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特表2022-514708ロボットデバイス試験ステーションおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】ロボットデバイス試験ステーションおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20220204BHJP
   G01M 17/007 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
G01M17/007 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536220
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2019086924
(87)【国際公開番号】W WO2020128093
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】1821130.0
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、ポール
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AD14
2G024BA11
2G024CA01
2G024DA08
2G024DA09
2G024EA14
(57)【要約】
自動ピッキングシステムロボットデバイス試験ステーションであって、ロボットデバイスのホイールと係合するローラと、前記ローラの回転を変化させるコントローラとを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ピッキングシステムロボットデバイス試験ステーションであって、
ロボットデバイスのホイールを移動させるローラと、
前記ローラの回転を変化させるコントローラとを備える、試験ステーション。
【請求項2】
前記コントローラは、前記ローラのうちの1つ以上の回転の方向を変化させる、請求項1に記載の試験ステーション。
【請求項3】
前記コントローラは、前記ローラのうちの1つ以上の回転のスピードを変化させる、請求項1または請求項2に記載の試験ステーション。
【請求項4】
前記ローラは、可動ベルトを移動させる、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の試験ステーション。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ローラまたは可動ベルトのうちの1つ以上の表面プロファイルを変化させる、請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の試験ステーション。
【請求項6】
前記ロボットデバイスのホイールの第1のセットと係合するローラの第1のセットと、前記ロボットデバイスのホイールの第2のセットと係合するローラの第2のセットとのローラの第2のセットが設けられている、請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の試験ステーション。
【請求項7】
前記ローラは、サービスデバイスにラッチされた荷積み取り扱いデバイスと係合するサイズである、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の試験ステーション。
【請求項8】
請求項1から5または7のうちのいずれか1つに記載の試験ステーションの使用であって、
前記ローラを回転させることによってロボットデバイスのホイールのセットを移動させる、試験ステーションの使用。
【請求項9】
前記ローラの第1のセットをロボットデバイスのホイールの第1のセットと係合させることと、前記ローラの第2のセットを前記ロボットデバイスのホイールの第2のセットと係合させることと、前記ローラの第1および第2のセットを順次回転させることとを含む、請求項6または7に記載の試験ステーションの使用。
【請求項10】
前記ローラの第1のセットをロボットデバイスのホイールの第1のセットと係合させることと、前記ローラの第2のセットを前記ロボットデバイスのホイールの第2のセットと係合させることと、前記ローラの第1および第2のセットを同時に回転させることとを含む、請求項6または7に記載の試験ステーションの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットサービスデバイスに対する試験ステーションに関する。排他的ではないが、より具体的には、本発明は、自動ロボットピッキングシステムにおいて使用されるタイプの、ロボットデバイスのための内蔵型ローラベッド試験ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの商用および工業用のアクティビティは、広大な数の異なる製品の保管および取り出しを可能にするシステムを必要としている。複数の製品ラインにおけるアイテムの保管および取り出しのための、1つの既知のタイプのシステムは、列で配置されているスタックにおいて、保管容器またはコンテナを重ねて配置することを伴っている。列の間の通路に対する必要性を取り除き、より多くのコンテナを所定のスペースにおいて保管することができるように、保管容器またはコンテナは上からアクセスされる。
【0003】
列状態に積み重ねられたコンテナを取り扱う方法は、長年にわたり周知のものである。いくつかのこのようなシステムにおいて、例えば、US2,701,065、Bertelにおいて説明されているように、必要とされる場合に特定のコンテナへのアクセスを依然として提供しながらも、このようなコンテナを保管することに関係付けられている保管量を低減させるために、列で配置されているコンテナの自立型のスタックを備えている。所定のコンテナへのアクセスは、所定のコンテナを積み重ね、スタックから所定のコンテナを取り出するために使用できる比較的複雑な巻上げ機構を提供することによって可能となる。しかしながら、このようなシステムのコストは、多くの状況において現実的ではなく、大型輸送コンテナの保管およびハンドリング用に主として商業化されている。
