MyD88またはMyD88ポリペプチドとは、骨髄分化一次応答遺伝子88、例えば、これに限定されないが、NCBI遺伝子ID4615として述べられるヒトバージョン、のポリペプチド産物を意味する。MyD88ポリペプチドの一例は、配列番号47として提示される。MyD88ポリペプチドの別の例は、配列番号29として提示される。「切断型」とは、タンパク質が完全長ではなく、例えばドメインを欠くことがあることを意味する。例えば、切断型MyD88は、完全長ではなく、例えば、TIRドメインを欠くことがある。一部の実施形態では、切断型MyD88ポリペプチドは、配列番号22の核酸配列によりコードされ、配列番号21のアミノ酸配列を含む。「切断型MyD88」をコードする核酸配列とは、切断型MyD88ペプチドをコードする核酸配列を意味し、この用語は、リンカーによりコードされる任意のアミノ酸を含む、クローニングの人工産物として付加される任意のアミノ酸をコードする部分を含む、核酸配列も指すこともある。方法または構築物が、切断型MyD88ポリペプチドを指す場合、完全長MyD88ポリペプチドなどの別のMyD88ポリペプチドを指すように方法が使用されることもあり、または構築物が設計されることもあることは、理解されよう。方法または構築物が、完全長MyD88ポリペプチドを指す場合、切断型MyD88ポリペプチドを指すように方法が使用されることもあり、または構築物が設計されることもあることは、理解されよう。
【0086】
MyD88ポリペプチドの「機能的等価物」または「機能的断片」は、例えば、細胞、例えばT細胞、NK細胞またはNK-T細胞に発現されたときに、例えばT細胞媒介、NK細胞媒介またはNK-T細胞媒介応答などの、細胞媒介腫瘍殺滅応答を、例えばNFκB経路を活性化することにより、増幅させることができる切断型MyD88ポリペプチドを、TIRドメインを欠くか否かを問わず、指す。切断型MyD88ポリペプチドは、例えば、完全長MyD88アミノ酸配列のアミノ酸残基1~172、例えば、配列番号29または配列番号47の残基1~172を含み得る。一部の実施形態では、切断型MyD88ポリペプチドは、例えば、完全長MyD88アミノ酸配列のアミノ酸残基1~151または1~155、例えば、配列番号29または配列番号47の残基1~151または1~155を含み得る。一部の実施形態では、切断型MyD88ポリペプチドは、例えば、完全長MyD88アミノ酸配列のアミノ酸残基1~152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170または171を含み、完全長MyD88アミノ酸配列の例は、配列番号29または配列番号47として提供される。一部の実施形態では、切断型MyD88アミノ酸配列は、完全長MyD88アミノ酸配列の連続するアミノ酸残基173~296を含まない。一部の実施形態では、切断型MyD88アミノ酸配列は、完全長MyD88アミノ酸配列の連続するアミノ酸残基152~296を含まない。一部の実施形態では、切断型MyD88アミノ酸配列は、完全長MyD88アミノ酸配列の連続するアミノ酸残基156~296を含まない。一部の実施形態では、切断型MyD88アミノ酸配列は、完全長MyD88アミノ酸配列の連続するアミノ酸残基152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、または172~296を含まない。「完全長MyD88アミノ酸配列」とは、例えば配列番号29または配列番号47に対応する、完全長MyD88アミノ酸配列を意味する。本明細書で提供される実施形態では、細胞外ドメインを欠く細胞質CD40ポリペプチドは、MyD88または切断型MyD88ポリペプチド部分から上流または下流のどちらかに存在し得る。
【0087】
用語「キメラ刺激ポリペプチド」は、「キメラ刺激分子」、「共刺激性ポリペプチド」、「共刺激性分子」、「キメラ共刺激分子」、およびキメラ共刺激ポリペプチド」、ならびにこれらの文法的変化形と置き換え可能である。
【0088】
用語「キメラ(の)」、「融合体」および「キメラ融合体」は、本明細書では、連結されてキメラポリペプチドを生成している2つまたはそれより多くのタンパク質(または2つもしくはそれより多くのタンパク質のうちの1つもしくは複数についての一部分)を含有するポリペプチドに関連して同義的に使用される。2つまたはそれより多くのタンパク質(またはそれらの一部分)は、互いに直接連結されていることがあり(この場合、一方のタンパク質(またはその一部分)の末端アミノ酸残基が、もう一方のタンパク質(またはその一部分)の末端アミノ酸残基に直接結合している)、または1つもしくは複数の介在エレメント(例えば、どちらのタンパク質の一部でもない1つもしくは複数のアミノ酸、例えばリンカーもしくはアダプター、または非アミノ酸ポリマー)を介して連結されていることもある。例えば、多量体化タンパク質(もしくはその一部分)と、別のタンパク質(例えば、DNA結合タンパク質、転写活性化タンパク質、アポトーシス促進性タンパク質、もしくは免疫細胞活性化経路のタンパク質成分)またはその一部分との融合体をコードする核酸から生成されるポリペプチドは、キメラ、融合またはキメラ融合ポリペプチドと呼ばれることがある。
【0089】
MyD88およびCD40ポリペプチドによる、ならびに共刺激性ポリペプチド細胞質シグナル領域を含むキメラシグナル伝達ポリペプチドによる、キメラ抗原受容体を発現するT細胞における共刺激は、米国特許出願公開第2016/0058857号において、およびWO2018/208849のような国際特許出願公開番号において論じられており、これらの参考特許文献の各々は、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0090】
例えば、発現構築物、ベクターを構築するための方法、および活性または融合体のアッセイを含む、細胞活性化の誘導に有用なキメラポリペプチドについてのおよびCAR-T細胞活性化を誘導するための関連方法についての非限定的な例は、以下の特許および特許出願:米国特許出願公開第2014/0286987号、国際特許出願公開番号WO2014/151960、米国特許出願公開第2016/0046700号、国際特許出願公開番号WO2015/123527、米国特許出願公開第2004/0209836号、米国特許第7,404,950号、国際特許出願公開番号WO2004/073641、米国特許出願公開第2011/0033388号、米国特許第8,691,210号、国際特許出願公開番号WO2008/049113、米国特許出願公開第2014/0087468号、米国特許第9,315,559号、国際特許出願公開番号WO2010/33949、米国特許出願公開第2011/0287038号、国際特許出願公開番号WO2011/130566、米国特許出願公開第2016/0175359号、国際特許出願公開番号WO2016/036746、国際特許出願公開番号WO2016/100241、米国特許出願公開第2017/0166877号、国際特許出願公開番号WO2017/106185、および国際特許出願公開番号WO2018/208849においても見つけることができ、これらの参考特許文献の各々は、本文、表および図面の全てを含むその全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0091】
誘導性キメラ刺激ポリペプチド(例えば、誘導性MyD88/CD40(iMC))は、例えば1つまたは複数のFKBP領域を含む、1つまたは複数のリガンド結合性領域を含み得る。一部の実施形態では、誘導性キメラ刺激ポリペプチド(例えば、誘導性MyD88/CD40(iMC))は、1つまたは複数のFKBP12ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、誘導性キメラ刺激ポリペプチド(例えば、誘導性MyD88/CD40(iMC))は、AP1903に結合するバリアントポリペプチドを含む、1つもしくは複数の適するFKBP12バリアントポリペプチド、または例えばAP20187もしくはAP2015などの、他の合成ホモ二量体化剤を含む。バリアントポリペプチドは、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシンおよびアラニンからなる群から選択される36位におけるアミノ酸置換を有するFKBP領域を含み得る(Clackson T, et al. Proc Natl Acad Sci USA (1998) 95:10437-10442)。一部の実施形態では、誘導性キメラ刺激ポリペプチド(例えば、誘導性MyD88/CD40(iMC))は、1つまたは複数のFKBP12v36ポリペプチドを含む。
【0092】
一部の実施形態では、誘導性キメラ刺激ポリペプチド(例えば、誘導性MyD88/CD40(iMC))は、2つのFKBP12v36ポリペプチドを含む。
【0093】
リミドゥシドとしても公知のAP1903(CAS索引名:2-ピペリジンカルボン酸,1-[(2S)-1-オキソ-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ブチル]-,1,2-エタンジイルビス[イミノ(2-オキソ-2,1-エタンジイル)オキシ-3,1-フェニレン[(1R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピリデン]]エステル,[2S-[1(R),2R[S[S[1(R),2R]]]]]-(9CI) CAS登録番号:195514-63-7;分子式:C78H98N4O20 分子量:1411.65)は、健常ボランティアにおいて安全であると証明された合成分子である(Iuliucci JD, et al. (2001) J Clin Pharmacol. 41:870-879)。
【0094】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的または薬理学的に許容される」は、動物またはヒトに投与されたときに有害反応、アレルギー反応や他の厄介な反応を生じさせない、分子実体および組成物を指す。
【0095】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。医薬活性物質のためのそのような媒体および剤の使用は、当技術分野において公知である。任意の従来の媒体または剤が、本明細書で提示されるベクターまたは細胞と非適合性である場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が企図される。補助有効成分を組成物に組み込むこともできる。一部の実施形態では、対象は哺乳動物である。
発現構築物の操作
【0096】
本キメラ抗原受容体および誘導性キメラ刺激ポリペプチドを発現する発現構築物が、本明細書で提供される。
【0097】
本明細書で使用される場合、用語「cDNA」は、メッセンジャーRNA(mRNA)を鋳型として使用して調製されるDNAを指すように意図されている。ゲノムDNAでも、ゲノムのプロセシングされていないもしくは部分的にプロセシングされたRNA鋳型から重合されたDNAでもなく、cDNAを使用する利点は、cDNAが、対応するタンパク質のコード配列を主として含有する点である。非コード領域が、必要に応じた発現に必要とされる場合、またはアンチセンス戦略でイントロンなどの非コード領域を標的とすべき場合など、完全または部分ゲノム配列が使用されるときがある。
【0098】
本明細書で使用される場合、用語「ポリペプチド」は、定義された配列を通常は有する、アミノ酸残基の鎖と定義される。本明細書で使用される場合、用語ポリペプチドは、用語「タンパク質」と置き換え可能であり得る。
【0099】
本明細書で使用される場合、用語「発現構築物」または「導入遺伝子」は、転写され得る核酸コード配列の一部または全てをベクターに挿入することができる、遺伝子産物をコードする核酸を含有する任意のタイプの遺伝子構築物と定義される。転写物は、タンパク質に翻訳されるが、必ずしも転写される必要はない。ある特定の実施形態では、発現は、遺伝子の転写と、mRNAの遺伝子産物への翻訳の両方を含む。他の実施形態では、発現は、目的の遺伝子をコードする核酸の転写のみを含む。用語「治療用構築物」は、発現構築物または導入遺伝子を指すために使用されることもある。発現構築物または導入遺伝子は、例えば、がんなどの過剰増殖性疾患または障害を処置するための療法として、使用することができ、したがって、発現構築物または導入遺伝子は、治療用構築物または予防用構築物である。疾患、障害または状態に関して本明細書で使用される場合、用語「処置」、「処置する」、「処置される」または「処置すること」は、予防および/または治療を指す。
【0100】
本明細書で使用される場合、用語「発現ベクター」は、転写され得る遺伝子産物の少なくとも一部をコードする核酸配列を含有するベクターを指す。一部の場合には、次いで、RNA分子が、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに翻訳される。他の場合、これらの配列は、例えば、アンチセンス分子またはリボザイムの産生の場合、翻訳されない。発現ベクターは、様々な制御配列を含有することができ、制御配列は、特定の宿主生物における作用的に連結されたコード配列の転写および恐らく翻訳に必要な核酸配列を指す。転写および翻訳を支配する制御配列に加えて、ベクターおよび発現ベクターは、他の機能を果たす核酸配列であって、下記で論じられる核酸配列を、含有することができる。
【0101】
ある特定の例では、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドは、第2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと同じベクター、例えば、ウイルスベクターまたはプラスミドベクターなどである。この第2のポリペプチドは、例えば、本明細書で論じられるような、キメラシグナル伝達ポリペプチド、誘導性共刺激性ポリペプチド、誘導性キメラ刺激ポリペプチドであることもあり、またはマーカーポリペプチドであることもある。これらの例では、構築物は、2Aポリペプチドにより連結された2つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む核酸に作動可能に連結されている1つのプロモーターを用いて設計され得る。この例では、第1および第2のポリペプチドは、翻訳中に分離され、結果として2つのポリペプチドとなり、またはリーキーな2Aを含む例では、1つもしくは2つのポリペプチドのどちらかとなる。他の例では、2つのポリペプチドは、ポリペプチドの一方をコードするポリヌクレオチドを含む各々の核酸が、別々のプロモーターに作動可能に連結されている場合、同じベクターから別々に発現され得る。さらに他の例では、1つのプロモーターが、2つのポリヌクレオチドに作動可能に連結され、したがって、2つの別々のRNA転写物、ひいては2つのポリペプチドの産生を指令することができ、一例では、プロモーターは、双方向性であり得、コード領域は、反対方向5’-3’で存在し得る。したがって、本明細書で論じられる発現構築物は、少なくとも1つ、または少なくとも2つのプロモーターを含み得る。
【0102】
一部の実施形態では、核酸構築物は、ウイルスベクターに含有される。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルスベクターである。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、アデノウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターである。一部の実施形態では、細胞をウイルスベクターとex vivoで接触させ、一部の実施形態では、細胞をウイルスベクターとin vivoで接触させることは、理解されよう。それ故に、発現構築物は、ベクター、例えばウイルスベクターまたはプラスミドに挿入され得る。提供される方法のステップは、任意の好適な方法を使用して行うことができ、これらの方法は、限定ではないが、本明細書に記載の、形質導入方法、形質転換方法、または別様に核酸を細胞に提供する方法を含む。
【0103】
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子」は、機能的タンパク質コード、ポリペプチドコード、またはペプチドコード単位として定義される。当然のことながら、この機能的用語は、タンパク質、ポリペ突然変異プチド、ドメイン、ペプチド、融合タンパク質および/または変異体を発現する、または発現するように構成されている、ゲノム配列、cDNA配列、およびより小さい操作された遺伝子セグメントを含む。
【0104】
本明細書で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチドの鎖と定義される。さらに、核酸は、ヌクレオチドのポリマーである。したがって、核酸およびポリヌクレオチドは、本明細書で使用される場合、置き換え可能である。核酸は、単量体「ヌクレオチド」に加水分解され得るポリヌクレオチドである。単量体ヌクレオチドは、ヌクレオシドに加水分解され得る。本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチドは、通常のクローニング技術およびPCR(商標)などを使用する、ならびに合成手段による、当技術分野において利用可能な任意の手段であって、限定ではないが、組換え手段、すなわち、組換えライブラリーまたは細胞ゲノムからの核酸配列のクローニング、を含む任意の手段によって得られる、あらゆる核酸配列を含むが、これらに限定されない。さらに、ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの変異を含み、これらに限定されないが、当技術分野において周知の方法によるヌクレオチドまたはヌクレオシドの変異を含む。核酸は、1つまたは複数のポリヌクレオチドを含み得る。
【0105】
「機能保存バリアント」は、極性または非極性の特性、サイズ、形状および電荷を含む、同様の特性を含むものでのアミノ酸の置換を含むがこれらに限定されない、タンパク質または酵素の全体的な立体構造および機能の変更を伴わない所与のアミノ酸残基の交換に付された、タンパク質または酵素である。遺伝子にコードされていない一般に公知のアミノ酸の多くについての保存的アミノ酸置換は、当技術分野において周知である。他のコードされていないアミノ酸の保存的置換は、それらの物理的特性に基づいて、遺伝子にコードされたアミノ酸の特性と比較して決定することができる。
【0106】
保存されると示されているアミノ酸以外のアミノ酸は、タンパク質または酵素において異なる場合があり、したがって、同様の機能の任意の2タンパク質間のタンパク質またはアミノ酸配列類似性パーセントは、様々であり得、例えば、アラインメントスキームに従って決定して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%および少なくとも95%であり得る。本明細書で言及する場合、「配列類似性」は、ヌクレオチドまたはタンパク質配列が関連している程度を意味する。2配列間の類似性の程度は、配列同一性および/または保存パーセントに基づき得る。本明細書における「配列同一性」は、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列が不変である程度を意味する。「配列アラインメント」は、類似性の程度を評価する目的で、同一性(およびアミノ酸配列の場合は保存)の最大レベルを達成するように2つまたはそれより多くの配列を並べるプロセスを意味する。配列をアラインメントするための類似性/同一性を評価するための非常に多くの方法、例えば、類似性がMEGALIGNアルゴリズムに基づくクラスター方法、ならびにBLASTN、BLASTPおよびFASTAなどが、当技術分野において公知である。これらのプログラムのいずれを使用する場合にも、最高配列類似性が得られる設定を選択することが可能である。
【0107】
本明細書で使用される場合、用語「プロモーター」は、細胞の合成機構によりまたは導入された合成機構により認識されるDNA配列であって、遺伝子の特異的転写を開始させるために必要とされるDNA配列と定義される。一部の実施形態では、プロモーターは、発生学的に調節されているプロモーターである。本明細書で使用される場合、用語「転写制御下」、「作動可能に連結」、または「作用的に連結」は、プロモーターが、RNAポリメラーゼの開始および遺伝子の発現を制御するために核酸に対して的確な位置および配向で存在することと定義される。一部の例では、1つまたは複数のポリペプチドは、「作用的に連結」されていると言われる。一般に、用語「作動可能に連結」は、プロモーター配列が、第2の配列に機能的に連結されていることであって、プロモーター配列が、第2の配列に対応するDNAの転写を開始し、媒介することを示すように意図されている。
【0108】
目的のポリヌクレオチド配列の発現を制御するために利用される個々のプロモーターは、標的細胞におけるポリヌクレオチドの発現を指令することができさえすれば、重要でないと考えられる。例えば、ヒト細胞を標的とする場合、ポリヌクレオチド配列コード領域を、例えば、ヒト細胞において発現され得るプロモーターに隣接して配置し、そのようなプロモーターの制御下に置くことができる。一般的に言えば、そのようなプロモーターは、ヒトプロモーターまたはウイルスプロモーターのどちらかを含み得る。CARまたは本明細書で提供される他のポリペプチドを発現させるために使用されるベクターに適しているプロモーターを、選択することができる。
