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特表2022-514538リベット分配システムおよびその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】リベット分配システムおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/06 20060101AFI20220204BHJP
   B23K 11/11 20060101ALI20220204BHJP
   B23P 19/04 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
B23P19/06 A
B23K11/11 590
B23P19/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534217
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 US2019066133
(87)【国際公開番号】W WO2020123896
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】62/778,939
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504162062
【氏名又は名称】ハウメット エアロスペース インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520103540
【氏名又は名称】センターライン(ウィンザー) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CENTERLINE(WINDSOR) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ピーター・ヴァンダーズウェット
(72)【発明者】
【氏名】シモン・モーリス・ブリットン
(72)【発明者】
【氏名】ラリー・フランク・コスシエルスキー
(72)【発明者】
【氏名】エリク・ジャン・ミショー
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・マリオ・シモーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・ジェイ・スピネラ
(72)【発明者】
【氏名】ジーノ・エヌ・イアセラ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・バーグストローム
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ビー・ウィルコックス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・アール・キングスベリー
(72)【発明者】
【氏名】グラハム・スコット・マスグローブ
【テーマコード(参考)】
3C030
4E165
【Fターム(参考)】
3C030AA15
3C030BB02
3C030BD06
4E165AB23
(57)【要約】
リベットディスペンサシステムおよびその使用方法が提供される。非限定的な実施形態では、リベットディスペンサシステムは、その中にチャネルを画定するリベット受容部材と、シート部材とを備える。チャネルは、湾曲領域を含む。リベット受容部材は、第一のポートおよび第二のポートを備える。第一のポートはチャネルと連通し、およびリベットを受け入れるように構成される。第二のポートはチャネルと連通し、およびリベットを分配するように構成される。チャネルは、第一のポートと第二のポートとの間に延在し、リベットを第一のポートから第二のポートに直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成される。シート部材は、第二のポートと連通し、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダと選択的に係合し、一回につき単一のリベットをリベットホルダに導入するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベットディスペンサシステムであって、
その中にチャネルを画定するリベット受容部材であって、前記チャネルは湾曲領域を含み、前記リベット受容部材は、
前記チャネルと連通し、およびリベットを受け入れるように構成される第一のポートと、
前記チャネルと連通し、およびリベットを分配するように構成される第二のポートと、を備え、
前記チャネルは、前記第一のポートと前記第二のポートとの間に延在し、リベットを前記第一のポートから前記第二のポートに直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成される、リベット受容部材と、
前記第二のポートと連通し、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダと選択的に係合し、一回につき単一のリベットを前記リベットホルダに導入するように構成されるシート部材と、を備える、リベットディスペンサシステム。
【請求項2】
前記シート部材とは無関係にリベットを移動させるように構成される作動部材をさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項3】
前記作動部材が、レバーならびに前記レバーと連通するアクチュエータおよびピストンのうちの少なくとも一つを備える、請求項2に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項4】
前記レバーは、追加のリベットが前記第二のポートから前記シート部材上に前進するのを阻止するように構成される突起を備える、請求項3に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項5】
前記リベットを前記シート部材に向かって付勢するように構成されるテンショナをさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項6】
前記テンショナが、前記チャネル内に延在し、前記チャネルから引っ込むように構成されるフィンガをさらに備える、請求項5に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項7】
前記チャネルと連通する二次チャネルをさらに備え、前記テンショナが前記二次チャネル内に移動して、前記チャネルによってリベットが受け入れられるのを可能にするように構成される、請求項5に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項8】
前記テンショナが、前記チャネル内で前記テンショナを移動させるために、リベットディスペンサ再装填システムに係合するのに適した突起を備える、請求項5に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項9】
第一のリンケージおよび第二のリンケージを備える駆動ユニットをさらに備え、各リンケージは前記リベット受容部材に枢動可能に結合され、前記駆動ユニットは、第一の位置と第二の位置との間を横断させるため経路に沿って前記リベット受容部材を移動させるように構成される、請求項1に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項10】
