(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】容器、クロージャ、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 47/06 20060101AFI20220204BHJP
B65D 47/08 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
B65D47/06 400
B65D47/08 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535824
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 US2019067485
(87)【国際公開番号】W WO2020132247
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518283481
【氏名又は名称】エッチ ジェー ハインツ カンパニー ブランズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】バリント ヒルツァー
(72)【発明者】
【氏名】グース ルーブ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB06
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB13
3E084DC03
3E084EA01
3E084EB02
3E084EC03
3E084FA02
3E084FB01
3E084FC07
3E084GA01
3E084GA08
3E084GB01
3E084GB12
3E084KB02
3E084LB02
3E084LB07
3E084LD01
(57)【要約】
幾つかの実施形態において、本明細書に提示する装置及び方法は、揺変性流動体のような流動物を分注するのに有用である。幾つかの実施形態において、閉口キャップを有するボトルは、フリップトップ、ベース、及びディスクを備え、ベース及びディスクは、流動物から分離したいかなるセラム又は液体も混合して元に戻し易くする混合チャンバを画定する。幾つかの実施形態において、ベースは、流動物が流出する中心開口と、中心開口側とは反対側に非平面状の端面を有する内部シャフトとを有する。幾つかの実施形態において、この非平面状端面及びディスクは、混合チャンバと内部シャフトとの間におけるチャンネルを画定する。幾つかの実施形態において、ディスクは、中心開口と、ディスクの平面状表面に貫通する複数の部分的環状開口と、及び混合チャンバ内に突入する突起とを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注ボトルにおいて、
内部に揺変性流動物を収納し、ねじ山を持つネックを有する容器本体と、
ベース及びフリップトップ蓋を有するキャップであって、
前記ベースは、前記ネックのねじ山に係合するよう構成されたベースねじ山を配置したスカート、保持リング、及び開口を持つ中央部分を有し、前記開口は、前記中央部分とは反対側の非平面状端面で終端する内部シャフトに整列し、前記開口が閉塞されていないとき、前記流動物が前記開口から流出するのを可能にし、
前記フリップトップ蓋は、内部突起を有し、また閉じた第1位置と開いた第2位置との間で再閉できるよう移動可能であり、前記突起は前記第1位置で容器本体の内部の前記流動物が流出するのを阻害するよう前記ベースの前記開口を遮断し、前記第2位置は、前記ベースの前記開口から前記流動物が流出するのを可能にする、
キャップと、
前記ベースの内部に取り付けたディスクであって、ピンホール、及び前記ピンホール周りに配置した部分環状溝孔を有する、ディスクと、及び
前記ディスク、前記中央部分、前記スカート、及び前記内部シャフトによって画定される混合チャンバであって、複数流動物チャンネルが前記内部シャフトの前記非平面状端面及び前記ディスクによって形成される、混合チャンバと、
を備え、
前記キャップは、キップが底部にくるよう前記分注ボトルを倒立位置にし、前記フリップトップ蓋が前記閉じた第1位置にあるとき、前記揺変性流動物を漏洩なく安定平衡状態を維持することができ、また
前記フリップトップ蓋が前記開いた第2位置にあるとき、前記容器本体に対する圧力印加が、前記揺変性流動物の制御した分注を可能にし、前記流動物は、前記ベースの前記開口経由で前記分注ボトルから流出する前に、部分環状開口、前記混合チャンバ、及び前記流動物チャンネルから分注され、また前記容器本体に対する圧力解放が、前記ディスクの前記ベースに対する移動なしに、空気を前記容器本体内に逆流入させ、また前記揺変性流動物の内部チャンネル内への弾発的戻り及び逆流を可能にすることによって、分注の即時中断を可能にする、
分注ボトル。
【請求項2】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記混合チャンバは約2mL~約11mLの容量を有し、また前記ディスクは保持リングにより前記ベースに取り付ける、分注ボトル。
【請求項3】
請求項2記載の分注ボトルにおいて、約250mL~約1000mLの容量を有する分注ボトルに対して、前記混合チャンバは約5mL~約7mLの容量を有する、分注ボトル。
【請求項4】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記混合チャンバは、セラムが前記分注ボトルから漏洩するのを防止し、また前記混合チャンバは、前記揺変性流動物から分離したセラムを前記揺変性流動物内に戻るよう混合する、分注ボトル。
【請求項5】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記揺変性流動物は、分注中に、前記部分環状溝孔、前記混合チャンバ、前記内部シャフト及び前記ディスクによって形成されるチャンネル、並びに前記ベースの前記中央部分における前記開口を経由して、また前記ディスクにおけるピンホールを経由して、前記容器本体から移動する、分注ボトル。
【請求項6】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、さらに、前記開口の内側に棚部を有する内部切断ブレードを備える、分注ボトル。
【請求項7】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記中央部分は、その周囲に周辺平面状表面を持つドーム状中央表面を有する、分注ボトル。
【請求項8】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記中央部分とは反対側で前記内部シャフトが終端する前記非平面状端面は、前記非平面状端面における複数の歯及び複数の凹みを生ずる段差付き形態を有する、分注ボトル。
【請求項9】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記中央部分とは反対側で前記内部シャフトが終端する前記非平面状端面は、1つ又はそれ以上の凹みを形成する少なくとも幾つかの円弧状表面部分を有する、分注ボトル。
【請求項10】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記ディスクは約20~40mmの直径を有し、また前記内部シャフトは約4~12mmの高さ及び約3~9mmの直径を有する、分注ボトル。
【請求項11】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記ディスクは前記ベースに対して不動であり、また前記キャップ及び前記ディスクの両方は単一の食品等級プラスチックで構成される、分注ボトル。
【請求項12】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、空気は、前記ピンホール及び前記部分環状溝孔のうち少なくとも一方を経由することを許容される、分注ボトル。
【請求項13】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記ディスクは、さらに、前記ディスクの第1側面から突出する複数の延長部を有し、前記延長部は、前記ディスクが前記ベースに取り付けられるとき、前記ベースに向かって突出する、分注ボトル。
【請求項14】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記保持リングは2つの保持リングを有し、前記2つの保持リングのうち一方は、前記容器本体内の揺変性流動物を封止するよう関連付けたボトルライナーを有する、分注ボトル。
【請求項15】
請求項1記載の分注ボトルにおいて、前記ディスクは、さらに、前記環状溝孔と前記ピンホールとの間に1つ又はそれ以上の中間開口を有する、分注ボトル。
【請求項16】
受容器を成形するステップと、
揺変性流動物を前記受容器に充填するステップと、
ベース及びフリップトップ蓋を有する閉口キャップを成形するステップであって、
前記ベースは、内側スカート及び外側スカートを有し、前記内側スカートにベースねじ山を配置し、前記ベースねじ山はネックのねじ山に係合するよう構成されており、また前記ベースは、前記内側スカートにおける保持リング、及び開口を持つ中央のドーム状部分を有し、前記開口は、前記中央ドーム状部分とは反対側の非平面状端面で終端する内部シャフトに整列し、前記開口が閉塞されていないとき、流動物が前記開口から流出するのを可能にし、
前記フリップトップ蓋は、内部突起を有し、また第1位置と第2位置との間で移動可能であり、前記突起は前記第1位置で前記容器本体内部の前記流動物が流出するのを阻害するよう前記ベースの前記開口を遮断し、前記第2位置は、前記ベースの前記開口から前記流動物が流出するのを可能にする、
前記閉口キャップを成形するステップと、
前記閉口キャップの前記ベースにディスクをスナップ嵌合するステップであって、前記ディスクは、ピンホール、及び前記ピンホール周りに配置した部分環状溝孔を有し、前記ディスク、前記ベースの中央部分、前記ベースの前記内側スカート、及び前記ベースの前記内部シャフトが混合チャンバを形成し、また前記内部シャフトの前記非平面状端面及び前記ディスクによって複数の流動物チャンネルが形成される、前記ディスクをスナップ嵌合するステップと、
前記充填済み受容器を前記閉口キャップにより閉鎖するステップと、
を含む、充填済み分注ボトルの製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の製造方法において、さらに、前記閉口キャップに関連するライナーで前記受容器を封止するステップを含む、製造方法。
【請求項18】