【0109】
様々な実施形態では、例えば、発現ベクターがレトロウイルスである場合、適切なプロモーターの一例は、モロニーマウス白血病ウイルスプロモーターである。他の実施形態では、プロモーターは、例えば、目的のコード配列の高レベル発現を達成するために使用することができる、(CMV)最初期遺伝子プロモーター、SV40初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルス長末端反復配列、βアクチン、ラットインスリンプロモーターおよびグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼであり得る。目的のコード配列の発現を達成するための当技術分野において周知である他のウイルスまたは哺乳動物細胞または細菌ファージプロモーターの使用も、発現レベルが所与の目的に十分であることを条件に、企図される。周知の特性を有するプロモーターを利用することにより、トランスフェクションまたは形質転換の後の目的のタンパク質の発現レベルおよび発現パターンを最適化することができる。
【0110】
プロモーター、および他の調節エレメントは、それらが所望の細胞または組織において機能的であるように選択される。加えて、プロモーターのこのリストを網羅的であるとも限定的であるとも解釈すべきではない。本明細書で開示されるプロモーターおよび方法とともに使用される他のプロモーター。
【0111】
本明細書で論じられる核酸は、1つまたは複数のポリヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態では、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、別のポリヌクレオチドの「5」もしくは「3」に位置するとして、または「5」もしくは「3」に「ある」、または「5’から3’の順序」で位置するとして、記載される場合がある。これらの文脈での5’から3’への言及は、例えば、第1のポリヌクレオチドが、第2のポリヌクレオチドの5’に位置し、非切断性リンカーポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドと接続されている、核酸中のポリヌクレオチドのコード領域の方向を指すと理解され、翻訳産物は、第1、第3および第2のポリヌクレオチドの翻訳産物を含むより大きいポリペプチドのアミノ末端に位置する、第1のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドをもたらす。
【0112】
一部の実施形態では、例えば、キメラ抗原受容体、誘導性キメラ刺激ポリペプチド(例えば、誘導性MyD88/CD40(iMC))、および/またはさらなるポリペプチドなどの、2つまたはそれより多くのポリペプチドを、2つの別々のベクターを使用して細胞に発現させることができる。ベクターを用いて細胞にコトランスフェクトすることもしくは細胞を共形質転換することができ、またはベクターを異なる時点で細胞に導入することができる。
【0113】
ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端へのそれらの順序が変わることがある。例えば、図2に提示されているおよび実施例1で論じられるベクター成分の順序は、変わることがある。一部の実施形態では、誘導性キメラ刺激ポリペプチドの成分の順序は、変わることがある。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体ポリペプチドの成分の順序は、変わることがある。最適な発現および活性を得るために、例えば本明細書で論じられる方法などの方法を使用して、様々なドメインの順序をアッセイすることができる。
【0114】
一部の実施形態では、発現構築物がMyD88ポリペプチドをコードする場合、ポリペプチドは、完全長MyD88ポリペプチドの一部分であり得る。MyD88、またはMyD88ポリペプチドとは、骨髄分化一次応答遺伝子88、例えば、これに限定されないが、NCBI遺伝子ID4615として述べられているヒトバージョン、のポリペプチド産物を意味する。一部の実施形態では、発現構築物は、TIRドメインを欠く、MyD88ポリペプチドの一部分をコードする。一部の実施形態では、発現構築物は、DD(デスドメイン)を含有する、またはDDおよび中間ドメインを含有する、MyD88ポリペプチドの一部分をコードする。「切断型」とは、タンパク質が、完全長ではなく、例えばドメインを欠くことがあることを意味する。例えば、切断型MyD88は、完全長ではなく、例えばTIRドメインを欠くことがある。一部の実施形態では、切断型MyD88ポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列またはその機能的に等価の断片を有する。一部の実施形態では、切断型MyD88ポリペプチドは、配列番号22のヌクレオチド配列またはその機能的に等価の断片によりコードされる。MyD88ポリペプチドの機能的に等価の部分は、細胞内シグナル伝達を刺激する能力が配列番号21のポリペプチドと実質的に同じであり、配列番号21のポリペプチドの活性の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または95%の活性を有する。一部の実施形態では、発現構築物は、TIRドメインを欠くMyD88ポリペプチドの一部分をコードする。「切断型MyD88」をコードする核酸配列とは、切断型MyD88ポリペプチドをコードする核酸配列を意味し、この用語は、リンカーによりコードされる任意のアミノ酸を含むクローニングの人工産物として付加された任意のアミノ酸をコードする部分を含む、核酸配列も指すこともある。
【0115】
方法または構築物が、切断型MyD88ポリペプチドを指す場合、完全長MyD88ポリペプチドなどの別のMyD88ポリペプチドを指すように、方法が使用されることまたは構築物が設計されることもあることは、理解されよう。方法または構築物が、完全長MyD88ポリペプチドを指す場合、切断型MyD88ポリペプチドを指すように、方法が使用されることまたは構築物が設計されることもあることは、理解されよう。キメラポリペプチドが、MyD88ポリペプチド(またはその一部分)およびCD40ポリペプチド(またはその一部分)を含む、本明細書における方法では、キメラポリペプチドのMyD88ポリペプチドは、CD40ポリペプチドから上流に位置することもあり、または下流に位置することもある。ある特定の実施形態では、MyD88ポリペプチド(またはその一部分)は、CD40ポリペプチド(またはその一部分)の上流に位置する。本明細書で使用される場合、用語「機能的に等価の」は、この用語がMyD88またはその一部分に関する場合、例えば、細胞シグナル伝達応答を刺激するMyD88ポリペプチド、またはそのようなMyD88ポリペプチドをコードする核酸を指す。「機能的に等価の」は、例えば、TIRドメインを欠くが細胞シグナル伝達応答を刺激することができるMyD88ポリペプチドを指す。
選択可能なマーカー
【0116】
ある特定の実施形態では、発現構築物は、発現構築物にマーカーを含むことによりin vitroまたはin vivoで発現が同定される、核酸構築物を含有する。そのようなマーカーは、細胞に同定可能な変化を付与し、この変化によって、発現構築物を含有する細胞の容易な同定が可能になる。通常、薬物選択マーカーの含有は、クローニングにおよび形質転換体の選択に役立つ。例えば、ネオマイシン、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、DHFR、GPT、ゼオシンおよびヒスチジノールに対する耐性を付与する遺伝子は、有用な選択可能なマーカーである。あるいは、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(tk)などの酵素が利用される。細胞外非シグナル伝達ドメインまたは様々なタンパク質(例えば、CD34、CD19、LNGFR)を含有する免疫学的表面マーカーも利用することができ、これらを利用することによって、容易な磁気または蛍光抗体媒介選別方法が可能になる。選択可能なマーカーは、遺伝子産物をコードする核酸と同時に発現されることが可能である限り、重要でないと考えられる。選択可能なマーカーのさらなる例としては、例えばGFP、EGFP、β-galまたはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などの、レポーターが挙げられる。ある特定の実施形態では、例えばCD19などのマーカータンパク質は、例えば免疫磁気選択などの、輸注用の細胞の選択に使用される。本明細書で論じられる場合、CD19マーカーは、抗CD19抗体と区別され、または例えば、scFv、TCR、もしくはCD19に結合する他の抗原認識部分と区別される。
【0117】
ある特定の実施形態では、マーカーポリペプチドは、誘導性キメラ刺激ポリペプチドに連結される。例えば、マーカーポリペプチドは、例えば切断可能な2A様配列などの、ポリペプチド配列を介して、誘導性キメラ刺激ポリペプチドに連結され得る。
【0118】
本明細書で提供されるCAR-T細胞は、CARを発現する発現ベクター上に存在する、または一部の実施形態では、CARと共発現されるCAR以外のタンパク質、例えば誘導性キメラ刺激ポリペプチドなど、をコードする発現ベクター上に存在する、細胞表面導入遺伝子マーカーを発現することができる。
【0119】
一実施形態では、細胞表面導入遺伝子マーカーは、細胞質内ドメインの大部分を除去するためにアミノ酸333で切断されたヒトCD19を含む、切断型CD19(ΔCD19)ポリペプチド(Di Stasi et al.(2011)上掲)である。それでも細胞外CD19ドメインを(例えば、フローサイトメトリー、FACSまたはMACSで)認識することができるが、細胞内シグナル伝達を誘発する潜在性は最小化される。CD19は、通常は、T細胞によってではなくB細胞によって発現されるため、CD19+T細胞の選択によって、遺伝子改変T細胞を非改変ドナーT細胞から分離することが可能になる。
【0120】
一部の実施形態では、マーカーポリペプチドにポリペプチドを含めることができ、例えば、細胞の選別に役立つように発現ベクターによりコードされるCARを含めることができる。一部の実施形態では、本明細書で提供されるキメラ抗原受容体または誘導性キメラ刺激ポリペプチドを発現させるために使用される発現ベクターは、16アミノ酸のCD34最小エピトープをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。一部の実施形態では、CD34最小エピトープは、CD8ストークのアミノ末端部分に組み込まれる。
リンカーポリペプチド
【0121】
リンカーポリペプチドは、例えば、切断性および非切断性リンカーポリペプチドを含む。非切断性ポリペプチドは、例えば、キメラ抗原受容体の、MyD88-CD40キメラポリペプチド、MyD88ポリペプチド、CD40ポリペプチド、または共刺激性ポリペプチド細胞質シグナル伝達領域と、CD3ζ部分との間に作動可能に連結され得る、任意のポリペプチドを含み得る。リンカーポリペプチドは、例えば、約2~約30アミノ酸からなるもの(例えば、フューリン切断部位、(GGGGS))を含む。一部の実施形態では、リンカーポリペプチドは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸からなる。一部の実施形態では、リンカーポリペプチドは、約18~22アミノ酸からなる。一部の実施形態では、リンカーポリペプチドは、20アミノ酸からなる。一部の実施形態では、切断性リンカーは、集団内の改変細胞に対して外因性の酵素、例えば、トランスフェクションまたは形質導入により細胞に導入されるポリヌクレオチドによってコードされる酵素によって、リンカーをコードするポリヌクレオチドと同時にあるいは異なる時点で切断される、リンカーを含む。一部の実施形態では、切断性リンカーは、例えば、細胞に自然に発現される酵素、および細胞に本来備わっているポリヌクレオチドによりコードされる酵素、例えばリボザイムなどを含む、集団内の改変細胞に対して内因性の酵素により切断される、リンカーを含む。
2Aペプチド結合スキッピング配列
【0122】
2A様配列、または「ペプチド結合スキッピング」2A配列は、例えば、多くの異なるウイルスに由来し、中でも、例えば、Thosea asignaに由来する。これらの配列は、「ペプチドスキッピング配列」としても公知である。このタイプの配列が、分離することが意図されている2つのポリペプチド間のシストロン内に配置されたとき、リボソームは、Thosea asigna配列の場合、ペプチド結合をスキップするように見え、カルボキシ末端のGlyアミノ酸とProアミノ酸の間の結合「P-G-P」が削除される。この結果として、2~3つのポリペプチド、例えば、誘導性キメラ刺激ポリペプチドおよびキメラ抗原受容体、または例えば、マーカーポリペプチドおよび誘導性キメラ刺激ポリペプチドが残り得る。この配列が使用された場合、2A配列の5’にコードされているポリペプチドは、カルボキシ末端に、Gly残基および2A配列中の任意の上流残基を含む、追加のアミノ酸で終わり得る。2A配列の3’末端にコードされているペプチドは、アミノ末端に、Pro残基、および2A配列に続く任意の下流残基を含む、追加のアミノ酸で終わり得る。一部の実施形態では、切断性リンカーは、ブタテッショウイルス-1に由来する2Aポリペプチド(P2A)である。一部の実施形態では、2A共翻訳配列は、2A様配列である。一部の実施形態では、2A共翻訳配列は、T2A(Thosea asignaウイルス2A)、F2A(口蹄疫ウイルス2A)、P2A(ブタテッショウイルス-1 2A)、BmCPV 2A(細胞質多角体病ウイルス2A)、BmIFV 2A(B.mori軟化病ウイルス 2A)、またはE2A(ウマ鼻炎Aウイルス 2A)である。一部の実施形態では、2A共翻訳配列は、T2A-GSG、F2A-GSG、P2A-GSG、またはE2A-GSGである。一部の実施形態では、2A共翻訳配列は、T2A、P2AおよびF2Aからなる群から選択される。「切断性リンカー」とは、リンカーが、例えば、ペプチドスキッピングなどの非酵素的手段、または酵素的手段を含む、任意の手段により切断されることを意味する。(Donnelly, ML 2001, J. Gen.Virol.82:1013-25)。
【0123】
2A様配列は、ポリペプチドの一部が翻訳中に分離されずに翻訳後に1本の長いポリペプチドとして残存することから、「リーキー(leaky)」であることもある。リーキーなリンカーの原因についての1つの理論は、短い2A配列が、リボソームスキッピングを促進する必要構造(「2A折り畳み構造」)に折り重なることができないことがあるという理論である。これらの場合、リボソームは、プロリンペプチド結合を見逃すことがあり、したがってその結果、融合タンパク質になる。リーキーなレベルを低下させるために、ひいては形成する融合タンパク質の数を低減させるために、GSG(または同様の)リンカーを2Aポリペプチドのアミノ末端側に付加させることができ、GSGリンカーは、新たに翻訳されたポリペプチドの二次構造が自発的に折り畳んで「2A折り畳み構造」を破壊することから防ぐ。
【0124】
ある特定の実施形態では、2Aリンカーは、配列番号19のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、2Aリンカーは、ポリペプチドのアミノ末端にGSGアミノ酸配列をさらに含み、他の実施形態では、2Aリンカーは、ポリペプチドのアミノ末端にGSGPRアミノ酸配列を含む。したがって、「2A」配列に関しては、この用語は、本明細書に記載の例における2A配列を指すこともあり、またはリンカーのアミノ末端にGSGもしくはGSGPR配列をさらに含む、本明細書中で列挙されるような2A配列を指すこともある。
【0125】
一部の実施形態では、リンカー、例えば2Aリンカーは、キメラ抗原受容体の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%において切断され、すなわち、キメラ抗原受容体部分は、キメラMyD88およびCD40、MyD88ポリペプチド、CD40ポリペプチド、または共刺激性ポリペプチド細胞質シグナル伝達領域、例えばCD28、OX40、または4-1BBなどから離隔される。他の実施形態では、2Aリンカーは、キメラ抗原受容体の約75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%において切断される。一部の実施形態では、2Aリンカーは、キメラ抗原受容体の約80%~99%において切断される。他の実施形態では、2Aリンカーは、キメラ抗原受容体の約90%において切断される。一部の実施形態では、2Aリンカーが切断されない、構成的活性キメラ抗原受容体ポリペプチドが、改変細胞に存在し、すなわち、キメラ抗原受容体ポリペプチドの約1、2、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80または90%に相当する、キメラ抗原受容体部分が、キメラMyD88およびCD40、MyD88ポリペプチド、CD40ポリペプチド、または共刺激性ポリペプチド細胞質シグナル伝達領域、例えばCD28、OX40、または4-1BBなどに連結されている。他の実施形態では、2Aリンカーは、キメラ抗原受容体の約5%、10%、15%、20%または25%において切断されない。一部の実施形態では、2Aリンカーは、キメラ抗原受容体の約5~20%において切断されない。一部の実施形態では、2Aリンカーは、キメラ抗原受容体の約10%において切断されない。
キメラ抗原受容体
抗原認識部分
【0126】
「抗原認識部分」は、抗原に結合する、天然由来のあるいは合成の、任意のポリペプチドまたはその断片、例えば抗体断片可変ドメインなどであり得る。抗原認識部分の例としては、例えば、単鎖可変断片(scFv)、Fab、Fab’、F(ab’)、およびFv断片などの、抗原に由来するポリペプチド;例えば、TCR可変ドメインなどの、T細胞受容体に由来するポリペプチド;シグナル伝達ドメイン(例えば、「ザイトカイン」)に人工的に融合され得る分泌因子(例えば、サイトカイン、成長因子)、ならびに細胞外同族タンパク質に結合する任意のリガンドまたは受容体断片(例えば、CD27、NKG2D)が挙げられるが、これらに限定されない。コンビナトリアルライブラリーを使用して、腫瘍関連標的に高い親和性で結合するペプチドを同定することもできる。さらに、ビオチン化腫瘍標的化抗体と組み合わせてシグナル伝達ドメインにアビデン(aviden)を融合させることにより、またはIgGにより標的を定められた腫瘍に結合するためにFcガンマ受容体/CD16を使用することにより、「ユニバーサル」CARを作製することができる。
膜貫通領域
【0127】
本明細書におけるキメラタンパク質は、1回貫通型または複数回貫通型膜貫通配列を(例えば、キメラタンパク質のN末端またはC末端に)含み得る。1回貫通型膜貫通領域は、ある特定のCD分子、チロシンキナーゼ受容体、セリン/トレオニンキナーゼ受容体、TGFβ、BMP、アクチビンおよびホスファターゼに見られる。1回膜貫通領域は、約20~約25アミノ酸のシグナルペプチド領域および膜貫通領域を含むことが多く、これらのアミノ酸の多くは、疎水性アミノ酸であり、アルファヘリックスを形成することができる。正に荷電したアミノ酸のショートトラックの後に、膜内のタンパク質に固定された膜貫通スパンが続くことが多い。複数回貫通型タンパク質は、イオンポンプ、イオンチャネル、および輸送体を含み、膜を複数回貫通する2つまたはそれより多くのヘリックスを含む。複数回貫通型タンパク質の全てまたは実質的に全てがキメラタンパク質に組み込まれていることもある。1回貫通型および複数回貫通型膜貫通領域の配列は公知であり、キメラタンパク質分子への組込みに選択され得る。
【0128】
一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、CARの細胞外ドメインに融合される。一実施形態では、CAR内のドメインのうちの1つと天然に会合している膜貫通ドメインが使用される。他の実施形態では、CAR内のドメインのうちの1つと天然に会合していない貫通ドメインが使用される。一部の事例では、膜貫通ドメインを、そのようなドメインが同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインに結合するのを回避するように選択して、または回避するようにアミノ酸置換(例えば、典型的には荷電残基の疎水性残基への)により改変して、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えることができる。
【0129】