前記経路が円弧形状である、請求項9に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項11】
前記駆動ユニットが、
前記第一のリンケージおよび前記第二のリンケージを備えるバーリンケージと、
前記第一のリンケージと前記第二のリンケージを連結するメインキャリッジと、
前記第一のリンケージと前記第二のリンケージを連結する二次キャリッジと、
前記メインキャリッジおよび前記二次キャリッジの少なくとも一つを移動するように構成されたアクチュエータと、を備える、請求項9に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項12】
前記リベット受容部材を前記第一の位置に付勢するため前記メインキャリッジに連結されたばねをさらに備える、請求項11に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項13】
前記チャネル内のリベットの数量を判定するように構成されるリベットセンサをさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のリベットディスペンサシステムを備える、抵抗スポットリベット溶接装置。
【請求項15】
抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダにリベットを分配する方法であって、前記方法は、
リベットディスペンサシステムのチャネル内に前記リベットを受け入れることおよび前記リベットディスペンサシステムのシート部材上に前記リベットを格納することと、
前記リベットディスペンサシステムを経路に沿って移動させて、前記シート部材を前記リベットホルダと位置合わせすることと、
前記シート部材上に格納される前記リベットを前記リベットホルダに導入することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記リベットディスペンサシステムの移動中に、前記リベットを前記リベットディスペンサシステムのジョーで前記シート部材上に保持することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
リベットが前記チャネルに導入されるのを可能にするのに適したリベット再装填位置に、前記リベットディスペンサシステムのテンショナを移動させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記経路が円弧である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記チャネル内のリベットの数量を判定することおよび前記判定された数量をリベットディスペンサ再装填システムに伝達することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/778,939号の優先権を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、リベットディスペンサシステムおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ワークピースを一緒に固定する現在の方法は、例えば、自己穿孔型リベットまたはフロードリルリベットの使用を含む場合がある。固定の他の方法は、抵抗スポットリベット溶接装置へのリベットの自動供給を必要とし得る。リベットを抵抗スポットリベット溶接システムに供給することには課題がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、リベットディスペンサシステムが提供される。リベットディスペンサシステムは、その中にチャネルを画定するリベット受容部材およびシート部材を備える。チャネルは、湾曲領域を含む。リベット受容部材は、第一のポートおよび第二のポートを備える。第一のポートはチャネルと連通し、およびリベットを受け入れるように構成される。第二のポートはチャネルと連通し、およびリベットを分配するように構成される。チャネルは、第一のポートと第二のポートとの間に延在し、リベットを第一のポートから第二のポートに直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成される。シート部材は、第二のポートと連通し、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダと選択的に係合し、一回につき単一のリベットをリベットホルダに導入するように構成される。
【0005】
他の態様では、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダにリベットを分配する方法が、提供される。この方法は、リベットディスペンサシステムのチャネル内にリベットを受け入れること、およびリベットディスペンサシステムのシート部材にリベットを格納することを含む。方法は、シート部材をリベットホルダと位置合わせさせるために経路に沿ってリベットディスペンサシステムを移動させること、およびシート部材上に格納されたリベットをリベットホルダに導入することを含む。
【0006】
本明細書に開示されおよび記載される発明は、この発明の概要に要約される態様に限定されないことが理解される。読者は、本明細書による様々な非限定的および非網羅的な態様の以下の詳細な説明を検討すると、前述の詳細およびその他の詳細を理解するであろう。
【0007】
添付の図面と共に以下の説明を参照することにより、実施例の特徴と利点、およびそれらを達成する方法はより明らかになり、実施例は、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示による、第一の構成に示されるテンショナを備えるリベットディスペンサシステムの非限定的な実施形態の右側面断面図である。
図1B】テンショナが第二の構成に示される、図1Aのリベットディスペンサシステムの右側面断面図である。
図1C図1Aのリベットディスペンサシステムのシート部材および近接領域の斜視図である。
図1D図1Aのリベットディスペンサシステムのシート部材および近接領域の部分断面の左側面図である。
図2A】第一の構成に示される本開示によるリベットディスペンサシステムの非限定的な実施形態の左側面立面図である。
図2B】第二の構成に示される図2Aのリベットディスペンサシステムの左側面立面図である。
図2C図2Aのリベットディスペンサシステムの右後方斜視図である。
図2D】システムの駆動ユニットからカバーを取り外した状態の図2Aのリベットディスペンサシステムの右前方斜視図である。
図3A】第一の構成に示される本開示によるリベットディスペンサシステムの非限定的な実施形態を備える抵抗スポットリベット溶接装置の非限定的な実施形態の斜視図である。
図3B】リベットディスペンサシステムが第二の構成に示される図3Aの抵抗スポットリベット溶接装置の斜視図である。
図4A】静止位置に示される実質的に平行なバーリンケージを備える本開示によるリベットディスペンサシステムの非限定的な実施形態の正面立面図、正面斜視図、および側面立面図である。
図4B】第一の位置に示される図4Aのリベットディスペンサシステムの正面立面図、正面斜視図、および側面立面図である。
図4C】第二の位置に示される図4Aのリベットディスペンサシステムの正面立面図、正面斜視図、後方斜視図、および側面立面図である。
図5A】本開示によるリベットディスペンサシステムの非限定的な実施形態の右正面斜視図である。
図5B図5Aのリベットディスペンサシステムの正面立面図である。
