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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-16
(54)【発明の名称】スマート太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/32 20140101AFI20220208BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20220208BHJP
【FI】
H02S20/32
H05B47/115
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533289
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(85)【翻訳文提出日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 KR2019016028
(87)【国際公開番号】W WO2020141725
(87)【国際公開日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】10-2018-0173998
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516202394
【氏名又は名称】リール テック カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】REEL TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】519, Haegwang-ro, Haeryong-myeon, Suncheon-si, Jeollanam-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】シン、ジョン-フーン
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA06
3K273QA07
3K273QA30
3K273SA21
3K273SA24
3K273SA39
3K273SA46
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA41
3K273TA49
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA64
3K273UA30
3K273VA04
(57)【要約】
本発明は、地面に立設固定されるポール、前記ポールの上端に傾斜するように配置され、太陽光電気を発生させる太陽光パネル、前記太陽光パネルの下部に設置され、前記太陽光パネルに回転力を与える回転装置、及び、前記回転装置を駆動制御し、日出後に前記太陽光パネルを所定速度で回転させながら太陽光電気を生産する第1回転モードと、日没時又は日出時に前記太陽光パネルから出力される残電気を用いて前記太陽光パネルの上面が東向きになるように前記太陽パネルを回転させて回転開始位置に移動させる第2回転モードと、を行うマイコン、を備えるスマート太陽光発電システムを開示する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に立設固定されるポール、
前記ポールの上端に傾斜するように配置され、太陽光電気を発生させる太陽光パネル、
前記太陽光パネルの下部に設置され、前記太陽光パネルに回転力を与える回転装置、及び、
前記回転装置を駆動制御し、日出後に前記太陽光パネルを所定速度で回転させながら太陽光電気を生産する第1回転モードと、日没時又は日出時に前記太陽光パネルから出力される残電気を用いて前記太陽光パネルの上面が東向きになるように前記太陽パネルを回転させて回転開始位置に移動させる第2回転モードと、を行うマイコン、を備えることを特徴とする、
スマート太陽光発電システム。
【請求項2】
前記回転装置は、前記太陽光パネルの下部に連結される第1管状体と、前記ポールの上端に固定される第2管状体と、前記第1管状体と連結される回転ギヤと、前記第2管状体に連結される固定ギヤと、前記固定ギヤに設けられ、前記回転ギヤに回転力を与える駆動モータと、前記回転ギヤの下部に配置され、凹凸パターンが円周方向に周期的に形成される回転計数板と、前記固定ギヤに固定され、前記回転ギヤの回転時に前記回転計数板との接触状態を維持するリミットスイッチと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項3】
前記第1管状体と前記第2管状体との接触部には、前記回転ギヤの回転時に互いに接触状態を維持して電源又は信号を伝達する第1接点と第2接点とが設けられ、前記マイコンは、前記第1回転モード及び前記第2回転モードを行う際に、前記太陽光パネルを一方向にのみ回転させることを特徴とする請求項2に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項4】
前記第1管状体と前記第2管状体との間には、電源又は信号を伝達するための電線が接続されることを特徴とする請求項2に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項5】
前記マイコンは、前記回転計数板の凹凸パターンに応じてON/OFFされる前記リミットスイッチの作動から、前記太陽光パネルの回転をステップ別に駆動及び検知することを特徴とする請求項1に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項6】
前記マイコンは、季節毎に異なる回転ステップ数を設定し、四季のうち、夏は最も多い回転ステップ数を設定し、冬は最も少ない回転ステップ数を設定して回転制御を行うことを特徴とする請求項5に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項7】
設置領域の緯度に応じて所定の角度を有するベースプレートを、前記太陽光パネルと前記回転装置との間に挟んで傾斜角を調節することを特徴とする請求項1に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項8】
前記マイコンは、照度センサ、季節別回転設定時間及び衛星通信モジュールを介して前記回転制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項9】
前記マイコンと有線/無線通信を行い、互いに異なる太陽光パネル及び回転装置を統合的に管理し、全ての太陽光パネルが同様に回転するように制御するメインコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項10】
前記メインコントローラは、雨天時に風向きを検知し、前記太陽光パネルを雨滴の落下方向と対向する方向に回転させて前記太陽光パネルを清掃する制御を行うことを特徴とする請求項9に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項11】
