(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】シャント、オクルーダ、開窓用メディカルデバイスならびに関連システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20220204BHJP
A61F 2/04 20130101ALI20220204BHJP
【FI】
A61B17/00 500
A61F2/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533634
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(85)【翻訳文提出日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 US2019065610
(87)【国際公開番号】W WO2020123586
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】トム アール.マクダニエル
(72)【発明者】
【氏名】エドワード イー.ショー
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA26
4C097BB01
4C097BB08
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC03
4C097CC18
4C097DD10
4C097EE06
4C160DD55
4C160DD65
4C160MM33
(57)【要約】
第一のフレーム部分、前記第一のフレーム部分内に配置された第二のフレーム部分、及び前記第一のフレーム部分を前記第二のフレーム部分に接続する複数の発散要素を備えるインプラント可能なメディカルデバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つのローブを有する第一のフレーム部分、
前記第一のフレーム部分内に配置された第二のフレーム部分、及び、
前記第一のフレーム部分と前記第二のフレーム部分との間に配置された複数の発散要素であって、前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分から発散して、展開構成で少なくとも6つの発散点を有する中央フレームを形成する複数の発散要素、
を含む、インプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項2】
前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレームは互いに隣接している、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスが展開構成にあるときに、開口部は六角形形状である、請求項1~2のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項4】
前記第一のフレーム部分は隔壁の第一の側に配置され、前記第二のフレーム部分は隔壁の第二の側に配置され、そして前記複数の発散要素はそれを通る流体流路を形成する、請求項1~3のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項5】
前記第一のフレーム部分及び第二のフレーム部分は、前記隔壁の解剖学的構造に適合するのに十分に可撓性である、請求項4記載のデバイス。
【請求項6】
前記第二のフレーム部分は少なくとも3つのローブを含む、請求項1~5のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項7】
前記第一のフレーム部分は第一の幾何形状を有し、前記第二のフレーム部分は前記第一の幾何形状と異なる第二の幾何形状を有する、請求項1~6のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項8】
前記第一のフレーム部分は6つのローブを含む、請求項1~7のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項9】
前記第二のフレーム部分の各ローブは、前記デバイスのデリバリーを支援するように構成されたアイレットを含む、請求項1~8のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスの少なくとも一部の上に配置された被覆材料をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項11】
前記第一のフレーム部分は被覆材料を含み、前記第二のフレーム部分は被覆材料を含まない、請求項10記載のデバイス。
【請求項12】
前記被覆材料は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項11記載のデバイス。
【請求項13】
前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分は、前記デバイスが単一のワイヤから形成されるように一体である、請求項1~12のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項14】
導管部分又はフレーム構成要素とともに配置され、生理学的特性、血行動態、バイオマーカー、音、圧力及び電解質のうちの少なくとも1つを感知するように構成されたセンサをさらに含む、請求項1~13のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスの耐血栓性及び開存性を促進するためのヘパリンのコーティング及び組織/細胞応答を調節するためのパクリタキセルのコーティングのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1~14のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項16】
心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスであって、前記デバイスはデリバリー構成及び展開構成を有し、前記デバイスは、
第一のフレーム部分、
前記第一のフレーム部分内に配置された第二のフレーム部分、及び、
前記第一のフレーム部分を前記第二のフレーム部分に接続する複数の発散要素、
を含み、
前記複数の発散要素は互いに交差して、開口部を有する中央部分を形成し、前記デバイスが展開構成にあるときに、前記開口部は実質的に六角形形状である、デバイス。
【請求項17】
前記複数の発散要素のそれぞれは互いにオーバーラップして発散点を形成し、前記発散点は前記デバイスが展開構成にあるときに外向きに拡張して、六角形形状を形成する、請求項16記載のデバイス。
【請求項18】
前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分は、前記デバイスが展開構成にあるときに互いに同一平面上にあり、そして前記デバイスがデリバリー構成にあるときに互いに非同一平面上にある、請求項16記載のデバイス。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項記載のインプラント可能なメディカルデバイスを作製する方法であって、ニチノールシート又は巻回されたワイヤから二次元パターンを切り出すことを含む、方法。
【請求項20】
心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するための方法であって、
インプラント可能なメディカルデバイスを、前記デバイスがデリバリー構成である間に、患者の体内の所望の治療位置にデリバリーすること、
前記デバイスの第一のフレーム部分を隔壁の第一の側に配置すること、
前記デバイスの第二のフレーム部分を隔壁の第二の側に配置すること、及び、
前記デバイスの中央部分が実質的に六角形形状の開口部を形成するように、前記デバイスをデリバリー構成から展開構成に解放すること、
を含む、方法。
【請求項21】
前記中央部分を拡張又は減縮して、それを通る流体流の速度を調整することをさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
少なくとも2つのローブを有する第一のフレーム部分、
少なくとも2つのローブを有する第二のフレーム部分、及び、
前記第一のフレーム部分と前記第二のフレーム部分との間に配置された複数の発散要素、
を含み、
前記複数の発散要素は、前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分から発散して、展開構成でほぼ円形形状になるように構成された中央フレームを形成する、インプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項23】
前記中央フレームは、展開構成でほぼ円形形状になるように構成された多角形構造を含む、請求項22記載のメディカルデバイス。
【請求項24】
前記第一のフレーム部分の2つのローブは第一の組織表面に適合するように構成され、そして前記第二のフレーム部分の2つのローブは第二の組織表面に適合するように構成されている、請求項22記載のメディカルデバイス。
【請求項25】
前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分は、隔壁の解剖学的構造に適合するために十分に可撓性である、請求項22記載のメディカルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月11日に出願された仮出願第62/777,931号の利益を主張する、2019年12月10日に出願された米国特許出願第16/709,129号の優先権を主張し、これらの両方をあらゆる目的のために全体として参照により本明細書に取り込む。
【0002】
分野
本開示は、一般に、インプラント可能なメディカルデバイス、より具体的には、体液又は構造を分流及び/又は閉塞するためのインプラント可能なメディカルデバイスならびにそれらの関連システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
心不全及び心臓の疾患は、世界中の何百万もの人々に影響を及ぼしている。心不全としては、心臓の左側、心臓の右側又はその両方の障害が挙げられる。心不全につながる可能性のある心臓の疾患としては、高血圧、肺動脈性高血圧及び心臓の先天性欠損症が挙げられる。心不全の絶えず進化する性質は、治療法にとって重要な課題を表す。したがって、心不全を治療するための新しく適応可能な方法及びデバイスが必要である。
【発明の概要】
【0004】
要旨
