(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】うつ病の治療方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/58 20060101AFI20220204BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20220204BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20220204BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220204BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
A61K31/58
A61P25/24
A61P25/20
A61P43/00 121
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533633
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(85)【翻訳文提出日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 US2019066642
(87)【国際公開番号】W WO2020124094
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520097607
【氏名又は名称】プラクシス プレシジョン メディスンズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Praxis Precision Medicines,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ロヤ,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】デマルティニス,ニコラス
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA02
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4C086AA01
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4C086MA01
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4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZA12
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を用いてうつ病を治療する方法に関する。本開示は、とりわけ、治療有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に投与することによりうつ病を治療する方法を提供する。別の態様では、本発明は、治療有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に投与することにより閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、限局性恐怖症、および選択的無言症から選択される気分または感情障害を治療する方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする患者において大うつ病性障害(MDD)を治療する方法であって、治療有効量の化合物1:
またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に経口的に投与することを含み、前記投与が約25ng/mL~約600ng/mLの平均定常状態Cmaxを提供する、方法。
【請求項2】
前記治療前に、前記患者の合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値が少なくとも22である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
約45mg~約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
化合物1またはその薬学的に許容される塩が就寝時に投与される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
化合物1またはその薬学的に許容される塩が食事に関係なく投与される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約2か月間、約3か月間、約4か月間、約5か月間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約12か月間、約18か月間、約24か月間、約30か月間または約36か月間投与することを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
化合物1またはその薬学的に許容される塩の連続投与を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約1週間投与すること、および
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も少なくとも3週間投与しないこと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約3週間投与すること、および
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も少なくとも3週間投与しないこと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約4週間投与すること、および
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も少なくとも3週間投与しないこと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
化合物1またはその薬学的に許容される塩の間欠投与を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
間欠投与が、
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を第1の投与期間にわたり投与すること、
(b)前記第1の投与期間(a)の後に、化合物1もその薬学的に許容される塩も中止期間にわたり投与しないこと、
(c)前記中止期間(b)の後に、化合物1またはその薬学的に許容される塩を第2の投与期間にわたり投与すること
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記間欠投与が、
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約1週間投与すること、
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も約1週間投与しないこと、および
(c)前記中止期間(b)の後に化合物1またはその薬学的に許容される塩を約1週間投与すること
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記間欠投与が、
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約2週間投与すること、
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も約2週間投与しないこと、および
(c)前記中止期間(b)の後に化合物1またはその薬学的に許容される塩を約2週間投与すること
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を1つまたは複数の追加の中止期間にわたり投与することをさらに含む、請求項15~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を1つまたは複数の追加の投与期間にわたり投与することをさらに含む、請求項15~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の投与期間が、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である、請求項15~16および19~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記中止期間が、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である、請求項15~16および19~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の投与期間が、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である、請求項15~16および19~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の投与期間が約1週であり、前記中止期間が約3週であり、かつ前記第2の投与期間が約1週である、請求項15~16および19~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の投与期間が約2週であり、前記第1の中止期間が約2週であり、前記第2の投与期間が約1週であり、前記第2の中止期間が約1週であり、かつ前記第3の投与期間が約1週である、請求項15~16および19~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
間欠投与期間が、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、約18か月、約24か月、約30か月または約36か月である、請求項15~16および19~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
維持用量が前記患者において達成されるまで化合物1またはその薬学的に許容される塩の用量を少なくとも1週間滴定することをさらに含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
化合物1またはその薬学的に許容される塩の初期用量が約15mg~約45mgである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
化合物1またはその薬学的に許容される塩の前記維持用量が約45mg~約80mgである、請求項27~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
初期用量が1週間投与され、かつ前記維持用量が少なくとも1週間投与される、請求項27~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
(a)負荷用量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に投与すること、および
(b)維持用量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与すること
を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記負荷用量が、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間または約14日間投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
化合物1またはその薬学的に許容される塩の前記負荷用量が、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgである、請求項31~32のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項34】
前記維持用量が、約1か月間、約2か月間、約3か月間、約4か月間、約5か月間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約12か月間、約18か月間、約24か月間、約30か月間、または約36か月間投与される、請求項27および31~33のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項35】
化合物1またはその薬学的に許容される塩の前記維持用量が、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgである、請求項27および31~34のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項36】
前記負荷用量の投与後かつ前記維持用量の投与前に中止期間をさらに含む、請求項31~35のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項37】
前記中止期間が、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、または約7日である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記中止期間が、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記投与が約600ng・h/mL~約900ng・hの平均定常状態AUC
0~24を提供する、請求項1~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記投与が約125ng/mL~約250ng/mLの平均定常状態Cmaxを提供する、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記投与後に、前記患者が、前記投与前と比較してうつ病の実質的な低減を経験する、請求項1~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記投与後に、前記患者が、合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値における少なくとも10ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、請求項1~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記投与後に、前記患者が、HAM-D値における少なくとも50%の低減により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記投与後に、前記患者が、HAM-D重症度分類における少なくとも1つのカテゴリーの変化により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記投与後に、前記患者が、HAM-Dの寛解により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記投与後に、前記患者が、モンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度(MADRS)値における少なくとも2ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、請求項1~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記投与後に、前記患者が、MADRS値における少なくとも50%の低減により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、請求項1~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記投与後に、前記患者が、MADRSの寛解により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、請求項1~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記投与後に、前記患者が、臨床全般印象(CGI)下位尺度スコアの1つまたは複数における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験し、前記CGI下位尺度が病気重症度下位尺度(CGI-S)または全般改善下位尺度(CGI-I)から選択される、請求項1~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記投与後に、前記患者が、うつ病症状アンケート(SDQ)合計尺度スコアまたはSDQ-1、SDQ-2、SDQ-3、SDQ-4およびSDQ-5の各々の下位尺度のいずれかにおける少なくとも約10%、20%、または30%の改善により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、請求項1~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記投与後に、前記患者が、ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)全般スコアにおける少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、請求項1~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記患者が、不眠症を有するMDD患者である、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記投与後に、前記患者が、前記投与前と比較して不眠症の実質的な低減を経験する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して入眠後覚醒時間(WASO)における少なくとも約30%の減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計睡眠時間(TST)における少なくとも約30%の増加により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して睡眠効率(SE)における少なくとも約30%の増加により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して持続睡眠潜時(LPS)における少なくとも約30%の減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して全般ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)スコアにおける少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較してエプワース眠気尺度値における少なくとも1ポイントの増加により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項60】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して不眠症重症度指数尺度値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項61】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計リーズ睡眠評価アンケート値における少なくとも約10%の改善により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項62】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計アテネ不眠症尺度値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項63】
前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計睡眠質指数値における1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、請求項53に記載の方法。
【請求項64】
化合物1が薬学的に許容される塩である、請求項1~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記薬学的に許容される塩がクエン酸塩である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
1つまたは複数の追加の抗うつ剤を投与することをさらに含む、請求項1~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記追加の抗うつ剤が、選択的セロトニン再取込み阻害剤、セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤、三環式抗うつ剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、ミルタザピン ブプロピオン、ラモトリギンおよび非定型抗精神病剤からなる群から選択される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記選択的セロトニン再取込み阻害剤が、フルオキセチン、エスシタロプラム、シタロプラム、セルトラリン、およびパロキセチンからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤が、ベンラファキシンおよびデュロキセチンからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記セロトニン三環式抗うつ剤が、アミトリプチリン、イミプラミン、およびノルトリプチリンからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記モノアミンオキシダーゼ阻害剤が、フェネルジンおよびトラニルシプロミンからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記非定型抗精神病剤が、ルラシドン、アリピプラゾール、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドン、クロザピン、イロペリドン、パリペリドン、アセナピンおよびオランザピン/フルオキセチンからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月29日に出願された米国出願第62/927,396号、2019年3月4日に出願された米国仮出願第62/813,493号、および2018年12月14日に出願された米国仮出願第62/779,895号に対する優先権を主張し、これらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示の分野
本開示は、3α-ヒドロキシ-3β-メトキシメチル-21-(1’-イミダゾリル)-5α-プレグナン-20-オンおよびその塩を使用するうつ病の治療方法に関する。
【背景技術】
【0003】
3α-ヒドロキシ-3β-メトキシメチル-21-(1’-イミダゾリル)-5α-プレグナン-20-オン(化合物1)は合成の神経活性ステロイドである。その主要な分子標的はγ-アミノ酪酸A型(GABA
A)受容体であり、GABA
A受容体においてそれはチャネル機能のポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)として作用する。化合物1の構造式は以下に表される。
【0004】
神経活性ステロイドGABAA PAMは、麻酔、癲癇、分娩後うつ病、および大うつ病において臨床的有効性を実証している。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、とりわけ、治療有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に投与することによりうつ病を治療する方法を提供する。別の態様では、本発明は、治療有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に投与することにより閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、限局性恐怖症、および選択的無言症から選択される気分または感情障害を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、急性ストレス障害を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、外傷後ストレス障害を治療する方法を提供する。別の態様では、本発明は、治療有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に投与することにより物質乱用障害を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、約5mg~約120mgの1日用量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に経口的に投与することを含む。
【0006】
一部の実施形態では、うつ病の治療を必要とする患者は、大うつ病性障害(MDD)を有する患者である。ある特定の実施形態では、患者は中等度MDDを有する。ある特定の実施形態では、患者は重症MDDを有する。ある特定の実施形態では、うつ病の治療を必要とする患者は、MDDおよび不眠症を有する患者である。ある特定の実施形態では、うつ病の治療を必要とする患者は、不安性MDDおよび不眠症を有する患者である。ある特定の実施形態では、うつ病の治療を必要とする患者は、不安性苦悩を伴うMDDを有する患者である。
【0007】
一部の実施形態では、本開示は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む大うつ病の補助的治療を提供する。一部の実施形態では、うつ病の治療を必要とする患者は、他の抗うつ療法に対して部分的に応答性の患者である。ある特定の実施形態では、うつ病の治療を必要とする患者は、SSRIを用いる治療に対して部分的に応答性の患者である。一部の実施形態では、うつ病の治療を必要とする患者は、他の療法に対して難治性うつ病(すなわち、治療抵抗性うつ病)を有する患者である。
【0008】
一部の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの追加の抗うつ剤と組み合わせて化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に投与することによりうつ病を治療する方法を提供する。ある特定の実施形態では、追加の抗うつ剤は、選択的セロトニン再取込み阻害剤、セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤、三環式抗うつ剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、ミルタザピン、ブプロピオン、ラモトリギンおよび非定型抗精神病剤からなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、15.0mgの化合物1の連日投与(コホート1)、30.0mgの化合物1の連日投与(コホート2)、および60.0mgの化合物1の連日投与(コホート3)についての時間に対する平均化合物1血漿濃度のグラフ表現である。
【
図2】
図2は、15.0mgの化合物1の連日投与(コホート1)、30.0mgの化合物1の連日投与(コホート2)、および60.0mgの化合物1の連日投与(コホート3)についての時間に対する平均化合物1定常状態血漿濃度のグラフ表現である。
【
図3】
図3は、実施例2に記載のフェーズ2臨床研究プロトコールの図式的表現である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
定義
数値に直ちに先行する場合の「約」という用語は、範囲(例えば、その値のプラスまたはマイナス10%)を意味する。例えば、開示の文脈がそうでないことを指し示すか、またはそのような解釈と矛盾する場合を除いて、「約50」は45~55を意味することができ、「約25000」は22500~27500を意味することができる、などである。例えば、「約49、約50、約55、・・・」などの数値の列記中で「約50」は、先行する値および後続する値の間の間隔の半分未満まで拡張される範囲、例えば、49.5より大きく52.5より小さい範囲を意味する。さらには、「約」値「より小さい」または「約」値「より大きい」という語句は、本明細書において提供される「約」という用語の定義を考慮して理解されるべきである。同様に、一連の数値または値の範囲に先行する場合(例えば、「約10、20、30」または「約10~30」)の「約」という用語は、シリーズ中の全ての値、または範囲の端点をそれぞれ指す。
【0011】
本開示の全体を通じて、様々な特許、特許出願および刊行物が参照される。これらの特許、特許出願および刊行物の開示の全体は、本開示の日の時点での当業者に公知であるような当該技術分野の状態をより十分に記載するために全ての目的のために参照により本開示に組み込まれる。参照される特許、特許出願および刊行物ならびに本開示の間に何らかの矛盾がある場合、本開示が優先される。
【0012】
簡便性のために、本明細書、実施例および請求項において用いられるある特定の用語をここに収集する。他に定義されなければ、本開示において使用される全ての科学技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0013】
「投与する」、「投与すること」または「投与」という用語は、本明細書において使用される場合、化合物もしくは化合物の薬学的に許容される塩もしくはエステルまたは化合物もしくは化合物の薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を患者に直接的に投与することを指す。
【0014】
「不安性苦悩」(anxious distress)という用語は、大うつ病性エピソードまたは持続性うつ病性障害(気分変調症)の日々の大部分の間の以下の症状の少なくとも2つの存在を意味するために本開示において使用される:(1)興奮または緊張を感じる、(2)異常に落ち着かない感じがする、(3)心配による集中困難、(4)何か恐ろしいことが起こるのではないかという恐怖、および(5)個人が自身の制御を喪失するかもしれないと感じる。不安性苦悩の4つの重症度カテゴリーがある:軽度、中等度、中~重症および重症。「軽度不安性苦悩」は、5つの不安性苦悩症状の2つの存在により特徴付けられる。「中等度不安性苦悩」は、5つの不安性苦悩症状の3つの存在により特徴付けられる。「中~重症不安性苦悩」は、5つの不安性苦悩症状の4または5つの存在により特徴付けられる。「中等度不安性苦悩」は、5つの不安性苦悩症状の4または5つの存在および運動性激越(motor agitation)の存在により特徴付けられる。