前記太陽光パネルの下に位置し、前記ポールに連結され、数方向に分岐した形状で配置される複数の支持部材、前記複数の支持部材にそれぞれ対応して設置され、昇降ケーブルを巻き取るドラム、及び、前記ドラムに回転力を与える駆動モータが設けられる複数の本体、及び、前記複数の本体にそれぞれ対応し、前記昇降ケーブルに吊り下げられて昇降可能に設置される複数の高所設置機器、をさらに備え、前記複数の高所設置機器は、それぞれ個別に又はグループで昇降制御されることを特徴とする請求項1に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項12】
前記複数の高所設置機器は、前記複数の支持部材のうちの少なくとも一つに設置される昇降式照明モジュールであって、第1昇降ケーブルを巻き取るドラム、及び、前記ドラムに回転力を与える駆動モータが設けられる第1本体と、前記第1昇降ケーブルに吊り下げられて昇降可能に設置され、前記ポールの周りに照明を与える照明ユニットと、を有する昇降式照明モジュール、及び、前記複数の支持部材のうちの少なくとも他の一つに設置される昇降式カメラモジュールであって、第2昇降ケーブルを巻き取るドラム、及び、前記ドラムに回転力を与える駆動モータが設けられる第2本体と、前記第2昇降ケーブルに吊り下げられて昇降可能に設置される閉回路テレビ(CCTV)カメラと、を有する昇降式カメラモジュール、を備えることを特徴とする請求項11に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項13】
前記ポールの外面に設置されるか、又は前記ポールから所定の距離だけ離れた位置に設置されて歩行者の接近を検知する検知センサ、及び、前記検知センサから検知信号が出力された場合に、前記照明ユニットを選択的に点灯(ターンオン)させる照明制御部、をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のスマート太陽光発電システム
【請求項14】
前記ポールの下端から所定の高さで前記ポールの周囲に円形状に配置され、ユーザが着座するシート面を提供する円形シート部材をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項15】
前記照明制御部は、前記円形シート部材に対するユーザの着座が検知されると、前記照明ユニットを自動的に点灯させることを特徴とする請求項14に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項16】
前記照明制御部と周辺のポールに設置された照明制御部とが互いに通信を行い、隣接する照明ユニットが順次点灯することを特徴とする請求項14に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項17】
前記照明制御部は、歩行者の接近が検知されたとき、警報音や警告メッセージ、又は音楽を自動的に出力することを特徴とする請求項13に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項18】
前記照明制御部は、歩行者の接近が検知されると、周りのポールに設置された照明制御部と通信を行い、歩行者の動きを追跡し、前記CCTVカメラ又は前記照明ユニットの作動を制御することを特徴とする請求項13に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項19】
前記昇降式カメラモジュール及び前記昇降式照明モジュールは、前記太陽光パネルから非常用電源の供給を受けることを特徴とする請求項12に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項20】
前記支持部材は、一定の間隔を置いて三方向に配置され、前記昇降式照明モジュールは、前記三方向の支持部材のうち中間に位置する支持部材に設置され、前記昇降式カメラモジュールは、残りの支持部材にそれぞれ一つずつ設置されることを特徴とする請求項12に記載のスマート太陽光発電システム。
【請求項21】
前記ポール又は前記支持部材に設置され、前記CCTVカメラで撮影される映像を表示するCCTVモニタをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のスマート太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は,2018年12月31日出願の韓国特許出願第10-2018-0173998号に基づく優先権を主張し,当該出願の明細書及び図面に開示された全内容を採用するものである。
【0002】
本発明は、太陽発電システムに係り、さらに詳しくは、環境破壊を最小限に抑えつつ、発電効率の高い太陽光発電設備を構築することが可能な構造を有するスマート太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、太陽光発電システムは、林野や休耕地、建物屋根、貯水池、塩田等の敷地に多数の太陽光パネルを集合させて団地化したものである。
【0004】
太陽光発電の敷地が林野や農地等の場合、伐採や土木工事を行い、敷地の整備作業を終えた後に、フレーム構造と太陽光パネルを設置する必要があるので、必然的に樹木と土砂が大規模に毀損される環境破壊の問題が生じる。このような副作用により、太陽光発電に必要な場所の条件を満たしながらも、林野等を太陽光発電の敷地として利用するのは、実際には容易ではない。
【0005】
韓国公開特許公報第2011-0024887号は、建物の屋上や堤防等のなどに非破壊的に設置できる自重式太陽光発電装置を開示している。前記自重式太陽光発電装は、少なくとも一つ以上の柱を連続的に連結することにより形成された柱部アセンブリと、柱部アセンブリの上部に結合される集光板とを備え、前記柱は、上面に傾斜面を有し、内部に充填材を収容する充填材収容空間を有する。
【0006】
韓国公開特許公報第2016-0086729号は、畑や水田を占有しない太陽光モジュールの設置方法に関するものであり、収穫後の非農業時期に畑や水田に光起電モジュールを容易に設置できるように、下部支持体、設置固定枠、及び支柱枠を備える、水田に設置可能な太陽光モジュール及び方法を開示している。また、韓国公開特許公報第2016-0086729号は、簡便施工太陽光モジュールの設置固定枠を、他の簡便施工太陽光モジュールの保護枠の一側にヒンジ手段により連結することにより、複数の簡便施工太陽光モジュールを重ね備え、使用時には広げて施工できる構造を有する太陽光モジュールを開示している。
【0007】
しかし、従来の太陽光発電システムは、太陽光パネルを支えるフレーム構造物の占有面積が大きいので、施工時に自然を著しく害する問題を抱えており、代替案が必要である。
【0008】
また、従来の太陽光発電システムは、通常、太陽光パネルを固定的に設置するため、太陽光発電の効率が低いという欠点がある。太陽光発電のために太陽の移動を追跡して太陽光パネルを移動させるシステムが開示されているが、装置が複雑で高価であることから、システムの構築が容易ではないという問題がある。
【0009】