【0004】
例えばCimcorpのEP0767113Bに記載されるような、自立型コンテナのスタックを使用して特定のコンテナを取り出し、保管するための機構を提供するコンセプトがさらに展開されてきた。‘113は、コンテナスタックの周囲において下げられ、スタックの任意のレベルにおいてコンテナを把持できるように構成された矩形チューブの形態のロボット荷積みハンドラを使用して、複数の積み重ねられたコンテナを取り出すための機構を開示している。このようにすることで、複数のコンテナは、スタックから一度に持ち上げられる。移動可能なチューブを使用して、1つのスタックの一番上から別のスタックの一番上まで、いくつかのコンテナを移動させるか、または、スタックから外部ロケーションへ、および、逆もまた同じように、コンテナを移動させることができる。単一のスタック中のコンテナのすべてが同一の製品を含んでいる(単一の製品スタックとして知られている)場合、このようなシステムは、特に有用であることがある。
【0005】
‘113において説明されているシステムにおいて、最も高いコンテナのスタックを単一の動作で抜き取ることができるように、チューブの高さは、最大のコンテナのスタックの高さと少なくとも同じくらい高くなければならない。したがって、倉庫のような閉じられたスペースにおいて使用するとき、スタックの最大の高さは、荷積みハンドラのチューブに対応する必要性によって制限される。
【0006】
EP1037828B1(Autostore)は、その内容が参照によってここに組み込まれており、コンテナのスタックがフレーム構造内で配置されているシステムを説明している。このタイプのシステムは、付随する図面の図1ないし図4において概略的に図示されている。ロボットの荷積み取り扱いデバイスは、スタックの最上表面上の軌道のシステムで、スタックのあちこちを制御可能に移動することができる。
【0007】
ロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態は、ノルウェー特許番号第317366号においてさらに説明されており、その内容が、参照によってここに組み込まれている。図3(a)は、正面からの荷積み取り扱いデバイスの概略的な斜視図であり、図3(b)、(c)は、荷積み取り扱いデバイスの内部を示すために切断されている状態の概略的な正面斜視図である。
【0008】
荷積み取り扱いデバイスのさらなる展開が、英国特許公開番号GB2,520,104A1に説明されており、各ロボット荷積みハンドラが1つの格子空間のみをカバーし、したがって、荷積みハンドラのより高い密度が、およびしたがって所定サイズのシステムのより高いスループットが可能となる。
【0009】
そのような容器取り扱いシステムのいくつかのインプリメンテーションでは、単一の格子上を進む非常に多数のロボット荷積み取り扱いデバイスがあることがある。これらの荷積み取り扱いデバイスは、問題を経験することがあり、有用なサービスに戻るために修理または他の介入を必要とすることがある。
【0010】
ロボット荷積み取り扱いデバイスは、手動で、または英国特許公開番号GB2,525,309A1に開示されるようなロボットサービスデバイスを使用して、格子から外されてもよい。
【0011】
故障した荷積み取り扱いデバイスを除去することは、故障の性質に応じて、格子上のロボット荷積み取り扱いデバイスのうちのいくつかまたは全部を停止させることを必要とするかもしれない。使用中のロボット荷積みハンドラの数が多くなり、格子が大きくなればなるほど、停止して取り外さなければならないロボット荷積みハンドラの数のために、障害が発生する可能性が高くなり、各障害の結果が増大する。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、ロボットデバイスが格子上に配備される前に正しく機能していることを確実にするためにロボットデバイスを試験することができる試験ステーションを提供することである。このような試験ステーションはまた、格子から取り外された欠陥のあるロボットデバイスを試験する際に、または新しいタイプのロボットデバイスの設計および開発において、有用性を有することができる。
【0013】
本発明にしたがうと、ロボットデバイスのホイールを移動させるローラと、ローラの回転を変化させるコントローラとを備える自動ピッキングシステムロボットデバイス試験ステーションが提供される。
【0014】
別の態様では、本発明は、試験ステーションを使用する方法であって、ローラを回転させることによってロボットデバイスのホイールのセットを移動させることを含む方法を提供する。
【0015】
さらなる態様において、本発明は、試験ステーションを使用する方法を提供し、方法は、ローラの第1のセットをロボットデバイスのホイールの第1のセットと係合させることと、ローラの第2のセットをロボットデバイスのホイールの第2のセットと係合させることと、ローラの第1および第2のセットを順次または同時に回転させることとを含む。
【0016】
本発明の好ましい態様を、特許請求の範囲で規定する。
【0017】
このようにして、本発明は、自動ピッキングシステム内に配備される前に一連のロボットデバイスおよび機能を試験して、信頼性を向上させ、大型容器取扱システムの全体コストを低減するための内蔵型試験ステーションおよび方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、既知の保管システムにおいて容器の複数のスタックを収容するためのフレーム構造の概略斜視図である。
図2図2は、図1のフレーム構造の一部の概略平面図である。
図3a図3(a)は、図1および図2のフレーム構造における使用のためのロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態の、正面からの概略斜視図である。
図3b図3(b)は、ロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態の、内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
