(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】自動皮膚科学的クライオスプレー治療計画システム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/02 20060101AFI20220204BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220204BHJP
A61B 34/32 20160101ALI20220204BHJP
【FI】
A61B18/02
A61B5/00 D
A61B34/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535817
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 US2019068113
(87)【国際公開番号】W WO2020132609
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518072944
【氏名又は名称】アールツー・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェシー・ローゼン
(72)【発明者】
【氏名】エリカ・エルフォード
(72)【発明者】
【氏名】ディラン・マクレイノルズ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・スタウバー
【テーマコード(参考)】
4C117
4C160
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB10
4C117XB13
4C117XC18
4C117XD05
4C117XE03
4C117XE42
4C117XF03
4C117XG01
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4C117XJ25
4C117XK04
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4C117XL12
4C117XL24
4C117XQ02
4C117XQ07
4C160JJ09
4C160MM22
(57)【要約】
本発明は、皮膚冷却治療を提供するための改善されたシステム、方法、およびデバイスを対象とする。皮膚冷却治療システムは、機械的アームと、機械的アームの遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータとを含むことができる。皮膚冷却治療システムは、皮膚冷却治療を受けるために患者の皮膚の一部の画像を受信することと、皮膚冷却治療を受ける患者の皮膚の一部を指定するために、受信した画像から境界を自動的に識別することとを行うことができるプロセッサを含むことができる。プロセッサは、瞬間的な治療フットプリントを決定することができ、また、治療フットプリントに基づいて、治療経路を生成することができる。プロセッサは、治療経路に従って皮膚に皮膚冷却治療を実施するために、クライオスプレーアプリケータを制御することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的アームの遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータを有する前記機械的アームを備える皮膚冷却治療システムを制御する方法であって、
皮膚冷却治療を受けるために患者の皮膚の一部の画像を受信するステップと、
前記皮膚冷却治療を受ける前記患者の前記皮膚の一部を指定するために、前記受信した画像から境界を自動的に識別するステップと、
瞬間的な治療フットプリントを決定するステップと、
前記治療フットプリントに基づいて、前記皮膚冷却治療を受けるように指定された前記患者の皮膚の前記一部の治療経路を生成するステップと、
前記治療経路に従って前記皮膚に前記皮膚冷却治療を実施するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
前記患者の皮膚の前記一部の画像を受信するステップが、前記クライオスプレーアプリケータに結合された視覚システムを用いて前記患者の前記皮膚の前記一部の画像を生成するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記視覚システムが、前記機械的アームの前記遠位端に結合される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像が、可視スペクトル画像および赤外線画像を含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の前記一部の灌流を決定するステップをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の前記一部の前記灌流に従って投与量を調整するステップをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記皮膚冷却治療を実施するステップが、前記治療経路に従って前記患者の前記皮膚を横切って前記クライオスプレーアプリケータを前進させるステップを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記治療フットプリントから温度情報を受信し、前記温度情報に従って前記皮膚を横切る前記クライオスプレーアプリケータの前記前進を変更するステップをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記温度情報が、凍結前線の前進を特徴付けるデータを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
境界を自動的に識別するステップが、ノーゴー特徴を識別するステップと、前記ノーゴー特徴と、前記ノーゴー特徴を少なくとも部分的に囲む安全オフセットとを備えるノーゴーゾーンを作成するステップと、前記ノーゴーゾーンと皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の前記一部との間を表す境界を作成するステップとを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記治療経路が、前記ノーゴーゾーンにおける治療を防ぐ、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記皮膚冷却治療を実施する前に、前記皮膚冷却治療を受けるように指定された前記皮膚の属性を決定するステップをさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記属性が、変形、または冷却応答のうちの少なくとも1つを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記皮膚の前記属性を決定するステップが、前記皮膚冷却治療を受けるように指定された前記皮膚の少なくとも一部にスプレーを向けるステップと、前記向けられたスプレーに起因する前記皮膚の前記少なくとも一部の変形を測定するステップとを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記向けられたスプレーに起因する前記皮膚の前記少なくとも一部の前記測定された変形に基づいて、前記皮膚冷却治療の前記実施を修正するステップをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ノズルを選択するステップをさらに備え、前記瞬間的な治療フットプリントが、前記選択されたノズルに基づいて決定される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記皮膚冷却治療の前記実施に続いて、前記皮膚冷却治療された皮膚の属性を決定するステップをさらに備え、前記属性が、紅斑レベルまたは再加温率のうちの少なくとも1つを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記皮膚冷却治療された皮膚の前記決定された属性に基づいて、再加温治療を実施するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記皮膚冷却治療された皮膚の前記決定された属性に基づいて将来の治療を調整するための情報を用いて前記患者の患者プロファイルを更新するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記患者の動きを検出するステップと、前記患者の前記動きに基づいて修正された治療経路を生成するステップと、前記修正された治療経路に従って前記皮膚冷却治療を実施するステップとをさらに備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
機械的アームの遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータを有する前記機械的アームを備える皮膚冷却治療システムを制御する方法であって、
受信した制御信号に従って、患者の皮膚の一部に前記クライオスプレーアプリケータをスイープするステップと、
前記患者の皮膚の前記一部と前記クライオスプレーアプリケータとの間の距離を決定するステップと、
受信した画像に基づいて皮膚の前記一部に対する前記クライオスプレーアプリケータの位置を決定するステップと、
投与量情報を受信するステップと、
前記患者の前記皮膚の前記一部と前記クライオスプレーアプリケータとの間の前記距離、皮膚の前記一部に対する前記クライオスプレーアプリケータの前記位置、または前記投与量情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記受信した制御信号とは無関係に、前記クライオスプレーアプリケータを自動的に移動するステップと
を備える、方法。
【請求項22】
前記受信した制御信号とは無関係に、前記クライオスプレーアプリケータを自動的に移動するステップが、前記クライオスプレーアプリケータのスイープ速度を変更するステップ、前記クライオスプレーアプリケータの前記スイープを変更するステップ、または前記患者の前記皮膚の前記一部と前記クライオスプレーアプリケータとの間の前記距離を変更するステップのうちの少なくとも1つを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記クライオスプレーアプリケータの前記スイープを変更するステップが、ノーゴーゾーンに近い位置を決定するステップと、前記ノーゴーゾーンの侵害を指示する制御信号を決定するステップと、前記ノーゴーゾーンを回避するために前記クライオスプレーアプリケータの前記スイープを制御するステップとを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
近位端および遠位端を有する機械的アームと、
前記機械的アームの前記遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータであって、
前記クライオスプレーアプリケータが開口部のアレイを備え、
前記クライオスプレーアプリケータが治療のために皮膚組織の領域の一部に寒剤のスプレーを実施するために、前記機械的アームによって移動可能である、クライオスプレーアプリケータと、
プロセッサであって、
皮膚冷却治療を受けるために患者の皮膚の一部の画像を受信することと、
前記皮膚冷却治療を受ける前記患者の前記皮膚の一部を指定するために、前記受信した画像から境界を自動的に識別することと、
瞬間的な治療フットプリントを決定することと、
前記治療フットプリントに基づいて、前記皮膚冷却治療を受けるように指定された前記患者の皮膚の前記一部の治療経路を生成することと、
前記治療経路に従って前記皮膚に前記皮膚冷却治療を実施することと
を行うように構成されたプロセッサと、
を備える、皮膚冷却治療システム。
【請求項25】
前記患者の皮膚の前記一部の画像を受信することが、前記クライオスプレーアプリケータに結合された視覚システムを用いて前記患者の前記皮膚の前記一部の画像を生成することを備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記視覚システムが、前記機械的アームの前記遠位端に結合される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記画像が、可視スペクトル画像および赤外線画像を含む、請求項25または26に記載のシステム。
【請求項28】
