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特表2022-514864グラインディング・デバイス、コーヒー・マシン、および、その調節のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-16
(54)【発明の名称】グラインディング・デバイス、コーヒー・マシン、および、その調節のための方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/42 20060101AFI20220208BHJP
   A47J 42/22 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
A47J31/42
A47J42/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535282
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 NL2019050861
(87)【国際公開番号】W WO2020130826
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】2022259
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521265771
【氏名又は名称】イェー.エム. デ ヨン デューク オートマテンファブリーク ベー.フェー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハルベルス、カレン
(72)【発明者】
【氏名】プルイマケルス、イーヴォ
(72)【発明者】
【氏名】バシンク、マールテン
(72)【発明者】
【氏名】デ グローアン、コルネリス
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA25
4B104BA12
4B104DA56
4B104EA09
(57)【要約】
グラインディング・デバイスは、相互に共同作用するグラインディング本体部を備えたグラインディング・ハウジングを含む。2つのグラインディング本体部のうちの下側のものは、駆動されるとともに、粉砕サイズを設定する目的のために軸線方向に調節可能になっている。上側のグラインディング本体部は、除去可能になっている。グラインディング・デバイスの粉砕サイズは、2つのグラインディング表面の間の最小クリアランスと2つのグラインディング表面の間の最大クリアランスとの間の固定された設定範囲に対応して、第1の極端位置と第2の極端位置との間で絶対的な様式で調節され得る。調節可能なグラインディング本体部の極端位置は、ストップによって与えられ、ストップは、関連の極端位置において、調節手段によって遭遇される。コーヒー・マシンは、絶対的な粉砕サイズ、および/または、コーヒーと貫通して流れる水との間の最適な接触時間に関する微調整を使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブ手段およびグラインディング・ハウジングを含むグラインディング・デバイスであって、前記グラインディング・ハウジングは、相互に共同作用するグラインディング本体部のセットを含み、前記グラインディング本体部のセットは、所定の相互クリアランスを維持する、相互に向かい合う少なくとも実質的に平行なグラインディング表面を備えており、少なくとも、前記グラインディング本体部のセットのうちの被駆動グラインディング本体部は、前記グラインディング・ハウジングの中に、その中心軸線の周りに回転可能に懸架されており、動作の間に前記中心軸線の周りの回転を実施するために、前記ドライブ手段に動作可能に連結されているか、または、少なくとも連結され得り、調節手段が提供されており、それによって、少なくとも、前記グラインディング本体部のセットのうちの調節可能なグラインディング本体部は、前記グラインディング表面同士の間に所望の相互クリアランスを与えるために、軸線方向に調節可能になっている、グラインディング・デバイスにおいて、前記調節可能なグラインディング本体部の調節は、2つの前記グラインディング表面の間の最小クリアランスと2つの前記グラインディング表面の間の最大クリアランスとの間の固定された設定範囲に対応して、第1の極端位置から第2の極端位置までに制限されており、前記調節可能なグラインディング本体部の前記第1の極端位置および前記第2の極端位置のうちの少なくとも1つは、ストップによって与えられ、前記ストップは、関連の前記極端位置において、前記調節手段によって遭遇されることを特徴とする、グラインディング・デバイス。
【請求項2】
少なくとも1つの前記極端位置は、2つの前記グラインディング表面の間の前記最大クリアランスに対応していることを特徴とする、請求項1に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項3】
前記設定範囲は、前記グラインディング・デバイスの上の第1のストップによって、および、前記グラインディング・デバイスの上の第2のストップによって付与され、前記第1のストップは、前記調節手段によって第1の極端位置において遭遇され、前記第1のストップは、前記最小クリアランスに対応しており、前記第2のストップは、前記調節手段によって第2の極端位置において遭遇され、前記第2のストップは、前記最大クリアランスに対応していることを特徴とする、請求項1または2に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項4】
前記グラインディング・ハウジングは、少なくとも1つの前記ストップを含み、前記調節可能なグラインディング本体部は、ストップ表面を含み、前記ストップ表面は、関連の前記極端位置において前記ストップの上に受け入れられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項5】
調節デバイスは、前記調節可能なグラインディング本体部に調節可能に接続されており、前記調節デバイスは、前記ストップ表面を含むことを特徴とする、請求項4に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項6】
前記調節デバイスは、目盛り分割を含み、前記グラインディング・ハウジングは、ウィンドウを含み、前記調節可能なグラインディング本体部が調節されるときに、前記調節デバイスが、前記ウィンドウの後ろを移動するが、現在の設定は、前記ウィンドウを介して見ることができることを特徴とする、請求項5に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項7】
前記調節手段は、制御可能なアクチュエーターを含み、前記制御可能なアクチュエーターは、前記調節可能なグラインディング本体部に動作可能に連結されているか、または、少なくとも連結され得り、前記中心軸線に沿った制御された軸線方向の調節を前記調節可能なグラインディング本体部に付与するようになっていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項8】
前記調節可能なグラインディング本体部は、1次スクリュー・スレッドを含み、前記1次スクリュー・スレッドは、前記グラインディング・ハウジングの2次スクリュー・スレッドと動作可能に係合されており、前記アクチュエーターは、出力ドライブ・シャフトを備えた電気モーターを含み、トランスミッションが、前記電気モーターの前記ドライブ・シャフトと前記調節可能なグラインディング本体部との間に提供されており、前記1次スクリュー・スレッドおよび前記2次スクリュー・スレッドの集合的スクリュー・シャフトの周りの制御された回転を、前記調節可能なグラインディング本体部に付与するようになっていることを特徴とする、請求項7に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項9】
前記アクチュエーターは、少なくとも動作の間に、制御ユニットによって制御され得り、前記制御ユニットは、メモリー手段を提供されており、それによって前記アクチュエーターに与えられる位置が、前記メモリー手段の中に記憶されており、前記メモリー手段は、とりわけ、不揮発性の電子メモリー手段を含むことを特徴とする、請求項7または8に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項10】
少なくとも1つの前記調節可能なグラインディング本体部および少なくとも1つの前記被駆動グラインディング本体部は、両方とも、相互に共同作用する前記グラインディング本体部のセットのうちの第1のものを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項11】