1つの例(「例1」)において、インプラント可能なメディカルデバイスは、少なくとも3つのローブを有する第一のフレーム部分、前記第一のフレーム部分内に配置された第二のフレーム部分、前記第一のフレーム部分と前記第二のフレーム部分との間に配置された複数の発散要素であって、前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分から発散して、展開構成で少なくとも6つの発散点を有する中央フレームを形成するための複数の発散要素を含む。
【0005】
別の例(「例2」)において、例1のデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレームは互いに隣接している。
【0006】
別の例(「例3」)において、例1~2のいずれか1つのデバイスに加えて、前記デバイスが展開構成にあるときに、開口部は六角形の形状である。
【0007】
別の例(「例4」)において、例1~3のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分は隔壁の第一の側に配置され、前記第二のフレーム部分は隔壁の第二の側に配置され、そして前記複数の発散要素はそれを通る流体流路を形成する。
【0008】
別の例(「例5」)において、例4のデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分及び第二のフレーム部分は、隔壁の解剖学的構造に適合するのに十分に可撓性である。
【0009】
別の例(「例6」)において、例1~5のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第二のフレーム部分は少なくとも3つのローブを含む。
【0010】
別の例(「例7」)において、例1~6のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分は第一の幾何形状を有し、前記第二のフレーム部分は前記第一の幾何形状と異なる第二の幾何形状を有する。
【0011】
別の例(「例8」)において、例1~7のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分は6つのローブを含む。
【0012】
別の例(「例9」)において、例1~8のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第二のフレーム部分の各ローブは、前記デバイスのデリバリーを支援するように構成されたアイレットを含む。
【0013】
別の例(「例10」)において、例1~9のいずれか1つのデバイスに加えて、前記デバイスはまた、前記デバイスの少なくとも一部の上に配置された被覆材料を含む。
【0014】
別の例(「例11」)において、例10のデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分は被覆材料を含み、前記第二のフレーム部分は被覆材料を含まない。
【0015】
別の例(「例12」)において、例11のデバイスに加えて、前記被覆材料は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む。
【0016】
別の例(「例13」)において、例1~12のいずれか1つのデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分は、前記デバイスが単一のワイヤで形成されるように一体である。
【0017】
別の例(「例14」)において、例1~13のいずれか1つのデバイスに加えて、前記デバイスはまた、導管部分又はフレーム構成要素とともに配置され、生理学的特性、血行動態、バイオマーカー、音、圧力及び電解質のうちの少なくとも1つを感知するように構成されたセンサを含む。
【0018】
別の例(「例15」)において、例1~14のいずれか1つのデバイスに加えて、前記デバイスはまた、デバイスの耐血栓性及び開存性を促進するためのヘパリンのコーティング及び組織/細胞応答を調節するためのパクリタキセルのコーティングのうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
1つの例(「例16」)において、心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するためのインプラント可能なメディカルデバイスであって、デリバリー構成及び展開構成を有する前記デバイスは、第一のフレーム部分、前記第一のフレーム部分内に配置された第二のフレーム部分、及び、前記第一のフレーム部分を前記第二のフレーム部分に接続する複数の発散要素を含み、前記複数の発散要素は開口部を有する中央部分を形成し、前記デバイスが展開構成にあるときに、前記開口部は実質的に六角形形状である。
【0020】
別の例(「例17」)において、例16のデバイスに加えて、前記複数の発散要素のそれぞれは互いにオーバーラップして発散点を形成し、前記発散点は前記デバイスが展開構成にあるときに外向きに拡張して、六角形形状を形成する。
【0021】
別の例(「例18」)において、例16のデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分は、前記デバイスが展開構成にあるときに互いに同一平面上にあり、そして前記デバイスがデリバリー構成にあるときに互いに非同一平面上にある。
【0022】
1つの例(「例19」)において、例1~18のいずれか1つのインプラント可能なメディカルデバイスを作製する方法は、ニチノールシートから二次元パターンを切り出すことを含む。
【0023】
1つの例(「例20」)において、心臓の左心房と右心房との間の血圧を調節するための方法は、インプラント可能なメディカルデバイスを、前記デバイスがデリバリー構成である間に、患者の体内の所望の治療位置にデリバリーすること、前記デバイスの第一のフレーム部分を隔壁の第一の側に配置すること、前記デバイスの第二のフレーム部分を隔壁の第二の側に配置すること、及び、前記デバイスの中央部分が実質的に六角形形状の開口部を形成するように、前記デバイスをデリバリー構成から展開構成に解放することを含む。
【0024】
別の例(「例21」)において、例20の方法に加えて、前記方法はまた、中央部分を拡張して、それを通る流体流の速度を調整することを含む。
【0025】
1つの例(「例22」)において、インプラント可能なメディカルデバイスは、少なくとも2つのローブを有する第一のフレーム部分、少なくとも2つのローブを有する第二のフレーム部分、及び、前記第一のフレーム部分と前記第二のフレーム部分との間に配置された複数の発散要素を含み、前記複数の発散要素は、前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分から発散して、展開構成でほぼ円形形状になるように構成された中央フレームを形成する。
【0026】
別の例(「例23」)において、例22のメディカルデバイスに加えて、前記中央フレームは、展開構成でほぼ円形形状になるように構成された多角形構造を含む。
【0027】
別の例(「例24」)において、例22のメディカルデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分の2つのローブは第一の組織表面に適合するように構成され、そして前記第二のフレーム部分の2つのローブは第二の組織表面に適合するように構成されている。
【0028】
別の例(「例25」)において、例22のメディカルデバイスに加えて、前記第一のフレーム部分及び前記第二のフレーム部分は、隔壁の解剖学的構造に適合するために十分に可撓性である。
【0029】
上述の例はまさに実施例であり、本開示によって提供されるいずれかの本発明の概念の範囲を限定又は他の方法で狭めるように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な実施例を示して記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に取り込まれ、その一部を構成し、実施形態を例示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0031】
【
図1】
図1は、1つの実施形態による、血圧を調節するための例示的なインプラント可能なメディカルデバイスである。
【0032】
【
図2】
図2は、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスの斜視図である。
【0033】
【
図3】
図3は、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスの第一の側の上面図である。
【0034】
【
図4】
図4は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイスの上面図である。
【0035】
【
図5】
図5は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイスの上面図である。
【0036】
【
図6】
図6は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイスの第一の側の上面図である。
【0037】
【
図7】
図7は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイスの斜視図である。
【0038】
【
図8A】
図8Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスの第一の側の画像である。
【0039】
【
図8B】
図8Bは、1つの実施形態による、
図7Aのインプラント可能なメディカルデバイスの第二の側の画像である。
【0040】
【
図9A】
図9Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0041】
【
図9B】
図9Bは、1つの実施形態による、膜を備えた
図9Aのインプラント可能なメディカルデバイスの第一の側の画像である。
【0042】
【
図9C】
図9Cは、1つの実施形態による、
図9A~Bのインプラント可能なメディカルデバイスの第二の側の画像である。
【0043】
【
図10A】
図10Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0044】
【
図10B】
図10Bは、1つの実施形態による、開放中央部分を有する、
図10Aのインプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0045】
【
図11】
図11は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0046】
【
図12】
図12は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0047】
【
図13】