膜貫通ドメインは、例えば、T細胞受容体、CD3-ε、CD3 ζ、CD4、CD5、CD8、CD8α、CD9、CD16、CD22、CD28、CD33、CD38、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137またはCD154のアルファ、ベータまたはゼータ鎖に由来し得る。または、一部の例では、例えばロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を主として含む膜貫通ドメインを新規に合成することができる。ある特定の実施形態では、短いポリペプチドリンカーは、キメラ抗原受容体の膜貫通ドメインと細胞内ドメインの間の連結を形成する。キメラ抗原受容体は、ストーク、すなわち、細胞外ドメインと膜貫通ドメインの間のアミノ酸の細胞外領域を、さらに含み得る。例えば、ストークは、選択された膜貫通ドメインと天然に会合しているアミノ酸の配列であり得る。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、CD8膜貫通ドメインを含み、ある特定の実施形態では、キメラ抗原受容体は、CD8膜貫通ドメインを含み、かつこの膜貫通ドメインの細胞外部分上に追加のアミノ酸を含み、ある特定の実施形態では、キメラ抗原受容体は、CD8膜貫通ドメインおよびCD8ストークを含む。キメラ抗原受容体は、膜貫通ドメインと細胞質ドメインの間のアミノ酸の領域であって、膜貫通ドメインが由来するポリペプチドと天然に会合しているアミノ酸の領域を、さらに含み得る。
【0130】
一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、抗PSCAキメラ抗原受容体である。
【0131】
抗PSCAキメラ抗原受容体は、PSCAに結合する抗原認識部分を含む。PSCAに結合する、抗原認識部分ポリペプチドならびに重鎖および軽鎖可変アミノ酸配列の例は、例えば、2009年7月16日に米国特許出願公開第2009/0181034A1号として公開された、2011年9月6日発行のGudas,J.による米国特許第8,013,128号;2009年8月13日に米国特許出願公開第2009/0202548A1号として公開された、2012年6月26日に発行のGudas,J.による米国特許第8,206,932号;2006年7月6日に米国特許出願公開第2006/0147375A1号として公開された、2009年6月2日発行の米国特許第7,541,442号;および2010年11月25日に米国特許出願公開第2010/0297004号として公開された、2015年1月27日に発行されたWu,A.W.らによる米国特許第8,940,298号に提供されており、これらの参考特許文献は、全て、それら全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。抗原認識部分ポリペプチドの例は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託されているHB-12612、HB-12613、HB-12614、HB-12616、HB-12618、HB-12615およびHB-12617と称するハイブリドーマによりそれぞれ産生される1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3および4A10、ならびに2003年6月19日に米国特許出願公開第2003/0113810A1号として公開された、2009年5月5日に発行されたReiter,R.E.らによる米国特許第7,527,786号において論じされているもの(これらの参考特許文献は、全て、それら全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる)からなる群から選択される、PSCA抗体に由来し得る。「に由来する」とは、PSCAに結合する抗原認識部分が、指定ハイブリドーマにより産生されるPSCA抗体の可変重鎖ポリペプチドと可変軽鎖ポリペプチドとを含むポリペプチド、またはこれらのポリペプチドに対して70、80、90、95、97、98もしくは99パーセントの相同性を有するポリペプチドを含むことを意味する。
【0132】
一部の実施形態では、抗原認識部分ポリペプチドは、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託されているHB-12612、HB-12613、HB-12614、HB-12616、HB-12618、HB-12615およびHB-12617と称するハイブリドーマによりそれぞれ産生される1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3および4A10、ならびに2003年6月19日に米国特許出願公開第2003/0113810A1号として公開された、2009年5月5日に発行されたReiter,R.E.らによる米国特許第7,527,786号において論じされているもの(これらの参考特許文献は、全て、それら全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる)からなる群から選択されるPSCA抗体からの、単鎖可変領域ドメイン(scFV)である。一部の実施形態では、単鎖可変領域ドメイン(scFV)は、A11 VL(配列番号49)、A11 VH(配列番号51);bm2B3 VL(配列番号53)、bm2B3 VH(配列番号55);HA1-4.121 VH(配列番号57)、HLA1-4.121 VL(配列番号59);H1-1.10 VH(配列番号61)、H1-1.10 VL(配列番号63);1G8(2B3)(配列番号65)、1G8(2B3-C5)(配列番号67);1G8(2B3-A2)(配列番号69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの、可変重鎖および可変軽鎖に由来する。
【0133】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0134】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0135】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0136】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0137】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
【0138】
一部の実施形態では、PSCA特異的CAR-T細胞は、可変重鎖および可変軽鎖1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)をそれぞれ含有する単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)を含有する抗PSCA CARは、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作される。
T細胞の遺伝子移入方法/遺伝子改変方法
【0139】
細胞における導入遺伝子発現の効果を媒介するために、発現構築物を細胞に移入することが必要である。そのような移入は、ウイルスによる遺伝子移入方法を利用することもあり、またはウイルスによらない遺伝子移入方法を利用することもある。この選択は、遺伝子移入の方法および組成物の議論をもたらす。
【0140】
発現ベクターを含む形質転換細胞は、発現ベクターを細胞に導入することにより生成される。現行の方法で使用するためのオルガネラ、細胞、組織または生物の形質転換に適するポリヌクレオチド送達方法は、ポリヌクレオチド(例えば、DNA)をオルガネラ、細胞、組織または生物に導入することができる、事実上あらゆる方法を含む。
【0141】
用語「細胞」、「細胞系」、および「細胞培養物」は、本明細書で使用される場合、同義的に使用され得る。これらの用語の全てが、任意のおよび全ての後続の世代であるそれらの子孫も含む。全ての子孫が意図的または偶発的変異に起因して同一でないこともあることは理解されよう。本明細書で使用される場合、用語「ex vivo」は、体「外」を指す。用語「ex vivo」および「in vitro」は、本明細書では同義的に使用され得る。
【0142】
用語「トランスフェクション」および「形質導入」は、置き換え可能であり、外来性核酸配列が真核細胞宿主に導入されるプロセスを指す。トランスフェクション(または形質導入)は、電気穿孔、マイクロインジェクション、遺伝子銃送達、レトロウイルス感染、リポフェクション、スーパーフェクションなどを含む多数の手段のうちのいずれか1つにより達成することができる。
【0143】
細胞、例えばT細胞、にトランスフェクトするために、または細胞、例えばT細胞、を形質転換するために、または本方法のヌクレオチド配列もしくは組成物を投与するために、任意の適切な方法を使用することができる。ある特定の非限定的な例が本明細書で提示される。一部の実施形態では、ウイルスベクターは、Tey et al. (2007) Biol Blood Marrow Transpl 13:913-24においておよびDi Stasi et al. . (2011) N Engl J Med 365:1673-83 (2011)により論じられているような、SFGに基づくウイルスベクターである。
【0144】
本明細書で開示されるように遺伝子改変されるT細胞は、ドナーリンパ球投与の恩恵を受けることができる対象への投与に有用である。これらの対象は、典型的にはヒトであり、そのため本明細書における方法は、典型的にはヒトT細胞を使用して行われる。
【0145】
改変細胞は、ドナーから得られることがあり、または患者から得られた細胞であることもあり、例えば、細胞は、自己細胞、同系細胞または同種異系細胞であることがある。細胞を、例えば、再生に、例えば、罹患細胞の機能を置き換えるために、使用することができる。異種遺伝子を発現するように細胞を改変することもでき、したがって、例えば罹患骨髄または転移性沈着物などの、特異的微小環境に、生物学的作用物質を送達することができる。「治療用細胞」とは、細胞療法に使用される細胞、すなわち、状態または疾患を処置または予防するために対象に投与される細胞を意味する。
【0146】
例えば細胞の場合のように、「得られるまたは調製される」とは、例えば臍帯血、骨髄または末梢血であり得る供給源から、細胞または細胞培養物が単離、精製または部分的に精製されることを意味する。これらの用語は、元の供給源または細胞培養物が培養され、細胞が複製された場合、および子孫細胞が今度は元の供給源に由来する場合にも適用され得る。
【0147】
末梢血:用語「末梢血」は、本明細書で使用される場合、血液の循環プールから得られまたは調製され、リンパ系、脾臓、肝臓や骨髄内に隔離されていない、血液の細胞成分(例えば、赤血球、白血球および血小板)を指す。
【0148】
臍帯血:臍帯血は、末梢血、およびリンパ系、脾臓、肝臓または骨髄内に隔離されている血液とは、明確に異なる。同義的に使用され得る用語「臍帯血(umbilical cord blood)」、「臍帯血(umbilical blood)」または「臍帯血(cord blood)」は、胎盤に残存するおよび出産後に付いている臍帯に残存する血液を指す。臍帯血は、造血細胞をはじめとする幹細胞を含有することが多い。
【0149】
用語「同種異系」は、本明細書で使用される場合、宿主細胞とドナー細胞とで抗原的に明確に異なるHLAまたはMHC遺伝子座を指す。例えば、同じ種から移入される細胞または組織は、抗原的に明確に異なり得る。同系マウスは、1つまたは複数の遺伝子座が異なることがあり(コンジェニック)、同種異系マウスは、同じバックグラウンドを有することがある。用語「自己」は、細胞、核酸、タンパク質、またはポリペプチドなどが、後に投与される個体と同じ個体に由来する、細胞、核酸、タンパク質、またはポリペプチドなどを意味する。本方法の改変細胞は、例えば、自己細胞、例えば自己T細胞などであり得る。
【0150】
ドナーT細胞は、一般に、遺伝子改変される前に(通常は活性化条件下で、例えば、抗CD3および/または抗CD28抗体を、必要に応じてIL-2とともに使用して)培養される。このステップによって、改変プロセスの終了時にT細胞のより高い細胞収率が得られる。
【0151】
試料は、一部の実施形態では同種枯渇に付されることもあり、または同種枯渇に付されないこともある。本明細書で提供される例では、試料は、同種枯渇に付されず、したがって、Zhou et al.(2015) Blood 125:4103-13において論じられているように同種枯渇する。これらの集団は、ドナー細胞の治療上の利点を提供するためのより頑強なT細胞レパートリーを提供する。
【0152】
本出願のポリヌクレオチドをコードするウイルスベクターを使用してT細胞に形質導入することができる。適する形質導入技術は、フィブロネクチン断片CH-296を含む。ウイルスベクターを使用する形質導入の代案として、当技術分野において公知の任意の適する方法で、例えば、目的の誘導性キメラ刺激ポリペプチドおよび/またはキメラ抗原受容体をコードするDNAで、例えば、リン酸カルシウム、カチオン性ポリマー(例えば、PEI)、磁気ビーズ、電気穿孔ならびに市販の脂質ベースの試薬、例えばLipofectamine(商標)およびFugene(商標)を使用して、細胞にトランスフェクトすることができる。形質導入/トランスフェクションステップの1つの結果は、これで様々なドナーT細胞が、目的のポリペプチドを発現することができる遺伝子改変T細胞になることである。
【0153】
所望のタンパク質をコードするウイルスベクターが、ある特定の実施形態では使用され得る。一部の実施形態では、細胞当たりのプロウイルス組込み体の最高コピー数を提供することができるレトロウイルスベクターが、形質導入に使用される。
【0154】
形質導入/トランスフェクションの後、細胞を形質導入/トランスフェクション材料から分離し、再び培養して、遺伝子改変T細胞を拡大することができる。遺伝子改変T細胞の所望の最小数が得られるように、T細胞を拡大することができる。
【0155】
次いで、遺伝子改変T細胞を、得られた細胞の集団から分離することができる。誘導性キメラ刺激ポリペプチドおよび/またはキメラ抗原受容体は、所望のT細胞の正の選択に適さないことがあるため、一部の実施形態では、遺伝子改変T細胞は、目的の細胞表面導入遺伝子マーカーを発現する。この表面マーカーを発現する細胞を、例えば免疫磁気技術を使用して、選択することができる。例えば、目的の細胞表面導入遺伝子マーカーを認識するモノクローナル抗体にコンジュゲートした常磁性ビーズを、例えばCliniMACSシステム(Miltenyi Biotecから入手可能)を使用して、使用することができる。一部の実施形態では、選択ステップは行われず、遺伝子改変T細胞と未改変T細胞の(or)混合物が対象に投与される。
【0156】
代替手順では、遺伝子改変T細胞は、形質導入ステップの後に選択され、培養され、次いで栄養補給される。例えば、形質導入、栄養補給および選択の順序を変えることができる。
【0157】
これらの手順の結果は、遺伝子改変されたドナーT細胞を含有する組成物であって、したがって、例えば、目的の誘導性キメラ刺激ポリペプチドおよび/またはキメラ抗原受容体(および、時には、目的の細胞表面遺伝子導入マーカー)を発現することができるドナーT細胞を含有する組成物である。これらの遺伝子改変T細胞をレシピエントに投与することができ、投与する前に(必要に応じてさらなる拡大の後に)凍結保存してもよい。
処置方法
【0158】
本明細書で提供される改変細胞集団は、それを必要とするヒト対象を処置する方法において使用されることもあり、そのような対象を処置するための医薬を調製するために使用されることもある。細胞は、通常、注入によりレシピエント対象に送達される。
【0159】
「用語「患者」または「対象」」という用語は、置き換え可能であり、本明細書で使用される場合、これらに限定されないが、生物または動物;例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル)、マウス、ブタ、ウシ、ヤギ、ウサギ、ラット、モルモット、ハムスター、ウマ、サル、ヒツジまたは他の非ヒト哺乳動物を含む、哺乳動物;例えば、非哺乳類脊椎動物、例えば鳥類(例えば、ニワトリもしくはアヒル)または魚類、および非哺乳類無脊椎動物を含む、非哺乳動物を含む。対象は、例えば、ヒト、例えば、免疫不全であるまたは過剰増殖性疾患に罹患している患者であり得る。対象は、例えば、ヒト、例えば、がんおよび/または固形腫瘍を有する患者であり得る。
【0160】
本明細書で使用される場合、用語「処置」、「処置する」、「処置された」、「処置すること」は、予防および/または治療を指す。例えば、がん性固形腫瘍などの固形腫瘍に関して使用される場合、この用語は、固形腫瘍またはがんに対する対象の抵抗力を増加させる予防的処置による予防を指す。一部の例では、対象は、家族性であるがんまたは遺伝的関連性があるがんを予防するために処置され得る。例えば、感染性疾患に関して使用される場合、この用語は、病原体による感染症に対する対象の抵抗力を増加させる、または言い換えると、対象が病原体に感染する尤度もしくは前記感染症に起因する病気の徴候を示す尤度を低下させる、予防的処置はもちろん、対象が感染した後に前記感染症と闘うための、例えば、前記感染症を軽減もしくは除去するためのまたは前記感染症が悪化しないように予防するための処置も指す。
【0161】
対象のためのT細胞の典型的な用量は、10~10細胞/kgの間である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約0.1×10細胞/kg~約9×10細胞/kgの間である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約0.1×10細胞/kg~約8×10細胞/kgの間である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約0.1×10細胞/kg~約7.5×10細胞/kgの間である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約0.1×10細胞/kg~約7×10細胞/kgの間である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約0.1×10細胞/kg~約6×10細胞/kgの間である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約0.3×10細胞/kg~約5×10細胞/kgの間である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約1.25×10細胞/kg~約2.5×10細胞/kgの間である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約0.3×10細胞/kg(±20%)である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約0.625×10細胞/kg(±20%)である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約1.25×10細胞/kg(±20%)である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約2.5×10細胞/kg(±20%)である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約5×10細胞/kg(±20%)である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約6×10細胞/kg(±20%)である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約7×10細胞/kg(±20%)である。一部の実施形態では、対象のためのT細胞の用量は、約7.5×10細胞/kg(±20%)である。
【0162】
レシピエントに遺伝子改変T細胞を含む改変細胞集団を投与する前に骨髄破壊的前処置を施してもよい。結果として、遺伝子改変T細胞を投与する前にレシピエント自体のα/β T細胞(およびB細胞)を枯渇させることができる。同様に、レシピエントに投与される造血(幹)細胞をα/β細胞について枯渇させてもよい。対照的に、対象に投与される遺伝子改変ドナーT細胞は、一般に、α/β細胞について枯渇されない。
【0163】
一部の実施形態では、リンパ球枯渇化学療法レジメンが、改変T細胞の注入の前に投与される。一部の実施形態では、リンパ球枯渇化学療法レジメンは、PSCA CAR T細胞の注入の5、4および3日前に静脈内にシクロホスファミド 500mg/mおよび静脈内にフルダラビン 30mg/mを投与することを、この組合せが耐容性を示さない場合を除いて、含む。組合せに基づくリンパ球枯渇が対象に好ましくない安全性リスクをもたらすと決定された場合には、単独でシクロホスファミドを用いてリンパ球枯渇を進めてもよい。
【0164】
レシピエントは、小児、例えば、年齢0~16歳、または0~10歳の小児であり得る。一部の実施形態では、レシピエントは、成人である。
【0165】
また遺伝子改変T細胞を投与する対象に同種異系ドナーからの他の組織を投与してもよく、例えば、彼らに造血細胞および/または造血幹細胞(例えば、CD34+細胞)を投与することができる。この同種移植組織および遺伝子改変T細胞は、理想的には同じドナーに由来し、したがって、それらの細胞は、遺伝的に適合する。一部の実施形態では、ドナーおよびレシピエントは、適合した無関係のドナー、または適する家族の一員である。例えば、ドナーは、レシピエントの親または子であり得る。したがって、対象が、遺伝子改変T細胞を必要とすると特定された場合、適するドナーは、T細胞ドナーとして特定され得る。