【0015】
「児童青年期うつ病」という用語は、精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders;DSM-5)において定義されるような児童青年期うつ病を意味するために本開示において使用される。
【0016】
「児童青年期自殺念慮および行動」という用語は、コロンビア自殺重症度評価尺度(Columbia-suicide severity rating scale;C-SSRS)により評価され、精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)において定義されるような自殺念慮および行動を伴う児童および青年(adolescent)を意味するために本開示において使用される。
【0017】
「思春期」という語句は、本明細書において使用される場合、検証されたステージ分類システムにより定義されるような思春期を指す。一部の実施形態では、「思春期」は、(女性患者のための)生殖年齢ワークショップ10ステージ分類システムのステージ(Stages of Reproductive Aging Workshop 10 Staging System)により定義されるような思春期を指す。一部の実施形態では、「思春期」は、タナーステージステージ分類システム(Tanner Stages Staging System)により定義されるような思春期を指す。
【0018】
「精通」および「精通移行期」(spermarche transition)という語句は、本明細書において使用される場合、検証されたステージ分類システムにより定義されるような精通および精通移行期をそれぞれ指す。一部の実施形態では、「精通」および「精通移行期」は、本明細書において使用される場合、タナーステージステージ分類システムにより定義されるような精通および精通移行期をそれぞれ指す。
【0019】
「初経」および「初経移行期」(menarche transition)という語句は、本明細書において使用される場合、検証されたステージ分類システムにより定義されるような初経および初経移行期をそれぞれ指す。一部の実施形態では、「初経」および「初経移行期」は、本明細書において使用される場合、生殖年齢ワークショップ10ステージ分類システムのステージにより定義されるような初経および初経移行期をそれぞれ指す。一部の実施形態では、「初経」および「初経移行期」は、本明細書において使用される場合、タナーステージステージ分類システムにより定義されるような初経および初経移行期をそれぞれ指す。
【0020】
「不安性大うつ病性障害」(または不安性MDD)という用語は、ベースライン17項目ハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton Depression Rating Scale;HAM-D)スコア≧14(不眠症項目を除く)およびHAM-D不安/身体化スコア≧7を意味するために本開示において使用される。
【0021】
「担体」という用語は、本明細書において使用される場合、担体、賦形剤、および希釈剤を包含し、1つの臓器または身体の構成部分から別の臓器または身体の構成部分への医薬剤の運搬または輸送に関与する材料、組成物または媒体、例えば、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または被包材料を意味する。
【0022】
「不眠症」という用語は、精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)において定義されるような不眠症を意味するために本開示において使用される。
【0023】
「大うつ病性障害」という用語は、精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)において定義されるような大うつ病性障害を意味するために本開示において使用される。「中等度大うつ病性障害」という用語は、症状の数、症状の強度、および/または機能的な障害が、DSM-5において「軽度」および「重症」について指定されるものの間にある大うつ病性障害を意味するために本開示において使用される。「重症大うつ病性障害」という用語は、症状の数が診断を下すために要求されるものから実質的に過剰であり、症状の強度が深刻に悩ましくて管理できないものであり、症状が社会的および職業的機能に著しく干渉する大うつ病性障害を意味するために本開示において使用される。
【0024】
「障害」という用語は、他に指し示されなければ、疾患、状態、または病気という用語を意味するために本開示において使用され、これらと交換可能に使用される。
【0025】
「有効量」および「治療有効量」という用語は本開示において交換可能に使用され、患者に投与された場合に、意図される結果を行うことができる化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはエステルの量を指す。例えば、化合物1の塩の有効量は、患者においてうつ病の少なくとも1つの症状を低減するために要求される量である。「有効量」または「治療有効量」を構成する実際の量は、障害の重症度、患者のサイズおよび健康、ならびに投与の経路が挙げられるがこれらに限定されない多数の条件に依存して変動する。熟練した医師は、医学分野において公知の方法を使用して適切な量を容易に決定することができる。
【0026】
「閉経周辺期」という語句は、本明細書において使用される場合、早期および後期閉経移行ステージの他に、閉経後早期を指す。
【0027】
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において使用される場合、妥当な医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に相応しい過度の毒性、刺激、アレルギー性応答、または他の問題もしくは合併症なしで人間および動物の組織と接触させて使用するために好適な化合物、材料、組成物、および/または投与形態を指す。
【0028】
「塩」という用語は、本明細書において使用される場合、遊離塩基の付加塩を形成させるために一般的に使用される薬学的に許容される塩を包含する。薬学的に許容される限り、塩の性質は重大なものではない。「塩」という用語はまた、付加塩の溶媒和物、例えば、水和物の他に、付加塩の多形体を含む。好適な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。
【0029】
「治療する」という用語は、患者に関して本明細書において使用される場合、患者の障害の少なくとも1つの症状を改善させることを指す。治療することは、障害を治癒し、改善させ、または少なくとも部分的に軽快させることであり得る。
【0030】
「治療効果」という用語は、本明細書において使用される場合、方法および/または組成物により提供される所望のまたは有益な効果を指す。例えば、うつ病を治療する方法は、患者においてうつ病の少なくとも1つの症状を低減する場合に治療効果を提供する。
【0031】
本開示の詳細な説明
大うつ病性障害(MDD)は、能力障害を引き起こし、生活の質を減少させ、限られたヘルスケア資源を枯渇させ、罹病率および死亡率を増加させ、物質乱用および自殺の率を増加させる一般的な精神医学的病気である。米国およびオーストラリアにおけるMDDの発生率はそれぞれ約7%(American Psychiatric Association.(2013).Diagnostic and statistical manual of mental disorders(5th Ed.).Arlington,VA:American Psychiatric Publishing)および5%(Australian Bureau of Statistics.(2008).National Survey of Mental Health and Wellbeing:Summary of results,2007,cat no.4326.0.Canberra:ABS)である。MDD患者のための現行の治療オプションは限られており、セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)およびセロトニンノルエピネフリン取込み阻害剤(SNRI)が挙げられる。しかしながら、SSRIおよびSNRIは、MDDの治療の文脈において深刻な傾向、例えば、有効性の開始における実質的な遅延(数週)および高い治療失敗率を有しており、例えば、MDD患者の約33%は複数の治療レジメンにもかかわらず完全な症状寛解を達成しない(Rush AJ,et al.Acute and longer-term outcomes in depressed outpatients requiring one or several treatment steps:a STAR*D report.Am J Psychiatry.2006;163:1905-1917)。
【0032】
GABA作動性システムの障害は、うつ病および不安の発症に結び付けられている。増加しつつある前臨床的および臨床的な証拠は、GABAA機能低下はうつ病および不安の病態生理学において役割を果たすという仮説をサポートしている(Luscher B,Shen Q,Sahir N.The GABAergic deficit hypothesis of major depressive disorder.Mol Psychiatry.2011;16(4):383-406)。この仮説をサポートするものとして、GABA作動性機能を増強する薬物は気分障害の治療においてある程度の臨床的利益を示している。例えば、GABAA受容体のポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)であるベンゾジアゼピンは、不安障害の治療において非常に有効である。しかしながら、有効性の欠如、重大な副作用(例えば、鎮静作用)、寛容の発生、中止時の禁断症状および重大な乱用の可能性に起因して、ベンゾジアゼピンはMDDの治療のために推奨されない。したがって、MDDなどのうつ病を患う患者のための新たな治療オプションが必要とされている。
【0033】
神経活性ステロイド(NAS)は、GABAA受容体のアロステリックモジュレーションを通じて神経生理学的機能に影響する化合物(合成および天然に存在する)のファミリーである。内因性NASであるアロプレグナノロンおよびプレグナノロンは、気分障害において脱調節され、不安およびうつ病の動物モデルにおいて前臨床有効性を示すGABAA PAMである。NASは、ベンゾジアゼピンまたは内因性アゴニストGABAとは異なるGABAA受容体上の結合部位に結合する(Hosie AM,Wilkins ME,Da Silva HMA,Smart TG.Endogenous neurosteroids regulate GABAA receptors through two discrete transmembrane sites.Nature.2006;444(7118):486-489.)。ベンゾジアゼピンは、シナプスに主に局在化したガンマサブユニットを含有するGABAA受容体を排他的に増強する。対照的に、NASは、GABAA受容体のより大きい割合において存在するアルファおよびベータサブユニットに結合し、シナプス部位およびシナプス外部位の両方において広い活性を結果としてもたらす。この区別的な薬理学は、ベンゾジアゼピンが有意な有用性を呈していない徴候、例えば、MDDのためのNASの有用性をサポートする。
【0034】
一態様では、本発明は、うつ病を治療する方法であって、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法を提供する。別の態様では、本発明は、閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、急性ストレス障害、外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および選択的無言症から選択される気分または感情障害を治療する方法であって、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法を提供する。本発明の一部の実施形態によれば、少なくとも約15mg、約30mg、約45mg、約60mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mgまたは約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される。
【0035】
化合物1
本発明の方法において用いられるような化合物1は、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を薬学的に許容される担体と組み合わせることにより医薬組成物の部分を形成し得る。追加的に、組成物は、佐剤、賦形剤、希釈剤、放出修飾剤および安定化剤からなる群から選択される添加剤を含み得る。組成物は、即時放出製剤、遅延放出製剤、持続放出製剤または延長放出製剤であり得る。
【0036】
3α-ヒドロキシ-3β-メトキシメチル-21-(1’-イミダゾリル)-5α-プレグナン-20-オン(化合物1)は合成の神経活性ステロイドである。化合物1の構造式は以下に表される。
【0037】
化合物1は、臨床ステージの神経活性ステロイド(アロプレグナノロン、ガナキソロン、SAGE-217、アルファキサロン(alphaxolone))に類似した高い効力を有する神経活性ステロイドGABA-Aポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)である。
【0038】
化合物1の合成は米国特許出願公開第2004/034002号明細書および同第2009/0118248号明細書に記載されており、化合物1遊離塩基の結晶性多形体は米国特許出願公開第2006/0074059号明細書に記載されており、化合物1を含有する医薬組成物は米国特許出願公開第2009/0131383号明細書に記載されており、これらは全ての目的のために参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0039】
一部の実施形態では、本開示の製剤および方法において使用される化合物1は、化合物1の薬学的に許容される塩である。化合物1およびその多形体の塩は米国出願第16/517,369号明細書に記載されており、これは参照により全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、本開示の製剤および方法において使用される化合物1の薬学的に許容される塩は、臭化水素酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、塩酸塩、トシル酸塩、グルクロン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、硫酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩(napthalene-2-sulfonate)、アスコルビン酸塩、シュウ酸塩、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩(napthalene-1,5-disulfonate)、マロン酸塩、アミノサリチル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ゲンチジン酸塩(gentistate)、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩(1-hydroxy-2-napthoate)、ジクロロ酢酸塩、シクラミン酸塩、およびエタン-1,2-ジスルホン酸塩からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1の臭化水素酸塩である。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1のクエン酸塩である。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1のL-リンゴ酸塩である。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1のメシル酸塩である。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1のリン酸塩である。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1のL(+)-酒石酸塩である。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1の塩酸塩である。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1のトシル酸塩である。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1のグルクロン酸塩である。ある特定の実施形態では、化合物1の塩は化合物1のエタンスルホン酸塩である。
【0040】
製剤
本発明の方法は、好適な量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を含有する単位投与形態、例えば、錠剤、カプセル、丸剤、粉末、顆粒、無菌非経口溶液または懸濁液(例えば、筋肉内(IM)、皮下(SC)および静脈内(IV))、経皮パッチ、ならびに経口溶液または懸濁液、ならびに油-水エマルションでの患者、例えば、ヒトへの投与のための様々な製剤を用い得る。
【0041】
経口薬学的投与形態は固体または液体のいずれかであり得る。固体投与形態は、錠剤、カプセル、顆粒、フィルム(例えば、頬側フィルム)およびバルク粉末であり得る。経口錠剤の種類としては、圧縮された、チュワブルのロゼンジおよび錠剤が挙げられ、これらは、腸溶性コーティング、糖コーティングまたはフィルムコーティングされ得る。カプセルは硬質または軟質ゼラチンカプセルであり得、顆粒および粉末は、当業者に公知の他の成分の組合せと共に非起泡性または起泡性形態で提供され得る。一部の実施形態では、本発明の経口投与形態は口腔内崩壊錠を含んでもよい。
【0042】
錠剤において利用される薬学的に許容される担体としては、結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、および湿潤剤が挙げられる。
【0043】
液体経口投与形態としては、水性溶液、エマルション、懸濁液、非起泡性顆粒から再構成された溶液および/または懸濁液ならびに起泡性顆粒から再構成された起泡性調製物が挙げられる。
【0044】
水性溶液としては、例えば、エリキシルおよびシロップが挙げられる。エマルションは水中油または油中水のいずれかであり得る。エリキシルは、透明な、加糖された水アルコール性調製物である。エリキシルにおいて使用される薬学的に許容される担体としては溶媒が挙げられる。シロップは、糖、例えば、スクロースの濃縮水性溶液であり得、防腐剤を含有し得る。エマルションは、1つの液体が別の液体の全体を通じて小球の形態で分散した2相系である。エマルションにおいて使用される薬学的に許容される担体は、非水性液、乳化剤および防腐剤である。懸濁液は、薬学的に許容される懸濁化剤および防腐剤を使用し得る。液体経口投与形態に再構成されるために非起泡性顆粒において使用される薬学的に許容される物質としては、希釈剤、甘味剤および湿潤剤が挙げられる。液体経口投与形態に再構成されるために起泡性顆粒において使用される薬学的に許容される物質は、有機酸および二酸化炭素の供給源を含み得る。着色剤および香味剤は、上記の投与形態の全てにおいて使用され得る。
【0045】
一部の実施形態では、本開示は、化合物1の塩を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、化合物1の塩は、化合物1の臭化水素酸塩、化合物1のクエン酸塩、化合物1のL-リンゴ酸塩、化合物1のメシル酸塩、化合物1のリン酸塩、化合物1のL(+)-酒石酸塩、化合物1の塩酸塩、化合物1のトシル酸塩、化合物1のグルクロン酸塩、または化合物1のエタンスルホン酸塩である。
【0046】
併用療法
組成物は、本明細書に記載の方法において単独の活性薬学的成分(すなわち、化合物1)または単独の活性抗うつ成分として投与され得るが、一部の実施形態では、それらはまた、うつ病に対して治療的に有効であることが公知の、かつ/または化合物1成分の抗うつ効果を補完する(compliment)1つまたは複数の成分と組み合わせて使用され得る。
【0047】
例えば、一部の実施形態では、本発明の方法は、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を1つまたは複数の追加の抗うつ剤(anti-antidepressants agents)と組み合わせて用い得る。
【0048】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、追加の抗うつ剤と組み合わせて投与され、例えば、共製剤化され、または別々に投与される。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の選択的セロトニン再取込み阻害剤、セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤、三環式抗うつ剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、ミルタザピン、ブプロピオン、ラモトリギン 非定型抗精神病剤、またはこれらの組合せと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、電気痙攣療法(ECT)と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、経頭蓋磁気刺激(TMS)と組み合わせて投与される。
【0049】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の選択的セロトニン再取込み阻害剤と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の選択的セロトニン再取込み阻害剤は、フルオキセチン、エスシタロプラム、シタロプラム、セルトラリン、およびパロキセチンからなる群から選択される。
【0050】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1つまたは複数のセロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のセロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤は、ベンラファキシンおよびデュロキセチンからなる群から選択される。
【0051】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の三環式抗うつ剤と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の三環式抗うつ剤は、アミトリプチリン、イミプラミン、およびノルトリプチリンからなる群から選択される。
【0052】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1つまたは複数のモノアミンオキシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のモノアミンオキシダーゼ阻害剤は、フェネルジンおよびトラニルシプロミンからなる群から選択される。
【0053】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の非定型抗精神病剤と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の非定型抗精神病剤は、ルラシドン、アリピプラゾール、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドン、クロザピン、イロペリドン、パリペリドン、アセナピンおよびオランザピン/フルオキセチンからなる群から選択される。
【0054】
投与
本発明は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に投与することによりうつ病を治療する方法を提供する。有効量は、うつ病の症状を排除もしくは有意に低減しまたはそれらの症状を軽快させる(例えば、治療前に存在する症状と比較して、抑うつ気分などの症状を低減する)ために十分な量である。
【0055】
本発明の一部の実施形態によれば、化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することは、統計的に有意な治療効果を提供する。一実施形態では、統計的に有意な治療効果は、米国または他の国(オーストラリアなど)における1つまたは複数の規制機関、例えば、FDAにより提供される1つまたは複数の標準または基準に基づいて決定される。一部の実施形態では、統計的に有意な治療効果は、規制機関により承認された臨床試験の設定および/または手順から得られた結果に基づいて決定される。
【0056】
一部の実施形態では、統計的に有意な治療効果は、少なくとも20、50、60、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000または2000の患者集団に基づいて決定される。一部の実施形態では、統計的に有意な治療効果は、無作為化および二重盲検化された臨床試験の設定から得られたデータに基づいて決定される。一部の実施形態では、統計的に有意な治療効果は、約0.05、0.04、0.03、0.02または0.01より低いまたはそれに等しいp値を有するデータに基づいて決定される。一部の実施形態では、統計的に有意な治療効果は、95%、96%、97%、98%または99%より高いまたはそれに等しい信頼区画を有するデータに基づいて決定される。
【0057】
一部の実施形態では、統計的に有意な治療効果は、任意選択的に標準治療と組み合わせて化合物1またはその薬学的に許容される塩を用いて治療された患者の無作為化二重盲検臨床試験により決定される。一部の実施形態では、統計的に有意な治療効果は、任意選択的にうつ病評価のための任意の他の一般的に認められる基準と組み合わせて一次的有効性パラメーターとしてハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を使用して無作為化臨床試験により決定される。
【0058】
一般に、統計解析は、米国または欧州または任意の他の国における規制機関、例えば、FDAにより許容される任意の好適な方法を含み得る。一部の実施形態では、統計解析は、非層化分析、log順位分析、例えば、Kaplan-Meier、Jacobson-Truax、Gulliken-Lord-Novick、Edwards-Nunnally、Hageman-Arrindelおよび階層線形モデリング(HLM)ならびにコックス回帰分析を含む。
【0059】
本発明によれば、化合物1は、うつ病(例えば、大うつ病性障害、自殺リスクを伴う大うつ病性障害、臨床的うつ病、産後もしくは分娩後うつ病、治療抵抗性分娩後うつ病、閉経周辺期うつ病、児童青年期うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、精神病性大うつ病(PMD)、緊張性うつ病、季節性感情障害(SAD)、持続性うつ病性障害(気分変調症)、二重うつ病、うつ病性人格障害(DPD)、反復性短期うつ病(RBD)、小うつ病性障害、双極性障害もしくは躁うつ性障害、自殺リスクを伴う双極性うつ病、外傷後ストレス障害、慢性の医学的状態により引き起こされるうつ病、別の医学的状態に起因するうつ病性障害、治療抵抗性うつ病、難治性うつ病、物質/医薬誘導性のうつ病性障害、不安、自殺傾向、自殺念慮、もしくは自殺行動を伴ううつ病)または閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、急性ストレス障害、外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および選択的無言症から選択される気分もしくは感情障害の症状の有効な緩和を提供するために1日1回または2回で投与される。一部の実施形態では、化合物1は、急性ストレス障害の症状の有効な緩和を提供するために1日1回または2回で投与される。一部の実施形態では、化合物1は、外傷後ストレス障害の症状の有効な緩和を提供するために1日1回または2回で投与される。
【0060】
一部の実施形態では、合計1日用量は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、および約120mgである。
【0061】
ある特定の実施形態では、化合物1の合計1日用量は約5mg~約120mg、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、および約120mgである。ある特定の実施形態では、化合物1の合計1日用量は約15mg~約60mgである。ある特定の実施形態では、化合物1の合計1日用量は約15mg~約80mgである。ある特定の実施形態では、化合物1の合計1日用量は約15mg~約100mgである。ある特定の実施形態では、化合物1の合計1日用量は約45mg~約60mgである。ある特定の実施形態では、化合物1の合計1日用量は約45mg~約80mgである。
【0062】
本明細書に記載の実施形態では、うつ病の治療(うつ病の急性治療およびうつ病の慢性治療を含む)のための化合物1の用量が言及される。しかしながら、本開示は、閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、急性ストレス障害、外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および選択的無言症から選択される気分または感情障害の治療のための開示される用量を想定する。
【0063】
