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特表2022-514622ターボ機械ブレードのための金属補強材を製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】ターボ機械ブレードのための金属補強材を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 15/04 20060101AFI20220204BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20220204BHJP
   F01D 5/14 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
B23P15/04
F01D25/00 X
F01D5/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535782
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2019086046
(87)【国際公開番号】W WO2020127551
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】1873760
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515122859
【氏名又は名称】メカクローム・フランス
【氏名又は名称原語表記】MECACHROME FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ボスリュ,アントワーヌ
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202BA06
3G202BA07
3G202BA10
3G202BB04
3G202EA02
3G202EA03
3G202EA06
3G202EA07
(57)【要約】
本発明は、前縁と後縁の間に延在する空気力学的表面を含むターボ機械ブレードのための金属補強材に関し、補強材が、ブレードの前縁を受容することができる内面を画定するように、前縁(20)を形成して2つの側部フィン(22、23)により延在されている基部(21)を含み、(a)補強材のフィンのうちの少なくとも1つを各々形成する少なくとも2つの部品を得て、各部品が一体に仕上げられ、部品のうちの少なくとも1つが金属ブランクを機械加工することによって製造される工程と、(b)補強材を得るために、溶融溶接又は摩擦攪拌接合技術によって、予め工具(8)上に配置された部品を組立てる工程と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前縁と後縁(14)の間に延在する空気力学的表面(10)を含むターボ機械ブレード(1)のための金属補強材(2)を製造するための方法であって、前記補強材が、前記ブレードの前縁(20)を受容することができる内面(200)を画定するように、前記前縁を形成して2つの側部フィン(22、23)により延在されている基部(21)を含み、
(a)前記補強材のフィンのうちの少なくとも1つを各々形成する少なくとも2つの部品を得て、各部品が一体に仕上げられ、前記部品のうちの少なくとも1つが金属ブランクを機械加工することによって製造される工程と、
(b)前記補強材を得るために、溶融溶接又は摩擦攪拌接合技術によって、予め工具(8)上に配置された前記部品を組立てる工程と
を含む、方法。
【請求項2】
工程(a)において、前記補強材のフィン(22、23)のうちの1つ及び少なくとも部分的に前記補強材の基部(21)を形成する第1の一体部品(24、25、26)と、少なくとも他方のフィン(23、22)を形成する第2の一体部品(23、22、27)とが製造される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程(a)において、前記補強材のフィン(22、23)のうちの1つを形成する第1の一体部品と、少なくとも他方のフィン(23、22)を形成する第2の一体部品と、前記補強材の基部(21)を少なくとも部分的に形成する第3の一体部品とが製造される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記部品がすべて金属ブランクを機械加工することによって製造される、請求項1~3のうちの一項に記載の方法。
【請求項5】
前記部品のうちの少なくとも1つが、既存の金属補強材を機械加工することによって得られる、請求項1~3のうちの一項に記載の方法。
【請求項6】
金属ブランクの機械加工が、前記ブランク(3、5)の片側(30、31;50、51)ずつ交互に行われる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
工程(a)において、フィン(23、22)に対応する第1の部分(41、71)と、ヒールを形成する第2の部分(42、72)とを含む、第1及び第2の中間部品(4、7)が得られる、請求項1又は2記載の方法。
【請求項8】
工程(a)において、前記第1の中間部品(4)が、前記ヒール(42)を除去するか又は機械加工するために、前記工具(8)上に配置される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
工程(a)において、前記第2の中間部品(7)のヒール(72)が、前記基部(21)の湾曲した内面(210)を少なくとも部分的に形成するように機械加工され、前記第2の中間部品(7)がその後、前記ヒールの外面(212)を機械加工して前記基部(21)の外面(212)を少なくとも部分的に形成するために前記工具(8)上に配置される、請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