前記プロセッサが、前記皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の前記一部の灌流を決定するようにさらに構成される、請求項24から27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記プロセッサが、前記皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の前記一部の前記灌流に従って投与量を調整するようにさらに構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記皮膚冷却治療を実施することが、前記治療経路に従って前記患者の前記皮膚を横切って前記クライオスプレーアプリケータを前進させることを備える、請求項24から29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記プロセッサが、前記治療フットプリントから温度情報を受信し、前記温度情報に従って前記皮膚を横切る前記クライオスプレーアプリケータの前記前進を変更するようにさらに構成される、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記温度情報が、凍結前線の前進を特徴付けるデータを備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
境界を自動的に識別することが、ノーゴー特徴を識別することと、前記ノーゴー特徴と、前記ノーゴー特徴を少なくとも部分的に囲む安全オフセットとを備えるノーゴーゾーンを作成することと、前記ノーゴーゾーンと皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の前記一部との間を表す境界を作成することとを備える、請求項24から32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記治療経路が、前記ノーゴーゾーンにおける治療を防ぐ、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記プロセッサが、前記皮膚冷却治療を実施する前に、前記皮膚冷却治療を受けるように指定された前記皮膚の属性を確認するようにさらに構成される、請求項24から34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記属性が、変形、または冷却応答のうちの少なくとも1つを備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記皮膚の前記属性を決定することが、前記皮膚冷却治療を受けるように指定された前記皮膚の少なくとも一部にスプレーを向けることと、前記向けられたスプレーに起因する前記皮膚の前記少なくとも一部の変形を測定することとを備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記プロセッサが、前記向けられたスプレーに起因する前記皮膚の前記少なくとも一部の前記測定された変形に基づいて、前記皮膚冷却治療の前記実施を修正するようにさらに構成される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記プロセッサが、ノズルを選択するようにさらに構成され、前記瞬間的な治療フットプリントが、前記選択されたノズルに基づいて決定される、請求項24から38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記プロセッサが、前記皮膚冷却治療の前記実施に続いて、前記皮膚冷却治療された皮膚の属性を決定するようにさらに構成され、前記属性が、紅斑レベルまたは再加温率のうちの少なくとも1つを備える、請求項24から39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記プロセッサが、前記皮膚冷却治療された皮膚の前記決定された属性に基づいて、再加温治療を実施するようにさらに構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記プロセッサが、前記皮膚冷却治療された皮膚の前記決定された属性に基づいて将来の治療を調整するための情報を用いて前記患者の患者プロファイルを更新するようにさらに構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記プロセッサが、前記患者の動きを検出することと、前記患者の前記動きに基づいて修正された治療経路を生成することと、前記修正された治療経路に従って前記皮膚冷却治療を実施することとを行うようにさらに構成される、請求項24から42のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年12月21日に提出された米国仮特許出願第62/784,124号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
凍結療法は、医療療法における冷気の局所的または一般的な使用法である。凍結療法は、生体組織の制御された凍結を含むことができ、皮膚組織などの生体組織の制御された凍結は、様々な効果を生み出すことができる。従来の凍結プローブなどの特定の組織凍結手順およびデバイスは、組織の深刻な凍結を引き起こし、細胞および目に見える皮膚の損傷を引き起こす可能性がある。
【0003】
皮膚の外観を明るくしたり、皮膚の色素沈着に制御可能な影響を与えたりできる化粧品が求められている。たとえば、美容上の理由から、全体的な外観を変えるために、皮膚のある領域の全体的な顔の艶または色を明るくすることが望ましい場合がある。また、そばかす、「カフェオレ斑」の斑点、肝斑、または皮膚の局所的な過剰な量の色素に起因する可能性のある目の下のクマなど、皮膚の特定の色素沈着過剰領域を明るくすることも美容上の理由から望ましい場合がある。色素沈着過剰は、UV曝露、加齢、ストレス、トラウマ、炎症などの様々な要因によって発生する可能性がある。そのような要因は、メラノサイトによる皮膚におけるメラニンの過剰生成、つまりメラニン形成を引き起こす可能性があり、これは色素沈着過剰領域の形成につながる可能性がある。そのような色素沈着過剰領域は、通常、表皮および/または真皮-表皮接合部内の過剰なメラニンに関連付けられる。しかしながら、色素沈着過剰は、真皮内に沈着した過剰なメラニンによっても発生する可能性がある。
【0004】
皮膚組織の色素脱失は、従来の凍結手術中に発生する可能性があるような、組織の一時的な冷却または凍結に応じた副作用として観察されている。皮膚の冷却または凍結後の色素沈着の喪失は、メラニン生成の減少、メラノソーム生成の減少、メラノサイトの破壊、または表皮層の下部領域のケラチノサイトへのメラノソームの移動または調節の阻害に起因する可能性がある。結果として生じる色素脱失は、長期的または永続的である可能性がある。しかしながら、これらの凍結手順のうちのいくつかは、皮膚組織の色素沈着過剰(または、皮膚の黒ずみ)の領域を生成する可能性があることも観察されている。色素沈着の増加または減少のレベルは、冷却治療の温度、および組織が凍結状態に維持される時間の長さを含む、冷却または凍結条件の特定の側面に依存し得る。
【0005】
改善された色素脱失治療、デバイス、およびシステムが、皮膚の凍結の一貫性および全体的な色素脱失の一貫性を改善するために開発されている。たとえば、より短い時間枠(たとえば、30~60秒)における中程度の凍結(たとえば、-4~-30℃)が、皮膚の色素沈着(たとえば、色素脱失)の発現に影響を与えるなどの特定の皮膚科学的効果を生み出すことができることが観察されている。凍結療法は、患者の皮膚への寒剤スプレー(cryogen spray)の直接適用、または患者の皮膚への冷却されたプローブまたはプレートの適用を含む、様々な技法を使用して提供することができる。例示的な方法およびデバイスは、2009年8月7日に出願された、米国特許出願公開第2011/0313411号「METHOD AND APPARATUS FOR DERMATOLOGICAL HYPOPIGMENTATION」、2012年11月16日に出願された、米国特許出願公開第2014/0303696号「METHOD AND APPARATUS FOR CRYOGENIC TREATMENT OF SKIN TISSUE」、2012年11月16日に出願された、米国特許出願公開第2014/0303697号「METHOD AND APPARATUS FOR CRYOGENIC TREATMENT OF SKIN TISSUE」、2015年2月12日に出願された、米国特許出願公開第2015/0223975号「METHOD AND APPARATUS FOR AFFECTING PIGMENTATION OF TISSUE」、2016年9月6日に出願された、米国特許出願公開第2017/0065323号「MEDICAL SYSTEMS, METHODS, AND DEVICES FOR HYPOPIGMENTATION COOLING TREATMENTS」に記載されており、各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0313411号
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0303696号
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0303697号
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/0223975号
【特許文献5】米国特許出願公開第2017/0065323号
【特許文献6】米国特許出願第16/020,852号
【特許文献7】米国仮特許出願第62/784,052号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
色素沈着に影響を与えるための皮膚または限局性病変の治療は凍結療法で行うことができるが、凍結療法のための改善された方法、システム、およびデバイスを提供することが望ましい場合がある。特に、一貫性があり信頼性の高い皮膚凍結および望ましい皮膚治療効果を達成するための寒剤実施に関連付けられる改善された設計、制御、およびパラメータは、有益である可能性がある。したがって、改善された皮膚科学的クライオスプレー(cryospray)方法、システム、およびデバイスが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、冷却治療を計画し、患者の皮膚に実施するための改善されたシステム、デバイス、および方法に関する。より具体的には、本発明は、改善された冷却治療および皮膚冷却治療結果の改善された一貫性を提供する一方で、そのような治療による有害な副作用を制限する、改善された皮膚科学的クライオスプレー方法、デバイス、およびシステムに関する。例示的な実施形態は、機械的アームと、機械的アームの遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータとを含む。機械的アームおよびクライオスプレーアプリケータは、感知サブシステムおよび/または視覚化サブシステムから情報を受信することができるプロセッサに通信可能に結合することができ、サブシステムはクライオスプレーアプリケータの一部であってもよく、および/またはクライオスプレーアプリケータに結合されていてもよい。
【0009】
プロセッサは、治療を受けるように指定された患者の皮膚の領域の画像データを受信することができる。プロセッサは、受信した画像データから識別された1つまたはいくつかの解剖学的特徴に基づいて境界を識別することができる。プロセッサは、治療を受けるように指定された患者の皮膚の領域へのクライオスプレーアプリケータのスイープ(sweeping)、および/または治療を受けるように指定された患者の皮膚の領域への冷却療法の実施を制御するために使用できる治療経路を生成することができる。治療の実施中、プロセッサは、感知サブシステムおよび/または視覚化サブシステムからデータを受信し続けることができる。この受信データは、たとえば、投与量、クライオスプレーアプリケータと治療される皮膚の一部との間の距離、患者の皮膚に対するクライオスプレーアプリケーションの位置合わせ、および/または患者の皮膚全体へのクライオスプレーアプリケータのスイープなどを含む、治療の1つまたはいくつかの属性に影響を与えるために、プロセッサによって使用することができる。プロセッサは、患者による動きをさらに検出することができ、この検出された動きに基づいて治療の実施を調整することができる。さらに、プロセッサは、冷却治療の実施に続いて、感知サブシステムおよび/または視覚化サブシステムからデータを受信することができる。この情報は、治療の有効性を評価し、たとえば、治療を受けている患者の患者プロファイルを更新するために、プロセッサによって使用することができる。患者および/または他の患者に提供される将来の治療を修正するために、この更新された患者プロファイルを使用することができる。この機能を通じて、治療の一貫性を改善し、治療の有効性を改善することができる。
