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特表2022-514521包装を製造する包装機械および包装の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】包装を製造する包装機械および包装の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/04 20060101AFI20220204BHJP
【FI】
B65B9/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533789
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(85)【翻訳文提出日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2020055283
(87)【国際公開番号】W WO2020207659
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】102019205173.1
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521077576
【氏名又は名称】シンテゴンテクノロジー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Syntegon Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Stuttgarter Strasse 130, 71332 Waiblingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ベック
(72)【発明者】
【氏名】リューディガー カーヒャー
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ペーター シュターデル
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ ヴィードゥヴィルト
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ シュトロインスキ
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA01
3E050AA08
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA11
3E050CA01
3E050CB03
3E050DA01
3E050DA06
3E050DE01
3E050DF01
(57)【要約】
本発明は、紙を含むウェブ材料(2)およびトップウェブ(3)から包装(20)を製造する包装機械に関し、包装機械は、ウェブ材料の搬送方向(16)でウェブ材料(2)を予緊張しかつ伸張する第1の予緊張装置(4)と、搬送方向(16)に対して横方向である第2の方向(17)でウェブ材料(2)を予緊張しかつ伸張する第2の予緊張装置(5)と、ウェブ材料(2)に、充填物を収容するために構成されている凹設部(21)を製造する変形加工装置(6)と、凹設部(21)に充填物を充填する充填装置(7)と、凹設部(21)のためのカバー(31)を提供するためのトップウェブ(3)を提供するトップウェブ装置と、トップウェブ(3)をウェブ材料(2)に位置固定する位置固定装置(10)と、包装機械から包装された包装を排出する排出装置(8)と、を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙を含むウェブ材料(2)およびトップウェブ(3)から包装(20)を製造する包装機械であって、
前記ウェブ材料の搬送方向(16)で前記ウェブ材料(2)を予緊張しかつ伸張する第1の予緊張装置(4)と、
前記搬送方向(16)に対して横方向である第2の方向(17)で前記ウェブ材料(2)を予緊張しかつ伸張する第2の予緊張装置(5)と、
前記ウェブ材料(2)に充填物を収容するように構成されている凹設部(21)を製造する変形加工装置(6)と、
前記凹設部(21)に充填物を充填する充填装置(7)と、
前記凹設部(21)のためのカバー(31)を提供するための前記トップウェブ(3)を提供するトップウェブ装置と、
前記トップウェブ(3)を前記ウェブ材料(2)に位置固定する位置固定装置(10)と、
前記包装機械から包装された前記包装を排出する排出装置(8)と、
を備える包装機械。
【請求項2】