なお、CCTVカメラや照明灯を、太陽光発電システムに追加して組み合わせてもよい。しかし、CCTVカメラや照明灯は高所に設置される特性上、長期間使用する場合には、埃の蓄積や風等の外部環境の変化によって機能が低下するという問題がある。また、CCTVカメラや照明灯の修理や清掃を行う際には、高所用のはしご車や荷役クレーンなどの高価な設備をレンタルして使用する必要があるため、メンテナンスコストが高く、車道を占有するので通行を妨げる可能性がある。
【0010】
夜間に歩行者等がCCTVカメラの監視エリアに近づくと、CCTVカメラ及び照明設備は、CCTVカメラに装着された検知センサにより歩行者が検知され、照明灯が自動的に点灯するとともに、CCTVカメラが作動して被写体を撮影する動作を行う。
【0011】
しかし、歩行者が検知センサの検知範囲を越えて電柱(ポール)の反対側に移動すると、電柱自体に覆われて歩行者の接近が検知センサに検知されないため、照明灯やカメラの作動に問題が発生する。したがって、これに対する対策が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みて案出されたものであり、その目的は、簡素な駆動装置を用いて太陽光パネルを所定の速度で回転させることにより太陽光発電の効率を向上させることができるスマート太陽光発電システムを提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、日没後に太陽光パネルから出力される残電気を用いて太陽光パネルを東の正しい位置に調整できる構造を有するスマート太陽光発電システムを提供することである。
【0014】
本発明のまた他の目的は、太陽光電力を供給されてCCTVカメラと照明灯の電源として使用でき、CCTVカメラと照明灯を選択的に昇降させて清掃やメンテナンス作業等を簡便に行うことができるスマート太陽光発電システムを提供することである。
【0015】
本発明のまた他の目的は、歩行者の接近を誤りなく検知することにより、CCTVカメラと照明ユニットの作動を制御することができるスマート太陽光発電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するための本発明は、地面に立設固定されるポール、前記ポールの上端に傾斜するように配置され、太陽光電気を発生させる太陽光パネル、前記太陽光パネルの下部に設置され、前記太陽光パネルに回転力を与える回転装置、及び、前記回転装置を駆動制御し、日出後に前記太陽光パネルを所定速度で回転させながら太陽光電気を生産する第1回転モードと、日没時又は日出時に前記太陽光パネルから出力される残電気を用いて前記太陽光パネルの上面が東向きになるように前記太陽パネルを回転させて回転開始位置に移動させる第2回転モードと、を行うマイコン、を備えるスマート太陽光発電システムを提供する。
【0017】
前記回転装置は、前記太陽光パネルの下部に連結される第1管状体と、前記ポールの上端に固定される第2管状体と、前記第1管状体と連結される回転ギヤと、前記第2管状体に連結される固定ギヤと、前記固定ギヤに設けられ、前記回転ギヤに回転力を与える駆動モータと、前記回転ギヤの下部に配置され、凹凸パターンが円周方向に周期的に形成される回転計数板と、前記固定ギヤに固定され、前記回転ギヤの回転時に前記回転計数板との接触状態を維持するリミットスイッチと、を備えてもよい。
【0018】
前記第1管状体と前記第2管状体との接触部には、前記回転ギヤの回転時に互いに接触状態を維持して電源又は信号を伝達する第1接点と第2接点とが設けられ、前記マイコンは、前記第1回転モード及び前記第2回転モードを行う際に、前記太陽光パネルを一方向にのみ回転させることが好ましい。
【0019】
前記第1管状体と前記第2管状体との間には、電源又は信号を伝達するための電線が接続されてもよい。
【0020】
前記マイコンは、前記回転計数板の凹凸パターンに応じてON/OFFされる前記リミットスイッチの作動から、前記太陽光パネルの回転をステップ別に駆動及び検知してもよい。
【0021】
前記マイコンは、季節毎に異なる回転ステップ数を設定し、四季のうち、夏は最も多い回転ステップ数を設定し、冬は最も少ない回転ステップ数を設定して回転制御を行ってもよい。
【0022】
設置領域の緯度に応じて所定の角度を有するベースプレートを、前記太陽光パネルと前記回転装置との間に挟んで傾斜角を調節してもよい。
【0023】
前記マイコンは、照度センサ、季節別回転設定時間及び衛星通信モジュールを介して前記回転制御を行ってもよい。
【0024】
本発明は、前記マイコンと有線/無線通信を行い、互いに異なる太陽光パネル及び回転装置を統合的に管理し、全ての太陽光パネルが同様に回転するように制御するメインコントローラをさらに備えてもよい。
【0025】
前記メインコントローラは、雨天時に風向きを検知し、前記太陽光パネルを雨滴の落下方向と対向する方向に回転させて前記太陽光パネルを清掃する制御を行ってもよい。
【0026】
好ましくは、前記太陽光パネルの下に位置し、前記ポールに連結され、数方向に分岐した形状で配置される複数の支持部材、前記複数の支持部材にそれぞれ対応して設置され、昇降ケーブルを巻き取るドラム、及び、前記ドラムに回転力を与える駆動モータが設けられる複数の本体、及び、前記複数の本体にそれぞれ対応し、前記昇降ケーブルに吊り下げられて昇降可能に設置される複数の高所設置機器、をさらに備え、前記複数の高所設置機器は、それぞれ個別に又はグループで昇降制御されてもよい。
【0027】
前記複数の高所設置機器は、前記複数の支持部材のうちの少なくとも一つに設置され、第1昇降ケーブルを巻き取るドラム、及び、前記ドラムに回転力を与える駆動モータが設けられる第1本体と、前記第1昇降ケーブルに吊り下げられて昇降可能に設置され、前記ポールの周りに照明を与える照明ユニットと、を有する昇降式照明モジュール、及び、前記複数の支持部材のうちの少なくとも他の一つに設置され、第2昇降ケーブルを巻き取るドラム、及び、前記ドラムに回転力を与える駆動モータが設けられる第2本体と、前記第2昇降ケーブルに吊り下げられて昇降可能に設置されるCCTVカメラと、を有する昇降式カメラモジュール、を備えてもよい。
【0028】
本発明は、前記ポールの外面に設置されるか、又は前記ポールから所定の距離だけ離れた位置に設置されて歩行者の接近を検知する検知センサ、及び、前記検知センサから検知信号が出力された場合に、前記照明ユニットを選択的に点灯(ターンオン)させる照明制御部、をさらに備えてもよい。
【0029】
また、前記ポールの下端から所定の高さで前記ポールの周囲に円形状に配置され、ユーザが着座するシート面を提供する円形シート部材をさらに備えてもよい。
【0030】
前記照明制御部は、前記円形シート部材に対するユーザの着座が検知されると、前記照明ユニットを自動的に点灯させてもよい。
【0031】
本発明によれば、前記照明制御部と周辺のポールに設置された照明制御部とが互いに通信を行い、隣接する照明ユニットが順次点灯できる。
【0032】
前記照明制御部は、歩行者の接近が検知されたとき、警報音や警告メッセージ、又は音楽を自動的に出力してもよい。
【0033】
また、前記照明制御部は、歩行者の接近が検知されると、周りのポールに設置された照明制御部と通信を行い、歩行者の動きを追跡し、前記CCTVカメラ又は前記照明ユニットの作動を制御してもよい。