【0010】
本開示の一態様は、皮膚冷却治療システムを制御する方法に関する。皮膚冷却システムは、機械的アームの遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータを有する機械的アームを含むことができる。本方法は、皮膚冷却治療を受けるために、本明細書では画像とも呼ばれる、患者の皮膚の一部の画像データを受信するステップと、皮膚冷却治療を受ける患者の皮膚の一部を指定するために、受信した画像から境界を自動的に識別するステップとを含むことができる。本方法は、瞬間的な治療フットプリントを決定するステップと、治療フットプリントに基づいて、皮膚冷却治療を受けるように指定された患者の皮膚の一部の治療経路を生成するステップと、治療経路に従って皮膚に皮膚冷却治療を実施するステップとを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、患者の皮膚の一部の画像を受信するステップは、クライオスプレーアプリケータに結合された視覚システムを用いて患者の皮膚の一部の画像を生成するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、視覚システムは、機械的アームの遠位端に結合することができる。いくつかの実施形態では、画像は、可視スペクトル画像および赤外線画像を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の一部の灌流を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の一部の灌流に従って投与量を調整するステップを含む。いくつかの実施形態では、皮膚冷却治療を実施するステップは、治療経路に従って患者の皮膚を横切ってクライオスプレーアプリケータを前進させるステップを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、本方法は、治療フットプリントから温度情報を受信し、温度情報に従って皮膚を横切るクライオスプレーアプリケータの前進を変更するステップを含む。いくつかの実施形態では、温度情報は、凍結前線の前進を特徴付けるデータを含む。いくつかの実施形態では、境界を自動的に識別するステップは、ノーゴー特徴(no-go feature)を識別するステップと、ノーゴー特徴と、ノーゴー特徴を少なくとも部分的に囲む安全オフセットとを含むノーゴーゾーンを作成するステップと、ノーゴーゾーンと皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の一部との間の境界を作成するステップとを含むことができる。いくつかの実施形態では、治療経路は、ノーゴーゾーンにおける治療を防ぐ。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、皮膚冷却治療を実施する前に、皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の属性を確認するステップを含む。いくつかの実施形態では、属性は、変形、または冷却応答のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、皮膚の属性を決定するステップは、皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の少なくとも一部にスプレーを向けるステップと、および向けられたスプレーに起因する皮膚の少なくとも一部の変形を測定するステップとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、向けられたスプレーに起因する皮膚の少なくとも一部の測定された変形に基づいて、皮膚冷却治療の実施を修正するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ノズルを選択するステップを含む。いくつかの実施形態では、瞬間的な治療フットプリントは、選択されたノズルに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、本方法は、皮膚冷却治療の実施に続いて、治療された皮膚の属性を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、属性は、紅斑レベルまたは再加温率のうちの少なくとも1つである可能性がある。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、治療された皮膚の決定された属性に基づいて、再加温治療を実施するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、治療された皮膚の決定された属性に基づいて将来の治療を調整するための情報を用いて患者の患者プロファイルを更新するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、患者の動きを検出するステップと、患者の動きに基づいて修正された治療経路を生成するステップと、修正された治療経路に従って皮膚冷却治療を実施するステップとを含む。
【0017】
本開示の一態様は、皮膚冷却治療システムを制御する方法に関し、皮膚冷却治療システムは、機械的アームの遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータを有する機械的アームを含む。本方法は、受信した制御信号に従って、患者の皮膚の一部にクライオスプレーアプリケータをスイープするステップと、患者の皮膚の一部とクライオスプレーアプリケータとの間の距離を決定するステップと、受信した画像に基づいて皮膚の一部に対するクライオスプレーアプリケータの位置を決定するステップと、投与量情報を受信するステップと、受信した制御信号とは無関係に、クライオスプレーアプリケータを自動的に移動するステップとを含むことができる。いくつかの実施形態では、クライオスプレーアプリケータは、患者の皮膚の一部とクライオスプレーアプリケータとの間の距離、皮膚の一部に対するクライオスプレーアプリケータの位置、または投与量情報のうちの少なくとも1つに基づいて、受信した制御信号とは無関係に移動することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、受信した制御信号とは無関係に、クライオスプレーアプリケータを自動的に移動するステップは、クライオスプレーアプリケータのスイープ速度を変更するステップ、クライオスプレーアプリケータのスイープを変更するステップ、または患者の皮膚の一部とクライオスプレーアプリケータとの間の距離を変更するステップのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、クライオスプレーアプリケータのスイープを変更するステップは、ノーゴーゾーンに近い位置を決定するステップと、ノーゴーゾーンの侵害を指示する制御信号を決定するステップと、ノーゴーゾーンを回避するためにクライオスプレーアプリケータのスイープを制御するステップとを含む。
【0019】
本開示の一態様は、皮膚冷却治療システムに関する。本システムは、近位端および遠位端を有する機械的アーム、機械的アームの遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータ、およびプロセッサを含む。いくつかの実施形態では、クライオスプレーアプリケータは、開口部のアレイを含む。クライオスプレーアプリケータは、治療のために皮膚組織の領域の一部に寒剤のスプレーを実施するために、機械的アームによって移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、皮膚冷却治療を受けるために患者の皮膚の一部の画像を受信することと、皮膚冷却治療を受ける患者の皮膚の一部を指定するために、受信した画像から境界を自動的に識別することとを行うことができる。プロセッサは、瞬間的な治療フットプリントを決定することと、治療フットプリントに基づいて、皮膚冷却治療を受けるように指定された患者の皮膚の一部の治療経路を生成することを行うことができる。プロセッサは、治療経路に従って皮膚に皮膚冷却治療を実施するために、クライオスプレーアプリケータを制御することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、患者の皮膚の一部の画像を受信するステップは、クライオスプレーアプリケータに結合された視覚システムを用いて患者の皮膚の一部の画像を生成するステップを含む。いくつかの実施形態では、視覚システムは、機械的アームの遠位端に結合される。いくつかの実施形態では、画像は、可視スペクトル画像および赤外線画像を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の一部の灌流を決定することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の一部の灌流に従って投与量を調整することができる。いくつかの実施形態では、皮膚冷却治療を実施するステップは、治療経路に従って患者の皮膚を横切ってクライオスプレーアプリケータを前進させるステップを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、治療フットプリントから温度情報を受信し、温度情報に従って皮膚を横切るクライオスプレーアプリケータの前進を変更することができる。いくつかの実施形態では、温度情報は、凍結前線の前進を特徴付けるデータを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、境界を自動的に識別するステップは、ノーゴー特徴を識別するステップと、ノーゴー特徴と、ノーゴー特徴を少なくとも部分的に囲む安全オフセットとを含むノーゴーゾーンを作成するステップと、ノーゴーゾーンと皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の一部との間の境界を作成するステップとを含むことができる。いくつかの実施形態では、治療経路は、ノーゴーゾーンにおける治療を防ぐ。いくつかの実施形態では、プロセッサは、皮膚冷却治療を実施する前に、皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の属性を確認することができる。いくつかの実施形態では、属性は、変形、または冷却応答のうちの少なくとも1つである。
【0023】
いくつかの実施形態では、皮膚の属性を決定するステップは、皮膚冷却治療を受けるように指定された皮膚の少なくとも一部にスプレーを向けるステップと、および向けられたスプレーに起因する皮膚の少なくとも一部の変形を測定するステップとを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、向けられたスプレーに起因する皮膚の少なくとも一部の測定された変形に基づいて、皮膚冷却治療の実施を修正することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ノズルを選択することができる。いくつかの実施形態では、瞬間的な治療フットプリントは、選択されたノズルに基づいて決定される。
【0024】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、皮膚冷却治療の実施に続いて、治療された皮膚の属性を決定することができる。いくつかの実施形態では、属性は、紅斑レベルまたは再加温率のうちの少なくとも1つである可能性がある。いくつかの実施形態では、プロセッサは、治療された皮膚の決定された属性に基づいて、再加温治療を実施することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、治療された皮膚の決定された属性に基づいて将来の治療を調整するための情報を用いて患者の患者プロファイルを更新することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、患者の動きを検出することと、患者の動きに基づいて修正された治療経路を生成することと、修正された治療経路に従って皮膚冷却治療を実施することとを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】皮膚冷却治療システムの一実施形態の概略図である。
【
図2】皮膚冷却治療システムの一実施形態の斜視図である。