少なくとも、貫通する開口を持つドーム状壁、内側スカート、平面状部分によって連結された外側スカート、前記内側スカートにおけるねじ山及び保持リング、並びに前記ドーム状壁から内方に垂下し、非平面状端面で終端する内部シャフト、を有するベースと、
前記ベースにヒンジ連結したフリップトップ蓋であって、突起を有し、また前記突起が前記開口を遮断する第1位置と前記突起が前記ベースの前記開口を閉塞しない第2位置との間で移動可能な、フリップトップ蓋と、
前記ベースにスナップ嵌合することで前記ベースの内部に取り付けられるディスクであって、ピンホール、前記ピンホール周りに配置された部分環状溝孔、及び前記ベースに向かって突出するフランジを有し、前記フランジは、前記ディスクが前記ベースに取り付けられるとき、前記内部シャフトと前記部分環状溝孔との間に配置される、ディスクと、
前記ディスク、前記ドーム状壁、前記内側スカート、及び前記内部シャフトによって画定される混合チャンバであって、複数の流動物チャンネルが前記内部シャフトの前記非平面状端面及び前記ディスクによって形成される、混合チャンバと、
を備える、容器のための閉口キャップ。
【請求項19】
請求項18記載の閉口キャップにおいて、前記混合チャンバは約7mL~約11mLの容量を有し、また前記ディスクは保持リングにより前記ベースに取り付ける、閉口キャップ。
【請求項20】
請求項18記載の閉口キャップにおいて、中央部分とは反対側で前記内部シャフトが終端する前記非平面状端面は、前記非平面状端面における複数の歯及び複数の凹みを生ずる段差付き形態を有する、閉口キャップ。
【請求項21】
請求項18記載の閉口キャップにおいて、中央部分とは反対側で前記内部シャフトが終端する前記非平面状端面は、1つ又はそれ以上の凹みを形成する少なくとも幾つかの円弧状表面部分を有する、閉口キャップ。
【請求項22】
請求項18記載の閉口キャップにおいて、前記ディスクは約20~40mmの直径を有し、また前記内部シャフトは、約4~12mmの高さ及び約3~9mmの直径を有する、閉口キャップ。
【請求項23】
請求項18記載の閉口キャップにおいて、前記ディスクは前記ベースに対して不動であり、また前記キャップ及び前記ディスクの両方は単一の食品等級プラスチックで構成される、閉口キャップ。
【請求項24】
請求項18記載の閉口キャップにおいて、さらに、前記開口の内側に棚部を有する内部切断ブレードを備える、閉口キャップ。
【請求項25】
請求項18記載の閉口キャップにおいて、前記閉口キャップは2つのみの個別コンポーネントから構成され、前記ベース及びフリップトップ蓋の組合せは単一の統合した一体型のワンピース構体であり、また前記ディスクは別個に成形される、閉口キャップ。
【請求項26】
請求項18記載の閉口キャップにおいて、前記内部シャフトは、前記ディスクが取り付けられるとき前記ディスクを支持し、また前記内部シャフトは、円形形状又は放物線形状のうち少なくとも一方の内壁を有する、閉口キャップ。
【請求項27】
請求項26記載の閉口キャップにおいて、前記内壁は、前記内壁の前記非平面状端面側とは反対側の端部で前記ベースの前記開口に向かって内方に角度をなし、前記内部シャフトは、前記内部シャフトの長さに沿って変化する直径を有する、閉口キャップ。
【請求項28】
請求項19記載の閉口キャップにおいて、前記保持リングは2つの保持リングを有し、前記2つの保持リングのうち一方はこれに関連するボトルライナーを有する、閉口キャップ。
【請求項29】
請求項19記載の閉口キャップにおいて、前記ディスクは、さらに、前記ベースに向かって前記ディスクから突出する錐体状突出部を有する、閉口キャップ。
【請求項30】
成形型内でフリップトップキャップを成形するステップであって、前記フリップトップキャップは、
少なくとも、貫通する開口を持つドーム状壁、内側スカート、平面状部分によって連結された外側スカート、前記内側スカートにおけるねじ山及び保持リング、並びに前記ドーム状壁から内方に垂下し、非平面状端面で終端する内部シャフト、を有するベース、及び
前記ベースにヒンジ連結したフリップトップ蓋であって、内部突起を有し、また前記内部突起が前記開口を遮断する第1位置と前記内部突起が前記ベースの前記開口を閉塞しない第2位置との間で移動可能な、前記フリップトップ蓋、
を有する、フリップトップキャップを成形するステップと、
前記フリップトップキャップのベース内にディスクをスナップ嵌合するステップであって、前記ディスクは、ピンホール、前記ピンホール周りに配置された部分環状溝孔、及び前記ベースに向かって突出するフランジを有し、前記フランジは、前記ディスクが前記ベースに取り付けられるとき、前記内部シャフトと前記部分環状溝孔との間に配置される、該ディスクをスナップ嵌合するステップと、
を含み、
前記ディスク及び前記ベースは、前記ディスク、前記ドーム状壁、前記内側スカート、及び前記内部シャフトによって画定される混合チャンバを形成し、また複数の流動物チャンネルが前記内部シャフトの非平面状端面及び前記ディスクによって形成される、閉口キャップを製造する方法。
【請求項31】
請求項30記載の方法において、前記閉口キャップは、前記フリップトップキャップ及び前記ベースを含む2つのみの個別コンポーネントから作成され、前記フリップトップキャップは、前記ベースと、及び単一の統合した一体型のワンピース構体として形成されたフリップトップ蓋とを有し、また前記2つの個別コンポーネントは、同一材料で作成され、また組み付けられる、方法。
【請求項32】
請求項30記載の方法において、前記ディスクは、1つ又はそれ以上の保持リング内にスナップ嵌合され、前記方法は、さらに、前記内部シャフトから最も離れて配置される前記保持リングにライナーを取り付けるステップを含む、方法。
【請求項33】
少なくとも、貫通する開口を持つドーム状壁、内側スカート、平面状部分によって連結された外側スカート、ねじ山、及び前記ドーム状壁から内方に垂下し、非平面状端面で終端する内部シャフト、を有するベースと、
前記ベースにヒンジ連結したフリップトップ蓋であって、突起を有し、また前記突起が前記開口を遮断する第1位置と前記突起が前記ベースの前記開口を閉塞しない第2位置との間で移動可能な、フリップトップ蓋と、
前記ベースにスナップ嵌合することで前記ベースの内部に取り付けられるディスクであって、前記ベースに向かって前記ディスクから突出する1つ又はそれ以上のフランジ、中心に配置されたポスト、及び複数の貫通する開口を有する、ディスクと、
前記ディスク、前記ドーム状壁、前記内側スカート、及び前記内部シャフトによって画定される混合チャンバであって、複数の流動物チャンネルが前記内部シャフトの前記非平面状端面及び前記ディスクによって形成される、混合チャンバと、
を備える、容器のための閉口キャップ。
【請求項34】
少なくとも、貫通する開口を持つドーム状壁、内側スカート、平面状部分によって連結された外側スカート、ねじ山、及び前記ドーム状壁から内方に垂下し、非平面状端面で終端する内部シャフト、を有するベースと、
前記ベースにヒンジ連結したフリップトップ蓋であって、突起を有し、また前記突起が前記開口を遮断する第1位置と前記突起が前記ベースの前記開口を閉塞しない第2位置との間で移動可能な、該フリップトップ蓋と、
前記ベースにスナップ嵌合することで前記ベースの内部に取り付けられるディスクであって、複数の環状溝孔、及び複数の貫通する中間開口を有し、前記中間開口は、前記複数の環状溝孔と前記ディスクの中心との間に配置される、ディスクと、
前記ディスク、前記ドーム状壁、前記内側スカート、及び前記内部シャフトによって画定される混合チャンバであって、複数の流動物チャンネルが前記内部シャフトの前記非平面状端面及び前記ディスクによって形成される、混合チャンバと、
を備える、容器のための閉口キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、流動物のための容器に関する。より具体的には、本開示は、概して、閉口(クロージャ)キャップを有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
流動物容器は、とくに、輸送中及び/又は容器が何らかの形態内に配置されているときに、用量投与(ドージング)及び漏洩の問題が時折ある。ボトルで配送される多くの消費者向け製品はこのような欠点に悩まされることがあり得る。例えば、ケチャップ又は若干の液体スープのような揺変性(チクソトロピック)流動物は、時々、「X」字状スリットを有する可撓性プラスチック薄膜を使用するボトルで販売される。これらは、不使用時にキャップで休止し、これにより重力が製品をバルブに隣接する位置に保持する倒立ボトルで時々使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このタイプのバルブにおける1つの問題は、幾つかのケースにおいて、製品がボトルを使用していないときにバルブから漏洩することがあり得る点である。他の問題は、分注中に製品が望ましくないほどの高速度で開口から噴出し、跳ね飛びリスクが増大することがあり得る点である。排出している製品の高速度は、さらに、適正用量投与(ドージング)を困難にすることであり、これはすなわち、概して、高速度での製品制御が不十分であるからである。3つ目の問題は、バルブが分注後に内部容積を維持する空気流入に対して抵抗又は阻止し、大気圧より低い圧力、すなわち、部分的真空を発生させるおそれがある点である。このことは、パネリング、すなわち座屈(バックリング)、又は他に容器壁の望ましくない内方偏向を生じさせ、審美上の問題、またさらに機能性の問題ともなり得るもので、これはすなわち、製品を分注するのに要する手動圧力を増加させ、またスクイズ、すなわち、容器外部に手動による圧力印加に応答する分注が不均一又は非一貫性となるおそれがある。
【0004】
他の問題は、このような薄膜バルブがしばしばシリコンで形成されるとともに、キャップの他の部分がポリプロピレンのような他の材料でしばしば形成されている点である。複数材料から成る閉口キャップを有することは、複雑さ及び製造コストを増加させ、またリサイクルを困難及び/又は実行不能にするおそれがあり、これにより大規模使用に対してこの解決策を魅力的でないものにする。
【0005】
さらに、このような薄膜バルブ及び他の同様な解決策は、比較的低粘性のセラム、水分又は他の薄い液体成分がケチャップのような流動物の残余部分から分離するときのような、流動物でしばしば起こる製品分離に対し常に十分対処しない。この分離は、漏洩を増加させ、飛び跳ねを増加させ、また薄い液体成分を残りの製品から分離して分注させるおそれがある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】幾つかの実施形態によるキャップを有するボトルの斜視図である。
【
図2】数個の実施形態によるボトルのキャップ及び一部分の斜視図である。
【
図3】開放形態にある
図2のキャップの斜視図である。
【
図4】倒立向きにあるキャップの一部分の斜視断面図である。