【0034】
前記昇降式カメラモジュール及び前記昇降式照明モジュールは、前記太陽光パネルから非常用電源の供給を受けることが好ましい。
【0035】
前記支持部材は、一定の間隔を置いて三方向に配置され、前記昇降式照明モジュールは、前記三方向の支持部材のうち中間に位置する支持部材に設置され、前記昇降式カメラモジュールは、残りの支持部材にそれぞれ1つずつ設置されてもよい。
【0036】
前記ポール又は前記支持部材に設置され、前記CCTVカメラで撮影される映像を表示するCCTVモニタをさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によるスマート太陽光発電システムは、次の効果を有する。
【0038】
日没前後に太陽光パネルで生産される残電気を用いて、太陽光パネルを予め回転開始点にセットすることにより、翌日の日出直後に正しい位置で太陽光発電を行うことができる。
【0039】
季節毎に異なる回転ステップ数を設定して日照量に相当する回転角で太陽光パネルを回転させることで、高価な太陽光追尾装置を使わなくても太陽光発電量を効率的に増やすことができる。
【0040】
回転装置を小型化でき、構成も簡単で、投資回収率が高いため、従来の太陽追尾装置の欠点である、頻繁な故障や高価格の問題を解決できる。
【0041】
ウェイトブロックをポールに対応して局所的に埋め込むように設けるので、大規模な土木工事を省くことができる。したがって、工場周辺や住宅街、公園周辺など、太陽光発電の敷地の選択肢は広い。
【0042】
太陽光パネルがポールに支持される特性上、太陽光パネルが地面から十分に離れ、風通しが円滑に行われるので、太陽光パネルの温度上昇を抑え、太陽光発電の効率を向上させることができる。
【0043】
太陽光パネルを所定の速度で回転させることで、太陽光発電の効率を高めることができるので、太陽光パネルが密集していないために発生する発電量の低下の問題を補うことができる。
【0044】
回転装置が軸受と管状体を備え、ポールに設置された太陽光パネルを揺れなく安定回転させるので、高効率で太陽光発電を行うことができる。
【0045】
ポールに配置された昇降式カメラモジュールと昇降式照明モジュールとを、昇降ケーブルを用いて個別に又はグループで昇降させることができるので、設備の清掃や機器メンテナンス等の作業を便利に行うことができる。
【0046】
歩行者の接近を検知してCCTVカメラや照明ユニットの作動を制御できるので、カメラ自体に検知センサを設けた既存の設備とは異なり、歩行者検知ブラインドスポットが発生しない。
【0047】
歩行者の接近が検知されると、照明ユニットが自動的に点灯するので、鮮明なCCTV画質を確保できる。
【0048】
停電時に太陽光発電電源を用いて電源を断たずにCCTV撮影を連続的に行うことができるので、犯罪の予防に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の好適な実施形態によるスマート太陽光発電システムの外観を示す正面図である。
図2図1の側面図である。
図3】本発明の好適な実施形態によるスマート太陽光発電システムの機能構成を示すブロック図である。
図4図2の回転装置の構成を示す部分断面図である。
図5図4の部分拡大断面図である。
図6図4の変形例を示す断面図である。
図7図4の回転装置に設けられた回転計数板及びリミットスイッチの外観を示す斜視図である。
図8】本発明の他の実施形態によるスマート太陽光発電システムの外観を示す斜視図である。
図9図8の正面図である。
図10図8の側面図である。
図11図8の昇降ケーブルに吊り下げられたCCTVカメラと照明ユニットをそれぞれ下降させた状態を示す斜視図である。
図12図8の太陽光パネルの配置構造を示す断面図である。
図13】本発明の好適な実施形態によるスマート太陽光発電システムの使用例を示す図である。
図14】本発明のまた他の実施形態によるスマート太陽光発電システムの外観を示す斜視図である。
図15図14の正面図である。
図16図14の円形シート部材の固定構造を示す断面図である。
図17図14の昇降ケーブルに吊り下げられたCCTVカメラと照明ユニットをそれぞれ下降させた状態を示す斜視図である。
図18】本発明によるスマート太陽光発電システムに設けられるCCTVモニタの設置例を示す斜視図である。
図19】ポールの外面の周りに検知センサが配置された例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、本発明の好適な実施形態によるスマート太陽光発電システムの外観を示す正面図であり、図2は、図1の側面図であり、図3は、本発明の好適な実施形態によるスマート太陽光発電システムの機能的構成を示すブロック図である。
【0051】
図1乃至図3を参照する。本発明の好適な実施形態によるスマート太陽光発電システムは、太陽光発電の敷地の地面に立設固定されるポール10と、ポール10の上端に設置される太陽光パネル20と、地面の下に埋め込まれてポール10の下端と連結されるウェイトブロック70と、太陽光パネル20の下部に設置され、太陽光パネル20を所定の速度で徐々に回転することにより発電効率を高める回転装置30と、回転装置を駆動制御するマイコン40と、を備える。
【0052】
ポール10は垂直に立設され、下端がウェイトブロック70の上端にアンカーボルト等の締結手段で固設される。好ましくは、ポール10は、通常の街灯柱のような丸い外周面を有する金属製の管状体であり、他の様々な材料で様々な形態で構成され得る。
【0053】
太陽光発電の敷地が山地や林野、休耕地等の樹木が存在する場所である場合、太陽光発電システムの施工時にポール10の周りに樹木が位置するように、複数のポール10を所定間隔で離間して配置してもよい。また、本発明が適用可能な太陽光発電の敷地として、少なくとも一つ以上のウェイトブロック70を埋設し、前記ウェイトブロック70上にポール10を立設できる少ない空きスペースを確保できる限り、工場周辺や住宅街、公園周辺などの様々な場所を採用することができる。
【0054】
太陽光パネル20は、ポール10の上端に設置され、太陽光電気を発生する。太陽光パネル20は、回転装置の上端に傾斜するように形成された支持板(図4の31)の上に載せられて地面に対して傾斜するように設置される。太陽光パネル20の設置角度は支持板31の傾斜角によって決定される。支持板31の中心には、回転装置30の内部空間を開閉するための防水カバー32が着脱可能に設置される。
【0055】
回転装置30は、ポール10の上部に設置されて太陽光パネル20に回転力を与える。図4に示すように、回転装置30は、所定角度傾斜して配置された太陽光パネル20の背面に結合される支持板31と、支持板31の下部に連結される第1管状体33と、第1管状体33の下部に組み立てられ、下端がポール10に固定される第2管状体34と、第2管状体34の内部に設置されて第1管状体33に回転力を与える駆動モータ35と、駆動モータ35を制御して太陽光パネル20を所定時間一方向に等速回転させるマイコン40と、を備える。
【0056】
第1管状体33は、上面に支持板31が位置し、円周面を有するパイプ状の構造物である。第1管状体33と支持板31とを一体に構成してもよく、または、第1管状体33の上端に支持板31を溶接により一体化してもよい。
