(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】幼児用キャリア
(51)【国際特許分類】
A47D 13/02 20060101AFI20220204BHJP
A45F 3/04 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
A47D13/02
A45F3/04 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534322
(86)(22)【出願日】2019-07-25
(85)【翻訳文提出日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 KR2019009246
(87)【国際公開番号】W WO2020122347
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0160361
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521258500
【氏名又は名称】アイ-エンジェル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】I-ANGEL CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジン-ソプ
【テーマコード(参考)】
2E181
【Fターム(参考)】
2E181AA07
2E181BD02
(57)【要約】
【課題】幼児の荷重を分散し、使用者の身体の負担を軽減することができる幼児向けキャリアを提供する。
【解決手段】本発明の幼児用キャリアは、使用者の腰の少なくとも一部を包む腰着用部材、及び腰着用部材を使用者の腰に選択的に密着させる締めユニットを含み、締めユニットは、ケーブル部材、ケーブル部材を移動可能に支える引っ掛り部、及びケーブル部材を巻き取ることにより、腰着用部材の周りの長さが調節する調節部を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の腰に着用可能に提供され、第1着用部と第2着用部を含む腰着用部材と、
前記腰着用部材に提供され、前記腰着用部材が前記使用者の腰に着用された時に、前記腰着用部材の周りの長さを調節するための締めユニットと、を含み、
前記締めユニットは、
前記第1着用部と前記第2着用部を連結するケーブル部材と、
前記ケーブル部材が通過して移動可能に支持される引っ掛り部と、
前記ケーブル部材が巻き取られ、巻き取られた前記ケーブル部材の少なくとも一部を選択的に緩めて前記周りの長さを調節する調節部と、
前記腰着用部材に選択的に連結されて前記締めユニットの少なくとも一部をカバーするカバーと、を含み、
前記カバーは、
前記腰着用部材に連結される連結部と、
前記腰着用部材と前記使用者の腰の間で前記使用者の腰を支える腰支持部と、を含むことを特徴とする幼児用キャリア。
【請求項2】
前記引っ掛り部は、前記腰着用部材に配置され、前記ケーブル部材が通過する第1引っ掛り具、及び前記第1引っ掛り具に対向して配置されて前記ケーブル部材が通過するガイド部を含むことを特徴とする請求項1に記載の幼児用キャリア。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記第1着用部と前記第2着用部のうちの少なくとも一つの端部に提供され、前記ケーブル部材が通過する端部側ケーブルガイドを含み、
前記ケーブル部材は、前記調節部から延長されて、前記端部側ケーブルガイド及び前記第1引っ掛り具を通過することを特徴とする請求項2に記載の幼児用キャリア。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記腰着用部材に提供され、前記端部側ケーブルガイドと前記調節部との間に配置されて、前記ケーブル部材が通過する中間側ケーブルガイドをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の幼児用キャリア
【請求項5】
前記引っ掛り部は、前記第1引っ掛り具に対向して配置され、前記ケーブル部材が通過する第2引っ掛り具を含み、前記ケーブル部材は、前記調節部から延長されて、前記端部側ケーブルガイド、前記第1引っ掛り具、及び前記第2引っ掛り具を通過することを特徴とする請求項3に記載の幼児用キャリア。
【請求項6】