図13は、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス及び展開装置の画像である。
【0048】
【
図14A】
図14Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス及び展開装置の画像である。
【0049】
【
図14B】
図14Bは、1つの実施形態による、
図14Aに示されるデリバリー装置から第一の側が展開されたインプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0050】
【
図15A】
図15Aは、1つの実施形態による、
図5に示されるインプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0051】
【
図15B】
図15Bは、1つの実施形態による、被覆材料を含む、
図15Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0052】
【
図15C】
図15Cは、1つの実施形態による、膜を備えた、
図15Aに示される、インプラント可能なメディカルデバイスの第一の側の画像である。
【0053】
【
図15D】
図15Dは、1つの実施形態による、
図15B~Cに示される、インプラント可能なメディカルデバイスの第二の側の画像である。
【0054】
【
図16A】
図16Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0055】
【
図16B】
図16Bは、1つの実施形態による、
図16Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの第二の構成の画像である。
【0056】
【
図16C】
図16Cは、1つの実施形態による、展開構成の
図16Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0057】
【
図17A】
図17Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0058】
【
図17B】
図17Bは、1つの実施形態による、展開構成の
図17Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの画像である。
【0059】
【
図18】
図18は、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスの図である。
【0060】
【
図19】
図19は、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的な方法で読まれることを意図するものではない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の文脈で広く読まれるべきである。
【0062】
不正確さの用語に関して、「約(about)」及び「ほぼ(approximately)」という用語は、交換可能に使用され、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近いあらゆる測定値を含む測定値を指すことができる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるような、合理的に小さい量だけ記載された測定値から逸脱している。このような逸脱は、例えば、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人為的誤差、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われる小さな調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断される場合には、「約」及び「ほぼ」という用語は、記載された値の±10%を意味するものと理解されうる。
【0063】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0064】
本開示の様々な態様は、体液又は構造を分流及び/又は閉塞するためのデバイスなどのインプラント可能なメディカルデバイスを対象とする。特定の例において、本開示の様々な態様は、圧力解放シャントを作成することによって心腔内の高血圧を低減することによって心不全を治療するための方法及びデバイスに関する。さらに、幾つかの実施形態は、圧力解放シャントの治療効果を高めるために、シャントを通る血流をカスタマイズ、調整又は操作するための方法及びデバイスに関する。幾つかの例において、本明細書に開示されるデバイスは、心臓の周りの剪断力を低減することによって、患者の体内の開存性を保持する。
【0065】
図1は、1つの実施形態による、患者の体内にインプラントされた血圧を調節するための例示的なインプラント可能なメディカルデバイスである。デバイス100は、患者の心臓H内にインプラントされていることが示されている。デバイス100は、患者の左心房LAと右心房RAとの間に配置されて示されている。特定の例において、デバイス100を使用して、心臓H内、例えば、左心房LAと右心房RAとの間の血流を調節することができる。示されるように、デバイス100は、一般に、隔壁の第一の側(例えば、左心房LA内)に配置された第一のフレーム部分110、隔壁の第二の側(例えば、右心房RA内)に配置された第二のフレーム部分120、及び、隔壁を通って延在している中央部分130を含む。隔壁に開口部を作成するために針を使用することができる。
【0066】
シース140及び拘束線及び/又は解放線(図示せず)を使用して、デバイス100の展開を促進することができる。例えば、第一のフレーム部分110を含むデバイス100の第一の側は、シース190が中隔(隔壁)を通ってLAに進められた後に解放され、そして第二のフレーム部分120を含むデバイス100の第二の側は、中隔(隔壁)のRA側で二番目に解放されうる。中央部分130(例えば、
図2に示される)は、開口部内に配置される。第一のフレーム部分110及び第二のフレーム部分120及び中央部分130は、デバイス100を患者内の所望の治療領域にデリバリーする間に、第一のフレーム部分110及び第二のフレーム部分120が互いに非同一平面上にあるように、シース190内で圧縮されてデリバリー構成とすることができる。第一のフレーム部分110及び第二のフレーム部分120は、次いで、第一のフレーム部分110及び第二のフレーム部分120が互いに同一平面上にあるように、デバイス100の展開の際に展開構成に拡張されうる。
【0067】
図2は、1つの実施形態による、展開構成のインプラント可能なメディカルデバイス200の斜視図である。本明細書に記載されるように、デバイスは、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220を含む。第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220は、所望の治療位置での患者の解剖学的構造に適合するのに十分に可撓性である。例えば、
図1に示すように、第一のフレーム部分210は、患者の隔壁の第一の側(例えば、左心房内)に適合することができ、第二のフレーム部分220は、患者の隔壁の第二の側(例えば、右心房内)に適合することができる。幾つかの例において、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220は、それぞれ、第一の複数のローブ212及び第二の複数のローブ222を含む。幾つかの例において、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220は、所望に応じて、同じ数のローブ又は異なる数のローブを含むことができる。例えば、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220は、両方とも、所望に応じて、2つのローブ、3つのローブ又は4つ以上のローブを含むことができる。例えば、
図6及び
図9A~C示されるように、フレーム部分はそれぞれ2つのローブを含む。別の例において、第一のフレーム部分210は2つのローブを含み、一方、第二のフレーム部分220は3つ以上のローブを含むなどである。第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220は、所望に応じて任意の数のローブを有することができる。一般に、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220のローブの数は、他の要因の中でもとりわけ、患者の解剖学的構造及び患者の体内の所望の治療位置に依存しうる。
【0068】
第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220は、様々な幾何形状(例えば、形状、サイズ、ローブ構成など)を有することができる。例えば、幾つかの例において、第一のフレーム部分210の第一の複数のローブ212は、第一の幾何形状を有することができ、一方、第二のフレーム部分220の第二の複数のローブ222は、第一の幾何形状とは異なる第二の幾何形状を有することができる。例えば、第一の複数のローブ212は、偏菱形形状であることができ、一方、第二の複数のローブ222は、丸みを帯びているか又は花びら様であることができる。別の例において、第一の複数のローブ212は、第二の複数のローブ222よりも大きくてもよく、また逆であってもよい。他の例において、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220は、同じ又は実質的に同様の幾何形状を有することができる。例えば、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220は実質的に対称であることができる。
【0069】
図2に示されるように、発散要素240は、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220の間に配置される。特定の例において、発散要素240ならびに第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220はフレームの隣接部分である。幾つかの例において、発散要素240は、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220と一体である。発散要素240は、一般に、患者の隔壁をまたがり、デバイス200の中央部分230及び展開構成でそれを通る流体流路を形成するように構成された長尺部材である。例えば、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220ならびに発散要素240は単一のワイヤから形成されうる。言い換えると、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220は互いに隣接している。