工程(b)の前に、前記部品の少なくとも1つの内面(410、710)をテクスチャ加工する工程が行われる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前縁(13)と後縁(14)の間に延在する空気力学的表面(10)を含む複合材料から作られたターボ機械ブレードのための金属補強材であって、前記補強材が、前縁(20)を形成して2つの側部フィン(22、23)によって延在された基部(21)を含み、前記補強材が、前記ブレードの前縁(13)を受容することができる内面(200)を画定し、前記補強材のフィンのうちの少なくとも1つを各々形成する少なくとも2つの部品を含み、溶融溶接又は摩擦攪拌接合技術によって組立てられ、各部品が一体に完成される、金属補強材。
【請求項12】
前記補強材の基部(21)が、湾曲した内面(210)を有する、請求項11に記載の補強材。
【請求項13】
前記部品間の組立点が、前記基部の湾曲した内面(210)に垂直に配置される、請求項11又は12記載の補強材。
【請求項14】
前記補強材の内面(200)が、テクスチャ加工される、請求項11~13のいずれか一項に記載の補強材。
【請求項15】
請求項11~14のいずれか一項に記載の補強材を含む、ターボ機械ブレード。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、ターボ機械の技術分野に関し、より具体的には、複合材料から作られたファンブレードのものに関する。
【0002】
複合材料の使用は、金属ブレードと比較して、より軽量なブレードを生み出す。
【0003】
しかし、このような複合ブレードには、繊維と樹脂マトリックスとの間の剥離又は分離による損傷のリスクがある。
【0004】
これらのブレードは、鳥などの異物の影響に対してより敏感である。
【0005】
このため、これらの複合材料から作られたファンブレードは、ブレードの全長にわたって延在して前縁を覆う金属補強材を装備することが知られている。このような補強材は、例えば、仏国特許出願公開第2732406号明細書及び欧州特許出願公開第1908919号明細書に記載されている。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明は、より具体的には、複合材料から作られたターボ機械ブレードのための金属補強材、及びこのような補強材を製造するための方法に関する。
【0007】
従来、この金属補強材は専ら、一塊の金属、例えば、一塊のチタンから切削することによって製造することが可能である。
【0008】
しかし、ブレードは、複雑な形状であり、特にダブルキャンバーを有するので、このような補強材は、多数の再加工操作と複雑な工具を必要とする。これは高い製造コストをもたらす。
【0009】
このことが、代替技術が開発された理由である。
【0010】
したがって、曲げ、充填、押出、及び最後に撚り操作を行い、フィンを接近させて肉厚部分を較正するために金属棒を鍛造する一連の工程を含む、金属補強材を製造するための方法を記載する仏国特許出願公開第2961866号明細書について言及することができる。
【0011】
主に、補強材に存在するアンダカットを考慮すると、最後のいくつかの鍛造工程を行うことが困難であることがわかった。
【0012】
したがって、仏国特許出願公開第3009982号明細書は、補強材の側部フィンの各々を形成するための特有の工具を使用して補強材を鍛造するための方法を提案している。
【0013】
一般に、鍛造方法は、主にフィンの薄さに起因して、撚りの間に、フィンに折り目を生じさせるおそれがある。さらに、フィンが閉じられたとき、形成されている部品の各点は、一つの平面ではなく、三次元で移動される。したがって、部品が大きく歪むために、工具は、最初に部品のある特定の部分に接触する。したがって、力は、領域に依存して異なり、これがまた折り目を作るおそれがある。
【0014】
さらに、鍛造工具、特に押出工具は、V字形状であるために、著しい摩耗が起こりやすい。
【0015】
その理由として、補強材の底部(内側)半径に対して所望の幾何学的形状を正確に得ることが困難であるからである。しかし、フィンが閉じられた後は、このゾーンにアクセスしにくいために、幾何学的形状を確認して必要な任意の調整を行うことは困難であるか又は不可能でさえある。
【0016】
さらに、鍛造方法は、多数の製造工程を含み、これが補強材のコストを増大させる。
【0017】
最後に、これらの鍛造方法を用いて、フィンに非常に薄い厚みを得ることは困難である。
【0018】
米国特許出願公開第2011/0274551号明細書はまた、金属製の板を曲げるための鍛造工程と、板の厚みにスロットを作るための機械加工工程をも使用する別の方法を記載している。この方法はまた、板の内部に高温のガスを導入することにより、金型内での超塑性成形工程を含む。
【0019】
したがって、この方法は、再び多数の製造工程を含む。さらに、超塑性成形工程は、補強材の内面、特にその底部半径の正確な制御を不可能にするが、しかし、これは複合ブレードが、補強材における所定位置に挿入されて保持されるのを可能にするために必要なものである。
【0020】
さらに、超塑性成形工程は、鍛造方法と同じ欠陥を有している。具体的には、成形が折り目を出現させるおそれがある一方、部品の内部を確認して調整することは困難である。
【0021】
一般的に、すべての既知の方法は、切削、形成、及び/又は鍛造工程を含む多数の製造工程を必要とする。したがって、これらの方法は、実施するために比較的長い時間を要し、それによって得られる補強材のコストを増大させ、大量の材料が製造に結びつくことになる。
【0022】
加えて、部品の寸法にかなりのばらつき(spread)が起こり得る。具体的には、これらの方法では、0.5mm程度の予想される厚みのフィンを有する補強材に直接にはならない。したがって、フィンの最終的な厚み、及び予想される空気力学的プロファイルを得るために、特に切削による仕上げ工程を行うことが必要である。