前記第1引っ掛り具は複数の環を含み、前記複数の環のうちの最外側に配置される環の間の距離は、前記腰着用部材の平均幅よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項5に記載の幼児用キャリア。
【請求項7】
前記腰着用部材に提供され、前記腰着用部材の前記周りの長さを調節するための長さ選択ユニットを含み、前記長さ選択ユニットは、前記ケーブル部材と重畳しないように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の幼児用キャリア。
【請求項8】
前記調節部は、一方向に回転することにより前記ケーブル部材を巻き取るように構成されて、前記調節部の内部に提供され、前記調節部が前記一方向の反対方向である他方向に回転することを選択的に制限するストッパーを含むことを特徴とする請求項1に記載の幼児用キャリア。
【請求項9】
前記腰支持部は、前記腰着用部材の少なくとも一部が挿入されるスリットの形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の幼児用キャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児用キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、幼児用キャリアは、あんよができない幼児の外出時に、便利さと安全のために、幼児を使用者の胸に抱いたり、背中におんぶして歩行するのに適しているようになっている。
【0003】
従来の一般的な幼児用キャリアの場合、幼児の体重が肩ベルトを通して保護者の肩にほとんど伝わるのはもちろん、幼児を抱いたり、背中におんぶしたりする姿勢によって、保護者がバランスを維持するために上半身を反らせたりすることになり、結果的に保護者の脊椎に無理を伴う問題点があっただけでなく、その着用が非常に不便な問題点があった。特に幼児が成長していくと体重が増えることにより、ある程度成長した幼児を抱く際、幼児の体重によって使用者の腰に過度な荷重が作用するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、幼児の荷重を分散し、使用者の身体の負担を軽減することができる幼児向けキャリアを提供することにある。
【0005】
また、腰着用部材の長さが容易に、従来よりも精密に調節できる幼児用キャリアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による幼児用キャリアは、使用者の腰に着用可能に提供され、第1着用部と第2着用部を含む腰着用部材と、前記腰着用部材に提供され、前記腰着用部材が前記使用者の腰に着用された時に、前記腰着用部材の周りの長さを調節するための締めユニットと、を含み、前記締めユニットは、前記第1着用部と前記第2着用部を連結するケーブル部材と、前記ケーブル部材が通過して移動可能に支持される引っ掛り部と、前記ケーブル部材が巻き取られ、巻き取られた前記ケーブル部材の少なくとも一部を選択的に緩めて前記周りの長さを調節する調節部と、前記腰着用部材に選択的に連結されて前記締めユニットの少なくとも一部をカバーするカバーと、を含み、前記カバーは、前記腰着用部材に連結される連結部と、前記腰着用部材と前記使用者の腰の間で前記使用者の腰を支える腰支持部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乳児用キャリアの使用者の身体の負担を軽減することができる効果がある。
また、乳児用キャリアの腰着用部材の長さが、容易に、従来よりも精密に調節できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による乳児用キャリアを概念的に示す斜視図である。
【
図2】
図1の幼児用キャリアの腰着用部材が開いた状態でカバーが外れたものを示す図である。
【
図3】
図2のケーブル部材及び引っ掛り部を拡大した拡大図である。
【
図4】
図1の幼児用キャリアのカバーを概念的に示す斜視図である。
【
図5】
図1の幼児用キャリアの長さ選択ユニットが締結され、腰着用部材の周りの長さが短くなったものを示す概念図である。
【
図6】
図5の幼児用キャリアの締めユニットが操作され、腰着用部材の周りの長さがさらに短くなったものを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態による幼児用キャリアの具体的な構成について説明する。
【0010】
まず、