前記第1の予緊張装置(4)が、前記ウェブ材料(2)の前記搬送方向(16)で、前記第2の予緊張装置(5)の上流側に配置されている、請求項1記載の包装機械。
【請求項3】
前記第1の予緊張装置(4)は、前記ウェブ材料(2)を間に通して案内する第1の引張りローラ(41)および第2の引張りローラ(42)を有する引張りローラ装置(40)と、予緊張ローラ(45)とを備えており、前記予緊張ローラ(45)が、該予緊張ローラの中心軸線に対して垂直方向に運動可能である、請求項1または2記載の包装機械。
【請求項4】
第1、第2および第3のローラを有するダンサローラアセンブリ(44)をさらに備え、前記第1、第2および第3のローラのうちの1つのローラが、前記予緊張ローラ(45)であり、前記第1、第2および第3のローラのうちの別のローラが、前記第1の引張りローラ(41)である、請求項3記載の包装機械。
【請求項5】
前記第2の予緊張装置(5)が、複数の保持挟み(50)を有しており、該保持挟み(50)が、側方で前記ウェブ材料(2)に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の包装機械。
【請求項6】
前記変形加工装置(6)が、ダイ(62)と、押さえ(61)と、ポンチ(63)と、前記ダイ(62)から前記成形された凹設部(21)を最終成形する最終成形装置と、を備えている、請求項1から5までのいずれか1項記載の包装機械。
【請求項7】
第3の予緊張装置(9)をさらに備え、該第3の予緊張装置(9)が、前記トップウェブ(3)を該トップウェブの搬送方向(18)で予緊張しかつ伸張する、請求項1から6までのいずれか1項記載の包装機械。
【請求項8】
前記トップウェブ(3)の材料が紙を含んでいるか、または前記トップウェブ(3)が完全に紙から製造されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の包装機械。
【請求項9】
前記位置固定装置(10)が、前記ウェブ材料(2)に成形された凹設部(21)に対する位置調整を可能にするために、運動可能に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の包装機械。
【請求項10】
前記ウェブ材料(2)の搬送方向で前記第1の予緊張装置(4)および前記第2の予緊張装置(5)の下流側に、かつ前記変形加工装置(6)の上流側に配置されている加熱装置(11)をさらに備える、請求項1から9までのいずれか1項記載の包装機械。
【請求項11】
紙を含むウェブ材料(2)およびトップウェブ(3)から、充填物を収容するための凹設部を有している包装(20)を製造する方法であって、
前記ウェブ材料の搬送方向(16)での前記ウェブ材料(2)の第1の予緊張および伸張を行うステップと、
前記搬送方向(16)に対して横方向である第2の方向(17)での前記ウェブ材料(2)の第2の予緊張を行うステップと、
前記ウェブ材料に前記凹設部(21)を製造する、前記ウェブ材料(2)を変形加工するステップと、
前記凹設部を覆い、前記包装を提供するために、前記ウェブ材料(2)上に前記トップウェブ(3)を位置固定するステップと、
を含む、包装を製造する方法。
【請求項12】
前記ウェブ材料(2)を連続的にウェブロール(22)から引き出し、前記ウェブ材料(2)の前記第1の予緊張を、前記ウェブ材料(2)を貫通案内している引張りローラ装置(40)と、予緊張ローラ(45)とを用いて行う、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記トップウェブ(3)を前記ウェブ材料(2)上へ位置固定するステップの前に、前記トップウェブの搬送方向(18)で予緊張しかつ伸張する、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
前記ウェブ材料(2)および前記トップウェブ(3)を完全に紙から製造し、少なくとも前記ウェブ材料(2)を前記トップウェブ(3)と接合するステップの前に予熱する、請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙を含むウェブ材料から包装を製造する包装機械ならびに紙を含むウェブ材料から成る包装を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックから成る包装、たとえば食品のための包装では、ロールウェブから包装本体をたとえば深絞り加工により製造し、次いで、包装本体を、別のロールウェブからの蓋フィルムにより閉鎖することが知られている。包装本体ロールウェブを変形加工して本来の包装本体を形成することは、様々な変形加工ステップで実施することができる。たとえば、中空室内へのロール材料の自由な引込みが可能であるが、これは包装本体における皺の形成を増幅させる。代替的に、本来の変形加工工程前に、包装本体ローラウェブの、成形すべき中空室の1つのエッジに沿った位置固定が行われるが、これは、制限された成形深さと、同様に、軽減されてはいるものの、未だに存在する皺形成とを伴う。さらに、基本的に、ポンチおよびダイならびに押さえを用いた変形加工法も知られている。この変形加工法では、変形加工ステップ中に、ロールウェブ材料の意図的な滑りが可能になる。これにより、特により大きな成形深さを達成することができ、皺形成を減らすことができる。この方法は、基本的にプラスチックベースのロールウェブのために使用される。