図5C図5Bの線A-Aに沿って切り取られた図5Aのリベットディスペンサシステムの左側面断面立面図である。
図5D図5Bの線B-Bに沿って切り取られた図5Aのリベットディスペンサシステムの駆動ユニットの立面断面図である。
図5E図5Aのリベットディスペンサシステムの右側面立面図である。
図5F図5Aのリベットディスペンサシステムの上面図である。
図6A】テンショナが、チャネル内のリベットをシート部材に向かって付勢することができる、リベットテンションの構成でシステムが示される図5Bの線A-Aに沿って切り取られた図5Aのリベットディスペンサシステムの左側面断面立面図である。
図6B】テンショナは二次チャネル内にあり、システムはリベットを受け入れるように構成されている、リベット再装填準備構成に示される図6Aのリベットディスペンサシステムの左側面断面立面図である。
図6C】チャネルはリベットが再装填されており、テンショナはチャネル内のリベットをシート部材に向かって付勢することができる、再装填構成に示される図6Aのリベットディスペンサシステムの左側面断面立面図である。
図7A】テンショナのフィンガがチャネル内に展開されている、第一の位置のテンショナを備えるリベットディスペンサシステムの非限定的な実施形態の側面立面断面図である。
図7B】テンショナが第二の位置にあり、フィンガがチャネルから引っ込んでいる、図7Aのリベットディスペンサシステムの側面断面立面図である。
図7C】テンショナが第三の位置にあり、フィンガがチャネル内に再展開されている、図7Bのリベットディスペンサシステムの側面断面立面図である。
図8A】本開示による二つのリベットディスペンサシステム(非限定的な実施形態)を備える抵抗スポットリベット溶接装置の非限定的な実施形態を示す正面立面図である。
図8B図8Aの抵抗スポットリベット溶接装置の左側面立面図である。
図8C図8Aの抵抗スポットリベット溶接装置の底面正面斜視図である。
図8D図8Aの抵抗スポットリベット溶接装置の上面正面斜視図である。
図9A図6Cのリベットディスペンサシステムのテンショナを示す詳細図である。
図9B】単独で示されている図6Cのリベット分配システムのテンショナの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
対応する参照文字は、いくつかの図全体を通して対応する部品を示す。本明細書に記載される例示は、いくつかの実施形態を一つの形で例示し、このような例示は、いかなる形においても、添付の特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0010】
開示された装置、システム、および方法の構造、機能、および用途の全体的な理解を提供するために、様々な例が本明細書で記載および例示されている。本明細書に記載および例示される様々な例は、非限定的および非網羅的である。したがって、本発明は、本明細書に開示の様々な非限定的および非網羅的な例の記載によって限定されない。むしろ、本発明は特許請求の範囲によってのみ定義される。様々な例に関連して例示および/または記載される特徴および特性を、他の例の特徴および特性と組み合わせることができる。このような修正および変形は、本明細書の範囲内に含まれることが意図される。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に明示的または本質的に記載されている、あるいはそうでなければ明示的または本質的に支持される特徴または特性を列挙するように補正される場合がある。さらに、出願人は、特許請求の範囲を補正して、先行技術に存在する可能性のある機能または特徴を肯定的に放棄する権利を留保する。本明細書に開示および記載の様々な実施形態は、本明細書に様々に記載の特徴および特性を含む、それらからなる、またはそれから本質的になることができる。
【0011】
本明細書における「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」、または同様の語句への言及は、例に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書における語句「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、「実施形態では」、または同様の語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の記載の特徴、構造、または特性を、一つまたは複数の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができる。したがって、一実施形態に関連して例示または記載される特定の特徴、構造、または特性を、全体的または部分的に、限定されることなく一つまたは複数の他の実施形態の特徴、構造、または特性と組み合わせることができる。このような修正および変形は、本実施形態の範囲内に含まれることが意図される。
【0012】
本明細書で使用する文法冠詞「一つ(a)」、「一つ(an)」、および「その(the)」は、場合によっては「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」が明確に使用される場合であっても、特に明記しない限り、「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を含むことを意図する。したがって、前述の文法冠詞は、特定の識別された要素の一つまたは一つより多く(すなわち、「少なくとも一つ」)を指すために本明細書で使用される。さらに、文脈から他の意味に解釈すべき場合を除いて、単数形の名詞の使用には複数形が含まれ、複数形の名詞の使用には単数形が含まれる。
【0013】
本明細書で使用する場合、二つの他の要素または領域の「中間」である参照される要素または領域は、参照される要素/領域が二つの別の要素/領域の間に配置されるが、必ずしも接触している必要はないことを意味する。したがって、例えば、第一の要素および第二の要素の「中間」である参照される要素は、第一および/もしくは第二の要素に隣接していてもしていなくてもよく、または接触していてもしていなくてもよい。別の要素は、参照される要素と第一および/または第二の要素との間に配置されていてもよい。
【0014】
抵抗スポットリベット(RSR(商標))接合技術は、様々な材料の組み合わせから作られた様々な部品のアセンブリの接合を可能にし得る新しい抵抗接合技術である。RSR(商標)接合技術は、様々な形状および材料のリベット(例えば金属リベット)を使用して、各接合状況に一致する解決法の選択肢を提供する。リベットは、改良された抵抗スポット溶接ガン(例えば、トランスガン)を使用して接合部に適用することができる。溶接ガンを、ロボットマニピュレータおよび/または台座溶接機とペアにして、補助機器のシステムに統合することができる。RSR(商標)接合技術を使用して作製された各接合部は、典型的には一つのリベットを消費する。
【0015】
部品の接合にリベットが必要な場合、本開示によるリベットディスペンサシステムは、接合される部品アセンブリへリベットを取り付ける場所に近接する場所にリベットを搬送することができる。
【0016】