相互に共同作用する前記グラインディング本体部のセットのうちの反対側の第2のグラインディング本体部は、静止した様式で配置されていることを特徴とする、請求項10に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項12】
前記第2のグラインディング本体部は、手動で取り外し可能な様式で、前記グラインディング・ハウジングに接続されていることを特徴とする、請求項11に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項13】
前記第2のグラインディング本体部は、前記グラインディング・ハウジングの中のさらなるストップまで配置され得り、それが設置されているときに、前記さらなるストップとぶつかることを特徴とする、請求項12に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項14】
バヨネット接続が、前記第2のグラインディング本体部と前記グラインディング・ハウジングとの間に形成されていることを特徴とする、請求項13に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項15】
流出開口部が、前記グラインディング・ハウジングの壁部の中に提供されており、前記開口部の位置において、粉末チューブが、前記壁部に解放可能に連結され得り、カラーが、前記第2のグラインディング本体部の上に提供されており、前記カラーは、前記第2のグラインディング本体部が前記ストップとぶつかるときには、前記粉末チューブのためのスペースを残すが、前記第2のグラインディング本体部の不完全な設置のケースでは、前記粉末チューブの連結を防止することを特徴とする、請求項14に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項16】
減衰手段が、前記第2のグラインディング本体部と前記グラインディング・ハウジングの隣接パーツとの間に提供されており、前記減衰手段は、動作の間の振動を吸収することができ、また、吸収するように構成されていることを特徴とする、請求項11から15のいずれか一項に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項17】
前記減衰手段は、可撓性のライニングを含むことを特徴とする、請求項16に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項18】
前記ドライブ手段は、メイン・モーターおよびアクチュエーターを備えたドライブ・プラットフォームを含み、前記メイン・モーターは、第1のトランスミッションによって、前記被駆動グラインディング本体部に動作可能に連結されているか、または、少なくとも動作可能に連結され得り、前記アクチュエーターは、第2のトランスミッションによって、前記調節可能なグラインディング本体部に動作可能に連結されているか、または、少なくとも動作可能に連結され得り、前記グラインディング・ハウジングは、手動で取り外し可能な様式で、前記ドライブ・プラットフォームに連結されていることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項19】
減衰手段が、前記グラインディング・ハウジングと前記ドライブ・プラットフォームとの間に提供されており、前記減衰手段は、動作の間の振動を吸収することができ、また、吸収するように構成されていることを特徴とする、請求項18に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項20】
前記減衰手段は、可撓性のライニングを含むことを特徴とする、請求項19に記載のグラインディング・デバイス。
【請求項21】
コーヒー・マシンであって、前記コーヒー・マシンは、
- 決定された粉砕サイズを有するコーヒー粉末へとコーヒー豆を粉砕するためのグラインディング・デバイスと;
- 抽出チャンバーを備えた煎出デバイスであって、前記グラインディング・デバイスから取り去られたから所定の量のコーヒー粉末が、前記抽出チャンバーの中に受け入れられ、前記煎出デバイスは、押圧力を使用して前記抽出チャンバーの中で前記コーヒー粉末を圧縮してベッドにするように意図および構成されている、煎出デバイスと;
- 前記抽出チャンバーの入口側にある、高温水のための入口部と、前記抽出チャンバーの出口側にある、取得されたコーヒー抽出物のための出口部と;
- 水供給手段であって、前記水供給手段は、水導管を介して、上昇した圧力の下で、上昇した温度を有する所定量の水を前記入口部にガイドすることができ、また、ガイドするように構成されている、水供給手段と;
- 流出部であって、コーヒー製品は、前記流出部において取り去られ得り、前記流出部は、製品導管にわたって、前記抽出チャンバーの前記出口部に接続されている、流出部と;
- 電子制御ユニットであって、前記電子制御ユニットは、前記粉砕サイズ、前記コーヒー粉末の量、前記押圧力、前記水の量、前記上昇した圧力、および前記上昇した温度のうちの1つまたは複数を含む、少なくともプリセットを前記マシンに付与し、この目的のために提供される手段を制御することができ、また、制御するように構成されている、電子制御ユニットと
を含むコーヒー・マシンにおいて、
前記制御ユニットは、少なくとも1つのセンサーに連結されており、前記少なくとも1つのセンサーは、前記マシンを通る液体流速を記録し、電子的な値の形態で前記液体流速を発生させることができ、また、発生させるように構成されており、前記液体流速は、とりわけ、前記抽出チャンバーから前記製品導管を通る製品フローの流速であるか、または、前記抽出チャンバーへ前記水導管を通る水フローの流速であり、前記液体フローは、微調整部によって少なくとも部分的に調節され得り、前記制御ユニットによって制御され、前記制御ユニットは、前記液体流速の受け取られた値に基づいて、前記マシンに微調整を付与することができ、また、付与するように構成されており、それによって、前記液体流速は、所定の値に調整され得ることを特徴とする、コーヒー・マシン。
【請求項22】
前記製品導管は、制御可能な絞りを含み、前記微調整部は、前記上昇した圧力および前記絞りの抵抗のうちの少なくとも1つの制御のために、前記製品導管の中に制御可能なポンプおよび前記制御可能な絞りのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項21に記載のコーヒー・マシン。
【請求項23】
前記グラインディング・デバイスは、請求項1から20のいずれか一項に記載のグラインディング・デバイスを含み、前記制御ユニットは、前記グラインディング・デバイスの前記調節手段に動作可能に連結されており、それとともに、前記プリセットの一部として、定義された絶対的な位置を、前記調節可能なグラインディング本体部に与えることができ、また、与えるように構成されていることを特徴とする、請求項22に記載のコーヒー・マシン。
【請求項24】
前記制御ユニットは、電子メモリー、好ましくは、不揮発性メモリーを含み、前記定義された絶対的な位置が、前記電子メモリーの中に記憶され、前記制御ユニットは、前記グラインディング・デバイスにリセッティング・プロセスを付与することができ、また、付与するように構成されており、それによって、前記グラインディング・デバイスは、調節された状態から記憶された前記位置へリセットされることを特徴とする、請求項23に記載のコーヒー・マシン。
【請求項25】
前記制御ユニットは、通信手段を提供されており、前記通信手段は、遠隔に設置されているサーバー・デバイスとの電気通信接続を形成することができ、また、形成するように構成されており、動作測定値を前記サーバー・デバイスに発生させるようになっており、1つまたは複数の制御パラメーターを前記サーバー・デバイスから受信するようになっていることを特徴とする、請求項21から24のいずれか一項に記載のコーヒー・マシン。
【請求項26】
請求項1から20のいずれか一項に記載のグラインディング・デバイスを調節するための方法であって、前記調節可能なグラインディング本体部は、それに対応する前記ストップが関連の前記極端位置において前記調節手段によって遭遇されるまで、2つの前記グラインディング本体部の間の前記最大クリアランスに対応する極端位置へ運ばれ、前記調節可能なグラインディング本体部が、前記極端位置から与えられることとなる位置へリセットされることを特徴とする、方法。
【請求項27】