【0003】
しかし、環境的な観点から、最近では、包装をできるだけ、たとえば紙材料のようなリサイクル可能な材料から製造することがますます試みられるようになってきた。この場合、専ら紙材料を使用するか、またはたとえばプラスチックをコーティングされた紙材料から成る複合材料も使用することができる。しかし、紙を含むこのような材料は、変形加工することが比較的困難であり、または、変形加工中に、容器本体を損傷し得る望ましくない皺および微小亀裂が発生する。したがって、紙を含むロールウェブの確実な変形加工を可能にする方法および装置を有することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の特徴を有する、包装を製造する本発明に係る包装機械は、ロールウェブからウェブ材料として引き出される紙材料からの包装の製造を可能にする。この場合、本発明によれば、特にバリア特性に関して、これまで使用されていたプラスチック容器に少なくとも比較可能であり、特に視覚的かつ触覚的な様相において著しい改善を有している、3次元の紙包装を製造することが可能である。本発明に係る包装機械の特に大きな利点は、製造すべき包装が皺を有しておらず、特に微小亀裂等も有していないにもかかわらず、紙から製造することができることにある。さらに、紙容器において不格好な様相を与えてしまう微小皺の発生を阻止することもできる。これは、本発明によれば、包装機械が、ウェブ材料の搬送方向で、紙を含むウェブ材料を予緊張し延伸する第1の予緊張装置と、搬送方向に対して横方向、特に垂直である方向でウェブ材料を予緊張し伸張する第2の予緊張装置と、を備えていることによって達成される。さらに、包装機械は、充填物を収容するために、ウェブ材料に凹設部を製造する変形加工装置と、凹設部に充填物を充填する充填装置と、凹設部のカバーとして働くトップウェブと、を備えている。トップウェブは、位置固定装置により、カバーとして凹設部上に位置固定される。さらに、包装機械は、排出装置を備えている。排出装置は、カバーで閉鎖された容器を包装機械から排出する。したがって、紙を含むウェブ材料を、搬送方向でも、搬送方向に対して横方向でも伸張する2方向への伸張によって、変形加工ステップ前に、ウェブ材料の平滑化を確保することができるので、変形加工ステップにおいて微小亀裂または微小皺等は発生しない。
【0005】
従属請求項は、本発明の好適な変化形を示している。
【0006】
好適には、第1の予緊張装置は、ウェブ材料の搬送方向で、第2の予緊張装置の上流側に配置されている。つまり、ウェブ材料はまず搬送方向で伸張され、次いで搬送方向に対して横方向で伸張される。第1の予緊張装置による伸張工程のための期間と第2の予緊張装置による伸張工程のための期間とは、好適には同一である。さらに好適には、両予緊張装置においてウェブ材料に作用する伸張力も同一である。
【0007】
特に好適には、第1の予緊張装置は、第1の引張りローラおよび第2の引張りローラを有する引張りローラ装置と、予緊張ローラとを備えており、第1の引張りローラと第2の引張りローラとの間を通ってウェブ材料が案内されている。予緊張ローラは、予緊張ローラの中心軸線に対して垂直方向に運動可能である。これにより、簡単に搬送方向でのウェブ材料の伸張工程を実施することができる。
【0008】
さらに好適には、包装機械は、第1のローラ、第2のローラおよび第3のローラを有するダンサローラアセンブリを備えている。第2のローラは予緊張ローラであり、第3のローラは第1の引張りローラである。これにより、包装機械の、特に簡単かつコンパクトな、そして廉価な構造が達成される。さらに、ダンサローラアセンブリは、伸張の他に、ロールウェブからウェブ材料を連続的に引き出すことができるにもかかわらず、特に変形加工ステップで不連続なステップにおいて包装の製造を実施できるようにする。
【0009】
好適には、第2の予緊張装置は、複数の保持挟みを含んでいる。これらの保持挟みは、ウェブ材料に側方で配置されている。保持挟みは、ウェブ材料を挟みジョーの間でクランプし、搬送方向に対して横方向でのウェブ材料の伸張を可能にする。ウェブ材料に作用する横方向力は、好適にはウェブ材料の本来の搬送方向に対して垂直である。