図1A図1Dを参照すると、リベットディスペンサシステム100が提供される。リベットディスペンサシステム100は、リベット受容部材102、シート部材104、作動部材106、およびテンショナ108を備えることができる。リベット受容部材102は、所定の数のリベットを収容するのに好適なサイズおよび形状を有するチャネル114を含むように構成されることができる。様々な非限定的な実施形態では、チャネル114の長さは、RSR(商標)接合技術を使用して、単一の製造サイクルに適したリベットの数量を収容することができる。したがって、チャネル114内のリベットの数量は、製造サイクルの間、溶接ガンが割り出されている時、部品が装填されている/取り除かれる時、および/または溶接電極先端のメンテナンスサイクル中に補充される必要があるだけであってもよい。
【0017】
リベット受容部材102によって画定されるチャネル114は、チャネル114と連通する第一のポート110および第二のポート112を備える。第一のポート110は、リベットを受け入れるように構成することができ、第二のポート112は、リベットを分配するように構成することができる。チャネル114は、第一のポート110から第二のポート112まで延在することができ、リベット、例えばリベット134aおよびリベット134bを受け入れるおよび/または格納することができる。様々な非限定的な実施形態では、リベット134aおよび134bは、同じ寸法または異なる寸法を含み得る。様々な非限定的な実施形態では、リベット134aおよび134bは、同じ材料または異なる材料を含み得る。
【0018】
第一のポート110は、リベット供給源、例えば、振動ボウルまたはリベットディスペンサ再装填システムからリベットを受け入れることができ、第二のポート112は、チャネル114から下流の位置までリベットを分配することができる。チャネル114は、第一のポート110と第二のポート112との間でリベットを搬送するように構成することができる。チャネル114は、例えば、略T字形の輪郭を有するリベットを受け入れて搬送するのに好適な、略T字形の断面を備えることができる。例えば、T字形の断面の上部領域は、リベットのヘッド部を収容するようにサイズ設定することができ、T字形の断面の横断領域は、リベットのシャンクを収容するようにサイズ設定することができる。
【0019】
様々な他の非限定的な実施形態では、チャネル114の断面は、溶接スタッドおよび/または溶接ナットを収容するように構成することができる。チャネル114の断面形状およびサイズは、チャネル114内に配置されたリベットの詰まり、チャネル114内のリベットのシングリング(例えば、ヘッド位置の重なり合い)、およびチャネル114内の連続するリベット間のギャップを、防止できなくても阻止することができる。例えば、チャネル114は、リベット134aおよび134bを第一のポート110からチャネル114を通って第二のポート112へ直列配列および事前に選択された向きで通過するのを可能にするように構成されることができる。
【0020】
チャネル114は、湾曲領域114aを含む、略J字型経路に続くことができる。リベット受容部材102のチャネル114は、事前に選択された向きで第一のポート110を通るリベット134aおよび134bを受け入れることができ、リベット134aおよび134bがチャネル114のJ字型経路に沿って進むに連れて、リベットは、第二のポート112から出て進むとき、抵抗スポットリベット溶接装置(図1A図1Dに図示せず)のリベットホルダに提供するために好適な向きを取るように再配向される。
【0021】
いくつかの非限定的な実施形態では、加圧ガスは、リベット134aおよび134bを第一のポート110を通って直列および事前に選択された向きで付勢し、チャネル114の中へおよびそれを通って、第二のポート112から出す。加圧ガスは、第一のポート110および/またはチャネル114内へ導入されることができる。加圧ガスは、チャネル114内のリベットの詰まり、チャネル114内のリベットのシングリング(例えば、リベットのヘッド部分の重なり合い)、およびチャネル114内の連続するリベット間のギャップを、防止できなくても阻止することができる。
【0022】
テンショナ108は、チャネル114の一部分を通って移動し、チャネル114内のリベットに強制的に接触して、それによって、チャネル114の湾曲領域114aを通って第二のポート112に向かって、シート部材104上にリベットを付勢することができる。様々な非限定的な実施形態では、テンショナ108は、チャネル114をリベットで再装填するよう適合されたリベットディスペンサ再装填システム(図示せず)と係合する突起108aを含み得る。突起108aがリベットディスペンサ再装填システムと係合すると、テンショナ108は、二次チャネル116に移動し、図1Aに示す第一の構成を取ることができる。テンショナ108が第一の構成にある時、追加のリベットは、第一のポート110からチャネル114内に入り、チャネル114に沿って第二のポート112に向かって進むことができる。
【0023】
図1Bを参照すると、リベットディスペンサ再装填システムとの係合が解除されると、テンショナ108は解放され、チャネル114内のリベットに強制的に接触して、チャネル114に沿って移動させ、リベットをシート部材104に向かって付勢することができる。テンショナ108は、ばね、ピストン、アクチュエータ、およびプランジャのうちの少なくとも一つを備えることができる。
【0024】
様々な非限定的な実施形態では、リベットディスペンサシステム500が図5A図5Fおよび6A~6Cに提供される。図6Aは、リベット張力構成におけるリベットディスペンサシステム500のテンショナ108を示し、テンショナ108は、チャネル114内のリベット534をシート部材104に向かって付勢することができる。図6Bに例示するように、テンショナ108は、第一のポート110からチャネル114内に追加のリベットを受け入れることができるように、二次チャネル116内へのリベット再装填準備完了構成に移動することができる。テンショナ108は、リベット再装填システムによって二次チャネル116内に移動され、所望の数のリベットが第一のポート110を通してチャネル114に追加されるまで二次チャネル116内に保持され得る。追加のリベットがチャネル114に追加された後、テンショナ108は、二次チャネル116から解放され、チャネル114に入り、リベット534に強制的に接触して、チャネル114内のリベット534をシート部材104に向かって付勢することができる。
【0025】
テンショナ108の詳細図は、図9A図9Bに提供される。これらの図に例示するように、テンショナ108の形状は、リベットが第一のポート110からチャネル114へ図に示されるその間の「Y」字形の合流点で滑らかに移行できるように、リベットがチャネル116に入るのを防ぐことを容易にすることができる。テンショナ108は、リベット534のシャンク直径と実質的に等しい厚さ、リベット534のシャンク長さと実質的に等しい高さを有するフィン様突起108aを備え、リベット534のヘッドの半径の外形に従うことができる。
【0026】
図7A図7Cは、テンショナ708を備えるリベットディスペンサシステム700の非限定的な実施形態を示し、テンショナ708は、リベット受容部材102のチャネル714内の第一の位置にある。チャネル714は、第一のポート110から第二のポート112まで延在する、単一の連続的な分岐していないチャネルであり得る。テンショナ708は、リベット534をチャネル714の湾曲領域714aに沿って横断するように付勢することができる。テンショナ708は、リベット534のヘッドの平面で屈曲することができ、テンショナ708の長さに沿ってばねの圧縮負荷を処理できる。様々な非限定的な実施形態では、テンショナ708は、ロッドレスシリンダ(例えば、エアシリンダ)を含み得る。ロッドレスシリンダは、チャネル714に沿ってテンショナ708を移動させることができる。