【0166】
本明細書で提供される改変細胞集団、例えば、改変T細胞を含む改変細胞集団が、造血細胞および/または造血幹細胞とともに使用される場合、一部の例では、改変細胞集団のほうが後の時点で、例えば、20~100日後に投与され得る。
【0167】
ある特定の実施形態では、本方法は、改変細胞に条件付きで提供される共刺激を生じさせるために化学誘導二量体形成(CID)技術を利用する。誘導性であるこの技術に加えて、本方法は、不安定性二量体化剤の分解に起因して可逆的でもある。
【0168】
一部の実施形態では、リガンドは、小分子である。リガンドは、二量体のものであることが多く、リガンドは、二量体FK506または二量体FK506類似体であることもある。ある特定の実施形態では、リガンドは、AP1903(CAS索引名:2-ピペリジンカルボン酸,1-[(2S)-1-オキソ-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ブチル]-,1,2-エタンジイルビス[イミノ(2-オキソ-2,1-エタンジイル)オキシ-3,1-フェニレン[(1R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピリデン]]エステル,[2S-[1(R),2R[S[S[1(R),2R]]]]]-(9CI) CAS登録番号:195514-63-7;分子式:C78H98N4O20 分子量:1411.65)である。ある特定の実施形態では、リガンドは、AP20187である。ある特定の実施形態では、リガンドは、例えばAP1510などの、AP20187類似体である。一部の実施形態では、ある特定の類似体は、FKBP12に適しており、ある特定の類似体は、FKBP12のゆらぎバージョンに適している。ある特定の実施形態では、1つのリガンド結合性領域がキメラタンパク質に含まれている。他の実施形態では、2つまたはそれより多くのリガンド結合性領域が含まれている。例えば、これらの領域のうちの2つが含まれているリガンド結合性領域がFKBP12である場合、一方は、例えば、ゆらぎバージョンであり得る。
【0169】
一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg~1.0mg/kgの間である。一部の実施形態では、注射にAP1903の固定用量が使用され、例えば、2時間にわたって静脈内注入される0.4mg/kgであり得る。in vitroで細胞の有効なシグナル伝達に必要なAP1903の量は、約10~100nM(MW:1412Da)である。この量は、14~140μg/Lまたは約0.014~0.14mg/kg(1.4~140μg/kg)に等しい。投与量は、用途によって異なり得るが、ある特定の例では、より多くが、0.1~10nMの範囲内、または50~150nM、10~200nM、75~125nM、100~500nM、100~600nM、100~700nM、100~800nM、もしくは100~900nMの範囲内である。多量体リガンドまたはCID、例えば、AP1903(リミドゥシド)などは、例えば、約0.01~1mg/kg対象体重の用量、約0.05~0.5mg/kg対象体重の用量、0.1~2mg/kg対象体重、約0.05~1.0mg/kg対象体重の用量、約0.1~5mg/kg対象体重の用量、約0.2~4mg/kg対象体重の用量、約0.3~3mg/kg対象体重の用量、約0.3~2mg/kg対象体重の用量、または約0.3~1mg/kg対象体重の用量で、例えば、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9もしくは10mg/kg対象体重で、送達され得る。一部の実施形態では、リガンドは、1用量当たり0.4mg/kgで、例えば、5mg/mLの濃度で提供される。例えば、1バイアル当たり約0.25ml~約10ml、例えば、約0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10ml、例えば、約2mlの体積で、リガンドを収容している、バイアルまたは他の容器が提供され得る。
【0170】
リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、患者に適するように決定することができ、例えば、改変T細胞が0週目に投与され、二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続き、続いて有効な治療結果を得るために必要な場合には追加の誘導物質が投与される、すなわち、例えば、その後、合計、例えば、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28もしくは30、40、50、60、70、80、90もしくは100週間、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20週間の間隔で投与される、投与スケジュールを含み得る。
【0171】
リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、患者に適するように決定することができ、例えば、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続き、続いて有効な治療結果を得るために必要な場合には追加の誘導物質が投与される、すなわち、例えば、その後、合計、例えば、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、もしくは30、40、50、60、70、80、90もしくは100週間、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20週間の間隔で投与される、投与スケジュールを含み得る。
【0172】
一部の実施形態では、形質導入T細胞の投与について、1用量の細胞で十分であり、その後、複数用量のリガンドが続く。一部の実施形態では、T細胞は、1回より多くの回数、提供され得る。したがって、例えば、投与スケジュールは、患者に適するように決定することができ、例えば、T細胞が0週目に投与され、二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続き、その後、合計、例えば、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28または30週間、2週間間隔で追加のT細胞および誘導物質の投与が続く、投与スケジュールを含み得る。
【0173】
他の投与スケジュールとしては、例えば、1用量の細胞および1用量の誘導物質が投与されるスケジュールが挙げられる。別の例では、スケジュールは、細胞および誘導物質を0週目に投与すること、続いて、合計、例えば、4、8、12、16、20、24、28または32週間、4週間間隔で追加の細胞および誘導物質を投与することを含み得る。
【0174】
別の例では、スケジュールは、細胞を1回(0週目に)投与すること、次いで、0週目に一緒に、または細胞の投与後に、誘導物質(例えば、リミドゥシド)を投与することを含み得る。例えば、細胞および誘導物質の投与を併せて行うことができ、あるいは細胞の後に続いて、同日もしくは翌日または2、3、4、5もしくは__日後に誘導物質を投与することができる。一部の実施形態では、誘導物質の第1の投与に続いて、ある特定の間隔(例えば、1、2、3または4週間間隔)で追加の誘導物質(例えば、リミドゥシド)が投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に1日1回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に週に3回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に週に2回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に週に1回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に1週間おきに1回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に月に2回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に月に1回投与される。
【0175】
別の例では、スケジュールは、細胞を1回(0週目に)投与すること、次いで、1週目に誘導物質(例えば、リミドゥシド)を投与すること、続いて、ある特定の間隔(例えば、1、2、3または4週間間隔)で追加の誘導物質(リミドゥシド)を投与することを含み得る。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に1日1回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に週に3回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に週に2回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に週に1回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に1週間おきに1回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に月に2回投与される。一部の実施形態では、誘導物質(リミドゥシド)は、対象に月に1回投与される。
【0176】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、1日1回の二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続く、投与スケジュールを含む。
【0177】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、週に6回の二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続く、投与スケジュールを含む。
【0178】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、週に5回の二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続く、投与スケジュールを含む。
【0179】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、週に4回の二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続く、投与スケジュールを含む。
【0180】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、週に3回の二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続く、投与スケジュールを含む。
【0181】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、週に2回の二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続く、投与スケジュールを含む。
【0182】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、週に1回の二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続く、投与スケジュールを含む。
【0183】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、月に2回の二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続く、投与スケジュールを含む。
【0184】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、リミドゥシド)の投与スケジュールは、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が0週目に投与され、月に1回の二量体化の化学的誘導物質の投与による導入が続く、投与スケジュールを含む。
【0185】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~9×10細胞/kgの間の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号49)、A11 VH(配列番号51);bm2B3 VL(配列番号53)、bm2B3 VH(配列番号55);HA1-4.121 VH(配列番号57)、HLA1-4.121 VL(配列番号59);H1-1.10 VH(配列番号61)、H1-1.10 VL(配列番号63);1G8(2B3)(配列番号65)、1G8(2B3-C5)(配列番号67);1G8(2B3-A2)(配列番号69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0186】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~8×10細胞/kgの間の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1- 1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0187】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~7.5×10細胞/kgの間の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0188】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~7×10細胞/kgの間の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1- 1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0189】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~6×10細胞/kgの間の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0190】
一部の実施形態では、対象に、約0.3×10細胞/kg~5×10細胞/kgの間の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0191】
一部の実施形態では、対象に、約1.25×10細胞/kg~2.5×10細胞/kgの用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0192】
一部の実施形態では、対象に、約0.3×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号49)、A11 VH(配列番号51);bm2B3 VL(配列番号53)、bm2B3 VH(配列番号55);HA1-4.121 VH(配列番号57)、HLA1-4.121 VL(配列番号59);H1-1.10 VH(配列番号61)、H1-1.10 VL(配列番号63);1G8(2B3)(配列番号65)、1G8(2B3-C5)(配列番号67);1G8(2B3-A2)(配列番号69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0193】
一部の実施形態では、対象に、約0.625×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0194】
一部の実施形態では、対象に、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0195】
一部の実施形態では、対象に、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0196】
一部の実施形態では、対象に、約5×10細胞/kg±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0197】
一部の実施形態では、対象に、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0198】
一部の実施形態では、対象に、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0199】
一部の実施形態では、対象に、約7.5×10細胞/kg±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0200】
一部の実施形態では、対象に、約8×10細胞/kg±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、PSCA CAR-T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する。
【0201】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約0.3×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0202】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約0.625×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0203】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0204】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0205】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0206】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0207】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0208】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0209】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0210】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約0.3×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0211】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約0.625×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0212】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0213】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0214】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0215】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0216】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0217】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0218】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0219】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約0.3×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0220】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約0.625×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0221】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0222】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0223】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0224】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0225】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0226】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0227】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0228】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約0.3×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0229】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約0.625×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0230】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0231】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0232】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。