【0023】
さらに、部品の内部は、成形によって製造されているために、したがって、かなり大きなばらつきがある。部品の外部プロファイルは、部品の内部のものと一致しなければならず、これは三次元測定によって(例えば、プロービングによって)決定される。これは長く複雑なプロセスであり、このことが部品の許容差との不一致をもたらすことがあり、結果として不合格となる可能性がある。
【0024】
またさらに、部品が比較的柔軟であるために、機械加工されている間に変形することなく、所定位置にしっかりと保持するための複雑な工具を用意することが必要である。
【0025】
結論として、ここで言及された方法は複雑であり、部品の内部へのアクセスを必要とするために、制御及び調整が困難である。これら2つの基準を組み合わせると、不合格のリスクが高い製品となる。
【0026】
このばらつきのリスクはまた、方法が最終的な成形を必要とするが、機械加工の間にある特定の寸法が既に定義されている場合にも見られる。これは例えば、フィンを一緒に運ぶためのマンドレルを形成する前に部品全体を機械加工する方法を記載する国際公開第2009/108253号についての場合である。
【0027】
本発明は、ターボ機械ブレードの前縁のための金属補強材を製造するための方法を提案することによって、これらの欠点を克服することを目的とし、機械的強度に関して十分な特性を維持しつつ、製造プログラムを単純化して、製造コストを削減することを可能とする。
【0028】
したがって、本発明は、前縁と後縁の間に延在する空気力学的表面を含むターボ機械ブレードのための金属補強材を製造するための方法であって、補強材は、その前縁を形成して、ブレードの前縁を受容することができる内面を画定するように2つの側部フィンによって延在された基部を含み、
(a)補強材のフィンのうちの少なくとも1つを各々形成する少なくとも2つの部品を得て、各部品が一体に仕上げられ、部品の少なくとも1つは、金属ブランクを機械加工することによって製造される工程と、
(b)補強材を得るために、溶融溶接又は摩擦攪拌接合技術によって、予め工具上に配置された部品を組立てる工程と、を含む。
【0029】
したがって、本発明は、結果として一体の金属補強材を製造する従来の方法からは完全に脱却している。
【0030】
補強材部品は、高い機械的強度を有しなければならない。このため、当業者は、複数の部分で部品を製造するような結果としての解決策を、先入観に基づいて拒絶するであろう。具体的には、当業者は、このような部品間の継ぎ目が弱い領域になると考えるであろう。したがって、このような領域の存在は、部品に与えられる補強機能と相容れない。
【0031】
本発明はまた、拡散溶接技術によって組立てられた複数の部分で補強材を製造することを意図する方法からも脱却している。
【0032】
具体的には、拡散溶接技術は、溶融溶接又は摩擦攪拌接合技術と異なり、組立点における部品の構成材料の特性が結果としてほとんど減少しないが、しかし、本発明については、後者が選択される。
【0033】
意外なことに、これらの技術を選択しても、補強材の強度に悪影響を及ぼすことはなく、特に実施の簡単さや速さに関して、これらの技術の利点を全て生かすことが可能であることがわかった。
【0034】
組立点の位置は、補強材が受ける応力の分布にしたがって選択され、この分布は、部品が設計されるときに既知となる。したがって、本発明は、補強材が十分な機械的強度を有するように、組立点を最適な場所に配置することを可能にする。
【0035】
したがって、組立点の存在は、補強材の機械的強度に影響を及ぼさない。
【0036】
さらに、この方法は、ブランクからの補強材を成形する間に、鍛造又は形成工程のいずれをも省略する。これは、この方法が適用されるブランクが、使用される材料を最適化するために予め鍛造されたブランクであってもよいことを意味する。
【0037】
本発明にしたがった方法により、フィンは、同じ操作において(フィンの内部及び外部を画定するために)専ら機械加工によって製造される。言い換えれば、フィンの機械加工は、このフィンを機械加工する2つの工程間に他のいずれの操作もなしで行われ、これは異なるタイミングで行うことができる。
【0038】
この方法は、全体として部品の形状を修正する目的で、例えば、成形又は鍛造することによる材料のいずれの粘塑性的変形をも含まない。さらに、機械加工の後に、部品が組立てられる領域を除いて、フィンの断面又は厚みを修正することを目的としたいかなる操作も行われない。
【0039】
したがって、フィンの厚み及びこれらの形状は、完璧に制御される。これに加えて、補強材の内部半径もまた、機械加工によって製造され、その後の幾何学変換を受けない。その製造は、既知の方法とは異なり、習得するのが容易であって、許容差の範囲を狭くすることができる。
【0040】
補強材の構成部品の各々は、溶融溶接又は摩擦攪拌接合技術によって組立てられたときに完成された部品となる。この場合における「完成された部品」とは、内面及び外面上の大部分について、形状及び厚みが最終的に画定された部品を意味する。言い換えると、補強材の他の構成部品とともに組立てられた後、部品の外面上で機械加工される可能性があるのは、0~5質量%のみである。
【0041】
したがって、この方法は、2つ又は3つの部品を組立てることで実施されてもよい。
【0042】
第1の場合は、工程(a)において、補強材のフィンのうちの1つ及び少なくとも部分的に補強材の基部を形成する第1の一体部品と、少なくとも他方のフィンを形成する第2の一体部品とが製造されることが好ましい。
【0043】
第2の場合は、工程(a)において、補強材のフィンのうちの1つを形成する第1の一体部品と、少なくとも他方のフィンを形成する第2の一体部品と、補強材の基部を少なくとも部分的に形成する第3の一体部品とが製造されることが好ましい。
