(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-15
(54)【発明の名称】パターン化SrB4O7またはPbB4O7結晶に基づく高出力レーザ変換器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/37 20060101AFI20220207BHJP
G02F 1/39 20060101ALI20220207BHJP
H01S 3/109 20060101ALI20220207BHJP
H01S 3/00 20060101ALN20220207BHJP
【FI】
G02F1/37
G02F1/39
H01S3/109
H01S3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535150
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 US2019067135
(87)【国際公開番号】W WO2020132043
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501012517
【氏名又は名称】アイピージー フォトニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレンティン・ガポンツェフ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・チェレパキン
(72)【発明者】
【氏名】アナトリー・ザムコフ
(72)【発明者】
【氏名】ニコライ・エフティキエフ
(72)【発明者】
【氏名】ダン・ペルロフ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ザイツェフ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイ・サドフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ニキータ・ラジオノフ
【テーマコード(参考)】
2K102
5F172
【Fターム(参考)】
2K102AA05
2K102AA07
2K102AA08
2K102BA18
2K102BB02
2K102BC01
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2K102BD10
2K102DA01
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2K102DD06
2K102EB20
2K102EB29
5F172AE03
5F172AF01
5F172AL07
5F172AM08
5F172DD03
5F172NR22
5F172NR24
5F172ZZ01
(57)【要約】
開示されたレーザシステムには、基本周波数の光を出力するレーザ源が構成される。出力光は、少なくとも1つの周波数変換段を含む、基本周波数を高調波に変換するように動作する周波数変換器に入射する。周波数変換器は、複数の領域が構成されたSrB4O7(SBO)またはPbB4O7(PBO)非線形結晶に基づく。領域は、QPM使用を可能にする結晶軸の周期的に交互になる極性を有し、かつ各々10mmの距離にわたり互いからの逸脱が1ミクロン未満の極めて平行な壁が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本周波数の光を出力するレーザ源と、
前記基本周波数を高調波へ変換するように動作し、SrB
4O
7(SBO)またはPbB
4O
7(PBO)結晶に基づく少なくとも1つの周波数変換段を含み、前記SBO/PBO結晶には、結晶軸のそれぞれの周期的に交互になる極性がQPM使用を可能にする複数の領域が構成され、前記領域が、10mmの距離にわたり互いからの逸脱が1ミクロン未満の極めて平行な壁を有する、周波数変換器と
を備える、レーザシステム。
【請求項2】
前記SBO/PBO結晶が、第2高調波、第3高調波、第4高調波および第5高調波ならびに前記高調波の組合せから成る群から選択される高調波を発生するように構成される、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項3】
前記SBO/PBO結晶が、光パラメトリック相互作用を提供するように構成される、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項4】
前記SBO/PBOが、0.2μmと約20μmとの間で変化するVIS~DUV光範囲に対する各領域の厚さ、および最小直径が約1mmから約5cmに及ぶ有効開口を有する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項5】
前記レーザ源が、連続波(CW)、準連続波(QCW)またはパルス領域で動作するレーザシステムを含む、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項6】
前記レーザ源が、ファイバレーザ、イットリウムアルミニウムガラス(YAG)およびディスクレーザから成る群から選択される固体レーザであって、希土類元素から選択される発光ドーパントがドープされた利得媒質が構成され、かつ1から2μm波長範囲の光を出力する、固体レーザを含む、請求項5に記載のレーザシステム。
【請求項7】