【0027】
様々な非限定的な実施形態では、テンショナ708は、チャネル714内に展開および延在し得る、またはチャネル714から引っ込むことができるフィンガ708bを備えてもよく、リベットが、テンショナ708を通り過ぎてチャネル714に沿って横断することを可能にすることができる。フィンガ708bは、図7Aに例示するようにチャネル714内に展開されると、リベット734に強制的に接触することができる。フィンガ708bは、図7Bに例示するように引っ込むことができ、およびテンショナ708は、チャネル714に追加のリベットを追加するために、チャネル714の第二の位置に移動することができる。追加のリベットは、テンショナ708を過ぎて、第二のポート112に向かってチャネル714を通って横断することができる。その後、フィンガ708bをチャネル714内に再展開することができ、テンショナ708を第三の位置に移動させて、追加のリベットに強制的に接触させることができる。例えば、ロッドレスシリンダは、フィンガ708bを再展開し、テンショナ708を追加のリベットとの強制的な接触に移動させることができる。
【0028】
図1C図1Dを参照すると、シート部材104は第二のポート112と連通することができ、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダと選択的に係合するように構成され得る。シート部材104は、第二のポート112から一回につき単一のリベットを受け入れることができる。シート部材104は、第二のポート112からリベットを受け入れ、リベットディスペンサシステム100上の事前に選択された位置および向きにリベットを保持するように構成されることができる第一のジョー120a、第二のジョー120b、およびブロック120cを備えることができる。抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダ(図1A図1Dに図示せず)によって、シート部材104からリベットを取り外すことができる。図1Cに例示するように、ジョー120aおよび120bはブロック120cに枢動可能に結合されることができ、シート部材104上に配置されるときにリベット134bに強制的に接触するように適合することができる。強制的な接触によって、リベットディスペンサシステム100の移動中に、シート部材104に対するリベットの位置および/または向きが変化するのを制限および/または防止することができる。
【0029】
様々な実施形態では、シート部材104は、リベット134bが事前に選択された位置にある場合に、リベットがグロメットとジョー120aおよび120bとの中間に配置されるように、グロメットを備えることができる。ジョー120aおよび120bに捕捉される単一のリベットは、リベットホルダに移動されることができる。
【0030】
作動部材106は、シート部材104と無関係に、リベットを移動させることができる。例えば、作動部材106は、レバー142およびアクチュエータまたはピストン140を備えることができる。アクチュエータまたはピストン140は、レバー142の第二の端部142bを第一の位置から第二の位置へ移動させる作動部材106のレバー142の第一の端部142aに力を加えることができ、それにより、(図1Dに例示するように)シート部材104上のリベット134bを係合させ、シート部材104の上の二次位置へ移動させることができる。二次位置にある時、リベット134bは、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダによって係合され、シート部材104から取り除かれ得る。リベットホルダがリベット134bと係合し、シート部材104からリベット134bが取り除かれると、レバー142が第一の位置に戻る時に、リベット134bはシート部材104に戻らない。その後、別のリベット134aは、第二のポート112からシート部材104上へ移動することができる。
【0031】
レバー142は、追加のリベットと係合し、追加のリベットが第二のポート112からシート部材104内に前進するのを阻止することができる突起142cを備えることができる。例えば、レバー142の第二の端部142bが、図1A図1Bに示される第一の位置から図1Dに示される第二の位置に移動されるとき、突起142cは、第二のポート112を出てシート部材104に入るように隣に並ぶリベット134aと強制的に接触し、その動きを妨げうるが、一方でリベット134bをシート部材104に対して移動させる。
【0032】
様々な非限定的実施形態では、図1A図1Bを参照すると、リベット受容部材102は、リベットディスペンサ再装填システムと係合し、および/またはリベットディスペンサ再装填システムとの位置合わせを容易にするのに適した接触プレート146を含み得る。
【0033】
リベットディスペンサシステム100は、単一の平面でリベット受容部材102を移動するように構成されることができる。例えば、図2A図2Dに例示するように、システム100は駆動ユニット118を備えることができる。駆動ユニット118は、図2Aに示す第一の位置と図2Bに示す第二の位置との間の経路に沿ってリベット受容部材102を動かすように構成されることができる。様々な非限定的な実施形態では、リベット受容部材102は、第一の位置と第二の位置との間で移動する時、円弧、例えば、定常円弧を横断することができる。駆動ユニット118は、第一のリンケージ122aおよび第二のリンケージ122bを備えることができる。第一のリンケージ122aは、ピン124a、リンク部材126a、およびピン128aを備えることができる。ピン124aは、リンク部材126aに対して固定され、駆動ユニット118の本体118aに対して回転可能であることができる。ピン126aは、リンク部材126aおよびリベット受容部材102に対して回転可能であることができる。ピン124aを回転させることにより、リンク部材126aを回転させることができる。第二のリンケージ122bは、ピン124b、リンク部材126b、およびピン128bを備えることができる。ピン124bは、リンク部材126bに対して固定され、本体118aに対して回転可能であることができる。ピン128bは、リンク部材126bおよびリベット受容部材102に対して回転可能であることができる。ピン124bを回転させることにより、リンク部材126bを回転させることができる。リンク部材126aおよび126bを回転させることにより、リベット受容部材102を、図2Aに示す第一の位置と図2Bに示す第二の位置との間の経路に沿って単一の平面内で移動させることができる。様々な実施形態では、リンケージ122aおよび122bは、角度の付いたバーおよび/または平行アームを備えることができる。
【0034】
図2Dに例示するように、ピン124aおよび124bを、ベルト144によって同時に回転させることができる。ベルト144は、ピン124aおよび124bの両方と連通することができる。ベルト144の回転は、ピン124aおよび124bを回転させ、それによって、リベット受容部材102を弧状経路に移動させることができるリンケージ122aおよび122bを移動させることができる。ベルト144は、リベット分配装置100が抵抗スポットリベット溶接装置の喉と実質的に平行となるように、リンケージ122aおよび122bの移動を同期化することができる。ベルト144は、歯を含むことができ、ピン124aおよび124bはそれぞれ、非同期移動を阻止することができるギアを含むことができる。
【0035】