前記調節手段は、アクチュエーターを含み、前記アクチュエーターは駆動され得り、前記アクチュエーターは、制御ユニットによって制御され、前記制御ユニットは、メモリー手段から、とりわけ、不揮発性の電子メモリー手段から、前記アクチュエーターに与えられることとなる位置を読み取り、前記制御ユニットは、前記メモリー手段から取得される、与えられることとなる前記位置に基づいて、前記アクチュエーターを制御することを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブ手段およびグラインディング・ハウジングを含むグラインディング・デバイスであって、グラインディング・ハウジングは、相互に共同作用するグラインディング本体部のセットを含み、グラインディング本体部のセットは、所定の相互クリアランスを維持する、相互に向かい合う少なくとも実質的に平行なグラインディング表面を備えており、少なくとも、グラインディング本体部のセットのうちの被駆動グラインディング本体部は、グラインディング・ハウジングの中に、その中心軸線の周りに回転可能に懸架されており、動作の間に中心軸線の周りの回転を実施するために、ドライブ手段に動作可能に連結されているか、または、少なくとも連結され得り、調節手段が提供されており、それによって、少なくとも、グラインディング本体部のセットのうちの調節可能なグラインディング本体部は、グラインディング表面同士の間に所望の相互クリアランスを与えるために、軸線方向に調節可能になっている、グラインディング・デバイスに関する。
【0002】
また、本発明は、コーヒー・マシンであって、コーヒー・マシンは、決定された粉砕サイズを有するコーヒー粉末へとコーヒー豆を粉砕するためのグラインディング・デバイスと;抽出チャンバーを備えた煎出デバイスであって、グラインディング・デバイスから取り去られたから所定の量のコーヒー粉末が、抽出チャンバーの中に受け入れられ、煎出デバイスは、押圧力を使用して抽出チャンバーの中でコーヒー粉末を圧縮してベッドにするように意図および構成されている、煎出デバイスと;抽出チャンバーの入口側にある、高温水のための入口部と、抽出チャンバーの出口側にある、取得されたコーヒー抽出物のための出口部と;水供給手段であって、水供給手段は、水導管を介して、上昇した圧力の下で、上昇した温度を有する所定量の水を入口部にガイドすることができ、また、ガイドするように構成されている、水供給手段と;流出部であって、コーヒー製品は、流出部において取り去られ得り、流出部は、製品導管にわたって、抽出チャンバーの出口部に接続されている、流出部と;電子制御ユニットであって、電子制御ユニットは、粉砕サイズ、コーヒー粉末の量、押圧力、水の量、上昇した圧力、および上昇した温度のうちの1つまたは複数を含む、少なくともプリセットをマシンに付与し、この目的のために提供される手段を制御することができ、また、制御するように構成されている、電子制御ユニットとを含むコーヒー・マシンに関する。さらに、本発明は、グラインディング・デバイスを調節するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
プリアンブルに説明されているタイプのグラインディング・デバイスは、コーヒー豆ミルまたはグラインダーとして大規模に適用され、コーヒー豆ミルまたはグラインダーによって、コーヒー豆が粉砕されて粉末状の粉砕物になり、コーヒー抽出物が、粉末状の粉砕物から高温水によって抽出される。これは、とりわけ、豆グラインダーに関係しており、豆グラインダーは、コーヒー・マシンに組み込まれており、コーヒー・マシンによって、ホットコーヒー製品が粉砕物から調製される。随意的に上昇した圧力の下で、コーヒー抽出物が高温水によって粉砕物から取得される前に、粉砕物は、通常、コンパクト・ベッドへと圧縮される。コーヒー製品は、基本的に、印加される水圧力、コーヒー・ベッドのコンパクトさ、および、コーヒー粉末の品質に関する水の量に応じて、エスプレッソ・コーヒーからさまざまな強度のフィルター・コーヒーまで変化することが可能であり、ミルク、ミルク粉末、および/または甘味料(砂糖)が、必要に応じて追加され得り、それによって、さまざまなコーヒー製品を調整するようになっている。
【0004】
コーヒー豆は、グラインディング・ハウジングの中に設置され、次いで、グラインディング本体部(グラインディング・ディスクとも称される)のセットの間に受け入れられる。2つのグラインディング本体部のうちの少なくとも1つは、動作の間に回転し、それによって、豆を動かすこととなる。グラインディング表面は、通常、一連のカッティング・エッジを有しており、それによって、グラインディング・ディスク同士の間にグリップされたコーヒー豆は、粒状のコーヒー粉末へと粉砕される。ここで、2つのグラインディング本体部同士の間のクリアランスは、取得される粉砕物の粉砕サイズを実質的に定義する。このクリアランスが小さいほど、粉砕物は細かくなる。そして、その逆もまた同様に、このクリアランスが大きいほど、取得される粉砕物は粗くなることとなる。
【0005】
高温水(それによって、コーヒー抽出物が粉砕物から抽出されることとなる)の温度、圧力、量、および保持時間に加えて、この粉砕サイズは、粉砕物の量とともに、そこから調製されることとなる飲料の品質および風味に関して、所与の供給源製品において、重要なパラメーターである。粉砕サイズを調節することができるようにするために、公知のグラインディング・デバイスは、随意的に動力付きの調節手段を有しており、それによって、グラインディング本体部のセットのうちの少なくとも1つが調節可能である。グラインディング本体部の間のクリアランスは、これによって調節され得り、したがって、粉砕物は、より細かいまたはより粗い設定に粉砕され得る。これは、粉砕物から取得されるより多くまたはより少なく濃縮された(強い)抽出物を結果として生じさせ、また、粉末から抽出されることとなるエッセンシャル・オイルおよび他の香料にも影響を与える。
【0006】
公知のグラインディング・デバイスの欠点は、粉砕サイズの調節が、ここで、相対的なものに過ぎないということである。現在の設定から、より細かいまたはより粗い設定に徐々に調節することのみが可能である。たとえば、故障の場合に、または、検査およびメンテナンスのために、2つのグラインディング本体部のうちの一方が除去されて次いで交換される場合には、この設定は、次いで失われる。公知のグラインディング・デバイスは、粉砕サイズの固定された所定のおよび絶対的な設定が与えられることを可能にしない。実際には、とりわけ、デバイスが、システム(それによって、コーヒー品質が遠隔からモニタリングおよび/または調節され得る)の一部を形成しなければならない場合には、これは、デバイスの所望の制御に、たとえば、コーヒー品質および風味に、重大な制限を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、なかでも、粉砕サイズの絶対的な精密に決定される設定を可能にする、グラインディング・デバイス、および、ホット・ドリンクを調製するためのデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を実現するために、プリアンブルに記載されているタイプのグラインディング・デバイスは、調節可能なグラインディング本体部の調節は、2つのグラインディング表面の間の最小クリアランスと2つのグラインディング表面の間の最大クリアランスとの間の固定された設定範囲に対応して、第1の極端位置から第2の極端位置までに制限されており、調節可能なグラインディング本体部の第1の極端位置および第2の極端位置のうちの少なくとも1つは、ストップによって与えられ、ストップは、関連の極端位置において、調節手段によって遭遇されるという、本発明による特徴を有している。したがって、粉砕サイズの調節は、常に、決定された最小クリアランスから最大クリアランスまでの値をとる固定された設定範囲に制限されることとなる。
【0009】
これらの極端位置のうちの少なくとも1つは、デバイスの調節手段によって検出され得り、それによって、固定された基準が取得され、次いで、この位置から固定された距離にわたって設定範囲内の所定の位置まで、調節可能なグラインディング本体部を調節することによって、この基準に対する粉砕サイズの絶対的な設定が可能である。これは、それによってグラインディング本体部同士の間に与えられるクリアランスに対して、および、それによって、設定された粉砕サイズに対して、完全な制御を提供する。好適な実施形態において、本発明によるグラインディング・デバイスは、ここで、少なくとも1つの極端位置が、2つのグラインディング表面の間の最大クリアランスに対応しているという特徴を有している。したがって、その位置(そこから、前記基準がとられる)は、2つのグラインディング本体部の間の最大クリアランスに対応しており、それは、2つのグラインディング本体部の間に存在している可能性のある粉砕物および/または豆残留物によって妨害されることとならないようになっている。
