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特表2022-514534二重反転モーター及び高速度ミキサー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】二重反転モーター及び高速度ミキサー
(51)【国際特許分類】
   H02K 16/02 20060101AFI20220204BHJP
   H02K 1/12 20060101ALI20220204BHJP
   A47J 43/08 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
H02K16/02
H02K1/12
A47J43/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534147
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(85)【翻訳文提出日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2019123812
(87)【国際公開番号】W WO2020134986
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】201811584295.6
(32)【優先日】2018-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521007481
【氏名又は名称】▲広▼▲東▼美的白色家▲電▼技▲術▼▲創▼新中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG MIDEA WHITE HOME APPLIANCE TECHNOLOGY INNOVATION CENTER CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building #4,Midea Global Innovation Center,Industry Boulevard,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 毅
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 建▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲飛▼
【テーマコード(参考)】
4B053
5H601
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BC20
5H601BB08
5H601CC01
5H601CC13
5H601CC15
5H601CC17
5H601CC19
5H601DD04
5H601DD09
5H601DD11
5H601EE30
5H601GA02
(57)【要約】
本発明は、相順が互いに逆である外巻線と内巻線とが設けられるステータと、外巻線および内巻線と並列に接続され、外巻線および内巻線に同期して励磁電流を供給するインバータと、内巻線の内に設けられ、内巻線によって第1の方向に回転するようになるインナーロータと、外巻線の外に設けられ、外巻線によって第1の方向とは反対の第2の方向に回転するようになるアウターロータと、を備える二重反転モーター及び高速度ミキサーを開示している。本発明に係る二重反転モーターには、内外2セットの巻線とロータが設けられ、それらを1セットのインバータで同期して制御しており、ブラシを省略し、騒音を低減し、モーターの寿命を向上させることができるとともに、インバータを2セットとする必要がなくなるため、コストがより低く、かつ制御もより簡単である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相順が互いに逆である外巻線と内巻線とが設けられるステータと、
前記外巻線および前記内巻線と並列に接続され、前記外巻線および前記内巻線に同期して励磁電流を供給するインバータと、
前記内巻線の内に設けられ、前記内巻線によって第1の方向に回転するようになるインナーロータと、
前記外巻線の外に設けられ、前記外巻線によって前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転するようになるアウターロータと、を備える
ことを特徴とする二重反転モーター。
【請求項2】
前記外巻線および前記内巻線は、それぞれ三相巻線で構成され、前記外巻線における三相巻線の相順は、前記内巻線における三相巻線の相順と逆であることを特徴とする請求項1に記載の二重反転モーター。
【請求項3】
前記外巻線および前記内巻線は、それぞれ複数組の前記三相巻線で構成され、前記外巻線の各組における前記三相巻線の相順は同じであり、前記内巻線の各組における前記三相巻線の相順は同じであることを特徴とする請求項2に記載の二重反転モーター。