図3c図3(c)は、容器を持ち上げる、ロボットの荷積み取り扱いデバイスの、内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
図4図4は、図1および図2のフレーム構造上に取り付けられている、図3(a)、図3(b)および図3(c)において示されているタイプの複数の荷積みハンドラデバイスを備えている既知の保管システムの概略斜視図である。
図5図5は、本発明にしたがう試験ステーションおよび荷積み取り扱いデバイスの概略斜視図である。
図6図6は、図5の試験ステーションのさらなる概略斜視図である。
図7図7は、図5および6の試験ステーションのさらなる概略斜視図である。
図8図8は、本発明にしたがった空の試験ステーションの概略斜視図である。
図9図9は、本発明にしたがう代替試験ステーションの概略斜視図であり、一連のローラが移動床および荷積み取り扱いデバイスを形成する。
図10図10は、図9の試験ステーションの代替概略斜視図である。
図11図11は、図9および図10の試験ステーションの代替概略斜視図である。
図12図12は、図9から11中に示す試験ステーションの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および図2において示しているように、容器10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように、互いの最上部に積み重ねられている。スタック12は、倉庫または製造環境において格子フレーム構造14中で配置されている。図1は、フレーム構造14の概略斜視図であり、図2は、フレーム構造14内で配置されている容器10の単一のスタック12を示しているトップダウン図である。各容器10は、典型的に、(示されていない)複数の製品アイテムを保持しており、容器10内の製品アイテムは、完全に同じであるかもしれず、または、用途に依存する異なる製品タイプのものであるかもしれない。
【0020】
フレーム構造14は、水平の部材18、20をサポートしている複数の直立の部材16を備えている。直立の部材16によってサポートされている複数の水平の格子構造を形成するために、平行な水平の部材18の第1のセットは、平行な水平の部材20の第2のセットに直角に配置されている。部材16、18、20は、典型的に、金属から製造されている。容器10は、フレーム構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられているので、フレーム構造14は、容器10のスタック12の水平移動に対してガードし、容器10の垂直の移動を誘導する。
【0021】
フレーム構造14の一番上のレベルは、スタック12の一番上に渡る格子パターン22で配置されているレール22を含んでいる。さらに、図3および図4を参照すると、レール22は、複数のロボットの荷積み取り扱いデバイス30をサポートしている。平行なレール22の第1のセット22aは、フレーム構造14の一番上に渡って、第1の方向(X)における荷積み取り扱いデバイス30の移動を誘導し、平行なレール22の第2のセット22bは、第1のセット22aに対して直角に配置され、第1の方向に対して直角な第2の方向(Y)において、荷積み取り扱いデバイス30の移動を誘導する。この方法において、レール22は、X-Y平面における、2次元での荷積み取り扱いデバイス30の移動を可能にするので、荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12のうちのいずれか上のポジションに移動できる。
【0022】
図3において示すように、各荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12の上で、フレーム構造14のレール22上で、X方向およびY方向に移動するように配置されている車両32を備えている。車両32の正面のホイール34の対と、車両32の背面のホイール34の対とからなる、ホイール34の第1のセットは、レール22の第1のセット22aの2つの隣接レールに係合するように配置されている。同様に、車両32の各側面のホイール36の対からなる、ホイール36の第2のセットは、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールに係合するように配置されている。ホイールの各セット34、36を、上げ、下げすることができるので、ホイールの第1のセット34、または、ホイールの第2のセット36のいずれかは、常に、レール22a、22bのそれぞれのセットに係合される。
【0023】
ホイール34の第1のセットがレール22aの第1のセットに係合され、ホイール36の第2のセットがレール22から完全に持ち上げられているとき、車両32中に収納されている駆動メカニズム(示されていない)を介して、荷積み取り扱いデバイス30をX方向に移動させるために、ホイール34を駆動することができる。Y方向に荷積み取り扱いデバイス30を移動させるために、ホイール34の第1のセットは、レール22から完全に持ち上げられて、ホイール36の第2のセットは、レール22aの第2のセットとの係合の中に下げられる。その後、駆動メカニズムを使用して、ホイール36の第2のセットを駆動して、Y方向における移動を達成することができる。
【0024】
この方法で、1つ以上のロボットの荷積み取り扱いデバイス30は、中央ピッキングシステム(示されていない)の制御のもと、フレーム構造14上で、スタック12の一番上の表面をあちこち移動することができる。各ロボットの荷積み取り扱いデバイス30は、必要とされる製品にアクセスするために、スタックから1つ以上の容器またはコンテナを持ち上げる手段38、39、40とともに提供される。
【0025】
この方法で、常に、格子とスタックにおける複数のロケーションから、複数の製品にアクセスすることができる。
【0026】
図4は、上記で説明している典型的な保管システムを示しており、システムは、スタック12上でアクティブな複数の荷積み取り扱いデバイス30を有している。さらに、ロボットサービスデバイス50が格子14上に位置付けられている。