一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約5mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約10mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約15mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約20mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約25mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約30mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約35mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約40mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約45mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約50mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約55mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約60mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約65mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約70mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約75mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約80mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約85mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約90mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約95mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約100mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約105mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約110mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約115mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり少なくとも約120mgである。
【0064】
一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約5mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約10mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約15mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約20mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約25mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約30mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約35mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約40mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約45mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約50mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約55mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約60mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約65mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約70mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約75mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約80mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約85mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約90mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約95mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約100mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約105mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約110mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約115mgである。一部の実施形態では、化合物1の合計1日用量は、うつ病の治療のために1日当たり約120mgである。
【0065】
一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約5mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約5mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約10mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約10mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約15mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約15mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約20mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約20mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約25mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約25mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約30mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約30mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約30mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約30mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約35mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約35mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約40mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約40mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約45mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約45mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約50mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約50mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約55mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約55mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約60mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日2回の約60mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約65mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約70mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約75mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約80mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約85mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約90mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約95mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約100mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約105mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約110mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約115mgの化合物1が選択される。一部の実施形態では、うつ病の実質的な低減を提供するために1日1回の約120mgの化合物1が選択される。
【0066】
うつ状態を有する患者におけるうつ病の低減は、様々な方法により決定され得る。一部の実施形態では、投与レジメンの有効性は、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を介する評価により決定され得る。一部の実施形態では、投与レジメンの有効性は、モンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度(Montgomery Asberg Depression Rating Scale;MADRS)を介する評価により決定され得る。一部の実施形態では、投与レジメンの有効性は、HAM-D、MADRS、ハミルトン不安評価尺度(Hamilton Rating Scale for anxiety;HAM-A)、臨床全般印象(Clinical Global Impression;CGI)下位尺度スコア(すなわち、病気重症度下位尺度(Severity of Illness Subscale;CGI-S)、全般改善下位尺度(Global Improvement Subscale;CGI-I)、もしくは有効性指数下位尺度(Efficacy Index Subscale))、うつ病症状アンケート(Symptoms of Depression Questionnaire;SDQ)、ピッツバーグ睡眠質指数(Pittsburgh Sleep Quality Index;PSQI)、またはこれらの任意の組合せを介する評価により決定され得る。
【0067】
一部の実施形態では、投与レジメンの有効性は、MADRS、HAM-A、CGI-S、CGI-I、SDQ、PSQI、またはこれらの任意の組合せなどの二次的な有効性エンドポイントと共同での一次的有効性エンドポイントとしての合計HAM-D値を介する評価により決定され得る。
【0068】
本発明の一部の実施形態によれば、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、大うつ病性障害、自殺リスクを伴う大うつ病性障害、臨床的うつ病、産後または分娩後うつ病、治療抵抗性分娩後うつ病、閉経周辺期うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、精神病性大うつ病(PMD)、緊張性うつ病、季節性感情障害(SAD)、持続性うつ病性障害(気分変調症)、二重うつ病、うつ病性人格障害(DPD)、反復性短期うつ病(RBD)、小うつ病性障害、双極性障害または躁うつ性障害、自殺リスクを伴う双極性うつ病、外傷後ストレス障害、慢性の医学的状態により引き起こされるうつ病、別の医学的状態に起因するうつ病性障害、治療抵抗性うつ病、難治性うつ病、物質/医薬誘導性のうつ病性障害、不安、自殺傾向、自殺念慮、または自殺行動を伴ううつ病から選択されるうつ病の治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0069】
本発明の一部の実施形態によれば、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、大うつ病性障害の治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの量は、中等度大うつ病性障害の治療を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの量は、重症大うつ病性障害の治療を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの量は、少なくとも22の合計HAM-D値を有する患者において重症大うつ病性障害の治療を提供するように選択される。
【0070】
本開示の一部の実施形態によれば、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、児童青年期うつ病の治療のための治療効果を提供するように選択される。一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、思春期の間の児童青年期うつ病の治療のための治療効果を提供するように選択される。一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、初経または初経移行期の間の児童青年期うつ病の治療のための治療効果を提供するように選択される。一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、精通または精通移行期の間の児童青年期うつ病の治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0071】
本発明の一部の実施形態によれば、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、他の治療に対して難治性のうつ病(すなわち、治療抵抗性うつ病)の治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0072】
本発明の一部の実施形態によれば、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、他の抗うつ療法に対して部分的に応答性のうつ病の治療のための治療効果を提供するように選択される。本発明の一部の実施形態によれば、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、大うつ病の補助的治療を提供するように選択される。本発明の一部の実施形態によれば、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、SSRIを用いる治療に対して部分的に応答性のうつ病の治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0073】
ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、他の抗うつ療法に対して部分的に応答性のMDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、他の抗うつ療法に対して部分的に応答性のMDDの患者は、現行エピソードにおいて抗うつ療法(1~3コース)の前に不十分な応答を有しており、かつ8週の前向き抗うつ療法に対して不十分な応答を実証した、MDDに対するDSM-IV基準を満たす成人患者である。前向き治療に対する不十分な応答は、17項目版のハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)における50%より小さい改善、14の最小HAM-Dスコア、および最小の改善より良好でない臨床全般印象改善評点として定義される。以前の治療に対する不十分な応答は、最小有効用量またはそれより多い用量での最低6週の抗うつ療法後に患者により認知されるような50%より小さい改善として定義される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、他の抗うつ療法に対して部分的に応答性の中等度MDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、他の抗うつ療法に対して部分的に応答性の重症MDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、SSRIを用いる治療に対して部分的に応答性のMDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、SSRIを用いる治療に対して部分的に応答性の中等度MDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、SSRIを用いる治療に対して部分的に応答性の重症MDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0074】
ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、不眠症を有する患者においてMDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、入眠困難により特徴付けられる不眠症を有する患者においてMDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、不眠症を有するMDD患者においてMDDの治療および不眠症の治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、不眠症を有する不安性MDD患者においてMDDの治療および不眠症の治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0075】
ある特定の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してMDDおよび不眠症の実質的な低減を経験する。ある特定の実施形態では、少なくとも1週間の治療の後に、患者は、治療前と比較してMDDおよび不眠症の実質的な低減を経験する。この実施形態によれば、不眠症の実質的な低減は、本明細書に記載の任意の方法(例えば、ポリソムノグラフィーパラメーターにおける改善、例えば、治療前と比較した持続睡眠潜時(latency to persistent sleep;LPS)における減少、治療前と比較した入眠後覚醒時間(wake time after sleep onset;WASO)における減少など)を使用して表現されてもよく、MDDにおける実質的な低減は、本明細書に記載の任意の方法(例えば、治療前と比較した合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値における減少、治療前と比較したモンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度値における改善など)を使用して表現されてもよい。
【0076】
本明細書に記載の睡眠パラメーター(入眠後覚醒時間、合計睡眠時間、睡眠効率および持続睡眠潜時を含む)は、当業者に公知の方法を使用してポリソムノグラフィーにより測定されてもよい。
【0077】
入眠後覚醒時間は、定義される入眠後に起こる覚醒時間である。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して入眠後覚醒時間(WASO)における少なくとも約30%の減少により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して、約30%~約100%の範囲内、例えば、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のWASOにおける減少により特徴付けられる。
【0078】
合計睡眠時間は、睡眠エピソードにおける実際の睡眠時間の量であり、すなわち、合計睡眠エピソードから覚醒時間を引いたものである。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して合計睡眠時間(TST)における少なくとも約30%の増加により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して、約30%~約100%の範囲内、例えば、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のTSTにおける増加により特徴付けられる。
【0079】
睡眠効率は、睡眠状態で実際に過ごした合計就床時間のパーセンテージである。睡眠効率の増加は、不眠症における改善に相関する。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して睡眠効率(SE)における少なくとも約30%の増加により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して、約30%~約100%の範囲内、例えば、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のSE値における増加により特徴付けられる。
【0080】
持続睡眠潜時は、完全覚醒から睡眠への遷移を達成するためにかかる時間の長さである。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して持続睡眠潜時(LPS)における少なくとも約30%の減少により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して、約30%~約100%の範囲内、例えば、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のLPS値における減少により特徴付けられる。
【0081】
ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)は、評価の前月についての睡眠質および障害を評価する19項目の自己報告尺度である(Buysse D.J.,The Pittsburgh Sleep Quality Index:a New Instrument for Psychiatric Practice and Research.Psychiatry Res.1989 May;28(2),pages 193-213.)。尺度は、「不良」な睡眠質を「良好」な睡眠質から区別する7「成分」スコア:主観的睡眠質、睡眠潜時、睡眠持続期間、習慣的睡眠効率、睡眠障害、睡眠薬の使用、および日中機能障害を生成する。これらの7成分のスコアの合計は全般PSQIスコアをもたらす。「5」またはより大きい全般PSQIスコアは不良な睡眠質を指し示す。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して全般ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)スコアにおける少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して全般PSQIスコアにおける1ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して全般PSQIスコアにおける2ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して全般PSQIスコアにおける3ポイントの減少により特徴付けられる。
【0082】
エプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale;ESS)もまた、不眠症の治療を決定するために有用である。ESSのスコア付けにおいて、各項目は、0=決して居眠りしない~3=居眠りの高い可能性までの4ポイント尺度で評価される。項目スコアを合計して合計スコア(0~24の範囲)が生成される。8つの個々のスコアからの10またはそれより大きい合計は、日中の正常な眠気より高いことおよびさらなる評価の必要性を反映する。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してESS値における少なくとも1ポイントの増加により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較してESS値における1ポイントの増加により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較してESS値における2ポイントの増加により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較してESS値における3ポイントの増加により特徴付けられる。
【0083】
不眠症の治療を決定するために不眠症重症度指数(Insomnia Severity Index;ISI)が使用されてもよい。例えば、不眠症重症度指数は7つの質問を有し、その回答は、0~28の範囲内の合計スコアを提供する。0~7の合計スコアは有意な不眠症を指し示さず、8~14は閾値下の不眠症を指し示し、15~21は中等度の重症度の臨床的な不眠症を指し示し、22~28は重症の臨床的な不眠症を指し示す。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して不眠症重症度指数尺度値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較してISI値における1ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較してISI値における2ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較してISI値における3ポイントの減少により特徴付けられる。
【0084】
不眠症の治療を決定するためにリーズ睡眠評価アンケート(Leeds Sleep Evaluation Questionnaire;LSEQ)が使用されてもよい。LSEQは、薬物治療介入の経過にかけての睡眠質における変化を評価するために設計された10項目の、主観的な、自己報告尺度である。LSEQは4つのドメイン:入眠の容易さ(3項目)、睡眠の質(2項目)、覚醒の容易さ(2項目)および覚醒後の行動(3項目)を有する。LSEQは視覚的アナログ尺度を使用し、回答者は、治療を開始してから様々な症状において経験した変化を表す10cmの線の群上にマーカーを置く。線は、極端なもの、例えば、「通常より困難」および「通常より容易」の間で延びている(覚醒の容易さに関する項目6)。応答は、100mmの尺度を使用して測定され、次に平均化されて各ドメインについてのスコアが提供される。平均スコアを使用して、薬物治療の有効性および睡眠関連副作用を評価することができる。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して合計LSEQ値における少なくとも約10%の改善により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して約10%~約100%の範囲内、例えば、約10% 約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%の合計LSEQ値における増加により特徴付けられる。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して入眠の容易さのLSEQドメイン値における少なくとも約10%の改善により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して約10%~約100%の範囲内、例えば、約10% 約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%の入眠の容易さのLSEQドメイン値における増加により特徴付けられる。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して睡眠の質のLSEQドメイン値における少なくとも約10%の改善により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して約10%~約100%の範囲内、例えば、約10% 約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%の睡眠の質のLSEQドメイン値における増加により特徴付けられる。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して覚醒の容易さのLSEQドメイン値における少なくとも約10%の改善により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して約10%~約100%の範囲内、例えば、約10% 約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%の覚醒の容易さのLSEQドメイン値における増加により特徴付けられる。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して覚醒後の行動のLSEQドメイン値における少なくとも約10%の改善により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して約10%~約100%の範囲内、例えば、約10% 約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%の覚醒後の行動のLSEQドメイン値における増加により特徴付けられる。
【0085】
不眠症の治療を決定するためにアテネ不眠症尺度(Athens Insomnia Scale;AIS)が使用されてもよい。AIS尺度は、疾患の国際分類(International Classification of Diseases;ICD-10)により示される診断基準を使用して不眠症の重症度を評価する。8項目のアンケートは、入眠、夜および早朝の覚醒、睡眠時間、睡眠質、愁訴の頻度および持続期間、経験により引き起こされる(cause by)苦悩ならびに日常生活機能への干渉を評価する。回答者はリッカート型尺度を使用して、ある特定の睡眠困難が前月に回答者にどれ程深刻に影響したかを示す。スコアは0(質問における項目は問題でなかったことを意味する~3(より急性の睡眠困難を指し示す)までの範囲内であり、回答は0~24の範囲内の合計スコアを提供する。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して合計AIS値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における1ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における2ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における3ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における4ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における5ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における6ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における7ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における8ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における9ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計AIS値における10ポイントの減少により特徴付けられる。
