IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シングル・ブイ・ムーリングス・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-514882係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置
<>
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図1
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図2A
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図2B
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図3A
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図3B
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図3C
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図3D
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図4
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図5
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図6
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図7
  • 特表-係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-16
(54)【発明の名称】係留装置のためのヨークプレートアセンブリ及びそのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置
(51)【国際特許分類】
   B63B 21/24 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
B63B21/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535768
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2019086392
(87)【国際公開番号】W WO2020127792
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】18214106.9
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506364042
【氏名又は名称】シングル・ブイ・ムーリングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ボナフォー、ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ドゥカラン、モルガン
(72)【発明者】
【氏名】ボドット、バンジャマン
(57)【要約】
一対の係留索によって水域中の浮遊物を係留するためのヨークプレートアセンブリは、アンカー体に機械的に結合するためのアセンブリプレート、その中心が関節接合部によってアセンブリプレートに枢動的に接続された細長いヨークプレート、細長いヨークプレートの第1の端部に第1のカプラによって接続された第1の近位端を有する第1のレバーアーム、第1の端部とは長手方向に反対の細長いヨークプレートの第2の端部に第2のカプラによって接続された第2の近位端を有する第2のレバーアーム、を含む。その第1の遠位端における第1のレバーアームは、一対の係留索のうちの一方に第1の遠位ジョイントによって接続可能であり、その第2の遠位端における第2のレバーアームは、一対の係留索のうちの他方に第2の遠位ジョイントによって接続可能である。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の係留索によって水域中の浮遊物を係留するためのヨークプレートアセンブリであって、
アンカー体に機械的に結合するためのアセンブリプレート、その中心が関節接合部によって前記アセンブリプレートに枢動的に接続された細長いヨークプレート、