【0010】
さらに好適には、変形加工装置は、ダイと、押さえと、空気圧式の変形加工力を形成する空気圧装置と、ダイから成形された凹設部を最終成形する最終成形装置と、を備えている。特に好適には、成形装置は、変形加工工程を2段階で、つまり予備成形ステップと最終成形ステップとで実施するように構成されている。好適には、予備成形ステップは空気圧式に実施され、最終成形ステップはポンチにより実施される。代替的には、最終成形ステップも空気圧式に実施される。精密な構造を包装に押込み成形するために、さらに精密押込み成形ステップを実施することができる。精密押込み成形ステップは、好適には空気圧式に高圧を用いて実施される。
【0011】
さらに好適には、包装機械は、制御ユニットを備えている。制御ユニットは、成形ステップ時に、ウェブ材料を追送し得る位置に押さえを移動させるように構成されている。これにより、包装の変形加工ステップ中の皺形成および亀裂形成が有意に確保される。代替的に、押さえは、成形ステップ時に降下された位置に留まり、ウェブ材料を押さえる。
【0012】
本発明の別の好適な1つの構成によれば、包装機械は、第3の予緊張装置をさらに備えている。第3の予緊張装置は、包装のためのトップウェブに配置されている。第3の予緊張装置は、トップウェブの搬送方向でトップウェブを予緊張し、伸張する。第3の予緊張装置は、好適にはダンサローラアセンブリであるので、トップウェブを同様に連続的にロールウェブから引き出すことができ、不連続なステップにおいて、凹設部を備えたウェブ材料上に被着させることができる。
【0013】
トップウェブは、好適には同様に紙を含んでおり、特に好適には専ら紙から製造されている。
【0014】
凹設部が成形される、包装本体のためのウェブ材料は、同様に好適には100%紙から製造されている。場合によっては、ウェブ材料上にプラスチックコーティングが設けられていてよい。プラスチックコーティングは、好適にはウェブ材料の、後に包装の内面を形成する側に設けられている。
【0015】
さらに好適には、包装機械は、運動可能に配置された位置固定装置を備えている。これにより、ウェブ材料において成形された凹設部に対する位置固定装置の位置調整を実施することができるので、確実かつ正しい位置でトップウェブをウェブ材料上に被着させることができる。位置調整は、好適には、印刷マークと、この印刷マークを検出するセンサとにより行われる。運動可能に配置された位置固定装置は、好適には搬送方向にも、搬送方向に対して横方向にも運動させられる。
【0016】
本発明の別の好適な1つの構成によれば、包装機械は、加熱装置を備えている。加熱装置は、ウェブ材料の搬送方向で、第1の予緊張装置および第2の予緊張装置の下流側に、しかし変形加工装置の上流側に配置されている。変形加工ステップの前にウェブ材料を加熱することにより、紙を含むウェブ材料のより確実かつより迅速な変形加工が可能になる。加熱装置は、ウェブ材料を好適には最大で160℃に加熱する。
【0017】
好適には、包装機械は、加湿ステーションを備えている。加湿ステーションは、ウェブ材料を加湿するように構成されている。加湿ステーションは、好適にはウェブ材料の搬送方向で、第1の予緊張装置および第2の予緊張装置の下流側に、しかし変形加工装置の上流側に配置されている。加熱装置が設けられている場合、加湿ステーションはさらに好適には搬送方向で加熱装置の下流側に配置されている。
【0018】
加熱装置および/または加湿ステーションは、好適にはトップウェブのためにも設けられていてよい。
【0019】
包装機械は、好適には接着材等を被着させるためのステーションも備えている。接着材は、凹設部を備えるウェブ材料上に、かつ/またはトップウェブ上に被着させることができる。これにより、ウェブ材料およびトップウェブの特に確実な結合が可能になる。
【0020】
さらに好適には、搬送挟みも設けられている。搬送挟みは、特に好適には第2の予緊張装置の保持挟みの間に配置されている。代替的または付加的に、搬送のためにさらに1つ以上の引張りローラ装置が設けられていてよい。
【0021】
さらに本発明は、請求項11に記載の包装を製造する方法に関する。方法は、微小亀裂または微小皺を有しない包装の製造を可能にする。この方法は、本発明によれば、紙を含むウェブ材料で実施され、これにより充填物を収容するためにウェブ材料に凹設部を備えた包装本体を製造することができる。この方法は、搬送方向におけるウェブ材料の第1の予緊張および伸張のステップと、搬送方向に対して横方向におけるウェブ材料の第2の予緊張および伸張のステップと、ウェブ材料に、後に充填物を充填することができる凹設部を成形するステップと、を含む。約90°だけ異なる少なくとも2つの方向での伸張により、皺および微小亀裂のない包装を製造することができる。