【
図5】幾つかの実施形態によるキャップであって、ディスクを取り外した状態にしたキャップの一部分における下側の斜視図である。
【
図6】数個の実施形態によるディスクの下側の斜視図である。
【
図7A】数個の実施形態によるディスクの頂面図である。
【
図7B】数個の実施形態によるディスクの底面図である。
【
図7C】
図7a及び7bのディスクの側面図である。
【
図8】数個の実施形態によるキャップであって、ディスクを取り外した状態で閉鎖形態にあるキャップの部分断面斜視図である。
【
図9】数個の実施形態によるキャップであって、ディスクを取り付けない状態のキャップの一部分の断面斜視図である。
【
図10】数個の実施形態によるキャップであって、ディスクを取り付けない状態のキャップの一部分の断面斜視図である。
【
図11】数個の実施形態によるキャップの一部分の断面斜視図である。
【
図12】数個の実施形態によるキャップ開口における内部シャフトの一部分の断面図である。
【
図13】数個の実施形態によるキャップ開口における内部シャフトの一部分の断面図である。
【
図14】代替的実施形態の一部分の部分断面図である。
【
図15】代替的実施形態の一部分の部分断面図である。
【
図16】数個の実施形態によるキャップの一部分の部分断面図である。
【
図17】数個の実施形態によるキャップの一部分の部分断面図である。
【
図18】代替的実施形態を示すキャップの一部分の断面斜視図である。
【
図20】代替的実施形態を示すキャップの一部分の断面斜視図である。
【
図22】代替的実施形態を示すキャップの一部分の断面斜視図である。
【
図24】数個の実施形態による開放形態にあるキャップの側面図である。
【
図27】数個の実施形態による開放形態にある他のキャップの側面図である。
【
図30】数個の実施形態による開放形態にある他のキャップの側面図である。
【
図35】数個の実施形態による代替的内部シャフトを示す部分断面図である。
【
図36】数個の実施形態による代替的内部シャフトを示す部分断面図である。
【
図37】数個の実施形態による代替的内部シャフトを示す部分断面図である。
【
図38】内部シャフトのための様々な仕上げ選択肢を示すよう拡大した詳細部分を有するキャップの断面図である。
【
図39】ベースにおける内部シャフトの代替的実施形態を示すよう取り外した部分の部分斜視図である。
【
図40】ベースにおける内部シャフトの代替的実施形態を示すよう取り外した部分の部分斜視図である。
【
図41】ベースにおける内部シャフトの代替的実施形態を示すよう取り外した部分の部分斜視図である。
【
図42】ベースにおける内部シャフトの代替的実施形態を示すよう取り外した部分の部分斜視図である。
【
図43】ベースにおける内部シャフトの代替的実施形態を示すよう取り外した部分の部分斜視図である。
【
図44】ベースにおける内部シャフトの代替的実施形態を示すよう取り外した部分の部分斜視図である。
【
図45A】ディスクの代替的実施形態の頂面図である。
【
図45B】ディスクの代替的実施形態の頂面図である。
【
図45C】ディスクの代替的実施形態の頂面図である。
【
図45D】ディスクの代替的実施形態の頂面図である。
【
図45E】ディスクの代替的実施形態の頂面図である。
【
図45F】ディスクの代替的実施形態の頂面図である。
【
図45G】ディスクの代替的実施形態の頂面図である。
【
図45H】ディスクの代替的実施形態の頂面図である。
【
図45I】ディスクの代替的実施形態の頂面図である。
【
図46A】ディスクの代替的実施形態の断面図である。
【
図46B】ディスクの代替的実施形態の断面図である。
【
図47A】ディスクの代替的実施形態の下側の斜視図である。
【
図47B】ディスクの代替的実施形態の下側の斜視図である。
【
図47C】ディスクの代替的実施形態の下側の斜視図である。
【
図47D】ディスクの代替的実施形態の下側の斜視図である。
【
図47E】ディスクの代替的実施形態の下側の斜視図である。
【
図47F】ディスクの代替的実施形態の下側の斜視図である。
【
図47G】ディスクの代替的実施形態の下側の斜視図である。
【
図47H】ディスクの代替的実施形態の下側の斜視図である。
【
図47I】ディスクの代替的実施形態の下側の斜視図である。
【
図48】数個の実施形態による代替的キャップの一部分の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
容器、クロージャ、及び製造方法に関与するシステム、装置及び方法の実施形態を本明細書で開示する。本明細書の記載は、以下の図面を含む。
【0008】
図面における要素は、簡明にするために図示し、また必ずしも縮尺どおりに描いていない。例えば、図面における幾つかの要素の寸法及び/又は相対的位置決めは本発明の様々な実施形態の理解を助けるよう他の要素に対して誇張する場合がある。さらに、本発明のこれら様々な実施形態の邪魔が少ない見取りを容易にするよう、商業的に実現可能な実施形態で有用又は必要である一般的でありよく理解されている要素は省略する場合がある。若干の行為及び/又はステップは、生起の特別な順序で説明又は図示するが、シーケンスに対するこのような特別性は実際には不要である。本明細書で使用される用語及び表現は、異なる特別な意味がそれ以外に記述される場合を除いて、上述した技術分野の当業者がこのような用語及び表現に従うとおりの通常の技術的意味を有する。
【0009】
例えば、揺変性(チクソトロピック)流動物のような流動物をボトルから分注するのに有用なシステム、装置及び方法を記載する。幾つかの実施形態は、このようなボトルのための閉口キャップを有する。閉口キャップは、フリップトップ、ベース、及びディスクを有することができ、ベース及びディスクは、流動物の混合を促進するよう構成された混合チャンバを画定し、この混合チャンバは、流動物から分離したセラム又は液体を流動物に戻すよう混合することができる。幾つかの実施形態において、ベースは、流動物が流出する中心開口と、及び中心開口とは反対側に非平面状端面を持つ中空の内部シャフトを有し、非平面状端面及びディスクは、混合チャンバと前記シャフトの内部との間に1つ又はそれ以上のチャンネルを画定する。(他の形態においては、シャフトは開口側とは反対側で平面状端面を有することができ、またシャフトは該シャフトに形成された開孔を有することができる。)幾つかの実施形態において、ディスクは、中心開口と、ディスクの平面状表面に貫通する複数の部分環状開口と、混合チャンバ内に突入する突起を有する。ボトルから流出するためには、流動物は、リザーバ又はボトルの本体から、ディスクの開口(例えば、部分環状開口又は中心ピンホール)を経由し、また内部シャフトによって形成されるシュートを経由し、またベースの中心開口を抜けるよう前進する。流動物は、ユーザーが手動圧力をボトルの本体に印加することによって、これら開口及び経路を経由して前進する。
【0010】
幾つかの実施形態において、分注ボトルは、雄ねじ山付きのネックを有する容器本体を備え、雄ねじ山は、ベース及びフリップトップ蓋を含む閉口キャップにおける雌ねじ山に係合する。1つの例示的実施形態において、この閉口キャップのベースは、ベースねじ山が配置されるスカートを有し、このベースねじ山は、ボトルのネックにおける雄ねじ山に係合するよう構成される。さらに、幾つかの実施形態において、ベースは、ベースの内面における(スカートの内面におけるような)1つ又はそれ以上の保持要素、突起又はリングと、内部シャフトに整列する開口を有する中央部分を有し、開口は、閉塞されないとき流動物を流出させる。1つのアプローチとして、内部シャフトは、中央部分とは反対側で非平面状端面に終端する。さらに、内部シャフトは、該内部シャフトに隣接して備え付けられるディスクを有することができる。
【0011】
上述したように、キャップはフリップトップ蓋を有し、また1つの例示的形態において、フリップトップ蓋は、閉じた第1位置と開いた第2位置との間で移動可能な内部突起を有し、突起は、第1位置では容器本体の内部から流動物が流出するのを防止又は阻害するようベースの開口を遮断し、また第2位置ではベースの開口から流動物を流出させる。さらに、1つの例示的実施形態において、ディスクを保持リングで所定位置にスナップ嵌合することによって、ディスクをベースの内部に取り付け、ディスクは中心開口及びこの中心開口の周りに配置した部分環状溝孔を有する。1つの例示的形態において、スカート及び内部シャフトに沿ってディスク及びベースの中央部分により、混合チャンバが形成される。さらに、幾つかの形態において、複数の流動物チャンネルが内部シャフトの非平面状端面及びディスクによって形成され、これにより流動物が混合チャンバから内部シャフト内に流動することができる。
【0012】
幾つかの実施形態において、閉口キャップは、閉じた位置にある状態で、前記ボトルを倒立位置にし、これによりボトル開口が容器本体より下方に位置決めされるとき、揺変性流動物を漏洩なくボトル内で安定平衡状態を維持することができる。幾つかの実施形態において、閉口キャップが開いた位置にあるとき、容器本体に対する圧力印加中、閉口キャップの構成は、揺変性流動物の制御分注を可能にし、また容器本体に対する圧力釈放は、例えば、空気を前記容器本体内に逆流入させ、また前記揺変性流動物の前記内部チャンネル内への弾発的戻り及び逆流を可能にすることによって、分注の即時中断を可能にする。さらに、1つのアプローチとして、この弾発的戻りは、分注させた流動物の量に置き換わるよう空気がボトル内に即座に流入できるようにし、ボトルを元の形状に迅速に復元させることによって、達成される。
【0013】
1つの例示的アプローチとして、流動物の少なくとも一部分は、部分環状開口を下向きに前進し、混合チャンバを経由し、次にディスクと内部シャフトの非平面状端部との間に画定された流動物チャンネルに内方に進行し、次にシャフトの内部を下行してから、中心開口を介して分注ボトルから流出する。1つのアプローチとして、ボトル内に配置される揺変性流動物は、ディスクの部分環状開口から前進し、及びいかなる分離セラムをも流動物内に混合させることができる混合チャンバを経由してから、揺変性流動物が内部シャフトの端部及びディスクによって形成されるチャンネルに移行し、ベースの中心開口から流出するよう、ボトルから絞り出すことができる。さらに、流動物の一部分は、ディスクにおける小さい開孔又はピンホールから下向きに、またベースの中心開口を経由するよう前進することができる。上述したように、ボトルに対する圧力中断の際に、ボルトはその形状を即座に復帰することができる。空気は、これら経路のうち一方又は双方を介して、例えば、ディスクにおけるピンホール及び/又は環状開口を経由してボトル内に流入することができ、これにより、空気は、内部チャンバ、チャンネル、ピンホール、混合チャンバ、及び/又は部分的な環状開口を経由してボトル内に流入できる。概して、空気は、ボトル本体又は容器に対する圧力を釈放するとき、ボルト内に引っ張りこまれる。このように、手短に言うと、空気は、ボトルのメインキャビティ内に受け入れられ、この受入れは、中心ピンホール又はディスクの部分環状溝孔を流動することによって行われる。さらに、ディスクが閉口キャップのベースに据え付けられた後、1つのアプローチとして、ディスクはベースに対して不動に留まる。