前記レーザ源が、主発振器(MO)電力増幅器(PA)構成を有する、請求項5に記載のレーザシステム。
【請求項8】
前記レーザ源が、ナノ~サブナノ秒パルス幅範囲の一連のパルスを出力する、請求項7に記載のレーザシステム。
【請求項9】
前記周波数変換器が、2つの異なる領域期間が形成されたSBO/PBOの単一のモノリシックスラブを含み、前記基本周波数の光が、SHGのための前記期間が設けられたその上流端および前記高調波のための前記期間を有する前記モノリシックスラブの下流ストリーム端を有する前記モノリシックスラブを通して経路に沿って伝搬する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項10】
前記SBOが、前記第4高調波で約130nmの波長および少なくとも10Wの平均パワーの単一モード光を出力する、請求項2に記載のレーザシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パターン化四ホウ酸ストロンチウムSrB4O7(SBO)および四ホウ酸鉛PbB4O7(PBO)結晶に基づく少なくとも1つの非線形変換器が設けられた高出力固体レーザに関する。
【背景技術】
【0002】
重工業、医療、データ記憶、光通信、娯楽その他によって経験されたニーズに対処するため、紫外(UV)、特に強力深UV(DUV)領域のレーザ工具の需要が非常に高まっている。半導体フォトリソグラフィ、微細加工および材料加工用途の進歩が、例えば、UVおよびDUVスペクトル領域で動作するコヒーレント光源の需要を促している。
【0003】
エキシマレーザなどの一部の気体レーザが高い平均出力パワーでUVおよびDUVスペクトル領域における分離した波長のコヒーレント光を発することができるが、非線形光学(NLO)結晶がこのスペクトル範囲のコンパクトかつ効率的な固体レーザが依然として、それらの周知の高効率、低保守、省スペースおよび全体の低コストのため必要とされている。UVおよびDUVスペクトル領域の固体レーザの性能は、主に過去20年にわたって発見された効率的かつ高信頼のNLO結晶の作製の進歩に依存している。
【0004】
同時係属中の米国特許出願では、参照により本明細書に完全に組み込まれる、パターン化非強磁性非線形SBOまたはPBOを作製するための方法を開示している。このホウ酸塩の亜群は若干の注意すべき性質を有する。まず、それは、約9eVの(ホウ酸塩の中でさえ)固有の広バンドギャップを有し、そしてそのUV遮断は約130nmである。文献データはないが、多分(多くの他のホウ酸塩のように)SBOはVIS近赤外(IR)で非常に透明なはずである。その吸収は単一ppm/cm範囲にあるはずである。それは機械的に安定しかつ非吸湿性である。公知の従来技術によってこの結晶を成長させることが容易である。
【0005】
加えて、これらの結晶は約16W/m*Kの(ホウ酸塩にしては)非常に高い熱伝導率を有する。それはBBOおよびLBOのそれより1桁高い。最後であるが重要なことには、SBO結晶は、266nmで二光子吸収(TPA)-パワー損失および光誘起損傷を増加させる非線形効果-を有しない(唯一ではないにしても)極めて少ない非線形材料の1つである。固有の光透過性および高LIDTと組み合わされて、SBO/PbBO結晶は、非線形変換方法のために典型的なフルエンス(約100~500MW/cm2)で266nmでの持続可能な多ワット動作(パルスおよびCW)に耐えることが可能なおそらく唯一の非線形材料である。同時係属出願に開示されている周期位相整合構造の作製方法により明らかに、このホウ酸塩の群は、非線形相互作用のために理想的な材料である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】PCT/US15/65798
【特許文献2】PCT/US15/52893
【特許文献3】PCT/US2017/064297
【特許文献4】米国特許第8068705号
【特許文献5】米国出願第62781371号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえに、SBOまたはPBOに基づくレーザを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このニーズは、UV周波数範囲で動作することが可能な一群の高出力レーザシステムによって満たされる。開示されたシステムの全てが共通の全体的な光学概略図を有する。後者には、UVスペクトル領域でサブナノ秒、好ましくはピコ秒パルスを出力するようにレーザ源および少なくとも1つの周波数変換器が設けられている。当業者が直ちに分かるように、UV光などの高調波を発生することに関与するpsファイバレーザは、psパルス領域における非線形結晶がnsパルスによって照射される結晶より長い有効寿命を有するので、nsファイバレーザより有利である。この利点は、SBOまたはPBOが使用されると、これらの結晶に2光子吸収がないので、より一層顕著になる。
【0009】
以上のおよび他の態様および特徴は、以下の図面と併せてより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明によるレーザシステムの全体的な光学概略図である。
【
図2】本発明によるシステムのパターン化SBO/PBO結晶を示す図である。
【
図3】FHの発生のために使用される
図1の本発明によるシステムの例証的な概略図である。
【
図4】第3高調波以上の発生のために使用される