【0010】
単一の基準は、ストップが調節手段によって遭遇されるとすぐに、ストップから推測され得り、単一の基準は、それ自体で十分であることとなる。しかし、グラインディング・デバイスの特定の実施形態は、本発明によれば、設定範囲が、グラインディング・デバイスの上の第1のストップによって、および、グラインディング・デバイスの上の第2のストップによって付与され、第1のストップは、調節手段によって第1の極端位置において遭遇され、第1のストップは、最小クリアランスに対応しており、第2のストップは、調節手段によって第2の極端位置において遭遇され、第2のストップは、最大クリアランスに対応しているという特徴を有している。調節可能なグラインディング本体部の調節の上限および下限の両方、ならびに、それによって、設定範囲全体が、したがって、グラインディング・デバイスの構築において固定される。
【0011】
本発明によるグラインディング・デバイスの特定の実施形態は、ここで、グラインディング・ハウジングが、少なくとも1つのストップを含み、調節可能なグラインディング本体部は、ストップ表面を含み、ストップ表面は、関連の極端位置においてストップの上に受け入れられるという特徴を有している。グラインディング・ハウジングは、ここで、少なくとも1つのストップを含み、それによって、それに対応する設定範囲の限界が決定される。調節可能なグラインディング本体部は、ここで、ストップ表面を含み、ストップ表面は、極端位置においてストップとぶつかり、それによって、その調節は、設定範囲内に制限される。
【0012】
グラインディング・デバイスの好適な実施形態は、ここで、調節デバイスが、調節可能なグラインディング本体部に調節可能に接続されており、調節デバイスは、ストップ表面を含むという特徴を有している。したがって、調節可能なグラインディング本体部に対する調節デバイスの調節、および、それによって、それによって構成されるストップ表面に対する調節デバイスの調節は、設定範囲が全体としてシフトされることを可能にし、したがって、その上限および下限を(集合的にではあるが)具体的なニーズに最適に適合させることができるようになっている。グラインディング・デバイスの具体的な設定の可能な目視検査の目的のために、さらなる特定の実施形態は、ここで、調節デバイスが、目盛り分割を含み、グラインディング・ハウジングは、ウィンドウを含み、調節可能なグラインディング本体部の設定の間に、調節デバイスが、ウィンドウの後ろを移動するが、現在の設定は、ウィンドウを介して見ることができるという特徴を有している。
【0013】
たとえば、調節スクリューまたは他の部材による調節可能なグラインディング本体部の調節が、手動で実装され得るが、本発明によるグラインディング・デバイスの好適な実施形態は、調節手段が、制御可能なアクチュエーターを含み、制御可能なアクチュエーターは、前記調節可能なグラインディング本体部に動作可能に連結されているか、または、少なくとも連結され得り、中心軸線に沿った制御された軸線方向の調節を調節可能なグラインディング本体部に付与するようになっているという特徴を有している。この目的のために提供される制御ユニットからアクチュエーターを駆動することによって、粉砕サイズの調節および設定は、したがって、グラインディング・デバイスによっておよびグラインディング・デバイスの内側において、完全に自律的に行われ得る。
【0014】
グラインディング・デバイスのさらなる特定の実施形態は、ここで、本発明によれば、前記調節可能なグラインディング本体部は、1次スクリュー・スレッドを含み、1次スクリュー・スレッドは、グラインディング・ハウジングの2次スクリュー・スレッドと動作可能に係合されており、アクチュエーターは、出力ドライブ・シャフトを備えた電気モーターを含み、トランスミッションが、電気モーターのドライブ・シャフトと調節可能なグラインディング本体部との間に提供されており、1次スクリュー・スレッドおよび2次スクリュー・スレッドの集合的スクリュー・シャフトの周りの制御された回転を、調節可能なグラインディング本体部に付与するようになっているという特徴を有している。したがって、調節可能なグラインディング本体部は、軸線方向に調節可能な様式で、グラインディング・ハウジングの中に受け入れられており、設定範囲内の調節の程度は、トランスミッションの随意的な伝達比ならびに1次および2次スクリュー・スレッドのピッチと組み合わせて、電気モーターのドライブ・シャフトに付与される回転数によって決定されることとなる。
【0015】
グラインディング・デバイスが所定の設定をとることを可能にするために、本発明によるグラインディング・デバイスのさらなる好適な実施形態は、アクチュエーターが、少なくとも動作の間に、制御ユニットによって制御され得り、制御ユニットは、メモリー手段を提供されており、それによってアクチュエーターに与えられる位置が、メモリー手段の中に記憶されており、メモリー手段は、とりわけ、不揮発性の電子メモリー手段を含むという特徴を有している。したがって、意図される位置は、常に、制御ユニットによってメモリーから読み取られ得り、グラインディング・デバイスが、たとえば調節された後に、意図した設定に戻ることができるようになっている。不揮発性メモリーが適用されるときには、これは、停電の後でも依然として可能である。
【0016】
本発明によるグラインディング・デバイスのさらなる好適な実施形態は、少なくとも1つの調節可能なグラインディング本体部および少なくとも1つの被駆動グラインディング本体部が、両方とも、相互に共同作用するグラインディング本体部のセットのうちの第1のものを含むという特徴を有している。関連のグラインディング本体部は、ここで、粉砕サイズおよびグラインディング・プロセス自身の意図した調節可能性の両方を提供する。それによって、他のグラインディング本体部は、低い複雑性のもののままであることが可能である。さらなる実施形態において、グラインディング・デバイスは、したがって、相互に共同作用するグラインディング本体部のセットのうちの反対側の第2のグラインディング本体部は、静止した様式で配置されていることを特徴とする。
【0017】
可能な暫定的なまたは定期的なメンテナンスまたは故障の修理の目的のために、グラインディング・デバイスが、望まれる場合には、とりわけ、その中のグラインディング本体部に関して分解され得ることが望ましい。石などのような異物が、たとえば、予期せずにグラインディング表面同士の間に入ってきた場合には、および、デバイスが、それによって詰まるかまたは正しく機能しない場合には、これは、そのような問題を排除するオプションを提供する。この点において、本発明によるグラインディング・デバイスのさらなる特定の実施形態は、第2のグラインディング本体部が、手動で取り外し可能な様式でグラインディング・ハウジングに接続されているという特徴を有している。望まれる場合には、第2のグラインディング本体部は、したがって除去され得り、したがって、グラインディング表面を露出させ、それらを検査および/またはメンテナンスのためにアクセス可能にするようになっている。
【0018】
ここで、第2のグラインディング本体部が、グラインディング・ハウジングの中で交換されるときには、可能な限りもう一度そのオリジナルの位置をとることが望ましく、他のグラインディング本体部に対して設定されるクリアランスが、それによって変化しないかまたはほとんど変化しないようになっている。これを目的として、本発明によるグラインディング・デバイスのさらなる特定の実施形態は、第2のグラインディング本体部が、グラインディング・ハウジングの中のさらなるストップまで配置され得り、それが設置されているときに、さらなるストップとぶつかり、より具体的には、バヨネット接続が、第2のグラインディング本体部とグラインディング・ハウジングとの間に形成されているという特徴を有している。このさらなるストップ(たとえば、バヨネット・クロージャーの端部位置など)は、ここで、また、調節可能なグラインディング本体部の設定範囲に関する固定された基準を提供し、それによって、2つのグラインディング本体部が交換されるかまたはあまりにも摩耗を受けているかのいずれでもない限り、意図される設定の絶対値が、少なくとも大部分は保証され得る。しかし、比較的に簡単なキャリブレーションまたは完全なリセットは、後者のケースにおいて、正しい絶対的な設定値を再び保証するのに十分である可能性がある。
【0019】