【0014】
幾つかの実施形態において、ベース、フリップトップ、及びディスクを含む閉口キャップは、閉口キャップ全体をユニットとして再生利用可能となるよう、ポリプロピレン材料で構成する。さらに、シリコン薄膜なしに、クロージャの強度は、幾つかの実施形態において、時間経過につれ大幅に低下せず、また時間経過につれてその性能の低下もほとんど又は全くない。幾つかの実施形態において、ボトルの寿命にわたり、ボトルから流動物を分注するのに要する圧力変化はほとんど又は全くない。
【0015】
本明細書記載のように、閉口キャップはより良い用量投与を可能にできる。散乱汚しのおそれがある、ボトルからの不慮に高速製品排出を生ずるのを阻止することができ、またボトルの永続的つぶれ又は他の永続的内方変形を防止することができる。さらに、閉口キャップ形態は、飛び散りを減少することができる。さらに、以下に説明するように、混合チャンバは、例えば、外向き凸状又はドーム状外面を有することによって、外面クリーニングを容易にするよう構成することができる。
【0016】
1つのアプローチとして、ベースの流動物が分注される中心開口に隣接する外側底部(ボトルを倒立させたときの)表面は、周囲に平面状周辺表面を有する円弧状又はドーム状中央部分を有する。一実施例において、ベースの内側面は、ベースのスカートに少なくとも若干平行に突出する内部シャフトを有する。幾つかの実施形態において、ベースは、中心開口に隣接配置した内部切断ブレードを有し、この内部切断ブレードにおいて、内部シャフトの内径は急激に減少する。1つのアプローチとして、切断ブレードは、鋭利で刻み目のない端縁を有する。幾つかの形態において、開口自体の内径は、内部シャフト壁とは異なる。より具体的には、このような形態において容器への開口の直径は、内部シャフトの壁間の直径よりも小さく、またこのサイズ減少及び両者間の比較的鋭利な端縁は、部分的にクロージャ内に製品を保持することによって、製品の滴り形成の減少を促進するよう補助する。さらに、開口の表面張力及びサイズも、同様に製品の滴り形成を減少するよう補助することができる。この切断ブレードは製品が閉口キャップにおける開口から流出するのを阻止しないが、フローを緩慢にすることによって所定圧力の下で放出される量を減少する。1つのアプローチとして、切断ブレードはシャフトの直径に比べて比較的小さく、また幾つかの形態において、内部切断ブレードは約1mmの幅を有するとともに、容器内への開口自体の直径は約3mm~約7mmである。他の形態において、開口は約3.5mm~約4.5mmの直径を有する。さらに他の実施形態において、開口は約4mmの直径を有し、また内部シャフトの直径は約6mmである。したがって、切断ブレードは、幾つかの形態において、約1mmの幅を有する。
【0017】
切断ブレードは、ボトルに対する圧力釈放の際に、流動物分注を迅速に中断する支援を行うとともに、ディスク(及び内部シャフトに対する界面)は、ボトル内の製品によって生ずる圧力を減少し、このことは、分注の中断を支援する。以下に説明するように、ディスクにおける開口のサイズ及び形態はフローのモニタリングを支援し、また製品の粘性及び表面張力に依存し、またディスクのジオメトリは、異なる流動物に適合するよう調整することができる。
【0018】
ベースにおける開口から離れて位置される内部シャフトの上側端部において、幾つかの実施形態において、内部シャフトは非平面状端面を有する。1つのアプローチとして、この非平面状端面は、複数の歯及び複数の凹みを生ずる段差付き形態を有する。他の形態として、非平面状端面は、波形正弦波状又は他の円弧状の凹みを有するよう構成される。
【0019】
上述したように、本明細書記載のボトル及びキャップは広範囲にわたる様々な流動物に使用するよう採用することができる。1つの例示的形態において、ボトルには、例えば、若干の香辛料、ソースのような揺変性流動物、又はシャンプー若しくはボディウォッシュのような若干の消費者向け品目を充填する。このような用途は特に有利であり、これはすなわち、消費者又はユーザーが、流動物を飛び散らせたり、又は意図しない他の汚しを生じたりすることなく、所望量の流動物を容易にかつ迅速に分注できるようにするからである。1つのアプローチとして、閉口キャップを有する分注ボトルは、約250mL~約1000mLの容量を有することができる。さらに、様々な容器形態が考えられ、閉口キャップでボトルが休止する倒立形態で保管する形態が含まれる。1つの例示的アプローチとして、ディスクは約20~40mmの直径を有し、また前記内部シャフトは約4~12mmの高さ及び約3~9mmの直径を有する。他の形態において、内部シャフトは、約5~9mmの高さ及び約3~5mmの直径を有する。
【0020】
上述したように、閉口キャップは、ベースに固定したディスクを有するベースの一部分によって形成される混合チャンバを有する。1つのアプローチとして、この混合チャンバは、ディスクから突出する複数の延長部を有する。より具体的には、ディスクは、幾つかの形態において、ディスクの底部(ボトルを倒立させた状態で)から下方に混合チャンバ内に突入する複数のフランジとしての延長部を有する。本明細書記載の混合チャンバは、一部には、揺変性流動物から分離したセラムを残りの揺変性流動物に戻すよう混合することによって、セラムが分注ボトルから漏洩するのを防止するよう補助する。1つのアプローチとして、混合チャンバは、分離したセラムを揺変性流動物に戻すよう混合しれからボトルの開口から流出するようにすることによって、分離セラムが分注ボトルから漏洩するのを防止する。幾つかの実施形態において、混合チャンバは、2mL~11mL、3mL~9mL、若しくは5mL~7mL、又は約6mLの容量を有する又は保持する。ディスク延長部は、混合チャンバにより流動物フローを緩慢にする、乱流を生起若しくは増大させる、及び/又は他に分離セラムと残りの流動物との間における相互作用を増大させることによって分離セラムの再混合を補助することができる。
【0021】
1つのアプローチとして、複数保持リングを設けることができ、これらリングのうち1つは、閉口キャップをボトルに取り付けた後にボトルを封止することができるよう関連させたボトル又はキャップのライナーを有することができる。例えば、第1保持リング及び第2保持リングを互いに軸線方向(垂直方向)に離間させ、ディスクの端縁を両者間に捕捉することができる。上側リング(ボトルを倒立させた状態での)は、使用前にボトルネックにおける開口を封止するよう関連させた取り外し可能なフィルム又はライナー部材を有することができる。製品を分注する前に、ライナー部材は、消費者が手で取り外すことができる。
【0022】
本明細書記載の閉口キャップを有するボトルは、高速、高容量、大量生産オペレーション、又は他タイプのオペレーションで、形成し、充填し、また封止することができる。1つのアプローチとして、分注ボトル製造方法は、概して、例えば、ブロー成形、射出成形、又は他の方法によって絞り出し可能な可撓性ボトルを形成するステップと、射出成形又は他の方法によって、ディスク並びにベース及びフリップトップ蓋を有する閉口キャップを形成するステップと、ディスクをベースにスナップ嵌合するステップと、受容器に流動物(例えば、揺変性流動物のような)を充填するステップと、及び閉口キャップを充填済み受容器に固定するステップと、を備える。幾つかの実施形態において、ベースは、内側スカートの内側にベースねじ山を設けた(ベースねじ山は、ボトルネックの外部のねじ山に係合するよう構成される)、該内側スカート及び外側スカートと、内側スカートの内部における保持リングと、及び中心開口とは反対側で非平面状端面に終端する内部シャフトに整列する開口を有する中央ドーム状部分と、を有する。ドーム状部分は、開口が閉塞されていないとき流動物が流出できる開口を有し、またフリップトップ蓋は、第1位置と第2位置との間で移動可能な内部突起を有し、この突起は、第1位置にあるとき流動物の流出を阻害又は防止するようベースの開口を遮断し、また第2位置にあるときベースの開口からの流動物流出を可能にする。幾つかの実施形態において、ディスクは、中心ピンホールと、この中心ピンホールの周りに配置される部分環状溝孔を有し、ディスク、ベースの中央部分、内側スカート、及び内部シャフトの外面は混合チャンバを画定し、また内部シャフト非平面状端面とディスクとの間に複数の流動物チャンネルが形成される。幾つかの形態において、方法は、さらに、ボトル本体内の製品を封止するよう、閉口キャップに関連付けた取外し可能なライナーにより受容器を封止するステップを備える。以下にさらに詳述するように、ベース及びフリップトップ蓋は、ディスクと一緒に又は別個に成形することができる。
【0023】
1つの例示的形態において、容器の閉口キャップは、フリップトップ蓋と、少なくとも、貫通する開口を持つドーム状壁、内側スカート、上側の平面状部分によって連結された外側スカート、前記内側スカートにおけるねじ山及び1つ又はそれ以上の保持リング、並びに前記ドーム状壁から内方に垂下する内部シャフト、を有するベースと、を備える。1つのアプローチとして、内部シャフトは非平面状端面で終端する。さらに、このような形態において、フリップトップ蓋は、突起を有し、また前記突起が前記開口を遮断する第1位置と前記突起が前記ベースの前記開口を閉塞しない第2位置との間で移動可能である。閉口キャップは、幾つかの形態において、ディスクを保持リングにスナップ嵌合することによってベースの内部に取り付けられるディスクを有する。このような形態において、ディスクは、中心ピンホール、中心ピンホール周りに配置される部分環状溝孔、及び前記ベースに向かって突出するフランジを有し、前記フランジは、前記ディスクが前記ベースに取り付けられるとき、前記内部シャフトと前記部分環状溝孔との間に配置される。さらに、1つのアプローチとして、閉口キャップは、前記ディスク、前記ドーム状壁、前記内側スカート、及び前記内部シャフトによって画定される混合チャンバであって、複数の流動物チャンネルが前記内部シャフトの非平面状端面及び前記ディスクによって形成される、該混合チャンバを備える。
【0024】