線形作動部材130は、ピン124aおよび124bを回転させるベルト128を動かすことができる。様々な非限定的な実施形態では、線形作動部材130は、アクチュエータおよびピストンのうちの少なくとも一つを備える。様々な実施形態では、線形作動部材130は空気圧で作動する。例えば、線形作動部材130は、接合部130aを介してベルト128に連結することができる。線形作動部材130が直線的に前後に動くとき、ベルト128はまた前後に移動し、ピン124aおよび124bを一方の回転方向に回転させ、次いで他方向に回転させる。ピン124aおよび124bの周期的回転により、リベット受容部材102は、駆動ユニット118に対して弧状経路を一方向に、次いで反対方向にスイープする。
【0036】
図3A図3Bに例示するように、抵抗スポットリベット溶接装置136は、リベットホルダ138およびリベットディスペンサシステム100を備えることができる。リベットディスペンサシステム100は、抵抗スポットリベット溶接装置136の喉を回避し、部品クリアランスを増加させるために、多段階経路で移動することができる。例えば、図3Aは、リベット受容部材102が、リベットホルダ138が部品と係合し、溶接できるように、リベットホルダ138から離れて配置される、第一の構成のリベットディスペンサシステム100を例示する。駆動ユニット118は、その後、リベット受容部材102が、シート部材104上に配置されたリベット134bをリベットホルダ138に提示するように配置する、図3Bに例示される第二の構成にリベットディスペンサシステム100のリベット受容部材102を移動することができる。様々な非限定的な実施形態では、リベットホルダ138およびリベットディスペンサシステム100は、台座スポットリベット溶接装置の構成要素であり得る。様々な非限定的な実施形態では、リベットホルダ138およびリベットディスペンサシステム100は、ロボットスポットリベット溶接装置の構成要素であり得る。
【0037】
様々な非限定的な実施形態では、リンケージ、ギア、キャリッジ、および/またはリンクは、リベット受容部材102を移動するように適合された駆動ユニットのベルト144の代わりに、またはそれと組み合わせて使用され得る。例えば、図4A図4Cに例示するように、本開示によるリベットディスペンサシステムの駆動ユニット418は、メインキャリッジ482、二次キャリッジ484、取付ベース496、バーリンケージ486、アクチュエータ488、および一つまたは複数のばね490を含み得る。様々な非限定的な実施形態では、単一のばね490のみが存在し得る。
【0038】
バーリンケージ486は、第一のリンケージ486aおよび第二のリンケージ486bを備えることができる。各リンケージ486aおよび486bは、リベット受容部材102に枢動可能に結合され得る。メインキャリッジ482は、第一のリンケージ486a、第二のリンケージ486b、取付ベース496、およびばね490に枢動可能に結合され得る。二次キャリッジ484は、第一のリンケージ486a、第二のリンケージ486b、取付ベース496、およびアクチュエータ488に枢動可能に結合され得る。取付ベース496は、アクチュエータ488に枢動可能に結合され得る。メインキャリッジ482および二次キャリッジ484は、取付ベース496とは独立して移動することができる。ばね490は、メインキャリッジ482および二次キャリッジ484に枢動可能に結合され得る。
【0039】
駆動ユニット418の構成は、リベットディスペンサシステム400のリベット受容部材102を移動させながら、第一のリンケージ486aを第二のリンケージ486bに対して実質的に平行な向きに維持することができる。例えば、図4Aは、リベットディスペンサシステム400の静止位置を例示する正面立面図、斜視図、および側面図を含む。駆動ユニット418は、抵抗スポットリベット溶接装置の喉(例えば、リベットホルダ)を回避し、部品クリアランスを増加させるため経路で、リベットディスペンサシステム400のリベット受容部材102を移動させることができる。経路は、例えば、定常円弧などの円弧であってもよい。
【0040】
リベットディスペンサシステム400のリベット受容部材102を移動させるために、駆動ユニット418のアクチュエータ488は、二次キャリッジ484に力を加えて、二次キャリッジ484を駆動ユニット418の二次停止部494に向けて付勢することができる。例えば、駆動ユニット418のピストンを延在させることによって二次キャリッジ484に力を加えることができる。第一のリンケージ486aおよび第二のリンケージ486bならびにばね490へのメインキャリッジ482の連結により、二次キャリッジ482の移動はメイン停止部492に向かってメインキャリッジ482を付勢することができる。キャリッジ482および484の移動は、第一のリンケージ486aおよび第二のリンケージ486bの向きを、実質的に互いに平行な方向に維持しながら、第一のリンケージ486aおよび第二のリンケージ486bを移動させ、それによって、リベットディスペンサシステム400のリベット受容部材102を実質的に直線的に抵抗スポットリベット溶接装置(例えば、図3Bに例示されるリベットホルダ138)の喉に向かって、図4Bに例示する第一の位置に移動させることができる。様々な非限定的な実施形態では、静止位置から第一の位置への移動の間、メインキャリッジ482および二次キャリッジ484は実質的に同じ距離を移動する。
【0041】
図4Bの第一の位置では、メインキャリッジ482は、メインキャリッジ482の移動を停止できるメイン停止部492と接触することができる。アクチュエータ488は、二次キャリッジ484に力を加え続けて、メインキャリッジ482と二次キャリッジ484との間のばね490によって生成された張力を克服し、それによって、メインキャリッジ482から独立して二次キャリッジ484を移動させることができる。二次キャリッジ484の独立した移動は、リンケージ486aおよび486bを起動して、図4Cに例示する第二の位置に向かって移動させることができる。様々な非限定的な実施形態では、第一の位置から第二の位置への移動の間、メインキャリッジ482は概して静止することができ、二次キャリッジ484は所望の距離を移動することができる。
【0042】
図4Cに例示する第二の位置では、二次キャリッジ484は、二次停止部494に接触して、リベットディスペンサシステム400のリベット受容部材102を、リベットをリベットホルダ(例えば、図3A図3Bに例示するリベットホルダ138)に供給するための位置に保持することができる。アクチュエータ488は、第二のリンケージ486bを、二次停止部494から離して移動させ(例えば、加えられた力を除去し、ピストンを引っ込める)、それによって、リベットディスペンサ装置400のリベット受容部材102を図4Cに例示する第二の位置から図4Bに例示する第一の位置に移動させることができる。その後、アクチュエータ488は、二次キャリッジ484を二次停止部494から離して移動させ続け、それによって、リベットディスペンサ装置400のリベット受容装置102を図4Bに例示する第一の位置から図4Aに例示する静止位置に移動させることができる。
【0043】
再度図1A図1Dを参照すると、リベットディスペンサシステム100は、チャネル114内のリベットの数を検出するように構成されるリベットセンサを備えることができる。例えば、リベットセンサは、レーザ距離センサまたは線形変位トランスデューサを備えることができる。リベットセンサは、テンショナ108の位置および/またはチャネル114内のリベットの位置を検出するために、リベット受容部材102と連通し得る。テンショナ108の位置および/またはチャネル114内のリベットの位置を利用して、チャネル114内のリベットの数量を決定することができる。リベットの数量は、リベットディスペンサ装置への再装填のため所望の数量のリベットを準備するために、リベット分配再装填システムに伝達され得る。