【0057】
第2管状体34は、第1管状体33の下部に位置するように組み立てられ、円周面を有するパイプ状の構造物である。第2管状体34の下端には、ポール10の上端のパイプ構造を挿入可能な環状のスロットを追加してもよい。中空にポールが挿入されることにより第2管状体34がポール10の上端に固定される。
【0058】
第1管状体33と第2管状体34との間には、所定の軸受が介装されていてもよい。前記軸受は、第1管状体33に一体に回転可能に連結される上リングと、前記上リングの下部に組み立てられ、第2管状体34に連結される下リングとを備え、前記上リングと下リングとの間に多数のボールを介在させてもよい。また、前記上リング又は前記下リングの周囲に沿ってギヤ歯を形成し、駆動モータ35は、前記ギヤ歯に噛合可能な所定のギヤを介して第1管状体33に回転力を与える。
【0059】
図5に示すように、第1管状体33と第2管状体34との接触部には、電源及び/又は信号を伝達するための第1接点36a、36bと第2接点38a、38bとが設けられる。第1接点36a、36b及び第2接点38a、38bは、それぞれ少なくとも一つ以上の導体リングで構成され、第1管状体33及び第2管状体34にそれぞれ固定され、上下方向に対向して配置される。
第1管状体33が第2管状体34に対して回転する間、前記第1接点36a、36bは、コイルばね37により弾性的に下方に付勢され、第2接点38a、38bと接触する状態を連続的に維持する。あるいは、第1接点と第2接点とのいずれか一方をロール状に構成し、他方を前記ロールが転がりうる導体リングとして構成するので、第1接点と第2接点とは、第1管状体33が回転する際に相対的に転がりながら接触状態を維持する。
【0060】
または、図6に示すように、第1管状体33と第2管状体34との間には、電源又は信号を伝達するための電線39を接続してもよい。
【0061】
図7に示すように、回転装置30は、第1管状体33に実質的に連結される回転ギヤ62と、第2管状体34に実質的に連結される固定ギヤ61と、回転ギヤ62に回転力を与えるために固定ギヤ61に連結される駆動モータ35と、回転ギヤ62の下部に配置され回転ギヤ62と一体に回転する回転計数板63と、固定ギヤ61に固定され、回転ギヤ62が回転する際に、回転計数板63と接触する状態を維持するリミットスイッチ60と、を備える。
【0062】
回転ギヤ62は、駆動モータ35からの回転力を受けて固定ギヤ61に対して相対的に回転可能に設けられる。回転ギヤ62及び固定ギヤ61は、様々な公知のギヤアセンブリで構成され得る。
【0063】
駆動モータ35は、第2管状体34の内部に第2管状体34と同軸に立設固定され、回転ギヤ62に回転力を与えるのが好ましい。
【0064】
回転計数板63は、回転ギヤ62の下部に固定されて回転ギヤ62と共に回転し、下部には、谷(又は溝)と隆起(又は突起)構造からなる凹凸パターンが円周方向に周期的に形成される。
【0065】
リミットスイッチ60の一方の側は固定ギヤ61に固定され、他方の側は回転計数板63に接触し、回転計数板63の回転と同時に前記凹凸パターンとの接触状態を継続的に維持する。したがって、回転計数板63が回転すると、リミットスイッチ60からON/OFF信号が繰り返し出力される。
【0066】
さらに、太陽光パネル20と回転装置30との間に、設置領域の緯度に対応するように設定された傾斜角を有するベースプレート(図示せず)を挟んでもよい。前記ベースプレートにより、太陽光パネル20の傾斜角を、異なる緯度の領域毎に異なる角度に設定して操作することができる。
【0067】
マイコン40は、照度センサ50、季節別回転設定時間、衛星通信モジュールが提供するGPS時間情報等に基づいて、太陽光パネル20の1日回転量を決定し、駆動モータ35のオンオフ制御に1日回転量を適用して回転制御を行う回転制御部41を備える。マイコン40は、回転装置30に内蔵されてもよく、ポール10に内蔵されてもよく、別の筐体に内蔵されてもよい。
【0068】
マイコン40は、照度センサ50から出力される太陽光の照度値が所定値以上になると日が明けたことを認識し、駆動モータ35を作動させ、予め設定された回転ステップ及び/又は時間で太陽光パネル20を一方向に秒毎に徐々に回転させる。太陽の日照量を考慮して、太陽光パネル20が回転する経路を、太陽光パネル20をできるだけ太陽に対して十分に露出させるように設定することが好ましい。太陽光パネル20を所定の速度で所定時間回転させると、複雑な構造の太陽光トラッキング装置を別途使用しなくても、太陽光パネル20を一方に向けて静止状態に置く場合に比べ、太陽光発電電力量を増やすことができる。
【0069】
具体的には、マイコン40の回転制御部41は、太陽の日出直前又は日出直後に、太陽光パネル20を所定の速度で回転させながら太陽光電気を発生させる第1回転モードを行う。また、マイコン40は、日没中、日没直後、又は日出直前には、日没時又は日出時に太陽光パネル20から出力される残電気を用いて太陽光パネル20の上面が東向きになるように太陽光パネル20を回転させ、太陽光パネル20を翌日の回転開始位置に移動させる第2回転モードを行う。このため、第1回転モードと第2回転モードに対するデータは、マイコン40のメモリ42に記憶される。
【0070】
マイコン40は、日没時又は日出時には、太陽光パネル20から出力される残電気を用いて、太陽光パネル20の上面が東向きになるように太陽光パネル20を回転させ、太陽光パネル20を翌日の回転開始位置に移動させる第2回転モードを行う。ここで、「残電気」とは、太陽光パネル20で生成され、電力が所定の電力レベルに達しないため、電力会社に送信されない残留電気を指す。日没時又は日出時に、太陽光パネル20が直接又は間接的に受ける少量の太陽光により、前記残電気が発生する。前記「回転開始位置」とは、日没後の翌日に太陽光パネル20の回転が再開する位置を指す。
【0071】
本発明では、前記微量の残電気を用いて、第1回転モードが始まる回転開始位置に回転装置30を回転移動させる制御を行う。例えば、日没直後に太陽光パネル20が西に向いた所定位置で発電を終了したとき(電力会社への送電が停止された場合)、マイコン40は、太陽光パネル20から出力される残電気を用いて回転装置30を駆動し、太陽光パネル20を東方向に徐々に回転させて回転開始位置に配置させる制御を行う。
【0072】
第1管状体33と第2管状体34との間で電源及び/又は信号を伝達するために第1接点36b,36cと第2接点38b,38cとを設けた場合、太陽光パネル20を東方向に回転させる動作は、第1回転モードにおける太陽光パネル20の回転方向と同じ方向であることが好ましい。一方、第1管状体33と第2管状体34との間で電源及び/又は信号を伝達する電線39を接続する際に、太陽光パネル20を東方向に回転させる動作を、第1回転モードにおける太陽光パネル20の回転方向と逆の方向に設定し、電線39のねじれを防止する。
【0073】
