(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】喫煙物品のサブユニット
(51)【国際特許分類】
A24D 3/17 20200101AFI20220204BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20220204BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20220204BHJP
【FI】
A24D3/17
A24D3/04
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535966
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 IB2019060989
(87)【国際公開番号】W WO2020128879
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018000020287
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】エウセピ,イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】サルトーニ,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリーチ,ルカ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045BB10
4B045BC02
4B045BC15
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC08
(57)【要約】
喫煙物品、特にHNB喫煙物品のサブユニットは、冷却材が塗布された充填材が挿入された棒状の収容要素を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品、具体的にはHNB喫煙物品のサブユニットであって、
棒状の収容要素と、
前記収容要素内の充填材と、
前記充填材に塗布された冷却材と、を備えるサブユニット。
【請求項2】
前記充填材がタバコ産業のフィルタ材である、請求項1に記載のサブユニット。
【請求項3】
主の展開軸に沿った前記サブユニットの長さが、3から50mmの間、好ましくは5から30mmの間である、請求項1または2に記載のサブユニット。
【請求項4】
前記冷却材は、前記充填材の内部に配置される、請求項1から3の1以上に記載のサブユニット。
【請求項5】
前記充填材が、酢酸セルロース、紙、アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から4の1以上に記載のサブユニット。
【請求項6】
前記充填材が、1以上の捲縮した、しわのある、波形の、または折り畳まれたシートの形で、またはセグメントの形で、前記収容要素の内部に配置される、請求項1から5の1以上に記載のサブユニット。
【請求項7】
前記冷却要素が、PLA、CAB、ニトロセルロースのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から6の1以上に記載のサブユニット。
【請求項8】
前記冷却要素が、顆粒、紙吹雪、リボン、またはコロイド懸濁液の形で塗布される、請求項1から7の1以上に記載のサブユニット。
【請求項9】
喫煙物品、具体的にはHNB式の喫煙物品であって、
ユーザが吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された、タバコ産業の活性部分と、
前記活性部分の下流に位置する、請求項1から8の1以上に記載のサブユニットと、を備える喫煙物品。
【請求項10】
前記活性部分と前記サブユニットとの間に配置されたスペーサ要素を備える、請求項9に記載の喫煙物品。
【請求項11】
喫煙物品、具体的にはHNB式の喫煙物品のサブユニットを製造する方法であって、
充填材の塊を準備するステップと、
前記充填材の塊に冷却材を塗布するステップと、
前記充填材の塊を成形して連続したストリームを形成するステップと、を含む方法。
【請求項12】
前記充填材を収容要素で囲み連続したロッドを形成するステップと、
前記連続したロッドを細分化して、喫煙物品の一連のサブユニットを形成するステップと、を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記連続したストリームを細分化して、一連のセグメントを形成するステップと、
喫煙物品の一連のサブユニットを形成するために、各セグメントを複数の収容要素のそれぞれに入れるステップと、を含む請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ産業の技術分野に係る。
【0002】
より具体的には、本発明は、喫煙物品のサブユニット、具体的には、非燃焼加熱(HNB)式の喫煙物品のサブユニットに関する。
【0003】
この種の物品では、活性部分を加熱するが燃焼させないことにより喫煙することができる。
【0004】
活性部分は、実際には、エアロゾル発生要素を含むセグメント、すなわち、非燃焼加熱式のタバコを含む製品であり得る。
【0005】