【0044】
様々な非限定的な実施形態では、抵抗スポットリベット溶接装置は、少なくとも二つのリベットディスペンサシステム100を備えることができる。例えば、図8A図8Dに例示するように、リベットホルダ838を含む抵抗スポットリベット溶接装置836は、二つのリベットディスペンサシステム800aおよび800bを備えることができる。リベットディスペンサシステム800aおよび800bの設計は、同じでも異なっていてもよい。リベットディスペンサシステム800aおよび800bは、同じタイプのリベットまたは異なるタイプのリベットを分配するように適合され得る。様々な非限定的な実施形態では、リベット分配システム800aおよび800bは、抵抗スポットリベット溶接装置836のリベットホルダ838に対して様々な位置および/または向きに取り付けることができる。
【0045】
本開示は、抵抗スポットリベット溶接装置および/または台座溶接機のリベットホルダによってリベットにアクセスできるようにリベットを分配する方法を提供する。この方法は、リベット分配システムのチャネル内にリベットを受け入れること、およびリベットディスペンサシステムのシート部材にリベットを格納することを含み得る。リベットディスペンサシステムを、シート部材をリベットホルダと位置合わせさせるため経路に沿って移動させることができる。様々な非限定的な実施形態では、経路は、例えば、定常円弧形状など、円弧形状である。シート部材上に配置されるリベットは、リベットホルダによってアクセス/係合され得る。
【0046】
様々な非限定的な実施形態では、リベット分配システムの移動の間、リベットは、リベット分配システムのジョーでシート部材上に保持され得る。いくつかの非限定的な実施形態では、リベット分配システムのテンショナは、リベットがチャネルに導入されるのを可能にするのに適したリベット再装填位置に移動され得る。様々な非限定的な実施形態では、リベット受容部材のチャネル内のリベットの数量を決定し、リベットディスペンサ再装填システムに伝達することができる。
【0047】
本開示による本発明の様々な態様は以下の番号付きの項に列挙される態様を含むが、これらに限定されない。

第1項
リベットディスペンサシステムであって、
その中にチャネルを画定するリベット受容部材であって、チャネルは湾曲領域を含み、リベット受容部材は、
チャネルと連通し、およびリベットを受け入れるように構成される第一のポートと、
チャネルと連通し、およびリベットを分配するように構成される第二のポートと、を備え、
チャネルは、第一のポートと第二のポートとの間に延在し、リベットを第一のポートから第二のポートに直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成される、リベット受容部材と、
第二のポートと連通し、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダと選択的に係合し、一回につき単一のリベットをリベットホルダに導入するように構成されるシート部材と、を備える、リベットディスペンサシステム。
第2項
シート部材とは無関係にリベットを移動させるように構成される作動部材をさらに備える、第1項に記載のリベットディスペンサシステム
第3項
作動部材が、レバーならびにレバーと連通するアクチュエータおよびピストンのうちの少なくとも一つを備える、第2項に記載のリベットディスペンサシステム。
第4項
レバーは、追加のリベットが第二のポートからシート部材上に前進するのを阻止するように構成される突起を備える、第3項に記載のリベットディスペンサシステム。
第5項
リベットをシート部材に向かって付勢するように構成されるテンショナをさらに備える、第1~4項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサシステム。
第6項
テンショナが、チャネル内に延在し、チャネルから引っ込むように構成されるフィンガをさらに備える、第5項に記載のリベットディスペンサシステム。
第7項
チャネルと連通する二次チャネルをさらに備え、テンショナが二次チャネル内へ移動して、チャネルによってリベットが受け入れられるのを可能にするように構成される、第5~6項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサシステム。
第8項
テンショナが、チャネル内でテンショナを移動させるために、リベットディスペンサ再装填システムに係合するのに適した突起を備える、第5~7項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサシステム。
第9項
第一のリンケージおよび第二のリンケージを備える駆動ユニットをさらに備え、各リンケージはリベット受容部材に枢動可能に結合され、駆動ユニットは、第一の位置と第二の位置との間を横断させるため経路に沿ってリベット受容部材を移動させるように構成される、第1~8項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサシステム。
第10項
経路が円弧形状である、第9項に記載のリベットディスペンサシステム。
第11項
駆動ユニットが、
第一のリンケージおよび第二のリンケージを備えるバーリンケージと、
第一のリンケージと第二のリンケージを連結するメインキャリッジと、
第一のリンケージと第二のリンケージを連結する二次キャリッジと、
メインキャリッジおよび二次キャリッジの少なくとも一つを移動するように構成されるアクチュエータと、を備える、第9~10項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサシステム。
第12項
リベット受容部材を第一の位置に付勢するために、メインキャリッジに連結されるばねをさらに備える、第11項に記載のリベットディスペンサシステム。
第13項
チャネル内のリベットの数量を判定するように構成されるリベットセンサをさらに備える、第1~12項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサシステム。
第14項
第1~13項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサシステムを備える、抵抗スポットリベット溶接装置。
第16項
抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダにリベットを分配する方法であって、方法は、
リベットディスペンサシステムのチャネル内にリベットを受け入れることおよびリベットディスペンサシステムのシート部材上にリベットを格納することと、
リベットディスペンサシステムを経路に沿って移動させて、シート部材をリベットホルダと位置合わせすることと、
シート部材上に格納されるリベットをリベットホルダに導入することと、を含む、方法。
第17項
リベットディスペンサシステムの移動中に、リベットをリベットディスペンサシステムのジョーでシート部材上に保持することをさらに含む、第16項に記載の方法。
第18項
リベットがチャネルに導入されるのを可能にするのに適したリベット再装填位置に、リベットディスペンサシステムのテンショナを移動させることをさらに含む、第16~17項のいずれか一項に記載の方法。
第19項
経路が、円弧である、第16~18項のいずれか一項に記載の方法。