In some embodiments, the dose of rimiducid is 0.01 mg/kg, 0.05 mg/kg, 0.1 mg/kg, 0.5 mg/kg, or 1.0 mg/kg. 一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0233】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0234】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0235】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0236】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0237】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約0.3×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0238】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約0.625×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0239】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0240】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0241】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0242】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0243】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0244】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0245】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0246】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約0.3×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0247】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約0.625×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0248】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0249】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0250】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0251】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0252】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0253】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0254】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が投与され、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0255】
一部の実施形態では、改変T細胞は、未改変ポリクローナルT細胞とともに投与される。未改変ポリクローナルT細胞を約0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの量で投与することができる。ポリクローナルT細胞を0.1×10、0.5×10、1×10、1.25×10、2×10、3×10、4×10、5×10、10×10、15×10、20×10、25×10または30×10細胞/kgで投与することができる。
【0256】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~約9×10細胞/kgの用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号49)、A11 VH(配列番号51);bm2B3 VL(配列番号53)、bm2B3 VH(配列番号55);HA1-4.121 VH(配列番号57)、HLA1-4.121 VL(配列番号59);H1-1.10 VH(配列番号61)、H1-1.10 VL(配列番号63);1G8(2B3)(配列番号65)、1G8(2B3-C5)(配列番号67);1G8(2B3-A2)(配列番号69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0257】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~約8×10細胞/kgの用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0258】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~約7.5×10細胞/kgの用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0259】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~約7×10細胞/kgの用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0260】
一部の実施形態では、対象に、約0.1×10細胞/kg~約6×10細胞/kgの用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0261】
一部の実施形態では、対象に、約0.3×10細胞/kg~約5×10細胞/kgの用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約25×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0262】
一部の実施形態では、対象に、約1.25×10細胞/kg~約2.5×10細胞/kgの用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約20×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0263】
一部の実施形態では、対象に、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~20×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号49)、A11 VH(配列番号51);bm2B3 VL(配列番号53)、bm2B3 VH(配列番号55);HA1-4.121 VH(配列番号57)、HLA1-4.121 VL(配列番号59);H1-1.10 VH(配列番号61)、H1-1.10 VL(配列番号63);1G8(2B3)(配列番号65)、1G8(2B3-C5)(配列番号67);1G8(2B3-A2)(配列番号69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0264】
一部の実施形態では、対象に、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約25×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0265】
一部の実施形態では、対象に、約5×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0266】
一部の実施形態では、対象に、約6×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0267】
一部の実施形態では、対象に、約7×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0268】
一部の実施形態では、対象に、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0269】
一部の実施形態では、対象に、約8×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0270】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~20×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0271】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約25×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0272】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0273】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0274】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0275】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0276】
一部の実施形態では、対象に、A11 VL(配列番号49)およびA11 VH(配列番号51)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0277】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~20×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0278】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~25×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0279】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0280】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0281】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0282】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0283】
一部の実施形態では、対象に、bm2B3 VL(配列番号53)およびbm2B3 VH(配列番号55)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0284】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~20×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0285】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約25×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0286】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0287】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0288】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0289】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0290】
一部の実施形態では、対象に、HA1-4.121 VH(配列番号57)およびHLA1-4.121 VL(配列番号59)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0291】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~20×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0292】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約25×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0293】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0294】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0295】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0296】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0297】
一部の実施形態では、対象に、H1-1.10 VH(配列番号61)およびH1-1.10 VL(配列番号63)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0298】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約20×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0299】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約25×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0300】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0301】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0302】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0303】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0304】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3)(配列番号65)および1G8(2B3-C5)(配列番号67)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0305】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約1.25×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~20×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0306】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約2.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約25×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0307】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0308】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約6×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0309】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約7×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0310】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約7.5×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0311】
一部の実施形態では、対象に、1G8(2B3-A2)(配列番号69)および1G8(2B3-A11)(配列番号71)に由来するscFVを含有する、約8×10細胞/kg(±20%)の用量のMyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞が、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。T細胞投与に続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドが投与される。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。
【0312】
本方法は、過剰増殖性疾患により引き起こされる疾患の処置または予防の方法も包含する。
【0313】
医薬組成物を使用して処置することができる、固形腫瘍を含む、がんとしては、前立腺がん、膵臓がん、胃がん、卵巣がん、膀胱がん、肺がん、食道がん、子宮内膜がん、子宮頸がんまたは乳がんが挙げられるが、これらに限定されない。
【0314】
一部の実施形態では、本発明は、前立腺がん、膵臓がんおよび胃がんの処置または予防を提供する。
【0315】
一部の実施形態では、本発明は、対象に、約0.1×10細胞/kg~8×10細胞/kgの間の用量の改変T細胞を投与し、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドを投与することによる、前立腺がんの処置または予防を提供する。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、0.1×10細胞/kg~30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号49)、A11 VH(配列番号51);bm2B3 VL(配列番号53)、bm2B3 VH(配列番号55);HA1-4.121 VH(配列番号57)、HLA1-4.121 VL(配列番号59);H1-1.10 VH(配列番号61)、H1-1.10 VL(配列番号63);1G8(2B3)(配列番号65)、1G8(2B3-C5)(配列番号67);1G8(2B3-A2)(配列番号69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0316】
一部の実施形態では、本発明は、対象に、約5×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞を投与し、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドを投与することによる、前立腺がんの処置または予防を提供する。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0317】