前記細長いヨークプレートの第1の端部に第1のカプラによって接続された第1の近位端を有する第1のレバーアーム、
前記第1の端部とは長手方向に反対の前記細長いヨークプレートの第2の端部に第2のカプラによって接続された第2の近位端を有する第2のレバーアーム、
を備え、その第1の遠位端における前記第1のレバーアームは、前記一対の係留索のうちの一方に第1の遠位ジョイントによって接続可能であり、
その第2の遠位端における前記第2のレバーアームは、前記一対の係留索のうちの他方に第2の遠位ジョイントによって接続可能である、ヨークプレートアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のカプラは、前記細長いヨークプレートの前記第1の端部と前記第1のレバーアームとの間に第1のユニジョイントとして配置され、
前記第2のカプラは、前記細長いヨークプレートの前記第2の端部と前記第2のレバーアームとの間に第2のユニジョイントとして配置される、請求項1に記載のヨークプレートアセンブリ。
【請求項3】
前記関節接合部は、1軸ジョイント、2軸ジョイント、ジンバルジョイント、回転ジョイントから成るグループから選択される、請求項1又は2に記載のヨークプレートアセンブリ。
【請求項4】
前記第1及び第2のカプラの各々は、同一平面上の軸を有するユニジョイントである、請求項1~3のうちのいずれか一項のヨークプレートアセンブリ。
【請求項5】
前記第1及び第2のレバーアームは各々、それらの間に接続解除可能な結合を形成するためのロッドと前記ロッドを受け入れるための受口部とを備え、それにおいて、各受口は、前記細長いヨークプレートの前記第1の端部及び前記細長いヨークプレートの前記第2の端部上のそれぞれの前記カプラにそれぞれ接続される、請求項4に記載のヨークプレートアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のカプラと前記細長いヨークプレートの前記第1の端部との間の前記ジョイントと、前記第1の遠位ジョイントとは、第1の細長いユニジョイントを形成し、前記第2のカプラと前記細長いヨークプレートの前記第2の端部との間の前記ジョイントと、前記第2の遠位ジョイントとは、第2の細長いユニジョイントを形成する、請求項3に記載のヨークプレートアセンブリ。
【請求項7】
前記アセンブリプレートの表面平面に対する前記細長いヨークプレートの傾斜角を所定の最大角度値まで制限するためのストッパ機構を更に備える、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載のヨークプレートアセンブリ。
【請求項8】
前記ヨークプレートアセンブリは、好ましくは、前記関節接合部が傾けられ、且つ前記ヨークプレートが前記係留索の傾斜とアラインされるような形で前記浮遊物に対して実質的に垂直でない傾斜角の下に設定された前記ヨークプレートを有するように構成される、請求項1~7のうちのいずれか一項に記載のヨークプレートアセンブリ。
【請求項9】
浮遊物に取り付けられた少なくとも一対の係留索によって水域中の前記浮遊物を係留するための係留装置であって、前記係留装置は、アンカー体、ヨークプレートアセンブリ、及び前記一対の係留索を備え、
前記ヨークプレートアセンブリは、前記アンカー体に機械的に結合するためのアセンブリプレート、その中心が関節接合部によって前記アセンブリプレートに枢動的に接続された細長いヨークプレート、
前記細長いヨークプレートの第1の端部に第1のカプラによって接続された第1の近位端を有する第1のレバーアーム、
前記第1の端部とは長手方向に反対の前記細長いヨークプレートの第2の端部に第2のカプラによって接続された第2の近位端を有する第2のレバーアーム、
を備え、前記第1のカプラは、前記細長いヨークプレートの前記第1の端部と前記第1のレバーアームとの間に第1のユニジョイントとして配置され、前記第2のカプラは、前記細長いヨークプレートの前記第2の端部と前記第2のレバーアームとの間に第2のユニジョイントとして配置され、
係留中に、その第1の遠位端における前記第1のレバーアームは、前記一対の係留索のうちの一方に第1の遠位ジョイントによって接続され、その第2の遠位端における前記第2のレバーアームは、前記一対の係留索のうちの他方に第2の遠位ジョイントによって接続され、前記ヨークプレートアセンブリは、前記アンカー体に接続され、前記アンカー体は、前記水域の底に配置される、係留装置。
【請求項10】
使用中に、前記係留索の各々は、張力が掛けられてピンと張っている、請求項9に記載の係留装置。
【請求項11】