【0086】
不眠症の治療を決定するために睡眠質指数(Sleep Quality Index;SQI)が使用されてもよい。SQIは、各項目について0、1、または2で重み付けされた3つのカテゴリーを有する8項目のアンケートである(Urponen H.,et al.(1991)Sleep Quality and Health:Description of the Sleep Quality Index.In:Peter J.H.,Penzel T.,Podszus T.,von Wichert P.(eds)Sleep and Health Risk.Springer,Berlin,Heidelberg)。SQIの値は0~16で変動し、より高いスコアはより重症の睡眠障害を指し示す。一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して合計SQI値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における1ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における2ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における3ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における4ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における5ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における6ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における7ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における8ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における9ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不眠症の低減は、治療前と比較して合計SQI値における10ポイントの減少により特徴付けられる。
【0087】
不安性苦悩は、プライマリーケアおよび専門メンタルヘルスの両方の状況において双極性障害および大うつ病性障害の両方の目立った特徴として注意されている。高いレベルの不安は、より高い自殺リスク、病気のより長い持続期間、および治療非応答のより高い可能性と関連付けられている。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、不安性苦悩を有する患者においてMDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、軽度不安性苦悩を有する患者においてMDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、中等度不安性苦悩を有する患者においてMDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、中~重症不安性苦悩を有する患者においてMDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、重症不安性苦悩を有する患者においてMDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0088】
一部の実施形態では、不安性苦悩の低減は、治療前と比較して不安性苦悩重症度分類における少なくとも1つの分類の低減(例えば、中等度不安性苦悩から軽度不安性苦悩へ)により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安性苦悩の低減は、治療前と比較して不安性苦悩重症度分類における少なくとも2分類の低減により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安性苦悩の低減は、治療前と比較して不安性苦悩重症度分類における少なくとも3分類の低減により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安性苦悩の低減は、治療前と比較して不安性苦悩重症度分類における1分類の低減により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安性苦悩の低減は、治療前と比較して不安性苦悩重症度分類における2分類の低減により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安性苦悩の低減は、治療前と比較して不安性苦悩重症度分類における3分類の低減により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安性苦悩の低減は、治療前と比較して不安性苦悩重症度分類における4分類の低減により特徴付けられる。
【0089】
一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、患者を実質的に鎮静させない(すなわち、MDDは、治療される患者を実質的に鎮静させることなく治療される)、うつ病の治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、患者を実質的に鎮静させない、MDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、患者を実質的に鎮静させない、中等度MDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、患者を実質的に鎮静させない、重症MDDの治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0090】
患者の鎮静レベルは、当業者に公知の方法を使用して測定されてもよい。例えば、鎮静レベルは、修正観察者覚醒/鎮静評価尺度(Modified Observer’s Assessment of Alertness/Sedation Scale;G.Schmidt,et al.,Comparative Evaluation of the Datex-Ohmeda S/5 Entropy Module and the Bispectral Index(登録商標) Monitor during Propofol-Remifentanil Anesthesia.Anesthesiology 2004;101:1283-90)またはスタンフォード眠気尺度(Stanford Sleepiness Scale;Quantification of Sleepiness:A New Approach.Psychophysiology Volume 10,Issue 4,pages 431-436,July 1973)を使用して測定されてもよい。
【0091】
ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の治療のための治療効果および少なくとも4.0の修正観察者覚醒/鎮静評価尺度(MOAS/S)スコアを提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の治療のための治療効果および4のMOAS/Sスコアを提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の治療のための治療効果および5のMOAS/Sスコアを提供するように選択される。
【0092】
ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の治療のための治療効果および3.0より低いスタンフォード眠気尺度スコアを提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の治療のための治療効果および2のスタンフォード眠気尺度スコアを提供するように選択される。ある特定の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の治療のための治療効果および1のスタンフォード眠気尺度スコアを提供するように選択される。
【0093】
本発明の一部の実施形態によれば、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、閉経周辺期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、急性ストレス障害、外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および選択的無言症から選択される気分または感情障害の治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0094】
一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、閉経周辺期の治療のための治療効果を提供するように選択される。一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、閉経周辺期うつ病の治療のための治療効果を提供するように選択される。閉経周辺期うつ病を診断する方法は当業者に公知であり、例えば、Pauline M.Maki,et al.Guidelines for the Evaluation and Treatment of Perimenopausal Depression:Summary and Recommendations.Journal of Women’s Health(DOI:10.1089/jwh.2018.27099.mensocrec)に示される通りである。一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、閉経周辺期不安の治療のための治療効果を提供するように選択される。一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、閉経周辺期激越の治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0095】
一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、閉経期不安または閉経後不安の治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0096】
一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、閉経期激越または閉経後激越の治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0097】
一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の急性治療のための治療効果を提供するように選択される。一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の急性治療のための治療効果を提供するように選択され、かつうつ病の急性治療後に、化合物1はもはや投与されず、第2の抗うつ剤の投与頻度および投与量は、うつ病の慢性治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0098】
一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の急性治療のための治療効果を提供するように選択され、かつうつ病の急性治療後に、化合物1の投与頻度および投与量は、うつ病の慢性治療のための治療効果を提供するように選択される。ある特定の実施形態では、うつ病の急性治療のための化合物1の1日当たりの投与は、うつ病の慢性治療のための化合物1の1日当たりの投与より多い。
【0099】
一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の再発を予防するように選択される。一部の実施形態では、化合物1の投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の寛解を維持するように選択される。
【0100】
ある特定の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回で少なくとも1週間、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約18週間、約24週間、および約50週間投与される。
【0101】
ある特定の実施形態では、少なくとも約5mgまたは約5mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約10mgまたは約10mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約15mgまたは約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約20mgまたは約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約25mgまたは約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約30mgまたは約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約35mgまたは約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約40mgまたは約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約45mgまたは約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約50mgまたは約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約55mgまたは約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約60mgまたは約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約65mgまたは約65mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約70mgまたは約70mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約75mgまたは約75mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約80mgまたは約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約85mgまたは約85mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約90mgまたは約90mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約95mgまたは約95mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約100mgまたは約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約105mgまたは約105mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約110mgまたは約110mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約115mgまたは約115mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。ある特定の実施形態では、少なくとも約120mgまたは約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が、1日1回で少なくとも1週間投与される。
【0102】
一部の実施形態によれば、本開示の方法により提供されるうつ病の実質的な低減は、患者がうつ病の実質的な低減を経験する前に指定された時間間隔(例えば、少なくとも1週)にわたる治療を要求する(すなわち、患者がうつ病の実質的な低減を経験する前に誘導期間がある)。一部の実施形態では、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間または少なくとも8週間の治療後に、患者は、治療前と比較してうつ病の実質的な低減を経験する。ある特定の実施形態では、少なくとも1週間の治療後に、患者は、治療前と比較してうつ病の実質的な低減を経験する。この実施形態によれば、うつ病の実質的な低減は、本明細書に記載の任意の方法(例えば、治療前と比較した合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値における減少、治療前と比較したモンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度値における改善など)を使用して表現されてもよい。
【0103】
HAM-Dは、17項目からなるうつ病評価尺度であり、8項目は5ポイントの尺度(0~4の範囲内)でスコア付けされ、9項目は3ポイントの尺度(0~2の範囲内)でスコア付けされる。17項目の合計スコアは0~50の範囲内であり、より高いスコアはより大きいうつ病を指し示す。17項目の合計スコアは、うつ病の重症度をカテゴライズするために使用される:正常(0~7の合計スコア)、軽度うつ病(8~13の合計スコア)、中等度うつ病(14~18の合計スコア)、重症うつ病(19~22の合計スコア)。したがって、合計スコアまたは個々の項目スコアにおける減少は改善を指し示すHamilton,M.A Rating Scale for Depression,Journal of Neurology,Neurosurgery,and Psychiatry.(1960)23,pages 56-62。
【0104】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値における少なくとも約30%の減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較して、約30%~約100%の範囲内、例えば、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のHAM-D値における減少により特徴付けられる。
【0105】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してHAM-D値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較して約1ポイント~約20ポイントの範囲内、例えば、約1ポイント、約2ポイント、約3ポイント、約4ポイント、約5ポイント、約6ポイント、約7ポイント、約8ポイント、約9ポイント、約10ポイント、約11ポイント、約12ポイント、約13ポイント、約14ポイント、約15ポイント、約16ポイント、約17ポイント、約18ポイント、約19ポイント、および約20ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約2ポイントのHAM-D値の減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約3ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約4ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約5ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約6ポイントのHAM-D値の減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約7ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約8ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約9ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約10ポイントのHAM-D値の減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約11ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約12ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約13ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約14ポイントのHAM-D値の減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約15ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約16ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約17ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約18ポイントのHAM-D値の減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約19ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約20ポイントのHAM-D値における減少により特徴付けられる。
【0106】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してHAM-D重症度分類における少なくとも1カテゴリーの変化により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してHAM-D重症度分類の1カテゴリーの変化により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してHAM-D重症度分類の2カテゴリーの変化により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してHAM-D重症度分類の3カテゴリーの変化により特徴付けられる。ある特定の実施形態では、うつ病の低減は、前記治療後のHAM-D値による寛解により特徴付けられる(すなわち、7またはそれより低い合計HAM-D値)。
【0107】
モンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度(MADRS)は、それぞれ0~6で評価される10項目からなるうつ病評価尺度である。10項目はうつ病のコア症状を表す。10項目の合計スコアは0~60の範囲内である。合計スコアまたは個々の項目における減少は改善を指し示す(Montgomery S.A.and Asberg M.A,New Depression Scale Designed to be Sensitive to Change,Br.J.Psychiatry.(1979)Apr;134,pages 382-9.)。
【0108】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してモンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度(MADRS)における少なくとも約30%の減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較して、約30%~約100%の範囲内、例えば、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のMADRS値における減少により特徴付けられる。
【0109】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してMADRS値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較して約1ポイント~約5ポイントの範囲内、例えば、約1ポイント、約2ポイント、約3ポイント、約4ポイント、および約5ポイントのMADRS値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約2ポイントのMADRS値の減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約3ポイントのMADRS値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約4ポイントのMADRS値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約5ポイントのMADRS値における減少により特徴付けられる。ある特定の実施形態では、うつ病の低減は、前記治療後のMADRS値による寛解により特徴付けられる(すなわち、12またはそれより低いMADRS値)。
【0110】
ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)は、不安気分、緊張、恐怖、不眠症、知的(認知)機能、抑うつ気分、インタビュー時の行動、身体的(感覚)、心臓血管、呼吸、胃腸、泌尿生殖器、自律神経、および身体的(筋肉)症状を評価する14項目からなる不安評価尺度である(Hamilton,M.The Assessment of Anxiety States by Rating,Br J Med Psychol.(1959);32(1),pages 50-5)。各症状は0(なし)~4(最大重症度)の尺度で評価される。合計スコアを使用して不安の重症度をカテゴライズする:軽症(17より低い合計スコア)、軽症~中等症(18~24の合計スコア)、および中等症~重症(25~30の合計スコア)。合計スコアは0~56の範囲内であり、より高いスコアはより高い重症度を指し示す。
【0111】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して合計HAM-A値における少なくとも約30%の減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不安の低減は、治療前と比較して約10%~約100%の範囲内、例えば、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のHAM-A値における減少により特徴付けられる。
【0112】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してHAM-A値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不安の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不安の低減は、治療前と比較して約1ポイント~約5ポイントの範囲内、例えば、約1ポイント、約2ポイント、約3ポイント、約4ポイント、および約5ポイントのHAM-A値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安の低減は、約2ポイントのHAM-A値の減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安の低減は、約3ポイントのHAM-A値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安の低減は、約4ポイントのHAM-A値における減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、約5ポイントのHAM-A値における減少により特徴付けられる。
【0113】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してHAM-A重症度分類における少なくとも1カテゴリーの変化により特徴付けられる不安の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、不安の低減は、治療前と比較してHAM-A重症度分類の1カテゴリーの変化により特徴付けられる。一部の実施形態では、不安の低減は、治療前と比較してHAM-A重症度分類の2カテゴリーの変化により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してHAM-A重症度分類の3カテゴリーの変化により特徴付けられる。
【0114】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、患者のうつ病の部分的な寛解により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、治療後に、患者は、患者のうつ病の部分的な寛解により特徴付けられるMDDの実質的な低減を経験する。ある特定の実施形態では、MDDの部分的な寛解は、直前の大うつ病性エピソードの症状が存在するが、完全な基準は満たされていないか、またはそのようなエピソードの終了後に大うつ病性エピソードのいかなる有意な症状もない2か月未満の期間がある場合である(すなわち、部分的な寛解のDSM-5の定義)。
【0115】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、患者のうつ病の完全な寛解により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、治療後に、患者は、患者のうつ病の完全な寛解により特徴付けられるMDDの実質的な低減を経験する。ある特定の実施形態では、完全な寛解は、過去2か月の間に、障害の有意な徴候も症状も存在しなかった場合である(すなわち、完全な寛解のDSM-5の定義)。
【0116】