【0044】
さらに、この方法は、部品がすべて金属ブランクを機械加工することによって製造されることにより実施されてもよい。
【0045】
しかし、これはまた、損傷した金属補強材を修理するために実施されてもよい。この場合において、部品の少なくとも1つが、既存の金属補強材を機械加工することによって得られる。
【0046】
他の有利な実施態様では、以下の手順のうちの1つ又はその他もまた適用される。
-工程(a)において、フィンを得るために、金属ブランクの機械加工が、このブランクの片側ずつ交互に行われる。
-工程(a)において、フィンに対応する第1の部分と、ヒールを形成する第2の部分とを含む、第1及び第2の中間部品が得られる。
-工程(a)において、第1の中間部品は、ヒールを除去するか又は機械加工するために、工具上に配置される。
-工程(a)において、第2の中間部品のヒールが、基部の湾曲した内面を少なくとも部分的に形成するように機械加工され、第2の中間部品がその後、ヒールの外面を機械加工して基部の外面を少なくとも部分的に形成するために工具上に配置される。
-工程(b)の前に、部品の少なくとも1つの内面をテクスチャ加工する工程が行われて、ブレード及び補強材の後続の固定を促進する表面条件を部品に与える。
-工程(b)において、2つの部品間の組立点は、基部の湾曲した内面に垂直に配置される。
【0047】
本発明はまた、前縁と後縁の間に延在する空気力学的表面を含む複合材料から作られたターボ機械ブレードのための金属補強材であって、補強材は、前縁を形成して2つの側部フィンによって延在された基部を含み、補強材は、ブレードの前縁を受容することができる内面を画定し、補強材のフィンのうちの少なくとも1つを各々形成する少なくとも2つの部品を含み、溶融溶接又は摩擦攪拌接合技術によって組立てられ、各部品が一体に完成される。
【0048】
他の有利な実施態様において、以下の手順のうちの1つ又はその他もまた適用される。
-補強材の基部が、湾曲した内面を有し、
-溶接リリーフが、補強材の内面に存在し、この表面から突出しており、
-第1の部品と第2の部品との間の組立点が、基部の湾曲した内面に垂直に配置され、
-補強材の内面が、テクスチャ加工され、
-補強材が、鋼又はチタン合金から作成されている。
【0049】
最後に、本発明はまた、複合材料又は金属材料、例えば、アルミニウム、マグネシウム、又はグラフェンから作られ、本発明にしたがった補強材を含むターボ機械ブレードに関する。
【0050】
好ましくは、このブレードは、補強材の内面に存在する溶接リリーフに対して相補的な形状の溝を含む。
【0051】
本発明についてのより良い理解が得られ、そのさらなる目的、利点、及びその特徴が、添付された図面を参照して提供される以下の記載を読むことでより明確に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】前縁のための金属補強材を含むブレードの側面図である。
図2図1に示された前縁の斜視図である。
図3】本発明にしたがった、補強材の第1の構成部分を製造するための工程を示す側面図である図3A~3Fを含む。
図4】本発明にしたがった、補強材の第2の構成部分を製造するための工程を示す側面図である図4A~4Gを含む。
図5】本発明にしたがった、補強材の2つの構成部分を組立てるための工程を示す断面図である図5A~5Cを含む。
図6】本発明にしたがった、補強材の代替実施態様を示す断面図であり、図6A~6Eを含む。
図7】本発明にしたがった、補強材の別の代替実施態様を示す斜視図である。
図8】3つの異なる断面図において、図7にしたがった補強材を通した断面を示す断面図である図8及び8Cを含む。
【0053】
各図面に共通する要素には、同じ参照記号を付する。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、特に複合材料から作られたブレード1、例えば、真空射出成型によって樹脂により成形された炭素繊維の組立てを示す。
【0055】
このブレードは、前縁13と後縁14の間の第1の軸方向11と、根元15と先端16との間の第2の径方向12とに延在している空気力学的表面10を有する。
【0056】
したがって、この空気力学的表面10は、前縁13を後縁14に接続する2つの側部面を有し、一方がブレードの吸引側(背面)を、他方がブレードの圧縮側(腹面)を形成している。図1では、ブレードの圧縮側17のみが示される。
【0057】
このブレード1は、前縁13を覆うために、特に接着結合によりブレードに固定された金属補強材2’を含む。この補強材2’は、ブレードの前縁13から圧縮側及び吸引側の一部分へ、第1の軸方向11に延在する。これはまた、ブレード1の根元15と先端16との間で、第2の径方向12にも延在する。
【0058】
したがって、補強材2’は、ブレードの前縁13の形状に一致するように設計されている。ブレードの形状を考慮すると、したがって、補強材2’は、図2に示されるようにダブルキャンバーを有する。
【0059】
補強材2は、実質的にV字形状の断面を有し、補強材の前縁20’を形成する基部21’を含み、この基部は、2つの側部翼22’及び23’によって延在され、翼23’は、ブレードの吸引側を覆うように意図される一方、フィン22’は、ブレードの圧縮側を覆うように意図される。示された例において、2つのフィンは、同じ長さを有しているが、これはいつでも当てはまるというわけではない。
【0060】
補強材の内面200’は、Vの内側で画定されて、ブレード1の前縁13を受容することができる。
【0061】
図2に示されるように、基部21’は、湾曲した内面210’を有する。
【0062】
補強材2’は、金属から作られる。衝撃によるエネルギーを吸収するためにかなりの容量を有する金属が選ばれる。この補強材は、従来、チタン合金又は鋼から作成される。
【0063】