アンカー体、ヨークプレートアセンブリ、及び一対の係留索を備える係留装置によって水域の底に係留された、前記水域中に浮遊している浮遊物であって、
前記ヨークプレートアセンブリは、前記アンカー体に機械的に結合するためのアセンブリプレート、その中心が関節接合部によって前記アセンブリプレートに枢動的に接続された細長いヨークプレート、
前記細長いヨークプレートの第1の端部に第1のカプラによって接続された第1の近位端を有する第1のレバーアーム、
前記第1の端部とは長手方向に反対の前記細長いヨークプレートの第2の端部に第2のカプラによって接続された第2の近位端を有する第2のレバーアーム、
を備え、前記第1のカプラは、前記細長いヨークプレートの前記第1の端部と前記第1のレバーアームとの間に第1のユニジョイントとして配置され、
前記第2のカプラは、前記細長いヨークプレートの前記第2の端部と前記第2のレバーアームとの間に第2のユニジョイントとして配置され、
その第1の遠位端における前記第1のレバーアームは、前記一対の係留索のうちの一方に第1の遠位ジョイントによって接続され、
その第2の遠位端における前記第2のレバーアームは、前記一対の係留索のうちの他方に第2の遠位ジョイントによって接続され、
前記ヨークプレートアセンブリは、前記アンカー体に接続され、
前記アンカー体は、前記水域の底に配置され、
前記一対の係留索は、前記浮遊物に各々取り付けられる、浮遊物。
【請求項12】
前記係留索の各々は、張力が掛けられてピンと張っており、
前記浮遊物は、自由に浮遊している前記浮遊物の高さに対して、張力を掛けられた前記係留索によって少なくとも部分的に沈められる、請求項11に記載の浮遊物。
【請求項13】
前記浮遊物は、テンションレグプラットフォーム(TLP)浮遊支持構造であり、前記一対の係留索は、前記浮遊支持構造のテンションレグを形成する、請求項11又は12に記載の浮遊物。
【請求項14】
一対の係留索によって水域中の浮遊物を係留するためのヨークプレートアセンブリを製造する方法であって、
アンカー体に機械的に結合するためのアセンブリプレートを設けるステップ、
枢動中心を有する細長いヨークプレートを設けるステップ、
関節接合部によって前記アセンブリプレートに前記細長いヨークプレートを枢動的に接続するステップ、
第1のレバーアームを設け、前記細長いヨークプレートの第1の端部に第1のカプラによってその第1の近位端を接続するステップ、
第2のレバーアームを設け、前記第1の端部とは長手方向に反対の前記細長いヨークプレートの第2の端部に第2のカプラによってその第2の近位端を接続するステップ、
を備え、その第1の遠位端における前記第1のレバーアームには、前記一対の係留索のうちの一方に第1の遠位ジョイントによって接続可能なコネクタが配置され、
その第2の遠位端における前記第2のレバーアームには、前記一対の係留索のうちの他方に第2の遠位ジョイントによって接続可能な第2のコネクタが配置される、方法。
【請求項15】
請求項1~8のうちのいずれか一項に記載のヨークプレートアセンブリの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水域中の浮遊物を係留するためのヨークプレートアセンブリに関する。また、本発明は、そのようなヨークプレートアセンブリを備える係留装置に関する。加えて、本発明は、そのような係留装置によって係留された浮遊物に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,688,250号(Seahorse Equipment Corporation)は、油田及びガス田から回収された油、ガス、及び水を掘削及び処理するための機器を収容するための水面上の1つ以上のデッキを支持する、沖合の油田及びガス田から油及びガスを回収するための浮遊プラットフォームを開示している。プラットフォームは、実質的に水面より下の部分を有し、水面より上に延在する部分を含む中央柱を含む。中央柱は、ベースノードと、そこから外向きに延在する複数のポンツーンとを含み、ポンツーン及び海底に固定された1つ以上のテンドンによって海底に固定される。
【発明の概要】
【0003】
本目的は、一対の係留索によって水域中の浮遊物を係留するためのヨークプレートアセンブリであって、アンカー体に機械的に結合するためのアセンブリプレート、その中心が関節接合部によってアセンブリプレートに枢動的に接続された細長いヨークプレート、細長いヨークプレートの第1の端部に第1のカプラによって接続された第1の近位端を有する第1のレバーアーム、第1の端部とは長手方向に反対の細長いヨークプレートの第2の端部に第2のカプラによって接続された第2の近位端を有する第2のレバーアーム、を備え、その第1の遠位端における第1のレバーアームは、一対の係留索のうちの一方に第1の遠位ジョイントによって接続可能であり、その第2の遠位端における第2のレバーアームは、一対の係留索のうちの他方に第2の遠位ジョイントによって接続可能である、ヨークプレートアセンブリによって達成される。