他のアプローチにおいて、閉口キャップ製造方法は、成形型内でフリップトップキャップを成形するステップであって、前記フリップトップキャップは、(a) 少なくとも、貫通する開口を持つドーム状壁、内側スカート、平面状部分によって連結された外側スカート、前記内側スカートにおけるねじ山及び保持リング、並びに前記ドーム状壁から内方に垂下し、非平面状端面で終端する内部シャフト、を有するベースと、及び(b) 前記ベースにヒンジ連結したフリップトップ蓋であって、内部突起を有し、また前記内部突起が前記開口を遮断する第1位置と前記内部突起が前記ベースの前記開口を閉塞しない第2位置との間で移動可能な、該フリップトップ蓋と、を有する、該フリップトップキャップを成形するステップを備える。さらに幾つかのアプローチにおいて、方法は、前記フリップトップキャップのベースの保持リング内にディスクをスナップ嵌合するステップであって、前記ディスクは、ピンホール、前記ピンホール周りに配置された部分環状溝孔、及び前記ベースに向かって突出するフランジを有し、前記フランジは、前記ディスクが前記ベースに取り付けられるとき、前記内部シャフトと前記部分環状溝孔との間に配置される、該ディスクをスナップ嵌合するステップを備える。さらに、幾つかの実施形態において、前記ディスク及び前記ベースは、前記ディスク、前記ドーム状壁、前記内側スカート、及び前記内部シャフトによって画定される混合チャンバを形成し、また複数の流動物チャンネルが前記内部シャフトの非平面状端面及び前記ディスクによって形成される。
【0025】
さらに、幾つかの形態において、方法は、さらに、前記フリップトップキャップ及び前記ベースを含む2つの個別コンポーネントとして前記閉口キャップを形成するステップを備え、前記フリップトップキャップは、前記ベースと、及び単一の統合した一体型のワンピース構体として形成されたフリップトップ蓋とを有し、また前記2つの個別コンポーネントは、成形型において又は個別ステーションにおいて同一材料で作成され、また組み付けられる。
【0026】
図1A及び1Bは、ケチャップ、マヨネーズ、バーベキューソース、マスタード、又は他の製品のような流動物食品5を収納するボトル10を備え、容器本体12に取り付けた閉口(クロージャ)キャップ18を有し、容器本体12の雄ねじ山16に係合する閉口キャップ18の雌ねじ山32を介して取り付けを行う、パッケージ化された食品を示す。閉口キャップ18の一部分を、説明目的のため
図1Aでは透明化して示す。
図1Aは直立位置のボトルを示すが、幾つかの実施形態において、ボトル10は、
図1Bに示すように、閉口キャップで休止する倒立状態で保存するよう構成される。したがって、保管及び分注中にボトル10は、流動物5がボトル10から意図せずに漏洩することなく、ボトル10の容器本体12の下側に位置する閉口キャップ18を有することができる。
【0027】
閉口キャップ18は、
図2及び3に示すように、ベース20と、及びヒンジ連結した又はフリップトップの蓋22とを有する。ボトル10を開けて流動物5を容易に分注させるために、ユーザーは、フリップトップ蓋22を
図2の閉鎖形態から
図3の開放形態に回動させることができる。その目的のため、ユーザー又は消費者は蓋22に上向きの力を印加し、この印加は、上側表面72及び下側表面74によって画定される口状窪み70に引っ掛けることによって行う。1つのアプローチとして、ユーザーは、手で上側表面72を掴んで上方に引っ張り、ベース20及びボトル10の残りの部分から引き離す。次に、開いた形態に安定的に配置するため、フリップトップ蓋22をヒンジ部19の周りに口状窪み70側とは反対側に回動させる。
【0028】
図3に示すように、フリップトップ蓋22が開放形態にあるとき、フリップトップ蓋22の突起90は、ベース20における開口34を閉塞又は遮断する位置から開口34を閉塞しない離間位置に移動する。
図3は、さらに、ドーム状とすることができ、開口34が貫通する中央部分30、及びその周りに少なくとも部分的に配置される平面状部分62をも示す。口状窪み70の下側表面74は、
図3に例示的実施形態で示すように、平面状部分62のセクション間に延在する。
【0029】
図4は、倒立向きにある閉口キャップ18の一部分の斜視断面図を示す。
図4に示すように、ベース20は、雌ねじ山32及び1つ又はそれ以上の保持リングが配置される内側スカート26と、外側スカート28と、両スカート間における平面状部分62と、開口34が配置されるドーム状中央表面30とを有する。
図4に示すように、1つ又はそれ以上の半径方向スティフナ又は補強リブ76が外側スカート28と内側スカート26との間に配置される。
図4及び5に例示的形態で示すように、ベース20は、中央のドーム状表面30から上方に延在し、また非線形表面38(
図5に示す)で終端する内部シャフト36を有する。
【0030】
1つの例示的実施形態において閉口キャップ18は、複数の開口を設けたディスク42(
図4及び6に示す)を有し、これら開口から流動物5及び空気が流動することができる。1つのアプローチとして、内側スカート26の内壁に配置した保持リング44が、これらリング間にディスク42を捕捉する。他の形態(図示せず)においては、ディスク42は、保持リングと他の構体、例えば、内部シャフト36の一部分又は延長部との間で捕捉することができる。
図4は、2つの保持リング44間にスナップ篏合したディスク42を有する閉口キャップ18の一部分の断面を示し、どのようにディスク42及びベース20が混合チャンバ56を形成するかを示す。1つの例示的実施形態において、混合チャンバ56は、内側スカート26の壁、中心部分30、ベース20の内部シャフト36,及びディスク42によって形成される。
【0031】
さらに、ベース20の平面状部分62は、内側スカート及び外側スカート28を接合する。
図1に示すように、ベース20は、さらに、フリップトップ蓋22の下方(ボトルを上向きにした状態での)でベース20の一部分に配置したリブ80を有する。これらリブはグリップ表面をなし、誰かが閉口キャップ18全体を容器本体12から取り外すことを希望する場合、ユーザーは閉口キャップ18をより容易に掴めるようにし、ベース20の雌ねじ山32をネック14における雄ねじ山16から離脱させることができる。他の形態において、リブ80は閉口キャップ18から除外することができる。
【0032】
図5及び9は、ベース20内部シャフト36における非線形終端表面38の一例を示す。幾つかの実施形態において、非線形終端表面38は、流動物及び空気の双方が混合チャンバ56と内部シャフト36との間で移行するためのチャンネル開口を形成する。1つのアプローチとして、非線形終端表面38は
図8及び9に示すように、段差付き形態64を有する。さらに他のアプローチにおいて、非線形終端表面38は、波状、正弦波状、又は他の円弧状の形態を有する。幾つかの実施形態において、非線形終端表面38は、内部シャフト36の壁をカットした半円形状の凹みを有することができる。さらに、単独又は多数の凹みが混合チャンバ56と内部シャフト36との間に1つ又はそれ以上のチャンネルを形成することができる。
【0033】
さらに、
図5及び9に示す段差付き形態64は、1つ又はそれ以上の突歯68と、及びこれら突歯の中間に又はそれ以外に位置決めされて延在する1つ又はそれ以上の深い溝孔64と、を有することができる。内部シャフト36の非線形終端表面38における段差付き形態64は、ディスクの表面と連携して幅及び/又は深さが変化する流動物チャンネル58を形成する。
図10に示すように、非線形終端表面39も、波状又は円弧状の形態で、複数の溝孔又は凹み65及び丸み付き突出部69を有することができる。上述した段差付き形態と同様に動作する波状非線形終端表面39は、ディスク42とともにチャンネル58を形成する。幾つかの実施形態において、非線形終端表面は、他の要素のうちとりわけ、段差付き部分、突起、山形、及び/又は湾曲セクションの組合せを有することができる。
【0034】
実際、非線形終端表面38は様々な形態をとることができ、例えば、
図8~10及び39~44に示すような形態をとることができる。上述したように、
図5及び9に示す非線形表面38は、多数のチャンネル58を形成する段差付き形態を有する。さらに、他の形態において、
図10に示した非線形終端表面39は波状又は正弦波形態を有する。
図39は、
図8及び9に示した3つの異なる高さではなく、2つの異なる高さを有する非線形終端表面2238を示す。
図40は、2つの高さ及びこれらの間の角度付き部分を有する非線形終端表面2338を示す。
図41は、三角形断面を有する凸部又は突起間に配置されるほぼv字状谷部を有する非線形終端表面2438を示す。
図39に類似の
図42は、2つの異なる高さを有する非線形終端表面2538を示すが、
図41の凸部又は突起は、三角形又は台形の形状を有し、より大きなベースに隣接してより鋭角で又はより小さい角度を有する。
図43は、段差付き形態を有する非線形終端表面2638を示し、この場合、最低段差は最高段差の幅よりも小さい幅を有する。最後に
図44は、三角形形状の凸部又は突起を有し、これらの間にu字状谷部がある非線形終端表面2738を示す。図示した特徴は、図示のように、又は他の例示的特徴、例えば他の図面に示した特徴と組み合せて使用できる。代案として、シャフトの端部は線形的又はフラットにすることができ、またシャフトは、シャフトに組み込んだ他の開口を有することができる。
【0035】
一部に混合チャンバ56を形成することに加えて、ディスク42も流動物(及びその含有部分)が混合チャンバ内に流入させる環状の部分的溝孔又は開口50を画定する。環状開口50は様々な形態をとることができ、例えば、
図7A、7B、及び45A~45Iに示す形態をとることができる。
図7A及び7Bに示した1つのアプローチとして、ディスク52は4つの開口を有する。
図45Aに示す他の実施形態において、ディスク1242は2つの開口を有する。他の実施例において、
図45Bは、3つの環状開口1250を有するが、
図45Cの実施例は5つの開口1350を有する。
図45Dは、6つの開口1450を有する例示的ディスク1442を示すとともに、
図45Eは7つの環状開口1550を有する例示的ディスク1542を示す。
図45Fに示す例示的ディスク1642は、8つの環状開口1650及びオフセットピンホール1648を有するが、
図45A~45E及び45G~45Iに及びピンホールはディスクの中心に配置されて示される。さらに、
図7A、7B、及び
図45A~45Fに示す環状開口のコーナーはいかなる鋭利な端縁又はピンチポイントもない丸みがあるものの、
図45G~45Iは、丸みが少ない開口1750,1850、及び1950を示す。これら特徴は、様々なやり方で組み合わせることができる。
【0036】
図47A~47Iも、ボトルからまたキャップを経由する流動物のフローを管理するのに役立つ様々な特徴を有する多数の例示的ディスクを示す。上述したように、ボトルはトップダウン位置にして保管及び/又は使用されることがよくあり、この場合、チャンバ内で分離するセラムが部分的にボトルから漏洩するおそれがあり、これはすなわち、ボトルキャップから出ていく前にセラムが流動物内に戻って混合できる特別に長い流動経路又は時間を持たないからである。