図1を参照すると、本発明の一実施形態による幼児用キャリア(1)は幼児を移動させるために使用される。使用者は幼児用キャリアを腰に巻き、幼児を安着させて移動する。このような幼児用キャリア(1)は、腰着用部材(10)、ヒップシート(20)、おくるみ(30)、締めユニット(40)、カバー(50)、長さ選択ユニット(60)、及び連結具(70)を含む。
【0011】
腰着用部材(10)は、使用者が幼児用キャリア(1)を着用した時、使用者の腰の全部又は一部を包むように形成される。これらの腰着用部材(10)は、後述のケーブル部材(100)により相互に連結される第1着用部(11)及び第2着用部(12)を含む。また、腰着用部材(10)は、使用者の腰に支持された状態で使用者の腰に締結されるように構成される。また、腰着用部材(10)の周りの長さは、締めユニット(40)と長さ選択ユニット(60)によって調節される。また、腰着用部材(10)は、ヒップシート(20)の両側に延長するように形成され、両側に端部を有する帯形状である。
【0012】
ヒップシート(20)は、幼児の荷重を支持する。ヒップシート(20)は、腰着用部材(10)の外周面に連結され、幼児のお尻を支える。ヒップシート(20)は、その形状を強固に保つためのフォーム(foam)及びこのようなフォームをカバーするファブリックを含み、ヒップシート(20)の上側には幼児のお尻が安着する時にふんわりとした感じを与えるシート部材が提供される。シート部材は、一例としてスチロールのような材質で構成される。
【0013】
ヒップシート(20)は側面から見ると、下面が緩やかに屈曲した形状で形成され、その上面は使用者がヒップシート(20)を着用し、ヒップシート(20)が使用者の身体に密着した時に、使用者側の面から、使用者から離れる方向に延長されるほど上側に傾斜する形状を有して、平らに形成される。これで幼児がヒップシート(20)上に安着した時、幼児の上半身が使用者の身体の方に傾き、幼児に安らかさと安定感を提供する。
【0014】
おくるみ(30)は、幼児の身体を支える。このようなおくるみ(30)は、幼児の背中や尻を支える支持部(31)、及び支持部(31)に連結されて使用者の肩に装着される肩ひも(32)を含む。肩ひも(32)は、長さ調節可能に構成される。
【0015】
一方、本実施形態に基づく図面では、おくるみ(30)がヒップシート(20)に連結され、ヒップシート(20)が腰着用部材(10)に連結されることを示したが、場合によっては、ヒップシート(20)及びおくるみ(30)のいずれかが選択的に着脱可能に構成されるか又は省略され得る。また、ヒップシート(20)が省略される場合、おくるみ(30)が腰着用部材(10)に連結され、おくるみ(30)が幼児のお尻と背中を支え、おくるみ(30)が省略される場合、おくるみ(30)なしで、ヒップシート(20)に幼児のお尻が安着される。
【0016】
図2及び
図3をさらに参照すると、締めユニット(40)は、腰着用部材(10)の周りの長さを調節する。なお、このような腰着用部材(10)の周りの長さの調節は、使用者が幼児用キャリア(1)を着用した状態で締めユニット(40)を操作することによってできる。締めユニット(40)はケーブル部材(100)、調節部(200)、及び引っ掛り部(300)を含む。
【0017】
ケーブル部材(100)は、一側が調節部(200)に連結され、調節部(200)が回転することによって、調節部(200)内に巻き付く。なお、ケーブル部材(100)は、調節部(200)から延長され、後述する端部側ケーブルガイド(第1ケーブルガイド(331))、第1引っ掛り具(310)、第2引っ掛り具(320)、及び端部側ケーブルガイド(第2ケーブルガイド(332))を順次通過し、再び調節部(200)に延長される。また、ケーブル部材(100)は、第1引っ掛り具(310)及び第2引っ掛り具(442)を交互に通るように延長される。このようなケーブル部材(100)はワイヤで形成される。
【0018】
調節部(200)は、ケーブル部材(100)を巻くか、又は緩めることにより、腰着用部材(10)の周りの長さを調節する。このような調節部(200)は腰着用部材(10)の外側の周りに配置され、引っ掛け部(300)の第1引っ掛け具(310)よりも第2引っ掛け具(320)に、より隣接するように配置される。また、調節部(200)による腰着用部材(10)の周りの長さの調節は、使用者が幼児用キャリア(1)を着用した状態でも可能である。調節部(200)は、一方向(例えば、時計回り)に回転することによってケーブル部材(100)を巻き、他方向(例えば、反時計回り)に回転することによってケーブル部材(100)を解くことができるように構成される。