一部の実施形態では、本発明は、対象に、約7×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞を投与し、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドを投与することによる、前立腺がんの処置または予防を提供する。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0318】
一部の実施形態では、本発明は、対象に、約0.1×10細胞/kg~8×10細胞/kgの間の用量の改変T細胞を投与し、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドを投与することによる、膵臓がんの処置または予防を提供する。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0319】
一部の実施形態では、本発明は、対象に、約7×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞を投与し、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドを投与することによる、膵臓がんの処置または予防を提供する。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0320】
一部の実施形態では、本発明は、対象に、約5×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞を投与し、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドを投与することによる、膵臓がんの処置または予防を提供する。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0321】
一部の実施形態では、本発明は、対象に、約0.1×10細胞/kg~8×10細胞/kgの間の用量の改変T細胞を投与し、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドを投与することによる、胃がんの処置または予防を提供する。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0322】
一部の実施形態では、本発明は、対象に、約7×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞を投与し、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドを投与することによる、胃がんの処置または予防を提供する。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0323】
一部の実施形態では、本発明は、対象に、約5×10細胞/kg(±20%)の用量の改変T細胞を投与し、続いて、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回の間隔でリミドゥシドを投与することによる、胃がんの処置または予防を提供する。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01~1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、または1.0mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、必要な期間(例えば、がん寛解)、毎日、週3回、週2回、毎週、月2回または1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、リミドゥシドの用量は、週1回、0.4mg/kgである。一部の実施形態では、改変T細胞は、0.1×10細胞/kg~約30×10細胞/kgの間の量の未改変ポリクローナルT細胞と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変T細胞は、A11 VL(配列番号:49)、A11 VH(配列番号:51);bm2B3 VL(配列番号:53)、bm2B3 VH(配列番号:55);HA1-4.121 VH(配列番号:57)、HLA1-4.121 VL(配列番号:59);H1-1.10 VH(配列番号:61)、H1-1.10 VL(配列番号:63);1G8(2B3)(配列番号:65)、1G8(2B3-C5)(配列番号:67);1G8(2B3-A2)(配列番号:69)、および1G8(2B3-A11)(配列番号:71)からなる群から選択されるPSCA抗体からの可変重鎖および可変軽鎖に由来するscFVを含有する、MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞である。
【0324】
一部の実施形態では、対象における腫瘍マーカーのコピー数がモニターされる。一部の実施形態では、腫瘍マーカーのコピー数の低減が測定される。例えば、この低減は、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%の腫瘍マーカーのコピー数の低減を含み得る。一部の実施形態では、対象における前立腺幹細胞抗原(PSCA)のコピー数がモニターされる。一部の実施形態では、前立腺幹細胞抗原(PSCA)のコピー数の低減が測定される。例えば、この低減は、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%の前立腺幹細胞抗原(PSCA)のコピー数の低減を含み得る。
【0325】
一部の実施形態では、対象における腫瘍負荷がモニターされる。腫瘍負荷は、がん細胞の数、腫瘍のサイズ、および/または体内のがんの量を指すことがある。腫瘍負荷は、腫瘍負荷量を指すこともある。一部の実施形態では、腫瘍負荷の低減が測定される。例えば、この低減は、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%の腫瘍負荷の低減を含み得る。
【0326】
固形腫瘍の「腫瘍サイズを低減させること」または「腫瘍成長を阻害すること」または「腫瘍負荷の低減」とは、例えば固形腫瘍効果判定基準(RECIST)基準などの、標準ガイドラインに従って、処置に対する応答、または疾患の安定化を意味する。例えば、この低減は、固形腫瘍の直径の約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%の低減、または腫瘍、循環腫瘍細胞、もしくは腫瘍マーカーの数の約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%の低減を含み得る。腫瘍のサイズは、例えば、CTスキャン;MRI、例えばCT-MRI;胸部X線(肺の腫瘍について);または分子イメージング、例えば、PETスキャン、例えば、ヨウ素123標識PSA、例えばPSMAリガンド、の投与後の、例えば阻害剤がTROFEX(商標)/MIP-1072/1095である場合などの、PETスキャンなど;または分子イメージング、例えば、SPECT、もしくはPSA、例えばPSMA抗体、例えば、カプロマブペンデチド(capromad pendetide)(Prostascint)、111インジウム(111-iridium)標識PSMA抗体、などを使用するPETスキャンを含む、任意の方法により分析することができる。
【0327】
「腫瘍血管新生を低減、緩徐化または阻害すること」とは、腫瘍血管新生の約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%の低減、または処置前の腫瘍血管新生の量と比較して新しい血管系の出現の約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%の低減を意味する。この低減は、1つの腫瘍のことを言うこともあり、または1つより多くの腫瘍における血管新生の合計もしくは平均であることもある。腫瘍血管新生を測定する方法は、例えば、CATスキャン、MRI、例えばCT-MRI、または分子イメージング、例えば、SPECT、もしくはPETスキャン、例えば、ヨウ素123標識PSA、例えばPSMAリガンド、の投与後の、例えば阻害剤がTROFEX(商標)/MIP-1072/1095である場合などの、PETスキャン、もしくはPSA、例えばPSMA抗体、例えば、カプロマブペンデチド(Prostascint)、111インジウム標識PSMA抗体、などを使用するPETスキャンを含む。
【0328】
一部の実施形態では、がん(例えば、前立腺がん、膵臓がん、胃がん、卵巣がん)の進行は、少なくとも6カ月防止または遅延される。一部の実施形態では、がんの進行は、少なくとも12カ月防止または遅延される。一部の実施形態では、がん(例えば、前立腺がん)は、7、8、9、10またはそれより大きいグリーソンスコアを有する。一部の実施形態では、対象は、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の投与後3カ月まで部分または完全奏効を示す。一部の実施形態では、対象は、CID(例えば、リミドゥシド)の投与後3カ月まで部分または完全奏効を示す。一部の実施形態では、対象は、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の投与後6カ月まで部分または完全奏効を示す。一部の実施形態では、対象は、CID(例えば、リミドゥシド)の投与後6カ月まで部分または完全奏効を示す。一部の実施形態では、対象は、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の投与後9カ月まで部分または完全奏効を示す。一部の実施形態では、対象は、CID(例えば、リミドゥシド)の投与後9カ月まで部分または完全奏効を示す。
【0329】
ある腫瘍が、臓器中に存在する、または臓器中の別の腫瘍に由来するかもしくはそれから転移したものである、または1つもしくは複数の臓器特異的腫瘍マーカーを産生する場合、腫瘍は、臓器(例えば、前立腺、膵臓、胃、卵巣)の一部として分類され名付けられる。例えば、腫瘍が、対象の臓器中の腫瘍と同一または類似の染色体切断点を有すると決定された場合、腫瘍は、臓器における腫瘍から転移したものである。ある特定の事例では、腫瘍(例えば、前立腺腫瘍、膵臓腫瘍、胃腫瘍、卵巣腫瘍)は、前立腺幹細胞抗原(PSCA)を発現する。
【0330】
例えば、ある腫瘍が、前立腺中に存在する、または前立腺中の別の腫瘍に由来するかもしくはそれから転移したものである、またはPSAを産生する場合、腫瘍は、前立腺がん腫瘍のように、臓器の一部として分類され名付けられる。例えば、腫瘍が、対象の前立腺中の腫瘍と同一または類似の染色体切断点を有すると決定された場合、腫瘍は、前立腺における腫瘍から転移したものである。
【0331】
例えば、改変T細胞の後続の用量、および/または後続のCID(例えば、リミドゥシド)投与量などの、後続の薬物の用量を調整または維持する指標を、任意の従来の方法で提供することができる。一部の実施形態では、指標は、表形式で(例えば、物理的または電子媒体で)提供され得る。例えば、腫瘍のサイズ、または試料中の腫瘍細胞の数もしくはレベルを表で提供することができ、臨床医は、疾患のステージについてのリストまたは表と症状を比較することができる。次いで、臨床医は、後続の薬物用量の指標を表から特定することができる。ある特定の実施形態では、指標は、症状がコンピューターに提供された(例えば、コンピューターのメモリーに入力された)後、コンピューターにより提示(例えば、表示)され得る。例えば、この情報をコンピューターに提供する(例えば、ユーザーがコンピューターに入力する、またはコンピューターネットワーク内の遠隔デバイス経由でコンピューターに送信する)ことができ、コンピューターのソフトウェアによって、後続の薬物用量を調整もしくは維持するための指標が生成され得る、および/または後続の薬物投与量が提供され得る。
【0332】
後続の用量が、指標に基づいて決定されると、臨床医は、後続の用量を投与することができ、または用量を調整するように別の人物もしくは実体に指示を与えることができる。用語「臨床医」は、本明細書で使用される場合、意思決定者を指し、臨床医は、ある特定の実施形態では、医療専門家である。意思決定者は、一部の実施形態では、コンピューターであることもあり、または表示されたコンピュータープログラム出力であることもあり、医療サービス提供者は、コンピューターにより表示された指標または後続の薬物用量に従って行動することができる。意思決定者は、後続の用量を直接投与する(例えば、後続の用量を対象に注入する)ことができ、または遠隔で投与することができる(例えば、ポンプパラメーターが意思決定者により遠隔で変更され得る)。
【0333】
固形腫瘍がん(例えば、前立腺がん、膵臓がん、胃がん、卵巣がんを含む)の処置を、腫瘍に関連するバイオマーカー(例えば、PSCA)の濃度を処置の過程で決定することにより最適化することができる。患者は、処置の過程に対して異なる応答を示すことがあるため、様々な体液または組織におけるバイオマーカー濃度またはレベルを追跡することにより処置に対する応答をモニターすることができる。バイオマーカーポリペプチドの濃度、レベルまたは量の決定は、完全長ポリペプチドまたはその断片もしくはバリアントについての決定を含み得る。断片またはバリアントは、例えば、免疫学的方法、質量分析、核酸ハイブリダイゼーションなどにより検出するのに十分なものである。個々の患者のための処置の最適化は、過量投与の結果としての副作用を回避するのに役立つこともあり、処置に効果がないときを決定するのにおよび治療過程を変更するのに役立つこともあり、または用量を増加させることができるときを決定するのに、または処置のタイミングを決定するのに役立つこともある。
【0334】
例えば、ある特定のバイオマーカー(例えば、PSCA)の量または濃度が、固形腫瘍の処置の過程で変化すると決定された。そのようなバイオマーカーの所定の目標レベル、または正常な対象において同定され得るバイオマーカー閾値が提供され、これによって、臨床医は、それを必要とする対象、例えば、固形腫瘍、例えば前立腺腫瘍、膵臓腫瘍、胃腫瘍、卵巣腫瘍などを有する対象、に投与される薬物の後続の用量を増加させることができるのか、減少させることができるのか、維持することができるのかを決定することが可能になる。臨床医は、ある特定の実施形態では、バイオマーカーの存在、非存在または量が、それぞれ、バイオマーカー閾値より下であるのか、バイオマーカー閾値より上であるのか、バイオマーカー閾値とほぼ同じであるのかに基づいて、そのような決定を下すことができる。
臨床応用が企図される場合、医薬組成物-発現構築物、発現ベクター、融合タンパク質、形質導入細胞、活性化T細胞、形質導入され負荷されたT細胞-を、意図した応用に適切な形態で調製することが必要である。
併用療法
【0335】
本明細書で提示される発現ベクターの有効性を増加させるために、これらの組成物および方法を疾患の処置に有効な薬剤と組み合わせることが望ましいことがある。
【0336】
ある特定の実施形態では、抗がん剤を本方法と併用することができる。「抗がん」剤は、例えば、1つまたは複数のがん細胞を死滅させること、1つまたは複数のがん細胞のアポトーシスを誘導すること、1つまたは複数のがん細胞の成長速度を低下させること、転移の発生率または数を低下させること、腫瘍のサイズを低減させること、腫瘍の成長を阻害すること、腫瘍または1つもしくは複数のがん細胞への血液供給を低減させること、1つもしくは複数のがん細胞または腫瘍に対する免疫応答を促進すること、がんの進行を防止または阻害することにより、対象におけるがんに悪影響を与えることができ、あるいはがんを有する対象の寿命を伸ばすことができる。抗がん剤は、例えば、化学療法剤(化学療法)、放射線療法剤(放射線療法)、外科手術手技(外科手術)、免疫療法剤(免疫療法)、遺伝子療法剤(遺伝子療法)、ホルモン療法、他の生物学的薬剤(生物学的療法)および/または代替療法を含む。
【0337】
一部の実施形態では、抗生物質を医薬組成物と併用して、感染性疾患を処置および/または予防することができる。そのような抗生物質としては、アミカシン、アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシン)、アモキシシリン、アンホテリシンB、アンピシリン、アンチモン剤、アトバコン、スチボグルコン酸ナトリウム、アジスロマイシン、カプレオマイシン、セフォタキシム、セフォキシチン、セフトリアキソン、クロラムフェニコール、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、クロファジミン、サイクロセリン、ダプソン、ドキシサイクリン、エタンブトール、エチオナミド、フルコナゾール、フルオロキノロン、イソニアジド、イトラコナゾール、カナマイシン、ケトコナゾール、ミノサイクリン、オフロキサシン、パラ-アミノサリチル酸、ペンタミジン、ポリミキシン デフェンシン(definsin)、プロチオナミド、ピラジナミド、ピリメタミン スルファジアジン、キノロン(例えば、シプロフロキサシン)、リファブチン、リファンピン、スパルフロキサシン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、チアセタゾン、トリメトプリム(trimethaprim)-スルファメトキサゾール、バイオマイシンまたはこれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0338】
より一般的には、そのような薬剤は、がん細胞および/もしくは微生物を死滅させるのに有効なまたはがん細胞および/もしくは微生物の増殖を阻害するのに有効な発現ベクターとの併用量で提供される。このプロセスは、細胞(複数可)と薬剤(複数可)および医薬組成物とを、同時に、または細胞、組織もしくは生物への医薬組成物および薬剤の別々の投与が所望の治療利益を生じさせる期間内に、接触させるステップを含み得る。このステップは、医薬組成物と1つもしくは複数の薬剤の両方を含む単一の組成物もしくは薬理学的製剤と、細胞、組織もしくは生物を接触させることにより、または1つの組成物が医薬組成物を含み、他のものが1つもしくは複数の薬剤を含む、2つもしくはそれより多くの別個の組成物もしくは製剤と、細胞を接触させることにより、達成され得る。
【0339】
用語「接触した」および「曝露された」は、細胞、組織または生物に適用される場合、本明細書では、医薬組成物および/または別の薬剤、例えば、化学療法剤もしくは放射線療法剤などが、標的細胞、組織もしくは生物に送達されるまたは標的細胞、組織もしくは生物と直接並置されるプロセスを記述するために使用される。細胞殺滅または静止を果たすために、医薬組成物および/または追加の薬剤は、細胞を死滅させるのに有効なまたは細胞の分裂を防止するのに有効な併用量で、1つまたは複数の細胞に送達される。一部の実施形態では、化学療法剤は、カルボプラチン、エストラムスチンリン酸エステル(Emcyt)、およびサリドマイドからなる群から選択される。一部の実施形態では、化学療法剤は、タキサンである。タキサンは、例えば、ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル、およびカバジタキセルからなる群から選択され得る。一部の実施形態では、タキサンは、ドセタキセルである。一部の実施形態では、化学療法剤は、改変細胞または核酸の投与と同時にまたは投与後1週間以内に投与される。他の実施形態では、化学療法剤は、改変細胞または核酸の投与の1~4週間、または1週間~1カ月、1週間~2カ月、1週間~3カ月、1週間~6カ月、1週間~9カ月、または1週間~12カ月後に投与される。一部の実施形態では、化学療法剤は、細胞または核酸の投与の少なくとも1カ月前に投与される。
【0340】
医薬組成物の投与は、数分から数週間の範囲の間隔で、他の薬剤(複数可)より前に行われることもあり、他の薬剤と併せて行われることもあり、他の薬剤の後に行われることもある。医薬組成物および他の薬剤(複数可)が細胞、組織または生物に別々に適用される実施形態では、医薬組成物および薬剤(複数可)が細胞、組織または生物に対して有利な併用効果をなお発揮することができるように、一般に、各送達時間の間にかなりの期間が経過してしまわないようにすることになる。例えば、そのような場合、細胞、組織または生物を2つ、3つ、4つまたはそれより多くのモダリティを用いて医薬組成物と実質的に同時に(すなわち、約1分未満以内に)接触させることができると企図される。他の態様では、1つまたは複数の薬剤は、発現ベクターの投与の前および/または後、実質的に同時に、約1分~約24時間、~約7日、~約1~約8週間またはそれを超える範囲内、およびその中で導き出せる任意の範囲内で投与され得る。なおさらに、本明細書で提示される医薬組成物と1つまたは複数の薬剤との様々な併用レジメンが利用され得る。
【0341】
一部の実施形態では、化学療法剤は、リンパ球枯渇化学療法薬であり得る。
【0342】
他の例では、化学療法剤は、タキソテール(ドセタキセル)、または別のタキサン、例えばカバジタキセルなどであり得る。化学療法薬は、細胞および誘導物質での処置の前に、処置中に、または処置後に投与され得る。例えば、化学療法薬は、活性化核酸の第1の用量の投与の約1年、11、10、9、8、7、6、5もしくは4カ月、または18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2週間もしくは1週間前に投与され得る。または、例えば、化学療法薬は、細胞または誘導物質の第1の用量の投与の約1週間もしくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17もしくは18週間または4、5、6、7、8、9、10もしくは11カ月、または1年後に投与され得る。