【請求項4】
前記三相巻線は、A相巻線、B相巻線、およびC相巻線からなり、前記内巻線におけるA相巻線、B相巻線、およびC相巻線が反時計回りの順に、前記外巻線におけるA相巻線、B相巻線、およびC相巻線が時計回りの順にそれぞれ配列されていることを特徴とする請求項2に記載の二重反転モーター。
【請求項5】
前記インバータは、前記外巻線および前記内巻線のA相巻線と並列に接続された第1の電流出力端子と、前記外巻線および前記内巻線のB相巻線と並列に接続された第2の電流出力端子と、前記外巻線および前記内巻線のC相巻線と並列に接続された第3の電流出力端子とを備えることを特徴とする請求項4に記載の二重反転モーター。
【請求項6】
前記インナーロータ及び前記アウターロータの一方は、第1のリスケージロータであり、他方は、第2のリスケージロータ、永久磁石ロータ又はリラクタンスロータであることを特徴とする請求項1に記載の二重反転モーター。
【請求項7】
前記インバータは、前記第2のリスケージロータ、永久磁石ロータ又はリラクタンスロータを閉ループベクトル制御して、前記第1のリスケージロータがV/F開ループ制御方式で自動的に運転されていることを特徴とする請求項6に記載の二重反転モーター。
【請求項8】
前記ステータは、インナーステータと、前記インナーステータの外周に外嵌されているアウターステータとを備え、前記インナーステータに前記内巻線が設けられ、前記アウターステータに前記外巻線が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の二重反転モーター。
【請求項9】
前記アウターステータと前記インナーステータとの間に設けられ、前記外巻線と前記内巻線とを磁気的に分離するための磁気分離バリアをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の二重反転モーター。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の二重反転モーターを備えることを特徴とする高速度ミキサー。
【請求項11】
前記高速度ミキサーは、第1のブレードと第2のブレードをさらに備え、前記第1のブレードは前記インナーロータに連結され、前記第2のブレードは前記アウターロータに連結されており、前記第1のブレードと前記第2のブレードとが相対回転可能であるようにすることを特徴とする請求項10に記載の高速度ミキサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2018年12月24日に提出された出願番号が2018115842956、発明の名称が「二重反転モーター及び高速度ミキサー」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全体が援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明はモーターの分野に関し、特に二重反転モーター及び高速度ミキサーに関する。
【背景技術】
【0003】
現在市販されているほとんどの高速度ミキサーに採用されているモーターは、一般的に1つだけの出力軸を有するものであり、その出力軸には攪拌ブレードが取り付けられ、攪拌ブレードの回転数が高くなると、高速度ミキサーの運転騒音も大きくなる。
【0004】
本願の発明者は、長期にわたる研究開発の中で、2つの出力軸に取り付けられたブレードを相対回転させるような二重反転モーターを使用することで、小さな騒音を発生させるながら、より良い攪拌効果を実現することができることを発見した。現在の伝統的な二重反転モーターは、ブラシスリップリングによって2つの回転軸を互いに反対方向に回転駆動しているが、ブラシの騒音と摩耗がいずれも大きく、モーターの寿命が影響されてしまう。デュアルロータ永久磁石モーターは、2セットのインバータによって、それぞれ2セットのステータとロータを互いに反対方向に回転可能のように制御することで、ブラシを省略したが、インバータはコストが高く、制御が複雑で、占有スペースも大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の二重反転モーターにおける騒音が大きく、制御が複雑であるという技術的課題を解決するための二重反転モーター及び高速度ミキサーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用される一つの技術方案は、
相順が互いに逆である外巻線と内巻線とが設けられるステータと、
前記外巻線および前記内巻線と並列に接続され、前記外巻線および前記内巻線に同期して励磁電流を供給するインバータと、
前記内巻線の内に設けられ、前記内巻線によって第1の方向に回転するようになるインナーロータと、
前記外巻線の外に設けられ、前記外巻線によって前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転するようになるアウターロータと、を備える