【0019】
なお、調節部(200)は、調節部(200)が他方向に曲がることを選択的に制限するストッパー(図示せず)によりロック又は解除状態に置かれる。これらのストッパーは、調節部(200)の内部に配置される。例えば、ストッパーは、調節部(200)がロック状態に置かれるとき、互いにかみ合い、調節部(200)が解除状態に置かれるとき、互いに離隔される溝及び/又は突起を含む。ストッパーは、ロック状態のときの調節部(200)の腰着用部材(10)の周りの長さ(周長)を縮めるための一方向への回転は許容し、腰着用部材(10)の周長を伸ばすための他方向への回転は制限する。なお、ストッパーは、解除状態のとき調節部(200)の一方向への回転と他方向への回転の両方を許容する。ストッパーによって、ロック状態で調節部(200)が任意に回転することを防止し、ケーブル部材(100)の巻き取りが緩むことを防止する。
【0020】
これらの調節部(200)は、腰着用部材(10)から離れる方向に向かって選択的に移動可能に構成される。調節部(200)が腰着用部材(10)から離れる方向又は腰着用部材(10)に近づく方向のいずれか一方(例えば、腰着用部材(10)に近づく方向)に移動したときにロック状態に置かれる一方、調節部(200)が腰着用部材(10)から離れる方向又は腰着用部材(10)に近づく方向のいずれか一方(例えば、腰着用部材)に移動したときに解除状態に置かれる。
【0021】
使用者は、腰着用部材(10)の周りの長さを縮めようとするときに、調節部(200)を腰着用部材(10)から離れる方向、又は腰着用部材(10)に近づく方向のいずれか一方(例えば、腰着用部材(10)に近づける方向)に移動させてロック状態に置き、調節部(200)を回転させてケーブル部材(100)を巻く。ケーブル部材(100)が調節部(200)に巻きつくことにより、第1引っ掛り具(310)と第2引っ掛り具(320)の間隔が近くなり、腰着用部材(10)の周長が短くなる。
【0022】
一方、使用者は、腰着用部材(10)の周長を伸ばそうとするときに、調節部(200)を腰着用部材(10)から離れる方向又は腰着用部材(10)に近づく方向のいずれか一方(例えば、腰着用部材(10)に離れる方向)に移動させて解除状態に置き、調節部(200)を回転させてケーブル部材(100)を解く。ケーブル部材(100)が調節部(200)から緩むことにより、第1引っ掛り具(310)と第2引っ掛り具(320)との間の間隔が離れ、腰着用部材(10)の周長が伸びる。
【0023】
調節部(200)は、ケーブル部材(100)の巻き具合を調節することにより、腰着用部材(10)の周長を調節するので、腰着用部材(10)の周長がより細かく調節できるという効果がある。
【0024】
引っ掛り部(300)は、ケーブル部材(100)を移動可能に支持する。これらの引っ掛り部(300)は、第1引っ掛り具(310)、第2引っ掛り具(320)、及びガイド部(330)を含む。
【0025】
第1引っ掛り具(310)は、ケーブル部材(100)を案内し、ケーブル部材(100)が通るように形成される。第1引っ掛り具(310)は、腰着用部材(10)の一端部側に配置され、少なくとも一つの環を含む。このような第1引っ掛り具(310)は、第1着用部(11)内において、第2着用部(12)側の端部に配置される。第1引っ掛り具(310)に環が複数個で提供される場合、複数個の環の距離は、腰着用部材(10)の平均幅よりも小さく設定される。例えば、第1引っ掛り具(310)は第1環(311)、第2環(312)、及び第3環(313)を含む。第1ないし第3環(311、312、313)は、ケーブル部材(100)の延長する方向が変わるようにケーブル部材(100)の移動を案内する。ケーブル部材(100)は、第2引っ掛り具(320)から離れる方向に延長し、第1ないし第3環(311、312、313)を経た後、第2引っ掛り具(320)に近づく方向に延長される。第1ないし第3環(311、312、313)は、腰着用部材(10)の幅の方向に沿って順次に配列され、互いに離隔配置する。なお、
図3に図示されているように、第1環(311)と第3環(313)の間の腰着用部材(10)の幅方向への距離(d1)は腰着用部材(10)の平均幅(w)よりも小さい。
【0026】