ストップを使用する以外に、他の方式で、第2のグラインディング本体部がグラインディング・ハウジングの中に正しく設置されていることを保証することも可能である。本発明によるグラインディング・デバイスの特定の好適な実施形態は、この点において、流出開口部が、グラインディング・ハウジングの壁部の中に提供されており、開口部の位置において、粉末チューブが、壁部に解放可能に連結され得り、カラーが、第2のグラインディング本体部の上に提供されており、カラーは、第2のグラインディング本体部がストップとぶつかるときには、粉末チューブのためのスペースを残すが、第2のグラインディング本体部の不完全な設置のケースでは、粉末チューブの連結を防止するという特徴を有している。したがって、カラーは、第2のグラインディング本体部が正しく配置されていない場合には、流出部が設置されることを防止する。したがって、第2のグラインディング本体部がグラインディング・ハウジングの中の端部位置に正しく設置されていないということを示すものとして、グラインディング・デバイスの継続的な動作が防止される。
【0020】
グラインディング・デバイスの音のレベルおよび振動を制限するために、本発明によるグラインディング・デバイスのさらなる実施形態は、減衰手段が、第2のグラインディング本体部とグラインディング・ハウジングの隣接パーツとの間に提供されており、減衰手段は、動作の間の振動を吸収することができ、また、吸収するように構成されており、より具体的には、減衰手段は、可撓性のライニングを含むという特徴を有している。デバイスの音のレベルを制限することは、グラインディング・デバイスが組み込まれているコーヒー・ディスペンサーに商業的な利点を付与する。とりわけ、コーヒー・ディスペンサーがオフィスに設置されるケースでは、より静かなコーヒー・ディスペンサーが、より売れることとなる。加えて、振動を制限することは、また、ディスペンサーの構築において利点を有している。したがって、振動は、ディスペンサーの他のコンポーネントに伝達され、とりわけ、より少ない程度に、随意的な粉末投入手段に伝達され、それによって、それらがより良好に機能する。
【0021】
本発明によれば、グラインディング・デバイスのさらなる好適な実施形態は、ドライブ手段が、メイン・モーターおよびアクチュエーターを備えたドライブ・プラットフォームを含み、メイン・モーターは、第1のトランスミッションによって、被駆動グラインディング本体部に動作可能に連結されているか、または、少なくとも動作可能に連結され得り、アクチュエーターは、第2のトランスミッションによって、調節可能なグラインディング本体部に動作可能に連結されているか、または、少なくとも動作可能に連結され得り、グラインディング・ハウジングは、手動で取り外し可能な様式で、ドライブ・プラットフォームに連結されているという特徴を有している。したがって、随意的に除去可能であるのは、グラインディング本体部のうちの1つだけではなく、グラインディング・ハウジングが、全体として完全に取り外され得り、組み込まれている場合には、除去され得る。グラインディング・ハウジング(それは、通常では、故障および摩耗を最も受けやすい)が、さらなるツールを必要とすることなく、完全にアクセス可能であり、望まれる場合には、全体として交換され得るという点において、これは、グラインディング・デバイスのメンテナンスおよび検査を促進させる。音および振動をさらに低減させることを目的として、グラインディング・デバイスは、さらなる実施形態において、減衰手段が、グラインディング・ハウジングとドライブ・プラットフォームとの間に提供されており、減衰手段は、動作の間の振動を吸収することができ、また、吸収するように構成されており、より具体的には、減衰手段は、可撓性のライニングを含むという特徴を有している。
【0022】
たとえば上記に説明されているようなタイプの動力付きの調節可能な粉砕サイズは、コーヒー・マシンの煎出プロセスの制御のために、電子制御ユニットに追加的なパラメーターを提供する。粉末は、それによって、所与の細かさまたは粗さであることが可能であり、それは、粉末の量に加えて、コーヒー・ベッドの決定される押圧力において、コーヒー・ベッドの抵抗に影響を与え、および、それによって、かなりの程度にコーヒー-水接触時間に影響を与える。本発明は、とりわけ、この接触時間がとりわけ最終製品の風味および品質を決定するという洞察に基づいている。
【0023】
さらなる態様において、本発明は、なかでも、コーヒー-水接触時間がより正確に調節され得るコーヒー・マシンを提供することを目的とする。
【0024】
プリアンブルに記載されているタイプのコーヒー・マシンは、この目的のために、本発明によれば、制御ユニットが、少なくとも1つのセンサーに連結されており、少なくとも1つのセンサーは、マシンを通る液体流速を記録し、電子的な値の形態で液体流速を発生させることができ、また、発生させるように構成されており、液体流速は、とりわけ、抽出チャンバーから製品導管を通る製品フローの流速であるか、または、抽出チャンバーへ水導管を通る水フローの流速であり、液体フローは、微調整部によって少なくとも部分的に調節され得り、制御ユニットによって制御され、制御ユニットは、液体流速の受け取られた値に基づいて、マシンに微調整を付与することができ、また、付与するように構成されており、それによって、液体流速は、所定の値に調整され得るという特徴を有している。この値は、ここで、コーヒーと貫通して流れる水との間の所定の接触時間が実現されるように、とりわけ調節および付与される。
【0025】
特定の実施形態において、本発明によるコーヒー・マシンは、ここで、製品導管が、制御可能な絞りを含み、微調整部は、上昇した圧力および絞りの抵抗のうちの少なくとも1つの制御のために、製品導管の中に制御可能なポンプおよび制御可能な絞りのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。したがって、たとえば、製品導管の中のポンプ圧力または抵抗の調節は、マシンが調製プロセスの間にコーヒー-水接触時間を調節することおよびそれを所望の値に調整することを可能にする。後続の調製サイクルにおいて、プリセットは、次いで、随意的に、この微調整部の履歴的な経験的データに基づいて調節され得り、場合によっては必要な微調整が、次いで、制限されたままになることとなるようになっている。これによって、空気湿度および室温などのような気候学的要因を十分に予測することが可能であり、それは、また、圧縮されたコーヒー・ベッドの抵抗および逆圧に影響を与える。
【0026】
本発明によるグラインディング・デバイスの粉砕サイズの絶対的な所定の設定は、ホット・ドリンクを調製するためのデバイス(たとえば、コーヒー製品を調製するためのコーヒー・マシンなど)において適用されるときには、特定のオプションを提供し、抽出物が、高温水によって粉砕物から抽出される。これは、随意的な自動的な粉砕設定がここで絶対的なスケールに連結され得るからである。これは、コーヒーの細かさの設定およびモニタリングが、もはや、実質的に製品の保持時間のみによって行われることができないだけでなく、粉砕サイズの直接的な絶対的な設定によっても行われることができず、したがって、処方によっても行われることができないということ意味している。コーヒーの処方は、典型的に、コーヒーのタイプ、豆のタイプ、および投入量に基づいて、所定の細かさを有している。したがって、プリアンブルに記載されているタイプのコーヒー・マシンの好適な実施形態は、本発明によれば、グラインディング・デバイスが、本発明によるグラインディング・デバイスを含み、制御ユニットは、グラインディング・デバイスの調節手段に動作可能に連結されており、それとともに、プリセットの一部として、定義された絶対的な位置を、調節可能なグラインディング本体部に与えることができ、また、与えるように構成されているという特徴を有している。
【0027】
本発明の利点は、たとえばソフトウェアを使用して、現実のスケールに基づいて調整することが可能であるということである。それによって、(コーヒー)処方を作成するときに、複数のパラメーターに基づいて調整することが可能である。これは、グラインディング・デバイスに、および、したがって、同様に、それを装備したマシンに、市場において重要な際立った特徴および技術的な改善を提供する。したがって、取り去られる製品に品質および風味を決定するパラメーターのすべてでなくてもほとんどは、制御の下に持って来られ得り、マシンの限界の中で調節可能であり得る。
【0028】