二重反転モーターを提供する。
【0007】
ここで、前記外巻線および前記内巻線は、それぞれ三相巻線で構成され、前記外巻線における三相巻線の相順は、前記内巻線における三相巻線の相順と逆である。
【0008】
ここで、前記外巻線および前記内巻線は、それぞれ複数組の前記三相巻線で構成され、前記外巻線の各組における前記三相巻線の相順は同じであり、前記内巻線の各組における前記三相巻線の相順は同じである。
【0009】
ここで、前記三相巻線は、A相巻線、B相巻線、およびC相巻線からなり、前記内巻線におけるA相巻線、B相巻線、およびC相巻線が反時計回りの順に、前記外巻線におけるA相巻線、B相巻線、およびC相巻線が時計回りの順にそれぞれ配列されている。
【0010】
ここで、前記インバータは、前記外巻線および前記内巻線のA相巻線と並列に接続された第1の電流出力端子と、前記外巻線および前記内巻線のB相巻線と並列に接続された第2の電流出力端子と、前記外巻線および前記内巻線のC相巻線と並列に接続された第3の電流出力端子とを備える。
【0011】
ここで、前記インナーロータ及び前記アウターロータの一方は、第1のリスケージロータであり、他方は、第2のリスケージロータ、永久磁石ロータ又はリラクタンスロータである。
【0012】
ここで、前記インバータは、前記第2のリスケージロータ、永久磁石ロータ又はリラクタンスロータを閉ループベクトル制御して、前記第1のリスケージロータがV/F開ループ制御方式で自動的に運転されている。
【0013】
ここで、前記ステータは、インナーステータと、前記インナーステータの外周に外嵌されているアウターステータとを備え、前記インナーステータに前記内巻線が設けられ、アウターステータに前記外巻線が設けられている。
【0014】
ここで、前記二重反転モーターは、前記アウターステータと前記インナーステータとの間に設けられ、前記外巻線と前記内巻線とを磁気的に分離するための磁気分離バリアを備えてもいい。
【0015】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用される別の技術方案は、上記の二重反転モーターを備える高速度ミキサーを提供する。
【0016】
ここで、前記高速度ミキサーは、第1のブレードと第2のブレードをさらに備え、前記第1のブレードは前記インナーロータに連結され、前記第2のブレードは前記アウターロータに連結されており、前記第1のブレードと前記第2のブレードとが相対回転可能であるようにする。
【0017】
本発明に係る二重反転モーターには、内外2セットの巻線とロータが設けられ、それらを1セットのインバータで同期して制御しており、ブラシを省略し、騒音を低減し、モーターの寿命を向上させることができるとともに、インバータを2セットとする必要がなくなるため、コストがより低く、かつ制御もより簡単である。
【0018】
本発明の実施例における技術方案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は、本発明の一部の実施例を示しているに過ぎず、当業者にとっては、創作的な労力なしで前述の図面により他の図面を導き出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る二重反転モーターの一つの実施例の概略構成図である。
図2】本発明に係る二重反転モーターの一つの実施例の概略構成図である。
図3】本発明に係る二重反転モーターの別の実施例の概略構成図である。
図4】本発明に係る高速度ミキサーの実施例の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術方案を明確に、かつ、全面的に説明するが、明らかに、説明される実施例は、本発明の実施例の全てというよりは一部に過ぎない。創作的な労力なしで本発明の実施例に基づいて当業者によって得られる他の実施例は全て、本発明の保護範囲内に含まれる。
【0021】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る二重反転モーター10の実施例は、相順が互いに逆である外巻線110と内巻線120とが設けられるステータ100と、外巻線110および内巻線120と並列に接続され、外巻線110および内巻線120に同期して励磁電流を供給するインバータ200と、内巻線120の内に設けられ、内巻線120によって第1の方向に回転するようになるインナーロータ300と、外巻線110の外に設けられ、外巻線110によって第1の方向とは反対の第2の方向に回転するようになるアウターロータ400と、を備える。
【0022】
本発明に係る二重反転モーターには、内外2セットの巻線とロータが設けられ、それらを1セットのインバータで同期して制御しており、ブラシを省略し、騒音を低減し、モーターの寿命を向上させることができるとともに、インバータを2セットとする必要がなくなるため、コストがより低く、かつ制御もより簡単である。
【0023】