【0070】
幾つかの例において、発散要素240は、中央部分230内の特定の位置で互いに交差して発散点242を形成する。例えば、特定の例において、発散要素240は、少なくとも6つの発散点242を形成し、これは、デバイス200又は組織を通る開口部250を画定するのを支援する。以下に詳述するように、デバイス200は被覆材料270を含むことができる。デバイス200が被覆材料270を有しない例において、フレーム200は、組織内に開口部250を作成しそして保持することができる。フレーム200が被覆材料270を含む例において、開口部250は、開口部250又は流体経路を形成する被覆材料270を備えたデバイス200の一部であると考えることができる。発散点242はまた、デバイス200が展開構成にあるときに、中央部分230に支持及び剛性を提供する。発散点242は、一般に、例えば、6つの発散点242が存在するときに、六角形形状である開口部250を画定する(例えば、各発散点242は六角形の角を形成する)。しかしながら、開口部250(例えば、組織又はデバイス200の開口部)の形状は、中央部分230内の発散点242の数に依存する。例えば、4つの発散点242を有するデバイス200は実質的に矩形形状である開口部250を有することができ、又は、8つの発散点242を有するデバイス200は、八角形形状である開口部250を有することができる。
【0071】
幾つかの例において、デバイス200は単一のワイヤから形成することができる。例えば、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220ならびに発散要素240は、単一のワイヤ(例えば、ニチノール又はステンレス鋼ワイヤ)を所望の形状又はパターンで巻き付けることによって形成することができる。幾つかの例において、デバイス200は、可撓性で生体適合性の材料の単一のシートから形成することができる。例えば、二次元パターンは、ニチノール、ステンレス鋼又は非金属材料の平らなシートから切り取ることができる。幾つかの例において、非金属材料を使用する場合に、デバイス200は、吸収性又は生分解性であることができる。
【0072】
幾つかの例において、デバイス200はまた、被覆材料270を含む。被覆材料270は、例えば、組織の内部成長を促進することができる膜材料であることができる。幾つかの例において、膜はまた、第一のフレーム部分210及び/又は第二のフレーム部分220の侵食を低減するように構成されうる。例えば、被覆材料270は、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)又は任意の他の適切な生体適合性材料(例えば、ポリマー又は合成材料又は織物材料)であることができる。
【0073】
幾つかの例において、被覆材料270は、第一のフレーム部分210の少なくとも一部及び/又は第二のフレーム部分220の少なくとも一部を覆う。幾つかの例において、第一のフレーム部分210及び第二のフレーム部分220の両方は被覆材料270によって完全に被覆される。これらの例において、被覆材料270は、中央部分230をまたがることができる。幾つかの例において、第一のフレーム部分210は第一の膜材料を含むことができ、第二のフレーム部分220は、第一の膜材料とは異なる第二の膜材料を含むことができる。これらの例において、第一の膜材料及び第二の膜材料は中央部分230で一緒に結合されうる。
【0074】
幾つかの例において、被覆材料270は、例えば、特定の患者における脳卒中のリスクを低減するために、ろ過及び/又はデバイス200を通る流体流を促進するために穿孔されうる。しかしながら、より少ない流体流が望まれる他の例において、被覆材料270は、それを通る流体流を低減又は防止することができる。
【0075】
特定の例において、被覆材料270のある部分は、組織の内部成長を阻害するように構成されうる(例えば、デバイス200を通る開口部250内で)。さらに、第一の複数のローブ212及び/又は第二の複数のローブ222上に配置される被覆材料270のある部分は、組織の内部成長を促進してデバイス200の組織内への固定を強化するように構成されうる。さらに、第一の複数のローブ212及び/又は第二の複数のローブ222は、それぞれ、第一の組織表面及び第二の組織表面に適合することができ、その結果、組織侵食が減少し、第一の複数のローブ212及び/又は第二の複数のローブ222は、組織のトポグラフィを変化させる力とともに反応して移動する。
【0076】
特定の例において、そして示されるように、デバイス200を通る開口部250は、形状がほぼ円である周囲を含む。発散要素240は、開口部250の境界又は外周がほぼ円形の形状であるように、中央部分230内の特定の位置で互いに交差する。発散要素240は、ほぼ円である多角形構造、周囲又は境界を形成することができる。例えば、発散要素240は、展開構成においてほぼ円である多角形構造、周囲又は境界を形成する8、10、12、14、16、18、20、22、24の又はさらなる辺を含むことができる。形状がほぼ円である周囲又は境界をほぼ有する開口部250は、フープ強度を維持し、展開構成における開口部250の崩壊を低減しながら、デバイスのデリバリー構成への折り畳みを容易にすることができる。展開構成において、第一のフレーム部分210は、組織構造の一方の側で展開されることができ、第二のフレーム部分220は、組織構造の別の側で展開されることができる(例えば、
図9B~Cに示されるとおり)。
【0077】
図3は、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス300の第一の側の上面図である。示されるように、第一のフレーム部分310は、3つのローブ(例えば、第一のローブ312a、第二のローブ312b及び第三のローブ312c)を含む。ローブのそれぞれが互いに分離されるように、ローブは、示されるように、互いに等距離で間隔を開けて配置されうる。例えば、第一、第二及び第三のローブ312a、312b、312cのそれぞれは、デバイス300が展開構成にあるときに、患者の解剖学的構造に適合するように互いに独立して動くことができる。
【0078】
図3には示されていないが、第二のフレーム部分320は、第一のフレーム部分310と同じ又は異なる数のローブを有することができる。例えば、幾つかの例において、第一のフレーム部分310及び第二のフレーム部分320はそれぞれ3つのローブを有する。他の例において、第一のフレーム部分310は3つのローブを含むことができ、一方、第二のフレーム部分320は、2つ、4つ、5つ又はそれ以上のローブを含む。幾つかの例において、第一のフレーム部分310は、第二のフレーム部分320のローブよりも大きい、小さい及び/又は異なる形状のローブを有することができる。
【0079】
図4は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイス400の第一の側の上面図である。示されるように、第一のフレーム部分410は、3つのローブ(例えば、第一のローブ412a、第二のローブ412b及び第三のローブ412c)及び内側フレーム部分414を含む。ローブ412a、412b及び412cのそれぞれは、ローブが内側フレーム部分414の周りに等間隔で配置されるように、内側フレーム部分414に取り付けられることができる。幾つかの例において、ローブは、内側フレーム部分414に及び/又は取り付け点416a、416b及び416cで隣接ローブに取り付けられることができる。例えば、幾つかの例において、第一のローブ412aは、取り付け点416aで第二のローブ412bに取り付けられ、第二のローブ412bは、取り付け点416bで第三のローブ412cに取り付けられ、第三のローブ412cは、取り付け点416cで第一のローブ412aに取り付けられる。
図4は、3つのローブ及び3つの取り付け点を参照して記載されているが、第一のフレーム部分410は、所望に応じて、任意の数のローブ及びそれぞれの取り付け点を有することができる。第一のフレーム部分410及び第二のフレーム部分420は、連続する又は隣接するフレームの発散要素によって形成される。第一のフレーム部分410及び第二のフレーム部分420は、カットチューブ、巻回ワイヤ又は他の同様の構造から形成されうる。
【0080】
図4には示されていないが、第二のフレーム部分420は、第一のフレーム部分410と同じ又は異なる数のローブを有することができる。例えば、幾つかの例において、第一のフレーム部分410及び第二のフレーム部分420はそれぞれ3つのローブを有する。他の例において、第一のフレーム部分410は、2つ、3つのローブを含むことができ、一方、第二のフレーム部分420は、2つ、4つ、5つ又はそれ以上のローブを含む。幾つかの例において、第一のフレーム部分410は、第二のフレーム部分420のローブよりも大きい、小さい及び/又は異なる形状のローブを有することができる。
【0081】
特定の例において、デバイス400のある部分は、
図2を参照して上記で詳細に記載されたような被覆材料を含むことができる。
図2を参照して論じたように、被覆材料は、組織の内部成長(例えば、デバイス400を通る内側フレーム部分414内で)を阻害するように構成されうる。さらに、第一のフレーム部分410及び/又は第二のフレーム部分420は、それぞれ、第一の組織表面及び第二の組織表面に適合することができ、その結果、組織侵食は減少し、第一のフレーム部分410及び/又は第二のフレーム部分は、組織のトポグラフィを変化させる力とともに反応しそして移動する。
【0082】
特定の例において、そして示されるように、デバイス400を通る内側フレーム部分414は、形状がほぼ円である周囲を含む。内側フレーム部分414は、ほぼ円である多角形の構造、周囲又は境界を形成することができる。例えば、内側フレーム部分414は、展開構成において、ほぼ円である多角形の周囲又は境界を形成する8、10、12、14、16、18、20、22、24の又はさらなる辺を含むことができる。形状がほぼ円である周囲又は境界をほぼ有する内側フレーム部分414は、フープ強度を維持し、展開構成における内側フレーム部分414の崩壊を低減しながら、デバイスのデリバリー構成への折り畳みを容易にすることができる。展開構成において、ローブ412a、412b、412cのうちの1つ以上は、組織構造の片側で展開されることができ、ローブ412a、412b、412cの他のものは、組織構造の別の側で展開されることができる(例えば、
図9B~Cに示されるとおり)。内側フレーム部分414は、流体が流れることができる管腔を提供することができ、また、組織を開放保持することもできる。
【0083】