この場合、タバコは、例えば、前処理され、再構成され、均質化されたタイプ、またはキャストリーフ(cast leaf)のタイプであり、これは、特に、ペレットのような固まっていない(loose)材料の形をとる、または捲縮リボン(crimped ribbon)の形である。
【背景技術】
【0006】
従来の喫煙物品では、活性部分の燃焼によって生成されるエアロゾルは、非常に高温に達し得、そこに含まれる水分は、略完全に除去される。
【0007】
このようにして生成されたエアロゾルは、比較的乾燥しているので、低い温度として感じられがちである。
【0008】
一方、HNB喫煙物品では、活性部分がより低い温度にさらされるため、発生するエアロゾルはより多くの水分を含み、したがって、喫煙者は、温度が高すぎるという印象を持ち得る。
【0009】
この問題を克服するために、これらのデバイスに冷却要素を追加して当該デバイスを流れるエアロゾルの温度を下げることは一般的な方法である。
【0010】
しかしながら、出願人は、この解決策でさえも比較的非効率的であり且つ無視できる程度の技術的な複雑さを伴うことを発見した。
【0011】
実際、エアロゾルの流れを冷却するという特定の目的のためだけに要素を追加することは、喫煙物品の製造チェーンにさらなるプロセスを追加することを意味し、ひいては、組み立てるための部品が増えるため、複雑さが増す。
【発明の概要】
【0012】
これに関連して、本発明の基礎を形成する技術的目的は、従来技術の上述の欠点の少なくともいくつかを克服するための、喫煙物品のサブユニットを提案することである。
【0013】
より具体的には、本発明の目的は、HNB喫煙物品を製造するための製造プロセスの複雑さを軽減すると同時に、製造される物品の品質を改善することができる、喫煙物品のサブユニットを提供することである。
【0014】
示された技術的目的および特定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記述された技術的特徴を含む喫煙物品のサブユニットによって実質的に達成される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、冷却材が塗布された充填材が挿入された棒状の収容要素を含む喫煙物品、具体的にはHNB喫煙物品のサブユニットを開示する。
【0016】
有利なことに、本明細書に開示されるサブユニットは、喫煙物品の製造プロセスを簡素化し且つ最適化することを可能にする。
【0017】
本発明はまた、喫煙物品、特にHNB喫煙物品に関し、これは、ユーザにより吸入されるエアロゾルを生成するように構成されたタバコ産業の活性部分と、冷却材が塗布された充填材が挿入された棒状の収容要素を備えるサブユニットと、を備える。
【0018】
サブユニットは、活性部分の下流に配置される。
【0019】
本発明はまた、喫煙物品、特にHNB式の喫煙物品のサブユニットを製造するための方法に関し、当該方法は、
充填材の塊を準備するステップと、
充填材の塊に冷却材を塗布するステップと、
充填材の塊を成形して連続したストリームを形成するステップと、
充填材を収容要素で囲むステップと、
連続したストリームを細分化して、タバコ産業の一連の主要な棒状の要素を形成するステップと、を含む。
【0020】
より具体的には、囲むステップは、充填材の周りに包装材を巻き付け、したがって、充填材の周りに収容要素を配置することによって、実行されてもよい。
【0021】
あるいは、収容要素は、例えば充填材が挿入される剛性または非剛性の包装材のチューブを形成することによって、上流のプロセスで事前に形成されてもよい。
【0022】
参照により本明細書に組み込まれる従属請求項は、本発明の二次的および/または異なる態様に対応する。
【0023】
本発明のさらなる特徴およびその利点は、喫煙物品のサブユニット、サブユニットを含む喫煙物品、およびサブユニットを製造するための方法の好ましいが非排他的な実施形態を参照して、以下の非限定的な説明においてより明らかである。
【0024】
本発明のサブユニットは、収容要素、充填材、および冷却材を備える。
【0025】
このようなサブユニットは、非燃焼加熱(HNB)喫煙物品、すなわち、活性部分が燃焼されずに加熱されるだけの喫煙物品の製造に使用するのに特に適している。
【0026】
収容要素は、ロッドの形状、すなわち、主の展開方向に沿って細長く且つ円形、楕円形、または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状を有する。
【0027】
より具体的には、収容要素は、収容要素が挿入される喫煙物品の構造的および構成的仕様に適した種々の可能な実施形態に従って、種々の形状を有することができる。
【0028】
例えば、収容要素は、剛性のチューブまたはフレキシブルな包装材を使用して形成されてもよい。
【0029】
収容要素の内部には、充填材がある。
【0030】
好ましい実施形態では、充填材は、例えば、酢酸セルロースまたは紙を含み得る、タバコ産業のフィルタ材である。
【0031】
あるいは、充填材は、少なくとも部分的に金属であってもよいし、または金属化されていてもよく、例えばアルミニウムを含む。
【0032】
充填材は、捲縮した、ひだのある(pleated)、積み重ねられた(gathered)、および/または折り曲げられた適切な材料のシートから形成されて、平行または実質的に平行である、またはより一般的に言えば、長手方向に延びる複数のチャネルを形成してもよい。