【0027】
ロボットサービスデバイス50は、スタック12の上で、フレーム構造14のレール22上で、X方向およびY方向に移動するように配置されている車両52を備えている。ロボットサービスデバイス50は、格子、フレーム構造14、またはロボット荷積み取り扱いデバイス30に対して、監視、支持、支援、清掃またはサービス機能の範囲を提供することができる。いくつかのロボットサービスデバイス50は、荷積み取り扱いデバイスをレール22から取り外すことができる。いくつかのロボットサービスデバイス50は、荷積み取り扱いデバイス30を格子から取り外すことができる。
【0028】
ロボットサービスデバイス50は、レール22の第1および第2のセット22a、22bとそれぞれ係合可能なホイール54、56の第1および第2のセットを有する車両52を備える。
【0029】
荷積み取り扱いデバイス30の動作と同様な方法で、ロボットサービスデバイス50のホイール1の第1および第2のセットを車両50に対して垂直に移動させて、対応するレール22a、22bのセットに対してホイールを係合する、またはホイールから解放することができる。適切なホイールのセットに係合して駆動することによって、ロボットサービスデバイス50は、フレーム構造14の上部の水平面内でX方向およびY方向に移動することができる。
【0030】
1つ以上のロボットサービスデバイス50を設けて、1つ以上の荷積み取り扱いデバイス30を格子から取り外すことができる。ロボットサービスデバイス50には、ロボット荷積み取り扱いデバイス30に解放可能にラッチするための手段が設けられる。
【0031】
次に、サービスデバイス50を使用して、荷積み取り扱いデバイス30を押したり引いたりして、それを格子から取り外すことができる。
【0032】
あるいは、サービスデバイス50を使用して、フレーム構造14の上部の水平面に対してZ方向(XおよびYに対して垂直)にレール22の上方に垂直に荷積み取り扱いデバイス30を持ち上げることができる。次いで、サービスデバイス50は、自動ピッキングシステム内の荷積み取り扱いデバイスに対して保守、サービス、検査、監視または他の機能を実行するか、または荷積み取り扱いデバイス30を搬送してそれを格子から取り外すように使用されてもよい。
【0033】
荷積み取り扱いデバイス30またはサービスデバイス50の多くの形態が知られているか、または開発中であることが理解されるであろう。本発明の試験ステーションは、任意のそのようなロボットデバイスにおける故障を開発、監視、試験、または診断するために使用することができる。
【0034】
図5から12を参照して、試験ステーションの第1の形態を説明する。
【0035】
図5を参照すると、第1の態様において、試験ステーション60は、単一のロボットデバイス30を収容するようなサイズの1つ以上の移動床62を備える。
【0036】
1つ以上の調節可能な保持アーム70は、1つ以上のロボットデバイスを移動床62上に位置付けるために設けられる。
【0037】
好ましくは、1つ以上の移動床は、いくつかのロボットデバイスが同時に試験されることを可能にするようなサイズである。
【0038】
図5に示される一態様では、移動床62は、当技術分野で周知のように回転ローラの対によって移動される可動ベルトを備える。ベルトの移動は、ロボットデバイスの向きに応じて、ロボットデバイスのホイール34の第1のセットまたはホイール36の第2のセットのいずれかを移動させる。
【0039】
使用時には、図5に示すようにホイール34の第1のセットが試験され、次にロボットデバイスが移動床62に対して90°回転され、ホイール36の第2のセットが試験される。
【0040】
図9に示す別の態様では、移動床62は、1つ以上のロボットデバイスのホイールと係合するように配置された一連のローラ64を備える。
【0041】
別の態様(図示せず)では、2セットのローラが提供される。順次または同時に、第1のセットは、ロボットデバイスのホイール34の第1のセットと係合するように配置され、第2のセットは、ホイール36の第2のセットと係合するように配置される。
【0042】
試験ステーションのローラは、反時計回り、時計回りに移動され、停止され、開始され、ブレーキをかけられ、加速され、上昇され、下降され、傾斜され、または当技術分野でよく知られているコントローラ(図示せず)によって他の方法で制御されて、ロボットデバイスのホイール34、36を移動させて、ロボットデバイスを移動させることなく様々な格子状態をシミュレートすることができる。
【0043】
試験ステーションの可動ベルトまたはローラの表面は、当技術分野でよく知られているように、ほんの一例として、グリース、グリットまたは油を使用して可動ベルトまたはローラとロボットデバイスのホイール34、36との間の摩擦を変化させて、こぼれ、滑り、詰まり、行き過ぎなどをシミュレートするなどして、変化させることができる。
【0044】
可動ベルトまたはローラのサイズまたは表面は、格子接合部またはエッジをシミュレートするために、リッジ、バンプまたは他の形態の凹凸を含むように変更されてもよい。
【0045】
ローラの間隔は、シミュレートされた表面の変化を提供するように変化させることができる。
【0046】
好ましい態様では、試験ステーションは、サービスデバイスにラッチされた荷積み取り扱いデバイスを収容するようなサイズである。
【0047】
図5から図12に示されるように、試験ステーションは、内蔵型ユニットであってもよい。あるいは、試験ステーションは、格子構造に取り付けられてもよく、または格子構造内にあってもよい。
【0048】
試験される荷積み取り扱いデバイスは、昇降機器70の助けを借りてまたは借りずに手動で試験ステーションに位置付けられる。
【0049】
代替の態様(図示せず)では、試験ステーションは、自動ピッキングシステムまたはロボットデバイス保管エリアにレール22によってリンクされてもよく、ロボットデバイスを自律的にまたはサービスデバイスによって試験ステーションに搬送することができる。
【0050】
使用中、試験ステーションは、自動ピッキングシステムの格子上に配備される前にロボットデバイスを試験するために使用することができる。