図5は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイス500の第一の側の上面図である。示されるように、第一のフレーム部分510は、3つのローブ(例えば、第一のローブ512a、第二のローブ512b及び第3のローブ512c)及び内側フレーム部分514を含む。ローブ512a、512b及び512cのそれぞれは、ローブが内側フレーム部分514の周りに等間隔で間隔を開けて配置されるように、内側フレーム部分514に取り付けられることができる。幾つかの例において、ローブは、内側フレーム部分514に及び/又は取り付け点516a、516b及び516cで隣接するローブに取り付けられることができる。例えば、幾つかの例において、第一のローブ512aは、取り付け点516aで第二のローブ512bに取り付けられ、第二のローブ512bは、取り付け点516bで第三のローブ512cに取り付けられ、第三のローブ512cは、取り付け点516cで第一のローブ512aに取り付けられる。
図5は、3つのローブ及び3つの取り付け点に関して記載されているが、デバイス500の第一のフレーム部分510は、所望に応じて、任意の数のローブ及びそれぞれの取り付け点を有することができる。
【0084】
内側フレーム部分514は、所望に応じて、任意の形状にすることができる。例えば、幾つかの例において、内側フレーム部分514は、実質的に円形(例えば、
図4に示されるように)又は実質的に三角形(
図5)である。幾つかの例において、内側フレーム部分514は、内側ローブ514a、514b及び514cを画定することができ、これは、第一のローブ、第二のローブ及び第三のローブ512a、512b、512cに延在して、内側フレーム部分514の形状を画定することができる。
【0085】
図5には示されていないが、第二のフレーム部分520は、第一のフレーム部分510と同じ又は異なる数のローブを有することができる。例えば、幾つかの例において、第一のフレーム部分510及び第二のフレーム部分520はそれぞれ3つのローブを有する。他の例において、第一のフレーム部分510は3つのローブを含むことができ、一方、第二のフレーム部分520は、2つ、4つ、5つ又はそれ以上のローブを含む。幾つかの例において、第一のフレーム部分510は、第二のフレーム部分520のローブよりも大きい、小さい及び/又は異なる形状のローブを有することができる。
【0086】
特定の例において、デバイス500は、補強材518a、518b、518cを含むことができる。補強材518a、518b、518cは、内側ローブ514a、514b及び514cの内側に配置される(そして、本明細書で論じられるデバイスのローブのいずれかに含まれることができる)。補強材518a、518b、518cは、内側ローブ514a、514b及び514cに菱形セルを形成し、前記ローブは、カテーテル内のデバイス500の装填及び展開の間に折り畳みそして開放する。補強材518a、518b、518cは、展開中の半径方向の強度を高め、展開され意図された形状でのデバイス500の配置を容易にすることができる。
【0087】
特定の例において、そして示されるように、デバイス500を通る開口部550は、形状がほぼ円である周囲を含む。開口部550の境界又は外周は、形状がほぼ円形である。第一のフレーム部分510及び/又は第二のフレーム部分520は、展開されると、ほぼ円である開口部550のための多角形の構造、周囲又は境界を形成することができる。例えば、開口部550は、展開構成においてほぼ円である多角形の構造、周囲又は境界を形成する8、10、12、14、16、18、20、22、24の又はさらなる辺を含むことができる。形状がほぼ円である周囲又は境界をほぼ有する開口部550は、フープ強度を維持し、展開構成における開口部550の崩壊を低減しながら、デバイスのデリバリー構成への折り畳みを容易にすることができる。展開構成において、第一のフレーム部分510は、組織構造の片側で展開されることができ、第二のフレーム部分520は、組織構造の別の側で展開されることができる(例えば、
図9B~Cに示されるとおり)。第一のフレーム部分510及び第二のフレーム部分520は、連続又は隣接するフレームの発散要素によって形成される。第一のフレーム部分510及び第二のフレーム部分520は、カットチューブ、巻回ワイヤ又は他の同様の構造から形成されうる。
【0088】
図6は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイス600の第一の側の上面図である。示されるように、第一のフレーム部分610は、2つのローブ(例えば、第一のローブ612a及び第二のローブ612b)を含む。第一のローブ612aの第一の内部フレーム部分614a及び第二のローブ614bの第二の内部フレーム部分614bは開口部650を画定する。開口部650は、所望に応じて任意の形状であることができる。しかしながら、開口部650の形状は、一般に、第一のローブ612a及び第二のローブ612bの形状に依存する。例えば、幾つかの例において、開口部650は、実質的に卵形、矩形又は楕円形形状であることができ、一方、他の例において、開口部650は、より円形の形状であることができる。第一のフレーム部分610及び第二のフレーム部分620は、連続又は隣接するフレームの発散要素によって形成されうる。第一のフレーム部分610及び第二のフレーム部分620は、カットチューブ、巻回ワイヤ又は他の同様の構造から形成されうる。
【0089】
第一のローブ612a及び第二のローブ612bは互いに一体であることができる。例えば、第一のローブ612a及び第二のローブ612bは、ローブが単一のワイヤから形成されるように一体であることができる。幾つかの例において、第一のローブ612a及び第二のローブ612bは、互いに別々に形成されることができる。例えば、第一のローブ612aは、第一のワイヤで形成されることができ、第二のローブ612bは、第二のワイヤで形成されることができ、それらのローブは、
図6に示されるように、第一の取り付け点616a及び第二の取り付け点616bで取り付けられることができる。
【0090】
図6には示されていないが、第二のフレーム部分620は、第一のフレーム部分610と同じ又は異なる数のローブを有することができる。例えば、幾つかの例において、第一のフレーム部分610及び第二のフレーム部分620はそれぞれ3つのローブを有する。他の例において、第一のフレーム部分610は3つのローブを含むことができ、一方、第二のフレーム部分620は、2つ、4つ、5つ又はそれ以上のローブを含む。幾つかの例において、第一のフレーム部分610は、第二のフレーム部分620のローブよりも大きい、小さい及び/又は異なる形状のローブを有することができる。
【0091】
特定の例において、第一のフレーム部分610及び/又は第二のフレーム部分620のある部分は、被覆材料を含むことができる。被覆材料は、組織の内部成長を阻害するように構成されうる(例えば、デバイス600を通る開口部650内で)。さらに、第一のフレーム部分610及び/又は第二のフレーム部分620上に配置された被覆材料のある部分は、組織の内部成長を促進して、組織内のデバイス600の固定を強化するように構成されうる。さらに、第一のフレーム部分610及び第二のフレーム部分620のローブは、それぞれ、第一の組織表面及び第二の組織表面に適合することができ、その結果、組織侵食は低減され、ローブは組織のトポグラフィを変化させる力とともに反応し、動く。展開構成において、第一のフレーム部分610は、組織構造の片側で展開されることができ、第二のフレーム部分620は、組織構造のもう一方の側で展開されることができる(例えば、
図9B~Cに示されるとおり)。
【0092】
図7は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイス700の斜視図である。デバイス700は、所望の治療位置へのデリバリーのためのデバイス700の圧縮を容易にするために、第一のフレーム部分710及び第二のフレーム部分720がそれら自体に折り畳まれたデリバリー構成で示されている。示されるように、デバイス700の各側は2つのローブを含む。例えば、第一のフレーム部分710は、第一のローブ712a及び第二のローブ712bを含み、第二のフレーム部分720は、第一のローブ722a及び第二のローブ722bを含む。第一のフレーム部分710及び第二のフレーム部分720は、発散点742a及び742bで互いに接続されて、開口部750を画定する中央部分730を形成する。
【0093】
デバイス700の1つ以上のフレーム部分は、デバイスのデリバリーを容易にするのを助けるためにアイレット790を含むことができる。例えば、第一のフレーム部分710及び/又は第二のフレーム部分720の各ローブは1つ以上のアイレット790を含むことができる。デバイス700のデリバリー中に、デリバリーラインを、例えば、アイレット790に通し、張力をかけて、第一のフレーム部分710及び第二のフレーム部分720を折り畳み及び/又は圧縮してデリバリー構成にすることができる。アイレット790は、テザー、ワイヤ又は他の同様の構造と相互作用することによって、デリバリーカテーテルへの装填を可能にする。デバイス700は、アイレット790によってカテーテル内に引き込まれ、例えば、示される形状に折りたたまれることができる。特定の例において、デバイス700は、アイレット790の代わりに、ポスト、ボール又はカプセル化フレーム要素を含むことができる。
【0094】
デバイス700が所望の治療位置に配置されると、第一のフレーム部分710及び第二のフレーム部分720を展開して(例えば、デバイス700に加えられた張力を解放することができる)、ローブを患者の隔壁に向かって解放することができる(例えば、第一のフレーム部分710の第一のローブ712a及び第二のローブ712bは、隔壁の第一の側に対して解放し、第二のフレーム部分720の第一のローブ722a及び第二のローブ722bは、隔壁の第二の側に対して解放する)。
【0095】
図8Aは、1つの実施形態による、所望の治療位置で展開されたインプラント可能なメディカルデバイス800の第一の側の画像である。
図8Bは、1つの実施形態による、所望の治療位置で展開された
図8Aのインプラント可能なメディカルデバイス800の第二の側の画像である。
図8Aに示されるように、第一のフレーム部分810は、第一のローブ812a及び第二のローブ812bを含む。第二のフレーム部分820(
図8B)はまた、第一のローブ822a及び第二のローブ822bを含む。幾つかの例において、第一のフレーム部分810の第一のローブ812a及び第二のフレーム部分820の第一のローブ822aは、互いに隣接している。例えば、第一のローブ812a、822aは、隔壁にまたがり、デバイス800の中央部分830の少なくとも一部を形成する単一の一体ワイヤから形成されている。第一のフレーム部分810の第二のローブ812b及び第二のフレーム部分820の第二のローブ822bもまた、互いに隣接している。例えば、第二のローブ812a、822aは、隔壁にまたがり、デバイス800の中央部分830の少なくとも一部を形成する単一の一体ワイヤから形成されている。示されるように、第二のフレーム部分820は、第一のフレーム部分810と異なる形状及びサイズを有することができる。例えば、特定の例において、第二のフレーム部分820のローブ822a、822bは、第一のフレーム部分810のローブ812a、812bと異なる形状及び/又はサイズを有することができる。