【0037】
いかなる分離したセラムも残りの流動物と混合するのを容易にするため、ディスクには多数の付加的特徴を組み込む、例えば、フランジの内部に配置した付加的開口を組み込むことができる。1つの例示的実施形態において、これら開口は環状溝孔と、上述したように、中心ピンホールを有することができるディスクの中心との間の中間に介在する。
図47Aに示す1つの例示的ディスク2042は、フランジ2054の内側である環状開口2051を有し、このフランジ2054自体は大きめの環状開口又は溝孔2050の内側である。このようにして、フランジ2054の内壁に隣接して、流動物及び何らかの分離した構成要素を混合するよう支援する小さめの内側開口2051がある。
図47B及び47Cは、同様にフランジ2154、2254及び環状開口又は溝孔2150、2250に隣接して中間又は内側開口2151、2251を有する例示的ディスク2142、2242を示し、しかし、これら開口の形状及びサイズは
図47Aのものと比べて異なる構成にする。さらに、
図47Cは中心ピンホールがなく、一方
図47A及び47Bは図示のようにディスクの中心開口を有する。これらの構成に加えて、ピンホールは、先に示唆したようにディスクの幾何学的中心からオフセットして配置することもできる。
【0038】
図47D~47Fは、流動物がキャップを抜け出る移動をするとき流動物の混合を容易にするようディスクから突出するポストを有するディスクの更なる例示的実施形態を示す。キャップの残りの部分に据付又は固定した後、ポストは、代表的にはボトルの出口又は開口に向かって突出する。例えば、例示的ディスク2342(
図47D)は、環状開口2350と、及び比較的滑らかな側面を持つ中心配置ポスト2353とを有する。
図47Eに示した例示的ディスク2442は、環状開口2450、フランジ2454、中心配置ポスト2453を有する。ポスト2353は比較的丸みのある外面を有するが、ポスト2453は、断面がほぼx字状構成の一様でない側面を有する。
【0039】
ポストは中心に配置されて示されるが、オフセンター配置にすることもでき、また複数ポストをディスクに組み込むことができる。さらに、ポストは様々な表面肌理(テクスチャ)及び構成を有することができる。実際、キャップを抜けて移動する流動物に基づいて、異なる構成にした様々なポストをキャップに組み込むことができる。
【0040】
幾つかの形態において、ポストの代わりに、ディスクは、円錐体のような他の同様な構体を有することができる。開口2848が貫通している円錐状延長部2857を有するディスク2842の中央部分を示す。さらに、ディスク2842は、環状開口2851、フランジ2854、及び開口2850も有する。
【0041】
図47Fのディスク2542も同様に、ほぼx字状断面を持つ中心配置ポスト2553と、及び環状開口2550とを有する。しかし、離散フランジの代わりに、ディスク2542は、ディスク2542から突出する1つの連続フランジ又は円筒壁2555を有する。円筒壁2555はディスクに対してほぼ直交して示すが、
図46Bに示すフランジと同様に、垂直ではない角度でディスクから突出することもできる。
【0042】
図48は、閉口キャップ2518の残りの部分に固定したディスク2542を示す。さらにまた、ポスト2553は内部シャフト2536内に少なくとも部分的に突入するように示す。このようにして、流動物は、環状開口2550から円筒壁2555を越えて又はその周りに、内部シャフト2536の端部を越えて又はその周りに、及びシャフトを抜けてポスト2553に沿って、開口2534まで前進しなければならない。若干曲がりくねった流路を有するこのような構成は、特別な流体特性を有する若干の流動物に特に適合することができる。
【0043】
本明細書記載の特徴の他の変更及び組合せを行うことができる。例えば、
図47Gは、
図47Bのディスク2142に類似するディスク2642を示すが、フランジ2654が
図47Bに示すものより長くなく、
図47Bのものと比べて、
図47Gのフランジ2654間で移動するより広い余裕又は空間を流動物が有する。さらに、
図47Hは、開口2751に隣接する外側環状開口2750を有し、これら開口間にフランジを配置しないディスク2742を示す。ディスクの様々な構造的特徴の多くは、本明細書記載のものを含めて様々なやり方で組み合わせる又は変更することができ、ボトルからキャップを抜けて前進する流動物の特性に適合するようディスクを仕立てることができる。
【0044】
上述したように、ディスク42及び内部シャフト36によってディスク42に形成した混合チャンバ56及び開口は、容器内における流動物5の正確な分注及び用量投与を可能にする。したがって、ディスク42のジオメトリは流動物5の適正分注を促進するのに役立つ。
【0045】
図7Aは、ボトルを倒立させるとき下方に突出するフランジ54を有するディスク42の第1側面を示し、この第1側面は、ディスク42が閉口キャップ18の保持リング間の所定位置に備え付けられるとき、内部シャフト36に対面する。フランジ54はディスク42の面から直交するよう突出する(
図7C~7Eに示すように)が、フランジ54は、90°以外の角度でディスク42から突出することができる。一時的に
図46A及び46Bに戻って説明すると、2つの例示的フランジ構成が示されている。
図46Aはディスク42の本体から約90°で突出するフランジ54を示す一方、
図46Bでは、ディスク42の本体から90°より小さい角度で突出するフランジ54′を示す。このような角度付きフランジは、混合チャンバ56に進入する流動物5のフローに衝撃を与え、またチャンバ内での混合作用に影響を及ぼすことができる。
図46A及び46Bの双方に示すフランジ双方は、製品の流動特性に基づいて製品が出口に向かって前進するときに製品混合の補助をするが、
図46Bに示すフランジ54′の角度は90°より小さいものにすることができる。上述したように、ディスク42の平面状部分の中心に貫通して配置される中心ピンホール48は、複数の溝孔又は部分環状開口50によって部分的に包囲される。周辺の部分環状開口50は、中心ピンホールよりも相当大きく、またボトル10から出ていく流動物5の大部分は部分環状開口50を経て前進する。幾つかの実施形態において、ディスク42は、20mm~40mm、25mm~35mm、又は約30mm~34mmの直径D
1を有する。1つの例示的形態において、ディスク42は、約31.9mm±0.1mmの直径D
1を有する。1つのアプローチとして、環状溝孔は、10~15mm、又は11~14mmの円弧長さを有する。
図7Bに示すように、各開口の円弧長さA
1は約12.7mmとすることができる。さらに、環状開口50は、開口の内側端縁における内側曲率半径R
1、及び開口の外側端縁における外側曲率半径R
2を有する。1つの例示的アプローチにおいて、R
1は約6~10mmであり、またR
2は約10~15mmである。他の例示的アプローチにおいて、R
1は約8~9mmであり、またR
2は約12~13mmである。1つの例示的実施形態において、R
1は約8.3mm、またR
2は約12.3mmである。
【0046】
図6及び7Aに示すように、部分環状開口50はフランジ54に隣接して配置して、ディスク42をベース20に据え付けるとき、これらフランジ54は混合チャンバ56内に突入し、これにより流動物5(セラムのようないかなる構成部分をも含む)は直接開口50を経て、また内部シャフト36内に前進してボトルから出ることはできず、その代わりに、開口50経由で前進する流動物5の部分は、流動物がボトル10から出る前に、混合チャンバ56内に進入しなければならない(これにより、流動物から分離した流動物5のいかなる構成部分をも混合するのを促進する)。1つの例示的アプローチにおいて、延長部又はフランジ54は約2~5mmの高さh
1を有する。他の例示的アプローチにおいて、h
1は約3~4mmである。1つの例示的実施形態において、h
1は約3.5mmである。さらに、動作にあたりフランジ54の長さ又は高さは、非線形終端表面38によって形成されるチャンネル58の深さにリンク付けすることができ、これはすなわち、それらを類似サイズにすることは、環状開口50及び流動物チャンネル58に直接経由することがなく流動物がフランジ54の周りを流れることを必要として、混合を促進するよう補助するからである。1つの例示的アプローチにおいて、ディスク42の高さh
2は約3~7mmである。他の例示的アプローチにおいて、ディスク42の高さh
2は約4~6mmである。さらに他の例示的アプローチにおいて、ディスク42の高さh
2は約4.8mmである。
【0047】
図7Dに示すディスク42の平面状部分の幅w
1は、幾つかの実施形態において、約0.75mm~約3mmの間である。1つの例示的アプローチにおいて、ディスク42の幅w
1は約1mm~約2mmである。1つの例示的アプローチにおいて、ディスク42の幅w
1は約1.3mmである。
図2に示すように、中心ピンホール開口48の幅d
2は約1~2mmである。1つの例示的アプローチにおいて、ディスク42のピンホールの幅d
2は約1.5mmである。
【0048】
図7Eに示すように、各部分環状開口50は、ベース20に対面するディスク42の表面に傾斜端縁を有することができる。この向きは、ボトルをキャップ側が上向き(直立)の形態でボトルを配置するとき、流動物5(例えば、少なくとも内部シャフト36内に保持されない流動物の一部分)のフローが容器本体12内に逆流するのを促進することができる。さらに、傾斜端縁は、空気がボトル内に戻る移動を促進し、ボトル又は容器本体12の跳ね戻りを改善することができる。
【0049】
流動物の適正分注を容易にするため、ディスク42のジオメトリは、例えば、フランジ54のサイズ、形状、及び角度を含めて流動物5のフローを調節する。上述したジオメトリに加えて、ディスク42は、ディスク42の面積に対して十分な開口を有し、流動物5の十分なフローを促進するとともに、それでも閉口キャップ18からの漏洩を防止する。開口50は、ボトルの容易な分注及び迅速な跳ね戻りを可能にする流動物フローを促進する特定のサイズ、形状、及び位置を有する。1つの例示的アプローチにおいて、ディスクの総面積は約800mm2であり、部分環状開口50及び中心ピンホールの合計面積は総面積のうち約211mm2であり、ディスクの総面積の約26%である。幾つかのアプローチとして、ディスクの開口の合計面積は総ディスク面積の約20~35%をカバーし、また概して、部分環状開口は中心ピンホールよりも相当大きい面積を有する。
【0050】
図4において、分注中におけるケチャップのフローを破線ラインとして示す。分注後にケチャップと入れ替わるボトル内への空気フローを太い実線として示す。細い実線は、流動物5から分離したセラムの混合チャンバ56内へのフローを示し、この混合チャンバで流動物5に復元混合する。
【0051】