補強材2’は、例えば、シアノアクリレート接着剤やエポキシ接着剤などの既知の接着剤を使用して、ブレード1に接着結合されてもよい。ブレードに補強材を固定するための他の手段が提供されてもよい。これらは、ブレード及び補強材の構成材料にしたがって選択される。
【0064】
ここで、単一の部分ではなく2つの部品において、図1及び図2に示される補強材の製造のための本発明にしたがった方法を説明するために、図3図5を参照する。
【0065】
図3は、この場合には補強材の吸引側部分であり、すなわち、部品がブレードの吸引側に一致するように意図されたフィンを含む補強材の第1の部品を製造する工程を記載する。
【0066】
さらに、図4は、この場合には圧縮側部分であり、すなわち、部品がブレードの圧縮側に一致するように意図された圧縮側フィンを含む補強材の第2の部分を製造するための工程を記載している。
【0067】
しかしながら、本発明は、この方法の実施態様に限定されるものではなく、図3を参照して記載された工程を使用して圧縮側部分を製造することができる一方で、図4に示される工程を使用して吸引側部分を製造することができる。
【0068】
図3を参照すると、図3Aは、補強材の第1の部分が製造されるであろう金属ブランク3を示す。
【0069】
このブランク3は、例えば、鍛造又は圧延されたブランクである。
【0070】
この方法を実行する前に鍛造することは、使用される材料を最適化して良い機械的特性を有する部品を得ることを可能にする。
【0071】
この鍛造工程は、この方法の実施のために必ずしも必要ではない。
【0072】
図3において示される製造する工程の最後に得られるであろう補強材の吸引側フィンは、ブランク3内部の点線で描かれる。
【0073】
ブランクは、フィンの厚みよりもはるかに大きな厚みを有し、したがって機械加工を受ける第1の部品は強固なままである。
【0074】
図3B及び図3Cは、互いに反対にあるブランク3の各面30、31上で、カッタ6によって交互に行われる機械加工操作(例えば、切削又は研削)を示す。
【0075】
例えば、カッタ6は、各面を交互に10mmの厚さに機械加工してもよい。
【0076】
機械加工の間にブランクを保持するためのクランプ工具は、図中に示されていない。これは、図3A図3Dの右側又は図3Dに示されたヒール42の側に配置される。
【0077】
この機械加工は、クランプ工具に対して反対側の端において(図3Dに示されるヒール42に対して反対側の端において)ブランクの端から、このクランプ工具に向かって実行される。
【0078】
この機械加工技術により、部品の剛性は高いままであることができ、良い機械加工性能を得て部品における厚みを保証し、したがって、可能な限り許容差内に収まる。
【0079】
図3Dは、これらの機械加工操作の後に得られた中間部品4を示す。
【0080】
この中間部品4は、吸引側フィン23に実質的に対応する第1の部分41と、ヒールを形成してブロック3の端部分に対応する第2の部分42とを含む。
【0081】
一旦得られた部品4は、ヒール42の反対側のフィン23の端に対応する面43を作るために、別の機械加工操作を受ける。この操作はまた、第1の部分41を得るために、ブランクの機械加工の間に行われてもよい。
【0082】
さらに、第1の部分41の内面410上で、本発明にしたがった補強材に対してブレードを固定することをその後容易にするために、テクスチャ加工する工程が行われてもよい。
【0083】
いずれかの調節を行うために、この部品の第1の部分41の厚みが確認される。
【0084】
図3Dに示されるように、この第1の部分41の厚みは、可変であることが好ましく、第2の部分42から面43に向かって狭くなる。したがって、吸引側フィンは、この同じ可変の厚みを有するであろう。
【0085】
図3Eは、溶接操作のために実質的に使用されるであろう工具8上の位置における部品4を示す。
【0086】
この工具8は、先細形状を有しており、この外面は、補強材2の内面200に実質的に対応する。
【0087】
この工具8は、2つのショルダ80及び81を有しており、ショルダ80は、工具の吸引側82に、ショルダ81は、圧縮側83に配置されている。
【0088】
図3Eにおいて示されるように、部品4は、その端43を介してショルダ80に対して楔留めされる。したがって、その内面410は、工具の吸引側82と接触する。
【0089】
ヒール42は、工具8上の位置に置かれたときに部品4を操るのを支援することもまた理解される。
【0090】
最後に、図3Fは、吸引側フィン23を得る際の最後の工程を示し、ここにおいて、ヒール42が除去される。
【0091】
工具8から第1の部品23を除去する前に、基準面230が、端43の反対側の端において製造される。この基準面230は、第1の部品と第2の部品との間の接続を行うために有効である。
【0092】
ここで、図4A図4Gを参照すると、これは第2の部品を製造するための工程を記載しており、この場合において、部品は圧縮側フィンを含んでいる。
【0093】
図4Aは、補強材2の第2の部品が製造されるであろう金属ブランク5を示している。
【0094】
このブランク5は、例えば、鍛造又は圧延されたブランクである。
【0095】
図4に示される製造する工程の最後に得られるであろう補強材の第2の部品24は、ブランク5の内部の点線によって描かれている。この部品24は、補強材2の基部21とともに圧縮側フィン22を含む。
【0096】
図4B及び4Cは、互いに反対にあるブランク5の各面50及び51上でカッタ6により交互に行われる機械加工操作を示す。
【0097】
ここで再び、ブランク5は、図中に示されないクランプ工具によって保持され、これは図4A図4Eの右側又は図4Eに示されるヒール72の側に配置される。
【0098】
機械加工はまた、クランプ工具に対して反対側の端において(又はヒール72に対して反対側の端において)ブランクの端から、このクランプ工具に向かって実行される。
【0099】