臨床全般印象(CGI)(Guy 1976(Guy W(1976),ECDEU Assessment Manual for Psychopharmacology,Revised.Rockville,MD:US Department of Health,Education and Welfare)は3つの下位尺度:CGI重症度(CGI-S)、CGI改善(CGI-I)および有効性指数からなる。CGI-Sは患者の現行の精神病の臨床医の印象を評価する。治療医は、患者の現行の精神病の重症度を7ポイントの尺度でカテゴライズする:1(正常、全く病気ではない)、2(精神的な病気のボーダーライン)、3(軽度の病気)、4(中等度の病気)、5(著明な病気)、6(重症の病気)、および7(最も極めて大きい病気の患者)。CGI-Iはベースラインからの参加者の改善(または悪化)を評価する。治療医は、ベースライン(例えば、抗うつ剤を投与する前)と比べて患者の状態を7ポイントの尺度でカテゴライズする:1(非常に大きい改善)、2(大きい改善)、3(最小の改善)、4(変化なし)、5(最小の悪化)、6(大きい悪化)、および7(非常に大きい悪化)。
【0117】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してCGI-S値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してCGI-S値における1ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してCGI-S値における2ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してCGI-S値における3ポイントの減少により特徴付けられる。
【0118】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してCGI-I値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してCGI-I値における1ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してCGI-I値における2ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較してCGI-I値における3ポイントの減少により特徴付けられる。
【0119】
うつ病症状アンケート(SDQ)は、5つの下位尺度:SDQ-1、SDQ-2、SDQ-3、SDQ-4およびSDQ-5からなる44項目の自己報告尺度である。SDQ-1は、倦怠感、気分、および認知機能に関する項目を含む。SDQ-2は、不安、激越、易怒性、および怒りに関する項目を含む。SDQ-3は、自殺念慮に関する項目を含む。SDQ-4は、睡眠質における障害を評価する。SDQ-5は、食欲および体重における変化に関する項目を含む。SDQは、うつ病のいくつかのサブタイプにわたり症状の重症度を評価するために使用される(Pedrelli,P.,et al.,Reliability and Validity of the Symptoms of Depression Questionnaire(SDQ),CNS Spectr.2014 Dec;19(6),pages 535-546.)。項目は6ポイントの尺度で評価される。各項目は、個体にとって正常であること(スコア=2)、正常より良好であること(スコア=1)、および正常より悪いこと(スコア=3~6)の参加者の認知に基づいて評価される。合計スコアは0~264の範囲内であり、より高いスコアはより高い重症度を指し示す。
【0120】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して合計SDQ尺度値における少なくとも約10%の減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較して約10%~約100%の範囲内、例えば、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%の合計SDQ尺度値における減少により特徴付けられる。
【0121】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較してSDQ-1、SDQ-2、SDQ-3、SDQ-4およびSDQ-5から選択される少なくとも1つの下位尺度値における少なくとも約10%の減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較して約10%~約100%の範囲内、例えば、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および約100%のSDQ-1、SDQ-2、SDQ-3、SDQ-4およびSDQ-5値から選択される少なくとも1つの下位尺度値における減少により特徴付けられる。
【0122】
一部の実施形態では、治療後に、患者は、治療前と比較して全般PSQI(上記)スコアにおける少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の実質的な低減を経験する。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較して全般PSQIスコアにおける1ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較して全般PSQIスコアにおける2ポイントの減少により特徴付けられる。一部の実施形態では、うつ病の低減は、治療前と比較して全般PSQIスコアにおける3ポイントの減少により特徴付けられる。
【0123】
一部の実施形態では、うつ病を治療する方法は、維持用量が患者において達成されるまで化合物1の用量を滴定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、滴定は、維持用量が患者において達成されるまで少なくとも約1週間実行される。一実施形態では、滴定は、維持用量が患者において達成されるまで約2週間実行される。一部の実施形態では、滴定は、維持用量が患者において達成されるまで約7日~約30日間実行される。一部の実施形態では、滴定は、維持用量が患者において達成されるまで約12日~約20日間実行される。一部の実施形態では、滴定ステップの間に、化合物1の一定の1日用量が提供される。さらなる実施形態では、化合物1の一定の1日用量は少なくとも2週間提供される。
【0124】
1日用量は、1つまたは複数のステップにおいて滴定され得る。1日投与量は、単一の1日投与量、または1日2回の投与レジメンの各用量を増加させることにより滴定され得る。投与量は、複数の滴定ステップがある場合、段階化され、同じであり得るか、または異なり得る。
【0125】
一部の実施形態では、滴定は、1日1回または2回の約15mg~約100mg、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mgおよび約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩で開始される。一部の実施形態では、滴定は、1日1回または2回の約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mgおよび約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩で開始される。ある特定の実施形態では、用量は、1~4日毎に5~30mgの増分で調整され得る。ある特定の実施形態では、用量は、週毎に5~30mgの増分で調整され得る。一部の実施形態では、滴定は、維持用量の前に少なくとも約1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、約7週間、約8週間、約9週間または約10週間実行される。
【0126】
ある特定の実施形態では、維持用量が患者において達成されるまで化合物1の上昇用量が滴定の間に投与される。ある特定の実施形態では、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mgまたは約120mgの有効量が患者において達成されるまで化合物1の上昇用量が滴定の間に投与される。
【0127】
ある特定の実施形態では、患者は、1日1回または2回の約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mgまたは約100mgの化合物1または薬学的に許容される塩を最初に投与され、1日1回または2回の約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mgまたは約120mgの維持用量まで滴定される。ある特定の実施形態では、患者は、1日1回または2回の約15mg~約100mg、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mgおよび約100mgの化合物1または薬学的に許容される塩を最初に投与され、1日1回または2回の約20mg~約120mg、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mgまたは約120mgの維持用量まで滴定される。
【0128】
一部の実施形態では、本開示は、(a)化合物1の初期1日用量を少なくとも1週間投与するステップおよび(b)維持1日用量を少なくとも1週間投与するステップを含むうつ病を治療する方法を提供する。ある特定の実施形態では、初期1日用量は維持1日用量より多い。ある特定の実施形態では、初期1日用量は維持1日用量より少ない。ある特定の実施形態では、初期1日用量は2週間投与され、かつ維持1日用量は少なくとも1か月間投与され投与される。
【0129】
一部の実施形態では、本開示は、
(a)化合物1の負荷用量を投与するステップおよび
(b)化合物1の維持用量を投与するステップ
を含む、うつ病を治療する方法を提供する。
【0130】
一部の実施形態では、負荷用量は、約1日~約14日間、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間および約14日間投与される。一部の実施形態では、負荷用量は、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間または約14日間投与される。
【0131】
一部の実施形態では、方法は、約30mg~約120mg、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、および約120mgの負荷用量を含む。一部の実施形態では、方法は、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgの負荷用量を含む。
【0132】
一部の実施形態では、維持用量は、約1か月~約36か月間、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1か月間、約2か月間、約3か月間、約4か月間、約5か月間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約12か月間、約18か月間、約24か月間、約30か月間、または約36か月間投与される。一部の実施形態では、維持用量は、約1か月間、約2か月間、約3か月間、約4か月間、約5か月間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約12か月間、約18か月間、約24か月間、約30か月間、または約36か月間投与される。
【0133】
一部の実施形態では、方法は、1日1回または2回の約30mg~約120mg、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、および約120mgの維持用量を含む。一部の実施形態では、方法は、1日1回または2回の約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgの維持用量を含む。
【0134】
一部の実施形態では、負荷用量投与方法は、負荷用量の投与後かつ維持用量の投与前に中止期間をさらに含む。
【0135】
一部の実施形態では、中止期間は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、または約7日である。一部の実施形態では、中止期間は、約1日~約7日、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、および約7日である。
【0136】
一部の実施形態では、中止期間は、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である。一部の実施形態では、中止期間は、約1週~約8週、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、および約8週である。
【0137】
一部の実施形態では、本開示の方法は、指定された間隔(例えば、1週)にわたる化合物1またはその薬学的に許容される塩の連続投与、続いて患者が化合物1を投与されない中止期間を含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、約1週~約8週間、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、および約8週間の化合物1またはその薬学的に許容される塩の連続投与を含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、または約8週間の化合物1またはその薬学的に許容される塩の連続投与を含む。
【0138】
一部の実施形態では、本開示の方法は、約1か月~約36か月間、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1か月間、約2か月間、約3か月間、約4か月間、約5か月間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約12か月間、約18か月間、約24か月間、約30か月間、および約36か月間の化合物1またはその薬学的に許容される塩の連続投与を含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、約1か月間、約2か月間、約3か月間、約4か月間、約5か月間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約12か月間、約18か月間、約24か月間、約30か月間、または約36か月間の化合物1またはその薬学的に許容される塩の連続投与を含む。
【0139】
一部の実施形態では、本開示の方法は、化合物1またはその薬学的に許容される塩の間欠投与を含む。本明細書において使用される場合、間欠投与は、それを必要とする患者において指定された時間間隔にわたり化合物1またはその薬学的に許容される塩を用いる治療のオンおよびオフのサイクルを行うことを意味する。
【0140】
一部の実施形態では、間欠投与は、
(a)化合物1を第1の投与期間にわたり投与すること、
(b)第1の投与期間(a)の後に、中止期間にわたり化合物1を投与しないこと、
(c)中止期間(b)の後に、化合物1を第2の投与期間にわたり投与すること
を含む。
【0141】
一部の実施形態では、間欠投与は、1つまたは複数の追加の中止期間(例えば、第2の中止期間)および/または投与期間(例えば、第3の投与期間)をさらに含む。そのような実施形態では、本開示は、追加の中止および/または投与期間が、第1の投与期間および中止期間について本明細書に記載される持続期間を有する実施形態を想定する。
【0142】
一部の実施形態では、期間(a)、(b)および(c)の2つまたはそれより多くは同じである(例えば、第1の投与期間、中止期間および第2の投与期間はそれぞれ1週である)。一部の実施形態では、期間(a)および(b)(例えば、1週)は同じであり、かつ期間(c)は異なる(例えば、2週)。一部の実施形態では、期間(a)および(c)は同じであり、かつ期間(b)は異なる。一部の実施形態では、期間(b)および(c)は同じであり、かつ期間(a)は異なる。一部の実施形態では、期間(a)、(b)および(c)は異なる(例えば、第1の投与期間は1週であり、中止期間は2週であり、かつ第2の投与期間は3週である)。
【0143】
一部の実施形態では、第1の投与期間は、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である。一部の実施形態では、第1の投与期間は、約1週~約8週、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、および約8週である。
【0144】
一部の実施形態では、中止期間は、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である。一部の実施形態では、中止期間は、約1週~約8週、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、および約8週である。
【0145】
一部の実施形態では、第2の投与期間は、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である。一部の実施形態では、第2の投与期間は、約1週~約8週、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である。
【0146】
一部の実施形態では、第1の投与期間、中止期間および第2の投与期間は1週である。一部の実施形態では、第1の投与期間、中止期間および第2の投与期間は2週である。一部の実施形態では、第1の投与期間、中止期間および第2の投与期間は3週である。一部の実施形態では、第1の投与期間、中止期間および第2の投与期間は4週である。一部の実施形態では、第1の投与期間、中止期間および第2の投与期間は5週である。一部の実施形態では、第1の投与期間、中止期間および第2の投与期間は6週である。一部の実施形態では、第1の投与期間、中止期間および第2の投与期間は7週である。一部の実施形態では、第1の投与期間、中止期間および第2の投与期間は8週である。
【0147】
一部の実施形態では、第1の投与期間は約1週であり、中止期間は約3週であり、かつ第2の投与期間は約1週である。
【0148】
一部の実施形態では、第1の投与期間は約2週であり、第1の中止期間は約2週であり、第2の投与期間は約1週であり、第2の中止期間は約1週であり、かつ第3の投与期間は約1週である。
【0149】
一部の実施形態では、間欠投与期間(投与および中止期間を含む)は、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、約18か月、約24か月、約30か月または約36か月である。一部の実施形態では、間欠投与期間は、約1か月~約12か月、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、約18か月、約24か月、約30か月および約36か月である。
【0150】
本開示の一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、食品と共に患者に投与される。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、食品が摂取された約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約1.5時間、約2時間、約2.5時間、約3時間、約3.5時間、約4時間、約4.5時間、約5時間、約5.5時間、約6時間、約6.5時間、約7時間、約7.5時間または約8時間後に患者に投与される。
【0151】
一部の実施形態では、摂取される食品は、高脂肪および高カロリーの食品である。一部の実施形態では、高脂肪および高カロリーの食品のカロリー含有量は少なくとも約700キロカロリー(kcal)であり、かつ食品のカロリー含有量の少なくとも約40パーセントは脂肪からである。例えば、脂肪は、高脂肪および高カロリーの食品のカロリー含有量の約50パーセントに寄与し得る。一部の実施形態では、高脂肪および高カロリーの食品のカロリー含有量は約900キロカロリーである。
【0152】
一部の実施形態では、摂取される食品は、中脂肪および中カロリーの食品である。一部の実施形態では、中脂肪および中カロリーの食品のカロリー含有量は約300kcal~約700kcalであり、かつ食品のカロリー含有量の約20パーセント~約40パーセントは脂肪からである。一部の実施形態では、中脂肪および中カロリーの食品のカロリー含有量は約400kcalである。
【0153】
一部の実施形態では、摂取される食品は、低脂肪および低カロリーの食品である。一部の実施形態では、低脂肪および低カロリーの食品のカロリー含有量は約100kcal~約300kcalであり、かつ脂肪含有量は約3グラムもしくはそれ未満であり、または食品のカロリー含有量の約20パーセントもしくはそれ未満は脂肪からである。一部の実施形態では、低脂肪および低カロリーの食品のカロリー含有量は約100キロカロリーである。
【0154】
本開示の一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、絶食期間の後に患者に投与される。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、または約12時間の絶食期間の後に患者に投与される。
【0155】
本開示の一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、食事に関係なく患者に投与される。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、就寝時に患者に投与される。
【0156】
一部の実施形態では、本開示の方法は、化合物1の投与の前、それと同時またはその後に患者の胃腸pHを制御することを含む。一部の実施形態では、患者の胃腸pHは、化合物1の投与の前に制御される。一部の実施形態では、患者の胃腸pHは、化合物1の投与の後に制御される。
【0157】
一部の実施形態では、pHは、化合物1の投与の前、それと同時またはその後に胃腸pHを減少させる薬物、食品または液体を患者に投与することにより制御される。一部の実施形態では、液体は酸性飲料(炭酸飲料など)である。
【0158】
一部の実施形態では、pHは、化合物1の投与の前、それと同時またはその後に胃腸pHを増加させる薬物、食品または飲料を患者が回避することにより制御される。一部の実施形態では、胃腸pHを増加させる薬物は、プロトンポンプ阻害剤または経口投与される制酸剤である。
【0159】
一部の実施形態では、化合物1の初期1日投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の急性治療のための治療効果を提供するように選択され、かつ化合物1の維持1日投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の慢性治療のための治療効果を提供するように選択される。
【0160】
一部の実施形態では、化合物1の初期1日投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の急性治療のための治療効果を提供するように選択され、かつ化合物1の維持1日投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の寛解を維持するように選択される。
【0161】
一部の実施形態では、化合物1の初期1日投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の急性治療のための治療効果を提供するように選択され、かつ化合物1の維持1日投与頻度および投与当たりの投与量は、うつ病の再発を予防するように選択される。
【0162】
ある特定の実施形態では、初期1日用量は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mgまたは約120mgであり、かつ維持1日用量は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、または約115mgであり、但し、初期1日用量は維持1日用量より多い。
【0163】
本発明の一部の実施形態によれば、本発明の方法は、うつ病を治療するための化合物1の治療的に有効な血漿レベルを提供する。化合物1の血漿レベルは、当業者に公知の薬物動態パラメーター、例えば、定常状態血漿レベル、AUC、CmaxおよびCminを使用して表現されてもよい。本開示の全体を通じて、薬物動態パラメーターは、特定のPKパラメーター(定常状態血漿Cmax、定常状態AUCなど)の定常状態血漿レベルの提供の観点で記載される。しかしながら、本開示は、本明細書において表現される定常状態PKパラメーターが患者集団からの平均値(average value)(平均値(mean value)など)である実施形態を想定する。そのため薬物動態パラメーターの以下の記載は、平均定常状態PKパラメーター値の他に、個々の患者からの値を記載する。
【0164】
一部の実施形態では、本発明の方法は、1つまたは複数の統計的に有意な治療効果に相関する化合物1の定常状態血漿レベルを提供する。ある特定の実施形態では、本発明の方法により提供される化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約1ng/mL~約200ng/mLの範囲内、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約1ng/ml、約5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mL、約60ng/mL、約65ng/mL、約70ng/mL、約75ng/mL 約80ng/mL、約85ng/mL、約90ng/mL、約95ng/mL、約100ng/mL、約105ng/mL、約110ng/mL、約115ng/mL、約120ng/mL、約125ng/mL、約130ng/mL、約135ng/mL、約140ng/mL、約145ng/mL、約150ng/mL、約155ng/mL、約160ng/mL、約165ng/mL、約170ng/mL、約175ng/mL 約180ng/mL、約185ng/mL、約190ng/mL、約195ng/mL、および200ng/mlである。ある特定の実施形態では、本発明の方法により提供される化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約50ng/ml~200ng/mlの範囲内である。
【0165】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0166】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日2回の約10mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0167】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0168】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日2回の約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0169】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0170】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日2回の約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0171】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0172】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日2回の約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0173】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0174】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日2回の約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0175】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約65mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約65mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0176】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約70mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日2回の約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約70mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0177】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約75mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約75mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0178】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日2回の約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0179】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約85mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約85mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0180】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約90mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日2回の約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約90mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0181】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約95mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約95mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0182】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日2回の約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿レベルは、1日1回の約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0183】