コーヒー・マシンの特定の実施形態は、ここで、制御ユニットが、電子メモリー、好ましくは、不揮発性メモリーを含み、定義された絶対的な位置が、電子メモリーの中に記憶され、制御ユニットは、グラインディング・デバイスにリセッティング・プロセスを付与することができ、また、付与するように構成されており、それによって、グラインディング・デバイスは、調節された状態から記憶された位置へリセットされるという特徴をさらに有している。粉砕サイズを決定する情報は、これによって、デバイスの中にまたはデバイスにおいて記憶され、前記リセッティング・プロセスが、たとえば、検査またはメンテナンスのケースにおいて、グラインディング・デバイスの手動調節の後に、簡単な様式でマシンに付与され得るようになっており、グラインディング・デバイスが、その正しい設定を再びとるようになっている。
【0029】
製品品質に対するより完全な制御および製品品質の調節可能性のために、本発明によるコーヒー・マシンのさらなる特定の実施形態は、制御ユニットが、少なくとも1つのセンサーに連結されており、少なくとも1つのセンサーは、デバイスを通る液体流速を記録し、電子的な値の形態でそれを発生させることができ、また、発生させるように構成されており、それは、とりわけ、抽出チャンバーから製品導管を通る製品フローの流速であるか、または、抽出チャンバーへ水導管を通る水フローの流速であり、液体フローは、制御手段によって調節され得り、制御ユニットによって制御され、より具体的には、制御手段は、製品導管の中に制御可能なポンプおよび制御可能な絞りのうちの少なくとも1つを含むという特徴を有している。エスプレッソのようなコーヒー製品を調製する目的のために、コーヒー粉末は、通常、コーヒー抽出物を取得するために高温水がそれを通してガイドされる前に、抽出チャンバーの中でコンパクトなコーヒー・ベッドへと圧縮される。実際には、最終製品の風味および品質に大きく影響するのは、主に、高温水とコーヒー・ベッドとの間の接触時間であるということが見出されている。この接触時間は、マシンを通る液体フローの流速の記録から、制御ユニットによって導出または計算され得る。
【0030】
粉末の細かさとともに、押圧力(押圧力によって、コーヒー粉末が抽出チャンバーの中で圧縮される)は、コーヒー・ベッドからの高温水によって遭遇される抵抗を決定する。この抵抗は、かなりの程度に、高温水とコーヒー・ベッドとの間の前記接触時間を決定する。制御ユニットがあまりにも短い接触時間を検出する場合には、これは、より高いコンパクト化圧力(その圧力において、コーヒー粉末がコーヒー・ベッドへと圧縮される)を付与することによって、また、より細かい粉砕サイズをグラインディング・デバイスに付与することによっても、制御ユニットによって作用され得る。本発明によるグラインディング・デバイスの絶対的な直接的な制御は、ここで、少なくとも大部分がアルゴリズム的に定義され、実験的にのみ決定されない制御を可能にする。したがって、たとえば、温度および空気湿度などのような、より制御可能でない環境要因を考慮に入れることも可能であり、それは、同様に、粉砕物およびコーヒー・ベッドの最終的な抵抗に影響を与える可能性がある。
【0031】
本発明によるコーヒー・マシンは、コーヒーを煎出するためのおよび粉末を投入するためのより包括的なシステムの一部としての用途に高度に適切である。豆グラインダーは、コーヒー・マシンによって制御され、電気通信接続によって遠隔から読み取られ、必要な場合には制御される。この目的のために、本発明によるコーヒー・マシンの特定の実施形態は、制御ユニットが、通信手段を提供されており、通信手段は、遠隔に設置されているサーバー・デバイスとの電気通信接続を形成することができ、また、形成するように構成されており、動作測定値をサーバー・デバイスに発生させるようになっており、1つまたは複数の制御パラメーターをサーバー・デバイスから受信するようになっているという特徴を有している。
【0032】
本発明によるグラインディング・デバイスを調節するための方法は、が、調節可能なグラインディング本体部が、それに対応するストップが関連の極端位置において調節手段によって遭遇されるまで、2つのグラインディング本体部の間の最大クリアランスに対応する極端位置へ運ばれ、調節可能なグラインディング本体部が、極端位置から与えられることとなる位置へリセットされるという特徴を有している。2つのグラインディング本体部の間のクリアランスが、設定されることとなる値に戻る前に、完全に開の位置に最初に運ばれるので、グラインディング本体部同士の間に存在する可能性のある(グラインディング)残留物が、設定範囲の極端位置をとることを妨害することが防止される。
【0033】
それによって、遭遇される極端位置は、設定範囲の極端限界として信頼性高く見なされ得り、次いでそこから与えられることとなる位置へ運ぶための基準として使用され得る。さらなる特定の実施形態において、方法は、ここで、調節手段が、アクチュエーターを含み、アクチュエーターは駆動され得り、アクチュエーターは、制御ユニットによって制御され、制御ユニットは、メモリー手段から、とりわけ、不揮発性の電子メモリー手段から、アクチュエーターに与えられることとなる位置を読み取り、制御ユニットは、メモリー手段から取得される、与えられることとなる位置に基づいて、アクチュエーターを制御することを特徴とする。調節は、ここで、制御ユニットの制御の下で、完全に自動的で行われる。
【0034】
本発明は、例示的な実施形態および添付の図面を参照して、以降でさらに解明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】コーヒー・マシンに組み込まれた、本発明によるグラインディング・デバイスの例示的な実施形態の斜視図である。
図2図1のグラインディング・デバイスの切り欠き斜視図である。
図3図1のグラインディング・デバイスの分解図である。
図4図1のグラインディング・デバイスの静止したグラインディング本体部の斜視底面図である。
図5図2のグラインディング・デバイスの部分的に断面の斜視図である。
図6図1のグラインディング・デバイスの一部の側面図である。
図7図1のグラインディング・デバイスのグラインディング・ハウジングの斜視底面図である。
図8】本発明によるコーヒー・マシンの例示的な実施形態の制御ダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
しかし、ここで、図は純粋に概略的なものであり、すべてが正しい(同じ)縮尺で描かれているわけではないということが留意される。とりわけ、いくつかの寸法は、明確にするために、多少誇張されている可能性がある。対応するパーツは、図において、同じ参照番号を伴って指定されている。
【0037】
図1は、本発明によるグラインディング・デバイス100を示しており、それは、コーヒー・マシンのシャーシーまたはフレーム10の上にまたはその一部に装着されており、グラインディング・デバイスは、コーヒー・マシンの中に一体化されている。グラインディング・デバイスは、ここでは、プラスチック・カバーまたはケーシング12によってきれいにカバーされている。コーヒー・マシンのさらなる構築は、平均的な当業者に十分に知られていると見なされ、したがって、図にはさらに示されていない。コーヒー・マシン(コーヒー・ディスペンサーまたはエスプレッソ・マシンとも称される)は、示されているグラインディング・デバイスの上方に、コーヒー豆貯蔵部(ここでは、さらに示されていない)を含み、コーヒー豆貯蔵部は、中央流入開口部105を介して、上側においてグラインディング・デバイスにコーヒー豆を連続的に給送する。
【0038】
この開口側は、グラインディング・ハウジング101の中に流れ出ており、グラインディング・ハウジング101は、ケーシング12なしで、図2および図3にさらに示されている。グラインディング・ハウジング101は、アルミニウムから実質的に形成されており、下側においてプラスチック保護カバー102を外部から担持しており、プラスチック保護カバー102は、その上に固定してスナップされている。内部的には、グラインディング・ハウジング101は、1セットのグラインディング・ディスク115、125を含み(図4も参照)、供給されたコーヒー豆が、1セットのグラインディング・ディスク115、125の間に受け入れられる。ウォームまたはスクリュー104が、動作の間に回転し、2つのグラインディング・ディスク115、125のそれぞれのグラインディング表面同士の間の狭いギャップの中へ豆を押し込む。豆は、グラインディング・ディスクの相対回転によって、微細のコーヒー粉砕物(粉末)へと粉砕される。2つのグラインディング・ディスクのグラインディング表面は、この目的のために、コーヒー豆に作用するカッティング・エッジの巧妙なパターンを含む。取得された粉末は、流出開口部103にディスペンスされ、コーヒー(粉末)チューブ13(この目的のために提供される)を介して、コーヒー・マシンの抽出チャンバーへ、グラインディング・デバイスを離れる。
【0039】