幾つかの例示的アプローチにおいて、閉口キャップ18(例えば、ベース20、フリップトップ蓋22、及びディスク42)は、単一材料、例えば、ポリプロピレン若しくは他の食品等級プラスチック若しくはポリマー、又は類似の再生利用可能な材料で構成する。作業にあたり、単一材料で決定した閉口キャップ18を有することは、材料の再生利用の容易性及び可能性を向上することができる。幾つかのアプローチとして、材料は特定表面張力で選択することができる。例えば、ディスク42の表面(及び潜在的に閉口キャップの内面)は、フロー抵抗を生じ、分注されている流動物フローを制御するのを補助する粗めの又は肌理のものとすることができる。以下に詳述するように、内部シャフト38の内面もフローを阻害する肌理にすることができる、又は通過する流動物の移動を容易にする滑らかな表面にすることができる。滑らかな表面は、結果としてより迅速及び/又は制御の少ない流動物フローとなることができ、また表面張力の減少に起因して、製品又は製品の分離成分の漏洩を招くおそれもある。材料の仕上げ又は要素が形成される様態も、要素の表面張力に影響を与え、また流動物フローの制御を容易にする補助を行うことができる。例えば、フリップトップキャップ18の若干部分は、通過する流動物5のフローに影響をあたえる粗い表面を生ずるように形成することができる。
【0052】
一時的に
図38に戻って説明すると、2つの異なる例示的仕上げ部分77及び79を示す。単一内壁78は単一の肌理の全体表面又は異なる肌理の表面部分を有することができるとともに、
図38に示すキャップ2018は、粗い肌理の第1部分2078及び滑らかな肌理の第2部分2178を有する。上述したように、キャップ18を形成する材料の表面は、ボトル内の流動物5のフローを阻害、緩慢化又は制限することができる。キャップの一部分又は全体、例えば、内部シャフトの内壁に肌理付けした表面を設けるか設けないかは、キャップ2018を経て前進する流動物のタイプに依存することができる。
【0053】
図6に示すように、ディスク42の第1側面(据え付けたときベース20の内部シャフト36に隣接して配置される)は、その側面から突出する虹状又は円弧状のフランジ又は延長部54を有する。ディスク42をベース20に備え付けるとき、円弧状のフランジ又は延長部54は、混合チャンバ56内にベース20に向かって突入する。ディスクの延長部54は、環状開口50から直接流動物チャンネル58を経由することがなく流動物5がフランジ54の周りを移動することを必要として、混合チャンバ56内における流動物5の混合を促進する。
【0054】
図8に示すように、開口34におけるベース20及び内部シャフト36は、開口に隣接する内面に切断ブレード又は棚部60を有し、ここで内部シャフトの内径は急激に減少する。例えば、内部シャフトの直径はこの棚部60で急激に縮小し、これにより容器本体に対する手動圧力が棚部によって閉口キャップ内に流動物を保持しようとする傾向に打ち勝つのに十分な大きさになるまでは、製品をクロージャ内に部分的に保持することによって、鋭利端縁が製品の尾流形成の減少を促進する補助を行う。1つのアプローチとして、切断ブレードは、ささくれのない鋭利端縁を有する。幾つかの形態において、容器内への開口の直径は、内部シャフトの直径よりも小さく、またこのサイズ減少及び比較的鋭利な端縁は、分注を迅速かつきれいに中断させる支援をする。この切断ブレードは、閉口キャップ内の開口から製品が流出するのを阻害しないとともに、フローを緩慢にすることによって若干の圧力の下で放出される量を減少する。1つのアプローチとして、切断ブレードは、シャフトの直径と比べて比較的小さく、容器内への開口自体は、約3.5mm~約4.5mmであり、1つの例示的実施形態において、約4mmである。
【0055】
上述したように、内部シャフト36は、ディスクがベース20に取り付けられるとき、ディスク42を支持するよう補助することができる。1つのアプローチとして、内部シャフト36の内側壁又は内壁78は、開口34に向かって流動物5をじょうご状に通過させる。一実施形態において、内壁78は、円形形状又は放物線形状のうち少なくとも一方を形成する。
図11は、内部シャフト36の出口近傍が僅かに狭くなる内壁79の一実施例による形状を示す。さらに、幾つかの実施形態において、シャフト36は、開口34に隣接して再び拡開することができる。開口がベースの上面に合流する部分で僅かに拡開することによって、フリップトップ蓋18を閉じるとき、開口は突起90がより容易かつより迅速に開口34に配置付けできる。さらに他の形態において
図12に示すように、内壁78は、ほぼ垂直方向に真直ぐな部分を有し、また次に流動物5を開口34に向かわせる角度付き部分を有する。
図13は
図12の内部シャフト36に類似するが、さらに、上述したように、流動物5の分注中断を支援する切断ブレード60又は内部シャフト36の急激縮径部を有する。開口周りの切断ブレード形態又は内部突起の他の実施例を
図14及び15に示す。
図14は、水平に延在する棚部ではなく、貫通開口に向かって僅かに下向きの角度を付けた内面である切断ブレード160を有する開口134を示す一方、上述した
図13は、下向きの角度付き部分を含むが、水平方向に延在する切断ブレード60を有する。さらに、
図15は、貫通開口から離れる向きに角度が付いた内面がある切断ブレード260を有する開口234を示す。
【0056】
図16及び17は、開口34の外部における容器又はドームの表面における形態に対する2つのオプションを示す。例えば、
図16は、中心部分30が開口34に合流する接合部における丸み付き端縁を示す。上述したように、
図14及び15はその場所で開口周りに角度付き凹所を有する。さらに、
図17は、中心部分30と開口34との間に傾斜壁表面を有する窪み161を示す。
【0057】
ボトル10及び閉口キャップ18は、多数の異なるやり方で生産することができる。1つの例示的アプローチにおいて、流動物を分注するための充填ボトルを製造又は生産する方法は、ねじ山付きネックを有する容器本体のような受容器を成形するステップと、揺変性(チクソトロピック)流動物のような流動物を前記受容器に充填するステップと、ベース及びフリップトップ蓋及びディスクを有する閉口キャップを成形するステップと、並びに前記充填済み受容器を前記閉口キャップで閉鎖するステップと、を備える。さらに、ボトルは、インラインで形成及び充填することができる、又は1つの場所で形成し、また他の場所で充填することができる。
【0058】
1つのアプローチとして、前記閉口キャップ及びディスクは別個に成形し、また互いにスナップ嵌合する。幾つかの実施形態において、前記成形済みベースは、内側スカート及び外側スカートを有し、前記内側スカートにはベースねじ山を配置し、前記ベースねじ山は、前記受容器のネックにおけるねじ山に係合するよう構成される。さらに、成形済みベースは、前記内側スカートに1つ又はそれ以上の保持リング(前記ねじ山から短い距離にある)と、開口を持つ中央ドーム状部分であって、前記開口は、前記中央ドーム状部分側とは反対側で非平面状端面に終端する内部シャフトに整列する、該中央ドーム状部分とを有する。上述したように、前記ベースにおける前記開口は、該開口が閉塞されないとき、流動物が前記開口から流出するのを可能にする。幾つかの実施形態において、前記成形済みフリップトップ蓋は、第1位置と第2位置との間で移動可能な内部の突起を有し、前記突起は、前記第1位置にあるとき前記容器本体内部における前記流動物の流出を阻害するよう前記ベースの開口を遮断し、また前記第2位置は、前記ベースの開口から前記流動物が流出するのを可能にする。
【0059】
上述したように、閉口キャップ及びディスクは、幾つかのアプローチにおいて、前記閉口キャップ及びディスクは別個に成形し、また次に互いに固定する又はともにスナップ嵌合する。このような形態において、前記製造方法は、さらに、前記ディスクを前記閉口キャップ又はベース20の残りの部分に対して特定位置に方向付けるよう組み付けるステップを備えることができる。ディスクを閉口キャップの残りの部分に組み付ける前に1つ又はそれ以上の方向付けステップを備えることによって、この組み付け済みキャップは、これを通過する一定流量をもたらす可能性がより高くなる。さらに、幾つかの形態において、前記一定流量は、構造的変化を必要とせず、閉口キャップ又はディスクの若干の要素の相対位置決めを調整することによって、異なる流動物に対して調整することができる。1つのアプローチとしては、閉口キャップ又はディスクのうち一方若しくは双方に配置した可視マーク又は刻印ノッチを使用してディスク及び/又は閉口キャップの相対位置決めを補助することができる。
【0060】
このことは、一部に、それらの様々な要素の形態に依存し得る。1つの例示的実施形態において、
図5のベース20のように、内部シャフト36の非線形終端表面38は3つの切除部を有するとともに、
図6のディスク42は4つのフランジ54を有する。組み付け済み閉口キャップを通過する流動物フローは、内部シャフト36の切除開口に対するフランジ54の向きによって影響を受けることができる。したがって、これら2つの構造的要素は、流動物がボトル出口までより長い経路を要することによって、両者間に増加した流動物フローを促進する、又は流動物フローを緩慢にするよう相対的に方向付けすることができる。多数の閉口キャップに対して流動物経路を調整すること又は流量を標準化することでの利益を考慮して、閉口キャップ及びボトルを製造する又は組み付ける方法は、ディスクを特別なやり方で閉口キャップの残りの部分に対して方向付けるステップを備えることができる。
【0061】
先に示唆したように、充填済みボトルを生産する方法は、ディスクを前記閉口キャップの保持リングにスナップ嵌合するステップを有することができる。前記成形済みディスクは、幾つかの形態において、中心ピンホールと、前記中心ピンホールの周りに配置した部分環状溝孔とを有する。ディスクを閉口キャップ18の残りの部分に取り付けた後、ディスク42、ベース20の中央部分、内側スカート26、並びに混合チャンバ56及び複数流動物チャンネル58を画定するベースの内部シャフト36は、内部シャフト36の非平面状端面及びディスク42によって形成される。内部シャフト36の端部とディスク42との間に形成されるチャンネル58は、流動物が混合チャンバ56から開口34に連通する内部シャフト36によって形成されるシュートに前進させることを可能にする。
【0062】
充填済み受容器又は容器本体は、幾つかの形態において、閉口キャップに関連するライナーによって流動物を封止する。例えば、板紙、プラスチック及び/又は金属材料のライナーのようなライナーを保持リングの一部分に関連付けし、また閉口キャップ18を容器本体にねじ込んで取り付けるとき、ライナーは容器内の流動物5を封止する。
【0063】