図4Dは、これらの機械加工操作の後に得られる中間部品7を示す。
【0100】
この中間部品7は、圧縮側フィン22に実質的に対応する第1の部分71と、ヒールを形成してブロック5の端部分に対応する第2の部分72とを含む。
【0101】
図4D~4Fにおいて点線で示された補強材の基部21は、この第2の部分72に形成されるであろう。
【0102】
図4Dはまた、補強材の基部21の湾曲した内面210を画定するために、ヒール72においてカッタ6aにより行われる機械加工操作を示している。
【0103】
この表面は、ヒールの内側部分が容易に接近可能であって、切削工具の使用を制約なく可能にするので、容易に製造される。
【0104】
この内面210の湾曲の半径は、補強材が意図されるブレードのプロファイルの関数として定義される。ブレードがこの全内面と接触するようになることは必ずしも必要でないことに留意されたい。
【0105】
しかしながら、この内面の形状及び特にその湾曲は、補強材を弱めることがある応力集中の領域を回避するために、そして補強材に対するブレードの正確な配置を可能にするために、制御されなければならない。
【0106】
図4Eは、したがって、次にヒール72の反対側のフィン22の端に対応する面73をもたらすための別の機械加工操作を受ける中間部品7を示す。このさらなる機械加工操作は、ブランクの機械加工中に実行されてもよい。
【0107】
さらに、本発明にしたがった補強材に対するブレードの固定を実質的に促進するために、部品7の第1の部分71の内面710上でテクスチャ加工する工程が行われてもよい。2つの部品4及び7について、このテクスチャ加工は、特に、レーザ又はサンドブラストによる微細加工の技術によって行われてもよい。
【0108】
この工程において、いずれかの調節を行うために、部品7の第1の部分71の厚みを確認する。
【0109】
図4Eにおいて示されるように、この第1の部分71の厚みは、可変であることが好ましく、ヒール72から面73に向かって狭くなる。圧縮側フィンは、したがって、この同じ可変の厚みを有している。
【0110】
図4Fは、工具8上の位置における部品7を示す。
【0111】
部品7は、その端73を介してショルダ81に対して楔留めされる。
【0112】
ヒール72は、これが工具8上の位置に置かれたときに部品7を操るのを支援することもまた理解される。
【0113】
最後に、図4Gは、補強材の第2の部品24を得る際の最後の工程を示し、ここにおいて、外面212上の前縁20を備えた補強材の基部21を得るために、ヒール72の外面が機械加工される。
【0114】
工具8から第2の部品24を除去する前に、前縁20の反対側で、圧縮側フィン22に対向している補強材の基部21の自由端において基準面211が製造される。
【0115】
この基準面211は、第1の部品と第2の部品との間の接続を行うために有効である。
【0116】
ここで、第1の部品23と第2の部品24がどのように組立てられるかを示す図5A図5Cを参照する。
【0117】
ここにおいて、これらが組立てられたとき、これら2つの部品23及び24は完成された部品であり、これらの形状及び寸法は、組立て後に得られた補強材において実質的に不変であることを強調すべきである。
【0118】
この概念は、残りの記載においてより正確に定義される。
【0119】
図5Aは、これら2つの部品が溶接工具8上に置かれた工程を示す。
【0120】
したがって、第1の部品23の内面410は、工具の吸引側82と接触する一方、その端43は、ショルダ80に負荷を掛ける。
【0121】
同様に、第2の部品24は、その内面710を工具の圧縮側83と接触させることによって、工具8上に置かれる。さらに、第2の部品24は、その端73を介してショルダ81に対して楔留めされる。
【0122】
図5Aにおいて示される位置において、第1の部品23の基準面230は、第2の部品24の基準面211に対向している。
【0123】
図5Bは、溶接90が基準面230と211の間で行われる次の工程を示す。
【0124】
使用される組立て技術は、溶接されることになる材料の性質に特に適応する溶融溶接又は摩擦攪拌接合技術である。これは例えば、MIG/MAGもしくはTIG、又は電子ビーム溶接のようなレーザ溶接技術であってもよい。
【0125】
厚みが小さいので、使用されるエネルギーは比較的低い。具体的には、各フィンの小さい厚みの間、特に0.5~3mmで溶接が行われる。
【0126】
ここで、溶融溶接技術は、変形を引き起こして、圧力を解放するための後続の処置を要求することから、部品のブランクに対して一般的に使用されることを指摘しなければならない。これらはまた、変形に対してより敏感でない大多数の部品に対しても使用される。機械溶接において、単純な幾何学で粗い寸法の部品を得るために溶融溶接技術が使用され、これはしたがって後続の機械加工及び圧力を解放するための処置を要求する。これらはまた、小さな寸法の(数cmの)部品に対しても使用され、ここにおいて、溶接によって引き起こされた変形は、それほど厳しくない予想される許容差と適合する。したがって、これらの部品は任意の後続の操作を受けず、そして特に、溶接後の機械加工を受けない。
【0127】
摩擦攪拌接合技術に関して、これらの使用は広範囲に及ばず、一般的に、単純な経路に沿った溶接に制限され、使用される工具によって必要とされる比較的広い溶接領域を製造する。
【0128】
したがって、大きく複雑な、又は曲げられた部品を、厳しい許容差で比較的微細な溶接領域に対して製造するために、当業者がこれらの技術を使用することは明らかではない。
【0129】
しかしながら、比較的に剛性が低い領域に溶接を配置することによって、溶接によって生じた補強材の変形及び厚みにおける局所的な変異は、補強材の外面全体について典型的に2mm、そしてフィンの厚みについて+又は-0.2mmである補強材の許容差と適合することが分かった。
【0130】