一部の実施形態では、本発明の方法は、1つまたは複数の統計的に有意な治療効果に相関する化合物1の平均定常状態AUC0~24h(ng・hr/mLの観点で表現される)レベルを提供する。ある特定の実施形態では、本発明の方法により提供される化合物1の治療的に有効な平均定常状態AUC0~24hレベルは、約50ng・hr/mL~約2300ng・hr/mLの範囲内、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約50ng・hr/mL、100ng・hr/mL、150ng・hr/mL、200ng・hr/mL、250ng・hr/mL、300ng・hr/mL、約400ng・hr/mL、約500ng・hr/mL、約600ng・hr/mL、約700ng・hr/mL、約800ng・hr/mL、約900ng・hr/mL、約1000ng・hr/mL、約1100ng・hr/mL、約1200ng・hr/mL、約1300ng・hr/mL、約1400ng・hr/mL、約1500ng・hr/mL、約1600ng・hr/mL、約1700ng・hr/mL、約1800ng・hr/mL、約1900ng・hr/mL、約2000ng・hr/mL、約2100ng・hr/mL、約2200ng・hr/mLおよび約2300ng・hr/mLである。ある特定の実施形態では、本発明の方法により提供される化合物1の治療的に有効な平均定常状態AUC0~24hレベルは、約500ng・hr/mL~約1000ng・hr/mLの範囲内、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約550ng・hr/mL、約600ng・hr/mL、約650ng・hr/mL、約700ng・hr/mL、約750ng・hr/mL、約800ng・hr/mL、約850ng・hr/mLおよび約900ng・hr/mLである。ある特定の実施形態では、本発明の方法により提供される化合物1の治療的に有効な平均定常状態AUC0~24hレベルは、約600ng・hr/mL~約900ng・hr/mLの範囲内である。
【0184】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0185】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日2回の約10mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0186】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0187】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日2回の約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0188】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0189】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日2回の約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0190】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0191】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日2回の約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0192】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0193】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日2回の約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0194】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約65mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約65mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0195】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約70mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日2回の約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約70mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0196】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約75mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約75mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0197】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日2回の約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0198】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約85mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約85mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0199】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約90mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日2回の約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約90mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0200】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約95mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約95mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0201】
ある特定の実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日2回の約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の平均定常状態AUC0~24hレベルは、1日1回の約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0202】
一部の実施形態では、本発明の方法は、1つまたは複数の統計的に有意な治療効果に相関する化合物1の定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)を提供する。ある特定の実施形態では、本発明の方法により提供される化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約5ng/mL~約500ng/mLの範囲内、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約5ng/mL、10ng/mL、20ng/mL、30ng/mL、40ng/mL、50ng/mL、60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL 約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL 約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL 約380ng/mL、約390ng/mL、約400ng/mL、約410ng/mL、約420ng/mL、約430ng/mL、約440ng/mL、約150ng/mL、約460ng/mL、約470ng/mL 約480ng/mL、約490ng/mL、約500ng/mL、約510ng/mL 約520ng/mL、約530ng/mL、約540ng/mL、約550ng/mL、約560ng/mL、約570ng/mL 約580ng/mL、約590ng/mLおよび約600ng/mLである。一部の実施形態では、本発明の方法により提供される化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約100ng/mL~約275ng/mL、例えば、間にある全ての範囲を含めて、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL 約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mLである。一部の実施形態では、本発明の方法により提供される化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約125ng/mL~約250ng/mLである。
【0203】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0204】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約10mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態Cmax血漿レベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0205】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0206】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態Cmax血漿レベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0207】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0208】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態Cmax血漿レベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0209】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0210】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態Cmax血漿レベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0211】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0212】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0213】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約65mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約65mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0214】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約70mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約70mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0215】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約75mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約75mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0216】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0217】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約85mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約85mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0218】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約90mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約90mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0219】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約95mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約95mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0220】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0221】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約105mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約105mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0222】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約110mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約110mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0223】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約115mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約115mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0224】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日用量を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日2回の約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。さらなる実施形態では、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)は、1日1回の約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することにより提供される。
【0225】
一部の実施形態では、本発明の方法は、500ng/mLを超えない化合物1の定常状態血漿Cmaxレベル(または平均定常状態血漿Cmaxレベル)を提供する。ある特定の実施形態では、本発明の方法により提供される化合物1の治療的に有効な定常状態血漿Cmaxレベルは、約500ng/mLを超えない、例えば、約500ng/mLより低い、約475ng/mLより低い、約450ng/mLより低い、約425ng/mLより低い、約400ng/mLより低い、約375ng/mLより低い、約350ng/mLより低い、約325ng/mLより低い、および約300ng/mLより低い。
【0226】
物質乱用使用障害を治療する方法
一部の実施形態では、本開示は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む物質乱用障害(オピオイド使用障害など)を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明の方法は、物質乱用障害を治療するために使用される単独の活性成分として化合物1、またはその薬学的に許容される塩を用いる。一部の実施形態では、本発明の方法は、物質乱用障害を治療するために使用される1つまたは複数の活性成分と組み合わせて化合物1、またはその薬学的に許容される塩を用いる。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、物質乱用障害を治療するために使用される追加の活性成分と組み合わせて投与される、例えば、共製剤化されるまたは別々に投与される。
【0227】
オピオイド使用障害は、合法的な医学的目的のために使用されるものではないか、オピオイド治療を要求する別の医学的状態が存在する場合に、その医学的状態のために必要な量より大きく過剰の用量で使用される、オピオイド物質の強迫的な、長期化した自己投与を反映する徴候および症状を含む。例えば、疼痛緩和のための鎮痛剤オピオイドを十分な投与で処方された個体は、持続性の疼痛のためではなく、処方されたものより有意に多くを使用する。
【0228】
コカイン、アルコール、およびオピオイドを含む物質乱用障害は、ドパミン報酬経路と関連付けられている(Ross,S.& Peselow,E.The Neurobiology of Addictive Disorders.Clin Neuropharmacol 32,269-276(2009)。神経伝達物質GABAは、線条体のドパミン放出を抑制し、動物の線条体および側坐核における細胞外ドパミンのコカイン誘導性の増加を鈍らせる(Dewey,S.et al.GABAergic inhibition of endogenous dopamine release measured in vivo with 11C-raclopride and positron emission tomography.J Neurosci 12,3773-3780(1992)。プロゲステロン治療は、可能性としてはプロゲステロンから合成されるGABA-Aポジティブアロステリックモジュレーター神経活性ステロイドのGABA作動性効果に起因して、コカインに対する渇望を減少させることが臨床研究において示されている(Sinha,R.et al.Sex steroid hormones,stress response,and drug craving in cocaine-dependent women:Implications for relapse susceptibility.Exp Clin Psychopharm 15,445(2007)。
【0229】
ストレスは、物質使用障害の発症ならびに中毒個体における薬物の使用、離脱、および再発のサイクルの永続化における重要な要因である。
【0230】
プロゲステロン治療は、可能性としてはプロゲステロンから合成されるGABA-Aポジティブアロステリックモジュレーター神経活性ステロイドのGABA作動性効果に起因して、コカインに対する渇望を減少させることが臨床研究において示されている。
【0231】
一部の実施形態では、本開示は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することを含むオピオイド使用障害を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、化合物1は、単剤療法として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、患者の既存の療法(例えば、現行の標準治療)に対する補助として投与される。ある特定の実施形態では、化合物1は、メタドンに対する補助として投与される。ある特定の実施形態では、化合物1は、ブプレノルフィンに対する補助として投与される。
【0232】
一部の実施形態では、前記治療後に、患者は、化合物1投与の期間の間のオピオイド使用からの離脱により特徴付けられるオピオイド使用障害の実質的な低減を経験する。本明細書において使用される場合、「オピオイド使用からの離脱」は、陰性の尿薬物試験および化合物1投与の期間の間のタイムラインフォローバック(TLFB)調査でのオピオイド使用の自己報告がないことを意味する。TLFB調査は、カレンダーおよび特有の日における物質使用の1日毎の想起を使用して、オピオイド使用の量または頻度を記録する。これらの任意の基準の省略は、その週についての離脱を確認しないことを結果としてもたらす。
【0233】
一部の実施形態では、前記治療後に、患者は、化合物1投与の期間の間のプラセボ治療群と比較した化合物1治療群におけるオピオイドなしの週のパーセンテージにおける統計的に有意な減少(すなわち、プラセボ治療と比べて化合物1治療のオピオイドなしの週のパーセンテージの間に有意な統計的差異がある)により特徴付けられるオピオイド使用障害の実質的な低減を経験する。
【0234】
一部の実施形態では、前記治療後に、患者は、渇望評価、すなわち、オピオイドの必要性の週毎の自己報告視覚的アナログ尺度(VAS)(尺度0~100、0=全くない;100=非常に大きい)により実証される実質的な改善により特徴付けられるオピオイド使用障害の実質的な低減を経験する。プラセボと比べた治療群のベースラインからのVASスコアの平均変化における有意な統計的差異により定義される応答(Krupitsky,E.et al.Injectable extended-release naltrexone for opioid dependence:a double-blind,placebo-controlled,multicentre randomised trial.Lancet 377,1506-1513(2006)。
【0235】
一部の実施形態では、前記治療後に、患者は、プラセボ治療群と比較して保留評価(retention assessment)における統計的に有意な変化により特徴付けられるオピオイド使用障害の実質的な低減を経験する。本明細書において使用される場合、「保留評価」は、化合物1投与の期間の間のTLFBによる認知行動療法または薬物療法のいずれかでの保持の日数を意味する。
【0236】
ある特定の実施形態では、前記治療後に、患者は、プラセボと比べた化合物1治療群における保留の日数の平均変化における有意な統計的差異により特徴付けられる保留評価における統計的に有意な変化を経験する。
【0237】
一部の実施形態では、本開示は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することを含むコカイン使用障害を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、化合物1は、単剤療法として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、現行の標準治療に対する補助として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、ブプレノルフィンに対する補助として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、ブプレノルフィンおよびナロキソンに対する補助として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、ナルトレキソンに対する補助として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、ロフェキシジンに対する補助として投与される。
【0238】
一部の実施形態では、本開示は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することを含むアルコール使用障害を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、化合物1は、単剤療法として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、現行の標準治療に対する補助として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、ベンゾジアゼピンに対する補助として投与される。
【0239】
一部の実施形態では、本開示は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することを含むベンゾジアゼピン使用障害を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、化合物1は、単剤療法として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、現行の標準治療に対する補助として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、医学的に監督された中止(解毒)に対する補助として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、居住リハビリテーション治療に対する補助として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、相互扶助グループに対する補助として投与される。一部の実施形態では、化合物1は、外来物質使用障害サービス(例えば、嗜癖用のカウンセリングまたは医薬)に対する補助として投与される。
【実施例】
【0240】
以下の実施例を参照することにより本発明がさらに説明される。しかしながら、これらの実施例は、上記の実施形態と同様に、実例的なものであり、いかなる意味でも本発明の範囲を制限するものとして解されるべきではないことが留意される。
【0241】
実施例1:
18~55歳の健常対象を化合物1の経口懸濁液を用いて治療して、健常対象における化合物1の安全性、忍容性、薬物動態および薬力学を研究した。MDDを有する対象のために好適なレジメンを選択するために用量および投与頻度を評価した。研究の結果から、経口での化合物1を、用量依存的な方式でMDDの症状を低減するその潜在能力について評価する。
【0242】
研究の設計
【0243】
研究は、経口懸濁液をそれぞれ与えられる3つのコホートを含む、無作為二重盲検プラセボ対照複数漸増用量研究であった。各コホートは2つの群からなり、1つの群は化合物1を用いて治療され、別の群はプラセボを用いて治療された。各コホートにおいて、化合物1治療対象とプラセボ治療対象との比は3:1であった。
【0244】
コホート1の化合物1治療対象を1日1回(QD)の15.0mgの化合物1を用いて治療した。コホート2の化合物1治療対象をQDの30.0mgの化合物1を用いて治療した。コホート3の化合物1治療対象をQDの60.0mgの化合物1を用いて治療した。
【0245】
健常対象に投与された場合の化合物1の単回用量のPKプロファイルに対する食品の効果を評価するために食品効果コホート(コホート4)を実行した。コホート4の対象をQDの30mgの化合物1を用いて治療した。
【0246】
投与:
【0247】
投与が安全性審査委員会(Safety Review Committee;SRC)により中止されるまで、各コホートの患者を連続する14日間化合物1を用いて治療した。各コホートにおける対象の投与を、安全性および忍容性データの最低14日の観察のSRC審査ならびに先行するコホートからの利用可能な血漿PKデータの審査に基づいて用量漸増の決定と共に変動させた。そのため、用量漸増は、以前のコホートの忍容性に基づいた。
【0248】
化合物1を加速条件(投与前の少なくとも10時間、水以外の食品も飲料品もなし)下で投与した。化合物1の投与の直後に、対象に240mLの水を投与した。化合物1投与の1時間後まで追加の液体摂取は認められなかった。
【0249】
1~14日目の朝にコホート1の対象に化合物1懸濁液の単回15.0mg用量を与えた。1~14日目の朝にコホート2の対象に化合物1懸濁液の単回30.0mg用量を与えた。1~14日目の朝にコホート3の対象に化合物1懸濁液の単回60.0mg用量を与えた。全てのコホートについて、最後の治療を14日目の朝に投与した。
【0250】
1日目および5日目にコホート4の対象に化合物1懸濁液の単回30mg用量を与えた。1日目に最低10時間の絶食後に用量を投与した。薬物投与の1時間後まで追加の液体摂取は認められなかった。投与の少なくとも4時間後に標準的な食事を与えた。5日目に高脂肪高カロリーの食事の後に用量を投与した。参加者は、第2の用量後のPKサンプリングを完了するために合計8日間臨床現場に残った。
【0251】
PKおよび他の分析(以下を参照)のために指定される時点において各治療期間の間に血液および尿を得た。各治療期間の間に標準的な安全性評価を測定した。
【0252】
薬物動態(PK)評価
【0253】
各コホートの健常患者のPKパラメーター(例えば、Cmax、Tmax、T1/2、AUCなど)を比較して、MDDの治療のための化合物1懸濁液の好適性を評価した。提供されるスケジュールにしたがって各コホートから収集された血漿試料からデータを得た。
【0254】
検証されたアッセイ方法を使用して血漿試料を分析して化合物1濃度を決定した。非コンパートメント分析を使用して薬物動態変量(Cmax、TmaxおよびAUC(0~last)が挙げられるがこれらに限定されない)を算出した。Phoenix(商標)WinNonlin(登録商標)v8.0(Pharsight Corporation、USA)を用いて非コンパートメント分析を使用して血漿濃度データから化合物1についてのPKパラメーターを導出した。
【0255】
プロトコール:
【0256】
血液(コホート1~3):各コホートについて、1、2、3、4、5、6および14日目の以下の時点に血液試料を収集した:1日目の投与前(0時間)、投与の0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、12、16h後;2日目の投与前(24h)、3日目の投与前(48h)、4日目の投与前(72h)、5日目の投与前(96h)、6日目の投与前(120h);14日目の投与前、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、12、16、24、36、48、および72時間。2、3、4、5、6および14日目に朝の用量投与の前にトラフレベル血液試料を収集した。