【0051】
試験ステーションはまた、新しいロボットデバイスを設計し開発するために使用することができる。
【0052】
試験ステーションはまた、サービスハンドリングデバイスを使用して手動で、またはそうでなければ自動ピッキングシステムから、回収されたロボットデバイスを試験するために使用されることができる。
【0053】
ロボットデバイスは、単なる例として、サービスまたはクリーニングのため、摩耗の兆候を試験するため、または故障しているためなどの様々な理由で自動ピッキングシステムから回収されてもよい。
【0054】
試験ステーションは、ほんの一例として以下のような様々な試験プロトコルで使用されることができる。
【0055】
試験することは、ロボットデバイスホイールを開始させることおよび停止させることを含んでもよい。
【0056】
試験することは、ロボットデバイスホイールをX方向に移動させることを含んでもよい。
【0057】
試験することは、ロボットデバイスホイールをY方向に移動させることを含んでもよい。
【0058】
試験することは、ロボットデバイスをZ方向に移動させることを含んでもよい。
【0059】
試験することは、ロボットデバイスのホイールを加速させることを含んでもよい。
【0060】
試験することは、ロボットデバイスのホイールを減速させることを含んでもよい。
【0061】
試験することは、同じスピードまたは異なるスピードでホイールを移動させることを含んでもよい。
【0062】
試験することは、ホイールを同じ方向または異なる方向に移動させることを含んでもよい。
【0063】
試験することは、ローラの表面を変化させて、格子接合部、詰まり、オーバーシュート、通信障害、eストップ、または緊急停止、またはこれらに類するものをシミュレートすることを含んでもよい。
【0064】
試験することは、高度な機器を備えたデータコネクタを分析して、荷積み取り扱いデバイスデータのホワイトボックスフィードバックを提供することを含むことができる。
【0065】
試験することは、様々な実生活または例外的な格子状態をシミュレートするために、上記の試験のうちの1つ、いずれか、いくつか、またはすべてを、単独でまたは繰り返して、あるいはそれらの任意の組合せで実行することをさらに含むことができる。
図1
図2
図3a
図3band3c
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットサービスデバイスに対する試験ステーションに関する。排他的ではないが、より具体的には、本発明は、自動ロボットピッキングシステムにおいて使用されるタイプの、ロボットデバイスのための内蔵型ローラベッド試験ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの商用および工業用のアクティビティは、広大な数の異なる製品の保管および取り出しを可能にするシステムを必要としている。複数の製品ラインにおけるアイテムの保管および取り出しのための、1つの既知のタイプのシステムは、列で配置されているスタックにおいて、保管容器またはコンテナを重ねて配置することを伴っている。列の間の通路に対する必要性を取り除き、より多くのコンテナを所定のスペースにおいて保管することができるように、保管容器またはコンテナは上からアクセスされる。
【0003】
列状態に積み重ねられたコンテナを取り扱う方法は、長年にわたり周知のものである。いくつかのこのようなシステムにおいて、例えば、US2,701,065、Bertelにおいて説明されているように、必要とされる場合に特定のコンテナへのアクセスを依然として提供しながらも、このようなコンテナを保管することに関係付けられている保管量を低減させるために、列で配置されているコンテナの自立型のスタックを備えている。所定のコンテナへのアクセスは、所定のコンテナを積み重ね、スタックから所定のコンテナを取り出するために使用できる比較的複雑な巻上げ機構を提供することによって可能となる。しかしながら、このようなシステムのコストは、多くの状況において現実的ではなく、大型輸送コンテナの保管およびハンドリング用に主として商業化されている。
【0004】
例えばCimcorpのEP0767113Bに記載されるような、自立型コンテナのスタックを使用して特定のコンテナを取り出し、保管するための機構を提供するコンセプトがさらに展開されてきた。‘113は、コンテナスタックの周囲において下げられ、スタックの任意のレベルにおいてコンテナを把持できるように構成された矩形チューブの形態のロボット荷積みハンドラを使用して、複数の積み重ねられたコンテナを取り出すための機構を開示している。このようにすることで、複数のコンテナは、スタックから一度に持ち上げられる。移動可能なチューブを使用して、1つのスタックの一番上から別のスタックの一番上まで、いくつかのコンテナを移動させるか、または、スタックから外部ロケーションへ、および、逆もまた同じように、コンテナを移動させることができる。単一のスタック中のコンテナのすべてが同一の製品を含んでいる(単一の製品スタックとして知られている)場合、このようなシステムは、特に有用であることがある。
【0005】
‘113において説明されているシステムにおいて、最も高いコンテナのスタックを単一の動作で抜き取ることができるように、チューブの高さは、最大のコンテナのスタックの高さと少なくとも同じくらい高くなければならない。したがって、倉庫のような閉じられたスペースにおいて使用するとき、スタックの最大の高さは、荷積みハンドラのチューブに対応する必要性によって制限される。
【0006】
EP1037828B1(Autostore)は、その内容が参照によってここに組み込まれており、コンテナのスタックがフレーム構造内で配置されているシステムを説明している。このタイプのシステムは、付随する図面の図1ないし図4において概略的に図示されている。ロボットの荷積み取り扱いデバイスは、スタックの最上表面上の軌道のシステムで、スタックのあちこちを制御可能に移動することができる。
【0007】
ロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態は、ノルウェー特許番号第317366号においてさらに説明されており、その内容が、参照によってここに組み込まれている。図3(a)は、正面からの荷積み取り扱いデバイスの概略的な斜視図であり、図3(b)、(c)は、荷積み取り扱いデバイスの内部を示すために切断されている状態の概略的な正面斜視図である。
【0008】
荷積み取り扱いデバイスのさらなる展開が、英国特許公開番号GB2,520,104A1に説明されており、各ロボット荷積みハンドラが1つの格子空間のみをカバーし、したがって、荷積みハンドラのより高い密度が、およびしたがって所定サイズのシステムのより高いスループットが可能となる。
【0009】
そのような容器取り扱いシステムのいくつかのインプリメンテーションでは、単一の格子上を進む非常に多数のロボット荷積み取り扱いデバイスがあることがある。これらの荷積み取り扱いデバイスは、問題を経験することがあり、有用なサービスに戻るために修理または他の介入を必要とすることがある。
【0010】
ロボット荷積み取り扱いデバイスは、手動で、または英国特許公開番号GB2,525,309A1に開示されるようなロボットサービスデバイスを使用して、格子から外されてもよい。
【0011】
故障した荷積み取り扱いデバイスを除去することは、故障の性質に応じて、格子上のロボット荷積み取り扱いデバイスのうちのいくつかまたは全部を停止させることを必要とするかもしれない。使用中のロボット荷積みハンドラの数が多くなり、格子が大きくなればなるほど、停止して取り外さなければならないロボット荷積みハンドラの数のために、障害が発生する可能性が高くなり、各障害の結果が増大する。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、ロボットデバイスが格子上に配備される前に正しく機能していることを確実にするためにロボットデバイスを試験することができる試験ステーションを提供することである。このような試験ステーションはまた、格子から取り外された欠陥のあるロボットデバイスを試験する際に、または新しいタイプのロボットデバイスの設計および開発において、有用性を有することができる。
【0013】
本発明にしたがうと、ロボットデバイスのホイールを移動させるローラと、ローラの回転を変化させるコントローラとを備える自動ピッキングシステムロボットデバイス試験ステーションが提供される。
【0014】
別の態様では、本発明は、試験ステーションを使用する方法であって、ローラを回転させることによってロボットデバイスのホイールのセットを移動させることを含む方法を提供する。
【0015】
さらなる態様において、本発明は、試験ステーションを使用する方法を提供し、方法は、ローラの第1のセットをロボットデバイスのホイールの第1のセットと係合させることと、ローラの第2のセットをロボットデバイスのホイールの第2のセットと係合させることと、ローラの第1および第2のセットを順次または同時に回転させることとを含む。
【0016】
本発明の好ましい態様を、特許請求の範囲で規定する。
【0017】
このようにして、本発明は、自動ピッキングシステム内に配備される前に一連のロボットデバイスおよび機能を試験して、信頼性を向上させ、大型容器取扱システムの全体コストを低減するための内蔵型試験ステーションおよび方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、既知の保管システムにおいて容器の複数のスタックを収容するためのフレーム構造の概略斜視図である。
図2図2は、図1のフレーム構造の一部の概略平面図である。
図3a図3(a)は、図1および図2のフレーム構造における使用のためのロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態の、正面からの概略斜視図である。
図3b図3(b)は、ロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態の、内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
図3c図3(c)は、容器を持ち上げる、ロボットの荷積み取り扱いデバイスの、内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
図4図4は、図1および図2のフレーム構造上に取り付けられている、図3(a)、図3(b)および図3(c)において示されているタイプの複数の荷積みハンドラデバイスを備えている既知の保管システムの概略斜視図である。
図5図5は、本発明にしたがう試験ステーションおよび荷積み取り扱いデバイスの概略斜視図である。
図6図6は、図5の試験ステーションのさらなる概略斜視図である。
図7図7は、図5および6の試験ステーションのさらなる概略斜視図である。
図8図8は、本発明にしたがった空の試験ステーションの概略斜視図である。
図9図9は、本発明にしたがう代替試験ステーションの概略斜視図であり、一連のローラが移動床および荷積み取り扱いデバイスを形成する。
図10図10は、図9の試験ステーションの代替概略斜視図である。
図11図11は、図9および図10の試験ステーションの代替概略斜視図である。
図12図12は、図9から11中に示す試験ステーションの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および図2において示しているように、容器10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように、互いの最上部に積み重ねられている。スタック12は、倉庫または製造環境において格子フレーム構造14中で配置されている。図1は、フレーム構造14の概略斜視図であり、図2は、フレーム構造14内で配置されている容器10の単一のスタック12を示しているトップダウン図である。各容器10は、典型的に、(示されていない)複数の製品アイテムを保持しており、容器10内の製品アイテムは、完全に同じであるかもしれず、または、用途に依存する異なる製品タイプのものであるかもしれない。
【0020】