【0022】
好適には、ウェブ材料をロールウェブから連続的に引き出し、搬送方向でのウェブ材料の第1の予緊張および伸張を、ダンサロールアセンブリのロールにより実施する。
【0023】
さらに好適には、トップウェブの搬送方向において閉鎖ステップの上流側でウェブ材料の凹設部を閉鎖するために、トップウェブを予緊張し伸張する。これにより、凹設部の、トップウェブから製造されるカバーも、皺および微小亀裂を有していない。
【0024】
方法の変形加工ステップは、好適には2段階で実施される。特に好適には、包装に構造を精密押込み成形する第3のステップがさらに実施される。
【0025】
以下に、本発明の好適な実施例を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の好適な実施例による包装機械を備えた、包装を製造し充填する装置を概略的に示す側面図である。
図2図1に示した包装機械の詳細を第2の予緊張装置の領域で示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図1および図2を参照して、本発明の好適な1つの実施例による包装機械1および本発明による製造方法を詳細に説明する。
【0028】
包装機械は、紙を含む包装20の製造を可能にする。包装は、完全に紙から製造することができ、特にプラスチック等は省略することができる。
【0029】
図1から判るように、包装機械1は、紙を含むウェブ材料2および紙を含むトップウェブ3からの包装20の製造を可能にする。
【0030】
包装20を製造するために、ウェブ材料2に凹設部21が加工される。次いで、この凹設部21は、充填物が凹設部21内に導入された後に、トップウェブ3により提供されるカバー31によって閉鎖される。このように製造された容器20は、次いでたとえばベルトコンベア13により包装機械1から排出される。
【0031】
包装機械1は、この場合ウェブロール22を有している。このウェブロール22にはウェブ材料2が巻かれており、ウェブロール22からウェブ材料が連続的に引き出される。さらに、包装機械1は、ウェブ材料の搬送方向16でウェブ材料を予緊張し伸張する第1の予緊張装置4と、搬送方向16に対して横方向である第2の方向でウェブ材料2を予緊張し伸張する第2の予緊張装置5とを備えている。この第2の伸張は、図2で矢印17により示唆されている。
【0032】
包装機械1は、さらにウェブ材料2に凹設部21を形成する変形加工装置6を備えている。変形加工装置は、図2では概略的に図示されており、抑え61、ダイ62およびポンチ63を有している。変形加工装置は、好適には2段階の変形加工ステップを実施するように構成されている。2段階の変形加工ステップでは、まず凹設部の予備成形が実施され、次いで凹設部の最終成形が実施される。
【0033】
予備成形は、好適には圧縮空気により実施され、最終成形はポンチ63を用いて実施される。さらに、付加的に精密構造を凹設部に加工することも可能であり、この精密構造は好適には高圧を用いて加工される。
【0034】
さらに、包装機械1は、充填装置7を備えている。充填装置7は、包装すべき充填物、たとえば食品を、製造された凹設部21内に充填する。
【0035】
充填後に、凹設部21は、トップウェブ3から成るカバー31により覆われ、閉鎖されなければならない。このために、位置固定装置10が設けられている。位置固定装置10は、この実施例では、シーリング装置である。
【0036】
本来のシーリング工程前に、トップウェブ3と、製造された凹設部21を備えたウェブ材料2とが、互いに対して位置調整される。この位置調整は、たとえば両方のウェブ上の印刷マークを用いて行うことができる。さらに、位置固定装置10も運動可能に設けられており、これは、図1に矢印19で示唆されている。これにより、ウェブ材料2上でのトップウェブ3の正確なシーリングを可能にすることができる。位置固定装置10の位置調整のために、印刷マークフィーラ14が設けられている。
【0037】
ウェブ材料2上でのトップウェブ3の位置固定後に、まだトップウェブ3に連結しているパッケージが、排出装置13へとさらに搬送される。この排出装置13は、たとえば、包装20を個別化する打抜き装置8等を有している。次いで、包装機械1から包装20を排出することができる。
【0038】
図1から判るように、トップウェブ3には、第3の予緊張装置9が設けられている。第3の予緊張装置9は、トップウェブ3を緊張し伸張するので、トップウェブ3は、皺等を有していない。この場合、トップウェブ3の伸張は、第3の予緊張装置9により、トップウェブの搬送方向18のみで行われる。