ここで、インナーロータ300及びアウターロータ400の一方は、第1のリスケージロータであり、他方は、第2のリスケージロータ、永久磁石ロータ又はリラクタンスロータである。インバータ200は、第2のリスケージロータ、永久磁石ロータ又はリラクタンスロータを閉ループベクトル制御して、第1のリスケージロータがV/F開ループ制御方式で自動的に運転されている。具体的には、閉ループベクトル制御では、モーターの回転数とトルクを個別に制御し、受信したフィードバック信号に基づいて、異なる負荷に合わせた出力電圧を生成することができる。V/F開ループ制御とは、出力電圧Vと運転周波数Fの比が一定値であり、またフィードバック信号を受信できないため、その出力電圧が負荷に影響されないことを意味する。
【0024】
例えば、本実施例では、アウターロータ400は第1のリスケージロータであり、インナーロータ300は、内部に永久磁石310が埋設されたまたは表面に永久磁石310が貼り付けられた永久磁石ロータであり、インバータ200は永久磁石ロータを閉ループベクトル制御して、第1のリスケージロータがV/F開ループ制御方式で自動的に運転されているようにする。例えば、他の実施例では、インナーロータ300は第1のリスケージロータ、アウターロータ400は第2のリスケージロータであってもよく、インバータ200は第2のリスケージロータを閉ループベクトル制御することで第1のリスケージロータのV/Fオープンループ制御を実現する。
【0025】
本発明の実施例は、インナーロータ300及びアウターロータ400の一方を第1のリスケージロータとすることにより、デュアル永久磁石ロータ、デュアルリラクタンスロータ、または永久磁石とリラクタンスが協動しているデュアルロータモーターでは2セットのインバータで個別に制御しなければならないという欠点を回避することができ、インナーロータ300およびアウターロータ400の2つのロータの制御を1セットのインバータで実現することができる。
【0026】
外巻線110および内巻線120は、それぞれ三相巻線で構成され、外巻線110における三相巻線の相順は、内巻線120における三相巻線の相順と逆であることで、内巻線120に対応するインナーロータ300と、外巻線110に対応するアウターロータ400とは互いに反対方向に回転可能のようになる。
【0027】
本実施例では、外巻線110および内巻線120は、それぞれ複数組の三相巻線で構成され、外巻線110の各組における三相巻線の相順は同じであり、内巻線120の各組における三相巻線の相順は同じであることで、内巻線120に対応するインナーロータ300または外巻線110に対応するアウターロータ400は同一方向に回転し続けることができるようになる。
【0028】
具体的には、三相巻線は、A相巻線、B相巻線、およびC相巻線からなり、本実施例では、内巻線120におけるA相巻線121、B相巻線122、およびC相巻線123が反時計回りの順に、外巻線110におけるA相巻線111、B相巻線112、およびC相巻線113が時計回りの順にそれぞれ配列されている。他の実施例では、内巻線120におけるA相巻線121、B相巻線122、およびC相巻線123が時計回りの順に配列されてもよいし、この場合、外巻線110におけるA相巻線111、B相巻線112、およびC相巻線113が反時計回りの順に配列されるが、ここでは限定しない。
【0029】
インバータ200は、外巻線110および内巻線120のA相巻線と並列に接続された第1の電流出力端子210と、外巻線110および内巻線120のB相巻線と並列に接続された第2の電流出力端子220と、外巻線110および内巻線120のC相巻線と並列に接続された第3の電流出力端子230とを備えており、このような構成によれば、インバータ200は、内巻線120の三相巻線を個別に精密に制御しつつ、外巻線110の三相巻線の制御を自動的に実現することができる。
【0030】
本実施例では、ステータ100は、インナーステータ130と、インナーステータ130の外周に外嵌されているアウターステータ140とを備え、インナーステータ130に内巻線120が設けられ、アウターステータ140に外巻線110が設けられ、ここで、二重反転モーター10は、アウターステータ140とインナーステータ130との間に設けられ、外巻線110と内巻線120とを磁気的に分離するための磁気分離バリア500をさらに備える。本発明の実施例は、磁気分離バリアを設けることによって、外巻線と内巻線とを磁気的に分離することができ、外巻線と内巻線との間の磁界同士が干渉して二重反転モーターの正常な運転に影響を与えたことを回避している。
【0031】