さらに、幾つかのアプローチにおいて、閉口キャップを製造する方法は、成形型内でベース及びフリップトップ蓋を含むフリップトップ閉口キャップを形成するステップを備える。幾つかの実施形態において、前記成形済みベースは、ドーム状の壁であって、前記壁に貫通する開口及び前記壁から突出する内部シャフトを持つ、該壁と、ねじ山を持つ内側スカートと、平面状部分及び/又は可能であれば補強リブによって前記内側スカートに連結される外側スカートと、及び前記内側スカートにおける保持リングとを有する。前記成形済みベースの前記内部シャフトは、前記ドーム状壁から内方に突出し、また非平面状端面で終端する。さらに、成形済み閉口キャップは、さらに、前記ベースにヒンジ連結されたフリップトップ蓋を有し、前記フリップトップ蓋は、内部突起を有し、また前記内部突起が前記開口を遮断する第1位置から前記内部突起が前記ベースの開口を閉塞しない第2位置に移動可能である。前記閉口キャップの製造方法は、幾つか形態において、さらに、ディスクを前記ベースの保持リング又は突出部内にスナップ嵌合するステップを備える。幾つかの実施形態において、前記ディスクは、中心ピンホールと、前記中心ピンホールの周りに配置される部分環状溝孔と、及び据え付けたとき、前記ベースに向かって突出しまた前記内部シャフトと前記部分環状溝孔との間に配置されるフランジと、を有する。前記ディスク及びベースを取り付けた後、前記ディスク、前記ドーム状壁、前記内側スカート、及び前記内部シャフト間に混合チャンバが形成され、ここで複数流動物チャンネルが前記内部シャフトの非平面状端面及び前記ディスクによって形成される。
【0064】
幾つかの形態において、前記閉口キャップは、フリップトップキャップ及びディスクを含む2つのみの個別コンポーネントから作成され、前記フリップトップキャップは、単一の統合した一体型のワンピース構体で形成されたベース及びフリップトップ蓋を有し、前記2つの個別コンポーネント(すなわち、フリップトップキャップ及びディスク)は、同一材料で作成し、また組み付ける。作業にあたり、閉口キャップを成形しかつ成形型からイジェクトした後、ディスクを前記閉口キャップ(前記ベース及びフリップトップ蓋として同一成形型で、又は異なる場所で形成することができる)に組み付ける機構を使用することができ、この組み付けは、例えば、ディスクを前記ベースの所定位置にスナップ嵌合することによって行う。さらに、前記機構又は他のデバイスを使用してライナーを保持リングに取り付けることができ、前記ライナーは、前記流動物を前記ボトル内に封止する補助を行うことができる。ベース及びフリップトップ蓋は、幾つかの形態においてディスクと同一の成形型内で成形し、他の形態において、ディスクをベース及びフリップトップ蓋とともに、同一成形型で別個に成形する。さらに、ベース及びディスクは、他のステーションで個別に成形し、また組み付けることができる。さらに他の形態においては、閉口キャップ全体(ベース、フリップトップ蓋、及びディスクを含む)は、ともに成形又はプリントすることができる。
【0065】
上述したように、これら教示との一致を維持しつつ本明細書記載のコンセプトに対する多数の調整を行うことができる。例えば、
図18及び19は、環状開口を有するディスクの他の実施形態を示す。図示のように、ディスク342は、周辺部分386から垂直方向に距離をとって配置される中央部分384を有し、周辺部分386には環状開口350が配置される。このような形態においては、混合チャンバ356は、内部シャフト356によって形成される排出シャフト又はチャンバの容積とは幾分独立した容積を有するよう設計することができる。実際、混合チャンバ356は、上述した他の実施形態における幾つかよりも若干小さい。混合チャンバ356から排出チャンバを形成する内部シャフト356への流動物5のフローを可能にするため、中央部分384の半径は、流動物5が混合チャンバ356から内部シャフト336と混合チャンバ356との間に形成される開口若しくは流動物チャンネル358を経て通過するためのクリアランスを生ずる内部シャフト336の半径に比べて十分大きいものとすることができる、及び/又は開口358が内部シャフト336に隣接して配置され得るディスク342の垂直部分を越えて配置される高さ若しくは場所を有するよう延在させることができる。端的に言うと、混合チャンバ356と内部シャフト358との間の開口は、中央部分384が内部シャフトより顕著に大きくない場合でも流動物フローを可能にするよう、移動又はサイズ決めすることができる。さらに、
図18及び19において中央部分384は中心ピンホールがないものとして示したが、幾つかの形態において、中央部分384は、ピンホール又は他の構造を介して形成される空気ベントのようなものを有することができる。さらに、ディスク342は、キャップの残りの部分に対して合体することができ、例えば、リブ及び/若しくは突起を有するベースの部分間でのスナップ嵌合、又はディスクとベースとの間における他の相補的ジオメトリによって合体させることができる。
図20及び21は、ディスク442の他の実施例を示し、この場合、他の実施形態の幾つかで見られる中心ピンホール48がない。さらに、
図18及び19において上述した実施形態のようなフランジはないが、中央部分384及び周辺部分386を分離するディスクの垂直部分が製品の内部での混合をするよう同様に動作する。
【0066】
図22及び23につき説明すると、他の実施形態を示し、また平坦であるディスク542、及び内側キャップ又は内側円筒状ハウジング596を有する3部構成の解決法である。1つのアプローチとして、内側円筒状ハウジング596は、1つ又はそれ以上の開口598が配置されている円形壁592を有する。このようにして、混合チャンバ556は、部分的に内側円筒状ハウジング596によって画定される中間チャンバ594に流体連通する。1つのアプローチとして、内側円筒状ハウジング596は、内部シャフト536周りの所定位置に配置され、またリングのような保持部材544により所定位置に保持されるディスク542を介して所定位置に保持される。さらに、内側円筒状ハウジング596は、中央部分530に固定的に取り付けることもできる。内側円筒状ハウジング596を内部シャフト536周りの所定位置に配置されるとき、流動物5は、環状開口540、内側キャップ592の開口598を経由し、また内部シャフト536の長さに沿って上行し、内部シャフト536の内部開口588経由で下行し、出口開口534まで前進することによって、ボトルから出口又は開口534に前進する。図示のように、ディスク542は環状開口540を有するが、中心ピンホールはなく、これはすなわち、内側円筒状ハウジング596は壁592間の表面に開口がないからである。このようにして、流動物5は、3部構成キャップ518の流動物チャンネルを前進するにつれて、移行及び混合を行う。混合に加えて、この形態は、容器を倒立させるときに流動物に加わる下向き力が十分大きい大きめの容器にとくに有用であり、これはすなわち、キャップ上方に配置され得る製品の量が多いからである。
【0067】
さらに、
図20~23はディスクから突出するフランジを有するように示していないが、幾つかの形態において、ディスクは上述した形態に類似のフランジを有することができる。
【0068】
ベースの中央部分における外部形状は、さらに、種々の形態を有することができる。上述したように、ベース20の中央部分30は、
図24に示すキャップ18に組み込まれるような、ドーム状形態を有することができる。
図25は、
図24のドーム状中央部分30の出口34における断面の一部を示す。さらに、
図26は、ドーム状中央部分の断面を示す。ベース20のドーム状中央部分30は、容易に清拭される表面を付与するが、類似特性を有する他の形態も本明細書記載の教示により採用することができる。例えば、
図27~29は、傾斜壁を持ちほぼ火山形状の中央部分630と、その中心に配置される開口634とを有するキャップ618の他の例示的実施形態を示す。さらに、
図30~32は、フラップ中央部分730及びそこにおける開口734を有し、開口734の外部を包囲する平坦表面があるキャップ718のさらに他の実施形態を示す。さらに、
図24~32に示す例示的形状は例示的切断ブレードを有する開口を示すが、これら種々の形状は、本明細書記載の他の開口形状及び態様に組み込むことができる。
【0069】
上述したように、本明細書記載の混合チャンバは、分離したセラムを流動物に戻すよう組み入れる又は混合してから、流動物及び/又はその一部分を容器キャップの開口から排出させる。1つのアプローチとして、混合チャンバの所望サイズは、部分的には容器内の流動物又は製品における粘性又は他の流体属性に依存し得る。1つのアプローチとして、混合チャンバ56のサイズは、部分的には、上述したように、内部シャフト36のサイズ、ベースの対応ジオメトリによるディスク42の場所、及び/又はディスクの形態によって規定される。
図33及び34につき手短に説明すると、2つの異なるサイズの混合チャンバ56及び56′を示す。コンポーネントは類似するが、
図34の内部シャフト36を形成する壁は、
図33におけるシャフト36′の壁よりも長く、また対応ジオメトリ(例えば保持リング44′)はベース20の対応ジオメトリ(例えば保持リング44)及び中央表面30と比べて、ベース20′の中央表面30′からの距離がより長い位置に配置される。図示のようにこれらコンポーネントの相対サイズは変化することができるが、その機能は維持される、すなわち、混合チャンバは、分離したセラムが、流動物製品5の残りの部分とは別個にボトルから漏洩するのを阻止する支援を行う。
【0070】
上述したように、内部シャフトの内壁78は、例えば、とりわけ円形又は楕円形のような異なる形状をなす断面を有することができる。さらに、内壁78の形成される長さに沿う形状又は構成は、種々の形態を採用することができる。例えば、
図14及び15に示すように、内部シャフト36、136、236は、内部シャフト36の高さに沿ってほぼ線形的な内壁78を有することができる。他の実施形態において、内部シャフト36は、非線形的な1つ又はそれ以上の内壁78を有することができる。他の実施形態において、
図35は、開口834に向かって角度をなす内部シャフト836の内壁878を示す。1つのアプローチとして、下向きの角度は、断面にv字状形態を与える。他の実施形態において、
図36は、僅かに非線形的である下向き傾斜を持つ内壁978を有する内部シャフト936を示す。1つのアプローチとして、この下向き傾斜は断面に変更u字状形状を与える。他の実施形態において、
図37は、段階的に直径が狭くなる段差付き形態を持つ内壁1078を有する内部シャフト1036を示す。
【0071】
当業者であれば、発明の範囲から逸脱することなく、広範囲にわたる様々な他の変更、代替、及び組合せを上述した実施形態に対して行うこともでき、このような変更、代替、及び組合せは、発明概念の範囲内として見られることを理解されるであろう。
【国際調査報告】