マイコン40は、回転計数板63の回転に伴う凹凸パターンの変化によりON/OFFされるリミットスイッチ60の作動から、太陽光パネル20の回転をステップ別に(段階別に)駆動及び検知する。ここで、太陽光パネル20の回転の第1ステップは、回転計数板63の1周期、すなわち、リミットスイッチ60が、前記凹凸パターンに含まれるいずれか一つの溝に接触した後に、次の溝に接触したことをカウントすることで定義されてもよい。
【0074】
すなわち、マイコン40は、各季節毎に異なる回転ステップ数を設定することで、太陽光パネル20の1日回転量(回転角)を異ならせるように制御してもよい。各季節の日照量を考慮する場合は、夏は最も多い(最も多く回転する)回転ステップ数を設定し、冬は最も少ない(最も少なく回転する)回転ステップ数を設定して回転制御を行うことが望ましい。具体的には、マイコン40は、回転計数板63の回転ステップ数を春秋1~11ステップ、夏季0~12ステップ、冬季2~10ステップに設定して回転制御を行う。このため、マイコン40のメモリ42には、回転ステップ設定値のデータが記憶される。
【0075】
メインコントローラ80は、それぞれのマイコン40と有線/無線通信を行い、互いに異なる太陽光パネル20及び回転装置30を統合的に管理し、全ての太陽光パネル20が実質的に同じパターンで回転するように制御する。
【0076】
さらに、メインコントローラ80は、雨が降ったときの風向きを検知し、太陽光パネル20を雨滴の落下方向と対向する方向に回転させる制御を行う。すなわち、太陽光パネル20の表面が直接雨滴に曝されるので、太陽光パネル20の表面に堆積した微細粉塵や異物を効果的に除去することができる。
【0077】
ウェイトブロック70は、所定長さの鉄筋を挿入し、コンクリートを打設してポール10を支持するコンクリートブロックからなる。施工が完了すると、太陽発電の敷地の地盤(土砂地面)の下にウェイトブロック70が埋設される。ウェイトブロック70は、太陽発電システムを構成する複数のポールに対応して1対1で設けられ、ポール10の下端に連結される。
【0078】
ウェイトブロック70の下部に、土砂に埋め込まれてウェイトブロック70を固定する杭(pile)を連結し、強風等によってポール10が引き抜かれるのを防止する。また、ウェイトブロック70の上面には、ポール10を固定するためのアンカーボルトが設けられる。
【0079】
複雑な構造の太陽光トラッキング装置を別途使用しないが、上記構成を有する本発明は、太陽光電気を生産する際に、太陽光パネル20を一方に向けて静止状態に置く場合に比べ、太陽光パネル20を駆動モータ35を用いて所定速度で徐々に回転させ、太陽光発電電力量を増やすことができる。
【0080】
また、日没時又は日出時には、太陽光パネル20から出力される残電気を用いて太陽光パネル20を東向きに回転させて回転開始位置に移動させることにより、翌日の日出直後に正しい位置で太陽光発電を行うので、発電効率を高めることができる顕著な効果を有する。
【0081】
一方、本発明では、太陽光パネル20を支持するポール10の周囲の樹木をそのまま維持できるので、自然へのダメージを最小限に抑えつつ、環境に優しい太陽光発電設備を構築することができる。また、ポール10の周囲の樹木が防風林として機能するので、太陽光パネル20をより安定して設置することができる。
【0082】
施工時には、ポール10を設置する各箇所に所定の穴を掘り、ウェイトブロック70を埋設固定し、ポール10の下端をウェイトブロック70の上端に載置してアンカーボルトを用いて固定することで、施工が容易に完了する。
【0083】
スマート太陽光発電システムの運転中に、回転装置30により太陽光パネル20が所定の時間と速度で一方向に回転するので、太陽光発電電力量を増やすことができる。
【0084】
回転装置30は、駆動モータ35の回転力を回転ギヤ62に伝達し、第1管状体33を回転させることにより、第1管状体33の支持板31に固定された太陽光パネル20を回転させる。第1管状体33は、太陽光パネル20を安定して支持した状態でポールに固定された第2管状体34に対して回転する。第1管状体33と第2管状体34との間に所定の軸受を介在させるので、構造的に安定的で円滑な回転が可能となる。
【0085】
回転計数板63は、回転ギヤ62の下部に固定されて回転ギヤ62と一体に回転し、リミットスイッチ60が回転計数板63の下部との接触状態を持続的に維持して、回転計数板63の凹凸パターンを検知することで、回転量をステップ別に(段階別に)検出することができる。マイコン40は、回転計数板63の回転に伴う凹凸パターンの変化によりON/OFFされるリミットスイッチ60の作動から、太陽光パネル20の回転をステップ別に駆動し、太陽光パネル20がエラーなしで秒毎に回転するか否かを検知し、制御動作に反映する。
【0086】
上述したように、本発明によるスマート太陽光発電システムは、日没時又は日出時に太陽光パネルで生産される残電気を用いて、太陽光パネルを予め回転開始点にセットすることにより、太陽光発電の効率を向上させることができる。
【0087】
また、施工が簡単なので、太陽光発電の敷地に対する選択肢の幅が広く、ポールを固定するウェイトブロック70をポール毎に局所的に埋め込むように設けるので、環境破壊を最小限に抑えつつ、環境に優しい太陽光発電設備を構築できる。特に、太陽光発電の敷地が山地や林野の場合、太陽光パネルを支えるポールの周りの樹木をそのまま維持できるので、自然への被害を最小限に抑えることができる。
【0088】
図8は、本発明の他の実施形態によるスマート太陽光発電システムの外観を示す斜視図であり、図9図8の正面図であり、図10図8の側面図である。
【0089】
図8乃至図10を参照する。本発明の好適な実施形態によるスマート太陽光発電システムは、地面に立設されるポール10と、ポール10の上部に配置された複数の支持部材11と、支持部材11に設置された高所設置機器である昇降式照明モジュール13及び昇降式カメラモジュール14とを含む。
【0090】
ポール10は地面から垂直に立設され、下端がアンカーボルト等の締結手段により地面に固設される。好ましくは、ポール10は、通常の街灯柱のような丸い外周面を有する金属製の管状体であり得、他の様々な材料で様々な形態で構成され得る。
【0091】
複数の支持部材11は、ポール10の上部に位置し、ポール10の周りの前方及び側方に向かって数方向に分岐した形状で配置される。複数の支持部材11の一方の端12aは、溶接又はボルト止めによりポール10に取り付けられ、中央が上方に向かって湾曲してアーチ状を成し、他方の端12bは地面に向けて配置される。このような構造によれば、昇降式照明モジュール13の上端と昇降式カメラモジュール14の上端に各支持部材11の他方の端12bが連結されるので、各モジュール13,14を上方から保持して各モジュール13,14を安定支持でき、各モジュール13,14の周辺で支持部材11が障害物になることを防止することができる。
【0092】
前記高所設置機器として、昇降式照明モジュール13及び昇降式カメラモジュール14を用いることが好ましいが、本発明はこのような例に限らず、他の様々な機器を用いてもよい。
【0093】