【0004】
有利には、本発明によるヨークプレートアセンブリは、細長いヨークプレートのそれぞれの端部において各々接続された2つの係留索間での荷重分散の改善を達成することを可能にする。ヨークプレートアセンブリは、2本の係留索の間で引張力を均等に分散させることを可能にし、故に、極限荷重を2倍に分割し、疲労損傷を8倍に分割する。加えて、本発明によるヨークプレートアセンブリは、構造の差又は設置プロセスによる差のうちのいずれかに起因する2つの係留索間の索長の差が補償されることを提供する。これが、係留システムが適切に機能するための基本的な要件であるとき、ヨークプレートアセンブリの存在は、例えば高価なTLPテンドンコネクタを使用することなく、従来の係留コンポーネントを用途に使用することを可能にする。
【0005】
ユニジョイントとしてのカプラの適用は、有利には、各係留索の接続部が2つの垂直平面内で関節接合することを可能にし、それは、係留チェーンが使用される場合、面外曲げ疲労を著しく低減することができる。
【0006】
実施形態では、上述したヨークプレートアセンブリには、1軸ジョイント、2軸ジョイント、ジンバルジョイント、回転ジョイントから成るグループから選択された関節接合部が配置される。有利には、関節接合部は、細長いヨークプレートが、細長いヨークプレートに取り付けることができる係留索の各々に対する異なる引張力により傾斜することができ、このことから、細長いヨークプレート上の係留索の接続部における大きな力のモーメントを抑制することができることを提供する。
【0007】
実施形態では、本発明は、上述したヨークプレートアセンブリを提供し、その第1の遠位端における第1のレバーアームは、一対の係留索のうちの一方に第1の遠位ジョイントによって接続可能であり、その第2の遠位端における第2のレバーアームは、一対の係留索のうちの他方に第2の遠位ジョイントによって接続可能である。
【0008】
実施形態では、本発明は、上述したヨークプレートアセンブリを提供し、第1及び第2のカプラは、同一平面上の軸を有するユニジョイントである。
【0009】
有利には、同一平面上の軸を有するユニジョイントを使用することは、関節接合部間の局所的なレバーアームを除去することによって人工的なモーメント荷重を作成することを回避する。
【0010】
実施形態では、本発明は、上述したヨークプレートアセンブリを提供し、第1及び第2のレバーアームは各々、それらの間に接続解除可能な結合を形成するためのロッドとロッドを受け入れるための受口部とを備え、それにおいて、各受口は、細長いヨークプレートの第1の端部及び細長いヨークプレートの第2の端部上のそれぞれのカプラにそれぞれ接続される。ヨークプレートに結合された受口と、係留索の近位端における整合ロッドとを使用することは、比較的より単純な接続/接続解除方式を可能にする。
【0011】
実施形態では、本発明は、上述したヨークプレートアセンブリを提供し、第1のカプラと細長いヨークプレートの第1の端部との間のジョイントと、第1の遠位ジョイントとは、第1の細長いユニジョイントを形成し、第2のカプラと細長いヨークプレートの第2の端部との間のジョイントと、第2の遠位ジョイントとは、第2の細長いユニジョイントを形成する。細長いユニジョイントとしてのレバーアームと組み合わせたカプラの適用は、有利には、面外曲げ疲労を低減するために各係留索について2つの平面内の関節接合を向上させる。
【0012】
実施形態では、本発明は、アセンブリプレートの表面平面に対する細長いヨークプレートの傾斜角を所定の最大角度値まで制限するためのストッパ機構を更に備える、上述したヨークプレートアセンブリを提供する。
【0013】
ストッパ機構は、有利には、対をなす係留索のうちの一方が接続解除し、全張力がヨークプレートの他の係留索との接続部に伝達される場合に、ヨークプレートアセンブリを機械的損傷から保護する。
【0014】
加えて、本発明は、請求項9に記載の、浮遊物に取り付けられた少なくとも一対の係留索によって水域中の浮遊物を係留するための係留装置と、請求項11に記載の、係留装置によって水域の底に係留された、水域中に浮遊している浮遊物と、請求項14に記載の、ヨークプレートアセンブリを製造する方法とに関する。
【0015】