フレーム構造14は、水平の部材18、20をサポートしている複数の直立の部材16を備えている。直立の部材16によってサポートされている複数の水平の格子構造を形成するために、平行な水平の部材18の第1のセットは、平行な水平の部材20の第2のセットに直角に配置されている。部材16、18、20は、典型的に、金属から製造されている。容器10は、フレーム構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられているので、フレーム構造14は、容器10のスタック12の水平移動に対してガードし、容器10の垂直の移動を誘導する。
【0021】
フレーム構造14の一番上のレベルは、スタック12の一番上に渡る格子パターン22で配置されているレール22を含んでいる。さらに、図3および図4を参照すると、レール22は、複数のロボットの荷積み取り扱いデバイス30をサポートしている。平行なレール22の第1のセット22aは、フレーム構造14の一番上に渡って、第1の方向(X)における荷積み取り扱いデバイス30の移動を誘導し、平行なレール22の第2のセット22bは、第1のセット22aに対して直角に配置され、第1の方向に対して直角な第2の方向(Y)において、荷積み取り扱いデバイス30の移動を誘導する。この方法において、レール22は、X-Y平面における、2次元での荷積み取り扱いデバイス30の移動を可能にするので、荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12のうちのいずれか上のポジションに移動できる。
【0022】
図3において示すように、各荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12の上で、フレーム構造14のレール22上で、X方向およびY方向に移動するように配置されている車両32を備えている。車両32の正面のホイール34の対と、車両32の背面のホイール34の対とからなる、ホイール34の第1のセットは、レール22の第1のセット22aの2つの隣接レールに係合するように配置されている。同様に、車両32の各側面のホイール36の対からなる、ホイール36の第2のセットは、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールに係合するように配置されている。ホイールの各セット34、36を、上げ、下げすることができるので、ホイールの第1のセット34、または、ホイールの第2のセット36のいずれかは、常に、レール22a、22bのそれぞれのセットに係合される。
【0023】
ホイール34の第1のセットがレール22aの第1のセットに係合され、ホイール36の第2のセットがレール22から完全に持ち上げられているとき、車両32中に収納されている駆動メカニズム(示されていない)を介して、荷積み取り扱いデバイス30をX方向に移動させるために、ホイール34を駆動することができる。Y方向に荷積み取り扱いデバイス30を移動させるために、ホイール34の第1のセットは、レール22から完全に持ち上げられて、ホイール36の第2のセットは、レール22aの第2のセットとの係合の中に下げられる。その後、駆動メカニズムを使用して、ホイール36の第2のセットを駆動して、Y方向における移動を達成することができる。
【0024】
この方法で、1つ以上のロボットの荷積み取り扱いデバイス30は、中央ピッキングシステム(示されていない)の制御のもと、フレーム構造14上で、スタック12の一番上の表面をあちこち移動することができる。各ロボットの荷積み取り扱いデバイス30は、必要とされる製品にアクセスするために、スタックから1つ以上の容器またはコンテナを持ち上げる手段38、39、40とともに提供される。
【0025】
この方法で、常に、格子とスタックにおける複数のロケーションから、複数の製品にアクセスすることができる。
【0026】
図4は、上記で説明している典型的な保管システムを示しており、システムは、スタック12上でアクティブな複数の荷積み取り扱いデバイス30を有している。さらに、ロボットサービスデバイスが格子14上に位置付けられている。
【0027】
ロボットサービスデバイスは、スタック12の上で、フレーム構造14のレール22上で、X方向およびY方向に移動するように配置されている車両を備えている。ロボットサービスデバイスは、格子、フレーム構造14、またはロボット荷積み取り扱いデバイス30に対して、監視、支持、支援、清掃またはサービス機能の範囲を提供することができる。いくつかのロボットサービスデバイスは、荷積み取り扱いデバイスをレール22から取り外すことができる。いくつかのロボットサービスデバイスは、荷積み取り扱いデバイス30を格子から取り外すことができる。
【0028】
ロボットサービスデバイスは、レール22の第1および第2のセット22a、22bとそれぞれ係合可能なホイールの第1および第2のセットを有する車両を備える。
【0029】
荷積み取り扱いデバイス30の動作と同様な方法で、ロボットサービスデバイスのホイール1の第1および第2のセットを車両に対して垂直に移動させて、対応するレール22a、22bのセットに対してホイールを係合する、またはホイールから解放することができる。適切なホイールのセットに係合して駆動することによって、ロボットサービスデバイスは、フレーム構造14の上部の水平面内でX方向およびY方向に移動することができる。
【0030】
1つ以上のロボットサービスデバイスを設けて、1つ以上の荷積み取り扱いデバイス30を格子から取り外すことができる。ロボットサービスデバイスには、ロボット荷積み取り扱いデバイス30に解放可能にラッチするための手段が設けられる。
【0031】
次に、サービスデバイスを使用して、荷積み取り扱いデバイス30を押したり引いたりして、それを格子から取り外すことができる。
【0032】
あるいは、サービスデバイスを使用して、フレーム構造14の上部の水平面に対してZ方向(XおよびYに対して垂直)にレール22の上方に垂直に荷積み取り扱いデバイス30を持ち上げることができる。次いで、サービスデバイスは、自動ピッキングシステム内の荷積み取り扱いデバイスに対して保守、サービス、検査、監視または他の機能を実行するか、または荷積み取り扱いデバイス30を搬送してそれを格子から取り外すように使用されてもよい。
【0033】