【
図3】クライオスプレーアプリケータの一実施形態の斜視図である。
【
図4】皮膚冷却治療を提供するためのプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図6】治療経路を含む患者の頭部の一実施形態の概略図である。
【
図7】境界を識別するためのプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図8】治療のために指定された皮膚の属性を確認するためのプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図9】治療を提供するためのプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図10】ハイブリッド治療制御のためのプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
冷却ベースの治療は、様々な健康および美的問題に対処するために頻繁に使用されている。これらの治療のうちのいくつかは、皮膚を明るくするために特別に設計されている。この皮膚を明るくすることは、皮膚の小さい領域に限局する場合もあれば、皮膚の広い領域に影響を与える場合もある。治療する皮膚の領域は、治療の十分な一貫性を達成するのが難しい場合があるため、そのような治療を困難にする可能性がある。これらの治療は、治療した皮膚を特定の温度および/または温度範囲に冷却することを含むことができ、場合によっては、それらの温度および/または温度範囲をあらかじめ定められた時間および/または時間範囲に維持することを含むことができる。場合によっては、多くの治療の有効性は、特定の時間にわたって特定の量の冷却を提供することに依存する。さらに、治療面積が大きくなるにつれて、一貫した結果を達成することが難しくなる。
【0027】
本開示は、治療の計画および/または実施を改善するシステム、デバイス、および方法に関する。治療のこの改善された計画および/または実施は、システムによって、および/または多軸アームであり得る機械的アームの遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータを含むシステムの使用によって達成することができる。クライオスプレーアプリケータの位置および/または向きは、機械的アームの動きによって、および/または機械的アームの1つまたはいくつかの関節の動きによって制御することができる。クライオスプレーアプリケータを患者の皮膚全体にスイープして、皮膚の所望の領域を治療するために、機械的アームを制御することができる。クライオスプレーアプリケータのスイープは、たとえば、皮膚の温度、クライオスプレーアプリケータと治療中の皮膚との間の距離、および/または皮膚に対するクライオスプレーアプリケータの向きを含むセンサのうちの1つまたはいくつかから受信した情報に従って制御することができる。
【0028】
クライオスプレーアプリケータは、たとえば、クライオスプレーアプリケータと治療中の皮膚との間の距離、治療中の皮膚に対するクライオスプレーアプリケータの向き、および/または治療中の皮膚の冷却または温度を検出することができる1つまたはいくつかのセンサを含むことができる。クライオスプレイアプリケータは、治療前および/または治療中に患者および/または患者の一部の画像を生成することができる視覚化システムを含むことができる。いくつかの実施形態では、視覚化システムは、カメラおよび/または赤外線カメラを含むことができる。クライオスプレイアプリケータは、ノズル制御をさらに含むことができ、このノズル制御は、クライオスプレイアプリケータの治療フットプリントのサイズに影響を与え、所望のサイズの治療フットプリントを提供するために、クライオスプレイアプリケータのノズルを変更することができる。治療フットプリントのサイズを変更して、小さい皮膚領域の治療を容易にし、および/または改善された投与量制御を提供するために、ノズルを変更することができる。
【0029】
システムは、機械的アーム、クライオスプレーアプリケータ、センサ、視覚化システム、および/またはノズル制御の動作を制御することができるコントローラを含むことができる。コントローラは、患者および患者の治療される皮膚の領域に関する情報を受信することができ、また、患者の治療計画を生成することができる。治療計画の生成は、1つまたはいくつかの治療経路の生成、患者の特徴の識別、患者の皮膚の1つまたはいくつかの属性の確認などを含むことができる。コントローラは、患者および/または患者の皮膚の1つまたはいくつかの属性を確認するために、システムのすべてまたは一部の動作を指示することができる。これは、患者および/または患者の治療される皮膚の領域の画像の作成、患者の治療される皮膚の領域のすべてまたは一部の基礎となる皮膚構造の確認、および/または皮膚の灌流の測定、ならびに/あるいは皮膚の灌流および/または冷却に対する皮膚の熱応答の測定を含むことができる。患者への治療の実施を制御および/または指示するために、治療計画を使用することができる。いくつかの実施形態では、治療計画は一定のままであり得、いくつかの実施形態では、治療計画は、治療が実施されるときに修正され得る。
【0030】
ここで
図1を参照すると、皮膚冷却治療システム100の一実施形態の概略図が示されている。皮膚冷却治療システム100は、機械的アーム104、特に機械的アーム104の遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータ102を含むことができる。クライオスプレーアプリケータ102は、皮膚の治療部分に冷却剤を実施するように構成することができる。いくつかの実施形態では、クライオスプレーアプリケータ102は、治療される皮膚の一部に向けて、および/またはそこに寒剤のスプレーを実施するように構成することができる。この寒剤のスプレーは、1つまたはいくつかの開口部を通じて実施することができ、開口部は1つまたはいくつかのノズルを備えることができる。開口部のアレイを含む例示的なクライオスプレーアプリケータ102の実施形態は、2018年6月27日に出願された、米国特許出願第16/020,852号「Dermatological Cryospray Devices Having Linear Array Of Nozzles And Methods Of Use」に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。機械的アーム104およびクライオスプレーアプリケータ102のさらなる詳細は、2018年12月21日に出願された、米国仮特許出願第62/784,052号「AUTOMATED CONTROL AND POSITIONING SYSTEMS FOR DERMATOLOGICAL CRYOSPRAY DEVICES」に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
機械的アーム104は、任意の所望の数の運動軸を有することができ、いくつかの実施形態では、6軸アームであり得る。いくつかの実施形態では、機械的アーム104は、1つの軸に沿った動きの制御を可能にする単一の自由度(たとえば、線形ステージ)、2つの軸に沿った動きの制御を可能にする2つの自由度、3つの自由度、4つの自由度、5つの自由度、6つの自由度、および/または任意の他の数の自由度を有することができる。いくつかの実施形態において、自由度の数は、クライオスプレーアプリケータの制御および移動の所望のレベルに基づいて選択することができる。したがって、自由度の数が多いほど、クライオスプレーアプリケータ102の位置および/または向きのより優れた制御を提供する。機械的アーム104は、現在市販されている多数の機械的アームのいずれでもよい。機械的アーム104は、ロボットでもよく、および/または遠隔操作することもできる。
【0032】
システム100は、機械的アーム104、特に機械的アーム104内の1つまたはいくつかのアクチュエータと通信可能に結合できるコントローラ106および/またはプロセッサ106を含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ106と機械的アーム104との通信結合は、ワイヤードまたはワイヤレス接続を介することができ、通信結合は稲妻107によって示される。プロセッサ106は、Intel(登録商標)またはAdvanced Micro Devices, Inc.(登録商標)、またはTexas Instrument、またはAtmelなどのマイクロプロセッサなどのマイクロプロセッサを備えることができる。
【0033】
コントローラおよび/またはプロセッサ106は、メモリと通信可能に結合することができ、メモリは揮発性および/または不揮発性であってよく、ならびに/あるいは揮発性および/または不揮発性部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリは、1人または数人の患者、1つまたはいくつかの計画された治療、および/あるいは1つまたはいくつかの実施された治療に関する情報を含むことができる。1人または数人の患者に関するメモリは、たとえば、各患者に関連付けられる固有の患者プロファイル、および/または各提供者に関連付けられる固有の提供者プロファイルを含むことができる。いくつかの実施形態では、患者の患者プロファイルは、たとえば、患者の病歴、たとえば患者に提供された1つまたはいくつかの治療に関する情報を含む患者の治療履歴、および/または以前に提供された1つまたはいくつかの治療の有効性に関する情報を含む、患者の1つまたはいくつかの属性を識別する情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、提供者プロファイルは、提供者の患者に提供される治療、および/またはこれらの提供される治療の有効性に関する情報を含むことができる。
【0034】
メモリ105は、1つまたはいくつかの計画された治療に関する情報を含むことができる。この情報は、たとえば、治療の実施に使用される情報のすべてまたは一部を含むことができる。これは、たとえば、1つまたはいくつかの治療経路、高さおよび/または向きの仕様、投与量情報などに関する情報を含むことができる。メモリ105は、治療結果に関する情報を有するデータベースをさらに含むことができる。この情報は、たとえば、治療の有効性、治療に関連付けられる1つまたはいくつかの応答に関する情報などを識別することができる。いくつかの実施形態では、この情報は、1人または数人の患者に固有であり得、それらの1人または数人の患者の1人または数人の患者プロファイルとリンクされ得る。
【0035】
コントローラ106および/またはプロセッサ106は、治療計画を生成することができ、治療計画に従ってクライオスプレーアプリケータ102の動きを制御することができる制御信号を生成することができる。いくつかの実施形態では、治療計画は治療中一定のままであることができ、いくつかの実施形態では、治療計画は、治療が提供されているときに調整することができる。クライオスプレーアプリケータ102の動きを制御することにより、プロセッサ106は、患者の皮膚全体へのクライオスプレーアプリケータ102のスイープ、クライオスプレーアプリケータ102と現在治療されている皮膚の一部との間の距離、および/または現在治療されている皮膚の一部に対するクライオスプレーアプリケータ102の向きを制御することができる。
【0036】
コントローラ106は、いくつかの実施形態では、治療のための皮膚の所望の領域に関する情報および治療に関する情報を受信することができる。この情報を用いて、コントローラ106は、いくつかの実施形態では、治療経路を生成することができ、その治療経路は、クライオスプレーアプリケータ102の動きおよびクライオスプレーアプリケータ102の冷却の実施を特徴付ける。いくつかの実施形態では、コントローラ106は、治療の提供中にこれらの治療経路を変更することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、クライオスプレーアプリケータ102によって任意の瞬間に治療される皮膚の一部のサイズは、たとえば、治療を実施するために使用されるノズル、寒剤がスプレーされる開口部のアレイ内の開口部の数、治療される皮膚の一部とクライオスプレーアプリケータ102との間の距離などに基づいて変化し得る。そのような実施形態では、任意の瞬間に治療される皮膚の一部のサイズが変化するにつれて、コントローラ106は、任意の瞬間に治療される皮膚の一部のサイズのこの変化を補償するために更新された治療経路を生成することができる。
【0037】