本発明は、その例示的な実施形態が示される図面を参照して、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリの断面図を示す。
図2A】本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリの斜視図を示す。
図2B】本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリの斜視図を示す。
図3A】本発明の実施形態によるヨークプレート及び関連する関節接合部の側面図を示す。
図3B】本発明の実施形態によるヨークプレート及び関連する関節接合部の側面図を示す。
図3C】本発明の実施形態によるヨークプレート及び関連する関節接合部の側面図を示す。
図3D】本発明の実施形態によるヨークプレート及び関連する関節接合部の側面図を示す。
図4】本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリの側面図を示す。
図5】本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリの側面図を示す。
図6】本発明の更なる実施形態によるヨークプレートアセンブリの斜視図を示す。
図7】本発明の実施形態による浮遊物とヨークプレートアセンブリとを備える係留装置の概略図を示す。
図8】本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリを備える係留装置によって係留された浮遊物の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、特定の実施形態に関して、ある特定の図面を参照して説明されるが、本発明はそれらに限定されない。説明される図面は、概略的なものにすぎず、非限定的である。図面では、要素のうちのいくつかのサイズは誇張され得、例示を目的として原寸通りに描かれていない場合がある。
【0018】
図1は、本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリの断面図を示す。
【0019】
ここに示すように、ヨークプレートアセンブリ100は、海底3上に位置するアンカー体1上に配置される。更に、ヨークプレートアセンブリ100は、浮遊物(図示せず)に取り付けられた一対の係留索又は係留チェーン5a、5bに結合される。
【0020】
ヨークプレートアセンブリ100は、アセンブリプレート10と、ヨークプレート15と、関節接合部20と、第1及び第2のレバーアーム25a、25bと、第1及び第2のカプラ30a、30bと、第1及び第2のリンク35a、35bとを備える。
【0021】
ヨークプレート15は、アセンブリプレート10に結合された中心関節接合部20を有する細長いビームから成る。中心関節接合部20は、ヨークプレート15が係留索の各々に及ぼされる力を平衡させるためにそれを中心として回転することができる中心軸16を備える。
【0022】
各ビーム端17には、円筒形開口部が配置される。円筒形開口部は、中心軸16に平行な回転軸18を保持するように構成される。各回転軸18は、それぞれ第1及び第2のレバーアーム25a、25bのうちの一方の近位端に枢動結合を提供するように構成される。
【0023】
最後に、第1及び第2のレバーアーム25a、25bの各々は、係留索5a、5bのうちの一方に機械的に結合される。
【0024】
有利には、ヨークプレートアセンブリ100は、一対の係留索5a、5b間での荷重分散を向上させる。係留索間の引張力の差は、中心軸16を中心とした回転によって調整することができる。また、係留索5a、5bの長さの差は、ヨークプレートの回転によって補償することができる。
【0025】
実施形態によると、レバーアームの遠位端と関連する係留索との間の結合は、第1の枢軸19によるものである。レバーアームの近位端における結合は、第2の枢軸21を備える。各レバーアーム中で第2の枢軸21が回転軸18に垂直であるように構成することによって、延長されたユニジョイント36a、36bが形成される。有利には、延長されたユニジョイントを有するセットアップを使用することは、第1の枢軸19及び関連する回転軸18を中心とした垂直回転を可能にすることによって、係留中の係留チェーンの面外曲げの抑制を提供する。
【0026】
図2Aは、本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリの斜視図を示す。ヨークプレートアセンブリ内において、ヨークプレート15は、アセンブリプレート10の表面平面から上方に延在する2つのガイドプレート11間に平行に配置される。