【0257】
化合物1の血漿濃度に基づいて以下のPKパラメーターを算出した:1日目(Cmax)および15日目の定常状態(Cmax,SS)における最大観察濃度、Cmax(Tmax)およびCmax,SS(Tmax,SS)の時間、1および15日目における投与間隔を通じた濃度時間曲線下面積(AUCtauおよびAUCSS)、15日目に測定される定常状態における合計クリアランス(CLSS)、ならびに15日目に測定される定常状態における分布の体積(VSS)。
【0258】
尿(コホート1~3):尿を以下の収集ウィンドウにおいて収集/プールした:-1日目(6時間)ならびに14日目:(0~6時間)、(6~12時間)、(12~24時間)、および(24~48時間)。検証されたアッセイ方法を使用して尿試料を分析して化合物1濃度を決定した。個々の決定を可能とするために体積が十分でない場合に、患者にわたる尿のプールが許容され得る。
【0259】
化合物1の尿濃度に基づいて以下のPKパラメーターを算出した:尿および腎臓クリアランス中に排出された化合物1の絶対および累積量(CLR)。
【0260】
血液(コホート4):1日目および5日目の両方の以下の時点においてPRAX-114の投与と比べて連続血液試料を収集した:投与前(0時間)、投与後0.25、0.50、0.75、1.00、1.50、2.00、2.50、3.00、4.00、6.00、8.00、12.00、16.00、24.00、36.00、48.00および72.00時間(±2分)。尿(コホート4):コホート4において尿分析は実行しなかった。
【0261】
薬力学的評価
【0262】
覚醒脳波(EEG)に対する第1の用量および定常状態の化合物1濃度の薬力学的(PD)効果を研究した。標準的な16チャネル連続EEGを以下の時点に得た:-1日目、1日目(投与の1h後)、および14日目(投与の1h後)。
【0263】
安全性評価/モニタリング
【0264】
研究の持続期間の全体を通じて有害事象(AE)をモニターした。
【0265】
起こり得る有害事象をモニターするために、バイタルサイン、血液学および臨床化学的実験室パラメーター、ECG読取り、神経学的検査所見、ならびにEEGパラメーターおよび異常な所見を各来院時に記録した。
【0266】
統計解析
【0267】
血漿および尿PKパラメーターならびに濃度データについて記述統計を算出し、研究の日および時点により要約した。算術平均、変動係数(CV)、標準偏差、メジアン、最小および最大値、ならびに観察の数を全てのPKパラメーターおよびトラフ濃度データについて算出した。Tmaxを除いて、幾何平均、幾何標準偏差、および幾何CVを全てのPKパラメーターおよび濃度データについて提供した。
【0268】
コホート1~3の結果:
【0269】
以下の薬物動態パラメーターを各コホートについて決定した:最大血漿濃度(観察されたCmax、1日目のみ);最大血漿濃度に達するまでの時間(観察されたTmax、1日目のみ);および投与後0~24hの血漿濃度時間曲線下面積(AUC0~tau)。
【0270】
以下の定常状態薬物動態(14日目)パラメーターを決定した:t1/2:0.693/λzとして算出される、片対数薬物濃度時間曲線の終末相勾配(λz)と関連付けられる排出半減期;Cmax,ss:(観察される)最大血漿濃度;Tmax,ss:(観察される)最大血漿濃度に達するまでの時間;AUCss:投与後0~24hの血漿濃度時間曲線下面積;AUCinf:0から無限時間までの血漿濃度時間曲線下面積;Cavg:投与間隔にかけての平均濃度;CLss/F:定常状態クリアランス;およびVz/F:終末相の分布の体積。
【0271】
表1は、1日目の観察されたPKパラメーターの要約を示す。
【0272】
表1:(コホート1~3についての1日目のデータから算出された)化合物1についてのパラメーターの要約
【0273】
表2は、コホート1~3について14日目に観察されたPKパラメーターの要約を示す。
【0274】
結論:化合物1は、定常状態におけるCmaxおよびAUCパラメーターのおおよそ比例的な増加と共に急速な吸収を受けた。定常状態データが利用可能な場合、平均t1/2は12.23~14.77hで変動し、定常状態クリアランスは約31L/hに決定された。
【0275】
急速な吸収は、投与の最初の2h以内に起こるTmaxと共に観察された(表1~2)。コホート1およびコホート2について約1.25の投与間隔の累積係数(AUC
14日目/AUC
1日目の比)(表1および表2)。コホート3について、累積係数は0.89であった(表1および表2)。初期用量後の最初の24時間についての平均血漿濃度(ng/mL)を
図1に示す。最終用量後の24時間についての平均血漿濃度(ng/mL)を
図2に示す。
【0276】
コホート1、コホート2およびコホート3についての平均t1/2はそれぞれ14.77±2.26h、12.70±1.23hおよび12.23±1.32hであった。定常状態クリアランスは14日目に3つのコホートについて約31L/hであり、平均Vz/Fはコホート1、2および3についてそれぞれ655、570および574Lであった。Cavg、AUCssおよびAUCinfにおける比例的増加がコホート1および3の間で観察された(表1および表2)。
【0277】
コホート1~3において、深刻有害事象および臨床的に関連するバイタルサイン、ECG、または実験室的異常はなかった。追加的に、数人の対象は、30mgおよび60mgの用量において気分の上昇を経験した。
【0278】
コホート4の結果:
【0279】
表3は、1(絶食)および5(摂食)日目に観察されたPKパラメーターの要約を示す。
Tmaxについて、メジアン(最小、最大)値を示す。
【0280】
結論:
【0281】
絶食条件後に高濃度を示した対象はまた、摂食条件後に(治療群内の他の者と比べて)より高い濃度を示す傾向があった。同様に、絶食条件後に低い化合物1濃度を有した対象は、摂食条件後に低い化合物1濃度を有する傾向があった。t1/2は、絶食条件および摂食条件の両方について類似していた(表3)。
【0282】
単回30mg用量として投与された場合の化合物1について食品効果の証拠があった。AUC0~lastおよびAUCinfによる測定でおおよそ15~20%高い全体的な曝露が摂食条件後に観察された。追加的に、Cmaxは、摂食条件と比較して絶食条件下でより短いTmaxの傾向と共に1.5~1.6倍高かった。
【0283】
実施例2:
18~65歳の重症大うつ病性障害(MDD)を有する患者を化合物1の経口懸濁液を用いて治療して、重症MDDの治療における化合物1の安全性、忍容性、薬物動態、および有効性を研究した。
【0284】
研究は、45mgまたは80mgの化合物1の1日用量を与えられた患者は中等度から重症MDDへの症状の低減を呈したことを示した。
【0285】
研究の設計
【0286】
研究は、化合物1の経口懸濁液を用いて患者を治療する2つの投与期間、パートAおよびパートBを含むオープンラベル研究である。パートAは、7日間の入院で、続いて7日間の外来で投与される化合物1の2つの用量レベル(45mg qHSコホート1および80mg qHSコホート、すなわち、就寝時の1日1回の投与)のオープンラベル評価であった。qHS投与では収集され得ない投与後PK試料を収集するためにPRAX-114を1日目の午後4時に投与した。
【0287】
パートBは、外来状況で14日間投与される化合物1の単一のレベル(60mg qHS)の評価である。
【0288】
臨床試験の各パートは参加者の独立したセットを登録する。パートAからの参加者はパートBの登録に適格ではない。各参加者は3つの期間:スクリーニング、治療期間(連日のPOでの14日の投与)、および安全性フォローアップを完了する。
【0289】
スクリーニング期間:パートAおよびBの両方のスクリーニング期間は、最大14日の持続期間(-14日目~-1日目)である。任意の臨床試験手順の前に、参加者は、臨床試験に参加するための書面によるインフォームドコンセントを提供する。スクリーニング評価は、病歴、人口統計、バイタルサイン、身体検査(身長および体重を含む)、薬物スクリーニング、臨床試験室検査、心電図(ECG)、ミニ国際神経精神医学面接(Mini International Neuropsychiatric Interview;MINI)、抗うつ薬治療歴アンケート(Antidepressant Treatment History Questionnaire;ATRQ)、HAM-D、ならびにC-SSRS評価を含む。
【0290】
治療期間:パートAおよびBの両方の治療期間は14日の持続期間である。
【0291】
パートAにおいて、参加者に化合物1の1日用量(45mgコホートおよび80mgコホート)を1日目の午後4時におよび全ての他の研究日にqHSで入院で7日間、続いて外来で7日間投与した(その後のコホートに最大で120mg qHSを与えた)。参加者は1日目に診療所にチェックインした。この期間の間に以下の評価を行った:有害事象評価、バイタルサイン、身体検査、安全性評価のための血液および尿試料、ECG、C-SSRS評価、PKのための血液試料、ならびに有効性評価(HAM-D、MADRS、HAM-A、CGI[CGI-SおよびCGI-I]、PSQI、およびSDQ)。ベースライン評価は1日目に研究薬物の投与の前に行った。8日目に退院の前に、参加者に7日の投与を完了するための十分な化合物1を支給した。
【0292】
パートBにおいて、参加者に1日用量の化合物1(60mg qPMコホート)を14日間外来患者として投与した(その後のコホートに最大で120mg qPMを与えた)。この期間の間に以下の評価を行った:有害事象評価、バイタルサイン、身体検査、安全性評価のための血液および尿試料、ECG、C-SSRS評価、PKのための血液試料、ならびに有効性評価(HAM-D、MADRS、HAM-A、CGI[CGI-SおよびCGI-I]、PSQI、およびSDQ)。ベースライン評価は1日目に研究薬物の投与の前に行い、その来院時の他に8日目の来院時に参加者に7日の投与を完了するための十分な化合物1を支給した。
【0293】
安全性フォローアップ期間
【0294】
パートAおよびBの両方において、参加者は、15日目、21日目(±1d)、および28日目(±1d)に安全性フォローアップ来院のために診療所に戻る。これらの来院の間に以下の評価を行う:有害事象評価、バイタルサイン、身体検査、薬物スクリーニング(15日目のみ)、臨床試験室検査、ECG、C-SSRS評価、ならびに有効性評価(HAM-D、MADRS、HAM-A、CGI[CGI-SおよびCGI-I]、SDQ、およびPSQI)。
【0295】
患者集団:
【0296】
この試験は、臨床試験の安全性または科学的妥当性を危うくする紛れ込んだ医学的または精神医学的障害を有しない重症MDDを有する参加者を登録する。適格性は、スポンサーまたは被指名人により確認される。
【0297】
参加者の数:臨床試験は、両方のパート(パートAおよびB)にわたり24人から合計60人までの参加者を含むように計画される。パートAにおいて、13人の参加者は45mgコホートにおいて治療され、7人の参加者は80mgコホートにおいて治療された。パートBにおいて、10~12人の参加者が60mgコホートにおいて治療されるように計画される。
【0298】
包含基準:参加者は、この臨床試験への参加に適格であるためにスクリーニング時に以下の基準を満たさなければならない:
・18歳~65歳(包含的)の男性および女性。
・18~30kg/m2(包含的)のボディマス指数と共に少なくとも50kgの体重。
・スクリーニング時のHAM-Dスコア≧22と共に、少なくとも4週の期間にわたり存在した重症MDDの臨床診断を有する。
・特にうつ病のための、全ての慢性の医薬または介入は、スクリーニング前に少なくとも4週間安定でなければならず、臨床試験の全体を通じて安定なままでなければならない。
・臨床試験の持続期間の全体を通じたおよびその後3か月間の医学的に許容される避妊方法の使用。
・臨床試験の目的および臨床試験のために要求される手順を理解していること、ならびに試験に参加して全ての該当する評価を完了し、プロトコールを遵守する意思があることを指し示すインフォームドコンセント文書に署名する意思があること。
【0299】
除外基準:(他に指し示されなければ)スクリーニング時に以下の基準のいずれかを満たす参加者はこの臨床試験から除外される:
・研究者の判断で、参加者の安全性を危うくし、または化合物1の吸収、分布、代謝もしくは排出に干渉する可能性がある任意の医学的または外科的状態が継続中であるか、またはその歴史がある。
・化合物1の製剤の任意の成分に対する既知の過敏症。
・以下の薬剤のいずれかを摂取している:ブプロピオン、ブスピロン、ミダゾラム、アルプラゾラム、ネファゾドン、トラゾドン(Trazadone)、カルバマゼピン、クロナゼパム、クアゼパム、チアガビン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、ブレクスピプラゾール、およびトリアゾラム。
・化合物1の最初の投与前30日または化合物1の5半減期のうちのいずれか長い期間以内の、任意の実験または治験薬物またはデバイスの使用。
・研究者の意見で、重症MDDおよび中等~重症の不安以外の臨床的に有意な不安定な医学的または精神医学的状態。
・研究者の意見で、試験の安全な実行を危うくする臨床的に有意な試験室的異常。
・心臓医の審査による、スクリーニング時の12リードECGにおける臨床的に有意な異常。
・現行エピソードにおける治療抵抗性うつ病の歴史;ATRQを用いる決定で有益な効果が一般に予期される十分な時間の量にわたる少なくとも2つの異なる治療クラスからの治療を用いる抗うつ療法の3つの十分な試験に失敗していることとして定義される。
・過去2年中の自殺未遂の歴史。
・双極性障害の歴史。
・過去2年中の精神病性エピソードの歴史、または統合失調症、統合失調感情障害などの精神病性障害の任意の診断。
・過去2年以内のアルコールの乱用の歴史、または男性について4つより多くの標準的なアルコール含有飲料もしくは女性について2つより多くの標準的なアルコール含有飲料の1日当たりの消費。
・臨床試験の1日目の前の24時間の期間中にアルコールを摂取したか、または治療期間の全体を通じてアルコールを飲むことを断つ意思がない。
・過去2年中の物質乱用の歴史または陽性薬物スクリーニング。陽性カナビススクリーニングを繰り返すことができる。
・過去5年中の発作の歴史または過去5年中に発作を治療されている。
・インフォームドコンセントを与える参加者の能力に干渉するか、またはプロトコールの遵守を損なう可能性がある心理社会的または嗜癖障害。
・研究者の意見で、臨床試験への参加により参加者にリスクを与え得る、臨床試験の結果を複雑にし得る、または臨床試験に参加する参加者の能力に影響する任意の他の有意な疾患、障害または異常。
【0300】
投与:
【0301】
パートA:投与が安全性審査委員会(SRC)により中止されるまで、パートAにおける患者を化合物1を用いて連続する14日間治療した。患者に化合物1の1日用量を7日間入院で、続いて7日間外来で投与した。
【0302】
45mgコホートにおいて、患者に45mgの化合物1の1日1回用量を就寝時に7日間入院で、続いて45mgの化合物1の1日1回用量を就寝時に7日間外来で投与した。
【0303】
80mgコホートにおいて、患者に80mgの化合物1の1日1回用量を就寝時に7日間入院で、続いて80mgの化合物1の1日1回用量を就寝時に7日間外来で投与した。
【0304】
パートB:投与が安全性審査委員会(SRC)により中止されるまで、パートBにおける患者を化合物1を用いて連続する14日間治療する。患者に化合物1の1日用量を14日間外来患者として投与した。
【0305】
60mgコホートにおいて、患者に60mgの化合物1の1日1回用量を就寝時に7日間入院で、続いて60mgの化合物1の1日1回用量を就寝時に7日間外来で投与した。
【0306】
PKおよび他の分析(以下を参照)のために指定される時点において各治療期間の間に血液および尿を得た。各治療期間の間に標準的な安全性評価を測定した。
【0307】
製剤
【0308】
その組成を表3に要約する懸濁液として化合物1薬物製造物を製剤化する。化合物1経口懸濁液は、1~20mg/mLの化合物1を含有するように計画される。
【0309】
活性薬物製造物と実質的に同じ組成を有するが化合物1(活性薬学的成分)を有しない、化合物1経口懸濁液にマッチするプラセボを製造する。しかしながら、懸濁された化合物1の外見を模倣するために微結晶セルロースを使用する。プラセボの組成を表4に要約する。
【0310】
薬物動態(PK)評価
【0311】
各コホートのMDD患者についてのPKパラメーター(例えば、Cmax、Tmax、定常状態の存在など)を比較して、MDDの治療のための化合物1懸濁液の好適性を評価する。提供されるスケジュールにしたがって各コホートから収集された血漿試料からデータを得る。
【0312】
検証されたアッセイ方法を使用して血漿試料を分析して化合物1濃度を決定する。非コンパートメント分析を使用して薬物動態変量(Cmax、およびTmaxを含むがこれらに限定されない)を算出する。Phoenix(商標) WinNonlin(登録商標) v8.0(Pharsight Corporation、USA)を用いて非コンパートメント分析を使用して血漿濃度データから化合物1についてのPKパラメーターを導出する。
【0313】
プロトコール:
【0314】
血液:パートA:パートAについて、1、2、3、4、5、6、7、15および28日目に以下の時点において血液試料を収集した:1~7日目の投与の約1時間前;1~7日目の投与の約1時間後、15日目および28日目。パートB:パートBについて、パートAについて記載した日に血液試料を収集する。
【0315】
個々の参加者のトラフ濃度時間経過の目視検査により定常状態の存在を評価する。化合物1の7日目および1日目のトラフ血漿濃度を比較することにより累積比を推定する。
【0316】
薬力学的評価
【0317】
パートAおよびBの間に、以下の臨床スコアを評価して、対象により経験されるうつ病症状を決定する:合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値、モンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度(MADRS)、ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)、臨床全般印象(CGI)および特にCGI重症度(CGI-S)およびCGI発生率(CGI-I)下位尺度、ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)、ならびにうつ病症状アンケート(SDQ)。
【0318】
パートA:パートAにおいて、1、2、3、4、5、6、7、8、15、21および28日目の朝にHAM-D、MADRS、HAM-A、CGI-S、およびCGI-I値を収集した。1、8、15、21および28日目にPSQIおよびSDQ値を収集する。パートB:パートBにおいて、パートAについて記載した日にHAM-D、MADRS、HAM-A、CGI-S、CGI-I、PSQIおよびSDQ値を収集する。
【0319】
HAM-D応答は、合計HAM-Dスコアにおける≧50%のベースラインからの低減として定義した。HAM-Dの寛解は、≦7の合計HAM-Dスコアとして定義した。
【0320】
安全性評価/モニタリング
【0321】
研究の持続期間の全体を通じて有害事象(AE)をモニターする。
【0322】
起こり得る有害事象をモニターするために、バイタルサイン、血液学および臨床化学的実験室パラメーター、ECG読取り、神経学的検査所見、ならびにEEGパラメーターおよび異常な所見を各来院時に記録した。
【0323】
統計解析
【0324】
有効性分析:臨床試験の両方のパートについて、HAM-D合計スコアおよびベースライン値からの変化を治療群および時点により要約する。追加的に、対応のあるt検定または類似した方法を使用してHAM-D合計スコアにおけるベースラインからの変化も分析する。この検定の帰無仮説は、ペアとなる観察(すなわち、治療の前および後)の間のHAM-D合計スコアにおける平均差異は0であるということである。類似した分析方法を全ての二次的および探索的有効性変量のために使用する。
【0325】
PK分析:記述統計を使用して化合物1の血漿濃度を時点により要約する。個々の参加者のトラフ濃度時間経過の目視検査により定常状態の存在を評価する。化合物1の7日目および1日目のトラフ血漿濃度を比較することにより累積比を推定する。
【0326】
検証された生物分析方法を化合物1の血漿濃度の決定のために利用する。血漿試料はまた、追加の探索的生物分析方法の開発および/または代謝物の特徴付けの目的のためにのみ使用されてもよい。
【0327】
記述統計を使用して血漿濃度を要約する。化合物1の濃度が定量下限未満(BLQ)として報告される場合、記述統計の算出の目的のために0の値を割り当てる。生物分析の定量下限未満である場合、個々のおよび平均濃度をBLQとして提示する。
【0328】
PK集団は、化合物1の少なくとも1つの有効な生物分析血漿濃度を有する全ての参加者として定義される。
【0329】
パートAの有効性結果:
【0330】
抗うつ剤治療の第1のコースを受けた患者の他に、抗うつ剤治療の以前のコースに失敗した患者において有効性(HAM-Dスコアにおけるベースラインからの平均変化の低減により決定される)が観察された。有効性は、バックグラウンド抗うつ剤の非存在下(すなわち、単剤療法として投与された化合物1)および抗うつ剤の存在下(すなわち、別の抗うつ剤と組み合わせて投与された化合物1において観察された。
【0331】
45mgコホート:7日目に、13人の患者のうちの11人はHAM-D応答または寛解基準を満たした。7および15日目に、HAM-Dスコアにおけるベースラインからの最小二乗平均変化はそれぞれ-17.8および-13.2であった。15日目に、13人の患者のうちの8人はHAM-D応答または寛解基準を満たした。
【0332】
80mgコホート:7日目に、7人全ての患者はHAM-D応答または寛解基準を満たした。7および15日目に、HAM-Dスコアにおけるベースラインからの最小二乗平均変化はそれぞれ-20.0および-16.0であった。15日目に、7人の患者のうちの6人はHAM-D応答または寛解基準を満たした。
【0333】
45mgコホートと比較して有害事象プロファイルにおける変化なしで用量は良好に忍容された。
【0334】
パートAのPK結果:
【0335】
実施例1において実行したPK研究に基づく統計的モデリングを使用して、45mgおよび80mgコホートにおいて観察されたHAM-Dスコアにおける低減に相関する以下のPKパラメーターを予測した:
【0336】
参照による組込み
本明細書において参照される全ての参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、および特許出願は、参照により全ての目的のために全体が組み込まれる。しかしながら、本明細書において参照される任意の参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、および特許出願の言及は、それらが世界のいずれかの国において有効な先行技術を構成するか、または一般的な技術常識の部分を形成することの承認または何らかの形態の示唆ではなく、またそのように解釈されるべきではない。
【0337】
実施形態
1.それを必要とする患者においてうつ病を治療する方法であって、約5mg~約120mgの1日用量の化合物1:
またはその薬学的に許容される塩を経口的に投与することを含み、前記うつ病が、大うつ病性障害、自殺リスクを伴う大うつ病性障害、臨床的うつ病、産後または分娩後うつ病、治療抵抗性分娩後うつ病、閉経周辺期うつ病、閉経期うつ病、児童青年期うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、精神病性大うつ病(PMD)、緊張性うつ病、季節性感情障害(SAD)、持続性うつ病性障害(気分変調症)、二重うつ病、うつ病性人格障害(DPD)、反復性短期うつ病(RBD)、小うつ病性障害、双極性障害または躁うつ性障害、自殺リスクを伴う双極性うつ病、外傷後ストレス障害、慢性の医学的状態により引き起こされるうつ病、別の医学的状態に起因するうつ病性障害、治療抵抗性うつ病、難治性うつ病、物質/医薬誘導性のうつ病性障害、不安、自殺傾向、自殺念慮、または自殺行動を伴ううつ病からなる群から選択される、方法。
2.前記うつ病が大うつ病性障害(MDD)である、実施形態1に記載の方法。
3.前記MDD患者が、不眠症を有する患者である、実施形態2に記載の方法。
4.大うつ病性障害が重症大うつ病性障害である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
5.前記治療前に、前記患者の合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値が少なくとも22である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
6.前記うつ病が治療抵抗性うつ病である、実施形態1に記載の方法。
7.1日当たり約15mg~約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
8.約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
9.約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日2回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
10.約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
11.約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日2回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
12.約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
12(a).約30mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日2回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
12(b).約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
12(c).約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日2回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
12(d).約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
12(e).約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日2回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
12(f).約120mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
12(g).約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日2回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
13.前記投与が、約2週間、約4週間、約8週間、約10週間、約12週間、約24週間または約50週間為される、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
14.前記投与が、
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を初期1日用量で少なくとも1週間投与すること、および
(b)化合物1またはその薬学的に許容される塩を維持1日用量で少なくとも1週間投与すること
を含み、
前記初期1日用量が前記維持1日用量より多い、
実施形態1~6および13のいずれか1つに記載の方法。
15.定常状態が前記患者において達成されるまで化合物1またはその薬学的に許容される塩の用量を少なくとも1週間滴定することをさらに含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
16.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記投与前と比較してうつ病の実質的な低減を経験する、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
17.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値における少なくとも2ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
18.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、HAM-D値における少なくとも50%の低減により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態17に記載の方法。
19.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、HAM-D重症度分類における少なくとも1つのカテゴリーの変化により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態17に記載の方法。
20.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、HAM-Dの寛解により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態17に記載の方法。
21.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、モンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度(MADRS)値における少なくとも2ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
22.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、MADRS値における少なくとも50%の低減により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態21に記載の方法。
23.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、MADRSの寛解により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態21に記載の方法。