コントローラ106は、ユーザデバイス108と通信可能に接続することができる。ユーザデバイスは、コントローラ106とは別個であり得るか、またはいくつかの実施形態では、ユーザデバイス108は、コントローラ106を含むことができる。ユーザデバイス108は、皮膚冷却治療システム100によって提供される治療を制御するユーザなどの、ユーザに情報を提供し、ユーザから入力を受信するように構成された任意のデバイスであり得る。ユーザデバイス108は、いくつかの実施形態では、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、モニタ、ディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウスなどのコンピューティングデバイスを備えることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ106とユーザデバイス108との通信結合は、ワイヤードまたはワイヤレス接続を介することができ、通信結合は稲妻109によって示される。
【0038】
クライオスプレーアプリケータは、感知サブシステム110、視覚化サブシステム112、および/またはノズル制御114を含むことができる。感知サブシステム110は、複数のセンサ206を含むことができる。これらのセンサは、クライオスプレーアプリケータ102間の距離および/または患者の皮膚に対する、特に瞬間的な治療フットプリントに対するクライオスプレーアプリケータ102の向きを検出および/または決定するように構成することができる複数のセンサを含むことができる。視覚化サブシステム112は、1つまたはいくつかのカメラを備えることができる。これらの1つまたはいくつかのカメラは、本明細書では画像とも呼ばれる画像データを生成するように構成された1つまたはいくつかのカメラを備えることができる。生成された画像データは、可視スペクトルの画像データおよび/または非可視スペクトルの画像データを含むことができる。本明細書で使用される場合、「画像データ」は、視覚化サブシステム112などの1つまたはいくつかのカメラによって生成される任意のタイプのデータであり得、このデータは、たとえば、2D画像データおよび/または3D画像データを含む。いくつかの実施形態では、2Dおよび/または3D画像データは、静止データまたはビデオデータであり得る。いくつかの実施形態では、3D画像データは、点群データを含むことができる。ノズル制御114は、クライオスプレーアプリケータによって使用される現在のノズルを識別することができ、所望の治療フットプリントを識別することができ、そして所望の治療フットプリントを最もよく達成する次のノズルを選択することができる。
【0039】
ここで
図2を参照すると、皮膚冷却治療システム100の一実施形態の斜視図が示されている。本システムは、クライオスプレーアプリケータ102および機械的アーム104を含む。
図2に見られるように、機械的アーム104は、複数の関節202によって結合された複数のリンケージ200を備え、これらの関節202は、リンケージ200の互いに対する相対的な動きを可能にする。機械的アーム104は、複数のアクチュエータをさらに含むことができ、アクチュエータは、コントローラ106から受信した制御信号に応答して、リンケージ200を結合する関節202一部またはすべての動きを介して、クライオスプレーアプリケータ102の位置および/または向きに影響を与えるために、リンケージ200の一部またはすべての相対位置に影響を与えることができる。
【0040】
機械的アーム104は、ケーブル204などの1つまたはいくつかの通信機能をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ケーブル204などの通信機能は、機械的アーム104、特に機械的アーム104のアクチュエータをコントローラ106に通信可能に結合することができる。
【0041】
機械的アーム104は、近位端220および遠位端222をさらに備える。いくつかの実施形態では、機械的アーム104の近位端220は、たとえば、床、テーブル、カート、ワゴンなどのオブジェクトに固定することができる。機械的アーム104の遠位端222は、クライオスプレーアプリケータ102に結合することができ、機械的アーム104の近位端220に対して移動することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ106は、機械的アーム104の遠位端222を制御するように、および/またはクライオスプレーアプリケータ102を制御するように構成することができる。
【0042】
クライオスプレーアプリケータ102は、複数のセンサ206を含むことができ、これらのセンサは、1つまたはいくつかの位置合わせセンサ208、1つまたはいくつかの距離センサ210、および/あるいは1つまたはいくつかの温度検出機能212を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ208、210、212は、感知サブシステム110に属する。これらのセンサ206は、いくつかの実施形態では、患者214の治療、および特に患者の皮膚の一部または全部の治療に関する情報を感知することができる。
【0043】
ここで
図3を参照すると、クライオスプレーアプリケータ102の一実施形態の斜視図が示されており、クライオスプレーアプリケータ102は、機械的アーム104の遠位端222に結合することができる。クライオスプレーアプリケータ102は、寒剤を患者の皮膚に向かっておよび/または患者の皮膚に、特に現在治療されている患者の皮膚の一部に向かっておよび/または患者の皮膚にスプレーすることができる開口部302のアレイを備えるスプレーヘッド300を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、クライオスプレーアプリケータ102は、複数のセンサ206を備え、特に、1つまたはいくつかの位置合わせセンサ208、1つまたはいくつかの距離センサ210、あるいは1つまたはいくつかの温度検出機能212のうちの1つまたは複数を備える。いくつかの実施形態では、1つまたはいくつかの温度検出機能212は、現在治療されている患者の皮膚の一部の凍結を検出すること、現在治療されている患者の皮膚の一部の温度を検出すること、現在治療されている患者の皮膚の一部などの凍結速度を検出することなどを行うように構成することができる。いくつかの実施形態では、温度検出機能は、カメラを備えることができ、特に赤外線カメラ301を備えることができる。いくつかの実施形態では、赤外線カメラ301は、現在治療されている患者の皮膚の一部、または言い換えると、本明細書では「スプレー線304」とも呼ばれる軸304に向けることができ、開口部302のアレイを通って中央に延びることは、現在治療されている皮膚の一部が赤外線カメラ301の視野内にあるように、赤外線カメラ301の視野の中心にある軸306と交差する。1つまたはいくつかの温度検出機能212が1つまたはいくつかのカメラを備える実施形態では、1つまたはいくつかの温度検出機能212は、視覚化サブシステム112に属することができる。
【0045】
ここで
図4を参照すると、皮膚冷却治療システム100を制御するためのプロセス400の一実施形態を示すフローチャートが示されている。いくつかの実施形態では、冷却システム100は、機械的アーム104の遠位端に結合されたクライオスプレーアプリケータ102を有する機械的アーム104を含むことができる。プロセス400は、治療の計画ならびに治療の実施に関するステップを含む。プロセス400は、たとえば、プロセッサ106を含む、システム100のすべてまたは一部によって実行することができる。
【0046】
ここで
図5を参照すると、患者の頭部500の一実施形態の図が示されている。患者の頭部500は、治療のために指定された皮膚の領域が患者の顔である、治療のために指定された皮膚の領域502と、治療のために指定されていない皮膚の領域が患者の髪によって覆われた、治療のために指定されていない皮膚の領域504を含む。
【0047】
再び
図4に戻ると、プロセス400は、画像が受信されるブロック402で始まる。いくつかの実施形態では、画像は、視覚化サブシステム112から受信することができ、および/または視覚化サブシステム112は、画像を生成することができる。いくつかの実施形態では、画像は、視覚化サブシステム112の一部であり得る1つまたはいくつかのカメラによって生成することができる。
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、治療のために指定された患者の皮膚の領域502の画像を生成することができる。
【0048】
ブロック404において、治療を受けるように指定された皮膚の領域の1つまたはいくつかの境界が識別される。いくつかの実施形態では、たとえば、患者の皮膚の領域は、治療を受けるために指定することができる。患者の皮膚のこの領域は、ブロック402において受信した画像において表すことができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ106は、治療のために指定された皮膚の領域の境界を識別することができ、治療の計画を制限し、治療の実施を制限するために、境界を使用することができる。いくつかの実施形態では、これらの境界は、たとえば、1つまたはいくつかの解剖学的目印などの1つまたはいくつかの識別特徴に基づいて識別することができる。これらの解剖学的目印は、たとえば、画像データにおいて正確に識別できるように十分に区別できる1人または数人の患者の特徴を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの目印は、たとえば、手足、関節、骨、乳首、鼻、目、口、ほくろ、傷跡などの全部または一部などの患者の自然な部分を含むことができ、および/または入れ墨、ピアスなどの全部または一部などの作成された特徴を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの境界は、これらの解剖学的目印に対する相対位置に基づいて識別することができる。境界はメモリ105に記憶することができる。
【0049】
図5を参照すると、第1の境界506は、治療のために指定された領域502と治療なしのために指定された領域504との間を描写している。より具体的には、第1の境界506は、髪によって覆われた、患者の頭部500の一部における患者の顔の間を描写している。第2の境界508は、患者の顔の外側の限界を識別し、治療のために指定された患者の皮膚の領域502の外側の限界を行う。いくつかの実施形態では、境界506、508は、患者の頭部500から生成された画像における解剖学的目印の識別によって、特に、髪によって覆われた患者の頭部500の部分および患者の頭部500の外側の限界を識別することによって生成することができる。
【0050】
再び
図4を参照すると、プロセス400のブロック406において、治療フットプリントが識別される。治療フットプリントは、特定の場所で患者に向けて寒剤のスプレーを実施する際に、クライオスプレーアプリケータ102によって治療されている皮膚のパッチを識別することができる。いくつかの実施形態では、治療フットプリント、特に治療フットプリントに加えて、寒剤スプレーを実施するために使用されるノズル、治療される皮膚のパッチとクライオスプレーアプリケータ102とを隔てる距離、ノズル内の開口部の数および/もしくは配置、および/またはクライオスプレーアプリケータ102によって治療されている皮膚のパッチに対するクライオスプレーアプリケータ102の位置合わせに基づいて変化し得る。いくつかの実施形態では、治療フットプリントは、治療のために指定された皮膚の領域502の1つまたはいくつかの属性に基づいて、および/あるいは治療のために指定された皮膚に対するその領域500の部分の1つまたはいくつかの属性に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、皮膚の大きくて平らな部分は、大きい治療フットプリントで容易に治療され得るが、皮膚の輪郭のはっきりした部分は、小さい治療フットプリントでよりよく治療され得る。いくつかの実施形態では、治療フットプリントは、クライオスプレーアプリケータ102の位置合わせを変更することによって、クライオスプレーアプリケータ102と治療される皮膚のパッチとの間の距離を変更することによって制御することができる。治療される皮膚のパッチに関して、および/またはクライオスプレーアプリケータ102のノズルを変更することによって、いくつかの実施形態では、ノズルは、ノズル制御114によって変更および/または選択することができる。いくつかの実施形態では、ノズル制御114は、プロセッサ106によって制御することができる。治療フットプリントは、プロセッサ106によって決定することができる。
【0051】
ここで