第1のグラインディング本体部110および第2のグラインディング本体部120は、グラインディング・ディスク115、125をそれぞれ含む。2つのグラインディング本体部のうちの第1のものおよび下側のもの(図5も参照)が、下記にさらに説明されることとなる。このグラインディング本体部は、グラインディング・ハウジング101の中でモーター駆動され、回転可能な様式および軸線方向に調節可能な様式の両方で懸架されている。また、このグラインディング本体部110のドライブ・シャフト111は、ウォーム104を担持している。
【0040】
2つのグラインディング本体部の第2のものおよび上側のもの120は、静止した様式でグラインディング・ハウジング101の中に逆に装着されている。この第2のグラインディング本体部120は、図4において別個に示されている。第1のグラインディング本体部110に面する側に、第2のグラインディング本体部は、グラインディング・ディスク125を含む。反対側に存在するグラインディング・ディスク115と同じように、このグラインディング・ディスク125は、硬化鋼またはセラミック材料から形成されており、それによって、コーヒー豆に対して多数のグラインディング・サイクルを実施するのに十分に強力であり、耐摩耗性がある。グラインディング・ディスク125は、ギザギザのある周辺縁部を備えた、ユーザーに快適なグリップを提供する適切なプラスチックまたは別の適切な材料のカラー本体部122によって完全に包まれている。グラインディング・ディスク125およびカラー本体部122は、1セットのスクリュー123によって互いに耐久的に接続されている。この実施形態では、ガラス充填ポリアミドが、強度および耐久性の観点から、カラー本体部122に適用されている。
【0041】
第2のグラインディング本体部120は、バヨネット接続126、127によってグラインディング・ハウジング101の中へロックされる。それによって、グラインディング本体部120は、容易に設置および解放され得り、ここでは、定義された端部位置を有している。この目的のために、バヨネット・リブ126が、グラインディング本体部120の上に提供されており、バヨネット・リブ126は、バヨネット溝部116の中に受け入れられ、バヨネット溝部116の中へロックされ、バヨネット溝部116は、バヨネット・リブ126と共同作用し、この目的のために、グラインディング・ハウジング101の内側壁部の中に形成されている。突出部127が、バヨネット・リブ126の上においてそれらの外側端部に提供されており、リブ126は、突出部127によって、バヨネット溝部116の縁部と最終的にぶつかることとなり、したがって、グラインディング本体部120を設置している間に、この定義された端部位置を常にとる。
【0042】
カラー122の上の真っ直ぐな縁部121が、この定義された端部位置にさらに寄与し、それは、注ぎ口アダプター14の対応する真っ直ぐな縁部16の後方にあるようになり、コーヒー・チューブ13が、注ぎ口アダプター14によって、流出開口部103の位置において、グラインディング・ハウジング101の上に装着される。したがって、相対的な幾何学形状および共同作用に起因して、コーヒー・チューブ13の注ぎ口アダプター14は、第2のグラインディング本体部120の除去を阻止する。したがって、グラインディング・ハウジング101から第2のグラインディング本体部120を取り外すために、アダプター14を備えたチューブ13が最初に除去されなければならない。逆に、第2のグラインディング本体部120がグラインディング・ハウジング101の中のその極端(バヨネット)位置に設置されており、縁部121がアダプター14の縁部16の完全に後方にあるようになっている場合にのみ、アダプター14は、流出開口部103の縁部を越えてスライドさせられ得る。後者は、第2のグラインディング本体部120が、常に、グラインディング・ハウジング101の中で固定された同一の位置をとらなければならないこととなるということを保証する。
【0043】
デバイスの振動および音の減衰を目的として、比較的に硬質のグラインディング・ディスクを全周的に包むプラスチック・カラー122は、バヨネット・リブ126を含む。振動のさらなる減衰を目的として、NBRゴム(ニトリルブタジエンゴム)などのような、適切なゴム(随意的に、天然ゴム)の比較的に軟質の可撓性のライニング128が、ここで、カラー122の上に配置されている。このライニング128は、1セットの減衰本体部129を含み、1セットの減衰本体部129によって、ライニングは、バヨネット・リブ126のストップ突出部127に対抗して横たわっている。したがって、これらの減衰本体部129は、比較的に軟質のストップ・クッションを形成しており、ストップ・クッションは、装着された状態で、グラインディング・ハウジング101の中のバヨネット溝部116の縁部に対抗して横たわっている。
【0044】
グラインディング・ハウジング101は、ドライブ・プラットフォーム200の上に位置決めされているが、望まれる場合には、グラインディング本体部110、120とともに、完全にドライブ・プラットフォーム200から完全に取り外し可能であり得る。この目的のために、グラインディング・ハウジング101は、1セットのウィング106によって支持され、1セットのウィング106は、それによって、プラットフォーム200の1セットの脚部210の上に取り外し可能に構成されている。プラットフォーム200は、メイン・モーター250のためのスペースを提供し、メイン・モーター250は、プラットフォームの内側において、固定された真っ直ぐなギア・トランスミッションを介して、中央ギア・リング255に連結されている。軸線方向の歯部が、ここで、第1のグラインディング本体部110のドライブ・シャフト111の自由外側端部において、スライド可能に受け入れられており、それは、第1のグラインディング本体部110およびウォームまたはスクリュー104のほとんどクリアランスがないが軸線方向に調節可能な駆動を提供する。このドライブ・シャフト111は、軸受によって装着されており、グラインディング・ハウジング101の底部107の中に適切なローラー軸受アッセンブリ112を介在させることによって締結されている。内部的には、ドライブ・シャフト111は、第1のグラインディング本体部110のグラインディング・ディスク115およびウォームまたはスクリュー104を担持している。
【0045】
グラインディング・ハウジング101の壁部と同様に、グラインディング・ハウジングの底部107は、アルミニウムから形成されており、スクリュー・スレッド114を介在させることによって、グラインディング・ハウジング101のアルミニウム壁部に接続されている。これは、粉末の漏れのない閉鎖を提供し、それは、それにもかかわらず、グラインディング・ハウジング101の内側において、軸受アッセンブリ112とともに底部107の軸線方向の調節を可能にする。外部的には、調節デバイス130が、グラインディング・ハウジングの底部107に接続されている(図7も参照)。これは、プラスチック・リングであり、プラスチック・リングは、1セットのスクリュー131およびその中に提供された半径方向スロット132によって、半径方向の調節のために底部107に接続されている。
【0046】
調節デバイスは、一方の側に突出部135を含み、調節デバイスは、他方の側に歯付きカラー133を含み、歯付きカラー133の上では、ドライブ・プラットフォーム200のトランスミッション230、265が係合している。制御可能なアクチュエーターは、ドライブ・プラットフォーム200の中または上に提供されており、この実施形態では、(第2の)電気モーター260によって形成されており、制御可能なアクチュエーターは、このトランスミッション230、265を含む。これは、ステッピング・モーターまたはより従来の電気モーターであることが可能であり、ステッピング・モーターは、反時計回りにまたは時計回りにターン(ステップ)の具体的な数(分数)で駆動され得り、より従来の電気モーターは、タコメーター・センサーを備えて提供される。このセンサーは、モーター260のドライブ・シャフトのターンの数(分数)を記録(カウント)し、電子的な値としてこれを発生させる。
【0047】
トランスミッション230の伝達比と組み合わせて、モーター260の出力シャフトのターンの数は、歯付きドライブ・シャフト265のターンの数を決定し、この回転は、歯付きドライブ・シャフト265によって、調節デバイス130のギア・リング133に伝達される。最後に、ドライブ・シャフト265およびギア・リング133の2つの歯部の間の伝達比は、グラインディング・ハウジング101の中の底部107の角度調節を決定し、調節デバイス130は、グラインディング・ハウジング101の中の底部107に回転不可能に接続されている。したがって、グラインディング・ハウジング101の底部107の軸線方向の調節、および、それによって、それに接続されている第1のグラインディング本体部110の軸線方向の調節115は、グラインディング・ハウジングの底部107と壁部101との間のスクリュー・スレッド114のピッチから導出され得る。