【0096】
第一のローブ812a、822a及び第二のローブ812b、822bのそれぞれは、発散点842a、842bで互いに接続されて、開口部850を画定する中央部分830を形成する。示されるように、開口部850は、一般に、卵形又は楕円形形状である。しかしながら、開口部850は、第一のフレーム部分810及び第二のフレーム部分820の形状及び/又は配向、ならびに中央部分830内の発散点842の数に応じて、所望のとおりに、任意の形状にすることができる。
【0097】
図9Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス900の画像である。示されるように、デバイス900は、平坦な2次元構成で形成されている。第一のフレーム部分910は、2つのローブ(例えば、第一のローブ912a及び第二のローブ912b)を含む。第二のフレーム部分920は、第一のフレーム部分910と同じ平面内にある。示されるように、第二のフレーム部分920もまた、2つのローブ(例えば、第一のローブ922a及び第二のローブ922b)を含む。幾つかの例において、第一のフレーム部分910の第一のローブ912a及び第二のフレーム部分920の第一のローブ922aは、互いに隣接している。例えば、第一のローブ912a、922aは、単一の一体ワイヤから形成されている。第一のフレーム部分910の第二のローブ912b及び第二のフレーム部分920の第二のローブ922bもまた、互いに隣接している。例えば、第二のローブ912a、922aは、単一の一体ワイヤから形成されている。示されるように、第二のフレーム部分920は、第一のフレーム部分910と異なる形状及び/又はサイズを有することができる。例えば、第一のフレーム部分のローブ912a、912bは、より小さい第二のフレーム部分920のローブ922a、922bよりも大きく、より長尺の形状であることができる。デバイス900の片側(例えば、左側)のより大きなローブ912a、912bは、心臓の左側の圧力がより大きくなることができるので、移動又は脱落を防ぐことができる。左側のより大きなローブ912a、912bは、心臓の左側のより高い圧力を吸収しうる。第一のフレーム部分910及び第二のフレーム部分920は、連続又は隣接するフレームの発散要素によって形成されうる。第一のフレーム部分910及び第二のフレーム部分920は、カットチューブ、巻回ワイヤ又は他の同様の構造から形成されうる。
【0098】
図9Bは、1つの実施形態による、被覆材料970を含む
図9Aのインプラント可能なメディカルデバイス900の第一の側の画像である。幾つかの例において、第一のフレーム部分910は、各ローブ(例えば、第一のローブ912a及び第二のローブ912b)の上に配置された被覆材料970を含む。被覆材料970は、例えば、組織の内部成長を促進して第一のフレーム部分910の少なくとも一部を被覆するように構成された膜であることができる。第二のフレーム部分920は、被覆材料970を含んでも又は含まなくてもよい。
【0099】
図9Cは、1つの実施形態による、展開構成における
図9Aのインプラント可能なメディカルデバイス900の第二の側の画像である。
図9Aに示されるように、第一のフレーム部分910は、第一のローブ912a及び第二のローブ912bを含む。第二のフレーム部分920(
図9B)もまた、第一のローブ922a及び第二のローブ922bを含む。第一のローブ912a、922a及び第二のローブ912b、922bのそれぞれは、発散点942a、942b、942c、942dで互いに接続されて、開口部950を画定する中央部分930を形成する。示されるように、開口部950は、一般に卵形又は楕円形形状である。しかしながら、開口部950は、第一のフレーム部分910及び第二のフレーム部分920の形状及び/又は配向、ならびに中央部分930における発散点942の数に応じて、所望のとおりの任意の形状にすることができる。
【0100】
特定の例において、被覆材料970のある部分は、組織の内部成長を阻害するように構成されうる(例えば、デバイス200を通る開口部950内で)。さらに、第一のフレーム部分910及び/又は第二のフレーム部分920上に配置された被覆材料970のある部分は、組織の内部成長を促進して、組織内のデバイス900の固定を強化するように構成されうる。さらに、第一のフレーム部分910及び/又は第二のフレーム部分920の各ローブは、それぞれ第一の組織表面及び第二の組織表面に適合することができ、その結果、組織侵食は低減され、第一のフレーム部分910及び/又は第二のフレーム部分920のローブは、組織のトポグラフィを変化させる力とともに反応して動く。
【0101】
特定の例において、そして示されるように、デバイス900を通る開口部950は、形状がほぼ円である周囲を含む。開口部950の境界又は外周は、形状がほぼ円形である。第一のフレーム部分910及び/又は第二のフレーム部分920は、展開されると、ほぼ円形である開口部950のための多角形の構造、周囲又は境界を形成することができる。例えば、開口部950は、展開構成においてほぼ円形である多角形の構造、周囲又は境界を形成する8、10、12、14、16、18、20、22、24の又はさらなる辺を含むことができる。形状がほぼ円である周囲又は境界をほぼ有する開口部950は、フープ強度を維持し、展開構成における開口部950の崩壊を低減しながら、デバイスのデリバリー構成への折り畳みを容易にしうる。
【0102】
図10Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス1000の画像である。示されるように、幾つかの例において、第一のフレーム部分1010及び第二のフレーム部分1020の両方は被覆材料1070を含むことができる。特定の例において、被覆材料1070は、第一のフレーム部分1010及び/又は第二のフレーム部分1020の少なくとも一部の上に配置されることができ、中央部分1030にまたがることができる。第一のフレーム部分1010及び第二のフレーム部分1020は、被覆材料1070で覆われると、それぞれ第一のペタル及び第二のペタルを形成することができる。
図10Aに示されるように、第一のフレーム部分1010及び第二のフレーム部分1020は、ペタルを形成するために被覆材料1070で覆われるときに、平坦化又は長手方向に短縮するように構成されうる。例えば、デバイスの中央部分1030(
図10B)は、第一のフレーム部分1010及び第二のフレーム部分1020が互いに実質的に同一平面になるように(例えば、第一のフレーム部分1010及び第二のフレーム部分1020間の最小限の分離で)、長手方向に短縮及び圧縮するように構成されうる。
【0103】
図10Bに示されるように、第一のフレーム部分1010及び第二のフレーム部分1020は、被覆材料1070で覆われると、中央部分1030から外向きに拡張して、カップ状の構造を形成することができる。特定の例において、そして
図10Bに示されるように、中央部分1030は、デバイス1000が患者の隔壁にまたがることができるように、拡張しそして長手方向に伸長するように構成することができる。
【0104】
図11は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイス1100の画像である。示されるように、第一のフレーム部分1110は、オーバーラップ構成で配置された第一の複数のローブ1112を含む。例えば、第一の複数のローブ1112の各ローブは、隣接するローブと少なくとも部分的にオーバーラップする。第二のフレーム部分1120もまた、オーバーラップ構成で配置された第二の複数のローブ1122を含む(例えば、第二の複数のローブ1122の各ローブは、隣接するローブと少なくとも部分的にオーバーラップする)。
【0105】
図12は、1つの実施形態による、別のインプラント可能なメディカルデバイス1200の画像である。示されるように、デバイス1200は、第一の複数のローブ1212を含む第一のフレーム部分1210を含む。第一のフレーム部分1210は、発散要素1240によって第二のフレーム部分1220に接続されて、中央部分1230を形成する。第二のフレーム部分1220は、第二のフレーム部分1220から第一のフレーム部分1210とは反対の方向に延在している導管部分1280を含む。幾つかの例において、導管部分1280は、患者の体内の血管の側枝に配置されうる。幾つかの例において、導管部分1280は、それを通る流体流を促進するように構成された管腔を形成することができる。幾つかの例において、導管部分1280はまた、管腔を通る流体流を制御するように構成された弁を含むことができる。
【0106】
図13は、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス1300を患者の体にデリバリーするためのシステムの画像である。示されるように、システムは、デリバリーデバイス1350及び展開機構1360を含むことができる。幾つかの例において、展開機構は、デバイス1300をデリバリー構成に折りたたむように構成された展開ラインを含む。
【0107】
特定の例において、デバイス1300は、デリバリーデバイス1350がデバイス1300の開口部1350を通って延在するように、デリバリーデバイス1350に装填されることができる。次に、展開ラインは、第一のフレーム部分1310及び第二のフレーム部分1320のうちの少なくとも1つのローブの部分に通すことができる。幾つかの例において、展開ラインを、ローブに形成されたアイレットに通されることができる。第一のフレーム部分及び第二のフレーム部分は、デリバリーデバイス1350の前進によって折り畳まれ、低プロファイルのデリバリー構成に崩潰される。
【0108】
デバイス1300は、デリバリー構成にある間に、所望の治療位置にデリバリーされうる。次に、第一のフレーム部分1310は、隔壁の第一の側に配置され、第二のフレーム部分は、隔壁の第二の側に配置される。第二のフレーム部分の解放1320は、デリバリーカテーテルの前進及び後退によって制御される。
【0109】
幾つかの例において、展開されると、デバイス1300の中央部分1330は、所望に応じて、半径方向に拡張又は圧縮されて、開口部を通る流体流の速度を調整することができる。
【0110】
図14Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス1400及び展開装置1450の画像である。
図14Bは、1つの実施形態による、