昇降式照明モジュール13は、複数の支持部材11のうち少なくとも一つの端部に設けられる。昇降式照明モジュール13は、第1昇降ケーブル13cを巻き取るドラムと、前記ドラムに回転力を与える駆動モータとを内部に有する第1本体13bと、第1昇降ケーブル13cの端部に吊り下げ連結され、上昇完了時に第1本体13bの下端に結合され、下降時には第1本体13bから分離される照明ユニット13aと、を備える。昇降照明ユニット13aは、多数のパワーLEDから構成され、Wi-Fi(登録商標)、LTE(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)等の無線通信プロトコルをサポートする通信モジュールに接続されることが好ましい。
【0094】
昇降式カメラモジュール14は、複数の支持部材11のうち少なくとも他の一つの端部に設けられる。昇降式カメラモジュール14は、第2昇降ケーブル14cを巻き取るドラムと、ドラムに回転力を与える駆動モータとを内部に有し、上端が支持部材11の端部に固定される第2本体14bと、第2昇降ケーブル14cの端部に吊り下げ連結され、上昇完了時に第2本体14bの下端に結合され、下降時には第2本体14bから分離されるCCTVカメラ14aと、を備える。CCTVカメラ14aは、Wi-Fi、LTE、ブルートゥース等の無線通信プロトコルをサポートする通信モジュールに接続されることが好ましい。
【0095】
好ましくは、支持部材11は、一定の間隔を置いて三方向に配置される。昇降式照明モジュール13は、三方向の支持部材11のうち中間に位置する支持部材11に設置される。また、昇降式カメラモジュール14は、残りの支持部材11にそれぞれ一つずつ設置される。
【0096】
昇降式照明モジュール13の第1昇降ケーブル13cと昇降式カメラモジュール14の第2昇降ケーブル14cとは、ワイヤロープや電力ケーブルで構成してもよい。
【0097】
本出願人が先に提出した韓国特許出願第10-2013-0070072号で開示した技術は、昇降式照明モジュール13と昇降式カメラモジュール14とにそれぞれ内蔵された第1昇降ケーブル13cと第2昇降ケーブル14cとを巻き上げ又は巻き下げするドラム及び駆動モータの技術構成として用いることができる。
【0098】
図11に示すように、昇降式照明モジュール13の照明ユニット13aと、昇降式カメラモジュール14のCCTVカメラ14aとを、個別に昇降制御してもよい。すなわち、特定の照明ユニット13aやCCTVカメラ14aに対するメンテナンスや清掃等が必要な場合、管理者は、当該照明ユニット13aやCCTVカメラ14aのみを選択的に下げて作業を行う。あるいは、照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aをグループとして昇降制御することも可能である。この場合、複数のCCTVカメラ14aを一括して昇降制御してもよい。また、必要に応じて、全ての照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aを一括して同時に昇降制御することもできる。
【0099】
昇降式照明モジュール13及び昇降式カメラモジュール14に対する昇降操作は、有線又は無線通信により個別に行ってもよい。無線通信を使用する場合、Wi-FiやLTE等を無線通信仕様として使用することができる。
【0100】
太陽光パネル20は、ポール10の上端に設置され、昇降式照明モジュール13及び昇降式カメラモジュール14に太陽光発電電源を供給する。昇降式照明モジュール13及び昇降式カメラモジュール14は、基本的に商用電力網から電力を受け、停電時には太陽光パネル20から非常電源を受け取るように構成されてもよい。
【0101】
図12に示すように、太陽光パネル20は所定の角度で斜めに傾斜するように配置される。
【0102】
駆動モータ35の回転軸17は、地面に対して垂直に配置されて太陽光パネル20の裏面に連結され、太陽光パネル20は、前記駆動モータ35の回転軸17に対して傾斜するように配置される。
【0103】
マイコン40は、照度センサ50等と連動して駆動モータ35の作動時間及び速度を制御する。マイコン40は、照度センサ50の出力値(照度値)又は設定時間から日が暗くなったことや明るくなったことを認識する。例えば、マイコン40は、太陽の照度値が所定値以上になると日が明るくなったことを認識し、駆動モータ35を作動させ、太陽光パネル20を所定時間一方向に徐々に回転させる。太陽の日照量を考慮して、太陽光パネル20が回転する経路を、太陽光パネル20をできるだけ太陽に対して十分に露出させるように設定することが好ましい。
太陽光パネル20を所定の速度で所定時間回転させると、複雑な構造の太陽光トラッキング装置を別途使用しなくても、太陽光パネル20を一方に向けて静止状態に置く場合に比べて、太陽光発電電力量を増やすことができる。
【0104】
上記のような構成を有する本発明の好適な実施形態によるスマート太陽光発電システムでは、それぞれの本体13b、14bに内蔵されたドラムの正回転駆動による第1昇降ケーブル13c及び第2昇降ケーブル14cの巻き上げにより、照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aが上昇して、ポール10の上部に位置するそれぞれの本体13b,14bと結合されたとき、それぞれの本体13b,14bに内蔵された上部接点部と下部接点部とが互いに接触して、照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aに電源が供給され得る。ここで、上部接点部は本体13c,14cに固定され、下部接点部は、昇降体に該当する照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aの上端にそれぞれ固定される。
【0105】
照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aに対して定期点検やメンテナンス、レンズ/ガラス清掃等を行いたい場合には、それぞれの本体に内蔵されたドラムに対して逆方向回転駆動を行い、第1昇降ケーブル13c及び第2昇降ケーブル14cを解いて照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aを地上に下降させる。
【0106】
照明ユニット13a及びCCTVカメラ14a対するメンテナンスや清掃等が必要な場合、管理者は、照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aを個別に下降させて作業を行う。管理者は、必要に応じて、全ての照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aを一括して同時に昇降させる操作を行ってもよい。
【0107】
照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aは、上昇が完了してそれぞれの本体13b,14bに結合された状態で動作する。図13に示すように、照明ユニット13aの作動のための検知センサ90は、ポール10から離間した位置にある建物の外壁100に設けられる。検知センサ90により歩行者の接近が検知されると、検知信号が昇降式照明モジュール13の照明制御部に無線送信され、照明ユニット13aが自動的に点灯するように制御される。このように、検知センサ90は、ポール10から離間した位置に配置されるので、歩行者がポール10のいずれの側にいても誤りなく接近を検知することができる。