【0048】
したがって、静止したグラインディング・ディスク125とそのように調節可能なグラインディング・ディスク115との間の相互ギャップ(クリアランス)Sは、第2の電気モーター260を制御することによって、正確に設定および調節され得る。アクチュエーター230は、コーヒー・マシンの制御ユニットによって駆動され、それは、さらには示されていない。また、タコメーター信号が、それに供給されるか、または、計算された制御信号がそれによって発生させられる。したがって、制御ユニットは、電気モーター230に正確な数(分数)のターンを与えることができ、それは、トランスミッション230、265を介して底部107の上の歯付きカラー133に伝達される。上記に説明されているように、これは、グラインディング・ハウジング101の内側において、その中のローラー軸受アッセンブリ112および第2のグラインディング本体部120とともに、底部113の回転を結果として生じさせる。この回転は、スクリュー接続114において、ローラー軸受アッセンブリ112および第2のグラインディング本体部120とともに、グラインディング・ハウジング101の中において、底部113の軸線方向の変位に変換される。第1のグラインディング本体部110のそのように調節可能な被駆動グラインディング・ディスク115とグラインディング・ハウジング101の中に固定されて受け入れられている第2のグラインディング本体部120の静止したグラインディング・ディスク125との間のクリアランスSは、それによって調節され得る。
【0049】
本発明によれば、この調節可能性は、所定の設定範囲に限定され、その極端位置は、少なくとも1つのストップ108、109によって、デバイスの中で決定および与えられる。この実施形態では、グラインディング・ハウジングは、グラインディング・ハウジングの壁部の中へ凹んでいる溝部134の外側端部の上に、1セットのショルダー部108、109の形態のそのようなストップのうちの2つを含む(図7を参照)。調節デバイスの突出部135は、この溝部134の中を走り、その外側端部に到達するときには、ストップ表面によって関連のショルダー部108、109とぶつかることとなる。それによって遭遇される抵抗は、電気モーターによる電力の消費の増加に変換され、それは、2つのグラインディング・ディスク115、125の間の最小または最大クリアランスに対応する、設定範囲の極端境界に到達したというサインとして、制御ユニットによって記録される。
【0050】
第2のグラインディング本体部120の少なくとも1つの極端位置、すなわち、最大クリアランスに対応するものが、したがって記録される。これは、グラインディング・ディスク115とグラインディング・ディスク125との間の起こり得るグラインディング残留物の存在によって妨げられず、それによって、信頼性の高い様式で決定され得る。最小クリアランスと同様に、この最大クリアランスは、デバイスの中の固定された値(制御ユニットによって知られている)であり、それは、構築によって決定される。したがって、これは、適切な基準を提供し、適切な基準からの2つのグラインディング・ディスク115、125の間のクリアランスSに関する絶対値は、対応する数(分数)のターンにわたってアクチュエーターを駆動することによって、制御ユニットによって付与され得る。
【0051】
調節デバイス130は、周辺部の上に目盛り分割137を有しており(図6も参照)、グラインディング・ハウジング101のプラスチック・ケーシング・パーツ102の後ろに隠されている。このケーシング・パーツ102は、下側において、グラインディング・ハウジング101の上に(ラインディング・ハウジング101に)装着されている(固定してスナップされている)。目盛り分割137の一部を露出させるウィンドウ108が、ここで提供されている。2つのグラインディング・ディスク115、125の間の実際のクリアランス、および、それによって、グラインディング・デバイスの実際の粉砕サイズは、したがって、ウィンドウを介して絶対値として読み取られ得る。
【0052】
したがって、マシンによって作り出されることとなる所望のコーヒー製品(たとえば、コーヒーまたはエスプレッソなど)に応じて、マシンがより多くのまたはより少ないコーヒー粉末を投入することが可能であるだけでなく、マシンが完全に自動的な様式で粉砕サイズを適合させることも可能である。圧力(コーヒー粉末が圧力によって圧縮されてコンパクト・ベッドになる)とともに、これらは、抽出の間のコーヒー-水接触時間に影響を与える最も重要な値である。そして、このコーヒー-水接触時間は、最終的なコーヒー製品の品質および風味を決定する重要な値である。図8は、コーヒー・マシンに関する制御を概略的に示している。
【0053】
事前入力された煎出アルゴリズムに基づいて、プリセットR1は、調製されることとなるコーヒー製品に応じて、制御ユニットCPUによってコーヒー・マシンに与えられる。このプリセットは、たとえば、とりわけ、グラインディング・デバイスが設定される粉砕サイズM、ならびに、マシンの煎出デバイスの抽出チャンバーに投入およびディスペンスされるコーヒーの決定された量Dを含む。受け入れられたコーヒー粉末は、そこで圧縮され、所与の押圧力Fによって、1対のピストンの間でベッドになる。決定された温度Tおよび水圧力Pを有する高温水が、次いで、ポンプによってコーヒー・ベッドを通してガイドされ、そこからコーヒー抽出物を取得するようになっている。本発明によれば、デバイスは、ここで、デバイスの中の液体フローの流速V(流量)を記録する。この流速は、デバイスの液体導管(たとえば、ポンプから抽出チャンバーへの水導管、および/または、抽出チャンバーからマシンの流出部への製品導管)の中の適切なセンサー(フロー・センサー)によって、単位時間当たりの体積として記録される。
【0054】
コーヒー-水接触時間は、コーヒー製品の決定された体積がディスペンスされているときに、そのように知られた液体フローVから計算され得る。これが、関連のコーヒー製品に関する標準値とは異なっている場合には、微調整部R2が使用され、それに介入する。この微調整部は、たとえば、制御可能なポンプのケースにおけるポンプ圧力Pの補正、および/または、製品導管の中の絞りの制御の形態の調節可能な抵抗Rの調節を含む。したがって、液体フローVは、依然として、デバイスによって再調節および補正され得り、それは、調製されることとなるコーヒー製品の品質、風味、および濃度に大きく貢献する。中央制御ユニットCPUは、前記信号および測定値Vを受信し、煎出アルゴリズムに基づいてさまざまなコンポーネントを制御する。
【0055】
制御ユニットCPUは、ここで、とりわけ、通信手段に連結されており、通信手段によって、遠隔に位置付けされているサーバー・デバイスSへの電気通信接続Cが形成され得る。そこから、動作パラメーターおよびとりわけ煎出アルゴリズムR1が取得され得り、動作値Vが発生させられ得る。したがって、所望のコーヒー-水接触時間を実現するために必要であると見出された微調整部R2は、マシンの中でまたは遠隔からのいずれかで(またはその両方)、たとえば、粉砕サイズM、投入量D、および押圧力FのプリセットR1の変化に変換され得り、将来にこれらを制限することができるようになっている。上記に説明されているグラインディング・デバイスの中での粉砕サイズMの正確なおよび絶対的な設定は、ここで、複数のマシンに絶対値を提供することを可能にし、それによって、その中央管理および中央制御が簡単化される。
【0056】
本発明は、単一の例示的な実施形態のみを参照して上記でさらに解明されてきたが、本発明は決してそれに限定されないということが明らかになることとなる。対照的に、多くの変形例および実施形態が、本発明の範囲内において、当業者にとって依然として可能である。したがって、電気モーターの代わりに、インデックス付きリニア・アクチュエーターも、調節可能なグラインディング本体部の駆動のために適用され得る。駆動および制御されるアクチュエーターの代わりに、たとえば、調節スクリューも、粉砕サイズの手動調節のための調節手段として適用され得る。すべてのケースにおいて、設定範囲の具体的な(少なくとも検出可能な)制限は、信頼性の高い基準を提供し、その基準からの2つのグラインディング・ディスクの間のクリアランスに関する絶対値が、本発明にしたがって与えられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】