図14Aに示される展開装置1450から第一の側が展開されたインプラント可能なメディカルデバイス1400の画像である。示されるように、デバイス1400は、デリバリー構成に圧縮され、展開装置1450に装填されて、患者の体内の所望の治療位置にデリバリーされる。
【0111】
特定の例において、デバイス1400は、デバイス1400が、
図14Aに示されるように、展開装置1450内に完全に閉じ込められるように、展開装置1450に装填される。
【0112】
デバイス1400は、デリバリー構成にある間、所望の治療位置にデリバリーされうる。次に、第一のフレーム部分1410は、隔壁の第一の側に配置され、第二のフレーム部分は、隔壁の第二の側に配置される。幾つかの例において、展開されると、デバイス1400の中央部分1430は、所望に応じて、半径方向に拡張又は圧縮されて、開口部を通る流体流の速度を調整することができる。上で詳細に記載したように、中央部分1430は、形状がほぼ円である周囲を含むことができる。中央部分1430は、ほぼ円である多角形の構造、周囲又は境界を形成することができる。例えば、中央部分1430は、展開構成においてほぼ円である多角形の周囲又は境界を形成する8、10、12、14、16、18、20、22、24の又はさらなる辺を含むことができる。形状がほぼ円である周囲又は境界をほぼ有する中央部分1430は、フープ強度を維持し、展開構成における中央フレーム部分1430の崩壊を低減しながら、デバイスのデリバリー構成への折り畳みを容易にすることができる。
【0113】
図15Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス1500(
図5に示される)の画像である。示されるように、第一のフレーム部分1510は、3つのローブ(例えば、第一のローブ1512a、第二のローブ1512b及び第三のローブ1512c)及び内側フレーム部分1514を含む。ローブ1512a、1512b及び1512cのそれぞれは、ローブが内側フレーム部分1514の周りに等間隔に配置されるように、内側フレーム部分1514に取り付けられることができる。幾つかの例において、内側フレーム部分1514は、
図15Dを参照して示され、記載されるように、第二のフレーム部分1520として機能する。
【0114】
図15Bは、1つの実施形態による、被覆材料1570を含む、
図15Aのインプラント可能なメディカルデバイス1500の画像である。示されるように、被覆材料1570は、第一のフレーム部分1510上に配置されうる。幾つかの例において、被覆材料1570は、示されるように、第一のローブ1512a、第二のローブ1512b及び第三のローブ1512cのうちの1つ以上に取り付けられることができる。
【0115】
図15Cは、1つの実施形態による、被覆材料1570を含む
図15Aに示される、インプラント可能なメディカルデバイス1500の第一の側の画像である。示されるように、幾つかの例において、被覆材料1570を、開口部1530上に配置することができる。したがって、被覆材料1530は、所望に応じて、デバイス1500を通る流れを遅くするか、又は閉塞するように作用することができる。
【0116】
図15Dは、1つの実施形態による、
図15Cに示される、インプラント可能なメディカルデバイス1500の第二の側の画像である。示されるように、被覆材料1570は、開口部1530上に配置される。様々な例において、第二のフレーム部分1520の第一のローブ1522a、第二のローブ1522b及び第三のローブ1522cは、被覆材料1570を含んでも又は含まなくてもよい。例えば、
図15Dに示されるように、被覆材料1570は、開口部1530上に配置されているが、第二のフレーム部分1520上には配置されておらず、一方、他の例において、被覆材料1570は、開口部1530及び第二のフレーム部分1520の両方の上に配置されうる。
【0117】
図16Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス1600の画像である。示されるように、デバイス1600は第一のフレーム部分1610及び第二のフレーム部分1620を含む。第二のフレーム部分1620は、第一のスポーク及び第二のスポーク1622a及び1622bを含む。様々な例において、被覆材料1670は、示されるように、デバイス1600の第一のフレーム部分1610の全部又は一部の上に配置されうる。
【0118】
図16Bは、1つの実施形態による、
図16Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイス1600の第二の構成の画像である。示されるように、デバイス1600は、それがデリバリー構成に圧縮可能であるように十分に可撓性である。患者の体内の所望の治療位置に配置されると、デバイス1600の第一のフレーム部分1610は、
図16Cに示されるように、スポーク1622a及び1622bを半径方向外向きに強制するためにそれ自体に対して曲げられることができる。第一のフレーム部分1610は、隔壁の第一の側に配置することができ、一方、第二のフレーム部分1620は、隔壁の第二の側に配置することができる。第一のフレーム部分1610が解放されて元の構成に戻ると、スポーク1622a、1622bは、デバイス1600を患者の体の所定の位置に保持することができる。
【0119】
図17Aは、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス1700の画像である。示されるように、デバイス1700の第一のフレーム部分1710はローブを有しなくてもよく、一方、第二のフレーム部分1720は2つ以上のローブを有する。例えば、第二のフレーム部分1720は、第一のローブ1722a及び第二のローブ1722bを有することができる。幾つかの例において、第一のフレーム部分1710及び/又は第二のフレーム部分1720は、被覆材料1770を含むことができる。例えば、第一のフレーム部分1710は、
図17Bに示すように被覆材料1770を含むことができる。しかしながら、他の例において、第二のフレーム部分1720の1つ以上のローブ1722a、1722bは、所望に応じて、被覆材料1770を含むことができる。
【0120】
図18は、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス1800の図である。第一のフレーム部分1810及び第二のフレーム部分1820を含むインプラント可能なメディカルデバイス1800は、連続又は隣接するフレームの発散要素によって形成される。第一のフレーム部分1810及び第二のフレーム部分1820は、カットチューブ、巻回ワイヤ又は他の同様の構造から形成されうる。上で詳細に論じたように、第一のフレーム部分1810及び第二のフレーム部分1820は、複数のローブを含むことができ、互いに相互接続されうる。
【0121】
特定の例において、第一のフレーム部分1810及び第二のフレーム部分1820は、複数の発散要素により形成され、前記発散要素は第一のフレーム部分1810及び第二のフレーム部分1820から発散して中央フレーム1850を形成し、前記中央フレーム1850は展開構成でほぼ円形形状1880に構成される。
図18に示されるように、フレームの発散要素は、中央フレーム1850である多角形構造を形成する。中央フレーム1850である多角形構造の辺の数は、展開構成においてほぼ円形形状1880にする数である。
【0122】
特定の例において、中央フレーム1850は、流体流のためのデバイス1900を通る開口部である。中央フレーム1850は、その形状がほぼ円形である境界又は周囲を形成する。第一のフレーム部分1810及び/又は第二のフレーム部分1820は、展開されると、ほぼ円形形状1880になるような多角形の構造、周囲又は境界を含む中央フレーム1850を形成することができる。例えば、中央フレーム1850は、展開構成においてほぼ円形形状1880になる多角形の構造、周囲又は境界を形成する8、10、12、14、16、18、20、22、24の又はさらなる辺を含むことができる。形状がほぼ円形になる周囲又は境界をほぼ有する中央フレーム1850は、フープ強度を維持し、展開構成における中央フレーム1850の崩壊を低減しながら、デバイスのデリバリー構成への折り畳みを容易にすることができる。展開構成において、第一のフレーム部分1810は、組織構造の片側で展開されることができ、第二のフレーム部分1820は、組織構造の別の側で展開されることができる(例えば、
図9B~Cに示されるとおり)。
【0123】
図19は、1つの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイス1900の図である。示されるように、第一のフレーム部分1910は、3つのローブ(例えば、第一のローブ1912a、第二のローブ1912b及び第三のローブ1912c)及び第二のフレーム部分1920を含む。ローブ1912a、1912b及び1912cのそれぞれは、ローブが第二のフレーム部分1920の周りに等間隔に配置されるように第二のフレーム部分1920に取り付けられることができ、前記第二のフレーム部分もまた、ローブ1914a、1914b及び1914cのセットを含むことができる。
【0124】
図19に示されていないが、第一のフレーム部分1910及び第二のフレーム部分1920は、同じ数又は異なる数のローブを有することができる。例えば、幾つかの例において、第一のフレーム部分1910及び第二のフレーム部分1920はそれぞれ3つのローブを有する。他の例において、第一のフレーム部分1910は2つ又は3つのローブを含むことができ、一方、第二のフレーム部分1920は2つ、4つ、5つ又はそれ以上のローブを含むことができる。幾つかの例において、第一のフレーム部分1910は、第二のフレーム部分1920のローブよりも大きい、小さい及び/又は異なる形状のローブを有することができる。第一のフレーム部分1910及び第二のフレーム部分1920は、連続又は隣接したフレームの発散要素によって形成される。第一のフレーム部分1910及び第二のフレーム部分1920は、カットチューブ、巻回ワイヤ又は他の同様の構造から形成されうる。
【0125】
特定の例において、そして示されるように、デバイス1900を通る開口部1950は、形状がほぼ円である周囲を含む。開口部1950の境界又は外周は、形状がほぼ円形である。第一のフレーム部分1910及び/又は第二のフレーム部分1920は、展開されると、ほぼ円である開口部1950の多角形の構造、周囲又は境界を形成しうる。例えば、開口部1950は、展開構成においてほぼ円である多角形の構造、周囲又は境界を形成する8、10、12、14、16、18、20、22、24の又はさらなる辺を含むことができる。形状がほぼ円である周囲又は境界をほぼ有する開口部1950は、フープ強度を維持し、展開構成における開口部1950の崩壊を低減しながら、デバイスのデリバリー構成への折り畳みを容易にすることができる。展開構成において、第一のフレーム部分1910は、組織構造の片側で展開されることができ、第二のフレーム部分1920は、組織構造の別の側で展開されることができる(例えば、