第20項
チャネル内のリベットの数量を判定することおよび判定された数量をリベットディスペンサ再装填システムに伝達することをさらに含む、第16~19項のいずれか一項に記載の方法。
【0048】
当業者は、本明細書に記載の装置、システムおよび方法、ならびにそれらに付随する説明が、概念を明確にするために例として使用され、様々な構成変更が考えられることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用する場合、論述される特定の例/実施形態および付随する説明は、それらのより一般的な分類の代表であることが意図されている。一般的に、特定の例の使用は、その分類の代表であることが意図され、特定のコンポーネント、デバイス、操作/動作、および対象物が含まれていないことは、制限的であると解釈されるべきではない。本開示は、本開示の様々な態様および/またはその潜在的な用途を例示する目的で様々な特定の態様を説明するが、変形および修正が当業者によって行われることが理解される。したがって、本明細書で説明する一つまたは複数の本発明は、少なくともそれらが主張されるのと同じくらい広く、本明細書で提供される特定の例示的な態様によってより狭く定義されないことを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
【手続補正書】
【提出日】2021-09-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベットディスペンサシステムであって、
その中にチャネルを画定するリベット受容部材であって、前記チャネルは湾曲領域を含み、前記リベット受容部材は、
前記チャネルと連通し、およびリベットを受け入れるように構成される第一のポートと、
前記チャネルと連通し、およびリベットを分配するように構成される第二のポートと、を備え、
前記チャネルは、前記第一のポートと前記第二のポートとの間に延在し、リベットを前記第一のポートから前記第二のポートに直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成される、リベット受容部材と、
前記第二のポートと連通し、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダと選択的に係合し、一回につき単一のリベットを前記リベットホルダに導入するように構成されるシート部材と、を備える、リベットディスペンサシステム。
【請求項2】
前記シート部材とは無関係にリベットを移動させるように構成される作動部材をさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項3】
前記作動部材が、レバーならびに前記レバーと連通するアクチュエータおよびピストンのうちの少なくとも一つを備える、請求項2に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項4】
前記レバーは、追加のリベットが前記第二のポートから前記シート部材上に前進するのを阻止するように構成される突起を備える、請求項3に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項5】
リベットを前記シート部材に向かって付勢するように構成されるテンショナをさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項6】
前記テンショナが、前記チャネル内に延在し、前記チャネルから引っ込むように構成されるフィンガをさらに備える、請求項5に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項7】
前記チャネルと連通する二次チャネルをさらに備え、前記テンショナが前記二次チャネル内に移動して、前記チャネルによってリベットが受け入れられるのを可能にするように構成される、請求項5に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項8】
前記テンショナが、前記チャネル内で前記テンショナを移動させるために、リベットディスペンサ再装填システムに係合するのに適した突起を備える、請求項5に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項9】
第一のリンケージおよび第二のリンケージを備える駆動ユニットをさらに備え、各リンケージは前記リベット受容部材に枢動可能に結合され、前記駆動ユニットは、第一の位置と第二の位置との間を横断させるため経路に沿って前記リベット受容部材を移動させるように構成される、請求項1に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項10】
前記経路が円弧形状である、請求項9に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項11】
前記駆動ユニットが、
前記第一のリンケージおよび前記第二のリンケージを備えるバーリンケージと、
前記第一のリンケージと前記第二のリンケージを連結するメインキャリッジと、
前記第一のリンケージと前記第二のリンケージを連結する二次キャリッジと、
前記メインキャリッジおよび前記二次キャリッジの少なくとも一つを移動するように構成されたアクチュエータと、を備える、請求項9に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項12】
前記リベット受容部材を前記第一の位置に付勢するため前記メインキャリッジに連結されたばねをさらに備える、請求項11に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項13】
前記チャネル内のリベットの数量を判定するように構成されるリベットセンサをさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のリベットディスペンサシステムを備える、抵抗スポットリベット溶接装置。
【請求項15】
抵抗スポットリベット溶接装置のリベットホルダにリベットを分配する方法であって、前記方法は、
リベットディスペンサシステムのチャネル内に前記 リベットを受け入れることおよび前記リベットディスペンサシステムのシート部材上に前記リベットを格納することと、
前記リベットディスペンサシステムを経路に沿って移動させて、前記シート部材を前記リベットホルダと位置合わせすることと、
前記シート部材上に格納される前記リベットを前記リベットホルダに導入することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記リベットディスペンサシステムの移動中に、前記リベットを前記リベットディスペンサシステムのジョーで前記シート部材上に保持することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
リベットが前記チャネルに導入されるのを可能にするのに適したリベット再装填位置に、前記リベットディスペンサシステムのテンショナを移動させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記経路が円弧である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記チャネル内のリベットの数量を判定することおよび前記判定された数量をリベットディスペンサ再装填システムに伝達することをさらに 含む、請求項15に記載の方法。
【国際調査報告】