荷積み取り扱いデバイス30またはサービスデバイスの多くの形態が知られているか、または開発中であることが理解されるであろう。本発明の試験ステーションは、任意のそのようなロボットデバイスにおける故障を開発、監視、試験、または診断するために使用することができる。
【0034】
図5から12を参照して、試験ステーションの第1の形態を説明する。
【0035】
図5を参照すると、第1の態様において、試験ステーション60は、単一のロボットデバイス30を収容するようなサイズの1つ以上の移動床62を備える。
【0036】
1つ以上の調節可能な保持アーム70は、1つ以上のロボットデバイスを移動床62上に位置付けるために設けられる。
【0037】
好ましくは、1つ以上の移動床は、いくつかのロボットデバイスが同時に試験されることを可能にするようなサイズである。
【0038】
図5に示される一態様では、移動床62は、当技術分野で周知のように回転ローラの対によって移動される可動ベルトを備える。ベルトの移動は、ロボットデバイスの向きに応じて、ロボットデバイスのホイール34の第1のセットまたはホイール36の第2のセットのいずれかを移動させる。
【0039】
使用時には、図5に示すようにホイール34の第1のセットが試験され、次にロボットデバイスが移動床62に対して90°回転され、ホイール36の第2のセットが試験される。
【0040】
図9に示す別の態様では、移動床62は、1つ以上のロボットデバイスのホイールと係合するように配置された一連のローラ64を備える。
【0041】
別の態様(図示せず)では、2セットのローラが提供される。順次または同時に、第1のセットは、ロボットデバイスのホイール34の第1のセットと係合するように配置され、第2のセットは、ホイール36の第2のセットと係合するように配置される。
【0042】
試験ステーションのローラは、反時計回り、時計回りに移動され、停止され、開始され、ブレーキをかけられ、加速され、上昇され、下降され、傾斜され、または当技術分野でよく知られているコントローラ(図示せず)によって他の方法で制御されて、ロボットデバイスのホイール34、36を移動させて、ロボットデバイスを移動させることなく様々な格子状態をシミュレートすることができる。
【0043】
試験ステーションの可動ベルトまたはローラの表面は、当技術分野でよく知られているように、ほんの一例として、グリース、グリットまたは油を使用して可動ベルトまたはローラとロボットデバイスのホイール34、36との間の摩擦を変化させて、こぼれ、滑り、詰まり、行き過ぎなどをシミュレートするなどして、変化させることができる。
【0044】
可動ベルトまたはローラのサイズまたは表面は、格子接合部またはエッジをシミュレートするために、リッジ、バンプまたは他の形態の凹凸を含むように変更されてもよい。
【0045】
ローラの間隔は、シミュレートされた表面の変化を提供するように変化させることができる。
【0046】
好ましい態様では、試験ステーションは、サービスデバイスにラッチされた荷積み取り扱いデバイスを収容するようなサイズである。
【0047】
図5から図12に示されるように、試験ステーションは、内蔵型ユニットであってもよい。あるいは、試験ステーションは、格子構造に取り付けられてもよく、または格子構造内にあってもよい。
【0048】
試験される荷積み取り扱いデバイスは、昇降機器70の助けを借りてまたは借りずに手動で試験ステーションに位置付けられる。
【0049】
代替の態様(図示せず)では、試験ステーションは、自動ピッキングシステムまたはロボットデバイス保管エリアにレール22によってリンクされてもよく、ロボットデバイスを自律的にまたはサービスデバイスによって試験ステーションに搬送することができる。
【0050】
使用中、試験ステーションは、自動ピッキングシステムの格子上に配備される前にロボットデバイスを試験するために使用することができる。
【0051】
試験ステーションはまた、新しいロボットデバイスを設計し開発するために使用することができる。
【0052】
試験ステーションはまた、サービスハンドリングデバイスを使用して手動で、またはそうでなければ自動ピッキングシステムから、回収されたロボットデバイスを試験するために使用されることができる。
【0053】
ロボットデバイスは、単なる例として、サービスまたはクリーニングのため、摩耗の兆候を試験するため、または故障しているためなどの様々な理由で自動ピッキングシステムから回収されてもよい。
【0054】
試験ステーションは、ほんの一例として以下のような様々な試験プロトコルで使用されることができる。
【0055】
試験することは、ロボットデバイスホイールを開始させることおよび停止させることを含んでもよい。
【0056】
試験することは、ロボットデバイスホイールをX方向に移動させることを含んでもよい。
【0057】
試験することは、ロボットデバイスホイールをY方向に移動させることを含んでもよい。
【0058】
試験することは、ロボットデバイスをZ方向に移動させることを含んでもよい。
【0059】
試験することは、ロボットデバイスのホイールを加速させることを含んでもよい。
【0060】
試験することは、ロボットデバイスのホイールを減速させることを含んでもよい。
【0061】
試験することは、同じスピードまたは異なるスピードでホイールを移動させることを含んでもよい。
【0062】
試験することは、ホイールを同じ方向または異なる方向に移動させることを含んでもよい。
【0063】
試験することは、ローラの表面を変化させて、格子接合部、詰まり、オーバーシュート、通信障害、eストップ、または緊急停止、またはこれらに類するものをシミュレートすることを含んでもよい。
【0064】
試験することは、高度な機器を備えたデータコネクタを分析して、荷積み取り扱いデバイスデータのホワイトボックスフィードバックを提供することを含むことができる。
【0065】
試験することは、様々な実生活または例外的な格子状態をシミュレートするために、上記の試験のうちの1つ、いずれか、いくつか、またはすべてを、単独でまたは繰り返して、あるいはそれらの任意の組合せで実行することをさらに含むことができる。
【国際調査報告】