第2引っ掛り具(320)は、ケーブル部材(100)を案内し、ケーブル部材(100)が通るように形成される。第2引っ掛り具(320)は、腰着用部材(10)の他端部側に配置され、少なくとも一つの環を含む。このような第2引っ掛り具(320)は、第2着用部(12)内において、第1着用部(11)側の端部に配置される。第2引っ掛り具(320)に、環が複数で提供される場合、複数の環の間の距離は腰着用部材(10)の平均幅よりも小さく設定される。例えば、第2引っ掛り具(320)は、第4環(321)及び第5環(322)を含む。第4及び第5環(321、322)は、ケーブル部材(100)の延長する方向が変わるようにケーブル部材(100)の移動を案内する。第4環(321)は第1環(311)と向き合い、第5環(322)は第3環(313)に向き合うように配置される。ケーブル部材(100)は、第1引っ掛り具(310)から離れる方向に延長し、第4及び第5環(321、322)を経て第1引っ掛り具(310)に近づく方向に延長される。第4及び第5環(321、322)は、腰着用部材(10)の幅の方向に沿って配列され、互いに離隔配置される。なお、第4環(321)及び第5環(322)は腰着用部材(10)の幅方向におけるガイド部(330)の両側に配置される。なお、
図3に図示されているように、第4環(321)及び第5環(322)間の腰着用部材(10)の幅方向への距離(d2)は、腰着用部材(10)の平均幅(w)よりも小さい。
【0027】
このような第1引っ掛り具(310)及び第2引っ掛り具(320)の間の間隔は、ケーブル部材(100)が巻き取り又は緩むことによって変わる。なお、第1引っ掛り具(310)及び第2引っ掛り具(320)は、ケーブル部材(100)が巻かれることにより、隣接する方向に移動する際に制限を受けない。したがって、ケーブル部材(100)は、第1引っ掛り具(310)と第2引っ掛り具(320)が互いに接触するまで巻き付く(巻き取り)こともあり得る。したがって、締めユニット(40)はより広い幅で第1引っ掛り具(310)と第2引っ掛り具(320)の間の距離が調節可能に構成される。
【0028】
ガイド部(330)は、ケーブル部材(100)が調節部(200)から第1引っ掛り具(310)及び第2引っ掛り具(320)側に向けて延長することを案内する。ガイド部(330)は、第2引っ掛り具(320)が提供される腰着用部材(10)の他端部(例えば、第2着用部(12)から第1着用部(11)側の端部)に配置される。これらのガイド部(330)は、端部側ケーブルガイド(331、332)、及び中間側ケーブルガイド(333)を含む。なお、端部側ケーブルガイド(331、332)は、第1ケーブルガイド(331)及び第2ケーブルガイド(332)を含む。端部側ケーブルガイド(331、332)は穴形状を有し、腰着用部材(10)の他端部で第2環(312)に対向するように配置される。
【0029】
端部側ケーブルガイド(331、332)は、ケーブル部材(100)が腰着用部材(10)の他端部から外部に出る方向に移動したり、これらの他端部の内部に入る方向に移動することを案内する。中間側ケーブルガイド(333)は、調節部(200)から端部側ケーブルガイド(331、332)に向けて延長される。中間側ケーブルガイド(333)は複数本で提供され、そのうちの一つは調節部(200)から端部側ケーブルガイド(331)に延長されるケーブル部材(100)を案内し、もう一つは調節部(200)から端部側ケーブルガイド(332)に延長されるケーブル部材(100)を案内する。
【0030】
引っ掛け部(300)が複数の環を含む場合、ケーブル部材(100)はジグザグ形状のように並列に延長される。例えば、上記のように第1引っ掛り具(310)が第1ないし第3環(311、312、313)を含み、第2引っ掛り具(320)が第4及び第5環(321、322)を含む場合、ケーブル部材(100)は、調節部から延長され、端部側ケーブルガイド(第1ケーブルガイド(331))、第1環(311)、第4環(321)、第2環(312)、第5環(322)、第3環(313)、及び端部側ケーブルガイド(第2ケーブルガイド(332))を順次経て再びケーブルガイドに延長される。このように、ケーブル部材(100)が並列に延長されることで、腰着用部材(10)の周りの長さはケーブル部材(100)によって、より細かく調節できるという効果がある。
【0031】
一方、本実施形態による図面では、第1引っ掛り具(310)と第2引っ掛り具(320)の両方が提供されると図示したが、他の変形例として第2引っ掛り具(320)が省略されることも可能である。この場合、ケーブル部材(100)は調節部(200)から延長され、端部側ケーブルガイド(331)、第1引っ掛り具(310)の環、端部側ケーブルガイド(332)を順次経て再び調節部(200)に延長される。