【0027】
アセンブリプレート10は、アンカー体1の上に載置される。本発明によると、アンカー体は、当業者によって理解されるように、任意の海底アンカータイプとすることができる。そのようなアンカータイプは、重力アンカー、吸引杭、打ち込み杭、及びハイブリッドアンカー(即ち重力アンカーと吸引杭との混合構造)を含むが、それらに限定されない。
【0028】
実施形態によると、ヨークプレートの平面は、浮遊物に向かう垂直線に対して傾斜角αの下にあり、そのため、ヨークプレートの平面は、係留索の傾斜とアラインされる。このようにして、図2Bに図示するように、平衡位置における力のモーメントが低減されている。
【0029】
図3A~3Dは、本発明の実施形態によるヨークプレート15及び関連する関節接合部20の側面図を示す。本発明によると、関節接合部20は、ヨークプレートのビーム端17における結合の回転軸18に平行な中心軸16に沿って、アセンブリプレートの表面平面12に対するヨークプレートの少なくとも回転を提供するように構成される。
【0030】
図3Aでは、ヨークプレートアセンブリ100が示され、それにおいて、関節接合部20は、ヨークプレートの長さに垂直で且つアセンブリプレートの表面平面12に平行な中心軸16と、中心軸に平行な回転軸18を有するヨークプレートのビーム端17における結合とを有するように構成される。
【0031】
図3Bでは、ヨークプレートアセンブリ100が示され、それにおいて、関節接合部20は、図3Aを参照して上述したような中心軸16と、中心軸に実質的に垂直に延在し且つアセンブリプレートの表面平面12に平行な第2の中心軸16aとを備える。この実施形態では、関節接合部20は、ヨークプレートが第2の中心軸16aを中心とした回転によって傾斜することができることを可能にする。結果として、ヨークプレートアセンブリは、ヨークプレート15のビーム端17における係留索接続部での大きなモーメントを抑制することが可能である。
【0032】
図3Cでは、ヨークプレートアセンブリ100が示され、それにおいて、関節接合部20は、ヨークプレート15が表面平面12に対してその向きを変化させ、係留索又はチェーン5a、5bの方向(の変化)とアラインすることを可能にするためのジンバルの構成を備える。
【0033】
図3Dでは、ヨークプレートアセンブリ100が示され、それにおいて、関節接合部20は、ヨークプレート15が表面平面12に対してその向きを変化させ、係留索の方向(の変化)とアラインすることを可能にするための回転ジョイントを備える。
【0034】
図4は、本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリの側面図を示す。
【0035】
この実施形態では、ヨークプレートアセンブリは、同一平面上の軸16cを有するユニジョイントとして、即ち互いに垂直であり且つ同じ平面内で回転する一対の軸(即ちジンバル)として各々具現化される第1及び第2のカプラ30a、30bを備える。そのようなユニジョイントでは、2つの同一平面上の関節接合部が、ヨークプレート15のそれぞれのビーム端17に一体化され、レバーアーム25a、25bに接続される。耐用年数の間、このユニジョイント構成は、レバーアームに取り付けられた係留チェーンを面外曲げによる損傷から保護することができる。
【0036】
図5は、本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリの側面図を示す。この実施形態では、ヨークプレートアセンブリ100は、図4を参照して上述したように、同一平面上の軸16cを有するユニジョイントとして各々具現化される第1及び第2のカプラ30a、30bを備える。加えて、レバーアーム25a、25bは、ロッド26と受口27とから成る。ロッド26は、係留索の近位端6にあるように構成される。受口27は、ユニジョイント30a、30bに結合され、ロッド26の頭部28を受け入れることが可能である。例えば、受口27は、ロッドの頭部28を受口27中に固定することを保証するための逆転ラチェットシステム29を備える。このことから、ロッド26の頭部28と受口27との間に接続可能な結合が形成される。ユニジョイントの各々では、受口27は、細長いヨークプレート15の対応するビーム端17上のそれぞれのカプラ30a、30bに接続される。接続可能カップリングは、係留索のヨークプレートアセンブリとの/からの海中接続の動作を簡略化する。
【0037】