図9B~Cに示されるとおり)。
【0126】
特定の例において、第一のフレーム部分1910及び/又は第二のフレーム部分1920のある部分は、被覆材料1970を含むことができる。被覆材料1970は、組織の内部成長(例えば、デバイス600を通る開口部1950内)を阻害するように構成されうる。さらに、被覆材料1970のある部分は、示されるように、ローブ間の第一のフレーム部分1910及び/又は第二のフレーム部分1920上に配置されうる。さらに、ローブ間の被覆材料1970は、組織の内部成長を促進して、組織内のデバイス600の固定を強化するように構成されうる。展開構成において、第一のフレーム部分1910は、組織構造の片側で展開されることができ、第二のフレーム部分1920は、組織構造の別の側で展開されることができる(例えば、
図9B~Cに示されるとおり)。
【0127】
本明細書で論じられるデバイスは、例えば、患者の体内のパラメータの中でもとりわけ、圧力などの様々な血行力学的パラメータを継続的にモニタリングするために、それぞれのフレーム構成要素に統合されたセンサを含むことができる。例えば、アンテナ又はインダクタは、第一のフレーム構成要素110及び第二のフレーム構成要素120のうちの1つの周囲に巻き付けられることができ、センサはインダクタに取り付けられることができる。センサは、例えば、血行動態、バイオマーカー、音、圧力及び電解質などの生理学的特性を感知するように構成されることができ、前記生理学的特性は、心臓病、心不全及び/又は他の心血管疾患の病状の診断、監視及び/又は治療において重要である場合がある。
【0128】
特定の例において、本明細書で論じられるデバイスは、患者の体内の所望の治療位置に薬物をデリバリーすることができる可能性がある。例えば、デバイスは、組織応答を調節するように構成された薬物を溶出することができる可能性がある。特定の例において、デバイスは、治療用コーティング、薬物溶出性材料又は他の治療用材料でコーティングされうる。1つの特定の例において、デバイスは、ヘパリンでコーティングされて、デバイスの耐血栓性及び開存性を促進することができる。代わりに又は追加的に、デバイスは、(組織/細胞応答を調節するために)パクリタキセルを含むことができる。
【0129】
特定の例において、ヘパリンコーティングである。ヘパリンコーティングは、ヘパリン分子を膜又は被覆材料に結合するために利用される。ヘパリン被覆膜又は被覆材料に関するさらなる参照については、表面固定化ヘパリンの抗血栓形成活性の特定の教示について、米国特許第6,461,665号明細書(「Scholander」)を参照されたく、前記文献を参照により本明細書に取り込む。特定の例において、ヘパリンコーティングは、CARMEDA(登録商標)BioActive Surface(CBAS(登録商標)Heparin Surface)であることができる。
【0130】
特定の例において、ヘパリンコーティングは、1つ以上の層で膜又は被覆材料に適用されうる。各層の被覆材料の化学成分は同じあっても又は異なっていてもよい。幾つかの例において、被覆材料は、それ自体に又は他の層の他の被覆材料に架橋されている。架橋結合は共有結合又はイオン結合であることができる。ヘパリン被覆は、膜又は被覆材料の少なくとも一部の上に少なくとも1つの層を形成することができ、それ自体に又は被覆の他の層に架橋することができる。架橋は、共有結合、イオン結合又はその両方であることができる。膜又は被覆材料へのヘパリンの層の適用に関する参照については、米国特許第9,399,085号明細書(Cleekら)を参照することができ、前記文献を参照により本明細書に取り込む。
【0131】
膜又は被覆材料に適した膜材料としては、限定するわけではないが、オレフィン、PEEK、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリコーン、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)及びフルオロエラストマー、例えば、テトラフルオロエチレン/ポリメチルビニルエーテル(TFE/PMVE)コポリマーなどのポリマーが挙げられる。特定の例において、膜又は被覆材料は、エラストマー材料(例えば、TFE / PMVE)である又はそれを含むことができる。
【0132】
幾つかの実施形態において、生体再吸収性又は生体吸収性材料として、例えば、生体再吸収性又は生体吸収性ポリマーを使用することができる。幾つかの実施形態において、膜は、米国特許第7,049,380号、同第7,462,675号及び同第8,048,440号明細書のうちの1つ以上に記載されているようなフルオロポリマーを含むことができ、これらの内容はそれぞれ参照により本明細書に取り込む。幾つかの実施形態において、膜は、ダクロン、ポリオレフィン、カルボキシメチルセルロース布、ポリウレタン又は他の織物又はフィルムエラストマーを含むことができる。幾つかの実施形態において、膜又は被覆材料はニット又は繊維を含むことができる。膜又は被覆材料は、例えばワイヤを含む様々な実施形態において、織物又は不織布であることができる。幾つかの実施形態において、膜又は被覆材料は、フルオロポリマーの組み合わせ及び/又はコポリマー又はそれらのブレンドから形成されうる。
【0133】
合成ポリマー(膜成分として使用されうる)の例としては、限定するわけではないが、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリホルムアルデヒド、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エラストマーオルガノシリコーンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリグリコール酸、ポリエステル、ポリアミド、それらの混合物、ブレンド及びコポリマーが挙げられ、膜材料として適している。
【0134】
幾つかの実施形態において、膜は、膜を通る流体及び/又は材料(血液及び/又は血栓など)の通過を阻害、ろ過、調節又は実質的に調節するように構成されている。幾つかの実施形態において、膜は、その中で急速な組織内部成長を誘発するように構成されている。1つの実施形態において、膜は、膜を通る血液又は体液の流れを閉塞するが、内部成長及び内皮化を促進する、血液又は体液の不浸透性膜を提供する。膜は、耐久性のある閉塞及びフレームの補足的な固定強度のための組織内部成長足場を提供する微孔性構造を有することができる。幾つかの実施形態において、膜は多孔質部材であることができる。膜の細孔は、実質的に、又は、幾つかの例では完全に、血液、他の体液及び塞栓の通過を防ぐのに役立つサイズにされうる。幾つかの実施形態において、膜は、血液、他の体液、血栓、塞栓又は他の体材料が膜を通過するのを防止するか又は実質的に防止する。
【0135】
ニチノール(NiTi)は、本明細書で論じられるフレームの材料として使用されうる。他の例において、フレームは、ステンレス鋼、L605鋼、ポリマー、MP35N鋼、ポリマー材料、Pyhnox、Elgiloy又は他の適切な生体適合性材料及びそれらの組み合わせなどの他の材料から形成することができ、それらはフレームの材料として使用されうる。 NiTiの超弾性特性及び柔軟さは、フレームの適合性を高めることができる。さらに、NiTiは所望の形状に形状固定することができる。すなわち、フレームがデリバリーシステムから展開されるときなど、フレームが拘束されていないときに、フレームが所望の形状に自己拡張する傾向があるように、NiTiを形状固定することができる。より具体的には、フレーム(NiTi製)は、フレームを弾性的に折りたたむか、又はデリバリーシステムに装填するために低プロファイルのデリバリー構成に「押潰して」、次に、デリバリーシステムから出るときに拡張構成に再構成することができるばねの性質を有することができる。本明細書で論じられるフレームは、閉塞デバイスが患者内で展開されたときに、フレームが周囲の組織のトポグラフィに適合することができるように、概して順応性、耐疲労性で、弾性であることができる。特定の実施形態において、生体再吸収性又は生体吸収性材料はフレーム又はその一部に使用されることができ、例えば、生体再吸収性又は生体吸収性ポリマーを含む。
【0136】
本明細書で論じられるように、膜構成要素は、少なくとも1つの概して平坦な表面を有する概して平坦なリボン又はテープである結合部材を使用することによって、自己拡張可能なフレーム構成要素に取り付けられることができる。特定の例において、テープ部材は、接着剤でコーティングされた延伸PTFE(ePTFE)から作られる。接着剤は熱可塑性接着剤であることができる。特定の例において、熱可塑性接着剤は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)であることができる。より具体的には、ePTFEのFEPコーティングされた面は、自己拡張可能なフレーム構成要素及び膜構成要素の外面に面して接触し、このようにして、自己拡張可能なフレーム構成要素を膜構成要素に取り付けることができる。フレーム構成要素を膜に取り付けるための材料及び方法は、Martinの米国特許第6,042,605号明細書に記載されており、それをあらゆる目的のために参照により本明細書に取り込む。
【0137】
さらに、ニチノール(NiTi)は、フレーム又はステント(及び本明細書で論じられるフレームのいずれか)の材料として使用でき、限定するわけではないが、ステンレス鋼、L605鋼、ポリマー、MP35N鋼、ポリマー材料、Pyhnox、Elgiloy又はその他の適切な生体適合性材料及びそれらの組み合わせなどの他の材料をフレームの材料として使用することができる。NiTiの超弾性特性及び柔軟性は、ステントの順応性を高めることができる。さらに、NiTiは所望の形状に形状固定することができる。すなわち、フレームがデリバリーシステムから展開されるときなど、フレームが拘束されていないときにフレームが所望の形状に自己拡張する傾向があるように、NiTiを形状固定することができる。
【0138】
ニチノールなどの様々な金属の超弾性合金の様々な材料は、これらのフレーム構成要素での使用に適している。材料の主な要件は、非常に薄いシート又は小径ワイヤに加工された場合でも、適切に弾力性があることである。コバルトクロム合金(例えば、ELGILOY(登録商標))、白金/タングステン合金、特にニッケル-チタン合金(例えば、ニチノール)などの他の金属合金と同様に、物理的、化学的又はその他の方法で高い弾力性を生成するように処理された様々なステンレス鋼は適している。
【0139】
本出願の発明は、一般的及び特定の実施形態の両方に関して上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
【国際調査報告】