具体的には、電源(図示せず)からの電力はインバータ200を介して外巻線110と内巻線120に同時に供給されて、励磁電流によって内巻線120は第1の磁界を発生させ、永久磁石ロータを第1の方向(例えば、本実施例では時計方向であってもよい方向)に回転駆動しており、内巻線120の電圧と周波数が徐々に高くなっているにつれて、永久磁石ロータの回転速度も徐々に高くなり、インバータ200は、内巻線120の出力電圧、出力電流および出力周波数を精密に制御することによって、永久磁石ロータの速度やトルクを精密に制御し、内巻線120の閉ループベクトル制御を実現する。同時に、インバータ200に内巻線120とともに並列に接続された外巻線110は、励磁電流をも受け入れて第2の磁界を発生させ、ただし、外巻線110の相順が内巻線120の相順と逆であるため、外巻線110の駆動によって、第1のリスケージロータは第1の方向と逆の第2の方向(例えば、本実施例では反時計方向であってもよい方向)に回転されるようになり、外巻線110の電圧と周波数が徐々に高くなっているにつれて、第1のリスケージロータの回転速度も徐々に高くなる。なお、内巻線120は、インバータ200が閉ループベクトル制御を実現した場合、その出力電圧と出力周波数の比は一定であるため、第1のリスケージロータはV/Fオープンループ制御方式で自動的に運転できるようになる。第1のリスケージロータは、その負荷が大きい場合、自身の制御により、その運転中の回転数が磁界の同期回転数より低くなって、回転差が生じ、負荷に合わせた非同期電磁トルクが生成され、脱調のリスクが回避される。
【0032】
図3を参照すると、別の具体的な実施例では、二重反転モーター10は、内輪に内巻線120が設け、外輪に外巻線110が設けた一体的なステータ100を一つ備え、内巻線120および外巻線110を精密に制御することでそれら同士の干渉を回避するものである。本実施例は、上述した磁気分離バリアが設けた二重反転モーターの実施例よりも制御方法が複雑であるが、構造がより簡単である。
【0033】
図4を参照すると、本発明に係る高速度ミキサーの実施例は、二重反転モーター10と、第1のブレード610と、第2のブレード620とを備え、ただし、二重反転モーター10の構成について、上記した二重反転モーター10の実施例を参照してもよく、ここでは説明を省略する。第1のブレード610はインナーロータ300に連結され、第2のブレード620はアウターロータ400に連結されており、第1のブレード610と第2のブレード620とが相対回転可能であるようにしている。
【0034】
具体的には、高速度ミキサーは、ベース700と、第1の出力軸710と、第2の出力軸720と、カップ800と、をさらに備え、カップ800は、収容キャビティ810を形成するためにベース700に設けられ、二重反転モーター10は、ベース700に内蔵され、第1の出力軸710と、第1の出力軸710に外嵌されている第2の出力軸720とは、ベース700に貫通して設けられ、また、第1の出力軸710は、インナーロータ300、第1のブレード610にそれぞれ固定連結され、第2の出力軸720は、アウターロータ400、第2のブレード620にそれぞれ固定連結されており、第1のブレード610、第2のブレード620がそれぞれインナーロータ300、アウターロータ400に従って相対回転可能であるようにして、なお、それらの相対回転数は片方のブレードの回転数の2倍に達することができるので、収容キャビティ810の中に収容された食品をより良く加工することができる。他の実施例では、第1の出力軸710、第2の出力軸720にそれぞれ複数のブレードが設けられてもよいが、ここでは限定しない。
【0035】
本発明の実施例は、高速度ミキサーにおける二重反転モーターに内外2セットの巻線とロータを設け、それらを1セットのインバータで同期して制御することにより、ブラシを省略し、騒音を低減し、モーターの寿命を向上させることができるとともに、インバータを2セットとする必要がなくなるため、コストがより低く、かつ制御もより簡単である。インナーロータとアウターロータにそれぞれ連結されたブレードを設置することで、2つのブレードの相対回転数が片方のブレードの回転数の2倍に達し、騒音を増加させることなく加工効率を向上させることが可能になった。
【0036】
上述したのは、本発明の実施態様に過ぎず、これによって本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、本発明の明細書および図面の内容を用いて行われたすべての同等の構造もしくは同等のフローの変更、またはその他の関連する技術分野に直接もしくは間接的に用いたものは、同様に本発明の特許保護範囲内にいずれも含まれる。
【符号の説明】
【0037】
10 二重反転モーター
100 ステータ
110 外巻線
111 A相巻線
112 B相巻線
113 C相巻線
120 内巻線
121 A相巻線
122 B相巻線
123 C相巻線
130 インナーステータ
140 アウターステータ
200 インバータ
210 第1の電流出力端子
220 第2の電流出力端子
230 第3の電流出力端子
300 インナーロータ
310 永久磁石
400 アウターロータ
500 磁気分離バリア
610 第1のブレード
620 第2のブレード
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】