【0033】
あるいは、充填材は、材料の連続したストリームから形成されたセグメントであってもよい。
【0034】
この充填材には冷却材が塗布される。
【0035】
好ましい実施形態では、冷却材は、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、硝酸セルロース、Mater-Bi、または例えば特許EP2814342に示されるもののような他の既知の材料のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0036】
より一般的に言えば、フィルタ材は、酢酸セルロース、紙、ポリプロピレン、活性炭、シリカゲルなどを含んでもよい。
【0037】
冷却材は、顆粒、紙吹雪、リボン、またはコロイド懸濁液の形で充填材に塗布されてもよい。
【0038】
「塗布される」という用語は、冷却材が充填材と組み合わされることを意味するように使われる。より具体的には、充填材が恒久的に充填材を保持するように、冷却材を充填材に加えることができる。
【0039】
あるいは、冷却材は、スプレーまたはコーティングによって充填材に塗布されてもよい。
【0040】
充填材、冷却材および/または収容材の少なくとも1つに、熱拡散を増大させて、ひいては冷却効果を高める目的で、金属化層または金属材料の広がりが設けられてもよいことに留意されたい。
【0041】
大まかに言うと、サブユニットの長さは、その主の展開軸に沿って測定された場合、3から50mmの間、好ましくは5から30mmの間、またはその倍数である。
【0042】
有利なことに、本発明のサブユニットは、フィルタ機能および冷却機能を単一の要素に統合することを可能にし、したがって、サブユニットが使用される喫煙物品の製造プロセスを単純化する。
【0043】
実際、この解決策は、サブユニットの長さに関してより大きな許容度を可能にし、各々がこれら2つの機能の1つだけを持っている2つの別々のサブユニットを持つ必要はなく、つまり、この種の製品のためにこの分野で使用される従来のサブユニットの最大2倍の長さであり得る単一のサブユニットを形成することが可能であることを意味する。
【0044】
この機能により、処理ステーションは、サブユニットが使用される製造プラントにおいて種々の部品をより容易に処理することもできる。
【0045】
また、本発明の対象は、喫煙物品、特にHNB喫煙物品であって、ユーザが吸入可能なエアロゾルを生成するように構成されたタバコ産業の活性部分と、前述の内容に従ったサブユニットと、を含む喫煙物品である。
【0046】
より具体的には、サブユニットは、喫煙物品に沿ったエアロゾルの吸入方向に対して活性部分の下流に配置される。
【0047】
特定の一実施形態では、使用中にサブユニットが加熱装置と直接接触するのを防ぐために、喫煙物品は、活性部分とサブユニットとの間に配置されたスペーサ要素を含んでもよい。
【0048】
また、本発明の対象は、喫煙物品、特にHNB喫煙物品を製造するための方法であり、充填材の塊を準備して、続いてそれに冷却材を塗布することを含む方法である。
【0049】
したがって、本発明の方法は、充填材の塊を成形して連続したストリームを形成するステップを含む。
【0050】
成形するステップは、充填材に冷却材を塗布する前または後のいずれかに実施されてもよい。
【0051】
例えば、冷却材は充填材の塊に塗布されてもよく、その後、2つの材料は一緒に成形されて連続したストリームを形成する。
【0052】
あるいは、充填材の塊は、それに必要な形状を与えるように処理され、冷却材は、連続したストリームが形成された後、製造プロセスの後続のステップにおいてのみ連続したストリームに加えられてもよい。
【0053】
どちらの場合も、要件に応じて、冷却材は充填材の内部またはその表面のいずれかに塗布されてもよい。
【0054】
サブユニットの製造プロセスは、本発明の種々の実施形態に従って、追加された冷却材を含む充填材を保持するために使用される収容要素の形状およびタイプに応じて、終了されてもよい。
【0055】
第1の可能な実施形態において、充填材は収容要素内に入れられて、その後、連続したストリームは、一連の喫煙物品のサブユニットを形成するために細分化される。
【0056】
この解決策は、収容要素が例えば、フレキシブルな包装材を使用して形成される場合に理想的である。
【0057】
この場合、冷却材が加えられた充填材の連続したストリームの周りにフレキシブルな包装材を巻き、その周りに収容要素を徐々に形成して、連続した冷却フィルタロッドを得ることが有利である。
【0058】
あるいは、第2の可能な実施形態において、連続したストリームは、一連のセグメントに細分化され、その後にのみ、各セグメントは、一連の喫煙物品のサブユニットを得るために、複数の収容要素の1つに入れられる。
【0059】
この解決策は、収容要素が例えば、硬質チューブなどの硬質な包材材を使用して形成される場合に理想的である。
【0060】
有利なことに、本発明は、フィルタ機能および冷却機能の両方を兼ね備えた喫煙物品の単一のサブユニットをユーザに提供することにより、事前に設定された目的を達成して従来技術の欠点を克服する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【国際調査報告】