例えば、溶接は、補強材の前端ではなく、フィンの前端に近い領域に配置されるであろう、なぜならば、断面比のために剛性がより低くなるからである。
【0131】
さらに、これらの技術は、拡散接合技術とは異なり、実施が簡単かつ迅速であるという利点を有している。これは特に、拡散接合が、溶接されることになる材料と適合性がある炉及び保持工具を必要とするという事実に起因する。
【0132】
この溶接工程の後に、表面処置又は熱処置が行われてもよい。これらの処置は、任意である。
【0133】
熱処置の場合において、これは例えば、溶接の機械的特性を修正するために、圧力を解放したり、溶液中に入れたりしてもよい。
【0134】
これはまた、溶接中、又は溶接に関係するいずれかの幾何学偏差を修正するための材料の軽微な追加又は除去のための操作の間に発生した、いずれかの軽微な変形を直すために矯正又は較正の操作を行うことが可能である。これは単なる仕上げ操作であり、特に使用される溶接技術に依存する。
【0135】
最後に、補強材の空気力学的特性を改善するために研磨を実行することが好ましい。
【0136】
これらの操作のすべては、部品の形状及びサイズに軽微な影響しか与えないので、これが、組立て前の部品が完成された部品であると考える理由である。
【0137】
したがって、組立て前の補強材の構成部品の質量の合計は、ブレードに固定されることが意図された最終的な補強材の質量の95%よりも高く、これはしたがって1つ以上の仕上げ操作を受ける可能性がある。
【0138】
言い換えれば、その構成部品の組立て後、補強材は、余剰な厚み又は余剰な長さ(例えば、部品の端が機械加工されることを可能にする余剰な長さ又は研磨が行われるのを可能にする余剰な厚み)を局所的に含んでもよい。
【0139】
基準面230及び211が製造される一方、対応する部品が同じ工具上の所定の位置にあるので、組立てる工程の間、2つの部品の配置が正確に保証されることが理解される。
【0140】
言い換えれば、本発明にしたがった方法は、方法のすべての工程で単一の工具のみが使用されるのを要求し、共通の基準枠のおかげで正確な形状及び寸法を有する補強材を得るのを可能にする。
【0141】
しかしながら、ある特定の場合では、特に生産ラインの組織化につながる理由のために、複数の工具を使用することが有利であるかもしれない。
【0142】
さらに、図3図5を参照して記載した操作を通して、制御する工程が実行されてもよいことは言うまでもない。
【0143】
フィンの厚みは、既知の方法とは異なり、1回の機械加工段階によって、及び部品の剛性を最大化する戦略(strategy)によって得られる。これは、補強材の鍵となる特徴であるフィンの厚み及び底部半径の形状に関して最適な再現性により、予想される寸法を得ることを可能にする。
【0144】
したがって、厚み、特にフィンの厚みに関して、本発明にしたがった方法により、±0.02mmの許容差を得ることが可能である。
【0145】
さらに、補強材の一般的な形状について、0.5mmの許容差を得ることが可能である。
【0146】
言い換えれば、本発明にしたがった方法により得られた補強材の寸法において、非常に少ない広がりがある。
【0147】
さらに、一体の補強材を形成する方法とは異なり、部品の各々の内面の表面条件は、特定の工具がこの内面に容易に接近できるので容易に達成される。
【0148】
図5Cは、工具8からの除去の後に得られる補強材2を示す。補強材はその後、上記で定義された可能性ある仕上げ操作を受け、ブレード1に固定するように準備される。これは、図1及び図2に示される補強材2’と同じ形状を有する。
【0149】
先ほど説明した方法の実施態様では、溶接による組立てが、補強材の吸引側フィン23と基部21との間で、より正確には円形の内面210に垂直に行われている。言い換えれば、溶接は、この内面に対して実質的に直角に延在する。
【0150】
しかしながら、本発明は、この実施態様に限定されず、2つの部品間の接合点は、補強材の内面200の底部に配置された補強材の基部21の湾曲した内面210上の別の位置に配置され得る。
【0151】
図5に示される例において、接合又は組立て領域90は、この内面210への入口に対応する。
【0152】
図6Aに示される実施態様において、この接合領域91は、この表面の底部近くに留まる一方、この内面210を越えて移される。
【0153】
図6B及び6Cは、本発明にしたがった方法の他の2つの実施態様に対応し、ここにおいて、第2の部品が補強材の圧縮側フィン22に対応する一方で、第1の部品25が補強材の吸引側フィン23及び基部21を含む。
【0154】
図6Bに示される例において、部品22と25の間の接合領域92は、基部21の内面210を超えて配置される一方で、図6Cは、接合領域93が、この内面210への入口に垂直に配置された実施態様を示している(図5Aの逆転)。
【0155】
先ほど説明した方法の実施態様では、図3Dに示される中間部品4は、フィンを形成するように意図される一方で、中間部品7は、補強材の他方のフィン及び基部を形成するように意図される。
【0156】
しかしながら、本発明は、この実施態様に限定されず、各中間部品は、補強材のフィン及び基部の一部分を形成するように意図され、そして2つの部品は相補的であってもよい。
【0157】
同様に、この例において、補強材は、ブランクを機械加工することによって得られた2つの部品から得られる。
【0158】
しかし、本発明は、この実施態様に限定されず、補強材はまた、3つの部品から得てもよく、例えば、ブランクを機械加工することによって各々得られる。例として、第1の部品はフィンを、第2の部品は他方のフィンを、そして第3の部品は補強材の基部を形成してもよい。
【0159】
同様に、補強材は、既存の欠陥のある補強材から得てもよい。この場合において、補強材の少なくとも1つの構成部品が、この既存の補強材を機械加工することによって得られる一方で、少なくとも1つの他の構成部品が、ブランクを機械加工することによって得られる。したがって、部品の組立ては、欠陥のある補強材を修理するのを可能にする。