【0032】
図4をさらに参照すると、カバー(50)は、締めユニット(40)の少なくとも一部をカバーする。こうしたカバー(50)は腰着用部材(10)に選択的につながる。例えば、カバー(50)は、締めユニット(40)のケーブル部材(100)及び引っ掛り部(300)をカバーする。カバー(50)は腰着用部材(10)に差し込まれる。カバー(50)は、腰支持部(51)及び連結部(52)を含む。連結部(52)は、腰着用部材(10)に連結されるために提供され、カバー(50)を一方向に貫通形成される。腰支持部(51)は、腰着用部材(10)の幅と実質的に同一の幅を有するスリットの形状を有する。腰支持部(51)は、使用者の腰を支持する。腰支持部(51)は内部に緩衝材を含む。腰支持部(51)は、使用者が幼児用キャリア(1)を着用した時、使用者の腰と腰着用部材(10)との間に配置され、使用者の腰を支持することによって使用者の腰に楽さを提供する。
【0033】
長さ選択ユニット(60)は、腰着用部材(10)の周りの長さを調節できる。長さ選択ユニット(60)は、幅方向に延長形成され、選択的に結合可能な第1締結部(61)及び第2締結部(62)を含む。このような第1締結部(61)と第2締結部(62)は、腰着用部材(10)の外側の周回面上に配置される。また、第1締結部(61)と第2締結部(62)は、腰着用部材(10)の周囲方向を横切る方向に延長され、互いに平行に配置される。例えば、第1締結部(61)と第2締結部(62)は、腰着用部材(10)の周長方向に直交するように腰着用部材(10)の幅方向に並べた方向に延長される。
【0034】
第1締結部(61)と第2締結部(62)は、互いに締結されていないときは、互いに離隔配置され、腰着用部材(10)は、第1締結部(61)と第2締結部(62)との間で折り曲げずに広げられる。使用者は、腰着用部材(10)の周りの長さを小さくするため、第1締結部(61)と第2締結部(62)を互いに締結させる。第1締結部(61)と第2締結部(62)が互いに締結されると、第1締結部(61)と第2締結部(62)との間での腰着用部材(10)は折り曲げられることになる。腰着用部材(10)の周りの長さは、長さ選択ユニット(60)によって折り曲げられた腰着用部材(10)の長さほど短くなる。このような長さ選択ユニット(60)は少なくとも1つ以上提供される。使用者は、幼児用キャリア(1)を着用する前に長さ選択ユニット(60)の締結部を互いに締結させることで、腰着用部材(10)の周りの長さをあらかじめ調節することができる。
【0035】
これらの長さ選択ユニット(60)は、腰着用部材(10)のうちでケーブル部材(100)が通過しない領域に配置される。つまり、長さ選択ユニット(60)はケーブル部材(100)に重ならないように配置される。例えば、長さ選択ユニット(60)は、調節部(200)と腰着用部材(10)の中心部との間、又は第1引っ掛り具(310)と腰着用部材(10)の中心部との間に配置される。長さ選択ユニット(60)がケーブル部材が通過しない領域に配置されることで、使用者はケーブル部材(100)の干渉なしに、長さ選択ユニット(60)を便利に操作することができる。
【0036】
一方、本実施形態に基づく図面では、第1締結部(61)及び第2締結部(62)が相互締結可能なチャックで形成されることを示しているが、本発明の思想は必ずしもこれに限定されるものではない。長さ選択ユニット(60)は、使用者が幼児用キャリア(1)を着用する前に、腰着用部材(10)の周りの長さを調節するために使用される。
【0037】
連結具(70)は、腰着用部材(10)が使用者の腰を少なくとも一部を包んだ状態で使用者の腰に安着されるように選択的に締結される。このような連結具(70)の少なくとも一部は、腰着用部材(10)の外側周り部に提供される。また、連結具(70)は少なくとも1つ以上のタイプで提供される。例えば、連結具(70)はバックル(71)、ベルクロ(登録商標)(72)を含む。連結具(70)は、第1着用部(11)及び第2着用部(12)間の締結手段として提供され、腰着用部材(10)が使用者の腰を覆ったとき、その両端部が互いに連結されるように構成される。
【0038】
使用者は、幼児用キャリア(1)を着用するために長さ選択ユニット(60)、締めユニット(40)、及び連結具(70)を利用して腰着用部材(10)を自分の腰に着用する。以下では、
図5及び
図6をさらに参照して、上述のような構成を備える幼児用キャリア(1)の作用及び効果について説明する。
【0039】
まず