図6を参照すると、患者の頭部500の概略図が示されている。患者の頭部500、特に治療のために指定された患者の皮膚の領域502は、複数の矢印の形で治療経路600をオーバーレイしていることを示している。
図6には、3つの潜在的な治療フットプリント602、604、606の概要も示されている。これらのフットプリント602、604、606の各々は、異なるサイズ、および異なる形状を備え、フットプリント606は長方形であり、フットプリント602、604、606のうちの最大のものであり、フットプリント604は楕円形であり、フットプリント602、604、606のうちの最小のものである。すぐに、フットプリント606は、頬に対応する患者の皮膚の一部を治療するために使用され、フットプリント604は、患者の目の周りを治療するために使用されている。これらのフットプリントは、所望の治療および/または治療の所望のレベルの制御を提供するために、プロセッサ106によって選択することができる。
【0052】
ブロック408において、治療経路が生成される。治療経路は、治療されている患者の皮膚の領域502に関して、クライオスプレーアプリケータ102の動きを制御することができる。いくつかの実施形態では、治療経路は、たとえば、治療のための投与量、クライオスプレーアプリケータ102が患者の皮膚全体を移動する速度を定義するスイープ速度、クライオスプレーアプリケータ102が治療される皮膚のパッチの上に配置される高さ、治療される皮膚のパッチに対するクライオスプレーアプリケータ102の位置合わせ、および/または患者の皮膚全体へのクライオスプレーアプリケータ102のスイープ運動を指定することができる。治療経路は、たとえば、ブロック402において受信された画像、ブロック404において識別された境界のうちの1つまたはいくつか、および/あるいはブロック406において決定されたフットプリントに基づいて、プロセッサ106によって生成することができる。
【0053】
治療経路が生成された後、プロセス400は決定状態410に進み、そこで、生成された治療経路の修正が指定されているか、および/または提供されているかどうかが決定される。いくつかの実施形態では、たとえば、医療提供者は、生成された治療経路に関する情報を受信し得、その治療経路の1つまたはいくつかの属性を変更することを選択し得る。いくつかの実施形態では、医療提供者は、治療経路への修正を示す情報をシステム100に提供し得る。生成された治療経路への変更が要求されたと決定された場合、プロセス400はブロック412に進むことができ、そこで修正データを医療提供者から受信することができ、次いで、プロセス400はブロック408に戻って上記のように治療経路を生成するが、受信した修正データを含む。
【0054】
決定状態410に再び戻ると、修正が要求されていないと決定された場合、プロセス400はブロック414に進み、そこで治療が実施される。いくつかの実施形態では、治療は、生成された治療経路に従って実施することができ、特に、治療のために指定された領域502の皮膚の全部または一部を冷却することによって治療を実施することができる。いくつかの実施形態では、治療の提供は、治療のために指定された領域502内の皮膚に向けて、特に治療のために指定された皮膚の領域502内の皮膚のパッチに向けて寒剤スプレーを向けることを含むことができる。いくつかの実施形態では、寒剤がスプレーされている間、クライオスプレーアプリケータ102は、治療のために指定された患者の皮膚の領域502全体にスイープすることができる。治療のために指定された患者の皮膚の領域502全体へのクライオスプレーアプリケータ102のスイープ、治療されている皮膚のパッチに対するクライオスプレーアプリケータ102の高さおよび/または位置合わせ、および/または投与量は、患者に関し、治療中に収集された情報に基づいて治療中に修正することができる。この情報は、たとえば、皮膚の変形、皮膚温度、皮膚の冷却、皮膚の再加温、紅斑、灌流、および/または患者の動きに関する情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、治療は、プロセッサ106によって生成された1つまたはいくつかの制御信号に従って、クライオスプレーアプリケータ102によって実施され得る。
【0055】
治療が実施された後、および/または治療の実施と同時に、プロセス400はブロック416に進み、治療を評価する。いくつかの実施形態では、これは、治療された皮膚に関する情報の収集を含むことができる。この情報は、たとえば、皮膚の再加温を特徴付けるデータ、皮膚の治療後の温度を特徴付けるデータ、治療された皮膚の紅斑を特徴付けるデータなどを含むことができる。この情報は、感知サブシステム110および/または視覚化サブシステム112によって収集することができる。この収集された情報は、治療の有効性を標準以下、標準を満たす、または標準を超えるものとして特徴付けるために、プロセッサ106によって分析することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、皮膚の再加温が速すぎるか、遅すぎるか、または適切な速度であるかを決定するために、皮膚の再加温データを1つまたはいくつかのしきい値と比較することができる。同様に、紅斑が不十分、十分、または過剰であるかどうかを決定するために、紅斑データを1つまたはいくつかのしきい値と比較することができる。いくつかの実施形態では、皮膚の再加温が遅すぎると決定された場合、再加温速度を上げるために皮膚に加温治療を適用することができる。あるいは、皮膚の再加温が速すぎると決定された場合、再加温率を下げるために皮膚に冷却治療を適用することができる。
【0056】
治療の有効性の評価後、プロセス400はブロック418に進み、そこでメモリ105が治療評価に基づいて更新される。いくつかの実施形態では、これは、治療結果および/または治療の有効性を特徴付ける情報による患者プロファイルの更新を含むことができる。いくつかの実施形態では、たとえば、1人または数人の患者、特に
図4のプロセス400において治療を受けた患者の将来の治療のための治療パラメータへの修正のしるしをメモリ105に記憶することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、しるし修正は、将来の治療のためにプロセス400において提供される治療に使用される1つまたはいくつかの治療パラメータの増分および/または減分を指定することができる。
【0057】
ブロック420において、治療される皮膚、治療されている皮膚、および/または治療された皮膚の1つまたはいくつかの属性が決定される。これらの属性は、たとえば、灌流、変形、弾性、再加温、温度などを含むことができる。いくつかの実施形態では、ブロック420のステップは、ブロック414において治療を実施する前に実行することができ、より具体的には、ブロック408において治療経路を生成する前に実行することができる。いくつかの実施形態では、ブロック420は、ブロック414における治療の実施後に、またはそれと同時に実行することができる。いくつかの実施形態では、これらの1つまたはいくつかの属性は、治療のために指定された患者の皮膚の領域502の全部または一部への予備的なスイープによって確認することができる。いくつかの実施形態では、このスイープの一部として、患者の皮膚の変形を決定するために、および/あるいは患者の皮膚の下にある1つまたはいくつかの構造を特徴付けるためにクライオスプレーアプリケータ102が患者の皮膚全体にスイープされるときに、寒剤または他の液体および/あるいはガスを皮膚にスプレーすることができる。これらの構造は、たとえば、骨、筋肉、脂肪組織などを含むことができる。いくつかの実施形態では、画像データは、寒剤のスプレーに関連して、または寒剤スプレーとは無関係に、このスイープの一部として生成することができる。いくつかの実施形態では、この画像データは、スイープに含まれる皮膚の灌流、温度、および/または再加温を決定するために使用することができる赤外線画像データを含むことができる。
【0058】
ここで
図7を参照すると、境界を識別するためのプロセス700の一実施形態を示すフローチャートが示されている。プロセス700は、
図4のブロック404のステップの一部として、またはそのステップの代わりに実行することができる。プロセス700は、ブロック702を開始し、そこで画像内で識別される1つまたはいくつかの解剖学的目印が
図4のブロック402を受け取った。ブロック704において、1つまたはいくつかの治療領域の限界が識別される。いくつかの実施形態では、これらの治療領域の限界は、
図5に示される境界506、508に対応する。
【0059】
ブロック706において、1つまたはいくつかのノーゴー特徴が識別される。いくつかの実施形態では、ノーゴー特徴は、治療を受けるべきではない、および/または治療を受けない特徴である。いくつかの実施形態では、ノーゴー特徴は、身体の1つまたはいくつかの敏感な部分および/または治療によって損傷を受ける可能性のある身体の部分を含む。いくつかの実施形態では、例示的なノーゴー特徴は、目、耳、唇、鼻孔、任意の体の開口部、または任意の他の敏感な領域または器官を含むことができる。
図5に見られるように、患者の頭部500は、目510、耳512、唇514、および鼻孔516を含むノーゴー特徴を含む。ノーゴー特徴は、プロセッサ106を使用して、特に、画像認識ソフトウェア、パターン認識ソフトウェア、および/または人工知能に関連するプロセッサの使用を介して識別することができる。
【0060】
ノーゴー特徴が識別された後、プロセス700はブロック708に進み、そこで1つまたはいくつかの立入禁止ゾーンが識別される。いくつかの実施形態では、立入禁止ゾーン(
図5に518として示されている)は、治療を受けず、ノーゴー特徴を保護するために役立つ、ノーゴー特徴の周囲の緩衝空間を識別する。いくつかの実施形態では、単一のバッファ空間、または言い換えれば、単一の幅を有するバッファ空間をすべてのノーゴー特徴のために使用することができ、いくつかの実施形態では、特定のノーゴー特徴が他のノーゴー特徴と比較して、より大きいバッファ空間を有するように複数のバッファ空間が使用され得る。いくつかの実施形態では、たとえば、より敏感なノーゴー特徴は、感度の低いノーゴー特徴と比較して、より大きい立入禁止ゾーンを有し得る。立入禁止ゾーンは、メモリ105からの情報を用いて、および識別されたノーゴー特徴に基づいて、プロセッサ106によって識別することができる。
【0061】
ブロック710において、1つまたはいくつかのノーゴーゾーンが作成される。いくつかの実施形態では、ノーゴーゾーンは、ノーゴー特徴を取り囲む立入禁止ゾーン内のノーゴー特徴の組合せである。いくつかの実施形態では、ノーゴーゾーンは、ノーゴーゾーンの周りにノーゴー境界(
図5に520として示される)を生成し、ノーゴー境界をメモリに記憶することによって生成することができる。いくつかの実施形態では、ブロック710において識別されたノーゴーゾーンは、治療経路の生成に使用することができる。
【0062】
図8を参照すると、皮膚の属性を確認するためのプロセス800の一実施形態を示すフローチャートが示されている。プロセス800は、
図4のブロック420のステップの一部として、またはそのステップの代わりに実行することができる。プロセス800は、ブロック802を開始し、そこでテスト経路が決定される。いくつかの実施形態では、テスト経路は、治療のために指定された領域502のある部分にクライオスプレーアプリケータ102をスイープするための経路であり得る。いくつかの実施形態では、テスト経路(
図5において矢印522によって示される)は、患者の皮膚の領域502内の解剖学的特徴のうちのいくつかまたはすべてにスイープするように選択することができ、その解剖学的特徴は、たとえば、プロセッサ106を介して、特に画像認識ソフトウェア、パターン認識ソフトウェア、および/またはAIソフトウェアを実行するプロセッサ106を介して、ブロック402において受信された画像データから識別することができる。いくつかの実施形態では、AIソフトウェアは、システム100にトレーニングおよびロードすることができるAIモデルを備えることができる。いくつかの実施形態では、AIモデルは、プロバイダによって閲覧可能な出力を提供することができる。任意のプロバイダ入力を収集することができ、AIモデルのトレーニングを更新するために使用することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、プロバイダの入力は中央サーバにおいて複数のシステムから収集することができ、AIモデルのトレーニングを更新するために使用することができる。次いで、更新されたトレーニング情報は、少なくともプロバイダの入力が収集されたシステムに提供することができる。
【0063】