図6は、本発明の更なる実施形態によるヨークプレートアセンブリ100の斜視図を示す。この実施形態では、先の図に関連して説明されたヨークプレートアセンブリ100は、係留索間の引張力の差が大きい場合にヨークプレートの最大傾斜を制限するストッパ機構40を備える。
【0038】
図6に示すように、ストッパ機構40は、2つの細長いスロット42と、2つの関連する丸いスライダピン44とから成る。各細長いスロット42は、関連するスライダピン44のうちの1つがヨークプレート15上に取り付けられた位置に対応する位置における平行ガイドプレート11のうちの少なくとも1つ中に配置される。スライダピン44の各々は、ヨークプレート15からガイドプレート11に垂直に延在し、関連する細長いスロット42に挿入される。中心軸16を中心としたヨークプレート15の回転は、スライダピンがそれに沿って移動することができる細長いスロットの長さ42bによって制限される。
【0039】
代替的なストッパ機構(ここでは図示せず)は、アセンブリプレート10とヨークプレートのそれぞれのビーム端17との間に結合された一対のストッパチェーン又は索によって形成することができる。各ストッパチェーン又は索の長さは、ヨークプレート15が達することができる最大回転角度を制限する。
【0040】
図7は、本発明の実施形態による浮遊物50とヨークプレートアセンブリ100とを備える係留装置の概略図を示す。
【0041】
係留装置は、一対の係留点72が配置された浮遊物50を含む。係留点72の各々は、係留索73、74に接続するように構成され、それにおいて、一方の係留点は、第1の係留索73の近位端75に接続し、他方の係留点は、第2の係留索74の近位端76に接続する。第1及び第2の係留索73、74は、それらのそれぞれの遠位端77、78においてヨークプレート15のそれぞれのビーム端17に接続する一対の係留索を形成する。このことから、第1及び第2の係留索は、浮遊物50とヨークプレートアセンブリ100との間で平行に延びる。このようにして、2つの平行な係留索73、74を備えるテンションレグを形成することができる。
【0042】
更なる実施形態によると、第1及び第2の係留索73、74の各々は、近位チェーン部分80と、鋼線ロープ部分81と、遠位チェーン部分82とを備え、それにおいて、近位チェーン部分80の一端は、鋼線ロープ部分81の一端に結合され、鋼線ロープ部分81の他端は、遠位チェーン部分82の一端に結合される。近位チェーン部分80の他端は、チェーンコネクタ83によってクロスバー上の係留点に結合される。
【0043】
遠位チェーン部分82の他端は、ヨークプレートアセンブリ100におけるヨークプレート15の対応するビーム端17のレバーアーム25a、25bの遠位端に結合される。
【0044】
図8は、本発明の実施形態によるヨークプレートアセンブリ100を備える係留装置60によって係留された浮遊物50、90の概略図を示す。
【0045】
海2上に浮かぶ浮遊物50、90は、その係留点51の各々において、関連するヨークプレートアセンブリ100に結合される。各係留点51において、浮遊物50、90は、一対の係留索又は係留チェーン5a、5bによってヨークプレートアセンブリ100のヨークプレート15の対応するビーム端17に結合される。係留索は、図7を参照して上述したのと同じ形で構築され得る。
【0046】
各ヨークプレートアセンブリは、そのアセンブリプレート10によって、海底3に配置された対応するアンカー体1に取り付けられる。
【0047】
浮遊物50、90は、係留点51とアンカー体1との間で係留チェーン5a、5bに張力を掛けることによって、テンションレグプラットフォーム(TLP)として配置することができるか、又はTLP構成を有することができる。本発明によるヨークプレートアセンブリは、係留チェーンなどの従来の係留コンポーネントを使用することができることを可能にする。有利には、本発明による係留装置は、テンドン間の荷重を平衡させるために特注で高価なテンドンコネクタを必要とする従来のTLPと比較して、コストを著しく低減することができる。
【0048】
実施形態では、浮遊物50、90は、係留点を設けられた浮力タンクを装備された浮遊フレーム上に載置された風力タービンを有する構造を備える。
【0049】
いくつかの実施形態を参照して本発明を説明してきた。前述の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者には明らかな修正及び変更が思い浮かぶであろう。本発明は、添付の特許請求の範囲内に入る限り、全てのそのような修正及び変更を含むものとして解釈されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】