図5を参照すると、まず長さ選択ユニット(60)が選択的に締結されて腰着用部材(10)の周りの長さを小さくする。使用者が幼児用キャリア(1)を着用する前に、まず使用者は長さ選択ユニット(60)を選択的に締結することで、自分の腰に適切な程度に腰着用部材(10)の周りの長さを合わせておく。長さ選択ユニット(60)は、使用者が幼児用キャリア(1)を着用する前に腰着用部材(10)の周りの長さが調節することにより、様々な身体サイズの使用者に適切な周りの長さを有する腰着用部材(10)を提供する。したがって、腰着用部材(10)は、太った体型の使用者も着用できるほどの長さを有しながら、細い体型の使用者が腰着用部材(10)を過度に重ね合わせる必要がなく、腰着用部材(10)を楽に着用できるように構成される。
【0040】
長さ選択ユニット(60)によって腰着用部材(10)の周りの長さを適切に調節した使用者は、連結具(70)を締結させて腰着用部材(10)を自分の腰に安着させる。腰着用部材(10)が一定水準以上で使用者の腰に密着すると、使用者の腰にかかる荷重が軽減され、使用者は腰の楽さを感じることができるが、連結具(70)で腰着用部材(10)を自分の腰に密着させることには限界がある。
【0041】
次に
図6を参照すると、締めユニット(40)が回転する際に腰着用部材(10)の周りの長さは精密に短くなる。使用者は締めユニット(40)を使用して、腰着用部材(10)の周りの長さを小さくして、腰着用部材(10)を自分の腰に密着させる。使用者は調節部(200)をロック状態に置き、一方向に回転させることで、調節部(200)に連結されたケーブル部材(100)を巻く。ケーブル部材(100)が巻かれると、第1引っ掛り具(310)と第2引っ掛り具(320)の間のケーブル部材(100)の長さが減少して、第1引っ掛り具(310)と第2引っ掛り具(320)の間の距離が近づくことになる。
【0042】
つまり、使用者は、調節部(200)を回転させるだけで第1引っ掛り具(310)と第2引っ掛り具(320)を密着させて腰着用部材(10)の周りの長さを短くし、腰着用部材(10)を自分の腰に密着させることができる。したがって、使用者は小さい力を入れても腰着用部材(10)の周りの長さを容易に調節でき、より精密に腰着用部材(10)の周りの長さを調節できる。このように腰着用部材(10)の周りの長さの調節作業が完了すると、使用者はヒップシート(20)及び/又はおんぶひも(30)に幼児を安着させることができる。
【0043】
一方、使用者は、幼児用キャリア(1)を脱ぐ際は長さ選択ユニット(60)の操作なしに、締めユニット(40)と連結具(70)だけを操作して腰着用部材(10)を自分の腰から脱去できる。まず、使用者は締めユニット(40)を外すためにロック状態に置かれていた調節部(200)を解除状態に変え、調節部(200)を他方向に回転させることで、調節部(200)に連結されたケーブル部材(100)を緩める。巻かれていたケーブル部材(100)がほどけたら、第1引っ掛り具(310)と第2引っ掛り具(320)の間隔が離れ、腰着用部材(10)の周りの長さが長くなる。以後、使用者は連結具(70)の締結を解除して腰着用部材(10)を腰から外すことができる。
【0044】
以上、本発明の実施例を具体的な実施形態として説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれに限定されない。当業者は、開示された実施形態を組合せ/置き換え、開示されない形状のパターンを実施することができるが、これも本発明の技術範囲を逸脱しないものである。このほか、当業者は、本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更又は変形することができ、これらの変更又は変形も本発明の技術範囲に属することは明らかである。
【符号の説明】
【0045】
1 幼児用キャリア
10 腰着用部材
11 第1着用部
12 第2着用部
20 ヒップシート
30 おくるみ
31 支持部
32 肩ひも
40 締めユニット
50 カバー
51 腰支持部
52 連結部
60 長さ選択ユニット
61 第1締結部
62 第2締結部
70 連結具
71 バックル
72 ベルクロ(登録商標)
100 ケーブル部材
200 調節部
300 引っ掛り部
310 第1引っ掛り具
311 第1環
312 第2環
313 第3環
320 第2引っ掛り具
321 第4環
322 第5環
330 ガイド部
331 第1ケーブルガイド
332 第2ケーブルガイド
333 中間側ケーブルガイド
【国際調査報告】