図5を参照すると、このテストスイープは、頬のくぼみ524、頬526、鼻528、額530、および/または顎532へのスイープを含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの解剖学的特徴は異なる属性を有し得るので、テストスイープはこれらの解剖学的特徴を横切ることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、頬のくぼみ524は、頬526、特に頬骨の真上の頬の部分において、より変形可能であり、および/またはより大きい変形に対して許容可能であり得る。テスト経路は、プロセッサ106によって決定することができる。
【0064】
テスト経路が決定された後、プロセス800はブロック804に進み、そこでテストスイープが実行される。いくつかの実施形態では、テストスイープは、テスト経路に従って、制御された患者の皮膚全体へのクライオスプレーアプリケータのスイープによって実行することができる。ブロック806において、センサデータおよび/または画像は、テストスイープ中に収集される。いくつかの実施形態では、センサデータは、感知サブシステム110によって収集することができ、画像データは、視覚化サブシステム112によって収集することができる。
【0065】
ブロック808において、ステップ806において収集されたデータを、スイープされた特徴とリンクすることができる。具体的には、テストスイープによって交差される1つまたはいくつかの特徴は、画像データから識別することができ、ステップ806において収集されたデータにリンクすることができる。いくつかの実施形態では、これは、変形データ、灌流データ、再加温データ、弾性データ、温度データなどを、テストスイープ中に収集された画像データから識別された特徴にリンクすることを含むことができる。ブロック810において、領域502全体において見出され、ブロック806において識別された特徴に類似する特徴が識別され、ブロック812において、ブロック808においてスイープされた特徴にリンクされたデータは、領域502全体において見出され、ブロック806において識別された特徴に類似している特徴にリンクされている。
【0066】
ここで
図9を参照すると、治療を実施するためのプロセス900の一実施形態を示すフローチャートが示されている。プロセス900は、
図4のステップ414の一部として、またはその代わりに実行することができる。プロセスは、ブロック902から始まり、ここで、寒剤のスプレーが実施される。いくつかの実施形態では、寒剤のスプレーは、クライオスプレーアプリケータ102によって実施することができ、寒剤のスプレーは、患者の皮膚に向けて、特に治療するように指定された領域502内の皮膚のパッチに向けて実施することができる。いくつかの実施形態では、スプレーは、ブロック902において実施され始めることができ、プロセス900のいくつかまたはすべてのステップの間、実施され続けることができる。
【0067】
スプレーの実施の開始後、プロセス900は、決定状態904に進み、そこで、クライオスプレーアプリケータ102の前進を開始するかどうかが決定される。いくつかの実施形態では、たとえば、クライオスプレーアプリケータ102のイベントは、現在のスプレーアプリケータ102を開始および/または前進させ続けるための1つまたはいくつかの条件および/または基準が満たされるまで遅らせることができる。いくつかの実施形態では、たとえば、これらの基準は、たとえば、温度、現在治療されている皮膚のパッチがしきい値を下回って低下すること、しきい値速度を超える速度で現在治療されている皮膚のパッチを超えて凍結前線を前進させることなどを含む。これらの基準および/または条件が満たされていないことが決定された場合、プロセス900はブロック902に戻り、スプレーを実施し続け、条件および/または基準が満たされるまで待機する。
【0068】
決定状態904に再び戻ると、条件および/または基準が満たされていると決定された場合、プロセス900はブロック906に進み、そこで、治療される皮膚の領域502へのクライオスプレーアプリケータのスイープが開始される。いくつかの実施形態では、スイープは、クライオスプレーアプリケータ102および/または機械的アーム104の動作を制御するための制御信号を生成することができるプロセッサ106によって開始することができる。
【0069】
ブロック908において、画像および/またはセンサデータが受信される。いくつかの実施形態では、画像データは視覚化サブシステム112から受信することができ、センサデータは感知サブシステム110から受信することができる。いくつかの実施形態では、スイープの開始906の後に描写が行われているが、画像および/またはセンサデータは、ブロック902のスプレーの実施と同時におよび/またはその後に受信を開始することができ、プロセス900を実行中継続することができる。いくつかの実施形態では、画像、および/またはセンサデータは、プロセッサ106によって受信することができる。
【0070】
決定状態910において、投与量を修正するかどうかが決定される。いくつかの実施形態では、この決定は、ブロック908において受信された画像および/またはセンサデータに基づいて行うことができる。いくつかの実施形態では、投与量は、現在治療されている皮膚のパッチの測定温度に基づいて、現在治療されている皮膚のパッチの冷却速度に基づいて、以前に治療された皮膚のパッチの再加温速度などに基づいて修正することができる。投与量の修正が必要ではない、および/または望まれないと決定された場合、プロセス900は、ブロック912への進行によって示されるように続き、そこでスイープが続き、またブロック908への進行によって示されるように続き、そこで画像および/またはセンサデータが受信される。
【0071】
投与量の修正が必要であると決定された場合、プロセス900は、投与量の変更が決定されるブロック914に進む。いくつかの実施形態では、投与量の変更の決定は、投与量の所望の変更の定量化を備え得る。これは、投与量の所望の増加および/または減少の決定を含むことができる。いくつかの実施形態では、この変化は、ブロック908において受信された画像および/またはセンサデータに基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、治療中の皮膚のパッチの温度が低すぎると決定された場合、投与量を減らすことができ、あるいは、皮膚のパッチの温度が高すぎると決定された場合、投与量を増やすことができる。投与量の変更の決定は、いくつかの実施形態では、プロセッサ106によって行うことができる。
【0072】
投与量の変更が決定された後、プロセスはブロック916に進み、そこで変更メカニズムが決定される。いくつかの実施形態では、たとえば、投与量は、治療フットプリント、特に治療フットプリントのサイズを変更することによって変更することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、クライオスプレーアプリケータ102のノズルによってスプレーされる寒剤の速度は一定であり得、したがって、治療フットプリントのサイズの増加は投与量を減少させることができ、治療フットプリントのサイズを減少させることは投与量を増加させることができる。いくつかの実施形態では、治療フットプリントのサイズは、クライオスプレーアプリケータ102と治療される皮膚のパッチとの間の距離を変更することによって、ならびに/あるいは、ノズル、および/またはノズル内の開いた開口部の数および/または配置を含むノズル構成を変更するによって影響を受ける可能性がある。いくつかの実施形態では、投与量は、ノズル内の寒剤の圧力を変えること、治療される皮膚を横切るノズルのスイープ速度を変更すること、および/または治療される皮膚のパッチに対するノズルの位置合わせを変更することによって変更することができる。いくつかの実施形態では、変更メカニズムは、システム100の機能に基づいて、および/または1つまたはいくつかのシステム環境設定に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、システム100は、クライオスプレーアプリケータ102と現在治療されている皮膚のパッチとを隔てる距離を変更することによって、および/またはクライオスプレーアプリケータ102のスイープ速度を上げることによって、投与量を変更するための環境設定を含み得る。投与量を修正するための変更メカニズムが決定された後、プロセス900はブロック918に進み、ブロック914の決定された投与量変更に従って、およびブロック916において決定された変更メカニズムに従って投与量が修正される。
【0073】
決定状態920において、クライオスプレーアプリケータ102と現在治療されている皮膚のパッチとを隔てる距離を変更するかどうかが決定される。いくつかの実施形態では、この決定は、投与量を修正するかどうかに関する決定とは無関係であり、決定は、感知サブシステム110から受信した情報に基づいてもよく、特に、感知サブシステム110内の距離センサ210から受信した情報に基づいてもよい。距離の修正が必要ではない、および/または望まれないと決定された場合、プロセス900は、ブロック912への進行によって示されるように続き、そこでスイープが続き、またブロック908への進行によって示されるように続き、そこで画像および/またはセンサデータが受信される。
【0074】
距離の修正が必要であると決定された場合、プロセス900はブロック922に進み、そこでクライオスプレーアプリケータ102と現在治療されている皮膚のパッチとを隔てる距離が修正される。いくつかの実施形態では、これは、プロセッサ106による、現在治療されている皮膚のパッチのより近く、またはより遠くのいずれかにクライオスプレーアプリケータ102を動かすように機械的アーム104に指示する、1つまたはいくつかの制御信号の生成を含むことができる。これらの1つまたはいくつかの制御信号は、プロセッサ106によって機械的アーム104に提供することができる。
【0075】
決定状態924において、現在治療されている皮膚のパッチに関して、クライオスプレーアプリケータ102の位置合わせを修正するかどうかが決定される。いくつかの実施形態では、この決定は、投与量を修正するかどうかに関する決定とは無関係であり、決定は、感知サブシステム110から受信した情報に基づいてもよく、特に、感知サブシステム110内の配向センサ208から受信した情報に基づいてもよい。位置合わせの修正が必要ではない、および/または望まれないと決定された場合、プロセス900は、ブロック912への進行によって示されるように続き、そこでスイープが続く。次いで、プロセス900は、ブロック908に進み続け、ここで、画像および/またはセンサデータが受信される。
【0076】
位置合わせの修正が必要であると決定された場合、プロセス900はブロック926に進み、そこで位置合わせが修正される。いくつかの実施形態では、これは、プロセッサ106による、現在治療されている皮膚のパッチに関して、クライオスプレーアプリケータ102の位置合わせを変更するためにクライオスプレーアプリケータ102を動かすように機械的アーム104に指示する、1つまたはいくつかの制御信号の生成を含むことができる。これらの1つまたはいくつかの制御信号は、プロセッサ106によって機械的アーム104に提供することができる。
【0077】
決定状態928において、患者が動いたかどうか、特に、治療のために指定された皮膚の領域502がシステムに対して異なる位置および/または向きになるように患者が動いたかどうかが決定される。いくつかの実施形態では、この決定は、ブロック908において受信された画像データを使用して、特に、現在の画像データ内の1つまたはいくつかの解剖学的目印位置の位置を、以前に生成された画像データ内のそれらの同じ解剖学的目印の位置と比較することによって行うことができる。いくつかの実施形態では、目印のうちの1つまたはいくつかの位置がしきい値を超えて変化した場合、動きを決定することができる。動きがないと決定された場合、プロセス900は、ブロック912への進行によって示されるように続き、そこでスイープが続き、またブロック908への進行によって示されるように続き、そこで画像および/またはセンサデータが受信される。
【0078】
動きがあったと決定された場合、プロセス900はブロック930に進み、そこで、解剖学的目印の位置が決定される。いくつかの実施形態では、これらの位置は、たとえば、画像分析、画像認識、および/またはパターン認識を介して、プロセッサ106によって決定することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ106は、これらの1つまたはいくつかの解剖学的目印の位置を決定することができ、具体的には、1つまたはいくつかの解剖学的目印のいくつかまたはすべてのそれぞれに対応するピクセルを決定することができる。