24.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、合計ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)値における少なくとも2ポイントの減少により特徴付けられる不安の低減を経験する、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
25.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、HAM-A値における少なくとも50%の低減により特徴付けられる不安の低減を経験する、実施形態24に記載の方法。
26.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、HAM-A重症度分類における少なくとも1つのカテゴリーの変化により特徴付けられる不安の低減を経験する、実施形態24に記載の方法。
27.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、臨床全般印象(CGI)下位尺度スコアの1つまたは複数における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験し、前記CGI下位尺度が病気重症度下位尺度(CGI-S)または全般改善下位尺度(CGI-I)から選択される、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
28.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、うつ病症状アンケート(SDQ)合計尺度スコアまたはSDQ-1、SDQ-2、SDQ-3、SDQ-4およびSDQ-5の各々の下位尺度のいずれかにおける少なくとも約10%、20%、または30%の改善により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
29.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)全般スコアにおける少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
30.前記患者が、不眠症を有するMDD患者である、実施形態1~29のいずれか1つに記載の方法。
31.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記投与前と比較して不眠症の実質的な低減を経験する、実施形態30に記載の方法。
32.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較して入眠後覚醒時間(WASO)における少なくとも約30%の減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
33.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計睡眠時間(TST)における少なくとも約30%の増加により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
34.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較して睡眠効率(SE)における少なくとも約30%の増加により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
35.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較して持続睡眠潜時(LPS)における少なくとも約30%の減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
36.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較して全般ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)スコアにおける少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
37.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較してエプワース眠気尺度値における少なくとも1ポイントの増加により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
38.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較して不眠症重症度指数尺度値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
39.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計リーズ睡眠評価アンケート値における少なくとも約10%の改善により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
40.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計アテネ不眠症尺度値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
41.少なくとも1週の期間にわたる前記投与の後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計睡眠質指数値における1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態31に記載の方法。
42.化合物1が薬学的に許容される塩である実施形態1~41のいずれか1つに記載の方法。
43.前記薬学的に許容される塩が、臭化水素酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、および酒石酸塩からなる群から選択される、実施形態1~42のいずれか1つに記載の方法。
44.それを必要とする患者への前記投与が、約500~約2500ng・h/mlの前記化合物1の平均定常状態血漿AUC(0~24)時間を提供する、実施形態1~43のいずれか1つに記載の方法。
45.それを必要とする患者への前記投与が、約25ng/mL~約600ng/mlの前記化合物1の平均定常状態血漿Cmaxを提供する、実施形態1~43のいずれか1つに記載の方法。
46.それを必要とする患者への前記投与が、600ng/mlを超えない前記化合物1の平均定常状態血漿Cmaxを提供する、実施形態1~43のいずれか1つに記載の方法。
47.前記組成物が経口投与形態である、実施形態1~46のいずれか1つに記載の組成物。
48.化合物1が持続放出経口投与形態の形態である、実施形態1~47のいずれか1つに記載の方法。
49.1つまたは複数の追加の抗うつ剤を投与することをさらに含む、実施形態1~48のいずれか1つに記載の方法。
50.前記追加の抗うつ剤が、選択的セロトニン再取込み阻害剤、セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤、三環式抗うつ剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、ミルタザピン ブプロピオン、ラモトリギンおよび非定型抗精神病剤からなる群から選択される、実施形態49に記載の方法。
51.前記選択的セロトニン再取込み阻害剤が、フルオキセチン、エスシタロプラム、シタロプラム、セルトラリン、およびパロキセチンからなる群から選択される、実施形態50に記載の方法。
52.前記セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤が、ベンラファキシンおよびデュロキセチンからなる群から選択される、実施形態50に記載の方法。
53.前記セロトニン三環式抗うつ剤が、アミトリプチリン、イミプラミン、およびノルトリプチリンからなる群から選択される、実施形態50に記載の方法。
54.前記モノアミンオキシダーゼ阻害剤が、フェネルジンおよびトラニルシプロミンからなる群から選択される、実施形態50に記載の方法。
55.前記非定型抗精神病剤が、ルラシドン、アリピプラゾール、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドン、クロザピン、イロペリドン、パリペリドン、アセナピンおよびオランザピン/フルオキセチンからなる群から選択される、実施形態50に記載の方法。
56.それを必要とする患者において気分または感情障害を治療する方法であって、約5mg~約120mgの1日用量の化合物1:
またはその薬学的に許容される塩を経口的に投与することを含み、前記気分または感情障害が、閉経周辺期、閉経期、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、急性ストレス障害、外傷後ストレス障害、限局性恐怖症、および選択的無言症からなる群から選択される、方法。
57.前記気分または感情障害が急性ストレス障害である、実施形態56に記載の方法。
58.前記気分または感情障害が外傷後ストレス障害である、実施形態56に記載の方法。
59.約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
60.約20mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日2回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
61.約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
62.約25mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日2回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
63.約35mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
64.約40mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
65.約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
66.約50mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
67.約55mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
68.約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
69.約65mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
70.約70mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
71.約75mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
72.約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
73.約85mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
74.約90mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
75.約95mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
76.約100mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
76(a)約15mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態1~6および14~58のいずれか1つに記載の方法。
77.物質嗜癖障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
78.前記物質嗜癖障害がオピオイド使用障害である、請求項77に記載の方法。
79.前記物質嗜癖障害がコカイン使用障害である、請求項77に記載の方法。
80.前記物質嗜癖障害がアルコール使用障害である、請求項77に記載の方法。
81.前記物質嗜癖障害がベンゾジアゼピン使用障害である、請求項77に記載の方法。
82.前記投与後に、前記患者が、前記投与前と比較して物質嗜癖障害における実質的な低減を経験する、請求項78~81のいずれか1項に記載の方法。
83.前記投与後に、前記患者が、化合物1投与の期間の間のオピオイド使用からの離脱により特徴付けられるオピオイド使用障害の低減を経験する、請求項78に記載の方法。
84.前記投与後に、前記患者が、化合物1投与の期間の間のプラセボ治療群と比較した化合物1治療群におけるオピオイドなしの週のパーセンテージにおける統計的に有意な減少により特徴付けられるオピオイド使用障害の低減を経験する、請求項78および83のいずれか1項に記載の方法。
85.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して渇望評価における実質的な改善により特徴付けられるオピオイド使用障害の低減を経験する、請求項78および83~84のいずれか1項に記載の方法。
86.前記投与後に、前記患者が、プラセボ治療群と比較して保留評価における統計的に有意な変化により特徴付けられるオピオイド使用障害の低減を経験する、請求項78および83~85のいずれか1項に記載の方法。
87.前記投与後に、前記患者が、プラセボと比べた化合物1治療群における保留の日数の平均変化における有意な統計的差異により特徴付けられるオピオイド使用障害の低減を経験する、請求項78および83~86のいずれか1項に記載の方法。
88.前記化合物1が、メタドン;ブプレノルフィン;ブプレノルフィンおよびナロキソン;ナルトレキソン、ベンゾジアゼピン、ロフェキシジン、医学的に監督された中止(解毒)、居住リハビリテーション治療、相互扶助グループもしくは外来物質使用障害サービス(例えば、嗜癖用のカウンセリングもしくは医薬)、またはこれらの組合せに対する補助として投与される、請求項78~87のいずれか1項に記載の方法。
89.それを必要とする患者において大うつ病性障害(MDD)を治療する方法であって、約30mg~約120mgの1日用量の化合物1:
またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に経口的に投与してMDDを治療することを含む、方法。
90.前記治療前に、前記患者の合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値が少なくとも22である、実施形態1に記載の方法。
91.約45mg~約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される、実施形態89~90のいずれか1つに記載の方法。
92.約45mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される、実施形態89~90のいずれか1つに記載の方法。
93.約60mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される、実施形態90に記載の方法。
94.約80mgの化合物1またはその薬学的に許容される塩が投与される、実施形態89~90のいずれか1つに記載の方法。
95.化合物1またはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態89~94のいずれか1つに記載の方法。
96.化合物1またはその薬学的に許容される塩が就寝時に投与される、実施形態89~95のいずれか1つに記載の方法。
97.化合物1またはその薬学的に許容される塩が食事に関係なく投与される、実施形態89~96のいずれか1つに記載の方法。
98.化合物1またはその薬学的に許容される塩を約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約2か月間、約3か月間、約4か月間、約5か月間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約12か月間、約18か月間、約24か月間、約30か月間または約36か月間投与することを含む、実施形態89~97のいずれか1つに記載の方法。
99.化合物1またはその薬学的に許容される塩の連続投与を含む、実施形態89~98のいずれか1つに記載の方法。
100.(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約1週間投与すること、および
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も少なくとも3週間投与しないこと
を含む、実施形態99に記載の方法。
101.(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約3週間投与すること、および
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も少なくとも3週間投与しないこと
を含む、実施形態99に記載の方法。
102.(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約4週間投与すること、および
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も少なくとも3週間投与しないこと
を含む、実施形態99に記載の方法。
103.化合物1またはその薬学的に許容される塩の間欠投与を含む、実施形態89~98のいずれか1つに記載の方法。
104.間欠投与が、
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を第1の投与期間にわたり投与すること、
(b)前記第1の投与期間(a)の後に、化合物1もその薬学的に許容される塩も中止期間にわたり投与しないこと、
(c)前記中止期間(b)の後に、化合物1またはその薬学的に許容される塩を第2の投与期間にわたり投与すること
を含む、実施形態103に記載の方法。
105.前記間欠投与が、
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約1週間投与すること、
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も約1週間投与しないこと、および
(c)前記中止期間(b)の後に化合物1またはその薬学的に許容される塩を約1週間投与すること
を含む、実施形態103に記載の方法。
106.前記間欠投与が、
(a)化合物1またはその薬学的に許容される塩を約2週間投与すること、
(b)前記投与期間(a)の後に化合物1もその薬学的に許容される塩も約2週間投与しないこと、および
(c)前記中止期間(b)の後に化合物1またはその薬学的に許容される塩を約2週間投与すること
を含む、実施形態103に記載の方法。
107.化合物1またはその薬学的に許容される塩を1つまたは複数の追加の中止期間にわたり投与することをさらに含む、実施形態103~106のいずれか1つに記載の方法。
108.化合物1またはその薬学的に許容される塩を1つまたは複数の追加の投与期間にわたり投与することをさらに含む、実施形態103~107のいずれか1つに記載の方法。
109.前記第1の投与期間が、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である、実施形態103~104および107~108のいずれか1つに記載の方法。
110.前記中止期間が、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である、実施形態103~104および107~109のいずれか1つに記載の方法。
111.前記第2の投与期間が、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である、実施形態103~104および107~110のいずれか1つに記載の方法。
112.前記第1の投与期間が約1週であり、前記中止期間が約3週であり、かつ前記第2の投与期間が約1週である、実施形態103~104および107~111のいずれか1つに記載の方法。
113.前記第1の投与期間が約2週であり、前記第1の中止期間が約2週であり、前記第2の投与期間が約1週であり、前記第2の中止期間が約1週であり、かつ前記第3の投与期間が約1週である、実施形態103~104および107~111のいずれか1つに記載の方法。
114.間欠投与期間が、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、約18か月、約24か月、約30か月または約36か月である、実施形態103~104および107~111のいずれか1つに記載の方法。
115.維持用量が前記患者において達成されるまで化合物1またはその薬学的に許容される塩の用量を少なくとも1週間滴定することをさらに含む、実施形態89~114のいずれか1つに記載の方法。
116.化合物1またはその薬学的に許容される塩の初期用量が約15mg~約45mgである、実施形態115に記載の方法。
117.化合物1またはその薬学的に許容される塩の前記維持用量が約45mg~約80mgである、実施形態115~116のいずれか1つに記載の方法。
118.初期用量が1週間投与され、かつ前記維持用量が少なくとも1週間投与される、実施形態115~117のいずれか1つに記載の方法。
119.(a)負荷用量の化合物1またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする患者に投与すること、および
(b)維持用量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与すること
を含む、実施形態89~98のいずれかに記載の方法。
120.前記負荷用量が、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間または約14日間投与される、実施形態119に記載の方法。
121.化合物1またはその薬学的に許容される塩の前記負荷用量が、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgである、実施形態119~120のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
122.前記維持用量が、約1か月間、約2か月間、約3か月間、約4か月間、約5か月間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約12か月間、約18か月間、約24か月間、約30か月間、または約36か月間投与される、実施形態115および119~121のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
123.化合物1またはその薬学的に許容される塩の前記維持用量が、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、または約120mgである、実施形態115および119~122のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
124.前記負荷用量の投与後かつ前記維持用量の投与前に中止期間をさらに含む、実施形態119~123のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
125.前記中止期間が、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、または約7日である、実施形態124に記載の方法。
126.前記中止期間が、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週である、実施形態124に記載の方法。
127.前記投与が約600ng・h/mL~約900ng・hの平均定常状態AUC
0~24を提供する、実施形態89~126のいずれか1つに記載の方法。
128.前記投与が約25ng/mL~約600ng/mLの平均定常状態Cmaxを提供する、実施形態89~127のいずれか1つに記載の方法。
129.前記投与が約125ng/mL~約250ng/mLの平均定常状態Cmaxを提供する、実施形態89~128のいずれか1つに記載の方法。
130.前記投与後に、前記患者が、前記投与前と比較してうつ病の実質的な低減を経験する、実施形態89~129のいずれか1つに記載の方法。
131.前記投与後に、前記患者が、合計ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)値における少なくとも10ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態89~130のいずれか1つに記載の方法。
132.前記投与後に、前記患者が、HAM-D値における少なくとも50%の低減により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態131に記載の方法。
133.前記投与後に、前記患者が、HAM-D重症度分類における少なくとも1つのカテゴリーの変化により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態131に記載の方法。
134.前記投与後に、前記患者が、HAM-Dの寛解により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態131に記載の方法。
135.前記投与後に、前記患者が、モンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度(MADRS)値における少なくとも2ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態89~134のいずれか1つに記載の方法。
136.前記投与後に、前記患者が、MADRS値における少なくとも50%の低減により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態89~135のいずれか1つに記載の方法。
137.前記投与後に、前記患者が、MADRSの寛解により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態89~136のいずれか1つに記載の方法。
138.前記投与後に、前記患者が、臨床全般印象(CGI)下位尺度スコアの1つまたは複数における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験し、前記CGI下位尺度が病気重症度下位尺度(CGI-S)または全般改善下位尺度(CGI-I)から選択される、実施形態89~137のいずれか1つに記載の方法。
139.前記投与後に、前記患者が、うつ病症状アンケート(SDQ)合計尺度スコアまたはSDQ-1、SDQ-90、SDQ-3、SDQ-4およびSDQ-5の各々の下位尺度のいずれかにおける少なくとも約10%、20%、または30%の改善により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態89~138のいずれか1つに記載の方法。
140.前記投与後に、前記患者が、ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)全般スコアにおける少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられるうつ病の低減を経験する、実施形態89~139のいずれか1つに記載の方法。
141.前記患者が、不眠症を有するMDD患者である、実施形態89~140のいずれか1つに記載の方法。
142.前記投与後に、前記患者が、前記投与前と比較して不眠症の実質的な低減を経験する、実施形態141に記載の方法。
143.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して入眠後覚醒時間(WASO)における少なくとも約30%の減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
144.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計睡眠時間(TST)における少なくとも約30%の増加により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
145.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して睡眠効率(SE)における少なくとも約30%の増加により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
146.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して持続睡眠潜時(LPS)における少なくとも約30%の減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
147.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して全般ピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)スコアにおける少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
148.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較してエプワース眠気尺度値における少なくとも1ポイントの増加により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
149.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して不眠症重症度指数尺度値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
150.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計リーズ睡眠評価アンケート値における少なくとも約10%の改善により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
151.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計アテネ不眠症尺度値における少なくとも1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
152.前記投与後に、前記患者が、前記治療前と比較して合計睡眠質指数値における1ポイントの減少により特徴付けられる不眠症の低減を経験する、実施形態142に記載の方法。
153.化合物1が薬学的に許容される塩である、実施形態89~152のいずれか1つに記載の方法。
154.前記薬学的に許容される塩がクエン酸塩である、実施形態153に記載の方法。
【国際調査報告】