または、検知センサ90は、図19に示すように、ポール10の外面の周りに固定される所定のリング状の装着検知センサ90であり、歩行者が検知されると、検知センサ90は、それに対応する検知信号を昇降式照明モジュール13に無線送信する。このとき、無線通信仕様としてWi-Fi、LTE、ブルートゥース等を用いることができる。
【0108】
昇降式照明モジュール13に内蔵された照明制御部(図示せず)は、検知センサ90から検知信号が出力された場合に、照明ユニット13aを選択的に点灯(ターンオン:turn on)させる制御を行う。好ましくは、昇降式照明モジュール13の照明制御部は、歩行者の接近や移動が検知されると照明ユニット13aを点灯させ、所定時間が経過すると自動的に消灯させる自動ON/OFF制御を行うことができる。このとき、ON/OFF時間は、有線・無線通信を通じて管理者から受け取って設定されてもよい。
【0109】
さらに、前記照明制御部は、歩行者の接近が検知されたとき、警告音や警告メッセージ、又は音楽を自動的に出力することができる。
【0110】
図14は、本発明のまた他の実施形態によるスマート太陽光発電システムの外観を示す斜視図であり、図15は、図14の正面図である。
【0111】
図14及び図15を参照する。スマート太陽光発電システムは、地面に立設されたポール10と、ポール10の上部に配置された複数の支持部材11と、支持部材11に設けられた昇降式照明モジュール13及び昇降式カメラモジュール14と、ポール10の上端に設けられ、昇降式照明モジュール13及びカメラに非常用電源を供給する太陽光パネル20と、ポール10の下端から所定の高さに設置されてシート面111を提供する円形シート部材110と、を備える。図面において、上記の実施形態と同じ参照符号は同じ構成要素成を示すので、その詳細な説明は省略する。
【0112】
円形シート部材110は、ポール10の下パイプ10aの下端から所定の高さでポール10の周囲に円形状に配置され、高さよりも大きな直径を有し、複数のユーザが同時に座り得る円形のシート面111を備えた円柱状の構造物である。
【0113】
円形シート部材110の一側又は下パイプ10bの一側には、ユーザの接近又は着座を検知する検知センサ(図示せず)を取り付けてもよい。上記の実施形態と同様に、前記検知センサは、周辺の建物の外壁100に取り付けられてもよい。
【0114】
円形シート部材110には内部空間が設けられ、この内部空間は、円形の外面にヒンジ結合されたドア112によって開閉される。円形シート部材110の内部空間には、非常用電源を供給する所定のバッテリやコントローラ等の湿気に弱い機器を収容してもよい。したがって、円形シート部材110は、着座に加え、電子機器の浸水を防止する手段として用いられる。着座機能と浸水防止機能とを兼ね備えるため、円形シート部材110は、地面から数~数十cm離れた高さの下パイプ10bに固定される。
【0115】
図16に示すように、円形シート部材110は、下パイプ10aの外周面を取り囲むように締め付けられた固定パイプ113の外側に挿入された後、ボルト締め又は溶接により固定される。このとき、円形シート部材110を、ポール10から分離された下パイプ10bの上から下に向けて挿入して締め付けるのが好ましい。
固定パイプ113の下端には、円形シート部材110の下端を支持するために、他の部分に比べて相対的に大きい外径を有する係止突起114が設けられることが好ましい。または、固定パイプ113を下部に向かって徐々に拡径するテーパ状に構成して、円形シート部材110が所定の位置からそれ以上下がらないように固定することも可能である。
【0116】
昇降式照明モジュール13の照明制御部は、検知センサ90によりユーザの接近又は着座が検知されたとき、照明ユニット13aを自動的に点灯させる制御を行う。本発明の応用例によれば、昇降式照明モジュール13の照明制御部と、周辺のポール10に設けられた照明制御部とが互いに通信し、歩行者の動き(経路)を追跡し、隣接する照明ユニット13aを順次点灯させるように構成されてもよい。
【0117】
図17は、図15の昇降ケーブル13c,14cに吊り下げられた照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aをそれぞれ下降させた状態を示す斜視図である。上記の実施形態と同様に、照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aに対するメンテナンスや清掃等が必要な場合、管理者は、照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aを個別に下降させて作業を行う。管理者は、必要に応じて、照明ユニット13a及びCCTVカメラ14aをグループとして同時に昇降させる方式で作業を行ってもよい。
【0118】
CCTVカメラ14a及び照明ユニット13aの昇降操作は、所定の無線リモコン1で行ってもよい。
【0119】
さらに、ポール10又は支持部材11には、CCTVカメラ14aが撮影した映像を示すCCTVモニタ(図18の120)が設けられてもよい。CCTVモニタ120は、ハウジングが防水処理された液晶ディスプレイで構成されることが好ましい。
【0120】
上述したように、本発明によるスマート太陽光発電システムでは、昇降式照明モジュール13と昇降式カメラモジュール14とをそれぞれの昇降ケーブル13c,14cを用いて個別に又は一括して昇降させることができるので、清掃や機器メンテナンス等の作業を便利に行うことができる。
【0121】
また、歩行者の接近を検知するための検知センサ90の設置構造が改善されるので、既存の設備とは異なり、歩行者検知ブラインドスポットが発生せず、太陽光発電の効率を高めることができ、更に、円シート部材110によりユーザの着座と浸水防止の利便性を提供することができるという顕著な効果を有する。
【0122】
以上のように、本発明は、限定された実施形態及び図面によって説明されたが、これらによって限定されるものではなく、本発明の技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想及び後述する特許請求の範囲の均等範囲内において様々な修正及び変形が可能であるということは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明を適用する場合、日没時又は日出時に太陽光パネルで生産される残電気を用いて、太陽光パネルを予め回転開始点にセットすることにより、太陽光発電の効率を向上させることができる。
【0124】
また、太陽光パネルを用いて昇降式照明モジュール及び昇降式カメラモジュールに電源を供給し、昇降式照明モジュール及び昇降式カメラモジュールを、それぞれの昇降ケーブルを用いて個別又は一括で昇降させることができるので、清掃や機器メンテナンス等の作業を便利に行うことができ、歩行者の接近検知用センサの設置構造が改善されて、既存設備とは異なり、歩行者検知プラインドスポットが発生しない。
図1
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【国際調査報告】