【0079】
目印の位置が決定された後、プロセス900はブロック932に進み、ここで、目印の動きが特徴付けられ、および/または定量化される。いくつかの実施形態では、これは、解剖学的目印のいくつかまたはすべての各々によって移動された距離を決定することを含むことができる。この決定は、解剖学的目印のうちのいくつかまたはすべての各々の現在の位置を、それらの同じ解剖学的目印の以前の位置と比較することによって行うことができる。解剖学的目印のうちのいくつかまたはすべての各々の現在の位置と以前の位置との間の距離を決定することができる。動きの特徴付けは、プロセッサ106によって行うことができる。
【0080】
ブロック918、922、926、932のいずれかの後、プロセス900は、決定状態934に進み、そこで、治療経路を修正するかどうかが決定される。いくつかの実施形態では、この決定は、投与量、距離、および位置合わせのいずれかへの変更、および/または患者の動きが治療経路の変更を引き起こすのに十分であるかどうかに基づいて行うことができる。いくつかの実施形態では、この決定は、1つまたはいくつかのしきい値に対する任意の修正および/または移動の比較を介して行うことができる。そのような実施形態では、治療経路への修正は、修正および/または動きがしきい値よりも大きい、および/または等しい場合に決定することができる。治療経路の修正が不要であると決定された場合、プロセス900は、ブロック912への進行によって示されるように続き、そこでスイープが続き、またブロック908への進行によって示されるように続き、そこで画像および/またはセンサデータが受信される。
【0081】
治療経路への修正が必要であると決定された場合、プロセス900はブロック936に進み、そこで、修正された治療経路が生成される。いくつかの実施形態では、修正された治療経路は、元の治療経路が
図4のブロック408において生成されたのと同じ方法で生成することができる。しかしながら、修正された治療経路は、部分的に、ブロック918、922、926のうちの1つまたは複数の修正、および/またはブロック932の特徴付けられた動きに関連付けられる入力に基づいて生成することができる。修正された経路が生成された後、プロセス900はブロック912に進み、スイープを継続する。いくつかのそのような実施形態では、継続されるスイープは、修正された治療経路に従う。
【0082】
ここで
図10を参照すると、ハイブリッド治療制御のためのプロセス950の一実施形態を示すフローチャートが示されている。いくつかの実施形態では、機械的アーム104および/またはクライオスプレーアプリケータ102は、1つまたはいくつかのプロバイダ入力に基づく制御信号に基づいて、およびプロセッサ106によって生成される制御信号に従って制御することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、医療サービスプロバイダは、ユーザ入力デバイスを介して、クライオスプレーアプリケータの動きを制御するための入力、特にクライオスプレーアプリケータ102のスイープを制御するための入力を提供することができる。いくつかの実施形態では、これらの動きのいくつかまたはすべては、たとえば、不適切な投与量を提供し得、ノーゴーゾーンの治療につながるなどの可能性がある。いくつかの実施形態では、ハイブリッド制御は、医療サービスプロバイダに治療を制御する自由を提供すると同時に、治療の提供を簡素化し、安全対策を維持する。
【0083】
プロセス950はブロック952で始まり、ここで、1つまたはいくつかの制御信号および/またはユーザ入力が、医療サービスプロバイダから受信される。いくつかの実施形態では、これらの制御信号および/またはユーザ入力は、たとえば、操縦桿、制御ボール、マウス、キーパッド、タッチスクリーン、追跡パッドなどのユーザ入力を介して受信することができる。これらの制御信号および/またはユーザ入力は、いくつかの実施形態では、治療のために指定された領域502の皮膚を横切ってクライオスプレーアプリケータ102のスイープを指示することができる。いくつかの実施形態では、ブロック952において受信されたユーザ入力は、プロセッサ106によって受信することができ、プロセッサ106は、受信されたユーザ入力に従って、クライオスプレーアプリケータ102の動きおよび/またはスイープを制御するための制御信号を生成することができる。これらの制御信号は、クライオスプレーアプリケータ102の動きを制御することができ、いくつかの実施形態では、ブロック954に示されるように、クライオスプレーアプリケータは、ブロック952において受信された制御信号および/またはユーザ入力に従って、領域502において皮膚全体にスイープされる。
【0084】
クライオスプレーアプリケータのスイープ中に、データは、感知サブシステム110および/または視覚化サブシステム112から収集することができる。この情報は、プロセッサ106によって受信することができ、この情報に基づいて、クライオスプレーアプリケータ102と現在治療されている皮膚のパッチとの間の距離を、ブロック956において示されるように決定することができ、および/またはクライオスプレーアプリケータ102の位置は、ブロック958において示されているように決定することができる。いくつかの実施形態では、クライオスプレーアプリケータ102の位置、より具体的には、治療のために指定された患者の皮膚の領域502で現在治療されている皮膚のパッチの位置は、視覚化サブシステム112によって収集されたデータに基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、1つまたはいくつかの解剖学的目印の相対位置は、視覚化サブシステム112によって収集されたデータに基づいて決定することができる。クライオスプレーアプリケータ102と現在治療されている皮膚のパッチとを隔てる距離、および/またはクライオスプレーアプリケータ102の位置は、プロセッサ106を用いて決定することができる。
【0085】
ブロック960において、投与量情報が受信される。いくつかの実施形態では、この情報は、現在治療されている皮膚のパッチに実施される治療用投与量を特徴付けることができる。この投与量は、いくつかの実施形態において、たとえば、現在治療されている皮膚のパッチの温度、現在治療されている皮膚のパッチの冷却速度、凍結前線の前進などの投与の効果に基づいて特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、投与量は、クライオスプレーアプリケータ102の位置および/または動きの組み合わされた属性に基づいて特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、たとえば、クライオスプレーアプリケータ102のスイープ速度、治療フットプリントのサイズ、および寒剤スプレーの速度は、一緒に投与量を特徴付けることができ、一緒に投与量情報を備えることができる。投与量情報は、プロセッサ106によって受信することができる。
【0086】
ブロック962において、アプリケータ102は、ブロック952において受信された制御信号および/またはユーザ入力とは無関係に、および/または部分的に無関係に自動的に制御される。いくつかの実施形態では、クライオスプレーアプリケータ102は、現在治療されている皮膚のパッチとクライオスプレーアプリケータとの間の距離、クライオスプレーアプリケータ102の位置、または投与量情報のうちの少なくとも1つに基づいて、制御信号および/または受信されたユーザ入力とは無関係に、および/または部分的に無関係に移動することができる。ブロック952において受信された制御信号および/またはユーザ入力とは無関係の、および/または部分的に無関係のクライオスプレーアプリケータ102の自動的な移動は、たとえば、クライオスプレーアプリケータのスイープ速度の変更、クライオスプレーアプリケータのスイープおよび/またはスイープの動きの変更、あるいは患者の皮膚の一部とクライオスプレーアプリケータとの間の距離の変更を含むことができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、クライオスプレーアプリケータ102のスイープは、クライオスプレーアプリケータの位置および/またはノーゴーゾーンに近接しているおよび/または十分に近接している治療フットプリントに基づいて、ならびにブロック952におけるユーザ入力および/またはノーゴーゾーンの治療を指示する制御信号の受信の決定に基づいて変更することができる。そのような実施形態では、プロセッサ106は、クライオスプレーアプリケータ102のスイープを制御して、受信したユーザ入力を反映すると同時に、ノーゴーゾーンも回避するために、受信したユーザ入力に基づいて生成された制御信号を修正し得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、クライオスプレーアプリケータ102は、クライオスプレーアプリケータ102と現在治療されている皮膚のパッチとの間の所望の距離を維持するように、および/または所望の投与量を維持するようにさらに制御することができる。いくつかの実施形態では、これは、ブロック952において受信されたユーザ入力とは無関係に、および/または部分的に無関係に、クライオスプレーアプリケータ102の制御を含むことができる。
【0089】
本発明の主題は、本明細書に具体的に説明されるが、特許請求される主題は、他の方法で具体化され得、異なる要素またはステップを含み得、また他の既存技術または将来の技術と組み合わせて使用され得る。
【0090】
この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記述されている場合を除き、様々なステップまたは要素間あるいはそれらの間の特定の順序または配置を意味するものとして解釈されるべきではない。図面に示されている、または上に記載されている構成要素の異なる配置、ならびに示されていないまたは説明されていない構成要素およびステップが可能である。同様に、いくつかの特徴およびサブコンビネーションは有用であり、他の特徴およびサブコンビネーションを参照せずに使用され得る。本発明の実施形態は、限定的な目的ではなく例示的な目的で説明されており、代替の実施形態は、この特許の読者に明らかになるであろう。したがって、本発明は、上記の実施形態または図面に示されている実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲から逸脱することなしに、様々な実施形態および修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0091】
100 皮膚冷却治療システム
102 クライオスプレーアプリケータ
104 機械的アーム
105 メモリ
106 コントローラ、プロセッサ
107 稲妻
108 ユーザデバイス
109 稲妻
110 感知サブシステム
112 視覚化サブシステム
114 ノズル制御
200 リンケージ
202 関節
204 ケーブル
206 センサ
208 位置合わせセンサ
208 配向センサ
210 距離センサ
212 温度検出機能
214 患者
220 近位端
222 遠位端
300 スプレーヘッド
301 赤外線カメラ
302 開口部
304 スプレー線、軸
306 軸
400 プロセス
402 ブロック
404 ブロック
406 ブロック
408 ブロック
410 決定状態
412 ブロック
414 ブロック、ステップ
416 ブロック
418 ブロック
420 ブロック
500 患者の頭部
502 領域
504 領域
506 第1の境界
508 第2の境界
510 目
512 耳
514 唇
516 鼻孔
522 矢印
524 頬のくぼみ
526 頬
528 鼻
530 額
532 顎
600 治療経路
602 治療フットプリント
604 治療フットプリント
606 治療フットプリント
700 プロセス
702 プロセス
706 ブロック
708 ブロック
710 ブロック
800 プロセス
802 ブロック
804 ブロック
806 ブロック、ステップ
808 ブロック
810 ブロック
812 ブロック
900 プロセス
902 ブロック
904 決定状態
906 ブロック、スイープの開始
908 ブロック
910 決定状態
912 ブロック
914 ブロック
916 ブロック
918 ブロック
920 決定状態
922 ブロック
924 決定状態
926 ブロック
928 決定状態
930 ブロック
932 ブロック
934 決定状態
936 ブロック
950 プロセス
952 ブロック
954 ブロック
956 ブロック
958 ブロック
960 ブロック
962 ブロック
【国際調査報告】