【0343】
化学療法剤の投与は、1つより多くの化学療法剤の投与を含み得る。例えば、シスプラチンが、タキソテールまたは他のタキサン、例えばカバジタキセルなど、に加えて投与され得る。
【0344】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の改変細胞集団と、サイトカインまたはケモカイン中和剤、例えば中和抗体とを含む、併用療法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の改変細胞集団と、TNFα中和剤、例えば抗TNFα抗体とを含む、併用療法を提供する。
後続の薬物用量を調整または維持するための指標
【0345】
後続の薬物用量を調整または維持するための指標は、バイオマーカーの存在または非存在に基づき得る。例えば、(i)バイオマーカーレベルの低い感度決定が利用可能であった場合、(ii)バイオマーカーレベルが薬物に応答して急にシフトした場合、(iii)低レベルもしくは高レベルのバイオマーカーが存在した場合、および/または(iv)薬物が投与レベルで認識できるほど毒性でない場合、バイオマーカーの存在または非存在は、後続の薬物用量を調整または維持する指標の生成に十分なものであり得る。
【0346】
後続の薬物用量を調整または維持するための指標は、バイオマーカー(例えば、PSCA)の量またはレベルに基づくことが多い。バイオマーカーの量は、一部の実施形態では、平均値、中央値、名目値、範囲、間隔、最大値、最小値または相対量であり得る。バイオマーカーの量を、ある特定の実施形態では、測定誤差範囲とともにまたはそれなしで表すことができる。
【0347】
バイオマーカーの量は、一部の実施形態では、バイオマーカー濃度、重量単位当たりのバイオマーカーの重量、単位体積当たりのバイオマーカーの重量、バイオマーカーのモル、単位体積当たりのバイオマーカーのモル、単位重量当たりのバイオマーカーのモル、単位細胞当たりのバイオマーカーの重量、単位細胞当たりのバイオマーカーの体積、単位細胞当たりのバイオマーカーのモルなどとして表すことができる。重量は、例えば、フェムトグラム、ピコグラム、ナノグラム、マイクログラム、ミリグラムおよびグラムで表すことができる。体積は、例えば、フェムトリットル、ピコリットル、ナノリットル、マイクロリットル、ミリリットルおよびリットルとして表すことができる。モルは、例えば、ピコモル、ナノモル、マイクロモル、ミリモルおよびモルで表すことができる。一部の実施形態では、単位重量は、対象の体重または対象からの試料の重量であり得、単位体積は、対象からの試料の体積(例えば、血液体積)であり得、単位細胞は、1細胞当たりであることもあり、またはある特定の細胞数当たり(例えば、1000細胞当たりのバイオマーカーのマイクログラム)であることもある。一部の実施形態では、1つの組織または流体から決定されたバイオマーカーの量を、当技術分野において公知の別の流体または組織中のバイオマーカーの量と相関させることができる。
【0348】
後続の薬物用量を調整または維持するための指標は、対象におけるバイオマーカーの決定レベルとバイオマーカーの所定のレベルとを比較することにより生成されることが多い。バイオマーカーの所定のレベルは、ある特定の実施形態では、対象における薬物の治療量または効果的な量と関連付けられることもあり、薬物の毒性レベルと関連付けられることもあり、状態の存在と関連付けられることもあり、処置の中間点と関連付けられることもあり、および処置の終点と関連付けられることもある。バイオマーカーの所定のレベルは、要素として時間を含むこともあり、一部の実施形態では、閾値は、時間依存性シグネチャーである。
【0349】
一部の処置方法は、(i)対象に薬物を1回または複数回の投与(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10用量)で投与するステップ、(ii)(i)の後、対象におけるまたは対象からのバイオマーカー(例えば、PSCA)の存在、非存在または量を決定するステップ、(iii)対象への投与のための薬物の後続の用量を増加させる、減少させるまたは維持する指標を得るステップ、および(iv)必要に応じて、後続の用量を対象に投与するステップであって、後続の用量が(i)における先行用量に対して増加、減少または維持される、ステップを含む。一部の実施形態では、バイオマーカーの存在、非存在または量は、薬物の各用量が対象に投与された後に決定され、バイオマーカーの存在、非存在または量は、薬物の各用量が対象に投与された後に決定されないこともある(例えば、バイオマーカーは、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の用量のうちの1つまたは複数の後に評価されるが、各用量が投与された後に毎回は評価されるわけではない)。
【0350】
後続の薬物用量を調整するための指標は、後続の薬物用量を増加させる必要性または減少させる必要性であると考えることもできる。後続の薬物用法を調整または維持する指標を臨床医は考慮に入れることができ、臨床医は、ある特定の実施形態では、その指標に基づいて行動することがある。一部の実施形態では、臨床医は、指標に基づいて行動することを選択しないこともある。したがって、臨床医は、提供される指標に基づいて後続の薬物用量を調整することまたは調整しないこと選択することができる。
【0351】
後続の薬物用量および/または後続の薬物投与量を調整または維持する指標を、従来の方法で提供することができる。一部の実施形態では、指標は、表形式で(例えば、物理的または電子媒体で)提供され得る。例えば、バイオマーカー閾値が表で提供されることがあり、臨床医は、対象について決定されたバイオマーカーの存在、非存在または量を閾値と比較することができる。次いで、臨床医は、後続の薬物用量の指標を表から特定することができる。ある特定の実施形態では、指標は、バイオマーカーの存在、非存在または量がコンピューターに提供された(例えば、コンピューターのメモリーに入力された)後、コンピューターにより提示(例えば、表示)され得る。例えば、対象について決定されたバイオマーカーの存在、非存在または量をコンピューターに提供する(例えば、ユーザーがコンピューターに入力する、またはコンピューターネットワーク内の遠隔デバイス経由でコンピューターに送信する)ことができ、コンピューターのソフトウェアによって、後続の薬物用量を調整もしくは維持するための指標が生成され得る、および/または後続の薬物投与量が提供され得る。例えば、後続の用量を、バイオマーカーの存在、非存在または量以外のある特定の因子、例えば、対象の体重、対象の1つまたは複数の代謝物レベル(例えば、肝機能に関連する代謝物レベル)など、に基づいて決定することができる。
【0352】
後続の用量が、指標に基づいて決定されると、臨床医は、後続の用量を投与することができ、または用量を調整するように別の人物もしくは実体に指示を与えることができる。用語「臨床医」は、本明細書で使用される場合、意思決定者を指し、臨床医は、ある特定の実施形態では、医療専門家である。意思決定者は、一部の実施形態では、コンピューターであることもあり、または表示されたコンピュータープログラム出力であることもあり、医療サービス提供者は、コンピューターにより表示された指標または後続の薬物用量に従って行動することができる。意思決定者は、後続の用量を直接投与する(例えば、後続の用量を対象に注入する)ことができ、または遠隔で投与することができる(例えば、ポンプパラメーターが意思決定者により遠隔で変更され得る)。
【0353】
特定のバイオマーカー(例えば、PSCA)の存在、非存在または量を決定することが可能か否かを決定するために、対象をプレスクリーニングすることができる。プレスクリーニングの非限定的な例としては、遺伝子マーカー(例えば、多型性、特定のヌクレオチド配列)の存在または非存在の同定;特定の代謝物の存在、非存在または量の同定が挙げられる。臨床医は、プレスクリーニング結果をバイオマーカーの存在、非存在または量と併用して、後続の薬物用量を調整することができるのか、維持することができるのかを決定することができる。
【実施例
【0354】
下記に示す実施例は、ある特定の実施形態を説明するものであり、本技術を限定するものではない。
(実施例1)
PSCA特異的CAR-T細胞臨床研究
【0355】
この実施例のPSCA特異的CAR-T細胞は、PSCA発現細胞に結合するPSCA指向性、遺伝子改変、自己産物候補である。PSCA特異的CAR-T細胞は、ヒト化PSCA抗体の単鎖可変領域ドメイン(scFV)と一緒に旧来のCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインを含有する第一世代CAR構築物でPSCAを標的とする。抗PSCA CARに加えて、PSCA特異的CAR-T細胞を、MyD88およびCD40からのシグナル伝達ドメイン(誘導性MyD88/CD40またはiMC)とインフレームの2つのFK結合タンパク質(FKBP)から構成される誘導性二重共刺激ドメインを発現するように操作した。
【0356】
iMCは、小分子二量体化剤リミドゥシドの存在下でT細胞の活性化および増殖を増強および制御するための分子スイッチとして機能する(図3)。タンデムFKBPドメインは、細胞増殖および生存を促進するばかりでなく炎症性サイトカインおよびI型インターフェロンを上方調節もする下流シグナル伝達経路を開始させるようにiMCをリミドゥシド依存的に誘導する、リガンド二量体化足場を提供する。
【0357】
誘導性MyD88/CD40 PSCA CARレトロウイルス構築物は、5’から3’方向に、以下のものをコードするポリヌクレオチドを含有する:
【0358】
(1)ヒトCD40ポリペプチドの一部分(カルボキシ末端62アミノ酸、すなわち、CD40のアミノ酸216~277;配列番号24によりコードされている配列番号23)に融合している切断型ヒトMyD88ポリペプチド(DDドメインと中間ドメインとを含有するMyD88のアミノ末端172アミノ酸;配列番号22によりコードされている配列番号21)を含有する融合タンパク質(この融合タンパク質全体がMCを呼ばれる)であって、アミノ酸36(またはタンパク質の最初のメチオニンを数に入れると37)位のフェニルアラニンがバリンで置換されている、変異型ヒトFKBP12タンパク質2つのコピー(FKBP12(F36V)、別名FKBP12v36、FV36、FKBPvまたはFv;配列番号42および44によりコードされている配列番号41および43)に融合している融合タンパク質(この融合タンパク質全体の名前がiMCであり得る);
【0359】
(2)T2Aポリペプチド(配列番号6によりコードされている配列番号5);および
【0360】
(3)5’から3’方向に、scFv配列(鎖間に介在する8アミノ酸の柔軟なグリシン-セリンリンカー、すなわち、フレックスペプチド(配列番号10によりコードされている配列番号9)で抗PSCAモノクローナル抗体の軽鎖および重鎖可変領域と融合している膜シグナルペプチド(配列番号8によりコードされている配列番号7)を含む)、これが融合しているヒトCD34エピトープポリペプチド(CD34のアミノ酸30~45;配列番号12によりコードされている配列番号11)、これが融合しているヒトCD8のアルファストーク(CD8のアミノ酸141~182;配列番号14によりコードされている配列番号13)、これが融合しているヒトCD8の膜貫通ドメイン(CD8のアミノ酸183~219;配列番号16によりコードされている配列番号15)、これが融合しているヒトCD3ζの一部分(CD3ζアイソフォームX2のアミノ酸83~194;配列番号18によりコードされている配列番号17)を含む、第一世代CARポリペプチド。
【0361】
誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞を、1)PSCA認識およびCD3ζシグナル伝達ドメインによる抗原特異的活性化(シグナル1)、および2)iMCによるリミドゥシド依存性共刺激(シグナル2)という、2つの明確に異なるシグナルに応答して増殖するように、合理的に設計した(図4)。この設計は、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞を、抗原指向性と抗原非依存性の両方のT細胞活性化、増殖および持続性について最適化することができ、それによって、旧来のCARと比較して固形腫瘍悪性病変の処置の臨床的活性増強をもたらすことができる(シグナル3;図4)。
【0362】
用量-応答関係が、抗原依存性細胞傷害について存在するかどうかを決定するために、およびiMCが、このことに影響を及ぼす可能性があるかどうかを評価するために、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞(0.625×10細胞、1.25×10細胞、2.5×10細胞、5.0×10細胞、および10.0×10細胞)の単一の漸増用量を0日目に静脈内注射により投与することによって、腫瘍担持NSGマウスを処置した(図5A図5B)。腫瘍測定値が、T細胞注射後の2回の連続する測定に基づいて成長を示した場合、毎週の腹腔内リミドゥシド 5mg/kgを開始した。14日目までに、用量≧2.5×10細胞は、HPAC腫瘍の急速な制御および最終的な消失をもたらした。用量≦1.25×10細胞は、リミドゥシドの非存在下では腫瘍体積を低減させるのに不十分であった。しかし、iMC活性化後、腫瘍成長は、0.625×10または1.25×10細胞を投与したマウスにおいて、それぞれ、安定化したか低減された。まとめると、これらのデータによって、HPAC腫瘍担持マウスにおけるリミドゥシドでのiMCの活性化は抗腫瘍機能を支持し得ることが裏付けられるばかりでなく、1.0×10細胞が、in vivoで腫瘍成長に影響を与えるための最小用量レベルとして定義される。さらに、全ての誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞処置マウスは、リミドゥシド処置を伴うまたは伴わないT細胞用量レベルに関係なく、実験の過程にわたって体重を維持または増加した。これは、治療が、明白な毒性の徴候なく良好な耐容性を示したことを示唆する。
【0363】
PSCA陽性進行固形腫瘍(膵臓、胃/GEJ、前立腺がん)を過去に処置した対象にリミドゥシドとともに投与するPSCA特異的CAR-T細胞の実行可能性、安全性および臨床活性を決定するために、図7に描かれている研究を設計した。
【0364】
図6は、膵臓腫瘍のPSCAスクリーニングを示す。
【0365】
パート1(第1相):リミドゥシド(0.4mg/kgでの固定単回用量)とともに投与する誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞(1.25×10細胞/kg~5.0×10細胞/kgの漸増用量)の最大用量を同定するための細胞用量漸増。
【0366】
パート2(第2相):様々なPSCA発現固形腫瘍における、パート1で同定した用量での安全性、薬力学(誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞持続性を含む)、および臨床活性を評価するための適応症特異的用量拡大。
【0367】
誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の初回開始用量は、1.25×10細胞/kgであった。リミドゥシドは、0.4mg/kgの固定用量で投与した。
【0368】
コホート0を次のように遂行した:3名の対象を登録し、0日目に後続のリミドゥシドの非存在下でPSCA CAR-T細胞(1.25×10細胞/kg)をこれらの対象に投与した。用量制限毒性事象は観察されず、サイトカインレベルを上昇させる有害事象(AE)も、PSCA CAR-T細胞注入に関連する毒性の他の徴候もなかった。末梢血試料の定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)解析によって、PSCA CAR-T細胞数が、おおよそ0~15日目の間に増加することが明らかになり、最大拡大が5~15日目に観察され、その後、最終的に21日目までにアッセイ検出レベル未満に減少した。コホート0において実証されたPSCA CAR-T細胞の好適な安全性および早期クリアランスに基づいて、7日目に固定、単回用量のリミドゥシド(0.4mg/kg)の治験処置レジメンへの追加を行った。
【0369】
コホート3(1.25×10細胞/kg)は、PSCA CAR-T細胞をリミドゥシドとともに投与する場合の細胞用量漸増決定をパート1において最初に開始するコホートであった。対象3名のコホートを0日目に漸増用量のPSCA CAR-T細胞で処置し、7日目に固定、単回用量のリミドゥシド(0.4mg/kg)で処置した。PSCA CAR-T細胞の用量を図8に列挙する。
【0370】
結果を図9~14に提示する。安全性の概要を図9に提供する。DLTも、神経毒性も、サイトカイン放出症候群の事象も、観察されなかった。発熱は、2名またはそれより多くの患者により報告された唯一の処置関連AEであった。どちらの事象も、支持療法を用いて24~36時間以内に解消した。具体的には、コホート4における患者1名は、0日目に誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の注入後にグレード1の発熱を経験し、この事象は、パラセタモールで24時間以内に回復した。コホート5における患者1名は、0日目に誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の注入後にグレード2の発熱を経験した。この事象は、パラセタモールで36時間以内に回復したが、このことは、発熱が患者の計画された注入関連の入院を長引かせたので、SAEとして報告された。他の処置関連SAEは報告されなかった。両方の発熱事象は、時間が一致した一過性の末梢性サイトカイン増加に関連していた。グレード1事象は、中等度の低血圧を伴い、この低血圧は、IV輸液で2時間以内に回復し、グレード2事象は、孤立性であり、他の全身性臨床症状の非存在下で起こった。患者6名が14のSAEを報告し、1つのSAE(グレード2の発熱)を除く全てが、研究中の疾患に関係していた。
【0371】
誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞の拡大および持続性を図10に示す。シクロホスファミド(CTX)のみのレジメンではリンパ球枯渇(LD)のわずかな証拠(細胞の79%±25%が残存した)しか観察されなかった。4日目までの急速な細胞拡大が観察されたが、リミドゥシドがないと持続しなかった。1名を除く全ての対象における不十分なリンパ球枯渇にもかかわらず、患者の大多数において4日目までの急速な細胞生着が観察された。シクロホスファミドでのリンパ球枯渇後に残存するリンパ球の平均パーセンテージは、79%(SD25%)であった。単回用量のリミドゥシドを投与した患者8名のうち、4名は、7日以内に少なくとも3倍かつ最大20倍の細胞拡大を有し、3名は、リミドゥシド注入後に3週間を超える細胞持続を有した。4カ月を超える細胞持続が患者1名で観察され、この患者はまた、スクリーニング時に最高PSCA発現を有した。コホート0において、誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞を単独で注入したとき、わずかな末梢性拡大しか観察されなかった。
【0372】
経時的な末梢性サイトカインプロファイルを図11に示す。リミドゥシドを投与した患者8名のうちの全てが、細胞拡大と相関するサイトカイン(IP-10、TNF-α)の増加を有した。血清IP-10の増加は、以前のIFNγ産生を示すものであり、血清TNF-αの増加とともに、リミドゥシドによるiMCの活性化に応じたT細胞活性化を裏付ける。細胞用量の増加は、全体的な血清サイトカインおよびケモカインレベル増加に関連する。活性化リンパ球およびマクロファージにより産生され、重要な走化性および炎症誘発性機能を有する、MCP-1、MIP-1αおよびMIP-1βをはじめとするケモカインのレベル増加が、rim注入後に多くの患者において観察された。末梢性リンパ球の低減(血清IL-7およびIL-15レベルの増加に関連する)が患者1名において観察され、リンパ球枯渇後のIL-7およびIL-15の増加は、出発レベルの31%への末梢性リンパ球数の低減に関連していた。全体的に見て、リンパ球は、出発レベルの平均78.7±25%に低減された。
【0373】
誘導性MyD88/CD40 PSCA CAR-T細胞で処置した患者における抗腫瘍活性の証拠を図12および図13に示す。スキャンを、4週目(1カ月目)、8週目(2カ月目)、およびその後は進行するまで8週間ごと(2カ月ごと)に行った。患者2名は、20%を超える腫瘍縮小を有した。
【0374】
図14は、PSCA CAR-T細胞の投与後の次の処置までの時間を示す。
【0375】
したがって、まとめると、これらの結果は、PSCA CAR-T細胞と単回用量リミドゥシドの投与が良好な耐容性を示したことを示す。いずれのグレードのサイトカイン放出症候群も神経毒性も観察されなかった。最も頻度の高いAEは、細胞傷害性化学療法または他のがん免疫療法を受けた進行がん患者が経験するものと一致した。