図1の本発明によるシステムの例証的な概略図である。
【
図5】第5高調波の発生のために使用される
図1の本発明によるシステムの例証的な概略図である。
【
図6】パラメトリック変換のために使用される
図1の本発明によるシステムの例証的な概略図である。
【
図7】単一スラブから構成されて複数の連続高調波への基本周波数の周波数変換を提供する
図2のSBO/PBO結晶の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、開示された発明概念を詳細に参照することになる。可能な限り、同じまたは類似の部品またはステップを参照するために図面および説明において同じまたは同様の参照数字が使用される。図面は、決して正確な縮尺ではない簡略形式である。
【0012】
図1は、本発明によるレーザシステムの全体的な光学概略
図40を例示する。概略
図40は、少なくとも部分的にパターン化SBOまたはPBO非線形結晶10に基づき、かつ基本周波数を高調波へ変換するように構成される周波数変換器44に入射する電磁(EM)放射源42として構成される。典型的に、変換器は、単一パスまたは多重パス共振器に配置される。
【0013】
EM源42は、連続波(CW)モード、準連続波(QCW)モードおよびパルスモードを含む種々の領域で動作するレーザシステムである。多くの用途のために、放射源42は、少なくとも1kWのおよびMWと同程度高い出力の高出力源である。しかしながら、kWパワーレベル未満で動作するレーザシステムも、開示された主題の一部である。
【0014】
放射源42の構成は、いかなる特定のレーザ媒質にも限定されない。好ましくは、それは、ファイバおよびイットリウムアルミニウムガラス(YAG)レーザ媒質を含み、ディスクレーザがYAGのサブクラスである、固体レーザシステムである。レーザ媒質にドープされる発光イオンは、種々の希土類金属に関連する。工業用範囲の基本波長およびそれらの高調波が主に1~2μm範囲の光を発するレーザ源と関連付けられるので、発光素子はイッテルビウム(Yb)、エルビウム(Er)、ネオジム(Nd)およびツリウムのイオンを含んでよい。前述の元素は、しかしながら、光発生のために使用され得る全ての希土類元素の排他的なリストを表すわけではない。
【0015】
レーザ源42のアーキテクチャは様々な具体的な構成によって表され得る。例えば、レーザ源の例示された例証的な概略図は、周知の主発振器(MO)電力増幅器(PA)方式(MOPA)を表す発振器43および電力増幅器44の組合せを含む。MO43は、好ましくは単一周波数で動作する半導体またはファイバを含んでよい。例えば、MO43は、本出願の譲受人によって所有され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる特許文献1および特許文献2に開示されている概略図に従って構成できる。公知の発振器の現代のパワーレベルがkWレベルに到達したことを考慮すれば、放射源42のアーキテクチャは、このように増幅器を省略したレーザだけによって表され得る。増幅器に関しては、その例は、本出願の譲受人によって所有され、参照により本明細書に完全に組み込まれる、Yb/YAGシステムを開示している特許文献3またはファイバ増幅器を開示している特許文献4その他多数に見つけることができる。その構成にかかわらず、レーザ源42は、好ましくはQCWおよびパルス領域で単一周波数、単一横モードサブナノ秒出力を出力する。しかしながら、ビーム品質係数M2は1より高く、例えば1.5でよい。
【0016】
図1および
図2を参照すると、周波数変換器44は、第2高調波(SH)、第3高調波(TH)、第4高調波(FH)および他の高調波を発生する他に光パラメトリック相互作用を行うように動作する。結晶SBOまたはPBO10には、互いに交互になるそれぞれの異極性+/-を有する領域30および32の周期構造12が構成される。これらの領域は極めて平行な壁を有する。周期構造12は、QPM技術の使用により、第2高調波発生、第3高調波以上発生および光パラメトリック相互作用を含め、基本波の高調波波長を発生するのを可能にする。本出願人らによって行われた最近の実験の結果、互いに交互になり、かつ数センチメートルまでの直径を有する有効開口を結晶に設ける、それぞれの正および負極性を有する一連の均一な寸法の3D領域30、32を含むボリューム周期パターンが設けられた結晶10に至った。領域には各々、所望のコヒーレンス長lに対応しかつ約0.2μmから約20μmに及ぶ均一な厚さおよび約1mmから約5cmまで変動する直径を有する有効開口が構成される。結晶10は、様々な周波数範囲で動作するレーザに組み込まれる周波数変換器などの光学素子として活用できる。例えば、結晶10は、レーザ源42の基本周波数をDUV範囲に変換するように構成され、0.2から約5nm間に及ぶコヒーレンス長lを有する。ボリュームパターンは、面+Cおよび-C間の結晶ブロック10の厚さ全体を通じて延びても、またはこれらの面の一方からある距離をおいて終端してもよい。結晶10は、上述した固有の性質に基づいており、かつその全体を参照により組み込む対象出願と同時に出願された同時係属中の共有の特許文献5に開示されている。
【0017】
SBO/PBO10は、UVおよびDUVスペクトルにおける透過率を保証する比較的短いUV吸収遮断(λcutoff)または広いエネルギーバンドギャップ(Eg)を特徴とする。その上、広バンドギャップは、二光子吸収または多光子吸収を有意に減少させ、したがって次に結晶のレーザ誘起損傷閾値を増加させる結果、非所望の熱光学効果の低減となる。ホウ酸塩の線吸収も典型的に非常に低い。