【0039】
これとは異なり、ウェブ材料2は、第1の予緊張装置4により搬送方向16で伸張され、第2の予緊張装置5により搬送方向16に対して横方向の第2の方向17で伸張される。この場合、第1の予緊張装置4は、引張りローラ装置40およびダンサローラアセンブリ44を備えている。ダンサローラアセンブリ44は、3つのローラを有している。引張りローラ装置40は、2つのローラ、すなわち第1の引張りローラ41と第2の引張りローラ42とを有しており、ウェブ材料2は、第1および第2の引張りローラ41,42の間を通って案内される。
【0040】
引張りローラ装置40の第1の引張りローラ41は、ダンサローラアセンブリ44の第3のローラを形成するので、引張りローラ装置40およびダンサローラアセンブリ44は1つのローラを共有している。
【0041】
ダンサローラアセンブリ44は、不動に配置されている第1のローラ46と、予緊張ローラ45とをさらに有している。予緊張ローラ45は、予緊張ローラ45の中心軸線に対して垂直方向に運動可能であり、これは図1において双方向矢印15により示唆されている。ウェブ材料2を連続的に引き出す一方で、予緊張ローラ45と引張りローラ装置40との間において搬送方向16で伸張することが可能である。
【0042】
ウェブ材料2を搬送方向16で伸張した後に、搬送方向に対して横方向の第2の伸張が、第2の予緊張装置5を用いて行われる。図2から判るように、第2の予緊張装置5は複数の保持挟み50を有している。これらの予備挟み50は、側方でウェブ材料2に配置されている。保持挟み50は、ウェブ材料2を側方でクランプし、ウェブ材料2を、搬送方向16に対して横方向の第2の方向で伸張する。
【0043】
したがって、ウェブ材料2は、相次ぐ2つのステップにおいて互いに対して垂直に配向された2つの方向で伸張される。これにより、皺のないウェブ材料を変形加工装置6に供給し、さらに、変形加工工程において微小亀裂等または皺が発生してしまわないことが確実になる。加えて、皺の抑制は、変形加工工程が2段階で実施されることによりさらに支援される。最終成形ステップのために、ウェブ材料2から押さえ61を上昇させることができるので、最終成形ステップのために材料がダイ62内に後から流れることができる。
【0044】
変形加工装置6内における変形加工ステップをさらに容易にするために、付加的に加熱装置11がさらに設けられている。加熱装置11は、搬送方向で引張りローラ装置40の下流側に、かつ接着材を塗布する装置12の上流側に設けられている。この装置12は、ウェブ材料2の、後にカバー31を提供するためにトップウェブ3が位置固定されるべき領域に、接着材を意図的に塗布することを可能にする。
【0045】
さらに、変形加工ステップのために、ウェブ材料は不連続のステップで進行する。これは、たとえばウェブ材料の側面の図示しない搬送挟みにより実施することもできるし、または第2の予緊張装置5の保持挟み50によっても実施することができる。
【0046】
さらに、ウェブ材料2およびトップウェブ3のための材料の選択に応じて、様々な位置固定装置10を設けることができる。図示された実施例では、ウェブ材料2とトップウェブ3とは、完全に紙から製造されており、位置固定は、接着材を塗布する装置12からの接着剤を用いて行われる。しかし、ウェブ材料2が紙およびプラスチックフィルムから成る複合材料であり、したがって位置固定装置がたとえば超音波位置固定装置であってよいことも考えられる。熱風溶着もしくはレーザ溶着、または代替的には熱接触法も可能である。
【0047】
したがって、本発明に係る包装機械1により、紙を含む材料から包装20を製造するための新規の方法を提供することができる。この場合、凹設部21を提供するウェブ材料2は2つの方向で伸張され、付加的に、カバー31を提供するトップウェブ3も1つの方向で伸張される。
【0048】
トップウェブ3とウェブ材料2との間の接合プロセスは、出発材料としての紙の使用に基づいて、特に、ウェブ材料2とトップウェブ3とが100%紙から成る場合に、好適にはさらに、少なくとも後にトップウェブ3がウェブ材料2上に接合される領域の加熱および/または加湿により支援することができる。この場合、場合によっては、接着材を提供する装置12を完全に省略することも可能である。この装置12は、たとえば、少なくとも1つのウェブ上にプラスチックコーティング等が設けられており、このプラスチックコーティングが位置固定ステップにおいて加熱され、したがってウェブ材料2とトップウェブ3との間の結合を可能にする場合にも不要である。
図1
図2
【国際調査報告】