【0160】
ここで、第1の部品26が、吸引側フィン23及び補強材の基部21の第1の部分21aを含む一方で、第2の部品27が、圧縮側フィン22と、第1の部分21aに相補的な基部21の第2の部分21bとを含むことを示す図6D及び図6Eを参照する。
【0161】
図6Dに示される例において、接合領域94の線は、基部21の外面212の範囲まで、表面210の底部から斜めに延在する一方で、図6Eに示される例において、領域95の跡は、実質的に垂直な2つの直線に沿って延在している。
【0162】
この場合において、基部自体に組立て領域が配置される。組立てはその後、基部の厚みによる変形をほとんど引き起こさない。この解決策は、接合領域が、わずかな圧力が掛かかる補強材の領域に配置された場合に適応されるであろう。
【0163】
組立て領域の位置は、ブレードが耐えなければならない機械的圧力にしたがって選択される。しかしながら、すべての場合において、溶接領域がフィンの反対側の基部21の端から一定の距離にあることが好ましい。
【0164】
図5B及び図6A図6Eが補強材の高さの所定のレベルで切断した補強材の断面を示していることが理解されるであろう。
【0165】
この断面は、補強材を形成する2つの部品間の組立ての位置を示している。
【0166】
この位置は、補強材の高さ全体にわたって同じであってもよい。
【0167】
しかし、また、補強材にかかる圧力に依存して、2つの部品間の組立ての位置が補強材の高さにわたって変化するように設計されてもよい。
【0168】
このことは、図7及び図8A図8Cによって示される。
【0169】
図7は、図1及び図2の補強材2’と同じ形状を有する本発明にしたがった補強材2を示し、補強材の2つの構成部品間の組立て領域9又は継ぎ目線を識別している。
【0170】
3つの断面平面もまた識別される。補強材の先端28の近くに配置された平面A、中間領域に配置された平面B、及び補強材の根元29に配置された平面Cである。
【0171】
図8A図8Cに示されるように、組立て領域の位置は、平面から平面で異なる。
【0172】
したがって、図8Aは、図5Cに示されるように、この領域9が補強材の吸引側フィン23と基部21の間に配置されていることを示している。
【0173】
言い換えれば、図8Bは、図6Aに示される変形に類似した手法において、この領域9が補強材の基部21に向かって移されることを示している。
【0174】
最後に、補強材の根元29において、図6Dに示される変形に類似した手法において、組立て領域9は補強材の基部21及びフィンの近くに配置される。
【0175】
溶接されることになる領域の厚みが補強材の高さ全体にわたって実質的に一定であるように、溶接の位置を選択することもまた可能である。その理由として、フィンは、一般的に補強材の高さにわたって可変のプロファイルを有しており、溶接パラメータは、実行するのにより容易な溶接を行うために溶接を通して一定であることが好ましい場合があるからである。
【0176】
組立ては、補強材の高さ全体にわたって同じ溶融溶接技術を実施することによって、又は当該補強材の部分に依存する異なる技術を使用することによって、行われてもよいことが理解される。
【0177】
溶接を行うことは、補強材の内部空間にリリーフを作り出す。これは機械加工工具に接近し難いので、機械加工によって除去され得ない。本発明の文脈において、このリリーフは実際除去されないであろう。
【0178】
したがって、溶接の跡は、その製造後、補強材の内部で依然として可視であろう。
【0179】
ブレード及び補強材が接着接合によってのみ組立てられたとき、このリリーフは、ブレード上の補強材の配置を妨げないはずである。その理由として、ブレードの前縁13が、基部21の内面210の底部と接触するように意図されない場合、溶接とブレードとの間の任意の接触を避けるために、この内面の底部に溶接領域を配置することが好ましいであろうからである。
【0180】
接着溶接と機械的嵌合を組み合わせて、ブレードと補強材との間の組立てを提供することもまた可能である。本製造方法は、補強材内部にビーズのようなリリーフを得ることを可能にするので、このリリーフは、ビーズに対して相補的な形状を有するブレード上の溝を作ることによって、ブレードと補強材との間の接続を強めるのに使用され得る。
【0181】
一般的に、本発明にしたがった方法は、特に、形成以前に任意の長い加熱工程を含まないことから、製造において結びつけられる材料を低減させることを可能とすることが観測される。
【0182】
この機械加工戦略は、かなりの効率をもたらす。さらに、この方法はまた、重い装備なしで実施され得るので、他の方法(プレス、供給に非常に長い時間がかかって非常に高価な耐火性の材料から作られた工具形成、冗長な開発期間)よりも迅速に原型の製造を可能にする。これは、切削工具、機械加工中にブランクをクランピングするための機械加工工具、及び組立て工具を含む最小限の機械加工装置を要求する。
【0183】
最後に、この方法は、補強材の底部への接近を可能にすることから、特に、補強材の内部により小さな曲率の半径及び特有のテクスチャを有する内面を備えた、複雑な形状の補強材を得ることを可能にする。これはまた、より長いフィンを有する補強材を可能にすることにより、ブレードのより広い領域を覆って、補強材と、これが接着結合されるブレードとの間のより強いインターフェースを提供する。
【0184】
言うまでもなく、上記からいっそう明らかであるように、本発明は、特に記載された実施態様に限定されない。対照的に、これはそのすべての変形を包含し、特にブレードが複合材料から作られないが、例えば、鋼やチタン合金の補強材とともにアルミニウムから作られる変形を包含する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】