【0018】
それに応じて、SBO/PBO結晶は、紫外/深紫外(UV/DUV)周波数範囲で動作するレーザシステムに使用されると特に魅力的である。UV/DUVレーザは種々の用途で広く利用される。例えば、266nmのDUVは、出力が約4nmと同程度短い自由電子レーザの外部シードとして活用されてきたので、炭素K端を越えて科学研究において有用である。産業用途、広バンドギャップ材料のレーザ加工、マイクロエレクトロニクスその他多数が、それらの高光子エネルギーのためDUVレーザの直接的な受益対象である。変換方式が非常に多く、その例が以下に開示される。
【0019】
図3を参照すると、システム40の例証的な概略構成が、SHG46およびFHG48段が構成された変換器44を含む。SHG46が1μm波長範囲のポンプ波の周波数を緑色光に2倍化し、そして後段が周波数変換を続けて2xx nm波長以下の紫外/深UV(UV/DUV50)光を得る。例えば、放射源42によって出力される1060nmのポンプ波長(基本周波数ω)がSHG46において第2高調波2ω(532nm波長)へ変換され、次いで第4高調波4ω(266nm波長)へ変換される。SHG46はBBO、LBO、CLBO、SBO、PBOおよび他の非線形結晶に基づいてよい。FHG48はSBO/PBO結晶10を含む。
【0020】
図4は、TH(THG)50を発生するように構成される概略図を例証する。システム40は、SHG46に入射する基本周波数ωの光を出力する放射源42を含む。SHG46は基本周波数を第2高調波2ωへ変換する。THG50は、基本周波数の光の残りの部分および第2高調波を受信し、これらの周波数を結合して第3高調波を作成する。SHG46は
図3の構成を有してよい一方で、THG50はSBO/PBO結晶10を含む。非包括的な一例を、最終的に約355nmのTHへ変換される1064nmの基本波長によって例示できる。システム40には、未使用のSHおよび生成されたTHを結合するFiHG52が更に設けられ得る。
【0021】
図5は、変換器44が第5高調波(FiHG)を発生するように構成されるシステム40の更に別の例を例示する。変換器44は、最初にSHG46においてSHを発生することによって動作する。基本波(ポンプ)の未使用の光が、SHG46の出力においてSHから分岐され、そしてミラーまたはプリズムなどの反射素子によって定められる経路に沿って更にFiHG52に導かれる。所望により、基本周波数の未変換の光をFHG48を通して導くことができる。
【0022】
上記に基づいて、SBO/PBO擬似位相整合結晶10が周波数2倍化、3倍化等のための他に、和および差周波発生のために使用できる。それはパラメトリック増幅のためにも使用できる。
図6を参照すると、信号波長の光が短波長のポンプビームと共に結晶10を通して伝搬する結果、当業者に周知のように、アイドラ、残留ポンプビームおよび信号別個の出力を含む幾つかの出力となる。
【0023】
当業者に公知のように、FHを発生するためにPPKTPまたはPIPLINなどの標準結晶を使用することは、この1-2”基本波長の高調波がこれらの材料の遮断波長と一致(または超えさえ)するので、不合理である。FHを発生し得る結晶は非常に低い非線形性を有する。SBO/PBOは、しかしながら極めて非線形で、130nm程度の遮断波長を有しており、これは明らかにその変換能力をこの波長にまで拡張するもので、したがって本発明によるレーザシステム40が200nmよりかなり下で、更には公知の結晶で実現するのは可能でない、160nmより下でさえも動作するのを可能にする。
【0024】
図7は、ダイオードレーザであるレーザ源42およびSBO/PBO10を含むシステム40の別の構成を例示する。SBO/PBOの特性を考慮して、SBO/PBO10は、基本周波数を順次2倍化し、更に例えば355nmおよび266nmの高調波を発生できるモノリシックスラブから構成される。この理由で、基本周波数の光の経路に沿った領域期間は、SHGのためのものから、次に、例えばFHGに変化する。そのような構成は、長くても5~10mmの、バナジン酸塩によるレーザダイオードおよびSBO10を含むマイクロチップに使用されてmW出力を生成できる。
【0025】
本発明がその詳細な説明に関連して記載されたが、上記の説明が、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲を例示するものであり、限定するものではないと意図されることが理解されるはずである。例えば、開示されたシステムのパルス領域は、チャープパルス増幅技術を活用することによって実装できる。パルスレーザ源は更に、ナノ秒ならびにサブナノ秒、すなわちフェムト秒およびピコ秒パルスを出力する受動モード同期または能動モード同期レーザに基づき得る。開示されたパルスシステムの出力の平均パワーは、UV/DUV周波数範囲においてミリワット(mW)と約100Wとの間で変化し得る。それに応じて、他の態様、利点および変更は以下の特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0026】
10 SBOまたはPBO非線形結晶
12 周期構造
30、32 3D領域
40 レーザシステム
42 電磁放射源
43 発振器
44 周波数変換器
44 電力増幅器
46 SHG
48 FHG
50 THG
52 FiHG
【国際調査報告】