【0376】
処置関連AEは、わずかであり、軽度から中等度の強度であり、支持療法で解消された。加えて、シクロホスファミド単独でのリンパ球枯渇の不足にもかかわらず、PSCA CAR-T細胞は、一部の患者では拡大増進および持続性延長を示した。したがって、このしっかりと前処置した患者集団では生物活性/疾患制御が観察された。
方法
【0377】
製造プロセスの説明:PSCA CAR-T細胞は、患者の末梢血単核細胞(PBMC)から調製し、PBMCは、下記に説明する標準的なアフェレーシス手順によって得る。PBMCをT細胞について富化し、次いで、これらのT細胞を洗浄し、細胞培養で拡大させる。目標数の細胞が入手できたら、拡大したT細胞に、抗PSCA CARとリミドゥシド誘導性iMC導入遺伝子とを含有する複製能力のないレトロウイルスベクターで、形質導入した。形質導入T細胞を製剤化して懸濁液にし、凍結保存した。最終PSCA CAR-T細胞製品は、患者特異的輸液バッグ内の凍結懸濁液として出荷する前に、無菌性試験を含む出荷試験に合格しなければならない。
【0378】
包装および製剤化:PSCA CAR-T細胞を10~15mLの凍結培地中で凍結保存し、液体窒素の気相において凍結保存バッグの中で凍結された状態で保管する。
アフェレーシス
【0379】
治験実施医療機関の基準に従って対象から末梢血単核細胞(PBMC)を採取する。アフェレーシスの前に、対象の白血球数および鑑別細胞数を測定し、記録する。結果は、対象が、輸血に依存せず、成長因子による支持を受けていない適切な骨髄機能を有することを、実証しなければならない:
・ 絶対リンパ球数≧1×10/μLである白血球数≧2×10/μL
・ 顆粒球コロニー刺激因子の支持を受けずに絶対好中球数≧1×10/μL
・ 血小板≧100×10/μL
・ ヘモグロビン≧9g/dL、またはアフェレーシスの実施医療機関ガイドラインの通り。
【0380】
1~2血液体積を採取し、実施医療機関の標準手順に従って標準化連続フロー遠心分離を使用して処理した。処理した体積、およびアフェレーシスの期間を記録した。アフェレーシス手順中および後、確立された規制ガイドラインによって対象の感染性疾患をモニターした。アフェレーシスの前の評価の前に、静脈アクセス、アフェレーシス合併症のモニタリングおよび処置を、実施医療機関ガイドラインに従って行った。
PSCA CAR-T細胞注入の前のリンパ球枯渇
【0381】
静脈内にシクロホスファミド500mg/mおよび静脈内にフルダラビン30mg/mというリンパ球枯渇化学療法レジメンを、この組合せが耐容性を示さない場合を除いて、PSCA CAR T細胞の注入の5、4および3日前に投与した。組合せに基づくリンパ球枯渇が対象に好ましくない安全性リスクをもたらすと決定した場合には、単独でシクロホスファミドを用いてリンパ球枯渇を進めた。
(実施例2)
核酸およびアミノ酸配列
【0382】
表1:アミノ酸配列
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0383】
表2:核酸配列
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
(実施例3)
実施形態の例
【0384】
下記に示す実施例は、ある特定の実施形態を説明するものであり、本技術を限定するものではない。
【0385】
A1.改変および未改変T細胞を含む不均一T細胞集団であって、改変T細胞が、a)誘導性MyD88/CD40ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、およびb)前立腺幹細胞抗原キメラ抗原受容体(PSCA-CAR)ポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含む、不均一T細胞集団。
【0386】
A2.T細胞の約20%~約90%が、改変T細胞である、実施形態A1のT細胞集団。
【0387】
A3.T細胞の約20%~約80%が、改変T細胞である、実施形態A1のT細胞集団。
【0388】
A4.T細胞の約20%~約70%が、改変T細胞である、実施形態A1のT細胞集団。
【0389】
A5.T細胞の約20%~約60%が、改変T細胞である、実施形態A1のT細胞集団。
【0390】
A6.T細胞の約20%~約50%が、改変T細胞である、実施形態A1のT細胞集団。
【0391】
A7.凍結用培地に浮遊している、実施形態A1~A6のいずれか1つのT細胞集団。
【0392】
A8.実施形態A1~A6のいずれか1つの凍結保存T細胞集団。
【0393】
A9.保留。
【0394】
A10.対象への注入に適した希釈物において1ミリリットル当たり約20×10~120×10の細胞を構成する、実施形態A1~A9のいずれか1つのT細胞集団。
【0395】
A11.誘導性MyD88/CD40ポリペプチドが、
i)2つの多量体リガンド結合性領域、
ii)MyD88ポリペプチド、またはTIRドメインを欠く切断型MyD88ポリペプチド、および
iii)CD40細胞外ドメインを欠くCD40細胞質ポリペプチド領域
を含む、実施形態A1~A10のいずれか1つのT細胞集団。
【0396】
A12.各多量体リガンド結合性領域が、FKBP12バリアントポリペプチドを含む、実施形態A11のT細胞集団。
【0397】
A13.各FKBP12バリアントポリペプチドが、多量体リガンドに野生型FKBP12ポリペプチドより高い親和性で結合する、実施形態A12のT細胞集団。
【0398】
A14.各FKBP12バリアントポリペプチドが、36位にアミノ酸置換を含み、多量体リガンドに野生型FKBP12ポリペプチドより高い親和性で結合する、実施形態A12またはA13のいずれか1つのT細胞集団。
【0399】
A15.36位におけるアミノ酸置換が、バリン、イソロイシン、ロイシンおよびアラニンからなる群から選択される、実施形態A14のT細胞集団。
【0400】
A16.各多量体リガンド結合性領域が、FKB12v36領域である、実施形態A15のT細胞集団。
【0401】
A17.切断型MyD88ポリペプチドが、配列番号21のアミノ酸配列またはその機能的断片を有する、実施形態A1~A16のいずれか1つのT細胞集団。
【0402】
A18.切断型MyD88ポリペプチドが、完全長MyD88ポリペプチドのC末端に隣接するアミノ酸残基156を含まない、実施形態A1~A17のいずれか1つのT細胞集団。
【0403】
A19.切断型MyD88ポリペプチドが、完全長MyD88ポリペプチドのC末端に隣接するアミノ酸残基152を含まない、実施形態A1~A17のいずれか1つのT細胞集団。
【0404】
A20.切断型MyD88ポリペプチドが、完全長MyD88ポリペプチドのC末端に隣接するアミノ酸残基173を含まない、実施形態A1~A17のいずれか1つのT細胞集団。
【0405】
A21.完全長MyD88ポリペプチドが、配列番号47のアミノ酸配列を含む、実施形態A18~A20のいずれか1つのT細胞集団。
【0406】
A22.切断型MyD88ポリペプチドが、配列番号21のアミノ酸配列からなる、実施形態A1~A17のいずれか1つのT細胞集団。
【0407】
A23.細胞質CD40ポリペプチドが、配列番号23のアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、実施形態A1~A22のいずれか1つのT細胞集団。
【0408】
A24.細胞質CD40ポリペプチドが、配列番号23のアミノ酸配列またはその機能的断片からなる、実施形態A1~A22のいずれか1つのT細胞集団。
【0409】
A25.キメラ抗原受容体が、抗原認識部分、膜貫通領域、およびT細胞活性化分子を含む、実施形態A1~A24のいずれか1つのT細胞集団。
【0410】
A26.抗原認識部分が、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、4A10、およびA11からなる群から選択されるPSCA抗体に由来し、1G8、2A2、2H9、3C5、3E6、3G3、および4A10が、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託されているHB-12612、HB-12613、HB-12614、HB-12616、HB-12618、HB-12615、およびHB-12617と称するハイブリドーマによりそれぞれ産生される、実施形態A25のT細胞集団。
【0411】
A27.抗原認識部分が、配列番号65、67、69および71からなる群から選択されるアミノ酸配列の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの相補性決定領域(CDR)を含む、実施形態A25またはA26のいずれか1つのT細胞集団。
【0412】
A28.抗原認識部分が、配列番号51および49、配列番号55および53、配列番号57および59、ならびに配列番号61および63からなる群から選択される、重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列を含む、実施形態A25のT細胞集団。
【0413】
B1.前立腺幹細胞抗原(PSCA)を発現する1つまたは複数の固形腫瘍の存在に関連する疾患と診断された対象を処置する方法であって、薬理作用のある薬剤を対象に投与するステップを含み、対象が、実施形態A1~A28のいずれか1つのT細胞集団の注入を過去に受けたことがある、方法。
【0414】
B2.薬理作用のある薬剤の複数の用量が対象に投与される、実施形態B1の方法。
【0415】
B3.薬理作用のある薬剤が、対象に1日1回投与される、実施形態B1またはB2の方法。
【0416】
B4.薬理作用のある薬剤が、対象に週に3回投与される、実施形態B1またはB2の方法。
【0417】
B5.薬理作用のある薬剤が、対象に週に2回投与される、実施形態B1またはB2の方法。
【0418】
B6.薬理作用のある薬剤が、対象に週に1回投与される、実施形態B1またはB2の方法。
【0419】
B7.薬理作用のある薬剤が、対象に1週間おきに1回投与される、実施形態B1またはB2の方法。
【0420】
B8.薬理作用のある薬剤が、対象に月に2回投与される、実施形態B1またはB2の方法。
【0421】
B9.薬理作用のある薬剤が、対象に月に1回投与される、実施形態B1またはB2の方法。
【0422】
B10.対象における腫瘍負荷をモニターするステップをさらに含む、実施形態B1~B9のいずれか1つの方法。
【0423】
B11.対象におけるPSCAコピー数をモニターするステップをさらに含む、実施形態B1~B9のいずれか1つの方法。
【0424】
B12.対象の末梢血中の改変T細胞の数または濃度をモニターするステップをさらに含む、実施形態B1~B11のいずれか1つの方法。
【0425】
B13.薬理学的組成物の第1の用量が、T細胞集団の注入の4日後またはそれより後に投与される、実施形態B1~B12のいずれか1つの方法。
【0426】
B14.薬理学的組成物の第1の用量が、T細胞集団の注入の7日後またはそれより後に投与される、実施形態B1~B12のいずれか1つの選択の方法。
【0427】
B15.対象における腫瘍負荷またはPSCAコピー数が十分に低減されないと決定したら、または疾患が進行していると決定したら、薬理作用のある薬剤の投与の頻度を増加させるステップを含む、実施形態B1~B14のいずれか1つの方法。
【0428】
B16.対象における腫瘍負荷またはPSCAコピー数が50%未満低減されたと決定したら、薬理作用のある薬剤の投与の頻度を増加させるステップを含む、実施形態B1~B14のいずれか1つの方法。
【0429】
B17.対象における腫瘍負荷またはPSCAコピー数が20%未満低減されたと決定したら、薬理作用のある薬剤の投与の頻度を増加させるステップを含む、実施形態B1~B14のいずれか1つの方法。
【0430】
B18.対象における腫瘍負荷またはPSCAコピー数が50パーセントまたはそれより大きく低減されたと決定したら、薬理作用のある薬剤の投与の頻度を低減させるステップを含む、実施形態B10~B16のいずれか1つの方法。
【0431】
B19.対象における腫瘍負荷またはPSCAコピー数が90パーセントまたはそれより大きく低減されたと決定したら、薬理作用のある薬剤の投与の頻度を低減させるステップを含む、実施形態B10~B16のいずれか1つの方法。
【0432】
B20.対象が、病勢安定または寛解の状態に達したと決定したら、薬理作用のある薬剤の投与の頻度を低減させるステップを含む、実施形態B10~B16のいずれか1つの方法。
【0433】
B21.薬理作用のある薬剤の投与の頻度を月に1回に低減させるステップを含む、実施形態B18~B20のいずれか1つの方法。
【0434】
B22.薬理作用のある薬剤の投与の頻度を2カ月毎に1回に低減させるステップを含む、実施形態B18~B20のいずれか1つの方法。
【0435】
B23.薬理作用のある薬剤の投与の頻度を4カ月毎に1回に低減させるステップを含む、実施形態B18~B20のいずれか1つの方法。
【0436】
B24.薬理作用のある薬剤の投与の頻度を6カ月毎に1回に低減させるステップを含む、実施形態B18~B20のいずれか1つの方法。
【0437】
B25.薬理作用のある薬剤の投与の頻度を月に1回に低減させるステップを含む、実施形態B18~B20のいずれか1つの方法。
【0438】
B26.薬理作用のある薬剤の投与の頻度を1年毎に1回に低減させるステップを含む、実施形態B18~B20のいずれか1つの方法。
【0439】
B28.薬理作用のある薬剤の投与を中止するステップを含む、実施形態B18~B20のいずれか1つの方法。
【0440】
B29.対象が、CAR-T細胞活性の増加を必要とすると決定し、薬理作用のある薬剤の投与の頻度を増加させるステップを含む、実施形態B21~B26のいずれか1つの方法。
【0441】
B30.
i)対象における腫瘍負荷またはPSCAコピー数が、薬理作用のある薬剤の投与の頻度を低減させる前の対象における腫瘍負荷またはPSCAコピー数と比較して増加していることを決定するステップ;および
ii)薬理作用のある薬剤の投与のスケジュールを再開するまたは投与の頻度を増加させるステップ
を含む、実施形態B21~B26のいずれか1つの方法。
【0442】
B31.薬理作用のある薬剤が、リミドゥシドである、実施形態B1~B30のいずれか1つの方法。
【0443】
B32.対象へのリミドゥシドの各投与が、約0.4mg/kg対象体重である、実施形態B31の方法。
【0444】
C1.対象が、T細胞集団の注入後にIL-2で処置されない、実施形態B1~B32のいずれか1つの方法。
【0445】
C2.対象が、膵臓、前立腺、胃、卵巣または膀胱に腫瘍があると診断された、実施形態B1~C1のいずれか1つの方法。
【0446】
C3.対象が、膵臓、前立腺、胃、卵巣または膀胱がんと診断された、実施形態B1~C1のいずれか1つの方法。
【0447】
C4.対象が、ホルモン抵抗性前立腺がん、前立腺腺癌、または転移性前立腺がんと診断された、実施形態B1~C1のいずれか1つの方法。
【0448】
C5.対象が、胃食道接合部がん、びまん性胃がん、腸型胃がん、または胃腺癌と診断された、実施形態B1~C1のいずれか1つの方法。
【0449】
C6.対象が、膵腺癌、切除可能な膵臓がん、または切除可能境界の膵臓がんと診断された、実施形態B1~C1のいずれか1つの方法。
【0450】
C7.薬理作用のある薬剤の投与前の対象から採取された試料が、ヒトベータアクチン(hACTB)の10コピー当たり前立腺幹細胞抗原(PSCA)の5,000またはそれより多くのコピーを含む、実施形態B1~C1のいずれか1つの方法。
【0451】
C8.試料が、hACTBの10コピー当たりPSCAの10,000またはそれより多くのコピーを含む、実施形態C7の方法。
【0452】
C9.試料が、hACTBの10コピー当たりPSCAの20,000またはそれより多くのコピーを含む、実施形態C7の方法。
【0453】
C10.試料が、hACTBの10コピー当たりPSCAの30,000またはそれより多くのコピーを含む、実施形態C7の方法。
【0454】
C11.試料が、hACTBの10コピー当たりPSCAの100,000またはそれより多くのコピーを含む、実施形態C7の方法。
【0455】
C12.試料が、hACTBの10コピー当たりPSCAの200,000またはそれより多くのコピーを含む、実施形態C7の方法。
【0456】
C13.試料が、hACTBの10コピー当たりPSCAの300,000またはそれより多くのコピーを含む、実施形態C7の方法。
【0457】
C14.薬理作用のある薬剤の投与後、改変T細胞が、1カ月の間にわたって対象内に持続する、実施形態B1~C13のいずれか1つの方法。
【0458】
C15.薬理作用のある薬剤の投与後、改変T細胞が、2カ月の間にわたって対象内に持続する、実施形態B1~C13のいずれか1つの方法。
【0459】
C16.薬理作用のある薬剤の投与後、改変T細胞が、4カ月の間にわたって対象内に持続する、実施形態B1~C13のいずれか1つの方法。
【0460】
C17.薬理作用のある薬剤の投与後、改変T細胞が、6カ月の間にわたって対象内に持続する、実施形態B1~C13のいずれか1つの方法。
【0461】
C18.薬理作用のある薬剤の投与後、改変細胞が、対象の末梢血において3倍またはそれより大きく拡大する、実施形態B1~C17のいずれか1つの方法。
【0462】
C19.薬理作用のある薬剤の投与後、改変細胞が、対象の末梢血において5倍またはそれより大きく拡大する、実施形態B1~C17のいずれか1つの方法。
【0463】
C20.薬理作用のある薬剤の投与後、改変細胞が、対象の末梢血において10倍またはそれより大きく拡大する、実施形態B1~C17のいずれか1つの方法。
【0464】
C21.薬理作用のある薬剤の投与後、改変細胞が、対象の末梢血において15倍またはそれより大きく拡大する、実施形態B1~C17のいずれか1つの方法。
【0465】
C22.薬理作用のある薬剤の投与後、改変細胞が、対象の末梢血において20倍またはそれより大きく拡大する、実施形態B1~C17のいずれか1つの方法。
【0466】
本明細書で言及される各特許、特許出願、公報および文献の全体が、本明細書によって参照により組み込まれる。上記特許、特許出願、公報および文献の引用は、上述のもののいずれかが関連先行技術であることの承認ではなく、これらの公報および文献の内容または日付についてのいかなる承認にも相当しない。それらの引用は、関連する開示の検索の指示ではない。文献の日付または内容に関する全ての記載は、入手可能な情報に基づくものであり、それらの正確さについて承認するものでも、それらの正当性について承認するものでもない。
【0467】
本技術の基本態様から逸脱することなく、上述の事物に修飾を加えることができる。本技術を1つまたは複数の特定の実施形態に関してかなり詳細に説明したが、本出願で具体的に開示される実施形態に変更を加えることができ、それでもこれらの修飾形態および改善形態が、本技術の範囲内であり、本技術の趣旨の範囲内であることは、当業者には理解されよう。
【0468】
本明細書で例証して説明した本技術は、本明細書で具体的に開示していない、いずれかの要素の非存在下で好適に実施されることもある。したがって、例えば、本明細書中の各事例では、用語「含む」、「から本質的になる」および「からなる」のいずれかを、他の2つの用語のどちらかで置き換えることができる。用いた用語および表現は、説明用語として使用しており、限定用語として使用しておらず、そのような用語および表現の使用は、示されているおよび説明されている特徴またはそれらの部分のいかなる均等物も除外せず、様々な修飾形態を請求項記載の本技術の範囲内で実行できる。用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、要素うちの1つが記載されているのか、要素うちの1つより多くが記載されているのかが、文脈上明白である場合を除き、この用語が修飾する要素の1つまたは複数を指すことができる(例えば、「試薬(a reagent)」は、1つまたは複数の試薬を意味することができる)。用語「約」は、本明細書で使用される場合、基礎をなすパラメーターの10%以内(すなわち、プラスまたはマイナス10%)の値を指し、一連の値の先頭に用語「約」を使用することにより、それらの値の各々が修飾される(すなわち、「約1、2および3」は、約1、約2および約3を指す)。例えば、「約100グラム」の重量は、90グラム~110グラムの間の重量を含むことができる。さらに、値のリスト(例えば、約50%、60%、70%、80%、85%または86%)が本明細書に記載されている場合、このリストは、それらの全ての中間値および分数値(例えば、54%、85.4%)を含む。したがって、本技術を代表的な実施形態および必要に応じた特徴により具体的に開示したが、本明細書で開示した概念の修飾形態および変形形態を当業者は用いることができること、ならびにそのような修飾形態および変形形態が本技術の範囲内と考えられることは、理解されるはずである。
【0469】
本技術のある特定の実施形態を後続の特許請求の範囲で示す。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【配列表】
2022514477000001.app
【国際調査報告】